JP5326429B2 - 電動機の脈動抑制装置 - Google Patents

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Description

本発明は、回転機械を駆動する電動機(回転電気機械)のトルク制御装置において、電動機パラメータに起因して発生するトルク脈動などを抑制する装置に関する。
電動機は、構造的な磁束の歪みやコギングトルクを持つため、回転に応じて振動・騒音の一因となるトルク脈動を発生する。また、電動機と負荷との間で多慣性系が構成される場合、その機械系共振点とトルク脈動周波数成分が一致することで過大な軸ねじれトルクが発生し、運転特性上の悪影響やシステム破損の危険がある。
これらの問題を解決するために、フィードバック制御による軸ねじれ共振抑制手法や、共振の基となるトルク脈動自体をフィードバック制御で低減する手法がある。しかし、フィードバックによる共振抑制方法では、共振周波数とインバータの応答周波数が近い場合、または制御系のサンプリング時間を充分に短くできない場合に共振抑制が困難になる。
これらの課題を解決するため、IPMモータ出力のトルクリップルを打ち消す補償信号をフィードフォワード制御でIPMモータのd、q軸電流指令またはトルク指令に加えるようにしたものがある(例えば、特許文献1参照)。
一方、電動機に発生するトルク脈動は、モータ構造の磁気的な不完全性や、それを駆動するインバータの応答・電流誤差、機械系の特性など、様々な要因が複雑に関連している。ただし、電動機の脈動周期に着目すると、主に回転子位置に依存して発生することが分かっており、これを周期的な外乱と見なして繰り返し補償信号を生成する方法が従来から考えられている。
繰り返し制御器によって脈動補償信号を学習する手法は公知の事実となっているが、全周波数領域に対してそのまま適用すると不安定になることも知られている。そこで、例えばフーリエ変換によって特定の周波数成分を抽出し、その周波数成分に対してのみ繰り返し制御器を適用する手法が提案されている(例えば、非特許文献1参照)。この手法によれば、ゲイン等を調整することで繰り返し制御器を安定に動作させることが可能であり、任意の脈動周波数成分を個別で補償することができる。
また、トルク脈動の検出値をフーリエ変換し、そのフーリエ係数をPI制御器によって制御する手法もある(例えば、特許文献2参照)。このブロック構成を図17に示し、テンション指令Tsと検出信号Tfの偏差に応じてPI制御部に電流指令Isを得、これを電流制御部ACRでモータMの電流を制御するテンション制御装置において、テンションセンサで検出するテンションに含まれる脈動の正弦項係数と余弦項係数を算出し、これらと指令値「0」との偏差をPI制御で求め、これらを正弦波信号と余弦波信号に変換して電流指令の正弦波および余弦波補正値として加算する構成としている。
特開2007−267466号公報 特公平8−17585号公報 フーリエ変換を利用したパラメータ自動調整機能付き繰り返し制御によるPMSMの振動抑制制御、電学論D,121巻3号,平成13年、p.347〜355
上記の非特許文献1による手法では、フーリエ変換等で抽出した任意の振動周波数成分を、繰り返し制御によって学習して補償するが、繰り返し波形そのものを学習対象としているため、その波形の形状を記憶するためのメモリが多数必要となる。例えば、非特許文献1では振動補償信号1周期あたり420個のメモリを要しており、補償したい次数が増えるほど必要となるメモリ領域も増加する。
また、繰り返し制御器の出力が発散しないように、制御ゲインと出力位相の両方を調整している。機械系の特性によっては、特に共振点などの前後で位相特性が大きく変化するため、望ましいゲインと位相に調整する必要がある。なお、非特許文献では主にモータフレームに取り付けた加速度センサを用いることによって、そのフレームの振動を抑制することに主眼を置いている。
この点、上記の特許文献2では、トルク脈動の検出値をフーリエ変換し、そのフーリエ係数を古典的なPI制御器によって制御する手法を用いている。この手法では、フーリエ変換することで正弦・余弦の2つのフーリエ係数を導くことができるため、これらの係数が2つともゼロとなるようにPI制御すれば、その周波数成分のトルク脈動を抑制できる。ただし、特許文献2には、PI制御パラメータの調整手法について提案されておらず、厳密なパラメータ調整を必要としない単純なシステムへの適用に限定されるものである。例えば、PI制御パラメータを無調整にしたトルク脈動抑制装置を多慣性系システムに適用すると、機械共振点で過補償となるか、逆に不安定振動を引き起こす原因となる。
また、電動機の中でも特に埋込磁石式同期電動機は、永久磁石によるトルクだけでなく、磁気的異方性を用いたリラクタンストルクも有効活用できる高効率な電動機である。その反面、トルク脈動の観点からは、マグネットトルク脈動とリラクタンストルク脈動の双方が複合的に発生する。例えば特許文献2では、単に電流指令値に脈動補償電流を重畳することのみが記述されており、埋込磁石同期電動機のリラクタンストルクとマグネットトルクの脈動が補償電流によって干渉する問題にも触れられていない。また、回転座標変換したdq軸でベクトル制御することが明記されていない。したがって、埋込磁石同期電動機の場合は必ずしも最適にトルク脈動を抑制できるとは限らず、他の周波数成分へ悪影響を与える可能性もある。
本発明の目的は、トルク脈動成分をフーリエ係数の形で検出し、このフーリエ係数の大きさを「0」とするPI制御器の出力にトルク脈動補償信号を得る脈動抑制装置において、トルク脈動補償信号などの干渉や振動、発散を回避した安定化制御を確実、容易にした電動機の脈動抑制装置を提供することにある。
本発明は、前記の課題を解決するため、電動機のトルク脈動などを任意の次数成分についてフーリエ変換で抽出し、そのフーリエ係数が「0」となるように学習制御し、この制御で得られるトルク脈動補償信号などをインバータの電流指令に加えるようにしたもので、以下の脈動抑制装置を特徴とする。
(1)電動機の指令値をベクトル制御における回転座標系のd,q軸電流成分に変換する電流指令値変換部と、前記電流指令値変換部の出力をd,q軸電流指令値とし、この電流指令値とインバータの出力電流検出値とから電動機の電流制御を行うインバータとを備えた電動機の脈動抑制装置において、
電動機の脈動を任意の次数成分についてフーリエ変換で抽出し、そのフーリエ係数が0となるように学習制御し、この制御で得る脈動補償信号をインバータの電流指令に加える脈動抑制手段を備え
前記脈動抑制手段は、前記学習制御が発散して脈動を抑制できない場合は、制御器のゲインの極性を切り換えて、安定収束方向に変更する手段を備えたことを特徴とする。
(2)前記脈動抑制手段は、d軸電流指令値あるいはq軸電流指令値あるいはd軸q軸電流指令値の双方に前記脈動補償信号を重畳する手段を備えたことを特徴とする。
(3)前記脈動抑制手段は、前記脈動補償信号を異なる周波数成分に適用し、それらを並列化して、同時に複数の周波数成分の脈動を抑制する手段を備えたことを特徴とする。
(4)前記脈動抑制手段は、前記脈動補償信号を学習した後、この脈動補償電流のフーリエ係数をメモリに記録しておき、負荷トルクまたは回転数に応じて適切なトルク脈動補償信号のメモリ値を読み出してフィードフォワード制御する手段、またはフィードバック制御とフィードフォワード制御を切り換える手段を備えたことを特徴とする。
(5)前記脈動抑制手段は、前記学習制御を任意の回転数ごとに複数記録しておき、2次元テーブル化して、運転状態に併せて逐次メモリから最適な脈動補償信号のフーリエ係数を読み出して補償電流を再現し、電流指令値に重畳する手段を備えたことを特徴とする。
(6)前記脈動抑制手段は、前記学習制御が発散して脈動を抑制できない場合は、PID制御等の制御器のゲインの極性を切り換えて、安定収束方向に変更する手段を備えたことを特徴とする。
(7)前記脈動抑制手段は、前記ゲインの極性切り換えは、脈動検出の振幅値を用いて自動的に判定する手段を備えたことを特徴とする。
(8)前記脈動抑制手段は、前記学習制御の発散防止処理に加えて、制御器のゲインの大きさを自動的に判定・調整して、学習速度を速める手段を備えたことを特徴とする。
(9)前記脈動成分は、電動機の軸トルク検出値とし、電動機の軸トルクの脈動を抑制することを特徴とする。
(10)前記脈動成分は、電動機のフレームの脈動成分とし、電動機のフレームの脈動を抑制することを特徴とする。
(11)前記脈動成分は、電動機の回転速度検出値、あるいは回転位置検出値の脈動成分とし、電動機の速度の脈動あるいは回転位置の脈動を抑制することを特徴とする。
(12)前記脈動成分は、電動機の電流の脈動成分とし、電動機の電流の脈動を抑制することを特徴とする。
以上のとおり、本発明によれば、電動機のトルク脈動などを任意の次数成分についてフーリエ変換で抽出し、そのフーリエ係数が0となるように学習制御し、この制御で得るトルク脈動補償信号などをインバータの電流指令に加えるようにしたため、トルク脈動補償信号などの干渉や振動、発散を回避した安定化制御が確実、容易になる。
(基本構成)
本発明の実施形態を説明する前に、本発明による脈動抑制装置の基本構成を説明する。
図1は、本発明における電動機のトルク脈動抑制手段を備えたトルク制御装置の構成である。トルク脈動の発生源となる電動機1と、何らかの負荷装置2をシャフト3で結合し、その軸トルクをトルクメータ4で計測してコントローラ5に入力する。また、ロータリエンコーダ等の回転位置センサ6を用いて電動機の回転子位置情報を入力する。コントローラ5は、トルク脈動抑制手段を搭載し、トルク指令値(あるいは速度指令値)に基づいて生成された電流指令値に、トルク脈動補償電流を上乗せした指令値をインバータ7に与える。図1の例では、インバータ7で電流ベクトル制御することを考慮して、電動機の回転に同期した回転座標(直交dq軸)上のd軸、q軸電流指令値id*、iq*を与えている。
コントローラ5は、軸トルクメータ4のフィードバックによりトルク脈動を検出しているが、この形態はあくまで一例であり、フレームに設置した加速度センサによる振動検出、エンコーダ等による回転速度変動検出、あるいは電流センサによる電流脈動検出に置き換え、電動機の軸の脈動抑制や電動機のフレームの脈動抑制、電動機の速度の脈動抑制あるいは回転位置の脈動抑制、電動機の電流の脈動抑制をすることが可能である。
図1の装置構成において、トルク脈動は電動機の構造上、回転子位置に応じて周期的に発生することが知られている。また、3相モータのトルク脈動は、主として電気的な回転基本周波数の6×n倍(nは正の整数:以後、6倍成分を6f、12倍成分を12fといったように表現する)の周波数成分が大きくなることも知られている。そのほか、インバータの不完全性などにより、1f、2fトルク脈動が現れることもある。また、図1のように軸ねじれ共振が起こり得るシステムにおいては、機械共振点に近い脈動成分が増幅されて現れる。
本発明では、これらの様々な周波数成分が入り交じったトルク脈動をフーリエ級数展開に基づいて抽出する。すなわち、図1における軸トルクメータ4の検出値Tdetを、電動機回転子位相θ?の情報を用いて任意次数毎のフーリエ変換を行う。ここで、フーリエ級数は以下の式で定義される。ωは電気角周波数、Trは任意に定義される脈動成分の1周期を意味する。
Figure 0005326429
ただし、
Figure 0005326429
数式2で示されるフーリエ係数TAn、TBnは、電動機回転数および周期的外乱である脈動成分が任意期間で一定であれば直流値を出力することに着目する。仮に何らかの制御を与えてこれらの係数がどちらも0で定常となれば、その周波数成分のトルク脈動は抑制されたことを意味する。
そこで、本発明では、電動機の出力に発生したトルク脈動成分のフーリエ係数が両方(正弦・余弦)とも0となるように学習制御し、この制御で得られるトルク脈動補償信号をインバータの電流指令に加える手法を提供する。この手法は前記の特許文献2における図17と類似するが、本発明では埋込磁石同期電動機への対応、ベクトル制御インバータの多慣性系システムへの対応、制御性能改善などを実現する。
まず、本発明のフーリエ係数学習制御について説明する。図2は、フーリエ係数学習制御方式の基本構成例である。同図において、正弦・余弦波生成器11では、電動機の回転子位相角θと、抑制したい脈動成分の次数nを設定し、基準となる正弦・余弦波を生成する。フーリエ変換部12では、この正弦・余弦波および任意のフーリエ変換周期を設定して、トルク検出値Tdetを数式2に基づきフーリエ変換し、n次のフーリエ係数TAn、TBnを演算する。ここで、数式2のフーリエ変換の積分処理を適度な時定数を持つ低周波数域通過フィルタ(ローパスフィルタ)に置き換えることも可能であることを示唆しておく。
次に、これらの脈動成分のフーリエ係数が目標値0(すなわち脈動を抑制)となるようにPI制御器13A,13Bで各々制御する。PI制御器13A,13Bの構成方法は、位置形、速度形、あるいは比例先行I−P形など様々であるが、本発明ではその形式に拘らず、任意のPI制御系またはPID制御系でトルク脈動のフーリエ係数を0に制御する。2つのPI制御器13A,13Bの出力IAn、IBnはそのまま補償電流信号のフーリエ係数として、フーリエ変換部12と同じ正弦・余弦波をそれぞれ乗算器14A,14Bで乗算して逆変換する。つまり、時間波形の補償電流信号として復元する。復元した脈動補償電流はベクトル制御インバータのd軸あるいはq軸電流指令値に重畳する(図2は、q軸電流指令値に重畳した例である)。ここでは、重畳する前のd軸、q軸電流指令値をそれぞれIdo、Iqoと定義し、これらは指令値変換部15でトルク指令値から任意の配分でd,q軸電流指令値に変換したものを用いる。例えば、指令値変換部15は最大トルク制御を実現する指令値変換テーブル等で構成される。なお、インバータ部16は3相から回転座標変換したd軸q軸において電流ベクトル制御を実現し、電動機負荷17を駆動する一般的な電動機駆動装置である。
ここで、例えばトルク脈動補償信号をトルク指令値に重畳することも可能である。電動機が表面磁石同期電動機の場合であれば、通常はd軸電流id=0で制御するため、トルク指令値へ重畳した脈動補償信号はq軸電流指令値に重畳することと同様に扱うことができる。しかしながら、埋込磁石同期電動機の場合は磁石によるトルクだけでなく、リラクタンストルクも活用するためにd軸電流を流す。その際、トルク指令値に脈動補償信号を重畳してしまうと、トルクから電流指令への変換時に運転状況に応じた一定の割合でd軸、q軸の双方に脈動補償信号を分配して重畳することになる。
このように、d軸とq軸の脈動補償信号を無考慮に分配して重畳すると、互いの補償信号が干渉して新たな脈動の発生要因となる。この干渉について、前記の特許文献2では、例えば埋込磁石同期電動機のインバータベクトル制御駆動時の上記課題に関する説明がなく、図17では直交dq座標上の直流電流指令値に重畳する旨が明示されていない。
次に、トルク脈動発生メカニズム、ならびに補償信号の生成方法について説明する。
埋込磁石同期電動機のベクトル制御における一般的なトルク式は以下で示される。
Figure 0005326429
ただし、Ψ:永久磁石による鎖交磁束数、Ld:d軸インダクタンス、Lq:q軸インダクタンス、id:d軸電流、iq:q軸電流
埋込磁石同期電動機においては、用途・目的に応じてd軸電流とq軸電流の割合を制御する必要がある(例えば、最大トルク制御を実現するなど)ため、別途に適切な指令値を与える必要がある。トルク脈動補償信号を重畳する際も、d軸、q軸電流が干渉しないように別途に考える必要がある。
また、上記の式は、Ψ、Ld、Lqが平均値で簡略化された定常トルクであり、電動機パラメータの歪みによるトルク脈動は式に表されていない。そこで、例えば、前記の特許文献1では、磁束Ψには回転子位相θに依存した歪み成分があるとして、それを抑制するような補償信号を各軸の電流指令値id、iqに重畳している。しかしながら、インダクタンスLd、Lqの歪み成分が考慮されていないため、厳密にはトルク脈動補償誤差が生じると考えられる。
埋込磁石同期電動機の3相電圧方程式は以下のように表すことができる。
Figure 0005326429
ただし、[v]:3相電圧、[i]:3相電流、[L]:インダクタンス行列、[ψ]:永久磁石鎖交磁束、R:巻線抵抗、p:微分演算子
ここで、電動機のパラメータである「Ψ:永久磁石による鎖交磁束数」、「L:インダクタンス」が何らかの歪み成分を持っているとして、以下のように級数展開した式を仮定する。
Figure 0005326429
ただし、l:漏れインダクタンス、θ:回転子位相、n:フーリエ級数の次数
上記を回転座標変換(3相→直交dq軸座標変換)して行列表現で整理すると、以下のようになる。
Figure 0005326429
ただし、[Vdq]:dq軸電圧、[idq]:dq軸電流
入力電力、出力電力、巻線損失、蓄積される磁気エネルギーを考慮し、エネルギー保存則から以下の式を導く。
Figure 0005326429
ただし、Pm:出力電力、Pi:入力電力、Pr:損失電力、PL:蓄積される磁気エネルギー相当の電力
数式6、7から、トルクTを求めると以下となる。
Figure 0005326429
数式4、5で定義した級数展開式を数式8に代入して整理すると、最終的にはトルクTは以下の式で表される。
Figure 0005326429
ここで、数式9の下線部はトルク脈動項ΔTを表しており、各係数は以下のとおりである。
Figure 0005326429
係数のサフィックスは、回転位相θに基づいて級数展開した次数を示している。また、τcogはコギングトルクを示しており、その周波数成分は電動機のスロット数と極数に関連するが、ここでは一般性を考えて「6」の整数倍周波数で表す。(以後、回転基本波のn倍の脈動成分をnfと表現する。例:6倍成分→6f)
このように、電動機に起因したトルク脈動項は、基本的に3の倍数と6の倍数の周波数成分の正弦・余弦多項式で表現できることが分かる。
次に、上記のトルク脈動項ΔTに基づいて、ΔT=0とするための補償信号を考える。埋込磁石同期電動機では、d軸、q軸電流指令値の2つがあるため、補償信号もその両方に与えることができる。そこで、各軸の脈動補償信号をidc:d軸脈動補償電流、iqc:q軸脈動補償電流とし、これらを元の定常的なdq軸電流指令値に重畳するため、ここでは所望する理想の電流指令値をIdo、Iqoとする。すなわち、電流指令値を以下の式で表現する。
Figure 0005326429
これを、数式9の電流部に代入して整理すると、以下の数式12になる。ただし、ここでは例として、トルク脈動の支配的な成分である6f成分についてのみ着目し、補償電流は定常電流よりも十分に小さい条件(Ido>>idc、Iqo>>iqc)を与えてマクローリン展開した1次近似式を用いている。
Figure 0005326429
上記の数式12の下線部がトルク脈動項を示しているが、数式9の元のトルク脈動項と比較すると、補償電流信号idc、iqcを重畳したことによって新たな脈動成分が発生していることが分かる。したがって、補償電流を重畳した影響も予め考慮して総合的に脈動を抑制するには、数式12の下線部のトルク脈動項を0とするように補償式を考えなければならない。
以上から、本発明では、インバータ駆動ベクトル制御を前提としたd軸、q軸電流およびそれらに重畳するトルク脈動補償信号について、各軸の干渉を明確に考慮してトルク脈動抑制を実現する。
(実施形態1)
本実施形態では、図2に示すような制御構成で、ベクトル制御インバータのq軸電流指令値のみに脈動補償電流を重畳する。数式12のトルク脈動項にidc=0を代入し、トルク脈動項が0となるようなiqcを求めると以下の数式13となる。
Figure 0005326429
数式13は6n次成分の脈動に着目したものであるが、q軸電流補償式も同次数のsin6nθ、cos6nθの多項式で構成されているので、近似的には脈動と同じ周波数成分の補償電流を流せばトルク脈動を抑制できることが分かる。すなわち、図2のごとく同一周波数成分のフーリエ変換および逆フーリエ変換でトルク脈動成分検出と脈動補償電流信号iqcを生成して、q軸電流指令値Iqoに重畳すれば、トルク脈動を抑制できる。
本実施形態の動作波形例を図3に示す。図3の例では12次の脈動を抑制している。1段目は軸トルク波形、2段目は12次成分のフーリエ係数、3段目は脈動補償信号のフーリエ係数、4段目はトルク脈動値の評価関数(フーリエ係数の2乗平均平方根)である。
図3によれば、抑制制御開始とともにトルク脈動フーリエ係数は目標値0に収束を始め、軸トルク脈動を大幅に低減していることがわかる。また、補償信号のフーリエ係数も脈動補償に最適な定常値に落ち着く。このように、接続された機械特性が十分に把握できない場合でも、PIゲインを適切に調整すれば時間の経過とともにトルク脈動補償信号を学習して、トルク脈動を低減することができる。
(実施形態2)
図2の制御構成では、q軸電流指令値Iqoにトルク脈動補償信号iqcを重畳した。例えば永久磁石同期電動機では、永久磁石による磁束とq軸電流で強力なマグネットトルクを発生するため、トルク脈動補償電流についてもq軸電流に重畳する方が、少ない補償電流で抑制効果が得られる利点がある。しかしながら、高負荷運転時ではq軸電流への重畳が困難となる局面もあり得る。
そこで、本実施形態では、図4のように、PI制御器出力をd軸補償信号idcの係数として、d軸理想電流指令Idoに重畳する。
本実施形態によれば、実施形態1と同様の脈動抑制効果が得られるとともに、q軸電流指令が飽和する状況で代替的に補償電流をd軸側に負担させて脈動を抑制することができる。
(実施形態3)
トルク脈動補償電流指令に関して、実施形態1ではq軸側のみ、実施形態2ではd軸側のみに指令値を与えているが、d軸電流、q軸電流の双方に脈動補償信号を与えることも可能である。ただしこの場合は、d軸とq軸の補償電流が互いに干渉しないように重畳する必要がある。
フーリエ変換によって得られる任意周波数の脈動成分の係数は2つのみであるので、PI調整器で出力できる補償電流のフーリエ係数も2種類である。そこで、本実施形態では図5に示すように、乗算器14A〜14Dによって、d,q軸電流の双方の脈動分を補償する補償信号を与える。すなわち、idc、iqcの係数、合計4つを個別に指定できることが望ましいが、前述の通りPI制御器2つで実現する必要があるので、図5の構成で、idc、iqcをdq軸平面上で円を描くように合成して補償電流を与える。PI制御器13A,13Bでは、その振幅(円の半径)と位相(円周の位置)を調整対象とするので、検出したトルク脈動周波数成分に応じて脈動補償信号を形成することができる。
なお、図5は実施形態の一例であり、d軸、q軸電流の双方のベクトルで脈動を補償する構成とするのが好ましい。
本実施形態によれば、d軸q軸の双方に補償信号を与えて脈動を抑制することができる。制御の適用状況によっては、実施形態1、2よりも高精度な脈動補償を実現できる可能性がある。
(実施形態4)
実施形態1〜3はひとつの周波数成分のみに着目して脈動を抑制していたが、本実施形態では複数の次数成分を同時に抑制する。
図6は、実施形態1の構成を複数次数に対応させた例であり、位相角1θ、2θ、6θ、10θ、12θの脈動成分について補償演算部18A〜18Eで演算し、これらを加算器19で互いに重畳させて補償信号iqcを得る。これにより、実施形態1の構成を並列に接続することで、各次数別に同時に抑制することができる。なお、実施形態2、3の補償演算も同様に複数の補償演算部で構成することができる。
図7は本実施形態のトルク脈動抑制効果を周波数解析した結果である。本例で同時に脈動補償した対象次数は、1f、2f、6f、10f、12fであるが、補償する次数は任意である。図7の結果からも分かるように、抑制対象次数の脈動は抑制前に比べて大幅に低減されている。
実施形態1の数式13で示したように、ある次数の脈動成分を厳密に抑制するためには、脈動と同じ周波数成分の正弦/余弦波で構成される多項式、すなわち若干の歪み波形を含有した脈動補償式に従って重畳する必要がある。しかしながら、数式13に示される電動機パラメータの歪みを精密に求めることは難しく、インバータの応答遅れも存在するので、実施形態1〜3のような単一の周波数成分の補償電流で近似する方法が現実的である。ただし、この近似が補償誤差を生じる原因となり、特に上述の補償式の歪み成分は結果として他の周波数成分に影響することになる。
そこで、本実施形態のように複数の次数を同時に抑制すれば、こうした悪影響を低減することができる。
(実施形態5)
軸トルク検出値をフィードバックして最適なトルク脈動の補償信号を学習生成するには、図3で示したとおり、ある一定の学習時間を必要とする。その期間は電動機回転数、負荷などの動作条件を定常状態に保持しておく必要がある。つまり、常時フィードバック制御で可変速運転する用途や、急峻な負荷変動が継続する用途には適さない。
そこで、本実施形態では、PI制御出力(補償電流のフーリエ係数)の応答が定常値に落ち着くまでの時間を学習時間として、学習が完了した後の2つのフーリエ係数の値をメモリに記録し、それ以降は動作条件に応じて学習済みのメモリ値を読み出してフィードフォワードによるトルク脈動抑制制御を行う。実施形態2〜4についても同様に実施可能である。
図8は、実施形態1をベースに本実施形態の内容を適用した場合の実施形態例である。同図において、脈動補償電流のフーリエ係数IAn、IBnは直流値であるので、学習時間が極度に長くならない程度で十分大きな時定数を持つ低周波数域通過フィルタ(LPF)20を介して、フィードバック学習時のノイズや微少な過渡応答を除去する。その除去した定常値をメモリ21に記録する。一旦、学習した後は、メモリ21からの読み出し値にセレクタ22A,22Bを切り換えて、フィードフォワード制御で脈動を抑制する。
同様に、任意の動作点(次数、回転速度、負荷トルク)で学習してメモリに記憶し、テーブル化する。動作状態に応じて、適切なメモリをテーブルから読み出せば、トルクフィードバック学習制御を行うことなく抑制することができるとともに、可変速運転や負荷急変時にも素早く対応できる。
本実施形態によれば、任意動作点で各々学習記録済みのメモリ値を用いることにより、学習時間を要することなく適宜その動作点で最適なトルク脈動補償電流を与えることができる。また、可変速運転や負荷トルク急変で生じるフィードバック時の不安定動作を回避することができる。学習済み補償電流フーリエ係数を回転数・負荷に対する2次元テーブルで保存しておけば、トルク−電流指令変換部のテーブルデータとして組み込むことも可能であり、そのシステムに対しては常に脈動低減に関する最適な電流指令変換テーブルを提供することができる。
(実施形態6)
本実施形態では、実施形態5において、脈動補償電流のフーリエ係数IAn、IBnをメモリに記録するタイミングを自動化するために、トルク脈動検出値フーリエ係数の2乗平均平方根:RMS(数式14)を用いて、メモリ書き込みタイミングを生成する。
Figure 0005326429
図9は、実施形態5をベースに本実施形態を適用した場合の構成例であり、図3の4段目の波形は、数式14で示される評価値の動作例である。図3のように、RMS評価部23は、脈動補償信号のフィードバック学習制御開始前のRMS評価値を記憶しておき、その値に対して任意の低減効果が得られており、かつ、十分な時間が経過した場合にメモリ書き込み指令を与える。
設定例としては、制御後RMS値が制御前RMS値の0.5倍以下となり、10秒が経過したらメモリに書き込む、といったように設定する。あるいは、制御開始前後の相対評価だけでなくRMS値の絶対量を併用して評価することも可能である。
本実施形態によれば、トルク脈動検出値の評価値と時間情報を用いて、フィードフォワード制御用補償信号のメモリ書き込みタイミングを自動化することができる。
(実施形態7)
前記の図17の特許文献2では、PIゲイン調整方法について示されていない。例えば、図1のようなシステムを、電動機と負荷による2慣性系システムとして捉えた場合、軸トルク検出値はその機械特性に依存して共振点を持ち、任意動作点でゲインや位相特性が急変する。したがって、機械特性が不明のままフィードバック学習制御を行うと単純に安定とはならず、逆に発散方向に脈動補償してしまうケースもあり得る。
そこで、本実施形態では、実施形態6で用いたRMS評価値を用いて自動的に適切な補償方向に修正するものである。
図10は、実施形態6をベースに本実施形態を適用した場合の構成例である。RMS評価&ゲイン調整部23Aは、学習制御開始前と開始後のRMS値の増減状態を判定する。図3の4段目の波形で示したように脈動が収束方向に向かえば、PIゲインの極性が正しいことを意味するが、機械特性によっては逆に制御前よりも大きく発散する場合がある。
そこで、RMS評価&ゲイン調整部23Aは、任意閾値(例えば学習制御開始前の1.5倍の値)を設定して発散状態を判定し、閾値を超えた場合はフィードバック学習制御を一旦停止し、PI制御部のPIゲインの正負符号を反転して再学習を行う。
本実施形態の動作を説明するために、例としてPI制御器を速度形とした場合の制御構成図を図11に示す。図11の制御構成の場合、比例ゲインKpaとKpbの極性の組み合わせから、図11中に示すような4パターンが考えられる。
接続されるシステム状態に応じて、比例ゲインの符号を4パターンのsign=1〜4のいずれかのパターンを適用する。仮にRMS評価値が発散方向となった場合は、他の符号パターンに切り換えて、収束方向となる適切な符号パターンが発見されるまで切り換えを継続する。
本実施形態によれば、機械システム特性によって引き起こされる発散現象を自動的に収束方向に変更し、トルク脈動補償電流の学習制御を適切に完了することができる。
(実施形態8)
機械システムの特性が十分に把握できない場合、図10、図11におけるPI制御ゲインを初めから最適に調整することは難しい。そこで、本実施形態では、安全性を考えて初期値として十分に小さなPIゲインを設定しておき、トルク脈動検出値のRMS評価値の収束性と学習時間を考慮してゲインの大きさを調整する。本実施形態の基本構成は図10と同様である。
例えば、任意に設定したサンプリング間隔でRMS評価値の時間変化率を常時監視し、収束変化率が小さい場合はゲインを大きく再設定する。所望の学習時間となるまでゲインの自動調整を継続する。仮に発散・振動的な応答であると判断された場合は、実施形態7の操作を行い、収束方向となる比例ゲイン符号パターンを探索する。
本実施形態によれば、機械特性が分からないシステムの場合でも、実施形態7の発散防止処理に加えて、ゲインの大きさも自動調整するので、トルク脈動の収束性および学習速度を高めることができる。
(実施形態9)
前記までの実施形態において、トルク脈動検出値のフーリエ係数が任意の直流値を持った状態(周期的脈動を有する状態)で学習制御を開始する時、目標値0のステップ指令値がPI制御部の指令値として与えられることになる。学習速度を高めるためにPIゲインが大きい状態で開始すると、オーバーシュートや振動的なステップ過渡応答を生じやすく、過渡的にRMS評価の自動判定を誤ったり、補償電流自体が振動的になる可能性がある。一方、ゲインが小さすぎればいつまで経っても収束しない。
そこで、本実施形態では、図12にその構成例を示すように、学習開始時のステップ目標値に対してのみ適度な時定数を持つ低域通過フィルタ(LPF)24A、24Bを挿入する。時定数の時間経過後はフィルタを経由しない通常の動作に切り換える。
図12中の目標値フィルタ24A、24Bの構成例を図13に示す。図13に示すとおり、学習開始信号がOFFのときはPI制御入力を0とし、LPF入力・出力ともにトルク脈動検出値のフーリエ係数定常値となっている。学習開始信号がONになると、LPF入力が目標値0となるため、LPF出力は徐々に目標値を0に変化する。時間経過により、最終的にはLPF出力も0となり、結果としてトルク脈動検出値フーリエ係数がそのままPI制御部にフィードバックされる形となる。
本実施形態によれば、学習開始時の初期のステップ入力に対してのみ目標値フィルタを介して過渡振動を抑制するとともに、時間経過後の通常動作時はフィルタを介さないフィードバック制御ができるので、学習制御の収束性に悪影響を与えずにトルク脈動補償を実現できる。
(実施形態10)
前記までの実施形態では、電動機の軸トルク検出値とし、図1の軸トルクをフィードバックする構成を基に電動機の軸の脈動を抑制するトルク脈動補償方式を提案したが、フィードバックする対象を変更することも可能である。
本実施形態では、図14のように、加速度センサ8による振動を検出してフィードバックする構成とする。制御方法については上述までの実施形態と同様である。
本実施形態によれば、モータフレームの振動を抑制することができる。
(実施形態11)
本実施形態では、図15のように、回転位置センサ6から提供される位相・速度情報の変動を検出して、その変動を抑制するように制御する。制御内容は基本的に上述までの実施形態と同様である。
本実施形態によれば、回転位置の変動や速度変動を抑制することができる。
(実施形態12)
本実施形態では、図16のように、インバータから脈動補償対象の電動機に電源供給する3相ラインの電流を電流センサ9で検出して、電流脈動を抑制する。
本実施形態によれば、インバータ電流検出値を用いてインバータ電流脈動を抑制する、あるいはインバータ電流から換算したトルク推定値を用いてトルク脈動を抑制することもできる。
本発明のトルク脈動手段を備えたトルク制御装置の構成図。 本発明のフーリエ係数学習制御方式の基本構成例。 実施形態1の動作波形例。 実施形態2のフーリエ係数学習制御方式の構成例。 実施形態3のフーリエ係数学習制御方式の構成例。 実施形態4のフーリエ係数学習制御方式の構成例。 トルク脈動抑制の周波数解析結果。 実施形態5のフーリエ係数学習制御方式の構成例。 実施形態6のフーリエ係数学習制御方式の構成例。 実施形態7のフーリエ係数学習制御方式の構成例。 PI制御器を速度形とした場合の制御構成図。 実施形態9のフーリエ係数学習制御方式の構成例。 目標値フィルタ24A、24Bの構成例。 実施形態10のトルク制御装置の構成図。 実施形態11のトルク制御装置の構成図。 実施形態12のトルク制御装置の構成図。 トルク脈動抑制ブロック付きのテンション制御装置の構成図。
符号の説明
1 電動機
2 負荷装置
5 コントローラ
7 インバータ
11 正弦・余弦波生成器
12 フーリエ変換部
13A,13B PI制御器
14A,14B 乗算器
15 指令値変換部
16 インバータ
17 電動機負荷
18A〜18E 補償演算部
20 低周波数域通過フィルタ
21 メモリ
22A,22B セレクタ
23,23A RMS評価部
24A,24B 目標値フィルタ

Claims (11)

  1. 電動機の指令値をベクトル制御における回転座標系のd,q軸電流成分に変換する電流指令値変換部と、前記電流指令値変換部の出力をd,q軸電流指令値とし、この電流指令値とインバータの出力電流検出値とから電動機の電流制御を行うインバータとを備えた電動機の脈動抑制装置において、
    電動機の脈動を任意の次数成分についてフーリエ変換で抽出し、そのフーリエ係数が0となるように学習制御し、この制御で得る脈動補償信号をインバータの電流指令に加える脈動抑制手段を備え
    前記脈動抑制手段は、前記学習制御が発散して脈動を抑制できない場合は、制御器のゲインの極性を切り換えて、安定収束方向に変更する手段を備えたことを特徴とする電動機の脈動抑制装置。
  2. 前記脈動抑制手段は、d軸電流指令値あるいはq軸電流指令値あるいはd軸q軸電流指令値の双方に前記脈動補償信号を重畳する手段を備えたことを特徴とする請求項1に記載の電動機の脈動抑制装置。
  3. 前記脈動抑制手段は、前記脈動補償信号を異なる周波数成分に適用し、それらを並列化して、同時に複数の周波数成分の脈動を抑制する手段を備えたことを特徴とする請求項1または2に記載の電動機の脈動抑制装置。
  4. 前記脈動抑制手段は、前記脈動補償信号を学習した後、この脈動補償電流のフーリエ係数をメモリに記録しておき、負荷トルクまたは回転数に応じて適切なトルク脈動補償信号のメモリ値を読み出してフィードフォワード制御する手段、またはフィードバック制御とフィードフォワード制御を切り換える手段を備えたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の電動機の脈動抑制装置。
  5. 前記脈動抑制手段は、前記学習制御を任意の回転数ごとに複数記録しておき、2次元テーブル化して、運転状態に併せて逐次メモリから最適な脈動補償信号のフーリエ係数を読み出して補償電流を再現し、電流指令値に重畳する手段を備えたことを特徴とする請求項4に記載の電動機の脈動抑制装置。
  6. 前記脈動抑制手段は、前記ゲインの極性切り換えは、脈動検出の振幅値を用いて自動的に判定する手段を備えたことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の電動機の脈動抑制装置。
  7. 前記脈動抑制手段は、前記学習制御の発散防止処理に加えて、制御器のゲインの大きさを自動的に判定・調整して、学習速度を速める手段を備えたことを特徴とする請求項に記載の電動機の脈動抑制装置。
  8. 前記脈動成分は、電動機の軸トルク検出値とし、電動機の軸トルクの脈動を抑制することを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の電動機の脈動抑制装置。
  9. 前記脈動成分は、電動機のフレームの脈動成分とし、電動機のフレームの脈動を抑制することを特徴とする請求項に記載の電動機の脈動抑制装置。
  10. 前記脈動成分は、電動機の回転速度検出値、あるいは回転位置検出値の脈動成分とし、電動機の速度の脈動あるいは回転位置の脈動を抑制することを特徴とする請求項に記載の電動機の脈動制御装置。
  11. 前記脈動成分は、電動機の電流の脈動成分とし、電動機の電流の脈動を抑制することを特徴とする請求項に記載の電動機の脈動制御装置。
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