JP2001037287A - モータの制御装置 - Google Patents

モータの制御装置

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JP2001037287A
JP2001037287A JP11208991A JP20899199A JP2001037287A JP 2001037287 A JP2001037287 A JP 2001037287A JP 11208991 A JP11208991 A JP 11208991A JP 20899199 A JP20899199 A JP 20899199A JP 2001037287 A JP2001037287 A JP 2001037287A
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motor
signal
control device
frequency
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JP11208991A
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English (en)
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Muneaki Ishida
宗秋 石田
Kosei Hori
孝正 堀
Chinkyoku So
▲ちん▼旭 蘇
Tomomi Hattori
知美 服部
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Shinko Electric Co Ltd
Original Assignee
Shinko Electric Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 例えばステッピングモータを一定速度制御す
る場合,コギングトルクや電圧・電流歪みなどに起因し
て,モータの回転速度に比例した振動が発生するが,こ
の振動を補償するために繰り返し制御を用いた従来のモ
ータ制御装置では,安定性を確保することが困難であっ
た。 【解決手段】 本発明は,モータの回転動作に伴って生
じる振動の検出信号から,上記振動に対応した特定の周
波数成分のみを抽出し他の周波数成分を除去し,該抽出
された特定の周波数成分のみに対して繰り返し制御を行
って生成した振動補償信号により,上記振動を抑制する
振動補償制御を行うことにより,上記振動補償制御の安
定性を確保しながら,高い収束性をも実現することを図
ったものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は,モータの制御装置
に係り,詳しくは,モータの回転動作を制御する制御系
と,上記モータの回転動作に伴って生じる振動を検出す
るための振動検出手段と,上記振動検出手段により検出
された検出信号に基づいて上記振動を抑制するための振
動補償信号を繰り返し制御により生成し上記制御系に供
給する振動補償手段とを具備したモータの制御装置に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】例えばモータを一定速度制御する場合,
モータのコギングトルクやモータ入力電圧・電流の歪み
などの影響でモータ回転速度に比例した周波数の振動が
発生してしまうことがある。また,モータにエアコン用
コンプレッサなどのような脈動負荷をつないだり,偏芯
荷重がつながっている場合にも同様にモータ回転速度に
比例した振動が発生する。これらのモータ回転速度に比
例した周波数の振動(以下,単に振動という)は,不快
な騒音の原因となったり,機械装置の寿命低下や故障を
招いたり,最悪の場合には疲労による破壊などの事態を
引き起こしかねない。このため,上記振動を低減するた
めの制御技術の確立が望まれており,その手法の一つと
して,加速度センサと繰り返し制御を用いた手法が提案
されている。ここで,図5にハイブリッド型ステッピン
グモータに上記手法を適用したシステムの構成例を示
す。図5に示す如く,ステッピングモータの制御システ
ムは,開ループ制御システムであり,モータ1の速度指
令f* から,モータ電圧指令V* ,及びモータ回転角度
指令θ* を生成し,これらの指令に従ってインバータ2
1にてモータ駆動電圧を生成し,該モータ駆動電圧をモ
ータ1に供給して,モータ1の回転速度を一定制御する
ものである。ステッピングモータは固定子及び回転子が
突極構造を有しているため,モータ1の回転動作に伴っ
て,主にコギングトルクを起因とした,上記速度指令f
* の有理数倍の周波数を有した振動が発生する。モータ
1と負荷3は同じベース板4に固定されており,上記モ
ータ1の回転動作に伴って生じた上記振動は,上記ベー
ス板4に伝わる。上記振動の検出は,このベース板4に
取り付けられた加速度センサ5により行われる。上記加
速度センサ5により検出された加速度センサ出力信号S
0 は,AMP/LPF部63によりセンサノイズが取り
除かれた後,繰り返し補償器61に時間離散的に供給さ
れる。上記繰り返し補償器61は,例えば比例補償器6
11,遅延演算子612,位相進み補償器613を含
み,上記遅延演算子612の出力側の前回の積算値を入
力側にフィードバックして入力と積算し,上記位相進み
補償器613により位相進み補償をすることにより繰り
返し制御が行われる。また,スイッチSwi がオフのと
きには,加速度センサ5からのフィードバック信号が繰
り返し補償器61に入力されないため,繰り返し補償器
61は,現状の補償値を出力する。上記繰り返し補償器
61を用いた繰り返し制御は,モータ回転周期のトルク
脈動に起因する振動の各周波数成分の入力に対して,ゲ
インが無限大となるから,速度指令f* の有理数倍の周
波数を有する上記振動を抑制するには好適なものであ
る。上記繰り返し補償器61の具体的な構成を図6に示
す。上記繰り返し補償器61は,2つのロータリースイ
ッチSw1,Sw2と,N個の積分器614と,サンプ
ルホールダ615とを用いて具体化することができる。
ロータリスイッチSw1は,モータ1の回転角度指令θ
* に従ってモータ1の回転に同期してN個の接点を1周
する。即ち,各々の積分器614と入力は,モータ1回
転につき1回,T/N期間だけ導通する。一方,ロータ
リスイッチSw2は,モータ1の回転角度指令θ* より
2πK2/Nだけ進んだ位相でN個の積分器614出力
を選択し,その値をサンプルホールダ615に入力す
る。サンプルホールダ615は,スイッチが切り替わる
までこの値を保持し出力する。積分器614は入力をK
1 ・N/T倍した後,前回積分値と加算し,新しい積分
値として保持する。これらの動作により,加速度センサ
5からの加速度センサ出力信号S0 は,モータ1回転に
つきN分割され,各々が積分補償及び位相進み補償され
た後,振動補償信号VC としてモータ制御系2に加えら
れる。上記振動補償信号Vc は上記モータ電圧指令V*
に加算され,電圧指令Vが生成される。上記インバータ
21に,この電圧指令Vを供給することにより,上記コ
ギングトルクや負荷に起因する振動が低減される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記の手法では,直流
成分,繰り返し周波数成分,及びその整数倍の周波数成
分に対して,積分特性を有するため,特に高周波領域の
安定性に問題があり,効果的な補償信号が得られない場
合があった。フィルタを強化して,高周波における安定
性の問題を解決することが考えられるが,安定性は向上
しても,ゲインが低下するため,繰り返し制御による振
動低減効果が低下してしまう。本発明は,このような従
来の技術における課題を解決するために,モータの制御
装置を改良し,モータの回転動作に伴って生じる振動の
検出信号から,上記振動に対応した特定の周波数成分の
みを抽出し他の周波数成分を除去し,該抽出された特定
の周波数成分のみに対して繰り返し制御を行って生成し
た振動補償信号により,上記振動を抑制する振動補償制
御であり,上記振動補償制御の安定性を確保しながら,
高い収束性をも実現することができるモータの制御装置
を提供することを主要な目的とするものである。また,
多くのモータ速度に対して振動補償制御を行う場合,或
いはモータ速度は一定でも負荷が変動しそれに応じて振
動発生状態が変化する場合,繰り返し補償器のメモリ使
用容量が非常に大きくなりシステムコストが増加した
り,モータ速度の変更の度に繰り返し制御を実施するこ
とになるため,振動低減に要する時間が長くなるなどの
問題が生じる。そこで,本発明の他の目的は,繰り返し
補償器に必要なメモリ容量を抑えながら,素早く振動を
低減させることのできるモータの制御装置を提供するこ
とである。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に,請求項1に係る発明は,モータの回転動作を制御す
る制御系と,前記モータの回転動作に伴って生じる振動
を検出するための振動検出手段と,上記振動検出手段に
より検出された検出信号に基づいて上記振動を抑制する
ための振動補償信号を繰り返し制御により生成し上記制
御系に供給する振動補償手段とを具備したモータの制御
装置において,上記検出信号から上記振動に対応した特
定の振動周波数成分のみを抽出し,他の周波数成分を除
去する特定振動成分抽出手段を具備し,上記振動補償手
段が,上記特定振動成分抽出手段により抽出された特定
の振動周波数成分に対してのみ繰り返し制御を行い上記
振動補償信号を生成してなることを特徴とするモータの
制御装置として構成されている。また,請求項2に係る
発明は,上記請求項1に記載のモータの制御装置におい
て,上記振動補償手段が,上記特定振動成分の周波数を
モータ駆動電源の周波数に基づいて定めるものであるこ
とをその要旨とする。また,請求項3に係る発明は,上
記請求項2に記載のモータの制御装置において,上記モ
ータが,ステッピングモータであることをその要旨とす
る。また,請求項4に係る発明は,上記請求項1に記載
のモータの制御装置において,上記振動補償手段が,上
記特定振動成分の周波数をモータの回転角度の検出値に
基づいて定めるものであることをその要旨とする。ま
た,請求項5に係る発明は,上記請求項4に記載のモー
タの制御装置において,上記モータが,同期モータ又は
ブラシレスDCモータであることをその要旨とする。ま
た,請求項6に係る発明は,上記請求項1〜5のいずれ
か1項に記載のモータの制御装置において,上記振動補
償手段により生成される上記振動補償信号の振幅,位
相,周波数情報を含む振動補償データを,上記振動を変
動させる変動パラメータに対応して予め複数記憶した記
憶手段と,ある変動パラメータに対応する振動補償デー
タが上記記憶手段に記憶されていない場合に,当該変動
パラメータ近傍の変動パラメータに対応した振動補償デ
ータから線形補間により当該変動パラメータに対応した
振動補償データを演算する補間部と,上記記憶手段又は
上記補間部から供給された振動補償データに基づいて上
記振動補償信号を生成する信号発生手段とを具備し,上
記信号発生手段により生成された振動補償信号を上記制
御系に供給してなることをその要旨とする。また,請求
項7に係る発明は,上記請求項6に記載のモータの制御
装置において,上記変動パラメータが,モータの回転速
度,若しくは平均負荷,又はこれら両方であることをそ
の要旨とする。上記請求項1〜7のいずれか1項に記載
のモータの制御装置によれば,モータの回転動作に伴っ
て生じる振動の検出信号から,上記振動に対応した特定
の周波数成分のみを抽出し他の周波数成分を除去し,該
抽出された特定の周波数成分のみに対して繰り返し制御
を行って生成した振動補償信号により,上記振動を抑制
する振動補償制御を行うことにより,上記振動補償制御
の安定性を確保しながら,高い収束性をも実現すること
ができる。さらに,上記請求項6又は7に記載のモータ
の制御装置によれば,例えばモータの回転速度や,平均
負荷など上記振動を変動させる変動パラメータに対応し
て上記振動補償信号の振幅,位相,周波数情報を含む振
動補償データが予め記憶手段に複数記憶され,モータの
回転速度や平均負荷が変更された場合には,上記記憶手
段に記憶された振動補償データから,変更後の回転速度
や平均負荷に対応する振動補償データが線形補間により
生成され,制御系に供給されるため,少ないメモリで,
素早く振動抑制を行うことができる。
【0005】
【発明の実施の形態】以下,添付図面を参照して,本発
明の実施の形態につき説明し,本発明の理解に供する。
尚,以下の実施の形態は,本発明の具体的な一例であっ
て,本発明の技術的範囲を限定する性格のものではな
い。本発明は,例えばハイブリッド型ステッピングモー
タを一定速度制御する場合に,モータのコギングトルク
や,モータに接続されたエアコン用コンプレッサ等の脈
動負荷などに起因して生じた,モータの回転速度に比例
した周波数の振動を抑制するモータの制御装置として具
体化される。上記モータの制御装置は,図1に示す如
く,モータ1の回転動作を制御する制御系2と,上記モ
ータ1及びそれに接続される負荷3が固定されたベース
板4に取り付けられ,上記モータ1の回転動作に伴って
生じる,上記モータ1の回転速度に比例した振動を検出
するための加速度センサ(振動検出手段の一例)5と,
上記加速度センサ5により検出された加速度センサ出力
信号(検出信号に相当)に基づいて,上記振動を抑制す
るための振動補償信号VC を繰り返し補償器61により
生成し上記制御系2に供給する振動補償部(振動補償手
段に相当)6とを具備する点で従来の技術と同様であ
る。上記モータの制御装置が,従来の技術と特に異なる
のは,上記振動補償部6が,上記加速度センサ出力信号
から上記振動に対応した特定の振動周波数成分のみを抽
出し,他の周波数成分を除去するフーリエ変換部(特定
振動成分抽出手段の一例)62を具備し,上記フーリエ
変換部62により抽出された特定の振動周波数成分に対
して繰り返し補償器61により上記振動補償信号VC
生成する点である。上記モータの制御装置において,上
記制御系2は,例えばモータ1の速度指令f* から,モ
ータ電圧指令V* ,及びモータ回転角度指令θ* を生成
し,これらの指令に従ってインバータ21にてモータ駆
動電圧を生成し,該モータ駆動電圧をモータ1に供給し
て,負荷3が接続されたモータ1を一定速度制御するも
のである。上記モータ1と負荷3は同じベース板4に固
定されており,このベース板4に加速度センサ5が取り
付けられる。上記ベース板4は,何らかの手段によって
支持され固定される。上記モータ1の回転動作に伴って
生じる振動は,このベース板4に伝わり,上記ベース板
4も比例的に振動する。上記モータ1の回転動作に伴っ
て生じる振動には,様々な振動成分が含まれる。上記ベ
ース板4の振動は上記加速度センサ5により検出され
る。上記ベース板4を用いた手法によれば,高周波の振
動の検出が可能となる。尚,モータ1の回転軸にトルク
検出器を取り付けることなどにより,上記モータ1の回
転動作に伴って生じる振動を検出することも可能である
が,取り付け上の問題が多いため実用的でない。 上記
加速度センサ5により検出された加速度センサ出力信号
は,上記振動補償部6の入力段にあるAMP/LPF部
63に供給される。上記AMP/LPF部63では,上
記加速度センサ出力信号が増幅されると共に,必要な周
波数帯域以外の成分が減衰させられる。これによりセン
サノイズが取り除かれる。上記AMP/LPF部6から
出力された信号Vi は,フーリエ変換部62に供給され
る。上記フーリエ変換部62は,上記信号Vi から上記
振動に対応した特定の振動周波数成分のみを抽出し,他
の成分を除去するものである。上記特定の周波数成分と
は,例えば上記振動の周波数成分である。
【0006】いま,上記信号Vi を周波数fを基本周波
数とする周期関数αF (t)とし,該周期関数α
F (t)に対してフーリエ級数展開を行うものとする
と,上記信号Vi 即ち周期関数αF (t)は,次式
(1)により記述することができる。尚,この場合,f
はモータ回転速度の有理数倍となる。
【数1】 但し,
【数2】 このとき,基本周波数のn倍の高調波成分は次式(2)
のように表される。
【数3】 上記フーリエ変換部62は,モータ駆動電源の周波数に
従って,例えば上記信号Vi に対して上記(1)式に基
づくフーリエ変換を行い,周波数領域において,上記
(1′)式で表される基本周波数のn倍の高調波成分の
みを抽出し,他の周波数成分を除去してから,上記
(2)式の逆フーリエ変換により時間領域の信号を生成
する。上記フーリエ変換部62により,特定の振動周波
数成分のみが抽出された信号は,繰り返し補償器61に
供給され,該繰り返し補償器61により上記モータ駆動
電源の周波数に従って振動補償信号Vc が得られる。上
記繰り返し補償器61の構成は,従来の技術と同様であ
るので省略する。もし,複数の周波数成分に対して補償
が必要な場合には,図2に示す如く,繰り返し補償器6
1をその周波数成分の数だけ用意し,フーリエ変換部6
2により抽出された複数の周波数成分を,それぞれ異な
る繰り返し補償器61に供給し,各周波数成分に対して
繰り返し制御を行ったのち,全ての繰り返し補償器61
の出力を加算し,上記振動補償信号VC を生成する。上
記繰り返し補償器61のゲインは,モータ回転周期のト
ルク脈動に起因する振動の各周波数成分の入力に対して
無限大となるため,モータ1及び繰り返し補償器61の
周波数特性により,制御系が不安定になり,振動補償信
号VC が発散する恐れがあるが,上記フーリエ変換部6
2により特定周波数成分のみを抽出することにより,上
記振動の全ての周波数領域について安定性を確保する必
要がなくなり,上記繰り返し補償器61が備える比例補
償器,位相進み補償器のゲインK1 ,K2 を適宜調整す
ることにより,高い収束性と安定性を確保した振動補償
制御を行うことが可能となる。このように,本発明の実
施の形態に係るモータの制御装置によれば,フーリエ変
換部により特定周波数成分のみを抽出し,抽出された特
定周波数成分のみに対して繰り返し制御を行って,モー
タの回転動作に伴って生じる振動を抑制するための振動
補償信号を生成することにより,高い収束性と安定性を
確保した振動補償制御を行うことができる。なお,加速
度センサ5の取付け位置は,振動発生状況に応じて,モ
ータ1側,或いは負荷3側に取り付けても構わない。ま
た,加速度センサ5の代わりにマイクロフォンにより振
動に起因した振動成分を検出し,振動検出信号としても
よい。
【0007】
【実施例】上記実施の形態では,ハイブリッド型ステッ
ピングモータについて本発明を適用したが,これに限ら
れるものではなく,スイッチトリラクタンスモータや,
インダクションモータ,図3に示す如く同期モータ(ブ
ラシレスDCモータを含む)1′にも本発明を適用する
ことも可能である。上記ハイブリッド型ステッピングモ
ータは,開ループ制御によりモータの回転動作が制御さ
れていたが,同期モータ1′の場合には,閉ループ制御
によりモータの回転動作が制御されることになる。即
ち,上記モータ1′の回転動作を制御する制御系2′
は,同期モータ1′の回転角度を回転角センサにより検
出し,インバータ21′が検出角度θと指令電圧V*
基づいて上記モータ1′を駆動するものである。このよ
うに,ハイブリッド型ステッピングモータと同期モータ
とでは制御系が異なるが,この相違点に関連して,上記
繰り返し補償器61,フーリエ変換部62に供給するモ
ータ駆動電源の周波数(速度指令f* に関連)の代わり
に,モータ1の回転角度の検出値を,上記繰り返し補償
器61,及びフーリエ変換部62に供給すれば,加速度
センサ5から出力される加速度センサ出力信号からフー
リエ変換部62により特定の周波数成分のみを抽出し,
抽出した特定の周波数成分のみに対して繰り返し補償器
61により繰り返し制御を行い,振動補償信号VC を生
成する振動補償部6の構成は同じである。もちろん,複
数の周波数成分に対して補償を行う必要がある場合に
は,同期モータに適用するときでも,図2に示したよう
に,複数の繰り返し補償器61を用意し,それぞれに複
数の周波数成分を供給して繰り返し制御を行い,各繰り
返し補償器61の出力を加算して,振動補償信号VC
生成すればよい。このようなモータの制御装置も本発明
に係るモータの制御装置の一例である。
【0008】また,上記実施の形態及び実施例では,モ
ータ速度を一定制御する場合について説明したが,複数
のモータ速度について本発明を適用する場合,繰り返し
補償器のメモリ使用容量が非常に大きくなり,システム
コストが上昇してしまう。さらに,モータ速度を変更す
る度に繰り返し制御を実施する必要があり,振動低減に
要する時間が長くなってしまうという問題も生じる。そ
こで,予め複数のモータ速度において繰り返し制御を実
施しておき,新たな速度が設定された場合は,その速度
の近傍の繰り返し制御のデータを直線補間することによ
り,振動補償信号VC を求めるようにする。そのための
構成を,図4に示す。図4に示す如く,この実施例に係
るモータの制御装置は,上記繰り返し補償器61,フー
リエ変換部62の他に,ある速度指令f* (変動パラメ
ータの一例)が制御系2に与えられている場合に繰り返
し補償器6から出力された振動補償信号VC をフーリエ
変換するフーリエ変換部64と,フーリエ変換部64に
よるフーリエ変換によって得られた振動補償信号VC
振幅,位相,周波数情報を振動補償データとして記憶す
るためのデータベース(記憶手段に相当)65と,速度
指令f* とデータベース65とを参照し,速度指令f*
が新たに設定された場合には,データベース65に記憶
されている複数の速度指令に対応した振動補償データの
うち,新たに設定された速度指令f* の近傍の速度指令
に対応した複数の振動補償データを抽出するデータベー
ス参照部66と,上記データベース参照部66により抽
出された複数の振動補償データを必要に応じて線形補間
し,新たに設定された速度指令f* に対応した振動補償
データを計算する線形補間部(補間部に相当)67と,
上記線形補間部67の出力に基づいて振動補償信号Vcf
を生成する信号発生器(信号発生手段に相当)68とを
具備する。上記モータの制御装置では,予め複数の速度
指令f* に対してモータ1が駆動され,各速度指令f*
に対して振動補償信号VC が生成される。生成された振
動補償信号VC は,フーリエ変換部64に供給され,振
動補償信号VC の振幅,位相,周波数情報を含む振動補
償データが求められる。上記フーリエ変換部64により
求められた上記振動補償信号VC の振動補償データは,
速度指令f* に対応してデータベース65に記憶され
る。上記データベース65に記憶された上記振動補償信
号VC の振動補償データは,データベース参照部66に
より参照される。上記データベース参照部66は,モー
タ1の回転角度指令θ* から,モータ1の回転速度が変
更されたことを検出すると,変更されたモータ1の回転
速度に対応した振動補償データが上記データベース65
に記憶されているかを判別し,記憶されている場合に
は,その振動補償データを信号発生器68に供給する。
一方,変更後のモータ1の回転速度に対応した振動補償
データが上記データベース65に記憶されていない場合
には,上記データベース参照部66は,例えば変更後の
モータ1の回転速度近傍の複数の回転速度に対応した振
動補償データを抽出し,線形補間部67に供給する。上
記線形補間部67は,上記データベース参照部66によ
り抽出された複数の振動補償データに基づいて,変更後
のモータ1の回転速度に対応した振動補償データを線形
補間計算により求め,上記信号発生器68に供給する。
上記線形補間部67の補間計算では,まず補間係数Kf
が次式(3)に従って求められる。
【数4】 次に,上記補間係数Kf と,上記変更後のモータ1の回
転速度近傍の回転速度fp * ,fp+1 * に対応した振動
補償データVC ,∠θC に基づき,次式(4)に従っ
て,上記変更後のモータ1の回転速度に対応した振動補
償データVcf,∠θcfが演算され,上記信号発生器68
に供給される。
【数5】 上記信号発生器68では,供給された振動補償データ|
cf|,∠θcfに対応する振動補償信号Vcfが,次式
(5)に従って生成される。
【数6】 モータの回転速度が複数回変更されるような場合には,
スイッチ681が繰り返し補償器61の出力側から信号
発生器68の出力側に切り替えられており,上記振動補
償信号VC の代わりに,上記振動補償信号Vcfが上記制
御系2に供給される。このようにデータベース65に格
納された振動補償データを参照し,線形補間により,フ
ィードフォワード的に現速度指令における振動補償信号
cfを合成し,制御系2に加算することにより,少ない
メモリで,素早い振動抑制を実現することができる。ま
た,上記振動の発生状況は,モータ1の回転速度のみな
らず,負荷3の変動(上記振動を変動させる変動パラメ
ータの他例)によっても変化する。このようなモータ負
荷変動による振動発生状況の変化に対しても,上記線形
補間手法を流用できる。この場合,予め複数の平均負荷
に対して,繰り返し制御を実施しておき,新たな平均負
荷が設定された場合は,その平均負荷近傍の繰り返し制
御のデータを線形補間することにより,振動補償信号V
C を求めればよい。この場合の計算式は,上記(3),
(4),(5)式における変数f* ,fp * ,fp+1 *
各々を平均負荷T* ,Tp * ,Tp+1 * におきかえれば
よい。さらに,モータ1の回転速度と負荷の両方が変動
する場合は,データベース65及び線形補間計算を
* ,T* の2次元データとして取り扱えるようにすれ
ば,容易に適用できる。このように,モータ1の回転速
度のみならず,平均負荷などの他の変動パラメータが変
動するときにも,線形補間を用いて振動補償信号Vcf
定めることにより,少ないメモリで,素早い振動抑制を
実現することができる。
【0009】
【発明の効果】上記請求項1〜7のいずれか1項に記載
のモータの制御装置によれば,モータの回転動作に伴っ
て生じる振動の検出信号から,上記振動に対応した特定
の周波数成分のみを抽出し他の周波数成分を除去し,該
抽出された特定の周波数成分のみに対して繰り返し制御
を行って生成した振動補償信号により,上記振動を抑制
する振動補償制御を行うことにより,上記振動補償制御
の安定性を確保しながら,高い収束性をも実現すること
ができる。さらに,上記請求項6又は7に記載のモータ
の制御装置によれば,例えばモータの回転速度や,平均
負荷など上記振動を変動させる変動パラメータに対応し
て上記振動補償信号の振幅,位相,周波数情報を含む振
動補償データが予め記憶手段に複数記憶され,モータの
回転速度や平均負荷が変更された場合には,上記記憶手
段に記憶された振動補償データから,変更後の回転速度
や平均負荷に対応する振動補償データが線形補間により
生成され,制御系に供給されるため,少ないメモリで,
素早く振動抑制を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態に係るモータの制御装置
の概略構成を示す図。
【図2】 上記モータの制御装置において複数の周波数
成分に対して振動補償制御を行う場合の構成を説明する
ための図。
【図3】 本発明の一実施例に係るモータの制御装置の
概略構成を示す図。
【図4】 本発明の他の実施例に係るモータの制御装置
の概略構成を示す図。
【図5】 振動補償を行う従来のモータの制御装置の概
略構成例を示す図。
【図6】 繰り返し補償器を説明するための図。
【符号の説明】
1…ハイブリッド型ステッピングモータ 1′…同期モータ 2,2′…制御系 3…負荷 5…加速度センサ 6…振動補償部 61…繰り返し補償器 62…フーリエ変換部 65…データベース 67…線形補間部 68…信号発生器
フロントページの続き Fターム(参考) 5H560 AA02 DC20 GG04 RR01 TT08 TT11 TT15 XA12 5H570 AA10 BB06 DD04 DD07 DD08 DD09 HB06 HB16 JJ04 JJ16 JJ17 JJ25 JJ26 KK06 LL27 5H580 AA10 BB02 FA22 HH40

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 モータの回転動作を制御する制御系と,
    前記モータの回転動作に伴って生じる振動を検出するた
    めの振動検出手段と,上記振動検出手段により検出され
    た検出信号に基づいて上記振動を抑制するための振動補
    償信号を繰り返し制御により生成し上記制御系に供給す
    る振動補償手段とを具備したモータの制御装置におい
    て,上記検出信号から上記振動に対応した特定の振動周
    波数成分のみを抽出し,他の周波数成分を除去する特定
    振動成分抽出手段を具備し,上記振動補償手段が,上記
    特定振動成分抽出手段により抽出された特定の振動周波
    数成分に対してのみ繰り返し制御を行い上記振動補償信
    号を生成してなることを特徴とするモータの制御装置。
  2. 【請求項2】 上記振動補償手段が,上記特定振動成分
    の周波数をモータ駆動電源の周波数に基づいて定めるも
    のである請求項1に記載のモータの制御装置。
  3. 【請求項3】 上記モータが,ステッピングモータであ
    る請求項2に記載のモータの制御装置。
  4. 【請求項4】 上記振動補償手段が,上記特定振動成分
    の周波数をモータの回転角度の検出値に基づいて定める
    ものである請求項1に記載のモータの制御装置。
  5. 【請求項5】 上記モータが,同期モータ又はブラシレ
    スDCモータである請求項4に記載のモータの制御装
    置。
  6. 【請求項6】 上記振動補償手段により生成される上記
    振動補償信号の振幅,位相,周波数情報を含む振動補償
    データを,上記振動を変動させる変動パラメータに対応
    して予め複数記憶した記憶手段と,ある変動パラメータ
    に対応する振動補償データが上記記憶手段に記憶されて
    いない場合に,当該変動パラメータ近傍の変動パラメー
    タに対応した振動補償データから線形補間により当該変
    動パラメータに対応した振動補償データを演算する補間
    部と,上記記憶手段又は上記補間部から供給された振動
    補償データに基づいて上記振動補償信号を生成する信号
    発生手段とを具備し,上記信号発生手段により生成され
    た振動補償信号を上記制御系に供給してなる請求項1〜
    5のいずれか1項に記載のモータの制御装置。
  7. 【請求項7】 上記変動パラメータが,モータの回転速
    度,若しくは平均負荷,又はこれら両方である請求項6
    に記載のモータの制御装置。
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