JP4631672B2 - 磁極位置推定方法、モータ速度推定方法及びモータ制御装置 - Google Patents

磁極位置推定方法、モータ速度推定方法及びモータ制御装置 Download PDF

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本発明は、同期モータの磁極位置を推定する磁極位置推定方法、同期モータのモータ速度を推定するモータ速度推定方法、及びそれら推定磁極位置や推定モータ速度に基づいて同期モータを制御する同期モータ制御装置に関する。
例えば、永久磁石を回転子とする同期モータ(SPMSM,IPMSM)を運転する場合、回転子の位置(磁極位置)に同期して固定子巻線への通電位相を制御するので、原則として、回転子の磁極位置を検出する位置検出器が必要である。この位置検出器としては、ホール素子、エンコーダ、レゾルバなどを用いることができる。ところが、このような位置検出器を用いた場合、モータの小型化を図ることが困難になるとともに、モータを制御する制御装置との接続配線を行う必要が生じる。
このため、近年では、回転子の磁極位置を検出する位置検出器を用いずに、モータの制御に必要な回転子の磁極位置を推定により求めることが検討されている。例えば非特許文献1に記載のように、αβ座標に代表される2相交流座標上の交流電圧、交流電流を、その2相交流座標上のモータモデルである拡張誘起電圧モデルを基に構成した拡張誘起電圧オブザーバに入力して、回転子の磁極位置を直接的に推定することが提案されている。
しかしながら、実際の電圧、電流には、様々な原因によって発生する高調波成分が含まれている。例えば、インバータのデッドタイム、同期モータの巻線の不平衡、さらには同期モータの構造に起因する誘起電圧によっても高調波成分が発生する。それに対して、拡張誘起電圧モデルを含め多くのモータモデルは、理想的な正弦波磁束分布を前提に構成されているので、電圧や電流に含まれる高調波成分は、推定磁極位置に誤差が生ずる原因となってしまう。
そのため、非特許文献2では、繰返し制御とフーリエ変換を用いて、電流高次調波を除去するようにしている。この結果、モータ電流を、理想とする正弦波に近づけることができるため、推定磁極位置に含まれる誤差を低減することができる。
「突極型ブラシレスDCモータのセンサレス制御のための拡張誘起電圧オブザーバ」99年電気学会全国大会 No.1026 「フーリエ変換と繰返し制御を用いた高調波電流抑制によるIPMSMセンサレス制御系の特性改善」IEEJ Trans. IA, Vol.123, No.10, 2003
ここで、非特許文献2に記載される手法について、具体的に説明すると、まず、フーリエ変換処理により抽出した高調波成分の信号を繰返し制御部の繰返し補償器に分割平均化して保存する。繰返し補償器は、入力の繰り返し制御の制御周期だけ遅れた出力に入力を足し合わせる。繰返し補償器に保存された高調波成分は、制御系を安定化するために、繰返し制御部の時間進み補償器によって位相調整される。
このようにして、高調波成分に対する補償信号が生成されて補償信号生成器に保存されると、この補償信号により電流制御系の高調波成分が減少する。さらに、減少した高調波成分に対してフーリエ変換処理による抽出及び繰返し制御による学習が行われ続ける。このような一連の過程が、高調波成分が設定値以下になるまで繰り返される。
上述したように、非特許文献2では、高調波成分に対する補償信号を学習するために、フーリエ変換による高調波成分の抽出及び記憶を繰返し行う必要がある。このため、その演算負荷が多大になるという問題がある。
本発明は、上記の点に鑑みてなされたものであり、従来に比較して、演算負荷を抑制しつつ、高調波成分に基づく推定磁極位置誤差やモータ速度誤差を低減することが可能な磁極位置推定方法、モータ速度推定方法、及びそれら推定磁極位置や推定モータ速度に基づいて同期モータを制御する同期モータ制御装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1に記載の磁極位置推定方法は、同期モータの磁極位置を推定するものであって、
モータ印加電圧及びモータ電流と、同期モータのモデル式とに基づいて推定磁極位置を求める推定ステップと、
モータ電流の高調波成分を抽出する抽出ステップと、
モータ電流の高調波成分に基づいて、推定磁極位置に対する補正量を算出するとともに、この算出した補正量により、推定ステップにおいて求めた推定磁極位置を補正する補正ステップとを備えることを特徴とする。
このように、請求項1に記載の磁極位置推定方法では、モータ電流の高調波成分を抽出し、抽出したモータ電流高調波成分から、直接的に、推定磁極位置に対する補正量を算出する。つまり、モータ電流の高調波成分が、推定磁極位置を求める際の誤差要因となることに鑑み、その高調波成分による推定磁極位置誤差に対応する補正量を、高調波成分から直接的に求めるのである。従って、補正量を求めるための演算負荷を従来に比較して抑えることができる。
請求項2に記載したように、推定ステップにおいて、まず、同期モータのモデル式に基づいて誘起電圧を算出し、その後、当該誘起電圧に基づいて推定磁極位置を求める場合、補正ステップでは、推定ステップにおいて算出された誘起電圧を補正することにより、その結果として、推定磁極位置を補正するようにしても良い。
ここで、推定磁極位置の変化に基づいて推定モータ速度を求める場合、その推定磁極位置の高調波成分に基づく誤差が、上述した請求項1に記載のようにして低減されていれば、結果的に、推定モータ速度の誤差も低減される。しかしながら、特に、推定モータ速度に関して、誤差を取り除くことが必要である場合には、請求項3に記載の方法を採用することができる。
すなわち、請求項3に記載の、同期モータのモータ速度を推定するモータ速度推定方法は、
モータ印加電圧及びモータ電流と、同期モータのモデル式とに基づいて推定磁極位置を求める推定ステップと、
推定磁極位置の変化に基づいて推定モータ速度を求める推定モータ速度算出ステップと、
モータ電流の高調波成分を抽出する抽出ステップと、
モータ電流の高調波成分に基づいて補正量を算出するとともに、この算出した補正量により、推定モータ速度を補正するモータ速度補正ステップとを備えることを特徴とする。
これにより、高調波成分に基づく誤差が低減された推定モータ速度を得ることができる。
請求項4及び5に記載の同期モータの制御装置は、請求項1及び2に記載の磁極位置推定方法によって磁極位置を求めるための構成、及び求めた推定磁極位置に基づいて同期モータを制御するための構成を備えるものである。従って、その作用効果については、請求項1に関するものと類似するので説明を省略する。
上述した同期モータの制御装置において、請求項6に記載のように、
制御手段は、
推定磁極位置に基づいて、同期モータの各相のモータ印加電圧を生成する生成手段と、
生成手段によって生成された各相印加電圧を、3相変調方式に従ってパルス幅変調して、3相パルス幅変調信号を発生させる3相変調手段と、
生成手段によって生成された各相印加電圧を、2相変調方式に従ってパルス幅変調して、2相パルス幅変調信号を発生させる2相変調手段と、
同期モータのモータ速度に基づいて、インバータに供給するスイッチング制御信号を、3相パルス幅変調信号と2相パルス幅変調信号とのいずれかに切り替える切替手段とを備えることが好ましい。
公知のように、3相変調方式においては、各相印加電圧が、三角波等の搬送波と比較されて、その比較結果に応じて、各相のパルス幅変調(PWM)信号を生成する。その結果、同期モータの線間電圧は、正弦波に近似するようになる。一方、2相変調方式では、例えば、電気角にて約60°の期間、各相印加電圧の値が搬送波のピーク値に設定されることで、3相の内の1相のスイッチングを停止し、残りの2相においてのみスイッチングが行われるようにPWM信号を生成する。この2相変調方式では、同期モータの線間電圧を3相変調方式よりも高めることができ、電圧有効率を向上できる。さらに、スイッチング回数を減少できるので、スイッチング損失の低減を図ることができる。なお、2相変調方式については、特開昭59−216476号公報や特開平7−46855号公報に開示されている。
ただし、2相変調方式によって同期モータを駆動するためのPWM信号を生成した場合、モータ電流には、3相変調方式によってPWM信号を生成した場合に比較して、より多くの高調波成分が含まれることになる。
モータ速度が高い場合には、低い場合に比較して、同期モータの磁極位置に相関のある誘起電圧が大きくなり、それにより、モータ電流も大きくなるので、高調波成分が多少増加しても、正しい推定磁極位置を求めることは可能である。しかし、モータ速度が低い場合に、モータ電流の高調波成分が増加すると、いわゆるS/N比が低下した状態となり、磁極位置の推定精度が低下する。
そのため、請求項6に記載の同期モータの制御装置では、モータ速度に応じて、インバータに供給するスイッチング制御信号を、3相パルス幅変調信号と2相パルス幅変調信号とのいずれかに切り替えるようにしているのである。
具体的には、請求項7に記載したように、切替手段は、モータ速度が第1の所定速度よりも大きい場合に、インバータに供給するスイッチング制御信号を、2相パルス幅変調信号に切り替えるとともに、第2の所定速度よりも小さい場合に、3相パルス幅変調信号に切り替える。このようにすれば、モータ速度が低下したとき、モータ電流に高調波成分が生じにくい変調方式である3相変調方式によるPWM信号によって、同期モータを駆動することができる。一方、モータ速度が増加して、モータ電流の高調波成分の影響度が低下する場合には、同期モータを高効率にて駆動可能な2相変調方式によるPWM信号によって、同期モータを駆動することができる。
なお、第2の所定速度は、第1の所定速度以下に設定されるものであり、好ましくは、第1の所定速度よりも小さい値に設定される。これにより、頻繁に変調方式が切り替わってしまうことを防止できる。
また、請求項8に記載のように、
制御手段は、
推定磁極位置に基づいて、同期モータの各相のモータ印加電圧の基本波を生成する基本波生成手段と、
基本波生成手段によって生成された各相印加電圧の基本波の3次高調波を生成する3次高調波生成手段と、
同期モータのモータ速度に基づいて、各相のモータ印加電圧を、基本波と3次高調波とを合成した合成波と基本波とのいずれかに切り替える切替手段とを備えるように構成しても良い。
上述した請求項6では、モータ速度に応じて、PWM信号を生成するための変調方式を切り替えるものであったが、請求項8に記載のように、モータ速度に応じて、各相のモータ印加電圧の基本波に3次高調波を合成したり、その合成を中止することによっても、同等の効果を得ることができる。すなわち、3次高調波を基本波に合成して、各相の印加電圧を正弦波からピーク値付近に長く留まるように歪ませることで、電圧有効率を向上できる。ただし、この場合、モータ電流における高調波成分が増加する。そのため、請求項8の場合には、モータ速度に応じて、基本波に対する3次高調波の合成、及びその合成の中止を切り替えるのである。
具体的には、請求項9に記載するように、切替手段は、モータ速度が第1の所定速度よりも大きい場合に、各相のモータ印加電圧を、基本波と3次高調波を合成した合成波に切り替えるとともに、第2の所定速度よりも小さい場合に、基本波に切り替えるようにすれば良い。なお、第2の所定速度は第1の所定速度以下に設定される。
請求項10に記載したように、切替手段は、推定磁極位置の変化に基づいてモータ速度を算出することが好ましい。これにより、モータ速度を検出するために、センサ等を設ける必要がなくなる。なお、切替手段は、推定磁極位置の変化から算出されたモータ速度の他に、例えばモータ速度の指令値を、切替制御を行うためのモータ速度として用いても良いし、センサ等によって検出したモータ速度を用いても良い。
請求項11に記載の同期モータの制御装置は、請求項3に記載のモータ速度推定方法によって推定モータ速度を求めるための構成、及び求めた推定モータ速度に基づいて同期モータを制御するための構成を備えるものである。従って、その作用効果については、請求項3に関するものと類似するので説明を省略する。
以下、本発明の実施形態による同期モータの制御装置について、図に基づいて説明する。図1は、本実施形態による同期モータ10の制御装置の全体構成を示すブロック図である。なお、本実施形態による制御装置によって駆動状態が制御される同期モータ10は、3相(U相、V相、W相)の固定子巻線、及び永久磁石からなる回転子を有する。
図1において、速度制御部2は、第1の偏差演算部1にて演算された速度指令値ωと推定モータ速度ωreとの偏差に基づいて、γ軸電流指令値i γ及びδ軸電流指令値i δを算出して出力する。第2の偏差演算部3a,3bは、これらγ軸電流指令値i γ及びδ軸電流指令値i δと、後述するαβ/dq変換部13からγ軸電流値iγ及びδ軸電流値iδが入力され、それらの入力値の偏差(γ軸電流偏差Δiγ、δ軸電流偏差Δiδ)をそれぞれ演算して出力する。そして、電流制御部4は、γ軸電流偏差Δiγ及びδ軸電流偏差Δiδに基づいて、それぞれの偏差をゼロに近づけるように、γ軸電圧指令値v γ及びδ軸電圧指令値v δを算出して出力する。電流制御部4が出力したγ軸電圧指令値v γ及びδ軸電圧指令値v δは、dq/αβ座標変換部5に出力される。
ここで、公知のように、dq座標は、例えば、回転子のS極からN極に向かう方向をd軸とし、そのd軸に垂直なq軸によって定義される回転座標である。そして、γδ座標は、回転子のS極からN極に向かう推定された方向(推定磁極位置)をγ軸とし、そのγ軸に垂直なδ軸によって定義される回転座標である。従って、推定磁極位置が誤差を含まない場合には、dq座標とγδ座標とは一致する。また、αβ座標は、回転子の回転軸を原点として、相互に直交するα軸及びβ軸によって定義される静止座標である。
dq/αβ座標変換部5におけるγδ回転座標からαβ静止座標への座標変換は、後述する加算部16から出力される回転子の補正推定磁極位置θre_compに基づいて実行される。回転子の磁極位置が推定できれば、γδ回転座標とαβ静止座標との相対的な位相関係が特定できるので、座標変換を行うことができるためである。この座標変換によって、dq/αβ座標変換部5からは、α軸電圧指令値v α及びβ軸電圧指令値v βが出力される。
dq/αβ座標変換部5からのα軸電圧指令値v α及びβ軸電圧指令値v βは、2相−3相変換部であるαβ/uvw変換部6に与えられる。αβ/uvw変換部6は、αβ静止座標におけるα軸電圧指令値v α及びβ軸電圧指令値v βから、3相同期モータ10の各固定子巻線(U相、V相、W相)に出力すべきU相電圧指令値v 、V相電圧指令値v 、W相電圧指令値v wを生成する。また、α軸電圧指令値v α及びβ軸電圧指令値v βは、推定磁極位置算出のため磁極位置推定部14にも与えられる。
PWM信号発生部7は、U相電圧指令値v 、V相電圧指令値v 、W相電圧指令値v wに基づいて、インバータ8の、各固定子巻線に対応するスイッチング素子を駆動するためのPWM信号を発生する。
ここで、本実施形態においては、図2に示すように、PWM信号発生部7が、2相変調方式に従って2相PWM信号を出力する2相変調部21と、3相変調方式に従って3相PWM信号を出力する3相変調部22とを有するように構成される。PWM信号発生部7は、さらに、モータ速度ωreに応じて、U相、V相、W相の電圧指令値v 、v 、v wを、2相変調部21と3相変調部22とのどちらに入力するかを切り替える切替スイッチ部20を有する。なお、モータ速度として、後述する速度推定部17から出力される推定モータ速度ωreが用いられる。
ここで、2相変調部21における2相変調方式においては、例えば、各相の電圧指令値がピークとなる位置を含む電気角にて約60°の期間、その電圧指令値に対応する1相のスイッチングを停止し、残りの2相においてのみスイッチングが行われるようにPWM信号を生成する。これにより、同期モータ10の線間電圧を高めて電圧有効率の向上をさせたり、スイッチング損失の低減を図ることができる。一方、3相変調部22における3相変調方式においては、各相の電圧指令値が例えば正弦波状に形成され、三角波等の搬送波と比較されて、その比較結果に応じて、3相の各相においてスイッチングが行われるようにPWM信号を生成する。その結果、同期モータ10の線間電圧は、正弦波に近似するようになる。
インバータ8は、同期モータ10の各固定子巻線に対応するスイッチング素子を有し、これらのスイッチング素子は、PWM信号発生部7から出力されるPWM信号に応じてオン・オフ駆動される。その結果、U相電圧指令値v 、V相電圧指令値v 及びW相電圧指令値v wに対応する電圧を各固定子巻線に印加することができる。9は、直流電源であり、インバータ8の各スイッチング素子をオン・オフ駆動したときに、この直流電源9から同期モータ10に電流が流れて、同期モータ10が回転駆動される。
電流検出部11は、各固定子巻線に流れるモータ電流を検出するセンサを有し、このセンサを用いて各固定子巻線に通電される電流値i,i,iを検出する。電流検出部11から出力される電流検出値は、uvw/αβ変換部12に入力され、αβ座標におけるα軸電流値iαとβ軸電流値iβに変換される。なお、電流検出部11は、3相すべての固定子巻線の電流値を検出する必要はなく、2相の電流値を検出して、残りの1相の電流値は、その2相の電流値から推定しても良い。
uvw/αβ変換部12から出力されるα軸電流値iα及びβ軸電流値iβは、αβ/dq変換部13及び磁極位置推定部14に入力される。αβ/dq変換部13は、後述する加算部16から出力される回転子の補正推定磁極位置θre_compに基づいて、α軸電流値iα及びβ軸電流値iβをγ軸電流値iγ及びδ軸電流値iδに変換して、第2の偏差演算部3a,3bに出力する。また、γ軸電流値iγは、モータ電流の高調波成分に基づいて、推定磁極位置に含まれるであろう誤差を低減するための補正量を生成する補正量生成部15にも入力される。
ここで、磁極位置推定部14及び補正量生成部15に関して詳細に説明する。まず、磁極位置推定部14は、dq/αβ座標変換部5から入力されるα軸及びβ軸の電圧指令値v α、v β及びuvw/αβ変換部12から入力されるα軸及びβ軸の電流値iα、iβに基づいて、所定のモデル式を用いて回転子の磁極位置を推定する。この磁極位置推定器14として、例えば「拡張誘起電圧外乱オブザーバを用いたIPMSMの位置・速度センサレス制御」市川、陳、富田、道木、大熊、平成12年電気学会産業応用部門大会講演論文集に記載された外乱オブザーバを適用できる。ここで、この外乱オブザーバについて簡単に説明する。
まず、同期モータのモデルとして、以下の数式1に示す拡張誘起電圧モデルを用いることができる。
Figure 0004631672
上記の数式1において、右辺第2項が拡張誘起電圧として定義される。この拡張誘起電圧モデルは、永久磁石による誘起電圧に加え、リラクタンストルクを生じるインダクタンスの差を新たに磁束成分として扱うものである。このような拡張誘起電圧モデルを用いると、磁極位置の推定演算を容易にするメリットがある。そして、上記数式1に示されるモデルに対して、拡張誘起電圧を外乱とみなした外乱オブザーバを構成することにより、拡張誘起電圧を求めることができる。この場合、拡張誘起電圧eα、eβは、以下の数式2によって表される。
Figure 0004631672
上記の数式2によって得られた拡張誘起電圧eα、eβに対して、以下の数式3に示すように逆正接演算を行うことにより、回転子の推定磁極位置θreを求めることができる。
Figure 0004631672
上述した例では、詳細なモータモデルを基に誘起電圧を演算するため、その誘起電圧から演算される推定磁極位置θreについて、速度応答性や負荷変動応答性を良好に保つことができる。ただし、この場合、モータモデルには微分項が含まれるので、演算量が増加する。この点を考慮し、微分項を省略した近似モデルにより誘起電圧を演算するようにしても良い。これにより、推定磁極位置θreを求めるための演算量を低減することができる。微分項を省略する場合、電流の波高値Iは一定であり、その時間微分はゼロであるとみなす。この仮定により、例えばα軸電流iαの微分項は以下の数式4のように近似できる。
Figure 0004631672
同様にして、β軸電流iβの微分項の近似も行うことにより、上記した数式1は、以下の数式5のように簡略化できる。
Figure 0004631672
上述したようにして、磁極位置推定部14において、拡張誘起電圧eα、eβ及び回転子の推定磁極位置θreが算出される。この算出された推定磁極位置θreは、加算部16に与えられる。
一方、補正量生成部15は、γ軸電流値iγに基づいて、モータ電流に含まれる高調波成分に基づく推定磁極位置誤差を低減するための補正量を生成する。具体的には、γ軸電流値iγからハイパスフィルタによってモータ電流の高調波成分ir_hを抽出し、以下の数式6に示すように、抽出した高調波成分ir_hに対して所定のゲインを乗じることによって補正量icompを算出する。
Figure 0004631672
なお、モータ電流の高調波成分は、δ軸電流値iδに対してハイパスフィルタ処理を施すことにより求めても良い。さらに、モータ電流の高調波成分は、高調波成分を含まないγ軸電流指令値i γと高調波成分を含むγ軸電流値iγとの差から求めることもできるし、δ軸電流指令値i δとδ軸電流値iδとの差から求めることもできる。
ここで、推定磁極位置誤差とモータ電流の高調波成分として求めたγ軸電流値iγの高調波成分との関係の一例を図3のグラフに示す。図3に示されるように、γ軸電流値iγの高調波成分は、推定磁極位置誤差と同期している。これは、例えば、インバータ8のデッドタイム、同期モータ10の巻線の不平衡、さらには同期モータ10の構造に起因する誘起電圧などによって高調波成分が発生し、それがモータ電流、ひいてはγ軸電流値iγに含まれることになり、かつ、推定磁極位置θreは、その高調波成分を含んだモータ電流(α軸電流値iα、β軸電流値iβ)を用いて算出されるためである。
図3に示すように、推定磁極位置誤差とγ軸電流値iγの高調波成分ir_hとは同期しているので、数式6のように、その高調波成分ir_hに所定のゲインを乗じることによって、推定磁極位置誤差を低減するための補正量icompを算出することができる。なお、この場合、ゲインKには、補正量icompを加算部16にて推定磁極位置θreと加算することにより、推定磁極位置θreに含まれる誤差を低減可能な符号が与えられている。このため、加算部16からは、誤差が低減された補正推定磁極位置θre_compが出力される。この補正推定磁極位置θre_compは、dq/αβ座標変換部5、αβ/dq変換部13、及び速度推定部17に与えられる。
速度推定部17は、加算部17から出力された補正推定磁極位置θre_compの変化に基づいて、同期モータ10の回転子の回転速度であるモータ速度ωreを算出し、第1の偏差演算部1に出力する。例えば、速度推定部17において、数式7に示すように、補正推定磁極位置θre_compに対して微分演算を施すことにより、モータ速度ωreを求めることができる。
Figure 0004631672
上述したように、本実施形態では、モータ電流の高調波成分iγ_hを抽出し、抽出したモータ電流高調波成分iγ_hから、直接的に、推定磁極位置θreに対する補正量icompを算出する。つまり、モータ電流の高調波成分iγ_hが、推定磁極位置θreを求める際の誤差要因となることに鑑み、その高調波成分iγ_hによる推定磁極位置誤差に対応する補正量icompを、高調波成分iγ_hから直接的に求めるのである。従って、補正量icompを求めるための演算負荷を従来に比較して減少させることができる。
さらに、本実施形態では、上述したように、PWM信号発生部7が、2相変調部21と3相変調部22とを有し、モータ速度ωreに応じて、PWM信号を生成するために、いずれの変調方式を採用するかを切り替える。具体的には、図4に示すように、モータ速度ωreが第1の所定速度N1(例えば800rpm)よりも大きい場合には、2相変調方式に従ってPWM信号を生成し、第2の所定速度N2(例えば500rpm)よりも小さい場合には、3相変調方式に従ってPWM信号を生成するように、採用すべき変調方式を切り替える。このように、モータ速度ωreに応じて変調方式を切り替える理由は以下の通りである。
上述したように、2相変調方式は、電圧有効率を向上できたり、スイッチング損失を低減できたりと、3相変調方式に比較して有利な点がある。しかしながら、2相変調方式によってPWM信号を生成した場合、モータ電流には、3相変調方式によってPWM信号を生成した場合に比較して、より多くの高調波成分が含まれることになる。
モータ速度ωreが高い場合には、低い場合に比較して、同期モータ10の磁極位置に相関のある誘起電圧が大きくなり、それにより、モータ電流も大きくなるので、高調波成分が多少増加しても、正しい推定磁極位置を求めることは可能である。しかし、モータ速度が低い場合に、モータ電流の高調波成分が増加すると、いわゆるS/N比が低下した状態となり、磁極位置の推定精度が低下する。
そのため、本実施形態では、上述したように、モータ速度ωreに応じて、インバータ8に供給するスイッチング制御信号を、3相PWM信号と2相PWM信号とのいずれかに切り替えるようにしているのである。この変調方式の切り替えによる効果の一例を、図5のグラフを用いて説明する。
図5は、モータ速度500rpmで同期モータ10が回転している状態で、変調方式を2相変調方式から3相変調方式に切り替えた場合の、推定磁極位置及び変調率の変化を示すものである。図5に示すように、2相変調方式から3相変調方式に切り替えることで、推定磁極位置を示す波形に重畳していた高調波ノイズが減少する。併せて、変調率が適正なレベルに変化している。
さらに、本実施形態による効果を、図6(a),(b)及び図7(a),(b)のグラフに基づいて説明する。なお、図6(a)及び図7(a)は、モータ電流の高調波成分に基づく補正量によって推定磁極位置の誤差を低減することなく、かつ上述した変調方式の切り替えも実施しない場合の、推定磁極位置θreに含まれる高調波成分のFFT解析結果及び同期モータ10の安定駆動が可能な領域を示すものである。また、図6(b)及び図7(b)は、本実施形態による制御装置によって同期モータ10の駆動を制御した場合の、推定磁極位置θreに含まれる高調波成分のFFT解析結果及び同期モータ10の安定駆動が可能な領域を示すものである。
図6(a)、(b)を対比すれば明らかなように、本実施形態による制御装置を用いた場合、推定磁極位置θreに含まれる高調波成分(3f、6f、9f、12f、…)が大きく減少している。さらに、図7(a)、(b)から、本実施形態による制御装置により、同期モータ10の安定駆動域を、低速及び高負荷領域に拡大できることがわかる。
なお、同期モータ10を高負荷状態で駆動すると、モータ印加電圧が大きくなって空間インダクタンスが増加するため、高調波成分が大きくなる。そのため、推定磁極位置θre等の誤差も大きくなるので、低負荷状態に比較して、安定駆動が困難になるのである。
上述したように、本実施形態では、モータ速度ωreに応じて、インバータ8に供給するスイッチング制御信号を、3相PWM信号と2相PWM信号とのいずれかに切り替える。このため、モータ速度ωreが低下したとき、モータ電流に高調波成分が生じにくい変調方式である3相変調方式による3相PWM信号によって、同期モータ10を安定的に駆動することができる。一方、モータ速度ωreが増加して、モータ電流の高調波成分の影響度が低下する場合には、同期モータ10を高効率に駆動可能な2相変調方式による2相PWM信号によって、同期モータ10を駆動することができる。
なお、本実施形態では、図4に示すように、2相変調方式への切替速度である第1の所定速度N1と3相変調方式への切替速度である第2の所定速度N2との間にヒステリシスを設けている。このため、頻繁に変調方式が切り替わってしまうことを防止できる。
以上、本発明の好ましい実施形態による同期モータ制御装置について説明したが、本発明は上述した実施形態に何ら制限されることなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々変形して実施することが可能である。
(変形例1)
例えば、上述した実施形態では、モータ電流の高調波成分iγ_hから、推定磁極位置θreの誤差を低減するための補正量icompを算出して、補正推定磁極位置θre_compを求めることと、モータ速度ωreに応じた変調方式の切り替えを同時に実施するものであった。このように、高調波成分の発生に対する2つの対策を同時に実施することにより、効果的に高調波成分に基づく推定磁極位置θreの誤差を低減することができる。しかしながら、上述した2つの対策は必ずしも同時に実施する必要はなく、それぞれ単独で使用しても、高調波成分に基づく推定磁極位置θreの誤差の低減に寄与できるものである。
(変形例2)
また、上述した実施形態では、磁極位置推定部14が算出した推定磁極位置θreに対して、加算部16において、補正量生成部15が生成した補正量icompを加算することにより、推定磁極位置θreの補正値である補正推定磁極位置θre_compを算出した。しかしながら、推定磁極位置θreの補正方法は、このような例に限られるものではない。
例えば、図8に示すように、補正量生成部15aが、γ軸電流値iγ等の高周波成分に基づいて、α軸及びβ軸における補正量icomp_α、icomp_βを算出し、磁極位置推定部14aに与える。磁極位置推定部14aでは、数式8に示すように、拡張誘起電圧eα、eβを入力された補正量icomp_α、icomp_βで補正した補正拡張誘起電圧eα_comp、eβ_compを算出する。
Figure 0004631672
そして、この補正拡張誘起電圧eα_comp、eβ_compを用いて、逆正接演算を行うことによって補正推定磁極位置θes_compを求める。このようにしても、上述した実施形態と実質的に同じ補正推定磁極位置θes_compを求めることができる。
(変形例3)
上述した実施形態及び変形例2では、補正推定磁極位置θes_compを求め、この補正推定磁極位置θes_compの変化に基づいて推定モータ速度ωreを求めていた。この場合、推定磁極位置θesの高調波成分に基づく誤差が低減された補正推定磁極位置θes_compから推定モータ速度ωreを求めているので、結果的に、推定モータ速度ωreの誤差も低減される。しかしながら、特に、推定モータ速度ωreに関して、誤差を取り除くことが必要である場合には、この推定モータ速度ωreを直接補正するようにしても良い。
具体的には、図9に示すように、補正量演算部15bが、推定モータ速度ωreの高調波成分に基づく誤差を低減するための補正量icompを算出し、この補正量icompと推定モータ速度ωreとを加算部18にて加算するように構成しても良い。これにより、高調波成分に基づく誤差が低減された補正推定モータ速度ωre_compを得ることができる。
(変形例4)
上述した実施形態では、PWM信号発生部7において、モータ速度ωreに応じて変調方式を切り替えるものであった。これにより、特に、同期モータ10の駆動安定性が問題となる低速領域及び高負荷領域においても、同期モータ10の駆動安定性を確保することができる。
しかしながら、変調方式を切り替える以外の手法によっても、同等の効果を奏することが可能である。すなわち、PWM信号発生部7において、図10に示すように、αβ/UVW変換部6から入力されるU相、V相、W相の電圧指令値v 、v 、v wに基づいて、正弦波状の基本波と、周波数を基本波の3倍に高めた3次高調波を生成する。そして、モータ速度ωreに応じて、インバータ8に出力するPWM信号を生成するために、搬送波(三角波)と比較される電圧指令値を、基本波と3次高調波とを合成した合成波と基本波のいずれかに切り替える。
ここで、図10の波形図を見ると、基本波と3次高調波を合成した合成波は、ピーク値付近に長く留まるように歪んだ波形形状となる。従って、基本波と3次高調波を合成した合成波を各相の電圧指令値v 、v 、v wとして採用して、搬送波との比較の下にPWM信号を生成することにより、2相変調方式を採用した場合と同様に、電圧有効率の向上やスイッチング損失の低減を図ることができる。
ただし、各相の電圧指令値v 、v 、v wとして合成波を採用した場合には、2相変調方式の場合と同様に、モータ電流における高調波成分が増加する。そのため、合成波を採用するのはモータ速度ωreが第1の所定速度よりも大きいときとし、モータ速度ωreが第2の所定速度を下回った場合には、基本波を各相の電圧指令値v 、v 、v wとして採用するのである。
(変形例5)
上述した実施形態では、磁極位置推定部14が、αβ静止座標系において、推定磁極位置θesを算出して、補正量生成部15及び加算部16によって補正するものであった。
しかしながら、推定磁極位置θesの算出及び補正は、dq(γδ)回転座標系において行っても良い。ただし、この場合、算出されるのは、実際の磁極位置ではなく、実際の磁極位置に対する推定誤差であり、その推定誤差に対して、モータ電流の高調波成分から算出した補正量を用いて補正を行うことになる。これは、拡張誘起電圧やモータ電圧に対して補正を行う場合も同様である。
(変形例6)
上述した実施形態では、推定磁極位置θesの変化から算出されたモータ速度ωreに基づいて、2相PWM信号と3相PWM信号との切り替えを行っていた。しかしながら、例えばモータ速度の指令値ωを、切替制御を行うためのモータ速度として用いても良いし、センサ等によって検出したモータ速度を用いても良い。
実施形態による同期モータの制御装置の全体構成を示すブロック図である。 図1におけるPWM信号発生部の構成を示すブロック図である。 推定磁極位置誤差とモータ電流の高調波成分として求めたγ軸電流値iγの高調波成分との関係の一例を示すグラフである。 PWM信号発生部における変調方式の切り替えロジックを説明するための説明図である。 変調方式の切り替えによる効果の一例を説明するためのグラフである。 (a)は、モータ電流の高調波成分に基づく補正量によって推定磁極位置の誤差を低減することなく、かつ上述した変調方式の切り替えも実施しない場合の、推定磁極位置θreに含まれる高調波成分のFFT解析結果を示すグラフであり、(b)は、本実施形態による制御装置によって同期モータ10の駆動を制御した場合の、推定磁極位置θreに含まれる高調波成分のFFT解析結果を示すグラフである。 (a)は、モータ電流の高調波成分に基づく補正量によって推定磁極位置の誤差を低減することなく、かつ上述した変調方式の切り替えも実施しない場合の、同期モータ10の安定駆動が可能な領域を示すグラフであり、(b)は、本実施形態による制御装置によって同期モータ10の駆動を制御した場合の、同期モータ10の安定駆動が可能な領域を示すグラフである。 実施形態の変形例2による同期モータ制御装置の構成を示すブロック図である。 実施形態の変形例3による同期モータ制御装置の構成を示すブロック図である。 実施形態の変形例4による同期モータ制御装置について説明するための波形図である。
符号の説明
2…速度制御部
4…電流制御器
5…dq/αβ座標変換部
6…αβ/uvw変換部
7…PWM信号発生部
8…インバータ
10…同期モータ
11…電流検出部
12…uvw/αβ変換部
13…αβ/dq変換部
14…磁極位置推定部
15…補正量生成部
16…加算部
17…速度推定部

Claims (11)

  1. 同期モータの磁極位置を推定する磁極位置推定方法であって、
    モータ印加電圧及びモータ電流と、前記同期モータのモデル式とに基づいて推定磁極位置を求める推定ステップと、
    前記モータ電流の高調波成分を抽出する抽出ステップと、
    前記モータ電流の高調波成分に基づいて推定磁極位置に対する補正量を算出するとともに、この算出した補正量により、前記推定ステップにおいて求めた推定磁極位置を補正する補正ステップとを備えることを特徴とする磁極位置推定方法。
  2. 前記推定ステップでは、まず、前記同期モータのモデル式に基づいて誘起電圧を算出し、その後、当該誘起電圧に基づいて推定磁極位置を求め、
    前記補正ステップでは、前記推定ステップにおいて算出された誘起電圧を補正することにより、その結果として、前記推定磁極位置を補正することを特徴とする請求項1に記載の磁極位置推定方法。
  3. 同期モータのモータ速度を推定するモータ速度推定方法であって、
    モータ印加電圧及びモータ電流と、前記同期モータのモデル式とに基づいて推定磁極位置を求める推定ステップと、
    前記推定磁極位置の変化に基づいて推定モータ速度を求める推定モータ速度算出ステップと、
    前記モータ電流の高調波成分を抽出する抽出ステップと、
    前記モータ電流の高調波成分に基づいて、モータ速度に対する補正量を算出するとともに、この算出した補正量により、前記推定モータ速度を補正するモータ速度補正ステップとを備えることを特徴とするモータ速度推定方法。
  4. 同期モータの制御装置であって、
    モータ印加電圧及びモータ電流と、前記同期モータのモデル式とに基づいて推定磁極位置を求める磁極位置推定手段と、
    前記モータ電流の高調波成分を抽出する抽出手段と、
    前記モータ電流の高調波成分に基づいて補正量を算出するとともに、この算出した補正量により、前記磁極位置推定手段において求めた推定磁極位置を補正する補正手段と、
    前記補正手段によって補正された推定磁極位置に基づいて、前記モータ印加電圧を生成して前記同期モータに印加する制御手段とを備えることを特徴とする同期モータ制御装置。
  5. 前記磁極位置推定手段は、前記同期モータのモデル式に基づいて誘起電圧を算出し、当該誘起電圧に基づいて推定磁極位置を求めるものであって、
    前記補正手段は、前記推定ステップにおいて算出された誘起電圧を補正することにより、その結果として、前記推定磁極位置を補正することを特徴とする請求項4に記載の同期モータ制御装置。
  6. 前記制御手段は、
    前記推定磁極位置に基づいて、同期モータの各相のモータ印加電圧を生成する生成手段と、
    前記生成手段によって生成された各相印加電圧を、3相変調方式に従ってパルス幅変調して、3相パルス幅変調信号を発生させる3相変調手段と、
    前記生成手段によって生成された各相印加電圧を、2相変調方式に従ってパルス幅変調して、2相パルス幅変調信号を発生させる2相変調手段と、
    前記同期モータのモータ速度に基づいて、インバータに供給するスイッチング制御信号を、前記3相パルス幅変調信号と2相パルス幅変調信号とのいずれかに切り替える切替手段とを備えることを特徴とする請求項4又は請求項5に記載の同期モータ制御装置。
  7. 前記切替手段は、前記モータ速度が第1の所定速度よりも大きい場合に、インバータに供給するスイッチング制御信号を、前記2相パルス幅変調信号に切り替えるとともに、第2の所定速度よりも小さい場合に、前記3相パルス幅変調信号に切り替えることを特徴とする請求項6に記載の同期モータ制御装置。
  8. 前記制御手段は、
    前記推定磁極位置に基づいて、同期モータの各相のモータ印加電圧の基本波を生成する基本波生成手段と、
    前記基本波生成手段によって生成された各相印加電圧の基本波の3次高調波を生成する3次高調波生成手段と、
    前記同期モータのモータ速度に基づいて、前記各相のモータ印加電圧を、前記基本波と前記3次高調波とを合成した合成波と前記基本波とのいずれかに切り替える切替手段とを備えることを特徴とする請求項4又は請求項5に記載の同期モータ制御装置。
  9. 前記切替手段は、前記モータ速度が第1の所定速度よりも大きい場合に、前記各相のモータ印加電圧を、前記基本波と前記3次高調波を合成した合成波に切り替えるとともに、第2の所定速度よりも小さい場合に、前記基本波に切り替えることを特徴とする請求項8に記載の同期モータ制御装置。
  10. 前記切替手段は、前記推定磁極位置の変化に基づいてモータ速度を算出することを特徴とする請求項6乃至請求項9のいずれかに記載の同期モータ制御装置。
  11. 同期モータの制御装置であって、
    モータ印加電圧及びモータ電流と、前記同期モータのモデル式とに基づいて推定磁極位置を求める磁極位置推定手段と、
    前記推定磁極位置の変化に基づいて推定モータ速度を求める推定モータ速度算出手段と、
    前記モータ電流の高調波成分を抽出する抽出手段と、
    前記モータ電流の高調波成分に基づいて補正量を算出するとともに、この算出した補正量により、前記推定モータ速度を補正するモータ速度補正手段と、
    前記補正手段によって補正された推定モータ速度に基づいて、前記モータ印加電圧を生成して前記同期モータに印加する制御手段とを備えることを特徴とする同期モータ制御装置。
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