JP5298003B2 - エレベータの速度制御装置および速度制御方法 - Google Patents

エレベータの速度制御装置および速度制御方法 Download PDF

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Description

本発明はエレベータの速度制御装置および速度制御方法に関わり、特に、損失低減と乗り心地劣化の抑制を両立するエレベータの速度制御装置および速度制御方法に関する。
従来のエレベータでは、モータを駆動するインバータは三相変調方式で制御されている。
これに対して、特許文献1に記載されたエレベータシステムでは、二相変調方式により制御することでスイッチング損失を低減する方式が記載されている。
二相変調方式は、特許文献2に記載された三相電圧形インバータのPWM制御方法のように、出力相の三相のうち一相を周期的に常時ON或いはOFFさせることで、スイッチングに伴う損失を低減させることができる。
さらに、特許文献3に記載された省電力エレベータシステムでは、乗りかごの積載量が大きくなった重負荷時に三相変調方式から二相変調方式に切替える方式が記載されている。
また、特許文献2や特許文献4に記載されたPWMインバータ装置では、エレベータが対象ではないが、インバータの出力電圧に基づいて三相変調方式と二相変調方式を切り替える方式が記載されている。
二相変調方式では、各相のスイッチング素子におけるスイッチング回数を低減できる。このため、スイッチング時に発生するスイッチング損失を低減でき、特許文献1のみならず、汎用インバータ等では広く採用されている。
特開2006−131397号公報 特開平1−274669号公報 特開2007−254069号公報 特開昭63−290170号公報
しかし、二相変調方式は、出力電圧が低いほどインバータの出力電圧のパルス幅が狭くなり、極低電圧を出力させる場合には、極めて狭幅のパルスが出力される特性を持つ。一般にスイッチング素子は、指令パルスに対して即応できないため、極狭幅のパルス指令が入力された時には反応できない場合がある。また、反応したとしても完全にON状態になる前にOFF状態に戻り、寿命の低下をもたらす恐れがある。
特許文献3では、乗りかごの積載量をパラメータとして、三相変調方式から二相変調方式に切り替える方式が記載されているが、例えば、積載量が大きい場合には、駆動直後の低電圧出力状態から二相変調方式で駆動することになるため、同様な問題が生じる。
また、エレベータにおいては、乗り心地に対する要求が高いため、乗りかごの揺れなどに起因する不快感をできる限り抑制したいという特有の課題がある。ところが、三相変調制御と二相変調制御を切り替える際においては、インバータ出力にショックを与える場合がある。この要因は、切り替え時の電圧指令の変動や零相電流の変動等により電圧指令値にリプルが発生するためである。また、負荷の慣性モーメントが小さい場合(小型のエレベータの場合)にその影響が大きく出る恐れがある。
本発明の目的は、エレベータを駆動するインバータにおいて、乗り心地の悪化を抑制しつつ、インバータのスイッチング損失を低減することである。
上記の課題を解決する手段として、三相変調制御と二相変調制御を切り替えるタイミングを、エレベータの速度が変化している加速領域、あるいは、加速度が変化している加加速領域(ジャーク領域)とする。
本発明の望ましい実施態様においては、主回路を整流器およびインバータにより構成し、前記インバータによりパルス幅変調された可変電圧・可変周波数の三相交流をエレベータ駆動モータに供給することにより乗りかごを昇降させるエレベータの速度制御装置において、前記インバータを制御するPWM制御装置は、前記エレベータの走行速度またはエレベータの走行速度相当値が所定値未満であるとき三相変調制御とし、前記エレベータの走行速度またはエレベータの走行速度相当値が前記所定値を超えたとき二相変調制御に切り替え、かつ、前記所定値をエレベータ乗りかごの走行速度が変化している加減速領域内の速度相当値とした変調制御切替え手段を備えたことを特徴とする。
本発明の望ましい実施態様においては、前記インバータを制御するPWM制御装置を三相変調制御して前記エレベータを起動加速するステップと、前記エレベータの加速中に、前記エレベータの走行速度またはエレベータの走行速度相当値が、前記エレベータの加速領域内の速度に設定された第一の所定値を超えたとき、前記PWM制御装置を二相変調制御に切り替えるステップと、前記エレベータの減速中に、前記エレベータの走行速度またはエレベータの走行速度相当値が、前記第一の所定値よりも低く設定された第2の所定値を下回ったとき、前記PWM制御装置を三相変調制御に切り替えるステップを備えたことを特徴とする。
エレベータの乗客においては、一定速度領域において乗りかごのショックは比較的敏感に感じるため、不快感を味わうことになるが、エレベータの始動直後あるいは停止間際の加速領域やジャーク領域ではショックを感じにくい。
このため、本発明の望ましい実施態様によれば、ショックが生じたとしても不快感を抑制することができる。
また、本発明の望ましい実施態様によれば、インバータのスイッチング損失の低減と、乗り心地悪化の抑制とを両立させることができる。
本発明のその他の目的と特徴は、以下に述べる実施形態の中で明らかにする。
本発明の実施例1によるエレベータ制御装置の概略構成図である。 実施例1における速度指令値および変調切り替え領域を示す図である。 三相変調制御方式の電圧指令値と線間電圧の変化の様子を示す図である。 二相変調制御方式の電圧指令値と線間電圧の変化の様子を示す図である。 実施例1における種々の運転距離、加速度、速度指令値および変調切り替え用の速度しきい値を示す図である。 実施例1における変調切り替え処理の概要説明図である。 本発明の実施例2によるエレベータ制御装置の概略構成図である。 実施例2における変調切り替え処理の概要説明図である。
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。
図1は、本発明の実施例1によるエレベータ制御装置の概略構成図であり、エレベータは、電源1に接続された整流器2、インバータ3、モータ(巻上機)4、モータ4に接続された綱車の駆動に伴い昇降する乗りかご5とつりあいおもり6により構成されている。整流器2は、電源1から供給される商用周波数の交流電力を直流電力に変換する。インバータ3は、直流電力を可変電圧・可変周波数の三相交流に変換しモータ4に給電する。乗りかご5とつりあいおもり6は、モータ4に接続された綱車に架けられた形態であり、モータ4の回転駆動に伴って昇降動作をすることになる。
インバータ3を駆動するための指令値の生成方法は、まず、速度指令演算部7から出力される速度指令値とモータ4に取り付けた図示していない速度検出器により得られる速度検出値の差分が零になるように、速度制御系8においてモータ出力トルクのトルク指令値を演算する。次に、電流制御系9により、トルク指令値に比例する電流値とインバータ3の出力に接続した図示していない電流検出器により得られる電流検出値のトルク電流成分との差分が零になるように、かつ、モータ4の界磁成分の指令値と前記電流検出器により得られる電流検出値の界磁電流成分との差分が零になるように、第一の電圧指令値を生成する。ここで、第一の電圧指令値(v1)は、電流制御系9の界磁成分の出力(vd)とトルク成分の出力(vq)により決定し、
v1=√(vd2+vq2)…………………………………………………(1)
と表される。あるいは、一般に、vq>vdであるため、
v1≒vq ……………………………………………………………………(2)
としても良い。
次に、指令値演算部10において、変調方式選択部11により選択される三相変調制御あるいは二相変調制御の制御方式に基づいて、前記第一の電圧指令値から第二の電圧指令値を演算する。PWM制御部11では、第二の電圧指令値を三角波キャリアと比較することにより、インバータ3を駆動するための矩形パルス状のPWM信号を生成する。
変調方式選択部12では、速度指令演算部7から出力される速度指令値を、速度しきい値設定部13で設定された速度しきい値と比較し、速度指令値がしきい値より低い領域では、三相変調制御を選択する。また、速度指令値がしきい値より高い領域では、二相変調制御を選択する。
図2は、本発明の実施例1におけるエレベータの1つの運転時の加速度指令、速度指令および速度しきい値の様子を示す図である。
図に示すように、速度しきい値は、低い速度に設定されており、三相変調制御で起動し、起動直後に二相変調制御に切り替えている。減速時においては、十分に低速である速度しきい値まで減速後の停止直前に、三相変調制御に切り替えている。
ただし、変調切替領域を図中に示すように、加減速領域内であれば、乗客が不快感を味わいにくく、変調切替領域として相応の効果が期待できる。変調方式の選択方法の詳細については後述する。
図3に、三相変調制御方式の電圧指令値と線間電圧を示す。図3(a)は、三相変調制御方式において、前記第一の電圧指令値の振幅が大きい場合の第二の電圧指令値(vu*,vv*,vw*)と三角波キャリアおよび出力される線間電圧の基本波成分(vu−v,vv−w,vw−u)を示す。また、図3(b)は、三相変調制御方式で、前記第一の電圧指令値の振幅が小さい場合の第二の電圧指令値(vu*,vv*,vw*)と三角波キャリアおよび出力される線間電圧の基本波成分(vu−v,vv−w,vw−u)を示している。
三相変調制御方式では、前記第一の電圧指令値をそれぞれvu**,vv**,vw**とすると、
vu*=vu**+Vo …………………………………………………………(3)
vv*=vv**+Vo …………………………………………………………(4)
vw*=vw**+Vo …………………………………………………………(5)
ただし、Vo=0、あるいは、vu**,vv**,vw**に対する3次高調波成分
と表わされる。図3(a),(b)では、一例として、
vu*=Va・cos(ωt) …………………………………………………(6)
vv*=Va・cos(ωt−2π/3)………………………………………(7)
vw*=Va・cos(ωt−4π/3)………………………………………(8)
とし、
Vo=(−1/6)Va・cos(3ωt)……………………………………(9)
としている。Voは、零相電圧に相当するため、各相の相電圧自体は図3(a),(b)のように歪を含むが、線間電圧は正弦波となり、モータ4の駆動に支障はない。
三相変調制御方式では、全出力相の電圧指令値が三角波キャリア一周期当たり2回交差し、矩形波のON/OFF指令を出力する。このため、スイッチング損失は毎周期発生する。しかし、図3(b)のように、第一の電圧指令値の振幅が小さい場合には、三角波キャリアの中心付近で指令値と比較されるため、出力される矩形波パルスのデューティ比は50%に近く、安定した駆動が可能になる。三相変調方式では、第一の電圧指令値の振幅が極めて小さい場合から比較的大きい場合まで安定に駆動できる。
図4(a),(b)に、二相変調方式の電圧指令値と線間電圧を示す。図4(a)は、二相変調制御方式で、前記第一の電圧指令値の振幅が大きい場合の第二の電圧指令値(vu*,vv*,vw*)と三角波キャリアおよび出力される線間電圧の基本波成分(vu−v,vv−w,vw−u)を示す。また、図4(b)は、二相変調制御方式で、前記第一の電圧指令値の振幅が小さい場合の、第二の電圧指令値(vu*,vv*,vw*)と三角波キャリアおよび出力される線間電圧の基本波成分(vu−v,vv−w,vw−u)である。
二相変調制御方式では、(3)〜(5)式のVoについて、vu**,vv**,vw**の中で中間の大きさの指令値が0以上である場合、Voは三角波のキャリア信号のピーク値をマイナスした値からvu**,vv**,vw**の中で最小の値を引いた値とする。すなわち、中間電圧mid{vu**,vv**,vw**}≧0の場合には(10)式とする。
Vo=−Vc−min{vu**,vv**,vw**}……………………(10)
ここで、Vcはキャリア信号のピーク値である。
一方、vu**,vv**,vw**の中で中間の大きさの指令値が0未満である場合、Voは三角波のキャリア信号のピーク値からvu**,vv**,vw**の中で最大の値を引いた値とする。すなわち、mid{vu**,vv**,vw**}<0の場合には、(11)式とする。
Vo=+Vc−max{vu**,vv**,vw**}……………………(11)
図4(a),(b)より、三相変調制御方式と同様に、各相の指令電圧はひずみ波形となるが、線間電圧は正弦波となり、モータ4を支障なく駆動できる。
二相変調制御方式では、各相の指令値が交互に三角波キャリアの最大値以上の値あるいは三角波キャリアの最小値以下の値にある。この領域では、スイッチ素子は常にONあるいはOFFの状態となり、スイッチング損失が発生しない。このため、三相変調制御方式の場合と比較して損失を大幅に低減できる効果がある。
しかし、図4(b)のように、第一の電圧指令値の振幅が小さい場合には、三角波キャリアの頂点付近で指令値と比較されるため、出力パルスは狭幅のパルスとなる。極めて狭い幅のパルス指令値がスイッチ素子に与えられた場合には、素子は反応せず、波形ひずみをもたらす恐れがある。また、素子が反応したとしても、完全にON状態になる前にOFF指令が与えられると素子の寿命を低下させる恐れがある。
このため、実施例1では、第一の電圧指令値の振幅が小さい条件では、三相変調制御方式で駆動し、第一の電圧指令値の振幅が大きくなると二相変調制御方式に切り替える。
図5は、本発明の実施例1における速度しきい値による変調切り替えの詳細を示す。
図1の速度指令演算部7では、例えば、図5の加速度指令に対して積分処理を実施することにより速度指令値を演算する。また、図1における第一の電圧指令値の振幅は、負荷条件が同じ場合はモータ4の回転速度にほぼ比例する。これは、モータ4の回転速度に比例してモータ誘起電圧が上昇するためであり、特に、モータ4が永久磁石モータの場合は比例係数(誘起電圧係数)が大きくなる。
エレベータの乗り心地に着目した場合、図5の加速度指令値が零の領域すなわち速度指令値が一定速度の条件で、例えばモータ4のトルク脈動などに伴う乗りかごのショックが発生すると乗客はその振動を顕著に感じる。しかし、加速度指令値が変化しているジャーク領域や加速度が零でない一定値の場合(速度が一定の傾きで増減する場合)は、乗りかごのショックを感じにくい傾向にある。
一方、三相変調制御と二相変調制御を切り替える際には、各相の電圧指令値が、例えば、図3(b)の状態から図4(b)の状態に大きく変動するため、僅かな誤差成分により電圧指令値にリプルが発生し、インバータ出力にショックを与える場合がある。また、電圧指令値が大きく変動する際に、比較的ピーク値の大きい零相電流が発生するため、特にインバータ3の出力端に設ける電流検出器を三相出力のうち二相に設けて残りの一相を演算する方式の場合には、前記と同様に電圧指令値にリプルが発生して乗りかご5にショックを与える場合がある。
そこで、本発明の実施例1では、変調方式選択部12において、速度指令演算部7の指令値を基に、エレベータの加速領域やジャーク領域に三相変調制御と二相変調制御を切り替える。これを実現するために、実施例1では、速度指令値を30[m/min]の速度しきい値と比較して、しきい値未満の速度領域では三相変調制御を選択し、このしきい値以上の速度領域では相変調制御を選択する。したがって、図5に示すように、運転距離によって決まる種々の最高速度、例えば、60,105,または150[m/min]等のいずれまで加速する場合においても、ジャーク領域または加速領域にて、三相変調制御と二相変調制御の間の切り替えを行っている。この実施例1では、前記しきい値を、乗りかごの走行速度30[m/min]に相当する値としたが、図5からも明らかなように、エレベータでは、走行速度30[m/min]以下に相当する値にて、変調制御切替え手段を作動させれば、加減速領域のうちでも、特に、ジャーク領域に近く、乗客が不快感を抱くことは少ない。
加速領域やジャーク領域は、エレベータの始動直後あるいは停止間際の僅かな時間であるが、この期間に切り替えを実施することにより、モータ4においてトルクリプルが発生して乗りかごにショックが生じたとしても、乗客は振動を感じにくい効果がある。
また、実施例1では、変調方式選択部12において、速度指令値を基に切り替え処理を行っているが、モータ4に取り付けた速度検出器から得られる速度検出値を基に切り替え処理を行っても良い。この場合は、速度検出値に僅かな脈動等が含まれる可能性がある。
図6は、本発明の実施例1における変調切り替え処理の概要図である。この図に示すように、加速時と減速時の切り替えポイントに対してヒステリシス処理を設ける。つまり、三相変調制御方式から二相変調制御方式に切り替える加速時には、速度が上側しきい値よりも大きくなった場合に切り替え処理を行う。また、二相変調制御方式から三相変調制御方式に切り替える減速時には、速度が下側しきい値(下側しきい値<上側しきい値)よりも小さくなった場合に切り替え処理を行う。
これにより、短時間内に二相変調制御方式と三相変調制御方式の切り替えを激しく繰り返すチャタリング現象等の悪影響を抑制できる効果がある。この場合において、上側速度しきい値と下側速度しきい値は共に、加速時あるいはジャーク時における速度とすることが望ましいことは言うまでもない。
また、図1の変調方式選択部12における三相変調制御あるいは二相変調制御の選択は、速度しきい値設定部13において、しきい値を適宜変更しても良い。
例えば、通常、図5に示した速度しきい値よりも高い速度しきい値としておき、一階床〜数階床間隔のみの短い距離の昇降動作や保守運転の条件で、図5に示すような低い速度しきい値に変更する。この場合は、変調方式の切り替え点が加速時あるいはジャーク時になるように速度しきい値を調整することによって、損失の小さい二相変調制御方式に速やかに移行できる効果がある。
図7は、本発明の実施例2によるエレベータ制御装置の概略構成図である。図1の実施例1との違いは、電流制御系9により出力される第一の電圧指令値に対してローパスフィルタ14を介した値と、電圧しきい値設定部15により出力されるしきい値を変調方式選択部12の入力としている点である。加減速領域あるいはジャーク領域に当たる第一の電圧指令値の大きさは、モータ4の回転速度に比例して増加する誘起電圧値から概ね推定できる。例えば、乗りかご5内の積載量が零の場合あるいは定格重量の場合は乗りかご5とおもり6がつり合う条件よりもトルク電流を流す必要があり出力電圧値は大きくなるが、一般的なモータではトルク電流を流すために必要な電圧値よりも回転速度に比例して増加する誘起電圧値の方が大きい。このため、モータ4によっては、加速時あるいはジャーク時に出力されている電圧指令値の範囲を限定することが可能になる。
そこで、変調方式選択部12では、第一の電圧指令値の大きさに基づいて変調方式を選択する。第一の電圧指令値は、変調方式の切り替え時やデッドタイム補償時に高周波数のリプルが重畳する可能性がある。高周波数のリプルが重畳された場合には、変調方式の切り替えにチャタリングが発生し、不安定な動作をする場合がある。例えば、リプルのピーク値が変調方式の切り替え点に達した場合には変調方式が切り変わるが、リプル値が低下すると変調方式がさらに切り替わるなど、短時間に変調方式の切り替わりが頻発する。
そこで、図7の実施例2では、ローパスフィルタ14を介した値を使用する。これにより、リプルによる悪影響を低減できる効果がある。
図8は、図7の実施例2における変調切り替え処理の概要説明図である。図に示すように、加速時と減速時の切り替えポイントに対してヒステリシス処理を設ける。つまり、三相変調制御方式から二相変調制御方式に切り替える加速時には、電圧指令値が上側電圧しきい値よりも大きくなった場合に切り替え処理を行う。また、二相変調制御方式から三相変調制御方式に切り替える減速時には、電圧指令値が下側電圧しきい値(下側電圧しきい値<上側電圧しきい値)よりも小さくなった場合に切り替え処理を行う。
これにより、短時間内に二相変調制御方式と三相変調制御方式の切り替えを繰り返すチャタリング現象の抑制効果を高めることが可能になる。
また、図7の電圧しきい値設定部15は、図5に示したように、速度指令値が定格速度まで達しない短階床運転の場合を踏まえて、実施例1の速度しきい値設定部13の場合と同様に、しきい値を適宜変更しても良い。これにより、損失の小さい二相変調制御方式に速やかに移行できる効果がある。
また、図8においても上側電圧しきい値と下側電圧しきい値は共に、加速時あるいはジャーク時に出力される電圧値とすることが望ましいことは言うまでもない。
以上の実施例で説明したように、本発明においては、エレベータの走行速度またはエレベータの走行速度相当値は、モータの速度制御系に与えられる速度指令値、モータの回転速度を検出する速度検出器の出力値、モータに給電するインバータの出力電圧、出力周波数、またはそれらの相当値を用いることができる。
以上、本発明の実施の形態を説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲で様々変形して実施できることは言うまでもない。
1…電源、2…整流器、3…インバータ、4…モータ、5…乗りかご、6…おもり、7…速度指令演算部、8…速度制御系、9…電流制御系、10…指令値演算部、11…PWM制御部、12…変調方式選択部、13…速度しきい値設定部、14…ローパスフィルタ、15…電圧しきい値設定部。

Claims (9)

  1. 主回路を整流器およびインバータにより構成し、前記インバータによりパルス幅変調された可変電圧・可変周波数の三相交流をエレベータ駆動モータに供給することにより乗りかごを昇降させるエレベータの速度制御装置において、
    前記インバータを制御するPWM制御装置は、前記エレベータの走行速度またはエレベータの走行速度相当値が所定値未満であるとき三相変調制御とし、前記エレベータの走行速度またはエレベータの走行速度相当値が前記所定値を超えたとき二相変調制御に切り替え、かつ、前記所定値をエレベータ乗りかごの走行速度が変化している加減速領域内の速度相当値とした変調制御切替え手段を備えたことを特徴とするエレベータの速度制御装置。
  2. 請求項1において、前記所定値を、エレベータ乗りかごの加減速領域内で、エレベータ乗りかごの加減速度が変化しているジャーク領域内の速度相当値とした変調制御切替え手段を備えたことを特徴とするエレベータの速度制御装置。
  3. 請求項1または2において、前記所定値を、乗りかごの走行速度が30[m/min]以下に相当する値とした変調制御切替え手段を備えたことを特徴とするエレベータの速度制御装置。
  4. 請求項1〜3のいずれかにおいて、乗りかごの走行速度が加速領域における第1の所定速度以下で前記三相変調制御とし、乗りかごの走行速度が加速領域において前記第1の所定速度を超えたとき前記三相変調制御から前記二相変調制御に切り替えるとともに、乗りかごの走行速度が減速領域において、前記第1の所定速度よりも低い第2の所定速度を下回ったとき前記二相変調制御から前記三相変調制御に切り替える変調制御切替え手段を備えたことを特徴とするエレベータの速度制御装置。
  5. 請求項1〜4のいずれかにおいて、前記エレベータの走行速度またはエレベータの走行速度相当値は、前記モータの速度制御系に与えられる速度指令値であることを特徴とするエレベータの速度制御装置。
  6. 請求項1〜4のいずれかにおいて、前記エレベータの走行速度またはエレベータの走行速度相当値は、前記モータの回転速度を検出する速度検出器の出力値であることを特徴とするエレベータの速度制御装置。
  7. 請求項1〜4のいずれかにおいて、前記エレベータの走行速度またはエレベータの走行速度相当値は、前記モータに給電する前記インバータの出力電圧、出力周波数、またはそれらの相当値であることを特徴とするエレベータの速度制御装置。
  8. 請求項7において、前記エレベータの走行速度またはエレベータの走行速度相当値は、前記モータに給電する前記インバータを用いた速度制御系の後段の電流制御系の出力から決定される値であり、トルク成分の出力値あるいは界磁成分の出力値とトルク成分の出力値の二乗和の平方根であることを特徴とするエレベータの速度制御装置。
  9. エレベータの速度制御装置の主回路を整流器およびインバータにより構成し、前記インバータによりパルス幅変調された可変電圧・可変周波数の三相交流をエレベータ駆動モータに供給することにより乗りかごを昇降させるエレベータの速度制御方法において、
    前記インバータを制御するPWM制御装置を三相変調制御して前記エレベータを起動加速するステップと、
    前記エレベータの加速中に、前記エレベータの走行速度またはエレベータの走行速度相当値が、前記エレベータの加速領域内の速度に設定された第一の所定値を超えたとき、前記PWM制御装置を二相変調制御に切り替えるステップと、
    前記エレベータの減速中に、前記エレベータの走行速度またはエレベータの走行速度相当値が、前記第一の所定値よりも低く設定された第2の所定値を下回ったとき、前記PWM制御装置を三相変調制御に切り替えるステップとを備えたことを特徴とするエレベータの速度制御方法。
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