JP2666755B2 - ワークフローシステム - Google Patents

ワークフローシステム

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JP2666755B2
JP2666755B2 JP267395A JP267395A JP2666755B2 JP 2666755 B2 JP2666755 B2 JP 2666755B2 JP 267395 A JP267395 A JP 267395A JP 267395 A JP267395 A JP 267395A JP 2666755 B2 JP2666755 B2 JP 2666755B2
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    • G06Q10/00—Administration; Management
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Description

【発明の詳細な説明】
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は複数の人が関わる一連の
業務の流れを記述し、その業務の流れを実現し管理する
ワークフローシステムに関する。
【０００２】
【従来の技術】複数の作業者が関わる一連の業務の手順
を定義し、運用・管理する、いわゆるワークフローシス
テムでは、業務手順に従って業務の運用、管理を行って
いる。
【０００３】一般に、ワークフローシステムにおけるワ
ークフローの定義とは、業務を複数の単位業務に分解し
た上で、各単位業務の実行順序、各単位業務を担当する
担当者、各単位業務間で受け渡しされるデータの形式を
定義したものである。例えば、出張伝票の処理という業
務の一例では、出張伝票を作成する第一の単位業務、そ
れを承認する第二の単位業務、切符やホテルを予約する
第三の単位業務、出張経費の精算申請を行う第四の単位
業務、該精算申請に基づく経理処理をする第五の単位業
務から成っていると考えることができ、これらはこの順
で実行される。このうち第一、第四の単位業務は出張者
本人が担当し、第二の単位業務は出張者本人の上司、第
三の単位業務は秘書、第五の単位業務は経理担当者が担
当する。また、各単位業務間で受け渡しされるデータは
出張伝票である。
【０００４】出張伝票の処理の例では各単位業務は一つ
ずつ順に実行されたが、複数の単位業務のうち一つだけ
が条件によって実行されるような条件分岐や、複数の単
位業務が並行して実行される並行処理があっても良い。
【０００５】また、ワークフロー業務には優先度を与え
ることも可能である。優先度とは、複数のワークフロー
業務が実行されている場合に、どのワークフロー業務を
優先的に取り扱うべきかを示すパラメータである。さら
に、ワークフロー業務には締切を定義することもでき
る。このような締切には、ワークフロー業務が最終的に
完了する時刻を規定する締切の他に、各単位業務毎に完
了を規定する締切があってもよい。
【０００６】このようなワークフローシステムの利用に
おいて、業務遂行上支障のある事態が発生した場合や、
通常とは業務の遂行手順や優先度を変更したい場合に
は、例外的な運用や弾力的な運用、および運用方針の徹
底が必要になる。例えばワークフローに定義された業務
を遂行する予定である作業者が他の業務で多忙な場合や
休暇を予定している場合等、通常の手順で業務を遂行し
ていたのでは支障が発生するので、手順を短縮したり担
当者を代える等の処置が必要になる。また、例えばある
特定顧客に関する業務を特に優先的に処理したい場合に
は、そのことを全作業者に徹底する必要がある。
【０００７】このような場合、既存のワークフローシス
テムでは、例えば以下のような機能を用いて対処するこ
とになる。
【０００８】（１）各作業者において作業の遂行に関す
る締切を設定し、その締切を過ぎた場合には、予め決め
られた特別な処置を行う技術が知られている。あるいは
特開平６−１０４９２１号公報に記載されているよう
に、催促を行う例もある。
【０００９】（２）専用のエディタを用いて、ワークフ
ローの定義の一部を他の定義で置換するか、あるいは新
たに部分的なワークフロー定義を追加する技術が知られ
ている。このような技術については、雑誌“Ｔｈｅ Ｉ
ｎｆｏｒｍａｔｉｏｎ Ｓｏｃｉｅｔｙ”，ｖｏｌ．９
の３９１ページから４０４ページに記載された論文“Ｔ
ｈｅ Ａｃｔｉｏｎ Ｗｏｒｋｆｌｏｗ Ａｐｐｒｏａ
ｃｈ ｔｏ Ｗｏｒｋｆｌｏｗ Ｍａｎａｇｅｍｅｎｔ
Ｔｅｃｈｎｏｌｏｇｙ”や、１９９３年１１月１日か
ら４日まで米国カリフォルニア州Ｍｉｌｐｉｔａｓで開
催された会議“Ｃｏｎｆｅｒｅｎｃｅ ｏｎ Ｏｒｇａ
ｎｉｚａｔｉｏｎａｌ Ｃｏｍｐｕｔｉｎｇ Ｓｙｓｔ
ｅｍｓ”で発表され、論文集の１３０ページから１４１
ページに記載された論文“Ｖｉｓｕａｌ Ｓｕｐｐｏｒ
ｔ ｆｏｒ Ｒｅｅｎｇｉｎｅｅｒｉｎｇ Ｗｏｒｋ
Ｐｒｏｃｅｓｓｅｓ”に記載されている。
【００１０】
【発明が解決しようとする課題】前述した従来の第一の
技術では、締切を過ぎるという問題が発生してしまった
後での対応に過ぎず、事前に問題の発生を予測している
わけではない。また、従来の第二の技術においても、業
務の作業者あるいは管理者が問題の発生に自ら気づき、
自らワークフローの定義を変更しなければ対応できな
い。すなわち、事前に状況を管理して問題の発生を予測
した対応はできない。これが従来の技術における第一の
問題点である。
【００１１】また、従来の技術では、前記第一の問題点
で述べたように、締切超過と言う問題の発生後にしか対
処しないため、締切超過を防ぐ目的以外にも広く考えら
れるワークフロー業務の柔軟な適用を行うことはできな
かった。例えば、組織の方針の変化により、ある案件を
他の案件より優先したいというような場合、対処する方
法はなかった。これが従来の技術における第二の問題点
である。
【００１２】さらに、前述した第二の技術、すなわちワ
ークフローの定義の一部を他の定義で置換する方法を用
いる場合、ワークフロー定義用の専用エディタを起動し
なければならず、ワークフローの遂行状況を監視しなが
ら直接操作的なユーザインタフェースでワークフローの
運用の変更を行うことはできなかった。これが、従来の
技術における第三の問題点である。
【００１３】本発明は、上述した従来のワークフローシ
ステムが事前に状況を管理して問題の発生を予測した対
応が出来ない点と、締切超過を防ぐ目的以外にも広く考
えられるワークフロー業務の柔軟な運用を行うことが出
来ない点と、ワークフローの遂行状況を監視しながら直
接操作的なユーザインタフェースでワークフローの運用
の変更を行うことが出来ない点があるといった３つの問
題点を解決するため、事前に状況を管理して問題の発生
を予測した対応を可能にし、組織の方針の変化などの状
況の変化に対処してワークフロー業務の運用を柔軟にで
き、さらにワークフローの遂行状況を監視しながら直接
操作的なユーザインタフェースでワークフローの運用の
変更を行うことの可能なワークフローシステムを提供す
ることを目的とする。
【００１４】
【課題を解決するための手段】第１の発明は、複数の作
業者が担当する単位業務の一連のつながりによって実現
されるワークフロー業務を管理するワークフローシステ
ムにおいて、前記ワークフロー業務の要件、順序、時
期、担当作業者名や優先度等の条件の定義を行うワーク
フロー定義手段と、前記定義にしたがって前記ワークフ
ロー業務の実行進捗状況を管理し、各作業者に対して前
記単位業務の実行を促すワークフロー運用管理手段と、
前記ワークフロー運用管理手段から各作業者に関する前
記単位業務の定義を受け取り、各作業者が実行すべき単
位業務の一覧である業務課題表を作成し、なおかつ該業
務課題表と各作業者がスケジュール上拘束されている時
間帯を示すアポイントメント表とから少なくとも構成さ
れる個人情報を管理する個人情報管理手段と、前記定義
と前記実行進捗状況と前記個人情報を得て、ワークフロ
ー業務の未来の進捗状況を予測するワークフロー評価・
予測手段と、ワークフロー業務の未来の進捗に関する障
害を前記ワークフロー業務の管理者あるいは前記単位業
務の作業者にメッセージとして報告するワークフロー運
用状況報告手段と、前記ワークフロー業務の定義の臨時
の変更を前記ワークフロー運用・管理手段に伝達して前
記定義を臨時に変更するワークフロー運用変更手段とを
少なくとも備え、前記ワークフロー評価・予測手段が、
前記業務課題表およびアポイントメント表のコピーを集
めて保持し、前記業務課題表およびアポイントメント表
の一時的な書き換えを可能にする個人情報一時記憶手段
と、前記業務課題表およびアポイントメント表から、各
作業者に与えられた業務課題が完了する時刻を予想する
作業消化シミュレーション手段と、前記ワークフロー定
義手段から得た定義と前記ワークフロー運用・管理手段
から得た実行進捗状況に関する情報から、前記作業消化
シミュレーション手段に実行途中あるいは実行前のワー
クフロー業務の各単位業務の完了する時刻を予想させて
前記ワークフロー業務の完了する時刻を予測し、なおか
つ、前記ワークフロー定義手段から前記定義を得て前記
ワークフロー業務が締切を超過するかを判断する完了時
刻予測手段と、前記完了時刻予測手段がワークフロー業
務の締切を超過すると判断した場合に、前記締切の遵守
を可能とするワークフロー業務の定義の臨時変更を、前
記ワークフロー運用変更 手段を介して行う対策検討手段
と、から構成され、前記ワークフロー評価・予測手段
が、前記ワークフロー業務の未来の進捗状況に関して締
切を遵守できない等の障害を予測した場合に、前記ワー
クフロー運用状況報告手段を用いて前記障害を報告する
か、または、前記ワークフロー運用変更手段を用いて前
記定義の臨時の変更をするかを判断することを特徴とす
る。
【００１５】第２の発明は、第１の発明において、前記
ワークフロー業務を行っている組織のある期間の間に達
成すべきワークフロー業務について、前記ワークフロー
業務の最大数あるいは最小数として定めた達成目標、あ
るいは前記ワークフロー業務で受け渡しされるデータを
入力の一部とする任意の関数の値として定めた達成目標
を保持し、前記ワークフロー運用・管理手段から実行進
捗状況を受け取り、前記実行進捗状況を前記達成目標と
比較して、ワークフロー業務の達成状況を管理する組織
状況記録・管理手段を備え、前記ワークフロー評価・予
測手段が、前記組織のワークフロー業務の達成状況が未
来において前記達成目標の条件を満たすかどうかも予測
し、前記ワークフロー評価・予測手段が、前記組織のワ
ークフロー業務の達成状況が未来において前記達成目標
の条件を満たさないと予測した場合に、前記対策検討手
段が該達成目標を満たすことを可能にするワークフロー
定義の臨時変更の発見を試み、前記発見に成功した場合
には前記ワークフロー運用変更手段を用いてワーグフロ
ーの定義を臨時に変更することを特徴とする。
【００１６】第３の発明は、第１または第２の発明にお
いて、各作業者が前記業務課題表に記載された業務課題
および前記アポイントメント表に記載されたアポイント
メントを消化する順序に関する戦略モデルを提供する作
業消化戦略モデルを備え、前記作業消化シミュレーショ
ン手段が前記戦略モデルを得て、各作業者の作業の消化
順序の相違に基づいた予測をも行うことを特徴とする。
【００１７】第４の発明は、第２または第３の発明によ
ってワークフロー業務の達成目標の設定を行い、設定さ
れた前記達成目標の編集を行う業務遂行方針編集装置で
あって、前記ワークフロー業務の遂行実績および前記達
成目標を表示する状況表示手段と、前記表示された達成
目標を利用者の入力により編集を行う直接操作入力手段
とを有し、前記直接操作入力手段が、前記状況表示手段
によって表示された前記達成目標を示す表示記号の位置
を利用者が変更した場合に、該変更後の位置によって示
される目標を新たな達成目標として前記ワークフローシ
ステムの前記組織状況記録管理手段に伝達することを特
徴とする。
【００１８】第５の発明は、第２または第３の発明によ
ってワークフロー業務の達成目標の設定を行い、設定さ
れた前記達成目標の編集を行う業務遂行方針編集装置で
あって、前記ワークフロー業務の遂行実績および前記達
成目標を表示する状況表示手段と、前記表示された達成
目標を利用者の入力により編集を行う直接走査入力手段
とを有し、前記直接操作入力手段が、前記状況表示手段
によって表示された前記ワークフロー業務の遂行実績の
表示を利用者が直接操作して変更した場合に、該変更後
の表示によって示される目標を新たな達成目標として前
記ワークフローシステムの前記組織状況記録・管理手段
に伝達することを特徴とする。
【００１９】第６の発明は、第１、第２または第３の発
明において、前記ワークフロー運用変更手段が、前記ワ
ークフロー評価・予測手段からワークフロー運用の変更
を依頼された際に、前記変更を実施する前に前記ワーフ
クロー業務を構成する各単位業務の作業担当者に対して
前記変更を予告し、前記変更が前記作業担当者によって
許容できるか否かを確認し、許容される場合は前記変更
を実施し、許容されない場合は前記変更を行わずに前記
ワークフロー評価・予測手段に対し前記変更を拒否する
ことを通告することも行うことを特徴とする。
【００２０】第７の発明は、第６の発明において、前記
ワークフロー運用変更手段が、前記作業者がワークフロ
ー運用の変更を許容できるか否かを確認する際に、前記
作業担当者から運用変更に関する許容条件についての情
報を受け取り、前記許容条件を前記ワークフロー評価・
予測手段に伝達することも行い、前記ワークフロー評価
・予測手段が、前記許容条件を入力して、前記許容条件
に従った予測を新たに行い、前記ワークフロー運用状況
報告手段を用いて前記障害を報告するか、または、前記
ワークフロー運用変更手段を用いて前記定義の臨時変更
をするかを再度判断することを特徴とする。
【００２１】第９の発明は、第４または第５の発明にお
いて、前記達成目標の実現が困難な場合に、前記達成目
標の修正値を受け取って表示する可能性表示手段を有す
ることを特徴とする。
【００２２】
【００２３】
【００２４】
【００２５】
【００２６】
【００２７】
【００２８】
【００２９】
【００３０】
【００３１】
【００３２】
【００３３】
【００３４】
【作用】本発明によるワークフローシステムでは、ワー
クフローの定義、ワークフローの運用状況、組織の状
況、個人のスケジュール等のデータを監視し、最適なワ
ークフロー運用を実施し、ワークフロー業務の未来の進
捗を予測するワークフロー評価・予測手段を設けること
により、事前に締切超過等の問題の発生を予測できない
という前記第一の問題点を解決する。
【００３５】さらに、このワークフロー評価・予測手段
に対してワークフロー業務の達成目標と、達成目標の達
成状況を提供し、管理する組織状況記録・管理手段を設
け、前述したワークフロー評価・予測手段とを組み合わ
せることにより達成目標値の達成可否や案件間の優先度
の変更などの達成目標の変更に対して反応し、最適なワ
ークフロー運用の実施が可能となるので、締切超過問題
に対応する以外の柔軟なワークフロー業務運用ができな
いという前記第二の問題点を解決する。
【００３６】また、ワークフローの遂行状況を監視して
案件を表示し、利用者からワークフロー業務の変更また
は、業務の削除もしくは担当者の変更などの指示を受け
取るユーザインタフェースを提供し、その利用者からの
指示操作によってワークフローの運用を変更することの
可能なワークフロー管理装置を提供することにより、直
接操作的なユーザインタフェースで運用変更ができない
という前記第三の問題点を解決する。また、前記達成目
標に対しても直接操作的なユーザインタフェースによっ
て参照あるいは設定・変更を可能にする業務遂行方針編
集装置を提供することにより、個々のワークフロー業務
の運用の直接変更に限らず、達成目標の変更によって間
接的にワークフロー業務の運用を柔軟に変更することが
でき、これも前記した第三の問題点を解決する。
【００３７】
【実施例】次に本発明の実施例について説明する。
【００３８】本実施例は、５つの実施例から成り立って
おり、第１から第３の発明の実施例を実施例１に、第４
と第５の発明の実施例を実施例３と４に、第６から第８
の発明の実施例を実施例５にそれぞれ記載する。尚、実
施例２は実施例１によるワークフローシステムのワーク
フロー管理装置の一例を示している。
【００３９】以下、図面を用いて本発明の実施例につい
て説明する。まず、実施例１を説明する。
【００４０】図１は、本発明によるワークフローシステ
ムの構成の一実施例を示すブロック図である。このワー
クフローシステムは、ワークフロー定義手段１、ワーク
フロー運用管理手段２、個人情報管理手段３、組織状況
記録・管理手段４、ワークフロー評価・予測手段５、ワ
ークフロー運用変更手段６、ワークフロー運用状況報告
手段７からなる。
【００４１】これらの各手段は、各々単一のプログラム
として実現されていても良いし、他の手段と統合したプ
ログラムとして実現されていても良い。また、ワークフ
ローシステムは計算機ネットワーク上で実現されるのが
通常であるが、各手段はどの計算機上で実現されていて
も構わない。
【００４２】ワークフロー定義手段１は、ある業務を複
数の単位業務に分割し、各単位業務における作業、実行
順序、担当者、締切、単位業務間で受け渡される文書の
形式などを定義し、定義結果を出力する。この定義結果
を以下ではワークフロー定義と呼ぶことにする。単位業
務の例としては、帳票への記入、承認、帳票上のデータ
の計算などがある。ワークフロー定義手段１を実現した
例としては、１９９３年１０月２８日に三重大学で開催
された情報処理学会グループウェア研究会で、本発明の
発明者が発表した「“ＧＧ”におけるワークフロー設計
支援方式」という論文に記載された「育組」システムが
ある。
【００４３】ワークフロー運用・管理手段２は、ワーク
フロー定義手段１からワークフロー定義を受け取り、そ
の定義に従って担当者間で文書を回覧し、各担当者にワ
ークフローの単位業務を依頼し、該単位業務の期限を守
るよう催促を行うシステムである。また、ワークフロー
運用・管理手段２には、ワークフローの運用状況、すな
わちどの単位業務まで進捗しているかを報告する機能が
ある。このようなシステムの例としては、前述の論文
「“ＧＧ”におけるワークフロー設計支援方式」に記さ
れた「め組」というシステムがある。
【００４４】個人情報管理手段３は、ワークフロー定義
手段１で定義されたワークフロー定義に登場する単位業
務の作業担当者それぞれについて各々１つ存在するソフ
トウェアモジュールである。個人情報管理手段３は、以
下のデータを保持する。
【００４５】（１）該担当者の時間を拘束するアポイン
トメントのデータ（開始時刻、終了時刻、用件、優先
度） （２）ワークフローの実行に伴って発生する、該担当者
が作業すべき各単位業務に関するデータ（作業の内容、
所要時間予想、締切、優先度） （３）該担当者に実行義務が課せられた作業項目で、
（２）以外のものに関するデータ（作業の内容、所要時
間予想、締切、優先度） このうち、（２）に関しては、ワークフロー運用・管理
手段２によって、ワークフロー業務が該担当者に到達し
た時点で自動的に登録され、（１）および（３）につい
ては該担当者自身が手入力するものとする。以下、
（１）から（３）までのデータを総括して、個人情報と
呼ぶことにする。また、（２），（３）を総括して業務
課題と呼ぶ。
【００４６】ここで、各アポイントメント、単位業務、
あるいは作業項目の優先度とは、個別に与えられた整数
値であり、優先度の値が大きいほど重要性が高いもので
ある。この、優先度の値は事前に決まっているものと仮
定する。特に、（２）の場合、各単位業務の優先度はワ
ークフローの定義によって与えられているものとする。
以下、優先度を上げるとは優先度値を大きくすることで
あり、優先度が高いとは、優先度値が大であることを意
味する。なお、このような優先度の与え方は一例に過ぎ
ず、優先度値が小であるほど重要性が高いとしても良い
し、優先度値が整数以外のもの、例えば文字で与えられ
ていても構わない。
【００４７】組織状況記録・管理手段４は、組織の業務
遂行状況に関する情報、および業務遂行方針に関する情
報を蓄積し、提供する。以下では、これら二種類の情報
を総括して、組織情報と呼ぶことにする。
【００４８】このうち、組織の業務遂行状況に関する情
報とは、例えば以下のようなものである。
【００４９】（１）各ワークフロー業務がある期間内に
いくつ実行されたか。例えば、出張伝票の例で言えば、
一定時間内に処理された伝票の数。
【００５０】（２）過去に処理されたワークフロー業務
で、任意の単位業務間で受け渡しされたデータのうち、
特に保存を要するもの。出張伝票の例で言えば、例えば
出張者、出張期間、出張先のデータのみ保存することが
考えられる。
【００５１】（３）処理中のワークフロー業務の状況。
例えば何件の伝票がどの担当者のところで滞留している
か。
【００５２】このような組織の業務状況に関する情報
は、ワークフロー運用・管理手段２から得られ、組織状
況記録・管理手段４に蓄積される。
【００５３】組織状況記録・管理手段４が蓄積するもう
一つの情報である、業務遂行方針に関する情報とは、以
下のようなものである。
【００５４】（１）一定期間内に特定のワークフロー業
務に関して達成しなければならない業務の数、あるいは
その中で特定の条件を満たす業務の数に関する最大値あ
るいは最小値で与えられる達成目標。出張伝票の例で言
えば、例えば年度内の東京への出張件数を１０件以下に
抑える、特定の作業担当者に関わるワークフロー業務の
数を一定数以下に抑える等の目標。
【００５５】（２）前記業務遂行状況に関する情報のう
ちの（２）によって保存されたデータに関し、与えられ
た関数で該データを変換した値に関する達成目標。例え
ば一定期間内に出張にかかる経費の合計を５０万円以下
に抑えることは、出張伝票のデータをＦ１、Ｆ２、Ｆ
３、．．．、Ｆｎとしたときに、各伝票から出張経費の
項目を取り出す関数ｆと、合計を求める関数ｇの合成関
数の値の目標として、 ｇ（ｆ（Ｆ１），ｆ（Ｆ２），．．．，ｆ（Ｆｎ））＜
＝５０万 で与えられる。
【００５６】このような組織の業務遂行方針に関する情
報は、ユーザによって手入力されるものとする。入力を
支援する装置は業務遂行方針編集装置であり、これにつ
いては後述する。
【００５７】ワークフロー評価・予測手段５は、ワーク
フロー定義手段１から複数のワークフロー定義を受け取
り、ワークフロー運用・管理手段２から該複数のワーク
フロー定義に基づく複数のワークフロー業務の運用状況
を受け取り、各単位業務の作業担当者の個人情報管理手
段３から各作業担当者の個人情報を受け取り、組織状況
記録・管理手段４から組織情報を受け取る。
【００５８】ワークフロー評価・予測手段５は、以上の
情報を受け取り、各ワークフロー業務の今後の運用状況
を予測し、正常に締切を守りつつ運用できるかどうか評
価する。予測・評価の方式の詳しい実施例については後
述する。
【００５９】ワークフロー評価・予測手段５は、ワーク
フロー業務が正常に締切を守りつつ運用できない、ある
いは締切を守ることが困難と予測した場合、ワークフロ
ー運用変更手段６あるいはワークフロー運用状況報告手
段７を用いて、ワークフロー業務運用の変更を試みる。
このうち、ワークフロー運用変更手段６は、人手を介さ
ずにワークフロー運用・管理手段２に直接働きかけ、各
単位業務の締切の変更等を行う。また、ワークフロー運
用状況報告手段７は、ワークフロー業務の管理者に対し
て、運用が正常に行われない旨をメッセージ（電子メー
ル、電子的緊急メッセージ、音声など）で報告し、管理
者による運用変更操作を期待する。ワークフロー運用変
更手段６、および管理者による運用変更操作を可能にす
るツールであるワークフロー管理装置の実施例について
は詳しく後述する。
【００６０】次に、図２を用いてワークフロー評価・予
測手段５に関する詳細な一実施例を説明する。
【００６１】ワークフロー評価・予測手段５はその内部
に、完了時刻予測手段２１、作業消化シミュレーション
手段２２、作業消化戦略モデル提供手段２３、対策検討
手段２４、個人情報一時記憶手段２５を持っている。
【００６２】個人情報一時記憶手段２５は、ワークフロ
ーに関連するすべての作業担当者の個人情報管理手段３
から、各個人の個人情報のコピーを集め、記憶する。こ
れらの個人情報は、完了時刻予測手段２１によって変更
可能であるとする。
【００６３】個人情報一時記憶手段２５によって記憶さ
れる一人分の個人情報の例を図３に示す。一人分の個人
情報３０は、アポイントメント表３１、業務課題表３
２、時刻３３から成っている。このうち業務課題表３２
はワークフローに関連する単位業務と、それ以外に一般
の作業課題とを含んでいる。図３ではＷＦで始まる項目
がワークフローに関連する単位業務であって、例えばＷ
Ｆ：Ａ１０３８９：ｓｔｅｐ２は、１０３８９という識
別番号のワークフローのｓｔｅｐ２という単位業務を示
している。また時刻３３は該個人情報が何時現在のもの
であるかを示す。これは未来の個人情報を予測する際
（後述）に、何時の時点まで予測したかを示すために使
われる。
【００６４】作業消化シミュレーション手段２２は、個
人情報一時記憶手段２５に記憶されている個人情報を受
け取って作業消化戦略モデル提供手段２３に渡し、次に
消化される業務課題とその終了時刻の予測を問い合わせ
ることができる。
【００６５】作業消化戦略モデル提供手段２３は、各作
業者がどのような順序で仕事を消化して行くかを決定す
る戦略モデルを有しており、それらのモデルに基づき、
各作業者が次にどの業務課題にとりかかり、それが終了
するのはいつかという作業消化シミュレーション手段２
２の前記問い合わせに対して回答する。具体的には図３
で示されるような個人情報を作業消化シミュレーション
手段２２から受け取り、業務課題表３２から業務課題を
一つ選択し、業務課題表から削除する。この削除された
業務課題が次に消化されると予想される業務課題であ
る。終了時刻の予測は、業務課題表３２に示された所要
時間予想に基づいて行い、消化し終わると予測される時
刻を３３のフィールドに書き込む。すなわち、個人情報
３０は、未来のある時刻（その時刻は、フィールド３３
に記入される）における予想状態に書き換えられること
になる。作業消化モデル提供手段２３は、この書き換え
られた個人情報３０と、消化すると予想された業務課題
の内容（業務課題表の１行に相当するデータ）を作業消
化シミュレーション手段２２に返す。
【００６６】作業消化モデル提供手段２３の持つ代表的
な戦略モデルとしては、以下のようなものが考えられ
る。場合によっては複数の戦略モデルの組合せも可能で
ある。
【００６７】（１）業務課題を締切に間に合わせるとい
う条件を守りつつ、優先度の値の大きい順に業務を処理
する。
【００６８】（２）締切までの時間の短い順に処理す
る。
【００６９】（３）アポイントメントを他の業務課題よ
りも常に優先する。
【００７０】（４）アポイントメントを優先すると締切
に間に合わない業務課題が生じる場合、アポイントメン
トをキャンセルする。
【００７１】説明を作業消化シミュレーション手段２２
に戻す。作業消化シミュレーション手段２２の動作の概
略を、図４および図５に示すが、その要旨は、あるワー
クフロー業務がある時刻にある一人の作業担当者に達す
ると仮定した場合に、その作業担当者が該ワークフロー
の単位業務を終了する時刻をシミュレーションによって
予測することである。
【００７２】完了時刻予測手段２１は、ワークフローの
定義を業務手順定義手段１から、遂行状況を業務運用管
理手段２から、それぞれ受け取って、ワークフロー定義
に与えられている作業者の順に、作業消化シミュレーシ
ョン手段２２を呼び出して該作業者の業務実行をシミュ
レートし、該ワークフロー業務に関連する業務課題の発
生を逐次予測し、最終的にワークフローの完了する時刻
の予測を得る。予測されたワークフロー完了時刻は対策
検討手段２４に渡される。
【００７３】なお、各作業者に関するシミュレーション
にて更新された個人情報は、その都度個人情報一時記憶
手段２５に登録しなおす。
【００７４】ところで、ワークフロー業務は同時に一つ
だけ行われているわけではなく、複数のワークフロー業
務が同時に走っているのが普通である。このような場
合、各作業担当者は複数のワークフロー業務の業務課題
を抱える可能性があるので、一つ一つのワークフロー業
務の完了時刻を独立に予測していたのでは意味がない。
そこで、複数のワークフロー業務を同時に予測する必要
がある。その場合、ワークフロー定義手段１およびワー
クフロー運用・管理手段２は各組織で管理されているす
べてのワークフロー業務に関する情報を提供する必要が
ある。その際の完了時刻予測手段２１の動作の概略を示
すフローチャートを図６に示す。
【００７５】ここで、作業消化戦略モデル提供手段２３
の与える戦略モデルが何であるか、また完了時刻予測手
段２１がシミュレーションの際にワークフローにどのよ
うな優先度値を与えるかによって、異なる予測を行うこ
とができる。例えば、シミュレーション中のワークフロ
ー業務に最高の優先度を与えれば最短で実行できる時刻
を予測できる。また、優先度順に休みなく作業を消化す
るような戦略モデルを選択すれば、他の（優先度値の高
い）業務の実行に悪影響を与えずに最短で実行できる時
刻を予測できる。これらの機能を満たすためには、図４
〜６のフローチャートで説明した概略機能に加えて、完
了時刻予想手段２１および作業消化シミュレーション手
段２２が、作業消化戦略モデル提供手段２３に対して戦
略モデルを指定する機能と、完了時刻予想手段２１が一
時的にワークフローの業務課題の優先度を変更する機能
を有していればよい。以下の説明では、これらの機能が
追加されているものとして説明する。
【００７６】次に、対策検討手段２４の実現の実施例を
説明する。対策検討手段２４は、完了時刻予測手段２１
から、ワークフロー業務の完了の予測される時刻と、完
了時刻予測手段２１がワークフロー定義手段１、ワーク
フロー運用・管理手段２、および個人情報管理手段３か
らそれぞれ受け取った情報とをすべて受け取る。さら
に、対策検討手段２４は、組織情報記録・管理手段４か
ら組織の業務遂行状況および業務遂行方針に関する情報
を受け取る。これらの情報に基づき、対策検討手段２４
は、ワークフロー運用変更手段６あるいはワークフロー
運用状況報告手段７を起動して対策を実行する。
【００７７】図７は、知識ベースを利用した、対策検討
手段２４の一実施例の構成を示すブロック図である。情
報蓄積手段７１は、完了時刻予測手段２１と組織情報記
録・管理手段４から受け取った情報をすべて蓄積し、知
識適用手段７２からいつでも参照可能な状態にして保存
する。知識適用手段７２は、知識提供手段７３から得た
知識に従って情報蓄積手段７１に保存されている情報を
解析し、解析結果によって、以下の動作を行うことがで
きる。 （Ａ）完了時刻予測手段２１に対してワークフロー業務
の優先度や締切等のパラメータを変更した上での再シミ
ュレーションを要請し、新たな完了時刻予測を得る。
（この場合、完了時刻予測手段２１は、個人情報一時記
憶手段２５の内容をいったんクリアし、再シミュレーシ
ョンを行う。） （Ｂ）ワークフロー運用状況報告手段７に依頼して、ワ
ークフロー業務の管理者あるいは特定の単位業務担当者
に、締切を守った運用ができない旨を通知する。 （Ｃ）ワークフロー運用変更手段６に依頼して、ワーク
フロー業務に関する定義の一時的変更を依頼する。
【００７８】ここで、知識提供手段７３から提供される
知識の例としては、例えば次のようなものがある。 （１）完了の締切が守れないワークフローに関しては、
以下の試みを行って完了時刻予測手段２１に再予測を依
頼し（図２の破線矢印）し、再予測によって該ワークフ
ロー業務が締切を守れることが予測され、かつ他のワー
クフローの締切維持を妨害しないならば、その試みをワ
ークフロー運用変更手段６に依頼する。
【００７９】（１−１）ワークフローの優先度を少しず
つ上げてみる。
【００８０】（１−２）担当者の中に、長期のアポイン
トメントがワークフローの進捗を妨害しているケースが
ある場合には、ワークフロー業務の該担当者、および該
担当者の直前の担当者において、ワークフロー業務から
発生する単位業務の優先度を少しずつ上げてみる。ある
いは、それらの担当者における該単位業務の締切を少し
ずつ早くしてみる。
【００８１】（１−３）ワークフローの進捗を妨害して
いるアポイントメントの中で優先度の最も低いものを見
つけ、それを仮にキャンセルしてみる。
【００８２】（１−４）許される範囲のルーティングの
変更を試みる。ここで、許される範囲のルーティングの
変更とは、例えば部長が課長の仕事を代行する等で、知
識提供手段７３によって与えられる規則か、あるいはワ
ークフロー定義手段１によって与えられているワークフ
ロー定義自身に代理ルートとして定義されているものと
する。 （２）（１）の試みが失敗した場合には、ワークフロー
運用状況報告手段７に依頼して、ワークフロー業務の管
理者に通知する。 （３）組織状況記録・管理手段４から得られる業務遂行
状況および業務遂行方針を参照し、業務遂行方針が満た
されない場合には、一定時間内に達成すべきワークフロ
ー業務の数を上げるために（１）と同様の手段によって
達成数を増やすか、あるいは逆に達成数を下げるために
（１）と逆の手段（優先度を下げたり締切を遅らせる）
を試み、それらの試みがうまくいくと予測されるならば
ワークフロー運用変更手段６に依頼する。 （４）（３）が成功しない場合であって、成功しない原
因が、開始済のワークフロー業務の数自身が不足してい
ることである場合、ワークフロー運用状況報告手段７を
用いて、全作業者に不足を通告する。 （５）（３）と（４）が成功しないならば、（２）と同
様にワークフロー運用状況報告手段７に依頼して、ワー
クフロー業務の管理者に通告する。
【００８３】これらの判断基準はあくまでも例であっ
て、実際には知識ベース等に判断を任せることによっ
て、柔軟な判断を行える対策検討手段２４が実現でき
る。
【００８４】次に、ワークフロー運用変更手段６の詳細
な実施例を説明する。ワークフロー運用変更手段６は、
ワークフロー評価・予測手段５内の対策検討手段２４か
らの依頼を受け、ワークフロー運用・管理手段２に作用
して、ワークフロー業務の運用を変更する。まず、この
ような作用を可能にするための、ワークフロー運用・管
理手段２の実現方法について、その実施例を図８を用い
て説明する。
【００８５】図８は、ワークフロー運用・管理手段２の
一実施例の構成を示すブロック図である。ワークフロー
定義蓄積手段８１は、ワークフロー定義手段１からワー
クフローの定義を受け取り、制御手段８２によっていつ
でも読み出しが可能なように保存する。定義変更手段８
４は、ワークフロー運用変更手段６からの指示により、
ワークフロー定義蓄積手段８１に蓄積されたワークフロ
ー定義を変更する。その際、特定の業務インスタンスに
関してのみの定義変更が行われた場合、該業務インスタ
ンスに関する定義を別立てで保存し、該業務インスタン
スに関する局所的な変更を可能にする。ここで、業務イ
ンスタンスと呼んでいるものは、例えば出張申請という
ワークフロー業務における一つ一つの出張事例や、購買
手続きというワークフロー業務における一つ一つの購買
事例のように、業務として実際に行われる一つ一つの事
例のことである。従って、例えば一般的には出張精算伝
票の締切が１週間であったとしても、特定の事例、例え
ば「Ａさんの１１月１日から１１月２日までの東京出
張」に関してのみその伝票の締切を４日に短縮するとい
ったような定義変更も可能である。
【００８６】制御手段８２は、ワークフロー定義蓄積手
段８１からワークフロー定義を取り出し、定義に従って
ワークフロー業務を順に運用する。その運用の記録は、
各単位業務担当者の個人情報管理手段３および組織状況
記録・管理手段４に蓄積する。また、制御手段８２は、
ワークフローの各単位業務における締切が接近した場合
に、該単位業務の担当者に対して催促を行うために、催
促手段８３を起動することができる。催促手段８３は、
作業者に対して、電子メールや作業画面への直接メッセ
ージ表示等の手段により催促する。
【００８７】前述の対策検討手段２４の実施例および図
８によるワークフロー運用・管理手段２の実施例を用い
た場合、ワークフロー運用変更手段６に要求される機能
は、対策検討手段２４から依頼されたワークフロー定義
の変更を、定義変更手段８４に伝達することである。こ
の場合、ワークフロー運用変更手段６には依頼メッセー
ジの形式を整えること以外の機能はなく、その実現は容
易である。（なお、定義変更手段８４をワークフロー運
用・管理手段２ではなくワークフロー運用変更手段６の
方に含めて考えてもよい）。
【００８８】次に、実施例２について図を用いて説明す
る。実施例２は、実施例１によるワークフローシステム
に関連して用いられるワークフロー管理装置の一例であ
る。ワークフロー管理装置は、図１のワークフロー運用
状況報告手段７を介してワークフロー業務の運用が正常
に行われない旨を示すメッセージを受け取ったワークフ
ロー業務管理者が利用する装置であり、運用が正常に行
われていないワークフロー業務の運用変更操作を支援す
るものである。
【００８９】図９は、ワークフロー管理装置の一実施例
の構成を示すブロック図を、図１の一部とともに示した
ものである。ワークフロー管理装置９０は、ワークフロ
ー監視手段９１、ワークフロー現状表示手段９２、ユー
ザインタフェース手段９３、操作解析手段９４から構成
されている。
【００９０】ワークフロー監視手段９１は、任意のワー
クフロー業務の定義をワークフロー定義手段１から、該
定義に基づくワークフロー業務の業務インスタンス（処
理中の業務事例が複数存在する可能性があるので、業務
インスタンスは複数存在し得る）のうちの任意の業務イ
ンスタンスの運用状況を、ワークフロー運用・管理手段
２からそれぞれ受け取り、これらを一括してワークフロ
ー現状表示手段９２に渡す。ワークフロー現状表示手段
９２は、ワークフロー監視手段９１から受け取ったワー
クフロー定義に基づいて、該ワークフロー定義を表現す
るチャートを作成し、また業務インスタンスの運用状況
に基づいて、該チャート上で該業務インスタンスが滞留
しているノードに特別な印をつける。このようにして出
来上がったチャートおよび運用状況の印は、ユーザイン
タフェース手段９３に渡される。ユーザインタフェース
手段９３は、ワークフロー現状表示手段９２から受け取
ったチャートおよび運用状況の印を、画面に表示する。
【００９１】図１０はユーザインタフェース手段９３の
表示の一例である。表示画面１００は、メニュー１０１
と、運用状況表示部１０２から成っている。運用状況表
示部１０２では、ワークフロー業務に関わる担当者（山
田、田中、佐藤、鈴木）とそれらの担当者の間での業務
手順を示すフロー、および各担当者に業務が到着した時
刻および業務を終了した時刻が示されている。時刻は上
段に到着した時刻、下段に終了した時刻を示している。
図１０の例では、山田さんが業務を１２月１日の１０：
００に終了し、田中さんに同時刻に該業務が到着し、田
中さんは１２月２日の１２：００に業務を終了し、佐藤
さんに同時刻に業務が到着したことを示している。アイ
コン１０３は、業務が現在滞留している場所を示してお
り、この例では佐藤さんのところで業務が滞留してい
る。このアイコン１０３が、ワークフロー現状表示手段
９２のつける特別な印の例である。アイコン１０３は封
筒を開いた様子を示すものであり、佐藤さんが到着した
業務の内容を開いたことを示している。この他に、到着
した業務に佐藤さんが気付いていない状態や、佐藤さん
が業務を終えたがまだ鈴木さんに送出されていない状態
などを異なるアイコンで示すこともできる。
【００９２】なお、図１０の例では特別な印として封筒
のアイコンを用いたが、印のつけ方としては、ノードの
色を変えたり、ノードの近くに“処理中”のような文字
列を表示するなど、様々な方法が考えられる。
【００９３】ユーザインタフェース手段９３は、図１０
のような運用状況表示を行うと同時に、利用者（この場
合、利用者はワークフロー業務の管理者）にメニュー１
０１によるワークフロー業務（業務インスタンス）の直
接操作の機能を提供する。この直接操作は操作解析手段
９４に渡される。
【００９４】ここで、図１０の例におけるメニュー１０
１を用いた直接操作の方法について説明する。「削除」
は、業務インスタンスそのものを削除する。「回収」
は、滞留中の業務インスタンスを管理者の手に取り戻
す。この二つの操作は、メニューをクリックするだけで
実行できる。「移動」は、滞留中の業務インスタンスを
別の担当者に割り当てるもので、メニューをクリックし
た後、移動先の担当者を運用状況表示部１０２から選ん
でクリックする必要がある。この例で説明すると、「削
除」「回収」「移動」のいずれの場合も、佐藤さんの手
から業務が離れることになるが、「削除」の場合は業務
インスタンスそのものが消滅するのに対し、「回収」の
場合は業務インスタンスが管理者の手に渡り、「移動」
の場合は運用状況表示部１０２に表示されている第三者
（山田さん、田中さん、鈴木さん、または後述の「作業
者追加」によって追加された作業者）に渡る。
【００９５】メニュー１０１のうち、「作業者追加」は
運用状況表示部１０２に表示されていない担当者を運用
状況表示部に追加する。この操作では、メニュー「作業
者追加」をクリックした後に表示される別のメニューか
ら、追加すべき担当者を選択する必要がある。図１１は
追加すべき担当者を選ぶメニューの一例を示した図であ
る。「フロー変更」は、運用状況表示部１０２に表示さ
れたフローを追加あるいは削除する。追加か削除かは、
「フロー変更」メニューをクリックした後に表示される
別のメニュー（図１２に例を示す）で選択する。追加の
場合には、マウス等のポインティングデバイスで新たな
フローを引くことができる。削除の場合には、運用状況
表示部１０２で次にクリックしたフロー（矢印）が削除
される。「優先度変更」は、当該ワークフローの実行に
伴って発生する各単位業務の優先度を変更する操作であ
る。「優先度変更」をクリックすると例えば図１３に示
されるような別画面１３０が現れる。この例では、優先
度の現状値は１０であり、優先度表示フィールド１３２
に直接新しい優先度値を書き込んで、終了ボタン１３１
を押すことで、優先度を変更できる。
【００９６】図９の説明に戻って、操作解析手段９４
は、ユーザインタフェース手段９３から、メニュー１０
１で指示された操作の列を受け取り、該操作列をワーク
フロー運用・管理手段２の定義変更手段８４が受理可能
な形態のコマンドに変換し、該コマンドをワークフロー
運用・管理手段２の定義変更手段８４に渡す。これによ
り、ユーザインタフェース９３のメニュー１０１でワー
クフロー管理装置９０の利用者が与えたコマンドに従っ
て、実際にワークフローの運用が変更される。
【００９７】次に、実施例３を説明する。実施例３は、
組織状況記録・管理手段４に蓄積すべき情報の編集に用
いる、業務遂行方針編集装置の一実施例である。図１４
は、業務遂行方針編集装置の構成の一例を示すブロック
図である。業務遂行方針編集装置１４０は、状況表示手
段１４１、直接操作入力手段１４２、操作解析手段１４
３から構成されている。前述したように、組織状況記録
・管理手段４には業務遂行状況に関する情報１４４と、
業務遂行方針に関する情報１４５が蓄積されている。
【００９８】状況表示手段１４１は、業務遂行状況に関
する情報１４４を参照し、該情報を視覚的に表示する。
前述したように、業務遂行状況に関する情報１４４に
は、 （１）各ワークフロー業務がある期間内にいくつ実行さ
れたか。例えば、出張伝票の例で言えば、一定時間内に
処理された伝票の数。
【００９９】（２）過去に処理されたワークフロー業務
で、単位業務間で受け渡しされたデータのうち、特に保
存を要するもの。
【０１００】（３）処理中のワークフロー業務の状況。
例えば何件の伝票がどの担当者のところで滞留している
か。 等があるが、状況表示手段１４１は、これらの情報を予
め決められた方法で視覚化して表示する。例えば、出張
伝票の例で言えば、出張者別の当月の出張予算消化実
績、出張先別および出張者別の年間出張件数の累積、あ
るいは達成目標の定義のために与えられている関数の値
等を、棒グラフ、円グラフ等を用いて表示する。どの形
式のグラフを使うかは、予め与えてあるものとする。さ
らに、状況表示手段１４１は、業務遂行方針に関する情
報１４５を参照して、当該ワークフロー業務に関して予
め設定されていた達成目標値を、重ね合わせて表示して
も良い。
【０１０１】直接操作入力手段１４２は、状況表示手段
１４１によって視覚的に表示されたグラフの形状や、同
じく表示されている達成目標の値等を、画面上でマウス
等を用いて直接変更する操作を利用者に許し、該操作を
操作解析手段１４３に渡す。操作の例を図１５のグラフ
を用いて説明する。図１５において、グラフ１５０は、
状況表示手段１４１によって表示されたあるワークフロ
ー業務の実績のグラフである。ただし、当初は濃い網掛
けの部分のみ表示されており、斜線でハッチングをした
部分は表示されていないものとする。棒グラフは業務
Ａ、Ｂの実績を示している。図中目標マーカ１５１は、
業務Ａの達成目標として予め設定されている値である。
直接操作入力手段１４２は、目標マーカ１５１を、１５
２の位置にマウス等のポインティングデバイスを用いて
移動させる操作や、Ｂの実績グラフ１５３を１５４で示
す高さにまで伸ばす操作等を利用者に許す。これらの操
作は、Ａの場合は目標の変更、Ｂの場合は目標値の新規
設定（１５４の高さに設定）を意味する。この例では棒
グラフを例にとって説明したが、円グラフや折れ線グラ
フ等の他の形式のグラフ、あるいは表やテキストで表示
された実績や達成目標を変更する場合も同様のことが考
えられる。例えば、テキストにて実績値と達成目標値が
表示されている場合、達成目標値の数値に直接修正が行
われた場合に、それを目標値の新規設定と解釈する。
【０１０２】操作解析手段１４３は、直接操作入力手段
１４２からこれらの操作を受け取り、該操作を状況表示
手段１４１の表示と照らし合わせて、操作の意味を解析
して新たな目標を求め、新たな目標を組織状況記録・管
理手段４内の業務遂行方針に関する情報の蓄積１４５に
書き込む。この際の、操作の意味の解析の一例として
は、直接操作入力手段１４２から与えられたマウスによ
る操作による一連の点列の座標値を解析し、それが例え
ば棒グラフを伸ばすような操作になっていれば目標の上
方修正、棒グラフを縮めるような操作になっていれば目
標の下方修正と解釈するという方式がある。これ以外に
も表示しているグラフの種類によって解析の方式は異な
るが、解析の方式はグラフの種類毎に知識として与えて
おくなどの実現方法がある。
【０１０３】以上示した業務遂行方針編集装置を含ん
だ、本発明によるワークフローシステムを用いれば、例
えば「Ａ社向けの発注業務は最優先で進めよ」等の業務
指示を、発注数のグラフの操作によって、自動的な優先
度変更に連携させたり（ワークフロー運用変更手段６を
用いた場合）、担当者に業務量の不足等電子メール等の
メッセージで知らせたり（ワークフロー運用状況７を用
いた場合）することができる。
【０１０４】次に、実施例４について図１６を用いて説
明する。実施例４は第４，５の発明の業務遂行方針編集
装置をさらに応用し、ワークフロー業務に限らずとも、
一般のデータ（業務遂行状況に関する情報１４４に相
当）に対する視覚的操作を、該視覚的操作の意味すると
ころの業務遂行目標に関する情報に変換し、該業務遂行
方針を電子メール等のメッセージで担当者に伝えるよう
にしたものである。
【０１０５】図１６において、業務遂行方針編集装置１
６０は、図１４の構成に加え、メッセージ構成手段１６
１、テンプレート提供手段１６２、メッセージ伝達手段
１６３、担当者定義手段１６４を有している。メッセー
ジ構成手段１６１は、図１のワークフロー評価・予測手
段５に代わるもので、達成目標を簡単な自然言語に翻訳
する。翻訳のために必要な知識はテンプレート提供手段
１６２によって与えられる。このテンプレートは、達成
目標を表す単語を少なくとも含むもので、予め用意して
おく。たとえば、達成目標が営業成績に関するものであ
れば、「○○社向け営業成績を○○にせよ」というテン
プレートを用意する。メッセージ構築手段１６１は、テ
ンプレートの必要な部分に値を埋め込むだけで簡単な自
然言語による指示を構築できる。さらに、メッセージ構
築手段１６１は、メッセージの宛先を自動的に判断す
る。この判断は、担当者定義手段１６４に従う。担当者
定義手段は、図１のワークフロー定義手段１に代わるも
ので、例えばＡ社向けの担当者は誰というような情報を
提供する。メッセージ伝達手段１６３は、図１のワーク
フロー運用状況報告手段７に代わるもので、前記自然言
語による指示を電子メールや音声等で決められた宛先に
伝える。
【０１０６】以上示した業務遂行方針編集装置を利用す
ると、業務の指示を視覚的なユーザインタフェースで与
えることができるが、指示が各作業担当者にとって受け
入れ難いものであった場合には、指示者はそのことを知
ることができないという欠点がある。この欠点は実施例
１にとっても同様であり、知識提供手段７３から提供さ
れる知識によってワークフロー運用変更手段６にワーク
フローの運用変更を依頼しても、その運用変更が各作業
担当者によって受け入れられない場合の対処が示されて
いない。これらの欠点を改善したのが第６から第８の発
明である。
【０１０７】これらの発明の一実施例である実施例５に
ついて、次に説明する。
【０１０８】図１７は実施例５の構成を示すブロック図
である。図１７において、ワークフローシステム１７０
は図１と同じ手段によって構成されているが、ワークフ
ロー運用変更手段６とワークフロー評価・予測手段５に
改善がなされている。ワークフロー運用変更手段６は、
ワークフロー評価・予測手段５からワークフロー運用の
変更を依頼されると、該変更をワークフロー運用・管理
手段２に作用する前に、該変更に関連する作業担当者の
個人情報管理手段３に、変更の内容を予告する。個人情
報管理手段３は、作業担当者に問い合わせるか、あるい
は個人情報管理手段３自身が所持する何らかの規則によ
って、該変更の予告が受け入れられるものであるかどう
かを判断し、ワークフロー運用変更手段６に対して回答
する。ワークフロー運用変更手段６は、このような予告
を、関連する作業担当者すべてに対して繰り返し行い、
すべての回答が肯定的であれば既に説明したようにワー
クフロー運用・管理手段２に作用するが、個人情報管理
手段３から否定的な回答があれば、その内容をワークフ
ロー評価・予測手段に対して通告し、ワークフロー運用
・管理手段２への作用は行わない。
【０１０９】ワークフロー評価・予測手段５は、ワーク
フロー運用変更手段６から、否定的な回答を受け取る
と、ワークフロー評価・予測手段５はその変更の試みが
失敗したものと解釈し、知識提供手段７３によって提供
される知識を利用して再度の予測を行って、次善の策を
検討し、新たにワークフロー運用変更手段６あるいはワ
ークフロー運用状況報告手段７を用いた対策を講じる。
【０１１０】さらに、ワークフロー評価・予測手段５
は、ワークフロー運用の変更の試みがすべて失敗した場
合や、組織状況記録・管理手段４から与えられる業務遂
行方針が満たされない場合には、ワークフロー運用状況
報告手段７を用いて管理者や作業者に通告を行うが、そ
の際、業務遂行方針編集装置１４０にもワークフロー運
用変更失敗の旨を通知するようにする。図１７における
業務遂行方針編集装置１４０では、新たに可能性表示手
段１７１が追加されており、ワークフロー評価・予測手
段５からワークフロー運用変更失敗の旨を受け取り、そ
の旨を該業務遂行方針編集装置の利用者に対して表示す
る。
【０１１１】ところで、図１７において、ワークフロー
運用変更手段６に対して個人情報管理手段３が返す回答
は、肯定あるいは否定の二通りだけでなく、条件付き肯
定という形も考えられる。例えば、締切を通常より２日
短縮したいというワークフロー運用変更の予告に対し
て、２日の短縮は不可能だが、１日だけなら短縮が可能
であるといったような場合である。個人情報管理手段３
がそのような回答を行えば、ワークフロー運用変更手段
６は、その回答内容をワークフロー評価・予測手段５に
伝えることができるので、ワークフロー評価・予測手段
５は前述した次善の策の検討にその回答内容を役立てる
ことができる。
【０１１２】また、図１７において、可能性表示手段１
７１は単にワークフロー運用の変更可否のみを表示する
だけでなく、業務遂行方針の達成可能な修正値を具体的
に図示することもできる。このような修正値は、ワーク
フローの運用予測の変更が不可能であったり、条件付き
で行われたりした場合に、ワークフロー評価・予測手段
５が予測した達成可能な値を可能性表示手段１７１に渡
すことによって可能である。
【０１１３】そのような修正値の表示の際、直接操作入
力手段１４２で用いた視覚的表示に重ね合わせるとより
分かり易くなるであろう。図１８にそのような表示の一
例を示す。図１８は、図１５に業務遂行方針の達成可能
値を重ね合わせて表示した例である。マーカ１８１は、
達成目標値のマーカ１５２に対する修正値を示したもの
である。また、実線１８２は、達成目標値１５４に対す
る修正値を示したものである。
【０１１４】
【発明の効果】本発明によるワークフローシステムは、
ワークフローの定義、ワークフローの運用状況、組織の
状況、個人のスケジュール等のデータを監視し、最適な
ワークフロー運用を実施するワークフロー評価・予測手
段を内蔵しており、ワークフロー評価・予測手段は、ワ
ークフローの定義をワークフロー定義手段から受け取
り、各作業者が実行すべき単位業務の一覧である業務課
題表と、各作業者がスケジュール上拘束されている時間
帯を示すアポイントメント表とを個人情報管理手段から
受け取って、ワークフロー業務の未来の進捗を予測す
る。このことにより、締切超過等の発生を未然に予測す
ることができる。
【０１１５】さらに、組織が一定期間の間に達成すべ
き、一定の条件を満たすワークフロー業務の達成目標値
を管理する組織状況記録・管理手段を提供し、これとワ
ークフロー評価・予測手段とを組み合わせることによ
り、該達成目標値の達成可否を事前に予測することがで
きる。よって、締切超過を防ぐ目的以外に広く考えられ
るワークフロー業務の柔軟な運用ができる。
【０１１６】また本発明によるワークフロー管理装置
は、ワークフローシステムからワークフロー業務の定義
と、ワークフロー業務に従って運用されている各ワーク
フロー業務の進捗に関するデータを受け取り、該ワーク
フロー業務の定義とその進捗状況を表示する。このワー
クフロー管理装置は、ワークフロー業務の定義とその進
捗状況の表示を構成するワークフロー現状表示手段と、
ワークフロー業務の定義とその進捗状況の表示を利用者
に提示し、利用者からワークフロー定義の変更、または
その業務の削除、または担当者の変更の指示を受け取り
ユーザインタフェース手段と、ユーザインタフェース手
段から指示を受け取って、その指示をワークフローシス
テムへの指示に形式変更して前記ワークフローシステム
に渡す操作解析手段とを有している。したがって、この
ワークフロー管理装置を用いれば、ワークフローの遂行
状況を監視しながら直接操作的なユーザインタフェース
でワークフローの変更を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明のワークフローシステムの構成の一実施
例を示すブロック図。
【図２】本発明のワークフロー評価・予測手段の構成の
一実施例を示すブロック図。
【図３】個人情報一時記憶手段によって記憶される個人
情報の例を示す図。
【図４】作業消化シミュレーション手段の動作の例を示
すフローチャート図。
【図５】作業消化シミュレーション手段の一部を詳細化
したフローチャート図。
【図６】完了時刻予測手段の動作の例を示すフローチャ
ート図。
【図７】対策検討手段の構成の一実施例を示すブロック
図。
【図８】ワークフロー運用・管理手段の構成の一実施例
を示すブロック図。
【図９】ワークフロー管理装置の構成の一実施例を示す
ブロック図。
【図１０】ユーザインタフェース手段の表示の一例を示
す図。
【図１１】追加すべき担当者を選ぶメニューの一例を示
す図。
【図１２】「フロー変更」メニューのサブメニューの一
例を示す図。
【図１３】「優先度変更」メニューのサブメニューの一
例を示す図。
【図１４】業務遂行方針編集装置の構成の一実施例を示
すブロック図。
【図１５】状況表示手段が表示するグラフの一例を示す
図。
【図１６】実施例４の業務遂行方針編集装置の構成の一
実施例を示すブロック図。
【図１７】本発明の第６から第８の発明の構成の一実施
例を示すブロック図。
【図１８】可能性表示手段による表示の一例を示す図。
【符号の説明】
１ ワークフロー定義手段 ２ ワークフロー運用・管理手段 ３ 個人情報管理手段 ４ 組織状況記録・管理手段 ５ ワークフロー評価・予測手段 ６ ワークフロー運用変更手段 ７ ワークフロー運用状況報告手段 ２１ 完了時刻予測手段 ２２ 作業消化シミュレーション手段 ２３ 作業消化戦略モデル提供手段 ２４ 対策検討手段 ２５ 個人情報一時記憶手段 ３０ 一人分の個人情報 ３１ アポイントメント表 ３２ 業務課題表 ３３ 時刻 ４１〜４６ ステップ ５１〜５２ ステップ ６１〜６５ ステップ ７１ 情報蓄積手段 ７２ 知識適用手段 ７３ 知識提供手段 ８１ ワークフロー定義蓄積手段 ８２ 制御手段 ８３ 催促手段 ８４ 定義変更手段 ９０ ワークフロー管理装置 ９１ ワークフロー監視手段 ９２ ワークフロー現状表示手段 ９３ ユーザインタフェース手段 ９４ 操作解析手段 １００ 表示画面 １０１ メニュー １０２ 運用状況表示部 １０３ アイコン １３０ 画面 １３１ 終了ボタン １３２ 優先度表示フィールド １４０ 業務遂行方針編集装置 １４１ 状況表示手段 １４２ 直接操作入力手段 １４３ 操作解析手段 １４４ 業務遂行状況に関する情報 １４５ 業務遂行方針に関する情報 １５０ グラフ １５１ 目標マーカ １５２ 目標マーカの新規設定値 １５３ 実績グラフ １５４ 実績の新規目標 １６０ 業務遂行方針編集装置 １６１ メッセージ構成手段 １６２ テンプレート提供手段 １６３ メッセージ伝達手段 １６４ 担当者定義手段 １７０ ワークフローシステム １７１ 可能性表示手段 １８１ マーカ １８２ 実線
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平５−282328（ＪＰ，Ａ) 特開 平６−176030（ＪＰ，Ａ) 特開 平４−347769（ＪＰ，Ａ) 特開 平５−89144（ＪＰ，Ａ) 特開 平６−332911（ＪＰ，Ａ) 特開 平４−343168（ＪＰ，Ａ) 特開 平５−210682（ＪＰ，Ａ) 特開 平５−298328（ＪＰ，Ａ) 特開 平６−301502（ＪＰ，Ａ) 特開 平５−89058（ＪＰ，Ａ) 特開 平８−101862（ＪＰ，Ａ) 特開 平８−137947（ＪＰ，Ａ) 特開 平８−44800（ＪＰ，Ａ)

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】複数の作業者が担当する単位業務の一連の
    つながりによって実現されるワークフロー業務を管理す
    るワークフローシステムにおいて、 前記ワークフロー業務の要件、順序、時期、担当作業者
    名や優先度等の条件の定義を行うワークフロー定義手段
    と、 前記定義にしたがって前記ワークフロー業務の実行進捗
    状況を管理し、各作業者に対して前記単位業務の実行を
    促すワークフロー運用管理手段と、前記ワークフロー運用管理手段から各作業者に関する前
    記単位業務の定義を受け取り、各作業者が実行すべき単
    位業務の一覧である業務課題表を作成し、なおかつ該業
    務課題表と各作業者がスケジュール上拘束されている時
    間帯を示すアポイントメント表とから少なくとも構成さ
    れる個人情報を管理する個人情報管理手段と、 前記定義と前記実行進捗状況と前記個人情報を得て、ワ
    ークフロー業務の未来の進捗状況を予測するワークフロ
    ー評価・予測手段と、 ワークフロー業務の未来の進捗に関する障害を前記ワー
    クフロー業務の管理者あるいは前記単位業務の作業者に
    メッセージとして報告するワークフロー運用状況報告手
    段と、 前記ワークフロー業務の定義の臨時の変更を前記ワーク
    フロー運用・管理手段に伝達して前記定義を臨時に変更
    するワークフロー運用変更手段とを少なくとも備え、 前記ワークフロー評価・予測手段が、 前記業務課題表およびアポイントメント表のコピーを集
    めて保持し、前記業務課題表およびアポイントメント表
    の一時的な書き換えを可能にする個人情報一時記憶手段
    と、 前記業務課題表およびアポイントメント表から、
    各作業者に与えられた業務課題が完了する時刻を予想す
    る作業消化シミュレーション手段と、 前記ワークフロー定義手段から得た定義と前記ワークフ
    ロー運用・管理手段から得た実行進捗状況に関する情報
    から、前記作業消化シミュレーション手段に実行途中あ
    るいは実行前のワークフロー業務の各単位業務の完了す
    る時刻を予想さ せて前記ワークフロー業務の完了する時
    刻を予測し、なおかつ、前記ワークフロー定義手段から
    前記定義を得て前記ワークフロー業務が締切を超過する
    かを判断する完了時刻予測手段と、 前記完了時刻予測手段がワークフロー業務の締切を超過
    すると判断した場合に、前記締切の遵守を可能とするワ
    ークフロー業務の定義の臨時変更を、前記ワークフロー
    運用変更手段を介して行う対策検討手段と、 から構成され、 前記ワークフロー評価・予測手段が、前記ワークフロー
    業務の未来の進捗状況に関して締切を遵守できない等の
    障害を予測した場合に、前記ワークフロー運用状況報告
    手段を用いて前記障害を報告するか、または、前記ワー
    クフロー運用変更手段を用いて前記定義の臨時の変更を
    するかを判断する ことを特徴とするワークフローシステ
    ム。
  2. 【請求項２】前記ワークフロー業務を行っている組織の
    ある期間の間に達成すべきワークフロー業務について、
    前記ワークフロー業務の最大数あるいは最小数として定
    めた達成目標、あるいは前記ワークフロー業務で受け渡
    しされるデータを入力の一部とする任意の関数の値とし
    て定めた達成目標を保持し、前記ワークフロー運用・管
    理手段から実行進捗状況を受け取り、前記実行進捗状況
    を前記達成目標と比較して、ワークフロー業務の達成状
    況を管理する組織状況記録・管理手段を備え、 前記ワークフロー評価・予測手段が、前記組織のワーク
    フロー業務の達成状況が未来において前記達成目標の条
    件を満たすかどうかも予測し、前記ワークフロー評価・予測手段が、前記組織のワーク
    フロー業務の達成状況が未来において前記達成目標の条
    件を満たさないと予測した場合に、前記対策検討手段が
    該達成目標を満たすことを可能にするワークフロー定義
    の臨時変更の発見を試み、前記発見に成功した場合には
    前記ワークフロー運用変更手段を用いてワーグフローの
    定義を臨時に変更する ことを特徴とする請求項１に記載
    のワークフローシステム。
  3. 【請求項３】各作業者が前記業務課題表に記載された業
    務課題および前記アポイントメント表に記載されたアポ
    イントメントを消化する順序に関する戦略モデルを提供
    する作業消化戦略モデルを備え、 前記作業消化シミュレーション手段が前記戦略モデルを
    得て、各作業者の作業の消化順序の相違に基づいた予測
    をも行うことを特徴とする、請求項１または２に記載の
    ワークフローシステム。
  4. 【請求項４】請求項２または３に記載したワークフロー
    システムによってワークフロー業務の達成目標の設定を
    行い、設定された前記達成目標の編集を行う業務遂行方
    針編集装置において、 前記ワークフロー業務の遂行実績および前記達成目標を
    表示する状況表示手段と、 前記表示された達成目標を利用者の入力により編集を行
    う直接操作入力手段とを有し、 前記直接操作入力手段が、前記状況表示手段によって表
    示された前記達成目標を示す表示記号の位置を利用者が
    変更した場合に、該変更後の位置によって示される目標
    を新たな達成目標として前記ワークフローシステムの前
    記組織状況記録管理手段に伝達する ことを特徴とする業
    務遂行方針編集装置。
  5. 【請求項５】請求項２または３に記載したワークフロー
    システムによってワークフロー業務の達成目標の設定を
    行い、設定された前記達成目標の編集を行う業務遂行方
    針編集装置において、 前記ワークフロー業務の遂行実績および前記達成目標を
    表示する状況表示手段と、 前記表示された達成目標を利用者の入力により編集を行
    う直接走査入力手段とを有し、 前記直接操作入力手段が、前記状況表示手段によって表
    示された前記ワークフ ロー業務の遂行実績の表示を利用
    者が直接操作して変更した場合に、該変更後の表示によ
    って示される目標を新たな達成目標として前記ワークフ
    ローシステムの前記組織状況記録・管理手段に伝達する
    ことを特徴とする業務遂行方針編集装置。
  6. 【請求項６】前記ワークフロー運用変更手段が、 前記ワークフロー評価・予測手段からワークフロー運用
    の変更を依頼された際に、前記変更を実施する前に前記
    ワーフクロー業務を構成する各単位業務の作業担当者に
    対して前記変更を予告し、前記変更が前記作業担当者に
    よって許容できるか否かを確認し、許容される場合は前
    記変更を実施し、許容されない場合は前記変更を行わず
    に前記ワークフロー評価・予測手段に対し前記変更を拒
    否することを通告することも行う ことを特徴とする請求
    項１、２、または３に記載の ワークフローシステム。
  7. 【請求項７】前記ワークフロー運用変更手段が、前記作
    業者がワークフロー運用の変更を許容できるか否かを確
    認する際に、前記作業担当者から運用変更に関する許容
    条件についての情報を受け取り、前記許容条件を前記ワ
    ークフロー評価・予測手段に伝達することも行い、 前記ワークフロー評価・予測手段が、前記許容条件を入
    力して、前記許容条件に従った予測を新たに行い、前記
    ワークフロー運用状況報告手段を用いて前記障害を報告
    するか、または、前記ワークフロー運用変更手段を用い
    て前記定義の臨時変更をするかを再度判断する ことを特
    徴とする請求項６に記載のワークフローシステム。
  8. 【請求項８】前記達成目標の実現が困難な場合に、前記
    達成目標の修正値を受け取って表示する可能性表示手段
    を有する ことを特徴とする、請求項４または５に記載の
    業務遂行方針編集装置。
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