JP2010500568A5 - - Google Patents

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器官特異的蛋白質およびその使用方法
(政府の利益の陳述)
本発明は、National Cancer Instituteにより授与された、助成金番号P50 CA097186およびP01 CA085859の下、政府支援により行われた。政府は本発明に一定の権利を有する。
(配列表に関する陳述)
本出願に関連する配列表はAI§801(a)下の紙コピーの代わりにCD−ROMで供され、引用して明細書に一体化される。配列表の同一コピーを含有する4つのCD−ROMが供され;CD−ROM No.1は「コピー1配列表部分」と表示され、132MBであり、2007年8月9日に作成されたファイル405pc.app.txtを含有し;CD−ROM No.2は「コピー2配列表部分」と表示され、132MBであって、2007年8月9日に作成されたファイル405pc.app.txtを含有し;CD−ROM No.3は「コピー3配列表部分」と表示され、132MBであって、2007年8月9日に作成されたファイル405pc.app.txtを含有し;CD−ROM
No.4は「CRF」と表示され、132MBであって、2007年8月9日に作成されたファイル405pc.app.txtを含有する。
(CD−ROMにて提出された表に関する陳述)
本出願に関連する表1Aないし32A、1Bないし32B、36Aないし45A、36Bないし45B、47Aないし79Aおよび47Bないし79Bは紙コピーの代わりにCD−ROMで供され、引用して明細書に一体化される。ランドスケープ表示で見るように設計された、表の同一コピーを含有する3つのCD−ROMが供され、CD−ROM no.1は「コピー1表部分」と表示され、20.15MBで組まれ、2007年8月9日に作成された150の表ファイルを含有し;CD−ROM no.2は「コピー2表部分」と表示され、20.15MBで組まれ、2007年8月9日に作成された150の表ファイルを含有し;CD−ROM no.3は「コピー3表部分」と表示され、20.15MBで組まれ、2007年8月9日に作成された150の表ファイルを含有する。
(発明の分野)
本発明は、一般に器官特異的蛋白質、およびそれをコードするポリヌクレオチドに関する。特に、本発明は、診断および予防パネル、組、および器官特異的蛋白質またはポリヌクレオチドを検出するための試薬またはプローブを含む個々の剤、および器官特異的蛋白質を同定し、および用いる方法に関する。
(関連技術の説明)
正常な健康をモニターし、および非常に初期かつ治療可能な段階において病気の開始を検出するための能力は診断医学にとって臨界的である。肺の病気、心血管病、癌、(ほとんどの血液学的癌を含めた)血液学的病気、炎症性疾患、代謝病および神経学的病気を含めたほとんどの病気の早期検出は、患者にとってより健康かつ典型的にはより成功した結果を生じるであろう、より初期の段階における治療を可能とすることができる。従って、より初期の段階において健康を測定し、病気を検出し、および治療をモニターするためのより感受的かつ正確なアッセイおよび方法に対する大きな要望が存在する。
診断アッセイは、しばしば、分析用の真に情報的な蛋白質を同定することができず、有用であるためには、しばしば、病気の存在を検出するためには、または正常からの健康の変化を規定するためには、細胞レベルにおいて、例えば、血液中の蛋白質組成の有意な変化を必要とする。現在の診断アッセイは、有効な治療のためには余りにも遅い段階まで病気が進行してからでないと病気を検出することができない。例えば、もし最も初期の段階で診断されたならばほとんどの癌は治癒することができる。もし癌がより遅いまたは進行した段階で診断されたならば、有効な治療は困難であるか、または不可能であり、低下した患者の生存性に導く。一般に、現在の診断アッセイは、初期の検出および診断を妨げる酷い制限を有する。
血中蛋白質診断の関係では、病気の早期検出で用いるための主な障害は、ほとんどの蛋白質が、多数の器官がそれらを合成し、異なった病気が異なる方法でのそれらの発現を乱すであろうという点で病気特異的ではないことである。さらに、病気のマーカーである病気状態において放出される特異的蛋白質は、血液中でも蛋白質発現の大きな動的範囲のため、および血液中での大きな蛋白質複雑性のため、同定するのが、または、測定するのが、困難であり得る。これらの蛋白質が、病気マーカーではないであろう血液中で見出される他の蛋白質マーカーから区別されなければならない。病気のインジケーターと典型的には考えられない血液中に存在する他の蛋白質マーカーは、細胞の損傷、正常な細胞代謝回転、ストレス応答(肝臓蛋白質)または血漿中の他のわずかな蛋白質変化のために放出された蛋白質を含む。加えて22の蛋白質が全血中蛋白質質量の約99%を構成する。事実、1つの蛋白質であるアルブミンはこの全血中蛋白質質量の約51%を含む。これらの豊富な血中蛋白質のほとんどは、有用な診断マーカーではない。有用な診断蛋白質はかなり低い豊富性で存在し、典型的には残りの蛋白質1%において存在する。(非特許文献1)。多くの蛋白質は、正常状態から病気状態への生理学的変化の後に血液中に放出され、低い豊富性の蛋白質として、血漿中に存在するようである。さらに血中蛋白質は、何桁にも渡る範囲の最も豊富なおよび最も豊富でない蛋白質の濃度の大きな差を呈する。蛋白質は、蛋白質の数の間の約1010の範囲に亘って血液中で発現される。これは、1つの蛋白質は所与の量の血液中に1つのコピーで存在でき、他方もう1つの蛋白質は1010で存在できることを意味する。(非特許文献2)。低い豊富性の蛋白質は、より優勢な高い豊富性の蛋白質によって隠され、または少なく見せられるであろう。加えて、低豊富性蛋白質である多くの蛋白質は病気を示せない。正常な細胞状態で見出される低豊富性蛋白質から、病気を示す低豊富性蛋白質を区別するのは、現代の蛋白質診断法に対する主要な挑戦である。血液の診断蛋白質分析における主な障害は多数の血中蛋白質、および現在の方法では蛋白質をもう1つの蛋白質から区別できないことである。いずれの血中蛋白質が最も初期の段階で病気を予測するかの決定は最上の努力を払っても非常に困難である。なぜなら診断家はいずれの低豊富性蛋白質が、血液中を循環する多数の蛋白質内で病気のマーカーであるかを区別しなければならないからである。
血中蛋白質を同定するための異なるアプローチは当該分野で知られており、変動するかつ制限された程度の成功でもって用いられてきた。特に、二次元ゲル電気泳動(2−DE)が、血液中のプロテオミックパターンの分析結果で用いられてきたが、平均的な細胞において発現されるように多数の蛋白質(10,000までの蛋白質)を解像するのは困難である。さらに、2−DEは、豊富化技術なくしては低豊富性蛋白質を同定することはできない。血中蛋白質診断法のための当該分野で知られたもう1つの方法はキャピラリ等電点電気動(CGE)であるが、蛋白質パターンの再現性の欠如がその用途を制限している。(非特許文献3、非特許文献4)。その結果、2−DE,CGEおよび他の同様技術のような技術を用いる蛋白質パターン分析は、非常に低い豊富性の蛋白質を検出できないこと、再現性のないゲルパターン、および個々のスポット(例えば、蛋白質)を定量し、同定することができないため、一般には、血中蛋白質の分析には用いることができない。さらに、これらの技術を用いるのに再現性が良く、矛盾が無く、容易であり、および正確な高スループット診断アッセイまで拡大する能力は極端に制限されてきた。かくして蛋白質を検出する現行のアッセイは、血中(他の生物学的流体または組織中)蛋白質、ポリペプチドまたは核酸のレベルを用いて、健康および病気をモニターするための精度を供しない。
Leeら,Curr Opin in Chem Bio(2006)10:1−8 Anderson and Anderson Mol and Cell Proteomics(2002)1:845 Corthals,G.L.ら,Electrophoresis,(1997),18:317 Lopez,M.F.,and W.F.Patton,Electrophoresis,(1997),18:338
哺乳動物の正常な健康を反映する血液中で見出される多くの蛋白質、および病気の状態を反映する器官特異的蛋白質の間を区別するには新しい診断的戦略が必要とされるのは明らかである。これらの理由から、健康をモニターし、病気を診断するための診断および予防アッセイ、核酸および蛋白質パネルおよびアレイならびに方法を提供する要望が当該分野で存在する。本発明はこれらおよび他の要望を満足する組成物、方法およびアッセイを提供する。
(発明の簡単な要旨)
本発明の1つの態様により、複数の検出試薬を含む診断パネルが提供され、各検出試薬は1つの器官特異的蛋白質に対して特異的であり;該複数の検出試薬によって検出された器官特異的蛋白質は本明細書における表で提供される器官特異的蛋白質組のいずれか1つから選択され;および該複数の検出試薬は、該器官特異的蛋白質が由来する器官に影響する病気に罹った対象からの血液試料中の複数の検出試薬によって検出された少なくとも1つの器官特異的蛋白質のレベルが所定の正常範囲未満、またはそれを超えるように選択される。
本発明は、例えば以下の項目を提供する。
(項目1)
複数の検出試薬を含む診断パネルであって、各検出試薬は1つの器官特異的蛋白質に対して特異的であり;該複数の検出試薬によって検出される器官特異的蛋白質は表1ないし32、36ないし45および47ないし79で提供される器官特異的蛋白質組のいずれか1つから選択され;および該複数の検出試薬は、該器官特異的蛋白質が由来する器官に影響する病気に罹った対象からの血液試料中の該複数の検出試薬によって検出された少なくとも1つの器官特異的蛋白質のレベルが所定の通常の範囲を超えるか、または未満であるように選択される、診断パネル。
(項目2)
前記複数の検出試薬が、器官特異的蛋白質が由来する器官に影響する病気に罹った対象からの血液試料中の該複数の検出試薬によって検出される少なくとも2つの器官特異的蛋白質のレベルが所定の正常な範囲を超えるか、または未満であるように選択される、項目1記載の診断パネル。
(項目3)
前記複数の検出試薬が、器官特異的蛋白質が由来する器官に影響する病気に罹った対象からの血液試料中の該複数の検出試薬によって検出される少なくとも3つの器官特異的蛋白質のレベルが所定の正常な範囲を超えるか、または未満であるように選択される、項目1記載の診断パネル。
(項目4)
前記複数の検出試薬が、器官特異的蛋白質が由来する器官に影響する病気に罹った対象からの血液試料中の該複数の検出試薬によって検出される少なくとも4つの器官特異的蛋白質のレベルが所定の正常な範囲を超えるか、または未満であるように選択される、項目1記載の診断パネル。
(項目5)
前記複数の検出試薬が2〜100の検出試薬である、項目1記載の診断パネル。
(項目6)
前記複数の検出試薬によって検出される器官特異的蛋白質が、表1ないし32、36ないし45および47ないし79で提供される器官特異的蛋白質組のいずれか1つから、および分泌されるものとして同定された蛋白質内から選択される、項目1記載の診断パネル。
(項目7)
前記複数の検出試薬によって検出される器官特異的蛋白質が、表1ないし32、36ないし45および47ないし79で提供される器官特異的蛋白質組のいずれか1つから、および膜貫通するものとして同定された蛋白質内から選択される、項目1記載の診断パネル。
(項目8)
前記複数の検出試薬によって検出される該器官特異的蛋白質が、表1ないし32、36ないし45および47ないし79で提供される器官特異的蛋白質組のいずれか1つから、および0.8以上の特異性を持つ蛋白質内から選択される、項目1記載の診断パネル。
(項目9)
前記病気が副腎に影響を与え、かつ前記複数の検出試薬によって検出される器官特異的蛋白質が表1から検出される、項目1記載の診断パネル。
(項目10)
前記病気が膀胱に影響を与え、かつ前記複数の検出試薬によって検出される器官特異的蛋白質が表2から検出される、項目1記載の診断パネル。
(項目11)
前記病気が骨髄に影響を与え、かつ前記複数の検出試薬によって検出される器官特異的蛋白質が表3から検出される、項目1記載の診断パネル。
(項目12)
前記病気が脳扁桃に影響を与え、かつ前記複数の検出試薬によって検出される器官特異的蛋白質が表4から検出される、項目1記載の診断パネル。
(項目13)
前記病気が結腸に影響を与え、かつ前記複数の検出試薬によって検出される器官特異的蛋白質が表11から検出される、項目1記載の診断パネル。
(項目14)
前記病気が心臓に影響を与え、かつ前記複数の検出試薬によって検出される器官特異的蛋白質が表12から検出される、項目1記載の診断パネル。
(項目15)
前記病気が腎臓に影響を与え、かつ前記複数の検出試薬によって検出される器官特異的蛋白質が表13から検出される、項目1記載の診断パネル。
(項目16)
前記病気が肺に影響を与え、かつ前記複数の検出試薬によって検出される器官特異的蛋白質が表14から検出される、項目1記載の診断パネル。
(項目17)
前記病気が乳腺に影響を与え、かつ前記複数の検出試薬によって検出される器官特異的蛋白質が表15から検出される、項目1記載の診断パネル。
(項目18)
前記病気が末梢血液に影響を与え、かつ前記複数の検出試薬によって検出される器官特異的蛋白質が表16から検出される、項目1記載の診断パネル。
(項目19)
前記病気が膵臓に影響を与え、かつ前記複数の検出試薬によって検出される器官特異的蛋白質が表17から検出される、項目1記載の診断パネル。
(項目20)
前記病気が末梢血液に影響を与え、かつ前記複数の検出試薬によって検出される器官特異的蛋白質が表18から検出される、項目1記載の診断パネル。
(項目21)
前記病気が下垂体に影響を与え、かつ前記複数の検出試薬によって検出される器官特異的蛋白質が表19から検出される、項目1記載の診断パネル。
(項目22)
前記病気が前立腺に影響を与え、かつ前記複数の検出試薬によって検出される器官特異的蛋白質が表21から検出される、項目1記載の診断パネル。
(項目23)
前記病気が網膜に影響を与え、かつ前記複数の検出試薬によって検出される器官特異的蛋白質が表22から検出される、項目1記載の診断パネル。
(項目24)
前記病気が唾液腺に影響を与え、かつ前記複数の検出試薬によって検出される器官特異的蛋白質が表23から検出される、項目1記載の診断パネル。
(項目25)
前記病気が小腸に影響を与え、かつ前記複数の検出試薬によって検出される器官特異的蛋白質が表24から検出される、項目1記載の診断パネル。
(項目26)
前記病気が脊髄に影響を与え、かつ前記複数の検出試薬によって検出される器官特異的蛋白質が表25から検出される、項目1記載の診断パネル。
(項目27)
前記病気が脾臓に影響を与え、かつ前記複数の検出試薬によって検出される器官特異的蛋白質が表26から検出される、項目1記載の診断パネル。
(項目28)
前記病気が胃に影響を与え、かつ前記複数の検出試薬によって検出される器官特異的蛋白質が表27から検出される、項目1記載の診断パネル。
(項目29)
前記病気が精巣に影響を与え、かつ前記複数の検出試薬によって検出される器官特異的蛋白質が表28から検出される、項目1記載の診断パネル。
(項目30)
前記病気が胸腺に影響を与え、かつ前記複数の検出試薬によって検出される器官特異的蛋白質が表29から検出される、項目1記載の診断パネル。
(項目31)
前記病気が甲状腺に影響を与え、かつ前記複数の検出試薬によって検出される器官特異的蛋白質が表30から検出される、項目1記載の診断パネル。
(項目32)
前記病気が子宮に影響を与え、かつ前記複数の検出試薬によって検出される器官特異的蛋白質が表32から検出される、項目1記載の診断パネル。
(項目33)
前記病気がクッシング症候群である、項目4記載の診断パネル。
(項目34)
複数の検出試薬を含む診断パネルであって、各検出試薬は1つの器官特異的蛋白質に特異的であり;該複数の検出試薬によって検出される器官特異的蛋白質は表1ないし32、36ないし45および47ないし79で提供される器官特異的蛋白質組の2以上から選択され;および該複数の検出試薬は、該器官特異的蛋白質が由来する器官に影響する病気に罹った対象からの血液試料中の該複数の検出試薬によって検出される少なくとも1つの器官特異的蛋白質のレベルが所定の正常な範囲を超えるか、または未満であるように選択される、診断パネル。
(項目35)
前記複数の検出試薬が、器官特異的蛋白質が由来する器官に影響する病気に罹った対象からの血液試料中の該複数の検出試薬によって検出される少なくとも2つの器官特異的蛋白質のレベルが所定の正常な範囲を超えるか、または未満であるように選択される、項目34記載の診断パネル。
(項目36)
前記複数の検出試薬が、器官特異的蛋白質が由来する器官に影響する病気に罹った対象からの血液試料中の該複数の検出試薬によって検出される少なくとも3つの器官特異的蛋白質のレベルが所定の正常な範囲を超えるか、または未満であるように選択される、項目34記載の診断パネル。
(項目37)
前記複数の検出試薬が、器官特異的蛋白質が由来する器官に影響する病気に罹った対象からの血液試料中の該複数の検出試薬によって検出される少なくとも4つの器官特異的蛋白質のレベルが所定の正常な範囲を超えるか、または未満であるように選択される、項目34記載の診断パネル。
(項目38)
前記複数の検出試薬が2〜100つの検出試薬である、項目34記載の診断パネル。(項目39)
前記複数の検出試薬によって検出される器官特異的蛋白質が表1ないし32、36ないし45および47ないし79で提供される器官特異的蛋白質組の2以上から、および分泌されるものとして同定された蛋白質内から選択される、項目34記載の診断パネル。
(項目40)
前記複数の検出試薬によって検出される器官特異的蛋白質が表1ないし32、36ないし45および47ないし79で提供される器官特異的蛋白質組の2以上から、および膜貫通されるものとして同定された蛋白質内から選択される、項目34記載の診断パネル。
(項目41)
前記複数の検出試薬によって検出される器官特異的蛋白質が表1ないし32、36ないし45および47ないし79で提供される器官特異的蛋白質組の2以上から、および0.8以上の特異性を持つ蛋白質から選択される、項目34記載の診断パネル。
(項目42)
前記病気が膀胱病であって、前記複数の検出試薬によって検出される器官特異的蛋白質が表13および2のいずれか1つ、または双方から選択される、項目34記載の診断パネル。
(項目43)
前記病気が神経病であって、前記複数の検出試薬によって検出される器官特異的蛋白質が表3、4、5、6、7、8および9のいずれか1以上から選択される、項目34記載の診断パネル。
(項目44)
前記結腸病が結腸癌であって、前記複数の検出試薬によって検出される器官特異的蛋白質が表11から選択される、項目13記載の診断パネル。
(項目45)
前記心臓病が弁心臓病;肺性心、心筋障害、心筋炎、心臓周辺病;アテローム性動脈硬化症、急性心筋梗塞、虚血性心臓病のような血管病よりなる群から選択され、該複数の検出試薬によって検出される該器官特異的蛋白質が表12から選択される、項目14記載の診断パネル。
(項目46)
前記病気が子宮に影響を与え、前記複数の検出試薬によって検出される器官特異的蛋白質が表32から選択される、項目1記載の診断パネル。
(項目47)
前記検出試薬が抗体またはその抗原結合断片を含む、項目1または項目34記載の診断パネル。
(項目48)
前記検出試薬がDNAまたはRNAアプタマーを含む、項目1または項目34記載の診断パネル。
(項目49)
前記検出試薬が同位体標識ペプチドを含む、項目1または項目34記載の診断パネル。
(項目50)
対象の生物学的状態を規定する方法であって、該方法は、
a.該対象からの血液試料中の、表1ないし32、36ないし45および47ないし79で提供される器官特異的蛋白質組のいずれか1つから選択される少なくとも2つの器官特異的蛋白質のレベルを測定し;
b.(a)において決定されたレベルを、該少なくとも2つの器官特異的蛋白質の所定の正常レベルと比較することを含み、
所定の正常レベルを超えるか、または未満の2つのうち少なくとも1つの器官特異的蛋白質のレベルが該対象の生物学的状態を規定する、方法。
(項目51)
前記少なくとも2つの器官特異的蛋白質のレベルがイムノアッセイを用いて測定される、項目50記載の方法。
(項目52)
前記イムノアッセイがELISAを含む、項目51記載の方法。
(項目53)
前記少なくとも2つの器官特異的蛋白質のレベルが質量分析を用いて測定される、項目50記載の方法。
(項目54)
前記少なくとも2つの器官特異的蛋白質のレベルがアプタマー捕獲アッセイを用いて測定される、項目50記載の方法。
(項目55)
対象の生物学的状態を規定する方法であって、該方法は、
a.該対象からの血液試料中の、表1ないし32、36ないし45および47ないし79で提供される器官特異的蛋白質組のいずれか2以上から選択される少なくとも2つの器官特異的蛋白質のレベルを測定し;
b.(a)において決定されたレベルを該少なくとも2つの器官特異的蛋白質の所定の正常レベルと比較することを含み、
該所定の正常レベルを超える、または未満の2つのうち少なくとも1つの器官特異的蛋白質のレベルが該対象の生物学的状態を規定する、方法。
(項目56)
前記少なくとも2つの器官特異的蛋白質のレベルがイムノアッセイを用いて測定される、項目55記載の方法。
(項目57)
前記イムノアッセイがELISAを含む、項目56記載の方法。
(項目58)
前記少なくとも2つの器官特異的蛋白質のレベルが質量分析を用いて測定される、項目55記載の方法。
(項目59)
前記少なくとも2つの器官特異的蛋白質のレベルがアプタマー捕獲アッセイを用いて測定される、項目55記載の方法。
(項目60)
病気関連器官特異的血液フィンガープリントを規定する方法であって、該方法は、
a.少なくとも2つの器官特異的蛋白質が選択される器官に影響を与える病気を有すると決定された対象からの血液試料中の表1ないし32、36ないし45および47ないし79で提供される器官特異的蛋白質組のいずれか1つから選択される少なくとも2つの器官特異的蛋白質のレベルを測定し;
b.(a)において決定された該少なくとも2つの器官特異的蛋白質のレベルを該少なくとも2つの器官特異的蛋白質の所定の正常レベルと比較することを含み、
該対応する所定の正常レベル未満であるか、またはそれを超える病気を有すると決定された対象からの血液試料中の少なくとも2つのうち少なくとも1つの器官特異的蛋白質のレベルは病気関連器官特異的血液フィンガープリントを規定する、方法。
(項目61)
工程(a)が、表1ないし32、36ないし45および47ないし79で提供される器官特異的蛋白質組のいずれか1つから選択される少なくとも3つの器官特異的蛋白質のレベルを測定することを含み、対応する所定の正常レベル未満の、またはそれを超える病気を有すると決定された対象からの血液試料中の少なくとも3つのうち少なくとも2つの器官特異的蛋白質のレベルが病気関連器官特異的血液フィンガープリントを規定する、項目60記載の方法。
(項目62)
工程(a)が、表1ないし32、36ないし45および47ないし79で提供される器官特異的蛋白質組のいずれか1つから選択される4以上の器官特異的蛋白質のレベルを測定することを含み、対応する所定の正常レベル未満の、またはそれを超える病気を有すると決定された対象からの血液試料中の4以上のうち少なくとも3つの器官特異的蛋白質のレベルが病気関連器官特異的血液フィンガープリントを規定する、項目60記載の方法。
(項目63)
工程(a)が、表1ないし32、36ないし45および47ないし79で提供される器官特異的蛋白質組のいずれか1つから選択される4以上の器官特異的蛋白質のレベルを測定することを含み、対応する所定の正常レベル未満の、またはそれを超える病気を有すると決定された対象からの血液試料中の4以上のうち少なくとも4つの器官特異的蛋白質のレベルが病気関連器官特異的血液フィンガープリントを規定する、項目60記載の方法。
(項目64)
工程(a)が、表1ないし32、36ないし45および47ないし79で提供される器官特異的蛋白質組のいずれか1つから選択される5以上の器官特異的蛋白質のレベルを測定することを含み、対応する所定の正常レベル未満の、またはそれを超える病気を有すると決定された対象からの血液試料中の5以上のうち少なくとも5つの器官特異的蛋白質のレベルが病気関連器官特異的血液フィンガープリントを規定する、項目60記載の方法。
(項目65)
前記少なくとも2つの器官特異的蛋白質のレベルが、抗体、または各蛋白質に対して特異的なその抗原結合断片を用いて測定される、項目60記載の方法。
(項目66)
前記抗体またはその抗原結合断片がモノクローナル抗体である、項目65記載の方法。
(項目67)
該少なくとも2つの器官特異的蛋白質のレベルが質量分析を用いて測定される、項目60記載の方法。
(項目68)
前記少なくとも2つの器官特異的蛋白質のレベルがアプタマー捕獲アッセイを用いて測定される、項目60記載の方法。
(項目69)
前記病気が前立腺癌であって、前記少なくとも2つの器官特異的蛋白質が表21から選択される、項目60記載の方法。
(項目70)
前記病気が乳癌であって、前記少なくとも2つの器官特異的蛋白質が表15から選択される、項目60記載の方法。
(項目71)
前記病気が腎臓癌であって、前記少なくとも2つの器官特異的蛋白質が表15から選択される、項目60記載の方法。
(項目72)
前記病気が膀胱癌であって、前記少なくとも2つの器官特異的蛋白質が表2から選択される、項目60記載の方法。
(項目73)
病気関連器官特異的血液フィンガープリントを規定する方法であって、該方法は、
a.注目する病気を有すると決定された対象からの血液試料中の表1ないし32、36ないし45および47ないし79で提供される器官特異的蛋白質組の2以上から選択される少なくとも2つの器官特異的蛋白質のレベルを測定し;
b.(a)において決定された少なくとも2つの器官特異的蛋白質のレベルを該少なくとも2つの器官特異的蛋白質の所定の正常レベルと比較することを含み、
対応する所定の正常レベル未満であるか、またはそれを超える、病気を有すると決定された対象からの血液試料中の少なくとも2つのうち少なくとも1つの器官特異的蛋白質のレベルが病気関連器官特異的血液フィンガープリントを規定する、方法。
(項目74)
工程(a)が、表1ないし32、36ないし45および47ないし79で提供される器官特異的蛋白質組の2以上から選択される少なくとも3つの器官特異的蛋白質のレベルを測定することを含み、対応する所定の正常レベル未満、またはそれを超える、病気を有すると決定された対象からの血液試料中の少なくとも3つのうち少なくとも2つの器官特異的蛋白質のレベルが病気関連器官特異的血液フィンガープリントを規定する、項目73記載の方法。
(項目75)
工程(a)が、表1ないし32、36ないし45および47ないし79で提供される器官特異的蛋白質組の2以上から選択される4以上の器官特異的蛋白質のレベルを測定することを含み、対応する所定の正常レベル未満、またはそれを超える、病気を有すると決定された対象からの血液試料中の4以上のうち少なくとも3つの器官特異的蛋白質のレベルが病気関連器官特異的血液フィンガープリントを規定する、項目73記載の方法。
(項目76)
工程(a)が、表1ないし32、36ないし45および47ないし79で提供される器官特異的蛋白質組の2以上から選択される4以上の器官特異的蛋白質のレベルを測定することを含み、対応する所定の正常レベル未満、またはそれを超える、病気を有すると決定された対象からの血液試料中の4以上のうち少なくとも4つの器官特異的蛋白質のレベルが病気関連器官特異的血液フィンガープリントを規定する、項目73記載の方法。
(項目77)
工程(a)が、表1ないし32、36ないし45および47ないし79で提供される器官特異的蛋白質組の2以上から選択される5以上の器官特異的蛋白質のレベルを測定することを含み、対応する所定の正常レベル未満、またはそれを超える、病気を有すると決定された対象からの血液試料中の5以上のうち少なくとも5つの器官特異的蛋白質のレベルが病気関連器官特異的血液フィンガープリントを規定する、項目73記載の方法。
(項目78)
対象において正常な生物学的状態の乱れを検出する方法であって、該方法は、
a)該対象からの血液試料を複数の検出試薬と接触させ、各検出試薬は1つの器官特異的蛋白質に対して特異的であり;該複数の検出試薬によって検出される器官特異的蛋白質は表1ないし32、36ないし45および47ないし79で提供される器官特異的蛋白質組のいずれか1つから選択され;
b)各検出試薬によって血液試料中で検出された器官特異的蛋白質の量を測定し;
c)各検出試薬によって血液試料中で検出された器官特異的蛋白質の量をそれぞれの各器官特異的蛋白質についての所定の正常な量と比較することを含み;
1以上の該器官特異的蛋白質における統計学的に有意な変化したレベルは正常な生物学的状態における乱れを示す、方法。
(項目79)
対象において正常な生物学的状態の乱れを検出する方法であって、該方法は、
a)対象からの血液試料を複数の検出試薬と接触させ、各検出試薬は1つの器官特異的蛋白質に対して特異的であり;該複数の検出試薬によって検出された器官特異的蛋白質は表1ないし32、36ないし45および47ないし79で提供される器官特異的蛋白質組の2以上から選択され;
b)各検出試薬によって血液試料中で検出された器官特異的蛋白質の量を測定し;
c)各検出試薬によって血液試料中において検出された器官特異的蛋白質の量をそれぞれの各器官特異的蛋白質についての所定の正常な量と比較することを含み;
1以上の該器官特異的蛋白質における統計学的に有意な変化したレベルは正常な生物学的状態における乱れを示す、方法。
(項目80)
対象における前立腺の病気を検出する方法であって、
a)該対象からの血液試料を複数の検出試薬と接触させ、各検出試薬は1つの前立腺特異的蛋白質に対して特異的であり;前立腺特異的蛋白質は表21で提供される器官特異的蛋白質組から選択され;
b)各検出試薬によって血液試料中で検出された器官特異的蛋白質の量を測定し;
c)各検出試薬によって血液試料中において検出された器官特異的蛋白質の量をそれぞれの各器官特異的蛋白質についての所定の正常な対照量と比較することを含み;
1以上の該器官特異的蛋白質における統計学的に有意な変化したレベルは正常な生物学的状態における乱れを示す、方法。
(項目81)
前記前立腺特異的蛋白質が、分泌されたものとして指定され、かつ0.9以上の特異性を持つ表21中の蛋白質から選択される、項目80記載の方法。
(項目82)
前記前立腺の病気が前立腺癌、前立腺炎、および良性前立腺過形成よりなる群から選択される、項目80記載の方法。
(項目83)
前記複数の検出試薬が少なくとも2つの検出試薬を含む、項目80記載の方法。
(項目84)
前記複数の検出試薬が少なくとも3つの検出試薬を含む、項目80記載の方法。
(項目85)
前記複数の検出試薬が少なくとも4つの検出試薬を含む、項目80記載の方法。
(項目86)
前記複数の検出試薬が少なくとも5つの検出試薬を含む、項目80記載の方法。
(項目87)
前記複数の検出試薬が少なくとも6つの検出試薬を含む、項目80記載の方法。
(項目88)
(a)複数の器官特異的蛋白質のレベルを対象から得られた血液試料中で測定し、該複数の器官特異的蛋白質は表1ないし32、36ないし45および47ないし79で提供される器官特異的蛋白質組のいずれか1つから選択され;
(b)療法を受けた後の対象から得られた血液試料を用いて工程(a)を反復し;
(c)工程(b)で検出された該複数の器官特異的蛋白質のレベルを工程(a)で検出された量と比較し、該比較から、患者における療法に対する応答をモニターする;
工程を含む、対象において療法に対する応答をモニターする方法。
(項目89)
(a)複数の器官特異的蛋白質のレベルを対象から得られた血液試料中で測定し、該複数の器官特異的蛋白質は表1ないし32、36ないし45および47ないし79で提供される器官特異的蛋白質組の2以上から選択され;
(b)療法を受けた後の対象から得られた血液試料を用いて工程(a)を反復し;
(c)工程(b)で検出された該複数の器官特異的蛋白質のレベルを工程(a)で検出された量と比較し、該比較から、患者における療法に対する応答をモニターする;
工程を含む、対象において療法に対する応答をモニターする方法。
(項目90)
表1ないし32、36ないし45および47ないし79に記載された配列のいずれか1以上の配列を特異的に認識する器官特異的プローブを提供し、該プローブはそれに付着した標識を有し、該標識は検出可能なマーカーを含み、該プローブを動物に投与し、該プローブの位置を検出することを含む、器官、組織、または、器官もしくは組織に由来する細胞を画像化する方法。
(項目91)
表1ないし32、36ないし45および47ないし79に記載された配列のいずれか1以上の配列を特異的に認識する器官特異的プローブを含むイメージングプローブであって、該プローブはそれに付着した標識を有し、該標識は検出可能なマーカーを含むイメージングプローブ。
(項目92)
表1ないし32、36ないし45および47ないし79に記載された配列のいずれか1以上の配列を特異的に認識する器官特異的プローブを提供することを含み、該プローブはそれに付着した治療剤を有し、該治療剤は放射性同位体または細胞傷害剤を含む、器官、組織、または細胞を標的化する方法。
(項目93)
表1ないし32、36ないし45および47ないし79に記載された配列のいずれか1以上の配列を特異的に認識する器官特異的プローブを含み、該プローブは該プローブに付着した治療剤を有し、該治療剤は放射性同位体または細胞傷害剤を含む、標的化剤。
(項目94)
該複数の検出試薬によって検出された該器官特異的蛋白質が表47ないし79で提供される器官特異的蛋白質組のいずれか1つから、およびMPSSデータおよびSBSデータによって同定された蛋白質内から選択される、項目1記載の診断パネル。
(項目95)
該複数の検出試薬によって検出された該器官特異的蛋白質が表47ないし79で提供される器官特異的蛋白質組の2以上から、およびMPSSデータおよびSBSデータによって同定された蛋白質内から選択される、項目34記載の診断パネル。
本発明のもう1つの態様により、複数の検出試薬を含む診断パネルが提供され、各検出試薬は1つの器官特異的蛋白質に対して特異的であり;該複数の検出試薬によって検出された器官特異的蛋白質は本明細書における表で提供される器官特異的蛋白質組の2以上から選択され;および該複数の検出試薬は、器官特異的蛋白質が由来する器官に影響する病気に罹った対象からの血液試料中の複数の検出試薬によって検出された少なくとも1つの器官特異的蛋白質のレベルが所定の正常範囲を超え、またはそれ未満であるように選択される。
本発明のなおもう1つの態様により、(a)対象からの血液試料中の本明細書における表で提供される器官特異的蛋白質組のいずれか1つから選択された少なくとも2つの器官特異的蛋白質のレベルを測定し;(b)(a)において決定されたレベルを少なくとも2つの器官特異的蛋白質の所定の正常レベルと比較することを含む、対象の生物学的状態を規定する方法が提供され;該所定の正常レベルを超えるまたはそれ未満である2つのうち少なくとも1つの器官特異的蛋白質のレベルは対象の生物学状態を規定する。本発明のこの態様の1つの具体例において、少なくとも2つの器官特異的蛋白質のレベルは、イムノアッセイを用いて、例えば、ELISAアッセイによって、測定される。別法として少なくとも2つの器官特異的蛋白質のレベルは、質量分析、アプタマー捕獲アッセイまたはいずれかの他の適当な技術を用いて測定される。
本発明のもう1つの態様において、(a)対象からの血液試料中の本明細書中における表で提供される器官特異的蛋白質組のいずれか2以上から選択される少なくとも2つの器官特異的蛋白質のレベルを測定し;(b)(a)で決定されたレベルを少なくとも2つの器官特異的蛋白質の所定の正常レベルと比較することを含む、対象の生物学的状態を規定する方法が規定され;該所定の正常レベルを超える、またはそれ未満である2つのうち少なくとも1つの器官特異的蛋白質のレベルは対象の生物学的状態を規定する。本発明のこの態様の1つの具体例において、少なくとも2つの器官特異的蛋白質のレベルは、イムノアッセイを用いて、例えば、ELISAアッセイによって、測定される。別法として、少なくとも2つの器官特異的蛋白質のレベルは質量分析、アプタマー捕獲アッセイまたはいずれかの他の適当な技術を用いて測定される。
本発明の1つの態様において、(a)少なくとも2つの器官特異的蛋白質が選択される器官に影響する病気を有すると決定された対象からの血液試料中の本明細書における表で提供される器官特異的蛋白質組のいずれかの1つから選択された少なくとも2つの器官特異的蛋白質のレベルを測定し;(b)(a)で決定された少なくとも2つの器官特異的蛋白質のレベルを少なくとも2つの器官特異的蛋白質の所定の正常レベルと比較することを含む、病気関連器官特異的血液フィンガープリントを規定する方法が提供され;対応する所定の正常レベル未満、またはそれを超える、病気を有すると決定された対象からの血液試料中の少なくとも2つのうちの少なくとも1つの器官特異的蛋白質のレベルは、病気関連器官特異的血液フィンガープリントを規定する。
本発明のこの態様の1つの例示的な具体例において、工程(a)は本明細書中における表で提供される器官特異的蛋白質組のいずれか1つから選択される少なくとも3つの器官特異的蛋白質のレベルを測定することを含み、対応する所定の正常レベル未満またはそれを超える、病気を有すると判断された対象からの血液試料中の少なくとも3つのうち少なくとも2つの器官特異的蛋白質のレベルは病気関連器官特異的血液フィンガープリントを規定する。
もう1つの具体例において、工程(a)は、本明細書における表で提供される器官特異的蛋白質組のいずれか1つから選択された4以上の器官特異的蛋白質のレベルを測定することを含み、対応する所定の正常レベル未満またはそれを超える、病気を有すると決定された対象からの血液試料中の4以上のうち少なくとも3つの器官特異的蛋白質のレベルが、病気関連器官特異的血液フィンガープリントを規定する。
なお、もう1つの具体例において、工程(a)は本明細書における表で提供される器官特異的蛋白質組のいずれか1つから選択される4以上の器官特異的蛋白質のレベルを測定することを含み、対応する所定の正常レベル未満、またはそれを超える、病気を有すると決定された対象からの血液試料中の4以上のうち少なくとも4つの器官特異的蛋白質のレベルは、病気関連器官特異的血液フィンガープリントを規定する。
もう1つの具体例において工程(a)は本明細書中における表で提供される器官特異的蛋白質いずれか1つから選択される5以上の器官特異的蛋白質のレベルを測定することを含み、対応する所定の正常レベル未満またはそれを超える病気を有すると判断された対象からの血液試料中の5以上のうち少なくとも5つの器官特異的蛋白質のレベルが病気関連器官特異的血液フィンガープリントを規定する。
本発明のもう1つの態様は;(a)注目する病気を有すると決定された対象からの血液試料中の本明細書における表で提供される器官特異的蛋白質組の2以上から選択される少なくとも2つの器官特異的蛋白質のレベルを測定し;(b)(a)で決定された少なくとも2つの器官特異的蛋白質のレベルを少なくとも2つの器官特異的蛋白質の所定の正常レベルと比較することを含む。病気関連器官特異的血液フィンガープリントを規定する方法に関し;対応する所定の正常レベル未満の、またはそれを超える、病気を有すると決定された対象からの血液試料中の少なくとも2つのうち少なくとも1つの器官特異的蛋白質のレベルは、病気関連器官特異的血液フィンガープリントを規定する。
本発明のこの態様の1つの具体例において、工程(a)は、本明細書における表で提供される器官特異的蛋白質組の2以上から選択された少なくとも3つの器官特異的蛋白質のレベルを測定することを含み、対応する所定の正常レベル未満の、またはそれを超える、病気を有すると決定された対象からの血液試料中の少なくとも3つのうち少なくとも2つの器官特異的蛋白質のレベルが、病気関連器官特異的血液フィンガープリントを規定する。
もう1つの具体例において、工程(a)は、本明細書における表で提供される器官特異的蛋白質組の2以上から選択される4以上の器官特異的蛋白質のレベルを測定することを含み、対応する所定の正常レベル未満、またはそれを超える、病気を有すると決定された対象からの血液試料中の4以上のうち少なくとも3つの器官特異的蛋白質のレベルが、病気関連器官特異的血液フィンガープリントを規定する。
もう1つの具体例において、工程(a)は本明細書中における表で提供される器官特異的蛋白質組の2以上から選択される4以上の器官特異的蛋白質のレベルを測定することを含み、対応する所定の正常レベル未満の、またはそれを超える病気を有すると決定された対象からの血液試料中の4以上のうち少なくとも4つの器官特異的蛋白質のレベルが病気関連器官特異的血液フィンガープリントを規定する。
なおもう1つの具体例において、工程(a)は本明細書における表で提供される器官特異的蛋白質組の2以上から選択される5以上の器官特異的蛋白質のレベルを測定することを含み、対応する所定の正常レベル未満の、またはそれを超える、病気を有すると決定された対象からの血液試料中の5以上のうち少なくとも5つの器官特異的蛋白質のレベルが、病気関連器官特異的血液フィンガープリントを規定する。
本発明のもう1つの態様によると、(a)対象からの血液試料を複数の検出試薬と接触させ、各検出試薬は1つの器官特異的蛋白質に対して特異的であり;該複数の検出試薬によって検出された器官特異的蛋白質は、本明細書における表で提供される器官特異的蛋白質組のいずれか1つから選択され;(b)各検出試薬によって血液試料中で検出された器官特異的蛋白質の量を測定し;(c)各検出試薬によって血液試料中で検出された器官特異的蛋白質の量を、それぞれの各器官特異的蛋白質の所定の正常量と比較することを含み;1以上の器官特異的蛋白質における統計学的に有意な変化したレベルは、正常な生物学的状態における乱れを示すことを特徴とする、対象における正常な生物学的状態の乱れを検出する方法が提供された。
もう1つの態様において、本発明は、(a)対象からの血液試料を複数の検出試薬と接触させ、各検出試薬は1つの器官特異的蛋白質に対して特異的であり;該複数の検出試薬によって検出される器官特異的蛋白質は本明細書における表で提供される器官特異的蛋白質組の2以上から選択され;(b)各検出試薬によって血液試料中で検出された器官特異的蛋白質の量を測定し;(c)各検出試薬によって血液試料中で検出された器官特異的蛋白質の量を、それぞれの各器官特異的蛋白質についての所定の正常な量と比較することを含み;1以上の器官特異的蛋白質における統計学的に有意な変化した量は正常な生物学的状態における乱れを示すことを特徴とする、対象における正常な生物学的状態の乱れを検出する方法を提供する。
本発明のもう1つの態様は、(a)対象からの血液試料を複数の検出試薬と接触させ、各検出試薬は1つの前立腺特異的蛋白質に対して特異的であり;前立腺特異的蛋白質は表21で提供される器官特異的蛋白質組から選択され;(b)それぞれの各検出試薬によって血液試料中で検出された器官特異的蛋白質の量を測定し;(c)各検出試薬によって血液試料中で検出された器官特異的蛋白質の量を、それぞれの各器官特異的蛋白質についての所定の正常な対照量と比較することを含み;1以上の器官特異的蛋白質における統計学的に有意な変化したレベルは、正常な生物学的状態における乱れを示すことを特徴とする、対象において前立腺病を検出することを特徴とする方法を提供する。
本発明のこの態様の1つの具体例において、前立腺特異的蛋白質は分泌されたものとして指定され、かつ0.9以上の特異性を持つ表21中の蛋白質から選択される。もう1つの具体例において、前立腺病は前立腺癌、前立腺炎、および良性前立腺過形成よりなる群から選択される。もう1つの具体例において、該複数の検出試薬は本明細書中において記載された少なくとも2、少なくとも3、少なくとも4、少なくとも5、または少なくとも6の検出試薬を含む。
本発明のもう1つの態様において、(a)複数の器官特異的蛋白質のレベルを対象から得られた血液試料中で測定し、該複数の器官特異的蛋白質は本明細書における表で提供される器官特異的蛋白質組のいずれか1つから選択され;(b)療法を受けた後に対象から得られた血液試料を用いて工程(a)反復し;(c)工程(b)で検出された複数の器官特異的蛋白質のレベルを、工程(a)で検出された量と比較し、その比較から対照において療法に対する応答をモニターする工程を含む、対象において療法に対する応答をモニターする方法が提供される。
本発明のなおもう1つの態様において、(a)複数の器官特異的蛋白質のレベルを対象から得られた血液試料において測定し、該複数の器官特異的蛋白質は本明細書における表に提供された器官特異的蛋白質組の2以上から選択され;(b)療法を受けた後の対象から得られた血液試料を用いて工程(a)を反復し、(c)工程(b)で検出された複数の器官特異的蛋白質のレベルを工程(a)で検出された量と比較し、その比較から、患者における療法に対する応答をモニターする工程を含む、対象において療法に対する応答をモニターする方法が提供される。
本発明の方法において、該複数の検出試薬はいずれの適当なまたは望ましい数とすることができ、一般には、約2〜100つの検出試薬であろう。1つの具体例において、該複数の検出試薬は、器官特異的蛋白質が由来する器官に影響する病気に罹った対象からの血液試料中の複数の検出試薬によって検出された器官特異的蛋白質の少なくとも2つ、少なくとも3つ、または少なくとも4つのレベルが所定の正常な範囲を超える、また未満であるように選択される。
該複数の検出試薬によって検出された器官特異的蛋白質は、本明細書における表で提供される器官特異的蛋白質組いずれか1つから、および分泌されるものとして同定された蛋白質内から選択することができる。1つの具体例において、該複数の検出試薬によって検出された器官特異的蛋白質は、本明細書における表で提供される器官特異的蛋白質のいずれか1つから、および膜貫通のものとして同定される蛋白質内から選択される。もう1つの関連する具体例において、複数の検出試薬によって検出された器官特異的蛋白質は本明細書における表で提供される器官特異的蛋白質組のいずれか1つから、および0.8以上の特異性を持つ蛋白質内から選択される。1つの具体例において、該複数の検出試薬によって検出された器官特異的蛋白質は表47ないし79で提供される器官特異的蛋白質のいずれか1つから、およびMPSSデータおよびSBSデータによって同定された蛋白質内から選択される。この点に関して、これらの蛋白質は「&」によって表47ないし79においては標識される。
本発明の方法で用いる検出試薬は、注目する蛋白質または複数蛋白質の検出用のいずれの適当な試薬とすることもできる。例えば、1つの具体例において、検出試薬は抗体(例えば、モノクローナル抗体)、または、その抗原結合断片を含む。ある具体例において、検出試薬はDNAまたはRNAアプタマーを含む。なおもう1つの具体例において、検出試薬は同位体標識ペプチドを含む。
本明細書中で記載する方法を用いて評価される病気または複数病気は、本発明の器官特異的蛋白質組がそれについての診断的または他の医療的数値の情報を提供する実質的にいずれの病気も含むことができる。
例えば、1つの具体例において、該病気は副腎に影響を与え、複数の検出試薬によって検出される器官特異的蛋白質は表1から選択される。
もう1つの具体例において、該病気は膀胱に影響を与え、複数の検出試薬によって検出される器官特異的蛋白質は表2から選択される。もう1つの具体例において、該病気は膀胱癌であって、少なくとも2つの器官特異的蛋白質が表2から選択される。
もう1つの具体例において、該病気は骨髄に影響を与え、該複数の検出試薬によって検出される器官特異的蛋白質は表3から選択される。
もう1つの具体例において、該病気は脳扁桃に影響を与え、該複数の検出試薬によって検出される器官特異的蛋白質は表4から選択される。
もう1つの具体例において、該病気は結腸に影響を与え、該複数の検出試薬によって検出される器官特異的蛋白質は表11から選択される。もう1つの具体例において結腸病は結腸癌であって、該複数の検出試薬によって検出される器官特異的蛋白質は表11から選択される。
もう1つの具体例において、該病気は心臓に影響を与え、該複数の検出試薬によって検出される器官特異的蛋白質は表12から選択される。
もう1つの具体例において、該病気は腎臓に影響を与え、該複数の検出試薬によって検出される器官特異的蛋白質は表13から選択される。もう1つの具体例において、該病気は腎臓癌であって、少なくとも2つの器官特異的蛋白質は表13から選択される。
もう1つの具体例において、該病気は肺に影響を与え、該複数の検出試薬によって検出される器官特異的蛋白質は表14から選択される。
もう1つの具体例において、該病気は乳腺に影響するものであって、該複数の検出試薬によって検出される器官特異的蛋白質は表15から選択される。もう1つの具体例において、該病気は乳癌であって該少なくとも2つの器官特異的蛋白質は表15から選択される。
もう1つの具体例において、該病気は末梢血液に影響を与え、該複数の検出試薬によって検出される器官特異的蛋白質は表16から選択される。
もう1つの具体例において該病気は膵臓に影響を与え、該複数の検出試薬によって検出される器官特異的蛋白質は表17から選択される。
もう1つの具体例において、該病気は末梢血液に影響を与え、該複数の検出試薬によって検出される器官特異的蛋白質は表18から選択される。
もう1つの具体例において、該病気は下垂体に影響を与え、該複数の検出試薬によって検出される器官特異的蛋白質は表19から選択される。
もう1つの具体例において、該病気は前立腺に影響を与え、該複数の検出試薬によって検出される器官特異的蛋白質は表21から選択される。もう1つの具体例において、該病気は前立腺癌であって、該少なくとも2つの器官特異的蛋白質は表21から選択される。
もう1つの具体例において、該病気は網膜に影響を与え、該複数の検出試薬によって検出される器官特異的蛋白質は表22から選択される。
もう1つの具体例において、該病気は唾液腺に影響を与え、該複数の検出試薬によって検出される器官特異的蛋白質は表23から選択される。
もう1つの具体例において、該病気は小腸に影響を与え、該複数の検出試薬によって検出される器官特異的蛋白質が表24から選択される。
もう1つの具体例において、該病気は脊髄に影響を与え、該複数の検出試薬によって検出される器官特異的蛋白質は表25から選択される。
もう1つの具体例において、該病気は脾臓に影響を与え、該複数の検出試薬によって検出される器官特異的蛋白質は表26から選択される。
もう1つの具体例において、該病気は胃に影響を与え、該複数の検出試薬によって検出される器官特異的蛋白質は表27から選択される。
もう1つの具体例において、該病気は精巣に影響を与え、該複数の検出試薬によって検出される器官特異的蛋白質は表28から選択される。
もう1つの具体例において、該病気は胸腺に影響を与え、該複数の検出試薬によって検出される器官特異的蛋白質は表29から選択される。
もう1つの具体例において、該病気は甲状腺に影響を与え、該複数の検出試薬によって検出される器官特異的蛋白質は表30から選択される。
もう1つの具体例において、該病気は子宮に影響を与え、該複数の検出試薬によって検出される器官特異的蛋白質において、表32から選択される。
もう1つの具体例において、該病気はクッシング症候群である。
もう1つの具体例において、該病気は膀胱病であって、該複数の検出試薬によって検出される器官特異的蛋白質は表13および2のいずれか一方または双方から選択される。
もう1つの具体例において、該病気は神経学的病気であって、該複数の検出試薬によって検出される器官特異的蛋白質は表3、4、5、6、7、8および9のいずれか1以上から選択される。
図1は、本発明の模式図であって、本発明の1つの具体例に関与する工程の一般的概観を提供する。 図2は、前立腺特異的蛋白質の異なる発現を同定する、正常な患者、初期段階前立腺癌患者および後期段階前立腺癌患者からの血清のウエスタンブロットの写真である。正常(1、2、8、13)からの、および初期(3ないし7)、および後期(9ないし12)前立腺癌患者からの血清試料をSDS−PAGEによって解像し、STEAP2およびTGM4に対して向けられた抗体を用いてウエスタンブロッティングによって可視化した。実験は実施例4に記載したように行った。
(配列識別子の簡単な記載)
配列番号:1ないし368は、表1に記載された副腎特異的蛋白質をコードするポリヌクレオチドに対応する。
配列番号:369ないし736は、表1に記載された副腎特異的蛋白質のアミノ酸配列である。
配列番号:737ないし1028は、表1に記載された副腎特異的蛋白質のMPSSシグニチャー配列のポリヌクレオチド配列である。
配列番号:1029ないし1311は、表2に記載された膀胱特異的蛋白質をコードするポリヌクレオチドに対応する。
配列番号:1312ないし1594は、表2に記載された膀胱特異的蛋白質のアミノ酸配列である。
配列番号:1595ないし1795は、表2に記載された膀胱特異的蛋白質のMPSSシグニチャー配列のポリヌクレオチド配列である。
配列番号:1796ないし2094は、表3に記載された骨髄特異的蛋白質をコードするポリヌクレオチドに対応する。
配列番号:2095ないし2393は、表3に記載された骨髄特異的蛋白質のアミノ酸配列である。
配列番号:2394ないし2623は、表3に記載された骨髄特異的蛋白質のMPSSシグニチャー配列のポリヌクレオチド配列である。
配列番号:2624ないし2979は、表4に記載された脳扁桃特異的蛋白質をコードするポリヌクレオチドに対応する。
配列番号:2980ないし3335は、表4に記載された脳扁桃特異的蛋白質のアミノ酸配列である。
配列番号:3336ないし3579は、表4に記載された脳扁桃特異的蛋白質のMPSSシグニチャー配列のポリヌクレオチド配列である。
配列番号:3580ないし4128は、表5に記載された脳尾状核特異的蛋白質をコードするポリヌクレオチドに対応する。
配列番号:4129ないし4677は、表5に記載された脳尾状核特異的蛋白質のアミノ酸配列である。
配列番号:4678ないし5069は、表5に記載された脳尾状核特異的蛋白質のMPSSシグニチャー配列のポリヌクレオチド配列である。
配列番号:5070ないし5903は、表6に記載された脳小脳特異的蛋白質をコードするポリヌクレオチドに対応する。
配列番号:5904ないし6737は、表6に記載された脳小脳特異的蛋白質のアミノ酸配列である。
配列番号:6738ないし7211は、表6に記載された脳小脳特異的蛋白質のMPSSシグニチャー配列のポリヌクレオチド配列である。
配列番号:7212ないし7541は、表7に記載された脳梁特異的蛋白質をコードするポリヌクレオチドに対応する。
配列番号:7542ないし7871は、表7に記載された脳梁特異的蛋白質のアミノ酸配列である。
配列番号:7872ないし8113は、表7に記載された脳梁特異的蛋白質のMPSSシグニチャー配列のポリヌクレオチド配列である。
配列番号:8114ないし9441は、表8に記載された脳胎児特異的蛋白質をコードするポリヌクレオチドに対応する。
配列番号:9442ないし10769は、表8に記載された脳胎児特異的蛋白質のアミノ酸配列である。
配列番号:10770ないし11903は、表8に記載された脳胎児特異的蛋白質のMPSSシグニチャー配列のポリヌクレオチド配列である。
配列番号:11904ないし12159は、表9に記載された脳視床下部特異的蛋白質をコードするポリヌクレオチドに対応する。
配列番号:12160ないし12415は、表9に記載された脳視床下部特異的蛋白質のアミノ酸配列である。
配列番号:12416ないし12669は、表9に記載された脳視床下部特異的蛋白質のMPSSシグニチャー配列のポリヌクレオチド配列である
配列番号:12670ないし12877は、表10に記載された脳視床特異的蛋白質をコードするポリヌクレオチドに対応する。
配列番号:12878ないし13085は、表10に記載された脳視床特異的蛋白質のアミノ酸配列である。
配列番号:13086ないし13264は、表10に記載された脳視床特異的蛋白質のMPSSシグニチャー配列のポリヌクレオチド配列である。
配列番号:13265ないし13531は、表11に記載された結腸特異的蛋白質をコードするポリヌクレオチドに対応する。
配列番号:13532ないし13798は、表11に記載された結腸特異的蛋白質のアミノ酸配列である。
配列番号:13799ないし14035は、表11に記載された結腸特異的蛋白質のMPSSシグニチャー配列のポリヌクレオチド配列である。
配列番号:14036ないし14449は、表12に記載された心臓特異的蛋白質をコードするポリヌクレオチドに対応する。
配列番号:14450ないし14863は、表12に記載された心臓特異的蛋白質のアミノ酸配列である。
配列番号:14864ないし15374は、表12に記載された心臓特異的蛋白質のMPSSシグニチャー配列のポリヌクレオチド配列である。
配列番号:15375ないし15550は、表13に記載された腎臓特異的蛋白質をコードするポリヌクレオチドに対応する。
配列番号:15551ないし15726は、表13に記載された腎臓特異的蛋白質のアミノ酸配列である。
配列番号:15727ないし15904は、表13に記載された腎臓特異的蛋白質のMPSSシグニチャー配列のポリヌクレオチド配列である。
配列番号:15905ないし16301は、表14に記載された肺特異的蛋白質をコードするポリヌクレオチドに対応する。
配列番号:16302ないし16698は、表14に記載された肺特異的蛋白質のアミノ酸配列である。
配列番号:16699ないし17022は、表14に記載された肺特異的蛋白質のMPSSシグニチャー配列のポリヌクレオチド配列である。
配列番号:17023ないし17182は、表15に記載された乳腺特異的蛋白質をコードするポリヌクレオチドに対応する。
配列番号:17183ないし17342は、表15に記載された乳腺特異的蛋白質のアミノ酸配列である。
配列番号:17343ないし17493は、表15に記載された乳腺特異的蛋白質のMPSSシグニチャー配列のポリヌクレオチド配列である。
配列番号:17494ないし17962は、表16に記載された単球特異的蛋白質をコードするポリヌクレオチドに対応する。
配列番号:17963ないし18431は、表16に記載された単球特異的蛋白質のアミノ酸配列である。
配列番号:18432ないし18843は、表16に記載された単球特異的蛋白質のMPSSシグニチャー配列のポリヌクレオチド配列である。
配列番号:18844ないし18872は、表17に記載された膵臓特異的蛋白質をコードするポリヌクレオチドに対応する。
配列番号:18873ないし18901は、表17に記載された膵臓特異的蛋白質のアミノ酸配列である。
配列番号:18902ないし18946は、表17に記載された膵臓特異的蛋白質のMPSSシグニチャー配列のポリヌクレオチド配列である。
配列番号:18947ないし19350は、表18に記載された末梢血リンパ球特異的蛋白質をコードするポリヌクレオチドに対応する。
配列番号:19351ないし19754は、表18に記載された末梢血リンパ球特異的蛋白質のアミノ酸配列である。
配列番号:19755ないし20134は、表18に記載された末梢血リンパ球特異的蛋白質のMPSSシグニチャー配列のポリヌクレオチド配列である。
配列番号:20135ないし20275は、表19に記載された下垂体特異的蛋白質をコードするポリヌクレオチドに対応する。
配列番号:20276ないし20416は、表19に記載された下垂体特異的蛋白質のアミノ酸配列である。
配列番号:20417ないし20575は、表19に記載された下垂体特異的蛋白質のMPSSシグニチャー配列のポリヌクレオチド配列である。
配列番号:20576ないし20842は、表20に記載された胎盤特異的蛋白質をコードするポリヌクレオチドに対応する。
配列番号:20843ないし21109は、表20に記載された胎盤特異的蛋白質のアミノ酸配列である。
配列番号:21110ないし21435は、表20に記載された胎盤特異的蛋白質のMPSSシグニチャー配列のポリヌクレオチド配列である。
配列番号:21436ないし22022は、表21に記載された前立腺特異的蛋白質をコードするポリヌクレオチドに対応する。
配列番号:22023ないし22609は、表21に記載された前立腺特異的蛋白質のアミノ酸配列である。
配列番号:22610ないし23274は、表21に記載された前立腺特異的蛋白質のMPSSシグニチャー配列のポリヌクレオチド配列である。
配列番号:23275ないし23605は、表22に記載された網膜特異的蛋白質をコードするポリヌクレオチドに対応する。
配列番号:23606ないし23936は、表22に記載された網膜特異的蛋白質のアミノ酸配列である。
配列番号:23937ないし24304は、表22に記載された網膜特異的蛋白質のMPSSシグニチャー配列のポリヌクレオチド配列である。
配列番号:24305ないし24434は、表23に記載された唾液腺特異的蛋白質をコードするポリヌクレオチドに対応する。
配列番号:24435ないし24564は、表23に記載された唾液腺特異的蛋白質のアミノ酸配列である。
配列番号:24565ないし24713は、表23に記載された唾液腺特異的蛋白質のMPSSシグニチャー配列のポリヌクレオチド配列である。
配列番号:24714ないし24916は、表24に記載された小腸特異的蛋白質をコードするポリヌクレオチドに対応する。
配列番号:24917ないし2519は、表24に記載された小腸特異的蛋白質のアミノ酸配列である。
配列番号:25120ないし25337は、表24に記載された小腸特異的蛋白質のMPSSシグニチャー配列のポリヌクレオチド配列である。
配列番号:25338ないし25477は、表25に記載された脊髄特異的蛋白質をコードするポリヌクレオチドに対応する。
配列番号:25478ないし25617は、表25に記載された脊髄特異的蛋白質のアミノ酸配列である。
配列番号:25618ないし25808は、表25に記載された脊髄特異的蛋白質のMPSSシグニチャー配列のポリヌクレオチド配列である。
配列番号:25809ないし26278は、表26に記載された脾臓特異的蛋白質をコードするポリヌクレオチドに対応する。
配列番号:26279ないし26748は、表26に記載された脾臓特異的蛋白質のアミノ酸配列である。
配列番号:26749ないし27329は、表26に記載された脾臓特異的蛋白質のMPSSシグニチャー配列のポリヌクレオチド配列である。
配列番号:27330ないし27359は、表27に記載された胃特異的蛋白質をコードするポリヌクレオチドに対応する。
配列番号:27360ないし27389は、表27に記載された胃特異的蛋白質のアミノ酸配列である。
配列番号:27390ないし27422は、表27に記載された胃特異的蛋白質のMPSSシグニチャー配列のポリヌクレオチド配列である。
配列番号:27423ないし28424は、表28に記載された精巣特異的蛋白質をコードするポリヌクレオチドに対応する。
配列番号:28425ないし29426は、表28に記載された精巣特異的蛋白質のアミノ酸配列である。
配列番号:29427ないし30466は、表28に記載された精巣特異的蛋白質のMPSSシグニチャー配列のポリヌクレオチド配列である。
配列番号:30467ないし30729は、表29に記載された胸腺特異的蛋白質をコードするポリヌクレオチドに対応する。
配列番号:30730ないし30992は、表29に記載された胸腺特異的蛋白質のアミノ酸配列である。
配列番号:30993ないし31348は、表29に記載された胸腺特異的蛋白質のMPSSシグニチャー配列のポリヌクレオチド配列である。
配列番号:31349ないし31510は、表30に記載された甲状腺特異的蛋白質をコードするポリヌクレオチドに対応する。
配列番号:31511ないし31672は、表30に記載された甲状腺特異的蛋白質のアミノ酸配列である。
配列番号:31673ないし31846は、表30に記載された甲状腺特異的蛋白質のMPSSシグニチャー配列のポリヌクレオチド配列である。
配列番号:31847ないし31888は、表31に記載された気管特異的蛋白質をコードするポリヌクレオチドに対応する。
配列番号:31889ないし31930は、表31に記載された気管特異的蛋白質のアミノ酸配列である。
配列番号:31931ないし32002は、表31に記載された気管特異的蛋白質のMPSSシグニチャー配列のポリヌクレオチド配列である。
配列番号:32003ないし32065は、表32に記載された子宮特異的蛋白質をコードするポリヌクレオチドに対応する。
配列番号:32066ないし32128は、表32に記載された子宮特異的蛋白質のアミノ酸配列である。
配列番号:32129ないし32206は、表32に記載された子宮特異的蛋白質のMPSSシグニチャー配列のポリヌクレオチド配列である。
配列番号:25362;5142;8639;15453;15915;23547;23548;および17925は、表34に記載された正常なヒト血清の試料から同定された器官特異的グリコシル化蛋白質をコードするポリヌクレオチドに対応する。
配列番号:25502;5976;9967;15629;16312;23878;23879;および18394は、表34に記載された正常なヒト血清の試料から同定された器官特異的グリコシル化蛋白質のアミノ酸配列である。
以下の配列番号は、MPSSを用いて同定される、表36Aに記載された雄の器官に特異的な(前立腺特異的な)蛋白質をコードするポリヌクレオチドに対応する:
Figure 2010500568
Figure 2010500568
Figure 2010500568
Figure 2010500568
以下の配列番号は、MPSSを用いて同定される、表36Aに記載された雄の器官に特異的な(前立腺特異的な)蛋白質のアミノ酸配列に対応する:
Figure 2010500568
Figure 2010500568
Figure 2010500568
Figure 2010500568
Figure 2010500568
以下の配列番号は、MPSSを用いて同定される、表37Aに記載された雄の器官に特異的な(精巣特異的な)蛋白質をコードするポリヌクレオチドに対応する:
Figure 2010500568
Figure 2010500568
Figure 2010500568
Figure 2010500568
Figure 2010500568
以下の配列番号は、MPSSを用いて同定される、表37Aに記載された雄の器官に特異的な(精巣特異的な)蛋白質のアミノ酸配列に対応する:
Figure 2010500568
Figure 2010500568
Figure 2010500568
Figure 2010500568
Figure 2010500568
Figure 2010500568
以下の配列番号は、MPSSを用いて同定される、表38Aに記載された雌の器官に特異的な(乳腺特異的な)蛋白質をコードするポリヌクレオチドに対応する:
Figure 2010500568
以下の配列番号は、MPSSを用いて同定される、表38Aに記載された雌の器官に特異的な(乳腺特異的な)蛋白質のアミノ酸配列に対応する:
Figure 2010500568
以下の配列番号は、MPSSを用いて同定される、表39Aに記載された雌の器官に特異的な(子宮特異的な)蛋白質のポリヌクレオチドに対応する:
Figure 2010500568
Figure 2010500568
以下の配列番号は、MPSSを用いて同定される、表39Aに記載された雌の器官に特異的な(子宮特異的な)蛋白質のアミノ酸配列に対応する:
Figure 2010500568
以下の配列番号は、MPSSを用いて同定される、表40Aに記載されたCL1前立腺癌細胞特異的蛋白質をコードするポリヌクレオチドに対応する:
Figure 2010500568
Figure 2010500568
以下の配列番号は、MPSSを用いて同定される、表40Aに記載されたCL1前立腺癌細胞特異的蛋白質のアミノ酸配列に対応する:
Figure 2010500568
Figure 2010500568
以下の配列番号は、MPSSを用いて同定される、表41Aに記載されたLNCap前立腺癌細胞特異的蛋白質をコードするポリヌクレオチドに対応する:
Figure 2010500568
以下の配列番号は、MPSSを用いて同定される、表41Aに記載されたLNCap前立腺癌細胞特異的蛋白質のアミノ酸配列に対応する:
Figure 2010500568
以下の配列番号は、MPSSを用いて同定される、表42Aおよび実施例7に記載された雄の器官に特異的な(前立腺特異的)蛋白質をコードするポリヌクレオチドに対応する:
Figure 2010500568
Figure 2010500568
Figure 2010500568
Figure 2010500568
以下の配列番号は、MPSSを用いて同定される、表42Aおよび実施例7に記載された雄の器官に特異的な(前立腺特異的)蛋白質のアミノ酸配列に対応する:
Figure 2010500568
Figure 2010500568
Figure 2010500568
Figure 2010500568
Figure 2010500568
以下の配列番号は、表43Aに記載された、MPSSを用いて同定され、質量分析により分析された、副腎特異的な蛋白質のアミノ酸配列に対応する:
Figure 2010500568
以下の配列番号は、表43Aに記載された、MPSSを用いて同定され、質量分析により分析された、膀胱特異的な蛋白質のアミノ酸配列に対応する:
Figure 2010500568
以下の配列番号は、表43Aに記載された、MPSSを用いて同定され、質量分析により分析された、骨髄特異的な蛋白質のアミノ酸配列に対応する:
Figure 2010500568
以下の配列番号は、表43Aに記載された、MPSSを用いて同定され、質量分析により分析された、脳扁桃特異的な蛋白質のアミノ酸配列に対応する:
Figure 2010500568
以下の配列番号は、表43Aに記載された、MPSSを用いて同定され、質量分析により分析された、脳尾状核特異的な蛋白質のアミノ酸配列に対応する:
Figure 2010500568
以下の配列番号は、表43Aに記載された、MPSSを用いて同定され、質量分析法により分析された、脳小脳特異的な蛋白質のアミノ酸配列に対応する:
Figure 2010500568
Figure 2010500568
以下の配列番号は、表43Aに記載された、MPSSを用いて同定され、質量分析法により分析された、脳梁特異的な蛋白質のアミノ酸配列に対応する:
Figure 2010500568
以下の配列番号は、表43Aに記載された、MPSSを用いて同定され、質量分析法により分析された、脳胎児特異的な蛋白質のアミノ酸配列に対応する:
Figure 2010500568
Figure 2010500568
以下の配列番号は、表43Aに記載された、MPSSを用いて同定され、質量分析法により分析された、脳視床下部特異的な蛋白質のアミノ酸配列に対応する:
Figure 2010500568
Figure 2010500568
以下の配列番号は、表43Aに記載された、MPSSを用いて同定され、質量分析法により分析された、脳視床特異的な蛋白質のアミノ酸配列に対応する:
Figure 2010500568
以下の配列番号は、表43Aに記載された、MPSSを用いて同定され、質量分析法により分析された、結腸特異的な蛋白質のアミノ酸配列に対応する:
Figure 2010500568
Figure 2010500568
以下の配列番号は、表43Aに記載された、MPSSを用いて同定され、質量分析法により分析された、心臓特異的な蛋白質のアミノ酸配列に対応する:
Figure 2010500568
Figure 2010500568
以下の配列番号は、表43Aに記載された、MPSSを用いて同定され、質量分析法により分析された、腎臓特異的な蛋白質のアミノ酸配列に対応する:
Figure 2010500568
以下の配列番号は、表43Aに記載された、MPSSを用いて同定され、質量分析法により分析された、肺特異的な蛋白質のアミノ酸配列に対応する:
Figure 2010500568
Figure 2010500568
以下の配列番号は、表43Aに記載された、MPSSを用いて同定され、質量分析法により分析された、乳腺特異的な蛋白質のアミノ酸配列に対応する:
Figure 2010500568
以下の配列番号は、表43Aに記載された、MPSSを用いて同定され、質量分析法により分析された、単球特異的な蛋白質のアミノ酸配列に対応する:
Figure 2010500568
Figure 2010500568
以下の配列番号は、表43Aに記載された、MPSSを用いて同定され、質量分析法により分析された、膵臓特異的な蛋白質のアミノ酸配列に対応する:
Figure 2010500568
以下の配列番号は、表43Aに記載された、MPSSを用いて同定され、質量分析法により分析された、PBL特異的な蛋白質のアミノ酸配列に対応する:
Figure 2010500568
Figure 2010500568
以下の配列番号は、表43Aに記載された、MPSSを用いて同定され、質量分析法により分析された、下垂体特異的な蛋白質のアミノ酸配列に対応する:
Figure 2010500568
以下の配列番号は、表43Aに記載された、MPSSを用いて同定され、質量分析法により分析された、胎盤特異的な蛋白質のアミノ酸配列に対応する:
Figure 2010500568
Figure 2010500568
以下の配列番号は、表43Aに記載された、MPSSを用いて同定され、質量分析法により分析された、前立腺特異的な蛋白質のアミノ酸配列に対応する:
Figure 2010500568
Figure 2010500568
以下の配列番号は、表43Aに記載された、MPSSを用いて同定され、質量分析法により分析された、網膜特異的な蛋白質のアミノ酸配列に対応する:
Figure 2010500568
以下の配列番号は、表43Aに記載された、MPSSを用いて同定され、質量分析法により分析された、唾液腺特異的な蛋白質のアミノ酸配列に対応する:
Figure 2010500568
以下の配列番号は、表43Aに記載された、MPSSを用いて同定され、質量分析法により分析された、小腸特異的な蛋白質のアミノ酸配列に対応する:
Figure 2010500568
以下の配列番号は、表43Aに記載された、MPSSを用いて同定され、質量分析法により分析された、胎盤特異的な蛋白質のアミノ酸配列に対応する:
Figure 2010500568
Figure 2010500568
以下の配列番号は、表43Aに記載された、MPSSを用いて同定され、質量分析法により分析された、脾臓特異的な蛋白質のアミノ酸配列に対応する:
Figure 2010500568
Figure 2010500568
以下の配列番号は、表43Aに記載された、MPSSを用いて同定され、質量分析法により分析された、胃特異的な蛋白質のアミノ酸配列に対応する:
Figure 2010500568
以下の配列番号は、表43Aに記載された、MPSSを用いて同定され、質量分析法により分析された、精巣特異的な蛋白質のアミノ酸配列に対応する:
Figure 2010500568
Figure 2010500568
以下の配列番号は、表43Aに記載された、MPSSを用いて同定され、質量分析法により分析された、胸腺特異的な蛋白質のアミノ酸配列に対応する:
Figure 2010500568
Figure 2010500568
以下の配列番号は、表43Aに記載された、MPSSを用いて同定され、質量分析法により分析された、甲状腺特異的な蛋白質のアミノ酸配列に対応する:
Figure 2010500568
以下の配列番号は、表43Aに記載された、MPSSを用いて同定され、質量分析法により分析された、気管特異的な蛋白質のアミノ酸配列に対応する:
Figure 2010500568
以下の配列番号は、表43Aに記載された、MPSSを用いて同定され、質量分析法により分析された、子宮特異的な蛋白質のアミノ酸配列に対応する:
Figure 2010500568
以下の配列番号は、表44Aに記載された、MPSSを用いて同定され、質量分析法により分析された、前立腺特異的な蛋白質のアミノ酸配列に対応する:
Figure 2010500568
Figure 2010500568
以下の配列番号は、表44Aに記載された、MPSSを用いて同定され、質量分析法により分析された、精巣特異的な蛋白質のアミノ酸配列に対応する:
Figure 2010500568
Figure 2010500568
以下の配列番号は、表44Aに記載された、MPSSを用いて同定され、質量分析法により分析された、乳腺特異的な蛋白質のアミノ酸配列に対応する:
Figure 2010500568
Figure 2010500568
以下の配列番号は、表44Aに記載された、MPSSを用いて同定され、質量分析法により分析された、子宮特異的な蛋白質のアミノ酸配列に対応する:
Figure 2010500568
以下の配列番号は、表45Aに記載された、MPSSを用いて同定され、質量分析法により分析された、CL1(後期段階前立腺癌細胞系)特異的な蛋白質のアミノ酸配列に対応
する:
Figure 2010500568
以下の配列番号は、表45Aに記載された、MPSSを用いて同定され、質量分析法により分析された、LNCaP(初期段階前立腺癌細胞系)特異的な蛋白質のアミノ酸配列に対
応する:
Figure 2010500568
以下の配列番号は、表45Aに記載された、MPSSを用いて同定され、質量分析法により分析された、正常な前立腺特異的な蛋白質のアミノ酸配列に対応する:
Figure 2010500568
Figure 2010500568
以下の配列番号は、表47Aに記載された、SBSを用いて同定される、副腎特異的な蛋白質をコードするポリヌクレオチドに対応する:
Figure 2010500568
以下の配列番号は、表47Aに記載された、SBSを用いて同定される、副腎特異的な蛋白質のアミノ酸配列に対応する:
Figure 2010500568
以下の配列番号は、表48Aに記載された、SBSを用いて同定される、動脈特異的な蛋白質をコードするポリヌクレオチドに対応する:24329。
以下の配列番号は、表48Aに記載された、SBSを用いて同定される、動脈特異的な蛋白質のアミノ酸配列に対応する:24459。
以下の配列番号は、表49Aに記載された、SBSを用いて同定される、膀胱特異的な蛋白質をコードするポリヌクレオチドに対応する:
Figure 2010500568
以下の配列番号は、表49Aに記載された、SBSを用いて同定される、膀胱特異的な蛋白質のアミノ酸配列に対応する:
Figure 2010500568
以下の配列番号は、表50Aに記載された、SBSを用いて同定される、脳特異的な蛋白質をコードするポリヌクレオチドに対応する:
Figure 2010500568
Figure 2010500568
Figure 2010500568
以下の配列番号は、表50Aに記載された、SBSを用いて同定される、脳特異的な蛋白質のアミノ酸配列に対応する:
Figure 2010500568
Figure 2010500568
Figure 2010500568
以下の配列番号は、表51Aに記載された、SBSを用いて同定される、乳房特異的な蛋白質をコードするポリヌクレオチドに対応する:
Figure 2010500568
以下の配列番号は、表51Aに記載された、SBSを用いて同定される、乳房特異的な蛋白質のアミノ酸配列に対応する:
Figure 2010500568
以下の配列番号は、表52Aに記載された、SBSを用いて同定される、子宮頚部特異的な蛋白質をコードするポリヌクレオチドに対応する:
Figure 2010500568
以下の配列番号は、表52Aに記載された、SBSを用いて同定される、子宮頚部特異的な蛋白質をコードのアミノ酸配列に対応する:
Figure 2010500568
以下の配列番号は、表53Aに記載された、SBSを用いて同定される、心臓特異的な蛋白質をコードするポリヌクレオチドに対応する:
Figure 2010500568
以下の配列番号は、表53Aに記載された、SBSを用いて同定される、心臓特異的な蛋白質のアミノ酸配列に対応する:
Figure 2010500568
以下の配列番号は、表54Aに記載された、SBSを用いて同定される、腎臓特異的な蛋白質をコードするポリヌクレオチドに対応する:
Figure 2010500568
以下の配列番号は、表54Aに記載された、SBSを用いて同定される、腎臓特異的な蛋白質のアミノ酸配列に対応する:
Figure 2010500568
Figure 2010500568
以下の配列番号は、表55Aに記載された、SBSを用いて同定される、肝臓特異的な蛋白質をコードするポリヌクレオチドに対応する:
Figure 2010500568
Figure 2010500568
以下の配列番号は、表55Aに記載された、SBSを用いて同定される、肝臓特異的な蛋白質のアミノ酸配列に対応する:
Figure 2010500568
Figure 2010500568
Figure 2010500568
以下の配列番号は、表56Aに記載された、SBSを用いて同定される、肺特異的な蛋白質をコードするポリヌクレオチドに対応する:
Figure 2010500568
以下の配列番号は、表56Aに記載された、SBSを用いて同定される、肺特異的な蛋白質のアミノ酸配列に対応する:
Figure 2010500568
Figure 2010500568
以下の配列番号は、表57Aに記載された、SBSを用いて同定される、リンパ節特異的な蛋白質をコードするポリヌクレオチドに対応する:
Figure 2010500568
以下の配列番号は、表57Aに記載された、SBSを用いて同定される、リンパ節特異的な蛋白質のアミノ酸配列に対応する:
Figure 2010500568
以下の配列番号は、表58Aに記載された、SBSを用いて同定される、リンパ球特異的な蛋白質をコードするポリヌクレオチドに対応する:
Figure 2010500568
Figure 2010500568
以下の配列番号は、表58Aに記載された、SBSを用いて同定される、リンパ球特異的な蛋白質のアミノ酸配列に対応する:
Figure 2010500568
以下の配列番号は、表59Aに記載された、SBSを用いて同定される、単球特異的な蛋白質をコードするポリヌクレオチドに対応する:
Figure 2010500568
Figure 2010500568
以下の配列番号は、表59Aに記載された、SBSを用いて同定される、単球特異的な蛋白質のアミノ酸配列に対応する:
Figure 2010500568
以下の配列番号は、表60Aに記載された、SBSを用いて同定される、筋肉特異的な蛋白質をコードするポリヌクレオチドに対応する:
Figure 2010500568
Figure 2010500568
以下の配列番号は、表60Aに記載された、SBSを用いて同定される、筋肉特異的な蛋白質のアミノ酸配列に対応する:
Figure 2010500568
Figure 2010500568
以下の配列番号は、表61Aに記載された、SBSを用いて同定される、卵巣特異的な蛋白質をコードするポリヌクレオチドに対応する:
Figure 2010500568
以下の配列番号は、表61Aに記載された、SBSを用いて同定される、卵巣特異的な蛋白質のアミノ酸配列に対応する:
Figure 2010500568
以下の配列番号は、表62Aに記載された、SBSを用いて同定される、膵臓特異的な蛋白質をコードするポリヌクレオチドに対応する:
Figure 2010500568
以下の配列番号は、表62Aに記載された、SBSを用いて同定される、膵臓特異的な蛋白質のアミノ酸配列に対応する:
Figure 2010500568
以下の配列番号は、表63Aに記載された、SBSを用いて同定される、前立腺特異的な蛋白質をコードするポリヌクレオチドに対応する:
Figure 2010500568
Figure 2010500568
以下の配列番号は、表63Aに記載された、SBSを用いて同定される、前立腺特異的な蛋白質のアミノ酸配列に対応する:
Figure 2010500568
以下の配列番号は、表64Aに記載された、SBSを用いて同定される、皮膚特異的な蛋白質をコードするポリヌクレオチドに対応する:
Figure 2010500568
Figure 2010500568
以下の配列番号は、表64Aに記載された、SBSを用いて同定される、皮膚特異的な蛋白質のアミノ酸配列に対応する:
Figure 2010500568
Figure 2010500568
以下の配列番号は、表65Aに記載された、SBSを用いて同定される、小腸特異的な蛋白質をコードするポリヌクレオチドに対応する:
Figure 2010500568
Figure 2010500568
以下の配列番号は、表65Aに記載された、SBSを用いて同定される、小腸特異的な蛋白質のアミノ酸配列に対応する:
Figure 2010500568
Figure 2010500568
以下の配列番号は、表66Aに記載された、SBSを用いて同定される、脾臓特異的な蛋白質をコードするポリヌクレオチドに対応する:
Figure 2010500568
以下の配列番号は、表66Aに記載された、SBSを用いて同定される、脾臓特異的な蛋白質をコードのアミノ酸配列に対応する:
Figure 2010500568
以下の配列番号は、表67Aに記載された、SBSを用いて同定される、胃特異的な蛋白質をコードするポリヌクレオチドに対応する:
Figure 2010500568
以下の配列番号は、表67Aに記載された、SBSを用いて同定される、胃特異的な蛋白質のアミノ酸配列に対応する:
Figure 2010500568
以下の配列番号は、表68Aに記載された、SBSを用いて同定される、精巣特異的な蛋白質をコードするポリヌクレオチドに対応する:
Figure 2010500568
Figure 2010500568
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Figure 2010500568
以下の配列番号は、表68Aに記載された、SBSを用いて同定される、精巣特異的な蛋白質のアミノ酸配列に対応する:
Figure 2010500568
Figure 2010500568
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以下の配列番号は、表69Aに記載された、SBSを用いて同定される、胸腺特異的な蛋白質をコードするポリヌクレオチドに対応する:24316;65194;65195。
以下の配列番号は、表69Aに記載された、SBSを用いて同定される、胸腺特異的な蛋白質のアミノ酸配列に対応する:24446;65196;65197。
以下の配列番号は、表70Aに記載された、SBSを用いて同定される、気管特異的な蛋白質をコードするポリヌクレオチドに対応する:
Figure 2010500568
以下の配列番号は、表70Aに記載された、SBSを用いて同定される、気管特異的な蛋白質のアミノ酸配列に対応する:
Figure 2010500568
以下の配列番号は、表71Aに記載された、SBSを用いて同定される、子宮特異的な蛋白質をコードするポリヌクレオチドに対応する:
Figure 2010500568
以下の配列番号は、表71Aに記載された、SBSを用いて同定される、子宮特異的な蛋白質のアミノ酸配列に対応する:
Figure 2010500568
以下の配列番号は、表72Aに記載された、SBSを用いて同定される、雄の器官(前立腺)特異的な蛋白質をコードするポリヌクレオチドに対応する:
Figure 2010500568
以下の配列番号は、表72Aに記載された、SBSを用いて同定される、雄の器官(前立腺)特異的な蛋白質のアミノ酸配列に対応する:
Figure 2010500568
以下の配列番号は、表73Aに記載された、SBSを用いて同定される、雄の生殖器官(精巣)特異的な蛋白質をコードするポリヌクレオチドに対応する:
Figure 2010500568
Figure 2010500568
Figure 2010500568
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Figure 2010500568
Figure 2010500568
以下の配列番号は、表73Aに記載された、SBSを用いて同定される、雄の生殖器官(精巣)特異的な蛋白質のアミノ酸配列に対応する:
Figure 2010500568
Figure 2010500568
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Figure 2010500568
Figure 2010500568
Figure 2010500568
以下の配列番号は、表74Aに記載された、SBSを用いて同定される、雌の生殖器官(乳房)特異的な蛋白質をコードするポリヌクレオチドに対応する:
Figure 2010500568
以下の配列番号は、表74Aに記載された、SBSを用いて同定される、雌の生殖器官(乳房)特異的な蛋白質のアミノ酸配列に対応する:
Figure 2010500568
以下の配列番号は、表75Aに記載された、SBSを用いて同定される、雌の生殖器官(子宮頚部)特異的な蛋白質をコードするポリヌクレオチドに対応する:
Figure 2010500568
以下の配列番号は、表75Aに記載された、SBSを用いて同定される、雌の生殖器官(子宮頚部)特異的な蛋白質のアミノ酸配列に対応する:
Figure 2010500568
以下の配列番号は、表76Aに記載された、SBSを用いて同定される、雌の生殖器官(卵巣)特異的な蛋白質をコードするポリヌクレオチドに対応する:
Figure 2010500568
以下の配列番号は、表76Aに記載された、SBSを用いて同定される、雌の生殖器官(卵巣)特異的な蛋白質のアミノ酸配列に対応する:
Figure 2010500568
以下の配列番号は、表77Aに記載された、SBSを用いて同定される、雌の生殖器官(子宮)特異的な蛋白質をコードするポリヌクレオチドに対応する:
Figure 2010500568
以下の配列番号は、表77Aに記載された、SBSを用いて同定される、雌の生殖器官(子宮)特異的な蛋白質のアミノ酸配列に対応する:
Figure 2010500568
以下の配列番号は、表78Aに記載された、SBSを用いて同定され、また質量分析により同定された副腎特異的な蛋白質をコードするポリヌクレオチドに対応する:
Figure 2010500568
以下の配列番号は、表78Aに記載された、SBSを用いて同定され、また質量分析により同定された膀胱特異的な蛋白質のアミノ酸配列に対応する:
Figure 2010500568
以下の配列番号は、表78Aに記載された、SBSを用いて同定され、また質量分析により同定された脳特異的な蛋白質のアミノ酸配列に対応する:
Figure 2010500568
Figure 2010500568
以下の配列番号は、表78Aに記載された、SBSを用いて同定され、また質量分析により同定された乳房特異的な蛋白質のアミノ酸配列に対応する:
Figure 2010500568
以下の配列番号は、表78Aに記載された、SBSを用いて同定され、また質量分析により同定された脳特異的な蛋白質のアミノ酸配列に対応する:
Figure 2010500568
以下の配列番号は、表78Aに記載された、SBSを用いて同定され、また質量分析により同定された心臓特異的な蛋白質のアミノ酸配列に対応する:
Figure 2010500568
以下の配列番号は、表78Aに記載された、SBSを用いて同定され、また質量分析により同定された腎臓特異的な蛋白質のアミノ酸配列に対応する:
Figure 2010500568
以下の配列番号は、表78Aに記載された、SBSを用いて同定され、また質量分析により同定された肝臓特異的な蛋白質のアミノ酸配列に対応する:
Figure 2010500568
以下の配列番号は、表78Aに記載された、SBSを用いて同定され、また質量分析により同定された肺特異的な蛋白質のアミノ酸配列に対応する:
Figure 2010500568
以下の配列番号は、表78Aに記載された、SBSを用いて同定され、また質量分析により同定されたリンパ節特異的な蛋白質のアミノ酸配列に対応する:
Figure 2010500568
以下の配列番号は、表78Aに記載された、SBSを用いて同定され、また質量分析により同定されたリンパ球特異的な蛋白質のアミノ酸配列に対応する:
Figure 2010500568
以下の配列番号は、表78Aに記載された、SBSを用いて同定され、また質量分析により同定されたリンパ球特異的な蛋白質のアミノ酸配列に対応する:
Figure 2010500568
以下の配列番号は、表78Aに記載された、SBSを用いて同定され、また質量分析により同定された単球特異的な蛋白質のアミノ酸配列に対応する:
Figure 2010500568
以下の配列番号は、表78Aに記載された、SBSを用いて同定され、また質量分析により同定された卵巣特異的な蛋白質のアミノ酸配列に対応する:
Figure 2010500568
以下の配列番号は、表78Aに記載された、SBSを用いて同定され、また質量分析により同定された膵臓特異的な蛋白質のアミノ酸配列に対応する:
Figure 2010500568
以下の配列番号は、表78Aに記載された、SBSを用いて同定され、また質量分析により同定された前立腺特異的な蛋白質のアミノ酸配列に対応する:
Figure 2010500568
以下の配列番号は、表78Aに記載された、SBSを用いて同定され、また質量分析により同定された皮膚特異的な蛋白質のアミノ酸配列に対応する:
Figure 2010500568
以下の配列番号は、表78Aに記載された、SBSを用いて同定され、また質量分析により同定された小腸特異的な蛋白質のアミノ酸配列に対応する:
Figure 2010500568
以下の配列番号は、表78Aに記載された、SBSを用いて同定され、また質量分析により同定された脾臓特異的な蛋白質のアミノ酸配列に対応する:
Figure 2010500568
以下の配列番号は、表78Aに記載された、SBSを用いて同定され、また質量分析により同定された胃特異的な蛋白質のアミノ酸配列に対応する:
Figure 2010500568
以下の配列番号は、表78Aに記載された、SBSを用いて同定され、また質量分析により同定された精巣特異的な蛋白質のアミノ酸配列に対応する:
Figure 2010500568
Figure 2010500568
以下の配列番号は、表78Aに記載された、SBSを用いて同定され、また質量分析により同定された気管特異的な蛋白質のアミノ酸配列に対応する:
Figure 2010500568
以下の配列番号は、表78Aに記載された、SBSを用いて同定され、また質量分析により同定された子宮特異的な蛋白質のアミノ酸配列に対応する:
28433;65481;32096。
以下の配列番号は、表79Aに記載された、SBSを用いて同定され、また質量分析により同定された性器、前立腺特異的な蛋白質のアミノ酸配列に対応する:
Figure 2010500568
Figure 2010500568
以下の配列番号は、表7Aに記載された、SBSを用いて同定され、また質量分析により同定された精巣特異的な蛋白質のアミノ酸配列に対応する:
Figure 2010500568
以下の配列番号は、表79Aに記載された質量分析によってやはり同定されているSBSを用いて同定された性器、乳房特異的蛋白質のアミノ酸配列に対応する:10336;65694;65695;17312;17313。
以下の配列番号は、表79Aに記載された質量分析によってやはり同定されているSBSを用いて同定された性器、頸部特異的蛋白質のアミノ酸配列に対応する:14670。
以下の配列番号は、表79Aに記載された質量分析によってやはり同定されているSBSを用いて同定された性器、子宮特異的蛋白質のアミノ酸配列に対応する:65670;65671;65672;65673;65799。
配列番号:32935ないし52639は、表43Bに記載された器官特異的蛋白質にマッピングされる質量分析によって従前に同定されたペプチドのアミノ酸配列に対応する。
配列番号:52640ないし52699は、表44Bに記載された器官特異的蛋白質にマッピングされる質量分析によって従前に同定されたペプチドのアミノ酸配列に対応する。
配列番号:52700ないし52864は、表45Bに記載された器官特異的蛋白質にマッピングされる質量分析によって従前に同定されたペプチドのアミノ酸配列に対応する。
配列番号:65803ないし72641は、表78Bに記載された器官特異的蛋白質にマッピングされる質量分析によって従前に同定されたペプチドのアミノ酸配列に対応する。
配列番号:72642ないし72688は、表79Bに記載された器官特異的蛋白質にマッピングされる質量分析によって従前に同定されたペプチドのアミノ酸配列に対応する。
(発明の詳細な説明)
本発明は、一般に、器官特異的蛋白質、およびそれをコードするポリヌクレオチドに関する。特に、本発明は、器官特異的蛋白質またはポリヌクレオチドを検出するための試薬を含む診断パネル、およびそれを同定する、およびそれを用いる方法に関する。
血液は身体の器官の全てにみなぎっているゆえに、血液は、前記したように、身体中の全ての器官の細胞から分泌され、漏出され、排出され、または放出される蛋白質を含有する。これらの蛋白質は、器官についての情報を提供することができ、かつ各器官または器官の群の健康または病気状態を正確に反映するレポーター基またはマーカーとして働くことができる。これは、通常の条件下では、血液に分泌されまたは放出されたこれらの器官特異的蛋白質のレベルは正常なレベルに到達し得るが、病気状態の下では、蛋白質のレベルが変化し得、病気器官における病気で乱れたネットワークの変化した挙動(例えば、蛋白質発現の制御)を反映するからである。かくして、血液中のレベルまたは器官特異的蛋白質は健康および病気で変化し、事実、特定の器官についての病気の各タイプ、および各病気についての進行の各段階について特異的に変化し得る。器官特異的フィンガープリントの高感受性の血液蛋白質診断法を用いて、病気の初期段階を検出し、および治療的介入が最も効果的である場合に処置をモニターすることができよう。血液中の特異的蛋白質をマーカーとして用いて、最も初期の段階において病気を診断することができる。発現アレイ実験は、そのような蛋白質、または蛋白質パネルが細胞に存在し、病気の進行または病気の予後のマーカーとして働くことができることを示している(E.E.Schadtら, Nat Genet(2005)37:710,H.Daiら,Cancer Res(2005)65:4059)。しかしながら、そのような蛋白質の特異的な同定は困難であることが判明している。特に、組織または器官特異的であり、ならびに分泌される蛋白質を検出しようとする場合である。
病気の系統的な見解は、病気が遺伝子変異または病原性環境シグナル(例えば、感染)いずれかによる、病気乱れた生物学的ネットワークから生起するという非常に簡単な考えに基づいて予測される。これらの乱れたネットワークは、それらがコードする蛋白質の発現レベルを改変し、これらは病気の病理学的症状に導く。さらに、これらの蛋白質の一部は注目する器官によってのみ発現され(器官特異的である)、健康、および器官で生じる病気の各タイプと相関する独特なレベルでもって血液に分泌される(または細胞破壊後に放出され、または沈積される等)と仮定されている。かくして、各ヒト器官または組織タイプは、器官特異的蛋白質の独特なレベルを含む血液中の特有な分子フィンガープリントを有する。血液それ自体は、身体全体を循環し、全ての他の器官と接触している器官と考えられることができ、蛋白質濃度または器官特異的フィンガープリントは、対象の健康または病気の状態を測定するための診断的ビヒクルとして働く。血液は健康および病気の状態を測定するための媒体であるが、初期診断が最も効果的であり得る場合にそれを遅らせ、または妨げる現行の診断アッセイでかなりの制限が存在する。
血液中の蛋白質の変化を測定することによる病気の初期診断は、より早い処置および、したがって、患者にとってより健康な結果に導くであろう。健康な器官における低豊富性蛋白質の所定の正常範囲の決定は、診断者に健康ケアにおける非常に重要な利点を与え:最も初期の段階において病気を規定し、それが最も効果的であろう場合に処置を開始する潜在能力がある。もし健康な器官内で通常見出される器官特異的蛋白質が同定され、測定されるならば、診断者は、典型的には器官における健康の状態で見出される血液蛋白質の予測される正常な値の組と患者の試料とを比較するという明確な利点を有するであろう。
本発明は、多数の健康なヒト器官および主な組織タイプの各々について特異的に同定されかつ定量された正常な器官特異的蛋白質組を予め規定する。健康なヒト器官から同定されたこれらの器官特異的蛋白質は、全体で、または部分的に、健康および病気についてのマーカーまたは識別体として用いることができる。病気となった個体からの血液中のこれらの器官特異的蛋白質のレベルは、健康な個体中の血液中のこれらの器官特異的蛋白質のレベルから区別することができる。器官特異的蛋白質マーカーを同定し、および正常な血液中のこれらの蛋白質のレベルを測定することによって、健康または病気の状態を、病気の最も初期の段階においてこの器官特異的フィンガープリントにおける蛋白質のレベルの相関を通じてモニターすることができ、初期の診断および処置に導くことができる。
かくして、本発明は、器官または複数器官の状態の変化を測定して、健康を測定し、および病気を診断するためのマーカーとして働く器官特異的蛋白質を提供する。正常な健康的器官組織から得られた本発明のマーカー(表1ないし32、36ないし45および47ないし79参照)を生物学的インジケーターのライブラリーとして用いて、ヒトまたは哺乳動物中の血液に分泌され、漏出され、排出され、または放出される器官特異的血液蛋白質を同定する。そのようなマーカーは個々にまたは集合的に用いることができる。例えば、器官または組織に対する単一マーカーを用いて、その器官または組織をモニターすることができよう。しかしながら、その組織からのさらなるマーカーをアッセイに加えると、診断力ならびにアッセイの感度が改善するであろう。さらに、当業者であれば、そのようなマーカーに対するプローブ(核酸プローブであってもよい)、ナノ粒子またはポリペプチド(例えば、抗体)はキット、横方向流(lateralflow)テストキット、またはアレイを含むことができ、いくつかの器官からの蛋白質に対する少数のプローブ、あるいは1つの器官または組織からの蛋白質に対するいくつかのプローブを含むことができる。例えば、1つのキットまたはアッセイデバイスにおいて、全身健康アッセイを用いることができ、いくつかのマーカーがあらゆる器官について追跡され、1以上の器官または組織が正常から逸脱していることを示す場合、より厳格なテストを、その器官または組織に対するより多くのマーカーで行う。同様に、全器官組アッセイを工夫することができる。そのような例において、心血管アッセイを使用することができ、そこでは、心臓および肺からの組織/器官特異的マーカーがアッセイキットの基礎である。
当業者であれば、組織および器官特異的であるこれらのマーカー組の適用は実質的に制限が無いことを容易に認識するであろう。診断および予後インジケーターとしての使用から、その後の薬物処理、または、いずれの蛋白質および遺伝子が影響されたかを決定するため薬物発見においての使用まで、用いられうる。さらに、そのようなマーカーは、薬物標的化またはMRIまたはPETを介して、または他の手段によイメージングのために他のリガンドに対する抗体と組合せて容易に用いることができる。そのような例において、前立腺に特異的なマーカーは、標的化癌療法、または前立腺に由来する転移性癌の可能なイメージング/療法の基礎を形成できよう。器官特異的蛋白質の正常レベルの、患者の血液または体液の試料、または他の生物学的試料(バイオプシーなど)中で見出されるこれらの蛋白質のレベルとの比較を用いて、正常な健康を規定し、病気の初期の段階を検出し、処置をモニターし、病気を予後判断し、薬物応答を測定し、投与され薬物の用量を設定し(titrate)効能を評価し、病気のタイプに従って患者を分類し(例えば、前立腺癌にはおそらく4以上の主なタイプが存する)、および治療的介入が最も有効である場合に治療的標的を規定することができる。本発明は、調べた32以上の健康なヒト器官の各々について特異的に同定され、かつ定量されている予め規定された正常器官特異的蛋白質、および蛋白質組を提供する。健康なヒト器官から同定されたこれらの器官特異的蛋白質を健康および病気についてのマーカーまたは識別体として用いることができ、および/または血液、流体、または組織中の構成的蛋白質から区別することができる。血液の試料中で見出される蛋白質を、健康な器官に対して特異的であると同定されている器官特異的蛋白質マーカーと比較するアプローチを用いることによって、健康または病気の状態を最も初期の段階でモニターすることができ、初期の診断および治療に導くことができる。
器官に影響する健康状態の変化がある場合、測定される血液フィンガープリントは特定の標的器官を反映する。器官特異的血液フィンガープリントを含む蛋白質は、病気の刺激体によってもたらされた変化に応答してレベルを増加させ、または減少させるであろう。器官特異的血液フィンガープリントの成分の血液中の量(または細胞、組織または器官に特異的な成分)の増加または減少は、蛋白質に対して特異的な抗体(または他の特異的な蛋白質捕獲剤)によって、プロテオミック技術(例えば、質量分析)によって、あるいはミクロ流体および/またはナノテクノロジーセンサーでの測定によって定量し、器官特異的蛋白質の正常なレベルと比較することができる。病気で乱れたネットワークは、実質的にいずれの異なるタイプの蛋白質の発現パターンをも、すなわち、シグナル伝達経路に関与するもの、細胞分化の実行に関与するもの、生理学的刺激に対する応答に関与するもの、細胞周期等のような正常な細胞機能に関与するもの、および細胞が相互作用する、またはそれらが移動する場合の媒介に関与するもの、の各発現パターンを変化させ得る。病気が器官を痛める場合、身体的応答は、例えば、生物学的シグナル伝達ネットワークにおいて一緒に連結して、情報を他の蛋白質エフェクター蛋白質に送り、また、それらの発現のレベルを変化させる蛋白質の変化を含むことができる。これらのシグナル伝達経路は、刺激体または病気に応答しての身体の変化を連絡する。これらのシグナル伝達経路は、刺激体または病気に対する応答ネットワークとしても働く。病気に対する応答ネットワークの例は、ホスホリパーゼA2(PLA2)によって媒介される炎症経路である。PLA2は調節され、心血管病(Sudhir,K.,J Clin Endocrinol Metab(2005)90:3100−5)、アテローム性動脈硬化症(Smitzkoら,Circulation(2003),108:2041−2048;Sunaraら,Cell Mol Life Sci(2005)62:2487−2494)、神経変性病(Farooquiら,Neurchem Res,(2004),11:1961−1977)、アレルギー性疾患(Triggianiら,Journal of Allergy and Clinical Immunology,(2005)116:1000−1006)の診断においてマーカーとして用いることができる。血液フィンガープリントによって測定することができるエフェクター蛋白質の変化のもう1つの例は、心血管病への応答における、あるいは前立腺癌を含めたある種の癌または腫瘍における、マップキナーゼの調節である(Kopperら,Pathology of Oncology Research(2005),11:197203)。シグナリング蛋白質の変化は、病気を診断し、またはモニターするのに用いることができる生物学的マーカーまたは血液フィンガープリントとして働く。
当業者が容易に認識できるように、本発明のある態様は公知の蛋白質および核酸配列に言及する。そのような配列が診断または予後パネルに含まれ、その器官の病気または乱れを示すものとして従前に記載されている場合、本発明のパネルは、少なくとも1つのさらなる器官特異的マーカー(核酸またはポリペプチド配列、またはそれに対する検出試薬)を含むべきである。従って、核酸またはポリペプチド配列いずれかの公知の配列がパネルまたは混合物に含まれ、該配列が当業者によって特定の器官と従前に関連付けられ、および/または乱れを示すものであることが示されている場合、そのような配列はまた、器官および/または病気/乱れに従前には特異的に関連付けられていない少なくとも1つの配列に関連付けられるべきである。
本発明をさらに詳細に記載するに先立って、以下、用いられるある種の用語の定義を記載するのがその理解に助けとなるであろう。
用語「血液」とは、哺乳動物から得られた全血、血漿、血清をいう。
本発明の実施において、「個体」または「対象」とは、脊椎動物、特に哺乳動物種のメンバーをいい、限定されるものではないが、ヒトおよび非ヒト霊長類を含めた霊長類、家畜動物、およびスポーツ動物を含む。
組の「成分」または「メンバー」とは、器官特異的組の個々の構成蛋白質、ペプチド、ヌクレオチドまたはポリヌクレオチドをいう。
本明細書中で用いるように、「器官特異的蛋白質組」は、本明細書中に記載された方法を用いて正常な健康な個体から得られた器官試料から同定された器官特異的蛋白質の組よりなる(例えば、実施例1および実施例9参照)。例示的な器官特異的蛋白質組は表1ないし32、36ないし45および47ないし79に提供され、これは、本明細書中においてさらに記載されるMPSS転写体の分析を用い、および本明細書中においてさらに記載される合成(SBS)分析による配列決定を用いて同定した。該組をなす個々の蛋白質は、本明細書中においては、該組の成分またはメンバーといわれる。以下の実施例および説明において、血液はプロトタイプの例として用いられるが、いずれの生物学的流体または試料も、用語としての、血液、血清または血漿交換することができるのは理解されるべきである。従って、正常な器官特異的血液フィンガープリントを、「器官特異的唾液/尿/組織等のフィンガープリント」で交換することができる。
本明細書中で用いるように、「正常な血清器官特異的蛋白質組」は、正常な血清中で検出された器官特異的蛋白質組からの蛋白質のサブセットを含む。該組をなす個々の蛋白質は、本明細書中においては、該組の成分またはメンバーといわれる。
本明細書中で用いるように、「正常な器官特異的血液フィンガープリント」は、1つの器官の血清器官特異的蛋白質組の1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、60、70、80、90、100以上の成分の正常な健康な個体からの血液中の決定されたレベルを含むデータ組であるが、もし1を超える器官が分析されるならば、その多数を含むことができよう。フィンガープリントに含まれた各成分に対する血液中の正常レベルは、正常な健康な個体からの十分な数の血液試料中で、当該分野で公知の、および本明細書中に記載された種々の技術のいずれかを用いて血液中の蛋白質のレベルを測定して、統計学的に意味がある精度でもって標準偏差(SD)を決定することによって決定される。かくして、当業者によって認識されるように、決定された正常レベルは、正常な健康な個体からの統計学的に多数の血液試料中で測定された蛋白質のレベルを平均し、それにより、正常の統計学的範囲を規定することによって定義される。正常な器官特異的血液フィンガープリントは、Nメンバーの血清器官特異的蛋白質組の正常な健康な血液中の決定されたレベルを含み、Nは、プロフィールを作成すべき器官当たりの所与の血清器官特異的蛋白質組におけるメンバーの合計数までの、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15以上のメンバーである。ある具体例において、正常な器官特異的血液フィンガープリントは、血清器官特異的蛋白質組の少なくとも2つの成分の正常な健康な血液における決定したレベルを含む。他の具体例においては、正常な器官特異的血液フィンガープリントは、血清器官特異的蛋白質組の少なくとも3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、または20成分の正常な健康な血液中の決定されたレベルを含む。なおさらなる具体例において、正常な器官特異的血液フィンガープリントは、器官、細胞または組織特異的蛋白質または転写体の存在または不存在を含み、該成分それ自体の絶対的レベルに依拠してもしなくてもよい。特別な具体例において、単に、特定の個体についてのベースライン測定を超える変化を用いることができる。そのような具体例において、血液、血液流体または組織からの蛋白質または転写体のレベルまたは単なる存在または不存在を1つの時点で測定し、次いで、数時間、数日、数ヶ月または数年後、引き続いての測定と比較することができる。従って、個体当たりの正常な変化を除き、経時的に変化する蛋白質または転写体のみに焦点を当てることができる。
本明細書中で用いるように、「所定の正常レベル」は、正常な健康な個体からの統計学的に多数の血液試料中で測定された所与の成分のレベルの平均である。かくして、所定の正常レベルとは、正常の統計学的範囲であり、本明細書中においては、「所定の正常範囲」ともいう。各成分についての血液中の正常レベルまたはレベルの範囲は、正常な健康な個体からの十分な数の血液試料において、当該分野で公知の、および本明細書中に記載された種々の技術のいずれかを用いて血液中の蛋白質のレベルを測定して、統計学的に意義がある精度でもって標準偏差(SD)を決定することによって決定される。1つの具体例において、異なる年齢群(例えば、1ないし2、3ないし5、6ないし8、9ないし12等、もし必要であれば、これらのレベルは年齢と共に変化させる)に入る個体についての平均レベルを決定するのが有用であろう。もう1つの具体例において、1日のある時点において、食事を食べてからのある時点において、等の時点で、レベルを決定することも望まれるであろう。また、どのようにして通常の生理学的刺激体が器官特異的血液フィンガープリントに影響するかも決定することができる。
本明細書中で用いるように、「病気関連器官特異的血液フィンガープリント」は、決定された正常レベルと比較して統計学的に有意な変化を示す正常な血清器官特異的蛋白質組の1以上の成分の病気に罹った個体からの血液試料中の決定されたレベルを含むデータ組である(例えば、病気試料中のレベルは所定の正常範囲を超えるか、またはそれ未満である)。データ組は、特定の病気についての確立された医学的診断法を用いて特定の病気を有すると決定された個体からの試料から編集される。病気の試料の血液中で測定された正常な血清器官特異的蛋白質組の各蛋白質メンバーの血中(血清中)レベルを、対応する決定された正常レベルと比較する。正常な血清器官特異的蛋白質組の1以上のメンバーについての決定された正常レベルからの統計学的に有意な変動は、その病気についての診断的に有用な情報(病気関連フィンガープリント)を提供する。かくして、特定の病気または病気状態について、正常な血清器官特異的蛋白質組の少数のメンバーのみのレベルが正常レベルに対して変化するのを決定することができるのを注記する。かくして、病気関連器官特異的血液フィンガープリントは、所与の器官および特定の病気についての正常な血清器官特異的蛋白質組の成分のサブセットのみの血液中の決定されたレベルを含むことができる。かくして、病気関連器官特異的血液フィンガープリントは、血清器官特異的蛋白質組のNのメンバーの血液(または本明細書中で述べたようにいずれかの体液または組織試料等、しかしながら、ほとんどの具体例においては、血液からの試料を血液からの正常と比較する)中の決定されたレベルを含み、Nは1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、60、70、80、90、100、110またはそれ以上、またはその間のいずれかの整数値、あるいは所与の血清器官特異的蛋白質組におけるメンバーの合計数までのより多くのメンバーである。この点に関して、ある具体例においては、病気関連器官特異的血液フィンガープリントは、正常な血清器官特異的蛋白質組の1以上の成分の決定されたレベルを含む。1つの具体例において、病気関連器官特異的血液フィンガープリントは、正常な血清器官特異的蛋白質組の少なくとも2つの成分の決定されたレベルを含む。他の具体例において、病気関連器官特異的血液フィンガープリントは、正常な血清器官特異的蛋白質組の少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、60、70、80、90、100、110またはそれ以上、またはその間のいずれかの整数値の成分の決定されたレベルを含む。
用語「テスト化合物」とは、一般には、それについてデータを収集することが望まれる、テスト細胞が曝露される化合物をいう。典型的なテスト化合物は、小さな有機分子、典型的には、有望な医薬リード化合物であるが、蛋白質(例えば、抗体)、ペプチド、ポリヌクレオチド、(発現系における)異種遺伝子、プラスミド、ポリヌクレオチドアナログ、ペプチドアナログ、脂質、炭水化物、ウイルス、ファージ、寄生虫等を含むことができる。
用語「生物学的活性」とは、本明細書中で用いるように、1以上の遺伝子または蛋白質の発現を改変するテスト化合物の能力をいう。
用語「テスト細胞」とは、生物学的系、またはテスト化合物の存在に対して反応することができる生物学的系のモデル、典型的には、真核生物細胞または組織試料、または原核生物をいう。
用語「遺伝子発現プロフィール」とは、選択された発現条件(例えば、標準的な化合物またはテスト化合物の存在下におけるインキュベーション)に応答しての複数の遺伝子の発現レベルの提示をいう。遺伝子発現プロフィールは、各遺伝子について転写されたmRNAの絶対量によって、対照細胞と比較した、テスト細胞において転写されたmRNAの比率として、あるいは蛋白質、RNA転写体、またはより一般的には遺伝子発現の単なる存在または不存在で表現することができる。本明細書中で用いるように、「標準」遺伝子発現プロフィールとは、一次データベースに既に存在するプロフィール(例えば、既知の活性の薬物のような、標準化合物とのテスト細胞のインキュベーションによって得られたプロフィール)をいい、他方、「テスト」遺伝子発現プロフィールとは、調査すべき条件下で生じたプロフィールをいう。用語「調節された」とは、予め確立された標準(例えば、選択された条件下での選択された相における選択された組織または細胞型の表現レベル)と比較した、測定可能なまたは検出可能なレベルまでの発現レベルの改変(誘導または抑制)をいう。
「同様な」とは、本明細書中で用いるように、予め選択された閾値内にある2つの量の間の差のレベルをいう。2つのプロフィールの同様性は、例えば、同じように影響された遺伝子の数、各遺伝子が影響された程度等の項目で、多数の異なる方法で定義することができる。同様性のいくつかの異なる尺度、あるいは同様性をスコアリングする方法はユーザーに入手可能とすることができ;例えば、同様性の1つの尺度は、閾値レベルを過ぎて誘導され(または抑制される)各遺伝子を考慮し、双方のプロフィールがその遺伝子の誘導(または抑制)を示す各遺伝子についてスコアを増加させる。
本明細書中で用いるように、用語「標的特異的」は、標的分析物に選択的に結合する剤を意味することを意図する。この剤は、他の分子に対する検出可能な交差反応性はほとんどまたは全く示さずして、優先的親和性でもって、標的に対して結合するであろう。例えば、標的が核酸である場合、標的特異的配列は、標的の配列に相補的であって、他の核酸分子に対する検出可能な交差反応性をほとんどまたは全く持たずして、標的配列にハイブリダイズできるものである。核酸標的はまた、蛋白質によって、例えば、転写因子のDNA結合ドメインによって、標的特異的様式で結合され得る。もし標的が蛋白質またはペプチドであれば、それは、核酸アプタマー、またはもう1つの蛋白質またはペプチドによって、あるいは蛋白質のサブクラスである抗体または抗体断片によって特異的に結合することができる。
本明細書中で用いるように、用語「ジーンディジット(genedigit)」は、標識についての付着点として働く予め決定されたヌクレオチドまたはアミノ酸配列の領域を意味することを意図する。該ジーンディジットは、例えば、単一の特有の配列、または反復したコアエレメントを含有する配列を含めたいずれかの構造を有することができる。各ジーンディジットは、それを他のジーンディジットから区別する特有の配列を有する。「抗ジーンディジット」は、遺伝子ディジットに特異的に結合するヌクレオチドまたはアミノ酸配列または構造である。例えば、もしジーンディジットが核酸であれば、抗ジーンディジットは、ジーンディジット配列に対して相補的な核酸配列であり得る。もしジーンディジットが反復したコアエレメントを含有する核酸であれば、抗ジーンディジットは、ジーンディジット中の反復配列に相補的な一連の反復配列であり得る。抗ジーンディジットは、抗ジーンディジットがジーンディジットに特異的に結合できる限り、ジーンディジットと比較して、同一数の、またはより小さな数の反復配列を含有することができる。
本明細書中で用いるように、用語「指示子」は、1以上のジーンディジットの標的特異的配列への結合を意味することを意図する。ジーンディジットは、直接的に結合させることができるか、または、介入または適合配列を用いて付着させることができる。指示子は、標的分析物への結合を可能にする標的特異的配列を含有することができる。「抗指示子」は、それが指示子に特異的に結合するように、指示子の全てまたは部分に対する相補的配列を有する。
本明細書中で用いるように、用語「標識」は、分析物を分析方法によって検出可能とする分子または複数分子を意味することを意図する。適切な標識は、特定のアッセイフォーマットに依存し、当業者によく知られている。例えば、核酸分子に対して特異的な標識は、放射性同位体、フルオロクローム、染料、酵素、ナノ粒子、ケミルミネセントマーカー、ビオチン、または分析方法によって測定可能な当該分野で知られた他の部分のような、標識モノマーまたは測定可能な部分に付着した相補的核酸分子であり得る。さらに、標識には、標識モノマーの任意の組合せが含まれる。
本明細書中で用いるように、「特有」は、標識に言及して用いる場合、同一混合物中の他の標識からそれを識別する検出可能なシグナルを有する標識を意味することを意図する。従って、特有な標識は相対的用語である。というのは、それは、混合物中に存在する他の標識、および用いられる検出機器の感度に依存するからである。蛍光標識の場合には、特有な標識は、同一混合物中の他の蛍光標識からそれを有意に識別するスペクトル特性を有する標識である。例えば、フルオレセイン標識は、もしそれがローダミン標識を含有する混合物に含まれていれば、特有な標識であり得る。というのは、これらの蛍光標識は区別される実質的に重複しない波長において光を発するからである。しかしながら、もしフルオレセインと同一または非常に同様な波長にて光を発するもう1つの蛍光標識、例えば、オレゴングリーンフルオロフォアを混合物に加えたならば、フルオレセインは、もはや、特有な標識ではないであろう。というのは、オレゴングリーンおよびフルオレセインは相互識別できないからである。特有な標識は、用いる検出機器の感度に対するものでもある。例えば、FACSマシーンを用いて、異なるフルオロフォア含有標識から発光ピークを検出することができる。もし特定の標識組が、例えば、2nm離れている発光ピークを有するならば、もし10nm以上離れたピークを識別できるFACSマシーンで検出されたならば、これらの標識は特有ではないであろうが、これらの標識は、もし1nm以上離れたピークを識別できるFACSマシーンで検出されたならば特有であろう。
本明細書中で用いるように、用語「シグナル」は、分析物の存在についての情報をそれにより決定することができる検出可能な物理的量またはインパルスを意味することを意図する。従って、シグナルは読み出された、または測定可能な検出の成分である。シグナルは、例えば、蛍光、ルミネセンス、熱量、密度、イメージ、音、電圧、電流、磁場および質量を含む。従って、用語「単位シグナル」は、本明細書中で用いるように、同一種類のシグナルの他の量の大きさを述べることができるということに関して、シグナルの特定量を意味することを意図する。検出機器は、同一タイプのシグナルをカウントし、共通の単位でシグナルの量を提示することができる。例えば、核酸は1つのヌクレオチド位置において放射性標識することができ、もう1つの核酸は3つのヌクレオチド位置で放射性標識することができる。各核酸によって発せられる放射性粒子を検出し、例えば、シンチレーションカウンターにて検出し、定量することができ、および分当たりのカウントの数(cpm)として提示することができる。3つの位置において標識した核酸は、1つの位置において標識された核酸の放射性粒子の数の約3倍発し、よって、cpmの数の約3倍が記録されるであろう。
器官中の病気で乱れたネットワークは、その合成を通常は制御しない1以上の蛋白質の発現を開始することができるゆえに、ある具体例においては、病気関連器官特異的血液フィンガープリントは、対応する正常な血清器官特異的蛋白質組の成分ではない正常な器官特異的蛋白質組の1以上の成分の決定されたレベルを含むであろうことに注意すべきである。かくして、この点に関して、病気関連器官特異的血液フィンガープリントは、正常な器官特異的蛋白質組の1以上の成分の決定したレベルを含むことができるか、あるいは正常な器官特異的蛋白質組においては検出されない蛋白質、または蛋白質の組を含むことができる。さらに、ある具体例においては、病気関連「器官特異的」血液フィンガープリントは、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、60、70、80、90、100、110、あるいはその間のいずれかの整数値、あるいはそれ以上の正常な血清器官特異的蛋白質組の1以上の成分の決定されたレベルを含む。さらに、さらなる具体例において、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、60、70、80、90、100、110以上、あるいはその間のいずれかの整数の値の複数組の成分を多数の器官、組織、系または細胞の分析で組み合わせることができよう。かくして、この点に関して、病気関連器官特異的血液フィンガープリントは、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、60、70、80、90、100、110、またはその間のいずれかの整数値の成分、あるいはより多くの正常な血清器官特異的蛋白質組から1以上の成分の決定されたレベルを含むことができる。
用語「ポリヌクレオチド」とは、そのアナログを含むことができる、デオキシリボヌクレオチドまたはリボヌクレオチドを含めた、任意の長さのヌクレオチドのポリマー形態をいう。
本明細書中で用いるように、「精製された」とは、分画に付されて種々の他の蛋白質、ポリペプチド、またはペプチドを除去した特定の蛋白質、ポリペプチド、またはペプチド組成物をいい、その組成物は、例えば、特定のまたは所望の蛋白質、ポリペプチドまたはペプチドについて当業者に公知の種々の蛋白質アッセイのいずれかによって評価できるように、その活性を実質的に保有する。
用語「ポリペプチド」、「ペプチド」および「蛋白質」は、本明細書中においては交換可能に使用され、いずれの長さのアミノ酸のポリマーもいう。該用語は、例えば、ジスルフィド結合形成、グリコシル化、脂質化、または標識成分とのコンジュゲーションによって修飾されているアミノ酸ポリマーも含む。
用語「糖ペプチド」または「糖蛋白質」とは、共有結合した炭水化物を含有するペプチドをいう。炭水化物は単糖、オリゴ糖、または多糖であり得る。
器官特異的蛋白質組
本発明は器官特異的蛋白質組を提供する。器官特異的蛋白質組は、本明細書中に記載された方法を用いて特定の器官の正常な健康な試料から同定された(本明細書中においてさらに定義される)器官特異的蛋白質の組からなる(例えば、実施例1および実施例9参照)。例示的な器官特異的蛋白質組は表1ないし32、36ないし45および47ないし79に提供される。例示的な器官特異的蛋白質についてのアミノ酸およびポリヌクレオチド配列は配列番号:1ないし72、689に記載されている。
本明細書中で用いるように、用語「器官」は当業者が理解るように定義される。かくして、用語「器官特異的」とは、本明細書中で用いるように、一般に、単一の器官において主として発現される蛋白質(または転写体)をいう。加えて、脳のような複雑な器官においては、前記に定義された種々の器官と同等である区別される機能的サブ領域(例えば、皮質、小脳、視床等)が存在するであろう。当業者であれば、本明細書を読めば、細胞特異的転写体および蛋白質、および組織特異的転写体および蛋白質もまた本発明では考えられることを容易に認識するであろうことに注意すべきである。さらに、当業者であれば、雄または雌に特異的な器官のトランスクリプトーム(例えば、特定の時点における特定の組織または器官中のmRNA、または転写体の完全な相補体の定量的コレクション)は、対立する性別の器官特異的転写体(または蛋白質)を評価する場合に含めるべきではないことを認識するであろう(この点に関し、例示的な表および分析が表36ないし42、44、45、72ないし77および79に記載されている)。そのように、本明細書中においてさらに議論するように、ある具体例においては、器官特異的蛋白質は、注目する細胞/組織/器官においては(例えば、超並列的シグニチャー配列決定(MPSS)または合成配列決定(SBS)によって測定して)少なくとも3コピー/100万のレベルで発現されるが、他の細胞/組織/器官においては3コピー/100万未満で発現される、転写体によってコードされる蛋白質と定義される。さらなる具体例において、器官特異的蛋白質は、1つの器官において95%発現され、残りの5%は1以上の他の器官で発現される転写体によってコードされるものである(この関係で、調べた全ての器官に亘る全発現は、100%とされる)。ある具体例においては、器官特異的蛋白質は、1つの器官において約50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%ないし約90%で発現される転写体によってコードされるものであり、残りの10%ないし50%は1以上の他の器官において発現される。
1つの具体例において、器官特異的転写体、およびそれによりコードされる蛋白質は以下のように確認される:
組織中のMPSS配列タグの発現(tpmで表す)および関連SDを{(X,δ)}であると仮定し、i=1,2,....,32は個々の組織を現す。該タグは組織mにおいて最高の発現レベルを有するものと仮定し、発現およびSDは(X,δ)である。次いで、3つの規則を適用して、該タグが組織mに対して特異的であるか否かを以下のように決定する:
i)組織mにおけるタグの発現は最小の見積られたノイズレベルを超える、すなわち、
Figure 2010500568
ii)組織mにおけるタグの発現は全ての他の組織におけるタグの発現を十分に超えている。より具体的には、タグの平均発現を、まず、
Figure 2010500568
として、調べるべき他の組織(例えば、組織mを除いた全ての組織)において計算し、
関連標準誤差を、
Figure 2010500568
として、および対応するSDを、
Figure 2010500568
として、計算し、N=31である。
組織mにおけるタグの発現が他の組織におけるタグの発現を超えていることの有意性は、従って、
Figure 2010500568
として評価される。
組織mに特異的であるタグについては、本具体例においては、
Figure 2010500568
であることを必要とする。
iii)組織mにおけるタグの特異性fは予め選択されたカットオフ値fを十分超えなければならない。より正確には、組織mのタグの特性は、
Figure 2010500568
として定義され、および関連するSDは、
Figure 2010500568
として評価される。
fがfを越える有意性は、従って、
Figure 2010500568
によって与えられる。
本実施例においては、fおよびPspcの9つの異なる値を、最もストリンジェントな条件(f=1およびPspc≦10−3)から最も低いストリンジェントな条件(f=0.5およびPspc≦0.1)の範囲にて、器官特異的MPSSタグを決定することにおいて適用することができる。1つの特別な具体例において、
Figure 2010500568
であることを必要とする。
器官特異的タグの数は、fおよびPspcの選択された値に伴って変化する。
本開示を読んだ当業者によって容易に認識されるように、ある具体例においては、特定の器官からの“器官特異的”蛋白質のいくらかの発現がもう1つの器官、あるいはさらに1を超える器官において、いくらかのレベルで検出されたとしても、器官特異的血液フィンガープリントは容易に認識できる。例えば、前立腺からの器官特異的血液フィンガープリントは、結論として、1以上の他の器官中のフィンガープリントの1以上の蛋白質メンバーの発現に拘わらず、特定の前立腺病(および病気の段階)を同定することができる。かくして、本明細書中で記載された器官特異的蛋白質は、注目する器官において特有にまたは特異的に発現されるよりはむしろ該器官において圧倒的にまたは異なって発現され得る。この点に関して、ある具体例においては、異なって発現されるとは、他の器官と比較して、注目する器官において少なくとも1.5倍発現を意味する。もう1つの具体例において、異なって発現されるとは、他の器官における発現と比較して、注目する器官における少なくとも2倍発現を意味する。なおさらなる具体例において、異なって発現されるとは、他の器官における蛋白質の発現と比較して、注目する器官における少なくとも2.5、3、3.5、4、4.5、5倍以上高い発現を意味する。本明細書中において他の箇所で記載されているように、「蛋白質」発現は、種々の方法を用いて転写体発現の分析によって決定することができる。
1つの具体例において、器官特異的蛋白質は、注目する器官、組織または生物学的流体(例えば、全血、血清等)からのRNAおよび/またはcDNAライブラリーを調製することによって同定される。哺乳動物身体のいずれの器官もここでは考えられる。例示的な器官は、限定されるものではないが、心臓、腎臓、尿管、膀胱、尿道、肝臓、前立腺、心臓、血管、骨髄、骨格筋、平滑筋、脳(扁桃、尾状核、小脳、脳梁、胎児、視床下部、視床)、脊髄、末梢神経、網膜、鼻、気管、肺、口、唾液腺、食道、胃、小腸、大腸、視床下部、下垂体、甲状腺、膵臓、副腎、卵巣、卵管、子宮、胎盤、膣、乳腺、精巣、精嚢、陰茎、リンパ節、PBMC、胸腺、および脾臓を含む。前記したように、本開示を読むと、当業者であれば、細胞特異的および組織特異的蛋白質がここでは考えられ、かくして、そのような器官を形成する細胞または組織で特異的に発現された蛋白質もまた考えられることを認識するであろう。ある具体例において、これらの器官各々において、トランスクリプトーが、注目する病気が生起する細胞型で得られる。例えば、前立腺においては、2つの支配的な細胞の型、すなわち上皮細胞および間質細胞がある。前立腺癌の約98%は上皮細胞において生起する。同様に、乳房においては、癌の90%が上皮細胞に生起する。そのように、ある具体例において、トランスクリプトームは、注目する器官からのこれらの特定の細胞型から単離される(例えば、前立腺上皮細胞;乳房上皮細胞)。この点に関して、本明細書中に記載された器官のいずれかをなすいずれの細胞型も本明細書中では考えられる。例示的な細胞型は、限定されるものではないが、上皮細胞、間質細胞、皮質細胞、内皮細胞、内胚葉細胞、外胚葉細胞、中胚葉細胞、リンパ球(例えば、CD4Tヘルパー1またはTヘルパー2型細胞、CD8細胞傷害性T細胞を含めたB細胞およびT細胞)、血液に存在する白血球細胞の主なタイプの全て(例えば、好酸球、巨核球、顆粒球、マクロファージ、好中球等)、赤血球、ケラチノサイト、および線維芽細胞を含む。白血球細胞の場合には、器官特異的蛋白質は、直接的に、単離された細胞型から得ることができ、同定のために血液に分泌される必要はない。かくして、器官特異的戦略により、発明者は、白血球細胞型(例えば、好中球、好塩基球、好酸球、マクロファージ、単球、およびBおよびTリンパ球を含めたリンパ球)のいずれの病気も評価することができる。器官または組織内の特定の細胞型は、組織学的解剖によって、特異的細胞系(例えば、前立腺上皮細胞系)の使用によって、細胞ソーティングによって、または当該分野で公知の種々の他の技術によって得ることができる。前記パラメーターは器官特異的蛋白質または転写体を同定することにおいて有用であるのみならず、そのような分析は、注目する流体、組織、器官、または分析用の血液からのmRNAおよびcDNAを収集することにおいて用いることができる。
1つの具体例において、(前立腺上皮細胞、乳房上皮細胞等のような)注目する器官の特定の細胞型からのトランスクリプトームを本明細書中に記載した方法を用いて単離し、分析して、いずれの転写体が器官特異的であるかを決定する。器官の特定の細胞型から同定された器官特異的転写体を、次いで、全器官試料(例えば、表1ないし32、36ないし45および47ないし79で提供される器官特異的蛋白質)から同定された器官特異的転写体と比較して、重複する転写体を決定し、あるいは感受性の問題のため全組織から検出されていないであろうさらなる器官特異的転写体を同定することができる。このようにして、組のさらなる正常器官特異的蛋白質メンバーを同定することができる。さらに、ある具体例において、正常器官特異的蛋白質のサブセットを同定することもできる。例えば、正常前立腺上皮細胞特異的蛋白質サブユニットを同定することができ、これは、前立腺上皮細胞において特異的に発現される蛋白質の組である。かくして、器官からの特定の細胞型は、限定されるものではないが、腎皮質上皮細胞、肝細胞、乳頭上皮細胞、前立腺上皮細胞、腎臓遠位小管上皮細胞、および表皮ケラチノサイトを含むことができる。このリストは例示的なものに過ぎず、限定的であることを意図しない。
当業者が認識できるように、検出技術の領域における技術は迅速に進化している。特に、ほんの数年前、試料のミリグラム量を必要としていた技術は、今日、ピコグラム量で行うことができる。ナノテクノロジー技術を今や使用して、本発明の核酸およびポリペプチド標的の検出を助けることができる。さらに、この技術が発達するにつれ、単一の細胞特異的転写体を達することができるであろう。これらの単一細胞技術は、今日、豊富な転写体について利用でき、当業者によって適合させて、単一細胞レベルにおける低豊富性転写体の分析を可能とすることができる。
ある具体例においては、器官特異的血液フィンガープリントは、共通の機能を有し、または系(例えば、消化系、循環系、呼吸系、心血管系、免疫系(限定されるものではないが、B細胞、CD4Tヘルパー1またはTヘルパー2型細胞、調節T細胞、CD8細胞傷害性T細胞を含めたT細胞、NK細胞、樹状細胞、マクロファージ、単球、好中球、顆粒球、肥満細胞等、免疫系の種々の細胞を含む)、感覚系、皮膚、脳および神経系等)を形成する器官のような、多数の器官からの「器官特異的」蛋白質から決定することができることに注目すべきである。従って、本明細書中に記載された器官特異的成分に対するプローブのパネルは、多数器官の組合せを分析するように作製することができる
核酸分析
前記したように、血液、組織試料または生物学的流体いずれかにおける器官/組織特異的なポリペプチドの検出に加え、核酸検出技術は、検出の感度によるさらなる利点を供する。Kingston(2002 Current Protocols in Molecular Biology, Greene Publ.Assoc.Inc.&John Wiley&Sons,Inc.,NY,NY(例えば、NelsonらProc Natl Acad Sci USA,99:11890−11895,2002によって記載されているようなもの)参照)および他の文献に記載されたもののような、当該分野で公知の技術を用い、血液、生物学的流体、組織、器官、細胞型、または他の関連試料からRNAを収集し、および/または生じさせることができる。さらに、RNAを構築するための種々の商業的に入手可能なキットは、本発明で用いるべきRNAを作製するのに有用である。RNAは正常な健康対象から入手した器官/組織/細胞から構築され;しかしながら、本発明では病気の対象からのRNAの構築が考えられる。本発明では、対象または動物のいずれかのタイプからの器官のいずれかのタイプを用いることが考えられる。テスト試料については、RNAは、目に見える病気に罹った、またはそれ無しの個体(例えば、哺乳動物を含めたいずれかの動物)から、および組織試料、生物学的流体(例えば、全血)等から入手することができる。いくつかの具体例において、cDNA配列の増幅または構築は、検出能力を増大させるのに助けとなろう。本発明ならびに技術水準は、そのような仕事を実行するための詳細の必要なレベルを供する。本発明の1つの態様において、全血はRNAの供給源として用いられ、従って、(その双方を引用してその全体を援用する)Thachら,J.Immunol.Methods.Dec283(1−2):269−279,2003およびChaiら,J.Clin.Lab Anal.19(5)182−188,2005に記載されているような、PAX管のような、RNA安定化試薬を所望により用いる。
相補的DNA(cDNA)ライブラリーは、Ausubelら(2001 Curreent Protocols in Molecular Biology, Greene Publ.Assoc.Inc.&John Wiley&Sons,Inc.,NY,NY);Sambrookら(1989 Molecular Cloning, Second Ed.,Cold Spring Harbor Laboratory, Plainview,NY);Maniatisら(1982 Molecular Cloning,Cold Spring Harbor Laboratory, Plainview,NY)および他の文献に記載されたもののような、当該分野で公知の技術を用いて作製することができる。さらに、cDNAライブラリーを構築するための種々の商業的に入手可能なキットは、本発明のcDNAライブラリーを作製するのに有用である。ライブラリーは、正常な健康対象から生じた器官/組織/細胞から構築される。
増幅または核酸の増幅
「増幅」または「核酸の増幅」は、意図された特異的標的核酸配列の少なくとも一部を含有する標的核酸の多数のコピーの生産を意味する。多数のコピーとは、アンプリコンまたは増幅産物をいうことができる。ある具体例において、増幅された標的は、完全な標的遺伝子配列(イントロンおよびエクソン)または発現された標的遺伝子配列(エクソンおよびフランキング非翻訳配列のスプライシングされた転写体)未満を含有する。例えば、特異的アンプリコンは、標的ポリヌクレオチドの内部位置にハイブリダイズし、およびそれからの重合を開始する増幅プライマーを用いて標的ポリヌクレオチドの一部を増幅することによって生産することができる。好ましくは、増幅された部分は、種々のよく知られた方法のいずれかを用いて検出することができる検出可能な標的配列を含有する。
核酸増幅の多くのよく知られた方法は、交互に、二本鎖核酸を変性し、プライマーにハイブリダイズさせるために熱サイクリングを必要とし;しかしながら、核酸増幅の他のよく知られた方法は等温的である。通常はPCRといわれるポリメラーゼ鎖反応(米国特許4,683,195;第4,683,202号;第4,800,159号;第4,965,188号)は変性、反対ストランドへのプライマー対のアニーリング、および標的配列のコピー数を指数関数的に増加させるためのプライマー長の複数サイクルを用いる。RT−PCRと呼ばれる変形において、逆転写酵素(RT)を用いて、相補的DNA(cDNA)をmRNAから作製し、次いで、cDNAをPCRによって増幅して、DNAの複数コピーを生じさせる。通常はLCRといわれるリガーゼ鎖反応(Weiss,R.1991,Science254:1292)は、標的核酸の隣接領域にハイブリダイズする相補的DNAオリゴヌクレオチドの2つの組を用いる。DNAオリゴヌクレオチドは、熱変性、ハイブリダイゼーションおよび連結の反復されたサイクルにおいてDNAリガーゼによって共有結合させられて、検出可能な二本鎖連結オリゴヌクレオチド産物を生じる。もう1つの方法は、通常SDAといわれる、ストランド置換増幅(Walker,G.ら,1992,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 89:392−396;米国特許第5,270,184号および第5,455,166号)であり、これは、標的配列の反対ストランドに対するプライマー配列の対のアニーリング、デュプレックスヘミホスホロチオエート化プライマー長産物を生じさせるためのdNTPαSの存在下でのプライマー長、ヘミ修飾(hemimodified)制限エンドヌクレアーゼ認識部位のエンドヌクレアーゼ媒介ニッキング、および存在するストランドを置き換え、次のラウンドのプライマーアニーリング、ニッキングおよびストランド置換のためのストランドを生じさせ、その結果、産物の幾何学的増幅がもたらされる、ニックの3’末端からのポリメラーゼ媒介プライマー長のサイクルを用いる。高熱性SDA(tSDA)は、実質的に同一方法においてより高い温度の好熱性エンドヌクレアーゼおよびポリメラーゼを用いる(欧州特許第0684315号)。他の増幅方法は:通常はNASBAといわれる核酸配列ベース増幅(米国特許第5,130,238号);通常はQβレプリカーゼといわれる、プローブ分子それ自体を増幅するためにRNAレプリカーゼを用いるもの(Lizardi,P.ら,1988,Biotechnol.6:1197−1202);転写ベースの増幅方法(Kwoh,D.ら,1989,Proc.Natl.Acad.Sci.USA86:1173−1177);自己維持配列複製(Guatelli,J.ら.,1990,Proc.Natl.Acad.Sci.USA87:1874−1878);通常はTMAといわれる転写媒介増幅(米国特許第5,480,784号および第5,399,491号)を含む。公知の増幅方法のさらなる議論については、Persing,David H.,1993,“In Vitro Nucleic Acid Amplification Techniques”in Diagnostic Medical Microbiology:Principles and Applications(Persingら,Eds.),pp.51−87(American Society for Microbiology,Washington,DC)参照。
本発明の例示的な転写ベースの増幅系は、RNAポリメラーゼを使用して、標的領域の多数のRNA転写体を生じさせるTMAを含む(米国特許第5,480,784号および第5,399,491号)。TMAは、逆転写酵素およびRNAポリメラーゼの存在下で標的核酸にハイブリダイズして、二本鎖プロモーターを形成する「プロモータープライマー」(ここから、RNAポリメラーゼはRNA転写体を生じさせる)を用い。これらの転写体は、RNA転写体にハイブリダイズすることができる第二のプライマーの存在下においてさらなるラウンドのTMAについての鋳型となることができる。PCR、LCR、または熱変性を必要とする他の方法とは異なり、TMAは、RNaseH活性を用いて、RNA:DNAハイブリッドのRNAストランドを消化し、それにより、プライマーまたはプロモータープライマーとのハイブリダイゼーションのために利用可能なDNAストランドを作製する等温方法である。一般に、増幅のために供される逆転写酵素に関連するRNAaseH活性を用いる。
例示的なTMA方法において、1つの増幅プライマーは、増幅すべき配列に対して3’側の位置において標的RNAの結合部位にハイブリダイズすることができる標的結合配列の5’側に位置した、二本鎖となった場合に機能的となるプロモーター配列を含むオリゴヌクレオチドプロモータープライマーである。プロモータープライマーは、それが、T7 RNAポリメラーゼ認識に対して特異的な場合、「T7プライマー」ということができる。ある条件下においては、プロモータープライマーまたはそのようなプロモータープライマーの亜集団の3’末端を修飾して、プライマー長をブロックし、または低下させることができる。未修飾プロモータープライマーから、逆転写酵素は標的RNAのcDNAコピーを生じさせ、他方、RNase H活性は標的RNAを分解する。次いで、第二の増幅プライマーは該cDNAに結合する。このプライマーは、それを「T7プライマー」から識別するため「非T7プライマー」ということができる。この第二の増幅プライマーから、逆転写酵素はもう1つのDNAストランドを生じさせ、その結果、1つの末端において機能的プロモーターをもつ二本鎖DNAがもたらされる。二本鎖となった場合、プロモーター配列はRNAポリメラーゼに結合して、プロモータプライマーがハイブリダイズした標的配列の転写を開始することができる。RNAポリメラーゼはこのプロモーター配列を用いて、一般には約100ないし1000コピーの多数のRNA転写体(すなわち、アンプリコン)を生じさせる。各新たに合成されたアンプリコンは、第二の増幅プライマーとアニールすることができる。次いで、逆転写酵素はDNAコピーを作り出すことができ、他方,RNaseH活性はこのRNA:DNAデュプレックスのRNAを分解する。次いで、プロモータープライマーは、新たに合成されたDNAに結合でき、逆転写酵素に、RNAポリメラーゼがそれから多数のアンプリコンを生じさせる二本鎖DNAを作らせる。かくして、2つの増幅プライマーを用い、10億倍の等温増幅を達成することができる。
「選択的増幅」とは、本明細書中で用いるように、本発明による標的核酸配列の増幅をいい、ここで、標的配列の検出可能な増幅、テストすべきである注目する核酸試料によって寄与される標的配列の増幅に実質的に制限され、ならびに、いくつかの他の試料源、例えば、増幅反応の間に使用される試薬に存在する汚染、または増幅反応が行われる環境において存在する汚染によって寄与される標的核酸配列によって寄与されない。
「増幅条件」とは、本発明による核酸増幅を可能とする条件を意味する。増幅条件は、いくつかの具体例においては、本明細書中に記載された「ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件」よりもストリンジェントではないであろう。本発明の増幅反応で用いるオリゴヌクレオチドは、増幅条件下でそれらの意図した標的にハイブリダイズするが、ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下でハイブリダイズしてもしなくても良い。他方、本発明の検出プローブはストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下でハイブリダイズする。後の実施例セクションは本発明による標的核酸配列を増幅するための好ましい増幅条件を提供するが、本発明に従って核酸増幅を行うための他の許容される条件は、使用する増幅の特定の方法に依存して、当業者によって容易に確認できるであろう。
増幅のためのオリゴヌクレオチドおよびプライマー
本明細書中で用いるように、用語「オリゴヌクレオチド」または「オリゴ」または「オリゴマー」は、単数の「オリゴヌクレオチド」ならびに複数の「オリゴヌクレオチド」を含むことを意図し、本発明の増幅方法、ならびに引き続いての検出方法において試薬として用いられるヌクレオチド、ヌクレオシド、ヌクレオベースまたは関連化合物の2以上のいずれのポリマーもいう。該オリゴヌクレオチドはDNAおよび/またはRNAおよび/またはそのアナログであってよい。用語オリゴヌクレオチドは試薬に対するいずれかの特定の機能を示すのではなく、むしろ、それは総称的に用いられ、本明細書中に記載された全てのそのような試薬を網羅する。オリゴヌクレオチドは種々の異なる機能を発揮することができ、例えば、それは、もし相補的ストランドにハイブリダイズすることができ、かつさらに核酸ポリメラーゼの存在下で長させることができれば、プライマーとして機能することができ、もしそれがRNAポリメラーゼによって認識される配列を含有し、転写を可能とするならば、それはプロモーターを提供することができ、およびもし適切に置かれ、および/または修飾されれば、それはハイブリダイゼーションを妨げ、またはプライマー長の障害となるように機能することができる。本発明の特異的なオリゴヌクレオチドは後により詳細に記載するが、添付の表1ないし32、36ないし45および47ないし79、または添付の配列表においてリストされた配列をコードする器官特異的転写体への結合に向けられる。本明細書中で用いるように、オリゴヌクレオチドは実質的にいずれの長さとすることもでき、増幅反応における、または増幅反応の増幅産物を検出することにおける、その特異的機能によって制限されるに過ぎない。
規定された配列および化学構造のオリゴヌクレオチドは、化学的または生化学的合成により、および組換え核酸分子、例えば、細菌またはウイルスベクターからのイン・ビトロまたはイン・ビボ発現によるなして、当業者に知られた技術によって生産することができる。本開示によって意図されるように、オリゴヌクレオチドは、野生型染色体DNAまたはそのイン・ビボ転写産物よりなるのではない。
オリゴヌクレオチドは、所与の修飾が所与のオリゴヌクレオチドの所望の機能に適合する限り、いずれの方法でも修飾することができる。当業者であれば、所与の修飾が本発明のいずれの所与のオリゴヌクレオチドに対しても適当であるか、または望まれるかを容易に決定することができる。修飾は塩基修飾、糖修飾または骨格修飾を含む。塩基修飾は、限定されるものではないが、アデニン、シチジン、グアノシン、チミンおよびウラシルに加えて以下の塩基:C−5プロピン、2−アミノアデニン、5−メチルシチジン、イノシン、およびdPおよびdK塩基の使用を含む。ヌクレオシドサブユニットの糖基は、例えば、リボフラノシル部分への2’−O−メチル置換を有するリボヌクレオシドを含めた、リボース、デオキシリボースおよびそのアナログであってよい。Beckerら米国特許第6,130,038号参照。他の糖修飾は、限定されるものではないが、2’−アミノ、2’−フルオロ、(L)−アルファ−スレオフラノシル、およびペントプラノシル修飾を含む。ヌクレオシドサブユニットは、ホスホジエステル結合、修飾された結合のような結合によって、またはその相補的標的核酸配列へのオリゴヌクレオチドのハイブリダイゼーションを妨げない非ヌクレオチド部分によって連結することができる。修飾された結合は、標準ホスホジエステル結合が、ホスホロチオエート結合、またはメチルホスホネート結合のような異なる結合で置き換えられた結合を含む。ヌクレオベースサブユニットは、例えば、DNAの天然デオキシリボースリン酸骨格を、カルボキシメチルリンカーによってヌクレオベースサブユニットを中央の第二アミンにカップリングさせる2−アミノエチルグリシン骨格のようなプソイド(pseudo)ペプチド骨格で置き換えることによって連結することができる(プソイドペプチド骨格を有するDNAアナログは、一般に、「ペプチド核酸」または「PNA」といい、Nielsenら,“Peptide Nucleic Acids,”米国特許第5,539,082号によって開示されている)。他の結合修飾は、限定されるものではないが、モルホリノ結合を含む。
本発明によって考えられるオリゴヌクレオチドまたはオリゴマーの非限定的例は、二環および三環ヌクレオシドおよびヌクレオチドアナログ(LNA)を含有する核酸アナログを含む。Imanishiら米国特許第6,268,490号およびWengelら米国特許第6,670,461号参照。いずれの核酸アナログも本発明によって考えられ、但し、修飾されたオリゴヌクレオチドはその意図された機能を実行でき、例えば、ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件または増幅条件下で標的核酸にハイブリダイズでき、またはDNAまたはRNAポリメラーゼと相互作用でき、それにより、長または転写を開始することができるものとする。検出プローブの場合には、修飾されたオリゴヌクレオチドは、やはり、ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下で標的核酸に優先的にハイブリダイズできるものでなければならない。
本発明のためのオリゴヌクレオチドの設計および配列は以下に記載するようにそれらの機能に依存するが、いくつかの変数を一般には考慮しなければならない。最も重要なものの中には:長さ、融解温度(Tm)、特異性、系における他のオリゴヌクレオチドとの相補性、G/C含有量、ポリピリミジン(T,C)またはポリプリン(A,G)ストレッチ、および3’−末端配列がある。これらおよび他の変数の制御は標準的であって、オリゴヌクレオチド設計のよく知られた態様であり、種々のコンピュータプログラムが最適なものについて多数の潜在的オリゴヌクレオチドをスクリーニングするのに容易に入手可能である。
オリゴヌクレオチド(または他の核酸)の3’−末端は、以下に記載するように、ブロッキング部分を用いて種々の方法でブロックすることができる。「ブロックされた」オリゴヌクレオチドは、その3’−末端へのヌクレオチドの付加によってDNAまたはRNA依存性DNAポリメラーゼによって効果的に長されず、DNAの相補的ストランドを生じない。そのように、「ブロックされた」オリゴヌクレオチドは「プライマー」になり得ない。
本開示において用いるように、フレーズ、特異的配列の群「から選択される配列‘を含む’、‘よりなる’、または‘実質的によりなる’核酸配列を有するオリゴヌクレオチド」は、基本的および新規な特徴として、オリゴヌクレオチドが、ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下で該群のリストされた核酸配列の1つの正確な相補体を有する核酸に安定にハイブリダイズできることを意味する。正確な相補体は、対応するDNAまたはRNA配列を含む。
フレーズ「核酸配列に実質的に対応するオリゴヌクレオチド」は、言及されたオリゴヌクレオチドは、そのオリゴヌクレオチドが、ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下で同一標的核酸配列とハイブリダイズする点で、参照核酸配列と同様なハイブリダイゼーション特性を有するように、参照核酸配列と十分に同様であることを意味する。
当業者であれば、本発明の「実質的に対応する」オリゴヌクレオチドは、言及された列から変化でき、依然として、同一標的核酸配列にハイブリダイズできることを理解するであろう。核酸からのこの変動は、配列内の同一塩基のパーセンテージ、または、プローブまたはプライマーその標的配列の間の完全に相補的な塩基のパーセンテージに換算して述べることができる。かくして、本発明のオリゴヌクレオチドは、もし塩基同一性または相補性のこれらのパーセンテージが100%ないし約80%であれば、参照核酸配列に実質的に対応する。好ましい具体例において、パーセンテージは100%ないし約85%である。より好ましい具体例において、このパーセンテージは100%ないし約90%であり得;他の好ましい具体例においては、このパーセンテージは100%ないし約95%である。当業者であれば、許容できないレベルの非特異的ハイブリダイゼーションを引き起こすことなく、特異的標的配列へのハイブリダイゼーションを可能とするため、種々のパーセンテージの相補性において必要とされるであろうハイブリダイゼーション条件に対する種々の修飾を理解するであろう。
当業者であれば、たとえ明示的に本明細書中で記載されていなくとも、広く種々の公知の、および入手可能な増幅技術のいずれも本発明の方法で使用することができるのを認識するであろう。そのような増幅技術の例示的な非限定的例は以下に記載する。
本明細書中における方法に従って有用な1つの例示的な増幅技術はポリメラーゼ鎖反応である。前記したように、PCRと通常は言われるポリメラーゼ鎖反応(米国特許第4,683,195号;第4,683,202号;第4,800,159号;第4,965,188号)は、多数サイクルの変性、反対ストランドへのプライマー対のアニーリング、および標的配列のコピー数を指数関数的に増加させるためのプライマー長を用いる。RT−PCRと呼ばれる変形において、逆転写酵素(RT)を用いてmRNAから相補的DNA(cDNA)を作製し、次いで、PCRによってcDNAを増幅して、多数コピーのDNAを生じさせる。
通常はLCRといわれるもう1つの例示的な増幅方法であるリガーゼ鎖反応(Weiss,R.1991,Science 254:1292)は、標的核酸の隣接領域にハイブリダイズする相補的DNAオリゴヌクレオチドの2つの組を用いる。DNAオリゴヌクレオチドは、熱変性、ハイブリダイゼーションおよび連結の反復サイクルにおいてDNAリガーゼによって共有結合されて、検出可能な二本鎖連結オリゴヌクレオチド産物を生じる。
もう1つの例示的な方法は、産物の幾何学的増幅をもたらす、標的配列の対向ストランドへのプライマー配列の対のアニーリング、デュプレックスヘミホスホロチオエート化プライマー長産物を生じさせるためのdNTP□Sの存在下でのプライマー長、ヘミ修飾制限エンドヌクレアーゼ認識部位のエンドヌクレアーゼ媒介ニッキング、および存在するストランドを置き換え、次のラウンドのプライマーアニーリング、ニッキングおよびストランド置換えのためのストランドを生じさせるためのニックの3’末端からのポリメラーゼ媒介プライマー長のサイクルを用いる、通常はSDAといわれるストランド置き換え増幅(Walker,G.ら,1992,Proc.Natl.Acad.Sci.USA89:392−396;米国特許第5,270,184号および第5,455,166号)である。好熱性SDA(tSDA)は、実質的に同一の方法においてより高温で好熱性エンドヌクレアーゼおよびポリメラーゼを用いる(欧州特許番号第0684315号)。
他の増幅方法は、例えば、通常はNASBAという核酸配列ベースの増幅(米国特許第5,130,238号);通常はQ□レプリカーゼというプローブ分子それ自体を増幅するRNAレプリカーゼを用いるもの(Lizardi,P.ら,1988,Biotechnol.6:1197−1202);転写ベースの増幅方法(Kwoh,D.ら,1989,Proc.Natl.Acad.Sci.USA86:1173−1177);自己維持配列複製(Guatelli,J.ら,1990,Proc.Natl.Acad.Sci.USA87:1874−1878);および通常はTMAという転写媒介増幅(米国特許第5,480,784号および第5,399,491号)を含む。公知の増幅方法のさらなる議論については、Persing,David H.,1993,“In
Vitro Nucleic Acid Amplification Techniques”in Diagnostic Medical Microbiology:Principles and Applications(Persingら,Eds.),pp.51−87(American Society for Microbiology,Washington,DC)参照。
より特別な具体例において、本発明の方法で用いる増幅技術は、TMAおよびNASBAのような転写ベースの増幅技術である。
当該分野で知られた種々の技術のいずれかを用い、RNAの、あるいは、例えば、注目する器官において機能する本質的にまたは実質的に全ての遺伝子を表すcDNAライブラリーからの特有な転写体の全て、または実質的に全てを同定し、定量することができる。この点に関し、ある具体例においては、実質的に全てとは、注目する器官において検出可能に発現された全ての遺伝子の少なくとも80%を表す試料をいう。さらなる具体例においては、実質的に全てとは、注目する器官において機能する全ての遺伝子の少なくとも65%、70%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%以上を表す試料をいう。1つの具体例において、米国特許第6,013,445号;第6,172,218号;第6,172,214号;第6,140,489号およびBrenner,P.,ら,Nat Biotechnol,18:630−634 2000に記載された方法に従い、cDNAライブラリーからの実質的に全ての転写体を増幅し、分類し、およびそれからシグニチャー配列を生じさせる。簡単に述べれば、注目するcDNAライブラリーからのポリヌクレオチド鋳型を、最小に交差ハイブリダイズするオリゴヌクレオチドタグの膨大な組を含有するベクター系にクローン化する(米国特許第5,863,722号参照)。タグの数は、通常、cDNA鋳型の数よりも少なくとも100倍大きい(例えば、米国特許第6,013,445号およびBrenner,P.ら,上記参照)。かくして、タグの組は、鋳型タグコンジュゲートから取られた1%試料が、試料中の実質的なあらゆる鋳型がただ一つのタグにコンジュゲートされ、および異なる鋳型cDNAの各々の少なくとも1つが>99%確率でもって試料において表されることが、確実であるようなものである(米国特許第6,013,445号およびBrenner,P.ら,上記)。次いで、コンジュゲートを増幅し、ストリンジェントな条件下で、ただ一つの相補的な最小に交差ハイブリダイズするオリゴヌクレオチドタグ付着したマイクロビースにハイブリダイズさせる。次いで、連結ベースの配列決定方法を用い、転写体をフローセル中で直接的に同時に配列決定する(例えば、米国特許第6,013,445号参照)。約16ないし20塩基対の短いシグニチャー配列(Brenner,P.,ら,上記)は、各々が試料からのただ一つの転写体のコピーが付着された、フローセル中の数十万以上のビーズの各々から同時に生じる。この技術は超並列的シグニチャー配列決定(MPSS)といわれる。
得られた配列(例えば、MPSSシグニチャー配列)は、一般に、長さが約17ないし20塩基である。しかしながら、ある具体例においては、配列は長さが約8、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、または100以上の塩基であり得る。配列は、Meyers,B.C.ら,Genome Res,14:1641−1653,2004によって記載されている方法のような、当該分野で公知の方法を用い、(2003年11月に公開されたヒトゲノム公開hg16、または他の公のまたは私的なデータベースのような)注釈付きのヒトゲノム配列およびヒトUnigene(Unigene build#184)を用いて注釈付けされる。この点に関して有用な他のデータベースはGenbank,EMBL、または他の公に入手可能なデータベースを含む。ある具体例においては、転写体は、MPSSまたは他のタイプのシグニチュアーとゲノムシグニチャーの間の100%マッチのものについてのみ考慮する。本開示を読んだ当業者によって容易に認識されるように、これはストリンジェントなマッチ基準であって、ある具体例においては、より低いストリンジェントマッチ基準を用いるのが望ましいであろう。事実、多形は、もし正確なマッチのみを用いるならば、失われるであろう転写体における変動導き得る。例えば、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、または99%同一性でもってゲノムシグニチャーにマッチするシグニチャー配列を考慮するのが望ましいであろう。1つの具体例において、注目するライブラリーにおける100万当たり3未満の転写体において発現されるシグニチャーは無視される。というのは、これは、事実、細胞当たり1未満の転写体を表すので、それらは信頼性よく検出できそうではないからである(例えば、Jongeneel,C.V.ら,Proc Natl Acad Sci USA,2003参照)。別法として、このレベルにおける転写体は、集団の一部のみ(例えば、1%)として存在する細胞から生じることができ、よって、該測定は現実的であり得る。cDNAシグニチャーは、ポリアデニル化シグナルおよびポリ(A)テイルに対するそれらの位置によって、および供給源mRNAの53向きに対するそれらの向きによって分類される。シグニチャー配列に対応する全長配列をこのようにして同定することができる。
1つの具体例において、cDNAライブラリーからの実質的に全ての転写体は、Solexa(現在は、Illuminaの一部)(San Diego,CA)によって開発されたもののような、合成による配列決定(SBS)または同様な技術を用いて同定される。この技術を用いて、注目する特定の器官/組織/細胞のトランスクリプトームのシグニチャー配列を同定することができる。例えば、Expert Rev Mol Diagn.2007 Jan;7(1)65−76;Rosenthal,A&Brenner,S.1994−2000.米国特許第6,087,095号 DNA sequencing method;Ronaghi,M.,Uhlen,M.,およびNyren,P.1998.Science281:363. A sequencing method based on real−time pyrophosphate.;Mitra,RD, Shendure,J, Olejnik,J, Olejnik,EK,およびChurch,GM 2003 Analyt.Biochem.320:55−65 Fluorescent in situ Sequencing on Polymerase Colonies;Johnson DS, Mortazavi
A, Myers RM, Wold B.(2007) Genome−wide mapping of in vivo protein−DNA interactions.Science 316(5830):1441−2;A.Barskiら,2007 Cell 129,823−837;T.Mikkelsenら,Nature.2007 448(7153):553−60;G.Robertsonら,Nature Methods 2007 Aug;4(8)651−7;R.F.Service 2006 Science 311,1544−1546;および米国特許第7,232,656号;第7,115,400号;第7,057,026号;第6,969,488号;第6,897,023号;第6,833,246号に記載された方法参照。
ある具体例において、マイクロアレイ分析(Han,M.ら,Nat Biotechnol,19:631−635,2001;Bao,P.ら,Anal Chem,74:1792−1797,2002;Schenaら,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 93:10614−19,1996;およびHellerら,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 94:2150−55,1997)およびSAGE(遺伝子発現の一連の分析)を含めた、他の技術を用いて、特定のcDNAライブラリーからの転写体のRNA転写体を評価することができる。MPSSのように、SAGEはデジタルであ、MPSSのような技術から入手可能なものよりも何桁も小さいが、非常に多数のシグニチャー配列を生じさせることができる(例えば、Velculescu,V.E.ら,Trends Genet,16:423−425.,2000;Tuteja R.およびTuteja N.Bioessays.2004 Aug;26(8)916−22参照)。
当業者が容易に認識できるように、任意の数の方法を使用して、本発明によって記載される器官特異的核酸およびポリペプチド配列を調査することができる。蛋白質または核酸アレイまたはマイクロアレイ分析に加えて、他のナノスケール分析を使用してもよい。そのような方法は、限定されるものではないが、ミクロ流体プラットフォーム、ナノワイヤーセンサー(Bunimovichら,Electrochemically Programmed, Spatially Selective Biofunctionalization of Silicon Wires,Langmuir 20,10630−10638,2004;Curreliら,J.Am.Chem.Soc.127,6922−6923,2005)を含む。さらに、高親和性蛋白質捕獲剤の使用が考えられる。そのような捕獲剤はDNAアプタマー(米国特許出願公開番号20030219801)、ならびに標的ガイド合成のためのクリック化学の使用を含むことができる(Lewisら,Angewandte Chemie−International Edition,41,1053−,2002;Manetschら,J.Am.Chem.Soc.126,12809−12818,2004;Ramstromら,Nature Rev.Drug Discov.1,26−36,2002)。
本発明の実施は、他のことが示されているのでなければ、当業者の技量内にある、有機化学、ポリマー技術、分子生物学(組換え技術を含む)、細胞生物学、生化学、および免疫学の慣用的な技術および記載を使用することができる。そのような慣用的な技術は、ポリマーアレイ合成、ハイブリダイゼーション、連結、および標識を用いるハイブリダイゼーションの検出を含む。適当な技術の具体的な説明は、本明細書中における以下の実施例を参照して行うことができる。しかしながら、他の同等な慣用的手法をもちろん用いることもできる。そのような慣用的な技術および記載は、全ての目的で、その全体を引用してその全部を援用する、Genome Analysis:A Laboratory Manual Series (Vols. I−IV),Using Antibodies:A Laboratory Manual,Cells:A Laboratory Manual,PCR Primer:A Laboratory Manual,およびMolecular Cloning:A Laboratory Manual(全てCold Spring Harbor Laboratory Pressから),Stryner,L.(1995)Biochemistry(4th Ed.) Freeman,New York,Gait,“Oligonucleotide Synthesis:A Practical Approach”1984,IRL Press,London,Nelson and Cox(2000),Lehninger,Principles of Biochemistry 3rd Ed.,W.H.Freeman Pub.,New York N.Y.およびBergら(2002)Biochemistry,5th Ed.,W.H.Freeman Pub.,New York N.Y.のような標準的な実験室マニュアルに見出すことができる。
本発明は、いくつかの好ましい具体例におけるアレイを含めた固体基材を使用することができる。(蛋白質を含めた)ポリマーアレイ合成に適用することができる方法および技術は、全ての目的でその全部を引用により援用する、米国特許出願第09/536,841号,WO00/58516、米国特許第5,143,854号、第5,242,974号、第5,252,743号、第5,324,633号、第5,384,261号、第5,405,783号、第5,424,186号、第5,451,683号、第5,482,867号、第5,491,074号、第5,527,681号、第5,550,215号、第5,571,639号、第5,578,832号、第5,593,839号、第5,599,695号、第5,624,711号、第5,631,734号、第5,795,716号、第5,831,070号、第5,837,832号、第5,856,101号、第5,858,659号、第5,936,324号、第5,968,740号、第5,974,164号、第5,981,185号、第5,981,956号、第6,025,601号、第6,033,860号、第6,040,193号、第6,090,555号、第6,136,269号、第6,269,846号、および第6,428,752号、PCT出願番号PCT/US99/00730(国際公開番号WO99/36760)およびPCT/US01/04285(国際公開番号WO01/58593)に記載されている。特定の具体例における合成技術を記載する特許は米国特許第5,412,087号、第6,147,205号、第6,262,216号、第6,310,189号、第5,889,165号、および第5,959,098号を含む。
本発明で有用な核酸アレイは当該分野で知られており、器官特異的核酸配列、および表1ないし32、36ないし45および47ないし79および添付の配列表に記載された配列をコードする核酸に対する同族配列を用いて製造することができるもの、ならびに商品名GeneChip(商標) 下でAffymetrix(Santa Clara,Calif.)から商業的に入手可能なものを含む。例示的なアレイは、affymetrix.comのウエブサイトで示される。アレイを製造し、使用するさらなる例示的な方法は、例えば、少数を挙げれば、米国特許第7,028,629号;第7,011,949号;第7,011,945号;第6,936,419号;第6,927,032号;第6,924,103号;第6,921,642号;および第6,818,394号に供される。
アレイおよびマイクロアレイに関連する本発明ではまた、固体基材に付着されたポリマーについての多くの使用が考えられる。これらの使用は遺伝子発現モニタリング、プロファイリング、ライブラリースクリーニング、ジェノタイピングおよび診断法を含む。遺伝子発現モニタリングおよびプロファイリング方法および遺伝子発現モニタリングおよびプロファイリングで有用な方法は米国特許第5,800,992号、第6,013,449号、第6,020,135号、第6,033,860号、第6,040,138号、第6,177,248号および第6,309,822号に示されている。ジェノタイピングおよび使用は、従って、米国出願第10/442,021号、第10/013,598号(米国特許出願公開20030036069)、および米国特許第5,925,525号、第6,268,141号、第5,856,092号、第6,267,152号、第6,300,063号、第6,525,185号、第6,632,611号、第5,858,659号、第6,284,460号、第6,361,947号、第6,368,799号、第6,673,579号、および第6,333,179号に示される。本明細書中に開示された方法と組合せて用いることができる核酸増幅、標識および分析の他の方法は、米国特許第5,871,928号、第5,902,723号、第6,045,996号、第5,541,061号、および第6,197,506号に具体化される。
本発明ではまた、ある好ましい具体例における試料調製方法が考えられる。分析に先立って、または分析と同時に、ゲノム試料は、そのいくつかはPCRを使用することができる種々のメカニズムによって増幅することができる。例えば、その各々を全ての目的でその全体を引用して援用する、PCR Technology:Principles and Applications for DNA Amplification(Ed.H.A.Erlich,Freeman Press,NY,N.Y.,1992);PCR Protocols:A Guide to Methods and Applications(Eds.Innisら,Academic Press,SaDiego,Calif.,1990);Mattilaら,NucleicAcids Res.19,4967(1991);Eckertら,PCR Methods and Applications 1,17(1991);PCR(Eds.McPhersonら,IRL Press,Oxford);および米国特許第4,683,202号、第4,683,195号、第4,800,159号、第4,965,188号、および第5,333,675号参照。例えば、ReesらBiochemistry 32:137−144(1993)、および米国特許第6,270,962号、および第5,545,539号に開示されているベタインまたはトリメチルグリシンの包含など、PCRに対する修飾も用いることもできる。試料はアレイで増幅することができる。例えば、引用して援用する、米国特許第6,300,070号、および米国出願第09/513,300号参照。
他の適当な増幅方法はリガーゼ鎖反応(LCR)(例えば、Wu and Wallace,Genomics 4,560(1989)、Landegrenら,Science 241,1077(1988)およびBarringerら,Gene 89:117(1990))、転写増幅(Kwohら,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 86,1173(1989)および国際公開番号WO88/10315)、自己維持配列複製(Guatelliら,Proc.Nat.Acad.Sci.USA,87,1874(1990)および国際公開番号WO90/06995)、標的ポリヌクレオチド配列の選択的増幅(米国特許第6,410,276号)、コンセンサス配列起点ポリメラーゼ鎖反応(CP−PCR)(米国特許第4,437,975号)、任意起点ポリメラーゼ鎖反応(AP−PCR)(米国特許第5,413,909号、および米国特許第5,861,245号)、核酸ベース配列増幅(NABSA)、ローリングサークル増幅(RCA)、多数置換増幅(MDA)(米国特許第6,124,120号、および米国特許第6,323,009号)、およびサークルサークル(circle-to-circle)増幅(C2CA)(DahlらProc.Natl.Acad.Sci.101:4548−4553(2004))を含む(その各々を引用して援用する米国特許第5,409,818号、第5,554,517号、および第6,063,603号参照)。用いることができる他の増幅方法は、その各々を引用して援用する米国特許第5,242,794号、第5,494,810号、第5,409,818号、第4,988,617号、第6,063,603号、および第5,554,517号および米国出願第09/854,317号に記載されている。
試料調製のさらなる方法、および核酸試料の複雑性を低下させるための技術は、Dongら,Genome Research 11,1418(2001)、米国特許第6,361,947号、第6,391,592号、および米国出願第09/916,135号、第09/920,491号(米国特許出願公開20030096235)、第09/910,292号(米国特許出願公開20030082543)、および第10/013,598号に記載されている。
ポリヌクレオチドハイブリダイゼーションアッセイを行うための方法は、当該分野で良く開発されている。ハイブリダイゼーションアッセイの手法および条件は、適用に応じて変化し、ManiatisらMolecular Cloning:A Laboratory Manual(2nd Ed. Cold Spring Harbor,NY.,1989);Berger and Kimmel Methods in Enzymology,Vol.152,Guide to Molecular Cloning Techniques(Academic Press,Inc.,San Diego,Calif.,1987);Young and Davism,P.N.A.S,80:1194(1983)に言及されているものを含めた公知の一般的結合方法に従って選択される。反復されたおよび制御されたハイブリダイゼーション反応を行うための方法および装置は、その各々を引用して援用する、米国特許第5,871,928号、第5,874,219号、第6,045,996号、および第6,386,749号、第6,391,623号に記載されている。
また、本発明では、ある好ましい具体例において、リガンド間のハイブリダイゼーションのシグナル検出も考えられる。その各々を全ての目的でその全体を引用により援用する、米国特許第5,143,854号;第5,578,832号;第5,631,734号;第5,834,758号;第5,936,324号;第5,981,956号;第6,025,601号;第6,141,096号;第6,185,030号;第6,201,639号;第6,218,803号;および第6,225,625号;米国出願第10/389,194号および(WO99/47964として公開された)PCT出願PCT/US99/06097号参照。
シグナルの検出および強度データの処理のための方法および装置は、例えば、その各々を全ての目的で引用して全体をやはり援用する、米国特許第5,143,854号、第5,547,839号、第5,578,832号、第5,631,734号、第5,800,992号、第5,834,758号;第5,856,092号、第5,902,723号、第5,936,324号、第5,981,956号、第6,025,601号、第6,090,555号、第6,141,096号、第6,185,030号、第6,201,639号;第6,218,803号;および第6,225,625号、米国出願第10/389,194、第60/493,495号および(WO99/47964として公開された)PCT出願PCT/US99/06097号に開示されている。
本発明の実施は、慣用的な生物学方法、ソフトウエアおよびシステムも使用することができる。本発明のコンピューターソフトウエア製品は、典型的には、本発明の方法の論理工程を実行するためのコンピューター実行可能な指令を有するコンピューター読み出し可能媒体を含む。適当なコンピューター読み出し可能媒体は、フロッピー(登録商標)ディスク、CD−ROM/DVD/DVD−ROM、ハードディスクドライブ、フラッシュメモリー、ROM/RAM、磁気テープ等を含む。コンピューター実行可能指令は、適当なコンピューター言語、またはいくつかの言語の組合せで書くことができる。基本的なコンピューター生物学方法は、例えば、Setubal and Meidanisら,Introduction to Computational Biology Methods(PWS Publishing Company,Boston,1997);Salzberg,Searles,Kasif,(Ed.),Computational Methods in Molecular Biology,(Elsevier,Amsterdam,1998);Rashidi and Buehler,Bioinformatics Basics:Application in Biological Science and Medicine(CRC Press,London,2000)およびOuelette and Bzevanis Bioinformatics:A Practical Guide for Analysis of Gene and Proteins(Wiley&Sons,Inc.,2nd ed.,2001)に記載されている。米国特許第6,420,108号参照。
また、本発明は、プローブ設計、データの管理、分析、および機器操作のような種々の目的で種々のコンピュータープログラム製品およびソフトウエアを利用することもできる。米国特許第5,593,839号、第5,795,716号、第5,733,729号、第5,974,164号、第6,066,454号、第6,090,555号、第6,185,561号、第6,188,783号、第6,223,127号、第6,229,911号、および号第6,308,170号参照。
全ゲノムサンプリングアッセイ(WGSA)は、例えば、Kennedyら,Nat.Biotech.21,1233−1237(2003),Matsuzakiら,Gen.Res.14:414−425,(2004),およびMatsuzaki,ら,Nature Methods 1:109−111(2004)に記載されている。マッピングアッセイで用いられるアルゴリズムは、例えば、Liuら,Bioinformatics 19:2397−2403(2003)およびDiら,Bioinformatics 21:1958(2005)に記載されている。WGSAに関するさらなる方法、およびWGSAで有用なアレイ、およびWGSAの適用は、例えば、2005年4月29日に出願された米国特許出願第60/676,058号、2004年10月5日に出願された第60/616,273号、第10/912,445号、第11/044,831号、第10/442,021号、第10/650,332号および第10/463,991号に開示されている。マッピングアッセイを用いるゲノムワイド関連研究は、例えば、Huら,Cancer Res.;65(7):2542−6(2005)、Mitraら,Cancer Res.,64(21):8116−25(2004)、Butcherら,Hum Mol Genet.,14(10):1315−25(2005)、およびKleinら,Science,308(5720):385−9(2005)に記載されている。これらの文献の各々は、全ての目的で引用してその全体を援用する。
加えて、本発明は、米国出願第10/197,621号、第10/063,559号(米国特許公開番号20020183936)、第10/065,856号、第10/065,868号、第10/328,818号、第10/328,872号、第10/423,403号、および第60/482,389号に示されたインターネットのようなネットワークで遺伝子情報を供するための方法を含む好ましい具体例を有することができる。
用語「アレイ」とは、本明細書中で用いるように、合成により、または生合成により調製することができる分子の意図的に作り出されたコレクションをいう。アレイ中の分子同一であるか、または相互に異なるものとすることができる。アレイは、種々の様式、例えば、可溶性分子のライブラリー;樹脂ビーズ、シリカチップ、または他の固体支持体に連結された化合物のライブラリーを想定することができる。
用語「mRNA」または時々は、「mRNA転写体」による言及は、本明細書中で用いるように、限定されるものではないが、プレmRNA転写体、転写体プロセッシング中間体、遺伝子または複数遺伝子の翻訳および転写の準備ができた成熟mRNA(複数を含む)、またはmRNA転写体に由来する核酸を含む。転写体プロセッシングはスプライシング、エディティングおよび分解を含むことができる。本明細書中で用いるように、mRNA転写体に由来する核酸とは、その合成のために、mRNA転写体またはそのサブ配列が最終的には鋳型として働いた核酸をいう。かくして、mRNAから逆転写されたcDNA、そのcDNAから転写されたRNA、cDNAから増幅されたDNA、増幅されたDNAから転写されたRNA等は、全て、mRNA転写体に由来し、そのよう誘導された産物の検出は試料中の元来の転写体の存在および/または豊富性を示す。かくして、mRNA由来試料は、限定するものではないが、遺伝子または複数遺伝子のmRNA転写体、mRNAから逆転写されたcDNA、cDNAから転写されたcRNA、ゲノムから増幅されたDNA、増幅されたDNAから転写されたRNA等を含む。
用語「核酸ライブラリー」、または時々は、「アレイ」による言及は、本明細書中で用いるように、合成により、または生合成により調製することができ、かつ種々の異なる様式で(例えば、可溶性分子のライブラリー;および樹脂ビーズ、シリカチップまたは他の固体支持体に連結されたオリゴのライブラリーで)生物学的活性についてスクリーニングすることができる核酸の意図して作られたコレクションをいう。加えて、用語「アレイ」は、実質的に任意の長さ(例えば、長さが1ないし約1000ヌクレオチドモノマー)の核酸を基材上にスポットすることによって調製することができる核酸のライブラリーを含むことを意図する。用語「核酸」とは、本明細書中で用いるように、任意の長さのヌクレオチドのポリマー形態、プリンおよびピリミジン塩基、または他の天然、化学的にまたは生化学的に修飾された、非天然、または誘導体化ヌクレオチド塩基を含むリボヌクレオチド、デオキシリボヌクレオチド、またはペプチド核酸(PNA)、いずれかをいう。ポリヌクレオチドの骨格は、RNAまたはDNAで典型的には見出すことができるような糖およびリン酸基、または修飾された、または置換された糖またはリン酸基を含むことができる。ポリヌクレオチドは、メチル化ヌクレオチドおよびヌクレオチドアナログのような修飾されたヌクレオチドを含むことができる。ヌクレオチドの配列は、非ヌクレオチド成分によって中断されていてもよい。かくして、用語ヌクレオシド、ヌクレオチド、デオキシヌクレオシドおよびデオキシヌクレオチドは、一般には、本明細書中に記載されているもののようなアナログを含む。これらのアナログは、核酸またはオリゴヌクレオシド配列に取り込まれた場合、溶液中の天然に生じる核酸配列とのハイブリダイゼーションを可能とするように、天然に生じるヌクレオシドまたはヌクレオチドと共通するいくつかの構造的特徴を有する分子である。典型的には、これらのアナログは、塩基,リボースまたはホスホジエステル部分を置き換え、および/または修飾することによって、天然に生じるヌクレオシドおよびヌクレオチドに由来する。該変化は、ハイブリッド形成を安定化させ、または脱安定化させ、あるいは望まれる相補的核酸配列とのハイブリダイゼーションの特異性を増強させるように仕立てることができる。
用語「核酸」は、本明細書中で用いるように、ピリミジンおよびプリン塩基、好ましくは、各々、シトシン、チミン、およびウラシル、およびアデノシンおよびグアニンのいずれのポリマーまたはオリゴマーも含むことができる。Albert L.Lehninger,PRINCIPLES OF BIOCHEMISTRY,at 793−800(Worth Pub.1982)参照。事実、本発明では、いずれのデオキシリボヌクレオチド、リボヌクレオチドまたはペプチド核酸成分、およびこれらの塩基のメチル化、ヒドロキシメチル化またはグリコシル化形態のようないずれのその化学的変種も考えられる。ポリマーまたはオリゴマーは組成物中で不均一または均一であってよく、天然に生じる供給源から単離することができ、あるいは人工的にまたは合成により生産することができる。加えて、核酸はDNAまたはRNA、またはその混合物であってよく、ホモデュプレックス、ヘテロデュプレックスおよびハイブリッド状態を含めた一本鎖または二本鎖形態にて永久的に、または一過的に存在することができる。
アレイおよびマイクロアレイに言及する場合、用語「オリゴヌクレオチド」、または時々は、「ポリヌクレオチド」による言及は、本明細書中で用いるように、長さが少なくとも2、好ましくは少なくとも8、より好ましくは少なくとも20のヌクレオチドの範囲の核酸、またはポリヌクレオチドに特異的にハイブリダイズする化合物をいう。本発明のポリヌクレオチドは、天然供給源から単離され、組換えにより生産され、または人工的に合成されることができるデオキシリボ核酸(DNA)、またはリボ核酸(RNA)の配列および、そのミメティックを含む。本発明のポリヌクレオチドのさらなる例はペプチド核酸(PNA)であってよい。また、本発明は、ある種のtRNA分子において同定されており、かつ三重ラセン存在すると仮定されているHoogsteen塩基対合のような非伝統的塩基対合がある状況も含む。「ポリヌクレオチド」および「オリゴヌクレオチド」は本出願においては相互交換可能に用いる。
用語「プライマー」とは、本明細書中で用いるように、4つの異なるヌクレオシド三リン酸、および例えば、DNAまたはRNAポリメラーゼまたは逆転写酵素のような重合用の剤の存在下で、適当な条件、例えば、緩衝液および温度下で鋳型指向性DNA合成用の開始点として作用することができる一本鎖オリゴヌクレオチドをいう。該プライマーの長さは、いずれかの所与の場合において、例えば、プライマーの意図した使用に依存し、一般には、15ないし30ヌクレオチドの範囲である。短いプライマー分子は、一般には、鋳型との十分に安定なハイブリッド複合体を形成するためにより冷たい温度を必要とする。プライマーは鋳型の正確な配列を反映する必要はないが、そのような鋳型とハイブリダイズするのに十分に相補的でなければならない。プライマー部位は、プライマーがハイブリダイズする鋳型の領域である。プライマー対は、増幅すべき配列の5’末端とハイブリダイズする5’上流プライマー、および増幅すべき配列の3’末端の相補体とハイブリダイズする3’下流プライマーを含めたプライマーの組である。
用語「プローブ」とは、本明細書中で用いるように、特定の標的によって認識され得る表面固定化分子をいう。プローブと10、12以上の塩基との全ての可能な組合せを有するアレイの例については、米国特許第6,582,908号参照。本発明によって調べることができるプローブの例は、限定されるものではないが、細胞膜受容体に対するアゴニストおよびアンタゴニスト、トキシンおよび毒液、ウイルスエピトープ、ホルモン(例えば、オピオイドペプチド、ステロイド等)、ホルモン受容体、ペプチド、酵素、酵素基質、補因子、薬物、レクチン、糖、オリゴヌクレオチド、核酸、オリゴ糖、蛋白質およびモノクローナル抗体を含む。
また、本発明では、ポリペプチド/蛋白質アレイおよびマイクロアレイが考えられる。ある具体例においては、そのようなアレイは、本明細書中に開示された組の成分に特異的な抗体、アプタマー、他の同族結合リガンド等のようなプローブを含む。例えば、そのようなプローブは、表1ないし32、36ないし45および47ないし79または添付の配列表に記載された核酸またはポリペプチド配列に対して特異的である。そのようなアレイ、およびそれを構築する方法は当該分野で良く知られている。例えば、米国特許公開番号20060035277;20060166227;20050260653;20040199945;20030044320;20020102605;および米国特許第6,777,239号;第6,696,620号;第6689,568号;第6,448,387号;および第5,081,584号。
本発明との関係で有用な蛋白質マイクロアレイの1つのクラスは固定化された「捕獲抗体」を用いる。該ポリペプチドはアミノシランのように、処理された表面を持つガラスのような固体基板に結合し、あるいはビオチン−ストレプトアビジンコンジュゲーションを介して、固体基板に結合する。次いで、アレイを、時間、緩衝液成分、および認識特異性に依存する様式で捕獲抗体に結合する溶液含有プローブと共にインキュベートする。次いで、プローブを、もしそれらが従前に標識されているならば、直接的に可視化することができ、あるいは二次標識試薬、頻繁には、もう1つの抗体に結合させることができる。捕獲抗体に結合したプローブの量を可視化する手段は、利用する標識方法に依存するが、しばしば、標識の発光を励起し、検出するのに適切なフィルター組を用いるCCDイメージャーまたはレーザースキャナーによる。イメージャーは検出されたフォトンの量を電気シグナル(しばしば、8−ビットまたは16−ビットスケール)に変換し、次いで、ソフトウエアパッケージを用いてこれを分析することができる。
もう1つの具体例において、本発明は、基板上の区別される公知の領域に配置された複数のパッチを含む蛋白質コート基板も提供し、パッチの各々は異なる公知の配列を持つ固定化蛋白質を含み、およびパッチの各々は約50nmないし約500μm隣接するパッチから離れている。好ましい具体例において、蛋白質コート基板は9以上のパッチを含む。
蛋白質のアレイもまた本発明によって提供される。1つの具体例において、蛋白質アレイは機能性化表面パッチのアレイに固定化された蛋白質のマイクロメートルスケールの二次元パターンを含む。
1つの具体例において、蛋白質のアレイは、基板上の区別される公知の領域に配置された複数のパッチ、好ましくは9以上のパッチを含み、パッチの各々は異なる公知の配列を持つ固定化蛋白質を含み、パッチの各々は約50nmないし約500μm隣接するパッチから離れている。好ましい具体例において、パッチは約200nmないし約500μm隣接するパッチから離れている。
アレイのいくつかのバージョンにおいて、パッチの各々の直径は、パッチを分離する距離に比例する。したがって、各パッチの面積は約100nmないし約40,000μmであり得る。各パッチは、好ましくは、約1μmないし約10,000μmの面積を有する。
アレイの1つの具体例において、アレイは合計1cmの面積内に9以上のパッチを含む。アレイの好ましい具体例において、アレイは合計1cmの面積内に100以上のパッチを含む。もう1つの具体例において、アレイは合計1cmの面積内により多くのパッチを含む。
アレイの1つの具体例において、1つのパッチに固定化された蛋白質は、同一アレイの第二のパッチに固定化された蛋白質とは異なる。
本発明のアレイの別法具体例において、異なるパッチ上の蛋白質は同一である。
アレイの基板は有機または無機、または生物学的または非生物学的材料、あるいはこれらの材料のいずれかの組合せのいずれかであり得る。1つの具体例において、基板は透明または半透明である。パッチが存在する基板の表面の一部は、好ましくは、平坦かつ堅固または半堅固である。多数の材料が、本発明のアレイ具体例における基板として用いるのに適している。例えば、本発明のアレイの基板はケイ素、シリカ、水晶、ガラス、制御された孔のガラス、炭素、アルミナ、二酸化チタン、ゲルマニウム、窒化ケイ素、ゼロライトおよびヒ化ガリウムよりなる群から選択される材料を含むことができる。金、白金、アルミニウム、銅、チタン、およびそれらの合金のような多くの金属もアレイの基板のオプションである。加えて、多くのセラミックスおよびポリマーもまた基板として用いることもできる。基板として用いることができるポリマーは、限定されるものではないが以下の:ポリスチレン;ポリ(テトラ)フルオロエチレン;(ポリ)二フッ化ビニリデン;ポリカルボネート;ポリメチルメタクリレート;ポリビニルエチレン;ポリエチレンイミン;ポリ(エーテルエーテル)ケトン;ポリオキシメチレン(POM);ポリビニルフェノール;ポリラクチド;ポリメタクリルイミド(PMI);ポリアルケンスルホン(PAS);ポリヒドロキシエチルメタクリレート;ポリジメチルシロキサン;ポリアクリルアミド;ポリイミド;コブロックポリマー;およびEupergit(登録商標)を含む。フォトレジスト、重合されたラングミュアー−ブロジェットフィルム、およびLIGA構造もまた本発明において基板として役立ち得る。アレイのための好ましい基板はケイ素、シリカ、ガラスまたはポリマーを含む。
本発明アレイの1つの具体例において、パッチは、さらに、基材の表面上の単層を含み、パッチの蛋白質は単層上に不動化されている。単層は、好ましくは、自己集合性単層である。この単層は、所望により、式X−R−Yの分子を含み、Rはスペーサーであり、XはRを表面に結合させる官能基であ、Yは単層へ蛋白質を結合させるための官能基である。
種々の化学的部分は、本発明のアレイにおける単層として機能し得る。しかしながら、単層形成の3つの主なクラス;(i)(例えば、米国特許第5,405,766号、PCT公開WO96/38,726、米国特許第5,412,087号、および米国特許第5,688,642号に教示されている)ヒドロキシル化表面のアルキルシロキサン単層(「シラン」);(ii)(例えば、Allaraら,米国特許第4,690,715号;Bamdadら,米国特許第5,620,850号、Wagnerら,Biophysical Journal,1996,70:2052−2066に記載された)貴金属(好ましくは、Au(111))上のアルキルチオール/ジアルキルジスルフィド単層;および(iii)(例えば、Linfordら,J.Am.Chem.Soc.,1995,117:3145−3155,Wagnerら,Journal of structural Biology,1997,119:189−201,米国特許第5,429,708号に教示された)酸化物を有さない不動態化ケイ素上のアルキル単層形成は、高密度の生体反応性オメガ官能をアレイのパッチ上で露出するのに好ましくは用いられる。しかしながら、当業者であれば、多くの可能な部分を、主として、基板、コーティング、およびアフィニティータグの選択に応じて、X、R、および/またはY置換することができる。単層の多くの例は、Ulman, An Introduction to
Ultrathin Organic Films:From Langmuir−Blodgett to Self Assembly,Academic press(1991)に記載されている。
本発明のアレイは、所望により、さらに、基板そのパッチの単層の間にコーティングを含むことができる。このコーティングは、基板上で形成、または基板に適用することができる。基板は、物理蒸着法PVD)またはプラズマ増強化学蒸着法(PECVD)いずれかに基づく薄層技術を用いることによってコーティングで修飾することができる。別法として、プラズマ曝露を用いて、基板を直接的に活性化することができる。例えば、プラズマエッチング手法を用いて、ポリマー表面を酸化することができる(すなわち、ヒドロキシル、カルボン酸、アルデヒド等のような極性官能基を露出するためのポリエチレンまたはポリスチレン)。
コーティングは金属フイルムを含むことができる。可能な金属フイルムはアルミニウム、クロム、チタン、ニッケルステンレス鋼、亜鉛、鉛、鉄、マグネシウム、マンガン、カドミウム、タングステン、コバルトおよびその合金または酸化物を含む。好ましい具体例において、金属フイルムは貴金属フイルムである。コーティングで用いることができる貴金属は、限定されるものではないが、金、白金、銀、銅、およびパラジウムを含む。もう1つの具体例において、コーティングは金または金合金を含む。電子線蒸発を用いて、表面に金の薄いコーティングを供することができる。なおさらなる具体例において、金属フイルムは厚みが約50nmないし約500nmである。
別法具体例において、コーティングはケイ素、酸化ケイ素、窒化ケイ素、水素化ケイ素、インジウムスズオキサイド、酸化マグネシウム、アルミナ、ガラス、ヒドロキシル化表面、およびポリマーよりなる群から選択される組成物を含む。
本発明のアレイは、典型的には、アドレス可能なエレメントのコレクションを含む。そのようなエレメントは空間的にアドレス可能である(例えば、マイクロタイタープレート内に含有されたアレイ、あるいは各エレメントが区別されるXおよびY座標に存在する、平面表面にプリントされたアレイ)。別法として、エレメントはタグ、ビーズ、ナノ粒子または物理的特性に基づいてアドレス可能である。当業者に知られた方法に従い、マイクロアレイを調製することができる(例えば、米国特許第5,807,522;Robinsonら(2000)Nature Medicine 8:295−301;Robinsonら(2002)46:885−93参照)。本明細書中で用いるアレイとは、多数のアドレス可能なエレメントを備えたいずれかのバイオロジックアッセイをいう。1つの具体例において、アドレス可能なエレメントはポリペプチド(例えば、抗体またはその断片)または核酸プローブである。本明細書中で用いるように、エレメントとは、添付の配列表、および表1ないし32、36ないし45および47ないし79に記載されているように、器官特異的ポリペプチド、ポリペプチド断片またはそのようなポリペプチドをコードする転写体によって結合され得るいずれのプローブ(ポリペプチドまたは核酸ベース)もいう。分子は、限定されるものではないが、蛋白質、ポリペプチド、ペプチド、RNA、DNA、脂質、グリコシル化分子、炭水化物、リン酸化修飾を有するポリペプチド、およびシトルリン修飾を有するポリペプチド、アプタマー、酸化された分子、他の分子、および他の分子であり得る。
本明細書中に記載されたエレメントでは、アドレス性(addressibility)とは、エレメントの同定を可能とする、ロケーション、位置、タグ、切断可能なタグまたはマーカー、識別子、スペクトル特性、電気泳動特性、または他の物理的特性をいう。コーディングとしても知られたアドレス性の1つの例は、空間的アドレス性であり、分子の位置は固定されており、その位置はその正体(identity)に関連する。このタイプの空間的アレイは、一般には、平面基板上で合成され、またはスポットされ、例えば、マイクロアレイを生じ、非常に多数の異なる分子が小さな領域に密に置かれており、例えば、cm当たり少なくとも約400の異なる配列を含み、cm当たり1000の配列であり得、あるいはcm当たり5000配列以上と多くてもよい。プレート中のウェルが、各々、区別されるプローブを含有するELISAまたはRIAプレートで見出すことができるように、より密でないアレイはプレート当たり約96配列から、cm当たり約100配列まで、マイクロアレイの密度まで含むことができる。他の空間的アレイはファイバーオプティックスを利用し、そこでは、区別されるプローブはファイバーに結合され、それは、次いで、結合および分析のための束形成することができる。ポリペプチドの空間的アレイの製造および使用方法は当該分野で知られている。最近の論文は、プローブの一連の希釈を含有するマイクロアレイベースのイムノアッセイを記載するJoosら(2000)Electrophoresis 21(13):2641−50;商業的インク−ジェットプリンターを適合させることによって得られ、かつセルロース紙上の蛋白質を含有するスポットの一次元および二次元のアレイを製造するのに用いられるシステムを記載するRodaら(2000)Biotechniques 28(3):492−6;および蛋白質−蛋白質、蛋白質−DNA、蛋白質−RNAおよび蛋白質−リガンド相互作用の定量的検出用のユニバーサル蛋白質アレイシステムを記載するGe(2000)Nucleic Acids Res 28(2):e3を含む。また、Mendozaら(1999)“High−throughput microarray−based enzyme−linked immunosorbent assay(ELISA)”Biotechniques 27:778−780;およびLuekingら(1999)“Protein microarrays for gene expression and antibody screening”Anal.Biochem.270:03−111参照。
空間的コーディングアレイのこのタイプに対する代替法は、分子「タグ」の使用であり、ここでは、標的プローブが検出可能な標識、またはタグに付着されており、プローブの配列に関するコーディングされた情報を提供する。ある場合においては、これらのタグはエレメントから切り出し、引き続いて、検出して、エレメントを同定することができる。もう1つの具体例において、プローブの組を合成し、コーディングされたビーズの組に付着させても良く、各ビーは別個のプローブに連結され、ビーズは、それ自身、付着されたプローブの同定を可能とするようにコーディングされる。フローサイトメトリーによる臨床的試料の分析用の多重化マイクロスフィアー組の使用は、国際特許出願番号97/14028;およびFultonら(1997)Clinical Chemistory 43:1749−1756に記載されている。また、(Robinsonら(2002)Arthritis Rheumatism 46:885−93にレビューされている)他のアドレス可能な粒子またはタグを用いるのも可能である。
プローブがビーズまたはマイクロスフィアーに結合されている「タグアレイ」のこのタイプにおいては、結合の検出のためにフローサイトメトリーを利用することができる。例えば、蛍光コーディングを有するマイクロスフィアーは当該分野において記載されており、そこでは、蛍光の色およびレベルは特定のマイクロスフィアーを一意的に同定する。プローブは、かくして、「色コーディング」物体に共有結合により付着されている。標識された標的ポリペプチドは、フローサイトメトリー、および結合されたプローブ(例えば、免疫グロブリン、免疫グロブリンの抗原結合断片、またはリガンド)を同定するのに用いられるマイクロスフィアー上でのコーディングによって検出することができる。
アレイの1つの具体例は、免疫グロブリン(例えば、抗体またはその抗原結合断片)アレイである。免疫グロブリンアレイとは、本明細書中で用いるように、試料内に含有されたポリペプチドの同定を可能とするように配置された標的ポリペプチドに結合することができる別々の分子体の空間的に分離された組をいう。他の具体例において、アレイは蛋白質、ポリペプチド、ペプチド、RNA、DNA、脂質、グリコシル化分子、リン酸化修飾を有するポリペプチド、およびシトルリン修飾を有するポリペプチド、アプタマー、他の分子、および他の分子の1以上を含むことができ、分子の異なるクラスはアレイにおいて組み合わせることができる。
クリック化学試薬(Svensonら,Adv.Drug.Deliv.Rev.57(15):2106−2129,2005;Kolbら,Drug Discov.Today 8(24):1128−1137,2003)を用いる他の検出技術、またはナノストリング技術(Nanostring Technologies)によって利用され、かつ引用して援用する米国特許出願公開番号20030013091に記載されたもののようなフルオロフォア関連技術。手短に述べれば、この態様は、広く種々の標的分析物の検出、同定、および直接的定量のための特有な標識の多様な集団の使用において向けられる。1つの具体例において、本発明は、まず、ハイブリダイゼーションに十分な条件下で、混合物を複数の標的特異的核酸プローブと接触させることによって複合体混合物中の核酸分析物を検出することに向けられる。指示子と呼ばれる、これらの標的特異的核酸プローブは標的特異的領域、および1以上の特有な「ジーンディジット」配列を含有する領域を含有する。該ジーンディジットは、特有な標識を含有することができる相補的抗ジーンディジット配列によって特異的に結合され得る反復したコアエレメント配列よりなる。核酸分析物および指示子を含有する混合物を、次いで、指示子内のジーンディジットに一意的にハイブリダイズするのに十分な多様性を有する対応する複数の標識された抗ジーンディジットと接触させる。これは、混合物中の分析物と特有な標識を備えた指示子の間ハイブリダイズした複合体の特有な検出を可能とする。
また、本発明は、特有の標識を有するプローブの多様な集団を生じさせ、混合物をこれらのプローブと接触させ、次いで、混合物中の分析物へのプローブのハイブリダイゼーションに由来する複合体を検出することによって、混合物中の分析物を検出し、および定量するための本明細書中に開示された器官特異的配列を利用することも提供する。この技術は、正常および病気となった細胞における遺伝子の発現の同定および定量、ならびに新しい薬物および診断標的の発見における援助を含めた種々の方法において適用することができる。
このプロセスにおける最初の工程は、特有の標識を有する核酸プローブの多様な集団を生じさせることを含む。これは、各々が異なる指示子を有する、標的特異的核酸プローブの多様な集団を合成し;プローブの遺伝子ディジットに特異的に結合でき、かつ各々が特有の標識を有する抗ジーンディジットの集団を合成し;次いで、標的核酸プローブを抗ジーンディジットにハイブリダイズさせ、それにより、特有の標識を有するプローブの集団を生じさせることを含む。指示子は1つまたは数個のジーンディジットを含有できるので、本明細書中に記載された方法は複数の特有の標識を用いることができ、混合物中の分析物に結合するのに利用することができる。かくして、指示子の大きな集団を合成することができ、これは、混合物中の多数の分析物を標識するためのジーンディジットのいくつかの組合せを含有する。逆に、混合物中の1つの、または数個の分析物を標識するために、1つまたは数個のジーンディジットを含有する指示子を合成することができる。
従って、そのようなジーンディジットを用い、ハイブリダイゼーションに十分な条件下で、分析物の混合物を特有の標識を有するプローブの集団と接触させることによって、(組織試料、または全血のような生物学的試料由来試料からのポリペプチド、またはそれをコードする転写体のような核酸分析物のような)分析物を検出することができる。このハイブリダイゼーションに続き、分析物に結合した1以上の標的特異的プローブに由来するシグナルを測定し;該シグナルは分析物を一意的に同定する。
本発明は、標的特異的核酸が特有の標識に結合した核酸を含有する、特有の標識を有するプローブの多様な集団を提供する。加えて、本発明は、核酸の2つの付着した集団を含有する、特有の標識を有するプローブの多様な集団を提供し、核酸の1つの集団は30以上の標的特異的核酸プローブを含有し、および核酸の第二の集団は特有の標識によって結合された核酸を含有する。
標的特異的プローブは、標的分析物に選択的に結合する因子を意味することを意図する。この因子は、他の分子に対する検出可能な交差反応性をほとんどまたは全く示すことなく、優先的親和性でもって標的に結合する。
標的分析物は、核酸、蛋白質、または小分子薬物さえを含めたいずれのタイプのマクロ分子とすることもできる。例えば、標的は、例えば、オリゴヌクレオチドまたはPCR産物、またはロックされた核酸(LNA)またはペプチド核酸(PNA)のような非天然核酸を含めた、相補的核酸によって認識され、それによって特異的に結合される核酸であり得る。加えて、標的は、核酸によって結合されペプチドであり得る。例えば、転写因子のDNA結合ドメインは、特定の核酸配列に特異的に結合することができる。核酸によって結合され得るペプチドのもう1つの例は、アプタマーによって結合され得るペプチドである。アプタマーは、金属イオン、有機染料、薬物、アミノ酸、補因子、アミノグリコシド、抗生物質、ヌクレオチド塩基アナログ、ヌクレオチドおよびペプチドを含めた小分子標的に結合することができる三次元構造を有する核酸配列である(引用して援用する、Jayasena,S.D.,Clinical Chemistry 45:9,1628−1650,(1999))。さらに、標的は、もう1つのペプチドまたは抗体もしくは抗体断片によって結合されペプチドであり得る。結合ペプチドまたは抗体は、例えば、化学およびUV架橋剤を含めた公知の化学の使用によって核酸に連結することができる。加えて、ペプチドに特異的に結合するアプタマーの使用を介して、ペプチドを核酸に連結することができる。他の核酸は、アプタマーに直接的に付着させることができるか、あるいはハイブリダイゼーションの使用を介して付着させることができる。標的分子は、アプタマーまたはペプチドリガンド結合ドメインによって結合され得る小分子でさえあり得る。
本発明は、さらに、プローブの標的へのハイブリダイゼーションに十分な条件下で、各々が特有の標識に結合した、標的特異的プローブの集団と核酸分析物の混合物とを接触させ、分析物にハイブリダイズした標的特異的プローブの1以上から得られたシグナルを測定することによって、核酸分析物を検出する方法を提供し、シグナルは分析物を一意的に同定する。
核酸分析物は、例えば、RNA集団またはcDNAコピーの集団を含めた、いずれのタイプの核酸も含有することができる。本発明は、混合物中の各分析物についての少なくとも1つの標的特異的プローブを提供する。また、本発明は、特有の標識に結合した核酸を含有する標的特異的プローブを提供する。さらに、本発明は、核酸の2つの結びついた集団を提供し、核酸の1つの集団は複数の標的特異的核酸プローブを含有し、および核酸の第二の集団は特有の標識によって結合された核酸を含有する。標的特異的プローブが特有の標識に付着する場合、これは、標的分析物の一意的な同定を可能とする。
未知の転写体の同定
器官特異的転写体を同定するためには、得られた注釈付きの転写体を、種々の注釈付きのヒトゲノム配列データベース(例えば、HUPO、Genebank,the EMBLおよび日本データベース、および他の正常組織から生じ、編集されたデータベース)のような公のおよび/または私的な配列データベースに対して比較して、注目する器官において主として発現されるが、他の器官においては発現されない転写体を同定する。本明細書中の他の箇所で述べたように、注目する器官以外の器官におけるいくかの発現は、本発明の器官特異的蛋白質組または診断パネルにおける特定の転写体の使用を必ずしも排除しない。
ある具体例において、特定の転写体は、MPSSによって決定された転写体/100万の数が注目する器官において3コピー/100万以上であるが、調べた全ての他の器官において3コピー/100万未満である場合、器官特異的であると考えられ、好ましくは、5、10、15、20または25の器官が調べられる。もう1つの具体例において、転写体は、もしそれが注目する器官において標準的測定(例えば、マイクロアレイ分析、定量的リアルタイムRT−PCR、MPSS、SBS)を用いて検出可能なレベルで注目する器官において発現されるが、適当な陰性および陽性対照を用いて他の器官において検出可能に発現されないならば、当業者が精通しているように、器官特異的と考えられる。さらなる具体例において、器官特異的転写体は、1つの器官において99%発現され、残りの1%は調べられた1以上の他の器官で発現されるものである。(この関係で、調べた全ての器官にわたる合計発現は100%とされる)。ある具体例において、器官特異的転写体は1つの器官において約50%、60%、70%、80%、90%、95%ないし約99%で発現され、残りの1%ないし50%は調べた1以上の他の器官で発現される。本開示を読んだ当業者によって容易に認識されるように、ある具体例においては、器官特異的血液フィンガープリントは、もし特定の器官からの器官特異的蛋白質のいくらかの発現がもう1つの器官、またはさらに1を超える器官においてあるレベルで検出されるとしても、容易に識別できる。これは、フィンガープリントの1以上の個々のメンバーの発現レベルは、特定の器官に対して特有ではないかもしれないが、それにも拘わらず、フィンガープリント(例えば、多数の蛋白質のレベルの組合せ;多数のマーカーの発現レベルのパターン)それ自体が、特有であるからである。かくして、本発明は、単一マーカー、あるいは本明細書中に記載された種々の方法(例えば、抗体結合、質量分析等)のいずれか1以上を用いて同時に測定されたマーカーのパターン(例えば、フィンガープリント)に基づいて病気または疾患の存在または不存在、または病気の段階を決定することに関する。
ある具体例において、転写体の器官特異性は、実施例1または実施例9に概説されたアルゴリズムを用いて決定される。
さらなる具体例において、器官特異性は、当該分野で公知の免疫組織化学(IHC)および/または他の蛋白質測定技術(例えば、Han,D.K.ら,Nat Biotechnol,19:946−951,2001によって記載されたような同位体コード化アフィニティータグおよび質量分析)を用いて蛋白質レベルで確認できる。Z検定(Man,M.Z.ら,Bioinformatics,16:953−959,2000)または他の適当な統計学的検定を用いて、注目する器官からのライブラリーの間の遺伝子および蛋白質発現レベルの比較のためにP値を計算することができる。
当該分野で知られた、本明細書中に記載された種々の統計学的方法のいずれについても、器官特異性を評価し、本明細書中にさらに議論するように、血液の正常な対照試料正常から変化した血液試料の間で測定された特定の蛋白質のレベルの統計学的変化を規定するのに用いることができる。例示的な統計学的方法は、例えば、判別分析、分類分析、クラスター分析、偏差の分析(ANOVA)、回帰分析、回帰ツリー、決定ツリー、最近接アルゴリズム、主成分、因子分析、多次元スケーリングおよび次元低下の他の方法、尤度モデル、仮説検定、カーネル密度評価、および他の平滑化技術、交差検証、およびデータのオーバーフィッティングに対して保護するための他の方法、ブートストラップおよび他の統計学的再サンプリング技術、人工神経ネットワーク、マシーン学習、データマイニングおよびブースティングアルゴリズムを含めた人工知能、および事前確率分布を用いるベイジアン分析(例えば、米国特許出願番号第20020095259号参照)を含む。
データベースの間の転写体の比較は、当該分野で知られた種々のコンピュータ解析アルゴリズムを用いてなすことができる。そのように、比較のための配列の整列は、Smith and Waterman(1981)Add.APL.Math 2:482の局所的同一性アルゴリズムによって、Needleman and Wunsch(1970)J.Mol.Biol.48:443の同一性整列アルゴリズムによって、Pearson and Lipman(1988)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 85:2444の類似法についてのサーチによって、これらのアルゴリズムのコンピュータ化実行によって(GAP,BESTFIT,BLAST,FASTA,およびTFASTAWisconsin Genetics Software Package,Genetics Computer Group(GCG), 575 Science Dr.Madison,WI)によって、または視覚的検討によって行うことができる。当業者によって理解されるように、多くのアルゴリズムが入手可能であり、継続的に開発されつつある。適当なアルゴリズムはなされる比較に対する具体的必要性に基づいて選択することができる(また、例えば、J.A.Cuffら,Bioinformatics,16(2):111−116,2000;S.F.Altschul and B.W.Erickson.Bulletin of Mathematical Biology,48(5/6):603−616,1986;S.F.Altschul and B.W.Erickson.Bulletin of Mathematical Biology,48(5/6):633−660,1986;S.F.Altschulら,J.Mol.Bio.,215:403−410,1990;K.Bucka−Lassenら,BIOINFORMATICS,15(2):122−130,1999;K.M.Chaoら,Bulletin of Mathematical Biology,55(3):503−524,1993;W.M.Fitch and T.F.Smith.Proceedings of the National Academy of Sciences,80:1382−1386,1983;A.D.Gordon.Biometrika,60:197−200,1973;O.Gotoh.J Mol Biol,162:705−708,1982;O.Gotoh.Bulletin of Mathematical Biology,52(3):359−373,1990;X.Huang,ら,CABIOS,6:373−381,1990;X.Huang and W.Miller.Advances in Applied Mathematics,12:337−357,1991;J.D.Thompson,ら,Nucleic Acids Research,27(13):2682−2690,1999参
器官特異的蛋白質組は、局在を予測するための計算方法を用いてさらに特徴付けすることができる。1つの具体例において、RefSeqデータベース中の蛋白質配列を用いて、蛋白質の局在を予測する。プログラムの1つはTMHMM(server2.0,http://www.cbs.dtu.dk/services/TMHMM/)であり、これは蛋白質膜貫通ドメインを予測するための隠れMarkovモデルに適用され、最良のそのようなプログラムの1つであると考えられる。この関係で用いることができるもう1つのプログラムはSigalP(server3.0,http://www.cbs.dtu.dk/services/SigalP/)であり、これは古典的(N−末端リード)蛋白質についてのシグナルペプチド切断部位の存在および位置を予測するための人工神経ネットワークおよび隠れMarkovモデル双方に適用される。2つのプログラムの出力を合わせて、表33に概説したように蛋白質局在予測とすることができる。
シグナルペプチドを備えた蛋白質(古典的分泌蛋白質)を予測するのに用いることができる例示的な計算解析は、限定されるものではないが、Chenら,Mamm Genome,14:859−865,2003によって記載された基準を含む。ある具体例において、そのような分析は予測サーバー、例えば、The Center for Biological Sequence Analysis,Lyngby,Denmarkによって開発されたSignalP3.0サーバー、(http://www.cbs.dtu.dk/services/SIgnalP−3.0;また、J.D.Bendtsen,ら,J.Mol.Biol.,340:783−795,2004参照)およびTMHMM2.0サーバー(例えば、A.Kroah,ら,Journal of Molecular Biology,305(3):567−580,January 2001;E.L.L.Sonnhammer,ら,In J.Glasgow,T.Littlejohn,F.Major,R.Lathrop,D.Sankoff,and C.Sensen,editors,Proceedings of the Sixth International Conference on Intelligent Systems for Molecular Biology,pages 175−182,Menlo Park,CA,1998.AAAI Press参照)を用いて行われる。本発明の関係で用いることができる他の予測は、例えば、S.Moller,M.D.R.ら,Bioinformatics,17(7)646−653,July 2001に記載されたものを含む。(シグナルペプチドが無い)非古典的分泌蛋白質は、例えば、オッズ比率スコア>3.0にて、SecretomeP 1.0サーバー(http://www.cbs.dtu.dk/services/SecretomeP−1.0)を用いて予測することができる。当該分野で知られた他の方法もまたここでは考えられる(例えば、PSORT(http://www.psort.nibb.ac.jp/)およびSigfind(http://139.91.72.10/sigfind/sigfind.html)も考えられる
当業者によって認識されるように、そのレベルが所与の正常なまたは病気関連フィンガープリントをなす器官特異的蛋白質は単離される必要はないが、ある具体例においては、(例えば、抗体生産のために、または本明細書中に記載された他の検出試薬を開発するために)そのような蛋白質を単離するのが望ましいであろう。そのように、本発明は単離された器官特異的蛋白質またはその断片またはその部分、およびそのような蛋白質をコードするポリヌクレオチドを提供する。本明細書中で用いるように、用語蛋白質およびポリペプチドは相互交換可能に用いられる。例示的な器官特異的蛋白質は、添付の配列表に記載されたアミノ酸配列で提供されたものを含む。用語ポリペプチドおよび蛋白質は、全長内因性(すなわち、天然)蛋白質、および本明細書中に記載された内因性ポリペプチドの変種を含めた、いずれの長さのアミノ酸鎖も含む。変種は、変種病気特異的発現パターンが有意に改変されず、またはポリペプチドを本明細書中に記載された器官特異的蛋白質の診断/検出で有用なままとするよう、置換、欠失および/または他の修飾においてのみ本発明のポリペプチドから配列が異なるポリペプチドである。例えば、本発明のポリペプチドに対する修飾は、実験室において、発現および/または精製を容易とし、および/または適当な抗体および他の検出因子生成のための免疫原性を改良するためになすことができる。器官特異的蛋白質の修飾された変種(例えば、化学的修飾)は(例えば、血液等中の対応する蛋白質の質量分析の分析標準として)ここでは有用であろう。そのように、ある具体例において、変種蛋白質の生物学的機能は、本明細書中で記載された検出および/または診断のための方法における有用性関連しない。本発明に一般的に含まれるポリペプチド変種は、典型的には、本明細書中に記載されたポリペプチド配列に対して、その長さに従って、少なくとも約70%、75%、80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%以上の同一性を呈するであろう。ポリペプチド変種内で、アミノ酸置換は、通常、天然ポリペプチド中のアミノ酸残基の50%以下でなされ、ある具体例においては、アミノ酸残基の25%以下でなされる。ある具体例においては、そのような置換は保存的である。保存的置換はアミノ酸で、同様な特性を有するもう1つのアミノ酸置換たものであり、そのため、ペプチド化学の当業者は、ポリペプチドの二次構造およびハイドロパシック(hydropathic)性質が実質的に変化されないと予測する。一般に、以下のアミノ酸が保存的変化を表す:(1)ala,pro,gly,glu,asp,gln,asn,ser,thr;(2)cys,ser,tyr,thr;(3)val,ile,leu,met,ala,phe;(4)lys,arg,his;および(5)phe,tyr,trp,his。かくして、変種は、本明細書中で供された天然ポリペプチド配列の一部のみを含むことができる。加えて、または別法として、変種は、通常、アミノおよび/またはカルボキシ末端において(例えば、リンカー、タグおよび/またはリガンドのような)さらなるアミノ酸配列を含有してもよい。そのような配列を用いて、例えば、ポリペプチドの精製、検出、または細胞摂取を容易とすることができる。
ポリペプチド配列を比較する場合、もし2つの配列中のアミノ酸の配列が、後に記載するように、最大対応にて整列させた場合に同一であれば、2つの配列は同一であるといわれる。2つの配列の間の比較は、典型的には、比較ウインドウにわたって配列を比較して、配列同様性の局所領域を同定し、それを比較することによってなされる。本明細書中で用いる比較ウインドウとは、少なくとも約20連続位置、通常30ないし75、40ないし約50のセグメントをいい、配列は、2つの配列が最適に整列された後に、同一数の連続位置の参照配列と比較することができる。
比較のための配列の最適整列は、デフォルトパラメーターを用いるバイオインフォマティックスソフトウェア(DNASTAR,Inc.Madison,WI)のLasergeneスイートにおけるMegalignプログラムを用いて行うことができる。このプログラムは、以下の文献:Dayhoff,M.O.(1978)A model of evolutionary change in proteins Matrices for detecting distant relationships.In Dayhoff,M.O.(ed.)Atlas of Protein Sequence and Structure,National Biomedical Research Foundation,Washington DC Vol.5,Suppl.3,pp.345−358;Hein J.(1990)Unified Approach to Alignment and Phylogences pp.626−645 Methods in Enzymology vol.183,Academic Press Inc.,San Diego,CA;Higgins,D.G.and Sharp,P.M.(1989)CABIOS 5:151−153;Myers,E.W.and Muller W.(1988)CABIOS 4:11−17;Robinson,E.D.(1971)Comb.Theor 11:105;Saitou,N.Nei,M.(1987)Mol.Biol.Evol.4:406−425;Sneath,P.H.A.and Sokai,R.R.(1973)Numerical Taxonomy the Principles and Practice of Numerical Taxonomy,Freeman Press,San Francisco,CA;Wilbur,W.J.and Lipman.D.J.(1983)Proc.Natl.Acad.,Sci.USA 80:726−730に記載されたいくつかの整列スキームを具体化する。
別法として、比較用の配列の最適整列は、Smith and Waterman(1981)Add.APL.Math 2:482の局所的同一性アルゴリズムによって、Needleman and Wunsch(1970)J.Mol.Biol.48:443の同一性整列アルゴリズムによって、Pearson and Lipman(1988)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 85:2444の類似法のためのサーチによって、これらのアルゴリズムのコンピュータ化実行によって(GAP,BESTFIT,BLAST,FASTA,およびTFASTAWisconsin Genetics Software Package,Genetics Computer Group(GCG),575 Science Dr.,Madison,WI)、または視覚的検討によって行うことができる。
パーセント配列同一性および配列同様性を決定するのに適したアルゴリズムの例示的な例は、各々、Altschulら(1977)Nucl.Acids Res.25:3389−3402およびAltschulら(1990)J.Mol.Biol.215:403−410に記載されたBLASTおよびBLAST 2.0アルゴリズムを含む。BLASTおよびBLAST 2.0は、例えば、本発明のポリヌクレオチドおよびポリペプチドについてのパーセント配列同一性を決定するのに用いることができる。BLAST分析を行うためのソフトウェアは、National Center for Biotechnology Informationを通じて公に入手可能である。
単離されたポリペプチドは、もともとの環境から取り出されたものである。例えば、天然に生じる蛋白質またはポリペプチドは、もしそれが天然系において共存する物質のいくつかまたは全てから分離されていれば、単離されている。ある具体例において、そのようなポリペプチドは精製されており、例えば、調製物中で蛋白質の重量の少なくとも約90%純粋、いくつかの具体例において、調製物中で蛋白質の重量の少なくとも約95%純粋および、さらなる具体例において、調製物中蛋白質の重量の少なくとも約99%純粋である。
本発明の1つの具体例において、ポリペプチドは器官特異的ポリペプチドを含む融合蛋白質を含む。本発明は、さらに、本明細書中にて記載された少なくとも1つのポリペプチドを含む融合蛋白質、ならびにそのような融合蛋白質をコードするポリヌクレオチドを提供する。該融合蛋白質は、本明細書中に記載された、多数のポリペプチドまたはその部分/変種を含み、さらに、ポリペプチド(複数を含む)の発現、精製、検出、および/または活性を容易とするための1以上のポリペプチドセグメントをさらに含むことができる。
ある具体例において、蛋白質および/またはポリヌクレオチド、および/または融合蛋白質は組成物、例えば、医薬組成物、ワクチン組成物、生理学上許容される担体または賦形剤を含む組成物の形態で供せられる。そのような組成物は中性緩衝化生理食塩水、リン酸緩衝化生理食塩水等のような緩衝液;グルコース、マンノース、スクロースまたはデキストラン、マンニトールのような炭水化物;蛋白質;ポリペプチドまたはグリシンのようなアミノ酸;抗酸化剤;EDTAまたはグルタチオンのようなキレート剤;アジュバント(例えば、水酸化アルミニウム);および保存剤を含むことができる。
ある具体例において、洗浄緩衝液とは、未結合物質を吸着剤表面から洗い流し、除去するのに用いることができる溶液をいう。洗浄緩衝液は、典型的には、特定の範囲内のpHに緩衝してもしなくてもよい塩、洗剤を含み、所望により、表面または複合体から偶発的に会合した物質を除去することにおいて有用な他の成分を含んでもよい。
ある具体例において、溶出緩衝液とは、結合部分と会合した分析物を解離させることができる溶液をいう。いくつかの状況において、溶出緩衝液は、サブユニットが複合体に会合した場合、サブユニットの間の相互作用を破壊することができる。洗浄緩衝液と同様、溶出緩衝液は洗剤、塩、有機溶媒を含み、別々に、あるいは混合物として用いてよい。典型的には、これらの後者の試薬は、洗浄緩衝液中におけるよりも溶出緩衝液中においてより高い濃度で存在し、このことは、溶出緩衝液を分子相互作用に対してより破壊的にする。分子相互作用を破壊するこの能力を「ストリンジェンシー」といい、溶出緩衝液は、洗浄緩衝液よりも大きなストリンジェンシーを有する。
一般に、本明細書中で記載された器官特異的ポリペプチドおよびそのようなポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは、当業者によく知られた種々の技術のいずれかを用いて調製することができる。例えば、器官特異的蛋白質をコードするポリヌクレオチドは、例えば、ポリメラーゼ鎖反応(PCR)またはハイブリダイゼーション技術を用いて適当なcDNAまたはゲノムライブラリーからの増幅によって調製することができる。ライブラリーは、一般には、Sambrookら,Molecular Cloning:A Laboratory Manual,Cold Spring Harbor Laboratories,Cold Spring Harbor,NY,1989に記載されたもののような、当業者によく知られた方法を用いて調製でき、スクリーニングすることができる。cDNAライブラリーは、本明細書中で記載された、種々の器官、組織、細胞のいずれかから調製することができる。使用できる他のライブラリーは、本開示を読んだ当業者に明らかであろう。増幅で用いるプライマーは、例えば、PRIMER3プログラム(ウェブサイト:http://www’genome.wi.mit.edu/cgi’bin/primer/primer3 www.cgi参照)のようなプログラムを用い、本明細書中で提供された器官特異的ポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列に基づいて容易に設計することができる。
本明細書中に記載された器官特異的ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドもまた本発明によって提供される。本発明のポリヌクレオチドは、器官特異的蛋白質をコードする天然配列(すなわち、内因性ポリヌクレオチド、例えば、本発明によって提供される天然または非人工的作製または天然に生じる遺伝子)、そのような配列の代替形態、またはその部分またはスプライス変種を含むことができ、あるいは種々のそのような配列の変種を含むことができる。ポリヌクレオチド変種は、該ポリヌクレオチドが器官特異的蛋白質の検出のため等に、本明細書中に記載された方法で有用なポリペプチドをコードするように、1以上の置換、付加、欠失および/または挿入を含有することができる(例えば、該ポリヌクレオチド変種は、器官特異的蛋白質に特異的に結合する本明細書中に記載された検出試薬を生じさせるのに用いることができるポリペプチドをコードする)。ある具体例において、変種は、天然器官特異的ポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列、またはその代替形態または部分に対して、少なくとも約70%同一性を呈し、および他の具体例において、少なくとも約80%、85%、86%、87%、88%、89%同一性、なおさらなる具体例において、少なくとも約90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%同一性を呈する。本発明の例示的なポリヌクレオチドは、添付した配列表に記載されたポリヌクレオチドを含む。パーセント同一性は、当業者によく知られ、本明細書中に記載されたコンピュータアルゴリズムを用いて配列を比較することによって容易に決定することができる。
本明細書中で用いるポリヌクレオチドは、一本鎖(コーディングまたはアンチセンス)、または二本鎖であってよく、DNA(ゲノム、cDNAまたは合成)またはRNA分子であってよい。かくして、本発明の文脈内で、ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドはまた、遺伝子であってもよい。遺伝子は、ポリペプチド鎖の生産に関与するDNAのセグメントであり;それはコーディング領域に先行するおよびその後の領域(リーダーおよびトレーラー)ならびに個々のコーディングセグメント(エクソン)の間の介入配列(イントロン)を含む。さらなるコーディングまたは非コーディング配列は、その必要はないが、本発明のポリヌクレオチド内に存在してもよく、ポリヌクレオチドは、その必要はないが、他の分子および/または支持体物質に連結されてよい。単離されたポリヌクレオチドは、本明細書中で用いるように、ポリヌクレオチドが他のコーディング配列から実質的に離れていること、およびDNA分子が、大きな染色体断片または他の機能的遺伝子、またはポリペプチドコーディング領域のような無関係コーディングDNAの大きな部分を含有しないことをいう。もちろん、これは、もともとの単離されたDNA分子をいい、当業者に知られた組換え技術を用いてセグメントに後に付加された遺伝子またはコーディング領域を排除しない。本明細書中に記載されたポリヌクレオチドに相補的な、または本明細書中に記載されたポリヌクレオチドに相補的な配列に対して実質的同一性を有するポリヌクレオチドは、やはり本発明の範囲内にある。実質的同一性とは、本明細書中で用いるように、本明細書中に記載された天然器官特異的ポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列に対して少なくとも約70%同一性、ある具体例においては、少なくとも約80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%同一性を呈するポリヌクレオチドをいう。実質的同一性は、ストリンジェントな条件下で、器官特異的蛋白質をコードするポリヌクレオチドに相補的なポリヌクレオチドにハイブリダイズすることができるポリヌクレオチドもいうことができる。適当なハイブリダイゼーション条件は、5×SSC,0.5%SDS,1.0mM EDTA(pH8.0)の溶液中でのプレ洗浄;一晩の50ないし65℃、5×SSCでのハイブリダイジング;続いての、0.1%SDSを含有する、2×、0.5×および0.2×SSCの各々での20分間の65℃における2回の洗浄を含む。コード縮重のため、前記した配列のいずれかによってコードされるポリペプチドをコードするヌクレオチド配列もまた本発明によって含まれる。最後に、RNAならびにそれに由来するcDNA、ならびにコーディングおよび非コーディングストランドもまた、蛋白質またはそれに対する抗体の代わりに、本明細書中に記載された方法において、またはパネルとしてやはり利用できることが、当業者には理解されるであろう。
正常血清器官特異的蛋白質組
正常血清器官特異的蛋白質組は、正常血清において検出される器官特異的蛋白質組からの蛋白質のサブセットを含む。正常血清に見出される所与の器官特異的蛋白質組からの器官特異的蛋白質の同定は、当該分野で知られた種々の方法を用いて行うことができる。例えば、該蛋白質に特異的な抗体を用いて、種々のイムノアフィニティーベースの技術(例えば、イムノブロット、ウェスタン分析、免疫沈降、ELISA)によって、血液/血清/血漿または組織試料/バイオプシーにおける蛋白質の存在を測定することができる。本明細書中に記載された蛋白質に特異的な抗体は、当業者に知られた多数の供給源のいずれかを介して商業的に入手可能であり得、あるいは当該分野で知られ本明細書中に記載された技術を用いて作製することができる(例えば、Harlow and Lane,Antibodies:A laboratory Manual,Cold Spring Harbor Laboratory,1988参照)。
代替法として、アプタマー(注目する蛋白質に対する結合相補性を備えた短いDNAまたはRNA断片)を、抗体について記載されたのと同様なアッセイで用いてもよい(例えば、Biotechniques.2001 Feb;30(2):290−2,294−5;Clinical Chemistry.1999;45:1628−1650参照)。この点に関し、アプタマーは特異的結合特性につき選択することができ、当業者に知られ、本明細書中に記載された種々の適切な結合アッセイにおいて抗体同様の様式で用いることができる。加えて、抗体またはアプタマーはナノワイヤーと組合せて用いて、高感な検出系を作り出すことができる(例えば、J.Heathら,Science.2004 Dec 17;306(5704):2055−6参照)。さらなる具体例において、質量分析ベースの方法を用いて、血液中の特定の蛋白質の存在を確認することができる。
種々の質量分析を、血液中の器官特異的蛋白質を同定し、および/または定量するために本発明の方法で使用することができる。高い質量精度、高い感度および高い分解能を持つ質量アナライザーは、限定されるものではないが、イオントラップ、三重四極、および時間飛行、四極時間飛行質量分析計およびフーリエ変換イオンサイクロトン質量アナライザー(FT−ICR−MS)を含む。質量スペクトロメーターは、典型的には、マトリックス援助レーザー脱着(MALDI)および電子スプレイイオン化(ESI)イオン源が備えられるが、ペプチドイオン化の他の方法を用いることもできる。イオントラップMSにおいて、分析物はESIまたはMALDIによってイオン化され、次いで、イオントラップに入れられる。次いで、捕獲されたイオンはイオントラップからの選択的放出に際してMSによって別々に分析することができる。器官特異的蛋白質は、例えば、MALDI−TOFまたはESI−TOF系を備えた単一段階マススペクトロメトリーによって分析することができる。マススペクトロメトリー分析の方法は当業者によってよく知られている(例えば、Yates,J.Mass Spect.(1998)33:1−19;Kinter and Sherman,Protein Sequencing and Identification Using Tandem Mass Spectrometry,John Wiley & Sons,New York(2000);Aebersold and Goodlett,Chem.Rev.(2001)101:269−295;Banez et al,Curr Opin Urol(2005)15:151−156参照)。高分解能蛋白質分離では、分離方法としてキャピラリ逆相クロマトグラフィを利用する液体クロマトグラフィESI−MS/MSまたは自動LC−MS/MSを用いることができる(Yatesら,Methods Mol.Biol.(1999)112:553−569)。
もう1つの具体例において、器官特異的蛋白質はELISA、ウェスタンブロットおよびラジオイムノアッセイのような免疫親和性ベースのアッセイによって検出し、分析することができる。この関係で有用な他の方法は同位体コード化アフィニティータグ(ICAT)、続いての多次元クロマトグラフィおよびMS/MSを含む。血液の分析のための本明細書中に記載された手法を、ミクロ流体およびナノテクノロジー利用のために修飾し、適合させて、診断手法を小型化し、平行化し、一体化し、自動化することができる(例えば、L.Hood,ら,Science(2004)306:640−643;R.H.Carlson,ら,,Phys.Rev.Lett.(1997)79:2149;A.Y.Fu,ら,Anal.Chem.(2002)74:2451;J.W.Honk,ら,Nature Biotechnol.(2004)22:435;A.G.Hadd,ら,Anal.Chem.(1997)69:3407;I.Karube,ら,Ann.N.Y.Acad.Sci.(1995)750:101;L.C.Watersら,Anal.Chem.(1998)70:158;J.Fitzら,Science(2000)288,316参照)。
血液中の器官特異的蛋白質のレベルもまた、核酸ベースのまたはポリペプチド/ペプチドベースのマイクロアレイのようないずれかの1以上の方法を用いて測定することもできる。
血液/血清/血漿から器官特異的蛋白質レベルを測定するための方法は、限定されるものではないが、ELISA、ウェスタンブロット、およびラジオイムノアッセイのような免疫親和性ベースのアッセイ、蛍光活性化セルソーティング(FACS)およびマススペクトロメトリーベースの方法(マトリックス援助レーザー脱着イオン化(MALDI)、MALDI−時間飛行(TOF)、タンデムMS(MS/MS)、電子スプレイイオン化(ESI)、表面増強レーザー脱着イオン化(SELDI)−TOF MS(Xiao,ら,Mol and Cell Endocrionology 230:95−106(2005)、液体クロマトグラフィ(LC)−MS/MS)を含む。プロテオミック分析で有用な他の方法には、2−Dディファレンスゲル電気動(DIGE)、および蛋白質アレイ(例えば、Unluら,Electrophoresis 18:2071(1997);Tongeら,Proteomics 1:377(2001);Macbeathら,Science 289:1760(2000);Walterら,Trends in Molecular Medicine 8:250(2002)参照)が含まれる。
1つの具体例において、測定される器官特異的蛋白質はグリコシル化されている。かくして、ある具体例において、本発明では、分析用の蛋白質を調製するための蛋白質糖捕獲方法の使用が考えられる。蛋白質グリコシル化は、非常に一般的な翻訳後修飾である。特に、N−結合グリコシル化は、細胞外環境に移動する蛋白質において共通する。これらは、原形質膜の細胞外側の蛋白質、分泌された蛋白質、および体液中に含有される蛋白質を含む。体液は、限定されるものではないが、脳脊髄液、血清、尿、乳房乳、唾液、膵液、腹膜、涙つぼ、生殖器、眼内、消化系、呼吸器系、胸膜、心臓周囲、リンパ系、尿、細胞内および細胞外液、および神経液を含む。このリストは例示目的であり、それは限定的なことを意味しない(Zhangら,Nat Biotechnol 6:660,(2003))。糖蛋白質は、米国特許出願第20040023306号に記載された方法を用いて種々の組織試料または血漿のいずれかから単離される。試料から糖ポリペプチドを単離し、糖ポリペプチドを断片に切断した後、固体支持体から放出された糖ペプチド断片、および放出された糖ペプチド断片を同定し、および/または定量する。放出された糖ペプチド断片の分析のための特に有用な方法は質量分析である。高分解能ポリペプチド断片分離のためには、分離方法としてキャピラリ逆相クロマトグラフィを利用する液体クロマトグラフィESI−MS/MSまたは自動LC−MS/MSを用いることができる(Yatesら,Methods Mol.Biol.112:553−569(1999))。ダイナミックエクスクルージョン(dynamic exclusion)を伴うデータ依存性衝突−誘導解離(CID)もまた質量分析方法として用いることもできる(Goodlett,ら,Anal.Chem.72:1112−1118(2000))。一旦ペプチドがMS/MSによって分析されたならば、得られたCIDスペクトルを単離された糖ペプチドの同一性の決定のためにデータベースと比較することができる。単一ペプチドを用いる蛋白質同定のための方法は、従前に記載されている(Aebersold and Goodlett,Chem.Rev.101:269−295(2001);Yates,J.Mass Spec.33:1−19(1998))。
1つの具体例において、正常な健康な血液試料は健康な対象から収集し、血液に存在する蛋白質を、例えば、質量分析を用いて同定し、このようにして同定された蛋白質を、当該分野で容易に知られた種々の計算方法のいずれかを用いて表1ないし32、36ないし45および47ないし79に供された器官特異的蛋白質と比較する。
正常な血清器官特異的蛋白質は、一般に、認められた技術を用いて対象から収集された血液の試料から同定される。1つの具体例において、血液試料は真空血清セパレーター試験管中収集される。もう1つの具体例において、血液は、いずれかの抗凝固剤を含有する血液収集試験管中に収集することができる。例示的な抗凝固剤はエチレンジアミンテトラ酢酸(EDTA)およびリチウムヘパリンを含む。しかしながら、血液試料または他の体液または生物学的/組織試料収集および蓄積のいずれかの方法がここでは考えられる。特に、血液は指、足、静脈ライン、およびポータブルカテーテルラインを含めたいずれかのポータル(portal)によって収集することができる。1つの具体例において、血液を遠心分離し、赤血球から分離される血清層を分析のために収集する。もう1つの具体例において、全血または血漿を分析で用いる。
ある具体例において、正常な血液試料は、FDAに認可された臨床供給源からの全血提供から回収されたヒト血清から得られる。この具体例において、正常な健康なドナーヘマトクリットは38%55%の範囲の間であり、ドナーの体重は110ポンドを超え、ドナーの年齢は18歳65歳の間であり、ドナーの血圧は90ないし180mmHg(収縮期)および50ないし100mmHg(拡張期)の範囲であり、ドナーの腕および一般的外観には針の、および危険な挙動を示すいずれの特徴も無い。ドナーの脈拍は50bpmないし100bpmの間とすべきであり、ドナーの体温は9799.5度の間とすべきである。ドナーは、限定されるものではないが、胸疼痛、心臓病、結核を含めた肺病、癌、皮膚病、いずれかの血液病、または出血の問題、黄疸、肝臓病、肝炎または肝炎についてのテストでの性を含めた病気を有しない。ドナーは過去12ヶ月の間に肝炎に密に接触したことがなく、あるいはドナーは下垂体成長ホルモンを過去に受けたことがない。
ある具体例において、病気を有さない血液は以下の通りである:ドナーは先の8週間以内に献血をしておらず、ドナーは提供の日から1週間以内に頭痛を伴う発熱を有しておらず、ドナーは先の16週間以内にアフェレーシスマシーンを用いて赤血球の2倍単位を提供しておらず、ドナーは重症急性呼吸器系症候群(SARS)を伴う病気でなく、また、ドナーはSARSを持つ誰かと密接に接触したことがなく、また、ドナーは(SARS)被害地を訪問したことがない。ドナーはHIV/AIDSを持つ誰かと性的な接触をしたことがなく、またはHIV/AIDSウイルスについてテストで陽性を有したことがなく、梅毒または淋病を有していない。1977年から現在まで、ドナーは決して性的交渉に対して金銭、薬物または他の支払いを受けたことがなく、男性ドナーは決してもう1人の男性と性的接触をしたことがなく、ドナーはHIV/AIDSウイルスについてテストで陽性を有したことがなく、ドナーは医師によって処方されていない薬物、ステロイドまたは何かを注射するための針を用いたことがなく、ドナーは凝固因子濃縮物を用いたことがなく、ドナーはアフリカに生まれた、またはアフリカに住んでいる、またはアフリカに旅行したことがある誰かと性的接触をしたことがない。
かくして、本発明は、正常な血清器官特異的蛋白質組をなす成分の正常な血清中レベルを提供する。このレベルは、正常な健康な個体からの統計学的に多数の血液試料において測定された所与の成分のレベルの平均である。かくして、「所定の正常なレベル」は正常の統計学的範囲であり、本明細書中においては、「所定の正常範囲」ともいう。各成分についての血液中の正常なレベルまたはレベルの範囲は、正常な健康な個体からの十分な数の血液試料において、当該分野で知られた、本明細書中に記載された種々の技術のいずれかを用いて血液中の蛋白質のレベルを測定して、統計学的に意味のある精度でもって標準偏差(SD)を決定することによって決定される。
本開示を読んだ当業者によって認識されるように、器官特異的蛋白質組の特定の成分の正常な血清レベルを決定することにおいて、一般的な生物学的データが考えられ、例えば、性別、血液サンプリングの日時、空腹時または食事摂取後、年齢、人種、環境および/または多形を含めて比較する。生物学的データはまた、身長、成長速度、心血管状態、生殖状態(思春期前、思春期、思春期後、閉経前、閉経期閉経後、妊娠可能、不妊症)、体脂肪パーセンテージ及び体脂肪分布に関するデータを含むことができる。測定できる個体差のこのリストは例示的なものであって、さらなる生物学的データが考えられる。
かくして、正常な血清器官特異的蛋白質組をなす成分のレベルを決定する。正常な器官特異的血液フィンガープリントは、正常な血清器官特異的蛋白質組の1、2、3、4、5、6、7、8、9、10以上の成分の正常な健康な個体からの血液中の決定されたレベルを含むデータ組を含む。フィンガープリントに含まれた各成分についての血液中の正常レベルは、統計学的に意味がある精度でもって標準偏差(SD)を決定するのに十分な数の正常な健康な個体からの血液試料において、当該分野で知られ、本明細書中に記載された種々の技術のいずれかを用いて血液中の蛋白質のレベルを測定することによって決定される。かくして、当業者によって認識されるように、決定された正常レベルは、正常な健康な個体からの統計学的に多数の血液試料中で測定された蛋白質のレベルを平均し、それにより、正常の統計学的範囲を規定することによって定義される。正常な器官特異的血液フィンガープリントは、正常な血清器官特異的蛋白質組のNのメンバーの正常な健康な血液中の規定されたレベルを含み、Nは所与の正常な血清器官特異的蛋白質組におけるメンバーの合計数までの、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30以上のメンバーである。ある具体例において、正常な器官特異的血液フィンガープリントは、正常な血清器官特異的蛋白質組の少なくとも2つの成分の正常な健康な血液における決定されたレベルを含む。他の具体例において、正常な器官特異的血液フィンガープリントは、正常な血清器官特異的蛋白質組の少なくとも3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、または20成分の正常な健康な血液における決定されたレベルを含む。なおさらなる具体例において、正常な対照は、上記アッセイの時点で実行され、そのため、正常な試料およびテスト試料の存在のみが必要であ、従って、テスト試料正常な試料の間の特異的な差は本明細書中で提供されたパネルに基づいて示される
本開示を読んだ当業者によって理解されるように、血液中に見出される器官特異的蛋白質組からの蛋白質サブセットは、分泌された、係留された、膜貫通の、または他の/細胞内蛋白質であると予測される蛋白質を含むことができる。この点に関し、本明細書中で記載された種々の方法を、蛋白質局在を予測し、それを規定するのに用いることができる。当業者によって認識されるように、係留された、膜貫通のおよび細胞内の蛋白質は種々の理由で血液中に検出され得る。例えば、係留された蛋白質の付着結合は、酵素によって、またはプロテアーゼによって切断でき、それにより、係留された蛋白質として血液または生物学的液中で同定することができる。係留されたおよび膜貫通の器官特異的蛋白質もまた血液に放出され得る。さらに、細胞内に局在化されると予測される器官特異的蛋白質は血液中に漏れ出し、または排出され得る。本発明の特別な具体例において、パネルおよび検出方法は、無リーダー蛋白質(例えば、FGF−1、FGF−2、IL−1α、IL−1β、アルドースレダクターゼ、PD−ECGF、CNTF、プロサイモシンα、パラサイモシン、ガレクチン−1、第XIIIa因子、ATL−由来因子、アネキシン−1、トランスグルタミナーゼ、乳頭由来成長阻害剤、マクロファージ移動阻害因子(MIF)、HIV tat、ATPシンターゼ、アミノアシルtRNAシンテターゼ、EMAP、ロダナーゼ、チオレドキシン様蛋白質その他)のような、漏出され、排出され、または放出されるが、分泌シグナルの使用によって、または代替分泌方法によって正常には分泌されない器官特異的な分泌された蛋白質、またはその転写体、または成分からの成分を含み得、またはこれらのみを検出する成分を含むことができる。
ある具体例において、血液中の器官特異的蛋白質を検出する能力は感度または他の組織により妨害され得る。そのように、本発明では、種々の組織供給源および体液のいずれかからの器官特異的蛋白質の検出が考えられる。かくして、器官特異的蛋白質は正常なまたは病気の器官からのバイオプシー試料、あるいは限定されるものではないが、脳脊髄液、血清、尿、乳房乳、唾液、膵液、腹膜、涙つぼ、生殖器、眼内、消化系、呼吸器系、胸膜、心臓周囲、リンパ系、尿、細胞内および細胞外液、および神経液のようないずれかの体液から測定することができる。また、本発明では、当該分野で公知の、本明細書中に記載されたポリヌクレオチドベースの検出方法を用いる、これらの組織供給源のいずれかからの転写体レベルにおける器官特異的蛋白質の検出も考えられる。
診断/予後パネル
本明細書中で規定された正常な血清器官特異的蛋白質組および器官特異的蛋白質組をなす成分の所定の正常レベル(例えば、器官特異的蛋白質の所定の正常な血清中レベルのデータベース)を、正常状態のいずれかの乱れを決定することができるベースラインとして用いることができる。正常な生物学的状態の乱れは、患者からの器官特異的蛋白質のレベルを測定し、次いで、測定されたレベルを所定の正常レベルと比較することによって同定される。正常レベルから統計学的に有意に変化したいずれかのレベル(すなわち、所定の正常範囲外(超えるまたは未満の)の病気試料からのいずれかのレベル)は、正常の乱れおよび、かくして、病気の存在(または薬物または環境因子等の影響)を示す。このようにして、さらに、正常な血清器官特異的蛋白質の所定の正常レベルを用いて、病気関連血液フィンガープリントを同定し、規定する。そのような組またはパネルは、典型的には、器官特異的であるが、体液または組織試料中で見出すことができる蛋白質または核酸分子を含む。ある具体例において、本発明の方法、パネル、および組は、体液中で検出することができ、分泌され、漏出され、排出され、または放出される器官特異的蛋白質の集合的組または個々の組いずれかに向けられる。ある特別な具体例において、本発明は、分泌される(抗体およびそれに結合する断片を含めた)蛋白質の組、またはそれをコードする核酸分子、またはそれに結合する核酸プローブに向けられる。本明細書中で用いるように、パネルは、所与の器官についての本明細書に添付した表中の定義された配列の全組未満を含むことができる。例えば、当業者によって容易に認識され得るように、各器官の1つの転写体または蛋白質は、器官の健康を一般にモニターするのに十分であろう。しかしながら、必要なものではないが、成分(核酸またはポリペプチド)を標的化するプローブの数の増加は、特異性および感度をアッセイに加えるであろう。したがって、ある態様において、器官特異的成分についての器官組当たり少なくとも5つのプローブがパネルに存在し、他の態様においては、器官組当たり少なくとも10のプローブが存在し、なお他の態様においては、器官組当たり20、30、40、50以上のプロ−ブが存在し得る。ある具体例において、組当たりのプローブは1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、60、70、80、90、100、110またはその間のいずれかの整数の値を含むことができる。
かくして、本発明は、種々の診断状況において用いることができる血液中の器官特異的蛋白質のレベルを検出し、および測定するためのパネルを提供する。本明細書中において用い、かつ以下にさらに議論するように、「診断パネルまたは予後パネル」は、パネル、アレイ、混合物、および検出試薬、または器官特異的成分に特異的なプローブまたは対照(対照核酸またはポリペプチド配列は器官特異的組の成分であってもなくてもよい)、および任意の種々の関連した緩衝液、溶液、適当な陰性および陽性対照、指示書組等を含むことができるキットを含むことを意味する。「検出試薬」は、本明細書中で用いるように、テスト試料中の分子に直接的にまたは間接的に会合し、または結合するいずれの試薬もいうことを意味する。ある具体例において、検出試薬は、それに結合する二次的検出試薬を伴った、あるいはそれなしで抗体(またはその断片)、核酸プローブ、アプタマー、クリック試薬等を含むことができる。さらに、「パネル」は、器官特異的蛋白質に対する蛋白質、抗体またはその断片、器官特異的蛋白質をコードする核酸分子、器官特異的核酸配列にハイブリダイズする核酸プローブのパネル、アレイ、混合物、キット、または他の配置を含むことができる。さらに、パネルは1つの器官のみ、または2以上の器官に由来し得る。ある具体例において、心血管または中枢神経系のようなある種の系を含む器官は一緒グループすることができる。
本発明は、対象においていずれかの所与の時間に器官特異的血中蛋白質を検出するためのパネルを提供する。対象の例はヒト、サル、類人猿、イヌ、ネコ、マウス、ラット、魚類、ゼブラフィッシュ、鳥類、ウマ、ブタ、ウシ、ヒツジ、ヤギ、ニワトリ、アヒル、ロバ、シチメンチョウ、クジャク、チンチラー、フェレット、アレチネズミ、ウサギ、モルモット、ハムスター、およびそのトランスジェニック種を含む。本明細書で考えられるさらなる対象は、限定されるものではないが、爬虫類および両生類、例えば、トカゲ、ヘビ、カメ、カエル、ヒキガエル、サラマンダー、およびイモリおよびそのトランスジェニック種を含む。
パネルは、各々が蛋白質(または転写体)を特異的に検出する複数の(例えば、少なくとも2つの)検出試薬を含み、ほとんどの具体例においては、実質的に全ては器官特異的であるが、対照または他の目的として用いるための非器官特異的試薬を含むこともできる。ある態様において、パネルは、各々が器官特異的蛋白質の蛋白質(または転写体)を特異的に検出する検出試薬を含み、器官特異的蛋白質のレベルが一緒になって、フィンガープリントを規定する特有のパターンを形成する。ある具体例において、検出試薬は、パネルが、1を超える器官特異的蛋白質を特異的に検出することができる複数の二特異的検出試薬を含むように二特異的とすることができる。用語特異的は、この関係で、注目する蛋白質が特定の検出試薬によって検出されるが、他の蛋白質が実質的に検出されないことを意味する当業者によって容易に理解される当該分野の用語である。特異性は、適当な陽性および陰性対照を用い、かつ条件をルーチン的に最適化することによって決定することができる。
本発明の診断パネルは検出試薬を含み、各検出試薬は器官または組織の1つの蛋白質または転写体に対して特異的であるが、前記したように、特定の器官/組織特異的蛋白質または転写体に対して特異的でない、または特異的でないであろう対照を含むこともできる。ある具体例において、パネルの検出試薬は、各々、1つの器官特異的蛋白質組からの、または1を超える器官特異的蛋白質組からの器官特異的蛋白質に対して特異的とすることができる。例えば、特定の診断パネルは、表21に提供されたもののような、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、60、70、80、90、100以上の前立腺特異的蛋白質を検出する検出試薬を含んでもよく、あるいは診断パネルは、1以上の膀胱特異的蛋白質および1以上の腎臓特異的蛋白質を検出する検出試薬を含んでもよい。
特別な具体例において、前記したように、診断または予後パネルは、1以上の器官からの器官特異的蛋白質または転写体に結合する試薬(例えば、プローブ)を有するパネルを含んでもよい。この目的で、マイクロアレイのようなパネルは、その上に置かれた、本明細書中における方法によって同定された、および/または本明細書に供する表および配列表において明示的に引用された器官特異的蛋白質または転写体に特異的に結合する多数の蛋白質または核酸プローブを有することができると考えられる。さらに、そのようなアレイは、その上に置かれた、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20以上の器官に対して特異的なプローブを有してもよい。さらに、各器官は1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、60、70、80、90、100以上のプローブで表すことができる。さらに、単一のアレイは、生殖系(卵巣、子宮など)、心血管系(心臓、肺など)、呼吸器系、神経系、内分泌系、骨格系などのような特定の体の系に関連する器官を含んでもよい。最後に、ほとんどあらゆる器官からの1以上の器官/組織特異的蛋白質または転写体をスクリーニングする全般的健康パネルを利用することができ、もし異常が認められれば、異常な器官についてのさらなるプローブを含むより詳細なパネルで追跡スクリーニングすることが考えられる
ある具体例において、診断パネルは1以上の検出試薬を含む。もう1つの具体例において、本発明の診断パネルは2以上の検出試薬を含むことができる。かくして、本発明の診断パネルは複数の検出試薬を含むことができる。当業者によって認識されるように、所与のパネル上の検出試薬の数は、測定すべき器官特異的蛋白質の数から決定されるであろう。この点に関し、該複数の検出試薬は、各々が、器官特異的蛋白質に対して特異的である、2ないし10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、150、160、170、180、190、200以上の検出試薬からのいずれかであってよい。ある具体例において、パネルは、例えば、器官/組織/細胞型当たり10ないし50プローブ、およびプローブ30ないし50器官/組織以上を含んでもよい。従って、そのようなアレイ/パネルは2500以上のプローブを含むことができる。1つの具体例において、本発明のパネルは、各々が、所与のフィンガープリントをなす複数の器官特異的蛋白質の1つに対して特異的である、少なくとも3、4、5、6、7、8、9、または10の検出試薬を含む。もう1つの具体例において、パネルは、各々が、所与のフィンガープリントをなす複数の器官特異的蛋白質の1つに対して特異的である、少なくとも11、12、13、14、15、16、17、18、19、または20の検出試薬を含む。さらなる具体例において、パネルは、各々が、所与のフィンガープリントをなす複数の器官特異的蛋白質の1つに対して特異的である、少なくとも21、22、23、24、25、26、27、28、29、または30の検出試薬を含む。さらなる具体例において、パネルは、各々が、所与のフィンガープリントをなす複数の器官特異的蛋白質の1つに対して特異的である、少なくとも31、32、33、34、35、36、37、38、39、または40の検出試薬を含む。なおさらなる具体例において、パネルは、各々が、所与のフィンガープリントをなす複数の器官特異的蛋白質の1つに対して特異的である、少なくとも41、42、43、44、45、46、47、48、49、または50の検出試薬を含む。さらなる具体例において、パネルは、各々が、所与のフィンガープリントをなす複数の器官特異的蛋白質の1つに対して特異的な、少なくとも51、52、53、54、55、56、57、58、59、または60の検出試薬を含む。1つの具体例において、パネルは、各々が、所与のフィンガープリントをなす複数の器官特異的蛋白質の1つに対して特異的な、少なくとも61、62、63、64、65、66、67、68、69、または70の検出試薬を含む。1つの具体例において、パネルは、各々が、所与のフィンガープリントをなす複数の器官特異的蛋白質の1つに対して特異的な、少なくとも75、80、85、90、100、150、160、170、180、190、200以上の検出試薬を含む。
1つの態様において、器官/組織特異的転写体に対して特異的な検出試薬は、(a)薬物が投与された個体の集団における個体からの検体中の分子の試料の発現レベルを表す多次元座標点を決定し;次いで、(b)該多次元座標点を用いて該集団中の個体の群の薬物応答関連参照発現領域を決定し、それにより、個体の該を薬物応答参照集団に分類することを含む、薬物応答性によって集団を分類する方法のようなマルチパラメーター分析方法において利用することができる。従って、該方法は、個体からの検体中の分子の集団における分子の試料の発現レベルを、分子の試料の健康関連参照発現領域と比較することによって、個体における比較発現プロフィールを決定する手段を提供し、健康関連参照発現領域内の発現レベルは、参照発現プロフィールを示し、健康関連参照発現領域の外部の発現レベルは乱された発現プロフィールを示す。加えて、該方法は、個体からの検体中の分子の試料の発現レベルを、分子の試料の健康関連参照発現領域と比較することによって、個体における病気または健康状態を診断するのに用いることができる。加えて、試薬プローブは、薬物応答性によって集団を分類する方法で用いることができ、そのような方法は米国特許出願公開第20020095259号により詳細に記載されている。
本発明のパネルはNの検出試薬を含み、Nは、検出すべき所与の器官特異的蛋白質組におけるメンバーの合計数までの、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30以上の検出試薬である。前記したように、ある具体例において、2以上の器官特異的蛋白質組からの蛋白質を検出するのが望ましいであろう。従って、本発明の診断パネルはNの検出試薬を含むことができ、Nは、検出すべき1以上の器官特異的蛋白質組におけるメンバーの合計数までの、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30以上の検出試薬である。所与の診断パネルの検出試薬は、表1−32、36−45および47−79で提供されるもののような、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20以上の器官特異的蛋白質組、あるいはその正常な血清器官特異的蛋白質組からの蛋白質を検出することができる。
器官特異的蛋白質は、蛋白質レベルを測定するための種々の方法との関係で種々の検出試薬のいずれかを用いて検出し、測定することができる。本明細書中に記載された器官特異的蛋白質に特異的に結合し、またはそうでなければそれを検出することができるいずれの検出試薬も適当な検出試薬として考えられる。例示的な検出試薬は、限定されるものでないが、抗体、またはその抗原結合断片、酵母ScFv、DNAまたはRNAアプタマー、同位体標識ペプチド、受容体、リガンド、クリック試薬、分子ビーコン、量子ドット、ミクロ流体/ナノテクノロジー測定デバイスなどを含む。
1つの例示的な具体例において、検出試薬は抗体またはその抗原結合断片である。ポリクローナル抗体を生産する方法は当業者によく知られている。使用することができる例示的なプロトコルは、例えば、Coliganら,“Current Protocols In Immunology”(John Wiley & Sons,Inc,1991および引き続いての更新)に記載されている。モノクローナル抗体は、例えば、Kohler and Milstein(1975,Nature 256,495−497)によって記載された標準方法を用い、あるいは本発明の器官特異的蛋白質接種されている生産種に由来する不滅化脾臓または他の抗体生産細胞によ、例えば、Coliganら,(1991,上記)に記載されたそのより最近の修飾によって生産することができる。一般に、抗体は、本明細書中に記載されたモノクローナル抗体の生成を含めた細胞培養技術によって生産を可能とすることができ、あるいは適当な細菌または哺乳動物細胞宿主への抗体遺伝子のトランスフェクションを介して、組換え抗体の生産を可能とすることができる。1つの技術において、ポリペプチドを含む免疫原を、最初、広く種々の哺乳動物(例えば、マウス、ラット、ウサギ、ニワトリ、ヒツジ、またはヤギ)のいずれかに注射する。この工程において、本発明のポリペプチドは、修飾なくして免疫原として働くことができる。別法として、特に、比較的短いポリペプチドについては、もしポリペプチドがウシ血清アルブミンまたはキーホールリンペットヘモシアニンのような担体蛋白質に連結されれば、優れた免疫応答を惹起することができる。免疫原は、通常、1以上のブースター免疫化を組み込む所定のスケジュールに従って、動物宿主に注射され、動物は周期的に採血される。次いで、ポリペプチドに特異的なポリクローナル抗体を、例えば、適当な固体支持体に結合されたポリペプチドを用いアフィニティークロマトグラフィーによってそのような抗血清から精製することができる。
1つの具体例において、多数の標的蛋白質またはペプチドを単一の免疫応答で用いて、多数の有用な検出試薬を同時に作製する。1つの具体例において個々の特異性を後に分類する。
ある具体例において、抗体は(Vaughan,T.J.,ら,Nat Biotechnol,14:309−314,1996;およびKnappik,A.,ら,Mol Biol,296:57−86,2000に記載されているような)ファージディスプレイ法;(Hanes,J.,ら,Nat Biotechnol,18:1287−1292,2000に記載されているような)リボソームディスプレイ、またはE.coliにおけるペリプラズム発現(例えば、Chen,G.,ら,Nat Biotechnol,19:537−542,2001参照)によって作製することができる。さらなる具体例において、酵母表面ディスプレイライブラリーを用いて抗体を単離することができる。例えば、Feldhaus,M.J.,ら,Nat Biotechnol,21:163−170,2003によって構築された10ヒト抗体scFv断片の非免疫ライブラリー参照。ファージディスプレイ、リボソームディスプレイ、E.coliにおけるペリプラズム発現のようなより伝統的な大きな非免疫ヒト抗体レパートリーと比較した、この酵母表面ディスプレイのいくつかの利点がある。1)酵母ライブラリーはクローン多様性の測定可能な喪失なくして1010倍増幅することができ、発現としてのレパートリー偏りは厳重なGAL1/10プロモータの制御下にあり、増殖は非誘導条件下でなすことができ;2)ナノモラー−アフィニティーscFvは、磁性ビーズスクリーニングおよびフロー−サイトメトリーソーティングによってルーチン的に得ることができ、かくして、抗体スクリーニングのプロトコルおよび能力を大いに単純化し;3)平衡スクリーニングでもって、望まれる抗体の最小アフィニティー閾値を設定することができ;4)抗体の結合特異性を酵母表面で直接的に定量することができ;5)多数の抗原に対する同時での多重ライブラリースクリーニングが可能であり;および6)(例えば初期診断における)ピコモアフィニティーを要求する適用では、引き続いての迅速なアフィニティー成熟(Kieke,M.C.,ら,J Mol Biol,307:1305−1315,2001.)を、さらなる再クローニングおよび操作なくして酵母クローンで直接的に行うことができる。
注目する器官特異的ポリペプチドに対して特異的なモノクローナル抗体は、例えば、KohlerおよびMilstein、Eur.J.Immunol.6:511−519,1976の技術、およびその改良を用いて調製することができる。簡単に述べれば、これらの方法は、所望の特異性(すなわち、注目するポリペプチドに対する反応性)を有する抗体を生産することができる不滅細胞系の調製を含む。そのような細胞系は、前記したように免疫化された動物から得られた、例えば脾臓細胞から生産することができる。次いで、脾臓細胞を、例えば、ミエローマ細胞融合パートナー、ある具体例においては、免疫化動物と同系であるもの、との融合によって不滅化さる。種々の融合技術を使用することができる。例えば、脾臓細胞およびミエローマ細胞を非イオン性洗剤と数分間合わせ、次いで、ハイブリッド細胞の成長を支持するがミエローマ細胞の成長を支持しない選択培地上で低密度にて平板培養することができる。例示的な選択技術が、HAT(ヒポキサンチン、アミノプテリン、チミジン)選択を用いる。十分な時間、通常は約1ないし2週間の後に、ハイブリッドのコロニーが観察される。単一コロニーを選択し、それらの培養上清を、ポリペプチドに対する結合活性についてテストする。高い反応性および特異性を有するハイブリドーマが好ましい。
モノクローナル抗体を、成長するハイブリドーマコロニーの上清から単離することができる。加えて、ハイブリドーマ細胞系の、マウスのような適当な脊椎動物宿主の腹腔への注射のような、種々の技術を使用して収率を増強させることができる。次いで、モノクローナル抗体を腹水液または血液から収集することができる。クロマトグラフィー、ゲル濾過、沈殿、および抽出のような慣用的技術によって抗体から汚染物を除去することができる。本発明のポリペプチドは、例えばアフィニティークロマトグラフィー工程における精製プロセスで用いることができる。
抗体分子の免疫学的結合特性を呈することができる抗原結合部位を含む多数の診断的に有用な分子が当該分野で知られている。蛋白質分解酵素パパインは、IgG分子を選択的に切断して、いくつかの断片を生じさせ、そのうちの2つ(F(ab)断片)は、各々無傷抗原結合部位を含む共有結合ヘテロダイマーを含む。酵素ペプシンは、IgG分子を切断して、双方の抗原結合部位を含むF(ab”)断片を含めたいくつかの断片を供することができる。Fv断片は、IgMおよび、稀な場合には、IgGまたはIgA免疫グロブリン分子の選択的な蛋白質分解切断によって生じさせることができる。しかしながら、Fv断片は、より通常には、当該分野で公知の組換え技術を用いて誘導される。Fv断片は、天然抗体分子の抗原認識および結合能力の多くを保持する抗原結合部位を含めた非共有結合V::Vヘテロダイマーを含む。Inbarら(1972)Proc.Nat.Acad.Sci.USA 69:2659−2662;Hochmanら(1976)Biochem 15:2706−2710;およびEhrlichら(1980)Biochem 19:4091−4096。
単一鎖Fv(sFv)ポリペプチドはペプチドコーディングリンカーによって連結されたV−およびV−コーディング遺伝子を含めた遺伝子融合から発現される共有結合により連結されたV::Vヘテロダイマーである。Hustonら(1988)Proc.Nat.Acad.Sci.USA 85(16):5879−5883。抗体V領域からの、天然では集合しているが、化学的に分離された軽および重ポリペプチドを、抗原結合部位の構造に実質的に同様である3次元構造に折畳まれるsFv分子に変換することについて化学的構造を判別するために、多数の方法が記載されている。例えば、Hustonらに対する米国特許第5,091,513号および第5,132,405号;およびLadnerらに対する米国特許第4,946,778号参照。
前記した分子の各々は、重鎖CDR組および軽鎖CDR組を含み、それぞれは、重鎖FR組および軽鎖FR組の間に置かれ、重鎖FR組および軽鎖FR組は、CDRに対して支持を提供し、およびお互いに対するCDRの空間的関係を規定する。本明細書中で用いるように用語CDR組とは、重鎖または軽鎖V領域の3つの超可変領域をいう。重鎖または軽鎖のN−末端から進行し、これらの領域を、各々、CDR1、CDR2、およびCDR3と命名する。従って、抗原結合部位は、重鎖および軽鎖V領域の各々からCDR組を含む6つのCDRを含む。単一のCDR(例えば、CDR1、CDR2またはCDR3)を含むポリペプチドを本明細書中においては、分子認識ユニットという。多数の抗原抗体複合体の結晶学的分析は、CDRのアミノ酸残基が結合した抗原との広い接触を形成し、最も広い抗原接触は重鎖CDR3とであることを示した。かくして、分子認識ユニットは、主として抗原結合部位の特異性を担う。
本明細書中で用いるように、用語FR組とは、重鎖または軽鎖V領域のCDR組のCDRのフレームとなる(frame)4つのフランキングアミノ酸配列をいう。いくつかのFR残基は結合した抗原に接触することができ;しかしながら、FR、特に、CDRに直接的に隣接するFR残基は、主として、V領域を抗原結合部位に折畳むことを担う。FR内では、あるアミノ残基およびある構造的特徴は非常に高度に保存されている。この点に関して、全てのV領域配列は90アミノ酸残基程度の内部ジスルフィドループを含有する。V領域が結合部位に折畳まれる場合、CDRは、抗原結合表面を形成する突出ループモチーフとして表示される。一般には、正確なCDRアミノ酸配列にかかわらず、ある標準的構造へのCDRループの折畳まれた形状に影響する、FRの保存された構造領域があると認識されている。さらに、あるFR残基は、抗体の重鎖および軽鎖の相互作用を安定化させる非共有結合ドメイン間接触に参加することが知られている。
ある具体例において、器官/組織特異的蛋白質または転写体に対して特異的な1以上のプローブ/試薬を、検出標識、またはアレイまたは他の表面(例えばナノ粒子)に係留させるためのクリック化学(例えば、クリック試薬)の使用。そのような化学は当該分野で良く知られているが、簡単に述べると、利用される該化学は、水素結合および双極子相互作用を通じて、生物学的標的と容易に会合するトリアゾールの形成によるバイオコンジゲーションを可能とする。このような化学は、当該分野で詳細に記載されており(引用によりその全体を本明細書に援用する)、Kolb and Sharpless,DDT,Vol.8(24),1128−1137,2003;米国特許出願公開第20050222427号を含む。
本発明の検出試薬は、種々の検出可能な標識またはレポーター基のいずれかを含むことができる。本発明では、例えば、肉眼で検出できる標識、フルオロフォア、および放射性標識を含めたいずれのタイプの検出可能な標識の使用も考えられる。検出可能な標識は、共有結合によりまたは非共有結合により検出試薬内に取込まれ、または該試薬に付着させてもよい。検出可能な標識またはレポーター基は放射性基、染料、フルオロフォア、ビオチン、比色基質、酵素、コロイド状化合物を含むことができる。例示的な検出可能な標識またはレポーター基は、限定するものではないが、フルオレセイン、テトラメチルローダミン、テキサスレッド、クマリン、カルボニックアンヒドラーゼ、ウレアーゼ、ホースラディッシュペルオキシダーゼ、デヒドロゲナーゼおよび/またはコロイド状金または銀を含む。放射性基では、シンチレーションカウンティングまたはオートラジオグラフィー法が、検出のためには一般的に適切である。分光学的方法を用いて、染料、ルミネセント基および蛍光基を検出することができる。ビオチンは、異なるレポーター基(通常は、放射性または蛍光基または酵素)にカップリングされたアビジンを用いて検出することができる。酵素レポーター基は、(一般には特定の期間での)基質の付加と、それに続く反応生成物の分光学的または他の分析によって一般には検出することができる。
また、本発明では、本発明の器官特異的蛋白質をコードするポリヌクレオチドの検出も考えられる。従って、検出試薬は、種々の組織供給源のいずれかからの本明細書中に記載された器官特異的蛋白質のいずれかをコードするポリヌクレオチドを特異的に検出する、ポリヌクレオチド、オリゴヌクレオチドプライマー、およびプローブも含む。かくして、本発明では、例えば、PCR、RT−PCR、定量的PCR、リアルタイムPCR,ノーザンブロット分析等を含めた任意の種々の公知の技術を用いる、本明細書中に記載されている器官特異的蛋白質のいずれかをコードするポリヌクレオチドの検出による発現レベルの検出が考えられる。器官特異的蛋白質をコードするポリヌクレオチドを増幅するためのオリゴヌクレオチドオプライマーは本発明の範囲内にあり、ポリヌクレオチドベースの検出は、診断アッセイまたはキットにおいて器官特異的蛋白質をより良好に検出することが望まれる。器官特異的蛋白質をコードするポリヌクレオチドの増幅用のオリゴヌクレオチドプライマーはまた、生物学的試料中の転写体を増幅するための本発明の範囲内にある。PCR,RT−PCR、定量的リアルタイムPCR等のような多くの増幅方法が当該分野で知られている。用いるPCR条件は、増幅すべきオリゴヌクレオチドおよびポリヌクレオチドに依存して、温度、アニーリング時間、長回数およびサイクルの数の点で最適化することができる。そのような技術は当該分野で良く知られており、例えば、Mullisら,Cold Spring Harbor Symp.Quant.Biol.,51:263,1987;Erlich ed.,PCR Technology,Stockton Press,NY,1989に記載されている。オリゴヌクレオチドプライマーは、長さが8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、または30ヌクレオチドのいずれかであり得る。ある具体例において、本発明のオリゴヌクレオチドプライマー/プローブは、典型的には、長さが35、40、45、50、55、60以上のヌクレオチドである。
本発明のパネルは、付着された複数の検出試薬(各々は異なる位置に付着されている)を有する固相表面を含むことができる。さらにこの点に関して、固相表面は限定されるものではないが、プラスチック、ポリカルボネート、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリエチレン、ガラス、ニトロセルロース、デキストラン、ナイロン、金属、ケイ素、炭素ナノワイヤー、種々の材料およびフォトリソグラフィー材料から作製することができるナノ粒子を含めたいずれの材料のものであってもよい。ある具体例において、固相表面はチップである。もう1つの具体例においては、固相表面はマイクロタイタープレート、ビーズ、膜、ミクロ粒子、試験管または他の反応容器のような反応容器の内部表面を含むことができる。他の具体例において、ペプチドはサイズ分離、イオン交換または疎水性特性を用いる1以上の1次元カラムによって分画し、例えば、MALDI96または384ウエルプレートに沈積させ、次いで、適当なマススペクトロメーターに注入る。
1つの具体例において、パネルはアドレス可能なアレイである。そのように、アドレス可能なアレイはプラスチックチップのような固相表面上の正確な位置に付着された抗体、アプタマーまたはオリゴヌクレオチドのような複数の異なる検出試薬を含むことができる。表面での各異なる検出試薬の位置は公知であり、従って、アドレス可能である。1つの具体例において、検出試薬は、各々が複数の器官特異的ポリペプチドの1つに対して特異的な親和性を有する異なる抗体である。
1つの具体例において、抗体のような検出試薬は例えば、抗体のFcドメインを通じて、プラスチックチップのような固体表面に共有結合により連結される。もう1つの具体例において、抗体は固体表面に吸着される。さらなる具体例において、抗体のような検出試薬は固体表面に化学的にコンジュゲートする。さらなる具体例において、検出試薬はリンカーを介して固体表面に付着される。
抗体アレイを含めた蛋白質アレイを構築するための方法は、当該分野で知られている(例えば、米国特許第5,489,678号;米国特許第5,252,743号;Bawas and Reichert,1998,Biomaterials 19:595−609;Firestoneら,1996,J.Amer.Chem.Soc.18,9033−9041;Mooneyら,1996,Proc.Natl.Acad.Sci.93,12287−12291;Pirrungら,1996,Bioconjugate Chem.7,317−321;Gaoら,1995,Biosensors Bioelectron 10,317−328;Schenaら,1995,Science 270,467−470;Lomら,1993,J.Neurosci.Methods,385−397;Popeら,1993,Bioconjugate Chem.4,116−171;Schrammら,1992,Anal.Biochem.205,47−56;Gombotzら,1991,J.Biomed.Mater.Res.25,1547−1562;Alarieら,1990,Analy.Chim.Acta 229,169−176;Owakuら,1993,Sensors Actuators B,13−14,723−724;Bhatiaら,1989,Analy.Biochem.178,408−413;Linら,1988,IEEE Trans.Biomed.Engng.,35(6),466−471参照)。
1つの具体例において、抗体またはアプタマーのような検出試薬は、導電性ポリマーの電子的に活性化されたコポリマーおよび検出試薬を含むチップ上に配置する。そのようなアレイは当該分野で公知である(例えば、1998年11月17日に発行された米国特許第5,837,859号;1994年10月13日付のPCT公開 WO 94/22889参照)。アレイパターンはコンピューターにより生じさせ、保存することができる。チップは予め調製し、適切に保存することができる。抗体アレイチップは再生させ、反復して用いることができる。
ある具体例において、多数の特異的検出試薬での検出は溶液中で行われる。
本発明の検出試薬は診断キットで供することができる。そのような診断キットは、種々の適切な試薬または緩衝液、酵素、染料、比色または他の基質、および本明細書中に記載された種々の検出アッセイのいずれかで用いるべき適当な容器のいずれかを含むことができる。また、キットは1以上の陽性対照、1以上の陰性対照、および本明細書中に記載されたアッセイのいずれか1つを用いる注目する器官特異的蛋白質の同定用のプロトコルを含むこともできる。
ある具体例において診断パネルのための検出試薬は、器官特異的蛋白質が由来する器官または複数器官に影響する病気に罹った対象からの血液試料中の複数の検出試薬によって検出される少なくとも1つの器官特異的蛋白質のレベルが所定の正常範囲を超える、またはそれ未満であるように選択される。ある具体例においては、診断パネル用の検出試薬は、器官特異的蛋白質が由来する器官または複数器官に影響する病気に罹った対象からの生物学的試料(例えば、血液)中の複数の検出試薬によって検出される少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、60、70、80、90、100以上の器官特異的蛋白質のレベルが所定の正常範囲を超える、またはそれ未満であるように選択される。かくして、診断パネル、キット、またはアレイのための検出試薬は、器官特異的蛋白質が由来する器官または複数器官に影響する病気に罹った対象からの血液試料中の複数の検出試薬によって検出された器官特異的蛋白質の少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、60、70、80、90、100、110またはその間のいずれかの整数値、またはそれ以上のレベルが所定の正常範囲を超えるまたはそれ未満であるように選択することができる。
器官特異的蛋白質のレベルおよび位置は病気の結果として変化し得る。かくして、ある具体例においては、イン・ビボ−イメージング技術を用いて体液中の器官特異的蛋白質のレベルおよび位置を可視化することができる。この具体例において、例示的なイン・ビボイメージング技術は限定されるものではないが、PET,SPECT(Sharmaら;Journal of Magnetic Resonance Imaging(2002),16:336−351),MALDI(Stoeckli,らNature Medicine(2001)7:493−496)、および蛍光共鳴エネルギー移動(FRET)(Sekerら,The Journal of Cell Biology,160 5,(2003)629−633)を含む。
使用の方法
本発明は、器官特異的蛋白質および転写体の組、および正常血清器官特異的蛋白質および転写体組、およびそのパネル、それに対して向けられた試薬およびプローブ、およびそれを使用するため、およびそれを同定するための方法を提供する。本発明は、さらに、血液、他の体液および病気となった器官からのバイオプシー試料のような組織試料において、そのような器官特異的蛋白質またはそれをコードするポリヌクレオチドを検出するための検出試薬またはプローブを含むパネル、アレイ、混合物およびキットを提供する。
また、血液蛋白質および転写体フィンガープリントは正常な器官および器官の全ての病気についてのアッセイを構成することが理解されるべきである。かくして、そのような器官に影響する全ての異なる病気を直接的または間接的に検出し、またはモニターすることができる。なぜならば、病気の各異なるタイプは、蛋白質(その合成はネットワークが制御する)の異なる組合せのレベルを変化させる独特の病気で乱れたネットワークから生起するからである。本発明は、病気特異的蛋白質を主張するのではなく、むしろ、全ての異なる正常および病気器官の状態について器官状態を報告するフィンガープリントを主張する
本発明は、さらに、病気状態における転写体またはポリペプチドの特異的アップレギュレーションを検出することによって、病気または徴候のための新しい薬物標的を同定する方法を提供する。加えて、本発明では、病気特異的蛋白質または転写体に対するプローブが、標的化剤として単独で、またはもう1つの治療または診断イメージング剤にカップリングされて利用できるような、イメージングまたは薬物標的化のためのそのような標的の使用が考えられる。
また、本発明は、規定された正常なおよび病気関連器官特異的血液フィンガープリントも提供する。そのように、本発明は病気を検出し、または病気の進行を追跡する方法を提供する。本発明は、さらに、病気のタイプを分類し、および病気の進行をモニターする方法を提供する。また、本発明は、療法に対する応答を追跡し、種々の病気状況において療法または臨床試験のために患者を分類し、またはその適格性を判断すること、および適当なレポーター基および器官特異的抗体またはアプタマーによるナノ粒子の可視化を用いてヒトにおける病気状態を検出する方法を提供する。
本発明は標準スクリーニングテストとして用いることができる。この点に関して、本明細書に記載された器官特異的蛋白質に対して特異的な検出試薬の1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、60、70、80、90、100、110またはその間の整数値またはそれ以上を用いて、血液試料中の1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、60、70、80、90、100、110またはその間のいずれかの整数値、またはそれ以上の器官特異的蛋白質のレベルを測定することができ、正常血清器官特異的血液フィンガープリントからのいずれの統計学的に有意な偏差も病気関連乱れが存在することを示す。かくして、本発明はいずれかの所与の器官についての正常な器官特異的血液フィンガープリントを提供する。ある具体例において、正常な器官特異的血液フィンガープリントは、フィンガープリントの個々の蛋白質メンバーのレベルの正常な範囲を測定することによって決定される。標準偏差(正常範囲)の外側にある正常フィンガープリントのそれからのいずれの偏差、または乱れも診断的利用性を有する。(また、米国特許出願第0020095259号参照)。当業者によって認識されるようにフィンガープリントの個々の蛋白質メンバーのレベルにおけるいずれの偏差の有意性(例えば、その1以上の有意に変化したレベル)も当該分野で知られ、本明細書中に記載された統計学的方法を用いて決定することができる。本明細書中の他の箇所で述べたように、正常なフィンガープリントの乱れは、テストされる器官の原発性の病気、またはもう1つの器官の病気に由来するその器官に対する2次的な間接的影響を示すことができる。正常からの乱れは、器官特異的パネルに存在しない乱れた状態についてテストする患者の試料中の蛋白質の存在も含むことができ(例えば、前立腺などのある患者の試料を分析する場合、正常な前立腺パネルでは見い出されない蛋白質または転写体が、乱れた試料中に出現し得る)、それは病気のインジケーターであり得る。さらに、正常な器官特異的パネルで見出される蛋白質または転写体の不存在も乱れた状態のインジケーターでもあり得る。
さらなる具体例において、本発明を用いて、例えば、ヒトの種々の集団において異なる正常な器官特異的血液フィンガープリントを決定することができる。この点に関して、器官特異的血液フィンガープリントの異なる正常なパターンが、特定の治療レジメンに応答するであろうクラス、およびそうではないであろうクラスへ患者を分類することを可能とする患者集団における差を有することができる。
さらなる具体例において、本発明を用いて、特定の生物学的疾患が発生する危険性を決定することができる。特定の血液フィンガープリントの1以上のメンバーのレベルの統計学的に有意な変化(例えば、増加または減少)は、癌、自己免疫疾患、または他の生物学的疾患のような特定の病気を発生する危険性を示すことができる。
病気の進行をモニターし、または療法に対する応答をモニターするために、1以上の器官特異的血液フィンガープリントは、1つの時点において本明細書中に記載された方法のいずれかを用いて、本明細書中に記載されたように検出され/測定され、および引き続いての時点において再度検出され/測定され、それにより、病気の進行または療法に対する応答をモニターする。
本発明の正常な器官特異的血液フィンガープリントは種々の病気(またはその欠如)のいずれかを検出するためのベースラインとして用いることができる。ある具体例において、本発明の器官特異的血液フィンガープリントを用いて、癌を検出することができる。そのように、本発明を用いて脳癌、メラノーマ、非ホジキンリンパ種、ホジキン病、白血病、形質細胞腫、肉腫、アデノーマ、神経膠腫、胸腺腫、乳癌、前立腺癌、結直腸癌、腎臓癌、腎臓細胞癌腫、子宮癌、膵臓癌、食道癌、脳癌、肺癌、卵巣癌、頸部癌、精巣癌、胃癌、多発性ミエローマ、肝臓腫、急性リンパ白血病(ALL)、急性骨髄性白血病(AML)、慢性骨髄性白血病(CML)、および慢性リンパ系白血病(CLL)、または他の癌を含めたいずれかの癌を検出し、その進行をモニターし、そのための治療レジメンをモニターすることができる。加えて、白血球細胞癌については白血球細胞の分析のみを行い、かくして、特異的に分類された細胞からの器官特異的蛋白質または転写体直接的分析が達成されるように、細胞分類(ソーティング)を任意に行うことができる。さらに、慢性病のようないずれかの疾患ないし癌、ないし感染症は、器官特異的(または細胞タイプ特異的)分析によって明らかにされる特定の方法で血液免疫細胞を変化させることができるのは理解されるべきである。
ある具体例において、本発明の器官特異的血液フィンガープリントを用いて、心臓、腎臓、子宮、膀胱、尿道、肝臓、前立腺、心臓、血管、骨髄、骨格筋、平滑筋、脳の種々の特異的領域(限定されるものではないが、扁桃、尾状核、小脳、脳梁、胎児、視床下部、視床を含む)、脊髄、末梢神経、網膜、鼻、気管、肺、口、唾液腺、食道、胃、小腸、大腸、視床下部、下垂体、甲状腺、膵臓、副腎、卵巣、卵管、子宮、胎盤、膣、乳頭腺、精巣、精嚢、陰茎、リンパ節、胸腺、脾臓の病気を検出し、その進行をモニターし、またはそのための治療レジメンをモニターすることができる。本発明を用いて、心血管病、神経学的病気、代謝的病気、呼吸器系病気、自己免疫疾患および肺の病気を検出し、その進行をモニターし、またはそのための治療レジメンをモニターすることができる。当業者によって認識されるように本発明を用いて、病気が器官特異的蛋白質の乱れを引き起こす実質的いずれの病気も検出し、その進行をモニターし、またはそれに対する治療をモニターすることができる。
ある具体例において、本発明の器官特異的血液フィンガープリントを用いて自己免疫疾患を検出することができる。そのように、本発明を用いて、限定されるものではないが、慢性関節リウマチ、多発性硬化症、インスリン依存性糖尿病、アディソン病、セリアック病、慢性疲労症候群、炎症性腸疾患、潰瘍性大腸炎、クローン病、維筋、全身性エリテマトーデス、乾癬、シェーグレン症候群、甲状腺機能亢進症/グラーベ病、甲状腺機能低下症/橋本病、インスリン依存性糖尿病(タイプI)、重症筋無力症、子宮内膜症、強皮症、悪性貧血、グッドパスチャー症候群、ウェーゲナー病、糸球体腎炎、再生不良性貧血、発作性夜間血色素尿症、骨随異形成症候群、特発性血小板減少性紫斑病、自己免疫性溶血性貧血、エバンス症候群、第VIII因子阻害剤症候群、全身性血管炎、皮膚筋炎、多発性筋炎およびリウマチ熱のような自己免疫疾患を検出し、その進行をモニターし、そのための治療レジメンをモニターすることができる。
ある具体例において、本発明の器官特異的血液フィンガープリントを用いて、ウイルス、細菌、寄生虫および真菌のような種々の感染性生物のいずれかでの感染に関連する病気を検出することができる。感染性生物はウイルス(例えば、RNAウイルス、DNAウイルス、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)、A型、B型およびC型肝炎ウイルス、単純疱疹ウイルス(HSV)、サイトメガロウイルス(CMV)、エプスタイン−バールウイルス(EBV)、ヒトパピローマウイルス(HPV))、寄生虫(例えば、Plasmodia種、Leishmania種、Schistosoma種、Trypanosoma種のような原生動物および後生動物病原体)、細菌(例えば、Mycobacteria、特に、M.tuberculosis、Salmonella、Streptococci、E.coli、Staphylococci)、真菌(例えば、Candida種、Aspergillus種)、Pneumocystis carinii、およびプリオンを含むことができる。
診断パネル、および一般には、正常血清器官特異的蛋白質を検出するのに用いる方法を用いて、病気関連器官特異的血液フィンガープリントを規定し/同定することができる。病気関連器官特異的血液フィンガープリントは、決定された正常レベルと比較して統計学的に有意な変化を示す正常血清器官特異的蛋白質組の1以上の成分の病気に罹った個体からの血液試料における決定されたレベルを含むデータ組である(例えば、病気試料中のレベルは予め決定された正常範囲を超え、またはそれ未満である)。データ組は、特定の病気用の確立された医学的診断を用いて特定の病気を有すると決定された個体からの試料から編集される。病気の試料の血液中で測定された正常血清器官特異的蛋白質組の各蛋白質メンバーの決定された血液(血清)レベルを、対応する予め決定された正常レベルと比較する。正常血清器官特異的蛋白質組の1以上のメンバーについての予め決定された正常レベルからの統計学的に有意な変動は、その病気について診断的に有用な情報(病気関連フィンガープリント)を提供する。特定の病気または病気状態について、正常血清器官特異的蛋白質組の少数のメンバーのみのレベルが正常レベルに対して変化すると決定することができることに注意された。かくして、病気関連器官特異的血液フィンガープリントは、所与の器官および特定の病気についての正常血清器官特異的蛋白質組の成分のサブセットのみの血液中の決定されたレベルを含むことができる。かくして、病気関連器官特異的血液フィンガープリントは、血清器官特異的蛋白質組のNのメンバーの血液中の決定されたレベルを含み、Nは、所与の血清器官特異的蛋白質組におけるメンバーの合計数までの、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、60、70、80、90、100、110またはその間のいずれかの整数値の、またはそれ以上のメンバーである。この点に関し、ある具体例において、病気関連器官特異的血液フィンガープリントは、正常血清器官特異的蛋白質組の1以上の成分の決定されたレベルを含む。1つの具体例において、病気関連器官特異的血液フィンガープリントは、正常血清器官特異的蛋白質組の少なくとも2つの成分の特定の病気を有することが知られた個体からの試料における決定されたレベルを含む。他の具体例において、病気関連器官特異的血液フィンガープリントは、正常血清器官特異的蛋白質組の、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、60、70、80、90、100、110またはその間のいずれかの整数値の成分の特定の病気を有することが知られた個人からの試料における決定されたレベルを含む。
ある具体例において、病気関連器官特異的血液フィンガープリントは、多数の器官からの成分の血液中の決定されたレベルを含む。他の箇所に述べたように、ある具体例において、病気は、多数の器官にインパクトを与えかねず、その結果は1を超える器官特異的蛋白質組からの蛋白質の血液中レベルの変化である。従って、ある具体例において、病気関連器官特異的フィンガープリントは、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、60、70、80、90、100、110またはその間のいずれかの整数値の、またはそれ以上の器官特異的蛋白質組からの成分の血液中での決定されたレベルを含む。
ある具体例においては、病気関連器官特異的フィンガープリントは、対応する正常な器官特異的蛋白質組の成分ではない正常器官特異的蛋白質組の1以上の成分の決定されたレベルを含むであろうということに注意すべきである。かくして、この点に関して、病気関連器官特異的血液フィンガープリントは、正常器官特異的蛋白質組の1以上の成分の決定されたレベルを含むことができる。さらに、ある具体例においては、病気関連「器官特異的」血液フィンガープリントは、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、60、70、80、90、100、110またはその間のいずれかの整数値の、またはそれ以上の正常血清器官特異的蛋白質組の1以上の成分の決定されたレベルを含む。かくして、この点に関し、病気関連器官特異的血液フィンガープリントは、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、60、70、80、90、100、110、またはその間のいずれかの整数値の、またはそれ以上の正常血清器官特異的蛋白質組からの1以上の成分の決定されたレベルを含むことができる。
当業者であれば、本発明が、身体中のいずれかの数の器官についての正常なパラメーターを規定することにおいて有用であると容易に結論することができる。その目的で、本発明を用いて、より早い日に療法またはより侵襲性の調査を開始するのに利用することができる年次スクリーニング正常からの無症状の乱れを規定することもできる。さらに、2、3以上の関連器官について正常との規定は、本発明によって達成することができる。そのようなグループ分けは当業者に明瞭であり、種々のいずれかであり得、心臓、肺、肝臓等を含めた心血管の健康に関連するものを含む。マラリア、HIV等のような感染症および寄生虫病についての肝臓および血液のグループ分けの判断についても同様である。
本明細書中に記載された診断パネルおよび方法を用い、病気関連器官特異的血液フィンガープリントの膨大なアレイを、本明細書中でさらに記載する種々の病気のいずれかについて規定することができる。そのように、本発明は、さらに、本明細書中に記載された血液フィンガープリントをなすデータを含む情報データベースを提供する。そのように、データベースは、種々の状況(例えば、正常または病気フィンガープリント)のいずれかにおける所与のフィンガープリントをなす複数の器官特異的蛋白質の各々の、本明細書中に記載されたもののような種々の方法のいずれかを用いて決定される規定された異なる発現レベルを含むことができる。
治療またはイメージングのための標的化
本明細書中において、本発明は、他の器官と比較して、器官特異的転写体として発現される種々のポリペプチド(およびそれらをコードする核酸またはその断片)および、特別な具体例において、分泌され器官特異的蛋白質の同定を記載する。
従って、本発明の1つの具体例において、本発明は、器官特異的標的ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列またはその断片を有する単離された核酸分子を提供する。
ある態様において、単離された核酸分子は、(a)本明細書中に開示されたアミノ酸配列を有する全長器官特異的ポリペプチド、本明細書中に開示されたシグナルペプチドを欠如する器官特異的ポリペプチドアミノ酸配列、本明細書中に開示された、シグナルペプチドを含むまたは含まない、膜貫通器官特異的ポリペプチドの細胞外ドメイン、あるいは本明細書中に開示された全長器官特異的ポリペプチドアミノ酸配列のいずれかの他の特異的に規定された断片、をコードするDNA分子、または(b)(a)のDNA分子の相補体に対して、少なくとも約80%核酸配列同一性、別法として、少なくとも約81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%核酸配列同一性を有するヌクレオチド配列を含む。
他の態様において、単離された核酸分子は、(a)本明細書中に開示された全長器官特異的ポリペプチドcDNAのコーディング配列、本明細書中に開示されたシグナルペプチドを欠如する器官特異的ポリペプチドのコーディング配列、本明細書中に開示された、シグナルペプチドを含むまたは含まない、膜貫通器官特異的ポリペプチドの細胞外ドメインのコーディング配列、または本明細書中に開示された全長器官特異的ポリペプチドアミノ酸配列のいずれかの他の特異的に規定された断片のコーディング配列を含むDNA分子、または(b)(a)のDNA分子の相補体に対して、少なくとも約80%核酸配列同一性、別法として、少なくとも約81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%核酸配列同一性を有するヌクレオチド配列を含む。
さらなる態様において、本発明は、(a)本明細書中に開示されたヒト蛋白質cDNAのいずれかの全長コーディング領域によってコードされた同一の成熟ポリペプチドをコードするDNA分子、または(b)(a)のDNA分子の相補体に対して、少なくとも約80%核酸配列同一性、別法として、少なくとも約81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の核酸配列同一性を有するヌクレオチド配列を含む単離された核酸分子に関する。
他の態様において、本発明は、(a)本明細書中に開示された全長アミノ酸配列を有する器官特異的ポリペプチド、あるいは本明細書中に開示された全長器官特異的ポリペプチドアミノ酸配列のいずれかの他の特異的に規定された断片をコードするヌクレオチド配列、あるいは(b)(a)のヌクレオチド配列の相補体にハイブリダイズする単離された核酸分子に向けられる。この点に関して、本発明の具体例は、例えば、診断プローブ、アンチセンスオリゴヌクレオチドプローブとして有用な、例えば、ハイブリダイゼーションプローブとしての用途を見出すことができる、本明細書中に開示された、全長器官特異的ポリペプチドコーディング配列の断片、またはその相補体、あるいは抗器官特異的ポリペプチド抗体、器官特異的結合オリゴペプチド、あるいは器官特異的ポリペプチドに結合する他の小有機分子についての結合部位を含むポリペプチドを所望によりコードすることができる全長器官特異的ポリペプチドのコーディング断片に向けられる。そのような核酸断片は、通常、長さが少なくとも約5ヌクレオチド、別法として、長さが少なくとも約
Figure 2010500568
または1000ヌクレオチドであり、この関係において、用語「約」は、参照されるヌクレオチド配列の長さ±その参照長さ10%を意味する。多数の良く知られた配列整列プログラムのいずれかを用いて器官特異的ポリペプチドコーディングヌクレオチド配列を他の公知のヌクレオチド配列整列させ、いずれの器官特異的ポリペプチドコーディングヌクレオチド配列断片が新規であるかを決定することによって、器官特異的ポリペプチドコーディングヌクレオチド配列の新規な断片は、ルーチン的方法で決定することができるのを注記する。器官特異的ポリペプチドコーディングヌクレオチド配列のそのような新規な断片の全てが本明細書で考えられる。また、これらのヌクレオチド分子断片によってコードされる器官特異的ポリペプチド断片、好ましくは、抗器官特異的抗体、器官特異的結合オリゴペプチド、または器官特異的ポリペプチドに結合する他の小有機分子についての結合部位を含む器官特異的ポリペプチド断片も考えられる。
もう1つの具体例において、本発明は、前記で同定される単離された核酸配列のいずれかによってコードされる単離された器官特異的ポリペプチドを提供する。
もう1つの具体例において、本発明は、好ましくは特異的に、前記または後記ポリペプチドのいずれかに結合する抗体を提供する。所望により、該抗体はモノクローナル抗体、抗体断片、キメラ抗体、ヒト化抗体、単一鎖抗体、あるいは抗器官特異的ポリペプチド抗体のその各抗原エピトープへの結合を競合的に阻害する抗体である。本発明の抗体は、所望により、例えば、メイタンシノイドまたはカリケアミシン、抗生物質、放射性同位体、核酸分解酵素等を含めた、トキシンのような成長阻害剤または細胞性傷害剤にコンジュゲートさせることができる。本発明の抗体は、所望により、CHO細胞または細菌細胞において生産させることができ、好ましくは、それらが結合する細胞の死滅を誘導することができる。診断目的では、本発明の抗体は、固体支持体に付着し、検出可能に標識することができる。
本発明の他の具体例において、本発明は、本明細書中に記載された抗体のいずれかをコードするDNAを含むベクターを提供する。いずれかのそのようなベクターを含む宿主細胞も提供される。その例として、宿主細胞はCHO細胞、E.coli細胞、または酵母細胞であってよい。本明細書中に記載された抗体いずれかを生産する方法がさらに提供され、それは、所望の抗体の発現に適した条件下で宿主細胞を培養し、所望の抗体を細胞培養から収集することを含む。
もう1つの具体例において、本発明は、前記または後記器官特異的ポリペプチドのいずれかに好ましくは特異的に結合するオリゴペプチド(「器官特異的結合オリゴペプチド」)を提供する。所望により、本発明の器官特異的結合オリゴペプチドは、例えば、メイタンシノイドまたはカリケアミシン、抗生物質、放射性同位体、核酸分解酵素等を含めた、トキシンのような成長阻害剤または細胞傷害剤にコンジュゲートさせることができる。本発明の器官特異的結合オリゴペプチドは、所望により、CHO細胞または細菌細胞において生産でき、好ましくは、それらが結合する細胞の死滅を誘導することができる。診断目的では、本発明の器官特異的結合オリゴペプチドは、固体支持体等に付着され、検出可能に標識され得る。
本発明の他の具体例において、本発明は、本明細書中に記載された器官特異的結合オリゴペプチドのいずれかをコードするDNAを含むベクターを提供する。いずれかのそのようなベクターを含む宿主細胞も提供される。その例として、宿主細胞はCHO細胞、E.coli細胞、または酵母細胞であってよい。本明細書中に記載された器官特異的結合オリゴペプチドのいずれかを生産する方法がさらに提供され、それは、所望のオリゴペプチドの発現に適した条件下で宿主細胞を培養し、次いで、細胞培養から所望のオリゴペプチドを収集することを含む。
もう1つの具体例において、本発明は、前記または後記器官特異的ポリペプチドのいずれかに好ましくは特異的に結合する小有機分子(「器官特異的結合有機分子」)を提供する。所望により、本発明の器官特異的結合有機分子は、例えば、メイタンシノイドまたはカリケアミシン、抗生物質、放射性同位体、核酸分解酵素等を含めた、トキシンのような成長阻害剤または細胞傷害剤にコンジュゲートさせることができる。本発明の器官特異的結合有機分子は、好ましくは、それらが結合する細胞の死滅を誘導する。診断目的では、本発明の器官特異的結合有機分子は、固体支持体等に付着され、検出可能に標識できる。
なおさらなる具体例において、本発明は、本明細書中に記載された器官特異的ポリペプチド、本明細書中に記載されたキメラ器官特異的ポリペプチド、本明細書中に記載された抗器官特異的抗体、本明細書中に記載された器官特異的結合オリゴペプチド、または本明細書中に記載された器官特異的結合有機分子を、担体と組合せて含む本発明の組成物に関する。所望により、該担体は医薬上許容される担体である。
なおもう1つの具体例において、本発明は、容器および該容器内に含まれる本発明の組成物を含む製品に関し、該本発明の組成物は本明細書中に記載された器官特異的ポリペプチド、本明細書中に記載されたキメラ器官特異的ポリペプチド、本明細書中に記載された抗器官特異的抗体、本明細書中に記載された器官特異的結合オリゴペプチド、または本明細書中に記載された器官特異的結合有機分子を含むことができる。該製品は、さらに、所望により、腫瘍の治療的処置または診断的検出についての本発明の組成物の使用に言及する、容器に付着されたラベル、または容器と共に含まれる添付文書を含むことができる。
本発明のもう1つの具体例は、器官特異的ポリペプチド、キメラ器官特異的ポリペプチド、抗器官特異的ポリペプチド抗体、器官特異的結合オリゴペプチド、または器官特異的結合有機分子に対して応答性である、疾患の治療で有用な医薬の調製のための、本明細書中に記載された器官特異的ポリペプチド、本明細書中に記載されたキメラ器官特異的ポリペプチド、本明細書中に記載された抗器官特異的ポリペプチド抗体、本明細書中に記載された器官特異的結合オリゴペプチド、または本明細書中に記載された器官特異的結合有機分子の使用に向けられる。
本発明のもう1つの具体例は、器官特異的ポリペプチドを発現する細胞の成長を阻害する方法に向けられ、該方法は、細胞を、器官特異的ポリペプチドに結合する抗体、オリゴペプチドまたは小有機分子と接触させることを含み、器官特異的ポリペプチドへの抗体、オリゴペプチドまたは有機分子の結合は、器官特異的ポリペプチドを発現する細胞の成長の阻害を引き起こす。好ましい具体例において、細胞は癌細胞または病気保有細胞であり、器官特異的ポリペプチドへの抗体、オリゴペプチドまたは有機分子の結合は、器官特異的ポリペプチドを発現する細胞の死滅を引き起こす。所望により、抗体はモノクローナル抗体、抗体断片、キメラ抗体、ヒト化抗体、または単一鎖抗体である。本発明の方法で使用される抗体、器官特異的結合オリゴペプチドおよび器官特異的結合有機分子は、所望により、例えば、メイタンシノイドまたはカリケアミシン、抗生物質、放射性同位体、核酸分解酵素等を含めた、トキシンのような成長阻害剤または細胞傷害剤にコンジュゲートさせることができる。本発明の方法で使用される抗体および器官特異的結合オリゴペプチドは、所望により、CHO細胞または細菌細胞において生産させることができる。
本発明のなおもう1つの具体例は、癌細胞、または病気含有細胞または器官特異的ポリペプチドを発現する細胞を含む組織を有する哺乳動物を治療的に処置する方法に向けられ、該方法は、哺乳動物に、器官特異的ポリペプチドに結合する抗体、オリゴペプチドまたは小有機分子の治療上有効量を投与し、それにより、腫瘍の効果的な治療的処置がもたらされることを含む。所望により、該抗体はモノクローナル抗体、抗体断片、キメラ抗体、ヒト化抗体、または単一鎖抗体である。本発明の方法で使用される抗体、器官特異的結合オリゴペプチドおよび器官特異的結合有機分子は、所望により、例えば、メイタンシノイドまたはカリケアミシン、抗生物質、放射性同位体、核酸分解酵素等を含めた、トキシンのような成長阻害剤または細胞傷害剤にコンジュゲートさせてもよい。本発明の方法において使用される抗体およびオリゴペプチドは、所望により、CHO細胞または細菌細胞において生産させることができる。
本発明のなおもう1つの具体例は、器官特異的ポリペプチドを含有することが疑われる試料中の器官特異的ポリペプチドの存在を決定する方法に向けられ、該方法は試料を、器官特異的ポリペプチドに結合する抗体、オリゴペプチドまたは小有機分子に曝露させ、試料中の器官特異的ポリペプチドへの抗体、オリゴペプチドまたは有機分子の結合を決定することを含み、そのような結合の存在は試料中の器官特異的ポリペプチドの存在を示す。所望により、試料は器官特異的ポリペプチドを発現することが疑われる(癌細胞であってもよい)細胞を含有することができる。該方法で使用される抗体、器官特異的結合オリゴペプチド、または器官特異的結合有機分子は、所望により、固体支持体等に付着され、検出可能に標識できる。
本発明のさらなる具体例は、哺乳動物において腫瘍の存在を診断する方法に向けられ、該方法は、(a)哺乳動物から得られた組織細胞のテスト試料中、および(b)同一の組織起源またはタイプの公知の正常な非癌性細胞の対照試料中の、器官特異的ポリペプチドをコードする遺伝子の発現のレベルを検出することを含み、対照試料と比較した、テスト試料中の器官特異的ポリペプチドの発現のより高いレベルは、テスト試料が得られた哺乳動物における腫瘍の存在を示す。
本発明のもう1つの具体例は哺乳動物における腫瘍の存在を診断する方法に向けられ、該方法は(a)哺乳動物から得られた組織細胞を含むテスト試料を、器官特異的ポリペプチドに結合する抗体、オリゴペプチドまたは小有機分子と接触させ、(b)抗体、オリゴペプチドまたは小有機分子と、テスト試料中の器官特異的ポリペプチドとの間の複合体の形成を検出することを含み、複合体の形成は哺乳動物における腫瘍の存在を示す。所望により、使用される抗体、器官特異的結合オリゴペプチドまたは器官特異的結合有機分子は固体支持体等に付着し、検出可能に標識され、および/または組織細胞のテスト試料は癌性腫瘍を有することが疑われる個体から得られる。
本発明のなおもう1つの具体例は、器官特異的ポリペプチドの変化した、好ましくは増大した発現または活性に関連する細胞増殖障害を治療しまたは予防する方法に向けられ、該方法は、そのような治療を必要とする対象に、有効量の器官特異的ポリペプチドのアンタゴニストを投与することを含む。好ましくは、細胞増殖障害は癌であって、器官特異的ポリペプチドのアンタゴニストは抗器官特異的ポリペプチド抗体、器官特異的結合オリゴペプチド、器官特異的結合有機分子またはアンチセンスオリゴヌクレオチドである。細胞増殖障害の効果的な治療または予防は、器官特異的ポリペプチドを発現する細胞の直接的殺傷または成長の阻害の結果であり、または器官特異的ポリペプチドの細胞成長増強活性に拮抗することにより得る
本発明のなおもう1つの具体例は、器官特異的ポリペプチドを発現する細胞へ、抗体、オリゴペプチドまたは小有機分子を結合させる方法に向けられ、該方法は器官特異的ポリペプチドを発現する細胞を、抗体、オリゴペプチドまたは小有機分子を該器官特異的ポリペプチドに結合させるのに適当な条件下で該抗体、オリゴペプチドまたは小有機分子と接触させ、その間で結合させることを含む。
本発明の他の具体例は、(i)癌または腫瘍の治療的処置または診断的検出、または(ii)細胞増殖障害の治療的処置または予防で有用な医薬の調製における、(a)器官特異的ポリペプチド、(b)器官特異的ポリペプチドをコードする核酸、またはその核酸を含むベクターまたは宿主細胞、(c)抗器官特異的ポリペプチド抗体、(d)器官特異的結合オリゴペプチド、または(e)器官特異的結合小有機分子の使用に向けられる。
本発明のもう1つの具体例は癌細胞の成長を阻害する方法に向けられ、該癌細胞の成長は、少なくとも部分的には、器官特異的ポリペプチドの成長増強効果に依存し(器官特異的ポリペプチドは、癌細胞それ自体、あるいは癌細胞に対して成長増強効果を有するポリペプチドを生産する細胞いずれかによって発現され得る)、該方法は器官特異的ポリペプチドを、器官特異的ポリペプチドに結合する抗体、オリゴペプチド、または小有機分子と接触させ、それにより、器官特異的ポリペプチドの成長増強活性に拮抗し、その結果、癌細胞の成長を阻害することを含む。好ましくは、癌細胞の成長は完全に阻害される。なおより好ましくは、抗体、オリゴペプチドまたは小有機分子の器官特異的ポリペプチドへの結合は癌細胞の死滅を誘導する。所望により、抗体はモノクローナル抗体、抗体断片、キメラ抗体、ヒト化抗体、または単一鎖抗体である。本発明の方法で使用される抗体、器官特異的結合オリゴペプチドおよび器官特異的結合有機分子は、所望により、例えば、メイタンシノイドまたはカリケアミシン、抗生物質、放射性同位体、核酸分解酵素等を含めた、トキシンのような成長阻害剤または細胞傷害剤にコンジュゲートすることができる。本発明の方法で使用される抗体および器官特異的結合オリゴペプチドは、所望により、CHO細胞または細菌細胞において生産され得る。
本発明のなおもう1つの具体例は、哺乳動物において腫瘍を治療的に処置する方法に向けられ、該腫瘍の成長は、少なくとも部分的には、器官特異的ポリペプチドの成長増強効果に依存し、該方法は治療上有効量の、器官特異的ポリペプチドに結合する抗体、オリゴヌクレオチドまたは小有機分子を哺乳動物に投与し、それにより、該器官特異的ポリペプチドの成長増強活性に拮抗し、その結果、腫瘍の効果的な治療的処置がもたらされることを含む。所望により、抗体はモノクローナル抗体、抗体断片、キメラ抗体、ヒト化抗体、または単一鎖抗体である。本発明の方法で使用される抗体、器官特異的結合オリゴペプチドおよび器官特異的結合有機分子は、所望により、例えば、メイタンシノイドまたはカリケアミシン、抗体、放射性同位体、核酸分解酵素等を含めた、トキシンのような成長阻害剤または細胞傷害剤にコンジュゲートさせることができる。本発明の方法において使用される抗体およびオリゴペプチドは、所望により、CHO細胞または細菌細胞において生産され得る。
抗器官特異的ポリペプチド抗体
1つの具体例において、本発明は、治療剤、診断剤、および/またはイメージング剤としてここでは用途を見出すことができる抗器官特異的抗体を提供する。例示的な抗体はポリクローナル、モノクローナル、ヒト化、二価、およびヘテロコンジュゲート抗体を含む。
1.ポリクローナル抗体
ポリクローナル抗体は、好ましくは、関連抗原およびアジュバントの複数の皮下(sc)または腹腔内(ip)注射によって動物において生起される。(特に、合成ペプチドを用いる場合)関連抗原を、免疫化すべき種において免疫原性である蛋白質にコンジュゲートさせるのが有用であろう。例えば、抗原は、二官能性または誘導体化剤、例えば、マレイミドベンゾイルスルホスクシンイミドエステル(システイン残基を介してのコンジュゲーション)、N−ヒドロキシスクシンイミド(リシン残基を介する)、グルタルアルデヒド、コハク酸無水物、SOCl、RおよびRが異なるアルキル基であるRN=C=NRを用いて、キーホールリンペットヘモシアニン(KLH)、血清アルブミン、ウシチログロブリン、または大豆トリプシン阻害剤にコンジュゲートさせることができる。
動物は、例えば、100μgまたは5μgの蛋白質、またはコンジュゲート(各々、ウサギまたはマウス用)と3容量のフロイントの完全アジュバントと合わせ、溶液を複数の部位において皮内注射することによって、抗原、免疫原性コンジュゲート、または誘導体に対して免疫化される。1ヶ月後、動物に、多数の部位における皮下注射によって、フロイントの完全アジュバントにおける元の量の1/5ないし1/10のペプチドまたはコンジュゲートでブースター注射する。7日ないし14日後に、動物から採血し、血清を抗体力価についてアッセイする。力価がプラトーとなるまで動物にブースター注射する。コンジュゲートはまた、蛋白質融合として組換え細胞培養において作製することができる。また、ミョウバンのような凝集剤を適切に用いて、免疫応答を増強させる。
2.モノクローナル抗体
モノクローナル抗体は、Kohlerら,Nature,256:495(1975)によって最初に記載されたハイブリドーマ方法を用いて作製することができるか、あるいは組換えDNA方法(米国特許第4,816,567号)によって作製することができる。
ハイブリドーマ方法において、マウス、あるいはハムスターのような他の適当な宿主動物を前記したように免疫化して、免疫化で用いる蛋白質に特異的に結合する抗体を生産する、または生産することができるリンパ球を誘導する。別法として、リンパ球はイン・ビトロにて免疫化することができる。免疫化の後、リンパ球を単離し、次いで、ポリエチレングリコールのような適当な融合剤を用いてミエローマ細胞系を融合させて、ハイブリドーマ細胞を形成する(Goding,Monoclonal Antibodies:Principles and Practice,pp.59−103(Academic Press,1986))。
かくして、調製されたハイブリドーマ細胞を、好ましくは、(融合パートナーともいう)融合していない親ミエローマ細胞の成長または生存を阻害する1以上の物質を含有する適当な培に撒き、そこで成長させる。例えば、もし親ミエローマ細胞が酵素ヒポキサンチングアニンホスホリボシルトランスフェラーゼ(HGPRTまたはHPRT)を欠如すれば、ハイブリドーマについての選択培は、典型的には、ヒポキサンチン、アミノプテリン、およびチミジン(HAT培地)を含有し、それらの物質は、HGPRT−欠乏細胞の成長を妨げる。
好ましい融合パートナーミエローマ細胞は、効果的に融合し、選択された抗体生産細胞によ抗体の安定な高レベルの生産を支持し、および未融合親細胞に対して選択する選択培地に感受性あるものである。好ましいミエローマ細胞系は、Salk Institute Cell Distribution Center,San Diego,Calif.USAから入手可能なMOPC−21およびMPC−11マウス腫瘍に由来するもの、およびSP−2および誘導体、例えば、American Type Culture Collection,Manassas,Va.,USAから入手可能なX63−Ag8−653細胞のようなマウスミエローマ細胞である。ヒトミエローマおよびマウス−ヒトへテロミエローマ細胞系もまた、ヒトモノクローナル抗体の生産について記載されている(Kozbor,J.Immunol.,133:3001(1984);およびBrodeurら,Monoclonal Antibody Production Techniques and Applications,pp.51−63(Marcel Dekker,Inc.,New York,1987))。
ハイブリドーマ細胞成長しているは、抗原に対して向けられたモノクローナル抗体の生産についてアッセイされる。好ましくは、ハイブリドーマ細胞によって生産されたモノクローナル抗体の結合特異性は、免疫沈降によって、またはラジオイムノアッセイ(RIA)または酵素結合免疫吸着検定法(ELISA)のようなイン・ビトロ結合アッセイによって決定される。
モノクローナル抗体の結合親和性は、例えば、Munsonら,Anal.Biochem.,107:220(1980)に記載されたScatchard分析によって決定することができる。
一旦、所望の特異性、親和性、および/または活性の抗体を生産するハイブリドーマ細胞が同定されたならば、限界希釈手法によってクローンをサブクローニングし、標準的な手法によって成長させることができる(Goding,Monoclonal Antibodies:Principles and Practice,pp.59−103(Academic Press,1986))。この目的のための適当な培は、例えば、D−MEMまたはRPMI−1640培地を含む。加えて、ハイブリドーマ細胞は、例えば、マウスへの細胞の腹腔内注射によって動物において腹水腫瘍としてイン・ビボで成長させることができる。
サブクローンによって分泌されるモノクローナル抗体は、適当には、例えば、(例えば、プロテインAまたはプロテインG−Sepharoseを用いた)アフィニティークロマトグラフィー、またはイオン交換クロマトグラフィー、ヒドロキシルアパタイトクロマトグラフィー、ゲル電気動、透析等のような慣用的な抗体精製手法によって培、腹水液または血清から分離される。
モノクローナル抗体をコードするDNAは、(例えば、マウス抗体の重鎖および軽鎖をコードする遺伝子に特異的に結合することができるオリゴヌクレオチドプローブを用いることによって)慣用的な手法を用いて容易に単離され、配列決定される。ハイブリドーマ細胞が、そのようなDNAの好ましい供給源として働く。一旦単離されれば、DNAを発現ベクターに入れることができ、次いで、これを、通常状態では抗体蛋白質を生産しないE.coli細胞、サルCOS細胞、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞、またはミエローマ細胞のような宿主細胞にトランスフェクトして、組換え宿主細胞においてモノクローナル抗体の合成を得る。抗体をコードするDNAの細菌における組換え発現についてのレビュー論文は、Skerraら,Curr.Opinion in Immunol.,5:256−262(1993)およびPluckthun,Immunol.Revs.130:151−188(1992)を含む。
さらなる具体例において、モノクローナル抗体または抗体断片は、McCaffertyら,Nature,348:552−554(1990)に記載された技術を用いて生じさせた抗体ファージライブラリーから単離することができる。Clacksonら,Nature,352:624−628(1991)およびMarksら,J.Mol.Biol.,222:581−597(1991)は、ファージライブラリーを用いる、各々、マウスおよびヒト抗体の単離を記載する。引き続いての刊行物は、鎖シャッフリング(Marksら,Bio/Technology,10:779−783(1992))、ならびに非常に大きなファージライブラリーを構築するための戦略としてのコンビナトーリアル感染およびイン・ビボ組換え(Waterhouseら,Nuc.Acids.Res.21:2265−2266(1993))による高親和性(nM範囲)ヒト抗体の生産を記載する。かくして、これらの技術は、モノクローナル抗体の単離のための伝統的なモノクローナル抗体ハイブリドーマ技術に対する実行可能な代替法である。
例えば、相同マウス配列(米国特許第4,816,567号;およびMorrison,ら,Proc.Natl Acad.Sci.USA,81:6851(1984))に代えてヒト重鎖および軽鎖定常ドメイン(C.sub.HおよびC.sub.L)配列で置き換えることによって、あるいは免疫グロブリンコーディング配列を、非免疫グロブリンポリペプチド(異種ポリペプチド)についてのコーディング配列の全てまたは一部と融合させることによって、抗体をコードするDNAを修飾して、キメラまたは融合抗体ポリペプチドを生産することができる。非免疫グロブリンポリペプチド配列を抗体の定常ドメインに代えて置換することができ、あるいはそれらを、抗体の1つの抗原結合部位の可変ドメインに代えて置換して、抗原に対する特異性を有する1つの抗原結合部位、および異なる抗原に対する特異性を有するもう1つの抗原結合部位を含むキメラ二価抗体を作り出す。
3.ヒトおよびヒト化抗体
本発明の抗器官特異的抗体は、さらに、ヒト化抗体またはヒト抗体を含むことができる。非ヒト(例えば、マウス)抗体のヒト化形態は、非ヒト免疫グロブリンに由来する最小配列を含有する、キメラ免疫グロブリン、免疫グロブリン鎖または(抗体のFv、Fab、Fab’、F(ab’)または他の抗原結合サブ配列のような)その断片である。ヒト化抗体は、レシピエントの相補性決定領域(CDR)からの残基が、所望の特異性、親和性および能力を有するマウス、ラットまたはウサギのような非ヒト種(ドナー抗体)のCDRからの残基によって置き換えられたヒト免疫グロブリン(レシピエント抗体)を含む。いくつかの場合において、ヒト免疫グロブリンのFvフレームワーク残基は対応する非ヒト残基によって置き換えられる。ヒト化抗体は、レシピエント抗体、または輸入されたCDRもしくはフレームワーク配列いずれにおいても見出されない残基を含むこともできる。一般に、ヒト化抗体は、CDR領域の全てまたは実質的に全てが非ヒト免疫グロブリンのそれに対応し、かつFR領域の全てまたは実質的に全てがヒト免疫グロブリンコンセンサス配列のそれである少なくとも1つ、典型的には2つの可変ドメインの実質的に全てを含む。ヒト化抗体は、最適には、免疫グロブリン定常領域(Fc)、典型的には、ヒト免疫グロブリンのそれの少なくとも一部をやはり含むであろう[Jonesら,Nature 321:522−525(1986);Riechmannら,Nature,332:323−329(1988);およびPresta,Curr.Op.Struct.Biol.,2:593−596(1992)]。
非ヒト抗体をヒト化する方法は当該分野で良く知られている。一般に、ヒト化抗体は、非ヒトである供給源からそれに導入された1以上のアミノ酸残基を有する。これらの非ヒトアミノ酸残基は、しばしば、「輸入」残基といわれ、これは、典型的には、「輸入」可変ドメインから取られる。ヒト化は、ヒト抗体の対応する配列に代えてげっ歯類CDRまたはCDR配列で置き換えることによって、Winterおよび共同研究者の方法に実質的に従って行うことができる[Jonesら,Nature,321:522−525(1986);Riechmannら,Nature,332:323−327(1988);VerhoeyenらScience,239:1534−1536(1988)]。従って、そのような「ヒト化」抗体はキメラ抗体であり(米国特許第4,816,567号)、実質的に、無傷ヒト可変ドメイン未満のものは、非ヒト種からの対応する配列によって置き換えられている。実践的には、ヒト化抗体は、典型的には、いくつかのCDR残基および恐らくはいくつかのFR残基がげっ歯類抗体における同様な部位からの残基によって置き換えられたヒト抗体である。
ヒト化抗体を作製するのに用いるべき、軽鎖および重鎖双方の、ヒト可変ドメインの選択は、抗体がヒト治療用と意図される場合、抗原性およびHAMA応答(ヒト抗マウス抗体)を低下させるのに非常に重要である。いわゆる「ベスト−フィット」方法に従い、げっ歯類抗体の可変ドメインの配列は、公知のヒト可変ドメイン配列の全ライブラリーに対してスクリーニングされる。げっ歯類のそれに最も近いヒトVドメイン配列を同定し、その内のヒトフレームワーク領域(FR)はヒト化抗体について受け入れる(Simsら,J.Immunol.151:2296(1993);Chothiaら,J.Mol.Biol.,196:901(1987))。もう1つの方法は、軽鎖または重鎖の特定のサブ群の全てのヒト抗体のコンセンサス配列に由来する特定のフレームワーク領域を用いる。同一のフレームワークを、いくつかの異なるヒト化抗体で用いることができる(Carterら,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,89:4285(1992);Prestaら,J.Immunol.151:2623(1993))。
抗体は、抗原に対する高い結合親和性および他の好都合な生物学的特性を保留してヒト化されるのがさらに重要である。この目標を達成するには、好ましい方法に従って、ヒト化抗体は、親およびヒト化配列の三次元モデルを用いる、親配列および種々の概念的ヒト化産物の分析のプロセスによって調製される。三次元免疫グロブリンモデルは通常入手可能であり、当業者が精通している。選択された候補免疫グロブリン配列のありそうな三次元立体配座構造を示し、かつ表示するコンピュータープログラムが入手可能である。これらのディスプレイの精査は、候補免疫グロブリン配列の機能における残基のありそうな役割の分析、すなわち、その抗原に結合する候補免疫グロブリンの能力に影響する残基の分析を可能とする。このように、FR残基を、標的抗原に対する増大した親和性のような所望の抗体特徴が達成されるように選択し、レシピエント配列および輸入配列を組み合わせることができる。一般に、超可変領域残基は、抗原結合への影響に直接的かつ最も実質的に関与する。
ヒト化抗器官特異的抗体の種々の形態が考えられる。例えば、ヒト化抗体は、所望により、1以上の細胞傷害剤とコンジュゲートさて、免疫コンジュゲートを生じる、Fabのような抗体断片であってよい。別法として、ヒト化抗体は、無傷IgG1抗体のような無傷抗体であってよい。
ヒト化に対する別法として、ヒト抗体を生じさせることができる。例えば、免疫化に際して、内因性免疫グロブリン生産の不存在下で、ヒト抗体の完全なレパートリーを生産することができるトランスジェニック動物(例えば、マウス)を生産するのが今日可能である。例えば、キメラおよび生殖系変異体マウスにおける抗体重鎖接合領域(J.sub.H)遺伝子のホモ接合性欠失の結果、内因性抗体生産の完全な阻害がもたらされることが記載されている。ヒト生殖系免疫グロブリン遺伝子アレイの、そのような生殖系変異体マウスへの導入の結果、抗原チャレンジに際してヒト抗体が生産される。例えば、Jakobovitsら,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,90:2551(1993);Jakobovitsら,Nature,362:255−258(1993);Bruggemannら,Year in Immuno.7:33(1993);米国特許第5,545,806号、第5,569,825号、第5,591,669号(全てGenPharm);米国特許第5,545,807号;およびWO 97/17852参照。
別法として、ファージディスプレイ技術(McCaffertyら,Nature 348:552−553)を用いて、未免疫化ドナーからの免疫グロブリン可変(V)ドメイン遺伝子レパートリーから、イン・ビトロにて、ヒト抗体および抗体断片を生産することができる。この技術に従い、抗体Vドメイン遺伝子を、M13またはfdのようなフィラメント状バクテリオファージの主たるまたは従たるコート蛋白質遺伝子いずれかにインフレームにてクローン化し、ファージ粒子の表面に機能的抗体断片として表示する。フィラメント状粒子はファージゲノムの一本鎖DNAコピーを含有するが故に、抗体の機能的特性に基づく選択の結果、やはり、それらの特性を呈する抗体をコードする遺伝子が選択される。かくして、ファージはB細胞の特性のいくつかを模倣する。ファージディスプレイは、例えば、Johnson,Kevin S.and Chiswell,David J.,Current Opinion in Structual Biology 3:564−571(1993)にレビューされている種々の様式で行うことができる。V遺伝子セグメントのいくつかの供給源を、ファージディスプレイで用いることができる。Clacksonら,Nature,352:624−628(1991)は、免疫化マウスの脾臓に由来するV遺伝子の小さなランダムなコンビナトーリアルライブラリーから抗オキサゾロン抗体の多様なアレイを単離した。未免疫化ヒトドナーからのV遺伝子のレパートリーを構築することができ、(自己抗原を含めた)プローブの多様なアレイに対する抗体を、実質的に、Marksら,J.Mol.Biol.222:581−597(1991),またはGriffithら,EMBO J.12:725−734(1993)によって記載された技術に従って単離することができる。また、米国特許第5,565,332号および第5,573,905号参照。
先に議論したように、ヒト抗体は、イン・ビトロ活性化B細胞によって生じさせることもできる(米国特許第5,567,610号および第5,229,275号参照)。
4.抗体断片
ある状況において、全抗体よりはむしろ、抗体断片を用いる利点がある。断片のより小さなサイズは迅速なクリアランスを可能とし、固体腫瘍に対する改良されたアクセスをもたらすことができる。
抗体断片の生産のために、種々の技術が開発されている。伝統的には、これらの断片は、無傷抗体の蛋白質分解消化を介して誘導した(例えば、Morimotoら,Journal of Biochemical and Biophysical Methods 24:107−117(1992);およびBrennanら,Science,229:81(1985)参照)。しかしながら、これらの断片は、今日、組換え宿主細胞によって直接的に生産することができる。Fab、FvおよびScFv抗体断片は、全て、E.coliにおいて発現でき、かつそれから分泌することができ、かくして、大量のこれらの断片の容易な生産を可能とする。抗体断片は、先に議論した抗体ファージライブラリーから単離することができる。別法として、Fab’−SH断片をE.coliから直接的に回収し、化学的にカップリングして、F(ab’)断片を形成することができる(Carterら,Bio/Technology 10:163−167(1992))。もう1つのアプローチによると、F(ab’)断片を組換え宿主細胞培養から直接的に単離することができる。サルベージ受容体結合エピトープ残基を含む増大したイン・ビボ半減期を持つFabおよびF(ab’)断片は、米国特許第5,869,046号に記載されている。抗体断片の生産のための他の技術は当業者に明らかであろう。他の具体例において、選択された抗体は単一鎖Fv断片(scFv)である。WO 93/16185;米国特許第5,571,894号;および米国特許第5,587,458号参照。FvおよびsFvは、定常領域を欠く無傷結合部位を持つ唯一の種であり;かくして、それらは、イン・ビボでの使用中の非特異的結合の低下に適している。sFv融合蛋白質を構築して、sFvのアミノまたはカルボキシ末端いずれかにおいてエフェクター蛋白質の融合を生じさせることができる。Antibody Engineering,ed.Borrebaeck,上記参照。抗体断片は、例えば、米国特許第5,641,870号に記載されているように、例えば、「線状抗体」であってもよい。そのような線状抗体断片は一特異的または二特異的であってよい。
5.二特異的抗体
二特異的抗体は、少なくとも2つの異なるエピトープに対する結合特異性を有する抗体である。例示的な二特異的抗体は、本明細書中に記載された器官特異的蛋白質の2つの異なるエピトープに結合することができる。他のそのような抗体は、器官特異的結合部位をもう1つの蛋白質についての結合部位と組み合わせることができる。別法として、抗器官特異的アームを、T−細胞受容体分子(例えば、CD3)のような白血球上のトリガリング分子に結合するアーム、またはFcγRI(CD64)、FcγRII(CD32)およびFcγRIII(CD16)、のようなIgGに対するFc受容体(FcγR)に結合するアームと組合せて、器官特異的発現細胞に対する細胞防御メカニズムに焦点を当て、それを突き止めることができる。二特異的抗体は、診断目的で、器官特異的転写体および/またはポリペプチドを発現する細胞に対して、イメージング剤を付着させるため、または細胞傷害剤が局在化するために用いることもできる。これらの抗体は器官特異的結合アーム、および細胞傷害剤(例えば、サポリン、抗インターフェロン−アルファ、ビンカアルカロイド、リシンA鎖、メトトレキセートまたは放射性同位体ハプテン)に結合するアームを保有する。二特異的抗体は、全長抗体または抗体断片(例えば、F(ab’)二特異的抗体)として調製することができる。
WO96/16673は二特異的抗ErbB2/抗FcγRIII抗体を記載し、および米国特許第5,837,234号は二特異的抗ErbB2/抗FcγRI抗体を開示する。二特異的抗ErbB2/Fcアルファ抗体はWO98/02463に示されている。米国特許第5,821,337号は、二特異的抗ErbB2/抗CD3抗体を教示する。
二特異的抗体を作製するための方法は当該分野で公知である。全長二特異的抗体の伝統的生産は、2つの免疫グロブリン重鎖−軽鎖対の共発現に基づき、2つの鎖は異なる特異性を有する(Millsteinら,Nature 305:537−539(1983))。免疫グロブリンの重鎖および軽鎖のランダム組み合わせのため、これらのハイブリドーマ(クワドローマ(quadroma))は、そのうち1つのみが正しい二特異的構造を有する、10の異なる抗体分子の潜在的な混合物を生じる。通常は、アフィニティークロマトグラフィー工程によってなされる正しい分子の精製は、かなり面倒であり、産物の収率は低い。同様な手法は、WO93/08829、およびTrauneckerら,EMBO J. 10:3655−3659(1991)に開示されている。
異なるアプローチに従い、所望の結合特異性(抗体抗原結合部位)を持つ抗体可変ドメインを免疫グロブリン定常ドメイン配列に融合させる。好ましくは、融合は、ヒンジの少なくとも一部、CH2、およびCH3領域を含むIg重鎖定常ドメインとである。融合の少なくとも1つに存在する、軽鎖結合に必要な部位を含有する第一の重鎖定常領域(CH1)を有するのが好ましい。免疫グロブリン重鎖融合および、所望であれば、免疫グロブリン軽鎖をコードするDNAを別々の発現ベクターに挿入し、適当な宿主細胞に共トランスフェクトする。これにより、構築で用いる3つのポリペプチド鎖の等しくない比率が所望の二特異的抗体の最適収率を供する場合の具体例において、3つのポリペプチド断片の相互の割合を調整することにおいてより大きな柔軟性を提供する。しかしながら、2つの、または全ての3つのポリペプチド鎖についてのコーディング配列を、等しい比率の少なくとも2つのポリペプチド鎖の発現が高い収率をもたらす場合、あるいは該比率が所望の鎖組合せの収率に対する有意な影響を有しない場合に、単一の発現ベクターに挿入する可能性がある。
このアプローチの好ましい具体例において、二特異的抗体は、1つのアームにおける第一の結合特異性を持つハイブリッド免疫グロブリン重鎖、および他のアームにおける(第二の結合特異性を供する)ハイブリッド免疫グロブリン重鎖−軽鎖対から構成される。この非対称構造は、望まない免疫グロブリン鎖組合せからの所望の二特異的化合物の分離を容易とすることが判明した。というのは、二特異的分子の半のみにおける免疫グロブリン軽鎖の存在は、分離の容易な方法を供するからである。このアプローチはWO94/04690に開示されている。二特異的抗体を生じさせるさらなる詳細については、例えば、SureshらMethods in Enzymology 121:210(1986)参照。
米国特許第5,731,168号に記載されたもう1つのアプローチによると、抗体分子の対の間の界面を、組換え細胞培養から収集されるヘテロダイマーのパーセンテージを最大化するように操作することができる。好ましい界面は、C.sub.H3ドメインの少なくとも一部を含む。この方法において、第一の抗体分子の界面からの1以上の小さなアミノ酸側鎖をより大きな側鎖(例えば、チロシンまたはトリプトファン)で置き換える。大きな側鎖に対する同一または小さなサイズの補償的「キャビティ」が、大きなアミノ酸側鎖をより小さなもの(例えば、アラニンまたはスレオニン)で置き換えることによって、第二の抗体分子の界面で作れる。これは、ホモダイマーのような他の望まない目的産物よりもヘテロダイマーの収率を増加させるためのメカニズムを提供する。
二特異的抗体は架橋されたまたは「ヘテロコンジュゲート」抗体を含む。例えば、へテロコンジュゲートにおける抗体の1つをアビジンにカップリングさせ、他方をビオチンにカップリングさせることができる。そのような抗体は、例えば、望まない細胞に対して免疫系の細胞を標的化するために(米国特許第4,676,980号)、およびHIV感染の治療のために(WO91/00360、WO92/200373、およびEP03089)提案されている。ヘテロコンジュゲート抗体は、いずれかの便宜な架橋方法を用いて作製することができる。適当な架橋剤は当該分野で良く知られており、多数の架橋技術と共に米国特許第4,676,980号に開示されている。
抗体断片から二特異的抗体を生じさせるための技術もまた文献において記載されている。例えば、二特異的抗体は、化学結合を用いて調製することができる。Brennanら,Science 229:81(1985)は、無傷抗体蛋白質分解により切断て、F(ab’)断片を生じさせる手法を記載する。これらの断片、ジチオール複合体化剤、亜ヒ酸ナトリウムの存在下で還元して、隣接ジチオールを安定化し、分子間ジスルフィド結合を妨げる。次いで、生じたFab’断片をチオニトロベンゾエート(TNB)誘導体に変換する。次いで、メルカプトエチルアミンでの還元によって、Fab’−TNB誘導体の1つをFab’−チオールに再度変換し、等モル量の他のFab’−TNB誘導体と混合して、二特異的抗体を形成する。生じた二特異的抗体を、酵素の選択的固定のための剤として用いることができる。
最近の進歩は、化学的にカップリングさせて、二特異的抗体を形成することができる、E.coliからのFab’−SH断片の直接的回収を容易とした。Shalabyら,J.Exp.Med.175:217−225(1992)は、十分にヒト化された二特異的抗体F(ab’)分子の生産を記載する。各Fab’断片をE.coliから別々に分泌させ、イン・ビトロにて指向性化学的カップリングに付して、二特異的抗体を形成した。かくして形成された二特異的抗体は、ErbB2受容体を過剰発現する細胞および正常なヒトT細胞に結合することができ、ならびにヒト乳癌標的に対するヒト細胞傷害性リンパ球の溶解活性をトリガーすることができた。組換え細胞培養から直接的に二特異的抗体断片を作製し、単離するための種々の技術も記載されている。例えば、二特異的抗体、ロイシンジッパーを用いて生産されてきた。Kostelnyら,J.Immunol. 148(5):1547−1553(1992)。FosおよびJun蛋白質からのロイシンジッパーペプチドは、遺伝子融合によって2つの異なる抗体のFab’部分に連結された。抗体ホモダイマーをヒンジ領域において還元して、モノマーを形成し、次いで、再度酸化して、抗体ヘテロダイマーを形成した。この方法は、抗体ホモダイマーの生産にも利用することができる。Hollingerら,Proc.Natl.Acad.Sci.USA90:6444−6448(1993)によって記載された「ダイアボディ」技術は、二特異的抗体断片を作製するための別法メカニズムを提供した。断片は、余りにも短すぎて、同一鎖上の2つのドメインの間の対合を可能としないリンカーによってV.sub.Lに連結されたV.sub.Hを含む。従って、1つの断片のV.sub.HおよびV.sub.Lドメインは、強制的に、もう1つの断片の相補的V.sub.LおよびV.sub.Hドメインと対合させられて、それにより、2つの抗原結合部位を形成する。単一鎖Fv(sFv)ダイマーの使用によって二特異的抗体断片を作製するためのもう1つの戦略もまた報告されている。Gruberら,J.Immunol.,152:5368(1994)参照。
2を超える価数を持つ抗体が考えられる。例えば、三特異的抗体を調製することができる。Tuttら,J.Immunol.147:60(1991)。
6.へテロコンジュゲート抗体
ヘテロコンジュゲート抗体もまた、本発明の範囲内にある。ヘテロコンジュゲート抗体は2つの共有結合により連結した抗体から構成される。そのような抗体は、例えば、望まない細胞に対して免疫系の細胞を標的化するのに[米国特許第4,676,980号]、およびHIV感染の治療のために提案されている[WO91/00360;WO92/200373;EP 03089]。抗体は、架橋剤に関連するものを含めた、合成蛋白質化学における公知の方法を用いてイン・ビトロにて調製することができると考えられる。例えば、イムノトキシンは、ジスルフィド交換反応を用い、あるいはチオエーテル結合を形成することによって構築することができる。この目的に適した試薬の例はイミノチオレートおよびメチル−4−メルカプトブチルイミデート、および例えば、米国特許第4,676,980号に開示されたものを含む。
7.多価抗体
多価抗体は、抗体が結合する抗原を発現する細胞によって、二価抗体よりも速く内部化(および/または異化)することができる。本発明の抗体は、3以上の抗原結合部位を持つ(IgMクラス以外の)多価抗体(例えば、四価抗体)であり得、これは、抗体のポリペプチド鎖をコードする核酸の組換え発現によって容易に生産することができる。多価抗体は、二量体化ドメインおよび三以上の結合部位を含むことができる。好ましい二量体化ドメインは、Fc領域またはヒンジ領域を含む(またはそれよりなる)。このシナリオにおいて、抗体はFc領域、および該Fc領域に対してアミノ末端側の3以上の抗原結合部位を含むであろう。本明細書において好ましい多価抗体は、3ないし約8の、しかしながら好ましくは4つの抗原結合部位を含む(またはそれよりなる)。多価抗体は少なくとも1つのポリペプチド鎖(および好ましくは2つのポリペプチド鎖)を含み、ポリペプチド鎖は2以上の可変ドメインを含む。例えば、ポリペプチド鎖はVD1−(X1).sub.n−VD2−(X2).sub.n−Fcを含むことができ、VD1は第一の可変ドメインであり、VD2は第二の可変ドメインであり、FcはFc領域の1つのポリペプチド鎖であり、X1およびX2はアミノ酸またはポリペプチドを表し、nは0または1である。例えば、ポリペプチド鎖は:VH1−CH1−フレキシブルリンカー−VH−CH1−Fc領域鎖;またはVH−CH1−VH−CH1−Fc領域鎖を含むことができる。本明細書において多価抗体は、好ましくは、さらに、少なくとも2つの(好ましくは4つの)軽鎖可変ドメインポリペプチドを含む。本明細書において多価抗体は、例えば、約2ないし約8の軽鎖可変ドメインポリペプチドを含むことができる本明細書において考えられる軽鎖可変ドメインポリペプチドは、軽鎖可変ドメインおよび、所望により、さらに、CLドメインを含む。
8.エフェクター機能エンジニアリング
本発明の抗体をエフェクター機能に関して修飾して、例えば、抗原依存性細胞媒介細胞傷害性(ADCC)および/または抗体の補体依存性細胞傷害性(CDC)を増強させるのが望ましいであろう。これは、抗体のFc領域において1以上のアミノ酸置換を導入することによって達成することができる。別法として、または加えて、システイン残基(複数を含む)をFc領域に導入することができ、それにより、この領域における鎖間ジスルフィド結合形成を可能とする。かくして生じたホモダイマー抗体は、改良された内部化能力および/または増大した補体媒介細胞殺傷、および抗体依存性細胞傷害性(ADCC)を有することができる。Caronら,J.Exp.Med.176:1191−1195(1992)およびShopes,B.J.Innunol.148:2918−2922(1992)参照。増強された抗腫瘍活性を持つホモダイマー抗体もまた、Wolffら,Cancer Research 53:2560−2565(1993)に記載されているようにヘテロ二官能性架橋剤を用いて調製することもできる。別法として、デュアルFc領域を有し、それにより、増大した補体溶解およびADCC能力を有することができる抗体を作製することができる。Stevensonら,Anti−Cancer Drug Design 3:219−230(1989)参照。抗体の血清中半減期を増大させるために、サルベージ受容体結合エピトープを、例えば、米国特許第5,739,277号に記載されているように抗体(特に、抗体断片)に一体化させることができる。本明細書中で用いるように、用語「サルベージ受容体結合エピトープ」とは、IgG分子のイン・ビボ血清中半減期を増大させることを担うIgG分子(例えば、IgG.sub.1,IgG,IgG.sub.3,またはIgG.sub.4)のFc領域のエピトープをいう。
9.免疫コンジュゲート
本発明は、化学療法剤、成長阻害剤、トキシン(例えば、細菌、真菌、植物または動物起源の酵素的に活性なトキシン、またはその断片)、または放射性同位体(すなわち、ラジオコンジュゲート)のような細胞傷害剤にコンジュゲートさせた抗体を含む免疫コンジュゲートにも関する。
そのような免疫コンジュゲートの作製で有用な化学療法剤は前記した。用いることができる酵素的に活性なトキシンおよびその断片は、ジフテリアA鎖、ジフテリアトキシンの非結合活性断片、(Pseudomonas aeruginosaからの)エキソトキシンA鎖、リシンA鎖、アブリンA鎖、モデクシンA鎖、アルファ−サルシン、Aleurites fordii蛋白質、ジアンチン蛋白質、Phytolaca americana蛋白質(PAPI、PAPII、およびPAP−S)、ゴーヤー阻害剤、クルシン、クロチン、Saponaria officinalis阻害剤、ゲロニン、マイトゲリン、レストリクトシン、フェノマイシン、エノマイシン、およびトリコテセンを含む。種々の放射性核種が、ラジオコンジュゲーテッド抗体の生産のために入手可能である。その例は12Bi、131I、131In、90Y、および186Reを含む。抗体および細胞傷害剤のコンジュゲートは、N−スクシンイミジル−3−(2−ピリジルジチオール)プロピオネート(SPDP)、イミノチオラン(IT)、(ジメチルアジピミデートHCLのような)イミドエステルの二官能性誘導体、(ジスクシンイミジルスベレートのような)活性エステル、(グルタルアルデヒドのような)アルデヒド、(ビス(p−アジドベンゾイル)へキサンジアミンのような)ビス−アジド化合物、(ビス−(p−ジアゾニウムベンゾイル)−エチレンジアミンのような)ビス−ジアゾニウム誘導体、(トリエン2,6−ジイソシアネートのような)ジイソシアネート、および(1,5−ジフルオロ−2,4−ジニトロベンゼンのような)ビス−活性フッ素化合物のような種々の二官能性蛋白質カップリング剤を用いて作製される。例えば、リシンイムノトキシンはVitettaら,Science, 238:1098(1987)に記載されているように調製することができる。炭素−14−標識1−イソチオシアナトベンジル−3−メチイジエチレントリアミンペンタ酢酸(MX−DTPA)は、放射性ヌクレオチドの抗体へのコンジュゲーションのための例示的なキレート剤である。WO94/11026参照。
抗体、およびカリケアミシン、メイタンシノイド、トリコセン、およびCC1065のような1以上の小分子トキシン、およびトキシン活性を有するこれらのトキシンの誘導体のコンジュゲートもまた本明細書で考えられる。
10.免疫リポソーム
本明細書中で開示される抗器官特異的抗体は免疫リポソームとしても処方することができる。「リポソーム」は、哺乳動物への薬物の送達で有用な、種々のタイプの脂質、リン脂質および/または界面活剤から構成される小胞である。リポソームの成分は、生物学的膜の脂質配置と同様な、二層形成において一般に配置される。抗体を含有するリポソームは、Epsteinら,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 82:3688(1985);Hwangら,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 77:4030(1980);米国特許第4、485,045号および4,544,545号;および1997年10月23日に公開されたWO97/38731に記載されているように、当該分野で知られた方法によって調製される。増強された循環時間を持つリポソームは米国特許第5,013,556号に開示されている。
特に有用なリポソームは、ホスファチジルコリン、コレステロールおよびPEG−誘導体化ホスファチジルエタノールアミン(PEG−PE)を含む脂質組成物を用いる逆相蒸発方法によって生じさせることができる。リポソームは規定されたサイズのフィルターを通して押出され、所望の直径を持つリポソームが得られる。本発明の抗体のFab’断片は、ジスルフィド交換反応を介して、Martinら,J.Biol.Chem.257:286−288(1982)に記載されたようにリポソームにコンジュゲートさせることができる。化学療法剤は、所望により、リポソーム内に含有される。Gabizonら,J.National Cancer Inst. 81(19):1484(1989)参照。
B.器官特異的結合オリゴペプチド
本発明の器官特異的結合オリゴペプチドは、好ましくは特異的に、本明細書中に記載された器官特異的ポリペプチドに結合するオリゴペプチドである。器官特異的結合オリゴペプチドは、公知のオリゴペプチド合成方法を用いて化学的に合成することができるか、あるいは組換え技術を用いて調製し、精製することができる。器官特異的結合オリゴペプチドは、長さが通常少なくとも約5アミノ酸、別法として、長さが少なくとも約6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、または100アミノ酸またはそれ以上であり、そのようなオリゴペプチドは、好ましくは特異的に、本明細書中に開示された器官特異的ポリペプチドに結合することができる。器官特異的オリゴペプチドは、良く知られた技術を用いて過度な実験なくして同定することができる。この点に関して、ポリペプチド標的に特異的に結合することができるオリゴペプチドについてオリゴペプチドライブラリーをスクリーニングするための技術は当該分野で良く知られていることを注記する(例えば、米国特許第5,556,762号、第5,750,373号、第4,708,871号、第4,833,092号、第5,223,409号、第5,403,484号、第5,571,689号、第5,663,14号;PCT公開番号WO84/03506およびWO84/03564;Geysenら,Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.,81:3998−4002(1984);Geysenら,Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.,82:178−182(1985);Geysenら,in Synthetic Peptides as Antigens,130−149(1986);Geysenら,J.Immunol.Meth.,102:259−274(1987);Schoofsら,J.Immunol.,140:611−616(1988),Cwirlaら(1990)Proc.Natl.Acad.Sci.USA,87:6378;Lowman,H.B.ら(1991)Biochemistry,30:10832;Clackson,T.ら(1991)Nature,352:624;Marks,J.D.ら(1991),J.Mol.Biol.,222:581;Kang,A.S.ら(1991)Proc.Natl.Acad.Sci.USA,88:8363およびSmith,G.P.(1991)Current Opin.Biotechnol.,2:668参照)。
この点に関して、バクテリオファージ(ファージ)ディスプレイは、大きなオリゴペプチドライブラリーをスクリーニングして、ポリペプチド標的に特異的に結合することができるライブラリーのメンバーを同定することを可能とする1つの良く知られた技術である。ファージディスプレイは、変種ポリペプチドが、バクテリオファージ粒子の表面のコート蛋白質に対する融合蛋白質として表示される技術である(Scott,J.K.and Smith,G.P.(1990)Science 249:386)。ファージディスプレイの有用性は、選択的にランダム化された蛋白質変種(またはランダムにクローン化されたcDNA)の大きなライブラリーを、高い親和性を持つ標的分子に結合する配列につき迅速かつ効果的に分類することができるという事実にある。ファージ上でのペプチド(Cwirla、S.E.ら(1990)Proc.Natl.Acad.Sci.USA,87:6378)または蛋白質(Lowman,H.B.ら(1991)Biochemistry,30:10832;Clackson,T.ら(1991)Nature,352:624;Marks,J.D.ら(1991),J.Mol.Biol.,222:581;Kang,A.S.ら(1991)Proc.Natl.Acad.Sci.USA,88:8363)ライブラリーのディスプレイは、特異的結合特性を持つものについて数百万のポリペプチドまたはオリゴペプチドをスクリーニングするのに用いられてきた(Smith,G.P.(1991)Current Opin.Biotechnol.,2:668)。ランダム変異体のファージライブラリーの分類は、多数の変種を構築し、増殖培養するための戦略、標的受容体を用いるアフィニティー精製のための手法、および結合豊富化(enrichment)の結果を評価する手段を必要とする。米国特許第5,223,409号、第5,403,484号、第5,571,689号、および第5,663,143号。
ほとんどのファージディスプレイ方法はフィラメント状ファージを用いてきたが、ラムダ形のファージディスプレイシステム(WO95/34683;米国特許第5,627,024号)、T4ファージディスプレイシステム(Ren,Z−J.ら(1998)Gene 215:439;Zhu,Z.(1997)CAN 33:534;Jiang,J.ら(1997)can 128:44380;Ren,Z−J.ら(1997)CAN 127:215644;Ren,Z−J.ら(1996)Protein Sci.
5:1833;Efimov,V.P.ら(1995) Virus Genes 10:173)およびT7ファージディスプレイシステム(Smith,G.P.and Scott,J.K.(1993)Methods in Enzymology,217,228−257;米国特許第5,766,905号)も知られている。
基本的ファージディスプレイ概念の多くの他の改良および変形が今日開発されている。これらの改良は、選択された標的分子への結合につきペプチドライブラリーをスクリーニングするための表示システムの能力、および所望の特性につきこれらの蛋白質をスクリーニングする能力を持つ、機能的蛋白質を表示する表示システムの能力を増強させる。ファージディスプレイ反応のためのコンビナトーリアル反応デバイスが開発されており(WO98/14277)、ファージディスプレイライブラリーは、二分子相互作用(WO98/20169;WO98/20159)および拘束されたラセンペプチドの特性(WO98/20036)を分析し、および制御するのに用いられてきた。WO97/35196は、アフィニティーリガンドを単離する方法を記載し、ファージディスプレイライブラリーは、リガンドが標的分子に結合する1つの溶液、およびアフィニティーリガンドが標的分子に結合しない第二の溶液と接触させられて、結合リガンドを選択的に単離する。WO97/46251は、ランダムファージディスプレイライブラリーをアフィニティー精製抗体でバイオパニングし、次いで、結合ファージを単離し、引き続いて、マイクロプレートウェルを用いてマイクロパニングプロセスを行って、高親和性結合ファージを単離する方法を記載する。アフィニティータグとしてのStaphlylococcus aureusプロテインAの使用もまた報告されている(Liら(1998)Mol Biotech.,9:187)。WO97/47314は、ファージディスプレイライブラリーであってよいコンビナトーリアルライブラリーを用いる酵素特異性を識別するための基質減算(subtraction)ライブラリーの使用を記載する。ファージディスプレイを用いる洗剤で用いるのに適した酵素を選択するための方法はWO97/09446に記載されている。特異的結合蛋白質を選択するさらなる方法は、米国特許第5,498,538号、第5,432,018号、およびWO98/15833に記載されている。
ペプチドライブラリーを生じさせ、およびこれらのライブラリーをスクリーニングする方法もまた、米国特許第5,723,286号、第5,432,018号、第5,580,717号、第5,427,908号、第5,498,530号、第5,770,434号、第5,734,018号、第5,698,426号、第5,763,192号、および第5,723,323号に開示されている。
C.器官特異的結合有機分子
器官特異的結合有機分子は、好ましくは特異的に、本明細書中に記載された器官特異的ポリペプチドに結合する、本明細書中に定義されたオリゴペプチドまたは抗体以外の有機分子である。器官特異的結合有機分子は、公知の方法を用いて同定し、化学的に合成することができる(例えば、PCT公開 WO00/00823およびWO00/39585参照)。器官特異的結合有機分子は、通常、サイズが約2000ダルトン未満、別法として、サイズが約1500、750、500、250または200ダルトン未満であり、好ましくは特異的に、本明細書中で記載された器官特異的ポリペプチドに結合することができ、そのような有機分子は、良く知られた技術を用いて過度な実験なくして同定することができる。この点に関し、ポリペプチド標的に結合することができる分子について有機分子ライブラリーをスクリーニングするための技術は当該分野で良く知られていることを注記する(例えば、PCT公開 WO00/00823およびWO00/39585参照)。器官特異的結合有機分子は、例えば、アルデヒド、ケトン、オキシム、ヒドラゾン、セミカルバゾン、カルバジド、第一級アミン、第二級アミン、第三級アミン、N−置換ヒドラジン、ヒトラジド、アルコール、エーテル、チオール、チオエーテル、ジスルヒド、カルボン酸、エステル、アミド、尿素、カルバメート、カルボネート、ケタール、チオケタール、アセタール、チオアセタール、ハロゲン化アリール、アリールスルホネート、アルキルハライド、アルキルスルホネート、芳香族化合物、複素環化合物、アニリン、アルケン、アルキン、ジオール、アミノアルコール、オキサゾリジン、オキサゾリン、チアゾリジン、チアゾリン、エナミン、スルホンアミド、エポキシド、アジリジン、イソシアネート、塩化スルホニル、ジアゾ化合物、酸塩化物等であり得る。
D.所望の特性を持つ抗器官特異的抗体、器官特異的結合オリゴペプチドおよび器官特異的結合有機分子についてのスクリーニング
器官特異的ポリペプチドに結合する抗体、オリゴペプチドおよび有機分子を作り出すための技術は前記した。さらに、望まれるある種の生物学的特徴を持つ抗体、オリゴペプチドまたは他の有機分子を選択することができる。
本発明の抗器官特異的抗体、オリゴペプチドまたは他の有機分子の成長阻害効果は、例えば、内因的に、あるいは器官特異的遺伝子でのトランスフェクション後に器官特異的ポリペプチドを発現する細胞を用いて当該分野で公知の方法によって評価することができる。例えば、適当な腫瘍細胞系および器官特異的トランスフェクト細胞を、種々の濃度にて、数日(例えば、2ないし7日)の間、本発明の抗器官特異的モノクローナル抗体、オリゴペプチドまたは他の有機分子で処理することができ、クリスタルバイオレットまたはMTTで染色することができ、いくつかの他の比色アッセイによって分析することができる。増殖を測定するもう1つの方法は、本発明の抗器官特異的抗体、器官特異的結合オリゴペプチドまたは器官特異的結合有機分子の存在下または不存在下で処理された細胞によるH−チミジン取り込みを比較することによるものであろう。処理後、細胞を収集し、DNAに組込まれた放射能の量をシンチレーションカウンターで定量する。適当な陽性対照は、その細胞系の成長を阻害することが知られた成長阻害抗体での選択された細胞系の処理を含む。イン・ビボでの腫瘍細胞の成長阻害は当該分野で知られた種々の方法で決定することができる。好ましくは、腫瘍細胞は、器官特異的ポリペプチドを過剰発現するものである。好ましくは、抗器官特異的抗体、器官特異的結合オリゴペプチド、または器官特異的結合有機分子は、未処理腫瘍細胞と比較して約25ないし100%、より好ましくは約30ないし100%、なおより好ましくは約50ないし100%または70ないし100%、1つの具体例においては、約0.5ないし30μg/mlの抗体濃度にて、イン・ビトロまたはイン・ビボで器官特異的発現腫瘍細胞の細胞増殖を阻害するであろう。成長阻害は、細胞培養中の約0.5ないし30μg/mlまたは約0.5nMないし200nMの抗体濃度で測定することができ、成長阻害は、腫瘍細胞の抗体への曝露から1ないし10日後に決定する。もし約1μg/kgないし約100mg/kg体重での抗器官特異的抗体の投与の結果、抗体の最初の投与から約5日ないし3ヶ月内に、好ましくは約5ないし30日内に腫瘍のサイズの低下、または腫瘍細胞増殖の低下がもたらされれば、抗体はイン・ビボにて成長阻害性である。
抗器官特異的抗体について選択するには、例えば、ヨウ化プロピジウム(PI)、トリパンブルーまたは7AAD取り込みによって示される細胞死滅、膜一体性の喪失を誘導する器官特異的結合オリゴペプチドまたは器官特異的結合有機分子を対照に対して評価することができる。PI取込みアッセイは、補体および免疫エフェクター細胞の不存在下で行うことができる。器官特異的ポリペプチド発現腫瘍細胞を、培地単独、または(例えば、約10μg/mlの)適当な抗器官特異的抗体、器官特異的結合オリゴペプチドまたは器官特異的結合有機分子を含有する培地と共にインキュベートする。細胞を3日の期間インキュベートする。各処理に続き、細胞を洗浄し、細胞クランプの除去のために35mmストレーナーのキャップを付けた12×75試験管に一定分量をとる(試験管当たり1ml、処理群当たり3試験管)。次いで、試験管にPI(1μg/ml)を入れる。FACSCAN(登録商標)、フローサイトメーターおよびFACSCONVERT(登録商標)、CellQuestソフトウエア(Becton Dickinson)を用いて試料を分析することができる。PI取込みによって判断して統計学的に有意なレベルの細胞死滅を誘導するそれらの抗器官特異的抗体、器官特異的結合オリゴペプチドまたは器官特異的結合有機分子を、細胞死滅誘導抗器官特異的抗体、器官特異的結合オリゴペプチドまたは器官特異的結合有機分子として選択することができる。
注目する抗体によって結合される器官特異的ポリペプチド上のエピトープに結合する抗体、オリゴペプチドまたは他の有機分子についてスクリーニングするために、Antibodies,A Laboratory Manual,Cold Spring Harbor Laboratory,Ed Harlow and David Lane(1988)に記載されたもののようなルーチン的交差ブロッキングアッセイを行うことができる。このアッセイを用いて、テスト抗体、オリゴペプチドまたは他の有機分子が、公知の抗器官特異的抗体と同一の部位またはエピトープに結合するかを決定することができる。別法として、あるいは加えて、エピトープマッピングを、当該分野で公知の方法によって行うことができる。例えば、抗体配列アラニンスキャンニング等よって変異を誘発して、接触残基を同定することができる。変異体抗体を、まず、適切な折畳みを確実とするために、ポリクローナル抗体と共に結合についてテストする。異なる方法において、器官特異的ポリペプチドの異なる領域に対応するペプチドを、複数テスト抗体の、またはテスト抗体および特徴付けされたまたは公知のエピトープを持つ抗体の競合アッセイで用いることができる。
本明細書中で述べた本発明のパネル、パネルの組および個々のメンバーを用いる他の方法は、それに関連する変化をモニターするための生物学的系におけるテスト化合物の評価での使用を含む。当業者であれば、病気関連プロフィールを観察すると、該プロフィールを正常なプロフィールにより類似するよう変化させるテスト化合物を容易に認識し得、それは薬物リードとしてかなり注目される。従って、本発明は、動物、細胞、または組織を該化合物で処理し、次いで、器官、細胞、または組織特異的プロフィールがより正常なプロフィールに向かい、病気のプロフィールから外れるように変化するか否かを観察することによって、薬物/テスト化合物リードを最適化する方法も提供する。
本発明の1つの態様は:複数の参照/正常器官特異的蛋白質および/または遺伝子発現プロフィールを含むデータベースを供し、各プロフィールは、参照化合物に曝露されたテスト細胞中の複数の遺伝子または蛋白質の発現レベルの表示、および参照化合物の表示を含み;該テスト化合物に曝露されたテスト細胞中の複数の遺伝子および/または蛋白質の発現レベルの表示を含むテスト発現プロフィールを供し;該テスト発現プロフィールを該第一の発現プロフィールと比較し;該テスト発現プロフィールと同様な少なくとも1つの第一の発現プロフィールを同定し;該選択された発現プロフィールを表示することを含む、生物学的活性についてテスト化合物を評価する方法である。
本発明の1つの態様は、本発明の方法を行うためのシステムである。
本発明のもう1つの態様は、コンピュータシステムが本発明の方法を行うのを可能とする指令の組がコーディングされたコンピュータ−読取り可能媒体である。
本発明のさらなる態様は、異なる遺伝子またはそれによりコードされるポリペプチドの間、遺伝子またはポリペプチド種々の化合物の間の関係を調べて、異なる化合物の間の構造機能関係を調べるのを可能とする相関データベースを含むシステムを提供する。該データベースは、器官特異的成分の、複数の特定の条件下での、複数の標準遺伝子発現、または蛋白質発現プロフィールを含有する。特定の条件は、特定の細胞型(例えば、線維芽細胞、リンパ球、ニューロン、卵母細胞、肝細胞等)内での発現、細胞周期における特定の時点(例えば、G1)における発現、特定の病気状態における発現、環境因子(例えば、温度、圧力、CO分圧、浸透圧、ずれ応力、密集、付着等)の存在、病原性生物(例えば、ウイルス、細菌、真菌、および細胞外または細胞内寄生虫)の存在、異種遺伝子の存在下における発現、テスト化合物の存在下における発現等、およびその組合せを含むことができる。データベースは、好ましくは、特定の器官または組織に対して特異的なものからの少なくとも10の異なる遺伝子についての発現プロフィールを含む。標準発現プロフィールは、好ましくは、例えば、プロフィールが得られた条件に関する情報で注釈される。好ましくは、データベースが、1以上の遺伝子についての、より好ましくはデータベース中に表示された各遺伝子についての注釈も含有する。該注釈は、例えば、遺伝子または蛋白質の名称および異名、配列、いずれかの公知の生物学的活性または機能、同様な配列のいずれかの遺伝子または蛋白質、それが属することが知られたいずれかの代謝または蛋白質相互作用経路等のような遺伝子についてのいずれの入手可能な情報も含むことができる。
データベースは、作用および/または毒性(「薬物シグニチャー」)の化合物の態様の表示を含む複数の異なる化合物についての解釈上の遺伝子発現プロフィールおよびバイオアッセイプロフィールを含有し、実験化合物および/または「標準」化合物を含むことができる。薬物シグニチャーは、遺伝子転写に対するその効果、および蛋白質とのその相互作用を共に含めた、イン・ビボでの化合物の包括的活性の特有の全体像(uniquepicture)を供する。標準化合物は好ましくはよく特徴付けられており、好ましくは、宿主細胞および/または生物に対する公知の生物学的効果を呈する。標準化合物は、有利には、入手可能な薬物化合物、天然トキシンおよび毒液、公知の毒、ビタミンおよび栄養素、代謝副産物等のクラスから選択することができる。標準化合物は、組として、広い範囲の異なる遺伝子発現プロフィールを供するように選択することができる。標準化合物についての記録は、好ましくは、例えば、化合物の名称、構造および化学式、分子量、水溶解性、pH、親油性、公知の生物学的活性、供給源、それと相互作用することが知られた蛋白質および/または遺伝子、化合物または関連化合物の活性を検出し、および/または確認するためのアッセイ等のような化合物に関して入手可能な情報で注釈される。別法として、ランダム化合物、コンビナトーリアルライブラリー等から構築されたデータベースを使用することができる。
データベースは、さらに、データベース中に表された1以上の化合物が、データベース中に表された1以上の蛋白質に対する活性について調べられる実験から由来するバイオアッセイデータを含有する。バイオアッセイデータは、公開された文献から、および実験により直接的に得ることができる。
さらに、データベースは、好ましくは、データベースに存在する化合物、遺伝子、蛋白質、発現プロフィール、および/またはその他のバイオアッセイデータに関連する製品データを含有する。製品データは、バイオアッセイキットおよび試薬、正および負の対照として有用な化合物、さらなる実験で有用なテスト化合物と同様な化合物、DNAマイクロアレイ等のような物理的製品に関する情報であり得るか、あるいは遺伝子または蛋白質の機能および/または関係(例えば、他の種からの配列データ、遺伝子または蛋白質が属する代謝および/またはシグナル経路に関する情報等)、重要な特徴およびありそうな交差反応性等を決定するための化合物のアルゴリズム的分析に関するさらなるデータのような情報ベースの製品を含むことができる。製品情報は、データベースに物理的に存在するデータまたは情報、(インターネットまたはCD−ROMを介して供される、例えば、販売業者のカタログのような)外部情報源に対するハイパーリンク等の形態をとることができる。
データベースは、かくして、好ましくは、データの5つの主なタイプ:遺伝子情報、化合物情報、バイオアッセイ情報、製品情報、およびプロフィール情報を含有する。遺伝子情報は各含まれた遺伝子に特異的な情報を含み、例えば、遺伝子の正体および配列、公のおよび/または市販のデータベースに連結された1以上の特有な識別子、標準アレイプレート上の位置、同様な配列を有する遺伝子のリスト、いずれかの公知の病気関連性、コードされた蛋白質活性を調節するいずれかの公知の化合物、遺伝子の発現を調節し、または蛋白質活性を調節する条件等を含むことができる。製品情報は、入手可能な製品に特異的な情報を含み、製品の正確な性質に応じて変化し、価格、製造業者、内容物、保証情報、入手可能性、送達時間、分配者等のような情報を含むことができる。バイオアッセイ情報は(入手可能な場合)特定の化合物に特異的な情報を含み、例えば、高スループットスクリーニングアッセイ、細胞アッセイ、動物および/またはヒト実験、生化学的アッセイ(結合アッセイおよび酵素アッセイを含む)等からの結果を含むことができる。化合物情報は、例えば、化合物の化学的名称および構造、その分子量、溶解性および他の物理的特性、それと相互作用することが知られた蛋白質、それが出現するプロフィール、その存在によって影響される遺伝子、およびその活性についての利用可能なアッセイのような、各含まれた化合物に特異的な情報を含む。プロフィール情報は、例えば、(例えば、用い細胞型、用い種、温度および培養条件、存在する化合物、経過した時間等を含めた)それが生じた条件、標準への参照で調節された遺伝子、同様なプロフィールのリスト等を含む。情報は、現在入手可能なデータベースの同化および/またはそれへの参照によって、および実験データを収集することによって得られる。遺伝子データベースは、大きいが、研究中の生物における遺伝子の数によって制限される有限数の記録含有することに注意すべきである。化合物データベースは潜在的に限定されない。というのは、新しい化合物は終始作製され、テストされているからである。しかしながら、プロフィールデータベースは依然としてより大きい。というのは、それは、種々の条件下での、非常に多数の遺伝子と潜在的に限数の異なる化合物との相互作用に関する情報を表すからである。
実験データは、好ましくは、例えば、個々に、あるいは混合物として複数の異なる細胞型に投与される場合、複数の化合物(好ましくは、多数の標準化合物、例えば、10,000)の効果を調べることができる高スループットのアッセイフォーマットを用いて収集される。均一なフォーマットを用いて収集されたアッセイデータはより容易に比較でき、例えば、同様な化合物の活性の間の差、あるいは同様な遺伝子の感度の差のより正確な指標を提供する。
該システムは、データベースに含有された情報にアクセスするためにいくつかの異なる方法を提供する。オペレーターはテスト遺伝子発現プロフィールをシステムにエンターし、システムにテストプロフィールをデータベース中の蓄積された標準遺伝子発現プロフィールと比較させ、テストプロフィールに同様な1以上の標準発現プロフィールを含む出力を得ることができる。標準発現プロフィールは、好ましくは、注釈を伴ないこれは、例えば、病気状態および/または標準化合物から得られた標準プロフィールに対するテストプロフィールの同様性に関する情報オペレーターへと提供る。テスト遺伝子発現プロフィールは、好ましくは、プロフィールが得られた条件、例えば、用いるテスト化合物および/または培養条件の表示の指標を含む。
出力は、好ましくは、さらに、予め確立された発現値、予め選択された標準発現プロフィール、第二のテスト発現プロフィール、またはもう1つの予め設定された閾値と比較した、テストプロフィールにおける調節された(アップレギュレートされた、またはダウンレギュレートされた)器官特異的遺伝子、蛋白質、または転写体のリストを含む。
出力は、好ましくは、オペレーターが、例えば、同様な標準発現プロフィールのリストから選択された標準発現プロフィールにおける調節された遺伝子のリストへと、あるいはテストプロフィールにおいてリストされた遺伝子から遺伝子が同様に調節される標準発現プロフィールのリストへと、または選択された遺伝子を調節するように見える標準化合物(および/または条件)のリストへと、容易にスイッチできるようにハイパーリンクされている。出力は、異なる遺伝子、標的、プロフィール、化合物、アッセイ等の間で共通する特徴を強調する相関情報を含み得、有用な相関をユーザがるのを助ける。例えば、出力は、選択された化合物でのユーザーの実験において調節された遺伝子のリストを含有することができ;もし複数の遺伝子が肝臓毒性との関係で示されるならば、システムは、化合物が毒性薬物シグニチャーに関連することをユーザーに促し、およびユーザーが次のテスト化合物へと続行するのを促すことができる。逆に、出力は、異なる経路の間の従前に認識されていない関連を示すことができ、従来知られていないコネクションをユーザーに探索させるよう導く。出力は、好ましくは、製品情報へのハイパーリンクを含み、ユーザーが選択された販売業者から1以上の製品を購入し、または注文するよう刺激する。製品は、特異的に、データベース研究の焦点および結果としてユーザーが仮説の作製を容易とするように後ろに示される相関情報に関連している。例えば、化合物の見掛けの活性を確認するのに、生物学的活性を直接的に測定するのに、可能な副作用につき化合物をアッセイするのに、およびその他に有用な製品へのリンクを、出力は提供することができ、このことは、ユーザーが実験の次の段階において有用な製品を選択するのを促す。
システムは、好ましくは、化合物の同様性を評価するためのアルゴリズムを供する。化合物を比較し、それらの形態学的同様性を決定するための適当な方法は、引用して全部を援用する、現在米国特許第6,470,305号の同時係属米国特許出願第09/475,413号に記載された「3D−MI」、Tanimoto同様性(Daylight Software)等を含む。好ましくは、システムに対して、構造および/または形態においてテスト化合物と同様ないずれの化合物についても問い合わせることができる。この問い合わせからの出力は、好ましくは、対応する標準発現プロフィール(または対応する標準発現プロフィールに対するハイパーリンク)を含み、好ましくは、さらに、標準および/またはテスト化合物の生物学的活性を決定することができるアッセイに対するリスト、記載またはハイパーリンクを含む。
かくして、例えば、もしユーザーが、特定の実験化合物とのテスト細胞のインキュベーションから得られた実験的発現プロフィールを入力するならば、ユーザーは、データの質の見積もり、化合物によって影響される遺伝子の同定、同様なプロフィールおよびそれらが得られた条件のリスト(例えば、用いる化合物)、および構造的同様性を有する化合物のリストを含む出力を得ることができる。出力は、次いで、ユーザーがデータを調査し、探索するのを可能とするハイパーリンクの様式にて供することができる。例えば、ユーザーはいずれの遺伝子が調節されているかを調べ、遺伝子が機能または活性に関して特徴付けられているかいないか、および各遺伝子が同様に調節される条件は何か、を決定することができる。別法として、ユーザーは得られたプロフィールを所望の結果のプロフィールと比較することができ、例えば、テスト化合物を伴なった病気または感染組織のインキュベーションによって得られたプロフィールを、健康な(乱れていない)組織から得られたプロフィールに対して比較する。別法として、ユーザーは、プロフィールを、標準化合物を用いて、例えば、公知の活性、作用メカニズム、および特異性の薬物を用いて得られたプロフィールと比較することができ、かくして、テスト化合物が異なるメカニズムによって機能するか否か、あるいは同一メカニズムの場合は、それが標準よりも大きなまたは小さな活性であるかを決定する。加えて、ユーザーは、テスト化合物の構造を、同様なプロフィールを持つ他の化合物の構造と比較でき(化合物のいずれの構造的特徴が共通しており、かくして、活性にとって重要なようであるかを決定する)、あるいは化合物のプロフィールを、一般に構造的に同様な化合物から得られたプロフィールと比較することができる。
システムを、単一、統合された全部として構成することができるか、あるいは種々のロケーションにわたって分布させることができる。例えば、システムは、遠隔に位置したアクセスユニットを備えた中央データベース/サーバーとして供することができる。遠隔アクセスユニットには、テスト遺伝子発現プロフィールを受け入れ、解釈し、およびテストプロフィールを標準遺伝子発現プロフィールと比較する十分なシステム能力を供することができる。遠隔ユニットは、さらに、データベース情報のいくつかまたは全てのコピーを備えることができる。所望により、遠隔システムを用いて、テスト遺伝子発現プロフィールを中枢システムにアップロードして、中央データベースを更新することができる。あるいは主たるデータベースを補う「プライベート」データベースを遠隔ユニットに、またはその近くに蓄積することができる。
また、本発明は、一般には、前記したように、器官特異的ポリペプチドおよび転写体、ある具体例においては、分泌された器官特異的ポリペプチドおよびそれらの転写体のレベルの乱れのモニタリングを提供する。そのようなモニタリングは組織試料、細胞試料および生物学的流体試料等の分析によって行うことができる。特別な具体例において、血液を分析のために利用する。器官特異的蛋白質および転写体レベルにおける乱れのモニタリングは、神経学的病気、免疫系の関連する病気、心血管病、感染症、癌、および実質的にいずれの病気、状態または適応症をモニターし、診断し、画像化し、および治療するのを助けることができる。というのは、各器官または器官の一群の健康は同時にモニターすることができるからである。
本発明では、RT−PCR分析(または同様な増幅技術)の使用を通じて対象の健康/病気状態を反映する種々の器官特異的、組織特異的、または細胞特異的mRNAの定量的発現を決定するための血液の使用が考えられる。この全プロセスは約3時間以下を必要とする。血液の一滴を多数のRT−PCR分析で用いることもできる。本知見は、病気が検出され、診断され、およびモニターされる方法を潜在的に革進することができると考えられる。なぜならば、それは組織特異的転写体についての非侵襲的な、簡便で、高感受性かつ迅速なスクリーニングを供するからである。全血中で検出される転写体は、病気の予後または診断マーカーとしての能力を有する。というのは、それらはヒト身体中でのホメオスタシスの乱れを反映するからである。RT−PCRによるこれらのマーカー遺伝子の配列の描写および/または発現レベルの定量は、病気についての即時的かつ正確な診断/予後テストを可能とし、あるいは特定の治療法の効果を評価し、モニターすることを可能とする
本発明の1つの具体例において、a)対象血液試料からのRNAまたは蛋白質を定量し;次いで、b)蛋白質または定量されたRNAにおける遺伝子の発現を検出する工程を含む、対象からの血液中の器官特異的転写体または蛋白質の発現を検出する方法を提供し、蛋白質または定量されたRNAにおける遺伝子の発現は、対象血液中の蛋白質または遺伝子の発現を示す。定量方法の例は質量分析による。
本発明のもう1つの具体例において、a)対象血液試料を入手し;b)血液試料からRNAを抽出し、c)RNAを増幅し、;d)増幅されたRNA産物から発現された配列タグ(EST)を生じさせ;次いで、e)ESTにおいて遺伝子の発現を検出する工程を含、対象から血液中の1以上の遺伝子の発現を検出する方法が提供され、ESTにおける遺伝子の発現が対象血液における遺伝子の発現を示す。好ましくは、対象は胎児、胚、子供、成人または非ヒト動物である。遺伝子は非癌関連および組織特異的遺伝子である。なお好ましくは、増幅は、ランダム配列プライマーまたは遺伝子特異的プライマーを用いてRT−PCRによって行われる。
本発明のなおもう1つの具体例において、a)対象血液試料を入手し;b)血液試料からDNA断片を抽出し;c)DNA断片を増幅し;次いで、d)増幅されたDNA産物において遺伝子の発現を検出する工程を含む、対象からの血液中の1以上の遺伝子の発現を検出する方法が提供され、増幅されたDNA産物における遺伝子の発現は、対象血液における遺伝子の発現を示す。
本発明のなおもう1つの具体例において、a)個体から血液試料を入手し;b)血液試料からRNAを抽出し;c)RNAを増幅し;d)増幅されたRNA産物から発現された配列タグ(EST)を生じさせ;e)ESTにおける遺伝子の発現を検出し、該遺伝子の発現は治療的処置の効果に関連し;次いで、f)工程a)ないしe)を反復する工程を含む、個体において治療的処置のコースをモニターする方法が提供され、治療的処置のコースはESTにおける遺伝子の発現の変化を検出することによってモニターされる。そのような方法は、病気の明白な症状の開始をモニターするのに用いることもでき、遺伝子の発現は症状の開始に関連する。好ましくは、増幅はRT−PCRによって行われ、ESTにおける遺伝子の発現の変化は、ESTを配列決定し、次いで、種々の時点において得られた配列を比較することによって;あるいは単一ヌクレオチド多形分析を行い、次いで、種々の時点においてESTにおける単一ヌクレオチドの変異を検出することによってモニターされる。
本発明のさらになおもう1つの具体例において、a)正常な対象からの全血試料から病気についてのcDNAライブラリーを生じさせ;b)正常な対象のcDNAライブラリーから発現された配列タグ(EST)プロフィールを生じさせ;c)テスト対象からの全血試料から病気についてのcDNAライブラリーを生じさせ;d)テスト対象のcDNAライブラリーからESTプロフィールを生じさせ、次いで、e)テスト対象のESTプロフィールを正常な対象のESTプロフィールと比較する工程を含む、テスト対象において病気を診断する方法が提供され、もしテスト対象のESTプロフィールが正常な対象のESTプロフィールから異なれば、テスト対象は病気と診断されるであろう。
本発明のなおさらなるもう1つの具体例において、a)遺伝子特異的プライマー;該プイライマーは、それらの配列が、イントロン配列が除外された特異的遺伝子について2つの隣接するエクソンの対向末端を含有するように設計され;およびb)担体、該担体はプライマーを固定化する;を含む、病気を診断し、予後診断し、または予測するためのキットが提供される。好ましくは、遺伝子特異的プライマーはインスリン特異的プライマー、心房性ナトリウム利尿性因子特異的プライマー、亜鉛フィンガー蛋白質遺伝子特異的プライマー、ベータミオシン重鎖遺伝子特異的プライマー、アミロイド前駆体蛋白質遺伝子特異的プライマー、および腺腫性ポリープcoli蛋白質遺伝子特異的プライマーよりなる群から選択される。そのようなキットをテスト対象の全血試料に適用して、テスト対象における病気に関連する特異的遺伝子の定量的発現レベルを検出し、次いで、正常対象において発現される同一遺伝子のレベルと比較することによって、病気を診断し、予後診断し、または予測することができる。そのようなキットは、治療的処置のコースをモニターし、あるいは病気の明白な症状の開始をモニターするのに用いることもできる。
本発明のなおもう1つの具体例において、a)特異的病気についての全血試料に由来するプローブ;およびb)担体、該担体はプローブを固定化する;を含む、病気を診断し、予後診断し、または予測するためのキットが提供される。そのようなキットはテスト対象の全血試料に適用されて、テスト対象における病気に関連する特定の遺伝子の定量的発現レベルを検出し、次いで、正常な対象において発現された同一遺伝子のレベルと比較することによって、病気を診断し、予後診断し、または予測することができる。そのようなキットは、治療的処置のコースをモニターし、あるいは病気の明白な症状の開始をモニターするのに用いることもできる。
さらに、本発明は、病気に特異的なcDNAライブラリーを提供し、該cDNAライブラリーは全血試料から生じる。
本発明の1つの具体例において、病気についての1以上の遺伝子マーカーを同定する方法が存在し、該1以上の遺伝子マーカーの各々は遺伝子転写体に対応し、該方法はa)病気を有する1以上の個体から得られた血液中で発現された1以上の遺伝子転写体のレベルを決定し、該1以上の転写体の各々は病気についての候補マーカーである遺伝子によって発現され;次いで、b)該工程a)からの該1以上の遺伝子転写体の各々のレベルを、病気を有しない1以上の個体から得られた血液中の該1以上の遺伝子転写体の各々のレベルと比較する工程を含み、工程b)の比較において異なるレベルを呈するそれらの比較された転写体は、病気についての遺伝子マーカーであると同定される。
本発明のもう1つの具体例において、病気についての1以上の遺伝子マーカーを同定する方法が存在し、該1以上の遺伝子マーカーの各々は遺伝子転写体に対応し、該方法はa)病気を有する1以上の個体から得られた血液中で発現された1以上の遺伝子転写体のレベルを決定し、該1以上の転写体の各々は病気についての候補マーカーである遺伝子によって発現され;次いで、b)該工程a)からの該1以上の遺伝子転写体の各々のレベルを、病気を有する1以上の個体から得られた血液中の該1以上の遺伝子転写体の各々のレベルと比較する工程を含み、工程b)の比較において同一レベルを呈するそれらの比較した転写体は、病気について遺伝子マーカーであると同定される。
本発明のもう1つの具体例において、病気の進行または退行の段階の1以上の遺伝子マーカーを同定する方法が存在し、該1以上の遺伝子マーカーの各々は遺伝子転写体に対応し、該方法はa)病気の一定段階を有する1以上の個体から得られた血液中で発現された1以上の遺伝子転写体のレベルを決定し、該1以上の個体は病気の同一進行または退行段階にあり、および該1以上の転写体の各々は、病気の進行または退行の該段階を決定するための候補マーカーである遺伝子によって発現され、次いで;b)該工程a)からの該1以上の遺伝子転写体の各々のレベルを、工程a)の該1以上の個体のそれとは区別される病気の進行または退行段階にある1以上の個体から得られた血液中の該1以上の遺伝子転写体の各々のレベルと比較する工程を含み、工程b)の比較において異なるレベルを呈するそれらの比較された転写体は、病気の進行または退行の該段階についての遺伝子マーカーであると同定される。
本発明のもう1つの具体例において、病気の進行または退行の一定段階の1以上の遺伝子マーカーを同定する方法が存在し、該1以上の遺伝子マーカーの各々は遺伝子転写体に対応し、該方法は:a)病気の一定段階を有する1以上の個体から得られた血液中で発現された1以上の遺伝子転写体のレベルを決定し、該1以上の個体は病気の同一進行または退行段階にあり、および該1以上の転写体の各々は、病気の進行または退行の該段階を決定するための候補マーカーである遺伝子によって発現され、次いで、b)該工程a)からの該1以上の遺伝子転写体の各々のレベルを、工程a)の該1以上の個体のそれと同一である病気の進行または退行段階にある1以上の個体から得られた血液中の該1以上の遺伝子転写体の各々のレベルと比較することを含み、工程b)の比較において同一レベルを呈するそれらの比較された転写体は、病気の進行または退行の該段階についての遺伝子マーカーであると同定される。
本発明のもう1つの具体例において、:a)病気を有することが疑われる個体から得られた血液中の1以上の遺伝子転写体のレベルを決定し、次いで、b)工程a)による該血液中の該1以上の遺伝子転写体の各々のレベルを、病気を有しない1以上の個体からの血液中の該1以上の遺伝子転写体の各々のレベルと比較する工程を含む、個体において病気を診断または予後診断する方法が存在し、工程b)の比較において該1以上の遺伝子転写体の各々のレベルの差を検出することは、工程a)の個体における病気を示す。
本発明のもう1つの具体例において、:a)病気を有することが疑われる個体から得られた血液中の1以上の器官特異的遺伝子転写体または器官特異的蛋白質のレベルを決定し、次いで、b)工程a)による血液中の該1以上の転写体または蛋白質の各々のレベルを、病気を有する1以上の個体からの血液中の該1以上の転写体または蛋白質の各々のレベルと比較する工程を含む、個体において病気を診断または予後診断する方法が存在し、工程b)の比較において該1以上の転写体または蛋白質の各々の同一レベルを検出すること、工程a)の個体における病気を示す。
本発明のもう1つの具体例において、a)病気を有する個体から得られた血液中の1以上の器官特異的遺伝子転写体または器官特異的蛋白質のレベルを決定し、次いで、b)工程a)による該血液中の該1以上の器官特異的遺伝子転写体、または器官特異的蛋白質の各々のレベルを、病気の同一進行または退行段階に各々があると診断されている1以上の個体から得られた血液中の該1以上の器官特異的遺伝子転写体または器官特異的蛋白質の各々のレベルと比較する工程を含む、病気を有する個体における病気の進行または退行の段階を決定する方法が存在し、工程b)からの比較は、個体における病気進行または退行の該段階の決定を可能とする。
本明細書中に記載された方法のさらなる具体例は、該血液試料からRNAを単離するさらなる工程を含む具体例、および定量的RT−PCR(QRT−PCR)を含む該1以上の遺伝子転写体の各々のレベルを決定することを含む具体例を含み、該1以上の転写体は該方法の工程a)および/または工程b)からのものである。これらの方法のさらなる具体例は、該QRT−PCRが1以上の転写体またはその相補体にハイブリダイズするプライマーを含み、該1以上の転写体は該方法の工程a)および/または工程b)からのものである具体例、該プライマーの長さが15ないし25ヌクレオチドである具体例、および該プライマーが表1ないし32、36ないし45、および47ないし79のいずれか1つの配列の1以上、またはその相補体にハイブリダイズする具体例を含む。先の8つのパラグラフに記載された方法のさらなる具体例は、該1以上の遺伝子転写体の各々のレベルを決定する工程が、該1以上の転写体に対応する第一の複数の単離された核酸分子を、第二の複数の単離された核酸分子を含むアレイにハイブリダイズさせることを含む具体例を含み、1つの具体例においては、該第一の複数の単離された核酸分子はRNA、DNA、cDNA、PCR産物またはESTを含み、1つの具体例において、該アレイはRNA、DNA、cDNA、PCR産物またはESTを含む複数の単離された核酸分子を含み、1つの具体例において、該アレイは該方法の遺伝子マーカーの2以上を含み、1つの具体例において、該アレイは、ヒトゲノムの遺伝子に対応する複数の核酸分子を含む。
本発明のもう1つの具体例において、キットまたはパネルは、表1ないし32、36ないし45、および47ないし79のいずれか1つの各々からの2以上の配列に対応する複数の核酸分子または蛋白質配列を含む。
本発明のもう1つの具体例において表1ないし32、36ないし45、および47ないし79のいずれか1つの各々からの2以上の配列に対応する、またはそれに特異的に結合する(免疫グロブリンおよびその断片のような)複数の核酸分子または蛋白質結合因子を含むアレイがある。
本発明のもう1つの具体例において、a)表1ないし32、36ないし45、および47ないし79のいずれか1つよりなる群から選択される遺伝子に相補的な二本鎖DNAを生じるように設計された2つの遺伝子特異的プライミング手段;該第一のプライミング手段は、該遺伝子に相補的なRNA、cDNAまたはESTにハイブリダイズして、長産物を生じさせることができる配列を含有し、および該第二のプライミング手段は該長産物にハイブリダイズすることができ;b)逆転写酵素活性を持つ酵素;c)熱安定性DNAポリメラーゼ活性を持つ酵素、およびd)標識手段を含む、病気の治療的処置のコースをモニタリングするためのキットがあり;該プライマーを用いて、テスト対象における該遺伝子の定量的発現レベルを検出する。
本発明のもう1つの具体例において、a)表1ないし32、36ないし45、および47ないし79のいずれか1つよりなる群から選択される遺伝子に対して相補的な2本鎖DNAを生じさせるように設計された2つの遺伝子特異的プライミング手段;該第一のプライミング手段は、該遺伝子に対して相補的なRNA、cDNAまたはESTにハイブリダイズして、長産物を生じさせることができる配列を含有し、および第二のプライミング手段は該長産物にハイブリダイズでき;b)逆転鎖酵素活性を持つ酵素;c)熱安定性DNAポリメラーゼ活性を持つ酵素、およびd)標識手段を含む、病気の進行または退行をモニターするためのキットがあり;該プライマーを用いて、テスト対象における該遺伝子の定量的発現レベルを検出する。
本発明のもう1つの具体例において、表1ないし32、36ないし45、および47ないし79のいずれか1つからの2以上の配列を同定しまたはそれに対応する複数の核酸分子またはポリペプチド分子がある。
本明細書をレビューすることによって、いくつかの方法は遺伝子または核酸ベースとして、またはポリペプチドベースとして記載されるが、全てのそのような方法は容易に相互交換可能であろうことが容易に理解されるであろう。従って、核酸検出に対する核酸の代わりにもう1つのポリペプチド検出のためにポリペプチドを用いることができるであろう方法が記載され、およびその逆も同様であり、そのような相互交換性は本明細書中に記載された発明の一部であると明白に考えられる。同様に、血液が分析用のプロトタイプの生物学的成分として記載されている場合、いずれの細胞試料、組織試料、または生物学的流体試料もそれと相互交換可能に用いることができるのは理解されるべきである。
本明細書中で用いるように、本発明の病気は限定されるものではないが血液障害、血中脂質病、自己免疫疾患、関節炎(変形性関節症、慢性関節リウマチ、狼瘡、アレルギー、若年性慢性関節リウマチ等を含む)、骨または関節障害、心血管障害(心不全、先天性心臓病;リウマチ熱、弁心臓病;肺性心、心筋障害、心筋炎、心臓周囲病;アテローム性動脈硬化症、急性心筋梗塞、虚血性心臓病等のような血管病)、肥満、呼吸器系病(喘息、肺臓炎、肺炎、肺感染症、肺病、気管支拡張症、結核、嚢胞性線維症、間質性肺疾患、慢性気管支炎、気腫、肺高血圧、肺血栓塞栓症、急性呼吸迫症候群等を含む)、高脂質血症、内分泌障害、免疫障害、感染症、筋肉消耗および全身消耗障害、神経変性および/または神経精神病および(統合失調症、不安、双極性障害、躁鬱病などを含めた)気分障害を含めた神経学的害(偏頭痛、発作、癲癇、脳血管病、アルツハイマー、認知症、パーキンソン、運動失調障害、運動ニューロン病、脳神経障害、脊髄障害、髄膜炎等を含む)、皮膚障害、腎臓病、強皮症、発作、遺伝性出血、毛細血管拡張症、糖尿病、糖尿病に関連する障害(例えば、PVD)、高血圧、ゴシェ病、嚢胞性線維症、鎌状細胞貧血、肝臓病、膵臓病、目、耳、鼻および/または喉病、生殖器官に影響する病気、胃腸病(結腸の病気、脾臓、虫垂、胆嚢その他の病気を含む)等を含む。ヒトの病気のさらなる議論については、その全体を引用する、Victor A.McKusickによるMendelian
Inheritance in Man: A Catalog of Human Genes and Genetic Disorders(12th Edition(3 volume set)June 1998,Johns Hopkins University Press,ISBN:0801857422)およびBraunwald,Fauci,Kasper,Hauser,Longo,& JamesonによるHarrison’s Principles of Internal Medicine(15th Edition,2001)参照。
本発明のもう1つの具体例において、病気とは、遺伝子の過剰発現または変異体遺伝子の発現に関与するような免疫障害(例えば、真正糖尿病、関節炎(慢性関節リウマチ、若年性慢性関節リウマチ、変形性関節症、乾癬性関節炎を含む)、多発性硬化症、脳脊髄炎、重症筋無力症、全身エリトマトーデス、自己免疫甲状腺炎、皮膚炎(アトピー性皮膚炎および湿疹性皮膚炎を含む)、乾癬、シェーグレン症候群、クローン病、アフタ性潰瘍、虹彩炎、結膜炎、角結膜炎、潰瘍性大腸炎、喘息、アレルギー性喘息、皮膚紅斑性狼瘡、強皮症、膣炎、直腸炎、薬物発疹、ハンセン病逆行反応、癩性結節性紅斑、自己免疫ブドウ膜炎、アレルギー性脳脊髄炎、急性壊死出血性脳障害、特発性両側進行性感音喪失、無形成性貧血、純粋赤血球細胞貧血、特発性血小板減少性紫斑病、多発性軟骨炎、ヴェーゲナー肉芽腫症、慢性活性肝炎、スティーブンス・ジョンソン症候群、特発性スプルー、扁平苔癬、グラーベ病、サルコイドーシス、原発性胆汁性肝硬変、後部ブドウ膜炎、および間質性肺線維症のような自己免疫疾患)、移植片−対−宿主病、移植の症例、およびアレルギーをいう。
もう1つの具体例において、本発明の病気は、限定されるものではないが、癌、例えば、癌腫、肉腫または他の転移性障害等を含む細胞増殖および/または分化障害である。本明細書中で用いるように、用語「癌」とは、自律成長についての能力を有する細胞、すなわち、迅速に増殖する細胞成長によって特徴付けられる異常な疾患の状態をいう。「癌」は、組織病理学タイプまたは侵襲の段階に拘わらず、全てのタイプの癌性成長または発癌プロセス、転移組織または悪性に形質転換した細胞、組織、または器官を含むことを意味する。癌の例は、限定されるものではないが、固体腫瘍および白血病を含み、:アプドーマ、分離腫、鰓腫、悪性カルチノイド症候群、カルチノイド心臓病、癌腫(例えば、ウォーカー基底細胞、基底有棘細胞、ブラウンピアス管、エーリッヒ腫瘍、イン・サイチュ、クレブス2、メルケル細胞、ムチン、非小細胞肺、燕麦細胞、乳頭、硬性癌、細気管支、気管支、扁平上皮細胞、および移行細胞)、組織球性障害、白血病(例えばB細胞、混合細胞、ヌル細胞、T細胞、T−細胞慢性、HTLV−II関連、リンパ系急性、リンパ系慢性、肥満細胞、およびミエロイド)、悪性組織球増殖症、ホジキン病、免疫増殖小、非ホジキンリンパ腫、形質細胞腫、細網内皮症、メラノーマ、軟骨芽細胞腫、軟骨腫、軟骨肉腫、維腫、維肉腫、巨細胞腫瘍、組織球腫、脂肪腫、脂肪肉腫、中皮腫、粘液腫、粘液肉腫、骨腫、骨肉腫、ユーイング肉腫、滑液腫瘍、腺維腫、腺リンパ腫、癌肉腫、脊索腫、頭顎咽頭腫、未分化胚細胞腫、過誤腫、間葉腫、中腎腫、筋肉腫、エナメル上皮腫、セメント腫、歯牙腫、奇形腫、胸腺腫、栄養膜腫瘍、腺癌、腺腫、胆管腫、コレステリン腫、円柱腫、嚢胞腺癌、嚢胞腺腫、顆粒膜細胞腫、半陰陽性卵巣腫瘍、肝臓腫、汗腺腫、島細胞腫、ライディッヒ細胞腫、パピローマ、セルトリ細胞腫、莢膜細胞腫、平滑筋腫、平滑筋肉腫、筋細胞腫、筋腫、筋肉腫、横紋筋腫、横紋筋肉腫、上衣腫、神経節細胞腫、神経膠腫、髄芽腫、髄膜腫、神経鞘腫、神経芽細胞腫、神経上皮腫、神経線維腫、神経腫、傍神経節腫、非クロム親和性傍神経節腫、角化血管腫、好酸球増症を伴う血管リンパ系過形成、硬化性血管腫、血管腫症、グロムス血管腫、血管内皮腫、血管腫、血管周囲細胞腫、血管肉腫、リンパ管腫、リンパ管筋腫症、リンパ管肉腫、松果体腫、癌肉腫、軟骨肉腫、嚢肉腫、葉状腫瘍、維肉腫、血管肉腫、平滑筋腫、白血肉腫症、脂肪肉腫、リンパ管肉腫、筋肉腫、粘液肉腫、卵巣癌腫、横紋筋肉腫、肉腫(例えば、ユーウィング、実験、カポシおよび肥満細胞)、新生物(例えば、骨、乳房、消化器系、結直腸、肝臓、膵臓、下垂体、精巣、眼窩、頭部および頸、中枢神経系、聴覚、骨盤、呼吸器系管、尿生殖器)、神経線維腫症、頸部形成不全、および細胞が不滅化または形質転換された他の疾患を含む。
もう1つの具体例において、本発明の病気は、限定されるものではないが、当該状態が物理的、情緒的または精神的状態であるかを問わず、当該疾患が特定の個体の状態を反映する疾患を含み、該状態は時間の進行、処置、環境因子または遺伝子的因子に由来する。
差について2以上の試料を比較する場合、検定された仮説(すなわち遺伝子は異なるレベルで発現されない)が真実であるとして、同様な結果が観察される確率がわずかである場合、結果は統計学的に有意と報告される。小さな確率、比較すべき結果が有意に異なると考えられる、受け入れられた閾値レベルと定義することができる。受け入れられた低い閾値、限定されるのではないが、この閾値における、またはそれ未満の統計学的手段によって決定されたいずれかの値が有意であると考えられるように0.05に設定される。(すなわち2以上の同一集団の間で上記結果が観察されるであろう5%の尤度がある)。
同様性について2以上の試料を比較する場合、検定された仮説(すなわち、遺伝子は異なるレベルで発現されない)が真実であるとして、同様な結果が観察される確率がわずかである場合、結果は統計学的に有意と報告される。小さな確率、比較すべき結果が有意に異なると考えられる受け入れられた閾値レベルと定義することができる。受け入れられた低い閾値は、限定されるものではないが、この閾値を超え統計学的手段によって決定されたいずれかの値が、統計学的に異ならない、かくして同様であると考えられるように、0.05に設定される。(すなわち、2以上の同一の集団の間で上記結果が観察されるであろう5%の尤度がある)。
健康な患者と比較した、または当該病気がない患者と比較した、病気を持つ患者からの血液試料において異なって発現された遺伝子の同定は、Wilcox Mann Whitneyランク合計検定を用いて、病気を持つ患者と比較して健康な患者または病気がない患者からの遺伝子発現プロフィールの統計学的分析によって決定される。他の統計学的検定を用いることもでき、例えば、引用してその全体を援用する(Sokal and Rohlf(1987)Introduction to Biostatistics
2nd edition,WH Freeman,New York)を参照された
例えば、比較、レビュー、収集および/または修飾のために容易なアクセスを促進するためには、病気を持つ患者および/病気のない患者または健康な患者の発現プロフォールを計算デバイスまたは他のフォーマットによってアクセス可能なリレーショナルデータベース、または写真、アナログまたはデジタルイメージング、読出スプレッドシート等としてのプロフィールの手動によるアクセスが可能なインデックスを付したファイルにおけるかを問わず、データベースに記録することができる。典型的にはデータベースは中央施設において編集され、維持され、アクセスは現地的におよび/または遠隔的に可能である。
当業者によって理解されるであろう様に、テスト患者を診断し、または予後診断するため、テスト患者の発現プロフィールと、病気を持つ患者の発現プロフィール、該病気のある段階または進行の程度を持つ患者の発現プロフィール、あるいは、該病気を持たない患者または健康な患者の発現プロフィールとの比較は、同時にまたは同時でなく、得られた発現プロフィールを介して起こり得る。発現プロフィールはデータベースに蓄積されて該比較を可能とできるのは理解されるであろう。
臨床試験、さらなる調査などを通じて、テスト患者からのさらなるテスト試料が得られたときに、本明細書中に開示された方法に従ってさらなるデータを決定することができ、同様に、データベースに加えて、テスト患者試料との比較として、健康および/または非病気患者および/または病気のある段階、または進行の度合いの比較用の良好な参照を供することができる。当該分野で記載されたもの(例えば、米国特許出願公開20060134637)を含めたこれらおよび他の方法を、開示された配列との関係で用いることができる。
ビジネス方法
本発明のさらなる具体例は、本明細書中に記載された検出試薬、パネル、アレイの1以上を製造し、ならびに本明細書中に記載された1、2またはそれを超える器官特異的蛋白質または核酸を持つ対象からの器官特異的フィンガープリントまたは個々の蛋白質(または核酸分子)を分析し、および/または比較し、病気と共に変化し、または存在するようになったフィンガープリントまたは器官特異的蛋白質または核酸分子を同定し、正常から乱れたフィンガープリントまたは蛋白質または核酸分子レベルを同定するための診断サービスを提供し、ゲノムデバイスの製造、診断デバイスを開発するための、本明細書に記載された、検出試薬、パネル、アレイ、器官特異的フィンガープリントまたは特異的器官特異的蛋白質、またはそれをコードする核酸分子のための核酸プローブの使用を提供する。ゲノムデバイスは1以上の効果から得られる正常および乱れた状態の間の試料における差を規定するのに用いることができるいずれかのデバイスを含み、プロテオミックスデバイスの製造、診断デバイスを開発するための、本明細書中に記載された検出試薬、パネル、アレイ、器官特異的蛋白質の使用を提供する。プロテオミックスデバイスは、病気、障害または療法から得られた正常および乱れた状態の間の試料の差を規定するのに用いることができるいずれかのデバイスを含み、診断デバイスを開発するための本明細書中に記載された、イメージングデバイス検出試薬、パネル、アレイ、横方向流動デバイス、器官特異的蛋白質または核酸分子、それに対するプローブの製造を提供する。プロテオミックスデバイスは、病気、薬物副作用または治療的介入から得られる正常および乱れた状態の間の血液試料における差を検出するのに用いることができるいずれかのデバイスを含み、分子イメージングデバイスの製造、診断デバイスを開発するための本明細書中に記載された検出試薬、パネル、アレイ、血液フィンガープリントまたはトランスクリプトームの使用を提供する。プロテオミックスデバイスは、正常および乱れた状態の間の血液試料中の差を規定するのに用いることができるいずれかのデバイスを含み、および、ヘルスケア供給業者に診断能力を高め、かくして、患者を良好に治療するための本発明の検出試薬、パネル、アレイ、および診断サービスを用いる利点を販売する方法を含む。
また、ある民族集団、性別などについての、および数百万以上の個人からのデータに基づく個人の寿命に渡る分析のための、パネルおよび器官/組織特異的組、および個々のその成分のデータおよび分析を蓄積するために、データベースを利用する本発明の態様が提供される。加えて、本発明では、適当な保証されたおよび私的な状況を介してそのような情報に対するアクセスの蓄積が考えられ、HIPAA標準が追跡される。
本発明のもう1つの態様はビジネスを行うための方法に関し、これは:(a)検出試薬、パネル、アレイの1以上を製造し、(b)器官特異的分子血液フィンガープリントを分析するためのサービスを提供し、次いで、(c)本発明の検出試薬、パネル、アレイ、およびサービスを用いる利点をヘルスケア供給業者に販売して、病気または病気の進行を検出する能力を高め、かくして、患者を良好に治療することを含む。
本発明のもう1つの態様は;(a)検出試薬、パネル、アレイ、診断サービス、および器官特異的分子血液フィンガープリントデータベースへのアクセスを販売するための分配ネットワークを供し、(b)検出試薬、パネル、アレイ、および器官特異的分子血液フィンガープリントデータベースを用いるために医師または他の当業者に指令材料を供して、病気を検出し、病気の進行を分析し、または患者を分類する能力を改善することを含む、ビジネスを行うための方法に関する。
例えば、主題のビジネス方法は、データベースまたはパネル、またはアレイをヘルスケア供給業者に販売するための販売グループを供するさらなる工程を供することができる。
本発明のもう1つの態様は、(a)1以上の正常器官特異的分子血液フィンガープリントを調製し、次いで、(b)(a)の器官特異的分子血液フィンガープリントに関連するパネル、アレイおよび情報データベースの開発のための権利を第三者にライセンスすることを含むビジネスを行うための方法に関する。
本出願のビジネス方法は、該方法、パネル、アレイ、(例えば、分泌された器官特異的蛋白質およびそのパネルを含めた)器官特異的蛋白質、器官特異的分子血液フィンガープリント、および本発明の同定されたフィンガープリントを含むデータベースの商業的および他の使用に関する。1つの態様において、該ビジネス方法は、本明細書中に記載された本発明の全ての態様(例えば、本発明によって提供された、器官特異的分泌蛋白質を同定する方法、そのような蛋白質に対する検出試薬、分子血液フィンガープリント等)を、消費者、すなわち、患者、医療実施者、メディカルサービス供給業者、および医薬配給業者および製造業者に提供する意味で、本発明のマーケティング、販売またはライセンシングを含む。
本発明の特別な具体例において、ビジネス方法または診断方法は、器官特異的蛋白質(それをコードする核酸)、その複数、または複数のフィンガープリント(例えば、所与のフィンガープリントを形成する複数の器官特異的分泌蛋白質のレベル)、器官特異的蛋白質(またはそれをコードする転写体)またはそのレベルを決定する方法、またはそれのフィンガープリント、およびそのようなパネルの販売に関連する情報を提供することに関する。特定の具体例において、その方法は、本発明のコンピュータシステムを通じて実施することができる。例えば、ユーザー(例えば、医師または診断研究室技術者のようなヘルス実施者)は、コンピュータターミナルを介して、およびインターネットまたは他の手段を通じて本発明のコンピュータシステムにアクセスすることができる。ユーザーおよびコンピュータシステムの間の連結は好ましくは確実である。
実践において、ユーザーは、例えば、患者の病気状態および/または患者が摂取している薬物のような患者に関連する情報、例えば、注目する器官特異的蛋白質についての、または本発明のパネルまたはアレイを用いて所与の分子血液フィンガープリントを形成する決定されたレベルを入力することができる。次いで、コンピュータシステムは、常駐コンピュータプログラムの使用を介して、診断を提供し、病気状態の変化を検出し、患者、あるいは特定の蛋白質のパラメーターまたはそのパネル(例えば、本発明の特定のパネルまたはアレイを用いて検出された血液に存在する蛋白質のレベル)にフィンガープリントのデータベースをマッチさせることによって入力情報にフィットする薬物副作用の決定を分類することができる。
本発明の好ましい具体例によるコンピュータシステムは、例えば、増強されたIBM AS/400ミッドレンジコンピュータシステムであってよい。しかしながら、当業者であれば、コンピュータシステムが複雑なマルチ−ユーザー計算装置、あるいはパーソナルコンピューターまたはワークステーションのような単一ユーザーデバイスであるかを問わず、本発明の方法および装置をいずれのコンピュータシステムにも同等に適用されることを認識するであろう。コンピュータシステムは、適切には、プロセッサー、主メモリー、メモリーコントローラー、補助的なストレージインターフェース、およびターミナルインターフェースを含み、その全てはシステムバスを介して相互に連結されている。キャッシュメモリまたは他の周辺デバイスの付加のような、種々の変形、付加、または欠失を、本発明の範囲内でコンピュータシステムになすことができるのに注意されたし。
プロセッサーはコンピュータシステムの計算および制御機能を行い、適当な中央プロセッシングユニット(CPU)を含む。プロセッサーは、マイクロプロセッサーのような単一集積回路を含むことができるか、あるいはプロセッサーの機能を達成するのに協働して作用する、いずれの適当な数の集積回路デバイスおよび/または回路ボードを含むこともできる。
好ましい具体例において、補助的なストレージインターフェースは、コンピュータシステムが、磁気ディスク(例えば、ハードディスクまたはフロッピー(登録商標)ディスケット)または任意の光学ストレージデバイス(例えば、CD−ROM)のような補助的なストレージデバイスからの情報を蓄積し、検索するのを可能とする。1つの適当なストレージデバイスはダイレクトアクセスストレージデバイス(DASD)である。DASDは、プログラムおよびデータをフロッピー(登録商標)ディスクから読むことができるフロッピー(登録商標)ディスクドライブであってよい。本発明は十分に機能的なコンピュータシステムとの関係で記載されてきた(および記載し続けるが)、当業者であれば、本発明のメカニズムは種々の形態のプログラム製品として供給することができ、および本発明は、現実に供給を行うためのシグナル担持媒体の特定のタイプに拘わらず同等に適用されるのを認識するであろう。シグナル担持媒体の例は:フロッピー(登録商標)ディスクおよびCDROMのような記録可能なタイプの媒体およびワイヤレス通信リンクを含めた、デジタルおよびアナログ通信リンクのような伝達タイプ媒体を含む。
本発明のコンピュータシステムは、別のプロセッサーの使用を介して、主メモリーからの、および/または主プロセッサーへの補助的ストレージインターフェースを通じての要求された情報を移動させることを担うメモリーコントローラーを含んでもよい。説明の目的で、メモリーコントローラーは別の存在として記載するが、当業者であれば、実践においては、メモリーコントローラーによって供される機能の一部は、現実には、主プロセッサー、主メモリー、および/または補助的ストレージインターフェースに関連する回路に存在させることができるのを理解するであろう。
さらに、本発明のコンピュータシステムは、システム管理者およびコンピュータプログラマーが、通常、プログラム可能なワークステーションを通じてコンピュータシステムと連絡するのを可能とするターミナルインターフェースを含むことができる。本発明は、多数のプロセッサーおよび多数のシステムバスを有するコンピュータシステムに同等に適用されるのは理解されるべきである。同様に、好ましい具体例のシステムバスは典型的なハードワイヤードマルチドロップバスであるが、コンピュータ関連環境における二方向通信をサポートするいずれの連結手段を使用することもできる。
本発明のコンピュータシステムの主メモリーは、適切には、器官特異的分子血液フィンガープリントに関連する1以上のコンピュータプログラム、およびオペレーティングシステムを含む。コンピュータプログラムはその最も広い意味で用いられ、ソースコード、中間コード、マシーンコード、およびコンピュータプログラムのいずれかの他の表示を含めたコンピュータプログラムのいずれのおよび全ての形態を含む。用語「メモリー」とは、本明細書中で用いるように、システムの現実のメモリー空間におけるいずれの蓄積ロケーションもいう。コンピュータプログラムおよびオペレーティングシステムの一部は、主プロセッサーが実行するために指令キャッシュにロードすることができ、他方、他のファイルは磁気または任意のディスクストレージデバイスによく蓄積できるのは理解されるべきである。加えて、主メモリーは異種のメモリーロケーションを含んでもよいことは理解されるべきである。
前記から当業者に明らかとなったはずのように、本発明は、データベース、実行可能なコードを持つ読出可能な媒体、および器官特異的蛋白質組を形成する所定の正常血清中レベルの器官特異的蛋白質を含む情報を含有するコンピュータシステムを提供する。さらに、本発明は、病気関連器官特異的蛋白質、それをコードする核酸分子、ならびにパネルおよび、ある具体例においては、そのレベルを含む情報のデータベースを提供する。
本開示を通じて、本発明の種々の態様は一定範囲のフォーマットで供することができる。範囲フォーマットにおける記載は、単に、便宜および簡明性のためであり、本発明の範囲に対する柔軟でない限定として解釈されるべきではないことは理解されるべきである。従って、範囲の記載は、特別に開示された全ての可能なサブ範囲ならびにその範囲内の個々の数値を有すると考えるべきである。例えば、1から6のような範囲の記載は、1から3、1から4、1から5、2から4、2から6、3から6等のような具体的に開示されたサブ範囲、ならびにその範囲内の個々の数値、例えば、1、2、3、4、5、および6を有すると考えるべきである。これは、範囲の広さに拘わらず適用される。
本明細書中で言及した、および/または出願データシートにリストされた米国特許、米国特許出願公開、米国特許出願、外国特許、外国特許出願および非特許文献の全ては、引用してその全体が援用される。さらに、本明細書中で利用される全ての数値範囲は、該範囲内の全ての整数値を明らかに含み、該範囲内の特定の数値の選択は、特定の用途に依存して考えられる。さらに、説明のために、かつ限定するものではないが、以下の実施例を提供する。
(実施例1)
MPSSデータの解析による器官特異的蛋白質の同定
本実施例は、32の正常な健康器官からの器官特異的蛋白質組の同定を示す。
1.正規化されたMPSSデータ組
本実験で用いた正規化MPSSデータは従前に記載されている(Jongeneel,ら,Genome(2005),15:1007−1014)が、新しいUniGeneデータベース(ウェブアドレス:ftp://ftp.ncbi.nih.gov/repository/UniGene/homosapience/,build184)に対してSolexa(Hayward,CA,USA)によって再度注釈されている。データは合計391,669のMPSS配列タグ、それらの遺伝子注釈、100万当たりのそれらの転写(tpm)によって特定される32の異なる組織におけるそれらの発現レベル、および関連する標準偏差(SD)、および有意性、選択された工程、クラスおよび全体的複製のような配列タグについての情報を含有した。このデータベースを用いて、以下に記載されるように、器官特異的蛋白質を同定した。
器官特異的MPSSタグの同定
32の組織におけるMPSS配列タグの発現(tpm単位)および関連SDを{(X,σ)}と仮定し、i=1,2,...,32は個々の組織を表す。タグは組織mにおいて最高発現レベルを有したと仮定し、発現およびSDは(X,σ)であった。次いで、我々は3つの規則を適用して、以下のように、タグが組織mに対して特異的か否かを決定した:
i)組織mにおけるタグの発現は、最小の見積られたノイズレベルを超えた、すなわち、
Figure 2010500568
ii)組織mにおけるタグの発現は、全ての他の組織における他の発現を十分に超えた。より具体的には、我々は、まず、(組織m以外の)他の31の組織におけるタグの平均発現を、
Figure 2010500568
として、関連標準偏差を、
Figure 2010500568
として、および対応するSDを、
Figure 2010500568
として計算し、N=31である。
次いで、我々は、組織mにおけるタグの発現が他の組織におけるタグの発現を超える有意性を、
Figure 2010500568
として評価した。
組織mに対して特異的であるタグについては、我々は、
Figure 2010500568
を要求した。
iii)組織mにおけるタグの特異性fは予め選択したカットオフ値fを十分超えるものでなければならなかった。より具体的には、我々は、組織mにおけるタグの特異性を、
Figure 2010500568
として定義し、関連SDを、
Figure 2010500568
として評価した。
したがって、fがfを超える有意性は、
Figure 2010500568
によって与えられる。
およびpspcの9つの異なる値を、最も厳格な条件(f=1およびpspc≦10−3)から最も低い厳格性の条件(f=0.5およびpspc≦0.1)の範囲で、器官特異的MPSSタグを決定するにおいて適用した:表1ないし32および36ないし45参照。しかしながら、ほとんどの場合、我々は、
Figure 2010500568
を要求した。
各器官特異的転写体についての厳格性は、表1ないし32および36ないし45に示される(「特異性」と記した欄参照)。
我々が規則i)ないしiii)(f=0.8での数式(1)、(6)および(10))を391,669のMPSS配列タグに適用した場合、我々は、合計して17,638の器官特異的タグを同定した。器官特異的タグの数はfおよびpspcの選択された値に伴って変化する:表1ないし32および36ないし45参照。
器官特異的MPSSタグの対応する蛋白質へのマッピング
MPSSタグは、Solexaによって、UniGeneデータベースにおける遺伝子アクセション番号に注釈された。MPSSタグがUniGeneデータベース中の多数の遺伝子にマッピングされた場合、Solexaは、意図的に、MPSSタグを、最長の配列を有する遺伝子のみに注釈した。MPSSタグを含有する全ての遺伝子にMPSSタグを注釈するように、スクリプトを開発した。次いで、別のスクリプトを開発して、UniGeneデータベース中の遺伝子アクセション番号を、RefSeqデータベース(ウェブアドレス:ftp://ftp.ncbi.gov/refseq/H sapiences/)における対応する遺伝子アクセション、蛋白質アクセションおよび蛋白質配列にマッピングさせた。このようにして、器官特異的タグを対応する蛋白質にマッピングした。いくつかの場合において、多数のMPSSタグを同一蛋白質にマッピングすることができる。そのような場合において、最も豊富な発現を有するMPSSSタグのみを各器官特異的蛋白質について維持した。同定された器官特異的蛋白質を表1ないし32および36ないし45に提供する。各蛋白質についての情報は、遺伝子名称、遺伝子アクセション番号、蛋白質アクセション番号、蛋白質の概略的記載、(さらに以下に記載する)予測される蛋白質局在化、対応するMPSSタグ、MPSSタグのクラス、特定の組織におけるタグの発現(カウント)、(前記した)特定の組織におけるタグの特異性、および(さらに以下に記載する)HUPOによる蛋白質で同定されたペプチドの数を含む。器官特異的蛋白質に対応するアミノ酸配列、および該蛋白質をコードするポリヌクレオチドを配列表に提供する。表1ないし32および36ないし45に示されたMPSSタグに対応する配列も供される。表43、44および45に記載された器官特異的蛋白質にマッピングされる質量分析によって従前に同定されたペプチドに対応する配列を表に示し、配列表に提供する。
蛋白質局在化の予測
RefSeqデータベース中の蛋白質配列を用いて、隠れMarkovモデルを適用して蛋白質膜貫通ドメインを予測するTMHMM(サーバー2.0,http://www.cbs.dtu.dk/services/TMHMM/)、人工神経ネットワークおよび隠れMarkovモデルの双方を適用して、古典的(N−末端リード)分泌蛋白質についてのシグナルペプチド切断部位の存在および位置を予測するSignalP(サーバー3.0,http://www。cbs.dtu.dk/services/SignalP/)を用いて蛋白質局在化を予測した。これは、隠れMarkovモデル(HMM)アルゴリズム(Kroghら,J Mol Biol(2001)305:567)、およびTMHMMアルゴリズムの商業的バージョンからの膜貫通(TM)領域予測の組合せを用いて計算により行った。蛋白質の細胞下局在化は以下のようにカテゴリー分けした:a)予測されたシグナルペプチドを含有し、予測された膜貫通セグメントを癌有しない細胞外蛋白質(分泌蛋白質を含む);c)予測された膜貫通セグメントを含有する膜貫通−蛋白質;またはd)予測されたシグナルペプチドまたは予測された膜貫通領域いずれも含有しない、細胞内蛋白質を含む他のもの。これらのカテゴリーを次いで用いて、2つのプログラムの出力を蛋白質局在化予測に組合せ、これを、表33に概説する。全ての器官特異的蛋白質についての局在化予測を表33にまとめる。
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同定されたヒト血漿中蛋白質との重複
ヒトプロテオーム組織化(Human Proteome Organization)(HUPO)の血漿プロテオームプロジェクトは、各蛋白質についての同定されたペプチドの数を含めたヒト血漿蛋白質のリストを開放した(Omenn,らProteomics.(2005):3226−45)。これらの蛋白質は、国際蛋白質指標(IPI)データベース(ウェブアドレス:ftp://ftp.ebi.ac.uk/pub/databases/IPI/current/ipi.HUMAN.fasta.gz)における蛋白質IDによって特定された。蛋白質IPI IDを蛋白質RefSeqアクセション番号にマッピングするためのリストも供された。器官特異的蛋白質およびHUPO血漿蛋白質の間の重複を分析した。同定された重複を表1ないし32に示す。クラスおよびランクによるさらなる分類を用いて、統計学的検定を処方して、有意な遺伝子を決定した(Stolovitzkyら,PNAS(2005)1402−1407)。
(実施例2)
質量分析を用いるヒト血清中の器官特異的蛋白質の同定
本実験は、健康なヒトボランティアからの血清正常試料中の器官特異的蛋白質を同定するプロセスを示す。正常対照血清については、ヘビ毒血液試料を絶食させたヒトボランティアから採血した。試料を真空にひいた血清セパレーター試験管中の最小の鬱血にて収集した。2時間以内であるが少なくとも30分後に、試験管を1,200gにおいて23℃で15分間遠心し、血清を−80℃のプラスチックバイヤルに蓄積した。試料複雑性を低下させるために、血漿を、最も豊富な蛋白質に対する抗体を含有するカラムに通した。本実施例において、アフィニティーカラムを用いてアルブミン、lgG,lgA、抗トリプシン、トランスフェリン、およびヘプトグロビンを除去した;しかしながら、拡大されたレパートリーでのアフィニティーカラムを用いることもできよう。細胞表面で見出された、または細胞から分泌されたほとんどの蛋白質は糖蛋白質であって、糖ペプチド捕獲方法を介して単離できるので、血漿からN−結合糖ペプチドを特異的に捕獲することによって蛋白質をさらに豊富化し、同定した。
最近開発された質量分析ベースのスクリーニング技術は、同定および定量のために、血漿試料中の特定の標的−糖蛋白質を供した。血漿および組織から単離された糖ペプチドを、強いカチオン交換分別、続いての、逆相クロマトグラフィーを用いるペプチドの先端分離後に、MALDI−TOF/TOF(ABI 4800 Proteomics Analyzer,Applied Biosystems)によって分析した。このプラットフォームの利点は、その高い質量の精度、分解能、感度、および注目するペプチドについての標的化MS/MS分析を行う能力である。分離はオフラインで行われるので、観察されたトリプシン処理ペプチドのより深い調査のためにより時間が利用可能である。多数のプレートをスポットし、MALDI−TOF/TOFによって分析して、プロテオミックカバレッジの深さを増加させることができる。このプラットフォームは、重同位体標識合成ペプチド標準を用いる、癌および対照血清の比較の間の潜在的ペプチドの直接的追跡分析でも用いられるであろう。
HPLCおよびMaldiプレートスポッティング
20ugまでの全ペプチドを150mm×0.3mmのポリスルホエチルAカラムに負荷し、塩濃度を増大させる5ないし10工程を用いてペプチドを溶出させた。強いカチオン交換カラムから出された2ugまでの全ペプチドを、5ミクロンの粒子Vydac C8(#208MS54)を自己充填した250ミクロン×3cmのトラップカラムに捕獲した。Eksigent HPLCおよびオートサンプラー(型式:NanoLC−2D,Dublin,CA)は10ulの試料ループを用いる。強いカチオン交換溶出物を捕獲した後、トラップカラムを、溶媒Aとしての0.1% TFAおよび2%アセトニトリル、および溶媒Bとしての0.08% TFAおよび80%アセトニトリルを用い、1分当たり500ナノリットルの流速にて、5ミクロンの粒子Vydac C18(#218MS54)を自己充填した100ミクロンのID×20cm分解カラムと連結した。75%までの溶媒Bの90分のグラジエントを用いてペプチドを溶出させた。HPLCカラムの流出物は混合ティーに入り、そこで、それは、スポット当たり25秒の速度にてMALDIプレートにスポッティングされるに先立って0.75ul/分で流れるマトリックス溶液と合わされる。マトリックス溶液は、5mM硫酸二水素アンモニウムを含有する70%アセトニトリル0.1%TFA中の4mg/mlアルファ−シアノ−4−ヒドロキシケイヒ酸(Aldrich)であった。スポットを25×40アレイに入れ、そこで、各HPLCグラジエントは200スポットを有し;かくして、各Maldiプレートは5の逆相HPLCグラジエントを保有することができる。
Maldi Tof Tof
スポットされたプレートは、プレートの周辺の周りに8つのロケーションを含有し、そこで外部キャリブラントを入れた。外部キャリブラントは、指示されたように調製された「4700ミックス」(Applied Biosystems)であった。マススペクトロメーターへの挿入に際して、レーザーを試料観察者の十字線と整列させ、プレートを、25×40スポット試料アレイの4つのコーナーに整列させた。マススペクトロメーターをキャリブレーションスポットを用いて感度および分解能のためにチューニングし、次いで、外部キャリブレーションをMSおよびMSMSモードで得た。各試料スポット内の10の位置にランダムに位置させた100レーザーショットを用い、各スポットにおいてMSスペクトルを獲得することによって、各HPLCグラジエント(200スポット)を分析した。試料スポットの各々についての200 MSスペクトルの完了に際して、データシステムは、MS/MSスペクトルの引き続いての獲得のために試料スポット(ユーザー選択可変)前駆体イオン当たり上位20の前駆体イオンを決定した。別法として、特異的な前駆体の質量は、MSスペクトルのそれらの存在または不存在に拘わらず獲得することができる。各MS/MSスペクトルが、衝突ガスを用いることなく各試料スポット内の20のランダムな位置からの2000レーザーショットから得られた。完了に際し、MS/MSスペクトルを、ペプチド/蛋白質同定のために、供給されたデーターベースサーチエンジン(Mascot)にエクスポートすることができる。収集されたスペクトルの分析は、血漿からのほぼ150の特有な蛋白質の同定に導いた。表1ないし32にまとめた器官特異的蛋白質と比較した場合、このデータ組は7つのグリコシル化組織特異的蛋白質を含むことが示された。これらの7つの蛋白質を表34Aおよび34Bにリストする。
Figure 2010500568
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かくして、本実施例は、多数の正常な血清器官特異的蛋白質(表34Aおよび34B)を同定する。これらの蛋白質は、例えば、対象の生物学的状態を規定するための、および具体的病気の診断するための、本明細書中に記載された種々の状況で診断的に有用である。
(実施例3)
酵素−結合免疫吸着検定法(ELISA)を用いる血清蛋白質の確証および定量
蛋白質を検出し、およびモニターするための血液血清テストは、酵素−結合免疫吸着検定法(ELISA)を用いて開発した。アッセイシステムは候補蛋白質の異なる抗原性領域に対して向けられた2つの抗体を利用した。無傷候補蛋白質上の区別される抗原性決定基に対して向けられたモノクローナル抗体を、マイクロタイターウェル上の固相免疫化で用いた。ホースラディッシュペルオキシダーゼ(HRP)または蛍光タグにコンジュゲートした検出抗体は、同一蛋白質の異なる領域内の候補蛋白質を認識した。候補蛋白質は2つの抗体と同時に反応し、その結果、固相および検出抗体の間で蛋白質がサンドイッチされた。検出抗体は、比色蛍光分析によって可視化された。
血液中で検出されたペプチドの場合、特異的ペプチドは、ペプチドの物理−化学的特性、またはペプチドに対して開発されたアフィニティー試薬を用いて血清から単離されたペプチド混合物からさらに豊富化された。蛋白質濃度は、特異的抗体を使用して、血清中の注目する蛋白質を捕獲し、検出するELISAによって見積った。96−ウェルのマイクロタイタープレート(“Maxisorp,”Nunc,Roskilde,Denmark)のウェルを蛋白質特異的抗体でコートし、2ないし8℃にて一晩インキュベートした。ウェルの表面を無関係な蛋白質の溶液で飽和させて、引き続いての反応体の非特異的結合を妨げ、使用に先立って、0.05%Tween−20(PBST)を含むリン酸緩衝化生理食塩水(PBS)、pH7.2で洗浄した。試料および試薬が、各々がインキュベーション時間および洗浄工程によって分離された、続いての配列におけるウェルに分注された:(1)血清試料および蛋白質濃度標準、(2)検出抗体、(3)ホースラディッシュペルオキシダーゼコンジュゲート、および(4)ペルオキシダーゼ基質。基質反応を、ウェルへの酸の添加で最終インキュベーション時間後に停止させ、O.D.をマイクロプレート分光光度計で決定した。次いで、試料濃度を用量−応答曲線から外挿した。
(実施例4)
ヒト血清中でのSTEAP2蛋白質発現の同定−正常対照、初期前立腺病および後期段階前立腺病における蛋白質の比較
前立腺癌スクリーニングのための現在の方法は、前立腺特異的抗原(PSA)での癌スクリーニングを含む。PSAテストは、民族性、家族暦、ならびに患者の個体状態、および前立腺癌からの合併症に対する個人の危険性の嫌悪を含めた個々の患者の危険性因子のため前立腺癌を常には示さない。PSAテストは完全に予測するのではないので、将来の前立腺癌スクリーニングは、新しいバイオマーカーを取込んで、病気の危険性を予測する必要があろう(Thompson,ら,Surg Oncol Clin N Am.(2005)14:747−60)。
本実施例は、生物学的マーカーとして前立腺の多重膜貫通蛋白質であるSTEAP2を用いてマルチパラメーター診断フィンガープリントを記載する。STEAP2は前立腺のヒト6回膜貫通上皮抗原(STEAP2)をコードする遺伝子である。STEAP2は、従前に、前立腺特異的発現を有することが示されている(Porkka,KPら Lab
Invest.(2002)82:1573−1582;Kormaz,KS,J.Biol.Chem.(2002)27:36689−96)。さらに、実施例1に概説し、かつ表21に示したように、STEAP2は本明細書中に概説された方法を用いて前立腺特異的蛋白質であることが示された。
前立腺特異的遺伝子によってコードされた多数の蛋白質に特異的な商業的に入手可能な抗体(表21参照)を用いて、いずれの蛋白質が前立腺癌についてのマルチパラメーター診断アッセイで有用であるかを決定した。STEAP2(抗STEAP2;Cat#A23080;Genway Biotech Inc.)について入手可能な抗体は、ヒト血清からのSTEAP2の断片に特異的に結合することが示された。この実施例において、TGM4を対照として用いた。TGM4はヒト前立腺特異的トランスグルタミナーゼ(hTGP)をコードする遺伝子である。hTGPは前立腺特異的発現を有する(Dubbinkら GENOMICS(1998)51:434−444)。TGM4について入手可能な抗体(抗TGM4;Cat#G23082;Genway Biotech Inc.)は、ヒト血清からのTGM4に特異的に結合することが示された。
ウェスタンブロット分析を用いて、以下のように、血清蛋白質の発現を測定した:血清を試料緩衝液(50M TrisHCl(pH6.8)、100mMジチオスレイトール、2%ドデシル硫酸ナトリウム、0.1%ブロモフェノールブルー、10%グリセロール)で希釈した(1:25)。4μLの4%血清溶液中の血清蛋白質をSDS−PAGEで分析し、PVDF膜(Hybond−P,Millipore,Billerica,MA)に移した。膜を、TBS−T(25mM Tris,pH7.4,125mM NaCl,0.1% Tween−20)中の1%脱脂粉乳で室温にて1時間ブロックし、続いて、STEAP2(1:5000)またはTGM4(1:5000)に対する一次抗体と共に室温(23℃)で1時間インキュベートした。膜をTBS−Tで3回洗浄し、次いで、ホースラディッシュペルオキシダーゼコンジュゲーテッド抗ニワトリ抗体(1:10,000)と共に0.5時間インキュベートした。次いで、免疫ブロットをTBS−Tで5回洗浄し、製造業者の推奨(Pierce)に従って増強ケミルミネセンスを用いて発色させた(図2参照)。STEAP2およびTGM4に対応する単一バンドの密度を、(http://rsb.info.nih.giv/ij/で入手可能な)ImageJソフトウェアを用いて定量した。結果を表35にまとめる。テストされた血清の各々についてPSAスコアは、商業的に入手可能なELISAキットを用いて得た。これらの前立腺癌患者については、試料の大部分は、正常な範囲と考えられる(0−4ng/mL)を超えるPSAレベルを示した。STEAP2レベルは、正常な患者からの血清に対して多くの前立腺癌血清において上昇して出現した。しかしながら、PSAおよびSTEAP2の組合せは、PSAレベル単独よりも前立腺癌の良好な予測因子であることが判明し、正常なPSAレベルを持つ3つの試料において(試料7、9、10)およびほんのわずかに上昇したPSAレベルを持つ1つの試料において(試料3)癌を同定した。
(表35:InageJソフトウェアを用いて決定されたSTEAP2およびTGM4の相対的密度)
Figure 2010500568
まとめると、STEAP2前立腺特異的蛋白質は、PSAと組合せて用いた場合、前立腺癌の検出をさらに改良した(図2および表35参照)。かくして、本明細書中に記載された方法を用い、STEAP2前立腺特異的蛋白質およびPSAを含むマルチパラメーター診断パネルを開発した。
(実施例5)
転写体分析に先立っての器官からのRNA抽出
さらなる実験において、正常な健康な器官試料を入手した。各器官につき、全RNAを、以下のように、各組織から単離した:特異的器官からの組織(0.1ないし0.2mg)を凍結した組織から切り出し、4mLのTRIZOL試薬(Invitrogen)に入れた(米国特許番号第5,346,994;Chomczynskiら,Analytical Biochemistry,(1987)162:156)。各試料を室温にて90秒までの間、迅速にホモゲナイズした。組織のホモゲネートおよびTRIZOL試薬を室温にて5分間インキュベートした。クロロホルム(800uL)を各試料に加え、室温にて5分間インキュベートした。各試料を12,000×gにおいて4℃で10分間遠心した。核酸を含有する水性相を収集し、新鮮な試験管に移した。核酸を2mLの2−プロパノールを加えることによって沈殿させ、室温にて10分間インキュベートした。沈殿を12,000×gにおいて10分間遠心し、核酸ペレットを収集した。上清をデカントし、ペレットを2mLの70%エタノールで洗浄し、風乾した。ペレットを50ないし100uLのRNaseフリー水に懸濁した。核酸濃度は、波長(260nm)における分光分析を用いて計算し、純度は、各試料における260nmおよび280nmの吸光度の比率を計算することによって決定した。製造業者の手法(Agilent 2100)に従い、バイオアナライザーを用いるミクロキャピラリー電気泳動によって全RNAを分析した。簡単に述べると、1uLの各RNAの試料を水中にて250ng/uLに希釈し、ナノチップに負荷し、RNAプロフィールを、製造業者によって供された標準プロトコルを用いて可視化した。RNAの質は、電気動ピークを調べることによって、および28Sおよび18SリボソームRNAの相対的比率を決定することによって決定した。この比率を測定基準として用いて、試料における全ての他のRNA種の全積分を評価した。電気動ピークおよび28S:18S比率が1.5よりも大きな試料は、さらなる転写体分析のために許容できるとみなされた。
(実施例6)
男性および女性器官特異的蛋白質の同定
本実施例は、男性における前立腺および精巣および女性における乳腺および子宮についての器官特異的蛋白質組のさらなる純化および同定を示す。
実施例1に記載された正規化MPSSデータ組をさらに純化して、種々の男性または女性器官に特異的なヌクレオチドおよび蛋白質配列を誘導した。その目的で、そこに記載された32の組織からのデータをさらに描写して、男性の前立腺(表36)および精巣(表37)、および女性の乳腺(表38)および子宮(表39)に特異的な配列を同定した。
器官特異的MPSS配列を同定するための純化手法は、リストされた男性器官(特に精巣および前立腺)に特異的な配列を十分に調査するための32の組織の組織特異的配列の調査、および女性に特異的な組織(この場合、乳腺および子宮)の減算を必要とした。同様に、特異的に女性器官に関する器官特異的配列を調べるために、32の組織からの前立腺および精巣配列の減算を行った。
簡単に述べれば、男性器官(前立腺および精巣)に特異的なヌクレオチドおよび蛋白質配列を同定するために、乳腺および子宮のMPSSデータを、まず、32の組織のMPSSデータ組から除去した。次いで、残りの30の組織のMPSSデータを用いて、実施例1に記載された手法を用いて器官特異的MPSS配列を同定した。前立腺および精巣に特異的なMPSS配列を、実施例1に記載されているように、それらの対応するヌクレオチドおよび蛋白質配列に対してさらに注釈した。得られた前立腺特異的ヌクレオチドおよび蛋白質配列を表36にまとめ、得られた精巣特異的ヌクレオチドおよび蛋白質配列を表37にまとめた。
同様に、女性器官(乳腺および子宮)に特異的なヌクレオチドおよび蛋白質配列を同定するために、前立腺および精巣のMPSSデータを、まず、実施例1に記載された32の組織のMPSSデータ組から除去した。次いで、残りの30の組織のMPSSデータを用いて、実施例1に記載したように、器官特異的MPSS配列を同定した。乳腺および子宮に特異的なMPSS配列を、実施例1に記載した手法に従い、それらの対応するヌクレオチドおよび蛋白質配列に対してさらに注釈した。得られた乳腺特異的ヌクレオチドおよび蛋白質配列を表38にまとめ、得られた子宮特異的蛋白質を表39にまとめた。
(実施例7)
前立腺癌についての潜在的バイオマーカーの同定
本実施例は、前立腺癌についての潜在的バイオマーカーである蛋白質組の同定を示す。
LNCaP細胞系は、初期段階前立腺癌についての細胞モデルであって、CL1細胞系は後期段階の前立腺癌についての細胞モデルである。LNCaP細胞およびCL1細胞の正規化されたMPSSデータ組を、前立腺癌についての潜在的バイオマーカーを同定する目的で入手した。新しいデータを、実施例1に記載された32の組織の正規化されたMPSSデータ組と組み合わせた。正常前立腺特異的、LNCaP特異的およびCL1特異的ヌクレオチドおよび蛋白質配列を、組み合わされたデータ組から同定し、前立腺癌についての潜在的バイオマーカーが得られた。
より具体的には、女性器官(乳腺および子宮)のMPSSデータを、まず、実施例1に記載された32の組織のMPSSデータ組から除去した。次いで、残りの30の組織のMPSSデータを、LNCaP細胞およびCL1細胞の正規化されたMPSSデータ組と組み合わせた。実施例1に記載された手法に従い、32の試料(実施例1に記載された32の組織から乳腺および子宮を除き、LNCaPおよびCL1細胞を加えたもの)の組み合わされたMPSSデータ組を用いて、CL1細胞(表40)、LNCaP細胞(表41)および正常前立腺(表42)に特異的なヌクレオチドおよび蛋白質配列を同定した。正常な前立腺特異的ヌクレオチドおよび蛋白質配列は前立腺癌の欠如についての潜在的マーカーであるが、LNCaP特異的ヌクレオチドおよび蛋白質配列は初期段階前立腺癌についての潜在的マーカーであって、CL1特異的ヌクレオチドおよび蛋白質配列は後期段階前立腺癌についての潜在的マーカーである。得られたCL1特異的ヌクレオチドおよび蛋白質配列を表40にまとめ、得られたLNCaP特異的ヌクレオチドおよび蛋白質配列は表41にまとめ、および得られた正常前立腺特異的ヌクレオチドおよび蛋白質配列は表42にまとめる。
(実施例8)
質量分析による体液中で同定された器官特異的蛋白質のコレクション
蛋白質同定についての大量の質量分析データはプロテオミックス分野において非常に迅速に蓄積されている。そのようなデータは、種々の生物学的検体における蛋白質の存在についての洞察力のある情報を提供する。本実施例は、血清、血漿および精晶のような体液中で質量分析によって同定されている器官特異的蛋白質のコレクションを示す。
数百ないし数千の蛋白質がいくつかのプロテオミックス研究において血清、血漿および精晶のような体液中で同定されており、いくつかのプロテオミックスデータベースに蓄積されている。蛋白質同定についての入手可能な質量分析データベースが:1)Human Proteome Organization(HUPO,Omenn,ら,Proteomics.(2005):3226−45)によって同定され、管理されているヒト血漿蛋白質、2)ヒト血漿から同定されたペプチド(PeptideAtlas,Deutschら,Proteomics(2005):3497−500)、3)ヒト血漿N−糖蛋白質(Liuら,J Proteome Res(2005):2070−80)、4)ヒト精漿蛋白質(Pilch B.and Mann M.,Genome Biol(2006):R40)、5)種々のヒト検体から同定されたN−糖ペプチド、および6)所有権のあるヒト血清蛋白質データベースを含む。元来のデータ組における蛋白質が、異なる蛋白質配列データベースまたは該データベースの異なるバージョンいずれかにおいてそれらのアクセション番号によって特定された。かくして、蛋白質は一定して注釈されておらず、これは、異なるデータ組における蛋白質を直接的に組み合わせるのを不可能とした。この問題を解決するために、質量分析データから直接的に同定されたペプチドをデータ組1)ないし6)からダウンロードした。これらのペプチドを、次いで、ProteinProphetアルゴリズム(Nesvizhskiiら,Anal Chem(2003):4646−58)に記載された手法に従い、RefSeqデータベース(ftp://ftp.ncbi.nih.gov/refseq/H_sapiens)における蛋白質に組立てた。よって、我々は、質量分析によって体液中で同定された、蛋白質、およびそれらの属するペプチドのリストを得た。
次いで、質量分析によって体液中で同定された蛋白質を、実施例1、6および7で同定された器官特異的蛋白質と比較した。体液中で同定された蛋白質、および表1ないし32にリストされた器官特異的蛋白質の間の重複を表43にまとめる。体液中で同定された蛋白質、および表36ないし39でリストされた性的器官(前立腺、精巣、乳腺および子宮)に特異的な蛋白質の間の重複を表44にまとめる。体液中で同定された蛋白質、および表40ないし42にリストされた前立腺癌についての潜在的蛋白質バイオマーカーの間の重複を表45にまとめた。
(実施例9)
合成分析による配列決定を用いる組織特異的遺伝子および蛋白質の同定
本実施例は、合成による配列決定(SBS)を用いる正常な健康な器官からの器官特異的蛋白質組の同定を示す。
ヒト組織のSBSデータ組
ヒト正常組織および上皮細胞の合計53の試料を異なる患者から収集した(詳細については表46参照)。これらの試料は、実施例1に記載されたMPSSデータ組を作成するのに用いた試料とは異なった。標準的手法を用いて、RNA分子を各試料から抽出した(例えば、実施例5参照)。次いで、収集されたRNA試料をSolexa(現在、Illumina,San Diego,CA,USAの一部であるHayward,CA,USA)に送って、それらの合成による配列決定(SBS)RNA分析プラットフォームを用いて、各試料におけるRNA分子の豊富性を測定した(例えば、Johnson DS,ら(2007)Science 316(5830):1441−2;A.Barskiら,2007 Cell 129,823−837;T.Mikkelsenら,Nature.2007 448(7153):553−60;G.Robertsonら,Nature Methods 2007 Aug;4(8):651−7参照)。いくつかの試料を二連で分析した(例えば、2つの乳房試料)。結果として、合計64のSBSデータ組をSolexaから受け取った(表46参照)。
MPSSデータと同様に、各SBSデータ組は、各タグがDNA配列長20塩基から構成される全ての同定されたSBSタグ、試料中のタグの豊富性を適格とするそれらの生のカウント、UniGeneデータベースに対するそれらの注釈、注釈質に基づくそれらの分類クラス、およびタグがそれに対して注釈される対応するUniGeneエントリーの記載を含有する。次いで、このSBSデータ組を用いて、以下に記載したように器官特異的蛋白質を同定した。
個々のSBSデータ組の器官への帰属
(HCC01_AおよびHCC01_Bのような)いくつかのSBSデータ組を同一組織から作成した。(HCC18およびHCC51のような)いくつかは、同一器官の組織からであるが、異なる患者から作成した。加えて、いくつかの試料は相互に密接に関連した(例えば、肝細胞および肝臓)。器官特異的蛋白質を同定するために、全てのSBSデータ組を表46にリストした25の器官の1つに割り当てた。
(表46 全てのSBSデータ組、該データ組を生じさせた試料、およびデータ組が帰属された器官のリスト)
Figure 2010500568
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器官特異的SBSタグの同定
器官特異的SBSタグを同定するための方法は、実施例1に記載された、器官特異的MPSSタグを同定するためのものと同様であった。2つのデータ組における差を収容するための少数の修飾があった。特に、さらに以下に概説するように、いくつかの器官について多数のSBSデータ組を有することを説明するように変化を行った(例えば、表46、乳房、脾臓、リンパ節等についての多数の試料参照)。
修飾の1つは、まず、100万当たりの転写(tpm)に対してSBSタグの生のカウントを正規化することであった。比較において、MPSSデータはtpmに対して既に正規化されていた。器官特異的SBSタグを同定するための方法は以下の通りであった。
64のSBSデータ組におけるSBS配列の(tpmで表した)発現を{Xij}と仮定し、i=1,2,...,25は個々の器官を表し、およびj=1,2,...,kは同一器官の個々のデータ組を表す。もし器官iがただ1つのデータ組を有するならば、明らかに、k=1である。各器官について、我々は、まず、以下の3つの量を見積った:
(a)器官におけるタグの最高の発現、すなわち、
Figure 2010500568
(b)器官におけるタグの平均した発現、すなわち、
Figure 2010500568
および(c)k>1についての対応する標準偏差(SD)、すなわち、
Figure 2010500568
もしk=1であれば、
Figure 2010500568
およびs=0を有する。
器官mは全ての器官の中で
Figure 2010500568
の最高の値を有したと仮定する。我々は、次いで、3つの規則を適用して、以下のように、タグが器官mに対して特異的か否かを決定した:
i)器官mにおけるタグの最高発現は最小の見積られたノイズレベルを超えた、すなわち、
Figure 2010500568
ii)器官mにおけるタグの最高の発現は、全ての他の組織におけるタグの平均した発現を十分超えた。より具体的には、我々は、まず、(器官mを除いた)他の24の器官におけるタグの平均発現を、
Figure 2010500568
として、関連標準誤差を、
Figure 2010500568
として、および対応するSDを、
Figure 2010500568
として計算し、N=24である。
我々は、次いで、器官mにおけるタグの発現が他の器官におけるタグの発現を超えた有意性を、
Figure 2010500568
として見積った。
器官mに対して特異的であるタグでは、我々は、
Figure 2010500568
であることを要求した。
iii)器官mにおけるタグの特異性fは予め選択されたカットオフ値fを十分超えなければならなかった。より具体的には、我々は、組織mにおけるタグの特異性を、
Figure 2010500568
として定義し、関連SDを、
Figure 2010500568
として評価した。
次いで、fがfを超えた有意性が、
Figure 2010500568
によって与えられる。
器官mに特異的なタグについては、我々は、
Figure 2010500568
を選択し、
Figure 2010500568
を要求した。
もしその発現が数式(4)、(9)および(14)における3つの条件を満足すれば、タグは器官mに対して特異的であると同定された。
器官特異的蛋白質のリスト
器官特異的蛋白質への器官特異的SBSタグのマッピングは、実施例1に記載されたMPSSデータについてのそれと同一であった。
SBSデータから同定された全ての器官特異的蛋白質を表47ないし71にリストした。
男性または女性の性的器官に対して特異的なSBSデータから発見された全ての蛋白質を表72ないし77にリストした。この分析のための方法は実施例6に記載した通りである。
SBSデータから発見された、および質量分析によって従前に同定された全ての器官特異的蛋白質を表78にリストした。この分析のための方法は実施例8に記載した通りである。
男性または女性の性的器官に特異的なSBSデータから発見された、および質量分析によって従前に同定された全ての蛋白質を表79にリストした。この分析についての方法は実施例8に記載した通りである。
表47ないし79にリストした各蛋白質についての情報は遺伝子の名称、遺伝子アクセション番号、蛋白質アクセション番号、該蛋白質の概略記載、(実施例1に記載されたような)予測された蛋白質局在化、対応するMPSSタグ、MPSSタグのクラス、特定の組織におけるタグの発現(カウント)、(前記した)特定の組織におけるタグの特異性、および(さらに以下に記載する)HUPOによって蛋白質で同定されたペプチドの数を含む。MPSSによって、およびSBSによって同定されたそれらの蛋白質は「&」によって注記される。器官特異的蛋白質に対応するアミノ酸配列、および蛋白質をコードするポリヌクレオチドを配列表に提供する。表47ないし79に示されたMPSSタグに対応する配列もまた掲げる。表78および79に記載された器官特異的蛋白質にマッピングされる質量分析によって従前に同定されたペプチドに対応する配列をそれらの表に示し、配列表に掲げる。
まとめると、本実施例で記載された実験は、表47ないし79に記載された器官特異的蛋白質組を同定した。これらの蛋白質は、例えば、対象の生物学的状態を規定するのに、および特異的病気の診断のために、本明細書中に記載された種々の状況で診断的におよび治療的に有用である。これらの蛋白質およびそれに対する検出試薬を、正確なアッセイ、パネル、アレイおよび方法で用いて、健康を測定し、病気を検出し、および処置をモニターすることができる。
本明細書中で言及し、および/または出願データシートにリストされた前記米国特許、米国特許出願公開、米国特許出願、外国特許、外国特許出願、および非特許文献の全ては引用してその全体を援用する。

Claims (22)

  1. 複数の検出試薬を含む診断パネルであって、各検出試薬は1つの器官特異的蛋白質に対して特異的であり;該複数の検出試薬によって検出される器官特異的蛋白質は表1ないし32、36ないし45および47ないし79で提供される器官特異的蛋白質組のいずれか1つから選択され;および該複数の検出試薬は、該器官特異的蛋白質が由来する器官に影響する病気に罹った対象からの血液試料中の該複数の検出試薬によって検出された少なくとも1つの器官特異的蛋白質のレベルが所定の通常の範囲を超えるか、または未満であるように選択される、診断パネル。
  2. 前記複数の検出試薬が、器官特異的蛋白質が由来する器官に影響する病気に罹った対象からの血液試料中の該複数の検出試薬によって検出される少なくとも2つの器官特異的蛋白質のレベルが所定の正常な範囲を超えるか、または未満であるように選択される、請求項1記載の診断パネル。
  3. 前記複数の検出試薬が、器官特異的蛋白質が由来する器官に影響する病気に罹った対象からの血液試料中の該複数の検出試薬によって検出される少なくとも3つの器官特異的蛋白質のレベルが所定の正常な範囲を超えるか、または未満であるように選択される、請求項1記載の診断パネル。
  4. 前記複数の検出試薬が、器官特異的蛋白質が由来する器官に影響する病気に罹った対象からの血液試料中の該複数の検出試薬によって検出される少なくとも4つの器官特異的蛋白質のレベルが所定の正常な範囲を超えるか、または未満であるように選択される、請求項1記載の診断パネル。
  5. 前記複数の検出試薬が2〜100の検出試薬である、請求項1記載の診断パネル。
  6. 前記複数の検出試薬によって検出される器官特異的蛋白質が、表1ないし32、36ないし45および47ないし79で提供される器官特異的蛋白質組のいずれか1つから、および分泌されるものとして同定された蛋白質内から選択される、請求項1記載の診断パネル。
  7. 前記複数の検出試薬によって検出される器官特異的蛋白質が、表1ないし32、36ないし45および47ないし79で提供される器官特異的蛋白質組のいずれか1つから、および膜貫通するものとして同定された蛋白質内から選択される、請求項1記載の診断パネル。
  8. 前記複数の検出試薬によって検出される該器官特異的蛋白質が、表1ないし32、36ないし45および47ないし79で提供される器官特異的蛋白質組のいずれか1つから、および0.8以上の特異性を持つ蛋白質内から選択される、請求項1記載の診断パネル。
  9. 前記病気が副腎に影響を与え、かつ前記複数の検出試薬によって検出される器官特異的蛋白質が表1から検出され、該病気が膀胱に影響を与え、かつ該複数の検出試薬によって検出される器官特異的蛋白質が表2から検出され、該病気が骨髄に影響を与え、かつ該複数の検出試薬によって検出される器官特異的蛋白質が表3から検出され、該病気が脳扁桃に影響を与え、かつ該複数の検出試薬によって検出される器官特異的蛋白質が表4から検出され、該病気が結腸に影響を与え、かつ該複数の検出試薬によって検出される器官特異的蛋白質が表11から検出され、該病気が心臓に影響を与え、かつ該複数の検出試薬によって検出される器官特異的蛋白質が表12から検出され、該病気が腎臓に影響を与え、かつ該複数の検出試薬によって検出される器官特異的蛋白質が表13から検出され、該病気が肺に影響を与え、かつ該複数の検出試薬によって検出される器官特異的蛋白質が表14から検出され、該病気が乳腺に影響を与え、かつ該複数の検出試薬によって検出される器官特異的蛋白質が表15から検出され、該病気が末梢血液に影響を与え、かつ該複数の検出試薬によって検出される器官特異的蛋白質が表16から検出され、該病気が膵臓に影響を与え、かつ該複数の検出試薬によって検出される器官特異的蛋白質が表17から検出され、該病気が末梢血液に影響を与え、かつ該複数の検出試薬によって検出される器官特異的蛋白質が表18から検出され、該病気が下垂体に影響を与え、かつ該複数の検出試薬によって検出される器官特異的蛋白質が表19から検出され、該病気が前立腺に影響を与え、かつ該複数の検出試薬によって検出される器官特異的蛋白質が表21から検出され、該病気が網膜に影響を与え、かつ該複数の検出試薬によって検出される器官特異的蛋白質が表22から検出され、該病気が唾液腺に影響を与え、かつ該複数の検出試薬によって検出される器官特異的蛋白質が表23から検出され、該病気が小腸に影響を与え、かつ該複数の検出試薬によって検出される器官特異的蛋白質が表24から検出され、該病気が脊髄に影響を与え、かつ該複数の検出試薬によって検出される器官特異的蛋白質が表25から検出され、該病気が脾臓に影響を与え、かつ該複数の検出試薬によって検出される器官特異的蛋白質が表26から検出され、該病気が胃に影響を与え、かつ該複数の検出試薬によって検出される器官特異的蛋白質が表27から検出され、該病気が精巣に影響を与え、かつ該複数の検出試薬によって検出される器官特異的蛋白質が表28から検出され、該病気が胸腺に影響を与え、かつ該複数の検出試薬によって検出される器官特異的蛋白質が表29から検出され、該病気が甲状腺に影響を与え、かつ該複数の検出試薬によって検出される器官特異的蛋白質が表30から検出され、該病気が子宮に影響を与え、かつ該複数の検出試薬によって検出される器官特異的蛋白質が表32から検出される、請求項1記載の診断パネル。
  10. 前記病気がクッシング症候群である、請求項4記載の診断パネル。
  11. 複数の検出試薬を含む診断パネルであって、各検出試薬は1つの器官特異的蛋白質に特異的であり;該複数の検出試薬によって検出される器官特異的蛋白質は表1ないし32、36ないし45および47ないし79で提供される器官特異的蛋白質組の2以上から選択され;および該複数の検出試薬は、該器官特異的蛋白質が由来する器官に影響する病気に罹った対象からの血液試料中の該複数の検出試薬によって検出される少なくとも1つの器官特異的蛋白質のレベルが所定の正常な範囲を超えるか、または未満であるように選択される、診断パネル。
  12. 前記結腸病が結腸癌であって、前記複数の検出試薬によって検出される器官特異的蛋白質が表11から選択される、請求項記載の診断パネル。
  13. 前記心臓病が弁心臓病;肺性心、心筋障害、心筋炎、心臓周辺病;アテローム性動脈硬化症、急性心筋梗塞、虚血性心臓病のような血管病よりなる群から選択され、前記複数の検出試薬によって検出される器官特異的蛋白質が表12から選択される、請求項記載の診断パネル。
  14. 前記病気が子宮に影響を与え、前記複数の検出試薬によって検出される器官特異的蛋白質が表32から選択される、請求項1記載の診断パネル。
  15. 前記検出試薬が抗体またはその抗原結合断片を含む、請求項記載の診断パネル。
  16. 前記検出試薬がDNAまたはRNAアプタマーを含む、請求項記載の診断パネル。
  17. 前記検出試薬が同位体標識ペプチドを含む、請求項記載の診断パネル。
  18. 病気関連器官特異的血液フィンガープリントを規定する方法であって、該方法は、
    a.少なくとも2つの器官特異的蛋白質が選択される器官に影響を与える病気を有すると決定された対象からの血液試料中の表1ないし32、36ないし45および47ないし79で提供される器官特異的蛋白質組のいずれか1つから選択される少なくとも2つの器官特異的蛋白質のレベルを測定し;
    b.(a)において決定された該少なくとも2つの器官特異的蛋白質のレベルを該少なくとも2つの器官特異的蛋白質の所定の正常レベルと比較することを含み、
    該対応する所定の正常レベル未満であるか、またはそれを超える病気を有すると決定された対象からの血液試料中の少なくとも2つのうち少なくとも1つの器官特異的蛋白質のレベルは病気関連器官特異的血液フィンガープリントを規定する、方法。
  19. 病気関連器官特異的血液フィンガープリントを規定する方法であって、該方法は、
    a.注目する病気を有すると決定された対象からの血液試料中の表1ないし32、36ないし45および47ないし79で提供される器官特異的蛋白質組の2以上から選択される少なくとも2つの器官特異的蛋白質のレベルを測定し;
    b.(a)において決定された少なくとも2つの器官特異的蛋白質のレベルを該少なくとも2つの器官特異的蛋白質の所定の正常レベルと比較することを含み、
    対応する所定の正常レベル未満であるか、またはそれを超える、病気を有すると決定された対象からの血液試料中の少なくとも2つのうち少なくとも1つの器官特異的蛋白質のレベルが病気関連器官特異的血液フィンガープリントを規定する、方法。
  20. 表1ないし32、36ないし45および47ないし79に記載された配列のいずれか1以上の配列を特異的に認識する器官特異的プローブを含むイメージングプローブであって、該プローブはそれに付着した標識を有し、該標識は検出可能なマーカーを含むイメージングプローブ。
  21. 表1ないし32、36ないし45および47ないし79に記載された配列のいずれか1以上の配列を特異的に認識する器官特異的プローブを含み、該プローブは該プローブに付着した治療剤を有し、該治療剤は放射性同位体または細胞傷害剤を含む、標的化剤。
  22. 該複数の検出試薬によって検出された該器官特異的蛋白質が表47ないし79で提供される器官特異的蛋白質組のいずれか1つから、およびMPSSデータおよびSBSデータによって同定された蛋白質内から選択される、請求項1記載の診断パネル。
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