JP6104796B2 - 方法、アレイ、およびこれらの使用 - Google Patents

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Description

本発明は、乳がんの予後判定のための方法、およびバイオマーカー、およびバイオマーカーを使用するためのアレイに関する。
乳がんは、西欧諸国において最も一般的な腫瘍型の1つであり、10人に1人を超える女性が発症している(1)。悪性と診断されたもののすべてのうちの4分の1は、乳がんについてであり、1990年後半以降、世界的な発病率は、特に45〜70歳の年齢群について増大しているが、過去数年の間ではわずかに低下している。この減少の1つの説明は、初期のスクリーニング活動(マンモグラフィー)、ならびに内分泌療法および細胞増殖抑制療法により、生存時間が改善されたことである。
この低下にもかかわらず、米国では、乳がんにより依然として毎日100人を超える女性が死亡している。さらに、初期検出および乳がんの分子に基づく理解の改善にもかかわらず、原発性乳がんを有する全患者の約30%が、疾患の遠隔再発(すなわち、転移)を発症する(2)。
転移性疾患を発症すると、治癒の可能性が非常に限定され、または存在しない。効力が増大し、毒性がより低い、より良好な治療を提供するために、療法は、腫瘍の臨床的特徴および分子的特徴に基づいて選択されなければならない。現在、組織学的グレードおよびリンパ節状態などの従来の臨床的予測因子を使用して疾患の転帰を予測する、限られた可能性のみが存在する(3、4)。
最近、ゲノム研究により、多数の異なる遺伝子の発現分析を使用して、無再発生存時間に関して予後不良である患者を識別する可能性が開かれた(5、6)。しかし、極めて大きい努力にもかかわらず、アフィニティプロテオミクス(affinity proteomics)における最近の開発により、がんバイオマーカーの分野が進歩しているが、単純な血液試験を使用して乳がん転移のリスク評価を実施することは現在可能でない(7〜9)。血清は、疾患の初期のスクリーニングのみに有用であるだけでなく、療法の効力の連続的なモニタリングおよび分析にも使用することができるので、特に有用な供給源であり、これは、手術時に実施される測定に基づく予測因子と対照的である。
EP39578 米国特許第5,856,090号 WO98/37186 米国特許第4,376,110号 米国特許第4,486,530号
Makarovら、2009、Ann. Rev. Med.、60:139〜151 Burges、1998、Data Mining and Knowledge Discovery、2:121〜167 van't Veerら、2002、Nature、415:530〜536 Paikら、2004、N. Engl. J. Med、351:2817〜2826 Edenら、2004、European Journal of Cancer、40(12):1837〜1841 Winter & Milstein (1991) Nature 349、293〜299 Collettら、2005、Methods 37:4〜15 Carlsson & Soderlind、2001、Expert Rev Mol Diagn. 1:102〜8 Clacksonら、1991、Nature 352、624〜628 Marksら、1991、J Mol Biol 222(3):581〜97 Smith、1985、Science 228(4705):1315〜7 Santiら、(2000) J Mol Biol 296(2):497〜508 Gunneriussonら、1999、Appl Environ Microbiol 65(9):4134〜40 Kenanら、1999、Methods Mol Biol 118、217〜31 Kiekeら、1999、Proc Natl Acad Sci USA、96(10):5651〜6 Hanes & Pluckthun、1997、Proc Natl Acad Sci USA 94(10):4937〜42 He & Taussig、1997、Nucleic Acids Res 25(24):5132〜4 Nemotoら、1997、FEBS Lett、414(2):405〜8 Daughertyら、1998、Protein Eng 11 (9):825〜32 Daughertyら、1999、Protein Eng 12(7):613〜21 Shustaら、1999、J Mol Biol 292(5):949〜56 Morrisonら(1984) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 81、6851〜6855 Betterら(1988) Science 240、1041 Skerraら(1988) Science 240、1038 Birdら(1988) Science 242、423 Hustonら(1988) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 85、5879 Wardら(1989) Nature 341、544 「Monoclonal Antibodies: A manual of techniques」、H Zola(CRC Press、1988) 「Monoclonal Hybridoma Antibodies: Techniques and applications」、J G R Hurrell (CRC Press、1982) Frakerら、(1978) Biochem. Biophys. Res. Comm. 80、49〜57 「Monoclonal Antibodies in Immunoscintigraphy」、J-F Chatal、CRC Press、1989 Jenkins, R.E.、Pennington, S.R.(2001、Proteomics、2、13〜29) Laiら(2002、Drug Discov Today 15;7(18 補遺):S143〜9)
したがって、乳がんの予後、特に、疾患の遠隔再発(すなわち、転移)を発症するリスクについての改善された方法の必要性が存在する。
この背景に対して、本発明者らは最近、乳がんの予後に対するプロテオミクスの血清ベースの手法を開発し、疾患の遠隔再発(すなわち、転移)を発症するリスクを判定するための一連の血清バイオマーカーを同定した。
したがって、第1の態様では、本発明は、対象における乳がんの予後判定のための方法であって、
(a)対象からの第1のプロテオーム試料を提供する工程と、
(b)第1のプロテオーム試料中で、Table 1(表1)に列挙されたバイオマーカーの群から選択される1つまたは複数のバイオマーカーの量を測定する工程と、
(c)対象からの追加の(例えば、第2の)プロテオーム試料を提供する工程と、
(d)追加のプロテオーム試料中で、工程(b)において測定されたTable 1(表1)に列挙されたバイオマーカーの群から選択される1つまたは複数のバイオマーカーの量を測定する工程と、
(e)第1のプロテオーム試料および追加のプロテオーム試料中の1つまたは複数のバイオマーカーの量の差異を求める工程と
を含み、
第1のプロテオーム試料および追加のプロテオーム試料は、異なる日の対象のプロテオーム組成を代表し、
第1のプロテオーム試料および追加の(例えば、第2の)プロテオーム試料中の1つまたは複数のバイオマーカーの量の差異は、対象における乳がんの再発および/または転移のリスクを示す方法を提供する。
「乳がんの予後判定」とは、対象における乳がん再発のリスクを判定することを意味する。このようなリスクは、指定された期間内、例えば、予後判定が行われる日から1、2、3、4、5、または10年以内の乳がん再発の確率として表すことができる。
本発明の方法において試験される対象は、一般的にヒトであることが理解されるであろう。
しかし、この方法は、動物、例えば、家畜哺乳動物または飼育哺乳動物(例えば、ウマ、ブタ、ウシ、ヒツジ、イヌ、またはネコ)などの予後判定のためにも使用することができる。
本発明の方法の工程(a)および(c)は、試験される対象からの第1のプロテオーム試料および追加のプロテオーム試料を提供することを含む。
「プロテオーム試料」とは、試験される対象の細胞によって発現されるタンパク質の試料を意味する。プロテオーム試料は、その測定により乳がんの予後判定に有用な情報をもたらすことができる他の生体分子、またはその成分もしくは断片も含むことができる。例えば、プロテオーム試料は、タンパク質もしくは炭水化物部分、またはこれらの抗原成分もしくは断片を含むことができる。
一実施形態では、プロテオーム試料は、可溶性プロテオーム試料である。
工程(a)および(c)において提供されるプロテオーム試料は、血液試料であることが好ましい。一実施形態では、血液試料は未分画である(すなわち、血液は、遠心分離または任意の他の手段によって、その成分部分に分離されていない)。別の実施形態では、血液試料は分画されている。
したがって、プロテオーム試料は、血清または血漿であってもよく、血清または血漿に由来してもよい。
工程(a)および/または(c)において提供されるプロテオーム試料は、試験される対象から採取される血液試料に由来する血清試料または血漿試料であることが好ましい。
工程(a)および(c)において提供されるプロテオーム試料は、当技術分野で周知の方法を使用して調製することができる。試料は、その中のタンパク質を検出するのに使用される方法に応じて、天然状態であっても消化型であってもよいことが当業者に理解されるであろう。
一実施形態では、個体から収集される試料の1つまたは複数は血液試料であり、残りは血清試料である。しかし、個体から収集される試料は、すべて血液試料、またはすべて血清試料であることが好適である。
工程(a)および(c)において提供されるプロテオーム試料は、対象のプロテオーム組成を代表する。「対象のプロテオーム試料を代表する」とは、プロテオーム試料が、試料が提供された時点における対象の実際のプロテオーム試料を反映することを意味する。プロテオーム試料は、例えば、対象から直接採取される体液または組織試料であっても、そのような試料の処理された派生物であってもよい。
工程(a)および(c)において提供されるプロテオーム試料は、異なる日に対象から収集され、したがって、異なる日の対象のプロテオーム組成を代表する。「異なる日の対象のプロテオーム組成を代表する」とは、各追加の試料またはさらなる試料が、以前のプロテオーム試料または提供された試料より後の時点での対象のプロテオーム組成を代表することを意味する。
一実施形態では、対象からの1つまたは複数のさらなるプロテオーム試料を提供し、工程(b)において測定される1つまたは複数のバイオマーカーの量をその中で測定するために、工程(c)および(d)が繰り返され、ここで1つまたは複数のさらなるプロテオーム試料は、第1のプロテオーム試料および追加のプロテオーム試料と異なる日の対象のプロテオーム組成を代表する。
したがって、複数の追加のプロテオーム試料、例えば、第3、第4、第5、第6(など)のプロテオーム試料を対象から提供することができる。対象から提供されるプロテオーム試料の数は、乳がんの予後を提供および/または確認および/またはモニターするのに十分となり得ることが理解されるであろう
一実施形態では、工程(e)は、第1のプロテオーム試料と追加のプロテオーム試料の間のバイオマーカー量の対数変化を求めることを含む。2つ以上のプロテオーム試料の間の1つまたは複数のバイオマーカーの存在および/または量の対数変化を求めることができる。経時的なバイオマーカー量のこの差異は、「バイオマーカー速度(biomarker velocity)」として公知であり、当技術分野で周知の方法を使用して計算することができる(例えば、Makarovら、2009、Ann. Rev. Med.、60:139〜151を参照)。
したがって、バイオマーカー速度は、バイオマーカーの濃度(すなわち、量)が、その絶対的または静的な濃度/量ではなく、経時的に変化する割合を反映する。
本発明の方法の工程(d)および(b)は、プロテオーム試料中で、Table 1(表1)に列挙されるバイオマーカーの群から選択される1つまたは複数のバイオマーカーの量を測定することを含む。
「バイオマーカー」とは、その測定により乳がんの予後判定に有用な情報をもたらすことができる、天然に存在する生体分子、またはその成分もしくは断片を意味する。例えば、バイオマーカーは、天然に存在するタンパク質もしくは炭水化物部分、またはこれらの抗原成分もしくは断片とすることができる。
したがって、アポリポタンパク質A4(APOA4)の量を測定することができる。アポリポタンパク質A4(APOA4)の量を測定することができる。
ブルトン型チロシンキナーゼ(BTK)の量を測定することができる。補体-1エステラーゼ阻害剤(C1エステラーゼ阻害剤)の量を測定することができる。補体因子B(因子B)の量を測定することができる。CD40の量を測定してもよい。ホメオドメイン転写因子CHX10(CHX10)の量を測定してもよい。インターロイキン-1α(IL-1α)の量を測定することができる。インターロイキン-5(IL-5)の量を測定することができる。インターロイキン-6(IL-6)の量を測定することができる。インターロイキン-7(IL-7)の量を測定することができる。インターロイキン-9(IL-9)の量を測定することができる。インターロイキン-12(IL-12)の量を測定することができる。インターロイキン-13(IL-13)の量を測定することができる。インターロイキン-18(IL-18)の量を測定することができる。TBC1ドメインファミリーメンバー9(KIAA0882)の量を測定してもよい。ルイスx/CD15の量を測定することができる。オキシステロール結合タンパク質様3(OSBPL3)の量を測定することができる。単球走化性タンパク質-1(MCP-1)の量を測定することができる。シアリルルイスxの量を測定することができる。腫瘍壊死因子-1β(TNF-β)の量を測定してもよい。
インテグリンα-10の量を測定することができる。β-ガラクトシダーゼの量を測定することができる。CD40リガンドの量を測定することができる。エオタキシンの量を測定することができる。グルカゴン様ペプチド-1受容体(GLP-1R)の量を測定することができる。インターロイキン1βの量を測定することができる。インターロイキン-3の量を測定することができる。インターロイキン-8の量を測定することができる。インターロイキン-10の量を測定することができる。インターロイキン-16の量を測定することができる。MCP-4の量を測定してもよい。ミオメシン-2(MYOM2)の量を測定することができる。Rantesの量を測定することができる。トランスフォーミング増殖因子-β(TGF-β1)の量を測定することができる。ナンセンス転写物3Bの制御因子(UPF3B)の量を測定することができる。インターロイキン-4の量を測定することができる。インターロイキン-1raの量を測定してもよい。
一実施形態では、工程(b)および工程(d)は、Table 1(表1)(A)に列挙されたバイオマーカーのそれぞれの量を測定することを含む。
別の実施形態では、工程(b)および工程(d)はさらにまたは代わりに、Table 1(表1)(B)に列挙された群から選択される1つまたは複数のバイオマーカー、例えば、Table 1(表1)(B)に列挙された群から選択されるバイオマーカーのうちの2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18個、または19個すべての量を測定することを含む。
したがって、本発明の方法の一実施形態では、Table 1(表1)(A)およびTable 1(表1)(B)に列挙されたバイオマーカーのすべての量が工程(b)および工程(d)において測定される。
さらなる実施形態では、工程(b)および工程(d)はさらにまたは代わりに、さらにまたは代わりにTable 1(表1)(C)中のバイオマーカーのうちの1つまたは複数、例えば、さらにまたは代わりにTable 1(表1)(C)中のバイオマーカーのうちの2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14個、または15個すべての量を測定することを含む。
したがって、本発明の方法の一実施形態では、Table 1(表1)に列挙されたバイオマーカーのすべての量が工程(b)および工程(d)において測定される。
一般的に、工程(b)および工程(d)は、それぞれ、Table 1(表1)に列挙されたバイオマーカーに結合することができる1つまたは複数の第1の結合剤を使用して実施される。一般的に、それぞれの第1の結合剤は、Table 1(表1)に列挙されたものと異なるバイオマーカーに特異的に結合することができる。しかし、第1の結合剤が結合するバイオマーカーにおいていくつかの重複が存在し得ることが、当業者によって理解されるであろう。例えば、第1の結合剤の2つ以上が、同じバイオマーカー上の異なるエピトープに結合することができる(標的抗原のこのような重複は、本発明の方法にとって有用な内部対照として機能を果たすことができ、バイオマーカー測定が正確であることを保証する)。
工程(b)および工程(d)は、Table 1(表1)に列挙されたバイオマーカーに結合することができる2つ以上の結合剤を使用して実施されることが好ましい。Table 1(表1)に列挙されたバイオマーカーが工程(b)および工程(d)で測定される場合、そのような測定は、実施例の節(下記)に規定される結合剤を使用して実施されることが好適である。しかし、関連したバイオマーカーに対する特異性を有する任意の他の結合剤も、同様に使用することができることが理解されるであろう。
一実施形態では、工程(a)において、対象からの第1のプロテオーム試料は、個体の腫瘍切除の前または後の4週間以内の対象のプロテオーム組成を代表する。一般的に、個体からの第1のプロテオーム試料は、個体の腫瘍切除の4週間前、例えば、個体の腫瘍切除の3週間、2週間、1週間、6日、5日、4日、3日、2日、1日、または0日前の対象のプロテオーム組成を代表する。個体からの第1のプロテオーム試料は、個体の腫瘍切除の前の1週間以内の対象のプロテオーム組成を代表することが好ましい。個体からの第1のプロテオーム試料は、個体の腫瘍切除と同じ日の対象のプロテオーム組成を代表することがより好ましい。
「腫瘍切除」とは、腫瘍の全部または一部の外科的除去を意味する。しかし、本発明者らは、任意の他の主な治療手法も含める。乳がんの段階および型に応じて、腫瘍切除は、主な治療手法として使用されない場合があり、または別の治療的手法、例えば、放射線療法(radiation therapy)(すなわち、放射線療法(radiotherapy))、寒冷療法、光力学的療法、化学療法、ホルモン療法、および免疫療法などに続いて行われる場合がある。そのような場合では、主な非外科的療法の開始、完了、または開始と完了の中間期間を、個体のプロテオーム試料の収集についての参照時点として使用することができる。
したがって、「個体の腫瘍切除の前または後」とは、個体の血清試料または血漿試料を収集するための可能な参照時点として、主な治療手法の開始、完了、または開始と完了の間の中間期間の前または後も含む。
一実施形態では、工程(c)で提供される個体からの追加の(例えば、第2の)プロテオーム試料は、個体の腫瘍を切除して3〜9カ月以内、例えば、腫瘍切除から4〜8カ月以内、5〜7カ月以内、または6カ月の時点での対象のプロテオーム組成を代表する。
したがって、個体からの追加のプロテオーム試料は、個体の腫瘍切除の40週間以内、例えば、個体の腫瘍を切除した後の39週間、38週間、37週間、36週間、35週間、34週間、33週間、32週間、31週間、30週間、29週間、28週間、27週間、26週間、25週間、24週間、23週間、22週間、21週間、20週間、19週間、18週間、17週間、16週間、15週間、14週間、13週間、12週間、11週間、10週間、9週間、8週間、7週間、6週間、5週間、4週間、3週間、2週間、または1週間以内の対象のプロテオーム組成を代表することができる。しかし一般的に、追加のプロテオーム試料は、個体の腫瘍を切除して6カ月以内の対象のプロテオーム組成を代表する。
工程(c)および工程(d)が繰り返される場合、1つまたは複数のさらなるプロテオーム試料(すなわち、第3、第4、第5、第6の試料など)は、対象の腫瘍切除の定期的な応当日での対象のプロテオーム組成を代表する。したがって、追加の試料は、腫瘍を切除した後の2カ月毎、3カ月毎、4カ月毎、5カ月毎、6カ月毎、7カ月毎、8カ月毎、9カ月毎、10カ月毎、11カ月毎、毎年、2年毎、3年毎、5年毎または5年超毎の時間間隔での対象のプロテオーム組成を代表することができる。しかし一般的に、1つまたは複数のさらなるプロテオーム試料は、腫瘍切除の毎年の応当日の前または後の8週間以内、例えば、個体の腫瘍切除の毎年の応当日の前または後の約7週間、6週間、4週間、3週間、2週間、または1週間以内の対象のプロテオーム組成を代表する。
したがって、1つまたは複数のさらなるプロテオーム試料は、個体の腫瘍切除の毎年の応当日または応当日付近での対象のプロテオーム組成を代表することが好適である。
しかし、さらなるプロテオーム試料は、個体において腫瘍を切除した後の少なくとも1年、例えば、個体の腫瘍を切除した後の少なくとも2年、3年、4年、5年、6年、7年、8年、9年、または少なくとも10年の対象のプロテオーム組成を代表することができることが理解されるであろう。
一実施形態では、腫瘍切除は、原発性乳がん腫瘍切除である。「原発性乳がん」とは、腫瘍が、がんが始まった臓器または組織内に位置することを意味する。
代替の実施形態では、腫瘍切除は、続発性乳がん腫瘍切除である。「続発性乳がん」とは、腫瘍が、がんが始まった場所と別の臓器または組織に位置すること(すなわち、転移性腫瘍)を意味する。
さらなる実施形態では、対象は、化学療法および/または放射線療法を施されることになり、または施されている。
一実施形態では、工程(b)および(c)は、個体の連続的なモニタリングを含む。「連続的なモニタリング」とは、不断の反復性に基づく測定を日常的に実施すること(すなわち、定期的な短時間間隔での繰り返し測定)を含む。本発明者らは、不断の非反復性に基づく測定を実施すること(すなわち、リアルタイム測定)も含める。連続的なモニタリングは、手作業で実施することができるが、自動(例えば、コンピューターベース)システムによって実施されることが好ましい。
一実施形態では、個体における乳がんの再発のリスクは、乳がん再発の数値的確率、例えば、所与の期間内での乳がん再発の百分率の確率として判定される。
しかし、代替の実施形態では、個体における乳がんのリスクは、高リスクまたは低リスクとして判定される。したがって、試験される個体は、乳がん再発(すなわち、転移)に関して「高リスク」群または「低リスク」群に位置づけられる。
「高リスク」とは個体の腫瘍を切除して(特に、個体の原発腫瘍を切除して)3年で、個体の乳がんを再発する可能性が少なくとも72%であることを意味する。例えば、個体は、個体の腫瘍を切除して3年で乳がんを再発する可能性が、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%である場合がある。「低リスク」とは、個体の腫瘍を切除して(特に、個体の原発腫瘍を切除して)3年で、個体の乳がんを再発する可能性がせいぜい15%であることを意味する。例えば、個体は、個体の腫瘍を切除して3年で乳がんを再発する可能性が、14%、13%、12%、11%、10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%、1%、0.5%、0.25%、0.1%、0.01%、または0%である場合がある。
一般に、個体における乳がんの再発のリスクは、少なくとも0.55のROC AUCで、例えば、少なくとも0.60、0.65、0.70、0.75、0.80、0.85、0.90、0.95、0.96、0.97、0.98のROC AUCで、または少なくとも0.99のROC AUCで判定される。個体における乳がんの再発のリスクは、少なくとも0.85のROC AUCで判定されることが好ましい。
一般的に、個体における乳がんの再発のリスクは、http://cran.r-project.org/web/packages/e1071/index.html(例えば、e1071 1.5-24)から入手可能なものなどのサポートベクターマシン(SVM)を使用して判定される。しかし、任意の他の適当な手段も使用することができる。
サポートベクターマシン(SVM)は、分類および回帰に使用される、一連の関連した教師あり学習法である。それぞれが2つのカテゴリーのうちの1つに属すると印された一連のトレーニング例を考慮して、SVMトレーニングアルゴリズムは、新しい例が一方のカテゴリーまたは他方のカテゴリーに入るのかを予測するモデルを構築する。直観的には、SVMモデルは、別個のカテゴリーの例が、可能な限り広い明らかなギャップによって区分されるようにマッピングされた空間における点としての例の表示である。次いで新しい例がその同じ空間内にマッピングされ、どちらのギャップにこれらが位置するかに基づいて、1つのカテゴリーに属すると予測される。
より正式には、サポートベクターマシンは、分類、回帰、または他のタスクに使用することができる、高次元空間または無限次元空間内に1つの超平面または一連の超平面を構築する。直観的には、良好な分離は、任意のクラスの最も近いトレーニングデータ点に対して最大距離(いわゆる関数マージン)を有する超平面によって実現され、その理由は、一般にマージンが大きいほど、クラシファイヤーの一般化誤差がより低いためである。SVMについてのさらなる情報については、例えば、Burges、1998、Data Mining and Knowledge Discovery、2:121〜167を参照。
本発明の一実施形態では、SVMは、既知の患者群(すなわち、所与の期間にわたって乳がんが再発しなかった患者、および所与の期間にわたって乳がんが実際に再発した患者)に割り当てられた対象からのプロテオーム試料を使用して本発明の方法を実施する前に「トレーニングされる」。このようなトレーニングサンプルを走らせることによって、SVMは、どのようなバイオマーカープロファイルが乳がんの再発のリスクに関連しているかを学習することができる。トレーニングプロセスが完了すると、SVMは、試験されたプロテオーム試料が、乳がん再発のリスクにある対象からのものであるか否かを判定することができる。
しかし、このトレーニング手順は、必要なトレーニングパラメータとともにSVMを予めプログラミングすることによって回避することができる。例えば、対象における乳がんの再発のリスクを、Table 1(表1)(A)およびTable 1(表1)(B)に列挙されたすべてのバイオマーカーの測定に基づいて、Table 2(表2)に詳述された既知のSVMパラメータによって判定することができる。
適当なSVMパラメータは、データ(すなわち、既知の患者群からのプロテオーム試料におけるバイオマーカー測定)を適切に選択して、SVMマシンをトレーニングすることによって、Table 1(表1)に列挙されたバイオマーカーの任意の組合せについて求めることができることが当業者によって理解されるであろう。
一実施形態では、乳がん再発のリスクは、乳がん再発のリスクと関連する1つまたは複数の核酸発現プロファイルと組み合わせてなど、乳がん再発のリスクを判定する少なくとも1つの他の方法と組み合わせて判定される。例えば、van't Veerら、2002、Nature、415:530〜536および/またはPaikら、2004、N. Engl. J. Med、351:2817〜2826に定義された核酸発現プロファイルを使用することができる。
代わりに、またはさらに、乳がん再発のリスクは、従来の臨床マーカーと組み合わせて判定することができる。「従来の臨床マーカー」とは、臨床的特徴、例えば、閉経状態、エストロゲン受容体状態、プロゲステロン状態、管型/小葉型、腫瘍サイズ、リンパ節のステージ/状態、および組織学的グレードなど(複合体発現シグネチャーの発現とは対照的に)に基づいた、患者の異なる予後の群への層別化を意味する。従来の臨床マーカーを使用する予後指数の1つの一般的な例は、後ろ向き多変量研究から得られたノッティンガム予後指数(NPI)であり、これは、乳がんを有する患者における生存時間を(ある程度)予測することができる。さらなる情報については、例えば、Edenら、2004、European Journal of Cancer、40(12):1837〜1841を参照されたい。
さらなる実施形態では、Table 1(表1)に規定されたバイオマーカーに結合することができる1つまたは複数の結合剤は、抗体またはその抗原結合断片を含み、またはこれからなる。抗体またはその抗原結合断片は、モノクローナル抗体またはその断片であることが好ましい。抗体またはその抗原結合断片は、組換え抗体またはその抗原結合断片であることがより好ましい。
用語「抗体」は、任意の合成抗体、組換え抗体、または抗体ハイブリッド、例えば、それだけには限定されないが、免疫グロブリン軽鎖および/もしくは重鎖可変領域および/もしくは定常領域のファージディスプレイによって生成される単鎖抗体分子、または当業者に公知であるイムノアッセイ形式で抗原に結合することできる他の免疫相互作用分子(immunointeractive molecule)などを含む。
本発明者らは、アフィボディおよびアプタマーなどの抗体様結合剤の使用も含める。
所与の抗原に対する特異性を伴った抗体、またはその抗原結合断片もしくは誘導体(Table 1(表1)中のバイオマーカーなど)を得るための方法は、当技術分野で周知である。特異的結合部位を保持する抗体断片の合成に関与する技法の一般的な概説は、Winter & Milstein (1991) Nature 349、293〜299に見出される。
さらにまたは代わりに、第1の結合分子の1つまたは複数をアプタマーとすることができる(Collettら、2005、Methods 37:4〜15を参照)。
好都合なことには、抗体ライブラリー(Biolnvent International ABのn-CoDeRライブラリーなど;Carlsson & Soderlind、2001、Expert Rev Mol Diagn. 1:102〜8を参照)がスクリーニングされることによって、所望の結合特異性を伴った抗体、またはその抗原結合断片もしくは誘導体が同定される。したがって、分子ライブラリー、例えば、抗体ライブラリー(Clacksonら、1991、Nature 352、624〜628;Marksら、1991、J Mol Biol 222(3):581〜97)、ペプチドライブラリー(Smith、1985、Science 228(4705):1315〜7)、発現cDNAライブラリー(Santiら、(2000) J Mol Biol 296(2):497〜508)、アフィボディなどの抗体フレームワーク以外の足場に基づくライブラリー(Gunneriussonら、1999、Appl Environ Microbiol 65(9):4134〜40)、またはアプタマーに基づくライブラリー(Kenanら、1999、Methods Mol Biol 118、217〜31)などを、本発明の方法で使用するために、所与のモチーフに特異的である結合分子が選択される供給源として使用することができる。
分子ライブラリーは、原核細胞(Clacksonら、1991、前掲書中; Marksら、1991、前掲書中)もしくは真核細胞(Kiekeら、1999、Proc Natl Acad Sci USA、96(10):5651〜6)内で、インビボで発現させることができ、または細胞の関与を伴わずにインビトロで発現させることができる(Hanes & Pluckthun、1997、Proc Natl Acad Sci USA 94(10):4937〜42; He & Taussig、1997、Nucleic Acids Res 25(24):5132〜4; Nemotoら、1997、FEBS Lett、414(2):405〜8)。
タンパク質ベースのライブラリーが使用される場合では、潜在的な結合分子のライブラリーをコードする遺伝子がウイルス内にパッケージされることが多く、潜在的な結合分子がウイルスの表面でディスプレイされる(Clacksonら、1991、上記を参照; Marksら、1991、上記を参照; Smith、1985、上記を参照)。
おそらく最も一般に使用されるディスプレイシステムは、表面で抗体断片をディスプレイする糸状バクテリオファージであり、抗体断片は、バクテリオファージのマイナーコートタンパク質への融合物として発現される(Clacksonら、1991、上記を参照; Marksら、1991、上記を参照)。しかし、ディスプレイのための他の適当なシステムは、他のウイルス(EP39578)、細菌(Gunneriussonら、1999、上記を参照; Daughertyら、1998、Protein Eng 11 (9):825〜32; Daughertyら、1999、Protein Eng 12(7):613〜21)、および酵母(Shustaら、1999、J Mol Biol 292(5):949〜56)を使用することを含む。
さらに、ディスプレイシステムは、いわゆるリボソームディスプレイシステムにおけるポリペプチド生成物の、それをコードするmRNAへの連結(Hanes & Pluckthun、1997、上記を参照; He & Taussig、1997、上記を参照; Nemotoら、1997、上記を参照)、または代わりに、ポリペプチド生成物のコードDNAへの連結(米国特許第5,856,090号およびWO98/37186を参照)を利用して開発されている。
抗体の可変重鎖(VH)ドメインおよび可変軽鎖(VL)ドメインは、抗原認識に関与し、初期のプロテアーゼ消化実験によって最初に認識された事実である。さらなる確認は、げっ歯類抗体の「ヒト化」によって見出された。げっ歯類起源の可変ドメインは、ヒト起源の定常ドメインに融合することができ、その結果、得られる抗体は、げっ歯類を親とする抗体の抗原特異性を保持する(Morrisonら(1984) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 81、6851〜6855)。
抗原特異性は、可変ドメインによって付与され、定常ドメインに非依存性であることが、すべて1つまたは複数の可変ドメインを含有する抗体断片の細菌発現を伴う実験から分かっている。これらの分子には、Fab様分子(Betterら(1988) Science 240、1041)、Fv分子(Skerraら(1988) Science 240、1038)、VHおよびVLパートナードメインが柔軟なオリゴペプチドを介して連結されている単鎖Fv(ScFv)分子(Birdら(1988) Science 242、423; Hustonら(1988) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 85、5879)、ならびに隔離されたVドメインを含む単一ドメイン抗体(dAb)(Wardら(1989) Nature 341、544)が含まれる。特異的結合部位を保持する抗体断片の合成に関与する技法の一般的な概説は、Winter & Milstein (1991) Nature 349、293〜299に見出される。
したがって、抗体または抗原結合断片は、インタクト抗体、Fv断片(例えば、単鎖Fv[scFv]およびジスルフィド結合Fv)、Fab様断片(例えば、Fab断片、Fab'断片、およびF(ab)2断片)、単一可変ドメイン(例えば、VHドメインおよびVLドメイン)、ならびにドメイン抗体(単一形式および二重形式[すなわち、dAb-リンカー-dAb]を含めたdAb)からなる群から選択することができる。
「scFv分子」とは、VHおよびVLパートナードメインが柔軟なオリゴペプチドを介して連結されている分子を意味する。
全抗体ではなく抗体断片を使用する利点は、いくつかある。より小さいサイズの断片は、固体組織のより良好な浸透などの薬理学的特性を改善することができる。補体結合などの全抗体のエフェクター機能が除去される。Fab、Fv、ScFv、およびdAbの抗体断片は、すべて大腸菌(E. coli)内で発現され、この大腸菌から分泌され得、したがって、大量の前記断片の容易な生産を可能にする。
全抗体およびF(ab')2断片は、「二価」である。「二価」とは、前記抗体およびF(ab')2断片が2つの抗原結合部位を有することを意味する。対照的に、Fab、Fv、ScFv、およびdAbの断片は、一価であり、ただ1つの抗原結合部位を有する。
抗体は、モノクローナルであっても、ポリクローナルであってもよい。適当なモノクローナル抗体は、公知の技法、例えば、ともに参照により本明細書に組み込まれている「Monoclonal Antibodies: A manual of techniques」、H Zola(CRC Press、1988)、および「Monoclonal Hybridoma Antibodies: Techniques and applications」、J G R Hurrell (CRC Press、1982)に開示されているものによって調製することができる。
潜在的な結合分子がライブラリーから選択される場合、規定されたモチーフを有する1つまたは複数のセレクターペプチド(selector peptide)が通常使用される。ペプチドの柔軟性を低下させる構造、または結合分子との相互作用を可能にする帯電側鎖、極性側鎖、もしくは疎水性側鎖をもたらすアミノ酸残基を、セレクターペプチドのモチーフの設計に使用することができる。例えば、
(i)プロリンは、その側鎖がα炭素ならびに窒素の両方に結合するので、ペプチド構造を安定化させることができる;
(ii)フェニルアラニン、チロシン、およびトリプトファンは、芳香族側鎖を有し、非常に疎水性であり、一方、ロイシンおよびイソロイシンは、脂肪族側鎖を有し、やはり疎水性である;
(iii)リシン、アルギニン、およびヒスチジンは、塩基性側鎖を有し、中性pHで正に帯電し、一方、アスパラギン酸およびグルタミン酸は、酸性側鎖を有し、中性pHで負に帯電する;
(iv)アスパラギンおよびグルタミンは、中性pHで中性であるが、水素結合に関与し得るアミド基を含有する;
(v)セリン、トレオニン、およびチロシンの側鎖は、ヒドロキシル基を含有し、これは、水素結合に関与し得る。
一般的に、結合分子の選択には、結合分子のタイプに対応するスポットへの結合を分析するためのアレイ技術およびシステムを使用することができる。
したがって、抗体または抗原結合断片は、インタクト抗体、Fv断片(例えば、単鎖Fvおよびジスルフィド結合Fv)、Fab様断片(例えば、Fab断片、Fab'断片、およびF(ab)2断片)、単一可変ドメイン(例えば、VHドメインおよびVLドメイン)、ならびにドメイン抗体(例えば、単一形式および二重形式[すなわち、dAb-リンカー-dAb]を含めたdAb)からなる群から選択することができることが理解されるであろう。
あるいは、第1の結合剤は、抗体様結合剤、例えば、アフィボディまたはアプタマーを含み、またはこれからなり得る。
一実施形態では、Table 1(表1)に規定された群から選択される1つまたは複数のバイオマーカーは、検出可能部分で標識される。試料の有機分子のすべてが検出可能分子で標識されることが好ましい。
「検出可能部分」とは、直接または間接的に、その存在および/または相対量および/または位置(例えば、アレイ上の位置)を求めることを可能にする部分を含む。適当な検出可能部分は、当技術分野で周知である。検出可能部分は、蛍光部分、発光部分、化学発光部分、放射性部分、酵素部分、リガンド部分、またはリガンド結合部分からなる群から選択されることが好ましい。
例えば、検出可能部分は、蛍光部分および/または発光部分および/または化学発光部分とすることができ、これらは、特定の条件に曝されると検出することができる。このような蛍光部分は、特定の波長および強度の放射線(すなわち、光)に曝すことによって、蛍光部分を励起させ、それによって、蛍光部分が、検出することができる特定の波長の検出可能な蛍光を放射することを可能にする必要がある場合がある。
あるいは、検出可能部分は、(好ましくは検出不可能な)基質を、視覚化および/または検出することができる検出可能な生成物に変換することができる酵素とすることができる。適当な酵素の例は、例えば、ELISAアッセイに関連して、以下により詳細に論じられている。
さらなる実施形態では、検出可能部分は、画像法において有用である放射性原子とすることができる。適当な放射性原子には、シンチグラフ検査用の99mTcおよび123Iが含まれる。他の容易に検出可能な部分として、例えば、磁気共鳴画像法(MRI)用のスピン標識、例えば、やはり123I、131I、111In、19F、3C、15N、17O、ガドリニウム、マンガン、または鉄などが挙げられる。明らかに、検出される作用物質(例えば、本明細書に記載される試験試料および/もしくは対照試料中の1つもしくは複数のタンパク質、ならびに/または選択されたタンパク質を検出するのに使用するための抗体分子など)は、検出可能部分が容易に検出可能であるために、十分な適切な原子同位体を有していなければならない。
放射性標識(radio label)または他の標識は、公知の方法で、本発明の方法の試料および/または本発明の結合剤中に存在するタンパク質中に組み込むことができる。例えば、結合剤がポリペプチドである場合、これは、生合成することができ、または例えば、水素の代わりにフッ素-19を伴う適当なアミノ酸前駆体を使用して、化学的アミノ酸合成によって合成することができる。99mTc、123I、186Rh、188Rh、および111Inなどの標識は、例えば、結合部分中のシステイン残基を介して結合させることができる。イットリウム-90は、リシン残基を介して結合させることができる。IODOGEN法(Frakerら、(1978) Biochem. Biophys. Res. Comm. 80、49〜57)を使用することによって、123Iを組み込むことができる。参考文献(「Monoclonal Antibodies in Immunoscintigraphy」、J-F Chatal、CRC Press、1989)には、他の方法が詳細に記載されている。他の検出可能部分(酵素部分、蛍光部分、発光部分、化学発光部分、または放射性部分など)をタンパク質にコンジュゲートするための方法は、当技術分野で周知である。
試験される試料中のタンパク質を、前記タンパク質の存在、量、および/または位置を求めることを間接的に補助する部分で標識することができることが当業者によって理解されるであろう。したがって、この部分は、多成分の検出可能部分の1つの成分を構成することができる。例えば、試験される試料中のタンパク質をビオチンで標識することができ、これは、検出可能標識に融合され、またはその他の方法で結合されたストレプトアビジンを使用して、タンパク質をその後に検出することを可能にする。
さらなる実施形態では、工程(b)および/または工程(d)は、アレイを使用して実施される。
アレイ自体は、当技術分野で周知である。一般的に、これらは、固体支持体の表面上に形成された、それぞれが有限の範囲を有する相隔たる(すなわち別個の)領域(「スポット」)を有する線形構造または二次元構造で形成される。アレイは、ビーズ構造とすることもでき、この場合、各ビーズは、分子コードまたは色コードによって識別し、または連続フローで識別することができる。分析は、順次実施することもでき、この場合試料は、それぞれが溶液から分子のクラスを吸着する一連のスポットを通過する。固体支持体は、一般的にガラスまたはポリマーであり、最も一般に使用されるポリマーは、セルロース、ポリアクリルアミド、ナイロン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、またはポリプロピレンである。固体支持体は、チューブ、ビーズ、ディスク、シリコンチップ、マイクロプレート、二フッ化ポリビニリデン(PVDF)膜、ニトロセルロース膜、ナイロン膜、他の多孔質膜、非多孔質膜(例えば、とりわけ、プラスチック、ポリマー、パースペックス、シリコン)、複数のポリマーピン、もしくは複数のマイクロタイターのウェルの形態、またはタンパク質、ポリヌクレオチド、および他の適当な分子を固定化し、かつ/もしくはイムノアッセイを行うのに適した任意の他の表面とすることができる。結合プロセスは当技術分野で周知であり、一般にタンパク質分子、ポリヌクレオチドなどの固体支持体への架橋、共有結合的結合、または物理的吸着からなる。あるいは、親和性タグまたは同様のコンストラクトを介したプローブの親和性カップリングを使用することができる。周知の技法、例えば、接触プリンティングもしくは非接触プリンティング、マスキング、またはフォトリソグラフィーなどを使用することによって、各スポットの位置を画定することができる。概説については、Jenkins, R.E.、Pennington, S.R.(2001、Proteomics、2、13〜29)およびLalら(2002、Drug Discov Today 15;7(18 補遺):S143〜9)を参照。
アレイは、ビーズベースのアレイとすることができる。一般的に、アレイは、表面ベースのアレイ、例えば、マクロアレイ、マイクロアレイ、またはナノアレイ、好ましくは、抗体アレイまたは抗体マイクロアレイである。
一般的に、アレイはマイクロアレイである。「マイクロアレイ」とは、少なくとも約100/cm2、好ましくは少なくとも約1000/cm2の別個の領域の密度を有する領域のアレイの意味を含む。マイクロアレイ内の領域は、典型的な寸法、例えば、約10〜250μmの間の範囲の直径を有し、およそ同じ距離によってアレイ内で他の領域と離されている。アレイは代わりに、マクロアレイまたはナノアレイであってもよい。
適当な結合分子(上記に論じた)が同定および単離されると、当業者は、分子生物学の分野で周知の方法を使用してアレイを製造することができる。以下の実施例を参照。
なおさらなる実施形態では、工程(b)および/または工程(d)は、1つまたは複数の第1の結合剤に結合することができ、検出可能部分を有する第2の結合剤を含むアッセイを使用して実施される。適当な第2の結合剤は、第1の結合剤に関連して上記に詳述されている。
したがって、試験される試料中の対象とするタンパク質は、第1の結合剤を使用して最初に単離および/または固定化することができ、その後、前記タンパク質の存在および/または相対量を、第2の結合剤を使用して求めることができる。
第2の結合剤は、抗体またはその抗原結合断片であることが好ましい。好都合なことには、抗体またはその断片は、scFv、Fab、免疫グロブリン分子の結合ドメインからなる群から選択される。適当な抗体および断片、ならびにこれらを作製するための方法は、上記に詳述されている。
あるいは、第2の結合剤は、アフィボディまたはアプタマーなどの抗体様結合剤とすることができる。
あるいは、試験される試料中のタンパク質上の検出可能部分が、特異的結合対のメンバー(例えば、ビオチン)を含み、またはこれからなる場合、第2の結合剤は、特異的結合対の相補的メンバー(例えば、ストレプトアビジン)を含み、またはこれからなり得る。
検出アッセイが使用される場合、検出可能部分は、蛍光部分、発光部分、化学発光部分、放射性部分、酵素部分、リガンド部分、またはリガンド結合部分からなる群から選択されることが好適である。本発明の方法で使用するのに適した検出可能部分の例は、上述されている。
血清タンパク質または血漿タンパク質を検出するための好適なアッセイには、酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)、ラジオイムノアッセイ(RIA)、免疫放射線アッセイ(IRMA)、ならびにモノクローナル抗体および/もしくはポリクローナル抗体を使用するサンドイッチアッセイを含めた免疫酵素アッセイ(IEMA)が含まれる。例示的なサンドイッチアッセイは、参照により本明細書に組み込まれている米国特許第4,376,110号、および同4,486,530号においてDavidらによって説明されている。スライド上への細胞の抗体染色を、当業者に周知である、細胞学臨床診断検査で周知の方法において使用することができる。
したがって、一実施形態では、アッセイはELISA(酵素結合免疫吸着アッセイ)であり、これは一般的に、通常、固相アッセイにおいて、着色された反応生成物を与える酵素を使用する。西洋わさびペルオキシダーゼおよびホスファターゼなどの酵素は広く使用されている。ホスファターゼ反応を増幅する方法は、基質としてNADPを使用することによってNADを生成することであり、これは次に第2の酵素システムの補酵素として作用する。大腸菌(Escherichia coli)に由来するピロホスファターゼは、良好なコンジュゲートをもたらし、その理由は、この酵素は、組織中に存在せず、安定であり、良好な反応色を示すためである。ルシフェラーゼなどの酵素に基づく化学発光システムも使用することができる。
ビタミンビオチンとのコンジュゲーションが頻繁に使用され、その理由は、これが、大きな特異性および親和性を伴って結合する酵素結合されたアビジンまたはストレプトアビジンとのその反応によって容易に検出することができるためである。
代替の実施形態では、タンパク質検出に使用されるアッセイは、蛍光定量的なアッセイであることが好都合である。したがって、第2の結合剤の検出可能部分は、アレクサフルオロフォア(例えば、アレクサ-647)などの蛍光部分とすることができる。
抗体またはその抗原結合断片は、組換え抗体またはその抗原結合断片であることが好ましい。
一実施形態では、本発明の第1の態様の方法は、インビトロ方法である。代替の実施形態では、本発明の第1の態様の方法は、インビボ方法である。
本発明の第2の態様は、本発明の第1の態様による方法において使用するためのアレイを提供し、このアレイは、上記に規定した1つまたは複数の第1の結合剤を含む。アレイは、表中のバイオマーカーに結合することができる1つまたは複数の結合剤を含むことが好ましい。より好ましくは、アレイは、Table 1(表1)(A)中のバイオマーカー、最も好ましくは、Table 1(表1)(A)中のバイオマーカーのすべてに結合することができる結合剤を含む。
アレイはさらにまたは代わりに、Table 1(表1)(B)中のバイオマーカー、例えば、Table 1(表1)(B)中のバイオマーカーのうちの2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、または19個に結合することができる1つまたは複数の結合剤を含む。したがって、アレイは、Table 1(表1)(A)およびTable 1(表1)(B)に規定されたバイオマーカーのそれぞれに結合することができる結合剤を含むことが好適である。
さらに、アレイは、Table 1(表1)(C)に規定されたバイオマーカーのうちの1つまたは複数、例えば、Table 1(表1)(C)中のバイオマーカーのうちの2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、または15個に結合することができる1つまたは複数の結合剤を含むことができる。アレイは、Table 1(表1)(C)に規定されたバイオマーカーのそれぞれに結合することができる結合剤を含むことが好ましい。
アレイは、バイオマーカーの上記群から選択される同じバイオマーカーに結合することができる、複数の異なる結合剤を含む場合があることが当業者によって理解されるであろう。
一実施形態では、結合剤は、モノクローナル抗体またはその断片などの抗体またはその抗原結合断片を含み、またはこれからなる。抗体またはその抗原結合断片は、組換え抗体またはその抗原結合断片とすることができる。
抗体または抗原結合断片は、インタクト抗体、Fv断片(例えば、単鎖Fvおよびジスルフィド結合Fv)、Fab様断片(例えば、Fab断片、Fab'断片、およびF(ab)2断片)、単一可変ドメイン(例えば、VHドメインおよびVLドメイン)、ならびにドメイン抗体(例えば、単一形式および二重形式[すなわち、dAb-リンカー-dAb]を含めたdAb)からなる群から選択することができる。抗体または抗原結合断片は、単鎖Fv(scFv)であることが好ましい。
あるいは、結合剤は、抗体様結合剤、例えば、アフィボディまたはアプタマーを含み、またはこれからなり得る。
一実施形態では、結合剤は固定化されている。しかし、これらは、あるいは固定されていない場合がある。
別の実施形態では、アレイは、Table 1(表1)(A)および/またはTable 1(表1)(B)および/またはTable 1(表1)(C)に列挙されたバイオマーカーのそれぞれについて、少なくとも2〜10の異なる結合剤(例えば、異なる抗体)、例えば、各バイオマーカーについて、少なくとも2〜3、2〜4、2〜5、2〜6、2〜7、2〜8、または2〜9の異なる結合剤種を含み、またはこれらからなる。したがって、アレイは、各バイオマーカーについて少なくとも3つの異なる結合剤を含み、またはこれらからなり得る。
本発明の方法において使用するのに適したアレイは、上記に詳細に論じられている。
本発明の第3の態様は、対象における乳がんの再発および/または転移のリスクを判定するための予後マーカーとしての、Table 1(表1)(A)中のバイオマーカーの群から選択されるバイオマーカーのインビトロでの使用を提供する。一実施形態では、バイオマーカーは、Table 1(表1)(B)および/またはTable 1(表1)(C)中のバイオマーカーの群から選択される1つまたは複数の追加のバイオマーカーと組み合わせて使用するためのものである。この使用は、(i)Table 1(表1)(A)およびTable 1(表1)(B)、(ii)Table 1(表1)(A)およびTable 1(表1)(C)、(iii)Table 1(表1)(B)およびTable 1(表1)(C)、(iv)Table 1(表1)(A)、Table 1(表1)(B)およびTable 1(表1)(C)からのバイオマーカーのすべて、あるいは例えば、Table 1(表1)(A)からのバイオマーカーのうちの1個もしくは2個、Table 1(表1)(B)からのバイオマーカーのうちの1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、もしくは19個、および/またはTable 1(表1)(C)からのバイオマーカーのうちの1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、もしくは15個を組み合わせたものとすることができる。
好都合なことには、この使用は、Table 1(表1)に規定された群から選択される3個以上のバイオマーカー、例えば、Table 1(表1)に規定された群から選択される、少なくとも4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、または38個のバイオマーカーを含み、またはこれらからなる。この使用は、アポリポタンパク質A4(APOA4)、ATP合成酵素サブユニットβ、ミトコンドリア(ATP5B)、ブルトン型チロシンキナーゼ(BTK)、補体-1エステラーゼ阻害剤(C1エステラーゼ阻害剤)、補体因子B(因子B)、CD40、ホメオドメイン転写因子CHX10(CHX10)、インターロイキン-1α(IL-1α)、インターロイキン-5(IL-5)、インターロイキン-6(IL-6)、インターロイキン-7(IL-7)、インターロイキン-9(IL-9)、インターロイキン-12(IL-12)、インターロイキン-13(IL-13)、インターロイキン-18(IL-18)、TBC1ドメインファミリーメンバー9(KIAA0882)、ルイスx/CD15、オキシステロール結合タンパク質様3(OSBPL3)、単球走化性タンパク質-1(MCP-1)、シアリルルイスx、腫瘍壊死因子-1β(TNF-β)の群を含むバイオマーカーを含み、またはこれらからなることが好適である。
本発明の第4の態様は、個体における乳がんの再発のリスクを判定するためのキットであって、
(i)Table 1(表1)(A)および/またはTable 1(表1)(B)および/またはTable 1(表1)(C)に列挙されたバイオマーカーに結合することができる1つまたは複数の結合剤と、
(ii)本発明の方法を実施するための指示書と
を含み、またはこれらからなるキットを提供する。
一実施形態では、キットは、上記に定義した1つまたは複数の第2の結合剤をさらに含む。キットはまた、
(iii)本発明の第3の態様によるアレイと、
(iv)本発明の方法を実施するための指示書と
を含み、またはこれらからなることが好ましい。
一実施形態では、キットは、Table 1(表1)(A)および/またはTable 1(表1)(B)に規定されたバイオマーカーのそれぞれに結合することができる結合剤を含み、Table 1(表1)(C)に規定されたバイオマーカーのうちの1つまたは複数に結合することができる結合剤をさらに含むことができる。
あるいは、キットは、Table 1(表1)(A)および/またはTable 1(表1)(B)および/またはTable 1(表1)(C)中のバイオマーカーの群から選択される同じバイオマーカーに結合することができる、複数の異なる結合剤を含むことができる。
一実施形態では、結合剤は、モノクローナル抗体またはその断片などの抗体またはその抗原結合断片を含み、またはこれからなる。抗体またはその抗原結合断片は、組換え抗体またはその抗原結合断片であることが好ましい。
次に、本発明のある特定の態様を具現する好適な非限定例を、以下の図面を参照して説明する。
転移性乳がんを予測するためのSVM分析を示す図である。(A)手術して3〜6カ月後に収集した試料の分析物レベルを、手術時に採取した試料と比較した。アレイ上で同定されたすべての分析物の差異をSVMに送り、このSVMを、リーブワンアウトクロスバリデーション手順を使用してトレーニングすることによって、転移性癌を発症することになる患者、または発症しない患者として患者を分類した。分析により0.88のROC AUCを得た。ヒートマップでは、0.05未満のウィルコクソンp値を示すすべての分析物が示されており、バイオマーカー速度に関して、赤色は増大を意味し、緑色は減少を意味する。 転移性乳がんを予測するためのSVM分析を示す図である。(B)同じSVM分析であるが、手術時に採取した試料を、手術して12カ月後に採取した試料と比較した分析速度を使用した図である。この分析は、0.75のROC AUCをもたらした。 偽発見率および分析物速度の分析を示す図である。(A)第2の試料についてより高いバイオマーカーシグナルを有する患者の数を、各抗体について識別した。抗体をそれに応じて選別し、最も少ない患者においてシグナルを増大させている抗体を左方にしてプロットした(赤色)。次いで、第1の試料および第2の試料をランダムに組み換え、ランダムなセットの患者について、第2の試料を第1の試料と同様に処理し、逆の場合も同様にした。「第2」の試料においてより高いシグナルを有する患者の数を再び識別することによって、分析の偽陽性率(FPR)の見積もりを実現した。この手順を10,000回繰り返した。青色は、シグナルを増大させている患者のある特定の数が、ランダムに組み換えられたデータセットの並べ替えの間の各抗体のランクについてどの程度共通していたかを記述する。白色は、存在しないことを示し、紺青色は、最も共通していることを示した。各抗体のランクについての平均値は、黄色の線でプロットされている。この分析から、第1の試料および第2の試料の真の組合せは、プロットの末端だけでなく、中央においてなおさら、FPRを記述する黄色の線から明らかに逸脱し、全般的なアップレギュレーションを示す結果を与えることが明白である。 偽発見率および分析物速度の分析を示す図である。手術して最初の3〜6カ月後の間の(B)ルイスxについての速度を示すプロットである。この分析物についてのシグナル速度(signal velocity)は、転移性乳がんを最終的に発症する患者について明らかに正である。 偽発見率および分析物速度の分析を示す図である。手術して最初の3〜6カ月後の間の(C)IL-16についての速度を示すプロットである。この分析物についてのシグナル速度は、転移性乳がんを最終的に発症する患者について明らかに正である。 偽発見率および分析物速度の分析を示す図である。手術して最初の3〜6カ月後の間の(D)CD40についての速度を示すプロットである。この分析物についてのシグナル速度は、転移性乳がんを最終的に発症する患者について明らかに正である。 乳がん再発に対する高リスクまたは低リスクへの患者の分類のプレバリデーションを示す図である。(A)補足の材料および方法に記載されているように、後退消去を使用して、生成された21のバイオマーカーシグネチャーから得られる抗体アレイデータを使用して、SVMを発見データセットに対してトレーニングし、プレバリデーションデータセットに対して試験した。この分類についてのROC AUCは0.85であった。 乳がん再発に対する高リスクまたは低リスクへの患者の分類のプレバリデーションを示す図である。(B)従来の臨床データ(黄色)を使用してSVMをトレーニングし、ROC AUC=0.66を示した一方で、21のバイオマーカーシグネチャーと従来の臨床パラメータの組合せ(赤色)は、ROC AUC=0.90をもたらし、アレイデータにおける付加価値を実証した。 化学療法は、本発明者らの候補バイオマーカーシグネチャーにとって交絡因子ではないことが見出されたことを示す図である。すべての患者についてのSVMの判定値がプロットされ、最初の3〜6カ月の間に化学療法を受けた患者が矢印によって示されている。SVMの判定値に基づいて患者をリスク群に分ける場合、高リスク群(赤色)における患者の72%が、後に転移を発症し、低リスク群(青色)において15%のみが後に転移を発症した。この結果を、アジュバント治療を受けたのがどの患者か(黒色矢印)と相関させると、この因子は、分析を偏らせないことが明白であり、それぞれ高リスク群および低リスク群において5/18および7/20であった。 後退変数消去(backward variable elimination)を示す図である。分類に使用される抗体の数を低減するために、本発明者らは、上記リーブワンアウト手順を、抗体についての後退消去プロセスを組み合わせた。このプロセスも、抗体のランキングを生じ、低ランクをランダムに相関した抗体に割り当てることを可能にした。
(実施例)
緒言
乳がんにおける腫瘍再発に関連した予測的血清バイオマーカーを定義するために、本発明者らは、あまり豊富でない免疫調節性血清タンパク質の解読パターンは、再発のリスクについての重要な情報を明らかにすることができると仮定した。したがって、多数のあまり豊富でないタンパク質分析物を分析することができる最先端の組換え抗体アレイ技術を利用して、ほんのわずかな量の分画されていない血清を使用して(10)、本発明者らは、3年の期間にわたって収集した患者試料をスクリーニングした。試料は、原発性腫瘍を切除する前、次いで6〜12カ月毎に収集し、最大5試料/患者となった。マーカーの速度、すなわち、経時的な変化を分析することによって、転移を発症する患者のリスクを示す情報を抽出することができた。
この試験は、単純な血液試料が、乳がん患者における全身的な腫瘍再発の予測的情報を有し、療法の選択における新しい可能性を認めることができることを初めて実証するものである。さらに、性能に関して、これは、最初の手術の際に得られる臨床的予測因子に実質的な付加価値をもたらす。
材料&方法
試料およびアレイ分析
血清試料を、発見コホートおよびプレバリデーションコホートと表した、患者の2つの独立したコホートから収集した(Table 3(表3))。発見コホートでは、試料を、原発性乳がんと診断された38の患者から収集した。外科部門(Lund University Hospital、Lund)での術前訪問の間に書面によるインフォームドコンセントを集め、そのとき血清試料も収集した。血液試料を採取した際に日時を記録した。血清を-80℃で貯蔵し、盲検分析を可能にするために、シリアルコードで標識した。患者の大部分について、術前訪問は、手術の1週間未満前に行われた。血液は、最初のフォローアップ(3〜6カ月)時に2回目の採取を行い、次いで3年にわたって約12カ月毎に採取した。この試験は、地方倫理委員会(Lund、スウェーデン)によって認可された。プレバリデーションコホートでは、血清試料を、26の新しい独立した乳がん患者から、発見コホートについて説明したように採取した。遠隔再発を発症しなかった患者を最大7年追跡した(Table 3(表3))。
組換え抗体マイクロアレイプラットフォームは、65の異なる抗原に対して135の抗体を含んでいた。すなわち、品質保証のために、本発明者らは、抗原の大部分に対して2〜5つの異なる抗体クローンを利用した(Table 4(表4))。試料調製、抗体生産、アレイ組立て、および正規化を含めたマイクロアレイ分析は詳述されている(10、11)。
従来の臨床パラメータを使用して遠隔再発についての予測を比較することができるように、本発明者らは、利用可能なパラメータのそれぞれに数値を割り当て、閉経前/閉経後の状態、ER & PgR陰性/陽性、管型/小葉型、およびリンパ節の状態をそれぞれ-1または1に設定した。さらに、組織学的グレードI、II、またはIIIを-1、0、または1に設定し、一方腫瘍サイズを、-1から1まで連続的に等級分けした。次いで、従来の臨床データ、または臨床データとマイクロアレイデータの組合せを使用して、サポートベクターマシン(SVM)を発見データセットに対してトレーニングした。
サポートベクターマシンを使用したデータ分析
コストオブコンストレイント(cost of constraint)を1に設定して、リニアカーネル(linear kernel)を使用して、SVMを使用することによって、試料を2つの定義された群のうちの1つに属すると分類した。オーバーフィッティングを回避するために、これを調整する試みはまったく行わなかった。手術時に収集した試料のシグナルと、3〜6カ月後に収集した試料のシグナルとの間の対数差を各患者について計算し、リーブワンアウトクロスバリデーションを使用してSVMクラシファイヤーをトレーニングし、試験するのに使用した。発見コホートを使用するこのトレーニングパートは、トレーニングセットにおいて最高の識別力の組合せを示した抗体を選択することによる抗体サブパネルの作成を含んでいた。抗体のこの選択は、クロスバリデートされた後退消去ストラテジーを使用して行った。この手法を使用して、本発明者らは、最高のスコアを有する21抗体のリストをコンパイルし(Table 1(表1)(A)およびTable 1(表1)(B))、最終的なSVMモデルをトレーニングし、このとき固定した(frozen)と呼んだ。トレーニングから得られたSVMパラメータをTable 2(表2)に示す。
プレバリデーションの間に、26の新しい独立した乳がん患者(プレバリデーションコホート)からの血清試料を、先に固定したSVMクラシファイヤーにおける分析物速度を使用して分析し、試験した。
試料調製
血清プロテオームを標識するために以前に最適化されたプロトコール(10)を使用して、血清試料をビオチン化した。以前に記載されたように(10)、EZ-Link Sulfo-NHS-LC-Biotin(Pierce、Rockford、IL、USA)を使用して、すべての血清試料を標識した。簡単に言えば、血清アリコート50μlを遠心分離し、PBS中で1:45に希釈し、約2mg/mlの最終タンパク質濃度にした。次いでSulfo-NHS-ビオチンを添加して10mMの最終濃度にし、試料を氷上で2時間インキュベートした。コンジュゲートされていないビオチンを、PBSに対して4℃で72時間透析することによって除去した。最後に、試料をアリコートし、-20℃で貯蔵した後に使用した。
組換え抗体断片の生産および精製
n-CoDeRファージディスプレイライブラリー(25)を使用して、65の抗原に対して、主に免疫調節因子に対して135のヒト組換え型scFv抗体断片を選択した(Table 4(表4))。選択の判定基準は、正確な抗体特異性を保証するために、標準的な操作手順を使用して厳密であった。すべてのscFvプローブは、大腸菌培養液100ml中で生成し、Ni-NTAアガロース(Qiagen、Hilden、ドイツ)での親和性クロマトグラフィーを使用して、発現上清またはペリプラスム調製物から精製した。250mMのイミダゾールを使用して溶出を実施し、その後、PBSを用いた大規模な透析を実施した。280nmにおける光吸収を測定することによってタンパク質濃度を求め、精製scFvをさらに使用するまで4℃で貯蔵した。
抗体マイクロアレイの製作および加工
抗体マイクロアレイの製造および取り扱いは、以前に最適化された設定(10、25)によって実施した。簡単に言えば、scFvマイクロアレイを、圧電技術を使用して約330pL/滴をデポジットする非接触プリンター(Biochip Arrayer1、Perkin Elmer Life & Analytical Sciences、Wellesley、MA、USA)を使用して製作した。scFv抗体を、各位置で2滴をスポットすることによって配列し、この場合、第2滴を施す前に第1滴を乾燥させた。固体支持体は、黒色ポリマーのMaxiSorpマイクロアレイスライド(NUNC A/S、Roskilde、デンマーク)であり、適切な統計データを保証するために、各抗体を8回複製して配列した。引き続いて定量化する間のグリッドの位置合わせを補助するために、アレイを構成した8つすべてのサブアレイにおける一番上の行として、アレクサ647コンジュゲートストレプトアビジン(2μg/ml)を含む行をスポットした。PBS中5%(w/v)の無脂肪粉乳(Semper AB、Sundbyberg、スウェーデン)を用いて一晩スライドをブロックし、Protein Array Workstation (PAW)(Perkin Elmer Life & Analytical Sciences)内に配置し、そこでPBS中0.05%のTween-20(PBS-T)を用いて、60μl/分で4分間、これらを洗浄した。その後、試料75μlを注入し、60分間、15秒ごとにアレイ上で撹拌させた。さらに4分洗浄した後、1%(w/v)の無脂肪粉乳および1%のTween20とともに、PBS中1μg/mlのアレクサ-647コンジュゲートストレプトアビジン350μlで60分間、アレイをインキュベートした。最後に、最終洗浄工程の後、アレイを窒素ガス流下で乾燥させ、3つの異なるスキャナー設定を使用して、5μmの分解能で、共焦点マイクロアレイスキャナー(ScanArray Express、Perkin Elmer Life & Analytical Sciences)を用いてスキャンした。
定円法(fixed circle method)を使用して各スポットの強度を定量化するために、ScanArray Expressソフトウェアバージョン4.0(Perkin Elmer Life & Analytical Sciences)を使用した。局所的なバックグラウンドを減じた。予想される局所的な欠陥を補償するために、2つの最高の複製物および2つの最低の複製物を自動的に除外した。すべてのさらなるデータ分析において、各データ点は、残りの4つの複製スポットからの平均値を代表する。飽和したシグナルを示すタンパク質分析物については、より低いスキャナー設定からの値を使用した。
マイクロアレイデータの正規化
DNAマイクロアレイに使用される正規化法と同様のセミグローバル正規化手法を使用して、データセットのチップ間正規化を実施した。倍率を見出すために(7、11、27)、変動係数(CV)を各抗体について計算し、すべての試料にわたって最低のCV値を示す抗体の15%を同定し、これは20の分析物に対応した。正規化因子Niを式Ni = Si/μによって計算した。式中、Siは、各試料についての20の分析物のシグナル強度の和であり、μは、すべての試料からのSiの平均である。試料を正規化するために、試料中のすべての抗体強度をその正規化因子Niで除した。
データ分析
クラシファイヤー較正および独立した試験
試料間変動を低減するために、SVMクラシファイヤーの独立変数として、t=0とt=3〜6カ月の間のタンパク質発現の差異を使用した。本発明者らは、N=38試料、および最初にM=135のすべての変数を使用して、リーブワンアウト手順を用いてSVMをトレーニングおよび試験した。抗体の数が試料の数を超えていたので、本発明者らは、ランダムな相関によるノイズへのフィッティングを回避するために、予測に対するインパクトの低い抗体を消去する必要があった。これは、後退消去手順を使用して、リーブワンアウト試料ごとに行った。性能は、ROC(受信者動作特性)面積を用いて測定した。次いで、各SVMモデルから生じるランクされた抗体のリストを融合して、コンセンサスシグネチャー(consensus signature)にした。次いで後者を、独立した試験セットに対する固定したSVMとともに使用した。以下に、異なる工程をある程度詳細に説明し、完全な手順を図5に要約する。
リーブワンアウト手順
この手順の原理は、2つのクラスに属するN個の試料について、リーブワンアウトクロスバリデーションを使用してSVMをトレーニングおよび試験すること、すなわち、1つを除くすべての試料でSVMをトレーニングし、外された試料を使用して得られたモデルを試験することである。試験試料は、トレーニングされたSVMモデルを使用して判定値が割り当てられ、トレーニングセット中に戻され、その後次の試料が外されて試験試料として使用される。この手順は、各試料に、すべての他の試料をトレーニングセットとして使用して、一度判定値が割り当てられるまで繰り返される。すべての試料についての判定値を使用することによってROC曲線が作成され、曲線下面積が計算される。得られる面積は、この試料セットについて予期される面積の概算量として機能を果たす。
後退変数消去
分類に使用される抗体の数を減らすために、本発明者らは、上記リーブワンアウト手順を、抗体についての後退消去プロセスと組み合わせた。このプロセスも、ランダムに相関した抗体に低ランクを割り当てる目的で、後退のランキングを生み出す。
このプロセスを図5に記載し、これに対して、工程1〜7としてここで参照されている。M個の抗体から開始して、M個のデータセットを作り出し、この場合、各データセットは、一定値で置き換えられた1つの抗体を有し、この一定値は、すべての試料にわたるその抗体の平均値である(工程1)。現在のデータセットにおける分類についての各抗体の重要性を評価するために、SVMリーブワンアウト手順(上述したような)を、M個のデータセットのそれぞれについて行う。引き続いて、SVM出力を使用してM個のROC曲線を作り出し、元のデータセットと比較して生成されたROC面積の減少が最小であった(負となり得る)データセットを同定する。そのデータセットにおいて一定値に設定された抗体を同定および消去する(工程2)。この時、データセットはM-1個の抗体を含み、したがってM-1個の新しいデータセットが作り出され、新しいデータセットのすべてが残りの抗体のうちの1つを有し、これはその平均値で置き換えられている。リーブワンアウト試験手順を一定の抗体を使用してSVM評価と一緒に繰り返し、事実上、最も少ない情報を担持する次の抗体を消去する。ただ1つの抗体が残るまでこの手順を継続し、データセット中の現在の試料の分類における各抗体の重要性についての序列をもたらす(工程3)。次いで、この情報を使用することによって、任意の所望の長さの抗体サブパネルを構築する(工程4)。このような抗体パネルの予測能力を評価するのに、公平な方法で同じ試料を使用して新しいモデルを試験することは可能でない。さらに、ランダムに相関した抗体が、依然として高いランクを得る場合がある。したがって、追加のリーブワンアウトループ(工程5a)を加え、ここで後退消去手順を開始する前に1つの試料を除き、したがってこれを試験試料として使用することができる(工程5b)。各試料を試験セットとして1回残してこの最外側ループを反復し、抗体ランクリストを生成するための残りの試料。次いでこのランクリストを使用して最高のランクを有する抗体のサブパネルを選択し、1つのSVMモデルをトレーニングし、これを試験試料で試験する。最外側のリーブワンアウトプロセスの結果は、任意の所与のサブパネルの長さについての、すべての試料についての判定値のリストである。対応するROC面積は、所与のサイズの抗体サブパ
ネルを使用する性能の試験として機能を果たし、これを使用することによって、データセットにおいて適切な分類を行うのに必要とされる抗体の数を見積もることができる。
コンセンサス抗体シグネチャー
後退消去手順は、試料の数と同じ数の抗体ランクリストをもたらす。1つの序列を生成するために、消去ラウンドにおけるその平均残存期間(average survival)に基づいて、各抗体にスコアを割り当てることによって、各実行からの情報を連結してコンセンサスリストにし(工程6)、この場合、最高平均残存期間を有する抗体を、最も重要であるとしてランクする。最後に、最良のスコアを有する21の抗体を使用して新しいSVMをトレーニングし、新しい独立したデータセットに対して試験する(工程7)。
結果
腫瘍再発に関連した血清バイオマーカーシグネチャー
乳がんにおける遠隔再発を予測した血清バイオマーカーシグネチャーを同定する試みにおいて、本発明者らは、3年の期間にわたって、原発性乳がんを有する患者から試料を収集した。0.54のROC曲線下面積(AUC)によって明白であったように(データを示さず)、最初の手術の際に収集した試料から絶対的な血清タンパク質(分析物)レベルを比較することによって、転移性疾患についての強力なクラシファイヤーを見出すことは成功しなかった。したがって、分析物の絶対レベルを比較する代わりに、本発明者らは、手術前に採取した第1の血清試料と、3年の期間にわたる各患者からの各連続した試料との間の各分析物の対数変化として定義された速度を分析した。次に、本発明者らは、方向、すなわち、アップレギュレーションまたはダウンレギュレーション、および経時的変化の規模をSVMに供給した。手術して3〜6カ月後に収集した血清試料を使用して、クラシファイヤーは、0.88のROC AUCで(図1A)、腫瘍再発についての高リスク対低リスクに患者を層別化することを可能にした。したがって、バイオマーカー速度に基づくこの手法は、患者の分類を可能にした候補バイオマーカーシグネチャーを同定し、3年以内に腫瘍の遠隔再発を発症することについての高リスク群を同定するのに十分な情報がデータセット中にあることを実証した。
代わりに手術して12カ月後に収集した試料を使用して、同じストラテジーを採用して、本発明者らは、同様の定性的結果を見出したが、0.75のROC AUCによって例示されるように(図1B)、予測能力は減少した。転移性疾患がまったくないと診断された患者コホートは小さすぎて、統計的に妥当な分析をすることができなかったので、24カ月および36カ月の時点で収集した試料を使用してこの傾向をさらに追跡することはできなかった。
すべての分析物を分析すると(図2A)、転移性患者についての分析物速度の上昇は、明らかに過剰に現れていた一方で、反対のことが非転移性患者に当てはまることが明白であった。予測的バイオマーカーシグネチャーをより詳細に分析した際、ルイスx(p=0.0005)、IL-16(p=0.002)、およびCD40(p=0.0003)が、ウィルコクソンの符号順位検定によって求めた場合、手術後最初の6カ月の間の再発性乳がん患者と非再発性乳がん患者との間で最も異なることが示された。図2B〜Dにおいて、本発明者らは、これらの3つの分析物の動態を示し、この場合、手術後のこうした最初の数カ月の間の有意な増加は、より後の時点で腫瘍の遠隔再発を発症する患者について、より頻繁であることが明白であった。
発見コホートから得られるバイオマーカーシグネチャーのプレバリデーション
38患者の発見コホートから得られる分類の強度を試験するために、本発明者らは、後退消去ストラテジーを使用して、分析物の総数を最初に圧縮して、転移性再発の分類に最も寄与する21の重複しないバイオマーカーにした。プレバリデーションコホートと表した第2の独立患者コホートを別の26患者から構成し、このうちの50%が、続けた試験の3年の期間以内に乳がんの遠隔再発を発症した。発見コホートと同じ手順に従って、最初の腫瘍切除時に収集した第1の血清試料、および3〜6カ月後に収集した第2の血清試料の2つの血清試料を、26の新しい患者のそれぞれから分析した。したがって、上述した本発明者らの抗体マイクロアレイプラットフォームを用いて52試料を処理し、各バイオマーカーの速度を求めた。
発見コホートから得られた21の最も寄与するバイオマーカーからなるクラシファイヤーは、独立したプレバリデーションコホートにおいて、0.85のROC AUCで、腫瘍再発についての高リスク対低リスクに患者を層別化することを可能にした(図3)。注目すべきことに、以前に定義されたがんに関連するバイオマーカーシグネチャーは、現在の21のバイオマーカーと30%までしか重複しなかった(7、9、11)。したがって、本発明者らの予測的シグネチャーは、一般的な炎症反応を反映しなかった(14)。
高リスク群または低リスク群への分類に対するアジュバント化学療法の効果
図1に示した分類が、発見コホートにおける患者が受けた療法に依存したか否かを試験するために、本発明者らは、乳がん再発の高リスクまたは低リスクへの分類に対するアジュバント化学療法の効果を分析した。図4では、すべての患者についてのSVM判定値、および最初の3〜6カ月の間に化学療法を受けている患者が、矢印で示されている。個々の化学療法を受けている患者の層別化は、まったく検出することができなかった。アジュバント内分泌治療を受けている患者を分析した際、同様の結果が得られた(データを示さず)。したがって、腫瘍の遠隔再発についての高リスク群および低リスク群への分類は、特定のアジュバント療法によって偏らなかった。興味深いことに、6カ月後に依然として化学療法を受けた数人の患者が高リスク群に属すると分類されたので、その特定の療法のいずれの有益な効果も実証することができなかった。したがって、本発明者らのマイクロアレイ分析から得られる分子ポートレートに基づくと、これらの患者を別の治療法について選択することができるであろう。
分子バイオマーカーシグネチャー対従来の診断パラメータ
分子診断の能力が、特に、従来の臨床パラメータ(12)、例えば、リンパ節状態、腫瘍サイズ、組織学的グレード、ならびにエストロゲン受容体(ER)およびプロゲステロン受容体(PgR)の状態などに関連して時折議論されている。したがって、本発明者らの血清予測因子を、このような臨床マーカーに基づく予測因子の性能と比較することが必須である。従来のパラメータの組合せを利用して、本発明者らは、これらを、0.85のROC AUCを示した本発明者らの血清バイオマーカーシグネチャーと比較した(図3A)。2つのSVMモデルを、それぞれ臨床データおよび臨床データとマイクロアレイデータの組合せを使用して、発見データセットに対してトレーニングした。
プレバリデーションコホートにおける患者を使用してこれらのモデルを試験し、結果をROC曲線として示した。従来の臨床パラメータを使用した予測因子のROC AUCは、0.66であった。したがって、本発明者らは、分析物速度に基づく分子シグネチャーを使用する場合、有意に改善された予測力を実現した。注目すべきことに、本発明者らが、従来の臨床パラメータを本発明者らの21のバイオマーカーシグネチャーと組み合わせ、リスク分類のための手法としてこれらの両方を使用した場合、本発明者らは0.90のROC AUCを得た(図3B)。したがって、2つの異なるセットの変数は、分析物速度の従来の臨床マーカーとの相関が非常に弱い(≦0.35)ことを示したピアソン相関分析によって明白であるように、臨床転帰に関して重複する情報を含んでいなかった。これは、本発明者らのタンパク質血清手法は、従来のマーカー中に存在しないユニークな情報を含んでいたという事実を支持し、それは、臨床マーカーと遺伝子マイクロアレイプロファイリングとの間に観察された相関と対照的であった(12)。
本発明者らのデータを利用可能な判定決定ツールとさらに比較するために、本発明者らは、乳がんにおける腫瘍再発のリスクを推定するアジュバントオンライン(www.adjuvantonline.com)を調査した。患者の年齢、ER状態、腫瘍グレード、腫瘍サイズ、および陽性結節の数をオンラインで入力し、10年以内の再発についての計算されたリスクを各患者について記録した。次いで、遠隔再発に関連した患者についての真の転帰を使用して、アジュバントオンラインの推定リスクによって患者を分類し、0.60のAUCを示すROCが生じた。これは、従来の臨床パラメータに基づく本発明者らの分析によって示された0.66のAUCと一致するが、無疾患追跡時間は、本発明者らのプレバリデーションコホートにおいて7年であった。
考察
乳がん患者は、局所療法を用いて、または全身化学療法、ホルモン療法、もしくは生物療法を加えることによって治療され、臨床転帰の改善をもたらすが、患者の副作用および健康管理プロバイダーのコストを伴うかなりの過剰治療ももたらす。したがって、患者を異なるリスク群に層別化するために予後パラメータが必要であり、これは、合理的な治療決定の採用を補助するはずである。さらに、疾患の進行および療法の効力をモニターするための予測パラメータは、アジュバント療法の患者に基づく選択、および過剰治療の回避を可能にするので非常に望ましい。現在、同じステージの疾患を有する患者が、完全に異なる、療法に対する奏功および全生存時間を有する場合があり、従来のパラメータでは、乳がん患者の臨床的な必要性によって乳がん患者を正確に分類することができないという事実を指摘している。
しかし、遺伝子発現プロファイリングの最近の進展は、乳がんの臨床転帰を予測すること(5、6)、乳房温存手術後の局所的再発を発症するリスクを予測すること(14)、ならびに乳がんのより早期の診断について有望な結果をもたらしている(15)。遺伝子発現プロファイルに基づく乳がんの臨床転帰の予測は、腫瘍の存在を必要とするので、遺伝子に基づく手法では、最初に腫瘍を切除した後の連続的な疾患モニタリングおよび治療効力の評価が可能でない。このような目的のために、試料の好適な選択肢は血清であり、これは、技術的な制限のために、従来のプロテオミクス手法を使用して分析することが可能でなかった(16)。
本発明者らは、高い感度および再現性を示す組換え抗体マイクロアレイプラットフォームを設計し(21〜23)、免疫系に関連した血清タンパク質に注目した。このアフィニティプロテオミクス手法は、最近すでに、様々ながんの徴候と健康な個体を区別するいくつかの血清バイオマーカーシグネチャーの同定を可能にしており(7、8、11)、このプラットフォームの能力を実証している。
血清中に一過性に記憶された情報を解読することができ、これが乳がんの管理の一助となり得るか否かを調査する試みにおいて、本発明者らは、腫瘍の遠隔再発を発症するリスクに関連する分子ポートレートについて、原発性乳がんを有する合計64の患者において、かつ合計数百の血清試料においてスクリーニングした。3年の期間にわたって収集した試料を比較して、本発明者らは、静的な分析物レベルを使用して血清プロテオーム中の分子パターンを解読することができず、これは、シグナルが弱すぎる、直交可変性ベクトルの代わりに平行ベクトルである、または存在しない、であることを示した。
しかし、経時的な分析物強度の変化を分析すると、本発明者らは、試験の期間内に転移性乳がんを発症することについて、高リスク群および低リスク群に患者を分類することができた。最初の3〜6カ月の間に、患者が高リスク群に属する場合、識別力のあるバイオマーカーは、分析強度が増大し、低リスクの患者についても同様であることが明らかであった。これまでの臨床プロテオミクス研究は、潜在的なバイオマーカーを発見するのに患者のただ1つのコホートが使用されるという事実によって制限されており、この障壁を回避するために、本発明者らは、第2の独立したコホートを使用することによって、患者をリスクについて分類する能力を試験した。この目的のために、本発明者らは、公平な後退消去ストラテジーを使用して、本発明者らのバイオマーカーシグネチャーをプレバリデートするのに使用される分析物の数を最初に圧縮した。それにより、最も識別力のあるシグネチャーがもたらされた。これは、最低のp値を有するバイオマーカーのみが選択される場合、もたらされないはずである。
21のマーカーに圧縮した後、本発明者らは、試験コホートを分析し、0.85のROC AUCで、転移性乳がんを発症することについて、高リスクおよび低リスクに患者を分類することができた。バイオマーカーは、これらが得られたデータセット中で常により良好に機能するので、予測力のこの減少は予期された。それでもなお、0.85というROC AUCは、血清試料中に含まれる情報内容を、抗体マイクロアレイを使用して解読することができたことの最初の実証であり、これは、乳がん患者の治療に対してより個別化された手法を開発するための道を開く。注目すべきことに、シグネチャーは、患者が受けた療法によって影響されないように思われた。例えば、化学療法は、患者の層別化に影響しなかった。この知見(図4)はまた、転移性乳がんの正確な予測の必要性を実証した。その理由は、低リスク群中の患者の一部が過剰治療された可能性があるのと同じように、高リスク群中の患者の何人かは、他のアジュバント治療から恩恵を受けた可能性があるためである。
臨床的なインパクトを得るために、血清ベースのバイオマーカーは、従来の予後マーカー、例えば、臨床的状態(年齢)、病理組織学的状態(組織学的グレード、リンパ節状態、腫瘍サイズ)、およびホルモン受容体状態(ER、PgR)などより性能が優れていなければならない(14)。このようなマーカーに基づく、現存する予め較正された予測因子は、一般的に、本発明者らの研究に関わる再発までの時間より長い再発までの時間を仮定し、比較において好まれないはずなので、この場合単刀直入に使用することができない。したがって、本発明者らは、入力値としてこれらのマーカーを用いてSVMを使用して、トレーニングおよびブラインドテストすることによって従来のパラメータの予測力を評価した。本発明者らは、ROC AUC 0.66によって代表される、従来のパラメータの合わさった能力でさえも、本発明者らのプレバリデートされた血清バイオマーカーシグネチャーより有意に低いことを実証した。このことは、疾患の予測について、適当な技術を使用して解読することができる十分な情報が血清中に含まれていたという本発明者らの仮説を支持する。
興味深いことに、本発明者らが、従来の臨床パラメータを本発明者らの21のバイオマーカーシグネチャーと組み合わせた際、予測力は増大し、0.90というさらにより改善されたROC AUCをもたらし、血清マーカーが付加価値をもたらしたことを強く示唆した。本分析は、65の異なる分析物に基づいたものである(Table 4(表4))。本研究に端を発して、本発明者らは、バイオマーカーシグネチャーをさらに洗練し、したがってその予測力を増大させるために、より大きい患者コホートにおいてより多くの血清タンパク質を分析することができる拡張された乳がんチップを設計する。
乳がんにおける遠隔再発を発症することについて患者を低リスクまたは高リスクに分類することができるバイオマーカーシグネチャーは、臨床状況において、すでに診断された転移性乳がんに関連したバイオマーカーシグネチャーと一緒に使用することができる(11)。そのシグネチャー(11)は、8個のバイオマーカーに基づき、本研究から独立した試験コホートにおいて、0.85のROC AUCを与えることが示されている(データを示さず)。したがって、潜在的な臨床用途は、手術後の最初の来訪時(3〜6カ月)にリスク評価を患者に実施した後、確定した転移性乳がんに関連するシグネチャーを使用することによって、数年にわたって患者を追跡し、腫瘍再発の早期警告シグナルとして機能する患者らの分子血清ポートレートをモニターすることができることである場合がある。これはもちろん、より大きい前向き研究でバリデートされなければならないが、乳がん療法においてより個別化された手法に向けて進む潜在的な道を示す。
結論として、本発明者らは、アフィニティプロテオミクスを使用して、単純な血液試験が、初回手術後に転移性乳がんを発症する確率のリスク評価を可能にするのに十分な情報を含んでいることを実証した。
(参考文献)

Claims (15)

  1. 対象における乳がんの予後判定のための方法であって、
    (a)対象からの第1のプロテオーム試料を提供する工程と、
    (b)第1のプロテオーム試料中で、APOA4及びATP5βの量を測定する工程と、
    (c)対象からの追加のプロテオーム試料を提供する工程と、
    (d)追加のプロテオーム試料中で、APOA4及びATP5βの量を測定する工程と、
    (e)第1のプロテオーム試料および追加のプロテオーム試料中のAPOA4及びATP5βの量の差異を求める工程と
    を含み、
    第1のプロテオーム試料および追加のプロテオーム試料は、異なる日の対象のプロテオーム組成を代表し、
    第1のプロテオーム試料および追加のプロテオーム試料中のAPOA4及びATP5βの量の差異は、対象における乳がんの再発および/または転移のリスクを示す方法。
  2. 対象からの1つまたは複数のさらなるプロテオーム試料を提供し、APOA4及びATP5βの量を1つまたは複数のさらなるプロテオーム試料中で測定するために、工程(c)および(d)が繰り返され、1つまたは複数のさらなるプロテオーム試料は、第1のプロテオーム試料および追加のプロテオーム試料と異なる日の対象のプロテオーム組成を代表する、請求項1に記載の方法。
  3. 工程(b)および/または工程(d)が、APOA4及びATP5βにそれぞれ結合することができる2つまたは複数の結合剤を使用して実施される、請求項1または2に記載の方法。
  4. 2つまたは複数の結合剤がそれぞれ、抗体またはその抗原結合断片を含み、または抗体またはその抗原結合断片からなる、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 工程(b)および/または工程(d)が、アレイを使用して実施される、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
  6. 工程(a)および/または工程(c)で提供される試料が、それぞれ、工程(b)および/または工程(d)の前に処理され、その結果、試料中に存在するAPOA4及びATP5βが検出可能部分で標識される、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
  7. 第1のプロテオーム試料および追加のプロテオーム試料が、少なくとも7日離れた異なる日の対象のプロテオーム組成を代表する、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
  8. 工程(a)で提供される第1のプロテオーム試料が、対象における乳がん腫瘍を切除する前または後の4週間以内の時点における対象のプロテオーム組成を代表する、請求項1から7のいずれか一項に記載の方法。
  9. 第1のプロテオーム試料が、対象における乳がん腫瘍を切除する4週間前の時点における対象のプロテオーム組成を代表する、請求項1から8のいずれか一項に記載の方法。
  10. 追加のプロテオーム試料が、腫瘍切除後の3〜6カ月以内の時点における対象のプロテオーム組成を代表する、請求項1から9のいずれか一項に記載の方法。
  11. 工程(c)および工程(d)が繰り返され、その結果、さらなるプロテオーム試料が提供され、その中のバイオマーカーレベルが測定され、さらなるプロテオーム試料は、腫瘍切除後の6〜18カ月毎、最大少なくとも24カ月の時点における対象のプロテオーム組成を代表する、請求項1から10のいずれか一項に記載の方法。
  12. 方法の断定的な精度が、ROC AUC値によって判定される場合、少なくとも0.70である、請求項1から11のいずれか一項に記載の方法。
  13. APOA4及びATP5βにそれぞれ結合することができる2つまたは複数の結合剤を含む、請求項1に記載の方法を実施するためのアレイ。
  14. 対象における乳がんの再発および/または転移のリスクを判定するための予後マーカーとしての、APOA4及びATP5βのin vitroのものである使用。
  15. APOA4及びATP5βにそれぞれ結合することができる2つまたは複数の結合剤を含む、請求項1に記載の方法を実施するためのキット。
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