JP5695385B2 - 毛髪形状感受性遺伝子 - Google Patents
毛髪形状感受性遺伝子 Download PDFInfo
- Publication number
- JP5695385B2 JP5695385B2 JP2010225225A JP2010225225A JP5695385B2 JP 5695385 B2 JP5695385 B2 JP 5695385B2 JP 2010225225 A JP2010225225 A JP 2010225225A JP 2010225225 A JP2010225225 A JP 2010225225A JP 5695385 B2 JP5695385 B2 JP 5695385B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- hair
- gene
- hair shape
- snp
- base
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Classifications
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C12—BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
- C12Q—MEASURING OR TESTING PROCESSES INVOLVING ENZYMES, NUCLEIC ACIDS OR MICROORGANISMS; COMPOSITIONS OR TEST PAPERS THEREFOR; PROCESSES OF PREPARING SUCH COMPOSITIONS; CONDITION-RESPONSIVE CONTROL IN MICROBIOLOGICAL OR ENZYMOLOGICAL PROCESSES
- C12Q1/00—Measuring or testing processes involving enzymes, nucleic acids or microorganisms; Compositions therefor; Processes of preparing such compositions
- C12Q1/68—Measuring or testing processes involving enzymes, nucleic acids or microorganisms; Compositions therefor; Processes of preparing such compositions involving nucleic acids
- C12Q1/6813—Hybridisation assays
- C12Q1/6827—Hybridisation assays for detection of mutation or polymorphism
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C12—BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
- C12Q—MEASURING OR TESTING PROCESSES INVOLVING ENZYMES, NUCLEIC ACIDS OR MICROORGANISMS; COMPOSITIONS OR TEST PAPERS THEREFOR; PROCESSES OF PREPARING SUCH COMPOSITIONS; CONDITION-RESPONSIVE CONTROL IN MICROBIOLOGICAL OR ENZYMOLOGICAL PROCESSES
- C12Q1/00—Measuring or testing processes involving enzymes, nucleic acids or microorganisms; Compositions therefor; Processes of preparing such compositions
- C12Q1/68—Measuring or testing processes involving enzymes, nucleic acids or microorganisms; Compositions therefor; Processes of preparing such compositions involving nucleic acids
- C12Q1/6876—Nucleic acid products used in the analysis of nucleic acids, e.g. primers or probes
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C12—BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
- C12Q—MEASURING OR TESTING PROCESSES INVOLVING ENZYMES, NUCLEIC ACIDS OR MICROORGANISMS; COMPOSITIONS OR TEST PAPERS THEREFOR; PROCESSES OF PREPARING SUCH COMPOSITIONS; CONDITION-RESPONSIVE CONTROL IN MICROBIOLOGICAL OR ENZYMOLOGICAL PROCESSES
- C12Q1/00—Measuring or testing processes involving enzymes, nucleic acids or microorganisms; Compositions therefor; Processes of preparing such compositions
- C12Q1/68—Measuring or testing processes involving enzymes, nucleic acids or microorganisms; Compositions therefor; Processes of preparing such compositions involving nucleic acids
- C12Q1/6876—Nucleic acid products used in the analysis of nucleic acids, e.g. primers or probes
- C12Q1/6883—Nucleic acid products used in the analysis of nucleic acids, e.g. primers or probes for diseases caused by alterations of genetic material
-
- G—PHYSICS
- G01—MEASURING; TESTING
- G01N—INVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
- G01N33/00—Investigating or analysing materials by specific methods not covered by groups G01N1/00 - G01N31/00
- G01N33/48—Biological material, e.g. blood, urine; Haemocytometers
- G01N33/50—Chemical analysis of biological material, e.g. blood, urine; Testing involving biospecific ligand binding methods; Immunological testing
- G01N33/68—Chemical analysis of biological material, e.g. blood, urine; Testing involving biospecific ligand binding methods; Immunological testing involving proteins, peptides or amino acids
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C12—BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
- C12Q—MEASURING OR TESTING PROCESSES INVOLVING ENZYMES, NUCLEIC ACIDS OR MICROORGANISMS; COMPOSITIONS OR TEST PAPERS THEREFOR; PROCESSES OF PREPARING SUCH COMPOSITIONS; CONDITION-RESPONSIVE CONTROL IN MICROBIOLOGICAL OR ENZYMOLOGICAL PROCESSES
- C12Q2600/00—Oligonucleotides characterized by their use
- C12Q2600/124—Animal traits, i.e. production traits, including athletic performance or the like
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C12—BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
- C12Q—MEASURING OR TESTING PROCESSES INVOLVING ENZYMES, NUCLEIC ACIDS OR MICROORGANISMS; COMPOSITIONS OR TEST PAPERS THEREFOR; PROCESSES OF PREPARING SUCH COMPOSITIONS; CONDITION-RESPONSIVE CONTROL IN MICROBIOLOGICAL OR ENZYMOLOGICAL PROCESSES
- C12Q2600/00—Oligonucleotides characterized by their use
- C12Q2600/172—Haplotypes
Description
1)ヒト第1番染色体の1q32.1〜1q32.2領域(D1S249〜D1S2891)における、アリル頻度がくせ毛形質を有する集団と非くせ毛形質を有する集団との間で統計学的に有意に異なる一塩基多型(SNP)マーカーに対する連鎖不平衡解析により決定され、且つ配列番号1〜3のいずれかで示される塩基配列からなるハプロタイプブロックにオーバーラップする遺伝子であって、当該ハプロタイプブロックの塩基配列の一部または全てを含有する遺伝子である、毛髪形状感受性遺伝子。
2)前記遺伝子がCSRP1、NAV1、IPO9、TMEM58及びNUCKS1から選択される1)記載の毛髪形状感受性遺伝子。
3)1)記載のハプロタイプブロックの塩基配列の部分塩基配列であって、アリル頻度がくせ毛形質を有する集団と非くせ毛形質を有する集団との間で統計学的に有意に異なる一塩基多型(SNP)及び当該SNPと連鎖しているSNPを一以上含む連続する塩基配列からなる部分塩基配列を含む、オリゴまたはポリヌクレオチドあるいはそれらの相補鎖である、毛髪形状判定マーカー。
4)前記SNPが以下からなる群より選択される塩基におけるSNPである、3)記載の毛髪形状判定マーカー:
(1)配列番号1で表される塩基配列中、塩基番号1(dbSNPデータベースID:rs576697、TまたはC)、1635(rs645390、GまたはA)、2527(rs3767542、GまたはA)、及び3766(rs675508、CまたはA)で示される塩基;
(2)配列番号2で表される塩基配列中、塩基番号7519(rs2271763、GまたはA)、16901(rs10920260、TまたはG)、30270(rs16849387、AまたはG)、31333(rs12127375、CまたはG)、50038(rs1495840、TまたはA)、及び63008(rs10920269、GまたはT)で示される塩基;ならびに
(3)配列番号3で表される塩基配列中、塩基番号24524(rs3805、TまたはG)、及び60701(rs823114、GまたはA)で示される塩基。
5)10〜601塩基長の連続した塩基配列からなる、3)又は4)記載の毛髪形状判定マーカー。
6)以下の工程(a)〜(c)を含む被験者の毛髪形状に対する遺伝的感受性の判定方法:
(a)被験者由来のゲノムDNAを調製する工程;
(b)当該ゲノムDNAから、1)記載のハプロタイプブロックに存在する、アリル頻度がくせ毛形質を有する集団と非くせ毛形質を有する集団との間で統計学的に有意に異なる一塩基多型(SNP)及び当該SNPと連鎖している一塩基多型(SNP)を検出する工程;及び
(c)当該検出したSNPのアリル頻度が非くせ毛者集団におけるよりもくせ毛者集団において統計学的に有意に高い場合、当該被験者はくせ毛の遺伝的素因を有していると判定し、当該検出したSNPのアリル頻度がくせ毛者集団におけるよりも任意の非くせ毛者集団において統計学的に有意に高い場合、当該被験者はくせ毛の遺伝的素因を有していないと判定する工程。
7)被験者由来のゲノムDNA中の配列番号1〜3で表される塩基配列における下記表に示される塩基番号の塩基のいずれか一以上において、当該塩基が塩基(i)であるか塩基(ii)であるかを識別し、塩基(i)である場合には被験者がくせ毛の素因を有していると判定し、塩基(ii)である場合には被験者がくせ毛の素因を有していないと判定する工程を含む、被験者の毛髪形状に対する遺伝的感受性の判定方法。
9)前記プローブ及び/又はプライマーが前記マーカーにおける4)記載のSNPを含む領域とハイブリダイズする、8)記載の試薬。
10)上記8)又は9)記載の試薬を含む、被験者の毛髪形状に対する遺伝的感受性判定用キット。
11)以下の工程(a)及び(b)を含む毛髪形状調節剤をスクリーニングする方法:
(a)上記1)又は2)記載の毛髪形状感受性遺伝子を含有する細胞に被験物質を投与する工程;及び
(b)投与した被験物質の中から、当該毛髪形状感受性遺伝子上又はその近傍に存在する、アリル頻度がくせ毛形質を有する集団と非くせ毛形質を有する集団との間で統計学的に有意に異なる一塩基多型(SNP)及び当該SNPと連鎖している一塩基多型(SNP)マーカーの塩基の多型をもう一方の多型に変換させる物質を毛髪形状調節剤として選択する工程。
12)配列番号42、配列番号44若しくは配列番号46に示される塩基配列、これらと相補的な塩基配列からなるポリヌクレオチド、又はこれらの部分ポリヌクレオチドからなるか、あるいは配列番号43、配列番号45若しくは配列番号47に示されるアミノ酸配列からなるポリペプチド又はその部分ポリペプチドからなる、毛髪形状タイプのマーカー。
13)部分ポリヌクレオチドが15塩基以上のポリヌクレオチドである12)記載のマーカー。
14)配列番号42、配列番号44若しくは配列番号46に示される塩基配列又はこれと相補的な塩基配列からなるポリヌクレオチドの部分ポリヌクレオチドからなる、12)記載のマーカーを増幅するためのプライマー。
15)配列番号42、配列番号44若しくは配列番号46に示される塩基配列又はこれと相補的な塩基配列からなるポリヌクレオチド、又はこれらの部分ポリヌクレオチドからなる、12)記載のマーカーを検出するためのプローブ。
16)配列番号43、配列番号45若しくは配列番号47に示されるアミノ酸配列からなるポリペプチド又はその部分ポリペプチドを特異的に認識する、12)記載のマーカーを検出するための抗体。
17)下記の工程(a)〜(c)を含む毛髪形状タイプの検出及び/又は判定方法:
(a)被験者由来の試料における12)に記載のマーカーの発現量を測定する工程、
(b)当該(a)の測定結果を非くせ毛者のそれと比較する工程;及び
(c)(b)の結果に基づいて毛髪形状タイプを判断する工程。
18)前記被験者由来の試料が、被験者より採取された生体試料から調製されたRNA又は当該RNAから転写された相補的ポリヌクレオチドである、17)記載の方法。
19)前記工程(a)が、被験者より採取された生体試料と16)記載の抗体とを接触させて、当該抗体と結合した当該生体試料中の12)記載のマーカーの量を測定する工程である、17)記載の方法。
20)被験者より採取された生体試料が上皮系組織又は上皮系細胞由来のものである、上記17)〜19)のいずれか1項に記載の方法。
21)以下の(a)〜(d)の工程を含むことを特徴とする毛髪形状調節剤の評価又は選択方法。
(a)上記1)に記載の毛髪形状感受性遺伝子又は当該遺伝子にコードされたタンパク質が発現可能な細胞に、被験物質を接触させる工程
(b)接触させた細胞の当該遺伝子又は当該タンパク質の発現量を測定する工程
(c)(b)で測定された発現量を被験物質に接触させない対照細胞の当該遺伝子又は当該タンパク質の発現量と比較する工程
(d)(c)の結果に基づいて、当該遺伝子又は当該タンパク質の発現量を減少又は増加させる被験物質を毛髪形状調節剤として選択する工程
22)以下の(a)〜(c)の工程を含むことを特徴とする毛髪形状調節剤の評価又は選択方法。
(a)上記1)に記載の毛髪形状感受性遺伝子が発現可能な細胞に、当該毛髪形状感受性遺伝子の発現制御領域とレポーター遺伝子との融合遺伝子を導入し、当該細胞を被験物質の存在下及び非存在下で培養する工程、
(b)被験物質の存在下で培養した細胞培養物中のレポーター遺伝子発現産物の発現量を測定し、当該量を被験物質の非存在下で培養した細胞培養物中のレポーター遺伝子発現産物の発現量と比較する工程、
(c)上記(b)の比較結果に基づいて、レポーター遺伝子発現産物の発現量の発現量を増減させる被験物質を毛髪形状調節剤として選択する工程。
23)以下の(a)〜(c)の工程を含むことを特徴とする毛髪形状調節剤の評価又は選択方法。
(a)被験物質と1)に記載の毛髪形状感受性遺伝子にコードされるタンパク質を含む水溶液、細胞又は当該細胞から調製した細胞画分とを接触させる工程、
(b)被験物質を接触させた水溶液、細胞又は細胞画分における当該タンパク質の機能又は活性を測定し、当該機能又は活性を、被験物質を接触させない対照水溶液、対照細胞又は対照細胞画分における上記当該タンパク質の機能又は活性と比較する工程、
(c)上記(b)の比較結果に基づいて、当該タンパク質の機能又は活性を増減させる被験物質を毛髪形状調節剤として選択する工程。
24)ヒト毛髪毛根部における1)に記載の毛髪形状感受性遺伝子の発現を制御することを特徴とする毛髪形状タイプの調節方法。
本明細書における塩基配列(ヌクレオチド配列)、核酸などの略号による表示は、IUPAC−IUBの規定(IUPAC-IUB communication on Biological Nomenclature, Eur.J.Biochem., 138, 9, 1984)、「塩基配列又はアミノ酸配列を含む明細書等の作製のためのガイドライン」(特許庁編)、及び当該分野における慣用記号にしたがうものとする。
多因子性の一般形質であるヒトの自然な毛髪形状を決定付ける原因となる遺伝子(毛髪形状感受性遺伝子)を探索及び同定は、形質マッピングの手法を用いた遺伝統計解析により行うことができる。すなわち、罹患同胞対連鎖解析によるくせ毛形質座位の同定、ならびにくせ毛形質座位を対象としたケース・コントロール関連解析により、毛髪形状感受性遺伝子と連鎖不平衡状態にあるSNPを効果的に選択することができ、そのSNPを含むハプロタイプブロックに存在する遺伝子を毛髪形状感受性遺伝子として同定することができる。
(i) 毛髪形状の定義付けと、くせ毛家系、及びくせ毛形質を有するヒト(ケース)並びに直毛形質を有するヒト(コントロール)を収集する工程、
(ii) くせ毛家系由来の試料を用いて、ゲノム全域を対象とした罹患同胞対連鎖解析を実施し、くせ毛形質座位を同定する工程、
(iii)工程(ii)で同定したくせ毛形質座位について、該領域全体にわたって偏在しない複数のSNPマーカーを選定する工程、
(iv) 工程(iii)で選定したSNPマーカーについて、ケース及びコントロール由来の試料を用いてタイピングをおこない、その結果を統計学的処理により比較し、有意差の認められるSNPマーカーを毛髪形状感受性SNPマーカーとして同定する工程、及び
(v) 毛髪形状感受性SNPマーカーに対して、国際ハップマッププロジェクトデータベースのHapMap PHASEデータを用い、対象候補領域内で連鎖不平衡が認められる領域であって、かつ毛髪形状感受性SNPマーカーを含む領域(ハプロタイプブロック)を特定することにより、毛髪形状感受性遺伝子を同定する工程。
(vi) 工程(v)で特定したハプロタイプブロックから抽出されたハプロタイプに対して、国際ハップマッププロジェクトデータベースのHapMap PHASEデータを用い、工程(iv)で同定した毛髪形状感受性SNPマーカー座位と連鎖しているSNP座位を特定し、当該SNPを新たに毛髪形状感受性SNPマーカーとして追加同定する工程。
本発明はまた、ヒト第1番染色体の1q32.1〜1q32.2領域(D1S249〜D1S2891)における、アリル頻度がくせ毛形質を有する集団と非くせ毛形質を有する集団との間で統計学的に有意に異なるSNPマーカーに対する連鎖不平衡解析により決定され、且つ配列番号1〜3のいずれかで示される塩基配列からなるハプロタイプブロックの塩基配列の部分塩基配列であって、アリル頻度がくせ毛形質を有する集団と非くせ毛形質を有する集団との間で統計学的に有意に異なる一塩基多型(SNP)及び当該SNPと連鎖しているSNPを一以上含む連続する塩基配列からなる部分塩基配列を含むオリゴまたはポリヌクレオチドあるいはその相補鎖である、毛髪形状判定マーカーを提供する。
(1)配列番号1で示される塩基配列における、塩基番号1(dbSNPデータベースID:rs576697、TまたはC)、1635(rs645390、GまたはA)、2527(rs3767542、GまたはA)、及び3766(rs675508、CまたはA)で示される塩基;
(2)配列番号2で示される塩基配列における、塩基番号7519(rs2271763、GまたはA)、16901(rs10920260、TまたはG)、30270(rs16849387、AまたはG)、31333(rs12127375、CまたはG)、50038(rs1495840、TまたはA)、及び63008(rs10920269、GまたはT)で示される塩基;ならびに、
(3)配列番号3で示される塩基配列における、塩基番号24524(rs3805、TまたはG)、及び60701(rs823114、GまたはA)で示される塩基。
本発明はまた、被験者の毛髪形状に対する遺伝的感受性(遺伝的素因)を判定する方法を提供する。本発明の毛髪形状に対する遺伝的感受性の判定方法は、以下の工程(a)、及び(b)を含むものであり、その限りにおいて特に制限されるものではない:
(a)被験者由来のゲノムDNAを調製する工程;及び
(b)当該ゲノムDNAから、ヒト第1番染色体の1q32.1〜1q32.2領域(D1S249〜D1S2891)における、アリル頻度がくせ毛形質を有する集団と非くせ毛形質を有する集団との間で統計学的に有意に異なる一塩基多型(SNP)マーカーに対する連鎖不平衡解析により決定され、且つ配列番号1〜3のいずれかで示される塩基配列からなるハプロタイプブロックに存在する、アリル頻度がくせ毛形質を有する集団と非くせ毛形質を有する集団との間で統計学的に有意に異なる一塩基多型(SNP)及び当該SNPと連鎖している一塩基多型(SNP)を検出する工程。
(c)当該検出したSNPのアリル頻度が非くせ毛者集団におけるよりもくせ毛者集団において統計学的に有意に高い場合、当該被験者はくせ毛の遺伝的素因を有していると判定し、当該検出したSNPのアリル頻度がくせ毛者集団におけるよりも任意の非くせ毛者集団において統計学的に有意に高い場合、当該被験者はくせ毛の遺伝的素因を有していないと判定する工程。
(1)配列番号1で示される塩基配列中、塩基番号1で示される塩基がTであるかCであるかを識別し、Cである場合にくせ毛の素因を有している、またはTである場合にくせ毛の素因を有していないと判定する、
(2)配列番号1で示される塩基配列中、塩基番号1635で示される塩基がGであるかAであるかを識別し、Aである場合にくせ毛の素因を有している、またはGである場合にくせ毛の素因を有していないと判定する、
(3)配列番号1で示される塩基配列中、塩基番号2527で示される塩基がGであるかAであるかを識別し、Aである場合にくせ毛の素因を有している、またはGである場合にくせ毛の素因を有していないと判定する、
(4)配列番号1で示される塩基配列中、塩基番号3766で示される塩基がCであるかAであるかを識別し、Aである場合にくせ毛の素因を有している、またはCである場合にくせ毛の素因を有していないと判定する、
(5)配列番号2で示される塩基配列中、塩基番号7519で示される塩基がGであるかAであるかを識別し、Aである場合にくせ毛の素因を有している、またはGである場合にくせ毛の素因を有していないと判定する、
(6)配列番号2で示される塩基配列中、塩基番号16901で示される塩基がTであるかGであるかを識別し、Gである場合にくせ毛の素因を有している、またはTである場合にくせ毛の素因を有していないと判定する、
(7)配列番号2で示される塩基配列中、塩基番号30270で示される塩基がAであるかGであるかを識別し、Gである場合にくせ毛の素因を有している、またはAである場合にくせ毛の素因を有していないと判定する、
(8)配列番号2で示される塩基配列中、塩基番号31333で示される塩基がCであるかGであるかを識別し、Gである場合にくせ毛の素因を有している、またはCである場合にくせ毛の素因を有していないと判定する、
(9)配列番号2で示される塩基配列中、塩基番号50038で示される塩基がTであるかAであるかを識別し、Aである場合にくせ毛の素因を有している、またはTである場合にくせ毛の素因を有していないと判定する工程、
(10)配列番号2で示される塩基配列中、塩基番号63008で示される塩基がGであるかTであるかを識別し、Tである場合にくせ毛の素因を有している、またはGである場合にくせ毛の素因を有していないと判定する、
(11)配列番号3で示される塩基配列中、塩基番号24524で示される塩基がTであるかGであるかを識別し、Gである場合にくせ毛の素因を有している、またはTである場合にくせ毛の素因を有していないと判定する、または
(12)配列番号3で示される塩基配列中、塩基番号60701で示される塩基がGであるかAであるかを識別し、Aである場合にくせ毛の素因を有している、またはGである場合にくせ毛の素因を有していないと判定する。
TaqMan−PCR法は、蛍光標識したアリル特異的オリゴヌクレオチド(TaqManプローブ)とTaq DNAポリメラーゼによるPCRとを利用した方法である。TaqManプローブとしては、ヒト第1番染色体のゲノム領域中、配列番号1〜3で示される塩基配列で表されるハプロタイプブロックの部分塩基配列であって、上記のいずれかの多型部位の塩基を含む約15〜約30塩基の連続した塩基配列を含むオリゴヌクレオチド(例えば後述する本発明の毛髪形状判定用試薬に含まれる核酸プローブ)が用いられる。該プローブは、その5'末端がFAMやVICなどの蛍光色素で、3'末端がTAMRAなどのクエンチャー(消光物質)でそれぞれ標識されており、そのままの状態ではクエンチャーが蛍光エネルギーを吸収するため蛍光は検出されない。プローブは双方のアリルについて調製し、一括検出のために互いに蛍光波長の異なる蛍光色素(例えば、一方のアレルをFAM、他方をVIC)で標識することが好ましい。また、TaqManプローブからのPCR伸長反応が起こらないように3'末端はリン酸化されている。TaqManプローブとハイブリダイズする領域を含むゲノムDNAの部分配列を増幅するように設計されたプライマー及びTaqDNAポリメラーゼとともにPCRをおこなうと、TaqManプローブが鋳型DNAとハイブリダイズし、同時にPCRプライマーからの伸長反応が起こるが、伸長反応が進むとTaq DNAポリメラーゼの5'ヌクレアーゼ活性によりハイブリダイズしたTaqManプローブが切断され、蛍光色素が遊離してクエンチャーの影響を受けなくなり、蛍光が検出される。鋳型の増幅により蛍光強度は指数関数的に増大する。例えば、配列番号1で示される塩基配列中、塩基番号1(rs576697、TまたはC)で示される塩基における多型の検出において、当該塩基を含むアリル特異的オリゴヌクレオチド(約15〜約30塩基長;CアリルはFAMで、TアリルはVICでそれぞれ5'末端標識し、3'末端はいずれもTAMRAで標識)をTaqManプローブとして用いた場合、被験者のジェノタイプがCCあるいはTTであれば、それぞれFAMあるいはVICの強い蛍光強度を認め、他方の蛍光はほとんど認められない。一方、被験者のジェノタイプがCTであれば、FAM及びVIC両方の蛍光が検出される。
インベーダー法では、TaqMan−PCR法と異なり、アリル特異的オリゴヌクレオチド(アリルプローブ)自体は標識されず、多型部位の塩基の5'側に鋳型DNAと相補性のない配列(フラップ)を有し、3'側には鋳型に特異的な相補配列を有する。インベーダー法では、さらに鋳型の多型部位の3'側に特異的な相補配列を有するオリゴヌクレオチド(インベーダープローブ;該プローブの5'末端である多型部位に相当する塩基は任意である)と、5'側がヘアピン構造をとり得る配列を有し、ヘアピン構造を形成した際に5'末端の塩基と対をなす塩基から3'側に連続する配列がアリルプローブのフラップと相補的な配列であることを特徴とするFRET(Fluorescence Resonance Energy Transfer)プローブとが用いられる。FRETプローブの5'末端は蛍光標識(例えば、FAMやVIC等)され、その近傍にはクエンチャー(例えば、TAMRA等)が結合しており、そのままの状態(ヘアピン構造)では蛍光は検出されない。鋳型であるゲノムDNAにアリルプローブ及びインベーダープローブを反応させると、三者が相補結合した際に多型部位にインベーダープローブの3'末端が侵入する。この多型部位の構造を認識する酵素(Cleavase)を用いてアリルプローブの一本鎖部分(すなわち、多型部位の塩基から5'側のフラップ部分)を切り出すと、フラップはFRETプローブと相補的に結合し、フラップの多型部位がFRETプローブのヘアピン構造に侵入する。この構造をCleavaseが認識して切断することにより、FRETプローブの末端標識された蛍光色素が遊離してクエンチャーの影響を受けなくなって蛍光が検出される。多型部位の塩基が鋳型とマッチしないアリルプローブはCleavaseによって切断されないが、切断されないアリルプローブもFRETプローブとハイブリダイズすることができるので、同様に蛍光が検出される。ただし、反応効率が異なるため、多型部位の塩基がマッチするアリルプローブでは、マッチしないアリルプローブに比べて蛍光強度が顕著に強い。通常、3種のプローブ及びCleavaseと反応させる前に、鋳型DNAはアリルプローブ、及びインベーダープローブがハイブリダイズする部分を含む領域を増幅し得るプライマーを用いてPCRにより増幅しておくことが好ましい。
本発明はまた、上記本発明の判定方法に用いるための試薬及び当該試薬を含むキットを提供する。すなわち、本発明の判定用試薬及び当該試薬を含むキットは、ヒト第1番染色体の1q32.1〜1q32.2領域(D1S249〜D1S2891)における、アリル頻度がくせ毛形質を有する集団と非くせ毛形質を有する集団との間で統計学的に有意に異なる一塩基多型(SNP)マーカーに対する連鎖不平衡解析により決定され、且つ配列番号1で示される3,926bpの塩基配列、配列番号2で示される76,945bpの塩基配列、又は配列番号3で示される68,637bpの塩基配列からなるハプロタイプブロックに存在する一塩基多型(SNP)であって、一方のアリル頻度が任意の非くせ毛者集団におけるよりも任意のくせ毛者集団において高いSNP及び当該SNPと連鎖しているSNPからなる群より選択される1以上のSNPを検出し得る核酸プローブ及び/またはプライマーを含むものである。
(1)配列番号1で示される塩基配列中、塩基番号1(dbSNPデータベースID:rs576697、TまたはC)、1635(rs645390、GまたはA)、2527(rs3767542、GまたはA)、及び3766(rs675508、CまたはA)で示される塩基;
(2)配列番号2で示される塩基配列中、塩基番号7519(rs2271763、GまたはA)、16901(rs10920260、TまたはG)、30270(rs16849387、AまたはG)、31333(rs12127375、CまたはG)、50038(rs1495840、TまたはA)、及び63008(rs10920269、GまたはT)で示される塩基;ならびに
(3)配列番号3で示される塩基配列中、塩基番号24524(rs3805、TまたはG)、及び60701(rs823114、GまたはA)で示される塩基。
上記の手順で同定した毛髪形状感受性遺伝子や、その発現産物は、その発現や活性が毛髪形状と関連して変化する。従って、当該毛髪形状感受性遺伝子及びその発現産物は、被験者の毛髪形状タイプを検出及び/又は判定するための毛髪形状タイプのマーカーとして使用できる。あるいは、当該毛髪形状感受性遺伝子又はその発現産物の発現量を測定及び評価することにより、ヒトの毛髪形状調節剤の評価又は選択を行うことができる。またあるいは、当該毛髪形状感受性遺伝子又はその発現産物の発現量を制御することにより、ヒトの毛髪形状を調節することができる。
本発明において、上記毛髪形状タイプの検出及び/又は判定、あるいは毛髪形状の調節を必要とする対象となるヒトとしては、特定の人種や集団に限定されるものではないが、アジア系人種が好ましく、日本人がより好ましい。
後記実施例に示すように、日本人のくせ毛者と非くせ毛者の毛髪毛根部における遺伝子発現を解析したところ、非くせ毛群と比較してくせ毛群ではCSRP1遺伝子の発現量が有意に増加しており、またビャクズクのような直毛化作用を有する物質の投与によってくせ毛が改善されるとCSRP1遺伝子の発現量は低下する。
後記実施例に示すように、日本人のくせ毛者と非くせ毛者の毛髪毛根部における遺伝子発現を解析したところ、非くせ毛群と比較してくせ毛群でIPO9遺伝子の発現量が有意に低下しており、またトキンソウのような直毛化作用を有する物質の投与によってくせ毛が改善されるとIPO9遺伝子の発現量は増加する。
後記実施例に示すように、日本人のくせ毛者と非くせ毛者の毛髪毛根部における遺伝子発現を解析したところ、非くせ毛群と比較してくせ毛群ではNUCKS1遺伝子の発現量が有意に低下しており、またビャクズクのような直毛化作用を有する物質の投与によってくせ毛が改善されるとNUCKS1遺伝子の発現量は増加する。
本発明によれば、毛髪形状タイプを検出及び/又は判定するためのマーカー(毛髪形状タイプのマーカー)は、本発明の毛髪形状感受性遺伝子の塩基配列を有するポリヌクレオチド又はその部分ポリヌクレオチドであり得る。例えば、本発明の毛髪形状タイプのマーカーとしては、CSRP1遺伝子、NAV1遺伝子、IPO9遺伝子、TMEM58遺伝子又はNUCKS1遺伝子の塩基配列からなるポリヌクレオチド、好ましくは、CSRP1遺伝子、IPO9遺伝子又はNUCKS1遺伝子の塩基配列からなるポリヌクレオチド、より好ましくは、配列番号42、配列番号44又は配列番号46で示される塩基配列からなるポリヌクレオチド、これらと相補的な塩基配列からなるポリヌクレオチド、ならびにこれらの部分ポリヌクレオチドが挙げられる。
本発明の毛髪形状感受性遺伝子の塩基配列又はこれと相補的な塩基配列からなるポリヌクレオチドの部分ポリヌクレオチドは、上記毛髪形状タイプのマーカーを増幅するためのプライマーとなり得る。好ましくは、プライマーは、配列番号42、配列番号44、若しくは配列番号46で示される塩基配列、又はこれらと相補的な塩基配列からなるポリヌクレオチド、又はこれらの部分ポリヌクレオチドを増幅する。
また、本発明の毛髪形状感受性遺伝子の塩基配列又はこれと相補的な塩基配列からなるポリヌクレオチド、又はこれらの部分ポリヌクレオチドは、上記毛髪形状タイプのマーカーを検出するためのプローブとなり得る。好ましくは、プローブは、配列番号42、配列番号44、若しくは配列番号46で示される塩基配列、又はこれらと相補的な塩基配列からなるポリヌクレオチド、又はこれらの部分ポリヌクレオチドを検出する。
すなわち、CSRP1遺伝子、IPO9遺伝子又はNUCKS1遺伝子の発現によって生じたRNA又はそれに由来するポリヌクレオチドを特異的に認識し増幅するためのプライマー、又は該RNA又はそれに由来するポリヌクレオチドを特異的に検出するためのプローブがこれに該当する。
具体的には、ノーザンブロット法、RT−PCR法、in situハイブリダーゼーション法等の、特定遺伝子を特異的に検出する公知の方法において、常法に従ってプライマー又はプローブとして利用することができる。
また検出プローブとして用いる場合は、通常15塩基以上、好ましくは15〜1000塩基、より好ましくは100〜1000塩基の塩基長を有するものが挙げられる。
上記に列挙した毛髪形状感受性遺伝子同様、これらの遺伝子の発現産物(毛髪形状感受性遺伝子にコードされるタンパク質、又はそれに由来するポリペプチド、あるいはそれらの部分ポリペプチドもまた、毛髪形状タイプのマーカー(ポリペプチド)となり得る。
例えば、上記発現産物としては、CSRP1遺伝子、NAV1遺伝子、IPO9遺伝子、TMEM58遺伝子又はNUCKS1遺伝子にコードされるタンパク質である、CSRP1タンパク質、NAV1タンパク質、IPO9タンパク質、TMEM58タンパク質及びNUCKS1タンパク質(あるいは、CSRP1、NAV1、IPO9、TMEM58及びNUCKS1とも称する)、及びこれらに由来するポリペプチド、ならびにその部分ポリペプチドが挙げられ、好ましくは、CSRP1、IPO9及びNUCKS1、及びこれらに由来するポリペプチド、ならびにその部分ポリペプチドが挙げられる。
より好ましくは、上記発現産物は、配列番号42、配列番号44、若しくは配列番号46に示される塩基配列からなるポリヌクレオチドによってコードされるタンパク質であり、さらに好ましくは、配列番号43、配列番号45若しくは配列番号47で示されるアミノ酸配列からなるタンパク質である。
また、本発明の毛髪形状感受性遺伝子にコードされるポリペプチドは、当該毛髪形状感受性遺伝子のコードするアミノ酸配列に従って、一般的な化学合成法によって製造することもできる。
本発明の毛髪形状感受性遺伝子にコードされるアミノ酸配列からなるポリペプチド又はその部分ポリペプチドを特異的に認識する抗体は、上記毛髪形状タイプのマーカー(ポリペプチド)を検出するための抗体となり得る。
後述するように、斯かる抗体を用いることにより、被験者の組織内における毛髪形状タイプのマーカー(ポリペプチド)(例えば、CSRP1、IPO9、NUCKS1、若しくはそれらに由来するポリペプチド、又はその部分ポリペプチド)の発現の有無及びその発現の程度を検出することができる。具体的には、被験者の毛髪毛根部等の一部をバイオプシー等で採取し、そこから常法に従ってタンパク質を調製して、例えばウェスタンブロット法、ELISA法等公知の検出方法において、本発明抗体を常法に従って使用することによって、当該組織に存在する上記毛髪形状タイプのマーカー(ポリペプチド)を検出することができる。
一方、モノクローナル抗体は、常法に従って大腸菌等で発現し精製した上記ポリペプチド又はその部分ポリペプチドをマウス等の非ヒト動物に免疫し、得られた脾臓細胞と骨髄腫細胞とを細胞融合させて調製したハイブリドーマ細胞から得ることができる(Current protocols in Molecular Biology edit. Ausubel et al. (1987) Publish. John Wiley and Sons. Section 11.4-11.11)。
毛髪形状タイプの検出・判定は、被験者の毛髪毛根組織等の一部をバイオプシー等で採取し、そこに含まれる本発明の毛髪形状タイプのマーカーを指標として、毛髪形状タイプを検出及び/又は判定するものである。例えば、上記方法においては、本発明の毛髪形状感受性遺伝子(例えばCSRP1遺伝子、IPO9遺伝子、又はNUCKS1遺伝子)、その相補鎖、又はその部分ポリヌクレオチドの発現レベル(発現量)、あるいは該遺伝子に由来するタンパク質(例えばCSRP1、IPO9、又はNUCKS1)、その相同物、又はその部分ポリペプチドの発現量を測定することにより、毛髪形状タイプを検出及び/又は判定する。
また、本発明の検出・判定方法は、例えばくせ毛者において、該くせ毛を改善する医薬品や化粧品等を投与した場合における、該くせ毛改善の有無又はその程度を判定することにも使用される。
ここで用いられる生体試料は、被験者の上皮系組織又は上皮系細胞、例えば毛髪毛根部や皮膚等の本発明の毛髪形状感受性遺伝子(例えばCSRP1遺伝子、IPO9遺伝子、又はNUCKS1遺伝子)を発現可能な細胞を含む組織、これの組織から調製されるRNAもしくはそれらからさらに調製されるポリヌクレオチド又は上記組織から調製されるタンパク質である。これらのRNA、ポリヌクレオチド及びタンパク質は、例えば被験者の毛髪毛根部の一部をバイオプシー等で採取後、常法に従って調製することができる。
マーカーの検出及び測定は、測定対象として用いる生体試料の種類に応じて、具体的には下記のようにして実施される。
(i)測定対象の生体試料としてRNAを利用する場合
生体試料としてRNAを利用する場合は、該RNA中の上記本発明の毛髪形状タイプのマーカー(ポリヌクレオチド)、例えばCSRP1遺伝子、IPO9遺伝子、NUCKS1遺伝子、又はその部分ポリヌクレオチド等の発現レベルを検出し、測定することによって実施される。
ここで、上記マーカーの発現量の測定は、具体的には、前述した本発明のマーカーとなり得るポリヌクレオチドを増幅するためのプライマーや当該ポリヌクレオチドを検出するためのプローブを用いて、ノーザンブロット法、RT−PCR法、DNAチップ解析法、in situハイブリダイゼーション解析法等の公知の方法を行うことにより実施できる。
ノーザンブロット法を利用する場合、本発明のプローブを用いることによって、RNA中の上記マーカー(例えば、CSRP1遺伝子、IPO9遺伝子、NUCKS1遺伝子、又はその部分ポリヌクレオチド)の発現の有無及び発現レベルを検出、測定することができる。
具体的には、まずプローブDNAを放射性同位元素(32P、33P等:RI)、蛍光物質等で標識する。次いで、得られる標識疾患マーカーを常法に従ってナイロンメンブレン等にトランスファーした被験者の生体組織由来のRNAとハイブリダイズさせる。その後、形成された標識疾患マーカー(DNA)とRNAとの二重鎖を、該標識疾患マーカーの標識物(RI、蛍光物質等)に由来するシグナルを放射線検出器(BAS-1800II、富士フィルム社製)、蛍光検出器等で検出、測定する方法を例示することができる。
また、上記DNAチップとして、本発明のマーカーの発現レベルを検出、測定可能なDNAチップを用いることもできる。該DNAチップとしては、例えばAffymetrix社のGeneChip(登録商標)Human Genome U133 plus 2を挙げることができる。
測定対象としてタンパク質を用いる場合、本発明の抗体を生体試料と接触させ、当該抗体に結合した生体試料中の本発明の毛髪形状タイプのマーカー(ポリペプチド)、例えばCSRP1、IPO9、NUCKS1、又はその部分ポリペプチドを検出し、その量(レベル)を測定することによって実施される。
ここで、タンパク質結合量の測定は、ウェスタンブロット法等の公知の方法を用いることにより行うことができる。
毛髪形状タイプの判定は、上記によって測定された、被験者の生体試料における本発明マーカーのレベル(例えば、CSRP1遺伝子、IPO9遺伝子、又はNUCKS1遺伝子の遺伝子発現レベル、あるいはCSRP1、IPO9、又はNUCKS1の量等)を、非くせ毛者の当該レベルと比較し、両者の違いを判定することによって行うことができる。
例えば、被験者のCSRP1遺伝子又はCSRP1タンパク質の発現レベルが非くせ毛者のそれらのレベルに比べて多ければ、該被験者はくせ毛者であると判断できるか、将来くせ毛が発症することが疑われる。
また例えば、被験者のIPO9遺伝子又はIPO9タンパク質の発現レベルが非くせ毛者のそれらのレベルに比べて少なければ、該被験者はくせ毛者であると判断できるか、将来くせ毛が発症することが疑われる。
また例えば、被験者のNUCKS1遺伝子又はNUCKS1タンパク質の発現レベルが非くせ毛者のそれらのレベルに比べて少なければ、該被験者はくせ毛者であると判断できるか、将来くせ毛が発症することが疑われる。
本発明の毛髪形状感受性SNPマーカーに位置する塩基を変換させることによって、個体の毛髪形状を根本的に調節することができる。
当該方法は、上記に列挙した本発明の毛髪形状感受性SNPマーカーに位置する塩基を変換させることによって達成できる。具体的な手法としては、上記目的が達成できる方法であれば特に制限されず、従来公知の方法及び将来開発される手法がいずれも使用できるが、例えば、遺伝子組換えを利用した方法等が挙げられる。
例えば、くせ毛や縮毛に悩む人に対しては、その発現が直毛の表現型に寄与する毛髪形状感受性遺伝子、例えばIPO9遺伝子又はNUCKS1遺伝子の発現を誘導或いは促進することにより、くせ毛や縮毛を抑制することができる。あるいは、その発現がくせ毛や縮毛の表現型に寄与する毛髪形状感受性遺伝子、例えばCSRP1遺伝子の発現を阻害することにより、くせ毛や縮毛を抑制することができる。一方、髪のウェーブ化を望む人に対しては、その発現がくせ毛や縮毛の表現型に寄与する毛髪形状感受性遺伝子、例えばCSRP1遺伝子の発現を誘導或いは促進することにより、ウェーブ化を発現又は促進させることができる。あるいは、その発現が直毛の表現型に寄与する毛髪形状感受性遺伝子、例えばIPO9遺伝子又はNUCKS1遺伝子の発現を阻害することにより、ウェーブ化を発現又は促進させることができる。
また例えば、くせ毛や縮毛を抑制する場合には、ヒト毛髪毛根部におけるCSRP1遺伝子の発現レベルを、非くせ毛者における当該遺伝子のmRNA発現レベル以下、例えば約3〜10倍以下にすればよい。一方、ウェーブ化を促進することを目的とする場合には、CSRP1遺伝子の発現レベルを、非くせ毛者における当該遺伝子のmRNA発現レベルより高く、例えば約3〜10倍以上にすればよい。
アンチセンスヌクレオチドを含むレトロウイルスベクターの場合は、レトロウイルス力価として、1日患者体重1kg当たり約1×103pfu〜1×1015pfuとなる量範囲から選ぶことができる。アンチセンスヌクレオチドを導入した細胞の場合は、1×104細胞/body〜1×1015細胞/body程度を投与すればよい。
また、本発明は、毛髪形状調節剤を評価又は選択するための方法(スクリーニング方法)を提供する。
(a)本発明の毛髪形状感受性遺伝子を含有する細胞に被験物質を投与する工程;及び
(b)投与した被験物質の中から、当該毛髪形状感受性遺伝子上又はその近傍、例えば当該遺伝子の属するハプロタイプブロック上に存在する本発明の毛髪形状感受性SNPマーカーの塩基の多型をもう一方の多型に変換させる物質を毛髪形状調節剤として選択する工程。
具体的には以下の(a)〜(d)の工程により行うことができる。
(a)本発明の毛髪形状感受性遺伝子又は当該遺伝子にコードされるタンパク質を発現可能な組織又は細胞に、被験物質を接触させる工程
(b)当該組織又は細胞の当該遺伝子又は当該タンパク質の発現量を測定する工程
(c)(b)で測定された発現量を被験物質に接触させない対照組織又は細胞の当該遺伝子又は当該タンパク質の発現量と比較する工程、
(d)(c)の結果に基づいて、当該遺伝子又は当該タンパク質の発現量を減少又は増加させる被験物質を毛髪形状調節剤として選択する工程。
組織培養は、例えば、培養液を添加した24穴プレートの中に採取した毛髪毛根部組織(毛包組織)を入れ、37℃の温度下、CO2を含む空気気相下で、通常1〜30日間、好ましくは1〜21日間培養することにより行うことができる。
また、細胞培養は、例えば、培養液を添加した24穴プレートの中に細胞を入れ、37℃の温度下、CO2を含む空気気相下で、通常1〜7日間、好ましくは1〜3日間培養することにより行うことができる。
すなわち、本発明における毛髪形状調節剤の評価又は選択方法はまた、以下の(a)〜(c)の工程により行うことができる。
(a)本発明の毛髪形状感受性遺伝子が発現可能な細胞に、当該毛髪形状感受性遺伝子の発現制御領域とレポーター遺伝子との融合遺伝子を導入し、当該細胞を被験物質の存在下及び非存在下で培養する工程、
(b)被験物質の存在下で培養した細胞培養物中のレポーター遺伝子発現産物の発現量を測定し、当該量を被験物質の非存在下で培養した細胞培養物中のレポーター遺伝子発現産物の発現量と比較する工程、
(c)上記(b)の比較結果に基づいて、当該レポーター遺伝子発現産物の発現量を増減させる被験物質を毛髪形状調節剤として選択する工程。
また、毛髪形状感受性遺伝子の発現制御領域としては、例えば該遺伝子の転写開始部位上流約1kb〜約10kb、好ましくは約2kbを用いることができ、例えば、CSRP1遺伝子、IPO9遺伝子又はNUCKS1遺伝子に対して、それぞれ配列番号48〜50に示す塩基配列からなる領域が挙げられる。融合遺伝子の作成及びレポーター遺伝子由来の活性測定は、公知の方法で行うことができる。
本発明の毛髪形状感受性遺伝子の発現量を増加させる物質とは、当該遺伝子を構成するポリヌクレオチドに相補性のmRNAの発現を促進する又は分解を抑制する物質をいい、毛髪形状感受性遺伝子にコードされるタンパク質の発現量を増加させる物質とは、当該毛髪形状感受性遺伝子又はそのタンパク質の発現を促進、あるいは当該遺伝子又はタンパク質の分解を抑制し、結果としてそのタンパク質発現量を増加させる物質をいう。
毛髪形状感受性遺伝子又は当該遺伝子にコードされるタンパク質の発現量を増加させる物質は、くせ毛や縮毛の低減又は促進剤となる。例えば、CSRP1遺伝子、IPO9遺伝子若しくはNUCKS1遺伝子、又はそれらにコードされるタンパク質の発現量を増加させる物質は、くせ毛や縮毛の低減若しくは改善剤となり、一方それらの遺伝子又はタンパク質の発現を低下させる物質は、くせ毛や縮毛の促進剤又はウェーブ化促進剤となり得る。また例えば、IVL遺伝子又はそれにコードされるタンパク質の発現量を増加させる物質は、くせ毛や縮毛の促進剤又はウェーブ化促進剤となり、一方当該遺伝子又はタンパク質の発現を低下させる物質は、くせ毛や縮毛の低減若しくは改善剤となり得る。斯かる毛髪形状調節剤は、ヒトに投与することにより、くせ毛若しくは縮毛改善又は髪のウェーブ化促進のための医薬品、化粧品等となり得る。
上記タンパク質の機能又は活性とは、例えば、アセチルコリン受容体活性(Nguyen VT et al., J. Biol. Chem. 275(38), p29466-76, 2000)やフォスファチジルセリン結合能(Goebeler V et al., FEBS Lett. 546(2-3), p359-64, 2003)が挙げられ、該タンパク質の量と機能又は活性とは一定の相関関係を有している。従って、上記タンパク質の量の測定に代えて、該タンパク質の機能又は活性の測定を行うことによっても、毛髪形状調節剤の評価又は選択を行うことができる。
具体的には、下記の工程(a)、(b)及び(c)の工程により行われる。
(a)被験物質と本発明の毛髪形状感受性遺伝子にコードされるタンパク質を含む水溶液、組織細胞又は当該組織細胞から調製した細胞画分とを接触させる工程、
(b)被験物質を接触させた水溶液、組織細胞又は細胞画分における当該タンパク質の機能又は活性を測定し、当該機能又は活性を、被験物質を接触させない対照水溶液、対照細胞又は対照細胞画分における当該タンパク質の機能又は活性と比較する工程、
(c)上記(b)の比較結果に基づいて、当該タンパク質の機能又は活性を増減する被験物質を選択する工程。
本実施例では、毛髪形状感受性遺伝子を同定するため、日本人集団を対象として罹患同胞対連鎖解析、並びにケース・コントロール関連解析をおこなった。
一般に、毛髪形状には人種による違いがあり、アジア系人種は比較的直毛が多く、アフリカ系人種では縮毛(またはカール毛)が主流である。インドヨーロッパ系人種はこれらの中間的な波状毛(ウェーブ毛)の形質をとる割合が高い。日本人集団は直毛優位な集団であるため、毛髪形状としてくせ毛形質を有するヒトを罹患者(ケース)として規定し、直毛形質を対照者(コントロール)とした。連鎖解析などの遺伝解析においては、対象となる形質をある程度定量的に扱う必要があり、例えば、くせ毛=1、直毛=0のように二値化する方法や、くせ毛の程度を何らかの方法で測定し数値化する方法が考えられた。しかし、ヒトの毛髪形状は多種多様であり、その計測や分類の方法も十分に確立されていないのが現状である。そこでまず、毛髪形状の表現型の正確な分類をおこなった。毛髪形状は毛髪の全体的な特徴とカールの度合い(カール半径)によって規定される。また、毛髪1本のカール特性だけではなく、周囲の毛髪群とのカールの同調性も毛髪形状を規定する要因となり得る。そこで、様々な人種における毛髪形状実態をもとに、毛髪形状の表現型を表4のように分類した。本分類は日本人集団をはじめとして、様々な人種集団に適用可能である。また、図1には毛髪形状の表現型のイメージを示した。
かくして毛髪形状の表現型の正確な分類が可能になったが、遺伝解析の対象者を収集するにあたり、解決すべき以下の課題が考えられた。すなわち、収集時点での毛髪が著しい短髪で形状の評価が不可能である場合、パーマや染毛、各種スタイリング剤などの化学的処理により本来の形状が変化してしまっている場合、である。このため、遺伝解析の対象者となり得るすべての候補者には、毛髪形状の表現型が判別可能な時期(例えば幼少時)に撮影された候補者本人の写真の提出を依頼した。すなわち、著しい短髪ではなく、かつ毛髪の化学的処理を施術していない状態の写真である。同時にすべての候補者には数本の毛髪の提出を依頼した。提出された毛髪は化学的処理の影響が消失する水浸条件下で毛髪のねじれやよじれ、縮れ、カール特性などの詳細な形状評価をおこなった。提出された候補者本人の写真からの毛髪形状評価、並びに提出された毛髪の形状評価、さらに最終的には面会による毛髪形状調査によって遺伝解析の対象者を決定した。
かくして、約2年の歳月を要し、日本全国3000件以上の候補者の中から68家族283名のくせ毛家系を収集した。その内訳は、41組の2人きょうだい、22組の3人きょうだい、4組の4人きょうだい、1組の5人きょうだいであり、最終的な罹患同胞対(くせ毛形質を有する兄弟姉妹)は100対であった。遺伝要因の強さ、きょうだいでの危険率を勘案し、この同胞対数で十分遺伝子座を特定できると予想されたので、罹患同胞対連鎖解析を実施することとした。
医師もしくは看護師が遺伝解析の対象者から約20mLの血液を採取した。血液検体からPUREGENE Genomic DNA Purification Kit(Gentra Systems Inc.製)を使用してマニュアルにしたがってゲノムDNAを抽出した。ゲノムDNAは2mLのDNA Hydration Solutionに溶解し、濃度測定後、4℃で保存した。ゲノムDNAの平均収量は576.2g/20mL血液であった。
本実施例では、はじめに日本人くせ毛家系を対象に、全ゲノムを網羅する罹患同胞対連鎖解析をおこなった。該方法の原理を略記すると、罹患しているきょうだいは病気の原因となるアリルを親から受け継いでいるため、そのアリルを必ず共有することとなる。一方兄弟が共有するアリルの数は1である(帰無仮説に基づく値)。多くの罹患同胞対で共有するアリル数を検討することにより、帰無仮説に基づくアリル数より、多くのアリル共有が観察できたとき、連鎖を認めたということとなる。
罹患同胞対連鎖解析はアプライドバイオシステムズ株式会社(ABI)製のリンケージマッピングセット(ABI PRISM Linkage Mapping Set-MD 10 v2.5)を用いておこなった。これはゲノムに満遍なく散在する多型性に富む短い繰り返し配列であるマイクロサテライトを増幅するための、合計400個のタイピング用蛍光プライマーセットで、ヒト染色体を平均9.2cM間隔でカバーするものである。
連鎖の検定は、ノンパラメトリック解析であるGenehunter v2.1_r5 Software(Kruglyak, L. et al., Am. J. Hum. Genet., 58(6), 1347-1363, 1996)を用いておこなった。連鎖が認められる領域の判定は、以下に示すランダー(Lander)及びクラッグリャック(Kruglyak)のガイドライン(Nat. Genet., 11(3), 241-247, 1995)にしたがって、偽陽性の連鎖を得る基準をもとにした。
ランダーおよびクラッグリャックのガイドライン(多因子疾患でゲノム全域での連鎖解析が盛んにおこなわれるようになってきたが、個々の遺伝子の連鎖解析については、その遺伝子機能から原因となり得るかといった判断も加わる。しかしながらゲノム全域での解析では遺伝子機能はその段階で考慮にはいらないので、純粋に数理遺伝学的な有意の判断基準(閾値)が求められる。そこで彼らはシミュレーションにしたがい、下記表5に示す有意な連鎖基準を設けている。
続いて、実施例2において連鎖を認めた第1番染色体について、連鎖領域を狭小化することを目的に、さらにマイクロサテライトマーカーを追加して罹患同胞対連鎖解析(詳細マッピング)をおこなった。
詳細マッピングのマーカーとなるマイクロサテライトはThe Mammalian Genoytping ServiceのComprehensive human genetic maps(http://research.marshfieldclinic.org/genetics/ GeneticResearch/compMaps.asp)を用いて探索し、ゲノムに1〜2cMの間隔で存在しヘテロ接合度の高いマイクロサテライトを選択した。また、マイクロサテライトを増幅するためのタイピング用蛍光プライマーはThe Genome Database project(GDB)(http://www.gdb.org/)をもとに設計した。なお、GDBはオペレーションを終了しているが、現在NCBI(http://www.ncbi.nlm.nih.gov/)より検索、設計可能である。タイピング用蛍光プライマーはABI製のものを用い、一部のタイピング用蛍光プライマーはリンケージマッピングセット(ABI PRISM Linkage Mapping Set-HD 5 v2.5、ABI製)に含まれるものを使用した。詳細マッピングのマーカーとしたマイクロサテライト、並びにタイピング用蛍光プライマーを表6−1及び表6−2に示す(配列番号4〜41参照)。
上記実施例3で強い連鎖を認めた第1番染色体1q32.1〜1q32.2領域(D1S249〜D1S2891)から毛髪形状感受性遺伝子を同定するため、該領域に存在する一塩基多型(SNP)マーカーについてアリル頻度の比較をケース・コントロール関連解析でおこなった。
ケース(罹患者:くせ毛形質を有するヒト)及びコントロール(対照者:直毛形質を有するヒト)は毛髪形状感受性遺伝子を同定する人種と同じ人種で構成されている必要があるため、本発明では、日本人非血縁のくせ毛形質を有するヒト及び日本人非血縁の直毛形質を有するヒトを対象とした。実施例1において示した基準にしたがって同様に対象者を収集し、43名の日本人非血縁のくせ毛形質を有するヒト、51名の日本人非血縁の直毛形質を有するヒトから、それぞれゲノムDNAを得た。
タイピングをおこなうSNPはdbSNPデータベース(http://www.ncbi.nlm.nih.gov/SNP/)及びJSNPデータベース(http://snp.ims.u-tokyo.ac.jp/index_ja.html)を参照し、該解析領域内の一定領域を代表し、かつ日本人パネルにおけるマイナーアリルの遺伝子頻度が10%以上であるものを選択することとし、該解析領域内から57個のSNPを選択した。
得られたタイピングデータはケース、コントロール毎に集計し、ジェノタイプ、アリルタイプ、優性モデル、劣性モデルの4つの方法でχ2検定にて有意差検定をおこなった。すなわち、ある遺伝子変異が毛髪形状変化の原因となっているならば、ケースとコントロールとでそのアリル頻度などに差が予想される。なお本実施例では、該関連解析は比較的少数の対象者で実施することとしたため有意水準はp<0.05とした。さらに一部において検出力を上げるために有意水準を緩く(p<0.1)設定した。
SNP:rs1495840(配列番号2で示される塩基配列中、塩基番号50038で示される一塩基多型)については、Tアリルをホモで持つ割合が、くせ毛形質を有するヒトに比して、直毛形質を有するヒトで有意に高く、アリルタイプ別でも直毛形質を有するヒトとくせ毛形質を有するヒトとで有意な差が観察された(表7−1)。
また、以下に示す2つのSNPにおいてもケースとコントロールの間に差があることがわかった。
SNP:rs576697(配列番号1で示される塩基配列中、塩基番号1で示される一塩基多型)については、Cアリルを持つ割合が、直毛形質を有するヒトに比して、くせ毛形質を有するヒトで高かった(p=0.096)(表7−2)。
SNP:rs823114(配列番号3で示される塩基配列中、塩基番号60701で示される一塩基多型)については、Aアリルをホモで持つ割合が、直毛形質を有するヒトに比して、くせ毛形質を有するヒトで高かった(p=0.065)(表7−3)。
これら3つのSNPについてはいずれもハーディ−ワインベルグ平衡状態を満たしていた。したがって、これら3つのSNPが毛髪形状感受性SNPであると判断され、毛髪形状との関連が確認された。
実施例4における解析の結果、3つの毛髪形状感受性SNPを見出したが、該SNP周辺領域に存在する多型、特にタイピングをおこなっていない多型にも相関があることを確認し、毛髪形状感受性遺伝子を同定するためにハプロタイプ解析をおこなった。
解析にはHaploview 4.1 Software(Barrett, JC. et al., Bioinformatics, 21(2), 263-265, 2005)を用い、EMアルゴリズムによる連鎖不平衡係数D'(pair-wise LD coefficient)を算出して解析した。国際ハップマッププロジェクトデータベースのHapMap PHASEデータ(HapMap Data Rel 21 / PhaseII Jul06, on NCBI Build 35 assembly, dbSNP b125)を用い、該SNPとその周辺領域に存在するSNPについて連鎖不平衡解析をおこなった。なお、解析パネルはJPT+CHB(日本、東京の日本人、及び中国、北京の漢民族系中国人)とした。
ハプロタイプブロックの推定方法はConfidence interval(Gabriel, SB. et al., Science, 296(5576), p2225-2229, 2002)を使用した。すなわち、特定するハプロタイプブロックは、殆ど歴史的組み換えが認められないゲノム範囲であり、その領域内では強い連鎖不平衡が存在すると考えられる。通常、連鎖不平衡係数D'の95%信頼区間の上限が0.9未満の場合、その領域は歴史的組み換えの証拠がある領域として判断され、一方、D'の95%信頼区間の上限が0.98を超え、その下限が0.7より上である場合、その領域は強い連鎖不平衡が存在する領域として判断できる。
(1)SNP:rs576697を含み、SNP:rs576697からSNP:rs12403361までの、配列番号1記載の塩基配列で表される3,926bpからなるハプロタイプブロック(図5)。このハプロタイプブロックはCSRP1遺伝子を含む領域であった。この結果から、CSRP1遺伝子が毛髪形状感受性遺伝子であることが同定された。
(2)SNP:rs1495840を含み、SNP:rs2820290からSNP:rs2250377までの、配列番号2記載の塩基配列で表される76,945bpからなるハプロタイプブロック(図6)。このハプロタイプブロックはNAV1遺伝子、IPO9遺伝子、及びTMEM58遺伝子を含む領域であった。この結果から、NAV1遺伝子、IPO9遺伝子、及びTMEM58遺伝子が毛髪形状感受性遺伝子であることが同定された。
(3)SNP:rs823114を含み、SNP:rs823103からSNP:rs1772150までの、配列番号3記載の塩基配列で表される68,637bpからなるハプロタイプブロック(図7)。このハプロタイプブロックはNUCKS1遺伝子を含む領域であった。この結果から、NUCKS1遺伝子が毛髪形状感受性遺伝子であることが同定された。
実施例5におけるハプロタイプ解析においてハプロタイプブロックを見出すとともに、同じくHaploview 4.1 Software(Barrett, JC. et al., Bioinformatics, 21(2), 263-265, 2005)を用いて、各々のハプロタイプブロックからハプロタイプを抽出した。抽出されたハプロタイプ、すなわちSNPマーカー群の各々の塩基の組み合わせを比較することで毛髪形状感受性SNPマーカー座位と連鎖しているSNP座位を同定した。このように同定されたSNP座位は、新たに毛髪形状感受性SNPマーカーとすることができる。
この結果、実施例4に示す(1)〜(3)のハプロタイプブロックに、以下に示すそれぞれ新たな毛髪形状感受性SNPマーカーを見出した。
SNP:rs645390(配列番号1で表される塩基配列中、塩基番号1635で示される一塩基多型)、SNP:rs3767542(同2527で示される一塩基多型)、及びSNP:rs675508(同3766で示される一塩基多型)。
SNP:rs2271763(配列番号2で表される塩基配列中、塩基番号7519で示される一塩基多型)、SNP:rs10920260(同16901で示される一塩基多型)、SNP:rs16849387(同30270で示される一塩基多型)、SNP:rs12127375(同31333で示される一塩基多型)、及びSNP:rs10920269(同63008で示される一塩基多型)。
SNP:rs3805(配列番号3で表される塩基配列中、塩基番号24524で示される一塩基多型)。
実施例1の分類に従って、10名くせ毛者と10名の直毛者を収集し、それぞれの被験者の頭髪毛根における毛髪形状感受性遺伝子の発現解析を行った。なお、被験者からの検体の収集にあたっては、事前に倫理委員会の承認を得た上で、インフォームドコンセント実施担当者が対象者に書面を用いて研究内容の説明をし、書面による同意を得た。
CSRP1遺伝子の発現量を検出・定量化するため、特異的なプライマー&プローブセットとしてアッセイ番号Hs00187916_m1のTaqMan Gene Expression Assays(ABI製)を用いた。
IPO9遺伝子の発現量を検出・定量化するため、特異的なプライマー&プローブセットとしてアッセイ番号Hs00949771_m1のTaqMan Gene Expression Assays(ABI製)を用いた。
NUCKS1遺伝子の発現量を検出・定量化するため、特異的なプライマー&プローブセットとしてアッセイ番号Hs00224144_m1のTaqMan Gene Expression Assays(ABI製)を用いた。
正常ヒト新生児包皮表皮角化細胞(KK-4009、クラボウ製)をスクリーニングに用いた。凍結状態の正常ヒト新生児包皮表皮角化細胞を融解後、細胞を75cm2フラスコ、又は25cm2フラスコに2500細胞/cm2の密度で播種し、サプリメントを添加したヒト角化細胞培養用無血清培地(Defined Keratinocyte-SFM、Invitrogen製)で、37℃、CO2濃度5%の条件下で培養した。細胞はサブコンフルエントな状態に達した時点で継代し、2500細胞/cm2の細胞密度で6穴プレートに播種した。細胞がサブコンフルエントな状態に達した時点(Day 0)で培地をサプリメント不含のヒト角化細胞培養用無血清培地に交換し、Day 1の細胞をスクリーニング用細胞として使用した。
一般に、毛髪形状には人種による違いがあり、アジア系人種は比較的直毛が多く、アフリカ系人種では縮毛(又はカール毛)が主流である。インドヨーロッパ系人種はこれらの中間的な波状毛(ウェーブ毛)の形質をとる割合が高い。このような毛髪形状の違いに関連する特徴として、毛髪毛根部の毛包の形態が挙げられる。すなわち、毛包の形態が湾曲していれば毛髪が曲がっており、毛包の形態が真っ直ぐであれば直毛である(Thibaut, S. et al., Br. J. Dermatol., 152(4), p.632-638, 2005)。
毛髪形状、及び毛包形態を評価する方法として、ヒト毛包器官培養による評価法について検討した。美容形成外科手術によって切除され不要となった30〜80歳代の男女の側頭部もしくは後頭部の頭皮組織を入手し、実験に用いた。なお、検体の収集にあたっては、事前に倫理委員会の承認を得た上で、手術者が対象者に書面を用いて研究内容の説明をし、書面による同意を得た。
対象物(毛髪、毛包)の末端間の直線長/対象物(毛髪、毛包)の軸に沿った曲線長
その結果、培養日数が経過して毛包(毛髪シャフト)が伸張していくとともに、徐々に湾曲していくことが確認できた。したがって、この評価系を用いれば、毛髪のくせ毛化剤、又はくせ毛改善剤(直毛化剤)の探索が可能であることが示された。すなわち、該ヒト毛包器官培養評価系に被験物質を添加して培養し、一定の長さに伸張した毛包(毛髪シャフト)の末端間距離率を測定する。被験物質を添加しないで培養したコントロールと比較して、被験物質を添加して培養した場合に末端間距離率が小さくなれば、該被験物質を毛髪のくせ毛化剤として選択でき、被験物質を添加しないで培養したコントロールと比較して、被験物質を添加して培養した場合に末端間距離率が大きくなれば、該被験物質を毛髪のくせ毛改善剤(直毛化剤)として選択できる。
毛髪形状感受性遺伝子発現調節剤が毛包形態に及ぼす効果を検証する目的で、ヒト毛包器官培養評価系を用いて評価した。
ヒト毛包は実施例9にしたがって調製した。単離毛包は大きさにばらつきが出ないように1群12本として2群に分け、一方の群は表11に記載のIPO9遺伝子及びNUCKS1遺伝子の発現促進剤であるトキンソウエキスを終濃度が0.2%になるように添加した器官培養用培地(400μL)にて15日間浮遊培養した。もう一方の群はコントロールとして50%EtOH(終濃度0.83%として添加)を添加した器官培養用培地(400μL)にて15日間浮遊培養した。同様の手順で、表11に記載のCSRP1遺伝子発現抑制剤であるビャクズクエキス(終濃度0.2%)添加群とコントロール群(50%EtOH、終濃度0.83%)を作製した(各群n=12)。
培養開始後、2〜3日おきに培地交換をおこなうとともに、毛包の写真を撮影した。毛包の撮影画像から毛包の伸長度と湾曲度合い(末端間距離率)をそれぞれ測定した。
Claims (4)
- 配列番号2で示される塩基配列の部分塩基配列からなる15〜601塩基長のオリゴヌクレオチドまたはポリヌクレオチド、あるいはそれらの相補鎖を含む毛髪形状判定マーカーであって、
塩基番号50038(rs1495840、TまたはA)で示される塩基における一塩基多型(SNP)を含む、毛髪形状判定マーカー。 - 被験者由来のゲノムDNA中の配列番号2で示される塩基配列における下記表に示される塩基番号の塩基において、当該塩基が塩基(i)であるか塩基(ii)であるかを識別し、塩基(i)である場合には被験者がくせ毛の素因を有していると判定し、塩基(ii)である場合には被験者がくせ毛の素因を有していないと判定する工程を含む、被験者の毛髪形状に対する遺伝的感受性の判定方法。
- 請求項1記載の毛髪形状判定マーカーにストリンジェントな条件下でハイブリダイズするプローブ及び/又はプライマーを含む、被験者の毛髪形状に対する遺伝的感受性の判定用試薬。
- 請求項3記載の試薬を含む、被験者の毛髪形状に対する遺伝的感受性判定用キット。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2010225225A JP5695385B2 (ja) | 2009-10-05 | 2010-10-04 | 毛髪形状感受性遺伝子 |
Applications Claiming Priority (9)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009232029 | 2009-10-05 | ||
JP2009231997 | 2009-10-05 | ||
JP2009232005 | 2009-10-05 | ||
JP2009232028 | 2009-10-05 | ||
JP2009232029 | 2009-10-05 | ||
JP2009231997 | 2009-10-05 | ||
JP2009232028 | 2009-10-05 | ||
JP2009232005 | 2009-10-05 | ||
JP2010225225A JP5695385B2 (ja) | 2009-10-05 | 2010-10-04 | 毛髪形状感受性遺伝子 |
Publications (3)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2011097927A JP2011097927A (ja) | 2011-05-19 |
JP2011097927A5 JP2011097927A5 (ja) | 2014-04-10 |
JP5695385B2 true JP5695385B2 (ja) | 2015-04-01 |
Family
ID=43856785
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2010225225A Expired - Fee Related JP5695385B2 (ja) | 2009-10-05 | 2010-10-04 | 毛髪形状感受性遺伝子 |
Country Status (5)
Country | Link |
---|---|
US (1) | US9243285B2 (ja) |
EP (1) | EP2508602B1 (ja) |
JP (1) | JP5695385B2 (ja) |
CN (1) | CN102549156B (ja) |
WO (1) | WO2011043332A1 (ja) |
Families Citing this family (9)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP5695384B2 (ja) | 2009-10-05 | 2015-04-01 | 花王株式会社 | 毛髪形状感受性遺伝子 |
JP5695383B2 (ja) | 2009-10-05 | 2015-04-01 | 花王株式会社 | 毛髪形状感受性遺伝子 |
JP5942940B2 (ja) * | 2012-07-31 | 2016-06-29 | 株式会社豊田中央研究所 | エタノールアミンリン酸を有効成分とする細胞機能増強剤 |
WO2014021404A1 (ja) * | 2012-07-31 | 2014-02-06 | 株式会社豊田中央研究所 | エタノールアミンリン酸の利用 |
JP6417648B2 (ja) * | 2013-07-30 | 2018-11-07 | 株式会社豊田中央研究所 | エタノールアミンリン酸の利用 |
EP3259594A4 (en) * | 2015-02-20 | 2018-12-26 | The Johns Hopkins University | Biomarkers of myocardial injury |
AU2016297005A1 (en) | 2015-07-23 | 2018-01-18 | Merck Sharp & Dohme Corp. | Genetic markers associated with response to CRTH2 receptor antagonists |
CN105400895B (zh) * | 2015-12-24 | 2019-03-01 | 北京泱深生物信息技术有限公司 | Shisa4基因作为椎间盘退行性病变诊治标志物的用途 |
WO2020226936A1 (en) * | 2019-05-03 | 2020-11-12 | Merck Sharp & Dohme Corp. | Blood biomarker and genetic markers associated with response to crth2 receptor antagonists |
Family Cites Families (16)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US20050250180A1 (en) | 1997-06-11 | 2005-11-10 | Kenneth Jacobs | Secreted protein and polynucleotides encoding them |
AU1822800A (en) * | 1998-11-17 | 2000-06-05 | Deltagen Proteomics, Inc. | Methods for validating polypeptide targets that correlate to cellular phenotypes |
US6812339B1 (en) | 2000-09-08 | 2004-11-02 | Applera Corporation | Polymorphisms in known genes associated with human disease, methods of detection and uses thereof |
WO2002068649A2 (en) | 2001-01-31 | 2002-09-06 | Curagen Corporation | Proteins and nucleic acids encoding same |
JP2002238577A (ja) | 2001-02-20 | 2002-08-27 | Otsuka Pharmaceut Co Ltd | 脳動脈瘤感受性遺伝子 |
US20050208010A1 (en) | 2002-07-10 | 2005-09-22 | L'oreal | Genes from Chromosome 3, 5 and 11 involved in premature canities |
FR2842105B1 (fr) | 2002-07-10 | 2012-12-28 | Oreal | Localisation des genes impliques dans la canitie precoce |
JP4665115B2 (ja) | 2004-08-06 | 2011-04-06 | 独立行政法人理化学研究所 | 骨・関節疾患感受性遺伝子およびその用途 |
JP2006254735A (ja) | 2005-03-15 | 2006-09-28 | Univ Of Tokushima | 糖尿病疾患感受性遺伝子、及び糖尿病罹患の難易を検出する方法 |
JP5167539B2 (ja) * | 2006-01-27 | 2013-03-21 | 国立大学法人金沢大学 | 遺伝子多型およびその用途 |
WO2008016356A2 (en) | 2006-08-02 | 2008-02-07 | Genizon Biosciences | Genemap of the human genes associated with psoriasis |
US8586006B2 (en) | 2006-08-09 | 2013-11-19 | Institute For Systems Biology | Organ-specific proteins and methods of their use |
DE102006047733A1 (de) | 2006-10-06 | 2008-04-10 | Henkel Kgaa | Verwendung von Löwenzahnextrakt zur Förderung der Haardicke und zur Stimulierung des Haarwuchses |
WO2009086189A2 (en) * | 2007-12-21 | 2009-07-09 | Burnham Institute For Medical Research | Use of activating transcription factor-2 (atf2) for detecting skin cancer |
JP5695384B2 (ja) | 2009-10-05 | 2015-04-01 | 花王株式会社 | 毛髪形状感受性遺伝子 |
JP5695383B2 (ja) | 2009-10-05 | 2015-04-01 | 花王株式会社 | 毛髪形状感受性遺伝子 |
-
2010
- 2010-10-04 JP JP2010225225A patent/JP5695385B2/ja not_active Expired - Fee Related
- 2010-10-05 US US13/500,442 patent/US9243285B2/en not_active Expired - Fee Related
- 2010-10-05 CN CN201080044856.9A patent/CN102549156B/zh not_active Expired - Fee Related
- 2010-10-05 EP EP10822002.1A patent/EP2508602B1/en not_active Not-in-force
- 2010-10-05 WO PCT/JP2010/067443 patent/WO2011043332A1/ja active Application Filing
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
EP2508602B1 (en) | 2017-02-15 |
EP2508602A4 (en) | 2013-03-13 |
EP2508602A1 (en) | 2012-10-10 |
JP2011097927A (ja) | 2011-05-19 |
WO2011043332A1 (ja) | 2011-04-14 |
CN102549156A (zh) | 2012-07-04 |
CN102549156B (zh) | 2015-07-01 |
US9243285B2 (en) | 2016-01-26 |
US20120231094A1 (en) | 2012-09-13 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5695383B2 (ja) | 毛髪形状感受性遺伝子 | |
JP5695385B2 (ja) | 毛髪形状感受性遺伝子 | |
US8431345B2 (en) | Method for determination of progression risk of glaucoma | |
JP5695384B2 (ja) | 毛髪形状感受性遺伝子 | |
Shlien et al. | A common molecular mechanism underlies two phenotypically distinct 17p13. 1 microdeletion syndromes | |
US20080050358A1 (en) | Identification of Snps Associated with Hyperlipidemia, Dyslipidemia and Defective Carbohydrate Metabolism | |
US20090092987A1 (en) | Polymorphic Nucleic Acids Associated With Colorectal Cancer And Uses Thereof | |
US9139881B2 (en) | Method for assessing breast cancer susceptibility | |
JP5071998B2 (ja) | 本態性高血圧症の判定方法 | |
WO2010047240A1 (ja) | 滲出型加齢黄斑変性のリスクの予測方法 | |
Sharma et al. | Tyrosinase gene polymorphism in genetic susceptibility towards Vitiligo | |
JP2004215647A (ja) | 2型糖尿病関連遺伝子 | |
JP2018134060A (ja) | 側弯症の検査方法 | |
JP2011239697A (ja) | パーキンソン病発症リスクマーカー |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20130919 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20140225 |
|
A871 | Explanation of circumstances concerning accelerated examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A871 Effective date: 20140225 |
|
A975 | Report on accelerated examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971005 Effective date: 20140318 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20140415 |
|
A601 | Written request for extension of time |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601 Effective date: 20140616 |
|
A602 | Written permission of extension of time |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602 Effective date: 20140619 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20140714 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20140826 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20141126 |
|
A911 | Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911 Effective date: 20141204 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20150203 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20150206 |
|
R151 | Written notification of patent or utility model registration |
Ref document number: 5695385 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |