JP5942940B2 - エタノールアミンリン酸を有効成分とする細胞機能増強剤 - Google Patents
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Description
(2)血清及び増殖因子不存在下での細胞増殖剤である、(1)に記載の動物細胞機能増強剤。
(3)気道上皮細胞、肺線維芽細胞、角質上皮細胞及び毛乳頭細胞からなる群から選択される1種又は2種以上の動物細胞の細胞増殖剤である、(1)又は(2)に記載の動物細胞機能増強剤。
(4)異形性細胞よりも正常細胞を選択的に増殖する細胞増殖剤である、(1)〜(3)のいずれかに記載の動物細胞機能増強剤。
(5)上皮系細胞のバリア機能促進剤である、(1)に記載の動物細胞機能増強剤。
(6)アポトーシス抑制剤である、請求項1に記載の動物細胞機能増強剤。
(7)培養細胞構造体の作製剤である、(1)に記載の動物細胞機能増強剤。
(8)エタノールアミンリン酸を有効成分とする、毛髪育成剤。
(9)動物の体外において、動物細胞とエタノールアミンリン酸とを接触させて、前記動物細胞の機能を増強する方法。
(10)動物細胞に対する作用剤のスクリーニング方法であって、
エタノールアミンリン酸の存在下で前記動物細胞と被験化合物とを接触させて、前記動物細胞における影響を測定する工程、
を備える、方法。
本明細書に開示される動物細胞機能増強剤は、EPを有効成分として含有している。EPは、またそのリン酸基においてナトリウム、カリウムなどの一価の金属イオン、カルシウム、マグネシウムなどの二価の金属イオン等との塩を形成するリン酸イオンの形態であってもよい。
細胞機能増強剤が増強する動物細胞の一つの機能としては、細胞増殖機能が挙げられる。EPの細胞増殖機能の一つの特徴は、血清又は各種成長因子などの増殖因子の存在下での細胞増殖のほか、血清及び増殖因子の非存在下であってもEPは動物細胞の増殖を確保することができることが挙げられる。換言すれば、糖などの炭素源と無機塩のみを含む基本培地にEPを添加することで動物細胞の増殖を確保することができる。これらの作用は、EPの代謝経路の類縁化合物であるエタノールアミン、ホスホリルコリン、CDP−コリン、トリエタノールアミン、ジエタノールアミンでは得られない作用である。
細胞機能増強剤が増強する動物細胞の他の一つの機能としては、上皮系細胞のバリア機能促進機能が挙げられる。上皮細胞は、生体からのバリア機能を達成する組織を構成する細胞であり、上皮系細胞とは、分化により上皮細胞としてのバリア機能を発揮する細胞を意味している。上皮系細胞のバリア機能を増強することで、有害物質やアレルゲンの進入を抑制できる上皮細胞及び組織を作製できる。なお、EPは、上皮系細胞の細胞増殖機能も有していることから、効果的にこうした組織や細胞集団を構築できる。EPをバリア機能促進剤として用いるときは、バリア機能を促進できる範囲であれば特に限定されないが、例えば、EPを細胞増殖剤として用いるのと同様の濃度で培地等に含めることができる。
細胞機能増強剤が増強する動物細胞の他の一つの機能は、アポトーシス抑制機能である。アポトーシス抑制機能を発揮することで、細胞の増殖や機能を発揮させることができる。なお、既に説明したように、EPは、正常細胞の増殖機能を担っているので、アポトーシス抑制機能は、正常細胞のアポトーシス抑制機能であるといえる。アポトーシス抑制剤として用いるときは、アポトーシス抑制機能を促進できる範囲であれば特に限定されないが、例えば、EPを細胞増殖剤として用いるのと同程度の濃度で培地等に含めることができる。
EPは、上皮細胞のほか線維芽細胞の細胞増殖機能を有していること、及びバリア機能促進機能を有していることから、上皮細胞、線維芽細胞、及びこれらの二つの細胞を増殖させて形成する各種の培養細胞構造体の作製剤として有用である。例えば、皮膚代替物となる細胞シートを始めとする各種形態の培養細胞構造体が挙げられる。培養細胞構造体の形態は特に限定されない。細胞構造体の形態は特に限定されないで、細胞構造体の用途や適用する組織や臓器形態に応じて適宜選択される。例えば、シート状、棒状、管状等、球形状等が挙げられる。また、培養細胞構造体の作製方法自体は、当業者において周知であり、EPの有効量を培養細胞構造体を培養する培地に含有させることにより、EPを培養細胞構造体の作製剤として利用できる。培養細胞構造体の作製剤として用いるときは、細胞増殖機能及びバリア機能を促進できる範囲であれば特に限定されないが、例えば、EPを細胞増殖剤として用いるのと同程度の濃度で培地等に含めることができる。
EPは、毛髪育成剤としても利用できる。EPは、毛乳頭細胞の増殖効果を有している。毛乳頭細胞の増殖は、毛髪の育成効果を意味している。したがって、EPを有効成分として含む、頭皮などを含む各種の皮膚に適用する外用の毛髪育成剤が提供される。毛髪育成剤としての形態は特に限定されないで、公知の頭皮や皮膚に適用される外用剤の形態が採用可能である。例えば、ローション、クリーム、エッセンス、シャンプー、リンス等が挙げられる。EPは、毛髪育成作用がある範囲で含まれればよく、例えば、0.000001質量%以上1質量%の範囲で含めることができる。好ましくは0.0001質量%以上0.1質量%以下である。また、外用剤としての用法・用量も特に限定されないが、例えば、1回以上3回以下/日を外用で用いることができる。
EPは、動物細胞に対してその機能を増強する作用を有していることから、EPの存在下で動物細胞と被験化合物を接触させて、当該被験化合物の前記細胞に対する作用を評価する試薬として用いることができる。細胞機能を増強させた状態で被験化合物の作用を評価できるので、より効果的な評価やスクリーニングが可能となる。作用の評価は、細胞の種類や被験化合物の種類や作用の種類によって種々に異なるが、当業者であれば、評価の目的に応じて適宜設定することができる。また、EPを、被験化合物の評価又はスクリーニング用の試薬として用いるときは、細胞増殖機能、バリア機能等、EPが細胞に対してその機能を増強させる濃度であれば特に限定されないが、例えば、EPを細胞増殖剤として用いるのと同様の濃度で培地等に含めることができる。
本明細書に開示される動物細胞の機能の増強方法は、動物の体外において、動物細胞とEPとを接触させて、前記動物細胞の機能を増強する方法である。既に説明したように、EPは、細胞機能を増強することができる。動物の体外において、当該動物個体とは自家又は他家由来の動物細胞とEPとを接触させることで、動物細胞を効果的に増殖させ、バリア機能を促進させ、アポトーシスを抑制することができる。したがって、この方法は、細胞を各種用途(発酵、医療(補綴や移植を含む)、薬剤、)に用いる場合において、細胞を増殖等させるのに有用である。特に、個体から採取し、体外でEPを用いて機能を増強した細胞として増殖して、その細胞を再び個体に移植するなどの移植医療に有用である。
本明細書に開示されるスクリーニング方法は、動物細胞に対する作用剤のスクリーニング方法であり、EPの存在下で前記動物細胞と被験化合物とを接触させて、前記動物細胞における作用を測定する工程、を備えることができる。EPは、動物細胞の機能を強化する。EPの存在下で動物細胞と被験化合物とを接触させることで、精度よくあるいはより現実的に被験化合物の動物細胞に対する作用をインビトロでも測定できる。
96ウェルプレートに株化正常ヒト気道上皮細胞(BEAS−2B細胞)(ATCC)を1×104cells/cm2となるように播種した。培地は、10% FBS RPMI−1640を使用した。24時間後に、細胞をPBSで200μl/ウェルで穏やかに洗浄し、0、0.125、0.25、及び0.5%FBSに置換した(90μl/ウェル)。培地交換後、10μl/ウェルでEP溶液を加える。96時間後に増殖試験(WST−8アッセイ)を実施した。WST−8アッセイの操作は以下のとおりとした。
(1)96ウェルプレートからデカンテーション及びタッピングにより培地を除去
(2)予め37℃で加温した無血清培地(RPMI−1640)に、10分の1の割合になるように、WST−8試薬(同仁化学)を混和し、培地を除去したウェルに添加した。
(3)CO2インキュベータ内で1時間呈色反応を行い、吸光プレートリーダーで450nm及び650nmの吸光度を測定した。
(4)各ウェル間の補正として、吸光度450nm−吸光度650nmを求める。
(5)ブランクの4ウェルの平均値を全ウェルの補正値から差し引いて、これを相対的な細胞数相当値とした。結果を図1及び図2に示す。
96ウェルプレートにHBEpC細胞(IWAKI)を3×104cells/cm2となるように播種した。培地はBEGM(タカラバイオ、完全培地)を使用した。24時間後に、細胞をHEPESバッファーで1ウェルあたり200μlで穏やかに洗浄し、基礎培地(下垂体抽出物、ペプチド増殖因子を含まない培地)BEBMに対し、抗生物質GA−1000のみを添加したものに置換した(1ウェルあたり90μl)。培地交換後、設定濃度の10倍濃度のEP溶液を1ウェルあたり10μl加え、96時間後に、増殖試験(WST−8アッセイ)を実施した。WST−8アッセイは、実施例1と同様に行った。結果を図3に示す。
96ウェルプレートにNHLF細胞(タカラバイオ)を3×104cells/cm2となるように播種した。培地は、10% FBS DMEMを使用した。24時間後に、細胞をPBSで1ウェルあたり200μlで穏やかに洗浄し、0% FBS DMEMに置換した(1ウェルあたり90μl)。培地交換後、10μl/ウェルのEP溶液を加え、124時間後に、増殖試験(WST−8アッセイ)を実施した。WST−8アッセイは、実施例1と同様に行った。結果を図4に示す。
48ウェルプレートにHEKa細胞(タカラバイオ)を2×104cells/cm2になるように播種した。培地は、基礎培地Epilife(M-EPI-500-CA, Invitrogen)に対し、添加因子としてHKGS Kit (S-001-K, Invitrogen)を使用した。なお、このHKGS Kitには、ウシ下垂体抽出物、ウシインシュリン、ヒドロコルチゾン、ウシトランスフェリン及びヒトEGFを含んでいる。24時間後に、細胞を1ウェルあたり400μlのPBSで穏やかに洗浄し、1ウェルあたり252μlの基礎培地 Epilife に置換し、24時間培養した。培養後、EP溶液を1ウェルあたり28μl加え、EP投与後21日後に、増殖試験(WST−8アッセイ)を実施した。WST−8アッセイは、試薬及び培地量を2.8倍とする以外は実施例1と同様に行った。結果を図5に示す。
96ウェルプレートにHHDPC細胞(コスモバイオ)を1×104cells/cm2となるように播種した。培地は、完全培地MSCM(500、ScienCell)を使用した。24時間後に、細胞を1ウェルあたり200μlのPBSで穏やかに洗浄し、1ウェルあたり90μlの0% FBS DMEMに体積比1%の完全培地MSCMを添加したものに置換して24時間培養した。培養後、EP溶液を1ウェルあたり10μl加え、EP投与後6日後に、増殖試験(WST−8アッセイ)を実施した。WST−8アッセイは、実施例1と同様に行った。臨床で発毛作用が認められているミノキシジルについても同様に試験した。結果を図6に示す。
(1)A549およびHEK293細胞;付着系細胞の場合
96ウェルプレートにA549(ヒトII型肺胞上皮細胞:腺癌)及びHEK293(アデノウイルス不死化ヒト胎児腎細胞)を1×104cells/cm2になるように播種した。培地は0% FBS RPMI−1640を使用した。播種から24時間後に、1ウェルあたり20μlのPBSで細胞を洗浄し、0% FBS RPMI−1640に置換した。培地交換後、設定濃度の10倍濃度のEP溶液を1ウェルあたり10μl加えた。EP添加後96時間後に、増殖試験(WST-8 アッセイ)を実施した。WST−8アッセイは、実施例1と同様に行った。結果を図7に示す。
EP投与前に対数増殖状態になるように、10% FBS RPMI−1640にて2〜10×105cells/cm2となるように10% FBS RPMI−1640にてTHP−1(ヒト急性単球性白血病細胞)およびHL−60(ヒト骨髄性白血病細胞)を対数増殖培養した。その後、1000rpmで細胞培養液を遠心・遠沈させ、0% FBS RPMI−1640に2×104cells/cm2になるように、1ウェルあたり90μlを96ウェルプレートに分注した。次いで、EP溶液を1ウェルあたり10μl加えて、72時間後に、増殖試験(WST−8アッセイ)を行った。浮遊系の細胞に対するWST−8アッセイは、培養中の細胞懸濁液に対して、直接WST−8アッセイ試薬を1ウェルあたり10μlずつを分注し、1時間後に、450nm、600nmの吸光度をプレートリーダーで測定し、以上の実施例と同様にデータ解析を行った。結果を図8に示す。
細胞増殖の調節はいくつもの細胞内シグナルが介在することが知られている。一般的には細胞外からの増殖シグナル(ホルモン)が、細胞膜レセプターに結合し、細胞内のタンパクを数段階の階層シグナルで活性化し、最下層の分裂促進因子活性化タンパク質キナーゼ(Mitogen-activated Protein Kinase;MAPK)が細胞核内に移行し、次いで細胞増殖に必要な遺伝子の発現調節を行う事が知られている。MAPKはいくつかのファミリーが知られており、ERK1/2、JNK、p38,ERK5,ERK7などが同定されている。EPの増殖効果のメカニズムとして上記のいずれかが想定された。予備検討を実施したところERK1/2の上位階層にあるMEK1/2(ERK1/2を活性化(リン酸化する分子))阻害薬により増殖効果が抑制されることが分かった。
EPは細胞膜の主要成分ホスファチジルコリン(レシチン)および神経組織に多く存在するホスファチジルエタノールアミンなど細胞に必須なリン脂質の前駆体であることが知られている。EPの増殖効果が、これら細胞構成物質の補給に起因するかどうかを確認するための実験として、EPの代謝上位および下位の物質による増殖効果有無の検討を行った。EP及びEPの上位/下位成分の上記細胞構成成分に至る代謝マップを図9に示す。
本成分を包括的化合物データベースであるPubChem(http://pubchem.ncbi.nlm.nih.gov/)にて構造類似化合物を検索すると、生理活性物質GABA‐A受容体作動薬のhomotaurineが該当する。本成分による細胞増殖効果がGABA受容体を介するかどうかを確認するために、GABA作動薬および拮抗薬による介入実験を実施した。
EPは無血清において、単独で細胞増殖をもたらす。一般的に動物細胞は複数の増殖因子の存在がなければ生存できない。これらが欠如すると、細胞に備わったアポトーシスと呼ばれる自殺機能(プログラムされた細胞死)が稼動する。アポトーシスの細胞内経路はいくつか知られているが、知られている全てのアポトーシス経路はcaspase3/7とよばれるペプチダーゼの活性上昇に集約される。よって、本成分のアポトーシス調節作用の有無はcaspase3/7活性を測定する事により推定が可能となる。そこで以下の実験を行った。
株化正常ヒト気道上皮細胞BEAS2Bをセルカルチャーインサート(353104,BD FALCON)に1x105cells/cm2となるように播種した(図14参照)。使用培地は10% FBS RPMI−1640とした。培地量は、インサート側200μl、ウェル側を750μlとした。翌日、1% FBS RPMI−1640に以下4条件の試薬を調製したものに1日1回置換/培地交換し、MilliCell(ミリポア)にて経上皮電気抵抗(TER)を測定した。
条件1; コントロール
条件2; EP 1mM
条件3; デキサメタゾン 1μM (デキサメタゾン(Dex):バリア機能を高めることを知られる陽性対照物質)
条件4; EP 1mM およびDex 1μM
[透過性試験]
4Kダルトンの蛍光デキストラン分子(SIGMA)を0.1mg/mlになるようにセルカルチャーインサートに加え、1時間後、ウェル側の培地を20μl取り出し、各濃度における蛍光強度から浸透した蛍光デキストラン量を推定した。インサート側からウェル側への物質の浸透速度Pappは一般的に下記の式で求められる。結果を図14に示す。
Papp = (ウェル側培地の体積/インサート面積×初期インサート濃度)×(ウェル側の変化濃度/経過時間)
(Calu−3 ヒトがん化気道上皮細胞)
Calu−3をセルカルチャーインサート(353104, BD FALCON)に3x105cells/cm2になるように播種した。10% FBS RPMI−1640にてコンフルエントになるまで培養し、コンフルエントになった時点で、0.1% FBS RPMI−1640に下記を含むものに置換し、1日1回培地交換した。実施例11と同様にTERを測定した。結果を図15に示す。
条件1; コントロール
条件2; デキサメタゾン 1μM
条件3; EP 1mM
HEKaをセルカルチャーインサート(353104,BD FALCON)に6x104cells/cm2になるように播種した。培地は基礎培地Epilife(M−EPI−500−CA,Invitrogen)に対し、添加因子としてHKGS Kit(S−001−K,Invitrogen)を加えた完全培地で培養し、コンフルエントになった時点で、完全培地にCalu−3と同様の条件1〜3で特定化合物を含むものに置換し、1日1回培地交換した。実施例11と同様にTERを測定した。結果を図15に示す。
Claims (12)
- エタノールアミンリン酸を有効成分として含有する、血清及び増殖因子の非存在下で動物細胞(ただし、癌細胞を除く。)を選択的に増殖させるための細胞増殖剤。
- 前記動物細胞は、気道上皮細胞、肺線維芽細胞、角質上皮細胞及び毛乳頭細胞からなる群から選択される1種又は2種以上である、請求項1に記載の細胞増殖剤。
- エタノールアミンリン酸を10μM以上1mM以下で前記動物細胞の増殖培地に添加して用いるための、請求項1又は2に記載の細胞増殖剤。
- エタノールアミンリン酸を有効成分として含有する、血清及び増殖因子の非存在下で上皮系細胞(ただし、癌細胞を除く。)のバリア機能を促進するためのバリア機能促進剤。
- エタノールアミンリン酸を10μM以上1mM以下で前記動物細胞の増殖培地に添加するための、請求項4に記載のバリア機能促進剤。
- エタノールアミンリン酸を有効成分として含有する、血清及び増殖因子の非存在下で動物細胞(ただし、癌細胞を除く。)のアポトーシスを抑制するためのアポトーシス抑制剤。
- エタノールアミンリン酸を10μM以上1mM以下で前記動物細胞の増殖培地に添加するための、請求項6に記載のアポトーシス抑制剤。
- エタノールアミンリン酸を有効成分として含有する、血清及び増殖因子の非存在下で動物細胞(ただし、癌細胞を除く。)の培養細胞構造体を作製するための作製剤。
- エタノールアミンリン酸を10μM以上1mM以下で前記動物細胞の増殖培地に添加するための、請求項8に記載の培養細胞構造体を作製するための作製剤。
- エタノールアミンリン酸を有効成分として含有する、毛髪育成剤。
- 動物の体外において、血清及び増殖因子の非存在下で、動物細胞(ただし、癌細胞を除く。)とエタノールアミンリン酸とを接触させて、前記動物細胞を選択的に増殖する方法。
- 血清及び増殖因子の非存在下で動物細胞(ただし、癌細胞を除く。)に対して細胞増殖作用を有する作用剤のスクリーニング方法であって、
血清及び増殖因子の非存在下であって、エタノールアミンリン酸の存在下で前記動物細胞と被験化合物とを接触させて、前記動物細胞を選択的に増殖する作用を測定する工程、
を備える、方法。
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