JP2010030979A - 化合物、光学フィルム及び光学フィルムの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】式(1)で表される化合物。P1−F1−(B1−A1)k−E1−G1−D1−Ar−D2−G2−E2−(A2−B2)l−F2−P2 (1)[式(1)中、Arは芳香族炭化水素環および芳香族複素環からなる群から選ばれる少なくとも一つの芳香環を有する2価の基を表し、Ar基中の芳香環に含まれるπ電子の数Nπは、12以上である。P1及びP2は、水素原子を表す。]
【選択図】図1
Description
たとえば、該重合性化合物としては、LC242(BASF社製)が市販されている(非特許文献1)。
P1−F1−(B1−A1)k−E1−G1−D1−Ar−D2−G2−E2−(A2−B2)l−F2−P2 (1)
[式(1)中、Arは芳香族炭化水素環および芳香族複素環からなる群から選ばれる少なくとも一つの芳香環を有する2価の基を表し、Ar基中の芳香環に含まれるπ電子の数Nπは、12以上である。
D1及びD2は、それぞれ独立に、−O−CO−、−CO−O−、−C(=S)−O−、−O−C(=S)−、−CR1R2−、−CR1R2−CR3R4−、−O−CR1R2−、−CR1R2−O−、−CR1R2−O−CR3R4−、−CR1R2−O−CO−、−O−CO−CR1R2−、−CR1R2−O−CO−R3R4−、−CR1R2−CO−O−CR3R4−、−NR1−CR2R3−、−CR2R3−NR1−、−CO−NR1−、又は−NR1−CO−を表す。R1、R2、R3及びR4は、それぞれ独立に、水素原子、フッ素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を表す。
G1及びG2は、それぞれ独立に、2価の脂環式炭化水素基を表す。該脂環式炭化水素基に含まれる水素原子は、ハロゲン原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のフルオロアルキル基、炭素数1〜4アルコキシ基、シアノ基またはニトロ基に置換されていてもよく、該脂環式炭化水素基に含まれるメチレン基は、−O−、−S−又は−NH−に置換されていてもよい。
E1及びE2は、それぞれ独立に、−CR5R6−、−CH2−CH2−、−S−、*−CO−O−(*は、G1又はG2に結合する位置を表す)、−O−CO−O−、−C(=S)−O−、−O−C(=S)−、−O−C(=S)−O−、−CO−NR5−、−NR5−CO−、−O−CH2−、−CH2−O−、−S−CH2−又は−CH2−S−を表す。R5及びR6は、それぞれ独立に、水素原子、フッ素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を表す。
B1及びB2は、それぞれ独立に、−CR5R6−、−CH2−CH2−、−O−、−S−、−CO−O−、−O−CO−、−O−CO−O−、−C(=S)−O−、−O−C(=S)−、−O−C(=S)−O−、−CO−NR5−、−NR5−CO−、−O−CH2−、−CH2−O−、−S−CH2−、−CH2−S−又は単結合を表す。R5及びR6は、それぞれ独立に、水素原子、フッ素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を表す。
A1及びA2は、それぞれ独立に、2価の脂環式炭化水素基又は2価の芳香族炭化水素基を表す。該2価の脂環式炭化水素基及び2価の芳香族炭化水素基に含まれる水素原子は、ハロゲン原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4アルコキシ基、シアノ基又はニトロ基に置換されていてもよい。該炭素数1〜4のアルキル基及び該炭素数1〜4アルコキシ基に含まれる水素原子は、フッ素原子に置換されていてもよい。
k及びlは、それぞれ独立に、0〜3の整数を表す。
F1及びF2は、それぞれ独立に、炭素数1〜12のアルキレン基を表す。該アルキレン基に含まれる水素原子は、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数1〜5のアルコキシ基又はハロゲン原子に置換されていてもよく、該アルキレン基に含まれるメチレン基は、−O−又は−CO−に置換されていてもよい。
P1及びP2は、水素原子を表す。]
P1−F1−(B1−A1)k−E1−G1−D1−Ar−D2−G2−E2−(A2−B2)l−F2−P2 (1)
[式(1)中、Arは芳香族炭化水素環および芳香族複素環からなる群から選ばれる少なくとも一つの芳香環を有する2価の基を表し、Ar基中の芳香環に含まれるπ電子の数Nπは、12以上である。
D1及びD2は、それぞれ独立に、−O−CO−、−CO−O−、−C(=S)−O−、−O−C(=S)−、−CR1R2−、−CR1R2−CR3R4−、−O−CR1R2−、−CR1R2−O−、−CR1R2−O−CR3R4−、−CR1R2−O−CO−、−O−CO−CR1R2−、−CR1R2−O−CO−R3R4−、−CR1R2−CO−O−CR3R4−、−NR1−CR2R3−、−CR2R3−NR1−、−CO−NR1−、又は−NR1−CO−を表す。R1、R2、R3及びR4は、それぞれ独立に、水素原子、フッ素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を表す。
G1及びG2は、それぞれ独立に、2価の脂環式炭化水素基を表す。該脂環式炭化水素基に含まれる水素原子は、ハロゲン原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のフルオロアルキル基、炭素数1〜4アルコキシ基、シアノ基またはニトロ基に置換されていてもよく、該脂環式炭化水素基に含まれるメチレン基は、−O−、−S−又は−NH−に置換されていてもよい。
E1及びE2は、それぞれ独立に、−CR5R6−、−CH2−CH2−、−S−、*−CO−O−(*は、G1又はG2に結合する位置を表す)、−O−CO−O−、−C(=S)−O−、−O−C(=S)−、−O−C(=S)−O−、−CO−NR5−、−NR5−CO−、−O−CH2−、−CH2−O−、−S−CH2−又は−CH2−S−を表す。R5及びR6は、それぞれ独立に、水素原子、フッ素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を表す。
B1及びB2は、それぞれ独立に、−CR5R6−、−CH2−CH2−、−O−、−S−、−CO−O−、−O−CO−、−O−CO−O−、−C(=S)−O−、−O−C(=S)−、−O−C(=S)−O−、−CO−NR5−、−NR5−CO−、−O−CH2−、−CH2−O−、−S−CH2−、−CH2−S−又は単結合を表す。R5及びR6は、それぞれ独立に、水素原子、フッ素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を表す。
A1及びA2は、それぞれ独立に、2価の脂環式炭化水素基又は2価の芳香族炭化水素基を表す。該2価の脂環式炭化水素基及び2価の芳香族炭化水素基に含まれる水素原子は、ハロゲン原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4アルコキシ基、シアノ基又はニトロ基に置換されていてもよい。該炭素数1〜4のアルキル基及び該炭素数1〜4アルコキシ基に含まれる水素原子は、フッ素原子に置換されていてもよい。
k及びlは、それぞれ独立に、0〜3の整数を表す。
F1及びF2は、それぞれ独立に、炭素数1〜12のアルキレン基を表す。該アルキレン基に含まれる水素原子は、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数1〜5のアルコキシ基又はハロゲン原子に置換されていてもよく、該アルキレン基に含まれるメチレン基は、−O−又は−CO−に置換されていてもよい。
P1及びP2は、水素原子を表す。]
(Nπ−4)/3<k+l+4 (2)
12≦Nπ≦22 (3)
[式(2)及び式(3)中、Nπ、k及びlは上記と同じ意味を表す。]
Q1及びQ3は、それぞれ独立に、−CR7R8−、−S−、−NR7−、−CO−又は−O−を表す。
R7及びR8は、それぞれ独立に、水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を表す。
Y1、Y2及びY3は、それぞれ独立に、置換されていてもよい芳香族炭化水素基又は芳香族複素環基を表す。
W1及びW2は、それぞれ独立に、水素原子、シアノ基、メチル基又はハロゲン原子を表す。
mは、0〜6の整数を表す。
nは、0〜2の整数を表す。]
Q1は、−S−、−CO−、−NH−、−N(CH3)−であることが好ましく、Q3は、−S−、−CO−であることが好ましい。
a1は、0〜5の整数、a2は、0〜4の整数、b1は、0〜3の整数、b2は、0〜2の整数、Rは、水素原子又はメチル基を表す。]
mは0または1であることが好ましい。nは0であることが好ましい。
上記表2中、化合物(xxx)は、Arで示される基が式(ar−120)で示される基である化合物、Arで示される基が式(ar−121)で示される基である化合物またはArで示される基が式(ar−120)で示される基である化合物と式(ar−121)で示される基である化合物との混合物のいずれかであることを意味し、化合物(xxxi)は、Arで示される基が式(ar−122)で示される基である化合物、Arで示される基が式(ar−123)で示される基である化合物またはArで示される基が式(ar−122)で示される基である化合物と式(ar−123)で示される基である化合物との混合物のいずれかであることを意味する。
化合物(1)は、Methoden der Organischen Chemie、Organic Reactions、Organic Syntheses、Comprehensive Organic Synthesis、新実験化学講座等に記載されている公知の有機合成反応(例えば、縮合反応、エステル化反応、ウイリアムソン反応、ウルマン反応、ウイッティヒ反応、シッフ塩基生成反応、ベンジル化反応、薗頭反応、鈴木−宮浦反応、根岸反応、熊田反応、檜山反応、ブッフバルト−ハートウィッグ反応、フリーデルクラフト反応、ヘック反応、アルドール反応など)を、その構造に応じて、適宜組み合わせることにより、製造することができる。
で示される化合物とを反応させることにより製造することができる。
式(1−1)で示される化合物と式(1−2)で示される化合物との反応および式(1−3)で示される化合物と式(1−4)で示される化合物との反応は、エステル剤の存在下に実施することが好ましい。
液晶化合物として、異なる複数の化合物を併用してもよい。
[式(4)中、A11は、芳香族炭化水素基、脂環式炭化水素基又は複素環基を表し、該芳香族炭化水素基、脂環式炭化水素基及び複素環基に含まれる水素原子は、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数1〜6のアルキルアミノ基、ニトロ基、ニトリル基又はメルカプト基に置換されていてもよい。
B11及びB12は、それぞれ独立に、−CR14R15−、−C≡C−、−CH=CH−、−CH2−CH2−、−O−、−S−、−C(=O)−、−C(=O)−O−、−O−C(=O)−、−O−C(=O)−O−、−C(=S)−、−C(=S)−O−、−O−C(=S)−、−CH=N−、−N=CH−、−N=N−、−C(=O)−NR14−、−NR14−C(=O)−、−OCH2−、−OCF2−、−NR14−、−CH2O−、−CF2O−、−CH=CH−C(=O)−O−、−O−C(=O)−CH=CH−又は単結合を表す。R14及びR15は、それぞれ独立に、水素原子、フッ素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を表し、R14及びR15が連結して炭素数4〜7のアルキレン基を構成してもよい。
E11は、炭素数1〜12のアルキレン基を表す。該アルキレン基に含まれる水素原子は、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基又はハロゲン原子に置換されていてもよい。
P11は、重合性基を表す。
Gは、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜13のアルキル基、炭素数1〜13のアルコキシ基、炭素数1〜13のフルオロアルキル基、炭素数1〜13のアルキルアミノ基、ニトリル基、ニトロ基であるか、炭素数1〜12のアルキレン基を介して結合する重合性基を表し、該アルキレン基に含まれる水素原子は、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基又はハロゲン原子に置換されていてもよい。
tは、1〜5の整数を表す。]
P11-E11-(B11-A11)t2-B12-F11 (4−2)
[式(4−1)及び式(4−2)中、P11、E11、B11、A11、B12は上記と同義である。
F11は、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜13のアルキル基、炭素数1〜13のアルコキシ基、炭素数1〜13のフルオロアルキル基、炭素数1〜13のアルキルアミノ基、ニトリル基、ニトロ基を表す。
E12は、E11と同義である。
P12は、P11と同義である。
t1及びt2はtと同義である。]
P11-E11-B11-A11-B12-A12-B13-A13-B14-A14-B15-E12-P12 (II)
P11-E11-B11-A11-B12-A12-B13-A13-B14-E12-P12 (III)
P11-E11-B11-A11-B12-A12-B13-A13-B14-F11 (IV)
P11-E11-B11-A11-B12-A12-B13-F11 (V)
[式(I)〜式(V)中、A12〜A15は、A11と同義であり、B13〜B16は、B11と同義である]。
まず、化合物(1)に、必要に応じて、有機溶剤、ホストとなる上述した液晶化合物、上述した重合開始剤、重合禁止剤、光増感剤又はレベリング剤などの添加剤を加えて、混合溶液を調製する。特に成膜時に成膜が容易となること有機溶剤を含むことが好ましく、得られた光学フィルムを硬化する働きをもつことから重合開始剤を含むことが好ましい。
本発明の光学フィルムを調製する際に、重合禁止剤を使用してもよい。重合禁止剤としては、たとえばハイドロキノン又はアルキルエーテル等の置換基を有するハイドロキノン類、ブチルカテコール等のアルキルエーテル等の置換基を有するカテコール類、ピロガロール類、2,2、6,6−テトラメチル−1−ピペリジニルオキシラジカル等のラジカル補足剤、チオフェノール類、β−ナフチルアミン類或いはβ−ナフトール類等を挙げることができる。
また本発明の光学フィルムを調製する際に、光増感剤を使用してもよい。光増感剤としては、たとえばキサントン又はチオキサントン等のキサントン類、アントラセン又はアルキルエーテルなどの置換基を有するアントラセン類、フェノチアジン或いはルブレンを挙げることができる。
さらに本発明の光学フィルムを調製する際に、レベリング剤を使用してもよい。レベリング剤としては、たとえば放射線硬化塗料用添加剤(ビックケミージャパン製:BYK−352,BYK−353,BYK−361N)、塗料添加剤(東レ・ダウコーニング株式会社製:SH28PA、DC11PA、ST80PA)、塗料添加剤(信越化学工業株式会社製:KP321、KP323、X22−161A、KF6001)又はフッ素系添加剤(大日本インキ化学工業株式会社製:F−445、F−470、F−479)などを挙げることができる。
化合物(1)及び液晶化合物などを含有する混合溶液の調製に用いる有機溶剤としては、化合物(1)及び液晶化合物などを溶解し得る有機溶剤であり、重合反応に不活性な溶剤であればよく、具体的には、メタノール、エタノール、エチレングリコール、イソプロピルアルコール、プロピレングリコール、メチルセロソルブ又はブチルセロソルブなどのアルコール;酢酸エチル、酢酸ブチル、エチレングリコールメチルエーテルアセテート、ガンマーブチロラクトン又はプロピレングリコールメチルエーテルアセテートなどのエステル系溶剤;アセトン、メチルエチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、メチルアミルケトン又はメチルイソブチルケトンなどのケトン系溶剤;ペンタン、ヘキサン又はヘプタンなどの脂肪族炭化水素溶剤;トルエン、キシレン又はクロロベンゼンなどの芳香族炭化水素溶剤、アセトニトリル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジメトキシエタン、乳酸エチル、クロロホルム、フェノールなどが挙げられる。これら有機溶剤は、単独で用いてもよいし、複数を組み合わせて用いてもよい。特に本発明の組成物は相溶性に優れ、アルコール、エステル系溶剤、ケトン系溶剤、非塩素系脂肪族炭化水素溶剤及び非塩素系芳香族炭化水素溶剤などにも溶解し得ることから、クロロホルムなどのハロゲン化炭化水素を用いなくとも、溶解して塗工させることができる。
支持基材の上に、化合物(1)を含有する混合溶液を塗布し、乾燥すると、未重合フィルムが得られる。未重合フィルムがネマチック相などの液晶相を示す場合、得られる光学フィルムは、モノドメイン配向による複屈折性を有する。未重合フィルムは0〜120℃程度、好ましくは、25〜80℃の低温で配向することから、配向膜として上記に例示したような耐熱性に関して必ずしも十分ではない支持基材を用いることができる。また、配向後さらに30〜10℃程度に冷却しても結晶化することがないため、取扱いが容易である。
(式中、Re(λ)は、波長λnmにおける位相差値を表し、dは膜厚を表し、Δn(λ)は波長λnmにおける複屈折率を表す。)
未重合フィルム重合工程では、上記未重合フィルム調製工程で得られた未重合フィルムを重合し、硬化させる。これにより化合物(1)の配向性が固定化されたフィルム、すなわち重合フィルムとなる。したがってフィルムの平面方向に屈折率変化が小さく、フィルムの法線方向に屈折率変化が大きい重合フィルムを製造することができる。
カラーフィルタ1は、本発明の光学フィルム2が、配向膜3を介して該カラーフィルタ層4上に形成されてなるカラーフィルタである。
次に得られた配向膜3上に所望の波長分散特性をもつように、化合物(1)を含む混合溶液を調製し、所望の位相差値になるよう厚みを調製しながら塗布して、光学フィルム2を形成する。
図2に示す液晶表示装置5では、偏光板6上に例えばガラス基板などのバックライトと対向する基板7が接着剤を介して固定されており、基板7上に作成されたカラーフィルタ層4’上に配向膜3’を介して光学フィルム2’が形成されている。さらに光学フィルム2’上に対向電極8が形成され、対向電極8上に液晶相9が形成されている。バックライト側は、偏光板10にガラス基板などの基板11が接着剤を介して固定されており、さらに基板11には液晶層をアクティブ駆動させるための薄膜トランジスタ(TFT)及び絶縁層12が形成され、さらにTFT上にAg、Al又はITO(Indium Tin Oxide)による透明電極13及び/又は反射電極13’が形成されている。図2に示す液晶表示装置5の構成は、従来の液晶表示装置と比較して、光学フィルムの枚数を減らすことができ、より薄型の液晶表示装置の製造を可能とする。
本発明に係る偏光板は、偏光機能を有するフィルム、すなわち偏光フィルムの片面もしくは両面に直接、又は接着剤もしくは粘着剤を用いて前記光学フィルムを張り合わせることにより得られるものである。なお以下の図3〜図5の説明では、接着剤及び粘着剤を総称して接着剤と呼ぶ場合がある。
図3(a)に示す偏光板30aは、積層体14と、偏光フィルム15とが直接貼り合わされており、積層体14は、支持基材16、配向膜17及び光学フィルム18からなる。偏光板30aは、支持基材16、配向膜17、光学フィルム18、偏光フィルム15の順に積層されている。
図4は、本発明に係る液晶表示装置の液晶パネル20と偏光板30との貼合品21を示す概略図である。
図5は、本発明に係る有機EL表示装置の有機ELパネル23を示す概略図である。
化合物を以下のスキームで合成した。
トランスー4−ヒドロキシシクロヘキサンカルボン酸125g(867mmol))、炭酸カリウム143.8g(1.04mol)、ベンジルブロミド140.87g(824mmol)及びジメチルアセトアミドを混合した。得られた混合液を窒素雰囲気下、80℃まで昇温して攪拌し、放冷後、水及びメチルイソブチルケトン/ヘプタン(重量比3/2)からなる溶液中に注いだ。得られた溶液を攪拌後、水層を除去、さらに有機層を純水で洗浄した。有機層を乾燥、濾過後、残渣にヘプタンを加えて得られた個体を濾過、真空乾燥して、ベンジルエステル体(化合物(g))を150g得た。収率はトランスー4−ヒドロキシシクロヘキサンカルボン酸基準で75%であった。
化合物(g)30g(128mmol)、トランスー4−ブチルシクロヘキサンカルボン酸23.6g(128mmol))、N、N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド29.08g(141mmol)、N、N−ジメチルアミノピリジン6.26g(51.2mmol)及び脱水クロロホルム60mlを混合した。得られた混合液を窒素雰囲気、40℃下で攪拌し、その後室温で攪拌した。得られた反応溶液にヘプタンを加え、生成した沈殿を濾過し、濾液を回収した。濾液を塩酸で洗浄した。回収した有機層を乾燥、濾過後、残渣に、メタノールを加えて加熱して溶解解した後、メタノール溶液を放冷し、再結晶させ、化合物(h)を32.0g得た。収率は化合物(g)基準で62%であった。
化合物(h)を32.0g(80mmol)及び2−プロパノール150mlを混合した。得られた溶液に酢酸(触媒量、0.7g)及びパラジウム−炭素6.40gを加えて、窒素雰囲気下で攪拌した。反応溶液を減圧してから、水素雰囲気下で攪拌し、窒素置換した後、溶液をセライト濾過し、残渣を純水で洗浄後、真空乾燥して、化合物(j)を24.0g得た。収率は化合物(h)基準で97%であった。
(実施例1、2、比較例1)
ガラス基板に、ポリビニルアルコール(ポリビニルアルコール1000完全ケン化型、和光純薬工業株式会社製)の2重量%水溶液を塗布し、乾燥後、厚さ89nmの膜を形成した。続いて、得られた膜の表面にラビング処理を施し、ラビング処理を施した面に、表8の組成の塗布液をスピンコート法により塗布し、乾燥した。その後、紫外線を照射した。これにより、ガラス基板に、光学フィルムを作成することができた。
光重合性開始剤:イルガキュア819(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ株式会社製)
レベリング剤:BYK361N(ビックケミージャパン製)
作製した光学フィルムの正面位相差値を測定機(KOBRA−WR、王子計測機器社製)を用いて測定した。尚、基材に使用したガラス基板には、複屈折性が無いため、ガラス基板付きフィルムを測定機で計測することにより、ガラス基板上に作製した光学フィルムの正面位相差値を得ることができる。得られた光学測定正面位相差値は、波長447.3nm、546.9nm、及び627.8nmにおいて、それぞれ測定し、[Re(447.3)/Re(546.9)](αとする)および[Re(627.8)/Re(546.9)](βとする)を算出した。また、光学フィルムに由来する部分の膜厚(μm)をレーザー顕微鏡(LEXT、オリンパス社製)を用いて測定した。結果を表9に示す。Δnは、Re(546.9)の値を膜厚で割って算出した。
3)/Re(546.9)](表中α)の値がより1に近い数字であった。また、[Re(627.8)/Re(546.9)](表中β)の値がより1に近い数字であった。つまり、化合物(ii−2)、化合物(vi−2)の少量添加でも屈折率の波長依存性が比較例より小さいもしくはいわゆる逆波長分散性を示す。従って化合物(ii−2)、化合物(vi−2)単独では逆波長分散性を示すため、化合物(ii−2)、化合物(vi−2)を、光学フィルム作成に利用すれば、より光学補償に優れた特性を有する光学フィルムが作成できる。
2,2’ 光学フィルム
3,3’ 配向膜
4,4’ カラーフィルタ層
5 液晶表示装置
6,10 偏光板
7,11 基板
8 対向電極
9 液晶層
12 TFT、絶縁層
13 透明電極
13’ 反射電極
30,30a,30b,30c,30d,30e 偏光板
14,14’ 積層体
15 偏光フィルム
16,16’ 支持基材
17,17’ 配向膜
18,18’ 光学フィルム
19,19’,22,25 接着剤層
20 液晶パネル
21 貼合品
23 有機ELパネル
24 発光層
Claims (21)
- 式(1)で表される化合物。
P1−F1−(B1−A1)k−E1−G1−D1−Ar−D2−G2−E2−(A2−B2)l−F2−P2 (1)
[式(1)中、Arは芳香族炭化水素環および芳香族複素環からなる群から選ばれる少なくとも一つの芳香環を有する2価の基を表し、Ar基中の芳香環に含まれるπ電子の数Nπは、12以上である。
D1及びD2は、それぞれ独立に、−O−CO−、−CO−O−、−C(=S)−O−、−O−C(=S)−、−CR1R2−、−CR1R2−CR3R4−、−O−CR1R2−、−CR1R2−O−、−CR1R2−O−CR3R4−、−CR1R2−O−CO−、−O−CO−CR1R2−、−CR1R2−O−CO−R3R4−、−CR1R2−CO−O−CR3R4−、−NR1−CR2R3−、−CR2R3−NR1−、−CO−NR1−、又は−NR1−CO−を表す。R1、R2、R3及びR4は、それぞれ独立に、水素原子、フッ素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を表す。
G1及びG2は、それぞれ独立に、2価の脂環式炭化水素基を表す。該脂環式炭化水素基に含まれる水素原子は、ハロゲン原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のフルオロアルキル基、炭素数1〜4アルコキシ基、シアノ基またはニトロ基に置換されていてもよく、該脂環式炭化水素基に含まれるメチレン基は、−O−、−S−又は−NH−に置換されていてもよい。
E1及びE2は、それぞれ独立に、−CR5R6−、−CH2−CH2−、−S−、*−CO−O−(*は、G1又はG2に結合する位置を表す)、−O−CO−O−、−C(=S)−O−、−O−C(=S)−、−O−C(=S)−O−、−CO−NR5−、−NR5−CO−、−O−CH2−、−CH2−O−、−S−CH2−又は−CH2−S−を表す。R5及びR6は、それぞれ独立に、水素原子、フッ素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を表す。
B1及びB2は、それぞれ独立に、−CR5R6−、−CH2−CH2−、−O−、−S−、−CO−O−、−O−CO−、−O−CO−O−、−C(=S)−O−、−O−C(=S)−、−O−C(=S)−O−、−CO−NR5−、−NR5−CO−、−O−CH2−、−CH2−O−、−S−CH2−、−CH2−S−又は単結合を表す。R5及びR6は、それぞれ独立に、水素原子、フッ素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を表す。
A1及びA2は、それぞれ独立に、2価の脂環式炭化水素基又は2価の芳香族炭化水素基を表す。該2価の脂環式炭化水素基及び2価の芳香族炭化水素基に含まれる水素原子は、ハロゲン原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4アルコキシ基、シアノ基又はニトロ基に置換されていてもよい。該炭素数1〜4のアルキル基及び該炭素数1〜4アルコキシ基に含まれる水素原子は、フッ素原子に置換されていてもよい。
k及びlは、それぞれ独立に、0〜3の整数を表す。
F1及びF2は、それぞれ独立に、炭素数1〜12のアルキレン基を表す。該アルキレン基に含まれる水素原子は、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数1〜5のアルコキシ基又はハロゲン原子に置換されていてもよく、該アルキレン基に含まれるメチレン基は、−O−又は−CO−に置換されていてもよい。
P1及びP2は、水素原子を表す。] - 式(2)及び式(3)で表される要件を充足する請求項1記載の化合物。
(Nπ−4)/3<k+l+4 (2)
12≦Nπ≦22 (3)
[式(2)及び式(3)中、Nπ、k及びlは上記と同じ意味を表す。] - 式(1)中、Arが式(Ar−1)〜式(Ar−13)で表されるいずれかの2価の基である請求項1又は2記載の化合物。
[式(Ar−1)〜式(Ar−13)中、Z1は、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルキル基、シアノ基、ニトロ基、炭素数1〜6のアルキルスルフィニル基、炭素数1〜6のアルキルスルホニル基、カルボキシル基、炭素数1〜6のフルオロアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数1〜6のアルキルチオ基、炭素数1〜6のN−アルキルアミノ基、炭素数2〜12のN,N−ジアルキルアミノ基、炭素数1〜6のN−アルキルスルファモイル基または炭素数2〜12のN,N−ジアルキルスルファモイル基を表す。
Q1及びQ3は、それぞれ独立に、−CR7R8−、−S−、−NR7−、−CO−又は−O−を表す。
R7及びR8は、それぞれ独立に、水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を表す。
Y1、Y2及びY3は、それぞれ独立に、置換されていてもよい芳香族炭化水素基又は芳香族複素環基を表す。
W1及びW2は、それぞれ独立に、水素原子、シアノ基、メチル基又はハロゲン原子を表す。
mは、0〜6の整数を表す。
nは、0〜2の整数を表す。] - Y1、Y2及びY3が、それぞれ独立に、式(Y−1)〜式(Y−6)で表されるいずれかの基である請求項3記載の化合物。
[式(Y−1)〜式(Y−6)中、Z2は、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルキル基、シアノ基、ニトロ基、炭素数1〜6のアルキルスルフィニル基、炭素数1〜6のアルキルスルホニル基、カルボキシル基、炭素数1〜6のフルオロアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数1〜6のチオアルキル基、炭素数1〜6のN−アルキルアミノ基、炭素数2〜12のN,N−ジアルキルアミノ基、炭素数1〜6のN−アルキルスルファモイル基または炭素数2〜12のN,N−ジアルキルスルファモイル基を表す。
a1は、0〜5の整数、a2は、0〜4の整数、b1は、0〜3の整数、b2は、0〜2の整数、Rは、水素原子又はメチル基を表す。] - G1及びG2が、1,4−シクロヘキシレン基である請求項1〜5のいずれか記載の化合物。
- A1及びA2が、それぞれ独立に、1,4−フェニレン基又は1,4−シクロヘキシレン基であり、該1,4−フェニレン基及び1,4−シクロヘキシレン基に含まれる水素原子は、ハロゲン原子、炭素数1〜4のアルキル基、トリフルオロメチル基、シアノ基又はニトロ基に置換されていてもよい請求項1〜6のいずれか記載の化合物。
- B1及びB2のうち、A1又はA2のみと結合しているB1及びB2が、それぞれ独立に、−CH2−CH2−、−CO−O−、−O−CO−、−CO−NH−、−NH−CO−、−O−CH2−、−CH2−O−又は単結合であり、
B1及びB2のうち、F1又はF2と結合しているB1及びB2が、それぞれ独立に、−O−、−CO−O−、−O−CO−、−O−CO−O−、−CO−NH−、−NH−CO−又は単結合である請求項1〜7のいずれか記載の化合物。 - 請求項1〜8のいずれかに記載される化合物と、式(4)で表される化合物とを含有する組成物。
P11−E11−(B11−A11)t−B12−G (4)
[式(4)中、A11は、芳香族炭化水素基、脂環式炭化水素基又は複素環基を表し、該芳香族炭化水素基、脂環式炭化水素基及び複素環基に含まれる水素原子は、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数1〜6のアルキルアミノ基、ニトロ基、ニトリル基又はメルカプト基に置換されていてもよい。
B11及びB12は、それぞれ独立に、−CR14R15−、−C≡C−、−CH=CH−、−CH2−CH2−、−O−、−S−、−C(=O)−、−C(=O)−O−、−O−C(=O)−、−O−C(=O)−O−、−C(=S)−、−C(=S)−O−、−O−C(=S)−、−CH=N−、−N=CH−、−N=N−、−C(=O)−NR14−、−NR14−C(=O)−、−OCH2−、−OCF2−、−NR14−、−CH2O−、−CF2O−、−CH=CH−C(=O)−O−、−O−C(=O)−CH=CH−又は単結合を表す。R14及びR15は、それぞれ独立に、水素原子、フッ素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を表し、R14及びR15が連結して炭素数4〜7のアルキレン基を構成してもよい。
E11は、炭素数1〜12のアルキレン基を表す。該アルキレン基に含まれる水素原子は、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基又はハロゲン原子に置換されていてもよい。
P11は、重合性基を表す。
Gは、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜13のアルキル基、炭素数1〜13のアルコキシ基、炭素数1〜13のフルオロアルキル基、炭素数1〜13のアルキルアミノ基、ニトリル基、ニトロ基であるか、炭素数1〜12のアルキレン基を介して結合する重合性基を表し、該アルキレン基に含まれる水素原子は、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基又はハロゲン原子に置換されていてもよい。
tは、1〜5の整数を表す。] - さらに重合開始剤を含有する請求項9記載の組成物。
- 請求項9又は10記載の組成物を重合してなる光学フィルム。
- 波長550nmにおける位相差値(Re(550))が113〜163nmのλ/4板用である請求項11記載の光学フィルム。
- 波長550nmにおける位相差値(Re(550))が250〜300nmのλ/2板用である請求項11記載の光学フィルム。
- 請求項11〜13のいずれか記載の光学フィルム及び偏光フィルムを含む偏光板。
- 請求項11〜13のいずれか記載の光学フィルムが、カラーフィルタ基板上に直接塗布された配向性ポリマー上に形成されてなるカラーフィルタ。
- 請求項15記載のカラーフィルタを含む液晶表示装置。
- 請求項14記載の偏光板を含む液晶パネルを備えるフラットパネル表示装置。
- 請求項14記載の偏光板を含む有機エレクトロルミネッセンスパネルを備える有機EL表示装置。
- 請求項1〜8のいずれか記載の化合物を含む溶液を支持基材に塗布し、乾燥させる未重合フィルムの製造方法。
- 請求項1〜8のいずれか記載の化合物を含む溶液を、支持基材上に形成された配向膜上に塗布し、乾燥させる未重合フィルムの製造方法。
- 請求項19又は20記載の未重合フィルムの製造方法で得られた未重合フィルムを、重合により硬化させる光学フィルムの製造方法。
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