JPWO2013069658A1 - 有機エレクトロルミネッセンス表示装置 - Google Patents

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Abstract

外光の反射光の赤味が無く、環境温度の変化や発光状態の違いにより、黒画像の色相変動の小さい有機エレクトロルミネッセンス表示装置を提供する。本発明の有機エレクトロルミネッセンス表示装置は、視認側から保護フィルム、偏光子、λ/4位相差フィルム及び有機エレクトロルミネッセンス素子をこの順に有する有機エレクトロルミネッセンス表示装置であって、前記λ/4位相差フィルムが下記式(1)及び(2)を満足することを特徴とする。式(1) Ro(450)<Ro(550)<Ro(650)式(2) 0.90<光弾性係数比(450/650)の値<1.20

Description

本発明は、有機エレクトロルミネッセンス表示装置に関し、特に位相差フィルムにより表示性能が改良された有機エレクトロルミネッセンス表示装置に関する。
電極間に発光層を設け、これに電圧を印加して発光を生じる有機エレクトロルミネッセンス素子(有機EL素子ともいう。)は、平面型照明、光ファイバー用光源、液晶ディスプレイ用バックライト、液晶プロジェクタ用バックライト、ディスプレイ装置等の各種光源として盛んに研究、開発が進められている。
有機EL素子は、発光効率、低電圧駆動、軽量、低コストという点で優れており、近年極めて注目を浴びている素子である。
有機EL素子は、陰極から電子を、陽極から正孔を注入し、両者が発光層で再結合することにより、発光層の発光特性に対応した可視光線の発光を生じさせるものである。
視認側の電極には、透明導電性材料の中では最も電気伝導度が高い点から、専ら酸化インジウムスズ(ITO)が使用される。
一方、反対側の電極には、通常金属電極が使用される。
この金属電極の金属材料は、光反射率が高く、電極(陰極)としての機能の他に、発光層で発光した光を反射し、出射光量(発光輝度)を高める機能も担っている。
すなわち、視認側と反対方向に発光した光は、金属材料表面で鏡面反射し、透明なITO電極から出射光として取り出されることになる。
しかしながら、このような有機EL素子を用いたディスプレイ装置である有機エレクトロルミネッセンス表示装置(有機EL表示装置ともいう。)は、金属電極が光反射性の強い鏡面となっているため、発光していない状態では外光反射が著しく目立つことになる。
即ち、室内照明の映り込みなどが激しく、明所では黒色が表現できなくなり、このような有機EL表示装置は、明室コントラストが極端に低いという問題点を有する。
これを改善するために、有機EL素子の視認側に円偏光素子であるλ/4位相差フィルムを有する偏光板を設けることが特許文献1に開示されている。また、可視光の全波長に渡って外光の反射を遮断するために、上記λ/4位相差フィルムとして異なるλ/4の位相差を有するフィルムを積層して用い、可視光の全波長でλ/4の位相差が得られる所謂逆波長分散性の位相差フィルムの組み合わせが特許文献1に開示されている。
しかし、2枚の位相差フィルムを張り合わせる工程は、煩雑であり、製造コストの上昇を招く。
特許文献2には、セルロースエステルに特定の添加剤を加えて作製したλ/4位相差フィルムが単独の使用でも、好ましい位相差を有することが開示されている。
しかし、このような位相差フィルムを有機EL表示装置に適用した場合、外光の反射は低減することができるが、わずかな外光の反射光が赤く着色し、ニュートラルな黒色にならない。また、環境温度が変化したり、発光状態により有機EL表示装置の表面温度が変化すると、黒画像の色相が変化するといった問題があった。
特開平9−127885号公報 特開2011−75924号公報
本発明は、上記問題・状況に鑑みてなされたものであり、その解決課題は、外光の反射光の赤味が無く、環境温度の変化や発光状態の違いにより、黒画像の色相変動の小さい有機エレクトロルミネッセンス表示装置を提供することである。
本発明者は、上記課題を解決すべく、上記問題の原因等について検討した結果、λ/4位相差フィルムの面内リターデーション値を逆波長分散性にし、可視光の全波長で光弾性率が等しいと、外光反射の赤味が無く、温度変化による黒画像の色相変動が無いことを見出し本発明に至った。
すなわち、本発明に係る上記課題は、以下の手段により解決される。
1.視認側から保護フィルム、偏光子、λ/4位相差フィルム及び有機エレクトロルミネッセンス素子を順に有する有機エレクトロルミネッセンス表示装置であって、前記λ/4位相差フィルムが下記式(1)及び(2)を満足することを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス表示装置。
式(1) Ro(450)<Ro(550)<Ro(650)
式(2) 0.90<光弾性係数比(450/650)の値<1.2
〔式(1)において、Ro(450)、Ro(550)及びRo(650)は、それぞれ前記λ/4位相差フィルムを23℃・55%RHの環境下、光波長450nm、550nm、650nmで測定したときの面内リターデーション値である。式(2)において、光弾性係数比(450/650)の値は、前記λ/4位相差フィルムを23℃55%RHの環境下、光波長450nmで測定したときの光弾性係数(450)を同環境下、光波長650nmで測定したときの光弾性係数(650)で除して得られる値である。〕
2.前記λ/4位相差フィルムが、セルロースエステルを含有し、該セルロースエステルの少なくとも一種が下記式(3)及び式(4)を満足することを特徴とする第1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス表示装置。
式(3) 2.3≦A+B≦2.7
式(4) 0≦B≦2.0
〔式(3)及び(4)において、Aは前記セルロースエステルのアセチル基置換度であり、Bはアセチル基以外のアシル基の置換度である。〕
3.前記λ/4位相差フィルムが、下記一般式(A)で表される化合物を含有することを特徴とする第1項又は第2項に記載の有機エレクトロルミネッセンス表示装置。
Figure 2013069658
〔一般式(A)において、L及びLは各々独立に単結合又は2価の連結基を表す。R、R及びRは各々独立に置換基を表す。nは0から2までの整数を表す。
Wa及びWbは水素原子又は置換基を表し、
(I)Wa及びWbが互いに結合して環を形成してもよく、
(II)Wa及びWbの少なくとも一つが環構造を有してもよく、又は
(III)Wa及びWbの少なくとも一つがアルケニル基又はアルキニル基であってもよい。〕
4.前記一般式(A)で表される化合物が、下記一般式(1)で表される化合物であることを特徴とする第3項に記載の円偏光板。
Figure 2013069658
〔一般式(1)において、A及びAは各々独立に、O、S、NRx(Rxは水素原子又は置換基を表す)又はCOを表す。Xは第14〜16族の非金属原子を表す。L、L、R、R、R及びnは、それぞれ一般式(A)におけるL、L、R、R、R及びnと同義である。〕
5.前記一般式(A)で表される化合物が、下記一般式(2)で表される化合物であることを特徴とする第3項に記載の円偏光板。
Figure 2013069658
〔一般式(2)において、QはO、S、NRy(Ryは水素原子又は置換基を表す)、−CRaRb−(Ra及びRbは水素原子又は置換基を表す)又はCOを表す。Yは置換基を表す。L、L、R、R、R及びnは、それぞれ一般式(A)におけるL、L、R、R、R及びnと同義である。〕
6.前記一般式(A)で表される化合物が、下記一般式(3)で表される化合物であることを特徴とする第3項に記載の円偏光板。
Figure 2013069658
〔一般式(3)において、QはN又はCRz(Rzは水素原子又は置換基)を表し、Qは第14〜16族の非金属原子を表す。ZはQ及びQと共に環を形成する非金属原子群を表す。L、L、R、R、R及びnは、それぞれ一般式(A)におけるL、L、R、R、R及びnと同義である。〕
7.前記λ/4位相差フィルムが、斜め延伸された樹脂フィルムであることを特徴とする第1項〜第6項のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス表示装置。
本発明の上記手段により、外光の反射光の赤味が無く、温度変化による黒画像の色相変動が無い有機エレクトロルミネッセンス表示装置を提供することができる。本発明の効果の発現機構ないし作用機構については、明確にはなっていないが、以下のように推察している。
有機EL表示装置にλ/4位相差フィルムを適用すると、外光の反射が低減されるが、残る反射光に赤色成分が多い。
前記λ/4位相差フィルムが逆波長分散性を有することにより、反射光の赤色成分は低減されるが、わずかに反射光に赤色光成分が残り、外光反射や、色相変動が完全には解決されない。λ/4位相差フィルムは、有機EL素子に接合されていて、両者の熱膨張係数が異なるため、温度変化等によりλ/4位相差フィルム内に応力が生じる。λ/4位相差フィルムの光弾性係数(応力によるリターデーションの変化率)が光波長により異なると、前記応力が画像の色相を変動させるが、光弾性係数比の値を適当な範囲に調整することにより、色相変動が抑えられるものと推定している。
また、本発明に係る一般式(A)で表される化合物が、ベンゼン環上に、置換基としてWa及びWbのような非対称構造を有し、かつWa又はびWbが不飽和基を有する場合は、その不飽和基により、連結基であるL及びLの結合軸に対し、その直交方向の電子数が増加するになり、その結果として、屈折率が増加する。一般には、屈折率の増加に伴い、波長に対する屈折率変化は大きくなる傾向にあり、例えば、一般式(A)で表される化合物がセルロースアシレートマトリックス中で用いられた場合、延伸により、一般式(A)で表される化合物のL−ベンゼン環−Lで表される主軸が、セルロースアシレートフィルムの延伸方向と同方向に配向し、延伸方向と延伸直交方向では波長に対する屈折率変化が大きくなるため、広帯域化し、外光の反射光の赤味が改善されるものと推測している。
また、ベンゼン環近傍に導入された連結基であるLやLが極性を有する場合は、ベンゼン環上の自由電子に偏りが生じ、その結果、一般式(A)で表される化合物に、極性や相互作用性の変化が生じ、セルロースアシレートへの相溶性が飛躍的に改善され、結晶化や相分離等の散乱要因に起因する画像滲みを防止する効果も有していると推測している。
本発明の有機エレクトロルミネッセンス表示装置の構成の一例を示す図 テンターによる斜め延伸を示す模式図
本発明の有機エレクトロルミネッセンス表示装置は、視認側から保護フィルム、偏光子、λ/4位相差フィルム及び有機エレクトロルミネッセンス素子をこの順に有する有機エレクトロルミネッセンス表示装置であって、前記λ/4位相差フィルムが前記式(1)及び(2)を満足することを特徴とする。この特徴は、請求項1から請求項7までの請求項に係る発明に共通する技術的特徴である。
本発明の実施態様としては、本発明の効果発現の観点から、前記λ/4位相差フィルムが、セルロースエステルを含有し、該セルロースエステルの少なくとも一種が前記式(3)及び式(4)を満足することが、生産性、コスト面及び色相変動を抑制する効果が得られることから好ましい。
また、前記λ/4位相差フィルムが、前記一般式(A)で表される化合物を含有することが、本発明の効果発現及び滲み防止の観点から、好ましい。
また、前記λ/4位相差フィルムが、前記一般式(1)で表される化合物を含有することが、外光反射の赤味が少ないことから、好ましい。
また、前記λ/4位相差フィルムが、前記一般式(2)で表される化合物を含有することが、外光反射が防止され、色相変動を抑制する効果が得られることから、好ましい。
また、前記λ/4位相差フィルムが、前記一般式(3)で表される化合物を含有することが、外光反射の赤味が少ないことから、好ましい。
また、前記λ/4位相差フィルムが、斜め延伸された樹脂フィルムであることが、効率的に円偏光板を製造することができることから、好ましい。
以下、本発明とその構成要素、及び本発明を実施するための形態・態様について詳細な説明をする。なお、本願において、「〜」は、その前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む意味で使用する。
(有機エレクトロルミネッセンス表示装置)
有機エレクトロルミネッセンス表示装置(有機EL表示装置ともいう)は、発光層を挟んで透明電極と金属電極を有し、発光層で発生した光を透明電極を通して観察することができる。電極に選択的に電圧を掛けるためのTFTを金属電極側に有するトップエミッション型が開口面積が広く、低電力で高い輝度の画像が観察でき、また、解像力を高めることができるので好ましい。
図1に、本発明の有機EL表示装置の一例であるトップエミッション型の構成を示すがこれに限定されるものではない。
ガラスやポリイミド等を用いた基板1上に順にTFT2、金属電極3、透明電極(ITO等)4、正孔輸送層5、発光層6、バッファー層(カルシウム等)7、陰極(アルミニウム等)8、ITO9、及び絶縁膜10を有する有機EL素子B上に、偏光子12をT2層(λ/4位相差フィルム)11とT1層13によって挟持した円偏光板Cを設けて、有機EL表示装置Aを構成する。該T1層13には硬化層14が積層されていることが好ましい。硬化層14は、有機EL表示装置の表面のキズを防止するだけではなく、円偏光板による反りを防止する効果を有する。更に、硬化層上には、反射防止層15を有していてもよい。上記有機EL素子自体の厚さは1μm程度である。
一般に、有機EL表示装置は、透明基板上に金属電極と有機層と透明電極とを順に積層して発光体である素子(有機EL素子)を形成している。ここで、有機層は、種々の有機薄膜の積層体であり、例えばトリフェニルアミン誘導体等からなる正孔注入層と、アントラセン等の蛍光性の有機固体やリン光発光性物質からなる発光層との積層体や、あるいはこのような発光層とペリレン誘導体等からなる電子注入層の積層体や、またあるいはこれらの正孔注入層、発光層、及び電子注入層の積層体等、種々の組み合わせをもった構成が知られている。
有機EL表示装置は、透明電極と金属電極とに電圧を印加することによって、発光層に正孔と電子とが注入され、これら正孔と電子との再結合によって生じるエネルギーが蛍光物質やリン光発光性物質を励起し、励起された蛍光物質やリン光発光性物質が基底状態に戻るときに光を放射する、という原理で発光すると考えられている。途中の再結合というメカニズムは、一般のダイオードと類似しており、このことからも予想できるように、電流と発光強度は印加電圧に対して整流性を伴う強い非線形性を示す。
有機EL表示装置においては、発光層での発光を取り出すために、少なくとも一方の電極が透明でなくてはならず、通常酸化インジウムスズ(ITO)などの透明導電体で形成した透明電極を陽極として用いている。一方、電子注入を容易にして発光効率を上げるには、陰極に仕事関数の小さな物質を用いることが重要で、通常Mg−Ag、Al−Liなどの金属電極を用いている。
有機EL素子の視認側の表面は、透明な層で保護されていることが好ましい。この透明な層は、ガラス板であっても良いし、蒸着により形成された層であっても良い。また前記透明な層は、絶縁性を有することが好ましく、蒸着により形成された絶縁層であることが更に好ましい。
前記透明な保護層を形成する材料としては、二酸化ケイ素、窒化珪素などが挙げられる。
このような構成の有機EL表示装置において、発光層は、厚さ10〜200nmの範囲内程度と極めて薄い膜で形成されている。このため、発光層も透明電極と同様、光をほぼ完全に透過する。その結果、非発光時に透明電極側から入射し、透明電極と発光層とを透過して金属電極で反射した光が、再び透明電極側へと出るため、外部から視認したとき、有機EL表示装置の表示面が鏡面のように見える。
有機EL素子によって、外光が反射されて有機EL素子の表面から出るのを防止するため、有機EL素子の表面に偏光子とλ/4位相差フィルムを積層して形成した偏光板を設ける方法が用いられる。
(偏光板)
有機EL素子は、電圧の印加によって発光する発光層の表面側に透明電極を備えるとともに、発光層の裏面側に金属電極を備えており、該有機EL素子を備えた有機EL表示装置は、有機EL素子の表面側(視認側)にλ/4位相差フィルムが向き合うように偏光板を設ける。これにより有機EL表示素子は、有機EL素子と偏光子の間にλ/4位相差フィルムを有する構成になる。
本発明に係る偏光板は、偏光子を保護フィルムとλ/4位相差フィルムで挟んだ構造を有し、偏光子に保護フィルムとλ/4位相差フィルムを接着して製造することができる。
λ/4位相差フィルム及び偏光子は、外部から入射し偏光子及びλ/4位相差フィルムを透過して金属電極で反射してきた光を遮蔽する作用を有するため、その作用によって金属電極の鏡面を外部から視認させないという効果がある。特に、λ/4位相差フィルムと偏光子との偏光方向のなす角をπ/4に調整すれば、金属電極の鏡面を完全に遮蔽することができる。
すなわち、この有機EL画像表示装置に入射する外部光は、偏光子により直線偏光成分のみが透過し、この直線偏光は位相差フィルムにより一般に楕円偏光となるが、とくに位相差フィルムがλ/4位相差フィルムでしかも偏光子と位相差フィルムとの偏光方向のなす角がπ/4のときには円偏光となる。
この円偏光は、透明電極、有機薄膜を透過し、金属電極で反射して、再び有機薄膜、透明電極を透過して、λ/4位相差フィルムにより再び直線偏光となる。そして、この直線偏光は、偏光板の偏光方向と直交しているので、偏光板を透過できない。その結果、金属電極の鏡面を完全に遮蔽することができる。
(保護フィルム)
偏光板は保護フィルム層、偏光子及びλ/4位相差フィルムが順に積層された構成を有し、該偏光板と有機EL素子が接着されて、有機EL表示装置が形成される。保護フィルムは、有機EL表示装置において、視認側に位置する光学フィルムである。
前記保護フィルムは、単一の層であっても良いし、複数の層から構成されていても良い。該保護フィルムが複数の層から構成される場合は、視認側の表面にハードコート層が設けられていることが好ましい。
前記保護フィルムは、トリアセチルセルロースフィルム、セルロースアセテートプロピオネートフィルム、セルロースジアセテートフィルム、セルロースアセテートブチレートフィルム等のセルロースエステル系フィルム、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル系フィルム、ポリカーボネート系フィルム、ポリアリレート系フィルム、ポリスルホン(ポリエーテルスルホンも含む)系フィルム、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、セロファン、ポリ塩化ビニリデンフィルム、ポリビニルアルコールフィルム、エチレンビニルアルコールフィルム、シンジオタクティックポリスチレン系フィルム、ノルボルネン樹脂系フィルム、ポリメチルペンテンフィルム、ポリエーテルケトンフィルム、ポリエーテルケトンイミドフィルム、ポリアミドフィルム、フッ素樹脂フィルム、ナイロンフィルム、シクロオレフィンポリマーフィルム、ポリメチルメタクリレートフィルム又はアクリルフィルム等を使用することができる。
これらの内、セルロースエステルフィルム、ポリカーボネートフィルム、シクロオレフィンポリマーフィルム、ポリエステルフィルムが好ましく、本発明においては、セルロースエステルフィルムが光学特性、生産性、コスト面から好ましい。
前記保護フィルムに用いられるセルロースエステルは、アセチル基置換度が2.80〜2.95の範囲内であることが好ましく、更に、T1層用光学フィルムはポリエステル系可塑剤を含有することが好ましい。
前記保護フィルムに用いられるセルロースエステルフィルムとしては、例えば、コニカミノルタタックKC8UX、KC4UX、KC4UA、KC6UA、KC4CZ、KC5UX、KC8UCR3、KC8UCR4、KC8UCR5、KC8UY、KC4UY、KC4UE、及びKC12UR(以上、コニカミノルタオプト(株)製)が使用できる。
また、3D画像表示用の有機エレクトロルミネセンス画像表示装置の場合は、偏光子の両面にλ/4位相差フィルムを配置することが表示画像の品質向上に効果を有するため、本発明に係る保護フィルムであるT1層として本発明に係るλ/4位相差フィルムを用いることも好ましい。
(ハードコート層)
前記保護フィルムはハードコート層(硬化層ともいう。)を有することができる。ハードコート層は高硬度であることが、表示装置の使用時や円偏光板製造化工程において、表面に傷が付きにくくすることから望まれおり、鉛筆硬度が3H以上であることが好ましく、より好ましくは4H以上である。
鉛筆硬度は、作製した硬化層付の保護フィルムを温度23℃、相対湿度55%の条件で2時間以上調湿した後、JIS S 6006が規定する試験用鉛筆を用いて、JIS K 5400が規定する鉛筆硬度評価方法に従い測定した値である。
また、硬化層のマルテンス硬さ(HMs)が、400N/mm以上、800N/mm以下であることが好ましい。
マルテンス硬さとは、圧子及び稜線同士の角度が115度の三角錐圧子を用いた微小硬度計で、フィルムのハードコート表面を、ハードコート層の膜厚の略1/10の厚みまで圧子を押し込んだ時の負荷試験力−押し込み深さ曲線において、該負荷試験力−押し込み深さ曲線から求められる最大負荷試験力(Fmax)の50%値から90%値までの押し込み深さが負荷試験力の平方根に比例する傾き(m)より、下記式で定義される値をいう。
1HMs=1(N)/(26.4mm
本発明の硬化層は、公知のものがそのまま使用することができる。硬化層を形成する樹脂バインダーについて説明する。樹脂バインダーとしては、活性エネルギー線硬化樹脂が好ましい。活性エネルギー線硬化樹脂とは、紫外線や電子線のような活性線照射により架橋反応等を経て硬化する樹脂をいう。活性エネルギー線硬化樹脂としては、エチレン性不飽和二重結合を有するモノマーを含む成分が好ましく用いられ、紫外線や電子線のような活性線を照射することによって硬化させて活性エネルギー線硬化樹脂層が形成される。
活性エネルギー線硬化樹脂としては紫外線硬化性樹脂や電子線硬化性樹脂等が代表的なものとして挙げられるが、特に、紫外線硬化樹脂が機械的膜強度(耐擦性、鉛筆硬度)に優れる点から好ましい。
紫外線硬化樹脂としては、多官能アクリレートが好ましい。該多官能アクリレートとしては、ペンタエリスリトール多官能アクリレート、ジペンタエリスリトール多官能アクリレート、ペンタエリスリトール多官能メタクリレート、及びジペンタエリスリトール多官能メタクリレートよりなる群から選ばれることが好ましい。
ここで、多官能アクリレートとは、分子中に2個以上のアクリロイルオキシ基及び/又はメタクロイルオキシ基を有する化合物である。これらの化合物は、それぞれ単独又は2種以上を混合して用いられる。
また、上記モノマーの2量体、3量体等のオリゴマーであってもよい。活性エネルギー線硬化性樹脂の添加量は、硬化層形成組成物中では、固形分中の15質量%以上70質量%未満であることが好ましい。
また、硬化層には活性エネルギー線硬化性樹脂の硬化促進のため、光重合開始剤を含有することが好ましい。光重合開始剤量としては、質量比で、光重合開始剤:活性エネルギー線硬化性樹脂=20:100〜0.01:100の範囲内で含有することが好ましい。
光重合開始剤としては、具体的には、アセトフェノン、ベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、ミヒラーケトン、α−アミロキシムエステル、チオキサントン等及びこれらの誘導体を挙げることができるが、特にこれらに限定されるものではない。
硬化層には、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂又はゼラチン等の親水性樹脂等のバインダーを用いることもできる。また、ハードコート層には滑り性や屈折率を調整するために無機化合物又は有機化合物の粒子を含んでもよい。
前記硬化層の視認側には、さらに、反射防止層が設けられることが好ましい。該反射防止層は外光が保護フィルムや硬化層の表面で反射されることにより画像のコントラストを低下することを防止することができる。
(λ/4位相差フィルム)
本発明に係る偏光板は、保護フィルム、偏光子、λ/4位相差フィルムの順に積層された構造を有し、偏光板が有機EL素子に接着されるときに、λ/4位相差フィルムは偏光子と有機EL素子に挟まれる状態になる。
このように、偏光板に円偏光性を付与することにより、有機EL表示装置の金属電極で外光が反射され、非発光のセルで黒のコントラストが低下するのを防止することができる。
本発明に係るλ/4位相差フィルムとは、ある特定の波長の直線偏光を円偏光に(又は、円偏光を直線偏光に)変換する機能を有するものをいう。
λ/4位相差フィルムは、所定の波長の光(通常、可視光領域)に対して、層の面内のリターデーション値Roが該光の波長の約1/4である。本発明のλ/4位相差フィルムは、光波長λ550nmで測定したRo(550)が110〜170nmの範囲内でありRo(550)が120〜160nmの範囲内であることが好ましく、Ro(550)が130〜150nmの範囲内であることがさらに好ましい。
面内リターデーション値は下記式(5)によって求められる。
式(5):Ro=(nx−ny)×d
式中、nx、nyは、23℃・55%RH、光波長450nm、550nm又は650nmにおける屈折率nx(フィルムの面内の最大の屈折率、遅相軸方向の屈折率ともいう。)、ny(フィルム面内で遅相軸に直交する方向の屈折率)であり、dはフィルムの厚さ(nm)である。
本発明において、Ro(450)、Ro(550)及びRo(650)は、23℃・55%RH環境下で、それぞれ光波長450nm、550nm及び650nmで測定した面内リターデーション値である。
本発明のλ/4位相差フィルムは、可視光の波長の範囲においてほぼ完全な円偏光を得るため、可視光の波長の範囲においておおむね波長の1/4のリターデーションを有する位相差板(フィルム)であることが好ましい。
可視光の波長の範囲においておおむね1/4のリターデーションにするためには、波長400から700nmにおいて長波長ほどリターデーションが大きくなる、いわゆる逆波長分散性を有する必要がある。特に、DSP(450/550)(Ro(550)に対するRo(450)の比の値)は、0.72〜0.92の範囲内が好ましく、0.76〜0.88の範囲内が更に好ましく、0.79〜0.85の範囲内が最も好ましい。
また、DSP(550/650)(Ro(650)に対するRo(550)の比の値)は、0.75〜0.97の範囲内が好ましく、0.82〜0.95の範囲内が更に好ましく、0.84〜0.93の範囲内が最も好ましい。
前記λ/4位相差フィルムの遅相軸と偏光子の透過軸との角度が実質的に45°になるように積層すると円偏光板が得られる。「実質的に45°」とは、40〜50°の範囲内であることを意味する。λ/4位相差フィルムの面内の遅相軸と偏光子の透過軸との角度は、41〜49°の範囲内であることが好ましく、42〜48°の範囲内であることがより好ましく、43〜47°の範囲内であることが更に好ましく、44〜46°の範囲内であることが最も好ましい。
(紫外線吸収剤)
本発明に係るλ/4位相差フィルム、又は保護フィルムは紫外線吸収剤を含有することが好ましく、用いられる紫外線吸収剤としては、ベンゾトリアゾール系、2−ヒドロキシベンゾフェノン系又はサリチル酸フェニルエステル系のもの等が挙げられる。例えば、2−(5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−[2−ヒドロキシ−3,5−ビス(α,α−ジメチルベンジル)フェニル]−2H−ベンゾトリアゾール、2−(3,5−ジ−t−ブチル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール等のトリアゾール類、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクトキシベンゾフェノン、2,2′−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン類等を例示することができる。
なお、紫外線吸収剤のうちでも、分子量が400以上の紫外線吸収剤は、高沸点で揮発しにくく、高温成形時にも飛散しにくいため、比較的少量の添加で効果的に耐候性を改良することができる。
分子量が400以上の紫外線吸収剤としては、2−[2−ヒドロキシ−3,5−ビス(α,α−ジメチルベンジル)フェニル]−2−ベンゾトリアゾール、2,2−メチレンビス[4−(1,1,3,3−テトラブチル)−6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール]等のベンゾトリアゾール系、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート等のヒンダードアミン系、さらには2−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2−n−ブチルマロン酸ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)、1−[2−[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ]エチル]−4−[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ]−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン等の分子内にヒンダードフェノールとヒンダードアミンの構造を共に有するハイブリッド系のものが挙げられ、これらは単独で、あるいは2種以上を併用して使用することができる。これらのうちでも、2−[2−ヒドロキシ−3,5−ビス(α,α−ジメチルベンジル)フェニル]−2−ベンゾトリアゾールや2,2−メチレンビス[4−(1,1,3,3−テトラブチル)−6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール]が特に好ましい。
これらは、市販品を用いてもよく、例えば、BASFジャパン社製のチヌビン109、チヌビン171、チヌビン234、チヌビン326、チヌビン327、チヌビン328、チヌビン928等のチヌビン類を好ましく使用できる。
さらに、λ/4位相差フィルムには、成形加工時の熱分解性や熱着色性を改良するために各種の酸化防止剤を添加することもできる。また帯電防止剤を加えて、λ/4位相差フィルムに帯電防止性能を与えることも可能である。
(マット剤)
また、本発明に係るλ/4位相差フィルムには、取扱性を向上させるため、例えば二酸化ケイ素、二酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、炭酸カルシウム、カオリン、タルク、焼成ケイ酸カルシウム、水和ケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム、リン酸カルシウム等の無機微粒子や架橋高分子などのマット剤を含有させることが好ましい。中でも二酸化ケイ素がフィルムのヘイズを小さくできるので好ましく用いられる。
微粒子の1次平均粒子径としては、20nm以下が好ましく、更に好ましくは、5〜16nmの範囲内であり、特に好ましくは、5〜12nmの範囲内である。
(張力軟化点)
本発明に係るλ/4位相差フィルムはより高温の環境下での使用に耐えられることが求められており、λ/4位相差フィルムの張力軟化点は、105℃〜145℃の範囲内であれば十分な耐熱性を示すため好ましく、特に110℃〜130℃の範囲内が好ましい。
張力軟化点の具体的な測定方法としては、例えば、テンシロン試験機(ORIENTEC社製、RTC−1225A)を用いて、試料フィルムを120mm(縦)×10mm(幅)で切り出し、10Nの張力で引っ張りながら30℃/minの昇温速度で昇温を続け、9Nになった時点での温度を3回測定し、その平均値により求めることができる。
(寸法変化率)
本発明に係るλ/4位相差フィルムを本発明の有機EL画像表示装置に用いた場合、吸湿による寸法変化によりムラや位相差値の変化、及びコントラストの低下や色むらといった問題を発生させないために、該λ/4位相差フィルムの寸法変化率(%)は0.5%未満が好ましく、更に、0.3%未満であることが好ましい。
(欠点)
本発明に係るλ/4位相差フィルムは、フィルム中の欠点が少ないことが好ましく、ここで欠点とは溶液製膜の乾燥工程において溶媒の急激な蒸発に起因して発生するフィルム中の空洞(発泡欠点)や、製膜原液中の異物や製膜中に混入する異物に起因するフィルム中の異物(異物欠点)をいう。
具体的にはフィルム面内の直径5μm以上の欠点が1個/10cm四方以下であることが好ましい。更に好ましくは0.5個/10cm四方以下、一層好ましくは0.1個/10cm四方以下である。
上記欠点の直径とは、欠点が円形の場合はその直径を示し、円形でない場合は欠点の範囲を下記方法により顕微鏡で観察して決定し、その最大径(外接円の直径)とする。
欠点の範囲は、欠点が気泡や異物の場合は、欠点を微分干渉顕微鏡の透過光で観察したときの影の大きさである。欠点が、ロール傷の転写や擦り傷など、表面形状の変化の場合は、欠点を微分干渉顕微鏡の反射光で観察して大きさを確認する。
なお、反射光で観察する場合に、欠点の大きさが不明瞭であれば、表面にアルミや白金を蒸着して観察する。かかる欠点頻度にて表される品位に優れたフィルムを生産性よく得るには、ポリマー溶液を流延直前に高精度濾過することや、流延機周辺のクリーン度を高くすること、また、流延後の乾燥条件を段階的に設定し、効率よくかつ発泡を抑えて乾燥させることが有効である。
欠点の個数が1個/10cm四方より多いと、例えば後工程での加工時などでフィルムに張力がかかると、欠点を基点としてフィルムが破断して生産性が低下する場合がある。また、欠点の直径が5μm以上になると、偏光板観察などにより目視で確認でき、光学部材として用いたとき輝点が生じる場合がある。
(破断伸度)
また、本発明に係るλ/4位相差フィルムは、JIS−K7127−1999に準拠した測定において、少なくとも一方向の破断伸度が、10%以上であることが好ましく、より好ましくは20%以上である。
破断伸度の上限は特に限定されるものではないが、現実的には250%程度である。破断伸度を大きくするには異物や発泡に起因するフィルム中の欠点を抑制することが有効である。
(全光線透過率)
本発明に係るλ/4位相差フィルムは、その全光線透過率が90%以上であることが好ましく、より好ましくは93%以上である。また、現実的な上限としては、99%程度である。かかる全光線透過率にて表される優れた透明性を達成するには、可視光を吸収する添加剤や共重合成分を導入しないようにすることや、ポリマー中の異物を高精度濾過により除去し、フィルム内部の光の拡散や吸収を低減させることが有効である。また、製膜時のフィルム接触部(冷却ロール、カレンダーロール、ドラム、ベルト、溶液製膜における塗布基材、搬送ロールなど)の表面粗さを小さくしてフィルム表面の表面粗さを小さくすることによりフィルム表面の光の拡散や反射を低減させることが有効である。
<λ/4位相差フィルムの製膜>
次に、本発明に係るλ/4位相差フィルムの製膜方法の例を説明するが、これに限定されるものではない。λ/4位相差フィルムの製膜方法としては、インフレーション法、T−ダイ法、カレンダー法、切削法、流延法、エマルジョン法、ホットプレス法等の製造法が使用できる。
本発明に係るλ/4位相差フィルムは溶液流延法でも溶融流延法のどちらで製膜してもよい。
フィルムの着色抑制、異物欠点の抑制及びダイラインなどの光学欠点の抑制などの観点からは流延法による溶液流延法が好ましい。
また、フィルムの透明性の点からは溶液流延法で作製する方法が好ましい。
(有機溶媒)
本発明に係るλ/4位相差フィルムを溶液流延法で製造する場合のドープを形成するのに有用な有機溶媒は、セルロースアセテート及びその他の添加剤を同時に溶解するものであれば制限なく用いることができる。
例えば、塩素系有機溶媒としては、塩化メチレン、非塩素系有機溶媒としては、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸アミル、アセトン、テトラヒドロフラン、1,3−ジオキソラン、1,4−ジオキサン、シクロヘキサノン、ギ酸エチル、2,2,2−トリフルオロエタノール、2,2,3,3−ヘキサフルオロ−1−プロパノール、1,3−ジフルオロ−2−プロパノール、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−メチル−2−プロパノール、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−プロパノール、2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−1−プロパノール、ニトロエタン等を挙げることができ、塩化メチレン、酢酸メチル、酢酸エチル又はアセトンを好ましく使用し得る。
ドープには、上記有機溶媒の他に、1〜40質量%の範囲内の炭素原子数1〜4の直鎖又は分岐鎖状の脂肪族アルコールを含有させることが好ましい。ドープ中のアルコールの比率が1質量%より高くなるとウェブがゲル化し、金属支持体からの剥離が容易になり、また、アルコールの割合が40質量%より少なければ非塩素系有機溶媒系でのセルロースアセテートの溶解を促進する役割もある。
特に、メチレンクロライド、及び炭素数1〜4の直鎖又は分岐鎖状の脂肪族アルコールを含有する溶媒に、アクリル樹脂と、セルロースエステル樹脂と、アクリル粒子の3種を、少なくとも計15〜45質量%の範囲内で溶解させたドープ組成物であることが好ましい。
炭素原子数1〜4の直鎖又は分岐鎖状の脂肪族アルコールとしては、メタノール、エタノール、n−プロパノール、iso−プロパノール、n−ブタノール、sec−ブタノール、tert−ブタノール等を挙げることができる。これらの内ドープの安定性、沸点も比較的低く、乾燥性もよいこと等からエタノールが好ましい。
(溶液流延法)
本発明に係るλ/4位相差フィルムは、溶液流延法によって製造することが出来る。溶液流延法では、樹脂及び添加剤を溶剤に溶解させてドープを調製する工程、ドープをベルト状若しくはドラム状の金属支持体上に流延する工程、流延したドープをウェブとして乾燥する工程、金属支持体から剥離する工程、延伸又は幅保持する工程、更に乾燥する工程、仕上がったフィルムを巻き取る工程により行われる。
ドープ中のセルロースアセテートの濃度は、10質量%以上であれば、金属支持体に流延した後の乾燥負荷が低減でき、セルロースアセテートの濃度が35質量%以下であれば、濾過時の負荷が小さく、濾過精度が良くなる。これらを両立する濃度としては、10〜35質量%の範囲内が好ましく、更に好ましくは、15〜25質量%の範囲内である。流延(キャスト)工程における金属支持体は、表面を鏡面仕上げしたものが好ましく、金属支持体としては、ステンレススティールベルト若しくは鋳物で表面をメッキ仕上げしたドラムが好ましく用いられる。
キャストの幅は1〜4mの範囲内とすることができる。流延工程の金属支持体の表面温度は−50℃〜溶剤が沸騰して発泡しない温度の範囲内に設定されることが好ましい。温度が高い方がウェブの乾燥速度が速くできるので好ましいが、余り高すぎるとウェブが発泡したり、平面性が劣化する場合がある。
好ましい支持体温度としては0〜100℃の範囲内で適宜決定され、5〜30℃の範囲内が更に好ましい。又は、冷却することによってウェブをゲル化させて残留溶媒を多く含んだ状態でドラムから剥離することも好ましい方法である。金属支持体の温度を制御する方法は特に制限されないが、温風又は冷風を吹きかける方法や、温水を金属支持体の裏側に接触させる方法がある。温水を用いる方が熱の伝達が効率的に行われるため、金属支持体の温度が一定になるまでの時間が短く好ましい。
温風を用いる場合は溶媒の蒸発潜熱によるウェブの温度低下を考慮して、溶媒の沸点以上の温風を使用しつつ、発泡も防ぎながら目的の温度よりも高い温度の風を使う場合がある。
特に、流延から剥離するまでの間で支持体の温度及び乾燥風の温度を変更し、効率的に乾燥を行うことが好ましい。
λ/4位相差フィルムが良好な平面性を示すためには、金属支持体からウェブを剥離する際の残留溶媒量は10〜150質量%の範囲内が好ましく、更に好ましくは20〜40質量%又は60〜130質量%の範囲内であり、特に好ましくは、20〜30質量%又は70〜120質量%の範囲内である。
残留溶媒量は下記式で定義される。
残留溶媒量(質量%)={(M−N)/N}×100
なお、Mはウェブ又はフィルムを製造中又は製造後の任意の時点で採取した試料の質量で、NはMを115℃で1時間の加熱後の質量である。
また、λ/4位相差フィルムの乾燥工程においては、ウェブを金属支持体より剥離し、更に乾燥し、残留溶媒量を1質量%以下にすることが好ましく、更に好ましくは0.1質量%以下であり、特に好ましくは0〜0.01質量%の範囲内である。
フィルム乾燥工程では一般にロール乾燥方式(上下に配置した多数のロールにウェブを交互に通し乾燥させる方式)やテンター方式でウェブを搬送させながら乾燥する方式が採られる。
(延伸工程)
本発明に係るλ/4位相差フィルムは、波長550nmで測定した面内方向のリターデーションRo(550)が100〜180nmの範囲であるが、該リターデーションはフィルム延伸によって付与することが好ましい。
延伸する方法には特に限定はない。例えば、複数のロールに周速差をつけ、その間でロール周速差を利用して縦方向に延伸する方法、ウェブの両端をクリップやピンで固定し、クリップやピンの間隔を進行方向に広げて縦方向に延伸する方法、同様に横方向に広げて横方向に延伸する方法、あるいは縦横同時に広げて縦横両方向に延伸する方法などが挙げられる。もちろんこれ等の方法は、組み合わせて用いてもよい。すなわち、製膜方向に対して横方向に延伸しても、縦方向に延伸しても、両方向に延伸してもよく、さらに両方向に延伸する場合は同時延伸であっても、逐次延伸であってもよい。なお、いわゆるテンター法の場合、リニアドライブ方式でクリップ部分を駆動すると滑らかな延伸が行うことができ、破断等の危険性が減少できるので好ましい。
本発明においては特に、延伸はフィルム搬送ロールの周速差を利用して搬送方向に行うか、若しくは搬送方向と直交方向(幅手方向又はTD方向ともいう)にウェブの両端をクリップ等で把持するテンター方式で行うことが好ましく、更に左右把持手段によってウェブの把持長(把持開始から把持終了までの距離)を左右で独立に制御できるテンターを用いることも好ましく、それにより斜め方向に延伸することが特に好ましい。
また、本発明に係るλ/4位相差フィルムを、延伸工程でフィルム搬送方向に対して45°方向に延伸することが長尺状のλ/4位相差フィルム長手方向に対する配向角θを35〜55°の範囲内にする上で好ましい。
前記のように遅相軸が長手方向と平行な方向で、透過軸が長手方向と垂直な方向である長尺状の偏光フィルム(偏光子)と、配向角が実質的に45°である長尺状のλ/4位相差フィルムとを長手方向を合わせてロールtoロールで貼合すると、ロール状長尺状の円偏光板を容易に製造できるので、フィルムのカットロスが少なく生産上有利である。
以下、45°の方向に延伸する方法を説明する。
長尺状のλ/4位相差フィルムを長手方向に対して実質的に45°の方向に斜め延伸するためには、図2で示されるテンターを用いることが好ましい。図2は、テンターによる斜め延伸を示す模式図である。
延伸フィルムの製造は、テンターを用いて行う。このテンターは、フィルムロール(繰出しロール)から繰り出されるフィルムを、オーブンによる加熱環境下で、その進行方向(フィルム幅方向の中点の移動方向)に対して斜め方向に拡幅する装置である。このテンターは、オーブンと、フィルムを搬送するための把持具が走行する左右で一対のレールと、該レール上を走行する多数の把持具とを備えている。フィルムロールから繰り出され、テンターの入口部に順次供給されるフィルムの両端を、把持具CL及びCRで把持し、オーブン内にフィルムを導き、テンターの出口部で把持具からフィルムを開放する。把持具から開放されたフィルムは巻芯に巻き取られる。一対のレールは、それぞれ無端状の連続軌道を有し、テンターの出口部でフィルムの把持を開放した把持具は、外側を走行して順次入口部に戻されるようになっている。
なお、テンターのレール形状は、製造すべき延伸フィルムに与える配向角、延伸倍率等に応じて、左右で非対称な形状となっており、手動で又は自動で微調整できるようになっている。本発明においては、長尺の熱可塑性樹脂フィルムを延伸し、配向角θが延伸後の巻取り方向に対して、10〜80°の範囲内で、任意の角度に設定できるようになっている。本発明において、テンターの把持具は、前後の把持具と一定間隔を保って、一定速度で走行するようになっている。
図2は、斜め延伸するために用いるテンターのレールの軌道(レールパターン)を示している。λ/4位相差フィルムの繰出し方向DR1は、延伸後のフィルムの巻取り方向(MD方向)DR2と異なっており、これにより、比較的大きな配向角をもつ延伸フィルムにおいても広幅で均一な光学特性を得ることが可能となっている。繰出し角度θiは、延伸前のフィルムの繰出し方向DR1と延伸後のフィルムの巻取り方向DR2とのなす角度である。本発明においては、例えば40〜80°の範囲内の配向角を持つフィルムを製造するため、繰出し角度θiは、10°<θi<60°、好ましくは15°<θi<50°で設定される。繰出し角度θiを前記範囲とすることにより、得られるフィルムの幅方向の光学特性のバラツキが良好となる(小さくなる。)。
フィルムロール(繰出しロール)から繰出されたλ/4位相差フィルムは、テンター入口(符号aの位置)において、その両端(両側)を左右の把持具によって順次把持されて、把持具の走行に伴い走行される。テンター入口(符号aの位置)で、フィルム進行方向(繰り出し方向DR1)に対して略垂直な方向に相対している左右の把持具CL,CRは、左右非対称なレール上を走行し、予熱ゾーン、延伸ゾーン、熱固定ゾーンを有するオーブンを通過する。ここで、略垂直とは、前述の向かい合う把持具CL,CR同士を結んだ直線とフィルム繰出し方向DR1とがなす角度が、90±1°以内にあることを示す。
予熱ゾーンとは、オーブン入口部において、両端を把持した把持具の間隔が一定の間隔を保ったまま走行する区間をさす。延伸ゾーンとは、両端を把持した把持具の間隔が開きだし、再び一定となるまでの区間をさす。また、冷却ゾーンとは、延伸ゾーンより後の把持具の間隔が再び一定となる区間において、ゾーン内の温度がフィルムを構成する熱可塑性樹脂のガラス転移温度Tg℃以下に設定される区間をさす。
各ゾーンの温度は、熱可塑性樹脂のガラス転移温度Tgに対し、予熱ゾーンの温度はTg+5〜Tg+20℃の範囲内、延伸ゾーンの温度はTg〜Tg+20℃の範囲内、冷却ゾーンの温度はTg−30〜Tg℃の範囲内に設定することが好ましい。
延伸工程における延伸倍率R(W/Wo)は、好ましくは1.3〜3.0倍の範囲内、より好ましくは1.5〜2.8倍の範囲内である。延伸倍率がこの範囲にあると幅方向厚さムラが小さくなるので好ましい。テンター延伸機の延伸ゾーンにおいて、幅方向で延伸温度に差を付けると幅方向厚さムラをさらに良好なレベルにすることが可能になる。なお、Woは延伸前のフィルムの幅、Wは延伸後のフィルムの幅を表す。
上記斜め方向に延伸する工程は、製膜工程内(オンライン)で行ってもよく、また一度フィルムを巻き取った後に繰り出して上記テンターにて延伸を行ってもよい(オフライン)。
λ/4位相差フィルムを乾燥させる手段は特に制限なく、一般的に熱風、赤外線、加熱ロール、マイクロ波等で行うことができるが、簡便さの点で、熱風で行うことが好ましい。
λ/4位相差フィルムの乾燥工程における乾燥温度は好ましくはフィルムのガラス転移点−5℃以下、100℃以上で10分以上60分以下の熱処理を行うことが効果的である。乾燥温度は100〜200℃の範囲内が好ましく、更に好ましくは110〜160℃の範囲内で乾燥が行われる。
所定の熱処理の後、巻き取り前にスリッターを設けて端部を切り落とすことが良好な巻姿を得るため好ましい。更に、幅手両端部にはナーリング加工をすることが好ましい。
ナーリング加工は、加熱されたエンボスロールを押し当てることにより形成することができる。エンボスロールには細かな凹凸が形成されており、これを押し当てることでフィルムに凹凸を形成し、端部を嵩高くすることができる。
λ/4位相差フィルムの幅手両端部のナーリングの高さは4〜20μmの範囲内、幅5〜20mmの範囲内が好ましい。
また、本発明においては、上記のナーリング加工は、フィルムの製膜工程において乾燥終了後、巻き取りの前に設けることが好ましい。
(溶融製膜法)
本発明に係るλ/4位相差フィルムは、溶融製膜法によって製膜しても良い。溶融製膜法は、樹脂及び可塑剤などの添加剤を含む組成物を、流動性を示す温度まで加熱溶融し、その後、流動性のセルロースアセテートを含む溶融物を流延することをいう。
加熱溶融する成形法は、更に詳細には、溶融押出成形法、プレス成形法、インフレーション法、射出成形法、ブロー成形法、延伸成形法などに分類できる。これらの成形法の中では、機械的強度及び表面精度などの点から、溶融押出し法が好ましい。溶融押出しに用いる複数の原材料は、通常あらかじめ混錬してペレット化しておくことが好ましい。
ペレット化は、公知の方法でよく、例えば、乾燥セルロースアセテートや可塑剤、その他添加剤をフィーダーで押出し機に供給し1軸や2軸の押出し機を用いて混錬し、ダイからストランド状に押出し、水冷又は空冷し、カッティングすることでできる。
添加剤は、押出し機に供給する前に混合しておいてもよいし、それぞれ個別のフィーダーで供給してもよい。
粒子や酸化防止剤等少量の添加剤は、均一に混合するため、事前に混合しておくことが好ましい。
押出し機は、剪断力を抑え、樹脂が劣化(分子量低下、着色、ゲル生成等)しないようにペレット化可能でなるべく低温で加工することが好ましい。例えば、2軸押出し機の場合、深溝タイプのスクリューを用いて、同方向に回転させることが好ましい。混錬の均一性から、噛み合いタイプが好ましい。
以上のようにして得られたペレットを用いてフィルム製膜を行う。もちろんペレット化せず、原材料の粉末をそのままフィーダーで押出し機に供給し、そのままフィルム製膜することも可能である。
上記ペレットを1軸や2軸タイプの押出し機を用いて、押出す際の溶融温度を200〜300℃の範囲内程度とし、リーフディスクタイプのフィルターなどで濾過し異物を除去した後、Tダイからフィルム状に流延し、冷却ロールと弾性タッチロールでフィルムをニップされ、冷却ロール上で固化させる。
供給ホッパーから押出し機へ導入する際は真空下又は減圧下や不活性ガス雰囲気下にして酸化分解等を防止することが好ましい。
押出し流量は、ギヤポンプを導入するなどして安定に行うことが好ましい。また、異物の除去に用いるフィルターは、ステンレス繊維焼結フィルターが好ましく用いられる。ステンレス繊維焼結フィルターは、ステンレス繊維体を複雑に絡み合った状態を作り出した上で圧縮し接触箇所を焼結し一体化したもので、その繊維の太さと圧縮量により密度を変え、濾過精度を調整できる。
可塑剤や粒子などの添加剤は、あらかじめ樹脂と混合しておいてもよいし、押出し機の途中で練り込んでもよい。均一に添加するために、スタチックミキサーなどの混合装置を用いることが好ましい。
冷却ロールと弾性タッチロールでフィルムをニップする際のタッチロール側のフィルム温度はフィルムのTg以上Tg+110℃以下にすることが好ましい。このような目的で使用する弾性体表面を有するロールは、公知のロールが使用できる。
弾性タッチロールは挟圧回転体ともいう。弾性タッチロールとしては、市販されているものを用いることもできる。
冷却ロールからフィルムを剥離する際は、張力を制御してフィルムの変形を防止することが好ましい。
また、上記のようにして得られたフィルムは、冷却ロールに接する工程を通過後、前記延伸操作により延伸することが好ましい。
延伸する方法は、公知のロール延伸機やテンターなどを用いることができるが、前記溶液流延法で説明した斜め延伸が好ましい。延伸温度は、通常フィルムを構成する樹脂のTg〜Tg+60℃の温度範囲で行われることが好ましい。
巻き取る前に、製品となる幅に端部をスリットして裁ち落とし、巻き中の貼り付きやすり傷防止のために、ナール加工(エンボッシング加工)を両端に施してもよい。ナール加工の方法は凸凹のパターンを側面に有する金属リングを加熱や加圧により加工することができる。なお、フィルム両端部のクリップの把持部分は通常、フィルムが変形しており製品として使用できないので切除されて、再利用される。
<λ/4位相差フィルムの物性>
本発明に係るλ/4位相差フィルムの膜厚は、特に限定はされないが10〜250μmの範囲内が好ましく用いられる。特に膜厚は10〜100μmの範囲内であることが特に好ましい。更に好ましくは30〜60μmの範囲内である。
本発明に係るλ/4位相差フィルムは、幅1〜4mの範囲内のものが用いられる。特に幅1.4〜4mの範囲内のものが好ましく用いられ、特に好ましくは1.6〜3mの範囲内である。4mを超えると搬送が困難となる。
また、本発明に係るλ/4位相差フィルム表面の算術平均粗さRaは、好ましくは2.0nm〜4.0nmの範囲内、より好ましくは2.5nm〜3.5nmの範囲内である。
(面内リターデーション値Roの測定)
式 Ro=(nx−ny)×d
式中、nx、nyは、23℃・55%RH、光波長450nm、550nm又は650nmにおける屈折率nx(フィルムの面内の最大の屈折率、遅相軸方向の屈折率ともいう。)、ny(フィルム面内で遅相軸に直交する方向の屈折率)であり、dはフィルムの厚さ(nm)である。
また、Ro(450)/Ro(550)、及びRo(550)/Ro(650)により波長分散を求め、それぞれ、DSP(450/550)、DSP(550/650)で表した。
前記Roは自動複屈折計を用いて測定することができる。自動複屈折計Axometric社製のAxoScanを用いて、23℃、55%RHの環境下で、各波長で測定し、Roを算出する。
また、フィルム幅手方向に対する遅相軸の方向も同時に測定する。波長λの面内のリターデーション値をRo(λ)とする。
(光弾性係数比の値)
光弾性係数はフィルムに張力を掛けたときのフィルムの面内リターデーション値を測定し、更に、張力を変化させて測定しプロットしたときの、フィルムの幅当たりの張力に対する面内リターデーションのプロットの傾きを光弾性係数という。
本発明に係る光弾性係数は、以下の方法で測定される。
KOBRA−31PRW(王子計測機器社製)を用いて、15mm×60mmの試験片について、1N〜15Nの範囲で張力を10点変化させて、引っ張り試験を行い、各張力を掛けたときに発現する面内リターデーション値を測定し、各点での張力と面内リターデーション値とをプロットして、その傾きと試料の幅から光弾性係数を算出する。測定は、23℃55%RHに調整した環境下で行う。
面内リターデーションの測定光波長は、450nm、550nm及び650nmとし、各波長について、光弾性係数を求める。光波長650nmで測定した光弾性係数に対する、光波長450nmで測定した光弾性係数の比の値を、光弾性係数比(450/650)の値とした。
光弾性係数比の値は、λ/4位相差フィルムに用いられる樹脂により変化するので、樹脂を選択することにより調整することができる。例えば、セルロースエステル樹脂の場合、アシル基の総置換度により変化する傾向がある。また、光弾性係数比の値は添加剤によっても変化する。
本発明に係るλ/4位相差フィルムの光弾性係数比(450/650)の値は、0.90〜1.20の範囲内である。光弾性係数比(450/650)の値は0.93〜1.15の範囲内は色相変動が小さいことから好ましく、0.95〜1.10の範囲内であることが更に好ましく、1.00〜1.05の範囲内であることが最も好ましい。
(一般式(A)で表される化合物)
以下、一般式(A)について詳細に説明する。
Figure 2013069658
一般式(A)において、L及びLは各々独立に単結合又は2価の連結基を表す。
及びLとしては、例えば、下記構造が挙げられる。(下記Rは水素原子又は置換基を表す。)
Figure 2013069658
及びLとして、好ましくはO、−COO−又は−OCO−である。
、R及びRは各々独立に置換基を表す。R、R及びRで表される置換基の具体例としては、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等)、アルキル基(メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、tert−ブチル基、n−オクチル基、2−エチルヘキシル基等)、シクロアルキル基(シクロヘキシル基、シクロペンチル基、4−n−ドデシルシクロヘキシル基等)、アルケニル基(ビニル基、アリル基等)、シクロアルケニル基(2−シクロペンテン−1−イル、2−シクロヘキセン−1−イル基等)、アルキニル基(エチニル基、プロパルギル基等)、アリール基(フェニル基、p−トリル基、ナフチル基等)、ヘテロ環基(2−フリル基、2−チエニル基、2−ピリミジニル基、2−ベンゾチアゾリル基等)、シアノ基、ヒドロキシ基、ニトロ基、カルボキシ基、アルコキシ基(メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基、tert−ブトキシ基、n−オクチルオキシ基、2−メトキシエトキシ基等)、アリールオキシ基(フェノキシ基、2−メチルフェノキシ基、4−tert−ブチルフェノキシ基、3−ニトロフェノキシ基、2−テトラデカノイルアミノフェノキシ基等)、アシルオキシ基(ホルミルオキシ基、アセチルオキシ基、ピバロイルオキシ基、ステアロイルオキシ基、ベンゾイルオキシ基、p−メトキシフェニルカルボニルオキシ基等)、アミノ基(アミノ基、メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、アニリノ基、N−メチル−アニリノ基、ジフェニルアミノ基等)、アシルアミノ基(ホルミルアミノ基、アセチルアミノ基、ピバロイルアミノ基、ラウロイルアミノ基、ベンゾイルアミノ基等)、アルキル及びアリールスルホニルアミノ基(メチルスルホニルアミノ基、ブチルスルホニルアミノ基、フェニルスルホニルアミノ基、2,3,5−トリクロロフェニルスルホニルアミノ基、p−メチルフェニルスルホニルアミノ基等)、メルカプト基、アルキルチオ基(メチルチオ基、エチルチオ基、n−ヘキサデシルチオ基等)、アリールチオ基(フェニルチオ基、p−クロロフェニルチオ基、m−メトキシフェニルチオ基等)、スルファモイル基(N−エチルスルファモイル基、N−(3−ドデシルオキシプロピル)スルファモイル基、N,N−ジメチルスルファモイル基、N−アセチルスルファモイル基、N−ベンゾイルスルファモイル基、N−(N′−フェニルカルバモイル)スルファモイル基等)、スルホ基、アシル基(アセチル基、ピバロイルベンゾイル基等)、カルバモイル基(カルバモイル基、N−メチルカルバモイル基、N,N−ジメチルカルバモイル基、N,N−ジ−n−オクチルカルバモイル基、N−(メチルスルホニル)カルバモイル基等)等が挙げられる。
及びRとしては、好ましくは、置換若しくは無置換のフェニル基又は置換若しくは無置換のシクロヘキシル基である。より好ましくは置換基を有するフェニル基又は置換基を有するシクロヘキシル基であり、さらに好ましくは4位に置換基を有するフェニル基又は4位に置換基を有するシクロヘキシル基である。
として、好ましくは、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルケニル基、アリール基、ヘテロ環基、ヒドロキシ基、カルボキシ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシルオキシ基、シアノ基又はアミノ基であり、さらに好ましくは、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、シアノ基又はアルコキシ基である。
Wa及びWbは水素原子又は置換基を表すが、
(I)Wa及びWbが互いに結合して環を形成してもよく、
(II)Wa及びWbの少なくとも一つが環構造を有してもよく、又は
(III)Wa及びWbの少なくとも一つがアルケニル基又はアルキニル基であってもよい。
Wa及びWbで表される置換基の具体例としては、水素原子、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等)、アルキル基(メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、tert−ブチル基、n−オクチル基、2−エチルヘキシル基等)、シクロアルキル基(シクロヘキシル基、シクロペンチル基、4−n−ドデシルシクロヘキシル基等)、アルケニル基(ビニル基、アリル基等)、シクロアルケニル基(2−シクロペンテン−1−イル、2−シクロヘキセン−1−イル基等)、アルキニル基(エチニル基、プロパルギル基等)、アリール基(フェニル基、p−トリル基、ナフチル基等)、ヘテロ環基(2−フリル基、2−チエニル基、2−チアゾリル基、2−オキサゾリル基、2−イミダゾリル基、2−ピリジル基、2−ピリミジニル基、2−ベンゾチアゾリル基、2−ベンゾオキサゾリル基、2−ベンゾイミダゾリル基等)、シアノ基、ヒドロキシ基、ニトロ基、カルボキシ基、アルコキシ基(メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基、tert−ブトキシ基、n−オクチルオキシ基、2−メトキシエトキシ基等)、アリールオキシ基(フェノキシ基、2−メチルフェノキシ基、4−tert−ブチルフェノキシ基、3−ニトロフェノキシ基、2−テトラデカノイルアミノフェノキシ基等)、アシルオキシ基(ホルミルオキシ基、アセチルオキシ基、ピバロイルオキシ基、ステアロイルオキシ基、ベンゾイルオキシ基、p−メトキシフェニルカルボニルオキシ基等)、アミノ基(アミノ基、メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、アニリノ基、N−メチル−アニリノ基、ジフェニルアミノ基等)、アシルアミノ基(ホルミルアミノ基、アセチルアミノ基、ピバロイルアミノ基、ラウロイルアミノ基、ベンゾイルアミノ基等)、アルキル及びアリールスルホニルアミノ基(メチルスルホニルアミノ基、ブチルスルホニルアミノ基、フェニルスルホニルアミノ基、2,3,5−トリクロロフェニルスルホニルアミノ基、p−メチルフェニルスルホニルアミノ基等)、メルカプト基、アルキルチオ基(メチルチオ基、エチルチオ基、n−ヘキサデシルチオ基等)、アリールチオ基(フェニルチオ基、p−クロロフェニルチオ基、m−メトキシフェニルチオ基等)、スルファモイル基(N−エチルスルファモイル基、N−(3−ドデシルオキシプロピル)スルファモイル基、N,N−ジメチルスルファモイル基、N−アセチルスルファモイル基、N−ベンゾイルスルファモイル基、N−(N′フェニルカルバモイル)スルファモイル基等)、スルホ基、アシル基(アセチル基、ピバロイルベンゾイル基等)、カルバモイル基(カルバモイル基、N−メチルカルバモイル基、N,N−ジメチルカルバモイル基、N,N−ジ−n−オクチルカルバモイル基、N−(メチルスルホニル)カルバモイル基等)等が挙げられる。
上記の置換基は、更に上記の基で置換されていてもよい。
(1)Wa及びWbが互いに結合して環を形成する場合、一般式(A)で表される化合物としては以下のような構造を有する化合物が挙げられる。
Figure 2013069658
(R、R及びRはそれぞれ水素原子又は置換基を表す)
Wa及びWbが互いに結合して環を形成する場合、好ましくは、含窒素5員環又は含硫黄5員環であり、特に好ましくは、下記一般式(1)又は一般式(2)で表される化合物である。
Figure 2013069658
一般式(1)において、A及びAは各々独立に、O、S、NRx(Rxは水素原子又は置換基を表す)又はCOを表す。Rxで表される置換基の例は、上記Wa及びWbで表される置換基の具体例と同義である。Rxとして、好ましくは水素原子、アルキル基、アリール基又はヘテロ環基である。
一般式(1)において、Xは第14〜16族の非金属原子を表す。
Xとしては、O、S、NRc又はC(Rd)Reが好ましい。ここでRc、Rd及びReは置換基を表し、例としては上記Wa及びWbで表される置換基の具体例と同義である。
、L、R、R、R及びnは、一般式(A)におけるL、L、R、R、R及びnと同義である。
Figure 2013069658
一般式(2)において、QはO、S、NRy(Ryは水素原子又は置換基を表す)、−CRaRb−(Ra及びRbは水素原子又は置換基を表す)又はCOを表す。ここで、Ra及びRbは置換基を表し、Ry、Ra及びRbが表す置換基の例としては上記Wa及びWbで表される置換基の具体例と同義である。
Yは置換基を表す。
Yで表される置換基の例としては、上記Wa及びWbで表される置換基の具体例と同義である。
Yとして、好ましくは、アリール基、ヘテロ環基、アルケニル基又はアルキニル基である。
Yで表されるアリール基としては、フェニル基、ナフチル基、アンスリル基、フェナンスリル基、ビフェニル基等が挙げられ、フェニル基又はナフチル基が好ましく、フェニル基がより好ましい。
Yで表されるヘテロ環基としては、フリル基、ピロリル基、チエニル基、ピリジニル基、チアゾリル基、ベンゾチアゾリル基等の窒素原子、酸素原子、硫黄原子等のヘテロ原子を少なくとも一つ含むヘテロ環基が挙げられ、フリル基、ピロリル基、チエニル基、ピリジニル基、チアゾリル基が好ましい。
これらのアリール基又はヘテロ環基は、少なくとも一つの置換基を有していてもよく、置換基としては、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルキル基、シアノ基、ニトロ基、炭素数1〜6のアルキルスルフィニル基、炭素数1〜6のアルキルスルホニル基、カルボキシ基、炭素数1〜6のフルオロアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数1〜6のアルキルチオ基、炭素数1〜6のN−アルキルアミノ基、炭素数2〜12のN,N−ジアルキルアミノ基、炭素数1〜6のN−アルキルスルファモイル基、炭素数2〜12のN,N−ジアルキルスルファモイル基等が挙げられる。
、L、R、R、R及びnは、一般式(A)におけるL、L、R、R、R及びnと同義である。
(2)一般式(A)において、Wa及びWbの少なくとも一つが環構造を有する場合の具体例としては、以下のような構造が挙げられる。
Figure 2013069658
(R、Rはそれぞれ水素原子又は置換基を表す)
特に好ましくは、下記一般式(3)である。
Figure 2013069658
一般式(3)において、QはN又はCRz(Rzは水素原子又は置換基)を表し、Qは第14〜16族の非金属原子を表す。ZはQ及びQと共に環を形成する非金属原子群を表す。
、Q及びZから形成される環は、更に別の環で縮環していてもよい。
、Q及びZから形成される環として、好ましくは、ベンゼン環で縮環した含窒素5員環又は6員環である。
、L、R、R、R及びnは、一般式(A)におけるL、L、R、R、R及びnと同義である。
(3)Wa及びWbの少なくとも一つがアルケニル基又はアルキニル基である場合には、好ましくは、Wa及びWbの少なくとも一つは置換基を有するビニル基又はエチニル基である。
上記一般式(1)、一般式(2)及び一般式(3)で表される化合物のうち、特に、一般式(3)で表される化合物が好ましい。
一般式(3)で表される化合物は、一般式(1)で表される化合物に比べて耐熱性及び耐光性に優れており、一般式(2)で表される化合物に比べ、有機溶媒に対する溶解性やポリマーとの相溶性が良好である。
本発明に係る一般式(A)で表される化合物は、所望の波長分散性、及び滲み防止性を付与するのに適宜量を調整して含有することができるが、添加量としてはセルロース誘導体に対して、1〜15質量%の範囲内で含むことが好ましく、特には、2〜10質量%の範囲内で含むことが好ましい。この範囲内であれば、本発明のセルロース誘導体に十分な波長分散性、及び滲み防止性を付与することができる。
以下に、本発明に係る一般式(A)の化合物例を示すが、本発明で用いることができる一般式(A)で表される化合物は、以下の化合物例によって何ら限定されることはない。
Figure 2013069658
Figure 2013069658
Figure 2013069658
Figure 2013069658
Figure 2013069658
Figure 2013069658
Figure 2013069658
Figure 2013069658
Figure 2013069658
Figure 2013069658
Figure 2013069658
Figure 2013069658
Figure 2013069658
Figure 2013069658
Figure 2013069658
Figure 2013069658
Figure 2013069658
Figure 2013069658
Figure 2013069658
Figure 2013069658
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Figure 2013069658
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Figure 2013069658
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Figure 2013069658
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Figure 2013069658
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Figure 2013069658
Figure 2013069658
Figure 2013069658
Figure 2013069658
なお、一般式(A)で表される化合物、一般式(1)で表される化合物、一般式(2)で表される化合物及び一般式(3)で表される化合物は、既知の方法を参照して行うことができる。具体的には、Journal of Chemical Crystallography(1997);27(9);512−526)特開2010−31223号公報、特開2008−107767号公報等を参照に合成することができる。
(セルロースエステル)
本発明の一形態に係るセルロースエステルフィルムは、セルロースエステルを主成分として含有する。
本発明のλ/4位相差フィルムは、セルロースエステルを含有することが好ましい。更に好ましくは、フィルムの全質量100質量%に対して、セルロースエステルを60〜100質量%の範囲で含む。また、セルロースエステルの総アシル基置換度は、2.3以上2.7以下の範囲内であることが好ましい。
セルロースエステルとしては、セルロースと、炭素数2〜22程度の脂肪族カルボン酸及び/又は芳香族カルボン酸とのエステルが挙げられ、特に、セルロースと炭素数が6以下の低級脂肪酸とのエステルであることが好ましい。
セルロースの水酸基に結合するアシル基は、直鎖であっても分岐していてもよく、また環を形成してもよい。さらに別の置換基が置換してもよい。同じ置換度である場合、上述した炭素数が多いと複屈折性が低下するため、炭素数としては炭素数2〜6のアシル基の中で選択することが好ましく、プロピオニル基置換度及びブチリル基置換度の総和は0.5以上であることが好ましい。更に、前記セルロースエステルとしての炭素数が2〜4であることが好ましく、炭素数が2〜3であることがより好ましい。
具体的には、セルロースエステルとしては、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレート、セルロースアセテートプロピオネートブチレート又はセルロースアセテートフタレートのようなアセチル基の他にプロピオネート基、ブチレート基又はフタリル基が結合したセルロースの混合脂肪酸エステルを用いることができる。なお、ブチレートを形成するブチリル基は、直鎖であっても分岐していてもよい。
本発明においては、セルロースエステルとして、セルロースアセテート、セルロースアセテートブチレート、又はセルロースアセテートプロピオネートが特に好ましく用いられる。
また、本発明に係るセルロースエステルは、下記の式(1)及び式(2)を同時に満足するものが好ましい。
式(i) 2.3≦A+B≦2.7
式(ii) 0≦B≦2.0
〔式(i)及び(ii)において、Aは前記セルロースエステルのアセチル基置換度であり、Bはアセチル基以外のアシル基の置換度である。〕
また、目的に叶う光学特性を得るために、置換度の異なる樹脂を混合して用いてもよい。その際の混合比としては、1:99〜99:1(質量比)の範囲内が好ましい。
上述した中でも、特にセルロースアセテートプロピオネートが、セルロースエステルとして好ましく用いられる。セルロースアセテートプロピオネートでは、0≦B≦2.0の範囲内であることが好ましく、かつ、0.5≦A≦2.7の範囲内であることが好ましい。なお、アシル基の置換度は、ASTM−D817−96に準じて測定されうる。
セルロースエステルの数平均分子量は、60000〜300000の範囲であると、得られるフィルムの機械的強度が強くなるため、好ましい。より好ましくは、数平均分子量が70000〜200000の範囲内のセルロースエステルが用いられる。
セルロースエステルの重量平均分子量(Mw)及び数平均分子量(Mn)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用いて測定される。測定条件は以下のとおりである。なお、本測定方法は、本発明における他の重合体の測定方法としても使用することができる。
溶媒:メチレンクロライド;
カラム:Shodex K806、K805、K803G(昭和電工株式会社製)を3本接続して使用する;
カラム温度:25℃;
試料濃度:0.1質量%;
検出器:RI Model 504(GLサイエンス社製);
ポンプ:L6000(日立製作所株式会社製);
流量:1.0ml/min
校正曲線:標準ポリスチレンSTK standard ポリスチレン(東ソー株式会社製)Mw=1000000〜500の13サンプルによる校正曲線を使用する。13サンプルは、ほぼ等間隔に用いる。
セルロースエステル中の残留硫酸含有量は、硫黄元素換算で0.1〜45質量ppmの範囲であることが好ましい。これらは塩の形で含有していると考えられる。残留硫酸含有量が45質量ppmを以下であれば、熱延伸時や熱延伸後でのスリッティングの際に破断しにくい。なお、残留硫酸含有量は、1〜30質量ppmの範囲がより好ましい。残留硫酸含有量は、ASTM D817−96に規定の方法により測定することができる。
また、セルロースエステル中の遊離酸含有量は、1〜500質量ppmの範囲内であることが好ましい。上記の範囲であると、上記と同様に破断しにくいため、好ましい。なお、遊離酸含有量は、1〜100質量ppmの範囲であることが好ましく、さらに破断しにくくなる。特に1〜70質量ppmの範囲が好ましい。遊離酸含有量はASTM D817−96に規定の方法により測定することができる。
合成したセルロースエステルの洗浄を、溶液流延法に用いられる場合に比べて、さらに十分に行うことによって、残留アルカリ土類金属含有量、残留硫酸含有量、及び残留酸含有量を上記の範囲とすることができ好ましい。
また、セルロースエステルは、フィルムにしたときの輝点異物が少ないものであることが好ましい。輝点異物とは、2枚の偏光板をクロスニコル状態にして配置し、その間に光学フィルム等を置き、一方の偏光板の側から光を当てて、他方の偏光板の側から観察した時に反対側からの光が漏れて見える点(異物)を意味する。輝点異物は、直径0.01mm以上の輝点の個数が200個/cm以下であることが好ましく、100個/cm以下であることがより好ましく、50個/cm以下であることがさらに好ましく、30個/cm以下であることが一層好ましく、10個/cm以下であることが特に好ましく、皆無であることが最も好ましい。
また、直径0.005〜0.01mmの範囲内の輝点についても、200個/cm以下であることが好ましく、100個/cm以下であることがより好ましく、50個/cm以下であることがさらに好ましく、30個/cm以下であることが一層好ましく、10個/cm以下であることが特に好ましく、皆無であることが最も好ましい。
セルロースエステルの原料のセルロースとしては、特に限定はないが、綿花リンター、木材パルプ、ケナフなどが挙げられる。また、それらから得られたセルロースエステルは、それぞれ任意の割合で混合使用されうる。
セルロースエステルは、公知の方法により製造することができる。具体的には、例えば、特開平10−45804号に記載の方法を参考にして合成することができる。
また、セルロースエステルは、セルロースエステル中の微量金属成分によっても影響を受ける。これらの微量金属成分は、製造工程で使われる水に関係していると考えられるが、不溶性の核となりうるような成分は少ない方が好ましく、特に、鉄、カルシウム、マグネシウム等の金属イオンは、有機の酸性基を含んでいる可能性のあるポリマー分解物等と塩形成することにより不溶物を形成する場合があり、少ないことが好ましい。また、カルシウム(Ca)成分は、カルボン酸やスルホン酸等の酸性成分と、また多くの配位子と配位化合物(すなわち、錯体)を形成しやすく、多くの不溶なカルシウムに由来するスカム(不溶性の澱、濁り)を形成するおそれがあるため、少ないことが好ましい。
具体的には、鉄(Fe)成分については、セルロースエステル中の含有量が1質量ppm以下であることが好ましい。また、カルシウム(Ca)成分については、セルロースエステル中の含有量が好ましくは60質量ppm以下であり、より好ましくは0〜30質量ppmの範囲内である。さらに、マグネシウム(Mg)成分については、やはり多過ぎると不溶分を生ずるため、セルロースエステル中の含有量が0〜70質量ppmの範囲内であることが好ましく、特に0〜20質量ppmの範囲内であることが好ましい。
なお、鉄(Fe)成分の含有量、カルシウム(Ca)成分の含有量、マグネシウム(Mg)成分の含有量などの金属成分の含有量は、絶乾したセルロースエステルをマイクロダイジェスト湿式分解装置(硫硝酸分解)、アルカリ溶融で前処理を行った後、ICP−AES(誘導結合プラズマ発光分光分析装置)を用いて分析することができる。
(有機EL表示装置の評価)
本発明の有機EL表示装置は外光反射が防止され、色相変動が低減されている。その性能評価は下記により行うことができる。
(外光反射)
外光反射は以下の方法によって評価することができる。
有機EL表示装置を23℃・55%RHの部屋に48時間保存後、電圧を印加せず、発光していない状態にして、照度約100lxの環境下に置き、正面から反射色の赤味レベルを視感評価し、その差を比較する。
(色相変動)
有機EL表示装置を、非発光状態で、温度5℃相対湿度55%RH環境下に48時間置いた後、23℃・55%RH環境下で、有機EL表示装置の最表面から5cm高い位置での照度が1000Lxとなるように有機EL表示装置の画面の垂直方向から照明し、有機EL表示装置の画面の法線に対し40°の角度から、目視により観察したときの画面の色相と、40℃相対湿度55%RH環境下に48時間置いた後、23℃・55%RH環境下で、上記と同様に画面を観察したときの色相との変動を評価する。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例において「部」あるいは「%」の表示を用いるが、特に断りがない限り「質量部」あるいは「質量%」を表す。
〔合成例1〕
《例示化合物(16)の合成》
Figure 2013069658
化合物1−Aから化合物1−Cまでの合成は、Journal of Chemical Crystallography(1977) 27(9) 515〜526に記載のとおりに行った。
化合物(1−C)31gのN−メチルピロリドン250ml溶液に、シアノ酢酸イソプロピルエステル15mlを加え、120℃で5時間撹拌した。放冷後、酢酸エチルで抽出し、有機層を水洗した。溶媒を減圧留去後、得られた固形物をメチルエチルケトンとヘキサンで再結晶を行い、中間体(16−D)を得た(収率90%)。
(16−E)5.2gをテトラヒドロフラン50mlに溶解し、氷水冷下でメタンスルホニルクロリド(MsCl)1.7mlを加え、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(iPrNEt)4mlを滴下した。1時間後に、溶液を氷水浴で冷却し、中間体(16−D)のテトラヒドロフラン(THF)溶液とジメチルアミノピリジン(DMAP)のテトラヒドロフラン(THF)溶液をゆっくりと滴下した。滴下後に室温に昇温して3時間撹拌した。酢酸エチルで抽出を行い、有機層を塩酸水及び水で洗浄した。有機層の溶媒を減圧留去し、得られた粗結晶をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘプタン)により精製し、目的の例示化合物(16)が2g得られた。収率は33%であった。
〔合成例2〕
《化合物(181)の合成》
Figure 2013069658
(中間体(g)の合成例)
トランス−4−ヒドロキシシクロヘキサンカルボン酸62g、炭酸カリウム72g、ベンジルブロミド(PhCHBr)70g、ジメチルアセトアミド(DMAc)を混合した。混合液を窒素置換した後に、80℃まで昇温して攪拌し、放冷後に水とメチルエチルケトン/ヘプタンの混合溶液に注入した。得られた溶液を攪拌後、水層を除去し、さらに有機層を水で洗浄した。有機層を乾燥、濾過後、残渣にヘプタンを加えて得られた個体を濾過、真空乾燥して、ベンジルエステル体(化合物(g))を72g得た。収率は73%であった。
(化合物(h)の合成例)
化合物(g)15g、トランス−4−ブチルシクロヘキサンカルボン酸17g、N,N′−ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)15g、N,N−ジメチルアミノピリジン(DMAP)3.1g、脱水クロロホルム30mlを混合した。得られた混合液を窒素雰囲気、40℃下で攪拌し、1時間後に放冷後、室温で3時間攪拌した。得られた反応溶液にヘプタンを加え、析出した沈殿をろ過し、ろ液を回収した。ろ液を希塩酸で洗浄した。得られた有機層を乾燥、ろ過後、残渣に、メタノールを加えて加熱して溶解した後、溶液を放冷し、再結晶させて、化合物(h)を16g得た。収率は化合物(g)基準で30%であった。
(化合物(j)の合成例)
化合物(h)を16g及び2−プロパノール75mlを混合した。得られた溶液に酢酸(触媒量、0.3g)及びパラジウム−炭素(Pd/C)3.2gを加えて、窒素雰囲気下で攪拌した。反応溶液を減圧してから、水素雰囲気下で攪拌し、窒素置換した後、溶液をセライトろ過し、残渣を水で洗浄後、真空乾燥して、化合物(j)を12g得た。収率は48%。
(例示化合物(181)の合成例)
化合物(ii−a)1.0g、化合物(j)1.0g、4−ジメチルアミノピリジン(DMAP)0.1g、及びクロロホルム90gを混合し、続いてN,N′−ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)2.1gをクロロホルム25gに溶解させた溶液を滴下し、攪拌した。析出した固体をろ別した後に、希塩酸で洗浄した。回収した有機層に減圧下でメタノールを添加し、固形物を取得した。取得した固形物は、メタノールで洗浄し、化合物(181)を2.8g得た。収率は80%であった。
〔合成例3〕
《化合物(212)の合成例》
Figure 2013069658
2,5−ジヒドロキシ安息香酸3gをトルエン30mlに溶解し、塩化スルホニル(SOCl)4.2mlを滴下して、2時間撹拌した。トルエン及び塩化スルホニルを減圧下で留去後、トルエン20mlを添加し、サリチルアミド2.6gのトルエン(5ml)溶液を滴下した。60℃で1時間撹拌し、水及び酢酸エチルを添加して抽出を行った。得られた有機層から溶媒を減圧留去し、中間体(iii−a)4.0を得た。収率は80%であった。
化合物(m)9.0gのトルエン(45ml)溶液に塩化スルホニル6.7mlを添加し60℃で2時間撹拌後、溶媒と塩化スルホニルを減圧留去した。テトラヒドロフラン45mlを加え、氷水冷浴で冷却後、中間体(iii−a)4.0gのテトラヒドロフラン(5ml)溶液とジメチルアミノピリジン(DMAP)2mgのテトラヒドロフラン(1ml)溶液を順次滴下した。室温で3時間撹拌した後に、水及び酢酸エチルを加え、抽出した。有機層から溶媒を減圧留去し、得られた粗結晶をシリカゲルクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘプタン)により精製した。収量は9.1gであり、収率は75%であった。
《ポリエステル1の合成》
1,2−プロピレングリコール251g、無水フタル酸278g、アジピン酸91g、安息香酸610g、エステル化触媒としてテトライソプロピルチタネート0.191gを、温度計、撹拌器、緩急冷却管を備えた2Lの四つ口フラスコに仕込み、窒素気流中230℃になるまで、撹拌しながら徐々に昇温する。15時間脱水縮合反応させ、反応終了後200℃で未反応の1,2−プロピレングリコールを減圧留去することにより、ポリエステル1を得た。ポリエステル1は、1,2−プロピレングリコール、無水フタル酸及びアジピン酸が縮合して形成されたポリエステル鎖の末端に安息香酸のエステルを有する。ポリエステル1の酸価0.10、数平均分子量450であった。
(λ/4位相差フィルム101の作製)
〈微粒子分散液1〉
微粒子(アエロジル R972V 日本アエロジル(株)製)11質量部
エタノール 89質量部
以上をディゾルバーで50分間攪拌混合した後、マントンゴーリンで分散を行った。
〈微粒子添加液1〉
メチレンクロライドを入れた溶解タンクに十分攪拌しながら、微粒子分散液1をゆっくりと添加した。更に、二次粒子の粒径が所定の大きさとなるようにアトライターにて分散を行った。これを日本精線(株)製のファインメットNFで濾過し、微粒子添加液1を調製した。
メチレンクロライド 99質量部
微粒子分散液1 5質量部。
(主ドープ液)
下記組成の主ドープ液を調製した。まず加圧溶解タンクにメチレンクロライドとエタノールを添加した。溶剤の入った加圧溶解タンクにセルロースエステルを攪拌しながら投入した。これを加熱し、攪拌しながら、完全に溶解し、一般式(A)の化合物170、チヌビン928及び微粒子添加液を順に添加し、攪拌した。これを安積濾紙(株)製の安積濾紙No.244を使用して濾過し、主ドープ液を調製した。
〈主ドープ液の組成〉
メチレンクロライド 340質量部
エタノール 64質量部
セルロースエステル(Mw=210000、アセチル基置換度2.30、総置換度2.30) 100質量部
一般式(A)の化合物(化31の170) 2.5質量部
チヌビン928(紫外線吸収剤;BASFジャパン製) 2.0質量部
微粒子添加液1 1.0質量部。
上記組成物を密閉容器に投入し、攪拌しながら溶解してドープ液を調製した。次いで、無端ベルト流延装置を用い、ステンレスベルト支持体上に均一に流延した。
ステンレスベルト支持体上で、流延(キャスト)したフィルム中の残留溶媒量が75%になるまで溶媒を蒸発させ、ステンレスベルト支持体上から剥離した。剥離したセルロースエステルフィルムを、熱をかけながらテンターを用いて幅方向に延伸した。次いで、乾燥ゾーンを多数のロールで搬送させながら乾燥を終了させ、テンタークリップで挟んだ端部をレーザーカッターでスリットし、その後巻き取った。
得られたフィルムを168℃の条件で2.0倍の延伸倍率まで、遅相軸と長手方向が45°となるように斜め延伸し、膜厚50μmのλ/4位相差フィルム101(長尺状)を得た。
(λ/4位相差フィルム102〜104、107〜115の作製)
位相差フィルム101の作製において、樹脂、添加剤(一般式(A)の化合物)、延伸方向及び膜厚を表1のように変化させた以外は同様にして、λ/4位相差フィルム102〜104、107〜115を作製した。
なお、表1において、CEはセルロースエステルを表し、各セルロースエステルの重量平均分子量は210000であり、アセチル基置換度、プロピオニル基置換度及び総置換度は表1に記載のとおり変化させた。
λ/4位相差フィルム102の延伸は、斜め方向ではなく搬送方向に延伸倍率2.0倍で行い、λ/4位相差フィルム103、104、107〜115はλ/4位相差フィルム101と同様に行った。
(ポリエステル1の合成)
1,2−プロピレングリコール251g、無水フタル酸278g、アジピン酸91g、安息香酸610g、エステル化触媒としてテトライソプロピルチタネート0.191gを、温度計、撹拌器、緩急冷却管を備えた2Lの四つ口フラスコに仕込み、窒素気流中230℃になるまで、撹拌しながら徐々に昇温する。15時間脱水縮合反応させ、反応終了後200℃で未反応の1,2−プロピレングリコールを減圧留去することにより、ポリエステル1を得た。ポリエステル1は、1,2−プロピレングリコール、無水フタル酸及びアジピン酸が縮合して形成されたポリエステル鎖の末端に安息香酸のエステルを有する。ポリエステル1の酸価0.10、数平均分子量450であった。
(λ/4位相差フィルム105の作製)
(第1配向膜の形成)
厚さ100μm、幅650mm、長さ500mmの光学的等方性ロール状トリアセチルセルロースフィルムを透明支持体として用いた。下記のコポリマー(1)の希釈液を透明支持体の片面に連続塗布して、厚さ0.5μmの第1(直交型)配向膜を形成した。次いで、透明支持体の長手方向に対し右手16°の方向に連続的にラビング処理を実施した。
Figure 2013069658
(第1光学異方性層の形成)
第1配向膜の上に、下記の組成の塗布液をバーコーターを用いて連続的に塗布し、乾燥及び加熱(配向熟成)し、さらに紫外線照射して厚さ1.6μmの第1光学的異方性層を形成した。第1光学的異方性層は、透明支持体の長手方向に対して74°の方向に遅相軸を有していた。
(第1光学異方性層塗布液組成)
下記の棒状液晶性化合物(1) 14.5質量%
下記の増感剤 1.0質量%
下記の光重合開始剤 3.0質量%
下記の水平配向促進剤 1.0質量%
メチルエチルケトン 80.5質量%。
Figure 2013069658
Figure 2013069658
Figure 2013069658
(第2配向膜の形成)
第1光学異方性層の上に、下記のコポリマー(2)の希釈液を連続塗布して、厚さ0.5μmの第2(平行型)配向膜を形成した。次いで、透明支持体の長手方向に対し左手16°の方向(第1光学異方性層の遅相軸に対して右手58°の方向)に連続的にラビング処理を実施した。
Figure 2013069658
(第2光学異方性層の形成)
第2配向膜の上に、下記の組成の塗布液をバーコーターを用いて連続的に塗布、乾燥、及び加熱(配向熟成)し、さらに紫外線照射して厚さ0.8μmの第2光学的異方性層を形成しλ/4位相差フィルム105を作製した。第2光学的異方性層は、透明支持体の長手方向に対して左手16°の方向に遅相軸を有していた。
(第2光学異方性層塗布液組成)
第1光学異方性層で用いた棒状液晶性化合物(1) 13.0質量%
第1光学異方性層で用いた増感剤 1.0質量%
第1光学異方性層で用いた光重合開始剤 3.0質量%
第1光学異方性層で用いた水平配向促進剤 1.0質量%
メチルエチルケトン 82.0質量%。
(λ/4位相差フィルム106の作製)
位相差フィルム101の作製において、一般式(A)の化合物170を2.5質量部添加する代わりに、上記により合成したポリエステル1を3.0質量%及び下記トリアジン1を5.0質量%添加した他は同様にして、λ/4位相差フィルム106を作製した。
トリアジン1
Figure 2013069658
(λ/4位相差フィルム116の作製)
溶融流延製膜装置により目標ドライ膜厚87μmのノルボルネン樹脂フィルムを製造した。
ノルボルネン樹脂(ゼオノア1420、日本ゼオン社製)を2軸式押し出し機を用いて250℃で溶融し、日本精線社製ファインメットNF(公称濾過精度は15μm)で濾過した後、ペレット化した。このペレットを用いて日本精線社製ファインメットNF(公称濾過精度は20μm)で2回目の濾過した後、Tダイから、シート状に30℃の冷却ドラム上に溶融温度250℃で溶融押し出しし、冷却固化させてノルボルネン樹脂シートを得た。
得られた樹脂シートを、図2に示した斜め延伸装置を用い、温度170℃、倍率1.5倍で遅相軸がフィルム長手方向と45°をなす様に斜め方向に延伸を行い、脂環式ポリオレフィン樹脂フィルムであるλ/4位相差フィルム116を作製した。
(λ/4位相差フィルム117及び118の準備)
λ/4位相差フィルム117は、ピュアエース WRS148(ポリカーボネート系フィルム、厚み50μm;帝人(株)製)
λ/4位相差フィルム118は、ピュアエース TT−138(ポリカーボネート系フィルム、厚み40μm;帝人(株)製)
上記により、位相差フィルム117及び118を準備した。
(Ro(450)、Ro(550),Ro(650)の測定)
各光波長の面内リターデーション値の測定は、前記(面内リターデーションの測定)に記載の方法で行った。
また、上記面内リターデーション値を用いて、DSP(450/550)及びDSP(550/650)を求めた。
(光弾性係数の測定)
前記(光弾性係数)に記載された方法により測定し、光弾性係数比(450/650)の値を求めた。
結果を表2に示す。
Figure 2013069658
Figure 2013069658
(偏光板201の作製)
厚さ、120μmの長尺状のポリビニルアルコールフィルムを、一軸延伸(温度110℃、延伸倍率5倍)した。
これをヨウ素0.075g、ヨウ化カリウム5g、水100gからなる水溶液に60秒間浸漬し、次いでヨウ化カリウム6g、ホウ酸7.5g、水100gからなる68℃の水溶液に浸漬した。これを水洗、乾燥し長尺状の偏光子を得た。
作製したλ/4位相差フィルム101を完全ケン化型ポリビニルアルコール5%水溶液を粘着剤として、上記長尺状の偏光子の片面に貼合した。その際、偏向子とλ/4位相差フィルムの長手方向を合わせ、偏光子の透過軸とλ/4位相差フィルムの遅相軸が45°となるよう貼合した。偏光子のもう一方の面に、保護フィルムとしてコニカミノルタタックフィルムKC4UA(コニカミノルタオプト(株)製)をアルカリケン化処理して、同様に貼り合わせて偏光板201(長尺状)を作製した。
(偏光板202〜218の作製)
偏光板201の作製において、λ/4位相差フィルム101に代えて、λ/4位相差フィルム102〜118を用いた他は同様にして、偏光板202〜218(長尺状)を作製した。ただし、偏光板205の作製に際しては、λ/4位相差フィルム105の第2光学異方性層とは反対側に偏光子を接着した。
(有機EL表示装置201の作製)
次に、以下の手順で、有機エレクトロルミネッセンス表示装置を作製した。
本実施例の有機EL素子は、ガラス基板上にTFTを設け、その上にスパッタリング法によって厚さ80nmのクロムからなる反射電極、反射電極上に陽極としてITOをスパッタリング法で厚さ40nmに成膜し、陽極上に正孔輸送層としてポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)−ポリスチレンスルホネート(PEDOT:PSS)をスパッタリング法で厚さ80nm、正孔輸送層上にシャドーマスクを用いて、RGBそれぞれの発光層を100nmの膜厚で形成した。赤色発光層としては、ホストとしてトリス(8−ヒドロキシキノリナート)アルミニウム(Alq)と発光性化合物[4−(dicyanomethylene)−2−methyl−6(p−dimethylaminostyryl)−4H−pyran](DCM)とを共蒸着(質量比99:1)して100nmの厚さで形成した。緑色発光層としては、ホストとしてAlqと、発光性化合物クマリン6(Coumarin6)とを共蒸着(質量比99:1)して100nmの厚さで形成した。青色発光層としては、ホストとしてBAlqと発光性化合物Peryleneとを共蒸着(質量比90:10)して厚さ100nmで形成した。
Figure 2013069658
さらに、発光層上に電子が効率的に注入できるような仕事関数の低い第1の陰極(バッファー層ともいう)としてカルシウムを真空蒸着法により4nmの厚さで成膜し、第1の陰極上に第2の陰極としてアルミニウムを2nmの厚さで成膜した。ここで、第2の陰極として用いたアルミニウムはその上に形成される透明電極をスパッタリング法により成膜する際に、第1の陰極であるカルシウムが化学的変質をすることを防ぐ役割がある。以上のようにして、有機発光層を得た。次に、陰極上にスパッタリング法によって透明導電膜を80nmの厚さで成膜した。ここで透明導電膜としてはITOを用いた。さらに、透明導電膜上にCVD法によって二酸化珪素を200nm成膜することで、絶縁膜とし、有機EL素子を作製した。
次に、前記作製した偏光板201のλ/4位相差フィルム側に接着層を塗工した後、図1に示すように、上記製作した有機EL素子の絶縁膜上に偏光板を接着し、有機EL表示装置201を作製した。
(有機EL表示装置202〜218の作製)
有機EL表示装置201の作製において、偏光板201に代えて偏光板202〜218を用いた他は同様にして、有機EL表示装置202〜218を作製した。
(外光反射の評価)
有機EL表示装置201〜218について、前記(有機EL表示装置の評価)の(外光反射)に記載の方法で、外光反射の赤色相の評価を行い、下記の水準により判定した。
◎:全く外光反射が認知出来ない
○:僅かに外光反射による赤味が見られるが、気にならない程度
△:外光反射による赤味が気になる状態
×:外光反射による赤味が極めて気になる状態。
(色相変動の評価)
有機EL表示装置201〜218について、前記(有機EL表示装置の評価)の(色相変動)に記載の方法で評価を行った。ただし、観察は10名の観察者により行い、下記の水準により判定した。
5℃55%RHの環境下に置いたときの色相と、40℃55%RHの環境下に置いたときの色相とが同等と判断した場合を3点、やや色相が変動したと判断した場合1点、明らかな色相変動が確認された場合0点の三段階で評価した。
(色相変動の評価水準)
◎ 10人の合計点数が27点以上
○ 10人の合計点数が24点以上27点未満
△ 10人の合計点数が18点以上24点未満
× 10人の合計点数が17点以下
結果を表3に示す。
Figure 2013069658
表3より、本発明の有機EL表示装置は、外光反射が小さく、色相変動に優れていることが分かる。さらに、λ/4位相差フィルムが、アシル基置換度が2.3〜2.7の範囲で、アセチル基以外のアシル基の置換度が0〜2.0の範囲内であるセルロースエステルを含有すると色相変動が優れ、λ/4位相差フィルムが一般式(A)で表される化合物を含有すると更に外光反射に優れることが分かる。また、本発明の有機EL表示装置において、光弾性係数比の値が1.0〜1.5の範囲内であると更に色相変動に優れることが分かる。
外光反射を防止してコントラストを向上し、更に、黒色の色調を向上した有機EL表示装置は、明るい場所で観察しても、高画質の再現が要求される各種ディスプレイに適用できる。
A 有機エレクトロルミネセンス表示装置
B 有機EL素子
C 偏光板
1 基板
2 TFT
3 金属電極
4 ITO
5 正孔輸送層
6 発光層
7 バッファー層
8 陰極
9 ITO
10 絶縁膜
11 T2層用光学フィルム
12 偏光子
13 T1層用光学フィルム
14 硬化層
15 反射防止層
DR1 繰出し方向
DR2 巻取り方向
θi 繰出し角度(繰出し方向と巻取り方向のなす角度)
CR,CL 把持具
Wo 延伸前のフィルムの幅
W 延伸後のフィルムの幅

Claims (7)

  1. 視認側から保護フィルム、偏光子、λ/4位相差フィルム及び有機エレクトロルミネッセンス素子をこの順に有する有機エレクトロルミネッセンス表示装置であって、前記λ/4位相差フィルムが下記式(1)及び(2)を満足することを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス表示装置。
    式(1) Ro(450)<Ro(550)<Ro(650)
    式(2) 0.90<光弾性係数比(450/650)の値<1.20
    〔式(1)において、Ro(450)、Ro(550)及びRo(650)は、それぞれ前記λ/4位相差フィルムを23℃・55%RHの環境下、光波長450nm、550nm、650nmで測定したときの面内リターデーション値である。式(2)において、光弾性係数比(450/650)の値は、前記λ/4位相差フィルムを23℃55%RHの環境下、光波長450nmで測定したときの光弾性係数(450)を同環境下、光波長650nmで測定したときの光弾性係数(650)で除して得られる値である。〕
  2. 前記λ/4位相差フィルムが、セルロースエステルを含有し、該セルロースエステルの少なくとも一種が下記式(3)及び式(4)を満足することを特徴とする請求項1に記載の有機エレクトロルミネッセンス表示装置。
    式(3) 2.3≦A+B≦2.7
    式(4) 0≦B≦2.0
    〔式(3)及び(4)において、Aは前記セルロースエステルのアセチル基置換度であり、Bはアセチル基以外のアシル基の置換度である。〕
  3. 前記λ/4位相差フィルムが、下記一般式(A)で表される化合物を含有することを特徴とする請求項1又は2に記載の有機エレクトロルミネッセンス表示装置。
    Figure 2013069658
    〔一般式(A)において、L及びLは各々独立に単結合又は2価の連結基を表す。R、R及びRは各々独立に置換基を表す。nは0から2までの整数を表す。
    Wa及びWbは水素原子又は置換基を表し、
    (I)Wa及びWbが互いに結合して環を形成してもよく、
    (II)Wa及びWbの少なくとも一つが環構造を有してもよく、又は
    (III)Wa及びWbの少なくとも一つがアルケニル基又はアルキニル基であってもよい。〕
  4. 前記一般式(A)で表される化合物が、下記一般式(1)で表される化合物であることを特徴とする請求項3に記載の有機エレクトロルミネッセンス表示装置。
    Figure 2013069658
    〔一般式(1)において、A及びAは各々独立に、O、S、NRx(Rxは水素原子又は置換基を表す。)又はCOを表す。Xは第14〜16族の非金属原子を表す。L、L、R、R、R及びnは、それぞれ一般式(A)におけるL、L、R、R、R及びnと同義である。〕
  5. 前記一般式(A)で表される化合物が、下記一般式(2)で表される化合物であることを特徴とする請求項3に記載の有機エレクトロルミネッセンス表示装置。
    Figure 2013069658
    〔一般式(2)において、QはO、S、NRy(Ryは水素原子又は置換基を表す。)、−CRaRb−(Ra及びRbは水素原子又は置換基を表す。)又はCOを表す。Yは置換基を表す。L、L、R、R、R及びnは、それぞれ一般式(A)におけるL、L、R、R、R及びnと同義である。〕
  6. 前記一般式(A)で表される化合物が、下記一般式(3)で表される化合物であることを特徴とする請求項3に記載の有機エレクトロルミネッセンス表示装置。
    Figure 2013069658
    〔一般式(3)において、QはN又はCRz(Rzは水素原子又は置換基)を表し、Qは第14〜16族の非金属原子を表す。ZはQ及びQと共に環を形成する非金属原子群を表す。L、L、R、R、R及びnは、それぞれ一般式(A)におけるL、L、R、R、R及びnと同義である。〕
  7. 前記λ/4位相差フィルムが、斜め延伸された樹脂フィルムであることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス表示装置。
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