JP2019199461A - 化合物、液晶組成物、および液晶表示素子 - Google Patents

化合物、液晶組成物、および液晶表示素子 Download PDF

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Abstract

【課題】高い化学的安定性、液晶分子を配向させる能力、液晶組成物への溶解度を有し、液晶表示素子の電圧保持率が大きい極性化合物の提供。【解決手段】式(1)で表される化合物。式(1)において環A1〜環A2は置換/非置換のシクロヘキシレン、シクロヘキセニレン、フェニレン、ナフタレンジイル、デカヒドロナフタレンジイル、テトラヒドロナフタレンジイル、テトラヒドロピランジイル又はジオキサンジイル;aは0〜3;Z1は単結合又はアルキレン;R1はH、C1〜10のアルキル;R2は式(1−a)、(1−b)、(1−c)のいずれか;式(1−a)−Sp3−X1、式(1−b)−Sp3−CR3(Sp4−X1)2、式(1−c)−Sp3−C(Sp4−X1)3[Sp1〜Sp4は、単結合又は置換/非置換のアルキレン];R3〜R4はH、C1〜10のアルキル、C1〜9のアルコキシ;X1は−OH。【選択図】なし

Description

本発明は、化合物、液晶組成物および液晶表示素子に関する。さらに詳しくは、複数のメタクリロイルオキシなどの重合性基と−OH基などの極性基を併せ持つ化合物、この化合物を含み、誘電率異方性が正または負の液晶組成物、およびこの組成物またはその一部の硬化物を含む液晶表示素子に関する。
液晶表示素子を液晶分子の動作モードに基づいて分類すると、PC(phase change)、TN(twisted nematic)、STN(super twisted nematic)、ECB(electrically controlled birefringence)、OCB(optically compensated bend)、IPS(in-plane switching)、VA(vertical alignment)、FFS(fringe field switching)、FPA(field-induced photo-reactive alignment)などのモードに分類できる。また、素子の駆動方式に基づくと、PM(passive matrix)とAM(active matrix)に分類できる。PMは、スタティック(static)、マルチプレックス(multiplex)などに分類され、AMは、TFT(thin film transistor)、MIM(metal insulator metal)などに分類される。さらに、TFTは非晶質シリコン(amorphous silicon)および多結晶シリコン(polycrystal silicon)に分類できる。後者は製造工程によって高温型と低温型とに分類される。光源に基づいた分類すると、自然光を利用する反射型、バックライトを利用する透過型、そして自然光とバックライトの両方を利用する半透過型に分類できる。
ネマチック相を有する液晶組成物は、適切な特性を有する。この組成物の特性を向上させることによって、良好な特性を有するAM素子を得ることができる。前記組成物の特性とAM素子の特性との関連を下記の表1にまとめる。

Figure 2019199461
前記組成物の特性を市販されているAM素子に基づいてさらに説明する。ネマチック相の温度範囲(ネマチック相を呈する温度範囲)は、素子の使用できる温度範囲に関連する。ネマチック相の好ましい上限温度は約70℃以上であり、そしてネマチック相の好ましい下限温度は約−10℃以下である。
前記組成物の粘度は素子の応答時間に関連する。素子で動画を表示するためには短い応答時間が好ましい。1ミリ秒でもより短い応答時間が望ましい。したがって、前記組成物の粘度は低いことが好ましく、さらに、低温でも低いとより好ましい。
前記組成物の光学異方性は、素子のコントラスト比に関連する。素子のモードに応じて、大きな光学異方性または小さな光学異方性、すなわち適切な光学異方性が必要である。組成物の光学異方性(Δn)と素子のセルギャップ(d)との積(Δn×d)は、コントラスト比を最大にするように設計される。適切な積の値は動作モードの種類に依存する。この値は、TNなどのモードの素子では約0.45μmである。この値は、VAモードの素子では約0.30μmから約0.40μmの範囲であり、IPSモードまたはFFSモードの素子では約0.20μmから約0.30μmの範囲である。これらの場合、小さなセルギャップの素子には大きな光学異方性を有する組成物が好ましい。
前記組成物における大きな誘電率異方性は、素子における低いしきい値電圧、小さな消費電力と大きなコントラスト比に寄与する。したがって、正または負に大きな誘電率異方性が好ましい。組成物における大きな比抵抗は、素子における大きな電圧保持率と大きなコントラスト比とに寄与する。したがって、初期段階において室温だけでなくネマチック相の上限温度に近い温度でも大きな比抵抗を有する組成物が好ましい。長時間使用した後、室温だけでなくネマチック相の上限温度に近い温度でも大きな比抵抗を有する組成物が好ましい。
紫外線および熱に対する組成物の安定性は、素子の寿命に関連する。この安定性が高いとき、素子の寿命は長い。このような特性は、液晶プロジェクター、液晶テレビなどに用いるAM素子に好ましい。
高分子支持配向(PSA;polymer sustained alignment)型の液晶表示素子では、重合体を含有する液晶組成物が用いられる。まず、少量の重合性化合物を添加した組成物を素子に注入する。ここでは、複数の重合性基を有する重合性化合物が一般的に使用される。次に、この素子を挟持する基板の間に電圧を印加しながら、組成物に紫外線を照射する。重合性化合物は重合して、組成物中に重合体の網目構造を生成する。この組成物を用いると、重合体によって液晶分子の配向を制御することが可能になるので、素子の応答時間が短縮され、画像の焼き付きが改善される。重合体のこのような効果は、TN、ECB、OCB、IPS、VA、FFS、FPAなどのモードを有する素子に期待できる。
汎用の液晶表示素子において、液晶分子の垂直配向は、ポリイミド配向膜によって達成される。一方、配向膜を有しない液晶表示素子として、極性化合物を液晶組成物に添加し、液晶分子を配向させるモードが提案されている。まず、少量の極性化合物および少量の重合性化合物を添加した組成物を素子に注入する。該重合性化合物としては、複数の重合性基を有する重合性化合物が一般的に使用される。ここで、極性化合物の作用によって液晶分子が配向される。次に、この素子を挟持する基板の間に電圧を印加しながら、組成物に紫外線を照射する。ここで、重合性化合物が重合し、液晶分子の配向を安定化させる。この組成物を用いると、極性化合物および重合体によって液晶分子の配向を制御することが可能になるので、素子の応答時間が短縮され、画像の焼き付きが改善される。さらに、配向膜を有しない素子では、配向膜を形成する工程が不要である。配向膜がないので、配向膜と組成物との相互作用によって、素子の電気抵抗が低下することはない。極性化合物と重合体の組合せによるこのような効果は、TN、ECB、OCB、IPS、VA、FFS、FPAなどのモードを有する素子に期待できる。
これまでに、配向膜を有しない液晶表示素子において、極性化合物の作用と重合性化合物の作用を兼ね備えた化合物として、重合性を有する極性化合物が合成されてきた(例えば、特許文献1、2、および3)。特許文献2には、複数の極性基と複数の重合性基を有する重合性化合物(S−1)が記載されている。

Figure 2019199461
国際公開第2017/047177号 国際公開第2017/209161号 国際公開第2016/129490号
本発明の第一の課題は、化学的に高い安定性、液晶分子を配向させる高い能力、紫外線照射による高い重合反応性、液晶表示素子に用いた場合の大きな電圧保持率の少なくとも1つを有し、そして液晶組成物への高い溶解度を有する化合物を提供することである。第二の課題は、この化合物を含み、そしてネマチック相の高い上限温度、ネマチック相の低い下限温度、低粘度、適切な光学異方性、正または負に大きな誘電率異方性、大きな比抵抗、紫外線に対する高い安定性、熱に対する高い安定性、大きな弾性定数などの特性の少なくとも1つを充足する液晶組成物を提供することである。第三の課題は、素子を使用できる広い温度範囲、短い応答時間、高い透過率、大きな電圧保持率、低いしきい値電圧、大きなコントラスト比、長い寿命、良好な垂直配向性などの特性の少なくとも1つを有する液晶表示素子を提供することである。
本発明は、式(1)で表される化合物、この化合物を含む液晶組成物、およびこの組成物および/またはこの組成物の少なくとも一部が重合した重合物を含む液晶表示素子に関する。

Figure 2019199461
式(1)において、
環Aおよび環Aは独立して、1,4−シクロヘキシレン、1,4−シクロヘキセニレン、1,4−フェニレン、ナフタレン−1,5−ジイル、ナフタレン−2,6−ジイル、デカヒドロナフタレン−2,6−ジイル、1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル、テトラヒドロピラン−2,5−ジイル、1,3−ジオキサン−2,5−ジイル、ピリミジン−2,5−ジイル、またはピリジン−2,5−ジイルであり、これらの環において、少なくとも1つの水素は、フッ素、塩素、炭素数1から10のアルキル、炭素数2から10のアルケニル、炭素数1から9のアルコキシ、または炭素数2から9のアルケニルオキシで置き換えられてもよく、これらの基において、少なくとも1つの水素は、フッ素または塩素で置き換えられてもよく;
aは、0、1、2、または3であり;
は、単結合または炭素数1から10のアルキレンであり、このアルキレンにおいて、少なくとも1つの−CH−は、−O−、−CO−、−COO−、−OCO−、または−OCOO−で置き換えられてもよく、少なくとも1つの−(CH−は、−CH=CH−または−C≡C−で置き換えられてもよく、これらの基において、少なくとも1つの水素は、フッ素または塩素で置き換えられてもよく;
SpおよびSpは独立して、単結合または炭素数1から15のアルキレンであり、このアルキレンにおいて、少なくとも1つの−CH−は、−O−、−CO−、−COO−、−OCO−、または−OCOO−で置き換えられてもよく、少なくとも1つの−(CH−は、−CH=CH−または−C≡C−で置き換えられてもよく、これらの基において、少なくとも1つの水素は、フッ素または塩素で置き換えられてもよく;
、M、M、およびMは独立して、水素、フッ素、塩素、炭素数1から5のアルキル、または少なくとも1つの水素がフッ素または塩素で置き換えられた炭素数1から5のアルキルであり;
は、水素、炭素数1から10のアルキル、炭素数1から9のアルコキシ、または炭素数1から9のアルコキシアルキルであり、これらの基において、少なくとも1つの−(CH−は、−CH=CH−または−C≡C−で置き換えられてもよく、これらの基において、少なくとも1つの水素は、フッ素または塩素で置き換えられてもよく;
は、式(1−a)、式(1−b)、および式(1−c)で表される基から選択された基であり;

Figure 2019199461

式(1−a)、式(1−b)、および式(1−c)において、
SpおよびSpは独立して、単結合または炭素数1から15のアルキレンであり、このアルキレンにおいて、少なくとも1つの−CH−は、−O−、−CO−、−COO−、−OCO−、または−OCOO−で置き換えられてもよく、少なくとも1つの−(CH−は、−CH=CH−または−C≡C−で置き換えられてもよく、これらの基において、少なくとも1つの水素は、フッ素または塩素で置き換えられてもよく;
は、水素、炭素数1から10のアルキル、炭素数1から9のアルコキシ、または炭素数1から9のアルコキシアルキルであり
は独立して、−OH、−NH、−N(R、−COOH、−SH、または−Si(Rであり;
−N(R、および−Si(Rにおいて、
は、水素または炭素数1から10のアルキルであり、このアルキルにおいて、少なくとも1つの−CH−は、−O−で置き換えられてもよく、少なくとも1つの−(CH−は、−CH=CH−で置き換えられてもよく、これらの基において、少なくとも1つの水素は、フッ素または塩素で置き換えられてもよい。
本発明の第一の長所は、化学的に高い安定性、液晶分子を配向させる高い能力、紫外線照射による高い重合反応性、液晶表示素子に用いた場合の大きな電圧保持率の少なくとも1つを有し、そして液晶組成物への高い溶解度を有する化合物を提供することである。第二の長所は、この化合物を含み、そしてネマチック相の高い上限温度、ネマチック相の低い下限温度、低粘度、適切な光学異方性、正または負に大きな誘電率異方性、大きな比抵抗、紫外線に対する高い安定性、熱に対する高い安定性、大きな弾性定数などの特性の少なくとも1つを充足する液晶組成物を提供することである。第三の長所は、素子を使用できる広い温度範囲、短い応答時間、高い透過率、大きな電圧保持率、低いしきい値電圧、大きなコントラスト比、長い寿命、良好な垂直配向性などの特性の少なくとも1つを有する液晶表示素子を提供することである。
この明細書における用語の使い方は、次のとおりである。「液晶性化合物」、「液晶組成物」、および「液晶表示素子」の用語をそれぞれ「化合物」、「組成物」、および「素子」と略すことがある。
「液晶性化合物」は、ネマチック相、スメクチック相などの液晶相を有する化合物、および液晶相を有しないが、上限温度、下限温度、粘度、誘電率異方性などの組成物の物性を調節する目的で添加する化合物の総称である。この化合物は、通常、1,4−シクロヘキシレンや1,4−フェニレンなどの六員環を有し、その分子構造は棒状(rod like)である。
「重合性化合物」は、組成物中に重合体を生成させる目的で添加する化合物である。アルケニルを有する液晶性化合物は、その意味では重合性化合物ではない。
「極性化合物」は、極性基が基板表面などと相互作用することによって液晶分子が配列するのを援助する。
「液晶表示素子」は液晶表示パネルおよび液晶表示モジュールなどの総称である。
液晶組成物は、通常、複数の液晶性化合物を混合することによって調製される。この組成物には、物性をさらに調整する目的で、重合性化合物、重合開始剤、重合禁止剤、光学活性化合物、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、熱安定剤、色素、および消泡剤などの添加物が必要に応じて添加される。液晶組成物中の液晶性化合物の割合(含有量)は、添加物を添加した場合であっても、添加物を含まない液晶組成物の重量に基づいた重量百分率(重量%)で表す。液晶組成物中の添加物の割合(添加量)は、添加物を含まない液晶組成物の重量に基づいた重量百分率(重量%)で表す。すなわち、液晶性化合物や添加物の割合は、液晶性化合物の全重量に基づいて算出される。重量百万分率(ppm)が用いられることもある。液晶組成物中の重合開始剤および重合禁止剤の割合は、例外的に重合性化合物の重量に基づいて表す。
「透明点」は、液晶性化合物における液晶相−等方相の転移温度である。「液晶相の下限温度」は、液晶性化合物における固体−液晶相(スメクチック相、ネマチック相など)の転移温度である。「ネマチック相の上限温度」は、液晶性化合物と母液晶との混合物または液晶組成物におけるネマチック相−等方相の転移温度であり、「上限温度」と略すことがある。「ネマチック相の下限温度」を「下限温度」と略すことがある。「誘電率異方性を上げる」や「大きな誘電率異方性」との表現は、その値の絶対値が増加するまたは大きいことを意味する。「電圧保持率が大きい」とは、素子が初期段階において室温だけでなく上限温度に近い温度でも大きな電圧保持率を有し、そして素子を長時間使用した後においても、室温だけでなく上限温度に近い温度でも大きな電圧保持率を有することを意味する。組成物や素子では、経時変化試験(加速劣化試験を含む)の前後で特性が検討されることがある。「液晶組成物への溶解度が高い」との表現は、常温での液晶性化合物を含む組成物のいずれにも対しても溶解度が高いことを意味するが、該組成物として、下記実施例で溶解性を評価するのに用いた組成物を規準とすることができる。
式(1)で表される化合物を「化合物(1)」と略すことがある。化合物(1)は、式(1)で表される1つの化合物、2つの化合物の混合物、または3つ以上の化合物の混合物を意味する。このルールは、式(2)で表される化合物の群から選択される少なくとも1つの化合物などにも適用される。
六角形で囲んだA、B、Cなどの記号はそれぞれ環A、環B、環Cなどに対応する。六角形は、シクロヘキサン環やベンゼン環などの六員環またはナフタレン環などの縮合環を表す。この六角形の一辺を横切る直線は、環上の任意の水素が−Sp−Pなどの基で置き換えられてもよいことを表す。
f、g、hなどの添え字は、置き換えられた基の数を示す。添え字が0のとき、そのような置き換えはない。
「環Aおよび環Cは独立して、X、Y、またはZである」との表現では、主語が複数であるから、「独立して」を用いる。主語が「環Aは」であるときは、主語が単数であるから「独立して」を用いない。
化合物の化学式において、末端基R11の記号を複数の化合物に用いているが、これらの化合物におけるR11が表す基はそれぞれ同一であってもよく、または異なってもよい。例えば、化合物(2)のR11がエチルである場合、化合物(3)のR11はエチルであってもよく、プロピルなどの他の基であってもよい。このルールは、他の記号にも適用される。化合物(8)において、iが2のとき、2つの環Dが存在する。この化合物において2つの環Dが表す2つの基は、同一であってもよく、または異なってもよい。iが2より大きいとき、任意の2つの環Dにも適用される。このルールは、他の記号にも適用される。
「少なくとも1つの‘A’」との表現は、‘A’の数は任意であることを意味する。「少なくとも1つの‘A’は、‘B’で置き換えられてもよい」との表現は、‘B’で置き換えられない‘A’そのものの場合、1つの‘A’が‘B’で置き換えらた場合、2つ以上の‘A’が‘B’で置き換えられた場合を含み、これらにおいて、‘B’で置き換えられる‘A’の位置は任意である。置換位置が任意であるとのルールは、「少なくとも1つの‘A’が、‘B’で置き換えられた」との表現にも適用される。「少なくとも1つのAが、B、C、またはDで置き換えられてもよい」という表現は、Aが置換されない場合、少なくとも1つのAがBで置き換えられた場合、少なくとも1つのAがCで置き換えられた場合、および少なくとも1つのAがDで置き換えられた場合、さらに複数のAがB、C、Dの少なくとも2つで置き換えられた場合を含むことを意味する。例えば、少なくとも1つの−CH−(または、−CHCH−)が−O−(または、−CH=CH−)で置き換えられてもよいアルキルには、アルキル、アルケニル、アルコキシ、アルコキシアルキル、アルコキシアルケニル、アルケニルオキシアルキルが含まれる。なお、連続する2つの−CH−が−O−で置き換えられて、−O−O−のようになることは好ましくない。アルキルなどにおいて、メチル部分(−CH−H)の−CH−が−O−で置き換えられて−O−Hになることも好ましくない。
「R11およびR12は独立して、炭素数1から10のアルキルまたは炭素数2から10のアルケニルであり、このアルキルおよびアルケニルにおいて、少なくとも1つの−CH−は−O−で置き換えられてもよく、これらの基において、少なくとも1つの水素はフッ素で置き換えられてもよい」との表現が使われることがある。この表現において、「これらの基において」は、文言どおりに解釈してよい。この表現では、「これらの基」は、アルキル、アルケニル、アルコキシ、アルケニルオキシなどを意味する。すなわち、「これらの基」は、「これらの基において」の用語よりも前に記載された基の総てを表す。この常識的な解釈は、他の用語にも適用される。
ハロゲンは、フッ素、塩素、臭素、またはヨウ素を意味する。好ましいハロゲンは、フッ素または塩素である。さらに好ましいハロゲンはフッ素である。液晶性化合物において、アルキルは、直鎖状または分岐状であり、環状アルキルを含まない。直鎖状アルキルは、一般的に分岐状アルキルよりも好ましい。これらのことは、アルコキシ、アルケニルなどの末端基についても同様である。1,4−シクロヘキシレンに関する立体配置は、ネマチック相の上限温度を上げるために、シスよりもトランスが好ましい。2−フルオロ−1,4−フェニレンは、下記の2つの二価基を意味する。化学式において、フッ素は左向き(L)であってもよいし、右向き(R)であってもよい。このルールは、テトラヒドロピラン−2,5−ジイルなどの、環から水素を2つ除くことによって生成した左右非対称な二価基にも適用される。

Figure 2019199461
本発明は、下記の項などを包含する。
項1.
式(1)で表される化合物。

Figure 2019199461
式(1)において、
環Aおよび環Aは独立して、1,4−シクロヘキシレン、1,4−シクロヘキセニレン、1,4−フェニレン、ナフタレン−1,5−ジイル、ナフタレン−2,6−ジイル、デカヒドロナフタレン−2,6−ジイル、1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル、テトラヒドロピラン−2,5−ジイル、1,3−ジオキサン−2,5−ジイル、ピリミジン−2,5−ジイル、またはピリジン−2,5−ジイルであり、これらの環において、少なくとも1つの水素は、フッ素、塩素、炭素数1から10のアルキル、炭素数2から10のアルケニル、炭素数1から9のアルコキシ、または炭素数2から9のアルケニルオキシで置き換えられてもよく、これらの基において、少なくとも1つの水素は、フッ素または塩素で置き換えられてもよく;
aは、0、1、2、または3であり;
は、単結合または炭素数1から10のアルキレンであり、このアルキレンにおいて、少なくとも1つの−CH−は、−O−、−CO−、−COO−、−OCO−、または−OCOO−で置き換えられてもよく、少なくとも1つの−(CH−は、−CH=CH−または−C≡C−で置き換えられてもよく、これらの基において、少なくとも1つの水素は、フッ素または塩素で置き換えられてもよく;
SpおよびSpは独立して、単結合または炭素数1から15のアルキレンであり、このアルキレンにおいて、少なくとも1つの−CH−は、−O−、−CO−、−COO−、−OCO−、または−OCOO−で置き換えられてもよく、少なくとも1つの−(CH−は、−CH=CH−または−C≡C−で置き換えられてもよく、これらの基において、少なくとも1つの水素は、フッ素または塩素で置き換えられてもよく;
、M、M、およびMは独立して、水素、フッ素、塩素、炭素数1から5のアルキル、または少なくとも1つの水素がフッ素または塩素で置き換えられた炭素数1から5のアルキルであり;
は、水素、炭素数1から10のアルキル、炭素数1から9のアルコキシ、または炭素数1から9のアルコキシアルキルであり、これらの基において、少なくとも1つの−(CH−は、−CH=CH−または−C≡C−で置き換えられてもよく、これらの基において、少なくとも1つの水素は、フッ素または塩素で置き換えられてもよく;
は、式(1−a)、式(1−b)、および式(1−c)で表される基から選択された基であり;

Figure 2019199461

式(1−a)、式(1−b)、および式(1−c)において、
SpおよびSpは独立して、単結合または炭素数1から15のアルキレンであり、このアルキレンにおいて、少なくとも1つの−CH−は、−O−、−CO−、−COO−、−OCO−、または−OCOO−で置き換えられてもよく、少なくとも1つの−(CH−は、−CH=CH−または−C≡C−で置き換えられてもよく、これらの基において、少なくとも1つの水素は、フッ素または塩素で置き換えられてもよく;
は、水素、炭素数1から10のアルキル、炭素数1から9のアルコキシ、または炭素数1から9のアルコキシアルキルであり
独立しては、−OH、−NH、−N(R、−COOH、−SH、または−Si(Rであり;
−N(R、および−Si(Rにおいて、
は、水素または炭素数1から10のアルキルであり、このアルキルにおいて、少なくとも1つの−CH−は、−O−で置き換えられてもよく、少なくとも1つの−(CH−は、−CH=CH−で置き換えられてもよく、これらの基において、少なくとも1つの水素は、フッ素または塩素で置き換えられてもよい。
項2.
式(1)において、
が、単結合、−(CH−、−(CH−、−CH=CH−、−C≡C−、−COO−、−OCO−、−CFO−、−OCF−、−CHO−、−OCH−、または−CF=CF−である、項1に記載の化合物。
項3.
式(1)において、
環Aおよび環Aが独立して、1,4−シクロヘキシレン、1,4−シクロヘキセニレン、1,4−フェニレン、ナフタレン−1,5−ジイル、ナフタレン−2,6−ジイル、テトラヒドロピラン−2,5−ジイル、または1,3−ジオキサン−2,5−ジイルであり、これらの環において、少なくとも1つの水素は、フッ素、塩素、炭素数1から10のアルキル、炭素数2から10のアルケニル、炭素数1から9のアルコキシ、または炭素数2から9のアルケニルオキシで置き換えられてもよく、これらの基において、少なくとも1つの水素は、フッ素または塩素で置き換えられてもよい、項1または2に記載の化合物。
項4.
式(1−1)から式(1−4)のいずれか1つで表される、項1から3のいずれか1項に記載の化合物。

Figure 2019199461
式(1−1)から式(1−4)において、
環A、環A、環A、および環Aは独立して、1,4−シクロヘキシレン、1,4−シクロヘキセニレン、1,4−フェニレン、ナフタレン−1,5−ジイル、ナフタレン−2,6−ジイル、テトラヒドロピラン−2,5−ジイル、または1,3−ジオキサン−2,5−ジイルであり、これらの環において、少なくとも1つの水素は、フッ素、炭素数1から10のアルキル、炭素数2から10のアルケニル、炭素数1から9のアルコキシ、または炭素数2から9のアルケニルオキシで置き換えられてもよく、これらの基において、少なくとも1つの水素は、フッ素で置き換えられてもよく;
、Z、およびZは独立して、単結合、−(CH−、−CH=CH−、−C≡C−、−COO−、−OCO−、−CFO−、−OCF−、−CHO−、−OCH−、または−CF=CF−であり;
SpおよびSpは独立して、単結合または炭素数1から10のアルキレンであり、このアルキレンにおいて、少なくとも1つの−CH−は、−O−、−COO−、または−OCO−で置き換えられてもよく、少なくとも1つの−(CH−は、−CH=CH−で置き換えられてもよく、これらの基において、少なくとも1つの水素は、フッ素で置き換えられてもよく;
、M、M、およびMは独立して、水素、フッ素、炭素数1から5のアルキル、または少なくとも1つの水素がフッ素で置き換えられた炭素数1から5のアルキルであり;
は、水素、炭素数1から7のアルキル、炭素数1から6のアルコキシ、または炭素数1から6のアルコキシアルキルであり、これらの基において、少なくとも1つの−(CH−は、−CH=CH−または−C≡C−で置き換えられてもよく、これらの基において、少なくとも1つの水素は、フッ素で置き換えられてもよく;
は、式(1−a)、式(1−b)、および式(1−c)で表される基から選択された基であり;

Figure 2019199461

式(1−a)、式(1−b)、および式(1−c)において、
SpおよびSpは独立して、単結合または炭素数1から15のアルキレンであり、このアルキレンにおいて、少なくとも1つの−CH−は、−O−、−CO−、−COO−、−OCO−、または−OCOO−で置き換えられてもよく、少なくとも1つの−(CH−は、−CH=CH−または−C≡C−で置き換えられてもよく、これらの基において、少なくとも1つの水素は、フッ素で置き換えられてもよく;
は、水素、炭素数1から7のアルキル、炭素数1から6のアルコキシ、または炭素数1から6のアルコキシアルキルであり
は独立して、−OH、−NH、または−SHである。
項5.
式(1−5)から式(1−7)のいずれか1つで表される、項1から4のいずれか1項に記載の化合物。

Figure 2019199461
式(1−5)から式(1−7)において、
環A、環A、環A、および環Aは独立して、1,4−シクロヘキシレン、1,4−シクロヘキセニレン、1,4−フェニレン、テトラヒドロピラン−2,5−ジイル、または1,3−ジオキサン−2,5−ジイルであり、これらの環において、少なくとも1つの水素は、フッ素、炭素数1から7のアルキル、炭素数2から7のアルケニル、または炭素数1から6のアルコキシで置き換えられてもよく;
、Z、およびZは独立して、単結合、−(CH−、−CH=CH−、−C≡C−、−CHO−、または−OCH−であり;
Sp、およびSpは独立して、単結合または炭素数1から10のアルキレンであり、このアルキレンにおいて、少なくとも1つの−CH−は、−O−で置き換えられてもよく、少なくとも1つの−(CH−は、−CH=CH−で置き換えられてもよく;
は、水素、炭素数1から5のアルキル、炭素数1から4のアルコキシ、または炭素数1から4のアルコキシアルキルであり;
は、式(1−a)、および式(1−b)で表される基から選択された基であり;

Figure 2019199461

式(1−a)、および式(1−b)において、
SpおよびSpは独立して、単結合または炭素数1から10のアルキレンであり、このアルキレンにおいて、少なくとも1つの−CH−は、−O−、−CO−、−COO−、−OCO−、または−OCOO−で置き換えられてもよく、少なくとも1つの−(CH−は、−CH=CH−または−C≡C−で置き換えられてもよく、これらの基において、少なくとも1つの水素は、フッ素で置き換えられてもよく;
は、水素、炭素数1から7のアルキル、炭素数1から6のアルコキシ、または炭素数1から6のアルコキシアルキルであり
は独立して、−OH、−NH、または−SHである。
項6.
式(1−8)から式(1−25)のいずれか1つで表される、項1から5のいずれか1項に記載の化合物。


Figure 2019199461

Figure 2019199461
式(1−8)から式(1−25)において、
は、水素、メチル、エチル、プロピル、または−CHOCHであり;
は、水素、炭素数1から7のアルキル、炭素数1から6のアルコキシ、または炭素数1から6のアルコキシアルキルであり;
およびZは独立して、単結合、−(CH−、または−CH=CH−であり;
Sp、Sp、Sp、およびSpは独立して、単結合または炭素数1から10のアルキレンであり、このアルキレンにおいて、少なくとも1つの−CH−は、−O−で置き換えられてもよく;
、Y、Y、Y、Y、Y、Y、Y、Y、Y10、Y11、およびY12は独立して、水素、フッ素、または炭素数1から5のアルキルである。
項7.
式(1−26)から式(1−43)のいずれか1つで表される、項1から6のいずれか1項に記載の化合物。


Figure 2019199461

Figure 2019199461
式(1−26)から式(1−43)において、
、Y、Y、Y、Y、およびYは独立して、水素、フッ素、メチル、またはエチルであり;
は、水素、炭素数1から7のアルキル、炭素数1から6のアルコキシ、または炭素数1から6のアルコキシアルキルであり;
およびZは独立して、単結合または−(CH−であり;
Sp、Sp、Sp、およびSpは独立して、単結合または炭素数1から10のアルキレンであり、このアルキレンにおいて、少なくとも1つの−CH−は、−O−で置き換えられてもよい。
項8.
項1から7のいずれか1項に記載の化合物の少なくとも1つを含有する液晶組成物。
項9.
式(2)から(4)で表される化合物の群から選択された少なくとも1つの化合物を含有する、項8に記載の液晶組成物。

Figure 2019199461
式(2)から(4)において、
11およびR12は独立して、炭素数1から10のアルキルまたは炭素数2から10のアルケニルであり、このアルキルおよびアルケニルにおいて、少なくとも1つの−CH−は−O−で置き換えられてもよく、これらの基において、少なくとも1つの水素はフッ素で置き換えられてもよく;
環B、環B、環B、および環Bは独立して、1,4−シクロヘキシレン、1,4−フェニレン、2−フルオロ−1,4−フェニレン、2,5−ジフルオロ−1,4−フェニレン、またはピリミジン−2,5−ジイルであり;
11、Z12、およびZ13は独立して、単結合、−COO−、−CHCH−、−CH=CH−、または−C≡C−である。
項10.
式(5)から(7)で表される化合物の群から選択された少なくとも1つの化合物を含有する、項8または9に記載の液晶組成物。

Figure 2019199461
式(5)から(7)において、
13は炭素数1から10のアルキルまたは炭素数2から10のアルケニルであり、このアルキルおよびアルケニルにおいて、少なくとも1つの−CH−は−O−で置き換えられてもよく、これらの基において、少なくとも1つの水素はフッ素で置き換えられてもよく;
11は、フッ素、塩素、−OCF、−OCHF、−CF、−CHF、−CHF、−OCFCHF、または−OCFCHFCFであり;
環C、環C、および環Cは独立して、1,4−シクロヘキシレン、1,4−フェニレン、テトラヒドロピラン−2,5−ジイル、1,3−ジオキサン−2,5−ジイル、ピリミジン−2,5−ジイル、または少なくとも1つの水素がフッ素で置き換えられた1,4−フェニレンであり;
14、Z15、およびZ16は独立して、単結合、−COO−、−OCO−、−CHO−、−OCH−、−CFO−、−OCF−、−CHCH−、−CH=CH−、−C≡C−、または−(CH−であり;
11およびL12は独立して、水素またはフッ素である。
項11.
式(8)で表される化合物の群から選択された少なくとも1つの化合物を含有する、項8から10のいずれか1項に記載の液晶組成物。

Figure 2019199461
式(8)において、
14は炭素数1から10のアルキルまたは炭素数2から10のアルケニルであり、このアルキルおよびアルケニルにおいて、少なくとも1つの−CH−は−O−で置き換えられてもよく、これらの基において、少なくとも1つの水素はフッ素で置き換えられてもよく;
12は−C≡Nまたは−C≡C−C≡Nであり;
環Dは、1,4−シクロヘキシレン、1,4−フェニレン、テトラヒドロピラン−2,5−ジイル、1,3−ジオキサン−2,5−ジイル、ピリミジン−2,5−ジイル、または少なくとも1つの水素がフッ素で置き換えられた1,4−フェニレンであり;
17は、単結合、−COO−、−OCO−、−CHO−、−OCH−、−CFO−、−OCF−、−CHCH−、または−C≡C−であり;
13およびL14は独立して、水素またはフッ素であり;
iは、1、2、3、または4である。
項12.
式(11)から(19)で表される化合物の群から選択された少なくとも1つの化合物を含有する、項8から11のいずれか1項に記載の液晶組成物。

Figure 2019199461
式(11)から(19)において、
15、R16、およびR17は独立して、炭素数1から10のアルキルまたは炭素数2から10のアルケニルであり、このアルキルおよびアルケニルにおいて、少なくとも1つの−CH−は−O−で置き換えられてもよく、これらの基において、少なくとも1つの水素はフッ素で置き換えられてもよく、そしてR17は、水素またはフッ素であってもよく;
環E、環E、環E、および環Eは独立して、1,4−シクロヘキシレン、1,4−シクロヘキセニレン、1,4−フェニレン、テトラヒドロピラン−2,5−ジイル、デカヒドロナフタレン−2,6−ジイル、または少なくとも1つの水素がフッ素で置き換えられた1,4−フェニレンであり;
環Eおよび環Eは独立して、1,4−シクロヘキシレン、1,4−シクロヘキセニレン、1,4−フェニレン,テトラヒドロピラン−2,5−ジイル、またはデカヒドロナフタレン−2,6−ジイルであり;
18、Z19、Z20、およびZ21は独立して、単結合、−COO−、−OCO−、−CHO−、−OCH−、−CFO−、−OCF−、−CHCH−、−CFOCHCH−、または−OCFCHCH−であり;
15およびL16は独立して、フッ素または塩素であり;
11は、水素またはメチルであり;
Xは、−CHF−または−CF−であり;
j、k、m、n、p、q、r、およびsは独立して、0または1であり、k、m、n、およびpの和は、1または2であり、q、r、およびsの和は、0、1、2、または3であり、
tは、1、2、または3である。
項13.
式(1)で表される化合物以外の、式(20)で表される少なくとも1つの重合性化合物を含有する、項8から12のいずれか1項に記載の液晶組成物。

Figure 2019199461
式(20)において、
環Fおよび環Iは独立して、シクロヘキシル、シクロヘキセニル、フェニル、1−ナフチル、2−ナフチル、テトラヒドロピラン−2−イル、1,3−ジオキサン−2−イル、ピリミジン−2−イル、またはピリジン−2−イルであり、これらの環において、少なくとも1つの水素は、ハロゲン、炭素数1から12のアルキル、炭素数1から12のアルコキシ、または少なくとも1つの水素がハロゲンで置き換えられた炭素数1から12のアルキルで置き換えられてもよく;
環Gは、1,4−シクロへキシレン、1,4−シクロヘキセニレン、1,4−フェニレン、ナフタレン−1,2−ジイル、ナフタレン−1,3−ジイル、ナフタレン−1,4−ジイル、ナフタレン−1,5−ジイル、ナフタレン−1,6−ジイル、ナフタレン−1,7−ジイル、ナフタレン−1,8−ジイル、ナフタレン−2,3−ジイル、ナフタレン−2,6−ジイル、ナフタレン−2,7−ジイル、フェナントレン−2,7−ジイル、テトラヒドロピラン−2,5−ジイル、1,3−ジオキサン−2,5−ジイル、ピリミジン−2,5−ジイル、またはピリジン−2,5−ジイルであり、これらの環において、少なくとも1つの水素は、ハロゲン、炭素数1から12のアルキル、炭素数1から12のアルコキシ、または少なくとも1つの水素がハロゲンで置き換えられた炭素数1から12のアルキルで置き換えられてもよく;
22およびZ23は独立して、単結合または炭素数1から10のアルキレンであり、このアルキレンにおいて、少なくとも1つの−CH−は、−O−、−CO−、−COO−、または−OCO−で置き換えられてもよく、少なくとも1つの−CHCH−は、−CH=CH−、−C(CH)=CH−、−CH=C(CH)−、または−C(CH)=C(CH)−で置き換えられてもよく、これらの基において、少なくとも1つの水素は、フッ素または塩素で置き換えられてもよく;
11、P12、およびP13は独立して、重合性基であり;
Sp11、Sp12、およびSp13は独立して、単結合または炭素数1から10のアルキレンであり、このアルキレンにおいて、少なくとも1つの−CH−は、−O−、−COO−、−OCO−、または−OCOO−で置き換えられてもよく、少なくとも1つの−CHCH−は、−CH=CH−または−C≡C−で置き換えられてもよく、これらの基において、少なくとも1つの水素は、フッ素または塩素で置き換えられてもよく;
uは、0、1、または2であり;
f、g、およびhは独立して、0、1、2、3、または4であり、そしてf、g、およびhの和は、1以上である。
項14.
式(20)において、
11、P12、およびP13が独立して、式(P−1)から式(P−5)で表される重合性基の群から選択された基である、項13に記載の液晶組成物。

Figure 2019199461
式(P−1)から式(P−5)において、
11、M12、およびM13は独立して、水素、フッ素、炭素数1から5のアルキル、または少なくとも1つの水素がハロゲンで置き換えられた炭素数1から5のアルキルである。
項15.
式(20)で表される重合性化合物が、式(20−1)から式(20−7)で表される重合性化合物の群から選択された少なくとも1つの化合物である、項13または14に記載の液晶組成物。

Figure 2019199461
式(20−1)から式(20−7)において、
31、L32、L33、L34、L35、L36、L37、およびL38は独立して、水素、フッ素、またはメチルであり;
Sp11、Sp12、およびSp13は独立して、単結合または炭素数1から10のアルキレンであり、このアルキレンにおいて、少なくとも1つの−CH−は、−O−、−COO−、−OCO−、または−OCOO−で置き換えられてもよく、少なくとも1つの−CHCH−は、−CH=CH−または−C≡C−で置き換えられてもよく、これらの基において、少なくとも1つの水素は、フッ素または塩素で置き換えられてもよい。
11、P12、およびP13は独立して、式(P−1)から式(P−3)で表される重合性基の群から選択された基であり、

Figure 2019199461

式(P−1)から式(P−3)において、
11、M12、およびM13は独立して、水素、フッ素、炭素数1から5のアルキル、または少なくとも1つの水素がハロゲンで置き換えられた炭素数1から5のアルキルである。
項16.
式(1)または式(20)で表される化合物とは異なる重合性化合物、重合開始剤、重合禁止剤、光学活性化合物、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、熱安定剤、色素、および消泡剤の群から選択された少なくとも1つを含有する、項8から15のいずれか1項に記載の液晶組成物。
項17.
項8から16のいずれか1項に記載の液晶組成物、および項8から16のいずれか1項に記載の液晶組成物の少なくとも一部が重合したものからなる群より選択された少なくとも1つ含有する液晶表示素子。
本発明は、次の項も含む。
(a)重合性化合物、重合開始剤、重合禁止剤、光学活性化合物、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、熱安定剤、色素、消泡剤などの添加物の少なくとも2つをさらに含有する前記の液晶組成物。
(b)前記の液晶組成物に化合物(1)または化合物(20)とは異なる重合性化合物を添加することによって調製した重合性組成物。
(c)前記の液晶組成物に化合物(1)と化合物(20)とを添加することによって調製した重合性組成物。
(d)前記重合性組成物を重合させることによって調製した液晶複合体。
(e)この液晶複合体を含有する高分子支持配向型の素子。
(f)前記の液晶組成物に化合物(1)と化合物(20)と、化合物(1)または化合物(20)とは異なる重合性化合物とを添加することによって調製した重合性組成物を使用することによって作成した高分子支持配向型の素子。
以下、化合物(1)の態様、化合物(1)の合成、液晶組成物、および液晶表示素子について順に説明する。
1.化合物(1)の態様
本発明の化合物(1)は、少なくとも1つの環より構成されるメソゲン部位、少なくとも1つの極性基、および2つ以上の重合性基を有することを特徴とし、特に、極性基の反対側に重合性基を有することを特徴とする。化合物(1)は、極性基がガラス(または金属酸化物)等の基板表面と非共有結合的に相互作用するので有用である。用途の一つは、液晶表示素子に使われる液晶組成物用の添加物であり、この用途において、化合物(1)は液晶分子の配向を制御する目的で添加される。このような添加物は、素子に密閉された条件下では化学的に安定であり、液晶分子を配向させる能力が高く、液晶表示素子に用いた場合の電圧保持率が大きく、そして液晶組成物への溶解度が大きいことが好ましい。化合物(1)は、このような特性をかなりの程度で充足し、従来の化合物では達成できなかった、液晶組成物への溶解度が大きく、該化合物(1)を用いることで、従来の化合物を用いた場合に比べ、配向性や電圧保持率を同程度またはそれ以上に維持したまま、長期安定性に優れる素子を容易に得ることができる。
化合物(1)の好ましい例について説明をする。化合物(1)におけるR、A、Spなどの記号の好ましい例は、化合物(1)の下位式、例えば式(1−1)などにも適用される。化合物(1)において、これらの基の種類を適切に組み合わせることによって、特性を任意に調整することが可能である。化合物の特性に大きな差異がないので、化合物(1)は、H(重水素)、13Cなどの同位体を天然存在比の量より多く含んでもよい。

Figure 2019199461
環Aおよび環Aは独立して、1,4−シクロヘキシレン、1,4−シクロヘキセニレン、1,4−フェニレン、ナフタレン−1,5−ジイル、ナフタレン−2,6−ジイル、デカヒドロナフタレン−2,6−ジイル、1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル、テトラヒドロピラン−2,5−ジイル、1,3−ジオキサン−2,5−ジイル、ピリミジン−2,5−ジイル、またはピリジン−2,5−ジイルであり、これらの環において、少なくとも1つの水素は、フッ素、塩素、炭素数1から10のアルキル、炭素数2から10のアルケニル、炭素数1から9のアルコキシ、または炭素数2から9のアルケニルオキシで置き換えられてもよく、これらの基において、少なくとも1つの水素は、フッ素または塩素で置き換えられてもよい。
好ましい環Aおよび環Aは、1,4−シクロヘキシレン、1,4−シクロヘキセニレン、1,4−フェニレン、ナフタレン−2,6−ジイル、テトラヒドロピラン−2,5−ジイル、1,3−ジオキサン−2,5−ジイル、ピリミジン−2,5−ジイル、またはピリジン−2,5−ジイルであり、これらの環において、少なくとも1つの水素は、フッ素、塩素、炭素数1から10のアルキル、炭素数2から10のアルケニル、炭素数1から9のアルコキシ、または炭素数2から9のアルケニルオキシで置き換えられてもよく、これらの基において、少なくとも1つの水素は、フッ素または塩素で置き換えられてもよい。
より好ましい環Aおよび環Aは、1,4−シクロヘキシレン、1,4−シクロヘキセニレン、1,4−フェニレン、ナフタレン−2,6−ジイル、テトラヒドロピラン−2,5−ジイル、または1,3−ジオキサン−2,5−ジイルであり、これらの環において、少なくとも1つの水素は、フッ素、炭素数1から10のアルキル、炭素数2から10のアルケニル、炭素数1から9のアルコキシ、または炭素数2から9のアルケニルオキシで置き換えられてもよく、これらの基において、少なくとも1つの水素は、フッ素で置き換えられてもよい。
さらに好ましい環Aおよび環Aは、1,4−シクロヘキシレン、1,4−シクロヘキセニレン、1,4−フェニレン、ナフタレン−2,6−ジイル、テトラヒドロピラン−2,5−ジイル、または1,3−ジオキサン−2,5−ジイルであり、これらの環において、少なくとも1つの水素は、フッ素、炭素数1から5のアルキル、炭素数2から5のアルケニル、または炭素数1から4のアルコキシで置き換えられてもよい。
特に好ましい環Aおよび環Aは、1,4−シクロヘキシレン、1,4−フェニレン、2位置換1,4−フェニレン、3位置換1,4−フェニレン、または2位および3位置換1,4−フェニレンであり、該置換基としては、好ましくは、水素、フッ素、炭素数1から5のアルキル、炭素数2から5のアルケニル、または炭素数1から4のアルコキシであり、より好ましくは水素、フッ素、メチル、またはエチルである。
環Aおよび環Aが独立して、1,4−シクロヘキシレン、1,4−フェニレン、少なくとも1つの水素がフッ素で置き換えられた1,4−フェニレン、少なくとも1つの水素が炭素数1から5のアルキルで置き換えられた1,4−フェニレン、デカヒドロナフタレン−2,6−ジイル、またはテトラヒドロピラン−2,5−ジイルである化合物は、化学的安定性が高い。環Aおよび環Aが独立して、1,4−シクロヘキシレン、1,4−シクロヘキセニレン、1,4−フェニレン、少なくとも1つの水素がフッ素で置き換えられた1,4−フェニレン、少なくとも1つの水素が炭素数1から5のアルキルで置き換えられた1,4−フェニレン、または少なくとも1つの水素が炭素数2から5のアルケニルで置き換えられた1,4−フェニレンである化合物は、液晶組成物への溶解度が大きい。環Aおよび環Aが独立して、1,4−シクロヘキシレン、1,4−フェニレン、少なくとも1つの水素が炭素数1から2のアルキルで置き換えられた1,4−フェニレンである化合物は、液晶分子を配向させる能力が高い。環Aおよび環Aが独立して、1,4−フェニレン、少なくとも1つの水素が炭素数1から5のアルキルで置き換えられた1,4−フェニレン、少なくとも1つの水素が炭素数1から4のアルコキシで置き換えられた1,4−フェニレン、ナフタレン−2,6−ジイル、ピリミジン−2,5−ジイル、またはピリジン−2,5−ジイルである化合物は、紫外線照射による重合反応性が高い。
aは、0、1、2、または3であり、好ましくは、0、1、または2、であり、特に好ましくは、1、または2である。
aが0である化合物は、液晶組成物への溶解度が大きい。aが3である化合物は、液晶分子を配向させる能力が高い。aが1または2である化合物は、液晶組成物への溶解度が大きく、液晶分子を配向させる能力が高く、紫外線照射による重合反応性が高い。
は、単結合または炭素数1から10のアルキレンであり、このアルキレンにおいて、少なくとも1つの−CH−は、−O−、−CO−、−COO−、−OCO−、または−OCOO−で置き換えられてもよく、少なくとも1つの−(CH−は、−CH=CH−または−C≡C−で置き換えられてもよく、これらの基において、少なくとも1つの水素は、フッ素または塩素で置き換えられてもよい。
好ましいZは、単結合、−(CH−、−(CH−、−CH=CH−、−C≡C−、−COO−、−OCO−、−CFO−、−OCF−、−CHO−、−OCH−、または−CF=CF−である。
より好ましいZは、単結合、−(CH−、−CH=CH−、−C≡C−、−COO−、−OCO−、−CFO−、−OCF−、−CHO−、−OCH−、または−CF=CF−である。
さらに好ましいZは、単結合、−(CH−、−CH=CH−、−C≡C−、−CHO−、または−OCH−であり、特に好ましいZは、単結合または−(CH−であり、最も好ましいZは、単結合である。
が単結合である化合物は、化学的安定性が高い。Zが単結合、−(CH−、−CFO−、または−OCF−である化合物は、液晶組成物への溶解度が大きい。Zが単結合または−(CH−である化合物は、液晶分子を配向させる能力が高い。Zが単結合、−CH=CH−、−C≡C−、−COO−、−OCO−、−CHO−、−OCH−である化合物は、紫外線照射による重合反応性が高い。
Sp、およびSpは独立して、単結合または炭素数1から15のアルキレンであり、このアルキレンにおいて、少なくとも1つの−CH−は、−O−、−CO−、−COO−、−OCO−、または−OCOO−で置き換えられてもよく、少なくとも1つの−(CH−は、−CH=CH−または−C≡C−で置き換えられてもよく、これらの基において、少なくとも1つの水素は、フッ素または塩素で置き換えられてもよい。
Sp、およびSpが独立して、単結合または炭素数1から7のアルキレンである化合物は、化学的安定性が高い。Sp、およびSpが独立して、炭素数1から7のアルキレン、または炭素数1から7のアルキレンの少なくとも1つの−CH−が−O−で置き換えられた基である化合物は、液晶組成物への溶解度が大きい。
より好ましいSp、およびSpは独立して、単結合または炭素数1から5のアルキレンであり、このアルキレンにおいて、少なくとも1つの−CH−は、−O−で置き換えられてもよく、少なくとも1つの−(CH−は、−CH=CH−で置き換えられてもよい。
液晶組成物への溶解性により優れる化合物となる等の点から、特に好ましくは、Spは、単結合または炭素数1から5のアルキレンであり、このアルキレンにおいて、少なくとも1つの−CH−は、−O−で置き換えられてもよく;
Spは、単結合または炭素数1から5のアルキレンであり、このアルキレンにおいて、少なくとも1つの−CH−は、−O−で置き換えられてもよく、さらに好ましくは−CH−、−(CH−、または−(CH−である。
、M、M、およびMは独立して、水素、フッ素、塩素、炭素数1から5のアルキル、または少なくとも1つの水素がフッ素または塩素で置き換えられた炭素数1から5のアルキルであり、好ましくは、水素、フッ素、炭素数1から3のアルキル、または少なくとも1つの水素がフッ素で置き換えられた炭素数1から3のアルキルであり、紫外線照射による重合反応性が特に高い化合物となる等の点から、より好ましくは、水素である。
は、水素、炭素数1から10のアルキル、炭素数1から9のアルコキシ、または炭素数1から9のアルコキシアルキルであり、これらの基において、少なくとも1つの−(CH−は、−CH=CH−または−C≡C−で置き換えられてもよく、これらの基において、少なくとも1つの水素は、フッ素または塩素で置き換えられてもよい。
好ましいRは、水素、炭素数1から5のアルキル、炭素数1から4のアルコキシ、または炭素数1から4のアルコキシアルキルであり、これらの基において、少なくとも1つの−(CH−は、−CH=CH−または−C≡C−で置き換えられてもよく、これらの基において、少なくとも1つの水素は、フッ素または塩素で置き換えられてもよい。さらに好ましいRは、水素、メチル、エチル、ブチル、メトキシメチル、メトキシエチル、エトキシメチル、またはエトキシエチルである。特に好ましいRは、水素、メチル、またはメトキシメチルである。
が炭素数1から15のアルキルまたは炭素数1から14のアルコキシである化合物は、化学的安定性が高い。Rが炭素数1から15のアルキル、炭素数2から15のアルケニル、または炭素数2から14のアルケニルオキシである化合物は、液晶組成物への溶解度が大きい。Rが炭素数1〜15のアルキルである化合物は、液晶分子を配向させる能力が高い。
は、式(1−a)、式(1−b)、および式(1−c)で表される基から選択された基である。

Figure 2019199461
好ましいRは、式(1−a)、または式(1−b)である。Rが式(1−a)である化合物は、液晶組成物への溶解度が大きい。Rが式(1−a)、または式(1−c)である化合物は、液晶分子を配向させる能力が高い。Rが式(1−b)である化合物は、液晶組成物への溶解度が高く、液晶分子を配向させる能力が高い。
SpおよびSpは独立して、単結合または炭素数1から15のアルキレンであり、このアルキレンにおいて、少なくとも1つの−CH−は、−O−、−CO−、−COO−、−OCO−、または−OCOO−で置き換えられてもよく、少なくとも1つの−(CH−は、−CH=CH−または−C≡C−で置き換えられてもよく、これらの基において、少なくとも1つの水素は、フッ素または塩素で置き換えられてもよい。
好ましいSpおよびSpは、単結合、炭素数1から10の直鎖のアルキレン、または炭素数3から10の分岐鎖のアルキレンであり、これらのアルキレンにおいて、少なくとも1つの−CH−は、−O−、−CO−、または−COO−で置き換えられてもよく、少なくとも1つの−(CH−は、−CH=CH−で置き換えられてもよく、これらの基において、少なくとも1つの水素は、フッ素または塩素で置き換えられてもよい。さらに好ましいSpおよびSpは、単結合、炭素数1から10の直鎖のアルキレン、または炭素数3から10の分岐鎖のアルキレンであり、これらのアルキレンにおいて、少なくとも1つの−CH−は、−O−で置き換えられてもよく、少なくとも1つの−(CH−は、−CH=CH−で置き換えられてもよく、これらの基において、少なくとも1つの水素は、フッ素または塩素で置き換えられてもよい。特に好ましいSpおよびSpは、単結合、炭素数1から10の直鎖のアルキレン、または炭素数3から10の分岐鎖のアルキレンであり、これらのアルキレンにおいて、少なくとも1つの−CH−は、−O−で置き換えられてもよい。
SpおよびSpが独立して、分岐鎖のアルキルである化合物は、液晶組成物への溶解度が大きい。SpおよびSpが独立して、炭素数1から10の直鎖のアルキレン、または炭素数1から10の直鎖のアルコキシアルキルである化合物は、液晶分子を配向させる能力が高い。
は、水素、炭素数1から10のアルキル、炭素数1から9のアルコキシ、または炭素数1から9のアルコキシアルキルである。
好ましいRは、水素、炭素数1から10のアルキル、炭素数1から9のアルコキシ、または炭素数1から9のアルコキシアルキルである。液晶組成物への溶解性により優れ、化学的安定性が高く、液晶分子を配向させる能力が高い化合物となる等の点から、より好ましいRは、水素、または炭素数1から4のアルキルである。
は、−OH、−NH、−N(R、−COOH、−SH、または−Si(Rである。
液晶組成物への溶解性により優れる化合物となる等の点から、好ましいXは、−OH、−NH、または−SHであり、特に好ましいXは、−OHである。
ここで、Rは水素または炭素数1から10のアルキルであり、このアルキルにおいて、少なくとも1つの−CH−は、−O−で置き換えられてもよく、少なくとも1つの−(CH−は、−CH=CH−で置き換えられてもよく、これらの基において、少なくとも1つの水素は、フッ素または塩素で置き換えられてもよい。
が−OH、−NH、または−SHである化合物は、液晶分子を配向させる能力が高い。Xが−OHである化合物は、化学的安定性が高く、液晶分子を配向させる能力が高く、液晶表示素子に用いた場合の電圧保持率が大きく、そして液晶組成物への溶解度が大きい。
好ましい化合物(1)の例は、項4に記載した化合物(1−1)から(1−4)である。より好ましい化合物(1)の例は、項5に記載した化合物(1−5)から(1−7)である。さらに好ましい化合物(1)の例は、項6に記載した化合物(1−8)から(1−25)である。最も好ましい化合物(1)の例は、項7に記載した化合物(1−26)から(1−43)である。
2.化合物(1)の合成
化合物(1)の合成法について説明する。化合物(1)は、有機合成化学の方法を適切に組み合わせることにより合成できる。合成法を記載しなかった化合物は、「オーガニック・シンセシス」(Organic Syntheses, John Wiley & Sons, Inc)、「オーガニック・リアクションズ」(Organic Reactions, John Wiley & Sons, Inc)、「コンプリヘンシブ・オーガニック・シンセシス」(Comprehensive Organic Synthesis, Pergamon Press)、「新実験化学講座」(丸善)などの成書に記載された方法によって合成できる。
2−1.結合基の生成
化合物(1)における結合基を生成する方法の例は、下記のスキームのとおりである。このスキームにおいて、MSG(またはMSG)は、少なくとも1つの環を有する一価の有機基である。複数のMSG(またはMSG)が表す一価の有機基は、同一であってもよいし、または異なってもよい。化合物(1A)から(1H)は、化合物(1)または化合物(1)の中間体に相当する。

Figure 2019199461

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(I)単結合の生成
ホウ酸化合物(21)と化合物(22)とを、炭酸塩、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム触媒の存在下で反応させ、化合物(1A)を合成する。この化合物(1A)は、化合物(23)にn−ブチルリチウムを、次いで塩化亜鉛を反応させ、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム触媒の存在下で化合物(22)を反応させても合成できる。
(II)−COO−と−OCO−の生成
化合物(23)にn−ブチルリチウムを、次いで二酸化炭素を反応させ、カルボン酸(24)を得る。このカルボン酸(24)と、化合物(21)から誘導したアルコール(25)とをDCC(1,3−ジシクロヘキシルカルボジイミド)とDMAP(4−ジメチルアミノピリジン)の存在下で脱水させて−COO−を有する化合物(1B)を合成する。この方法によって−OCO−を有する化合物も合成する。
(III)−CFO−と−OCF−の生成
化合物(1B)をローソン試薬で硫黄化し、化合物(26)を得る。化合物(26)をフッ化水素ピリジン錯体とNBS(N−ブロモスクシンイミド)でフッ素化し、−CFO−を有する化合物(1C)を合成する。M. Kuroboshi et al., Chem. Lett., 1992,827.を参照。化合物(1C)は化合物(26)をDAST((ジエチルアミノ)サルファートリフルオリド)でフッ素化しても合成できる。W. H. Bunnelle et al., J. Org. Chem. 1990, 55, 768.を参照。この方法によって−OCF−を有する化合物も合成できる。
(IV)−CH=CH−の生成
化合物(22)をn−ブチルリチウム、次いでDMF(N,N−ジメチルホルムアミド)と反応させてアルデヒド(27)を得る。ホスホニウム塩(28)とカリウムtert−ブトキシドを反応させて発生させたリンイリドとを、アルデヒド(27)と反応させて化合物(1D)を合成する。反応条件によってはシス体が生成するので、必要に応じて公知の方法によりシス体をトランス体に異性化する。
(V)−CHCH−の生成
化合物(1D)をパラジウム炭素触媒の存在下で水素化し、化合物(1E)を合成する。
(VI)−C≡C−の生成
ジクロロパラジウムとヨウ化銅の触媒存在下で、化合物(23)に2−メチル−3−ブチン−2−オールを反応させた後、塩基性条件下で脱保護して化合物(29)を得る。ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウムとハロゲン化銅との触媒存在下、化合物(29)を化合物(22)と反応させて、化合物(1F)を合成する。
(VII)−CHO−と−OCH−の生成
化合物(27)を水素化ホウ素ナトリウムで還元して化合物(30)を得る。これを臭化水素酸で臭素化して化合物(31)を得る。炭酸カリウムの存在下、化合物(25)と化合物(31)とを反応させて、化合物(1G)を合成する。この方法によって−OCH−を有する化合物も合成できる。
(VIII)−CF=CF−の生成
化合物(23)をn−ブチルリチウムで処理した後、テトラフルオロエチレンを反応させて化合物(32)を得る。化合物(22)をn−ブチルリチウムで処理した後、化合物(32)と反応させて、化合物(1H)を合成する。
2−2.環AおよびAの生成
1,2−シクロプロピレン、1,3−シクロブチレン、1,3−シクロペンチレン、1,4−シクロヘキシレン、1,4−シクロヘプチレン、1,4−シクロヘキセニレン、1,4−フェニレン、ナフタレン−2,6−ジイル、デカヒドロナフタレン−2,6−ジイル、1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル、テトラヒドロピラン−2,5−ジイル、1,3−ジオキサン−2,5−ジイル、ピリミジン−2,5−ジイル、ピリジン−2,5−ジイルなどの環に関しては出発物が市販されているか、または合成法がよく知られている。
2−3.合成例
化合物(1)を合成する方法の例は、次のとおりである。これらの化合物において、R、R、A、A、Z、Sp、Sp、Sp、およびaの定義は、項1に記載と同一である。
式(1)において、Rが式(1−a)であり、Spが−CH−であり、M、M、M、およびMが水素であり、Rがメチルであり、Xが−OHである化合物(1−61)は、以下の方法で合成できる。
化合物(53)をDABCO(1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン)の存在下でホルムアルデヒドと反応させ、化合物(54)を得る。化合物(54)をPPTS(p−トルエンスルホン酸ピリジニウム)の存在下で3,4−ジヒドロ−2H−ピランと反応させ、化合物(55)を得る。化合物(55)を水酸化リチウムを用いて加水分解して、化合物(56)を得る。公知の方法で合成されるジオール(57)と化合物(58)をDCCおよびDMAPの存在下で反応させ化合物(59)を得る。化合物(59)と化合物(56)をDCCおよびDMAPの存在下で反応させ、化合物(60)を得た後、PPTSを用いて脱保護させる事により、化合物(1−61)へと導く事ができる。

Figure 2019199461
式(1)において、Rが式(1−a)であり、Spが−(CH−であり、M、M、M、およびMが水素であり、Rがメチルであり、Xが−OHである化合物(1−63)は、以下の方法で合成できる。
化合物(1−61)に三臭化リンを作用させて、化合物(62)を得る。次に化合物(62)にインジウムを作用させた後、ホルムアルデヒドと反応させる事によって、化合物(1−63)へと導く事ができる。

Figure 2019199461
式(1)において、Rが式(1−a)であり、Spが−CHO(CH−であり、M、M、M、およびMが水素であり、Rがメチルであり、Xが−OHである化合物(1−64)は、以下の方法で合成できる。
化合物(1−61)に対しトリフルオロメタンスルホン酸無水物(TfO)およびトリエチルアミン(EtN)を作用させた後、エチレングリコールと反応させることによって、化合物(1−64)へと導く事ができる。

Figure 2019199461
3.液晶組成物
3−1.成分化合物
本発明の液晶組成物は、化合物(1)を成分Aとして含む。化合物(1)は、素子の基板との非共有結合的な相互作用によって、液晶分子の配向を制御することができる。この組成物は、化合物(1)を成分Aとして含み、下記成分B、C、D、およびEから選択された少なくとも1つの液晶性化合物をさらに含むことが好ましい。成分Bは、化合物(2)から(4)である。成分Cは、化合物(2)から(4)以外の化合物(5)から(7)である。成分Dは、化合物(8)である。成分Eは、化合物(11)から(19)である。この組成物は、化合物(2)から(8)および(11)から(19)とは異なる、その他の液晶性化合物を含んでもよい。この組成物を調製するときには、正または負の誘電率異方性の大きさなどを考慮して成分B、C、D、およびEを選択することが好ましい。成分を適切に選択した組成物は、高い上限温度、低い下限温度、低粘度、適切な光学異方性(すなわち、大きな光学異方性または小さな光学異方性)、正または負に大きな誘電率異方性、大きな比抵抗、熱または紫外線に対する安定性、および適切な弾性定数(すなわち、大きな弾性定数または小さな弾性定数)を有する。
化合物(1)は、液晶分子の配向を制御する目的で、組成物に添加される。液晶組成物100重量%に対する化合物(1)の好ましい割合は、液晶分子を容易に配向させることができる等の点から、0.05重量%以上であり、素子の表示不良をより防ぐことができる等の点から、10重量%以下であることが好ましい。さらに好ましい割合は、0.1重量%から7重量%の範囲であり、特に好ましい割合は、0.4重量%から5重量%の範囲である。これらの割合は、化合物(20)を含む組成物に対しても適用される。
成分Bは、2つの末端基がアルキルなどである化合物である。成分Bは、小さな誘電率異方性を有する。成分Bの好ましい例として、化合物(2−1)から(2−11)、化合物(3−1)から(3−19)、および化合物(4−1)から(4−7)を挙げることができる。これらの化合物において、R11およびR12は独立して、炭素数1から10のアルキルまたは炭素数2から10のアルケニルであり、このアルキルまたはアルケニルにおいて、少なくとも1つの−CH−は−O−で置き換えられてもよく、少なくとも1つの水素はフッ素で置き換えられてもよい。

Figure 2019199461
成分Bは、誘電率異方性の絶対値が小さいので、中性に近い化合物である。化合物(2)は、主として粘度の減少または光学異方性の調整に効果がある。化合物(3)および(4)は、上限温度を高くすることによってネマチック相の温度範囲を広げる効果、または光学異方性の調整に効果がある。
成分Bの含有量を増加させるにつれて組成物の誘電率異方性が小さくなるが粘度は小さくなる。このため、素子のしきい値電圧の要求値を満たす限り、成分Bの含有量は多いほうが好ましい。成分Bの含有量は、液晶組成物100重量%に対し、好ましくは30重量%以上、さらに好ましくは40重量%以上であり、その上限は特に制限されないが、例えば99.95重量%である。
成分Cは、少なくとも一方の末端にフッ素、塩素またはフッ素含有基を有する化合物である。成分Cは、正に大きな誘電率異方性を有する。成分Cの好ましい例として、化合物(5−1)から(5−16)、化合物(6−1)から(6−116)、化合物(7−1)から(7−59)を挙げることができる。成分Cの化合物において、R13は炭素数1から10のアルキルまたは炭素数2から10のアルケニルであり、このアルキルおよびアルケニルにおいて、少なくとも1つの−CH−は−O−で置き換えられてもよく、少なくとも1つの水素はフッ素で置き換えられてもよく;X11は、フッ素、塩素、−OCF、−OCHF、−CF、−CHF、−CHF、−OCFCHF、または−OCFCHFCFである。

Figure 2019199461

Figure 2019199461

Figure 2019199461

Figure 2019199461

Figure 2019199461

Figure 2019199461

Figure 2019199461
成分Cは、誘電率異方性が正であり、熱、光などに対する安定性が非常に良好であるので、IPS、FFS、OCBなどのモード用の組成物を調製する場合に好適に用いられる。液晶組成物100重量%に対する成分Cの含有量は、1重量%から99重量%の範囲が適しており、好ましくは10重量%から97重量%の範囲、さらに好ましくは40重量%から95重量%の範囲である。成分Cを誘電率異方性が負である組成物に添加する場合、成分Cの含有量は液晶組成物100重量%に対し、30重量%以下が好ましい。成分Cを添加することにより、組成物の弾性定数を調整し、素子の電圧−透過率曲線を調整することが可能となる。
成分Dは、片末端基が−C≡Nまたは−C≡C−C≡Nである化合物(8)である。成分Dは、シアノ基を有するので正により大きな誘電率異方性を有する。成分Dの好ましい例として、化合物(8−1)から(8−64)を挙げることができる。成分Dの化合物において、R14は炭素数1から10のアルキルまたは炭素数2から10のアルケニルであり、このアルキルおよびアルケニルにおいて、少なくとも1つの−CH−は−O−で置き換えられてもよく、少なくとも1つの水素はフッ素で置き換えられてもよく;X12は−C≡Nまたは−C≡C−C≡Nである。

Figure 2019199461

Figure 2019199461
成分Dは、誘電率異方性が正であり、その値が大きいので、TNなどのモード用の組成物を調製する場合に主として用いられる。この成分Dを添加することにより、組成物の誘電率異方性を大きくすることができる。成分Dは、液晶相の温度範囲を広げる、粘度を調整する、または光学異方性を調整する、という効果がある。成分Dは、素子の電圧−透過率曲線の調整にも有用である。
液晶組成物100重量%に対する成分Dの含有量は、1重量%から99重量%の範囲が適しており、好ましくは10重量%から97重量%の範囲、さらに好ましくは40重量%から95重量%の範囲である。成分Dを誘電率異方性が負である組成物に添加する場合、成分Dの含有量は液晶組成物100重量%に対し、30重量%以下が好ましい。成分Dを添加することにより、組成物の弾性定数を調整し、素子の電圧−透過率曲線を調整することが可能となる。
成分Eは、化合物(11)から(19)である。成分Eは、負に大きな誘電率異方性を有する。これらの化合物は、2,3−ジフルオロ−1,4−フェニレンのように、ラテラル位が2つのハロゲン(フッ素または塩素)で置換されたフェニレンを有する。成分Eの好ましい例として、化合物(11−1)から(11−9)、化合物(12−1)から(12−19)、化合物(13−1)および(13−2)、化合物(14−1)から(14−3)、化合物(15−1)から(15−3)、化合物(16−1)から(16−11)、化合物(17−1)から(17−3)、化合物(18−1)から(18−3)、および化合物(19−1)を挙げることができる。これらの化合物において、R15、R16、およびR17は独立して、炭素数1から10のアルキルまたは炭素数2から10のアルケニルであり、このアルキルおよびアルケニルにおいて、少なくとも1つの−CH−は−O−で置き換えられてもよく、これらの基において、少なくとも1つの水素はフッ素で置き換えられてもよく、そしてR17は、水素またはフッ素であってもよい。

Figure 2019199461

Figure 2019199461
成分Eは、誘電率異方性が負に大きい。成分Eは、IPS、VA、PSAなどのモード用の組成物を調製する場合に好適に用いられる。成分Eの含有量を増加させるにつれて組成物の誘電率異方性が負に大きくなるが、粘度が大きくなる。このため、素子のしきい値電圧の要求値を満たす限り、含有量は少ないほうが好ましい。誘電率異方性が−5程度であることを考慮すると、充分な電圧駆動をさせるには、液晶組成物100重量%に対する成分Eの含有量は、40重量%以上であることが好ましい。
成分Eのうち、化合物(11)は二環化合物であるので、粘度を下げる、光学異方性を調整する、または誘電率異方性を上げる効果がある。化合物(12)および(13)は三環化合物であり、化合物(14)は四環化合物であるので、上限温度を上げる、光学異方性を上げる、または誘電率異方性を上げるという効果がある。化合物(15)から(19)は、誘電率異方性を上げるという効果がある。
成分Eの含有量は、液晶組成物100重量%に対し、好ましくは40重量%以上であり、さらに好ましくは50重量%から95重量%の範囲である。成分Eを誘電率異方性が正である組成物に添加する場合は、成分Eの含有量は、液晶組成物100重量%に対し、30重量%以下が好ましい。成分Eを添加することにより、組成物の弾性定数を調整し、素子の電圧−透過率曲線を調整することが可能となる。
以上に述べた成分B、C、D、およびEを適切に組み合わせることによって、高い上限温度、低い下限温度、小さな粘度、適切な光学異方性、正または負に大きな誘電率異方性、大きな比抵抗、紫外線に対する高い安定性、熱に対する高い安定性、大きな弾性定数などの特性の少なくとも1つを充足する液晶組成物を調製することができる。
3−2.添加物
液晶組成物は公知の方法によって調製される。例えば、前記成分を混合し、そして加熱によって互いに溶解させる方法が挙げられる。用途に応じて、この組成物に添加物を添加してよい。添加物の例は、化合物(1)以外の重合性化合物、重合開始剤、重合禁止剤、光学活性化合物、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、熱安定剤、色素、消泡剤などである。このような添加物は当業者によく知られており、文献に記載されている。
重合性化合物は、液晶組成物中に重合体を生成させる目的で添加される。電極間に電圧を印加した状態で紫外線を照射して、化合物(1)を重合させることによって、重合体を生成させることができる。この際、化合物(1)は、その極性基がガラス(または金属酸化物)の基板表面と非共有結合的に相互作用した状態で固定化される。これにより、液晶分子の配向を制御する能力がさらに向上し、適切なプレチルトが得られるので、応答時間が短縮される。
重合性化合物の好ましい例は、アクリレート、メタクリレート、ビニル化合物、ビニルオキシ化合物、プロペニルエーテル、エポキシ化合物(オキシラン、オキセタン)、およびビニルケトンである。さらに好ましい例は、少なくとも1つのアクリロイルオキシを有する化合物および少なくとも1つのメタクリロイルオキシを有する化合物である。さらに好ましい例には、アクリロイルオキシとメタクリロイルオキシの両方を有する化合物も含まれる。
重合性化合物の特に好ましい例は、化合物(20)が挙げられる。化合物(20)は、化合物(1)とは異なる化合物である。化合物(1)は極性基を有する。一方、化合物(20)は、極性基を有さないことが好ましい。

Figure 2019199461
式(20)において、環Fおよび環Iは独立して、シクロヘキシル、シクロヘキセニル、フェニル、1−ナフチル、2−ナフチル、テトラヒドロピラン−2−イル、1,3−ジオキサン−2−イル、ピリミジン−2−イル、またはピリジン−2−イルであり、これらの環において、少なくとも1つの水素は、ハロゲン、炭素数1から12のアルキル、炭素数1から12のアルコキシ、または少なくとも1つの水素がハロゲンで置き換えられた炭素数1から12のアルキルで置き換えられてもよい。
好ましい環Fまたは環Iは、シクロヘキシル、シクロヘキセニル、フェニル、フルオロフェニル、ジフルオロフェニル、1−ナフチル、または2−ナフチルである。さらに好ましい環Fまたは環Iは、シクロヘキシル、シクロヘキセニル、またはフェニルである。特に好ましい環Fまたは環Iは、フェニルである。
式(20)において、環Gは、1,4−シクロへキシレン、1,4−シクロヘキセニレン、1,4−フェニレン、ナフタレン−1,2−ジイル、ナフタレン−1,3−ジイル、ナフタレン−1,4−ジイル、ナフタレン−1,5−ジイル、ナフタレン−1,6−ジイル、ナフタレン−1,7−ジイル、ナフタレン−1,8−ジイル、ナフタレン−2,3−ジイル、ナフタレン−2,6−ジイル、ナフタレン−2,7−ジイル、フェナントレン−2,7−ジイル、テトラヒドロピラン−2,5−ジイル、1,3−ジオキサン−2,5−ジイル、ピリミジン−2,5−ジイル、またはピリジン−2,5−ジイルであり、これらの環において、少なくとも1つの水素は、ハロゲン、炭素数1から12のアルキル、炭素数1から12のアルコキシ、または少なくとも1つの水素がハロゲンで置き換えられた炭素数1から12のアルキルで置き換えられてもよい。
好ましい環Gは、1,4−シクロへキシレン、1,4−シクロヘキセニレン、1,4−フェニレン、2−フルオロ−1,4−フェニレン、ナフタレン−1,2−ジイル、ナフタレン−1,3−ジイル、ナフタレン−1,4−ジイル、ナフタレン−1,5−ジイル、ナフタレン−1,6−ジイル、ナフタレン−1,7−ジイル、ナフタレン−1,8−ジイル、ナフタレン−2,3−ジイル、ナフタレン−2,6−ジイル、ナフタレン−2,7−ジイルである。さらに好ましい環Gは、1,4−シクロへキシレン、1,4−シクロヘキセニレン、1,4−フェニレン、または2−フルオロ−1,4−フェニレンである。特に好ましい環Gは、1,4−フェニレンまたは2−フルオロ−1,4−フェニレンである。最も好ましい環Gは、1,4−フェニレンである。
式(20)において、Z22およびZ23は独立して、単結合または炭素数1から10のアルキレンであり、このアルキレンにおいて、少なくとも1つの−CH−は、−O−、−CO−、−COO−、または−OCO−で置き換えられてもよく、少なくとも1つの−CHCH−は、−CH=CH−、−C(CH)=CH−、−CH=C(CH)−、または−C(CH)=C(CH)−で置き換えられてもよく、これらの基において、少なくとも1つの水素は、フッ素または塩素で置き換えられてもよい。好ましいZまたはZは、単結合、−CHCH−、−CHO−、−OCH−、−COO−、または−OCO−である。さらに好ましいZ22またはZ23は、単結合である。
化合物(20)において、P11、P12、およびP13は独立して、重合性基である。好ましいP11からP13は、式(P−1)から式(P−5)で表される重合性基の群から選択された基である。さらに好ましいP11からP13は、式(P−1)、式(P−2)、または式(P−3)で表される基ある。特に好ましいP11からP13は、式(P−1)で表される基ある。式(P−1)で表される好ましい基は、アクリロイルオキシ(−OCO−CH=CH)またはメタクリロイルオキシ(−OCO−C(CH)=CH)である。式(P−1)から式(P−5)の波線は、結合する部位を示す。

Figure 2019199461
式(P−1)から式(P−5)において、M11、M12、およびM13は独立して、水素、フッ素、炭素数1から5のアルキル、または少なくとも1つの水素がハロゲンで置き換えられた炭素数1から5のアルキルである。好ましいM11、M12、またはM13は、反応性を上げるために水素またはメチルである。さらに好ましいM11は水素またはメチルであり、さらに好ましいM12またはM13は水素である。
式(20)において、Sp11、Sp12、およびSp13は独立して、単結合または炭素数1から10のアルキレンであり、このアルキレンにおいて、少なくとも1つの−CH−は、−O−、−COO−、−OCO−、または−OCOO−で置き換えられてもよく、少なくとも1つの−CHCH−は、−CH=CH−または−C≡C−で置き換えられてもよく、これらの基において、少なくとも1つの水素は、フッ素または塩素で置き換えられてもよい。好ましいSp11、Sp12、またはSp13は、単結合である。
式(20)において、uは、0、1、または2である。好ましいuは0または1である。
式(20)において、f、g、およびhは独立して、0、1、2、3、または4であり、そして、f、g、およびhの和は、1以上である。好ましいf、g、またはhは、1または2である。好ましい和は、2、3または4である。さらに好ましい和は、2または3である。
化合物(20)の好ましい例は、項15に記載の化合物(20−1)から化合物(20−7)であり、より好ましい例は、化合物(20−8)から(20−11)である。さらに好ましい例は、化合物(20−1−1)から(20−1−5)、化合物(20−2−1)から(20−2−5)、化合物(20−4−1)、化合物(20−5−1)、化合物(20−6−1)、および化合物(20−7−1)である。これらの化合物において、R25からR31は独立して、水素またはメチルであり;R32、R33、およびR34は独立して、水素または炭素数1から5のアルキルであり、R32、R33、およびR34の少なくとも1つは炭素数1から5のアルキルであり;v、およびxは独立して、0または1であり;tおよびuは独立して、1から10の整数であり、t+vおよびx+uはそれぞれ最大で10であり;L31からL36は独立して、水素またはフッ素であり、L37およびL38は独立して、水素、フッ素、またはメチルである。

Figure 2019199461

Figure 2019199461
組成物中の重合性化合物は、光ラジカル重合開始剤などの重合開始剤を用いることによって、速やかに重合させることができる。また、重合の際の反応条件を最適化することによって、残存する重合性化合物の量を減少させることができる。光ラジカル重合開始剤の例は、BASF社のダロキュアシリーズからTPO、1173、および4265が挙げられ、イルガキュアシリーズから184、369、500、651、784、819、907、1300、1700、1800、1850、および2959が挙げられる。
光ラジカル重合開始剤の追加例は、4−メトキシフェニル−2,4−ビス(トリクロロメチル)トリアジン、2−(4−ブトキシスチリル)−5−トリクロロメチル−1,3,4−オキサジアゾール、9−フェニルアクリジン、9,10−ベンズフェナジン、ベンゾフェノン/ミヒラーズケトン混合物、ヘキサアリールビイミダゾール/メルカプトベンズイミダゾール混合物、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、ベンジルジメチルケタール、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノプロパン−1−オン、2,4−ジエチルキサントン/p−ジメチルアミノ安息香酸メチル混合物、ベンゾフェノン/メチルトリエタノールアミン混合物である。
液晶組成物に光ラジカル重合開始剤を添加した後、電場を印加した状態で紫外線を照射することによって重合を行うことができる。しかし、未反応の重合開始剤または重合開始剤の分解生成物は、素子に画像の焼き付きなどの表示不良を引き起こす可能性がある。これを防ぐために重合開始剤を添加しないまま光重合を行ってもよい。照射する光の好ましい波長は150nmから500nmの範囲である。さらに好ましい波長は250nmから450nmの範囲であり、最も好ましい波長は300nmから400nmの範囲である。
重合性化合物を保管するとき、重合を防止するために重合禁止剤を添加してもよい。重合性化合物は、通常は重合禁止剤を除去しないまま組成物に添加される。重合禁止剤の例は、ヒドロキノン、メチルヒドロキノンなどのヒドロキノン誘導体、4−t−ブチルカテコール、4−メトキシフェノ−ル、フェノチアジンである。
光学活性化合物は、液晶分子にらせん構造を誘起して必要なねじれ角を与えることによって逆ねじれを防ぐ、という効果を有する。光学活性化合物を添加することによって、らせんピッチを調整することができる。らせんピッチの温度依存性を調整する目的で2つ以上の光学活性化合物を添加してもよい。光学活性化合物の好ましい例として、下記の化合物(Op−1)から(Op−18)を挙げることができる。化合物(Op−18)において、環Jは1,4−シクロへキシレンまたは1,4−フェニレンであり、R28は炭素数1から10のアルキルである。*印は不斉炭素を表す。

Figure 2019199461
酸化防止剤は、大きな電圧保持率を維持するために有効である。酸化防止剤の好ましい例として、下記の化合物(AO−1)および(AO−2);Irganox415、Irganox565、Irganox1010、Irganox1035、Irganox3114、およびIrganox1098(商品名;BASF社)を挙げることができる。
紫外線吸収剤は、上限温度の低下を防ぐために有効である。紫外線吸収剤の好ましい例は、ベンゾフェノン誘導体、ベンゾエート誘導体、トリアゾール誘導体などであり、具体例として下記の化合物(AO−3)および(AO−4);Tinuvin329、TinuvinP、Tinuvin326、Tinuvin234、Tinuvin213、Tinuvin400、Tinuvin328、およびTinuvin99−2(商品名;BASF社);および1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン(DABCO)を挙げることができる。
立体障害のあるアミンのような光安定剤は、大きな電圧保持率を維持するために好ましい。光安定剤の好ましい例として、下記の化合物(AO−5)、(AO−6)、(AO−7)、(AO−8)、および(AO−9);Tinuvin144、Tinuvin765、Tinuvin770DF、Tinuvin780(商品名;BASF社);LA−52、LA−57、LA−77Y、およびLA−77G(商品名;ADEKA社)を挙げることができる。熱安定剤も大きな電圧保持率を維持するために有効であり、好ましい例としてIrgafos168(商品名;BASF社)を挙げることができる。GH(guest host)モードの素子に適合させるために、アゾ系色素、アントラキノン系色素などのような二色性色素(dichroic dye)が組成物に添加される。消泡剤は、泡立ちを防ぐために有効である。消泡剤の好ましい例は、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイルなどである。

Figure 2019199461
化合物(AO−1)において、R40は炭素数1から20のアルキル、炭素数1から20のアルコキシ、−COOR41、または−CHCHCOOR41であり、ここでR41は炭素数1から20のアルキルである。化合物(AO−2)および(AO−5)において、R42は炭素数1から20のアルキルである。化合物(AO−5)において、R43は水素、メチルまたはO(酸素ラジカル)であり;環Gは1,4−シクロヘキシレンまたは1,4−フェニレンであり;化合物(AO−7)および(AO−8)において、環Gは1,4−シクロヘキシレン、1,4−フェニレン、または少なくとも1つの水素がフッ素で置き換えられた1,4−フェニレンであり;化合物(AO−5)、(AO−7)、および(AO−8)において、zは、1、2、または3である。
4.液晶表示素子
液晶組成物は、PC、TN、STN、OCB、PSAなどの動作モードを有し、アクティブマトリックス方式で駆動する液晶表示素子に好適に使用できる。この組成物は、PC、TN、STN、OCB、VA、IPSなどの動作モードを有し、パッシブマトリクス方式で駆動する液晶表示素子にも好適に使用することができる。これらの素子は、反射型、透過型、半透過型のいずれのタイプにも適用できる。
この組成物は、NCAP(nematic curvilinear aligned phase)素子にも適しており、ここでは組成物がマイクロカプセル化されている。この組成物は、ポリマー分散型液晶表示素子(PDLCD)や、ポリマーネットワーク液晶表示素子(PNLCD)にも使用できる。これらの組成物においては、重合性化合物が多量に添加される。一方、PSAモードの液晶表示素子に用いる組成物は、重合性化合物の割合が液晶組成物100重量%に対し、好ましくは10重量%以下であり、より好ましい割合は0.1重量%から2重量%の範囲であり、さらに好ましい割合は、0.2重量%から1.0重量%の範囲である。PSAモードの素子は、アクティブマトリックス方式、パッシブマトリクス方式などの駆動方式で駆動させることができる。このような素子は、反射型、透過型、半透過型のいずれのタイプにも適用できる。
高分子支持配向型の素子では、組成物に含まれる重合体が液晶分子を配向させる。極性化合物は、液晶分子が配列するのを援助する。すなわち、極性化合物は、配向膜の代わりに用いることができる。このような素子を製造する方法の一例は、次のとおりである。アレイ基板とカラーフィルター基板と呼ばれる2つの基板を有する素子を用意する。この基板は配向膜を有しない。この基板の少なくとも1つは、電極層を有する。液晶性化合物を混合して液晶組成物を調製する。この組成物に化合物(1)、さらに必要により他の重合性化合物および極性化合物を添加する。必要に応じて添加物をさらに添加してもよい。この組成物を素子に注入する。この素子に電圧を印加した状態で光照射する。紫外線が好ましい。光照射によって重合性化合物を重合させる。この重合によって、重合体を含む組成物が生成し、PSAモードを有する素子が作製される。
この手順において、極性化合物は、極性基が基板表面と相互作用するので、基板上に配列する。この極性化合物が、液晶分子を配向させる。極性基が複数存在する場合、基板表面との相互作用がより強くなり、低濃度で配向させることができる。電圧を印加したとき、電場の作用によって液晶分子の配向がさらに促進される。この配向に従って重合性化合物も配向する。この状態で重合性化合物が紫外線によって重合するので、この配向を維持した重合体が生成する。この重合体の効果によって、液晶分子の配向が追加的に安定化するので、素子の応答時間が短縮される。画像の焼き付きは、液晶分子の動作不良であるから、この重合体の効果によって焼き付きも同時に改善されることになる。化合物(1)は重合性であるので、重合によって消費される。化合物(1)は、他の重合性化合物と共重合することによっても消費される。したがって、化合物(1)は極性基を有するが、消費されるので、電圧保持率の大きな液晶表示素子が得られる。なお、重合性を有する極性化合物を用いれば、極性化合物と重合性化合物の両方の効果を1つの化合物で達成することが可能である為、極性基を持たない重合性化合物を必要としない場合もある。
実施例(合成例、使用例を含む)により、本発明をさらに詳しく説明する。本発明はこれらの実施例によっては制限されない。本発明は、使用例の組成物の少なくとも2つを混合することによって調製した混合物をも含む。
1.化合物(1)の実施例
特に記載のない限り、反応は窒素雰囲気下で行った。化合物(1)は、実施例1などに示した手順により合成した。合成した化合物は、NMR分析などの方法により同定した。化合物(1)、液晶性化合物、組成物、素子の特性は、下記の方法により測定した。
NMR分析:測定には、ブルカーバイオスピン社製のDRX−500を用いた。H−NMRの測定では、試料をCDClなどの重水素化溶媒に溶解させ、測定は、室温で、500MHz、積算回数16回の条件で行った。テトラメチルシランを内部標準として用いた。19F−NMRの測定では、CFClを内部標準として用い、積算回数24回で行った。核磁気共鳴スペクトルの説明において、sはシングレット、dはダブレット、tはトリプレット、qはカルテット、quinはクインテット、sextはセクステット、mはマルチプレット、brはブロードであることを意味する。
ガスクロマト分析:測定には、(株)島津製作所製のGC−2010型ガスクロマトグラフを用いた。カラムは、Agilent Technologies Inc.製のキャピラリカラムDB−1(長さ60m、内径0.25mm、膜厚0.25μm)を用いた。キャリアーガスとしてはヘリウム(1ml/分)を用いた。試料気化室の温度を300℃、検出器(FID)部分の温度を300℃に設定した。試料はアセトンに溶解させて、1重量%の溶液となるように調製し、得られた溶液1μlを試料気化室に注入した。記録計には(株)島津製作所製のGCSolutionシステムなどを用いた。
HPLC分析:測定には、(株)島津製作所製のProminence(LC−20AD;SPD−20A)を用いた。カラムは(株)ワイエムシィ製のYMC−Pack ODS−A(長さ150mm、内径4.6mm、粒子径5μm)を用いた。溶出液はアセトニトリルと水を適宜混合して用いた。検出器としてはUV検出器、RI検出器、CORONA検出器などを適宜用いた。UV検出器を用いた場合、検出波長は254nmとした。試料はアセトニトリルに溶解して、0.1重量%の溶液となるように調製し、この溶液1μLを試料室に導入した。記録計としては(株)島津製作所製のC−R7Aplusを用いた。
紫外可視分光分析:測定には、(株)島津製作所製のPharmaSpec UV−1700用いた。検出波長は190nmから700nmとした。試料はアセトニトリルに溶解して、0.01mmol/Lの溶液となるように調製し、石英セル(光路長1cm)に入れて測定した。
測定試料:相構造および転移温度(透明点、融点、重合開始温度など)を測定するときには、化合物そのものを試料として用いた。
測定方法:特性の測定は下記の方法で行った。これらの多くは、社団法人電子情報技術産業協会(JEITA;Japan Electronics and Information Technology Industries Association)で審議制定されるJEITA規格(JEITA・ED−2521B)に記載された方法、またはこれを修飾した方法であった。測定に用いたTN素子には、薄膜トランジスター(TFT)を取り付けなかった。
(1)相構造
偏光顕微鏡を備えた融点測定装置のホットプレート(メトラー社製、FP−52型ホットステージ)に試料を置いた。この試料を、3℃/分の速度で加熱しながら相状態とその変化を偏光顕微鏡で観察し、相の種類を特定した。
(2)転移温度(℃)
測定には、パーキンエルマー社製の走査熱量計、Diamond DSCシステムまたは(株)日立ハイテクサイエンス製の高感度示差走査熱量計、X−DSC7000を用いた。試料は、3℃/分の速度で昇降温し、試料の相変化に伴う吸熱ピークまたは発熱ピークの開始点を外挿により求め、転移温度を決定した。化合物の融点、重合開始温度もこの装置を使って測定した。化合物が固体からスメクチック相、ネマチック相などの液晶相に転移する温度を「液晶相の下限温度」と略すことがある。化合物が液晶相から液体に転移する温度を「透明点」と略すことがある。
結晶はCと表した。結晶の種類の区別がつく場合は、それぞれをC、Cのように表した。スメクチック相はS、ネマチック相はNと表した。スメクチック相の中で、スメクチックA相、スメクチックB相、スメクチックC相、またはスメクチックF相の区別がつく場合は、それぞれS、S、S、またはSと表した。液体(アイソトロピック)はIと表した。転移温度は、例えば、「C 50.0 N 100.0 I」のように表記した。これは、結晶からネマチック相への転移温度が50.0℃であり、ネマチック相から液体への転移温度が100.0℃であることを示す。
(3)ネマチック相の上限温度(TNIまたはNI;℃)
偏光顕微鏡を備えた融点測定装置のホットプレートに試料を置き、1℃/分の速度で加熱した。試料の一部がネマチック相から等方性液体に変化したときの温度を測定した。ネマチック相の上限温度を「上限温度」と略すことがある。試料が化合物(1)と母液晶との混合物であるときは、TNIの記号で示した。試料が化合物(1)と成分B、C、Dのような化合物との混合物であるときは、NIの記号で示した。
(4)ネマチック相の下限温度(T;℃)
ネマチック相を有する試料を0℃、−10℃、−20℃、−30℃、および−40℃のフリーザー中に10日間保管した後、液晶相を観察した。例えば、試料が−20℃ではネマチック相のままであり、−30℃では結晶またはスメクチック相に変化したとき、Tを≦−20℃と記載した。ネマチック相の下限温度を「下限温度」と略すことがある。
(5)粘度(バルク粘度;η;20℃で測定;mPa・s)
測定には、東京計器(株)製のE型回転粘度計を用いた。
(6)光学異方性(屈折率異方性;25℃で測定;Δn)
測定は、波長589nmの光を用い、接眼鏡に偏光板を取り付けたアッベ屈折計により行なった。主プリズムの表面を一方向にラビングした後、試料を主プリズムに滴下した。屈折率(n‖)は偏光の方向がラビングの方向と平行であるときに測定した。屈折率(n⊥)は偏光の方向がラビングの方向と垂直であるときに測定した。光学異方性(Δn)の値は、Δn=n‖−n⊥、の式から計算した。
(7)比抵抗(ρ;25℃で測定;Ωcm)
電極を備えた容器に試料1.0mLを注入した。この容器に直流電圧(10V)を印加し、10秒後の直流電流を測定した。比抵抗は次の式から算出した。(比抵抗)={(電圧)×(容器の電気容量)}/{(直流電流)×(真空の誘電率)}。
誘電率異方性が正の試料と負の試料とでは、特性の測定法が異なることがある。誘電率異方性が正であるときの測定法は、項(8a)から(12a)に記載した。誘電率異方性が負の場合は、項(8b)から(12b)に記載した。
(8a)粘度(回転粘度;γ1;25℃で測定;mPa・s)
正の誘電率異方性:測定は、M. Imai et al., Molecular Crystals and Liquid Crystals, Vol. 259, 37 (1995) に記載された方法に従った。ツイスト角が0度であり、そして2枚のガラス基板の間隔(セルギャップ)が5μmであるTN素子に試料を入れた。この素子に16Vから19.5Vの範囲で0.5V毎に段階的に電圧を印加した。0.2秒の無印加の後、ただ1つの矩形波(矩形パルス;0.2秒)と無印加(2秒)の条件で印加を繰り返した。この印加によって発生した過渡電流(transient current)のピーク電流(peak current)とピーク時間(peak time)を測定した。これらの測定値とM.Imaiらの論文、40頁の計算式(8)とから回転粘度の値を得た。この計算で必要な誘電率異方性の値は、この回転粘度を測定した素子を用い、下に記載した方法で求めた。
(8b)粘度(回転粘度;γ1;25℃で測定;mPa・s)
負の誘電率異方性:測定は、M. Imai et al., Molecular Crystals and Liquid Crystals, Vol. 259, 37 (1995) に記載された方法に従った。2枚のガラス基板の間隔(セルギャップ)が20μmのVA素子に試料を入れた。この素子に39ボルトから50ボルトの範囲で1ボルト毎に段階的に電圧を印加した。0.2秒の無印加の後、ただ1つの矩形波(矩形パルス;0.2秒)と無印加(2秒)の条件で印加を繰り返した。この印加によって発生した過渡電流(transient current)のピーク電流(peak current)とピーク時間(peak time)を測定した。これらの測定値とM.Imaiらの論文、40頁の計算式(8)とから回転粘度の値を得た。この計算に必要な誘電率異方性は、下記の誘電率異方性の項で測定した値を用いた。
(9a)誘電率異方性(Δε;25℃で測定)
正の誘電率異方性:2枚のガラス基板の間隔(セルギャップ)が9μmであり、そしてツイスト角が80度であるTN素子に試料を入れた。この素子にサイン波(10V、1kHz)を印加し、2秒後に液晶分子の長軸方向における誘電率(ε‖)を測定した。この素子にサイン波(0.5V、1kHz)を印加し、2秒後に液晶分子の短軸方向における誘電率(ε⊥)を測定した。誘電率異方性の値は、Δε=ε‖−ε⊥、の式から計算した。
(9b)誘電率異方性(Δε;25℃で測定)
負の誘電率異方性:誘電率異方性の値は、Δε=ε‖−ε⊥、の式から計算した。誘電率(ε‖およびε⊥)は次のように測定した。
1)誘電率(ε‖)の測定:よく洗浄したガラス基板にオクタデシルトリエトキシシラン(0.16mL)のエタノール(20mL)溶液を塗布した。ガラス基板をスピンナーで回転させた後、150℃で1時間加熱した。2枚のガラス基板の間隔(セルギャップ)が4μmであるVA素子に試料を入れ、この素子を紫外線で硬化する接着剤で密閉した。この素子にサイン波(0.5V、1kHz)を印加し、2秒後に液晶分子の長軸方向における誘電率(ε‖)を測定した。
2)誘電率(ε⊥)の測定:よく洗浄したガラス基板にポリイミド溶液を塗布した。このガラス基板を焼成した後、得られた配向膜にラビング処理をした。2枚のガラス基板の間隔(セルギャップ)が9μmであり、ツイスト角が80度であるTN素子に試料を入れた。この素子にサイン波(0.5V、1kHz)を印加し、2秒後に液晶分子の短軸方向における誘電率(ε⊥)を測定した。
(10a)弾性定数(K;25℃で測定;pN)
正の誘電率異方性:測定にはアジレント・テクノロジー社製のHP4284A型LCRメータを用いた。2枚のガラス基板の間隔(セルギャップ)が20μmである水平配向素子に試料を入れた。この素子に0ボルトから20ボルトの電荷を印加し、静電容量および印加電圧を測定した。測定した静電容量(C)と印加電圧(V)の値を「液晶デバイスハンドブック」(日刊工業新聞社)、75頁にある式(2.98)、式(2.101)を用いてフィッティングし、式(2.99)からK11およびK33の値を得た。次に171頁にある式(3.18)に、先ほど求めたK11およびK33の値を用いてK22を算出した。弾性定数Kは、このようにして求めたK11、K22およびK33の平均値で表した。
(10b)弾性定数(K11およびK33;25℃で測定;pN)
負の誘電率異方性:測定には(株)東陽テクニカ製のEC−1型弾性定数測定器を用いた。2枚のガラス基板の間隔(セルギャップ)が20μmである垂直配向素子に試料を入れた。この素子に20ボルトから0ボルトの電荷を印加し、静電容量および印加電圧を測定した。静電容量(C)と印加電圧(V)の値を、「液晶デバイスハンドブック」(日刊工業新聞社)、75頁にある式(2.98)、式(2.101)を用いてフィッティングし、式(2.100)から弾性定数の値を得た。
(11a)しきい値電圧(Vth;25℃で測定;V)
正の誘電率異方性:測定には大塚電子(株)製のLCD5100型輝度計を用いた。光源はハロゲンランプとした。2枚のガラス基板の間隔(セルギャップ)が0.45/Δn(μm)であり、ツイスト角が80度であるノーマリーホワイトモード(normally white mode)のTN素子に試料を入れた。この素子に印加する電圧(32Hz、矩形波)は0Vから10Vまで0.02Vずつ段階的に増加させた。この際に、素子に垂直方向から光を照射し、素子を透過した光量を測定した。この光量が最大になったときが透過率100%であり、この光量が最小であったときが透過率0%である電圧−透過率曲線を作成した。しきい値電圧は透過率が90%になったときの電圧で表した。
(11b)しきい値電圧(Vth;25℃で測定;V)
負の誘電率異方性:測定には大塚電子(株)製のLCD5100型輝度計を用いた。光源はハロゲンランプとした。2枚のガラス基板の間隔(セルギャップ)が4μmであり、ラビング方向がアンチパラレルであるノーマリーブラックモード(normally black mode)のVA素子に試料を入れ、この素子を紫外線で硬化する接着剤を用いて密閉した。この素子に印加する電圧(60Hz、矩形波)は0Vから20Vまで0.02Vずつ段階的に増加させた。この際に、素子に垂直方向から光を照射し、素子を透過した光量を測定した。この光量が最大になったときが透過率100%であり、この光量が最小であったときが透過率0%である電圧−透過率曲線を作成した。しきい値電圧は透過率が10%になったときの電圧で表した。
(12a)応答時間(τ;25℃で測定;ms)
正の誘電率異方性:測定には大塚電子(株)製のLCD5100型輝度計を用いた。光源はハロゲンランプとした。ローパス・フィルター(Low-pass filter)は5kHzに設定した。2枚のガラス基板の間隔(セルギャップ)が5.0μmであり、ツイスト角が80度であるノーマリーホワイトモード(normally white mode)のTN素子に試料を入れた。この素子に矩形波(60Hz、5V、0.5秒)を印加した。この際に、素子に垂直方向から光を照射し、素子を透過した光量を測定した。この光量が最大になったときが透過率100%であり、この光量が最小であったときが透過率0%であるとみなした。立ち上がり時間(τr:rise time;ミリ秒)は、透過率が90%から10%に変化するのに要した時間である。立ち下がり時間(τf:fall time;ミリ秒)は透過率10%から90%に変化するのに要した時間である。応答時間は、このようにして求めた立ち上がり時間と立ち下がり時間との和で表した。
(12b)応答時間(τ;25℃で測定;ms)
負の誘電率異方性:測定には大塚電子(株)製のLCD5100型輝度計を用いた。光源はハロゲンランプとした。ローパス・フィルター(Low-pass filter)は5kHzに設定した。2枚のガラス基板の間隔(セルギャップ)が3.2μmであり、ラビング方向がアンチパラレルであるノーマリーブラックモード(normally black mode)のPVA素子に試料を入れた。この素子を紫外線で硬化する接着剤を用いて密閉した。この素子にしきい値電圧を若干超える程度の電圧を1分間印加し、次に5.6Vの電圧を印加しながら23.5mW/cmの紫外線を8分間照射した。この素子に矩形波(60Hz、10V、0.5秒)を印加した。この際に、素子に垂直方向から光を照射し、素子を透過した光量を測定した。この光量が最大になったときが透過率100%であり、この光量が最小であったときが透過率0%であるとみなした。応答時間は透過率90%から10%に変化するのに要した時間(立ち下がり時間;fall time;ミリ秒)で表した。
(13)電圧保持率
アイグラフィックス(株)製ブラックライト、F40T10/BL(ピーク波長369nm)を用いて紫外線を照射することによって、重合性化合物を重合させた。この素子に60℃でパルス電圧(1Vで60マイクロ秒)を印加して充電した。減衰する電圧を高速電圧計で1.67秒のあいだ測定し、単位周期における電圧曲線と横軸との間の面積Aを求めた。面積Bは減衰しなかったときの面積である。電圧保持率は面積Bに対する面積Aの百分率で表した。
原料
ソルミックス(登録商標)A−11は、エタノール(85.5%)、メタノール(13.4%)とイソプロパノール(IPA)(1.1%)の混合物であり、日本アルコール販売(株)から入手した。
[合成例1]
化合物(1−2−1)の合成
Figure 2019199461
第1工程
化合物(T−1)(40g)、トリエチルアミン(33.7ml)およびDMF(3000ml)を反応器に入れ、0℃に冷却した。そこへ化合物(T−2)(23.2g)を加え、室温に戻しつつ12時間攪拌した。反応混合物を水に注ぎ込み、水層を酢酸エチルで抽出した。得られた有機層を食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。この溶液を減圧下で濃縮し、残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(容積比、ヘプタン:酢酸エチル=1:1)で精製して、化合物(T−3)(2.7g;5%)を得た。
第2工程
化合物(T−3)(5.0g)、化合物(T−4)(4.2g)、DMAP(1.2g)、およびジクロロメタン(55.0ml)を反応器に入れ、0℃に冷却した。そこへDCC(5.8g)のジクロロメタン(30.0ml)溶液をゆっくりと滴下し、室温に戻しつつ12時間攪拌した。不溶物を炉別した後、反応混合物を水に注ぎ込み、水層をジクロロメタンで抽出した。得られた有機層を水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。この溶液を減圧下で濃縮し、残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(容積比、ヘプタン:酢酸エチル=9:1)で精製して、化合物(T−5)(5.0g;58%)を得た。なお、THPはテトラヒドロピラニル基を示す。
第3工程
化合物(T−5)(5.0g)、ピリジニウムp−トルエンスルホナート(PPTS)(1.5g)、THF(25.0ml)、およびメタノール(25.0ml)を反応器に入れ、50℃で4時間攪拌した。反応混合物を水に注ぎ込み、水層を酢酸エチルで抽出した。得られた有機層を水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。この溶液を減圧下で濃縮し、残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(容積比、トルエン:酢酸エチル=2:1)で精製した。さらにヘプタンからの再結晶により精製して、化合物(1−2−1)(2.7g;67%)を得た。
得られた化合物(1−2−1)のNMR分析値は以下の通りである。
H−NMR:化学シフトδ(ppm;CDCl3):6.23(s,1H)、6.07(s,1H)、5.80(d,J=1.1Hz,1H)、5.53(t,J=1.6Hz,1H)、4.79−4.65(m,2H)、4.32(d,J=6.8Hz,2H)、2.30(t,J=6.6Hz,1H)、2.09−2.00(m,4H)、1.93(s,3H)、1.85−1.76(m,4H)、1.43−1.31(m,4H)、1.19−1.07(m,6H).
転移温度:C 119 I. (重合開始温度:123℃)
[合成例2]
化合物(1−2−16)の合成

Figure 2019199461
第1工程
公知の方法で合成した化合物(T−6)(156.2g)、およびTHF(1770ml)を反応器に入れ、0℃に冷却した。そこへ10%塩酸(884ml)を滴下し室温攪拌を行った。反応混合物を水に注ぎ込み、炭酸カリウムで中和し、水層を酢酸エチルで抽出した。得られた有機層を水で洗浄して、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。この溶液を減圧下で濃縮し、残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(容積比、ヘプタン:酢酸エチル=1:1)で精製して、化合物(T−7)(123.6g;95%)を得た。
第2工程
化合物(T−7)(123.6g)、3,4−ジヒドロ−2H−ピラン(60.2ml)、およびジクロロメタン(1000ml)を反応器に入れ、0℃に冷却した。そこへ、ピリジニウムp−トルエンスルホナート(PPTS)(13.8g)を加え、室温に戻しつつ攪拌した。反応混合物を重曹水に注ぎ込み、水層をトルエンで抽出した。得られた有機層を水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。この溶液を減圧下で濃縮し、残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(容積比、ヘプタン:酢酸エチル=4:1)で精製して、化合物(T−8)(116.0g;68%)を得た。
第3工程
水素化リチウムアルミニウム(8.6g)およびTHF(500ml)を反応器に入れ、―10℃に冷却した。そこへ、化合物(T−8)(116.0g)のTHF(660ml)溶液をゆっくりと加え、室温に戻しつつ攪拌した。反応混合物を水に注ぎ込み、不溶物を炉別した後、水層を酢酸エチルで抽出した。得られた有機層を水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。この溶液を減圧下で濃縮し、残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(容積比、ヘプタン:酢酸エチル=1:1)で精製して、化合物(T−9)(86.2g;74%)を得た。
第4工程
化合物(T−9)(81.2g)と化合物(T−10)(26.5ml)を原料として用い、合成例1の第2工程と同様の手法により、化合物(T−11)(86.2g;87%)を得た。
第5工程
化合物(T−11)(55.0g)を原料として用い、合成例1の第3工程と同様の手法により、化合物(T−12)(40.6g;95%)を得た。
第6工程
化合物(T−12)(5.0g)を原料として用い、合成例1の第2工程と同様の手法により、化合物(T−13)(6.5g;82%)を得た。
第7工程
化合物(T−13)(6.5g)を原料として用い、合成例1の第3工程と同様の手法により、化合物(1−2−16)(4.6g;87%)を得た。
得られた化合物(1−2−16)のNMR分析値は以下の通りである。
H−NMR:化学シフトδ(ppm;CDCl3):6.25(s,1H)、6.07(s,1H)、5.83(s,1H)、5.52(s,1H)、4.74−4.64(m,1H)、4.34(d,J=6.6Hz,2H)、4.22(t,J=6.7Hz,2H)、2.25(t,J=6.6Hz,1H)、2.07−1.98(m,2H)、1.93(s,3H)、1.83−1.69(m,6H)、1.62−1.53(m,2H)、1.41−1.26(m,3H)、1.18−0.88(m,8H).
転移温度:C 66.8 I. (重合開始温度:102℃)
[合成例3]
化合物(1−2−17)の合成

Figure 2019199461
第1工程
トリフルオロメタンスルホン酸無水物(50.0g)およびジクロロメタン(160ml)を反応器に入れ、0℃に冷却した。そこへ化合物(T−14)(20.6g)のジクロロメタン(160ml)溶液及びトリエチルアミン(17.9g)のジクロロメタン溶液(160ml)をゆっくりと滴下し、0℃で60分間撹拌した。反応混合物をエチレングリコール(330ml)へゆっくりと滴下し、室温で12時間攪拌した。反応混合物から溶媒を減圧下で留去し、残渣からクロロホルムで抽出した。得られた有機層を重曹水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。この溶液を減圧下で濃縮し、残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(容積比、ヘプタン:酢酸エチル=1:2)で精製して、化合物(T−15)(13.5g;48%)を得た。
第2工程
化合物(T−15)(13.5g)を原料として用い、合成例2の第2工程と同様の手法により、化合物(T−16)(19.5g;95%)を得た。
第3工程
化合物(T−16)(19.5g)、テトラブチルアンモニウムブロミド(2.6g)、テトラヒドロフラン(THF)(97ml)および水(97ml)を反応器に入れた。そこへ水酸化リチウム一水和物をゆっくり滴下し、室温で24時間攪拌した。反応混合物にトルエン(100ml)加え、水で抽出した。得られた水層へ1N塩酸(168ml)をゆっくり滴下し、ターシャリーブチルメチルエーテルで抽出した。得られた有機層を食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。この溶液を減圧下で濃縮し化合物(T−17)(13.6g、収率74%)を得た。
第4工程
化合物(T−12)(5.0g)を原料として用い、合成例1の第2工程と同様の手法により、化合物(T−18)(7.2g;83%)を得た。
第5工程
化合物(T−18)(7.2g)を原料として用い、合成例1の第3工程と同様の手法により、化合物(1−2−17)(5.0g;84%)を得た。
得られた化合物(1−2−17)のNMR分析値は以下の通りである。
H−NMR:化学シフトδ(ppm;CDCl3):6.31(s,1H)、6.07(s,1H)、5.87(s,1H)、5.52(s,1H)、4.74−4.64(m,1H)、4.28−4.17(m,4H)、3.81−3.74(m,2H)、3.66−3.61(m,2H)、2.21(t,J=6.1Hz,1H)、2.07−1.98(m,2H)、1.93(s,3H)、1.84−1.69(m,6H)、1.63−1.53(m,2H)、1.41−1.25(m,3H)、1.18−0.88(m,8H).
転位温度:C 46.0 S 62.2 I. (重合開始温度:105℃)
[合成例4]
化合物(1−2−18)の合成

Figure 2019199461
第1工程
化合物(T−14)(14.6g)とジエチレングリコール(400g)を原料として用い、合成例4の第1工程と同様の手法により、化合物(T−19)(14.8g;58%)を得た。
第2工程
化合物(T−19)(14.8g)を原料として用い、合成例4の第2工程と同様の手法により、化合物(T−20)(19.8g;95%)を得た。
第3工程
化合物(T−20)(19.8g)を原料として用い、合成例4の第3工程と同様の手法により、化合物(T−21)(15.3g;83%)を得た。
第4工程
化合物(T−21)(6.0g)と化合物(T−12)(4.3g)を原料として用い、合成例1の第2工程と同様の手法により、化合物(T−22)(6.1g;76%)を得た。
第5工程
化合物(T−22)(6.1g)を原料として用い、合成例1の第3工程と同様の手法により、化合物(1−2−18)(3.3g;64%)を得た。
得られた化合物(1−2−18)のNMR分析値は以下の通りである。
H−NMR:化学シフトδ(ppm;CDCl3):6.32(s,1H)、6.09(s,1H)、5.91(s,1H)、5.54(s,1H)、4.74−4.69(m,1H)、4.27(s,2H)、4.22(t,J=6.9Hz,2H)、3.76−3.64(m,8H)、2.34−2.33(m,1H)、2.06−2.03(m,2H)、1.95(s,3H)、1.84−1.69(m,6H)、1.61−1.56(m,4H)、1.38−1.33(m,3H)、1.55−0.94(m,7H).
転位温度:C 41.8 S 57.7 I.(重合開始温度:109℃)
[合成例5]
化合物(1−2−59)の合成

Figure 2019199461
第1工程
化合物(T−23)(30.0g)とトリフェニルホスフィン(70.0g)、イミダゾール(34.9g)およびトルエン(450ml)を反応器に入れ0℃に冷却した。そこへヨウ素をゆっくり滴下し、0℃で2時間攪拌した。反応混合物から不溶物を炉別した後、得られた有機層を水で洗浄し、そこへヘプタン(500ml)を加え、室温で30分間攪拌した。混合物から不溶物を炉別した後、この溶液を減圧下で濃縮し、残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(容積比、ヘプタン:トルエン=2:1)で精製して、化合物(T−24)(45.7g;87%)を得た。
第2工程
水素化ナトリウム(21.8g)とテトラヒドロフラン(800ml)を反応器にいれた。そこへホスホノ酢酸トリエチル(106.8g)のテトラヒドロフラン(240ml)を滴下し、室温で1時間攪拌した。そこへ化合物(T−24)(61.0g)のテトラヒドロフラン(360ml)溶液を滴下し、加熱還流下で6時間攪拌した。反応混合物を水に注ぎ込み、酢酸エチルで抽出した。得られた有機層を塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。この溶液を減圧下で濃縮し、水(610ml)と反応器に入れた。そこへ炭酸カリウム(65.8g)とパラホルムアルデヒド(28.6g)を加え、80℃で6時間加熱攪拌した。反応混合物をを水に注ぎ込み、酢酸エチルで抽出した。加熱還流下で6時間攪拌した。反応混合物を水に注ぎ込み、酢酸エチルで抽出した。得られた有機層を塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。この溶液を減圧下で濃縮し、化合物(T−25)(21.9g;40%)を得た。
第3工程
化合物(T−25)(21.9g)を原料として用い、合成例4の第3工程と同様の手法により、化合物(T−26)(12.7g;66%)を得た。
第4工程
化合物(T−26)(5.1g)、と化合物(T−12)(5.0g)を原料として用い、合成例1の第2工程と同様の手法により、化合物(T−27)(7.8g;96%)を得た。
第5工程
化合物(T−27)(7.4g)を原料として用い、合成例1の第3工程と同様の手法により、化合物(1−2−59)(4.0g;59%)を得た。
得られた化合物(1−2−59)のNMR分析値は以下の通りである。
H−NMR: 化学シフトδ(ppm;CDCl3):6.25(d,J=1.0Hz,1H)、6.07(s,1H)、5.67(s,1H)、5.52(t,J=1.3Hz,1H)、4.74−4.64(m,1H)、4.20(t,J=6.9Hz,2H)、3.82−3.74(m,2H)、3.70−3.62(m,2H)、2.54(t,J=5.65Hz,2H)、2.40(d,J=7.4Hz,2H)、2.07−1.98(m,2H)、1.93(s,3H)、1.90−1.83(m,1H)、1.82−1.70(m,6H)、1.62−1.54(m,2H)、1.41−1.25(m,3H)、1.18−0.88(m,8H).
転位温度:C 109 I.(重合開始温度:122℃)
[合成例6]
化合物(1−3−42)の合成

Figure 2019199461
第1工程
化合物(T−28)(4.5g)、と化合物(T−12)(2.2g)を原料として用い、合成例1の第2工程と同様の手法により、化合物(T−29)(5.4g;88%)を得た。
第2工程
化合物(T−29)(5.4g)を原料として用い、合成例1の第3工程と同様の手法により、化合物(1−3−42)(2.7g;58%)を得た。
得られた化合物(1−3−42)のNMR分析値は以下の通りである。
H−NMR: 化学シフトδ(ppm;CDCl3):7.26−7.23(m,2H)、7.18(d,J=7.7Hz,1H)、7.16−7.12(m,3H)、7.09−7.05(m,4H)、6.35(s,1H)、6.27(s,1H)、5.85(s,1H)、5.75(s,1H)、4.34(t,J=7.15Hz,2H)、4.26(t,J=6.45Hz,2H)、2.96−2.92(m,4H)、2.75(t,J=7.65Hz,2H)、2.69(q,J=7.55Hz,2H)、2.59(q,J=7.55Hz,2H)、2.11−2.05(m,5H)、1.24(t,J=7.55Hz,3H)、1.11(t,J=7.55Hz,3H).
重合開始温度:142℃
[合成例7]
化合物(1−3−44)の合成

Figure 2019199461
第1工程
化合物(T−28)(5.6g)、と化合物(T−17)(4.2g)を原料として用い、合成例1の第2工程と同様の手法により、化合物(T−30)(6.3g;77%)を得た。
第2工程
化合物(T−30)(6.3g)を原料として用い、合成例1の第3工程と同様の手法により、化合物(1−3−44)(3.3g;60%)を得た。
得られた化合物(1−3−44)のNMR分析値は以下の通りである。
H−NMR: 化学シフトδ(ppm;CDCl3):7.28−7.25(m,2H)、7.22−7.15(m,3H)、7.12−7.07(m,4H)、6.38(s,1H)、6.35(s,1H)、5.92(s,1H)、5.78(s,1H)、4.28−4.26(m,4H)、3.81−3.79(m,2H)、3.67(t,J=4.25Hz,2H)、3.02−2.93(m,4H)、2.77(t,J=7.85Hz,2H)、2.71(q,J=7.55Hz,2H)、2.61(q,J=7.55Hz,2H)、2.11−2.08(m,5H)、1.26(t,J=7.55Hz,3H)、1.14(t,J=7.55Hz,3H).
重合開始温度:143℃
[合成例8]
化合物(1−3−46)の合成

Figure 2019199461
第1工程
化合物(T−31)(4.5g)、と化合物(T−17)(2.2g)を原料として用い、合成例1の第2工程と同様の手法により、化合物(T−32)(5.4g;88%)を得た。
第2工程
化合物(T−32)(5.4g)を原料として用い、合成例1の第3工程と同様の手法により、化合物(1−3−46)(2.7g;58%)を得た。
得られた化合物(1−3−46)のNMR分析値は以下の通りである。
H−NMR: 化学シフトδ(ppm;CDCl3):7.23−7.20(m,6H)、7.14−7.11(m,2H)、7.06−7.03(m,3H)、6.33(d,J=10.7Hz,2H)、5.90−5.89(m,1H)、5.75−5.74(m,1H)、4.26−4.23(m,4H)、3.79−3.76(m,2H)、3.65−3.63(m,2H)、2.99(s,4H)、2.76−2.70(m,2H)、2.61−2.56(m,2H)、2.27−2.26(m,1H)、2.10−2.08(m,5H)、1.01−1.08(m,3H).
重合開始温度:180℃
[合成例9]
化合物(1−3−62)の合成

Figure 2019199461
第1工程
窒素雰囲気下、化合物(T−33)(13.6g)、化合物(T−34)(2.2g)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(4.8g)、炭酸カリウム(22.8g)、TBAB(2.7g)、トルエン(300ml)、ソルミックス(300ml)を反応器に入れ、加熱還流を行った。反応混合物を水へ注ぎ込み、水層を酢酸エチルで抽出した。合わせた有機層を水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。この溶液を減圧下で濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(トルエン)と再結晶により精製し、化合物(T−35)(21.5g、収率86%)を得た。
第2工程
窒素雰囲気下、化合物(T−35)(2.0g)、ジイソプロピルアミン(35ml)、テトラヒドロフラン(10ml)、ヨウ化銅(I)(0.05g)、酢酸パラジウム(0.08g)、t−ブチルジメチル(2−プロピニルオキシ)シラン(4.2ml)を加え、加熱還流下で2時間攪拌を行った。反応混合物を水へ注ぎ込み、水層を酢酸エチルで抽出した。合わせた有機層を水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。この溶液を減圧下で濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(容積比、ヘプタン:酢酸エチル=4:1)で精製して、化合物(T−36)(1.4g;54%)を得た。
第3工程
窒素雰囲気下、化合物(T−36)(17.3g)、テトラヒドロフラン(200ml)を加え−30℃まで冷却し、そこへt−ブトキシカリウム(3.6g)を加えた。1時間攪拌した後、化合物(T−37)(10.0g)、テトラヒドロフラン(50ml)溶液を滴下した。室温まで昇温し攪拌した後、反応混合物を水へ注ぎ込み、水層を酢酸エチルで抽出した。合わせた有機層を水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。この溶液を減圧下で濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(容積比、ヘプタン:酢酸エチル=9:1)で精製して、化合物(T−38)(7.6g;56%)を得た。
第4工程
窒素雰囲気下、化合物(T−38)(7.6g)、Pd/C(0.38g)、トルエン(80ml)、ソルミックス(80ml)を加え、水素雰囲気下、水素を吸収しなくなるまで、室温で攪拌した。Pd/Cを除去した後、シリカゲルクロマトグラフィー(容積比、ヘプタン:酢酸エチル=4:1)で精製し、化合物(T−39)(7.1g;92%)を得た。
第5工程
窒素雰囲気下、化合物(T−39)(7.1g)、ギ酸(35.5ml)、TBAB(0.88g)、トルエン(100ml)を加え、室温で7時間攪拌した。反応混合物を水へ注ぎ込み、水層を酢酸エチルで抽出した。合わせた有機層を水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。この溶液を減圧下で濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(容積比、ヘプタン:酢酸エチル=4:1)で精製して、化合物(T−40)(5.1g;96%)を得た。
第6工程
窒素雰囲気下、化合物(T−40)(5.1g)、3,4−ジヒドロ−2H−ピラン(2.4g)、およびジクロロメタン(30ml)を反応器に入れ、0℃に冷却した。そこへ、ピリジニウムp−トルエンスルホナート(PPTS)(0.35g)を加え、室温に戻しつつ攪拌した。反応混合物を重曹水に注ぎ込み、水層をトルエンで抽出した。得られた有機層を水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。この溶液を減圧下で濃縮し、残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(容積比、ヘプタン:酢酸エチル=2:1)で精製して、化合物(T−41)(4.9g;97%)を得た。
第7工程
水素化リチウムアルミニウム(0.25g)およびTHF(25ml)を反応器に入れ、―10℃に冷却した。そこへ、化合物(T−41)(4.6g)のTHF(50ml)溶液をゆっくりと加え、室温に戻しつつ攪拌した。反応混合物を水に注ぎ込み、不溶物を炉別した後、水層を酢酸エチルで抽出した。得られた有機層を水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。この溶液を減圧下で濃縮し、残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(容積比、ヘプタン:酢酸エチル=2:1)で精製して、化合物(T−42)(3.1g;63%)を得た。
第8工程
化合物(T−42)(3.1g)と化合物(T−10)(0.7g)を原料として用い、合成例1の第2工程と同様の手法により、化合物(T−43)(3.5g;98%)を得た。
第9工程
化合物(T−43)(3.5g)を原料として用い、合成例1の第3工程と同様の手法により反応を行った後、合成例1の第2工程と同様の手法によりエステル化を行い、さらに合成例1の第3工程と同様の反応により、化合物(1−3−62)(1.9g;70%)を得た。
得られた化合物(1−3−62)のNMR分析値は以下の通りである。
H−NMR: 化学シフトδ(ppm;CDCl3):7.26−7.23(m,4H)、7.18―7.13(m,2H)、7.09−7.03(m,1H)、6.38(s,1H)、6.10(s,1H)、5.87(s,1H)、5.55(s,1H)、4.80−4.76(m,1H)、4.29−4.26(m,4H)、3.82−3.79(m,2H)、3.67(t,J=4.3Hz,2H)、2.77(t,J=7.9Hz,2H)、2.71−2.69(m,2H)、2.61(q,J=7.50Hz,2H)、2.25−2.22(m,1H)、2.12−2.05(m,4H)、1.96−1.92(m,5H)、1.64−1.59(m,2H)、1.47−1.34(m,3H)、1.19−1.09(m,5H).
重合開始温度:168℃
[合成例9]
化合物(1−3−66)の合成

Figure 2019199461
第1工程
化合物(T−44)(3.0g)、と化合物(T−17)(1.7g)を原料として用い、合成例1の第2工程と同様の手法により、化合物(T−45)(4.0g;92%)を得た。
第2工程
化合物(T−45)(0.5g)のテトラヒドロフラン(5.0ml)溶液を
0℃に冷却した。そこへ、テトラブチルアンモニウムフルオリド(TBAF)(0.76ml)を滴下し、室温に昇温しながら、10時間攪拌した。反応混合物を水に注ぎ込み、水層を酢酸エチルで抽出した。得られた有機層を水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。この溶液を減圧下で濃縮し、残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(容積比、トルエン:酢酸エチル=4:1)で精製して、化合物(T−46)(0.3g;74%)を得た。
第3工程
化合物(T−46)(11.0g)を原料として用い、合成例1の第2,3工程と同様の手法により、化合物(1−3−66)(6.6g;78%)を得た。
得られた化合物(1−3−66)のNMR分析値は以下の通りである。
H−NMR: 化学シフトδ(ppm;CDCl3):7.23−7.21(m,6H)、7.13−7.12(m,2H)、7.06−7.04(m,3H)、6.56(s,1H)、6.12(s,1H)、6.07(s,1H)、5.57−5.56(m,1H)、4.36(s,1H)、4.21(t,J=6.4Hz,2H)、3.81−3.78(m,2H)、3.68(t,J=4.2Hz,4H)、2.97(s,4H)、2.75(t,J=7.7Hz,2H)、2.58(q,J=7.5Hz,2H)、2.14−2.12(m,1H)、2.09−2.03(m,2H)、1.96(s,3H)、1.09(t,J=7.6Hz,3H).
重合開始温度:123℃
[合成例10]
化合物(1−3−45)の合成

Figure 2019199461
第1工程
化合物(T−47)(4.0g)、と化合物(T−17)(2.9g)を原料として用い、合成例1の第2工程と同様の手法により、化合物(T−48)(6.3g;定量的)を得た。
第2工程
化合物(T−48)(6.3g)を原料として用い、合成例1の第3工程と同様の手法により、化合物(1−3−45)(3.5g;64%)を得た。
得られた化合物(1−3−45)のNMR分析値は以下の通りである。
H−NMR: 化学シフトδ(ppm;CDCl3):7.25−7.23(m,2H)、7.18−7.13(m,3H)、7.10−7.07(m,3H)、7.03−6.97(m,2H)、6.34(s,1H)、6.33(s,1H)、5.92(s,1H)、5.78(s,1H)、4.29−4.26(m,4H)、3.82−3.79(m,2H)、3.68−3.66(m,2H)、3.00−2.98(m,4H)、2.78(t,J=15.3Hz,2H)、2.52(q,J=7.5Hz,2H)、2.13−2.07(m,5H)、1.08(t,J=7.6Hz,3H).
重合開始温度:179℃
[比較例1]
相溶性の比較
比較化合物として下記の化合物(S−1)を選んだ。この化合物は公知の方法に従って合成した。
Figure 2019199461
H−NMR:化学シフトδ(ppm;CDCl):6.24(s,1H)、6.09(s,1H)、5.84(s,1H)、5.57(s,1H),4.33−4.27(m,4H)、4.20−4.16(m,2H)、2.34−2.31(m,1H)、1.97−1.90(m,4H)、1.82−1.67(m,8H)、1.43−1.39(m,1H)、1.31−1.18(m,6H)、1.15−0.75(m,16H).
化合物(1−2−6)と比較化合物(S−1)の液晶組成物への相溶性を比較した。評価には、下記の化合物(i−1)〜(i−9)を含む組成物(i)を用いた。
組成物(i)の成分の割合を重量%で示す。

Figure 2019199461
化合物(1−2−17)、化合物(1−3−42)、化合物(1−3−66)または比較化合物(S−1)を、母液晶(i)に2重量%の割合で添加した試料を作成した。この試料を−20℃で3日間静置した後、目視により観察し、ネマチック相を維持している場合は○、結晶またはスメクチック相が析出している場合は×と表した。
表2.相溶性

Figure 2019199461


溶解度を比較した結果、本願に記載の化合物は母液晶に2重量%添加しても−20℃でネマチック相を維持したのに対し、比較化合物(S−1)は2重量%添加した際−20℃で結晶が析出した。これは本願化合物が重合性基を両末端に持っているため、液晶組成物への親和性が改善した為であると考察出来る。従って、本願化合物は良好な相溶性を有する優れた化合物であるといえる。
合成例に記載された方法や、「2.化合物(1)の合成」の項を参考にしながら、以下の化合物(1−1−1)から(1−4−24)を合成することが可能である。

Figure 2019199461

Figure 2019199461

Figure 2019199461

Figure 2019199461

Figure 2019199461

Figure 2019199461

Figure 2019199461

Figure 2019199461

Figure 2019199461

Figure 2019199461
2.組成物の実施例
実施例における化合物は、下記の表3の定義に基づいて記号により表した。表3において、1,4−シクロヘキシレンに関する立体配置はトランスである。記号の後にあるかっこ内の番号は化合物の番号に対応する。(−)の記号はその他の液晶性化合物を意味する。液晶性化合物の割合(百分率)は、液晶組成物の重量に基づいた重量百分率(重量%)である。最後に、液晶組成物の特性値をまとめた。特性は、先に記載した方法にしたがって測定し、測定値を(外挿することなく)そのまま記載した。

Figure 2019199461
[使用例1]
1−BB−3 (2−8) 7%
1−BB−5 (2−8) 8%
2−BTB−1 (2−10) 3%
3−HHB−1 (3−1) 8%
3−HHB−O1 (3−1) 5%
3−HHB−3 (3−1) 14%
3−HHB−F (6−1) 4%
2−HHB(F)−F (6−2) 7%
3−HHB(F)−F (6−2) 7%
5−HHB(F)−F (6−2) 7%
3−HHB(F,F)−F (6−3) 5%
3−HHEB−F (6−10) 4%
5−HHEB−F (6−10) 4%
2−HB−C (8−1) 5%
3−HB−C (8−1) 12%
上記の組成物に下記の化合物(1−2−1)を1重量%の割合で添加した。

Figure 2019199461
NI=95.8℃;η=16.9mPa・s;Δn=0.108;Δε=4.8.
[使用例2]
3−HH−4 (2−1) 12%
7−HB−1 (2−5) 3%
5−HB−O2 (2−5) 6%
5−HBB(F)B−2 (4−5) 6%
5−HBB(F)B−3 (4−5) 6%
3−HB−CL (5−2) 10%
3−HHB(F,F)−F (6−3) 3%
3−HBB(F,F)−F (6−24) 30%
5−HBB(F,F)−F (6−24) 24%
上記の組成物に下記の化合物(1−3−42)を1.5重量%の割合で添加した。

Figure 2019199461
NI=75.5℃;η=20.9mPa・s;Δn=0.117;Δε=5.7.
[使用例3]
1V2−HH−1 (2−1) 3%
1V2−HH−3 (2−1) 4%
7−HB(F,F)−F (5−4) 3%
2−HHB(F)−F (6−2) 10%
3−HHB(F)−F (6−2) 9%
5−HHB(F)−F (6−2) 9%
2−HBB−F (6−22) 5%
3−HBB−F (6−22) 5%
5−HBB−F (6−22) 3%
2−HBB(F)−F (6−23) 9%
3−HBB(F)−F (6−23) 9%
5−HBB(F)−F (6−23) 16%
3−HBB(F,F)−F (6−24) 5%
5−HBB(F,F)−F (6−24) 10%
上記の組成物に下記の化合物(1−2−16)を2重量%の割合で添加した。

Figure 2019199461
NI=84.7℃;η=25.0mPa・s;Δn=0.112;Δε=5.7.
[使用例4]
2−HH−3 (2−1) 4%
3−HH−4 (2−1) 12%
1O1−HBBH−5 (4−1) 3%
5−HB−CL (5−2) 16%
3−HHB−F (6−1) 4%
3−HHB−CL (6−1) 3%
4−HHB−CL (6−1) 4%
3−HHB(F)−F (6−2) 9%
4−HHB(F)−F (6−2) 10%
5−HHB(F)−F (6−2) 9%
7−HHB(F)−F (6−2) 8%
5−HBB(F)−F (6−23) 4%
3−HHBB(F,F)−F (7−6) 2%
4−HHBB(F,F)−F (7−6) 3%
5−HHBB(F,F)−F (7−6) 3%
3−HH2BB(F,F)−F (7−15) 3%
4−HH2BB(F,F)−F (7−15) 3%
上記の組成物に下記の化合物(1−2−17)を0.5重量%の割合で添加した。

Figure 2019199461
NI=113.1℃;η=18.6mPa・s;Δn=0.090;Δε=3.7.
[使用例5]
V−HBB−2 (3−4) 10%
1O1−HBBH−4 (4−1) 4%
1O1−HBBH−5 (4−1) 4%
3−HHB(F,F)−F (6−3) 9%
3−H2HB(F,F)−F (6−15) 8%
4−H2HB(F,F)−F (6−15) 8%
5−H2HB(F,F)−F (6−15) 9%
3−HBB(F,F)−F (6−24) 10%
5−HBB(F,F)−F (6−24) 18%
3−H2BB(F,F)−F (6−27) 12%
5−HHBB(F,F)−F (7−6) 3%
3−HH2BB(F,F)−F (7−15) 3%
5−HHEBB−F (7−17) 2%
上記の組成物に下記の化合物(1−3−44)を2重量%の割合で添加した。

Figure 2019199461
NI=106.9℃;η=32.3mPa・s;Δn=0.122;Δε=8.2.
[使用例6]
5−HBBH−3 (4−1) 3%
3−HB(F)BH−3 (4−2) 3%
5−HB−F (5−2) 12%
6−HB−F (5−2) 9%
7−HB−F (5−2) 7%
2−HHB−OCF3 (6−1) 7%
3−HHB−OCF3 (6−1) 7%
4−HHB−OCF3 (6−1) 7%
5−HHB−OCF3 (6−1) 5%
3−HHB(F,F)−OCF2H (6−3) 4%
3−HHB(F,F)−OCF3 (6−3) 5%
3−HH2B−OCF3 (6−4) 4%
5−HH2B−OCF3 (6−4) 4%
3−HH2B(F)−F (6−5) 3%
3−HBB(F)−F (6−23) 10%
5−HBB(F)−F (6−23) 10%
上記の組成物に下記の化合物(1−2−18)を1.5重量%の割合で添加した。

Figure 2019199461
NI=85.3℃;η=14.9mPa・s;Δn=0.092;Δε=4.5.
[使用例7]
2−HH−5 (2−1) 4%
3−HH−4 (2−1) 5%
5−B(F)BB−2 (3−8) 5%
5−HB−CL (5−2) 10%
3−HHB(F,F)−F (6−3) 8%
3−HHEB(F,F)−F (6−12) 11%
4−HHEB(F,F)−F (6−12) 3%
5−HHEB(F,F)−F (6−12) 3%
3−HBB(F,F)−F (6−24) 18%
5−HBB(F,F)−F (6−24) 15%
2−HBEB(F,F)−F (6−39) 4%
3−HBEB(F,F)−F (6−39) 5%
5−HBEB(F,F)−F (6−39) 3%
3−HHBB(F,F)−F (7−6) 6%
上記の組成物に下記の化合物(1−2−59)を4重量%の割合で添加した。

Figure 2019199461
NI=78.5℃;η=23.4mPa・s;Δn=0.109;Δε=8.7.
[使用例8]
V2−HHB−1 (3−1) 6%
3−HB−CL (5−2) 5%
5−HB−CL (5−2) 5%
3−HHB−OCF3 (6−1) 4%
5−HHB(F)−F (6−2) 5%
V−HHB(F)−F (6−2) 5%
3−H2HB−OCF3 (6−13) 5%
5−H2HB(F,F)−F (6−15) 5%
5−H4HB−OCF3 (6−19) 15%
5−H4HB(F,F)−F (6−21) 7%
3−H4HB(F,F)−CF3 (6−21) 8%
5−H4HB(F,F)−CF3 (6−21) 10%
2−H2BB(F)−F (6−26) 5%
3−H2BB(F)−F (6−26) 10%
3−HBEB(F,F)−F (6−39) 5%
上記の組成物に下記の化合物(1−3−45)を2.5重量%の割合で添加した。

Figure 2019199461
NI=73.1℃;η=24.8mPa・s;Δn=0.099;Δε=8.1.
[使用例9]
3−HH−4 (2−1) 10%
3−HH−5 (2−1) 5%
3−HB−O2 (2−5) 11%
3−HHB−1 (3−1) 9%
3−HHB−O1 (3−1) 4%
5−HB−CL (5−2) 16%
7−HB(F,F)−F (5−4) 3%
2−HHB(F)−F (6−2) 7%
3−HHB(F)−F (6−2) 7%
5−HHB(F)−F (6−2) 7%
3−HHB(F,F)−F (6−3) 7%
3−H2HB(F,F)−F (6−15) 7%
4−H2HB(F,F)−F (6−15) 7%
上記の組成物に下記の化合物(1−3−62)を5重量%の割合で添加した。

Figure 2019199461
NI=73.2℃;η=15.5mPa・s;Δn=0.073;Δε=3.1.
[使用例10]
3−HH−4 (2−1) 9%
3−HH−5 (2−1) 10%
3−HHB−3 (3−1) 11%
5−HB−CL (5−2) 4%
7−HB(F)−F (5−3) 8%
2−HHB(F,F)−F (6−3) 5%
3−HHB(F,F)−F (6−3) 4%
3−HHEB−F (6−10) 8%
5−HHEB−F (6−10) 8%
3−HHEB(F,F)−F (6−12) 10%
4−HHEB(F,F)−F (6−12) 7%
3−GHB(F,F)−F (6−109) 6%
4−GHB(F,F)−F (6−109) 5%
5−GHB(F,F)−F (6−109) 5%
上記の組成物に下記の化合物(1−3−64)を0.5重量%の割合で添加した。

Figure 2019199461
NI=84.4℃;η=21.2mPa・s;Δn=0.070;Δε=5.8.
[使用例11]
3−HH−VFF (2−1) 5%
5−HH−VFF (2−1) 25%
2−BTB−1 (2−10) 10%
3−HHB−1 (3−1) 4%
VFF−HHB−1 (3−1) 8%
VFF2−HHB−1 (3−1) 11%
3−H2BTB−2 (3−17) 5%
3−H2BTB−3 (3−17) 4%
3−H2BTB−4 (3−17) 4%
3−HB−C (8−1) 18%
1V2−BEB(F,F)−C (8−15) 6%
上記の組成物に下記の化合物(1−3−65)を1重量%の割合で添加した。

Figure 2019199461
NI=81.0℃;η=11.1mPa・s;Δn=0.130;Δε=6.6.
[使用例12]
2−HH−5 (2−1) 4%
3−HH−4 (2−1) 10%
5−B(F)BB−2 (3−8) 5%
5−HB−CL (5−2) 7%
3−HHB(F,F)−F (6−3) 6%
3−HHEB(F,F)−F (6−12) 11%
4−HHEB(F,F)−F (6−12) 3%
5−HHEB(F,F)−F (6−12) 4%
3−HBB(F,F)−F (6−24) 18%
5−HBB(F,F)−F (6−24) 15%
2−HBEB(F,F)−F (6−39) 4%
3−HBEB(F,F)−F (6−39) 4%
5−HBEB(F,F)−F (6−39) 4%
3−HHBB(F,F)−F (7−6) 5%
上記の組成物に下記の化合物(1−3−8)を3重量%の割合で添加した。

Figure 2019199461
NI=79.4℃;η=22.1mPa・s;Δn=0.106;Δε=8.2.
化合物(1)含む液晶組成物は、液晶プロジェクター、液晶テレビなどの表示素子に用いることができる。

Claims (17)

  1. 式(1)で表される化合物。

    Figure 2019199461

    式(1)において、
    環Aおよび環Aは独立して、1,4−シクロヘキシレン、1,4−シクロヘキセニレン、1,4−フェニレン、ナフタレン−1,5−ジイル、ナフタレン−2,6−ジイル、デカヒドロナフタレン−2,6−ジイル、1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル、テトラヒドロピラン−2,5−ジイル、1,3−ジオキサン−2,5−ジイル、ピリミジン−2,5−ジイル、またはピリジン−2,5−ジイルであり、これらの環において、少なくとも1つの水素は、フッ素、塩素、炭素数1から10のアルキル、炭素数2から10のアルケニル、炭素数1から9のアルコキシ、または炭素数2から9のアルケニルオキシで置き換えられてもよく、これらの基において、少なくとも1つの水素は、フッ素または塩素で置き換えられてもよく;
    aは、0、1、2、または3であり;
    は、単結合または炭素数1から10のアルキレンであり、このアルキレンにおいて、少なくとも1つの−CH−は、−O−、−CO−、−COO−、−OCO−、または−OCOO−で置き換えられてもよく、少なくとも1つの−(CH−は、−CH=CH−または−C≡C−で置き換えられてもよく、これらの基において、少なくとも1つの水素は、フッ素または塩素で置き換えられてもよく;
    SpおよびSpは独立して、単結合または炭素数1から15のアルキレンであり、このアルキレンにおいて、少なくとも1つの−CH−は、−O−、−CO−、−COO−、−OCO−、または−OCOO−で置き換えられてもよく、少なくとも1つの−(CH−は、−CH=CH−または−C≡C−で置き換えられてもよく、これらの基において、少なくとも1つの水素は、フッ素または塩素で置き換えられてもよく;
    、M、M、およびMは独立して、水素、フッ素、塩素、炭素数1から5のアルキル、または少なくとも1つの水素がフッ素または塩素で置き換えられた炭素数1から5のアルキルであり;
    は、水素、炭素数1から10のアルキル、炭素数1から9のアルコキシ、または炭素数1から9のアルコキシアルキルであり、これらの基において、少なくとも1つの−(CH−は、−CH=CH−または−C≡C−で置き換えられてもよく、これらの基において、少なくとも1つの水素は、フッ素または塩素で置き換えられてもよく;
    は、式(1−a)、式(1−b)、および式(1−c)で表される基から選択された基であり;

    Figure 2019199461

    式(1−a)、式(1−b)、および式(1−c)において、
    SpおよびSpは独立して、単結合または炭素数1から15のアルキレンであり、このアルキレンにおいて、少なくとも1つの−CH2−は、−O−、−CO−、−COO−、−OCO−、または−OCOO−で置き換えられてもよく、少なくとも1つの−(CH22−は、−CH=CH−または−C≡C−で置き換えられてもよく、これらの基において、少なくとも1つの水素は、フッ素または塩素で置き換えられてもよく;
    は、水素、炭素数1から10のアルキル、炭素数1から9のアルコキシ、または炭素数1から9のアルコキシアルキルであり
    1は独立して、−OH、−NH2、−N(R2、−COOH、−SH、または−Si(R3であり;
    −N(R2、および−Si(R3において、
    は、水素または炭素数1から10のアルキルであり、このアルキルにおいて、少なくとも1つの−CH2−は、−O−で置き換えられてもよく、少なくとも1つの−(CH22−は、−CH=CH−で置き換えられてもよく、これらの基において、少なくとも1つの水素は、フッ素または塩素で置き換えられてもよい。
  2. 式(1)において、
    が、単結合、−(CH−、−(CH−、−CH=CH−、−C≡C−、−COO−、−OCO−、−CFO−、−OCF−、−CHO−、−OCH−、または−CF=CF−である、請求項1に記載の化合物。
  3. 式(1)において、
    環Aおよび環Aが独立して、1,4−シクロヘキシレン、1,4−シクロヘキセニレン、1,4−フェニレン、ナフタレン−1,5−ジイル、ナフタレン−2,6−ジイル、テトラヒドロピラン−2,5−ジイル、または1,3−ジオキサン−2,5−ジイルであり、これらの環において、少なくとも1つの水素は、フッ素、塩素、炭素数1から10のアルキル、炭素数2から10のアルケニル、炭素数1から9のアルコキシ、または炭素数2から9のアルケニルオキシで置き換えられてもよく、これらの基において、少なくとも1つの水素は、フッ素または塩素で置き換えられてもよい、請求項1または2に記載の化合物。
  4. 式(1−1)から式(1−4)のいずれか1つで表される、請求項1から3のいずれか1項に記載の化合物。

    Figure 2019199461

    式(1−1)から式(1−4)において、
    環A、環A、環A、および環Aは独立して、1,4−シクロヘキシレン、1,4−シクロヘキセニレン、1,4−フェニレン、ナフタレン−1,5−ジイル、ナフタレン−2,6−ジイル、テトラヒドロピラン−2,5−ジイル、または1,3−ジオキサン−2,5−ジイルであり、これらの環において、少なくとも1つの水素は、フッ素、炭素数1から10のアルキル、炭素数2から10のアルケニル、炭素数1から9のアルコキシ、または炭素数2から9のアルケニルオキシで置き換えられてもよく、これらの基において、少なくとも1つの水素は、フッ素で置き換えられてもよく;
    、Z、およびZは独立して、単結合、−(CH−、−CH=CH−、−C≡C−、−COO−、−OCO−、−CFO−、−OCF−、−CHO−、−OCH−、または−CF=CF−であり;
    SpおよびSpは独立して、単結合または炭素数1から10のアルキレンであり、このアルキレンにおいて、少なくとも1つの−CH−は、−O−、−COO−、または−OCO−で置き換えられてもよく、少なくとも1つの−(CH−は、−CH=CH−で置き換えられてもよく、これらの基において、少なくとも1つの水素は、フッ素で置き換えられてもよく;
    、M、M、およびMは独立して、水素、フッ素、炭素数1から5のアルキル、または少なくとも1つの水素がフッ素で置き換えられた炭素数1から5のアルキルであり;
    は、水素、炭素数1から7のアルキル、炭素数1から6のアルコキシ、または炭素数1から6のアルコキシアルキルであり、これらの基において、少なくとも1つの−(CH−は、−CH=CH−または−C≡C−で置き換えられてもよく、これらの基において、少なくとも1つの水素は、フッ素で置き換えられてもよく;
    は、式(1−a)、式(1−b)、および式(1−c)で表される基から選択された基であり;

    Figure 2019199461

    式(1−a)、式(1−b)、および式(1−c)において、
    SpおよびSpは独立して、単結合または炭素数1から15のアルキレンであり、このアルキレンにおいて、少なくとも1つの−CH−は、−O−、−CO−、−COO−、−OCO−、または−OCOO−で置き換えられてもよく、少なくとも1つの−(CH−は、−CH=CH−または−C≡C−で置き換えられてもよく、これらの基において、少なくとも1つの水素は、フッ素で置き換えられてもよく;
    は、水素、炭素数1から7のアルキル、炭素数1から6のアルコキシ、または炭素数1から6のアルコキシアルキルであり
    は独立して、−OH、−NH、または−SHである。
  5. 式(1−5)から式(1−7)のいずれか1つで表される、請求項1から4のいずれか1項に記載の化合物。

    Figure 2019199461

    式(1−5)から式(1−7)において、
    環A、環A、環A、および環Aは独立して、1,4−シクロヘキシレン、1,4−シクロヘキセニレン、1,4−フェニレン、テトラヒドロピラン−2,5−ジイル、または1,3−ジオキサン−2,5−ジイルであり、これらの環において、少なくとも1つの水素は、フッ素、炭素数1から7のアルキル、炭素数2から7のアルケニル、または炭素数1から6のアルコキシで置き換えられてもよく;
    、Z、およびZは独立して、単結合、−(CH−、−CH=CH−、−C≡C−、−CHO−、または−OCH−であり;
    Sp、およびSpは独立して、単結合または炭素数1から10のアルキレンであり、このアルキレンにおいて、少なくとも1つの−CH−は、−O−で置き換えられてもよく、少なくとも1つの−(CH−は、−CH=CH−で置き換えられてもよく;
    は、水素、炭素数1から5のアルキル、炭素数1から4のアルコキシ、または炭素数1から4のアルコキシアルキルであり;
    は、式(1−a)、および式(1−b)で表される基から選択された基であり;

    Figure 2019199461

    式(1−a)、および式(1−b)において、
    SpおよびSpは独立して、単結合または炭素数1から10のアルキレンであり、このアルキレンにおいて、少なくとも1つの−CH−は、−O−、−CO−、−COO−、−OCO−、または−OCOO−で置き換えられてもよく、少なくとも1つの−(CH−は、−CH=CH−または−C≡C−で置き換えられてもよく、これらの基において、少なくとも1つの水素は、フッ素で置き換えられてもよく;
    は、水素、炭素数1から7のアルキル、炭素数1から6のアルコキシ、または炭素数1から6のアルコキシアルキルであり
    は独立して、−OH、−NH、または−SHである。
  6. 式(1−8)から式(1−25)のいずれか1つで表される、請求項1から5のいずれか1項に記載の化合物。

    Figure 2019199461

    Figure 2019199461

    式(1−8)から式(1−25)において、
    は、水素、メチル、エチル、プロピル、または−CHOCHであり;
    は、水素、炭素数1から7のアルキル、炭素数1から6のアルコキシ、または炭素数1から6のアルコキシアルキルであり;
    およびZは独立して、単結合、−(CH−、または−CH=CH−であり;
    Sp、Sp、Sp、およびSpは独立して、単結合または炭素数1から10のアルキレンであり、このアルキレンにおいて、少なくとも1つの−CH−は、−O−で置き換えられてもよく;
    、Y、Y、Y、Y、Y、Y、Y、Y、Y10、Y11、およびY12は独立して、水素、フッ素、または炭素数1から5のアルキルである。
  7. 式(1−26)から式(1−43)のいずれか1つで表される、請求項1から6のいずれか1項に記載の化合物。

    Figure 2019199461

    Figure 2019199461

    式(1−26)から式(1−43)において、
    、Y、Y、Y、Y、およびYは独立して、水素、フッ素、メチル、またはエチルであり;
    は、水素、炭素数1から7のアルキル、炭素数1から6のアルコキシ、または炭素数1から6のアルコキシアルキルであり;
    およびZは独立して、単結合または−(CH−であり;
    Sp、Sp、Sp、およびSpは独立して、単結合または炭素数1から10のアルキレンであり、このアルキレンにおいて、少なくとも1つの−CH−は、−O−で置き換えられてもよい。
  8. 請求項1から7のいずれか1項に記載の化合物の少なくとも1つを含有する液晶組成物。
  9. 式(2)から(4)で表される化合物の群から選択された少なくとも1つの化合物を含有する、請求項8に記載の液晶組成物。

    Figure 2019199461

    式(2)から(4)において、
    11およびR12は独立して、炭素数1から10のアルキルまたは炭素数2から10のアルケニルであり、このアルキルおよびアルケニルにおいて、少なくとも1つの−CH−は−O−で置き換えられてもよく、これらの基において、少なくとも1つの水素はフッ素で置き換えられてもよく;
    環B、環B、環B、および環Bは独立して、1,4−シクロヘキシレン、1,4−フェニレン、2−フルオロ−1,4−フェニレン、2,5−ジフルオロ−1,4−フェニレン、またはピリミジン−2,5−ジイルであり;
    11、Z12、およびZ13は独立して、単結合、−COO−、−CHCH−、−CH=CH−、または−C≡C−である。
  10. 式(5)から(7)で表される化合物の群から選択された少なくとも1つの化合物を含有する、請求項8または9に記載の液晶組成物。

    Figure 2019199461

    式(5)から(7)において、
    13は炭素数1から10のアルキルまたは炭素数2から10のアルケニルであり、このアルキルおよびアルケニルにおいて、少なくとも1つの−CH−は−O−で置き換えられてもよく、これらの基において、少なくとも1つの水素はフッ素で置き換えられてもよく;
    11は、フッ素、塩素、−OCF、−OCHF、−CF、−CHF、−CHF、−OCFCHF、または−OCFCHFCFであり;
    環C、環C、および環Cは独立して、1,4−シクロヘキシレン、1,4−フェニレン、テトラヒドロピラン−2,5−ジイル、1,3−ジオキサン−2,5−ジイル、ピリミジン−2,5−ジイル、または少なくとも1つの水素がフッ素で置き換えられた1,4−フェニレンであり;
    14、Z15、およびZ16は独立して、単結合、−COO−、−OCO−、−CHO−、−OCH−、−CFO−、−OCF−、−CHCH−、−CH=CH−、−C≡C−、または−(CH−であり;
    11およびL12は独立して、水素またはフッ素である。
  11. 式(8)で表される化合物の群から選択された少なくとも1つの化合物を含有する、請求項8から10のいずれか1項に記載の液晶組成物。

    Figure 2019199461

    式(8)において、
    14は炭素数1から10のアルキルまたは炭素数2から10のアルケニルであり、このアルキルおよびアルケニルにおいて、少なくとも1つの−CH−は−O−で置き換えられてもよく、これらの基において、少なくとも1つの水素はフッ素で置き換えられてもよく;
    12は−C≡Nまたは−C≡C−C≡Nであり;
    環Dは、1,4−シクロヘキシレン、1,4−フェニレン、テトラヒドロピラン−2,5−ジイル、1,3−ジオキサン−2,5−ジイル、ピリミジン−2,5−ジイル、または少なくとも1つの水素がフッ素で置き換えられた1,4−フェニレンであり;
    17は、単結合、−COO−、−OCO−、−CHO−、−OCH−、−CFO−、−OCF−、−CHCH−、または−C≡C−であり;
    13およびL14は独立して、水素またはフッ素であり;
    iは、1、2、3、または4である。
  12. 式(11)から(19)で表される化合物の群から選択された少なくとも1つの化合物を含有する、請求項8から11のいずれか1項に記載の液晶組成物。

    Figure 2019199461

    式(11)から(19)において、
    15、R16、およびR17は独立して、炭素数1から10のアルキルまたは炭素数2から10のアルケニルであり、このアルキルおよびアルケニルにおいて、少なくとも1つの−CH−は−O−で置き換えられてもよく、これらの基において、少なくとも1つの水素はフッ素で置き換えられてもよく、そしてR17は、水素またはフッ素であってもよく;
    環E、環E、環E、および環Eは独立して、1,4−シクロヘキシレン、1,4−シクロヘキセニレン、1,4−フェニレン、テトラヒドロピラン−2,5−ジイル、デカヒドロナフタレン−2,6−ジイル、または少なくとも1つの水素がフッ素で置き換えられた1,4−フェニレンであり;
    環Eおよび環Eは独立して、1,4−シクロヘキシレン、1,4−シクロヘキセニレン、1,4−フェニレン,テトラヒドロピラン−2,5−ジイル、またはデカヒドロナフタレン−2,6−ジイルであり;
    18、Z19、Z20、およびZ21は独立して、単結合、−COO−、−OCO−、−CHO−、−OCH−、−CFO−、−OCF−、−CHCH−、−CFOCHCH−、または−OCFCHCH−であり;
    15およびL16は独立して、フッ素または塩素であり;
    11は、水素またはメチルであり;
    Xは、−CHF−または−CF−であり;
    j、k、m、n、p、q、r、およびsは独立して、0または1であり、k、m、n、およびpの和は、1または2であり、q、r、およびsの和は、0、1、2、または3であり、
    tは、1、2、または3である。
  13. 式(1)で表される化合物以外の、式(20)で表される少なくとも1つの重合性化合物を含有する、請求項8から12のいずれか1項に記載の液晶組成物。

    Figure 2019199461

    式(20)において、
    環Fおよび環Iは独立して、シクロヘキシル、シクロヘキセニル、フェニル、1−ナフチル、2−ナフチル、テトラヒドロピラン−2−イル、1,3−ジオキサン−2−イル、ピリミジン−2−イル、またはピリジン−2−イルであり、これらの環において、少なくとも1つの水素は、ハロゲン、炭素数1から12のアルキル、炭素数1から12のアルコキシ、または少なくとも1つの水素がハロゲンで置き換えられた炭素数1から12のアルキルで置き換えられてもよく;
    環Gは、1,4−シクロへキシレン、1,4−シクロヘキセニレン、1,4−フェニレン、ナフタレン−1,2−ジイル、ナフタレン−1,3−ジイル、ナフタレン−1,4−ジイル、ナフタレン−1,5−ジイル、ナフタレン−1,6−ジイル、ナフタレン−1,7−ジイル、ナフタレン−1,8−ジイル、ナフタレン−2,3−ジイル、ナフタレン−2,6−ジイル、ナフタレン−2,7−ジイル、フェナントレン−2,7−ジイル、テトラヒドロピラン−2,5−ジイル、1,3−ジオキサン−2,5−ジイル、ピリミジン−2,5−ジイル、またはピリジン−2,5−ジイルであり、これらの環において、少なくとも1つの水素は、ハロゲン、炭素数1から12のアルキル、炭素数1から12のアルコキシ、または少なくとも1つの水素がハロゲンで置き換えられた炭素数1から12のアルキルで置き換えられてもよく;
    22およびZ23は独立して、単結合または炭素数1から10のアルキレンであり、このアルキレンにおいて、少なくとも1つの−CH−は、−O−、−CO−、−COO−、または−OCO−で置き換えられてもよく、少なくとも1つの−CHCH−は、−CH=CH−、−C(CH)=CH−、−CH=C(CH)−、または−C(CH)=C(CH)−で置き換えられてもよく、これらの基において、少なくとも1つの水素は、フッ素または塩素で置き換えられてもよく;
    11、P12、およびP13は独立して、重合性基であり;
    Sp11、Sp12、およびSp13は独立して、単結合または炭素数1から10のアルキレンであり、このアルキレンにおいて、少なくとも1つの−CH−は、−O−、−COO−、−OCO−、または−OCOO−で置き換えられてもよく、少なくとも1つの−CHCH−は、−CH=CH−または−C≡C−で置き換えられてもよく、これらの基において、少なくとも1つの水素は、フッ素または塩素で置き換えられてもよく;
    uは、0、1、または2であり;
    f、g、およびhは独立して、0、1、2、3、または4であり、そしてf、g、およびhの和は、1以上である。
  14. 式(20)において、
    11、P12、およびP13が独立して、式(P−1)から式(P−5)で表される重合性基の群から選択された基である、請求項13に記載の液晶組成物。

    Figure 2019199461

    式(P−1)から式(P−5)において、
    11、M12、およびM13は独立して、水素、フッ素、炭素数1から5のアルキル、または少なくとも1つの水素がハロゲンで置き換えられた炭素数1から5のアルキルである。
  15. 式(20)で表される重合性化合物が、式(20−1)から式(20−7)で表される重合性化合物の群から選択された少なくとも1つの化合物である、請求項13または14に記載の液晶組成物。

    Figure 2019199461

    式(20−1)から式(20−7)において、
    31、L32、L33、L34、L35、L36、L37、およびL38は独立して、水素、フッ素、またはメチルであり;
    Sp11、Sp12、およびSp13は独立して、単結合または炭素数1から10のアルキレンであり、このアルキレンにおいて、少なくとも1つの−CH−は、−O−、−COO−、−OCO−、または−OCOO−で置き換えられてもよく、少なくとも1つの−CHCH−は、−CH=CH−または−C≡C−で置き換えられてもよく、これらの基において、少なくとも1つの水素は、フッ素または塩素で置き換えられてもよい。
    11、P12、およびP13は独立して、式(P−1)から式(P−3)で表される重合性基の群から選択された基であり、

    Figure 2019199461

    式(P−1)から式(P−3)において、
    11、M12、およびM13は独立して、水素、フッ素、炭素数1から5のアルキル、または少なくとも1つの水素がハロゲンで置き換えられた炭素数1から5のアルキルである。
  16. 式(1)または式(20)で表される化合物とは異なる重合性化合物、重合開始剤、重合禁止剤、光学活性化合物、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、熱安定剤、色素、および消泡剤の群から選択された少なくとも1つを含有する、請求項8から15のいずれか1項に記載の液晶組成物。
  17. 請求項8から16のいずれか1項に記載の液晶組成物、および請求項8から16のいずれか1項に記載の液晶組成物の少なくとも一部が重合したものからなる群より選択された少なくとも1つ含有する液晶表示素子。
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