JP5899607B2 - 化合物、光学フィルム及び光学フィルムの製造方法 - Google Patents
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Description
1. 式(1−1)又は式(1−2)で表される2価の基を含む化合物。
Q1及びQ2は、それぞれ独立に、−CR1R2−、−S−、−NR2−、−CO−又は−O−を表す。
R1及びR2は、それぞれ独立に、水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を表す。
Y1は、置換されていてもよい多環系芳香族炭化水素基又は多環系芳香族複素環基を表す。
D1及びD2は、それぞれ独立に、単結合又は2価の連結基を表す。
G1及びG2は、それぞれ独立に、2価の脂環式炭化水素基を表す。該脂環式炭化水素基に含まれる水素原子は、ハロゲン原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のフルオロアルキル基、炭素数1〜4アルコキシ基、シアノ基又はニトロ基で置換されていてもよく、該脂環式炭化水素基に含まれる−CH2−基は、−O−、−S−又は−NH−で置換されていてもよい。]
[式(2−1)及び式(2−2)中、Z1、Z2、Q1、Q2、Y1、D1、D2、G1及びG2は、上記と同じ意味を表す。
E1及びE2は、それぞれ独立に、単結合又は2価の連結基を表す。
B1及びB2は、それぞれ独立に、単結合又は2価の連結基を表す。
A1及びA2は、それぞれ独立に、2価の脂環式炭化水素基又は2価の芳香族炭化水素基を表す。該2価の脂環式炭化水素基及び2価の芳香族炭化水素基に含まれる水素原子は、ハロゲン原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4アルコキシ基、シアノ基又はニトロ基で置換されていてもよい。該炭素数1〜4のアルキル基及び該炭素数1〜4アルコキシ基に含まれる水素原子は、フッ素原子で置換されていてもよい。
k及びlは、それぞれ独立に、0〜3の整数を表す。kが2以上の整数である場合、複数のA1及びB1は互いに同一であっても異なっていてもよい。lが2以上の整数である場合、複数のA2及びB2は互いに同一であっても異なっていてもよい。]
[式(3−1)及び式(3−2)中、Z1、Z2、Q1、Q2、Y1、D1、D2、G1、G2、E1、E2、B1、B2、A1、A2、k及びlは、上記と同じ意味を表す。
F1及びF2は、それぞれ独立に、炭素数1〜12のアルカンジイル基を表す。該アルカンジイル基に含まれる水素原子は、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数1〜5のアルコキシ基又はハロゲン原子で置換されていてもよく、該アルカンジイル基に含まれる−CH2−は、−O−又は−CO−で置換されていてもよい。
P1及びP2は、それぞれ独立に、水素原子又は重合性基を表す。]
[式(Y1−1)及び式(Y1−4)中、*印は結合手を表し、Z3は、それぞれ独立に、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルキル基、シアノ基、ニトロ基、ニトロソ基、炭素数1〜6のアルキルスルホニル基、炭素数1〜6のアルキルスルフィニル基、カルボキシ基、炭素数1〜6のフルオロアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数1〜6のアルキルスルファニル基、炭素数2〜8のN,N−ジアルキルアミノ基、炭素数1〜4のN−アルキルアミノ基、スルファモイル基、炭素数1〜6のN−アルキルスルファモイル基又は炭素数2〜12のN,N−ジアルキルスルファモイル基を表す。
V1は、−CO−、−S−、−NR3−、−O−、−Se−又は−SO2−を表す。
W1〜W5は、それぞれ独立に、−CR3=又は−N=を表す。
ただし、V1及びW1〜W5のうち少なくとも1つは、S、N、O又はSeを含む基を表す。
R3は、水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を表す。
aは、それぞれ独立に、0〜3の整数を表す。]
B1及びB2のうち、F1又はF2と結合しているB1及びB2が、それぞれ独立に、−O−、−CO−O−、−O−CO−、−O−CO−O−、−CO−NH−、−NH−CO−又は単結合である2.〜8.のいずれか記載の化合物。
P11−E11−(B11−A11)t−B12−G (20)
[式(20)中、A11は、2価の芳香族炭化水素基、脂環式炭化水素基又は複素環基を表し、該芳香族炭化水素基、脂環式炭化水素基及び複素環基に含まれる水素原子は、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数1〜6のN−アルキルアミノ基、炭素数2〜12のN,N−ジアルキルアミノ基、ニトロ基、シアノ基又はスルファニル基で置換されていてもよい。
B11及びB12は、それぞれ独立に、−CR14R15−、−C≡C−、−CH=CH−、−CH2−CH2−、−O−、−S−、−C(=O)−、−C(=O)−O−、−O−C(=O)−、−O−C(=O)−O−、−C(=S)−、−C(=S)−O−、−O−C(=S)−、−CH=N−、−N=CH−、−N=N−、−C(=O)−NR16−、−NR16−C(=O)−、−OCH2−、−OCF2−、−NR16−、−CH2O−、−CF2O−、−CH=CH−C(=O)−O−、−O−C(=O)−CH=CH−又は単結合を表す。R14及びR15は、それぞれ独立に、水素原子、フッ素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を表し、R14及びR15が連結して炭素数4〜7のアルカンジイル基を構成してもよい。R16は、水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を表す。
E11は、炭素数1〜12のアルカンジイル基を表す。該アルカンジイル基に含まれる水素原子は、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基又はハロゲン原子で置換されていてもよい。
P11は、重合性基を表す。
Gは、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜13のアルキル基、炭素数1〜13のアルコキシ基、炭素数1〜13のフルオロアルキル基、炭素数1〜13のN−アルキルアミノ基、炭素数2〜26のN,N−ジアルキルアミノ基、シアノ基、ニトロ基であるか、炭素数1〜12のアルカンジイル基を介して結合する重合性基を表し、該アルカンジイル基に含まれる水素原子は、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基又はハロゲン原子で置換されていてもよい。
tは、1〜5の整数を表す。tが2以上の整数である場合、複数のA11及びB11は互いに同一であっても異なっていてもよい。]
Q1及びQ2は、それぞれ独立に、−CR1R2−、−S−、−NR2−、−CO−又は−O−を表す。
R1及びR2は、それぞれ独立に、水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を表す。
Y1は、置換されていてもよい多環系芳香族炭化水素基又は多環系芳香族複素環基を表す。
D1及びD2は、それぞれ独立に、単結合又は2価の連結基を表す。
G1及びG2は、それぞれ独立に、2価の脂環式炭化水素基を表す。該脂環式炭化水素基に含まれる水素原子は、ハロゲン原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のフルオロアルキル基、炭素数1〜4アルコキシ基、シアノ基又はニトロ基で置換されていてもよく、該脂環式炭化水素基に含まれるメチレン基は、−O−、−S−又は−NH−で置換されていてもよい。]
Q1及びQ2は、それぞれ独立に、−S−、−NH−、−N(CH3)−又は−CO−であることが好ましく、−S−又は−CO−であることがより好ましい。
多環式芳香族炭化水素基及び多環式芳香族複素環基は無置換であってもよいし、置換基を有していてもよい。置換基としては、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルキル基、シアノ基、ニトロ基、ニトロソ基、炭素数1〜6のアルキルスルフィニル基、炭素数1〜6のアルキルスルホニル基、カルボキシ基、炭素数1〜6のフルオロアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数1〜6のアルキルスルファニル基、炭素数1〜4のN−アルキルアミノ基、炭素数2〜8のN,N−ジアルキルアミノ基、スルファモイル基、炭素数1〜6のN−アルキルスルファモイル基及び炭素数2〜12のN,N−ジアルキルスルファモイル基が挙げられる。
Y1は、例えば、式(Y1−1)〜式(Y1−7)で表される基であることが好ましく、式(Y1−1)又は式(Y1−4)で表される基であることがより好ましい。
V1及びV2は、それぞれ独立に、−CO−、−S−、−NR3−、−O−、−Se−又は−SO2−を表す。
W1〜W5は、それぞれ独立に、−CR3=又は−N=を表す。
ただし、V1、V2及びW1〜W5のうち少なくとも1つは、S、N、O又はSeを含む。
R3は、水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を表す。
aは、それぞれ独立に、0〜3の整数を表す。aが2以上の整数である場合、複数のZ3は互いに同一であっても異なっていてもよい。
bは、それぞれ独立に、0〜2の整数を表す。bが2以上の整数である場合、複数のZ3は互いに同一であっても異なっていてもよい。]
式(Y1−2)で示される基は、式(Y2−7)又は式(Y2−9)で示される基であることが好ましく、式(Y1−3)で示される基は、式(Y2−8)又は式(Y2−10)で示される基であることが好ましい。
式(Y1−4)で示される基は、式(Y2−11)〜式(Y2−13)で示される基のいずれかであることが好ましい。
式(Y1−5)で示される基は、式(Y2−14)〜式(Y2−16)で示される基のいずれかであることが好ましい。
なかでも、式(Y3−1)又は式(Y3−3)で表される基であることがより好ましい。
なかでも、Z3が、ハロゲン原子、メチル基、エチル基、イソプロピル基、sec−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、シアノ基、ニトロ基、メチルスルホニル基、ニトロソ基、カルボキシ基、トリフルオロメチル基、メトキシ基、メチルスルファニル基、N,N−ジメチルアミノ基又はN−メチルアミノ基が好ましく、ハロゲン原子、メチル基、エチル基、イソプロピル基、sec−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、シアノ基、ニトロ基、トリフルオロメチル基がより好ましく、メチル基、エチル基、イソプロピル基、sec−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基が特に好ましい。
Y1の具体例として、式(ar−1)〜式(ar−840)で表される基が挙げられる。以下の基において、Meはメチル基を、Etはエチル基を、*は結合手を表わす。
2価の脂環式炭化水素基としては、環を構成する炭素原子及びヘテロ原子の数が、それぞれ3〜10及び0〜2である2価の脂環式炭化水素基が挙げられ、式(g−1)〜式(g−10)で表される基が挙げられ、5員環又は6員環の脂環式炭化水素基であることがより好ましい。
E1及びE2は、それぞれ独立に、単結合又は2価の連結基を表す。
B1及びB2は、それぞれ独立に、単結合又は2価の連結基を表す。
A1及びA2は、それぞれ独立に、2価の脂環式炭化水素基又は2価の芳香族炭化水素基を表し、該脂環式炭化水素基及び該芳香族炭化水素基に含まれる水素原子は、ハロゲン原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のフルオロアルキル基、炭素数1〜4アルコキシ基、炭素数1〜4のフルオロアルコキシ基、シアノ基又はニトロ基で置換されていてもよい。
k及びlは、それぞれ独立に、0〜3の整数を表す。]
本発明の化合物の製造がより容易であるという点で、B1とB2とが同一であることが好ましい。
F1及びF2は、それぞれ独立に、炭素数1〜12のアルカンジイル基を表す。該アルカンジイル基に含まれる水素原子は、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数1〜5のアルコキシ基又はハロゲン原子で置換されていてもよく、該アルカンジイル基に含まれる−CH2−は、−O−又は−CO−に置き換わっていてもよい。
P1及びP2は、それぞれ独立に、水素原子又は重合性基を表す。]
F1に結合しているB1及びF2に結合しているB2は、それぞれ独立に、−O−、−CO−O−、−O−CO−、−O−CO−O−、−CO−NH−、−NH−CO−又は単結合であることが好ましい。
重合性基とは、本発明の化合物の重合反応に関与し得る基であればよく、具体的には、ビニル基、ビニルオキシ基、スチリル基、p−(2−フェニルエテニル)フェニル基、アクリロイル基、メタクリロイル基、アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基、カルボキシ基、アセチル基、ヒドロキシ基、カルバモイル基、炭素数1〜4のN−アルキルアミノ基、アミノ基、エポキシ基、オキセタニル基、ホルミル基、イソシアナト基又はイソチオシアナト基等が挙げられる。中でも光重合に適するという点で、ラジカル重合性基又はカチオン重合性基が好ましく、取り扱いが容易で、本発明の化合物の製造も容易であるという点でアクリロイルオキシ基又はメタクリロイルオキシ基がより好ましく、アクリロイルオキシ基が特に好ましい。
重合性基は、F1及びF2に、直接結合してもよいが、一つ以上の2価の連結基(例えば、前記B1及びB2における2価の連結基等)を介して結合することが好ましい。
本発明の化合物は、Methoden der Organischen Chemie、Organic Reactions、Organic Syntheses、Comprehensive Organic Synthesis、新実験化学講座等に記載されている公知の有機合成反応(例えば、縮合反応、エステル化反応、ウイリアムソン反応、ウルマン反応、ウイッティヒ反応、シッフ塩基生成反応、ベンジル化反応、薗頭反応、鈴木−宮浦反応、根岸反応、熊田反応、檜山反応、ブッフバルト−ハートウィッグ反応、フリーデルクラフト反応、ヘック反応、アルドール反応等)を、その構造に応じて、適宜組み合わせることにより、製造することができる。
で示される化合物とを反応させることにより製造することができる。
なお、G1とG2、E1とE2、A1とA2、B1とB2、F1とF、P1とP2及びkとlが、それぞれ全て同じである場合には、式(11−1)で示される化合物と2当量以上の式(11−2)化合物とを反応させることにより、一段階で目的の化合物を製造することができる。
液晶化合物は、単独で用いてもよいし、異なる複数の液晶化合物を併用してもよい。
[式(20)中、A11は、芳香族炭化水素基、脂環式炭化水素基又は複素環基を表し、該芳香族炭化水素基、脂環式炭化水素基及び複素環基に含まれる水素原子は、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数1〜6のN−アルキルアミノ基、炭素数2〜12のN,N−ジアルキルアミノ基、ニトロ基、シアノ基又はスルファニル基で置換されていてもよい。
B11及びB12は、それぞれ独立に、−CR14R15−、−C≡C−、−CH=CH−、−CH2−CH2−、−O−、−S−、−C(=O)−、−C(=O)−O−、−O−C(=O)−、−O−C(=O)−O−、−C(=S)−、−C(=S)−O−、−O−C(=S)−、−CH=N−、−N=CH−、−N=N−、−C(=O)−NR16−、−NR16−C(=O)−、−OCH2−、−OCF2−、−NR16−、−CH2O−、−CF2O−、−CH=CH−C(=O)−O−、−O−C(=O)−CH=CH−又は単結合を表す。R14及びR15は、それぞれ独立に、水素原子、フッ素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を表し、R14及びR15が連結して炭素数4〜7のアルカンジイル基を構成してもよい。R16は、水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を表す。
E11は、炭素数1〜12のアルカンジイル基を表す。該アルカンジイル基に含まれる水素原子は、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基又はハロゲン原子で置換されていてもよい。
P11は、重合性基を表す。
Gは、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜13のアルキル基、炭素数1〜13のアルコキシ基、炭素数1〜13のフルオロアルキル基、炭素数1〜13のN−アルキルアミノ基、炭素数2〜26のN,N−ジアルキルアミノ基、シアノ基、ニトロ基であるか、炭素数1〜12のアルカンジイル基を介して結合する重合性基を表し、該アルカンジイル基に含まれる水素原子は、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基又はハロゲン原子で置換されていてもよい。
tは、1〜5の整数を表す。tが2以上の整数である場合、複数のA11及びB11は互いに同一であっても異なっていてもよい。]
P11-E11-(B11-A11)t2-B12-F11 (20−2)
[式(20−1)及び式(20−2)中、P11、E11、B11、A11、B12は上記と同じ意味を表す。
F11は、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜13のアルキル基、炭素数1〜13のアルコキシ基、炭素数1〜13のフルオロアルキル基、炭素数1〜13のN−アルキルアミノ基、炭素数2〜26のN,N−ジアルキルアミノ基、シアノ基又はニトロ基を表す。
E12は、炭素数1〜12のアルカンジイル基を表し、該アルカンジイル基は、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基又はハロゲン原子を有していてもよい。
P12は、重合性基を表す。
t1及びt2は1〜5の整数を表す。]
P11-E11-B11-A11-B12-A12-B13-A13-B14-A14-B15-E12-P12 (II)
P11-E11-B11-A11-B12-A12-B13-A13-B14-E12-P12 (III)
P11-E11-B11-A11-B12-A12-B13-A13-B14-F11 (IV)
P11-E11-B11-A11-B12-A12-B13-F11 (V)
[式(I)〜式(V)中、A12〜A15は、A11と同義であり、B13〜B16は、B11と同義である]。
ベンゾフェノン化合物としては、例えば、ベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル、4−フェニルベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルサルファイド、3,3’,4,4’−テトラ(tert−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、2,4,6−トリメチルベンゾフェノン等が挙げられる。
トリアジン化合物としては、例えば、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−(4−メトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−(4−メトキシナフチル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−(4−メトキシスチリル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−〔2−(5−メチルフラン−2−イル)エテニル〕−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−〔2−(フラン−2−イル)エテニル〕−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−〔2−(4−ジエチルアミノ−2−メチルフェニル)エテニル〕−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−〔2−(3,4−ジメトキシフェニル)エテニル〕−1,3,5−トリアジン等が挙げられる。
本発明の組成物が有機溶媒を含む場合、その粘度は、光学フィルムの膜厚のムラが生じにくくなる傾向があるという点で、0.1〜10mPa・s、好ましくは0.1〜7mPa・sである。
また、本発明の組成物中の固形分の濃度は、2〜50質量%であり、5〜50質量%が好ましい。固形分の濃度が2質量%以上であると、光学フィルムが薄くなりすぎず、液晶パネルの光学補償のために必要な複屈折率を有する光学フィルムが得られやすい傾向がある。また、固形分の濃度が50質量%以下であると、組成物の粘度が小さくなりすぎず、光学フィルムの膜厚のムラが生じにくくなる傾向がある。ここで、固形分とは、本発明の組成物から有機溶媒を除いた成分をいう。
(a)本発明の化合物の含有量が異なる本発明の組成物を2〜5種類程度調製する、
(b)調製したそれぞれの組成物について、同じ膜厚であり、本発明の化合物に由来する構造単位の含有量が異なる光学フィルムを製造する、
(c)(b)で得られた光学フィルムの位相差値を求める、
(d)(c)で得られた位相差値に基づいて、本発明の化合物に由来する構造単位の含有量と光学フィルムの位相差値との相関を求める、
(e)(d)で得られた相関関係から、上記膜厚における光学フィルムに所望の位相差値を与えるために必要な本発明の化合物に由来する構造単位の含有量を決定する。
ある波長λにおける位相差値Re(λ)を550nmにおける位相差値Re(550)で除した値(Re(λ)/Re(550))が1に近い波長域や、[Re(450)/Re(550)]<1かつ[Re(650)/Re(550)]>1の逆波長分散性を示す波長域では、一様の偏光変換が可能である。
支持基材上に、本発明の化合物の溶液を塗布し、乾燥することにより、未重合フィルムが得られる。未重合フィルムがネマチック相等の液晶相を示す場合、得られる光学フィルムは、モノドメイン配向による複屈折性を示す。
Re(λ)=d×Δn(λ) (7)
(式中、Re(λ)は、波長λnmにおける位相差値を表し、dは膜厚を表し、Δn(λ)は波長λnmにおける複屈折率を表わす。)
に従って決定されるため、所望のRe(λ)を得るためには、膜厚d及びΔn(λ)を調整すればよい。
複屈折率Δn(λ)は、重合時の露光量、加熱温度、加熱時間適宜調整することにより、所望の位相差を与えるように調製することができる。
本発明の光学フィルムは1枚でも優れた光学特性を示すが、複数枚を積層して用いてもよい。また、他のフィルムと組み合わせて用いてもよい。他のフィルムと組み合わせた具体例としては、偏光フィルムに本発明の光学フィルムを貼合させた楕円偏光板、該偏光フィルムに本発明の光学フィルムを広帯域λ/4板として貼合させた広帯域円偏光板等が挙げられる。
カラーフィルタ1は、本発明の光学フィルム2が、配向膜3を介して該カラーフィルタ層4上に形成されてなるカラーフィルタである。
続いて、得られた配向膜3上に、得られる光学フィルムが所望の波長分散特性をもつように、本発明の化合物の含有量が調整された本発明の化合物の溶液を調製し、所望の位相差値になるような厚みになるよう該溶液を塗布して、光学フィルム2を形成する。
図2に示す液晶表示装置5では、偏光板6上に、例えばガラス基板等のバックライトと対向する基板7が接着剤を介して固定されている。基板7上に作成されたカラーフィルタ層4’上に配向膜3’を介して光学フィルム2’が形成されている。さらに光学フィルム2’上に対向電極8が形成され、対向電極8上に液晶相9が形成されている。バックライト側は、偏光板10にガラス基板等の基板11が接着剤を介して固定されており、さらに基板11には液晶層をアクティブ駆動させるための薄膜トランジスタ(TFT)及び絶縁層12が形成され、さらにTFT上にAg、Al又はITO(Indium Tin Oxide)による透明電極13及び/又は反射電極13’が形成されている。図2に示す液晶表示装置5の構成は、従来の液晶表示装置と比較して、光学フィルムの枚数が少ない構成であり、より薄型の液晶表示装置の製造が可能となる。
本発明の偏光板は、本発明の光学フィルム及び偏光機能を有するフィルム(偏光フィルム)を含み、通常は、本発明の光学フィルム及び偏光フィルムを積層することにより得られる。具体的には、偏光フィルムの片面もしくは両面に直接、又は接着剤を用いて、本発明の光学フィルムを貼り合わせることにより得られる。本明細書において、接着剤とは、接着剤と粘着剤との両方を意味する。以下、図3〜図5を用いて、本発明の偏光板について説明する。
図3(a)に示す偏光板30aは、積層体14と、偏光フィルム15とが直接貼り合わされており、積層体14は、支持基材16、配向膜17及び光学フィルム18からなる。偏光板30aは、支持基材16、配向膜17、光学フィルム18、偏光フィルム15の順に積層されている。
<化合物(A1−1)の合成例>
化合物(A1−1)は下記のスキームに従って合成した。
2,5−ジメトキシアニリン21.5g(140mmol)、ベンゾチオフェン−2−カルボン酸25.0g(140mmol)及び脱水クロロホルム125.3gを混合し反応させた。得られた混合液にN、N−ジメチルアミノピリジン1.71g(14mmol)を加えた。得られた混合液を氷浴で冷却して、N,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド31.8g(154mmol)を加えて一時間反応させた。その後、混合液を室温まで戻し、得られた混合液をシリカゲルを通すことによって濾過して沈殿を除去後、減圧濃縮した。残渣に酢酸エチル−ヘプタンの1/2(v/v)溶液を加えて結晶化させた。析出した結晶を濾過、真空乾燥して、淡黄色粉末として化合物(1−a)を33.4g得た。収率は2,5−ジメトキシアニリン基準で76%であった。
化合物(1−a)33.35g(106mmol)、2,4−ビス(4−メトキシフェニル)−1,3−ジチア−2,4−ジホスフェタン−2,4−ジスルフィド(ローソン試薬)22.4g(55.0mmol)及びトルエン200gを混合し、得られた混合液を80℃に昇温して反応させた。冷却後濃縮し、化合物(1−b)とローソン試薬の分解物とを主成分とする赤色粘稠固体を得た。
前項で得られた化合物(1−b)を含む混合物、水酸化ナトリウム25.5g(639mmol)及び水580gを混合し、得られた混合液を氷冷下で反応させた。続いてフェリシアン化カリウム95.6g(290mmol)を含む水溶液を、氷冷下で混合液に加え、室温で12時間反応させた。析出した黄色沈殿を濾取した。濾取した沈殿を、水、次いでヘキサンで洗浄し、エタノールで洗浄して、真空乾燥して、化合物(1−c)を主成分とする淡黄色固体19.5gを得た。収率は化合物(1−a)基準で56%であった。
化合物(1−c)19.5g(59.6mmol)及び塩化ピリジニウム97.5g(5倍質量)を混合し、180℃に昇温して2時間反応させた。得られた混合液を冷却後、水を加え、得られた沈殿を濾取し、水、次いでヘキサンで洗浄して、化合物(1−d)を主成分とする固体18gを得た。収率は化合物(1−c)基準で95%であった。
化合物(1−d)5.00g(16.7mmol)、化合物(A)14.68g(35.1mmol)、ジメチルアミノピリジン0.20g(1.67mmol)及びクロロホルム60mLを混合した。得られた混合液に1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩7.68g(40.1mmol)を氷冷下で加えた。得られた反応溶液を攪拌し、シリカゲルで濾過したのち、減圧濃縮した。残渣にメタノールを加えて結晶化させた。結晶を濾取し、クロロホルムに再溶解させた。得られた溶液を攪拌しながらメタノールを加えて、生成した白色沈殿を濾取し、真空乾燥して化合物(A1−1)を白色粉末として10.9g得た。収率は化合物(1−d)基準で59%であった。
<化合物(A5−1)の合成例>
化合物(A5−1)は下記のスキームに従って合成した。
2,5−ジメトキシアニリン18.9g(123mmol)、ベンゾフラン−2−カルボン酸20.0g(123mmol)及び脱水クロロホルム125.0gを混合し反応させた。得られた混合液にN、N−ジメチルアミノピリジン1.51g(12mmol)を加えた。得られた混合液を氷浴で冷却して、N,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド28.0g(136mmol)を加えて一時間反応させた。その後室温まで戻し、終夜反応させた。得られた混合液をシリカゲルを通して濾過して白色沈殿及び褐色成分を除去後、減圧濃縮した。残渣に酢酸エチル−ヘプタンの1/2(v/v)溶液を加えて結晶化させた。析出した結晶を濾過、真空乾燥して、淡黄色粉末として化合物(5−a)を14.4g得た。収率は2,5−ジメトキシアニリン基準で39%であった。
化合物(5−a)13.0g(44mmol)、2,4−ビス(4−メトキシフェニル)−1,3−ジチア−2,4−ジホスフェタン−2,4−ジスルフィド(ローソン試薬)9.2g(23.0mmol)及びトルエン100gを混合し、得られた混合液を80℃に昇温して5時間反応させた。冷却後濃縮し、化合物(5−b)とローソン試薬の分解物とを主成分とする赤色粘稠固体を得た。
前項で得られた化合物(5−b)を含む混合物、水酸化ナトリウム10.5g(262mmol)及び水250gを混合し、得られた混合液を氷冷下で反応させた。続いてフェリシアン化カリウム39.3g(119mmol)を含む水溶液を、氷冷下で加え、反応させた。室温で12時間反応させて、析出した黄色沈殿を濾取した。濾取した沈殿を水、次いでヘキサンで洗浄し、エタノールで洗浄して、真空乾燥して、化合物(5−c)を主成分とする淡黄色固体9.3gを得た。収率は化合物(5−a)基準で69%であった。
化合物(5−c)7.0g(22.5mmol)及び塩化ピリジニウム35.0g(5倍質量)を混合し、180℃に昇温して2時間反応させた。得られた混合液を冷却後、水を加え、得られた沈殿を濾取し、水、ヘキサンで洗浄して、化合物(5−d)を主成分とする固体6.5gを得た。収率は化合物(5−c)基準で100%であった。
化合物(5−d)1.60g(5.65mmol)、化合物(A)4.96g(11.9mmol)、ジメチルアミノピリジン0.07g(0.56mmol)及びクロロホルム30mLを混合した。得られた混合液にN,N’−ジイソプロピルカルボジイミド1.71g(13.6mmol)を氷冷下で加えた。得られた反応溶液を室温で終夜反応させ、シリカゲル濾過したのち、減圧濃縮した。残渣にメタノールを加えて結晶化させた。結晶を濾取し、クロロホルムに再溶解させた。得られた溶液を攪拌しながらメタノールを加えて、生成した白色沈殿を濾取し、エタノールで洗浄、真空乾燥して化合物(A5−1)を白色粉末として4.73g得た。収率は化合物(5−d)基準で77%であった。
<化合物(A6−1)の合成例>
化合物(A6−1)は下記のスキームに従って合成した。
5−メチルサリチルアルデヒド50g(367mmol)、炭酸カリウム101.51g(734mmol)、テトラブチルアンモニウムブロミド11.84g(37mmol)、ヨウ化カリウム30.48g(37mmol)及びトルエンを混合し、80℃に加温した。得られた分散液にブロモマロン酸ジエチル114.1g(477mmol)を滴下し、110℃(トルエン沸点還流)で24時間反応させた。得られた褐色溶液に、水酸化カリウム3gを溶解した3mLを加えてさらに24時間反応させた。得られた反応液を室温まで冷却した後、エバポレータにて減圧濃縮した。残渣に水酸化カリウム40g、エタノール400mLを加えて80℃で1時間攪拌した。室温まで冷却後、エバポレータにてエタノールを留去した。残渣を純水500mL、氷500gに溶解させ、2N硫酸でpHを3に調整した。析出した黄色沈殿を濾過にて集め、さらに純水1000mLで洗浄、真空乾燥させて淡黄色粉末として5−メチルベンゾフラン−2カルボン酸を43.7g得た。収率は4−メチルサリチルアルデヒド基準で68%であった。
2,5−ジメトキシアニリン30.4g(199mmol)、5−メチル−ベンゾフラン−2−カルボン酸35.0g(123mmol)、トリエチルアミン20.1g(199mmol)、N,N’−ジメチルアミノピリジン4.85g(3.97mmol)及び脱水N,N’−ジメチルアセトアミド175.0gを混合した。得られた溶液を氷浴にて冷却した後、1H−ベンゾトリアゾール−1−イルオキシトリス(ジメチルアミノ)ホスホニウムヘキサフルオロホスフェート(以下BOP試薬と呼ぶ)92.28g(219mmol)を加えて室温で24時間反応させた。得られた混合液に水、メタノールの混合溶液(水2体積部、メタノール1体積部)を加えて晶析させた。得られた沈殿を濾取し水―メタノールの混合溶液(水1体積部、メタノール1体積部)で洗浄、真空乾燥して、淡黄色粉末として化合物(6−a)を23.8g得た。収率は2,5−ジメトキシアニリン基準で39%であった。
化合物(6−a)23.8g(77mmol)、2,4−ビス(4−メトキシフェニル)−1,3−ジチア−2,4−ジホスフェタン−2,4−ジスルフィド(ローソン試薬)16.1g(40.0mmol)及びトルエン80gを混合し、得られた混合液を80℃に昇温して8時間反応させた。冷却後濃縮し、化合物(6−b)とローソン試薬の分解物とを主成分とする赤色粘稠固体を得た。
前項で得られた化合物(6−b)を含む混合物、水酸化ナトリウム18.4g(459mmol)及び水400gを混合し、得られた混合液を氷冷下で攪拌した。続いてフェリシアン化カリウム68.7g(209mmol)を含む水溶液を、氷冷下で加え、反応させた。室温で24時間反応させて、析出した黄色沈殿を濾取した。濾取した沈殿を水、次いでヘキサンで洗浄し、エタノールで洗浄、真空乾燥して、化合物(6−c)を主成分とする淡黄色固体14.8gを得た。収率は化合物(6−a)基準で59%であった。
化合物(6−c)14.8g(45.5mmol)及び塩化ピリジニウム74.0g(5倍質量)を混合し、180℃に昇温して2時間反応させた。得られた混合液を冷却後、水を加え、得られた沈殿を濾取し、水、トルエンで洗浄して、化合物(6−d)を主成分とする固体10.4gを得た。収率は化合物(6−c)基準で77%であった。
化合物(6−d)1.70g(5.72mmol)、化合物(A)5.02g(12.0mmol)、ジメチルアミノピリジン0.07g(0.56mmol)及びクロロホルム30mLを混合した。得られた混合液にN,N’−ジイソプロピルカルボジイミド1.73g(13.7mmol)を氷冷下で加えた。得られた反応溶液を室温で終夜反応させ、シリカゲル濾過したのち、減圧濃縮した。残渣にメタノールを加えて結晶化させた。結晶を濾取し、クロロホルムに再溶解させた。得られた溶液を攪拌しながらメタノールを加えて、生成した白色沈殿を濾取し、ヘプタンで洗浄、真空乾燥して化合物(A6−1)を白色粉末として4.72g得た。収率は化合物(6−d)基準で75%であった。
<化合物(A10−1)の合成例>
化合物(A10−1)は下記のスキームに従って合成した。
4−イソプロピルフェノール40g(266mmol)をN,N’−ジメチルアセトアミド240.0gに溶解させた。溶液を氷浴により冷却した後に、水素化ナトリウム10.9g(453mmol)を10回に分けて加えた。室温で1時間攪拌し、水素発生が終了したら、クロロアセトアルデヒドジメチルアセタール33.17g(266mmol)を滴下した。80℃で5時間攪拌し、反応終了を確認したら、反応液を水1000mL、メチルイソブチルケトン400mLに加えて分液した。有機層を回収し、さらに2回800mLの純水で有機層を洗浄した。有機層を回収後、無水硫酸ナトリウムで脱水し、エバポレータにて減圧濃縮させ赤色粘稠液体を得た。一方で、400gのトルエンと、オルトリン酸2.61gを混合し110℃に加熱した。該溶液に赤色粘稠液体をトルエン100mLに溶解させた溶液を滴下した。3時間110℃で攪拌した後、室温まで冷却した。反応液を1N−炭酸水素ナトリウム水溶液で二回洗浄し、最後に純水500mLで洗浄した。有機層を回収し、無水硫酸ナトリウムで脱水後、エバポレータにて減圧濃縮、真空乾燥させて、5−イソブチルベンゾフランを41.9g淡赤色粘稠液体として得た。収率は4−イソプロピルフェノール基準で90%であった。
5−イソブチルベンゾフラン25.77g(148mmol)をN,N’−ジメチルホルムアミド28.4g(389mmol)に溶解させた。溶液を水浴により冷却した後に、オキシ塩化リン25g(163mmol)を滴下した。ピンク色溶液を室温で1時間攪拌した後、100℃で10時間攪拌した。反応液を室温まで放冷し、純水100mLを加えて一時間攪拌後、1N炭酸水素ナトリウムで中和した。pHを8に調節後、トルエンと分液した。有機層を回収し、活性炭を2.6g加えて濾過した。エバポレータにて減圧濃縮し、残渣をクロロホルムに溶解させ、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:クロロホルムーヘプタン1:1vol/vol→クロロホルム100vol%)にかけた。先頭成分を取りエバポレータにて濃縮、真空乾燥して、2−ホルミル−5−イソブチルベンゾフランを8.5g淡赤色粘稠液体として得た。収率は5−イソブチルベンゾフラン基準で28%であった。
2−ホルミル−5−イソブチルベンゾフラン16.40g(81mmol)、アミド硫酸9.43g(97mmol)を60mLの純水と混合した。氷浴で冷却し、亜塩素酸ナトリウム8.78g(97mmol)の水50mL溶液を滴下した。水浴で36時間反応させた。反応溶液にトルエン100mL、水酸化カリウム5gを加えてpHを12に調整した。分液し、水層を回収し水層をさらに300mLのトルエンで洗浄した。水層を回収し、2N−塩酸にてpHを2にした後、トルエン300mLを加えて分液した。有機層を回収し、無水硫酸ナトリウムで脱水後、エバポレータにて減圧濃縮、真空乾燥して、5−イソブチルベンゾフラン−2−カルボン酸を6.7g淡赤色粘稠液体として得た。収率は2−ホルミル−5−イソブチルベンゾフラン基準で38%であった。
2,5−ジメトキシアニリン4.71g(30.7mmol)、5−イソブチルベンゾフラン−2−カルボン酸8.71g(30.7mmol)、トリエチルアミン3.11g(30.7mmol)、N,N’−ジメチルアミノピリジン0.75g(6.1mmol)及び脱水N,N’−ジメチルアセトアミド35.0gを混合した。得られた溶液を氷浴にて冷却した後、BOP試薬14.28g(33.8mmol)を加えて室温で24時間反応させた。得られた混合液に水、メタノールの混合溶液(水2体積部、メタノール1体積部)を加えて晶析させた。得られた沈殿を濾取し水―メタノールの混合溶液(水1体積部、メタノール1体積部)で洗浄、真空乾燥して、淡黄色粉末として化合物(10−a)を5.7g得た。収率は2,5−ジメトキシアニリン基準で53%であった。
化合物(10−a)4.7g、2,4−ビス(4−メトキシフェニル)−1,3−ジチア−2,4−ジホスフェタン−2,4−ジスルフィド(ローソン試薬)9.2g(23.0mmol)及びトルエン100gを混合し、得られた混合液を80℃に昇温して5時間反応させた。冷却後濃縮し、化合物(10−b)とローソン試薬の分解物とを主成分とする赤色粘稠固体を得た。
前項で得られた化合物(10−b)を含む混合物、水酸化ナトリウム3.1g(80mmol)及び水50gを混合し、得られた混合液を氷冷下で攪拌した。続いてフェリシアン化カリウム11.94g(36mmol)を含む水溶液を、氷冷下で加え、反応させた。室温で24時間反応させて、析出した黄色沈殿を濾取した。濾取した沈殿を水、次いでヘキサンで洗浄し、メタノールで洗浄した。黄色粉末をヘプタン−酢酸エチル1:1(体積比)の溶媒を加えて、室温で1時間攪拌後、氷浴で終夜静置した。得られた淡黄色粉末を濾取、真空乾燥させて、化合物(10−c)を主成分とする淡黄色固体2.5gを得た。収率は化合物(10−a)基準で51%であった。
化合物(10−c)2.5g(6.8mmol)及び塩化ピリジニウム12.5g(5倍質量)を混合し、180℃に昇温して2時間反応させた。得られた混合液を冷却後、水を加え、得られた沈殿を濾取し、水、トルエン、ヘキサンで洗浄して、化合物(10−d)を主成分とする固体1.8gを得た。収率は化合物(10−c)基準で77%であった。
化合物(10−d)1.80g(5.60mmol)、化合物(A)4.92g(11.8mmol)、ジメチルアミノピリジン0.07g(0.56mmol)及びクロロホルム30mLを混合した。得られた混合液にN,N’−ジイソプロピルカルボジイミド1.70g(13.4mmol)を氷冷下で加えた。得られた反応溶液を室温で終夜反応させ、シリカゲル濾過したのち、減圧濃縮した。残渣にメタノールを加えて結晶化させた。結晶を濾取し、クロロホルムに再溶解させた。得られた溶液を攪拌しながらメタノールを加えて、生成した白色沈殿を濾取し、エタノールで洗浄、シリカゲルカラムクロマトグラフィーでクロロホルム80vol%−アセトン20vol%で溶出する第一成分を回収、エバポレータにて減圧濃縮後、冷メタノールで結晶化させた。生成した淡黄色粉末を濾取、真空乾燥して化合物(A10−1)を白色粉末として4.60g得た。収率は化合物(10−d)基準で72%であった。
<化合物(A11−1)の合成例>
化合物(A11−1)は下記のスキームに従って合成した。
3,5−ジメチルフェノール25g(205mmol)をN,N’−ジメチルアセトアミド150.0gに溶解させた。溶液を氷浴により冷却した後に、水酸化ナトリウム9.82(246mmol)を加えた。室温で1時間攪拌し、クロロアセトアルデヒドジメチルアセタール25.49g(266mmol)を滴下した。100℃で15時間攪拌し、反応液を水1000mL、メチルイソブチルケトン400mLに加えて分液した。有機層を回収し、2回500mLの1N−水酸化ナトリウム水溶液で、さらに2回800mLの純水で有機層を洗浄した。有機層を回収後、無水硫酸ナトリウムで脱水し、エバポレータにて減圧濃縮させ淡赤色粘稠液体を得た。一方で、400gのトルエンと、オルトリン酸3.01gを混合し110℃に加熱した。該溶液に淡赤色粘稠液体をトルエン100mLに溶解させた溶液を滴下した。3時間110℃で攪拌した後、室温まで冷却した。反応液を1N−炭酸水素ナトリウム水溶液で二回洗浄し、最後に純水500mLで洗浄した。有機層を回収し、無水硫酸ナトリウムで脱水後、エバポレータにて減圧濃縮、真空乾燥させて、4,6−ジメチルベンゾフランを16.5g淡赤色粘稠液体として得た。収率は3,5−ジメチルフェノール基準で55%であった。
4,6−ジメチルベンゾフラン21.62g(148mmol)をN,N’−ジメチルホルムアミド28.4g(389mmol)に溶解させた。溶液を水浴により冷却した後に、オキシ塩化リン25g(163mmol)を滴下した。ピンク色溶液を室温で1時間攪拌した後、100℃で10時間攪拌した。反応液を室温まで放冷し、純水100mLを加えて一時間攪拌後、1N炭酸水素ナトリウムで中和した。pHを8に調節後、トルエンと分液した。有機層を回収し、活性炭を2.6g加えて濾過した。エバポレータにて減圧濃縮し、残渣をクロロホルムに溶解させ、ヘプタンにて結晶化させた。結晶を濾取、真空乾燥して、2−ホルミル−4,6−ジメチルベンゾフランを19.5g淡黄色粉末として得た。収率は4,6−ジメチルベンゾフラン基準で76%であった。
2−ホルミル−4,6−ジメチルベンゾフラン19.50g(112mmol)、アミド硫酸13.04g(134mmol)を100mLの純水と混合した。氷浴で冷却し、亜塩素酸ナトリウム12.15g(134mmol)の水100mL溶液を滴下した。水浴で36時間反応させた。反応溶液にトルエン100mL、水酸化カリウム25gを加えてpHを12に調整した。分液し、水層を回収し水層をさらに200mLのトルエンで洗浄した。水層を回収し、2N−塩酸にてpHを2にした後、トルエン400mLを加えて分液した。有機層を回収し、無水硫酸ナトリウムで脱水後、エバポレータにて減圧濃縮、真空乾燥して、4,6−ジメチルベンゾフラン−2−カルボン酸を14.27g黄色粉末として得た。収率は2−ホルミル−4,6−ジメチルベンゾフラン基準で67%であった。
3,5−ジメチルフェノール150g(1227mmol)、パラホルムアルデヒド230.1g(7674mmol)、無水塩化マグネシウム175。4g(1842mmol)をアセトニトリル900mLに分散させた。氷浴で30分攪拌した後、トリエチルアミン474g(4681mmol)を二時間かけて滴下した。混合液を水浴で8時間、室温で14時間反応させた。反応液に冷5N−塩酸1500mLを加えて、酸性にした後、400mLの酢酸エチルで分液し、有機層を回収した。さらに水層を400mLの酢酸エチルで分液した。有機層を回収し、先の有機層と集めて、無水硫酸ナトリウムで脱水後、エバポレータにて減圧濃縮した。残渣を400mLトルエンに溶解し、活性炭3g、シリカゲル20g加えて30分室温で攪拌し、濾過した。濾液を回収し、エバポレータにて減圧濃縮、真空乾燥させることにより、4,6−ジメチルサリチルアルデヒドを170g橙色粘稠液体として得た。収率は3,5−ジメチルフェノール基準で92%であった。
4,6−ジメチルサリチルアルデヒド45.0g(300mmol)、炭酸カリウム101.g(300mmol)、をN,N’−ジメチルアセトアミド360mLに分散させた。80℃に加温した後、ブロモ酢酸エチル50.0g(300mmol)を1時間かけて滴下した。混合液を80℃で4時間反応させた。反応液を室温まで冷却後、メチルイソブチルケトン400mLを加えて、冷1N−塩酸1000mLで酸性にした後、分液した。有機層を3回1000mLの純水で洗浄し、有機層を回収した。無水硫酸ナトリウムで脱水後、エバポレータにて溶媒を留去した。残渣に水酸化カリウム40g、エタノール400mLを加えて、80℃で1時間攪拌した。室温まで放冷後、エバポレータにて溶媒を留去し、純水1000mLを加えた。pHが12以上であることを確認後、水層をトルエンにて二回、ヘプタンで一回洗浄した。水層を回収し、4N−硫酸にて中和、pHを3に調節した。析出した黄色沈殿を濾取し、純水で懸洗後、真空乾燥させることにより、4,6−ジメチルベンゾフラン−2−カルボン酸を48.1g黄色粉末として得た。収率は4,6−ジメチルサリチルアルデヒド基準で83%であった。
2,5−ジメトキシアニリン11.49g(75.0mmol)、4,6−ジメチルベンゾフラン−2−カルボン酸14.27g(75.7mmol)、トリエチルアミン7.59g(75.0mmol)、N,N’−ジメチルアミノピリジン1.83g(15.0mmol)及び脱水N,N’−ジメチルアセトアミド100.0gを混合した。得られた溶液を氷浴にて冷却した後、BOP試薬34.85g(82.5mmol)を加えて室温で24時間反応させた。得られた混合液に水、メタノールの混合溶液(水2体積部、メタノール1体積部)を加えて晶析させた。得られた沈殿を濾取し水―メタノールの混合溶液(水3体積部、メタノール2体積部)で洗浄、真空乾燥して、淡黄色粉末として化合物(11−a)を16.2g得た。収率は2,5−ジメトキシアニリン基準で66%であった。
化合物(11−a)16.0g(49mmol)、2,4−ビス(4−メトキシフェニル)−1,3−ジチア−2,4−ジホスフェタン−2,4−ジスルフィド(ローソン試薬)9.2g(30.0mmol)及びトルエン100gを混合し、得られた混合液を80℃に昇温して12時間反応させた。冷却後濃縮し、化合物(11−b)とローソン試薬の分解物とを主成分とする赤色粘稠固体を得た。
前項で得られた化合物(11−b)を含む混合物、水酸化ナトリウム11.8g(262mmol)及び水250gを混合し、得られた混合液を氷冷下で反応させた。続いてフェリシアン化カリウム44.17g(134mmol)を含む水溶液を、氷冷下で加え、反応させた。60℃で12時間反応させて、析出した黄色沈殿を濾取した。濾取した沈殿を水、次いでヘキサンで洗浄し、トルエンで結晶化させた。得られた黄色を真空乾燥して、化合物(11−c)を主成分とする黄土色固体4.1gを得た。収率は化合物(11−a)基準で25%であった。
化合物(11−c)4.0g(12.0mmol)及び塩化ピリジニウム40.0g(10倍質量)を混合し、180℃に昇温して3時間反応させた。得られた混合液を氷に加え、得られた沈殿を濾取した。水で懸洗後、トルエンで洗浄、真空乾燥させて、化合物(11−d)を主成分とする黄土色固体3.4gを得た。収率は化合物(11−c)基準で93%であった。
化合物(11−d)3.00g(9.64mmol)、化合物(A)8.47g(20.23mmol)、ジメチルアミノピリジン0.12g(0.96mmol)及びクロロホルム40mLを混合した。得られた混合液にN,N’−ジイソプロピルカルボジイミド2.92g(23.12mmol)を氷冷下で加えた。得られた反応溶液を室温で終夜反応させ、シリカゲル濾過したのち、減圧濃縮した。残渣にメタノールを加えて結晶化させた。結晶を濾取し、クロロホルムに再溶解させ0.3gの活性炭を加えて、室温で一時間攪拌した。溶液を濾過して濾液をエバポレータにて1/3まで減圧濃縮後、攪拌しながらメタノールを加えて、生成した白色沈殿を濾取し、ヘプタンで洗浄、真空乾燥して化合物(A11−1)を白色粉末として7.60g得た。収率は化合物(11−d)基準で71%であった。
<化合物(A15−1)の合成例>
化合物(A15−1)は下記のスキームに従って合成した。
5−フルオロサリチルアルデヒド25g(178mmol)、炭酸カリウム49.32g(357mmol)、及び2−ブタノン200gを混合し、80℃に加温した。得られた分散液にブロモマロン酸ジエチル55.5g(232mmol)を滴下し、100℃で24時間反応させた。得られた赤褐色溶液を室温まで放冷後純水、1mol/L炭酸カリウム水溶液で洗浄した。有機層を回収し、無水硫酸ナトリウムで脱水、エバポレータにて減圧濃縮した。残渣に水酸化カリウム25g、エタノール250mLを加えて80℃で2時間攪拌した。室温まで冷却後、エバポレータにてエタノールを留去した。残渣を純水500mL、氷500gに溶解させ、2N硫酸でpHを3に調整した。析出した淡紫沈殿を濾過にて集め、さらに純水1000mLで洗浄、真空乾燥させて淡黄色粉末として5−フルオロベンゾフラン−2カルボン酸を23.4g得た。収率は4−フルオロサリチルアルデヒド基準で73%であった。
2,5−ジメトキシアニリン17.01g(111mmol)、5−フルオロベンゾフラン−2カルボン酸20.0g(111mmol)、トリエチルアミン11.24g(111mmol)、N,N’−ジメチルアミノピリジン2.71g(22.2mmol)及び脱水N,N’−ジメチルアセトアミド100.0gを混合した。得られた溶液を氷浴にて冷却した後、BOP試薬51.57g(33.8mmol)を加えて室温で24時間反応させた。得られた混合液に水、メタノールの混合溶液(水2体積部、メタノール1体積部)を加えて晶析させた。得られた沈殿を濾取し水―メタノールの混合溶液(水1体積部、メタノール1体積部)で洗浄、真空乾燥して、淡黄色粉末として化合物(15−a)を32.1g得た。収率は2,5−ジメトキシアニリン基準で92%であった。
化合物(15−a)32.0g(101mmol)、2,4−ビス(4−メトキシフェニル)−1,3−ジチア−2,4−ジホスフェタン−2,4−ジスルフィド(ローソン試薬)24.6g(61.0mmol)及びトルエン320gを混合し、得られた混合液を80℃に昇温して24時間反応させた。冷却後濃縮し、化合物(15−b)とローソン試薬の分解物とを主成分とする黄色固体を得た。
前項で得られた化合物(15−b)を含む混合物、水酸化ナトリウム21.7g(543mmol)及び水500gを混合し、得られた混合液を氷冷下で攪拌させた。続いてフェリシアン化カリウム81.3g(247mmol)を加え、反応させた。室温で2時間反応させて、析出した黄色沈殿を濾取した。濾取した沈殿を水、次いでヘキサンで洗浄し、トルエンで洗浄、真空乾燥して、化合物(15−c)を主成分とする黄土色固体27.1gを得た。収率は化合物(15−a)基準で91%であった。
化合物(15−c)10.0g(30mmol)及び塩化ピリジニウム50.0g(5倍質量)を混合し、180℃に昇温して2時間反応させた。得られた混合液を冷却後、水を加え、得られた沈殿を濾取し、水、ヘキサン、トルエンで洗浄して、化合物(15−d)を主成分とする固体6.0gを得た。収率は化合物(15−c)基準で66%であった。
化合物(15−d)3.00g(9.96mmol)、化合物(A)8.75g(20.9mmol)、ジメチルアミノピリジン0.12g(1.00mmol)及びクロロホルム50mLを混合した。得られた混合液にN,N’−ジイソプロピルカルボジイミド3.02g(23.9mmol)を氷冷下で加えた。得られた反応溶液を室温で終夜反応させ、シリカゲル濾過したのち、減圧濃縮した。残渣にメタノールを加えて結晶化させた。結晶を濾取し、クロロホルムに再溶解させた。活性炭0.3gを加えて一時間攪拌後、濾過した。濾液をエバポレータにて濃縮後、攪拌しながらメタノールを加えて、生成した白色沈殿を濾取した。沈殿をヘプタンで洗浄、真空乾燥して化合物(A15−1)を白色粉末として8.20g得た。収率は化合物(15−d)基準で75%であった。
<化合物(A57−1)の合成例>
化合物(A57−1)は下記のスキームに従って合成した。
4−プロピルサリチルアルデヒド27.8g(169mmol)、炭酸カリウム46.81g(339mmol)、テトラブチルアンモニウムブロミド11.84g(37mmol)、ヨウ化カリウム30.48g(37mmol)及びトルエンを混合し、80℃に加温した。得られた分散液にブロモマロン酸ジエチル52.6g(477mmol)、18−クラウンー6、2.8gを滴下し、110℃(トルエン沸点還流)で24時間反応させた。得られた赤褐色反応液を室温まで冷却した後、エバポレータにて減圧濃縮した。残渣に水酸化カリウム27.8g、エタノール278mLを加えて80℃で1時間攪拌した。室温まで冷却後、エバポレータにてエタノールを留去した。残渣を純水500mL、氷500gに溶解させ、2N硫酸でpHを3に調整した。析出した黄色沈殿を濾過にて集め、さらに純水1000mLで洗浄、真空乾燥させて淡黄色粉末として5−プロピルベンゾフラン−2カルボン酸を5.8g得た。収率は4−プロピルサリチルアルデヒド基準で17%であった。
2,5−ジメトキシアニリン4.3g(27.9mmol)、5−プロピル−ベンゾフラン−2−カルボン酸5.7g(27.9mmol)、トリエチルアミン2.82g(27.9mmol)、N,N’−ジメチルアミノピリジン0.68g(5.6mmol)及び脱水N,N’−ジメチルアセトアミド30.0gを混合した。得られた溶液を氷浴にて冷却した後、BOP試薬12.96g(30.7mmol)を加えて室温で24時間反応させた。得られた混合液に水、メタノールの混合溶液(水2体積部、メタノール1体積部)を加えて晶析させた。得られた沈殿を濾取し水―メタノールの混合溶液(水1体積部、メタノール1体積部)で洗浄、真空乾燥して、淡黄色粉末として化合物(57−a)を6.33g得た。収率は2,5−ジメトキシアニリン基準で67%であった。
化合物(57−a)6.0g(17mmol)、2,4−ビス(4−メトキシフェニル)−1,3−ジチア−2,4−ジホスフェタン−2,4−ジスルフィド(ローソン試薬)9.2g(23.0mmol)及びトルエン100gを混合し、得られた混合液を80℃に昇温して5時間反応させた。冷却後濃縮し、化合物(57−b)とローソン試薬の分解物とを主成分とする赤色粘稠固体を得た。
前項で得られた化合物(57−b)を含む混合物、水酸化ナトリウム4.5g(112mmol)及び水50gを混合し、得られた混合液を氷冷下で攪拌した。続いてフェリシアン化カリウム16.8g(51mmol)を、氷冷下で加え、反応させた。室温で48時間反応させて、析出した黄色沈殿を濾取した。濾取した沈殿を水、次いでヘキサンで洗浄し、エタノールで洗浄して、真空乾燥して、化合物(57−c)を主成分とする淡黄色固体2.8gを得た。収率は化合物(57−a)基準で42%であった。
化合物(57−c)2.70g(7.64mmol)及び塩化ピリジニウム13.5g(5倍質量)を混合し、180℃に昇温して2時間反応させた。得られた混合液を冷却後、水を加え、得られた沈殿を濾取し、水、ヘキサンで洗浄して、化合物(57−d)を主成分とする固体2.4gを得た。収率は化合物(57−c)基準で97%であった。
化合物(57−d)1.85g(5.69mmol)、化合物(A)5.00g(11.9mmol)、ジメチルアミノピリジン0.07g(0.56mmol)及びクロロホルム20mLを混合した。得られた混合液にN,N’−ジイソプロピルカルボジイミド1.72g(13.7mmol)を氷冷下で加えた。得られた反応溶液を室温で終夜反応させ、シリカゲル濾過したのち、減圧濃縮した。残渣にメタノールを加えて結晶化させた。結晶を濾取し、クロロホルムに再溶解させた。得られた溶液を攪拌しながらメタノールを加えて、生成した白色沈殿を濾取し、エタノールで洗浄、真空乾燥して化合物(A57−1)を白色粉末として3.85g得た。収率は化合物(57−d)基準で77%であった。
<化合物(A25−1)の合成例>
化合物(A25−1)は下記のスキームに従って合成した。
2,5−ジメトキシアニリン15.8g(103mmol)、チエノ[3,2−b]チオフェン−2−カルボン酸19.0g(113mmol)トリエチルアミン10.4g(199mmol)、N,N’−ジメチルアミノピリジン4.85g(3.97mmol)及び脱水N,N’−ジメチルアセトアミド95.0gを混合した。得られた溶液を氷浴にて冷却した後、BOP試薬47.9g(113mmol)を加えて室温で24時間反応させた。得られた混合液に水、メタノールの混合溶液(水2体積部、メタノール1体積部)を加えて晶析させた。得られた沈殿を濾取し水―メタノールの混合溶液(水1体積部、メタノール1体積部)で洗浄、真空乾燥して、黄色粉末として化合物(25−a)を21.0g得た。収率は2,5−ジメトキシアニリン基準で64%であった。
化合物(25−a)27.0g(85mmol)、2,4−ビス(4−メトキシフェニル)−1,3−ジチア−2,4−ジホスフェタン−2,4−ジスルフィド(ローソン試薬)17.8g(44.0mmol)及びトルエン122gを混合し、得られた混合液を80℃に昇温して5時間反応させた。冷却後析出した沈殿を濾取し、化合物(25−b)とローソン試薬の分解物とを主成分とする褐色固体を得た。
前項で得られた化合物(25−b)を含む混合物26.4g、水酸化ナトリウム18.9g(472mmol)及び水450gを混合し、得られた混合液を氷冷下で反応させた。続いてフェリシアン化カリウム70.7g(215mmol)を含む水溶液を、氷冷下で加え、反応させた。室温で12時間反応させて、析出した黄色沈殿を濾取した。濾取した沈殿を水、次いでヘキサンで洗浄し、エタノールで洗浄して、真空乾燥して、化合物(25−c)を主成分とする黄色固体15gを得た。収率は化合物(25−a)基準で58%であった。
化合物(25−c)15.0g(48.2mmol)及び塩化ピリジニウム75.0g(5倍質量)を混合し、180℃に昇温して3時間反応させた。得られた混合液を冷却後、水を加え、得られた沈殿を濾取し、水、熱トルエン、ヘキサンで洗浄して、化合物(25−d)を主成分とする固体6.6gを得た。収率は化合物(25−c)基準で45%であった。
化合物(25−d)2.0g(6.6mmol)、化合物(A)5.76g(13.8mmol)、ジメチルアミノピリジン0.08g(0.65mmol)及びクロロホルム30mLを混合した。得られた混合液にN,N’−ジイソプロピルカルボジイミド1.98g(15.7mmol)を氷冷下で加えた。得られた反応溶液を室温で終夜反応させ、0.8gの活性炭を加え終夜静置後、シリカゲル濾過したのち、減圧濃縮した。残渣にメタノールを加えて結晶化させた。結晶を濾取し、クロロホルムに再溶解させた。得られた溶液を攪拌しながらメタノールを加えて、生成した褐色沈殿を濾取し、エタノールで洗浄、真空乾燥して化合物(A25−1)を淡褐色粉末として4.30g得た。収率は化合物(25−d)基準で60%であった。
<化合物(A41−1)の合成例>
化合物(41−d)は下記のスキームに従って合成した。
容器に2,5−ジメトキシアニリン35.4g(231mmol)、トリエチルアミン46.7g(462mmol)及び脱水クロロホルム400gを混合し反応させながら、4−フェニルベンゾイルクロリド50.0g(231mmol)を投入した。その混合溶液を、60℃に、昇温して、3時間熟成した後、室温まで冷却し、水中に投入した。分離した有機層を取り出し、水、次いで塩酸で洗浄した。得られた有機層を濃縮して、化合物(41−a)をの固体76.6gが得られた。収率は2,5−ジメトキシアニリン基準で98%であった。
化合物(1−b)の合成例と同様にして、化合物(41−b)とローソン試薬の分解物とを主成分とする固体を得た。
化合物(1−c)の合成例と同様にして、化合物(41−c)を主成分とする固体を得た。
化合物(1−d)の合成例と同様にして、化合物(41−d)を主成分とする固体を得た。
化合物(A1−1)の合成例と同様にして、化合物(A41−1)を得た。収率は化合物(41−d)基準で68%であった。
<化合物(A43−1)の合成例>
[化合物(43−d)の合成例]
化合物(41−d)の合成例において、原料の4−フェニルベンゾイルクロリドに変えて、4−(4−ノルマルプロピルフェニル)ベンゾイルクロリドを用い、アミド化を行った以外は同様の手法で、下記の反応スキームに従い、化合物(43−d)を合成した。
化合物(1−1)の合成例における、原料の化合物(1−d)を化合物(43−d)に変える以外は同様の方法にて、化合物(A43−1)を得た。収率は化合物(43−d)基準で65%であった。
<化合物(A66−1)の合成例>
化合物(A66−1)は下記のスキームに従って合成した。
2,3−ジシアノヒドロキノン10.0g(62mmol)、水酸化カリウム35.0g(624mmol)及び水70.0gを混合し、混合液を攪拌しながら100℃で加熱した。得られた混合液を室温まで冷却し、硫酸40.0gを加えさらに攪拌した。得られた混合液に酢酸エチルを加えて攪拌し、有機層を取り出した。得られた有機層を減圧濃縮し、溶媒を除去した後、真空乾燥させて、化合物(66−a)を8.5g(42.6mmol)得た。収率は2,3−ジシアノヒドロキノン基準で68%であった。
化合物(66−a)10.0g(50.5mmol)、2−アミノ−6−メトキシベンゾチアゾール19.1g(106.0mmol)及びテトラヒドロフラン200.0gを混合し、混合液を攪拌しながら70℃で加熱した。得られた混合液を室温まで冷却し、N,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド12.5g(60.6mmol)をテトラヒドロフラン37.5gに溶解させ、室温で滴下した後、攪拌しながら80℃で36時間加熱攪拌した。得られた混合液を室温まで放冷し、白色沈殿を濾過にて除去後、得られた濾液を減圧濃縮し、溶媒を除去した後、残渣をクロロホルムにて結晶化させた。生成した淡緑色粉末を濾過し、クロロホルムで洗浄した。得られた淡緑色粉末を再度テトラヒドロフランに溶解させ、メタノールを加えて晶析した。生成した緑色沈殿を濾過後、真空乾燥して、化合物(66−b)を2.8g得た。収率は化合物(66−a)基準で16%であった。
化合物(66−b)2.1g(6.13mmol)、4−ジメチルアミノピリジンを0.18(1.47mmol)、化合物(A)を6.16g(14.72mmol)、クロロホルム123gを混合した。続いて、得られた混合液に、N,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド4.56g(22.1mmol)をクロロホルム10.7gに溶解させた液を、室温で滴下し、攪拌した。得られた混合液を濾過後、2N塩酸62gを入れて攪拌し、液体を分液し、有機層を取り出した。以上の分液操作を二回繰り返した後、分液有機層を回収し、無水硫酸ナトリウムで乾燥、エバポレータにて溶媒を留去した後、メタノールを加えて攪拌した。生成した沈殿を濾過後、真空乾燥して、化合物(A66−1)が4.1g得られた。収率は、化合物(66−b)基準で59%であった。
<光学フィルムの製造例>
ガラス基板に、ポリビニルアルコール(ポリビニルアルコール1000完全ケン化型、和光純薬工業株式会社製)の2質量%水溶液を塗布し、乾燥後、厚さ89nmの膜を形成した。続いて、得られた膜の表面にラビング処理を施し、ラビング処理を施した面に、表1に記載の組成の組成物をスピンコート法により塗布し、表2に記載の乾燥温度で1分間乾燥した。次いで表2に記載の光照射時の温度まで加温しながら、表2に記載の積算光量の紫外線を照射して、表3に記載の膜厚の光学フィルムを形成させた。
表1は、組成物全体に対する各構成成分の含有率(質量%)を表す。
重合開始剤:イルガキュア819(チバ・ジャパン株式会社製)
レベリング剤:BYK361N(ビックケミージャパン製)
溶剤:シクロペンタノン
光学フィルムの正面位相差値を測定機(KOBRA−WR、王子計測機器社製)を用いて測定した。尚、基材に使用したガラス基板には、複屈折性が無いため、ガラス基板付きフィルムを測定機で計測することにより、ガラス基板上に作製した光学フィルムの正面位相差値を得ることができる。得られた光学測定正面位相差値は、波長447.3nm、546.9nm、及び627.8nmにおいて、それぞれ測定し、[Re(447.3)/Re(546.9)](αとする)及び[Re(627.8)/Re(546.9)](βとする)を算出した。また、光学フィルムの膜厚d(μm)をレーザー顕微鏡(LEXT、オリンパス社製)を用いて測定した。結果を表3に示す。Δnは、Re(546.9)の値を膜厚で割って算出した(Δn=Re(546.9)/d)。
<化合物(A11−1)の合成例−2>
化合物(A11−1)は下記のスキームに従って合成した。
4,6−ジメチルサリチルアルデヒド146.6g(976mmol)、炭酸カリウム330.7g(2392mmol)、をN,N’−ジメチルアセトアミド700mLに分散させた。80℃に加温した後、ブロモ酢酸tert−ブチル190.5g(976mmol)を30分かけて滴下した。混合液を130℃で2時間反応させた。反応液を室温まで冷却後、メチルイソブチルケトン600mLを加えて、純水1200mLで分液した。さらに有機層を2回1000mLの純水で洗浄し、有機層を回収した。無水硫酸ナトリウムで脱水後、エバポレータにて溶媒を留去した。残渣を酢酸240gに溶解させて、臭化水素酸水溶液72gを加えて、40℃で1時間攪拌した。室温まで放冷後、1N−塩酸150gを加えて析出した白色粉末を濾取した。得られた白色粉末をさらに、1N−塩酸で洗浄した後、真空乾燥させることにより、4,6−ジメチルベンゾフラン−2−カルボン酸を81.7g黄色粉末として得た。収率は4,6−ジメチルサリチルアルデヒド基準で44%であった。
2,5−ジメトキシアニリン96.6g(631.0mmol)、4,6−ジメチルベンゾフラン−2−カルボン酸80.0g(421mmol及びクロロホルム400.0gを混合した。得られた懸濁液を氷浴にて冷却した後、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩88.7g(463mmol)とクロロホルム300gとの混合液を4時間かけて加えて、室温で48時間反応させた。得られた混合液を濃縮し、1N−塩酸、メタノールの混合溶液(水2体積部、メタノール1体積部)を加えて晶析させた。得られた沈殿を濾取し水―メタノールの混合溶液(水2体積部、メタノール1体積部)を加えた。析出した淡黄色沈殿を濾取し、水―メタノールの混合溶液(水2体積部、メタノール1体積部)で洗浄、真空乾燥して、淡黄色粉末として化合物(11−a)を124.2g得た。収率は4,6−ジメチルベンゾフラン−2−カルボン酸基準で91%であった。
化合物(11−a)123.0g(378mmol)、2,4−ビス(4−メトキシフェニル)−1,3−ジチア−2,4−ジホスフェタン−2,4−ジスルフィド(ローソン試薬)9.2g(227.0mmol)及びトルエン1200gを混合し、得られた混合液を110℃に昇温して8時間反応させた。室温まで冷却後、1N−水酸化ナトリウム水溶液と分液した。有機層を回収し、n−ヘプタン800mLを加えた。析出した黄色沈殿を濾取、n−ヘプタンで洗浄、真空乾燥させることにより化合物(11−b)を主成分とする鮮黄色粉末109.2gを得た。収率は化合物(11−a)基準で85%であった。
化合物(11−b)60.0g(176mmol)、水酸化カリウム53.8g(959mmol)及び水1000gを混合し、得られた混合液を氷冷下で攪拌した。続いてフェリシアン化カリウム133.0g(404mmol)、メタノール51gを加え、反応させた。室温で36時間反応させて、析出した黄色沈殿を濾取した。濾取した沈殿をn−ヘプタン、トルエンの混合溶媒(ヘプタン3体積部、トルエン1体積部)で洗浄し、得られた黄色粉末を真空乾燥して、化合物(11−c)を主成分とする黄色固体51.3gを得た。収率は化合物(11−b)基準で86%であった。
化合物(11−c)40.0g(118mmol)及び塩化ピリジニウム400.0g(10倍質量)を混合し、180℃に昇温して3時間反応させた。得られた混合液を氷に加え、得られた沈殿を濾取した。水で懸洗後、トルエンで洗浄、真空乾燥させて、化合物(11−d)を主成分とする黄色固体36.6gを得た。収率は化合物(11−c)基準で99%であった。
化合物(11−d)35.0g(112.4mmol)、化合物(A)98.8g(236.1mmol)、ジメチルアミノピリジン1.37g(11.2mmol)及びトルエン700mLを混合した。得られた混合液にN,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド55.6g(269.8mmol)を氷冷下で加えた。得られた反応溶液を室温で終夜反応させ、シリカゲル濾過したのち、減圧濃縮した。残渣にメタノールを加えて結晶化させた。結晶を濾取し、クロロホルムに再溶解させ2.3gの活性炭を加えて、室温で一時間攪拌した。溶液を濾過して濾液をエバポレータにて1/3まで減圧濃縮後、攪拌しながらメタノールを加えて、生成した白色沈殿を濾取し、ヘプタンで洗浄、真空乾燥して化合物(A11−1)を白色粉末として74.5g得た。収率は化合物(11−d)基準で60%であった。
<化合物(A11−1)の合成例−3>
ブロモ酢酸tert−ブチルに換えて、クロロ酢酸エチルを用いたことを以外は化合物(A11−1)の合成例−2と同様にして化合物(A−11)を合成した。
<化合物(A61−1)の合成例>
化合物(A61−1)は下記のスキームに従って合成した。
2,5−ジメチルフェノール50g(409mmol)、パラホルムアルデヒド30.7g(1023mmol)、無水塩化マグネシウム58.4g(613.9mmol)をテトラヒドロフラン500mLに分散させた。氷浴で30分攪拌した後、トリエチルアミン82.83g(818.6mmol)を二時間かけて滴下した。混合液を水浴で8時間、室温で120時間反応させた。反応液に冷5N−塩酸1500mLを加えて、酸性にした後、400mLの酢酸エチルで2回抽出し、有機層を集めた。有機層を無水硫酸ナトリウムで脱水後、セライト濾過し、濾液をエバポレータにて40℃以下で減圧濃縮した。残渣を100mLトルエンに溶解し、溶液に600mLのn−ヘプタンを加えた。溶液にシリカゲル30gを加えて一時間攪拌後、濾過した。濾液を減圧濃縮しさらに残渣にn−ヘプタンを加えて抽出してヘプタンを留去させることにより、黄色液体として3,6−ジメチルサリチルアルデヒドを10.5g得た。収率は2,5−ジメチルフェノール基準で17%であった。
3,6−ジメチルサリチルアルデヒド10.48g(70mmol)、炭酸カリウム23.63g(171mmol)、をN,N’−ジメチルアセトアミド70mLに分散させた。80℃に加温した後、ブロモ酢酸tert−ブチル13.61g(70mmol)を10分かけて滴下した。混合液を130℃で3時間反応させた。反応液を室温まで冷却後、メチルイソブチルケトン200mLを加えて、純水1000mLで分液した。さらに有機層を2回300mLの純水で洗浄し、有機層を回収した。無水硫酸ナトリウムで脱水後、エバポレータにて溶媒を留去した。残渣を酢酸40gに溶解させて、臭化水素酸水溶液8gを加えて、40℃で1時間攪拌した。室温まで放冷後、1N−塩酸水10gを加えて析出した白色粉末を濾取した。得られた白色粉末をさらに、1N−塩酸水、ついでn−ヘプタンで洗浄した後、真空乾燥させることにより、4,7−ジメチルベンゾフラン−2−カルボン酸を7.31g白色粉末として得た。収率は3,6−ジメチルサリチルアルデヒド基準で55%であった。
2,5−ジメトキシアニリン8.82g(57.6mmmol)、4,7−ジメチルベンゾフラン−2−カルボン酸7.30g(38.4mmol)、をクロロホルム38gに分散させた。得られた懸濁液を氷浴にて冷却した後、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド 塩酸塩8.09g(42.2mmol)とクロロホルム50gの混合液を4時間かけて加えて室温で24時間反応させた。反応溶液に、さらに2,5−ジメトキシアニリン1.18g(7.7mmmol)を加えて48時間反応させた。得られた混合液を濃縮し、残渣に1N−塩酸、メタノールの混合溶液(塩酸水2体積部、メタノール1体積部)400g、ヘプタン150gを加えて結晶化させた。得られた沈殿を濾取し塩酸水―メタノールの混合溶液(塩酸水2体積部、メタノール1体積部)を加えた。析出した淡黄緑色沈殿を濾取し、水―メタノールの混合溶液(水2体積部、メタノール1体積部)でさらに洗浄後した。得られた淡黄緑色沈殿を1N―KOH水溶液―メタノールの混合溶液(水酸化カリウム水溶液1体積部、メタノール2体積部)、次いで水150gで洗浄し濾取した。真空乾燥して、淡黄色粉末として化合物(61−a)を8.82g得た。収率は4,7−ジメチルベンゾフラン−2−カルボン酸基準で71%であった。
化合物(61−a)8.82g(27mmol)、2,4−ビス(4−メトキシフェニル)−1,3−ジチア−2,4−ジホスフェタン−2,4−ジスルフィド(ローソン試薬)6.58g(16mmol)及びトルエン88gを混合し、得られた混合液を110℃に昇温して12時間反応させた。冷却後、析出した橙色固体を濾過により除去して濾液にヘプタンを加えて結晶化させた。析出した黄色沈殿を濾取し、真空乾燥させることにより化合物(61−b)4.7gを鮮黄色粉末として得た。収率は化合物(61−a)で51%であった。
化合物(61−b)4.27g(13mmol)、水酸化カリウム3.83g(68mmol)及び水73gを混合し、得られた混合液を氷冷下で反応させた。続いてフェリシアン化カリウム11.23g(34mmol)を氷冷下で加え、次いでメタノール15gを加えて反応させた。室温で12時間反応させて、析出した黄色沈殿を濾取した。濾取した沈殿を水、メタノール、エタノールで洗浄し、淡黄色沈殿を濾取した。得られた黄色粉末を真空乾燥して、化合物(61−c)を主成分とする淡黄色固体3.08gを得た。収率は化合物(61−a)基準で73%であった。
化合物(61−c)3.08g(9.1mmol)及び塩化ピリジニウム15.4g(5倍質量)を混合し、190℃に昇温して7時間反応させた。得られた混合液を氷に加え、得られた沈殿を濾取した。水で懸洗後、トルエンで洗浄、真空乾燥させて、化合物(61−d)を主成分とする黄土色固体2.41gを得た。収率は化合物(61−c)基準で85%であった。
化合物(61−d)2.41g(7.74mmol)、化合物(A)6.80g(16.25mmol)、ジメチルアミノピリジン0.09g(0.77mmol)及びクロロホルム38mLを混合した。得られた混合液にN,N’−ジイソプロピルカルボジイミド2.34g(18.58mmol)を氷冷下で加えた。得られた反応溶液を室温で終夜反応させ、シリカゲル濾過したのち、減圧濃縮した。残渣にメタノールを加えて結晶化させた。結晶を濾取し、クロロホルムに再溶解させ0.3gの活性炭を加えて、室温で1時間攪拌した。溶液を濾過して濾液をエバポレータにて1/3まで減圧濃縮後、激しく攪拌しながらメタノールを加えて、生成した白色沈殿を濾取し、ヘプタンで洗浄、真空乾燥して化合物(A61−1)をオフホワイト粉末として4.52g得た。収率は化合物(61−d)基準で53%であった。
<化合物(A69−1)の合成例>
化合物(A69−1)は下記のスキームに従って合成した。
2―シクロヘキシルー5−メチルフェノール100g(526mmol)、パラホルムアルデヒド39.5g(1314mmol)、無水塩化マグネシウム75.0g(788.3mmol)をテトラヒドロフラン900mLに分散させた。氷浴で30分攪拌した後、トリエチルアミン106.4g(1051mmol)を二時間かけて滴下した。混合液を水浴で8時間、室温で96時間反応させた。反応液に冷5N−塩酸1500mLを加えて、酸性にした後、400mLの酢酸エチルで2回抽出し、有機層を集めた。有機層を無水硫酸ナトリウムで脱水後、エバポレータにて40℃以下で減圧濃縮した。残渣を100mLトルエンに溶解し、溶液に600mLのn−ヘプタンを加えた。溶液にシリカゲル38gを加えてエバポレータにて溶媒を除去した。残渣にn−ヘプタンを加えて抽出してヘプタンを留去させることにより、ゆっくりと結晶化する黄色結晶として4,6−ジメチルサリチルアルデヒドを35.2g得た。収率は2―シクロヘキシルー5−メチルフェノール基準で31%であった。
3−シクロヘキシルー6−メチルサリチルアルデヒド35.0g(213mmol)、炭酸カリウム72.2g(552mmol)、をN,N’−ジメチルアセトアミド300mLに分散させた。80℃に加温した後、ブロモ酢酸tert−ブチル41.6g(213mmol)を30分かけて滴下した。混合液を130℃で3時間反応させた。反応液を室温まで冷却後、メチルイソブチルケトン200mLを加えて、純水1000mLで分液した。さらに有機層を2回500mLの純水で洗浄し、有機層を回収した。無水硫酸ナトリウムで脱水後、エバポレータにて溶媒を留去した。残渣を酢酸240gに溶解させて、臭化水素酸水溶液72gを加えて、40℃で1時間攪拌した。室温まで放冷後、1N−塩酸150gを加えて析出した白色粉末を濾取した。得られた白色粉末をさらに、1N−塩酸、ついでn−ヘプタンで洗浄した後、真空乾燥させることにより、4−メチル−7−シクロヘキシルベンゾフラン−2−カルボン酸を25.8g白色粉末として得た。収率は3−シクロヘキシルー6−メチルサリチルアルデヒド基準で59%であった。
2,5−ジメトキシアニリン22.2g(145.0mmol)、4−メチル−7−シクロヘキシルベンゾフラン−2−カルボン酸25.00g(96.8mmol)、トリエチルアミン9.79g(96.8mmol)をクロロホルム125gに分散させた。得られた懸濁液を氷浴にて冷却した後、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド 塩酸塩20.4g(107mmol)とクロロホルム100gの混合液を4時間かけて加えて室温で72時間反応させた。得られた混合液を濃縮し、残渣に1N−塩酸、メタノールの混合溶液(塩酸水2体積部、メタノール1体積部)400g、ヘプタン150gを加えて結晶化させた。得られた沈殿を濾取し塩酸水―メタノールの混合溶液(塩酸水2体積部、メタノール1体積部)を加えた。析出した淡黄緑色沈殿を濾取し、水―メタノールの混合溶液(水2体積部、メタノール1体積部)でさらに洗浄後した。得られた淡黄緑色沈殿を1N―KOH水溶液―メタノールの混合溶液(水酸化カリウム水溶液1体積部、メタノール2体積部)、次いでメタノール150gで洗浄し濾取した。真空乾燥して、淡黄色粉末として化合物(69−a)を12.3g得た。収率は4−メチル−7−シクロヘキシルベンゾフラン−2−カルボン酸基準で32%であった。
化合物(69−a)12.3g(31mmol)、2,4−ビス(4−メトキシフェニル)−1,3−ジチア−2,4−ジホスフェタン−2,4−ジスルフィド(ローソン試薬)7.6g(19.0mmol)及びトルエン120gを混合し、得られた混合液を110℃に昇温して6時間反応させた。冷却後、トルエン溶液を2N−水酸化ナトリウム水溶液500mLで三回洗浄後、有機層を回収後これを濃縮し、n−ヘプタンを加えさらにエバポレータにて溶媒を留去した。残渣にメタノール50gを加えて結晶化させた。得られた鮮黄色結晶を濾取し、真空乾燥させることにより化合物(69−b)を鮮黄色粉末として11.5g得た。収率は化合物(69−a)基準で90%であった。
前項で得られた化合物(69−b)11.5g、水酸化カリウム9.58g(171mmol)及び水182gを混合し、得られた混合液を氷冷下で反応させた。続いてフェリシアン化カリウム28.09g(85mmol)を加え化合物(69−b)を含む分散液を調製した。分散液にメタノール40gを加えて40℃で2時間、室温で24時間反応させて、析出した黄色沈殿を濾取した。濾取した沈殿を水、次いでヘキサンで洗浄した。さらに、トルエン−ヘプタンの混合溶媒(トルエン1体積部、ヘプタン2体積部)400mlに分散し、淡黄色の不溶成分を回収した。得られた淡黄色を真空乾燥して、化合物(69−c)を主成分とする淡黄色固体4.5gを得た。収率は化合物(69−a)基準で36%であった。
化合物(69−c)4.54g(11.1mmol)及び塩化ピリジニウム45.4g(10倍質量)を混合し、180℃に昇温して3時間反応させた。得られた混合液を氷に加え、得られた沈殿を濾取した。水で懸洗後、トルエンで洗浄、真空乾燥させて、化合物(69−d)を主成分とする黄土色固体3.4gを得た。収率は化合物(69−c)基準で80%であった。
化合物(69−d)3.40g(8.96mmol)、化合物(A)7.87g(18.82mmol)、ジメチルアミノピリジン0.11g(0.90mmol)及びクロロホルム40mLを混合した。得られた混合液にN,N’−ジイソプロピルカルボジイミド2.71g(21.50mmol)を氷冷下で加えた。得られた反応溶液を室温で終夜反応させ、シリカゲル濾過したのち、減圧濃縮した。残渣にメタノールを加えて結晶化させた。結晶を濾取し、クロロホルムに再溶解させ0.3gの活性炭を加えて、室温で一時間攪拌した。溶液を濾過して濾液をエバポレータにて1/3まで減圧濃縮後、攪拌しながらメタノールを加えて、生成した白色沈殿を濾取し、ヘプタンで洗浄、真空乾燥して化合物(A69−1)をオフホワイト粉末として4.84g得た。収率は化合物(69−d)基準で45%であった。
<化合物(A70−1)の合成例>
化合物(A70−1)は下記のスキームに従って合成した。
2―プロピルフェノール75g(551mmol)、パラホルムアルデヒド41.3g(1377mmol)、無水塩化マグネシウム78.7g(826.1mmol)をテトラヒドロフラン900mLに分散させた。氷浴で30分攪拌した後、トリエチルアミン111.5g(1101mmol)を二時間かけて滴下した。混合液を水浴で8時間、室温で96時間反応させた。反応液に冷5N−塩酸1500mLを加えて、酸性にした後、400mLの酢酸エチルで2回抽出し、有機層を集めた。有機層を無水硫酸ナトリウムで脱水後、エバポレータにて40℃以下で減圧濃縮した。残渣を100mLトルエンに溶解し、溶液に600mLのn−ヘプタンを加えた。溶液にシリカゲル90gを加えてエバポレータにて溶媒を除去した。残渣にn−ヘプタンを加えて抽出してヘプタンを留去させることにより、黄色液体として3−プロピルサリチルアルデヒド28.8gを得た。収率は2―プロピルフェノール基準で32%であった。
3−プロピルサリチルアルデヒド28.8g(175mmol)、炭酸カリウム59.3g(429mmol)、をN,N’−ジメチルアセトアミド200mLに分散させた。80℃に加温した後、ブロモ酢酸tert−ブチル34.2g(175mmol)を30分かけて滴下した。混合液を130℃で2時間反応させた。反応液を室温まで冷却後、メチルイソブチルケトン200mLを加えて、純水1000mLで分液した。さらに有機層を2回500mLの純水で洗浄し、有機層を回収した。無水硫酸ナトリウムで脱水後、エバポレータにて溶媒を留去した。残渣を酢酸150gに溶解させて、臭化水素酸水溶液45gを加えて、40℃で1時間攪拌した。室温まで放冷後、1N−塩酸150gを加えて析出した白色粉末を濾取した。得られた白色粉末をさらに、1N−塩酸、ついでn−ヘプタンで洗浄した後、真空乾燥させることにより、7−プロピルベンゾフラン−2−カルボン酸を28.1g白色粉末として得た。収率は3−プロピルサリチルアルデヒド基準で78%であった。
2,5−ジメトキシアニリン20.25g(132.2mmol)、7−プロピルベンゾフラン−2−カルボン酸18.0g(88.1mmol)、トリエチルアミン8.92g(88.1mmol)をクロロホルム90gに分散させた。得られた懸濁液を氷浴にて冷却した後、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド 塩酸塩18.6g(97mmol)とクロロホルム100gの混合液を4時間かけて加えて室温で72時間反応させた。得られた混合液を濃縮し、残渣に1N−塩酸、メタノールの混合溶液(塩酸水2体積部、メタノール1体積部)400g、ヘプタン150gを加えて結晶化させた。得られた沈殿を濾取し塩酸水―メタノールの混合溶液(塩酸水2体積部、メタノール1体積部)に加えた。淡黄緑色沈殿を濾取し、1N―KOH水溶液―メタノールの混合溶液(水酸化カリウム水溶液1体積部、メタノール2体積部)で洗浄し濾取した。真空乾燥して、淡黄色粉末として化合物(70−a)を19.8g得た。収率は7−プロピルベンゾフラン−2−カルボン酸基準で66%であった。
化合物(70−a)19.8g(58mmol)、2,4−ビス(4−メトキシフェニル)−1,3−ジチア−2,4−ジホスフェタン−2,4−ジスルフィド(ローソン試薬)14.2g(35.0mmol)及びトルエン198gを混合し、得られた混合液を110℃に昇温して6時間反応させた。冷却後、トルエン溶液を2N−水酸化ナトリウム水溶液500mLで三回洗浄後、有機層を回収後、これを濃縮し、n−ヘプタンを加え結晶化させた。得られた鮮黄色結晶を濾取し、真空乾燥させることにより化合物(70−b)を鮮黄色粉末として18.6g得た。収率は化合物(70−a)基準で90%であった。
化合物(70−b)を18.6g、水酸化カリウム17.86g(318mmol)及び水320gを混合し、得られた混合液を氷冷下で反応させた。続いてフェリシアン化カリウム52.41g(159mmol)を加え化合物(70−b)を含む分散液を調製した。分散液にメタノール70gを加えて40℃で2時間、室温で24時間反応させて、析出した黄色沈殿を濾取した。濾取した沈殿を水、次いでメタノールで洗浄した。さらに黄色粉末を熱エタノールで洗浄、濾取した。得られた黄色を真空乾燥して、化合物(70−c)を主成分とする淡黄色固体15.8gを得た。収率は化合物(70−a)基準で76%であった。
化合物(70−c)15.8g(44.6mmol)及び塩化ピリジニウム158g(10倍質量)を混合し、180℃に昇温して3時間反応させた。得られた混合液を氷に加え、得られた沈殿を濾取した。水で懸洗後、トルエンで洗浄、真空乾燥させて、化合物(70−d)を主成分とする黄土色固体13.6gを得た。収率は化合物(70−c)基準で94%であった。
化合物(70−d)5.00g(15.4mmol)、化合物(A)13.5g(32.27mmol)、ジメチルアミノピリジン0.19g(1.54mmol)及びクロロホルム60mLを混合した。得られた混合液にN,N’−ジイソプロピルカルボジイミド4.65g(36.88mmol)を氷冷下で加えた。得られた反応溶液を室温で終夜反応させ、シリカゲル濾過したのち、減圧濃縮した。残渣にメタノールを加えて結晶化させた。結晶を濾取し、クロロホルムに再溶解させ0.3gの活性炭を加えて、室温で一時間攪拌した。溶液を濾過して濾液をエバポレータにて1/3まで減圧濃縮後、攪拌しながらメタノールを加えて、生成した白色沈殿を濾取し、ヘプタンで洗浄、真空乾燥して化合物(A70−1)をオフホワイト粉末として8.38g得た。収率は化合物(70−d)基準で48%であった。
<光学フィルムの製造例>
ガラス基板に、ポリビニルアルコール(ポリビニルアルコール1000完全ケン化型、和光純薬工業株式会社製)の2質量%水溶液を塗布し、乾燥後、厚さ89nmの膜を形成した。続いて、得られた膜の表面にラビング処理を施し、ラビング処理を施した面に、表4の組成の組成物をスピンコート法により塗布し、表5に記載の乾燥温度で1分間乾燥した。次いで表5に記載の光照射時の温度まで加温しながら、表5に記載の積算光量の紫外線を照射して、表6に記載の膜厚の光学フィルムを形成した。
表4は、組成物全体に対する各構成成分の含有率(質量%)を表す。
LC242:上記と同じ
重合開始剤:イルガキュア819(チバ・ジャパン株式会社製)
レベリング剤:BYK361N(ビックケミージャパン製)
溶剤:シクロペンタノン
光学フィルムの正面位相差値を測定機(KOBRA−WR、王子計測機器社製)を用いて測定した。尚、基材に使用したガラス基板には、複屈折性が無いため、ガラス基板付きフィルムを測定機で計測することにより、ガラス基板上に作製した光学フィルムの正面位相差値を得ることができる。得られた光学測定正面位相差値は、波長447.3nm、546.9nm、及び627.8nmにおいて、それぞれ測定し、[Re(447.3)/Re(546.9)](αとする)及び[Re(627.8)/Re(546.9)](βとする)を算出した。また、光学フィルムの膜厚d(μm)をレーザー顕微鏡(LEXT、オリンパス社製)を用いて測定した。結果を表6に示す。Δnは、Re(546.9)の値を膜厚で割って算出した(Δn=Re(546.9)/d)。
<<組成物の熱物性>>
<組成物の調製>
表7に記載の組成の組成物を調製した。
ガラス基板にポリビニルアルコール(ポリビニルアルコール1000完全ケン化型、和光純薬工業株式会社製)の2質量%水溶液を塗布し、加熱乾燥して、厚さ89nmの膜を形成した。膜の表面にラビング処理を施し、配向膜を形成した。ラビング処理を施した面に、表8に記載の組成物をスピンコート法により塗布した。塗布した基板を、ホットステージ付き偏光顕微鏡(ホットステージ:LTS350、Linkam社製、偏光顕微鏡:BX−51、オリンパス社製)を用いて、昇温時は昇温速度30℃/minで加熱しながら組成物の挙動を観察した。降温時は自然冷却で挙動を観察した。結果を表8に示す。
<フィルムの製造例>
ガラス基板にポリビニルアルコール(ポリビニルアルコール1000完全ケン化型、和光純薬工業株式会社製)の2質量%水溶液を塗布し、加熱乾燥して、厚さ89nmの膜を形成した。膜の表面にラビング処理を施し、配向膜を形成した。ラビング処理を施した面に、表7に記載の組成物をスピンコート法により塗布し、表9に記載の温度(Td)で1分間乾燥した。表9に記載の温度(Te)で1分間放置後、積算光量2400mJ/cm2の紫外線を照射してフィルムを作成した。ここでTeは液晶が結晶化することなく、モノドメインで均一なフィルムを再現性良く製造するために必要な温度であり、Teが低いほど、低温で光学フィルムを製造できることを表す。
<化合物(A71−1)の合成例>
化合物(A71−1)は下記のスキームに従って合成した。
4−クロロ−3,5−ジメチルフェノール100g(639mmol)、パラホルムアルデヒド47.94g(1597mmol)、無水塩化マグネシウム91.19g(958mmol)をアセトニトリル800mLに分散させた。氷浴で30分攪拌した後、トリエチルアミン129.23g(1277mmol)を二時間かけて滴下した。混合液を水浴で3時間、50℃で18時間反応させた。反応液に冷2N−塩酸を加えて中性にした後、600mLの酢酸エチルで2回抽出し、有機層を集めた。有機層を無水硫酸ナトリウムで脱水後、活性炭を3g加えて攪拌後、セライト濾過し、濾液をエバポレータにて40℃以下で減圧濃縮した。残渣にヘプタン1000mLを加えて、不溶物を濾過にて除去した。濾液を回収し、再結晶することにより、淡黄色粉末として5−クロロ−4,6−ジメチルサリチルアルデヒドを20.00g得た。収率は4−クロロ−3,5−ジメチルフェノール基準で17%であった。
5−クロロ−4,6−ジメチルサリチルアルデヒド20.00g(108mmol)、炭酸カリウム36.68g(265mmol)、をN,N’−ジメチルアセトアミド150mLに分散させた。80℃に加温した後、ブロモ酢酸tert−ブチル21.13g(108mmol)を10分かけて滴下した。混合液を130℃で3時間反応させた。反応液を室温まで冷却後、メチルイソブチルケトン200mLを加えて、純水1000mLで分液した。さらに有機層を2回300mLの純水で洗浄し、有機層を回収した。無水硫酸ナトリウムで脱水後、エバポレータにて溶媒を留去した。残渣を酢酸60gに溶解させて、トリフルオロ酢酸20gを加えて、60℃で1時間攪拌した。室温まで放冷後、1N−塩酸水10gを加えて析出した白色粉末を濾取した。得られた白色粉末をさらに、1N−塩酸水、ついでn−ヘプタンで洗浄した後、真空乾燥させることにより、5−クロロ−4,6−ジメチルベンゾフラン−2−カルボン酸を19.37g白色粉末として得た。収率は5−クロロ−4,6−ジメチルサリチルアルデヒド基準で80%であった。
2,5−ジメトキシアニリン19.43g(127mmmol)、5−クロロ−4,6−ジメチルベンゾフラン−2−カルボン酸19.00g(84.6mmol)、をクロロホルム200gに分散させた。得られた懸濁液を氷浴にて冷却した後、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩17.64g(93.0mmol)とクロロホルム80gの混合液を6時間かけて加えて室温で24時間反応させた。反応溶液に、さらに2,5−ジメトキシアニリン0.2gを加えて48時間反応させた。得られた混合液を濃縮し、残渣に1N−塩酸、メタノールの混合溶液(塩酸水2体積部、メタノール1体積部)400gを加えて結晶化させた。得られた淡黄色粉末をメタノール、次いでトルエンで洗浄して濾取した。真空乾燥して、淡黄色粉末として化合物(71−a)を13.68g得た。収率は5−クロロ−4,6−ジメチルベンゾフラン−2−カルボン酸基準で45%であった。
化合物(71−a)13.63g(38mmol)、2,4−ビス(4−メトキシフェニル)−1,3−ジチア−2,4−ジホスフェタン−2,4−ジスルフィド(ローソン試薬)9.19g(23mmol)及びトルエン150gを混合し、得られた混合液を110℃に昇温して6時間反応させた。冷却後、1N−水酸化ナトリウム水溶液を加えた。有機層を回収し、ヘプタン100mLを加えて結晶化させた。赤色結晶を濾取して、乾燥させて化合物(71−b)14.24gを橙色粉末として得た。ローソン試薬由来の不純物が混入していたが、このまま次ステップに使用した。
化合物(71−b)14.24g(38mmol)、水酸化カリウム11.60g(207mmol)及び水220gを混合し、得られた混合液を氷冷下で反応させた。続いてフェリシアン化カリウム34.03g(103mmol)を氷冷下で加え、次いでメタノール44gを加えて反応させた。室温で12時間反応後、80℃で8時間反応させた。析出した淡黄色沈殿を濾取した。濾取した沈殿を水、メタノール、エタノールで洗浄し、淡黄色沈殿を濾取した。得られた淡黄色粉末を真空乾燥して、化合物(71−c)を主成分とする淡黄色固体10.3gを得た。収率は化合物(71−a)基準、二段階で73%であった。
化合物(71−c)10.00g(27mmol)及び塩化ピリジニウム100g(10倍質量)を混合し、190℃に昇温して2時間反応させた。得られた混合液を氷に加え、得られた沈殿を濾取した。水で懸洗後、トルエン、クロロホルムで洗浄、真空乾燥させて、化合物(71−d)を主成分とする黄色固体7.20gを得た。収率は化合物(71−c)基準で78%であった。
化合物(71−d)1.00g(2.89mmol)、化合物(A)2.54g(6.07mmol)、ジメチルアミノピリジン0.04g(0.29mmol)及びクロロホルム40mLを混合した。得られた混合液にN,N’−ジイソプロピルカルボジイミド0.88g(6.94mmol)を氷冷下で加えた。得られた反応溶液を室温で終夜反応させ、セライト濾過したのち、減圧濃縮した。残渣にエタノールを加えて結晶化させた。結晶を濾取し、クロロホルムに再溶解させ0.3gの活性炭を加えて、室温で1時間攪拌した。溶液を濾過して濾液をエバポレータにて1/3まで減圧濃縮後、激しく攪拌しながらメタノールを加えて、生成した白色沈殿を濾取し、ヘプタンで洗浄、真空乾燥して化合物(A71−1)をオフホワイト粉末として2.58g得た。収率は化合物(71−d)基準で78%であった。
<化合物(A21−1)の合成例>
化合物(A21−1)は下記のスキームに従って合成した。
2,5−ジメトキシアニリン12.82g(83.7mmmol)、ベンゾチアゾール−2−カルボン酸10.00g(55.8mmol)、をクロロホルム100gに分散させた。得られた懸濁液を氷浴にて冷却した後、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド 塩酸塩11.77g(61.4mmol)とクロロホルム70gの混合液を4時間かけて加えて室温で24時間反応させた。反応溶液に、さらに2,5−ジメトキシアニリン0.5gを加えて48時間反応させた。得られた混合液を濃縮し、残渣に1N−塩酸、メタノールの混合溶液(塩酸水2体積部、メタノール1体積部)400g、ヘプタン150gを加えて結晶化させた。得られた沈殿を濾取し塩酸水―メタノールの混合溶液(塩酸水2体積部、メタノール1体積部)を加えた。析出した鮮黄色沈殿を濾取し、水―メタノールの混合溶液(水2体積部、メタノール1体積部)でさらに洗浄後した。得られた鮮黄色沈殿を1N―KOH水溶液―メタノールの混合溶液(水酸化カリウム水溶液1体積部、メタノール2体積部)、次いで水150gで洗浄し濾取した。真空乾燥して、黄色粉末として化合物(21−a)を8.47g得た。収率はベンゾチアゾール−2−カルボン酸基準で48%であった。
化合物(21−a)8.47g(27mmol)、2,4−ビス(4−メトキシフェニル)−1,3−ジチア−2,4−ジホスフェタン−2,4−ジスルフィド(ローソン試薬)6.54g(16mmol)及びトルエン85gを混合し、得られた混合液を110℃に昇温して6時間反応させた。冷却後、1N−水酸化ナトリウム水溶液を加えた。有機層を回収し、ヘプタン100mLを加えて結晶化させた。橙色結晶を濾取して、真空乾燥させることにより化合物(21−b)を鮮黄色粉末として得た。ローソン試薬由来の不純物が混入していたが、このまま次ステップに使用した。
化合物(21−b)8.90g(27mmol)、水酸化カリウム8.25g(147mmol)及び水156gを混合し、得られた混合液を氷冷下で反応させた。続いてフェリシアン化カリウム24.19g(73mmol)を氷冷下で加え、次いでメタノール30gを加えて反応させた。室温で12時間、50℃で12時間反応させて、析出した淡黄色沈殿を濾取した。濾取した沈殿を水、メタノール、エタノールで洗浄し、淡黄色沈殿を濾取した。得られた淡黄色粉末を真空乾燥して、化合物(21−c)を主成分とする淡黄色固体7.40gを得た。収率は化合物(21−a)基準で84%であった。
化合物(21−c)7.00g(21mmol)及び塩化ピリジニウム105g(15倍質量)を混合し、190℃に昇温して3時間反応させた。得られた混合液を氷に加え、得られた沈殿を濾取した。水で懸洗後、トルエンで洗浄、真空乾燥させて、化合物(21−d)を主成分とする黄色固体6.00gを得た。収率は化合物(21−c)基準で94%であった。
化合物(21−d)1.00g(3.33mmol)、化合物(A)2.93g(6.99mmol)、ジメチルアミノピリジン0.04g(0.33mmol)及びクロロホルム50mLを混合した。得られた混合液にN,N’−ジイソプロピルカルボジイミド1.01g(7.99mmol)を氷冷下で加えた。得られた反応溶液を室温で終夜反応させ、セライト濾過したのち、減圧濃縮した。残渣にメタノールを加えて結晶化させた。結晶を濾取し、クロロホルムに再溶解させ0.3gの活性炭を加えて、室温で1時間攪拌した。溶液を濾過して濾液をエバポレータにて1/3まで減圧濃縮後、激しく攪拌しながらメタノールを加えて、生成した白色沈殿を濾取し、ヘプタンで洗浄、真空乾燥して化合物(A21−1)をオフホワイト粉末として2.70g得た。収率は化合物(21−d)基準で74%であった。
<光学フィルムの製造例>
ガラス基板に、ポリビニルアルコール(ポリビニルアルコール1000完全ケン化型、和光純薬工業株式会社製)の2質量%水溶液を塗布し、乾燥後、厚さ89nmの膜を形成した。続いて、得られた膜の表面にラビング処理を施し、ラビング処理を施した面に、表10の組成の組成物をスピンコート法により塗布し、表5に記載の乾燥温度で1分間乾燥した。次いで表11に記載の光照射時の温度まで加温しながら、表11に記載の積算光量の紫外線を照射して、表12に記載の膜厚の光学フィルムを形成させた。
表10は、組成物全体に対する各構成成分の含有率(質量%)を表す。
重合開始剤:イルガキュア819(チバ・ジャパン株式会社製)
レベリング剤:BYK361N(ビックケミージャパン製)
溶剤:シクロペンタノン
光学フィルムの正面位相差値を測定機(KOBRA−WR、王子計測機器社製)を用いて測定した。尚、基材に使用したガラス基板には、複屈折性が無いため、ガラス基板付きフィルムを測定機で計測することにより、ガラス基板上に作製した光学フィルムの正面位相差値を得ることができる。得られた光学測定正面位相差値は、波長450.9nm、549.4nm、及び627.8nmにおいて、それぞれ測定し、[Re(450.9)/Re(549.4)](αとする)及び[Re(627.8)/Re(549.4)](βとする)を算出した。また、光学フィルムの膜厚d(μm)を、レーザー顕微鏡(LEXT、オリンパス社製)を用いて測定した。結果を表6に示す。Δnは、Re(549.4)の値を膜厚で割って算出した(Δn=Re(549.4)/d)。
実施例のフィルムを液晶パネルに利用すれば、光学補償に優れた特性を有する。さらに実施例20〜24、及び実施例32〜33より、本発明の化合物を液晶化合物と混合するだけで、正の波長分散から逆波長分散まで自在に波長分散性を制御できることが明らかとなった。
また、実施例34〜39と比較例2〜7を比較すると、本発明の化合物と液晶化合物とを混合することにより、モノドメイン構造を示す温度が低温側までシフトし、より低温で位相差フィルムを製造できることがわかった。
<光学フィルムの製造例>
実施例42〜43、比較例1と同様に、表13に記載の組成の組成物をスピンコート法により塗布し、140℃で1分間乾燥後、80℃で加熱しながら積算光量2400mJの紫外線を照射して、光学フィルムを形成した。
*1):イルガキュア369(チバ・ジャパン株式会社製)(アセトフェノン化合物)
*2):イルガキュア819(チバ・ジャパン株式会社製)(アシルホスフィンオキサイド化合物)
レベリング剤:BYK361N(ビックケミージャパン製)
溶剤:シクロペンタノン
実施例44及び実施例45で得られた光学フィルムを、温度85℃湿度0%のオーブン中1000時間保持し、耐熱性試験を行った。試験前後の光学特性を測定し、さらに、試験後のα値から初期値のα値を引いた値を、変化量△αとした。△αが−0.2以上+0.2以下であれば、光学特性の変化は小さいと判断できる。結果を表15に示す。
実施例44及び実施例45で得られた光学フィルムを、温度60℃湿度90%のオーブン中1000時間保持し、耐湿熱性試験を行った。試験前後の光学特性を測定し、さらに、試験後のα値から初期値のα値を引いた値を、変化量△αとした。△αが−0.2以上+0.2以下であれば、光学特性の変化は小さいと判断できる。結果を表16に示す。
表15及び表16に示しているように、本発明の光学フィルムは、耐熱性試験及び耐湿熱性試験において、△αが−0.2以上+0.2以下であることから、ともに良好な耐熱性及び耐湿熱性を示すことがわかる。また、表16に示しているように、実施例44の光学フィルムが、耐湿熱性においてより小さい△αを示すことから、開始剤としてアセトフェノン化合物を用いると、さらに良好な耐湿熱性すなわち良好な耐久性を示すことがわかる。
3,4,5−トリメチルフェノール10.00g、パラホルムアルデヒド5.51g、無水塩化マグネシウム10.49gをアセトニトリル60mLに分散させた。氷浴で30分攪拌した後、トリエチルアミン14.86gを二時間かけて滴下した。混合物を50℃で8時間、室温で24時間反応させた。反応液に400mLの酢酸エチル、純水100mLを加えた後、1N−塩酸を加えて、酸性にした後、有機層を集めた。有機層を無水硫酸ナトリウムで脱水後、エバポレータにて40℃以下で減圧濃縮した。残渣を酢酸エチル・ヘプタン(1:3体積比)を溶離液として用いたカラムクロマトグラフィーにて精製し、黄色粉末として4,5,6−トリメチルサリチルアルデヒド8.10gを得た。収率は3,4,5−トリメチルフェノール基準で67%であった。
4,5,6−トリメチルサリチルアルデヒド8.10g、炭酸カリウム16.36g、をN,N’―ジメチルアセトアミド50mLに分散させた。80℃に加温した後、ブロモ酢酸ターシャリーブチル9.62gを30分かけて滴下した。混合物を135℃で2時間反応させた。反応液を室温まで冷却後、メチルイソブチルケトン200mLを加えて濾過した。濾液を回収し、純水1000mLと分液した。さらに有機層を2回500mLの純水で洗浄し、有機層を回収した。無水硫酸ナトリウムで脱水後、エバポレータにて溶媒を留去した。残渣を酢酸150gに溶解させて、臭化水素酸水溶液45gを加えて、40℃で1時間攪拌した。室温まで放冷後、1N−塩酸150gを加えて析出した淡赤色粉末を濾取した。得られた淡赤色粉末をさらに、1N−塩酸、ついでトルエンで洗浄した後、真空乾燥させることにより、4,5,6−トリメチルベンゾフラン−2−カルボン酸を6.34g淡赤色粉末として得た。収率は4,5,6−トリメチルサリチルアルデヒド基準で63%であった。
2,5−ジメトキシアニリン7.13g、4,5,6−トリメチルベンゾフラン−2−カルボン酸6.34gをクロロホルム30gに分散させた。得られた懸濁液を氷浴にて冷却した後、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩6.55gとクロロホルム100gの混合物を4時間かけて加えて室温で48時間反応させた。得られた混合物を減圧濃縮し、残渣に1N−塩酸、メタノールの混合溶液(塩酸水2体積部、メタノール1体積部)400gを加えて結晶化させた。得られた沈殿を濾取し塩酸水―メタノールの混合溶液(塩酸水2体積部、メタノール1体積部)に加えた。淡橙色沈殿を濾取し、1N―KOH水溶液―メタノールの混合溶液(水酸化カリウム水溶液1体積部、メタノール2体積部)で洗浄し濾取した。真空乾燥して、淡黄色粉末として化合物(72−a)を9.39g得た。収率は4,5,6−トリメチルベンゾフラン−2−カルボン酸基準で89%であった。
化合物(72−a)9.39g、2,4−ビス(4−メトキシフェニル)−1,3−ジチア−2,4−ジホスフェタン−2,4−ジスルフィド(ローソン試薬)6.71g及びトルエン95gを混合し、得られた混合物を110℃に昇温して4時間反応させた。冷却後、トルエン溶液に2N−水酸化ナトリウム水溶液500mL、ヘプタン100gを加えて析出した黄色沈殿を濾取した。得られた沈殿をさらに、ヘプタン、2N−水酸化ナトリウム水溶液で洗浄して、真空乾燥させることにより化合物(72−b)9.83gを鮮黄色粉末として得た。化合物(72−b)は3%のローソン試薬の分解物を含むがそのまま次ステップに使用した。
化合物(72−b)を9.83g、水酸化カリウム8.47g及び水400gを混合し、得られた混合物を氷冷下で反応させた。続いてフェリシアン化カリウム24.84gを加え化合物(72−b)を含む分散液を調製した。分散液にメタノール70gを加えて60℃で48時間反応させて、析出した黄色沈殿を濾取した。濾取した沈殿を水、次いでメタノールで洗浄した。さらに黄色粉末を熱トルエンで再結晶した。生成した淡黄色結晶を濾取、真空乾燥して、化合物(72−c)を主成分とする淡黄色固体4.60gを得た。収率は化合物(72−a)基準で47%であった。
化合物(72−c)4.60g及び塩化ピリジニウム64.4gを混合し、180℃に昇温して3時間反応させた。得られた混合物を氷に加え、得られた沈殿を濾取した。水で懸洗後、トルエンで洗浄、真空乾燥させて、化合物(72−d)を主成分とする黄緑色固体4.10gを得た。収率は化合物(72−c)基準で97%であった。
化合物(72−d)1.10g、化合物(A)2.97g、ジメチルアミノピリジン0.04g及びクロロホルム20mL、トルエン20mLを混合した。得られた混合物にN,N’−ジイソプロピルカルボジイミド1.02gを氷冷下で加えた。得られた反応溶液を室温で終夜反応させた。反応液に、シリカゲル4g、活性炭を200mg加えて、一時間室温で攪拌後、セライト濾過した。濾液を減圧濃縮しクロロホルムを除去後、溶液にメタノールを加えて晶析させた。オフホワイト粉末を濾取し、さらにエタノールで二回洗浄後、ヘプタンで洗浄、真空乾燥して化合物(A72−1)をオフホワイト粉末として2.95g得た。収率は化合物(72−d)基準で78%であった。
4−メチルサリチルアルデヒド20.0g、炭酸カリウム48.73g、をN,N’―ジメチルアセトアミド100mLに分散させた。70℃に加温した後、ブロモ酢酸ターシャリーブチル28.65gを30分かけて滴下した。混合物を135℃で2時間反応させた。反応液を室温まで冷却後、メチルイソブチルケトン200mLを加えて、純水1000mLで分液した。さらに有機層を2回500mLの純水で洗浄し、有機層を回収した。無水硫酸ナトリウムで脱水後、エバポレータにて溶媒を留去した。残渣を酢酸150gに溶解させて、臭化水素酸水溶液45gを加えて、40℃で1時間攪拌した。室温まで放冷後、1N−塩酸150gを加えて析出した白色粉末を濾取した。得られた白色粉末をさらに、1N−塩酸、ついでヘプタン、トルエンで洗浄した後、真空乾燥させることにより、6−メチルベンゾフラン−2−カルボン酸を20.58g白色粉末として得た。収率は4−メチルサリチルアルデヒド基準で80%であった。
2,5−ジメトキシアニリン26.09g、6−メチルベンゾフラン−2−カルボン酸20.00gをクロロホルム100gに分散させた。得られた懸濁液を氷浴にて冷却した後、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩23.94gとクロロホルム120gの混合物を4時間かけて加えて室温で48時間反応させた。得られた混合物を濃縮し、残渣に1N−塩酸、メタノールの混合溶液(塩酸水2体積部、メタノール1体積部)400gを加えて結晶化させた。得られた沈殿を濾取し塩酸水―メタノールの混合溶液(塩酸水2体積部、メタノール1体積部)に加えた。淡黄緑色沈殿を濾取し、1N―KOH水溶液―メタノールの混合溶液(水酸化カリウム水溶液1体積部、メタノール2体積部)で洗浄し濾取した。真空乾燥して、淡黄色粉末として化合物(73−a)を31.26g得た。収率は6−メチルベンゾフラン−2−カルボン酸基準で89%であった。
化合物(73−a)31.26g、2,4−ビス(4−メトキシフェニル)−1,3−ジチア−2,4−ジホスフェタン−2,4−ジスルフィド(ローソン試薬)24.73g及びトルエン300gを混合し、得られた混合物を110℃に昇温して6時間反応させた。冷却後、トルエン溶液を2N−水酸化ナトリウム水溶液500mLで三回洗浄後、有機層を回収後、n−ヘプタンを加え結晶化させた。得られた鮮黄色結晶を濾取し、真空乾燥させることにより化合物(73−b)を鮮黄色粉末として得た。得られた化合物(73−b)は全量そのまま次ステップで使用した。
化合物(73−b)35.69g、水酸化カリウム33.37g及び水630gを混合した。続いてフェリシアン化カリウム97.91gを加え化合物(73−b)を含む分散液を調製した。分散液にメタノール126gを加えて40℃で2時間、室温で24時間反応させて、析出した淡黄色沈殿を濾取した。濾取した沈殿を水、次いでメタノールで洗浄した。さらに黄色粉末を熱メタノールで洗浄、濾取した。得られた淡黄色を真空乾燥して、化合物(73−c)を主成分とする淡黄色固体23.31gを得た。収率は化合物(73−a)基準で66%であった。
化合物(73−c)23.31g及び塩化ピリジニウム233.1gを混合し、180℃に昇温して3時間反応させた。得られた混合物を氷に加え、得られた沈殿を濾取した。水で懸洗後、トルエン、洗浄後、飽和亜ニチオン酸ナトリウム水溶液、クロロホルムに分散させて室温で2時間攪拌した。分散液をろ過し、さらに沈殿を純水で洗浄後真空乾燥させて、化合物(73−d)を主成分とする黄色固体21.2gを得た。収率は化合物(73−c)基準で100%であった。
化合物(73−d)1.00g、化合物(A)2.96g、ジメチルアミノピリジン0.04g及びクロロホルム20mL、トルエン20mLを混合した。得られた混合物にN,N’−ジイソプロピルカルボジイミド1.02gを氷冷下で加えた。得られた反応溶液を室温で終夜反応させた。反応液に、シリカゲル4g、活性炭を200mg加えて、一時間室温で攪拌後、セライト濾過した。濾液を減圧濃縮しクロロホルムを除去後、溶液にメタノールを加えて晶析させた。オフホワイト粉末を濾取し、さらにエタノールで二回洗浄後、ヘプタンで洗浄、真空乾燥して化合物(A73−1)をオフホワイト粉末として2.11g得た。収率は化合物(73−d)基準で57%であった。
2,3,5−トリメチルフェノール20.00g、パラホルムアルデヒド11.03g、無水塩化マグネシウム20.97gをアセトニトリル120gに分散させた。室温で30分攪拌した後、トリエチルアミン29.72gを二時間かけて滴下した。混合物を水浴で8時間、室温で96時間反応させた。反応液を200mLの酢酸エチル、400mLのn−ヘプタンからなる混合溶媒に注ぎ、純水400mLを加えた。冷2N−塩酸を加えて酸性にした後、有機層を回収した。有機層を無水硫酸ナトリウムで脱水後、シリカゲル20g、活性炭2gを加えて、30分穏やかに攪拌し、分散液をセライト濾過した。濾液を3エバポレータにて40℃以下で減圧濃縮し、淡黄色粘稠液体として3,4,6−トリメチルサリチルアルデヒド24.69gを得た。収率は2,3,5−トリメチルフェノール基準で102%であった。
3,4,6−トリメチルサリチルアルデヒド24.11g、炭酸カリウム48.71g、をN,N’―ジメチルアセトアミド130mLに分散させた。80℃に加温した後、ブロモ酢酸ターシャリーブチル28.64gを30分かけて滴下した。混合物を140℃で2時間反応させた。反応液を室温まで冷却後、メチルイソブチルケトン200mLを加えて、純水1000mLで分液した。さらに有機層を2回1N−塩酸水500mLで洗浄し、有機層を回収した。無水硫酸ナトリウムで脱水後、エバポレータにて溶媒を留去した。残渣を酢酸150gに溶解させて、臭化水素酸水溶液45gを加えて、40℃で1時間攪拌した。室温まで放冷後、1N−塩酸150gを加えて析出した白色粉末を濾取した。得られた白色粉末をさらに、1N−塩酸、ついでヘプタン、トルエンで洗浄した後、真空乾燥させることにより、4,6,7−トリメチルベンゾフラン−2−カルボン酸を14.89gオフホワイト粉末として得た。収率は3,4,6−トリメチルサリチルアルデヒド基準で50%であった。
2,5−ジメトキシアニリン16.75g(109.4mmol)、4,6,7−トリメチルベンゾフラン−2−カルボン酸14.89g(72.9mmol)をクロロホルム75mLに分散させた。得られた懸濁液を氷浴にて冷却した後、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩15.37gとクロロホルム100gの混合物を4時間かけて加えて室温で72時間反応させた。得られた混合物を濃縮し、残渣に1N−塩酸、メタノールの混合溶液(塩酸水2体積部、メタノール1体積部)400g、ヘプタン150gを加えて結晶化させた。得られた沈殿を濾取し塩酸水―メタノールの混合溶液(塩酸水2体積部、メタノール1体積部)に加えた。淡黄緑色沈殿を濾取し、1N―KOH水溶液―メタノールの混合溶液(水酸化カリウム水溶液1体積部、メタノール2体積部)で洗浄し濾取した。真空乾燥して、淡黄色粉末として化合物(63−a)を22.71g得た。収率は6−メチルベンゾフラン−2−カルボン酸基準で92%であった。
化合物(63−a)22.71g、2,4−ビス(4−メトキシフェニル)−1,3−ジチア−2,4−ジホスフェタン−2,4−ジスルフィド(ローソン試薬)16.24g及びトルエン228gを混合し、得られた混合物を110℃に昇温して6時間反応させた。冷却後、トルエン溶液を2N−水酸化ナトリウム水溶液500mLで三回洗浄後、有機層を回収後、これを濃縮し、n−ヘプタンを加え結晶化させた。得られた淡橙色結晶を濾取し、真空乾燥させることにより化合物(63−b)を鮮黄色粉末として23.78g得た。化合物(63−b)はローソン試薬の分解物を含むが、全量そのまま次ステップに使用した。
化合物(63−b)を23.78g、水酸化カリウム20.48g及び水389gを混合した。続いてフェリシアン化カリウム60.09gを加え化合物(63−b)を含む分散液を調製した。分散液にメタノール77.83gを加えて50℃で4時間、室温で24時間反応させて、析出した黄色沈殿を濾取した。濾取した沈殿を水、次いでメタノールで洗浄した。さらに黄色粉末を熱エタノールで洗浄、濾取した。得られた黄色を真空乾燥して、化合物(63−c)を主成分とする淡黄色固体20.14gを得た。収率は化合物(63−a)基準で86%であった。
化合物(63−c)20.14g及び塩化ピリジニウム200.1gを混合し、180℃に昇温して3時間反応させた。得られた混合物を氷に加え、得られた沈殿を濾取した。水で懸洗後、トルエン、洗浄後、飽和亜ニチオン酸ナトリウム水溶液、クロロホルムに分散させて室温で2時間攪拌した。分散液をろ過し、さらに沈殿を純水で洗浄後真空乾燥させて、化合物(73−d)を主成分とする橙色固体18.9gを得た。収率は化合物(63−c)基準で102%であった。
化合物(63−d)1.10g、化合物(A)2.97g、ジメチルアミノピリジン0.04g及びクロロホルム20mL、トルエン20mLを混合した。得られた混合物にN,N’−ジイソプロピルカルボジイミド1.02gを氷冷下で加えた。得られた反応溶液を室温で終夜反応させた。反応液に、シリカゲル4g、活性炭を200mg加えて、一時間室温で攪拌後、セライト濾過した。濾液を減圧濃縮しクロロホルムを除去後、溶液にメタノールを加えて晶析させた。オフホワイト粉末を濾取し、さらにエタノールで二回洗浄後、ヘプタンで洗浄、真空乾燥して化合物(A63−1)をオフホワイト粉末として2.65g得た。収率は化合物(63−d)基準で70%であった。
<光学フィルムの製造例>
ガラス基板に、ポリビニルアルコール(ポリビニルアルコール1000完全ケン化型、和光純薬工業株式会社製)の2質量%水溶液を塗布し、乾燥後、厚さ89nmの膜を形成した。続いて、得られた膜の表面にラビング処理を施し、ラビング処理を施した面に、表17の組成の組成物をスピンコート法により塗布し、表18に記載の乾燥温度で1分間乾燥した。次いで表5に記載の光照射時の温度まで加温しながら、表18に記載の積算光量の紫外線を照射して、表19に記載の膜厚の光学フィルムを形成させた。
光学フィルムの正面位相差値を測定機(KOBRA−WR、王子計測機器社製)を用いて測定した。尚、基材に使用したガラス基板には、複屈折性が無いため、ガラス基板付きフィルムを測定機で計測することにより、ガラス基板上に作製した光学フィルムの正面位相差値を得ることができる。得られた光学測定正面位相差値は、波長447.3nm、546.9nm、及び627.8nmにおいて、それぞれ測定し、[Re(447.3)/Re(546.9)](αとする)及び[Re(627.8)/Re(546.9)](βとする)を算出した。また、光学フィルムの膜厚d(μm)をレーザー顕微鏡(LEXT、オリンパス社製)を用いて測定した。結果を表19に示す。Δnは、Re(546.9)の値を膜厚で割って算出した(Δn=Re(546.9)/d)。
2,2’ 光学フィルム
3,3’ 配向膜
4,4’ カラーフィルタ層
5 液晶表示装置
6,10 偏光板
7,11 基板
8 対向電極
9 液晶層
12 TFT、絶縁層
13 透明電極
13’ 反射電極
30,30a,30b,30c,30d,30e 偏光板
14,14’ 積層体
15 偏光フィルム
16,16’ 支持基材
17,17’ 配向膜
18,18’ 光学フィルム
19,19’,22,25 接着剤層
20 液晶パネル
21 貼合品
23 有機ELパネル
24 発光層
Claims (19)
- 式(3−1)で表される化合物。
[式(3−1)中、Z1は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルキル基、シアノ基、ニトロ基、炭素数1〜6のアルキルスルフィニル基、炭素数1〜6のアルキルスルホニル基、カルボキシ基、炭素数1〜6のフルオロアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数1〜6のアルキルスルファニル基、炭素数1〜6のN−アルキルアミノ基、炭素数2〜12のN,N−ジアルキルアミノ基、炭素数1〜6のN−アルキルスルファモイル基又は炭素数2〜12のN,N−ジアルキルスルファモイル基を表す。
Q 1 は、−S−を表す。
Y 1は、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルキル基、シアノ基、ニトロ基、ニトロソ基、炭素数1〜6のアルキルスルフィニル基、炭素数1〜6のアルキルスルホニル基、カルボキシ基、炭素数1〜6のフルオロアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数1〜6のアルキルスルファニル基、炭素数1〜4のN−アルキルアミノ基、炭素数2〜8のN,N−ジアルキルアミノ基、スルファモイル基、炭素数1〜6のN−アルキルスルファモイル基及び炭素数2〜12のN,N−ジアルキルスルファモイル基からなる群から選ばれる少なくとも一つの置換基で置換された多環式芳香族複素環基もしくは非置換の多環式芳香族複素環基を表す。前記多環式芳香族複素環基は、以下の構造で表される骨格のいずれかを有する基である。なお*は結合手を表す。
D1及びD2は、それぞれ独立に、単結合、−CO−O−、−O−CO−、−C(=S)−O−、−O−C(=S)−、−CR4R5−、−CR4R5−CR6R7−、−O−CR4R5−、−CR4R5−O−、−CR4R5−O−CR6R7−、−CR4R5−O−CO−、−O−CO−CR4R5−、−CR4R5−O−CO−CR6R7−、−CR4R5−CO−O−CR6R7−、−NR8−CR4R5−、−CR4R5−NR8−、−CO−NR8−、−NR8−CO−、−O−、−S−、−NR8−又は−CR4=CR5−を表し、R4、R5、R6及びR7は、それぞれ独立に、水素原子、フッ素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を表し、R8は、水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を表す。
G1及びG2は、1,4−シクロへキシレン基を表し、該1,4−シクロへキシレン基に含まれる水素原子は、ハロゲン原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のフルオロアルキル基、炭素数1〜4アルコキシ基、シアノ基又はニトロ基で置換されていてもよく、該脂環式炭化水素基に含まれる−CH2−は、−O−、−S−又は−NH−に置き換わっていてもよい。
E1及びE2は、それぞれ独立に、単結合、−CR9R10−、−CH2−CH2−、−O−、−S−、−CO−O−、−O−CO−、−O−CO−O−、−C(=S)−O−、−O−C(=S)−、−O−C(=S)−O−、−CO−NR11−、−NR11−CO−、−O−CH2−、−CH2−O−、−S−CH2−、−CH2−S−、−NR11−又は−CR9=CR10−を表す。
B1及びB2は、それぞれ独立に、単結合、−CR9R10−、−CH2−CH2−、−O−、−S−、−CO−O−、−O−CO−、−O−CO−O−、−C(=S)−O−、−O−C(=S)−、−O−C(=S)−O−、−CO−NR11−、−NR11−CO−、−O−CH2−、−CH2−O−、−S−CH2−、−CH2−S−、−NR11−又は−CR9=CR10−を表す。R9及びR10は、それぞれ独立に、水素原子、フッ素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を表し、R11は、水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を表す。
A1及びA2は、1,4−フェニレン基を表し、該1,4−フェニレン基に含まれる水素原子は、ハロゲン原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4アルコキシ基、シアノ基又はニトロ基で置換されていてもよい。該炭素数1〜4のアルキル基及び該炭素数1〜4アルコキシ基に含まれる水素原子は、フッ素原子で置換されていてもよい。
k及びlは、1である。
F1及びF2は、それぞれ独立に、炭素数1〜12のアルカンジイル基を表し、該アルカンジイル基に含まれる水素原子は、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数1〜5のアルコキシ基又はハロゲン原子で置換されていてもよく、該アルカンジイル基に含まれる−CH2−は、−O−又は−CO−に置き換わっていてもよい。
P1及びP2は、アクリロイルオキシ基を表す。
nは1を表す。]
- G1及びG2が、trans−1,4−シクロヘキサンジイル基である請求項1記載の化合物。
- A1及びA2が、1,4−フェニレン基であり、該1,4−フェニレン基に含まれる水素原子は、ハロゲン原子、炭素数1〜4のアルキル基、トリフルオロメチル基、シアノ基又はニトロ基で置換されていてもよい請求項1又は2に記載の化合物。
- B 1及びB 2が、それぞれ独立に、−CH2−CH2−、−CO−O−、−O−CO−、−CO−NH−、−NH−CO−、−O−CH2−、−CH2−O−又は単結合である請求項1〜3のいずれか記載の化合物。
- 請求項1〜4のいずれか記載の化合物と、式(20)で表される化合物とを含有する光学フィルム用組成物。
P11−E11−(B11−A11)t−B12−G (20)
[式(20)中、A11は、それぞれ独立に、2価の芳香族炭化水素基、2価の脂環式炭化水素基又は2価の複素環基を表し、該芳香族炭化水素基、該脂環式炭化水素基及び該複素環基に含まれる水素原子は、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数1〜6のN−アルキルアミノ基、炭素数2〜12のN,N−ジアルキルアミノ基、ニトロ基、シアノ基又はスルファニル基で置換されていてもよい。
B11及びB12は、それぞれ独立に、−CR14R15−、−C≡C−、−CH=CH−、−CH2−CH2−、−O−、−S−、−C(=O)−、−C(=O)−O−、−O−C(=O)−、−O−C(=O)−O−、−C(=S)−、−C(=S)−O−、−O−C(=S)−、−CH=N−、−N=CH−、−N=N−、−C(=O)−NR16−、−NR16−C(=O)−、−OCH2−、−OCF2−、−NR16−、−CH2O−、−CF2O−、−CH=CH−C(=O)−O−、−O−C(=O)−CH=CH−又は単結合を表す。R14及びR15は、それぞれ独立に、水素原子、フッ素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を表すか、R14及びR15が連結して炭素数4〜7のアルカンジイル基を表す。R16は、水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を表す。
E11は、炭素数1〜12のアルカンジイル基を表し、該アルカンジイル基に含まれる水素原子は、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基又はハロゲン原子で置換されていてもよい。
P11は、アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基又はビニルオキシ基を表す。
Gは、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜13のアルキル基、炭素数1〜13のアルコキシ基、炭素数1〜13のフルオロアルキル基、炭素数1〜13のN−アルキルアミノ基、炭素数2〜26のN,N−ジアルキルアミノ基、シアノ基、ニトロ基であるか、重合性基を有する炭素数1〜18のアルキル基を表し、該アルキル基に含まれる水素原子は、炭素数1〜6のアルコキシ基又はハロゲン原子で置換されていてもよい。
tは、1〜5の整数を表す。tが2以上の整数である場合、複数のA11及びB11は互いに同一であっても異なっていてもよい。] - さらに重合開始剤を含有する請求項5に記載の光学フィルム用組成物。
- 重合開始剤が、アセトフェノン化合物を含有する重合開始剤である請求項6に記載の光学フィルム用組成物。
- 請求項1〜4のいずれか記載の化合物を重合することにより得られる光学フィルム。
- 請求項5〜7のいずれか記載の組成物を重合することにより得られる光学フィルム。
- 波長550nmにおける位相差値(Re(550))が113〜163nmのλ/4板用である請求項8又は9に記載の光学フィルム。
- 波長550nmにおける位相差値(Re(550))が250〜300nmのλ/2板用である請求項8又は9に記載の光学フィルム。
- 請求項8〜11のいずれか記載の光学フィルム及び偏光フィルムを含む偏光板。
- 請求項8〜11のいずれか記載の光学フィルムが、カラーフィルタ基板上に塗布された配向膜上に形成されてなるカラーフィルタ。
- 請求項13に記載のカラーフィルタを含む液晶表示装置。
- 請求項12に記載の偏光板を含む液晶パネルを備えるフラットパネル表示装置。
- 請求項12に記載の偏光板を含む有機エレクトロルミネッセンスパネルを備える有機EL表示装置。
- 請求項1〜4のいずれか記載の化合物を含む溶液を支持基材に塗布し、乾燥させる未重合フィルムの製造方法。
- 請求項1〜4のいずれか記載の化合物を含む溶液を、支持基材上に形成された配向膜上に塗布し、乾燥させる未重合フィルムの製造方法。
- 請求項17又は18記載の未重合フィルムの製造方法で得られた未重合フィルムを、硬化させる光学フィルムの製造方法。
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