JP5899607B2 - 化合物、光学フィルム及び光学フィルムの製造方法 - Google Patents

化合物、光学フィルム及び光学フィルムの製造方法 Download PDF

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本発明は、化合物、光学フィルム及び光学フィルムの製造方法に関する。
フラットパネル表示装置(FPD)には、偏光板、位相差板等の光学フィルムを用いた部材が含まれている。光学フィルムには、例えば、下記式で表される重合性化合物(商品名;LC242、BASF社製)を溶剤に溶かして得られる溶液を、支持基材に塗布した後、重合して得られる光学フィルムが知られている。該光学フィルムは、偏光変換を行うことが知られているが、広い波長域において一様の偏光変換を行うことについては、知られていない。
Figure 0005899607
Cordula Mock-Knoblauch, Olivier S. Enger, Ulrich D. Schalkowsky、"L-7 Novel Polymerisable Liquid Crystalline Acrylates for the Manufacturing of Ultrathin Optical Films"、SID Symposium Digest of Technical Papers、2006年、37巻、p.1673
広い波長域において一様の偏光変換を行う光学フィルムを与える重合性化合物が求められている。
本発明は、以下の発明である。
1. 式(1−1)又は式(1−2)で表される2価の基を含む化合物。
Figure 0005899607
[式(1−1)及び式(1−2)中、Z及びZは、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルキル基、シアノ基、ニトロ基、炭素数1〜6のアルキルスルフィニル基、炭素数1〜6のアルキルスルホニル基、カルボキシ基、炭素数1〜6のフルオロアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数1〜6のアルキルスルファニル基、炭素数1〜6のN−アルキルアミノ基、炭素数2〜12のN,N−ジアルキルアミノ基、炭素数1〜6のN−アルキルスルファモイル基又は炭素数2〜12のN,N−ジアルキルスルファモイル基を表す。
及びQは、それぞれ独立に、−CR−、−S−、−NR−、−CO−又は−O−を表す。
及びRは、それぞれ独立に、水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を表す。
は、置換されていてもよい多環系芳香族炭化水素基又は多環系芳香族複素環基を表す。
及びDは、それぞれ独立に、単結合又は2価の連結基を表す。
及びGは、それぞれ独立に、2価の脂環式炭化水素基を表す。該脂環式炭化水素基に含まれる水素原子は、ハロゲン原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のフルオロアルキル基、炭素数1〜4アルコキシ基、シアノ基又はニトロ基で置換されていてもよく、該脂環式炭化水素基に含まれる−CH−基は、−O−、−S−又は−NH−で置換されていてもよい。]
2. 式(2−1)又は式(2−2)で表される2価の基を含む1.記載の化合物。
Figure 0005899607
[式(2−1)及び式(2−2)中、Z、Z、Q、Q、Y、D、D、G及びGは、上記と同じ意味を表す。
及びEは、それぞれ独立に、単結合又は2価の連結基を表す。
及びBは、それぞれ独立に、単結合又は2価の連結基を表す。
及びAは、それぞれ独立に、2価の脂環式炭化水素基又は2価の芳香族炭化水素基を表す。該2価の脂環式炭化水素基及び2価の芳香族炭化水素基に含まれる水素原子は、ハロゲン原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4アルコキシ基、シアノ基又はニトロ基で置換されていてもよい。該炭素数1〜4のアルキル基及び該炭素数1〜4アルコキシ基に含まれる水素原子は、フッ素原子で置換されていてもよい。
k及びlは、それぞれ独立に、0〜3の整数を表す。kが2以上の整数である場合、複数のA及びBは互いに同一であっても異なっていてもよい。lが2以上の整数である場合、複数のA及びBは互いに同一であっても異なっていてもよい。]
3. 式(3−1)又は式(3−2)で表される1.又は2.記載の化合物。
Figure 0005899607
[式(3−1)及び式(3−2)中、Z、Z、Q、Q、Y、D、D、G、G、E、E、B、B、A、A、k及びlは、上記と同じ意味を表す。
及びFは、それぞれ独立に、炭素数1〜12のアルカンジイル基を表す。該アルカンジイル基に含まれる水素原子は、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数1〜5のアルコキシ基又はハロゲン原子で置換されていてもよく、該アルカンジイル基に含まれる−CH−は、−O−又は−CO−で置換されていてもよい。
及びPは、それぞれ独立に、水素原子又は重合性基を表す。]
4. Yが式(Y−1)又は式(Y−4)で表される基である1.〜3.のいずれか記載の化合物。
Figure 0005899607
[式(Y−1)及び式(Y−4)中、*印は結合手を表し、Zは、それぞれ独立に、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルキル基、シアノ基、ニトロ基、ニトロソ基、炭素数1〜6のアルキルスルホニル基、炭素数1〜6のアルキルスルフィニル基、カルボキシ基、炭素数1〜6のフルオロアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数1〜6のアルキルスルファニル基、炭素数2〜8のN,N−ジアルキルアミノ基、炭素数1〜4のN−アルキルアミノ基、スルファモイル基、炭素数1〜6のN−アルキルスルファモイル基又は炭素数2〜12のN,N−ジアルキルスルファモイル基を表す。
は、−CO−、−S−、−NR−、−O−、−Se−又は−SO−を表す。
〜Wは、それぞれ独立に、−CR=又は−N=を表す。
ただし、V及びW〜Wのうち少なくとも1つは、S、N、O又はSeを含む基を表す。
は、水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を表す。
aは、それぞれ独立に、0〜3の整数を表す。]
5. Yが式(Y−1)又は式(Y−3)で表される基である1.〜4.のいずれか記載の化合物。
Figure 0005899607
[式(Y−1)及び式(Y−3)中、Z、a、V及びWは、上記と同じ意味を表す。]
6. Vが、−S−、−NR−又は−O−である4.又は5.記載の化合物。
7. G及びGが、トランス−1,4−シクロヘキサンジイル基である1.〜6.のいずれか記載の化合物。
8. A及びAが、それぞれ独立に、1,4−フェニレン基又は1,4−シクロヘキサンジイル基であり、該1,4−フェニレン基及び1,4−シクロヘキサンジイル基に含まれる水素原子は、ハロゲン原子、炭素数1〜4のアルキル基、トリフルオロメチル基、シアノ基又はニトロ基で置換されていてもよい2.〜7.のいずれか記載の化合物。
9. B及びBのうち、A又はAのみと結合しているB及びBが、それぞれ独立に、−CH−CH−、−CO−O−、−O−CO−、−CO−NH−、−NH−CO−、−O−CH−、−CH−O−又は単結合であり、
及びBのうち、F又はFと結合しているB及びBが、それぞれ独立に、−O−、−CO−O−、−O−CO−、−O−CO−O−、−CO−NH−、−NH−CO−又は単結合である2.〜8.のいずれか記載の化合物。
10. P及びPが、それぞれ独立に、水素原子、アクリロイルオキシ基又はメタクリロイルオキシ基(ただし、P及びPのうち少なくとも1つは、アクリロイルオキシ基又はメタクリロイルオキシ基を表す)である3.〜9.のいずれか記載の化合物。
11. 1.〜10.のいずれか記載の化合物と、式(20)で表される化合物とを含有する組成物。
11−E11−(B11−A11−B12−G (20)
[式(20)中、A11は、2価の芳香族炭化水素基、脂環式炭化水素基又は複素環基を表し、該芳香族炭化水素基、脂環式炭化水素基及び複素環基に含まれる水素原子は、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数1〜6のN−アルキルアミノ基、炭素数2〜12のN,N−ジアルキルアミノ基、ニトロ基、シアノ基又はスルファニル基で置換されていてもよい。
11及びB12は、それぞれ独立に、−CR1415−、−C≡C−、−CH=CH−、−CH−CH−、−O−、−S−、−C(=O)−、−C(=O)−O−、−O−C(=O)−、−O−C(=O)−O−、−C(=S)−、−C(=S)−O−、−O−C(=S)−、−CH=N−、−N=CH−、−N=N−、−C(=O)−NR16−、−NR16−C(=O)−、−OCH−、−OCF−、−NR16−、−CHO−、−CFO−、−CH=CH−C(=O)−O−、−O−C(=O)−CH=CH−又は単結合を表す。R14及びR15は、それぞれ独立に、水素原子、フッ素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を表し、R14及びR15が連結して炭素数4〜7のアルカンジイル基を構成してもよい。R16は、水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を表す。
11は、炭素数1〜12のアルカンジイル基を表す。該アルカンジイル基に含まれる水素原子は、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基又はハロゲン原子で置換されていてもよい。
11は、重合性基を表す。
Gは、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜13のアルキル基、炭素数1〜13のアルコキシ基、炭素数1〜13のフルオロアルキル基、炭素数1〜13のN−アルキルアミノ基、炭素数2〜26のN,N−ジアルキルアミノ基、シアノ基、ニトロ基であるか、炭素数1〜12のアルカンジイル基を介して結合する重合性基を表し、該アルカンジイル基に含まれる水素原子は、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基又はハロゲン原子で置換されていてもよい。
tは、1〜5の整数を表す。tが2以上の整数である場合、複数のA11及びB11は互いに同一であっても異なっていてもよい。]
12. さらに重合開始剤を含有する11.記載の組成物。
13.重合開始剤が、アセトフェノン系化合物を含有する重合開始剤である12.の組成物。
14. 1.〜10.のいずれか記載の化合物を重合してなる光学フィルム。
15. 11.〜13.のいずれか記載の組成物を重合してなる光学フィルム。
16. 波長550nmにおける位相差値(Re(550))が113〜163nmのλ/4板用である14.又は15.記載の光学フィルム。
17. 波長550nmにおける位相差値(Re(550))が250〜300nmのλ/2板用である14.又は15.記載の光学フィルム。
18. 14.〜17.のいずれか記載の光学フィルム及び偏光フィルムを含む偏光板。
19. 14.〜17.のいずれか記載の光学フィルムが、カラーフィルタ基板上に塗布された配向膜上に形成されてなるカラーフィルタ。
20. 19.記載のカラーフィルタを含む液晶表示装置。
21. 18.記載の偏光板を含む液晶パネルを備えるフラットパネル表示装置。
22. 18.記載の偏光板を含む有機エレクトロルミネッセンスパネルを備える有機EL表示装置。
23. 1.〜10.のいずれか記載の化合物を含む溶液を支持基材に塗布し、乾燥させる未重合フィルムの製造方法。
24. 1.〜10.のいずれか記載の化合物を含む溶液を、支持基材上に形成された配向膜上に塗布し、乾燥させる未重合フィルムの製造方法。
25. 23.又は24.記載の未重合フィルムの製造方法で得られた未重合フィルムを、重合により硬化させる光学フィルムの製造方法。
本発明の化合物によれば、広い波長域において一様の偏光変換を行う光学フィルムを製造することができる。
本発明に係るカラーフィルタ1を示す概略図である。 本発明に係る液晶表示装置5を示す概略図である。 本発明に係る偏光板30を示す概略図である。 本発明に係る液晶表示装置の液晶パネル20と偏光板30との貼合品21を示す概略図である。 本発明に係る有機EL表示装置の有機ELパネル23を示す概略図である。
本発明の化合物は、式(1−1)又は式(1−2)で表される2価の基を含む。
Figure 0005899607
[式(1−1)及び式(1−2)中、Z及びZは、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルキル基、シアノ基、ニトロ基、炭素数1〜6のアルキルスルフィニル基、炭素数1〜6のアルキルスルホニル基、カルボキシ基、炭素数1〜6のフルオロアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数1〜6のアルキルスルファニル基、炭素数1〜6のN−アルキルアミノ基、炭素数2〜12のN,N−ジアルキルアミノ基、炭素数1〜6のN−アルキルスルファモイル基又は炭素数2〜12のN,N−ジアルキルスルファモイル基を表す。
及びQは、それぞれ独立に、−CR−、−S−、−NR−、−CO−又は−O−を表す。
及びRは、それぞれ独立に、水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を表す。
は、置換されていてもよい多環系芳香族炭化水素基又は多環系芳香族複素環基を表す。
及びDは、それぞれ独立に、単結合又は2価の連結基を表す。
及びGは、それぞれ独立に、2価の脂環式炭化水素基を表す。該脂環式炭化水素基に含まれる水素原子は、ハロゲン原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のフルオロアルキル基、炭素数1〜4アルコキシ基、シアノ基又はニトロ基で置換されていてもよく、該脂環式炭化水素基に含まれるメチレン基は、−O−、−S−又は−NH−で置換されていてもよい。]
ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、フッ素原子、塩素原子、臭素原子が好ましい。
炭素数1〜6のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基等が挙げられ、炭素数1〜4のアルキル基が好ましく、炭素数1〜2のアルキル基がより好ましく、メチル基が特に好ましい。
炭素数1〜6のアルキルスルフィニル基としては、メチルスルフィニル基、エチルスルフィニル基、プロピルスルフィニル基、イソプロピルスルフィニル基、ブチルスルフィニル基、イソブチルスルフィニル基、sec−ブチルスルフィニル基、tert−ブチルスルフィニル基、ペンチルスルフィニル基、ヘキシル基スルフィニル等が挙げられ、炭素数1〜4のアルキルスルフィニル基が好ましく、炭素数1〜2のアルキルスルフィニル基がより好ましく、メチルスルフィニル基が特に好ましい。
炭素数1〜6のアルキルスルホニル基としては、メチルスルホニル基、エチルスルホニル基、プロピルスルホニル基、イソプロピルスルホニル基、ブチルスルホニル基、イソブチルスルホニル基、sec−ブチルスルホニル基、tert−ブチルスルホニル基、ペンチルスルホニル基、ヘキシルスルホニル基等が挙げられ、炭素数1〜4のアルキルスルホニル基が好ましく、炭素数1〜2のアルキルスルホニル基がより好ましく、メチルスルホニル基が特に好ましい。
炭素数1〜6のフルオロアルキル基としては、フルオロメチル基、トリフルオロメチル基、フルオロエチル基、ペンタフルオロエチル基、ヘプタフルオロプロピル基、ノナフルオロブチル基等が挙げられ、炭素数1〜4のフルオロアルキル基が好ましく、炭素数1〜2のフルオロアルキル基がより好ましく、トリフルオロメチル基が特に好ましい。
炭素数1〜6のアルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基等が挙げられ、炭素数1〜4のアルコキシ基が好ましく、炭素数1〜2のアルコキシ基がより好ましく、メトキシ基が特に好ましい。
炭素数1〜6のアルキルスルファニル基としては、メチルスルファニル基、エチルスルファニル基、プロピルスルファニル基、イソプロピルスルファニル基、ブチルスルファニル基、イソブチルスルファニル基、sec−ブチルスルファニル基、tert−ブチルスルファニル基、ペンチルスルファニル基、ヘキシルスルファニル基等が挙げられ、炭素数1〜4のアルキルスルファニル基が好ましく、炭素数1〜2のアルキルスルファニル基がより好ましく、メチルスルファニル基が特に好ましい。
炭素数1〜6のN−アルキルアミノ基としては、N−メチルアミノ基、N−エチルアミノ基、N−プロピルアミノ基、N−イソプロピルアミノ基、N−ブチルアミノ基、N−イソブチルアミノ基、N−sec−ブチルアミノ基、N−tert−ブチルアミノ基、N−ペンチルアミノ基、N−ヘキシルアミノ基等が挙げられ、炭素数1〜4のN−アルキルアミノ基が好ましく、炭素数1〜2のN−アルキルアミノ基がより好ましく、N−メチルアミノ基が特に好ましい。
炭素数2〜12のN,N−ジアルキルアミノ基としては、N,N−ジメチルアミノ基、N−メチル−N−エチルアミノ基、N,N−ジエチルアミノ基、N,N−ジプロピルアミノ基、N,N−ジイソプロピルアミノ基、N,N−ジブチルアミノ基、N,N−ジイソブチルアミノ基、N,N−ジペンチルアミノ基、N,N−ジヘキシルアミノ基等が挙げられ、炭素数2〜8のN,N−ジアルキルアミノ基が好ましく、炭素数2〜4のN,N−ジアルキルアミノ基がより好ましく、N,N−ジメチルアミノ基が特に好ましい。
炭素数1〜6のN−アルキルスルファモイル基としては、N−メチルスルファモイル基、N−エチルスルファモイル基、N−プロピルスルファモイル基、N−イソプロピルスルファモイル基、N−ブチルスルファモイル基、N−イソブチルスルファモイル基、N−sec−ブチルスルファモイル基、N−tert−ブチルスルファモイル基、N−ペンチルスルファモイル基、N−ヘキシルスルファモイル基等が挙げられ、炭素数1〜4のN−アルキルスルファモイル基が好ましく、炭素数1〜2のN−アルキルスルファモイル基がより好ましく、N−メチルスルファモイル基が特に好ましい。
炭素数2〜12のN,N−ジアルキルスルファモイル基としては、N,N−ジメチルスルファモイル基、N−メチル−N−エチルスルファモイル基、N,N−ジエチルスルファモイル基、N,N−ジプロピルスルファモイル基、N,N−ジイソプロピルスルファモイル基、N,N−ジブチルスルファモイル基、N,N−ジイソブチルスルファモイル基、N,N−ジペンチルスルファモイル基、N,N−ジヘキシルスルファモイル基等が挙げられ、炭素数2〜8のN,N−ジアルキルスルファモイル基が好ましく、炭素数2〜4のN,N−ジアルキルスルファモイル基がより好ましく、N,N−ジメチルスルファモイル基が特に好ましい。
及びZは、水素原子、ハロゲン原子、メチル基、シアノ基、ニトロ基、カルボキシ基、メチルスルホニル基、トリフルオロメチル基、メトキシ基、メチルスルファニル基、N−メチルアミノ基、N,N−ジメチルアミノ基、N−メチルスルファモイル基又はN,N−ジメチルスルファモイル基であることが好ましい。
及びRにおける炭素数1〜4のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基等が挙げられ、炭素数1〜2のアルキル基が好ましく、メチル基がより好ましい。
及びQは、それぞれ独立に、−S−、−NH−、−N(CH)−又は−CO−であることが好ましく、−S−又は−CO−であることがより好ましい。
式(1−1)で表される2価の基に含まれる、式(1−1−A)で表される基として、式(1−1−1)〜式(1−1−18)で表される基が挙げられる。
Figure 0005899607
Figure 0005899607
Figure 0005899607
Figure 0005899607
Figure 0005899607
Figure 0005899607
は、置換もしくは非置換の多環式芳香族炭化水素基又は置換もしくは非置換の多環式芳香族複素環基を表す。多環系芳香族炭化水素基は、縮合多環系芳香族炭化水素基、又は芳香環集合に由来する基をいう。”多環式芳香族炭化水素基”は、少なくとも2個の芳香環を有する芳香族炭化水素基を意味し、2個以上の芳香環が縮合して形成される縮合芳香族炭化水素基及び2個以上の芳香環が結合して形成される芳香族炭化水素基が挙げられる。”多環式芳香族複素環基”は、少なくとも1個の複素芳香環を有し、芳香環及び複素芳香環からなる群から選ばれる少なくとも1個の環を有する芳香族複素環基を意味し、1個以上の芳香族複素環と芳香環及び複素芳香環からなる群から選ばれる1個以上の環とが縮合して形成される芳香族複素環基及び少なくとも1個の複素芳香環と芳香環及び複素芳香環からなる群から選ばれる少なくとも1個の環とが結合して形成される芳香族複素環基が挙げられる。
多環式芳香族炭化水素基及び多環式芳香族複素環基は無置換であってもよいし、置換基を有していてもよい。置換基としては、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルキル基、シアノ基、ニトロ基、ニトロソ基、炭素数1〜6のアルキルスルフィニル基、炭素数1〜6のアルキルスルホニル基、カルボキシ基、炭素数1〜6のフルオロアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数1〜6のアルキルスルファニル基、炭素数1〜4のN−アルキルアミノ基、炭素数2〜8のN,N−ジアルキルアミノ基、スルファモイル基、炭素数1〜6のN−アルキルスルファモイル基及び炭素数2〜12のN,N−ジアルキルスルファモイル基が挙げられる。
は、例えば、式(Y−1)〜式(Y−7)で表される基であることが好ましく、式(Y−1)又は式(Y−4)で表される基であることがより好ましい。
Figure 0005899607
[式(Y−1)〜式(Y−7)中、*印は結合手を表し、Zは、それぞれ独立に、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルキル基、シアノ基、ニトロ基、ニトロソ基、炭素数1〜6のアルキルスルホニル基、炭素数1〜6のアルキルスルフィニル基、カルボキシ基、炭素数1〜6のフルオロアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数1〜6のアルキルスルファニル基、炭素数1〜4のN−アルキルアミノ基、炭素数2〜8のN,N−ジアルキルアミノ基、スルファモイル基、炭素数1〜6のN−アルキルスルファモイル基又は炭素数2〜12のN,N−ジアルキルスルファモイル基を表す。
及びVは、それぞれ独立に、−CO−、−S−、−NR−、−O−、−Se−又は−SO−を表す。
〜Wは、それぞれ独立に、−CR=又は−N=を表す。
ただし、V、V及びW〜Wのうち少なくとも1つは、S、N、O又はSeを含む。
は、水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を表す。
aは、それぞれ独立に、0〜3の整数を表す。aが2以上の整数である場合、複数のZは互いに同一であっても異なっていてもよい。
bは、それぞれ独立に、0〜2の整数を表す。bが2以上の整数である場合、複数のZは互いに同一であっても異なっていてもよい。]
式(Y−1)で示される基は、式(Y−1)〜式(Y−6)で示される基のいずれかであることが好ましい。
式(Y−2)で示される基は、式(Y−7)又は式(Y−9)で示される基であることが好ましく、式(Y−3)で示される基は、式(Y−8)又は式(Y−10)で示される基であることが好ましい。
式(Y−4)で示される基は、式(Y−11)〜式(Y−13)で示される基のいずれかであることが好ましい。
式(Y−5)で示される基は、式(Y−14)〜式(Y−16)で示される基のいずれかであることが好ましい。
なかでも、式(Y−1)又は式(Y−3)で表される基であることがより好ましい。
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[式(Y−1)〜式(Y−16)中、Z、a、b、V、V及びW〜Wは、上記と同じ意味を表す。]
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[式(Y−1)〜式(Y−6)中、Z、a、b、V、V及びWは、上記と同じ意味を表す。]
におけるハロゲン原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルキルスルホニル基、炭素数1〜6のアルキルスルフィニル基、炭素数1〜6のフルオロアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数1〜6のアルキルスルファニル基、炭素数2〜8のN,N−ジアルキルアミノ基、炭素数1〜4のN−アルキルアミノ基、炭素数1〜6のN−アルキルスルファモイル基及び炭素数2〜12のN,N−ジアルキルスルファモイル基としては、それぞれ上記したものと同様のものが挙げられる。
なかでも、Zが、ハロゲン原子、メチル基、エチル基、イソプロピル基、sec−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、シアノ基、ニトロ基、メチルスルホニル基、ニトロソ基、カルボキシ基、トリフルオロメチル基、メトキシ基、メチルスルファニル基、N,N−ジメチルアミノ基又はN−メチルアミノ基が好ましく、ハロゲン原子、メチル基、エチル基、イソプロピル基、sec−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、シアノ基、ニトロ基、トリフルオロメチル基がより好ましく、メチル基、エチル基、イソプロピル基、sec−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基が特に好ましい。
及びVは、それぞれ独立に、−S−、−NR−又は−O−であることが好ましい。
〜Wは、それぞれ独立に、−CR=又は−N=であることが好ましい。
、V及びW〜Wのうち少なくとも1つは、S、N又はOを含むことが好ましい。
aは0又は1であることが好ましい。bは0であることが好ましい。
の具体例として、式(ar−1)〜式(ar−840)で表される基が挙げられる。以下の基において、Meはメチル基を、Etはエチル基を、*は結合手を表わす。
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式(1−1)及び式(1−2)中、D及びDはそれぞれ独立して、単結合又は2価の連結基を表わす。2価の連結基としては、例えば、−CO−O−、−O−CO−、−C(=S)−O−、−O−C(=S)−、−CR−、−CR−CR−、−O−CR−、−CR−O−、−CR−O−CR−、−CR−O−CO−、−O−CO−CR−、−CR−O−CO−CR−、−CR−CO−O−CR−、−NR−CR−、−CR−NR−、−CO−NR−、−NR−CO−、−O−、−S−、−NR−及び−CR=CR−等が挙げられる。前記R、R、R及びRは、それぞれ独立に、水素原子、フッ素原子又は炭素数1〜4のアルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基等)を表す。Rは、水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基等)を表す。
及びDが、*−O−CO−、*−O−C(=S)−、*−O−CR−、*−NR−CR−又は*−NR−CO−であることが好ましく、*−O−CO−、*−O−C(=S)−又は*−NR−CO−であることがより好ましい。ここで、*は式(1−1−A)で表される基又は式(1−2−A)で表される基との結合手を表す。R、R、R及びRは、それぞれ独立に、水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基であることが好ましく、水素原子、メチル基又はエチル基であることがより好ましい。Rは、水素原子、メチル基又はエチル基であることが好ましい。
式(1−1)及び式(1−2)中、G及びGとしては、それぞれ独立に、2価の脂環式炭化水素基を表わし、該脂環式炭化水素基の水素原子は、ハロゲン原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のフルオロアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、シアノ基又はニトロ基で置き換わっていてもよく、該脂環式炭化水素基の−CH−は、−O−、−S−又はNH−で置き換わっていてもよい。
2価の脂環式炭化水素基としては、環を構成する炭素原子及びヘテロ原子の数が、それぞれ3〜10及び0〜2である2価の脂環式炭化水素基が挙げられ、式(g−1)〜式(g−10)で表される基が挙げられ、5員環又は6員環の脂環式炭化水素基であることがより好ましい。
Figure 0005899607
上記式(g−1)〜(g−10)で表される基に含まれる水素原子は、メチル基、エチル基、イソプロピル基、tert−ブチル基等の炭素数1〜4のアルキル基;メトキシ基、エトキシ基等の炭素数1〜4のアルコキシ基;トリフルオロメチル基等の炭素数1〜4のフルオロアルキル基;トリフルオロメトキシ基等の炭素数1〜4のフルオロアルコキシ基;シアノ基;ニトロ基;フッ素原子、塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子で置換されていてもよい。
及びGとしては、式(g−1)で表される基であることが好ましく、1,4−シクロヘキサンジイル基であることがさらに好ましく、trans−1,4−シクロへキサンジイル基であることが特に好ましい。
本発明の化合物は、式(2−1)又は式(2−2)で表される2価の基を含む化合物であることが好ましい。
Figure 0005899607
[式(2−1)及び式(2−2)中、Z、Z、Q、Q、Y、D、D、G及びGは、上記と同じ意味を表す。
及びEは、それぞれ独立に、単結合又は2価の連結基を表す。
及びBは、それぞれ独立に、単結合又は2価の連結基を表す。
及びAは、それぞれ独立に、2価の脂環式炭化水素基又は2価の芳香族炭化水素基を表し、該脂環式炭化水素基及び該芳香族炭化水素基に含まれる水素原子は、ハロゲン原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のフルオロアルキル基、炭素数1〜4アルコキシ基、炭素数1〜4のフルオロアルコキシ基、シアノ基又はニトロ基で置換されていてもよい。
k及びlは、それぞれ独立に、0〜3の整数を表す。]
及びEの2価の連結基としては、例えば、−CR10−、−CH−CH−、−O−、−S−、−CO−O−、−O−CO−、−O−CO−O−、−C(=S)−O−、−O−C(=S)−、−O−C(=S)−O−、−CO−NR11−、−NR11−CO−、−O−CH−、−CH−O−、−S−CH−、−CH−S−、−NR11−、−CR=CR10−等が挙げられる。R及びR10は、それぞれ独立に、水素原子、フッ素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を表す。R11は、水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を表す。
及びEは、−CO−O−、−O−CO−、−O−CO−O−、−CO−NR11−、−NR11−CO−、−CH−O−、−CH−S−又は単結合であることが好ましく、−CO−O−であることがより好ましい。
及びBの2価の連結基としては、例えば、−CR10−、−CH−CH−、−O−、−S−、−CO−O−、−O−CO−、−O−CO−O−、−C(=S)−O−、−O−C(=S)−、−O−C(=S)−O−、−CO−NR11−、−NR11−CO−、−O−CH−、−CH−O−、−S−CH−、−CH−S−、−NR11−、−CR=CR10−等が挙げられる。
本発明の化合物の製造が容易であるという点で、Aにのみ結合しているB及びAにのみ結合しているBが、それぞれ独立に、−CH−CH−、−CO−O−、−O−CO−、−CO−NH−、−NH−CO−、−O−CH−、−CH−O−又は単結合であることが好ましく、本発明の化合物が特に高い液晶性を示すという点で、−CO−O−又は−O−CO−が好ましい。
本発明の化合物の製造がより容易であるという点で、BとBとが同一であることが好ましい。
及びAにおける2価の脂環式炭化水素基又は芳香族炭化水素基としては、上記式(g−1)〜式(g−10)で表される基や、式(a−1)〜式(a−8)で表される炭素数6〜20の2価の芳香族炭化水素基が挙げられる。
Figure 0005899607
上記式(a−1)〜式(a−8)で表される基の水素原子は、メチル基、エチル基、イソプロピル基又はtert−ブチル基等の炭素数1〜4のアルキル基;メトキシ基又はエトキシ基等の炭素数1〜4のアルコキシ基;トリフルオロメチル基等の炭素数1〜4のフルオロアルキル基;トリフルオロメトキシ基等の炭素数1〜4のフルオロアルコキシ基;シアノ基;ニトロ基;フッ素原子、塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子で置換されていてもよい。
中でも、A及びAとしては、1,4−フェニレン基又は1,4−シクロヘキサンジイル基であることが好ましく、本発明の化合物の製造が容易という点で、1,4−フェニレン基がより好ましい。本発明の化合物の製造がより容易であるという点で、AとAが同一であることが好ましい。
本発明の化合物の液晶性の観点から、、k及びlは0〜2であることが好ましい。k及びlの和が、5以下であることが好ましく、4以下であることがより好ましい。
本発明の化合物は、式(3−1)又は式(3−2)で表される化合物であることがより好ましい。
Figure 0005899607
[式(3−1)及び式(3−2)中、Z、Z、Q、Q、Y、D、D、G、G、E、E、B、B、A、A、k及びlは、上記と同じ意味を表す。
及びFは、それぞれ独立に、炭素数1〜12のアルカンジイル基を表す。該アルカンジイル基に含まれる水素原子は、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数1〜5のアルコキシ基又はハロゲン原子で置換されていてもよく、該アルカンジイル基に含まれる−CH−は、−O−又は−CO−に置き換わっていてもよい。
及びPは、それぞれ独立に、水素原子又は重合性基を表す。]
及びFにおける炭素数1〜12のアルカンジイル基は、−(CH−、−(CH−、−(CH−、−(CH−、−(CH−、−(CH−、−(CH−、−(CH10−、−(CF−、−(CF−、−(CF−が好ましく、−(CH−、−(CH−がより好ましい。
に結合しているB及びFに結合しているBは、それぞれ独立に、−O−、−CO−O−、−O−CO−、−O−CO−O−、−CO−NH−、−NH−CO−又は単結合であることが好ましい。
及びPは、それぞれ独立に、水素原子又は重合性基を表す。P及びPのうち少なくとも1つは、重合性基であることが好ましく、本発明の化合物から得られる光学フィルムの膜硬度が優れる傾向があるという点で、P及びPがともに重合性基であることがより好ましい。
重合性基とは、本発明の化合物の重合反応に関与し得る基であればよく、具体的には、ビニル基、ビニルオキシ基、スチリル基、p−(2−フェニルエテニル)フェニル基、アクリロイル基、メタクリロイル基、アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基、カルボキシ基、アセチル基、ヒドロキシ基、カルバモイル基、炭素数1〜4のN−アルキルアミノ基、アミノ基、エポキシ基、オキセタニル基、ホルミル基、イソシアナト基又はイソチオシアナト基等が挙げられる。中でも光重合に適するという点で、ラジカル重合性基又はカチオン重合性基が好ましく、取り扱いが容易で、本発明の化合物の製造も容易であるという点でアクリロイルオキシ基又はメタクリロイルオキシ基がより好ましく、アクリロイルオキシ基が特に好ましい。
重合性基は、F及びFに、直接結合してもよいが、一つ以上の2価の連結基(例えば、前記B及びBにおける2価の連結基等)を介して結合することが好ましい。
−D−G−E−(A−B−F−P及び−D−G−E−(A−B−F−Pの具体的例としては、式(R−1)〜式(R−134)で表される基が挙げられる。*(アスタリスク)は、式(1−1−A)で表される基又は式(1−2−A)で表される基との結合手を表し、nは2〜12の整数を表す。
Figure 0005899607
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本発明の化合物としては、式(A1−1)〜式(A73−8)で表される化合物が挙げられる。なお、*は結合手を表し、例えば式(A1−1)で表される化合物は、下記の化合物である。
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本発明の化合物の製造方法について説明する。
本発明の化合物は、Methoden der Organischen Chemie、Organic Reactions、Organic Syntheses、Comprehensive Organic Synthesis、新実験化学講座等に記載されている公知の有機合成反応(例えば、縮合反応、エステル化反応、ウイリアムソン反応、ウルマン反応、ウイッティヒ反応、シッフ塩基生成反応、ベンジル化反応、薗頭反応、鈴木−宮浦反応、根岸反応、熊田反応、檜山反応、ブッフバルト−ハートウィッグ反応、フリーデルクラフト反応、ヘック反応、アルドール反応等)を、その構造に応じて、適宜組み合わせることにより、製造することができる。
例えば、D及びDが*−O−CO−である式(3−1)又は式(3−2)で示される化合物の場合には、式(11−1)
Figure 0005899607
(式中、Arは、式(1−1)又は式(1−2)で表される2価の基を表す。)
で示される化合物と式(11−2)
Figure 0005899607
(式中、G、E、A、B、F、P及びkは上記と同一の意味を表す。)
で示される化合物とを反応させることにより、式(11−3)
Figure 0005899607
(式中、Ar、G、E、A、B、F、P及びkは上記と同一の意味を表す。)
で示される化合物を得、得られた式(11−3)で示される化合物と式(11−4)
Figure 0005899607
(式中、G、E、A、B、F、P及びlは上記と同一の意味を表す。)
で示される化合物とを反応させることにより製造することができる。
なお、GとG、EとE、AとA、BとB、FとF、PとP及びkとlが、それぞれ全て同じである場合には、式(11−1)で示される化合物と2当量以上の式(11−2)化合物とを反応させることにより、一段階で目的の化合物を製造することができる。
式(11−1)で示される化合物と式(11−2)で示される化合物との反応及び式(11−3)で示される化合物と式(11−4)で示される化合物との反応は、縮合剤の存在下に実施することが好ましい。
縮合剤としては、1−シクロヘキシル−3−(2−モルホリノエチル)カルボジイミドメト−パラ−トルエンスルホネート、ジシクロヘキシルカルボジイミド、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド 塩酸塩(一部水溶性カルボジイミド:WSCとして市販されている)、ビス(2,6−ジイソプロピルフェニル)カルボジイミド、ビス(トリメチルシリル)カルボジイミド、N,N’−ジイソプロピルカルボジイミド、等のカルボジイミド、2−メチル−6−ニトロ安息香酸無水物、2,2’−カルボニルビス−1H−イミダゾール、1,1’−オキサリルジイミダゾール、ジフェニルホスフォリルアジド、1(4−ニトロベンゼンスルフォニル)−1H−1、2、4−トリアゾール、1H−ベンゾトリアゾール−1−イルオキシトリピロリジノホスホニウムヘキサフルオロホスフェート、1H−ベンゾトリアゾール−1−イルオキシトリス(ジメチルアミノ)ホスホニウムヘキサフルオロホスフェート、N,N,N’,N’−テトラメチル−O−(N−スクシンイミジル)ウロニウムテトラフルオロボレート、N−(1,2,2,2−テトラクロロエトキシカルボニルオキシ)スクシンイミド、N−カルボベンゾキシスクシンイミド、O−(6−クロロベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムテトラフルオロボレート、O−(6−クロロベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート、2−ブロモ−1−エチルピリジニウムテトラフルオロボレート、2−クロロ−1,3−ジメチルイミダゾリニウムクロリド、2−クロロ−1,3−ジメチルイミダゾリニウムヘキサフルオロホスフェート、2−クロロ−1−メチルピリジニウムアイオダイド、2−クロロ−1−メチルピリジニウム パラートルエンスルホネート、2−フルオロ−1−メチルピリジニウム パラートルエンスルホネート、トリクロロ酢酸ペンタクロロフェニルエステル等が挙げられる。反応性、コスト、使用できる溶媒の選択肢が多いため、縮合剤としてはジシクロヘキシルカルボジイミド、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド 塩酸塩、ビス(2,6−ジイソプロピルフェニル)カルボジイミド、ビス(トリメチルシリル)カルボジイミド、N,N’−ジイソプロピルカルボジイミド、2,2’−カルボニルビス−1H−イミダゾールが好ましい。
本発明の組成物は、本発明の化合物と、本発明の化合物とは異なる液晶化合物(以下「液晶化合物」という場合がある)とを含有する。
液晶化合物の具体例としては、液晶便覧(液晶便覧編集委員会編、丸善(株)平成12年10月30日発行)の3章 分子構造と液晶性の、3.2 ノンキラル棒状液晶分子、3.3 キラル棒状液晶分子に記載された化合物の中で重合性基を有する化合物が挙げられる。
液晶化合物は、単独で用いてもよいし、異なる複数の液晶化合物を併用してもよい。
本発明の化合物と液晶化合物とを含む組成物を用いることにより、該組成物を重合させて得られる光学フィルム、波長分散値、位相差値等の光学特性、熱物性を所望の値に調節することもできる。
液晶化合物としては、例えば、式(20)で表される化合物(以下「化合物(20)」という場合がある)等が挙げられる。
11−E11−(B11−A11−B12−G (20)
[式(20)中、A11は、芳香族炭化水素基、脂環式炭化水素基又は複素環基を表し、該芳香族炭化水素基、脂環式炭化水素基及び複素環基に含まれる水素原子は、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数1〜6のN−アルキルアミノ基、炭素数2〜12のN,N−ジアルキルアミノ基、ニトロ基、シアノ基又はスルファニル基で置換されていてもよい。
11及びB12は、それぞれ独立に、−CR1415−、−C≡C−、−CH=CH−、−CH−CH−、−O−、−S−、−C(=O)−、−C(=O)−O−、−O−C(=O)−、−O−C(=O)−O−、−C(=S)−、−C(=S)−O−、−O−C(=S)−、−CH=N−、−N=CH−、−N=N−、−C(=O)−NR16−、−NR16−C(=O)−、−OCH−、−OCF−、−NR16−、−CHO−、−CFO−、−CH=CH−C(=O)−O−、−O−C(=O)−CH=CH−又は単結合を表す。R14及びR15は、それぞれ独立に、水素原子、フッ素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を表し、R14及びR15が連結して炭素数4〜7のアルカンジイル基を構成してもよい。R16は、水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を表す。
11は、炭素数1〜12のアルカンジイル基を表す。該アルカンジイル基に含まれる水素原子は、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基又はハロゲン原子で置換されていてもよい。
11は、重合性基を表す。
Gは、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜13のアルキル基、炭素数1〜13のアルコキシ基、炭素数1〜13のフルオロアルキル基、炭素数1〜13のN−アルキルアミノ基、炭素数2〜26のN,N−ジアルキルアミノ基、シアノ基、ニトロ基であるか、炭素数1〜12のアルカンジイル基を介して結合する重合性基を表し、該アルカンジイル基に含まれる水素原子は、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基又はハロゲン原子で置換されていてもよい。
tは、1〜5の整数を表す。tが2以上の整数である場合、複数のA11及びB11は互いに同一であっても異なっていてもよい。]
特に、P11及びGにおける重合性基としては、本発明の化合物と重合することができる基であればよく、ビニル基、ビニルオキシ基、スチリル基、p−(2−フェニルエテニル)フェニル基、アクリロイル基、アクリロイルオキシ基、メタクリロイル基、メタクリロイルオキシ基、カルボキシ基、アセチル基、ヒドロキシ基、カルバモイル基、アミノ基、炭素数1〜4のN−アルキルアミノ基、エポキシ基、オキセタニル基、ホルミル基、−N=C=O又はN=C=S等が挙げられる。なかでも、光重合の反応性が高いという点で、ラジカル重合性基又はカチオン重合性基が好ましく、取り扱いが容易で、液晶化合物の製造も容易であるという点で、アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基又はビニルオキシ基がより好ましい。
また、A11の芳香族炭化水素基、脂環式炭化水素基及び複素環基の炭素数は、それぞれ、例えば3〜18であり、5〜12であることが好ましく、5又は6であることが特に好ましい。
化合物(20)としては、例えば、式(20−1)及び式(20−2)で表される化合物が挙げられる。
P11-E11-(B11-A11)t1-B12-E12-P12 (20−1)
P11-E11-(B11-A11)t2-B12-F11 (20−2)
[式(20−1)及び式(20−2)中、P11、E11、B11、A11、B12は上記と同じ意味を表す。
11は、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜13のアルキル基、炭素数1〜13のアルコキシ基、炭素数1〜13のフルオロアルキル基、炭素数1〜13のN−アルキルアミノ基、炭素数2〜26のN,N−ジアルキルアミノ基、シアノ基又はニトロ基を表す。
12は、炭素数1〜12のアルカンジイル基を表し、該アルカンジイル基は、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基又はハロゲン原子を有していてもよい。
12は、重合性基を表す。
及びtは1〜5の整数を表す。]
さらに、これら式(20−1)及び(20−2)で表される化合物として、式(I)、式(II)、式(III)、式(IV)又は式(V)で表される化合物が挙げられる。
P11-E11-B11-A11-B12-A12-B13-A13-B14-A14-B15-A15-B16-E12-P12 (I)
P11-E11-B11-A11-B12-A12-B13-A13-B14-A14-B15-E12-P12 (II)
P11-E11-B11-A11-B12-A12-B13-A13-B14-E12-P12 (III)
P11-E11-B11-A11-B12-A12-B13-A13-B14-F11 (IV)
P11-E11-B11-A11-B12-A12-B13-F11 (V)
[式(I)〜式(V)中、A12〜A15は、A11と同義であり、B13〜B16は、B11と同義である]。
なお、式(20−1)、式(20−2)、式(I)、式(II)、式(III)、式(IV)及び式(V)で表される化合物において、P11とE11がエーテル結合又はエステル結合を介して結合されていることが好ましく、P12とE12がエーテル結合又はエステル結合を介して結合されていることが好ましい。
液晶化合物の具体例としては、式(I−1)〜式(I−5)、式(B1−1)〜式(B20−8)、式(C1−1)〜式(C4−8)で示される化合物等の式(I)で示される化合物;式(II−1)〜式(II−6)で示される化合物等の式(II)で示される化合物;式(III−1)〜式(III−19)で示される化合物等の式(III)で示される化合物;式(IV−1)〜式(IV−14)で示される化合物等の式(IV)で示される化合物;式(V−1)〜式(V−5)で示される化合物等の式(V)で示される化合物等が挙げられる。なお、式中kは、1〜11の整数を表し、*印は結合手を表す。これらの液晶化合物であれば、合成が容易であるか、市販されており、入手が容易であることから好ましい液晶化合物である。
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得られる光学フィルムの熱物性を制御する目的で、液晶化合物を含む組成物を用いる場合、得られる光学フィルムの信頼性に優れるという点で、式(I−1)〜式(I−5)、式(B1−1)〜式(B20−8)、式(C1−1)〜式(C4−8)、式(II−1)〜式(II−6)、式(III−1)〜式(III−19)で示される液晶化合物が好ましく、本発明の化合物に対する相溶性に優れるという点で、式(I−1)〜式(I−5)、式(B1−1)〜式(B20−8)、式(C1−1)〜式(C4−8)、式(III−1)〜式(III−19)で示される液晶化合物が含まれているとより好ましい。逆波長分散を示す光学フィルムが得られるという点で、式(B1−1)〜式(B20−8)、式(C1−1)〜式(C4−8)で示される液晶化合物が好ましい。
液晶化合物の使用量は、液晶化合物と本発明の化合物との合計100質量部に対して、90質量部以下である。
本発明の組成物は、さらに重合開始剤を含有する組成物であることが好ましい。重合開始剤は、光重合開始剤を含むことが好ましく、光重合開始剤としては、光照射によりラジカルを発生する光重合開始剤が好ましい。
光重合開始剤としては、例えばベンゾイン化合物、ベンゾフェノン化合物、アセトフェノン化合物、アシルホスフィンオキサイド化合物、トリアジン化合物、ヨードニウム塩又はスルホニウム塩等が挙げられる。
ベンゾイン化合物としては、例えば、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル等が挙げられる。
ベンゾフェノン化合物としては、例えば、ベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル、4−フェニルベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルサルファイド、3,3’,4,4’−テトラ(tert−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、2,4,6−トリメチルベンゾフェノン等が挙げられる。
アセトフェノン化合物としては、例えば、α,α−ジエトキシアセトフェノン、2−メチル−2−モルホリノ−1−(4−メチルチオフェニル)プロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)ブタン−1−オン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1,2−ジフェニル−2,2−ジメトキシ−1−エタノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−〔4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル〕プロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−〔4−(1−メチルビニル)フェニル〕プロパン−1−オンのオリゴマー等が挙げられる。
アシルホスフィンオキサイド化合物としては、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド等が挙げられる。
トリアジン化合物としては、例えば、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−(4−メトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−(4−メトキシナフチル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−(4−メトキシスチリル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−〔2−(5−メチルフラン−2−イル)エテニル〕−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−〔2−(フラン−2−イル)エテニル〕−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−〔2−(4−ジエチルアミノ−2−メチルフェニル)エテニル〕−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−〔2−(3,4−ジメトキシフェニル)エテニル〕−1,3,5−トリアジン等が挙げられる。
光重合開始剤としては、イルガキュア(Irgacure)907、イルガキュア184、イルガキュア651、イルガキュア819、イルガキュア250、イルガキュア369(以上、全てチバ・ジャパン株式会社製)、セイクオールBZ、セイクオールZ、セイクオールBEE(以上、全て精工化学株式会社製)、カヤキュアー(kayacure)BP100(日本化薬株式会社製)、カヤキュアーUVI−6992(ダウ社製)、アデカオプトマーSP−152又はアデカオプトマーSP−170(以上、全て株式会社ADEKA製)、TAZ−A、TAZ−PP(以上、日本シイベルヘグナー社製)及びTAZ−104(三和ケミカル社製)等の市販の光重合開始剤も用いることができる。
得られる光学フィルムの耐熱性及び耐湿熱性が高くなる傾向があるという点で、光重合開始剤としては、アセトフェノン化合物が好ましい。なかでも2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−1−ブタノンがより好ましい。
本発明の組成物における重合開始剤の含有量は、液晶化合物と本発明の化合物との合計100質量部に対して、0.1質量部〜30質量部であり、好ましくは、0.5質量部〜10質量部である。上記範囲内であれば、液晶化合物の配向を乱すことなく、本発明の化合物を重合させることができる。
本発明の組成物は、光増感剤を含有してもよい。光増感剤としては、例えばキサントン又はチオキサントン等のキサントン化合物(例えば、2,4−ジエチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン等)、アントラセン又はアルコキシ基等の置換基を有するアントラセン系化合物(例えば、ジブトキシアントラセン等)、フェノチアジン或いはルブレンを挙げることができる。
光増感剤を用いることにより、本発明の化合物の重合反応を高感度で行うしたり、重合して得られる光学フィルムの経時安定性を向上させたりすることができる。また光増感剤の含有量としては、液晶化合物と本発明の化合物との合計100質量部に対して、0.1質量部〜30質量部であり、好ましくは0.5質量部〜10質量部である。上記範囲内であれば、液晶化合物の配向性を乱すことなく、本発明の化合物を重合させることができる。
本発明の組成物は、重合禁止剤を含有してもよい。重合禁止剤としては、ハイドロキノン又はアルコキシ基等の置換基を有するハイドロキノン化合物、ブチルカテコール等のアルキル基等の置換基を有するカテコール化合物、ピロガロール化合物、2,2、6,6−テトラメチル−1−ピペリジニルオキシラジカル等のラジカル補足剤、チオフェノール化合物、β−ナフチルアミン化合物或いはβ−ナフトール化合物等を挙げることができる。
重合禁止剤を用いることにより、液晶化合物や本発明の化合物の重合を容易に制御することができ、得られる光学フィルムの安定性を向上させることができる。また重合禁止剤の含有量は、液晶化合物と本発明の化合物との合計100質量部に対して、0.1質量部〜30質量部であり、好ましくは0.5質量部〜10質量部である。上記範囲内であれば、液晶化合物の配向を乱すことなく、本発明の化合物を重合させることができる。
さらに本発明の組成物は、レベリング剤を含有してもよい。レベリング剤としては、例えば放射線硬化塗料用添加剤(ビックケミージャパン製:BYK−352,BYK−353,BYK−361N)、塗料添加剤(東レ・ダウコーニング株式会社製:SH28PA、DC11PA、ST80PA)、塗料添加剤(信越化学工業株式会社製:KP321、KP323、X22−161A、KF6001)又はフッ素系添加剤(DIC株式会社製:F−445、F−470、F−479)等を挙げることができる。
レベリング剤を用いることにより、より平滑な光学フィルムを得ることができる。さらに光学フィルムの製造過程で、本発明の組成物の流動性を制御したり、得られる光学フィルム中の架橋密度を調整したりすることができる。レベリング剤の使用量の具体的な数値は、例えば液晶化合物と本発明の化合物との合計100質量部に対して、0.01質量部〜30質量部であり、好ましくは0.05質量部〜10質量部である。上記範囲内であれば、液晶化合物の配向を乱すことなく、本発明の化合物を重合させることができる。
本発明の組成物は、その流動性の点で、有機溶剤を含むことが好ましい。有機溶媒としては、本発明の化合物、液晶化合物等を溶解し得る有機溶剤であって、重合反応に不活性な溶剤であればよく、具体的には、メタノール、エタノール、エチレングリコール、イソプロピルアルコール、プロピレングリコール、エチレングリコールメチルエーテル、エチレングリコールブチルエーテル等のアルコール溶剤;酢酸エチル、酢酸ブチル、エチレングリコールメチルエーテルアセテート、γ−ブチロラクトン、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、乳酸エチル等のエステル溶剤;アセトン、メチルエチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、2−ヘプタノン、メチルイソブチルケトン等のケトン溶剤;ペンタン、ヘキサン、ヘプタン等の非塩素化脂肪族炭化水素溶剤;トルエン、キシレン、フェノール等の非塩素化芳香族炭化水素溶剤;アセトニトリル等のニトリル溶剤;プロピレングリコールモノメチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジメトキシエタン等のエーテル溶剤;クロロホルム、クロロベンゼン等の塩素化炭化水素溶剤;フェノール;等が挙げられる。これら有機溶剤は、単独で用いてもよいし、複数を組み合わせて用いてもよい。特に、本発明の化合物及び本発明の組成物は、相溶性に優れ、アルコール溶剤、エステル溶剤、ケトン溶剤、非塩素化脂肪族炭化水素溶剤及び非塩素化芳香族炭化水素溶剤に溶解し得るため、クロロホルム等の塩素化炭化水素溶剤を用いることなく、成膜することができる。
有機溶媒の含有量は、本発明の化合物100質量部に対して、10〜10,000質量部であり、好ましくは100〜5,000質量部である。
本発明の組成物が有機溶媒を含む場合、その粘度は、光学フィルムの膜厚のムラが生じにくくなる傾向があるという点で、0.1〜10mPa・s、好ましくは0.1〜7mPa・sである。
また、本発明の組成物中の固形分の濃度は、2〜50質量%であり、5〜50質量%が好ましい。固形分の濃度が2質量%以上であると、光学フィルムが薄くなりすぎず、液晶パネルの光学補償のために必要な複屈折率を有する光学フィルムが得られやすい傾向がある。また、固形分の濃度が50質量%以下であると、組成物の粘度が小さくなりすぎず、光学フィルムの膜厚のムラが生じにくくなる傾向がある。ここで、固形分とは、本発明の組成物から有機溶媒を除いた成分をいう。
本発明の光学フィルムとは、光を透過し得るフィルムであって、光学的な機能を有するフィルムをいう。光学的な機能とは、屈折、複屈折等を意味する。光学フィルムの一種である位相差フィルムは、直線偏光を円偏光や楕円偏光に変換したり、逆に円偏光又は楕円偏光を直線偏光に変換したりするために用いられる。
本発明の光学フィルムの波長分散特性は、光学フィルムにおける本発明の化合物に由来する構造単位を有するが、その構造単位の含有量を調節することにより、光学フィルムの波長分散特性を調整することができる。光学フィルムにおける構造単位の中で本発明の化合物に由来する構造単位の含有量が多くなれば、よりフラットな波長分散特性、さらには逆波長分散特性を示す。
具体的には、以下の(a)〜(e)に示す操作により決定した、本発明の化合物に由来する構造単位の含有量を含む光学フィルムが得られるような本発明の組成物を調製し、当該組成物を重合させればよい。
(a)本発明の化合物の含有量が異なる本発明の組成物を2〜5種類程度調製する、
(b)調製したそれぞれの組成物について、同じ膜厚であり、本発明の化合物に由来する構造単位の含有量が異なる光学フィルムを製造する、
(c)(b)で得られた光学フィルムの位相差値を求める、
(d)(c)で得られた位相差値に基づいて、本発明の化合物に由来する構造単位の含有量と光学フィルムの位相差値との相関を求める、
(e)(d)で得られた相関関係から、上記膜厚における光学フィルムに所望の位相差値を与えるために必要な本発明の化合物に由来する構造単位の含有量を決定する。
ある波長λにおける位相差値Re(λ)を550nmにおける位相差値Re(550)で除した値(Re(λ)/Re(550))が1に近い波長域や、[Re(450)/Re(550)]<1かつ[Re(650)/Re(550)]>1の逆波長分散性を示す波長域では、一様の偏光変換が可能である。
本発明の光学フィルムは、本発明の化合物を重合することにより得られる。一種類の本発明の化合物を重合してもよいし、二種類以上の本発明の化合物を重合してもよい。また、本発明の組成物を重合させることによっても、本発明の光学フィルムを製造することができる。
成膜のしやすさという点で、本発明の化合物が有機溶剤に溶解した溶液を用いることが好ましく、該溶液を支持基材上に塗布し、乾燥、重合させることにより、光学フィルムが得られる。かかる溶液中の固形分濃度は、例えば2〜50質量%であり、5〜50質量%が好ましい。
支持基材上に、本発明の化合物の溶液を塗布し、乾燥することにより、未重合フィルムが得られる。未重合フィルムがネマチック相等の液晶相を示す場合、得られる光学フィルムは、モノドメイン配向による複屈折性を示す。
本発明の化合物の溶液中の本発明の化合物の含有量や支持基材上への該溶液の塗布量を適宜調整することにより、光学フィルムの膜厚を調製することができる。本発明の化合物の量が一定である場合、得られる光学フィルムの位相差値(リタデーション値、Re(λ))は、式(7)
Re(λ)=d×Δn(λ) (7)
(式中、Re(λ)は、波長λnmにおける位相差値を表し、dは膜厚を表し、Δn(λ)は波長λnmにおける複屈折率を表わす。)
に従って決定されるため、所望のRe(λ)を得るためには、膜厚d及びΔn(λ)を調整すればよい。
支持基材への本発明の化合物の溶液の塗布方法としては、例えば押し出しコーティング法、ダイレクトグラビアコーティング法、リバースグラビアコーティング法、CAPコーティング法又はダイコーティング法等が挙げられる。またディップコーター、バーコーター又はスピンコーター等のコーターを用いて塗布する方法等が挙げられる。
上記支持基材としては、例えばガラス、プラスチックシート、プラスチックフィルム又は透光性フィルムを挙げることができる。なお上記透光性フィルムとしては、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ノルボルネン系ポリマー等のポリオレフィンフィルム、ポリビニルアルコールフィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリメタクリル酸エステルフィルム、ポリアクリル酸エステルフィルム、セルロースエステルフィルム、ポリエチレンナフタレートフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリスルフォンフィルム、ポリエーテルスルホンフィルム、ポリエーテルケトンフィルム、ポリフェニレンスルフィドフィルム又はポリフェニレンオキシドフィルム等が挙げられる。
光学フィルムの貼合工程、運搬工程、保管工程等、光学フィルムの強度が要求される工程においても、支持基材を用いることにより、破れ等がなく容易に取り扱うことができる。
支持基材上に配向膜を形成した後、該配向膜上に本発明の化合物の溶液を塗布することが好ましい。配向膜は、本発明の化合物の溶液の塗布時に、該溶液に溶解しない溶剤耐性を持つことが好ましい。また、配向膜は、溶剤の除去や液晶の配向の加熱処理における耐熱性をもつことが好ましい。さらに、ラビング時に、摩擦等による剥がれ等が起きないことが好ましい。かかる配向膜としては、配向性ポリマー又は配向性ポリマーを含有する組成物からなることが好ましい。
上記配向性ポリマーとしては、例えば分子内にアミド結合を有するポリアミドやゼラチン類、分子内にイミド結合を有するポリイミド及びその加水分解物であるポリアミック酸、ポリビニルアルコール、アルキル変性ポリビニルアルコール、ポリアクリルアミド、ポリオキサゾール、ポリエチレンイミン、ポリスチレン、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸又はポリアクリル酸エステル類等のポリマーを挙げることができる。これらのポリマーは、単独で用いてもよいし、2種類以上混ぜたり、共重合体したりしてもよい。これらのポリマーは、脱水や脱アミン等による重縮合や、ラジカル重合、アニオン重合、カチオン重合等の連鎖重合、配位重合や開環重合等で容易に得ることができる。
またこれらの配向性ポリマーは、溶剤に溶解して、溶液として用いられる。溶剤は、特に制限はないが、具体的には、水;メタノール、エタノール、エチレングリコール、イソプロピルアルコール、プロピレングリコール、エチレングリコールメチルエーテル、エチレングリコールブチルエーテル等のアルコール溶剤;酢酸エチル、酢酸ブチル、エチレングリコールメチルエーテルアセテート、γ−ブチロラクトン、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、乳酸エチル等のエステル溶剤;アセトン、メチルエチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、2−ヘプタノン、メチルイソブチルケトン等のケトン溶剤;ペンタン、ヘキサン、ヘプタン等の非塩素化脂肪族炭化水素溶剤;トルエン、キシレン等の非塩素化芳香族炭化水素溶剤、アセトニトリル等のニトリル溶剤;プロピレングリコールモノメチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジメトキシエタン等のエーテル溶剤;クロロホルム、クロロベンゼン等の塩素化炭化水素溶剤;等が挙げられる。これら有機溶剤は、単独で用いてもよいし、複数を組み合わせて用いてもよい。
また配向膜は、市販の配向膜材料をそのまま使用して形成してもよい。市販の配向膜材料としては、サンエバー(登録商標、日産化学工業株式会社製)又はオプトマー(登録商標、JSR株式会社製)等が挙げられる。
このような配向膜を用いると、延伸による屈折率制御を行う必要がないため、複屈折の面内ばらつきが小さくなる。それゆえ、支持基材上にフラットパネル表示装置(FPD)の大型化にも対応可能な大きな光学フィルムを提供することが可能である。
支持基材上に配向膜を形成する方法としては、例えば支持基材上に、市販の配向膜材料や配向膜の材料となる化合物を溶液にして塗布し、その後、アニールするこ方法が挙げられる。
配向膜の厚さは、10nm〜10000nmであり、好ましくは10nm〜1000nmである。上記範囲とすれば、本発明の化合物等を該配向膜上で所望の角度に配向させることができる。
必要に応じて、配向膜をラビング処理してもよいし、配向膜に偏光UV照射を行ってもよく、かかる処理により本発明の化合物等を所望の方向に配向させることができる。すなわち、製造した光学フィルムの複屈折状態を示す屈折率楕円体の形状や傾きを調整することができる。
配向膜をラビングする方法としては、例えばラビング布が巻きつけられ、回転しているラビングロールを、ステージに載せられ搬送されている配向膜に接触させる方法が挙げられる。
かかる支持基材上に積層した配向膜上に未重合フィルムを積層する方法は、液晶セルを作製し、該液晶セルに液晶化合物を注入する方法に比べて、生産コストを低減することができる。さらにロールフィルムでのフィルムの生産も可能である。
溶剤の除去方法としては、例えば自然乾燥、通風乾燥、減圧乾燥等の方法が挙げられる。加熱して溶剤を除去する際の温度は、0〜250℃が好ましく、50〜220℃がより好ましく、80〜170℃がさらに好ましい。また加熱時間としては、10秒間〜60分間であることが好ましく、30秒間〜30分間であることがより好ましい。加熱温度及び加熱時間が上記範囲内であれば、上記支持基材として、耐熱性が必ずしも十分ではない支持基材を用いることができる。
得られた未重合フィルムを重合し、硬化させることにより、本発明の化合物の配向性が固定化されたフィルム、すなわち重合フィルムが得られる。したがって、熱による複屈折への影響を受けにくいフィルムが得られる。
未重合フィルムを重合させる方法は、液晶化合物及び本発明の化合物の種類に応じて、適宜決定すればよい。本発明の化合物及び液晶化合物中の重合性基が光重合性であれば光重合法が用いられ、該重合性基が熱重合性であれば熱重合法が用いられる。光重合法によれば低温で未重合フィルムを重合させることができ、支持基材の耐熱性の選択幅が広がるという点及び工業的に製造が容易であるという点で、光重合性の重合性基を有する本発明の化合物及び液晶化合物を用いることが好ましい。また成膜性の観点からも光重合が好ましい。光重合反応は、未重合フィルムに可視光、紫外光又はレーザー光を照射することにより行われる。取り扱いやすいという点で、紫外光が特に好ましい。光照射は、本発明の化合物が液晶相をとる温度で行ってもよい。この際、マスキング等によって重合フィルムをパターニングすることもできる。
複屈折率Δn(λ)は、重合時の露光量、加熱温度、加熱時間適宜調整することにより、所望の位相差を与えるように調製することができる。
本発明の光学フィルムは、ポリマーを延伸することによって位相差を与える延伸フィルムと比較して、より膜厚が薄い。
支持基材を剥離することにより、配向膜と光学フィルムとが積層されたフィルムが得られる。さらに、配向膜を剥離して、光学フィルムを得ることができる。
かくして得られた光学フィルムは、透明性に優れ、様々なディスプレイ用フィルムとして使用される。光学フィルムの厚みは、上記のとおり、光学フィルムの位相差値によって、異なるものであるが、0.1〜10μmであることが好ましく、光弾性を小さくする点で0.2〜5μmであることがより好ましく、0.5〜3μmであることが特に好ましい。
複屈折性を示す光学フィルムの位相差値としては、50〜500nm程度であり、好ましくは100〜300nmである。
このような薄膜でより広い波長域において一様の偏光変換が可能なフィルムは、すべての液晶パネルや有機EL等のFPDにおいて、光学補償フィルムとして用いることができる。
本発明の光学フィルムは、広帯域λ/4板又はλ/2板として使用することができる。広帯域λ/4板又はλ/2板として使用する場合には、光学フィルム中の本発明の化合物に由来する構造単位の含有量を適宜選択すればよい。λ/4板の場合には、得られる光学フィルムのRe(550)を113〜163nm、好ましくは135〜140nm、特に好ましくは約137.5nm程度に膜厚を調整すればよく、λ/2板の場合には、得られる光学フィルムのRe(550)を250〜300nm、好ましくは273〜277nm、特に好ましくは約275nm程度となるように、膜厚を調整すればよい。
本発明の光学フィルムは、VA(Vertical Alingment)モード用光学フィルムとして使用することもできる。VAモード用光学フィルムとして使用する場合には、本発明の化合物に由来する構造単位の含有量を適宜選択すればよい。得られる光学フィルムのRe(550)が、好ましくは40〜100nm、より好ましくは60〜80nmとなるように膜厚を調整すればよい。
少量の本発明の化合物を用いるだけで、光学フィルムの波長分散特性を1に近い値へとシフトさせることができ、所望の波長分散特性を簡便な方法で調製することができる。
本発明の光学フィルムは、アンチリフレクション(AR)フィルム等の反射防止フィルム、偏光フィルム、位相差フィルム、楕円偏光フィルム、広帯域円偏光フィルム、視野角拡大フィルム又は透過型液晶ディスプレイの視野角補償用光学補償フィルム等にも用いることができる。
本発明の光学フィルムは1枚でも優れた光学特性を示すが、複数枚を積層して用いてもよい。また、他のフィルムと組み合わせて用いてもよい。他のフィルムと組み合わせた具体例としては、偏光フィルムに本発明の光学フィルムを貼合させた楕円偏光板、該偏光フィルムに本発明の光学フィルムを広帯域λ/4板として貼合させた広帯域円偏光板等が挙げられる。
本発明の光学フィルムは、支持基材又は配向膜上に塗布し、重合させることによって形成することができるため、図1に示すように従来よりも簡便にカラーフィルタ上に広帯域の例えばλ/4、λ/2の光学フィルムを形成することができる。
図1は、本発明に係るカラーフィルタ1を示す概略図である。
カラーフィルタ1は、本発明の光学フィルム2が、配向膜3を介して該カラーフィルタ層4上に形成されてなるカラーフィルタである。
かかるカラーフィルタ1の製造方法の一例を以下に記載する。まず、カラーフィルタ層4の上に配向性ポリマーを積層し、ラビング処理を施して、配向膜3を形成する。配向性ポリマーは、インクジェット法を用いて積層してもよい。
続いて、得られた配向膜3上に、得られる光学フィルムが所望の波長分散特性をもつように、本発明の化合物の含有量が調整された本発明の化合物の溶液を調製し、所望の位相差値になるような厚みになるよう該溶液を塗布して、光学フィルム2を形成する。
かかるカラーフィルタ1を用いることにより、より薄型の液晶表示装置を製造することが可能となる。その一例として、本発明に係る液晶表示装置5を示す概略図を図2に示した。
図2は、本発明に係る液晶表示装置5を示す概略図である。
図2に示す液晶表示装置5では、偏光板6上に、例えばガラス基板等のバックライトと対向する基板7が接着剤を介して固定されている。基板7上に作成されたカラーフィルタ層4’上に配向膜3’を介して光学フィルム2’が形成されている。さらに光学フィルム2’上に対向電極8が形成され、対向電極8上に液晶相9が形成されている。バックライト側は、偏光板10にガラス基板等の基板11が接着剤を介して固定されており、さらに基板11には液晶層をアクティブ駆動させるための薄膜トランジスタ(TFT)及び絶縁層12が形成され、さらにTFT上にAg、Al又はITO(Indium Tin Oxide)による透明電極13及び/又は反射電極13’が形成されている。図2に示す液晶表示装置5の構成は、従来の液晶表示装置と比較して、光学フィルムの枚数が少ない構成であり、より薄型の液晶表示装置の製造が可能となる。
カラーフィルタ1’が一方の基板の液晶層側に形成された液晶表示装置5の製法の一例を以下に記載する。バックライト側の基板上にはホウケイ酸ガラス上に、MoやMoW等からなるゲート電極、ゲート絶縁膜、及びアモルファスシリコンを堆積・パターニングそして、アモルファスシリコンをエキシマレーザでアニールすることによって結晶化してなる半導体薄膜を形成、その後、ゲート電極両脇の領域にP、B等をドープさせ、nチャンネル、pチャンネルのTFTを形成させることができる。さらにSiOからなる絶縁層12を形成させることにより、バックライト側の基板が得られる。さらにバックライト側基板11上にITOをスパッタさせることによりバックライト側基板上に全透過型表示装置用の透明電極13を積層させることができる。また、同じくITOの換わりにAg、Al等を用いることにより全反射型表示装置用の反射電極13’が得られる。さらに反射電極、透明電極を適宜組み合わせることにより、半透過型の液晶表示装置用のバックライト側の電極も得られる。
一方、対向する基板7に、カラーフィルタ層4’を形成させる。R,G、Bのカラーフィルタを併用することにより、フルカラーの液晶表示装置も得られる。次にカラーフィルタ層4’上に配向性ポリマーを塗布し、ラビングすることにより、配向膜3’を形成させる。この配向膜3’上に本発明の化合物の溶液を塗布して、液晶相をとる温度範囲に加熱しながら、紫外線照射によって重合、光学フィルム2’を形成させる。光学フィルム形成後、ITOをスパッタさせることにより対向電極8を形成させることができる。さらに該対向電極上に配向膜を形成させ、液晶相9を形成させ、最後に上記バックライト側の基板とあわせて組み立てることにより、液晶表示装置5を作成することができる。
さらに本発明の光学フィルムは、反射型液晶ディスプレイ及び有機ELディスプレイの位相差板並びに該位相差板や上記光学フィルムを備えるFPDにも用いることができる。上記FPDは、特に限定されるものではなく、例えば液晶表示装置(LCD)や有機ELを挙げることができる。
続いて、本発明の偏光板及び該偏光板を備えるFPDについて、以下説明する
本発明の偏光板は、本発明の光学フィルム及び偏光機能を有するフィルム(偏光フィルム)を含み、通常は、本発明の光学フィルム及び偏光フィルムを積層することにより得られる。具体的には、偏光フィルムの片面もしくは両面に直接、又は接着剤を用いて、本発明の光学フィルムを貼り合わせることにより得られる。本明細書において、接着剤とは、接着剤と粘着剤との両方を意味する。以下、図3〜図5を用いて、本発明の偏光板について説明する。
図3(a)〜図3(e)は、本発明に係る偏光板1を示す概略図である。
図3(a)に示す偏光板30aは、積層体14と、偏光フィルム15とが直接貼り合わされており、積層体14は、支持基材16、配向膜17及び光学フィルム18からなる。偏光板30aは、支持基材16、配向膜17、光学フィルム18、偏光フィルム15の順に積層されている。
図3(b)に示す偏光板30bは、積層体14と偏光フィルム15とが、接着剤層19を介して貼り合わされている。
図3(c)に示す偏光板30cは、積層体14と積層体14’とが直接貼り合わされ、さらに積層体14’と偏光フィルム15とが直接貼り合わされている。
図3(d)に示す偏光板30dは、積層体14と積層体14’とが接着剤層19を介して貼り合わされ、さらに積層体14’上に偏光フィルム15が直接貼り合わされている。
図3(e)に示す偏光板30eは、積層体14と積層体14’とを接着剤層19を介して貼り合わせ、さらに積層体14’と偏光フィルム15とを接着剤層19’を介して貼り合せた構成を示す。
本発明の偏光板とは、偏光フィルムと本発明の光学フィルムを含む積層体とを張り合わせたものである。積層体14及び積層体14’の代わりに、積層体14から支持基材16及び配向膜17を剥離した、光学フィルム18を用いてもよいし、積層体14から支持基材16を剥離した、配向膜17及び光学フィルム18からなるフィルムを用いてもよい。
本発明の偏光板は、積層体を複数積層してもよく、その複数の積層体は、全て同一であっても、異なっていてもよい。
偏光フィルム15は、偏光機能を有するフィルムであればよく、例えばポリビニルアルコール系フィルムにヨウ素や二色性色素を吸着させて延伸したフィルム、ポリビニルアルコール系フィルムを延伸してヨウ素や二色性色素を吸着させたフィルム等が挙げられる。
接着剤層19及び接着剤層19’に用いられる接着剤は、透明性が高く耐熱性に優れた接着剤であることが好ましい。かかる接着剤としては、例えばアクリル系接着剤、エポキシ系接着剤、ウレタン系接着剤等が挙げられる。
本発明のフラットパネル表示装置は、本発明の光学フィルムを備えるものであり、例えば本発明の偏光板と液晶パネルとが貼り合わされた貼合品を備える液晶表示装置や、本発明の偏光板と発光層とが貼り合わされた有機ELパネルを備える有機EL表示装置を挙げることができる。
本発明のフラットパネル表示装置の実施形態として、液晶表示装置と有機EL表示装置とを例にとり、以下説明する。
図4は、本発明の液晶表示装置の液晶パネル20と偏光板30との貼合品21を示す概略図である。貼合品21は、本発明の偏光板30と液晶パネル20とが、接着層22を介して貼り合わされてなるものである。図示しない電極を用いて、液晶パネル20に電圧を印加することにより、液晶分子が駆動し、白黒表示ができる。
図5は、本発明の有機EL表示装置の有機ELパネル23を示す概略図である。有機ELパネル23は、本発明の偏光フィルム30と、発光層24とを、接着層25を介して貼り合わせてなるものである。
上記有機ELパネルにおいて、偏光フィルム30は、広帯域円偏光板として機能する。また上記発光層24は、導電性有機化合物からなる少なくとも1層の層である。
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明する。例中の「%」及び「部」は、特記ない限り、質量%及び質量部である。
(実施例1)
<化合物(A1−1)の合成例>
化合物(A1−1)は下記のスキームに従って合成した。
Figure 0005899607
[化合物(1−a)の合成例]
2,5−ジメトキシアニリン21.5g(140mmol)、ベンゾチオフェン−2−カルボン酸25.0g(140mmol)及び脱水クロロホルム125.3gを混合し反応させた。得られた混合液にN、N−ジメチルアミノピリジン1.71g(14mmol)を加えた。得られた混合液を氷浴で冷却して、N,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド31.8g(154mmol)を加えて一時間反応させた。その後、混合液を室温まで戻し、得られた混合液をシリカゲルを通すことによって濾過して沈殿を除去後、減圧濃縮した。残渣に酢酸エチル−ヘプタンの1/2(v/v)溶液を加えて結晶化させた。析出した結晶を濾過、真空乾燥して、淡黄色粉末として化合物(1−a)を33.4g得た。収率は2,5−ジメトキシアニリン基準で76%であった。
[化合物(1−b)の合成例]
化合物(1−a)33.35g(106mmol)、2,4−ビス(4−メトキシフェニル)−1,3−ジチア−2,4−ジホスフェタン−2,4−ジスルフィド(ローソン試薬)22.4g(55.0mmol)及びトルエン200gを混合し、得られた混合液を80℃に昇温して反応させた。冷却後濃縮し、化合物(1−b)とローソン試薬の分解物とを主成分とする赤色粘稠固体を得た。
[化合物(1−c)の合成例]
前項で得られた化合物(1−b)を含む混合物、水酸化ナトリウム25.5g(639mmol)及び水580gを混合し、得られた混合液を氷冷下で反応させた。続いてフェリシアン化カリウム95.6g(290mmol)を含む水溶液を、氷冷下で混合液に加え、室温で12時間反応させた。析出した黄色沈殿を濾取した。濾取した沈殿を、水、次いでヘキサンで洗浄し、エタノールで洗浄して、真空乾燥して、化合物(1−c)を主成分とする淡黄色固体19.5gを得た。収率は化合物(1−a)基準で56%であった。
[化合物(1−d)の合成例]
化合物(1−c)19.5g(59.6mmol)及び塩化ピリジニウム97.5g(5倍質量)を混合し、180℃に昇温して2時間反応させた。得られた混合液を冷却後、水を加え、得られた沈殿を濾取し、水、次いでヘキサンで洗浄して、化合物(1−d)を主成分とする固体18gを得た。収率は化合物(1−c)基準で95%であった。
[化合物(A1−1)の合成例]
化合物(1−d)5.00g(16.7mmol)、化合物(A)14.68g(35.1mmol)、ジメチルアミノピリジン0.20g(1.67mmol)及びクロロホルム60mLを混合した。得られた混合液に1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩7.68g(40.1mmol)を氷冷下で加えた。得られた反応溶液を攪拌し、シリカゲルで濾過したのち、減圧濃縮した。残渣にメタノールを加えて結晶化させた。結晶を濾取し、クロロホルムに再溶解させた。得られた溶液を攪拌しながらメタノールを加えて、生成した白色沈殿を濾取し、真空乾燥して化合物(A1−1)を白色粉末として10.9g得た。収率は化合物(1−d)基準で59%であった。
化合物(A1−1)のH−NMR(CDCl):δ(ppm)1.45〜1.85(m、24H)、2.35〜2.83(m、12H)、3.92〜3.97(t、4H)、4.15〜4.20(t、4H)、5.79〜5.84(dd、2H)、6.07〜6.17(m、2H)、6.37〜6.44(m、2H)、6.87〜7.02(m、8H)、7.22(s、2H)、7.40〜7.46(m、2H)、7.83〜7.89(m、3H)
得られた化合物(A1−1)の相転移温度を偏光顕微鏡によるテクスチャー観察によって確認した。化合物(A1−1)は、昇温時において、147℃から155℃までスメクチック相を呈し、155℃から180℃以上までネマチック相を呈し、降温時において、93℃までネマチック相を呈し結晶化した。
(実施例2)
<化合物(A5−1)の合成例>
化合物(A5−1)は下記のスキームに従って合成した。
Figure 0005899607
[化合物(5−a)の合成例]
2,5−ジメトキシアニリン18.9g(123mmol)、ベンゾフラン−2−カルボン酸20.0g(123mmol)及び脱水クロロホルム125.0gを混合し反応させた。得られた混合液にN、N−ジメチルアミノピリジン1.51g(12mmol)を加えた。得られた混合液を氷浴で冷却して、N,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド28.0g(136mmol)を加えて一時間反応させた。その後室温まで戻し、終夜反応させた。得られた混合液をシリカゲルを通して濾過して白色沈殿及び褐色成分を除去後、減圧濃縮した。残渣に酢酸エチル−ヘプタンの1/2(v/v)溶液を加えて結晶化させた。析出した結晶を濾過、真空乾燥して、淡黄色粉末として化合物(5−a)を14.4g得た。収率は2,5−ジメトキシアニリン基準で39%であった。
[化合物(5−b)の合成例]
化合物(5−a)13.0g(44mmol)、2,4−ビス(4−メトキシフェニル)−1,3−ジチア−2,4−ジホスフェタン−2,4−ジスルフィド(ローソン試薬)9.2g(23.0mmol)及びトルエン100gを混合し、得られた混合液を80℃に昇温して5時間反応させた。冷却後濃縮し、化合物(5−b)とローソン試薬の分解物とを主成分とする赤色粘稠固体を得た。
[化合物(5−c)の合成例]
前項で得られた化合物(5−b)を含む混合物、水酸化ナトリウム10.5g(262mmol)及び水250gを混合し、得られた混合液を氷冷下で反応させた。続いてフェリシアン化カリウム39.3g(119mmol)を含む水溶液を、氷冷下で加え、反応させた。室温で12時間反応させて、析出した黄色沈殿を濾取した。濾取した沈殿を水、次いでヘキサンで洗浄し、エタノールで洗浄して、真空乾燥して、化合物(5−c)を主成分とする淡黄色固体9.3gを得た。収率は化合物(5−a)基準で69%であった。
[化合物(5−d)の合成例]
化合物(5−c)7.0g(22.5mmol)及び塩化ピリジニウム35.0g(5倍質量)を混合し、180℃に昇温して2時間反応させた。得られた混合液を冷却後、水を加え、得られた沈殿を濾取し、水、ヘキサンで洗浄して、化合物(5−d)を主成分とする固体6.5gを得た。収率は化合物(5−c)基準で100%であった。
[化合物(A5−1)の合成例]
化合物(5−d)1.60g(5.65mmol)、化合物(A)4.96g(11.9mmol)、ジメチルアミノピリジン0.07g(0.56mmol)及びクロロホルム30mLを混合した。得られた混合液にN,N’−ジイソプロピルカルボジイミド1.71g(13.6mmol)を氷冷下で加えた。得られた反応溶液を室温で終夜反応させ、シリカゲル濾過したのち、減圧濃縮した。残渣にメタノールを加えて結晶化させた。結晶を濾取し、クロロホルムに再溶解させた。得られた溶液を攪拌しながらメタノールを加えて、生成した白色沈殿を濾取し、エタノールで洗浄、真空乾燥して化合物(A5−1)を白色粉末として4.73g得た。収率は化合物(5−d)基準で77%であった。
化合物(A5−1)のH−NMR(CDCl):δ(ppm)1.45〜1.91(m、24H)、2.35〜2.83(m、12H)、3.92〜3.97(t、4H)、4.15〜4.20(t、4H)、5.79〜5.84(dd、2H)、6.07〜6.17(m、2H)、6.37〜6.44(m、2H)、6.87〜7.01(m、8H)、7.25(s、2H)、7.31〜7.34(t、1H)、7.40〜7.42(t、1H)、7.55〜7.60(m、2H)、7.68〜7.71(d、1H)
得られた化合物(A5−1)の相転移温度を偏光顕微鏡によるテクスチャー観察によって確認した。化合物(A5−1)は、昇温時において、139℃から180℃以上までネマチック相を呈し、降温時において、93℃までネマチック相を呈し結晶化した。
(実施例3)
<化合物(A6−1)の合成例>
化合物(A6−1)は下記のスキームに従って合成した。
Figure 0005899607
[5−メチルベンゾフラン−2カルボン酸の合成例]
5−メチルサリチルアルデヒド50g(367mmol)、炭酸カリウム101.51g(734mmol)、テトラブチルアンモニウムブロミド11.84g(37mmol)、ヨウ化カリウム30.48g(37mmol)及びトルエンを混合し、80℃に加温した。得られた分散液にブロモマロン酸ジエチル114.1g(477mmol)を滴下し、110℃(トルエン沸点還流)で24時間反応させた。得られた褐色溶液に、水酸化カリウム3gを溶解した3mLを加えてさらに24時間反応させた。得られた反応液を室温まで冷却した後、エバポレータにて減圧濃縮した。残渣に水酸化カリウム40g、エタノール400mLを加えて80℃で1時間攪拌した。室温まで冷却後、エバポレータにてエタノールを留去した。残渣を純水500mL、氷500gに溶解させ、2N硫酸でpHを3に調整した。析出した黄色沈殿を濾過にて集め、さらに純水1000mLで洗浄、真空乾燥させて淡黄色粉末として5−メチルベンゾフラン−2カルボン酸を43.7g得た。収率は4−メチルサリチルアルデヒド基準で68%であった。
[化合物(6−a)の合成例]
2,5−ジメトキシアニリン30.4g(199mmol)、5−メチル−ベンゾフラン−2−カルボン酸35.0g(123mmol)、トリエチルアミン20.1g(199mmol)、N,N’−ジメチルアミノピリジン4.85g(3.97mmol)及び脱水N,N’−ジメチルアセトアミド175.0gを混合した。得られた溶液を氷浴にて冷却した後、1H−ベンゾトリアゾール−1−イルオキシトリス(ジメチルアミノ)ホスホニウムヘキサフルオロホスフェート(以下BOP試薬と呼ぶ)92.28g(219mmol)を加えて室温で24時間反応させた。得られた混合液に水、メタノールの混合溶液(水2体積部、メタノール1体積部)を加えて晶析させた。得られた沈殿を濾取し水―メタノールの混合溶液(水1体積部、メタノール1体積部)で洗浄、真空乾燥して、淡黄色粉末として化合物(6−a)を23.8g得た。収率は2,5−ジメトキシアニリン基準で39%であった。
[化合物(6−b)の合成例]
化合物(6−a)23.8g(77mmol)、2,4−ビス(4−メトキシフェニル)−1,3−ジチア−2,4−ジホスフェタン−2,4−ジスルフィド(ローソン試薬)16.1g(40.0mmol)及びトルエン80gを混合し、得られた混合液を80℃に昇温して8時間反応させた。冷却後濃縮し、化合物(6−b)とローソン試薬の分解物とを主成分とする赤色粘稠固体を得た。
[化合物(6−c)の合成例]
前項で得られた化合物(6−b)を含む混合物、水酸化ナトリウム18.4g(459mmol)及び水400gを混合し、得られた混合液を氷冷下で攪拌した。続いてフェリシアン化カリウム68.7g(209mmol)を含む水溶液を、氷冷下で加え、反応させた。室温で24時間反応させて、析出した黄色沈殿を濾取した。濾取した沈殿を水、次いでヘキサンで洗浄し、エタノールで洗浄、真空乾燥して、化合物(6−c)を主成分とする淡黄色固体14.8gを得た。収率は化合物(6−a)基準で59%であった。
[化合物(6−d)の合成例]
化合物(6−c)14.8g(45.5mmol)及び塩化ピリジニウム74.0g(5倍質量)を混合し、180℃に昇温して2時間反応させた。得られた混合液を冷却後、水を加え、得られた沈殿を濾取し、水、トルエンで洗浄して、化合物(6−d)を主成分とする固体10.4gを得た。収率は化合物(6−c)基準で77%であった。
[化合物(A6−1)の合成例]
化合物(6−d)1.70g(5.72mmol)、化合物(A)5.02g(12.0mmol)、ジメチルアミノピリジン0.07g(0.56mmol)及びクロロホルム30mLを混合した。得られた混合液にN,N’−ジイソプロピルカルボジイミド1.73g(13.7mmol)を氷冷下で加えた。得られた反応溶液を室温で終夜反応させ、シリカゲル濾過したのち、減圧濃縮した。残渣にメタノールを加えて結晶化させた。結晶を濾取し、クロロホルムに再溶解させた。得られた溶液を攪拌しながらメタノールを加えて、生成した白色沈殿を濾取し、ヘプタンで洗浄、真空乾燥して化合物(A6−1)を白色粉末として4.72g得た。収率は化合物(6−d)基準で75%であった。
化合物(A6−1)のH−NMR(CDCl):δ(ppm)1.45〜1.85(m、24H)、2.34〜2.83(m、12H)、2.84(s、3H)、3.92〜3.97(t、4H)、4.15〜4.20(t、4H)、5.79〜5.84(dd、2H)、6.07〜6.17(m、2H)、6.37〜6.44(m、2H)、6.87〜7.01(m、8H)、7.22(m、3H)、7.44〜7.47(m、3H)
得られた化合物(A6−1)の相転移温度を偏光顕微鏡によるテクスチャー観察によって確認した。化合物(A6−1)は、昇温時において、146℃から190℃以上までネマチック相を呈し、降温時において、100℃までネマチック相を呈し結晶化した。
(実施例4)
<化合物(A10−1)の合成例>
化合物(A10−1)は下記のスキームに従って合成した。
Figure 0005899607
[5−イソブチルベンゾフランの合成例]
4−イソプロピルフェノール40g(266mmol)をN,N’−ジメチルアセトアミド240.0gに溶解させた。溶液を氷浴により冷却した後に、水素化ナトリウム10.9g(453mmol)を10回に分けて加えた。室温で1時間攪拌し、水素発生が終了したら、クロロアセトアルデヒドジメチルアセタール33.17g(266mmol)を滴下した。80℃で5時間攪拌し、反応終了を確認したら、反応液を水1000mL、メチルイソブチルケトン400mLに加えて分液した。有機層を回収し、さらに2回800mLの純水で有機層を洗浄した。有機層を回収後、無水硫酸ナトリウムで脱水し、エバポレータにて減圧濃縮させ赤色粘稠液体を得た。一方で、400gのトルエンと、オルトリン酸2.61gを混合し110℃に加熱した。該溶液に赤色粘稠液体をトルエン100mLに溶解させた溶液を滴下した。3時間110℃で攪拌した後、室温まで冷却した。反応液を1N−炭酸水素ナトリウム水溶液で二回洗浄し、最後に純水500mLで洗浄した。有機層を回収し、無水硫酸ナトリウムで脱水後、エバポレータにて減圧濃縮、真空乾燥させて、5−イソブチルベンゾフランを41.9g淡赤色粘稠液体として得た。収率は4−イソプロピルフェノール基準で90%であった。
[2−ホルミル−5−イソブチルベンゾフランの合成例]
5−イソブチルベンゾフラン25.77g(148mmol)をN,N’−ジメチルホルムアミド28.4g(389mmol)に溶解させた。溶液を水浴により冷却した後に、オキシ塩化リン25g(163mmol)を滴下した。ピンク色溶液を室温で1時間攪拌した後、100℃で10時間攪拌した。反応液を室温まで放冷し、純水100mLを加えて一時間攪拌後、1N炭酸水素ナトリウムで中和した。pHを8に調節後、トルエンと分液した。有機層を回収し、活性炭を2.6g加えて濾過した。エバポレータにて減圧濃縮し、残渣をクロロホルムに溶解させ、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:クロロホルムーヘプタン1:1vol/vol→クロロホルム100vol%)にかけた。先頭成分を取りエバポレータにて濃縮、真空乾燥して、2−ホルミル−5−イソブチルベンゾフランを8.5g淡赤色粘稠液体として得た。収率は5−イソブチルベンゾフラン基準で28%であった。
[5−イソブチルベンゾフラン−2−カルボン酸の合成例]
2−ホルミル−5−イソブチルベンゾフラン16.40g(81mmol)、アミド硫酸9.43g(97mmol)を60mLの純水と混合した。氷浴で冷却し、亜塩素酸ナトリウム8.78g(97mmol)の水50mL溶液を滴下した。水浴で36時間反応させた。反応溶液にトルエン100mL、水酸化カリウム5gを加えてpHを12に調整した。分液し、水層を回収し水層をさらに300mLのトルエンで洗浄した。水層を回収し、2N−塩酸にてpHを2にした後、トルエン300mLを加えて分液した。有機層を回収し、無水硫酸ナトリウムで脱水後、エバポレータにて減圧濃縮、真空乾燥して、5−イソブチルベンゾフラン−2−カルボン酸を6.7g淡赤色粘稠液体として得た。収率は2−ホルミル−5−イソブチルベンゾフラン基準で38%であった。
[化合物(10−a)の合成例]
2,5−ジメトキシアニリン4.71g(30.7mmol)、5−イソブチルベンゾフラン−2−カルボン酸8.71g(30.7mmol)、トリエチルアミン3.11g(30.7mmol)、N,N’−ジメチルアミノピリジン0.75g(6.1mmol)及び脱水N,N’−ジメチルアセトアミド35.0gを混合した。得られた溶液を氷浴にて冷却した後、BOP試薬14.28g(33.8mmol)を加えて室温で24時間反応させた。得られた混合液に水、メタノールの混合溶液(水2体積部、メタノール1体積部)を加えて晶析させた。得られた沈殿を濾取し水―メタノールの混合溶液(水1体積部、メタノール1体積部)で洗浄、真空乾燥して、淡黄色粉末として化合物(10−a)を5.7g得た。収率は2,5−ジメトキシアニリン基準で53%であった。
[化合物(10−b)の合成例]
化合物(10−a)4.7g、2,4−ビス(4−メトキシフェニル)−1,3−ジチア−2,4−ジホスフェタン−2,4−ジスルフィド(ローソン試薬)9.2g(23.0mmol)及びトルエン100gを混合し、得られた混合液を80℃に昇温して5時間反応させた。冷却後濃縮し、化合物(10−b)とローソン試薬の分解物とを主成分とする赤色粘稠固体を得た。
[化合物(10−c)の合成例]
前項で得られた化合物(10−b)を含む混合物、水酸化ナトリウム3.1g(80mmol)及び水50gを混合し、得られた混合液を氷冷下で攪拌した。続いてフェリシアン化カリウム11.94g(36mmol)を含む水溶液を、氷冷下で加え、反応させた。室温で24時間反応させて、析出した黄色沈殿を濾取した。濾取した沈殿を水、次いでヘキサンで洗浄し、メタノールで洗浄した。黄色粉末をヘプタン−酢酸エチル1:1(体積比)の溶媒を加えて、室温で1時間攪拌後、氷浴で終夜静置した。得られた淡黄色粉末を濾取、真空乾燥させて、化合物(10−c)を主成分とする淡黄色固体2.5gを得た。収率は化合物(10−a)基準で51%であった。
[化合物(10−d)の合成例]
化合物(10−c)2.5g(6.8mmol)及び塩化ピリジニウム12.5g(5倍質量)を混合し、180℃に昇温して2時間反応させた。得られた混合液を冷却後、水を加え、得られた沈殿を濾取し、水、トルエン、ヘキサンで洗浄して、化合物(10−d)を主成分とする固体1.8gを得た。収率は化合物(10−c)基準で77%であった。
[化合物(A10−1)の合成例]
化合物(10−d)1.80g(5.60mmol)、化合物(A)4.92g(11.8mmol)、ジメチルアミノピリジン0.07g(0.56mmol)及びクロロホルム30mLを混合した。得られた混合液にN,N’−ジイソプロピルカルボジイミド1.70g(13.4mmol)を氷冷下で加えた。得られた反応溶液を室温で終夜反応させ、シリカゲル濾過したのち、減圧濃縮した。残渣にメタノールを加えて結晶化させた。結晶を濾取し、クロロホルムに再溶解させた。得られた溶液を攪拌しながらメタノールを加えて、生成した白色沈殿を濾取し、エタノールで洗浄、シリカゲルカラムクロマトグラフィーでクロロホルム80vol%−アセトン20vol%で溶出する第一成分を回収、エバポレータにて減圧濃縮後、冷メタノールで結晶化させた。生成した淡黄色粉末を濾取、真空乾燥して化合物(A10−1)を白色粉末として4.60g得た。収率は化合物(10−d)基準で72%であった。
化合物(A10−1)のH−NMR(CDCl):δ(ppm)0.81〜0.87(t、3H)、1.29〜1.31(d、3H)、1.48〜1.79(m、26H)、2.35〜2.47(m、8H)、2.63〜2.83(m、5H)、3.93〜3.97(m、4H)、4.15〜4.20(t、4H)、5.79〜5.84(dd、2H)、6.07〜6.17(m、2H)、6.37〜6.44(m、2H)、6.87〜7.02(m、8H)、7.23(m、3H)、7.48〜7.50(m、3H)
得られた化合物(A10−1)の相転移温度を偏光顕微鏡によるテクスチャー観察によって確認した。化合物(A10−1)は、昇温時において、144℃から粘性の高い相を示し169℃で透明点を示した。降温時において、167℃から明確なネマチック相を有し、105℃までネマチック相を呈し結晶化した。
(実施例5)
<化合物(A11−1)の合成例>
化合物(A11−1)は下記のスキームに従って合成した。

Figure 0005899607
[4,6−ジメチルベンゾフランの合成例]
3,5−ジメチルフェノール25g(205mmol)をN,N’−ジメチルアセトアミド150.0gに溶解させた。溶液を氷浴により冷却した後に、水酸化ナトリウム9.82(246mmol)を加えた。室温で1時間攪拌し、クロロアセトアルデヒドジメチルアセタール25.49g(266mmol)を滴下した。100℃で15時間攪拌し、反応液を水1000mL、メチルイソブチルケトン400mLに加えて分液した。有機層を回収し、2回500mLの1N−水酸化ナトリウム水溶液で、さらに2回800mLの純水で有機層を洗浄した。有機層を回収後、無水硫酸ナトリウムで脱水し、エバポレータにて減圧濃縮させ淡赤色粘稠液体を得た。一方で、400gのトルエンと、オルトリン酸3.01gを混合し110℃に加熱した。該溶液に淡赤色粘稠液体をトルエン100mLに溶解させた溶液を滴下した。3時間110℃で攪拌した後、室温まで冷却した。反応液を1N−炭酸水素ナトリウム水溶液で二回洗浄し、最後に純水500mLで洗浄した。有機層を回収し、無水硫酸ナトリウムで脱水後、エバポレータにて減圧濃縮、真空乾燥させて、4,6−ジメチルベンゾフランを16.5g淡赤色粘稠液体として得た。収率は3,5−ジメチルフェノール基準で55%であった。
[2−ホルミル−4,6−ジメチルベンゾフランの合成例]
4,6−ジメチルベンゾフラン21.62g(148mmol)をN,N’−ジメチルホルムアミド28.4g(389mmol)に溶解させた。溶液を水浴により冷却した後に、オキシ塩化リン25g(163mmol)を滴下した。ピンク色溶液を室温で1時間攪拌した後、100℃で10時間攪拌した。反応液を室温まで放冷し、純水100mLを加えて一時間攪拌後、1N炭酸水素ナトリウムで中和した。pHを8に調節後、トルエンと分液した。有機層を回収し、活性炭を2.6g加えて濾過した。エバポレータにて減圧濃縮し、残渣をクロロホルムに溶解させ、ヘプタンにて結晶化させた。結晶を濾取、真空乾燥して、2−ホルミル−4,6−ジメチルベンゾフランを19.5g淡黄色粉末として得た。収率は4,6−ジメチルベンゾフラン基準で76%であった。
[4,6−ジメチルベンゾフラン−2−カルボン酸の合成例−1]
2−ホルミル−4,6−ジメチルベンゾフラン19.50g(112mmol)、アミド硫酸13.04g(134mmol)を100mLの純水と混合した。氷浴で冷却し、亜塩素酸ナトリウム12.15g(134mmol)の水100mL溶液を滴下した。水浴で36時間反応させた。反応溶液にトルエン100mL、水酸化カリウム25gを加えてpHを12に調整した。分液し、水層を回収し水層をさらに200mLのトルエンで洗浄した。水層を回収し、2N−塩酸にてpHを2にした後、トルエン400mLを加えて分液した。有機層を回収し、無水硫酸ナトリウムで脱水後、エバポレータにて減圧濃縮、真空乾燥して、4,6−ジメチルベンゾフラン−2−カルボン酸を14.27g黄色粉末として得た。収率は2−ホルミル−4,6−ジメチルベンゾフラン基準で67%であった。
4,6−ジメチルベンゾフラン−2−カルボン酸は下記のスキームによっても合成できた。
<4,6−ジメチルベンゾフラン−2−カルボン酸の合成例−2>
Figure 0005899607
[4,6−ジメチルサリチルアルデヒドの合成例]
3,5−ジメチルフェノール150g(1227mmol)、パラホルムアルデヒド230.1g(7674mmol)、無水塩化マグネシウム175。4g(1842mmol)をアセトニトリル900mLに分散させた。氷浴で30分攪拌した後、トリエチルアミン474g(4681mmol)を二時間かけて滴下した。混合液を水浴で8時間、室温で14時間反応させた。反応液に冷5N−塩酸1500mLを加えて、酸性にした後、400mLの酢酸エチルで分液し、有機層を回収した。さらに水層を400mLの酢酸エチルで分液した。有機層を回収し、先の有機層と集めて、無水硫酸ナトリウムで脱水後、エバポレータにて減圧濃縮した。残渣を400mLトルエンに溶解し、活性炭3g、シリカゲル20g加えて30分室温で攪拌し、濾過した。濾液を回収し、エバポレータにて減圧濃縮、真空乾燥させることにより、4,6−ジメチルサリチルアルデヒドを170g橙色粘稠液体として得た。収率は3,5−ジメチルフェノール基準で92%であった。
[4,6−ジメチルベンゾフラン−2−カルボン酸の合成例−2]
4,6−ジメチルサリチルアルデヒド45.0g(300mmol)、炭酸カリウム101.g(300mmol)、をN,N’−ジメチルアセトアミド360mLに分散させた。80℃に加温した後、ブロモ酢酸エチル50.0g(300mmol)を1時間かけて滴下した。混合液を80℃で4時間反応させた。反応液を室温まで冷却後、メチルイソブチルケトン400mLを加えて、冷1N−塩酸1000mLで酸性にした後、分液した。有機層を3回1000mLの純水で洗浄し、有機層を回収した。無水硫酸ナトリウムで脱水後、エバポレータにて溶媒を留去した。残渣に水酸化カリウム40g、エタノール400mLを加えて、80℃で1時間攪拌した。室温まで放冷後、エバポレータにて溶媒を留去し、純水1000mLを加えた。pHが12以上であることを確認後、水層をトルエンにて二回、ヘプタンで一回洗浄した。水層を回収し、4N−硫酸にて中和、pHを3に調節した。析出した黄色沈殿を濾取し、純水で懸洗後、真空乾燥させることにより、4,6−ジメチルベンゾフラン−2−カルボン酸を48.1g黄色粉末として得た。収率は4,6−ジメチルサリチルアルデヒド基準で83%であった。
[化合物(11−a)の合成例]
2,5−ジメトキシアニリン11.49g(75.0mmol)、4,6−ジメチルベンゾフラン−2−カルボン酸14.27g(75.7mmol)、トリエチルアミン7.59g(75.0mmol)、N,N’−ジメチルアミノピリジン1.83g(15.0mmol)及び脱水N,N’−ジメチルアセトアミド100.0gを混合した。得られた溶液を氷浴にて冷却した後、BOP試薬34.85g(82.5mmol)を加えて室温で24時間反応させた。得られた混合液に水、メタノールの混合溶液(水2体積部、メタノール1体積部)を加えて晶析させた。得られた沈殿を濾取し水―メタノールの混合溶液(水3体積部、メタノール2体積部)で洗浄、真空乾燥して、淡黄色粉末として化合物(11−a)を16.2g得た。収率は2,5−ジメトキシアニリン基準で66%であった。
[化合物(11−b)の合成例]
化合物(11−a)16.0g(49mmol)、2,4−ビス(4−メトキシフェニル)−1,3−ジチア−2,4−ジホスフェタン−2,4−ジスルフィド(ローソン試薬)9.2g(30.0mmol)及びトルエン100gを混合し、得られた混合液を80℃に昇温して12時間反応させた。冷却後濃縮し、化合物(11−b)とローソン試薬の分解物とを主成分とする赤色粘稠固体を得た。
[化合物(11−c)の合成例]
前項で得られた化合物(11−b)を含む混合物、水酸化ナトリウム11.8g(262mmol)及び水250gを混合し、得られた混合液を氷冷下で反応させた。続いてフェリシアン化カリウム44.17g(134mmol)を含む水溶液を、氷冷下で加え、反応させた。60℃で12時間反応させて、析出した黄色沈殿を濾取した。濾取した沈殿を水、次いでヘキサンで洗浄し、トルエンで結晶化させた。得られた黄色を真空乾燥して、化合物(11−c)を主成分とする黄土色固体4.1gを得た。収率は化合物(11−a)基準で25%であった。
[化合物(11−d)の合成例]
化合物(11−c)4.0g(12.0mmol)及び塩化ピリジニウム40.0g(10倍質量)を混合し、180℃に昇温して3時間反応させた。得られた混合液を氷に加え、得られた沈殿を濾取した。水で懸洗後、トルエンで洗浄、真空乾燥させて、化合物(11−d)を主成分とする黄土色固体3.4gを得た。収率は化合物(11−c)基準で93%であった。
[化合物(A11−1)の合成例]
化合物(11−d)3.00g(9.64mmol)、化合物(A)8.47g(20.23mmol)、ジメチルアミノピリジン0.12g(0.96mmol)及びクロロホルム40mLを混合した。得られた混合液にN,N’−ジイソプロピルカルボジイミド2.92g(23.12mmol)を氷冷下で加えた。得られた反応溶液を室温で終夜反応させ、シリカゲル濾過したのち、減圧濃縮した。残渣にメタノールを加えて結晶化させた。結晶を濾取し、クロロホルムに再溶解させ0.3gの活性炭を加えて、室温で一時間攪拌した。溶液を濾過して濾液をエバポレータにて1/3まで減圧濃縮後、攪拌しながらメタノールを加えて、生成した白色沈殿を濾取し、ヘプタンで洗浄、真空乾燥して化合物(A11−1)を白色粉末として7.60g得た。収率は化合物(11−d)基準で71%であった。
化合物(A11−1)のH−NMR(CDCl):δ(ppm)1.45〜1.85(m、24H)、2.36〜2.87(m、18H)、3.93〜3.97(t、4H)、4.15〜4.20(t、4H)、5.79〜5.84(dd、2H)、6.07〜6.17(m、2H)、6.37〜6.45(m、2H)、6.87〜7.01(m、9H)、7.20(s,1H)、7.23(s、2H)、7.53(s,1H)
得られた化合物(A11−1)の相転移温度を偏光顕微鏡によるテクスチャー観察によって確認した。化合物(A11−1)は、昇温時において、105℃から137℃まで粘性の高い中間相を示した。液晶相の判別は困難であったが、137℃以上で明確なネマチック液晶相を呈した。ネマチック液晶相は180℃以上まであり、降温時においては、61℃までネマチック相を呈し結晶化した。
(実施例6)
<化合物(A15−1)の合成例>
化合物(A15−1)は下記のスキームに従って合成した。
Figure 0005899607
[5−フルオロベンゾフラン−2カルボン酸の合成例]
5−フルオロサリチルアルデヒド25g(178mmol)、炭酸カリウム49.32g(357mmol)、及び2−ブタノン200gを混合し、80℃に加温した。得られた分散液にブロモマロン酸ジエチル55.5g(232mmol)を滴下し、100℃で24時間反応させた。得られた赤褐色溶液を室温まで放冷後純水、1mol/L炭酸カリウム水溶液で洗浄した。有機層を回収し、無水硫酸ナトリウムで脱水、エバポレータにて減圧濃縮した。残渣に水酸化カリウム25g、エタノール250mLを加えて80℃で2時間攪拌した。室温まで冷却後、エバポレータにてエタノールを留去した。残渣を純水500mL、氷500gに溶解させ、2N硫酸でpHを3に調整した。析出した淡紫沈殿を濾過にて集め、さらに純水1000mLで洗浄、真空乾燥させて淡黄色粉末として5−フルオロベンゾフラン−2カルボン酸を23.4g得た。収率は4−フルオロサリチルアルデヒド基準で73%であった。
[化合物(15−a)の合成例]
2,5−ジメトキシアニリン17.01g(111mmol)、5−フルオロベンゾフラン−2カルボン酸20.0g(111mmol)、トリエチルアミン11.24g(111mmol)、N,N’−ジメチルアミノピリジン2.71g(22.2mmol)及び脱水N,N’−ジメチルアセトアミド100.0gを混合した。得られた溶液を氷浴にて冷却した後、BOP試薬51.57g(33.8mmol)を加えて室温で24時間反応させた。得られた混合液に水、メタノールの混合溶液(水2体積部、メタノール1体積部)を加えて晶析させた。得られた沈殿を濾取し水―メタノールの混合溶液(水1体積部、メタノール1体積部)で洗浄、真空乾燥して、淡黄色粉末として化合物(15−a)を32.1g得た。収率は2,5−ジメトキシアニリン基準で92%であった。
[化合物(15−b)の合成例]
化合物(15−a)32.0g(101mmol)、2,4−ビス(4−メトキシフェニル)−1,3−ジチア−2,4−ジホスフェタン−2,4−ジスルフィド(ローソン試薬)24.6g(61.0mmol)及びトルエン320gを混合し、得られた混合液を80℃に昇温して24時間反応させた。冷却後濃縮し、化合物(15−b)とローソン試薬の分解物とを主成分とする黄色固体を得た。
[化合物(15−c)の合成例]
前項で得られた化合物(15−b)を含む混合物、水酸化ナトリウム21.7g(543mmol)及び水500gを混合し、得られた混合液を氷冷下で攪拌させた。続いてフェリシアン化カリウム81.3g(247mmol)を加え、反応させた。室温で2時間反応させて、析出した黄色沈殿を濾取した。濾取した沈殿を水、次いでヘキサンで洗浄し、トルエンで洗浄、真空乾燥して、化合物(15−c)を主成分とする黄土色固体27.1gを得た。収率は化合物(15−a)基準で91%であった。
[化合物(15−d)の合成例]
化合物(15−c)10.0g(30mmol)及び塩化ピリジニウム50.0g(5倍質量)を混合し、180℃に昇温して2時間反応させた。得られた混合液を冷却後、水を加え、得られた沈殿を濾取し、水、ヘキサン、トルエンで洗浄して、化合物(15−d)を主成分とする固体6.0gを得た。収率は化合物(15−c)基準で66%であった。
[化合物(A15−1)の合成例]
化合物(15−d)3.00g(9.96mmol)、化合物(A)8.75g(20.9mmol)、ジメチルアミノピリジン0.12g(1.00mmol)及びクロロホルム50mLを混合した。得られた混合液にN,N’−ジイソプロピルカルボジイミド3.02g(23.9mmol)を氷冷下で加えた。得られた反応溶液を室温で終夜反応させ、シリカゲル濾過したのち、減圧濃縮した。残渣にメタノールを加えて結晶化させた。結晶を濾取し、クロロホルムに再溶解させた。活性炭0.3gを加えて一時間攪拌後、濾過した。濾液をエバポレータにて濃縮後、攪拌しながらメタノールを加えて、生成した白色沈殿を濾取した。沈殿をヘプタンで洗浄、真空乾燥して化合物(A15−1)を白色粉末として8.20g得た。収率は化合物(15−d)基準で75%であった。
化合物(A15−1)のH−NMR(CDCl):δ(ppm)1.46〜1.90(m、24H)、2.36〜2.84(m、12H)、3.93〜3.98(t、4H)、4.15〜4.20(t、4H)、5.80〜5.84(dd、2H)、6.07〜6.17(m、2H)、6.37〜6.44(m、2H)、6.87〜7.02(m、8H)、7.14〜7.19(dt、1H)、7.28(s、2H)、7.33〜7.37(dd、1H)、7.50〜7.55(m、2H)
得られた化合物(A15−1)の相転移温度を偏光顕微鏡によるテクスチャー観察によって確認した。化合物(A15−1)は、昇温時において、143℃から178℃まで粘性の高い相を示し、液晶相の判別が困難であった。しかし、178℃以上で明確なネマチック相を示し200℃以上までネマチック相を呈した。降温時においては、110℃までネマチック相を呈し結晶化した。
(実施例7)
<化合物(A57−1)の合成例>
化合物(A57−1)は下記のスキームに従って合成した。
Figure 0005899607
[5−プロピルベンゾフラン−2カルボン酸の合成例]
4−プロピルサリチルアルデヒド27.8g(169mmol)、炭酸カリウム46.81g(339mmol)、テトラブチルアンモニウムブロミド11.84g(37mmol)、ヨウ化カリウム30.48g(37mmol)及びトルエンを混合し、80℃に加温した。得られた分散液にブロモマロン酸ジエチル52.6g(477mmol)、18−クラウンー6、2.8gを滴下し、110℃(トルエン沸点還流)で24時間反応させた。得られた赤褐色反応液を室温まで冷却した後、エバポレータにて減圧濃縮した。残渣に水酸化カリウム27.8g、エタノール278mLを加えて80℃で1時間攪拌した。室温まで冷却後、エバポレータにてエタノールを留去した。残渣を純水500mL、氷500gに溶解させ、2N硫酸でpHを3に調整した。析出した黄色沈殿を濾過にて集め、さらに純水1000mLで洗浄、真空乾燥させて淡黄色粉末として5−プロピルベンゾフラン−2カルボン酸を5.8g得た。収率は4−プロピルサリチルアルデヒド基準で17%であった。
[化合物(57−a)の合成例]
2,5−ジメトキシアニリン4.3g(27.9mmol)、5−プロピル−ベンゾフラン−2−カルボン酸5.7g(27.9mmol)、トリエチルアミン2.82g(27.9mmol)、N,N’−ジメチルアミノピリジン0.68g(5.6mmol)及び脱水N,N’−ジメチルアセトアミド30.0gを混合した。得られた溶液を氷浴にて冷却した後、BOP試薬12.96g(30.7mmol)を加えて室温で24時間反応させた。得られた混合液に水、メタノールの混合溶液(水2体積部、メタノール1体積部)を加えて晶析させた。得られた沈殿を濾取し水―メタノールの混合溶液(水1体積部、メタノール1体積部)で洗浄、真空乾燥して、淡黄色粉末として化合物(57−a)を6.33g得た。収率は2,5−ジメトキシアニリン基準で67%であった。
[化合物(57−b)の合成例]
化合物(57−a)6.0g(17mmol)、2,4−ビス(4−メトキシフェニル)−1,3−ジチア−2,4−ジホスフェタン−2,4−ジスルフィド(ローソン試薬)9.2g(23.0mmol)及びトルエン100gを混合し、得られた混合液を80℃に昇温して5時間反応させた。冷却後濃縮し、化合物(57−b)とローソン試薬の分解物とを主成分とする赤色粘稠固体を得た。
[化合物(57−c)の合成例]
前項で得られた化合物(57−b)を含む混合物、水酸化ナトリウム4.5g(112mmol)及び水50gを混合し、得られた混合液を氷冷下で攪拌した。続いてフェリシアン化カリウム16.8g(51mmol)を、氷冷下で加え、反応させた。室温で48時間反応させて、析出した黄色沈殿を濾取した。濾取した沈殿を水、次いでヘキサンで洗浄し、エタノールで洗浄して、真空乾燥して、化合物(57−c)を主成分とする淡黄色固体2.8gを得た。収率は化合物(57−a)基準で42%であった。
[化合物(57−d)の合成例]
化合物(57−c)2.70g(7.64mmol)及び塩化ピリジニウム13.5g(5倍質量)を混合し、180℃に昇温して2時間反応させた。得られた混合液を冷却後、水を加え、得られた沈殿を濾取し、水、ヘキサンで洗浄して、化合物(57−d)を主成分とする固体2.4gを得た。収率は化合物(57−c)基準で97%であった。
[化合物(A57−1)の合成例]
化合物(57−d)1.85g(5.69mmol)、化合物(A)5.00g(11.9mmol)、ジメチルアミノピリジン0.07g(0.56mmol)及びクロロホルム20mLを混合した。得られた混合液にN,N’−ジイソプロピルカルボジイミド1.72g(13.7mmol)を氷冷下で加えた。得られた反応溶液を室温で終夜反応させ、シリカゲル濾過したのち、減圧濃縮した。残渣にメタノールを加えて結晶化させた。結晶を濾取し、クロロホルムに再溶解させた。得られた溶液を攪拌しながらメタノールを加えて、生成した白色沈殿を濾取し、エタノールで洗浄、真空乾燥して化合物(A57−1)を白色粉末として3.85g得た。収率は化合物(57−d)基準で77%であった。
化合物(A57−1)のH−NMR(CDCl):δ(ppm)0.94〜0.99(t、3H)、1.45〜1.86(m、26H)、2.35〜2.47(m、8H)、2.67〜2.83(m、6H)、3.92〜3.97(m、4H)、4.15〜4.20(t、4H)、5.79〜5.84(dd、2H)、6.07〜6.17(m、2H)、6.37〜6.44(m、2H)、6.87〜7.01(m、8H)、7.25(s、2H)、7.46〜7.49(m、4H)
得られた化合物(A57−1)の相転移温度を偏光顕微鏡によるテクスチャー観察によって確認した。化合物(A57−1)は、昇温時において、131℃から143℃まで粘性の高い相を示し、143℃から明確なネマチック相を与える。さらに化合物(A57−1)は180℃以上までネマチック相を呈し、降温時において、100℃までネマチック相を呈し結晶化した。
(実施例8)
<化合物(A25−1)の合成例>
化合物(A25−1)は下記のスキームに従って合成した。
Figure 0005899607
[化合物(25−a)の合成例]
2,5−ジメトキシアニリン15.8g(103mmol)、チエノ[3,2−b]チオフェン−2−カルボン酸19.0g(113mmol)トリエチルアミン10.4g(199mmol)、N,N’−ジメチルアミノピリジン4.85g(3.97mmol)及び脱水N,N’−ジメチルアセトアミド95.0gを混合した。得られた溶液を氷浴にて冷却した後、BOP試薬47.9g(113mmol)を加えて室温で24時間反応させた。得られた混合液に水、メタノールの混合溶液(水2体積部、メタノール1体積部)を加えて晶析させた。得られた沈殿を濾取し水―メタノールの混合溶液(水1体積部、メタノール1体積部)で洗浄、真空乾燥して、黄色粉末として化合物(25−a)を21.0g得た。収率は2,5−ジメトキシアニリン基準で64%であった。
[化合物(25−b)の合成例]
化合物(25−a)27.0g(85mmol)、2,4−ビス(4−メトキシフェニル)−1,3−ジチア−2,4−ジホスフェタン−2,4−ジスルフィド(ローソン試薬)17.8g(44.0mmol)及びトルエン122gを混合し、得られた混合液を80℃に昇温して5時間反応させた。冷却後析出した沈殿を濾取し、化合物(25−b)とローソン試薬の分解物とを主成分とする褐色固体を得た。
[化合物(25−c)の合成例]
前項で得られた化合物(25−b)を含む混合物26.4g、水酸化ナトリウム18.9g(472mmol)及び水450gを混合し、得られた混合液を氷冷下で反応させた。続いてフェリシアン化カリウム70.7g(215mmol)を含む水溶液を、氷冷下で加え、反応させた。室温で12時間反応させて、析出した黄色沈殿を濾取した。濾取した沈殿を水、次いでヘキサンで洗浄し、エタノールで洗浄して、真空乾燥して、化合物(25−c)を主成分とする黄色固体15gを得た。収率は化合物(25−a)基準で58%であった。
[化合物(25−d)の合成例]
化合物(25−c)15.0g(48.2mmol)及び塩化ピリジニウム75.0g(5倍質量)を混合し、180℃に昇温して3時間反応させた。得られた混合液を冷却後、水を加え、得られた沈殿を濾取し、水、熱トルエン、ヘキサンで洗浄して、化合物(25−d)を主成分とする固体6.6gを得た。収率は化合物(25−c)基準で45%であった。
[化合物(A25−1)の合成例]
化合物(25−d)2.0g(6.6mmol)、化合物(A)5.76g(13.8mmol)、ジメチルアミノピリジン0.08g(0.65mmol)及びクロロホルム30mLを混合した。得られた混合液にN,N’−ジイソプロピルカルボジイミド1.98g(15.7mmol)を氷冷下で加えた。得られた反応溶液を室温で終夜反応させ、0.8gの活性炭を加え終夜静置後、シリカゲル濾過したのち、減圧濃縮した。残渣にメタノールを加えて結晶化させた。結晶を濾取し、クロロホルムに再溶解させた。得られた溶液を攪拌しながらメタノールを加えて、生成した褐色沈殿を濾取し、エタノールで洗浄、真空乾燥して化合物(A25−1)を淡褐色粉末として4.30g得た。収率は化合物(25−d)基準で60%であった。
化合物(A25−1)のH−NMR(CDCl):δ(ppm)1.26〜1.87(m、24H)、2.33〜2.81(m、12H)、3.92〜3.96(t、4H)、4.15〜4.20(t、4H)、5.79〜5.84(dd、2H)、6.07〜6.17(m、2H)、6.37〜6.44(m、2H)、6.87〜7.01(m、8H)、7.18(s、2H)、7.23〜7.31(d、1H)、7.52〜7.54(d、1H)、7.82(s、1H)
得られた化合物(A25−1)の相転移温度を偏光顕微鏡によるテクスチャー観察によって確認した。化合物(A25−1)は、昇温時において、175℃から180℃までスメクチック相を呈し、180℃から238℃以上までネマチック相を呈し、238℃で透明点を示す。降温時において、168℃までネマチック相を呈し結晶化した。
(実施例9)
<化合物(A41−1)の合成例>
化合物(41−d)は下記のスキームに従って合成した。
Figure 0005899607
[化合物(41−a)の合成例]
容器に2,5−ジメトキシアニリン35.4g(231mmol)、トリエチルアミン46.7g(462mmol)及び脱水クロロホルム400gを混合し反応させながら、4−フェニルベンゾイルクロリド50.0g(231mmol)を投入した。その混合溶液を、60℃に、昇温して、3時間熟成した後、室温まで冷却し、水中に投入した。分離した有機層を取り出し、水、次いで塩酸で洗浄した。得られた有機層を濃縮して、化合物(41−a)をの固体76.6gが得られた。収率は2,5−ジメトキシアニリン基準で98%であった。
[化合物(41−b)の合成例]
化合物(1−b)の合成例と同様にして、化合物(41−b)とローソン試薬の分解物とを主成分とする固体を得た。
[化合物(41−c)の合成例]
化合物(1−c)の合成例と同様にして、化合物(41−c)を主成分とする固体を得た。
[化合物(41−d)の合成例]
化合物(1−d)の合成例と同様にして、化合物(41−d)を主成分とする固体を得た。
[化合物(A41−1)の合成例]
化合物(A1−1)の合成例と同様にして、化合物(A41−1)を得た。収率は化合物(41−d)基準で68%であった。
化合物(A41−1)のH−NMR(CDCl):δ(ppm)1.44〜1.82(m、24H)、2.32〜2.64(m、12H)、3.91〜3.97(t、4H)、4.14〜4.20(t、4H)、5.79〜5.84(m、2H)、6.07〜6.18(m、2H)、6.36〜6.44(m、2H)、6.85〜7.01(m、8H)、7.37〜7.90(m、9H)、8.13〜8.17(m、2H)
化合物(A41−1)の結晶の相転移温度を偏光顕微鏡によるテクスチャー観察によって確認した。温度を上げていくと214℃付近でスメクチック相に転移した。さらに温度を上げていくと234℃付近でネマチック相に変わった。さらに温度を上げていくと275℃付近で等方相に変わった。ここから温度を下げていくと、269℃付近でネマチック相になり、227℃付近でスメクチック相になり、204℃付近で結晶に戻った。すなわち、化合物(A41−1)は、昇温時において、214℃から234℃までスメクチック相を呈し、234℃から275℃までネマチック相を呈す事がわかった。また、降温時において、269℃から227℃までネマチック相を呈し、227℃から204℃までスメクチック相を呈することが分かった。
(実施例10)
<化合物(A43−1)の合成例>
[化合物(43−d)の合成例]
化合物(41−d)の合成例において、原料の4−フェニルベンゾイルクロリドに変えて、4−(4−ノルマルプロピルフェニル)ベンゾイルクロリドを用い、アミド化を行った以外は同様の手法で、下記の反応スキームに従い、化合物(43−d)を合成した。
Figure 0005899607
[化合物(A43−1)の合成例]
化合物(1−1)の合成例における、原料の化合物(1−d)を化合物(43−d)に変える以外は同様の方法にて、化合物(A43−1)を得た。収率は化合物(43−d)基準で65%であった。
化合物(A43−1)のH−NMR(CDCl):δ(ppm)0.95〜1.01(t、3H)1.44〜1.87(m、26H)、2.34〜2.83(m、14H)、3.92〜3.98(t、4H)、4.14〜4.21(t、4H)、5.79〜5.84(m、2H)、6.07〜6.18(m、2H)、6.36〜6.44(m、2H)、6.86〜7.02(m、8H)、7.20〜7.31(m、4H)、7.56〜7.60(d、2H)、7.69〜7.73(d、2H)、8.07〜8.11(d、2H)
化合物(A43−1)の結晶の相転移温度を偏光顕微鏡によるテクスチャー観察によって確認した。温度を上げていくと143℃付近で等方相に変わった。ここから温度を下げていくと、118℃付近で結晶に戻った。すなわち、化合物(A43−1)は、液晶相を示さない事がわかった。
参考例A
<化合物(A66−1)の合成例>
化合物(A66−1)は下記のスキームに従って合成した。
Figure 0005899607
[化合物(66−a)の合成例]
2,3−ジシアノヒドロキノン10.0g(62mmol)、水酸化カリウム35.0g(624mmol)及び水70.0gを混合し、混合液を攪拌しながら100℃で加熱した。得られた混合液を室温まで冷却し、硫酸40.0gを加えさらに攪拌した。得られた混合液に酢酸エチルを加えて攪拌し、有機層を取り出した。得られた有機層を減圧濃縮し、溶媒を除去した後、真空乾燥させて、化合物(66−a)を8.5g(42.6mmol)得た。収率は2,3−ジシアノヒドロキノン基準で68%であった。
[化合物(66−b)の合成例]
化合物(66−a)10.0g(50.5mmol)、2−アミノ−6−メトキシベンゾチアゾール19.1g(106.0mmol)及びテトラヒドロフラン200.0gを混合し、混合液を攪拌しながら70℃で加熱した。得られた混合液を室温まで冷却し、N,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド12.5g(60.6mmol)をテトラヒドロフラン37.5gに溶解させ、室温で滴下した後、攪拌しながら80℃で36時間加熱攪拌した。得られた混合液を室温まで放冷し、白色沈殿を濾過にて除去後、得られた濾液を減圧濃縮し、溶媒を除去した後、残渣をクロロホルムにて結晶化させた。生成した淡緑色粉末を濾過し、クロロホルムで洗浄した。得られた淡緑色粉末を再度テトラヒドロフランに溶解させ、メタノールを加えて晶析した。生成した緑色沈殿を濾過後、真空乾燥して、化合物(66−b)を2.8g得た。収率は化合物(66−a)基準で16%であった。
[化合物(A66−1)の合成例]
化合物(66−b)2.1g(6.13mmol)、4−ジメチルアミノピリジンを0.18(1.47mmol)、化合物(A)を6.16g(14.72mmol)、クロロホルム123gを混合した。続いて、得られた混合液に、N,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド4.56g(22.1mmol)をクロロホルム10.7gに溶解させた液を、室温で滴下し、攪拌した。得られた混合液を濾過後、2N塩酸62gを入れて攪拌し、液体を分液し、有機層を取り出した。以上の分液操作を二回繰り返した後、分液有機層を回収し、無水硫酸ナトリウムで乾燥、エバポレータにて溶媒を留去した後、メタノールを加えて攪拌した。生成した沈殿を濾過後、真空乾燥して、化合物(A66−1)が4.1g得られた。収率は、化合物(66−b)基準で59%であった。
化合物(A66−1)のH−NMR(CDCl):δ(ppm)1.45〜1.85(m、12H)、2.29〜2.56(m、8H)、2.56〜2.75(2tt、4H)、3.89(s、3H)、3.92〜3.97(t、4H)、4.16〜4.19(t、4H)、5.79〜5.84(dd、2H)、6.07〜6.17(m、2H)、6.37〜6.44(m、2H)、6.86〜7.01(m、8H)、7.08〜7.13(dd、1H)、7.32(d、1H)、7.50〜7.52(m、2H)、8.00(d、1H)
得られた化合物(A66−1)の相転移温度を偏光顕微鏡によるテクスチャー観察によって確認した。化合物(A66−1)は、昇温時において、125℃から140℃まで粘性の高い相を示し、液晶相の判別が困難であった。しかし、140℃以上で明確な液晶相を示した。
(実施例12〜24、比較例1)
<光学フィルムの製造例>
ガラス基板に、ポリビニルアルコール(ポリビニルアルコール1000完全ケン化型、和光純薬工業株式会社製)の2質量%水溶液を塗布し、乾燥後、厚さ89nmの膜を形成した。続いて、得られた膜の表面にラビング処理を施し、ラビング処理を施した面に、表1に記載の組成の組成物をスピンコート法により塗布し、表2に記載の乾燥温度で1分間乾燥した。次いで表2に記載の光照射時の温度まで加温しながら、表2に記載の積算光量の紫外線を照射して、表3に記載の膜厚の光学フィルムを形成させた。
表1は、組成物全体に対する各構成成分の含有率(質量%)を表す。
Figure 0005899607
LC242:BASF社より市販されている下記式の液晶化合物
重合開始剤:イルガキュア819(チバ・ジャパン株式会社製)
レベリング剤:BYK361N(ビックケミージャパン製)
溶剤:シクロペンタノン
Figure 0005899607
Figure 0005899607
<光学特性の測定>
光学フィルムの正面位相差値を測定機(KOBRA−WR、王子計測機器社製)を用いて測定した。尚、基材に使用したガラス基板には、複屈折性が無いため、ガラス基板付きフィルムを測定機で計測することにより、ガラス基板上に作製した光学フィルムの正面位相差値を得ることができる。得られた光学測定正面位相差値は、波長447.3nm、546.9nm、及び627.8nmにおいて、それぞれ測定し、[Re(447.3)/Re(546.9)](αとする)及び[Re(627.8)/Re(546.9)](βとする)を算出した。また、光学フィルムの膜厚d(μm)をレーザー顕微鏡(LEXT、オリンパス社製)を用いて測定した。結果を表3に示す。Δnは、Re(546.9)の値を膜厚で割って算出した(Δn=Re(546.9)/d)。
Figure 0005899607
(実施例25)
<化合物(A11−1)の合成例−2>
化合物(A11−1)は下記のスキームに従って合成した。
Figure 0005899607
[4,6−ジメチルベンゾフラン−2−カルボン酸の合成例]
4,6−ジメチルサリチルアルデヒド146.6g(976mmol)、炭酸カリウム330.7g(2392mmol)、をN,N’−ジメチルアセトアミド700mLに分散させた。80℃に加温した後、ブロモ酢酸tert−ブチル190.5g(976mmol)を30分かけて滴下した。混合液を130℃で2時間反応させた。反応液を室温まで冷却後、メチルイソブチルケトン600mLを加えて、純水1200mLで分液した。さらに有機層を2回1000mLの純水で洗浄し、有機層を回収した。無水硫酸ナトリウムで脱水後、エバポレータにて溶媒を留去した。残渣を酢酸240gに溶解させて、臭化水素酸水溶液72gを加えて、40℃で1時間攪拌した。室温まで放冷後、1N−塩酸150gを加えて析出した白色粉末を濾取した。得られた白色粉末をさらに、1N−塩酸で洗浄した後、真空乾燥させることにより、4,6−ジメチルベンゾフラン−2−カルボン酸を81.7g黄色粉末として得た。収率は4,6−ジメチルサリチルアルデヒド基準で44%であった。
[化合物(11−a)の合成例]
2,5−ジメトキシアニリン96.6g(631.0mmol)、4,6−ジメチルベンゾフラン−2−カルボン酸80.0g(421mmol及びクロロホルム400.0gを混合した。得られた懸濁液を氷浴にて冷却した後、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩88.7g(463mmol)とクロロホルム300gとの混合液を4時間かけて加えて、室温で48時間反応させた。得られた混合液を濃縮し、1N−塩酸、メタノールの混合溶液(水2体積部、メタノール1体積部)を加えて晶析させた。得られた沈殿を濾取し水―メタノールの混合溶液(水2体積部、メタノール1体積部)を加えた。析出した淡黄色沈殿を濾取し、水―メタノールの混合溶液(水2体積部、メタノール1体積部)で洗浄、真空乾燥して、淡黄色粉末として化合物(11−a)を124.2g得た。収率は4,6−ジメチルベンゾフラン−2−カルボン酸基準で91%であった。
[化合物(11−b)の合成例]
化合物(11−a)123.0g(378mmol)、2,4−ビス(4−メトキシフェニル)−1,3−ジチア−2,4−ジホスフェタン−2,4−ジスルフィド(ローソン試薬)9.2g(227.0mmol)及びトルエン1200gを混合し、得られた混合液を110℃に昇温して8時間反応させた。室温まで冷却後、1N−水酸化ナトリウム水溶液と分液した。有機層を回収し、n−ヘプタン800mLを加えた。析出した黄色沈殿を濾取、n−ヘプタンで洗浄、真空乾燥させることにより化合物(11−b)を主成分とする鮮黄色粉末109.2gを得た。収率は化合物(11−a)基準で85%であった。
[化合物(11−c)の合成例]
化合物(11−b)60.0g(176mmol)、水酸化カリウム53.8g(959mmol)及び水1000gを混合し、得られた混合液を氷冷下で攪拌した。続いてフェリシアン化カリウム133.0g(404mmol)、メタノール51gを加え、反応させた。室温で36時間反応させて、析出した黄色沈殿を濾取した。濾取した沈殿をn−ヘプタン、トルエンの混合溶媒(ヘプタン3体積部、トルエン1体積部)で洗浄し、得られた黄色粉末を真空乾燥して、化合物(11−c)を主成分とする黄色固体51.3gを得た。収率は化合物(11−b)基準で86%であった。
[化合物(11−d)の合成例]
化合物(11−c)40.0g(118mmol)及び塩化ピリジニウム400.0g(10倍質量)を混合し、180℃に昇温して3時間反応させた。得られた混合液を氷に加え、得られた沈殿を濾取した。水で懸洗後、トルエンで洗浄、真空乾燥させて、化合物(11−d)を主成分とする黄色固体36.6gを得た。収率は化合物(11−c)基準で99%であった。
[化合物(A11−1)の合成例]
化合物(11−d)35.0g(112.4mmol)、化合物(A)98.8g(236.1mmol)、ジメチルアミノピリジン1.37g(11.2mmol)及びトルエン700mLを混合した。得られた混合液にN,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド55.6g(269.8mmol)を氷冷下で加えた。得られた反応溶液を室温で終夜反応させ、シリカゲル濾過したのち、減圧濃縮した。残渣にメタノールを加えて結晶化させた。結晶を濾取し、クロロホルムに再溶解させ2.3gの活性炭を加えて、室温で一時間攪拌した。溶液を濾過して濾液をエバポレータにて1/3まで減圧濃縮後、攪拌しながらメタノールを加えて、生成した白色沈殿を濾取し、ヘプタンで洗浄、真空乾燥して化合物(A11−1)を白色粉末として74.5g得た。収率は化合物(11−d)基準で60%であった。
(実施例26)
<化合物(A11−1)の合成例−3>
ブロモ酢酸tert−ブチルに換えて、クロロ酢酸エチルを用いたことを以外は化合物(A11−1)の合成例−2と同様にして化合物(A−11)を合成した。
(実施例27)
<化合物(A61−1)の合成例>
化合物(A61−1)は下記のスキームに従って合成した。
Figure 0005899607
[3,6−ジメチルサリチルアルデヒドの合成例]
2,5−ジメチルフェノール50g(409mmol)、パラホルムアルデヒド30.7g(1023mmol)、無水塩化マグネシウム58.4g(613.9mmol)をテトラヒドロフラン500mLに分散させた。氷浴で30分攪拌した後、トリエチルアミン82.83g(818.6mmol)を二時間かけて滴下した。混合液を水浴で8時間、室温で120時間反応させた。反応液に冷5N−塩酸1500mLを加えて、酸性にした後、400mLの酢酸エチルで2回抽出し、有機層を集めた。有機層を無水硫酸ナトリウムで脱水後、セライト濾過し、濾液をエバポレータにて40℃以下で減圧濃縮した。残渣を100mLトルエンに溶解し、溶液に600mLのn−ヘプタンを加えた。溶液にシリカゲル30gを加えて一時間攪拌後、濾過した。濾液を減圧濃縮しさらに残渣にn−ヘプタンを加えて抽出してヘプタンを留去させることにより、黄色液体として3,6−ジメチルサリチルアルデヒドを10.5g得た。収率は2,5−ジメチルフェノール基準で17%であった。
[4,7−ジメチルベンゾフラン−2−カルボン酸の合成例]
3,6−ジメチルサリチルアルデヒド10.48g(70mmol)、炭酸カリウム23.63g(171mmol)、をN,N’−ジメチルアセトアミド70mLに分散させた。80℃に加温した後、ブロモ酢酸tert−ブチル13.61g(70mmol)を10分かけて滴下した。混合液を130℃で3時間反応させた。反応液を室温まで冷却後、メチルイソブチルケトン200mLを加えて、純水1000mLで分液した。さらに有機層を2回300mLの純水で洗浄し、有機層を回収した。無水硫酸ナトリウムで脱水後、エバポレータにて溶媒を留去した。残渣を酢酸40gに溶解させて、臭化水素酸水溶液8gを加えて、40℃で1時間攪拌した。室温まで放冷後、1N−塩酸水10gを加えて析出した白色粉末を濾取した。得られた白色粉末をさらに、1N−塩酸水、ついでn−ヘプタンで洗浄した後、真空乾燥させることにより、4,7−ジメチルベンゾフラン−2−カルボン酸を7.31g白色粉末として得た。収率は3,6−ジメチルサリチルアルデヒド基準で55%であった。
[化合物(61−a)の合成例]
2,5−ジメトキシアニリン8.82g(57.6mmmol)、4,7−ジメチルベンゾフラン−2−カルボン酸7.30g(38.4mmol)、をクロロホルム38gに分散させた。得られた懸濁液を氷浴にて冷却した後、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド 塩酸塩8.09g(42.2mmol)とクロロホルム50gの混合液を4時間かけて加えて室温で24時間反応させた。反応溶液に、さらに2,5−ジメトキシアニリン1.18g(7.7mmmol)を加えて48時間反応させた。得られた混合液を濃縮し、残渣に1N−塩酸、メタノールの混合溶液(塩酸水2体積部、メタノール1体積部)400g、ヘプタン150gを加えて結晶化させた。得られた沈殿を濾取し塩酸水―メタノールの混合溶液(塩酸水2体積部、メタノール1体積部)を加えた。析出した淡黄緑色沈殿を濾取し、水―メタノールの混合溶液(水2体積部、メタノール1体積部)でさらに洗浄後した。得られた淡黄緑色沈殿を1N―KOH水溶液―メタノールの混合溶液(水酸化カリウム水溶液1体積部、メタノール2体積部)、次いで水150gで洗浄し濾取した。真空乾燥して、淡黄色粉末として化合物(61−a)を8.82g得た。収率は4,7−ジメチルベンゾフラン−2−カルボン酸基準で71%であった。
[化合物(61−b)の合成例]
化合物(61−a)8.82g(27mmol)、2,4−ビス(4−メトキシフェニル)−1,3−ジチア−2,4−ジホスフェタン−2,4−ジスルフィド(ローソン試薬)6.58g(16mmol)及びトルエン88gを混合し、得られた混合液を110℃に昇温して12時間反応させた。冷却後、析出した橙色固体を濾過により除去して濾液にヘプタンを加えて結晶化させた。析出した黄色沈殿を濾取し、真空乾燥させることにより化合物(61−b)4.7gを鮮黄色粉末として得た。収率は化合物(61−a)で51%であった。
[化合物(61−c)の合成例]
化合物(61−b)4.27g(13mmol)、水酸化カリウム3.83g(68mmol)及び水73gを混合し、得られた混合液を氷冷下で反応させた。続いてフェリシアン化カリウム11.23g(34mmol)を氷冷下で加え、次いでメタノール15gを加えて反応させた。室温で12時間反応させて、析出した黄色沈殿を濾取した。濾取した沈殿を水、メタノール、エタノールで洗浄し、淡黄色沈殿を濾取した。得られた黄色粉末を真空乾燥して、化合物(61−c)を主成分とする淡黄色固体3.08gを得た。収率は化合物(61−a)基準で73%であった。
[化合物(61−d)の合成例]
化合物(61−c)3.08g(9.1mmol)及び塩化ピリジニウム15.4g(5倍質量)を混合し、190℃に昇温して7時間反応させた。得られた混合液を氷に加え、得られた沈殿を濾取した。水で懸洗後、トルエンで洗浄、真空乾燥させて、化合物(61−d)を主成分とする黄土色固体2.41gを得た。収率は化合物(61−c)基準で85%であった。
[化合物(A61−1)の合成例]
化合物(61−d)2.41g(7.74mmol)、化合物(A)6.80g(16.25mmol)、ジメチルアミノピリジン0.09g(0.77mmol)及びクロロホルム38mLを混合した。得られた混合液にN,N’−ジイソプロピルカルボジイミド2.34g(18.58mmol)を氷冷下で加えた。得られた反応溶液を室温で終夜反応させ、シリカゲル濾過したのち、減圧濃縮した。残渣にメタノールを加えて結晶化させた。結晶を濾取し、クロロホルムに再溶解させ0.3gの活性炭を加えて、室温で1時間攪拌した。溶液を濾過して濾液をエバポレータにて1/3まで減圧濃縮後、激しく攪拌しながらメタノールを加えて、生成した白色沈殿を濾取し、ヘプタンで洗浄、真空乾燥して化合物(A61−1)をオフホワイト粉末として4.52g得た。収率は化合物(61−d)基準で53%であった。
化合物(A61−1)のH−NMR(CDCl):δ(ppm)1.45〜1.82(m、24H)、2.34〜2.85(m、18H)、3.92〜3.97(t、4H)、4.15〜4.20(t、4H)、5.80〜5.84(dd、2H)、6.07〜6.18(m、2H)、6.37〜6.44(m、2H)、6.87〜7.02(m、8H)、7.02〜7.13(m、2H)、7.24(s、2H)、7.57(s、1H)
得られた化合物(A61−1)の相転移温度を偏光顕微鏡によるテクスチャー観察によって確認した。化合物(A61−1)は、昇温時において、136℃から138℃まで粘性の高い相を示し、138℃から明確なネマチック相を与える。さらに化合物(A61−1)は150℃以上までネマチック相を呈し、降温時において、90℃までネマチック相を呈し結晶化した。
(実施例28)
<化合物(A69−1)の合成例>
化合物(A69−1)は下記のスキームに従って合成した。
Figure 0005899607
[3−シクロヘキシルー6−メチルサリチルアルデヒドの合成例]
2―シクロヘキシルー5−メチルフェノール100g(526mmol)、パラホルムアルデヒド39.5g(1314mmol)、無水塩化マグネシウム75.0g(788.3mmol)をテトラヒドロフラン900mLに分散させた。氷浴で30分攪拌した後、トリエチルアミン106.4g(1051mmol)を二時間かけて滴下した。混合液を水浴で8時間、室温で96時間反応させた。反応液に冷5N−塩酸1500mLを加えて、酸性にした後、400mLの酢酸エチルで2回抽出し、有機層を集めた。有機層を無水硫酸ナトリウムで脱水後、エバポレータにて40℃以下で減圧濃縮した。残渣を100mLトルエンに溶解し、溶液に600mLのn−ヘプタンを加えた。溶液にシリカゲル38gを加えてエバポレータにて溶媒を除去した。残渣にn−ヘプタンを加えて抽出してヘプタンを留去させることにより、ゆっくりと結晶化する黄色結晶として4,6−ジメチルサリチルアルデヒドを35.2g得た。収率は2―シクロヘキシルー5−メチルフェノール基準で31%であった。
[4ーメチルー7−シクロヘキシルベンゾフラン−2−カルボン酸の合成例]
3−シクロヘキシルー6−メチルサリチルアルデヒド35.0g(213mmol)、炭酸カリウム72.2g(552mmol)、をN,N’−ジメチルアセトアミド300mLに分散させた。80℃に加温した後、ブロモ酢酸tert−ブチル41.6g(213mmol)を30分かけて滴下した。混合液を130℃で3時間反応させた。反応液を室温まで冷却後、メチルイソブチルケトン200mLを加えて、純水1000mLで分液した。さらに有機層を2回500mLの純水で洗浄し、有機層を回収した。無水硫酸ナトリウムで脱水後、エバポレータにて溶媒を留去した。残渣を酢酸240gに溶解させて、臭化水素酸水溶液72gを加えて、40℃で1時間攪拌した。室温まで放冷後、1N−塩酸150gを加えて析出した白色粉末を濾取した。得られた白色粉末をさらに、1N−塩酸、ついでn−ヘプタンで洗浄した後、真空乾燥させることにより、4−メチル−7−シクロヘキシルベンゾフラン−2−カルボン酸を25.8g白色粉末として得た。収率は3−シクロヘキシルー6−メチルサリチルアルデヒド基準で59%であった。
[化合物(69−a)の合成例]
2,5−ジメトキシアニリン22.2g(145.0mmol)、4−メチル−7−シクロヘキシルベンゾフラン−2−カルボン酸25.00g(96.8mmol)、トリエチルアミン9.79g(96.8mmol)をクロロホルム125gに分散させた。得られた懸濁液を氷浴にて冷却した後、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド 塩酸塩20.4g(107mmol)とクロロホルム100gの混合液を4時間かけて加えて室温で72時間反応させた。得られた混合液を濃縮し、残渣に1N−塩酸、メタノールの混合溶液(塩酸水2体積部、メタノール1体積部)400g、ヘプタン150gを加えて結晶化させた。得られた沈殿を濾取し塩酸水―メタノールの混合溶液(塩酸水2体積部、メタノール1体積部)を加えた。析出した淡黄緑色沈殿を濾取し、水―メタノールの混合溶液(水2体積部、メタノール1体積部)でさらに洗浄後した。得られた淡黄緑色沈殿を1N―KOH水溶液―メタノールの混合溶液(水酸化カリウム水溶液1体積部、メタノール2体積部)、次いでメタノール150gで洗浄し濾取した。真空乾燥して、淡黄色粉末として化合物(69−a)を12.3g得た。収率は4−メチル−7−シクロヘキシルベンゾフラン−2−カルボン酸基準で32%であった。
[化合物(69−b)の合成例]
化合物(69−a)12.3g(31mmol)、2,4−ビス(4−メトキシフェニル)−1,3−ジチア−2,4−ジホスフェタン−2,4−ジスルフィド(ローソン試薬)7.6g(19.0mmol)及びトルエン120gを混合し、得られた混合液を110℃に昇温して6時間反応させた。冷却後、トルエン溶液を2N−水酸化ナトリウム水溶液500mLで三回洗浄後、有機層を回収後これを濃縮し、n−ヘプタンを加えさらにエバポレータにて溶媒を留去した。残渣にメタノール50gを加えて結晶化させた。得られた鮮黄色結晶を濾取し、真空乾燥させることにより化合物(69−b)を鮮黄色粉末として11.5g得た。収率は化合物(69−a)基準で90%であった。
[化合物(69−c)の合成例]
前項で得られた化合物(69−b)11.5g、水酸化カリウム9.58g(171mmol)及び水182gを混合し、得られた混合液を氷冷下で反応させた。続いてフェリシアン化カリウム28.09g(85mmol)を加え化合物(69−b)を含む分散液を調製した。分散液にメタノール40gを加えて40℃で2時間、室温で24時間反応させて、析出した黄色沈殿を濾取した。濾取した沈殿を水、次いでヘキサンで洗浄した。さらに、トルエン−ヘプタンの混合溶媒(トルエン1体積部、ヘプタン2体積部)400mlに分散し、淡黄色の不溶成分を回収した。得られた淡黄色を真空乾燥して、化合物(69−c)を主成分とする淡黄色固体4.5gを得た。収率は化合物(69−a)基準で36%であった。
[化合物(69−d)の合成例]
化合物(69−c)4.54g(11.1mmol)及び塩化ピリジニウム45.4g(10倍質量)を混合し、180℃に昇温して3時間反応させた。得られた混合液を氷に加え、得られた沈殿を濾取した。水で懸洗後、トルエンで洗浄、真空乾燥させて、化合物(69−d)を主成分とする黄土色固体3.4gを得た。収率は化合物(69−c)基準で80%であった。
[化合物(A69−1)の合成例]
化合物(69−d)3.40g(8.96mmol)、化合物(A)7.87g(18.82mmol)、ジメチルアミノピリジン0.11g(0.90mmol)及びクロロホルム40mLを混合した。得られた混合液にN,N’−ジイソプロピルカルボジイミド2.71g(21.50mmol)を氷冷下で加えた。得られた反応溶液を室温で終夜反応させ、シリカゲル濾過したのち、減圧濃縮した。残渣にメタノールを加えて結晶化させた。結晶を濾取し、クロロホルムに再溶解させ0.3gの活性炭を加えて、室温で一時間攪拌した。溶液を濾過して濾液をエバポレータにて1/3まで減圧濃縮後、攪拌しながらメタノールを加えて、生成した白色沈殿を濾取し、ヘプタンで洗浄、真空乾燥して化合物(A69−1)をオフホワイト粉末として4.84g得た。収率は化合物(69−d)基準で45%であった。
化合物(A69−1)のH−NMR(CDCl):δ(ppm)1.45〜1.87(m、34H)、2.34〜2.54(m、11H)、2.65〜2.85(m、4H)、3.10〜3.14(tt、1H)、3.92〜3.97(t、4H)、4.15〜4.20(t、4H)、5.79〜5.84(dd、2H)、6.07〜6.17(m、2H)、6.37〜6.44(m、2H)、6.86〜7.14(m、10H)、7.25(s、2H)、7.56(s、1H)
得られた化合物(A69−1)の相転移温度を偏光顕微鏡によるテクスチャー観察によって確認した。化合物(A69−1)は、昇温時において、207℃から粘性の高い相を示し、220℃で熱重合した。
(実施例29)
<化合物(A70−1)の合成例>
化合物(A70−1)は下記のスキームに従って合成した。
Figure 0005899607
[3−プロピルサリチルアルデヒドの合成例]
2―プロピルフェノール75g(551mmol)、パラホルムアルデヒド41.3g(1377mmol)、無水塩化マグネシウム78.7g(826.1mmol)をテトラヒドロフラン900mLに分散させた。氷浴で30分攪拌した後、トリエチルアミン111.5g(1101mmol)を二時間かけて滴下した。混合液を水浴で8時間、室温で96時間反応させた。反応液に冷5N−塩酸1500mLを加えて、酸性にした後、400mLの酢酸エチルで2回抽出し、有機層を集めた。有機層を無水硫酸ナトリウムで脱水後、エバポレータにて40℃以下で減圧濃縮した。残渣を100mLトルエンに溶解し、溶液に600mLのn−ヘプタンを加えた。溶液にシリカゲル90gを加えてエバポレータにて溶媒を除去した。残渣にn−ヘプタンを加えて抽出してヘプタンを留去させることにより、黄色液体として3−プロピルサリチルアルデヒド28.8gを得た。収率は2―プロピルフェノール基準で32%であった。
[7−プロピルベンゾフラン−2−カルボン酸の合成例]
3−プロピルサリチルアルデヒド28.8g(175mmol)、炭酸カリウム59.3g(429mmol)、をN,N’−ジメチルアセトアミド200mLに分散させた。80℃に加温した後、ブロモ酢酸tert−ブチル34.2g(175mmol)を30分かけて滴下した。混合液を130℃で2時間反応させた。反応液を室温まで冷却後、メチルイソブチルケトン200mLを加えて、純水1000mLで分液した。さらに有機層を2回500mLの純水で洗浄し、有機層を回収した。無水硫酸ナトリウムで脱水後、エバポレータにて溶媒を留去した。残渣を酢酸150gに溶解させて、臭化水素酸水溶液45gを加えて、40℃で1時間攪拌した。室温まで放冷後、1N−塩酸150gを加えて析出した白色粉末を濾取した。得られた白色粉末をさらに、1N−塩酸、ついでn−ヘプタンで洗浄した後、真空乾燥させることにより、7−プロピルベンゾフラン−2−カルボン酸を28.1g白色粉末として得た。収率は3−プロピルサリチルアルデヒド基準で78%であった。
[化合物(70−a)の合成例]
2,5−ジメトキシアニリン20.25g(132.2mmol)、7−プロピルベンゾフラン−2−カルボン酸18.0g(88.1mmol)、トリエチルアミン8.92g(88.1mmol)をクロロホルム90gに分散させた。得られた懸濁液を氷浴にて冷却した後、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド 塩酸塩18.6g(97mmol)とクロロホルム100gの混合液を4時間かけて加えて室温で72時間反応させた。得られた混合液を濃縮し、残渣に1N−塩酸、メタノールの混合溶液(塩酸水2体積部、メタノール1体積部)400g、ヘプタン150gを加えて結晶化させた。得られた沈殿を濾取し塩酸水―メタノールの混合溶液(塩酸水2体積部、メタノール1体積部)に加えた。淡黄緑色沈殿を濾取し、1N―KOH水溶液―メタノールの混合溶液(水酸化カリウム水溶液1体積部、メタノール2体積部)で洗浄し濾取した。真空乾燥して、淡黄色粉末として化合物(70−a)を19.8g得た。収率は7−プロピルベンゾフラン−2−カルボン酸基準で66%であった。
[化合物(70−b)の合成例]
化合物(70−a)19.8g(58mmol)、2,4−ビス(4−メトキシフェニル)−1,3−ジチア−2,4−ジホスフェタン−2,4−ジスルフィド(ローソン試薬)14.2g(35.0mmol)及びトルエン198gを混合し、得られた混合液を110℃に昇温して6時間反応させた。冷却後、トルエン溶液を2N−水酸化ナトリウム水溶液500mLで三回洗浄後、有機層を回収後、これを濃縮し、n−ヘプタンを加え結晶化させた。得られた鮮黄色結晶を濾取し、真空乾燥させることにより化合物(70−b)を鮮黄色粉末として18.6g得た。収率は化合物(70−a)基準で90%であった。
[化合物(70−c)の合成例]
化合物(70−b)を18.6g、水酸化カリウム17.86g(318mmol)及び水320gを混合し、得られた混合液を氷冷下で反応させた。続いてフェリシアン化カリウム52.41g(159mmol)を加え化合物(70−b)を含む分散液を調製した。分散液にメタノール70gを加えて40℃で2時間、室温で24時間反応させて、析出した黄色沈殿を濾取した。濾取した沈殿を水、次いでメタノールで洗浄した。さらに黄色粉末を熱エタノールで洗浄、濾取した。得られた黄色を真空乾燥して、化合物(70−c)を主成分とする淡黄色固体15.8gを得た。収率は化合物(70−a)基準で76%であった。
[化合物(70−d)の合成例]
化合物(70−c)15.8g(44.6mmol)及び塩化ピリジニウム158g(10倍質量)を混合し、180℃に昇温して3時間反応させた。得られた混合液を氷に加え、得られた沈殿を濾取した。水で懸洗後、トルエンで洗浄、真空乾燥させて、化合物(70−d)を主成分とする黄土色固体13.6gを得た。収率は化合物(70−c)基準で94%であった。
[化合物(A70−1)の合成例]
化合物(70−d)5.00g(15.4mmol)、化合物(A)13.5g(32.27mmol)、ジメチルアミノピリジン0.19g(1.54mmol)及びクロロホルム60mLを混合した。得られた混合液にN,N’−ジイソプロピルカルボジイミド4.65g(36.88mmol)を氷冷下で加えた。得られた反応溶液を室温で終夜反応させ、シリカゲル濾過したのち、減圧濃縮した。残渣にメタノールを加えて結晶化させた。結晶を濾取し、クロロホルムに再溶解させ0.3gの活性炭を加えて、室温で一時間攪拌した。溶液を濾過して濾液をエバポレータにて1/3まで減圧濃縮後、攪拌しながらメタノールを加えて、生成した白色沈殿を濾取し、ヘプタンで洗浄、真空乾燥して化合物(A70−1)をオフホワイト粉末として8.38g得た。収率は化合物(70−d)基準で48%であった。
化合物(A70−1)のH−NMR(CDCl):δ(ppm)1.01〜1.06(t、3H)、1.45〜1.84(m、26H)、2.34〜2.48(m、8H)、2.63〜2.71(m、4H)、2.94〜3.00(t、2H)、3.92〜3.97(t、4H)、4.15〜4.20(t、4H)、5.79〜5.84(dd、2H)、6.07〜6.17(m、2H)、6.36〜6.44(m、2H)、6.87〜6.98(m、8H)、7.22〜7.24(m、4H)、7.52〜7.53(m、2H)
得られた化合物(A70−1)の相転移温度を偏光顕微鏡によるテクスチャー観察によって確認した。化合物(A70−1)は、昇温時において、137℃から142℃まで粘性の高い相を示し、142℃から明確なネマチック相を与える。さらに化合物(A70−1)は220℃以上までネマチック相を呈し、降温時において、125℃までネマチック相を呈し結晶化した。
(実施例30〜33、比較例1)
<光学フィルムの製造例>
ガラス基板に、ポリビニルアルコール(ポリビニルアルコール1000完全ケン化型、和光純薬工業株式会社製)の2質量%水溶液を塗布し、乾燥後、厚さ89nmの膜を形成した。続いて、得られた膜の表面にラビング処理を施し、ラビング処理を施した面に、表4の組成の組成物をスピンコート法により塗布し、表5に記載の乾燥温度で1分間乾燥した。次いで表5に記載の光照射時の温度まで加温しながら、表5に記載の積算光量の紫外線を照射して、表6に記載の膜厚の光学フィルムを形成した。
表4は、組成物全体に対する各構成成分の含有率(質量%)を表す。
Figure 0005899607
B1−1:式(B1−1)で表されるの液晶化合物
LC242:上記と同じ
重合開始剤:イルガキュア819(チバ・ジャパン株式会社製)
レベリング剤:BYK361N(ビックケミージャパン製)
溶剤:シクロペンタノン
Figure 0005899607
Figure 0005899607
<光学特性の測定>
光学フィルムの正面位相差値を測定機(KOBRA−WR、王子計測機器社製)を用いて測定した。尚、基材に使用したガラス基板には、複屈折性が無いため、ガラス基板付きフィルムを測定機で計測することにより、ガラス基板上に作製した光学フィルムの正面位相差値を得ることができる。得られた光学測定正面位相差値は、波長447.3nm、546.9nm、及び627.8nmにおいて、それぞれ測定し、[Re(447.3)/Re(546.9)](αとする)及び[Re(627.8)/Re(546.9)](βとする)を算出した。また、光学フィルムの膜厚d(μm)をレーザー顕微鏡(LEXT、オリンパス社製)を用いて測定した。結果を表6に示す。Δnは、Re(546.9)の値を膜厚で割って算出した(Δn=Re(546.9)/d)。
Figure 0005899607
(実施例34〜39、比較例2〜7)
<<組成物の熱物性>>
<組成物の調製>
表7に記載の組成の組成物を調製した。
Figure 0005899607

光重合開始剤:イルガキュア819(チバ・ジャパン株式会社製)
レベリング剤:BYK361N(ビックケミージャパン製)
溶剤:シクロペンタノン
<熱物性観察>
ガラス基板にポリビニルアルコール(ポリビニルアルコール1000完全ケン化型、和光純薬工業株式会社製)の2質量%水溶液を塗布し、加熱乾燥して、厚さ89nmの膜を形成した。膜の表面にラビング処理を施し、配向膜を形成した。ラビング処理を施した面に、表8に記載の組成物をスピンコート法により塗布した。塗布した基板を、ホットステージ付き偏光顕微鏡(ホットステージ:LTS350、Linkam社製、偏光顕微鏡:BX−51、オリンパス社製)を用いて、昇温時は昇温速度30℃/minで加熱しながら組成物の挙動を観察した。降温時は自然冷却で挙動を観察した。結果を表8に示す。
Figure 0005899607
;結晶からネマチック相に相転移してモノドメイン構造を形成し始める温度。
;ネマチック相を高温で保持する温度。
;結晶化する温度。
(実施例34〜39、比較例2〜8)
<フィルムの製造例>
ガラス基板にポリビニルアルコール(ポリビニルアルコール1000完全ケン化型、和光純薬工業株式会社製)の2質量%水溶液を塗布し、加熱乾燥して、厚さ89nmの膜を形成した。膜の表面にラビング処理を施し、配向膜を形成した。ラビング処理を施した面に、表7に記載の組成物をスピンコート法により塗布し、表9に記載の温度(Td)で1分間乾燥した。表9に記載の温度(Te)で1分間放置後、積算光量2400mJ/cmの紫外線を照射してフィルムを作成した。ここでTeは液晶が結晶化することなく、モノドメインで均一なフィルムを再現性良く製造するために必要な温度であり、Teが低いほど、低温で光学フィルムを製造できることを表す。
Figure 0005899607
(実施例40)
<化合物(A71−1)の合成例>
化合物(A71−1)は下記のスキームに従って合成した。
Figure 0005899607
[5−クロロ−4,6−ジメチルサリチルアルデヒドの合成例]
4−クロロ−3,5−ジメチルフェノール100g(639mmol)、パラホルムアルデヒド47.94g(1597mmol)、無水塩化マグネシウム91.19g(958mmol)をアセトニトリル800mLに分散させた。氷浴で30分攪拌した後、トリエチルアミン129.23g(1277mmol)を二時間かけて滴下した。混合液を水浴で3時間、50℃で18時間反応させた。反応液に冷2N−塩酸を加えて中性にした後、600mLの酢酸エチルで2回抽出し、有機層を集めた。有機層を無水硫酸ナトリウムで脱水後、活性炭を3g加えて攪拌後、セライト濾過し、濾液をエバポレータにて40℃以下で減圧濃縮した。残渣にヘプタン1000mLを加えて、不溶物を濾過にて除去した。濾液を回収し、再結晶することにより、淡黄色粉末として5−クロロ−4,6−ジメチルサリチルアルデヒドを20.00g得た。収率は4−クロロ−3,5−ジメチルフェノール基準で17%であった。
[5−クロロ−4,6−ジメチルベンゾフラン−2−カルボン酸の合成例]
5−クロロ−4,6−ジメチルサリチルアルデヒド20.00g(108mmol)、炭酸カリウム36.68g(265mmol)、をN,N’−ジメチルアセトアミド150mLに分散させた。80℃に加温した後、ブロモ酢酸tert−ブチル21.13g(108mmol)を10分かけて滴下した。混合液を130℃で3時間反応させた。反応液を室温まで冷却後、メチルイソブチルケトン200mLを加えて、純水1000mLで分液した。さらに有機層を2回300mLの純水で洗浄し、有機層を回収した。無水硫酸ナトリウムで脱水後、エバポレータにて溶媒を留去した。残渣を酢酸60gに溶解させて、トリフルオロ酢酸20gを加えて、60℃で1時間攪拌した。室温まで放冷後、1N−塩酸水10gを加えて析出した白色粉末を濾取した。得られた白色粉末をさらに、1N−塩酸水、ついでn−ヘプタンで洗浄した後、真空乾燥させることにより、5−クロロ−4,6−ジメチルベンゾフラン−2−カルボン酸を19.37g白色粉末として得た。収率は5−クロロ−4,6−ジメチルサリチルアルデヒド基準で80%であった。
[化合物(71−a)の合成例]
2,5−ジメトキシアニリン19.43g(127mmmol)、5−クロロ−4,6−ジメチルベンゾフラン−2−カルボン酸19.00g(84.6mmol)、をクロロホルム200gに分散させた。得られた懸濁液を氷浴にて冷却した後、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩17.64g(93.0mmol)とクロロホルム80gの混合液を6時間かけて加えて室温で24時間反応させた。反応溶液に、さらに2,5−ジメトキシアニリン0.2gを加えて48時間反応させた。得られた混合液を濃縮し、残渣に1N−塩酸、メタノールの混合溶液(塩酸水2体積部、メタノール1体積部)400gを加えて結晶化させた。得られた淡黄色粉末をメタノール、次いでトルエンで洗浄して濾取した。真空乾燥して、淡黄色粉末として化合物(71−a)を13.68g得た。収率は5−クロロ−4,6−ジメチルベンゾフラン−2−カルボン酸基準で45%であった。
[化合物(71−b)の合成例]
化合物(71−a)13.63g(38mmol)、2,4−ビス(4−メトキシフェニル)−1,3−ジチア−2,4−ジホスフェタン−2,4−ジスルフィド(ローソン試薬)9.19g(23mmol)及びトルエン150gを混合し、得られた混合液を110℃に昇温して6時間反応させた。冷却後、1N−水酸化ナトリウム水溶液を加えた。有機層を回収し、ヘプタン100mLを加えて結晶化させた。赤色結晶を濾取して、乾燥させて化合物(71−b)14.24gを橙色粉末として得た。ローソン試薬由来の不純物が混入していたが、このまま次ステップに使用した。
[化合物(71−c)の合成例]
化合物(71−b)14.24g(38mmol)、水酸化カリウム11.60g(207mmol)及び水220gを混合し、得られた混合液を氷冷下で反応させた。続いてフェリシアン化カリウム34.03g(103mmol)を氷冷下で加え、次いでメタノール44gを加えて反応させた。室温で12時間反応後、80℃で8時間反応させた。析出した淡黄色沈殿を濾取した。濾取した沈殿を水、メタノール、エタノールで洗浄し、淡黄色沈殿を濾取した。得られた淡黄色粉末を真空乾燥して、化合物(71−c)を主成分とする淡黄色固体10.3gを得た。収率は化合物(71−a)基準、二段階で73%であった。
[化合物(71−d)の合成例]
化合物(71−c)10.00g(27mmol)及び塩化ピリジニウム100g(10倍質量)を混合し、190℃に昇温して2時間反応させた。得られた混合液を氷に加え、得られた沈殿を濾取した。水で懸洗後、トルエン、クロロホルムで洗浄、真空乾燥させて、化合物(71−d)を主成分とする黄色固体7.20gを得た。収率は化合物(71−c)基準で78%であった。
[化合物(A71−1)の合成例]
化合物(71−d)1.00g(2.89mmol)、化合物(A)2.54g(6.07mmol)、ジメチルアミノピリジン0.04g(0.29mmol)及びクロロホルム40mLを混合した。得られた混合液にN,N’−ジイソプロピルカルボジイミド0.88g(6.94mmol)を氷冷下で加えた。得られた反応溶液を室温で終夜反応させ、セライト濾過したのち、減圧濃縮した。残渣にエタノールを加えて結晶化させた。結晶を濾取し、クロロホルムに再溶解させ0.3gの活性炭を加えて、室温で1時間攪拌した。溶液を濾過して濾液をエバポレータにて1/3まで減圧濃縮後、激しく攪拌しながらメタノールを加えて、生成した白色沈殿を濾取し、ヘプタンで洗浄、真空乾燥して化合物(A71−1)をオフホワイト粉末として2.58g得た。収率は化合物(71−d)基準で78%であった。
化合物(A71−1)のH−NMR(CDCl):δ(ppm)1.45〜1.83(m、24H)、2.35〜2.85(m、18H)、3.93〜3.98(t、4H)、4.15〜4.20(t、4H)、5.80〜5.84(dd、2H)、6.07〜6.18(m、2H)、6.37〜6.44(m、2H)、6.87〜7.01(m、8H)、7.25(s,1H)、7.32(s、1H)、7.52(d,1H)
得られた化合物(A71−1)の相転移温度を偏光顕微鏡によるテクスチャー観察によって確認した。化合物(A71−1)は、昇温時において、148℃から154℃まで粘性の高い相を示し、154℃から明確なネマチック相を与える。さらに化合物(A71−1)は160℃以上までネマチック相を呈し、降温時において、127℃までネマチック相を呈し結晶化した。
(実施例41)
<化合物(A21−1)の合成例>
化合物(A21−1)は下記のスキームに従って合成した。
Figure 0005899607
[化合物(21−a)の合成例]
2,5−ジメトキシアニリン12.82g(83.7mmmol)、ベンゾチアゾール−2−カルボン酸10.00g(55.8mmol)、をクロロホルム100gに分散させた。得られた懸濁液を氷浴にて冷却した後、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド 塩酸塩11.77g(61.4mmol)とクロロホルム70gの混合液を4時間かけて加えて室温で24時間反応させた。反応溶液に、さらに2,5−ジメトキシアニリン0.5gを加えて48時間反応させた。得られた混合液を濃縮し、残渣に1N−塩酸、メタノールの混合溶液(塩酸水2体積部、メタノール1体積部)400g、ヘプタン150gを加えて結晶化させた。得られた沈殿を濾取し塩酸水―メタノールの混合溶液(塩酸水2体積部、メタノール1体積部)を加えた。析出した鮮黄色沈殿を濾取し、水―メタノールの混合溶液(水2体積部、メタノール1体積部)でさらに洗浄後した。得られた鮮黄色沈殿を1N―KOH水溶液―メタノールの混合溶液(水酸化カリウム水溶液1体積部、メタノール2体積部)、次いで水150gで洗浄し濾取した。真空乾燥して、黄色粉末として化合物(21−a)を8.47g得た。収率はベンゾチアゾール−2−カルボン酸基準で48%であった。
[化合物(21−b)の合成例]
化合物(21−a)8.47g(27mmol)、2,4−ビス(4−メトキシフェニル)−1,3−ジチア−2,4−ジホスフェタン−2,4−ジスルフィド(ローソン試薬)6.54g(16mmol)及びトルエン85gを混合し、得られた混合液を110℃に昇温して6時間反応させた。冷却後、1N−水酸化ナトリウム水溶液を加えた。有機層を回収し、ヘプタン100mLを加えて結晶化させた。橙色結晶を濾取して、真空乾燥させることにより化合物(21−b)を鮮黄色粉末として得た。ローソン試薬由来の不純物が混入していたが、このまま次ステップに使用した。
[化合物(21−c)の合成例]
化合物(21−b)8.90g(27mmol)、水酸化カリウム8.25g(147mmol)及び水156gを混合し、得られた混合液を氷冷下で反応させた。続いてフェリシアン化カリウム24.19g(73mmol)を氷冷下で加え、次いでメタノール30gを加えて反応させた。室温で12時間、50℃で12時間反応させて、析出した淡黄色沈殿を濾取した。濾取した沈殿を水、メタノール、エタノールで洗浄し、淡黄色沈殿を濾取した。得られた淡黄色粉末を真空乾燥して、化合物(21−c)を主成分とする淡黄色固体7.40gを得た。収率は化合物(21−a)基準で84%であった。
[化合物(21−d)の合成例]
化合物(21−c)7.00g(21mmol)及び塩化ピリジニウム105g(15倍質量)を混合し、190℃に昇温して3時間反応させた。得られた混合液を氷に加え、得られた沈殿を濾取した。水で懸洗後、トルエンで洗浄、真空乾燥させて、化合物(21−d)を主成分とする黄色固体6.00gを得た。収率は化合物(21−c)基準で94%であった。
[化合物(A21−1)の合成例]
化合物(21−d)1.00g(3.33mmol)、化合物(A)2.93g(6.99mmol)、ジメチルアミノピリジン0.04g(0.33mmol)及びクロロホルム50mLを混合した。得られた混合液にN,N’−ジイソプロピルカルボジイミド1.01g(7.99mmol)を氷冷下で加えた。得られた反応溶液を室温で終夜反応させ、セライト濾過したのち、減圧濃縮した。残渣にメタノールを加えて結晶化させた。結晶を濾取し、クロロホルムに再溶解させ0.3gの活性炭を加えて、室温で1時間攪拌した。溶液を濾過して濾液をエバポレータにて1/3まで減圧濃縮後、激しく攪拌しながらメタノールを加えて、生成した白色沈殿を濾取し、ヘプタンで洗浄、真空乾燥して化合物(A21−1)をオフホワイト粉末として2.70g得た。収率は化合物(21−d)基準で74%であった。
化合物(A21−1)のH−NMR(CDCl):δ(ppm)1.45〜1.83(m、24H)、2.32〜2.50(m、8H)、2.62〜2.84(m、4H)、3.93〜3.98(t、4H)、4.15〜4.20(t、4H)、5.80〜5.84(dd、2H)、6.07〜6.18(m、2H)、6.37〜6.44(m、2H)、6.87〜7.03(m、8H)、7.25〜7.32(2d、2H)、7.50〜7.59(m、2H)、7.97〜8.00(dd、1H)、8.14〜8.17(dd、1H)
得られた化合物(A21−1)の相転移温度を偏光顕微鏡によるテクスチャー観察によって確認した。化合物(A21−1)は、昇温時において、137℃から155℃まで粘性の高い相を示し、155℃から明確なネマチック相を与える。さらに化合物(A21−1)は170℃以上までネマチック相を呈し、降温時において、121℃までネマチック相を呈し結晶化した。
(実施例42〜43、比較例1)
<光学フィルムの製造例>
ガラス基板に、ポリビニルアルコール(ポリビニルアルコール1000完全ケン化型、和光純薬工業株式会社製)の2質量%水溶液を塗布し、乾燥後、厚さ89nmの膜を形成した。続いて、得られた膜の表面にラビング処理を施し、ラビング処理を施した面に、表10の組成の組成物をスピンコート法により塗布し、表5に記載の乾燥温度で1分間乾燥した。次いで表11に記載の光照射時の温度まで加温しながら、表11に記載の積算光量の紫外線を照射して、表12に記載の膜厚の光学フィルムを形成させた。
表10は、組成物全体に対する各構成成分の含有率(質量%)を表す。
Figure 0005899607
LC242:上記と同じ
重合開始剤:イルガキュア819(チバ・ジャパン株式会社製)
レベリング剤:BYK361N(ビックケミージャパン製)
溶剤:シクロペンタノン
Figure 0005899607
<光学特性の測定>
光学フィルムの正面位相差値を測定機(KOBRA−WR、王子計測機器社製)を用いて測定した。尚、基材に使用したガラス基板には、複屈折性が無いため、ガラス基板付きフィルムを測定機で計測することにより、ガラス基板上に作製した光学フィルムの正面位相差値を得ることができる。得られた光学測定正面位相差値は、波長450.9nm、549.4nm、及び627.8nmにおいて、それぞれ測定し、[Re(450.9)/Re(549.4)](αとする)及び[Re(627.8)/Re(549.4)](βとする)を算出した。また、光学フィルムの膜厚d(μm)を、レーザー顕微鏡(LEXT、オリンパス社製)を用いて測定した。結果を表6に示す。Δnは、Re(549.4)の値を膜厚で割って算出した(Δn=Re(549.4)/d)。
Figure 0005899607
実施例12〜24、実施例30〜33、及び実施例42〜43の光学フィルムは、[Re(447.3)/Re(546.9)](表中α)の値が1以下であった。また、[Re(627.8)/Re(546.9)](表中β)の値が1以上であった。つまり、屈折率の波長依存性がいわゆる逆波長分散性を示すため、広い波長域において一様の偏光変換が可能である。
実施例のフィルムを液晶パネルに利用すれば、光学補償に優れた特性を有する。さらに実施例20〜24、及び実施例32〜33より、本発明の化合物を液晶化合物と混合するだけで、正の波長分散から逆波長分散まで自在に波長分散性を制御できることが明らかとなった。
また、実施例34〜39と比較例2〜7を比較すると、本発明の化合物と液晶化合物とを混合することにより、モノドメイン構造を示す温度が低温側までシフトし、より低温で位相差フィルムを製造できることがわかった。
(実施例44〜45)
<光学フィルムの製造例>
実施例42〜43、比較例1と同様に、表13に記載の組成の組成物をスピンコート法により塗布し、140℃で1分間乾燥後、80℃で加熱しながら積算光量2400mJの紫外線を照射して、光学フィルムを形成した。
Figure 0005899607
重合開始剤:
*1):イルガキュア369(チバ・ジャパン株式会社製)(アセトフェノン化合物)
*2):イルガキュア819(チバ・ジャパン株式会社製)(アシルホスフィンオキサイド化合物)
レベリング剤:BYK361N(ビックケミージャパン製)
溶剤:シクロペンタノン
Figure 0005899607
<光学フィルムの耐熱性試験>
実施例44及び実施例45で得られた光学フィルムを、温度85℃湿度0%のオーブン中1000時間保持し、耐熱性試験を行った。試験前後の光学特性を測定し、さらに、試験後のα値から初期値のα値を引いた値を、変化量△αとした。△αが−0.2以上+0.2以下であれば、光学特性の変化は小さいと判断できる。結果を表15に示す。
Figure 0005899607
<光学フィルムの耐湿熱性試験>
実施例44及び実施例45で得られた光学フィルムを、温度60℃湿度90%のオーブン中1000時間保持し、耐湿熱性試験を行った。試験前後の光学特性を測定し、さらに、試験後のα値から初期値のα値を引いた値を、変化量△αとした。△αが−0.2以上+0.2以下であれば、光学特性の変化は小さいと判断できる。結果を表16に示す。
Figure 0005899607

表15及び表16に示しているように、本発明の光学フィルムは、耐熱性試験及び耐湿熱性試験において、△αが−0.2以上+0.2以下であることから、ともに良好な耐熱性及び耐湿熱性を示すことがわかる。また、表16に示しているように、実施例44の光学フィルムが、耐湿熱性においてより小さい△αを示すことから、開始剤としてアセトフェノン化合物を用いると、さらに良好な耐湿熱性すなわち良好な耐久性を示すことがわかる。
(実施例46)
<化合物(A72−1)の合成例>
化合物(A72−1)は下記のスキームに従って合成した。
Figure 0005899607
[4,5,6−トリメチルサリチルアルデヒドの合成例]
3,4,5−トリメチルフェノール10.00g、パラホルムアルデヒド5.51g、無水塩化マグネシウム10.49gをアセトニトリル60mLに分散させた。氷浴で30分攪拌した後、トリエチルアミン14.86gを二時間かけて滴下した。混合物を50℃で8時間、室温で24時間反応させた。反応液に400mLの酢酸エチル、純水100mLを加えた後、1N−塩酸を加えて、酸性にした後、有機層を集めた。有機層を無水硫酸ナトリウムで脱水後、エバポレータにて40℃以下で減圧濃縮した。残渣を酢酸エチル・ヘプタン(1:3体積比)を溶離液として用いたカラムクロマトグラフィーにて精製し、黄色粉末として4,5,6−トリメチルサリチルアルデヒド8.10gを得た。収率は3,4,5−トリメチルフェノール基準で67%であった。
[4,5,6−トリメチルベンゾフラン−2−カルボン酸の合成例]
4,5,6−トリメチルサリチルアルデヒド8.10g、炭酸カリウム16.36g、をN,N’―ジメチルアセトアミド50mLに分散させた。80℃に加温した後、ブロモ酢酸ターシャリーブチル9.62gを30分かけて滴下した。混合物を135℃で2時間反応させた。反応液を室温まで冷却後、メチルイソブチルケトン200mLを加えて濾過した。濾液を回収し、純水1000mLと分液した。さらに有機層を2回500mLの純水で洗浄し、有機層を回収した。無水硫酸ナトリウムで脱水後、エバポレータにて溶媒を留去した。残渣を酢酸150gに溶解させて、臭化水素酸水溶液45gを加えて、40℃で1時間攪拌した。室温まで放冷後、1N−塩酸150gを加えて析出した淡赤色粉末を濾取した。得られた淡赤色粉末をさらに、1N−塩酸、ついでトルエンで洗浄した後、真空乾燥させることにより、4,5,6−トリメチルベンゾフラン−2−カルボン酸を6.34g淡赤色粉末として得た。収率は4,5,6−トリメチルサリチルアルデヒド基準で63%であった。
[化合物(72−a)の合成例]
2,5−ジメトキシアニリン7.13g、4,5,6−トリメチルベンゾフラン−2−カルボン酸6.34gをクロロホルム30gに分散させた。得られた懸濁液を氷浴にて冷却した後、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩6.55gとクロロホルム100gの混合物を4時間かけて加えて室温で48時間反応させた。得られた混合物を減圧濃縮し、残渣に1N−塩酸、メタノールの混合溶液(塩酸水2体積部、メタノール1体積部)400gを加えて結晶化させた。得られた沈殿を濾取し塩酸水―メタノールの混合溶液(塩酸水2体積部、メタノール1体積部)に加えた。淡橙色沈殿を濾取し、1N―KOH水溶液―メタノールの混合溶液(水酸化カリウム水溶液1体積部、メタノール2体積部)で洗浄し濾取した。真空乾燥して、淡黄色粉末として化合物(72−a)を9.39g得た。収率は4,5,6−トリメチルベンゾフラン−2−カルボン酸基準で89%であった。
[化合物(72−b)の合成例]
化合物(72−a)9.39g、2,4−ビス(4−メトキシフェニル)−1,3−ジチア−2,4−ジホスフェタン−2,4−ジスルフィド(ローソン試薬)6.71g及びトルエン95gを混合し、得られた混合物を110℃に昇温して4時間反応させた。冷却後、トルエン溶液に2N−水酸化ナトリウム水溶液500mL、ヘプタン100gを加えて析出した黄色沈殿を濾取した。得られた沈殿をさらに、ヘプタン、2N−水酸化ナトリウム水溶液で洗浄して、真空乾燥させることにより化合物(72−b)9.83gを鮮黄色粉末として得た。化合物(72−b)は3%のローソン試薬の分解物を含むがそのまま次ステップに使用した。
[化合物(72−c)の合成例]
化合物(72−b)を9.83g、水酸化カリウム8.47g及び水400gを混合し、得られた混合物を氷冷下で反応させた。続いてフェリシアン化カリウム24.84gを加え化合物(72−b)を含む分散液を調製した。分散液にメタノール70gを加えて60℃で48時間反応させて、析出した黄色沈殿を濾取した。濾取した沈殿を水、次いでメタノールで洗浄した。さらに黄色粉末を熱トルエンで再結晶した。生成した淡黄色結晶を濾取、真空乾燥して、化合物(72−c)を主成分とする淡黄色固体4.60gを得た。収率は化合物(72−a)基準で47%であった。
[化合物(72−d)の合成例]
化合物(72−c)4.60g及び塩化ピリジニウム64.4gを混合し、180℃に昇温して3時間反応させた。得られた混合物を氷に加え、得られた沈殿を濾取した。水で懸洗後、トルエンで洗浄、真空乾燥させて、化合物(72−d)を主成分とする黄緑色固体4.10gを得た。収率は化合物(72−c)基準で97%であった。
[化合物(A72−1)の合成例]
化合物(72−d)1.10g、化合物(A)2.97g、ジメチルアミノピリジン0.04g及びクロロホルム20mL、トルエン20mLを混合した。得られた混合物にN,N’−ジイソプロピルカルボジイミド1.02gを氷冷下で加えた。得られた反応溶液を室温で終夜反応させた。反応液に、シリカゲル4g、活性炭を200mg加えて、一時間室温で攪拌後、セライト濾過した。濾液を減圧濃縮しクロロホルムを除去後、溶液にメタノールを加えて晶析させた。オフホワイト粉末を濾取し、さらにエタノールで二回洗浄後、ヘプタンで洗浄、真空乾燥して化合物(A72−1)をオフホワイト粉末として2.95g得た。収率は化合物(72−d)基準で78%であった。
化合物(A72−1)のH−NMR(CDCl):δ(ppm)1.45〜1.84(m、24H)、2.27〜2.50(m、17H)、2.62〜2.84(m、4H)、3.93〜3.97(t、4H)、4.16〜4.20(t、4H)、5.79〜5.84(dd、2H)、6.07〜6.17(m、2H)、6.37〜6.45(m、2H)、6.87〜7.02(m、8H)、7.22〜7.23(2s、3H)、7.54(s、1H)
得られた化合物(A72−1)の相転移温度を偏光顕微鏡によるテクスチャー観察によって確認した。化合物(A72−1)は、昇温時において、136℃から148℃まで粘性の高い相を示し、148℃から明確なネマチック相を与える。さらに化合物(A72−1)は170℃以上までネマチック相を呈し、降温時において、120℃までネマチック相を呈し結晶化した。
(実施例47)
<化合物(A73−1)の合成例>
Figure 0005899607
[6−メチルベンゾフラン−2−カルボン酸の合成例]
4−メチルサリチルアルデヒド20.0g、炭酸カリウム48.73g、をN,N’―ジメチルアセトアミド100mLに分散させた。70℃に加温した後、ブロモ酢酸ターシャリーブチル28.65gを30分かけて滴下した。混合物を135℃で2時間反応させた。反応液を室温まで冷却後、メチルイソブチルケトン200mLを加えて、純水1000mLで分液した。さらに有機層を2回500mLの純水で洗浄し、有機層を回収した。無水硫酸ナトリウムで脱水後、エバポレータにて溶媒を留去した。残渣を酢酸150gに溶解させて、臭化水素酸水溶液45gを加えて、40℃で1時間攪拌した。室温まで放冷後、1N−塩酸150gを加えて析出した白色粉末を濾取した。得られた白色粉末をさらに、1N−塩酸、ついでヘプタン、トルエンで洗浄した後、真空乾燥させることにより、6−メチルベンゾフラン−2−カルボン酸を20.58g白色粉末として得た。収率は4−メチルサリチルアルデヒド基準で80%であった。
[化合物(73−a)の合成例]
2,5−ジメトキシアニリン26.09g、6−メチルベンゾフラン−2−カルボン酸20.00gをクロロホルム100gに分散させた。得られた懸濁液を氷浴にて冷却した後、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩23.94gとクロロホルム120gの混合物を4時間かけて加えて室温で48時間反応させた。得られた混合物を濃縮し、残渣に1N−塩酸、メタノールの混合溶液(塩酸水2体積部、メタノール1体積部)400gを加えて結晶化させた。得られた沈殿を濾取し塩酸水―メタノールの混合溶液(塩酸水2体積部、メタノール1体積部)に加えた。淡黄緑色沈殿を濾取し、1N―KOH水溶液―メタノールの混合溶液(水酸化カリウム水溶液1体積部、メタノール2体積部)で洗浄し濾取した。真空乾燥して、淡黄色粉末として化合物(73−a)を31.26g得た。収率は6−メチルベンゾフラン−2−カルボン酸基準で89%であった。
[化合物(73−b)の合成例]
化合物(73−a)31.26g、2,4−ビス(4−メトキシフェニル)−1,3−ジチア−2,4−ジホスフェタン−2,4−ジスルフィド(ローソン試薬)24.73g及びトルエン300gを混合し、得られた混合物を110℃に昇温して6時間反応させた。冷却後、トルエン溶液を2N−水酸化ナトリウム水溶液500mLで三回洗浄後、有機層を回収後、n−ヘプタンを加え結晶化させた。得られた鮮黄色結晶を濾取し、真空乾燥させることにより化合物(73−b)を鮮黄色粉末として得た。得られた化合物(73−b)は全量そのまま次ステップで使用した。
[化合物(73−c)の合成例]
化合物(73−b)35.69g、水酸化カリウム33.37g及び水630gを混合した。続いてフェリシアン化カリウム97.91gを加え化合物(73−b)を含む分散液を調製した。分散液にメタノール126gを加えて40℃で2時間、室温で24時間反応させて、析出した淡黄色沈殿を濾取した。濾取した沈殿を水、次いでメタノールで洗浄した。さらに黄色粉末を熱メタノールで洗浄、濾取した。得られた淡黄色を真空乾燥して、化合物(73−c)を主成分とする淡黄色固体23.31gを得た。収率は化合物(73−a)基準で66%であった。
[化合物(73−d)の合成例]
化合物(73−c)23.31g及び塩化ピリジニウム233.1gを混合し、180℃に昇温して3時間反応させた。得られた混合物を氷に加え、得られた沈殿を濾取した。水で懸洗後、トルエン、洗浄後、飽和亜ニチオン酸ナトリウム水溶液、クロロホルムに分散させて室温で2時間攪拌した。分散液をろ過し、さらに沈殿を純水で洗浄後真空乾燥させて、化合物(73−d)を主成分とする黄色固体21.2gを得た。収率は化合物(73−c)基準で100%であった。
[化合物(A73−1)の合成例]
化合物(73−d)1.00g、化合物(A)2.96g、ジメチルアミノピリジン0.04g及びクロロホルム20mL、トルエン20mLを混合した。得られた混合物にN,N’−ジイソプロピルカルボジイミド1.02gを氷冷下で加えた。得られた反応溶液を室温で終夜反応させた。反応液に、シリカゲル4g、活性炭を200mg加えて、一時間室温で攪拌後、セライト濾過した。濾液を減圧濃縮しクロロホルムを除去後、溶液にメタノールを加えて晶析させた。オフホワイト粉末を濾取し、さらにエタノールで二回洗浄後、ヘプタンで洗浄、真空乾燥して化合物(A73−1)をオフホワイト粉末として2.11g得た。収率は化合物(73−d)基準で57%であった。
化合物(A73−1)のH−NMR(CDCl):δ(ppm)1.45〜1.85(m、24H)、2.36〜2.87(m、15H)、3.93〜3.97(t、4H)、4.15〜4.20(t、4H)、5.79〜5.84(dd、2H)、6.07〜6.17(m、2H)、6.37〜6.45(m、2H)、6.87〜6.99(m、8H)、7.13〜7.16(d、1H)、7.23(s、2H)、7.38(s、1H)、7.51(s,1H)、7.57(d、1H)。
得られた化合物(A73−1)の相転移温度を偏光顕微鏡によるテクスチャー観察によって確認した。化合物(A73−1)は、昇温時において、82℃から141℃まで粘性の高い相を示し、141℃から明確なネマチック相を与える。さらに化合物(A73−1)は180℃以上までネマチック相を呈し、降温時において、84℃までネマチック相を呈し徐々に結晶化した。
(実施例48)
<化合物(A63−1)の合成例>
Figure 0005899607
[3,4,6−トリメチルサリチルアルデヒドの合成例]
2,3,5−トリメチルフェノール20.00g、パラホルムアルデヒド11.03g、無水塩化マグネシウム20.97gをアセトニトリル120gに分散させた。室温で30分攪拌した後、トリエチルアミン29.72gを二時間かけて滴下した。混合物を水浴で8時間、室温で96時間反応させた。反応液を200mLの酢酸エチル、400mLのn−ヘプタンからなる混合溶媒に注ぎ、純水400mLを加えた。冷2N−塩酸を加えて酸性にした後、有機層を回収した。有機層を無水硫酸ナトリウムで脱水後、シリカゲル20g、活性炭2gを加えて、30分穏やかに攪拌し、分散液をセライト濾過した。濾液を3エバポレータにて40℃以下で減圧濃縮し、淡黄色粘稠液体として3,4,6−トリメチルサリチルアルデヒド24.69gを得た。収率は2,3,5−トリメチルフェノール基準で102%であった。
[4,6,7−トリメチルベンゾフラン−2−カルボン酸の合成例]
3,4,6−トリメチルサリチルアルデヒド24.11g、炭酸カリウム48.71g、をN,N’―ジメチルアセトアミド130mLに分散させた。80℃に加温した後、ブロモ酢酸ターシャリーブチル28.64gを30分かけて滴下した。混合物を140℃で2時間反応させた。反応液を室温まで冷却後、メチルイソブチルケトン200mLを加えて、純水1000mLで分液した。さらに有機層を2回1N−塩酸水500mLで洗浄し、有機層を回収した。無水硫酸ナトリウムで脱水後、エバポレータにて溶媒を留去した。残渣を酢酸150gに溶解させて、臭化水素酸水溶液45gを加えて、40℃で1時間攪拌した。室温まで放冷後、1N−塩酸150gを加えて析出した白色粉末を濾取した。得られた白色粉末をさらに、1N−塩酸、ついでヘプタン、トルエンで洗浄した後、真空乾燥させることにより、4,6,7−トリメチルベンゾフラン−2−カルボン酸を14.89gオフホワイト粉末として得た。収率は3,4,6−トリメチルサリチルアルデヒド基準で50%であった。
[化合物(63−a)の合成例]
2,5−ジメトキシアニリン16.75g(109.4mmol)、4,6,7−トリメチルベンゾフラン−2−カルボン酸14.89g(72.9mmol)をクロロホルム75mLに分散させた。得られた懸濁液を氷浴にて冷却した後、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩15.37gとクロロホルム100gの混合物を4時間かけて加えて室温で72時間反応させた。得られた混合物を濃縮し、残渣に1N−塩酸、メタノールの混合溶液(塩酸水2体積部、メタノール1体積部)400g、ヘプタン150gを加えて結晶化させた。得られた沈殿を濾取し塩酸水―メタノールの混合溶液(塩酸水2体積部、メタノール1体積部)に加えた。淡黄緑色沈殿を濾取し、1N―KOH水溶液―メタノールの混合溶液(水酸化カリウム水溶液1体積部、メタノール2体積部)で洗浄し濾取した。真空乾燥して、淡黄色粉末として化合物(63−a)を22.71g得た。収率は6−メチルベンゾフラン−2−カルボン酸基準で92%であった。
[化合物(63−b)の合成例]
化合物(63−a)22.71g、2,4−ビス(4−メトキシフェニル)−1,3−ジチア−2,4−ジホスフェタン−2,4−ジスルフィド(ローソン試薬)16.24g及びトルエン228gを混合し、得られた混合物を110℃に昇温して6時間反応させた。冷却後、トルエン溶液を2N−水酸化ナトリウム水溶液500mLで三回洗浄後、有機層を回収後、これを濃縮し、n−ヘプタンを加え結晶化させた。得られた淡橙色結晶を濾取し、真空乾燥させることにより化合物(63−b)を鮮黄色粉末として23.78g得た。化合物(63−b)はローソン試薬の分解物を含むが、全量そのまま次ステップに使用した。
[化合物(63−c)の合成例]
化合物(63−b)を23.78g、水酸化カリウム20.48g及び水389gを混合した。続いてフェリシアン化カリウム60.09gを加え化合物(63−b)を含む分散液を調製した。分散液にメタノール77.83gを加えて50℃で4時間、室温で24時間反応させて、析出した黄色沈殿を濾取した。濾取した沈殿を水、次いでメタノールで洗浄した。さらに黄色粉末を熱エタノールで洗浄、濾取した。得られた黄色を真空乾燥して、化合物(63−c)を主成分とする淡黄色固体20.14gを得た。収率は化合物(63−a)基準で86%であった。
[化合物(63−d)の合成例]
化合物(63−c)20.14g及び塩化ピリジニウム200.1gを混合し、180℃に昇温して3時間反応させた。得られた混合物を氷に加え、得られた沈殿を濾取した。水で懸洗後、トルエン、洗浄後、飽和亜ニチオン酸ナトリウム水溶液、クロロホルムに分散させて室温で2時間攪拌した。分散液をろ過し、さらに沈殿を純水で洗浄後真空乾燥させて、化合物(73−d)を主成分とする橙色固体18.9gを得た。収率は化合物(63−c)基準で102%であった。
[化合物(A63−1)の合成例]
化合物(63−d)1.10g、化合物(A)2.97g、ジメチルアミノピリジン0.04g及びクロロホルム20mL、トルエン20mLを混合した。得られた混合物にN,N’−ジイソプロピルカルボジイミド1.02gを氷冷下で加えた。得られた反応溶液を室温で終夜反応させた。反応液に、シリカゲル4g、活性炭を200mg加えて、一時間室温で攪拌後、セライト濾過した。濾液を減圧濃縮しクロロホルムを除去後、溶液にメタノールを加えて晶析させた。オフホワイト粉末を濾取し、さらにエタノールで二回洗浄後、ヘプタンで洗浄、真空乾燥して化合物(A63−1)をオフホワイト粉末として2.65g得た。収率は化合物(63−d)基準で70%であった。
化合物(A63−1)のH−NMR(CDCl):δ(ppm)1.47〜1.82(m、24H)、2.36〜2.52(m、17H)、2.52〜2.85(m、4H)、3.93〜3.97(t、4H)、4.16〜4.20(t、4H)、5.79〜5.84(dd、2H)、6.07〜6.17(m、2H)、6.37〜6.45(m、2H)、6.87〜7.05(m、9H)、7.23(s、2H)、7.53(s、1H)。
得られた化合物(A63−1)の相転移温度を偏光顕微鏡によるテクスチャー観察によって確認した。化合物(A63−1)は、昇温時において、136℃から139℃まで粘性の高い相を示し、139℃から明確なネマチック相を与える。さらに化合物(A63−1)は180℃以上までネマチック相を呈し、降温時において、125℃までネマチック相を呈し結晶化した。
(実施例49〜51及び比較例1)
<光学フィルムの製造例>
ガラス基板に、ポリビニルアルコール(ポリビニルアルコール1000完全ケン化型、和光純薬工業株式会社製)の2質量%水溶液を塗布し、乾燥後、厚さ89nmの膜を形成した。続いて、得られた膜の表面にラビング処理を施し、ラビング処理を施した面に、表17の組成の組成物をスピンコート法により塗布し、表18に記載の乾燥温度で1分間乾燥した。次いで表5に記載の光照射時の温度まで加温しながら、表18に記載の積算光量の紫外線を照射して、表19に記載の膜厚の光学フィルムを形成させた。
Figure 0005899607
LC242:上記と同じ
重合開始剤:イルガキュア819(チバ・ジャパン株式会社製)
レベリング剤:BYK361N(ビックケミージャパン製)
溶剤:シクロペンタノン
Figure 0005899607
<光学特性の測定>
光学フィルムの正面位相差値を測定機(KOBRA−WR、王子計測機器社製)を用いて測定した。尚、基材に使用したガラス基板には、複屈折性が無いため、ガラス基板付きフィルムを測定機で計測することにより、ガラス基板上に作製した光学フィルムの正面位相差値を得ることができる。得られた光学測定正面位相差値は、波長447.3nm、546.9nm、及び627.8nmにおいて、それぞれ測定し、[Re(447.3)/Re(546.9)](αとする)及び[Re(627.8)/Re(546.9)](βとする)を算出した。また、光学フィルムの膜厚d(μm)をレーザー顕微鏡(LEXT、オリンパス社製)を用いて測定した。結果を表19に示す。Δnは、Re(546.9)の値を膜厚で割って算出した(Δn=Re(546.9)/d)。
Figure 0005899607
本発明の化合物によれば、広い波長域において一様の偏光変換を行う光学フィルムを製造することができる。
1,1’ カラーフィルタ
2,2’ 光学フィルム
3,3’ 配向膜
4,4’ カラーフィルタ層
5 液晶表示装置
6,10 偏光板
7,11 基板
8 対向電極
9 液晶層
12 TFT、絶縁層
13 透明電極
13’ 反射電極
30,30a,30b,30c,30d,30e 偏光板
14,14’ 積層体
15 偏光フィルム
16,16’ 支持基材
17,17’ 配向膜
18,18’ 光学フィルム
19,19’,22,25 接着剤層
20 液晶パネル
21 貼合品
23 有機ELパネル
24 発光層

Claims (19)

  1. 式(3−1)で表される化合物。
    Figure 0005899607
    [式(3−1)中、Zは、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルキル基、シアノ基、ニトロ基、炭素数1〜6のアルキルスルフィニル基、炭素数1〜6のアルキルスルホニル基、カルボキシ基、炭素数1〜6のフルオロアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数1〜6のアルキルスルファニル基、炭素数1〜6のN−アルキルアミノ基、炭素数2〜12のN,N−ジアルキルアミノ基、炭素数1〜6のN−アルキルスルファモイル基又は炭素数2〜12のN,N−ジアルキルスルファモイル基を表す。
    は、−−を表す
    、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルキル基、シアノ基、ニトロ基、ニトロソ基、炭素数1〜6のアルキルスルフィニル基、炭素数1〜6のアルキルスルホニル基、カルボキシ基、炭素数1〜6のフルオロアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数1〜6のアルキルスルファニル基、炭素数1〜4のN−アルキルアミノ基、炭素数2〜8のN,N−ジアルキルアミノ基、スルファモイル基、炭素数1〜6のN−アルキルスルファモイル基及び炭素数2〜12のN,N−ジアルキルスルファモイル基からなる群から選ばれる少なくとも一つの置換基で置換された多環式芳香族複素環基もしくは非置換の多環式芳香族複素環基を表す。前記多環式芳香族複素環基は、以下の構造で表される骨格のいずれかを有する基である。なお*は結合手を表す。

    Figure 0005899607

    及びDは、それぞれ独立に、単結合、−CO−O−、−O−CO−、−C(=S)−O−、−O−C(=S)−、−CR−、−CR−CR−、−O−CR−、−CR−O−、−CR−O−CR−、−CR−O−CO−、−O−CO−CR−、−CR−O−CO−CR−、−CR−CO−O−CR−、−NR−CR−、−CR−NR−、−CO−NR−、−NR−CO−、−O−、−S−、−NR−又は−CR=CR−を表し、R、R、R及びRは、それぞれ独立に、水素原子、フッ素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を表し、Rは、水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を表す。
    及びGは、1,4−シクロへキシレン基を表し、該1,4−シクロへキシレン基に含まれる水素原子は、ハロゲン原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のフルオロアルキル基、炭素数1〜4アルコキシ基、シアノ基又はニトロ基で置換されていてもよく、該脂環式炭化水素基に含まれる−CH−は、−O−、−S−又は−NH−に置き換わっていてもよい。
    及びEは、それぞれ独立に、単結合、−CR10−、−CH−CH−、−O−、−S−、−CO−O−、−O−CO−、−O−CO−O−、−C(=S)−O−、−O−C(=S)−、−O−C(=S)−O−、−CO−NR11−、−NR11−CO−、−O−CH−、−CH−O−、−S−CH−、−CH−S−、−NR11−又は−CR=CR10−を表す。
    及びBは、それぞれ独立に、単結合、−CR10−、−CH−CH−、−O−、−S−、−CO−O−、−O−CO−、−O−CO−O−、−C(=S)−O−、−O−C(=S)−、−O−C(=S)−O−、−CO−NR11−、−NR11−CO−、−O−CH−、−CH−O−、−S−CH−、−CH−S−、−NR11−又は−CR=CR10−を表す。R及びR10は、それぞれ独立に、水素原子、フッ素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を表し、R11は、水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を表す。
    及びAは、1,4−フェニレン基を表し、該1,4−フェニレン基に含まれる水素原子は、ハロゲン原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4アルコキシ基、シアノ基又はニトロ基で置換されていてもよい。該炭素数1〜4のアルキル基及び該炭素数1〜4アルコキシ基に含まれる水素原子は、フッ素原子で置換されていてもよい。
    k及びlは、1である。
    及びFは、それぞれ独立に、炭素数1〜12のアルカンジイル基を表し、該アルカンジイル基に含まれる水素原子は、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数1〜5のアルコキシ基又はハロゲン原子で置換されていてもよく、該アルカンジイル基に含まれる−CH−は、−O−又は−CO−に置き換わっていてもよい。
    及びP、アクリロイルオキシ基を表す。
    nは1を表す。]
  2. 及びGが、trans−1,4−シクロヘキサンジイル基である請求項1記載の化合物。
  3. 及びA、1,4−フェニレン基であり、該1,4−フェニレン基に含まれる水素原子は、ハロゲン原子、炭素数1〜4のアルキル基、トリフルオロメチル基、シアノ基又はニトロ基で置換されていてもよい請求項1又は2に記載の化合物。
  4. びB が、それぞれ独立に、−CH−CH−、−CO−O−、−O−CO−、−CO−NH−、−NH−CO−、−O−CH−、−CH−O−又は単結合である請求項1〜のいずれか記載の化合物。
  5. 請求項1〜のいずれか記載の化合物と、式(20)で表される化合物とを含有する光学フィルム用組成物。
    11−E11−(B11−A11−B12−G (20)
    [式(20)中、A11は、それぞれ独立に、2価の芳香族炭化水素基、2価の脂環式炭化水素基又は2価の複素環基を表し、該芳香族炭化水素基、該脂環式炭化水素基及び該複素環基に含まれる水素原子は、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数1〜6のN−アルキルアミノ基、炭素数2〜12のN,N−ジアルキルアミノ基、ニトロ基、シアノ基又はスルファニル基で置換されていてもよい。
    11及びB12は、それぞれ独立に、−CR1415−、−C≡C−、−CH=CH−、−CH−CH−、−O−、−S−、−C(=O)−、−C(=O)−O−、−O−C(=O)−、−O−C(=O)−O−、−C(=S)−、−C(=S)−O−、−O−C(=S)−、−CH=N−、−N=CH−、−N=N−、−C(=O)−NR16−、−NR16−C(=O)−、−OCH−、−OCF−、−NR16−、−CHO−、−CFO−、−CH=CH−C(=O)−O−、−O−C(=O)−CH=CH−又は単結合を表す。R14及びR15は、それぞれ独立に、水素原子、フッ素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を表すか、R14及びR15が連結して炭素数4〜7のアルカンジイル基を表す。R16は、水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を表す。
    11は、炭素数1〜12のアルカンジイル基を表し、該アルカンジイル基に含まれる水素原子は、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基又はハロゲン原子で置換されていてもよい。
    11は、アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基又はビニルオキシ基を表す。
    Gは、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜13のアルキル基、炭素数1〜13のアルコキシ基、炭素数1〜13のフルオロアルキル基、炭素数1〜13のN−アルキルアミノ基、炭素数2〜26のN,N−ジアルキルアミノ基、シアノ基、ニトロ基であるか、重合性基を有する炭素数1〜18のアルキル基を表し、該アルキル基に含まれる水素原子は、炭素数1〜6のアルコキシ基又はハロゲン原子で置換されていてもよい。
    tは、1〜5の整数を表す。tが2以上の整数である場合、複数のA11及びB11は互いに同一であっても異なっていてもよい。]
  6. さらに重合開始剤を含有する請求項5に記載の光学フィルム用組成物。
  7. 重合開始剤が、アセトフェノン化合物を含有する重合開始剤である請求項6に記載の光学フィルム用組成物。
  8. 請求項1〜のいずれか記載の化合物を重合することにより得られる光学フィルム。
  9. 請求項のいずれか記載の組成物を重合することにより得られる光学フィルム。
  10. 波長550nmにおける位相差値(Re(550))が113〜163nmのλ/4板用である請求項又は9に記載の光学フィルム。
  11. 波長550nmにおける位相差値(Re(550))が250〜300nmのλ/2板用である請求項又は9に記載の光学フィルム。
  12. 請求項11のいずれか記載の光学フィルム及び偏光フィルムを含む偏光板。
  13. 請求項11のいずれか記載の光学フィルムが、カラーフィルタ基板上に塗布された配向膜上に形成されてなるカラーフィルタ。
  14. 請求項13に記載のカラーフィルタを含む液晶表示装置。
  15. 請求項12に記載の偏光板を含む液晶パネルを備えるフラットパネル表示装置。
  16. 請求項12に記載の偏光板を含む有機エレクトロルミネッセンスパネルを備える有機EL表示装置。
  17. 請求項1〜のいずれか記載の化合物を含む溶液を支持基材に塗布し、乾燥させる未重合フィルムの製造方法。
  18. 請求項1〜のいずれか記載の化合物を含む溶液を、支持基材上に形成された配向膜上に塗布し、乾燥させる未重合フィルムの製造方法。
  19. 請求項17又は18記載の未重合フィルムの製造方法で得られた未重合フィルムを、硬化させる光学フィルムの製造方法。
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