JP2011215562A - 位相差板、表示装置ならびに位相差板の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】遅相軸の方向が異なる領域を複数有し、いずれの領域においても、波長λ(nm)の光に対する複屈折率Δn(λ)が、Δn(450)/Δn(550)≦1.00(1)および1.00≦Δn(650)/Δn(550)(2)を満たす位相差板。位相差板は、−G1−D1−Ar−D2−G2−表される基及び重合性基を含む化合物を重合して得られることが好ましい。[Arは芳香環を有する2価の基を表し、芳香環に含まれるπ電子の数Nπは、12以上である。D1及びD2は、単結合又は連結基を表す。R1〜R4は、水素原子、フッ素原子又はアルキル基を表す。G1及びG2は、2価の脂環式炭化水素基を表す。]
【選択図】図1
Description
1. 遅相軸の方向が異なる領域を複数有し、
いずれの領域においても、波長λ(nm)の光に対する複屈折率Δn(λ)が、式(1)及び式(2)を満たす位相差板。
Δn(450)/Δn(550)≦1.00 (1)
1.00≦Δn(650)/Δn(550) (2)
−G1−D1−Ar−D2−G2− (A)
[式(A)中、Arは芳香環を有する2価の基を表し、該2価の基中の芳香環に含まれるπ電子の数Nπは、12以上である。
D1及びD2は、それぞれ独立に、単結合、−CO−O−、−O−CO−、−C(=S)−O−、−O−C(=S)−、−CR1R2−、−CR1R2−CR3R4−、−O−CR1R2−、−CR1R2−O−、−CR1R2−O−CR3R4−、−CR1R2−O−CO−、−O−CO−CR1R2−、−CR1R2−O−CO−CR3R4−、−CR1R2−CO−O−CR3R4−、−NR1−CR2R3−、−CR1R2−NR3−、−CO−NR1−、又は−NR1−CO−を表す。R1、R2、R3及びR4は、それぞれ独立に、水素原子、フッ素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を表す。
G1及びG2は、それぞれ独立に、2価の脂環式炭化水素基を表し、該脂環式炭化水素基に含まれる水素原子は、ハロゲン原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のフルオロアルキル基、炭素数1〜4アルコキシ基、シアノ基又はニトロ基で置換されていてもよく、該脂環式炭化水素基に含まれる−CH2−は、−O−、−S−又は−NH−で置き換わっていてもよい。]
[式(B)中、Ar、D1、D2、G1及びG2は上記と同じ意味を表す。
E1及びE2は、それぞれ独立に、−CR5R6−、−CH2−CH2−、−O−、−S−、−CO−O−、−O−CO−、−O−CO−O−、−C(=S)−O−、−O−C(=S)−、−O−C(=S)−O−、−CO−NR5−、−NR5−CO−、−O−CH2−、−CH2−O−、−S−CH2−、−CH2−S−又は単結合を表す。R5及びR6は、それぞれ独立に、水素原子、フッ素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を表す。
B1及びB2は、それぞれ独立に、−CR5R6−、−CH2−CH2−、−O−、−S−、−CO−O−、−O−CO−、−O−CO−O−、−C(=S)−O−、−O−C(=S)−、−O−C(=S)−O−、−CO−NR5−、−NR5−CO−、−O−CH2−、−CH2−O−、−S−CH2−、−CH2−S−又は単結合を表す。R5及びR6は上記と同一の意味を表す。
A1及びA2は、それぞれ独立に、2価の脂環式炭化水素基又は2価の芳香族炭化水素基を表し、該2価の脂環式炭化水素基及び2価の芳香族炭化水素基に含まれる水素原子は、ハロゲン原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4アルコキシ基、シアノ基又はニトロ基で置換されていてもよく、該炭素数1〜4のアルキル基及び該炭素数1〜4アルコキシ基に含まれる水素原子は、フッ素原子で置換されていてもよい。
k及びlは、それぞれ独立に、0〜3の整数を表す。
F1及びF2は、それぞれ独立に、炭素数1〜12のアルキレン基を表し、該アルキレン基に含まれる水素原子は、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数1〜5のアルコキシ基又はハロゲン原子で置換されていてもよく、該アルキレン基に含まれる−CH2−は、−O−又は−CO−で置き換わっていてもよい。
P1及びP2は、それぞれ独立に、水素原子又は重合性基(ただし、P1及びP2のうち少なくとも1つは、重合性基を表す)を表す。]
(Nπ−4)/3<k+l+4 (3)
12≦Nπ≦22 (4)
[式(3)及び式(4)中、Nπ、k及びlは上記と同じ意味を表す。]
[式(Ar−6)中、Z1は、それぞれ独立に、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルキル基、シアノ基、ニトロ基、炭素数1〜6のアルキルスルフィニル基、炭素数1〜6のアルキルスルホニル基、カルボキシ基、炭素数1〜6のフルオロアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数1〜6のアルキルスルファニル基、炭素数1〜6のN−アルキルアミノ基、炭素数2〜12のN,N−ジアルキルアミノ基、炭素数1〜6のN−アルキルスルファモイル基又は炭素数2〜12のN,N−ジアルキルスルファモイル基を表す。
Q1は、−CR9R10−、−S−、−NR9−、−CO−又は−O−を表す。
R9及びR10は、それぞれ独立に、水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を表す。
Y2は、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基又は置換基を有していてもよい芳香族複素環基を表す。
ン原子を表す。
nは、0〜2の整数を表す。]
F1に結合しているB1及びF2に結合しているB2が、それぞれ独立に、−O−、−CO−O−、−O−CO−、−O−CO−O−、−CO−NH−、−NH−CO−又は単結合である3.〜7.のいずれかに記載の位相差板。
(10)基材上に配向膜を形成する工程
(11)基材上に形成された配向膜に、配向方向が異なる領域を複数有するよう配向能を付与する工程
(12)配向膜上に液晶化合物を塗布する工程
(11a)基材上に形成された配向膜の全面に、第1のラビング処理を施す工程
(11b)配向膜の第1のラビング処理を施した面を、所定のパターンを有するマスクで覆う工程(11c)配向膜の第1のラビング処理を施した面のうち、マスクで覆われていない部分に、第2のラビング処理を施す工程
(4)配向膜上に塗布された液晶化合物を重合する工程
配向膜上に形成された1.〜9.のいずれか記載の位相差板とを含む積層体。
支持基材上に形成された配向膜と、
配向膜上に形成された1.〜9.のいずれか記載の位相差板とを含む積層体。
いずれの領域においても、波長λ(nm)の光に対する複屈折率Δn(λ)が、下記式(1)及び(2)を満たす。
1.00≦Δn(650)/Δn(550) (2)
本発明の位相差板の位相差値は、50〜500nm程度であり、好ましくは100〜300nmである。
[式(A)中、Arは芳香環を有する2価の基を表し、該2価の基中の芳香環に含まれるπ電子の数Nπは、12以上である。
D1及びD2は、それぞれ独立に、単結合、−CO−O−、−O−CO−、−C(=S)−O−、−O−C(=S)−、−CR1R2−、−CR1R2−CR3R4−、−O−CR1R2−、−CR1R2−O−、−CR1R2−O−CR3R4−、−CR1R2−O−CO−、−O−CO−CR1R2−、−CR1R2−O−CO−CR3R4−、−CR1R2−CO−O−CR3R4−、−NR1−CR2R3−、−CR1R2−NR3−、−CO−NR1−、又は−NR1−CO−を表す。R1、R2、R3及びR4は、それぞれ独立に、水素原子、フッ素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を表す。
G1及びG2は、それぞれ独立に、2価の脂環式炭化水素基を表し、該脂環式炭化水素基に含まれる水素原子は、ハロゲン原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のフルオロアルキル基、炭素数1〜4アルコキシ基、シアノ基又はニトロ基で置換されていてもよく、該脂環式炭化水素基に含まれる−CH2−は、−O−、−S−又は−NH−で置き換わっていてもよい。]
Arは、式(Ar−1)〜式(Ar−13)で表される基のいずれかの基であることが好ましく、式(Ar−6)で表される基がであることがより好ましい。
Q1及びQ3は、それぞれ独立に、−CR9R10−、−S−、−NR9−、−CO−又は−O−を表す。
R9及びR10は、それぞれ独立に、水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を表す。
Y1、Y2及びY3は、それぞれ独立で置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基又は芳香族複素環基を表す。
Wa及びWbは、それぞれ独立に、水素原子、シアノ基、メチル基又はハロゲン原子を表す。
mは、0〜6の整数を表す。
nは、0〜2の整数を表す。]
a1は、0〜5の整数、a2は、0〜4の整数、b1は、0〜3の整数、b2は、0〜2の整数、Rは、水素原子又はメチル基を表す。]
さらにY1、Y2及びY3が、それぞれ独立に、式(Y−1)又は式(Y−3)で表される基であることが、製造工程やコストの点で特に好ましい。
V1及びV2は、それぞれ独立に、−CO−、−S−、−NR11−、−O−、−Se−又は−SO2−を表す。
W1〜W5は、それぞれ独立に、−CR3=又は−N=を表す。
R3は、水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を表す。
ただし、V1、V2及びW1〜W5のうち少なくとも1つは、S、N、O又はSeを含む基を表す。
R11は、水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を表す。
aは、それぞれ独立に、0〜3の整数を表す。
bは、それぞれ独立に、0〜2の整数を表す。]
W1〜W5は、それぞれ独立に、−CR3=又は−N=であることが好ましい。
R3は、水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基であり、水素原子であることが好ましい。
V1、V2及びW1〜W5のうち少なくとも1つは、S、N又はOを含む基を表すことが好ましい。
aは0又は1であることが好ましい。bは0であることが好ましい。
中でも、式(Y3−1)〜式(Y3−6)で表される基が好ましい。
R5は、水素原子、メチル基又はエチル基であることが好ましい。
−E1−G1−D1−Ar−D2−G2−E2− (B)
[式(B)中、Ar、D1、D2、G1及びG2は上記と同じ意味を表す。
E1及びE2は、それぞれ独立に、−CR5R6−、−CH2−CH2−、−O−、−S−、−CO−O−、−O−CO−、−O−CO−O−、−C(=S)−O−、−O−C(=S)−、−O−C(=S)−O−、−CO−NR5−、−NR5−CO−、−O−CH2−、−CH2−O−、−S−CH2−、−CH2−S−又は単結合を表す。R5及びR6は、それぞれ独立に、水素原子、フッ素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を表す。]で表される基であることが好ましく、式(C):
−(B1−A1)k−E1−G1−D1−Ar−D2−G2−E2−(A2−B2)l− (C)
[式(C)中、Ar、D1、D2、G1、G2、E1及びE2は上記と同じ意味を表す。B1及びB2は、それぞれ独立に、−CR5R6−、−CH2−CH2−、−O−、−S−、−CO−O−、−O−CO−、−O−CO−O−、−C(=S)−O−、−O−C(=S)−、−O−C(=S)−O−、−CO−NR5−、−NR5−CO−、−O−CH2−、−CH2−O−、−S−CH2−、−CH2−S−又は単結合を表す。R5及びR6は上記と同一の意味を表す。A1及びA2は、それぞれ独立に、2価の脂環式炭化水素基又は2価の芳香族炭化水素基を表す。該2価の脂環式炭化水素基及び2価の芳香族炭化水素基に含まれる水素原子は、ハロゲン原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4アルコキシ基、シアノ基又はニトロ基で置換されていてもよい。該炭素数1〜4のアルキル基及び該炭素数1〜4アルコキシ基に含まれる水素原子は、フッ素原子で置換されていてもよい。k及びlは、それぞれ独立に、0〜3の整数を表す。]
で表される基であることがより好ましい。
[式(D)中、Ar、D1、D2、G1、G2、E1、E2、A1、A2、B1、B2、k及びlは上記と同じ意味を表す。
F1及びF2は、それぞれ独立に、炭素数1〜12のアルキレン基を表す。該アルキレン基に含まれる水素原子は、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数1〜5のアルコキシ基又はハロゲン原子で置換されていてもよく、該アルキレン基に含まれる−CH2−は、−O−又は−CO−で置き換わっていてもよい。P1及びP2は、それぞれ独立に、水素原子又は重合性基(ただし、P1及びP2のうちの少なくとも1つは、重合性基を表す)を表す。]
(Nπ−4)/3<k+l+4 (3)
12≦Nπ≦22 (4)
[式(3)及び式(4)中、Nπ、k及びlは上記と同じ意味を表す。]
A1及びA2における2価の脂環式炭化水素基又は芳香族炭化水素基としては、上記式(g−1)〜式(g−10)で表される5員環又は6員環などからなる脂環式炭化水素基や、式(a−1)〜式(a−8)で表される炭素数6〜20の2価の芳香族炭化水素基が挙げられる。
さらに化合物(A)の製造がより容易なことから、A1にのみ結合しているB1及びA2にのみ結合しているB2が、それぞれ独立に、−CH2−CH2−、−CO−O−、−O−CO−、−CO−NH−、−NH−CO−、−O−CH2−、−CH2−O−又は単結合であることが好ましく、特に高い液晶性を示すことから、−CO−O−又は−O−CO−が好ましい。F1に結合しているB1及びF2に結合しているB2が、それぞれ独立に、−O−、−CO−O−、−O−CO−、−O−CO−O−、−CO−NH−、−NH−CO−又は単結合であることがより好ましい。
化合物(A)は、Methoden der Organischen Chemie、Organic Reactions、Organic Syntheses、Comprehensive Organic Synthesis、新実験化学講座等に記載されている公知の有機合成反応(例えば、縮合反応、エステル化反応、ウイリアムソン反応、ウルマン反応、ウイッティヒ反応、シッフ塩基生成反応、ベンジル化反応、薗頭反応、鈴木−宮浦反応、根岸反応、熊田反応、檜山反応、ブッフバルト−ハートウィッグ反応、フリーデルクラフト反応、ヘック反応、アルドール反応など)を、その構造に応じて、適宜組み合わせることにより、製造することができる。
(式中、Arは上記と同一の意味を表わす。)
で示される化合物と式(1−2)
組成物(A)は、液晶化合物(ただし、化合物(A)とは異なる)を含有してもよい。
液晶化合物として、異なる複数の化合物を併用してもよい。なかでも、重合性基を有していて液晶性を示す化合物が好ましい。
(式(6)中、P11は、重合性基を表す。
A11は、2価の脂環式炭化水素基又は2価の芳香族炭化水素基を表す。該2価の脂環式炭化水素基及び2価の芳香族炭化水素基に含まれる水素原子は、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6アルコキシ基、シアノ基又はニトロ基で置換されていてもよい。該炭素数1〜6のアルキル基及び該炭素数1〜6アルコキシ基に含まれる水素原子は、フッ素原子で置換されていてもよい。
B11は、−O−、−S−、−CO−O−、−O−CO−、−O−CO−O−、−CO−NR16−、−NR16−CO−、−CO−、−CS−又は単結合を表す。R16は、水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基を表す。
B12及びB13は、それぞれ独立に、−C≡C−、−CH=CH−、−CH2−CH2−、−O−、−S−、−C(=O)−、−C(=O)−O−、−O−C(=O)−、−O−C(=O)−O−、−CH=N−、−N=CH−、−N=N−、−C(=O)−NR16−、−NR16−C(=O)−、−OCH2−、−OCF2−、−CH2O−、−CF2O−、−CH=CH−C(=O)−O−、−O−C(=O)−CH=CH−又は単結合を表す。
E11は、炭素数1〜12のアルキレン基を表し、該アルキレン基に含まれる水素原子は、炭素数1〜5のアルキル基又は炭素数1〜5のアルコキシ基で置換されていてもよい。該アルキル基及びアルコキシ基に含まれる水素原子は、ハロゲン原子で置換されていてもよく、該アルキレン基に含まれる−CH2−は、−O−又は−CO−で置き換わっていてもよい。)
P11は、式(P−4)〜式(P−10)で表される基であることが好ましく、ビニル基、p−(2−フェニルエテニル)フェニル基、オキシラニル基、オキセタニル基、イソシアナト基及びイソチオシアナト基などが挙げられる。
P11-B11-E11-B12-A11-B13-A12-B14-A13-B15-A14-F11 (II)
P11-B11-E11-B12-A11-B13-A12-B14-A13-B15-E12-B17-P12 (III)
P11-B11-E11-B12-A11-B13-A12-B14-A13-F11 (IV)
P11-B11-E11-B12-A11-B13-A12-B14-E12-B17-P12 (V)
P11-B11-E11-B12-A11-B13-A12-F11 (VI)
(式中、A12〜A14は、A11と同義であり、B14〜B16は、B12と同義であり、B17は、B11と同義であり、E12は、E11と同義である。
F11は、水素原子、炭素数1〜13のアルキル基、炭素数1〜13のアルコキシ基、ニトリル基、ニトロ基、トリフルオロメチル基、ジメチルアミノ基、ヒドロキシ基、ヒドロキシメチル基、ホルミル基、スルホ基、カルボキシ基、炭素数1〜10のアルコールでエステル化されたカルボキシ基又はハロゲン原子を表す。該アルキル基及びアルコキシ基に含まれる−CH2−は、−O−で置き換わっていてもよい。)
ただし、式中k1及びk2は、2〜12の整数を表す。これらの液晶化合物であれば、合成が容易であり、市販されているなど、入手が容易であることから好ましい。
光重合開始剤としては、例えばベンゾイン化合物、ベンゾフェノン化合物、アセトフェノン化合物、アシルホスフィンオキサイド化合物、トリアジン化合物、ヨードニウム塩又はスルホニウム塩等が挙げられる。
ベンゾフェノン化合物としては、例えば、ベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル、4−フェニルベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルサルファイド、3,3’,4,4’−テトラ(tert−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、2,4,6−トリメチルベンゾフェノンなどが挙げられる。
トリアジン化合物としては、例えば、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−(4−メトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−(4−メトキシナフチル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−(4−メトキシスチリル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−〔2−(5−メチルフラン−2−イル)エテニル〕−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−〔2−(フラン−2−イル)エテニル〕−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−〔2−(4−ジエチルアミノ−2−メチルフェニル)エテニル〕−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−〔2−(3,4−ジメトキシフェニル)エテニル〕−1,3,5−トリアジンなどが挙げられる。
光重合開始剤としてアセトフェノン化合物を用いると、位相差板の耐熱性、耐湿熱性が高くなる傾向があり、好ましい。
カイラル剤とは、組成物の化合物(A)又は液晶化合物が液晶状態になったとき、らせんねじれを誘発するか又はらせんねじれを増強する機能をもつ化合物である。ただし、上述した化合物(A)及び上述した液晶化合物とは異なる化合物である。カイラル剤としては、不斉炭素原子を含む化合物、不斉炭素原子を含まない軸性不斉化合物、又は不斉炭素原子を含まない面性不斉化合物等が挙げられ、例えば、イソソルビド骨格を有する化合物やビナフチル骨格を有する化合物が挙げられる。
該アルキレン基に含まれる水素原子は、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数1〜5のアルコキシ基又はハロゲン原子で置換されていてもよく、該アルキレン基に含まれる−CH2−は、−O−又は−CO−で置き換わっていてもよい。
重合禁止剤としては、例えばハイドロキノン又はアルキルエーテル等の置換基を有するハイドロキノン類、ブチルカテコール等のアルキルエーテル等の置換基を有するカテコール類、ピロガロール類、2,2、6,6−テトラメチル−1−ピペリジニルオキシラジカル等のラジカル補足剤、チオフェノール類、β−ナフチルアミン類或いはβ−ナフトール類等を挙げることができる。
光増感剤としては、例えばキサントン及びチオキサントン等のキサントン類、アントラセン及びアルキルエーテルなどの置換基を有するアントラセン類、フェノチアジン或いはルブレンを挙げることができる。
レベリング剤としては、例えば放射線硬化塗料用添加剤(ビックケミージャパン製:BYK−352,BYK−353,BYK−361N)、塗料添加剤(東レ・ダウコーニング(株)製:SH28PA、DC11PA、ST80PA)、塗料添加剤(信越化学工業(株)製:KP321、KP323、X22−161A、KF6001)又はフッ素系添加剤(DIC(株)製:F−445、F−470、F−479)などを挙げることができる。
有機溶剤としては、化合物(A)を溶解し得る有機溶剤であり、重合反応に不活性な溶剤であればよく、具体的には、メタノール、エタノール、エチレングリコール、イソプロピルアルコール、プロピレングリコール、メチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、プロピレングリコールモノメチルエーテル又はフェノールなどのアルコール;酢酸エチル、酢酸ブチル、エチレングリコールメチルエーテルアセテート、γ−ブチロラクトン、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート又は乳酸エチルなどのエステル系溶剤;アセトン、メチルエチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、メチルアミルケトン又はメチルイソブチルケトンなどのケトン系溶剤;ペンタン、ヘキサン又はヘプタンなどの非塩素系脂肪族炭化水素溶剤;トルエン又はキシレンなどの非塩素系芳香族炭化水素溶剤、アセトニトリルなどのニトリル系溶剤;テトラヒドロフラン又はジメトキシエタンなどのエーテル系溶剤;クロロホルム又はクロロベンゼンなどの塩素系溶剤;などが挙げられる。これら有機溶剤は、単独で用いてもよいし、複数を組み合わせて用いてもよい。特に本発明の組成物は相溶性に優れ、アルコール、エステル系溶剤、ケトン系溶剤、非塩素系脂肪族炭化水素溶剤及び非塩素系芳香族炭化水素溶剤などにも溶解し得ることから、クロロホルムなどの塩素系溶剤を用いなくとも、溶解して塗工させることができる。
組成物(A)における固形分の濃度は、例えば5〜50質量%である。固形分の濃度が5質量%以上であると、位相差板が薄くなりすぎず、液晶パネルの光学補償に必要な複屈折率が与えられる傾向がある。また50質量%以下であると、組成物(A)の粘度が低いことから、位相差板の膜厚にムラが生じにくくなる傾向がある。固形分とは、組成物全量に対する、組成物から溶剤を除いた成分の含有量である。
[配向膜形成工程]
支持基材上に、配向膜を形成することが好ましい。
支持基材としては、例えばガラス、プラスチックシート、プラスチックフィルム又は透光性フィルムを挙げることができる。なお上記透光性フィルムとしては、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ノルボルネン系ポリマーなどのポリオレフィンフィルム、ポリビニルアルコールフィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリメタクリル酸エステルフィルム、ポリアクリル酸エステルフィルム、セルロースエステルフィルム、ポリエチレンナフタレートフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリスルフォンフィルム、ポリエーテルスルホンフィルム、ポリエーテルケトンフィルム、ポリフェニレンスルフィドフィルム又はポリフェニレンオキシドフィルムなどが挙げられる。
例えば本発明の位相差板の貼合工程、運搬工程、保管工程など、位相差板の強度が必要な工程でも、支持基材を用いることにより、破れなどなく容易に取り扱うことができる。
配向膜を用いれば、延伸による屈折率制御を行う必要がないため、複屈折の面内ばらつきが小さくなる。それゆえ、支持基材上にフラットパネル表示装置(FPD)の大型化にも対応可能な大きな位相差板を提供できる。
溶剤の乾燥は、重合を進行させるとともに行ってもよいが、重合前にほとんどの溶剤を乾燥させることが、成膜性の点から好ましい。
形成された配向膜に、配向方向が異なる領域を複数有するよう配向能が付与される。配向膜をラビング処理するか、もしくは配向膜に偏光UV照射を行うことにより、化合物(A)等を所望の方向に配向させることができる配向能を、配向膜に付与することができる。
ラビング処理で複数の配向領域を配向膜上に形成するためには、まず、配向膜にマスクを介さないで、第1のラビング処理を施す。その後に、配向膜上に所定のパターンを有するマスクを積層し、第1のラビング処理の方向とは異なる方向に第2のラビング処理を施す。すると、マスクに覆われた部分は、第1のラビング処理により形成された配向方向を有する領域となり、マスクに覆われていない部分は、第2のラビング処理により形成された配向方向を有する領域となる。また、所定のパターンを有する第1のマスクを配向膜上に積層した後、第1のラビング処理を施し、次いで、第1のマスクとは配向膜を覆う部分と覆わない部分とが逆のパターンを有する第2のマスクを配向膜上に積層し、第2のラビング処理を行うことにより、配向方向が異なる領域を複数作成することができる。さらに、第2のラビング処理の後、第3のマスクを介して第3のラビング処理を行うことによって、配向方向が異なる領域を3つ有する配向膜作成することもできる。このように、ラビング処理を繰り返し行うことによって、配向方向が異なる領域を複数有する配向膜を形成することができる。また、複雑な配向方向が異なる領域パターンを有する配向膜を作成することができる。
また、特開2004−287406号公報に記載されているように、レジストでマスクしてパターニングしてもよく、特開2005−49865号公報に記載されているように、偏光UV照射を行うことにより光配向でパターニングしてもよい。
図1は、配向膜形成時に用いられるマスク1を示す概略図である。マスク1には、スリット2が設けられている。マスクの材料としては、SUS、鉄板、アルミ板などの金属板、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、ポリカーボネート(PC)などのプラスチック板等が挙げられ、ラビング処理により、破砕しない材料であればよい。また、マスクの膜厚は、20μmから5mmであることが好ましく、30μm〜1mmであることがより好ましい。
組成物(A)を調製する。特に成膜時に成膜が容易となることから、有機溶剤を含む組成物を調製することが好ましく、得られた位相差板を硬化する働きをもつことから重合開始剤を含む組成物を調製することが好ましい。
配向膜の上に、組成物(A)を塗布し、乾燥すると、未重合位相差板が得られる。未重合位相差板がネマチック相などの液晶相を示す場合、得られる位相差板は、モノドメイン配向による複屈折性を有する。位相差板は0〜250℃、好ましくは、10〜150℃で配向する。
(式中、Re(λ)は、波長λnmにおける位相差値を表し、dは膜厚を表し、Δn(λ)は波長λnmにおける複屈折率を表す。)
Δn(450)/Δn(550)≦1.00 (1)
1.00≦Δn(650)/Δn(550) (2)
例えば、組成物(A)中の化合物(A)の含有量を調整することにより、得られる位相差板の波長分散特性を調整することができ、位相差板中の化合物(A)に由来する構造単位の含有量が多くなれば、よりフラットな波長分散特性、さらには逆波長分散特性を示す。
(a)重合性化合物の含有量が異なる組成物を2〜5種類程度調製する、
(b)調製したそれぞれの組成物について、同じ膜厚であり、重合性化合物に由来する構造単位の含有量が異なる位相差板を製造する、
(c)(b)で得られた位相差板の位相差値を求める、
(d)(c)で得られた位相差値に基づいて、重合性化合物に由来する構造単位の含有量と位相差板の位相差値との相関を求める、
(e)(d)で得られた相関関係から、上記膜厚における位相差板に所望の位相差値を与えるために必要な重合性化合物に由来する構造単位の含有量、つまり組成物中の重合性化合物の含有量を決定する。
未重合位相差板重合工程では、上記未重合位相差板調製工程で得られた未重合位相差板を重合し、硬化させる。これにより化合物(A)等の配向が固定化された位相差板、すなわち重合位相差板となる。
半透過型液晶表示装置31Aは、バックライト32側(背面とも言う)より順番に、偏光板33、公知の位相差板34、基材35、画素36、液晶層37、前面透明電極38、カラーフィルタ39(ただし、カラーフィルタは、必ずしも必要ない)、本発明の位相差板40、基材41、偏光板42を含む構成である。
半透過型液晶表示装置31Bは、バックライト32側(背面とも言う)より順番に、偏光板33、公知の位相差板34、基材35、画素36、液晶層37、前面透明電極38、本発明の位相差板40、カラーフィルタ39(ただし、カラーフィルタは、必ずしも必要ない)、基材41、偏光板42を含む構成である。
画素36は、第1及び第2のサブ画素に副分割され、第1の副画素を反射サブ画素と呼び、第2のサブ画素を透過サブ画素と呼ぶ。第1のサブ画素は、反射部を兼ねる、アルミニウムホイル等から製造される背面反射電極部36Aを含み、第2のサブ画素は、例えばITO等から製造される透明の背面透明電極部36Bを有する。従って、背面反射電極部36Aは反射画素部であり、背面透明電極部36Bは透過画素部である。
本発明の位相差板40は、背面反射電極部36A及び背面透明電極部36Bに対応する部分において、それぞれ遅相軸の方向が異なる領域を形成している。
図5は、本発明に係る液晶表示装置51を示す概略図である。液晶表示装置51は、バックライト52側(背面ともいう)より順番に、偏光板53、液晶セル54、偏光板55、本発明の位相差板56を含む構成である。液晶セル54の前後に偏光板53及び偏光板55があり、バックライト52側でない(前面ともいう)偏光板55の、液晶セル54とは反対側に、本発明の位相差板56が設けられている。液晶表示装置51によれば、3D表示が可能となる。
本発明の位相差板56は、右眼用画像を出射する領域56A及び左眼用画像を出射する領域56Bを有しており、領域56Aの遅相軸の方向と領域56Bの遅相軸の方向とが異なっている。例えば、右眼用画像を出射する領域56Aが、左円偏光を出射する領域であり、左眼用画像を出射する領域56Bが右円偏光を出射する領域である。領域56Aと領域56Bの形状は限定されないが、ストライプ状に領域56Aと領域56Bが形成されていることが好ましい。領域56Aの合計面積と領域56Bの合計面積がほぼ同じであることが好ましい。領域56Aの遅相軸の方向と領域56Bの遅相軸とが成す角度は、略90°が好ましい。ここで、”略90°”とは、90°±3°を意味する。
偏光板及び領域56Aと遅相軸の方向が同じ位相差板からなる円偏光板、並びに偏光板及び領域56Bと遅相軸の方向が同じ位相差板からなる円偏光板を、右眼用レンズ及び左眼用レンズにそれぞれ設けた眼鏡(図示せず)を用いることで、3D画像を観察することができる。
図7は、本発明に係る液晶表示装置71Aを示す概略図である。液晶表示装置71Aは、バックライト72側(背面とも言う)より順番に、偏光板73、公知の位相差板74、基材75、背面電極76、液晶層77、前面透明電極78、カラーフィルタ79(ただし、カラーフィルタは、必ずしも必要ない)、偏光板82、本発明の位相差板80、基材81を含む構成である。
図8は、本発明に係る液晶表示装置71Bを示す概略図である。液晶表示装置71Bは、バックライト72側(背面とも言う)より順番に、偏光板73、公知の位相差板74、基材75、背面電極76、液晶層77、前面透明電極78、偏光板82、本発明の位相差板80、カラーフィルタ79(ただし、カラーフィルタは、必ずしも必要ない)、基材81を含む構成である。液晶表示装置51は、
図9は、本発明に係る液晶表示装置71Cを示す概略図である。液晶表示装置71Cは、バックライト72側(背面とも言う)より順番に、偏光板73、公知の位相差板74、基材75、背面電極76、液晶層77、前面透明電極78、偏光板82、カラーフィルタ79(ただし、カラーフィルタは、必ずしも必要ない)、本発明の位相差板80、基材81を含む構成である。
化合物(a)50.1g(258mmol)、炭酸カリウム97.1g(703mmol)、6−ブロモヘキサノール46.7g(258mmol)及びジメチルアセトアミド177gを混合した。得られた混合液を、窒素雰囲気下、90℃で、その後100℃で撹拌し、その後室温まで冷却した。混合液に、純水及びメチルイソブチルケトンを加え、分離した有機層を回収した。回収した有機層を水酸化ナトリウム水溶液及び純水で洗浄後に脱水し、濾過後に減圧濃縮した。残渣にメタノールを加えて、生成した沈殿を濾過後、真空乾燥させて、化合物(b)47g(159mmol)を得た。収率は6−ブロモヘキサノール基準で62%であった。
化合物(b)126g(428mmol)、3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシトルエン(以下BHTという)1.40g(6.42mmol)、N、N−ジメチルアニリン116.7g(963mmol)、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン1.00g及びクロロホルム600gを混合した。窒素雰囲気、氷冷下で、得られた混合液に、アクリロイルクロリド58.1g(642mmol)を滴下し、さらに純水を加えて攪拌した後、分離した有機層を回収した。回収した有機層を塩酸水、飽和炭酸ナトリウム水溶液及び純水で洗浄した。有機層を乾燥し、濾過後、有機層にBHT1gを加えて減圧濃縮して、化合物(c)を得た。
化合物(c)及びテトラヒドロフラン(以下THFという)200mlを混合後、得られた混合液にTHF200mlを加えた。さらに塩酸水及び濃塩酸水を加えて、窒素雰囲気、60℃の条件下で攪拌した。得られた混合溶液に飽和食塩水500mlを加えてさらに攪拌し、分離した有機層を回収した。回収した有機層を脱水し、濾過後減圧濃縮した。
さらに有機層にヘキサンを加えて氷冷下で攪拌し、析出した粉末を濾過後真空乾燥して、化合物(d)を90g(339mmol)得た。収率は化合物(c)基準で79%であった。
前工程で得られた化合物(f)を含む粉末251gをクロロホルム600mLを混合した。得られた溶液を氷冷し、窒素雰囲気下、得られた溶液にエトキシクロロメタン93.5g(0.7600mol)及びトリエチルアミン146.8g(1.4515mol)を滴下した。反応溶液を室温、窒素雰囲気下で3時間攪拌して反応させた。反応溶液にトルエン600mLを加え、析出したトリエチルアミン塩酸塩を濾別し、濾液を回収し、水で洗浄した。有機層を回収し、無水硫酸ナトリウムで乾燥、濾過後、溶媒を除去した。得られた粗生成物を真空乾燥して、化合物(g)を含む液体242gを得た。
窒素雰囲気下で、得られた溶液に10%パラジウム−炭素(50%含水)10.0gを加えた。減圧後、水素置換し、室温、常圧、水素雰囲気下で得られた溶液を6時間攪拌して反応させた。窒素置換後、得られた溶液を濾過し、触媒及び溶媒を除去した。残渣をクロロホルムに溶解した。得られた溶液をシリカゲル濾過した。シリカゲル上の不溶物を、シリカゲルからさらにクロロホルムにて抽出した。クロロホルム溶液を回収し、これを減圧濃縮し、これにヘプタンを加えて結晶化させた。得られた結晶を濾別、真空乾燥することにより化合物(h)106gを得た。収率は化合物トランス−1、4−シクロヘキサンジカルボン酸基準で39%であった。
<化合物(A11−1)の合成例>
化合物(A11−1)は下記のスキームに従って合成した。
3,5−ジメチルフェノール25g(205mmol)をN、N’−ジメチルアセトアミド150.0gに溶解させた。溶液を氷浴により冷却した後に、水酸化ナトリウム9.82(246mmol)を加えた。室温で1時間攪拌し、クロロアセトアルデヒドジメチルアセタール25.49g(266mmol)を滴下した。100℃で15時間攪拌し、反応液を水1000mL、メチルイソブチルケトン400mLに加えて分液した。有機層を回収し、2回500mLの1N−水酸化ナトリウム水溶液で、さらに2回800mLの純水で有機層を洗浄した。有機層を回収後、無水硫酸ナトリウムで脱水し、エバポレータにて減圧濃縮させ淡赤色粘稠液体を得た。一方で、400gのトルエンと、オルトリン酸3.01gを混合し110℃に加熱した。該溶液に淡赤色粘稠液体をトルエン100mLに溶解させた溶液を滴下した。3時間110℃で攪拌した後、室温まで冷却した。反応液を1N−炭酸水素ナトリウム水溶液で二回洗浄し、最後に純水500mLで洗浄した。有機層を回収し、無水硫酸ナトリウムで脱水後、エバポレータにて減圧濃縮、真空乾燥させて、4,6−ジメチルベンゾフランを16.5g淡赤色粘稠液体として得た。収率は3,5−ジメチルフェノール基準で55%であった。
4,6−ジメチルベンゾフラン21.62g(148mmol)をN、N’−ジメチルホルムアミド28.4g(389mmol)に溶解させた。溶液を水浴により冷却した後に、オキシ塩化リン25g(163mmol)を滴下した。ピンク色溶液を室温で1時間攪拌した後、100℃で10時間攪拌した。反応液を室温まで放冷し、純水100mLを加えて一時間攪拌後、1N炭酸水素ナトリウムで中和した。pHを8に調節後、トルエンと分液した。有機層を回収し、活性炭を2.6g加えて濾過した。エバポレータにて減圧濃縮し、残渣をクロロホルムに溶解させ、ヘプタンにて結晶化させた。結晶を濾取、真空乾燥して、2−ホルミル−4,6−ジメチルベンゾフランを19.5g淡黄色粉末として得た。収率は4,6−ジメチルベンゾフラン基準で76%であった。
2−ホルミル−4,6−ジメチルベンゾフラン19.50g(112mmol)、アミド硫酸13.04g(134mmol)を100mLの純水と混合した。氷浴で冷却し、亜塩素酸ナトリウム12.15g(134mmol)の水100mL溶液を滴下した。水浴で36時間反応させた。反応溶液にトルエン100mL、水酸化カリウム25gを加えてpHを12に調整した。分液し、水層を回収し水層をさらに200mLのトルエンで洗浄した。水層を回収し、2N−塩酸にてpHを2にした後、トルエン400mLを加えて分液した。有機層を回収し、無水硫酸ナトリウムで脱水後、エバポレータにて減圧濃縮、真空乾燥して、4,6−ジメチルベンゾフラン−2−カルボン酸を14.27g黄色粉末として得た。収率は2−ホルミル−4,6−ジメチルベンゾフラン基準で67%であった。
2,5−ジメトキシアニリン11.49g(75.0mmol)、4,6−ジメチルベンゾフラン−2−カルボン酸14.27g(75.7mmol)、トリエチルアミン7.59g(75.0mmol)、N、N’−ジメチルアミノピリジン1.83g(15.0mmol)及び脱水N、N’−ジメチルアセトアミド100.0gを混合した。得られた溶液を氷浴にて冷却した後、BOP試薬34.85g(82.5mmol)を加えて室温で24時間反応させた。得られた混合液に水、メタノールの混合溶液(水2体積部、メタノール1体積部)を加えて晶析させた。得られた沈殿を濾取し水−メタノールの混合溶液(水3体積部、メタノール2体積部)で洗浄、真空乾燥して、淡黄色粉末として化合物(11−a)を16.2g得た。収率は2,5−ジメトキシアニリン基準で66%であった。
化合物(11−a)16.0g(49mmol)、2,4−ビス(4−メトキシフェニル)−1,3−ジチア−2,4−ジホスフェタン−2,4−ジスルフィド(ローソン試薬)9.2g(30.0mmol)及びトルエン100gを混合し、得られた混合液を80℃に昇温して12時間反応させた。冷却後濃縮し、化合物(11−b)とローソン試薬の分解物とを主成分とする赤色粘稠固体を得た。
前項で得られた化合物(11−b)を含む混合物、水酸化ナトリウム11.8g(262mmol)及び水250gを混合し、得られた混合液を氷冷下で反応させた。続いてフェリシアン化カリウム44.17g(134mmol)を含む水溶液を、氷冷下で加え、反応させた。60℃で12時間反応させて、析出した黄色沈殿を濾取した。濾取した沈殿を水、次いでヘキサンで洗浄し、トルエンで結晶化させた。得られた黄色を真空乾燥して、化合物(11−c)を主成分とする黄土色固体4.1gを得た。収率は化合物(11−a)基準で25%であった。
化合物(11−c)4.0g(12.0mmol)及び塩化ピリジニウム40.0g(10倍質量)を混合し、180℃に昇温して3時間反応させた。得られた混合液を氷に加え、得られた沈殿を濾取した。水で懸洗後、トルエンで洗浄、真空乾燥させて、化合物(11−d)を主成分とする黄土色固体3.4gを得た。収率は化合物(11−c)基準で93%であった。
化合物(11−d)3.00g(9.64mmol)、化合物(e)8.47g(20.23mmol)、ジメチルアミノピリジン0.12g(0.96mmol)及びクロロホルム40mLを混合した。得られた混合液にN、N’−ジイソプロピルカルボジイミド2.92g(23.12mmol)を氷冷下で加えた。得られた反応溶液を室温で終夜反応させ、シリカゲル濾過したのち、減圧濃縮した。残渣にメタノールを加えて結晶化させた。結晶を濾取し、クロロホルムに再溶解させ0.3gの活性炭を加えて、室温で一時間攪拌した。溶液を濾過して濾液をエバポレータにて1/3まで減圧濃縮後、攪拌しながらメタノールを加えて、生成した白色沈殿を濾取し、ヘプタンで洗浄、真空乾燥して化合物(A11−1)を白色粉末として7.60g得た。収率は化合物(11−d)基準で71%であった。
化合物(x−a)は以下のスキームで合成した。は、J.Chem.Soc.,Perkin Trans.1誌、205−210頁(2000年)に記載されている方法と同等の方法で合成した。つまり、上記に記載されている合成法のベンゾイルクロライドを2-チオフェンカルボニルクロリドに変える以外は同様の方法で、合成した。
さらに、化合物(x−a)は、化合物(x−d)20.0g(72.1mmol)と塩化ピリジニウム100.0g(5倍質量)とを混合し、得られた混合液を220℃に昇温して攪拌した。混合液を冷却後、水を加え、得られた沈殿を濾別し、水及びn−ヘプタンで洗浄して、化合物(x−a)を主成分とする固体17.4gを得た。収率は化合物(x−d)基準で97%であった。
化合物(A11−1)の合成例と同様の方法で、化合物(11−d)を化合物(x−a)に変える以外は同様の方法にて、化合物(x−1)を得た。収率は化合物(x−a)基準で84%であった。
(実施例1)
ガラス基板に、ポリビニルアルコール(ポリビニルアルコール1000完全ケン化型、和光純薬工業株式会社製)の2質量%水溶液を塗布し、乾燥後、厚さ89nmの膜を形成した。続いて、得られた膜の表面に第1のラビング処理を施した。第1のラビング処理は、半自動ラビング装置(商品名:LQ−008型、常陽工学株式会社製)を用いて、布(商品名:YA−20−RW、吉川化工株式会社製)によって、押し込み量0.15mm、回転数500rpm、16.7mm/sの条件で行った。第1のラビング処理を施した面にSUS製の280ミクロンの線幅のパターンが刻まれた図1に示すマスクを置き、第1のラビング処理の方向に対して90°の方向に、第2のラビング処理を施した。第2のラビング処理は、半自動ラビング装置(商品名:LQ−008型、常陽工学株式会社製)を用いて、布(商品名:YA−20−RW、吉川化工株式会社製)によって、押し込み量0.10mm、回転数500rpm、16.7mm/sの条件で行った。マスクを外したあと、ラビング処理を施した面に、表2の組成の組成物をスピンコート法により塗布し、140℃に加熱し、モノドメインの未重合位相差板を得た。その後、90℃に冷却した状態で紫外線を照射した。これにより、ガラス基板上に、位相差板を作成した。位相差板の概略図を図2に示す。
第2のラビング処理の条件を、押し込み量0.10mm、回転数500rpm、8.35mm/sに変更したこと以外は、実施例1と同様にして、ガラス基板上に、位相差板を作成した。
重合性開始剤:イルガキュア819(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ株式会社製)
レベリング剤:BYK361N(ビックケミージャパン製)
位相差値(nm)と配向角の測定は、ガラス基板上に作成した位相差板を剥離することなく、測定機(KOBRA−WR、王子計測機器社製)で計測した。基材に使用したガラス基板には、ほとんど複屈折性が無いため、剥離せずに測定しても、ガラス基板上に作製した位相差板の位相差値を得ることができる。位相差の測定の結果、図2に示す領域12と領域13は、異なる遅相軸の方向を有する領域であることがわかった。また、波長451nm、549nm、及び628nmにおける位相差値を表3に示す。また、その位相差値の値から、[Re(451)/Re(549)](αとする)及び[Re(628)/Re(549)](βとする)を算出した。
<膜厚と線幅の測定>
膜厚(nm)と線幅(μm)の測定は、オリンパス社製レーザー顕微鏡(LEXT3000)を用いて測定した。線幅は、ガラス基板上に作成した位相差板を剥離することなく、測定機で計測した。膜厚は、基材から位相差板を一部剥離し、段差計測を行うことで計測した。
<位相差板の製造例>
ガラス基板(EAGLE2000、平岡特殊硝子株式会社製)に実施例1と同様の方法で配向膜を塗布し、第1のラビング処理を施した。
第1のラビング処理を施した面に、SUS製の280ミクロンの線幅のパターンが刻まれた図1に示すマスクに代えて、図10に示す幅25mmの空隙部を有するアルミニウム製箔板(板厚:11μm)を用いることと、押し込み量0.10mmを0.20mmに代える以外は実施例1と同様の方法で、第2のラビング処理を施した。前記箔板を外したあと、ラビング処理を施した面に、表5記載の組成物をスピンコート法により塗布し、表6記載の温度に加熱し、モノドメインの未重合位相差板を得た。その後、表6記載の温度で紫外線を表6記載の積算光量を照射した。これにより、ガラス基板上に、位相差板を作製した。
表5は、組成物1〜4を構成する成分と、組成物全体に対する各構成成分の含有率(質量%)を表す。
液晶化合物b:Poliocolor LC242(BASF社製)(下式で表される化合物)
重合開始剤:
*1):イルガキュア369(チバ・ジャパン(株)製)(アセトフェノン化合物)
*2):イルガキュア907(チバ・ジャパン(株)製)(アセトフェノン化合物)
レベリング剤:BYK361N(ビックケミージャパン製)
作製した位相差板について、実施例1と同様の方法で、位相差値(nm)と配向角とを測定した。位相差値の測定の結果、図11に示す領域15と領域16は、異なる遅相軸の方向を有する領域であることがわかった。また、波長451nm、549nm、及び628nmにおける位相差値を表7に示す。また、その位相差値の値から、[Re(451)/Re(549)](αとする)及び[Re(628)/Re(549)](βとする)を算出した。
ガラス基板(EAGLE2000、平岡特殊硝子製作(株)製)に、ポリビニルアルコール(ポリビニルアルコール1000完全ケン化型、和光純薬工業(株)製)の2質量%水溶液を塗布し、乾燥後、厚さ89nmの膜を形成した。続いて、得られた膜の表面にラビング処理を施した。ラビング処理は、半自動ラビング装置(商品名:LQ−008型、常陽工学(株)製)を用いて、布(商品名:YA−20−RW、吉川化工(株)製)によって、押し込み量0.15mm、回転数500rpm、16.7mm/sの条件で行った。続いてラビング処理を施した面に、表5に記載の組成物を、硬化後の膜厚が表6に記載の膜厚になるようにスピンコート法により塗布し、表6に記載の温度で加熱し、モノドメインの塗膜を得た。その後、表6に記載の温度に保持して紫外線(SP−7、ウシオ電機(株)製)を表6に記載の露光量を照射した。これにより、ガラス基板上に位相差板92を得た。該位相差板92と偏光板93(PVA層:クラレRポバールフィルム、片TAC品、住友化学製)とを、その遅相軸と吸収軸が右又は左方向に45度の角度をなすように貼合することで円偏光板94を作製した。
簡易暗室ユニット(品番:DRU−1515、シグマ光機製)中に液晶パネル(型番:N220W、HYUNDAI製)を設置し、液晶パネルの画面の一部に位相差板14を、位相差板14上の組成物層面が液晶パネル側に向くように貼り付けた。
前記装置において液晶パネルに、白(Y=71.93cd・m−2、x=0.301、y=0.283)を全画面に表示し、分光放射計側から液晶パネルを観察した。実施例3及び4の位相差板のいずれにおいても、位相差板中の領域15に対応して黒が観察され、領域16に対応して白が観察された。
液晶パネルに取り付けた位相差板14の遅相軸と、円偏光板94が有する位相差板92の遅相軸とが平行であれば白が観察され、液晶パネルに取り付けた位相差板14の遅相軸と、円偏光板94が有する位相差板92の遅相軸とが直交であれば黒が観察される。
前記装置において、領域16を通過し、分光放射計に入射する光の分光分布を測定した。前記位相差板及び円偏光板を配置しない状態での分光分布を基準の放射強度(100%)とした場合の、各波長における放射強度比を算出した。放射強度比が高いほど、液晶パネルが出射する光の損失が少なく、液晶パネルが表示する画像に対する色再現性が高いといえる。表8に結果を示す。
<輝度の測定のための装置>
色再現性評価のための装置と同様にして、液晶パネルに位相差板14を貼り付けた。
前記位相差板14の面から垂直方向に60cm離れた位置に、色彩輝度計(型番:BM−5A、光源;F−10、(株)トプコン製)のレンズ筒先端が来るように色彩輝度計を配置し、その先端部分に円偏光板94を、円偏光板94中の偏光板92側が色彩輝度計側に向くように取り付けた。前記円偏光板94は、液晶パネルに取り付けた位相差板14の作製に使用した組成物と同一の組成物から得られた円偏光板を用いた。
色彩輝度計は、RS−232Cケーブルを介してパーソナルコンピュータと繋げ、色彩輝度計の測定結果は、コンピュータ内のアプリケーションソフト(HarveyScope、Harver Lab.製)を使用して出力した。
前記液晶表示装置に、白(Y=71.9、x=0.301、y=0.283)を全画面に表示させた。
円偏光板94を10度刻みで±40度まで回転させ、輝度Yを上記色彩輝度計を用いて測定した。円偏光板94の回転の向きは、色彩輝度計から液晶パネルを見て、左回り方向を正とした。領域15における輝度Yb(単位:cd/m2)を表9に示す。輝度Ybが低いほど、より鮮明な黒を表示していると判断できる。
また、領域15における輝度Ybと領域16における輝度Yw(単位:cd/m2)とを測定し、輝度Ywを輝度Ybで除した値(Yw/Yb)を算出した。Yw/Ybが大きいほど、領域15で観察される画像と領域16で観察される画像とを鮮明に分離していると判断でき、3D表示装置に用いた際、クロストークの低減が可能となる。輝度Yb及びYwは、CIE 1931色度座標に基づく。
その結果、位相差板14中の領域15に対応して白が観察され、領域16に対応して黒が観察された。続いて、上記と同様の方法で輝度の測定方法を行い、領域15における輝度Yw’(単位:cd/m2)と領域16における輝度Yb’(単位:cd/m2)とを測定し、輝度Yw’を輝度Yb’で除した値(Yw’/Yb’)を算出した。結果を表10に示す。輝度Yb’及びYw’は、CIE 1931色度座標に基づく。
実施例3及び4の位相差板では、広範の波長において高い放射強度比を示すことから、表示装置から出射する光が、液晶パネルに取り付けた位相差板を通過しても減衰しにくく、色再現性が高いことが示された。つまり本発明の位相差板は、遅相軸の方向が異なる複数の領域を有し、かつ広い波長域において一様の偏光変換が可能であることから、特に3D表示装置に好適に用いられる。
実施例5の位相差板では、Yw/Ybが大きいことから、3D表示装置に用いた際、クロストークの低減が期待できる。また、角度を変えてもYw/Ybの変化が小さいことから、角度依存性も小さいことが示された。
2,4 ラビングマスク空隙部
11,14,40,56,64,80 本発明の位相差板
13,15 第1のラビング処理領域
12,16 第2のラビング処理領域
15A 領域15の遅相軸
16A 領域16の遅相軸
31A,31B 半透過型液晶表示装置
32,52,72 バックライト
33,42,53,55,63,73,82,93 偏光板
34,74 公知の位相差板
35,41,75,81 基材
36 画素
36A 背面反射電極部
36B 背面透明電極部
37,77 液晶層
38,78 前面透明電極
39,79 カラーフィルタ
43 背面電極
51 液晶表示装置
54 液晶セル
61 液晶表示装置以外のフラットパネル表示装置
62 従来のフラットパネル表示装置
71A,71B,71C 液晶表示装置
76 背面電極
91 液晶パネル内の偏光板
91A 液晶パネル内の偏光板91の吸収軸
92,95 位相差板
92A 位相差板92の遅相軸
93A 偏光板93の吸収軸
94,96 円偏光板
95A 位相差板95の遅相軸
100A 領域A
100B 領域B
Claims (16)
- 遅相軸の方向が異なる領域を複数有し、
いずれの領域においても、波長λ(nm)の光に対する複屈折率Δn(λ)が、式(1)及び式(2)を満たす位相差板。
Δn(450)/Δn(550)≦1.00 (1)
1.00≦Δn(650)/Δn(550) (2) - 式(A)で表される基及び重合性基を含む化合物を重合して得られる請求項1記載の位相差板。
−G1−D1−Ar−D2−G2− (A)
[式(A)中、Arは芳香環を有する2価の基を表し、該2価の基中の芳香環に含まれるπ電子の数Nπは、12以上である。
D1及びD2は、それぞれ独立に、単結合、−CO−O−、−O−CO−、−C(=S)−O−、−O−C(=S)−、−CR1R2−、−CR1R2−CR3R4−、−O−CR1R2−、−CR1R2−O−、−CR1R2−O−CR3R4−、−CR1R2−O−CO−、−O−CO−CR1R2−、−CR1R2−O−CO−CR3R4−、−CR1R2−CO−O−CR3R4−、−NR1−CR2R3−、−CR1R2−NR3−、−CO−NR1−、又は−NR1−CO−を表す。R1、R2、R3及びR4は、それぞれ独立に、水素原子、フッ素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を表す。
G1及びG2は、それぞれ独立に、2価の脂環式炭化水素基を表し、該脂環式炭化水素基に含まれる水素原子は、ハロゲン原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のフルオロアルキル基、炭素数1〜4アルコキシ基、シアノ基又はニトロ基で置換されていてもよく、該脂環式炭化水素基に含まれる−CH2−は、−O−、−S−又は−NH−で置き換わっていてもよい。] - 式(A)で表される基及び重合性基を含む化合物が、式(D)で表される化合物である請求項2記載の位相差板。
[式(B)中、Ar、D1、D2、G1及びG2は上記と同じ意味を表す。
E1及びE2は、それぞれ独立に、−CR5R6−、−CH2−CH2−、−O−、−S−、−CO−O−、−O−CO−、−O−CO−O−、−C(=S)−O−、−O−C(=S)−、−O−C(=S)−O−、−CO−NR5−、−NR5−CO−、−O−CH2−、−CH2−O−、−S−CH2−、−CH2−S−又は単結合を表す。R5及びR6は、それぞれ独立に、水素原子、フッ素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を表す。
B1及びB2は、それぞれ独立に、−CR5R6−、−CH2−CH2−、−O−、−S−、−CO−O−、−O−CO−、−O−CO−O−、−C(=S)−O−、−O−C(=S)−、−O−C(=S)−O−、−CO−NR5−、−NR5−CO−、−O−CH2−、−CH2−O−、−S−CH2−、−CH2−S−又は単結合を表す。R5及びR6は上記と同一の意味を表す。
A1及びA2は、それぞれ独立に、2価の脂環式炭化水素基又は2価の芳香族炭化水素基を表し、該2価の脂環式炭化水素基及び2価の芳香族炭化水素基に含まれる水素原子は、ハロゲン原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4アルコキシ基、シアノ基又はニトロ基で置換されていてもよく、該炭素数1〜4のアルキル基及び該炭素数1〜4アルコキシ基に含まれる水素原子は、フッ素原子で置換されていてもよい。
k及びlは、それぞれ独立に、0〜3の整数を表す。
F1及びF2は、それぞれ独立に、炭素数1〜12のアルキレン基を表し、該アルキレン基に含まれる水素原子は、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数1〜5のアルコキシ基又はハロゲン原子で置換されていてもよく、該アルキレン基に含まれる−CH2−は、−O−又は−CO−で置き換わっていてもよい。
P1及びP2は、それぞれ独立に、水素原子又は重合性基(ただし、P1及びP2のうち少なくとも1つは、重合性基を表す)を表す。] - 式(D)で表される化合物が、式(3)及び式(4)を満たす化合物である請求項3記載の位相差板。
(Nπ−4)/3<k+l+4 (3)
12≦Nπ≦22 (4)
[式(3)及び式(4)中、Nπ、k及びlは上記と同じ意味を表す。] - Arが、式(Ar−6)で表される2価の基である請求項2〜4のいずれかに記載の位相差板。
[式(Ar−6)中、Z1は、それぞれ独立に、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルキル基、シアノ基、ニトロ基、炭素数1〜6のアルキルスルフィニル基、炭素数1〜6のアルキルスルホニル基、カルボキシ基、炭素数1〜6のフルオロアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数1〜6のアルキルスルファニル基、炭素数1〜6のN−アルキルアミノ基、炭素数2〜12のN,N−ジアルキルアミノ基、炭素数1〜6のN−アルキルスルファモイル基又は炭素数2〜12のN,N−ジアルキルスルファモイル基を表す。
Q1は、−CR9R10−、−S−、−NR9−、−CO−又は−O−を表す。
R9及びR10は、それぞれ独立に、水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を表す。
Y2は、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基又は置換基を有していてもよい芳香族複素環基を表す。
ン原子を表す。
nは、0〜2の整数を表す。] - G1及びG2が、シクロヘキサン−1,4−ジイル基である請求項2〜5のいずれかに記載の位相差板。
- A1及びA2が、それぞれ独立に、1,4−フェニレン基又はシクロヘキサン−1,4−ジイル基である請求項3〜6のいずれかに記載の位相差板。
- A1にのみ結合しているB1及びA2にのみ結合しているB2が、それぞれ独立に、−CH2−CH2−、−CO−O−、−O−CO−、−CO−NH−、−NH−CO−、−O−CH2−、−CH2−O−又は単結合であり、
F1に結合しているB1及びF2に結合しているB2が、それぞれ独立に、−O−、−CO−O−、−O−CO−、−O−CO−O−、−CO−NH−、−NH−CO−又は単結合である請求項3〜7のいずれかに記載の位相差板。 - P1及びP2が、それぞれ独立に、水素原子、アクリロイルオキシ基又はメタクリロイルオキシ基(ただし、P1及びP2のうち少なくとも1つは、アクリロイルオキシ基又はメタクリロイルオキシ基を表す)である請求項3〜8のいずれかに記載の位相差板。
- 請求項1〜9のいずれか記載の位相差板を含む半透過型液晶表示装置。
- 請求項1〜9のいずれかに記載の位相差板を含む3D表示装置。
- 下記の(10)〜(12)の工程を含む請求項1〜9のいずれか記載の位相差板の製造方法。
(10)基材上に配向膜を形成する工程
(11)基材上に形成された配向膜に、配向方向が異なる領域を複数有するよう配向能を付与する工程
(12)配向膜上に液晶化合物を塗布する工程 - (11)の工程が、下記の(11a)〜(11c)の工程を含む請求項12記載の製造方法。
(11a)基材上に形成された配向膜の全面に、第1のラビング処理を施す工程
(11b)配向膜の第1のラビング処理を施した面を、所定のパターンを有するマスクで覆う工程
(11c)配向膜の第1のラビング処理を施した面のうち、マスクで覆われていない部分に、第2のラビング処理を施す工程 - さらに、下記の(13)の工程を含む請求項12又は13記載の製造方法。
(13)配向膜上に塗布された液晶化合物を重合する工程 - 配向方向が異なる複数の領域を有する配向膜と、
配向膜上に形成された請求項1〜9のいずれか記載の位相差板とを含む積層体。 - 支持基材と、
支持基材上に形成された配向膜と、
配向膜上に形成された請求項1〜9のいずれか記載の位相差板とを含む積層体。
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