JP2021189224A - 光学積層体、並びに、これを用いた偏光板、表示パネル及び画像表示装置 - Google Patents

光学積層体、並びに、これを用いた偏光板、表示パネル及び画像表示装置 Download PDF

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祐介 晝間
Yusuke Hiruma
愛実 山崎
Manami Yamazaki
亮 古堅
Ryo Furugen
裕之 雨宮
Hiroyuki Amamiya
清隆 松井
Kiyotaka Matsui
章伸 牛山
Akinobu Ushiyama
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Abstract

【課題】ポジティブA層の位相差が経時的に変化することを抑制し得る光学積層体を提供する。【解決手段】ポジティブA層と、前記ポジティブA層に接する紫外線吸収層とを有してなる光学積層体。前記紫外線吸収層は前記ポジティブA層用の配向層であることが好ましい。また、前記光学積層体は、前記ポジティブA層を基準として、前記紫外線吸収層とは反対側にポジティブC層を有することが好ましい。【選択図】図1

Description

本発明は、光学積層体、並びに、これを用いた偏光板、表示パネル及び画像表示装置に関する。
電界発光表示素子(以下、EL素子と略す場合がある。)は、自己発光のため視域が広く、またプラズマ発光素子等に比べて低消費電力であることから、近年、画像表示装置への適用が実用化されつつある。特に、発光材料として有機化合物を用いる有機EL素子は、無機化合物を用いる無機EL素子よりも印加電圧を大幅に低減できることから、表示装置としての利用が種々検討されている。
有機EL素子は、一般的に、透明基板上に第一電極、発光層、および第二電極を順次積層した構造のもの知られており、第一電極として透明電極を使用し、第二電極として金属電極を使用し、発光層からの発光を透明基板側から取り出すボトムエミッション型のものと、第一電極として金属電極を使用し、第二電極をとして透明電極を使用し、発光層からの発光を第二電極側から取り出すトップエミッション型のものがある(例えば特許文献1、2等)。
有機EL素子は、いずれの型においても発光層の光を効率よく利用するため、金属電極は反射性に優れたものが用いられることが多い。一方、このような金属電極を用いた有機EL素子は、外光反射が大きく、コントラストが低下する場合があった。また、有機EL素子を含む表示装置以外の表示装置(例えば、表示素子上に、空気界面の多い抵抗膜式タッチパネルを配置した表示装置)においても、外光反射によるコントラストの低下は問題となっている。
表示装置における外光反射を抑制する手法は、種々検討されている。このような手法の一つとして、位相差板と偏光板とを積層してなるいわゆる円偏光板を用いることが知られている(例えば特許文献3、4等)。
特開2007−294421号公報 特開2007−80604号公報 特開2014−206684号公報 特開2015−57666号公報
近年、画像表示装置は、さらなる高品質及び耐久性が求められるようになっている。しかし、近年、位相差層の品質(特許文献3及び4のような円偏光板の場合は反射防止性能)が経時的に低下することが散見された。
本発明者らは鋭意研究した結果、高温環境又は太陽光を受ける環境に長時間晒された場合に、位相差層の品質(例えば、反射防止性能)が低下しやすいことを見出し、さらに、その原因が位相差層の位相差の変化にあることを見出した。
そして、本発明者らはさらに鋭意研究した結果、ポジティブA層に接する紫外線吸収層を配置することにより、ポジティブA層の位相差が経時的に変化することを抑制し、本発明を完成するに至った。
本発明は、以下の[1]〜[14]を提供する。
[1]ポジティブA層と、前記ポジティブA層に接する紫外線吸収層とを有してなる、光学積層体。
[2]前記紫外線吸収層が前記ポジティブA層用の配向層である、[1]に記載の光学積層体。
[3]前記紫外線吸収層の厚みが0.2μm以上2.0μm以下である、[2]に記載の光学積層体。
[4]前記ポジティブA層を基準として、前記紫外線吸収層とは反対側にポジティブC層を有する、[2]又は[3]に記載の光学積層体。
[5]前記紫外線吸収層を基準として、前記ポジティブA層とは反対側にポジティブC層を有する、[1]に記載の光学積層体。
[6]前記ポジティブC層が前記紫外線吸収層に接してなる、[5]に記載の光学積層体。
[7]前記紫外線吸収層が前記ポジティブC層用の配向層である、[6]に記載の光学積層体。
[8]前記紫外線吸収層の厚みが2.0μm以上5.0μm以下である、[5]〜[7]の何れかに記載の光学積層体。
[9]波長405nmの透過率が2.0%以上80.0%以下である、[1]〜[8]の何れかに記載の光学積層体
[10]前記ポジティブA層の波長550nmにおける面内位相差をRe(550)と定義した際に、Re(550)が135nm以上150nm以下である、[1]〜[9]の何れかに記載の光学積層体。
[11]前記ポジティブA層の波長450nmにおける面内位相差をRe(450)、前記ポジティブA層の波長550nmにおける面内位相差をRe(550)、前記ポジティブA層の波長650nmにおける面内位相差をRe(650)と定義した際に、下記式(A)の関係を満たす、[1]〜[10]の何れかに記載の光学積層体。
Re(450)<Re(550)<Re(650) (A)
[12]偏光子と、前記偏光子の一方の側に配置されてなる透明保護板Aと、前記偏光子の他方の側に配置されてなる透明保護板Bとを有する偏光板であって、前記透明保護板A及び前記透明保護板Bの何れか一方が、[1]〜[11]の何れかに記載の光学積層体である、偏光板。
[13]表示素子の光出射面上に、[1]〜[11]の何れかに記載の光学積層体を配置してなる、表示パネル。
[14]前記紫外線吸収層が、前記ポジティブA層よりも前記表示素子から遠い側に配置されてなる、[13]に記載の表示パネル。
[15][13]又は[14]に記載の表示パネルを備えてなる、画像表示装置。
本発明の光学積層体、並びに、これを用いた表示パネル及び画像表示装置によれば、ポジティブA層の位相差が経時的に変化することを抑制することができる。
本発明の光学積層体の一実施形態を示す断面図である。 本発明の光学積層体の他の実施形態を示す断面図である。 本発明の偏光板の一実施形態を示す断面図である。 本発明の表示パネルの一実施形態を示す断面図である。
以下、本発明の実施形態を説明する。
本明細書において、「AA〜BB」との表記は、「AA以上BB以下」であることを意味する。
また、本明細書において、ポジティブA層とは、層の面内に沿った最も屈折率の高い軸方向であるX軸方向の屈折率をNx、層の面内に沿った方向でX軸に直交するY軸方向の屈折率をNy、層の厚み方向の屈折率をNzと定義した際に、Nx>Ny≒Nzの関係を満たす層である。また、本明細書において、ポジティブC層とは、Nx≒Ny<Nzの関係を満たす層である。
また、本明細書において、「波長450nmにおける面内位相差」を「Re(450)」、「波長550nmにおける面内位相差」を「Re(550)」、「波長650nmにおける面内位相差」を「Re(650)」、「波長550nmにおける厚み方向の位相差」を「Rth(550)」と表記する場合がある。
面内位相差(Re)及び厚み方向の位相差(Rth)は、Nx、Ny、Nz及び位相差層の厚みd(nm)から、下記式により算出できる。
面内位相差(Re)=(Nx−Ny)×d
厚み方向の位相差(Rth)=((Nx+Ny)/2−Nz)×d
また、本明細書において、面内位相差の測定、並びに、その他の測定及び評価は、特に断りのない限り、温度23℃±5℃、湿度40%以上65%以下の雰囲気で実施するものとする。また、測定及び評価の前に、前記雰囲気にサンプルを30分以上晒すものとする。
[光学積層体]
本発明の光学積層体は、ポジティブA層と、前記ポジティブA層に接する紫外線吸収層とを有してなるものである。
図1及び図2は、本発明の光学積層体の実施の形態を示す断面図である。
図1及び図2の光学積層体100は、ポジティブA層10と、ポジティブA層に接する紫外線吸収層20とを有している。
また、図1の光学積層体100は、ポジティブA層10を基準として、紫外線吸収層20とは反対側にポジティブC層30を有している。また、図1において、ポジティブA層10とポジティブC層30とは、接着剤層40を介して積層されている。
また、図2の光学積層体100は、紫外線吸収層20を基準として、ポジティブA層10とは反対側にポジティブC層30を有している。また、図2において、ポジティブC層30と紫外線吸収層10とは接して積層されている。
本発明の光学積層体は、ポジティブA層と、ポジティブA層に接する紫外線吸収層とを有していればよく、図1及び図2の積層構成には限定されない。例えば、本発明の光学積層体は、ポジティブC層を有していなくてもよいし、図1及び図2の光学積層体が有していない層を有していてもよい。
<ポジティブA層>
ポジティブA層はNx>Ny≒Nzの関係を満たす層である。
ポジティブA層は、主成分として、液晶化合物に由来する構成単位を含むことが好ましい。主成分とは、ポジティブA層の全固形分の50質量%以上であることを意味し、好ましくは70質量%以上であり、より好ましくは90質量%以上である。
ポジティブA層及び後述するポジティブC層を形成する液晶化合物は、分子内に重合性官能基を有する重合性液晶化合物を含むことが好ましい。重合性官能基を有することにより、液晶化合物を重合して固定することが可能になるため、配列安定性に優れ、位相差の経時変化を生じにくくすることができる。また、重合性液晶化合物は、分子内に重合性官能基を2つ以上有することがより好ましい。重合性官能基を2つ以上有することにより、液晶化合物の三次元的な配向をより安定させることができ、位相差の経時変化を生じにくくすることができる。但し、前述した位相差の経時変化の抑制は、ポジティブA層に紫外線吸収層が接していない場合には不十分である。この点は紫外線吸収層の実施形態の箇所で具体的に説明する。
重合性官能基としては、例えば、紫外線、電子線等の電離放射線、あるいは熱の作用によって重合するものを挙げることができる。これら重合性官能基としては、ラジカル重合性官能基が挙げられる。ラジカル重合性官能基の代表例としては、少なくとも1つの付加重合可能なエチレン性不飽和二重結合を持つ官能基が挙げられ、具体例として、置換基を有する若しくは有さないビニル基、アクリレート基(アクリロイル基、メタクリロイル基、アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基を包含する総称)等が挙げられる。
また、重合性官能基として、一般的に知られているカチオン重合性官能基を使用してもよく、具体的には、脂環式エーテル基(エポキシ基、オキセタニル基等)、環状アセタール基、環状ラクトン基、環状イミノエーテル基、環状チオエーテル基、スピロオルソエステル基、ビニルオキシ基等が挙げられる。これらの中でも、脂環式エーテル基、ビニルオキシ基が好ましく、エポキシ基、オキセタニル基、ビニルオキシ基がより好ましい。
また、液晶化合物は、末端に重合性官能基を有するものが特に好ましい。このような液晶化合物を用いることにより、例えば、液晶化合物の末端同士が互いに重合して、三次元的に配向した状態にすることができるため、安定性を備え、かつ、光学特性の発現性に優れたポジティブA層又はポジティブC層とすることができる。
液晶化合物は、1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。1種単独の場合、該1種の液晶化合物は重合性液晶化合物であることが好ましい。また、2種以上を組み合わせて用いる場合、少なくとも1種が重合性液晶化合物であることが好ましく、全てが重合性液晶化合物であることがより好ましい。
ポジティブA層の液晶化合物は、ホモジニアス配向する液晶化合物を用いればよい。ホモジニアス配向し得る液晶化合物は、液晶性ポリマーからなる材料であっても液晶性モノマーからなる材料であってもよい。ホモジニアス配向とは、液晶化合物の分子長軸が水平方向に配向している状態を意味する。また、ポジティブA層は、スメクチック相を示すことが好ましい。ここで、スメクチック相とは、一方向にそろった分子が相構造を有している状態をいう。
ポジティブA層の液晶化合物としては、円盤状液晶材料(ディスコティック液晶材料)と、棒状液晶材料とが挙げられ、逆分散性を発現しやすい棒状液晶材料であることが好ましい。逆分散性を示す重合性液晶化合物としては、例えば、特開2019−73712号公報の一般式(1)で表されるもの、国際公開番号WO2017/043438の一般式(II)で表されるものが挙げられる。
ポジティブA層の液晶化合物は汎用の材料を用いることができ、例えば、特開2008−297210号公報に記載の一般式(I)で表される化合物、特開2010−84032号公報に記載の一般式(1)で表される化合物、特開2016−53709号公報に記載の液晶化合物A0等が挙げられる。ポジティブA層の液晶化合物は、下記式(1)〜(19)に示す化合物を用いることもできる。
Figure 2021189224
Figure 2021189224
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ポジティブA層は、Re(450)、Re(550)及びRe(650)が、下記式(A)の関係を満たすことが好ましい。すなわち、ポジティブA層は逆分散性を有することが好ましい。ポジティブA層として、下記式(A)の関係を満たす逆分散性のものを用いることにより、550nmから外れた波長域における光学特性(例えば、視認性及び反射防止性)を良好にしやすくできる。
Re(450)<Re(550)<Re(650) (A)
ポジティブA層のRe(450)、Re(550)及びRe(650)は、特に限定されないが、ポジティブA層をλ/4位相差層とする場合には下記の範囲とすることが好ましい。ポジティブA層はλ/4位相差層であることが好ましい。
λ/4位相差層の面内位相差は、下限は、好ましくは100nm以上、より好ましくは110nm以上、更に好ましくは135nm以上である。また、λ/4位相差層の面内位相差は、上限は、好ましくは180nm以下、より好ましくは160nm以下、更に好ましくは150nm以下である。
λ/4位相差層の面内位相差を上記範囲とすることにより、λ/4位相差層と偏光子とを組み合わせた際に、円偏光板として反射防止機能を発揮しやすくできる。
ポジティブA層の厚みは、下限は、好ましくは0.1μm以上、より好ましくは0.5μm以上、さらに好ましくは1.5μm以上である。また、ポジティブA層の厚みは、上限は、好ましくは5.0μm以下、より好ましくは4.0μm以下、さらに好ましくは3.0μm以下である。
ポジティブA層の厚みを上記範囲とすることにより、光学積層体を薄膜化するとともに、ポジティブA層としてのλ/4位相差層の面内位相差を上記範囲にしやすくできる。
ポジティブA層、ポジティブC層及び基材等の各層の厚みは、例えば、光学積層体の断面像を、走査型透過電子顕微鏡(STEM)等で観察し、20箇所の平均値として算出できる。
本明細書において、面内位相差、厚み方向の位相差、ヘイズ及び全光線透過率は、16箇所の測定値の平均値を意味する。16の測定箇所は、測定サンプルの外縁から1cmの領域を余白として、該余白よりも内側の領域に関して、縦方向及び横方向を5等分する線を引いた際の、交点の16箇所を測定の中心とすることが好ましい。測定サンプルが四角形の場合には、四角形の外縁から1cmの領域を余白として、該余白よりも内側の領域を縦方向及び横方向に5等分した線の交点の16箇所を中心として測定を行い、その平均値を算出することが好ましい。なお、測定サンプルが円形、楕円形、三角形、五角形等の四角形以外の形状の場合、これらの形状に内接する最大面積の四角形を書き、該四角形に関して、上記手法により16箇所の測定を行うことが好ましい。
面内位相差及び厚み方向の位相差は、例えば、大塚電子社製の商品名「RETS−100」で測定できる。
RETS−100を用いて面内位相差(Re)等を測定する場合には、以下の手順(A1)〜(A4)に沿って測定の準備をすることが好ましい。
(A1)まず、RETS−100の光源を安定させるため、光源をつけてから60分以上放置する。その後、回転検光子法を選択するとともに、θモード(角度方向位相差測定およびRth算出のモード)選択する。このθモードを選択することにより、ステージは傾斜回転ステージとなる。
(A2)次いで、RETS−100に以下の測定条件を入力する。
(測定条件)
・リタデーション測定範囲:回転検光子法
・測定スポット径:φ5mm
・傾斜角度範囲:0°
・測定波長範囲:400nm〜800nm
・測定対象の層の平均屈折率(例えば、PETフィルムの場合には、N=1.617とする)
・厚み:SEMや光学顕微鏡で別途測定した厚み
(A3)次いで、この装置にサンプルを設置せずに、バックグラウンドデータを得る。装置は閉鎖系とし、光源を点灯させる毎にこれを実施する。
(A4)その後、装置内のステージ上にサンプルを設置して、測定する。
《形成手法》
ポジティブA層及び後述するポジティブC層等の位相差層は、位相差層を構成する成分及び溶剤を含む位相差層形成用塗布液を塗布、乾燥、硬化等することにより形成することができる。
位相差層形成用塗布液中における液晶化合物の含有量としては、特に限定されないが、該塗布液中に5質量%以上30質量%以下の割合で含まれていることが好ましい。液晶化合物の量が5質量%未満であると、作製時に多量に付与する必要があり、製造し難いとともに、多量の溶剤除去が必要となるため、溶剤残存に起因する信頼性の悪化が生じやすい。一方で、30質量%を超えると、その重合性液晶組成物の粘度が高くなりすぎるために、層の作製の作業性が悪くなる。
また、位相差層の固形分に対する液晶化合物の含有量が少ないと、液晶化合物の配向性が低下する傾向がある。このため、位相差層形成用塗布液の固形分質量(溶剤を除いた質量)に対する液晶化合物の含有量は、下限は好ましくは60質量%以上、より好ましくは80質量%以上であり、上限は好ましくは95質量%以下である。
《その他の成分》
ポジティブA層及び後述するポジティブC層等の位相差層形成用塗布液中には、重合開始剤、レベリング剤及び配向促進剤等を含んでいてもよい。
−重合開始剤−
配向させた液晶化合物は、重合反応により配向状態を維持して固定することが好ましい。重合反応には、熱重合開始剤を用いる熱重合反応と光重合開始剤を用いる光重合反応とが含まれる。これらの中でも、光重合反応が好ましい。光重合開始剤の例には、α−カルボニル化合物(米国特許第2367661号、同2367670号の各明細書参照)、アシロインエーテル(米国特許第2448828号明細書参照)、α−炭化水素置換芳香族アシロイン化合物(米国特許第2722512号明細書参照)、多核キノン化合物(米国特許第3046127号、同2951758号の各明細書参照)、トリアリールイミダゾールダイマーとp−アミノフェニルケトンとの組み合わせ(米国特許第3549367号明細書参照)、アクリジン及びフェナジン化合物(特開昭60−105667号公報、米国特許第4239850号明細書参照)及びオキサジアゾール化合物(米国特許第4212970号明細書参照が含まれる。
重合開始剤の含有量が少ない場合、硬化不良が生じる傾向があり、重合開始剤の含有量が多い場合、液晶化合物の配向性が低下する傾向がある。このため、重合開始剤の使用量は、位相差層の全固形分に対して、下限は好ましくは0.01質量%以上、より好ましくは0.5質量%以上であり、上限は好ましくは20質量%以下、より好ましくは10質量%以下である。
−レベリング剤−
レベリング剤としては、フッ素系レベリング剤及びシリコン系レベリング剤が挙げられる。
レベリング剤の含有量が少ない場合、十分なレベリング性が得られない傾向があり、レベリング剤の含有量が多い場合、消泡性が低下するなどの不具合が生じる傾向がある。このため、レベリング剤の含有量は、位相差層の全固形分に対して、下限は好ましくは0.01質量%以上、より好ましくは0.05質量%以上であり、上限は好ましくは2.0質量%以下、より好ましくは1.0質量%以下である。
<紫外線吸収層>
本発明の光学積層体において、紫外線吸収層はポジティブA層と接する位置に配置される。紫外線吸収層をポジティブA層と接する位置に配置することにより、ポジティブA層の位相差が経時的に変化することを抑制することができる。
以下、当該効果を生じる理由を説明する。
まず、ポジティブA層の位相差が経時的に変化する理由は、ポジティブA層を形成する際に、ポジティブA層中の重合性液晶化合物の反応を完全に完了させることが難しく、外光に含まれる紫外線等によって残存した未反応物が徐々に反応するためと考えられる。このため、通常のポジティブA層は、位相差が経時的に変化し、ポジティブA層と偏光子とを組み合わせてなる円偏光板の反射防止性能を経時的に維持することができない。
一方、紫外線吸収層をポジティブA層と接する位置に配置することにより、上述した不具合を抑制することができる。この理由は以下のように考えられる。
まず、紫外線吸収層中の紫外線吸収剤は、紫外線を吸収した際に熱を生じる。そして、紫外線吸収層をポジティブA層と接する位置に配置しておけば、当該熱によってポジティブA層中の重合性液晶化合物の反応を進行させることができる。すなわち、紫外線吸収層をポジティブA層と接する位置に配置することにより、光学積層体を形成する段階でポジティブA層中の未反応の重合性液晶化合物の反応を進行させることができ、光学積層体を形成した後のポジティブA層の位相差の低下を抑制することができる。
上述した作用をより生じやすくするためには、例えば、「光学積層体の波長405nmの透過率を後述する範囲にすること」、「紫外線吸収層の波長405nmの吸光度を所定の範囲にすること」、「紫外線吸収剤の極大吸収波長と、ポジティブA層の重合性液晶化合物の開始剤の吸収波長とに所定の差を付与すること」が好ましい。
また、紫外線吸収層をポジティブA層と接する位置に配置することが好ましい理由として、ポジティブA層中に紫外線吸収剤の一部が浸透することも考えられる。すなわち、ポジティブA層中に紫外線吸収剤の一部が浸透することによって、ポジティブA層の重合性液晶化合物の耐光性が向上するとともに、紫外線吸収剤が紫外線を吸収した際に生じる熱が、ポジティブA層の重合性液晶化合物により伝わりやすくなると考えられる。
上述した効果を発揮しやすくするために、光学積層体は、下記(1)又は(2)を含む工程で製造することが好ましい。下記(1)又は(2)を含む工程で光学積層体を製造することにより、ポジティブA層中に含まれる未反応の重合性液晶化合物に対して、紫外線及び熱が同時に作用するため、当該化合物の反応をより進行させやすくできる。前述した効果を得やすくする観点からは、光学積層体は、下記(2)を含む工程で製造することがより好ましい。
(1)紫外線吸収層上に、ポジティブA層形成用塗布液を直接塗布し、乾燥した後に、紫外線照射してポジティブA層を形成する。
(2)ポジティブA層上に、紫外線吸収層形成用塗布液を直接塗布し、乾燥した後に、紫外線照射して紫外線吸収層を形成する。
いずれの工程であっても、ポジティブA層の位相差が経時的に変化することを抑制するための重要なポイントは、紫外線吸収層とポジティブA層とが直接接した構成の積層体とすることである。
上記(1)又は(2)を含む工程で製造する光学積層体がポジティブC層を有する場合、ポジティブC層を形成する順序は特に制限されない。ポジティブC層を含む光学積層体は、例えば、下記(Z1)、(Z2)の手法で製造することができる。
(Z1)別途用意した基材上にポジティブC層を形成してなる積層体Yを作製し、積層体Yを、(1)のポジティブA層又は(2)の紫外線吸収層に貼り合わせる手法。
(Z2)(2)の紫外線吸収層上にポジティブC層形成用塗布液を塗布し、乾燥した後に、紫外線照射してポジティブC層を形成する手法。
紫外線吸収層はポジティブA層用の配向層であってもよい。当該構成とすることにより、紫外線吸収層とポジティブA層用の配向層とが兼用され、光学積層体を薄型化することができる。なお、当該構成を有する場合、ポジティブA層を基準として紫外線吸収層とは反対側にポジティブC層を配置することが好ましい。
光学積層体がポジティブC層を有する場合、紫外線吸収層はポジティブC層用の配向層であってもよい。当該構成とすることにより、紫外線吸収層とポジティブC層用の配向層とが兼用され、光学積層体を薄型化することができる。なお、当該構成を有する場合、紫外線吸収層を基準として、ポジティブA層とは反対側にポジティブC層を配置することが好ましい。
紫外線吸収層は、紫外線吸収剤及びバインダー成分を含むことが好ましい。
《紫外線吸収剤》
紫外線吸収剤は、極大吸収波長の下限が350nm以上であるものが好ましく、365nm以上であるものがより好ましく、極大吸収波長の上限が405nm以下であるものが好ましく、403nm以下であるものがより好ましい。すなわち、本明細書において、紫外線吸収剤は、可視光線の短波長領域に極大吸収波長を有するものを含むものとする。
紫外線吸収剤は、吸収波長の幅が狭いものが好ましい。具体的には、極大吸収波長における吸光度をXと定義した際に、吸光度がX/2を示す波長の幅(いわゆる半値全幅)は70nm以下であることが好ましく、65nm以下であることがより好ましい。
吸光度がX/2を示す波長の幅の下限は特に限定されないが、通常20nm程度であり、好ましくは30nm以上である。
吸光度は、例えば、クロロホルム等の溶媒1000mlに対して、紫外線吸収剤を10mg溶解してなる溶液で測定することができる。
紫外線吸収剤としては、ベンゾフェノン系化合物、ベンゾオキサジノン系化合物、ベンゾフェノン系化合物、アントラセン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、インドール系化合物及びメチン系化合物等が挙げられる。これらの中でも、ベンゾトリアゾール系化合物、インドール系化合物及びメチン系化合物が好ましい。また、ベンゾトリアゾール系化合物としては、セサモール型ベンゾトリアゾール系化合物及びレゾルシノール型ベンゾトリアゾール系が好ましく、セサモール型ベンゾトリアゾール系化合物がより好ましい。また、紫外線吸収剤は、バインダー成分と反応し得る重合性官能基を有するものも好ましい。
セサモール型ベンゾトリアゾール系化合物としては、ベンゾトリアゾール環の2位の窒素原子にセサモールを結合させた化合物(セサモール型ベンゾトリアゾール系単量体)、及び該化合物を含む組成物の重合体が挙げられる。セサモール型ベンゾトリアゾール系単量体としては、下記一般式(I)に示す化合物が挙げられる。
Figure 2021189224
[式(I)中、Rは水素原子またはメチル基を表す。Rは炭素数1〜6の直鎖状または枝分かれ鎖状のアルキレン基または炭素数1〜6の直鎖状または枝分かれ鎖状のオキシアルキレン基を表す。)]
レゾルシノール型ベンゾトリアゾール系化合物としては、ベンゾトリアゾール環の2位の窒素原子にレゾルシノールを結合させた化合物(レゾルシノール型ベンゾトリアゾール系単量体)、及び該化合物を含む組成物の重合体が挙げられる。レゾルシノール型ベンゾトリアゾール系単量体としては、下記一般式(II)に示す化合物が挙げられる。
Figure 2021189224
[式(II)中、Rは水素原子またはメチル基を表す。Rは炭素数1〜6の直鎖状または枝分かれ鎖状のアルキレン基を表す。Rは水素原子または炭素数1〜18の炭化水素基を表す。)]
セサモール型ベンゾトリアゾール系単量体を含む組成物、及びレゾルシノール型ベンゾトリアゾール系単量体を含む組成物には、その他の単量体を含んでもよい。
その他の単量体としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸アルキルエステル類;ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピルエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ヒドロキシ(メタ)アクリレート等の水酸基含有不飽和単量体;等が挙げられる。
セサモール型ベンゾトリアゾール系単量体を含む組成物、またはレゾルシノール型ベンゾトリアゾール系単量体を含む組成物を共重合反応させる際の重合方法は従来公知の溶液重合法、乳化重合法、懸濁重合法、塊状重合法等を採用することができ、特に限定されるものではない。
ベンゾトリアゾール系化合物、インドール系化合物及びメチン系化合物としては、オリヱント化学工業社の商品名「BONASORB UA3912」、山田化学工業社の商品名「FDB009」等が挙げられる。
紫外線吸収剤の含有量は、バインダー成分100質量部に対して、2質量部〜25質量部であることが好ましく、3質量部〜20質量部であることがより好ましく、5質量部〜15質量部であることがさらに好ましい。
紫外線吸収剤の含有量を2質量部以上とすることにより、上述した紫外線吸収剤による発熱作用が高まり、本発明の効果を発揮しやすくできる。また、紫外線吸収剤の含有量を25質量部以下とすることにより、紫外線吸収層を配向層として用いる場合に、配向機能の低下を抑制しやすくできる。
《バインダー成分》
バインダー成分は特に限定されず、樹脂及び液晶化合物等を用いることができる。
なお、紫外線吸収層を、ポジティブA層用の配向層又はポジティブC層用の配向層として機能させる場合には、バインダー成分は配向剤としての機能を有するものを含むことが好ましい。
ポジティブA層用の配向剤として機能し得るバインダー成分としては、ポリシンナメート系化物等の光二量化型の材料が挙げられる。
ポジティブC層用の配向剤として機能し得るバインダー成分としては、LB膜(Langmuir-Blodgett膜)を形成する材料、及びポリイミド等が挙げられる。
また、ポジティブA層及びポジティブC層の配向剤として共通して機能し得るバインダー成分として、硬化性樹脂組成物の硬化物が挙げられる。硬化性樹脂組成物としては、熱硬化性樹脂組成物及び電離放射線硬化性樹脂組成物が挙げられ、耐擦傷性の観点から電離放射線硬化性樹脂組成物が好ましい。
熱硬化性樹脂組成物は、少なくとも熱硬化性樹脂を含む組成物であり、加熱により、硬化する樹脂組成物である。
熱硬化性樹脂としては、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、尿素メラミン樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、シリコーン樹脂等が挙げられる。熱硬化性樹脂組成物には、これら硬化性樹脂に、必要に応じて硬化剤が添加される。
電離放射線硬化性樹脂組成物は、電離放射線硬化性官能基を有する化合物(以下、「電離放射線硬化性化合物」ともいう)を含む組成物である。電離放射線硬化性官能基としては、(メタ)アクリロイル基、ビニル基、アリル基等のエチレン性不飽和結合基、及びエポキシ基、オキセタニル基等が挙げられる。
電離放射線硬化性化合物としては、エチレン性不飽和結合基を有する化合物が好ましく、エチレン性不飽和結合基を2つ以上有する化合物がより好ましく、中でも、エチレン性不飽和結合基を2つ以上有する、多官能(メタ)アクリレート系化合物が更に好ましい。すなわち、紫外線吸収層は、バインダー成分として、多官能(メタ)アクリレート化合物の硬化物を含むことが好ましい。
多官能(メタ)アクリレート系化合物としては、モノマー及びオリゴマーのいずれも用いることができる。
なお、電離放射線とは、電磁波又は荷電粒子線のうち、分子を重合あるいは架橋し得るエネルギー量子を有するものを意味し、通常、紫外線(UV)又は電子線(EB)が用いられるが、その他、X線、γ線などの電磁波、α線、イオン線などの荷電粒子線も使用可能である。本実施形態においては、紫外線(UV)を用いることが好ましい。
多官能(メタ)アクリレート系化合物のうち、2官能(メタ)アクリレート系モノマーとしては、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAテトラエトキシジアクリレート、ビスフェノールAテトラプロポキシジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート等が挙げられる。
3官能以上の(メタ)アクリレート系モノマーとしては、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、イソシアヌル酸変性トリ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
また、上記(メタ)アクリレート系モノマーは、分子骨格の一部を変性しているものでもよく、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、カプロラクトン、イソシアヌル酸、アルキル、環状アルキル、芳香族、ビスフェノール等による変性がなされたものも使用することができる。
また、多官能(メタ)アクリレート系オリゴマーとしては、ウレタン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート、ポリエーテル(メタ)アクリレート等のアクリレート系重合体等が挙げられる。
ウレタン(メタ)アクリレートは、例えば、多価アルコール及び有機ジイソシアネートとヒドロキシ(メタ)アクリレートとの反応によって得られる。
また、好ましいエポキシ(メタ)アクリレートは、3官能以上の芳香族エポキシ樹脂、脂環族エポキシ樹脂、脂肪族エポキシ樹脂等と(メタ)アクリル酸とを反応させて得られる(メタ)アクリレート、2官能以上の芳香族エポキシ樹脂、脂環族エポキシ樹脂、脂肪族エポキシ樹脂等と多塩基酸と(メタ)アクリル酸とを反応させて得られる(メタ)アクリレート、及び2官能以上の芳香族エポキシ樹脂、脂環族エポキシ樹脂、脂肪族エポキシ樹脂等とフェノール類と(メタ)アクリル酸とを反応させて得られる(メタ)アクリレートである。
紫外線吸収層の厚みは、0.2μm以上5.0μm以下程度とすることが好ましい。また、紫外線吸収層を配向層として用いる場合、下記の厚みとすることが好ましい。
まず、紫外線吸収層をポジティブA層の配向層として用いる場合、紫外線吸収層の厚みは、下限は好ましくは0.2μm以上、より好ましくは0.25μm以上、さらに好ましくは0.3μm以上であり、上限は好ましくは2.0μm以下、より好ましくは1.0μm以下である。厚みが0.2μm未満の場合、ポジティブA層が配向不良となる傾向がある。一方、厚みが2.0μmを超える場合、均一に塗布することが難しくなる傾向がある。
また、紫外線吸収層をポジティブC層の配向層として用いる場合、紫外線吸収層の厚みは、下限は好ましくは2.0μm以上、より好ましくは2.2μm以上、さらに好ましくは2.5μm以上であり、上限は好ましくは5.0μm以下、より好ましくは4.5μm以下、さらに好ましくは4.0μm以下である。厚みが2.0μm未満の場合、ポジティブC 層が配向不良となる傾向がある。一方、厚みが5.0μmを超える場合には、均一に塗布することが難しくなる傾向がある。
紫外線吸収層を配向層として作用させる場合、必要に応じて配向規制力を付与することが好ましい。配向規制力を付与する手段は、従来公知のものとすることができ、例えば、ラビング法、光配向法、賦形法などが挙げられる。
<ポジティブC層>
光学積層体は、斜め方向の視認性を良好にする観点から、ポジティブC層を有していてもよい。
ポジティブC層はNx≒Ny<Nzの関係を満たす層の関係を満たす層である。
光学積層体におけるポジティブC層の配置箇所は特に限定されないが、例えば、ポジティブA層を基準として紫外線吸収層とは反対側に配置する実施形態(図1)、ポジティブA層を基準として紫外線吸収層とは反対側に配置する実施形態(図2)、が挙げられる。
図1に示すように、ポジティブA層を基準として紫外線吸収層とは反対側にポジティブC層を配置する場合、光学積層体は、ポジティブA層、紫外線吸収層、接着剤層及びポジティブC層がこの順に積層されてなる構成であることが好ましい。この場合、紫外線吸収層はポジティブA層用の配向層として作用することが好ましい。
図2に示すように、紫外線吸収層を基準としてポジティブA層とは反対側にポジティブC層を配置する場合、ポジティブC層が紫外線吸収層に接してなることが好ましい。この場合、紫外線吸収層はポジティブC層用の配向層として作用することが好ましい。また、この場合、光学積層体は、ポジティブC層、紫外線吸収層及びポジティブA層がこの順に積層されてなる構成であることが好ましい。
ポジティブC層は、配向性が低下することを抑制するために、主成分として、液晶化合物に由来する構成単位を含むことが好ましい。主成分とは、ポジティブC層の全固形分の50質量%以上であることを意味し、好ましくは65質量%以上であり、より好ましくは80質量%以上である。
上述したように、ポジティブC層を形成する液晶化合物は、分子内に重合性官能基を有する重合性液晶化合物を含むことが好ましく、分子内に重合性官能基を2つ以上有する重合性液晶化合物を含むことがより好ましい。
また、上述したように、ポジティブC層を形成する液晶化合物は、末端に重合性官能基を有するものが特に好ましい。
また、上述したように、ポジティブC層を形成する液晶化合物は、1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
ポジティブC層の液晶化合物は、垂直配向(ホメオトロピック配向)する液晶化合物を用いればよい。また、該液晶化合物は、スメクチック相またはネマチック相を示すことが好ましく、スメクチック相を示すことがより好ましい。スメクチック相であると液晶分子の重心位置が揃った高秩序のレイヤー構造を取るため、ポジティブC層がホメオトロピック配向を取りやすくすることができる。
ポジティブC層の液晶化合物としては棒状液晶化合物が好ましい。
棒状液晶化合物としては、アゾメチン類、アゾキシ類、シアノビフェニル類、シアノフェニルエステル類、安息香酸エステル類、シクロヘキサンカルボン酸フェニルエステル類、シアノフェニルシクロヘキサン類、シアノ置換フェニルピリミジン類、アルコキシ置換フェニルピリミジン類、フェニルジオキサン類、トラン類、及びアルケニルシクロヘキシルベンゾニトリル類が好ましく例示される。以上のような低分子液晶化合物だけではなく、高分子液晶化合物も用いることができる。棒状液晶化合物の配向を重合によって固定することがより好ましい。液晶化合物には活性光線や電子線、熱などによって重合や架橋反応を起こしうる部分構造を有することが好ましく、より好ましくは重合性基を有する。
その部分構造の個数は、好ましくは1〜6個、より好ましくは1〜3個である。重合性棒状液晶化合物としては、Makromol.Chem.,190巻、2255頁(1989年)、Advanced Materials,5巻、107頁(1993年)、米国特許第4683327号明細書、同5622648号明細書、同5770107号明細書、国際公開WO95/22586号公報、同95/24455号公報、同97/00600号公報、同98/23580号公報、同98/52905号公報、特開平1−272551号公報、同6−16616号公報、同7−110469号公報、同11−80081号公報、及び特開2001−328973号公報などに記載の化合物を用いることができる。
棒状液晶化合物の具体例としては、上記式(1)〜(19)に示す化合物が挙げられる。
ポジティブC層は、液晶化合物の分子を均一に垂直配向しやすくする観点から垂直配向促進垂直配向促進剤を含むことが好ましい。垂直配向促進剤としては、ボロン酸化合物および/またはオニウム塩が挙げられる。垂直配向剤は、ポジティブC層の全固形分に対して0.1質量%〜25質量%が好ましく、0.5質量%〜20質量%がより好ましい。
ポジティブC層のRth(550)は、下限は好ましくは−100nm以上、より好ましくは−90nm以上であり、上限は好ましくは−50nm以下、より好ましくは−60nm以下である。ポジティブC層のRth(550)を当該範囲とすることにより、斜め方向の視認性を良好にしやすくできる。
ポジティブC層は、ポジティブA層の面内位相差に影響を与えないようにする観点から、Re(550)が小さいことが好ましく、好ましくは20nm以下、より好ましくは10nm以下、更に好ましくは5nm以下、より更に好ましくは2nm以下である。
ポジティブC層の厚みは、下限は好ましくは0.01μm以上、より好ましくは0.05μm以上、さらに好ましくは0.10μm以上であり、上限は好ましくは5μm以下、より好ましくは3μm以下、さらに好ましくは2μm以下である。
ポジティブC層の厚みを上記範囲とすることにより、光学積層体を薄膜化するとともに、ポジティブC層のRth(550)を上記範囲にしやすくできる。
<基材>
光学積層体は、基材を有していてもよい。
基材としては、プラスチックフィルムが好ましい。
プラスチックフィルムを構成するポリマーとしては、セルロースアシレート、ポリカーボネート系ポリマー、ポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフタレート等のポリエステル系ポリマー、ポリメチルメタクリレート等のアクリル系ポリマー、ポリスチレンやアクリロニトリル・スチレン共重合体(AS樹脂)等のスチレン系ポリマー、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体の如きポリオレフィン系ポリマー、塩化ビニル系ポリマー、ナイロンや芳香族ポリアミド等のアミド系ポリマー、イミド系ポリマー、スルホン系ポリマー、ポリエーテルスルホン系ポリマー、ポリエーテルエーテルケトン系ポリマー、ポリフェニレンスルフィド系ポリマー、塩化ビニリデン系ポリマー、ビニルアルコール系ポリマー、ビニルブチラール系ポリマー、アリレート系ポリマー、ポリオキシメチレン系ポリマー及びエポキシ系ポリマー等が挙げられる。
基材は、例えば、ポジティブA層及び紫外線吸収層等の支持体としての役割を有する。しかし、画像表示装置の薄型化を考慮すると、基材は剥離可能なものが好ましい。言い換えると、基材は、画像表示装置内に残らないようにするため、剥離可能なものが好ましい。例えば、画像表示装置の他の部材(例えば偏光子)にポジティブA層及び紫外線吸収層等を貼り合せた後、剥離可能な基材を剥離すれば、画像表示装置の薄型化に寄与し得る。
剥離可能な基材は、例えば、上記プラスチックフィルムそのもの、又は、上記プラスチックフィルムの表面を汎用の離型剤等で離型処理したものが挙げられる。
基材の厚みは、ハンドリング性の観点から、下限は好ましくは15μm以上、より好ましくは25μm以上、さらに好ましくは30μm以上、よりさらに好ましくは40μm以上であり、光学積層体の製造時の長尺化の観点から、上限は好ましくは150μm以下、より好ましくは125μm以下、さらに好ましくは100μm以下である。
基材が画像表示装置内に残らないものである場合には、基材の厚みは15μm以上100μm以下が好ましい。
また、基材が画像表示装置内に残るものである場合には、基材の厚みは15μm以上60μm以下が好ましい。特に、フォルダブル型の画像表示装置及びローラブル型の画像表示装置等に光学積層体を適用する場合には、フレキシブル性と強度のバランスを考慮して、基材の厚みを前記範囲(15μm以上60μm以下)とすることが好ましい。
<その他の層>
光学積層体は、本発明の効果を阻害しない範囲で、その他の層を有していてもよい。その他の層としては、ガスバリア層、接着剤層、表面保護層、配向膜等が挙げられる。
<光学積層体の物性>
光学積層体は、波長405nmの透過率の下限が2.0%以上であることが好ましく、5.0%以上であることがより好ましく、波長405nmの透過率の上限が85.0%以下であることが好ましく、80.0%以下であることがより好ましい。
波長405nmの透過率が低すぎる場合、紫外線吸収層中の紫外線吸収剤の添加量が過剰となり、紫外線吸収層の配向層としての機能が低下する懸念がある。また、波長405nmの透過率が低すぎる場合、紫外線吸収層の厚みが厚くなり過ぎて、画像表示装置の薄型化に支障を生じる懸念がある。これらの観点から、波長405nmの透過率は2.0%以上であることが好ましい。
一方、波長405nmの透過率が高すぎる場合、紫外線吸収層中の紫外線吸収剤が紫外線を吸収することによる発熱作用が不足し、経時的な位相差の変動を抑制しにくくなる懸念がある。当該観点から、波長405nmの透過率は85.0%以下であることが好ましい。
光学積層体は、JIS K7136:2000のヘイズが1.0%以下であることが好ましく、0.9%以下であることがより好ましく、0.8%以下であることがさらに好ましい。
また、光学積層体は、JIS K7361−1:1997の全光線透過率が80%以上であることが好ましく、85%以上であることがより好ましく、90%以上であることがさらに好ましい。
光学積層体のヘイズ又は全光線透過率を上記範囲とすることにより、画像表示装置の視認性を確保することができる。
光学積層体は、実施例の耐熱信頼性試験前のRe(550)と、同試験後のRe(550)との差が、2.0nm以下であることが好ましく、1.5nm以下であることがより好ましく、1.0nm以下であることがさらに好ましい。
光学積層体は、実施例の耐光信頼性試験前のRe(550)と、同試験後のRe(550)との差が、2.0nm以下であることが好ましく、1.5nm以下であることがより好ましく、1.0nm以下であることがさらに好ましい。
耐熱信頼性試験前後のRe(550)の差、及び、耐光信頼性試験前後のRe(550)の差を上記範囲とすることにより、光学積層体の位相差が経時的に変化することが抑制され、光学積層体と偏光子とを組み合わせてなる円偏光板の反射防止性能の低下を抑制しやすくできる。すなわち、耐熱信頼性試験前後のRe(550)の差、及び、耐光信頼性試験前後のRe(550)の差を上記範囲とすることにより、画像表示装置の視認性を良好な状態に維持しやすくできる。
光学積層体は、実施例の耐熱信頼性試験前のRe(450)/Re(550)と、同試験後のRe(450)/Re(550)との差が、0.050以下であることが好ましく、0.035以下であることがより好ましく、0.010以下であることがさらに好ましい。
光学積層体は、実施例の耐光信頼性試験前のRe(450)/Re(550)と、同試験後のRe(450)/Re(550)との差が、0.050以下であることが好ましく、0.035以下であることがより好ましく、0.010以下であることがさらに好ましい。
Re(450)/Re(550)は、画像表示パネルの色味に寄与する。よって、耐熱信頼性試験前後のRe(450)/Re(550)の差、及び、耐光信頼性試験前後のRe(450)/Re(550)の差を上記範囲とすることにより、画像表示パネルの色味が経時的に変化することが抑制しやすくできる。なお、上記試験によってRe(450)及びRe(550)が変動する場合、通常は、Re(450)及びRe(550)の両方が増加ないしは減少し、何れか一方のみが増加ないしは減少するケースは少ない。よって、上記試験によりRe(450)及びRe(550)の両方が変動した場合、結果として、Re(450)/Re(550)は変化しない場合がある。すなわち、上記試験前後のRe(450)/Re(550)の差が小さいことは、必ずしも、上記試験によって位相差が変動していないことを示しているとはいえない。
一方、上記試験前後のRe(550)の差は、上記試験によって位相差が変動していないことを示している。よって、本発明では、上記試験前後のRe(550)の差が小さいことの方が重要である。
<大きさ、形状等>
光学積層体は枚葉状であってもよいしロール状であってもよい。
また、枚葉の大きさは特に限定されないが、一般的には、大きさは対角で2インチ以上500インチ以下程度である。ロール状の幅及び長さは特に限定されないが、一般的には、幅は500mm以上3000mm以下、長さは500m以上5000m以下程度である。
また、枚葉の形状も特に限定されず、例えば、多角形(三角形、四角形、五角形等)や円形であってもよいし、ランダムな不定形であってもよい。
[偏光板]
本発明の偏光板は、偏光子と、前記偏光子の一方の側に配置されてなる透明保護板Aと、前記偏光子の他方の側に配置されてなる透明保護板Bとを有する偏光板であって、前記透明保護板A及び前記透明保護板Bの何れか一方が、上述した本発明の光学積層体であるものである。
図3は、本発明の偏光板の実施の形態を示す断面図である。
図3の偏光板200は、偏光子80と、前記偏光子の一方の側に配置されてなる透明保護板A(81)と、前記偏光子の他方の側に配置されてなる透明保護板B(82)とを有している。また、図3の透明保護板B(81)は、光学積層体100である。
<偏光子>
偏光子としては、例えば、ヨウ素等により染色し、延伸したポリビニルアルコールフィルム、ポリビニルホルマールフィルム、ポリビニルアセタールフィルム、エチレン−酢酸ビニル共重合体系ケン化フィルム等のシート型偏光子、平行に並べられた多数の金属ワイヤからなるワイヤーグリッド型偏光子、リオトロピック液晶や二色性ゲスト−ホスト材料を塗布した塗布型偏光子、多層薄膜型偏光子等が挙げられる。なお、これらの偏光子は、透過しない偏光成分を反射する機能を備えた反射型偏光子であってもよい。
<透明保護板>
偏光子の一方の側には透明保護板A、他方の側には透明保護板Bが配置される。透明保護板A及び透明保護板Bの一方は、上述した本発明の光学積層体である。
光学積層体以外の透明保護板A及び透明保護板Bとしては、プラスチックフィルム及びガラス等が挙げられる。プラスチックフィルムとしては、ポリエステルフィルム、ポリカーボネートフィルム、シクロオレフィンポリマーフィルム及びアクリルフィルムが挙げられ、機械的強度の観点から、これらの延伸フィルムが好ましい。ガラスは、アルカリガラス、窒化ガラス、ソーダ石灰ガラス、ホウ珪酸塩ガラス及び鉛ガラス等が挙げられる。また、偏光子を保護する透明保護板としてのガラスは、画像表示装置の他の部材(例えば、液晶表示素子のガラス基板、画像表示装置の表面板)と兼用することが好ましい。
なお、偏光子と透明保護板とは、接着剤を介して貼り合わせることが好ましい。接着剤は汎用の接着剤を用いることができ、PVA系接着剤が好ましい。
ポジティブA層がλ/4位相差層の場合、偏光子の吸収軸と、ポジティブA層の遅相軸とが45度±5度となるように配置することが好ましく、45度±3度となるように配置することがより好ましく、45度±1度となるように配置することがさらに好ましい。前述した角度の関係で配置することにより、円偏光板として作用させることができる。
本発明の偏光板は、表示素子の光出射面側に配置する偏光板として用いることが好ましい。また、前記のように用いる際に、偏光子を基準として光入射面側の透明保護板を上述した本発明の光学積層体とすることが好ましい。また、偏光板内において、光学積層体は、ポジティブA層よりも紫外線吸収層が光出射面側となるように配置されてなることが好ましい。
[表示パネル]
本発明の表示パネルは、表示素子の光出射面側の面上に、上述した本発明の光学積層体が配置されてなるものである。
表示パネル内において、光学積層体は、ポジティブA層よりも紫外線吸収層が光出射面側となるように配置されてなることが好ましい。
図4は、本発明の表示パネル500の実施の形態を示す断面図である。図4の表示パネル500は、表示素子300の光出射面側の面上に、光学積層体100が積層されている。
表示パネルの表示素子が液晶表示素子である場合、液晶表示素子の背面には図示しないバックライトが必要である。バックライトとしては、エッジライト型バックライト、直下型バックライトの何れも用いることができる。また、バックライトの光源としては、LED、CCFL等が挙げられるが、光源として量子ドットを用いたバックライトは色再現性を高めやすい点で好ましい。
表示パネルは、光学積層体の表示素子とは反対側の面に偏光子を有することが好ましい。かかる構成を採用することで、画像表示装置に外光反射防止機能を付与するとともに、斜めから視認した際に色味が損なわれることを抑制できる。
<表示素子>
表示素子としては、液晶表示素子、有機EL表示素子、無機EL表示素子、プラズマ表示素子、電子ペーパー表示素子、LED表示素子(マイクロLEDなど)、量子ドットを用いた表示素子等が挙げられる。これら表示素子は、表示素子の内部にタッチパネル機能を有していてもよい。
[画像表示装置]
本発明の画像表示装置は、本発明の表示パネルを備えるものであれば特に限定されないが、本発明の表示パネルと、該表示パネルに電気的に接続された駆動制御部と、これらを収容する筐体とを備えることが好ましい。
画像表示装置は、フォルダブル型の画像表示装置、ローラブル型の画像表示装置であってもよい。また、画像表示装置は、タッチパネル付きの画像表示装置であってもよい。
次に、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明はこれらの例によってなんら限定されるものではない。なお、「部」及び「%」は特に断りのない限り質量基準とする。
1.測定、評価
実施例及び比較例で得られた光学積層体について、下記の測定、評価を行った。結果を表1に示す。
1−1.耐熱信頼性
大塚電子社製の商品名「RETS−100」を用いて、実施例及び比較例の光学積層体のRe(450)、Re(550)、及びRe(650)を測定した。なお、実施例及び比較例の光学積層体は、ポジティブA層以外の層の面内位相差は略0である。よって、光学積層体のRe(450)、Re(550)、及びRe(650)は、ポジティブA層のRe(450)、Re(550)、及びRe(650)とみなすことができる。
次いで、実施例及び比較例の光学積層体に関して、80℃で500時間オーブンで熱処理する耐熱試験を実施し、耐熱試験後の光学積層体のRe(450)、Re(550)、及びRe(650)を測定した。なお、耐熱試験後の面内位相差の測定時の雰囲気は、温度は23℃±5℃、湿度50%±10%とした。また、面内位相差の測定前にサンプルを該雰囲気に30分以上ならした。
初期のRe(550)と、耐熱試験後のRe(550)との差を、ΔRe(550)として表1に示す。また、初期のRe(450)/Re(550)と、耐熱試験後のRe(450)/Re(550)との差を、ΔRe(450)/Re(550)として表1に示す。
1−2.耐光信頼性
まず、1−1と同様にして、実施例及び比較例の光学積層体のRe(450)、Re(550)、及びRe(650)を測定した。
次いで、実施例及び比較例の光学積層体に関して、サンシャインウェザーメーター(スガ試験機社製、装置名:S80)を用いて、78時間の耐光性試験(相対湿度:50%RH、ブラックパネル温度:63℃、JIS B7753に記載のガラスフィルタAを使用し、放射照度:255W/m(波長300nm〜400nmでの連続照射)に調整)を実施し、耐光試験後の光学積層体のRe(450)、Re(550)、及びRe(650)を測定した。なお、耐光試験後の面内位相差の測定時の雰囲気は、温度は23℃±5℃、湿度50%±10%とした。また、面内位相差の測定前にサンプルを該雰囲気に30分以上ならした。
初期のRe(550)と、耐光試験後のRe(550)との差を、ΔRe(550)として表1に示す。また、初期のRe(450)/Re(550)と、耐光試験後のRe(450)/Re(550)との差を、ΔRe(450)/Re(550)として表1に示す。
2.化合物の合成
2−1.重合性液晶化合物の合成
特許第5962760号の実施例4の化合物4の合成を元に、下記に示す重合性液晶化合物(A)を合成した。
Figure 2021189224
2−2.紫外線吸収剤の合成
200mLの4つ口フラスコに玉付きコンデンサー、水銀温度計、撹拌装置を取り付け、6−[5−(2−ヒドロキシエチル)−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル]ベンゾ[1,3]ジオキソール−5−オール4.0g(0.013モル)、トルエン40mL、メタクリル酸1.8g(0.021モル)、メタンスルホン酸0.4g(0.004モル)を入れて、110℃〜115℃で4時間還流脱水した。次いで、水30mL、炭酸ナトリウム0.6g(0.006モル)を加え、静置して下層部の水層を分離して除去し、活性炭0.2gを加え、還流撹拌して脱色させた。そして、ろ過した後に、ろ液からトルエン40mLを減圧で回収し、イソプロピルアルコール100mLを加え、析出した結晶をろ過し、イソプロピルアルコール40mLで洗浄した後、減圧下40℃で乾燥し、黄色結晶を4.2g得た。この黄色結晶4.2gをイソプロピルアルコールでリパルプ洗浄して、減圧下40℃で乾燥し、セサモール型ベンゾトリアゾール系単量体として、3.4gの2−[2−(6−ヒドロキシベンゾ[1,3]ジオキソール−5−イル)−2H−ベンゾトリアゾール−5−イル]エチルメタクリレート(紫外線吸収剤(B−1)、極大吸収波長は367.8nm)を得た。
3.光学積層体の作製
[実施例1]
厚み80μmのPETフィルム上に、ポリシンナメート系化合物を含有する組成物(固形分4%、プロピレングリコールモノメチルエーテル希釈)に紫外線吸収剤(B−1)を添加してなる、紫外線吸収層形成用塗布液1を塗布し、塗膜を形成した。紫外線吸収層形成用塗布液1中の紫外線吸収剤(B−1)の含有量は、ポリシンナメート系化合物100質量部に対して、7.5質量部であった。
次いで、得られた塗膜を120℃で1分間乾燥して、偏光露光20mJ/cm(310nm)照射して、膜厚が300nmのポジティブA層の配向用の紫外線吸収層を形成した。
次いで、紫外線吸収層上に、下記のポジティブA層用塗布液1をバーコーターで乾燥後の膜厚が2.5μmになるように塗布、乾燥(120℃、時間60秒)、紫外線照射して(積算光量:400mJ/cm)、ポジティブA層を形成し、PETフィルム、紫外線吸収層及びポジティブA層をこの順に備えた積層体1を得た。
<ポジティブA層用塗布液1>
・上記2−1で得た重合性液晶化合物(A) 100質量部
・光重合開始剤 5質量部
(IGM Resins B.V.社、商品名「Omnirad 369」)
・トルエン 500質量部
・N−メチルピロリドン 400質量部
次いで、厚み38μmのPETフィルム上に、日本化薬社のペンタエリスリトールトリアクリレート(商品名:PET−30)100質量部に対して、光重合開始剤(IGM Resins B.V.社、商品名「Omnirad 907」)を5質量部添加してなる垂直配向膜形成用塗布液を塗布し、塗膜を形成した。形成された塗膜に対して紫外線を照射して(積算光量:150mJ/cm)、膜厚2μmの垂直配向膜を形成した。
次いで、垂直配向膜上に、下記のポジティブC層形成用塗布液1を、グラビアコーティングにより乾燥後の膜厚が0.6μmになるように塗布、乾燥(40℃、2分間)、紫外線照射して(積算光量:150mJ/cm)、ポジティブC層を形成し、PETフィルム、垂直配向膜及びポジティブC層をこの順に備えた積層体2を得た。
<ポジティブC層用塗布液1>
・重合性液晶化合物 100質量部
(メルク社製、商品名:RMM28B、光重合開始剤含有)
・メチルエチルケトン 500質量部
・シクロヘキサノン 400質量部
次いで、積層体1のポジティブA層側の面と、積層体2のポジティブC層側の面とを、光学的等方性を有するアクリル系粘着剤層(厚み5um)を介してラミネートし、両側のPETフィルムを剥離することで、垂直配向膜、ポジティブC層、粘着剤層、ポジティブA層、紫外線吸収層をこの順に備えた、実施例1の光学積層体を得た。
[実施例2]
厚み80μmのPETフィルム上に、ポリシンナメート系化合物を含有する組成物(固形分4%、プロピレングリコールモノメチルエーテル希釈)からなる水平配向膜形成用塗布液を塗布し、塗膜を形成した。
次いで、得られた塗膜を120℃で1分間乾燥して、偏光露光20mJ/cm(310nm)照射して、膜厚が300nmの水平配向膜を形成した。
次いで、水平配向膜上に、上記のポジティブA層用塗布液1をバーコーターで乾燥後の膜厚が2.5μmになるように塗布、乾燥(120℃、時間60秒)、紫外線照射して(積算光量:400mJ/cm)、ポジティブA層を形成した。
次いで、ポジティブA層上に、日本化薬社のペンタエリスリトールトリアクリレート(商品名:PET−30)100質量部に対して、光重合開始剤(IGM Resins B.V.社、商品名「Omnirad 907」)を5質量部、紫外線吸収剤(B−1)を5質量部添加してなる、紫外線吸収層形成用塗布液2を塗布し、塗膜を形成した。形成された塗膜に対して紫外線を照射して(積算光量:150mJ/cm)、厚み3μmのポジティブC層の配向用の紫外線吸収層を形成した。
次いで、紫外線吸収層上に、上記のポジティブC層形成用塗布液1を、グラビアコーティングにより乾燥後の膜厚が0.6μmになるように塗布、乾燥(40℃、2分間)、紫外線照射して(積算光量:150mJ/cm)、ポジティブC層を形成し、PETフィルム、水平配向膜、ポジティブA層、紫外線吸収層及びポジティブC層をこの順に備えた積層体3を得た。
次いで、積層体3のPETフィルムを剥離し、水平配向膜、ポジティブA層、紫外線吸収層及びポジティブC層をこの順に備えた、実施例2の光学積層体を得た。
[実施例3]
実施例1において、紫外線吸収剤を、『紫外線吸収剤(B−1)』から『オリヱント化学工業社の商品名「BONASORB UA3912」、インドール系化合物、極大吸収波長:391nm』に変更し、紫外線吸収剤の含有量をポリシンナメート系化合物100質量部に対して、15質量部に変更した以外は、実施例1と同様にして、実施例3の光学積層体を得た。
[実施例4]
実施例2において、紫外線吸収剤を、『紫外線吸収剤(B−1)』から『オリヱント化学工業社の商品名「BONASORB UA3912」、インドール系化合物、極大吸収波長:391nm』に変更し、紫外線吸収剤の含有量をペンタエリスリトールトリアクリレート100質量部に対して、15質量部に変更した以外は、実施例2と同様にして、実施例4の光学積層体を得た。
[実施例5]
実施例1において、紫外線吸収剤を、『紫外線吸収剤(B−1)』から『山田化学工業社の商品名「FDB009」、極大吸収波長:402nm』に変更し、紫外線吸収剤の含有量をポリシンナメート系化合物100質量部に対して、5質量部に変更した以外は、実施例1と同様にして、実施例5の光学積層体を得た。
[比較例1]
実施例1において、積層体1のPETフィルムとポジティブA層との間の層を形成する塗布液に紫外線吸収剤を添加しなかった以外は、実施例1と同様にして、比較例1の光学積層体を得た。比較例1の光学積層体は、垂直配向膜、ポジティブC層、粘着剤層、ポジティブA層、水平配向膜をこの順に備えてなり、紫外線吸収層を有さないものである。
[比較例2]
実施例1において、積層体1のPETフィルムとポジティブA層との間の層を形成する塗布液に紫外線吸収剤を添加せず、積層体2の垂直配向膜形成用塗布液中に紫外線吸収剤(B−1)を添加した以外は、実施例1と同様にして、比較例2の光学積層体を得た。比較例2において、垂直配向膜形成用塗布液中の紫外線吸収剤(B−1)の含有量は、ペンタエリスリトールトリアクリレート100質量部に対して5質量部であった。
比較例2の光学積層体は、垂直配向膜(紫外線吸収層)、ポジティブC層、粘着剤層、ポジティブA層、水平配向膜をこの順に備えてなるものである。すなわち、比較例2の光学積層体は、紫外線吸収層を有するものの、ポジティブA層に紫外線吸収層が接していないものである。
Figure 2021189224
表1の結果から、実施例の光学積層体は、高温環境及び紫外線を受ける環境に長時間晒された際に、ポジティブA層の位相差が経時的に変化することを抑制し得ることが確認できる。また、実施例の中でも、「ポジティブA層上に紫外線吸収層形成用塗布液を直接塗布し、乾燥した後に、紫外線照射して紫外線吸収層を形成する工程」を含む、実施例2及び4のものは、ポジティブA層の位相差の経時的な変化をより抑制できることが確認できる。
一方、比較例1の光学積層体は、紫外線吸収層を有さないため、ポジティブA層の位相差の経時的な変化を抑制できないことが確認できる。また、比較例2の光学積層体は、紫外線吸収層を有するが、紫外線吸収層がポジティブA層に接していないため、熱によるポジティブA層の位相差の経時的な変化を抑制できないことが確認できる。
なお、表1より、「ΔRe(450)/Re(550)」は、実施例と比較例とで大差がない。この理由は、上述したように、熱及び光によってRe(450)及びRe(550)が変動したとしても、Re(450)及びRe(550)の両方が増加ないしは減少し、結果として、比率である「ΔRe(450)/Re(550)」が変化しにくくなるためである。すなわち、表1においては、耐熱信頼性試験及び耐光信頼性試験の両方において、「ΔRe(550)」の差が小さいことが重要である。そして、実施例の光学積層体は、耐熱信頼性試験及び耐光信頼性試験の両方において、「ΔRe(550)」の差が小さいことにおいて、比較例の光学積層体よりも優れている。
10:ポジティブA層
20:紫外線吸収層
30:ポジティブC層
40:接着剤層
80:偏光子
81:透明保護板A
82:保護保護板B
100:光学積層体
200:偏光板
300:表示素子
500:表示パネル

Claims (15)

  1. ポジティブA層と、前記ポジティブA層に接する紫外線吸収層とを有してなる、光学積層体。
  2. 前記紫外線吸収層が前記ポジティブA層用の配向層である、請求項1に記載の光学積層体。
  3. 前記紫外線吸収層の厚みが0.2μm以上2.0μm以下である、請求項2に記載の光学積層体。
  4. 前記ポジティブA層を基準として、前記紫外線吸収層とは反対側にポジティブC層を有する、請求項2又は3に記載の光学積層体。
  5. 前記紫外線吸収層を基準として、前記ポジティブA層とは反対側にポジティブC層を有する、請求項1に記載の光学積層体。
  6. 前記ポジティブC層が前記紫外線吸収層に接してなる、請求項5に記載の光学積層体。
  7. 前記紫外線吸収層が前記ポジティブC層用の配向層である、請求項6に記載の光学積層体。
  8. 前記紫外線吸収層の厚みが2.0μm以上5.0μm以下である、請求項5〜7の何れかに記載の光学積層体。
  9. 波長405nmの透過率が2.0%以上80.0%以下である、請求項1〜8の何れかに記載の光学積層体
  10. 前記ポジティブA層の波長550nmにおける面内位相差をRe(550)と定義した際に、Re(550)が135nm以上150nm以下である、請求項1〜9の何れかに記載の光学積層体。
  11. 前記ポジティブA層の波長450nmにおける面内位相差をRe(450)、前記ポジティブA層の波長550nmにおける面内位相差をRe(550)、前記ポジティブA層の波長650nmにおける面内位相差をRe(650)と定義した際に、下記式(A)の関係を満たす、請求項1〜10の何れかに記載の光学積層体。
    Re(450)<Re(550)<Re(650) (A)
  12. 偏光子と、前記偏光子の一方の側に配置されてなる透明保護板Aと、前記偏光子の他方の側に配置されてなる透明保護板Bとを有する偏光板であって、前記透明保護板A及び前記透明保護板Bの何れか一方が、請求項1〜11の何れかに記載の光学積層体である、偏光板。
  13. 表示素子の光出射面上に、請求項1〜11の何れかに記載の光学積層体を配置してなる、表示パネル。
  14. 前記紫外線吸収層が、前記ポジティブA層よりも前記表示素子から遠い側に配置されてなる、請求項13に記載の表示パネル。
  15. 請求項13又は14に記載の表示パネルを備えてなる、画像表示装置。
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