JP5967092B2 - 光学異方体の波長分散調整方法及び重合性組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、特定の重合性化合物と他の重合性化合物とを含有する重合性組成物を用いて光学異方体を製造するにあたり、前記重合性組成物における、特定の重合性化合物と他の重合性化合物との配合割合を調整することにより、所望の波長分散特性を有する光学異方体を得る、光学異方体の波長分散調整方法、及び、この方法の実施に好適な重合性組成物に関する。
フラットパネル表示装置(FPD)は、偏光板、位相差板などの光学異方体(光学異方性フィルム)を用いることにより高精細な表示が可能であることから、優れた表示デバイスとして広く使用されている。
位相差板としては、方解石、雲母、水晶などの無機材料から構成される薄板や、固有複屈折性の高い高分子の延伸フィルムなどが知られている。これら位相差板の種類には、直線偏光を円偏光に変換する1/4波長板や直線偏光の偏光振動面を90度変換する1/2波長板等がある。
しかし、従来の位相差板は、ある特定の単色光に対しては正確に光線波長の1/4λあるいは1/2λの位相差に変換可能であるが、可視光域の光線が混在する合成波である白色光に対しては、各波長ごとでの偏光状態に分布が生じることから、全ての波長領域において正確な1/4λあるいは1/2λの位相差に調整することが困難であるという問題があった。その結果、位相差板を通過して出力される偏光は有色の偏光に変換されてしまう場合があった。これは、位相差板を構成する材料が、位相差について波長分散性を有することに起因する。
一方、モバイルパソコン、携帯電話など携帯型の情報端末の高機能化と普及に伴い、フラットパネル表示装置の厚みを極力薄く抑えることが強く求められてきている。その結果、構成部材である位相差板の薄層化も求められるようになってきた。
薄層化に対しては、フィルム基材に低分子重合性化合物を含有する液晶組成物を塗布することにより位相差板を作成する方法が最も有効な方法の一つである。
そこで、逆波長分散性を有する低分子重合性化合物あるいはそれを用いた液晶組成物の開発が行われている(特許文献1〜18)。
このような逆波長分散を有するフィルムは、タッチパネルや有機電界発光素子の反射防止や液晶ディスプレイの位相差フィルムとして好適に用いることができる。
反射防止用途では、広い波長域において正確に一様の偏光変換を実現するためにフィルムの波長分散を調整することが求められている。また、液晶ディスプレイの位相差フィルムにおいては、パネルを構成する部材の組み合わせにより、フィルムに求められる最適な波長分散が異なってくる。
そこで、フィルムの波長分散を調整する方法が種々検討されている(例えば、特許文献19〜23)。
特開2002−267838号公報 特開2003−160540号公報(US20030102458A1) 特開2005−208414号公報 特開2005−208415号公報 特開2005−208416号公報 特開2005−289980号公報(US20070176145A1) 特開2006−330710号公報(US20090072194A1) 特開2009−179563号公報(US20090189120A1) 特開2010−31223号公報 特開2011−6360号公報 特開2011−6361号公報 特開2011−42606号公報 特表2010−537954号公報(US20100201920A1) 特表2010−537955号公報(US20100301271A1) 国際公開第2006/052001号(US20070298191A1) 米国特許第6,139,771号 米国特許第6,203,724号 米国特許第5,567,349号 国際公開第2001/081959号 特開2002−14234号(US20030086027A1) 特開2007−52079号 特開2007−2208号(US20070298191A1) 特開2008−20857号
本発明は、上記した従来技術に鑑みてなされたものであり、特定の重合性化合物と他の重合性化合物とを含有する重合性組成物を用いて光学異方体を製造するにあたり、前記重合性組成物における、特定の重合性化合物と他の重合性化合物との配合割合を調整することにより、所望の波長分散特性を有する光学異方体を得る、光学異方体の波長分散調整方法、及び、この方法の実施に好適な重合性組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究した結果、下記式(I)で表される重合性化合物(I)と他の重合性化合物とを含有する重合性組成物を用いて光学異方体を製造するにあたり、前記重合性組成物における重合性化合物(I)と他の重合性化合物との配合割合を調整することにより、所望の波長分散特性を有する光学異方体を得ることができる(すなわち、得られる光学異方体の波長分散特性を簡便かつ容易に調整することができる)ことを見出し、本発明を完成するに至った。
かくして本発明によれば、(1)〜(8)の光学異方体の波長分散調整方法、及び、(9)の重合性組成物が提供される。
(1)下記式(I)で表される重合性化合物(I)と、他の重合性化合物とを含有する重合性組成物を用いて光学異方体を製造するにあたり、前記重合性組成物における、前記重合性化合物(I)と他の重合性化合物との配合割合を調整することにより、所望の波長分散特性を有する光学異方体を得る、光学異方体の波長分散調整方法。
Figure 0005967092
〔式中、Y〜Yはそれぞれ独立して、化学的な単結合、−O−、−S−、−O−C(=O)−、−C(=O)−O−、−O−C(=O)−O−、−NR−C(=O)−、−C(=O)−NR−、−O−C(=O)−NR−、−NR−C(=O)−O−、−NR−C(=O)−NR−、−O−NR−、又は、−NR−O−を表す。ここで、Rは、水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基を表す。
、Gはそれぞれ独立して、置換基を有していてもよい炭素数1〜20の2価の脂肪族基を表す〔該脂肪族基には、−O−、−S−、−O−C(=O)−、−C(=O)−O−、−O−C(=O)−O−、−NR−C(=O)−、−C(=O)−NR−、−NR−、又は、−C(=O)−が介在していてもよい。ただし、−O−又は−S−がそれぞれ2以上隣接して介在する場合を除く。ここで、Rは、水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基を表す。〕。
、Zはそれぞれ独立して、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数2〜10のアルケニル基を表す。
は芳香族炭化水素環及び芳香族複素環からなる群から選ばれる少なくとも一つの芳香環を有する、炭素数2〜30の有機基を表し、Aは水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1〜6のアルキル基、又は、芳香族炭化水素環及び芳香族複素環からなる群から選ばれる少なくとも一つの芳香環を有する、炭素数2〜30の有機基を表す。前記A及びAが有する芳香環は置換基を有していてもよい。また、前記AとAは一緒になって、環を形成していてもよい。
は、置換基を有していてもよい三価の芳香族基を表す。
、Aはそれぞれ独立して、置換基を有していてもよい炭素数4〜30の二価の芳香族基を表す。
は、水素原子、又は、置換基を有していてもよい炭素数1〜6のアルキル基を表す。〕
(2)前記重合性化合物(I)が、前記式(I)中、AとAに含まれるπ電子の総数が4以上24以下の化合物である、(1)に記載の光学異方体の波長分散調整方法。
(3)前記重合性化合物(I)が、前記式(I)中、Aが、置換基を有していてもよい、三価のベンゼン環基又は三価のナフタレン環基であり、A、Aが、それぞれ独立して、置換基を有していてもよい、フェニレン基又はナフチレン基の化合物である、(1)又は(2)に記載の光学異方体の波長分散調整方法。
(4)前記重合性化合物(I)が、前記式(I)中、Y〜Yが、それぞれ独立して、化学的な単結合、−O−、−O−C(=O)−、−C(=O)−O−、又は、−O−C(=O)−O−の化合物である、(1)〜(3)のいずれかに記載の光学異方体の波長分散調整方法。
(5)前記重合性化合物(I)が、前記式(I)中、Z、Zが、それぞれ独立して、CH=CH−、CH=C(CH)−、又は、CH=C(Cl)−の化合物である、(1)〜(4)のいずれかに記載の光学異方体の波長分散調整方法。
(6)前記重合性化合物(I)が、前記式(I)中、G、Gがそれぞれ独立して、置換基を有していてもよい炭素数1〜12の2価の脂肪族基〔該脂肪族基には、−O−、−O−C(=O)−、−C(=O)−O−又は−C(=O)−が介在していてもよい。ただし、−O−が2以上隣接して介在する場合を除く。〕の化合物である、(1)〜(5)のいずれかに記載の光学異方体の波長分散調整方法。
(7)前記重合性化合物(I)が、前記式(I)中、G、Gがそれぞれ独立して、炭素数1〜12の2価のアルキレン基の化合物である、(1)〜(5)のいずれかに記載の光学異方体の波長分散調整方法。
(8)前記他の重合性化合物が、下記式(II)で表される重合性化合物(II)である、(1)〜(7)のいずれかに記載の光学異方体の波長分散調整方法。
Figure 0005967092
〔式中、Y11〜Y16はそれぞれ独立して、化学的な単結合、−O−、−S−、−O−C(=O)−、−C(=O)−O−、−O−C(=O)−O−、−NR11−C(=O)−、−C(=O)−NR11−、−O−C(=O)−NR11−、−NR11−C(=O)−O−、−NR11−C(=O)−NR11−、−O−NR11−、又は、−NR11−O−を表す。ここで、R11は、水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基を表す。
11、G12はそれぞれ独立して、置換基を有していてもよい炭素数1〜20の2価の脂肪族基を表す〔該脂肪族基には、−O−、−S−、−O−C(=O)−、−C(=O)−O−、−O−C(=O)−O−、−NR12−C(=O)−、−C(=O)−NR12−、−NR12−、又は、−C(=O)−が介在していてもよい。ただし、−O−又は−S−がそれぞれ2以上隣接して介在する場合を除く。ここで、R12は、水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基を表す。〕。
11、Z12はそれぞれ独立して、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数2〜10のアルケニル基を表す。
は芳香族炭化水素環及び芳香族複素環からなる群から選ばれる少なくとも一つの芳香環を有する、炭素数2〜30の有機基を表し、Aは水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1〜6のアルキル基、又は、芳香族炭化水素環及び芳香族複素環からなる群から選ばれる少なくとも一つの芳香環を有する、炭素数2〜30の有機基を表す。前記A及びAが有する芳香環は置換基を有していてもよい。また、前記AとAは一緒になって、環を形成していてもよい。
11は、置換基を有していてもよい三価の芳香族基を表す。
12、A13はそれぞれ独立して、置換基を有していてもよい炭素数4〜30の二価の芳香族基を表す。
11は、水素原子、又は、置換基を有していてもよい炭素数1〜6のアルキル基を表す。〕
(9)前記(1)に記載の重合性化合物(I)の少なくとも一種と、前記(8)に記載の重合性化合物(II)の少なくとも一種を含有することを特徴とする重合性組成物。
本発明の光学異方体の波長分散調整方法によれば、光学異方体の波長分散特性を容易かつ高度に制御することができ、顧客からの多様な波長分散特性の要求に対応することができる。また、光学異方体の波長分散特性が制御された光学異方体を簡便かつ効率よく得ることができ、性能面で満足のいく光学フィルムも簡便かつ効率よく製造することができる。特に、逆波長分散となる光学異方体の波長分散調整方法として好適に用いることができる。
本発明の重合性組成物は、本発明の波長分散調整方法に用いるこができ、特に逆波長分散調整方法に好適に用いることができる。
本発明の波長分散調整方法によって、広い波長域において一様の偏光変換が可能な、性能面で満足のいく光学フィルムを簡便に形成することができる。その具体的な実用例としては、偏光板と組み合わせることで反射防止フィルムを作製することができ、産業上例えばタッチパネルや有機電界発光素子の反射防止に好適に使用することができる。
波長分散特性を示すグラフ図である。
以下、本発明を詳細に説明する。
1)光学異方体の波長分散調整方法
本発明は、前記式(I)で表される重合性化合物(I)〔以下、「重合性化合物(I)」という。〕と他の重合性化合物とを含有する重合性組成物を用いて光学異方体を製造するにあたり、前記重合性組成物における、重合性化合物(I)と他の重合性化合物との配合割合を調整することにより、所望の波長分散特性を有する光学異方体を得る、光学異方体の波長分散調整方法である。
ここで、「波長分散特性」とは、光学異方体における位相差の光線波長の依存特性をいう。
すなわち、本発明の光学異方体の波長分散調整方法は、重合性化合物(I)と、他の重合性化合物とを含有する重合性組成物を用いて光学異方体を製造するに際し、前記重合性化合物(I)と他の重合性化合物の配合割合を調整することで、得られる光学異方体の波長分散性を簡便かつ容易に調整することができるというものである。
通常、重合性化合物(I)を含有し、他の重合性化合物を含まない重合性組成物を用いて得られる光学異方体は逆波長分散性を示すものが多く、他の重合性化合物を含有し、重合性化合物(I)を含まない重合性組成物を用いて得られる光学異方体は、正の波長分散性又はフラットな波長分散性を示すものが多い。
ここで、「逆波長分散性」とは、具体的には、(波長450nmにおける位相差)<(波長550nmにおける位相差)<(波長650nmにおける位相差)の関係を満たす波長分散特性を意味する。
「正の波長分散性」とは、(波長450nmにおける位相差)>(波長550nmにおける位相差)>(波長650nmにおける位相差)の関係を満たす波長分散特性を意味する。
また、「フラットな波長分散性」とは、(波長450nmにおける位相差)≒(波長550nmにおける位相差)≒(波長650nmにおける位相差)の関係を満たす波長分散特性を意味する。
例えば、逆波長分散性を示す光学異方体を与える重合性化合物(I)、及びフラットな波長分散性を示す光学異方体を与える他の重合性化合物を含有する重合性組成物において、重合性化合物(I)と他の重合性化合物との配合割合を、〔重合性化合物(I)〕:(他の重合性化合物)の重量比で、0:100〜100:0の間で変化させることにより、図1に示すごとく、得られる光学異方体の波長分散特性を調整することができる。
図1中、横軸は測定波長(nm)、縦軸は測定波長における位相差(Re(nm))を示す。
図1に示すグラフについては、後述する実施例の項において詳細に説明する。
図1に示すように、本発明によれば、光学異方体の製造原料である重合性組成物における重合性化合物(I)と他の重合性化合物との配合割合を調整するだけで、所望の波長分散特性を有する光学異方体を得ることができる〔すなわち、得られる光学異方体の波長分散特性を簡便に調整する(制御する)ことができる。〕。
なお、図1に示す曲線は、光学異方体の測定方向での厚みが変化すると、全体的に縦軸方向にシフトする。すなわち、光学異方体の測定方向での厚みを大きくすると、測定波長におけるRe(nm)の値が大きくなり、厚みを小さくすると、測定波長におけるRe(nm)の値が小さくなる。よって、光学異方体の厚みを調整することにより、測定波長におけるRe(nm)の値を調整することができる。
〔重合性化合物(I)〕
本発明に用いる重合性化合物(I)は、前記式(I)で表される化合物である。
前記式(I)中、Y〜Yはそれぞれ独立して、化学的な単結合、−O−、−S−、−O−C(=O)−、−C(=O)−O−、−O−C(=O)−O−、−NR−C(=O)−、−C(=O)−NR−、−O−C(=O)−NR−、−NR−C(=O)−O−、−NR−C(=O)−NR−、−O−NR−、又は、−NR−O−を表す。
ここで、Rは水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基を表し、水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基が好ましい。
の炭素数1〜6のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、n−へキシル基等が挙げられる。
これらの中でも、Y〜Yは、それぞれ独立して、化学的な単結合、−O−、−O−C(=O)−、−C(=O)−O−、又は、−O−C(=O)−O−であるのが好ましい。
、Gはそれぞれ独立して、置換基を有していてもよい炭素数1〜20の2価の脂肪族基を表す。
炭素数1〜20の2価の脂肪族基としては、鎖状構造を有する炭素数1〜20の2価の脂肪族基;脂環式構造を有する炭素数3〜20の2価の脂肪族基;及び、鎖状構造を有する炭素数1〜20の2価の脂肪族基と、脂環式構造を有する炭素数3〜20の2価の脂肪族基の組合せ;等が挙げられる。
鎖状構造を有する、炭素数1〜20の2価の脂肪族基としては、メチレン基、エチレン基、トリメチレン基、プロピレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基、ヘプタメチレン基、オクタメチレン基、ノナメチレン基、デカメチレン基等の、炭素数1〜20のアルキレン基;ビニレン基、プロペニレン基、ブテニレン基、ペンテニレン基、ヘキセニレン基、ヘキサジエニレン基等の、炭素数2〜20のアルケニレン基;エチニレン基、プロピニレン基、ブチニレン基、ペンチニレン基、ヘキシニレン基等の、炭素数2〜20のアルキニレン基;等が挙げられる。
脂環式構造を有する、炭素数3〜20の2価の脂肪族基としては、炭素数3〜20のシクロアルカンジイル基、炭素数7〜20の2価の脂環式縮合環基、及び、これらの組み合わせ等が挙げられる。
炭素数3〜20のシクロアルカンジイル基としては、シクロプロパンジイル基、シクロブタンジイル基、シクロペンタンジイル基、シクロヘキサンジイル基、シクロヘプタンジイル基、シクロオクタンジイル基、シクロデカンジイル基、シクロドデカンジイル基、シクロテトラデカンジイル基、シクロエイコサンジイル基等が挙げられる。
炭素数7〜20の2価の脂環式縮合環基としては、ビシクロ[2.2.1]ヘプタンジイル基、アダマンタンジイル基、デカリンジイル基等が挙げられる。
鎖状構造を有する炭素数1〜20の2価の脂肪族基と、脂環式構造を有する炭素数3〜20の2価の脂肪族基の組合せとしては、以下に示すものが挙げられる。
Figure 0005967092
前記鎖状構造を有する、炭素数1〜20の2価の脂肪族基の置換基としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子;メチル基、エチル基等の炭素数1〜6基のアルキル基;メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、sec−ブトキシ基、t−ブトキシ基、n−ペンチルオキシ基、n−へキシルオキシ基等の炭素数1〜6のアルコキシ基;等が挙げられる。これらの中でも、フッ素原子、メトキシ基、エトキシ基が好ましい。
前記脂環式構造を有する、炭素数3〜20の2価の脂肪族基の置換基としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子;メチル基、エチル基等の炭素数1〜6のアルキル基;メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、sec−ブトキシ基、t−ブトキシ基、n−ペンチルオキシ基、n−へキシルオキシ基等の炭素数1〜6のアルコキシ基;等が挙げられる。これらの中でも、フッ素原子、メトキシ基、エトキシ基が好ましい。
また、前記G、Gの脂肪族基には、−O−、−S−、−O−C(=O)−、−C(=O)−O−、−O−C(=O)−O−、−NR−C(=O)−、−C(=O)−NR−、−NR−、又は−C(=O)−が介在していてもよい。ただし、−O−又は−S−がそれぞれ2以上隣接して介在する場合を除く。
これらの中では、−O−、−O−C(=O)−、−C(=O)−O−、又は、−C(=O)−が好ましい。
ここで、Rは、前記Rと同様の、水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基を表し、水素原子又はメチル基であることが好ましい。
これらの基が介在する脂肪族基の具体例としては、−CH−CH−O−CH−CH−、−CH−CH−S−CH−CH−、−CH−CH−O−C(=O)−CH−CH−、−CH−CH−C(=O)−O−CH−CH−、−CH−CH−C(=O)−O−CH−、−CH−O−C(=O)−O−CH−CH−、−CH−CH−NR−C(=O)−CH−CH−、−CH−CH−C(=O)−NR−CH−、−CH−NR−CH−CH−、−CH−C(=O)−CH−等が挙げられる。
これらの中でも、本発明の所望の効果をより良好に発現させる観点から、G、Gとしては、それぞれ独立して、炭素数1〜20のアルキレン基、炭素数2〜20のアルケニレン基等の、鎖状構造を有する炭素数1〜20の2価の脂肪族基が好ましく、メチレン基、エチレン基、トリメチレン基、プロピレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基、オクタメチレン基等の炭素数1〜12のアルキレン基がより好ましく、テトラメチレン基〔−(CH−〕、及び、ヘキサメチレン基〔−(CH−〕が特に好ましい。
、Zはそれぞれ独立して、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数2〜10のアルケニル基を表す。
該アルケニル基の炭素数としては、2〜6が好ましい。Z及びZのアルケニル基の置換基であるハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子等が挙げられ、塩素原子が好ましい。
及びZの具体例としては、CH=CH−、CH=C(CH)−、CH=CH−CH−、CH−CH=CH−、CH=CH−CH−CH−、CH=C(CH)−CH−CH−、(CHC=CH−CH−、(CHC=CH−CH−CH−、CH=C(Cl)−、CH=C(CH)−CH−、CH−CH=CH−CH−等が挙げられる。
なかでも、Z及びZとしては、本発明の所望の効果をより良好に発現させる観点から、それぞれ独立して、CH=CH−、CH=C(CH)−、CH=C(Cl)−、CH=CH−CH−、CH=C(CH)−CH−、又は、CH=C(CH)−CH−CH−であるのが好ましく、CH=CH−、CH=C(CH)−、又は、CH=C(Cl)−であるのがより好ましく、CH=CH−であるのが更に好ましい。
は、芳香族炭化水素環及び芳香族複素環からなる群から選ばれる少なくとも一つの芳香環を有する、炭素数2〜30の有機基を表す。
本発明において、「芳香環」は、Huckel則に従う広義の芳香族性を有する環状構造、すなわち、π電子を(4n+2)個有する環状共役構造、及びチオフェン、フラン等に代表される硫黄、酸素等のヘテロ原子の孤立電子対がπ電子系に関与して芳香族性を示すものを意味する。
の、芳香族炭化水素環及び芳香族複素環からなる群から選ばれる少なくとも一つの芳香環を有する、炭素数2〜30の有機基は、芳香環を複数個有するものであってもよく、芳香族炭化水素環及び芳香族複素環を有するものであってもよい。
前記芳香族炭化水素環としては、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、フルオレン環等が挙げられる。前記芳香族複素環としては、ピロール環、フラン環、チオフェン環、ピラゾール環、イミダゾール環、オキサゾール環、チアゾール環等の5員環芳香族複素環;ピリジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、ピラジン環等の6員環芳香族複素環;ベンズイミダゾール環、ベンゾチオフェン環、ベンゾオキサゾール環、ベンゾチアゾール環、カルバゾール環等の縮合環芳香族複素環;等が挙げられる。
が有する芳香環は置換基を有していてもよい。かかる置換基としては、フッ素原子、塩素原子等のハロゲン原子;シアノ基;メチル基、エチル基、プロピル基等の炭素数1〜6のアルキル基;ビニル基、アリル基等の炭素数2〜6のアルケニル基;トリフルオロメチル基等の炭素数1〜6のハロゲン化アルキル基;アミノ基;メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、アセチルアミノ基等の置換アミノ基;メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基等の炭素数1〜6のアルコキシ基;ニトロ基;フェニル基、ナフチル基等のアリール基;−C(=O)−OR基;−SOR基;等が挙げられる。ここでRは、炭素数1〜6のアルキル基又は炭素数6〜14のアリール基を表す。
また、Aが有する芳香環は、同一又は相異なる置換基を複数有していてもよく、隣り合った二つの置換基が一緒になって結合して環を形成していてもよい。形成される環は単環であっても、縮合多環であってもよい。
なお、Aの炭素数2〜30の有機基の「炭素数」は、置換基の炭素原子を含まない有機基全体の総炭素数を意味する(後述するAにて同じである。)。
の、芳香族炭化水素環及び芳香族複素環からなる群から選ばれる少なくとも一つの芳香環を有する、炭素数2〜30の有機基としては、芳香族炭化水素環基;芳香族複素環基;芳香族炭化水素環基及び芳香族複素環基からなる群から選ばれる少なくとも一つの芳香環を有する、炭素数3〜30のアルキル基;芳香族炭化水素環基及び芳香族複素環基からなる群から選ばれる少なくとも一つの芳香環を有する、炭素数4〜30のアルケニル基;芳香族炭化水素環基及び芳香族複素環基からなる群から選ばれる少なくとも一つの芳香環を有する、炭素数4〜30のアルキニル基;等が挙げられる。
は、水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1〜6のアルキル基、又は、芳香族炭化水素環及び芳香族複素環からなる群から選ばれる少なくとも一つの芳香環を有する、炭素数2〜30の有機基を表す。Aとしては、水素原子、又は置換基を有していてもよい炭素数1〜6のアルキル基が好ましく、水素原子がより好ましい。
の、置換基を有していてもよい炭素数1〜6のアルキル基の炭素数1〜6のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、n−へキシル基等が挙げられる。
の、置換基を有していてもよい炭素数1〜6のアルキル基の置換基としては、フッ素原子、塩素原子等のハロゲン原子;シアノ基;ジメチルアミノ基等の置換アミノ基;メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基等の炭素数1〜6のアルコキシ基;ニトロ基;フェニル基、ナフチル基等のアリール基;−C(=O)−OR基;−SOR基;等が挙げられる。ここでRは前記と同じ意味を表す。
の、芳香族炭化水素環及び芳香族複素環からなる群から選ばれる少なくとも一つの芳香環を有する、炭素数2〜30の有機基としては、前記Aで例示したのと同様のものが挙げられる。
、Aが有する芳香環の具体例を以下に示す。但し、本発明においては、A、Aが有する芳香環は以下に示すものに限定されるものではない。なお、下記化合物中、[−]は芳香環の結合手を示す(以下にて同じである。)。
Figure 0005967092
Figure 0005967092
Figure 0005967092
Figure 0005967092
上記式中、Eは、NR13、酸素原子又は硫黄原子を表す。ここで、R13は、水素原子;又は、メチル基、エチル基等の炭素数1〜6のアルキル基;を表す。
Figure 0005967092
上記式中、X、Y、Zは、それぞれ独立して、NR13、酸素原子、硫黄原子、−SO−又は、−SO−を表す(ただし、酸素原子、硫黄原子、−SO−、−SO−が、それぞれ隣接する場合を除く。)。R13は前記と同じ意味を表す。
上記した芳香環の中でも、下記のものが好ましい。
Figure 0005967092
本発明においては、下記のものが特に好ましい。
Figure 0005967092
また、AとAは一緒になって、環を形成していてもよい。その中でも、置換基を有していてもよい、炭素数4〜30の不飽和複素環又は炭素数6〜30の不飽和炭素環を形成していることが好ましい。
炭素数4〜30の不飽和複素環、炭素数6〜30の不飽和炭素環としては、特に制約はなく、芳香族性を有していても有していなくてもよい。例えば、下記に示す環が挙げられる。なお、下記に示す環は、式(I)中の
Figure 0005967092
として表される部分を示すものである。
Figure 0005967092
Figure 0005967092
Figure 0005967092
式中、X、Y、Zは、前記と同じ意味を表す。
また、これらの環は置換基を有していてもよい。
置換基としては、ハロゲン原子、シアノ基、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、ニトロ基、−C(=O)−OR基、−SOR基等が挙げられる。ここで、Rは前記と同じ意味を表す。
とAに含まれるπ電子の総数は、本発明の所望の効果をより良好に発現させる観点から、4以上24以下であるのが好ましく、6以上18以下であるのがより好ましい。
とAの組み合わせとしては、Aが炭素数4〜30の芳香族基(炭素環式芳香族基又は複素環式芳香族基)で、Aが水素原子である組み合わせ、及び、AとAが一緒になって不飽和複素環又は不飽和炭素環を形成しているものが好ましく、Aが下記構造を有する基であり、
Figure 0005967092
Figure 0005967092
が水素原子、又は、置換基を有していてもよいアルキル基である組み合わせがより好ましく、Aが下記構造を有する基であり、
Figure 0005967092
が水素原子である組み合わせが特に好ましい。
式中、X、Yは、前記と同じ意味を表す。前記Aの置換基を有していてもよいアルキル基の置換基としては、シクロアルキル基;シアノ基;フッ素原子等のハロゲン原子;であるのが好ましい。
は置換基を有していてもよい三価の芳香族基を表す。三価の芳香族基としては、三価の炭素環式芳香族基であっても、三価の複素環式芳香族基であってもよい。本発明の所望の効果をより良好に発現させる観点から、三価の炭素環式芳香族基が好ましく、下記式に示す三価のベンゼン環基又は三価のナフタレン環基がより好ましい。なお、下記式においては、結合状態をより明確にすべく、置換基Y、Yを便宜上記載している(Y、Yは、前記と同じ意味を表す。以下にて同じ。)。
Figure 0005967092
なかでも、Aとしては、下記に示す式(A11)〜(A18)で表される基がさらに好ましく、式(A11)で表される基が特に好ましい。
Figure 0005967092
の、三価の芳香族基が有していてもよい置換基としては、前記Aの芳香族基の置換基として例示したのと同様のものが挙げられる。Aとしては、置換基を有さないものが好ましい。
、Aはそれぞれ独立して、置換基を有していてもよい炭素数4〜30の二価の芳香族基を表す。
、Aの芳香族基は単環のものであっても、多環のものであってもよい。
、Aの具体例としては、下記のものが挙げられる。
Figure 0005967092
上記A、Aの具体例として挙げた有機基は、任意の位置に置換基を有していてもよい。当該置換基としては、ハロゲン原子、シアノ基、ヒドロキシル基、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、ニトロ基、−C(=O)−OR14基等が挙げられる。ここでR14は、炭素数1〜6のアルキル基を表す。なかでも、A、Aの有機基の置換基としては、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基が好ましく、ハロゲン原子としてはフッ素原子が、アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基が、アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基がより好ましい。
これらの中でも、A、Aとしては、本発明の所望の効果をより良好に発現させる観点から、それぞれ独立して、置換基を有していてもよい、下記式(A21)及び(A22)で表される基が好ましく、置換基を有していてもよい式(A21)で表される基がより好ましい。
Figure 0005967092
は、水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1〜6のアルキル基を示す。
置換基を有していてもよい炭素数1〜6のアルキルとしては、前記Aで例示したのと同様のものが挙げられる。
これらの中でも、Qは、水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基が好ましく、水素原子がより好ましい。
本発明においては、重合性化合物(I)は、一種単独で、或いは二種以上を組み合わせて用いることができる。
また、本発明においては、重合性化合物(I)としては、重合性化合物(I)のみで(他の重合性化合物を用いないで)光学異方体を製造した場合に、その光学異方体が逆波長分散特性を示すものを用いるのが好ましい。
〈重合性化合物(I)の製造方法〉
重合性化合物(I)は、例えば、下記に示す反応により製造することができる。
Figure 0005967092
(式中、Y〜Y、G、G、Z、Z、A、A、A〜A、Qは、前記と同じ意味を表す。)
すなわち、式(3)で表されるヒドラジン化合物(ヒドラジン化合物(3))を、式(4)で表されるカルボニル化合物(カルボニル化合物(4))と、〔ヒドラジン化合物(3):カルボニル化合物(4)〕のモル比で、1:2〜2:1、好ましくは1:1.5〜1.5:1の割合で反応させることにより、高選択的かつ高収率で目的とする本発明の式(I)で示される重合性化合物を製造することができる。
この場合、(±)−10−カンファースルホン酸、パラトルエンスルホン酸等の有機酸;塩酸、硫酸等の無機酸;等の酸触媒を添加して反応を行うことができる。酸触媒を添加することで反応時間が短縮され、収率が向上する場合がある。酸触媒の添加量は、カルボニル化合物(4)1モルに対して、通常0.001〜1モルである。また、酸触媒はそのまま添加してもよいし、適当な溶液に溶解させた溶液として添加してもよい。
この反応に用いる溶媒としては、反応に不活性なものであれば特に限定されない。例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、イソブチルルコール、sec−ブチルアルコール、t−ブチルアルコール、n−ペンチルアルコール、アミルアルコール等のアルコール系溶媒;ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,2−ジメトキシエタン、1,4−ジオキサン、シクロペンチルメチルエーテル等のエーテル系溶媒;酢酸エチル、酢酸プロピル、プロピオン酸メチル等のエステル系溶媒;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒;n−ペンタン、n−ヘキサン、n−ヘプタン等の脂肪族炭化水素系溶媒;N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン、ヘキサメチルリン酸トリアミド等のアミド系溶媒;ジメチルスルホキシド、スルホラン等の含硫黄系溶媒;及びこれらの2種以上からなる混合溶媒;等が挙げられる。
これらの中でも、アルコール系溶媒、エーテル系溶媒、及びアルコール系溶媒とエーテル系溶媒の混合溶媒が好ましい。
溶媒の使用量は、特に限定されず、用いる化合物の種類や反応規模等を考慮して適宜定めることができるが、ヒドラジン化合物(3)1gに対し、通常1〜100gである。
反応は、−10℃から用いる溶媒の沸点までの温度範囲で円滑に進行する。各反応の反応時間は、反応規模にもよるが、通常、数分から数時間である。
ヒドラジン化合物(3)は、次のようにして製造することができる。
Figure 0005967092
(式中、A、Aは、前記と同じ意味を表す。Xは、ハロゲン原子、メタンスルホニルオキシ基、p−トルエンスルホニルオキシ基等の脱離基を表す。)
すなわち、式(2a)で表される化合物とヒドラジン(1)を、適当な溶媒中、(化合物(2a):ヒドラジン(1))のモル比で、1:1〜1:20、好ましくは1:2〜1:10で反応させて、対応するヒドラジン化合物(3a)を得ることができ、さらに、ヒドラジン化合物(3a)と式(2b)で表される化合物を反応させることで、ヒドラジン化合物(3)を得ることができる。
ヒドラジン(1)としては、通常1水和物のものを用いる。ヒドラジン(1)は、市販品をそのまま使用することができる。
この反応に用いる溶媒としては、反応に不活性なものであれば特に限定されない。例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、イソブチルルコール、sec−ブチルアルコール、t−ブチルアルコール、n−ペンチルアルコール、アミルアルコール等のアルコール系溶媒;ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,2−ジメトキシエタン、1,4−ジオキサン、シクロペンチルメチルエーテル等のエーテル系溶媒;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒;n−ペンタン、n−ヘキサン、n−ヘプタン等の脂肪族炭化水素系溶媒;N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン、ヘキサメチルリン酸トリアミド等のアミド系溶媒;ジメチルスルホキシド、スルホラン等の含硫黄系溶媒;及びこれらの2種以上からなる混合溶媒;等が挙げられる。
これらの中でも、アルコール系溶媒、エーテル系溶媒、及びアルコール系溶媒とエーテル系溶媒の混合溶媒が好ましい。
溶媒の使用量は、特に限定されず、用いる化合物の種類や反応規模等を考慮して適宜定めることができるが、ヒドラジン1gに対し、通常1〜100gである。
反応は、−10℃から用いる溶媒の沸点までの温度範囲で円滑に進行する。各反応の反応時間は、反応規模にもよるが、通常、数分から数時間である。
また、ヒドラジン化合物(3)は、次のように、従来公知の方法を用いて、ジアゾニウム塩(5)を還元することによっても製造することができる。
Figure 0005967092
式(5)中、A、Aは、前記と同じ意味を表す。Xは、ジアゾニウムに対する対イオンである陰イオンを示す。Xとしては、例えば、ヘキサフルオロリン酸イオン、ホウフッ化水素酸イオン、塩化物イオン、硫酸イオン等の無機陰イオン;ポリフルオロアルキルカルボン酸イオン、ポリフルオロアルキルスルホン酸イオン、テトラフェニルホウ酸イオン、芳香族カルボン酸イオン、芳香族スルホン酸イオン等の有機陰イオン;等が挙げられる。
上記反応に用いる還元剤としては、例えば、金属塩還元剤が挙げられる。
金属塩還元剤とは一般に低原子価金属を含む化合物、もしくは金属イオンとヒドリド源からなる化合物である(「有機合成実験法ハンドブック」1990年社団法人有機合成化学協会編 丸善株式会社発行810ページを参照)。
金属塩還元剤としては、例えば、NaAlH(OR15、LiAlH、iBuAlH、LiBH、NaBH、SnCl、CrCl、TiCl等が挙げられる。ここで、R15は炭素数1〜6のアルキル基を表し、nは1〜4の整数を表し、mはn+m=4を満たす整数を表す。
還元反応においては公知の反応条件を採用することができる。例えば、特開2005−336103号公報、新実験化学講座 1978年 丸善株式会社発行 14巻、実験化学講座 1992年 丸善株式会社発行 20巻、等の文献に記載の条件で反応を行うことができる。
また、ジアゾニウム塩(5)は、アニリン等の化合物から常法により製造することができる。
カルボニル化合物(4)は、典型的には、エーテル結合(−O−)、エステル結合(−C(=O)−O−、−O−C(=O)−)、カーボネート結合(−O−C(=O)−O−)及びアミド結合(−C(=O)−NH−、−NH−C(=O)−)の形成反応を任意に組み合わせて、所望の構造を有する複数の公知化合物を適宜結合・修飾することにより製造することができる。
エーテル結合の形成は、例えば、以下のようにして行うことができる。
(i)式:D1−hal(halはハロゲン原子を表す。以下にて同じ。)で表される化合物と、式:D2−OMet(Metはアルカリ金属(主にナトリウム)を表す。以下にて同じ。)で表される化合物とを混合して縮合させる(ウイリアムソン合成)。なお、式中、D1及びD2は任意の有機基を表す(以下にて同じ。)
(ii)式:D1−halで表される化合物と、式:D2−OHで表される化合物とを水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の塩基存在下、混合して縮合させる。
(iii)式:D1−J(Jはエポキシ基を表す。)で表される化合物と、式:D2−OHで表される化合物とを水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の塩基存在下、混合して縮合させる。
(iv)式:D1−OFN(OFNは不飽和結合を有する基を表す。)で表される化合物と、式:D2−OMetで表される化合物を、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の塩基存在下、混合して付加反応させる。
(v)式:D1−halで表される化合物と、式:D2−OMetで表される化合物とを、銅あるいは塩化第一銅存在下、混合して縮合させる(ウルマン縮合)。
エステル結合及びアミド結合の形成は、例えば、以下のようにして行うことができる。
(vi)式:D1−COOHで表される化合物と、式:D2−OH又はD2−NHで表される化合物とを、脱水縮合剤(N,N−ジシクロヘキシルカルボジイミド等)の存在下に脱水縮合させる。
(vii)式:D1−COOHで表される化合物にハロゲン化剤を作用させることにより、式:D1−CO−halで表される化合物を得、このものと式:D2−OH又はD2−NHで表される化合物とを、塩基の存在下に反応させる。
(viii)式:D1−COOHで表される化合物に酸無水物を作用させることにより、混合酸無水物を得た後、このものに、式:D2−OH又はD2−NHで表される化合物を反応させる。
(ix)式:D1−COOHで表される化合物と、式:D2−OH又はD2−NHで表される化合物とを、酸触媒あるいは塩基触媒の存在下に脱水縮合させる。
より具体的には、例えば、カルボニル化合物(4)のうち、前記式(4)中、式:Z−Y−G−Y−A−Y−で表される基が、式:Z−Y−G−Y−A−Y−で表される基と同一であり、Yが、Y21−C(=O)−O−で表される基である化合物(4’)は、以下に示す反応により製造することができる。
Figure 0005967092
(式中、Y、Y、G、Z、A、A、Qは、前記と同じ意味を表す。Y21は、Y21−C(=O)−O−がYとなる基を表す。Yは前記と同じ意味を表す。Lは、水酸基、ハロゲン原子、メタンスルホニルオキシ基、p−トルエンスルホニルオキシ基等の脱離基を表す。)
上記反応においては、式(6)で表されるジヒドロキシ化合物(化合物(6))と式(で、1:2〜1:4、好ましくは1:2〜1:3の割合で反応させることにより、高選択的かつ高収率で目的とする化合物(4’)を得ることができる。
化合物(7)が、式(7)中、Lが水酸基の化合物(カルボン酸)である場合には、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩、ジシクロヘキシルカルボジイミド等の脱水縮合剤の存在下に反応させることにより、目的物を得ることができる。
脱水縮合剤の使用量は、化合物(7)1モルに対し、通常1〜3モルである。
また、化合物(7)が、式(7)中、Lがハロゲン原子の化合物(酸ハライド)である場合には、塩基の存在下に反応させることにより、目的物を得ることができる。
用いる塩基としては、トリエチルアミン、ピリジン等の有機塩基;水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム等の無機塩基が挙げられる。
塩基の使用量は、化合物(7)1モルに対し、通常1〜3モルである。
化合物(7)が、式(7)中、Lがメタンスルホニルオキシ基、又はp−トルエンスルホニルオキシ基の化合物(混合酸無水物)である場合もハロゲン原子の場合と同様である。
上記反応に用いる溶媒としては、例えば、クロロホルム、塩化メチレン等の塩素系溶媒;N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセタミド、ヘキサメチルリン酸トリアミド等のアミド系溶媒;1,4−ジオキサン、シクロペンチルメチルエーテル、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン等のエーテル類;ジメチルスルホキシド、スルホラン等の含硫黄系溶媒;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒;n−ペンタン、n−ヘキサン、n−オクタン等の脂肪族炭化水素系溶媒;シクロペンタン、シクロヘキサン等の脂環式炭化水素系溶媒;及びこれらの溶媒の2種以上からなる混合溶媒;等が挙げられる。
溶媒の使用量は、特に限定されず、用いる化合物の種類や反応規模等を考慮して適宜定めることができるが、ヒドロキシ化合物(6)1gに対し、通常1〜50gである。
化合物(7)の多くは公知化合物であり、エーテル結合(−O−)、エステル結合(−C(=O)−O−、−O−C(=O)−)、カーボネート結合(−O−C(=O)−O−)及びアミド結合(−C(=O)−NH−、−NH−C(=O)−)の形成反応を任意に組み合わせて、所望の構造を有する複数の公知化合物を適宜結合・修飾することにより製造することができる。
いずれの反応においても、反応終了後は、有機合成化学における通常の後処理操作を行い、所望により、カラムクロマトグラフィー、再結晶法、蒸留法等の公知の分離・精製手段を施すことにより、目的物を単離することができる。
目的とする化合物の構造は、NMRスペクトル、IRスペクトル、マススペクトル等の測定、元素分析等により、同定することができる。
重合性化合物(I)は、より具体的には、特願2011−099525号に記載された方法により製造し、入手することができる。
〈他の重合性化合物〉
本発明においては、重合性化合物(I)と共に、他の重合性化合物を用いる。他の重合性化合物は、一種単独で、或いは二種以上を組み合わせて用いることができる。
他の重合性化合物は、重合性化合物(I)以外の重合性化合物であって、重合性化合物(I)と共重合可能な化合物である。また、他の重合性化合物としては、他の重合性化合物のみを使用して(重合性化合物(I)を使用せずに)得られる光学異方体が示す波長分散特性が、重合性化合物(I)のみを使用して得られる光学異方体が示す波長分散特性とは異なるものを用いるのが好ましい。
本発明においては、波長分散性を容易に調整することができる観点から、他の重合性化合物として、当該他の重合性化合物のみを使用して重合して得られる高分子からなる光学異方体を形成した場合、得られる光学異方体が、正の波長分散性又はフラットな波長分散特性を示すものが好ましい。
前記他の共重合可能な単量体としては、例えば、4−(2−メタクリロイルオキシエチルオキシ)安息香酸−4’−メトキシフェニル、4−(6−メタクリロイルオキシヘキシルオキシ)安息香酸ビフェニル、4−(2−アクリロイルオキシエチルオキシ)安息香酸−4’−シアノビフェニル、4−(2−メタクリロリルオキシエチルオキシ)安息香酸−4’−シアノビフェニル、4−(2−メタクリロリルオキシエチルオキシ)安息香酸−3’,4’−ジフルオロフェニル、4−(2−メタクリロイルオキシエチルオキシ)安息香酸ナフチル、4−アクリロイルオキシ−4’−デシルビフェニル、4−アクリロイルオキシ−4’−シアノビフェニル、4−(2−アクリロイルオキシエチルオキシ)−4’−シアノビフェニル、4−(2−メタクリロイルオキシエチルオキシ)−4’−メトキシビフェニル、4−(2−メタクリロイルオキシエチルオキシ)−4’−(4”−フルオロベンジルオキシ)−ビフェニル、4−アクリロイルオキシ−4’−プロピルシクロヘキシルフェニル、4−メタクリロイル−4’−ブチルビシクロヘキシル、4−アクリロイル−4’−アミルトラン、4−アクリロイル−4’−(3,4−ジフルオロフェニル)ビシクロヘキシル、4−(2−アクリロイルオキシエチル)安息香酸(4−アミルフェニル)、4−(2−アクリロイルオキシエチル)安息香酸(4−(4’−プロピルシクロヘキシル)フェニル)、及び、前記式(II)で表される化合物等が挙げられる。また、市販品としては、具体的には、LC−242(商品名、BASF社製)を挙げることができる。
これらの中でも、他の重合性化合物としては、波長分散特性の調整をより容易に行うことができる観点から、フラットな波長分散特性を有する光学異方体が得られる重合性化合物が好ましい。フラットな波長分散特性を示す重合性化合物としては、特開2007-002208号公報、特開2009-173893号公報、特開2009-274984号公報、特開2010-030979号公報、特開2010-031223号公報、特開2011-006360号公報等に開示されている化合物、及び下記式(II)で表される重合性化合物(II)等が挙げられる。
これらの中でも、本発明においては、重合性化合物(II)を用いるのが好ましい。
Figure 0005967092
〔重合性化合物(II)〕
式(II)中、Y11〜Y16はそれぞれ独立して、前記Y〜Yと同様の、化学的な単結合、−O−、−S−、−O−C(=O)−、−C(=O)−O−、−O−C(=O)−O−、−NR11−C(=O)−、−C(=O)−NR11−、−O−C(=O)−NR11−、−NR11−C(=O)−O−、−NR11−C(=O)−NR11−、−O−NR11−、又は、−NR11−O−を表す。ここで、R11は、前記Rと同様の、水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基を表す。
11、G12はそれぞれ独立して、前記G、Gと同様の、置換基を有していてもよい炭素数1〜20の2価の脂肪族基を表す。該脂肪族基には、−O−、−S−、−O−C(=O)−、−C(=O)−O−、−O−C(=O)−O−、−NR12−C(=O)−、−C(=O)−NR12−、−NR12−、又は、−C(=O)−が介在していてもよい。ただし、−O−又は−S−がそれぞれ2以上隣接して介在する場合を除く。ここで、R12は、前記R2と同様の、水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基を表す。
11、Z12はそれぞれ独立して、前記Z、Zと同様の、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数2〜10のアルケニル基を表す。
は、前記Aと同様の、芳香族炭化水素環及び芳香族複素環からなる群から選ばれる少なくとも一つの芳香環を有する、炭素数2〜30の有機基を表し、Aは、前記Aと同様の、水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1〜6のアルキル基、又は、芳香族炭化水素環及び芳香族複素環からなる群から選ばれる少なくとも一つの芳香環を有する、炭素数2〜30の有機基を表す。前記A及びAが有する芳香環は置換基を有していてもよい。
は、芳香族炭化水素環及び芳香族複素環からなる群から選ばれる少なくとも一つの芳香環を有する、炭素数2〜30の有機基を表す。
ここで、「芳香環」は、Huckel則に従う広義の芳香族性を有する環状構造、すなわち、π電子を(4n+2)個有する環状共役構造及びチオフェン、フラン等に代表される硫黄、酸素等のヘテロ原子の孤立電子対がπ電子系に関与して芳香族性を示すものを意味する。
の、芳香族炭化水素環及び芳香族複素環からなる群から選ばれる少なくとも一つの芳香環を有する、炭素数2〜30の有機基は、芳香環を複数個有するものであってもよく、芳香族炭化水素環及び芳香族複素環を有するものであってもよい。
前記芳香族炭化水素環としては、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、フルオレン環等が挙げられる。前記芳香族複素環としては、ピロール環、フラン環、チオフェン環、ピラゾール環、イミダゾール環、オキサゾール環、チアゾール環等の5員環芳香族複素環;ピリジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、ピラジン環等の6員環芳香族複素環;ベンズイミダゾール環、ベンゾチオフェン環、ベンゾオキサゾール環、ベンゾチアゾール環、カルバゾール環等の縮合環芳香族複素環;等が挙げられる。
が有する芳香環は任意の位置に置換基を有していてもよい。かかる置換基としては、フッ素原子、塩素原子等のハロゲン原子;シアノ基;メチル基、エチル基、プロピル基等の炭素数1〜6のアルキル基;ビニル基、アリル基等の炭素数2〜6のアルケニル基;トリフルオロメチル基等の炭素数1〜6のハロゲン化アルキル基;置換アミノ基;メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基等の炭素数1〜6のアルコキシ基;ニトロ基;フェニル基、ナフチル基等のアリール基;−C(=O)−OR基;−SOR基;等が挙げられる。ここで、Rは前記と同じ意味を表す。
また、Aが有する芳香環は、同一又は相異なる置換基を複数有していてもよく、隣り合った二つの置換基が一緒になって結合して環を形成していてもよい。形成される環は単環であっても、縮合多環であってもよい。
なお、Aの炭素数2〜30の有機基の「炭素数」は、置換基の炭素原子を含まない有機基全体の総炭素数を意味する(後述するAにて同じである。)。
の、芳香族炭化水素環及び芳香族複素環からなる群から選ばれる少なくとも一つの芳香環を有する、炭素数2〜30の有機基としては、芳香族炭化水素環基;芳香族複素環基;芳香族炭化水素環基及び芳香族複素環基からなる群から選ばれる少なくとも一つの芳香環を有する、炭素数3〜30のアルキル基;芳香族炭化水素環基及び芳香族複素環基からなる群から選ばれる少なくとも一つの芳香環を有する、炭素数4〜30のアルケニル基;芳香族炭化水素環基及び芳香族複素環基からなる群から選ばれる少なくとも一つの芳香環を有する、炭素数4〜30のアルキニル基;等が挙げられる。
は、水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1〜6のアルキル基、又は、芳香族炭化水素環及び芳香族複素環からなる群から選ばれる少なくとも一つの芳香環を有する、炭素数2〜30の有機基を表す。
の、置換基を有していてもよい炭素数1〜6のアルキル基の炭素数1〜6のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、n−へキシル基等が挙げられる。
前記置換基を有していてもよい炭素数1〜6のアルキル基の置換基としては、フッ素原子、塩素原子等のハロゲン原子;シアノ基;ジメチルアミノ基等の置換アミノ基;メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基等の炭素数1〜6のアルコキシ基;ニトロ基;フェニル基、ナフチル基等のアリール基;−C(=O)−OR基;−SOR基;等が挙げられる。ここでRは前記と同じ意味を表す。
の、芳香族炭化水素環及び芳香族複素環からなる群から選ばれる少なくとも一つの芳香環を有する、炭素数2〜30の有機基としては、前記Aで例示したのと同様のものが挙げられる。
、Aの具体例を以下に示す。但し、本発明においては、A、Aは以下に示すものに限定されるものではない。なお、下記化合物中、[−]は芳香環の結合手を示す(以下にて同じ。)。
Figure 0005967092
Figure 0005967092
Figure 0005967092
Figure 0005967092
上記式中、Eは前記と同じ意味を表す。
Figure 0005967092
上記式中、X、Y、Zは、前記と同じ意味を表す。
上記した芳香環の中でも、下記のものが好ましい。
Figure 0005967092
これらの中でも、下記のものが特に好ましい。
Figure 0005967092
また、AとAは一緒になって、環を形成していてもよい。その中でも、置換基を有していてもよい炭素数4〜30の不飽和複素環、又は、炭素数6〜30の不飽和炭素環を形成していることが好ましい。
炭素数4〜30の不飽和複素環、炭素数6〜30の不飽和炭素環としては、特に制約はなく、芳香族性を有していても有していなくてもよい。なかでも、下記に示す環が好ましい。なお、式中には、便宜上、環と窒素原子を結ぶ二重結合を示している(以下にて同じ)。
Figure 0005967092
Figure 0005967092
式中、X、Y、Zは、前記と同じ意味を表す。
また、これらの環は置換基を有していてもよい。
置換基としては、ハロゲン原子、シアノ基、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、ニトロ基、−C(=O)−OR基、−SOR基等が挙げられる。ここで、Rは前記と同じ意味を表す。
これらの中でも、AとAが一緒になって形成する環としては、下記に示すものが特に好ましい。
Figure 0005967092
式中、X及びYは前記と同じ意味を表し、X、Yは、それぞれ硫黄原子、及び、NR13(R13は前記と同じ意味を表す。)であるのが好ましい。
とAに含まれるπ電子の総数は、本発明の所望の効果をより良好に発現させる観点から、4以上24以下であるのが好ましい。
、Aの組み合わせとしては、Aが炭素数4〜30の芳香族基であり、Aが水素原子又は置換基を有していてもよいアルキル基である組み合わせ、及び、AとAが一緒になって、不飽和複素環又は不飽和炭素環を形成しているものが好ましく、Aが下記構造を有する基であり、Aが水素原子又は置換基を有していてもよいアルキル基である組み合わせ、及び、
Figure 0005967092
(式中、Xは前記と同じ意味を表す。)
とAが一緒になって下記に示す環を形成しているものがより好ましい。
Figure 0005967092
(式中、X、Yはそれぞれ前記と同じ意味を表す。)
11は、前記Aと同様の、置換基を有していてもよい三価の芳香族基を表す。
12、A13はそれぞれ独立して、前記A、Aと同様の、置換基を有していてもよい炭素数4〜30の二価の芳香族基を表す。
11は、前記Qと同様の、水素原子、又は、置換基を有していてもよい炭素数1〜6のアルキル基を表す。
〈重合性化合物(II)の製造方法〉
重合性化合物(II)は、例えば、下記に示す製造方法1、2により製造することができる。
(製造方法1)
Figure 0005967092
(式中、Y11〜Y16、G11、G12、Z11、Z12、A、A、A11〜A13、Q11は、前記と同じ意味を表す。)
反応は、前記ヒドラゾン化合物(3)とカルボニル化合物(4)との反応と同様にして行うことができる。
(製造方法2)
前記式(II)で示される本発明の重合性化合物のうち、前記式(II)中、式:Z12−Y16−G12−Y14−A13−Y12−で表される基が、式:Z11−Y15−G11−Y13−A12−Y11−で表される基と同一であり、Y11が、Y22−C(=O)−O−で表される基である化合物(II’)は、以下に示す、工程1、工程2により製造することができる。
Figure 0005967092
(式中、Y13、Y15、G11、Z11、A、A、A11、A12、Q11、Lは、前記と同じ意味を表す。Y22は、Y22−C(=O)−O−がY11となる基を表す。Y11は前記と同じ意味を表す。)
すなわち、分子内に、式:−C(=O)−Q11で表される基(Q11は前記と同じ意味を表す。)を有するジヒドロキシ化合物(ジヒドロキシ化合物(15))と、ヒドラゾン化合物(13)とを反応させて、ヒドロキシ化合物(17)を得た後(工程1)、このものと、2倍当量以上の式(18)で表される化合物とを反応させることにより(工程2)、式(II’)で表される化合物を得ることができる。
工程1は、溶媒中、ジヒドロキシ化合物(15)とヒドラゾン化合物(13)を、(ジヒドロキシ化合物(15):ヒドラゾン化合物(13))のモル比で、1:1〜1:5、好ましくは1:1〜1:3で反応させて、ヒドロキシ化合物(17)を得る工程である。
工程1の反応に用いる溶媒としては、反応に不活性なものであれば特に限定されない。
用いる溶媒としては、前記重合性化合物(I)の製造方法において化合物(3)と化合物(4)の反応で用いることができるとして例示したのと同様のものが挙げられる。溶媒の使用量は、特に限定されず、用いる化合物の種類や反応規模等を考慮して適宜定めることができるが、ヒドラゾン化合物(13)1gに対し、通常1〜100gである。
工程2は、得られた化合物(17)を精製した後、あるいは精製することなく、式(18)で表される化合物(化合物(18))と反応させることにより、高選択的かつ高収率で目的とする化合物(II’)を製造する工程である。この工程は、前記化合物(6)と化合物(7)の反応と同様にして行うことができる。
なお、ヒドラゾン化合物(13)は、次のようにして製造することができる。
Figure 0005967092
すなわち、式(12)で表されるカルボニル化合物とヒドラジン(1)を、適当な溶媒中、(カルボニル化合物(12):ヒドラジン(1))のモル比で、1:1〜1:20、好ましくは1:2〜1:10で反応させて、対応するヒドラゾン化合物(13)を得ることができる。この反応に用いる溶媒としては、ヒドラジン化合物(1)と化合物(2a)との反応において例示したのと同様のものが挙げられる。
また、上記方法で用いる式(17)で表される化合物は、下記に示す方法(工程1a)によっても得ることができる。
Figure 0005967092
すなわち、ジヒドロキシ化合物(15)にヒドラジンを反応させて、式(19)で表されるヒドラゾン化合物を得、このものに式(20)で表されるカルボニル化合物を反応させることによっても、式(17)で表される化合物を得ることができる。
前記式(14)で表される化合物、及び式(18)で表される化合物は、典型的には、前述したような、エーテル結合(−O−)、エステル結合(−C(=O)−O−、−O−C(=O)−)、カーボネート結合(−O−C(=O)−O−)及びアミド結合(−C(=O)−NH−、−NH−C(=O)−)の形成反応を任意に組み合わせて、所望の構造を有する複数の公知化合物を適宜結合・修飾することにより製造することができる。
いずれの反応においても、反応終了後は、有機合成化学における通常の後処理操作を行い、所望により、カラムクロマトグラフィー、再結晶法、蒸留法等の公知の分離・精製手段を施すことにより、目的物を単離することができる。
目的とする化合物の構造は、NMRスペクトル、IRスペクトル、マススペクトル等の測定、元素分析等により、同定することができる。
(重合性組成物)
本発明に用いる重合性組成物は、前記重合性化合物(I)の少なくとも一種、前記他の重合性化合物の少なくとも一種を含有する。
本発明に用いる重合性組成物としては、前記重合性化合物(I)の少なくとも一種、前記重合性化合物(II)の少なくとも一種を含有するものが特に好ましい。
本発明に用いる重合性組成物は、重合性組成物の重合反応をより効率的に行う観点から、さらに重合開始剤を含有することが好ましい。
用いる重合開始剤としては、重合性化合物(I)及び他の重合性化合物が有する重合性基の種類に応じて適宜なものを選択して使用すればよい。例えば、重合性基がラジカル重合性であればラジカル重合開始剤を、アニオン重合性の基であればアニオン重合開始剤を、カチオン重合性の基であればカチオン重合開始剤を、それぞれ使用すればよい。ラジカル重合開始剤としては、熱ラジカル発生剤と光ラジカル発生剤のいずれも使用可能であるが、光ラジカル発生剤を使用するのが好適である。
光ラジカル発生剤としては、アセトフェノン系化合物、ビイミダゾール系化合物、トリアジン系化合物、O−アシルオキシム系化合物、オニウム塩系化合物、ベンゾイン系化合物、ベンゾフェノン系化合物、α−ジケトン系化合物、多核キノン系化合物、キサントン系化合物、ジアゾ系化合物、イミドスルホナート系化合物等を挙げることができる。これらの化合物は、露光によって活性ラジカルまたは活性酸、あるいは活性ラジカルと活性酸の両方を発生する成分である。光ラジカル発生剤は、1種単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
アセトフェノン系化合物の具体例としては、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、2−メチル−1−〔4−(メチルチオ)フェニル〕−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)ブタン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシル・フェニルケトン、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−4’−モルフォリノブチロフェノン等を挙げることができる。
ビイミダゾール系化合物の具体例としては、2,2’−ビス(2−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラキス(4−エトキシカルボニルフェニル)−1,2’−ビイミダゾール、2,2’−ビス(2−ブロモフェニル)−4,4’,5,5’−テトラキス(4−エトキシカルボニルフェニル)−1,2’−ビイミダゾール、2,2’−ビス(2−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾール、2,2’−ビス(2,4−ジクロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾール、2,2’−ビス(2,4,6−トリクロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾール、2,2’−ビス(2−ブロモフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾール、2,2’−ビス(2,4−ジブロモフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾール、2,2’−ビス(2,4,6−トリブロモフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾール等を挙げることができる。
本発明においては、光重合開始剤としてビイミダゾール系化合物を用いる場合、水素供与体を併用することが、感度をさらに改良することができる点で好ましい。
「水素供与体」とは、露光によりビイミダゾール系化合物から発生したラジカルに対して、水素原子を供与することができる化合物を意味する。水素供与体としては、下記で定義するメルカプタン系化合物、アミン系化合物等が好ましい。
メルカプタン系化合物としては、2−メルカプトベンゾチアゾール、2−メルカプトベンゾオキサゾール、2−メルカプトベンゾイミダゾール、2,5−ジメルカプト−1,3,4−チアジアゾール、2−メルカプト−2,5−ジメチルアミノピリジン等を挙げることができる。
アミン系化合物としては、4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、4−ジエチルアミノアセトフェノン、4−ジメチルアミノプロピオフェノン、エチル−4−ジメチルアミノベンゾエート、4−ジメチルアミノ安息香酸、4−ジメチルアミノベンゾニトリル等を挙げることができる。
トリアジン系化合物としては、2,4,6−トリス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−メチル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−〔2−(5−メチルフラン−2−イル)エテニル〕−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−〔2−(フラン−2−イル)エテニル〕−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−〔2−(4−ジエチルアミノ−2−メチルフェニル)エテニル〕−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−〔2−(3,4−ジメトキシフェニル)エテニル〕−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−メトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−エトキシスチリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−n−ブトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン等のハロメチル基を有するトリアジン系化合物を挙げることができる。
O−アシルオキシム系化合物の具体例としては、1−〔4−(フェニルチオ)フェニル〕−ヘプタン−1,2−ジオン 2−(O−ベンゾイルオキシム)、1−〔4−(フェニルチオ)フェニル〕−オクタン−1,2−ジオン 2−(O−ベンゾイルオキシム)、1−〔4−(ベンゾイル)フェニル〕−オクタン−1,2−ジオン 2−(O−ベンゾイルオキシム)、1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−エタノン 1−(O−アセチルオキシム)、1−[9−エチル−6−(3−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−エタノン 1−(O−アセチルオキシム)、1−(9−エチル−6−ベンゾイル−9H−カルバゾール−3−イル)−エタノン 1−(O−アセチルオキシム)、エタノン−1−[9−エチル−6−(2−メチル−4−テトラヒドロフラニルベンゾイル)−9.H.−カルバゾール−3−イル]−1−(O−アセチルオキシム)、エタノン−1−〔9−エチル−6−(2−メチル−4−テトラヒドロピラニルベンゾイル)−9.H.−カルバゾール−3−イル〕−1−(O−アセチルオキシム)、エタノン−1−〔9−エチル−6−(2−メチル−5−テトラヒドロフラニルベンゾイル)−9.H.−カルバゾール−3−イル〕−1−(O−アセチルオキシム)、エタノン−1−〔9−エチル−6−(2−メチル−5−テトラヒドロピラニルベンゾイル)−9.H.−カルバゾール−3−イル〕−1−(O−アセチルオキシム)、エタノン−1−〔9−エチル−6−{2−メチル−4−(2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラニル)ベンゾイル}−9.H.−カルバゾール−3−イル〕−1−(O−アセチルオキシム)、エタノン−1−[9−エチル−6−(2−メチル−4−テトラヒドロフラニルメトキシベンゾイル)−9.H.−カルバゾール−3−イル]−1−(O−アセチルオキシム)、エタノン−1−〔9−エチル−6−(2−メチル−4−テトラヒドロピラニルメトキシベンゾイル)−9.H.−カルバゾール−3−イル〕−1−(O−アセチルオキシム)、エタノン−1−〔9−エチル−6−(2−メチル−5−テトラヒドロフラニルメトキシベンゾイル)−9.H.−カルバゾール−3−イル〕−1−(O−アセチルオキシム)、エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−1−(O−アセチルオキシム)、エタノン−1−〔9−エチル−6−(2−メチル−5−テトラヒドロピラニルメトキシベンゾイル)−9.H.−カルバゾール−3−イル〕−1−(O−アセチルオキシム)、エタノン−1−〔9−エチル−6−{2−メチル−4−(2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラニル)メトキシベンゾイル}−9.H.−カルバゾール−3−イル〕−1−(O−アセチルオキシム)等を挙げることができる。
光ラジカル発生剤は市販品をそのまま用いることもできる。具体例としては、例えば、BASF社製の、商品名:Irgacure907、商品名:Irgacure184、商品名:Irgacure369、商品名:Irgacure651、商品名:Irgacure819、及び商品名:Irgacure OXE02、ADEKA社製の、商品名:アデカオプトマーN1919等が挙げられる。
前記アニオン重合開始剤としては、例えば、アルキルリチウム化合物;ビフェニル、ナフタレン、ピレン等の、モノリチウム塩又はモノナトリウム塩;ジリチウム塩やトリリチウム塩等の多官能性開始剤;等が挙げられる。
また、前記カチオン重合開始剤としては、例えば、硫酸、リン酸、過塩素酸、トリフルオロメタンスルホン酸等のプロトン酸;三フッ化ホウ素、塩化アルミニウム、四塩化チタン、四塩化スズのようなルイス酸;芳香族オニウム塩又は芳香族オニウム塩と、還元剤との併用系;が挙げられる。
これらの重合開始剤は一種単独で、又は二種以上を組み合わせて用いることができる。
本発明の重合性組成物において、重合開始剤の配合割合は、重合性化合物100重量部(重合性化合物(I)及び他の重合性化合物との合計が100重量部、以下同じ)に対し、通常、0.1〜30重量部、好ましくは0.5〜10重量部である。
また、本発明に用いる重合性組成物には、表面張力を調整するために、界面活性剤を配合するのが好ましい。当該界面活性剤としては、特に限定はないが、通常、ノニオン系界面活性剤が好ましい。当該ノニオン系界面活性剤としては、市販品を用いればよく、例えば、分子量が数千程度のオリゴマーであるノニオン系界面活性剤、例えば、セイミケミカル(株)製KH−40等が挙げられる。本発明の重合性組成物において、界面活性剤の配合割合は、重合性化合物100重量部に対し、通常、0.01〜10重量部、好ましくは0.1〜2重量部である。
また、本発明に用いる重合性組成物には、さらに、後述の他の共重合可能な単量体、金属、金属錯体、染料、顔料、蛍光材料、燐光材料、レベリング剤、チキソ剤、ゲル化剤、多糖類、紫外線吸収剤、赤外線吸収剤、抗酸化剤、イオン交換樹脂、酸化チタン等の金属酸化物等の、その他の添加剤を配合してもよい。本発明の重合性組成物において、その他の添加剤の配合割合は、重合性化合物100重量部に対し、通常、各々0.1〜20重量部である。
本発明に用いる重合性組成物は、通常、所定量の重合性化合物(I)の少なくとも一種、所定量の他の重合性化合物、重合開始剤、及び所望によりその他の添加剤の所定量を適当な有機溶媒に混合・溶解させることにより、調製することができる。
用いる有機溶媒としては、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン等のケトン類;酢酸ブチル、酢酸アミル等の酢酸エステル類;クロロホルム、ジクロロメタン、ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素類;1,4−ジオキサン、シクロペンチルメチルエーテル、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、1,3−ジオキソラン等のエーテル類;等が挙げられる。
(光学異方体)
光学異方体は、前記重合性組成物を重合して得られる高分子からなる成形体である。
ここで、「重合」とは、通常の重合反応のほか、架橋反応を含む広い意味での化学反応を意味するものとする。
本発明にかかる光学異方体の形状としては、フィルム状、シート状などが挙げられる。
フィルム状又はシート状の光学異方体は、(A)適当な有機溶媒中で、前記重合性組成物の重合反応を行った後、目的とする高分子を単離し、得られる高分子を適当な有機溶媒に溶解して溶液を調製し、この溶液を適当な基板上に塗工して得られた塗膜を乾燥後、所望により加熱することにより得る方法、(B)前記重合性組成物を所望により適当な有機溶媒で希釈した溶液を、公知の塗工法により基板上に塗布した後、脱溶媒し、次いで加熱又は活性エネルギー線を照射することにより重合反応を行う方法等により好適に製造することができる。
前記(A)の方法で重合反応に用いる有機溶媒としては、不活性なものであれば、特に制限されず、例えば、トルエン、キシレン、メシチレン等の芳香族炭化水素;シクロヘキサノン、シクロペンタノン、メチルエチルケトン等のケトン類;酢酸ブチル、酢酸アミル等の酢酸エステル類;クロロホルム、ジクロロメタン、ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素類;シクロペンチルメチルエーテル、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン等のエーテル類;等が挙げられる。これらの中でも、取り扱い性に優れる観点から、沸点が60〜250℃のものが好ましく、60〜150℃のものがより好ましい。
(A)の方法による場合、高分子を溶解するための有機溶媒としては、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン等のケトン系溶剤;酢酸ブチル、酢酸アミル等のエステル系溶剤;ジクロロメタン、クロロホルム、ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素系溶剤;テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、1,2−ジメトキシエタン、1,4−ジオキサン、シクロペンチルメチルエーテル等のエーテル系溶剤;等が挙げられる。
前記(B)の方法で用いる有機溶媒としては、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン等のケトン系溶剤;酢酸ブチル、酢酸アミル等のエステル系溶剤;ジクロロメタン、クロロホルム、ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素系溶剤;テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、1,2−ジメトキシエタン、1,4−ジオキサン、シクロペンチルメチルエーテル、1,3−ジオキソラン等のエーテル系溶剤;等が挙げられる。これらの中でも、取り扱いが容易な点から、溶媒の沸点が60〜200℃のものが好ましい。
これらの中でも、本発明にかかる光学異方体は、基板上に配向膜を形成し、該配向膜上に、前記重合性組成物を重合して得られる高分子からなる液晶層を形成することによって、得られるものが好ましい。
用いる基板としては、有機、無機を問わず、公知慣用の材質のものを使用することができる。例えば、有機材料としてはポリシクロオレフィン〔例えば、ゼオネックス、ゼオノア(登録商標;日本ゼオン社製)、アートン(登録商標;JSR社製)、及びアペル(登録商標;三井化学社製)〕、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリイミド、ポリアミド、ポリメタクリル酸メチル、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリテトラフルオロエチレン、セルロース、三酢酸セルロース、ポリエーテルスルホン等が挙げられ、無機材料としてはシリコン、ガラス、方解石等が挙げられ、なかでも有機材料が好ましい。
また、用いる基板は、単層のものであっても、積層体であってもよい。
基板としては、有機材料が好ましく、この有機材料をフィルムとした樹脂フィルムが更に好ましい。
配向膜は、有機半導体化合物を面内で一方向に配向規制するために基板の表面に形成される。
配向膜は、例えば、ポリイミド、ポリビニルアルコール、ポリエステル、ポリアリレート、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド等のポリマーを含有するものである。配向膜は、このようなポリマーを含有する溶液(配向膜用組成物)を基板上に膜状に塗布し、乾燥し、そして一方向にラビング処理等することで、得ることができる。
配向膜の厚さは0.001〜5μmであることが好ましく、0.001〜1μmであることがさらに好ましい。
本発明においては、配向膜あるいは基板にラビング処理を施すことができる。ラビング処理の方法は、特に制限されないが、例えばナイロン等の合成繊維、木綿等の天然繊維からなる布やフェルトを巻き付けたロールで一定方向に配向膜を擦る方法が挙げられる。ラビング処理した時に発生する微粉末(異物)を除去して配向膜の表面を清浄な状態とするために、ラビング処理後に配向膜をイソプロピルアルコール等によって洗浄することが好ましい。
また、ラビング処理する方法以外に、配向膜の表面に偏光紫外線を照射する方法によっても、配向膜にコレステリック規則性を持つコレステリック液晶層を面内で一方向に配向規制する機能を持たせることができる。
前記(A)の方法において高分子の溶液を基板に塗布する方法、(B)の方法において重合反応用の溶液を基板に塗布する方法としては、公知の方法を用いることができ、例えばカーテンコーティング法、押し出しコーティング法、ロールコーティング法、スピンコーティング法、ディップコーティング法、バーコーティング法、スプレーコーティング法、スライドコーティング法、印刷コーティング法等が挙げられる。
前記重合性組成物を重合する方法としては、活性エネルギー線を照射する方法や熱重合法等が挙げられるが、加熱を必要とせず、室温で反応が進行することから活性エネルギー線を照射する方法が好ましい。なかでも、操作が簡便なことから、紫外線等の光を照射する方法が好ましい。
照射時の温度は、30℃以下とすることが好ましい。紫外線照射強度は、通常、1W/m〜10kW/mの範囲、好ましくは5W/m〜2kW/mの範囲である。
前記重合性組成物を重合して得られる高分子は、基板から剥離して、そのまま光学異方体として使用することも、基板から剥離せずにそのまま光学フィルムの有機材料等として使用することもできる。
以上のようにして得られる高分子の数平均分子量は、好ましくは500〜500,000、更に好ましくは5,000〜300,000である。該数平均分子量がかかる範囲にあれば、高い膜硬度が得られ、取り扱い性にも優れるため望ましい。高分子の数平均分子量は、単分散のポリスチレンを標準試料とし、テトラヒドロフランを溶離液としてゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定することができる。
本発明の調整方法によれば、重合性化合物(I)と他の重合性化合物の使用割合を制御して混合して得られる重合性組成物を用いることにより、任意の位相差波長分散特性を有する光学異方体を簡便に得ることができる。
本発明にかかる光学異方体は、本発明の高分子を構成材料としているので、低コストで製造可能で、かつ、広い波長域において一様の偏光変換が可能な、性能面でも優れたものである。
本発明にかかる光学異方体としては、位相差板、液晶表示素子用配向膜、偏光板、視野角拡大板、カラーフィルター、ローパスフィルター、光偏光プリズム、各種光フィルター等が挙げられる。
以下、本発明を、実施例によりさらに詳細に説明する。但し、本発明は以下の実施例により何ら制限されるものではない。
(製造例1)化合物1の合成
Figure 0005967092
〈ステップ1:中間体Aの合成〉
Figure 0005967092
温度計を備えた4つ口反応器に、窒素気流中、2,5−ジヒドロキシベンズアルデヒド 20g(144.8mmol)、4−(6−アクリロイル−ヘクス−1−イルオキシ)安息香酸(DKSH社製) 105.8g(362.0mmol)、4−(ジメチルアミノ)ピリジン 5.3g(43.4mmol)、及びN−メチルピロリドン200mlを加えた。さらに、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(WSC) 83.3g(434.4mmol)を加え、全容を25℃にて12時間攪拌した。反応終了後、反応液を水1.5リットルに投入し、酢酸エチル500mlで抽出した。酢酸エチル層を無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、硫酸ナトリウムをろ別した。ろ液からロータリーエバポレーターにて酢酸エチルを減圧留去して、淡黄色固体を得た。この淡黄色固体をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(トルエン:酢酸エチル=9:1(体積比))により精製し、白色固体として中間体Aを75g得た(収率:75.4%)。
目的物の構造はH−NMRで同定した。
H−NMR(400MHz,CDCl,TMS,δppm):10.20(s,1H)、8.18−8.12(m,4H)、7.78(d,1H,J=2.8Hz)、7.52(dd,1H,J=2.8Hz,8.7Hz)、7.38(d,1H,J=8.7Hz)、7.00−6.96(m,4H)、6.40(dd,2H,J=1.4Hz,17.4Hz)、6.12(dd,2H,J=10.6Hz,17.4Hz)、5.82(dd,2H,J=1.4Hz,10.6Hz)、4.18(t,4H,J=6.4Hz)、4.08−4.04(m,4H)、1.88−1.81(m,4H)、1.76−1.69(m,4H)、1.58−1.42(m,8H)
〈ステップ2:化合物1の合成〉
温度計を備えた4つ口反応器に、窒素気流中、先のステップ1で合成した中間体A 10.5g(15.3mmol)、2−ヒドラジノベンゾチアゾール3.0g(18.3mmol)、及びテトラヒドロフラン(THF)80mlを加えた。さらに、(±)−10−カンファースルホン酸 18mg(0.08mmol)を加え、全容を25℃にて3時間撹拌した。反応終了後、反応液を10%重曹水800mlに投入し、酢酸エチル100mlで2回抽出した。酢酸エチル層を集め、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、硫酸ナトリウムをろ別した。ろ液からロータリーエバポレーターにて酢酸エチルを減圧留去して、淡黄色固体を得た。この淡黄色固体をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(トルエン:酢酸エチル=8:2(体積比))により精製し、淡黄色固体として化合物1を8.0g得た(収率:62.7%)。
目的物の構造はH−NMR、マススペクトルで同定した。
H−NMR(500MHz,DMSO−d,TMS,δppm):12.30(br,1H)、8.19(s,1H)、8.17−8.12(m,4H)、7.76(d,1H,J=3.0Hz)、7.68(d,1H,J=7.5Hz)、7.45−7.39(m,3H)、7.28(t,1H,J=8.0Hz)、7.18−7.14(m,4H)、7.09(t,1H,J=8.0Hz)、6.33(dd,2H,J=1.5Hz,17.5Hz)、6.18(dd,2H,J=10.5Hz,17.5Hz)、5.944(dd,1H,J=1.5Hz,10.5Hz)、5.941(dd,1H,J=1.5Hz,10.5Hz)、4.14−4.10(m,8H)、1.80−1.75(m,4H)、1.69−1.63(m,4H)、1.53−1.38(m,8H)
LCMS(APCI):calcd for C464710S:833[M];Found:833
(製造例2)化合物2の合成
Figure 0005967092
〈ステップ1:中間体Bの合成〉
Figure 0005967092
温度計を備えた4つ口反応器に、窒素気流中、ヒドラジン一水和物 11.4g(227.7mmol)、2−アセチルベンゾ[b]チオフェン 4.0g(22.7mmol)、及びエタノール50mlを加えた。この溶液を1時間30分間加熱還流した。反応液を25℃まで冷却した後、10%の重曹水に加えて結晶を析出させた。析出した結晶を吸引ろ過によりろ取した。得られた結晶を水洗、風乾して、精製することなく、そのまま次の反応に用いた。
〈ステップ2:化合物2の合成〉
温度計を備えた4つ口反応器に、窒素気流中、化合物1合成におけるステップ1で合成した中間体A 3.0g(4.37mmol)、先のステップ1で合成した中間体B 1.0g(5.24mmol)、THF30ml、及びエタノール15mlを加えた。さらに、(±)−10−カンファースルホン酸0.1g(0.44mmol)をTHF3mlに溶解させた溶液をゆっくりと加え、全容を25℃にて2時間攪拌した。反応終了後、反応液を飽和重曹水200mlに投入し、酢酸エチル100mlで2回抽出した。得られた酢酸エチル層を飽和食塩水200mlで洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、硫酸ナトリウムをろ別した。ろ液からロータリーエバポレーターにて酢酸エチルを減圧留去して、黄色固体を得た。この黄色固体をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(トルエン:酢酸エチル=95:5(体積比))により精製して、黄色固体として化合物2を2.2g得た(収率:58.6%)。
目的物の構造はH−NMRで同定した。
H−NMR(400MHz,CDCl,TMS,δppm):8.61(s,1H)、8.19−8.15(m,4H)、8.04(d,1H,J=2.7Hz)、7.67(s,1H)、7.79−7.75(m,2H)、7.37−7.29(m,4H)、7.01−6.96(m,4H)、6.405(dd,1H,J=1.4Hz,17.4Hz)、6.402(dd,1H,J=1.4Hz,17.4Hz)、6.14(dd,1H,J=10.5Hz,17.4Hz)、6.11(dd,1H,J=10.5Hz,17.4Hz)、5.822(dd,1H,J=1.4Hz,10.5Hz)、5.818(dd,1H,J=10.5Hz)、4.18(t,4H,J=6.4Hz)、4.062(t,2H,J=6.4Hz)、4.058(t,2H,J=6.4Hz)、2.52(s,3H)、1.88−1.81(m,4H)、1.76−1.69(m,4H)、1.58−1.43(m,8H)
(実施例1〜3)
(i)液晶組成物の調製
製造例1、2で得た化合物1及び化合物2を、下記表1に示す割合で合計1gとなるように混合した。混合物それぞれに、光重合開始剤(商品名:イルガキュアー907、BASF社製)を30mg、界面活性剤(商品名:KH−40、AGCセイミケミカル社製)の1%シクロペンタノン溶液100mgを2.3gのシクロペンタノンに溶解させた。この溶液を0.45μmの細孔径を有するディスポーサブルフィルターでろ過し、液晶組成物1〜3を得た。
(ii)配向膜を有する透明樹脂基材の調製
厚み100μmの脂環式オレフィンポリマーからなるフィルム(商品名:ゼオノアフィルムZF16-100、日本ゼオン社製)の両面をコロナ放電処理した。5%のポリビニルアルコールの水溶液を当該フィルムの片面に♯2のワイヤーバーを使用して塗布し、塗膜を乾燥し、膜厚0.1μmの配向膜を形成した。次いで当該配向膜をラビング処理し、配向膜を有する透明樹脂基材を調製した。
(iii)液晶層の形成
前記液晶組成物1〜3を、♯4のワイヤーバーを使用して、(ii)で調製した配向膜を有する透明樹脂基材の、配向膜を有する面に塗布した。塗膜を110℃で30秒間乾燥し、下記表1に記載する膜厚の液晶層を形成した。その後、液晶層の塗布面側から2000mJ/cm2の紫外線を照射して波長分散測定用の試料(フィルム)とした。
(iv)位相差の測定
(iii)で作製した液晶層を有するフィルムの400nmから800nm間の位相差(Re)をエリプソメーター(XLS−100型、J.A.Woollam社製)を用いて測定した。測定結果を、図1のグラフに示す。縦軸は位相差(Re(nm))を、横軸は波長(nm)を示す。
さらに、測定結果から、下記の計算式を用いてα、β値を算出した。算出結果を下記表1にまとめて示す。
Figure 0005967092
(vi)Δnの計算
(v)で測定した、波長548.5nmにおける位相差の値(Re)と液晶層の膜厚(d)から、下記式によりΔnを算出した。
Figure 0005967092
(参考例1、2)
実施例1〜3において、化合物1と2の混合物の代わりに、化合物1のみ(参考例1)、化合物2のみ(参考例2)を用いて、実施例1〜3と同様に、液晶組成物1r、2rを調製し、このものを用いて、液晶層を形成し、位相差の測定等を行った。測定結果等を、下記表1に、実施例1〜3の結果と併せて示す。
表1中、波長548.5nmにおける位相差の値(Re)と液晶層の膜厚(d)から算出したΔnを「Δn @550nm」と記載する。
Figure 0005967092
表1から、化合物1と化合物2の使用割合を変えることにより、波長分散特性を変化させることができることがわかる。具体的には、化合物2の割合が増えるほど、αの値が徐々に増えていき、βの値が徐々に減っていくことが分かる。
また、Δnの値は、その割合によって化合物1単独の数値から、化合物2単独の数値まで徐々に大きくなっていることが確認できる。
本発明によれば、位相差の波長分散を高度に制御することができ、目的に合った、品質の高い光学異方体を提供することができる。

Claims (9)

  1. 下記式(I)で表される重合性化合物(I)と、他の重合性化合物とを含有する重合性組成物を用いて光学異方体を製造するに際し、前記重合性組成物における、前記重合性化合物(I)と他の重合性化合物との配合割合を調整することにより、所望の波長分散特性を有する光学異方体を得る、光学異方体の波長分散調整方法。
    Figure 0005967092
    {式中、Y〜Yはそれぞれ独立して、化学的な単結合、−O−、−S−、−O−C(=O)−、−C(=O)−O−、−O−C(=O)−O−、−NR−C(=O)−、−C(=O)−NR−、−O−C(=O)−NR−、−NR−C(=O)−O−、−NR−C(=O)−NR−、−O−NR−、又は、−NR−O−を表す。ここで、Rは、水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基を表す。
    、Gはそれぞれ独立して、置換基を有していてもよい炭素数1〜20の2価の脂肪族基を表す〔該脂肪族基には、−O−、−S−、−O−C(=O)−、−C(=O)−O−、−O−C(=O)−O−、−NR−C(=O)−、−C(=O)−NR−、−NR−、又は、−C(=O)−が介在していてもよい。ただし、−O−又は−S−がそれぞれ2以上隣接して介在する場合を除く。ここで、Rは、水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基を表す。〕。
    、Zはそれぞれ独立して、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数2〜10のアルケニル基を表す。
    は、置換基を有していてもよい、ベンゼン環基、ナフタレン環基、アントラセン環基、フルオレン環基、ピロール環基、フラン環基、チオフェン環基、ピラゾール環基、イミダゾール環基、オキサゾール環基、チアゾール環基、ピリジン環基、ピリダジン環基、ピリミジン環基、ピラジン環基、ベンズイミダゾール環基、ベンゾチオフェン環基、ベンゾオキサゾール環基、ベンゾチアゾール環基、カルバゾール環基からなる群から選ばれる芳香環基であり、前記芳香環基が有する置換基は、ハロゲン原子、シアノ基、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数2〜6のアルケニル基、炭素数1〜6のハロゲン化アルキル基、置換アミノ基、炭素数1〜6のアルコキシ基、ニトロ基、アリール基、−C(=O)−OR基又は−SO R基である。ここで、Rは炭素数1〜6のアルキル基または炭素数6〜14のアリール基を表す。
    は、水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1〜6のアルキル基、又は、置換基を有していてもよい、ベンゼン環基、ナフタレン環基、アントラセン環基、フルオレン環基、ピロール環基、フラン環基、チオフェン環基、ピラゾール環基、イミダゾール環基、オキサゾール環基、チアゾール環基、ピリジン環基、ピリダジン環基、ピリミジン環基、ピラジン環基、ベンズイミダゾール環基、ベンゾチオフェン環基、ベンゾオキサゾール環基、ベンゾチアゾール環基、カルバゾール環基からなる群から選ばれる芳香環基であり、前記芳香環基が有する置換基は、ハロゲン原子、シアノ基、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数2〜6のアルケニル基、炭素数1〜6のハロゲン化アルキル基、置換アミノ基、炭素数1〜6のアルコキシ基、ニトロ基、アリール基、−C(=O)−OR基又は−SO R基である。Rは前記と同じ意味を表す。
    は、置換基を有していてもよい三価の芳香族基を表す。
    、Aはそれぞれ独立して、置換基を有していてもよい炭素数4〜30の二価の芳香族基を表す。
    は、水素原子、又は、置換基を有していてもよい炭素数1〜6のアルキル基を表す。}
  2. 前記重合性化合物(I)が、前記式(I)中、AとAに含まれるπ電子の総数が4以上24以下の化合物である、請求項1に記載の光学異方体の波長分散調整方法。
  3. 前記重合性化合物(I)が、前記式(I)中、Aが、置換基を有していてもよい、三価のベンゼン環基又は三価のナフタレン環基であり、A、Aが、それぞれ独立して、置換基を有していてもよい、フェニレン基又はナフチレン基の化合物である、請求項1又は2に記載の光学異方体の波長分散調整方法。
  4. 前記重合性化合物(I)が、前記式(I)中、Y〜Yが、それぞれ独立して、化学的な単結合、−O−、−O−C(=O)−、−C(=O)−O−、又は、−O−C(=O)−O−の化合物である、請求項1〜3のいずれかに記載の光学異方体の波長分散調整方法。
  5. 前記重合性化合物(I)が、前記式(I)中、Z、Zが、それぞれ独立して、CH=CH−、CH=C(CH)−、又は、CH=C(Cl)−の化合物である、請求項1〜4のいずれかに記載の光学異方体の波長分散調整方法。
  6. 前記重合性化合物(I)が、前記式(I)中、G、Gがそれぞれ独立して、置換基を有していてもよい炭素数1〜12の2価の脂肪族基〔該脂肪族基には、−O−、−O−C(=O)−、−C(=O)−O−又は−C(=O)−が介在していてもよい。ただし、−O−が2以上隣接して介在する場合を除く。〕の化合物である、請求項1〜5のいずれかに記載の光学異方体の波長分散調整方法。
  7. 前記重合性化合物(I)が、前記式(I)中、G、Gがそれぞれ独立して、炭素数1〜12の2価のアルキレン基の化合物である、請求項1〜5のいずれかに記載の光学異方体の波長分散調整方法。
  8. 前記他の重合性化合物が、下記式(II)で表される重合性化合物(II)である、請求項1〜7のいずれかに記載の光学異方体の波長分散調整方法。
    Figure 0005967092
    {式中、Y11〜Y16はそれぞれ独立して、化学的な単結合、−O−、−S−、−O−C(=O)−、−C(=O)−O−、−O−C(=O)−O−、−NR11−C(=O)−、−C(=O)−NR11−、−O−C(=O)−NR11−、−NR11−C(=O)−O−、−NR11−C(=O)−NR11−、−O−NR11−、又は、−NR11−O−を表す。ここで、R11は、水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基を表す。
    11、G12はそれぞれ独立して、置換基を有していてもよい炭素数1〜20の2価の脂肪族基を表す〔該脂肪族基には、−O−、−S−、−O−C(=O)−、−C(=O)−O−、−O−C(=O)−O−、−NR12−C(=O)−、−C(=O)−NR12−、−NR12−、又は、−C(=O)−が介在していてもよい。ただし、−O−又は−S−がそれぞれ2以上隣接して介在する場合を除く。ここで、R12は、水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基を表す。〕。
    11、Z12はそれぞれ独立して、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数2〜10のアルケニル基を表す。
    は、置換基を有していてもよい、ベンゼン環基、ナフタレン環基、アントラセン環基、フルオレン環基、ピロール環基、フラン環基、チオフェン環基、ピラゾール環基、イミダゾール環基、オキサゾール環基、チアゾール環基、ピリジン環基、ピリダジン環基、ピリミジン環基、ピラジン環基、ベンズイミダゾール環基、ベンゾチオフェン環基、ベンゾオキサゾール環基、ベンゾチアゾール環基、カルバゾール環基からなる群から選ばれる芳香環基であり、前記芳香環基が有する置換基は、ハロゲン原子、シアノ基、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数2〜6のアルケニル基、炭素数1〜6のハロゲン化アルキル基、置換アミノ基、炭素数1〜6のアルコキシ基、ニトロ基、アリール基、−C(=O)−OR基又は−SO R基である。ここで、Rは炭素数1〜6のアルキル基または炭素数6〜14のアリール基を表す。は、水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1〜6のアルキル基、又は、置換基を有していてもよい、ベンゼン環基、ナフタレン環基、アントラセン環基、フルオレン環基、ピロール環基、フラン環基、チオフェン環基、ピラゾール環基、イミダゾール環基、オキサゾール環基、チアゾール環基、ピリジン環基、ピリダジン環基、ピリミジン環基、ピラジン環基、ベンズイミダゾール環基、ベンゾチオフェン環基、ベンゾオキサゾール環基、ベンゾチアゾール環基、カルバゾール環基からなる群から選ばれる芳香環基であり、前記芳香環基が有する置換基は、ハロゲン原子、シアノ基、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数2〜6のアルケニル基、炭素数1〜6のハロゲン化アルキル基、置換アミノ基、炭素数1〜6のアルコキシ基、ニトロ基、アリール基、−C(=O)−OR基又は−SO R基である。Rは前記と同じ意味を表す。
    11は、置換基を有していてもよい三価の芳香族基を表す。
    12、A13はそれぞれ独立して、置換基を有していてもよい炭素数4〜30の二価の芳香族基を表す。
    11は、水素原子、又は、置換基を有していてもよい炭素数1〜6のアルキル基を表す。}
  9. 請求項1に記載の重合性化合物(I)の少なくとも一種と、請求項8に記載の重合性化合物(II)の少なくとも一種とを含有することを特徴とする重合性組成物。
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