JP5396815B2 - 重合性化合物、重合性液晶化合物、重合性液晶組成物、液晶性高分子及び光学異方体 - Google Patents

重合性化合物、重合性液晶化合物、重合性液晶組成物、液晶性高分子及び光学異方体 Download PDF

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本発明は、重合性化合物及び重合性液晶化合物、これらの重合性化合物(又は重合性液晶化合物)を含有する重合性液晶組成物、これらを重合して得られる液晶性高分子、並びに、この液晶性高分子を構成材料とする光学異方体に関する。
近年、液晶ディスプレイに使用される光学補償板等の光学フィルムとして、液晶ポリマーあるいは重合性官能基を有する液晶化合物を配向処理した液晶配向フィルムが開発されている。このフィルムは、高分子フィルムの延伸技術を利用した複屈折フィルムでは実現不可能な、より高度な配向状態、すなわち傾斜配向、ねじれ配向等の配向を実現できるものとして注目されている。
また、液晶ポリマー又は液晶性(メタ)アクリレート化合物等の重合性液晶化合物とキラル化合物を組み合わせた組成物を、コレステリック配向させて得られる液晶配向フィルム(選択反射フィルム)の選択反射特性を利用したコレステリック偏光子も実用化されている。
選択反射フィルムをコレステリック偏光子として液晶ディスプレイに使用するには、可視光領域で選択反射を生じるものである必要がある。
そこで、この用途に使用可能である液晶化合物が種々提案されている(特許文献1等)。
特開平10−147562号公報
本発明者は、先に上記用途に使用可能である液晶化合物としてある種のアジン結合を有する重合性化合物を提案している(特願2008−092093)。この化合物は、熱や光等に対して化学的に安定であり、液晶性に優れ、工業的に容易に製造することができ、特にコレステリック液晶層の形成材料として好ましいものである。
しかしながら、上記アジン結合を有する重合性化合物は、黄色く着色しているため、紫外線硬化の開始剤の吸収と重なっており、紫外線硬化の際に露光エネルギーが多く必要になる等製造プロセス上の問題を有していた。
本発明は、かかる実情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、着色の少ないアジン結合を有する、重合性化合物及び重合性液晶化合物、これらの化合物を含有する重合性液晶組成物、これらを重合して得られる液晶性高分子、及びこの液晶性高分子を構成材料とする光学異方体を提供することにある。
本発明者は、上記課題を解決すべく、鋭意研究した結果、脂環構造を有するアジン化合物は着色が少なくなることを見出し、本発明を完成するに至った。
かくして本発明の第1によれば、下記(1)〜(5)の重合性化合物が提供される。
(1)下記式(I)
Figure 0005396815
〔式中、Y〜Yはそれぞれ独立して、化学的な単結合、−O−、−S−、−O−C(=O)−、−C(=O)−O−、−O−C(=O)−O−、−NR−C(=O)−、−C(=O)−NR−、−O−C(=O)−NR−、−NR−C(=O)−O−、−NR−C(=O)−NR−、−O−NR−、又は、−NR−O−を表す。ここで、Rは、水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基を表す。
及びGはそれぞれ独立して、置換基を有していてもよい、炭素数1〜20の2価の脂肪族基を表す。該脂肪族基には、−O−、−S−、−O−C(=O)−、−C(=O)−O−、−O−C(=O)−O−、−NR−C(=O)−、−C(=O)−NR−、−NR−、又は、−C(=O)−が介在していてもよい(ただし、−O−及びS−がそれぞれ2以上隣接して介在する場合を除く。)。ここで、Rは、水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基を表す。
及びZはそれぞれ独立して、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数2〜10のアルケニル基を表す。
及びAはそれぞれ独立して、置換基を有していてもよいフェニレン基、置換基を有していてもよいビフェニレン基、置換基を有していてもよいナフチレン基、又は炭素数3〜20である2価の脂環構造含有脂肪族基を表し、A及びAのうち少なくとも一方は、炭素数3〜20である2価の脂環構造含有脂肪族基を表す。
〜Xはそれぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、置換基を有していてもよい炭素数1〜10のアルキル基、シアノ基、ニトロ基、−OR、−O−C(=O)−R、−C(=O)−OR、−O−C(=O)−OR、−NR−C(=O)−R、−C(=O)−N(R)R、又は、−O−C(=O)−N(R)Rを表す。ここで、Rは、水素原子又は置換基を有していてもよい炭素数1〜10のアルキル基を表す。Rが、アルキル基である場合、当該アルキル基には、−O−、−S−、−O−C(=O)−、−C(=O)−O−、−O−C(=O)−O−、−NR−C(=O)−、−C(=O)−NR−、−NR−、又は、−C(=O)−が介在していてもよい(ただし、−O−及びS−がそれぞれ2以上隣接して介在する場合を除く。)。ここで、R及びRはそれぞれ独立して、水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基を表す。
a及びbはそれぞれ独立して、0又は1である。〕
で示される重合性化合物。
2)前記(1)に記載の重合性化合物が重合性液晶化合物であって、前記式(I)中、Y〜Yはそれぞれ独立して、化学的な単結合、−O−、−O−C(=O)−、−C(=O)−O−、−O−C(=O)−O−、−N−C(=O)−、−C(=O)−NH−、−O−C(=O)−NH−、−NH−C(=O)−O−を表し、
及びGはそれぞれ独立して、置換基を有していてもよい、炭素数1〜20の2価の脂肪族基を表す。該脂肪族基には、−O−、−O−C(=O)−、−C(=O)−O−、−O−C(=O)−O−又は、−C(=O)−が介在していてもよい(ただし、−O−がそれぞれ2以上隣接して介在する場合を除く。)を表し、
及びZはそれぞれ独立して、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数2〜10のアルケニル基を表し、
及びAはそれぞれ独立して、置換基を有していてもよいフェニレン基、置換基を有していてもよいビフェニレン基、置換基を有していてもよいナフチレン基、及び炭素数3〜20である2価の脂環構造含有脂肪族基を表し、A及びAのうち少なくとも一方は、炭素数3〜20である2価の脂環構造含有脂肪族基を表し、
〜Xはそれぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、置換基を有していてもよい炭素数1〜10のアルキル基、シアノ基、−OR、−O−C(=O)−R、−C(=O)−ORを表し、Rは、水素原子又は置換基を有していてもよい炭素数1〜10のアルキル基を表し、
a及びbはそれぞれ独立して、0又は1の化合物である、(1)に記載の重合性化合物。
(3)前記式(I)中、Z及びZが、それぞれ独立して、CH=CH−、CH=C(CH)−、CH=C(Cl)−、CH=CH−CH−、CH=C(CH)−CH−、CH=C(CH)−CHCH−、(CHC=CH−CH−、CH−CH=CH−、又は、CH−CH=CH−CH−の化合物である(2)に記載の重合性化合物。
(4)前記式(I)中、Y〜Yが、それぞれ独立して、−C(=O)−O−、−O−C(=O)−、又は、−O−であり、G及びGが、それぞれ独立して、−(CH−、又は、−(CH−であり、これらの基には、−O−、−C(=O)−O−、−O−C(=O)−又は、−C(=O)−が介在していてもよく、
及びZが、それぞれ独立して、CH=CH−、CH=C(CH)−、又は、CH=C(Cl)−であり、
及びAがそれぞれ独立して、置換基を有していてもよいフェニレン基、置換基を有していてもよいビフェニレン基、置換基を有していてもよいナフチレン基、又は炭素数3〜20である2価の脂環構造含有脂肪族基を表し、A及びAのうち少なくとも一方は、炭素数3〜20である2価の脂環構造含有脂肪族基であり、
〜Xが、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜10のアルキル基、−C(=O)−O−R、−O−C(=O)−R、又は、−OR(ここで、Rは、水素原子、又は、置換基を有していてもよい炭素数1〜10のアルキル基の化合物である(2)又は(3)に記載の重合性化合物。
(5)前記式(I)中、Y〜Yが、それぞれ独立して、−C(=O)−O−、−O−C(=O)−、又は、−O−であり、
及びGが、それぞれ独立して、−(CH−、−(CH−、
−CHCH−C(=O)−O−CHCH−、−CHCH−O−C(=O)−CHCH−、−CHCH−C(=O)−O−(CH−、−(CH−O−C(=O)−CHCH−、であり、
及びZが、それぞれ独立して、CH=CH−、又は、CH=C(CH)−であり、
及びAがそれぞれ独立して、置換基を有していてもよいフェニレン基、置換基を有していてもよいビフェニレン基、置換基を有していてもよいナフチレン基、又は炭素数3〜20である2価の脂環構造含有脂肪族基を表し、A及びAのうち少なくとも一方は、炭素数3〜20である2価の脂環構造含有脂肪族基であり、
〜Xが、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜10のアルキル基、−C(=O)−O−R、−O−C(=O)−R、又は、−OR(ここで、Rは水素原子、又は、置換基を有していてもよい炭素数1〜10のアルキル基の化合物である(2)〜(4)のいずれかに記載の重合性化合物。
本発明の第2によれば、下記(6)〜(9)の重合性液晶組成物が提供される。
(6)前記(1)〜(5)のいずれかに記載の重合性化合物、及び重合可能な液晶化合物を含有する重合性液晶組成物。
(7)前記(2)〜(5)のいずれかに記載の重合性化合物を含有する重合性液晶組成物。
(8)前記(2)〜(5)のいずれかに記載の重合性化合物、及び重合可能なキラル化合物を含有する重合性液晶組成物。
(9)前記(6)に記載の重合性液晶組成物、及び重合可能なキラル化合物を含有する重合性液晶組成物。
本発明の第3によれば、下記(10)の液晶性高分子が提供される。
(10)前記(2)〜(5)のいずれかに記載の重合性化合物、又は前記(6)〜(9)のいずれかに記載の重合性液晶組成物を重合して得られる液晶性高分子。
本発明の第4によれば、下記(11)の光学異方体が提供される。
(11)前記(10)に記載の液晶性高分子を構成材料とする光学異方体。

本発明の重合性化合物及び重合性液晶化合物は化学的に安定であり、安価に製造でき、着色の少ない重合性化合物である。本発明の重合性液晶組成物によれば、着色の少ない液晶層を形成することができる。本発明の液晶性高分子は、配向性に優れ、着色が少ない。
本発明の光学異方体は、本発明の重合性化合物を用いて製造されたものであるので、着色が少なく、均一で高品質な液晶配向性を有する。
以下、本発明を、1)重合性化合物、2)重合性液晶化合物、3)重合性液晶組成物、4)液晶性高分子、及び、5)光学異方体、に項分けして詳細に説明する。
なお、本発明における「重合」とは、通常の重合反応のほか、架橋反応を含む広い意味での化学反応を意味するものとする。
1)重合性化合物
本発明の重合性化合物は、前記式(I)で示される化合物である。
前記式(I)において、Y〜Yはそれぞれ独立して、単結合、−O−、−S−、−O−C(=O)−、−C(=O)−O−、−O−C(=O)−O−、−NR−C(=O)−、−C(=O)−NR−、−O−C(=O)−NR−、−NR−C(=O)−O−、−NR−C(=O)−NR−、−O−NR−、又は−NR−O−を表す。これらの中でも、−O−、−O−C(=O)−及び−C(=O)−O−が好ましい。
は、水素原子;又は、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、n−へキシル基等の炭素数1〜6のアルキル基;を表す。なかでも、Rとしては、水素原子又はメチル基であることが好ましい。なお、Y〜Yが複数個のRを有する場合には、R同士は同一であっても相異なっていてもよい。
〜Yの組み合わせとして好ましいのは、入手容易性、及び本発明の所望の効果をより良好に発現させる観点から、YとYが−C(=O)−O−であり、YとYが−O−C(=O)−であり、YとYが−O−である組み合わせ、あるいは、Y〜Yが−C(=O)−O−であり、Y〜Yが−O−C(=O)−である組み合わせである。
及びGはそれぞれ独立して、置換基を有していてもよい炭素数1〜20の2価の脂肪族基、好ましくは炭素数1〜12の2価の脂肪族基を表す。
及びGの炭素数1〜20の2価の脂肪族基としては、炭素数1〜20のアルキレン基、炭素数2〜20のアルケニレン基等の鎖状の脂肪族基が挙げられる。
なかでも、本発明の所望の効果をより良好に発現させる観点から、エチレン基、プロピレン基、トリメチレン基、ブチレン基、ヘキシレン基、オクチレン基等のアルキレン基が好ましく、ブチレン基〔−(CH−〕及びヘキシレン基〔−(CH−〕がより好ましい。
及びGの脂肪族基の置換基としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子;メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、sec−ブトキシ基、t−ブトキシ基、n−ペンチルオキシ基、n−へキシルオキシ基等の炭素数1〜6のアルコキシ基;等が挙げられる。これらの中でも、フッ素原子、メトキシ基、エトキシ基が好ましい。
また、前記脂肪族基には、−O−、−S−、−O−C(=O)−、−C(=O)−O−、−O−C(=O)−O−、−NR−C(=O)−、−C(=O)−NR−、−NR−、又は、−C(=O)−が介在していてもよい(ただし、−O−及び−S−がそれぞれ2以上隣接して介在する場合を除く。)。これらの中でも、−O−、−O−C(=O)−、及び−C(=O)−O−が好ましい。
ここで、Rは、水素原子、又は前記Rと同様の炭素数1〜6のアルキル基を表す。Rとしては、水素原子又はメチル基であることが好ましい。
これらの基が介在する脂肪族基の具体例としては、−CH−CH−O−CH−CH−、−CH−CH−S−CH−CH−、−CH−CH−O−C(=O)−CH−CH−、−CH−CH−C(=O)−O−CH−、−CH−CH−C(=O)−O−CH−CH−、−CH−CH−C(=O)−O−CH−CH−CH−CH−、−CH−O−C(=O)−O−CH−CH−、−CH−CH−NR−C(=O)−CH−CH−、−CH−CH−C(=O)−NR−CH−、−CH−NR−CH−CH−、−CH−C(=O)−CH−等が挙げられる。
及びZはそれぞれ独立して、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数2〜10のアルケニル基を表す。
及びZの炭素数2〜10のアルケニル基としては、炭素数2〜6のアルケニル基が好ましい。また、置換基のハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子等が挙げられ、塩素原子が好ましい。
及びZのハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数2〜10のアルケニル基の具体例としては、CH=CH−、CH=C(CH)−、CH=CH−CH−、CH−CH=CH−、CH=CH−CH−CH−、CH=C(CH)−CH−CH−、(CHC=CH−CH−、(CHC=CH−CH−CH−、CH=C(Cl)−、CH=C(CH)−CH−、CH−CH=CH−CH−等が挙げられる。
これらの中でも、本発明の所望の効果をより良好に発現させる観点から、CH=CH−、CH=C(CH)−、CH=C(Cl)−、CH=CH−CH−、CH=C(CH)−CH−、又は、CH=C(CH)−CH−CH−であることが好ましく、CH=CH−、CH=C(CH)−、又は、CH=C(Cl)−がより好ましく、CH=CH−、又は、CH=C(CH)−が更に好ましく、CH=CH−が特に好ましい。
及びAはそれぞれ独立して、置換基を有していてもよいフェニレン基、置換基を有していてもよいビフェニレン基、置換基を有していてもよいナフチレン基、又は炭素数3〜20である2価の脂環構造含有脂肪族基を表し、A及びAのうち少なくとも一方は、炭素数3〜20である2価の脂環構造含有脂肪族基を表す。
前記A及びAの、置換基を有していてもよい(フェニレン基、ビフェニレン基、ナフチレン基)の、フェニレン基、ビフェニレン基、ナフチレン基としては、1,4−フェニレン基、1,3−フェニレン基、1,2−フェニレン基、1,4’−ビフェニレン基、1,4−ナフチレン基、1,5−ナフチレン基、2,6−ナフチレン基などが挙げられ、下記に示す、A11、A21、A31のいずれかであることが好ましい。
Figure 0005396815
炭素数3〜20である脂環構造含有脂肪族基とは、炭素数が3〜20である、脂環式構造を含有する脂肪族基である。例えば、2価の脂環状脂肪族基、2価の脂環状脂肪族基の2個以上からなる組み合わせ、2価の脂環状脂肪族基とアルキレン基との組み合わせ、等であって、炭素数3〜20のものが挙げられる。
また、脂環状構造含有脂肪族基が不斉炭素原子を有する場合、その立体配置に特に制限されない。
及びAの、2価の脂環状脂肪族基の具体例としては、下記のものが挙げられる。
Figure 0005396815
及びAの、2価の脂環状脂肪族基の2個以上からなる組み合わせの具体例としては、下記のものが挙げられる。
Figure 0005396815
及びAの、2価の脂環状脂肪族基とアルキレン基との組み合わせの具体例としては、下記のものが挙げられる。
Figure 0005396815
これらの中でも、A及びAとしては、本発明の所望の効果をより良好に発現させる観点から、置換基を有していてもよい、下記式(A41)、(A51)で表される基が好ましい。
Figure 0005396815
また、前記A及びAは置換基を有していてもよい。また、前記A及びAは、任意の位置に同一又は相異なる複数の置換基を有していてもよい。
かかる置換基の具体例としては、フッ素原子、塩素原子等のハロゲン原子;シアノ基;ヒドロキシル基;メチル基、エチル基等の炭素数1〜6のアルキル基;メトキシ基、エトキシ基等の炭素数1〜6のアルコキシ基;ニトロ基;−C(=O)−OR;等が挙げられる。ここでRは、メチル基、エチル基等の炭素数1〜6のアルキル基;フェニル基、4−メチルフェニル基等の置換基を有していてもよいフェニル基;を表す。
これらの中でも、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基が好ましく、フッ素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、メトキシ基、エトキシ基がより好ましい。
〜Xはそれぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、置換基を有していてもよい炭素数1〜10のアルキル基、シアノ基、ニトロ基、−OR、−O−C(=O)−R、−C(=O)−OR、−O−C(=O)−OR、−NR−C(=O)−R、−C(=O)−N(R)R、又は、−O−C(=O)−N(R)Rを表す。
これらの中でも、水素原子、ハロゲン原子、置換基を有していてもよい炭素数1〜10のアルキル基、−OR、−O−C(=O)−R、−C(=O)−OR、−O−C(=O)−ORが好ましく、水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1〜10のアルキル基、−OR、−C(=O)−ORがより好ましい。
は、水素原子、又は、置換基を有していてもよい炭素数1〜10のアルキル基を表す。
前記Rの炭素数1〜10のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、n−へキシル基、n−ヘプチル基,n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基等が挙げられる。
前記Rの、置換基を有していてもよい炭素数1〜10のアルキル基の置換基としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子;メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、sec−ブトキシ基、t−ブトキシ基、n−ペンチルオキシ基、n−へキシルオキシ基等の炭素数1〜6のアルコキシ基;等が挙げられる。
また、Rがアルキル基である場合、当該アルキル基には、−O−、−S−、−O−C(=O)−、−C(=O)−O−、−O−C(=O)−O−、−NR−C(=O)−、−C(=O)−NR−、−NR−、又は、−C(=O)−が介在していてもよい。これらの中でも、−O−、−O−C(=O)−、−C(=O)−O−が好ましい。
ただし、−O−及び−S−がそれぞれ2以上隣接して介在する場合は除かれる。
また、R及びRはそれぞれ独立して、水素原子;又はメチル基、エチル基等の炭素数1〜6のアルキル基;を表す。
前記Rの、−O−、−S−、−O−C(=O)−、−C(=O)−O−、−O−C(=O)−O−、−NR−C(=O)−、−C(=O)−NR−、−NR−、又は、−C(=O)−が介在するアルキル基の具体例としては、−CH−CH−O−CH−CH、−CH−CH−S−CH−CH、−CH−CH−O−C(=O)−CH、−CH−CH−C(=O)−O−CH、−CH−O−C(=O)−O−CH−CH、−CH−CH−NR−C(=O)−CH、−CH−CH−C(=O)−NR−CH、−CH−NR−CH−CH、−CH−CH−C(=O)−CH等が挙げられる。
これらの中でも、本発明の重合性化合物においては、X〜Xとしては、原料の入手しやすさ、及び目的とする重合性化合物が得られる観点から、
(1)X〜Xがいずれも水素原子であるか、
(2)X〜X及びXがいずれも水素原子であり、かつX及びXがそれぞれ独立して、−OCH、−OCHCH、若しくは−CHであるか、
(3)X〜X、X及びXがいずれも水素原子であり、かつ、Xが、−C(=O)−OR、−OCH、−OCHCH、−CH、−CHCH、−CHCHCH、若しくはフッ素原子であるか、
(4)X〜X、X及びXがいずれも水素原子であり、かつ、X及びXがそれぞれ独立して、−C(=O)−OR、−OCH、−OCHCH、−CH、−CHCH、−CHCHCH若しくはフッ素原子であるか、又は
(5)X〜X及びX〜Xがいずれも水素原子であり、かつ、Xが、−C(=O)−O−R、−OCH、−OCHCH、−CH、−CHCH、−CHCHCH、若しくはフッ素原子であることが好ましく、
(2a)X〜X及びXがいずれも水素原子であり、かつ、X及びXがともに−OCHであるか、
(3a)X〜X、X及びXがいずれも水素原子であり、かつ、Xが、−C(=O)−OCH、−C(=O)−O−CHCHCH、−C(=O)−O−CHCHOCHCHCH、若しくは−O−CHCHであるか、又は、
(4a)X〜X、X及びXがいずれも水素原子であり、かつ、X及びXがそれぞれ独立して、−O−CHCH、−C(=O)−O−CHCHCHCH、若しくは−C(=O)−OCHであることがより好ましい。
前記式(I)において、A及びAにそれぞれ結合する、式:−Y−(G−Y−Z及び式:−Y−(G−Y−Zで表される基の具体例としては、以下のものが挙げられる。なお、前記a及びbはそれぞれ、(G−Y)単位及び(G−Y)単位の繰り返し数を表し、a及びbはそれぞれ独立して、0又は1である。a、bとして特に好ましい組み合わせは、合成しやすさ及び、本発明の所望の効果をより良好に発現させる観点からa及びbが共に1である。
a又はbが1の凡例、即ち下記式(C)で表される構造について以下に言及する。
Figure 0005396815
式中、Y又はYは−C(=O)−O−、G又はGはヘキシレン基、Y又はYは−O−C(=O)−、Z又はZはビニル基がそれぞれ相当する。
更に、その具体例を以下に示す。
Figure 0005396815
Figure 0005396815
Figure 0005396815
Figure 0005396815
Figure 0005396815
Figure 0005396815
Figure 0005396815
Figure 0005396815
Figure 0005396815
Figure 0005396815
Figure 0005396815
a又はb=0の凡例、即ち下記式(D)で表される構造について以下に言及する。
Figure 0005396815
式中、Y又はYは−C(=O)−O−、Z又はZはビニル基がそれぞれ相当する。更に、その具体例を以下に示す。
Figure 0005396815
本発明の前記式(I)で示される重合性化合物において、以下の式で表される2つの基は同一であっても、異なっていてもよい。
Figure 0005396815
Figure 0005396815
前記式(I)で表される本発明の重合性化合物の好ましい具体例としては、以下のものが挙げられる。もちろん、本発明の重合性化合物は下記の化合物に限定されるものではない。
Figure 0005396815
本発明の重合性化合物はいずれも、−O−、−S−、−NH−C(=O)−、−C(=O)NH−、−NHC(=O)NH−、−O−C(=O)−、−C(=O)−O−等の種々の化学結合を形成する公知の方法(例えば、サンドラー・カロ官能基別有機化合物合成法[I]、[II] 廣川書店、1976年発行参照)を組み合わせて製造することができる。
本発明の重合性化合物は、典型的には、エーテル結合(−O−)、エステル結合(−C(=O)−O−)、アミド結合(−C(=O)NH−)、及び酸クロライド(−C(=O)Cl)の形成反応を任意に組み合わせて、所望の構造を有する複数の公知化合物を適宜結合・修飾することにより製造することができる。
エーテル結合の形成は、例えば、以下のようにして行うことができる。
(i)式:Q1−L(Lはハロゲン原子を表す。以下にて同じ。)で表される化合物と、式:Q2−OM(Mはアルカリ金属(主にナトリウム)を表す。以下にて同じ。)で表される化合物とを混合して縮合させる。なお、式中、Q1及びQ2は任意の有機基を表す(以下にて同じ。)。この反応は一般的にウイリアムソン合成と呼ばれる。
(ii)式:Q1−Lで表される化合物と、式:Q2−OHで表される化合物とを水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の塩基存在下、混合して縮合させる。
(iii)式:Q1−E(Eはエポキシ基を表す。)で表される化合物と、式:Q2−OHで表される化合物とを水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の塩基存在下、混合して縮合させる。
(iv)式:Q1−OFN(OFNは不飽和結合を有する基を表す。)で表される化合物と、式:Q2−OMを水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の塩基存在下、混合して付加反応させる。
(v)式:Q1−Lで表される化合物と、式:Q2−OMで表される化合物とを銅あるいは塩化第一銅存在下、混合して縮合させる。この反応は一般的にウルマン縮合と呼ばれる。
エステル結合及びアミド結合の形成は、例えば、以下のようにして行うことができる。
(i)式:Q1−COOHで表される化合物と、式:Q2−OH又はQ2−NHで表される化合物とを、脱水縮合剤(N,N−ジシクロヘキシルカルボジイミド等)の存在下に脱水縮合させる。
(ii)式:Q1−COOHで表される化合物にハロゲン化剤を作用させることにより、式:Q1−COLを得、このものと式:Q2−OH又はQ2−NHで表される化合物とを、塩基の存在下に反応させる。
(iii)式:Q1−COOHで表される化合物に酸無水物を作用させることにより、混合酸無水物を得た後、このものに、式:Q2−OH又はQ2−NHで表される化合物を反応させる。
(iv)式:Q1−COOHで表される化合物と、式:Q2−OH又はQ2−NHで表される化合物とを、酸触媒あるいは塩基触媒の存在下に脱水縮合させる。
酸クロライドの形成は、例えば、以下のようにして行うことができる。
(i)式:Q1-COOHで表される化合物に三塩化リンあるいは五塩化リンを作用させる。
(ii)式:Q1-COOHで表される化合物に塩化チオニルを作用させる。
(iii)式:Q1-COOHで表される化合物に塩化オキサリルを作用させる。
(iv)式:Q1-COOAg(Ag:銀元素)で表される化合物に塩素を作用させる。
(v)式:Q1-COOHで表される化合物に赤色酸化第二水銀の四塩化炭素溶液を作用させる。
本発明の重合性化合物の合成では、中間体に存在する水酸基を保護することで収率を向上させることができる。水酸基を保護する方法としては、公知の方法(例えば、Greene’s Protective Groups in Organic Synthesis 第3版 出版:Wiley−Interscience、1999年発行参照)を利用して製造することができる。
水酸基の保護は、例えば、以下のようにして行うことができる。
(i)式:Q1Q2Q3−Si−Lで表される化合物と、式:Q4−OHで表される化合物とを、イミダゾール、ピリジン等の塩基存在下に反応させる。
(ii)3,4−ジヒドロ−2H−ピラン等のビニルエーテルと式:Q2−OHで表される化合物とを、パラトルエンスルホン酸、パラトルエンスルホン酸ピリジン塩、塩化水素等の酸存在下に反応させる。
(iii)式:Q1−C(=O)−Lで表される化合物と式:Q4−OHで表される化合物とを、トリエチルアミン、ピリジン等の塩基存在下に反応させる。
(iv)式:Q1−C(=O)−O−C(=O)−Q2で表される酸無水化合物と、式:Q3−OHで表される化合物とを、必要に応じ、水酸化ナトリウム、トリエチルアミン等の塩基存在下に反応させる。
(v)式:Q1−Lで表される化合物と式:Q2−OHで表される化合物とを、水酸化ナトリウム、トリエチルアミン等の塩基存在下に反応させる。
(vi)式:Q1−O−CH−Lで表される化合物と式:Q2−OHで表される化合物とを、水素化ナトリウム、水酸化ナトリウム、トリエチルアミン、ピリジン等の塩基存在下に反応させる。
(vii)式:Q1−O−CH−C(=O)−Lで表される化合物と、
式:Q2−OHで表される化合物とを、炭酸カリウム、水酸化ナトリウム等の塩基存在下に反応させる。
(viii)式:Q1−O−C(=O)−Lで表される化合物と式:Q2−OHで表される化合物とを、トリエチルアミン、ピリジン等の塩基存在下に反応させる。
水酸基の保護基を脱保護する方法としては、特に制限されず、例えば、以下に示す公知の方法が挙げられる。
(i)テトラブチルアンモニウムフルオライド等のフッ素イオンを混合して脱保護させる。
(ii)パラトルエンスルホン酸、パラトルエンスルホン酸ピリジン塩、塩化水素、酢酸等の酸存在下、混合して脱保護させる。
(iii)水素化ナトリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、トリエチルアミン、ピリジン等の塩基存在下、混合して脱保護させる。
(iv)Pd−C等の触媒存在下、水素添加することにより脱保護させる。
これらの方法は、保護基の構造、種類に応じて適宜選択採用することができる。
いずれの反応においても、反応終了後は、有機合成化学における通常の後処理操作を行い、所望により、カラムクロマトグラフィー、再結晶法、蒸留法等の公知の分離・精製手段を施すことにより、目的物を単離することができる。
目的物の構造は、NMRスペクトル、IRスペクトル、マススペクトル等の測定、元素分析等により、同定することができる。
本発明の重合性化合物は化学的に安定であり、安価に製造でき、着色の少ない重合性化合物である。
2)重合性液晶化合物
本発明の重合性液晶化合物は、本発明の重合性化合物のうち、液晶性を有する化合物である。
すなわち、本発明の重合性液晶化合物は、前記式(I)中、Y〜Yはそれぞれ独立して、化学的な単結合、−O−、−O−C(=O)−、−C(=O)−O−、−O−C(=O)−O−、−NR−C(=O)−、−C(=O)−NH−、−O−C(=O)−NH−、−NH−C(=O)−O−を表し、
及びGはそれぞれ独立して、置換基を有していてもよい、炭素数1〜20の2価の脂肪族基を表す。該脂肪族基には、−O−、−O−C(=O)−、−C(=O)−O−、−O−C(=O)−O−又は、−C(=O)−が介在していてもよい(ただし、−O−がそれぞれ2以上隣接して介在する場合を除く。)を表し、
及びZはそれぞれ独立して、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数2〜10のアルケニル基を表し、
及びAはそれぞれ独立して、置換基を有していてもよいフェニレン基、置換基を有していてもよいビフェニレン基、置換基を有していてもよいナフチレン基、及び炭素数3〜20である2価の脂環構造含有脂肪族基を表し、A及びAのうち少なくとも一方は、炭素数3〜20である2価の脂環構造含有脂肪族基を表し、
〜Xはそれぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、置換基を有していてもよい炭素数1〜10のアルキル基、シアノ基、−OR、−O−C(=O)−R、−C(=O)−ORを表す。ここで、Rは、水素原子又は置換基を有していてもよい炭素数1〜10のアルキル基を表し、
a及びbはそれぞれ独立して、0又は1の化合物である。
本発明の重合性液晶化合物においては、以下の(α)〜(γ)の化合物であることが好ましく、(β)又は(γ)の化合物であることがより好ましく、(γ)の化合物であることが特に好ましい。
(α)前記式(I)中、Z及びZが、それぞれ独立して、CH=CH−、CH=C(CH)−、CH=C(Cl)−、CH=CH−CH−、CH=C(CH)−CH−、CH=C(CH)−CHCH−、(CHC=CH−CH−、CH−CH=CH−、又は、CH−CH=CH−CH−である化合物。
(β)前記式(I)中、Y〜Yが、それぞれ独立して、−C(=O)−O−、−O−C(=O)−、又は、−O−であり、G及びGが、それぞれ独立して、−(CH−、又は、−(CH−であり、これらの基には、−O−、−C(=O)−O−、−O−C(=O)−又は、−C(=O)−が介在していてもよく、
及びZが、それぞれ独立して、CH=CH−、CH=C(CH)−、又は、CH=C(Cl)−であり、
及びAがそれぞれ独立して、置換基を有していてもよいフェニレン基、置換基を有していてもよいビフェニレン基、置換基を有していてもよいナフチレン基、又は炭素数3〜20である2価の脂環構造含有脂肪族基を表し、A及びAのうち少なくとも一方は、炭素数3〜20である2価の脂環構造含有脂肪族基であり、
〜Xが、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜10のアルキル基、−C(=O)−O−R、−O−C(=O)−R、又は、−OR(ここで、Rは、水素原子、又は、置換基を有していてもよい炭素数1〜10のアルキル基の化合物。
(γ)前記式(I)中、Y〜Yが、それぞれ独立して、−C(=O)−O−、−O−C(=O)−、又は、−O−であり、
及びGが、それぞれ独立して、−(CH−、−(CH−、
−CHCH−C(=O)−O−CHCH−、−CHCH−O−C(=O)−CHCH−、−CHCH−C(=O)−O−(CH−、−(CH−O−C(=O)−CHCH−、であり、
及びZが、それぞれ独立して、CH=CH−、又は、CH=C(CH)−であり、
及びAがそれぞれ独立して、置換基を有していてもよいフェニレン基、置換基を有していてもよいビフェニレン基、置換基を有していてもよいナフチレン基、又は炭素数3〜20である2価の脂環構造含有脂肪族基を表し、A及びAのうち少なくとも一方は、炭素数3〜20である2価の脂環構造含有脂肪族基であり、
〜Xが、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜10のアルキル基、−C(=O)−O−R、−O−C(=O)−R、又は、−OR(ここで、Rは水素原子、又は置換基を有していてもよい炭素数1〜10のアルキル基である化合物。
本発明の重合性液晶化合物は化学的に安定であり、安価に製造でき、着色の少ない重合性化合物である。
3)重合性液晶組成物
本発明の第3は、下記の(i)〜(iii)のいずれかの重合性液晶組成物である。
(i)本発明の重合性化合物又は重合性液晶化合物、及び重合可能な液晶化合物を含有する重合性液晶組成物。
(ii)本発明の重合性液晶化合物を含有する重合性液晶組成物。
(iii)本発明の重合性液晶化合物、及び重合可能なキラル化合物を含有する重合性液晶組成物。
本発明の重合性液晶組成物に用いる重合性化合物としては、上述した本発明の重合性化合物の一種、又は二種以上が挙げられる。
本発明の重合性液晶組成物に用いる重合性液晶化合物としては、上述した本発明の重合性液晶化合物の一種、又は二種以上が挙げられる。
本発明の重合性液晶組成物に配合して用いることができる重合可能な液晶化合物としては、PCT/JP2008/057896、特願2008−92093、特開平11-130729号公報、特開平8−104870号公報、特開2005−309255号公報、特開2005−263789、特表2002−533742号公報、特開2002−308832号公報、特開2002−265421号公報、特開昭62−070406号公報、特開平11−100575号公報等に記載される公知の重合性液晶化合物(以下、「その他の重合性液晶化合物」ということがある。)を任意に用いてもよい。
その他の重合性液晶化合物の含有量としては、重合性液晶組成物全量中、90重量%以下が好ましく、50重量%以下がより好ましい。
本発明の重合性液晶組成物に用いる重合性キラル化合物は、分子内にキラルな炭素原子を有し、本発明の重合性化合物と重合可能な化合物であって、かつ本発明の重合性化合物の配向を乱さないものであれば、特に制限されない。
本発明の重合性液晶組成物においては、重合性キラル化合物を一種単独で、あるいは二種以上を組み合わせて用いることができる。
本発明の重合性液晶組成物は、ハイブリッド配向やネマチック配向等を発現し得る。
本発明の重合性液晶組成物には重合可能なキラル化合物(以下、「重合性キラル化合物」という。)を添加することにより、コレステリック相を発現しうる。
用いる重合性キラル化合物としては、例えば、特開平11−193287号公報に記載されているような公知のものを使用することができる。かかるキラル化合物としては、例えば、以下の3つの一般式で示される化合物が挙げられるが、これらに限定されない。
Figure 0005396815
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上記式中、R及びRとしては、例えば、水素原子、メチル基、メトキシ基等が挙げられる。Y及びY10としては、例えば、−O−、−O−C(=O)−、−O−C(=O)−O−等が挙げられる。また、m、mはそれぞれ独立して、2、4又は6である。
これらの一般式で表される化合物の具体例としては、下記に示される化合物が挙げられる。
Figure 0005396815
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本発明の重合性液晶組成物において、重合性キラル化合物の配合割合は、重合性液晶化合物100重量部に対し、好ましくは0.1〜100重量部、より好ましくは0.5〜10重量部である。
本発明の重合性液晶組成物には、重合反応をより効率的に行う観点から、通常、重合開始剤を配合するのが好ましい。
用いる重合開始剤としては、後述の「4)液晶性高分子」の項で記載する重合開始剤が挙げられる。
本発明の重合性液晶組成物において、重合開始剤の配合割合は、重合性化合物(又は重合性液晶化合物)100重量部に対し、通常、重合開始剤0.1〜30重量部、好ましくは0.5〜10重量部である。
本発明の重合性液晶組成物には、表面張力を調整するために、界面活性剤を配合するのが好ましい。当該界面活性剤としては、特に限定はないが、通常、ノニオン系界面活性剤が好ましい。当該ノニオン系界面活性剤としては、市販品を用いればよく、例えば、分子量が数千程度のオリゴマーであるノニオン系界面活性剤、例えば、セイミケミカル(株)製KH−40等が挙げられる。本発明の重合性液晶組成物において、界面活性剤の配合割合は、重合性化合物(又は重合性液晶化合物)100重量部に対し、通常、0.01〜10重量部、好ましくは0.1〜2重量部である。
本発明の重合性液晶組成物を偏光フィルムや配向膜の原料、又は印刷インキ及び塗料、保護膜等の用途に利用する場合には、その目的に応じて、上記成分の他、後述の他の共重合可能な単量体、金属、金属錯体、染料、顔料、蛍光材料、燐光材料、レベリング剤、チキソ剤、ゲル化剤、多糖類、紫外線吸収剤、赤外線吸収剤、抗酸化剤、イオン交換樹脂、酸化チタン等の金属酸化物等のその他の添加剤を配合してもよい。本発明の重合性液晶組成物において、その他の添加剤の配合割合は、重合性化合物(又は重合性液晶化合物)100重量部に対し、通常、各々0.1〜20重量部である。
本発明の重合性液晶組成物は、通常、本発明の重合性化合物又は本発明の重合性液晶化合物、光重合開始剤、ノニオン系界面活性剤、及び所望により、重合性キラル化合物、その他の重合性液晶化合物、その他の添加剤の所定量を適当な有機溶媒に溶解させることにより調製することができる。
用いる有機溶媒としては、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン等のケトン類;酢酸ブチル、酢酸アミル等の酢酸エステル類;クロロホルム、ジクロロメタン、ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素類;1,2−ジメトキシエタン、1,4−ジオキサン、シクロペンチルメチルエーテル、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン等のエーテル類;等が挙げられる。
本発明の重合性液晶組成物によれば、着色の少ない液晶層を形成することができる。従って、本発明の重合性液晶組成物は、コレステリック配向、ハイブリッド配向、ネマチック配向等を有する液晶性高分子を製造する原料として有用である。
4)液晶性高分子
本発明の第4は、本発明の重合性液晶化合物、又は本発明の重合性液晶組成物を重合して得られる液晶性高分子である。
本発明の液晶性高分子は、具体的には、(1)本発明の重合性液晶化合物を重合して得られる液晶性高分子、又は、(2)本発明の重合性液晶組成物を重合して得られる液晶性高分子である。
(1)本発明の重合性液晶化合物を重合して得られる液晶性高分子
本発明の重合性液晶化合物を重合して得られる液晶性高分子としては、本発明の重合性液晶化合物の単独重合体、本発明の重合性液晶化合物の2種以上からなる共重合体、本発明の重合性液晶化合物とその他の重合性液晶化合物との共重合体、又は、本発明の重合性液晶化合物と他の共重合可能な単量体との共重合体等が挙げられる。
前記他の共重合可能な単量体としては、特に限定されるものではなく、例えば、4−(2−メタクリロイルオキシエチルオキシ)安息香酸−4’−メトキシフェニル、4−(6−メタクリロイルオキシヘキシルオキシ)安息香酸ビフェニル、4−(2−アクリロイルオキシエチルオキシ)安息香酸−4'−シアノビフェニル、4−(2−メタクリロリルオキシエチルオキシ)安息香酸−4’−シアノビフェニル、4−(2−メタクリロリルオキシエチルオキシ)安息香酸−3’,4’−ジフルオロフェニル、4−(2−メタクリロイルオキシエチルオキシ)安息香酸ナフチル、4−アクリロイルオキシ−4’−デシルビフェニル、4−アクリロイルオキシ−4’−シアノビフェニル、4−(2−アクリロイルオキシエチルオキシ)−4’−シアノビフェニル、4−(2−メタクリロイルオキシエチルオキシ)−4’−メトキシビフェニル、4−(2−メタクリロイルオキシエチルオキシ)−4’−(4”−フルオロベンジルオキシ)−ビフェニル、4−アクリロイルオキシ−4’−プロピルシクロヘキシルフェニル、4−メタクリロイル−4’−ブチルビシクロヘキシル、4−アクリロイル−4’−アミルトラン、4−アクリロイル−4’−(3,4−ジフルオロフェニル)ビシクロヘキシル、4−(2−アクリロイルオキシエチル)安息香酸(4−アミルフェニル)、4−(2−アクリロイルオキシエチル)安息香酸(4−(4’−プロピルシクロヘキシル)フェニル)等が挙げられる。
本発明の液晶性高分子が、本発明の重合性液晶化合物とその他の重合性液晶化合物との共重合体である場合、本発明の重合性液晶化合物単位の含有量は、特に限定されるものではないが、全構成単位に対して50重量%以上が好ましく、70重量%以上がより好ましい。かかる範囲にあると、ガラス転移温度(Tg)が高く、高い膜硬度を有する液晶性高分子を得ることができる。
本発明の重合性液晶化合物、及び必要に応じて用いられる他の共重合可能な単量体等の(共)重合は、適当な重合開始剤の存在下に行うことができる。重合開始剤の使用割合としては、前記重合性液晶組成物中の重合性化合物に対する配合割合と同様でよい。
用いる重合開始剤としては、用いる重合性化合物に存在する重合性基の種類に応じて適宜なものを選択して使用すればよい。例えば、重合性基がラジカル重合性であればラジカル重合開始剤を、アニオン重合性の基であればアニオン重合開始剤を、カチオン重合性の基であればカチオン重合開始剤を、それぞれ使用すればよい。
ラジカル重合開始剤としては、熱ラジカル発生剤と光ラジカル発生剤のいずれも使用可能であるが、光ラジカル発生剤を使用するのが好適である。
光ラジカル発生剤としては、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル及びベンゾインプロピルエーテル等のベンゾイン;アセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2,2−ジエトキシ−2−フェニルアセトフェノン、1,1−ジクロロアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノ−プロパン−1−オン及びN,N−ジメチルアミノアセトフェノン等のアセトフェノン;2−メチルアントラキノン、1−クロロアントラキノン及び2−アミルアントラキノン等のアントラキノン;2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2−クロロチオキサントン及び2,4−ジイソプロピルチオキサントン等のチオキサントン;アセトフェノンジメチルケタール及びベンジルジメチルケタール等のケタール;ベンゾフェノン、メチルベンゾフェノン、4,4−ジクロロベンゾフェノン、4,4−ビスジエチルアミノベンゾフェノン、ミヒラーズケトン及び4−ベンゾイル−4−メチルジフェニルサルファイド等のベンゾフェノン;2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド等が挙げられる。
光ラジカル重合開始剤の具体例としては、例えば、チバスペシャリティーケミカルズ社製の、商品名:Irgacure907、商品名:Irgacure184、商品名:Irgacure369、及び商品名:Irgacure651等が挙げられる。
アニオン重合開始剤としては、例えば、アルキルリチウム化合物;ビフェニル、ナフタレン、ピレン等の、モノリチウム塩又はモノナトリウム塩;ジリチウム塩やトリリチウム塩等の多官能性開始剤;等が挙げられる。
また、カチオン重合開始剤としては、例えば、硫酸、リン酸、過塩素酸、トリフルオロメタンスルホン酸等のプロトン酸;三フッ化ホウ素、塩化アルミニウム、四塩化チタン、四塩化スズのようなルイス酸;芳香族オニウム塩又は芳香族オニウム塩と、還元剤との併用系;が挙げられる。
これらの重合開始剤は一種単独で、又は二種以上を組み合わせて用いることができる。
また、前記重合性液晶化合物、及び必要に応じて用いられる他の共重合可能な単量体等との(共)重合を行うに際しては、必要に応じて、紫外線吸収剤、赤外線吸収剤、酸化防止剤等の機能性化合物を存在させてもよい。
本発明の液晶性高分子は、より具体的には、(a)適当な重合開始剤の存在下、前記重合性液晶化合物、及び必要に応じて用いられる他の共重合可能な単量体等との(共)重合を適当な有機溶媒中で行う方法や、(b)前記重合性液晶化合物、及び必要に応じて用いられる他の共重合可能な単量体等を重合開始剤と共に有機溶媒に溶解した溶液を、公知の塗工法により支持体上に塗布した後、単量体を配向させた状態で脱溶媒し、次いで加熱又は活性エネルギー線を照射する方法により製造することができる。
前記(a)の方法に用いる有機溶媒としては、不活性なものであれば、特に制限されず、例えば、トルエン、キシレン、メシチレン等の芳香族炭化水素;シクロヘキサノン、シクロペンタノン、メチルエチルケトン等のケトン類;酢酸ブチル、酢酸アミル等の酢酸エステル類;クロロホルム、ジクロロメタン、ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素類;シクロペンチルメチルエーテル、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン等のエーテル類;等が挙げられる。これらの中でも、取り扱い性に優れる観点から、沸点が60〜250℃のものが好ましく、60〜150℃のものがより好ましい。
(a)の方法による場合には、例えば、後述するような重合反応条件に従って反応を行った後の重合反応液より目的とする液晶性高分子を単離し、得られる液晶性高分子を適当な有機溶媒に溶解して溶液を調製し、この溶液を適当な支持体上に塗工して得られた塗膜を乾燥後、液晶性を示す温度以上となるまで加熱して、徐冷して液晶状態を固定化することができる。
液晶性高分子を溶解するための有機溶媒としては、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン等のケトン系溶剤;酢酸ブチル、酢酸アミル等のエステル系溶剤;ジクロロメタン、クロロホルム、ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素系溶剤;テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、1,2−ジメトキシエタン、1,4−ジオキサン、シクロペンチルメチルエーテル等のエーテル系溶剤;等が挙げられる。
前記支持体としては、有機、無機を問わず、公知慣用の材質の基板を使用することができる。当該基板の材質としては、例えば、ポリシクロオレフィン〔例えば、ゼオネックス、ゼオノア(登録商標;日本ゼオン社製)、アートン(登録商標;JSR社製)、及びアペル(登録商標;三井化学社製)〕、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリイミド、ポリアミド、ポリメタクリル酸メチル、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリテトラフルオロエチレン、セルロース、三酢酸セルロース、ポリエーテルスルホン、シリコン、ガラス、方解石等が挙げられる。基板の形状としては、平板の他、曲面を有するものであってもよい。これらの基板は、必要に応じて、電極層、反射防止機能、反射機能を有していてもよい。
液晶性高分子の溶液を支持体に塗布する方法としては、公知の方法を用いることができ、例えばカーテンコーティング法、押し出しコーティング法、ロールコーティング法、スピンコーティング法、ディップコーティング法、バーコーティング法、スプレーコーティング法、スライドコーティング法、印刷コーティング法等が挙げられる。
前記(b)の方法で用いる有機溶媒としては、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン等のケトン系溶剤;酢酸ブチル、酢酸アミル等のエステル系溶剤;ジクロロメタン、クロロホルム、ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素系溶剤;テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、1,2−ジメトキシエタン、1,4−ジオキサン、シクロペンチルメチルエーテル等のエーテル系溶剤;等が挙げられる。
用いる支持体としては、特に限定されないが、例えば、上述した液晶性高分子の溶液を塗工するのに用いることができるものとして列記したものと同様のものが挙げられる。
また、前記(b)の方法において重合反応用の溶液を支持体に塗布する方法としては、特に限定されず、公知の方法を採用することができる。例えば、上述した液晶性高分子の溶液を支持体上に塗工する方法として列記したものと同様のものが挙げられる。
(b)の方法においては、支持体上に塗工した重合性化合物を配向させることが好ましい。前記重合性化合物を配向させる方法としては、例えば上述の支持体に事前に配向処理を施す方法が挙げられる。支持体に配向処理を施す好ましい方法としては、各種ポリイミド系配向膜、ポリビニルアルコール系配向膜等からなる液晶配向層を支持体の上に設け、ラビング等の処理を行う方法、支持体にSiOを斜方蒸着して配向膜を形成する方法、分子内に光二量化反応する官能基を有する有機薄膜や光で異性化する官能基を有する有機薄膜に、偏光又は非偏光を照射する方法等の公知の方法が挙げられる。重合性化合物の重合は後述するような重合反応条件に従って行えばよい。
(2)本発明の重合性液晶組成物を重合して得られる液晶性高分子
本発明の重合性液晶組成物を重合開始剤の存在下に重合することにより、本発明の液晶性高分子を容易に得ることができる。得られる液晶性高分子はコレステリック液晶性高分子である。本発明においては、重合反応をより効率的に行う観点から、前記したような重合開始剤、特に光重合開始剤、及び重合性キラル化合物を含む重合性液晶組成物を用いるのが好ましい。以下、かかる重合性液晶組成物を用いる態様について説明する。
具体的には、本発明の重合性液晶組成物を、例えば、前記配向処理を施す方法に従って得られた、配向機能を有する支持体上に塗布し、本発明の重合性液晶組成物中の重合性液晶化合物を、コレステリック相を保持した状態で均一に配向させ、重合させることによって、本発明の液晶性高分子を得ることができる。支持体としては、前記したようなものを使用することができる。
上記方法において、一様な配向状態を形成するためには、通常のツイステッド・ネマチック(TN)素子又はスーパー・ツイステッド・ネマチック(STN)素子で使用されているプレチルト角を与えるポリイミド薄膜を使用すると、重合性化合物の配向状態の制御を容易にすることができる。
一般に、配向機能を有する支持体に液晶組成物を接触させた場合、液晶化合物は支持体表面で支持体を配向処理した方向に沿って配向する。液晶化合物が支持体表面と水平に配向するか、傾斜あるいは垂直して配向するかは、支持体表面への配向処理方法による影響が大きい。
例えば、インプレーンスイッチング(IPS)方式の液晶表示素子に使用するようなプレチルト角のごく小さな配向膜を支持体上に設ければ、ほとんど水平に配向した重合性液晶層が得られる。
また、TN型液晶表示素子に使用するような配向膜を支持体上に設けた場合は、少しだけ配向が傾斜した重合性液晶層が得られ、STN方式の液晶表示素子に使用するような配向膜を使うと、大きく配向が傾斜した重合性液晶層が得られる。
本発明の重合性液晶組成物を、プレチルト角を有する水平配向機能を有する支持体に接触させたときは、支持体表面から空気界面付近まで一様又は連続的に角度が変化して傾斜配向した光学異方体を得ることができる。
また、分子内に光二量化反応する官能基を有する有機薄膜や光で異性化する官能基を有する有機薄膜(以下「光配向膜」と略す。)に、偏光又は非偏光を照射する方法等(光配向法)を用いれば、パターン状に配向方向が異なる領域が分布した基板をも作製することができる。
初めに、光配向膜を設置した支持体上に光配向膜の吸収帯にある波長の光を照射し、一様な配向が得られる支持体を準備する。その後、当該支持体にマスクを被せ、マスクの上から光配向膜の吸収波長にある第1の照射と異なる状態の光、例えば偏光状態が異なる光あるいは照射角度及び方向が異なる光を照射して、照射部分だけに第1の照射で得られた部分と異なる配向機能を持たせる。
以上のようにして得られたパターン状に配向機能の異なる領域が分布した支持体に重合性液晶組成物を接触させれば、支持体の配向機能に応じてパターン状に配向方向の異なる領域が分布する。この状態で光照射による重合を行えば、配向パターンを有する液晶性高分子膜を得ることができる。
特に、前記支持体として、パターン状に配向方向の異なる領域が分布している略水平配向機能を有する支持体を使用すれば、位相差膜として特に有用な液晶性高分子膜を得ることができる。
そのほか、配向パターンを得る方法として、AFM(原子間力顕微鏡)の触針で配向膜をラビングする方法、光学異方体をエッヂングする方法等の光配向膜を用いない方法も採用可能であるが、光配向膜を利用する方法が簡便であり好ましい。
本発明の重合性液晶組成物を支持体上に塗布する方法としては、バーコーティング、スピンコーティング、ロールコーティング、グラビアコーティング、スプレーコーティング、ダイコーティング、キャップコーティング、ディッピング法等の公知慣用のコーティング法が挙げられる。このとき、塗工性を高めるために、本発明の重合性液晶組成物に公知慣用の有機溶媒を添加してもよい。この場合は、本発明の重合性液晶組成物を支持体上に塗布後、自然乾燥、加熱乾燥、減圧乾燥、減圧加熱乾燥等で有機溶媒を除去するのが好ましい。
塗布後、本発明の重合性液晶組成物中の液晶化合物をコレステリック相を保持した状態で均一に配向させることが好ましい。具体的には、液晶の配向を促すような熱処理を行うことにより、配向をより促進することができる。
熱処理法としては、例えば、本発明の重合性液晶組成物を支持体上に塗布後、該液晶組成物のC(固相)−N(ネマチック相)転移温度(以下、「C−N転移温度」と略す。)以上に加熱して、該重合性液晶組成物を液晶相又は等方相液体状態にする。そこから、必要に応じ徐冷してコレステリック相を発現する。このとき、一旦液晶相を呈する温度に保ち、液晶相ドメインを充分に成長させてモノドメインとすることが望ましい。
また、本発明の重合性液晶組成物を支持体上に塗布後、本発明の重合性液晶組成物のコレステリック相が発現する温度範囲内で温度を一定時間保つような加熱処理を施してもよい。
加熱温度が高過ぎると重合性液晶化合物が好ましくない重合反応を起こして劣化するおそれがある。また、冷却しすぎると、重合性液晶組成物が相分離を起こし、結晶の析出、スメクチック相のような高次液晶相を発現し、配向処理が不可能になることがある。
このような熱処理をすることで、単に塗布するだけの塗工方法と比べて、配向欠陥の少ない均質な液晶性高分子膜を作製することができる。
また、このようにして均質な配向処理を行った後、液晶相が相分離を起こさない最低の温度、即ち過冷却状態となるまで冷却し、該温度において液晶相を配向させた状態で重合させることにより、配向秩序が高く、透明性に優れる液晶性高分子膜を得ることができる。
本発明の重合性液晶化合物又は重合性液晶組成物を重合させる方法としては、活性エネルギー線を照射する方法や熱重合法等が挙げられるが、加熱を必要とせず、室温で反応が進行することから活性エネルギー線を照射する方法が好ましい。なかでも、操作が簡便なことから、紫外線等の光を照射する方法が好ましい。
照射時の温度は、本発明の重合性液晶化合物又は重合性液晶組成物が液晶相を保持できる温度とし、重合性液晶化合物又は重合性液晶組成物の熱重合の誘起を避けるため、可能な限り30℃以下とすることが好ましい。尚、重合性化合物又は重合性液晶組成物は、通常、昇温過程において、C−N転移温度から、N(ネマチック相)−I(等方性液体相)転移温度(以下、「N−I転移温度」と略す。)範囲内で液晶相を示す。一方、降温過程においては、熱力学的に非平衡状態をとるため、C−N転移温度以下でも凝固せず液晶状態を保つ場合がある。この状態を過冷却状態という。本発明においては、過冷却状態にある重合性液晶化合物又は重合性液晶組成物も液晶相を保持している状態に含めるものとする。紫外線照射強度は、通常1W/m〜10kW/mの範囲、好ましくは5W/m〜2kW/mの範囲である。
また、マスクを使用して特定の部分のみを紫外線照射で重合させた後、未重合部分の配向状態を、電場、磁場又は温度等をかけて変化させ、その後該未重合部分を重合させると、異なる配向方向をもった複数の領域を有する液晶性高分子膜を得ることができる。
また、マスクを使用して特定の部分のみを紫外線照射で重合させる際に、予め未重合状態の重合性液晶化合物又は重合性液晶組成物に、電場、磁場又は温度等をかけて配向を規制し、その状態を保ったままマスク上から光を照射して重合させることによっても、異なる配向方向をもった複数の領域を有する液晶性高分子膜を得ることができる。
本発明の重合性液晶化合物又は重合性液晶組成物を重合させて得られる液晶性高分子は、支持体から剥離して単体で使用することも、支持体から剥離せずにそのまま光学異方体として使用することもできる。
特に、本発明の重合性液晶組成物を重合して得られる液晶性高分子膜は、コレステリック液晶膜であり、極めて高い反射率を有するため、液晶表示素子における偏光子として好適である。
これに加えて積層法によりこのような液晶性高分子膜を複数積層させ、かつ選択される液晶性高分子膜の選択波長を適切に選択することにより、可視スペクトルの全ての光をカバーする多層偏光子を得ることもできる(EP0720041号公報参照。)。
また、このような多層の偏光子の代わりに、適切な化合物及び加工条件と組合せていわゆる広域バンド偏光子(broad−band polarizer)として使用することもできる。このための実施方法としては、例えば、WO98/08135号パンフレット、EP0606940号公報、GB2312529号公報、WO96/02016号パンフレット等に記載された方法が挙げられる。
さらに、本発明の重合性液晶化合物又は重合性液晶組成物を用いてカラーフィルターを製造することもできる。このために、当業者に慣用の塗布方法によって、必要とされる波長を適切に施与することができる。
さらにまた、コレステリック液晶の熱変色性を利用することもできる。温度の調整により、コレステリックな層の色彩が赤色から緑色を経由して青色へと推移する。マスクを用いて特定の帯域を定義された温度で重合することができる。
以上のようにして得られる本発明の液晶性高分子の数平均分子量は、好ましくは500〜500,000、更に好ましくは5,000〜300,000である。該数平均分子量がかかる範囲にあれば、高い膜硬度が得られ、取り扱い性にも優れるため望ましい。液晶性高分子の数平均分子量は、単分散のポリスチレンを標準試料とし、テトラヒドロフラン(THF)を溶離液としてゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)により測定することができる。
本発明の液晶性高分子は、架橋点が分子内で均一に存在すると推定される。本発明の重合性液晶化合物を重合して得られるものであるから、架橋効率が高く、硬度に優れている。
本発明の液晶性高分子は、その配向性、及び屈折率、誘電率、磁化率等の物理的性質の異方性を利用して、位相差板、液晶表示素子用配向膜、偏光板、視野角拡大板、カラーフィルター、ローパスフィルター、光偏光プリズム、各種光フィルター等の光学異方体の構成材料として用いることができる。
5)光学異方体
本発明の第5は、本発明の液晶性高分子を構成材料とする光学異方体である。
本発明の光学異方体としては、位相差板、液晶表示素子用配向膜、偏光板、視野角拡大板、カラーフィルター、ローパスフィルター、光偏光プリズム、各種光フィルター等が挙げられる。
本発明の光学異方体は、本発明の液晶性高分子を構成材料としているので、均一で高品質な液晶配向性を有している。
本発明の製造方法を実施例により、さらに詳細に説明するが、本発明は以下の実施例のみに限定されるものではない。なお、部及び%は特に断りのない限り重量基準である。
本実施例において行った試験方法は以下のとおりである。
(実施例1)下記式で表される重合性化合物1の合成
Figure 0005396815
化合物1
ステップ1:中間体Aの合成
Figure 0005396815
中間体A
(TBSは、tert−ブチルジメチルシリル基を表す。以下にて同じ。)
温度計を備えた3つ口反応器に、窒素気流中、trans−4−ヒドロキシシクロヘキサンカルボン酸10.0g(69.4mmol)、tert−ブチルジメチルクロロシラン10.45g(69.4mmol)をテトラヒドロフラン(THF)100mlに溶解した。この溶液にトリエチルアミン7.02g(69.4mmol)をゆっくりと滴下し、室温にて1時間攪拌した。その後、析出した塩をろ過し、THFでリンスした。ろ液をロータリーエバポレーターにて濃縮し、得られた固体をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(トルエン:THF=1:1(体積比))により精製し、白色固体として中間体Aを15.7g、収率88%で得た。構造はH−NMRで同定した。
(中間体AのH−NMRデータ)
H−NMR(500MHz、CDCl、TMS、δppm):3.58−3.65(m,1H),2.20−2.28(m,1H),2.01−2.05(m,4H),1.78(s,1H),1.42−1.50(m,2H),1.24−1.33(m,2H),0.93(s,9H),0.25(s,6H)
ステップ2:中間体Bの合成
Figure 0005396815
中間体B
温度計を備えた3つ口反応器に、窒素気流中、2−アクリロイルオキシエチルコハク酸8.0g(37.0mmol)をTHF50mlに溶解した。この溶液にオキサリルクロリド18.8g(148mmol)をゆっくりと滴下し、終夜室温にて攪拌した。その後、ロータリーエバポレーターにて濃縮を行い、真空乾燥させて透明のオイルを7.4g得た。次に、3つ口反応器に窒素気流中、中間体A5.0g(19.4mmol)とN,N−ジメチルアミノピリジン2.60g(21.3mmol)をTHF30mlに溶解させた。そして、先程得られたオイル4.7gをゆっくりと滴下し、室温にて2時間反応させた。その後、反応液に蒸留水を100ml加え、酢酸エチル200mlで抽出操作を行い、飽和食塩水50mlで有機層を洗浄した。さらに、有機層を硫酸マグネシウムで乾燥後、ロータリーエバポレーターで濃縮操作を行い、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン:THF=3:1(体積比))により精製することで、透明オイルとして化合物中間体Bを5.5g、収率62%で得た。構造はH−NMRで同定した。
(中間体BのH−NMRデータ)
H−NMR(400MHz、CDCl、TMS、δppm):6.43(dd,1H,J=17.4Hz,1.4Hz),6.13(dd,1H,J=17.2Hz,10.3Hz),5.86(dd,1H,J=10.5Hz,1.4Hz),4.67−4.74(m,1H),4.31−4.37(m,4H),2.58−2.67(m,4H),2.22−2.29(m,1H),1.98−2.05(m,4H),1.47−1.58(m,2H),1.33−1.43(m,2H),0.92(s,9H),0.25(s,6H)
ステップ3:中間体Cの合成
Figure 0005396815
中間体C
2つ口反応器に、窒素気流中、中間体B5.41g(11.8mmol)をTHF25mlに溶解させた。室温下、この溶液にテトラブチルアンモニウムフルオリド (1mol/Lテトラヒドロフラン溶液)23.7ml(9.69mmol)をゆっくり滴下し、3時間攪拌した。その後、反応液を0℃に冷却し蒸留水10mlを加え、酢酸エチル200mlで抽出操作を行い、1.2N塩酸水溶液50ml、飽和食塩水50mlで有機層を洗浄した。さらに、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、ロータリーエバポレーターで濃縮操作を行い、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン:THF=1:1(体積比))により精製することで、中間体Cを含む透明オイルを2.7g得た。
このものは、そのまま次のステップに用いた。
ステップ4:中間体Dの合成
Figure 0005396815
中間体D
ヒドラジン1水和物1.0gに2−プロパノール40gに溶解させて均一とし、その溶液を40℃に加熱した。この溶液中に、3−カルボメトキシ−4−ヒドロキシベンズアルデヒドを3.6g添加し、40℃を保った状態で、2時間撹拌した。その後、4−ヒドロキシベンズアルデヒド2.44gを添加して2時間撹拌した。その後、20℃まで冷却し、結晶を充分析出させた後、吸引濾過をすることで、4.4gの淡黄色固体を得た。この淡黄色固体をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン:THF=1:1(体積比))により精製することで、中間体Dを1.5g(収率:25.1%)得た。構造はH−NMRで同定した。
(中間体DのH−NMRデータ)
H−NMR(400MHz、CDCl、TMS、δppm):11.10(s,1H)、8.61(s,1H)、8.58(s,1H)、8.27(d,1H,J=2.2Hz)、8.01(dd,1H,J=2.0Hz,J=8.6Hz)、7.75(d,2H,J=8.6Hz)、7.06(d,1H,J=8.4Hz)、6.90(d,2H,J=8.4Hz)、5.21(s,1H)、4.00(s,3H)
ステップ5:化合物1の合成
温度計を備えた3つ口反応器に窒素気流中、中間体Cを含むオイル1.45g(4.24mmol)をTHF5mlに溶解させた。室温下、この溶液にメタンスルホニルクロリド0.49g(4.24mmol)を加え、トリエチルアミン0.44g(4.35mmol)をゆっくり滴下した。1時間攪拌した後、N,N−ジメチルアミノピリジン0.05g(0.41mmol)、中間体Dを含む黄色固体0.46gを投入し、トリエチルアミン0.40g(2.55mmol)をゆっくり滴下した。その後、室温下2時間反応を行い、メタノール20mlを加え、析出した結晶をろ過し、メタノールでリンスした。得られた結晶をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(トルエン:THF:クロロホルム=5:0.5:4.5(体積比))により精製し、化合物1を含む淡黄色固体を0.62g得た。構造はリサイクルGPCによる精製を行った後、得られたサンプルのNMRを測定し同定した。
(化合物1のH−NMRデータ)
H−NMR(500MHz、CDCl、TMS、δppm):8.64(d,2H,J=2.0Hz),8.44(d,1H,J=2.0Hz),8.05(dd,1H,J=6.3Hz,2.3Hz),7.87(d,2H,J=8.5Hz),7.17(d,2H,J=5.0Hz),7.16(d,1H,J=5.0Hz),6.45(dd,2H,J=17.3Hz,1.3HZ),6.16(dd,1H,J=17.3Hz,10.3Hz),6.15(dd,1H,J=17.0Hz,10.5Hz),5.87−5.90(m,2H),4.76−4.82(m,2H),4.34−4.38(m,8H),3.90(s,3H),2.55−2.69(m,10H),2.19−2.29(m,4H),2.10−2.14(m,4H),1.69−1.79(m,4H),1.45−1.53(m,4H)
参考例1:化合物2〔特願2008−092093号記載の化合物(化合物10)〕を参考例1として用いた。
Figure 0005396815
化合物2
(Uv−Visスペクトルの測定)
着色の度合いを評価するために、Uv−Visスペクトルを測定した。
最大吸収波長(λmax)におけるモル吸光係数(εmax)と、紫外線硬化における、開始剤の吸収がある波長365nmのモル吸光係数(ε365)を計算して比較した。
化合物1を11.2mg秤量し、メスフラスコを用いてクロロホルム100mlに溶解させた。次に、その溶液5mlをホールピペットで計り取り、25mlに希釈した(22.4μg/ml(2.37×10−5mol/L))。そして、Uv−Visスペクトル測定装置(石英セル1.0cm、日本分光株式会社製、Ubest V−550)を用いて波長250−900nmにおけるUv−Visスペクトルを測定した。その結果、λmax=308nm(εmax=3700(m/mol))となり、また365nmにおけるモル吸光係数はε365nm=64.1(m/mol)となった。
参考例1として化合物2を用いて同様の方法でUv−Visスペクトルの測定を行った。化合物2を10.0mg秤量し、メスフラスコを用いてクロロホルム100mlに溶解させた。次に、その溶液5mlをホールピペットで計り取り、25mlに希釈した(20μg/ml(2.36×10−5mol/L))。そして、Uv−Visスペクトル測定装置(石英セル1.0cm、日本分光株式会社製、Ubest V−550)を用いて波長250−800nmにおけるUv−Visスペクトルを測定した。その結果、λmax=310nm(εmax=5120(m/mol))となり、また365nmにおけるモル吸光係数はε365nm=130(m/mol)となった。
モル吸光係数は、以下のランベルト・ベールの法則(下記式)より求めた。
Figure 0005396815
〔上記式中、Aは吸光度、εはモル吸光係数[m/mol]、Lは光路長[m]、Cはサンプル濃度[mol/m]をそれぞれ表す。〕
測定結果を図1及び表1に示す。
Figure 0005396815
表1及び図1により、実施例1の化合物1は、参考例1の化合物2に比して、測定を行った全紫外線領域において、吸収が少なく、着色が少ないことがわかる。また、表1より、紫外線硬化の開始剤の吸収がある波長365nmにおける吸光度が1/2以下であり、紫外線硬化に対して有利であることが分かる。
(相転移温度の測定)
次に、化合物1の相転移温度を測定した。
化合物1を10mg計量し、固体状態のままで2枚のラビング処理を施したポリイミド配向膜付きのガラス基板に挟んだ。
この基板をホットプレート上にて、40℃から130℃まで昇温した後、再び40℃まで降温させた。昇温、降温する際の組織構造の変化を偏向光学顕微鏡(ニコン社製、ECLIPSE LV100POL型)で観察した。測定した相転移温度を表2に示す。
表2中、「C」はCrystal、「N」はNematic、「I」はIsotropicをそれぞれ表す。
また、「Crystal」とは、試験化合物が固相にあることを、「Nematic」とは、試験化合物がネマチック液晶相にあること、「Isotropic」とは、試験化合物が等方性液体相にあることをそれぞれ示す。
Figure 0005396815
本発明の液晶性高分子は、配向性に優れ、着色が少ないことから、位相差板、液晶表示素子用配向膜、偏光板、視野角拡大板、カラーフィルター、ローパスフィルター、光偏光プリズム、各種光フィルター等の光学異方体の製造原料として有用である。
化合物1及び化合物2のUv−Visスペクトル図である。

Claims (11)

  1. 下記式(I)
    Figure 0005396815
    〔式中、Y〜Yはそれぞれ独立して、化学的な単結合、−O−、−S−、−O−C(=O)−、−C(=O)−O−、−O−C(=O)−O−、−NR−C(=O)−、−C(=O)−NR−、−O−C(=O)−NR−、−NR−C(=O)−O−、−NR−C(=O)−NR−、−O−NR−、又は、−NR−O−を表す。ここで、Rは、水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基を表す。
    及びGはそれぞれ独立して、置換基を有していてもよい、炭素数1〜20の2価の脂肪族基を表す。該脂肪族基には、−O−、−S−、−O−C(=O)−、−C(=O)−O−、−O−C(=O)−O−、−NR−C(=O)−、−C(=O)−NR−、−NR−、又は、−C(=O)−が介在していてもよい(ただし、−O−及びS−がそれぞれ2以上隣接して介在する場合を除く。)。ここで、Rは、水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基を表す。
    及びZはそれぞれ独立して、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数2〜10のアルケニル基を表す。
    及びAはそれぞれ独立して、置換基を有していてもよいフェニレン基、置換基を有していてもよいビフェニレン基、置換基を有していてもよいナフチレン基、又は炭素数3〜20である2価の脂環構造含有脂肪族基を表し、A及びAのうち少なくとも一方は、炭素数3〜20である2価の脂環構造含有脂肪族基を表す。
    〜Xはそれぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、置換基を有していてもよい炭素数1〜10のアルキル基、シアノ基、ニトロ基、−OR、−O−C(=O)−R、−C(=O)−OR、−O−C(=O)−OR、−NR−C(=O)−R、−C(=O)−N(R)R、又は、−O−C(=O)−N(R)Rを表す。ここで、Rは、水素原子又は置換基を有していてもよい炭素数1〜10のアルキル基を表す。Rが、アルキル基である場合、当該アルキル基には、−O−、−S−、−O−C(=O)−、−C(=O)−O−、−O−C(=O)−O−、−NR−C(=O)−、−C(=O)−NR−、−NR−、又は、−C(=O)−が介在していてもよい(ただし、−O−及びS−がそれぞれ2以上隣接して介在する場合を除く。)。ここで、R及びRはそれぞれ独立して、水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基を表す。
    a及びbはそれぞれ独立して、0又は1である。〕
    で示される重合性化合物。
  2. 請求項1に記載の重合性化合物が重合性液晶化合物であって、
    前記式(I)中、Y〜Yはそれぞれ独立して、化学的な単結合、−O−、−O−C(=O)−、−C(=O)−O−、−O−C(=O)−O−、−N−C(=O)−、−C(=O)−NH−、−O−C(=O)−NH−、−NH−C(=O)−O−を表し、
    及びGはそれぞれ独立して、置換基を有していてもよい、炭素数1〜20の2価の脂肪族基を表し、該脂肪族基には、−O−、−O−C(=O)−、−C(=O)−O−、−O−C(=O)−O−又は、−C(=O)−が介在していてもよい(ただし、−O−がそれぞれ2以上隣接して介在する場合を除く。)を表し、
    及びZはそれぞれ独立して、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数2〜10のアルケニル基を表し、
    及びAはそれぞれ独立して、置換基を有していてもよいフェニレン基、置換基を有していてもよいビフェニレン基、置換基を有していてもよいナフチレン基、及び炭素数3〜20である2価の脂環構造含有脂肪族基を表し、A及びAのうち少なくとも一方は、炭素数3〜20である2価の脂環構造含有脂肪族基を表し、
    〜Xはそれぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、置換基を有していてもよい炭素数1〜10のアルキル基、シアノ基、−OR、−O−C(=O)−R、−C(=O)−ORを表し、Rは、水素原子又は置換基を有していてもよい炭素数1〜10のアルキル基を表し、
    a及びbはそれぞれ独立して、0又は1の化合物である、
    請求項1に記載の重合性化合物。
  3. 前記式(I)中、Z及びZが、それぞれ独立して、CH=CH−、CH=C(CH)−、CH=C(Cl)−、CH=CH−CH−、CH=C(CH)−CH−、CH=C(CH)−CHCH−、(CHC=CH−CH−、CH−CH=CH−、又は、CH−CH=CH−CH−の化合物である
    請求項2に記載の重合性化合物。
  4. 前記式(I)中、Y〜Yが、それぞれ独立して、−C(=O)−O−、−O−C(=O)−、又は、−O−であり、G及びGが、それぞれ独立して、−(CH−、又は、−(CH−であり、これらの基には、−O−、−C(=O)−O−、−O−C(=O)−又は、−C(=O)−が介在していてもよく、
    及びZが、それぞれ独立して、CH=CH−、CH=C(CH)−、又は、CH=C(Cl)−であり、
    及びAがそれぞれ独立して、置換基を有していてもよいフェニレン基、置換基を有していてもよいビフェニレン基、置換基を有していてもよいナフチレン基、又は炭素数3〜20である2価の脂環構造含有脂肪族基を表し、A及びAのうち少なくとも一方は、炭素数3〜20である2価の脂環構造含有脂肪族基であり、
    〜Xが、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜10のアルキル基、−C(=O)−O−R、−O−C(=O)−R、又は、−OR(ここで、Rは、水素原子、又は、置換基を有していてもよい炭素数1〜10のアルキル基の化合物である
    請求項2又は3に記載の重合性化合物。
  5. 前記式(I)中、Y〜Yが、それぞれ独立して、−C(=O)−O−、−O−C(=O)−、又は、−O−であり、
    及びGが、それぞれ独立して、−(CH−、−(CH−、
    −CHCH−C(=O)−O−CHCH−、−CHCH−O−C(=O)−CHCH−、−CHCH−C(=O)−O−(CH−、−(CH−O−C(=O)−CHCH−、であり、
    及びZが、それぞれ独立して、CH=CH−、又は、CH=C(CH)−であり、
    及びAがそれぞれ独立して、置換基を有していてもよいフェニレン基、置換基を有していてもよいビフェニレン基、置換基を有していてもよいナフチレン基、又は炭素数3〜20である2価の脂環構造含有脂肪族基を表し、A及びAのうち少なくとも一方は、炭素数3〜20である2価の脂環構造含有脂肪族基であり、
    〜Xが、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜10のアルキル基、−C(=O)−O−R、−O−C(=O)−R、又は、−OR(ここで、Rは水素原子、又は、置換基を有していてもよい炭素数1〜10のアルキル基の化合物である
    請求項2〜4のいずれかに記載の重合性化合物。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の重合性化合物、及び重合可能な液晶化合物を含有する重合性液晶組成物。
  7. 請求項2〜5のいずれかに記載の重合性化合物を含有する重合性液晶組成物。
  8. 請求項2〜5のいずれかに記載の重合性化合物、及び重合可能なキラル化合物を含有する重合性液晶組成物。
  9. 請求項6に記載の重合性液晶組成物、及び重合可能なキラル化合物を含有する重合性液晶組成物。
  10. 請求項2〜5のいずれかに記載の重合性化合物、又は請求項6〜9のいずれかに記載の重合性液晶組成物を重合して得られる液晶性高分子。
  11. 請求項10に記載の液晶性高分子を構成材料とする光学異方体。
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