JP5804814B2 - 化合物、ヘイズ低下剤、液晶組成物、高分子材料およびフィルム - Google Patents
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Description
[1] 下記一般式(1)で表されるヘイズ低下剤。
[3] [1]または[2]に記載のヘイズ低下剤は、前記一般式(1)中、Cyが置換基を有してもよい二価の芳香族基であることが好ましい。
[4] [1]〜[3]のいずれか一項に記載のヘイズ低下剤は、前記一般式(1)中、nが1であることが好ましい。
[5] [1]〜[4]のいずれか一項に記載のヘイズ低下剤とさらに重合性液晶分子を含むことを特徴とする液晶組成物。
[6] [5]に記載の液晶組成物は、前記重合性液晶分子が棒状液晶分子であることが好ましい。
[7] [5]または[6]に記載の液晶組成物は、少なくとも1種のキラル化合物を含有することが好ましい。
[8] [5]〜[7]のいずれか1項に記載の液晶組成物を重合させてなる高分子材料。
[9] [8]に記載の高分子材料の少なくとも1種を含有するフィルム。
[10] [5]〜[7]のいずれか1項に記載の液晶組成物のコレステリック液晶相を固定してなるフィルム。
[11] [9]または[10]に記載のフィルムは光学異方性を示すことが好ましい。
[12] [9]〜[11]のいずれか1項に記載のフィルムは選択反射特性を示すことが好ましい。
[13] [12]に記載のフィルムは、赤外線波長域に選択反射特性を示すことが好ましい。
[14] 下記一般式(2)で表される化合物。
以下に記載する構成要件の説明は、本発明の代表的な実施態様や具体例に基づいてなされることがあるが、本発明はそのような実施態様や具体例に限定されるものではない。なお、本明細書において「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む範囲を意味する。
本発明のヘイズ低下剤は、下記一般式(1)で表されることを特徴とする。下記一般式(1)のヘイズ低下剤は二価のアジン骨格を中心に有し、末端にフッ化アルキル基を有することを特徴とする。末端にフッ化アルキル基を有する化合物は配向促進剤として効果的であるが、従来知られている配向促進剤は、使用濃度範囲が狭いといった点や溶解性が低いといった点があり、用途が制限されていた。下記一般式(1)のヘイズ低下剤は同等以上の配向性能をより広い濃度範囲かつ良好な溶解性で示すことから、ヘイズ低下剤として好ましく用いることができる。また、液晶配向促進剤としても好ましく用いることができる。そのため、それらを含む組成物は製造において使用しやすいというメリットがある。また重合で硬化可能であることから、光学部材等の種々の用途に有用である。いかなる理論に拘泥するものでもないが、下記一般式(1)で表される本発明のヘイズ低下剤は、分子の表面偏在性が高まり、液晶の配向を促進できるため、ヘイズを低下させると推定される。
そのため、本発明のヘイズ低下剤は前記一般式(1)中、Hbが炭素数2〜6のフッ化アルキレン基で表されることが、炭素数6以下のフッ化アルキレンは原理的にPFOAを生成しえないためにより安全性が高い観点から好ましい。
すなわち、本発明のヘイズ低減剤は、下記一般式(2)で表される化合物であることが好ましい。
以下、前記一般式(1)で表される本発明のヘイズ低減剤の好ましい構造の詳細について説明する。
Cyで表される環状構造(好ましくは二価の芳香族炭化水素基または二価の複素環基)は2つの結合手以外にも置換基を有していてもよい。置換基の置換位置としては、アジン結合と結合する位置のオルト位以外の位置が好ましい。n=1の場合、より好ましい置換位置はアジン結合と結合する位置のメタ位である。
置換基の例として、炭素数1〜8のアルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、シアノ基またはエステル基や、一般式(1)におけるHb−L−で表されるものと同じ構造の置換基を挙げることができる。 前記Cyの置換基としてのアルキル基は、直鎖状、分枝状、環状のいずれであってもよいが、直鎖状もしくは分岐状が好ましい。アルキル基の炭素数は1〜5であることが好ましく、1〜3であることがより好ましく、具体的にはメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基などを例示することができる。前記Cyの置換基としてのアルコキシ基のアルキル基部分については、前記のCyの置換基としてのアルキル基の説明と好ましい範囲を参照することができる。具体的にはメトキシ基、エトキシ基を例示することができる。前記Cyの置換基としてのハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子を挙げることができ、中でも塩素原子、フッ素原子が好ましい。前記Cyの置換基としてのエステル基としては、R0COO−もしくは−COOR0で表される基を例示することができる。R0としては炭素数1〜8のアルキル基を挙げることができる。R0がとりうるアルキル基の説明と好ましい範囲については、前記Cyの置換基としてのアルキル基の説明と好ましい範囲を参照することができる。前記Cyの置換基としてのエステルの具体例として、CH3COO−、C2H5COO−、−COOCH3を挙げることができる。前記Cyの置換基としての一般式(1)におけるHb−L−で表されるものと同じ構造の置換基の好ましい範囲は、後述のLおよびHbの好ましい範囲の組合せと同様である。なお、このときCyはHb−L−の2置換体または3置換体となることが好ましく、その場合の各Hb−L−は同一であっても異なっていてもよい。また、nが2の場合は、複数のCyが一般式(1)におけるHb−L−で表されるものと同じ構造の置換基をそれぞれ有していてもよい。
Cyで表される環状構造(好ましくは二価の芳香族炭化水素基または二価の複素環基)に対する置換基の具体例としてはメチル基、エチル基、メトキシ基、エトキシ基、フッ素原子、塩素原子、シアノ基、一般式(1)におけるHb−L−などを挙げることができる。一般式(1)中の複数のCyは同一であることが好ましい。中でも好ましくはメトキシ基、エトキシ基、一般式(1)におけるHb−L−であり、特に好ましくは一般式(1)におけるHb−L−である。
一般式(1)におけるHb−L−を置換基として有する場合、好ましくは1つ目の一般式(1)におけるHb−L−のオルト位に置換することが好ましい。また、一般式(1)におけるHb−L−を2つ置換基として設ける場合は、両方とも1つ目の一般式(1)におけるHb−L−のオルト位に置換することが好ましい。
前記Lがとりうるアルキレン基およびフッ化アルキレン基の炭素数は1〜10であることが好ましく、1〜7であることがより好ましく、1〜4であることが特に好ましく、2または3であることがより特に好ましい。
前記Rがとりうるアルキル基は直鎖状であっても分枝状であってもよい。前記Rがとりうるアルキル基の炭素数は1〜3であることがより好ましく、メチル基、エチル基、n−プロピル基を例示することができる。
Lは上述の特定の基を組み合わせてなる基であってもよいが、L全体の原子連結鎖長は、1〜30原子であることが好ましく、1〜20原子であることがより好ましく、1〜10原子であることが特に好ましい。
F−(CpF2p)−
H−(CpF2p)−
上式において、pは2〜30であることが好ましく、2〜20であることがより好ましく、2〜10であることがさらに好ましく、2〜6であることがより特に好ましい。
、分子内に存在する連結基−L−Cy−および−Cy−L−も互いに同一であることが好ましい。但し、nが2の場合における各連結基−L−Cy−同士は異なることが好ましく、同様に−Cy−L−同士も異なることが好ましい。末端のHb−L−(好ましくはHb−L1−Sp−L2−)は、以下のいずれかの一般式で表される基であることが好ましい。
(CpF2p+1)−(CqH2q)−
(CpF2p+1)−(CqH2q)−O
(CpF2p+1)−(CqH2q)−COO−
(CpF2p+1)−(CqH2q)−O−(CrH2r)−
(CpF2p+1)−(CqH2q)−O−(CrH2r)−O−
(CpF2p+1)−(CqH2q)−COO−(CrH2r)−
(CpF2p+1)−(CqH2q)−COO−(CrH2r)−COO−
(CpF2p+1)−(CqH2q)−OCO−(CrH2r)−
(CpF2p+1)−(CqH2q)−OCO−(CrH2r)−COO−
上式において、pは2〜30であることが好ましく、2〜20であることがより好ましく、2〜10であることがさらに好ましく、2〜6であることが特に好ましい。qは0〜20であることが好ましく、0〜10であることがより好ましく、0〜5であることがさらに好ましい。p+qは3〜30であることが好ましい。rは1〜10であることが好ましく、1〜4であることがより好ましい。
本発明の液晶組成物は、重合性液晶性分子と前記一般式(1)で表されるヘイズ低下剤とを含む。本発明の液晶組成物では、1種類以上の重合性液晶性分子と1種類以上の非重合性液晶性分子を併用してもよい。また、前記一般式(1)で表されるヘイズ低下剤を二種類以上使用してもよく、前記一般式(1)で表されるヘイズ低下剤とそれ以外のヘイズ低下剤や液晶配向促進剤を併用してもよい。本発明の液晶組成物中、前記ヘイズ低下剤は、液晶性分子の量の0.01〜20質量%の量で使用することが好ましく、0.01〜5質量%の量であることがより好ましく、0.02〜2.5質量%の量であることが特に好ましく、0.03〜1.0質量%の量であることがより特に好ましい。
前記重合性液晶性分子としては、ディスコティック液晶性分子または棒状液晶性分子を用いることが好ましい。
D(−LD−Q)d
上式中、Dは円盤状コアであり;LDは二価の連結基であり;Qは重合性基であり;dは4〜12の整数である。上記式の円盤状コア(D)の具体例を以下に示す。以下の各具体例において、LQ(またはQL)は、二価の連結基(LD)と重合性基(Q)との組み合わせを意味する。以下の具体例の中では、トリフェニレン(D4)が特に好ましい。
前記液晶組成物は、コレステリック液晶相を示すものであることが好ましく、そのためには、光学活性化合物を含有しているのが好ましい。但し、上記棒状液晶化合物が不正炭素原子を有する分子である場合には、光学活性化合物を添加しなくても、コレステリック液晶相を安定的に形成可能である場合もある。前記光学活性化合物は、公知の種々のキラル剤(例えば、液晶デバイスハンドブック、第3章4−3項、TN、STN用カイラル剤、199頁、日本学術振興会第一42委員会編、1989に記載)から選択することができる。光学活性化合物は、一般に不斉炭素原子を含むが、不斉炭素原子を含まない軸性不斉化合物あるいは面性不斉化合物もカイラル剤として用いることができる。軸性不斉化合物または面性不斉化合物の例には、ビナフチル、ヘリセン、パラシクロファンおよびこれらの誘導体が含まれる。光学活性化合物(キラル剤)は、重合性基を有していてもよい。光学活性化合物が重合性基を有するとともに、併用する棒状液晶化合物も重合性基を有する場合は、重合性光学活性化合物と重合性棒状液晶合物との重合反応により、棒状液晶化合物から誘導される繰り返し単位と、光学活性化合物から誘導される繰り返し単位とを有するポリマーを形成することができる。この態様では、重合性光学活性化合物が有する重合性基は、重合性棒状液晶化合物が有する重合性基と、同種の基であることが好ましい。従って、光学活性化合物の重合性基も、不飽和重合性基、エポキシ基又はアジリジニル基であることが好ましく、不飽和重合性基であることがさらに好ましく、エチレン性不飽和重合性基であることが特に好ましい。
また、光学活性化合物は、液晶化合物であってもよい。
前記一般式(1)で表されるヘイズ低下剤を含む液晶組成物を塗布等の方法により製膜することによりフィルムを形成することができる。液晶組成物を配向膜の上に塗布し、液晶層を形成することにより光学異方性素子を作製することもできる。本発明のフィルムは、光学異方性を示すことが好ましい。
液晶組成物の塗布は、公知の方法(例、押し出しコーティング法、ダイレクトグラビアコーティング法、リバースグラビアコーティング法、ダイコーティング法、バーコーティング法)により実施できる。液晶性分子は、配向状態を維持して固定することが好ましい。固定化は、液晶性分子に導入した重合性基(Q)の重合反応により実施することが好ましい。重合反応には、熱重合開始剤を用いる熱重合反応と光重合開始剤を用いる光重合反応とが含まれる。光重合反応が好ましい。光重合開始剤の例には、α−カルボニル化合物(米国特許2367661号、同2367670号の各明細書記載)、アシロインエーテル(米国特許2448828号明細書記載)、α−炭化水素置換芳香族アシロイン化合物(米国特許2722512号明細書記載)、多核キノン化合物(米国特許3046127号、同2951758号の各明細書記載)、トリアリールイミダゾールダイマーとp−アミノフェニルケトンとの組み合わせ(米国特許3549367号明細書記載)、アクリジンおよびフェナジン化合物(特開昭60−105667号公報、米国特許4239850号明細書記載)、オキサジアゾール化合物(米国特許4212970号明細書記載)、アシルフォスフィンオキシド化合物(特公昭63−40799号公報、特公平5−29234号公報、特開平10−95788号公報、特開平10−29997号公報記載)が含まれる。
本発明のフィルムは、前記一般式(1)で表されるヘイズ低下剤を含む液晶組成物のコレステリック液晶相を固定してなる層であることも好ましく、その場合は選択反射特性を示すことがより好ましく、赤外線波長領域に選択反射特性を示すことが特に好ましい。コレステリック液晶相を固定してなる光反射層については、特開2011−107178号公報および特開2011−018037号公報に記載の方法に詳細が記載されており、本発明でも好ましく用いることができる。なお、本発明のフィルムは、前記一般式(1)で表されるヘイズ低下剤を含む液晶組成物のコレステリック液晶相を固定してなる層を複数積層してなることも好ましい。
配向膜は、有機化合物(好ましくはポリマー)のラビング処理、無機化合物の斜方蒸着、マイクログルーブを有する層の形成、あるいはラングミュア・ブロジェット法(LB膜)による有機化合物(例、ω−トリコサン酸、ジオクタデシルメチルアンモニウムクロライド、ステアリル酸メチル)の累積のような手段で、設けることができる。さらに、電場の付与、磁場の付与あるいは光照射により、配向機能が生じる配向膜も知られている。ポリマーのラビング処理により形成する配向膜が特に好ましい。ラビング処理は、ポリマー層の表面を、紙や布で一定方向に、数回こすることにより実施する。配向膜に使用するポリマーの種類は、液晶性分子の配向(特に平均傾斜角)に応じて決定する。液晶性分子を水平(平均傾斜角:0〜50゜)に配向させるためには、配向膜の表面エネルギーを低下させないポリマー(通常の配向膜用ポリマー)を用いる。液晶性分子を垂直(平均傾斜角:50〜90゜)に配向させるためには、配向膜の表面エネルギーを低下させるポリマーを用いる。配向膜の表面エネルギーを低下させるためには、ポリマーの側鎖に炭素数が10〜100の炭化水素基を導入することが好ましい。
に形成した液晶層を、その上に設ける液晶層の配向膜として機能させることも可能である。
本発明のフィルムや本発明のフィルムを有する光学異方性素子は、透明支持体を有していてもよい。透明支持体として、ガラス板またはポリマーフィルム、好ましくはポリマーフィルムが用いられる。支持体が透明であるとは、光透過率が80%以上であることを意味する。透明支持体として、一般には、光学等方性のポリマーフィルムが用いられている。光学等方性とは、具体的には、面内レターデーション(Re)が10nm未満であることが好ましく、5nm未満であることがさらに好ましい。また、光学等方性透明支持体では、厚み方向のレターデーション(Rth)も、10nm未満であることが好ましく、5nm未満であることがさらに好ましい。透明支持体の面内レターデーション(Re)と厚み方向のレターデーション(Rth)は、それぞれ下記式で定義される。
Re=(nx−ny)×d
Rth=[{(nx+ny)/2}−nz]×d
式中、nxおよびnyは、透明支持体の面内屈折率であり、nzは透明支持体の厚み方向の屈折率であり、そしてdは透明支持体の厚さである。
化合物(18)の合成
化合物(18)を下記ルートで合成した。
1H−NMR(400MHz、DMSO−d6):δ6.8(d、2H)、δ7.1(d、2H)、δ7.3(s、2H)、δ8.45(s、2H)、δ9.3(bd、2H)、δ9.55(bd、2H)。
1H−NMR(400MHz、CDCl3):δ2.35−2.55(m、2H)、δ2.6−2.75(m、4H)、δ4.45(t、2H)。
1H−NMR(400MHz、CDCl3):δ2.4−2.6(m、8H)、δ2.75(t、8H)、δ2.95(t、8H)、δ4.45(t、8H)、δ7.3(s、2H)、δ7.3(s、2H)、δ7.32(s、2H)、8.55(s、2H)。
化合物(5)の合成
化合物(5)を下記ルートで合成した。
1H−NMR(400MHz、DMSO−d6):δ1.0(t、6H)、δ2.8(q、4H)、δ6.85(d、4H)、δ7.8(d、4H)、δ9.85(bd、2H)。
化合物(5)の合成:
1H−NMR(400MHz、CDCl3):δ1.15(t、6H)、δ2.45−2.65(m、4H)、δ2.80−3.05(m、4H+8H)、δ4.45(t、4H)、δ7.15(d、4H)、δ7.95(d、4H)
実施例1および2と類似の方法により、化合物(6)、化合物(12)および化合物(13)を合成した。
(液晶ヘイズ低下試験)
上記にて合成した化合物を表1に記載されるように実施例11〜15にて液晶ヘイズ低下剤として用いて、フィルム(光学異方性フィルム)を形成して評価した。比較例1では特開2002−129162号公報の化合物(30)である下記構造の化合物を、本発明のヘイズ低下剤の代わりに化合物(A)として用いた。
・下記の棒状液晶化合物1 100質量部
・下記のキラル剤(A) 2.8質量部
・IRGACURE819(チバジャパン社製) 3質量部
・下記表1に記載される液晶ヘイズ低下剤 上記の量
・下記表1に記載される溶媒 溶質濃度が25質量%となる量
製造した各実施例および比較例の光学異方性フィルムの配向性を目視及びヘイズで評価した。ヘイズは、日本電飾社製ヘイズメータNDH2000を用いて測定した。
配向試験では、液晶ヘイズ低下剤の濃度が0.03質量%〜0.20質量%である光学異方性フィルムのヘイズ値により、下記の4段階の評価基準にしたがってヘイズ低下作用を評価した。評価が良好であるものは、ヘイズ低下作用が大きいことを示している。
◎ 0.25未満
○ 0.25以上0.60未満
△ 0.60以上1.00未満
× 1.00以上
各実施例および比較例のヘイズ低下剤を上記の各濃度に調整したときに得られた光学異方性フィルムについての評価結果を下記表1に記載した。
なお、溶媒の種類をメチルエチルケトンに代え、溶質濃度を33%に変更した以外は実施例11〜15と同様にしてフィルムを製膜し、同様に液晶ヘイズ低下試験を行った場合も同じ傾向を示しており、本発明の化合物が塗布溶媒の適用範囲が広くて、使用適性が高いことが確認された。
実施例12および実施例15で製造した光学異方性フィルムの透過スペクトル測定を行った。なお、透過スペクトル測定は島津社製の分光光度計UV−3100PCを用いた。それらの結果をそれぞれ図1および図2に示した。
図1および図2に示すように、実施例2および実施例5で作成したフィルムはいずれも900nm付近の近赤外領域に中心波長を有する選択反射膜であり、光学異方性を示すことがわかった。
Claims (13)
- 前記一般式(1)中、Xが水素原子またはエチル基であり、Cyがp−フェニレン基またはm−フェニレン基であり、Lが−O−C(=O)−(CH2)2−C(=O)−O−(CH2)2−または−O−(CH2)2−O−(CH2)2−であり、nが1であり、Hbが−C4F9または−C6F13である、請求項1に記載のヘイズ低下剤。
- 請求項1または2に記載のヘイズ低下剤とさらに重合性液晶分子を含むことを特徴とする液晶組成物。
- 前記重合性液晶分子が棒状液晶分子であることを特徴とする請求項3に記載の液晶組成物。
- 少なくとも1種のキラル化合物を含有する請求項3または4に記載の液晶組成物。
- 請求項3〜5のいずれか1項に記載の液晶組成物を重合させてなる高分子材料。
- 請求項6に記載の高分子材料の少なくとも1種を含有するフィルム。
- 請求項3〜5のいずれか1項に記載の液晶組成物のコレステリック液晶相を固定してなるフィルム。
- 光学異方性を示す請求項7または8に記載のフィルム。
- 選択反射特性を示す請求項7〜9のいずれか1項に記載のフィルム。
- 赤外線波長域に選択反射特性を示す請求項10に記載のフィルム。
- 前記一般式(2)中、X’が水素原子またはエチル基であり、Cy’がp−フェニレン基またはm−フェニレン基であり、L’が−O−C(=O)−(CH2)2−C(=O)−O−(CH2)2−または−O−(CH2)2−O−(CH2)2−であり、n’が1であり、Hb’が−C4F9または−C6F13である、請求項12に記載の化合物。
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