JP2005058226A - 物質生産に影響する代謝フラックスの決定方法 - Google Patents

物質生産に影響する代謝フラックスの決定方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 物質生産に影響する代謝フラックスの決定方法を提供する。
【解決手段】 1)基質から目的生産物質に至る生化学反応式に基づいて化学量論行列を生成する工程、2)前記化学量論行列の自由度と同数の独立な代謝フラックスを自由フラックスとして選択する工程、3)統計解析に十分な数のランダムな、自由フラックスの組み合わせを生成し、生成した組み合わせのそれぞれから、前記化学量論行列に基づいて代謝フラックス分布を算出する工程、4)算出された代謝フラックス分布から、物質生産との相関を示す、最小数の自由フラックスを含む回帰式を多変量統計解析により得る工程、及び、5)得られた回帰式における係数に基づいて物質生産に影響する代謝フラックスを決定する工程により、細胞を用いた物質生産に影響する代謝フラックスを決定する。
【選択図】 図2

Description

本発明は、物質生産に影響する代謝フラックスの決定方法、その決定方法を用いる菌株の作成方法、その決定方法を実施するためのプログラム、および、そのプログラムを格納した記録媒体に関する。
代謝フラックス解析(metabolic flux analysis)は、フラックスバランス解析(flux balance analysis)とも呼ばれ、細胞内の生化学反応の化学量論モデルを構築し、線形最適化によって細胞内の代謝フラックス分布を推定する技術である。微生物における生化学反応系に備わっている能力の研究、あるいは、異なる外界条件における細胞内代謝フラックス分布の予測に用いられてきた(非特許文献1、非特許文献2、非特許文献3)。Escherichia coliに対しても、化学量論モデルが構築された例が報告されており(非特許文献4、非特許文献5)。アミノ酸生産に用いられているCorynebacterium glutamicumにおいては、リジン生産の代謝工学にこのような化学量論モデルを用いた例が知られている(非特許文献6)。これ以外にも、多数の理論的あるいは実験的な代謝フラックス解析の方法とその応用が報告されている(非特許文献7、非特許文献8、特許文献1、特許文献2、特許文献3)。特許文献1には化学量論モデルに基づく生育に必要な遺伝子の予測方法が開示されており、特許文献2には、細胞に最適の機能(optimal function)を持たせる為の細胞を遺伝的及び進化的に変化させる手法が開示されている。さらに、特許文献3には化学量論モデルに、質的な動力学情報の制限、質的な制御情報の制限、あるいは異なる条件下でのDNAマイクロアレイ実験データによる制限の適用の方法について開示されている。いずれも、より望ましい細胞内の代謝フラックス分布を推定する方法ではあるが、細胞の物質生産を直接高めるような標的となるフラックスを理論的に予測する方法は開示されていない。
Varma, A. and Palsson, B. O. Appl. Environ. Microbiol. 60:3724-3731, 1994 Schilling, C. H. et al. Biotechnol. Prog. 15:288-295, 1999 Schilling, C. H. et al. Biotechnol. Prog. 15:296-303, 1999 Pramanik, J. and Keasling, J. D. Biotechnol. Bioeng. 56:398-421, 1997 Ibarra, R. U. et al. Nature. 420:186-189, 2002 Vallino, J. J. and Stephanopoulos, G. Biotechnol. Bioeng. 41:633-646, 1993 Wiechert, W. Journal of Biotechnology 94:37-63, 2002 Wiechert, W. Metabolic Engineering 3:195-205, 2001 国際公開第WO 00/46405号パンフレット 国際公開第WO 02/061115号パンフレット 国際公開第WO 02/055995号パンフレット
アミノ酸、核酸に代表される微生物等の細胞を用いた物質生産において、細胞内代謝フラックス解析を用いて、目的生産物あるいは菌体の収率や生産性を改善するために有効な細胞の改変手法を予測する方法を提供する。より具体的には、物質生産に影響する代謝フラックスの決定方法、その決定方法を用いる菌株の作成方法、その決定方法を実施するためのプログラム、および、そのプログラムを格納した記録媒体を提供する。
本発明者らは、上記課題に鑑み、鋭意検討を行った結果、基質から目的生産物質に至る生化学反応式に基づいて生成された化学量論行列の自由度と同数の自由フラックスを選択し、自由フラックスの、統計解析に十分な数のランダムな組み合わせのそれぞれから化学量論行列に基づき代謝フラックス分布を算出し、算出された代謝フラックス分布から、物質生産との相関を示す、最小数の自由フラックスを含む回帰式を統計解析により得ることにより、物質生産に影響する代謝フラックスを決定できることを見出した。本発明は、この知見に基づいてなされたものであり、その要旨は以下の通りである。
(1)細胞を用いた物質生産に影響する少なくとも1の代謝フラックスを決定する方法であって、
1)基質から目的生産物質に至る生化学反応式に基づいて化学量論行列を生成する工程、2)前記化学量論行列の自由度と同数の独立な代謝フラックスを自由フラックスとして選択する工程、
3)統計解析に十分な数のランダムな、自由フラックスの組み合わせを生成し、生成した組み合わせのそれぞれから、前記化学量論行列に基づいて代謝フラックス分布を算出する工程、
4)算出された代謝フラックス分布から、物質生産との相関を示す、最小数の自由フラックスを含む回帰式を多変量統計解析により得る工程、及び、
5)得られた回帰式における係数に基づいて物質生産に影響する少なくとも1の代謝フラックスを決定する工程
を含むことを特徴とする前記方法。
(2)統計解析が多変量線形回帰分析である(1)に記載の方法。
(3)細胞がアミノ酸、核酸又は有機酸の生産能を保持する微生物である(1)又は(2)に記載の方法。
(4)(1)〜(3)のいずれかに記載の方法により決定された物質生産に影響する代謝フラックス又はその代謝フラックスと同じ独立な代謝フラックス群に属する代謝フラックスを対象として、物質生産に対し正の相関を示す代謝フラックスである場合には、その代謝フラックスを担う活性を高め、及び/又は、物質生産に対し負の相関を示す代謝フラックスである場合には、その代謝フラックスを担う活性を低めるように菌株を改変することを含む、物質生産能を保持する菌株の作成方法。
(5)(4)記載の方法により得られる菌株を培地中で培養し、該培地中に物質を生成・蓄積せしめ、当該物質を培地から採取することを特徴とし、物質がアミノ酸、核酸又は有機酸である、物質の製造方法。
(6)細胞を用いた物質生産に影響する少なくとも1の代謝フラックスを決定するプログラムであって、
1)基質から目的生産物質に至る生化学反応式に基づいて化学量論行列を生成する手順、
2)前記化学両論行列の自由度と同数の独立な代謝フラックスを自由フラックスとして選択する手順、
3)統計解析に十分な数のランダムな、自由フラックスの組み合わせを生成し、生成した組み合わせのそれぞれから、前記化学量論行列に基づいて代謝フラックス分布を算出する手順、
4)算出された代謝フラックス分布から、物質生産との相関を示す、最小数の自由フラックスを含む回帰式を多変量統計解析により得る手順、及び、
5)得られた回帰式における係数に基づいて物質生産に影響する少なくとも1の代謝フラックスを決定する手順
を含む代謝フラックス決定方法をコンピューターに実行させるためのプログラム。
(7)(6)記載のプログラムを記録したことを特徴とするコンピューター読み取り可能な記録媒体。
本発明によれば、物質生産に影響する代謝フラックスを効率的に決定することができ、菌株改良の指針を提供することができる。また、この指針に基づき菌株を改良する方法も提供することができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
<1>本発明の決定方法
本発明の決定方法は、細胞を用いた物質生産に影響する代謝フラックスを決定する方法である。
本発明における代謝フラックスは、細胞内の生化学反応の化学量論モデルと代謝物間の質量作用則から導かれる代謝反応速度(flux)により表され、一方、代謝フラックス分布とは、個々の生化学反応に相当するそれぞれの代謝フラックス全てからなる。
本発明における細胞は、物質生産に用いられるものであれば、どのようなものも対象となる。例えば、各種培養細胞、カビ、酵母、各種バクテリア等が挙げられる。好ましくは、有用化合物、例えばアミノ酸、核酸、または有機酸を産生する能力を保持する微生物である。アミノ酸、核酸、または有機酸の生産能を保持する微生物としては、例えば、大腸菌、バチルス属細菌、コリネ型細菌などが好適に用いられる。より好ましくは、アミノ酸生産能及び/又は有機酸生産能を保持する微生物である。物質生産能を有する大腸菌として欧州特許出願公開第1016710号明細書、バチルス属細菌として特開2003-259861号公報、コリネ型細菌として国際公開00/18935号パンフレットを参照することが出来る。これら微生物は本発明により得られる物質生産に影響する代謝フラックスの情報に基づき、これらの物質生産能をさらに高めるべく改変される。
本発明の決定方法における第1の工程では、基質から目的生産物質に至る生化学反応式に基づいて化学量論行列を生成する。
生化学反応は、細胞内の代謝物が酵素反応によって細胞内で変換される過程を指し、多くの生物に関して、データベース化されている。例えば、Kyoto Encyclopedia of Genes and Genomes(KEGG)(http://www.genome.ad.jp/kegg/)を参照することが出来る。
基質とは、通常には、細胞が炭素源として使用する物質であり、その例としては、グルコース、シュークロース、フルクトース等が挙げられる。
目的生産物質には、単一の代謝物だけでなく、菌体のような代謝物の集合体も含まれる。物質生産は、通常には、物質の生産速度として評価され、物質が菌体の場合には、特に菌体(biomass)収率として評価され得る。菌体収率とは、グルコースなどの基質からタンパク質、炭水化物、核酸、脂質等の細胞構成成分に変換する効率を示す。
化学量論行列とは、代謝フラックス解析に通常に用いられる行列であり、代謝フラックス解析における通常の方法により、基質から生成物質に至る生化学反応式を列挙して、化学量論マトリックスを生成することができる。これには細胞内代謝中間体の擬定常状態を仮定して行う方法が一般的に知られている(Savinell, J. M. and Palsson, B. O. J. Theor. Biol. 154:421-454, 1992; Vallino, J. J. and Stephanopoulos, G. Biotechnol. Bioeng. 41:633-646, 1993)。反応式を列挙する際には、分岐のない一連の反応を一つの反応として扱う、代謝速度の速い反応により変換される反応前後の代謝物を一つの代謝物として扱うなど、反応経路の簡略化を行ってもよい。目的生産物質が菌体の場合には、細胞構成成分に至る生化学反応を列挙することによって化学量論行列を記述することができる。
本発明の決定方法の第2の工程では、前記化学量論行列の自由度と同数の独立な代謝フラックスを自由フラックスとして選択する。
独立なフラックスとは、化学量論式で定義される代謝ネットーク系内のフラックスを一義的に定義するために特定されるべきフラックスのセットである。
自由フラックスを設定する方法としては、対象としている系の自由度の数だけ独立な代謝フラックスを選べればどのような方法でも構わない。任意に選んだフラックスの独立性を確認していく方法もあるが、RederによるSIMS行列(steady-state internal metabolic
stoichiometry matrix)を用いることも出来る(Reder, C. J. Theor. Biol. 135:175-201, 1988)。この方法では、前記生化学反応式から決定される独立な代謝フラックス群から、前記化学量論行列の自由度と同数の代謝フラックス群を選択し、選択された代謝フラックス群のそれぞれから代謝フラックスを自由フラックスとして選択する。フラックス群の特異的グループを決定することにより、あるグループのどのフラックスを変化させても、他のグループのフラックスに影響を与えない事が保証される。従って、それぞれのグループから、1つのフラックスを独立な自由フラックスとして選ぶことが可能になる。フラックス群から自由フラックスを選択する際には、分岐点に近いフラックスを選択することが好ましい。
本発明の決定方法の第3の工程では、自由フラックスの、統計解析に十分な数のランダムな組み合わせを生成し、生成した組み合わせのそれぞれから、前記化学量論行列に基づいて代謝フラックス分布を算出する。
自由フラックスのランダムの組み合わせの生成は、先の工程で選択された自由フラックスに対して、ランダムな値を与えることにより、異なるフラックス分布の組み合わせをデータセットとして生成することにより行うことができる。自由フラックスに対して、ランダムな値を与える方法は、特異的な境界内の自由フラックスの組み合わせを発生させるような方法であれば、どのようなものでも構わない。特異的な境界は後の計算において生物化学的に意味のある値を与えるように設定される。化学量論行列の自由度と同数の自由フラックスが特定されれば、ユニークな代謝フラックス分布を解くことが出来る。この解法には逆行列を用いた行列演算が一般的であり、全てのフラックスを例えば、一定の基質量に規格化することが望ましい。基質がグルコースであれば、例えば、全てのフラックスを10 mmolのグルコース取込当りの値で表現すればよい。こうしてランダムな自由フラック
スの値から得られた代謝フラックス分布の解は、生物学的に意味のあるものでなくてはならない。すなわち、非可逆反応のフラックスが全て0以上であること、菌体形成フラックスが0以上であることである。より望ましい自由フラックスの組み合わせを得る為に、さらに、細胞を用いた物質生産における理論的及び/又は経験的な知識に基づく条件を付加することも出来る。生成する組み合わせの数、すなわち算出する生物学的に意味のあるフラックス分布の数としては統計解析に十分な数があればよい。1つの自由フラックスに対して3つ〜5つの値を用いるので、n個の自由フラックスの場合には、その組み合わせとして1つの自由フラックスに対する値の数のn乗個程度である。例えば、1つの自由フラックスに対して3つの値を用いる場合には、その組み合わせとして3のn乗(3n)個程度である。すなわち、7つの自由フラックス(n=7)に対しては約2,200を用いればよい。あるいは、生物学的に意味のあるフラックス分布のデータセットにおける各々の自由フラックスに対する値の数は、選択された自由フラックスや付加条件に依存して変化し得るので、n個の自由フラックスがあるとき、総数で3のn乗(3n)個から5のn乗(5n)個程度としてもよい。これだけの生物学的に意味のあるフラックス分布の解を求める為には、1つの自由フラックスに対して6つから10つの値を用いてランダムな自由フラックスの値の組み合わせ、すなわち6のn乗(6n)個から10のn乗(10n)個の自由フラックスの組み合わせから始めるのが一般的である。
本発明の決定方法の第4の工程では、算出された代謝フラックス分布(代謝フラックス分布のデータセット)から多変量統計解析により、物質生産との相関を示す、最小数の自由フラックスを含む回帰式を得る。
先の工程で得られた自由フラックスのランダムな組み合わせから算出されたフラックス分布のデータセットに対して、多変量統計解析(Multivariate Statistical Analysis)を行う事で、物質生産との相関を示す、最小数の自由フラックスを含む回帰式を得ることができる。多変量統計解析(多変量非線形回帰分析及び多変量線形回帰分析を含む)は、自由フラックスの組み合わせに対して、物質生産との相関を調べる事ができる手法であれば、どのような手法も用いる事ができるが、多変量線形回帰分析が有用である。この方法については、例えば、Kachigan, S. K. Chapter 4, Regression Analysis in Multivariate Statistical Analysis 2nd Ed. Radius Press, New York, pp. 160-193.に記載されている。
物質生産との相関を示すとは、決定係数が有意に大きいことを意味し、有意に大きいとは、通常には、決定係数R2が0.8以上、好ましくは0.9以上であることである。
物質生産との相関を示す、最小数の自由フラックス(項)を含む回帰式を得るにあたっては、項の数を順次変えて、その数の項を含む最も高い決定係数を示す回帰式を求め、有意に大きい決定係数が示す最小数の項を含む回帰式を選択してもよいし、あるいは、全ての項から一つ項を除いて回帰式を求め、その項を除いたことによる決定係数の低下の度合いを調べ、決定係数の低下の度合いの少ない項を除いた残りの項を全ての項として同様の手順を繰り返し、物質生産との相関を示す回帰式が得られなくなったときのその直前の回帰式を選択してもよい。
これらの数学的処理は、個々にプログラムすることも可能であるが、MatLab(商品名、MathWorks)、Mathematica(商品名、Wolfram Research)等の市販の数学計算プログラムを使用することで容易に実施可能である。
本発明の決定方法の第5の工程では、得られた回帰式における係数に基づいて物質生産に影響する代謝フラックスを決定する。
先の工程で得られた回帰式を利用して、微生物等の細胞を用いた物質生産、特に、物質生産において重要な菌体収率又は生成物質収率に対する自由フラックスの寄与度を決定することができる。すなわち、回帰式に現れる自由フラックスは物質生産に影響するものと決定できる。また、回帰式における係数は寄与度の大きさを示しているので、係数が実質的に大きい(フラックスが規格化されている場合には相対的な係数の絶対値が大きい)自由フラックスを物質生産に大きく影響する代謝フラックスと決定できる。
本発明の決定方法により、目的物質生成のために、影響度の大きい自由フラックスがどれであるか、正あるいは負の効果をもっているかという、菌株改良にとって重要な情報を提供する事ができる。どのフラックスを変化させる事で目的生成物の収率や生産性に良い効果をもたらす事ができるかを予測できる。
<2>本発明の作成方法
本発明の作成方法は、物質生産能を保持する菌株の作成方法であり、本発明の決定方法により決定された物質生産に影響する代謝フラックス又はその代謝フラックスと同じ独立な代謝フラックス群に属する代謝フラックスを対象として、物質生産に対し正の相関を示す代謝フラックスである場合には、その代謝フラックスを担う活性を高め、及び/又は、物質生産に対し負の相関を示す代謝フラックスである場合には、その代謝フラックスを担う活性を低めるように菌株を改変することを特徴とする。
同じ代謝フラックス群の中に含まれているいずれの代謝フラックスも同様の効果をもたらすと考えられるので、本発明の決定方法により決定された代謝フラックスの他、これと同じ独立な代謝フラックス群に属する代謝フラックスを担う活性を改変してもよい。しかしながら、実際の代謝工学的手法の容易さ、酵素活性変化の与える効果の大きさは、フラックスを担う酵素によって異なることが予想される。生産菌改良時の労力と効果を考えると分岐点に近いフラックスが効果的であることが予測できる。例えば、ペントース−リン酸経路では、グルコース-6-リン酸デヒドロゲナーゼを選ぶ事は、トランスケトラーゼと同様に有効であることが予想される。
特定のフラックスを担う活性を変化させる方法としては、種々の方法が知られている。酵素活性を上げる方法としては、酵素をコードする遺伝子のコピー数をプラスミドなどの染色体外DNAで増やす、あるいは、染色体上で増やす方法や酵素をコードする遺伝子のプロモーターに変異を導入し活性を上げる、あるいは、より強いプロモーターにより置換する方法が知られている。酵素活性を下げる方法としては、酵素をコードする遺伝子を破壊する、あるいは、変異を導入して活性を低下させる方法や酵素をコードする遺伝子のプロモーターに変異を導入し活性を下げる、あるいは、より弱いプロモーターにより置換する方法が知られている。これらの方法により、特定のフラックスを担う活性を変化させ目的生産物の収率あるいは生産性を向上させることが可能である。例えば、後述の実施例に示すように、Escherichia coliを用いたリジン生産の場合には、ホスホエノールピルビン酸カルボキシラーゼの活性を高めることでリジン生産能の高まった菌株を作成できると予測できるが、国際公開WO01/53459には、ホスホエノールピルビン酸カルボキシラーゼ活性を高めることでリジン生産を向上させた例が開示されている。従って、本発明の決定方法に基づく本発明の作成方法が極めて有用であることは、実証されている。
<3>本発明の製造法
本発明の製造法は、本発明の作成方法により得られる、アミノ酸、核酸又は有機酸の生産能を有する菌株を培地で培養して、アミノ酸、核酸又は有機酸を該培地中または菌体内に生成蓄積させ、該培地または菌体よりアミノ酸、核酸又は有機酸を回収することを特徴とする、アミノ酸、核酸又は有機酸の製造法である。
使用する培地は、微生物を用いたアミノ酸、核酸又は有機酸の発酵生産において従来より用いられてきた培地を用いることができる。すなわち、炭素源、窒素源、無機イオン及び必要に応じその他の有機成分を含有する通常の培地を用いることができる。ここで、炭素源としては、グルコース、シュクロース、ラクトース、ガラクトース、フラクトースやでんぷんの加水分解物などの糖類、グリセロールやソルビトールなどのアルコール類、フマール酸、クエン酸、コハク酸等の有機酸類を用いることができる。窒素源としては、硫酸アンモニウム、塩化アンモニウム、リン酸アンモニウム等の無機アンモニウム塩、大豆加水分解物などの有機窒素、アンモニアガス、アンモニア水等を用いることができる。有機微量栄養源としては、ビタミンB1、L−ホモセリンなどの要求物質または酵母エキス等を適量含有させることが望ましい。これらの他に、必要に応じて、リン酸カリウム、硫酸マグネシウム、鉄イオン、マンガンイオン等が少量添加される。なお、本発明で用いる培地は、炭素源、窒素源、無機イオン及び必要に応じてその他の有機微量成分を含む培地であれば、天然培地、合成培地のいずれでもよい。
培養は好気的条件下で1〜7日間実施するのがよく、培養温度は24℃〜37℃、培養中のpHは5〜9がよい。尚、pH調整には無機あるいは有機の酸性あるいはアルカリ性物質、更にアンモニアガス等を使用することができる。発酵液(培地)からのアミノ酸、核酸又は有機酸の回収は通常イオン交換樹脂法、沈殿法その他の公知の方法を組み合わせることにより実施できる。なお、菌体内にアミノ酸、核酸又は有機酸が蓄積する場合には、例えば菌体を超音波などにより破砕し、遠心分離によって菌体を除去して得られる上清からイオン交換樹脂法などによって、アミノ酸、核酸又は有機酸を回収することができる。
<4>本発明のプログラム
本発明は、本発明の決定方法を実施するためのプログラムも提供する。本発明のプログラムは、細胞を用いた物質生産に影響する少なくとも1の代謝フラックスを決定するプログラムであって、
1)基質から目的生産物質に至る生化学反応式に基づいて化学量論行列を生成する手順、2)前記化学両論行列の自由度と同数の独立な代謝フラックスを自由フラックスとして選択する手順、
3)統計解析に十分な数のランダムな、自由フラックスの組み合わせを生成し、生成した組み合わせのそれぞれから、前記化学量論行列に基づいて代謝フラックス分布を算出する手順、
4)算出された代謝フラックス分布から、物質生産との相関を示す、最小数の自由フラックスを含む回帰式を多変量統計解析により得る手順、及び、
5)得られた回帰式における係数に基づいて物質生産に影響する少なくとも1の代謝フラックスを決定する手順
を含む代謝フラックス決定方法をコンピューターに実行させるためのプログラムである。
また、本発明の別の態様は上記プログラムを記録したことを特徴とするコンピューター読み取り可能な記録媒体に関する。
本発明のプログラムのフローチャートを図3に示す。各手順は、本発明の決定方法の1)〜5)の工程を行う手順であり、その手順をコンピューターに実行させるプログラムは、通常のプログラム化の方法に従って作成することができる。
また、本発明にかかるプログラムを、コンピューター読み取り可能な記録媒体に格納することもできる。ここで、この「記録媒体」は、フロッピー(登録商標)ディスク、光磁気ディスク、ROM、EPROM、EEPROM、CD−ROM、MO、DVD等の任意の「可搬用の物理媒体」や、各種コンピュータシステムに内蔵されるROM、RAM、HD等の任意の「固定用の物理媒体」、あるいは、LAN、WAN、インターネットに代表
されるネットワークを介してプログラムを送信する場合の通信回線や搬送波のように、短期にプログラムを保持する「通信媒体」を含むものとする。
また、「プログラム」は、任意の言語や記述方法にて記述されたデータ処理方法であり、ソースコードやバイナリコード等の形式を問わない。なお、「プログラム」は必ずしも単一的に構成されるものに限られず、複数のモジュールやライブラリとして分散構成されるものや、OS(Operating System)に代表される別個のプログラムと協働してその機能を達成するものをも含む。なお、実施の形態に示した各装置において記録媒体を読みとるための具体的な構成、読み取り手順、あるいは、読み取り後のインストール手順等については、周知の構成や手順を用いることができる。
以下、実施例により本発明をさらに説明する。
L−リジンにおける代謝フラックスの決定
(1)化学量論マトリックスの生成
細胞内代謝中間体の擬定常状態を仮定して、代謝フラックスを計算する化学量論式を構築した(Savinell, J. M. and Palsson, B. O. J. Theor. Biol. 154:421-454, 1992; Vallino, J. J. and Stephanopoulos, G. Biotechnol. Bioeng. 41:633-646, 1993)。このモデルに含まれる反応式は、第2表に示した通りであり、本発明で用いる各略号の説明については第1表に記載する。分岐のないいくつかの反応は、式を単純化するため一つにまとめた。ペントースリン酸経路は複雑なため、2つの式にまとめて表記した。菌体(biomass)の構成比率については報告されているデータを使用し(Neidhardt、F. C. et al., Physiology of the Bacterial Cell. Sinauer Associates, Massachusetts. 1990)、[68]の反応式を用いて表した。このモデルの化学量論行列は自由度が7であった。
Figure 2005058226
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(2)自由フラックスの選択及びそれらのランダムな組み合わせの生成
Rederの方法に基づきフラックス群の特異的グループを決定した(Reder, C. J. Theor.
Biol. 135:175-201, 1988)。それぞれのグループから、分岐点に近いフラックスを選び、得られた7つの自由フラックスを第3表に示した。これら7つのフラックスを特定することで、フラックスバランスに対して、ユニークな解を与えることができる。
Figure 2005058226
ランダムな7つの自由フラックスの値の組み合わせ約300,000から、いずれの逆反応性の制約を侵すもの、リジンと菌体の両方の値がそれぞれの最大値の20%に設定した閾値レベルを超えないものは除外して、生物学的に意味のある特異領域に存在する5,000の代謝フラックス分布のデータセットを生成した。結果を10 mmolのグルコース取込を基にした値で表現し、ランダムなフラックス分布に相当する5,000行、それぞれが反応フラックスに相当する68列の行列とした。
(3)多変量解析による相関解析及び物質生産に影響する代謝フラックスの決定
7つの自由フラックスに対応する列のみのZ-scoreを含む縮約行列の多変量線形回帰を実施した。多変量線形回帰には、MatLab statistical toolboxのstepwise regression functionを用いた。この手法によって、菌体あるいはリジン生成を7つの自由フラックスの線形関数で導く事が出来る。これら7つのフラックスを特定することは、系の状態を一義的に定義する事になる。従って、7つの項全てをパラメーターとして用いれば、相関係数は1となり、フィッティングが完全である事を示している。しかしながら、通常、式中のより少ない項のみで、比較的よいフィッティングを得ることが可能である。項の種々の組み合わせを試すために、MatLabプログラムのstepwise関数を用いて、保持される項の数それぞれ対して、もっともよいフィッティングを示す式を選んだ。菌体収率は、イソクエン酸リアーゼ(ICL)、リンゴ酸酵素(MEZ)、PEPカルボキシラーゼ(PEPC)、及びATPaseの四つの項のみで、R2=0.980というフィッティングを得る事が出来た。これよりも項の数を減らした場合、R2値は著しく低下し、妥当なフィッティングを示さなかった。入力を10 mmolグルコース当たりに規格化した反応フラックスをすると正確な式は次のようであった。
式1) 菌体収率 = 1.552 - 0.194 (ICL) + 0.184 (MEZ) - 0.194 (PEPC) - 0.011 (ATPase)
リジン収率は同じ4パラメーターを含むモデルでフィッティングすることができ、R2=0.997という結果を得た。しかし、ATPaseの項を除いてもR2は0.856までにしか落ちず、なお良いフィッティングであった。従って、リジンのモデルには以下の3パラメーターを用いた。
式2)リジン収率 = -1.694 + 1.176 (ICL) - 1.095 (MEZ) + 1.162 (PEPC)
最終的に次の式によって、菌体とリジンに向かう炭素原子の総数で定義される全炭素収率(C atoms)をATPaseの項のみを用いて、R2=0.956でフィッティングすることができた。
式3) C atoms = 34.3 - 0.314 (ATPase)
これらの結果から、菌体収率はリンゴ酸酵素に正に相関し、リジン生成はPEPカルボキシラーゼとイソクエン酸リアーゼ(グリオキシル酸回路)のフラックスに正に相関しているが示された。この回帰解析の有用性を図1と図2に示すことが出来る。イソクエン酸リアーゼあるいはリンゴ酸酵素のフラックスを別々に考えた場合、図1a及びbにそれぞれ示すように、リジン生成との間には相関は認められない。しかし、それらのフラックスを回帰式2)の一部として考えた場合には、図2に示すような相関を認めることができ、効果は明らかになる。こうして、本手法により、代謝フラックス間の隠れた関係を見出すことができる。正の相関を示すフラックスを担う活性を高め、負の相関を示すフラックスを担う活性を低めることで、目的生産物の収率を高めることが可能である。すなわち、本結果から、リジン生成には、PEPカルボキシラーゼあるいはイソクエン酸リアーゼ活性を高める、あるいは負の相関を示すリンゴ酸酵素の活性を減少させることが有効であるという、菌株改良の指針を提供することが出来た。実際に、Escherichia coliを用いたリジン生産において、PEPカルボキシラーゼの活性を高めることでリジン生産能の高まった菌株を作成した例が国際公開第WO01/53459号パンフレットに開示されており、本発明の有用性が裏付けられている。
L−スレオニンにおける代謝フラックスの決定
実施例1と同じ方法を用いて、スレオニンに対するもっともよいフィッティングを示す式を選んだ。菌体収率は、イソクエン酸リアーゼ(ICL)、リンゴ酸酵素(MEZ)、PEPカルボキシラーゼ(PEPC)、及びATPaseの四つの項のみで、R2=0.986というフィッティングを得る事が出来た。
式4) 菌体収率 = 1.260 - 0.101 (ICL) + 0.093 (MEZ) - 0.101 (PEPC) - 0.009 (ATPase)
スレオニン収率は同じ3パラメーターを用いたモデルでフィッティングすることができ、R2=0.937という結果を得た。
式5)スレオニン収率 = -1.432 + 1.090 (ICL) - 1.018 (MEZ) + 1.087 (PEPC)
これらの結果から、菌体収率はリンゴ酸酵素に正に相関し、スレオニン生成に対してはPEPカルボキシラーゼとイソクエン酸リアーゼ(グリオキシル酸回路)のフラックスに正に相関しているが示された。従って、スレオニン生産に対しても、PEPカルボキシラーゼあるいはイソクエン酸リアーゼ活性を高める、あるいは負の相関を示すリンゴ酸酵素の活性を減少させることが有効であるという、菌株改良の指針を提供することが出来た。
リンゴ酸酵素欠損L−リジン生産菌の構築
エシェリヒア・コリのL−リジン生産株として、AEC(S−(2−アミノエチル)−システイン)耐性株であるWC196株(国際公開第WO96/17930号国際公開パンフレット参照)を用いた。
リンゴ酸酵素は、エシェリヒア・コリでは、NADを補酵素とするもの(EC 1.1.1.38)と、NADPを補酵素とするもの(EC 1.1.1.40)(それぞれsfcA及びb2463遺伝子によりコードされる)がある。
sfcA、b2463遺伝子の欠失は、DatsenkoとWannerによって最初に開発された「Red-driven integration」と呼ばれる方法(Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 2000, vol. 97, No. 12, p6640-6645)とλファージ由来の切り出しシステム(J. Bacteriol. 2002 Sep; 184(18): 5200-3. Interactions between integrase and excisionase in the phage lambda excisive nucleoprotein complex. Cho EH, Gumport RI, Gardner JF.)によって行った。「Red-driven integration」方法によれば、目的とする遺伝子の一部を合成オリゴヌクレオチドの5’側に、抗生物質耐性遺伝子の一部を3’側にデザインした合成オリゴヌクレオチドをプライマーとして用いて得られたPCR産物を用いて、一段階で遺伝子破壊株を構築することができる。さらにλファージ由来の切り出しシステムを組合わせることにより、遺伝子破壊株に組み込んだ抗生物質耐性遺伝子を除去することが出来る。
(1)sfcA遺伝子の破壊
PCRの鋳型として、プラスミドpMW118-attL-Cm-attRを使用した。pMW118-attL-Cm-attRは、pMW118(宝バイオ社製)にλファージのアタッチメントサイトであるattL及びattR遺伝子と抗生物質耐性遺伝子であるcat遺伝子を挿入したプラスミドであり、attL-cat-attRの順で挿入されている。attL配列を配列番号5に、attR配列を配列番号6に示す。
このattLとattRの両端に対応する配列をプライマーの3'末端に、目的遺伝子であるsfcA遺伝子の一部に対応するプライマーの5'末端に有する配列番号1及び2に示す合成オリゴヌクレオチドをプライマーに用いてPCRを行った。
増幅したPCR産物をアガロースゲルで精製し、温度感受性の複製能を有するプラスミドpKD46を含むエシェリヒア・コリWC196株にエレクトロポレーションにより導入した。プラスミドpKD46(Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 2000, vol. 97, No. 12, p6640-6645)は、アラビノース誘導性ParaBプロモーターに制御されるλRed相同組換えシステムのRed レコンビナーゼをコードする遺伝子(γ、β、exo遺伝子)を含むλファージの合計2154塩基のDNAフラグメント(GenBank/EMBL アクセッション番号 J02459, 第31088番目〜33241番目)を含む。プラスミドpKD46はPCR産物をWC196株の染色体に組み込むために必要である。
エレクトロポレーション用のコンピテントセルは次のようにして調製した。すなわち、100mg/Lのアンピシリンを含んだLB培地中で30℃、一晩培養したエシェリヒア・コリWC196株を、アンピシリン(20mg/L)とL-アラビノース(1mM)を含んだ5mLのSOB培地(モレキュラークローニング:実験室マニュアル第2版、Sambrook, J.ら、Cold Spring Harbor
Laboratory Press(1989年))で100倍希釈した。得られた希釈物を30℃で通気しながらOD600が約0.6になるまで生育させた後、100倍に濃縮し、10%グリセロールで3回洗浄することによってエレクトロポレーションに使用できるようにした。エレクトロポレーションは70μLのコンピテントセルと約100ngのPCR産物を用いて行った。エレクトロポレーション後のセルは1mLのSOC培地(モレキュラークローニング:実験室マニュアル第2版、Sambrook, J.ら、Cold Spring Harbor Laboratory Press(1989年))を加えて37℃で2.5時間培養した後、37℃でCm(クロラムフェニコール)(25mg/L)を含むL−寒天培地上で平板培養し、Cm耐性組換え体を選択した。次に、pKD46プラスミドを除去するために、Cmを含むL-寒天培地上、42℃で2回継代し、得られたコロニーのアンピシリン耐性を試験し、pKD46が脱落しているアンピシリン感受性株を取得した。
クロラムフェニコール耐性遺伝子によって識別できた変異体のsfcA遺伝子の欠失を、PCRによって確認した。得られたsfcA欠損株をWC196ΔsfcA::att-cat株と名づけた。
次に、sfcA遺伝子内に導入されたatt-cat遺伝子を除去するために、ヘルパープラスミドpMW-intxis-tsを使用した。pMW-intxis-tsは、λファージのインテグラーゼ(Int)をコードする遺伝子(配列番号7)、エクシジョナーゼ(Xis)をコードする遺伝子(配列番号9)を搭載し、温度感受性の複製能を有するプラスミドである。pMW-intxis-ts導入により、染色体上のattL(配列番号5)あるいはattR(配列番号6)を認識して組換えを起こしattLとattRの間の遺伝子を切り出し、染色体上にはattLあるいはattR配列のみ残る構造になる。
上記で得られたWC196ΔsfcA::att-cat株のコンピテントセルを常法に従って作製し、ヘルパープラスミドpMW-intxis-tsにて形質転換し、30℃で50 mg/Lのアンピシリンを含むL−寒天培地上にて平板培養し、アンピシリン耐性株を選択した。
次に、pMW-intxis-tsプラスミドを除去するために、L-寒天培地上、42℃で2回継代し、得られたコロニーのアンピシリン耐性、及びクロラムフェニコール耐性を試験し、att-cat、及びpMW-intxis-tsが脱落しているクロラムフェニコール、アンピシリン感受性株を取得した。この株をWC196ΔsfcAと名づけた。
(2)b2463遺伝子の破壊
WC196株、WC196ΔsfcA 株におけるb2463遺伝子の欠失は、上記(1)の手法に則って、b2463破壊用プライマーとして、配列番号3、4のプライマーを使用して行った。これによって、WC196Δb2463株、WC196ΔsfcAΔb2463を得た。構築した菌株WC196ΔsfcAΔb2463をWC196Δmezと名づけた。
(3)PCR鋳型及びヘルパープラスミドの調製
PCRの鋳型pMW118-attL-Cm-attR及びヘルパープラスミドpMW-intxis-tsは以下のように調製した。
(3−1) pMW118-attL-Cm-attR
pMW118-attL-Cm-attRの構築は、pMW118-attL-Tc-attRを基にした。下記の四つのDNA断片を連結した。
1)オリゴヌクレオチドP1及びP2(配列番号11及び12)をプライマーとして用いて(これらのプライマーはBglII及びEcoRIエンドヌクレアーゼの認識部位を付加的に含む)、E. coli W3350株(λプロファージを含む)の染色体の相当する配列をPCR増幅することにより得たattLを含むBglII-EcoRI DNA断片(120 bp)(配列番号5)。
2)オリゴヌクレオチドP3及びP4(配列番号13及び14)をプライマーとして用いて(これらのプライマーはPstI及びHindIIIエンドヌクレアーゼの認識部位を付加的に含む)、E. coli W3350株(λプロファージを含む)の染色体の相当する配列をPCR増幅することにより得たattRを含むPstI-HindIII DNAフラグメント(182 bp)(配列番号6)。
3)pMW118-ter_rrnBのラージBglII-HindIII断片(3916 bp)。pMW118-ter_rrnBは下記の三つの断片を連結することにより得られたものである。
pMW118をEcoRI制限エンドヌクレアーゼで切断し、DNAポリメラーゼIのクレノウ断片で処理し、次いでAatII制限エンドヌクレアーゼで切断することで得たpMW118のAatII-EcoRIpol断片を含むラージ断片(2359 bp)。
オリゴヌクレオチドP5及びP6(配列番号15及び16)をプライマーとして用いて(これらのプライマーはAatII及びBglIIエンドヌクレアーゼの認識部位を付加的に含む)、pUC19プラスミドの相当する配列をPCR増幅することにより得た、アンピシリン耐性(ApR)のbla遺伝子を含む、pUC19のAatII-BglIIスモール断片(1194bp)。
オリゴヌクレオチドP7及びP8(配列番号17及び18)をプライマーとして用いて(これらのプライマーはBglII及びPstIエンドヌクレアーゼの認識部位を付加的に含む)、E. coli MG1655株の染色体の相当する領域をPCR増幅することにより得た転写ターミネーターter-rrnBのBglII-PstIpolスモール断片(363 bp)。
4)テトラサイクリン耐性遺伝子及び転写ターミネーターter_thrLを含むpML-Tc-ter-thrLのスモールEcoRI-PstI断片(1388 bp)(配列番号23)。pML-Tc-ter_thrLは下記のように得られたものである。
pML-MSC(2001 #5)をXbaI及びBamHI制限エンドヌクレアーゼで切断し、そのラージ断片(3342 bp)を、ターミネーターter-thrLを含むXbaI-BamHI断片(68 bp)と連結した。XbaI-BamHI断片は、オリゴヌクレオチドP9及びP10(配列番号19及び20)をプライマーとして用いて(これらのプライマーはXbaI及びBamHIエンドヌクレアーゼの認識部位を付加的に含む)、E. coli MG1655株の染色体の相当する領域をPCR増幅することにより得た。この連結反応の産物をプラスミドpML-ter_thrLとした。
pML-ter_thrLをKpnI及びXbaI制限エンドヌクレアーゼで切断し、DNAポリメラーゼIのクレノウ断片で処理し、次いで、テトラサイクリン耐性遺伝子を含むpBR322のスモールEcoRI-Van91I断片(1317 bp)(EcoRI及びVan91I制限エンドヌクレアーゼでpBR322を、DNAポリメラーゼIのクレノウ断片で処理した。)と連結した。この連結反応の産物をプラスミドpML-Tc-ter_thrLとした。
以上のようにしてpMW118-attL-Tc-attRを得た。
pMW118-attL-Cm-attRは、pMW118-attL-Tc-attRのラージBamHI-XbaI断片(4413 bp)と、プロモーターPA2(T7ファージの初期プロモーター)、クロラムフェニコール耐性(CmR)のcat遺伝子、転写ターミネーターter_thrL及びattRを含むBglII-XbaI人工DNA断片(1162bp)とを連結して構築した。人工DNA断片(配列番号24)は、下記のようにして得た。
1.pML-MSC (2001 #5)をKpnI及びXbaI制限エンドヌクレアーゼで切断し、次いで、プロモーターPA2(T7ファージの初期プロモーター)を含むスモールKpnI-XbaI断片(120 bp)と連結した。KpnI-XbaI断片は、オリゴヌクレオチドP11及びP12(配列番号21及び22)をプライマーとして用いて(これらのプライマーはKpnI及びXbaIエンドヌクレアーゼの認識部位を付加的に含む)、T7ファージDNAの相当する領域をPCR増幅することにより得た。この連結反応の産物をプラスミドpML-PA2-MCSとした。
2.pML-PA2-MCSから、XbaI部位を除去した。得られた産物をプラスミドpML-PA2-MCS(XbaI-)とした。
3.プロモーターPA2(T7ファージの初期プロモーター)及びクロラムフェニコール耐性(CmR)のcat遺伝子を含む、pML-PA2-MCS(XbaI-)のスモールBglII-HindIII断片(928 bp)を、転写ターミネーターter_thrLおよびattRを含む、pMW118-attL-Tc-attRのスモールHindIII-HindIII断片(234 bp)と連結した。
4.オリゴヌクレオチドP9及びP4(配列番号19及び14)をプライマーとして用いて(これらのプライマーはHindIII及びXbaIエンドヌクレアーゼの認識部位を付加的に含む
)、連結反応混合物をPCR増幅することにより目的の人工DNA断片(1156 bp)を得た。
(3−2) pMW-intxis-ts
最初に、λファージDNA(Fermentas)を鋳型として二つのDNA断片を増幅した。第一の断片は、nt 37168〜38046(配列番号33)の領域からなり、cIレプレッサー、プロモーターPrm及びPr並びにcro遺伝子のリーダー配列を含むものであった。この断片は、オリゴヌクレオチドP1'及びP2'(配列番号25及び26)をプライマーとして用いた増幅により得た。第二の断片は、λファージのxis-int遺伝子を含む、nt 27801〜29100(配列番号34)の領域からなるものであった。この断片は、オリゴヌクレオチドP3'及びP4'(配列番号27及び28)をプライマーとして用いた増幅により得た。全てのプライマーは、適切なエンドヌクレアーゼ認識部位を有していた。
cIレプレッサーを含む、得られたPCR増幅断片を、ClaI制限エンドヌクレアーゼで切断し、DNAポリメラーゼIのクレノウ断片で処理し、次いで、EcoRI制限エンドヌクレアーゼで切断した。第二のPCR増幅断片をEcoRI及びPstI制限エンドヌクレアーゼで切断した。一方、プラスミドpMWPlaclacI-tsを、BglIIエンドヌクレアーゼで切断し、DNAポリメラーゼIのクレノウ断片で処理し、次いでPstI制限エンドヌクレアーゼで切断した。pMWPlaclacI-tsのベクター断片をアガロースゲルから溶出し、切断したPCR増幅断片と連結した。
プラスミドpMWPlaclacI-tsは、下記の部分からなるpMWPlaclacIの誘導体である。1) PlacUV5プロモーター及びバクテリオファージT7遺伝子10のRBSの制御下のlacI遺伝子を含むBglII-HindIII人工DNA断片、2) オリゴヌクレオチドP5'及びP6'(配列番号29及び30)をプライマーとして用いて(これらのプライマーはAatII及びBglIIエンドヌクレアーゼの認識部位を付加的に含む)、pUC19プラスミドの相当する領域をPCR増幅することにより得た、アンピシリン耐性(ApR)遺伝子を含むAatII-BglII断片、3) 組換えプラスミドpMW118-ter_rrnBのAatII-PvuI断片を含むAatII-HindIII断片。プラスミドpMW118-ter_rrnBは、以下のようにして構築した。適切なエンドヌクレアーゼ認識部位を含むオリゴヌクレオチドP7'及びP8'(配列番号31及び32)をプライマーとして用いて、E. coli MG1655株の染色体の相当する領域をPCR増幅することにより、ターミネーターter_rrnBを含むPstI-HindIII断片を得た。連結の前に、pMW118及びter_rrnB断片(相補鎖、配列番号35)を、PvuIまたはPstIでそれぞれ制限し、DNAポリメラーゼIのクレノウ断片で処理してブラント端にし、次いで、AatIIまたはHindIIIエンドヌクレアーゼで切断した。pMWPlaclacI-ts変異体の構築には、プラスミドpMWPlaclacIのAatII-EcoRV断片を、pSC101レプリコンのpar、ori及びrepAts遺伝子を含むプラスミドpMAN997のAatII-EcoRV断片で置換した。
リンゴ酸酵素欠損L−スレオニン生産菌の構築
sfcA及びb2463の欠損株をVKPM B-5318株から取得した。VKPM B-5318株は、1987年11月19日ににロシアン・ナショナル・コレクション・オブ・インダストリアル・マイクロオーガニズム(Russian National Collection of Industrial Microorganisms (VKPM), GNII Genetika )に登録番号VKPM B-5318のもとに寄託されている。
リンゴ酸酵素(mez)遺伝子(sfcA、b2463)の各遺伝子単独欠失株は、実施例3と同様にRedドリブンインテグレーション法によって取得した。すなわち、WC196株の代わりにB-5318株を用いる他は、実施例3のRedドリブンインテグレーション法と同様に行い、クロラムフェニコール耐性遺伝子によって識別できた変異体をsfcA、b2463破壊株とした。B-5318のsfcA破壊株をB-5318ΔsfcA、B-5318のb2463破壊株をB-5318Δb2463と名づけた。また、B5318のsfcA及びb2463の破壊株は実施例3のRedドリブンインテグレーション法とλファージ由来の切り出しシステムを使用した方法を用いて取得した。B-5318のsfcA及びb2463の破壊株すなわち菌株B-5318ΔsfcAΔb2463をB-5318Δmezと名づけた。
リンゴ酸酵素欠損株の培養評価
<5−1>b2463欠損株であるL-スレオニン生産菌の評価
B-5318Δb2463及びB-5318株を、ストレプトマイシン硫酸塩20mg/L、硫酸カナマイシン25mg/Lを含有するLB寒天培地(トリプトン10g/L、酵母エキス5g/L、NaCl 5g/L、寒天15g/L)にて37℃で24時間培養した菌体を1/5枚のプレートから掻き取り、ストレプトマイシン硫酸塩20mg/L、硫酸カナマイシン25mg/Lを含有するLB液体培地(トリプトン10g/L、酵母エキス5g/L、NaCl 5g/L)50mLに植菌し、培養温度40℃、培養時間3.5時間、144rpmにて前培養を行った。
前培養終了後、本培養培地300mLを注入した1L容ジャーファーメンターに、本培養培地体積の10%に当たる前培養溶液を植菌し、40℃、pH7.0にて本培養を行った。本培養培地組成は以下に示す。
Figure 2005058226
培養中のpHは、pHが7.0になるようにアンモニアガスを添加することにより調整を行った。
添加した糖を消費した後、液体クロマトグラフィーにより、L-スレオニン量の測定を行った。結果を表5に示す。
b2463欠損株であるB-5318Δb2463を用いた場合、コントロールであるB-5318株に対し、スレオニン収率は向上した。
Figure 2005058226
<5−2> sfcA欠損株であるL-スレオニン生産菌の評価
B-5318ΔsfcA株及びB-5318株を、<5−1>と同様にして培養した。
添加した糖を消費した後、液体クロマトグラフィーにより、L-スレオニン量の測定を行った。結果を表6に示す。
sfcA欠損株であるB-5318ΔsfcA株を用いた場合、コントロールであるB-5318株に対し、スレオニン収率は向上した。
Figure 2005058226
<5−3> sfcA,b2463 欠損株であるL-リジン生産菌の評価
WC196株、WC196ΔsfcA株及びWC196Δb2463株を、dapA、dapB及びLysC遺伝子を搭載したLys生産用プラスミドpCABD2(国際公開第WO01/53459号パンフレット)を用いて常法に従い形質転換し、WC196/pCABD2、WC196ΔsfcA/pCABD2株及びWC196Δb2463/pCABD2株を得た。
WC196/pCABD2、WC196ΔsfcA/pCABD2株及びWC196Δb2463/pCABD2株を20 mg/Lのストレプトマイシンを含むL培地(下記に示す)にて、同培地でのOD600約0.6となるまで37℃にて培養した後、培養液と等量の40%グリセロール溶液を加えて攪拌した後、適当量ずつ分注し、-80℃に保存した。これをグリセロールストックと呼ぶ。
これらの株のグリセロールストックを融解し、各100μLを、20 mg/Lのストレプトマイシンを含むLプレートに均一に塗布し、37℃にて24時間培養した。得られたプレートのおよそ1/8量の菌体を、500mL坂口フラスコの、20 mg/Lのストレプトマイシンを含む発酵培地(下記に示す)の20 mLに接種し、往復振とう培養装置で37℃において約16時間培養した。培養後、培地中に蓄積したリジンの量、及び残存しているグルコースをバイオテックアナライザーAS210(サクラ精機)を用いて測定した。
L−リジン蓄積と除菌体収率を表7に示す。ここで言う除菌体収率とは、菌体生成に使用された糖量を除いて計算した収率であり、消費糖の50%が菌体形成に使用されると仮定して計算される。この結果より、対照株WC196/pCABD2に比較して、単欠損株WC196ΔsfcA/pCABD2株、WC196Δb2463/pCABD2株は除菌体収率が向上することがわかった。
Figure 2005058226
sfcAまたはb2463欠損L-リジン生産菌評価に使用した培地を説明する。試薬は、特記しない限り和光純薬、又はナカライテスク社製のものを用いた。用いる培地の組成は以下に示すとおりである。いずれの培地もpHはNaOHまたはHClで調整した。
Figure 2005058226
リンゴ酸酵素欠損株(Δmez)の培養評価
<6−1> リンゴ酸酵素欠損L-スレオニン生産株の評価
B-5318Dmez株及びB-5318株を、ストレプトマイシン硫酸塩20mg/L、硫酸カナマイシン25mg/Lを含有するLB寒天培地(トリプトン10g/L、酵母エキス5g/L、NaCl 5g/L、寒天15g/L)にて37℃で24時間培養した菌体を1枚のプレートから掻き取り、LB液体培地(トリプトン10g/L、酵母エキス5g/L、NaCl 5g/L)5mLに懸濁し、0.5mLをストレプトマイシン硫酸塩20mg/L、硫酸カナマイシン25mg/Lを含有するLB液体培地50mLに植菌し、培養温度39℃、培養時間4時間、144rpmにて前培養を行った。
前培養終了後、本培養培地300mLを注入した1L容ジャーファーメンターに、本培養培地体積の10%に当たる前培養溶液を植菌し、39℃、pH7.0にて本培養を行った。本培養培地組成は以下に示す。
Figure 2005058226
培養中のpHは、pHが7.0になるようにアンモニアガスを添加することにより調整を行った。培地中の糖が消費され枯渇した後は、600g/Lのグルコース水溶液を添加した。
本培養を24時間培養後、液体クロマトグラフィーにより、L-スレオニン量の測定を行った。結果を表10に示す。
マリックエンザイム欠損株であるB-5318Δmez株を用いた場合、コントロールであるB-5318株に対し、スレオニン収率は向上した。
Figure 2005058226
<6−2> リンゴ酸酵素欠損L-リジン生産株の評価
WC196株、WC196Δmez株をLys生産用プラスミドpCABD2(WO01/53459)で常法に従い形質転換し、WC196/pCABD2及びWC196Δmez/pCABD2株を得た。
WC196/pCABD2、WC196Δmez/pCABD2株を20 mg/Lのストレプトマイシンを含むL培地(実施例5<5−3>で用いたものと同じ)にて、OD600が約0.6となるまで37℃にて培養した後、培養液と等量の40%グリセロール溶液を加えて攪拌した後、適当量ずつ分注し、-80℃に保存した。これをグリセロールストックと呼ぶ。
これらの株のグリセロールストックを融解し、各100μLを、20 mg/Lのストレプトマイシンを含むLプレートに均一に塗布し、37℃にて24時間培養した。得られたプレートのおよそ1/8量の菌体を、500mL坂口フラスコの、20 mg/Lのストレプトマイシンを含む発酵培地(実施例5<5−3>で用いたものと同じ)の20 mLに接種し、往復振とう培養装置で37℃において48時間培養した。培養後、培地中に蓄積したリジンの量、及び残存しているグルコースをバイオテックアナライザーAS210(サクラ精機)を用いて測定した。
L−リジン蓄積と除菌体収率を表11に示す。ここで言う除菌体収率とは、消費糖の50%が菌体形成に使用されると仮定して計算される。この結果より、対照株WC196/pCABD2に
比較して、WC196Δmez/pCABD2は除菌体収率が向上することがわかった。
Figure 2005058226
5,000のランダムなフラックス分布のデータセットを用いて自由フラックスの異なる値の関数として、リジン生成の収率を示したプロット。(a)イソクエン酸リアーゼフラックス、(b) リンゴ酸酵素フラックス、(c) PEPカルボキシラーゼフラックスに対するリジン収率。 ランダムな5,000フラックス分布のデータセットに対する、式2の値の関数としてのリジン生成のプロット。入力値は10 mmol/hrのグルコースフラックスに対するmmol/hrで与えられるフラックス。 代謝フラックスの決定プログラムのフローチャートを示す。 pMW118-attL-Tc-attR及びpMW118-attL-Cm-attRの構造を示す。 pMW-intxis-tsの構造を示す。

Claims (7)

  1. 細胞を用いた物質生産に影響する少なくとも1の代謝フラックスを決定する方法であって、
    1)基質から目的生産物質に至る生化学反応式に基づいて化学量論行列を生成する工程、2)前記化学量論行列の自由度と同数の独立な代謝フラックスを自由フラックスとして選択する工程、
    3)統計解析に十分な数のランダムな、自由フラックスの組み合わせを生成し、生成した組み合わせのそれぞれから、前記化学量論行列に基づいて代謝フラックス分布を算出する工程、
    4)算出された代謝フラックス分布から、物質生産との相関を示す、最小数の自由フラックスを含む回帰式を多変量統計解析により得る工程、及び、
    5)得られた回帰式における係数に基づいて物質生産に影響する少なくとも1の代謝フラックスを決定する工程
    を含むことを特徴とする前記方法。
  2. 統計解析が多変量線形回帰分析である請求項1に記載の方法。
  3. 細胞がアミノ酸、核酸又は有機酸の生産能を保持する微生物である請求項1又は2に記載の方法。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法により決定された物質生産に影響する代謝フラックス又はその代謝フラックスと同じ独立な代謝フラックス群に属するいずれかの代謝フラックスを対象として、物質生産に対し正の相関を示す代謝フラックスである場合には、その代謝フラックスを担う活性を高め、及び/又は、物質生産に対し負の相関を示す代謝フラックスである場合には、その代謝フラックスを担う活性を低めるように菌株を改変することを含む、物質生産能を保持する菌株の作成方法。
  5. 請求項4記載の方法により得られる菌株を培地中で培養し、該培地中に物質を生成・蓄積せしめ、当該物質を培地から採取することを特徴とし、物質がアミノ酸、核酸又は有機酸である、物質の製造方法。
  6. 細胞を用いた物質生産に影響する少なくとも1の代謝フラックスを決定するプログラムであって、
    1)基質から目的生産物質に至る生化学反応式に基づいて化学量論行列を生成する手順、2)前記化学両論行列の自由度と同数の独立な代謝フラックスを自由フラックスとして選択する手順、
    3)統計解析に十分な数のランダムな、自由フラックスの組み合わせを生成し、生成した組み合わせのそれぞれから、前記化学量論行列に基づいて代謝フラックス分布を算出する手順、
    4)算出された代謝フラックス分布から、物質生産との相関を示す、最小数の自由フラックスを含む回帰式を多変量統計解析により得る手順、及び、
    5)得られた回帰式における係数に基づいて物質生産に影響する少なくとも1の代謝フラックスを決定する手順
    を含む代謝フラックス決定方法をコンピューターに実行させるためのプログラム。
  7. 請求項6記載のプログラムを記録したことを特徴とするコンピューター読み取り可能な記録媒体。
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