JP5359409B2 - L−システイン生産菌及びl−システインの製造法 - Google Patents
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Description
常に複雑である。したがって、相同性や表現型から単純に推定されるトランスポーターの性質は、実際のトランスポーターとしての生理的機能を反映していない場合がある。例えば、複数の基質に対する輸送の中でどの輸送が生理的に重要な機能であるのかなどは予想できない。また、仮にある物質を輸送することがわかったとしても、その物質を同様にトランスポートする因子が他にも複数存在する可能性がある。したがって、アミノ酸発酵生産に用いる微生物の改変においては、ターゲットとしてトランスポーターを利用するのは、容易ではない。
2192-2198(1999))。また、レジオネラ・ニューモフィラ(Legionella pneumophila)ではKineticsの異なる2つのシステイン取り込み系が存在すると予想されているが(非特許文献9)、遺伝子やタンパク質は未だ特定されていない。
すなわち本発明は以下のとおりである。
(2)前記YdjNタンパク質が配列番号2又は4のアミノ酸配列を有するタンパク質、又はそのバリアントである、前記細菌。
(3)さらにFliYタンパク質の活性か低下するように改変された、前記細菌。
(4)前記FliYタンパク質が配列番号6又は8のアミノ酸配列を有するタンパク質、又はそのバリアントである、前記細菌。
(5)前記YdjNタンパク質又はFliYタンパク質の活性が、これらのタンパク質をコードするydjN遺伝子もしくはfliY遺伝子の発現量を低下させること、又はこれらの遺伝子を破壊することにより低下した、前記細菌。
(6)前記ydjN遺伝子が、下記(a)〜(c)のいずれかのDNAである、前記細菌。
(a)配列番号1又は3の塩基配列を含むDNA。
(b)配列番号1又は3の塩基配列に相補的な配列、又は同塩基配列から調製され得るプローブとストリンジェントな条件下でハイブリダイズするDNA。
(c)配列番号1又は3の塩基配列と95%以上の同一性を有するDNA。
(7)前記fliY遺伝子が、下記(d)〜(f)のいずれかのDNAである、前記細菌。
(d)配列番号5又は7の塩基配列を含むDNA。
(e)配列番号5又は7の塩基配列に相補的な配列、又は同塩基配列から調製され得るプローブとストリンジェントな条件下でハイブリダイズするDNA。
(f)配列番号5又は7の塩基配列と95%以上の同一性を有するDNA。
(8)さらに、下記の性質の少なくともいずれかを有する前記細菌。
i)セリンアセチルトランスフェラーゼ活性が上昇するように改変されている。
ii)yeaS遺伝子の発現が上昇するように改変されている。
iii)3−フォスフォグリセレートデヒドロゲナーゼ活性が上昇するように改変されている。
iv)硫酸塩/チオ硫酸塩輸送系の活性が増強するように改変されている。
(9)前記細菌がパントエア属に属する細菌である、前記細菌。
(10)前記細菌がパントエア・アナナティスである、前記細菌。
(11)前記細菌がエシェリヒア・コリである前記細菌。
(12)前記細菌を培地中で培養し、該培地からL−システイン、L−シスチン、それらの誘導体もしくは前駆体、又はこれらの混合物を採取することを特徴とする、L−システイン、L−シスチン、それらの誘導体もしくは前駆体、又はこれらの混合物の製造法。
本発明の細菌は、L−システイン生産能を有し、かつ、YdjNタンパク質活性が低下するように改変された腸内細菌科に属する細菌である。本発明の細菌の好ましい形態は、前記タンパク質に加えてFliYタンパク質の活性が低下されるように改変された細菌である。YdjNタンパク質及びFliYタンパク質は、fliY及びydjN遺伝子によってコードされている。これらのタンパク質及び遺伝子については後述する。
L−システイン又はL−シスチンの前駆体には、前駆体の誘導体も含まれ、例えばO−アセチルセリンの誘導体であるN−アセチルセリン等が挙げられる。
12301 Parklawn Drive, Rockville, Maryland 20852 P.O. Box 1549, Manassas, VA 20108, United States of America)より分譲を受けることが出来る。すなわち各菌株に対応する登録番号が付与されており、この登録番号を利用して分譲を受けることが出来る(http://www.atcc.org/参照)。各菌株に対応する登録番号は、アメリカン・タイプ・カルチャー・コレクションのカタログに記載されている。
agglomerans)、エンテロバクター・アエロゲネス(Enterobacter aerogenes)等、パントエア属細菌としてはパントエア・アナナティス(Pantoea ananatis)が挙げられる。尚、近年、エンテロバクター・アグロメランスは、16S rRNAの塩基配列解析などにより、パントエア・アグロメランス(Pantoea agglomerans)又はパントエア・アナナティス(Pantoea ananatis)、パントエア・スチューアルティ(Pantoea stewartii)に再分類されているものがある。本発明においては、腸内細菌科に分類されるものであれば、エンテロバクター属又はパントエア属のいずれに属するものであってもよい。
biol 1997 Dec;43(6) 355-361, International Journal of Systematic Bacteriology, Oct. 1997,p1061-1067)。近年、DNA-DNAハイブリダイゼーション実験等により、エンテロバクター属に属する細菌には、パントエア・アグロメランス(Pantoea agglomerans)又はパントエア・ディスパーサ(Pantoea dispersa)等に再分類されているものがある(International Journal of Systematic Bacteriology, July 1989;39(3).p.337-345)。また、エルビニア属に属する細菌にはパントエア・アナナス(Pantoea ananas)、パントエア・スチューアルティに再分類されているものがある(International Journal of Systematic Bacteriology, Jan 1993;43(1), p.162-173 参照)。
agglomerans)、エンテロバクター・アエロゲネス(Enterobacter aerogenes)等が挙げられる。具体的には、欧州特許出願公開952221号明細書に例示された菌株を使用することが出来る。エンテロバクター属の代表的な株として、エンテロバクター・アグロメランスATCC12287株が挙げられる。
以下、腸内細菌科に属する細菌にL−システイン生産能を付与する方法、又はこれらの細菌のL−システイン生産能を増強する方法について述べる。
創製等、従来、コリネ型細菌又はエシェリヒア属細菌等の育種に採用されてきた方法を適用することができる(アミノ酸発酵、(株)学会出版センター、1986年5月30日初版発行、第77-100頁参照)。ここで、L−システイン生産菌の育種において、付与される栄養要求性、アナログ耐性、代謝制御変異等の性質は、単独でもよく、2種又は3種以上であってもよい。また、発現が増強されるL−システイン生合成系酵素も、単独であっても、2種又は3種以上であってもよい。さらに、栄養要求性、アナログ耐性、代謝制御変異等の性質の付与と、生合成系酵素の増強が組み合わされてもよい。
JM15(米国特許第6,218,168号)、細胞に毒性の物質を排出するのに適したタンパク質をコードする過剰発現遺伝子を有するE. coli W3110 (米国特許第5,972,663号)、システインデスルフヒドラーゼ活性が低下したE. coli株 (特開平11-155571号公報)、cysB遺伝子によりコードされるシステインレギュロンの正の転写制御因子の活性が上昇したE. coli W3110 (WO01/27307)などのエシェリヒア属に属する株が挙げられるが、これらに限定されない。
L−システイン生合成酵素としては、例えば、セリンアセチルトランスフェラーゼ(SAT)が挙げられる。腸内細菌科に属する細菌における細胞内のSAT活性の増強は、SATをコードする遺伝子のコピー数を高めること、又は、SATをコードする遺伝子のプロモーター等の発現調節配列を改変することによって達成される。例えば、SATをコードする遺伝子断片を、腸内細菌科に属する細菌で機能するベクター、好ましくはマルチコピー型のベクターと連結して組換えDNAを作製し、これを宿主腸内細菌科に属する細菌に導入して形質転換すればよい。
以下に、SAT遺伝子の発現を強化する方法について説明する。他のL−システイン生合成系酵素遺伝子、前記yeaS遺伝子及びシステイン排出活性を有するタンパク質の遺伝子についても、同様の方法を適用することができる。
SAT遺伝子の発現を増強するための改変は、例えば、遺伝子組み換え技術を利用して、細胞内のSAT遺伝子のコピー数を高めることによって行うことが出来る。例えば、SAT遺伝子を含むDNA断片を、宿主細菌で機能するベクター、好ましくはマルチコピー型ベクターと連結して組換えDNAを作製し、これを細菌に導入して形質転換すればよい。
タンパク質の活性を低下させるような改変は、後述するfliY又はydjN遺伝子について記載した方法と同様にして行うことができる。
エシェリヒア・コリのcysM遺伝子の塩基配列及び同遺伝子がコードするアミノ酸配列を、各々配列番号25及び26に示す。
本発明の細菌は、上述したようなL−システイン生産能を有する腸内細菌科に属する細菌であって、YdjNタンパク質、又はYdjNタンパク質及びFliYタンパク質の活性が低下するように改変することによって得ることができる。尚、YdjNタンパク質、又はYdjNタンパク質及びFliYタンパク質の活性が低下するように改変を行った後に、L−システイン生産能を付与してもよい。YdjNタンパク質及びFliYタンパク質は、それぞれyjdN遺伝子及びfliY遺伝子によりコードされるタンパク質である。YdjNタンパク質及びFliYタンパク質の活性を低下させるには、例えば、fliY遺伝子、及びydjN遺伝子を持つ細菌を、これらの遺伝子によりコードされるFliY及びYdjNの活性が低下するように改変することによって得ることができる。尚、L−システイン生産能を高めるために、活性を低下させるのは、FliY又はYdjNのいずれか一方でもよいが、YdjNが好ましく、両方の活性を低下させることがより好ましい。
本発明において、活性の「低下」とは、特記しない限り、改変株における活性が野生株もしくは非改変株に比べて低いこと、及び、活性を完全に消失していることの両方を含む。
配列番号5には、エシェリヒア・コリMG1655株のfliY遺伝子を示し、配列番号6には、同遺伝子がコードするアミノ酸配列を示す。また、配列番号7には、パントエア・アナナティスSC17株のfliY遺伝子を示し、配列番号8には、同遺伝子がコードするアミノ酸配列を示す。
配列番号1には、エシェリヒア・コリMG1655株のydjN遺伝子の塩基配列を示し、配列番号2には、同遺伝子がコードするアミノ酸配列を示す。また、配列番号3には、パントエア・アナナティスSC17株のydjN遺伝子の塩基配列を、配列番号4には、同遺伝子がコードするアミノ酸配列を示す。
一方、FliYは、L−シスチンの取り込みに関与している可能性を指摘する文献があるが(Butler et al., Life Sci. 52. 1209-1215 (1993)、Hosie et al., Res. Microbiol. 152. 259-270 (2001))、実施例に示すように、L−シスチンの取り込みに関与していないか、関与していたとしても、YdjNに比べて活性は低いと推定される。いずれにしても、ydjN遺伝子とfliY遺伝子の両方を欠損させると、各々の遺伝子を単独で欠損させた場合に比べて、L−システイン生産能は顕著に上昇する。したがって、FliYの機能は不明確であるが、欠損させたときにL−システイン生産能が向上するという特性により特徴付けられる。
spring Harbor (USA), 2001))。
タンパク質が上記化合物の取り込み活性を有するかどうかは、野生株または親株においてそのタンパク質をコードする遺伝子の発現が上昇した細菌を作製し、これを培地で培養し、培地中に蓄積するL−システイン、L−シスチン、それらの誘導体もしくは前駆体、又はこれらの混合物の量を定量することで確認することができる。または、野生株または親株からそのタンパク質をコードする遺伝子の発現が低下または欠損した細菌を作製し、これをS-スルフォシステイン又はL−シスチンを含む培地で培養したときに、培地中に添加したこれらの化合物の減少量が少なくなることで確認することもできる。具体例を実施例に示した。
上記のようにして得られる本発明の細菌を培地中で培養し、該培地からL−システイン、L−シスチン、そられの誘導体もしくは前駆体、又はこれらの混合物を採取することにより、これらの化合物を製造することができる。L−システインの誘導体としては、前記したようなS-スルフォシステイン、チアゾリジン誘導体、同チアゾリジン誘導体に相当するヘミチオケタール等が挙げられる。
以下の記載において、システイン及びシスチンは、L−体である。
(1)S-スルフォシステインを単一システイン源として利用できない変異株の取得
(1-1)E. coli MG1655株(ATCC No. 47076)からのcysE遺伝子欠損株の取得
cysE遺伝子の欠損は、DatsenkoとWannerらによって開発された「Red-driven integration」と呼ばれる方法(Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 2000, vol. 97, No. 12, p6640-6645)とラムダファージ由来の切り出しシステム(J. Bacteriol. 2000 184. 5200-5203 (2002))によって行った。Red-driven integrationによれば、目的とする遺伝子の一部を合成オリゴヌクレオチドの5'側に、抗生物質耐性遺伝子の一部を3'側に、それぞれデザインした合成オリゴヌクレオチドをプライマーとして用いて得られたPCR産物を用いて、一段階で遺伝子破壊株を構築することができる。さらにラムダファージ由来の切り出しシステムを組み合わせることにより、遺伝子破壊株に組み込んだ抗生物質耐性遺伝子を除去することができる。このRed-driven integrationとラムダファージ由来の切り出しシステムによってE. coliの遺伝子を欠損させる方法が特開2005-058227AやWO2007/119880A1等に詳細に記述されている。cysE遺伝子の欠損株の取得も、これらの方法と同じ方法で行った。
EZ-Tn5<KAN-2>Tnp Transposome kit (EPICENTRE社)を用いて、MG1655ΔcysE株からTn5がランダムに挿入された変異株のライブラリーを作製した。具体的な実験方法については、製品に添付されたインストラクションにしたがって行った。
上記ライブラリーより、S-スルフォシステインを単一システイン源として利用できない変異株のスクリーニングを行った。ここで「システイン源」とは、細胞内に取り込まれてシステインの生成に利用される基質をいう。細胞内でシステインを合成できない場合は、システイン自体もシステイン源に含まれる。20μM システインを含むM9寒天培地(Sambrook and Russell, Molecular Cloning: A Laboratory Manual (Third Edition), Cold Spring Harbor Laboratory Press)と20μM S-スルフォシステイン(cat#C2196, SIGMA)を含むM9寒天培地それぞれに変異株を爪楊枝でスポットし、システイン含有培地で生育できるがS-スルフォシステイン含有培地で生育できない変異株をスクリーニングした。約1000株から、目的の変異株が1株取得された。挿入されたTn5のゲノム領域を特定したところ、ydjN遺伝子内にTn5が挿入していることがわかった。
Tn5の挿入による変異株の表現型がydjN遺伝子の機能欠損のためであるかを明らかとするため、MG1655ΔcysE株からydjN遺伝子の欠損株を先述のRed-driven integrationによって構築した。このときプライマーDydjN(Ec)-F(cactatgact gctacgcagt gatagaaata ataagatcag gagaacgggg tgaagcctgc ttttttatac taagttggca:配列番号52)、DydjN(Ec)-R(aaagtaaggc aacggcccct atacaaaacg gaccgttgcc agcataagaa cgctcaagtt agtataaaaa agctgaacga:配列番号53)を使用した。構築された欠損株をMG1655ΔcysEΔydjN::Km株とした。MG1655からも同様の方法でMG1655ΔydjN::Km株を取得した。
50μM システイン、50μM シスチン、又は50μM S-スルフォシステインを含むM9寒天培地(ただし、ここでは培地成分のMgSO4の代わりに等濃度のMgCl2を使用した)での生育を表1に示す。
(2-1)E.coli MG1655株およびP. ananatis SC17株からのydjN遺伝子のクローニング
E. coli MG1655株及びPantoea ananatis SC17株(米国特許6596517)よりydjN遺伝子をクローニングする際には、pMIV-Pnlp8及びpMIV-Pnlp0をベースとした発現ベクターを利用した。これらの発現ベクターには強力なnlp8プロモーター(もしくはnlp0プロモーター)とrrnBターミネーターが組み込まれており、プロモーターとターミネーターの間に目的の遺伝子を挿入することで発現ユニットとして機能させることができる。「Pnlp0」は野生型nlpD遺伝子のプロモーターを、「Pnlp8」はnlpD遺伝子の変異型プロモーターを示す。これらの発現ベクターの構築の詳細は、実施例3に、pMIV-Pnlp8-YeaS7及びpMIV-Pnlp0-YeaS3の構築として記載されている。pMIV-Pnlp8-yeaS7及びpMIV-Pnlp0-yeaS3は、yeaS遺伝子がSalIとXbaI部位を介してnlp8又はnlp0プロモーターとrrnBターミネーターの間にクローニングされているが、ydjN遺伝子もあらかじめプライマーにSalIとXbaIをデザインしておくことで、yeaSと同様に同ベクターに挿入することができる。つまり、構築される発現プラスミドは、後述のpMIV-Pnlp8-yeaS7及びpMIV-Pnlp0-yeaS3において、yeaS遺伝子がydjN遺伝子に置き換わった構造の発現プラスミドに相当する。
ydjNを欠損した場合にS-スルフォシステインを単一システイン源とした生育ができなかったことから、ydjN遺伝子がS-スルフォシステインのトランスポーター(取り込み因子)をコードしている可能性が考えられた。そこで、MG1655株からのydjN欠損株(先述のMG1655ΔydjN::Km株)とydjN強化株(pMIV-Pnlp0-ydjN(Ec)で形質転換されたMG1655株)において、S-スルフォシステインの取り込み能力に関して何らかの違いが現れるか調べた。また、S-スルフォシステインと類似の関連化合物としてシスチンとシステインについても同様の検討を行った。
次に、fliYがシスチンやシステインの取り込みに関与しているかどうかを検討するため、まず同遺伝子の欠損株と強化株の構築を行った。
fliY遺伝子の欠失は、上述のRed-driven integrationとラムダファージ由来の切り出しシステムによって行った。プライマーとしてDfliY(Ec)-FW(atgaaattag cacatctggg acgtcaggca ttgatgggtg tgatggccgt tgaagcctgc ttttttatac taagttggca;配列番号58)、及びDfliY(Ec)-RV(ttatttggtc acatcagcac caaaccattt ttcggaaagg gcttgcagag cgctcaagtt agtataaaa agctgaacga;配列番号59)を、鋳型としてpMW118-(λattL-CmR-λattR)(Katashkina ZhI et al. Mol Biol (Mosk). 39(5):823-31. 2005)を使用した。MG1655株からMG1655ΔfliY株を取得し、前記MG1655ΔydjN::Km株からMG1655ΔydjN::KmΔfliY::Cm株を取得した。
(1)E. coliシステイン生産菌の構築
ydjN及び/又はfliYを欠損したE. coliにシステイン生産能を付与するため、L−システインによるフィードバック阻害が低減された変異型セリンアセチルトランスフェラーゼをコードする変異型cysE(US20050112731(A1))を含むプラスミドを構築した。具体的には、まず、特開2005-137369(US20050124049(A1)、EP1528108(A1))に記載のpACYC-DESの構築方法のうち、セリンによるフィードバック阻害を受けないフォスフォグリセレートデヒドロゲナーゼをコードする変異型serA5遺伝子(米国特許第6,180,373号に記載)を搭載するステップを省略することでpACYC-DE1プラスミドを構築した。pACYC-DESは、上記変異型serA5、フィードバック阻害された変異型SATをコードする遺伝子cysEX遺伝子、および、システイン、アセチルセリン排出因子をコードするydeD遺伝子(US5972663A)が搭載されているのに対し、pACYC-DE1は、上記serA5を含まず、cysEXおよびydeDが搭載されている。各遺伝子の発現にはいずれもompAプロモーターが使用されている。
ydjN、fliY遺伝子欠損がシステイン及びシステイン関連化合物の発酵生産に及ぼす効果を調べるため、MG1655とそこから誘導されたydjNとfliYの各欠損株及び2重欠損株にpACYC-E1を導入したシステイン生産菌の発酵生産培養を行い、システイン及びシステイン関連化合物の生産量を比較した。培養には下記組成のE. coliシステイン生産培地を使用した。
〔E. coliシステイン生産培地〕(各成分の濃度は最終濃度)
成分1:
(NH4)2SO4 15g/L
KH2PO4 1.5g/L
MgSO4・7H2O 1g/L
トリプトン 10g/L
イーストエクストラクト 5g/L
NaCl 10g/L
L−ヒスチジン塩酸塩一水和物 135mg/L
L−メチオニン 300mg/L
成分2:
グルコース 40g/L
成分3:
チオ硫酸ナトリウム 7g/L
成分4:
ピリドキシン塩酸塩 2mg/L
成分5:
炭酸カルシウム 20g/L
(1) P. ananatisのシステイン生産菌EYPS1976(s)株の作製
P. ananatisのシステイン生産菌は、変異型セリンアセチルトランスフェラーゼをコードするcysE5(米国特許出願公開第20050112731号)、及び変異型3−フォスフォグリセレートデヒドロゲナーゼをコードするserA348(J. Biol. Chem., 1996, 271(38):23235-8)を導入し、種々のアミノ酸の排出因子をコードするyeaS(JP2000189180(A)、及び硫黄源の取り込み因子をコードするcysPTWAクラスターを強化することによって、構築した。以下、構築方法の詳細を記載する。
まず、上記菌株を構築するためのプラスミドを構築した。その方法を以下に示す。
E. coli MG1655(ATCC No. 47076)の染色体DNAをテンプレートとして、P1(agctgagtcg acccccagga aaaattggtt aataac:配列番号30)、及びP2(agctgagcat gcttccaact gcgctaatga cgc:配列番号31)をプライマーとして用いたPCRによってnlpD遺伝子のプロモーター領域(Pnlp0)約300bpを含むDNA断片を取得した。これらのプライマーの5’末端、3’末端には制限酵素SalI及びPaeIのサイトがそれぞれデザインされている。PCRサイクルは次の通りである。95℃ 3分の後、95℃ 60秒、50℃ 30秒、72℃ 40秒を2サイクル、94℃ 20秒、55℃ 20秒、72℃ 15秒を25サイクル、最後に72℃ 5分。得られた断片をSalI及びPaeIで処理し、pMIV-5JS(特開2008-99668)のSalI−PaeIサイトに挿入しプラスミドpMIV-Pnlp0を取得した。このpMIV-Pnlp0プラスミドに挿入されたPnlp0プロモーターのPaeI-SalI断片の塩基配列は配列番号27に示したとおりである。
ggg gt:配列番号34)、及びP6(agctgatcta gagaaagcat caggattgca gc:配列番号35)をプライマーとして用いたPCRによってyeaS遺伝子を含む約700bpのDNA断片を取得した。これらプライマーの5’末端には制限酵素SalI及びXbaIのサイトがそれぞれデザインされている。PCRサイクルは次の通りである。95℃ 3分の後、95℃ 60秒、50℃ 30秒、72℃ 40秒を2サイクル、94℃ 20秒、55℃ 20秒、72℃ 15秒を25サイクル、最後に72℃ 5分。得られた断片をSalI及びXbaIで処理し、pMIV-Pnlp0-terのSalI−XbaIサイトに挿入しプラスミドpMIV-Pnlp0-YeaS3を取得した。こうして、pMIV-5JSベクター上にnlpDプロモーター、yeaS遺伝子、及びrrnBターミネーターが、この順に繋がったyeaSの発現ユニットが構築された。
次に、cysPTWA遺伝子の発現を強化させるため、染色体上のcysPTWA遺伝子クラスターの上流に存在するプロモーターを先述の強力なプロモーターPnlp8に置換した。まずpMIV-Pnlp8-YeaS7をテンプレートに、P1及びP2をプライマーに用いたPCRによってnlp8プロモーター約300bpを含むDNA断片を取得した。PCRサイクルは次の通りである。95℃ 3分の後、95℃ 60秒、50℃ 30秒、72℃ 40秒を2サイクル、94℃ 20秒、59℃ 20秒、72℃ 15秒を20サイクル、最後に72℃ 5分。
システイン生産菌に導入する3-フォスフォグリセレートデヒドロゲナーゼとしてパントエア・アナナティス由来の3−フォスフォグリセレートデヒドロゲナーゼをコードする遺伝子であって、348位のアスパラギン残基がアラニンに置換した変異型酵素(N348A)をコードするserA348遺伝子(J Biol Chem. 1996 ;271(38):23235-8)を以下の方法で構築した。
EYPS1976(s)株からydjN及び/又はfliYを欠損した菌株の構築を行った。ydjN遺伝子欠損株とfliY領域欠損株の作製は、先述のP. ananatis SC17(0)/ RSF-Red-TER株をホスト菌としたλ依存インテグレーションによって行った。
ydjN遺伝子欠損株のDNA断片取得のためにはプライマーDydjN(Pa)-F(acctctgctg ctctcctgac cagggaatgc tgcattacat cggagttgct tgaagcctgc ttttttatac taagttggca:配列番号46)とプライマーDydjN(Pa)-R(agacaaaaac agagagaaag acctggcggt gtacgccagg tctggcgtga cgctcaagtt agtataaaaa agctgaacga:配列番号47)を、fliY領域欠損株のDNA断片取得のためにはプライマーDfliY-FW(atggctttct cacagattcg tcgccaggtg gtgacgggaa tgatggcggt tgaagcctgc ttttttatac taagttggca:配列番号48)とプライマーDyecC-RV(ttacgccgcc aacttctggc ggcaccgggt ttattgatta agaaatttat cgctcaagtt agtataaaaa agctgaacga:配列番号49)を用いた。また、テンプレートとして先述のpMW118-(λattL-Kmr-λattR)(WO2006/093322A2)を使用し、94℃ 5分の後、94℃ 30秒、55℃ 30秒、72℃ 2分30秒を30サイクルのPCR反応を行い、各々組み換えに利用する相同配列でKmrを挟んだDNA断片を取得した。
得られた各DNA断片を、エレクトロポーレーションでP. ananatis SC17(0)/RSF-Red-TER株に導入し、それぞれSC17(0)ΔydjN::Km株(ydjN遺伝子領域にλattL-Kmr-λattRの断片が挿入)と、SC17(0)ΔfliY::Km株(fliY遺伝子領域にλattL-Kmr-λattRの断片が挿入)を構築した。次に、SC17(0)ΔydjN::Km株とSC17(0)ΔfliY::Km株から調製した染色体DNAを用いてEYPS1976(s)株を形質転換し、EYPS1976(s)株からそれぞれの遺伝子欠損株であるEYPSΔydjN::Km株とEYPSΔfliY::Km株を取得した。さらに、EYPSΔfliY::Km株に対しては先述のpMT-Int-Xis2(WO2005/010175)を導入し、ラムダファージ由来の切り出しシステムによってカナマイシン耐性遺伝子の切り出しを行い、カナマイシン感受性を示すEYPSΔfliY株を取得した。次に、EYPSΔfliY株をSC17(0)ΔydjN::Km株から調製した染色体DNAで形質転換し、2重欠損株であるEYPSΔfliYΔydjN::Km株を取得した。こうして、システイン生産菌EYPS1976(s)株をベースとしたydjN遺伝子欠損株、fliY領域欠損株、これらの2重欠損株が構築された。
上記で得られたydjN遺伝子欠損株、fliY領域欠損株、これらの2重欠損株の発酵生産培養を行い、システイン関連化合物の生産量を比較した。培養には下記組成のP. ananatisシステイン生産培地を用いた。
成分1:
(NH4)2SO4 15g/L
KH2PO4 1.5g/L
MgSO4・7H2O 1g/L
チアミン塩酸塩 0.1mg/L
成分2:
FeSO4・7H2O 1.7mg/L
Na2MoO4・2H2O 0.15mg/L
CoCl2・6H2O 0.7mg/L
MnCl・4H2O 1.6mg/L
ZnSO4・7H2O 0.3mg/L
CuSO4・5H2O 0.25mg/L
成分3:
トリプトン 0.6g/L
イーストエクストラクト 0.3g/L
NaCl 0.6g/L
成分4:
炭酸カルシウム 20g/L
成分5:
L−ヒスチジン塩酸塩一水和物 135mg/L
成分6:
チオ硫酸ナトリウム 6g/L
成分7:
ピリドキシン塩酸塩 2mg/L
成分8:
グルコース 40g/L
配列番号1:エシェリヒア・コリのydjN遺伝子の塩基配列
配列番号2:エシェリヒア・コリのYdjNのアミノ酸配列
配列番号3:パントエア・アナナティスのydjN遺伝子の塩基配列
配列番号4:パントエア・アナナティスのYdjNのアミノ酸配列
配列番号5:エシェリヒア・コリのfliY遺伝子の塩基配列
配列番号6:エシェリヒア・コリのFliYのアミノ酸配列
配列番号7:パントエア・アナナティスのfliY遺伝子の塩基配列
配列番号8:パントエア・アナナティスのFliYのアミノ酸配列
配列番号9:エシェリヒア・コリのcysE遺伝子の塩基配列
配列番号10:エシェリヒア・コリのcysE遺伝子がコードするSATのアミノ酸配列
配列番号11:パントエア・アナナティスのyecS遺伝子の塩基配列
配列番号12:パントエア・アナナティスのyecS遺伝子がコードするアミノ酸配列
配列番号13:パントエア・アナナティスのyecC遺伝子の塩基配列
配列番号14:パントエア・アナナティスのyecC遺伝子がコードするアミノ酸配列
配列番号15:エシェリヒア・コリのyeaS遺伝子の塩基配列
配列番号16:エシェリヒア・コリのyeaS遺伝子がコードするアミノ酸配列
配列番号17:パントエア・アナナティスのserA遺伝子の塩基配列
配列番号18:パントエア・アナナティスのserA遺伝子がコードするアミノ酸配列
配列番号19:cysPTWA遺伝子クラスターの塩基配列
配列番号20:cysP遺伝子がコードするアミノ酸配列
配列番号21:cysT遺伝子がコードするアミノ酸配列
配列番号22:cysW遺伝子がコードするアミノ酸配列
配列番号23:cysA遺伝子の塩基配列
配列番号24:cysA遺伝子がコードするアミノ酸配列
配列番号25:cysM遺伝子の塩基配列
配列番号26:cysM遺伝子がコードするアミノ酸配列
配列番号27:Pnlp0の塩基配列
配列番号28:Pnlp8の塩基配列
配列番号29:Pnlp23の塩基配列
配列番号30〜45:プライマーP1〜P16
配列番号46:プライマーDydjN(Pa)-Fの塩基配列
配列番号47:プライマーDydjN(Pa)-Rの塩基配列
配列番号48:プライマーDfliY-FWの塩基配列
配列番号49:プライマーDyecC-RVの塩基配列
配列番号50:プライマーDcysE(Ec)-F
配列番号51:プライマーDcysE(Ec)-R
配列番号52:プライマーDydjN(Ec)-F
配列番号53:プライマーDydjN(Ec)-R
配列番号54:プライマーydjN(Ec)-SalIFW2
配列番号55:プライマーydjN(Ec)-xbaIRV2
配列番号56:プライマーydjN2(Pa)-SalIFW
配列番号57:プライマーydjN2(Pa)-xbaIRV
配列番号58:プライマーDfliY(Ec)-FW
配列番号59:プライマーDfliY(Ec)-RV
配列番号60:プライマーfliY(Ec)SalI-F
配列番号61:プライマーfliY(Ec)XbaI-R
Claims (10)
- L−システイン生産能を有し、かつ、YdjNタンパク質の活性が低下するように改変された腸内細菌科に属する細菌を、培地中で培養し、該培地からL−システイン、L−シスチン、それらの誘導体もしくは前駆体、又はこれらの混合物を採取することを特徴とする、L−システイン、L−シスチン、それらの誘導体もしくは前駆体、又はこれらの混合物の製造法であって、
前記YdjNタンパク質の活性が、YdjNタンパク質をコードするydjN遺伝子の発現量を低下させること、又はydjN遺伝子を破壊することにより低下したものである、製造法。 - 前記YdjNタンパク質が配列番号2又は4のアミノ酸配列を有するタンパク質、又は、配列番号2又は4のアミノ酸配列において、1〜5個のアミノ酸が置換、欠失、挿入又は付加されたアミノ酸配列を有し、YdjNタンパク質の機能を有するタンパク質である、請求項1に記載の製造法。
- 前記細菌は、さらにFliYタンパク質の活性が、FliYタンパク質をコードするfliY遺伝子の発現量を低下させること、又はfliY遺伝子を破壊することにより、低下するように改変された細菌である、請求項1又は2に記載の製造法。
- 前記FliYタンパク質が配列番号6又は8のアミノ酸配列を有するタンパク質、又は、配列番号6又は8のアミノ酸配列において、1〜5個のアミノ酸が置換、欠失、挿入又は付加されたアミノ酸配列を有し、FliYタンパク質の機能を有するタンパク質である、請求項3に記載の製造法。
- 前記ydjN遺伝子が、下記(a)〜(c)のいずれかのDNAである、請求項1〜4のいずれか一項に記載の製造法。
(a)配列番号1又は3の塩基配列を含むDNA。
(b)配列番号1又は3の塩基配列に相補的な配列と、60℃で、0.1×SSC、0.1%SDSに相当する塩濃度で洗浄するというストリンジェントな条件下でハイブリダイズするDNAであって、かつ、当該DNAがコードするタンパク質は、YdjNタンパク質の機能を有するものである、DNA。
(c)配列番号1又は3の塩基配列と95%以上の同一性を有するDNAであって、かつ、当該DNAがコードするタンパク質は、YdjNタンパク質の機能を有するものである、DNA。 - 前記fliY遺伝子が、下記(d)〜(f)のいずれかのDNAである、請求項3〜5のいずれか一項に記載の製造法。
(d)配列番号5又は7の塩基配列を含むDNA。
(e)配列番号5又は7の塩基配列に相補的な配列と、60℃で、0.1×SSC、0.1%SDSに相当する塩濃度で洗浄するというストリンジェントな条件下でハイブリダイズするDNAであって、かつ、当該DNAがコードするタンパク質は、FliYタンパク質の機能を有するものである、DNA。
(f)配列番号5又は7の塩基配列と95%以上の同一性を有するDNAであって、かつ、当該DNAがコードするタンパク質は、FliYタンパク質の機能を有するものである、DNA。 - 前記細菌は、さらに、下記の性質の少なくともいずれかを有する、請求項1〜6のいずれか一項に記載の製造法。
i)セリンアセチルトランスフェラーゼ活性が上昇するように改変されている。
ii)yeaS遺伝子の発現が上昇するように改変されている。
iii)3−フォスフォグリセレートデヒドロゲナーゼ活性が上昇するように改変されている。
iv)硫酸塩/チオ硫酸塩輸送系の活性が増強するように改変されている。 - 前記細菌がパントエア属に属する細菌である、請求項1〜7のいずれか一項に記載の製造法。
- 前記細菌がパントエア・アナナティスである、請求項8に記載の製造法。
- 前記細菌がエシェリヒア・コリである請求項1〜7のいずれか一項に記載の製造法。
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