JP2008530978A - 4−ハイドロキシ−l−イソロイシン又はその塩の製造法 - Google Patents

4−ハイドロキシ−l−イソロイシン又はその塩の製造法 Download PDF

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Abstract

4HILを製造する方法を提供する。
アミノ基供与体の存在で、アセトアルデドとα−ケトブタン酸から下記式

に示されている4HIL の生成反応を触媒する活性を持つ生体触媒を、アミノ基供与体の存在で、アセトアルデヒドとα−ケトブタン酸又はその塩と接触させ、4HILを生成する工程からなることを特徴とする4HIL又はその塩の製造方法。

Description

本発明は、微生物産業、特に4−ハイドロキシ−L−イソロイシン又はその塩の製造法に関する。
4−ハイドロキシ−L−イソロイシンは、コロハ(フェヌグリーク)種子(Trigonella foenum-graecum L. leguminosae)から抽出、精製できるアミノ酸である。4−ハイドロキシ−L−イソロイシンは、興味深いインスリン分泌性活性を示すが、これは、単離潅流ラット膵臓およびヒトの膵島の両者で実証されているように、その促進効果がミディアム中の血漿グルコース濃度に明白に依存するからである (Sauvaire, Y. et al., Diabetes, 47:206-210, (1998))。そのようなグルコース依存性は、2型糖尿病[非インスリン依存性糖尿病、(NIDD)mellitus (NIDDM)]の治療に現在使用されているの唯一のインスリン分泌活性薬であるスルホニル尿素((Drucker, D. J., Diabetes 47: 159-169, (1998)) では確認されていない。その結果、低血糖症が依然として、スルホニル尿素治療の普通望ましくない副作用である。(Jackson, J., and Bessler, R. Drugs, 22: 211-245; 295-320, (1981); Jennings, A. et al. Diabetes Care, 12: 203-208, (1989)) 。またグルコース耐性の改善も知られている。((Am. J. Physiol. Endocrinol., Vol. 287, E463-E471, 2004)。このグルコース代謝増強活性とその医薬品と健康食品への応用の可能性が報告された(特開平6-157302号公報)。
植物界にのみ発見されている4−ハイドロキシ−L−イソロイシンは、その特定インスリン分泌性作用のために、様々な程度のインスリン耐性に関連するインスリン分泌不全を特徴とする疾病である、2型糖尿病の治療用の可能性を秘めた新規分泌促進剤と見なしてもよい(Broca, C. et al., Am. J. Physiol. 277 (Endocrinol. Metab. 40): E617-E623, (1999))。
フェヌクリーク(コロハ)抽出液中のジオキシゲナーゼ活性利用の、鉄、アスコルビン酸、2一オキソグルタル酸、酸素に依存するイソロイシンの酸化法が4−ハイドロキシ−L−イソロイシンの製造法として、報告されている。しかし、この方法は、20mM以上のイソロイシン濃度で酵素活性が基質で阻害され、この酵素が同定されてなく、酵素は植物の抽出液から誘導され、たやすく大量に得られなく、かつ、この酵素が安定でないために、4−ハイドロキシ−L−イソロイシンの製造法として不充分である((Phytochemistry, Vol. 44, No. 4, pp. 563-566, 1997)。
光学的に純粋な(2S、3R、4S) 4−ハイドロキシ−L−イソロイシンが全収率39%で得られる効率的な8工程合成が発表されている。この合成の重要な工程は、ethyl 2-methyl acetoacetateをGeotrichum candidum でethyl (2S,3S)-2-methyl-3-hydroxybutanoateに生体内形質転換すること、および不斉Strecker 合成を含む。(Wang, Q. ら, Eur. J. Org. Chem., 834-839 (2002)).
短い6工程で立体化学を完全に制御した(2S,3R,4S)-4-ハイドロキシイソロイシン の化学酵素的合成も発表されているが、最終工程は市販のEupergit C(E-PAC)上固定化ペニシリン・アシラーゼGを使用したN-phenylacetyl lactone誘導体の加水分解による酵素的分割である。 (Rolland-Fulcrand, V. et al., J. Org. Chem., 873-877 (2004)).
しかし、現在、4−ハイドロキシ−3−メチルー2−ケトーペンタン酸 の酵素によるアミノ基転移反応により、あるいは他の原料から別の酵素の転化により4−ハイドロキシ−L−イソロイシンを生成する報告はない。
従って、本発明が解決しようとする問題は工業的に利用できる4ーハイドロキシ一L一イソロイシン(遊離および塩の両形態を含むことを意味し、“4HIL”と呼ぶこともある;以下同様)を生産する方法を如何に提供するかである
前記の問題を解決するために、本発明者らは、4−ハイドロキシ−L−イソロイシンの前駆体、4ーハイドロキシー3−メチルー2−ケトーペンタン酸(遊離および塩の両形態を含むことを意味し、“HMKP”“と呼ぶこともある;以下同様)を取得するのにアルドール反応を使用し、アミノトランスフェラーゼにより4HILに変換する方法に注目し、エシェリヒア・コリから誘導のMhpEアルドラー(Appl. Environ. Microbio1., Vol. 64, No. 10. 4093-4094. 1998)および杉山ら報告のアルドラーゼ(WO2004-018672) の使用を検討した。しかしHMKP の生成量は常に1μM未満であり、アミノ基転移反応に使用するには不適であった。そこで、さらに検討の結果それぞれアルドラーゼ縮合反応とアミノ基転移反応に向いた酵素の発見に至った。さらに、両反応を同時に実行できる新規の酵素活性もつ新微生物を発見した。換言すれば、本発明に基づけば、これらの生体触媒を用いて、4ーハイドロキシーL一イソロイシンを簡易に製造することができる。
従って、本発明の目的は、細菌を使用し、細菌のアルドラーゼで、アセトアルデヒドとα−ケトブタン酸(遊離および塩の両形態を含むことを意味する;以下同様) のアルドール反応によってHMKPを生産する酵素的方法を提供することを含む。
本発明のさらなる目的は、細菌のアミノトランスフェラーゼを使用し、HMKPのアミノ基転移反応によって4HILを生産する酵素法を提供することと、かつ、強化されたアミノトランスフェラーゼ活性、特に分岐鎖アミノ酸アミノトランスフェラーゼを持つように修飾された細菌を使用してHMKPから4HILを生産する方法を提供することとを含む。
なおさらに、本発明の目的は、アルドール反応およびアミノ基転移反応の2工程で4HILを生産する酵素法を提供することを含む。
すなわち、本発明は少なくとも下記の内容を含む。
[1] アミノ基供与体の存在で、アセトアルデヒドとα−ケトブタン酸から下記式
に示されている4−ハイドロキシ−L−イソロイシン生成反応の活性化を触媒する生体触媒を、アミノ基供与体を含む水性溶媒中で、アセトアルデヒドとα−ケトブタン酸と接触させ、4−ハイドロキシ−L−イソロイシンを分離する工程よりなる、4−ハイドロキシ−L−イソロイシン又はその塩の製造方法。
[2] 反応が、NADH又はNADPHの存在で行われる[1]の方法。
[3] 水性溶媒が分岐鎖アミノ酸アミノトランスフェラーゼを含む[1]および[2]のうちのいずれかの方法。
[4] アミノ基供与体が分岐鎖アミノ酸の群から選ばれる[1]〜[3]のいずれかの方法
[5] 生体触媒が、アセトアルデヒドおよびα−ケトブタン酸から4ーハイドロキシー3−メチルー2−ケトーペンタン酸を生産するアルドラーゼ活性を持つ酵素と、アミノ基供与体の存在で4ーハイドロキシー3−メチルー2−ケトーペンタン酸から4−ハイドロキシ−L−イソロイシンを生産する、アミノ基転移反応活性を持つ酵素とよりなる[1]〜[4]のうちのいずれかの方法。
[6] 生体触媒が、アセトアルデヒドおよびα−ケトブタン酸から4ーハイドロキシー3−メチルー2−ケトーペンタン酸を生産するアルドラーゼ活性がある酵素と、アミノ基供与体の存在で4ーハイドロキシー3−メチルー2−ケトーペンタン酸から4−ハイドロキシ−L−イソロイシンを生産する、アミノ基転移反応活性がある酵素とを含む細菌である[1]〜[4]のうちのいずれかの方法。
[7] アルドラーゼおよび分岐鎖アミノ酸アミノトランスフェラーゼの内、少なくとも1方の活性を強化するために、細菌が修飾されている[6]の方法。
[8]アルドラーゼおよび/または分岐鎖アミノ酸アミノトランスフェラーゼの発現を増加させることにより、アルドラーゼおよび分岐鎖アミノ酸アミノトランスフェラーゼの活性が強化されている[7]の方法。
[9] アルドラーゼおよび/または分岐鎖アミノ酸アミノトランスフェラーゼの発現が、当該アルドラーゼおよび/または分岐鎖アミノ酸アミノトランスフェラーゼをエンコードする遺伝子の発現制御配列の修飾によるか、または当該アルドラーゼおよび/または分岐鎖アミノ酸アミノトランスフェラーゼをエンコードする遺伝子のコピー数の増加によって増加させられる、[8]の方法。
[10] アルドラーゼ活性を持つ酵素が、アルドラーゼのhpcH/hpaI系統群に属するアルドラーゼである[5]〜[10] のうちのいずれかの方法。
[11] アミノ基転移反応活性を持つ酵素は、分岐鎖アミノ酸アミノトランスフェラーゼに属するアミノトランスフェラーゼである[5]〜[10] のうちのいずれかの方法。
[12] 細菌がチゾサッカロマイセス属、アースロバクター属、ブレビバクテリウム属、キャンディダ属、コリネバクテリウム属、ミクロコッカス属、細胞ロモナス属、アクチノプラネス属、クロモバクテリウム属、ラネラ属、リゾビウム属、エルウィニア属・ハンセヌラ属、トルロプシス属、クロエケラ属、ロドトルラ属、パネラス属、ムコール属、デバリオミセス属、スポロボロミセス属、エシェリヒア属、、サルモネラ属、フラボバクテリウム属、バチルス属又はプロテウス属に属する[6]〜[7]のうちのいずれかの方法。
[13] 細菌がSchizosaccharomyces pombe, Arthrobacter simplex, Brevibacterium ammoniagenes, Candida utilis, Micrococcus luteus, Micrococcus flavus, Micrococcus roseus, Corynebacterium glutamicum, Corynebacterium aquaticum, Corynebacterium paurometabolum, Arthrobactor globiformis, Arthrobactor sulfureus, Arthrobactor viscosus, Brevibacterium protophormiae, Brevibacterium acetylicum, Brevibacterium stationis, Brevibacterium fuscum, Cellulomonas fimi, Cellulomonas biazotea, Actinoplanes auranticolor, Chromobacterium iodinum, Citrobacter freundii, Erwinia carotovora subsp. carotovora, Rahnella aquatilis, Rhizobium radiobacter, Hansenula anomala, Hansenula miso, Candida stellata, Hansenula saturnus, Hansenula nonfermentans, Hansenula polymorpha, Torulopsis nitratophila, Candida guilliermondii, Candida lipolytica, Candida macedoniensis, Candida pseudotropicalis, Candida tropicalis var. lambica, Candida solani, Candida albicans, Kloeckera africana, Kloeckera japonica, Rhodotorula mucilaginosa, Panellus serotinus, Mucor racemosus f.sp. racemosus, Mucor lamprosporus, Mucor petrinsularis, Debaryomyces vanrijiae, Sporobolomyces roseus, Escherichia coli K12, Salmonella typhimurium, Flavobacterium ferrugineum, Bacillus subtilis or Proteus mirabilis に属する、[6]、[7]、および「10] のうちのいずれかの方法。
[14] 細菌が細菌の培養物、細胞、あるいは処理した細胞である[6]、[7]、[12]および[13]のうちのいずれかの方法。
[15] アミノ基供与体の存在で、4ーハイドロキシー3−メチルー2−ケトーペンタン酸 から4−ハイドロキシ−L−イソロイシンの生成に活性を持つ生体触媒を、アミノ基供与体を含む水性溶媒中で、4ーハイドロキシー3−メチルー2−ケトーペンタン酸と接触させ、4−ハイドロキシ−L−イソロイシンを単離する工程よりなる、4−ハイドロキシ−L−イソロイシン又はその塩の製造法。
[16] 生体触媒が、アミノ基供与体の存在で、4ーハイドロキシー3−メチルー2−ケトーペンタン酸 から4−ハイドロキシ−L−イソロイシンを生成するアミノ基転移反応活性を持つ酵素である[15]の方法。
[17] 生体触媒が、アミノ基供与体の存在で、4ーハイドロキシー3−メチルー2−ケトーペンタン酸 から4−ハイドロキシ−L−イソロイシンを生産する、アミノ基転移反応活性を持つ酵素を含む細菌である[15]の方法。
[18]アミノ基転移反応は、単離された分岐鎖アミノ酸アミノトランスフェラーゼによって行われる[15]〜[16] のうちのいずれかの方法。
[19]分岐鎖アミノ酸アミノトランスフェラーゼが、エシェリヒアとバチルスから成るグループから選ばれた細菌から単離される[18]の方法。
[20] (4ーハイドロキシー3−メチルー2−ケトーペンタン酸は、α−ケトブタン酸およびアセトアルデヒド-のアルドール反応によって得られる[15]〜[17]のうちのいずれかの方法。
[21]分岐鎖アミノ酸アミノトランスフェラーゼの活性を増強するために、細菌が修飾されている[17]の方法。
[22] 分岐鎖アミノ酸アミノトランスフェラーゼの発現を増加させることにより、分岐鎖アミノ酸アミノトランスフェラーゼの活性が増強されている[21]の方法。
[23] 分岐鎖アミノ酸アミノトランスフェラーゼの発現が、当該分岐鎖アミノ酸アミノトランスフェラーゼをエンコードする遺伝子の発現制御配列の修飾によるか、又は、当該分岐鎖アミノ酸アミノトランスフェラーゼをエンコードする遺伝子のコピー数の増加で増加させる[22]の方法。
[24] 前記の細菌がチゾサッカロマイセス属、キャンディダ属、アースロバクター属・ブレビバクテリウム属、クリプトコックス属、シュードモナス属、ハンセヌラ属、フラボバクテリウム属、バチルス属、ピチア属、エシェリヒア属、又はトルロプシス属である、[17] および[21]のうちのいずれかの方法。
[25]前記の細菌がSchizosaccharomyces pombe, Arthrobacter simplex,Brevibacterium ammoniagenes, Cryptococcus flavus, Candida utilis, Pseudomonas sp., Flavobacterium heparinum, Bacillus thuringiensis, Bacillus subtilis, Micrococcus luteus, Pichia orientalis, Hansenula jadinii, Torulopsis sphaerica, Escherichia coli 又は Brevibacterium linensである[17]、[21]および[24]のうちのいずれかの方法、
[26] 細菌が細菌の培養物、細胞、あるいは処理した細胞である[17]、[21]、[24]〜[25]のうちのいずれかの方法。
[27] 4−ハイドロキシ−L−イソロイシンが、少なくとも(2S,3S,4S)-4ーハイドロキシーソロイシン, (2S,3R,4R)-4ーハイドロキシーソロイシン,(2S,3S,4R)-4ーハイドロキシーソロイシン、および (2S,3R,4S)-4ハイドロキシイソロイシンからなる群の一員から選ばれる[1]〜[26]のうちのいづれかの方法。
本発明によれば、産業上有用な様式で、便利な製造法が従来知られていなかった4HILを製造することが可能である。
本発明は以下詳細に記述する。
1. 本発明の実行に使用できる一般的な定義および方法
本明細書では、用語「4−ハイドロキシ−L−イソロイシン」あるいは「4HIL」は、(2S,3S,4S) −4−ハイドロキシイソロイシン,(2S,3R,4R)−4−ハイドロキシソロイシン, (2S,3S,4R)−4−ハイドロキシソロイシン、および(2S,3R,4S) -4-ハイドロキシソロイシンからなる群の一員から選ばれた単一の化合物あるいは二種以上のジアステレオマー混合物を指す。
本明細書で使用されるような用語「細菌」は、酵素を生産する細菌、突然変異体、および目的とする酵素活性が存在するか、増強されたかかる細菌の遺伝の組み換え個体等を含む。
「遺伝子の発現を増加させる」、という語句は、遺伝子の発現が非修飾菌株(例えば野生型菌株)より高いことを意味する。そのような修飾の例は、細胞1個当たりの発現された遺伝子のコピー数を増加させること、遺伝子の発現レベルを増加させることなどを含む。
発現された遺伝子のコピー数の量は、例えば染色体のDNAの制限後、遺伝子配列に基づいたプローブを使用してサザンブロッティング、蛍光in situハイブリッド法(FISH)等で測定される。遺伝子発現のレベルは、ノーザンブロッティング、定量的RT-PCRなどを含む様々な既知の方法で測定することができる。遺伝子によってエンコードされたタンパク質の量は、SDS-PAGE後イムノブロッティング法検定(ウェスタンブロッティング分析)等を含む既知の方法で測定することができる。
「タンパク質をエンコードするDNAで細菌を形質転換する」とは、例えば従来の方法で、細菌にDNAを導入することを意味する。このDNAの形質転換は、本発明のタンパク質をエンコードする遺伝子の発現の増加に帰着し、細菌細胞のタンパク質の活性を増強することになる。形質転換の方法は、従来報告されたすべての既知の方法を含む。例えば、細胞のDNA浸透性に増加させるために塩化カルシウムで受容体細胞を処理する方法は、エシェリヒア・コリK-12株について報告されており、使用できる。 (Mandel, M. and Higa, A., J. Mol. Biol., 53, 159 (1970)).
遺伝子発現を増強する方法は遺伝子コピー数を増加させることを含む。本発明の細菌の中で機能できるベクトルへ遺伝子を導入することは、遺伝子のコピー数を増加する。そのような目的のために、好ましくは多重コピーベクトルが使用できる。多重コピーベクトルは、pBR322、pMW119、pUC19、pET22b、等で例証される。
遺伝子発現の増強も、例えば相同的組み換え、Mu統合などにより細菌の染色体へ、遺伝子の多数のコピーを導入することで達成できる。例えば、Mu統合1回の実行で、細菌の染色体の中へ遺伝子のコピーが3個まで導入できる。
遺伝子のコピー数を増加させることも、細菌の染色体のDNAへ遺伝子の多数のコピーを導入することにより達成できる。細菌の染色体へ遺伝子の多数のコピーを導入するために、相同的組み換えは、染色体のDNAの中のターゲットとして多数のコピーが存在する配列を使用して実行する。染色体のDNAに多数のコピーを持つ配列は、反復DNAまたは転位因子の末端にある逆方向反復を含むが、これらに制限されない。さらに、米国特許番号5,595,889に開示のように、トランスポゾンに遺伝子を組み入れて、それによって染色体のDNAへ遺伝子の多数のコピーを導入するよう転移させることも可能である。
遺伝子発現の増強も、本発明のDNAを強力なプロモーターのコントロール下に置くことにより達成できる。例えば、Ptac プロモーター、lacプロモーター、trpプロモーター、trcプロモーター、ラムダ・ファージのPRあるいはPLプロモーターはすべて有効ナプロモーターであることが知られている。有効なプロモーターは遺伝子コピーの増殖と組み合わせて使用できる。
代わりに、プロモーターの効果は、例えばプロモーターの下流に位置する遺伝子の転写レベルを増加させるためにプロモーターへ[突然]変異を導入して増強することができる。更に、リボソーム結合部位(RBS)と開始コドン間のスペーサー中のいくつかのヌクレオチド、特に開始コドンのすぐ上流配列の置換がmRNA翻訳能力に深く影響することが知られている。例えば、出発コドンに先行する3箇のヌクレオチドの性質によって発現レベル範囲が20倍に達することが見出されている(Gold et al., Annu. Rev. Microbiol., 35, 365-403, 1981; Hui et al., EMBO J., 3, 623-629, 1984).。以前に、rhtA23変異がATG開始コドンに関して−1の位置でGをAに置換することが報告されている(1997 Annual Meeting of the American Society for Biochemistry and Molecular Biologyと共催の第17回 International Congress of Biochemistry and Molecular Biology, San Francisco, California, August 24-29, 1997, abstract No. 457抄録).
さらに、細菌の染色体上の遺伝子のプロモーター領域へヌクレオチド置換を導入することも可能であって、これによりプロモーター機能がより強められる。発現制御配列の変更は、例えば、国際公開パンフレットWO 00/18935 および特開平1-215280号に開示されているように温度敏感なプラスミドを使用して行う遺伝子置換と同様に実行可能である。
プラスミドDNAの調製方法は、DNAの消化と連結、形質転換、オリゴヌクレオチドのプライマーとして選択を含むが、これらに制限されなく、あるいは、当業者に既知の他の方法を含む。これらの方法は、例えばSambrook, J., Fritsch, E.F., and Maniatis, T., “Molecular Cloning: A Laboratory Manual, Second Edition”, Cold Spring Harbor Laboratory Press (1989)に記述されている。
2. 本発明の製造法
(1) 製造法I
本発明の第1の製造法では、アミノ基供与体の存在で、アセトアルデヒドとα一ケトブタン酸から、下記式(I)
に示される、4-HILの生成に活性を有する生体触媒の存在で、アミノ基供与体、アセトアルデヒド及びα−ケトブタン酸を溶媒中に加えることにより、4-HILが生成される(以下、製造法Iと呼ぶ)。すなわち、製造法Iは2工程の酵素反応:(1) アセトアルデヒドとα−ケトブタン酸からHMKPを生成する酵素的アルドール反応の工程、および(2)HMKPから酵素的アミノ基転移反応で4HILを生産する工程を含む。
さらに、製造法Iの第2工程は、本明細書に後に記載する本発明の別の様相である。
製造法Iで使用される生体触媒は、アセトアルデヒドとα−ケトブタン酸から4−ハイドロキシ-3-メチル-2-ペンタン酸を生産する工程(下記の化学反応式(III))を媒介するアルドラーゼ活性がある酵素(アルドラーゼ)と、HMKPから4HILを生産する工程(下記の化学反応式(IV))を媒介するアミノ基転移反応活性がある酵素(アミノトランスフェラーゼおよび/またはデヒドロゲナーゼ);あるいはこれらの酵素を組込んだ細菌である。
本発明の製造法Iの第1工程で、「アルドール反応」は、α−ケトブタン酸のような対応するケトンの化合物に由来するエノレート・イオンがアセトアルデヒドのようなカルボニル化合物と反応して、β-ハイドロキシケトン、例えば4−ハイドロキシー3-メチル-2-ケト-ペンタン酸(HMKP)を生成する反応を意味する
本発明で、酵素によるアルドール反応は、アルドラーゼによって引き起こされるか、触媒されるアルドール反応を意味する。
特に、細菌によるアルドラーゼが好ましい。当該酵素的アルドール反応は、単離されたアルドラーゼ、アルドラーゼ活性を含む粗酵素溶液により、あるいは、アルドラーゼ活性を持つ細菌をα−ケトブタン酸とアセトアルデヒドを含む培地で培養することで行なうことができる。そのような細菌の例は、後に詳細に記述するが、そのようなアルドラーゼ活性がある如何なる細菌も、本発明において使用可能である。
本発明で、細菌のアルドラーゼは、アセトアルデヒドおよびα−ケトブタン酸からHMKPを生成する反応を触媒することができる酵素である。特に、「HpcH/HpaIアルドラーゼ系統群」に分類できるアルドラーゼが好ましい。好ましいアルドラーゼは、アセトアルデヒドおよびα−ケトブタン酸からHMKPを生成する反応を触媒する特色を共有する限り、配列番号11に示す、N-ターミナルのアミノ酸配列に関して、50%以上、さらに好ましくは55%以上、最も好ましくは60%以上の相同性を持つことができる。
従来、用語「HpcH/HpaIアルドラーゼ系統群」(HpcH系統群がいわゆるHHEDアルドラーゼおよびHKPアルドラーゼを含む)は、2、4-dihydroxyhept-2-ene-1、7-dioic酸アルドラーゼおよび4-hydroxy-2-oxovalerateアルドラーゼを含む。これらの酵素は炭水化物の輸送および代謝(異化作用)に関連する。
タンパク質のオーソロググループのクラスタ(Clusters of Orthologous Groups((COGs))は、主な系統発生の血統を表す完全なゲノムの中にエンコードされたタンパク質配列の比較で記載され、各COGは個々のタンパク質あるいは少なくとも3つの血統からのグループのパラログ(paralogs)から成り、このように古代の保存されたドメインに相当する(Tatusov,R.L.et al,Science,278,5338,631-637(1997);http://www.nchi.nlm.nih.gov/COG)
HpcH/HpaIアルドラーゼ系統群の特性記述のために使用されるタンパク質配列は、COG3836(gnl|CDD|13153)(配列番号: 5)に分類されている。
BLASTタンパク質探索のために、配列番号5のタンパク質配列を照会すると、: 2、4-dihydroxyhept-2-ene-1、7-dioic酸のアルドラーゼ(アクセッション番号AAF12475、ZP_00501227、ZP_00467871など)、2-dehydro-3-deoxyglucarateアルドラーゼ(アクセッション番号ABB11891、ZP_00687019、ZP_00425668など)およびいくつかの仮説のタンパク質(アクセッション番号AAN81241、YP_311186など)を含む、比較的高い相同性を共有する多くのタンパク質が得られるが、これらは、本発明に係わるHpcH/HpaIアルドラーゼ系統群に含まれている。
相同性探索結果の分析で、HpcH/HpaIアルドラーゼ・系統群 (2、4-dihydroxyhept-2-ene- 1,7-dioic acidアルドラーゼおよび4-hydroxy-2-oxovalerateアルドラーゼ)と、2-dehydro-3-deoxyglucarateアルドラーゼ、例えばyhaF遺伝子(同意語- garL遺伝子)(配列番号:24)によってコードされた、エシェリヒアコリ(gb|AAN82322.1)由来の2-dehydro- 3-deoxyglucarateアルドラーゼのタンパク質の間の高い相同性のレベルが明らかになった。yhaF遺伝子のヌクレオチドの配列およびyhaF遺伝子によってコードされたYhaFタンパク質のアミノ酸配列は、配列番号:24および配列番号:25にそれぞれ示されている。さらに実験で(実施例の項参照)、2、4-dihydroxyhept-2-ene-1,7-dioicacidアルドラーゼ/4-hydroxy-2-oxovalerateアルドラーゼおよび2-dehydro-3-deoxyglucarateアルドラーゼの両者がα−ケトブタン酸およびアセトアルデヒドからHMKP生成のレギオ選択性反応を触媒することができることが証明された。2,4-dihydroxyhept-2-ene-1、7-dioicacidアルドラーゼの例は、E. coli由来のyfaU遺伝子を含む。yfaU遺伝子は推定の2,7-dioic acidアルドラーゼ(同意語:HHEDアルドラーゼ)(配列番号: 26)4-dihydroxyhept-2-ene-1をエンコードする。yfaU遺伝子のヌクレオチドの配列およびyfaU遺伝子によってコードされたYfaUタンパク質のアミノ酸配列は、それぞれ配列番号:26および配列番号:27に示されている:
したがって、本発明の用語の目的では、「HpcH/HpaIアルドラーゼ系統群」は、2、4-dihydroxyhept-2-ene-1、7-dioic acidアルドラーゼおよび4−ハイドロキシ-2- oxovalerateアルドラーゼに加えてさらに2-dehydro-3-deoxyglucarateアルドラーゼを含む。
アルドール反応に続いて、第2の工程である、アミノ基転移反応プロセスに進むことになる。本発明の製造法I第2の工程では、「アミノ基転移反応」は、供与体化合物,例えばL-グルタミン酸または、L-グルタミン酸塩からケトン基を持つ受容体化合物、例えば4−ハイドロキシ-3−メチルー2−ケトーペンタン酸などにアミノ基が転送される反応を意味する。
本発明では、「酵素によるアミノ基転移反応」は、アミノトランスフェラーゼ(アミノ基転移酵素)あるいはデヒドロゲナーゼ酵素によって実行されるアミノ基転移反応反応を意味する。特に、細菌によるアミノトランスフェラーゼ(アミノ基転移酵素)が好まれる。当該酵素によるアミノ基転移反応は、単離されたアミノトランスフェラーゼ、アミノトランスフェラーゼ活性を含む粗酵素溶液により、あるいは、アミノトランスフェラーゼ活性を持つ細菌を、4−ハイドロキシー3−メチルー2−ケトーペンタン酸を含む培地で培養することで行なうことができる。、プロセスを単純にして4HILの生産コストを減らすために、本方法の培養液に基質を直接加えることは、非常に好ましい。
本発明のアミノトランスフェラーゼは分岐鎖アミノ酸アミノトランスフェラーゼ(BCAT)を含む。例えば、ilvE遺伝子によってコードされたアミノトランスフェラーゼ、tyrB遺伝子によってコードされた芳香族のアミノトランスフェラーゼ、aspC遺伝子によってコードされたアスパラギン酸塩アミノトランスフェラーゼ、avtA遺伝子によってコードされたバリンーピルビン酸塩アミノトランスフェラーゼなどがその例である。分岐鎖アミノ酸アミノトランスフェラーゼ(BCAT)が好ましい。
BCATの特性記述のために使用されるタンパク質配列はCOG0115(配列番号: 41)に分類されている。また、BCATに属するタンパク質は、EC 2.6.1.42に分類されている。
実際に、分岐鎖アミノ酸アミノトランスフェラーゼは、すべて広い基質特異性を示すので、これらのうちのほとんどがアミノ基転位に基質としてHMKPを使用することができると期待される。
分岐鎖アミノ酸アミノトランスフェラーゼは,L-グルタミン酸から、異なるα-ケト酸、例えば、α-ketoisovaleric acid, 2-keto-3-methylvaleric acid, and 2-keto-4-methyl- pentanoic acidにアミノ基を転位して、それぞれL-valine, L-isoleucine, および L-leucineを生成する反応を触媒する。
大多数の微生物由来の分岐鎖アミノ酸アミノトランスフェラーゼが知られていて、これらのアミノトランスフェラーゼをコードする遺伝子のヌクレオチドの配列が開示されている。
ilvE遺伝子はエシェリヒア・コリ由来の分岐鎖アミノ酸のアミノ基転移酵素であるIlvEタンパク質(同意語はB3770、IlvE、分岐鎖アミノ酸:2-oxoglutaric acidアミノトランスフェラーゼ、BCAT、アミノ基転移酵素B、ロイシンアミノ基転移酵素、バリン・アミノ基転移酵素,およびイソロイシン・アミノ基転移酵素)をエンコードする。ilvE遺伝子は、エシェリヒア・コリK-12株の染色体上のilvMとilvDの間に位置する。ilvE遺伝子のヌクレオチド配列は公知である。(ヌクレオチドの位置:3950507〜3951436; GenBankアクセッション番号:NC_000913.2;gi:49175990)(配列番号1,2)。ilvE遺伝子のヌクレオチドの配列およびilvE遺伝子によってエンコードされたIlvEタンパク質のアミノ酸配列は、それぞれ配列番号1および配列番号2に示されている。
ywaA遺伝子は、Bacillus subtilis由来の分岐鎖アミノ酸アミノトランスフェラーゼをコードする。ywaA遺伝子は、B.subtilis 168株の染色体上,dltEとlicHの間に位置する。ywaA遺伝子のヌクレオチド配列は公知である。(ヌクレオチドの位置:3956412〜3957503;GenBankアクセッション番号:NC_000964.2;gi:50812173)(配列番号3)。ywaA遺伝子のヌクレオチド配列およびywaAE遺伝子によってエンコードされるYwaAタンパク質のアミノ酸配列は、それぞれ配列番号3および配列番号4に示されている。
他の微生物由来の分岐鎖アミノ酸アミノトランスフェラーゼをコードする、未注釈の遺伝子は、分岐鎖のアミノ酸アミノトランスフェラーゼをエンコードする既知の遺伝子への相同性、次いで遺伝子によってコードされたタンパク質の活性の評価で同定できる。
2つのアミノ酸配列間の相同性は、よく知られた方法、例えば、3つのパラメーター:スコア、同一性および類似性を計算する、コンピュータ・プログラムBLAST 2.0を使用して、決定することができる。
したがって、エシェリヒア・コリ由来のilvE遺伝子およびB.subtilis由来のywaA遺伝子は、遺伝子の既知のヌクレオチドの配列に基づいて調製されたプライマーを利用するPCR (polymerase chain reaction; 参照: White, T.J. ら., Trends Genet., 5, 185 (1989))ことで得ることができる。他の微生物由来の分岐鎖アミノ酸アミノトランスフェラーゼをコードする遺伝子は、同様に取得できる。
細菌の菌株間でDNA配列に若干違いがあることがあるので、アルドラーゼあるいはBCATをエンコードする、使用する上記の遺伝子は配列番号1、3、24および26に示すヌクレオチド配列に制限されず、さらに配列番号1、3、24および26に示すものに類似のヌクレオチドの配列含めてもよいかもしれない。したがって、上記の遺伝子がコードするタンパク質変異型は、これらのタンパク質が前述の反応を触媒する能力を維持する限り、配列番号2、4、25および27に示アミノ酸配列全体に関して、80%以上、好ましくは90%以上、最も好ましくは95%以上類似していればよい。
さらに、上記の遺伝子は、機能的なタンパク質をエンコードする限り、配列番号1、3、24および26に示すヌクレオチドの配列、あるいはこれらのヌクレオチドの配列に基づいて調製したプローブで、厳格な条件下でハイブリダイズ(交雑)することができる変異体によって代表してもよい。「厳格な条件」とは、特定のハイブリッドが形成され、非特異性のハイブリッドは生成されない条件を含む。例えば、厳格な条件の例は、1×SSCおよび0.1%のSDS、好ましくは0.1×SSCおよび0.1%のSDSを含む溶液で60℃で1回、好ましくは2、3回洗うことである。プローブの長さはハイブリッド形成条件によって、適切に選択出来、通常100 bpから1 kbpまでの範囲である。
上記のアルドラーゼおよびアミノトランスフェラーゼ(あるいはデヒドロゲナーゼ)を組込む限り、生体触媒は、細菌(培養物、細菌の細胞、あるいは処置済み細胞を含む)、精製酵素、あるいは粗酵素のような任意の形態で使用することができる。
本発明で使用された細菌の処置済み細胞の形態の例は、乾燥菌体、凍結乾燥菌体。界面活性剤あるいは有機溶媒処理物、酵素処理物、超音波処理物、機械的破砕処理物、溶剤処理物、のタンパク質画分、菌体固定化物、およびプロセスした菌体である。
アミノ基供与体の存在で、アセトアルデヒドとα−ケトブタン酸から4HIL生成の活性があるいずれの細菌も使用することができる。
細菌を製造法Iで使用する場合、基質を含む培地のアルドラーゼおよび/またはアミノトランスフェラーゼの活性を増強し、培地から生成4HILを単離するよう、かかる細菌を修飾することができる。
本発明の製造法Iの一態様では、細菌は、増幅および/または発現されたアドラーゼおよびアミノトランスフェラーゼ遺伝子を含む組み換え微生物である。
本発明の製造法Iでは、アセトアルデヒドおよびα−ケトブタン酸がアルドラーゼによって酵素反応を受け、さらにBCAT遺伝子によってアミノ基転移され、増幅および/または発現されたアドラーゼおよびBCAT遺伝子を含む組み換え微生物中に生成され、蓄積される。
細菌を生体触媒として使用する場合に、チゾサッカロマイセス属、アースロバクター属、ブレビバクテリウム属、キャンディダ属、コリネバクテリウム属、ミクロコッカス属、細胞ロモナス属、アクチノプラネス属、クロモバクテリウム属、ラネラ属、リゾビウム属、エルヴィニア属、ハンセヌラ属、トルロプシス属、クロエケラ属、ロドトルラ属、パネラス属、ムコール属、デバリオミセス属、スポロボロミセス属、エシェリヒア属、サルモネラ属、フラボバクテリウム属、バチルス属又はプロテウス属の細菌を使用することができる。
これらのうち、チゾサッカロマイセス属、キャンディダ属、アースロバクター属、ブレビバクテリウム属、エシェリヒア属、又はバチルス属の細菌を使用することが好ましい。
具体的な例は、Schizosaccharomyces pombe (AKU4220 株, NBRC346 株), Arthrobacter simplex (AKU626 株, NBRC12069 株), Brevibacterium ammoniagenes (AKU642 株, NBRC 12072 株), Candida utilis (AKU4649 株, IAM12203 株), Micrococcus luteus (AKU501 株, AKU504 株, AKU542 株, NBRC3232 株, NBRC3333 株, NBRC398 株), Micrococcus flavus (AKU502 株, ATCC10240 株), Micrococcus roseus (AKU505 株, AKU506 株, NBRC3764 株, NBRC3768 株), Corynebacterium glutamicum (AKU507 株, AKU508 株, AKU509 株, AKU652 株, ATCC13032 株, ATCC13059 株, ATCC13060 株, ATCC14067 株), Corynebacterium aquaticum (AKU604 株, NBRC12154 株), Corynebacterium paurometabolum (AKU605 株, NBRC16120 株), Arthrobactor globiformis (AKU625 株, NBRC12140 株), Arthrobactor sulfureus (AKU635 株, NBRC12678 株), Arthrobactor viscosus (AKU636 株, NBRC13497 株), Brevibacterium protophormiae (AKU647 株, NBRC12128 株), Brevibacterium acetylicum (AKU650 株, NBRC12146 株), Brevibacterium stationis (AKU655 株, NBRC12144 株), Brevibacterium fuscum (AKU656 株, NBRC12127 株), Cellulomonas fimi (AKU671 株, IAM12106 株), Cellulomonas biazotea (AKU674 株, NBRC12680 株), Chromobacterium iodinum (Brevibacterium iodinum, AKU814 株, NBRC3558 株), Erwinia carotovora subsp. carotovora (AKU40 株, AKU41 株, NBRC3830 株, NBRC12380 株), Hansenula anomala (NBRC 149 株, AKU4303 株), Hansenula miso (NBRC 146 株, AKU4307 株), Candida stellata (NBRC 895 株, AKU4308 株), Hansenula saturnus (NBRC 992 株, AKU4314 株), Hansenula nonfermentans (NBRC 1473 株, AKU4332 株), Hansenula polymorpha (NBRC 1475 株, AKU4333 株), Torulopsis nitratophila (NBRC 10004 株, AKU4539 株), Candida guilliermondii (NBRC 566 株, AKU4580 株), Candida lipolytica (NBRC 717 株, AKU4582 株), Candida macedoniensis (NBRC 706 株, AKU4587 株), Candida pseudotropicalis (NBRC 617 株, NBRC 882 株, AKU4592 株, AKU4591 株), Candida tropicalis var. lambica (NBRC 1213 株, AKU4610 株), Candida solani (NBRC 762 株, AKU4612 株), Candida albicans (NBRC 1270 株, AKU4626 株), Kloeckera africana (NBRC 868 株, AKU4704 株), Kloeckera japonica (NBRC151 株, AKU4706 株), Rhodotorula mucilaginosa (NBRC 1100 株, AKU4819 株), Panellus serotinus (NBRC 30264 株, AKU5510 株), Mucor racemosus f.sp. racemosus (NBRC 4581 株, AKU3002 株), Mucor lamprosporus (NBRC 6337 株, AKU3018 株), Mucor petrinsularis (NBRC 6751 株, AKU3019 株), Debaryomyces vanrijiae (JCM 2170 株, AKU4362 株), Sporobolomyces roseus (NBRC 1106 株, AKU4442 株), Escherichia coli K12 (NBRC 3992 株, AKU46 株), Salmonella typhimurium (NBRC 12529 株, AKU94 株), Flavobacterium ferrugineum (IAM 1493 株, AKU154 株), Bacillus subtilis (ATCC 23857, NBRC 12210),およびProteus mirabilis (NBRC 3849 株, AKU83 である。
これらの中で好ましい例はBrevibacterium ammoniagenes (AKU642 株, NBRC12072 株), Arthrobacter simplex (AKU626 株, NBRC12069 株), Micrococcus luteus (AKU501 株, NBRC3333 株), Micrococcus flavus (AKU502 株, ATCC10240 株), Corynebacterium glutamicum (AKU507 株, AKU508 株, AKU509 株, AKU652 株, ATCC13032 株, ATCC13059 株, ATCC13060 株, ATCC14067 株), Escherichia coli K12 (NBRC 3992 株, AKU46 株), Bacillus subtilis (ATCC 23857, NBRC 12210), and Erwinia carotovora subsp. carotovora (AKU40 株, AKU41 株, NBRC3830 株, NBRC12380 株).である。
これらの細菌は、通常の培養方法で培養できる。培地は、天然あるいは合成のいずれでも、該細菌が効率的に培養でき、当該細菌が利用し得る炭素源・窒素源・無機塩源等を含んでいれば、培養に用いることができる。
炭素源は、当該細菌が利用し得ることを必要とするだけである。使用に適当な炭素源は、グルコース、フラクトース、シュークロース、マルトース、澱粉、澱粉加水分解物、糖蜜などの糖類;酢酸、乳酸、グルタミン酸などの有機酸、およびエタノール、プロパノールなどのアルコール類である。使用に適当な窒素源としては、当該細菌が利用できる限り、アンモニア、硫酸アンモニウム、塩化アンモニウム、酢酸アンモニウム、リン酸アンモニウム等の各種無機酸や有機酸のアンモニウム塩、その他含窒素化合物、並びに、ペプトン、肉エキス、酵母エキス、コーン・スティープ・リカー、カゼイン加水分解物、大豆、大豆加水分解物、大豆粕および大豆加水分解物(前出)、各種発酵菌体およびその消化物等を用いることができる。
用いられる無機塩は、用いる微生物が利用しうるかぎり、リン酸カリウム、硫酸アンモニウム、塩化アンモニウム、塩化ナトリウム、硫酸マグネシウム・硫酸第一鉄および硫酸マンガンを含む。他に、カルシウム、亜鉛、ホウ素、銅、コバルト、モリブデンなどの微量元素の塩類を加えてもよい。必要に応じてチアミン、ビオチンのようなビタミン、グルタミン酸、アスパラギン酸のようなアミノ酸、アデニン、グアニンのような核酸関連物質なども添加してもよい。
培養は、振盪培養または深部通気かくはん培養などの好気的条件下で行われる。培養温度15〜37℃、培養時間10〜96時間で充分である。pHは、5.O〜9.Oに保たれる。pHは、有機あるいは無機酸、アルカリ溶液、尿素、炭酸カルシウム、またはアンモニアで調整できる。
本発明で使用するアミノ基供与体は、アンモニア、硫酸アンモニウム、塩化アンモニウム、尿素などの無機アンモニウム塩、並びにグルタミン酸、バリン、ロイシン、イソロイシンおよびたの分岐鎖アミノ酸などをはじめとする各種アミノ酸などである。好ましいアミノ酸は、実際に用いる細菌で行う簡単な予備テストで決めることができる。これらの中で、反応効率や入手性の観点からは、分岐鎖アミノ酸が好ましい。バリン、ロイシン、イソロイシン、グルタミン酸およびこれらの塩等が好ましい。これらのアミノ酸は、主としてL体の形態で本発明に利用されるので、L体の遊離酸または適当な塩の形態で使用されることが好ましい。アミノ基供与体の濃度はO.01〜1,0OOg/L、好ましくは1〜100g/Lである。.
本発明では、アセトアルデヒドの濃度は0.1〜50g/L、好ましくは0.5〜20g/L である。アセトアルデヒド濃度は調製した溶液をF一キットアセトアルデヒド(ロッシュダイアグノスティック社製)を用いるか、あるいは単純に試薬の純度に基づいて希釈、調製法で測定できる。
本発明の製造法Iにおいて、α−ケトブタン酸の濃度は特に規定されていない。しかし、アセトアルデヒド濃度の1/10〜10倍量であることが望ましい。
反応に使用する溶媒は、水、リン酸塩、炭酸塩、酢酸塩、ほう酸塩、クエン酸塩、トリスなどの緩衝液等の水性溶媒、ならびに、メタノール、エタノールなどのアルコール類、酢酸エチルなどのエステル類、アセトンなどのケトン類、アセトアミドなどのアミド類、その他の有機溶媒、あるいは、一種以上のこれらを含有した水性溶媒でよい。必要に応じてTriton X-100やNonion HS204(NOF社製)などの界面活性剤、あるいは、トルエンやキシレンなどの有機溶媒を約0.1〜20g/Lの割合で添加できる。
製造法Iにおいて用いられる細菌の濃度はO.1〜700g/1、好ましくは10〜300g/L(菌体(湿重量)基準)である。水性媒体に当該細菌、アミノ基供与体、アセトアルデヒドおよびα−ケトブタン酸を上記濃度で添加し、温度15〜60℃、、好ましくは20〜50℃、pH5〜12、好ましくはpH7〜11の条件下で、10分〜80時間反応させ、4HILを製造することができる。
製造法Iにおいて、4HIL を製造するために、反応触媒として用いられる細菌の初期の培養液または培養の途中に、アミノ基供与体、アセトアルデヒドおよびα−ケトブタン酸を上記濃度で添加することができる。
反応中に、反応基質と、反応触媒として用いられる細菌のほかに、上記のBCATを反応中の水性溶媒に添加することができる。このプロセスで、細菌を形質転換すべくBCATをコードする遺伝子を生体触媒として用いられている細菌に導入できるし、あるいは、E.coliのような各種細菌あるいは昆虫細胞などの適当な宿主細胞にBCATをコードする遺伝子を導入し形質転換体を得ることができる。その後BCATは、得られた形質転換体の菌体、薗体処理物、あるいは、精製酵素または粗酵素などの形態で使用できる。
粗酵素溶液を使用して、4HILを生成する反応を行う場合、培養された微生物は遠心分離などで回収され、次に、細胞はアルドラーゼとアミノトランスフェラーゼおよび/またはデヒドロゲナーゼを含む粗酵素溶液を調製するために破砕するか、あるいは、溶解させる。細胞を破砕するのに超音波破砕、フレンチ・プレスによる破砕、ガラスビーズ破砕等の方法を用いることが出来、一方細胞を溶解するために、卵白(胚乳)リゾチームあるいはペプチダーゼ、あるいはこれらの適切な組み合わせ方法が用いられる。精製酵素溶液を使用して、4HILを生成する反応を行う場合、アルドラーゼとアミノトランスフェラーゼ、および/またはデヒドロゲナーゼを含む粗酵素溶液は、沈殿、濾過、カラムクロマトグラフィーなどのような通常の技術で精製される。
培養液から微生物の分離および酵素溶液の調製は、遠心分離、超音波破砕、イオン交換樹脂方法、沈澱法などのような既知の方法の組み合わせで行うのが普通である。
(2) 製造法II
本発明の第2の製造法では、4HILを生産するために(以下、製造法IIと呼ぶ)アミノ基供与体および4−ハイドロキシー3−メチルー2−ケトーペンタン酸 (HMKP)を、アミノ基供与体の存在下、式(II)で下に表示するHMKPから4HILを生産するアミノ基転移反応活性がある生体触媒の存在下、水性溶剤に加える
製造法IIで使用の生体触媒は、アミノ基供与体の存在でHMKPから4HILを生成する工程(上記化学反応式(IV))を媒介するアミノ基転移反応活性がある1つ以上の酵素(アミノトランスフェラーゼおよび/またはデヒドロゲナーゼ)、あるいはこれらの酵素を組込んでいる細菌である。製造法IIでは、用語「アミノ基のアミノ基転移反応活性」、「アミノトランスフェラーゼおよび/またはデヒドロゲナーゼ」を製造法Iの第2の工程反応と同様に規定する。
上記の酵素を含む限り、生体触媒は、細菌(培養物、細菌の細胞、あるいは処置済み細胞を含む)、精製酵素、あるいは粗酵素のような任意の形態で使用することができる。アミノ基供与体の存在で、光学活性なHMKPを4HILに転換する生成の活性があるデヒドロゲナーゼおよび/またはアミノトランスフェラーゼを持つ限り、いずれの細菌も使用することができる。
細菌を製造法IIで使用する場合、HMKPを含む培地のアミノトランスフェラーゼ活性を増強するため、増幅され、発現された遺伝子を含む組み換え微生物中に生成され蓄積されたBCATのようなアミノトランスフェラーゼで、かかる細菌を修飾することができる。
生体触媒として使用できる細菌の例は、チゾサッカロマイセス属、キャンディダ属、クリプトコックス属、エシェリヒア属、およびピチア属である。活性と入手性の観点から、チゾサッカロマイセス属、キャンディダ属、アースロバクター属、ブレビバクテリウム属、シュードモナス属、ハンセヌラ属、フラボバクテリウム属、バチルス属、エシェリヒア属、またはピチア属の使用は好ましい。
エシェリヒア属またはバチルス属に属する細菌が好ましい。ここで、語句「エシェリヒア属に属する細菌」は、細菌が、微生物学の当業者に公知である分類によるエシェリヒア属に分類されていることを意味する。
本発明で使用されるようなエシェリヒア属に属する細菌の例はエシェリヒア・コリ(E.coli)含むが、これに制限されない。本発明で使用することができるエシェリヒア属に属する細菌は、特に制限されていないが、例えば F.C. Neidhardtらが記載した細菌(Escherichia coli and Salmonella typhimurium, American Society for Microbiology, Washington, D.C., 1208, Table 1)は、本発明に包含される。
ここで、語句「バチルス属に属する細菌」は、細菌が、微生物学の当業者に公知である分類によるバチルス属に分類されていることを意味する。本発明で使用されるようなバチルス属に属する細菌の例はBacillus subtilis (B. subtilis) および Bacillus amyloliquefaciens (B.amyloliquefaciens)を含むが、これに制限されない。
具体的な例は次のとおりである: Schizosaccharomyces pombe (AKU4220 株, NBRC346 株), Arthrobacter simplex (AKU626 株, NBRC12069 株), Brevibacterium ammoniagenes (AKU642 株, NBRC12072 株), Candida utilis (AKU4570 株, AKU4649 株, IAM12203 株, NBRC396 株), Pseudomonas sp. (AKU839 株, NBRC12691 株), Flavobacterium heparinum (AKU150 株, NBRC12017 株), Bacillus thuringiensis (AKU238 株, NBRC3951 株), Micrococcus luteus (AKU543 株, NBRC3066 株), Pichia orientalis (AKU4256 株, NBRC1279 株), Hansenula jadinii (AKU432株, NBRC987 株), Torulopsis sphaerica (AKU4530 株, NBRC648 株), Brevibacterium linens (AKU653 株, NBRC12171 株), Escherichia coli K12 (NBRC 3992 株, AKU46 株), Bacillus subtilis (ATCC 23857, NBRC 12210), および Cryptococcus flavus (AKU 4802 株, NBRC 710 株)。
これらのうち、好ましい例は次のとおりである:Schizosaccharomyces pombe (AKU4220 株, NBRC346 株), Arthrobacter simplex (AKU626 株, NBRC12069 株), Brevibacterium ammoniagenes (AKU642 株, NBRC12072 株), Candida utilis (AKU4570 株, AKU4649 株, IAM12203 株, NBRC396 株), Pseudomonas sp. (AKU839 株, NBRC12691 株), Flavobacterium heparinum (AKU150 株, NBRC12017 株), Bacillus thuringiensis (AKU238 株, NBRC3951 株), Pichia orientalis (AKU4256 株, NBRC1279 株), Hansenula jadinii (AKU4324 株, NBRC987 株), Escherichia coli K12 (NBRC 3992 株, AKU46 株), Bacillus subtilis (ATCC 23857, NBRC 12210)およびBrevibacterium linens (AKU653株(NBRC12171株))。
上記の細菌のうち、株番号がAKUから始まる菌種は、発酵生理学および応用微生物学、応用ライフサイエンス、、京都大学大学院農学部応用生命科学専攻発酵生理および醸造学研究室から得ることが出来る。
株番号がATCCから始まる菌株は、the American Type Culture Collection (ATCC, Address: P.O. Box 1549, Manassas, VA 20108, United States of America)から取得できる。個々の菌株に対応する登録番号はATCCのカタログに記録されている。
(http://www.atcc.org/commoin/catalog/bacterr/bacterialindex.cfm)
株番号がJCMから始まるものは、Riken Wako Institute(理化学研究所)(埼玉県和光市広沢2-1)に保管されていて、登録番号によって取得出来る。個々の菌株に対応する登録番号は、JCMのカタログに記録されている(http://www.jcm.riken.jp/JCM/catalogue.htm)。
株番号がIAMから始まるものは、東京大学分子細胞生物学研究所バイオリサーチ研究所(郵便番号113-O032東京都文京区弥生1-1-1)、IAMコレクションに保管されていて、登録番号を使用して、取得出来る。個々の菌株に対応する登録番号はIAMのカタログに記載されている((IAM Catalogue of Strains, Third Edition, 2004)。
株番号名がNBRC(旧IFO)から始まるものは、the National Institute of Technology and Evaluation(製品評価技術基盤機構)(郵便番号292-0818千葉県木更津市かずさ鎌足2-5-8)から取得出来、個々の各薗株に対応する登録番号は、NBRCのカタログに記載されている。
(http://www.nbrc.nite.go.jp/NBRC2/NBRCDispSearchServlet?lang=en).
これらの細菌の様々な培養条件は製造法Iのものと同一である。製造法IIでは、光学活性4HIL を製造するよう、反応触媒として用いられる細菌の初期の培養液または培養の途中に、アミノ基供与体、光学活性HMKPを上記濃度で添加することができる。
本発明の製造法IIでは、原料HMKPは、精製調製物、粗生成物、等の形態で使用することができる。
HMKPは、化学的あるいは酵素的のいずれかの方法で得ることができる。
化学的には、例えばHMKPはα−ケトブタン酸とアセトアルデヒドとのアルドール反応の結果として得ることができる。
化学的アルドール反応をHMKPを得るために適用する場合、反応は通常のアルカリ性の条件下で行われるのが好ましい。反応溶剤に関しては、水、メタノール、エタノール、プロパノール、アセトニトリルおよびジメチルホルムアミドのような極性溶剤あるいはそれの混合溶剤が好ましい。特に、水、および水と極性溶剤との混合溶剤(含水有機溶媒)が好ましい。
溶媒のpHは、好ましくは8〜12、より好ましくは9〜11の範囲である。
pHが高すぎたり、低すぎると、収率が低下しやすい。このようなアルカリ条件下のpHを達成するには塩基が充分に使用でき、塩基は、例えば水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸カルシウム等のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属の水酸化物又は炭酸塩等のアルカリ土類金属塩等の無機塩基、トリエチルアミンやカダベリン等の有機塩基を含む。
α一ケトブタン酸やアセトアルデヒドの量は特定の制限はない。α一ケトブタン酸またはアセトアルデヒドを過剰に用いると反応収率が向上し易い。α一ケトブタン酸とアセトアルデヒドの好ましいモル比率は、1:1〜1:3である。
反応は、好ましくは反応温度-10℃〜70℃、更に好ましくはO〜15℃の範囲で行うことができる。反応時間は特定の制限がないく、一般に0.1〜48時間、好ましくは0.5〜6時間である。また、4-hydroxy-3-methyl-2-keto-pentanoate のキラリティを制御するためには、反応液にプロリンを添加できる (Tetrahedron Letters, Volume 41, Issue 36, September 2000, Pages 6951-6954)。
HMKPを酵素的アルドール縮合により取得する場合、希望の反応を触媒するアルドラーゼであれば特に制限なく使用できる。好ましくは製造法Iの工程1に記述されているようなアルドラーゼを使用するアルドール反応を使用できる。そのようなアルドラーゼは、アルドラーゼを含む精製酵素溶液、沈殿、ろ過、カラムクロマトグラフィなどの通常技術により精製される、粗製酵素溶液の形態、あるいは、アルドラーゼを含む微生物の形態で使用できる。さらに、4-HILを基質にして、細菌から由来する酵素反応で生成した[特開平6-340578号公報]HMKPを含む反応液を使用することもできる。用いる4−ハイドロキシー3−メチルー2−ケトーペンタン酸 の濃度はO.5〜700g/L、好ましくは10〜500g/Lである。
本発明の製造法IIは、分岐鎖アミノ酸アミノトランスフェラーゼ活性を増強するように修飾された細菌をHMKPを含む培地で培養することと、培地から生成された4HILを単離する工程を含む。
本発明の製造法IIの1つの態様では、HMKPが、アミノトランスフェラーゼ、好ましくは、増幅および/または発現されたアミノトランスフェラーゼ遺伝子(好ましくはBCAT遺伝子)を含む組み換え微生物中に生成され蓄積されたBCATを使用して、酵素的にアミノ基転移される。
BCAT遺伝子を増幅し、発現した形質転換細胞を培養中に、4HILの生成反応が培養液にHMKPを直接加えることで行われる場合、反応は静置状態あるいは緩やかに攪拌して行われる。反応温度は10℃〜60℃、好ましくは25℃〜45℃に、pHは3〜11好ましくはpH 6〜9にコントロールするのが好ましい。培養液のpHは、アンモニア、炭酸カルシウムや、様々な酸、様々な塩基および緩衝液で調節することができる。通常、1〜5日間の培養で液体培地中に目的とする4HILが蓄積する。反応が進む限りでは、基質HMKPを添加できるし、必要なら、必要な量、必要な時間にわたって反応させることができる。
培地が炭素源、窒素源、およびミネラル、並び必要ならば、細菌が成長に要する適切な量の栄養素を含む限り、合成あるいは天然培地のいずれも本発明で使用できる。そのような栄養素は前記の節に記載されたものと同じ物である。
粗製酵素溶液を使用して、4HILの生成反応が行われる場合、培養された微生物は遠心分離などによって採取し、次に、細胞を破砕または溶解してアミノトランスフェラーゼ、好ましくはBCATを含む粗製酵素溶液を調製する。細胞を破砕するのに超音波破砕、フレンチ・プレスによる破砕、ガラスビーズ破砕等の方法を用いることが出来、一方細胞を溶解するためには、卵白(胚乳)リゾチームあるいはペプチダーゼ、あるいはこれらの適切な組み合わせ方法が用いられる。精製酵素溶液を使用して、4HILの生成反応を行う場合、アルドラーゼとアミノトランスフェラーゼ、好ましくはBCATを含む粗酵素溶液は、沈殿、濾過、カラムクロマトグラフィーなどのような通常の技術で精製される。
培養液から微生物の分離および回収および酵素溶液のの調製は通常、遠心分離、超音波破砕、イオン交換樹脂方法、沈澱法などのような既知の方法の組み合わせで実行することができる。
単離したBCATは、生体内、あるいは生体外で分岐鎖アミノ酸アミノトランスフェラーゼをコードする遺伝子を発現し、次いで分取クロマトグラフィーの使用で得られた酵素を単離すること、BCATの抗体を精製すること、、His6タグを持っている分岐鎖アミノ酸アミノトランスフェラーゼに対してエンコート゛する修飾済の遺伝子の発現し、次いでpET発現システム (Novagen)を使用してニッケルカラムで単離したりすること、などを含む従来の方法で取得できる。
分岐鎖アミノ酸アミノトランスフェラーゼの活性は、例えば、Lee-Peng, F.C. et al. (J Bacteriol. 139(2): 339-345 (1979))が記載した方法で検知および測定できる。
4HILの生成反応が、BCATを含む粗製酵素溶液あるいは精製酵素の使用で行われる場合、反応は、基質HMKPおよび粗製酵素溶液あるいは精製された酵素を含む反応溶液が、10℃から60℃、好ましくは25℃から45℃にpH3〜11好ましくはpH 6〜9にコントロールされている間、反応が進むことを許される。反応が進む限り基質HMKPを添加でき、必要なら、必要な量、必要な時間にわたって反応させることができる。
「分岐鎖アミノ酸アミノトランスフェラーゼ(BCAT)活性を増強するように修飾された」の語句は、1つの細胞当たり活性が非修飾済の菌株, 例えば、野生型菌株のそれと比較された時により高いことを意味する。そのような修飾の例は1つの細胞当たりのBCAT分子の数を増加させてBCAT分子当たりの活性比を増加させることなどを含む。さらに、比較目的のために使用できる野生型菌株は、例えばエシェリヒア・コリK-12を含む。
細菌の細胞のBCAT活性は、BCATをエンコードする遺伝子の発現を増加させて増強することができる。細菌に由来するいずれのBCAT遺伝子も、本発明のBCAT遺伝子として使用できる。エシェリヒア属およびバチルス属に属する細菌に由来したBCAT遺伝子が好ましい。
製造法IIおよび製造法Iの工程2で使用される生体触媒に任意に含まれていて、上記の反応式(IV)を媒介するアミノトランスフェラーゼおよび/またはデヒドロゲナーゼは、細菌内の一つの酵素が働いて4HILを生成する場合でも、本発明の製造法を妨害しない。しかしながら、上記反応がデヒドロゲナーゼで媒介される場合には、ニコチンアミド-アデニンジヌクレオチド(NADH)又はニコチンアミド-アデニンジヌクレオチド・フォスフエイト(NADPH)を添加する必要があるので、反応液中にNADH又はNADPHが存在しないときは、上記の反応はアミノトランスフェラーゼによって媒介されるはずである。反応をデヒドロゲナーゼ反応条件(NADH又はNADPH存在で)で行うか、あるいは、アミノトランスフェラーゼ反応条件(NADH又はNADPH不在で)で行うかどうかの決定は、反応に採用する微生物を用いて最適条件を決めるための適当な予備テストを行って、当業者が容易に出来る。反応をデヒドロゲナーゼ反応条件で行う時には、使用するNADH又はNADPHは、O.05〜10mg/Lである。反応中に、グルコースデヒドロゲナーゼのような微生物由来の酵素を活性化して、反応により生成するNAD+やNADP+を再生する反応を併用するのが望ましい。
製造法IまたはIIにより生成された4HIL は、通常のアミノ酸の精製法で単離できる。遠心分離を用いて固形物を除いた反応液上清から4HILを単離するのに、例えば、イオン交換樹脂や膜、結晶化を用いた処理のような操作を組み合わせて使用できる。
実施例により、以下に本発明をさらに詳しく説明する。しかし、本発明は、これらの実施例によって制限されない。
[実施例1]
グルコース10g/L、K2HPO4 3g/L、MgS04・7H20 0.2g/L、ペプトンン15g/L、酵母エキス1g/Lおよび塩化ナトリウム2g/1を含み、pH 7に調整した培地50mLを500mL坂口フラスコに注ぎ、滅菌した。第1表に示す種々の微生物を接種し、28℃で1〜3日間振盪培養した。
遠心分離を用いて5mLの培養液から各菌株を集めた。得られた各菌株を1mLの反応液(a)(HMKP 10g/1, L一グルタミン酸10g/L、塩化アンモニウム20g/L、グルコース100g/L NADH 0.6g/L, NADPH 0.6g/L、グルコースデヒドロゲナーゼ(SIGMA社製) 20U/mL、リン酸カリウム緩衝液(pH7.0))に懸濁させ、30℃で2〜5日間反応させた。反応終了後、菌体を遠心分離で除き、上清中の4HIL生成の有無をTLCにより測定した。
4HILの調製法
4HILの抽出と精製は、L. Fowden, H.M. PratおよびA. Smith (Phytochemistry, Vol. 12, 1707. 1973] の方法によって行った。4kgの Trigonella foenumgraecum Lの種子から4gの精製4HILが単離された。
4−ハイドロキシー3−メチルー2−ケトーペンタン酸 の調製法
精製4HILをpH8.0緩衝液で10mg/mmLになるよう溶解し、O.43UのL一アミノ酸オキシダーゼを4HIL 1mgあたり添加し、37℃で20時間、充分に攪拌して酸化した。ニンヒドリン試薬などを用いて適切な酸化を確認し、その後凍結乾燥を行った。4−ハイドロキシー3−メチルー2−ケトーペンタン酸 の精製は、特開平6-340578号に従って行った。即ち、凍結乾燥残渣をメタノールで抽出し、メチルtert一ブチルエーテルを添加して4−ハイドロキシー3−メチルー2−ケトーペンタン酸のナトリウム塩を沈殿させた。
TLCの条件
1μ1の反応液をスポットした薄層シリカゲルを[60F254,メルク社製]を展開溶媒(n一ブタノール:酢酸:水=4:1:1)で展開し、ニンヒドリン試薬で4HIL を検出した。精製した4HILと同じRf値を持つスポットの発生画決定され、負のコントロールとしてHMKPを含まない反応生成物中に4HILに相当するスポットの無いことを確認した。
結果
表1に示す通り、17種の微生物でHMKPから4HILヘのアミノ基転移活性が認められた。この反応はアミノトランスフェラーゼとデヒドロゲナーゼで媒介されていると推定された。
表1はHMKPからの4HILの生成活性を示す。
[実施例2]
グルコース10g/L、K2HPO4 3g/L、MgS04・7H20 0.2g/L、ペプトンン15g/L、酵母エキス1g/Lおよび塩化ナトリウム2g/1を含み、pH 7に調整した培地50mLを500mL坂口フラスコに注ぎ、滅菌した。第1表に示す種々の微生物を接種し、28℃で1〜3日間振盪培養した。
遠心分離を用いて5mLの培養液から各菌株を集めた。得られた各菌株を1mLの反応液(1)(アセトアルデヒド10g/L、α−ケトブタン酸塩10g/L、L-グルタミン酸10g/L、塩化アンモニウム20g/L、グルコース100 g/L、NADH 0.6 g/L、NADPH 0.6 g/L、グルコースデヒドロゲナーゼ(SIGMA社製) 20 U/mL、リン酸カリウム緩衝液(pH 7.0); 反応液(2) (アセトアルデヒド10g/L、α一ケトブタン酸塩10g/L、L-グルタミン酸10 g/L、塩化アンモニウム20g/L、グルコース100 g/L、NADH 0.6 g/L、NADPH 0.6 g/L、グルコースデヒドロゲナーゼ(SIGMA社製) 20 U/mL、ホウ酸塩緩衝液(pH 9.0));または、反応液(3) (アセトアルデヒド2g/L、α−ケトブタン酸塩10g/L、L一グルタミン酸10 g/L、塩化アンモニウム20g/L、グルコース100 g/L、NADH 0.6 g/L、NADPH 0.6 g/L、グルコースデヒドロゲナーゼ(SIGMA社製) 20 U/mL、ホウ酸塩緩衝液(pH 9.0))に懸濁させ、30℃で2〜5日間反応させた。反応終了後、菌体を集め、HPLCを使用して上清の4HILをアミノ酸分析で測定した。
HPLC分析:分光蛍光計1100シリーズ (Agilent, USA) 付高圧クロマトグラフィを(Waters,USA)使用した。選択した検出波範囲は、励起波長250nm、エミッション波長の範囲320-560nmであった。accq-タグ方法による分離はカラムNova-PakTM C18 150 × 3,9 mm, 4μm (Waters, USA) で +400において行われた。試料の射出容積は5μlであった。アミノ酸誘導体の生成およびそれらの分離はWaters 製造元の推奨 (Liu, H. et al., J. Chromatogr. A, 828, 383-395 (1998); Waters accq-tag chemistry package. Instruction manual. Millipore Corporation, pp. 1-9 (1993))に基づいて行った。6-aminoquinoli-L-N-hydroxysuccinymidylカーバメート剤によるアミノ酸誘導体を取得するために、キットAccq-FluorTM (商標) (Waters, USA)を使用した。accq-タグ方法による分析は濃縮Accqタグ溶離剤А (Waters, USA) を使用して行なった。溶液はすべてMilli-Q水を使用して、調製し、標準液は+4℃で貯蔵した。
結果
表2に反応液(1)〜(3)で生成した4HIL の最大値を示す。30種の菌株で、アセトアルデヒドとα−ケトブタン酸からアルドール反応とアミノ基転移で起きたと推定される4HIL の生成が観察された。Arthrobactor simplexが最高の生成量を示した。生成量が最低の細菌でも、反応条件を最適化すれば生成量を増加できることがが期待された。
表2はアセトアルデヒドとα−ケトブタン酸からの4HIL 生成活性を示す。

[実施例3]
グルコース10g/L、K2HPO4 3g/L、MgS04・7H20 0.2g/L、ペプトン15g/L、酵母エキス1g/Lおよび塩化ナトリウム2g/1を含み、pH 7に調整した培地50mLを500mL坂口フラスコに注ぎ、滅菌した。第1表に示す種々の微生物を接種し、28℃で1〜3日間振盪培養した。
遠心分離を用いて5mLの培養液から各菌株を集めた。得られた各菌株を1mLの反応液(4)(アセトアルデヒド10g/L、α−ケトブタン酸塩10g/L、L-グルタミン酸10g/L、リン酸カリウム緩衝液(pH 7.0); 反応液(5) (アセトアルデヒド10g/L、α−ケトブタン酸塩10g/L、L-グルタミン酸10 g/L、ホウ酸塩緩衝液(pH 9.0)、または反応液(6) (アセトアルデヒド2g/L、α−ケトブタン酸塩5g/L、L-グルタミン酸10 g/L、ホウ酸塩緩衝液(pH 9.0))に懸濁させ、30℃で2〜5日間反応させた。反応終了後、菌塊を集め、HPLCを使用して上清中の4HILの合成をアミノ酸分析で測定した。
HPLC分析は実施例2に記載したように行った。
結果
種々のアミノトランスフェラーゼ反応条件の反応液で測定した生成4HIL の量を表3に示す。23種の菌株で、アセトアルデヒドとα−ケトブタン酸塩からアルドール反応とアミノ基転移で起こったと推定される4HIL の生成が観察された。
表3はアセトアルデヒドとα−ケトブタン酸塩からのアミノトランスフェラーゼ反応条件下での4HIL の生成活性を示す。
[実施例4]
グルコース10g/L、K2HPO4 3g/L、MgS04・7H20 0.2g/L、ペプトン15g/L、酵母エキス1g/Lおよび塩化ナトリウム2g/Lを含み、pH 7に調整した培地50mLを500mL坂口フラスコに注ぎ、滅菌した。Brevibacterium ammoniagenesあるいはArthrobactor simplexを接種し、28℃1〜3日間培養した。
遠心分離を用いて5mLの培養液から各菌株を集めた。得られた各菌株を1mLの反応液(アセトアルデヒド2g/L、α−ケトブタン酸塩5g/L、L-アミノ酸10g/L,塩化アンモニウム20g/L、グルコース100g/L、ホウ酸緩衝液(pH9.0))に懸濁し、30℃で2〜5日間反応させた。図1あるいは図2に示したアミノ酸をアミノ基供与体として用いた。反応終了後、遠心分離によって菌体を除き、上清中の4HIL生成の有無をHPLCにより測定した
実施例2に記載されたように、HPLC分析を行った。
結果
図1および図2に、アセトアルデヒドとα−アミノブチレートからのアミノトランスフェフーズ反応条件下で生成する4HIL に対するアミノ基供与体の影響を示す。グルタミン酸に比して、ロイシン、バリン、イソロイシンなどの分岐鎖アミノ酸をアミノ基供与体として使用すると4HIL の生成量が増加する傾向が見出された。従って、本発明の4HIL 製造において分岐鎖アミノ酸が生成量増加にとって良いアミノ基供与体であると推定された。
[実施例5]
グルコー ス10g/L,K2HPO4 3g/L,MgS04・7H20 0.2g/L、ペプトン15g/L、酵母エキス1g/Lおよび塩化ナトリウム2g/Lを含み、pH 7に調整した培地5mLに表4に示す様々な細菌を接種し、28℃で1〜2日間培養した。
エシェリヒア大腸菌由来のBCATがhis6-タグ誘導体としてpET発現システム((Novagen, Madison, WI, USA) を使用して、クローンされ、発現された。
pET-HT-IlvE-ECO プラスミドを構築するためにE. coli 由来のilvE遺伝子を、E. coli 菌株MG1655の染色体のDNAをテンプレートとして、プライマーP1(配列番号: 6)とプライマーP2(配列番号: 7)をそれぞれ上流」および「下流」プライマーとして使用し、PCRによって増幅した。プライマーP1はNcoI制限部位およびその5'-末端でヒスチジンにコードする6つのコドンを含み、プライマーP2はその5'-末端でBamHI制限部位を含む。生じたPCRフラグメントは、NcoIとBamHIの制限酵素(restrictases)で消化、前もって同じ制限酵素で処理したベクトルpET-15(b+)結合された。このようにしてプラスミpET-HT-IlvE- ECO を得た。(37℃で2〜3 時間)
標準誘導条件(1 mM IPTG: isopropyl-thio-β-D-galactopyranoside,37℃で2〜3時間)下、pET-HT-IlvE-ECO からpET-システムに発現された時、全細胞のタンパク質の可溶の画分にhis6-タグ-IlvE-ECO タンパク質が局在することが判明した。ハイブリッドのタンパク質はIMAC((Immobilized-Metal-Affinity-Chromatography)固定化金属親和性-クロマトグラフィー)で精製した。下記手順で行なわれた:1) OD555=1に到達するまで、E. coli.B菌株BL21(DE3)[pET-HT-IlvE-ECO]細胞培養液200mLを、4箇の500mLフラスコで成長させた。his6-タグ-ilvEタンパク質の合成は、IPTGを最終濃度1mMまで添加し、2時間培養して誘導した。その後、細胞は遠心分離によって採取し、100mM NaCl溶液100mLで2度洗浄、再びペレット化した、緩衝液20mL (20mM Tris-HCl、500mM NaCl、1mM PMSF、10mMイミダゾール、5% (w/v)グリセリン; pH 8) に再懸濁、さらにフレンチ圧力セルを一回通過させて破砕;2) 生じた溶解物は遠心分離し、上清のタンパク質は1mLのHitrap(登録商標) (Pharmacia) カラムに適用した;その後、カラムは、緩衝液I 10mLで洗浄し、結合タンパク質は緩衝液II (20mM Tris-HC1, 400mM イミダゾール、pH8)で溶出した。溶出液は緩衝液III(20 mM 燐酸カリウム緩衝液pH7, 1mM DTT,10μM PLP,10%(w/v)グリセロール)で平衡化した10mLのBioGe1 PlO(BioRad)カラムを用いゲル濾過し、生じたi1vE調製物を得た。
表4に示した各種の菌株を、培養液5mLから遠心分離で集め、生理食塩水で洗浄した。これらにE. coli B 菌株 BL21(DE3)[pET-HT-IlvE-ECO] 培養液を添加し、混合物を再び生理食塩水で洗浄した。この様に得られた各薗株を1mLの反応液(250mMアセトアルデヒド、75mMα−ケトブタン酸、1% L-グルタミン酸、リン酸カリウム緩衝液(pH7.O)50mM)に懸濁し、28℃で12〜15時間反応させた。反応終了後、遠心分離で細胞を除き、上清中の4HILの合成をHPLCで測定した。
IlvE は、上述の通り強く発現されているE. coliの形態で使用しても良く、あるいは、精製したIlvE をO.1〜10μg添加しても良い。またHMKPに対するアミノ基転移活性を有する限り酵素の源に制限されない。
HPLC分析は実施例2に記載されたように行った。
結果
表4は、BCATおよび細菌の組み合わせ反応で生成された4HILの最大値を示す。アセトアルデヒドとα−ケトブタン酸のアルドール反応とアミノ化反応の結果と推定される4HILの生成活性は40種の細菌菌株で観察された。細菌を単独で使用する反応条件に比して、IlvEの使用による生成量の相乗的な増加が確認された。
表4は、アセトアルデヒドとα−ケトブタン酸から4HILを生成する活性を示す。
[実施例 6] Escherichia coli および Bacillus subtilis由来BCATのクローニングおよび効率的な発現
Escherichia coli および Bacillus subtilis由来BCATは、his6-タグ誘導体としてpET発現システム(Novagen、Madison,USA)を使用して、クローンし発現させた。
pET-HT-IlvE-ECOの構築およびilvEタンパク質の調製は、実施例5に記載されたように行った。
pET-HT-IlvE-BSUプラスミドを構築するためにBCATアミノトランスフェラーゼをエンコードするBacillus subtilis 由来のywaA遺伝子(Berger, B.J. et al., J Bacteriol., 185(8), 2418-31 (2003))を、Bacillus subtilis strain 168の染色体のDNAをテンプレートとして、プライマーP5(配列番号: 8)とプライマーP6(配列番号: 9)をそれぞれ「上流」および「下流」プライマーとして使用し、PCRによって増幅した。プライマーP5はNcoI制限部位およびその5'-末端でヒスチジンにコードする6つのコドンを含み、プライマーP6はその5'-末端でNcoI 制限部位を含む。生じたPCRフラグメントは、NcoI制限酵素で消化し、前もって同じ制限酵素で処理したプラスミドpET-15(b+)と連結した。その後、オリゴヌクレオチドT7(Novagen、配列番号: 10)およびP6(配列番号: 9)をプライマーとして使用して、線形の連結DNAフラグメントをPCR増幅用のテンプレートとして使用した。プラスミドpET-15(b+)のT7プロモーターのコントロール下でywaA遺伝子を含んでいる、得られたPCRフラグメントは、XbaIとNotI制限酵素で消化され、前もって同じ制限酵素で処理したpET-22(b+)ベクトルへ連結された。このようにして、プラスミドpET-HT-IlvE-BSUを得た。
対応するタンパク質bsuBCATはハイブリッドhis6-標識したタンパク質として発現された。標準誘導条件(上記参照)下、pET-HT-IlvE-BSUからpET-システムに発現された時、全細胞・タンパク質の可溶の画分にB.subtilis由来のhis6-標識-IlvEタンパク質が局在することが判明した。ハイブリッドのhis6-標識-busBCATは上記のように精製した。
E.coli B 菌株BL21(DE3)[pET-HT-ilvE-ECO]とBL21(DE3)[pET-HT-ilvE-BSU]の粗製細胞溶解物中のhis6-標識酵素の活性は2時間の発現誘導後に測定した。
BCATアミノトランスフェラーゼの比活性は、前記酵素により触媒された反応:α-keto-前駆体 +グルタミン酸塩= α-アミノ酸 + α-ケトグルタミン酸塩の正反応パラメーターVmaxの測定により評価した。反応条件: 100mM K2HPO4、100mML-グルタミン酸塩、pH 7.4(KOHの添加で調節); α-ケト-前駆体:20Mm;タンパク質2,5〜10 μg/反応当たり;温度:37 ℃。
アミノ基転移反応の初速度(Vo)は、検知可能反応生成物(アミノブタン酸塩、イソロイシン、ロイシン、バリン)の時間依存生成の定量的TLC分析(展開剤: n-プロパノール: アセトン: NH3: H2O=25: 25: 6: 2)で測定した。
BCAT アミノトランスフェラーゼの比活性のデータは表5に示す。
[実施例7] 異なったBCATアミノトランスフェラーゼおよび単離されたecoBCATおよびbsuBCATアミノトランスフェラーゼの増強した活性を持つ菌株を使用するHMKPのアミノ基転移反応。
BCATアミノトランスフェラーゼの同族体を使用した、2―工程生体形質転換プロセスでの4HIL合成を調ベるために、下記の手順で行った:
1) HMKPの調製:60 mM KOHを加えた水に入れた1 Mのα−ケトブタン酸塩0.5mLを4℃でゆっくり水中で1Mのアセトアルデヒドと混合し、10度で3時間放置した。この溶液を「HMKP溶液」として規定する。
2) 生体内で生体形質転換を行わせるために、E.coli B菌株BL21(DE3)[pET-HT-ilvE-ECO]とBL21(DE3)[pET-HT-ilvE-BSU]を各々34℃でLBブロス培地中でOD555=1に達するまで培養した。その後、IPTGを最終濃度1 mMまで添加し、培養を34度で3時間継続した。その後、細胞を遠心分離で培養液1mLから採取し、0.1MのNaCl溶液で洗浄し、1mLの反応緩衝液(HMKP溶液0.5mL に0.2Mのグルタミン酸塩0.5mL添加、pH 7.0)中へ再懸濁した。反応は34℃で約17時間行った。4HILおよびα−アミノブタン酸塩の蓄積量をHPLCで分析した。(図3)
3) 生体外で生体形質転換を行わせるために、上記の(実施例8参照)ように精製した、his6-標識酵素ecoBCATおよびbsuBCATを100μlの同じ反応緩衝液(HMKP溶液0.5mLおよび0.2Mのグルタミン酸塩0.5mLの混合物、pH 7.0)に最終濃度0.1mg/mLまで加えた。反応混合物は34℃で約17時間培養した。4HILおよびα−aminobutyrateの蓄積はHPLC(図3)で分析した。
HPLC分析は実施例2に記載されたように行った。
4HIL蓄積量のデータを表6に示す。
[実施例 8] Arthrobacter simplex AKU 626 (IFO 12069)由来の (asiHPAL).HMKP-アルドラーゼの同定
1. asiHPALの精製.
精製プロトコルは下記の手順を含む。
工程1:一晩経過した細菌の培養液(34℃12時間培養)1mLを用いて、5リットルのLBブロス培地[8X(1Lフラスコ中に375mL)]に接種した。細胞は約24時間最適の温度で培養した。その後、細胞を4℃で遠心分離(16000×g)で採取し、1mM PMSF(フッ化フェニルメチルスルフォニル)を補充した緩衝液A[50mM KH2PO4]( KOHでpH 7.4に調節)の30mLに再懸濁した。
工程2:細胞は、フランスプレス・セル(最高 P=2.5 psi) を3〜5回通して破砕し、次いで残骸破片を除くために遠心分離した。タンパク質調製液は、緩衝液Aで平衡化したセファデックスG-15カラム(2.6×28cm)を通した。
工程3:陰イオン交換クロマトグラフィー(AEC 1)は、50mLのDEAE(速い流速)カラム(d=1.6cm)付きオングストロームKTAbasic100 システムを使用して行った。通常、工程2から得られたタンパク質調製物40〜50mLを緩衝液Aで平衡化したカラムに適用した。溶出は、緩衝液A(10CV(カラム容積分10))に含まれた0〜0.5M NaClの直線濃度勾配で、流量2.5mL/分で行った。各10mL分画分を集めた。活性分画分は、まとめて「工程2」の項目に記載したと同様に脱塩した。
工程4:陰イオン交換FPLC(AEC 2)は、1.6mLの「Sourse15Q」カラム(Amersham Pharmacia Biotech)付きオングストロームKTAbasic100 システムを使用して行った。工程3から得られたタンパク質調製物40〜50mLを、緩衝液Aで平衡化したカラムに適用した。溶出は、緩衝液A(40CV(カラム容積分40))に含まれた0〜0.5M NaClの直線濃度勾配で、流量1mL/分で行った。各2mL分画分を集めた。活性分画分は、まとめた(表7および8)。
工程5:疎水性相互作用クロマトグラフィ(HIC)は、1mLの「Resource PHE」カラム(Amersham Pharmacia Biotech)付オングストロームKTAbasic100 システムを使用して行った。工程5から得られたタンパク質調製物は、0.8mg/mLに調節し、次いで、硫酸アンモニュウムを最終濃度が1.5 Mになる様添加した。タンパク質溶液は。1.5Mの硫酸アンモニュウム添加した緩衝液Aで平衡化したカラムに適用した。溶出は緩衝液A(30CV(カラム容積分30))中の1.5Mから0Mの硫酸アンモニュウムの直線勾配で、流量で1mL/minで行った。各1mLの分画分を集めた。活性分画分は、まとめた(表7および8)。
工程6: サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)はSuperdexTM 200 HR 10/30A (Amersham Pharmacia Biotech)カラム付オングストロームKTAbasic100 システムを使用して行った。工程5から得られたタンパク質調製物を、100mM NaClで補足した緩衝液Aで平衡化しカラムに適用した。定組成による溶出は0.5mL/minの流量に下がった。各1mLの画分を集めた。活性分画分はまとめた。(表7、8; 図.4)。
1) 比活性は、次の組成[100mML-グルタミン酸塩(pH 8、pH 8.0で調節),α−ケトブタン酸塩、100 mMアセトアルデヒド100 mM]、1mM ZnCl2、および0、5μgの精製したbsuBCAT)、並びに一定分量のasiHPAL単離物の活性画分を用いた、bsuBCAT/asiHPALの2酵素反応において、時間に依存する4HILの生成をHPLC測定で求めた。反応はすべて37℃で行った。
2) (全タンパク質)×(比活性) として計算した。
3) 100%×(全活性/粗製溶解物中の全活性)として計算。
4) (比活性/粗製細胞溶解物中の比活性) として計算
a) データは溶離中のHPAL作動内の塩分濃度の範囲で示されている。
asiHPALの比活性は、次の組成[100mML-グルタミン酸塩(pH 8、pH 8.0で調節),α−ケトブタン酸塩、100 mMアセトアルデヒド、100 mM]、1mM ZnCl2、および0.5μgの精製したHis-標識-bsuBCATタンパク質(実施例6で得たBacillus subtilis由来の分岐鎖アミノ酸アミノトランスフェラーゼ)、並びに一定分量の溶出画分を用いた、bsuYwaA/asiHPALの2酵素反応において、時間に依存する4HILの生成をHPLC測定で求めた。反応はすべて37度で行った。Bacillus subtilis (bsuBCAT)由来の分岐鎖アミノ酸アミノトランスフェラーゼ をクローンすること、およびHPLCによる4HIL生成の測定は実施例7に記載されている。
asiHPAL単量体の分子量をSDS−PAGE(図5,A)を使用して求めた。その平均値は27 kDaと測定された。天然のasiHPALの分子量は、分子量タンパク質マーカー(シグマSigma社製)(図5,B)で較正したSuperdexTM 200 HR 10/30A (Pharmacia)カラム上で分析用SECを使用して決めた。その平均値は186 kDaと測定された。したがって、asiHPALは六量体であると推定される。
HMKPアルドラーゼの金属イオン依存性を調べた。asiHPAL活性がZn2+、Mg2+およびMn2+イオンに厳密に依存し、EDTAの存在で完全に妨害されることを確証した。したがって、asiHPALは、TypeIIアルドラーゼに属すると推定された。
2. asiHPALのN-ターミナル配列の決定。
2.1 asiHPALのウェスタンブロット。
asiHPALは、trans-Blot SD セル[本文ではsellとあるが、cellのミススぺル] (Bio-Rad)を用いてSequi-Blot PVDF メンブレン(Bio-Rad)上に固定した。最適化ブロット条件:((Dunn [本文のDunnはDunnのミススペル]炭酸塩・移動緩衝液: メタノール不含10 mM NaCHO3, 3 mM Na2CO3、標準より厚手の濾紙/薄膜サンドイッチ6枚、開始電流5.5mA/cm2、移動時間:1時間 )。
2.2 N―末端配列の決定
asiHPALのN―末端の配列は、491cLC型 タンパク質シーケンサー(Protein Sequencer) (Applied Biosystems, USA)を使用して決定した。14 サイクル行った。
結果:
NH2-Pro-Phe-Pro-Val-Glu-Leu-Pro-Asp-Asn-Phe-Ala-Lys-Arg-Val.(配列番号:11)をすべての既知タンパク質(BLAST services)と並べると、類似のN-末端配列を持つ単一タンパク質であることが分かった。これは、Brevibacterium linens BL2 (HHDE_BLI)(図 6)由来のHHDE-アルドラーゼ (2,4-dihydroxyhept-2-ene-1,7-dioic acid アルドラーゼ) である。従って、マッチした酵素はType II アルドラーゼで、その天然基質, 2,4-dihydroxyhept-2-ene-1,7-dioic acidは、構造的に HMKPに類似している (事実、両者共C4の位置に水酸基、C2の位置にカルボニル基、C1の位置にカルボキシル基を持つ)。さらに、HHDE_BLIサブユニットのMw (分子量)は27 kDaであり、これは、実験的に得られたasiHPALのサブユニットのMw とよく一致する。さらに、Brevibacterium linenは、Arthrobacter simplexと密接に関係がある。
したがって、Arthrobacter simplexから精製したasiHPALがBrevibacterium linens BL2由来のHHDEアルドラーゼの同族体であると推定できる。
[実施例9]E.coli 由来のYfaUおよびYhaFアルドラーゼ
HHDE_BLIは、2つの機能的なサブグループ:2,4-dihydroxyhept-2-ene-1,7-dioic acidアルドラーゼおよび4-hydroxy-2-oxovalerate アルドラーゼを組込むいわゆるhpcH/hpaIアルドラーゼ・系統群の一部である。HHDE_BLI同族体をBLASTで簡易に検索すると、2-keto-3-deoxyglucarate アルドラーゼを含むサブグループもhpcH/hpaIアルドラーゼ系に属することが明らかになった。
BLAST探索の結果に基づいて、2,4-dihydroxyhept-2-ene-1,7-dioic acidアルドラーゼ、4-hydroxy-2-oxovalerateアルドラーゼあるいは2-keto-3-deoxyglucarateアルドラーゼ・グループに属するいずれのタンパク質も、HMKPとして利用できることが考えられた。
この考えを証明するために、hpcH/hpaIアルドラーゼ系に属するE.coli由来の2つの酵素がHMKPアルドラーゼ活性を示す能力を試験した。推定上の2,4-dihydroxyhept-2-ene-1、7-dioicacidアルドラーゼとして指定されたYfaU、および2-keto-3-deoxyglucarateアルドラーゼとして同定されたYhaFがある。しかし、本発明の出願人らは、E.coli菌株MG1655の粗製細胞溶解物にHMKPアルドラーゼ活性を見出すことができなかった。したがって、調べた培養条件下のYfaUおよびYhaFの発現がかなり低いと思われた。
YfaUとYhaFの発現レベルを増加させるために、有効なRBSで接合した強いプロモーターPtacを、yfaUとyhaFの遺伝子のコードする領域の上流に挿入した。
1.MG1655[mhpD::attL-kan-attR-Ptac-RBS] 菌株の構築
kan-マーカーおよび有効なRBS付きPtacプロモーターを含む1.7kbのDNA断片を以下のように構築した。
まず、λattLとλattR部位で両側を挟まれたkan遺伝子を含むDNA断片は、プラスミドpMW118-(λattL-Kmr-λattR)wをテンプレートとして使い、svs45 (5’-gct-ttc-aat-caa -ctg-gtg-ctg-aat-ttc-ctc-gca-cgc-cct-taa-gga-tga-agc-ctg-ctt-ttt-tat-act-aag-ttg-3’: 配列番号:12) と PBglII (cgtacagatctgttacaggtcactaat: 配列番号:13)をプライマーとして使い、PCRによって取得した。プライマーsvs45は、その5'-末端にmhpD 遺伝子の上流領域に相同(homologous)で、E. coli 菌株 MG1655の染色体にさらに組み込むのに必要な部分を含んでいる。プライマーはその5'-末端にBglII部位を含む。プラスミドpMW118-(λattL-Kmr-λattR) pMW118の構築は-参照例に記載されている。その後、付着BglII部位を持つPtacプロモーターは、2つのオリゴヌクレオチドPtac5と Ptac3をアニールして得た。オリゴヌクレオチドPtac5の5'末端はキナーゼ反応アニールする前に燐酸化した。
Ptac5 5’-pGATCTCCCTGTTGACAATTAATCATCGGCTCGTATAATGTGTGGAATTGTGAGCG-3(配列番号:14)
Ptac3 5’-CGCTCACAATTCCACACATTATACGAGCCGATGATTAATTGTCAACAGGGA-3’(配列番号:15)
その後、PCRで取得したDNA断片は、BglII制限酵素で処理し、Ptacプロモーターで付着BglII部位に連結した。[本文の/はピリオドの誤字]得られた混合物はプライマーsvs45とプライマーsvs46(5’-aga-acc-gat-aat-ggc-gac-ttt-acg-ctt-act-cat-atg-tat-atc-tcc-ttc-cgc-tca-caa-ttc-cac-aca-tta-tac-3’: (配列番号:16)で行ったPCR反応のテンプレートとして用いた。プライマーsvs46はその5'-末端にプライマーsvs45は、その5'-末端にmhpD 遺伝子の下流領域に相同で、E. coli 菌株 MG1655の染色体にさらに組み込むのに必要な部分、およびその中間部に有効なRBSを含む。得られたDNA断片を常法のRed- integration法 (Datsenko, K.A. and Wanner, B.L., Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 97, 12, p 6640-6645 (2000))で MG1655の染色体に挿入した。その結果、mhpD遺伝子は除去され、mhpF とmhpE 遺伝子は人工の管理領域下に置かれた(図7)。
2. MG1655[attLΔyfaV-kan-attR Ptac-RBS- yfaU]の構築
yfaU遺伝子のヌクレオチドの配列およびyfaU遺伝子でコードされたYfaUタンパク質のアミノ酸配列は、それぞれ配列番号26および配列番号:27に示されている。kan-マーカーおよびPtac-RBS発現モジュールを含む1.8kbのDNA断片は、オリゴヌクレオチドSVS_81
(5'-taa-acg-ttc-ttt-aaa-ggg-att-gct-taa-taa-tgc-gtt-cat--atg-tat-atc-tcc-ttc--cgctca-c
aa-ttc-cac-aca-3':配列番号:17) および SVS_82
(5'-caa-ttt-gaa-acg-ccc-cta-cag-cca-cta-atc-act-ccg-ggc-gtt-gct-tga-agc-ctg-ctt-ttt-tat-act-aag-ttg-3’: 配列番号:18)をプライマーとし、MG1655 [mhpD::attL-kan- attR-Ptac-RBS] 菌株の染色体のDNAをテンプレートとして使用して PCRで増幅された。その後、得られたDNA断片を常法なRed-integration法(Datsenko, K.A. and Wanner, B.L., Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 97, 12, p 6640-6645 (2000)) で MG1655の染色体に挿入した。その結果、MG1655[attLΔyfaV-kan-attR-Ptac-RBS- yfaU] 菌株が構築された(図8)。
3. MG1655[attLΔyhaU-kan-attR Ptac-RBS- yhaF] 菌株の構築.
yhaF遺伝子のヌクレオチドの配列およびyhaF遺伝子がコードしたYhaFタンパク質のアミノ酸配列は、それぞれ配列番号24および配列番号:25に示されている。kan-マーカーおよびPtac-RBS発現モジュールを含む1.8kbのDNA断片は、オリゴヌクレオチドSVS_89 (5’-tgc-ggc-ttt-gaa-ttt-att-cgg-gaa-aac-atc-gtt-att-cat-atg-tat-atc-tcc-ttc-cgc-tca-caa-ttc-cac-aca-3':
配列番号:19およびSVS_90 (5’-tcc-cca-taa-taa-taa-aaa-tca-gca-taa-gta-ccc-gag-gta-aat-aaa-tga-agc-ctg-ctt-ttt-tat-act-aag-ttg-3’: 配列番号:20)をプライマーとし、MG1655 [mhpD::attL-kan- attR-Ptac-RBS] 菌株の染色体のDNAをテンプレートとして使用して PCRで増幅された。その後、得られたDNA断片を常法なRed-integration法(Datsenko, K.A. and Wanner, B.L., Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 97, 12, p 6640-6645 (2000)).で MG1655の染色体に挿入した。その結果、MG1655[attLΔyfaV-kan-attR-Ptac-RBS- yhaF] 菌株が構築された(図8)
両方の酵素の増量は、対応する菌株(図9)の粗製細胞溶解物タンパク質のSDS_PAGE分析で確認した。
MG1655[attLΔyfaV-Km-attR Ptac-RBS- yfaU] およびMG1655[attLΔyhaU-Km-attR Ptac-RBS- yhaF]MG1655の粗製細胞溶解物中のHMKPアルドラーゼ活性を調べるために、次の処置を行った。
1)一晩経過の細菌の培養液(37度で12時間培養) 50μlを用い、4mLのカナマイシン(100 μg/mL)を補充したLBブロス培地に接種した。細胞は37℃でOD555=1に達するまで1〜2時間培養する。その後、細胞を4℃で遠心分離(16000×g)で採取し、1mM PMSF(フッ化フェニルメチルスルフォニル)を補充した緩衝液A[50mM KH2PO4]( KOHでpH 7.4に調節)30mLに再懸濁した。細胞は、4℃で常法通り超音波処理で破砕し、4℃で細胞の破砕残骸を遠心分離(16000×g)で除去した。
2) 得られた粗製細胞溶解物llμlを、L-グルタミン酸塩100mM (0.5M原液(NaOHでpH 7.4に調整)から希釈) ケトブタン酸塩100mM、アセトアルデヒド100mM、MgCl2 2mM (または MnCl2, またはZnCl2, または EDTA),精製したbsuBCAT(14μg)を含む反応混合物9μlに添加した。反応は37℃で2時間培養に供された。4HILの合成は、TLCとHPLCの分析でテストした(図10; 表10)。
HPLC分析によるMG1655[attLΔyfaV-Km-attR Ptac-RBS- yfaU]およびMG1655[attLΔyhaU-Km-attRPtac-RBS- yhaF] 菌株の粗製細胞溶解物のHMKPアルドラーゼ活性の調査。
[実施例10]
AL/ATに依存する生体内形質転換プロセスにおける4HILの収率に関する実験的な研究4HIL生体内形質転換プロセスに関する実験的研究のため、YfaUとYhaFアルドラーゼをそれぞれ、E. coli MG1655[attLΔyfaV-Km-attR Ptac-RBS- yfaU] および MG1655[attLΔyhaU-Km-attR Ptac-RBS- yhaF] 菌株の粗製細胞溶解物から精製した。
精製プロトコルは下記の手順含む。
工程1:
一晩経過した細菌の培養液(37℃ 12時間培養)1mLを用いて、3リットルのLBブロス培地に接種した。細胞は約12時間37℃で培養した。その後、細胞を4℃で遠心分離(16000×g)で採取し、1mM PMSF(フッ化フェニルメチルスルフォニル)補充した緩衝液A[50mM KH2PO4]( KOHでpH 7.4に調節)30mLに再懸濁した。
工程2:
細胞は、フレンチプレス・セル(最高 P=2 psi )を3回通して破砕し、次いで破砕残骸を除くために遠心分離した。タンパク質調製液は、緩衝液でAで平衡化したセファデックスG-15カラム(2.6×28cm)を通した。
工程3:陰イオン交換クロマトグラフィー)は、50mLのDEAE(速い流速)カラム(d=1.6cm)付きオングストロームKTAbasic100 システムを使用して行った。通常、工程2から得られたタンパク質調製物40〜50mLを緩衝液Aで平衡化したカラムに適用した。溶出は、0〜0.5M NaClの直線濃度勾配を持つ緩衝液A(カラム容積分CV10))で流量2.5mL/分で行った。各10mL分画分を集めた。
活性画分をまとめて緩衝液 B (10 mM KH2PO4 (KOHでpH 7.0に調節))で平衡化した Sephadex G-15 カラム(2.6 X 28 cm)を通した。
工程4:
工程3から得られたタンパク質調製物は、ハイドロキシアパタイト(Hydroxylapatite) (Bio-Rad; DNA-Grade, Bio-Gel HTP) カラム(2.5 X 1.5 cm)を通した。流出した画分を集めた。
工程5:
陰イオン交換FPLC(AEC 2)は、1.6mLの「Sourse15Q」カラム(Amersham Pharmacia Biotech)付きオングストロームKTAbasic100 システムを使用して行った。工程4 から得られたタンパク質調製物を緩衝液Bで平衡化したカラムに適用した。溶出は、緩衝液B(CV20(カラム容積分20))に含まれた0M〜0.5M NaClの直線濃度勾配で、流量1mL/分で行った。各2mL分画分を集めた。活性分画分をまとめた。
工程6:
工程5から得たタンパク質調製物に(NH4)2SO4を1.5Mの濃度まで添加した。
タンパク質沈殿物は遠心分離(16000×g、4℃ , 15 分) で集め緩衝液 Bに再懸濁した。
工程6から得られたタンパク質調製物が実験に使用された(図11)。
mhpFEのクローニング
上記のように、4HILの適切な生合成は、E. coli-由来の MhpE アルドラーゼ (Appl. Environ. Microbiol., Vol. 64, No. 10, 4093-4094, 1998) を追加として使用した条件下で達成されなかった。mhpFE 遺伝子のヌクレオチド配列は配列番号: 23に示されている。E. coli由来のmhpFE遺伝子として、5'-cgaattcttatttgttgttgcgcagatcca-3'(配列番号.: 21)をセンス・プライマーとし、5'-cgaattcttatttgttgttgcgcagatcca-3'(配列番号.:22)をアンチ・センス・プライマーとして、我々は標的遺伝子を増幅して、それをpET-21(a+)/Nhe-1EcoR1 ベクターに組み入れた。このプラスミドで形質転換した BL21/pET-21a(+)mhpFEを LB培地50 mLを加えた 500 mL坂口フラスコで振盪培養したが、OD555=1に到達した時、標的タンパク質の発現は0.5mM IPTGで誘発された。
可溶画分中の発現は、mhpFがmhpEと共に発現されたときだけ可能であった。標識がこのシステムで発現されたmhpFE上に存在しなかったので、4HIL生産テストは細胞溶解物を使用するシステムで行なった。
4HILの合成
精製YhaF、YfaUおよびbsuBCAT酵素を使用した、2−工程生体内形質転換プロセスでの4HILの生成を検討するために、反応混合物のセットを準備した。各々20μlの容積で300mMアセトアルデヒド、100mMα−ケトブタン酸塩、100mML-グルタミン酸塩(0.5M原液から希釈、(NaOHでpH 7.5に調節))20mM KH2PO4/Na2HPO4緩衝液(0.2 M原液から希釈(pH 7))、2mM Mg Cl2)、14μgの精製bsuBCAT、40μgの精製YfaU(あるいは120μgの精製YhaF)。各反応は37℃で4時間培養に供した。その後、4HIL濃度を常法通りHPLC分析で求めた(表11)。
精製asiHPAL および bsuBCAT 酵素を使用して、2−工程生体内形質転換プロセスでの4HILの生成を検討するために、100mM L-グルタミン酸塩(1M原液から希釈、(NaOHでpH 8に調節))、100mMアセトアルデヒド、100mMα−ケトブタン酸塩、2mM ZnCl2,、14μgの精製bsuBCAT、および0.6μgの精製asiHPALを含む反応混合物(反応物容積20μl)を調製した。反応は37℃で2時間培養に供した。その後、4HIL濃度を常法通りHPLC分析で求めた(表11)。
精製mhpFE and ecoBCAT 酵素を使用して2−工程生体内形質転換プロセスでの4HILの生成を検討するために、mhpFE.BL21(DE3)[pET-HT-ilvE-ECO]または BL21/pET-21a(+) mhpFE を発現するE. coliを上記の様式で標的タンパク質を発現するよう誘導し、培養液1 mLから細菌を集め、洗浄した。その後細菌を200 μLの反応液(100 Mmの アセトアルデヒド, 100 mM の α−ケトブタン酸塩, 100mM の L-グルタミン酸塩, 50mM 燐酸塩緩衝液(pH7))と反応させた。反応温度は30℃で 、反応は一晩行われ、細胞溶解物は、反応前に超音波処理で得られた。反応に続いて、遠心分離(10,000rpm、5分)にかけて上清を得た。上清を、25倍に希釈しHPLCによるアミノ酸分析に供した。非形質転換のE. coliを対照として用いた(表11)。
HPLC分析は実施例2に記載のように行った。
精製YhaF、YfaU、asiHPALおよびbsuBCAT酵素を使用する2−工程生体内形質転換プロセスにおける4HIL生成の調査
[参照例] pMW118-(λattL-Kmr-λattR) プラスミドの構築.
pMW118-(λattL-Kmr-λattR)プラスミドは、pMW118-attL-Tc-attR (WO2005/010175) プラスミドを基にして、テトラサイクリン耐性マーカー遺伝子をpUC4K プラスミド由来のカナマイシン耐性標マーカー遺伝子で置換して構築された(Vieira, J. and Messing, J., Gene, 19(3): 259-68 (1982))。
その目的のために、pMW118-attL-Tc-attR プラスミドの大きな EcoRI-HindIII の断片をpUC4K plasmidの2つの断片:HindIII -PstI 断片 (676 bp)とEcoRI -HindIII 断片 (585 bp).に連結した。
基本 pMW118-attL-Tc-attR は次の4個のDNA 断片の連結で得られた:
オリゴヌクレオチドP1 および P2 (配列番号: 29 and 30)をプライマーとして (これらのプライマーは、 BglII および EcoRI エンドヌクレアーゼに対する付属の認識部位を含む)を用いて、 E. coli W3350 (λオファージを含む) 染色体の対応する領域をPCR増幅することで得た、attL (配列番号: 28)を搭載するBglII-EcoRI 断片 (114 bp);
オリゴヌクレオチドP3 および P4 (配列番号: 32 および 33)をプライマーとして (これらのプライマーは、PstI および HindIII エンドヌクレアーゼに対する付属の認識部位を含む)を用いて、 E. coli W3350 (λ オファージを含む) 染色体の対応する領域をPCR増幅することで得た、attR (配列番号: 31)を搭載するPstI-HindIII断片 (182 bp);
pMW118-ter_rrnBの大きなBglII-HindIII断片(3916 bp)。プラスミド pMW118-ter_rrnB は次の3個のDNA 断片の連結で得られた:
pMW118をEcoRI 制限エンドヌクレアーゼで消化し、DNA ポリメラーゼIのクレノウ(Klenow)断片で処理し、ついでAatII制限エンドヌクレアーゼで消化して得たpMW118のAatII-EcoRI断片を搭載する大きなDNA 断片 (2359 bp);
アンピシリン耐性(ApR)bla 遺伝子を搭載するpUC19の小さなAatII-BglII 断片(1194 bp)は、オリゴヌクレオチドP5およびP6(配列番号: 34 および 35)をプライマー(これらのプライマーは、AatII と BglII ヌクレアーゼのための付属の認識部位を含む)として使用して、pUC19プラスミドの対応する領域のPCR増幅によって得た;
転写ターミネーターter_rrnB の小さなBglII-PstIpol 断片(363 bp)は、オリゴヌクレオチドP7およびP8(配列番号: 36と37)をプライマー(これらのプライマーは、BglIIとPstIの内ヌクレアーゼのための付属の認識部位を含む)として使用して、E. coli MG1655染色体の対応する領域のPCR増幅によって得た;4) テトラサイクリン耐性遺伝子およびter_thrL 転写ターミネーター:pML-Tc-ter_thrLプラスミド を搭載する小さなEcoRI-PstI 断片(1388 bp)(配列番号: 38)は2工程で得た。:
pML-ter_thrL プラスミドは、pML-MCS プラスミド(Mashko, S.V. et al., Biotekhnologiya (ロシア語), 2001, no. 5, 3-20) をXbaI およびd BamHI制限エンドヌクレアーゼで消化し、次いで、大きな断片(3342 bp)を、E. coli MG1655 染色体の対応する領域をオリゴヌクレオチドP9およびP10(配列番号: 39と40)をプライマー(これらのプライマーは、XbaI と BamHI エンドヌクレアーゼに対する付属の認識部位を含む)として使用してPCR増幅によって得た、ターミネーターter_thrL搭載のXbaI-BamHI fragment (68 bp)との連結で得た;pML-Tc-ter_thrL プラスミドはpML-ter_thrL プラスミドをKpnI and XbaIで消化し次いで、DNA ポリメラーゼ Iのクレノウ(Klenow)断片で処理し、テトラサイクリン耐性遺伝子を搭載するpBR322の、小さいEcoRI-Van91I 断片 (1317 bp)との連結で得た(pBR322はEcoRI および Van91I制限エンドヌクレアーゼで消化し、次いで、DNA ポリメラーゼ Iのクレノウ(Klenow)断片で処理した)。
本発明は、以前に植物抽出酵素のみが報告されている、4HILの酵素または、化学と酵素の併用による製造方法を提供する。本発明は医薬製造の分野ですこぶる有用である。
Brevibacterium ammoniagenesによるアセトアルデヒドとα−ケトブタン酸からの4HILの生産量に対するアミノ基供与体としてのアミノ酸の影響を示す。アミノ基供与体としてグルタミン酸を使用して生成した4HILの量を100%として採用した時、様々なアミノ酸の相対的な生成量が示されている。 Arthrobactor によるアセトアルデヒドとα−ケトブタン酸からの4HILの生産量に対するアミノ基供与体としてのアミノ酸の影響を示す。アミノ基供与体としてグルタミン酸を使用して生成した4HILの量を100%とした時の、様々なアミノ酸の相対的な生成量が示されている。 HPLCにより分析した4HILとα−アミノブタン酸の蓄積を示す。 Arthrobacter simplex AKU 626 (IFO 12069)由来のHMKPアルドラーゼの精製を示す。 HPALオリゴマーの構造の測定を示す:A―較正SDS-PAGEゲルを使用したasiHPAL単量体のMw(分子量)の測定。PageRulerTM Protein Ladder (Fermentas, Lithuania)を一組のタンパク質マーカーとして使用した。実験データ(黒円)をSigma Plot 8ソフトウェアを使用して、線形回帰分析で当てはめた(黒線)。B―Molecular Weight Protein Markers (Sigma社製)で較正したSuperdexTM 200 HR 10/30A (Farmacia)カラムでSECを使用したasiHPALの未変性Mw(分子量)の測定。実験データ(黒円)をSigma Plot 8ソフトウェアを使用して、線形回帰分析で当てはめた(黒線)。 すべての既知のタンパク質(BLASTサービス)を用いて決定したN-ターミナルの配列の列を示す。 MG1655[mhpD::attL-kan-attR-Ptac-RBS] 菌株の構成を示す。 E. coli MG1655の染色体中の人工PtacRBS発現モジュールによるyfaUとyhaF遺伝子の調節部分の置換を示す。 PtacRBS発現モジュールのコントロール下でのyfaUとyhaFの遺伝子の発現を示す。レーン: 1と4はMwのマーカー;2と5-はMG1655の細胞[本文では”sell”が3回出て来るが “cell”のミススペル]の粗ライゼート調製液(約20μg適用)、3-はMG1655-attLΔyfaV-Km-attR Ptac-RBS- yfaUの細胞の粗ライゼート調製液(約20μg適用);6- はMG1655-attLΔyhaU-Km-attR Ptac-RBS- yhaF の細胞の粗ライゼート調整液(約20μg適用)。 MG1655[attLΔyfaV-Km-attR Ptac-RBS- yfaU とMG1655 [attLΔyhaU-Km-attR Ptac-RBS- yhaF] 株の細胞粗ライゼート調整液のTLC分析による HMKPアルドラーゼ活性の調査を示す。略語 4HIL:4ーハイドロキシーイソロイシン;AABA:α−アミノブタン酸; GLU:L-グルタミン酸。展開剤:アセトン;イソプロパノール;(NH4)OH:H20 = 100:100:25:16. レーン(反応混合物2 μ社l適用): 1,2,3.4はMG1655;5,6,7,8はMG1655-attLΔyfaV-Km-attR Ptac-RBS-yfaU;トラック番号9.10.11.12は:MG1655-attLΔyhaU-Km-attR Ptac-RBS-yhaF。 YfaUとYhaFアルドラーゼの精製を示す。A) 最終酵素調製液のSDS-PAGEゲル。 レーン:1-Mw タンパク質マーカー;2- YfaU調製液、タンパク質10μg適用;3-YhaF調製液、タンパク質10μg適用。 B) 精製工程。

Claims (27)

  1. アミノ基供与体の存在で、アセトアルデヒドとα−ケトブタン酸から下記式
    に示されている4−ハイドロキシ−L−イソロイシン生成反応の活性化を触媒する生体触媒を、アミノ基供与体を含む水性溶媒中で、アセトアルデヒドとα−ケトブタン酸と接触させ、
    4−ハイドロキシ−L−イソロイシンを分離する工程よりなる、4−ハイドロキシ−L−イソロイシン又はその塩の製造方法。
  2. 反応が、NADH又はNADPHの存在で行われる請求項1の方法。
  3. 水性溶媒が分岐鎖アミノ酸アミノトランスフェラーゼを含む請求項1および請求項2のうちのいずれかの方法。
  4. アミノ基供与体が分岐鎖アミノ酸の群から選ばれる請求項1〜請求項3のいずれかの方法
  5. 生体触媒が、アセトアルデヒドおよびα−ケトブタン酸から4−ハイドロキシー3−メチルー2−ケトーペンタン酸を生産するアルドラーゼ活性を持つ酵素と、アミノ基供与体の存在で4−ハイドロキシー3−メチルー2−ケトーペンタン酸から4−ハイドロキシ−L−イソロイシンを生産する、アミノ基転移反応活性を持つ酵素とよりなる請求項1〜請求項4のうちのいずれかの方法。
  6. 生体触媒が、アセトアルデヒドおよびα−ケトブタン酸から4−ハイドロキシー3−メチルー2−ケトーペンタン酸を生産するアルドラーゼ活性がある酵素と、アミノ基供与体の存在で4−ハイドロキシー3−メチルー2−ケトーペンタン酸から4−ハイドロキシ−L−イソロイシンを生産する、アミノ基転移反応活性がある酵素とを含む細菌である請求項1〜請求項4のうちのいずれかの方法。
  7. アルドラーゼおよび分岐鎖アミノ酸アミノトランスフェラーゼの内、少なくとも1方の活性を強化するために、細菌が修飾されている請求項6の方法。
  8. アルドラーゼおよび/または分岐鎖アミノ酸アミノトランスフェラーゼの発現を増加させることにより、アルドラーゼおよび分岐鎖アミノ酸アミノトランスフェラーゼの活性が強化されている請求項7の方法。
  9. アルドラーゼおよび/または分岐鎖アミノ酸アミノトランスフェラーゼの発現が、当該アルドラーゼおよび/または分岐鎖アミノ酸アミノトランスフェラーゼをエンコードする遺伝子の発現制御配列の修飾によるか、または当該アルドラーゼおよび/または分岐鎖アミノ酸アミノトランスフェラーゼをエンコードする遺伝子のコピー数の増加によって増加させられる、請求項8の方法。
  10. アルドラーゼ活性を持つ酵素が、アルドラーゼのhpcH/hpaI系統群に属するアルドラーゼである請求項5〜請求項10のうちのいずれかの方法。
  11. アミノ基転移反応活性を持つ酵素は、分岐鎖アミノ酸アミノトランスフェラーゼに属するアミノトランスフェラーゼである請求項5〜請求項10のうちのいずれかの方法。
  12. 細菌がチゾサッカロマイセス属、アースロバクター属、ブレビバクテリウム属、キャンディダ属、コリネバクテリウム属、ミクロコッカス属、細胞ロモナス属、アクチノプラネス属、クロモバクテリウム属、ラネラ属、リゾビウム属、エルウィニア属・ハンセヌラ属、トルロプシス属、クロエケラ属、ロドトルラ属、パネラス属、ムコール属、デバリオミセス属、スポロボロミセス属、エシェリヒア属、、サルモネラ属、フラボバクテリウム属、バチルス属又はプロテウス属に属する請求項6〜請求項7のうちのいずれかの方法。
  13. 細菌がSchizosaccharomyces pombe, Arthrobacter simplex, Brevibacterium ammoniagenes, Candida utilis, Micrococcus luteus, Micrococcus flavus, Micrococcus roseus, Corynebacterium glutamicum, Corynebacterium aquaticum, Corynebacterium paurometabolum, Arthrobactor globiformis, Arthrobactor sulfureus, Arthrobactor viscosus, Brevibacterium protophormiae, Brevibacterium acetylicum, Brevibacterium stationis, Brevibacterium fuscum, Cellulomonas fimi, Cellulomonas biazotea, Actinoplanes auranticolor, Chromobacterium iodinum, Citrobacter freundii, Erwinia carotovora subsp. carotovora, Rahnella aquatilis, Rhizobium radiobacter, Hansenula anomala, Hansenula miso, Candida stellata, Hansenula saturnus, Hansenula nonfermentans, Hansenula polymorpha, Torulopsis nitratophila, Candida guilliermondii, Candida lipolytica, Candida macedoniensis, Candida pseudotropicalis, Candida tropicalis var. lambica, Candida solani, Candida albicans, Kloeckera africana, Kloeckera japonica, Rhodotorula mucilaginosa, Panellus serotinus, Mucor racemosus f.sp. racemosus, Mucor lamprosporus, Mucor petrinsularis, Debaryomyces vanrijiae, Sporobolomyces roseus, Escherichia coli K12, Salmonella typhimurium, Flavobacterium ferrugineum, Bacillus subtilis or Proteus mirabilis に属する、請求項6、請求項7、および請求項10のうちのいずれかの方法。
  14. 細菌が細菌の培養物、細胞、あるいは処理した細胞である請求項6、請求項7、請求項12および請求項13のうちのいずれかの方法。
  15. アミノ基供与体の存在で、4−ハイドロキシー3−メチルー2−ケトーペンタン酸 から4−ハイドロキシ−L−イソロイシンの生成に活性を持つ生体触媒を、アミノ基供与体を含む水性溶媒中で、4−ハイドロキシー3−メチルー2−ケトーペンタン酸と接触させ、4−ハイドロキシ−L−イソロイシンを単離する工程よりなる、4−ハイドロキシ−L−イソロイシン又はその塩の製造法。
  16. 生体触媒が、アミノ基供与体の存在で、4−ハイドロキシー3−メチルー2−ケトーペンタン酸 から4−ハイドロキシ−L−イソロイシンを生成するアミノ基転移反応活性を持つ酵素である請求項15の方法。
  17. 生体触媒が、アミノ基供与体の存在で、4−ハイドロキシー3−メチルー2−ケトーペンタン酸 から4−ハイドロキシ−L−イソロイシンを生産する、アミノ基転移反応活性を持つ酵素を含む細菌である請求項15の方法。
  18. アミノ基転移反応は、単離された分岐鎖アミノ酸アミノトランスフェラーゼによって行われる請求項15〜請求項16のうちのいずれかの方法。
  19. 分岐鎖アミノ酸アミノトランスフェラーゼが、エシェリヒアとバチルスから成るグループから選ばれた細菌から単離される請求項18の方法。
  20. (4−ハイドロキシー3−メチルー2−ケトーペンタン酸は、α−ケトブタン酸およびアセトアルデヒド-のアルドール反応によって得られる請求項15〜請求項17のうちのいずれかの方法。
  21. 分岐鎖アミノ酸アミノトランスフェラーゼの活性を増強するために、細菌が修飾されている請求項17の方法。
  22. 分岐鎖アミノ酸アミノトランスフェラーゼの発現を増加させることにより、分岐鎖アミノ酸アミノトランスフェラーゼの活性が増強されている請求項21の方法。
  23. 分岐鎖アミノ酸アミノトランスフェラーゼの発現が、当該分岐鎖アミノ酸アミノトランスフェラーゼをエンコードする遺伝子の発現制御配列の修飾によるか、又は、当該分岐鎖アミノ酸アミノトランスフェラーゼをエンコードする遺伝子のコピー数の増加で増加させる請求項22の方法。
  24. 前記の細菌がチゾサッカロマイセス属、キャンディダ属、アースロバクター属・ブレビバクテリウム属、クリプトコックス属、シュードモナス属、ハンセヌラ属、フラボバクテリウム属、バチルス属、ピチア属、エシェリヒア属、又はトルロプシス属である、請求項17および請求項21のうちのいずれかの方法。
  25. 前記の細菌がSchizosaccharomyces pombe, Arthrobacter simplex,Brevibacterium ammoniagenes, Cryptococcus flavus, Candida utilis, Pseudomonas sp., Flavobacterium heparinum, Bacillus thuringiensis, Bacillus subtilis, Micrococcus luteus, Pichia orientalis, Hansenula jadinii, Torulopsis sphaerica, Escherichia coli 又は Brevibacterium linensである請求項17、請求項21および請求項24のうちのいずれかの方法。
  26. 細菌が細菌の培養物、細胞、あるいは処理した細胞である請求項17、請求項21、請求項24〜請求項25のうちのいずれかの方法。
  27. 4−ハイドロキシ−L−イソロイシンが、少なくとも(2S,3S,4S)-4-ハイドロキシイソロイシン, (2S,3R,4R)-4-ハイドロキシイソロイシン,(2S,3S,4R)-4-ハイドロキシイソロイシン、および (2S,3R,4S)-4ハイドロキシイソロイシンからなる群の一員から選ばれる請求項1〜請求項26のうちのいづれかの方法。
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