JP2002530534A - 高純度タンタルおよびそれを含む、スパッタターゲットのような製品 - Google Patents

高純度タンタルおよびそれを含む、スパッタターゲットのような製品

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Abstract

(57)【要約】 高純度の金属タンタルおよびそれを含む合金が記載されている。金属タンタルは好ましくは少くとも99.995%、そしてもっと好ましくは少くとも99.999%の純度を有する。加えて、約50μm以下の粒径、もしくは厚みの5%増分内の(100)強度がランダムな15より小さい集合組織、もしくは約−4.0より大きい(111):(100)強度の増分対数比、またはこれらの組合わせを有する金属タンタルもしくはその合金が記載されている。さらにスパッタターゲット、キャパシタ容器、抵抗性膜層、ワイア等を含むが、これらに限定されない、金属タンタルからつくられる物品および部品について記載されている。さらに、高純度金属の製造方法が開示されており、タンタルを含有する塩を、この塩を還元してタンタル粉末および第2の塩とすることのできる少くとも1つの化合物と反応容器中で反応させる工程を含む。反応容器もしくは反応容器の内張り、ならびに撹拌機もしくは撹拌機の外張りは溶融タンタルの蒸気圧以上の蒸気圧を有する金属材料でつくられている。高純度タンタルは微細で均一なミクロ構造を有するのが好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 発明の背景 本発明は金属、特にタンタル、およびタンタルから製造される製品ならびにタ
ンタルを製造し、処理する方法に関する。
【0002】 産業において、種々の理由により、もっと高純度の金属を生成する要求がいつ
もある。タンタルに関して、もっと高純度の金属が、スパッタターゲットとして
のタンタルの使用およびキャパシタのような電気部品での使用のためにとくに望
まれている。このように金属における不純物はタンタルから形成される物品の性
質に望ましくない影響を有しうる。
【0003】 タンタルが処理されるとき、タンタルは鉱石から得られ、ついで破砕され、タ
ンタルは酸溶液の使用、ならびにニオブおよび他の不純物を含有する酸溶液から
タンタルを含有する酸溶液を密度による分離、により破砕鉱石から分離される。
ついでタンタルを含有する酸溶液は塩に結晶化され、このタンタル含有塩は、つ
いで、ニッケル合金材料(タングステンもしくはモリブデンがニッケル合金の一
部となっている)で通常構成された攪拌機を有する容器中で純粋なナトリウムと
反応される。容器は内部表面が純ニッケルで二重壁となっているのが通常である
。しかしながら、このような処理の間、タンタル粉末は、タングステンおよび/
またはモリブデン含有表面のような、それが接触する種々の表面により汚染され
る。多くの混入物は非常に溶解性の耐火金属(たとえばNb,MoおよびW)を
除けば次の溶融の間に蒸発されうる。これらの不純物は、除去するのがきわめて
困難もしくは不可能でありうるので、非常に高純度のタンタル製造を妨げている
【0004】 したがって、上述の処理の間に生じる汚染を実質的に回避する、もっと高純度
のタンタル製品を得る要求がある。さらにもっと高純度で、微細粒径および/ま
たは均一な集合組織(texture)を有するタンタル製品を得る要求がある。微細
粒径のような品質は、タンタルから製造されるスパッタターゲットのために重要
な特性でありうる。なぜなら微細粒径はスパッタ堆積膜の厚さの均一性を改良さ
せ得るからである。さらに、微細粒径を有するタンタルを含有する他の製品は改
良された変形均一性、絞り加工性(drawability)および伸張性(stretchability
)の向上をもたらし得、これらはキャパシタ容器、実験用るつぼ、を製造するの
に有利であり、そして爆発的に形成されるぺネトレータ(explosively formed p
enetrators)(EFP)の致命性(lethality)を増加するのに有利である。タンタ
ルを含有する製品における均一な集合組織はスパッタ効率(たとえばより大きな
スパッタ速度)を増加し得、そしてプリフォーム生成物における正常な異方性(
たとえば増加した絞り加工性)を増加させ得る。
【0005】 発明の要約 本発明の1つの特徴は微細な粒構造および/または均一な集合組織を示す高純
度タンタル製品を提供することである。
【0006】 本発明のもう1つの特徴は、高純度タンタルを含む物品、製品および/または
部品を提供することである。
【0007】 本発明のさらなる特徴は、高純度タンタル製品の製造方法ならびに高純度タン
タルを含有する物品、製品および/または部品を提供することである。
【0008】 本発明のさらなる特徴および利点は、以下の説明で部分的に明らかになるであ
ろうし、部分的に説明から明白で、または本発明の実施により知られうる。本発
明の目的および他の利点は、説明および特許請求の範囲で特に指摘された構成お
よび組合わせにより理解され、達成される。
【0009】 これら、および他の利点を達成するために、そして本発明の目的に従って、こ
こに具体化され、広く説明されるように、本発明は少なくとも99.995%、
もっと好ましくは少なくとも99.999%の純度を有する金属タンタルに関す
る。金属タンタルは好ましくは微細粒構造および/または均一な集合組織を有す
る。
【0010】 さらに本発明はタンタルを含有する合金もしくは混合物に関し、合金もしくは
混合物中に存在するタンタルは少なくとも99.995%、そしてもっと好まし
くは99.999%の純度を有する。さらに合金もしくは混合物(たとえば、少
なくともタンタルが合金もしくは混合物中に存在する)は、微細粒構造および/
または均一な集合組織を有するのが好適である。
【0011】 さらに本発明は、たとえばスパッタターゲットとしての使用に適切な高純度タ
ンタルに関し、約150μm以下の平均粒径を有する十分に再結晶された粒径を
有し、および/または実質的にタンタルの厚さのいたるところで、好適には金属
タンタルの全厚みのいたるところで主な(111)型の集合組織を有し、および
/またはタンタルの厚さ内で強い(100)集合組織バンドを有さない。
【0012】 さらに本発明は、タンタルを平形に鍛造加工し、圧延スラブに機械加工し、圧
延スラブをアニ―ルし、板もしくはシートに圧延し、ついで板もしくはシートを
アニ―ルすることにより上述のタンタルから板もしくはシートを製造することに
関する。
【0013】 本発明は、上述のタンタルおよび/または合金からなるスパッタターゲットに
も関する。スパッタターゲットも、ラジアルな鍛造加工、つづく円形処理により
ビレットもしくはスラブを形成させ、ついで鍛造加工し、圧延してディスクを作
製し、さらに機械加工し、アニ―ルすることにより製造されうる。
【0014】 さらに本発明は、上述のタンタルおよび/または合金からなる抵抗性膜(resi
stive film)およびキャパシタに関する。
【0015】 本発明は、さらに少なくとも部分的に上述のタンタルおよび/または合金から
なる物品、部品もしくは製品に関する。
【0016】 また、本発明は、上述のタンタルの製造方法に関し、タンタル含有塩を反応容
器もしくはポットならびに攪拌機中で純ナトリウムもしくは他の適した塩と反応
させることを含み、それらの反応器等はタンタルの融点でタンタルの蒸気圧以上
の蒸気圧を有する金属もしくはその合金でつくられるか、またはそれからなる内
張り/外張りを有する。
【0017】 さらに本発明はタンタル粉末を10-2Torr以上の高真空で溶融することに
より処理することに関する。溶融物への圧力はタンタルに存在する不純物の蒸気
圧よりも低い。好ましくはタンタル粉末の溶融は電子ビーム溶融により行なわれ
る。
【0018】 前述の概括的説明および次の詳細な説明は典型的、説明的にすぎず、特許請求
の範囲に記載されるような本発明のさらなる説明を提供しようとするものである
ことが理解されるべきである。
【0019】 発明の詳細な説明 本発明は少なくとも99.995%の純度を有する金属タンタルに関する。好
適には、金属タンタルは少なくとも99.999%の純度を有し、約99.99
5%から約99.999%以上の純度に及びうる。他の範囲は約99.998%
から約99.999%、および約99.999%から約99.9992%、およ
び約99.999%から約99.9995%を含む。さらに本発明は、合金の1
成分として高純度タンタルを含有するタンタルにもとづく合金もしくは他の合金
のような、高純度金属タンタルからなる金属合金に関する。
【0020】 高純度金属タンタルに存在しうる不純物は0.005%以下であり、ニオブ、
モリブデンおよびタングステンのような、タンタルに無限の溶解性を有する、他
の体心立方(bcc)耐火金属(refractory metals)からなるのが通常である
【0021】 金属タンタルを含有する金属タンタルもしくはその合金は、好ましくは、スパ
ッタのような特定の最終用途に有利である集合組織(texture)を有する。すな
わち、金属タンタルもしくはその合金が表面を有するスパッタターゲットに形成
され、ついでスパッタされると、本発明の金属タンタルの集合組織は、容易にス
パッタされるスパッタターゲットをもたらし、スパッタターゲットは、スパッタ
に抵抗する領域が、あるとしてもほとんどない。さらに、本発明の金属タンタル
の集合組織により、スパッタターゲットは非常に均一なスパッタ浸食(erosion
)をもたらし、したがって、そのうえに均一なスパッタ膜をもたらす。いかなる
純度の、好ましくは少なくとも約99.995%であるが、タンタルも、約15
0μm以下の粒径を有するのが好ましい。好適には、金属タンタルは少なくとも
部分的に再結晶化され、もっと好ましくは少なくとも約80%の金属タンタルが
結晶化され、さらにもっと好ましくは少なくとも約98%の金属タンタルが再結
晶化される。最も好ましくは、金属タンタルは完全に再結晶化される。
【0022】 さらに、金属タンタルは微細な集合組織を有するのが好適である。もっと好適
には、集合組織は、タンタルの厚さ増分5%以内で(100)ピーク強度がラン
ダムな約15(about 15 random)より小さく、および/または約−4.0より
大きい(すなわち−4.0、−3.0、−2.0、−1.5、−1.0等を意味
する)同一増分以内で(111):(100)中心ピーク強度の自然対数(Ln
)比を有し、またはその(100)中心強度および比の両方を有する。中心ピー
ク強度は好ましくはランダムな約0からランダムな約10であり、もっと好まし
くはランダムな約0からランダムな約5である。他の(100)中心強度の範囲
は、ランダムな約1からランダムな約10そしてランダムな約1からランダムな
約5を含むが、これらに限定されない。さらに、(111):(100)中心ピ
ーク強度の対数比は約−4.0から約15であり、もっと好ましくは約−1.5
から約7.0である。対数比の他の適した範囲は約−4.0から約10、そして
約−3.0から約5.0であるが、これらに限定されない。最も好適には、金属
タンタルは少なくとも約99.995%の望ましい純度、好適な粒径、ならびに
(100)増分および中心強度増分の(111):(100)比について好適な
集合組織を有する。集合組織を特徴づけるための使用されうる方法および装置は
、Adamsらの Materials Science Forum Vol
.157〜162(1994),31−42頁;Adamsらの Metall
urgical Transactions A.Vol.24A(1993年
4月)No.4、819〜831頁;Wrightらの Internatio
nal Academic Publishers(137 Chaonei
Dajie,北京、1996)(Textures of Material:
Proceedings of the Eleventh Internat
ional Conference on Textures of Mate
rials);WrightのJournal of Computer−As
sisted Microscopy,Vol.5,No.3(1993)に記
載されており、すべてはここに引用により丸ごと組入れられる。
【0023】 本発明の高純度金属タンタルは、多くの領域で使用されうる。たとえば高純度
金属タンタルは、スパッタターゲットに、または高純度金属からなる化学エネル
ギー(CE)弾薬の弾頭ライナー(munitions warhead liner )に製造され得る
。さらに高純度金属はキャパシタのアノードもしくは抵抗性幕層に使用され、形
成されうる。本発明の金属タンタルは従来のタンタルが用いられているあらゆる
物品もしくは部品に使用され得、従来のタンタルを含む種々の製品もしくは部品
を製造する方法および手段が高純度金属タンタルを種々の物品もしくは部品に組
入れる際にここで同様に使用されうる。たとえば、受板(backing plate)のよ
うに、スパッタターゲットを製造するのに使用される次の処理は、米国特許第5
,753,090、5,687,600および5,522,535号明細書に記
載されているが、ここでも使用され得、これらの特許は引用により丸ごとここに
組入れられる。
【0024】 本発明の高純度金属タンタルを製造するのに用いられうる方法は、精製工程、
真空溶融工程、および熱的機械的工程を含むのが通常である。この工程もしくは
操作において、精製工程はタンタルを含有する鉱石から望ましくは粉末の形態で
金属タンタルを抽出する工程を含み、好適には選択されたタンタル含有鉱石は低
い量の不純物、とくに低い量のニオブ、モリブデンおよびタングステンを有する
。もっと好適には、ニオブ、モリブデンおよびタングステンの量は約10ppm
未満、最も好適には約8ppm未満である。このような選択は、もっと純粋な金
属タンタルをもたらす。精製工程の後、真空溶融工程が、タンタルからアルキド
および遷移金属のような低融点不純物を除去するのに用いられ、一方、タンタル
材料は十分に密で、可鍛性インゴットに固化される。ついで、この工程後に、熱
的機械的工程が使用され得、それはタンタルの冷間作用およびアニ―ルの組合せ
を含み得、所望ならば、好適な粒径および/または好適な集合組織および均一性
が達成されることをさらに確実にする。
【0025】 高純度金属タンタルは、タンタルを含有する塩を、この塩を金属タンタルに還
元しうる少なくとも1つの試薬(たとえば化合物もしくは元素)と反応せること
により製造され得、さらに反応容器中に第2の塩を生成させる。反応容器は金属
の反応に通常使用されるいかなる容器であってもよいが、約800℃〜約120
0℃オーダーの高温に耐えるべきである。本発明の目的のために、タンタル含有
塩、ならびに塩をタンタルに還元しうる試薬と接触する反応容器もしくは反応容
器の内張りはタンタルの融点でタンタルの蒸気圧以上の蒸気圧を有する材料でつ
くられている。反応容器の攪拌機は同一の材料でつくられるか、またはなお外張
りされうる。内/外張りは塩およびタンタルと接触する反応容器および攪拌機の
部分のみ存在しうる。内/外張りもしくは反応容器を形成する、このような金属
材料の例は、ニッケル、クロム、鉄、マンガン、チタン、ジルコニウム、ハフニ
ウム、バナジウム、ルテニウム、コバルト、ロジウム、パラジウム、白金、もし
くはそれらの組合わせ、または合金材料が金属タンタルの融点以上の蒸気圧を有
するかぎり、それらの合金、からつくられた金属にもとづく材料を含むが、これ
らに限定されない。好ましくは、金属はニッケルもしくはニッケルにもとづく合
金、クロムもしくはクロムにもとづく合金、または鉄もしくは鉄にもとづく合金
である。反応容器および/または攪拌機の内/外張りは、存在するとすると、約
0.5〜約3cmの厚さを有するのが通常である。他の厚さも使用されうる。上
述の同一もしくは異なる金属材料でつくられる内/外張りの多数層を有すること
も本発明の範囲内である。
【0026】 タンタル含有塩は、フッ化カリウムタンタル(potassium-fluoride tantalum
)のように、その中にタンタルを含有しうる、いかなる塩であってもよい。反応
容器中で塩をタンタルおよび第2の塩に還元しうる試薬については、この還元を
行ないうる試薬は、タンタル含有塩をまさにタンタル金属と、たとえば塩を水も
しくは他の水性源に溶解することにより金属タンタルから分離されうる他の成分
(たとえば、塩)とに還元することのできるものであればいかなる試薬であって
もよい。他の例は、リチウム、マグネシウム、カルシウム、カリウム、炭素、一
酸化炭素、イオン性水素等を含むがこれらに限定されない。通常、タンタル含有
塩の還元の間に生成される第2の塩はフッ化ナトリウムである。現在の用途から
みて、本発明に適用される還元処理の詳細は、Kirk−Othmerの En
cyclopedia of Chemical Technology,3版
、Vol.22,541〜564頁、米国特許第2,950,185;3,82
9,310;4,149,876;および3,767,456号明細書に記載さ
れている。タンタル処理のさらなる詳細は米国特許第5,234,491;5,
242,481;および4,684,399号明細書に見出しうる。これらの特
許および出版物のすべてはここで引用により丸ごと組入れられる。
【0027】 上述の方法は、タンタル含有鉱石のような低純度タンタルから始めうる多段プ
ロセスに含まれうる。タンタルとともに実質的に存在しうる不純物の1つはニオ
ブである。この段階で他の不純物はタングステン、ケイ素、カルシウム、鉄、マ
ンガン等である。もっと詳細には、低純度タンタルは、タンタルおよび不純物を
有する低純度タンタルを酸溶液と混合することにより精製されうる。もし鉱石と
して存在すれば、低純度タンタルは、酸溶液と一緒にされる前にまず破砕される
べきである。酸溶液は、特に混合が高温で生じるときには、実質的にすべてのタ
ンタルおよび不純物を溶解することができるべきである。
【0028】 いったん酸溶液が、タンタルおよび不純物を含有する固体を、すべてとは言わ
なくても実質的に溶解するのに十分な時間が経過したら、固液分離を行なうこと
ができ、いかなる未溶解不純物も除去されるのが通常である。さらに液―液抽出
により精製される。メチルイソブチルケトン(MIBK)がタンタルに富む溶液
と接触させるのに用いられ、脱イオン水がタンタル画分を創出するために添加さ
れうる。この点で、タンタルを含有する液体中に存在するニオブの量は通常約2
5ppm未満である。
【0029】 ついで、少なくともタンタルを含有する液体については、液体はおけ(vats)
を使用して塩に結晶化される。通常、この塩はフッ化カリウムタンタル塩である
。もっと好適には、この塩はK2TaF7である。ついでこの塩は塩を1)タンタ
ルおよび2)上述の第2の塩に還元しうる試薬と反応される。この化合物は純ナ
トリウムであるのが通常であり、反応は上述の反応容器中で行なわれる。上述の
ように、第2の塩の副生物は水性源中で塩を溶解し、その溶解塩を洗い去ること
によりタンタルから分離されうる。この段階で、タンタルの純度はTa99.5
0〜99.99%であるのが通常である。
【0030】 いったんタンタル粉末がこの反応から抽出されると、反応容器からの汚染を含
む残存不純物はタンタル粉末の溶融により除去されうる。
【0031】 タンタル粉末は、真空アーク再溶融、もしくは電子ビーム溶融のような数多く
の方法で溶融されうる。通常、溶融時の真空は、高純度タンタルを得るために、
回収タンタルから存在する不純物を実質的に除去するのに十分である。好ましく
は、溶融は約1.3×10-2Pa(10-4Torr)以上のような高真空で生じ
る。好ましくは、溶融タンタルへの圧力は、ニッケルおよび鉄のようなこれらの
不純物が蒸発されるように金属不純物の蒸気圧よりも低い。鋳造インゴットの径
はできるかぎり大きくあるべきであり、好ましくは約24.1cm(9.5イン
チ)より大きい。大きい径は精製速度を高める真空界面に比較的大きい溶融表面
を確保させる。加えて大きいインゴット径は比較的大量の冷間作用が処理中の金
属に与えられ、最終製品の特性を改良する。いったん溶融タンタルの大部分が固
化すると、形成されるインゴットは99.995%以上、そして好ましくは99
.999%以上の純度を有する。電子ビーム処理は20,000〜28,000
ボルトおよび15〜40Aを用いて、約1.3×10-1から約1.3×10-4
a(約1×10-3〜約1×10-6Torr)の真空下で、約135〜約360kg
/時間(約300〜約800ポンド/時間)の溶融速度で行なわれる。もっと好
ましくは溶融速度は約180〜約270kg/時間(約400〜約600ポンド/
時間であり、24,000〜26,000ボルトおよび17〜36Aを用い、そ
して約1.3×10-2〜1.3×10-3Pa(1×10-4〜10-5Torr)の
真空下である。VAR処理に関して、溶融速度は好ましくは225〜900kg/
時間(500〜2000ポンド/時間)であり、2.7〜1.3×10-2Pa(
2×10-2〜10-4Torr)の真空下で25〜45ボルトおよび12000〜
22000Aを用い、もっと好ましくは30〜36ボルト,16000〜180
00Aで、2.7〜1.3×10-2Pa(2×10-2〜1×10-4Torr)の
真空下で360〜540kg/時間(800〜1200ポンド/時間)である。
【0032】 高純度タンタルインゴットは、ついで熱機械的に処理されて高純度タンタルを
含有する製品を製造する。微細な、好ましくは完全に再結晶化された、粒構造お
よび/または均一な集合組織が冷間および/または温間作用およびインプロセス
アニ―ルの組合わせにより製品に付与される。高純度タンタル製品は好ましくは
、配向イメージング顕微鏡(OIM)もしくは他の許容しうる手段により測定さ
れた厚さにわたって混合もしくは1次の(111)の均一な集合組織を示す。熱
機械的処理に関して、インゴットは圧延および/または鍛造加工処理に供され得
、高純度を有する微細な、均一なミクロ構造が得られうる。高純度タンタルは、
優れた微細粒径および/または均一な分布を有する。好ましくは高純度タンタル
は約150μm以下、もっと好ましくは約100μm以下、そしてさらにもっと
好ましくは約50μm以下の平均再結晶粒径を有する。適切な平均粒径の範囲は
約25〜約150μm、約30〜約125μmそして約30〜約100μmを含
む。
【0033】 本発明の得られる高純度金属は10ppm以下の金属不純物、好ましくは50
ppm以下のO2,25ppm以下のN2および25ppm以下の炭素を有する
のが好適である。 約99.995%の純度レベルが望まれると、得られる高純
度金属は約50ppm以下、好ましくは50ppm以下のO2,25ppm以下
のN2,そして25ppm以下の炭素を有するのが好適である。
【0034】 インゴットを獲得し、スパッタターゲットを形成することに関して、次の方法
が使用されうる。1つの態様において、高純度金属タンタルから製造されるスパ
ッタターゲットはタンタル金属の表面を機械的もしくは化学的に清浄化すること
により製造され得、そこでは金属タンタルは下記のようなつづく処理工程を可能
にするのに十分な開始断面領域を有する。好適には金属タンタルは少なくとも2
4.1cm(9.5インチ)以上の断面領域を有する。次の工程は金属タンタル
を1つ以上の圧延スラブに平たい鍛造加工を含む。圧延スラブは、下記のように
この工程にすぐ続くアニ―ル工程後に、実質的に均一な再結晶化を達成するのに
十分な変形を有する。ついで圧延スラブは圧延スラブの少なくとも部分的な再結
晶化を達成するのに十分な真空および温度でアニ―ルされる。好適なアニ―ル温
度および時間は下記および実施例に記載される。ついで圧延スラブは少なくとも
1つの板を形成するために開始金属タンタル(たとえばタンタルインゴット)の
軸に垂直および平行の方向の両方に冷間および温間圧延に供される。ついで板は
フラテニング(たとえば水平圧延)に供される。ついで板は約150μm以下の
平均粒径および(100)集合組織バンドを実質的に欠く集合組織を有するよう
に十分な温度で十分な時間、最終的にアニ―ルされる。好適には、(100)集
合組織バンドは存在しない。ついで、板は機械的もしくは化学的に再度清浄化さ
れ、所望の寸法を有するスパッタターゲットに形成される。通常、平形鍛造加工
は、金属タンタルが大気〜約370℃の範囲の温度で空気中に少なくとも約4時
間置かれた後に行なわれる。さらに、好適には冷間圧延の前に、圧延スラブは金
属タンタルの少なくとも1部の再結晶化を達成するための温度(たとえば約95
0℃〜約1500℃)および時間(たとえば約0.5〜約8時間)でアニ―ルさ
れる。好適には、冷間圧延は大気温度での横圧延であり、温間圧延は約370℃
未満の温度である。
【0035】 タンタル板のアニ―ルに関して、好ましくはこのアニ―ルは金属タンタルの完
全な結晶化を達成するのに十分な温度および時間での真空アニ―ルである。この
用途における例は、この処理に関してさらに好適な詳細を説明する。
【0036】 金属タンタルを処理してスパッタターゲットにするもう1つの方法は、金属タ
ンタル(たとえばタンタルインゴット)の表面を機械的もしくは化学的に清浄化
することを含み、そこでは金属タンタルは上述のように次の処理を可能にするの
に十分な開始断面領域を有する。次の工程は金属タンタルを円形鍛造加工して少
なくとも1つのロッドにすることを含み、そこではロッドはこの工程の後にすぐ
に生じるアニ―ル工程後に、または冷間圧延の前のアニ―ル工程後に、実質的に
均一な再結晶化を達成するのに十分な変形を有する。ついでタンタルロッドはビ
レットに切断され、表面を機械的もしくは化学的に清浄化される。任意のアニ―
ル工程は、少なくとも部分的な再結晶化を達成するためにあとで行なわれる。さ
らにビレットは軸方向に鍛造加工されプリフォームになる。再度、任意のアニ―
ル工程が少なくとも部分的な再結晶化を達成するために後で行なわれうる。しか
し、任意のアニ―ル工程の少なくとも1つもしくは両方が行なわれる。ついでプ
リフォームは冷間圧延に供され、少なくとも1つの板になる。後で、板の表面は
任意に機械的もしくは化学的に清浄化されうる。ついで、最終アニ―ル工程は、
約150μm以下の平均粒径、および(100)集合組織バンドが全くないわけ
ではなくとも実質的に(100)集合組織バンドのない集合組織を生じさせる。
円形鍛造加工は、金属タンタルを約370℃以下の温度に供した後に行なうのが
通常である。もっと高温が使用されうるが、表面の酸化の増大をもたらす。好適
にはビレットの鍛造加工前に、ビレットはアニ―ルされる。さらに、冷間圧延の
前にプリフォームはアニ―ルされうる。通常、これらのアニ―ル温度は約900
℃〜約1,200℃である。さらにアニ―ルは金属タンタルの再結晶化を達成す
るのに十分な温度と時間での真空アニ―ルであるのが好適である。
【0037】 好適には高純度タンタルから製造されるスパッタターゲットは次の寸法を有す
る:厚さ約2mm〜約3.8cm(約0.080〜約1.50インチ)、そして
表面積約45〜約7900cm2(約7.0〜約1225平方インチ)。
【0038】 高純度タンタルは、好適には、1次もしくは混合(111)集合組織、および
スパッタターゲットの厚さにわたって最小(100)集合組織を有し、(100
)集合組織バンドを十分に欠いている。
【0039】 本発明の金属タンタルは成分として、もしくは成分の1部として従来の金属タ
ンタルを使用するいかなる用途もしくは製品に使用されうる。たとえば、金属タ
ンタルは半導体等のような集積回路における要素もしくは要素の1部でありうる
。米国特許第5,987,635;5,987,560;5,986,961;
5,986,960;5,986,940;5,986,496;5,986,
469;5,986,410;5,986,320;5,986,299;5,
986,294;5,985,697;および5,982,218号明細書に記
載されている意匠は他の従来の意匠と同様に使用され得、これらの各特許は引用
により丸ごと、ここに組入れられる。金属タンタルは、デバイス上に要素もしく
は要素の1部を形成させるために金属を堆積するスパッタ法を通常使用するいか
なるデバイスにも存在しうる。
【0040】 本発明は次の実施例によりさらに明らかになるが、これらは本発明の全くの典
型を示すためである。
【0041】 実施例 実施例1 ナトリウム還元された市販グレードのタンタル粉末の数多くのサブロット(そ
れぞれ約90〜360kg(約200〜800ポンド)の目方がある)が、電子ビ
ーム溶融用の99.999%Ta原料としての適合性を化学的に分析された。各
粉末ロットからの代表試料がグロー放電質量分析(GDMS)により分析された
:ニオブ(Nb)、モリブデン(Mo)およびタングステン(W)の合計不純物
含量8ppm 未満の粉末サブロットが溶融のために選ばれた。
【0042】 選ばれたTa粉末サブロットは、ついでV−コーンブレンダーで混合されて均
一な約1800kg(4000ポンド)のマスターロットが製造され、純度を確認
するために再びGDMSで分析された。ついで、粉末は冷間等方加圧(CIP)
され、約13.8cm(5.5インチ)〜約16.3cm(6.5インチ)径で、公
称でそれぞれ約135kg(300ポンド)の目方を有するグリーン丸太を得た。
加圧された丸太は、ついで約1.3×10-1〜1.3×10-3Pa(約10-3〜1
-5Torr)の真空レベルで、1450℃、2時間加熱することにより脱気された
。この操作において、丸太は炉の構成要素からの汚染を防止するためにタンタル
シートで覆われた。
【0043】 ついで、脱気された丸太は1200KWのEB炉に並べて供給され、約1.3×
10-1Pa(10-3Torr)未満の真空下で水冷された約25cm(10インチ)銅る
つぼに約1800kg(400ポンド)/時間の速度でドリップ溶融された。いっ
たん冷却されると、得られる最初の溶融インゴットは同一の炉内で、逆にされ、
つるされ、そして同一のEB溶融パラメータを用いて再溶融された。2回目の溶
融をされたインゴットは、再び逆にされ3回目の再溶融されるが、約360kg(
800ポンド)/時間の速度で約30cm(12インチ)るつぼに入れられた。
【0044】 試料はグロー放電質量分析(GDMS)による化学分析のために、得られるイ
ンゴットの側壁から採取された。結果はTaインゴットが99.9992%の純
度であることを確認した。
【0045】 実施例2 フルオロタンタル酸カリウム(Potassium fluotantalate)(K2a7)が得
られ、スパーク光源(spark source)質量分析によるとK2a7は5ppm 以下
のニオブを示した。MoおよびWの含量も分光検出により分析され、含量はMo 5ppm 未満、W 100ppm 未満であった。特に、K2a7はNb 2ppm
以下、Mo 1ppm 未満、そしてW 2ppm 以下の含量を有していた。各試料に
おいて、Nb,MoおよびWの合計記録量は5ppm 未満であった。それぞれ約9
90kg(2200ポンド)の4ロットが分析された。
【0046】 ロットの1つは、純ニッケル容器およびハステロイX撹拌機を用いるKDEL
反応器に移された。ハステロイX撹拌機はMo 9%およびW 0.6%を含有
していた。撹拌機のシャフトおよびパドルは、ついで反応にさらされる全表面を
被覆するために溶接を用いて、約1.5mm(1/16インチ)のニッケルシート
で保護された。
【0047】 標準的なナトリウム還元法が下記の点を除いて使用された。ロットはタンタル
粉末を生成させるために純ナトリウムの存在下で撹拌機に付された。タンタル粉
末は、ついで水で洗浄され、酸処理、さらに水蒸気乾燥および100メッシュふ
るいに供された。
【0048】 ついで各バッチからの試料はグロー放電質量分析にかけられた。下の2つの表
(表1および2)はK2a7の開始分析および回収タンタルの最終分析であっ
た。
【0049】
【表1】
【0050】
【表2】
【0051】 上記の表に示されるように、インゴットへの電子ビーム溶融に適した高純度タ
ンタル粉末が得られ、99.999%オーダーの純度が実施例1に示す処理によ
り得られる。
【0052】 実施例3 2つの異なる処理方法が使用された。第1に、99.998%純度のタンタル
インゴットが用いられ、3回の電子ビーム溶融に供され、公称約30cm(12イ
ンチ)径のインゴットを得た。インゴットは、約28.8cm(11.5インチ)
まできれいに機械加工され、ついで空気中で約260℃に4〜8時間加熱された
。ついでインゴットは平たく鍛造加工され、切断され、スラブ(4インチ×10
インチ、長さ約28〜32インチ)に機械加工され、ついでHF/HNO3/水
溶液で酸洗浄された。スラブは1050,1150および1300℃で、5×1
-4Torrの真空下、2時間アニールされ、ついで0.500および0.250イ
ンチ規格の板片に冷間圧延された。この冷間圧延は厚さ4インチ、幅10インチ
、長さ30インチのスラブを得、それをインゴット軸に垂直に、幅31インチに
対してパスあたり0.200インチで圧延することにより達成された。ついで板
はインゴット軸に平行に、厚さ0.650インチもしくは0.500インチに対
してパスあたり0.100インチで圧延された。両方の圧延は2−ハイブレーク
ダウン圧延ミルで行なわれた。各板はパスあたり0.500インチの多数のパス
、ついでパスあたり0.025インチで、0.500インチ板もしくは0.25
0インチ板の仕上げ規格に適合するように最終的調整をされることにより4つの
高度仕上げ圧延ミルを用いて圧延された。板はついで950〜1150℃の温度
で仕上げアニールに供された。
【0053】 代替法は、鍛造加工される前に上述のようにインゴットを製造するために3回
の電子ビーム溶融に供された99.95%純度のTaから始めた。インゴットは
ついでパスあたり面積が約20%減少する多数のパスの後に4インチ径へのGF
M回転鍛造加工を用いて円形鍛造加工された。この中間原料から4つのビレット
(3.75インチφ×7インチ長さ)が機械加工され、そして2つのビレット(
AおよびBと標識化された)が1050℃でアニールされたが、ビレットCおよ
びDはアニールしないままであった。ついで、ビレットはアプセット鍛造加工さ
れ、高さ2.5インチのプリフォームにされ、その後プリフォームAおよびCは
1050℃でアニールされた。ついでプリフォームはクロック圧延され約0.4
00インチの厚さにされ、約14インチ径のディスクを得た。これはパスあたり
0.200インチの多数パスを採用し、約0.5250インチ厚さとすることに
より達成された。ついでディスクはパスあたり0.100インチの多数パスによ
り約0.5インチ厚さに圧延された。そしてディスクはパスあたり0.050イ
ンチ、0.025インチおよび0.015インチ減少する3つのパスで4つの高
度仕上げミルでクロック圧延され、約0.400インチ厚さで、約14インチ径
のディスクを得た。ディスクの1/4が4つのくさび形に切出され、950〜1
100℃の温度で仕上げアニールされた。下記の表4はこの処理を要約する。
【0054】 冶金学的および集合組織分析が、板材の縦断面(最終圧延方向に平行な測定面
)について、ならびに鍛造加工および圧延されたディスクの半径方向断面(ディ
スクの半径に平行な測定面)について実施された。
【0055】 冶金学的分析 粒径および集合組織が、圧延板ならびに鍛造加工および圧延されたディスクか
ら採取された試料の縦もしくは半径に沿って、それぞれ測定された。粒径はAS
TME−112法を用いて測定された。平形および円形処理により得られた製品
についてのアニール検討からの結果は、それぞれ表3および4に示される。中間
アニール処理は最終製品の粒径に注目に値する影響を与えていなかった。さらに
、板について、0.500および0.250インチ厚さのタンタルの最終粒径は
同等であった。材料の粒径に著しく影響がみられたのは最終アニール温度であっ
た:最終アニール温度が高ければ高いほど、得られる粒径は大きくなる。
【0056】 板において、ASTM 6.5−7.0の粒径は1000℃および950℃で
アニールされた製品からの試料で測定された。しかし、これらの各試料は表面も
しくはその近くで細長い、および/または未結晶化領域の形跡を示し、再結晶化
値は98〜99%と報告さたれ。1050,1100および1150℃でアニー
ルされた板について、ASTM粒径は5.3〜3.7に及び、全試料は100%
結晶化された。
【0057】 円形処理されたディスクについて、全試料は100%再結晶化したことが報告
されたが、950℃でアニールされたディスクCは例外であり、99%再結晶化
された。ASTM 7.1−7.2,6.1−6.8および5.9−5.9の粒
径は、950,1000および1050℃でアニールされたディスク試料でそれ
ぞれ測定された。1100℃でのアニールはASTM 4.0−4.5の粒径を
示した。
【0058】 両方の処理について、これらの知見は50μm以下の十分に再結晶した粒径は
約950〜約1050℃の好適な最終アニール温度で板圧延もしくはビレット鍛
造加工処理のいずれかを用いて達成しうることを示す。未結晶領域が板の表面領
域にのみ限られているならば、それらは機械加工により除去されうる。
【0059】 集合組織測定法:限られた数の試料(冶金学的結果にもとづき選定された)が
集合組織分析のために使用された。予め冶金学的分析のために調製された。取付
けられ研磨された試料が、集合組織測定の前に強酸を付与された後に集合組織試
料として使用された。配向イメージング顕微鏡(OIM)は、多結晶性試料内の
個々の粒の配向を測定する独自の能力を有するので、集合組織分析の方法として
選ばれた。X線もしくは中性子回折のような確立された方法はタンタル材料の厚
み内に局在化した集合組織の変動を分析することができなかった。
【0060】 分析について、各集合組織試料は、その全厚みにわたって電子ビーム(SEM
内)により増分的に走査された;各測定点で発生された後方散乱Kikuchi
パターンは、ついで結晶配向を測定するためにコンピュータを用いて指数化され
た。各試料から、測定グリッド配列内での各データ点についての配向を含む生デ
ータファイルが創られた。これらのファイルは、次に粒配向マップをつくり、極
点図(Pole figure)および配向分布関数(ODF)を計算するための入力デー
タとし役立った。
【0061】 慣例により、集合組織配向は試料−基準座標(normal coordinate)系に関し
て記述される。すなわち、極点図は「標準化」されているので、原点は板表面に
垂直(normal)であり、標準方向は、圧延(もしくは半径)方向である;同様に
ODFはつねに試料−基準座標系に関して定義される。(III)集合組織のよう
な用語は、(III)原子面が面の表面について平行(そして(III)極点は垂直に
配向される)に優先的に配向されていることを示す。分析において、結晶配向は
、試料の縦方向に関して測定された。したがって、配向データを縦方向から次の
集合組織分析の1部として試料−基準座標系に入れ替える必要があった。これら
の作業はコンピュータアルゴリズムの使用により実施された。
【0062】 粒配向マップ:反転極点図(inverse pole figures)の形態における集合組織
情報を表示する原理から派生して、配向マップは試料内のミクロ構造のイメージ
であり、そこでは個々の粒は、配向が測定されるディスクの板の垂直方向に関す
る結晶配向にもとづいて「色で符号化」されている。これらのイメージを得るた
めに、各粒の結晶軸(OIMにより集合組織試料の縦方向に沿って測定される)
が、結晶軸を試料の直角方向に並べるために、横方向のまわりに90°傾斜され
た。配向マップは製品について厚さによる集合組織バンドもしくは勾配の存在を
明らかにするのに役立つ;タンタルにおいて、配向マップは光学顕微鏡により同
定される、大きく、細長い粒が低角度の粒界を有するいくつかの小さい粒から構
成されうることを示した。
【0063】 集合組織の結果の解析:OIM走査は、各供給試料の厚さを伴った;0.50
0インチ板試料について、別々の測定が板の頂部および底部に対して行なわれ、
別々に報告された。
【0064】 配向マップは試料厚さにより集合組織の均一性を定性的に特徴づけるために視
覚的に検査された。試料材料において集合組織勾配および集合組織バンドの定量
化しうる説明を得るために、測定されたEBSDデータは20の部分集合(subs
et)に区分されたが、各々は試料の厚さにより5%の深さ増分を表した。各々の
増分データのセットに関して、ODFが最初に算出され、ついで(100)およ
び(111)中心強度が他で報告された方法を用いて数値的に測定された。S.Ma
tthiesらのMaterials Science Forum, Vol. 157-162 (1994), 1647-1652頁およ
びS.MatthiesらのMaterials Science Forum, Vol. 157-162 (1994) 1641-1646頁
に記載されている装置および方法が使用され、そしてこれらの刊行物は引用によ
りここに丸ごと組入れられる。集合組織勾配は、ついで、(100)および(1
11)強度、ならびに(100):(111)の対数比をプロットすることによ
り、試料の深さの関数としてグラフで示された。これらの結果は図1Aおよび1
1B〜図11Aおよび11Bに示される。
【0065】 重い規格のタンタル板は最も均一な厚みによる集合組織を示した;集合組織バ
ンドを含む唯一の試料は1300℃のスラブアニールおよび1000℃の最終ア
ニールで処理された試料であった。加えて、0.500インチ板材料も極点図お
よびODF分析にもとづく比較的弱い(最もランダム)集合組織を有していた。
重い板と比べて、0.250インチシートは軽〜中程度の集合組織勾配および集
合組織バンドのいくつかの形跡を含んでいた。さらに、薄い規格の板はODFに
おけるもっと明確な(111)集合組織ならびに(100)の増大した強度を示
した。
【0066】 集合組織の均一性およびバンドの点からの最大の変動性は、鍛造加工され圧延
されたディスクにみられた。冶金学的性質と異なり、鍛造加工され、圧延された
ディスクは中間アニールの使用により影響された。1つか2つの中間アニール処
理をされた、ディスクA,BおよびCについて、集合組織勾配は無視しうる程度
から強い程度(処理パラメータに依存して)に及び、あれば少しバンドを伴った
。しかしながら、中間アニールなしにインゴットから最終ディスクまで加工され
たディスクDについては、得られる製品はあまり望ましくない強い集合組織勾配
および鋭い集合組織バンドを含んでいた。同様に、アニールされていないビレッ
トから鍛造加工されたが、冷間圧延の前にアニールされた、ディスクCも、95
0℃で最終アニールされた試料において強い集合組織勾配およびバンドを示した
。試料Cについて、最終アニール温度を1100℃に上昇させることは勾配を減
少させ、バンドを除去するように作用したが、(100)集合組織成分の強度を
強化した。最終アニール温度を上昇させることからのこれらの効果は、他のディ
スク材料および重い規格の板の両方においても明らかであるが、比較的小さい程
度であった。
【0067】 ミクロ構造および集合組織観察から、次の結論がタンタルスパッタターゲット
の製造のための最適法に関してなされうる。
【0068】 ・平形製品については、スラブアニール温度は1150℃を超えないのが好ま
しく(1050℃はもっと好適である)、最終アニール温度は好ましくは950
〜1000℃、もっと好ましくは1000℃に保持される。得られる製品は50
μm未満の再結晶化された平均粒径、ランダムな15未満の(100)増分強度
ならびに−4.0未満の(111):(100)の対数比を有することが特徴づ
けられる。
【0069】 ・円形処理については、ビレットは、プリフォームレベルで中間アニールを使
用しないで鍛造加工およびディスクへの圧延の前にアニールされるのが好適であ
る。最終アニール温度は好適には950〜1100℃、もっと好適には1050
℃である。得られる製品は、50μm未満の再結晶化された平均粒径、ランダム
な15未満の(100)増分強度、ならびに−4.0未満の(111):(10
0)の対数比を有することが特徴づけられる。
【0070】
【表3】
【0071】
【表4】
【0072】
【表5】
【0073】
【表6】
【0074】
【表7】
【0075】
【表8】
【0076】
【表9】
【0077】
【表10】
【0078】
【表11】
【0079】
【表12】
【0080】
【表13】
【0081】
【表14】
【0082】
【表15】
【0083】
【表16】
【0084】 本発明の他の態様は、本明細書を考慮して、そしてここに開示された本発明の
実施から当業者に明らかであろう。本明細書および実施例は例証的なものであり
、発明の真の範囲および趣旨は請求範囲の記載に示される。
【図面の簡単な説明】
【図1A】 本発明の高純度タンタル板の集合組織勾配(増分厚さ対ランダム)に関するグ
ラフである。
【図1B】 本発明の高純度タンタル板の対数比(111):(100)勾配(増分厚さ対
Ln(111/100))に関するグラフである。
【図2A】 本発明の高純度タンタル板の集合組織勾配(増分厚さ対ランダム)に関するグ
ラフである。
【図2B】 本発明の高純度タンタル板の対数比(111):(100)勾配(増分厚さ対
Ln(111/100))に関するグラフである。
【図3A】 本発明の高純度タンタル板の集合組織勾配(増分厚さ対ランダム)に関するグ
ラフである。
【図3B】 本発明の高純度タンタル板の対数比(111):(100)勾配(増分厚さ対
Ln(111/100))に関するグラフである。
【図4A】 本発明の高純度タンタル板の集合組織勾配(増分厚さ対ランダム)に関するグ
ラフである。
【図4B】 本発明の高純度タンタル板の対数比(111):(100)勾配(増分厚さ対
Ln(111/100))に関するグラフである。
【図5A】 本発明の高純度タンタル板の集合組織勾配(増分厚さ対ランダム)に関するグ
ラフである。
【図5B】 本発明の高純度タンタル板の対数比(111):(100)勾配(増分厚さ対
Ln(111/100))に関するグラフである。
【図6A】 本発明の高純度タンタル板の集合組織勾配(増分厚さ対ランダム)に関するグ
ラフである。
【図6B】 本発明の高純度タンタル板の対数比(111):(100)勾配(増分厚さ対
Ln(111/100))に関するグラフである。
【図7A】 本発明の高純度タンタル板の集合組織勾配(増分厚さ対ランダム)に関するグ
ラフである。
【図7B】 本発明の高純度タンタル板の対数比(111):(100)勾配(増分厚さ対
Ln(111/100))に関するグラフである。
【図8A】 本発明の高純度タンタル板の集合組織勾配(増分厚さ対ランダム)に関するグ
ラフである。
【図8B】 本発明の高純度タンタル板の対数比(111):(100)勾配(増分厚さ対
Ln(111/100))に関するグラフである。
【図9A】 本発明の高純度タンタル板の集合組織勾配(増分厚さ対ランダム)に関するグ
ラフである。
【図9B】 本発明の高純度タンタル板の対数比(111):(100)勾配(増分厚さ対
Ln(111/100))に関するグラフである。
【図10A】 本発明の高純度タンタル板の集合組織勾配(増分厚さ対ランダム)に関するグ
ラフである。
【図10B】 本発明の高純度タンタル板の対数比(111):(100)勾配(増分厚さ対
Ln(111/100))に関するグラフである。
【図11A】 本発明の高純度タンタル板の集合組織勾配(増分厚さ対ランダム)に関するグ
ラフである。
【図11B】 本発明の高純度タンタル板の対数比(111):(100)勾配(増分厚さ対
Ln(111/100))に関するグラフである。
【手続補正書】
【提出日】平成13年6月19日(2001.6.19)
【手続補正2】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図1A
【補正方法】変更
【補正内容】
【図1A】
【手続補正3】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図1B
【補正方法】変更
【補正内容】
【図1B】
【手続補正4】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図2A
【補正方法】変更
【補正内容】
【図2A】
【手続補正5】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図2B
【補正方法】変更
【補正内容】
【図2B】
【手続補正6】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図3A
【補正方法】変更
【補正内容】
【図3A】
【手続補正7】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図3B
【補正方法】変更
【補正内容】
【図3B】
【手続補正8】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図4A
【補正方法】変更
【補正内容】
【図4A】
【手続補正9】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図4B
【補正方法】変更
【補正内容】
【図4B】
【手続補正10】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図5A
【補正方法】変更
【補正内容】
【図5A】
【手続補正11】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図5B
【補正方法】変更
【補正内容】
【図5B】
【手続補正12】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図6A
【補正方法】変更
【補正内容】
【図6A】
【手続補正13】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図6B
【補正方法】変更
【補正内容】
【図6B】
【手続補正14】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図7A
【補正方法】変更
【補正内容】
【図7A】
【手続補正15】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図7B
【補正方法】変更
【補正内容】
【図7B】
【手続補正16】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図8A
【補正方法】変更
【補正内容】
【図8A】
【手続補正17】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図8B
【補正方法】変更
【補正内容】
【図8B】
【手続補正18】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図9A
【補正方法】変更
【補正内容】
【図9A】
【手続補正19】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図9B
【補正方法】変更
【補正内容】
【図9B】
【手続補正20】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図10A
【補正方法】変更
【補正内容】
【図10A】
【手続補正21】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図10B
【補正方法】変更
【補正内容】
【図10B】
【手続補正22】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図11A
【補正方法】変更
【補正内容】
【図11A】
【手続補正23】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図11B
【補正方法】変更
【補正内容】
【図11B】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C22B 9/22 C22C 27/02 103 C22C 27/02 103 C22F 1/18 G C22F 1/18 1/00 604 // C22F 1/00 604 623 623 682 682 683 683 685A 685 691B 691 694B 694 C22B 3/00 T (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZW ),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU, TJ,TM),AE,AL,AM,AT,AU,AZ, BA,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,C R,CZ,DE,DK,DM,EE,ES,FI,GB ,GD,GE,GH,GM,HR,HU,ID,IL, IN,IS,JP,KE,KG,KP,KR,KZ,L C,LK,LR,LS,LT,LU,LV,MD,MG ,MK,MN,MW,MX,NO,NZ,PL,PT, RO,RU,SD,SE,SG,SI,SK,SL,T J,TM,TR,TT,TZ,UA,UG,UZ,VN ,YU,ZA,ZW (72)発明者 マグワイアー,ジェームズ ディー.ジュ ニア アメリカ合衆国,ペンシルベニア 19403, ノリスタウン,ウェイフィールド ドライ ブ 1099 (72)発明者 カウチャック,マーク エヌ. アメリカ合衆国,ペンシルベニア 19460, フェニックスビル,ホーソーン レーン 160 (72)発明者 ハーバー,ルイス イー.ジュニア アメリカ合衆国,ペンシルベニア 18104, アレンタウン,ウエスト フェアビュー ストリート 2242 Fターム(参考) 4K001 AA25 CA01 DB02 DB17 EA02 FA10 FA13 HA06 4K017 AA03 BA07 CA07 DA01 EJ01 FB03 FB07

Claims (77)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少くとも99.995%の純度および約150μm以下の平
    均粒度を有する金属タンタル。
  2. 【請求項2】 該金属が十分に再結晶化される請求項1記載の金属タンタル
  3. 【請求項3】 該金属が少なくとも部分的に再結晶化される請求項1記載の
    金属タンタル。
  4. 【請求項4】 該金属の約98%以上が再結晶化される請求項1記載の金属
    タンタル。
  5. 【請求項5】 該金属の約80%以上が再結晶化される請求項1記載の金属
    タンタル。
  6. 【請求項6】 該金属がa)(100)極点図がランダムな約15より小さ
    い中心ピーク強度を有する集合組織、b)約−4.0より大きい(111):(
    100)中心ピーク強度の対数比;またはc)両方、を有する請求項1記載の金
    属タンタル。
  7. 【請求項7】 該中心がピーク強度がランダムな約0からランダムな約15
    である請求項6記載の金属タンタル。
  8. 【請求項8】 該中心ピーク強度がランダムな約0から約10である請求項
    6記載の金属タンタル。
  9. 【請求項9】 該対数比が約−4.0から約15である請求項6記載の金属
    タンタル。
  10. 【請求項10】 該対数比が約−1.5から約7.0である請求項6記載の
    金属タンタル。
  11. 【請求項11】 該中心ピーク強度がランダムな約0からランダムな約15
    であり、そして該対数比が約−4.0から約15である請求項6記載の金属タン
    タル。
  12. 【請求項12】 99.995%から約99.999%の純度を有する請求
    項1記載の金属タンタル。
  13. 【請求項13】 請求項1記載の金属タンタルを含有してなる金属合金。
  14. 【請求項14】 請求項6記載の金属タンタルを含有してなる金属合金。
  15. 【請求項15】 請求項3記載の金属タンタルを含有してなる金属合金。
  16. 【請求項16】 請求項1記載の金属タンタルを含有してなるスパッタター
    ゲット。
  17. 【請求項17】 請求項6記載の金属タンタルを含有してなるスパッタター
    ゲット。
  18. 【請求項18】 請求項3記載の金属タンタルを含有してなるスパッタター
    ゲット。
  19. 【請求項19】 請求項1記載の金属タンタルを含有してなるキャパシタか
    ん。
  20. 【請求項20】 請求項6記載の金属タンタルを含有してなるキャパシタか
    ん。
  21. 【請求項21】 請求項3記載の金属タンタルを含有してなりキャパシタか
    ん。
  22. 【請求項22】 請求項1記載の金属タンタルを含有してなる抵抗膜層。
  23. 【請求項23】 請求項6記載の金属タンタルを含有してなる抵抗膜層。
  24. 【請求項24】 請求項3記載の金属タンタルを含有してなる抵抗膜層。
  25. 【請求項25】 請求項1記載の金属タンタルを少くとも1成分として含ん
    でなる物品。
  26. 【請求項26】 請求項6記載の金属タンタルを少くとも1成分として含ん
    でなる物品。
  27. 【請求項27】 請求項3記載の金属タンタルを少くとも1成分として含ん
    でなる物品。
  28. 【請求項28】 a)約50μm以下の平均粒径、またはb)(100)極
    点図がランダムな約15以下の中心ピーク強度を有する集合組織、またはc)約
    −4.0より大きい(111):(100)中心ピーク強度の対数比、またはそ
    れらの組合わせ、を有する金属タンタル。
  29. 【請求項29】 約25から約50μmの平均粒径を有する請求項28記載
    の金属タンタル。
  30. 【請求項30】 約−4.0より大きい(111):(100)中心ピーク
    強度の比を有する請求項28記載の金属タンタル。
  31. 【請求項31】 a)およびb)の両方を有する請求項28記載の金属タン
    タル。
  32. 【請求項32】 該金属が少くともタンタル99.995%の純度を有する
    請求項28記載の金属タンタル。
  33. 【請求項33】 該金属が少くともタンタル99.999%の純度を有する
    請求項28記載の金属タンタル。
  34. 【請求項34】 該金属が十分に再結晶化される請求項28記載の金属タン
    タル。
  35. 【請求項35】 該金属が十分に再結晶化される請求項32記載の金属タン
    タル。
  36. 【請求項36】 該金属が十分に再結晶化される請求項33記載の金属タン
    タル。
  37. 【請求項37】 該金属の約80%以上が十分に再結晶化される請求項28
    記載の金属タンタル。
  38. 【請求項38】 該中心ピーク強度がランダムな約0からランダムな約15
    である請求項28記載の金属タンタル。
  39. 【請求項39】 該対数比が約−4.0から約15である請求項28記載の
    金属タンタル。
  40. 【請求項40】 請求項28記載の金属タンタルを含有してなる物品。
  41. 【請求項41】 請求項33記載の金属タンタルを含有してなる物品。
  42. 【請求項42】 請求項28記載の金属タンタルを含有してなるスパッタタ
    ーゲット。
  43. 【請求項43】 請求項33記載の金属タンタルを含有してなるスパッタタ
    ーゲット。
  44. 【請求項44】 タンタルを含有する塩を、攪拌機を有する反応容器中でそ
    の塩をタンタルおよび第2の塩に還元しうる少くとも1つの試薬を反応させるこ
    とを含む請求項1記載の金属タンタルの製造方法であり、反応容器もしくは反応
    容器の内張り、ならびに攪拌機もしくは攪拌機の外張りはタンタルの融点でタン
    タルの蒸気圧以上の蒸気圧を有する金属で製造されていることを特徴とする金属
    タンタルの製造方法。
  45. 【請求項45】 タンタルを含有する塩がフッ化カリウムタンタルからなり
    、試薬がナトリウムからなる請求項44記載の方法。
  46. 【請求項46】 第2の塩がフッ化ナトリウムおよび1または塩化ナトリウ
    ムからなる請求項45記載の方法。
  47. 【請求項47】 タンタルを含有する該塩を反応させる前に、該方法は、タ
    ンタルおよび不純物からなる酸溶液を生成させること、不純物を含有する酸溶液
    からタンタルを含有する酸溶液の密度による分離を行うこと、ならびにタンタル
    を含有する酸溶液を再結晶化させて、タンタルを含有する塩を生成させること;
    からなる請求項44記載の方法。
  48. 【請求項48】 タンタルおよび不純物が、タンタルおよび不純物からなる
    破砕鉱石である請求項47記載の方法。
  49. 【請求項49】 タンタルおよび不純物からなる酸溶液が酸溶液をタンタル
    からなる破砕鉱石と一緒にすることにより生成される請求項47記載の方法。
  50. 【請求項50】 反応が、攪拌下に約800℃〜1100℃で生じる請求項
    44記載の方法。
  51. 【請求項51】 反応容器もしくは内張り、ならびに攪拌機もしくは攪拌機
    の外張りが金属にもとづき、該金属はニッケル、クロム、鉄、マンガン、チタン
    、ジルコニウム、ハフニウム、バナジウム、テクネチウム、ルテニウム、コバル
    ト、ロジウム、パラジウム、白金、もしくはそれらの組合わせ、である請求項4
    4記載の方法。
  52. 【請求項52】 金属がニッケルもしくはニッケルにもとづく合金である請
    求項51記載の方法。
  53. 【請求項53】 金属がクロムもしくはクロムにもとづく合金である請求項
    51記載の方法。
  54. 【請求項54】 金属が鉄もしくは鉄にもとづく合金である請求項51記載
    の方法。
  55. 【請求項55】 水性溶液中に第2の塩を溶解させることによりタンタルを
    回収することをさらに含む請求項44記載の方法。
  56. 【請求項56】 十分な真空中で該回収タンタルを溶融して該回収タンタル
    中に存在する不純物を実質的に除去して、高純度タンタルを得ることをさらに含
    む請求項55記載の方法。
  57. 【請求項57】 真空が10−4torr以下である請求項56記載の方法
  58. 【請求項58】 溶融回収タンタルへの圧力は実質的にすべての不純物の蒸
    気圧よりも低い請求項56記載の方法。
  59. 【請求項59】 不純物が不純物の蒸発により除去される請求項56記載の
    方法。
  60. 【請求項60】 該溶融が電子ビーム溶融により行われる請求項56記載の
    方法。
  61. 【請求項61】 該溶融が真空アーク再溶融処理により行われる請求項56
    記載の方法。
  62. 【請求項62】 高純度タンタルが固体を形成し、圧延処理、鍛造加工処理
    もしくはその両方に供さる請求項56記載の方法。
  63. 【請求項63】 金属タンタルが実質的に微細で均一なミクロ構造を有する
    請求項1記載の金属タンタル。
  64. 【請求項64】 金属タンタルが約25〜約150μmの平均粒径を有する
    請求項1記載の金属タンタル。
  65. 【請求項65】 金属タンタルが約25〜約100μmの平均粒径を有する
    請求項1記載の金属タンタル。
  66. 【請求項66】 金属タンタルが約25〜約75μmの平均粒径を有する請
    求項1記載の金属タンタル。
  67. 【請求項67】 a)金属タンタルの表面を機械的もしくは化学的に清浄化
    すること、そして金属タンタルは工程(b)〜(g)を可能にするのに十分な開
    始断面領域を有すること; b)金属タンタルを少なくとも1つの圧延スラブに平形に鍛造加工すること、そ
    して少なくとも1つの圧延スラブは工程d)におけるアニ―ル後に実質的に均一
    な再結晶を達成するのに十分な変形を有すること; c)少なくとも1つの圧延スラブの表面を機械的もしくは化学的に清浄化するこ
    と; d)少なくとも1つの圧延スラブの少なくとも部分的再結晶化を達成するために
    十分な温度および十分な時間、少なくとも1つの圧延スラブをアニ―ルすること
    ; e)少なくとも1つの板を形成するために開始金属タンタルの軸に垂直および平
    行な方向の両方に少なくとも1つの圧延スラブを冷間もしくは温間圧延すること
    ; f)少なくとも1つの板を平らにすること;ならびに g)約150μm以下の平均粒径および(100)集合組織バンドを実質的に欠
    く集合組織、を有するように少なくとも1つの板をアニ―ルすること、 を含む、少なくとも99.995%の純度を有する金属タンタルからスパッタタ
    ーゲットを製造する方法。
  68. 【請求項68】 金属タンタルが少なくとも99.999%の純度を有する
    請求項67記載の方法。
  69. 【請求項69】 金属タンタルが空気中で少なくとも4時間、大気〜約12
    00℃の温度に置かれた後に平形の鍛造加工が生じる請求項67記載の方法。
  70. 【請求項70】 冷間圧延が大気温度における横圧延であり、温間圧延が約
    370℃未満の温度である請求項67記載の方法。
  71. 【請求項71】 板のアニ―ルが金属タンタルの再結晶化を達成するのに十
    分な温度と時間での真空アニ―ルである請求項67記載の方法。
  72. 【請求項72】 a)金属タンタルの表面を機械的もしくは化学的に清浄化
    すること、そして金属タンタルは工程(b)〜(i)を可能にするのに十分な開
    始断面領域を有すること; b)金属タンタルを少なくとも1つのロットに円形鍛造加工すること、そして少
    なくとも1つのロッドは工程d)もしくは工程f)におけるアニ―ルの後に実質
    的に均一な再結晶を達成するのに十分な変形を有すること; c)ロッドをビレットに切断すること、そしてビレットの表面を機械的もしくは
    化学的に清浄にすること; d)少なくとも部分的に再結晶化を達成するためにビレットを任意にアニ―ルす
    ること; e)ビレットを軸方向に鍛造加工してプリフォームにすること; f)少なくとも部分的に再結晶化を達成させるためにプリフォームを任意にアニ
    ―ルすること; g)プリフォームを冷間圧延して少なくとも1つの板にすること; h)その少なくとも1つの板の表面を機械的もしくは化学的に、任意に清浄化す
    ること;ならびに j)約150μm以下の平均粒径、および(100)集合組織バンドを実質的に
    欠く集合組織、を有するように少なくとも1つの板をアニ―ルすること、そして
    アニ―ルは少なくとも工程d)もしくはf)または両方で生じる、を含む、少な
    くとも99.995%の純度を有する金属タンタルからスパッタターゲットを製
    造する方法。
  73. 【請求項73】 金属タンタルが少なくとも99.999%の純度を有する
    請求項72記載の方法。
  74. 【請求項74】 円形鍛造加工が、金属タンタルを約370℃以下の温度に
    さらさせた後に生じる請求項72記載の方法。
  75. 【請求項75】 ビレットの鍛造加工の前にビレットがアニ―ルされる請求
    項72記載の方法。
  76. 【請求項76】 プリフォームの冷間圧延の前にプリフォームがアニ―ルさ
    れる請求項72記載の方法。
  77. 【請求項77】 プリフォームのアニ―ルが再結晶化を達成するのに十分な
    温度での真空アニ―ルである請求項72記載の方法。
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