JPH08165528A - 高純度高融点金属または合金の製造方法 - Google Patents

高純度高融点金属または合金の製造方法

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JPH08165528A
JPH08165528A JP6330929A JP33092994A JPH08165528A JP H08165528 A JPH08165528 A JP H08165528A JP 6330929 A JP6330929 A JP 6330929A JP 33092994 A JP33092994 A JP 33092994A JP H08165528 A JPH08165528 A JP H08165528A
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refractory metal
producing
alloy
purity
metal
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Shozo Kanbara
正三 神原
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    • C22METALLURGY; FERROUS OR NON-FERROUS ALLOYS; TREATMENT OF ALLOYS OR NON-FERROUS METALS
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    • C22B34/00Obtaining refractory metals
    • C22B34/20Obtaining niobium, tantalum or vanadium
    • C22B34/24Obtaining niobium or tantalum
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C22METALLURGY; FERROUS OR NON-FERROUS ALLOYS; TREATMENT OF ALLOYS OR NON-FERROUS METALS
    • C22BPRODUCTION AND REFINING OF METALS; PRETREATMENT OF RAW MATERIALS
    • C22B9/00General processes of refining or remelting of metals; Apparatus for electroslag or arc remelting of metals
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    • C22B9/22Remelting metals with heating by wave energy or particle radiation

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Abstract

(57)【要約】 【目的】 電子ビーム溶解法によりニオブ、レニウム、
タンタル、モリブデン、タングステンまたはこれらを主
成分とする高純度高融点金属または合金(金属間化合物
含む)の精製効果を高め、材料の機能(超伝導特性、耐
食性、高温耐熱性など)や加工性(鍛造性、圧延性、切
削性など)などを大巾に向上させる。 【構成】 ニオブ、レニウム、タンタル、モリブデン、
タングステン金属またはこれらを主成分とする合金から
なる精製用高融点金属とバナジウム、クロム、マンガ
ン、鉄、コバルト、ニッケルからなる遷移金属元素また
は希土類元素から選択した一種または二種以上の添加元
素の粉末または小塊状の原料を予めプレス成形し、この
成形材をさらに1000℃以上および100MPa以上
の高温高圧で燒結した後、電子ビーム溶解することを特
徴とするニオブ、レニウム、タンタル、モリブデン、タ
ングステンまたはこれらを主成分とする合金からなる高
純度高融点金属または合金の製造方法

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電子ビーム溶解法によ
りニオブ、レニウム、タンタル、モリブデン、タングス
テンまたはこれらを主成分とする高純度高融点金属また
は合金(金属間化合物含む)の製造方法に関し、特に偏
析の少ないインゴットの製造が可能であり、また、材料
の機能(超伝導特性、耐食性、高温耐熱性など)や加工
性(鍛造性、圧延性、切削性など)などを大巾に向上さ
せることのできる優れた製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、高融点金属およびその合金の製造
方法には、電子ビーム溶解法(Electron Beam Vertical
Drip Melt法およびElectron Beam Horizontal Traugh
Melt法など;以下「EB溶解法」と称する。)が用いら
れているが、材料面での出発原料の選択・調製、EB溶
解法における溶解・鋳造・凝固等のメカニズムなどの解
明、さらにはこれらの条件によってもたらされるインゴ
ットの物性値の評価や解析が充分に行われておらず、単
にEB溶解炉の真空排気系の排気能力や溶湯面積などに
依存した主に、熱力学的揮発による精製が行われている
のが現状である。
【0003】従って、このような状況下で得られた高融
点金属は本来持べき材料の特性を有しておらず、また高
純度化にも限界があるので、残存する(従来技術では少
なからず存在する)不純物元素の粒界や諸特性へ及ぼす
影響などが十分に明らかになっていないという問題があ
る。
【0004】そして被溶解金属と不純物ガス成分元素と
の間に形成される化合物(例えば、酸化物、窒化物、炭
化物、あるいはこれらの複合化合物)は、被溶解金属の
融点を遥かに越える温度を供給しても解離・分解せず、
逆に被溶解金属ばかりが蒸発し、歩留りが著しく低下す
るという根本的問題を有していた。
【0005】金属不純物が混入している場合にも上記と
同様、不純物金属元素と被溶解金属元素との金属間化合
物が存在し、被溶解金属の結合エネルギーが1eV以下
であるにも拘わらず、これらの金属間化合物の結合エネ
ルギーが数eV程度もあるため、被溶解金属の融点を遥
かに越える温度を供給しても解離・分解しないという問
題を有していた。
【0006】このような従来のEB溶解法によって製造
された材料は、結晶成長速度が大きく、また鋳造された
インゴット内部に大きな熱勾配が存在する状態で結晶の
成長が起こるため鋳造組織が大きくなり、さらに鋳肌部
でも大きな等軸晶が成長するという現象を呈する。
【0007】その結果、粗大結晶粒の集合体であるイン
ゴットは結晶粒界部の相対面積が大きくなり、そしてま
た結晶粒界部でマトリクス金属と不純物が反応して、間
化合物(酸化物、窒化物、炭化物およびこれらの複合化
合物)を形成するという傾向がある。
【0008】特に、インゴット鋳肌部では大きな等軸晶
が発生し、この部分に不純物ガス成分が析出または偏析
し、さらにこれらの拡散反応によりマトリックス金属と
の間で上記の間化合物を形成することから、強度の低下
ばかりでなく鍛造や研削時に粒界部で破壊(劈壊)を生
じ、機械加工性も劣化させるという問題を引き起こして
いた。
【0009】特に、高融点金属であるモリブデン、タン
グステンなどの加工性に関しては、結晶粒界部の脆弱性
が指摘されており、これらの脆弱性は炭素、酸素などの
ガス成分が影響を与えているという議論がなされている
はものの、これと言った理論的解明がなされておらず解
決策もないのが現状である。
【0010】ここで、モリブデンの結晶粒界部の機械特
性を調べる試験を行ったが、その結果を以下に記載す
る。
【0011】(試験1) EB溶解製モリブデンインゴ
ット(通常の溶解による)から切出した単結晶をX線回
折を行った。それによるラウエスポット斑点の明確さお
よび各点間の距離およびその対象性から、この単結晶自
身は不純物元素を含まない非常に規則性の高い結晶であ
ることが分かった。
【0012】(試験2) EB溶解製モリブデンインゴ
ット(通常の溶解による)表面部をエッチング後、結晶
粒内および結晶粒界(2結晶で挟まれる結晶粒界、3結
晶で挟まれる結晶粒界三重点部)に直径0.15mmのド
リルを用い開穴試験を行ったが、結晶粒部の内部は非常
に柔らかく連続的に開穴ができ、また加圧力も小さくて
すんだが、結晶粒界部ではゴツゴツした感じで不連続的
にしか開穴できず、開穴に大きい加圧力を必要とした。
【0013】上記の試験から、EB溶解製によるモリブ
デン(通常の溶解による)の結晶粒内と結晶粒界部では
明らかに異なった結晶構造または結晶組成域があること
が分かる。また、一般にモリブデン、タングステンなど
のVIa族は不純物元素の固溶度が低いといわれている
が、上記X線回折結果はこのことを明らかに示してい
る。
【0014】上記について、別の観点から考察すると、
単結晶部はモリブデンの金属結合性に支配されているた
め結合エネルギーは1eV以下であるのに対し、粒界部
は酸素、炭素あるいは窒素などのガス成分とモリブデン
との化合物が形成されており、この場合の結合エネルギ
ーは共有結合に大きく支配され、さらに静電結合もある
程度の寄与があることが考えられるので、結局、結合エ
ネルギーは数eVとなっていると考えられる。
【0015】その結果、鍛造や圧延などの機械加工を施
すと金属結合性の大きいモリブデン単結晶部と化合物形
成部の界面部で結合エネルギー(硬度)が異なるため、
この異質界面部で亀裂が発生する可能性が出てくること
考えられる。
【0016】さらに、鍛造や圧延などの機械加工によっ
て、結合エネルギーに起因する材料本来の硬さ以外に、
一般に転位の発生・伝播・増殖による硬化が考えられる
が、モリブデンやタングステンなどの場合には、上述の
間化合物相と金属マトリックス相内との間で転位の発生
・伝播機構が大きく異なり、その結果両者が接する異質
界面部が転位のシンク場所と成りやすく、この場所が転
位の増殖起点となりさらに加工によってますますその度
合いを増し、結局この部分で亀裂が発生することになる
と考えられる。そして破断面は劈開性を呈するようにな
る。
【0017】このように、ガス成分元素の固溶度の小さ
いモリブデンやタングステンなどの高融点金属では凝固
時に不純物ガス成分が結晶粒界部に析出し、不規則かつ
急峻な温度勾配の熱を受けて、モリブデンマトリックス
相との間で拡散による相互反応を引き起こして間化合物
が形成され、そしてその結果加工性を著しく低下させた
り、また本来の材料の良好な性質が得られず、またイン
ゴット塊はできるものの歩留まりが悪くなるなどの問題
を生じたと考えられる。
【0018】以上については、主としてモリブデンに関
する機械特性を例示したが、次に、タングステンについ
てモリブデンと対比し簡単に説明する。表1にモリブデ
ンとタングステンの物性値の比較を示す。
【0019】
【表1】
【0020】ここでモリブデンとタングステンを比較す
ると、両者はVIa族に属し、結晶構造、伝導帯電子数、
格子定数および原子充填率ともほぼ等しいことが分か
る。しかしながら密度(約半分)と融点で異なる。
【0021】他物質との反応性に関しては、伝導電子帯
の電子は他物質との相互作用(反応・結合)に寄与し、
特にモリブデンおよびタングステンなど遷移金属の場合
はs−d相互作用が結合の主となることが知られている
ので、例えば不純物ガス成分元素との反応性を考慮した
場合、モリブデンとタングステンは類似していることが
容易に理解できる。
【0022】次に、固溶度の大きい金属(ニオブ、タン
タルなど)について考察する。これらの金属の場合は残
留している酸素、窒素および炭素などのガス成分不純物
が結晶粒内に侵入型不純物として正八面体位置に配位す
るか、あるいは結晶粒界部に析出する。
【0023】特に超伝導空洞加速機などに使用されるニ
オブの場合、電気伝導性、熱伝導性および結晶の規則度
性などの諸物性の高いことが望まれているが、不純物元
素の存在によりその特性を大きく低下させる原因となっ
ている。
【0024】半導体用材料および超伝導材料用材料の場
合、一般に高純度化の指標としてRRR値(Relative R
esidual Resistivity;相対残留抵抗値)が用いられて
いるが、超伝導用ニオブの場合は良好なものでもRRR
=1,000程度であり、超伝導特性を充分に具現化で
きるに至っていないのが現状である。
【0025】次にレニウムであるが、上記高融点金属を
含め5種類の元素(レニウムを含む)はいずれも遷移金
属であり、周期率表上ではニオブ、タンタルはVa族、
モリブデン、タングステンはVIa族、レニウムはVIIa
族である。結晶構造はニオブ、タンタル、モリブデン、
タングステンはBCCであるが、レニウムのみHCPで
ある。このレニウムはタングステンに次いで融点が高く
(3453K)、電気抵抗はタングステンの数倍、また
抗張力が非常に高いという特徴を有する。そして元素の
種類によりガス成分不純物の揮発精製機構は異なるが、
基本的にはレニウムはモリブデンなどと似た高融点金属
ということができる。
【0026】このように、高融点金属はいくつかの優れ
た性質を保有しているが、本来の特性を有効に活用され
ていないという問題がある。その主な原因が高純度化に
限界があるためであり、上述のように不純物元素と粒界
または諸特性間の相関性なども殆ど未解決のままであ
る。そしてこれらの合金(金属間化合物を含む)至って
は、元来融点が非常に異なる物同士の溶解・鋳造である
ため、蒸気圧差が大巾に異なり組成制御の悪さによる偏
析などの鋳造欠陥がいっそう生じる欠点があった。
【0027】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、高純度化に
よるニオブの物理特性(超伝導特性、電気特性、熱伝導
性、結晶の規則度性など)の向上、高純度化によるモリ
ブデンおよびタングステンの加工性(鍛造、圧延など)
および耐熱・耐食性の向上、高純度化によるニオブ、タ
ンタル、レニウムの加工性(鍛造、圧延など)および耐
食性の向上ならびに鋳造組織制御による上記加工性(鍛
造、圧延など)の向上など、高融点金属の高純度化によ
る素材の物理的特性・機械的性質の向上、凝固組織制御
による塑性加工性の向上などにより、上記問題点を解決
しようとするものである。
【0028】本発明は、出発材料中の不純物濃度および
炉の真空排気系の排気能力に制限され、かつ熱力学的平
衡論からは揮発精製不可能といわれているレベルのもの
を、不純物金属および炭素、窒素、酸素、水素、硫黄、
燐などのガス成分不純物を不定比化合物の形態で同時に
蒸発させ、もって揮発精製効果を向上させ、その結果、
不純物の分離除去限界を飛躍的に向上させて、不純物ガ
ス成分量をそれぞれ50ppm以下に、そして高融点金
属を除き、他の全金属不純物元素をそれぞれ50ppm
以下を達成しようとするものである。
【0029】また、本発明は材料の超高純度化および凝
固組織の制御を実現しようとするもので、粒界破壊を抑
制することによる加工性の向上、また超高純度化により
材料本来の物理的特性および機械的性質を得ることにあ
る。
【0030】
【課題を解決するための手段】上記のような課題につき
鋭意研究の結果、本発明者は高純度高融点金属またはこ
れらを主成分とする合金の優れた製造方法を見出し、本
発明に至った。
【0031】すなわち本第1の発明は、ニオブ、レニウ
ム、タンタル、モリブデン、タングステン金属またはこ
れらを主成分とする合金からなる精製用高融点金属とバ
ナジウム、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル
からなる遷移金属元素または希土類元素から選択した一
種または二種以上の添加元素の粉末または小塊状の原料
を予めプレス成形し、この成形材をさらに1000℃以
上および100MPa以上の高温高圧で燒結した後、電
子ビーム溶解することを特徴とするニオブ、レニウム、
タンタル、モリブデン、タングステンまたはこれらを主
成分とする合金からなる高純度高融点金属または合金の
製造方法に関する。
【0032】次に、第2の発明は、添加元素の量が最大
3wt%であることを特徴とする上記第1の発明の高純
度高融点金属または合金の製造方法に関する。
【0033】次に、第3の発明は、添加元素の量が最大
1wt%であることを特徴とする上記第1の発明の高純
度高融点金属または合金の製造方法に関する。
【0034】次に、第4の発明は、精製用粉末または小
塊状の前記被溶解材料をCIP処理し、これをさらに1
000℃および100MPa以上の高温高圧でHIP処
理した後、電子ビーム溶解することを特徴とする上記第
1乃至3の発明のいずれかに記載の高純度高融点金属ま
たは合金の製造方法に関する。
【0035】次に、第5の発明は、ニオブ、レニウム、
タンタル、モリブデン、タングステン金属またはこれら
を主成分とする合金からなる精製用高融点金属と、バナ
ジウム、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケルか
らなる遷移金属元素または希土類元素から選択した一種
または二種以上の添加元素の粉末または小塊状の原料を
予めプレス成形し、次にこの成形材を1000℃以上お
よび100MPa以上の高温高圧で燒結して、上記添加
元素と精製用高融点金属原料に含まれる酸素O、窒素
N、炭素C、水素Hなどの不純物ガス成分との間の少な
くとも一部に、低次化合物または不定比組成化合物を形
成した後、電子ビーム溶解することを特徴とするニオ
ブ、レニウム、タンタル、モリブデン、タングステンま
たはこれらを主成分とする合金からなる高純度高融点金
属または合金の製造方法に関する。
【0036】次に、第6の発明は、低次化合物または不
定比組成化合物がMe1-xGa(0≦x<1、Me;バ
ナジウム、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル
からなる遷移金属元素または希土類元素から選択した一
種または二種以上の遷移金属元素もしくは希土類元素、
Ga;O、N、C、Hなどの各不純物ガス成分)である
ことを特徴とする上記第5の発明に記載の高純度高融点
金属または合金の製造方法に関する。
【0037】次に、第7の発明は、高温高圧の燒結によ
り形成された低次化合物または不定比組成化合物が電子
ビーム溶解の際の揮発精製により除去されることを特徴
とする上記第5乃至6の発明のいずれかに記載の高純度
高融点金属または合金の製造方法に関する。
【0038】次に、第8の発明は、添加元素の量が最大
3wt%であることを特徴とする上記第5乃至7の発明
のいずれかに記載の高純度高融点金属または合金の製造
方法に関する。
【0039】次に、第9の発明は、添加元素の量が最大
1wt%であることを特徴とする上記第5乃至7の発明
のいずれかに記載の高純度高融点金属または合金の製造
方法に関する。
【0040】次に、第10の発明は、精製用粉末または
小塊状の前記被溶解材料をCIP処理し、これをさらに
1000℃および100MPa以上の高温高圧でHIP
処理した後、電子ビーム溶解することを特徴とする上記
第5乃至9の発明のいずれかに記載の高純度高融点金属
または合金の製造方法に関する。
【0041】次に、第11の発明は、高融点金属がニオ
ブまたはこれを主成分とする合金であり、かつビッカー
ッス硬度Hv≦60、RRR値1000以上であること
を特徴とする上記第5乃至10の発明のいずれかに記載
の高純度高融点金属または合金の製造方法に関する。
【0042】次に、第12の発明は、高融点金属がレニ
ウム、タンタルまたはこれらを主成分とする合金である
ことを特徴とする上記第5乃至10の発明のいずれかに
記載の高純度高融点金属または合金の製造方法に関す
る。
【0043】次に、第13の発明は、高融点金属がモリ
ブデン、タングステンまたはこれらを主成分とする合金
であることを特徴とする上記第5乃至10の発明のいず
れかに記載の高純度高融点金属または合金の製造方法に
関する。
【0044】次に、第14の発明は、添加元素が遷移金
属元素から選択した一種または二種以上の元素であるこ
とを特徴とする上記第5乃至13の発明のいずれかに記
載の高純度高融点金属または合金の製造方法に関する。
【0045】次に、第15の発明は、添加元素が鉄であ
ることを特徴とする上記第5乃至13の発明のいずれか
に記載の高純度高融点金属または合金の製造方法に関す
る。
【0046】次に、第16の発明は、残留不純物ガス成
分量が、酸素O≦50ppm、窒素N≦50ppm、炭
素C≦50ppmであることを特徴とする上記第5乃至
15の発明のいずれかに記載の高純度高融点金属または
合金の製造方法に関する。
【0047】次に、第17の発明は、残留不純物ガス成
分元素量がO+N+C≦100ppmであることを特徴
とする上記第5乃至16の発明のいずれかに記載の高純
度高融点金属または合金の製造方法に関する。
【0048】
【作用】以下に、本発明の詳細およびその作用について
説明する。
【0049】(原料の調製)精製用ニオブ、レニウム、
タンタル、モリブデン、タングステン金属またはこれら
を主成分とする合金(純度約99%〜99.9%程度)
およびバナジウム、クロム、マンガン、鉄、コバルト、
ニッケルからなる遷移金属元素または希土類元素から選
択した一種または二種以上の添加元素の粉末または小塊
状の原料(粉末、切り粉、スクラップ材など)を予めプ
レス成形する。
【0050】次に、この成形物(コンパクト)を100
0℃以上および100MPa以上の高温高圧で焼結す
る。
【0051】上記プレス成形に際しては、CIP(冷間
等方静水圧プレス成形)法を用いることができる。ま
た、高温高圧焼結にはHIP(高温等方静水圧プレス成
形)法を行うのが好適である。
【0052】この工程によって、精製用高融点金属原料
などに含まれる酸素O、窒素N、炭素C、水素Hなどの
不純物ガス成分とバナジウム、クロム、マンガン、鉄、
コバルト、ニッケルからなる遷移金属元素または希土類
元素から選択した一種または二種以上の添加元素との間
で、低次化合物または不定比組成化合物Me1-xGa
(0≦x<1、Me;バナジウム、クロム、マンガン、
鉄、コバルト、ニッケルからなる遷移金属元素または希
土類元素から選択した一種または二種以上の遷移金属元
素もしくは希土類元素、Ga;O、N、C、Hなどの各
不純物ガス成分)が形成されるのを促進する。なお、上
記遷移金属元素または希土類元素は、精製用高融点金属
原料に不純物として含有されるものを当然含むものであ
る。
【0053】1000℃以上および100MPa以上の
高温高圧で焼結する(HIPを含む)のは、この低次化
合物または不定比組成化合物Me1-xGaの形成を十分
行い、高温高圧により定比化合物から不定比化合物への
変態誘起を可能ならしめ、EB溶解による精製効果を高
めるためである。
【0054】添加するバナジウム、クロム、マンガン、
鉄、コバルト、ニッケルからなる遷移金属元素または希
土類元素の効果的な量としては単独または複合添加で、
最大3wt%とする。これらの元素が不純物として残存
するおそれがある場合には、好ましくは1wt%以下で
ある。なお、下限については特に制限する必要はない
が、効果的量としては、0.001wt%以上あればよ
い。好ましくは0.01wt%〜0.1wt%以上であ
るが、精製用高融点金属原料によって、この比率を変え
ることができる。
【0055】これらの元素がニオブ、レニウム、タンタ
ル、モリブデン、タングステン金属を主成分とする合金
の合金元素となる場合には、含有される合金組成を超え
る量の上記遷移金属元素または希土類元素を添加し、最
終的に精製効果が十分行われるように成分調製される。
【0056】このような添加元素により、熱力学的な精
製効果以外に解離温度の低温化および蒸気圧差を利用し
て精製効果を高めることができるが、中でも遷移金属元
素を用いるのが経済的かつより効果的である。特に鉄の
添加が低次化合物または不定比組成化合物を形成し、E
B溶解により不純物ガス成分を除去する上でより効果的
である。そして、このような工程で作成した焼結体をE
B溶解の一次電極とする。
【0057】(溶解条件)上記一次電極を用いてElectr
on Beam Vertical Drip Melt法およびElectron Beam Ho
rizontal Traugh Melt法などにより、EB溶解を行う。
通常多次溶解(数回〜十数回)を行なう。
【0058】例えば、上記Electron Beam Vertical Dri
p Melt法によって得られたインゴットは、次の溶解のた
めにスターティングブロックから切離し、これを油など
のコンタミを除去するために超音波洗浄などを施した
後、溶解を数次繰り返す。
【0059】以上のようなEB溶解によって、焼結時に
形成された低次化合物または不定比組成化合物が揮発精
製により除去され、極めて純度の高い高融点金属または
これらを主成分とする合金が得られる。
【0060】高融点金属がニオブまたはこれを主成分と
する合金である場合には、ビッカーッス硬度Hv≦6
0、RRR値1000以上が達成され、また残留不純物
ガス成分元素量をそれぞれ50ppm以下、またさらに
O+N+C≦100ppmとすることが可能となる。
【0061】(電気抵抗測定方法〔RRR値の算出〕と
試料の作成)電気抵抗測定用試料は、例えば多次EB溶
解にて得られたインゴットの中心部から約5mmの円盤
状試料を切り出し、さらにこれを寸法約5mm×3mm
×21mmの四角柱に精密切断器を用いて切り出す。
【0062】測定回路は、定電圧定電流供給装置、マイ
クロメーター、電流計、標準抵抗、電流極性反転用トッ
グルスイッチおよび4端子から構成され、試料は4端子
プルーブに加圧式によりオーミツクコンタクトをとり、
定電圧定電流供給装置から100mA、550mA、7
00mAの定電流モードにて所定の時間に、温度、電流
および電圧を測定し、直ちに定電流をスイッチングし、
1分後に温度、電流および電圧を測定する。4端子の電
流電圧間の距離は電界勾配が一定となるように約4mm
離す。測定温度範囲は室温から〜約10Kの範囲とす
る。
【0063】(ビッカース硬度測定方法)試料の機械的
評価および純度比較のため、電気抵抗測定後の試料を用
いビッカース硬度試験を行う。付加荷重を10Kgと
し、荷重付加時間は全ての試料について15secとし
た。測定点は3点とし、この3点の算術平均値をもって
試料のビッカース硬度とする。
【0064】
【実施例】次に、本発明の実施例について説明する。
【0065】(実施例1) (出発原料)出発原料として、外側に純度約2N(99
%)〜3N(99.9%)のNb金属紛(#325)と電
解鉄粉均一混合粉末を、内側に同Nbを充填した二重構
造のコンパクト(図1参照)をCIP処理し、その後、
得られたコンパクを軟鋼カプセルに充填し、1350
℃、140MPa、180secの条件でHIP処理を
施した。
【0066】HIP処理後、軟鋼カプセルを旋盤加工に
より削り出し、EB溶解用の一次電極として作製した。
一次電極寸法はφ40×220Lmmであった。
【0067】(溶解条件)一次電極をEB垂直ドロップ溶
解(EB-VDM)法にて10回の多次溶解を実施し
た。溶解条件を表2に示す。
【0068】
【表2】
【0069】10回の溶解の内、1回目、4回目、7回
目および10回目の溶解終了後、インゴットの中心部か
ら約5mm厚さの円盤を切り出し、各種分析評価用のた
めの試料(それぞれ1M,4M,7M,10Mと表示)
とした。試料番号S1,S2はガン出力31.5KW,
42KWのシリーズを示す。
【0070】(化学分析結果)表3に溶解回数に対する
不純物元素の分析結果を示す。同表から明らかなよう
に、溶解回数が増すごとに各種不純物が減少しているこ
とが分かる。そしてこの実施例に示すように、NbにF
eを添加した材料を出発原料としてHIP処理後、多次
溶解したインゴットは飛躍的な高純度化が図られた。こ
のガス成分中心とする不純物の揮発除去作用は驚異的で
ある。なお、実施例では添加元素として鉄を用いたが、
鉄以外のバナジウム、クロム、マンガン、コバルト、ニ
ッケルからなる遷移金属元素または希土類元素でも、同
様な効果が認められた。
【0071】
【表3】
【0072】上記のようなガス成分などの不純物除去効
果は超伝導特性および硬度に著しい影響を及ぼす。以下
に電気抵抗と硬度の測定結果を示す。
【0073】(試料の作製と電気抵抗測定(RRR値の
算出))Nb材の電気抵抗測定用試料は、多次EB溶解
にて得られたNbインゴットのうち、1次、4次、7次
および10次溶解インゴットの中心部から約5mmの円
盤状試料を切り出し、さらにこれを周辺部から寸法約5
mm×3mm×21mmの四角柱に切り出した。
【0074】試料表面は切断時に発生する加工変質相を
除去するためおよび試料表面部での電流の擾乱を防止す
るため、SiC系エメリー紙により、#320番、引続
き#500で研磨仕上げを施した。
【0075】抵抗測定は通常の四端子法を用い、定電圧
定電流供給装置から100mA,550mA,700m
Aの定電流モードにて所定の時間に、温度、電流および
電圧を計測し、直ちに定電流をスイッチィングし、1分
後に温度、電流および電圧を計測した。
【0076】熱電対はCu-0.15%Fe−クロメル
熱電対を用いた。測定温度の降温、昇温方法はジャニス
製冷凍機を用いた。測定温度範囲は室温から〜約10K
の範囲とし、温度は各々降温、昇温とも連続測定式を採
用した。
【0077】(電気抵抗測定結果)図3に、本実施例の
溶解で得られた試料の代表的な電気抵抗測定結果を示
す。縦軸に抵抗の規格値を自然対数で表し、横軸に温度
を示す。
【0078】図3中▽印および△印は各々、降温時の測
定抵抗および昇温時の測定抵抗の結果を示す。電気抵抗
率は約100K(=θD/3、θD;デバイ温度)まで
は温度に対し一次関数で表され、約100K以下では温
度の5乗則で近似できる結果となっている。
【0079】Nbは第1種超伝導材料であり、9.2K
で超伝導遷移(電気抵抗がゼロとなる)が起こるため、
10K以下では電気抵抗法により相対残留抵抗比を求め
ることは困難である。磁界を印加し超伝導状態をブレイ
クダウンした状態で相対残留抵抗比を求める方法もある
が、今回は比較的容易に相対残留抵抗比を得ることがで
きる電気抵抗測定法を用い試料を評価した。しかしなが
ら冷凍機の能力上20Kが到達最低温度であるため、2
0Kを超える低温の数値(電気抵抗、相対残留抵抗比)
については、室温から20Kまでの実測値をもとに電気
抵抗を温度の5次関数に近似させ、この最適関数から2
0K以下(10Kまで)の数値を算出する手法を採用し
た。以下、電気抵抗および相対残留抵抗比については同
様な手法を採用した。
【0080】図3から明らかなように、降温時および昇
温時の電気抵抗測定値が殆ど一致しており、物質固有の
電気抵抗に極めて近似していることが分かる。一般に1
00K(=Nbのデバイ温度/3)まではどのような試
料でもマティーセンの法則に従う格子振動による電気抵
抗を示し、約100K以下の温度領域において残留不純
物および機械的欠陥からの電子の散乱項による電気抵抗
を示すが、本実施例による試料の場合は20K以下の温
度領域においても電気抵抗が減少し、高純度化されかつ
結晶の長範囲規則度性が非常に高くなることを示してい
る。
【0081】図4に、温度に対し温度の関数で表したR
RR値の代表的な解析結果を示す。横軸は測定温度T
(K)、縦軸はRRR値の自然対数を温度の関数RRR
(T)で示した。図中▽、△および○印は各々、降温
時、昇温時の抵抗の実測値およびそれらの平均値であ
る。
【0082】図4から明らかなように、60K以下の温
度領域において温度の関数で示したRRR(T)の傾き
が非常に大きい。このことは図3で述べたように、高純
度化されていることと同時に結晶の長範囲規則度性が非
常に高いことを示している。
【0083】なお、RRR(T)は温度293Kにおけ
る電気抵抗率ρ(293K)を温度Tにおける電気抵抗
率ρ(T)で割って得られた値、RRR(T)=ρ(2
93K)/ρ(T)を示す。表4および図5にRRR
(T)のT=10KにおけるRRR(10K)の値をま
とめて示す。
【0084】
【表4】
【0085】表4には、降温時および昇温時の相対残留
抵抗比ならびにこれらの平均値を示す。また、図5にお
ける○印はS1シリーズ、□印はS2シリーズ、◇印は
従来技術によって作成されたNbのデータ値(EB溶解
による中規模インゴットで世界最高と言われた旧ソ連の
データ)を、各々示す。
【0086】表4より明らかなように、4回の溶解です
でにS2−4RRR値(平均)2350、S1−4RR
R値(平均)3750を示している。そして図5に示す
ように、4回以降において溶解回数とともに漸次RRR
値の上昇が認められる。また、溶解・鋳造速度と精製効
果には相関があり、溶解・鋳造速度が早いほど揮発精製
効果が少ないことが分かる。
【0087】なお、鉄を添加した材料(Nb)を本発明
による高温高圧での焼結を行わずに(他は同じ条件で)
10回溶解し、これにより得た試料のRRR値を解析し
た。この場合には上記のような顕著な結果は得られず、
RRR値は高々300程度であった。したがって、高温
高圧での焼結は重要な意味を持つことが明らかである。
【0088】以上よりHIPによる高温高圧条件下での
焼結過程で、遷移金属などとガス成分不純物が低次また
は不定比化合物が形成され、これらがEB溶解時に単純
な熱力学的な揮発精製以外のなんらかの機構で、精製高
融点金属との乖離温度が低くなりかつ蒸発率が異常に大
きくなった状態で蒸発し、顕著な高純度化が達成された
ものと推定される。
【0089】(ビッカース硬度測定)試料の機械的評価
および純度比較のため、電気抵抗測定後の試料を用いビ
ッカース硬度試験を実施した。
【0090】付加加重を10Kgとし、加重付加時間は
全ての試料について15secとした。測定点は図2に
示す3点について行ない、3点の算術平均の値をもって
試料のビッカース硬度とした。ただし、今回決定したビ
ッカース硬度値はJISに規定されている方法(試料表
面は鏡面研磨を施さず、あら研磨の状態の表面である)
とは異なっているので、今回実施したビッカース硬度測
定結果はそれよりも数%硬度が低下すると考えらる。
【0091】(ビッカース硬度試験結果)図6に電気抵
抗を測定した同一試料のビッカース硬度と溶解回数の試
験結果を示す。図中、〇印はS1シリーズ、□印はS2
シリーズ各々示す。
【0092】同図から、ビッカース硬度は溶解回数とと
もに減少する傾向にある。特に4回目以降において急激
な減少を示す。この硬度測定結果から加工性が急速に向
上することが分かる。またこのような溶解回数と硬度の
相関から、この場合の溶解回数は4回以上とするのが好
ましいことが分かる。
【0093】(RRR値とビッカース硬度試験の比較検
討結果)図7にRRR値およびビッカース硬度の比較結
果を示す。横軸にビッカース硬度を縦軸にRRR値(ρ
(293K)/ρ(10K))を示す。図7から、両者
間に相関性が認められ、硬度が60〜140の範囲では
RRR値は比較的緩やかな増加傾向を示すが、60を境
にそれ以下ではRRR値の急激な増加が認められる。
【0094】このことは、例えば、Hv=約60を境界
として異なったエネルギー吸収機構があると予想され
る。推定ではあるが、例えば、Hv=約60を何らかの
遷移点(Nb材中の不純物ガス元素;例えば酸素および
窒素がNbの固溶限)と考えると、Nb材中の不純物ガ
ス元素である酸素および窒素が、Nbの固溶限以上の領
域においては酸素および窒素の侵入型固溶濃度以外の不
純物ガス元素は結晶粒界に偏析して間化合物を形成せざ
るを得ず、逆に、遷移点以下の領域では酸素および窒素
などの不純物ガス元素は侵入型不純物として粒内の正八
面体位置に配位すると考えられる。
【0095】また上記において、不純物濃度とビッカー
ス硬度との関連性を考えると、Hv=約60以上では、
粒内の侵入サイトである正八面体位置は全部不純物で占
有されているため、粒内の変化率は同じである。変化率
の異なるものとしては粒界幅(偏析および拡散による間
化合物層厚さ)のみである。したがって、硬度試験の荷
重エネルギーは粒界変形エネルギーに消費される。この
時の変化が大きくビッカース硬度の圧痕として測定され
ると考えられる。
【0096】間化合物の場合は結合エネルギーは数eV
と大きく、一定の荷重エネルギーに対し粒界部での変形
に消費される量は少ないことが予想される。したがっ
て、遷移点以上においては、緩やかなRRR値の増加と
なることが理解できる。
【0097】逆に、遷移点以下では粒界部は間化合物を
合成するに足りる酸素および窒素などの不純物元素は無
く、炭素が結晶粒界にわずか存在するのみであるが、こ
の炭素による間化合物それ自体超伝導特性をもつので、
RRR値に影響は与えない。また、結晶内における酸素
および窒素の固溶度が減少することによって結晶の規則
性が高まり、素材そのもののに近い特性値を示すと考え
られる。
【0098】固溶型の不純物で占められるNbのBCC
結晶は金属結合と考えてよく、この場合の結合エネルギ
ーは1eV以下であるため、一定の荷重エネルギーに対
し各結晶の変形率のみからの寄与によるエネルギーの変
換率は大きくなる。
【0099】表4のガス成分不純物の分析結果と対比し
た場合、Hv>60の領域では、炭素原子の溶解回数に
対する除去率が少ないことから、硬度の大きな減少が起
こらないが、炭素原子の結合性に及ぼす影響度が少なく
なったHv<60領域で酸素および窒素原子などが極端
に除去されることによりRRR値の急激な上昇が起こっ
たものと考えることができる。
【0100】従来技術においては、粒界破壊による破面
がファセット状(面状)となり、このような破面の発生
が加工性を著しく悪化させている(粒界破壊を起こし易
くしていてる)が、本実施例におけるRRR値とビッカ
ース硬度の比較から分かるように、Nb材中における酸
素、窒素および炭素などの不純物を著しく減少させるこ
とによって加工を容易にし、またこれらの不純物の結晶
粒内および粒界における偏析場所およびそれらとNb材
との結合形態により上記のような破断形態を防止して加
工性を大巾に向上することができることが容易に理解で
きる。
【0101】以上から、加工性の良好な結晶粒界を有す
るインゴットまたは結晶粒内の正八面体位置に侵入型不
純物を含まない事に起因する材料そのものの物性を示す
インゴットを製造するためにも、本発明における新規E
B溶解方法は非常に優れたものであるということができ
る。
【0102】(実施例2) (出発原料)出発原料として、純度約2N〜3NのNb金
属紛(#325)と電解鉄粉(約一wt%)との均一混
合粉末をコンパクトに充填し、以降実施例1と同様にC
IP処理後、得られたコンパクを軟鋼カプセルに充填
し、条件として1350℃、140MPa、180se
cでHIP処理を施した。
【0103】HIP処理後、軟鋼カプセルを旋盤加工に
より削り出し、EB溶解用の一次電極として作製した。
一次電極寸法はφ100×300Lmmであった。
【0104】(溶解条件)上記一次電極をEB−VDM法
にて4次溶解を実施した。4回目の溶解終了後、インゴ
ットのトップ部および低部から約5mm厚さの円盤を切
り出し、各種分析評価用のための試料とした。溶解条件
を表5に示す。
【0105】
【表5】
【0106】(化学分析結果)実施例2により得られた
インゴットの化学分析値を表6に示す。この表6から明
らかなように、実施例1で示した不純物ガス成分の除去
効果(表3)に比べ、特に酸素の除去が向上しているの
が分かる。
【0107】実施例1と2では必ずしも同一の溶解条件
ではないが、実施例1では出発原料としてNbコンパク
トの周囲10mmの領域にのみ鉄1wt%を均一混合し
(図1参照)これをHIP処理したものを電極としてい
るのに対して、実施例2では出発原料としてNb全体に
鉄1wt%を均一混合しこれをHIP処理したものを電
極としている点が大きく異なる。結局、このような鉄の
分散・混合状態(均一混合がより不定比化合物の形成率
が高い)が不純物除去作用に影響を与えたと考えること
ができる。いずれにしても本発明実施例では従来技術に
比べ、不純物除去効果が大巾に向上していることが分か
る。
【0108】また、この表6から明らかなように、イン
ゴットの上部および下部でMo、Ta、Wが重力偏析を
示すのみで、他の不純物の偏析がこのような大型のイン
ゴットでも非常に少ないことが分かる。
【0109】
【表6】
【0110】実施例2で得られたφ100Nbインゴッ
トの超伝導特性および機械特性の評価のために、実施例
1と同様の電気抵抗測定およびRRR値解析さらにビッ
カース(Hv)硬度試験を行った。その結果を図8、図9
および表7に示す。
【0111】ビッカース(Hv)硬度はインゴットの抵抗
測定面、該面に垂直および反対面に対し、それぞれ上部
2点、下部2点を測定しかつそれらの平均を示してい
る。全体の平均値はHv50.2であった。従来技術で
はHv100〜130、高純度と言われているものでも
Hv85程度であるから、本実施例の硬度の低下(加工
性の向上)は極めて著しいことが分かる。また、このよ
うな大型インゴットでも上下部の硬度に殆ど差がないこ
とも特徴の一つである。
【0112】
【表7】
【0113】(電気抵抗測定結果)図8に、本実施例の
溶解で得られた試料の代表的な電気抵抗測定結果を示
す。縦軸に抵抗の規格値を自然対数で表し、横軸に温度
を示す。▽印および△印は各々、降温時の測定抵抗およ
び昇温時の測定抵抗の結果を示す。電気抵抗率は約10
0K(=θD/3、θD;デバイ温度)までは温度に対
し一次関数で表され、約100K以下では温度の5乗則
で近似できる結果となっている。
【0114】図8から明らかなように、60K以下の温
度領域における温度に対する電気抵抗が急激に減少して
いる。また、この図8と前記図3とを対比すると、実施
例2の4回溶解での電気抵抗値と実施例1の10回溶解
での電気抵抗値がほぼ同等の値となっている。これは上
記化学分析結果と同様に、溶解前のコンパクトの鉄の分
散・混合状態とその焼結(HIP)条件(均一混合がよ
り不定比化合物の形成率が高い)が不純物除去作用に影
響を与えたと考えることができる。
【0115】図9に、温度に対し温度の関数で表したR
RR値の代表的な解析結果を示す。横軸は測定温度T
(K)、縦軸はRRR値の自然対数を温度の関数RRR
(T)で示した。図中▽、△および○印は各々、降温
時、昇温時の抵抗の実測値およびそれらの平均値であ
る。
【0116】図9から明らかなように、本実施例による
60K以下の温度領域における温度の関数で示したRR
R(T)の傾きが非常に大きい。このことは上述したよ
うに、鉄の添加により出発原料中に含まれていた酸素、
窒素、炭素などのガス不純物元素が不定比(低次)化合
物を形成し、EB溶解時に揮発精製に驚異的な効果をも
たらしたと考えることができる。このように、本実施例
の試料は高純度化されていると同時に、結晶の長範囲規
則度性が非常に高い結果が得られている。
【0117】以上、インゴットの低部および上部から準
備した試料のRRR値は全て約10,000を越えてお
り、硬度は45<Hv<60を示し、実施例1で示した
10回溶解インゴットと同様の結果を示しており、鉄添
加による不定比性化合物の物理的揮発精製効果の大きか
ったことを示している。
【0118】実施例1および2から分かるように、(低
次)不定比化合物を合成するに足る鉄を添加してHIP
処理し、これを電極としてEB溶解した場合には、単純
な揮発精製効果以外の精製機構の存在が認められる。
【0119】溶解回数に関しては、出発原料中の不純物
成分(特に重要なのはガス成分元素)が分かっていれば
鉄などの添加元素との不定比化合物(および低次化合
物)を形成することができ、1回の溶解においてさえも
驚異的な高純度化が可能である。
【0120】図10に、本発明の実施例により得られた
インゴットトップ部の鋳塊凝固組織(半鋳塊)を示す。
従来高融点金属をEB溶解すると、得られる鋳造組織は
鋳肌付近から非常に大きな等軸晶で構成され内部は鋳造
方向にコラム状の結晶が得られることが知られている
が、このような従来の鋳造組織を持つインゴットを鍛造
や圧延または旋盤加工すると、結晶粒界部から破壊され
る問題があった。
【0121】然るに本発明によれば、高純度化により凝
固時の核生成のもととなる不純物がないため、全面的に
均一な粒生成が起こり、均一で規則的な凝固組織が得ら
れる。図10から明らかなように、内部にはコラム状の
大型等軸晶がその外周部には均一微小等軸晶が形成され
る。
【0122】この外周部の均一微小等軸晶は将棋の駒様
の等軸晶で、鋳肌から内部に向かい約15mmの範囲に
形成されている。これは鍛造や圧延または旋盤などの加
工に際してクサビ的な役割を演じ、外部から与えられた
圧力を分散できる構造となっている。これによって加工
の際の負荷が不均一となることがなく、また加工性が大
幅に向上できる一つの理由となっている。
【0123】(実施例3) (出発原料)次に、表8に示す純度2N(99%)のM
o,W,Ta,Re粉に1wt%の鉄を、Reについて
はさらに0.1wt%Ni、0.7wt%Co、1.5
wt%Cr、2.5wt%Mn、1.2wt%Yをそれ
ぞれ添加し均一に混合して、実施例2と同様の条件でE
B溶解用の電極を作成した。
【0124】(溶解条件)同様に、Mo,W,Ta,Re
の溶解条件を表8に示す。溶解回数はTa−1について
は4回、他は2回とした。また添加元素として鉄を用い
た。
【0125】
【表8】
【0126】(化学分析と加工性評価試験結果)Mo,
W,Ta,Reの化学分析と加工性および耐食性の評価
試験結果を比較例と対比して表9、表10、表11、表
12に示す。なお、比較例は本発明の添加物がなく、且
つHIP処理を施していないものである。
【0127】
【表9】
【0128】
【表10】
【0129】
【表11】
【0130】
【表12】
【0131】上記の試料の化学分析は、インゴットの上
部、中部、下部からサンプルを採取し各々の円盤状試料
の中心部と周辺部の分析値の算術平均値を採用した。不
純物金属は1ppm以下(上記精製用高融点金属は除
く)であり、酸素、窒素および炭素などのガス成分不純
物は10ppm未満(Re−2、Re−3のみ20pp
m以下)、放射線元素であるウランおよびトリウムはい
ずれも1ppb以下であった。
【0132】この表から明らかなように、本発明の実施
例3で得られたインゴットは上記実施例1および2と同
様に、飛躍的な高純度化が図られた。これはEB溶解法
の際に添加元素を用い、不純物ガス成分との低次化合物
または不定比化合物(添加元素あるいは不純物金属と不
純物ガス成分間または金属同士の定比化合物を高圧・高
温の条件下で相変態させたもの)の形態にて被溶解物中
に含有されていた各種不純物を一挙に揮発精製するもの
であり、このガス成分中心とする不純物の揮発除去作用
は驚異的である。なお、実施例では添加元素に主として
鉄を用いたが、Re−1〜Re−6の例にも示すよう
に、鉄以外のバナジウム、クロム、マンガン、コバル
ト、ニッケルからなる遷移金属元素または希土類元素で
も同様な効果が認められる。
【0133】Mo、WおよびReについては元来ガス成
分などの不純物はEB溶解によって比較的除去されやす
い傾向にあるが、表9、表10および表12に示すよう
に本実施例によれば一層除去効果がある。また、放射性
元素のUやアルカリ金属のNa、Kなどの除去も著しく
優れていることが分かる。
【0134】これらの試料の加工性を評価するために旋
盤加工および押出し加工を実施した。旋盤はボロンナイ
トライド(BN)製切削工具を用いて実施した(切込み
量;0.1〜0.15mm、すくい角;30〜40度、周
速度;5〜15m/min、送り量;0.1〜0.3m
m)。また、押出しはφ35×200Lのビレットに成
型後、2000トン押出しプレス機を用いて10×50
×Lの板状に加工した。
【0135】従来技術によるEB溶解製材では結晶粒界
部で割れが生じ結晶粒が剥がれ落ちる欠点があるのに対
し、本実施例では粒界割れが全く観察されず、著しい加
工性を示した。これは、実施例1および2におけるNb
と同様な結果であった。
【0136】Taについては熱間鍛造およびその後に冷
間圧延を実施したが、35mm厚さから途中熱処理を施
すことなく2mm厚さまで、粒界割れを発生させずに圧
延できた。そして圧延面は高輝度の金属光沢面を有して
いた。
【0137】Taについては表11から明らかなよう
に、本発明による不純物の揮発除去効果は極めて著し
い。このTaは通常粒界割れを起こすことは少なく比較
的加工性のよい材料であるが、このTaで特に問題とな
るのは不純物に起因する耐食性の劣化の問題である。
【0138】表11に示すTaの耐食性試験から明らか
なように、本実施例によるものはエッチング面が透明感
のある白銀色の金属光沢をもち(比較例は白灰色)、1
年経過後も表面変化がなく優れた耐食性を示す。またエ
ッチング特性をみると比較例に比べマクロ組織が出現す
るエッチング時間が長いが、これは本実施例により得ら
れた材料の結晶の規則性が高いので、対エッチング性が
強いことを示している。逆に従来材では不純物の存在下
で加工変質層が厚く、短時間にエッチングされたものと
考えられる。
【0139】また、上記処理を施したTa面の経時変化
(43200 Sec)を観察すると、従来材は金属光沢が次第
に減少するが、本実施例により得られた材料はこのよう
な経時変化は殆ど観察されなかった。
【0140】
【発明の効果】本発明は、精製用ニオブ、レニウム、タ
ンタル、モリブデン、タングステン金属またはこれらを
主成分とする合金からなる精製用高融点金属(合金、金
属間化合物含む)をEB溶解法などにより製造する際
に、不純物ガス成分との低次化合物または不定比化合物
(添加元素あるいは不純物金属と不純物ガス成分間また
は金属同士の定比化合物を高圧・高温の条件下で相変態
させたもの)の形態にて被溶解物中に含有されていた各
種不純物を一挙に揮発精製できる画期的な方法であり、
その結果不純物の除去効果を著しく向上できる製造方法
である。
【0141】また、本発明の方法は揮発精製効果の著し
い向上により、少ない溶解回数にて高純度化を達成でき
る利点がある。
【0142】また、本発明の方法は材料の高純度化(>
5N)が短期間の溶解にて得ることができることから、
製造コスト面での経済効果は大であり、高品質、低価格
で高融点金属の製造を可能ならしめる利点がある。
【0143】さらに、本発明は不純物除去限界(不純物
の最低残留量)を大幅に向上でき、結晶粒界を改善し、
加工性が良好でありかつ材料歩留りを大幅に向上させる
ことができる。
【0144】さらにまた、例えば高純度化によるニオブ
の物理特性(超伝導特性、電気特性、熱伝導性、結晶の
規則度性など)の向上、高純度化によるモリブデンおよ
びタングステンの加工性(鍛造、圧延など)および耐熱
・耐食性の向上、高純度化によるニオブ、タンタル、レ
ニウムの加工性(鍛造、圧延など)および耐食性の向上
ならびに鋳造組織制御による上記加工性(鍛造、圧延な
ど)の向上など、高融点金属の高純度化による素材の物
理的特性・機械的性質の向上、凝固組織制御による塑性
加工性の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 原料をプレス成形したコンパクトの概略説明
図である。
【図2】 ビッカース硬度測定法を示す説明図である。
【図3】 40φ高純度Nbインゴットの温度(K)と
電気抵抗の相関を示す説明図である。
【図4】 40φ高純度Nbインゴットの温度(K)と
相対残留抵抗比(RRR値)の相関を示す説明図であ
る。
【図5】 40φ高純度Nbインゴットの溶解回数と相
対残留抵抗比(RRR値)の相関を示す説明図である。
【図6】 40φ高純度Nbインゴットの溶解回数とビ
ッカース硬度の相関を示す説明図である。
【図7】 40φ高純度Nbインゴットのビッカース硬
度と相対残留抵抗比(RRR値)の相関を示す説明図で
ある。
【図8】 100φ高純度Nbインゴットの温度(K)
と電気抵抗の相関を示す説明図である。
【図9】 100φ高純度Nbインゴットの温度(K)
と相対残留抵抗比(RRR値)の相関を示す説明図であ
る。
【図10】100φ高純度Nbインゴットトップ部の凝
固組織(半鋳塊)の概観説明図である。

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ニオブ、レニウム、タンタル、モリブデ
    ン、タングステン金属またはこれらを主成分とする合金
    からなる精製用高融点金属とバナジウム、クロム、マン
    ガン、鉄、コバルト、ニッケルからなる遷移金属元素ま
    たは希土類元素から選択した一種または二種以上の添加
    元素の粉末または小塊状の原料を予めプレス成形し、こ
    の成形材をさらに1000℃以上および100MPa以
    上の高温高圧で燒結した後、電子ビーム溶解することを
    特徴とするニオブ、レニウム、タンタル、モリブデン、
    タングステンまたはこれらを主成分とする合金からなる
    高純度高融点金属または合金の製造方法。
  2. 【請求項2】 添加元素の量が最大3wt%であること
    を特徴とする請求項1に記載の高純度高融点金属または
    合金の製造方法。
  3. 【請求項3】 添加元素の量が最大1wt%であること
    を特徴とする請求項1に記載の高純度高融点金属または
    合金の製造方法。
  4. 【請求項4】 精製用粉末または小塊状の前記被溶解材
    料をCIP処理し、これをさらに1000℃および10
    0MPa以上の高温高圧でHIP処理した後、電子ビー
    ム溶解することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか
    に記載の高純度高融点金属または合金の製造方法。
  5. 【請求項5】 ニオブ、レニウム、タンタル、モリブデ
    ン、タングステン金属またはこれらを主成分とする合金
    からなる精製用高融点金属と、バナジウム、クロム、マ
    ンガン、鉄、コバルト、ニッケルからなる遷移金属元素
    または希土類元素から選択した一種または二種以上の添
    加元素の粉末または小塊状の原料を予めプレス成形し、
    次にこの成形材を1000℃以上および100MPa以
    上の高温高圧で燒結して、上記添加元素と精製用高融点
    金属原料に含まれる酸素O、窒素N、炭素C、水素Hな
    どの不純物ガス成分との間の少なくとも一部に、低次化
    合物または不定比組成化合物を形成した後、電子ビーム
    溶解することを特徴とするニオブ、レニウム、タンタ
    ル、モリブデン、タングステンまたはこれらを主成分と
    する合金からなる高純度高融点金属または合金の製造方
    法。
  6. 【請求項6】 低次化合物または不定比組成化合物がM
    1-xGa(0≦x<1、Me;バナジウム、クロム、
    マンガン、鉄、コバルト、ニッケルからなる遷移金属元
    素または希土類元素から選択した一種または二種以上の
    遷移金属元素もしくは希土類元素、Ga;O、N、C、
    Hなどの各不純物ガス成分)であることを特徴とする請
    求項5に記載の高純度高融点金属または合金の製造方
    法。
  7. 【請求項7】 高温高圧の燒結により形成された低次化
    合物または不定比組成化合物が電子ビーム溶解の際の揮
    発精製により除去されることを特徴とする請求項5乃至
    請求項6のいずれかに記載の高純度高融点金属または合
    金の製造方法。
  8. 【請求項8】 添加元素の量が最大3wt%であること
    を特徴とする請求項5乃至請求項7のいずれかに記載の
    高純度高融点金属または合金の製造方法。
  9. 【請求項9】 添加元素の量が最大1wt%であること
    を特徴とする請求項5乃至請求項7のいずれかに記載の
    高純度高融点金属または合金の製造方法。
  10. 【請求項10】 精製用粉末または小塊状の前記被溶解
    材料をCIP処理し、これをさらに1000℃および1
    00MPa以上の高温高圧でHIP処理した後、電子ビ
    ーム溶解することを特徴とする請求項5乃至9のいずれ
    かに記載の高純度高融点金属または合金の製造方法。
  11. 【請求項11】 高融点金属がニオブまたはこれを主成
    分とする合金であり、かつビッカーッス硬度Hv≦6
    0、RRR値1000以上であることを特徴とする請求
    項1乃至請求項10のいずれかに記載の高純度高融点金
    属または合金の製造方法。
  12. 【請求項12】 高融点金属がレニウム、タンタルまた
    はこれらを主成分とする合金であることを特徴とする請
    求項1乃至請求項10のいずれかに記載の高純度高融点
    金属または合金の製造方法。
  13. 【請求項13】 高融点金属がモリブデン、タングステ
    ンまたはこれらを主成分とする合金であることを特徴と
    する請求項1乃至請求項10のいずれかに記載の高純度
    高融点金属または合金の製造方法。
  14. 【請求項14】 添加元素が遷移金属元素から選択した
    一種または二種以上の元素であることを特徴とする請求
    項1乃至請求項13のいずれかに記載の高純度高融点金
    属または合金の製造方法。
  15. 【請求項15】 添加元素が鉄であることを特徴とする
    請求項1乃至請求項13のいずれかに記載の高純度高融
    点金属または合金の製造方法。
  16. 【請求項16】 残留不純物ガス成分量が、酸素O≦5
    0ppm、窒素N≦50ppm、炭素C≦50ppmで
    あることを特徴とする請求項1乃至請求項15のいずれ
    かに記載の高純度高融点金属または合金の製造方法。
  17. 【請求項17】 残留不純物ガス成分元素量がO+N+
    C≦100ppmであることを特徴とする請求項1乃至
    請求項16のいずれかに記載の高純度高融点金属または
    合金の製造方法。
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