JP2001345435A - シリコンウェーハ及び貼り合わせウェーハの製造方法、並びにその貼り合わせウェーハ - Google Patents
シリコンウェーハ及び貼り合わせウェーハの製造方法、並びにその貼り合わせウェーハInfo
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Abstract
レ)の少ない鏡面研磨ウェーハを作製する方法、及び外
周除去領域がないか低減したSOI層またはボンド層を
有する貼り合わせウェーハの製造方法並びにその貼り合
わせウェーハを提供する。 【解決手段】 シリコンウェーハの表面側の面取り幅を
X1とし、裏面側の面取り幅をX2とするとき、X1<
X2である面取り部を有するシリコンウェーハを用意
し、該シリコンウェーハの表面を鏡面研磨した後、表面
側の面取り幅がX3(X3>X1)になるように再度面
取り加工する。
Description
及び貼り合わせSOI(silicon on insulator)ウェ
ーハやダイレクトボンドウェーハの貼り合わせウェーハ
の製造方法に関し、特にウェーハの外周部に生ずる研磨
ダレを低減したシリコンウェーハ、及び外周除去領域が
ないか低減した貼り合わせSOIウェーハ及びダイレク
トボンドウェーハ並びにそれらの製造方法に関する。
程としては、シリコン単結晶インゴットをワイヤーソー
や内周刃式のスライサーを用いてウェーハ状にスライス
加工するスライス工程と、スライスされたウェーハのワ
レ・カケを防止するためウェーハ周縁部を面取りする面
取り工程と、平坦度を高めるために遊離砥粒を用いてラ
ッピングするラッピング工程と、加工歪みを除去するた
め酸性溶液やアルカリ性溶液を用いてエッチングを行う
エッチング工程と、少なくとも一方の表面を研磨する鏡
面研磨工程とを有することが知られている。
ンウェーハを柔らかい研磨布によってメカノケミカル研
磨(機械化学研磨)により鏡面仕上げされるので、その
外周部には図5に示すような研磨ダレ(以下、周辺ダレ
と呼ぶことがある。)と呼ばれる領域が存在する。この
研磨ダレはデバイス作製に影響を及ぼすため、極力なく
すことが望まれる。しかし、研磨ダレをゼロにするため
には機械研磨のみにする必要があるが、機械加工により
クラックダメージを発生させない手法である延性モード
による加工方法を用いても、加工により転位は発生する
ので、これをメカノケミカル研磨で除去しなければなら
なければならず、結果として研磨ダレは避けられない。
ハを用いて貼り合わせSOIウェーハを作製することが
行われる。貼り合わせSOIウェーハは、2枚のシリコ
ンウェーハをシリコン酸化膜を介して貼り合せる技術で
あり、例えば特公平5−46086号公報に示されてい
る様に、少なくとも一方のウェーハに酸化膜を形成し、
接合面に異物を介在させることなく相互に密着させた
後、200〜1200℃の温度で熱処理して結合強度を
高める方法が、従来より知られている。
られた貼り合わせウェーハは、その後の研削研磨工程が
可能となるため、素子作製側ウェーハを研削及び研磨に
より所望の厚さに減厚加工することにより、素子形成を
行なうSOI層を形成することができる。しかし、貼り
合わせ前の両ウェーハ表面は、前述した通りメカノケミ
カル研磨によって鏡面仕上げされているので、その外周
部には研磨ダレが存在する。従って、両者が貼り合され
て作製された貼り合わせウェーハの外周部には、例えば
約1〜3mm程度の未結合部分が発生してしまう。この
未結合部分があるまま、一方のウェーハを研削・研磨す
ると、その工程中に未結合部分の剥離が発生し、素子形
成領域に傷やパーティクル付着等の悪影響を及ぼすの
で、この未結合部分は予め除去しておく必要がある。
公報では、2枚のシリコンウェーハを酸化膜を介して密
着させた後、酸化性雰囲気で熱処理を行なうことにより
結合強度が高められた貼り合わせウェーハの外周の未結
合部分を含む領域を、ボンドウェーハ(素子領域となる
第一のシリコンウェーハ)の表面側から厚さ方向に向か
ってベースウェーハ(支持体となる第二のシリコンウェ
ーハ)との結合界面の直前まで研削し、その後、結合界
面までエッチングして未結合部分を完全に除去し、しか
る後にそのボンドウェーハを研削・研磨して、所望の厚
さまで減厚加工することによって貼り合わせウェーハを
作製する方法が提案されている。
を変更することなく、未結合部分の除去が可能となる
が、未結合部分を完全に除去するための外周除去幅とし
ては、安全をみてボンドウェーハの外周端から少なくと
も3mmを除去するのが一般的である。また、貼り合わ
せウェーハを酸化性雰囲気中で熱処理することにより周
辺の未結合部分を熱酸化膜により埋めることにより未結
合部分を低減する技術(特開平11−26336号公
報)も知られているが、未結合部分を熱酸化膜で十分に
埋めるためには高温で長時間の酸化熱処理が必要である
上、十分な結合強度が得られないという欠点があった。
さらに別の手法として、2枚のウェーハを貼り合わせた
後、両ウェーハの外周部を同時に研削し、ウェーハの直
径を縮小することにより未結合部を除去する技術が特公
平4−4742号公報に記載されている。この手法によ
れば、SOI層に上記特開平6−176993号公報の
ような外周除去領域のないSOIウェーハが得られる
が、作製すべきSOIウェーハの規格直径よりも、大き
な直径のウェーハを原料ウェーハとして使用しなければ
ならないという欠点があった。また、シリコンウェーハ
同士を酸化膜を介さず直接密着させて熱処理を行い結合
強度を高めてダイレクトボンド(直接結合)ウェーハを
製造する方法も従来より知られており、減厚加工した層
(ボンド層)外周部の未結合部に関して貼り合わせSO
Iウェーハと同様の問題があった。
高速度化に伴い、SOI層の厚さは更なる薄膜化と膜厚
均一性の向上が要求されており、具体的には0.1±
0.01μm程度の膜厚及び膜厚均一性が必要とされて
いる。このような膜厚及び膜厚均一性をもつ薄膜SOI
ウェーハを貼り合わせウェーハで実現するためには従来
の研削・研磨での減厚加工では不可能であるため、新た
な薄膜化技術として、特開平5−211128号公報に
開示されているイオン注入剥離法と呼ばれる方法(スマ
ートカット(登録商標)とも呼ばれる。)が開発され
た。
ウェーハのうち少なくとも一方に酸化膜を形成するとと
もに、一方のシリコンウェーハ(以下、ボンドウェーハ
と言うこともある。)の上面から水素イオンまたは希ガ
スイオンを注入し、該シリコンウェーハ内部に微小気泡
層(封入層)を形成させた後、該イオン注入面を酸化膜
を介して他方のウェーハ(以下、ベースウェーハという
こともある。)と密着させ、その後熱処理(剥離熱処
理)を加えて微小気泡層を劈開面(剥離面)として一方
のウェーハを薄膜状に剥離し、さらに熱処理(結合熱処
理)を加えて強固に結合してSOIウェーハとする技術
である。尚、この方法は、酸化膜を介さずに直接シリコ
ンウェーハ同士を結合することもできるし、シリコンウ
ェーハ同士を結合する場合だけでなく、シリコンウェー
ハにイオン注入して、ベースウェーハとして石英、炭化
珪素、アルミナ等の熱膨張係数の異なる絶縁性ウェーハ
と結合する場合にも用いられる。尚、最近では水素イオ
ンを励起してプラズマ状態でイオン注入を行い、特別な
熱処理を加えることなく室温で剥離を行うSOIウェー
ハの製造方法も知られている。
あり、SOI層の均一性が極めて高いSOIウェーハが
比較的容易に得られる上、剥離した一方のウェーハを再
利用できるので、材料を有効に使用できるという利点も
有する。また、薄膜状に剥離する際には、周辺部の未結
合部分は貼り合わせ面で剥がれるので、前記のような周
辺部の未結合領域を除去する工程が不要になるという利
点も有しており、これは、SOI層の膜厚均一性、材料
のリサイクルという利点と並び、イオン注入剥離法の重
要な利点の1つである。実際にイオン注入剥離法により
作製されたSOIウェーハの周辺部を観察すると、ベー
スウェーハの外周端から内側へ向かって約1mmの領域
にSOI層の外周端が位置していることがわかる。これ
は、結合した両ウェーハの外周部の研磨ダレの影響によ
り、外周端から約1mmの領域が結合されずに剥離した
ものである。尚、この外周端からの未結合幅は、研磨ダ
レの大きさに依存するが、通常のシリコン鏡面研磨ウェ
ーハを用いた場合、通常は約1mm程度であり、最大で
も2mm程度であることがわかっている。
貼り合わせSOIウェーハは、その原料として通常の鏡
面研磨ウェーハを用いているため、そのウェーハの周辺
ダレに起因して、SOI層の有効面積が外周から1〜3
mm程度縮小されるか、あるいは、最大限外周部まで使
用可能にしようとすると、通常の鏡面研磨ウェーハの規
格よりも直径が若干大きなウェーハを準備して結合した
後に未結合部分を除去して規格の直径に仕上げるといっ
た工程等が必要とされるため、コストがかかり、量産品
としての現実的な製造方法とは言えなかった。また、シ
リコンウェーハ同士を酸化膜を介さず直接密着させたダ
イレクトボンドウェーハにおいても、減厚加工した層
(ボンド層)外周部の未結合部に関して貼り合わせSO
Iウェーハと同様の問題があった。
ものであって、比較的簡便な方法により周辺ダレの少な
い鏡面研磨ウェーハを作製する方法を提供し、さらに、
この方法を貼り合わせSOIウェーハ又はダイレクトボ
ンドウェーハの製造方法に応用することにより、外周除
去領域がないか低減したSOI層又はボンド層を有する
貼り合わせウェーハの製造方法並びにその貼り合わせウ
ェーハを提供することを目的とする。
ウェーハの研磨ダレを低減するため、鏡面研磨前の面取
り形状に着目した。通常の製造工程で作製された鏡面研
磨ウェーハの面取り部の面取り幅は、図4に示すよう
に、ウェーハ表面側の面取り幅X1と、ウェーハ裏面側
の面取り幅X2の寸法比はX1=X2(例えば、300
±200μm)であることが多く、少なくとも表面の鏡
面研磨を行う前に面取り加工される。用途によっては、
X1、X2を異なる値に設定する場合もあるが、その場
合においても面取り加工は表面の鏡面研磨前に行われる
ことが通常である。ただし、鏡面面取り加工と称して、
ウェーハ表面の鏡面研磨後に面取り部分を鏡面研磨する
ことがあるが、これはパーティクルの発生を防止するた
めの面取り部分の鏡面化が主な目的であって、その工程
で面取り形状を変化させるものではない。
ウェーハ表面を鏡面研磨した後に再度表面側の面取り加
工をすれば、研磨ダレ部分の一部または全部を面取り幅
に取り込むことができるので、結果的に研磨ダレの低減
が可能になることを発想した。ただし、表面の研磨工程
前に表面側に面取り加工が全く施されていないのでは、
他の工程中にカケ、ワレが発生する可能性が高くなる。
そこで、ウェーハ表面の研磨前に表面側の面取り部に予
め施す面取り幅は裏面の面取り幅より小さくすることに
より、欠け、割れが発生することを防止すると同時に、
研磨ダレを低減できることになる。又、上記の方法を貼
り合わせSOIウェーハ又はダイレクトボンドウェーハ
の製造方法に応用することにより、外周除去領域がない
か低減したSOI層又はボンド層を有する貼り合わせウ
ェーハを製作できる。また、SOIウェーハの製造方法
においては、外周部の研磨ダレが低減される結果、特に
SOI層が1μmより薄いような場合には、SOI層の
表面側の面取り幅を広げるような面取り加工を行わなく
ても、少なくともSOI層側の表面の面取り部を鏡面面
取り加工或いは、テープ研磨または軟研削加工を行った
後に鏡面面取り加工を行うことで、外周除去領域がない
か低減したSOI層を有する貼り合わせウェーハを製作
可能となる。
を参照しながら説明するが、本発明はこれらに限定され
るものではない。図1は本発明に係るシリコンウェーハ
の製造方法の<実施態様1>を示す製造工程のフロー図
である。
をワイヤーソーや内周刃式のスライサーを用いてウェー
ハ状にスライス加工したスライスウェーハ1である。こ
のスライスされたシリコンウェーハ1の割れ、欠けを防
止するため該ウェーハ1の表面側及び裏面側の周縁部を
面取りする。その面取りは工程(b)に示すように、表
面側1aの面取り幅をX1’、裏面側1bの面取り幅を
X2’とするとき、表面側1aの面取り幅X1’よりも
裏面側1bの面取り幅X2’が大となるように面取り加
工する。そして、その面取り加工は、ダイヤモンド砥石
ホイールを用いて表面側1aと裏面側1bを同時に加工
しても、或いは表面側1aと裏面側1bを別々に加工し
てもよいものである。
を行った後、工程(c)ではラッピングとエッチング加
工を行い、平坦度を高め且つ加工歪みを除去する。スラ
イシングにより生じたウェーハ表面の変形層(反り)を
除去し平坦度を高めるラッピング加工は、平行な2枚の
定盤の間にウェーハを入れ、酸化アルミニウムウムの砥
粒が入ったラッピング液を流し込み、定盤を加圧回転す
ることでウェーハ両面をラッピングする。このラッピン
グ加工は、スライシングにより生じた加工歪みの表面層
をある程度除去すると共に、厚さバラツキを抑える役割
を果たすが、ラッピングだけでは加工歪みを完璧に除去
できないため、ラッピング後に加工歪み層を除去するた
めの化学的なエッチング加工を行う。そのエッチング加
工は、酸性溶液(フッ酸、硝酸、酢酸の混合溶液)やア
ルカリ性溶液(NaOH水溶液)を用いて、表面から数
十μmの厚さをエッチングする。このラッピング及びエ
ッチングにより表面側1a及び裏面側1bの面取り幅
は、それぞれX1’→X1(X1’>X1)、X2’→
X2(X2’>X2)となる。尚、ラッピング工程後に
再度面取り加工を行なった後、エッチングを行なう場合
もある。
表面側1aの鏡面研磨を行う。この鏡面研磨は、加工液
による化学研磨と砥粒による機械研磨を組合せて行う。
この方法はメカノケミカルポリシングと呼ばれ、例え
ば、KOHのようなアルカリ液にコロイダルシリカを混
合させた研磨剤を用い、人工皮革などの研磨布を張り付
けた回転定盤上を適当な圧力を加えながら自転させて行
う。この鏡面研磨においては、硬いシリコンウェーハを
柔らかい研磨布で鏡面仕上げするので、ウェーハの外周
縁部に図5に示したような研磨ダレが生じる。尚、鏡面
研磨を硬い研磨布を用いて行ったり、研磨時の圧力を強
くすると、機械研磨の効果がより強くなるため、平面度
のよい表面が得られるが、研磨痕や歪みが残留し易くな
る。
磨した後、工程(e)で表面側1aの周縁部を、その面
取り幅がX3(X3>X1)になるように面取り加工す
る。この面取り加工は、前述のダイヤモンド砥石ホイー
ル等で行うことができる。又、加工後の面取り部分に残
る加工歪みを除去する必要がある場合には、鏡面面取り
加工等の工程を付加してもよい。これにより、研磨ダレ
部分の一部または全部を上記面取り幅X3の範囲内に取
り込むことができるため、研磨ダレを低減することがで
きる。この際、X3=X2とすれば、表裏の面取り幅が
同一なウェーハを作製することができる。尚、前記した
工程(c)のラッピング工程やエッチング工程の代替と
して、または、ラッピングやエッチングの後に表面側1
aを平面研削し、更に1〜5μm程度のアルカリエッチ
ングを施した後、工程(d)の鏡面研磨工程で研磨代2
μm以下の鏡面研磨を行うことにより、ウェーハ1外周
縁部の研磨ダレを極めて低減できると同時に、加工歪み
のない表面を得ることができる。
係る貼り合わせSOIウェーハの製造方法を示し、その
製造工程を図1及び図2に基づき説明する。先ず、貼り
合わせに使用する2枚のシリコンウェーハを用意する
が、その2枚のシリコンウェーハ1、2は<実施態様1
>と同一の方法で(a)〜(d)の工程を経て2枚の鏡
面研磨ウェーハを準備する。次に、工程(f)において
2枚のウェーハのうち、一方のウェーハ(ボンドウェー
ハ)1を熱酸化して表面に酸化膜3を形成する。この酸
化膜3はSOIウェーハの埋め込み酸化膜となるので、
その厚さは用途に応じて設定されるが、通常0.1〜
2.0μm程度が選択される。尚、この酸化膜3はボン
ドウェーハ1に限らず、ベースウェーハ1に施してもよ
いものである。これを、工程(g)のように他方のウェ
ーハ(ベースウェーハ)2とを酸化膜3を介して清浄な
雰囲気下の室温で鏡面研磨面同士を密着させる。そし
て、この密着させたウェーハ1、2を熱処理して、結合
強度を高める。熱処理の温度としては、1000℃以上
が好ましく、より好ましくは1100℃以上が最適であ
る。
厚加工工程で、ボンドウェーハ1をその表面側から肉厚
方向に向かって所望厚さまで研削及び研磨して、所定の
SOI層1’厚さに仕上げる。また、研削研磨後に更に
気相エッチング(例えば、第2565617号公報に記
載されたPACE法と呼ばれる方法など)して膜厚均一
性の高いSOIウェーハを作製することもできる。
面側(SOI層1’側)の外周縁部を面取りする面取り
加工工程で、SOI層1’の外周縁部及びベースウェー
ハ2の表面側の外周縁部の研磨ダレ部分(ボンドウェー
ハとの未結合部分)を除去する面取り幅X3(X3>X
1)となるように面取り加工する。面取り加工は、前述
のダイヤモンド砥石ホイール等で行い、必要に応じて加
工歪みを除去する為のエッチングや鏡面面取り加工を付
加することができる。この場合、未結合部分を確実に除
去する為にはX3≧X2とすることが好ましい。また、
SOI層表面の最終研磨を面取り加工後に行うこともで
きる。尚、SOI層は、厚くても数十μm程度であるた
め、面取り幅にはあまり影響しない。
注入剥離法でSOI層の減厚加工を行う貼り合わせSO
Iウェーハの製造工程を図3(j)〜(o)に基づき説
明する。先ず、貼り合わせに使用する2枚のシリコンウ
ェーハを用意するが、その2枚のシリコンウェーハ1、
2は<実施態様2>と同一の方法で、図1(a)〜
(d)及び図2(f)の工程を経て2枚のウェーハを準
備する。次に工程(j)で、酸化膜3を形成したボンド
ウェーハ1の一方の面(ベースウェーハ2と結合する
面)の上面から酸化膜を通して水素イオンまたは希ガス
イオンのうち少なくとも一方(ここでは水素イオン)を
注入し、シリコンウェーハ内部にイオンの平均進入深さ
において表面に平行な微小気泡層(封入層)4を形成さ
せる。イオンの注入線量は5×1016atoms/cm2以
上とすることが好ましい。尚、ボンドウェーハ1へのイ
オン注入は、酸化膜を形成したボンドウェーハに対して
行う形態に限られるものではなく、工程(d)を完了し
たウェーハにイオン注入してもよいものである。その場
合は、ベースウェーハ2におけるボンドウェーハ1との
密着面に予め酸化膜を形成するようにする。
ドウェーハ1をそのイオン注入面側(表面側1a)を、
他方のウェーハ2(ベースウェーハ)の表面側2aに重
ね合わせて密着させる工程であり、常温の清浄な雰囲気
下で2枚のウェーハの表面同士を接触させることによ
り、接着剤等を用いることなくウェーハ同士が接着す
る。
た封入層を境界として剥離することによって、剥離ウェ
ーハ(図示省略)とSOIウェーハ5(SOI層6+埋
め込み酸化膜3’+ベースウェーハ2)に分離する剥離
熱処理工程であり、不活性ガス雰囲気または酸化性ガス
雰囲気下で400〜600℃程度の温度で熱処理を加え
れば、結晶の再配列と気泡の凝集とによって剥離ウェー
ハとSOIウェーハ5に分離されると同時に、室温での
密着面もある程度は強固に結合がなされる。
用するためには、工程(l)の剥離熱処理による結合力
では十分でないので、工程(m)の結合熱処理として高
温の熱処理を施し、結合強度を十分に高める。この熱処
理は、例えば不活性ガス雰囲気または酸化性ガス雰囲気
下、1000℃以上の温度で処理するのが好ましく、よ
り好ましくは1100℃以上が好適である。また、ラン
プ加熱装置のような急速加熱・急速冷却装置を用いれ
ば、1000℃〜1350℃の温度で1〜300秒程度
の短時間で十分な結合強度が得られる。又、工程(m)
の結合熱処理として工程(l)の剥離熱処理を兼ねて行
う場合には工程(l)を省略することもできる。
における表面側(SOI層6側)の外周縁部を面取りす
る面取り加工工程で、実施態様2と同様にSOI層6の
外周縁部及びベースウェーハ2の表面側2aの外周縁部
の研磨ダレ部分(ボンドウェーハとの未結合部分)を除
去する面取り幅X3(X3>X1、好ましくはX3≧X
2)となるように面取り加工する。尚、SOI層は、厚
くても1μm程度であるため、面取り幅にはほとんど影
響しない。
面である劈開面(剥裏面)に存在するイオン注入による
ダメージ層や表面粗さを除去する鏡面研磨工程である。
この工程としては、タッチポリッシュと呼ばれる研磨代
の極めて少ない研磨(5〜数百nm程度の研磨代)を行
う。以上の工程により、外周除去領域のない貼り合わせ
SOIウェーハを作製することができた。
は、図2の工程(i)でSOIウェーハにおける表面側
の外周縁部を、面取り幅がX3(X3>X1)となるよ
うに面取り加工を行っているが、<実施態様4>におい
てはSOI層1’の外周縁部及びベースウェーハ2の表
面側の面取り部を鏡面面取り加工を行うことによって、
SOI層の未結合部分を除去すると共に、ベースウェー
ハの面取り部を平坦化する。図6は本実施態様において
使用可能な鏡面面取り装置の例である。鏡面面取り装置
11は、円筒状の研磨布12の表面13に、ウェーハW
を傾けた状態で押圧し、研磨剤供給ノズル16から研磨
剤15を供給しながら両者を回転させて面取り部の鏡面
研磨を行うものである。
ハのSOI層1’の外周縁部が円筒状の研磨布12の表
面13に接触するような角度で鏡面面取り加工を行うこ
とによってSOI層1’の外周の未結合部部分が除去さ
れると共に、必要に応じてベースウェーハ2の面取り部
が円筒状に研磨布12の表面13に接触するような角度
で鏡面面取り加工を行うことによってベースウェーハ2
の面取り部が鏡面化される。この場合には、ベースウェ
ーハ2のSOI層側の面取り部の幅X1はほとんど変化
しない。ウェーハの外周部の研磨ダレが小さい場合に
は、この方法でも外周除去領域の大幅な低減が可能とな
る。尚、鏡面面取り加工を行う前に、砥粒が担持された
テープをSOI層1’の外周縁部及びベースウェーハ2
の面取り部に接触するような角度でテープ研磨を行うこ
とも可能である。テープ研磨に用いる装置としては、特
開平8−169946号公報に開示されているような装
置を用いることが可能である。
装置で円筒状の研磨布12に代えて円筒状の砥石を用
い、ウェーハと砥石の押圧力を一定として、研磨液を供
給しながら研削を行う軟研削加工を行うことも可能であ
る。テープ研磨加工や軟研削加工では、面取り部の幅を
大きく変化させることはできないが、条件の選択により
僅かには広げることが可能になる。SOI層の厚さが数
ミクロンと厚いものでは、鏡面面取り加工前にテープ研
磨加工や軟研削加工を行うことが好ましい。本実施態様
においても、SOI層の最終研磨を鏡面面取り加工後に
行うこともできる。
図3の工程(n)でSOIウェーハにおける表面側の外
周縁部を、面取り幅がX3(X3>X1)となるように
面取り加工を行っているが、<実施態様5>においても
<実施態様4>と同様にSOI層6の外周縁部及びベー
スウェーハ2の表面側の面取り部を鏡面面取り加工を行
うことによって、SOI層の未結合部分を除去すると共
に、ベースウェーハの面取り部を平坦化する。本実施態
様において使用可能な鏡面面取り装置としては、前記し
た<実施態様4>で説明した図6の装置を使用すること
ができる。
ハのSOI層6の外周縁部が円筒状の研磨布12の表面
13に接触するような角度で鏡面面取り加工を行うこと
によってSOI層6の外周の未結合部部分が除去される
と共に、必要に応じてベースウェーハ2の面取り部が円
筒状に研磨布12の表面13に接触するような角度で鏡
面面取り加工を行うことによってベースウェーハ2の面
取り部が鏡面化される。この場合には、ベースウェーハ
2のSOI層側の面取り部の幅X1はほとんど変化しな
い。ウェーハの外周部の研磨ダレが小さい場合には、こ
の方法でも外周除去領域の大幅な低減が可能となる。
尚、本実施態様5においても前記した<実施態様4>と
同様、鏡面面取り加工を行う前に、砥粒が担持されたテ
ープをSOI層6の外周縁部及びベースウェーハ2の面
取り部に接触するような角度でテープ研磨を行うことも
可能である。その場合、テープ研磨に用いる装置として
は、特開平8−169946号公報に開示されているよ
うな装置を用いることが可能である。
トボンドウェーハの製造方法であり、酸化膜を介さずに
直接シリコンウェーハ同士を貼り合せる点を除いては<
実施態様2>とほぼ同様である。以下、その製造工程を
図7(g’)〜(i’)に基づき説明する。先ず、貼り
合わせに使用する2枚のシリコンウェーハを用意する
が、その2枚のシリコンウェーハ1、2は<実施態様1
>と同一の方法で(a)〜(d)の工程を経て2枚の鏡
面研磨ウェーハを準備する。次に、工程(g’)のよう
に準備した2枚のシリコンウェーハ(ボンドウェーハ1
とベースウェーハ2)を清浄な雰囲気下の室温で鏡面研
磨面同士を密着させる。そして、この密着させたウェー
ハを熱処理して、結合強度を高める。熱処理の温度とし
ては、1000℃以上が好ましく、より好ましくは11
00℃以上が最適である。
(ボンドウェーハ1)の減厚加工工程を行う。<実施態
様2>と同様にボンドウェーハ1をその表面側から肉厚
方向に向かって所望厚さまで研削及び研磨して所定のボ
ンド層厚さに仕上げる。また、研削研磨後に更に気相エ
ッチング(例えば前記のPACE方と呼ばれる方法な
ど)して膜厚均一性の高いダイレクトボンドウェーハを
作製することができる。
様にダイレクトボンドウェーハにおける表面側(ボンド
層側)の外周縁部を面取りする面取り加工工程を行う。
ボンド層7の外周縁部及びベースウェーハ2の表面側の
外周縁部の研磨ダレ部分(ボンドウェーハとの未結合部
分)を除去する面取り幅X3(X3>X1)となるよう
に面取り加工する。面取り加工は、前述のダイヤモンド
砥石ホイール等で行い、必要に応じて加工歪みを除去す
るためのエッチングや鏡面面取り加工を付加することが
できる。この場合、未結合部分を確実に除去するために
はX3≧X2とすることが好ましい。また、ボンド層7
表面の最終研磨を面取り加工後に行うこともできる。
トボンドウェーハの製造方法であり、酸化膜を介さずに
直接シリコンウェーハ同士を貼り合せる点を除いては<
実施態様3>とほぼ同様である。以下、その製造工程を
図8(j’)〜(o’)に基づき説明する。先ず、貼り
合わせに使用する2枚のシリコンウェーハを用意する
が、その2枚のシリコンウェーハ1、2は<実施態様1
>と同一の方法で(a)〜(d)の工程を経て2枚の鏡
面研磨ウェーハを準備する。
コンウェーハ(ボンドウェーハとベースウェーハ)のう
ち一方のウェーハ(ボンドウェーハ1)の一方の面(ベ
ースウェーハと結合する面)の上方から水素イオンまた
は希ガスイオンのうち少なくとも一方(ここでは水素イ
オン)を注入し、シリコンウェーハ内部にイオンの平均
進入深さにおいて表面に平行な微小気泡層(封入層)4
を形成させる。イオンの注入線量は5×1016atoms
/cm2以上とすることが好ましい。次に、工程(k’)
はイオン注入したボンドウェーハ1を、他方のウェーハ
(ベースウェーハ2)の表面側に重ね合せて密着させる
工程であり、常温の清浄な雰囲気下で2枚のウェーハの
表面同士を密着させることにより、接着剤等を用いるこ
となくウェーハ同士が接着する。
れた封入層を境界として剥離することによって、剥離ウ
ェーハ(図示省略)とダイレクトボンドウェーハ8(ボ
ンド層7+ベースウェーハ2)に分離する剥離熱処理工
程であり、不活性ガス雰囲気または酸化性ガス雰囲気下
で400〜600℃程度の温度で熱処理を加えれば、結
晶の再配列と気泡の凝集とによって剥離ウェーハとダイ
レクトボンドウェーハ8に分離されると同時に、室温で
の密着面もある程度は強固に結合がなされる。
製工程で使用するためには、工程(l’)の剥離熱処理
による結合力では十分でないので、工程(m’)の結合
熱処理として高温の熱処理を施し、結合強度を十分に高
める。この熱処理は、例えば不活性ガス雰囲気または酸
化性ガス雰囲気下、1000℃以上の温度で処理するの
が好ましく、より好ましくは1100℃以上が好適であ
る。また、ランプ加熱装置のような急速加熱・急速冷却
装置を用いれば、1000℃〜1350℃の温度で1〜
300秒程度の短時間で十分な結合強度が得られる。
又、工程(m’)の結合熱処理として工程(l’)の剥
離熱処理を兼ねて行う場合には工程(l’)を省略する
こともできる。
ドウェーハ8における表面側(ボンド層9側)の外周縁
部を面取りする面取り加工工程で、実施態様2と同様に
ボンド層9の外周縁部及びベースウェーハ2の表面側2
aの外周縁部の研磨ダレ部分(ボンドウェーハとの未結
合部分)を除去する面取り幅X3(X3>X1、好まし
くはX3≧X2)となるように面取り加工する。尚、ボ
ンド層は、厚くても1μm程度であるため、面取り幅に
はほとんど影響しない。
表面である劈開面(剥裏面)に存在するイオン注入によ
るダメージ層や表面粗さを除去する鏡面研磨工程であ
る。この工程としては、タッチポリッシュと呼ばれる研
磨代の極めて少ない研磨(5〜数百nm程度の研磨代)
を行う。以上の工程により、外周除去領域がないか低減
した貼り合わせウェーハを作製することができた。
は、図7の工程(i’)でダイレクトボンドウェーハに
おける表面側の外周縁部を、面取り幅がX3(X3>X
1)となるように面取り加工を行っているが、<実施態
様8>においてはボンド層7の外周縁部及びベースウェ
ーハ2の表面側の面取り部を鏡面面取り加工を行うこと
によって、ボンド層の未結合部分を除去すると共に、ベ
ースウェーハの面取り部を平坦化する。本実施態様にお
いて使用可能な鏡面面取り装置は、前記した実施態様4
で説明した図6の鏡面面取り装置を使用することができ
るため、詳細な説明は省略する。
ボンドウェーハのボンド層7の外周縁部が円筒状の研磨
布12の表面13に接触するような角度で鏡面面取り加
工を行うことによってボンド層7の外周の未結合部部分
が除去されると共に、必要に応じてベースウェーハ2の
面取り部が円筒状に研磨布12の表面13に接触するよ
うな角度で鏡面面取り加工を行うことによってベースウ
ェーハ2の面取り部が鏡面化される。この場合には、ベ
ースウェーハ2のボンド層側の面取り部の幅X1はほと
んど変化しない。ウェーハの外周部の研磨ダレが小さい
場合には、この方法でも外周除去領域の大幅な低減が可
能となる。尚、鏡面面取り加工を行う前に、砥粒が担持
されたテープをボンド層7の外周縁部及びベースウェー
ハ2の面取り部に接触するような角度でテープ研磨を行
うことも可能である。テープ研磨に用いる装置として
は、前記した特開平8−169946号公報に開示され
ているような装置を用いることが可能である。
装置で円筒状の研磨布12に代えて円筒状の砥石を用
い、ウェーハと砥石の押圧力を一定として、研磨液を供
給しながら研削を行う軟研削加工を行うことも可能であ
る。テープ研磨加工や軟研削加工では、面取り部の幅を
大きく変化させることはできないが、条件の選択により
僅かには広げることが可能になる。ボンド層の厚さが数
ミクロンと厚いものでは、鏡面面取り加工前にテープ研
磨加工や軟研削加工を行うことが好ましい。本実施態様
においても、SOI層の最終研磨を鏡面面取り加工後に
行うこともできる。
図8の工程(n’)でダイレクトボンドウェーハにおけ
る表面側の外周縁部を、面取り幅がX3(X3>X1)
となるように面取り加工を行っているが、<実施態様9
>においても<実施態様8>と同様にボンド層9の外周
縁部及びベースウェーハ2の表面側の面取り部を鏡面面
取り加工を行うことによって、ボンド層の未結合部分を
除去すると共に、ベースウェーハの面取り部を平坦化す
る。本実施態様において使用可能な鏡面面取り装置とし
ては、前記した<実施態様4>で説明した図6の装置を
使用することができる。
ボンドウェーハ8のボンド層9の外周縁部が円筒状の研
磨布12の表面13に接触するような角度で鏡面面取り
加工を行うことによってボンド層6の外周の未結合部部
分が除去されると共に、必要に応じてベースウェーハ2
の面取り部が円筒状に研磨布12の表面13に接触する
ような角度で鏡面面取り加工を行うことによってベース
ウェーハ2の面取り部が鏡面化される。この場合には、
ベースウェーハ2のボンド層9側の面取り部の幅X1は
ほとんど変化しない。ウェーハの外周部の研磨ダレが小
さい場合には、この方法でも外周除去領域の大幅な低減
が可能となる。尚、本実施態様9においても前記した<
実施態様8>と同様、鏡面面取り加工を行う前に、砥粒
が担持されたテープをボンド層9の外周縁部及びベース
ウェーハ2の面取り部に接触するような角度でテープ研
磨を行うことも可能である。その場合、テープ研磨に用
いる装置としては、同様に特開平8−169946号公
報に開示されているような装置を用いることが可能であ
る。
イヤーソーを用いてスライスし、直径150mmのシリ
コンウェーハを作製した。これらのウェーハの外周部を
粒度が1500番(JIS規格)のダイヤモンド砥石ホ
イールを用いて、表面側の面取り幅(X1’)が350
μm、裏面側の面取り幅(X2’)が500μmになる
ように(面取り角度は約20°)として面取り加工を行
った。面取り加工後のウェーハを酸化アルミニウムの1
200番の遊離砥粒を含んだスラリーで加圧回転加工す
るラッピング工程(ラップ代片面約50μm)を行った
後、混酸液(硝酸、フッ酸、酢酸の混合水溶液)を用い
て、片面約20μmのエッチングを行い、ラッピングの
加工歪みを除去した。さらに、表面側のみ約10μmの
平面研削(2000番)を行った後、NaOH水溶液に
よるアルカリエッチングにより全面を約2μmエッチン
グした。この時点での面取り幅は、X1が約130μ
m、X2が約300μmであった。そして、最後に表面
側を約2μmのメカノケミカル研磨を行うことにより、
研磨ダレの極めて少ない鏡面研磨ウェーハを作製した。
ーハ、ベースウェーハ)を取り出し、ボンドウェーハと
してその表面に熱酸化膜を400nm形成した後、その
酸化膜を通して水素イオンを注入した。注入エネルギー
は90keV、注入線量は8×1016atoms/cm3とし
た。次にイオン注入後のボンドウェーハと、ベースウェ
ーハとを室温で密着させ、その状態で窒素雰囲気下、5
00℃、30分の熱処理を行った。その結果、ボンドウ
ェーハがイオン注入層で剥離し、約0.4μm厚のSO
I層を有するSOIウェーハが作製された。このSOI
ウェーハの結合強度を向上させるため、1100℃、2
時間の熱処理を行った後、外周部を顕微鏡観察して、ベ
ースウェーハの外周端とSOI層の外周端との距離を測
定したところ、約300μmであった。即ち、ボンドウ
ェーハとベースウェーハとして、本発明方法による研磨
ダレの少ない鏡面研磨ウェーハを用いたことにより、貼
り合わせウェーハの未結合幅が通常に比べ減少したこと
がわかった。そこで、この貼り合わせSOIウェーハの
SOI層側の面取り部を、裏面側の面取り幅である約3
00μmに合わせて面取り加工した。面取り加工は15
00番のダイヤモンド砥石ホイールを用いて行い、その
加工歪みを除去する為、鏡面面取り加工を行った。そし
て、最後にSOI層表面に残るイオン注入ダメージ層や
表面粗さを除去するために、研磨代の少ない研磨(研磨
代約0.1μm)の研磨を行った結果、外周除去領域の
ない貼り合わせSOIウェーハが作製された。
ものではない。例えば、前記<実施態様3>や<実施態
様5>ではイオン注入剥離法により2枚のシリコンウェ
ーハを酸化膜を介して結合させてSOIウェーハを作製
する工程について説明したが、本発明は、他の貼り合わ
せウェーハの作製方法、シリコンウェーハ同士を貼り合
わせる場合のみならず、シリコンウェーハにイオンを注
入して、これとSiO 2、SiC,Al2O3等の絶縁
性ウェーハとを直接結合してSOIウェーハ作製する場
合にも適用することができる。また、上記実施形態では
水素イオン剥離法において熱処理を施して剥離する場合
について説明したが、本発明は、水素イオンを励起して
プラズマ状態でイオン注入を行い、特別な熱処理を行う
ことなく室温で剥離を行う水素イオン注入剥離法にも適
用することができる。また、鏡面研磨後やSOI層、ボ
ンド層形成後の面取り加工や、鏡面面取り加工を行う際
には、鏡面研磨やSOI層、ボンド層の表面をポリビニ
ルブチラ−ルのような樹脂の薄膜で被覆した後に、面取
り加工や鏡面面取り加工を行うことによって表面を保護
して端部の加工を行うことが可能である。ポリビニルブ
チラ−ルは洗浄時に薄膜化したものを除去することが可
能であるので好適に使用できるが、樹脂はこれに限定さ
れず、シリコン表面に容易に薄膜が形成でき、シリコン
ウェーハに通常用いられる洗浄工程で前記薄膜が除去可
能なものであれば使用可能である。
ーハ製造方法によれば、従来に比べ研磨ダレ(周辺ダ
レ)を低減できたシリコンウェーハを得ることができ
る。また、請求項2〜6に記載の方法によれば、貼り合
わせSOIウェーハの未結合幅を縮小することができ、
その結果、外周除去領域がないか低減した貼り合わせS
OIウェーハを得ることができる。そして、請求項7に
より、外周除去領域がないか低減したSOI層を有する
貼り合わせSOIウェーハを提供できる。又、請求項8
〜12に記載の方法によれば、ダイレクトボンドウェー
ハの未結合幅を縮小することができ、その結果、外周除
去領域がないか低減したダイレクトボンドウェーハを得
ることができる。そして、請求項13により、外周除去
領域がないか低減したボンド層を有するダイレクトボン
ドウェーハを提供できる。
図である。
図である。
図である。
説明図である。
る。
図である。
図である。
Claims (13)
- 【請求項1】 シリコンウェーハの表面側の面取り幅を
X1とし、裏面側の面取り幅をX2とするとき、X1<
X2である面取り部を有するシリコンウェーハを用意
し、該シリコンウェーハの表面を鏡面研磨した後、表面
側の面取り幅がX3(X3>X1)になるように面取り
加工することを特徴とするシリコンウェーハの製造方
法。 - 【請求項2】 シリコンウェーハの表面側の面取り幅を
X1とし、裏面側の面取り幅をX2とするとき、X1<
X2である面取り部を有するシリコンウェーハを2枚用
意し、両ウェーハの表面を鏡面研磨した後、酸化膜を介
して密着させた状態で熱処理を加え、一方のウェーハを
所望厚さまで減厚して貼り合わせSOIウェーハを作製
した後、該SOIウェーハのSOI層側の表面の面取り
幅がX3(X3>X1)になるように面取り加工するこ
とを特徴とする貼り合わせSOIウェーハの製造方法。 - 【請求項3】 シリコンウェーハの表面側の面取り幅を
X1とし、裏面側の面取り幅をX2とするとき、X1<
X2である面取り部を有するシリコンウェーハを2枚用
意し、両ウェーハの表面を鏡面研磨した後、一方のウェ
ーハ(ボンドウェーハ)の表面に水素イオンまたは希ガ
スイオンの少なくとも一方を注入して内部に微小気泡層
(注入層)を形成し、酸化膜を介して他方のウェーハ
(ベースウェーハ)と密着させた状態で熱処理を加えて
前記微小気泡層でボンドウェーハを薄膜状に剥離して貼
り合わせSOIウェーハを作製した後、該SOIウェー
ハのSOI層側の表面の面取り幅がX3(X3>X1)
になるように面取り加工することを特徴とする貼り合わ
せSOIウェーハの製造方法。 - 【請求項4】 シリコンウェーハの表面側の面取り幅を
X1とし、裏面側の面取り幅をX2とするとき、X1<
X2である面取り部を有するシリコンウェーハを2枚用
意し、両ウェーハの表面を鏡面研磨した後、酸化膜を介
して密着させた状態で熱処理を加え、一方のウェーハを
所望厚さまで減厚して貼り合わせSOIウェーハを作製
した後、該SOIウェーハの少なくともSOI層側の表
面の面取り部を鏡面面取り加工することを特徴とする貼
り合わせSOIウェーハの製造方法。 - 【請求項5】 シリコンウェーハの表面側の面取り幅を
X1とし、裏面側の面取り幅をX2とするとき、X1<
X2である面取り部を有するシリコンウェーハを2枚用
意し、両ウェーハの表面を鏡面研磨した後、一方のウェ
ーハ(ボンドウェーハ)の表面に水素イオンまたは希ガ
スイオンの少なくとも一方を注入して内部に微小気泡層
(注入層)を形成し、酸化膜を介して他方のウェーハ
(ベースウェーハ)と密着させた状態で熱処理を加えて
前記微小気泡層でボンドウェーハを薄膜状に剥離して貼
り合わせSOIウェーハを作製した後、該SOIウェー
ハの少なくともSOI層側の表面の面取り部を鏡面面取
り加工することを特徴とする貼り合わせSOIウェーハ
の製造方法。 - 【請求項6】 前記鏡面面取り加工を行う前に、前記S
OIウェーハのSOI層側の表面の面取り部をテープ研
磨または軟研削加工によって処理することを特徴とする
請求項4または5に記載の貼り合わせSOIウェーハの
製造方法。 - 【請求項7】 請求項2乃至請求項6の何れか1項によ
って作製された、外周除去領域のない貼り合わせSOI
ウェーハ。 - 【請求項8】 シリコンウェーハの表面側の面取り幅を
X1とし、裏面側の面取り幅をX2とするとき、X1<
X2である面取り部を有するシリコンウェーハを2枚用
意し、両ウェーハの表面を鏡面研磨した後、直接密着さ
せた状態で熱処理を加え、一方のウェーハを所望厚さま
で減厚して貼り合わせウェーハを作製した後、該貼り合
わせウェーハの少なくとも減厚した層側の表面の面取幅
がX3(X3>X1)になるように面取り加工すること
を特徴とする貼り合わせウェーハの製造方法。 - 【請求項9】 シリコンウェーハの表面側の面取り幅を
X1とし、裏面側の面取り幅をX2とするとき、X1<
X2である面取り部を有するシリコンウェーハを2枚用
意し、両ウェーハの表面を鏡面研磨した後、一方のウェ
ーハ(ボンドウェーハ)の表面に水素イオンまたは希ガ
スイオンの少なくとも一方を注入して内部に微小気泡層
(注入層)を形成し、直接他方のウェーハ(ベースウェ
ーハ)と密着させた状態で熱処理を加えて前記微小気泡
層でボンドウェーハを薄膜状に剥離して貼り合わせウェ
ーハを作製した後、該貼り合わせウェーハの少なくとも
ボンドウェーハ側の表面の面取幅がX3(X3>X1)
になるように面取り加工することを特徴とする貼り合わ
せウエーハの製造方法。 - 【請求項10】 シリコンウェーハの表面側の面取り幅
をX1とし、裏面側の面取り幅をX2とするとき、X1
<X2である面取り部を有するシリコンウェーハを2枚
用意し、両ウェーハの表面を鏡面研磨した後、直接密着
させた状態で熱処理を加え、一方のウェーハを所望厚さ
まで減厚して貼り合わせ貼り合わせウェーハを作製した
後、該貼り合わせウェーハの少なくとも減厚した層側の
表面の面取り部を鏡面面取り加工することを特徴とする
貼り合わせウェーハの製造方法。 - 【請求項11】 シリコンウェーハの表面側の面取り幅
をX1とし、裏面側の面取り幅をX2とするとき、X1
<X2である面取り部を有するシリコンウェーハを2枚
用意し、両ウェーハの表面を鏡面研磨した後、一方のウ
ェーハ(ボンドウェーハ)の表面に水素イオンまたは希
ガスイオンの少なくとも一方を注入して内部に微小気泡
層(注入層)を形成し、直接他方のウェーハ(ベースウ
ェーハ)と密着させた状態で熱処理を加えて前記微小気
泡層でボンドウェーハを薄膜状に剥離して貼り合わせウ
エーハを作製した後、該貼り合わせウェーハの少なくと
もボンドウェーハ側の表面の面取り部を鏡面面取り加工
することを特徴とする貼り合わせウェーハの製造方法。 - 【請求項12】 前記鏡面面取り加工を行う前に、前記
貼り合わせウェーハの減厚した層側あるいはボンドウェ
ーハ側の表面の面取り部をテープ研磨または軟研削加工
によって処理することを特徴とする請求項10または1
1に記載の貼り合わせウェーハの製造方法。 - 【請求項13】 請求項8乃至請求項12のいずれか1
項によって作製された、外周除去領域のない貼り合わせ
ウエーハ。
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