JP5065748B2 - 貼り合わせウエーハの製造方法 - Google Patents

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本発明は、貼り合わせウエーハの製造方法に関し、特には、機械的剥離により薄膜を形成する貼り合わせウエーハの製造方法に関する。
半導体デバイスの更なる高性能化を図るために、Silicon on insulator(SOI)ウエーハが近年注目を浴びている。また、支持ウエーハ(ハンドルウエーハ)がシリコンではない、Silicon on quartz(SOQ)ウエーハやSilicon on sapphire(SOS)ウエーハなども、それぞれTFT−LCDや高周波(RF)デバイスなどの分野で用いられている。
これらのような貼り合わせウエーハの作製方法にはいくつかあるが、代表的なものとしてSmartcut法(登録商標)が挙げられる。これは酸化膜を形成した単結晶シリコンウエーハ(ドナーウエーハ(本明細書中では第1のウエーハと呼ぶ))に水素イオンを注入し、支持ウエーハ(ハンドルウエーハ(本明細書中では第2のウエーハと呼ぶ))に貼り合わせた後に、500℃近傍まで加熱し、水素イオン注入界面に沿ってシリコンウエーハを剥離し、単結晶シリコン薄膜をハンドルウエーハに転写する。このとき水素注入界面にはマイクロキャビティと呼ばれる水素の微小な空洞ができることにより、界面での剥離を可能としている。その後に単結晶シリコン薄膜とハンドルウエーハとの結合強度を高めるために、1000℃以上の高温で熱処理をした後に、最終表面処理(CMP、熱処理等)を行うという方法である(例えば、特許文献1、2や非特許文献1参照)。
しかし、この方法にはいくつかの問題点がある。SOIの場合は剥離をマイクロキャビティ発生による機構に頼るため、剥離後の表面の粗さ(RMS)は非常に粗いことが報告されている。またRMSだけでなくPeak to Valley(P−V)も非常に高いことが報告されている。非特許文献2によれば、1×1μmの極めて狭い領域でさえ、Peak to Valley(P−V)で65nm程度の高低差が発生する。ウエーハ全域で考えれば、100nm以上の高低差が発生しているものと考えられる。このため、剥離後の表面処理として、100nm以上の研磨を行う必要があり、熱処理で表面を平坦化する場合も1150℃といった非常に高温の処理が必要となり、汚染の懸念やコストの上昇といった問題に直面する。
また、SOQやSOSに代表される異種ウエーハの貼り合わせにおいては、問題は更に深刻である。異種のウエーハは通常異なる熱膨張係数を有し、500℃といった高温プロセスにおいては熱膨張係数の相違に基づき貼り合わせたウエーハが割れてしまうという問題点がある。またハンドルウエーハが石英やサファイアではない、SiCなどをハンドルウエーハとして用いる場合も同様の問題がある。
一方、SiGen法は、貼り合わせ面側に水素イオン等を注入したシリコンウエーハとシリコンウエーハあるいは他の材料のウエーハとを貼り合わせる前に、これらのウエーハの貼り合わせ面の双方もしくは一方の表面をプラズマ処理し、表面が活性化された状態で両ウエーハを貼り合わせ、例えば350℃のような低温で熱処理を施して貼り合わせ強度(接合強度)を高めた後に、常温で機械的に剥離して貼り合わせSOIウエーハを得る方法である(例えば、特許文献3〜5参照)。
これら2つの方法の相違点は、主としてシリコン薄膜の剥離プロセスにあり、Smartcut法はシリコン薄膜の剥離のために高温での処理を必要とするが、SiGen法は常温での剥離が可能である。
特に、シリコンウエーハのような半導体ウエーハと他の材料ウエーハとを貼り合わせて貼り合わせウエーハを作製する場合には、異種材料間で熱膨張率や固有の耐熱温度の相違などが生じ、これによりウエーハの割れや局所的なクラックなどが生じ易くなることから、可能な限り低温で剥離処理までの工程を実行することが望ましい。このため、低温剥離が可能なSiGen法は異種材料ウエーハの貼り合わせによる貼り合わせウエーハの製造方法として好ましいものと考えられる。
ところで、SiGen法の場合、2枚のウエーハを貼り合わせ、半導体ウエーハ(例えばシリコンウエーハ)を薄膜化して半導体薄膜(例えばシリコン薄膜)を形成する際には、薄膜となるドナーウエーハに水素注入を行い、このドナーウエーハと支持基板となるハンドルウエーハの貼り合わせ面をプラズマ処理等で活性化し、貼り合わせた後に、必要に応じて低温(400℃以下)の熱処理を加え、貼り合わせ界面に機械的衝撃を加え剥離を行う必要がある。
また、特許文献6には、ドナーウエーハに剛直性を与えるためにバッキング部をドナーウエーハの裏面と一体化させた上でドナーウエーハを剥離することが記載されている。
しかし、このような方法で薄膜の剥離を機械的に行うと、剥離の際にウエーハが割れるなどして破損してしまうことがあるなどの問題があった。
特許第3048201号公報 特開平11−145438号公報 米国特許第6263941号明細書 米国特許第6513564号明細書 米国特許第6582999号明細書 米国特許出願公開第2006/0211219号公報 A. J. Auberton−Herve et al., "SMART CUT TECHNOLOGY: INDUSTRIAL STATUS of SOI WAFER PRODUCTION and NEW MATERIAL DEVELOPMENTS" (Electrochemical Society Proceedings Volume 99−3 (1999) p.93−106). SOIの科学 第二章、Realize社
本発明は、このような問題点を解決するためになされたもので、良好な薄膜を有する高品質の貼り合わせウエーハを、ウエーハが破損することを抑制して製造する方法を提供することを目的とする。
本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、第1のウエーハと第2のウエーハを貼り合わせ、前記第1のウエーハを薄膜化し、前記第2のウエーハの上に薄膜を有する貼り合わせウエーハを製造する方法であって、少なくとも、半導体ウエーハである前記第1のウエーハの表面から水素イオン又は希ガスイオンあるいはこれらの両方を注入してイオン注入層を形成する工程と、前記第1のウエーハのイオン注入した面と第2のウエーハの貼り合わせる面の少なくとも一方に表面活性化処理を施す工程と、前記第1のウエーハのイオン注入した面と前記第2のウエーハの貼り合わせる面とを密着させる工程と、前記第1のウエーハの裏面の一端部に引っ張り用部材を密着させて前記第1のウエーハの裏面を保持するとともに、前記第2のウエーハの裏面を保持具により保持するウエーハ保持工程と、前記第1のウエーハの前記イオン注入層の、前記引っ張り用部材を密着させた側の一端部から外部衝撃を付与するとともに、少なくとも、前記引っ張り用部材により前記第1のウエーハの裏面を引っ張ることにより、前記第1のウエーハと前記第2のウエーハとを、前記外部衝撃を付与した一端部から他端部に向かって前記イオン注入層にて順次離間させ、前記第1のウエーハを薄膜化する剥離工程とを含み、前記引っ張り用部材で前記第1のウエーハに密着させる領域の、前記一端部と他端部とを結ぶ方向と垂直をなす方向の幅を、前記第1のウエーハの直径の40%以上として、前記剥離工程を行うことを特徴とする貼り合わせウエーハの製造方法を提供する(請求項1)。
このような工程を含み、引っ張り用部材で第1のウエーハに密着させる領域の、外部衝撃を与えて剥離を開始する一端部と他端部とを結ぶ方向と垂直をなす方向の幅を、第1のウエーハの直径の40%以上として、剥離工程を行う貼り合わせウエーハの製造方法であれば、ウエーハを引っ張る方向と実際に剥離が進行する方向の角度を、ウエーハ周辺においても比較的小さいものとすることができ、ウエーハ周辺部に集中する応力を緩和することができるため、ウエーハの破損を効果的に防止することができる。その結果、良好な薄膜を有する高品質の貼り合わせウエーハを、ウエーハが破損することを防止して製造することができる。
この場合、前記引っ張り用部材を、1つ以上の吸盤または多孔質材料で構成されているものとすることができる(請求項2)。
このように、引っ張り用部材を1つ以上の吸盤または多孔質材料で構成されているものとすれば、簡便な機構によって確実に第1のウエーハを保持して引っ張ることができる。
また、前記第1のウエーハを、単結晶シリコンウエーハ、表面に酸化膜を形成した単結晶シリコンウエーハ、化合物半導体ウエーハのいずれかとすることができる(請求項3)。
本発明によれば、近年特に求められている良好なシリコン薄膜を有する高品質の貼り合わせウエーハ、例えばSOIウエーハをより確実に製造することができる。
また、本発明によれば、シリコン薄膜だけではなく、GaNなどの化合物半導体からなる良好な薄膜を有する貼り合わせウエーハをもより確実に製造することができる。
また、本発明の貼り合わせウエーハの製造方法では、前記第2のウエーハを、石英ウエーハ、サファイア(アルミナ)ウエーハ、SiCウエーハ、ホウ珪酸ガラスウエーハ、結晶化ガラスウエーハ、窒化アルミニウムウエーハ、単結晶シリコンウエーハ、表面に酸化膜を形成した単結晶シリコンウエーハ、SiGeウエーハのいずれかとすることができる(請求項4)。
本発明の貼り合わせウエーハで使用する第2のウエーハは、作製する半導体デバイスの目的に応じて、これらの中から適宜選択することができる。
また、前記第2のウエーハを保持する保持具を、前記第2のウエーハの裏面に密着させる支持板とすることが好ましい(請求項5)。
このように、第2のウエーハを保持する保持具を、前記第2のウエーハの裏面に密着させる支持板とすれば、剥離工程中に過度に第2のウエーハが曲がることよるウエーハの破損、貼り合わせ面の局所的な離間、剥離痕の発生、及び薄膜の未転写等をより確実に防ぐことができる。
この場合、前記支持板を、ヤング率が3GPa以上であり、厚みが1mm以上であるものとすることが好ましい(請求項6)。
このように、第2のウエーハに密着させる支持板を、ヤング率が3GPa以上であり、厚みが1mm以上であるものとすることにより、支持板及び該支持板を密着させた第2のウエーハを剛直とすることができ、剥離工程中に過度に第2のウエーハが曲がることよるウエーハの破損、貼り合わせ面の局所的な離間、剥離痕の発生、及び薄膜の未転写等をより確実に防ぐことができる。
特に、前記支持板の材料を、シリコンとすることができる(請求項7)。
このように、支持板の材料をシリコンとすれば、特に、第2のウエーハがシリコンである場合には好適な支持板となる。
また、本発明の貼り合わせウエーハの製造方法では、前記支持板の表面粗さを、RMS[nm]=1〜100の範囲とすることが好ましい(請求項8)。
このように、支持板の表面粗さを、RMS[nm]=1〜100の範囲とすることで、支持板の表面が、第2のウエーハの裏面に密着し易くなり、このため、よりしっかりとウエーハを支持板で支持することができる。支持板の表面粗さは、粗すぎるとその表面状態が剥離後のウエーハ表面に反映され、膜厚ムラとして現れる。また、支持板の表面粗さが平滑すぎると、ウエーハに密着しすぎて支持板からウエーハを外し難くなる。従って、上記範囲が好ましい。
また、前記支持板の前記第2のウエーハの裏面への密着は、真空吸着または静電チャックによるものとすることが好ましい(請求項9)。
このように、支持板の第2のウエーハの裏面への密着は、真空吸着または静電チャックによるものとすれば、簡単かつ確実に第2のウエーハに密着してこれを補剛することができる。
また、本発明の貼り合わせウエーハの製造方法では、前記第1のウエーハと第2のウエーハを密着させる工程の後、該密着したウエーハを、100〜400℃で熱処理する熱処理工程を行い、その後、前記ウエーハ保持工程を行うことが好ましい(請求項10)。
このように、第1のウエーハと第2のウエーハを密着させた後、密着したウエーハを、100〜400℃で熱処理することで、第1のウエーハと第2のウエーハの貼り合わせ強度をより高めることができる。特に、熱処理温度が、100〜300℃であれば、異種材料のウエーハの貼り合わせでも、熱膨張係数の差異による熱歪、ひび割れ、剥離等が発生する恐れをより低減できる。一方、第1のウエーハ及び第2のウエーハともにシリコンウエーハとする場合のように、同種材料を貼り合わせる場合は、400℃までの温度で熱処理することができ、貼り合わせ強度をより高めることができる。
また、本発明の貼り合わせウエーハの製造方法では、前記剥離工程の際に、断面形状が楔状の部材の先端部を前記イオン注入層の一端部に当接させることにより、前記イオン注入層に外部衝撃を付与することができる(請求項11)。
このように、例えば、断面形状が楔状の部材の先端部を前記一端部に当接させて、第1のウエーハのイオン注入層に外部衝撃を付与することで、劈開の起点を形成することができる。そして、この起点から劈開を進行させることで、良好な薄膜を形成することができる。
また、本発明の貼り合わせウエーハの製造方法では、前記表面活性化処理を、プラズマ処理、オゾン処理の少なくとも一方で行うこが好ましい(請求項12)。
このように、表面活性化処理を、プラズマ処理、オゾン処理の少なくとも一方で行えば、ウエーハの表面活性化処理を施した面は、OH基が増加するなどして活性化する。従って、この状態で、第1のウエーハのイオン注入した面と第2のウエーハの貼り合わせる面とを密着させれば、水素結合等により、ウエーハをより強固に貼り合わせることができる。
以上説明したように、本発明の貼り合わせウエーハの製造方法によれば、第1のウエーハを引っ張る方向と剥離が進行する方向の角度を、ウエーハ周辺においても比較的小さいものとすることができ、ウエーハ周辺部に集中する応力を緩和することができるため、ウエーハの破損を効果的に防止することができる。また、第1のウエーハを剥離するまでに、例えば400℃を超えるような高温の熱処理を必要としないため、良好な薄膜とすることができる。その結果、良好な薄膜を有する高品質の貼り合わせウエーハを、ウエーハが破損することを防止して製造することができる。
以下、本発明についてより詳細に説明する。
前述のように、高温熱処理を行わずに貼り合わせウエーハを製造する際に、機械的に薄膜の剥離を実行すると、剥離の際にウエーハが割れるなどして破損してしまうなどの問題があった。
本発明者らは、このような問題の発生する原因を鋭意調査した。その結果、特に略円形のウエーハ同士を貼り合わせる場合、第1のウエーハを引っ張る箇所の幅がウエーハに対して小さいと、ウエーハの破損が多発すること、すなわち、引っ張る箇所の幅が狭いと、剥離進行波(剥離中のウエーハ面内において剥離状態が同等である点を結んだ曲線)が剥離開始点付近を中心に円弧状となり、第1のウエーハを引っ張る方向と周辺の剥離進行波の進行方向との間に大きな角度が形成され、剥離が進行せず、周辺に応力が集中し、第1のウエーハの破損につながるものと考えられることを本発明者らは見出した。
そして、本発明者らは、引っ張り箇所の幅を大きくすることで、剥離進行波の曲率をなだらかにし、ウエーハ周辺部においても第1のウエーハを引っ張る方向と周辺部における剥離進行波の進行方向との間に大きな角度が形成されないようにすることによりウエーハの破損を防ぐことできることを想到した。
さらに本発明者らは、さらに実験及び検討を行い、引っ張り用部材の密着領域幅をウエーハ直径の40%程度以上とすることにより、歩留まりが大きく向上することを見出し、本発明を完成させた。
なお、以下、「ウエーハ」とは略円形の基板(ノッチやオリエンテーションフラット等を有するものを含む)のことを指すものとする。
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
図3は、本発明を適用することができる貼り合わせウエーハの製造方法である。
まず、図3(a)に示すように、半導体ウエーハである第1のウエーハ10と、第2のウエーハ20を準備する(工程a)。
このとき、第1のウエーハ10を、単結晶シリコンウエーハとすることができ、特には、表面に酸化膜を形成した単結晶シリコンウエーハとすることもできる。第1ウエーハとしてこれらの材料を選択すれば、シリコン薄膜を有する貼り合わせウエーハを製造することができる。表面に酸化膜を形成した単結晶シリコンウエーハを用いれば、SOIウエーハを作製するのに都合が良い。また、シリコン薄膜ではなく、GaNなどの化合物半導体薄膜を有する貼り合わせウエーハを製造するため、第1のウエーハ10を、GaNなどの化合物半導体ウエーハとすることもできる。
また、第2のウエーハ20を、石英ウエーハ、サファイア(アルミナ)ウエーハ、SiCウエーハ、ホウ珪酸ガラスウエーハ、結晶化ガラスウエーハ、窒化アルミニウムウエーハのいずれかの絶縁性ウエーハとすることもできるし、あるいは、単結晶シリコンウエーハ、表面に酸化膜を形成した単結晶シリコンウエーハ、SiGeウエーハのいずれかとすることもできる。第2のウエーハ20は、作製する半導体デバイスの目的に応じて、これらの中から適宜選択するようにすれば良い。もちろん、これ以外の材料を用いてもよい。
次に、図3(b)に示すように、第1のウエーハ10の表面(イオン注入面)12から水素イオンを注入してイオン注入層11を形成する(工程b)。
このイオン注入層11の形成には、水素イオンだけではなく、希ガスイオンあるいは水素イオンと希ガスイオンの両方をイオン注入するようにしても良い。注入エネルギー、注入線量、注入温度等その他のイオン注入条件も、所定の厚さの薄膜を得ることができるように適宜選択すれば良い。具体例としては、注入時のウエーハの温度を250〜400℃とし、イオン注入深さを0.5μmとし、注入エネルギーを20〜100keVとし、注入線量を1×1016〜1×1017/cmとすることが挙げられるが、これらに限定されない。
なお、表面に酸化膜を形成した単結晶シリコンウエーハを用いて、酸化膜を通してイオン注入を行えば、注入イオンのチャネリングを抑制する効果が得られ、イオンの注入深さのバラツキをより抑えることができる。これにより、より膜厚均一性の高い薄膜を形成することができる。
次に、図3(c)に示すように、第1のウエーハ10のイオン注入した面12と、第2のウエーハ20の貼り合わせる面22に表面活性化処理を施す(工程c)。なお、第2のウエーハ20の貼り合わせる面22とは、次の工程dの貼り合わせ工程で第1のウエーハと貼り合わせる面のことである。
もちろん、第1のウエーハ10のイオン注入した面12と第2のウエーハ20の貼り合わせる面22のいずれか一方の面にのみ表面活性化処理を施すようにしても良い。
この時、表面活性化処理を、プラズマ処理、オゾン処理の少なくとも一方で行うことが好ましい。このように、表面活性化処理を、プラズマ処理、オゾン処理の少なくとも一方で行えば、ウエーハの表面活性化処理を施した面は、OH基が増加するなどして活性化する。従って、この状態で、第1のウエーハのイオン注入した面12と第2のウエーハの貼り合わせる面22とを密着させれば、水素結合等により、ウエーハをより強固に貼り合わせることができる。
プラズマで処理をする場合は、真空チャンバ中にRCA洗浄等の洗浄をしたウエーハを載置し、プラズマ用ガスを導入した後、100W程度の高周波プラズマに5〜30秒程度さらし、表面をプラズマ処理する。プラズマ用ガスとしては、例えば、表面に酸化膜を形成した単結晶シリコンウエーハを処理する場合には、酸素ガスのプラズマ、表面に酸化膜を形成しない単結晶シリコンウエーハを処理する場合には、水素ガス、アルゴンガス、又はこれらの混合ガスあるいは水素ガスとヘリウムガスの混合ガスを用いることができる。また、不活性ガスの窒素ガスを用いても良い。
オゾンで処理をする場合は、大気を導入したチャンバ中にRCA洗浄等の洗浄をしたウエーハを載置し、窒素ガス、アルゴンガス等のプラズマ用ガスを導入した後、高周波プラズマを発生させ、大気中の酸素をオゾンに変換することで、表面をオゾン処理する。
次に、図3(d)に示すように、第1のウエーハのイオン注入した面12と第2のウエーハの貼り合わせる面22とを密着させる(工程d)。
このように、表面活性化処理をした表面を貼り合わせ面として、例えば減圧又は常圧下、室温でウエーハを密着させれば、高温処理を施さなくても、両ウエーハを後の機械的剥離に耐え得るほど十分に強固に貼り合わせることができる。
なお、この第1のウエーハと第2のウエーハを密着させる工程の後、該密着したウエーハを、100〜400℃で熱処理する熱処理工程を行ってもよい。
このように、第1のウエーハと第2のウエーハを密着させた後、該密着したウエーハを、100〜400℃で熱処理することで、第1のウエーハと第2のウエーハの貼り合わせの強度を高めることができる。特に、熱処理温度が、100〜300℃であれば、異種材料のウエーハの貼り合わせでも、熱膨張係数の差異による熱歪、ひび割れ、剥離等が発生する恐れが少ない。貼り合わせ強度を高めれば、剥離工程での不良の発生を減少させることができる。
次に、第1のウエーハ10の裏面の一端部に引っ張り用部材40を密着させて第1のウエーハ10の裏面を保持するとともに、第2のウエーハ20の裏面を保持具により保持する(ウエーハ保持工程:工程e)。なお、「裏面」とは、第1のウエーハ10については貼り合わせ面となったイオン注入面12とは反対側の面、第2のウエーハ20については貼り合わせ面22とは反対側の面を指す。
図3(e)には、このウエーハ保持工程の一例として第1のウエーハ10の裏面、第2のウエーハ20の裏面をともにそれぞれ引っ張り用部材40、50で保持する態様を示している。
引っ張り用部材としては、1つ以上の吸盤で構成されているものや、多孔質材料で構成されており、真空吸着により第1のウエーハに吸着されるもの等を用いることができるが、これに限定されるものではない。
また、このウエーハ保持工程は、図3(e’)に示すように、第2のウエーハ20と保持具の密着を、保持具として支持板52を用いて行うことができる。なお、この第2のウエーハ20と支持板52との密着を、真空吸着または静電チャックによって行えば、第2のウエーハ20を支持板52で、簡単な機構によって、かつ、より確実に支持することができるので好ましい。
その他、接着剤で接着することによっても、支持板52と第2のウエーハ20とを確実に密着させて剥離を行いやすい。但し、後で接着剤の除去が必要となる。一方、吸着及び静電チャックによれば、簡単に脱着することができる。
次に、第1のウエーハ10のイオン注入層11の、引っ張り用部材40を密着させた側の一端部から外部衝撃を付与するとともに、少なくとも、引っ張り用部材40により第1のウエーハ10の裏面を引っ張ることにより、第1のウエーハ10と第2のウエーハ20とを、外部衝撃を付与した一端部(剥離開始点)から他端部に向かってイオン注入層11にて順次離間させ、第1のウエーハ10を薄膜化する(剥離工程:工程f)。なお、図3(f)には、第1のウエーハ10の裏面を保持した引っ張り用部材40と、第2のウエーハ20の裏面を保持した保持具としての引っ張り用部材50とをともに引っ張る態様を示している。
このように、一端部から他端部に向かう劈開により、第1のウエーハ10と第2のウエーハ20の、イオン注入層11での離間を行うようにすることにより、劈開が一方向に向かって生じるため、劈開の制御が比較的容易であり、膜厚均一性の高い薄膜を得ることができる。
このとき、断面形状が楔状の部材の先端部を第1のウエーハ10の一端部に当接させて第1のウエーハ10のイオン注入層11に楔状部材により外部衝撃を付与することで、劈開の起点を形成することができる。劈開の起点を形成する手段としては、楔状部材に限定されず、例えば、空気、窒素ガス、純水等の高圧流体でイオン注入層11に外部衝撃を付与するようにしても良い。
また、前述のウエーハ保持工程を、図3(e’)に示したように第2のウエーハ20と保持具の密着を保持具として支持板52を用いて行った場合は、この剥離工程は、図3(f’)に示したように、第1のウエーハ10に密着させた引っ張り用部材40のみを引っ張るようにし、支持板52は固定されているようにしてもよい。
そして、本発明では、ウエーハ保持工程において、図1に模式的に示すように、引っ張り用部材40で第1のウエーハ10に密着させる領域のうち、剥離工程において外部衝撃を与える一端部(剥離開始点)と、該剥離開始点とウエーハの面内においてウエーハの中央を対象点として反対側の点(他端部)とを結ぶ方向と垂直をなす方向の幅(以下、密着領域幅dと呼ぶことがある)を、第1のウエーハ10の直径の40%以上とする。なお、図1(a)には、第1のウエーハ10の裏面に密着させる引っ張り用部材40として、多孔質材料からなる吸着パッドを使用した場合の態様を示し、図1(b)には、引っ張り用部材40として複数の吸盤を使用した場合の態様を示している。
なお、図1(b)のように引っ張り用部材40がウエーハに密着する領域が複数となる場合は、該密着する領域周辺において、引っ張り圧力がある程度一様になることが求められ、ウエーハに密着する領域がまばらとなりすぎないようにする。また、図1(b)のように、引っ張り用部材40がウエーハに密着する領域が複数となる場合は、密着領域幅dは、引っ張り用部材40がウエーハに密着する複数の領域のうち、最も外側で画定される。
また、通常、第1のウエーハと第2のウエーハの直径は同一のものが用いられるが、本発明はこれに限定されず、上記の密着領域幅dは第1のウエーハの直径のみに対して決定されればよい。
以下では、第1のウエーハと第2のウエーハの直径が同一のものを用いた場合について述べ、密着領域幅dは両者のウエーハ直径に対する比率について述べる。
このように、密着領域幅dをウエーハ直径の40%以上として、次に、剥離工程(図3(f)(f’))を行う。
剥離開始点は、引っ張り用部材40の密着領域幅の中央付近とする(図1(a)(b)参照)。
このように、密着領域幅dをウエーハ直径の40%以上のように、大きな値とすることで、剥離進行波の曲率をなだらかにし、ウエーハ周辺部においても第1のウエーハを引っ張る方向と周辺の剥離進行波の進行方向(剥離進行方向)との間に大きな角度(図2(a)中の角度θ)が形成されない。そのため、ウエーハ周辺部に集中する応力を緩和することができるため、ウエーハの破損を効果的に防止することができるのである。
一方、図2(b)に示すように、密着領域幅dがウエーハ直径の40%未満のように小さい値であると、剥離進行波が剥離開始点付近を中心に円状となり、第1のウエーハを引っ張る方向と周辺部の剥離進行波の進行方向との間に大きな角度θが形成され、剥離が進行せず、周辺に応力が集中し、ウエーハの破損につながってしまう。
そして、以上の工程(図3(a)〜(f))を経ることによって、図3(g)に示すような、第2のウエーハ20の上に良好な薄膜61を有する高品質の貼り合わせウエーハ60を、ウエーハを破損することを防止して、より確実に製造することができる。
なお、ウエーハ保持工程及び剥離工程を、図3(e’)、(f’)に示したように第2のウエーハの保持を支持板52を用いて行った場合は、支持板52を、ヤング率が3GPa以上であり、厚みが1mm以上であるものとすることが望ましい。第2のウエーハを密着させる支持板をこのようなものとすれば、十分な剛性を有し、該支持板が密着された第2のウエーハも十分な剛性を有するものとなる。なお、この第2のウエーハに密着させる支持板52の剛性は高いほどよい。その結果、剥離工程中に過度に第2のウエーハが曲がることによるウエーハの破損、貼り合わせ面の局所的な離間、剥離痕の発生、及び薄膜の未転写等をより確実に防ぐことができる。
また、具体的には、支持板52を、シリコン板とすることができ、特に、第2のウエーハが、シリコンである場合や、酸化膜を形成したシリコンであり支持板52を密着させる面がシリコンである場合などは好適である。その他、ステンレス板、アルミナなどのセラミック板、アルミニウム板、ガラス板、塩化ビニルなどのプラスチック板のいずれかとすることもできる。支持板52の材料は、密着させる第2ウエーハの種類に応じて、これらの中から適宜選択し得る。
また、支持板52の表面粗さを、RMS[nm]=1〜100の範囲とすることが好ましい。このように、支持板の表面粗さを、RMS[nm]=1〜100の範囲とし、第2のウエーハと密着させる面を平滑にすることで、支持板の表面が、第2のウエーハの裏面に密着し易くなり、このため、よりしっかりと第2のウエーハを支持することができる。支持板の表面粗さは、粗すぎるとその表面状態が剥離後の第2のウエーハ表面に反映され、膜厚ムラとして現れる。また、支持板の表面粗さが平滑すぎると、第2のウエーハに密着しすぎて支持板から第2のウエーハを外し難くなる。
以下、第1のウエーハに密着させる引っ張り用部材の密着領域幅を第1のウエーハ直径の40%以上とする理由等について、実験例を示して説明する。
(実験例1:ウエーハ直径150mm)
以下のように、図3に示したような貼り合わせウエーハの製造方法に従って、貼り合わせウエーハを製造した。
第1のウエーハ10として、鏡面研磨された直径150mmの単結晶シリコンウエーハを準備した。そして、第1のウエーハには、その表面に熱酸化によりシリコン酸化膜層を100nm形成した。また、第2のウエーハ20として、直径150mmの合成石英ウエーハを準備した(工程a)。
次に、第1のウエーハ10に、形成してあるシリコン酸化膜層を通して水素イオンを注入し、イオンの平均進行深さにおいて表面に平行な微小気泡層(イオン注入層)11を形成した(工程b)。イオン注入条件は、注入エネルギーが35keV、注入線量が9×1016/cm、注入深さは0.3μmである。
次に、プラズマ処理装置中にイオン注入した第1のウエーハ10を載置し、プラズマ用ガスとして窒素を導入した後、2Torr(270Pa)の減圧条件下で13.56MHzの高周波を直径300mmの平行平板電極間に高周波パワー50Wの条件で印加することで、高周波プラズマ処理をイオン注入した面に10秒行った。このようにして、第1のウエーハ10のイオン注入面に表面活性化処理を施した。
一方、第2のウエーハ20については、プラズマ処理装置中に載置し、狭い電極間にプラズマ用ガスとして窒素ガスを導入した後、電極間に高周波を印加することでプラズマを発生させ、高周波プラズマ処理を10秒行った。このようにして、第2のウエーハ20の、次の貼り合わせ工程において貼り合わせる面にも表面活性化処理を施した(工程c)。
以上のようにして表面活性化処理を行った第1のウエーハ10と第2のウエーハ20を、表面活性化処理を行った面を貼り合わせ面として室温で密着させた後、両ウエーハの裏面を厚さ方向に強く押圧した(工程d)。
次に、貼り合わせ強度を高めるため、第1のウエーハ10と第2のウエーハ20とが密着したウエーハを、300℃で30分間熱処理した。
次に、引っ張り用部材40として吸着パッドを第1のウエーハ10の裏面に密着させた(工程e)。このときの吸着パッドの密着領域幅dは第1のウエーハ直径の30%、すなわち、45mmとした。
また、第2のウエーハ20の裏面を支持板52で保持した。
次に、劈開の起点を形成するため、紙切りバサミの刃により、第1のウエーハのイオン注入層11にその一端部から外部衝撃を付与した。その後、第1のウエーハ10を保持する引っ張り用部材40と、第2のウエーハ20に密着させた支持板52を保持する保持具を相対的に離していくことにより、第1のウエーハ10と第2のウエーハ20を外部衝撃を付与した一端部から他端部に向かってイオン注入層11にて順次離間させた(工程f)。
このようにして、合計20枚の貼り合わせSOIウエーハの製造を試みた。
その結果、剥離工程(工程f)において、20回中10回において、ウエーハに一部破損が生じた。
(実験例2〜6:ウエーハ直径150mm)
実験例1と同様に、第1のウエーハ10として表面に熱酸化によりシリコン酸化膜層を100nm形成した直径150mmの単結晶シリコンウエーハを、第2のウエーハ20として直径150mmの合成石英ウエーハを用いて、貼り合わせウエーハ(SOIウエーハ)の製造を、それぞれの場合について20枚ずつ試みた。ただし、吸着パッド(引っ張り用部材40)の密着領域幅dを、表1中に示したようにして行った。
(実験例7〜12:ウエーハ直径200mm)
実験例1と同様に、第1のウエーハ10として表面に熱酸化によりシリコン酸化膜層を100nm形成した直径200mmの単結晶シリコンウエーハを、第2のウエーハ20として直径200mmの合成石英ウエーハを用いて、貼り合わせウエーハ(SOIウエーハ)の製造を、それぞれの場合について20枚ずつ試みた。ただし、吸着パッド(引っ張り用部材40)の密着領域幅dを、表1中に示したようにして行った。
(実験例13〜18:ウエーハ直径300mm)
実験例1と同様に、第1のウエーハ10として表面に熱酸化によりシリコン酸化膜層を100nm形成した直径300mmの単結晶シリコンウエーハを、第2のウエーハ20として直径300mmの合成石英ウエーハを用いて、貼り合わせウエーハ(SOIウエーハ)の製造を、それぞれの場合について20枚ずつ試みた。ただし、吸着パッド(引っ張り用部材40)の密着領域幅dを、表1中に示したようにして行った。
Figure 0005065748
実験例1〜6(ウエーハ直径150mm)、実験例7〜12(ウエーハ直径200mm)、実験例13〜18(ウエーハ直径300mm)の貼り合わせウエーハの製造歩留まりを図4中に示した。なお、ここでの歩留まりとは第1のウエーハ及び第2のウエーハが破損せずに貼り合わせウエーハの製造を行うことができた割合を示す。
ウエーハ直径150mmの場合(実験例1〜6)は、吸着パッドの密着領域幅dが40%であれば、歩留まり90%を達成でき、吸着パッドの密着領域幅dが45%であれば、ウエーハの破損は発生しなかった。
ウエーハ直径200mmの場合(実験例7〜12)は、吸着パッドの密着領域幅dが40%であれば、歩留まり85%を達成でき、吸着パッドの密着領域幅dが45%であれば、ウエーハの破損は発生しなかった。
直径300mmのウエーハ同士を貼り合わせ、ウエーハの破損が起こりやすい貼り合わせウエーハの製造(実験例13〜18)においても、吸着パッドの密着領域幅dが40%であれば、歩留まり80%を達成でき、吸着パッドの密着領域幅dが45%であれば、歩留まり90%を達成することができた。また、吸着パッドの密着領域幅dが50%であれば、ウエーハの破損は発生しなかった。
以上の実験結果より、引っ張り用部材の密着領域幅dをウエーハの直径の40%以上、好ましくは45%以上にすれば、ウエーハの破損を効果的に防止して貼り合わせウエーハを製造できることがわかった。
また、特に、貼り合わせるウエーハの直径が300mmのように大きいときに、本発明の効果が大きいことが明らかとなった。
尚、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
本発明の貼り合わせウエーハの製造方法において第1のウエーハに引っ張り用部材を密着する領域を模式的に示す平面図であり、(a)は引っ張り用部材として吸着パッドを用いた場合、(b)は引っ張り用部材として複数の吸盤を用いた場合を示すものである。 貼り合わせウエーハの製造方法において、第1のウエーハの剥離が進行する様子を模式的に示す平面図であり、(a)は引っ張り用部材の密着領域幅が大きい場合、(b)は引っ張り用部材の密着領域幅が小さい場合を示すものである。 本発明の貼り合わせウエーハの製造方法が適用される貼り合わせウエーハの製造方法の一例を示すフローチャートである。 引っ張り用部材の密着領域幅と歩留まりとの関係を示すグラフである。
符号の説明
10…第1のウエーハ、 11…イオン注入層、 12…イオン注入面、
20…第2のウエーハ、 22…貼り合わせる面、
40…引っ張り用部材、 50…引っ張り用部材(保持具)、 52…支持板、
60…貼り合わせウエーハ、 61…薄膜。

Claims (12)

  1. 第1のウエーハと第2のウエーハを貼り合わせ、前記第1のウエーハを薄膜化し、前記第2のウエーハの上に薄膜を有する貼り合わせウエーハを製造する方法であって、少なくとも、
    半導体ウエーハである前記第1のウエーハの表面から水素イオン又は希ガスイオンあるいはこれらの両方を注入してイオン注入層を形成する工程と、
    前記第1のウエーハのイオン注入した面と第2のウエーハの貼り合わせる面の少なくとも一方に表面活性化処理を施す工程と、
    前記第1のウエーハのイオン注入した面と前記第2のウエーハの貼り合わせる面とを密着させる工程と、
    前記第1のウエーハの裏面の一端部に引っ張り用部材を密着させて前記第1のウエーハの裏面を保持するとともに、前記第2のウエーハの裏面を保持具により保持するウエーハ保持工程と、
    前記第1のウエーハの前記イオン注入層の、前記引っ張り用部材を密着させた側の一端部から外部衝撃を付与するとともに、少なくとも、前記引っ張り用部材により前記第1のウエーハの裏面を引っ張ることにより、前記第1のウエーハと前記第2のウエーハとを、前記外部衝撃を付与した一端部から他端部に向かって前記イオン注入層にて順次離間させ、前記第1のウエーハを薄膜化する剥離工程と
    を含み、前記引っ張り用部材で前記第1のウエーハに密着させる領域の、前記一端部と他端部とを結ぶ方向と垂直をなす方向の幅を、前記第1のウエーハの直径の40%以上として、前記剥離工程を行うことを特徴とする貼り合わせウエーハの製造方法。
  2. 前記引っ張り用部材を、1つ以上の吸盤または多孔質材料で構成されているものとすることを特徴とする請求項1に記載の貼り合わせウエーハの製造方法。
  3. 前記第1のウエーハを、単結晶シリコンウエーハ、表面に酸化膜を形成した単結晶シリコンウエーハ、化合物半導体ウエーハのいずれかとすることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の貼り合わせウエーハの製造方法。
  4. 前記第2のウエーハを、石英ウエーハ、サファイア(アルミナ)ウエーハ、SiCウエーハ、ホウ珪酸ガラスウエーハ、結晶化ガラスウエーハ、窒化アルミニウムウエーハ、単結晶シリコンウエーハ、表面に酸化膜を形成した単結晶シリコンウエーハ、SiGeウエーハのいずれかとすることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載の貼り合わせウエーハの製造方法。
  5. 前記第2のウエーハを保持する保持具を、前記第2のウエーハの裏面に密着させる支持板とすることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか一項に記載の貼り合わせウエーハの製造方法。
  6. 前記支持板を、ヤング率が3GPa以上であり、厚みが1mm以上であるものとすることを特徴とする請求項5に記載の貼り合わせウエーハの製造方法。
  7. 前記支持板の材料を、シリコンとすることを特徴とする請求項5または請求項6に記載の貼り合わせウエーハの製造方法。
  8. 前記支持板の表面粗さを、RMS[nm]=1〜100の範囲とすることを特徴とする請求項5ないし請求項7のいずれか一項に記載の貼り合わせウエーハの製造方法。
  9. 前記支持板の前記第2のウエーハの裏面への密着は、真空吸着または静電チャックによるものとすることを特徴とする請求項5ないし請求項8のいずれか一項に記載の貼り合わせウエーハの製造方法。
  10. 前記第1のウエーハと第2のウエーハを密着させる工程の後、該密着したウエーハを、100〜400℃で熱処理する熱処理工程を行い、その後、前記ウエーハ保持工程を行うことを特徴とする請求項1ないし請求項9のいずれか一項に記載の貼り合わせウエーハの製造方法。
  11. 前記剥離工程の際に、断面形状が楔状の部材の先端部を前記イオン注入層の一端部に当接させることにより、前記イオン注入層に外部衝撃を付与することを特徴とする請求項1ないし請求項10のいずれか一項に記載の貼り合わせウエーハの製造方法。
  12. 前記表面活性化処理を、プラズマ処理、オゾン処理の少なくとも一方で行うことを特徴とする請求項1ないし請求項11のいずれか一項に記載の貼り合わせウエーハの製造方法。
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