JPH11288858A - Soi基板の再生方法及び再生基板 - Google Patents

Soi基板の再生方法及び再生基板

Info

Publication number
JPH11288858A
JPH11288858A JP2259799A JP2259799A JPH11288858A JP H11288858 A JPH11288858 A JP H11288858A JP 2259799 A JP2259799 A JP 2259799A JP 2259799 A JP2259799 A JP 2259799A JP H11288858 A JPH11288858 A JP H11288858A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
substrate
layer
silicon
single crystal
soi
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2259799A
Other languages
English (en)
Inventor
Takao Yonehara
隆夫 米原
Masataka Ito
正孝 伊藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Canon Inc filed Critical Canon Inc
Priority to JP2259799A priority Critical patent/JPH11288858A/ja
Publication of JPH11288858A publication Critical patent/JPH11288858A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Element Separation (AREA)
  • Weting (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 SOI基板を再生する方法及び、再生工程に
おける基板厚さの減少量を低減すること及び基板厚さの
面内分布の発生を抑制し、絶縁層が除去されたシリコン
基板の平坦化方法を提供することを課題とする。 【解決手段】 SOI基板の再生方法であって、半導体
基板上に絶縁層を介して単結晶半導体層を有するSOI
(Semiconductor On Insulator)基板を準備する工程、
前記単結晶半導体層を除去する第1の除去工程、及び前
記絶縁層を選択的に除去する第2の除去工程を有するこ
とを特徴とする。また半導体基板上に絶縁層を介して単
結晶半導体層を有するSOI基板を用意する工程、前記
単結晶半導体層をエッチングあるいは研磨により除去す
る第1の除去工程、及び前記絶縁層をエッチングにより
選択的に除去する第2の除去工程を有することを特徴と
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体基板及びそ
の作製方法に関する。詳しくは、電子デバイス、集積回
路等を製作するのに用いられる基板およびその作製方法
に関する。更に詳しくは、絶縁層上に単結晶半導体層を
有する基板を加工再生して製造される再度利用可能な再
生基板及びその再生方法に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体製造工程においては、各工程での
膜厚モニター用、あるいはパーティクルモニター用とし
てのテストウエハや、加熱装置内におけるダミーウエハ
が多数使用されている。また、製造工程途中、あるいは
最終検査段階で不具合の生じるウエハも多い。
【0003】従って、限りある地球の資源を有効に活用
するため、また、経済的な半導体製造システムを構築す
るため、バルクウエハの再生・再利用は広く行なわれて
いる。
【0004】具体的な再生プロセスはバルク、ウエハ表
面に形成されたLSI用のポリシリコン膜や絶縁膜やア
ルミニウム膜をエッチング若しくはラッピング(研削)
により除去するというものである。ラッピングは、エッ
チングだけでは除去しきれないような硬質または複雑
(多層)な膜の除去に適用されている。
【0005】このように、プロセスウエハー、テストウ
エハー、ダミーウエハー等に用いられたシリコンのバル
クウエハの再生は、従来からなされており、特開平9−
237771号公報や特開平7−122532号公報記
載のような再生方法が報告されている。
【0006】一方で、シリコンのバルクウエハに種々の
工程を施して形成される、絶縁層上に単結晶半導体層を
有する基板(以下、「SOI基板」という。)の再生
は、行われていなかった。
【0007】すなわち、SOI基板が完成した後に、膜
厚均一性、積層欠陥密度、パーティクル等に関して所望
の規定を満たしておらず不良品となった場合には、廃棄
あるいは放置処分となっていた。
【0008】しかし、SOI基板を作製するに際して、
より一層のコストダウンを図るという観点からは、上記
不良品となったSOI基板をも再生し、再度SOI基板
の作製に、あるいは他の半導体基板用のウエハとして使
用することが好ましく、その再生方法の確立が望まれて
いた。
【0009】なお、SOI基板の形成、すなわち、絶縁
物上の単結晶Si半導体層の形成は、シリコン オン
インシュレーター(SOI)技術として広く知られ、通
常のSi集積回路を作製するバルクSi基板では到達し
えない数々の優位点をSOI技術を利用したデバイスが
有することから多くの研究が成されてきた。SOI技術
を利用することで、(1)誘電体分離が容易で高集積化
が可能、(2)対放射線耐性に優れている、(3)浮遊
容量が低減され高速化が可能、(4)ウエル工程が省略
できる、(5)ラッチアップを防止できる、(6)薄膜
化による完全空乏型電界効果トランジスタが可能、等の
優位点が得られるからである。これらは例えば、Specia
l Issue:"Single-crystal silicon on non-single-crys
tal insulators";edited by G.W.Cullen.Journal of Cr
ystal Growth, volume 63, no 3,pp429-590(1983)の文
献に詳しい。
【0010】SOI構造の形成方法としては、主として
酸素イオン注入法および貼合わせ法がある。
【0011】酸素イオン注入法は、K.Izumiによって始
めて報告されたSIMOXと呼ばれる方法である。Si
ウエハに酸素イオンを1017〜1018/cm2 程度注入
したのち、アルゴン・酸素雰囲気中で1320度程度の
高温でアニールする。その結果、イオン注入の投影飛程
(Rp)に相当する深さを中心に注入された酸素イオン
がSiと結合して酸化Si層が形成される。その際、酸
化Si層の上部の酸素イオン注入によりアモルファス化
したSi層も再結晶化して、単結晶Si層となる。こう
して、SOI基板が作製される。
【0012】また、貼合わせ法の1つとして、本発明の
発明者の1人である米原隆夫らにより、特許第2608
351号公報や米国特許第5371037号公報にて開
示されている半導体基板の作製方法がある。当該方法
は、多孔質単結晶半導体層(分離層)と非多孔質単結晶
半導体層とを有する第1の部材を用意する工程、前記第
1の部材と第2の部材とを絶縁層を介して、且つ前記非
多孔質単結晶半導体層が内側に位置する多層構造体が得
られるように貼り合わせる工程、及び前記多層構造体か
ら前記多孔質単結晶半導体層を除去する工程、とを有す
ることを特徴とする方法によりSOI基板を作製すると
いうものである。
【0013】さらに、別の方法として、特開平5−21
1128号公報に開示されている方法がある。この公報
に開示されているのは、第1の基板であるシリコン基板
中にイオン注入によりマイクロバブル層(分離層)を作
り、第2の基板に貼り合わせた後、該バブル層に熱処理
による結晶再配列と気泡の凝集とを生じさせて、シリコ
ン基板の最表面側の領域(この公報では「薄い半導体材
料フィルム」と呼ばれている)を、マイクロバブル層を
境にして剥がし、SOI基板を作製する方法である。
【0014】本公報の前記イオン注入は、希ガスないし
は水素イオンを打ち込むことにより行われる。
【0015】また、貼り合わせ法によりSOI基板を作
製する場合、SOI構造形成後は、前記分離層を有する
第1の基板が不要になるが、かかる不要となった基板を
再利用すべく、本発明者の1人である米原らは、該分離
された第1の基板を再利用可能な半導体基板の製造方法
を特開平7−302889号公報に記載の方法を提案し
ている。
【0016】当該公報に開示された方法の1例を以下
に、図10を用いて説明する。第1のSi基板1001
の表面層を多孔質化して多孔質層1002を形成したの
ち、その上に単結晶Si層1003を形成し、この単結
晶Si層と第1のSi基体とは別の第2のSi基板10
04の主面とを絶縁層1005を介して貼り合わせる
(図10(A))。この後、多孔質層で貼り合わせたウ
エハを分割し(図10(B))、第2のSi基体側の表
面に露出した多孔質Si層を選択的に除去することによ
り、SOI基板を形成する(図10(C))。第1のS
i基板1001は、残留した多孔質層を除去して再利用
することができる。
【0017】当該方法により、分離された第1のSi基
板を再利用可能であるが、第2のSi基板上に形成され
たSOI構造に何等かの不具合あるいは、膜厚分布やパ
ーティクル等に関する基準値を満足しないものが生じた
場合には、やはり第2の基板、すなわちSOI基板の再
生方法の確立が必要となる。そして、第1のSi基板と
ともに第2のSi基板の再生が可能となれば、より一層
のコストダウンを図れるSOI基板の製造プロセスが構
築できる。また、ここ数年においては、SOI構造がM
OSFETの高速化、低消費電力化を実現する基板とし
て多くの報告がなされている(IEEE SOI conference 19
94)。
【0018】また、SOI構造を用いると素子の下部に
絶縁層があるので、バルクSiウエハ上に素子を形成す
る場合と比べて、素子分離プロセスが単純化できる結
果、デバイスプロセス工程が短縮される。すなわち、高
性能化と合わせて、バルクSi上のMOSFETを備え
たICに比べて、ウエハコスト、プロセスコストのトー
タルでの低価格化が期待されている。
【0019】上記の点から、SOI基板の需要は今後ま
すます多くなることが予想されるため、それに伴いSO
I基板の再生方法は非常に重要なものとなってくる。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明は、S
OI基板を再生する方法を提供することを目的とする。
本発明の別の目的は、再生工程における基板厚さの減少
量を低減すること及び基板厚さの面内分布の発生を抑制
することにある。さらに、本発明の別の目的は、絶縁層
が除去されたシリコン基板の平坦化方法を提供すること
にある。
【0021】
【課題を解決するための手段】本発明の第1の態様は、
半導体基板上に絶縁層を介して単結晶半導体層を有する
SOI(Semiconductor On Insulator)基板を用意する
工程、前記単結晶半導体層を除去する第1の除去工程、
及び前記絶縁層を選択的に除去する第2の除去工程を有
することを特徴とするSOI基板の再生方法である。
【0022】本発明の第2の態様は、半導体基板上に絶
縁層を介して単結晶半導体層を有するSOI基板を用意
する工程、前記単結晶半導体層をエッチングあるいは研
磨により除去する第1の除去工程、及び前記絶縁層をエ
ッチングにより選択的に除去する第2の除去工程を有す
ることを特徴とするSOI基板の再生方法である。
【0023】本発明の第3の態様は、前記第1の除去工
程前に、前記単結晶半導体層を酸化する工程を含むSO
I基板の再生方法である。
【0024】本発明の第4の態様は、前記第2の除去工
程後に露呈した前記半導体基板を水素を含む還元性雰囲
気中で熱処理する工程を含むSOI基板の再生方法であ
る。
【0025】本発明の第5の態様は、前記第2の除去工
程後に露呈した前記半導体基板表面を化学的機械的研磨
する工程を含むSOI基板の再生方法である。
【0026】本発明の第6の態様は、前記SOI基板
が、貼り合わせ法により作製されているSOI基板の再
生方法である。
【0027】本発明の第7の態様は、前記SOI基板が
貼り合わせ法により作製されたSOI基板であって、前
記半導体基板と前記絶縁層の界面が貼り合わせ面である
SOI基板の再生方法である。
【0028】本発明によれば、SOI基板を再生し、再
度半導体製造工程において使用することが可能である。
【0029】また、SOI基板の基板厚さの減少量を極
めて小さくして、SOI基板を再生することができるの
で、基板厚さに制限のある用途にも再生された半導体基
板の利用が可能であり、また、繰り返し再生を行なうこ
ともできるので、産業上の観点と資源節約・地球環境保
護の観点から本発明の利用価値は極めて大きい。
【0030】また、本発明によれば、SOI基板からバ
ルクウエハ並みの表面平坦性を有する半導体基板を作製
することができるので、テストウエハ、ダミーウエハと
してはもちろん、再度SOI基板の作製のためのウエハ
として使用することができる。
【0031】
【発明の実施の形態】本発明による実施形態について、
図面を参照しつつ詳細に説明する。
【0032】本発明にいう、SOI基板の再生方法につ
いて詳述する。なお、SOI基板とは、一般に絶縁層上
に単結晶シリコン層を有する基板をいい、以下に説明す
る場合は主としてこのSOI基板について説明するが、
本発明においては、前記単結晶シリコン層に限ることな
く、絶縁層上に単結晶半導体層を有する基板を含めて、
「SOI(Semiconductor On Insulator)基板」という
ことにする。
【0033】本発明の特徴事項を図1のフローチャート
を用いて説明する。まず、再生するSOI基板を用意す
る(S1)。次に、絶縁層上の単結晶半導体層を除去す
る第1の除去工程を行う(S2)。その後、絶縁層を選
択的に除去する第2の除去工程を行う(S3)。こうし
て再生基板が作製される(S4)。
【0034】更に、前記第2の除去工程後に得られる再
生基板の表面性に関して、より一層の平坦性、平滑性あ
るいは、マイクロラフネスの低減が求められる場合に
は、第2の除去工程(S3)の後に、表面処理工程(S
5)を行い、再生基板(S6)を作製することもでき
る。
【0035】次に、前述のフローチャート(図1)で示
した工程を、SOI基板の模式的断面図を、図2に示し
て説明する。
【0036】まず、半導体基板2上に、絶縁層3を介し
て単結晶半導体層4を有するSOI基板1を用意する
(図2(A))。
【0037】例えば、このようなSOI基板は、前述し
た従来技術による方法により作製されたものであるが、
単結晶半導体層の各種特性が所望の値を満足しなかった
低品質のSOI基板である。
【0038】次に、前述の第1の除去工程により単結晶
半導体層4を除去する(図2(B))。そして、前述の
第2の除去工程により絶縁層3を選択的に除去する(図
2(C))。こうして再生基板5が作製されるが、更な
る表面平坦性が求められる場合には、あるいは、表面粗
さ(マイクロラフネス)を改善する場合には、表面処理
工程を行い再生基板5を完成させる(図2(D))。
【0039】本発明における半導体基板2としては、シ
リコン基板、単結晶シリコン基板、多結晶シリコン基
板、Ge基板、GaAs基板、InP基板等が挙げられ
る。
【0040】本発明における絶縁層3としては、酸化シ
リコン層、窒化酸化シリコン層、窒化シリコン層等が挙
げられる。もちろん、これらの組み合わせでもよい。
【0041】本発明における単結晶半導体層4の構成物
質としては、Si、Ge、SiGe、SiC、C、Ga
As、AlGaAs、AlGaSb、InGaAs、I
nP、InAs、ZnS、CdSe、CdTe等が挙げ
られる。前記物質の単層からなるものでも、これらが組
み合わされて積層されたものであってもよい。
【0042】前述の第1の除去工程は、単結晶半導体層
4のエッチングあるいは研磨により行うことができる。
【0043】エッチングによる場合は、エッチングで除
去できさえすればなんでもよいが、特に単結晶半導体層
4のエッチングレートが、その下層の絶縁層3のエッチ
ングレートよりも高いエッチング方法であることが望ま
しい。ウェットエッチング法、気相でのエッチング法、
プラズマを利用したエッチング法がある。
【0044】単結晶半導体層4が単結晶シリコン層であ
り、これをウェットエッチング法により行う場合には、
エッチャントとして、TMAH(テトラメチルアンモニ
ウムハイドロオキサイド)やKOH、あるいは3メチル
−2水酸化エチルアンモニウム水酸化物を用いることが
できる。
【0045】プラズマを利用したエッチングとしては、
CF4−O2プラズマを用いたRIE(リアクティブ・イ
オン・エッチング)が挙げられる。また、単結晶半導体
層がGaAsである場合には、Br2/CH3OH(臭素
/メタノール混合液)やNH 4OH/H22/H2O(ア
ンモニア/過酸化水素/水混合液)などをエッチャント
として用いることができる。
【0046】第1の除去工程を研磨で行う場合には、機
械的研磨、化学的研磨、化学−機械的研磨(chemical-m
echanical polishing;CMP)、あるいは電解研磨な
どにより行うことができる。これらの中でも、特に表面
の平坦度、平滑度、加工歪層を少なくできるCMP工程
を行うことがとくに望ましい。
【0047】CMP工程としては、単結晶半導体層4が
シリコン層である場合はシリコンウエハーの製造工程に
おいて用いられる鏡面研磨工程を用いるのが好適であ
る。その内容については、例えば、「シリコンの科学」
(株式会社リアライズ社、1996年発行)の247頁
−248頁及び294頁−295頁に記載がある。すな
わち、研磨剤には、酸化シリコンの微粉末(サイズ:
0.05μ〜0.24μ)等の研磨粒と水酸化ナトリウ
ム又は水酸化カリウム等のアルカリ液を混合した砥粒液
を用いるのが好適である。
【0048】また、SOI基板1の裏面は、ワックスを
介して、ガラスやセラミックス等のプレートに貼り付け
られる。このプレートは、SOI基板1を貼り付けた面
を下にして、研磨クロスを貼った定盤上に置かれる。続
いて、プレートと定盤の間に荷重を加えつつ、プレート
と定盤を相互に回転し、さらに砥粒液を所定量供給する
ことでCMP工程がおこなわれる。この工程はアルカリ
溶液によってウエハ表面に軟質なシリカ水和膜が形成さ
れ、その水和膜が研磨粒により除去されて進行すると考
えられている。
【0049】この研磨方法は、化学的な作用と機械的な
作用の組み合わせによるものである。例えば、酸化シリ
コン層上にシリコン層が形成されたSOI基板の場合は
シリコン層の表層に化学的なエッチングでは除去不能な
異物等(例えば、SOI製造工程中で生じた残滓)が存
在する場合でも、機械的作用により除去することが可能
である。また、酸化シリコン層に対する研磨進行速度は
極めて遅いため、シリコン層が除去された時点で研磨の
進行が自動的にほぼ停止すると見なすことができ、結果
的にシリコン層を選択的に除去することが可能である。
【0050】研磨剤としては、コロイダルシリカや焼成
シリカの微粒子(サイズ:数〜百数十nm)をアルカリ
溶液中pH9〜13に分散させたものを用いることがで
きる。研磨速度を上げる目的でアミン系の添加剤、表面
粗さを改善する目的で有機高分子系の添加剤等を加える
こともできる。
【0051】前述の第2の除去工程は、絶縁層3を選択
的に除去できるエッチング法により行う。絶縁層が酸化
シリコン層である場合のエッチャントとしては、フッ化
水素酸やバッファードフッ酸(BHF)溶液がある。
【0052】BHFは、酸化シリコン層のエッチングレ
ートが100−250nm/minであるのに対して、
シリコン基板は、ほとんどエッチングされない。なお、
エッチングに際しては、例えば、フッ化水素酸の水溶液
等による液相でのエッチングでも、フッ化水素酸の蒸気
による気相でのエッチングでも良い。
【0053】また、絶縁層3が、窒化シリコンである場
合には、BHFやH3PO4(燐酸)を用いることができ
る。
【0054】本発明によれば、半導体基板2の最表面層
である絶縁層3の除去をエッチングにより行うので、前
記絶縁層3を研削により除去する場合に比べて、半導体
基板2の表面に与える加工歪や結晶転位等の欠陥の導入
が少なくて済む。
【0055】また、SOI基板1から、単結晶半導体層
4、絶縁層3を除去した後、露呈する半導体基板の表面
形状について、更なる平坦性ないし平滑化あるいはマイ
クロラフネスの低減が求められる場合に行う。表面処理
工程は、熱処理あるいは表面研磨が挙げられる。もちろ
ん、これらを組み合わせてもよい。
【0056】前記熱処理方法としては、水素を含む還元
性雰囲気中で熱処理する水素アニールがある。
【0057】水素アニールを行うことで半導体基板2の
厚さが減少することを抑制しつつ表面平坦化が可能であ
る。また、半導体基板2がシリコン基板である場合に
は、表面平坦化と同時にシリコン基板表層に含まれてい
るボロン等の不純物を外方拡散させ不純物濃度を低下さ
せ得ることからも、好ましい方法である。
【0058】水素アニールに好適な温度は、半導体基板
2がシリコン基板である場合には300℃以上シリコン
の融点以下であり、より好ましくは500℃以上120
0℃以下である。シリコン基板以外の場合は、300℃
以上構成物質の融点以下である。水素アニールに好適な
還元性雰囲気の圧力は、加圧、大気圧、減圧のいずれで
もよいが、好ましくは大気圧以下3.9×10-4Pa以
上、より好ましくは大気圧以下、1.3Pa以上であ
る。
【0059】水素アニールに好適な処理時間は、必要な
特性に応じて適宜選択されるものであるため特に制限は
ないが、1分から10時間程度が現実的な範囲である。
【0060】水素を含む還元性雰囲気を提供する為のガ
スは、100%のガスか水素と不活性ガスの混合ガス
(例えば、水素と窒素の混合ガス)を用いることができ
る。もちろん、当該水素アニールは、SOI基板の再生
工程においてのみに限定されるものではなく、表面の絶
縁層が除去された半導体基板とくにシリコン基板であれ
ば水素アニールにより平坦化が可能である。
【0061】表面処理工程としての表面研磨は、具体的
には、前述のCMP工程により行うことができる。
【0062】特に、CMP工程の中でも、研磨量を極め
て少なくして行うタッチポリッシュによる処理もより好
ましいものである。表面処理工程における研磨量として
は、好ましくは1μm程度、より好ましくは、数nm〜
数10nmである。タッチポリッシュは、CMP工程に
おけるプレートと定盤の間に加える荷重を小さくするこ
と等で実現できる。
【0063】また、SOI基板の再生工程において、ま
ず絶縁層3上の単結晶半導体層4を酸化して絶縁膜にし
た後、上記絶縁層3とともに、あるいはそれぞれ除去す
ることもできる。特に、絶縁層3が酸化シリコン層であ
り、単結晶半導体層4が、単結晶シリコン層である場合
には、単結晶シリコン層を酸化すれば、絶縁層の構成物
質と同一となるので、単結晶半導体層と絶縁層を同一の
エッチングにより除去でき、より効率的である。
【0064】なお、SOI基板は、先に述べた酸素イオ
ン注入法、貼り合わせ法により作製されている場合はも
ちろん、他の方法により作製されている場合でも本発明
による再生が可能である。
【0065】貼り合わせ法によりSOI基板を作製する
場合には、以下のような工程により行うことができる。
具体的方法は、図3に示すように「支持基板8上の分離
層7上に単結晶半導体層4を有する第1の基板9を用意
する工程、該単結晶半導体層4を絶縁層3を介して、第
2の半導体基板2に貼り合わせて多層構造体を形成する
工程(図3(B))、該多層構造体を前記分離層7で分
離、あるいは前記分離層7を除去して、該第2の半導体
基板2上に絶縁層3を介して該単結晶半導体層4を有す
るSOI基板を形成する工程(図3(C))」を含む、
SOI基板の作製方法である。
【0066】なお図3(A)においては、第1の基板9
を絶縁層3を介して貼り合わせる様子を模式的に示した
が、絶縁層3は、第1の基板9上に形成されていても、
第2の半導体基板2上に形成されていても、又、両基板
に形成されていてもよい。
【0067】更にまた、第1の基板9の分離層7の形成
前に第1の基板9上に絶縁層3を形成しておいてもよ
い。分離層7は、当該分離層7が形成される支持基板8
の陽極化成による多孔質化により、又は該支持基板8へ
のイオン打ち込みにより形成する。打ち込まれるイオン
としては具体的には水素イオン、又はヘリウム、ネオ
ン、クリプトン及びキセノンのような希ガスのイオンを
単独で若しくは組み合わせて用いることができる。
【0068】打ち込み方法は、通常のイオン注入法にお
いても、プラズマイオン注入法(Plasma Ion Implantat
ion)でもよい。なお、第1の基板9においては、分離
層7は、支持基板8上に形成されているように模式図で
は示されているが、支持基板8はなくても、あるいは支
持基板8自体も分離層7と同じ構造になっていても構わ
ない。
【0069】分離層7上への単結晶半導体層4の形成方
法としては、分離層7上に単結晶半導体層4を形成する
には、減圧CVD法、プラズマCVD法、光CVD法、
MOCVD(Metal-Organic CVD)法等のCVD法の
他、スパッター法(バイアススパッター法を含む)、分
子線エピタキシャル成長法、液相成長法等を採用するこ
とができる。
【0070】つぎに、前記分離層7における分離あるい
は、分離層7を除去する方法について説明する。
【0071】分離の方法は大別すると2種類ある。一つ
は、多層構造体を外部から加熱したり、多層構造体に光
を照射して光吸収させたりすることにより、多層構造体
内部に分離の為のエネルギーを発生させる方法である。
具体的には、水素イオン、希ガスイオン、窒素イオン等
を第1の基板の所定の深さの位置に打ち込んで形成され
た微少空隙を含む層或いは潜在的微少空隙を含む層、す
なわち分離層7は、熱エネルギーを受けることにより、
その微少空隙が増大しつつ、密度が減少する。これによ
り、該層において多層構造体の剥離現象が生じる。これ
が、多層構造体内部に分離のためのエネルギーを発生さ
せる方法である。或いは、加熱処理により分離層及び/
又はその近傍を側面側から酸化して酸化膜成長による応
力を利用して分離する方法等であってもよい。
【0072】もう一つは、分離の為のエネルギーを外部
から直接多層構造体に与える方法である。具体的には、
多層構造体の側面に楔を挿入して剥離する方法、多層構
造体の側面に水やエッチング液等の液体及び/又は空
気、窒素ガス、炭酸ガスなどの気体からなる流体を吹き
付けて剥離する方法、多層構造体の表面及び裏面に互い
に反対向きの張力を加えて剥離する方法、多層構造体の
表面及び裏面に互いに反対向きの押圧力を加えて分離層
を破壊して剥離する方法、多層構造体の側面にせん断力
を加えて分離層を破壊して剥離する方法、内周刃やワイ
ヤーソーを用いてスライスする方法、超音波振動を与え
て分離層を破壊する方法などである。
【0073】勿論、上述した分離方法を組み合わせて併
用してもよい。
【0074】分離層7をエッチングにより除去する場合
のエッチャントとしては、例えばKOH水溶液、NaO
H水溶液、フッ酸−硝酸−酢酸混合溶液等が挙げられ
る。
【0075】また、絶縁層3が第2の半導体基板2上に
ではなく、第1の基板9上に形成されて作製されたSO
I基板である場合には、本発明によれば、実質的に第2
の半導体基板の厚さを減少させることなく再生できる。
【0076】なお、SOI基板が前述の貼り合わせ法に
より作製されていると、当該SOI基板の再生により露
呈した、前記第2のシリコン基板表面は、第1のシリコ
ン基板と第2のシリコン基板を貼り合わせる際の貼り合
わせ界面である場合もある。かかる場合に、貼り合わせ
界面が露呈すると、その露呈した表面に、ヘイズ(haz
e)が残存することがある。ヘイズ(Haze)とは、貼り
合わせ界面の微小な凹凸(数nm周期)が酸化膜除去後
に、シリコン基板の表面の凹凸として残り、集光ランプ
などの表面の光が散乱されて、白くくもってみえるもの
である。くもりとも呼ばれる。このようなヘイズ(Haz
e)が生じる原因の1つとして貼り合わせの際に界面に
取り込まれた水分等が考えられる。
【0077】本発明によれば、酸化膜除去後に、再生さ
れたシリコン基板を水素アニールないしCMPで表面処
理することにより、ヘイズを取り除くことができる。
【0078】図4に、SOI基板を貼り合わせ法により
作製し、その再生工程において第2のシリコン基板の厚
さを実質的に減少させることなく再生できる場合の工程
の一例を示す。
【0079】図4(A)に示すように単結晶シリコン基
板10を用意し、該単結晶シリコン基板10の一主面に
多孔質シリコン層77を形成する工程(図4(B))、
該多孔質シリコン層77上に単結晶シリコン層44を形
成する工程(図4(C))、該単結晶シリコン層44の
表面に熱酸化膜33を形成する工程(図4(D))、第
2の単結晶シリコン基板22と貼り合わせて多層構造体
を形成する工程(図4(E))、及び該多層構造体を前
記多孔質シリコン層77で分離あるいは多孔質シリコン
層77を除去する工程とを含む方法によりSOI基板を
作製する(図4(F))。
【0080】このようにして形成されたSOI基板を本
発明による第1の除去工程により、単結晶シリコン層4
4を除去し(図4(G))、その後第2の除去工程によ
り熱酸化膜33を選択的に除去する(図4(H))。
【0081】この場合、SOI基板から第2の単結晶シ
リコン基板22の厚さを実質的に減少させることなく再
生ができる。もちろん、表面処理工程を行えば、前述の
ヘイズ等をより一層低減できる。
【0082】SOI基板が下記の方法により作製されて
いる場合も、第2のシリコン基板の厚さを実質的に減少
させることなく再生できる。その方法は、図5に示すよ
うに、単結晶シリコン基板10を用意する工程(図5
(A))、該基板10表面に熱酸化膜33を形成する工
程(図5(B))、該熱酸化膜33が形成された基板に
希ガスないし水素イオンを打ち込み分離位置を規定する
層(分離層77)を形成する工程(図5(C))、第2
の単結晶シリコン基板22と貼り合わせて多層構造体を
形成する工程(図5(D))、前記分離層77にて分離
する工程を含む方法によりSOI基板を作製する(図5
(E))。
【0083】このようにして形成されたSOI基板を本
発明による第1の除去工程により単結晶シリコン層44
を除去し(図5(F))、その後第2の除去工程により
熱酸化膜33を選択的に除去する(図5(G))。
【0084】この場合もやはり、SOI基板から第2の
単結晶シリコン基板22の厚さを実質的に減少させるこ
となく再生できる。
【0085】又、より一層の表面平坦化等の為、表面処
理工程を行うことも好ましいものである。
【0086】[実施形態1]本発明の第1の実施形態を
図2(A)〜(C)に示して、説明する。
【0087】まず再生の対象である半導体基板2上に絶
縁層を介して単結晶半導体層4を有するSOI基板1を
用意する(図2(A))。
【0088】その後、該SOI基板1の表層である単結
晶半導体層4をエッチングにより除去する(図2
(B))。
【0089】次に、絶縁層3を選択的にエッチングによ
り除去する(図2(C))。こうして再生基板5が得ら
れる。
【0090】[実施形態2]本発明の第2の実施形態を
図2を用いて説明する。
【0091】まず、実施形態1と同様に、SOI基板1
の単結晶半導体層4、絶縁層3をそれぞれエッチングに
より除去する(図2(A)〜(C))。
【0092】その後、該絶縁層3の選択エッチングによ
り露呈した再生基板5の表面の平坦化等を行うため、表
面処理工程として水素アニールを行う(図2(D))。
こうしてSOI基板が再生される。
【0093】[実施形態3]本発明の第3の実施形態を
図2を用いて説明する。
【0094】まず、実施形態1と同様に、SOI基板1
の単結晶半導体層4、絶縁層3をそれぞれエッチングに
より除去する(図2(A)〜(C))。
【0095】その後、該絶縁層3の選択エッチングによ
り露呈した再生基板5の表面の平坦化等を行うため、表
面処理工程として表面研磨を行う(図2(D))。こう
してSOI基板が再生される。
【0096】[実施形態4]本発明の第4の実施形態を
図2(A)〜(C)に示して説明する。
【0097】まず、再生の対象である半導体基板2上に
絶縁層を介して単結晶半導体層4を有するSOI基板1
を用意する(図2(A))。
【0098】その後、該SOI基板1の表層である単結
晶半導体層4を研磨により除去する(図2(B))。
【0099】次に、絶縁層3を選択的にエッチングによ
り除去する(図2(C))。こうして再生基板5が得ら
れる。
【0100】[実施形態5]本発明の第5の実施形態を
図2(A)〜(D)を用いて説明する。
【0101】まず、実施形態4と同様に、SOI基板1
の単結晶半導体層4を研磨により除去する。そして絶縁
層3をエッチングにより選択的に除去する(図2(A)
〜(C))。
【0102】その後、該絶縁層3の選択エッチングによ
り露呈した再生基板5の表面の平坦化等を行うため、表
面処理工程として水素アニールを行う(図2(D))。
こうしてSOI基板が再生される。
【0103】[実施形態6]本発明の第6の実施形態を
図2(A)〜(D)を用いて説明する。
【0104】まず、実施形態4と同様に、SOI基板1
の単結晶半導体層4を研磨により除去する。そして絶縁
層3をエッチングにより選択的に除去する(図2(A)
〜(C))。
【0105】その後、該絶縁層3の選択エッチングによ
り露呈した再生基板5の表面の平坦化等を行うため、表
面処理工程として表面研磨を行う(図2(D))。こう
してSOI基板が再生される。
【0106】[実施形態7]本発明の第7の実施形態を
図6(A)〜(D)を用いて説明する。
【0107】まず、再生の対象であるSOI基板1を用
意する(図6(A))。SOI基板1は、半導体基板2
上に第1の絶縁層3を介して単結晶半導体層4が形成さ
れている。
【0108】次に、図6(B)に示すように、該単結晶
半導体層4を酸化し、第2の絶縁層12へと変化させ
る。
【0109】第2の絶縁層12の形成工程が、熱酸化で
ある場合は、半導体基板2の裏面にも、裏面絶縁膜13
が形成される。図6(C)に示すように、第2の絶縁層
12、第1の絶縁層13をエッチングにより除去する。
ならびに、裏面絶縁層13が形成されている場合には、
これをも除去する。
【0110】とくに、第1の絶縁層と第2の絶縁層が同
じ構成物質(例えば、酸化シリコン)からなる場合は、
結果として1度のエッチング工程により単結晶半導体層
4と第1の絶縁層3を一括して除去することができるの
で、エッチング工程が簡略化され、エッチング薬液から
生じる不純物汚染機会の少ない基板再生工程が実現でき
る。
【0111】
【実施例】以下、本発明の実施例について説明する。
【0112】(実施例1)本実施例1について、図2を
参照しつつ説明する。まず半導体基板2に相当するシリ
コン基板上に第1の絶縁層3に相当する酸化シリコン層
を介して単結晶半導体層4に相当する単結晶シリコン層
4が配置されたSOI基板1を用意した。SOI基板1
の厚さは400μmで、その内、酸化シリコン層3の厚
さは0.2μm、単結晶シリコン層4の厚さは0.2μ
mであった。
【0113】初めに、シリコンエッチング工程により単
結晶シリコン層4を除去した。この時のエッチング手段
として、4−メチルアンモニウム水酸化物の水溶液
(0.5重量%)によるウェットエッチングを用いた。
この水溶液のシリコンに対するエッチングレートは、
0.2〜0.3μm/分であるのに対して、酸化シリコ
ンに対するエッチングレートは0.3nm/min.と
極めて低い。従って、単結晶シリコン層4のエッチング
が終了するとエッチングは自動的に停止した。なお、ウ
ェットエッチングでは通常シリコン基板2の裏面もエッ
チャントに接するので、裏面でもエッチングが進行す
る。この場合のエッチング量は、単結晶シリコン層の厚
さ0.2μmに対して50%のオーバーエッチングを実
施した場合であっても0.3μm程度である。もちろん
裏面でのエッチングを防止するため、スピンコーティン
グによるフォトレジスト等によりシリコン基板2の裏面
を被覆してもよい。
【0114】次いで、酸化シリコンエッチング工程によ
って、酸化シリコン層3を除去した。この時のエッチン
グ手段としては、フッ化水素酸の水溶液によるウェット
エッチングを用いた。この水溶液は酸化シリコンを容易
にエッチングするが、シリコンに対してはほとんど不活
性である。従って、酸化シリコン層3のエッチングが終
了すると、シリコン基板2の表面でエッチングは自動的
に停止するので、シリコン基板2の厚さの減少は起こら
ない。こうして再生シリコン基板5が得られた。
【0115】この後、水素アニール工程によって、再生
シリコン基板5の表面を平坦化した。この時のアニール
条件としては、水素ガス100%雰囲気中で、加熱温度
1100℃、加熱時間4時間程度行った。この条件にお
ける再生シリコンの厚さの減少量は0.001μm程度
であり、ほとんど無視できるものであった。
【0116】以上の工程によって、良好な表面平坦性を
有する再生シリコン基板が得られた。この工程を通じて
の基板の厚さの減少量は、酸化シリコン層の厚さの0.
2μm、単結晶シリコン層の厚さ0.2μmと、シリコ
ンエッチング工程における裏面エッチング0.3μmの
合計であり、その値は0.7μmである。これは、当初
のSOI基板1の厚さの約0.2%である。
【0117】なお、上記工程では、シリコン基板の端面
においても裏面エッチングと同様のエッチングが生じ
て、シリコン基板の横方向の寸法の変化が生じるが、そ
の変化量は、シリコン基板2の寸法(例えば直径200
mm)と比較して極めて微量であるため、無視すること
ができる。
【0118】(比較例1)なお、比較例1として、前述
の用意したSOI基板と同じものを準備した(図7
(A))。図7(A)によれば、シリコン基板22上に
絶縁層33、単結晶シリコン層44を積層してSOI基
板21を構成している。
【0119】該SOI基板1を研削工程(図7(B))
及び研磨工程(図7(C))によって、絶縁層33、単
結晶シリコン層44およびシリコン基板22の一部を除
去し、SOI基板を再生した。この場合の除去量tは、
25μ程度であった。ここで、シリコン基板22の一部
をも除去するのは、前記研削工程によってシリコン基板
22の表層に生じた加工歪や結晶転位等の欠陥を除去す
るためである。
【0120】この比較例1においては、シリコン基板2
2の厚さの約6%が減少している。一般にSOI基板2
1の製造工程や半導体デバイスの製造ラインでは、製造
装置等の制約から、使用可能なシリコン基板の厚さの許
容範囲が規定されている。従って、シリコン基板の厚さ
許容範囲を、当初のシリコン基板22の厚さに対して−
5%以内である場合には、再生シリコン基板25の厚さ
がこの範囲から外れるため、再度の利用が困難な場合も
生じる。また、シリコン基板の厚さ許容範囲を、当初の
シリコン基板22の厚さに対して−10%以内とした場
合であっても、再生工程を2回以上繰り返すとこの範囲
から外れるために、再利用の回数が制限されるという問
題が生じる場合がある。
【0121】以上の点から、本発明によりSOI基板1
を再生した場合に極めてシリコン基板2の厚さの減少量
を低減して、再生シリコン基板5を作製できることが分
かる。
【0122】(比較例2)更に、比較例2として、絶縁
層3を研磨あるいは研削により除去する場合について考
える。図8(A)に示すようなSOI基板21を用意
し、該基板を再生するため絶縁層3を研磨あるいは研削
により除去する。
【0123】研磨量あるいは研削量にばらつきがある場
合には、図8(B)に示すように、再生シリコン基板2
5の厚さが不均一になってしまうことがあった。この比
較例2に対して、本発明に対しては絶縁層3を選択的に
除去できるので、再生基板の厚さにばらつきが生ずるこ
とも防止できる。
【0124】(実施例2)実施例1と同様のSOI基板
を用意し、同様の工程により、単結晶シリコン層および
酸化シリコン層をエッチング除去した。なお、酸化シリ
コン層のエッチングは、エッチャントとしてBHFを用
いた。
【0125】つづいて、酸化シリコン層の選択的なエッ
チング除去により露呈した、シリコン基板の表面処理を
行った。
【0126】具体的には、コロイダルシリカの研磨粒を
水酸化ナトリウム溶液に分散させた研磨剤を用いて化学
的機械的研磨(CMP)を行った。基板表面は平滑化さ
れ、この場合の除去量tは、10μmであった。
【0127】(比較例3)比較例3として図9(A),
(B)を用いて、シリコン層44と、絶縁層3、シリコ
ン基板22からなるSOI基板21において、シリコン
層44、絶縁層3を研磨により除去する場合、生じる現
象について説明する。基板厚さの減少を低減する為、研
磨量を極めて厳密に制御して絶縁層3、シリコン層44
のみを除去しようとすると、次のような問題が生じる。
図9(A)はシリコン基板22に厚さのばらつきがある
場合の研磨工程の様子を示す。研磨前の状態のシリコン
基板22の厚さが、絶縁層3、シリコン層44の厚さの
合計よりも大きなばらつきを有する場合には、図9
(B)に示すごとく、シリコン基板22の表面近傍が研
磨されて除去される領域と、絶縁層3が取り残された領
域が共に生じうる。これは、通常の研磨工程がシリコン
基板22の裏面を加工基準面とするためである。絶縁層
3が取り残された領域が生じる場合は、これを再利用す
る際に不都合が生じるが、一方、この問題を回避しよう
として研磨量を多くすると、シリコン基板22の厚さの
減少量が大きくなる。
【0128】これに対して、本発明のように、絶縁層3
をエッチングにより選択的に除去し、その後CMPを行
う場合には、絶縁層3の取り残された領域がなく、か
つ、再生シリコン基板5の膜厚の減少量を最小限にし
て、厚さにばらつきのない再生シリコン基板の作製が可
能となる。
【0129】(実施例3)本発明の実施例3として、図
2を参照しつつ説明する。シリコン基板2上に、酸化シ
リコン層3を介して単結晶シリコン層4が配置されたS
OI基板1を用意した。
【0130】SOI基板1の厚さは400μmで、その
うち、酸化シリコン層3の厚さは0.2μm、単結晶シ
リコン層4の厚さは0.2μmであった。このSOI基
板1を再生するため、まずはじめに、CMP工程により
単結晶シリコン層4を除去した。CMP工程は、具体的
には、以下のように行った。
【0131】研磨剤には、酸化シリコンの微粉末の研磨
粒と水酸化ナトリウムのアルカリ液を混合した砥粒液を
用いた。SOI基板1の裏面は、ワックスを介して、ガ
ラスのプレートに貼り付け、このプレートを、SOI基
板1を貼り付けた面を下にして、研磨クロスを貼った定
盤上に置いた。続いて、プレートと定盤の間に荷重を加
えつつ、プレートと定盤を相互に回転し、さらに砥粒液
を供給することでCMP工程をおこなった。
【0132】この研磨方法は、化学的な作用と機械的な
作用の組み合わせによるものである。そのため、単結晶
シリコン層4の表層に化学的なエッチングでは除去不能
な異物等(例えば、SOI製造工程中で生じた残滓)が
存在する場合でも、機械的作用により除去することが可
能である。また、酸化シリコン層3に対する研磨進行速
度は極めて遅いため、単結晶シリコン層4が除去された
時点で研磨の進行が自動的にほぼ停止すると見なすこと
ができ、結果的に単結晶シリコン層4を選択的に除去す
ることが可能である。
【0133】次いで、酸化シリコンエッチング工程によ
って、酸化シリコン層3が除去された。この時のエッチ
ング手段としては、バッファードフッ酸の水溶液による
ウェットエッチングにより行った。こうして再生シリコ
ン基板5が得られた。
【0134】酸化シリコンエッチングが終了した再生シ
リコン基板5は、このまま再度利用可能な再生基板とし
ての用途に供することが可能であるが、一層の表面平坦
性が必要な場合には、平坦化工程として、水素アニール
を施すことが望ましい。水素アニールは、水素を含む還
元性雰囲気中、1100℃で1時間行った。
【0135】以上の工程によって、良好な表面平坦性を
有する再生シリコン基板が得られた。
【0136】SOI基板1が貼り合わせ法により作製さ
れており、酸化シリコン層3をエッチングして露呈した
面が貼り合わせ界面である場合には、当該界面にヘイズ
が生じる場合があるが、上記水素アニール処理を施すこ
とでヘイズを減少あるいは除去することができる。
【0137】この再生シリコン基板5は、その後テスト
ウエハやモニターウエハとしてはもちろん、再度SOI
基板の作製に使用することもできる。
【0138】(実施例4)実施例3と同様のSOI基板
を用意し、同様の方法により単結晶シリコン層4をCM
Pにより除去した後、酸化シリコン層3をエッチングに
より選択的に除去した。このようにして得られた再生シ
リコン基板5表面に平坦化工程を行った。
【0139】具体的には、タッチポリッシングによる平
坦化を行った。この場合の研磨量は1μmであった。
【0140】以上の工程によって、良好な表面平坦性を
有する再生シリコン基板5が得られた。SOI基板1が
貼り合わせ法により作製されており、酸化シリコン層3
をエッチングして露呈した面が貼り合わせ界面である場
合には、当該界面にヘイズが生じる場合があるが、上記
タッチポリッシュ処理を施すことでヘイズを減少あるい
は除去することができる。この工程を通じての基板の厚
さの減少量は、酸化シリコン層3の厚さの0.2μm、
単結晶シリコン層4の厚さの0.2μmとタッチポリッ
シングにおける研磨量1μmの合計であり、その値は
1.4μmである。これは、当初のSOI基板1の厚さ
の約0.35%であり、この再生シリコン基板5は、そ
の後テストウエハやモニターウエハとしてはもちろん、
再度SOI基板1の作製に使用することもできる。
【0141】また、本発明は、シリコン基板上の前記表
層除去工程が研磨工程と前記研磨工程後におこなわれる
エッチング工程からなることを特徴としているため、層
構造の厚さが比較的厚い場合であっても、短時間で層構
造の選択的な除去が可能となり、基板厚さの減少量を極
めて小さいものとすることができる。また、2層以上の
層構造の場合で上層をエッチングする適当なエッチャン
トが無い場合であっても、層構造の選択的な除去が可能
となり、基板厚さの減少量を極めて小さいものとするこ
とができる。
【0142】(実施例5)本発明の実施例5として、図
6を参照しつつ説明する。シリコン基板2上に、第1の
酸化シリコン層3を介して単結晶シリコン層4が配置さ
れたSOI基板1を用意した。
【0143】SOI基板1の厚さは400μmで、その
内、第1の酸化シリコン層3の厚さは0.2μm、単結
晶シリコン層4の厚さは0.2μmであった。
【0144】初めに、シリコン熱酸化工程により単結晶
シリコン層4が酸化され、第2の酸化シリコン層12が
形成された。この時、シリコン基板2の裏面も単結晶シ
リコン層4の厚さと同じだけ、すなわち0.2μmが酸
化され、裏面酸化シリコン層13となった。
【0145】次に、酸化シリコンエッチング工程によっ
て、第1の酸化シリコン層3、第2の酸化シリコン層1
2、および裏面酸化シリコン層13を除去した。この時
のエッチング手段として、BHF(バッファードフッ
酸)水溶液によるウェットエッチングを行った。この水
溶液は、酸化シリコンを容易にエッチングするが、シリ
コンに対してはほとんど不活性である。従って、第1の
酸化シリコン層3、第2の酸化シリコン層12、裏面酸
化シリコン層13のエッチングが終了すると、シリコン
基板2の表面および裏面で、エッチングは自動的に停止
し、シリコン基板2の厚さの減少は起こらなかった。こ
うして再生シリコン基板5が得られた。
【0146】この工程を通じての基板の厚さの減少量
は、第1の酸化シリコン層の厚さ0.2μm、単結晶シ
リコン層4の厚さ0.2μmと、シリコン熱酸化工程に
よって裏面酸化シリコン層になるシリコン基板の裏面近
傍部分の0.2μmの合計であり、その値は0.6μm
である。これは、当初のSOI基板1の厚さの0.15
%である。
【0147】このように、本実施例によって再生工程で
の厚さの減少量を低減した再生基板およびその製造方法
を提供することができた。また、酸化シリコン層と絶縁
層を一括して除去できるのでエッチング工程が簡略化さ
れシリコン基板2の裏面にエッチングムラが生じにくく
なるとともに、薬液から生じる不純物汚染の機会の少な
い基板再生工程が実現できた。
【0148】
【発明の効果】本発明による基板製造方法では、SOI
構造を有する基板から、層構造部分のみを選択的に除去
できるため、厚さの減少量の極めて小さい再生基板を製
造することができる。
【0149】また、本発明による基板は厚さの減少量が
極めて小さいため、厚さの制限のある用途にも利用が可
能であり、また、繰り返しての再利用が可能になるの
で、産業上の観点と資源節約・地球環境保護の観点から
利用価値は極めて大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のSOI基板の再生方法を示すフローチ
ャート図である。
【図2】本発明のSOI基板の再生方法によりSOI基
板が再生される様子を示す模式的断面図である。
【図3】本発明のSOI基板の貼り合わせ法によりSO
I基板を再生する工程を示す模式的断面図である。
【図4】本発明のSOI基板の貼り合わせ法によりSO
I基板を作製する工程及び再生する工程を示す模式的断
面図である。
【図5】本発明のSOI基板の貼り合わせ法によりSO
I基板を再生する工程を示す模式的断面図である。
【図6】本発明のSOI基板の再生工程を示す模式的断
面図である。
【図7】本発明の実施例と比較例におけるSOI基板の
再生工程を示す模式的断面図である。
【図8】再生工程において、研削あるいは研磨量がSO
I基板内でばらつく場合の模式的断面図である。
【図9】再生工程において、再生対象であるSOI基板
の厚さにばらつきがある場合の模式的断面図である。
【図10】SOI基板の貼り合わせ法によりSOI基板
を作製する場合に用いられる再生基板を再利用する方法
を示す模式的断面図である。
【符号の説明】
1 SOI基板 2 半導体基板 3 絶縁層 4 単結晶半導体層 5 再生基板 12 第2の絶縁層 13 裏面絶縁層 21 SOI基板 22 半導体基板 25 再生基板 33 絶縁層 44 単結晶半導体層

Claims (32)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 半導体基板上に絶縁層を介して単結晶半
    導体層を有するSOI(Semiconductor On Insulator)
    基板を準備する工程、 前記単結晶半導体層を除去する第1の除去工程、 及び前記絶縁層を選択的に除去する第2の除去工程を有
    することを特徴とするSOI基板の再生方法。
  2. 【請求項2】 前記第1の除去工程前に、前記単結晶半
    導体層を酸化する工程を含む請求項1記載のSOI基板
    の再生方法。
  3. 【請求項3】 前記第1の除去工程がエッチングにより
    行なわれる請求項1記載のSOI基板の再生方法。
  4. 【請求項4】 前記第1の除去工程としてのエッチング
    が、4−メチルアンモニウム水酸化物、KOH、あるい
    は、3−メチル−2−水酸化エチルアンモニウム水酸化
    物溶液をエッチャントとして行われる請求項3記載のS
    OI基板の再生方法。
  5. 【請求項5】 前記第1の除去工程が研磨により行なわ
    れる請求項1記載のSOI基板の再生方法。
  6. 【請求項6】 前記研磨が、化学的機械的研磨(CM
    P)である請求項4記載のSOI基板の再生方法。
  7. 【請求項7】 前記第2の除去工程が、エッチングによ
    り行われる請求項1記載のSOI基板の再生方法。
  8. 【請求項8】 前記第2の除去工程としてのエッチング
    が、フッ化水素酸、あるいはバッファードフッ酸をエッ
    チャントとして行われる請求項7記載のSOI基板の再
    生方法。
  9. 【請求項9】 前記第2の除去工程後に露呈した前記半
    導体基板を水素を含む還元性雰囲気中で熱処理する工程
    を含む請求項1記載のSOI基板の再生方法。
  10. 【請求項10】 前記第2の除去工程後に露呈した前記
    半導体基板表面を研磨する工程を含む請求項1記載のS
    OI基板の再生方法。
  11. 【請求項11】 前記第2の除去工程後に露呈した前記
    半導体基板表面を研磨する工程が、化学的機械的研磨
    (CMP)により行われる請求項10記載のSOI基板
    の再生方法。
  12. 【請求項12】 前記第2の除去工程後に露呈した前記
    半導体基板表面を研磨する工程が、タッチポリッシュに
    より行われる請求項10記載のSOI基板の再生方法。
  13. 【請求項13】 前記SOI基板が貼り合わせ法により
    作製されたSOI基板である請求項1記載のSOI基板
    の再生方法。
  14. 【請求項14】 前記SOI基板が貼り合わせ法により
    作製されたSOI基板の再生方法であって、 前記半導体基板と前記絶縁層の界面が貼り合わせ面であ
    る請求項13記載のSOI基板の再生方法。
  15. 【請求項15】 前記貼り合わせ法が、 多孔質層上に前記単結晶半導体層を有する第1の基板を
    用意する工程、 及び前記第1の基板と第2の基板を絶縁層を介して、且
    つ前記単結晶半導体層が内側に位置するように貼り合わ
    せ多層構造体を形成する工程、を含む工程によりSOI
    基板を作製する方法である請求項14記載のSOI基板
    の再生方法。
  16. 【請求項16】 前記絶縁層が、前記第1の基板の前記
    単結晶半導体層上に形成されている請求項15記載のS
    OI基板の再生方法。
  17. 【請求項17】 前記貼り合わせ法が、 分離層上に前記単結晶半導体層を有する第1の基板を用
    意する工程、 及び前記第1の基板を第2の基板と絶縁層を介して、且
    つ前記単結晶半導体層が内側に位置するように貼り合わ
    せて多層構造体を形成する工程、を含む工程によりSO
    I基板を作製する方法である請求項14記載のSOI基
    板の再生方法。
  18. 【請求項18】 前記絶縁層が、前記第1の基板上の前
    記単結晶半導体層上に形成されている請求項17記載の
    SOI基板の再生方法。
  19. 【請求項19】 前記分離層は、単結晶シリコン基板に
    希ガスないしは、水素イオンを注入することにより形成
    される請求項17又は18記載のSOI基板の再生方
    法。
  20. 【請求項20】 前記SOI基板が、 単結晶シリコン基板に酸素イオンを打ち込む工程、 前記単結晶シリコン基板を熱処理する工程を含む方法に
    より作製されるSOI基板である請求項1記載のSOI
    基板の再生方法。
  21. 【請求項21】 前記単結晶半導体層が、単結晶シリコ
    ン層である請求項1〜18のいずれか1項に記載のSO
    I基板の再生方法。
  22. 【請求項22】 前記単結晶半導体層の構成物質が、G
    e、Si、SiC、C、GaAs、AlGaAs、Al
    GaSb、InGaAs、InP、InAsの少なくと
    も一つを含む請求項1乃至18のいずれか1項に記載の
    SOI基板の再生方法。
  23. 【請求項23】 前記半導体基板が、単結晶シリコン基
    板である請求項1〜18のいずれか1項に記載のSOI
    基板の再生方法。
  24. 【請求項24】 前記絶縁層が、酸化シリコン層である
    請求項1〜18のいずれか1項に記載のSOI基板の再
    生方法。
  25. 【請求項25】 前記絶縁層が、窒化シリコン層、ある
    いは窒化酸化シリコン層である請求項1〜18のいずれ
    か1項に記載のSOI基板の再生方法。
  26. 【請求項26】 前記第2の基板が、単結晶シリコン基
    板である請求項15又は17記載のSOI基板の再生方
    法。
  27. 【請求項27】 前記多孔質層が、シリコン基板表面を
    陽極化成により多孔質化して形成されている請求項15
    又は16記載のSOI基板の再生方法。
  28. 【請求項28】 多孔質シリコン層上に単結晶シリコン
    層を介して酸化シリコン層を有する第1の基板を用意す
    る工程、 前記第1の基板と第2のシリコン基板を前記酸化シリコ
    ン層が内側に位置するように貼り合わせ、多層構造体を
    形成する工程、 及び前記多層構造体を前記多孔質シリコン層で分離、あ
    るいは前記多孔質シリコン層を除去する工程、を含む工
    程により作製された、第2のシリコン基板上に前記酸化
    シリコン層を介して前記単結晶シリコン層を有するSO
    I基板であって、 前記単結晶シリコン層をエッチングあるいは研磨により
    除去する前記第1の除去工程、 前記酸化シリコン層をエッチングにより選択的に除去す
    る前記第2の除去工程、 及び前記第2の除去工程により露呈した前記第2のシリ
    コン基板表面を水素を含む還元性雰囲気で熱処理あるい
    は化学的機械的研磨により表面処理する工程、を有する
    ことを特徴とするSOI基板の再生方法。
  29. 【請求項29】 分離層上に単結晶シリコン層を介して
    酸化シリコン層を有する第1の基板を用意する工程、 前記第1の基板と第2のシリコン基板を前記酸化シリコ
    ン層が内側に位置するように貼り合わせ、多層構造体を
    形成する工程、 及び前記多層構造体を前記分離層で分離する工程、を含
    む工程により作製された、第2のシリコン基板上に前記
    酸化シリコン層を介して前記単結晶シリコン層を有する
    SOI基板であって、 前記単結晶シリコン層をエッチングあるいは研磨により
    除去する前記第1の除去工程、 前記酸化シリコン層をエッチングにより選択的に除去す
    る前記第2の除去工程、 及び前記第2の除去工程により露呈した前記第2のシリ
    コン基板表面を水素を含む還元性雰囲気で熱処理あるい
    は化学的機械的研磨により表面処理する工程を有するこ
    とを特徴とするSOI基板の再生方法。
  30. 【請求項30】 前記分離層が、 シリコン基板に希ガスないしは、水素イオンを注入する
    ことにより形成される請求項29記載のSOI基板の再
    生方法。
  31. 【請求項31】 前記SOI基板が貼り合わせ法により
    作製されており、且つ前記半導体層と前記絶縁層の界面
    が貼り合わせ面であるSOI基板であって、 前記単結晶半導体層をエッチングあるいは研磨により除
    去する前記第1の除去工程、 前記絶縁層をエッチングにより選択的に除去する前記第
    2の除去工程、 及び前記第2の除去工程により露呈した前記第2の半導
    体基板表面を水素を含む還元性雰囲気で熱処理あるいは
    化学的機械的研磨により表面処理する工程、を有するこ
    とを特徴とする請求項1記載のSOI基板の再生方法。
  32. 【請求項32】 請求項1〜31のいずれかに記載のS
    OI基板の再生方法により作製された再生基板。
JP2259799A 1998-01-30 1999-01-29 Soi基板の再生方法及び再生基板 Pending JPH11288858A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2259799A JPH11288858A (ja) 1998-01-30 1999-01-29 Soi基板の再生方法及び再生基板

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10-18811 1998-01-30
JP1881198 1998-01-30
JP2259799A JPH11288858A (ja) 1998-01-30 1999-01-29 Soi基板の再生方法及び再生基板

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH11288858A true JPH11288858A (ja) 1999-10-19

Family

ID=26355545

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2259799A Pending JPH11288858A (ja) 1998-01-30 1999-01-29 Soi基板の再生方法及び再生基板

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH11288858A (ja)

Cited By (15)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001223146A (ja) * 2000-02-07 2001-08-17 Fujitsu Ltd 再生シリコンウエハの製造方法及び再生シリコンウエハを用いて半導体装置を製造する方法
WO2002001616A1 (fr) * 2000-06-29 2002-01-03 Shin-Etsu Handotai Co., Ltd. Procede de traitement d'une plaquette de semi-conducteur et plaquette de semi-conducteur
WO2007010619A1 (ja) * 2005-07-22 2007-01-25 Sumco Corporation Simoxウェーハの製造方法及びその方法で製造されたsimoxウェーハ
JP2007142229A (ja) * 2005-11-21 2007-06-07 Sumco Corp 貼合せ基板の製造方法及びその方法で製造された貼合せ基板
JP2009038220A (ja) * 2007-08-02 2009-02-19 Shin Etsu Chem Co Ltd ダミーウェハ
WO2009031270A1 (ja) * 2007-09-03 2009-03-12 Panasonic Corporation ウエハ再生方法およびウエハ再生装置
JP2009152577A (ja) * 2007-11-29 2009-07-09 Semiconductor Energy Lab Co Ltd 光電変換装置及びその製造方法
JP2009177158A (ja) * 2007-12-28 2009-08-06 Semiconductor Energy Lab Co Ltd 光電変換装置及びその製造方法
JP2009253212A (ja) * 2008-04-10 2009-10-29 Shin Etsu Handotai Co Ltd Soi基板の製造方法
JP2010514185A (ja) * 2006-12-19 2010-04-30 コミサリヤ・ア・レネルジ・アトミク 注入によってGaN薄層を調製および出発基板を再利用するための方法
JP2010103510A (ja) * 2008-09-29 2010-05-06 Semiconductor Energy Lab Co Ltd 光電変換装置及びその作製方法
JP2010524208A (ja) * 2007-03-31 2010-07-15 アドバンスド テクノロジー マテリアルズ,インコーポレイテッド ウエハ再生のために材料を剥離する方法
WO2010103568A1 (ja) * 2009-03-11 2010-09-16 Yunogami Takashi 再生半導体ウエハの製造方法
KR20100118932A (ko) * 2009-04-29 2010-11-08 에스.오.아이. 테크 실리콘 온 인슐레이터 테크놀로지스 도너 기판으로부터 핸들 기판 상으로의 층 전달 방법
JP2012165012A (ja) * 2004-12-27 2012-08-30 Third Dimension (3D) Semiconductor Inc 高電圧超接合端子の製造方法

Cited By (22)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001223146A (ja) * 2000-02-07 2001-08-17 Fujitsu Ltd 再生シリコンウエハの製造方法及び再生シリコンウエハを用いて半導体装置を製造する方法
WO2002001616A1 (fr) * 2000-06-29 2002-01-03 Shin-Etsu Handotai Co., Ltd. Procede de traitement d'une plaquette de semi-conducteur et plaquette de semi-conducteur
US7332437B2 (en) 2000-06-29 2008-02-19 Shin-Etsu Handotai Co., Ltd. Method for processing semiconductor wafer and semiconductor wafer
JP2012165012A (ja) * 2004-12-27 2012-08-30 Third Dimension (3D) Semiconductor Inc 高電圧超接合端子の製造方法
WO2007010619A1 (ja) * 2005-07-22 2007-01-25 Sumco Corporation Simoxウェーハの製造方法及びその方法で製造されたsimoxウェーハ
JP2007142229A (ja) * 2005-11-21 2007-06-07 Sumco Corp 貼合せ基板の製造方法及びその方法で製造された貼合せ基板
JP2010514185A (ja) * 2006-12-19 2010-04-30 コミサリヤ・ア・レネルジ・アトミク 注入によってGaN薄層を調製および出発基板を再利用するための方法
JP2010524208A (ja) * 2007-03-31 2010-07-15 アドバンスド テクノロジー マテリアルズ,インコーポレイテッド ウエハ再生のために材料を剥離する方法
JP2009038220A (ja) * 2007-08-02 2009-02-19 Shin Etsu Chem Co Ltd ダミーウェハ
JP4519199B2 (ja) * 2007-09-03 2010-08-04 パナソニック株式会社 ウエハ再生方法およびウエハ再生装置
US8563332B2 (en) 2007-09-03 2013-10-22 Panasonic Corporation Wafer reclamation method and wafer reclamation apparatus
WO2009031270A1 (ja) * 2007-09-03 2009-03-12 Panasonic Corporation ウエハ再生方法およびウエハ再生装置
JPWO2009031270A1 (ja) * 2007-09-03 2010-12-09 パナソニック株式会社 ウエハ再生方法およびウエハ再生装置
JP2009152577A (ja) * 2007-11-29 2009-07-09 Semiconductor Energy Lab Co Ltd 光電変換装置及びその製造方法
JP2009177158A (ja) * 2007-12-28 2009-08-06 Semiconductor Energy Lab Co Ltd 光電変換装置及びその製造方法
US7838388B2 (en) 2008-04-10 2010-11-23 Shin-Etsu Handotai Co., Ltd. Method for producing SOI substrate
JP2009253212A (ja) * 2008-04-10 2009-10-29 Shin Etsu Handotai Co Ltd Soi基板の製造方法
JP4636110B2 (ja) * 2008-04-10 2011-02-23 信越半導体株式会社 Soi基板の製造方法
JP2010103510A (ja) * 2008-09-29 2010-05-06 Semiconductor Energy Lab Co Ltd 光電変換装置及びその作製方法
WO2010103568A1 (ja) * 2009-03-11 2010-09-16 Yunogami Takashi 再生半導体ウエハの製造方法
KR20100118932A (ko) * 2009-04-29 2010-11-08 에스.오.아이. 테크 실리콘 온 인슐레이터 테크놀로지스 도너 기판으로부터 핸들 기판 상으로의 층 전달 방법
JP2010263187A (ja) * 2009-04-29 2010-11-18 Soi Tec Silicon On Insulator Technologies ドナー基板からハンドル基板へ層を転写するための方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3697106B2 (ja) 半導体基板の作製方法及び半導体薄膜の作製方法
US6613676B1 (en) Process of reclamation of SOI substrate and reproduced substrate
JP3352340B2 (ja) 半導体基体とその製造方法
CA2233096C (en) Substrate and production method thereof
US7855129B2 (en) Method for manufacturing direct bonded SOI wafer and direct bonded SOI wafer manufactured by the method
KR100238571B1 (ko) 반도체기판의 제조방법
US6426270B1 (en) Substrate processing method and method of manufacturing semiconductor substrate
US6054363A (en) Method of manufacturing semiconductor article
KR100392980B1 (ko) 분리장치 및 분리방법과 기판의 제조방법
US20030087503A1 (en) Process for production of semiconductor substrate
KR100279756B1 (ko) 반도체 물품의 제조방법
JP2001345435A (ja) シリコンウェーハ及び貼り合わせウェーハの製造方法、並びにその貼り合わせウェーハ
JP2000223683A (ja) 複合部材及びその分離方法、貼り合わせ基板及びその分離方法、移設層の移設方法、並びにsoi基板の製造方法
KR19980080778A (ko) 반도체기판 및 반도체기판의 제조방법
JPH11288858A (ja) Soi基板の再生方法及び再生基板
TW200406893A (en) Substrate and manufacturing method therefor
JP3697052B2 (ja) 基板の製造方法及び半導体膜の製造方法
JP3293767B2 (ja) 半導体部材の製造方法
JP3754818B2 (ja) 半導体基板の作製方法
JP3013932B2 (ja) 半導体部材の製造方法および半導体部材
JP2005079109A (ja) 貼合せsoiウェーハの製造方法及び該方法により製造された貼合せsoiウェーハ
JP2002289818A (ja) 半導体基板の作製方法

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20050414

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20050801

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20050930

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20060911