本発明は、半導体装置の製造プロセスにおいて不良となった半導体ウエハである中途ウエハを、半導体回路の製造プロセスを経る前の初期の半導体ウエハと同一視しうる半導体ウエハに再生するウエハ再生技術に関する。
IC(Integrated Circuit)を製造する場合、薄い円板形状の半導体ウエハ(以下「初期ウエハ」と呼ぶ場合もある)の一表面に種々の層を形成し、また、形成した膜の一部をエッチングなどして多数の回路パターンを半導体ウエハの上に形成していく(以下、「ウエハ」と呼ぶ場合もある(また半導体基板と呼ぶ場合もある))。
この半導体装置の製造プロセスにおいて、いずれかの層を形成する段階や、層の一部を除去するエッチング段階で何らかの不具合が生じた場合、半導体ウエハは、その後の製造工程にまわされることはなく不良半導体ウエハ(以下「中途ウエハ」と記す場合がある。)として廃棄される。
この不具合が生じ廃棄された中途ウエハは、半導体ウエハ自体には不具合が無く、その表面に形成された層に不具合が存在しているため、半導体の製造プロセスにおいて形成された層を除去し、半導体ウエハの表面状態を整えれば初期と同一視しうる半導体ウエハ(以下、「再生ウエハ」と記す場合がある。)を再生することができる。
従来の半導体ウエハの再生方法としては、例えば、日本国の特許公開公報である特開2001−358107号公報に記載の半導体ウエハの再生方法がある。(a)半導体ウエハの表面に形成された層を物理的(機械的)に除去する表面研削。(b)半導体ウエハの表面に存在する不純物や損傷を除去する湿式化学エッチング(ウエットエッチング)。(c)半導体ウエハの縁部の研磨。(d)半導体ウエハの表面および/あるいは裏面を平坦にする研磨(バフ研磨等)のウエハ再生方法が開示されている(例えば、日本国の特許公開公報である特開2001−358107号公報を参照)。
ところが、日本国の特許公開公報である特開2001−358107号公報に開示されているような半導体ウエハを再生するための最終工程としてバフ研磨を採用すると、半導体ウエハの表面は、ある程度の平坦性を確保することができるが、半導体の微細加工が進む昨今では、要求される平坦度に達することは困難である。
また、バフ研磨では、砥粒や薬液が半導体ウエハ上に残存するため、これらを洗浄する工程が必須となる。また、洗浄後の廃液を処理する必要も生じる。
さらに、砥粒により半導体ウエハの表面の一部に大きな穴が発生したり、半導体ウエハ表面の一部に砥粒が埋まり込んだりするようなパーティクルが半導体ウエハの表面に発生するなど部分的な欠損が発生することもある。
本発明は、これらの課題に鑑みなされたものであり、半導体ウエハの再生に必要な廃液などを可及的に抑制し、表面が平坦、かつ、清浄度の高い半導体ウエハに再生するウエハ再生方法およびウエハ再生装置を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために、本発明に係るウエハ再生方法は、半導体ウエハの表面に形成された他物質層および/あるいは少なくとも一部の不具合層を除去し、前記半導体ウエハを再生するウエハ再生方法であって、前記他物質層および/あるいは少なくとも一部の不具合層を前記半導体ウエハから物理的に除去する物理的除去ステップと、前記物理的除去ステップにより他物質層および/あるいは少なくとも一部の不具合層が除去された半導体ウエハの面に膜を形成する膜形成ステップと、前記膜形成ステップにより形成された前記膜と共にその膜が形成されている側の面の半導体ウエハの表面をプラズマによりエッチングするドライエッチングステップとを含む。
これにより、薬液などを節減でき、廃液の発生を抑え、平坦かつ清浄な表面を有する半導体ウエハに再生することが可能となる。
前記膜形成ステップでは、CVD(Chemical Vapor Deposition)により膜を形成してもよい。
これにより、ドライエッチング装置と同様に真空圧中でプラズマ処理を行うプラズマ処理装置を用いて膜を形成することができ、また、少なくとも、半導体ウエハを大気圧中にさらすことなく、膜形成とドライエッチングとを行うことが可能となる。
さらに、前記膜形成ステップより前に、他物質層および/あるいは少なくとも一部の不具合層が除去された半導体ウエハの面にプラズマにより直接エッチングする事前ドライエッチングステップを含むことが望ましい。
これにより、他物質層および/あるいは少なくとも一部の不具合層が除去されることにより半導体ウエハの表面に存在する変質層などを事前に除去することができ、ドライエッチングステップの際に設定した膜と半導体ウエハ(Si)の選択比を1としたエッチング条件を変質層の存在により、変更する必要が無くなる。さらに、事前ドライエッチングステップにより半導体ウエハの表面の凹凸に存在していたエッジ部分がエッチングにより滑らかになるため、他物質層および/あるいは少なくとも一部の不具合層が除去された半導体ウエハの面に膜を形成する膜形成ステップ後のドライエッチングの際に、より全体的にまんべんなくエッチングを行うことができる。従って、再生された半導体ウエハの表面をより平坦にすることができる。
また、半導体ウエハの面に形成された他物質層および/あるいは少なくとも一部の不具合層を除去し、前記半導体ウエハを再生するウエハ再生方法であって、前記他物質層および/あるいは少なくとも一部の不具合層を前記半導体ウエハからウエットエッチングにより除去する化学的除去ステップと、前記化学的除去ステップにより他物質層および/あるいは少なくとも一部の不具合層が除去された半導体ウエハの面の少なくとも片側の面に膜を形成する膜形成ステップと、前記膜形成ステップにより形成された前記膜と共にその膜が形成されている側の面の半導体ウエハの表面をプラズマによりエッチングするドライエッチングステップとを含む。
これにより、ウエハ表面粗さ仕上げ工程時の研磨処理等による半導体ウエハを砥粒除去洗浄する工程を廃することができ、その洗浄液やその廃棄を不要として、ひいてはコストを削減し、さらに平坦かつ清浄な表面を有する半導体ウエハに再生することが可能となる。
本発明によれば、ウエハ表面粗さ仕上げ工程時に、研磨処理等による砥粒の入った薬液を使う研磨処理(CMP、ポリシング等)を行わなくても良く、ウエハ表面粗さ仕上げ工程時の半導体ウエハも表面粗さ仕上げ工程処理に対し、砥粒除去洗浄する工程を廃することができ、さらにその工程で使用される洗浄液やその廃棄処理を不要とすることができる。ひいてはそのコストを削減することができ、表面が平坦かつ清浄度の高いウエハに再生することが可能である。
本発明の実施の形態1に係るウエハ再生方法の流れを示すフローチャートである。
同実施の形態1に係るウエハ再生方法の流れを示す工程図である。
物理的除去の一例を示す概念図である。
物理的除去の他の例を示す概念図である。
半導体ウエハの表面状態を模式的に示す断面図である。
ドライエッチング装置の構成例を模式的に示す図である。
本発明の実施の形態2に係るウエハ再生方法の流れを示すフローチャートである。
同実施の形態2に係るウエハ再生方法の流れを示す工程図である。
実施の形態1、2に係るウエハ再生方法における研削後と各処理後の半導体ウエハの表面状態を示す電子顕微鏡写真を含む図である。
本発明の実施の形態3に係るウエハ再生方法の流れを示すフローチャートである。
同実施の形態3に係るウエハ再生方法の流れを示す工程図である。
研削後のSiウエハ平滑化におけるレジスト膜形成+ドライエッチング2回処理の説明図である。
研削後のSiウエハ平滑化におけるSF6/CF4ガス流量比の依存性の説明図である。
研削後のSiウエハ平滑化における結果説明図である。
Siウエハ鏡面化処理におけるドライエッチング処理回数と表面粗度Raとの関係説明図である。
本発明の実施の形態に係るウエハ粗さ仕上工程のウエハ再生装置の構成を示す概略図である。
同実施の形態に係るウエハ再生装置におけるウエハ位置決め手段の説明図である。
同実施の形態に係るウエハ再生装置における動作を示すフローチャートである。
対比の為に、ウエハ表面粗さ仕上げ工程であるレジスト形成工程とエッチング処理工程とを別装置で構成した場合のウエハ再生装置の構成および処理を示すフローチャートである。
対比の為の再生するウエハ表面にレジスト膜を形成せず直接ドライエッチングした場合のウエハ再生方法の状態説明図である。
対比の為に、ウエハ表面粗さ仕上げ工程で物理化学的な除去による研磨処理を行うCMP処理により、ウエハを再生する方法の流れを示す工程図である。
次に、本発明に係る実施の形態について図面を参照しつつ説明する。
(実施の形態1)
本発明の実施の形態1のウエハ再生方法について、図面を参照しつつ説明する。
図1は本実施の形態1に係るウエハ再生方法の流れを示すフローチャートである。図2は本実施の形態1に係るウエハ再生方法の流れを示す工程図である。
図1、図2に示すように、まず、ウエハ表面層除去工程にて、半導体ウエハ200の表面に形成される他物質層210および/あるいは少なくとも一部の不具合層を物理的に除去する物理的除去ステップ/ウエハ表面層除去工程(S101)を実行する。
ここで、半導体ウエハ200とは、半導体装置を形成するためのベースとなるものであり、SiやGaAs等の半導体材料を薄い円板状に加工して得られたものである(以下「ウエハ」とも呼ぶ)。
他物質層210とは、半導体装置を製造するために半導体ウエハ200上に形成される様々な種類の層を意味している。例えば、絶縁膜としてのSiO2や、電子を運ぶための金属膜、何らかの機能を発揮させるための半導体層(半導体回路層)などである。また、他物質層210は、半導体の製造工程が進むにつれて、半導体ウエハ200上に様々な状態で形成されていく。
物理的に除去するとは、化学的以外の方法で除去することを意味している。例えば、砥石などで中途ウエハの表面を削り、半導体ウエハ200から他物質層210を除去する研削や、切削工具を用いて他物質層210を除去する切削、砂などの微小粒を空気の勢いで他物質層210に衝突させ他物質層210を除去するショットブラスト、砥粒を布帛等でこすりつけて他物質層210を除去するバフ研磨などがあげられる。なお、バフ研磨などの物理的除去では、酸性やアルカリ性のペースト等の物質も同時に使用されるが、これも物理的除去に含む。つまり、他物質層210を化学的な方法で脆弱化しているが、なお物理的な力により他物質層210を除去しているため物理的除去に含むものとする。
図3は物理的除去の一例を示す概念図である。
同図に示すように、半導体ウエハ200の上に他物質層210が形成されている。そして、円筒形状の砥石300が回転しながら当該他物質層210に接触することで、他物質層210を物理的に除去している。そして砥石300を半導体ウエハ200の表面に沿って移動させることで、全ての他物質層210を除去することができる。なお、他物質層210を全て除去するために、他物質層210と共に半導体ウエハ200の表面をわずかに削り取っている。
また、物理的除去の他の例を図4に示す。
この場合も図3と同様に、半導体ウエハ200の上に他物質層210が形成されている。そして、図4(a)のように円盤形状の砥石301が軸J1を回転軸として、図4(b)のように矢印Y51の方向に回転しながら当該他物質層210に接触することで、他物質層210を物理的に除去している。そして、図4(b)のように砥石301全体を半導体ウエハ200の表面に沿って矢印Y52で示す半導体ウエハ200の円周方向に移動させることで、全ての他物質層210を除去することができる。なお、この場合も、他物質層210を全て除去するために、他物質層210と共に半導体ウエハ200の表面をわずかに削り取っている。
なお、砥石300、301と接触する部分には、冷却や削りくずの飛散防止を目的として水などを流しておいても構わない。
ここで、要求される再生ウエハの最終ウエハ粗さ仕上げの平坦度は30Å以下である。これに対し、半導体ウエハ200の表面の表面粗度Raが30Åより大きい状態を、半導体ウエハ200の表面が荒れた状態という。通常砥石で研削すれば表面粗度Raが100Å以上となる。
なおここで、対比の為に、半導体ウエハ200の表面に形成される他の物質層210を除去せず、再生前ウエハを、直接ドライエッチング処理することにより、半導体ウエハ200を再生しようとした場合を図20(a)に示す。
しかし、この方法では、他の物質層210である回路層と半導体ウエハ200(Si)の選択比αが1になら無いため、エッチングムラが発生する。
また、再生前ウエハを半導体ウエハ200の表面に形成される他の物質層210の除去の為の研削後に直接ドライエッチング処理することにより、半導体ウエハ200を再生しようとした場合を図20(b)に示す。
しかし、この方法でも、研削後のウエハ表面に発生する研削スジに起因して、ドライエッチング処理後にもウエハ表面に大きなうねり(Ra=100Å)が残ってしまう。
以上のように、単純にドライエッチングだけの処理を実施した場合、細かな凹凸はなくなるが、大きな段差が同等もしくは拡大して転写するため、半導体ウエハ200の表面の表面粗度Raは改善できない。したがって、研削後の半導体ウエハ200の表面のうねりがあまり改善されず、所望のウエハ平坦度が得られない。
ウエハ表面層除去工程の物理的除去ステップ(S101)の後に、次に、ウエハ粗さ仕上げ工程にて、前記物理的除去ステップ(S101)により他物質層210が完全に除去され表面が荒れた半導体ウエハ200の面にレジスト等の膜220を形成する膜形成ステップ(S104)を実行する。
半導体ウエハ200の表面に膜としてレジスト等の膜220(以下、被覆膜220とも言う)を形成する方法としては、例えばスピンコート法が挙げられ、簡易な装置で、半導体ウエハ200の板面に鉛直な方向の軸を回転軸として半導体ウエハ200を回転させながら半導体ウエハ200の面に形成する膜220の一例であるレジストを半導体ウエハ200の表面に塗布し、半導体ウエハ200の荒れた表面全体を覆うことができ、塗布した後の被覆膜220の表面を平坦にすることが可能であるので好ましい。
図5は半導体ウエハの表面状態を模式的に示す断面図である。
図5(a)に示すように、他物質層210および/あるいは不具合層の少なくとも一部が除去された半導体ウエハ200の表面は荒れた状態となっている(例えば表面粗度Raで100Å)。
半導体ウエハ200上に形成する膜220は、図5(b)に示すように、荒れた半導体ウエハ200の表面の最大ピークを覆い隠す程度の厚さが好ましい。形成された膜220の表面は、半導体ウエハ200の裏面と平行であるように形成する。これにより、再生された半導体ウエハ200の厚みが均一になるからである。また、形成された膜220の表面は、少なくとも半導体ウエハ200の荒れた表面よりは平坦であることが好ましい。これにより、最終的に得られる半導体ウエハ200の表面の表面粗度Raに影響を及ぼすからである。
ここで、前記物理的除去ステップにより他物質が完全に除去され、表面が荒れた半導体ウエハ200の面に膜220を形成する膜形成ステップを実行するとあるが、半導体ウエハ200の表面に他物質210が付いていない場合や、あるいは半導体ウエハ200の表面に他物質210が当初から付いていない場合、物理的除去ステップ(S101)を行わず、表面が荒れた半導体ウエハ200の面に膜を形成する膜形成ステップを実行しても良い。
次に、ウエハ粗さ仕上げ工程の前記膜形成ステップ(S104)により形成された膜220と共にその膜が形成されている側の面の半導体ウエハ200の表面をガスプラズマにより鏡面になるようにエッチングするドライエッチングステップ(S107)を実行する。
ここで、ガスプラズマとは、高度に電離したガスの正イオンと電子とが混在している状態であり、真空圧チャンバ内に所望のガスを導入し、高周波の電圧等を印加することによって得ることができるものである。
前記ガスは、特に限定されるものではないが、半導体ウエハ200を高いレートでエッチングできるガスとして、SF6、CF4、NF3、CHF3、C2F6、C3F8、C5F8、C4F8、SiF4、F2などのFを含むガスや、Cl2、HCl、HI、HBr、BCl3、SiCl4ハロゲンガスを含むガスを用いるのが好ましい。また、前記ガスを単独ばかりでなく複数種類のガスを混合して使用しても良い。さらに、プラズマを安定させる等直接エッチングに寄与しないガスを添加ガスとして用いても良い。例えば、O2、Ar、Heなどのガスである。
なお、膜220と半導体ウエハ200との選択比を約1とするようなガスを選定するか、ガスの組合せを選定することが望ましい。
具体的には、エッチング用ガスとしてSF6とCF4とを選定した場合、選択比を1にするガス比は、真空圧度が0.7Paにおいて、SF6/CF4 40/60〜100/0である、特に著しく半導体ウエハ200の表面の表面粗度Raが小さくなるガス比は、SF6/CF4 80/20〜100/0の範囲である。
図6は、ドライエッチング装置を模式的に示す図である。
同図に示すように、ドライエッチング装置100は、減圧可能な真空圧チャンバ110と、真空圧排気系120と、ガス供給系130と、電源140、145と、電極150、155と、下部電極155と、温度制御手段160と、これらを総合的に制御する制御部105を備えている。
真空圧チャンバ110は、内部を真空圧に維持し、大気圧圧に対抗する強度を備えた容器である。
真空圧排気系120は、真空圧チャンバ110内に存在する空気などをターボポンプ等(図示せず)により真空圧チャンバ110外に廃棄する装置群である。
ガス供給系130は、ガスボンベや液体ガス用容器から供給される複数種類のガスを、所定の割合で真空圧チャンバ110内に導入することができる装置群である。
電源140、145は、真空圧チャンバ110内でプラズマを発生させるために必要な電力を供給する電源であり、高周波電源140、145は真空圧チャンバ110内部の上下に配置された電極150、155にそれぞれ接続されている。
電極150は、高周波電源140から供給される高周波パワーを真空圧チャンバ110内に放出し、ガスを振動させてプラズマを発生させるアンテナとして機能するものである。真空圧チャンバ110の上部に配置される電極150はコイル状となっている。また、下部電極155は、半導体ウエハ200を載置することができるテーブル状となっており、高周波電源145から供給される高周波パワーにより下部電極155にバイアスパワー供給され、真空圧チャンバ110内のプラズマ化された反応ガスのイオンを下部電極155側に載置された半導体ウエハ200側に引き込むことによりエッチングレートを向上させるものである。
温度制御手段160は、エッチングレートを向上させるため半導体ウエハ200を昇温したり、一方、プラズマのエネルギーにより加熱される半導体ウエハ200を冷却して所定の温度を維持しエッチングレートを安定させたりするための装置である。一般的には、半導体ウエハ200を載置する下部電極151を冷却するため、下部電極155の内部に冷却媒体(純水、オイル)等や下部電極155と半導体ウエハ200の裏面との間に冷却媒体(He)を一定の温度で循環させるものである。
また、図示されていないが、真空圧中で半導体ウエハ200を下部電極155に保持させるために、下部電極155には、直流電源146が接続され、半導体ウエハ200を静電吸着する静電吸着(ESC:Electrostatic Chuck)装置等が設けられている。これにより、半導体ウエハ200と下部電極155とが均等に密着し、温度制御手段160により半導体ウエハ200を均等に温度調節することが可能となる。
以上のドライエッチング装置100とガスを用い、ドライエッチングを実行する。具体的には、(1)真空圧チャンバ110内の下部電極155に、膜が形成された半導体ウエハ200を載置し、静電吸着により固定する。(2)真空圧排気系120により真空圧チャンバ110内を所定の真空圧度に達するまで排気する。(3)所定のガスを真空圧チャンバ110内に導入する。(4)電源140を用いて電極150に高周波の電圧を印加し、真空圧チャンバ110内に導入したガスのプラズマを発生させる。(5)電源145を用いて下部電極155に高周波の電圧を印加し、真空圧チャンバ110内のプラズマ化された反応ガスのイオンを下部電極155側に載置された半導体ウエハ200側に引き込む(6)所定の時間、半導体ウエハ200に対しプラズマを作用させることで、膜形成ステップにて形成された膜と共にその膜が形成されている側の面の半導体ウエハ200の表面をプラズマにより鏡面になるようにドライエッチングされる。
これにより、物理的除去により発生した半導体ウエハ200の表面の荒れや変質層205が除去され、平坦な表面を得ることができる。
以上の方法によれば、パーティクルや変質箇所のない平坦な表面を備えた半導体ウエハ200に再生することが可能となる。
なお、大気圧と真空圧の切換えを行うロードロック室などを完備すれば、真空圧チャンバ110を大気圧に開放すること無く半導体ウエハ200を出し入れできる。
ここで対比の為にウエハ表面粗さ仕上げ工程で半導体ウエハ200のウエハ面に対し、砥粒の入った薬液を使い物理化学的な除去による研磨処理を行う高精度のウエハ粗さ仕上げ方法であるCMP(ケミカルメカニカルポリシング)処理により、ウエハを再生する方法を示す。
例えば、図21に示すように、このウエハ再生方法では、半導体ウエハ200の表面に形成される他物質層210および/あるいは少なくとも一部の不具合層を研削等により除去処理するウエハ表面層除去工程とポリッシング処理(CMP)やラッピング処理によるウエハ仕上工程とによりウエハの少なくとも一面の片面を鏡面に再加工しウエハ再生する。
鏡面に加工される半導体ウエハ200のウエハの表面と、その表面の裏面側であるウエハの裏面にて、ウエハの裏面の状態がOKの時は、ウエハの表面にポリシング(CMP)処理を実行し、裏面に微小な突起があってパーティクル源になりNGの時は裏面ラッピング処理を実行する。
以上のウエハ表面層除去工程およびウエハ仕上工程等のメイン処理工程を経て半導体ウエハ200の表面を表面粗度Ra<10Å(1nm)程度にまで再生する。
しかしながら、ウエハ表面粗さ仕上げ工程時に砥粒の入った薬液を使い物理化学的な除去による研磨処理を行うこの方法では、物理化学的な除去による研磨処理のため、半導体ウエハ200をウエットエッチング等による砥粒除去洗浄を行う必要があり、ウエハ表面粗さ仕上げ工程以降に、多量の洗浄液やその廃棄処理が必要である。
これに対し、本発明によれば、ウエハ表面粗さ仕上げ工程時に、研磨処理等による砥粒の入った薬液を使う研磨処理(CMP、ポリシング等)を行わなくても良く、ウエハ表面粗さ仕上げ工程時の半導体ウエハ200の表面粗さ仕上げ工程処理に対し、砥粒除去洗浄する工程を廃することができ、さらにその工程で使用される洗浄液やその廃棄処理を不要とすることができる。ひいてはそのコストを削減することができ、表面が平坦かつ清浄度の高いウエハに再生することが可能である。
なお、本対比例では、ウエハ裏面に微小な突起があってパーティクル源になりNGの時は裏面ラッピング処理を実行するとしているが、本発明実施の形態の膜形成ステップにより形成された膜220と共にその膜220が形成されている側の面の半導体ウエハ200の表面をプラズマによりドライエッチングするウエハ粗さ仕上工程においては、半導体ウエハ200のウエハ表面を表裏反転してウエハ裏面に膜220の被覆処理をし、形成された膜220と共にその膜220が形成されている側の半導体ウエハ200の面(裏面)をドライエッチングにより処理することがより望ましい。また、ウエハ再生処理に悪影響を及ぼさなければ、半導体ウエハ200のウエハ裏面がNG時は、比較例と同様にウエハ裏面に対しラッピング処理を行っても良い。
(実施の形態2)
次に、本発明の実施の形態2のウエハ再生方法について、図面を参照しつつ説明する。
図7は本実施の形態2に係るウエハ再生方法の流れを示すフローチャートである。図8は本実施の形態2に係るウエハ再生方法の流れを示す工程図である。なお、実施の形態2のウエハ再生方法に用いられる装置に関しては、上記実施の形態1と同様であるため、その説明を省略する。
図7、図8に示すように、まず、ウエハ表面層除去工程にて半導体ウエハ200の表面に形成される他物質層210および/あるいは少なくとも一部の不具合層を物理的に除去する(S201)。
次に、他物質層210および/あるいは少なくとも一部の不具合層が除去された半導体ウエハ200をウエハ表面粗さ仕上げ工程にてドライエッチング装置100に配置し、半導体ウエハ200に対し事前ドライエッチングを施す(S204)。
これにより、図9(a)に示すような、物理的除去の加工速度等に応じて半導体ウエハ200の表面に発生した変質層205を、図9(b)に示すように事前に除去することができる。また、図9(a)に示す、物理的除去により半導体ウエハ200の表面に発生した鋭利な研削痕は、図9(b)に示すようになだらかになる。なお、図9(c)、(d)に示すように、本工程より、研削により発生する鋭利で荒れた表面(図9(c))は、大きなうねり状の荒れ(図9(d))に変化する。しかしながら半導体ウエハ200の表面の表面粗度Raは大きく改善されないようである。
このように、事前に半導体ウエハ200の表面の変質層205を除去しておくことで、膜220と共にその膜が形成されている側の面の半導体ウエハ200の表面をドライエッチングする際に、膜220よりも変質層205が選択的にエッチングされたり、逆に変質層205がエッチングされにくかったりすることがなくなる。すなわち、変質層205のない半導体ウエハ200と膜220との選択比が1となるように調整したガス比などのエッチング条件が、ウエハ表面層除去工程にて、物理的除去の加工速度等応じて半導体ウエハ200の表面に発生した不確定な要素である変質層205により乱されることを防ぐことができ、再生後の半導体ウエハ200の表面の表面粗度Raをより安定して向上させることが可能となる。
次に、半導体ウエハ200の表面に膜220を形成する(S207)。本実施の形態の場合、ドライエッチング装置100から半導体ウエハ200を取り出すことなく、膜220を形成する。具体的には、C4F8、CHF3、炭化水素(CH4、C2H6など)の単独あるいは混合ガスを真空圧チャンバ110に導入し、電極150に高周波の電圧を印加すれば半導体ウエハ200上に膜220が形成される。なお、投入するエネルギーはエッチングの際のエネルギーより低い。
このように、プラズマCVD法を用いて膜の形成を行えば、同一真空圧チャンバ110内で成膜とエッチングとを行うことができ、真空圧に排気する時間や半導体ウエハ200を搬送する時間を省略することが可能となる。
なお、真空圧チャンバ110の近傍にCVD用のチャンバを配置し、半導体ウエハ200を大気圧に戻すことなく二つのチャンバ間を行き来できるものとしても良い。
次に、膜220と共に半導体ウエハ200をドライエッチングする(S210)。
次に、半導体ウエハ200の表面の表面粗度Raが30Å以下か否かを判断する(S213)。判断方法は特に限定されない。例えば、実際に半導体ウエハ200の表面の表面粗度Raを測定しても良く、また、導入するガスの種類や投入するパワー、エッチング時間などを考慮し、経験的に判断しても構わない。そして、表面粗度Raが30Å以下なら(S213:Yes)終了し、30Åより大きければ(S213:No)成膜ステップ(S207)からやり直す。
以上の方法によれば、半導体ウエハ200の表面粗度Raを30Å以下に確実にすることが可能となる。
なお、膜の形成をCVDで行ったが、スピンコート法など他の方法で膜を形成してもウエハ表面の表面粗度Raを30Å以下とすることができる。また、ウエハ表面の表面粗度Raの判断基準は、再生された半導体ウエハ200の使用目的によって異なり、20Å以下を基準とする場合や10Å以下を基準とする場合などがある。
以上のような方法に従って、次に、本発明の具体的な実施例を説明する。
一例として、ウエハ表面層除去工程にて、まず、表面に他物質層210が設けられた半導体ウエハ200のシリコンウエハの表面を砥石等で研削し、シリコンウエハ表面から他物質層210を除去する。これにより研削後のシリコンウエハの表面の表面粗度Raは100Å以上であった。
次に、ウエハ粗さ仕上げ工程にて、半導体ウエハ200のウエハ表面にレジスト塗布を行うスピンコータにシリコンウエハをセットし、2000rpmで回転させてレジスト膜を半導体ウエハ200のシリコンウエハの表面に形成し、レジスト膜の膜厚は18000Å程度であった。
次に、半導体ウエハ200のウエハ表面に塗布されたレジスト膜を固化させるため120℃で2分間ベーキングを行った。
次に、レジスト膜が形成された半導体ウエハ200のシリコンウエハをドライエッチング装置にセットし、形成された膜220と共にその膜220が形成されている側の半導体ウエハ200の面のウエハ表面に対し、ドライエッチングを行った。
ドライエッチングの条件は以下の通りである。
以上のドライエッチングで、図12(a)、(b)に示すように、半導体ウエハ200のウエハ表面の表面粗度Raが26.9Åの表面を有するシリコンウエハを得た。
さらに、表面粗度Ra=26.9Åの半導体ウエハ200のシリコンウエハの表面に再度上記と同様にレジスト膜220を形成し、上記と同様の条件で2回目のドライエッチングを施した。
図9(e)、(f)は、2回目のドライエッチングが終了した半導体ウエハ200の表面状態を示す電子顕微鏡写真を含む図であり、図9(e)は鳥瞰図、図9(f)は断面図である。
図9(e)、(f)に示すように、半導体ウエハ200のシリコンウエハ表面を走査型電子顕微鏡で観察し、表面が平坦であることを確認した。また、パーティクルや変質部分は確認されなかった。
また、これにより得られたシリコンウエハの表面の表面粗度Raは14.6〜21.4Åであった。
以上により、本発明に係るウエハの再生方法を適用すれば、他物質層210が形成された半導体ウエハ200からウエハ表面の粗さが表面粗度Raが30Å以下、要すれば20Å以下の半導体ウエハ200を再生することが可能となる。
また、ウエハ粗さ仕上げ工程のドライエッチング終了後、そのまま半導体ウエハ200として使用することも可能となり、剥落した砥石の構成物や砥粒などを洗い流す砥粒除去洗浄の必要が無く、砥粒除去洗浄による多量の廃液が出ることもない。
以上のように実施の形態1および実施の形態2のウエハ再生方法においては、前述した効果が得られ、要求される再生ウエハの最終ウエハ粗さ仕上げの平坦度は30Å以下であり、十分に達成しているが、一方で以下のような問題点を残している。
すなわち、ウエハ表面層除去工程にて、半導体ウエハ200の表面に形成された他物質層210および/あるいは少なくとも一部の不具合層を研削により除去し、その後に、ウエハ粗さ仕上げ工程にて、他物質層210および/あるいは少なくとも一部の不具合層が除去された半導体ウエハ200の面に膜220を形成する膜形成ステップと、膜形成ステップにより形成された膜220と共にその膜220が形成されている側の面の半導体ウエハ200の表面をプラズマによりエッチングする場合、レジスト膜形成+ドライエッチングを繰り返すことで、半導体ウエハ200のウエハ表面の表面粗度Ra(<22Å(2.2nm))を改善できているが、レジスト膜形成+ドライエッチを4回繰り返しても、半導体ウエハ200のウエハ表面の表面粗度Raが改善(<22Å(2.2nm))できているにも関わらず、ウエハ粗さが仕上られた半導体ウエハ200のウエハ表面に目視(半導体ウエハ200のウエハ表面を斜めから見て)でわかる僅かな研削溝の跡が残る。
また、ウエハ表面層除去工程にて、半導体ウエハ200のウエハ表面に研削処理を施した場合には、研削処理後に、半導体ウエハ200のウエハ表面に切り溝の凹凸ができるため、そのウエハ表面の凹凸部に、パーティクル源となる異物が付着し、残りやすくなっている。
そのため、その後のウエハ粗さ仕上げ工程にて、レジスト膜形成+ドライエッチング処理を実施した場合、半導体ウエハ200のウエハ表面に被覆されたレジストと半導体ウエハ200のSiの選択比を1にして処理することで、半導体ウエハ200のウエハ表面の表面粗度Raを改善しているが、半導体ウエハ200のウエハ表面に付着し、残存している異物の材質によっては、選択比が1とならず、また異物自体がドライエッチングされずに残ることで、局所的な半導体ウエハ200のウエハ表面の荒れ・パーティクルを引き起こす原因となっている。
以上のような問題に対して、次に説明する実施の形態3においては、主な目標スペックとして、以下のように条件設定する。
・表面粗度Ra値(算術平均粗さRa)
10Å(1nm )以下(測定長さは50μm)
・TTV(Totol Thickness Variation:ウエハをチヤックし、全面の厚みを測定し最大値で表示。ウエハ全体的なうねりのこと。)
±5(絶対値で10)μm以内
(厚みが薄くなっても、TTV許容値は同じ)
・Thickness(ウエハ厚み。再生処理後、ダミーウエハとして使える厚み)
600μm以上(初期値は700μm)
・ドライエッチング量
他の物質層(回路層)および/あるいは少なくとも一部の不具合層をウエハの面の状態を整える側の面の除去後のウエハでは、2μm以内
(再生ウエハの種類やウエハ表面層除去工程の処理によって目標値が異なる)
・汚染(もしくはコンタミネーション)
Al 1×10E13atom/cm2以下
Na 2×10E10atoms/cm2以下
Cr 2×10E10atoms/cm2以下
等。
・表面状態
ミラー面のこと
(実施の形態3)
次に、本発明の実施の形態3のウエハ再生方法について、図面を参照しつつ説明する。
本実施の形態3のウエハ再生方法は、半導体ウエハ200の面に形成された他物質層210(回路層)および/あるいは少なくとも一部の不具合層を半導体ウエハ200からウエットエッチングにより除去する化学的除去により除去した後、ウエットエッチングにより他物質層210および/あるいは少なくとも一部の不具合層が除去された半導体ウエハ200の面の少なくとも片側の面に膜220を形成処理し、膜形成処理により形成された膜220と共にその膜220が形成されている側の面の半導体ウエハ200の表面をプラズマによりドライエッチングすることによりウエハを再生することを特徴とするウエハ再生方法である。
図10は本実施の形態3に係るウエハ再生方法の流れを示すフローチャートである。図11は本実施の形態3に係るウエハ再生方法の流れを示す工程図である。
図10、図11に示すように、まず、半導体ウエハ200の面に形成された回路パターンなどの他物質層210および/あるいは少なくとも一部の不具合層を、ウエットエッチングにより除去し(ステップS301)、次に、他物質層210および/あるいは少なくとも一部の不具合層が除去された半導体ウエハ200の面が除去された半導体ウエハ200の面の少なくとも片側の面に、レジスト塗布などにより被覆処理をして膜220を形成し(ステップS304)、次に、膜形成処理により形成された膜220と共にその膜220が形成されている側の面の半導体ウエハ200の表面をプラズマによりドライエッチングする(ステップS307)。これらのウエットエッチング+レジスト膜形成+ドライエッチング処理により、半導体ウエハ200を初期ウエハのように再生する。
なお、上記処理のウエットエッチングにおいては、ウエットエッチングで剥離する物質層210によって、ウエットエッチング洗浄の種類が異なる。
・Poly−Si付ウエハの場合は、フッ硝酸(HF、HNO3、H2O)洗浄。
・Ox(酸化膜付)(SiO2)付ウエハの場合は、DHF(Dilute Hydro Fluoricacid)洗浄。
なお、パターン層付ウエハの場合は、ウエハ表面層除去工程において、研削による除去後にウエットエッチング処理を行うことが望ましい。このことにより、少なくとも一部の不具合層(半導体ウエハのパターン層の研削処理時の研削痕等)がウエットエッチングにより除去される。この除去された半導体ウエハ200の面の少なくとも片側の面に膜220を形成処理し、膜形成処理により形成された膜220と共にその膜220が形成されている側の面の半導体ウエハ200の表面をプラズマによりドライエッチングすることにより高品質にウエハを再生することが可能である。
本実施の形態の場合、ウエハ表面層除去工程において、半導体ウエハ200の面に形成された他物質層210および/あるいは少なくとも一部の不具合層を除去する研削処理をウエハ粗さ仕上げ工程のレジスト膜形成+ドライエッチング処理の直前に行わないため、研削スジがないので鏡面が得られ易い。ここで、トータルのウエハ削り代40μmとした場合に、研削時は1回のウエハの削り量が10μm程度と多く、再生回数が4回程度可能だが、ウエットエッチングではエッチング量が4μm(4000nm)程度と少なく、ウエハ表面層除去工程において、ウエットエッチング処理を主に用いた場合は、再生回数が10回程度可能となる(ドライエッチングでは、エッチング量が1μm程度)。
以上のように、実施の形態3では、ウエハ表面層除去工程にて、半導体ウエハ200の面に形成された他物質層210および/あるいは少なくとも一部の不具合層をウエットエッチングする化学的除去あるいは研削等による物理的除去後にウエットエッチングによる化学的除去を行い、他物質層210および/あるいは少なくとも一部の不具合層が除去された半導体ウエハ200の面の少なくとも片側の面に膜220を形成処理し、膜形成処理により形成された膜220と共にその膜220が形成されている側の面の半導体ウエハ200の表面をプラズマによりドライエッチングすることで、ウエハ表面粗さ仕上げ工程時に砥粒の入った薬液を使い物理化学的な除去による研磨処理を行う高精度のウエハ粗さ仕上げ方法であるCMP(ケミカルメカニカルポリシング)処理等を行わなくても、高精度のウエハ再生を行うことが出来る。
これにより、ウエハ表面粗さ仕上げ工程時に砥粒の入った薬液を使う研磨処理に対応して、半導体ウエハを砥粒除去洗浄する工程を廃することができ、その洗浄液やその廃棄を不要として、ひいてはコストを削減し、さらに平坦かつ清浄な表面を有する半導体ウエハに再生することが可能となる。また、ドライエッチグプロセスにすることで、汚染・パーティクルレスにすることが可能である。
したがって、実施の形態1および実施の形態2におけるウエハ表面層除去工程における研削処理を、ウエットエッチングする化学的除去あるいは研削等による物理的除去後にウエットエッチングによる化学的除去を行う等の処理に変更することで、以下のような効果が得られる。
すなわち、ウエハ表面粗さ仕上げ工程時のレジスト膜形成+ドライエッチング処理前に、半導体ウエハ200の表面に対する切り溝のような局所的な荒れを抑制でき、ウエハ表面粗さ仕上げ工程前におけるウエハ表面の表面粗度Raを研削と比較して改善することができるので、ウエハ表面粗さ仕上げ工程時のレジスト膜形成+ドライエッチングの処理回数を減らすことができる。
また、レジスト膜形成+ドライエッチングを行っても消すことのできなかった僅かな研削痕を、確実になくすことが可能で、かつ鏡面にすることができる。この場合、ウエハ表面層除去工程時のウエットエッチング後のウエハ表面の表面粗度RaはRa=20〜40Å(2〜4nm)程度であり、ウエットエッチング後の半導体ウエハ200の面の少なくとも片側の面に膜220を形成処理し、膜形成処理により形成された膜220と共にその膜220が形成されている側の面の半導体ウエハ200の表面をプラズマによりドライエッチングすることで、半導体ウエハ200の表面の表面粗度をRa<10Å(1nm)にウエハ再生することができる。
さらに、ウエハ表面層除去工程では、ウエットエッチングすることで、Si表面に付着する異物を除去することもできる。
また、研削と異なり、全体にわたってうねりは有るが局所的な溝ができないので、局所的な溝に後から異物が付着したり、異物が除去できなかったりすることがなくなる。
そのため、ウエハ表面の局所的な荒れ・パーティクルを低減することができ、より高品質な再生ウエハを得ることができる。
なお、上記の実施の形態1、2において、ウエハ表面の他物質層210の除去の為の研削後のSiウエハ平滑化におけるレジスト膜形成+ドライエッチングの処理結果を、図12に示す。図12(a)にレジスト膜形成+ドライエッチングを2回処理することでウエハ表面の表面粗度Raが1回処理に比較し改善されることを示す。この時のレジスト膜形成+ドライエッチング処理のエッチング条件を、図12(b)に示す。
また、研削後のSiウエハ平滑化におけるSF6/CF4ガス流量比の依存性の度合いを、図13に示す。図13(a)および図13(b)に、SF6/CF4のガス流量比として、100/0が好条件であることを示し、図13(a)および図13(b)に示すSF6/CF4の各ガス流量比でエッチング処理を実施する場合のその他のドライエッチング条件を、図13(c)に示す。
また、研削後のウエハ粗さ仕上工程時のSiウエハ平滑化におけるのドライエッチング単独処理時の各条件とウエハ表面の表面粗度Raとの関係及びレジスト膜形成+ドライエッチングを行った場合のウエハ表面の表面粗度Raの関係を図14に示す。図14(a)にドライエッチング処理における各種条件を示し、図14(a)に示す各条件に対応するウエハ表面のそれぞれの処理結果を、図14(b)に示す。ここで、図14(a)の処理工程のドライエッチ単独処理に示すようにドライエッチング条件を様々に変更したが、ドライエッチング処理のみでは半導体ウエハ200の表面の表面粗度Raを実施の形態1、2の目標の表面粗度Ra(Ra<30Å)に改善することができず、図14(a)のNo.10に示すように、レジスト被覆有りでレジスト膜形成+ドライエッチング処理を実施することにより、ウエハの表面状態は図14(b)の条件Aに示す状態から、図14(b)のNo.10に示す状態のようにウエハ表面の表面粗度Raを111Åから31.5Åに大幅に改善できることがわかる。
また、研削後のウエハ粗さ仕上工程時のSiウエハ平滑化におけるレジスト膜形成+ドライエッチング処理の回数と半導体ウエハ200のウエハ表面の表面粗度Raとの関係を図15に示す。図15(a)にドライエッチング処理における処理回数と表面粗度Raの関係を示し、図15(a)に示す各関係をグラフ化した図を図15(b)に示す。
レジスト膜形成+ドライエッチング処理の回数を増やすと、ウエハ表面の表面粗度Raは12Å程度まで改善されるが、目視ではウエハ表面に研削スジが見える。また、段差計(Tencor社製)による測定では、再生されたウエハ表面における研削スジ部分の表面粗度Raは他の部分とほとんど差はない。
次に、本発明の実施の形態のウエハ粗さ仕上げ工程(レジスト膜形成+ドライエッチ)のウエハ再生装置400について、図面を参照し説明する。
図16は本実施の形態のウエハ再生装置の構成を示す概略図である。図16において、W(W1、W2)はウエハ(半導体ウエハ200)、K1、K2はウエハW1,W2をそれぞれ収納するカセット、TC1は大気圧搬送部兼ウエハの位置決めの為のセンタリング部、A1、A2はカセットK1,K2に対してそれぞれウエハW1,W2を受渡しする大気圧搬送部TC1のアーム、S1はウエハWのウエハ表面の表面粗度Raを測定する光学式表面粗さ測定器、SC1はウエハWの板面に鉛直な方向の軸を回転軸としてウエハWを回転させながらレジストを大気中にてウエハWの表面に塗布して(図示せず)ウエハW表面にレジスト膜を被覆処理するスピンコータ室、B1はウエハW1の表面に塗布されたレジスト膜を大気中にて乾燥させるベーク室、LO1は大気圧と真空圧の切換えを行うロード/ロック(L/L)室、E1は真空圧中で反応ガスによるプラズマエッチング処理を行うドライエッチング室、H1は大気圧中で大気圧搬送部兼センタリング部TC1とスピンコータ室SC1とベーク室B1と大気圧に切換えられたロード/ロック(L/L)室との間でウエハW1の受渡し可能なダブルアームWA1を備える搬送部(大気圧用)、H2は真空圧中でエッチング室E1と真空圧に切換えられたロード/ロック(L/L)室との間でウエハW1の受渡し可能なダブルアームWA2を備える搬送部(真空圧用)、WSは半導体ウエハ200のウエハ供給部、C1はこれら装置を総合的に制御し、他物質層および/あるいは少なくとも一部の不具合層が除去された半導体ウエハの面の少なくとも片側の面に膜を形成する膜形成ステップと、前記膜形成ステップにより形成された前記膜と共にその膜が形成されている側の面の半導体ウエハの表面をプラズマによりエッチングするドライエッチングステップとのウエハ再生の制御動作を行う制御部である。ここで、それぞれの処理室は個別に処理動作制御部を備えてもよく、上記制御部C1は各処理室に備えた制御部を総括的に制御しても良い。
なお、大気圧搬送部兼センタリング部TC1によるウエハWの位置決めは、図17(a)および図17(b)に示すように、ウエハのオリフラOR1あるいはノッチN1を検出することにより、ウエハWの位置決めを行う。
以上のウエハ再生装置400において、図18のウエハ再生装置400における動作のフローチャートに示すように、まず、カセットK1あるいはK2から大気圧搬送部TC1のアームA1、A2によりそれぞれウエハW(W1、W2)を取り出すが、ここでは、説明を簡略化するためカセットK1から大気圧搬送部TC1のアームA1によりウエハW1を取り出すものとして説明する。
カセットK1から取出されたウエハW1は大気圧搬送部兼センタリング部TC1へ移動し(経路(1))、ウエハW1の位置決めの為のセンタリングを行い、ウエハW1の表面層のレジスト膜形成前の事前のドライエッチングが必要でない場合には、次に、搬送室(大気圧用)H1のダブルアームWA1によりウエハW1をスピンコータ室SC1へ移動して、ウエハW1の表面にレジスト膜形成のためにレジスト塗布を処理し(経路(2)⇒(3))、次に、ウエハW1を搬送部(大気圧用)H1のダブルアームWA1によりウエハW1をベーク室B1へ移動して、ウエハW1をベーク処理し(経路(4)⇒(5))、次に、搬送部(大気圧用)H1のダブルアームWA1によりウエハW1を大気圧に切換えられているロード/ロック(L/L)室LO1へ移動し(経路(6)⇒(7))、ロード/ロック(L/L)室LO1にて大気圧から真空圧へ切換えが行われ、次に、搬送部(真空圧用)H2のダブルアームWA2によりウエハW1を搬送部(真空圧用)H2を経由してエッチング室E1へ移動して(経路(8)⇒(9))、ウエハW1をエッチング処理し、次に、搬送部(真空圧用)H2のダブルアームWA2によりウエハW1を搬送部(真空圧用)H2を経由して真空圧に切換えられているロード/ロック(L/L)室LO11へ移動し(経路(10)⇒(11))、ロード/ロック(L/L)室LO1にて真空圧から大気圧へ切換えが行われ、次に、搬送部(大気圧用)H1のダブルアームWA1によりウエハWを大気圧搬送部TC11へ移動することにより、ウエハW1を搬出し(経路(12)⇒(13))、次に、大気圧搬送部TC1に備えられた光学式表面粗さ測定器S1による検査によりウエハW1の表面の表面粗度Raが規定値ならば、アームA1によりカセットK1にウエハW1を収納する(経路(14))。
一方、大気圧搬送部TC1のアームA1によりカセットK1からウエハW1を取り出して、大気圧搬送部兼センタリング部TC1へ移動し(経路(1))、表面層の事前のエッチングが必要と判断された場合には、搬送部(大気圧用)H1のダブルアームWA1によりウエハW1を大気圧に切換えられているロード/ロック室LO1へ直接移動(経路(2)⇒(7))させる。ここでウエハWのロード/ロック室LO1の以降の移動動作フローは表面層の事前のエッチングが不要と判断された場合の動作フローと同様のため説明を省略する。
また、大気圧搬送部TC11において、光学式表面粗さ測定器S1による検査でウエハW1の表面の表面粗度Raが規定値でないならば、搬送部(大気圧用)H1のダブルアームWA1によりウエハW1を、センタリング部TC12からスピンコータ室SC1へ移動して(経路(2)⇒(3))、再度、ウエハW1の表面にレジスト膜形成の為にレジスト塗布処理し、以降の経路(経路(4)⇒(13))までの処理を、ウエハW1の表面の表面粗度Raが規定値になるまでレジスト膜形成+ドライエッチング処理を繰り返す。
以上の動作手順を経て、ウエハWを初期ウエハのように再生する。
なお、光学式表面粗さ測定器S1は大気圧搬送部TC1に備えられたとしているが、搬送部(大気圧用)H1に設けても良い。これにより、大気圧搬送部TC1にウエハWを搬出しなくともウエハWの表面の表面粗度Raを測定できる為、規定値でないならばウエハWを再度スピンコータ室SC1へ移動出来る。
ここで、ウエハ再生装置400内の各工程等とのウエハW1の受渡し動作は、例えば、搬送部H1(大気圧用)のダブルアームWA1はベーク室B1からロード/ロック室(L/L)室LO11へのウエハWの受渡し(経路(5)⇒(7))と、ロード/ロック室(L/L)室LO11から大気圧搬送部兼センタリング部TC1へのウエハWの受渡し(経路(12)⇒(13))とを同時に行う。
次に大気圧搬送部兼センタリング部TC1からのスピンコータ室SC1へのウエハWの受渡し(経路(2)⇒(3))とスピンコータ室SC1からベーク室B1へのウエハWの受渡し(経路(4)⇒(5))とを同時に行うことが可能であり、このことによりウエハの各処理室あるいは各工程への搬送時間が短縮される。ウエハ搬送アームの数を増やせばより多くのウエハの受渡しを同時に行うことができる。
また、次工程のウエハ処理時間待ちが発生する場合は、ウエハ待機位置を設けても良い。また、大気圧用と真空圧用にそれぞれ専用にて別体に構成された搬送部(H1,H2)と、大気圧と真空圧との切換えを行うロード/ロック室(L/L)室LO11とを別空間にて構成することにより、大気圧領域から真空圧領域へのウエハW1の受渡しは、搬送部(大気圧用)H1と搬送部(真空圧用)H2の別体で構成されたそれぞれ専用の搬送装置により行われる為、ウエハW1の表面にウエハW1を回転させレジストを塗布するスピンコータ室SC1でのレジストの飛散等により、大気圧用の搬送部H1のダブルアームWA1に汚れが生じても真空圧中で反応ガスによるドライエッチング処理を行うエッチング室E1に、大気圧専用の搬送アームWA1が直接入らない為、エッチング室E1へのダスト汚染を抑制出来る。
また、大気圧用と真空圧用に搬送部(H1、H2)がそれぞれ専用で構成されている為、ロード/ロック室(L/L)室LO11と搬送部(H1、H2)は別空間にて構成され、ダブルアームの機構等の大きな空間を必要とする搬送部の空間に対して直接、大気圧と真空圧雰囲気の切換え動作を行わない為、ロード/ロック室(L/L)室LO11をよりコンパクトに構成出来、ロード/ロック室(L/L)室LO11の大気圧と真空圧の切換えの為の処理時間が短縮できる。
また、真空圧雰囲気中であるエッチング室E1へのウエハの受渡し動作と、大気圧雰囲気中でレジストをウエハW1の表面に塗布するスピンコータ室SC1とウエハW1の表面に塗布されたレジスト膜を乾燥させるベーク室B1と大気圧搬送部兼センタリング部TC1とのウエハW1の受渡し動作を並列処理可能に行うため、真空圧と大気圧の切換えが生じても生産性を向上できる。
このようなウエハ粗さ仕上げ工程(レジスト膜形成+ドライエッチ)のウエハ再生装置400構成にて、スピンコータSC1によるレジスト塗布とベークチャンバーB1によるポストベーク処理とドライエッチングチャンバーE1によるドライエッチング処理をインライン化してできる。
また、ベークチャンバーB1は、ホットプレートなどによる熱的なベークの場合と光(UV)などによるベーク処理の場合も可能である。
また、光ベーク処理の場合は、例えば搬送部H1などの搬送経路の上面にUVランプを取り付けて、搬送中に光ベークすることも可能である。
また、ウエハWの表面の表面粗度Raの測定のための光学式の表面粗さ測定器S1は、光学顕微鏡などを用いても良い。
次に、ここで対比のためにウエハ粗さ仕上工程のレジスト形成工程とエッチング処理工程を別装置で構成し、それぞれバッチ処理した場合の他のウエハ再生装置について説明する。
図19は、ウエハ再生装置の構成および処理工程を示すフロー図である。図19に示すように、まずレジスト形成処理工程であるところのスピンコータにより半導体ウエハ200の板面に鉛直な方向の軸を回転軸として半導体ウエハ200を回転させながら半導体ウエハ200の面に形成する膜220の一例であるレジストを半導体ウエハ200の表面に塗布して(図示せず)、レジスト被覆処理し(ステップS221)、ホットプレートにより半導体ウエハ200の表面に被覆された膜220(レジスト)をレジストベーク処理し(ステップS222)、その後、別体の装置であるドライエッチング処理工程のドライエッチャーにより膜220と共にその膜220が形成されている側の面の半導体ウエハ200の表面をドライエッチング処理する(ステップS223)。次に、表面検査処理工程の表面検査装置により半導体ウエハ200の表面の表面粗度RaやTTVなどの表面検査処理し(ステップS224)、この検査の結果、半導体ウエハ200の表面の表面粗度RaがOKの時(ステップS225にてYes)はウエハ再生処理を終了し、ウエハ表面の表面粗度RaがNGの時(ステップS225にてNo)はスピンコータによるレジスト被覆処理から以下の処理を繰り返し、結果的に半導体ウエハ200表面の表面粗度RaがOKとなった時(ステップS225にてYes)にウエハ再生処理を終了する。
このウエハ再生装置では、レジスト形成処理工程としてレジスト被覆処理とレジストベーク処理の装置がそれぞれ別装置として必要であり、また更にドライエッチング処理工程としてドライエッチング処理の装置が必要であり、各処理工程の各処理ごとに個別にバッチ処理するための別々の装置が必要(レジスト被覆処理とベーク処理は同一の場合もある)である。そのため、半導体ウエハ200が一旦処理装置の外部に搬出されるために、半導体ウエハ200の表面に異物が付着し易く、この付着した異物(パーティクル)によるドライエッチング異常(局所的にエッチング速い箇所の存在や、残渣の発生、エッチング形状異常など)や、また更に、経時変化や大気圧雰囲気によるレジスト膜質の変化がレジスト対シリコン選択比を変化させることで、半導体ウエハ200表面の仕上がりの表面粗度Raが悪化するという問題などが発生する可能性がある。
なお、上記の各実施の形態のドライエッチング処理においては、以下のような方法を実施することができる。
半導体ウエハ200の表面の被覆膜と半導体ウエハ200(Si)のドライエッチングにおける選択比について、被覆膜がドライエッチングされて半導体ウエハ200(Si)基材自体の少なくとも一部の表面が露出した時点で、異なるドライエッチング条件に変更するように、実施しても良い。
なお、上記の各実施の形態において使用するレジストとしては、例えば、東京応化製の「OFPR5000LB」等があるが、ドライエッチング時のSiとの選択比が1に近づくものであれば、このレジスト以外を使用してもよく、特にこれに限定するものではない。
半導体ウエハ200の表面に形成する膜220は、具体的には、形成する有機膜の材料として、フォトレジスト、スクリーン印刷レジスト、エッチングレジスト、めっきレジスト、ソルダーレジスト等のレジスト用材料、ポリイミド、アクリル樹脂(PMMA)などを例示できる。あるいは各種熱硬化性樹脂や光硬化性樹脂を用いることもできる。
また、無機膜の材料でもよい。有機系の材料に無機系の材料がフィラーなどとして含有するものでも構わない。特に無機系の材料をフィラーとして添加した有機系の材料の場合、半導体ウエハ200の材質との選択比(後述)をフィラーの量で調節することができるため好ましい。
また、半導体ウエハ200の表面に膜220を形成する方法は、特に限定されるものではない。具体的には、スピンコート法、ミスト法、インクジェット法、スリットコート法などが例示できる。また、CVD(Chemical Vapor Deposition)やPVD(Physical Vapor Deposition)により必要な膜220を形成しても構わない。
また、被覆膜は、複数層による積層構造とするように、実施することができる。
また、ウエハ表面に対する被覆の方法は、例えば、プラズマ処理により重合膜を形成するように、実施することができる。または、裏面に柔軟な膜のあるテープ類を貼付けるように、実施しても良い。
また、被覆の方法は、ウエハの被覆表面の平坦性を向上するために、被覆膜を重ね塗りするように、実施することができる。
また、ウエハ(Si)表面の変質層205をエッチング除去した後に、ウエハ表面を被覆しドライエッチング処理するように、実施することができる。
本発明は、半導体デバイスの製造分野において利用することが考えられる。
本発明は、半導体装置の製造プロセスにおいて不良となった半導体ウエハである中途ウエハを、半導体回路の製造プロセスを経る前の初期の半導体ウエハと同一視しうる半導体ウエハに再生するウエハ再生技術に関する。
IC(Integrated Circuit)を製造する場合、薄い円板形状の半導体ウエハ(以下「初期ウエハ」と呼ぶ場合もある)の一表面に種々の層を形成し、また、形成した膜の一部をエッチングなどして多数の回路パターンを半導体ウエハの上に形成していく(以下、「ウエハ」と呼ぶ場合もある(また半導体基板と呼ぶ場合もある))。
この半導体装置の製造プロセスにおいて、いずれかの層を形成する段階や、層の一部を除去するエッチング段階で何らかの不具合が生じた場合、半導体ウエハは、その後の製造工程にまわされることはなく不良半導体ウエハ(以下「中途ウエハ」と記す場合がある。)として廃棄される。
この不具合が生じ廃棄された中途ウエハは、半導体ウエハ自体には不具合が無く、その表面に形成された層に不具合が存在しているため、半導体の製造プロセスにおいて形成された層を除去し、半導体ウエハの表面状態を整えれば初期と同一視しうる半導体ウエハ(以下、「再生ウエハ」と記す場合がある。)を再生することができる。
従来の半導体ウエハの再生方法としては、例えば、特許文献1に記載の半導体ウエハの再生方法がある。(a)半導体ウエハの表面に形成された層を物理的(機械的)に除去する表面研削。(b)半導体ウエハの表面に存在する不純物や損傷を除去する湿式化学エッチング(ウエットエッチング)。(c)半導体ウエハの縁部の研磨。(d)半導体ウエハの表面および/あるいは裏面を平坦にする研磨(バフ研磨等)のウエハ再生方法が開示されている。
ところが、特許文献1に開示されているように半導体ウエハを再生するための最終工程としてバフ研磨を採用すると、半導体ウエハの表面は、ある程度の平坦性を確保することができるが、半導体の微細加工が進む昨今では、要求される平坦度に達することは困難である。
また、バフ研磨では、砥粒や薬液が半導体ウエハ上に残存するため、これらを洗浄する工程が必須となる。また、洗浄後の廃液を処理する必要も生じる。
さらに、砥粒により半導体ウエハの表面の一部に大きな穴が発生したり、半導体ウエハ表面の一部に砥粒が埋まり込んだりするようなパーティクルが半導体ウエハの表面に発生するなど部分的な欠損が発生することもある。
本発明は、これらの課題に鑑みなされたものであり、半導体ウエハの再生に必要な廃液などを可及的に抑制し、表面が平坦、かつ、清浄度の高い半導体ウエハに再生するウエハ再生方法およびウエハ再生装置を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために、本発明に係るウエハ再生方法は、半導体ウエハの表面に形成された他物質層および/あるいは少なくとも一部の不具合層を除去し、前記半導体ウエハを再生するウエハ再生方法であって、前記他物質層および/あるいは少なくとも一部の不具合層を前記半導体ウエハから物理的に除去する物理的除去ステップと、前記物理的除去ステップにより他物質層および/あるいは少なくとも一部の不具合層が除去された半導体ウエハの面に膜を形成する膜形成ステップと、前記膜形成ステップにより形成された前記膜と共にその膜が形成されている側の面の半導体ウエハの表面をプラズマによりエッチングするドライエッチングステップとを含む。
これにより、薬液などを節減でき、廃液の発生を抑え、平坦かつ清浄な表面を有する半導体ウエハに再生することが可能となる。
前記膜形成ステップでは、CVD(Chemical Vapor Deposition)により膜を形成してもよい。
これにより、ドライエッチング装置と同様に真空圧中でプラズマ処理を行うプラズマ処理装置を用いて膜を形成することができ、また、少なくとも、半導体ウエハを大気圧中にさらすことなく、膜形成とドライエッチングとを行うことが可能となる。
さらに、前記膜形成ステップより前に、他物質層および/あるいは少なくとも一部の不具合層が除去された半導体ウエハの面にプラズマにより直接エッチングする事前ドライエッチングステップを含むことが望ましい。
これにより、他物質層および/あるいは少なくとも一部の不具合層が除去されることにより半導体ウエハの表面に存在する変質層などを事前に除去することができ、ドライエッチングステップの際に設定した膜と半導体ウエハ(Si)の選択比を1としたエッチング条件を変質層の存在により、変更する必要が無くなる。さらに、事前ドライエッチングステップにより半導体ウエハの表面の凹凸に存在していたエッジ部分がエッチングにより滑らかになるため、他物質層および/あるいは少なくとも一部の不具合層が除去された半導体ウエハの面に膜を形成する膜形成ステップ後のドライエッチングの際に、より全体的にまんべんなくエッチングを行うことができる。従って、再生された半導体ウエハの表面をより平坦にすることができる。
また、半導体ウエハの面に形成された他物質層および/あるいは少なくとも一部の不具合層を除去し、前記半導体ウエハを再生するウエハ再生方法であって、前記他物質層および/あるいは少なくとも一部の不具合層を前記半導体ウエハからウエットエッチングにより除去する化学的除去ステップと、前記化学的除去ステップにより他物質層および/あるいは少なくとも一部の不具合層が除去された半導体ウエハの面の少なくとも片側の面に膜を形成する膜形成ステップと、前記膜形成ステップにより形成された前記膜と共にその膜が形成されている側の面の半導体ウエハの表面をプラズマによりエッチングするドライエッチングステップとを含む。
これにより、ウエハ表面粗さ仕上げ工程時の研磨処理等による半導体ウエハを砥粒除去洗浄する工程を廃することができ、その洗浄液やその廃棄を不要として、ひいてはコストを削減し、さらに平坦かつ清浄な表面を有する半導体ウエハに再生することが可能となる。
本発明によれば、ウエハ表面粗さ仕上げ工程時に、砥粒の入った薬液を使う研磨処理(CMP等)を行わなくても良く、ウエハ表面粗さ仕上げ工程時の半導体ウエハの表面粗さ仕上げ工程処理に対し、砥粒除去洗浄する工程を廃することができ、さらにその工程で使用される洗浄液やその廃棄処理を不要とすることができる。ひいてはそのコストを削減することができ、表面が平坦かつ清浄度の高いウエハに再生することが可能である。
本発明の実施の形態1に係るウエハ再生方法の流れを示すフローチャートである。
同実施の形態1に係るウエハ再生方法の流れを示す工程図である。
物理的除去の一例を示す概念図である。
物理的除去の他の例を示す概念図である。
半導体ウエハの表面状態を模式的に示す断面図である。
ドライエッチング装置の構成例を模式的に示す図である。
本発明の実施の形態2に係るウエハ再生方法の流れを示すフローチャートである。
同実施の形態2に係るウエハ再生方法の流れを示す工程図である。
実施の形態1、2に係るウエハ再生方法における研削後と各処理後の半導体ウエハの表面状態を示す電子顕微鏡写真を含む図である。
本発明の実施の形態3に係るウエハ再生方法の流れを示すフローチャートである。
同実施の形態3に係るウエハ再生方法の流れを示す工程図である。
研削後のSiウエハ平滑化におけるレジスト膜形成+ドライエッチング2回処理の説明図である。
研削後のSiウエハ平滑化におけるSF6/CF4ガス流量比の依存性の説明図である。
研削後のSiウエハ平滑化における結果説明図である。
Siウエハ鏡面化処理におけるドライエッチング処理回数と表面粗度Raとの関係説明図である。
本発明の実施の形態に係るウエハ粗さ仕上工程のウエハ再生装置の構成を示す概略図である。
同実施の形態に係るウエハ再生装置におけるウエハ位置決め手段の説明図である。
同実施の形態に係るウエハ再生装置における動作を示すフローチャートである。
対比の為に、ウエハ表面粗さ仕上げ工程であるレジスト形成工程とエッチング処理工程とを別装置で構成した場合のウエハ再生装置の処理を示すフローチャートである。
対比の為に、再生するウエハ表面にレジスト膜を形成せず直接ドライエッチングした場合のウエハの表面状態の説明図である。
対比の為に、ウエハ表面粗さ仕上げ工程で物理化学的な除去による研磨処理を行うCMP処理により、ウエハを再生する方法の流れを示す工程図である。
次に、本発明に係る実施の形態について図面を参照しつつ説明する。
(実施の形態1)
本発明の実施の形態1のウエハ再生方法について、図面を参照しつつ説明する。
図1は本実施の形態1に係るウエハ再生方法の流れを示すフローチャートである。図2は本実施の形態1に係るウエハ再生方法の流れを示す工程図である。
図1、図2に示すように、まず、ウエハ表面層除去工程にて、半導体ウエハ200の表面に形成される他物質層210および/あるいは少なくとも一部の不具合層を物理的に除去する物理的除去ステップ/ウエハ表面層除去工程(S101)を実行する。
ここで、半導体ウエハ200とは、半導体装置を形成するためのベースとなるものであり、SiやGaAs等の半導体材料を薄い円板状に加工して得られたものである(以下「ウエハ」とも呼ぶ)。
他物質層210とは、半導体装置を製造するために半導体ウエハ200上に形成される様々な種類の層を意味している。例えば、絶縁膜としてのSiO2や、電子を運ぶための金属膜、何らかの機能を発揮させるための半導体層(半導体回路層)などである。また、他物質層210は、半導体の製造工程が進むにつれて、半導体ウエハ200上に様々な状態で形成されていく。
物理的に除去するとは、化学的以外の方法で除去することを意味している。例えば、砥石などで中途ウエハの表面を削り、半導体ウエハ200から他物質層210を除去する研削や、切削工具を用いて他物質層210を除去する切削、砂などの微小粒を空気の勢いで他物質層210に衝突させ他物質層210を除去するショットブラスト、砥粒を布帛等でこすりつけて他物質層210を除去するバフ研磨などがあげられる。なお、バフ研磨などの物理的除去では、酸性やアルカリ性のペースト等の物質も同時に使用されるが、これも物理的除去に含む。つまり、他物質層210を化学的な方法で脆弱化しているが、なお物理的な力により他物質層210を除去しているため物理的除去に含むものとする。
図3は物理的除去の一例を示す概念図である。
同図に示すように、半導体ウエハ200の上に他物質層210が形成されている。そして、円筒形状の砥石300が回転しながら当該他物質層210に接触することで、他物質層210を物理的に除去している。そして砥石300を半導体ウエハ200の表面に沿って移動させることで、全ての他物質層210を除去することができる。なお、他物質層210を全て除去するために、他物質層210と共に半導体ウエハ200の表面をわずかに削り取っている。
また、物理的除去の他の例を図4に示す。
この場合も図3と同様に、半導体ウエハ200の上に他物質層210が形成されている。そして、図4(a)のように円盤形状の砥石301が軸J1を回転軸として、図4(b)のように矢印Y51の方向に回転しながら当該他物質層210に接触することで、他物質層210を物理的に除去している。そして、図4(b)のように砥石301全体を半導体ウエハ200の表面に沿って矢印Y52で示す半導体ウエハ200の円周方向に移動させることで、全ての他物質層210を除去することができる。なお、この場合も、他物質層210を全て除去するために、他物質層210と共に半導体ウエハ200の表面をわずかに削り取っている。
なお、砥石300、301と接触する部分には、冷却や削りくずの飛散防止を目的として水などを流しておいても構わない。
ここで、要求される再生ウエハの最終ウエハ粗さ仕上げの平坦度は30Å以下である。これに対し、半導体ウエハ200の表面の表面粗度Raが30Åより大きい状態を、半導体ウエハ200の表面が荒れた状態という。通常砥石で研削すれば表面粗度Raが100Å以上となる。
なおここで、対比の為に、半導体ウエハ200の表面に形成される他の物質層210を除去せず、再生前ウエハを、直接ドライエッチング処理することにより、半導体ウエハ200を再生しようとした場合を図20(a)に示す。
しかし、この方法では、他の物質層210である回路層と半導体ウエハ200(Si)の選択比αが1にならないため、エッチングムラが発生する。
また、再生前ウエハを半導体ウエハ200の表面に形成される他の物質層210の除去の為の研削後に直接ドライエッチング処理することにより、半導体ウエハ200を再生しようとした場合を図20(b)に示す。
しかし、この方法でも、研削後のウエハ表面に発生する研削スジに起因して、ドライエッチング処理後にもウエハ表面に大きなうねり(Ra=100Å)が残ってしまう。
以上のように、単純にドライエッチングだけの処理を実施した場合、細かな凹凸はなくなるが、大きな段差が同等もしくは拡大して転写するため、半導体ウエハ200の表面の表面粗度Raは改善できない。したがって、研削後の半導体ウエハ200の表面のうねりがあまり改善されず、所望のウエハ平坦度が得られない。
ウエハ表面層除去工程の物理的除去ステップ(S101)の後に、次に、ウエハ粗さ仕上げ工程にて、前記物理的除去ステップ(S101)により他物質層210が完全に除去され表面が荒れた半導体ウエハ200の面にレジスト等の膜220を形成する膜形成ステップ(S104)を実行する。
半導体ウエハ200の表面に膜としてレジスト等の膜220(以下、被覆膜220とも言う)を形成する方法としては、例えばスピンコート法が挙げられ、簡易な装置で、半導体ウエハ200の板面に鉛直な方向の軸を回転軸として半導体ウエハ200を回転させながら半導体ウエハ200の面に形成する膜220の一例であるレジストを半導体ウエハ200の表面に塗布し、半導体ウエハ200の荒れた表面全体を覆うことができ、塗布した後の被覆膜220の表面を平坦にすることが可能であるので好ましい。
図5は半導体ウエハの表面状態を模式的に示す断面図である。
図5(a)に示すように、他物質層210および/あるいは不具合層の少なくとも一部が除去された半導体ウエハ200の表面は荒れた状態となっている(例えば表面粗度Raで100Å)。
半導体ウエハ200上に形成する膜220は、図5(b)に示すように、荒れた半導体ウエハ200の表面の最大ピークを覆い隠す程度の厚さが好ましい。形成された膜220の表面は、半導体ウエハ200の裏面と平行であるように形成する。これにより、再生された半導体ウエハ200の厚みが均一になるからである。また、形成された膜220の表面は、少なくとも半導体ウエハ200の荒れた表面よりは平坦であることが好ましい。これにより、最終的に得られる半導体ウエハ200の表面の表面粗度Raに影響を及ぼすからである。
ここで、前記物理的除去ステップにより他物質が完全に除去され、表面が荒れた半導体ウエハ200の面に膜220を形成する膜形成ステップを実行するとあるが、半導体ウエハ200の表面に他物質210が付いていない場合や、あるいは半導体ウエハ200の表面に他物質210が当初から付いていない場合、物理的除去ステップ(S101)を行わず、表面が荒れた半導体ウエハ200の面に膜を形成する膜形成ステップを実行しても良い。
次に、ウエハ粗さ仕上げ工程の前記膜形成ステップ(S104)により形成された膜220と共にその膜が形成されている側の面の半導体ウエハ200の表面をガスプラズマにより鏡面になるようにエッチングするドライエッチングステップ(S107)を実行する。
ここで、ガスプラズマとは、高度に電離したガスの正イオンと電子とが混在している状態であり、真空圧チャンバ内に所望のガスを導入し、高周波の電圧等を印加することによって得ることができるものである。
前記ガスは、特に限定されるものではないが、半導体ウエハ200を高いレートでエッチングできるガスとして、SF6、CF4、NF3、CHF3、C2F6、C3F8、C5F8、C4F8、SiF4、F2などのFを含むガスや、Cl2、HCl、HI、HBr、BCl3、SiCl4 などの他のハロゲンを含むガスを用いるのが好ましい。また、前記ガスを単独ばかりでなく複数種類のガスを混合して使用しても良い。さらに、プラズマを安定させる等直接エッチングに寄与しないガスを添加ガスとして用いても良い。例えば、O2、Ar、Heなどのガスである。
なお、膜220と半導体ウエハ200との選択比を約1とするようなガスを選定するか、ガスの組合せを選定することが望ましい。
具体的には、エッチング用ガスとしてSF6とCF4とを選定した場合、選択比を1にするガス比は、真空圧度が0.7Paにおいて、SF6/CF4 40/60〜100/0である、特に著しく半導体ウエハ200の表面の表面粗度Raが小さくなるガス比は、SF6/CF4 80/20〜100/0の範囲である。
図6は、ドライエッチング装置を模式的に示す図である。
同図に示すように、ドライエッチング装置100は、減圧可能な真空圧チャンバ110と、真空圧排気系120と、ガス供給系130と、電源140、145と、電極150と、下部電極155と、温度制御手段160と、これらを総合的に制御する制御部105を備えている。
真空圧チャンバ110は、内部を真空圧に維持し、大気圧に対抗する強度を備えた容器である。
真空圧排気系120は、真空圧チャンバ110内に存在する空気などをターボポンプ等(図示せず)により真空圧チャンバ110外に廃棄する装置群である。
ガス供給系130は、ガスボンベや液体ガス用容器から供給される複数種類のガスを、所定の割合で真空圧チャンバ110内に導入することができる装置群である。
電源140、145は、真空圧チャンバ110内でプラズマを発生させるために必要な電力を供給する電源であり、高周波電源140、145は真空圧チャンバ110内部の上下に配置された電極150、155にそれぞれ接続されている。
電極150は、高周波電源140から供給される高周波パワーを真空圧チャンバ110内に放出し、ガスを振動させてプラズマを発生させるアンテナとして機能するものである。真空圧チャンバ110の上部に配置される電極150はコイル状となっている。また、下部電極155は、半導体ウエハ200を載置することができるテーブル状となっており、高周波電源145から供給される高周波パワーにより下部電極155にバイアスパワーが供給され、真空圧チャンバ110内のプラズマ化された反応ガスのイオンを下部電極155側に載置された半導体ウエハ200側に引き込むことによりエッチングレートを向上させるものである。
温度制御手段160は、エッチングレートを向上させるため半導体ウエハ200を昇温したり、一方、プラズマのエネルギーにより加熱される半導体ウエハ200を冷却して所定の温度を維持しエッチングレートを安定させたりするための装置である。一般的には、半導体ウエハ200を載置する下部電極155を冷却するため、下部電極155の内部に冷却媒体(純水、オイル)等や下部電極155と半導体ウエハ200の裏面との間に冷却媒体(He)を一定の温度で循環させるものである。
また、図示されていないが、真空圧中で半導体ウエハ200を下部電極155に保持させるために、下部電極155には、直流電源146が接続され、半導体ウエハ200を静電吸着する静電吸着(ESC:Electrostatic Chuck)装置等が設けられている。これにより、半導体ウエハ200と下部電極155とが均等に密着し、温度制御手段160により半導体ウエハ200を均等に温度調節することが可能となる。
以上のドライエッチング装置100とガスを用い、ドライエッチングを実行する。具体的には、(1)真空圧チャンバ110内の下部電極155に、膜が形成された半導体ウエハ200を載置し、静電吸着により固定する。(2)真空圧排気系120により真空圧チャンバ110内を所定の真空圧度に達するまで排気する。(3)所定のガスを真空圧チャンバ110内に導入する。(4)電源140を用いて電極150に高周波の電圧を印加し、真空圧チャンバ110内に導入したガスのプラズマを発生させる。(5)電源145を用いて下部電極155に高周波の電圧を印加し、真空圧チャンバ110内のプラズマ化された反応ガスのイオンを下部電極155側に載置された半導体ウエハ200側に引き込む。(6)所定の時間、半導体ウエハ200に対しプラズマを作用させることで、膜形成ステップにて形成された膜と共にその膜が形成されている側の面の半導体ウエハ200の表面がプラズマにより鏡面になるようにドライエッチングされる。
これにより、物理的除去により発生した半導体ウエハ200の表面の荒れや変質層205が除去され、平坦な表面を得ることができる。
以上の方法によれば、パーティクルや変質箇所のない平坦な表面を備えた半導体ウエハ200に再生することが可能となる。
なお、大気圧と真空圧の切換えを行うロードロック室などを完備すれば、真空圧チャンバ110を大気圧に開放すること無く半導体ウエハ200を出し入れできる。
ここで対比の為にウエハ表面粗さ仕上げ工程で半導体ウエハ200のウエハ面に対し、砥粒の入った薬液を使い物理化学的な除去による研磨処理を行う高精度のウエハ粗さ仕上げ方法であるCMP(ケミカルメカニカルポリシング)処理により、ウエハを再生する方法を示す。
例えば、図21に示すように、このウエハ再生方法では、半導体ウエハ200の表面に形成される他物質層210および/あるいは少なくとも一部の不具合層を研削等により除去処理するウエハ表面層除去工程とポリッシング処理(CMP)やラッピング処理によるウエハ仕上工程とによりウエハの少なくとも一面の片面を鏡面に再加工しウエハ再生する。
鏡面に加工される半導体ウエハ200のウエハの表面と、その表面の裏面側であるウエハの裏面にて、ウエハの裏面の状態がOKの時は、ウエハの表面にポリシング(CMP)処理を実行し、裏面に微小な突起があってパーティクル源になりNGの時は裏面ラッピング処理を実行する。
以上のウエハ表面層除去工程およびウエハ仕上工程等のメイン処理工程を経て半導体ウエハ200の表面を表面粗度Ra<10Å(1nm)程度にまで再生する。
しかしながら、ウエハ表面粗さ仕上げ工程時に砥粒の入った薬液を使い物理化学的な除去による研磨処理を行うこの方法では、物理化学的な除去による研磨処理のため、半導体ウエハ200をウエットエッチング等による砥粒除去洗浄を行う必要があり、ウエハ表面粗さ仕上げ工程以降に、多量の洗浄液やその廃棄処理が必要である。
これに対し、本発明によれば、ウエハ表面粗さ仕上げ工程時に、研磨処理等による砥粒の入った薬液を使う研磨処理(CMP、ポリシング等)を行わなくても良く、ウエハ表面粗さ仕上げ工程時の半導体ウエハ200の表面粗さ仕上げ工程処理に対し、砥粒除去洗浄する工程を廃することができ、さらにその工程で使用される洗浄液やその廃棄処理を不要とすることができる。ひいてはそのコストを削減することができ、表面が平坦かつ清浄度の高いウエハに再生することが可能である。
なお、本対比例では、ウエハ裏面に微小な突起があってパーティクル源になりNGの時は裏面ラッピング処理を実行するとしているが、本発明実施の形態の膜形成ステップにより形成された膜220と共にその膜220が形成されている側の面の半導体ウエハ200の表面をプラズマによりドライエッチングするウエハ粗さ仕上工程においては、半導体ウエハ200のウエハ表面を表裏反転してウエハ裏面に膜220の被覆処理をし、形成された膜220と共にその膜220が形成されている側の半導体ウエハ200の面(裏面)をドライエッチングにより処理することがより望ましい。また、ウエハ再生処理に悪影響を及ぼさなければ、半導体ウエハ200のウエハ裏面がNG時は、比較例と同様にウエハ裏面に対しラッピング処理を行っても良い。
(実施の形態2)
次に、本発明の実施の形態2のウエハ再生方法について、図面を参照しつつ説明する。
図7は本実施の形態2に係るウエハ再生方法の流れを示すフローチャートである。図8は本実施の形態2に係るウエハ再生方法の流れを示す工程図である。なお、実施の形態2のウエハ再生方法に用いられる装置に関しては、上記実施の形態1と同様であるため、その説明を省略する。
図7、図8に示すように、まず、ウエハ表面層除去工程にて半導体ウエハ200の表面に形成される他物質層210および/あるいは少なくとも一部の不具合層を物理的に除去する(S201)。
次に、他物質層210および/あるいは少なくとも一部の不具合層が除去された半導体ウエハ200をウエハ表面粗さ仕上げ工程にてドライエッチング装置100に配置し、半導体ウエハ200に対し事前ドライエッチングを施す(S204)。
これにより、図9(a)に示すような、物理的除去の加工速度等に応じて半導体ウエハ200の表面に発生した変質層205を、図9(b)に示すように事前に除去することができる。また、図9(a)に示す、物理的除去により半導体ウエハ200の表面に発生した鋭利な研削痕は、図9(b)に示すようになだらかになる。なお、図9(c)、(d)に示すように、本工程より、研削により発生する鋭利で荒れた表面(図9(c))は、大きなうねり状の荒れ(図9(d))に変化する。しかしながら半導体ウエハ200の表面の表面粗度Raは大きく改善されないようである。
このように、事前に半導体ウエハ200の表面の変質層205を除去しておくことで、膜220と共にその膜が形成されている側の面の半導体ウエハ200の表面をドライエッチングする際に、膜220よりも変質層205が選択的にエッチングされたり、逆に変質層205がエッチングされにくかったりすることがなくなる。すなわち、変質層205のない半導体ウエハ200と膜220との選択比が1となるように調整したガス比などのエッチング条件が、ウエハ表面層除去工程にて、物理的除去の加工速度等応じて半導体ウエハ200の表面に発生した不確定な要素である変質層205により乱されることを防ぐことができ、再生後の半導体ウエハ200の表面の表面粗度Raをより安定して向上させることが可能となる。
次に、半導体ウエハ200の表面に膜220を形成する(S207)。本実施の形態の場合、ドライエッチング装置100から半導体ウエハ200を取り出すことなく、膜220を形成する。具体的には、C4F8、CHF3、炭化水素(CH4、C2H6など)の単独あるいは混合ガスを真空圧チャンバ110に導入し、電極150に高周波の電圧を印加すれば半導体ウエハ200上に膜220が形成される。なお、投入するエネルギーはエッチングの際のエネルギーより低い。
このように、プラズマCVD法を用いて膜の形成を行えば、同一真空圧チャンバ110内で成膜とエッチングとを行うことができ、真空圧に排気する時間や半導体ウエハ200を搬送する時間を省略することが可能となる。
なお、真空圧チャンバ110の近傍にCVD用のチャンバを配置し、半導体ウエハ200を大気圧に戻すことなく二つのチャンバ間を行き来できるものとしても良い。
次に、膜220と共に半導体ウエハ200をドライエッチングする(S210)。
次に、半導体ウエハ200の表面の表面粗度Raが30Å以下か否かを判断する(S213)。判断方法は特に限定されない。例えば、実際に半導体ウエハ200の表面の表面粗度Raを測定しても良く、また、導入するガスの種類や投入するパワー、エッチング時間などを考慮し、経験的に判断しても構わない。そして、表面粗度Raが30Å以下なら(S213:Yes)終了し、30Åより大きければ(S213:No)成膜ステップ(S207)からやり直す。
以上の方法によれば、半導体ウエハ200の表面粗度Raを30Å以下に確実にすることが可能となる。
なお、膜の形成をCVDで行ったが、スピンコート法など他の方法で膜を形成してもウエハ表面の表面粗度Raを30Å以下とすることができる。また、ウエハ表面の表面粗度Raの判断基準は、再生された半導体ウエハ200の使用目的によって異なり、20Å以下を基準とする場合や10Å以下を基準とする場合などがある。
(実施例)
以上のような方法に従って、次に、本発明の具体的な実施例を説明する。
一例として、ウエハ表面層除去工程にて、まず、表面に他物質層210が設けられた半導体ウエハ200のシリコンウエハの表面を砥石等で研削し、シリコンウエハ表面から他物質層210を除去した。これにより研削後のシリコンウエハの表面の表面粗度Raは100Å以上であった。
次に、ウエハ粗さ仕上げ工程にて、半導体ウエハ200のウエハ表面にレジスト塗布を行うスピンコータにシリコンウエハをセットし、2000rpmで回転させてレジスト膜を半導体ウエハ200のシリコンウエハの表面に形成した。レジスト膜の膜厚は18000Å程度であった。
次に、半導体ウエハ200のウエハ表面に塗布されたレジスト膜を固化させるため120℃で2分間ベーキングを行った。
次に、レジスト膜が形成された半導体ウエハ200のシリコンウエハをドライエッチング装置にセットし、形成された膜220と共にその膜220が形成されている側の半導体ウエハ200の面のウエハ表面に対し、ドライエッチングを行った。
ドライエッチングの条件を図12(b)に示す。
以上のドライエッチングで、図12(a)に示すように、半導体ウエハ200のウエハ表面の表面粗度Raが26.9Åの表面を有するシリコンウエハを得た。
さらに、表面粗度Ra=26.9Åの半導体ウエハ200のシリコンウエハの表面に再度上記と同様にレジスト膜220を形成し、図12(b)に示す条件で2回目のドライエッチングを施した。
図9(e)、(f)は、2回目のドライエッチングが終了した半導体ウエハ200の表面状態を示す電子顕微鏡写真を含む図であり、図9(e)は鳥瞰図、図9(f)は断面図である。
図9(e)、(f)に示すように、半導体ウエハ200のシリコンウエハ表面を走査型電子顕微鏡で観察し、表面が平坦であることを確認した。また、パーティクルや変質部分は確認されなかった。
また、これにより得られたシリコンウエハの表面の表面粗度Raは14.6〜21.4Åであった。
以上により、本発明に係るウエハの再生方法を適用すれば、他物質層210が形成された半導体ウエハ200からウエハ表面の粗さRaが30Å以下、要すれば20Å以下の半導体ウエハ200を再生することが可能となる。
また、ウエハ粗さ仕上げ工程のドライエッチング終了後、そのまま半導体ウエハ200として使用することも可能となり、剥落した砥石の構成物や砥粒などを洗い流す砥粒除去洗浄の必要が無く、砥粒除去洗浄による多量の廃液が出ることもない。
以上のように実施の形態1および実施の形態2のウエハ再生方法においては、前述した効果が得られ、要求される再生ウエハの最終ウエハ粗さ仕上げの平坦度は30Å以下であり、十分に達成しているが、一方で以下のような問題点を残している。
すなわち、ウエハ表面層除去工程にて、半導体ウエハ200の表面に形成された他物質層210および/あるいは少なくとも一部の不具合層を研削により除去し、その後に、ウエハ粗さ仕上げ工程にて、他物質層210および/あるいは少なくとも一部の不具合層が除去された半導体ウエハ200の面に膜220を形成する膜形成ステップを行い、膜形成ステップにより形成された膜220と共にその膜220が形成されている側の面の半導体ウエハ200の表面をプラズマによりエッチングする場合、レジスト膜形成+ドライエッチングを繰り返すことで、半導体ウエハ200のウエハ表面の表面粗度Ra(<22Å(2.2nm))を改善できているが、レジスト膜形成+ドライエッチを4回繰り返しても、半導体ウエハ200のウエハ表面の表面粗度Raが改善(<22Å(2.2nm))できているにも関わらず、ウエハ粗さが仕上られた半導体ウエハ200のウエハ表面に目視(半導体ウエハ200のウエハ表面を斜めから見て)でわかる僅かな研削溝の跡が残る。
また、ウエハ表面層除去工程にて、半導体ウエハ200のウエハ表面に研削処理を施した場合には、研削処理後に、半導体ウエハ200のウエハ表面に切り溝の凹凸ができるため、そのウエハ表面の凹凸部に、パーティクル源となる異物が付着し、残りやすくなっている。
そのため、その後のウエハ粗さ仕上げ工程にて、レジスト膜形成+ドライエッチング処理を実施した場合、半導体ウエハ200のウエハ表面に被覆されたレジストと半導体ウエハ200のSiの選択比を1にして処理することで、半導体ウエハ200のウエハ表面の表面粗度Raを改善しているが、半導体ウエハ200のウエハ表面に付着し、残存している異物の材質によっては、選択比が1とならず、また異物自体がドライエッチングされずに残ることで、局所的な半導体ウエハ200のウエハ表面の荒れ・パーティクルを引き起こす原因となっている。
以上のような問題に対して、次に説明する実施の形態3においては、主な目標スペックとして、以下のように条件設定する。
・表面粗度Ra値(算術平均粗さRa)
10Å(1nm )以下(測定長さは50μm)
・TTV(Total Thickness Variation:ウエハをチヤックし、全面の厚みを測定し最大値で表示。ウエハ全体的なうねりのこと。)
±5(絶対値で10)μm以内
(厚みが薄くなっても、TTV許容値は同じ)
・Thickness(ウエハ厚み。再生処理後、ダミーウエハとして使える厚み)
600μm以上(初期値は700μm)
・ドライエッチング量
ウエハの面の状態を整える側の面の他の物質層(回路層)および/あるいは少なくとも一部の不具合層を除去後のウエハでは、2μm以内
(再生ウエハの種類やウエハ表面層除去工程の処理によって目標値が異なる)
・汚染(もしくはコンタミネーション)
Al 1×10E13atom/cm2以下
Na 2×10E10atoms/cm2以下
Cr 2×10E10atoms/cm2以下
等。
・表面状態
ミラー面のこと
(実施の形態3)
次に、本発明の実施の形態3のウエハ再生方法について、図面を参照しつつ説明する。
本実施の形態3のウエハ再生方法は、半導体ウエハ200の面に形成された他物質層210(回路層)および/あるいは少なくとも一部の不具合層を半導体ウエハ200からウエットエッチングによる化学的除去により除去した後、ウエットエッチングにより他物質層210および/あるいは少なくとも一部の不具合層が除去された半導体ウエハ200の面の少なくとも片側の面に膜220を形成処理し、膜形成処理により形成された膜220と共にその膜220が形成されている側の面の半導体ウエハ200の表面をプラズマによりドライエッチングすることによりウエハを再生することを特徴とするウエハ再生方法である。
図10は本実施の形態3に係るウエハ再生方法の流れを示すフローチャートである。図11は本実施の形態3に係るウエハ再生方法の流れを示す工程図である。
図10、図11に示すように、まず、半導体ウエハ200の面に形成された回路パターンなどの他物質層210および/あるいは少なくとも一部の不具合層を、ウエットエッチングにより除去し(ステップS301)、次に、他物質層210および/あるいは少なくとも一部の不具合層が除去された半導体ウエハ200の面の少なくとも片側の面に、レジスト塗布などにより被覆処理をして膜220を形成し(ステップS304)、次に、膜形成処理により形成された膜220と共にその膜220が形成されている側の面の半導体ウエハ200の表面をプラズマによりドライエッチングする(ステップS307)。これらのウエットエッチング+レジスト膜形成+ドライエッチング処理により、半導体ウエハ200を初期ウエハのように再生する。
なお、上記処理のウエットエッチングにおいては、ウエットエッチングで剥離する物質層210によって、ウエットエッチング洗浄の種類が異なる。
・Poly−Si付ウエハの場合は、フッ硝酸(HF、HNO3、H2O)洗浄。
・Ox付ウエハ(酸化膜付ウエハ、具体的にはSiO 2 付ウエハ)の場合は、DHF(Dilute Hydro Fluoricacid)洗浄。
なお、パターン層付ウエハの場合は、ウエハ表面層除去工程において、研削による除去後にウエットエッチング処理を行うことが望ましい。このことにより、少なくとも一部の不具合層(半導体ウエハのパターン層の研削処理時の研削痕等)がウエットエッチングにより除去される。この除去された半導体ウエハ200の面の少なくとも片側の面に膜220を形成処理し、膜形成処理により形成された膜220と共にその膜220が形成されている側の面の半導体ウエハ200の表面をプラズマによりドライエッチングすることにより高品質にウエハを再生することが可能である。
本実施の形態の場合、ウエハ表面層除去工程において、半導体ウエハ200の面に形成された他物質層210および/あるいは少なくとも一部の不具合層を除去する研削処理をウエハ粗さ仕上げ工程のレジスト膜形成+ドライエッチング処理の直前に行わないため、研削スジがないので鏡面が得られ易い。ここで、トータルのウエハ削り代40μmとした場合に、研削時は1回のウエハの削り量が10μm程度と多く、再生回数が4回程度可能だが、ウエットエッチングではエッチング量が4μm(4000nm)程度と少なく、ウエハ表面層除去工程において、ウエットエッチング処理を主に用いた場合は、再生回数が10回程度可能となる(ドライエッチングでは、エッチング量が1μm程度)。
以上のように、実施の形態3では、ウエハ表面層除去工程にて、半導体ウエハ200の面に形成された他物質層210および/あるいは少なくとも一部の不具合層に対してウエットエッチングによる化学的除去あるいは研削等による物理的除去後にウエットエッチングによる化学的除去を行い、他物質層210および/あるいは少なくとも一部の不具合層が除去された半導体ウエハ200の面の少なくとも片側の面に膜220を形成処理し、膜形成処理により形成された膜220と共にその膜220が形成されている側の面の半導体ウエハ200の表面をプラズマによりドライエッチングすることで、ウエハ表面粗さ仕上げ工程時に砥粒の入った薬液を使う物理化学的な除去による研磨処理を行う高精度のウエハ粗さ仕上げ方法であるCMP(ケミカルメカニカルポリシング)処理等を行わなくても、高精度のウエハ再生を行うことが出来る。
これにより、ウエハ表面粗さ仕上げ工程時に砥粒の入った薬液を使う研磨処理に対応して、半導体ウエハを砥粒除去洗浄する工程を廃することができ、その洗浄液やその廃棄を不要として、ひいてはコストを削減し、さらに平坦かつ清浄な表面を有する半導体ウエハに再生することが可能となる。また、ドライエッチグプロセスにすることで、汚染レス・パーティクルレスにすることが可能である。
したがって、実施の形態1および実施の形態2におけるウエハ表面層除去工程における研削処理を、ウエットエッチングによる化学的除去あるいは研削等による物理的除去後にウエットエッチングによる化学的除去を行う等の処理に変更することで、以下のような効果が得られる。
すなわち、ウエハ表面粗さ仕上げ工程時のレジスト膜形成+ドライエッチング処理前に、半導体ウエハ200の表面に対する切り溝のような局所的な荒れを抑制でき、ウエハ表面粗さ仕上げ工程前におけるウエハ表面の表面粗度Raを研削と比較して改善することができるので、ウエハ表面粗さ仕上げ工程時のレジスト膜形成+ドライエッチングの処理回数を減らすことができる。
また、レジスト膜形成+ドライエッチングを行っても消すことのできなかった僅かな研削痕を、確実になくすことが可能で、かつ鏡面にすることができる。この場合、ウエハ表面層除去工程時のウエットエッチング後のウエハ表面の表面粗度RaはRa=20〜40Å(2〜4nm)程度であり、ウエットエッチング後の半導体ウエハ200の面の少なくとも片側の面に膜220を形成処理し、膜形成処理により形成された膜220と共にその膜220が形成されている側の面の半導体ウエハ200の表面をプラズマによりドライエッチングすることで、半導体ウエハ200の表面の表面粗度をRa<10Å(1nm)にすることができる。
さらに、ウエハ表面層除去工程では、ウエットエッチングすることで、Si表面に付着する異物を除去することもできる。
また、研削と異なり、全体にわたってうねりは有るが局所的な溝ができないので、局所的な溝に後から異物が付着したり、異物が除去できなかったりすることがなくなる。
そのため、ウエハ表面の局所的な荒れ・パーティクルを低減することができ、より高品質な再生ウエハを得ることができる。
なお、上記の実施の形態1、2において、ウエハ表面の他物質層210の除去の為の研削後のSiウエハ平滑化におけるレジスト膜形成+ドライエッチングの処理結果を、図12に示す。図12(a)にレジスト膜形成+ドライエッチングを2回処理することでウエハ表面の表面粗度Raが1回処理に比較し改善されることを示す。この時のレジスト膜形成+ドライエッチング処理のエッチング条件を、図12(b)に示す。
また、研削後のSiウエハ平滑化におけるSF6/CF4ガス流量比の依存性の度合いを、図13に示す。図13(a)および図13(b)に、SF6/CF4のガス流量比として、100/0が好条件であることを示し、図13(a)および図13(b)に示すSF6/CF4の各ガス流量比でエッチング処理を実施する場合のその他のドライエッチング条件を、図13(c)に示す。
また、研削後のウエハ粗さ仕上工程時のSiウエハ平滑化におけるドライエッチング単独処理時の各条件とウエハ表面の表面粗度Raとの関係、及び研削後のウエハ粗さ仕上工程時のSiウエハ平滑化においてレジスト膜形成+ドライエッチングを行った場合の条件とウエハ表面の表面粗度Raとの関係を図14に示す。図14(a)にドライエッチング処理における各種条件を示し、図14(a)に示す各条件に対応するウエハ表面のそれぞれの処理結果を、図14(b)に示す。ここで、図14(a)のドライエッチ単独処理に示すようにドライエッチング条件を様々に変更したが、ドライエッチング処理のみでは半導体ウエハ200の表面の表面粗度Raを実施の形態1、2の目標の表面粗度Ra(Ra<30Å)に改善することができず、図14(a)のNo.10に示すように、レジスト膜形成+ドライエッチング処理を実施することにより、ウエハの表面状態は図14(b)のNo.01に示す状態から、図14(b)のNo.10に示す状態のようになり、ウエハ表面の表面粗度Raを111Åから31.5Åに大幅に改善できることがわかる。
また、研削後のウエハ粗さ仕上工程時のSiウエハ平滑化におけるレジスト膜形成+ドライエッチング処理の回数と半導体ウエハ200のウエハ表面の表面粗度Raとの関係を図15に示す。図15(a)にレジスト膜形成+ドライエッチング処理の処理回数と表面粗度Raの関係を示し、図15(a)に示す各関係をグラフ化した図を図15(b)に示す。
レジスト膜形成+ドライエッチング処理の回数を増やすと、ウエハ表面の表面粗度Raは12Å程度まで改善されるが、目視ではウエハ表面に研削スジが見える。また、段差計(Tencor社製)による測定では、再生されたウエハ表面における研削スジ部分の表面粗度Raは他の部分とほとんど差はない。
次に、本発明の実施の形態のウエハ粗さ仕上げ工程(レジスト膜形成+ドライエッチ)のウエハ再生装置400について、図面を参照し説明する。
図16は本実施の形態のウエハ再生装置の構成を示す概略図である。図16において、W(W1、W2)はウエハ(半導体ウエハ200)、K1、K2はウエハW1,W2をそれぞれ収納するカセット、TC1は大気圧搬送部兼ウエハの位置決めの為のセンタリング部、A1、A2はカセットK1,K2に対してそれぞれウエハW1,W2を受渡しする大気圧搬送部TC1のアーム、S1はウエハWのウエハ表面の表面粗度Raを測定する光学式表面粗さ測定器、SC1はウエハWの板面に鉛直な方向の軸を回転軸としてウエハWを回転させながらレジストを大気中にてウエハWの表面に塗布して(図示せず)ウエハW表面にレジスト膜を被覆処理するスピンコータ室、B1はウエハW1の表面に塗布されたレジスト膜を大気中にて乾燥させるベーク室、LO1は大気圧と真空圧の切換えを行うロード/ロック(L/L)室、E1は真空圧中で反応ガスによるプラズマエッチング処理を行うドライエッチング室、H1は大気圧中で大気圧搬送部兼センタリング部TC1とスピンコータ室SC1とベーク室B1と大気圧に切換えられたロード/ロック(L/L)室との間でウエハW1の受渡し可能なダブルアームWA1を備える搬送部(大気圧用)、H2は真空圧中でエッチング室E1と真空圧に切換えられたロード/ロック(L/L)室との間でウエハW1の受渡し可能なダブルアームWA2を備える搬送部(真空圧用)、WSは半導体ウエハ200のウエハ供給部、C1はこれら装置を総合的に制御し、他物質層および/あるいは少なくとも一部の不具合層が除去された半導体ウエハの面の少なくとも片側の面に膜を形成する膜形成ステップと、前記膜形成ステップにより形成された前記膜と共にその膜が形成されている側の面の半導体ウエハの表面をプラズマによりエッチングするドライエッチングステップのウエハ再生動作の制御を行う制御部である。ここで、それぞれの処理室は個別に処理動作制御部を備えてもよく、上記制御部C1は各処理室に備えた制御部を総括的に制御しても良い。
なお、大気圧搬送部兼センタリング部TC1によるウエハWの位置決めは、図17(a)および図17(b)に示すように、ウエハのオリフラOR1あるいはノッチN1を検出することにより、ウエハWの位置決めを行う。
以上のウエハ再生装置400において、図18のウエハ再生装置400における動作のフローチャートに示すように、まず、カセットK1あるいはK2から大気圧搬送部TC1のアームA1、A2によりそれぞれウエハW(W1、W2)を取り出すが、ここでは、説明を簡略化するためカセットK1から大気圧搬送部TC1のアームA1によりウエハW1を取り出すものとして説明する。
カセットK1から取出されたウエハW1は大気圧搬送部兼センタリング部TC1へ移動し(経路(1))、ウエハW1の位置決めの為のセンタリングを行い、ウエハW1の表面層のレジスト膜形成前の事前のドライエッチングが必要でない場合には、次に、搬送部(大気圧用)H1のダブルアームWA1によりウエハW1をスピンコータ室SC1へ移動して、ウエハW1の表面にレジスト膜形成のためにレジスト塗布を処理し(経路(2)⇒(3))、次に、ウエハW1を搬送部(大気圧用)H1のダブルアームWA1によりベーク室B1へ移動して、ウエハW1をベーク処理し(経路(4)⇒(5))、次に、搬送部(大気圧用)H1のダブルアームWA1によりウエハW1を大気圧に切換えられているロード/ロック(L/L)室LO1へ移動し(経路(6)⇒(7))、ロード/ロック(L/L)室LO1にて大気圧から真空圧へ切換えが行われ、次に、搬送部(真空圧用)H2のダブルアームWA2によりウエハW1を搬送部(真空圧用)H2を経由してエッチング室E1へ移動して(経路(8)⇒(9))、ウエハW1をエッチング処理し、次に、搬送部(真空圧用)H2のダブルアームWA2によりウエハW1を搬送部(真空圧用)H2を経由して真空圧に切換えられているロード/ロック(L/L)室LO1へ移動し(経路(10)⇒(11))、ロード/ロック(L/L)室LO1にて真空圧から大気圧へ切換えが行われ、次に、搬送部(大気圧用)H1のダブルアームWA1によりウエハWを大気圧搬送部TC1へ移動することにより、ウエハW1を搬出し(経路(12)⇒(13))、次に、大気圧搬送部TC1に備えられた光学式表面粗さ測定器S1による検査によりウエハW1の表面の表面粗度Raが規定値ならば、アームA1によりカセットK1にウエハW1を収納する(経路(14))。
一方、大気圧搬送部TC1のアームA1によりカセットK1からウエハW1を取り出して、大気圧搬送部兼センタリング部TC1へ移動し(経路(1))、表面層の事前のエッチングが必要と判断された場合には、搬送部(大気圧用)H1のダブルアームWA1によりウエハW1を大気圧に切換えられているロード/ロック室LO1へ直接移動(経路(2)⇒(7))させる。ここでウエハWのロード/ロック室LO1の以降の移動動作フローは表面層の事前のエッチングが不要と判断された場合の動作フローと同様のため説明を省略する。
また、大気圧搬送部TC1において、光学式表面粗さ測定器S1による検査でウエハW1の表面の表面粗度Raが規定値でないならば、搬送部(大気圧用)H1のダブルアームWA1によりウエハW1を、センタリング部TC1からスピンコータ室SC1へ移動して(経路(2)⇒(3))、再度、ウエハW1の表面にレジスト膜形成の為にレジスト塗布処理し、以降、経路(4)⇒(13)までの処理を行う。ウエハW1の表面の表面粗度Raが規定値になるまでレジスト膜形成+ドライエッチング処理を繰り返す。
以上の動作手順を経て、ウエハWを初期ウエハのように再生する。
なお、光学式表面粗さ測定器S1は大気圧搬送部TC1に備えられたとしているが、搬送部(大気圧用)H1に設けても良い。これにより、大気圧搬送部TC1にウエハWを搬出しなくともウエハWの表面の表面粗度Raを測定できる為、規定値でないならばウエハWを再度スピンコータ室SC1へ移動出来る。
ここで、ウエハ再生装置400内の各工程等へのウエハW1の受渡し動作は、例えば、搬送部H1(大気圧用)のダブルアームWA1はベーク室B1からロード/ロック(L/L)室LO1へのウエハWの受渡し(経路(5)⇒(7))と、ロード/ロック(L/L)室LO1から大気圧搬送部兼センタリング部TC1へのウエハWの受渡し(経路(12)⇒(13))とを同時に行う。
次に大気圧搬送部兼センタリング部TC1からのスピンコータ室SC1へのウエハWの受渡し(経路(2)⇒(3))とスピンコータ室SC1からベーク室B1へのウエハWの受渡し(経路(4)⇒(5))とを同時に行うことが可能であり、このことによりウエハの各処理室あるいは各工程への搬送時間が短縮される。ウエハ搬送アームの数を増やせばより多くのウエハの受渡しを同時に行うことができる。
また、次工程のウエハ処理時間待ちが発生する場合は、ウエハ待機位置を設けても良い。また、大気圧用と真空圧用にそれぞれ専用にて別体に構成された搬送部(H1,H2)と、大気圧と真空圧との切換えを行うロード/ロック(L/L)室LO1とを別空間にて構成することにより、大気圧領域から真空圧領域へのウエハW1の受渡しは、搬送部(大気圧用)H1と搬送部(真空圧用)H2の別体で構成されたそれぞれ専用の搬送装置により行われる為、ウエハW1の表面にウエハW1を回転させレジストを塗布するスピンコータ室SC1でのレジストの飛散等により、大気圧用の搬送部H1のダブルアームWA1に汚れが生じても真空圧中で反応ガスによるドライエッチング処理を行うエッチング室E1に、大気圧専用の搬送アームWA1が直接入らない為、エッチング室E1へのダスト汚染を抑制出来る。
また、大気圧用と真空圧用に搬送部(H1、H2)がそれぞれ専用で構成されている為、ロード/ロック(L/L)室LO1と搬送部(H1、H2)は別空間にて構成され、ダブルアームの機構等のための大きな空間を必要とする搬送部の空間に対して直接、大気圧と真空圧雰囲気の切換え動作を行わない為、ロード/ロック(L/L)室LO11をよりコンパクトに構成出来、ロード/ロック(L/L)室LO11の大気圧と真空圧の切換えの為の処理時間が短縮できる。
また、真空圧雰囲気中であるエッチング室E1へのウエハの受渡し動作と、大気圧雰囲気中でレジストをウエハW1の表面に塗布するスピンコータ室SC1とウエハW1の表面に塗布されたレジスト膜を乾燥させるベーク室B1と大気圧搬送部兼センタリング部TC1へのウエハW1の受渡し動作を並列処理可能に行うため、真空圧と大気圧の切換えが生じても生産性を向上できる。
このようなウエハ粗さ仕上げ工程(レジスト膜形成+ドライエッチ)を実施するウエハ再生装置400の構成にて、スピンコータ室SC1によるレジスト塗布とベークチャンバーB1によるポストベーク処理とドライエッチングチャンバーE1によるドライエッチング処理をインライン化してできる。
また、ベークチャンバーB1は、ホットプレートなどによる熱的なベークの場合と光(UV)などによるベーク処理の場合も可能である。
また、光ベーク処理の場合は、例えば搬送部H1などの搬送経路の上面にUVランプを取り付けて、搬送中に光ベークすることも可能である。
また、ウエハWの表面の表面粗度Raの測定のための光学式の表面粗さ測定器S1は、光学顕微鏡などを用いても良い。
次に、ここで対比のためにウエハ粗さ仕上工程のレジスト形成工程とエッチング処理工程を別装置で構成し、それぞれバッチ処理した場合の他のウエハ再生装置について説明する。
図19は、ウエハ再生装置の構成および処理工程を示すフロー図である。図19に示すように、まずレジスト形成処理工程であるところのスピンコータにより半導体ウエハ200の板面に鉛直な方向の軸を回転軸として半導体ウエハ200を回転させながら半導体ウエハ200の面に形成する膜220の一例であるレジストを半導体ウエハ200の表面に塗布して(図示せず)、レジスト被覆処理し(ステップS221)、ホットプレートにより半導体ウエハ200の表面に被覆された膜220(レジスト)をレジストベーク処理し(ステップS222)、その後、別体の装置であるドライエッチング処理工程のドライエッチャーにより膜220と共にその膜220が形成されている側の面の半導体ウエハ200の表面をドライエッチング処理する(ステップS223)。次に、表面検査処理工程を実施する表面検査装置により半導体ウエハ200の表面の表面粗度RaやTTVなどの表面検査を実施し(ステップS224)、この検査の結果、半導体ウエハ200の表面の表面粗度RaがOKの時(ステップS225にてYes)はウエハ再生処理を終了し、ウエハ表面の表面粗度RaがNGの時(ステップS225にてNo)はスピンコータによるレジスト被覆処理から以下の処理を繰り返し、結果的に半導体ウエハ200表面の表面粗度RaがOKとなった時(ステップS225にてYes)にウエハ再生処理を終了する。
このウエハ再生装置では、レジスト形成処理工程としてレジスト被覆処理とレジストベーク処理の装置がそれぞれ別装置として必要であり、また更にドライエッチング処理工程としてドライエッチング処理の装置が必要であり、各処理工程の各処理ごとに個別にバッチ処理するための別々の装置が必要(レジスト被覆処理とベーク処理は同一の場合もある)である。そのため、半導体ウエハ200が一旦処理装置の外部に搬出されるために、半導体ウエハ200の表面に異物が付着し易く、この付着した異物(パーティクル)によるドライエッチング異常(局所的なエッチング速い箇所の存在や、残渣の発生、エッチング形状異常など)や、また更に、経時変化や大気圧雰囲気によるレジスト膜質の変化がレジスト対シリコン選択比を変化させることで、半導体ウエハ200表面の仕上がりの表面粗度Raが悪化するという問題などが発生する可能性がある。
なお、上記の各実施の形態のドライエッチング処理においては、以下のような方法を実施することができる。
半導体ウエハ200の表面の被覆膜と半導体ウエハ200(Si)のドライエッチングにおける選択比について、被覆膜がドライエッチングされて半導体ウエハ200(Si)基材自体の少なくとも一部の表面が露出した時点で、異なるドライエッチング条件に変更するように、実施しても良い。
なお、上記の各実施の形態において使用するレジストとしては、例えば、東京応化製の「OFPR5000LB」等があるが、ドライエッチング時のSiとの選択比が1に近づくものであれば、このレジスト以外を使用してもよく、特にこれに限定するものではない。
半導体ウエハ200の表面に形成する膜220は、具体的には、形成する有機膜の材料として、フォトレジスト、スクリーン印刷レジスト、エッチングレジスト、めっきレジスト、ソルダーレジスト等のレジスト用材料、ポリイミド、アクリル樹脂(PMMA)などを例示できる。あるいは各種熱硬化性樹脂や光硬化性樹脂を用いることもできる。
また、無機膜の材料でもよい。有機系の材料に無機系の材料がフィラーなどとして含有するものでも構わない。特に無機系の材料をフィラーとして添加した有機系の材料の場合、半導体ウエハ200の材質との選択比をフィラーの量で調節することができるため好ましい。
また、半導体ウエハ200の表面に膜220を形成する方法は、特に限定されるものではない。具体的には、スピンコート法、ミスト法、インクジェット法、スリットコート法などが例示できる。また、CVD(Chemical Vapor Deposition)やPVD(Physical Vapor Deposition)により必要な膜220を形成しても構わない。
また、被覆膜は、複数層による積層構造とするように、実施することができる。
また、ウエハ表面に対する被覆の方法は、例えば、プラズマ処理により重合膜を形成するように、実施することができる。または、裏面に柔軟な膜のあるテープ類を貼付けるように、実施しても良い。
また、被覆の方法は、ウエハの被覆表面の平坦性を向上するために、被覆膜を重ね塗りするように、実施することができる。
また、ウエハ(Si)表面の変質層205をエッチング除去した後に、ウエハ表面を被覆しドライエッチング処理するように、実施することができる。
本発明は、半導体デバイスの製造分野において利用することが考えられる。
100 ドライエッチング装置
105 制御部
110 真空圧チャンバ
120 真空圧排気系
130 ガス供給系
140、145 電源
146 直流電源
150 電極
155 下部電極
160 温度制御手段
200 半導体ウエハ
205 変質層
210 他物質層
220 膜
300、301 砥石
400 ウエハ再生装置
W、W1、W2 ウエハ
K1、K2 カセット
TC1 大気圧搬送部兼センタリング部
A1、A2 アーム
S1 光学式表面粗さ測定器
SC1 スピンコータ室
B1 ベーク室
LO1 ロード/ロック(L/L)室
E1 ドライエッチング室
H1 搬送部(大気圧用)
WA1、WA2 ダブルアーム
H2 搬送部(真空圧用)
WS ウエハ供給部
C1 制御部
OR1 オリフラ
N1 ノッチ