JP5328716B2 - マイクロカプセル化難燃剤及びその使用 - Google Patents
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Description
(実施例1)
カプセルに入ったマイクロカプセル化難燃剤の調製
(1)先切り微小管の調製:
1gの天然カポック繊維の先を切って50〜200μmの長さを有する先切り微小管にする。
微小管への難燃剤液の吸収を平衡に到達させるために、ステップ(1)で得た先切り微小管を、難燃剤RDP液(Zhejiang Wansheng Chemical Co., Ltd、商品名:WSFR)中に分散し0.5時間浸し、先切り微小管を難燃剤液体で完全に充てんさせ、それによって難燃性微小管1を得た。
2gの尿素-ホルムアルデヒドプレポリマー(1gの尿素を2mlの36体積分率%ホルムアルデヒド水溶液に加え、混合物が完全に溶けるまで撹拌し、60℃に加熱し、この温度で15分維持することによって得られた)を、ステップ(2)で得た難燃性微小管1へ直接滴下して加え、混合物の温度を、97〜98℃に上げ、反応は1時間持続した。尿素-ホルムアルデヒド樹脂ポリマーは相分離と堆積によってカポック繊維の周囲に生成し、難燃性微小管1を尿素-ホルムアルデヒド樹脂でカプセル化し、それによってカプセルに入ったマイクロカプセル化難燃剤1を得た。
カプセルに入ったマイクロカプセル化難燃剤1を、ポリウレタンの30%(質量パーセント)のN,N'-ジメチルホルムアミド溶液中で1:10の質量比でポリウレタンと混合し、それによってコートされ難燃性のポリマー複合材料1を形成した。
カプセルに入ったマイクロカプセル化難燃剤の調製
(1)先切り微小管の調製:
1gの天然カポック繊維の先を切って200μm〜2mmの長さを有する先切り微小管にする。
微小管への難燃剤液の毛細管吸収を平衡に到達させるために、ステップ(1)で得た先切り微小管を、赤リンの90%(質量パーセント)エタノール溶液中に分散して0.5時間浸し、先切り微小管を赤リンのエタノール溶液で完全に充てんさせ、それによって難燃性微小管2を得た。
難燃性微小管2中のエタノールを蒸発させた。結果として得られる難燃性微小管2を、アセテート繊維の5mlの5質量%ジクロロメタン溶液に浸し、反応を1分間持続させた。アセテート繊維は堆積によってカポック繊維の周囲に生成し、アセテート繊維によって難燃性微小管2をカプセル化し、それによってカプセルに入ったマイクロカプセル化難燃剤2を得た。
カプセルに入ったマイクロカプセル化難燃剤2を、ポリアクリロニトリルの30%(質量パーセント)のジメチルアセトアミド溶液中で1:20の質量比でポリアクリロニトリルと混合し、60℃で乾燥して溶媒を蒸発させ、それによって難燃性のポリマー複合材料2を得た。
カプセルに入ったマイクロカプセル化難燃剤の調製
(1)先切り微小管の調製:
1gの天然トウワタ繊維の先を切って2〜10mmの長さを有する先切り微小管にする。
微小管へのメラミンのメタノール溶液の毛細管吸収を平衡に到達させるために、ステップ(1)で得た先切り微小管を、メラミンの80%(質量パーセント)メタノール溶液中に分散して0.5時間浸し、先切り微小管をメラミンのメタノール溶液で完全に充てんし、それによって難燃性微小管3を得た。
難燃性微小管3中のメタノールを蒸発させた。結果として得られる難燃性微小管3を、ポリアクリロニトリルの5mlの5質量%N,N'-ジメチルホルムアミド溶液に浸し、反応を10分間持続させた。難燃性微小管を表面堆積によってポリアクリロニトリルでカプセル化し、それによって、カプセルに入ったマイクロカプセル化難燃剤3を得た。
カプセルに入ったマイクロカプセル化難燃剤3を、ポリウレタンの30%(質量パーセント)N,N'-ジメチルホルムアミド溶液中で1:5の質量比でポリウレタンと混合し、80℃で乾燥して溶媒を蒸発させ、それによって難燃性のポリマー複合材料3を得た。
カプセルに入ったマイクロカプセル化難燃剤の調製
(1)先切り微小管の調製:
1gの天然亜麻繊維の先を切って50〜100μmの長さを有する先切り微小管にする。
微小管へのポリリン酸アンモニウムの毛細管吸収を平衡に到達させるために、ステップ(1)で得た先切り微小管を、ポリリン酸アンモニウム液中に分散して0.5時間浸し、先切り微小管をポリリン酸アンモニウムで完全に充てんさせ、それによって難燃性微小管4を得た。
難燃性微小管4を、アセテート繊維の5mlの5質量%ジクロロメタン溶液に浸した。難燃性微小管を表面堆積によってアセテート繊維でカプセル化し、それによって、カプセルに入ったマイクロカプセル化難燃剤4を得た。
カプセルに入ったマイクロカプセル化難燃剤4を、フェノール樹脂の90%(質量パーセント)のエタノール溶液中で1:20の質量比でフェノール樹脂と混合し、60℃で乾燥して溶媒を蒸発させ、それによって難燃性のポリマー複合材料4を得た。
カプセルに入ったマイクロカプセル化難燃剤の調製
(1)先切り微小管の調製:
1gの天然カポック繊維の先を切って10〜50μmの長さを有する先切り微小管にする。
微小管へのテトラブロモビスフェノールA(TBA)の毛細管吸収を平衡に到達させるために、ステップ(1)で得た先切り微小管を、テトラブロモビスフェノールA(TBA)の60%(質量パーセント)メタノール溶液中に分散して0.5時間浸し、先切り微小管をテトラブロモビスフェノールA(TBA)で完全に充てんさせ、それによって難燃性微小管5を生成した。
難燃性微小管5中のメタノールを蒸発させ、結果として得られる難燃性微小管をアセテート繊維の5mlの5質量%ジクロロメタン溶液に浸した。難燃性微小管を表面堆積によってアセテート繊維でカプセル化し、それによって、カプセルに入ったマイクロカプセル化難燃剤5を得た。
カプセルに入ったマイクロカプセル化難燃剤5を、ビスフェノールA及びエポキシクロロプロパンの混合液中で、1:8:1の質量比でビスフェノールA及びエポキシクロロプロパンと混合した。プレポリマーはNaOHでの触媒作用下で得られ、次いで、室温で当量のエチレンジアミンで架橋し、ポリマー基材材料としてエポキシ樹脂を含む難燃性ポリマー複合材料5を得た。
カプセルに入ったマイクロカプセル化難燃剤の調製
(1)先切り微小管の調製:
1gの天然トウワタ繊維の先を切って100〜500μmの長さを有する先切り微小管にする。
微小管への塩素化ポリエチレン(CPE)のエタノール溶液の毛細管吸収を平衡に到達させるために、ステップ(1)で得た先切り微小管を、塩素化ポリエチレンの60%(質量パーセント)エタノール溶液中に分散して0.5時間浸し、先切り微小管を難燃剤液で完全に充てんさせ、それによって難燃性微小管6を得た。
難燃性微小管6を、ポリアクリロニトリルの5mlの5質量%N,N'-ジメチルホルムアミド溶液に浸した。難燃性微小管を表面堆積によってポリアクリロニトリルでカプセル化し、それによって、カプセルに入ったマイクロカプセル化難燃剤6を得た。
カプセルに入ったマイクロカプセル化難燃剤6を、ポリアクリロニトリルのN,N'-ジメチルホルムアミド溶液中で1:10の質量比でポリアクリロニトリルと混合し、80℃で乾燥して溶媒を蒸発させ、それによって難燃性のポリマー複合材料6を得た。
カプセルに入ったマイクロカプセル化難燃剤の調製
(1)先切り微小管の調製:
1gの天然竹繊維の先を切って500〜1000μmの長さを有する先切り微小管にする。
微小管への塩素化パラフィン(65%〜70%の塩素含有率)のメタノール溶液の毛細管吸収を平衡に到達させるために、ステップ(1)で得た先切り微小管を、塩素化パラフィンの70%(質量パーセント)メタノール溶液中に分散して15分間浸し、先切り微小管を塩素化パラフィンのメタノール溶液で完全に充てんさせ、それによって難燃性微小管7を得た。
難燃性微小管7中のメタノールを蒸発させた。結果として得られる難燃性微小管7を、6:5(モル比)のフェノールとホルムアルデヒド(触媒として3質量%のシュウ酸を含有する)の混合液に浸した。難燃性微小管を表面縮合重合によってフェノール樹脂でカプセル化し、それによって、カプセルに入ったマイクロカプセル化難燃剤7を得た。
カプセルに入ったマイクロカプセル化難燃剤7を、1:5の質量比でポリスチレンと混合し、難燃性のポリマー複合材料7を得た。
カプセルに入ったマイクロカプセル化難燃剤の調製
(1)先切り微小管の調製:
1gの天然カポック繊維の先を切って1000〜2000μmの長さを有する先切り微小管にする。
微小管へのリン酸トリ(2-クロロエチル)(65%〜70%の塩素含有率)のエタノール溶液の毛細管吸収を平衡に到達させるために、ステップ(1)で得た先切り微小管を、リン酸トリ(2-クロロエチル)(65%〜70%の塩素含有率)の60%(質量パーセント)エタノール溶液中に分散して1時間浸し、先切り微小管をリン酸トリ(2-クロロエチル)(65%〜70%の塩素含有率)のエタノール溶液で完全に充てんさせ、それによって難燃性微小管8を得た。
難燃性微小管8中のエタノールを蒸発させ、結果として得られる難燃性微小管をアセテート繊維の5mlの5質量%ジクロロメタン溶液に0.5時間浸した。難燃性微小管を表面堆積によってアセテート繊維でカプセル化し、それによって、カプセルに入ったマイクロカプセル化難燃剤8を得た。
カプセルに入ったマイクロカプセル化難燃剤8を、1:8の質量比でポリウレタンと混合し、難燃性のポリマー複合材料8を得た。
カプセルに入ったマイクロカプセル化難燃剤の調製
(1)先切り微小管の調製:
1gの天然カポック繊維の先を切って2000〜3000μmの長さを有する先切り微小管にする。
微小管へのヘキサブロモシクロドデカン(HBCD)(74.7%の臭素含有率)のエタノール溶液の毛細管吸収を平衡に到達させるために、ステップ(1)で得た先切り微小管を、ヘキサブロモシクロドデカンの50%(質量パーセント)エタノール溶液中に分散して0.5時間浸し、先切り微小管をヘキサブロモシクロドデカンのエタノール溶液で完全に充てんさせ、それによって難燃性微小管9を得た。
難燃性微小管9中のエタノールを蒸発させ、結果として得られる難燃性微小管をアセテート繊維の5mlの5質量%ジクロロメタン溶液に浸した。難燃性微小管を表面堆積によってアセテート繊維でカプセル化し、それによって、カプセルに入ったマイクロカプセル化難燃剤9を得た。
カプセルに入ったマイクロカプセル化難燃剤9を、1:9の質量比でポリカーボネートに直接添加、混合し、難燃性のポリマー複合材料9を得た。
カプセルに入ったマイクロカプセル化難燃剤の調製
(1)先切り微小管の調製:
1gの天然カポック繊維の先を切って3〜4mmの長さを有する先切り微小管にする。
微小管へのリン酸トリフェニルのアセトン溶液の毛細管吸収を平衡に到達させるために、ステップ(1)で得た先切り微小管を、リン酸トリフェニルの80%(質量パーセント)アセトン溶液中に分散して1時間浸し、先切り微小管をリン酸トリフェニルのアセトン溶液で完全に充てんさせ、それによって難燃性微小管10を得た。
難燃性微小管10中のアセトンを蒸発させ、結果として得られる難燃性微小管を、2gの尿素-ホルムアルデヒドプレポリマー(1gの尿素を2mlの36体積分率%ホルムアルデヒド水溶液に加え、混合物が完全に溶けるまで撹拌し、60℃に加熱し、この温度で15分間維持することによって得られた)に浸し、混合物の温度を97〜98℃に上げ、反応を1時間持続させた。尿素-ホルムアルデヒド樹脂ポリマーが表面相分離及び堆積によってカポック繊維の周囲に生成し、尿素-ホルムアルデヒド樹脂によって難燃性微小管10をカプセル化し、それによってカプセルに入ったマイクロカプセル化難燃剤10を得た。
カプセルに入ったマイクロカプセル化難燃剤10を、1:9の質量比でブタジエン-イソプレンコポリマー(PIB)と混合し、難燃性のポリマー複合材料10を得た。
カプセルに入ったマイクロカプセル化難燃剤の調製
(1)先切り微小管の調製:
1gの天然亜麻繊維の先を切って4000〜5000μmの長さを有する先切り微小管にする。
微小管へのテトラブロモビスフェノールA-ビス(2,3-ジブロモプロピル)エーテルのアセトン溶液の毛細管吸収を平衡に到達させるために、ステップ(1)で得た先切り微小管を、テトラブロモビスフェノールA-ビス(2,3-ジブロモプロピル)エーテルの70%(質量パーセント)アセトン溶液中に分散して0.5時間浸し、先切り微小管をテトラブロモビスフェノールA-ビス(2,3-ジブロモプロピル)エーテルのアセトン溶液で完全に充てんさせ、それによって難燃性微小管11を得た。
難燃性微小管11中のアセトンを蒸発させ、結果として得られる難燃性微小管を2gのエチレンテレフタレートオリゴマーに浸した(このエチレンテレフタレートオリゴマーは、テレフタル酸をわずかに過剰なメタノールでエステル化し、水、過剰のメタノール及び安息香酸などの低沸点物質を蒸発させ、結果として得られる混合物を蒸留して純粋なテレフタル酸ジメチルを得、溶融物の温度を190〜200℃に上げ、酢酸カドミウムと酸化アンチモンの触媒作用を用いて、エチレングリコールとのテレフタル酸ジメチルのエステル交換反応(モル比約1:2.4)を行うことによって得られた)。283℃で、エチレンテレフタレートオリゴマーは酸化アンチモンの触媒作用で自己縮合して重合し、難燃性微小管11をカプセル化するポリエチレンテレフタレートを形成し、それによって、カプセルに入ったマイクロカプセル化難燃剤11を得た。
カプセルに入ったマイクロカプセル化難燃剤11を、1:8の質量比でポリカーボネートの溶融物と混合し、難燃性のポリマー複合材料11をホットプレスによって得た。
カプセルに入ったマイクロカプセル化難燃剤の調製
(1)先切り微小管の調製:
1gの天然カポック繊維の先を切って5000〜10000μmの長さを有する先切り微小管にする。
微小管への難燃剤液の毛細管吸収を平衡に到達させるために、ステップ(1)で得た先切り微小管を、Reogardl000の80%(質量パーセント)アセトン溶液中に分散して1時間浸し、先切り微小管をReogardl000のアセトン溶液で完全に充てんさせ、それによって難燃性微小管12を得た。
難燃性微小管12中のアセトンを蒸発させ、結果として得られる難燃性微小管を、2gの尿素-ホルムアルデヒドプレポリマー(1gの尿素を2mlの36体積分率%ホルムアルデヒド水溶液に加え、混合物が完全に溶けるまで撹拌し、60℃に加熱し、この温度で15分維持することによって得られた)に浸し、混合物の温度を97〜98℃に上げ、反応を1時間間持続させた。尿素-ホルムアルデヒド樹脂ポリマーは表面相分離及び堆積によってカポック繊維の周囲に生成し、尿素-ホルムアルデヒド樹脂によって難燃性微小管12がカプセル化され、それによってカプセルに入ったマイクロカプセル化難燃剤12を得た。
カプセルに入ったマイクロカプセル化難燃剤12を、1:7の質量比でポリプロピレンに混合し、難燃性のポリマー複合材料12を射出成形によって得た。
カプセルに入ったマイクロカプセル化難燃剤の調製
(1)先切り微小管の調製:
1gの天然亜麻繊維の先を切って50〜500μmの長さを有する先切り微小管にする。
微小管へのExolit RPのアセトン溶液の毛細管吸収を平衡に到達させるために、ステップ(1)で得られた先切り微小管を、Exolit RPの90%(質量パーセント)アセトン溶液中に分散して1.5時間浸し、先切り微小管をExolit RPのアセトン溶液で完全に充てんさせ、それによって難燃性微小管13を得た。
難燃性微小管13中のアセトンを蒸発させ、結果として得られる難燃性微小管を、ビス(4-クロロフェニル)スルホン及び硫化ナトリウムのN-メチルピロリドン溶液(1:1:1)に入れた。260〜220℃で2〜8時間重合を行い、難燃性微小管13をポリフェニレンスルフィド樹脂でカプセル化し、それによって、カプセルに入ったマイクロカプセル化難燃剤13を得た。
カプセルに入ったマイクロカプセル化難燃剤13を、1:5の質量比でPA66に混合し、難燃性のポリマー複合材材料13を射出成形によって得た。
カプセルに入ったマイクロカプセル化難燃剤の調製
(1)先切り微小管の調製:
1gの天然トウワタ繊維の先を切って50〜200μmの長さを有する先切り微小管にする。
微小管へのSaFRonのアセトン溶液の毛細管吸収を平衡に到達させるために、ステップ(1)で得た先切り微小管を、SaFRonの90%(質量パーセント)アセトン溶液中に分散して2時間浸し、先切り微小管をSaFRonのアセトン溶液で完全に充てんさせ、それによって難燃性微小管14を得た。
難燃性微小管14中のアセトンを蒸発させ、結果として得られる難燃性微小管は、2gのアルキド樹脂プレポリマー(乾燥した油及びグリセリンを一緒に240℃で加熱し、エステル交換反応触媒を用いて加アルコール分解及びエステル交換反応を行い、グリセリンモノエステルまたはジオールを形成することによって得られた)に浸した。無水フタル酸を反応に加え、前述と同じ温度で共縮合エステル化を行い、難燃性微小管14をアルキド樹脂によってカプセル化し、それによって、カプセルに入ったマイクロカプセル化難燃剤14を得た。
カプセルに入ったマイクロカプセル化難燃剤14を、1:9の質量比でPETに混合し、難燃性のポリマー複合材料14を射出成形によって得た。
カプセルに入ったマイクロカプセル化難燃剤の調製
(1)先切り微小管の調製:
1gの天然カポック繊維の先を切って100〜500μmの長さを有する先切り微小管にする。
微小管へのイソシアヌール酸トリ(2,3-ジブロモプロピル)(TBC)のアセトン溶液の毛細管吸収を平衡に到達させるために、ステップ(1)で得られた先切り微小管を、TBCの70%(質量パーセント)アセトン溶液中に分散して0.5時間浸し、先切り微小管をTBCのアセトン溶液で完全に充てんさせ、それによって難燃性微小管15を得た。
難燃性微小管15中のアセトンを蒸発させ、結果として得られる難燃性微小管は2gのエチレンテレフタレートオリゴマーに浸した(このエチレンテレフタレートオリゴマーは、2mlのテレフタル酸をわずかに過剰なメタノールとエステル化し、水、過剰のメタノール及び安息香酸などの低沸点物質を蒸発させ、結果として得られる混合物を蒸留して純粋なテレフタル酸ジメチルを得、溶融物の温度を190〜200℃に上げ、酢酸カドミウムと酸化アンチモンの触媒作用を用いて、エチレングリコールとのテレフタル酸ジメチルのエステル交換反応(モル比約1:2.4)を行うことによって得られた)。283℃で、エチレンテレフタレートオリゴマーは酸化アンチモンの触媒作用で自己縮合して重合し、難燃性微小管15をカプセルに入れるポリエチレンテレフタレートを形成し、それによって、カプセルに入ったマイクロカプセル化難燃剤15を得た。
カプセルに入ったマイクロカプセル化難燃剤15を、1:8の質量比でスチレン-ブタジエン-スチレンブロックコポリマー(SBS)に混合し、難燃性のポリマー複合材料15を射出成形によって得た。
カプセルに入ったマイクロカプセル化難燃剤の調製
(1)先切り微小管の調製:
1gの天然カポック繊維の先を切って10〜300μmの長さを有する先切り微小管にする。
微小管への1,2,3,4-テトラブロモブタンのエタノール溶液の吸収を平衡に到達させるために、ステップ(1)で得た先切り微小管を、1,2,3,4-テトラブロモブタンの60%(質量パーセント)エタノール溶液中に分散して0.5時間浸し、先切り微小管を1,2,3,4-テトラブロモブタンのエタノール溶液で完全に充てんさせ、それによって難燃性微小管16を得た。
難燃性微小管16中のエタノールを蒸発させ、結果として得られる難燃性微小管を、ビス(4-クロロフェニル)スルホン及び硫化ナトリウムのN-メチルピロリドン溶液(1:1:1)に入れた。260〜220℃で2〜8時間重合を行い、難燃性微小管16をポリフェニレンスルフィド樹脂でカプセル化し、それによって、カプセルに入ったマイクロカプセル化難燃剤16を得た。
カプセルに入ったマイクロカプセル化難燃剤16を、1:5の質量比でポリオキシメチレン(POM)の溶融物に混合し、難燃性のポリマー複合材料16を射出成形によって得た。
Claims (8)
- コアと該コアをカプセルに入れるためのシェルとカプセル化層とを含むマイクロカプセル化難燃剤であって、前記コアが難燃薬剤を含み、かつシェルが天然微小管であり、前記カプセル化層が合成高分子または天然繊維から形成され、
前記難燃薬剤が、テトラフェニルレゾルシノールビス(ジフェニルホスフェート)(RDP液)、赤リン、メラミン、ポリリン酸アンモニウム、テトラブロモビスフェノールA、塩素化ポリエチレン、塩素化パラフィン、リン酸トリ(2-クロロエチル)、ヘキサブロモシクロドデカン(HBCD)、リン酸トリフェニル、テトラブロモビスフェノールA-ビス(2,3-ジブロモプロピル)エーテル、イソシアヌール酸トリ(2,3-ジブロモプロピル)、及び1,2,3,4-テトラブロモブタンからなる群から選択される、マイクロカプセル化難燃剤。 - 前記天然微小管が、カポック繊維、トウワタ繊維、ヘチマ繊維、竹繊維、テックス竹繊維、亜麻繊維、ウール、及びダウンからなる群から選択される、請求項1に記載のマイクロカプセル化難燃剤。
- 前記天然微小管が10μmから1cmの長さを有する、請求項1に記載のマイクロカプセル化難燃剤。
- 前記合成高分子が、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブチレン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリイソブチレン、ポリアクリロニトリル、ポリウレタン、ポリメタクリル酸メチル、ポリアクリル酸メチル、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、アルキド樹脂、ポリカーボネート、尿素-ホルムアルデヒド樹脂、メラミン-ホルムアルデヒド樹脂、メラミン-尿素-ホルムアルデヒド樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリオキシメチレン、ポリエチレンオキシド、ポリフェニレンスルフィド、ヘキサメチレンアジプアミドポリマー、ポリカプロラクタム、ポリイミド、ポリジメチルシロキサン、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレンコポリマー、スチレン-ブタジエン-スチレンブロックコポリマー、イソブチレン-イソプレンゴム、及びブタジエン-イソプレンコポリマー、またはこれらの混合物からなる群から選択される、請求項1に記載のマイクロカプセル化難燃剤。
- 前記天然繊維が、綿繊維、靭皮繊維、木部繊維、草繊維及びアセテート繊維、ならびにこれらの混合物からなる群から選択される、請求項1に記載のマイクロカプセル化難燃剤。
- 請求項1から5のいずれか一項に記載のマイクロカプセル化難燃剤を製造する方法であって、天然微小管を用いて難燃薬剤を吸収するステップ、及び難燃薬剤を吸収した天然微小管を合成高分子または天然繊維でカプセル化してマイクロカプセル化難燃剤を製造するステップを含む、方法。
- 請求項1から5のいずれか一項に記載のマイクロカプセル化難燃剤と、ポリマー基材材料とを含む、難燃性ポリマー複合材料。
- 前記ポリマー基材材料が、ポリオレフィン樹脂、ポリ(メタ)アクリル酸エステル、ポリエステル、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリアクリロニトリル、ポリウレタン、ポリ酢酸ビニル、ポリカーボネート、尿素-ホルムアルデヒド樹脂、メラミン-ホルムアルデヒド樹脂、メラミン-尿素-ホルムアルデヒド樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリオキシメチレン、ポリエチレンオキシド、ヘキサメチレンアジプアミドポリマー、ポリカプロラクタム、ポリイミド、ポリジメチルシロキサン、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレンコポリマー、スチレン-ブタジエン-スチレンブロックコポリマー、イソブチレン-イソプレンゴム、及びブタジエン-イソプレンコポリマー、ならびにこれらの混合物からなる群から選択される、請求項7に記載の難燃性ポリマー複合材料。
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