JP3370324B2 - ヒトインターロイキン−6受容体に対する再構成ヒト抗体 - Google Patents

ヒトインターロイキン−6受容体に対する再構成ヒト抗体

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JP3370324B2
JP3370324B2 JP50889892A JP50889892A JP3370324B2 JP 3370324 B2 JP3370324 B2 JP 3370324B2 JP 50889892 A JP50889892 A JP 50889892A JP 50889892 A JP50889892 A JP 50889892A JP 3370324 B2 JP3370324 B2 JP 3370324B2
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政幸 土屋
功 佐藤
マーガレット ベンディッグ,メアリー
タレン ジョーンズ,スティーブン
ウィリアム サルダナ,ホセ
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Chugai Pharmaceutical Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
技術分野 本発明は、ヒトインターロイキン−6受容体(IL−6
R)に対するマウスモノクローナル抗体の可変領域(V
領域)、ヒトIL−6Rに対するヒト/マウスキメラ抗体、
ヒトライト鎖(L鎖)V領域及びヒトヘビー鎖(H鎖)
V領域の相補性決定領域(CDR)がヒトIL−6Rに対する
マウスモノクローナル抗体のCDRにより置き換えられて
いる再構成(reshaped)ヒト抗体に関する。本発明はさ
らに、上記の抗体又はその部分をコードするDNAを提供
する。本発明はさらに、前記DNAを含んで成るベクタ
ー、特に発現ベクター、並びに該ベクターにより形質転
換された宿主に関する。本発明はさらに、ヒトIL−6Rに
対するキメラ抗体の製造方法、及びヒトIL−6Rに対する
再構成ヒト抗体の製造方法を提供する。 背景技術 インターロイキン−6(IL−6)は一連の細胞により
生産される多機能サイトカインである。このものは免疫
応答、急性期反応及び造血を調節し、そして宿主防御機
構において中心的役割を演ずる。このものは広範な組織
に作用して、標的細胞の性質に応じて成長誘導効果、成
長阻害効果及び分化誘導効果を発揮する。IL−6に対す
る特異的レセプター(IL−6R)は、IL−6の多機能性に
従ってリンパ系細胞及び非リンパ系細胞上で発現され
る。IL−6遺伝子の異常発現が種々の疾患、特に自己免
疫疾患、メサンジウム細胞増殖性糸球体腎炎、及び形質
細胞腫/骨髄腫の発病に関与することが示唆されている
(Hiranoら、Immunol.Today,11,443−449,1990の総説を
参照のこと)。ヒト骨髄腫細胞はIL−6を生産しそして
IL−6Rを発現することが観察される。実験において、IL
−6に対する抗体が骨髄腫細胞の試験管内での増殖を阻
害し、そしてそれ故にヒト骨髄腫の発癌においてオート
クリン調節ループが機能していることが示された(Kawa
noら、Nature,332,83,1988)。 IL−6Rは種々の動物細胞の表面に存在し、そしてIL−
6に特異的に結合し、そして細胞表面上のIL−6R分子の
数が報告されている(Tagaら、J.Exp.Med.196,967,198
7)。さらに、ヒトIL−6RをコードするcDNAがクローン
化され、そしてIL−6Rの一次構造が報告されている(Ya
masakiら、Science,241,825,1988)。 マウスのモノクローナル抗体はヒトにおいて高度に免
疫原性(「抗原性」という場合もある)があり、そして
この理由のため、ヒトにおけるそれらの療法的価値は制
限される。ヒトにおけるマウス抗体の半減期は比較的短
い。さらに、ヒト抗マウス抗体は、予定された効果を妨
害するのみならず、患者における不都合なアレルギー応
答の危険をもたらす免疫応答を惹起することなくして頻
回投与することはできない。 これらの問題を解決するため、ヒト型化(humanize
d)抗体の製造方法が開発された。マウス抗体は2つの
方法でヒト型化することができる。より簡単な方法は、
可変領域がもとのマウスモノクローナル抗体に由来しそ
して定常領域が適当なヒト抗体に由来するキメラ抗体を
作製する方法である。得られるキメラ抗体はもとのマウ
ス抗体の完全な可変領域を含有し、そしてもとのマウス
抗体と同一の特異性をもって抗原に結合することを期待
することができる。さらに、キメラ抗体ではヒト以外に
由来する蛋白質配列の比率が実質的に減少しており、そ
してそれ故にもとのマウス抗体に比べて免疫原性が低い
と予想される。キメラ抗体は抗原によく結合しそして免
疫原性が低いが、マウス可変領域に対する免疫応答がな
お生ずる可能性がある(LoBuglioら、Proc.Natl.Acad.S
ci.USA,84,4220−4224,1989)。 マウス抗体をヒト型化するための第二の方法は一層複
雑であるが、しかしマウス抗体の潜在的な免疫原性をさ
らに大幅に低下させるものである。この方法において
は、マウス抗体の可変領域からの相補性決定領域(comp
lementarity determining region;CDR)をヒト可変領
域に移植して「再構成」(reshaped)ヒト可変領域を作
製する。次に、これらの再構成ヒト可変領域をヒト定常
領域に連結する。最終的に再構成されたヒト型化抗体の
ヒト以外の蛋白質配列に由来する部分はCDRと極く一部
のフレームワーク(FR)のみである。CDRは超可変蛋白
質配列により構成されている。これらは種特異的配列を
示さない。これらの理由のため、マウスCDRを担持する
再構成ヒト抗体はもやはヒトCDRを含有する天然ヒト抗
体より強い免疫原性を有しないはずである。 前記のごとく、再構成ヒト抗体は療法目的のために有
用であると予想されるが、ヒトIL−6Rに対する再構成ヒ
ト抗体は知られていない。さらに、再構成ヒト抗体の製
造方法であって任意の特定の抗体に普遍的に適用し得る
方法は存在しない。従って、特定の抗原に対する十分に
活性な再構成ヒト抗体を作製するためには種々の工夫が
必要である。ヒトIL−6Rに対するマウスモノクローナル
抗体、すなわちPM1およびMT18は作製されており(特願
平2−189420)、そして本発明者らはヒトIL−6Rに対す
るマウスモノクローナル抗体AUK12−20、AUK64−7及び
AUK146−15を調製しているが、本発明者らはヒトIL−6R
に対する再構成ヒト抗体の作製を示唆する文献を知らな
い。 さらに、ヒト骨髄腫細胞株が移植されたヌードマウス
に、ヒトIL−6Rに対するマウスモノクローナル抗体が注
射された時腫瘍の増殖が顕著に阻害されることを、本発
明者らは見出した。このことは、骨髄腫の治療のための
療法剤として抗ヒトIL−6R抗体が有用であることを示唆
している。従って本発明はヒトIL−6Rに対する、免疫原
性の低い抗体を提供しようとするものである。 発明の開示 従って、本発明はヒトIL−6Rに対する再構成ヒト抗体
を提供する。本発明はまた、該再構成ヒト抗体の作製の
過程で有用なヒト/マウスキメラ抗体を提供する。本発
明はさらに、再構成ヒト抗体の部分、並びに再構成ヒト
抗体及びその部分並びにキメラ抗体の製造のための発現
系を提供する。 さらに具体的には、本発明は、ヒトIL−6Rに対するマ
ウスモノクローナル抗体のL鎖V領域;並びにヒトIL−
6Rに対するマウスモノクローナル抗体のH鎖V領域を提
供する。 本発明はさらに、 (1)ヒトL鎖C領域、及びヒトIL−6Rに対するマウス
モノクローナル抗体のL鎖V領域を含んで成るL鎖;並
びに (2)ヒトH鎖C領域、及びヒトIL−6Rに対するマウス
モノクローナル抗体のH鎖V領域を含んで成るH鎖; を含んで成る、ヒトIL−6Rに対するキメラ抗体を提供す
る。 本発明はさらに、ヒトIL−6Rに対するマウスモノクロ
ーナル抗体のL鎖V領域のCDR;並びにヒトIL−6Rに対す
るマウスモノクローナル抗体のH鎖V領域のCDRを提供
する。 本発明はさらに、 (1)ヒトL鎖V領域のフレームワーク領域(FR)、及
び (2)ヒトIL−6Rに対するマウスモノクローナル抗体の
L鎖V領域のCDR、 を含んで成る、ヒトIL−6Rに対する抗体の再構成ヒトL
鎖V領域;並びに (1)ヒトH鎖V領域のFR、及び (2)ヒトIL−6Rに対するマウスモノクローナル抗体の
H鎖V領域のCDR、 を含んで成る、ヒトIL−6Rに対する抗体の再構成ヒトH
鎖V領域を提供する。 本発明はさらに、 (1)ヒトL鎖C領域、並びに (2)ヒトFR、及びヒトIL−6Rに対するマウスモノクロ
ーナル抗体のCDRを含んで成るL鎖V領域、 を含んで成る、ヒトIL−6Rに対する抗体の再構成ヒトL
鎖;並びに (1)ヒトH鎖C領域、並びに (2)ヒトFR、及びヒトIL−6Rに対するマウスモノクロ
ーナル抗体のCDRを含んで成るH鎖V領域、 を含んで成る、ヒトIL−6Rに対する抗体の再構成ヒトH
鎖を提供する。 本発明はさらにまた、 (A)(1)ヒトL鎖C領域、並びに (2)ヒトL鎖FR、及びヒトIL−6Rに対するマウスモノ
クローナル抗体のL鎖CDRを含んで成るL鎖;並びに (B)(1)ヒトH鎖C領域、並びに (2)ヒトH鎖FR、及びヒトIL−6Rに対するマウスモノ
クローナル抗体のH鎖CDRを含んで成るH鎖; を含んで成る、ヒトIL−6Rに対する再構成ヒト抗体を提
供する。 本発明はまた、前記種々の抗体構成ポリペプチド、又
はその部分をコードするDNAに関する。 本発明はまた、上記DNAを含んで成るベクター、例え
ば発現ベクターに関する。 本発明はさらに、上記ベクターにより形質転換された
宿主を提供する。 本発明はさらにまた、ヒトIL−6Rに対するキメラ抗体
の製造方法、及びヒトIL−6Rに対する再構成ヒト抗体の
製造方法を提供する。 図面の簡単な説明 図1は、本発明の抗体ペプチドの発現のために有用
な、ヒトサイトメガロウイルス(HCMV)プロモーター/
エンハンサー系を含んで成る発現ベクターを示す。 図2は、ヒトIL−6Rに結合する本発明のキメラ抗体AU
K12−20の能力の確認のためのELISAの結果を示すグラフ
である。 図3は、ヒトIL−6RへのヒトIL−6の結合を阻害する
本発明のキメラ抗体AUK12−20の能力の確認のためのELI
SAの結果を示すグラフである。 図4は、ヒトIL−6Rへの本発明のキメラ抗体PM1a及び
PM1bの結合についてのELISAの結果を示すグラフであ
る。 図5は、ヒトIL−6RへのヒトIL−6の結合を阻害する
本発明のキメラ抗体PM1a及びPM1bの能力を試験するELIS
Aの結果を示すグラフである。 図6は、再構成ヒトPM−1抗体H鎖V領域の第一バー
ジョン(バージョン「a」)の作製のダイアグラムであ
る。 図7は、再構成ヒトPM−1抗体L鎖V領域の第一バー
ジョン(バージョン「a」)の作製のダイアグラムであ
る。 図8は、H鎖の発現のために有用な、ヒト・エロンゲ
ージョン・ファクター1α(HEF−1α)プロモーター
/エンハンサーを含んで成る発現プラスミドHEF−12h−
gγ1の作製の過程を示す。 図9は、L鎖の発現のために有用な、HEF−1αプロ
モーター/エンハンサー系を含んで成る発現プラスミド
HEF−12k−gkの作製の過程を示す。 図10は、H鎖の発現のために有用な、増幅のための欠
陥SV40プロモーター/エンハンサー配列に連結されたジ
ヒドロフォレートレダクターゼ(dhfr)及びHCMVプロモ
ーター/エンハンサーを含んで成る発現プラスミドDHFR
−PMh−gγ1の作製の過程を示す。 図11は、H鎖の発現のために有用な、増幅のための欠
陥SV40−プロモーター/エンハンサー配列に連結された
dhfr遺伝子及びEF1αプロモーター/エンハンサーを含
んで成る発現プラスミドDHFR−ΔE−RVh−PM1−fの作
製の過程を示す。 図12は、ヒトIL−6Rへの結合についての再構成ヒトPM
−1抗体L鎖V領域のバージョン「a」及び「b」の能
力を示すグラフである。 図13は、ヒトIL−6Rへの結合についての再構成ヒトPM
−1抗体H鎖V領域のバージョン「f」+再構成ヒトPM
−1抗体L鎖V領域バージョン「a」の能力を示すグラ
フである。 図14は、ヒトIL−6RへのIL−6の結合を阻害する再構
成ヒトPM−1抗体H鎖V領域のバージョン「f」+再構
成ヒトPM−1抗体L鎖V領域バージョン「a」の能力を
示すグラフである。 図15は、それぞれL鎖及びH鎖の発現のために有用
な、ヒトEF1−αプロモーター/エンハンサーを含んで
成る発現プラスミドHEF−VL−gk及びHEF−VH−gγ1を
示す。 図16は、再構成ヒトAUK12−20抗体L鎖V領域バージ
ョン「a」をコードするDNAの作製の過程を示す。 図17は、ヒトIL−6Rに結合する再構成ヒトAUK12−20
抗体L鎖V領域の能力の確認のためのELISAの結果を示
すグラフである。図中、標準AUK12−20(キメラ)はキ
メラAUK12−20抗体をCHO細胞により大量に製造して精製
したものについての結果を示す。 図18は、ヒトIL−6Rに結合する再構成ヒトAUK12−20
抗体(L鎖バージョン「a」+H鎖バージョン「b」)
の能力についてのELISAの結果を示すグラフである。 図19は、ヒトIL−6Rに結合する再構成ヒトAUK12−20
抗体(L鎖バージョン「a」+H鎖バージョン「d」)
の能力についてのELISAの結果を示すグラフである。 図20は、再構成ヒトAUK12−20抗体H鎖V領域の化学
合成の過程を示す。 図21は、ヒトIL−6RへのIL−6の結合を阻害する再構
成ヒトAUK12−20抗体(L鎖バージョン「a」+H鎖バ
ージョン「a」)の能力についてのELISAの結果を示す
グラフである。 図22は、ヒトIL−6RへのIL−6の結合を阻害する再構
成ヒトAUK12−20抗体(L鎖バージョン「a」+H鎖バ
ージョン「b」)の能力についてのELISAの結果を示す
グラフである。 図23は、ヒトIL−6RへのIL−6の結合を阻害する再構
成ヒトAUK12−20抗体(L鎖バージョン「a」+H鎖バ
ージョン「c」)の能力についてのELISAの結果を示す
グラフである。 図24は、ヒトIL−6RへのIL−6の結合を阻害する再構
成ヒトAUK12−20抗体(L鎖バージョン「a」+H鎖バ
ージョン「d」)の能力についてのELISAの結果を示す
グラフである。 発明を実施するための最良の形態 マウスV領域をコードするDNAのクローニング さらに詳しくは、ヒトIL−6Rに対するマウスモノクロ
ーナル抗体のV領域をコードするDNAをクローン化する
ためには、遺伝子源として、ヒトIL−6Rに対するモノク
ローナル抗体を生産するハイブリドーマを作製すること
が必要である。この様なハイブリドーマとして、特願平
2−189420号明細書にはモノクローナル抗体PM1を生産
するマウスハイブリドーマPM1及び該抗体の性質が記載
されている。本明細書の参考例2にハイブリドーマPM1
の作製方法を記載する。本発明者らは、それぞれがヒト
IL−6Rに対するマウスモノクローナル抗体を生産するハ
イブリドーマAUK12−20、AUK64−7及びAUK146−15を作
製している。これらのハイブリドーマの作製方法は本明
細書の参考例3に記載されている。 マウスモノクローナル抗体の可変領域をコードする目
的のDNAをクローン化するためハイブリドーマ細胞を破
壊し、そしてChirgwinら、Biochemistry 18,5294,1977
に記載されている常法により全RNAを得る。次に、この
全RNAを用いて、J.W.Larrickら、Biotechnology,,93
4,1989に記載されている方法を用いて一本鎖cDNAを合成
する。 次に、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)法を用いて前記c
DNAの有意義な部分の特異的増幅を行う。マウスモノク
ローナル抗体のカッパ(κ)型L鎖V領域の増幅のた
め、配列番号:1〜11に示す11種のオリゴヌクレオチドプ
ライマー(Mouse Kappa Variable;MKV)及び配列番
号:12に示すオリゴヌクレオチドプライマー(Mause Ka
ppa Constant;MKC)をそれぞれ5′−末端プライマー
及び3′−末端プライマーとして使用する。前記MKVプ
ライマーはマウスカッパ型L鎖リーダー配列をコードす
るDNA配列とハイブリダイズし、そして前記MKCプライマ
ーはマウスカッパ型L鎖C領域をコードするDNA配列と
ハイブリダイズする。マウスモノクローナル抗体のH鎖
V領域の増幅のため、配列番号:13〜22に示す10種のオ
リゴヌクレオチドプライマー(Mouse Heavy Variabl
e;MHV)及び配列番号:23に示すオリゴヌクレオチドプラ
イマー(Mouse Heavy Constant;MHC)をそれぞれ5′
−末端プライマー及び3′−末端プライマーとして使用
する。 なお、5′−末端プライマーはその5′−末端近傍に
制限酵素Sal I切断部位を提供する配列GTCGACを含有
し、そして3′−末端プライマーはその5′−末端近傍
に制限酵素Xmal切断部位を提供するヌクレオチド配列CC
CGGGを含有する。これらの制限酵素切断部位は可変領域
をコードする目的のDNA断片をクローニングベクターに
サブクローニングするために用いられる。 次に増幅生成物を制限酵素Sal I及びXma Iで切断させ
て、マウスモノクローナル抗体の目的とする可変領域を
コードするDNA断片を得る。他方、プラスミドpUC19のご
とき適当なクローニングベクターを同じ制限酵素Sal I
及びXma Iにより切断させ、このpUC19に前記DNA断片を
連結することにより、マウスモノクローナル抗体の目的
とする可変領域をコードするDNA断片を含むプラスミド
を得る。 クローン化されたDNAの配列決定は任意の常法に従っ
て行うことができる。 目的とするDNAのクローン化及びその配列決定を実施
例1〜3に具体的に記載する。 相補性決定領域(CDR) 本発明はさらに、本発明の各V領域の超可変又は相補
性決定領域(CDR)を提供する。L鎖及びH鎖の各対の
V領域は抗原結合部位を形成する。L鎖及びH鎖上のこ
の領域は同様の全般的構造を有しそして各領域は配列の
比較的保存された4個のフレームワーク領域を含み、そ
れらは3個の超可変領域又はCDRにより連結されている
(Kabat,E.A.ら、「Sequences of Proteins of Imm
unological Interest」,US Dept.Health and Human
Services 1983)。前記4個のフレームワーク領域
(FR)の多くの部分はβ−シート構造をとり、CDRはル
ープを形成する。CDRはある場合にはβ−シート構造の
一部分を形成することもある。CDRはFRによって非常に
近い位置に保持され、そして他の領域のCDRと共に抗原
結合部位の形成に寄与する。本発明は、ヒト型化抗体の
素材として有用なこれらのCDR、及びそれをコードするD
NAをも提供する。これらのCDR領域は、V領域の既知ア
ミノ酸配列と照合することによって、Kabat,E.A.ら、
「Sequences of Proteins of Immunological Inte
rest」の経験則から見出すことができ、実施例4におい
て具体的に説明する。 キメラ抗体の作製 ヒトIL−6Rに対する抗体の再構成ヒトV領域を設計す
るに先立って、使用するCDRが実際に抗原結合領域を形
成することを確かめる必要がある。この目的のため、キ
メラ抗体を作製した。さらに実施例1及び2に記載され
る4種類のモノクローナル抗体のクローン化されたDNA
のヌクレオチド配列から推定されるマウス抗ヒトIL−6R
抗体のアミノ酸配列を相互に、及び既知のマウス及びヒ
トの抗体のV領域と比較した。4種類のモノクローナル
抗体のそれぞれについて、1セットの典型的な機能的マ
ウスL及びH鎖V領域がクローニングされた。しかしな
がら、4種類すべてのマウス抗ヒトIL−6R抗体は比較的
異なるV領域を有していた。4種類の抗体は相互に単に
微小な相違ではなかった。クローン化されたマウスV領
域を用いて4種類のキメラ抗ヒトIL−6R抗体を作製し
た。 キメラ抗体を作製するための基本的な方法は、PCR−
クローン化cDNAに見られるようなマウスリーダー配列及
びV領域配列を、哺乳類細胞発現ベクター中にすでに存
在するヒトC領域をコードする配列に連結することを含
んで成る。前記4種類のモノクローナル抗体の内、モノ
クローナル抗体AUK12−20からのキメラ抗体の作製を実
施例5に記載する。 モノクローナル抗体PM−1からのキメラ抗体の作製を
実施例6に記載する。マウスPM−1κL鎖リーダー領域
及びV領域をコードするcDNAを、ヒトL鎖C領域をコー
ドするヒトゲノムDNAを含有する発現ベクターにPCR法を
用いてクローン化した。マウスPM−1抗体(単に「PM−
1抗体」又は「PM」という場合もある)のH鎖リーダー
及びV領域をコードするcDNAを、ヒトγ−1C領域をコー
ドするゲノムDNAを含有する発現ベクターにPCR法を用い
てサブクローン化した。特に設計されたPCRプライマー
を用いて、マウスPM−1抗体のV領域をコードするcDNA
をそれらの5′−及び3′−末端において適当な塩基配
列を導入して(1)それらが発現ベクターに容易に挿入
されるように、且つ(2)それらが該発現ベクター中で
適切に機能するようにした。次に、これらのプライマー
を用いてPCRにより増幅して得たマウスPM−1抗体のV
領域を、所望のヒトC領域をすでに含有するHCMV発現ベ
クター(図1)に挿入した。これらのベクターは、種々
の哺乳類細胞系における遺伝子操作された抗体の一過性
(transient)発現又は安定な発現のために適当であ
る。 マウスPM−1抗体中に存在するV領域と同じV領域を
有するキメラPM−1抗体(バージョンa)の作製に加え
て、キメラPM−1抗体の第二のバージョン(バージョン
b)を作製した。キメラPM−1抗体(バージョンb)に
おいては、L鎖V領域中の位置107のアミノ酸がアスパ
ラギンからリジンに変えられている。マウスPM−1抗体
からのL鎖V領域と他のマウスL鎖V領域との比較にお
いて、位置107におけるアルギニンの存在は異常である
ことが注目された。マウスκL鎖V領域においては、位
置107の最も典型的アミノ酸はリジンである。マウスPM
−1抗体のL鎖V領域中の位置107に非典型的なアミノ
酸であるアルギニンを有することの重要性を評価するた
め、位置107を典型的なアミノ酸であるリジンに変え
た。この変更は、PCR−変異誘発法(M.Kammanら、Nucl.
Acids Res.(1987)17:5404)を用いてL鎖V領域をコ
ードするDNA配列中に必要な変更を行うことにより達成
された。 キメラPM−1抗体バージョン(a)はヒトIL−6Rに結
合する活性を示した。キメラPM−1抗体バージョン
(b)もバージョン(a)と同様にヒトIL−6Rに結合す
る。同様に、他の2種類のモノクローナル抗体AUK64−
7及びAUK146−15からキメラ抗体を作製した。4種類す
べてのキメラ抗体はヒトIL−6Rによく結合し、機能的測
定において、正しいマウスV領域がクローン化されそし
て配列が決定されていたことが示された。 4種類のマウス抗ヒトIL−6R抗体から、ヒトIL−6Rに
対する再構成ヒト抗体の設計及び作製のための第一の候
補としてマウスPM−1抗体を選択した。マウスPM−1抗
体の選択は主として、ヌードマウスに移植されたヒト骨
髄腫細胞に対するマウス抗ヒトIL−6R抗体及びキメラ抗
体の効果を研究して得られた結果に基く。4種類のマウ
ス抗ヒトIL−6R抗体の内、PM−1抗体が最も強い抗腫瘍
細胞活性を示した。又、キメラPM−1抗体はキメラAUK1
2−20抗体よりも強い抗腫瘍活性を示した。 マウスモノクローナル抗体PM−1のV領域と既知のマウ
ス及びヒトの抗体のV領域との比較 マウスモノクローナル抗体のCDRがヒトモノクローナ
ル抗体に移植されている再構成ヒト抗体を作製するため
には、マウスモノクローナル抗体のFRとヒトモノクロー
ナル抗体のFRとの間に高い相同性が存在することが望ま
しい。従って、マウスPM−1抗体のL鎖及びH鎖のV領
域を、OWL(or Leeds)database of protein seque
ncesに見出されるすべての既知マウス及びヒトのV領域
と比較した。 マウス抗体のV領域に関しては、PM−1抗体のL鎖V
領域はマウス抗体musigkcko(Chen,H.T.ら、J.Biol.Che
m.(1987)262:13579−13583)のL鎖V領域と最も類似
しており、93.5%の同一性(identity)が存在した。PM
−1抗体のH鎖V領域はマウス抗体musigvhr2(F.J.Gra
ntら、Nucl.Acids Res.(1987)15:5496)のH鎖V領
域に最も類似しており、84.0%の同一性が存在した。マ
ウスPM−1抗体のV領域は既知マウスV領域に高比率の
同一性を示し、マウスPM−1抗体のV領域が典型的なマ
ウスV領域であることが示される。このことはさらに、
クローン化されたDNA配列が正しいという間接的な証明
を与える。一般に、H鎖V領域間に比べてL鎖V領域間
の方がより高い比率の同一性が存在する。これはおそら
く、H鎖V領域に比べてL鎖V領域において一般的に観
察されるより少ない量の多様性のためであろう。 ヒト抗体のV領域に関しては、マウスPM−1抗体のL
鎖V領域は、REIとも称されるヒト抗体klhure(W.Palm
ら、Physiol.Chem.(1975)356:167−191)のL鎖V領
域に最も類似しており、72.2%の同一性が存在する。PM
−1抗体のH鎖V領域は、ヒト抗体humighvap(VAP)
(H.W.Schroederら、Science(1987)238:791−793)に
最も類似しており、71.8%の同一性が存在する。マウス
PM−1抗体からの再構成抗体をいかに設計するかを考え
るためにヒトV領域との比較が最も重要である。ヒトV
領域への同一性の比率はマウスV領域への同一性の比率
より低い。これはマウスPM−1抗体のV領域がマウスV
領域に類似しており、そしてヒトV領域には類似してい
ないことの間接的証明である。この証明にまた、ヒト患
者における免疫原性の問題を解決するためにマウスPM−
1のV領域をヒト型化する(humanize)ことが最善であ
ることを示す。 マウスPM−1抗体のV領域をさらに、E.A.Kabatら、
(1987)Sequences ofProteins of Immunological Inte
rest,Forth Edition,U.S.Department of Health and Hu
man Services,U.S.Government Printing Officeにより
定義される、ヒトV領域の異なるサブグループについて
のコンセンサス配列と比較した。V領域のFR間で比較を
行った。その結果を表1に示す。 (1)コンセンサス配列はKabatら(1987)に記載され
ている マウスPM−1抗体のL鎖V領域のFRはヒトL鎖V領域
のサブグループI(HSG I)のコンセンサス配列からのF
Rに最も類似しており、70.1%の同一性が存在する。マ
ウスPM−1のH鎖V領域のFRはヒトH鎖V領域のサブグ
ループII(HSG II)のコンセンサス配列からのFRに最も
類似しており、52.9%の同一性が存在する。これらの結
果は、既知のヒト抗体との比較から得られた結果を支持
している。ヒトREI中のL鎖V領域はヒトL鎖V領域の
サブグループIに属し、そしてヒトVAP中のH鎖V領域
はヒトH鎖V領域のサブグループIIに属する。 ヒト抗体中のV領域とのこれらの比較から、再構成ヒ
トPM−1抗体のV領域の設計の基礎となるヒトV領域を
選択することが可能である。再構成ヒトPM−1抗体L鎖
V領域の設計のためにはサブグループI(HSG I)に属
するヒトL鎖V領域を使用し、そして再構成ヒトPM−1
抗体H鎖V領域の設計のためにはサブグループII(HSG
II)に属するヒト抗体H鎖V領域を用いるのが最善であ
ろう。 再構成ヒトPM−1抗体V領域の設計 再構成ヒトPM−1抗体V領域の設計における第一段階
は、設計の基礎となるヒト抗体V領域を選択することで
あった。マウスPM−1抗体L鎖V領域中のFRは、サブグ
ループIに属するヒト抗体L鎖V領域中のFRに最も類似
していた(表1)。前記のごとく、マウスPM−1抗体の
L鎖V領域と既知ヒト抗体L鎖V領域との比較におい
て、それはヒトL鎖V領域のサブグループIの1構成員
であるヒトL鎖V領域REIに最も類似していた。従っ
て、再構成ヒトPM−1抗体L鎖V領域の設計においてRE
IからのFRを使用した。また、再構成ヒトPM−1抗体L
鎖V領域の作製のための出発材料としてREIのFRを使用
した。 REIに基くこれらのヒトFR中には、もとのヒトREIに比
べて5個の相違が存在する(kabatら、1987、によれば
位置39,71,104,105及び107;表2を参照のこと)。FR4中
の3個の変化(位置104,105及び107)は他のヒトκL鎖
からのJ領域に基いており、そしてそれ故にヒトからの
逸脱を成すものではない(L.Riechmannら、Nature(198
8)322:21−25)。位置39及び71における2個の変化は
ラットCAMPATH−1抗体のL鎖V領域のFR中に存在する
アミノ酸にもどる変化であった(Riechmannら、198
8)。 再構成ヒトPM−1抗体L鎖V領域の2つのバージョン
を設計した。第一のバージョン(バージョン「a」)に
おいては、ヒトFRは再構成ヒトCAMPATH−1H抗体中に存
在するREIに基くFR(Riechmannら、1988)と同一であ
り、そしてマウスCDRはマウスPM−1抗体のL鎖V領域
中のCDRと同じであった。第二のバージョン(バージョ
ン「b」)はバージョン「a」に基き、ヒトFR3中の位
置71におけるアミノ酸1個のみを異にする。C.Chothia
ら、J.Mol.Biol.(1987)196:901−917により定義され
るように、残基71はL鎖V領域のCDR1の標準的(canoni
cal)構造の部分である。この位置のアミノ酸はL鎖V
領域のCDR1ループの構造に直接影響すると予想され、そ
してそれ故に抗体結合に大きく影響するであろう。マウ
スPM−1抗体のL鎖V領域において、位置71はチロシン
である。再構成ヒトPM−1抗体のL鎖V領域のバージョ
ン「a」の設計に使用した修飾されたREIのFRにおいて
は位置71はフェニルアラニンであった。再構成ヒトPM−
1抗体L鎖V領域のバージョン「b」においては、位置
71のフェニルアラニンがマウスPM−1抗体L鎖V領域中
に見出されるようにチロシンに変えられている。表2
は、マウスPM−1抗体のL鎖V領域、再構成ヒトCAMPAT
H−1H抗体中での使用のために修飾されたREIのFR(Riec
hmannら、1988)及び再構成ヒトPM−1抗体のL鎖V領
域の2種類のバージョンの、それぞれのアミノ酸配列を
示す。 注:REIのFRは再構成ヒトCAMPATH−1H抗体中に見出さ
れるものである(Riechmannら、1988)。REIのFR中の5
個の下線を付したアミノ酸はヒトREIのアミノ酸配列(P
lamら、1975;0.Eppら、Biochemistry(1975)14:4943−
4952)から異なるアミノ酸である。マウスPM−1抗体の
H鎖V領域中のFRはサブグループIIに属するヒトH鎖V
領域に最も類似している(表1)。前記のごとく、マウ
スPM−1抗体のH鎖V領域と既知のヒトH鎖V領域との
比較において、これはヒトH鎖V領域のサブグループII
の1構成員であるヒトH鎖V領域VAPに最も類似してい
た。ヒトH鎖V領域のサブグループIIの他の構成員であ
るヒトH鎖V領域NEWを、再構成ヒトPM−1抗体のH鎖
V領域の作製のための出発材料として、及び再構成ヒト
PM−1抗体のH鎖V領域の設計のための基礎として用い
た。 再構成ヒトPM−1抗体H鎖V領域の6種類のバージョ
ンを設計した。6種類のバージョンのすべてにおいて、
ヒトFRは再構成D1.3中に存在するNEW FRに基いてお
り、そしてマウスCDRはマウスPM−1抗体H鎖V領域中
のCDRと同じである。ヒトFR中の7個のアミノ酸残基
(位置1,27,28,29,30,48及び71;表3参照)は抗原結合
に不都合な影響を与える可能性を有するものと同定され
ている。マウスPM−1抗体のV領域のモデルにおいて、
H鎖V領域中の残基1はCDRループの近くに位置する表
面残基である。残基27,28,29、及び30は、C.Chothia
ら、Nature(1989)34:877−882により推定されるよう
にH鎖V領域のCDR1の標準的(canonical)構造の部分
であり、そして/又はH鎖V領域の第一構造ループの部
分を構成することがマウスPM−1抗体V領域のモデルに
おいて観察される(Chothiaら、1987)。残基48はマウ
スPM−1抗体のV領域のモデルにおいて埋った(burie
d)残基として観察された。埋った(buried)残基の変
化はV領域及びその抗原結合部位の全体構造を破壊する
可能性がある。残基71は、Chothiaら(1989)により予
想されるようにH鎖V領域のCDR2の標準(canonical)
構造の部分である。再構成ヒトPM−1抗体の6種類のバ
ージョンはヒトNEWのFR中のこれら7つの位置のアミノ
酸の変化の異る組合わせを含む(表3を参照のこと)。 注:NEWのFRには再構成ヒトCAMPATH−1H抗体の第一バ
ージョン(Riechmannら、1988)中に見出されるもので
ある。 再構成ヒトPM−1抗体V領域をコードするDNAの作製 再構成ヒトPM−1抗体L鎖及びH鎖V領域のそれぞれ
の第一バージョンをコードするDNAを新規なPCR利用法を
用いて作製した。要約すれば、適当なヒトFRをすでに含
有する再構成ヒトV領域をコードするプラスミドをPCR
プライマーを用いて修飾し、ヒトV領域中に存在するCD
RをマウスPM−1抗体からのCDRにより置換した。再構成
ヒトPM−1抗体L鎖V領域をコードするDNAの作製のた
めの出発材料は、再構成ヒトD1.3L鎖V領域をコードす
るDNAを含有するプラスミドDNAであった。この再構成ヒ
トD1.3L鎖V領域はヒトL鎖V領域REI中に存在するFRに
基いて作製された。再構成ヒトPM−1抗体H鎖V領域を
コードするDNAの作製のための出発材料は再構成ヒトD1.
3H鎖V領域をコードするDNAであった。この再構成ヒトD
1.3抗体H鎖V領域をコードするDNAはヒトH鎖V領域NE
W(W.Verhoeyenら、Science(1988)239:1534−1536)
のFRをコードするDNAに基いて作製された。 所望のヒトFRをコードするDNAを含有する出発プラス
ミドDNAを選択した後、マウスD1.3CDRに代るマウスPM−
1抗体CDRの置換を可能にするようにPCRプライマーを設
計しそして合成した。各再構成ヒトPM−1抗体V領域に
つき、3種類のプライマーはマウスPM−1抗体CDRをコ
ードするDNA配列を含有し、そして2種類のプライマー
は再構成ヒトV領域をコードする全体DNA配列を挟むよ
うに設計されている。一連のPCR反応における5種類のP
CRプライマーの使用が、出発再構成ヒトV領域中に存在
するヒトFRをコードするDNA及びマウスPM−1抗体V領
域中に存在するCDRをコードするDNAから成るPCR生成物
をもたらした(実施例7、並びに図7及び図8を参照の
こと)。PCR生成物をクローン化し、そして配列決定し
て、再構成ヒトPM−1抗体L鎖及びH鎖V領域のバージ
ョン「a」全体DNA配列が正しいアミノ酸配列をコード
していることを確認した。再構成ヒトPM−1抗体L鎖V
領域バージョン「a」の配列を配列番号55に示す。 再構成ヒトPM−1抗体V領域の他のバージョンをコー
ドするDNAは、公表されているPCR−変異誘発法(Kamman
ら、1989)にわずかな変更を加えた方法を用いて作製し
た。再構成ヒトPM−1抗体V領域の設計に関して記載し
たように、再構成ヒトPM−1抗体L鎖V領域の1つの追
加のバージョン(バージョン「b」)をコードするDNA
を作製し、そして再構成ヒトPM−1抗体H鎖V領域の5
種類の追加のバージョン(バージョン「b」,「c」,
「d」,「e」、及び「f」をコードするDNAを作製し
た。これらの追加のバージョンは、第一バージョンから
の一連の微細な変化を含む。アミノ酸配列のこれらの微
細な変化はPCR変異誘発を用いてDNA配列の微細な変更を
行うことにより達成された。DNA配列に必要な変化を導
入するPCRプライマーが設計された。一連のPCR反応に続
き、PCR生成物をクローン化し、そして配列決定してDNA
配列中の変化が計画通りに起っていることを確認した。
再構成ヒトPM−1抗体H鎖V領域バージョン「f」の配
列を配列番号54に示す。 再構成ヒトPM−1抗体V領域の種々のバージョンのDN
A配列を確認した後、再構成ヒトPM−1抗体V領域をコ
ードするDNAを、ヒトC領域をコードするDNAをすでに含
有する哺乳類細胞発現ベクターにサブクローニングし
た。すなわち、再構成ヒトPM−1抗体L鎖V領域をコー
ドするDNAをヒトL鎖C領域をコードするDNA配列に連結
し、再構成ヒトPM−1抗体H鎖V領域をコードするDNA
をヒトγ−1C領域をコードするDNA配列に連結した。再
構成ヒトPM−1抗体のより高いレベルの発現を達成する
ため、図1に示すようなHCMV発現ベクターを修飾して、
HCMVプロモーター・エンハンサー領域をヒトエロンゲー
ションファクター(human elongation factor;HEF−
1α)プロモーター・エンハンサーにより置き換えた
(図15を参照のこと)。 次に再構成ヒトL鎖V領域バージョン(a)と、H鎖
V領域バージョン(a)〜(f)のすべての組合せをヒ
トIL−6Rへの結合について試験し、そしてその結果、実
施例11に詳細に記載するように、L鎖バージョン(a)
とH鎖バージョン(f)とを含んで成る再構成ヒト抗体
がキメラPM−1抗体(a)と同じレベルでIL−6Rに結合
する能力を示した。 発現のレベルを改良するための、再構成ヒトPM−1抗体
V領域をコードするDNAの変更 COS細胞中で生産される再構成ヒトPM−1抗体の発現
レベルの検討において、再構成ヒトH鎖の発現が常に、
再構成ヒトL鎖又はキメラL鎖もしくはH鎖の発現レベ
ルに比べて約10分の1であることが明らかになった。低
レベルの発現を生じさせる問題点は再構成ヒトH鎖V領
域にあるようであった。低レベルの発現が低レベルの転
写の結果であるか否かを特定するため、再構成ヒトPM−
1抗体L鎖及びH鎖を発現する各ベクターにより同時形
質転換されたCOS細胞からRNAを調製した。マウスPM−1
抗体V領域をコードするDNAのPCRクローニングについて
記載したようにして一本鎖cDNAを合成した。再構成ヒト
L鎖又はH鎖V領域をコードするDNA配列の両端を挟む
ように設計されたPCRプライマーを用いて、再構成ヒト
L鎖V領域又は再構成H鎖V領域に対応する前記一本鎖
cDNAからPCR生成物を生成せしめた。 再構成ヒトL鎖V領域をコードするDNAについて、2
種類のPCR生成物が存在し、一方は予想通り408bpの長さ
を有し、他方より短い299bpのPCR生成物であった。正し
いサイズのPCR生成物はPCR生成物の全生成量の約90%を
占め、そして短いPCR生成物は全生成量の約10%を占め
た。再構成ヒトH鎖V領域についてもやはり2種類のPC
R生成物が存在し、一方は予想通り444bpの長さを有し、
そして他方は370bpの長さの短いPCR生成物であった。し
かしながらこの場合、正しくない短い方のPCR生成物がP
CR生成物の全生成量の大部分、すなわち約90%を占め
た。正しいサイズのPCR生成物はPCR生成物の全生成量の
約10%に過ぎなかった。これらの結果は、再構成ヒトV
領域をコードするRNAの幾らかが欠失を含むことを示し
た。 どの配列が除去されたかを決定するため、短い方のPC
R生成物をクローニングし、そして配列決定した。DNA配
列から、L鎖及びH鎖V領域のいずれについてもDNAの
特定の部分が欠けていることが明らかになった。除去さ
れた配列を挟むDNA配列の検討により、これらの配列は
スプライスドナー−アクセプター配列のコンセンサス配
列(Breathnach.Rら、Ann.Rev.Biochem.(1981)50:349
−383)に相当することが明らかとなった。再構成ヒト
H鎖の低い発現レベルは、再構成ヒトH鎖V領域の設計
が、どちらかと言えば効果的なスプライスドナー−アク
セプター部位を不注意に形成させたためであると説明さ
れた。さらに、再構成ヒトL鎖V領域の設計はどちらか
と言えば非効果的なスプライスドナー−アクセプター部
位を不注意に形成させたようであった。これらのスプラ
イスドナー−アクセプター部位を除去するため、ヒトPM
−1抗体L鎖及びH鎖V領域のそれぞれバージョン
「a」及び「f」をコードするDNA配列のわずかな変更
を前記のPCR−変異誘発法を用いて行った。 低下した発現レベルの原因は、再構成ヒトL鎖及びH
鎖V領域(配列番号:54及び55)の両者のリーダー配列
をコードするDNA中のイントロンの存在であると考えら
れた。これらのイントロンはもともと、再構成ヒトD1.3
抗体のV領域(Verhoeyenら、1988)をコードするDNAの
作製において使用されたマウスμH鎖リーダー配列(M.
S.Neubergerら、Nature(1985)314:268−270)をコー
ドするDNAに由来する。再構成ヒトD1.3抗体をコードす
るDNAは、マウス免疫グロブリンプロモーターを用いる
哺乳類細胞ベクターにおいて発現されたためマウスリー
ダーイントロンの存在が重要であった。リーダーイント
ロンは免疫グロブリンプロモーターからの発現のために
は重要であるが、しかしHCMVのごときウィルスプロモー
ターからの発現のためには重要でない(M.S.Neuberger
ら、Nucl.Acids Res.(1988)16:6713−6724)配列を
含有している。再構成ヒトPM−1抗体L鎖及びH鎖をコ
ードするDNAが免疫グロブリンプロモーター以外のプロ
モーターを用いるベクターにおいて発現される場合、リ
ーダー配列中のイントロンは、再構成ヒトV領域をコー
ドするDNAのPCR−クローニングにより除去された(実施
例12を参照のこと)。 低下した発現レベルの他の可能性のある原因は、再構
成ヒトPM−1抗体H鎖V領域をコードするDNAとヒトγ
−1C領域をコードするDNAとの間のイントロン内の約190
bpの非機能的DNAの存在であると考えられた。再構成ヒ
トBI−8H鎖V領域(P.T.Jonesら、Nature(1986)321:5
22−525)をコードするDNAにもともと由来するDNA配列
から再構成ヒトPM−1H鎖V領域をコードするDNAを作製
した。この最初の再構成ヒトV領域をコードするDNAは
マウスNPのH鎖V領域(M.S.Neubergerら、Nature;M.S.
Neubergerら、EMBO J.(1983)2:1373−1378)をコー
ドするDNAから作製された。再構成ヒトH鎖V領域をコ
ードするDNAと、発現ベクターに再構成ヒトV領域をコ
ードするDNAを連結するためのBamH I部位との間のイン
トロン中に存在する約190bpのこのストレッチは、再構
成ヒトV領域をコードするDNAのPCRクローニングの過程
で除去された。 発現レベルを改良するために変形された再構成ヒトPM
−1抗体L鎖及びH鎖V領域の最終バージョンのDNA配
列及びアミノ酸配列を配列番号:57及び56に示す。これ
らのDNA配列は、表2に示した再構成ヒトPM−1抗体L
鎖V領域のバージョン「a」、並びに表3に示した再構
成ヒトPM−1抗体H鎖V領域のバージョン「f」をコー
ドする。HEF−1α発現ベクター(図15)に挿入された
場合、これらのベクターはトランスフェクトされたCOS
細胞中で約2μg/mlの抗体を一過性に生産する。より多
量の再構成ヒトPM−1抗体を安定的に生産させるため、
dhfr遺伝子を組み込んだ新しいHEF−1α発現ベクター
を作製した(実施例10及び図11を参照のこと)。欠陥の
ある(crippled)SV40プロモーターを連結したdhfr遺伝
子を、ヒトγ−1H鎖を発現するHCMVベクターについて記
載したのと同様にして、ヒトγ−1H鎖を発現するHEF−
1αベクターに導入した。再構成ヒトPM−1抗体L鎖を
発現するHEF−1αベクター及び再構成ヒトPM−1抗体
H鎖を発現するHEF−1α−dhfrベクターをCHO dhfr
(−)細胞に同時形質転換した。安定に形質転換された
CHO細胞系を、ヌクレオシドを含有せず10%のFCS及び50
0μg/mlのG418を含有するAlpha−Minimum Essential
Medium(α−MEM)中で選択した。遺伝子増幅工程に先
立って、CHO細胞系は10μg/106細胞/日までの再構成ヒ
トPM−1抗体を生産することが観察された。 マウスモノクローナル抗体AUK12−20のV領域と既知の
ヒト抗体のV領域との比較 マウスモノクローナル抗体AUK12−20のカッパーL鎖
(κL)V領域のFRとヒトκL鎖V領域のサブグループ
(HSG)I〜IVのFRとの相同性、及びマウスモノクロー
ナル抗体AUK12−20のH鎖V領域のFRとヒトH鎖V領域
のサブグループ(HSG)I〜IIIのFRとの相同性を表4に
示す。 表4に示した様に、マウスモノクローナル抗体AUK12
−20のカッパーL鎖(κL)V領域は、ヒトκL鎖V領
域のサブグループ(HSG)I〜IVとそれぞれ同程度(64
〜68%)の相同性を示す。タンパクのData base“LEED
S"の検索より、HSG−IVに属するヒト抗体Len(M.Schnei
derら、Physiol.Chem.356,507−557,1975)のL鎖V領
域が最も高い68%の相同性を示す。一方、マウスモノク
ローナル抗体PM−1のヒト型化に用いられているヒト抗
体REIはHSG−Iに属し、マウスモノクローナル抗体AUK1
2−20のL鎖V領域とは、62%の相同性を示す。またマ
ウスモノクローナル抗体AUK12−20のL鎖のcanonical構
造を調らべてみると(C.Chothiaら、J.Mol.Biol.(198
7)196:901〜917)、特にL鎖CDR2(L2)がLenよりREI
とよく一致する。 上記により、マウスモノクローナル抗体AUK12−20の
L鎖V領域のヒト型化に用いるヒト抗体は必ずしもHSG
−IVに属する抗体から選ぶ必要もなく、マウスモノクロ
ーナル抗体AUK12−20のL鎖V領域のヒト型化には、マ
ウスモノクローナル抗体PM−1のL鎖V領域のヒト型化
の場合と同様にREIを用いる。 表4に示す様に、AUK12−20抗体のH鎖V領域は、ヒ
トH鎖V領域のサブグループ−I(HSG−I)と最も高
い相同性を示す。また、Data base“LEEDS"の検索によ
り、やはりHSG Iに属するヒトHAX(Stollar,B.D.ら、J.
Immunol.139,2496−2501,1987)がAUK12−20抗体のH鎖
V領域に対して約66%の相同性を示す。そこで再構成ヒ
トAUK12−20抗体のH鎖V領域の設計においては、HSG I
に属するヒト抗体HAXのFR、及び同様にHSG Iに属するFR
を含有するヒト型化425抗体H鎖V領域(Kettleborough
C.A.,ら、Protein Engineering,,773−783,1991)
のFRを用いる。ちなみに、AUK12−20抗体H鎖V領域は
ヒト型化425抗体H鎖V領域のバージョンaと約64%の
相同性を示す。 再構成ヒトAUK12−20抗体L鎖V領域の設計 前記の理由により再構成ヒトAUK12−20抗体L鎖V領
域のFRとしてREIのFRを使用し、表5に示すように再構
成ヒトAUK12−20抗体L鎖V領域を設計した。 注:アンダーラインを付した5個のヌクレオチドはCA
MPATH−1H抗体の設計において変えられたものである
(表2の注を参照のこと)。 再構成ヒトAUK12−20抗体H鎖V領域の設計 前記の理由により、再構成ヒトAUK12−20抗体H鎖V
領域の設計に再構成ヒトVHa425のFRを用いる。ところ
で、こうして設計した再構成ヒトAUK12−20抗体H鎖V
領域をコードするDNAのヌクレオチド配列はスプライス
供与配列とよく一致する配列を有することが見出され
た。このことから、再構成ヒトPM−1抗体の場合と同様
に異常なスプライシングが再構成ヒトAUK12−20抗体の
発現においても起こる可能性がある。このため、ヌクレ
オチド配列を部分的に変更することにより、スプライス
供与配列様の配列を除去した。この修正された配列をバ
ージョンaと称する。 さらに、再構成ヒトAUK12−20抗体H鎖V領域のバー
ジョンb〜dを設計した。バージョンa〜dのアミノ酸
配列を表6に示す。 注:ヒトサブグループIVH領域(HSG I)において1種
類の共通アミノ酸が特定できない位置はXで示す。アン
ダーラインを付した2個のアミノ酸はHSG Iコンセンサ
ス配列中のアミノ酸と異る。RVHb,RVHc及びRVHdについ
てはRVHaと異るアミノ酸残基のみが示してある。 さらに、ヒト抗体HAX(J.Immunology 139,2496−250
1,1987,SLE患者由来B細胞由来のハイブリドーマ21/28
細胞の産生する抗体;そのアミノ酸配列はこの文献中の
Fig.6に記載されており、それをコードするDNAのヌクレ
オチド配列はFig.4及び5に記載されている)のFRを用
いて再構成ヒトAUK12−20抗体のH鎖V領域バージョン
「a」〜「d」を次の表7に示すように設計した。 注:sle1220Ha中のアンダーラインを付した2個の残基
はHAXのFRからの変化を示す。sle1220Hb,sle1220Hc、及
びsle1220HdについてはHAXのFR中のアミノ酸と異るFR中
のアミノ酸のみを示す。 ヒトIL−6Rに対する本発明のキメラ抗体又は再構成ヒ
ト抗体の製造のために任意の発現系、例えば真核細胞、
例えば動物細胞、例えば樹立された哺乳類細胞系、真糸
状菌細胞、及び酵母細胞、並びに原核細胞、例えば細菌
細胞、例えば大腸菌細胞等を使用することができる。好
ましくは、本発明のキメラ抗体又は再構成抗体は哺乳類
細胞、例えばCOS細胞又はCHO細胞中で発現される。 これらの場合、哺乳類細胞での発現のために有用な常
用のプロモーターを用いることができる。例えば、ヒト
・サイトメガロウィルス前期(human cytomegalovirus
immediate early;HCMV)プロモーターを使用するの
が好ましい。HCMVプロモーターを含有する発現ベクター
の例には、HCMV−VH−HCγ1、HCMV−VL−HCK、HCMV−1
2h−gγ1、HCMV−12κ−gκ等であって、pSV2neoに
由来するもの(図1を参照のこと)が含まれる。 本発明のために有用なプロモーターの他の具体例はヒ
ト・エロンゲーション・ファクター1α(HEF−1α)
プロモーターである。このプロモーターを含有する発現
ベクターにはHEF−12h−gγ1及びHEF−12k−gκ(図
8及び図9)、並びにHEF−VH−gγ1及びHEF−VL−g
κ(図15)が含まれる。 宿主細胞系中での遺伝子増幅のため、発現ベクターは
さらにdhfr遺伝子を含有することができる。dhfr遺伝子
を含有する発現ベクターは例えばDHFR−ΔE−PMh−g
γ1(図10)、DHFR−ΔE−RVh−PM1−f(図11)等で
ある。 要約すれば、本発明はまず、ヒトIL−6Rに対するマウ
スモノクローナル抗体のL鎖V領域及びH鎖V領域、並
びに該L鎖V領域をコードするDNA及びH鎖V領域をコ
ードするDNAを提供する。これらは、ヒトIL−6Rに対す
るヒト/マウスキメラ抗体及び再構成ヒト抗体の作製の
ために有用である。モノクローナル抗体は、例えばAUK1
2−20、PM−1、AUK64−7、及びAUK146−15である。L
鎖V領域は例えば配列番号:24,26,28又は30に示すアミ
ノ酸配列を有し、そしてH鎖V領域は例えば配列番号:2
5,27,29,又は31に示すアミノ酸配列を有する。これらの
アミノ酸配列は例えばそれぞれ配列番号:24〜31に示す
ヌクレオチド配列によりコードされている。 本発明はまた、 (1)ヒトL鎖C領域及びマウスL鎖V領域;並びに (2)ヒトH鎖C領域及びマウスH鎖V領域: を含んで成る、ヒトIL−6Rに対するキメラ抗体に関す
る。マウスL鎖V領域及びマウスH鎖V領域並びにこれ
らをコードするDNAは前記の通りである。前記ヒトL鎖
C領域は任意のヒトL鎖C領域であることができ、そし
て例えばヒトCκ領域である。前記ヒトH鎖C領域は任
意のヒトH鎖C領域であることができ、そして例えばヒ
トCγ1領域である。 キメラ抗体の製造のためには2種類の発現ベクター、
すなわちエンハンサー/プロモーター系のごとき発現制
御領域による制御のもとでマウスL鎖V領域及びヒトL
鎖C領域をコードするDNAを含んで成る発現ベクター、
並びにエンハンサー/プロモーター系のごとき発現制御
領域のもとでマウスH鎖V領域及びヒトH鎖C領域をコ
ードするDANを含んで成る発現ベクターを作製する。次
に、これらの発現ベクターにより哺乳類細胞のごとき宿
主細胞を同時形質転換し、そして形質転換された細胞を
イン−ビトロ又はイン−ビボで培養してキメラ抗体を製
造する。 あるいは、マウスL鎖V領域及びヒトL鎖C領域をコ
ードするDNA並びにマウスH鎖V領域及びヒトH鎖C領
域をコードするDNAを単一の発現ベクターに導入し、そ
して該ベクターを用いて宿主細胞を形質転換し、次にこ
の形質転換された宿主をイン−ビボ又はイン−ビトロで
培養して目的とするキメラ抗体を生産させる。 本発明はさらに、 (A)(1)ヒトL鎖C領域、及び (2)ヒトL鎖FR、及びヒトIL−6Rに対するマウスモノ
クローナル抗体のL鎖CDRを含んで成るL鎖V領域、を
含んで成るL鎖;並びに (B)(1)ヒトH鎖C領域、及び (2)ヒトH鎖FR、及びヒトIL−6Rに対するマウスモノ
クローナル抗体のH鎖CDRを含んで成るH鎖V領域、を
含んで成るH鎖; を含んで成る、ヒトIL−6Rに対する再構成ヒト抗体を提
供する。 好ましい態様においては、前記L鎖CDRは配列番号24,
26,28及び30のいずれかに示されるアミノ酸配列であっ
て、該アミノ酸配列の範囲が表9において定義されるア
ミノ酸配列を有し、前記H鎖CDRは配列番号25,27,29及
び31に示されるアミノ酸配列であって該アミノ酸配列の
範囲が表9において定義されるアミノ酸配列を有し;前
記ヒトL鎖FRがREIに由来するものであり;前記ヒトH
鎖FRはNEW又はHGS Iコンセンサス配列又はHAXに由来す
るものであり;前記ヒトL鎖C領域はヒトCκ領域であ
り;そして前記ヒトH鎖C領域はヒトCγ1である。 好ましい態様においては、L鎖V領域は表2において
RVLaとして示されるアミノ酸配列を有し、H鎖V領域は
表3にRVHa、RVHb、RVHc、RVHd、RVHe又はRVHfとして示
されるアミノ酸配列を有する。アミノ酸配列RVHfが最も
好ましい。 再構成抗体の製造のためには、2種類の発現ベクタ
ー、すなわちエンハンサー/プロモーター系のごとき発
現制御領域による制御のもとに前に定義した再構成ヒト
L鎖をコードするDNAを含んで成る発現ベクター、及び
エンハンサー/プロモーター系のごとき発現制御領域の
もとに前に定義した再構成ヒトH鎖をコードするDNAを
含んで成るもう一つの発現ベクターを作製する。次に、
これらの発現ベクターを用いて哺乳類細胞のごとき宿主
細胞を同時形質転換し、そしてこの形質転換された細胞
をイン−ビボ又はイン−ビトロで培養して再構成ヒト抗
体を生産せしめる。 あるいは、再構成ヒトL鎖をコードするDNA及び再構
成ヒトH鎖をコードするDNAを単一の発現ベクターに導
入し、そしてこのベクターを用いて宿主を形質転換し、
次にこの形質転換された宿主細胞をイン−ビボ又はイン
−ビトロで培養して目的とする再構成ヒト抗体を生産せ
しめる。 こうして生産されたキメラ抗体又は再構成ヒト抗体
は、常法に従って、例えばプロテインAアフィニティー
クロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラフィー、
ゲル濾過等により単離、精製することができる。 本発明のキメラL鎖又は再構成ヒトL鎖はH鎖と組合
わせることにより完全な抗体を作製するために使用する
ことができる。同様に本発明のキメラH鎖又は再構成ヒ
トH鎖はL鎖と組合わせることにより完全な抗体を作製
するために用いることができる。 本発明のマウスL鎖V領域、再構成ヒトL鎖V領域、
マウスH鎖V領域、及び再構成ヒトH鎖V領域は、本
来、抗原であるヒトIL−6Rと結合する領域であり、それ
自体として、又は他の蛋白質との融合蛋白質として医
薬、診断薬等として有用であると考えられる。 また、本発明のL鎖V領域CDR及びH鎖V領域CDRも、
本来、抗原であるヒトIL−6Rと結合する部分であり、そ
れ自体として又は他の蛋白質との融合蛋白質として医
薬、診断薬等として有用であると考えられる。 本発明のマウスL鎖V領域をコードするDNAはキメラ
L鎖をコードするDNA又は再構成ヒトL鎖をコードするD
NAの作製のために有用である。同様にマウスH鎖V領域
をコードするDNAはキメラH鎖をコードするDNA又は再構
成ヒトH鎖をコードするDNAの作製のために有用であ
る。 また、本発明のL鎖V領域CDRをコードするDNAは再構
成ヒトL鎖V領域をコードするDNA及び再構成ヒトL鎖
をコードするDNAの作製のために有用である。同様に本
発明のH鎖V領域CDRをコードするDNAは再構成ヒトH鎖
V領域をコードするDNA及び再構成ヒトH鎖をコードす
るDNA作製のために有用である。 実施例 次に、本発明を下記の実施例により具体的に説明する
が、これにより本発明の範囲が限定されるものではな
い。 実施例1.ヒトIL−6Rに対するマウスモノクローナル抗体
のV領域をコードするDNAのクローン化 ヒトIL−6Rに対するマウスモノクローナル抗体の可変
領域をコードするDNAを次の様にしてクローン化した。 1.全RNAの調製 ハイブリドーマAUK12−20からの全RNAを、Chirgwin
ら、Biochemistry,18,5294(1979)により記載されてい
る方法に従って調製した。すなわち、2.1×108個のハイ
ブリドーマAUK12−20の細胞を20mlの4Mグアニジンチオ
シアネート(Fulka)中で完全にホモジナイズさせた。
ホモジネートを遠心管中の5.3M塩化セシウム溶液層上に
重層し、次にこれをBeckman SW40ローター中で31,000r
pmにて20℃で24時間遠心分離することによりRNAを沈澱
させた。RNA沈澱物を80%エタノールにより洗浄し、そ
して1mM EDTA及び0.5% SDSを含有する10mM Tris−H
Cl(pH7.5)150μl中に溶解し、そしてそれにProtenas
e(Boehringer)を0.5mg/mlとなるように添加した後、3
7℃にて20分間インキュベートした。混合物をフェノー
ル及びクロロホルムで抽出し、そしてRNAをエタノール
で沈澱させた。次に、RNA沈澱物を1mM EDTAを含有する
10mM Tris−HCl(pH7.5)200μlに溶解した。 2.一本鎖cDNAの合成 J.W.Larrickら、Biotechnology,,934(1989)によ
り記載されている方法に従って一本鎖cDNAを合成するた
め、前記のようにして調製した全RNAの約5μgを40mM
KCl,6mM MgCl2,10mMジチオスレイトール、0.5mM dAT
P,0.5mM dGTP,0.5mM dCTP,0.5mM dTTP,35μM olig
o dTプライマー(Amersham),48ユニットのRAV−2逆
転写酵素(RAV−2:Rous associated virus2;Amersha
m)及び25ユニットのヒト胎盤リボヌクレアーゼ阻害剤
(Amersham)を含有する50mM Tris−HCl(pH8.3)緩衝
液10μlに溶解し、そしてこの反応混合物を37℃にて60
分間インキュベートしそして次のポリメラーゼ連鎖反応
(PCR)法のために直接使用した。 3.抗体可変領域をコードする遺伝子のPCR法による増幅 Thermal Cycler Model PHC−2(Techne)を用い
てPCR法を行った。 (1)マウスL鎖V領域をコードする遺伝子の増幅 PCR法に使用するプライマーは、配列番号:1〜11に示
すMKV(Mouse Kappa Variable)プライマー(マウス
カッパ型L鎖リーダー配列とハイブリダイズする)(S.
T.Jonesら、Biotechnology,,88,1991)、及び配列番
号:12に示すMCK(Mouse Kappa Constant)プライマー
(マウスカッパ型L鎖C領域とハイブリダイズする)
(S.T.JonesSら、Biotechnology,,88,1991)であっ
た。 まず、10mM Tris−HCl(pH8.3),50mM KCl 0.1mM
dATP,0.1mM dGTP,0.1mM dCTP,0.1mM dTTP,1.5mM
MgCl2,2.5ユニットのDNAポリメラーゼAmpliTaq(Perkin
Elmer Cetus),0.25μMのそれぞれのMKVプライマ
ー、3μMのMKCプライマー及び一本鎖cDNA合成の反応
混合物1μlを含有するPCR溶液100μlを94℃の初期温
度にて1.5分間そして次に94℃にて1分間、50℃にて1
分間及び72℃にて1分間、この順序で加熱した。この温
度サイクルを25回反復した後、反応混合物をさらに72℃
にて10分間インキュベートした。 (2)マウスH鎖V領域をコードするcDNAの増幅 PCRのためのプライマーとして配列番号:13〜22に示す
MHV(Mouse Heavy Variable)プライマー1〜10(S.
T.Jonesら、Biotechnology,,88,1991)、及び配列番
号:23に示すMHC(Mouse Heavy Constant)プライマー
(S.T.Jonesら、Biotechnology,,88,1991)を使用し
た。前記3.(1)においてL鎖V領域遺伝子の増幅につ
いて記載したのと同じ方法により増幅を行った。 4.PCR生成物の精製および断片化 前記のようにしてPCR法により増幅したDNA断片をQIAG
EN PCR生成物精製キット(QIAGEN Inc.US)を用いて
精製し、そして10mM MgCl2及び150mM NaClを含有する
100mM Tris−HCl(pH7.6)中で10ユニットの制限酵素S
al I(GIBCO BRL)を用いて37℃にて3時間消化した。
この消化混合物をフェノール及びクロロホルムで抽出
し、そしてDNAをエタノール沈澱により回収した。次
に、DNAは沈澱物を10ユニットの制限酵素Xma I(New E
ngland Biolabs)により37℃にて2時間消化し、そし
て生ずるDNA断片を、低融点アガロース(FMC Bio.Prod
ucts,米国)を用いるアガロースゲル電気泳動により分
離した。 約450bp長のDNA断片を含有するアガロース片を切り取
りそして65℃にて5分間溶融せしめ、そしてこれと同容
積の2mM EDTA及び200mM NaClを含有する20mM Tris−
HCl(pH7.5)を加えた。この混合物をフェノール及びク
ロロホルムにより抽出し、そしてDNA断片をエタノール
沈澱により回収し、そして1mM EDTAを含有する10mM T
ris−HCl(pH7.5)に溶解した。こうして、マウスカッ
パ型L鎖可変領域をコードする遺伝子を含んで成るDNA
断片、及びマウスH鎖可変領域をコードする遺伝子を含
んで成るDNA断片を得た。上記DNA断片はいずれもその
5′−末端にSal I接着末端を有しそしてその3′−末
端にXma I接着末端を有する。 5.連結及び形質転換 上記のようにして調製したマウスカッパ型L鎖V領域
をコードする遺伝子を含んで成るSal I−Xma IDNA断片
約0.3μgを、プラスミドpUC19をSal I及びXma Iで消化
することにより調製したpUC19ベクター約0.1μgと、50
mM Tris−HCl(pH7.4),10mM MgCl2,10mMジチオスレ
イトール、1mMスペルミジン、1mM ATP,0.1μg/mlのウ
シ血清アルブミン及び2ユニットT4DNAリガーゼ(New
England Biolabs)を含有する反応混合物中で、16℃に
て16時間反応させ連結した。 次に、7μlの上記連結混合物を大腸菌DH5αのコン
ピテント細胞200μlに加え、そしてこの細胞を氷上で3
0分間、42℃にて1分間そして再び氷上で1分間静置し
た。次いで800μlのSOC培地(Molecular Cloning:A
Laboratory Manual,Sambrookら、Cold Spring Harbo
r Laboratory Press,1989)を加え、37℃にて1時間
インキュベートした後、2×YT寒天培地(Molecular C
loning:A Laboratory Manual,Sambrookら、Cold Spr
ing Harbor Laboratory Press,1989)上にこの大腸
菌をまき、37℃にて一夜インキュベートして大腸菌形質
転換体を得た。 この形質転換体を、50μg/mlのアンピシリンを含有す
る2×YT培地5ml中で37℃にて一夜培養し、そしてこの
培養物から、アルカリ法(Molecular Cloning:A Labo
ratory Manual,Sambrookら、Cold Spring Harbor L
aboratory Press,1989)に従ってプラスミドDNAを調製
した。 こうして得られた、ハイブリドーマAUK12−20に由来
するマウスカッパ型L鎖V領域をコードする遺伝子を含
有するプラスミドをp12−k2と命名した。 上記の同じ方法に従って、ハイブリドーマAUK12−20
に由来するマウスH鎖V領域をコードする遺伝子を含有
するプラスミドをSal I−Xma I DNA断片から作成し、
そしてp12−h2と命名した。 実施例2.マウスモノクローナル抗体のV領域をコードす
るDNAのクローン化 実施例1に記載したのと実質上同じ方法をハイブリド
ーマPM1,AUK64−7及びAUK146−15に適用して下記のプ
ラスミドを得た: ハイブリドーマPM1由来のカッパ型L鎖V領域をコー
ドする遺伝子を含有するプラスミドpPM−k3; ハイブリドーマPM1由来のH鎖V領域をコードする遺
伝子を含有するプラスミドpPM−h1; ハイブリドーマAUK64−7由来のカッパ型L鎖V領域
をコードする遺伝子を含有するプラスミドp64−k4; ハイブリドーマAUK64−7由来のH鎖V領域をコード
する遺伝子を含有するプラスミドp64−h2; ハイブリドーマAUK146−15由来のカッパ型L鎖V領域
をコードする遺伝子を含有するプラスミドp146−k3;及
び ハイブリドーマAUK146−15由来のH鎖V領域をコード
する遺伝子を含有するプラスミドP146−h1。 なお、上記プラスミドを含有する大腸菌株は、Nation
al Collections of Industrial and Marine Bact
eria Limitedに、ブダペスト条約に基づいて、1991年
2月11日に寄託され、そして表8に示す受託番号を有す
る。 実施例3.DNAの塩基配列の決定 前記のプラスミド中のcDNAコード領域の塩基配列を、
SequenaseTMVersion2.0キット(U.S.Biochemical Cor
p、米国)を用いて決定した。 まず、前記のようにして得られたプラスミド約3μg
を0.2N NaOHにより変性し、配列決定用プライマーとア
ニールさせ、そしてキット添付の処方に従って35S−dAT
Pにより標識した。次に、標識されたDNAを、8M尿素を含
有する6%ポリアクリルアミドゲルにて電気泳動した
後、ゲルを10%メタノール及び10%酢酸により固定し、
乾燥し、そしてオートラジオグラフィーにかけることに
より塩基配列を決定した。 各プラスミドのcDNAコード領域の塩基配列を配列番
号:24〜31に示す。 実施例4.CDRの決定 L鎖及びH鎖のV領域の全般的構造は、互いに類似性
を有しており、それぞれ4つのフレームワーク部分が3
つの超可変領域、即ち相補性決定領域(CDR)により連
結されている。フレームワークのアミノ酸配列は、比較
的良く保存されているが、一方、CDR領域のアミノ酸配
列の可変性は極めて高い(Kabat,E.A.ら、「Sequences
of Proteins of Immunological Interst」US Dept.Heal
th and Human Services,1983)。 ヒトIL−6Rに対するマウスモノクローナル抗体の可変
領域の上記のアミノ酸配列に基き、そしてKabatらの報
告に従ってIL−6Rに対するマウスモノクローナル抗体の
各V領域のCDRを表9に示す如く決定した。 実施例5.クローン化されたcDNAの発現の確認(1)発現
プラスミドの作製 PCR法によりクローン化されたAUK12−20抗体のκL鎖
及びH鎖のV領域をコードするcDNAからキメラL鎖/H鎖
をコードするDNAを作製した。マウスAUK12−20のV領域
をコードするcDNAを、ヒトサイトメガロウイルス(HCM
V)のエンハンサー及びプロモーターを含有する哺乳類
細胞発現ベクター(HCMV発現ベクターと称する)(図1.
実施例8)中でヒトC領域をコードするDNAに容易に連
結するためには、AUK12−20抗体のV領域をコードする
マウスcDNA配列の5′−末端及び3′−末端に便利な制
限酵素切断部位を導入することが必要であった。 5′−末端及び3′−末端へのこれらの修飾はPCR法
を用いて行った。2セットのPCRプライマーを設計しそ
して合成した。マウスL鎖V領域及びH鎖V領域の両方
について、リーダー配列の始めをコードするDNAにハイ
ブリダイズし、効率的な翻訳のために必須のDNA配列(K
ozak,M.,J.Mol.Biol.196:947−950,1987)を維持しそし
てHCMV発現ベクターへのクローニングのためのHind III
部位を形成するために、L鎖V領域後方プライマー(配
列番号:32)、及びH鎖V領域後方プライマー(配列番
号:33)を調製した。前方PCR−プライマーは、J領域の
末端をコードするDNAにハイブリダイズし、C領域への
スプライシングのために必須のDNA配列を維持しそしてH
CMV発現ベクターでのヒトC領域への連結のためのBamH
I部位を形成するように、L鎖V領域前方プライマー
(配列番号34)、及びH鎖V領域前方プライマー(配列
番号35)を調製した。 PCRによる増幅に続き、PCR生成物をHind III及びBamH
Iにより消化し、ヒトκ鎖又はγ−1鎖C領域DNAを含
有するHCMVベクターにクローン化し、そして塩基配列を
決定してPCR法による増幅中にエラーが生じなかったこ
とを確認した。得られる発現ベクターをHCMV−12k−gk
及びHCMV−12h−gγ1と称する。 HCMV発現ベクターの構造を図1に示す。プラスミドHC
MV−VL−HCκにおいて、VL領域は任意のマウスL鎖V領
域コード配列であることができる。この例において、AU
K12−20κL鎖V領域を挿入することによりHCMV−12k−
gkを得た。プラスミドHCMV−VH−HCγ1において、VH
域は任意のマウスH鎖V領域コード配列であることがで
きる。この例においてはAUK12−20のH鎖V領域を挿入
してHCMV−12h−gγ1を得た。 COS細胞での一過性(transient)発現 キメラAUK12−20抗体のCOS細胞での一過性発現を見る
ため、前記発現ベクターをCOS細胞において試験した。G
ene Pulsar装置(BioRad)を用いる電気穿孔法(elect
roporation)によりDNAをCOS細胞に導入した。すなわ
ち、CO細胞を1×107個/mlになるようにphosphate−buf
fered saline(PBS)に懸濁し、この細胞浮遊液0.8ml
にDNA(各プラスミドについて10μg)を加えた。1,900
ボルト(V)、25マイクロファラッド(μF)の電気容
量にてパルスを与えた。 室温にて10分間の回復期間の後、エクレトロポレーシ
ョンした細胞を、10%のウシ胎児血清を含有するDMEM培
地(GIBCO)8mlに加えた。72時間のインキュベーション
の後、培養上清を集め、遠心分離して細胞破片を除去
し、そして無菌条件下で4℃にて短時間、又は−20℃に
て長時間貯蔵した。 酵素免疫測定法(ELISA)によるキメラ抗体の定量 トランスフェクトされたCOS細胞の培養上清をELISAに
より測定して、キメラ抗体が生産されていることを確認
した。キメラ抗体を検出するため、プレートをヤギの抗
ヒトIgG(Whole molecule)(Sigma)によりコートし
た。ブロックした後、COS細胞からの培養上清を段階希
釈しそして各ウエルに加えた。インキュベーション及び
洗浄の後、アルカリホスファターゼ−結合ヤギ抗−ヒト
IgG(γ鎖特異的、Sigma)を加えた。インキュベーショ
ン及び洗浄の後、基質緩衝液を加えた。インキュベーシ
ョンの後、反応を停止しそして405nmにおける吸光度を
測定した。標準として精製ヒトIgG(Sigma)を用いた。 ヒトIL−6Rへの結合能を確認するための酵素免疫測定
(ELISA) トランスフェクトされたCOS細胞からの培地をELISAに
より測定して、生産されたキメラ抗体が抗原に結合し得
るか否かを決定した。抗原への結合の検出のため、プレ
ートをMT18マウスモノクローナル抗体(参考例1)でコ
ートした。1% BSAでブロックした後、可溶性組換え
ヒトIL−6R(SR344)を加えた。 洗浄した後、COS細胞からの培養上清を段階希釈し、
そして各ウエルに加えた。インキュベーション及び洗浄
の後、アルカリホスファターゼ結合ヤギ抗ヒトIgGを加
えた。インキュベーション及び洗浄の後、基質緩衝液を
加えた。インキュベーションの後、反応を停止し、そし
て405nmにおける吸光度を測定した。 この結果を図2に示した。キメラ抗体AUK12−20をコ
ードする遺伝子のCOS細胞へのトランスフェクションを
実施した。このCOS細胞の培養上清サンプルは、IL−6R
に対する強い結合能を示し、図2に○(オープンサーク
ル)で示す如く、サンプルの希釈度(抗体の濃度)依存
的に405nmにおける吸光度が変化し、サンプル中にIL−6
Rレセプターに対する抗体が含まれていることが確認さ
れた。 ヒトIL−6RとIL−6の結合を阻害する能力の測定 トランスフェクトされたCOS細胞からの培養上清を測
定して培地中に存在する抗体が、IL−6RとIL−6との結
合を阻害するか否かを調べるために、ビオチン化IL−6
との競合的結合阻害能を調べた。プレートをMT18マウス
モノクローナル抗体(参考例1)でコートした。ブロッ
キングの後、可溶性組換ヒトIL−6R(SR344)を加え
た。洗浄した後、COS細胞からのサンプルを段階希釈
し、そしてビオチン化IL−6と共に各ウエルに加えた。 洗浄した後、アルカリホスファターゼ結合ストレプト
アビジンを加えた。インキュベーション及び洗浄の後、
基質緩衝液を加えた。インキュベーションの後、反応を
停止し、そして吸光度を405nmにて測定した。精製マウ
スAUK12−20モノクローナル抗体を陽性対照として用い
た。無関係の抗体を発現するCOS細胞からの培地を陰性
対照として用いた。 この結果を図3に示した。キメラ抗体12−20をコード
する遺伝子でトランスフェクトしたCOS細胞の培養上清
は、最高、及び2番目に高いサンプル濃度でIL−6RとIL
−6の結合を阻害した。すなわち、図3に●で示す如
く、サンプル希釈度(抗体の濃度)依存的に405nmにお
ける吸光度が変化し、サンプル中の抗体がIL−6RとIL−
6の結合を阻害していることが認められた。これは陽性
対照の吸光度の抗体濃度依存的変化(○)にほぼ一致す
ることからも確認出来た。 なお、陰性対照(△)は阻害活性が全く認められなか
った。 実施例6.クローン化cDNAの発現の確認(2)(キメラPM
−1抗体の作製) 発現ベクターの作製 キメラPM−1抗体を発現するベクターを作製するた
め、それぞれマウスPM−1κL鎖及びH鎖V領域をコー
ドするcDNAクローンpPM−k3及びpPM−h1をPCR法により
変形し、そしてHCMV発現ベクター(図1を参照のこと)
に導入した。L鎖V領域のための後方プライマーpmk−
s(配列番号:38)及びH鎖V領域のための後方プライ
マーpmh−s(配列番号:40)を、リーダー配列の最初を
コードするDNAにハイブリダイズし且つKozakコンセンサ
ス配列及びHind III制限部位を有するように設計した。
L鎖V領域のための前方プライマーpmk−a(配列番号:
36)及びH鎖V領域のための前方プライマーpmh−a
(配列番号:39)を、J領域の末端をコードするDNA配列
にハイブリダイズし且つスプライスドナー配列及びBamH
I制限部位を有するように設計した。 κL鎖V領域のため、2種類の前方プライマーを合成
した。ほとんどのκL鎖においては、位置107のリジン
が保存されているが、マウスPM−1κL鎖においては位
置107がアスパラギンである。キメラPM−1抗体の抗原
結合活性に対するこの変化の効果を検討するため、前方
プライマーpmk−b(配列番号:37)を、位置107がアス
パラギンからリジンに変えるように設計した。PCR反応
に続き、PCR生成物を精製し、Hind III及びBamH Iで消
化し、そしてpUC19ベクター(Yanishe−Perronら、Gene
(1985)33:103−109)にサブクローニングした。DNA配
列決定の後、Hind III−BamH I断片を切出し、そしてH
鎖V領域については発現ベクターHCMV−VH−HCγ1にク
ローン化してHCMV−PMh−gγ1を得、そしてL鎖V領
域についてはHCMV−VL−HCκにクローン化してHCMV−PM
ka−gk及びHCMV−PMkb−gkを得た。 COS細胞のトランスフェクション キメラPM−1抗体の一過性発現を観察するため、前記
発現ベクターをCOS細胞において試験した。HCMV−pmh−
gγ1と、HCMV−pmka−gk又はHCMV−pmkb−gkのいずれ
かとを、Gene Pulsar装置(BioRad)を用いてエレクト
ロポレーションによりCOS細胞に同時形質転換した。DNA
(プラスミド当り10μg)を、PBS中1×107細胞/mlの
0.8mlのアリコートに加え、1,900V,25μFの容量にてパ
ルスを与えた。室温にて10分間の回復期間の後、エレク
トロポレーション処理された細胞を、10%のγ−グロブ
リン不含有ウシ胎児血清を含有するDulbecco′s Modi
fied Eagle Medium(DMEM)(GIBCO)に加えた。72時
間のインキュベーションの後、培養上清を集め、遠心分
離により細胞破片を除去し、そして無菌条件下で4℃に
て短時間貯蔵し、又は−20℃にて長期間貯蔵した。 キメラPM−1抗体の発現及び分析 3日間の一過性発現の後、COS細胞からの培地を集
め、そしてキメラPM−1抗体について試験した。培地を
まずELISAにより分析して、トランスフェクトされたCOS
細胞によりヒト様抗体が生産されたか否かを決定した。
このアッセイにおいて標準として既知量の精製ヒトIgG
を用いることにより、COS細胞からの培地中に存在する
ヒト様抗体(この場合、キメラPM−1抗体)の量を推定
することが可能である。ヒト抗体の検出のため、プレー
トをヤギ抗−ヒトIgG(全体分子、Sigma)によりコート
した。ブロッキングの後、COS細胞からのサンプルを段
階希釈し、そして各ウェルに加えた。インキュベーショ
ン及び洗浄の後、アルカリホスフェターゼ結合ヤギ抗−
ヒトIgG(γ鎖特異的、Sigma)を加えた。インキュベー
ション及び洗浄の後、基質緩衝液を加えた。インキュベ
ーションの後、反応を停止し、そして405nmでの吸光度
を測定した。標準として精製ヒトIgG(Sigma)を加え
た。 キメラPM−1抗体をコードする遺伝子を担持するベク
ターによりトランスフェクトされたCOS細胞からの培地
はヒト様抗体の発現について陽性であり、そしておよそ
の量が上記のようにして測定された。 次に、キメラPM−1抗体をコードする遺伝子を担持す
るベクターによりトランスフェクトされたCOS細胞から
の同じ培地をヒトIL−6Rに結合する能力について測定し
た。抗原への結合の測定のため、プレートを、ヒトIL−
6Rに対する抗体であるMT18マウスモノクローナル抗体
(参考例1)によりコートした。ブロッキングの後、可
溶性ヒトIL−6R(SR344)を加えた。洗浄した後、サン
プルを段階希釈し、そして各ウエルに加えた。インキュ
ベーション及び洗浄の後、アルカリホスファターゼ結合
ヤギ抗−ヒトIgG(γ鎖特異的;Sigma)を添加した。イ
ンキュベーション及び洗浄の後、基質緩衝液を加えた。
インキュベーションの後、反応を停止し、そして405nm
での吸光度を測定した。この測定のために標準品は存在
しなかった。 2個のサンプルの内の1つは、マウスPM−1抗体中に
見られるV領域と同一のV領域を有するキメラ抗体(キ
メラPM−1a抗体、図4)をコードする遺伝子によるトラ
ンスフェクトからのサンプルであった。他の1つのサン
プルはL鎖V領域中の位置107に前記のような1個のア
ミノ酸変化を有するキメラ抗体(キメラPM−1b抗体、図
4)をコードする遺伝子によるトランスフェクションか
らのものであった。いずれのサンプルも、サンプルの希
釈により減少するIL−6Rに対する強い結合を示した。す
なわち、作製されたキメラPM−1抗体は機能的であり、
そしてその抗原によく結合することができる。最も重要
なことは、機能的キメラPM−1抗体の証明は、正しいマ
ウスPM−1V領域がクローン化されそして配列決定された
ことの直接の証拠である。L鎖V領域中の位置107にい
ずれのアミノ酸を有するキメラ抗体も抗原IL−6Rによく
結合した。マウスPM−1抗体のL鎖V領域中の位置107
は抗原結合のためにあまり重要ではなく、そしてこの位
置におけるアスパラギン及びリジンのいずれも満足に機
能するようである。マウスPM−1抗体はそのL鎖V領域
のこの位置にアスパラギンを有するので、キメラPM−1
抗体を用いるその後のすべての研究は、マウスPM−1抗
体に見出されるそれと同じバージョンaを用いて行っ
た。 より多量のPM−1抗体を安定に生産するために、dhfr
遺伝子を含有する新たなHCMV発現ベクターを作製した。
キメラPM−1抗体のより高い発現レベルを達成するため
の第一段階は、ベクターHCMV−VH−HCγ(図1)を変
形して、このベクターが欠陥のある(crippled)SV40プ
ロモーターエンハンサーにより発現されるdhfr遺伝子を
含有するようにすることであった。SV40エンハンサー要
素をpSV2−dhrfベクター(S.Subramaniら、Mol.Cell.Bi
ol.(1981)1:854−864)から除去し、そしてSV40プロ
モーターによって発現されるneo遺伝子の代りに「欠陥
のある」SV40プロモーターにより発現されるdhfr遺伝子
をHCMV−VH−HCγに挿入した。次に、この新しいHCMV
−VH−HCγ−dhfrベクターにマウスPM−1V領域を挿入
した。この改良された発現ベクターの作製を実施例10に
詳細に記載する。 CHO dhfr(−)細胞(G.Urlaubら、Proc.Natl.Acad.
Sci.USA(1980)77:4216−4220)を2種類のプラスミド
DNAすなわちキメラPM−1aL鎖を発現するためのHCMV−VL
−HCκベクター(HCMV−PMka−gk)及びキメラPM−1
H鎖を発現するためのHCMV−VH−HCγ−dhfrベクター
(DHFR−△E−PMh−gγ1;実施例10)により同時形質
転換した。DNA(各プラスミドにつき10μg/ml)をPBS中
1×107細胞/mlの0.8mlのアリコートに加えた。1900Vの
電圧25μFの電気容量でパルスを与えた。室温にて10分
間の回復期間の後、エレクトロポレーション処理された
細胞を、ヌクレオシド及び10% FCSを含有するAlpha
Minimal Essential Medium培地(α−MEM)10mlに加
えた。一夜のインキュベーションの後、培地を、ヌクレ
オシドを含有せず10% FCS及び500μg/mlのG418(GIBC
O)を含有するα−MEMに変えて、dhfr+及びneo+形質転
換細胞の選択を行った。選択の後、選択されたクローン
を用いて遺伝子増幅を行った。2×10-8Mメソトレキセ
ート(MTX)中での1ラウンドの増幅の後、約3.9μg/10
6細胞/日のキメラPM−1aの抗体を生産する細胞系(PM1
k3−7)を選択した。 ヒトIL−6RへのIL−6の結合を阻害するキメラ抗体の能
力についてのELISA測定 トランスフェクトされたCOS細胞において又は安定なC
HO細胞系において生産された抗体を測定して、それら
が、IL−6Rへのビオチン化IL−6の結合と競争するか否
かを決定した。プレートをマウス抗体MT18によりコート
した。ブロッキングの後、可溶性組換えヒトIL−6R(SR
344)を加えた。洗浄の後、COS細胞からのサンプルを段
階希釈し、そしてビオチン化IL−6と一緒に各ウエルに
加えた。洗浄の後、アルカリホスファターゼ結合ストレ
プトアビジンを加えた。インキュベーション及び洗浄
後、基質緩衝液を加えた。インキュベーションの後、反
応を停止させ、そして405nmにおける吸光度を測定し
た。結果を図5に示す。 実施例7.再構成ヒトPM−1抗体の作製 より迅速に且つより効率的にCDR移植を達成するた
め、PCRによる逐次CDR移植法を開発した。この方法はPC
R変異誘発法(Kammanら、Nucl.Acid.Res.17:5404,198
9)に基く。 CDR移植のための選択されたヒトFRをコードするDNAを
含有する鋳型DNAを調製するために、適当な再構成ヒト
V領域をコードするDNAを便利なベクターに再クローニ
ングする必要があった。プラスミドalys11及びF10のDNA
はそれぞれ再構成ヒトD1.3のL鎖及びH鎖をコードして
おり、ヒトREIからのFRをコードするDNA及びNEWからのF
RをコードするDNAをそれぞれ含有する。再構成ヒトD1.3
のL鎖V領域をコードするDNA配列を含有する約500bpの
Nco I−BamH1断片をalys11から切り出し、そしてHind I
II及びBamH Iで開裂されたpBR327にサブクローニングし
てプラスミドVl−lys−pBR327を得た。このVl−lys−pB
R327からのHind III−BamH I断片を、Hind III及びBamH
Iにより開裂されたpUC19に挿入してプラスミドVl−lys
−pUC19を得た。 再構成ヒトD1.3のH鎖V領域をコードするDNA配列を
含有する約700bpのNco I−BamH I断片をF10から切り出
し、そしてHind III−Nco Iアダプターを用いてpBR327
のHind III−BamH I部位にサブクローニングし、Vh−ly
s−pBR327を得た。次に、このプラスミドからHind III
−BamH I断片を切り出し、そしてHind III及びBamH Iに
より開裂されたpUC19にサブクローニングしてVh−lys−
pUC19を得た。 なお、プラスミドalys11及び再構成ヒトD1.3のL鎖V
領域FRをコードするDNA配列はヒト型化CAMPATH−1H抗体
(Nature 332:323−327(1988))のそれと同じであ
る。鋳型として使用した、プラスミドF10中の再構成ヒ
トD1.3のH鎖V領域をコードするDNA配列は、V.Verhoey
ら、Science237:1534−1536(1988)のFig.2に記載され
ている。 図6は、再構成ヒトPM−1のH鎖V領域の第一バージ
ョンをコードするDNAの作製のために使用されたプライ
マー及びPCR反応を模式的に示す。後方プライマーA(A
PCR1;配列番号:41)及び前方プライマーE(APCR4;配列
番号:42)は、このベクター上のDNA配列にハイブリダイ
ズする。APCR1及びAPCR4はpUC19ベクターのために特に
設計されたが、ユニバーサルM13配列プライマーを使用
することもできる。 CDR1移植/変異誘発プライマーB(phv−1;配列番号:
43)、CDR2移植プライマーC(phv−2;配列番号:44)、
及びCDR3移植プライマーD(phv−3;配列番号:45)は40
〜60bpの長さを有し、マウスPM−1のH鎖V領域のCDR
をコードするDNA及び該CDRをコードするDNAを挟む鋳型D
NA中のヒトFRをコードするDNA配列から成る。第一のPCR
反応において前方プライマーAPCR4及び後方プライマー
Dを用いた。マウスPM−1のCDR3配列をコードするDNA
を含有する第一PCR生成物を精製し、そして第二PCR反応
において後方プライマーとしてのプライマーCと共に前
方プライマーとして使用した。同様にして、マウスPM−
1のCDR2及びCDR3をコードするDNAを含有する第二PCR生
成物、並びにマウスPM−1の3個すべてのCDRをコード
するDNAを含有する第三PCR生成物をそれぞれ次のPCR段
階のプライマーとして使用した。完全な再構成ヒトPM−
1H鎖V領域をコードするDNAを有する第四PCR生成物を精
製し、Hind III及びBamH Iにより消化し、そしてさらに
分析するためにpUC19にサブクローニングした。 再構成ヒトPM−1抗体H鎖V領域をコードするDNAの
作製のために3種類の変異誘発プライマーphv−1,phv−
2及びphv−3を合成した。これらは8M尿素を含有する1
2%ポリアクリルアミドゲル上で精製した。変異誘発プ
ライマーphv−1は、マウスPM−1抗体のCDR1の移植の
ためのみならずヒトFR1中の位置27及び30におけるそれ
ぞれのSerからTyrへ、及びSerからThrへの変異のために
設計された。各100μlのPCR反応物は典型的には10mM
Tris−HCl(pH8.3),50mM KCl,1.5mM MgCl2,250μM
dNTP,50ngの鋳型DNA(Vh−lys−pUC19),2.5uのAmpli
Taq(Perkin Elmer Cetus)、及びプライマーを含有
した。1μMずつのphv−3プライマー及びAPCR4プライ
マーを含む第一のPCR反応を行い、94℃にて1.5分間の最
初の変性の後、94℃にて1分間、37℃にて1分間及び72
℃にて1分間の30サイクルを反復した。アニーリング段
階と合成段階の間の変温時間は2.5分間であった。最終
サイクルの完了の後、72℃にて10分間の最終伸長反応を
行った。523bpのPCR生成物を1.6%低融点アガロースゲ
ルを用いて精製し、そして次に第二のPCR反応における
プライマーとして使用した。 第二のPCR反応において約1μgの精製された第一PCR
生成物及び25pmoleの変異誘発プライマーphv−2をプラ
イマーとして使用した。PCR条件は第一のPCR反応につい
て記載したのと同じであった。同様にして、第二のPCR
反応からの665bpのPCR生成物をプライマーphv−1と共
に第三のPCR反応において使用し、そして第三のPCR反応
からの737bpのPCR生成物をプライマーAPCR1と共に第四
のPCR反応において使用した。第四のPCR反応からの1.17
2kbのPCR生成物を精製し、Hind III及びBamH Iで消化
し、そして次に再構成ヒトPM−1抗体H鎖V領域を含有
する約700bpの断片をpUC19ベクターにサブクローニング
した。配列決定した4個のクローンの内2個が正しいア
ミノ酸配列をコードするDNA配列を有しており、そしてp
UC−RVh−PM1aと命名した。 再構成PM−1抗体H鎖V領域の他のバージョンをコー
ドするDNAを作製するため5種類の変異誘発PCRプライマ
ーを合成した。各PCR反応は前記の反応条件と本質的に
同じ条件下で行われた。バージョン「b」のため、変異
誘発プライマーphv−m4(Val−71→Arg−71)(番号はK
abatらによる;表4参照)(配列番号:46)及びAPCR4
を、鋳型DNAとしてのpUC−RVh−PM1aと共に第一PCR反応
において使用した。この第1PCR反応からのPCR生成物を
精製し、そしてプライマーAPCR1と共に第二PCR反応にお
ける前方プライマーとして使用した。第二PCR反応から
のPCR生成物を1.6%低融点アガロースゲルを用いて精製
し、Hind III及びBamH Iにより消化し、そしてpUC19に
てサブクローニングしてpUC−RVh−PM1bを得た。同様に
して、変異誘発プライマーphv−nm(Asp−1→Gln−
1)(配列番号:47)及び鋳型pUC−RVh−PM1bを用いて
バージョン「c」をコードするDNA(pUC−RVh−PM1c)
を得、変異誘発プライマーphv−m6(Ile−48→Met−4
8)(配列番号:48)及び鋳型pUC−RVh−PM1bを用いてバ
ージョン「d」をコードするDNA(pUC−RVh−PM1d)を
得、変異誘発プライマーphv−nm及び鋳型pUC−RVh−PM1
cを用いてバージョン「e」をコードするDNA(pUC−RVh
−PM1e)を得、そして変異誘発プライマーphv−m7(Thr
−28→Ser−28、及びPhe−29→Ile−29)(配列番号:4
9)及び鋳型pUC−RVh−PM1bを用いてバージョン「f」
をコードするDNA(pUC−RVh−PM1f)を得た。再構成H
鎖V領域バージョン「f」のアミノ酸配列及びそれをコ
ードするヌクレオチド配列を配列番号54に示す。 図7は、再構成ヒトPM−1抗体L鎖V領域の第一バー
ジョンをコードするDNAの作製において使用したプライ
マー及びPCR反応を模式的に示す。再構成ヒトPM−1抗
体L鎖V領域の第一バージョンをコードするDNAの作製
のため、CDR1移植プライマーpkv−1(配列番号:50)、
CDR2移植プライマーpkv−2(配列番号:51)及びCDR3移
植プライマーpkv−3(配列番号:52)を合成し、そして
8M尿素を含有する12%ポリアクリルアミドゲル上で精製
した。上記のようにしてPCR反応を行った。第一PCR反応
物は1μMずつのpkv−3プライマー及びAPCR4プライマ
ーを含有した。第一PCR反応からの350bpのPCR生成物を
1.5%低融点アガロースゲルを用いて精製し、そして第
二PCR反応における前方プライマーとして使用した。第
二PCR反応からのPCR生成物を精製し、BamH I及びHind I
IIで消化し、そしてCDR3が移植されたDNAを含有する500
bp断片をDNA配列決定のためにpUC19ベクターにサブクロ
ーニングした。正しい配列を有するプラスミドDNAを同
定し、そして次のPCR反応における鋳型DNAとして使用し
た。第三PCR反応において25pmoleの変異誘発プライマー
pkv−2及びAPCR4を使用した。第三PCR反応からのPCR生
成物を精製し、そしてプライマーpkv−1と共に第四PCR
反応におけるプライマーとして使用した。同様にして、
第四PCR反応からのPCR生成物をAPCR1プライマーと共に
第五PCR反応におけるプライマーとして使用した。 第五PCR反応からの972bpのPCR生成物を精製し、BamH
I及びHind IIIにより消化し、そしてDNA配列決定のため
にpUC19にサブクローニングした。CDR2領域において問
題点が認識され、さらに2回のPCR反応が必要であっ
た。第六PCR反応及び第七PCR反応において、pUC19ベク
ターにクローニングされた第五PCR反応からのPCR生成物
を鋳型DNAをして使用した。第六PCR反応においてプライ
マーはpkv−2及びAPCR4であった。第六PCR反応からのP
CR生成物を精製し、そしてAPCR1プライマーと共に第七P
CR反応におけるプライマーとして使用した。第七PCR反
応からのPCR精製物を精製し、BamH I及びHind IIIによ
り消化し、そして500bp DNA断片をDNA配列決定のため
にpUC19にサブクローニングした。配列決定した5個の
クローンの内2個のクローンが正しいDNA配列を有して
いた。このクローンをpUC−RV1−PM1aと称する。この配
列を配列番号:55に示す。 再構成ヒトPM−1 L鎖V領域の他のバージョンをコ
ードするDNAの作製のため、変異誘発プライマーpvk−m1
(配列番号:53)を合成した。PCR反応は本質的に前記の
通りであった。第一PCR反応において、変異誘発プライ
マーpkv−m1(Phe−71→Tyr−71)及びAPCR4プライマー
を鋳型DNAとしてのpUC−RV1−PM1aと共に使用した。第
一PCR反応からのPCR生成物を精製し、そしてAPCR1プラ
イマーと共に第二PCR反応におけるプライマーとして使
用した。第二PCR反応からのPCR生成物を精製し、BamH I
及びHind IIIにより消化し、そしてDNA配列決定のため
にpUC19にサブクローニングした。このクローンをpUC−
RV1−PM1bと命名した。 実施例8.遺伝子操作された抗体を哺乳類細胞中で、発現
させるためのヒトサイトメガロウイルス前期(HCMV)プ
ロモーターを用いるベクターの作製(図1) キメラPM−1抗体のL鎖V領域をコードするDNA断片
及びキメラPM−1抗体のH鎖V領域をコードするDNA断
片を、それぞれ、哺乳類細胞中でヒトκL鎖又はヒトγ
−1H鎖を発現するように設計されたHCMV発現ベクター
(図1を参照のこと)HCMV−VL−KCκ及びHCMV−VH−HC
γ1にまず挿入した。該HCMV発現ベクターの作製のため
の詳細な記載は、Maedaら、Human Antibodies and H
ybridomas(1991)2:124−134;C.A.Kettleboroughら、P
rotein Engeneering(1991)4:773−783に公表されて
いる。両ベクターはpSV2neo(P.J.Southern et al.,
J.Mol.Appl.Genet.(1982)1:327−341)に基礎を置
き、そして免疫グロブリンL鎖又はH鎖の高レベルの転
写のためにヒトサイトメガロウイルス(HCMV)プロモー
ター及びエンハンサー(M.Boshartら、Cell(1985)41:
521−530)を含有する。 L鎖発現ベクターはヒトCκ領域(T.H.Rabbittsら、
Carr.TOP.Microbiol.Immunol.(1984)114:166−171)
をコードするゲノムDNAを含有し、そしてH鎖発現ベク
ターはヒトCγ1領域(N.Takahashiら、Cell(1982)2
9:671−679)をコードするゲノムDNAを含有する。これ
らのHCMV発現ベクターは多能であり、そして種々の哺乳
類細胞タイプにおける一過性(transient)発現及び安
定な発現のために使用することができる。 実施例9.遺伝子操作された抗体を哺乳類細胞中で発現さ
せるためのヒトエロンゲーションファクター1α(HEF
−1α)プロモーターを使用するベクターの作製(図8
及び図9) ヒト・ポリペプチド・チェーン・エロンゲーション・
フアクター1α(HEF−1α)は最も豊富な蛋白質の1
つである。これはほとんどの細胞で発現される。ヒトEF
−1αプロモーター−エンハンサーの転写活性はSV40前
期プロモーター−エンハンサーのそれに比べて約100倍
である(D.W.Kimら、Gene(1990)91:217−223;及びT.U
etsukiら、J.Biol.Chem.(1989)264:5791−5798)。2.
5kbのHEF−1αプロモーター−エンハンサー領域は、該
遺伝子の5′−末端に接する約1.5kbのDNA、第一エクソ
ン中の33bp、第一イントロン中の943bp、及び第二エク
ソンの最初の部分の10bpから成る。この後2.5kbのHind
III−EcoR I断片をプラスミドpEF321−CAT(D.W.Kim
ら、Gene(1990)91:217−223;及びT.Uetsukiら、J.Bio
l.Chem.(1989)264:5791−5798)から切り出し、そし
てpdKCRベクター(M.Tsuchiyaら,Embo J.(1987)6:61
1−616)、K.O′Haraら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA Vo
l.78,No.3,1527−1531,(1981)、(R.Fukunagaら、Pro
c.Natl.Acad.Sci.USA Val.81,5086−5090(1984))に
クローニングして、SV40前期プロモーター−エンハンサ
ーを含有する約300bpのHind III−EcoR I断片を置き換
えてpTEF−1を得た。 pTEF−1をEcoR Iで消化し、Klenowポリメラーゼでフ
ィルーインし、そしてHind IIIリンカーに連結した。次
に、この修飾されたpTEF−1ベクターDNAから約1.6kbの
Hind III−Sma I断片を切り出した。 HCMV−12h−gγ1をEcoR Iにより部分消化し、Kleno
wポリメラーゼによりフィルーインし、そして自己連結
することにより、実施例5において作製したHCMV−12h
−gγ1からプラスミドHCMV−12h−gγ1(ΔE2)を
作製した。 プラスミドHCMV−12h−gγ1(ΔE2)をEcoR Iで消
化し、Klenowポリメラーゼでフィルーインし、そしてHi
nd IIIで消化した。ヒトγ−1C領域をコードするDNA配
列を含有する約7kbの断片を、HEF−1αプロモーター−
エンハンサーを含有する前記の1.6kb Hind III−Sma I
断片に連結してHEF−12h−gγ1を得た。このベクター
中のHEF−1αプロモーター・エンハンサー領域は、
5′−領域に接する380bpのDNAを除き、pTEF−1中のそ
れと同一であった。Hind III−BamH I断片として存在す
るこのH鎖V領域は、他のH鎖V領域と容易に交換する
ことができる。 再構成ヒトH鎖V領域をコードするDNAを含有するHin
d III−BamH I DNA断片をpUC−RVh−PM1a,pUC−RVh−PM
1b,pUC−RVh−PM1c,pUC−RVh−PM1d,pUC−RVh−PM1e及
びpUC−RVh−PM1f(実施例7)から切り出し、そして前
記のプラスミドHEF−12h−gγ1のHind III−BamH I部
位に挿入して、それぞれ発現ベクターRVh−PM1a,RVh−P
M1b,RVh−PM1c,RVh−PM1d,RVh−PM1e、及びRVh−PM1fを
得た。発現ベクターRVh−PM1a,RVh−PM1b,RVh−PM1c,RV
h−PM1e、及びRVh−PM1f、並びにHEF−PMh−gγ1は、
それぞれ再構成ヒトPM−1抗体H鎖V領域バージョン
「a」,「b」,「c」,「d」,「e」及び「f」、
並びにマウスPM−1抗体H鎖V領域をコードするDNAを
有する。 L鎖発現ベクターHEF−12k−gkを作製するため、HEF
−1αプロモーター−エンハンサー領域を含有する約3.
0kbのPvu I−Hind III断片をHEF−12h−gγ1切り出
し、そして実施例5において作製したHCMV−L鎖発現ベ
クターHCMV−12k−gkからの約7.7kbのPvu I−Hind III
断片に連結してHEF−12k−gkを得た。H鎖発現ベクター
HEF−12h−gγ1の場合と同様に、Hind III−BamH I断
片として存在するHEF−12k−g中のL鎖V領域をコード
するDNAは他のL鎖V領域をコードするDNAと容易に交換
することができる。なお、プラスミドHEF−PMh−gγ1
は、HEF−12h−gγ1(図8)のEF1αプロモーター領
域(Pvu I−Hind III断片)によりHCMV−pmh−gγ1の
HCHVプロモーター領域(Pvu I−Hind III断片)を置き
換えることにより作製したものである。 再構成ヒトL鎖V領域をコードするDNAを含有するHin
d III−BamH I DNA断片をpUC−RV1−PM1a及びpUC−RV1
−PM1b(実施例7)から切り出し、そしてHEF−12k−gk
のHind III−BamH I部位に挿入し、それぞれ発現ベクタ
ーRV1−PM1a及びRV1−PM1bを得た。発現ベクターRV1−P
M1a及びRV1−PM1b、並びにHEF−PMK−gkはそれぞれ再構
成ヒトL鎖V領域「a」及び「b」、並びにマウスPM−
1 L鎖V領域をコードするDNAを有する。なお、プラ
スミドHEF−PMK−gkは、HEF−12k−gk(図9)のEF1α
プロモーター領域(Pvu I−Hind III断片)によりHCMV
−pmka−gkのHCMVプロモーター領域(Pvu I−Hind III
断片) を置き換えることにより作製したものである。 実施例10.遺伝子操作された抗体をCHO細胞中で高レベル
で発現させるための、欠陥SV40プロモーター−エンハン
サー配列に連結されたジヒドロフォレートレダクターゼ
(dhfr)遺伝子を用いるベクターの作製(図10及び図1
1) SV40前期プロモーターからエンハンサー配列を除去す
るため、プラスミドpSV2−dhfr(S.Subramaniら、Mol.C
ell.Biol.(1981)1:854−864)(ATCC33694)をSph I
及びPvu IIで消化し、Klenowポリメラーゼでフィルーイ
ンし、そして自己連結してpSV2−dhfr−ΔEを得た(図
10)。HCMVプロモーター、H鎖V領域をコードするDNA
及びヒトγ−1C領域をコードするDNAを含有する約3.7kb
のEcoR I断片を、EcoR Iによる部分消化によりHCMV−PM
h−gγ1から切り出した。この断片を、EcoR I−消化p
SV2−dhfr−ΔEに連結してDHFR−ΔE−PMh−gγ1を
得た。 HEF−1αプロモーター−エンハンサーを用いるH鎖
発現ベクターに基いて類似のベクターを作製した(図11
を参照のこと)。HCMV−12h−gγ1に由来する約3.7kb
のEcoR I断片を、EcoR I−消化pSV2−dhfr−ΔEと連結
してDHFR−ΔE−12h−gγ1を得た。DHFR−ΔE−12h
−gγ1中のdhfr配列に続くBamH I部位を、BamH Iによ
る部分消化、Klenowポリメラーゼによるフィルーイン及
び自己連結により除去した。dhfr cDNAを含有する約4k
bのPvu I−BamH I断片をこの修飾されたDHFR−ΔE−12
h−gγ1から切り出し、そして実施例12において作製
したRVh−PM1f−4からの約3kbのPvu I−BamH I断片に
連結してDHFR−ΔE−RVh−PM1fを得た。 上記の改良されたプラスミドは本発明の再構成ヒトPM
−1抗体の製造のために使用することができる。 実施例11.再構成ヒトPM−1抗体の種々のバージョンの
発現及び分析 再構成ヒトPM−1抗体のL鎖及びH鎖を発現する各HE
F−1αベクターをCOS細胞に同時形質転換(co−transf
ect)した。標準対照としてキメラPM−1抗体のL鎖及
びH鎖を発現する各HEF−1αベクターもCOS細胞に同時
形質転換した。3日後,形質転換されたCOS細胞からの
培地を集め、そしてELISAにより(1)上清中に存在す
るヒトIgG抗体の量について、及び(2)IL−6Rに結合
するそのIgGの能力について分析した。次に、同じサン
プルをさらに、ELISAにより、ヒトIL−6RへのヒトIL−
6の結合を阻害する該抗体の能力について試験した。 再構成ヒトPM−1抗体L鎖を発現する2種類のベクタ
ーの一方(RV1−PM1a又はRV1−PM1b)及びキメラPM−1
抗体H鎖を発現するベクター(HCMV−PMh−gγ1)に
よりCOS細胞を同時形質転換することにより、再構成ヒ
トPM−1抗体L鎖V領域の2種類のバージョンの評価を
行った。細胞をまた、キメラPM−1抗体L鎖及びH鎖を
発現する各ベクター(HCMV−PMka−gk及びHCMV−PMh−
gγ1)により同時形質転換した。未精製のCOS細胞上
清を用いるデーターは、ヒトIL−6Rへの結合についての
測定において、再構成ヒトPM−1抗体L鎖のバージョン
「a」がキメラPM−1抗体L鎖と同等であることを示し
た。しかしながら、再構成ヒトPM−1抗体L鎖のバージ
ョン「b」はヒトIL−6Rへの結合能を実質的に保持しな
かった。これらの結果から、FR3中の位置71のフェニル
アラニン(CAMPAHTH−1Hのために修飾されたヒトREI中
に存在する)からチロシン(天然ヒトREI及びマウスPM
−1抗体中に存在する)への変化は機能的抗原結合部位
の形成に対して非常に有害であることが結論された。 再構成ヒトPM−1抗体H鎖V領域の種々のバージョン
を評価する次の実績において、再構成ヒトPM−1抗体L
鎖V領域のバージョン「a」を常に用いた。 再構成ヒトPM−1抗体H鎖の発現する6種類のベクタ
ーの1つ(RVh−PM1a,RVh−PM1b,RVh−PM1c,RVh−PM1d,
RVh−PM1e又はRVh−PM1f)及び再構成ヒトPM−1抗体L
鎖のバージョン「a」を発現するベクター(RV1−PM1
a)によりCOS細胞を同時形質転換することにより、再構
成ヒトPM−1抗体H鎖V領域の6種類のバージョンを評
価した。細胞を、キメラPM−1抗体L鎖及びH鎖を発現
する各ベクター(HEF−PMk−gk及びHEF−PMh−gγ1)
によっても同時形質転換した。未精製のCOS細胞上清を
用いた予備データーが示すところによれば、ヒトIL−6R
への結合についての測定において、再構成ヒトPM−1抗
体L鎖のバージョン「a」及び再構成ヒトPM−1抗体H
鎖のバージョン「f」は、キメラPM−1抗体L鎖及びH
鎖と同等であった。 この予備データーを確認するため、キメラPM−1抗体
及び再構成ヒトPM−1抗体をCOS細胞上清から濃縮そし
てプロテインAを用いて精製した。すなわち、COS細胞
からの培地を100kdカットオフ限外濾過装置(Amicon)
を用いて濃縮した。濃縮した培地をプロテインAアガロ
ース(AffiGel Protein A MAPS IIキット、BioRa
d)を用いて精製した。要約すれば、濃縮された培地
を、5ベッドボリウムの結合緩衝液により平衡化された
プロテインAアガロースカラムに適用した。このカラム
を15ベッドボリウムの結合緩衝液で洗浄し、そして次に
5ベッドボリウムの溶出緩衝液で溶出を行った。そして
マイクロコンセントレーター(Centricon 10,Amicon)
を用いて溶出液を濃縮し、溶出緩衝液をPBSに置換し
た。 キメラPM−1抗体、及び再構成ヒトL鎖V領域のバー
ジョン「a」と再構成ヒトH鎖V領域のバージョン
「a」,「b」,「c」,「d」,「e」又は「f」と
から成る再構成ヒトPM−1抗体の精製されたサンプルの
分析を行った。L鎖の「a」バージョン+H鎖の「f」
バージョンが明らかに最良の再構成ヒトPM−1抗体であ
った。このものは、キメラPM−1抗体と同様にヒトIL−
6Rに結合する(図13)。これはまた、マウス抗体及びキ
メラ抗体と同様に、ヒトIL−6がヒトIL−6Rに結合する
のを阻害する(図14)。 実施例12.発現レベルを改良するための再構成ヒトPM−1
V領域の修正 再構成ヒトPM−1抗体L鎖及びH鎖のV領域(配列番
号:54及び55)のリーダー配列をコードするDNA配列内の
イントロンを除去するため、V領域をコードするcDNAを
PCRプライマーを用いて再クローニングした。L鎖及び
H鎖の発現ベクターRV1−PM1a及びRVh−PM1fをCOS細胞
に同時形質転換した。48時間後、全RNAを調製し(Chirg
winら、Biochemistry(1979)18:5294−5299)、そして
マウス抗体V領域のPCRクーロニングについて記載した
ようにして一本cDNA合成のために5μgの全RNAを用い
た。3種類のPCRプライマーを設計し、そして合成し
た。LEV−P1(配列番号:60)及びHEV−P1(配列番号:5
8)はスプライスドナー配列及びBamH I部位を含有し、
そしてそれぞれL鎖及びH鎖のV領域のための前方プラ
イマーとして使用した。 HEV−P2(配列番号:59)はHind III部位及びATG開始
コドンの前のKozakコンセンサス配列を含有し、そして
L鎖及びH鎖のV領域のための後方プライマーとして使
用した。100μlずつのPCR反応物は20mM Tris−HCl(p
H8.8),10mM KCl,10mM(NH42SO4,2mM MgSO4,0.1%
Triton X−100,0.1μgのBSA,250μM dNTP,2.5u
のVent DNAポリメラーゼ(Bio.Labs,U.K.)、50%の一
本cDNA合成反応物並びに100pmoleずつの前方プライマー
及び後方プライマーを含有した。各PCRチューブは50μ
lの鉱油で覆い、そして94℃にて1.5分間の最初の変性
の後、94℃にて1分間、50℃にて1分間及び72℃にて1
分間のサイクル反応を30回行い、そして次に72℃にて10
分間インキュベートした。L鎖V領域を含有する408bp
のPCR生成物及びH鎖V領域を含有する444bpのPCR生成
物を、2.0%低融点アガロースゲルを用いて精製し、そ
してBamH I及びHind IIIにより消化し、そしてpUC19ベ
クターにサブクローニングし、それぞれpUC−RV1−PM1a
−3及びpUC−RVh−PM1f−3を得た。 再構成ヒトPM−1抗体L鎖及びH鎖のV領域のDNA配
列は不適切なスプライスドナー部位及びアクセプター部
位を含有することが明らかになった(配列番号:54及び5
5を参照のこと)。L鎖V領域内のこれらの部位は高頻
度には使用されない(mRNAの約10%)が、H鎖V領域内
のこれらの部位は高頻度で使用される(mRNAの約90
%)。この異常なスプライシングが再構成ヒトPM−1抗
体の低レベルの発現をもたらした。V領域の異常なスプ
ライシングを回避するため、スプライス−ドナー部位を
PCR法により除去した。H鎖V領域について、後方プラ
イマーNEW−SP1(配列番号:61)及び前方プライマーNEW
−SP2(配列番号62)を合成した。このプライマーはDNA
配列TGG GTG AGAをDNA配列TGG GTT CGCに変える。P
CR反応の条件はcDNAのクローニングについて前記した通
りであったが、鋳型DNAは50ngのpUC−RVh−PM1f−3で
あり、そしてプライマーはHEV−P2とNEW−SP2、又はHEF
−P1とNEW−SP1のいずれかであった。 2個のPCR反応からのPCR生成物を2%低融点アガロー
スゲルを用いて精製し、そしてPCR連結反応において使
用した。0.5μgの第一PCR生成物を含有する98μlのPC
R反応物及び5ユニットのVent DNAポリメラーゼを94℃
にて2分間、50℃にて2分間及び72℃にて5分間インキ
ュベートし、そして次に100pmoleずつのHEV−P1プライ
マー及びHEV−P2プライマーを加えた。PCRチューブを30
μlの鉱油で覆い、そして94℃にて1分間、50℃にて1
分間及び72℃にて1分間の25サイクルのPCRにかけ、そ
して次に72℃にて10分間インキュベートした。 同様にして、再構成ヒトPM−1抗体L鎖V領域中のス
プライス−ドナー領域をPCRプライマーREI−SP1(配列
番号:63)及びREI−SP2(配列番号:64)を用いて除去し
た。該プライマーはDNA配列CAG GTA AGGをDNA配列CAG
GAA AGGに変える。両PCR生成物、すなわちL鎖V領
域についての408bpのDNA断片及びH鎖V領域についての
444pbのDNA断片を2.0%低融点アガロースゲルを用いて
精製し、Hind III及びBamH Iにより消化し、そして配列
決定のためpUC19にサブクローニングしてpUC−RV1−PM1
a−4及びpUC−RVh−RM1f−4を得た。 RVh−PM1fのHind III−BamH I断片を、pUC−RVh−PM1
f−4のHind III−BamH I領域と置き換えることによ
り、RVh−PM1f−4を得た。再構成ヒトPM−1抗体L鎖
V領域のイントロンが除去されたバージョン「a」の配
列を配列番号57に示し、再構成ヒトPM−1抗体H鎖V領
域のイントロンが除去されたバージョン「f」の配列を
配列番号56に示す。 実施例13.再構成ヒトAUK12−20抗体L鎖V領域をコード
するDNAの作製 再構成ヒトAUK12−20抗体L鎖V領域をコードするDNA
の作製の工程を図16に示す。鋳型となるヒト抗体L鎖V
領域をコードする遺伝子は、制限酵素Hind III及びBamH
I部位を用いてpUC19ベクターに組み込まれている。8
個のPCRプライマー(A〜H)を準備し、第1のPCRによ
り、V領域をコードする遺伝子を4つの領域に分けて増
幅させる。プライマーA及びHは、pUC19ベクター上のD
NA配列と相補性を持つ。プライマーB,C及びDは、それ
ぞれ移植するCDR領域の遺伝子配列を有する40〜60bpの
プライマーである。プライマーE,F及びGは、それぞれ
プライマーB,C及びDの5′側15〜20bpのDNA配列と相補
性を持つ。4個の第1PCRは、それぞれプライマーAと
E、BとF、CとG、及びDとHを用いる。PCR生成物
A−EはFR1をコードし、B−FはCDR1とFR2をコードす
る。A−E断片の3′側とB−F断片の5′側は15〜20
bpの相補性を持つので、後に、これら断片を連結するこ
とが可能となる。同様に、B−F断片は、CDR2及びFR3
をコードするC−G断片とも相補性を持つ。そして、C
−G断片はさらに、CDR3とFR4をコードするD−H断片
とも相補性を持つ。こうしてこれら4種の断片は、互い
の相補性により連結が可能となる。PCR反応液中にてこ
れら4つの断片の連結反応を行った後、プライマーA及
びHを加える事により、正しく4つの断片が連結したも
のが、この第2のPCRによって増幅してくる。こうして
得られた第2のPCR生成物は、3つの移植されたCDRを有
し、Hind III及びBamH Iの消化後、pUC19ベクターにサ
ブクローニングする。 さらに具体的には、鋳型として再構成ヒトPM−1抗体
L鎖V領域バージョン「a」をコードするDNAがプラス
ミドpUC19に挿入されているプラスミドpUC−RV1−PM1a
−4を用いた。 前記プライマーA〜Hは次の配列を有する。後方プライマー 配列番号 前方プライマー 配列番号 A.REVERSE 83 E.1220−L1b 66 B.1220−L1 65 F.1220−L2b 68 C.1220−L2 67 G.1220−L3b 70 D.1220−L3 69 H.UNIVERSAL 82 CDR移植用の後方プライマー1220−L1,1220−L2及び12
20−L3については、8M尿素を含む12%ポリアクリルアミ
ドゲルを用いて精製後使用した。 100μlずつのPCR反応物は20mM Tris−HCl(pH8.
8),10mM KCl,10mM(NH42SO4,2mM MgSO4,0.1% Tr
iton X−100,0.1μgのBSA,250μm dNTP,5uのVent
DNAポリメラーゼ(BioLabs.U.K.),50ngのpUC−RVl−
PM1a−4 DNA、そして各100pmolesの前方及び後方プラ
イマーを含有した。各PCRチューブは50μlの鉱油で覆
い、そして94℃にて1.5分間の最初の変性の後、94℃に
て1分間、50℃にて1分間及び72℃にて1分間の反応を
30サイクル行い、そして次に72℃にて10分間インキュベ
ートした。 252bp(A−E),96bp(B−F),130bp(C−G)及
び123bp(D−H)の各PCR生成物を2.0%の低融点アガ
ロース(FMC,Bio.Products,USA)ゲルを用いて精製し
た。すなわち、各DNA断片を含有するアガロース片を切
り取りそして65℃にて5分間溶融せしめ、そしてこれと
同容積の2mM EDTA及び200mM NaClを含有する20mM Tr
is−HCl(pH7.5)を加えた。この混合物をフェノール及
びクロロホルムにより抽出し、そしてDNA断片をエタノ
ール沈澱により回収し、そして1mM EDTAを含有する10m
M Tris−HCl(pH7.5)に溶解し、そしてPCR連結反応に
おいて使用した。 次に、0.2μgの各第1のPCR生成物及び5ユニットの
Vent DNAポリメラーゼを含有する98μlのPCR反応液を
94℃にて2分間、50℃にて2分間及び72℃にて5分間イ
ンキュベートし、連結反応を行った。そして次に、各10
0pmoleのA(REVERSE)及びH(UNIVERSAL)プライマー
を加えて反応液を100μlとした後、これを50μlの鉱
油でおおい、そして94℃にて1分間、50℃にて1分間及
び72℃にて1分間の反応を30サイクル行い、そして次に
72℃にて10分間インキュベートした。 マウスモノクローナル抗体AUK12−20のL鎖のCDRが移
植されたL鎖V領域をコードするDNAを含有する558bpの
第2PCRの生成物を2.0%低融点アガロースゲルを用いて
精製し、そしてBamH I及びHind IIIにより消化後、pUC1
9ベクターにサブクローニングし、塩基配列を確認し、p
UC−RVL−1220aを得た。得られたL鎖V領域のアミノ酸
配列及びそれをコードするヌクレオチド配列を配列表71
に示す。 次いで、L鎖発現ベクターを構築するため、再構成ヒ
トAUK12−20抗体L鎖V領域を含有するHind III−BamH
I DNA断片を上記プラスミドpUC−RVL−1220aから切り出
し、L鎖発現ベクターHEF−12κ−gκのHind III−Bam
H I部位に挿入し、再構成ヒトAUK12−20抗体L鎖V領域
バージョンaの発現ベクターであるRVL−1220aを得た。 実施例14.再構成ヒトAUK12−20抗体L鎖の発現及び分析 COS細胞での一過性(transient)発現 再構成ヒトAUK12−20抗体L鎖を発現するベクターRVL
−1220a及びキメラAUK12−20抗体H鎖を発現するベクタ
ー、HEF−12h−gγ1(実施例5)によりCOS細胞を同
時形質転換することにより、再構成ヒトAUK12−20抗体
L鎖バージョン「a」の評価を行った。すなわち、COS
細胞を1×107個/mlになるようにphosphate−buffered
saline(PBS)に懸濁し、この細胞浮遊液0.8mlにDNA
(各プラスミドについて10μg)を加えた。Gene Puls
ar装置(BioRad)を用い1,900ボルト(V)、25マイク
ロファラッド(μF)の電気容量にてパルスを与えた。 室温にて10分間の回復期間の後、エレクトロポレーシ
ョンした細胞を、10%のウシ胎児血清(γ−グロブリン
不含)を含有するDMEM培地(GIBCO)20mlに加えた。72
時間のインキュベーションの後、培養上清を集め、遠心
分離して細胞破片を除去し、そして無菌条件下で4℃に
て短時間、又は−20℃にて長時間貯蔵した。 酵素免疫測定法(ELISA)によるヒト様抗体の定量 トランスフェクトされたCOS細胞の培養上清をELISAに
より測定して、キメラ抗体が生産されていることを確認
した。ヒト様抗体を検出するため、プレートをヤギの抗
ヒトIgG(Whole molecule)(Sigma)によりコートし
た。ブロックした後、COS細胞からの培養上清を段階希
釈しそして各ウエルに加えた。 プレートのインキュベーション及び洗浄の後、アルカ
リホスファターゼ−結合ヤギ抗−ヒトIgG(γ鎖特異
的、Sigma)を加えた。インキュベーション及び洗浄の
後、基質緩衝液を加えた。さらにインキュベーションし
た後、反応を停止しそして405nmにおける吸光度を測定
した。標準として精製ヒトIgG(Sigma)を用いた。 ヒトIL−6Rへの結合能を確認するための酵素免疫測定
(ELISA) トランスフェクトされたCOS細胞からの上清をELISAに
より測定して、生産されたヒト様抗体が抗原IL−6Rに結
合し得るか否かを決定した。抗原への結合の検出のた
め、プレートをMT18マウスモノクローナル抗体(参考例
1)でコートした。1% BSAでブロックした後、可溶
性組換えヒトIL−6R(SR344)をプレートに加えた。 プレートを洗浄した後、COS細胞からの培養上清を段
階希釈し、そして該プレートの各ウエルに加えた。イン
キュベーション及び洗浄の後、アルカリホスファターゼ
結合ヤギ抗−ヒトIgGをウエルに加えた。インキュベー
ション及び洗浄の後、基質緩衝液を加えた。インキュベ
ーションの後、反応を停止し、そして405nmにおける吸
光度を測定した。 この結果を図17に示す。再構成ヒトAUK12−20抗体L
鎖バージョン「a」とキメラAUK12−20抗体H鎖の組み
合せによるヒト様抗体は、キメラAUK12−20抗体と同様
にヒトIL−6Rに対する強い結合能を示し、サンプルの希
釈度依存的に405nmにおける吸光度が変化し、サンプル
中にIL−6Rに対する抗体が含まれていることが確認され
た。また、この結果は、再構成ヒトAUK12−20抗体L鎖
のバージョン「a」がキメラAUK12−20抗体L鎖と同様
に抗原結合能を持つことを示している。 実施例15.ヒトサブグループI(HSG I)コンセンサス配
列を用いた再構成ヒトAUK12−20抗体H鎖遺伝子の構築 実施例13で示した方法と同様にして、AUK12−20抗体
H鎖V領域のCDRをヒトサブグループIのコンセンサス
配列をFRとして有する再構成ヒトVHa425(Kettleboroug
hら、Protein Engineering,,773−783,1991)に移植
した。まず、再構成ヒトVHa425(上記文献中、Fig3)を
コードするHind III−BamH I DNA断片をプラスミドHCM
V−RVHa−425−γ1から切り出し、pUC19ベクターのHin
d III−BamH I部位にサブクローニングし、pCU−RVH−4
25aを得た。これを鋳型DNAとして使用した。PCRに用い
る8個のプライマー(A1〜H1)を合成した。プライマー
1220−H1は、CDR1の移植及びThr−28からSer−28の変更
を誘導する様にデザインし、プライマー1220−H3はCDR3
の移植及びSer−94からArg−94への変異を誘導する様に
デザインした。プライマー1220−H1,1220−H2及び1220
−H3は、それぞれ8M尿素を含む12%ポリアクリルアミド
ゲルを用いて精製後、使用した。各プライマーのヌクレ
オチド配列は次の通りである。後方プライマー 配列番号 前方プライマー 配列番号 A1.REVERSE 83 E1.1220−H1b 73 B1.1220−H1 72 F1.1220−H2b 75 C1.1220−H2 74 G1.1220−H3b 77 D1.1220−H3 76 H1.UNIVERSAL 82 PCRの条件は、鋳型DNAとしてpUC−RVH−425aを使用
し、H鎖CDR移植用プライマーとして上記のものを使用
した以外は実施例13に記載したものと同じであった。A1
とE1、B1とF1、C1とG1、及びD1とH1のプライマー対を用
いて第1PCR反応を行い、それぞれ186bp(A1−E1),75bp
(B1−F1),173bp(C1−G1)及び105bp(D1−H1)の各
第1PCR生成物を2.0%の低融点アガロースゲルにて精製
し、次の第2PCR連結反応において使用した。実施例13に
て示した条件に従い、各0.2μgの上記第1PCR生成物を
用いて第2PCR(PCR連結反応を含む)を行い、マウスAUK
12−20抗体のH鎖V領域CDRが移植されたヒトH鎖V領
域を含有する495bpのPCR生成物を得、これを2.0%低融
点アガロースゲルを用いて精製した。そしてBamH I及び
Hind IIIにより消化後、得られたBamH I−Hind III断片
をpUC19ベクターにサブクローニングし、塩基配列を確
認して、pUC−RVH−1220aを得た。 ところで、再構成ヒトAUK12−20抗体H鎖V領域をコ
ードするDNA配列を調らべた結果、スプライスの供与配
列とよく一致する配列が見い出された。この事は、再構
成ヒトPM−1抗体の作成時に問題となった異常なスプラ
イシングを引き起す可能性がある。そこで、この配列を
PCR法により変異させた。変異誘導プライマーとして、S
GI−SP1(配列番号97)及びSGI−SP2(配列番号98)を
合成した。このプライマーは、DNA配列AAG GTG AGCを
DNA配列AAA GCT AGCに変える。PCR反応の条件は、前
記条件と同様に行い、鋳型DNAは50ngのpUC−RVH−1220a
であり、そしてプライマーはSGI−SP1とUNIVERSAL(配
列番号82)、またはSGI−SP2とREVERSE(配列番号83)
のいずれかであった。 2個のPCR反応からのPCR生成物を2%低融点アガロー
スゲルを用いて精製し、そしてPCR連結反応において使
用した。各0.2μgの第1PCR生成物及び5uのVent DNAポ
リメラーゼを含有する98μlのPCR反応液を94℃にて2
分間、50℃にて2分間、及び72℃にて5分間インキュベ
ートし連結反応を行った。そして次に100pmoleずつのUN
IVERSAL及びREVERSEプライマーを加え、50μlの鉱油で
おおった後、94℃にて1分間、50℃にて1分間そして72
℃にて1分間の第2PCRを30サイクル行い、そして次に72
℃にて10分間インキュベートした。第2PCRで得られた49
5bpのDNA断片を2.0%低融点アガロースゲルを用いて精
製し、Hind III及びBamH Iにより消化し、これをpUC19
ベクターにサブクローニングした後、塩基配列を確認し
て、pUC−RVH−1220a−2を得た。 次いで、再構成ヒトAUK12−20抗体H鎖V領域をコー
ドするDNAを含有するHind III−BamH I DNA断片を上記
pUC−RVH−1220a−2より切り出し、H鎖発現ベクターH
EF−12h−gγ1のHind III−BamH I部位に導入し、再
構成ヒトAUK12−20抗体H鎖のバージョンaの発現ベク
ターであるRVH−1220aを得た。 再構成ヒトAUK12−20抗体H鎖V領域の他のバージョ
ン(b〜d)をコードするDNAを作成するために2組の
変異誘発PCRプライマーを合成した。各PCR反応は前記の
反応条件と本質的に同じ条件下で行われた。バージョン
「b」をコードするDNAの作成のため、2種の第1PCRに
おいて、UNIVERSALプライマー(配列番号82)及び変異
誘発プライマー1220H−m1a(配列番号78)、あるいは、
REVERSEプライマー(配列番号83)と変異誘発プライマ
ー1220H−m1b(配列番号79)の各PCRプライマー、並び
に鋳型DNAとしてのpUC−RVH−1220aを用いた。それぞれ
202bp及び323bpの第1PCR生成物を2.0%低融点アガロー
スゲルを用いて精製後、前記の反応条件と同様に第2PCR
(PCR連結反応を含む)を行い、495bpの生成物(バージ
ョン「b」)を得た。これをHind III−BamH Iにより消
化し、そして、pUC19ベクターにサブクローニングし、p
UC−RVH−1220bを得た。 同様にして、変異誘発プライマー1220H−m2a(配列番
号80)、1220H−m2b(配列番号81)及びこの生成物を鋳
型pUC−RVH−1220aを用いてPCR生成物(バージョン
「c」をコードするDNA)を得、Hind III及びBamH Iで
消化し、pUC19ベクターのHind III−BamH I部位に挿入
してpUC−RVH−1220cを得た。さらに、変異誘発プライ
マー1220H−m1a(配列番号78)、1220H−m1b(配列番号
79)及び鋳型としてのpUC−RVH−1220cを用いてPCR生成
物(バージョンd)を得、これをHind III及びBamH Iで
消化してpCU19ベクターのHind III−BamH I部位に挿入
することによりpUC−RVH−1220dを得た。 なお、プラスミドpUC−RVH−1220b中にコードされて
いるの再構成ヒト抗体H鎖V領域バージョン「b」のア
ミノ酸配列及びそれをコードするヌクレオチド配列を配
列番号84に示し、pUC−RVH−1220d中にコードされてい
る再構成ヒトH鎖V領域バージョン「d」のアミノ酸配
列及びそれをコードするヌクレオチド配列を配列表85に
示す。 次いで、再構成ヒトAUK12−20抗体H鎖の各バージョ
ンの発現ベクターを構築するために、再構成ヒトAUK12
−20抗体H鎖V領域をコードするDNAを含むHind III−B
amH I断片をpCU−RVH−1220b,pUC−RVH−1220c、及びpU
C−RVH−1220dより切り出し、H鎖発現ベクターHEF−12
h−gγ1のHind III−BamH I部位に挿入して、各バー
ジョンの発現ベクターRVH−1220b,RVH−1220c、及びRVH
−1220dをそれぞれ得た。 実施例16.再構成ヒトAUK12−20抗体の種々のバージョン
の発現及び分析 再構成ヒトAUK12−20抗体H鎖を発現する4種類のベ
クターの1つ(RVH−1220a,RVH−1220b,RVH−1220c、ま
たはRVH−1220d)及び再構成ヒトAUK12−20抗体L鎖を
発現するベクターRVL−1220aによりCOS細胞を同時形質
転換することにより、再構成ヒトAUK12−20抗体H鎖V
領域の4種類のバージョンを評価した。比較のため、CO
S細胞をキメラAUK12−20抗体L鎖及びH鎖を発現する各
ベクター(HEF−12h−gγ1及びHEF−12κ−gκ)に
よっても同時形質転換した。ヒトIR−6Rへの結合につい
ての測定において、再構成ヒトAUK12−20抗体L鎖と再
構成ヒトAUK12−20抗体H鎖のバージョン「b」、ある
いは再構成ヒトAUK12−20抗体L鎖と再構成ヒトAUK12−
20抗体H鎖のバージョン「d」との組み合せによる再構
成ヒト12−20抗体は、キメラAUK12−20抗体と同等の結
合活性を示した。これらの結果を図18及び図19に示す。 実施例17.ヒト抗体HAXを用いた再構成ヒトAUK12−20抗
体H鎖遺伝子の構築 マウスモノクローナル抗体AUK12−20のH鎖V領域と
最も相同性の高いヒト抗体は、タンパクデータベース
“Leeds"の検索により、HAXであった(J.Immunology 1
39,2496−2501,1987,SLE患者由来B cell hydridoma
21/28の産生する抗体、遺伝子配列はFig.4,5に、アミ
ノ酸配列はFig.6に記載)。再構成ヒトAUK12−20抗体H
鎖V領域の設計を、HAX抗体のFR領域とマウスモノクロ
ーナル抗体AUK12−20のH鎖V領域のCDRを用いて行っ
た。 マウスモノクローナル抗体AUK12−20のH鎖V領域のC
DRを含む再構成ヒトAUK12−20抗体H鎖V領域の第一バ
ージョン(Sle1220Ha)をコードする全DNAは化学合成に
て作成した。すなわち、全長439bpのsle1220Haをコード
するDNAを各々21bpの重複部位を有する90〜94bpの長さ
の6本のオリゴヌクレオチド(sle1220h1〜6;それぞ
れ、配列番号86〜91)に分けて設計した。オリゴヌクレ
オチドの設計にあたり、2次構造の検索を行ない、構造
上に問題のある部位に関して、アミノ酸置換がおきない
様に、コドンの第3塩基を変換した。これらのオリゴヌ
クレオチドの相互関係及び2本鎖合成DNAの完成までの
過程を図20に示す。 PCR法を用いて図20に示す反応を行う。すなわち6本
の合成オリゴヌクレオチドを同一PCR反応チューブに加
え、第1のPCR反応を行う。これにより、2つのオリゴ
ヌクレオチドのアニーリング伸長を行うことができ、さ
らに、4つのオリゴヌクレオチド、または、全長のオリ
ゴヌクレオチドを得ることができる。次に、末端プライ
マーA(配列番号92)及びB(配列番号93)を加え、第
2のPCR反応を行うことで、正しく全長を有するオリゴ
ヌクレオチドのみを増幅することができる。得られた生
成物を精製し、BamH I及びHind IIIにより消化後、pUC1
9ベクターにサブクローニングしてシークエンスを行
う。 具体的には、10mM Tris−HCl(pH8.3),50mM KCl,
0.1mM dATP,0.1mM dGTP,0.1mM dCTP,0.1mM dTTP,1.
5mM MgCl2及び2.5uのDNAポリメラーゼAmpliTaq(Perki
n Elmer Cetus)並びに各オリゴヌクレオチド5pmole
を含有する98μlの反応混合物を94℃1.5分間の変性
後、94℃3分間、50℃2分間、72℃5分間の反応を3サ
イクル行い、次に72℃にて10分間インキュベートした。
反応液に50μMの末端プライマーAおよびBを1μlず
つ加え、80μlの鉱油で覆い、94℃1.5分間の変性後、9
4℃にて1分間、50℃にて1分間、72℃1分間の反応を3
0サイクル行い、続いて72℃で10分間インキュベートし
た。439bpのPCR生成物を1.5%の低融点アガロースゲル
を用いて精製し、制限酵素BamH IおよびHind IIIにより
消化後、pUC19ベクターにサブクローニングして、塩基
配列を確認した。得られたクローンをpUC−RVH−sle122
0Haとした。このプラスミド中にコードされている再構
成ヒトAUK12−20抗体のH鎖V領域バージョン「a」の
アミノ酸配列及びそれをコードするヌクレオチド配列を
配列番号94に示す。 次いで、再構成ヒトAUK12−20(sle1220Ha)抗体H鎖
V領域をコードする遺伝子を含有するHind III−BamH I
DNA断片をpUC−RVH−sle1220Haより切出し、H鎖発現
ベクターHEF−12h−gγ1のHind III−BamH I部位に導
入し、RVH−sle1220Haを得た。 再構成ヒトAUK12−20抗体H鎖V領域の他のバージョ
ン(「b」〜「d」)を作成するため、2つの変異誘発
プライマーsle1220Hm1(配列番号95)、及びsle1220Hm2
(配列番号96)を合成した。各PCR反応では、実施例13
で示されているVent DNAポリメラーゼ及び反応液組成
を用いた。各PCR反応では、バージョン「b」及びバー
ジョン「c」については、鋳型としてのpUC−RVH−sle1
220Ha,50pmoleの変異誘発プライマーsle1220Hm1またはs
le1220Hm2及び50pmoleの末端プライマーBを含有する反
応混合物を94℃1.5分間の変性の後、94℃1分、50℃1
分、72℃1分の30サイクルの反応にかけ、次に72℃で10
分間インキュベートした。235bpまたは178bpの生成物を
1.5%の低融点アガロースゲルを用いて精製し、第2のP
CR反応のプライマーとして使用した。すなわち、50pmol
eの末端プライマーAと、0.2μgのPCR生成物を加え、p
UC−RVH−sle1220Haを鋳型として、第2PCR反応を行い、
439bpの生成物を1.5%低融点アガロースゲルで精製、Ba
mH I及びHind IIIで消化後pUC19ベクターにサブクロー
ニングして、それぞれ再構成ヒトAUK12−20抗体H鎖V
領域バージョン「b」又は「c」をコードするプラスミ
ドpUC−RVH−sle1220Hb又はpUC−RVH−sle1220Hcを得
た。 再構成ヒトAUK12−20抗体H鎖V領域バージョン
「d」をコードするDNAは次の様にして作製した。鋳型
としてのpUC−RVH−sle1220Hbを用いた。変異誘導プラ
イマーsle1220Hm2及び末端プライマーBを50pmoleずつ
用いて第1のPCR反応を30サイクル行った。得られた178
bpのPCR生成物を1.6%の低融点アガロースゲルにより精
製し、第2のPCRのプライマーとして用いた。このプラ
イマーと50pmoleの末端プライマーAを用いて第2のPCR
を行い、439bpのDNA断片を得た。これを、精製し、BamH
I及びHind IIIにて消化後pUC19ベクターにサブクロー
ニングし、ヌクレオチド配列を確認し、pUC−RVH−sle1
220Hdを得た。 次いで、再構成ヒトAUK12−20抗体H鎖の各バージョ
ンの発現ベクターを構築するため、再構成ヒトAUK12−2
0抗体H鎖V領域をコードするDNAを含むBamH I−Hind I
II断片をpUC−RVH−sle1220Hb,pUC−RVH−sle1220Hc、
およびpUC−RVH−sle1220Hdより切り出し、H鎖発現ベ
クターHEF−12h−gγ1のHind III−BamH I部位に挿入
して、各発現ベクター、RVH−sle1220Hb,RVH−sle1220H
cおよびRVH−sle1220Hdをそれぞれ得た。 分析 再構成ヒトAUK12−20抗体H鎖を発現する4種類のベ
クターのうちの1つ(RVH−sle1220Ha,RVH−sle1220Hb,
RVH−sle1220HcまたはRVH−sle1220Hd)および、再構成
ヒトAUK12−20抗体L鎖を発現するベクターRVL−1220a
を用いてCOS細胞を同時形質転換することにより、再構
成ヒトAUK12−20H抗体H鎖V領域の4種類のバージョン
を、IL−6RへのIL−6の結合を阻害する能力について評
価した。この結果を図21〜24に示す。なお、これらの結
果は、生産された抗体をプロテインAによって精製した
後に得られたものである。 上記のごとく、本発明によれば、キメラL鎖もしくは
再構成L鎖又はキメラH鎖もしくは再構成H鎖のV領
域、そして特にFR中の1個又は複数個のアミノ酸を他の
アミノ酸に置換してもなおヒトIL−6Rに結合する能力を
維持している。従って本発明は、その本来の性質を維持
している限り、1個又は複数のアミノ酸が他のアミノ酸
により置換されている、キメラ抗体及び再構成ヒト抗
体、キメラL鎖及び再構成L鎖、キメラH鎖及び再構成
H鎖、再構成L鎖V領域、並びに再構成H鎖V領域、並
びにこれらをコードするDNAをも包含する。 参考例 本発明において使用される出発ハイブリドーマは次の
様にして作製された。 参考例1.ハイブリドーマ MT18の作製 ヒトIL−6Rに対するモノクローナル抗体を生産するハ
イブリドーマを作製するため、免疫原として、細胞表面
にヒトIL−6Rを発現するマウスT細胞を次の様にして作
製した。すなわち、Y.Hirataら、J.Immunol.Vol.143,29
00−2906(1989)に開示されているプラスミドpZipneo
IL−6Rを常法に従ってマウスT細胞系CTLL−2(ATCC
TIB214)にトランスフェクトし、生ずる形質転換体を
常法に従ってG418を用いてスクリーニングすることによ
り細胞あたり約30,000個のヒトIL−6Rを発現する細胞株
を得た。この細胞株をCTBC3と称する。 CTBC3細胞を常法に従ってRPMI1640中で培養し、そし
て培養細胞をPBS緩衝液により4回洗浄し、そして1×1
07個の細胞をC57BL/6マウスに腹腔内注射して免疫感作
した。この免疫感作は1週間に1回6週間にわたって行
った。 この免疫感作されたマウスから脾臓細胞を得、そして
常法に従ってポリエチレングリコールを用いて骨髄腫P3
U1細胞を融合せしめ、そして融合した細胞を次の様にし
てスクリーニングした。IL−6R陰性ヒトT細胞系JURKAT
(ATCC CRL 8163)を、プラスミドpZipneo IL−6Rに
より同時トランスフェクトし、そして形質転換した細胞
をスクリーニングして、細胞当り約100,000個のIL−6R
を発現する細胞系を得た。この細胞系をNJBC8と命名し
た。 NP−40で細胞溶解したNJBC8を認識するがしかしNP−4
0で細胞溶解したJURKATを認識しない抗体を生産するハ
イブリドーマ細胞系をクローン化しそしてMT18と命名し
た。ハイブリドーマMT18は、工業技術院微生物工業技術
研究所にブダペスト条約のもとに1990年7月10日に微工
研条寄第2999号(FERM BP−2999)として寄託された。 参考例2.ハイブリドーマPM1の作製 ヒトIL−6Rに対するモノクローナル抗体を生産するハ
イブリドーマを作製するため、抗原として、ヒトIL−6R
を次の様にして抽出した。3×109個のヒト骨髄腫細胞
(IL−6R生産細胞)を1mlの1%ジギトニン、10mMトリ
エタノールアミン緩衝液(pH7.4),0.15M NaCl及び1mM
PMSF(フェニルメチルスルホニルフルオリド;和光純
薬)中で溶解した。他方、参考例1において調製したハ
イブリドーマMT18により生産されたMT18抗体を、ブロム
シアンで活性化されたセファロース4B(Pharmacia)に
常法に従って結合させた。このMT18抗体結合セファロー
ス4Bを前記の細胞溶解物を混合することにより、セファ
ロース4B上のMT18抗体に前記可溶化したIL−6Rを結合さ
せた。セファロース4Bに非特異的に結合した物質を洗浄
除去し、そしてSepharose4BにMT18抗体を介して結合し
たIL−6Rを免疫原として使用した。 前記の免疫原を用いてBALB/cマウスを1週間に1回4
週間にわたり腹腔内に免疫感作した。次に、この免疫感
作されたマウスから脾臓細胞を得、そして常法に従って
ポリエチレングリコールを用いて骨髄腫細胞P3U1と融合
せしめた。融合した細胞を次のようにしてスクリーニン
グした。まず、培養上清及び0.01mlのProteinGセファロ
ース(Pharmacia)を混合して上清中の免疫グロブリン
をProteinGセファロースに吸着せしめた。他方、35S−
メチオニンにより内部標識された1011個のU266細胞を溶
解し、そしてMT18結合セファロース4Bを用いてIL−6Rを
アフィニティ精製した。次に、35S−メチオニンで標識
されたIL−6Rを、免疫グロブリンが結合している上記の
ProteinGセファロースにより免疫沈降せしめ、そして沈
澱をSDS−PAGEにより分析した。その結果、IL−6Rに特
異的に結合する抗体を生産する1個のハイブリドーマク
ローンを単離し、そしてPM1と命名した。ハイブリドー
マPM1は工業技術院微生物工業技術研究所にブダペスト
条約のもとに1990年7月10日に、微工研条寄第2998号
(FERM BP−2998)として寄託された。 参考例3.ハイブリドーマAUK12−20,AUK64−7及びAUK14
6−15の作製 免疫原として可溶性IL−6R(SR 344)を、Yasukawa,
K.らの、J.Biochem.108,673−676,1990、に記載されて
いる方法に従って調製した。 すなわち、N−末端から345番目のコドンが終止コド
ンにより置換されているIL−6RをコードするcDNAを含有
するプラスミドpECEdhfr344をCHO(5E27)細胞にトラン
スフェクトし、そのトランスフェクトされた細胞を無血
清培地(SF−0培地、三光純薬)中で培養し、そして得
られる上清をHF−Labl系(東ソー)により濃縮しそして
Blue−5PWカラム及びPhenyl−5PWカラムにより精製し
た。精製された可溶性IL−6RはSDS−PAGEで単一バンド
を示した。 雌性BALB/cAnNCrjマウス(日本クレア)に、1回の免
疫原量を10μg/マウスとしてFreundの完全アジュバント
(Bacto Adjuvant Complete H37Ra,Difco)と共に皮
下注射し、そしてそれぞれ最初の注射の2週間及び3週
間後に、Freundの不完全アジュバント(Bacto Adjuvan
t Incomplete Freund,Difco)と共に同量の免疫原を
第二回及び第三回追加免疫として皮下注射した。最終免
疫感作(第四回注射)は第三回注射の1週間後に、アジ
ュバントを使ないで尾静脈内に行った。免疫感作された
マウスから血清試料を採取し、希釈緩衝液により段階的
に希釈し、そしてGoldsmith,P.K.,Analytical Biochem
isty,117,53−60,1981、に記載されている方法に従って
ELISA法により分析した。すなわち、SR344(0.1μg/m
l)によりコートされたプレートを1%BSAによりブロッ
クし、そして前記の希釈された試料をそれに加えた。SR
344に結合したマウスIgGをヤギの抗−マウスIgG/アルカ
リホスファターゼ(A/P)(ZYMED)及びアルカリホスフ
ァターゼ用基質(Sigma−104)を用いて測定した。血清
中の抗−SR344抗体の増加を確認した後、最終免疫感作
から3日後に、5匹のBALB/cマウスから脾臓細胞を得
た。脾臓細胞及び骨髄細胞株(P3U1)を25:1の比率で混
合し、PEG1500を用いて融合し、そして2000個のウエル
中で0.7〜1.1×106細胞/ウエルの細胞濃度で培養し
た。ウエルからの上清を、SR344に結合するそれらの能
力について(R344認識アッセイと称する第一次スクリー
ニング)、及びSR344とIL−6Rとの結合を阻害するそれ
らの能力について(1L−6/s1L6R結合阻害アッセイ(RBI
A)による)スクリーニングした。第一次スクリーニン
グが240個の陽性ウエルをもたらし、そして第二次スク
リーニングが36個の陽性ウエルをもたらした。 上記のSR344認識アッセイは次の様にして行った。ヤ
ギの抗マウスIg(Cappel)(1μg/ml)によりコートさ
れたプレート(MaxiSorp,Nunc)を1%BSAによりブロッ
クし、そして100μl/ウエルのハイブリドーマ培養上清
をそれに添加し、次に室温にて1時間インキュベートし
た。プレートを洗浄した後、20ng/mlのSR344をウエルに
加え、そして室温にて1時間インキュベーションを行っ
た。上清に由来する固定化された抗体により捕捉された
SR344の量を、ラビット抗SR344IgG(#2,5μg/ml)、ヤ
ギの抗ラビットIgG−アルカリホスファターゼ(A/P)
(1:3000,Tago)及び基質(1mg/ml,Sigma−104)の添
加、並びにそれに続く405−600nmでの吸光度の測定によ
り定量した。 前記のRBIAは次の様にして行った。MT18抗体でコート
したプレートを100ng/mlのSR344(100μl/ウエル)で満
たし、そして室温にて1時間インキュベーションを行っ
た。プレートを洗浄した後、50μl/ウエルのハイブリド
ーマ培養上清及び50μl/ウエルのビオチン−IL−6結合
体(20ng/ml)をそれぞれのウエルに同時に加え、そし
てウエルを室温にて1時間インキュベートした。ストレ
プトアビジン−A/P(1:7000,PIERCE)及び対応する基質
(Sigma−104)を添加し、405−600nmでの吸光度を測定
することにより、SR344に結合したビオチン−1L−6の
量を測定した。 最後に、限界希釈法を2回反復することにより陽性ク
ローンを純化し、そしてSR344とIL−6との結合を阻害
する3個のハイブリドーマクローン、すなわちAUK12−2
0,AUK146−15及びAUK64−7;並びにSR344とIL−6との結
合を阻害しないハイブリドーマクローンAUK181−6を得
た。 産業上の利用可能性 本発明はヒトIL−6Rに対する再構成ヒト抗体を提供
し、この抗体においてはヒト抗体のV領域のCDRがヒトI
L−6Rに対するマウスモノクローナル抗体のCDRにより置
き換えられている。この再構成ヒト抗体の大部分がヒト
抗体に由来し、そしてCDRは抗原性が低いから、本発明
の再構成ヒト抗体はヒトに対する抗原性が低く、そして
それ故に療法用として期待される。 ブタペスト条約規則第13規則の2の寄託された微生物へ
の言及 寄託期間:National Collections of Industrial and Ma
rine Bacteria Limited あて名:23St Macher Drive,Aberdeen AB2 1RY,UNITED K
INGDOM 微生物の表示 寄託番号 寄託日 E. coli DH5α pPM−h1 NCIMB 40362 1991年2月12日 E. coli DH5α p12−h2 NCIMB 40363 1991年2月12日 E. coli DH5α p64−h2 NCIMB 40364 1991年2月12日 E. coli DH5α p146−h1 NCIMB 40365 1991年2月12日 E. coli DH5α pPM−k3 NCIMB 40366 1991年2月12日 E. coli DH5α p12−k2 NCIMB 40367 1991年2月12日 E. coli DH5α p64−k4 NCIMB 40368 1991年2月12日 E. coli DH5α p146−k3 NCIMB 40369 1991年2月12日 寄託機関:通商産業省工業技術院微生物工業技術研究所 あて名:日本国茨城県つくば市東1丁目1番3号微生物の表示 寄託番号 寄託日 MT18 FERM BP−2999 1990年7月10日 PM 1 FERM BP−2998 1990年7月10日
【配列表】
配列番号:1 配列の長さ:40 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:合成DNA 配列 配列番号:2 配列の長さ:39 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:合成DNA 配列 配列番号:3 配列の長さ:40 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:合成DNA 配列 配列番号:4 配列の長さ:43 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:合成DNA 配列 配列番号:5 配列の長さ:40 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:合成DNA 配列 配列番号:6 配列の長さ:37 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:合成DNA 配列 配列番号:7 配列の長さ:41 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:合成DNA 配列 配列番号:8 配列の長さ:41 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:合成DNA 配列 配列番号:9 配列の長さ:35 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:合成DNA 配列 配列番号:10 配列の長さ:37 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:合成DNA 配列 配列番号:11 配列の長さ:38 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:合成DNA 配列 配列番号:12 配列の長さ:27 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:合成DNA 配列 配列番号:13 配列の長さ:37 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:合成DNA 配列 配列番号:14 配列の長さ:36 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:合成DNA 配列 配列番号:15 配列の長さ:37 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:合成DNA 配列 配列番号:16 配列の長さ:35 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:合成DNA 配列 配列番号:17 配列の長さ:40 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:合成DNA 配列 配列番号:18 配列の長さ:37 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:合成DNA 配列 配列番号:19 配列の長さ:36 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:合成DNA 配列 配列番号:20 配列の長さ:33 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:合成DNA 配列 配列番号:21 配列の長さ:40 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:合成DNA 配列 配列番号:22 配列の長さ:37 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:合成DNA 配列 配列番号:23 配列の長さ:28 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:合成DNA 配列 配列番号:24 配列の長さ:393 配列の型:核酸 鎖の数:二本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:cDNA 起源 生物名:マウス 直接の起源 クローン:p12−k2 特徴:1..60 sig peptide 61..393 mat peptide 配列 配列番号:25 配列の長さ:405 配列の型:核酸 鎖の数:二本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:cDNA 起源 生物名:マウス 直接の起源 クローン:p12−h2 特徴:1..57 sig peptide 58..405 mat peptide 配列 配列番号:26 配列の長さ:381 配列の型:核酸 鎖の数:二本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:cDNA 起源 生物名:マウス 直接の起源 クローン:pPM−k3 特徴:1..60 sig peptide 61..381 mat peptide 配列 配列番号:27 配列の長さ:411 配列の型:核酸 鎖の数:二本鎖 トポロジー:直鎖状 鎖の数:二本鎖 配列の種類:cDNA 起源 生物名:マウス 直接の起源 クローン:pPM−h1 特徴:1..54 sig peptide 55..411 mat peptide 配列 配列番号:28 配列の長さ:393 配列の型:核酸 鎖の数:二本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:cDNA 起源 生物名:マウス 直接の起源 クローン:p64−k4 特徴:1..60 sig peptide 61..393 mat peptide 配列 配列の番号:29 配列の長さ:417 配列の型:核酸 鎖の数:二本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:cDNA 起源 生物名:マウス 直接の起源 クローン:p64−h2 特徴:1..57 sig peptide 58..417 mat peptide 配列 配列の番号:30 配列の長さ:381 配列の型:核酸 鎖の数:二本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:cDNA 起源 生物名:マウス 直接の起源 クローン:p146−k3 特徴:1..60 sig peptide 61..381 mat peptide 配列 配列番号:31 配列の長さ:402 配列の型:核酸 鎖の数:二本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:cDNA 起源 生物名:マウス 直接の起源 クローン:p146−h1 特徴:1..51 sig peptide 52..402 mat peptide 配列 配列番号:32 配列の長さ:35 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:合成DNA 配列 配列番号:33 配列の長さ:36 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:合成DNA 配列 配列番号:34 配列の長さ:35 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:合成DNA 配列 配列番号:35 配列の長さ:36 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:合成DNA 配列 配列番号:36 配列の長さ:35 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:合成DNA 配列 配列番号:37 配列の長さ:35 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:合成DNA 配列 配列番号:38 配列の長さ:36 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:合成DNA 配列 配列番号:39 配列の長さ:39 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:合成DNA 配列 配列番号:40 配列の長さ:36 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:合成DNA 配列 配列番号:41 配列の長さ:17 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:合成DNA 配列 配列番号:42 配列の長さ:18 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:合成DNA 配列 配列番号:43 配列の長さ:55 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:合成DNA 配列 配列番号:44 配列の長さ:63 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:合成DNA 配列 配列番号:45 配列の長さ:54 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:合成DNA 配列 配列番号:46 配列の長さ:27 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:合成DNA 配列 配列番号:47 配列の長さ:24 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:合成DNA 配列 配列番号:48 配列の長さ:27 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:合成DNA 配列 配列番号:49 配列の長さ:29 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:合成DNA 配列 配列番号:50 配列の長さ:48 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:合成DNA 配列 配列番号:51 配列の長さ:42 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:合成DNA 配列 配列番号:52 配列の長さ:50 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:合成DNA 配列 配列番号:53 配列の長さ:27 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:合成DNA 配列 配列番号:54 配列の長さ:706 配列の型:核酸 鎖の数:二本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:合成 起源 生物名:マウス及びヒト 直接の起源 クローン:pUC−RVh−PM1f 特徴:ヒトIL−6Rに対する再構成ヒト化PM−1抗体のH
鎖V領域バージョン(f)及びそれをコードする遺伝子 アミノ酸−19−−1:leader アミノ酸 1−30:FR1 アミノ酸 31−36:CDR1 アミノ酸 37−50:FR2 アミノ酸 51−66:CDR2 アミノ酸 67−98:FR3 アミノ酸 99−108:CDR3 アミノ酸 109−119:FR4 ヌクレオチド 1−6 Hind III部位 ヌクレオチド 54−135 intron ヌクレオチド 258−348 intron/aberrant splicing ヌクレオチド 505−706 intron ヌクレオチド 701−706 BamH I部位 配列 配列番号:55 配列の長さ:506 配列の型:核酸 鎖の数:二本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:合成DNA 起源 生物名:マウス及びヒト 直接の起源 クローン:pUC−RV1−PM1a 特徴:ヒトIL−6Rに対する再構成ヒト化PM−1抗体のL
鎖V領域バージョン(a)及びそれをコードする遺伝子 アミノ酸−19−−1:leader アミノ酸 1−23:FR1 アミノ酸 24−34:CDR1 アミノ酸 35−49:FR2 アミノ酸 50−56:CDR2 アミノ酸 57−88:FR3 アミノ酸 89−97:CDR3 アミノ酸 98−117:FR4 ヌクレオチド 1−6:Hind III部位 ヌクレオチド 54−135:intron ヌクレオチド 268−376:intron/aberrant splicing ヌクレオチド 469−506:intron ヌクレオチド 501−506:BamH I部位 配列 配列番号:56 配列の長さ:438 配列の型:核酸 鎖の数:二本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:合成DNA 起源 生物名:マウス及びヒト 直接の起源 クローン:pUC−RVh−PM1f−4 特徴:ヒトIL−6Rに対する再構成ヒト化PM−1抗体のH
鎖V領域バージョン(f)及びそれをコードする遺伝子
であって、intronが除去されたもの。 アミノ酸−19−−1:leader アミノ酸 1−30:FR1 アミノ酸 31−36:CDR1 アミノ酸 37−50:FR2 アミノ酸 51−66:CDR2 アミノ酸 67−98:FR3 アミノ酸 99−108:CDR3 アミノ酸 109−119:FR4 ヌクレオチド 1−6:Hind III部位 ヌクレオチド 432−438:BamH I部位 配列 配列番号:57 配列の長さ:402 配列の型:核酸 鎖の数:二本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:合成DNA 起源 生物名:マウス及びヒト 直接の起源 クローン:pUC−RV1−PM1a 特徴:ヒトIL−6Rに対する再構成ヒト化PM−1抗体のL
鎖V領域バージョン(a)及びそれをコードする遺伝子
であって、intronが除去されたもの。 アミノ酸−19−−1:leader アミノ酸 1−23:FR1 アミノ酸 24−34:CDR1 アミノ酸 35−49:FR2 アミノ酸 50−56:CDR2 アミノ酸 57−88:FR3 アミノ酸 89−97:CDR3 アミノ酸 98−107:FR4 ヌクレオチド 1−6:Hind III部位 ヌクレオチド 397−402:BamH I部位 配列 配列番号:58 配列の長さ:36 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:合成DNA 配列 配列番号:59 配列の長さ:32 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:合成DNA 配列 配列番号:60 配列の長さ:30 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:合成DNA 配列 配列番号:61 配列の長さ:33 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:合成DNA 配列 配列番号:62 配列の長さ:33 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:合成DNA 配列 配列番号:63 配列の長さ:30 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:合成DNA 配列 配列番号:64 配列の長さ:30 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:合成DNA 配列 配列番号:65 配列の長さ:66 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:合成DNA 配列 配列番号:66 配列の長さ:15 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:合成DNA 配列 配列番号:67 配列の長さ:48 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:合成DNA 配列 配列番号:68 配列の長さ:15 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:合成DNA 配列 配列番号:69 配列の長さ:48 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:合成DNA 配列 配列番号:70 配列の長さ:15 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:合成DNA 配列 配列番号:71 配列の長さ:414 配列の型:核酸 鎖の数:二本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:合成DNA 起源 生物名:マウス及びヒト 直接の起源 クローン:pUC−RV1−1220a 特徴:ヒトIL−6Rに対する再構成ヒト化AUK12−20抗体
のL鎖V領域バージョン(a)及びそれをコードする遺
伝子であって、intronが除去されたもの。 アミノ酸−19−−1:leader アミノ酸 1−23:FR1 アミノ酸 24−38:CRD1 アミノ酸 39−53:FR2 アミノ酸 54−60:CDR2 アミノ酸 61−92:FR3 アミノ酸 93−101:CDR3 アミノ酸 102−111:FR4 ヌクレオチド 1−6:Hind III部位 ヌクレオチド 408−414:BamH I部位 配列 配列番号:72 配列の長さ:45 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:合成DNA 配列 配列番号:73 配列の長さ:27 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:合成DNA 配列 配列番号:74 配列の長さ:69 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:合成DNA 配列 配列番号:75 配列の長さ:15 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:合成DNA 配列 配列番号:76 配列の長さ:36 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:合成DNA 配列 配列番号:77 配列の長さ:36 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:合成DNA 配列 配列番号:78 配列の長さ:30 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:合成DNA 配列 配列番号:79 配列の長さ:30 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:合成DNA 配列 配列番号:80 配列の長さ:30 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:合成DNA 配列 配列番号:81 配列の長さ:30 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:合成DNA 配列 配列番号:82 配列の長さ:16 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:合成DNA 配列 配列番号:83 配列の長さ:17 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:合成DNA 配列 配列番号:84 配列の長さ:433 配列の型:核酸 鎖の数:二本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:合成DNA 起源 生物名:マウス及びヒト 直接の起源 クローン:pUC−RVh−1220b 特徴:ヒトIL−6Rに対する再構成ヒト化AUK12−20抗体
のH鎖V領域バージョン(b)及びそれをコードする遺
伝子であって、intronが除去されたもの。 アミノ酸 −19−−1:leader アミノ酸 1−30:FR1 アミノ酸 31−35:CDR1 アミノ酸 36−49:FR2 アミノ酸 50−66:CDR2 アミノ酸 67−98:FR3 アミノ酸 99−105:CDR3 アミノ酸 106−116:FR4 ヌクレオチド 1−6:Hind III部位 ヌクレオチド 427−433:BamH I部位 配列 配列番号:85 配列の長さ:433 配列の型:核酸 鎖の数:二本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:合成DNA 起源 生物名:マウス及びヒト 直接の起源 クローン:pUC−RVh−1220d 特徴:ヒトIL−6Rに対する再構成ヒト化AUK12−20抗体
のH鎖V領域バージョン(d)及びそれをコードする遺
伝子であって、intronが除去されたもの。 アミノ酸 −19−−1:leader アミノ酸 1−30:FR1 アミノ酸 31−35:CDR1 アミノ酸 36−49:FR2 アミノ酸 50−66:CDR2 アミノ酸 67−98:FR3 アミノ酸 99−105:CDR3 アミノ酸 106−116:FR4 ヌクレオチド 1−6:Hind III部位 ヌクレオチド 427−433:BamH I部位 配列 配列番号:86 配列の長さ:90 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:合成DNA 配列 配列番号:87 配列の長さ:90 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:合成DNA 配列 配列番号:88 配列の長さ:90 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:合成DNA 配列 配列番号:89 配列の長さ:90 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:合成DNA 配列 配列番号:90 配列の長さ:90 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:合成DNA 配列 配列番号:91 配列の長さ:94 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:合成DNA 配列 配列番号:92 配列の長さ:15 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:合成DNA 配列 配列番号:93 配列の長さ:15 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:合成DNA 配列 配列番号:94 配列の長さ:433 配列の型:核酸 鎖の数:二本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:合成DNA 起源 生物名:マウス及びヒト 直接の起源 クローン:pUC−RVH−1220Ha 特徴:ヒトIL−6Rに対する再構成ヒトAUK12−20抗体の
H鎖V領域バージョン「a」及びそれをコードする遺伝
子。 アミノ酸 −19−−1:leader アミノ酸 1−30:FR1 アミノ酸 31−35:CDR1 アミノ酸 36−49:FR2 アミノ酸 50−66:CDR2 アミノ酸 67−98:FR3 アミノ酸 99−105:CDR3 アミノ酸 109−116:FR4 ヌクレオチド 1−6:Hind III部位 ヌクレオチド 427−433:BamH I部位 配列 配列番号:95 配列の長さ:27 配列の型:核酸 鎖の数:本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:合成DNA 配列 配列番号:96 配列の長さ:27 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:合成DNA 配列 配列番号:97 配列の長さ:30 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:合成DNA 配列 配列番号:98 配列の長さ:30 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:合成DNA 配列
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI //(C12N 15/02 ZNA C12N 15/00 ZNAC C12R 1:91) (C12P 21/08 C12R 1:91) (72)発明者 ジョーンズ,スティーブン タレン イギリス国,ハートフォードシャイヤー ダブリュディー7 8エイチエー,ラ ッドレット,ザ クローズ 10 (72)発明者 サルダナ,ホセ ウィリアム イギリス国,ミドルセックス イーエヌ 1 1ティーイー,エンフィールド,リ ンカーン ウェイ 22 (56)参考文献 欧州特許出願公開2413908(EP,A 1) 欧州特許出願公開2409607(EP,A 1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C12N 15/02 C07K 16/28 C07K 16/46 C12P 21/08 G01N 33/531 CA/BIOSIS/WPIDS/MED LINE(STN) GenBank/EMBL/DDBJ/ SwissProt/PIR/GeneS eq

Claims (47)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】次の構造: FR11−CDR11−FR21−CDR21−FR31−CDR31−FR41 〔式中、CDR11,CDR21及びCDR31は、次の1組のアミノ酸
    配列(SEQ(2)): を有する3個の相補性決定領域(CDR1)の1組を表わ
    し;そして FR11,FR21,FR31及びFR41は、ヒトサブグループI抗体
    (HSG I)のライト(L)鎖可変(V)領域由来の4個
    のフレームワーク領域(FR1)の1組、あるいは前記フ
    レームワーク領域中で1又は数個のアミノ酸の欠失、付
    加及び/又は置換により修飾されており且つフレームワ
    ーク領域の機能を有するフレームワーク領域の1組を表
    わす〕 を有する、ヒトインターロイキン−6(IL−6)レセプ
    ターに対するL鎖V領域。
  2. 【請求項2】次の構造: FR11−CDR11−FR21−CDR21−FR31−CDR31−FR41 〔式中、CDR11,CDR21及びCDR31は、次の1組のアミノ酸
    配列(SEQ(2)): を有する3個の相補性決定領域(CDR1)の1組を表わ
    し;そして FR11,FR21,FR31及びFR41は、ヒトサブグループI抗体
    (HSG I)のライト(L)鎖可変(V)領域由来の4個
    のフレームワーク領域(FR1)の1組、あるいは前記フ
    レームワーク領域中で1又は数個のアミノ酸の欠失、付
    加及び/又は置換により修飾されており且つフレームワ
    ーク領域の機能を有するフレームワーク領域の1組を表
    わす〕 を有し、且つ; 前記のL鎖V領域を含んで成るL鎖と配列番号:56に示
    すアミノ酸配列を有するH鎖V領域を含んで成るH鎖と
    から構成される再構成ヒト抗体が、前記SEQ(2)の配
    列を有するマウスモノクローナル抗体と同等の、ヒトイ
    ンターロイキン−6レセプターに対する結合能を有する
    ことを特徴とするヒトインターロイキン−6(IL−6)
    レセプターに対するL鎖V領域。
  3. 【請求項3】前記HSG IがREI抗体である、請求項1又は
    2に記載のL鎖V領域。
  4. 【請求項4】前記REI抗体中のFR11,FR21,FR31及びFR41
    が、下記SEQ(5)として表わされる1組のアミノ酸配
    列: あるいは上記アミノ酸配列SEQ(5)に対して1又は数
    個のアミノ酸の欠失、付加及び/又は置換により修飾さ
    れており(但し、FR31配列の15番目のPheがTyrにより置
    換されることはない)且つフレームワーク領域の機能を
    有しているアミノ酸配列を有する、請求項1〜3のいず
    れか1項に記載のL鎖V領域。
  5. 【請求項5】配列番号:57に示すアミノ酸配列を有す
    る、請求項1に記載のL鎖V領域。
  6. 【請求項6】(1)請求項1〜5のいずれか1項に記載
    のヒトIL−6レセプターに対する抗体のL鎖V領域;並
    びに (2)ヒト抗体由来の定常(C)領域; を有するヒトIL−6レセプターに対する抗体のL鎖。
  7. 【請求項7】前記C領域がCκである、請求項6に記載
    のL鎖。
  8. 【請求項8】次の構造: FR12−CDR12−FR22−CDR22−FR32−CDR32−FR42 〔式中、CDR12,CDR22及びCDR32は、次の1組のアミノ酸
    配列(SEQ(9)): を有する3個の相補性決定領域の1組を表わし;そして FR12,FR22,FR32及びFR42はヒトサブグループII抗体(HS
    G II)のヘビー(H)鎖V領域由来の4個のフレームワ
    ーク領域(FR2)の1組、あるいは前記フレームワーク
    領域中で1又は数個のアミノ酸の欠失、付加及び/又は
    置換により修飾されており且つフレームワーク領域の機
    能を有するフレームワーク領域の1組を表わす〕 を有する、ヒトIL−6レセプターに対するH鎖V領域。
  9. 【請求項9】次の構造: FR12−CDR12−FR22−CDR22−FR32−CDR32−FR42 〔式中、CDR12,CDR22及びCDR32は、次の1組のアミノ酸
    配列(SEQ(9)): を有する3個の相補性決定領域の1組を表わし;そして FR12,FR22,FR32及びFR42はヒトサブグループII抗体(HS
    G II)のヘビー(H)鎖V領域由来の4個のフレームワ
    ーク領域(FR2)の1組、あるいは前記フレームワーク
    領域中で1又は数個のアミノ酸の欠失、付加及び/又は
    置換により修飾されており且つフレームワーク領域の機
    能を有するフレームワーク領域の1組を表わす〕 を有し、且つ; 前記のH鎖V領域を含んで成るH鎖と配列番号:57に示
    すアミノ酸配列を有するL鎖V領域を含んで成るL鎖と
    から構成される再構成ヒト抗体が、前記SEQ(9)の配
    列を有するマウスモノクローナル抗体と同等の、ヒトイ
    ンターロイキン−6レセプターに対する結合能を有する
    ことを特徴とするヒトIL−6レセプターに対するH鎖V
    領域。
  10. 【請求項10】前記HSG IIがNEW抗体である、請求項8
    又は9に記載のH鎖V領域。
  11. 【請求項11】前記NEW抗体中のFR12,FR22,FR32及びFR4
    2が、SEQ(12)〜SEQ(17)のいずれか1つとして表わ
    される1組のアミノ酸配列: あるいは、上記アミノ酸配列SEQ(12)〜SEQ(17)のい
    ずれかにおいて1〜数個のアミノ酸の欠失、付加及び/
    又は置換により修飾されており且つフレームワーク領域
    としての機能を維持しているアミノ酸配列を有する、請
    求項8〜10のいずれか1項に記載のH鎖V領域。
  12. 【請求項12】配列番号:56に示すアミノ酸配列を有す
    る、請求項11に記載のH鎖V領域。
  13. 【請求項13】(1)請求項8〜12のいずれか1項に記
    載のヒトIL−6レセプターに対する抗体のL鎖V領域;
    並びに (2)ヒト抗体由来のC領域; を有するヒトIL−6レセプターに対する抗体のH鎖。
  14. 【請求項14】前記C領域がCγである、請求項13に記
    載のH鎖。
  15. 【請求項15】(A)請求項6又は7に記載のヒトIL−
    6レセプターに対する抗体のL鎖;並びに (B)請求項13又は14に記載のヒトIL−6レセプターに
    対する抗体のH鎖; を有する、ヒトIL−6レセプターに対する再構成ヒト抗
    体。
  16. 【請求項16】次の構造: FR13−CDR13−FR23−CDR23−FR33−CDR33−FR43 〔式中、CDR13,CDR23及びCDR33は、次の1組のアミノ酸
    配列(SEQ(1)): を有する3個の相補性決定領域の1組を表わし;そして FR13,FR23,FR33及びFR43は、ヒトサブグループI抗体
    (HSG I)のL鎖V領域由来の4個のフレームワーク領
    域(FR3)の1組、あるいは前記フレームワーク領域中
    で1又は数個のアミノ酸の欠失、付加及び/又は置換に
    より修飾されており且つフレームワーク領域の機能を有
    するフレームワーク領域の1組を表わす〕 を有する、ヒトIL−6レセプターに対する抗体のL鎖V
    領域。
  17. 【請求項17】次の構造: FR13−CDR13−FR23−CDR23−FR33−CDR33−FR43 〔式中、CDR13,CDR23及びCDR33は、次の1組のアミノ酸
    配列(SEQ(1)): を有する3個の相補性決定領域の1組を表わし;そして FR13,FR23,FR33及びFR43は、ヒトサブグループI抗体
    (HSG I)のL鎖V領域由来の4個のフレームワーク領
    域(FR3)の1組、あるいは前記フレームワーク領域中
    で1又は数個のアミノ酸の欠失、付加及び/又は置換に
    より修飾されており且つフレームワーク領域の機能を有
    するフレームワーク領域の1組を表わす〕 を有し、且つ; 前記のL鎖V領域を含んで成るL鎖と配列番号:84また
    は85に示すアミノ酸配列を有するH鎖V領域を含んで成
    るH鎖とから構成される再構成ヒト抗体が、前記SEQ
    (1)の配列を有するマウスモノクローナル抗体と同等
    の、ヒトインターロイキン−6レセプターに対する結合
    能を有することを特徴とするヒトIL−6レセプターに対
    するL鎖V領域。
  18. 【請求項18】前記HSG IがREI抗体である、請求項16又
    は17に記載のL鎖V領域。
  19. 【請求項19】前記REI抗体中のFR13,FR23,FR33及びFR4
    3が、SEQ(7)として表わされる1組のアミノ酸配列: あるいは上記アミノ酸配列SEQ(7)において1又は数
    個のアミノ酸の欠失、付加及び/又は置換により修飾さ
    れており且つフレームワーク領域としての機能を維持し
    ているアミノ酸配列を有する、請求項16〜18のいずれか
    1項に記載のL鎖V領域。
  20. 【請求項20】配列番号:71により表わされるアミノ酸
    配列を有する、請求項16に記載のL鎖V領域。
  21. 【請求項21】(1)請求項16〜20のいずれか1項に記
    載のヒトIL−6レセプターに対する抗体のL鎖V領域;
    並びに (2)ヒト抗体由来のC領域; を有する、ヒトIL−6レセプターに対する抗体のL鎖。
  22. 【請求項22】前記C領域がCκである、請求項21に記
    載のL鎖。
  23. 【請求項23】次の構造: FR14−CDR14−FR24−CDR24−FR34−CDR34−FR44 〔式中、CDR14,CDR24及びCDR34は、次の1組のアミノ酸
    配列(SEQ(8)): を有する3個の相補性決定領域の1組を表わし;そして FR14,FR24,FR34及びFR44は、ヒトサブグループI(抗体
    HSG I)のH鎖V領域由来の4個のフレームワーク領域
    (FR4)の1組、あるいは前記フレームワーク領域中で
    1又は数個のアミノ酸の欠失、付加及び/又は置換によ
    り修飾されており且つフレームワーク領域の機能を有す
    るフレームワーク領域の1組を表わす〕 を有する、ヒトIL−6レセプターに対する抗体のH鎖V
    領域。
  24. 【請求項24】次の構造: FR14−CDR14−FR24−CDR24−FR34−CDR34−FR44 〔式中、CDR14,CDR24及びCDR34は、次の1組のアミノ酸
    配列(SEQ(8)): を有する3個の相補性決定領域の1組を表わし;そして FR14,FR24,FR34及びFR44は、ヒトサブグループI抗体
    (HSG I)のH鎖V領域由来の4個のフレームワーク領
    域(FR4)の1組、あるいは前記フレームワーク領域中
    で1又は数個のアミノ酸の欠失、付加及び/又は置換に
    より修飾されており且つフレームワーク領域の機能を有
    するフレームワーク領域の1組を表わす〕 を有し、且つ; 前記のH鎖V領域を含んで成るH鎖と配列番号:71に示
    すアミノ酸配列を有するL鎖V領域を含んで成るL鎖と
    から構成される再構成ヒト抗体が、前記SEQ(8)の配
    列を有するマウスモノクローナル抗体と同等の、ヒトイ
    ンターロイキン−6レセプターに対する結合能を有する
    ことを特徴とするヒトIL−6レセプターに対するH鎖V
    領域。
  25. 【請求項25】前記HSG Iが425抗体である、請求項23又
    は24に記載のH鎖V領域。
  26. 【請求項26】前記HSG IがHAX抗体である、請求項23又
    は24に記載のH鎖V領域。
  27. 【請求項27】前記425抗体中のFR14,FR24,FR34及びFR4
    4が、SEQ(18)〜SEQ(21)のいずれか1つにより表わ
    される1組のアミノ酸配列: あるいは上記アミノ酸配列SEQ(18)〜SEQ(21)のいず
    れかに対して1又は数個のアミノ酸の欠失、付加及び/
    又は置換により修飾されており且つフレームワーク領域
    の機能を維持しているアミノ酸配列を有する、請求項23
    〜25のいずれか1項に記載のH鎖V領域。
  28. 【請求項28】前記HAX抗体中のFR14,FR24,FR34及びFR4
    4が、下記SEQ(22)〜SEQ(25)のいずれか1つとして
    表わされる1組のアミノ酸配列: あるいは上記アミノ酸配列SEQ(22)〜SEQ(25)のいず
    れかに対して1〜数個のアミノ酸の欠失、付加及び/又
    は置換により修飾されており且つフレームワーク領域と
    しての機能を維持しているアミノ酸配列を有する、請求
    項23,24又は26のいずれか1項に記載のH鎖V領域。
  29. 【請求項29】配列番号:84に示すアミノ酸配列を有す
    る、請求項23に記載のH鎖V領域。
  30. 【請求項30】配列番号:85に示すアミノ酸配列を有す
    る、請求項23に記載のH鎖V領域。
  31. 【請求項31】(1)請求項26〜30のいずれか1項に記
    載のヒトIL−6レセプターに対する抗体のH鎖V領域;
    並びに (2)ヒト抗体由来のC領域; を有する、ヒトIL−6レセプターに対する抗体のH鎖。
  32. 【請求項32】前記C領域がCγである、請求項31に記
    載のH鎖。
  33. 【請求項33】(A)請求項21又は22に記載のヒトIL−
    6レセプターに対する抗体のL鎖;並びに (B)請求項31又は32に記載のヒトIL−6レセプターに
    対する抗体のH鎖; を有する、ヒトIL−6レセプターに対する再構成ヒト抗
    体。
  34. 【請求項34】請求項1〜5及び16〜20のいずれか1項
    に記載のL鎖V領域をコードするDNA。
  35. 【請求項35】請求項6,7,21又は22に記載のL鎖をコー
    ドするDNA。
  36. 【請求項36】請求項8〜12及び23〜30のいずれか1項
    に記載のH鎖V領域をコードするDNA。
  37. 【請求項37】請求項13,14,31又は32のいずれか1項に
    記載のH鎖をコードするDNA。
  38. 【請求項38】請求項34に記載のDNAを含んで成るベク
    ター。
  39. 【請求項39】請求項35に記載のDNAを含んで成るベク
    ター。
  40. 【請求項40】請求項36に記載のDNAを含んで成るベク
    ター。
  41. 【請求項41】請求項37に記載のDNAを含んで成るベク
    ター。
  42. 【請求項42】請求項35に記載のDNAと、請求項37に記
    載のDNAとを含んで成るベクター。
  43. 【請求項43】請求項39に記載のベクターと、請求項41
    に記載のベクターとにより形質転換された宿主細胞。
  44. 【請求項44】請求項42に記載のベクターにより形質転
    換された宿主細胞。
  45. 【請求項45】ヒトIL−6レセプターに対する再構成ヒ
    ト抗体の製造方法であって、 請求項43又は44に記載の宿主細胞を培養し;そして 再構成ヒト抗体を採取する; ことを含んで成る方法。
  46. 【請求項46】請求項15又は33に記載の再構成ヒト抗体
    を含んで成るヒトインターロイキン−6レセプター検出
    又は測定用試薬。
  47. 【請求項47】請求項15又は33に記載の再構成ヒト抗体
    を用いることを特徴とするヒトインターロイキン−6レ
    セプターの検出又は測定方法。
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