JP2023520249A - 非経口タンパク質溶液中の可視粒子形成の防止方法 - Google Patents

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Abstract

本発明は、水性タンパク質製剤中の可視粒子の形成を防止する方法、ならびに前記方法で得られる組成物および医薬品を提供する。

Description

本発明は水性タンパク質組成物の分野に関し、具体的には、可視粒子の形成に対して安定化された、非経口用途のための医薬抗体製剤に関する。
発明の背景
界面活性剤は、タンパク質凝集をもたらす可能性がある界面応力から不安定なタンパク質を保護するので、タンパク質製剤における重要な添加物である。モノクローナル抗体(mAb)などのタンパク質は非経口で投与され、そのような製剤における使用が認められている界面活性剤の選択肢は限られている。非経口の抗体調製物における使用が認められている界面活性剤には、ポリソルベート(PS20、PS80)およびポロキサマー188が含まれる(Kishore RS. Part II: Challenges with Excipients - Polysorbate Degradation and Quality, in Challenges in Protein Product Development. AAPS Advances in the Pharmaceutical Sciences Series 38. Warne N and Mahler HC eds. Springer 2018, Switzerland. pp. 25-62(非特許文献1)を参照)。しかし、ポリソルベート(PS20およびPS80)は、酸化分解または酵素・加水分解によって製品の保存期間中に劣化することがある。特に後者では分解産物として遊離脂肪酸(FFA)が生じ、これは、溶液中に沈殿し、その後肉眼不可視もしくは可視の粒子を形成することがある(Tarik A Khan et. al., Protein-Polydimethylsiloxane Particles in Liquid Vial Monoclonal Antibody Formulations Containing Poloxamer 188; J. Pharmaceutical Sciences, published online March 16, 2020(非特許文献2))。
したがって、特に界面活性剤としてポリソルベートを用いるタンパク質水溶液における可視粒子の形成防止、および特に長期保存のための有効な溶液を提供する必要がある。本発明によれば、特定のグレードのPS80により水性タンパク質製剤の長期安定性がもたらされることが発見された。
Kishore RS. Part II: Challenges with Excipients - Polysorbate Degradation and Quality, in Challenges in Protein Product Development. AAPS Advances in the Pharmaceutical Sciences Series 38. Warne N and Mahler HC eds. Springer 2018, Switzerland. pp. 25-62 Tarik A Khan et. al., Protein-Polydimethylsiloxane Particles in Liquid Vial Monoclonal Antibody Formulations Containing Poloxamer 188; J. Pharmaceutical Sciences, published online March 16, 2020
一実施態様で、本発明は、本明細書で定義する界面活性剤として、PS80(98)を含む水性タンパク質製剤を提供する。
別の実施態様では、PS80(98)が水性タンパク質製剤中に、0.01から1%(w/v)、0.01から0.06%(w/v)、0.02から0.05%(w/v)の範囲、または約0.02%(w/v)で存在する。
別の実施態様で、本発明は、水性タンパク質製剤の製造におけるPS80(98)の使用を提供する。
さらに別の実施態様で、本発明は、水性タンパク質製剤中の可視粒子の形成を防止するためのPS80(98)の使用を提供する。
発明の詳細な説明
界面活性剤の分解、とりわけポリソルベート(PS20および/またはPS80)の分解により、遊離脂肪酸(FFA)からなる可視粒子が形成されることは、バイオ医薬品業界において大きな課題であり、このため治療用抗体の非経口調製物といった非経口タンパク質製剤において、界面活性剤の選択肢が限定されている。ポリソルベートの分解による可視粒子の形成ひいてはFFAの放出を、様々な手段によって低減あるいは排除することは、非経口医薬品の品質を公証の保存期間維持するための鍵である。
市販のポリソルベート(PS20および80)は、ソルビタンPOE脂肪酸エステルを主に含む化学的に多様な混合物である。PS80の主な種はソルビタン頭部基を含み、そこから4本のポリオキシエチレン(POE)鎖が延びている。理論的には合計20個のPOEユニットが各頭部基に結合しているが、実際にはより多いかまたは少ないことがある。通常、POEユニットの数はガウス状に分布しており、異種混合物となっている。ソルビタン頭部基に結合している4つのPOE基のうち1~3つは末端で脂肪酸(FA)にエステル化されており、一級アルコールで終端することも可能である。PS80にみられるFAは炭素数14~18の長さであり、鎖に沿って最大3つの二重結合を持つことができる。最も豊富なFAはオレイン酸(≧58%、炭素数18、二重結合1個)であり、次にリノール酸(18%、炭素数18、二重結合2個)である。個々のソルビタン頭部基のFA置換数は、0~4の範囲であり得る。PS80は、FA置換が0~2のイソソルビド頭部基も有する。また、頭部基に結合していないPOE-FAも有意な量存在する(Journal of Pharmaceutical Sciences 109(2020) 633-639)。
驚くべきことに、本発明者らは、存在する他の脂肪酸に対してオレイン酸の含量が少なくとも98%のPS80を使用することで、水性非経口タンパク質製剤中の可視粒子の形成に対する長期安定性がもたらされることを見出した。
SEPPIC社および日油株式会社(NOF)の2つの製造者による種々のグレードのPS80を、市販の抗体調製物中の可視粒子の形成防止能力について比較した。
PS80, Montanox 80 PPI(SEPPIC)
PS80, HX2(NOF)
PS80(NOF)は、本発明による少なくとも98%のオレイン酸を含むPS80である。本書では「PS80(98)」とも示す。
したがって、一実施態様において、本発明は、タンパク質を、薬学的に許容される添加物、例えばバッファー、抗酸化剤を含む安定剤、およびPS80(98)などとともに含む、安定な水性組成物を提供する。
一実施態様において、PS80(98)は、0.01~1%(w/v)、または0.01~0.06%(w/v)、または0.02~0.05%(w/v)、または約0.02%(w/v)の濃度で存在する。
別の実施態様では、上記の組成物であってpHが5から7の範囲である組成物が提供される。一態様では、pHが約6である。
別の実施態様では、本発明は、先に記載の組成物であってタンパク質が抗体である組成物を提供する。一態様では、抗体がモノクローナル抗体である。別の態様では、抗体が、ヒトまたはヒト化モノクローナル単一または二重特異性抗体である。
別の実施態様では、本発明は、先に記載の組成物であって、以下の成分からなる組成物を提供する。180mg/mLのトシリズマブ、20mmol/LのL-ヒスチジン/L-ヒスチジン塩酸塩一水和物、100mmol/LのLアルギニン/L-アルギニン塩酸塩、30mmol/LのL-メチオニン、0.2mg/mLのPS80(98)、pH=6.0。INNトシリズマブを有する抗体は当業者に知られており、例えば商品名ACTEMRA(登録商標)として市販されている。トシリズマブも、例えば国際公開第92/019759号およびK. Sato et. al., Cancer Res 53(4), 1993; 851-856に開示されており、トシリズマブの配列情報もまたCAS登録番号375823-41-9で見ることができる。
別の実施態様では、本発明は、本書に記載するように、医薬の製造、特に非経口タンパク質調製物、より具体的には非経口抗体調製物の製造のためのPS80(98)の使用を提供する。一実施態様において、該非経口調製物は皮下(sc)用途のものである。別の実施態様では、該非経口調製物が静脈内(iv)用途のものである。
別の実施態様では、本発明は、本書に記載するように、非経口タンパク質調製物、特に抗体調製物中の可視粒子の形成を防止するための、PS80(98)の使用を提供する。一実施態様において、該非経口調製物は皮下(sc)用途のものである。別の実施態様では、該非経口調製物が静脈内(iv)用途のものである。
本発明の非経口タンパク質調製物または抗体調製物は、本書に記載するように、PS80(98)の使用により「安定」である。用語「安定」は、承認された貯蔵寿命の終わりまで当該調製物が実質的に可視粒子を含まないままであることを意味する。一態様では、本発明の調製物は、36ヵ月まで、または30ヵ月まで、または24ヵ月まで、または18ヵ月まで可視粒子を生じないままである。非経口タンパク質調製物の安定性は、光(UV照射)、温度、および/または振動などの当業者に周知のパラメータに影響を受け得る。したがって、一態様で、用語「安定」は、本発明の非経口タンパク質調製物または抗体調製物を含む製品の貯蔵について通常推奨される、例えば欧州医薬品庁(EMA)発行の製品特性概要(SmPC)または当該製品の添付文書に記載されている諸条件を含む。一実施態様で、用語「安定」は、36ヵ月まで、または30ヵ月までの貯蔵期間、2℃~8℃の貯蔵温度、および実質的に光から保護されていることを含む。別の実施態様で、用語「安定」は、36ヵ月まで、または30ヵ月までの貯蔵期間、約5℃の貯蔵温度を含む。
本発明によれば、用語「実質的に粒子を含まない」(practically free from particles:pffp)は、バイアルまたはシリンジなどの検査対象容器につき最大で2つの可視粒子、および、そのような容器10個中に最大で4つの可視粒子を含む試料について用いられる。
一実施態様で、用語「可視粒子」は、一種もしくは複数種の遊離脂肪酸、または脂肪酸とポリジメチルシロキサン(PDMS)の混合物を含む非水溶性の粒子であり、外観検査で検知されるものを意味する。一態様で、遊離脂肪酸の種類は、ポリソルベート、特にPS20またはPS80の分解により放出されることが知られている脂肪酸である。外観検査は確率論的な方法であり、単一の可視粒子が少なくとも100μm(40%)または150μm(70%)のサイズで検知される可能性がある(例えば、2011年1月4日にオンラインで公表されたJames A. Melchore, AAPS PharmSciTech; 2011; 12(1): 215?221を参照。)一方、100μm未満といったより小さなサイズ範囲で複数の粒子が存在する場合は、例えば濁りとして認識されることがある。外観検査は、例えば欧州薬局方6.0(章2.9.20."Particulate contamination:visible particles")に記載されるような当業者に周知の手法で実施され得る。
別の実施態様で、本発明は、シリンジまたはバイアルなどの容器中の本書に記載の調製物、例えば水性抗体組成物を含む、医薬剤形を提供する。
用語「添加物」は、対象に対して非毒性である、活性成分以外の医薬組成物または調製物中の成分を指す。添加物は、バッファー、抗酸化剤もしくは保存剤を含む安定剤を含むが、これらに限定されない。
用語「バッファー」は、例えば医薬調製物の開発などの有機化学または薬学の当業者に周知である。本書で使用されるバッファーは、酢酸塩、コハク酸塩、クエン酸塩、アルギニン、ヒスチジン、リン酸塩、トリス、グリシン、アスパラギン酸塩、およびグルタミン酸塩緩衝系を意味する。さらに、この実施形態においては、前記バッファーのヒスチジン濃度は5~50mMである。好ましいバッファーは、遊離ヒスチジン塩基およびヒスチジン-HCl、または酢酸塩、コハク酸塩および/またはアスパラギン酸塩である。さらに、この実施形態においては、前記バッファーのヒスチジン濃度は5~50mMである。
用語「安定剤」は、例えば医薬調製物の開発などの有機化学または薬学の当業者に周知である。本発明による安定剤は、糖、糖アルコール、糖誘導体、またはアミノ酸からなる群から選択される。一態様では、安定剤は、(1)スクロース、トレハロース、シクロデキストリン、ソルビトール、マンニトール、グリシン、または/および(2)メチオニン、および/または(3)アルギニン、またはリジンである。さらに別の態様では、前記安定剤の濃度は、それぞれ、(1)500mMまで、または(2)5~25mM、または/および(3)350mMまでである。
本書で使用される用語「タンパク質」は、任意の治療上関連するポリペプチドを意味する。一実施態様では、タンパク質という用語は抗体を意味する。別の実施態様では、タンパク質という用語はイムノコンジュゲートを意味する。
本書での用語「抗体」は最も広い意味で用いられ、種々の抗体クラスもしくは構造を包含し、モノクローナル抗体、ポリクローナル抗体、多重特異性抗体(例えば二重特異性抗体)、および所望の抗原結合活性を示す限り抗体断片を含むが、これらに限定されない。一実施形態では、これらの抗体のいずれかは、ヒトまたはヒト化されている。一態様では、抗体は、アレムツズマブ(LEMTRADA(登録商標))、アテゾリズマブ(TECENTRIQ(登録商標))、ベバシズマブ(AVASTIN(登録商標))、セツキシマブ(ERBITUX(登録商標))、パニツムマブ(VECTIBIX(登録商標))、ペルツズマブ(OMNITARG(登録商標)、2C4)、トラスツズマブ(HERCEPTIN(登録商標))、トシツモマブ(Bexxar(登録商標))、アブシキシマブ(REOPRO(登録商標))、アダリムマブ(HUMIRA(登録商標))、アポリズマブ、アセリズマブ、アトリズマブ、バピネウズマブ、バシリキシマブ(SIMULECT(登録商標))、バビツキシマブ、ベリムマブ(BENLYSTA(登録商標))、ブリアキヌマブ(briankinumab)、カナキヌマブ(ILARIS(登録商標))、セデリズマブ、セルトリズマブペゴル(CIMZIA(登録商標))、シドフシツズマブ、シドツズマブ、シクスツムマブ、クラザキズマブ、クレネズマブ、ダクリズマブ(ZENAPAX(登録商標))、ダロツズマブ、デノスマブ(PROLIA(登録商標)、XGEVA(登録商標))、エクリズマブ(SOLIRIS(登録商標))、エファリズマブ、エプラツズマブ、エリズマブ、エミシズマブ(HEMLIBRA(登録商標))、フェルビズマブ、フォントリズマブ、ゴリムマブ(SIMPONI(登録商標))、イピリムマブ、イムガツズマブ、インフリキシマブ(REMICADE(登録商標))、ラベツズマブ、レブリキズマブ、レキサツムマブ、リンツズマブ、ルカツムマブ、ルリズマブペゴル、ルムレツズマブ、マパツムマブ、マツズマブ、メポリズマブ、モガムリズマブ、モタビズマブ、モトビズマブ、ムロノマブ、ナタリズマブ(TYSABRI(登録商標))、ネシツムマブ(PORTRAZZA(登録商標))、ニモツズマブ(THERACIM(登録商標))、ノロビズマブ、ヌマビズマブ、オロキズマブ、オマリズマブ(XOLAIR(登録商標))、オナルツズマブ(MetMAbとしても公知)、パリビズマブ(SYNAGIS(登録商標))、パスコリズマブ、ペクフシツズマブ、ペクツズマブ、ペムブロリズマブ(KEYTRUDA(登録商標))、ペキセリズマブ、プリリキシマブ、ラリビズマブ、ラニビズマブ(LUCENTIS(登録商標))、レスリビズマブ、レスリズマブ、レシビズマブ、ロバツムマブ、ロンタリズマブ、ロベリズマブ、ルプリズマブ、サリルマブ、セクキヌマブ、セリバンツマブ、シファリムマブ、シブロツズマブ、シルツキシマブ(SYLVANT(登録商標))、シプリズマブ、ソンツズマブ、タドシズマブ、タリズマブ、テフィバズマブ、トシリズマブ(ACTEMRA(登録商標))、トラリズマブ、ツクシツズマブ、ウマビズマブ、ウルトキサズマブ、ウステキヌマブ(STELARA(登録商標))、ベドリズマブ(ENTYVIO(登録商標))、ビシリズマブ、ザノリムマブ、ザルツムマブから選択される。
「抗体断片」は、インタクトな抗体が結合する抗原に結合し、インタクトな抗体の一部分から構成されるインタクトな抗体以外の分子を指す。抗体断片の例としては、Fv、Fab、Fab’、Fab’-SH、F(ab’)2;ダイアボディ;線状抗体;一本鎖抗体分子(例えばscFvおよびscFab);単一ドメイン抗体(dAb);ならびに、抗体断片から形成した多重特異性抗体が挙げられるが、これらに限定されない。特定の抗体断片の総説としては、Holliger and Hudson, Nature Biotechnology 23:1126-1136(2005)を参照されたい。
抗体の「クラス」は、その重鎖が有する定常ドメインまたは定常領域の種類を指す。抗体には5つの主要なクラス:IgA、IgD、IgE、IgG、およびIgMが存在し、これらのうちのいくつかは、サブクラス(アイソタイプ)、例えば、IgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgA1、およびIgA2にさらに分けられる場合がある。ある特定の態様では、抗体はIgG1アイソタイプのものである。ある特定の態様では、抗体は、Fc領域エフェクター機能を低下させるためにP329G、L234AおよびL235A変異を有するIgG1アイソタイプのものである。他の態様では、抗体はIgG2アイソタイプのものである。ある特定の態様では、抗体は、IgG4抗体の安定性を改善するためにヒンジ領域にS228P変異を有するIgG4アイソタイプのものである。免役グロブリンの異なるクラスに対応する重鎖定常ドメインは、それぞれ、a、d、e、g、およびmと呼ばれる。抗体の軽鎖は、その定常ドメインのアミノ酸配列に基づいて、カッパ(κ)とラムダ(λ)と呼ばれる2つのタイプのうちのいずれかに割り当てることができる。
「ヒト抗体」は、ヒトもしくはヒト細胞により産生された抗体の、またはヒト抗体レパートリーを利用する非ヒト源に由来する抗体のアミノ酸配列、あるいは他のヒト抗体をコードする配列に対応するアミノ酸配列を有する抗体である。ヒト抗体のこの定義は、非ヒト抗原結合残基を含むヒト化抗体を明確に除外する。
「ヒト化」抗体とは、非ヒトCDR由来のアミノ酸残基、およびヒトFR由来のアミノ酸残基を含むキメラ抗体を指す。特定の態様では、ヒト化抗体は、少なくとも1つ、典型的には2つの可変ドメインの全てを実質的に含み、そのドメイン中ではCDRの全てまたは実質的に全てが非ヒト抗体のCDRに対応し、FRの全てまたは実質的に全てがヒト抗体のFRに対応することになる。ヒト化抗体は、場合によって、ヒト抗体由来の抗体定常領域の少なくとも一部を含んでよい。抗体の「ヒト化型」、例えば非ヒト抗体は、ヒト化を経た抗体を指す。
本明細書で使用する用語「超可変領域」または「HVR」とは、配列内で超可変であり、抗原結合特異性を決定する、抗体可変ドメインの領域、例えば「相補性決定領域」(CDR)のそれぞれを意味する。一般に、抗体は6つのCDRを含み、3つがVH中にあり(CDR-H1、CDR-H2、CDR-H3)、3つがVL中にある(CDR-L1、CDR-L2、CDR-L3)。本明細書における例示的なCDRとしては、以下が挙げられる:
(a)アミノ酸残基26~32(L1)、50~52(L2)、91~96(L3)、26~32(H1)、53~55(H2)、および96~101(H3)に生じる超可変ループ((Chothia and Lesk, J. Mol. Biol. 196:901-917(1987));
(b)アミノ酸残基24~34(L1)、50~56(L2)、89~97(L3)、31~35b(H1)、50~65(H2)、および95~102(H3)に生じるCDR(Kabat et al. Sequences of Proteins of Immunological Interest, 5th Ed. Public Health Service, National Institutes of Health, Bethesda, MD(1991));ならびに
(c)アミノ酸残基27c~36(L1)、46~55(L2)、89~96(L3)、30~35b(H1)、47~58(H2)、および93~101(H3)に生じる抗原接触(antigen contact)(MacCallum et al. J. Mol. Biol. 262: 732-745(1996))である。
特に指示がない限り、CDRは、上記のKabat et al.に従い決定される。当業者は、CDRの表記は、上記Chothia、上記McCallum、または、任意の他の科学的に認可された命名システムに従い決定することができることを理解するであろう。
「イムノコンジュゲート」とは、細胞傷害性剤を含むがそれに限定されない、一または複数の異種分子にコンジュゲートされた抗体である。
「個体」または「対象」は、哺乳動物である。哺乳動物には、限定されないが、家畜動物(例えばウシ、ヒツジ、ネコ、イヌ、ウマ)、霊長類(例えばヒト、およびサルなどの非ヒト霊長類)、ウサギ、およびげっ歯類(例えばマウスおよびラット)が含まれる。ある特定の態様では、個体または対象はヒトである。
「単離された」抗体は、その自然環境の成分から分離されたものである。いくつかの態様では、抗体は、例えば、電気泳動(例えば、SDS-PAGE、等電点(IEF)、キャピラリー電気泳動)またはクロマトグラフィー(例えば、イオン交換または逆相HPLC)法によって決定される場合、純度が95%または99%より高くなるまで精製される。抗体純度の評価のための方法の総説については、例えば、Flatman et al.,J.Chromatogr.B 848:79-87(2007)を参照されたい。
「医薬組成物」または「医薬調製物」という用語は、調製物に含まれる有効成分の生物活性が有効になるような形態をしており、かつ、医薬組成物が投与されるであろう対象に対して容認できないほど毒性のある追加の成分を含まない、調製物を指す。
「薬学的に許容される担体」は、有効成分以外の医薬組成物または調製物中の成分であって、対象にとって非毒性である成分を指す。薬学的に許容される担体には、本明細書で定義する添加物が含まれるが、これに限定されない。
A.キメラ抗体およびヒト化抗体
ある特定の態様では、本明細書で提供される抗体はキメラ抗体である。特定のキメラ抗体は、例えば、米国特許第4816567号、およびMorrison et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 81:6851-6855(1984)に記載されている。一例として、キメラ抗体は、非ヒト可変領域(例えば、マウス、ラット、ハムスター、ウサギまたは非ヒト霊長類(サルなど)由来の可変領域)とヒト定常領域とを含む。さらなる例として、キメラ抗体は、クラスまたはサブクラスが親抗体のものから変更されている「クラススイッチ」抗体である。キメラ抗体には、その抗原結合断片も含まれる。
特定の態様において、キメラ抗体はヒト化抗体である。典型的には、非ヒト抗体は、ヒトに対する免疫原性を低減するために、親の非ヒト抗体の特異性とアフィニティーを保持したままヒト化されている。通常、ヒト化抗体は、CDR(またはその一部)が非ヒト抗体に由来する1つ以上の可変ドメインを含み、FR(またはその一部)はヒト抗体配列に由来する。ヒト化抗体はまた、場合によってヒト定常領域の少なくとも一部を含むであろう。いくつかの態様では、ヒト化抗体中のいくつかのFR残基は、例えば、抗体特異性または親和性を回復または改善するために、非ヒト抗体(例えば、CDR残基が由来する抗体)からの対応する残基で置換される。
ヒト化抗体およびその作製方法は、例えば、Almagro and Fransson, Front. Biosci. 13:1619-1633 (2008)、ならびに例えば、Riechmann et al., Nature 332:323~329(1988);Queen et al., Proc. Nat’l Acad. Sci. USA 86:10029-10033 (1989);米国特許第5,821,337号、同第7,527,791号、同第6,982,321号、および同第7,087,409号;Kashmiri et al., Methods 36:25~34(2005)(特異性決定領域(SDR)グラフティングを記載);Padlan、Mol.Immunol.28:489~498(1991)(「リサーフェイシング」を記載);Dall’Acqua et al.,Methods 36:43~60(2005)(「FRシャッフリング」を記載);ならびにOsbourn et al., Methods 36:61~68(2005)およびKlimka et al., Br.J.Cancer、83:252~260(2000)(FRシャッフリングの「ガイドセレクション」アプローチを記載)にさらに記載されている。
ヒト化に用いられ得るヒトフレームワーク領域には、限定されないが、「ベストフィット」法を用いて選択されるフレームワーク領域(例えば、Sims et al. J. Immunol. 151:2296(1993)を参照);軽鎖または重鎖可変領域の特定のサブグループのヒト抗体のコンセンサス配列に由来するフレームワーク領域(例えば、Carter et al. Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 89:4285(1992);およびPresta et al. J. Immunol., 151:2623(1993)を参照);ヒト成熟(体細胞変異)フレームワーク領域またはヒトの生殖細胞系フレームワーク領域(例えば、Almagro and Fransson, Front. Biosci. 13:1619-1633(2008)を参照);およびFRライブラリースクリーニング由来のフレームワーク領域(例えば、Baca et al., J. Biol. Chem. 272:10678-10684(1997)および Rosok et al., J. Biol. Chem. 271:22611-22618(1996)を参照)が含まれる。
B. ヒト抗体
ある特定の態様では、本明細書で提供される抗体はヒト抗体である。ヒト抗体は、当技術分野において既知の様々な技術を用いて生成することができる。ヒト抗体は、van Dijk and van de Winkel, Curr. Opin. Pharmacol. 5: 368-74(2001) およびLonberg, Curr. Opin. Immunol. 20:450-459(2008)に一般的に記載されている。
ヒト抗体は、抗原チャレンジに応答してインタクトなヒト抗体またはヒト可変領域を有するインタクトな抗体を生産するように改変されたトランスジェニック動物に、免疫原を投与することによって調製することができる。このような動物は、典型的には内因性免疫グロブリン遺伝子座を置換するか、または染色体外に存在するか、もしくは動物の染色体にランダムに組み込まれている、ヒト免疫グロブリン遺伝子座の全てまたは一部を含む。このようなトランスジェニックマウスでは、内因性免疫グロブリン遺伝子座は、通常は不活性化されている。トランスジェニック動物からヒト抗体を得る方法の総説については、Lonberg, Nat. Biotech.23:1117-1125(2005)を参照されたい。また、例えば、XENOMOUSETM技術を記載している、米国特許第6075181号および同第6150584号;HuMAB(登録商標)技術を記載している米国特許第5770429号; K-M MOUSE(登録商標)技術を記載している米国特許第7041870号、およびVELOCIMOUSE(登録商標)技術を記載している米国特許出願公開第2007/0061900号も参照されたい。このような動物により生成されるインタクトな抗体由来のヒト可変領域は、例えば、異なるヒト定常領域と組み合わせることにより、さらに改変され得る。
ヒト抗体は、ハイブリドーマに基づく方法によって作製することもできる。ヒトモノクローナル抗体の生産のためのヒト骨髄腫およびマウス-ヒトヘテロ骨髄腫細胞株が記述されている(例えば、Kozbor J. Immunol., 133: 3001(1984); Brodeur et al., Monoclonal Antibody Production Techniques and Applications, pp. 51-63(Marcel Dekker, Inc., New York, 1987);およびBoerner et al., J. Immunol., 147: 86 (1991)を参照)。ヒトB細胞ハイブリドーマ技術を介して生成されたヒト抗体は、Li et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 103:3557-3562(2006)にも記載されている。さらなる方法は、例えば、米国特許第7189826号(ハイブリドーマ細胞株からのモノクローナルヒトIgM抗体の産生を記載)およびNi, Xiandai Mianyixue, 26(4):265-268(2006)(ヒト-ヒトハイブリドーマを記載)に記載されるものを含む。ヒトハイブリドーマ技術(トリオーマ技術)も、Vollmers and Brandlein, Histology and Histopathology, 20(3):927-937(2005)およびVollmers and Brandlein, Methods and Findings in Experimental and Clinical Pharmacology, 27(3):185-91(2005)に記載されている。
ヒト抗体はまた、ヒト由来のファージ・ディスプレイ・ライブラリーから選択される可変ドメイン配列を単離することによって生成することができる。その後、このような可変ドメイン配列を、所望のヒト定常ドメインと組み合わせてもよい。抗体ライブラリーからヒト抗体を選択するための技術を以下に記載する。
C.抗体誘導体
ある特定の態様では、本書で提供される抗体は、当技術分野で公知であり容易に入手可能なさらなる非タンパク質性部分を含むように、さらに改変され得る。抗体の誘導体化に適した部分には水溶性ポリマーが含まれるが、これに限定されない。水溶性ポリマーの非限定的な例には、ポリエチレングリコール(PEG)、エチレングリコール/プロピレングリコールのコポリマー、カルボキシメチルセルロース、デキストラン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリ-1,3-ジオキソラン、ポリ-1,3,6-トリオキサン、エチレン/無水マレイン酸コポリマー、ポリアミノ酸(ホモポリマーまたはランダムコポリマーのいずれか)、およびデキストランまたはポリ(n-ビニルピロリドン)ポリエチレングリコール、プロピレングリコールホモポリマー、プロピレンeオキシド/エチレンオキシドコポリマー、ポリオキシエチル化ポリオール(例えばグリセロール)、ポリビニルアルコール、ならびにこれらの混合物が含まれる(ただし、これらに限定されない)。ポリエチレングリコールプロピオンアルデヒドは水中での安定性のために製造上の利点を有し得る。該ポリマーは、任意の分子量であってよく、分枝状でも非分枝状でもよい。抗体に結合するポリマーの数は変化してもよく、複数のポリマーが結合する場合、それらは同じ分子でも異なる分子でもよい。一般的に、誘導体化に使用されるポリマーの数および/または種類は、改善されるべき抗体の特定の特性または機能、その抗体誘導体が限定条件の下での治療に使用されるかどうかなどを含むがこれらに限定されない考慮事項に基づいて、決定することができる。
D.イムノコンジュゲート
本発明はまた、細胞傷害性剤、化学療法剤、薬物、成長阻害剤、毒素(例えば、タンパク質毒素、細菌、真菌、植物、もしくは動物起源の酵素活性毒素、またはそれらの断片)、または放射性同位体などの一または複数の治療剤にコンジュゲート(化学的に結合)された本書の抗体を含む、イムノコンジュゲートを提供する。
一態様において、イムノコンジュゲートは、前述の治療薬の1つ以上に抗体がコンジュゲートした、抗体薬物コンジュゲート(ADC)である。抗体は典型的には、一または複数の治療薬に、リンカーを使用して接続される。治療剤および薬物ならびにリンカーの例を含むADC技術の概要は、Pharmacol Review 68:3-19(2016)に明記されている。
別の態様において、イムノコンジュゲートは、本明細書に記載されるように、酵素活性毒素またはこれらの断片に結合する抗体を含む。これらは以下に限定されるわけではないが、ジフテリアA鎖、ジフテリア毒素の非結合活性断片、エキソトキシンA鎖(緑膿菌からのもの)、リシンA鎖、アブリンA鎖、モデシンA鎖、αサルシン、シナアブラギリのタンパク質、ジアンチンタンパク質、ヨウシュヤマゴボウのタンパク質(PAPI、PAPII、およびPAP-S)、ツルレイシ阻害剤、クルシン、クロチン、サボンソウ阻害剤、ゲロニン、ミトゲリン、レストリクトシン、フェノマイシン、エノマイシン(enomycin)、ならびにトリコテセンを含む。
別の態様において、イムノコンジュゲートは、放射性原子にコンジュゲートされ、放射性コンジュゲートを形成する、本書に記載される抗体を含む。種々の放射性同位体が、放射性コンジュゲートの製造のために入手可能である。例としては、At211、I131、I125、Y90、Re186、Re188、Sm153、Bi212、P32、Pb212、およびLuの放射性同位体が挙げられる。検出のために用いられるとき、放射性コンジュゲートは、シンチグラフ検査用の放射性原子、例えばtc99mまたはI123、または核磁気共鳴(NMR)イメージング(磁気共鳴イメージング、MRIとしても知られる)のためのスピン標識、例えば、ここでもヨウ素-123、ヨウ素-131、インジウム-111、フッ素-19、炭素-13、窒素-15、酸素-17、ガドリニウム、マンガンまたは鉄等を含む。
抗体と細胞傷害剤とのコンジュゲートは、種々の二官能性タンパク質カップリング剤、例えばN-スクシンイミジル-3-(2-ピリジルジチオ)プロピオネート(SPDP)、スクシンイミジル-4-(N-マレイミドメチル)シクロヘキサン-1-カルボキシレート(SMCC)、イミノチオラン(IT)、イミドエステルの二官能性誘導体(例えばジメチルアジピミダートHCl)、活性エステル(例えばジスクシンイミジルスベレート)、アルデヒド(例えばグルタルアルデヒド)、ビスアジド化合物(例えばビス(p-アジドベンゾイル)ヘキサンジアミン)、ビス-ジアゾニウム誘導体(例えばビス-(p-ジアゾニウムベンゾイル)-エチレンジアミン)、ジイソシアネート(例えばトルエン2,6-ジイソシアネート)、および二活性フッ素化合物(例えば1,5-ジフルオロ-2,4-ジニトロベンゼン)を使用して作製することができる。例えば、リシンイムノトキシンは、Vitetta et al., Science 238:1098(1987)に記載されているようにして調製することができる。炭素-14-標識1-イソチオシアナトベンジル-3-メチルジエチレントリアミン五酢酸(MX-DTPA)は、放射性ヌクレオチドの抗体へのコンジュゲーションのための例示的キレート剤である。国際公開第94/11026号を参照のこと。リンカーは、細胞内において細胞傷害性薬物の放出を容易にする「切断可能リンカー」であってもよい。例えば、酸不安定リンカー、ペプチダーゼ感受性リンカー、感光性リンカー、ジメチルリンカーまたはジスルフィド含有リンカー(Chari et al,Cancer Res.52:127-131(1992);米国特許第5,208,020号)を使用することができる。
本明細書におけるイムノコンジュゲートまたはADCは、限定されないが、市販(例:米国イリノイ州ロックフォードのPierce Biotechnology社から)されている、BMPS、EMCS、GMBS、HBVS、LC-SMCC、MBS、MPBH、SBAP、SIA、SIAB、SMCC、SMPB、SMPH、スルホ-EMCS、スルホ-GMBS、スルホ-KMUS、スルホ-MBS、スルホ-SIAB、スルホ-SMCCおよびスルホ-SMPB、ならびにSVSB(スクシンイミジル-(4-ビニルスルホン)ベンゾエート)を含むがこれらに限定されない架橋試薬を用いて調製されたコンジュゲートを明確に意図している。
E.多重特異性抗体
ある特定の態様では、本明細書で提供される抗体は、多重特異性抗体、例えば、二重特異性抗体である。「多重特異性抗体」は、少なくとも2つの異なる部位、すなわち、異なる抗原上の異なるエピトープまたは同じ抗原上の異なるエピトープに対して結合特異性を有するモノクローナル抗体である。ある特定の態様では、多重特異性抗体は3つ以上の結合特異性を有する。多重特異性抗体は、完全長抗体または抗体断片として調製することができる。
多重特異性抗体を作製するための技法には、限定されないが、異なる特異性を有する2つの免疫グロブリン重鎖-軽鎖ペアの組換え共発現(MilsteinおよびCuello, Nature 305:537(1983)を参照)および「ノブ・イン・ホール」操作(例えば、米国特許第5,731,168号およびAtwell et al., J. Mol. Biol. 270:26(1997)を参照)が含まれる。多重特異性抗体はまた、抗体Fcヘテロ二量体分子を作製するための静電ステアリング効果の操作(例えば、国際公開第2009/089004号を参照);2つ以上の抗体または断片の架橋(例えば、米国特許第4,676,980号、およびBrennan et al., Science, 229: 81(1985)を参照);ロイシンジッパーを使用した二重特異性抗体の産生(例えば、Kostelny et al., J. Immunol., 148(5):1547-1553(1992)および国際公開第2011/034605号を参照);軽鎖のミスペアリング問題を回避するための、一般的な軽鎖技術の使用(例えば国際公開第98/50431号を参照);二重特異性抗体断片を作製するための「ダイアボディ」技術の使用(例えば、Hollinger et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 90:6444-6448(1993)を参照);および一本鎖Fv(sFv)二量体の使用(例えば、Gruber et al., J. Immunol., 152:5368(1994)を参照);および例えばTutt et al. J. Immunol. 147: 60(1991)に記載されている三重特異性抗体の調製によって作製することができる。
例えば、「オクトパス抗体」を含め、3つ以上の抗原結合部位を有する操作抗体、またはDVD-Igもまたここに含まれる(例えば、国際公開第2001/77342号および国際公開第2008/024715号を参照されたい)。3つ以上の抗原結合部位を有する多重特異性抗体の他の例は、国際公開第2010/115589号、国際公開第2010/112193号、国際公開第2010/136172号、国際公開第2010/145792号、および国際公開第2013/026831号に見出すことができる。二重特異性抗体またはその抗原結合断片はまた、2つの異なる抗原または同じ抗原の2つの異なるエピトープに結合する抗原結合部位を含む「二重作用性(Dual Acting)FAb」または「DAF」を含む(例えば、米国特許出願公開第2008/0069820号および国際公開第2015/095539号を参照されたい)。
多重特異性抗体は、同じ抗原特異性の1つ以上の結合アームにドメインクロスオーバーを持つ非対称の形で、すなわちVH/VLドメインを(例えば国際公開第2009/080252号および同第2015/150447号参照)、CH1/CLドメインを(例えば国際公開第2009/080253号参照)、または完全なFabアームを(例えば国際公開第2009/080251号、同第2016/016299号参照、また、Schaefer et al, PNAS, 108(2011) 1187-1191およびKlein at al., MAbs 8(2016) 1010-20も参照)交換することによっても提供され得る。一態様では、多重特異性抗体はクロスFab断片を含む。「クロスFab断片」または「xFab断片」または「クロスオーバーFab断片」との用語は、重鎖および軽鎖の可変領域または定常領域のいずれかが交換されたFab断片を指す。クロスFab断片は、軽鎖可変領域(VL)と重鎖定常領域1(CH1)とで構成されるポリペプチド鎖、および重鎖可変領域(VH)と軽鎖定常領域(CL)とで構成されるポリペプチド鎖を含む。非対称Fabアームは、荷電または非荷電アミノ酸変異をドメインインターフェースに導入して正しいFabペアリングを指示することによって操作することもできる。例えば、国際公開第2016/172485を参照のこと。
多重特異性抗体の種々のさらなる分子フォーマットが、当技術分野で既知であり、本明細書に含まれる(例えば、Spiess et al., Mol Immunol 67(2015) 95-106参照)。
F.組換え方法および組成物
抗体は、例えば米国特許第4816567号に記載されているような組換え方法および組成物を用いて製造することができる。これらの方法のために、抗体をコードする一または複数の単離された核酸が提供される。
天然抗体または天然抗体断片の場合、2つの核酸が必要であり、1つは軽鎖またはその断片用で、もう1つは重鎖またはその断片用である。このような核酸は、抗体のVLを含むアミノ酸配列および/またはVHを含むアミノ酸配列(例えば、抗体の軽鎖および/または重鎖(一または複数))をコードする。これらの核酸は、同じ発現ベクター上、または異なる発現ベクター上にあってもよい。
4つの核酸が必要とされるヘテロ二量体の重鎖を有する二重特異性抗体の場合、1つは第1の軽鎖のため、1つは第1のヘテロモノマーFc領域ポリペプチドを含む第1の重鎖のため、1つは第2の軽鎖のため、および1つは第2のヘテロモノマーFc領域ポリペプチドを含む第2の重鎖のためのものである。4つの核酸は、1つ以上の核酸分子または発現ベクターの中に含まれ得る。このような核酸は、第1のVLを含むアミノ酸配列および/または第1のヘテロモノマーFc領域を含む第1のVHを含むアミノ酸配列および/または第2のVLを含むアミノ酸配列および/または抗体の第2のヘテロモノマーFc領域を含む第2のVHを含むアミノ酸配列(例えば、抗体の第1および/もしくは第2の軽鎖ならびに/または第1および/もしくは第2の重鎖)をコードする。これらの核酸は、同じ発現ベクター上または異なる発現ベクター上にあってもよく、通常、これらの核酸は、2つまたは3つの発現ベクター上に位置しており、すなわち、1つのベクターは、これらの核酸のうち、2つ以上を含んでいてもよい。これらの二重特異性抗体の例は、クロス(Cross)Mabである(例えば、Schaefer,W. et al, PNAS, 108(2011)11187-1191を参照されたい)。例えば、ヘテロ単量体重鎖の一方は、いわゆる「ノブ変異」(T366W、場合によってはこれに加えて、S354CまたはY349Cの一方)を含み、他方は、いわゆる「ホール変異」(T366S、L368AおよびY407V、場合によってはこれらに加えてY349CまたはS354C)を含む(例えばCarter, P. et al., Immunotechnol. 2(1996;73参照)(EUインデックス番号付けによる)。
抗体の組換え産生に関しては、例えば、上述の抗体をコードする核酸が単離され、さらなるクローニングおよび/または宿主細胞内での発現のために、一または複数のベクターに挿入される。このような核酸は、容易に単離することができ、一般的な手順を用いて(例えば、抗体の重鎖と軽鎖をコードする遺伝子に特異的に結合できるオリゴヌクレオチドプローブを使用することによって)配列決定することができる。
抗体をコードするベクターのクローニングまたは発現に適した宿主細胞は、本明細書に記載の原核生物細胞または真核細胞を含む。例えば、特に、グリコシル化およびFcエフェクター機能が必要ない場合には、抗体は細菌内で生産され得る。細菌における抗体断片およびポリペプチドの発現については、例えば、米国特許第5,789,199号、同第5789199号および同第5840523号を参照のこと(大腸菌中の抗体断片の発現を記載しているCharlton, K.A., In: Methods in Molecular Biology, Vol. 248, Lo, B.K.C.(ed.), Humana Press, Totowa, NJ(2003), pp. 245-254も参照)。発現の後、抗体を、可溶性画分において細菌の細胞ペーストから単離し、さらに精製することができる。
原核生物に加えて、グリコシル化経路が「ヒト化」されていて、部分的または完全なヒトのグリコシル化パターンを有する抗体の産生をもたらす、真菌株および酵母株を含めた糸状菌類または酵母などの有用真核微生物も、抗体をコードするベクターのための適切なクローニング宿主または発現宿主である。Gerngross, T.U., Nat. Biotech. 22(2004) 1409-1414;およびLi, H. et al., Nat. Biotech. 24 (2006) 210-215を参照のこと。
(グリコシル化)抗体の発現に適した宿主細胞は、多細胞生物(無脊椎動物および脊椎動物)からも得られる。無脊椎動物細胞の例は、植物細胞および昆虫細胞を含む。多数のバキュロウイルス株が同定されたが、これらは特にヨトウガ細胞のトランスフェクションのために、昆虫細胞と併せて使用され得る。
植物細胞培養を宿主として利用することもできる。例えば、米国特許第5,959,177号、米国特許第6,040,498号、米国特許第6,420,548号、米国特許第7,125,978号および米国特許第6,417,429号(トランスジェニック植物において抗体を産生するためのPLANTIBODIES(商標)技術を記載している)を参照。
脊椎動物細胞も宿主として使用され得る。例えば、懸濁液中で増殖するように適合した哺乳動物細胞株は有用であり得る。有用な哺乳動物宿主細胞株の他の例は、SV40(COS-7)によって形質転換されたサル腎臓CV1株、ヒト胚腎臓株(例えばGraham,F.L. et al.,J.Gen Virol.36(1977)59-74に記載されるような293細胞または293T細胞、ベビーハムスター腎臓細胞(BHK)、マウスセルトリ細胞(例えば、Mather,J.P.,Biol.Reprod.23(1980)243-252に記載されるようなTM4細胞)、サル腎臓細胞(CV1)、アフリカミドリサル腎臓細胞(VERO-76)、ヒト頸部癌腫細胞(HELA)、イヌ腎臓細胞(MDCK)、バッファローラット肝臓細胞(BRL 3A)、ヒト肺細胞(W138)、ヒト肝臓細胞(Hep G2)、マウス乳房腫瘍(MMT 060562)、TRI細胞(例えば、Mather,J.P.et al.,Annals N.Y.Acad.Sci.383(1982)44-68に記載)、MRC5細胞およびFS4細胞である。他の有用な哺乳動物宿主細胞株には、DHFR-CHO細胞を含むチャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞(Urlaub, G. et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 77(1980) 4216-4220);ならびにY0、NS0およびSp2/0などの骨髄腫細胞株が含まれる。抗体産生に適した特定の哺乳動物宿主細胞株の総説については、例えばYazaki, P. およびWu, A.M., Methods in Molecular Biology,248巻, Lo, B.K.C.(編), Humana Press, Totowa, NJ(2004), p. 255-268を参照。
ここで、本発明を、以下の非限定的な実施例によってさらに説明する。
材料および方法
試験用抗体製剤
抗体トシリズマブは中外製薬株式会社より提供された。以下の水性抗体製剤が(pH6.0にて)調製された。
トシリズマブ180mg/mL、
L-ヒスチジン/ L-ヒスチジン塩酸塩一水和物20mmol/L、
L-アルギニン/ L-アルギニン塩酸塩100mmol/L、
L-メチオニン30mmol/L、
PS80(NOFまたはSEPPIC社製のいずれか)0.2mg/mL。
また、PS80(SEPPIC)を含む製剤をロット番号S7D01とし、PS80(NOF、PS80(98))を含む製剤をロット番号S7D02とした(下記表2を参照)。
一次包装材
試験用抗体製剤を、プランジャストッパー付きの1mL刺し込み針式ガラスシリンジに充填した。そのようなガラスシリンジは、例えばNuova Ompi社製(シリンジ:長さ1.0mL、ホウケイ酸ガラス製シリンジ、タイプ1、刺し込み針:27G×1/2インチカニューレ);)、大協精工社製プランジャストッパー付き(RSH 6.75F RSV D 777-7 RB2-40;)により提供される。
安定性試験
各試験用抗体製剤の安定性試験、保存条件、検査時点を表1に示す。試料は、光から保護され水平に保存された。
(表1)安定性試験
Figure 2023520249000001
評価方法
外観検査:
可視粒子の検査は、欧州薬局方6.0(章2.9.20. 「Particulate contamination:visible particles」)に従って実施した。
粒子の同定:
可視粒子の同定は、フーリエ変換赤外分光法(FT-IR)を用いて、粒子の単離後に実施した。
可視粒子の単離工程:
1.プランジャロッドをゆっくりと引き、シリンジのプランジャストッパーを外した。
2.可視粒子を含む溶液をシリンジから採り、清浄なペトリ皿に載せた。
3.キーエンス社製電子顕微鏡VHX-2000で粒子の写真を撮影した。
4.可視粒子をニッケルフィルタに載せた。
5.フィルタ上の粒子を冷水で洗浄した。
6.電子顕微鏡(3.と同じモデル)を用いて粒子の写真を撮影した。
FT-IR分光は、島津製作所製IR PRESTIGE-21を用いて以下の条件で行った。
Figure 2023520249000002
結果
25℃、40℃でそれぞれ12ヵ月、3ヵ月保存した後も、SEPPIC試料とNOF試料には可視粒子が実質的に存在しなかった。5℃での保存の場合、SEPPIC試料では24ヵ月で可視粒子が多く観察され、保存期間が24ヵ月を越えて長くなると、試料中の可視粒子数は顕著に増加した。FT-IRを用いた粒子の同定を24ヵ月、30ヵ月、36ヵ月で行い、粒子の性質が遊離脂肪酸として同定された。一方、NOF試料は、開始時から36ヵ月まで実質的に可視粒子を含まないままであった。観察された可視粒子の概要を表2に示す。
(表2)観察された可視粒子の概要
Figure 2023520249000003
pffpは「実質的に可視粒子を含まない(practiclly free from particles)」を意味する。pffpは、1シリンジあたり最大で2個の可視粒子、および10シリンジあたり最大で4個の可視粒子の試料に用いられる。
さらに別の実施態様で、本発明は、水性タンパク質製剤中の可視粒子の形成を防止するためのPS80(98)の使用を提供する。
[本発明1001]
タンパク質を、薬学的に許容される添加物、例えば、バッファー、抗酸化剤を含む安定剤、およびPS80(98)などとともに含む、安定な水性組成物。
[本発明1002]
PS80(98)が、0.01~1%(w/v)、または0.01~0.06%(w/v)、または0.02~0.05%(w/v)、または約0.02%(w/v)の濃度で存在する、本発明1001の組成物。
[本発明1003]
前記タンパク質が抗体である、本発明1001または1002の組成物。
[本発明1004]
前記抗体が、INNトシリズマブを有する抗体である、本発明1003の組成物。
[本発明1005]
医薬の製造のための、PS80(98)の使用。
[本発明1006]
前記医薬が非経口タンパク質調製物を含む、本発明1005の使用。
[本発明1007]
前記タンパク質が抗体である、本発明1006の使用。
[本発明1008]
前記抗体が、INNトシリズマブを有する抗体である、本発明1007の使用。
[本発明1009]
前記医薬が、30ヵ月まで、または36ヵ月まで安定なままであることをさらに特徴とする、本発明1005~1008のいずれかの使用。
[本発明1010]
非経口タンパク質調製物中に可視粒子が形成されることを防ぐための、PS80(98)の使用。
[本発明1011]
実質的に本明細書に記載される、新規の組成物、方法、および使用。

Claims (11)

  1. タンパク質を、薬学的に許容される添加物、例えば、バッファー、抗酸化剤を含む安定剤、およびPS80(98)などとともに含む、安定な水性組成物。
  2. PS80(98)が、0.01~1%(w/v)、または0.01~0.06%(w/v)、または0.02~0.05%(w/v)、または約0.02%(w/v)の濃度で存在する、請求項1に記載の組成物。
  3. 前記タンパク質が抗体である、請求項1または2に記載の組成物。
  4. 前記抗体が、INNトシリズマブを有する抗体である、請求項3に記載の組成物。
  5. 医薬の製造のための、PS80(98)の使用。
  6. 前記医薬が非経口タンパク質調製物を含む、請求項5に記載の使用。
  7. 前記タンパク質が抗体である、請求項6に記載の使用。
  8. 前記抗体が、INNトシリズマブを有する抗体である、請求項7に記載の使用。
  9. 前記医薬が、30ヵ月まで、または36ヵ月まで安定なままであることをさらに特徴とする、請求項5~8のいずれか一項に記載の使用。
  10. 非経口タンパク質調製物中に可視粒子が形成されることを防ぐための、PS80(98)の使用。
  11. 実質的に本明細書に記載される、新規の組成物、方法、および使用。
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