JP2841608B2 - モノアゾ化合物およびそれを用いて繊維材料を染色または捺染する方法 - Google Patents

モノアゾ化合物およびそれを用いて繊維材料を染色または捺染する方法

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JP2841608B2
JP2841608B2 JP2005224A JP522490A JP2841608B2 JP 2841608 B2 JP2841608 B2 JP 2841608B2 JP 2005224 A JP2005224 A JP 2005224A JP 522490 A JP522490 A JP 522490A JP 2841608 B2 JP2841608 B2 JP 2841608B2
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哲也 宮本
和史 横川
豊 栢根
隆 尾村
尚樹 原田
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Sumitomo Chemical Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本発明はヒドロキシル基及び/又はアミド基を含有す
る材料、特にセルロース繊維、天然又は合成ポリアミド
繊維、ポリウレタン繊維あるいは皮革等、更にはそれら
の混紡繊維を染色及び捺染するに適し、耐光堅牢かつ耐
湿潤堅牢な黄色染色を可能にする改良された化合物、並
びにその適用に関する。
〈従来の技術〉 同一分子内にトリアジニル基および複数個のビニルス
ルホン系反応基を有するモノアゾ化合物としては、特開
昭63−225664公報において公知であるが、染色性能面、
例えばビルドアップ性において不充分であり、更にレベ
ルアップが望まれている。
〈発明が解決しようとする課題〉 従来、種々の反応染料は繊維材料の染色及び捺染の分
野に広く使用されている。しかし現在の技術水準は特定
の染色法に対する適性に関する高い要求水準ならびに染
色物の堅牢性に関する要求の高度化の点からしてまだま
だ十分に満足すべきものではない。
前記した公知の反応染料は、溶解性、染色性能(例え
ばビルドアップ性等)及び堅牢性の面で不十分であり、
更に改良された染料の提供が強く望まれている。
ビルドアップ性に優れることの重要性は、染色方法の
経済性に対する要求レベルがますます高くなってきてい
る今日、極めて重要な要素である。
本発明者らは、上述の公知染料の欠点を改良し、さら
に染料に対して要求される要件を広く満足できる新規な
化合物を見い出す目的で鋭意検討した結果、本発明を完
成した。
〈課題を解決する為の手段〉 本発明は、下記一般式(I) 〔式中、Xは、−NR2R3、−OR4または−SR5を、Z1およ
びZ2は互いに独立に−SO2CH=CH2又は−SO2CH2CH2Z′を
表し、Z′はアルカリの作用で脱離する基を表す。Aは
置換基を有していてもよいフェニレン、ナフチレンまた
はアルキレン基を表す。
R1は水素又は置換されていてもよいアルキル基を表し、
R2およびR3は互いに独立に置換されていてもよいフェニ
ル、ナフチルもしくはベンジル基、水素、或いは、1〜
4個の炭素原子を有するアルコキシ、スルホ、カルボキ
シ、ヒドロキシ、クロロ、フェニル及びスルファートの
群から選ばれる、1又は2個の置換基により置換されて
いてもよい炭素数1〜4のアルキル基を表す。R4は置換
されていてもよいアルキル、フェニル、ナフチルもしく
はベンジル基を表し、R5は水素または置換されていても
よいアルキル、フェニル、ナフチルもしくはベンジル基
を表し、R6は水素、ハロゲン、アルキル基、アルコキシ
基、アシルアミノ基又はウレイド基を表し、R7は水素を
表すが、R7はR6と一緒になって環を形成してもよい。R8
は、水素、アルキル基、アルコキシ基またはスルホ基を
表し、Dは置換されていてもよいフェニレンまたはナフ
チレン基を表す。〕 で示されるモノアゾ化合物およびそれを用いることを特
徴とする繊維材料を染色または捺染する方法を提供する
ものである。
一般式(I)において、Aで表されるフェニレンおよ
びナフチレンとしては、好ましくはメチル、エチル、メ
トキシ、エトキシ、クロロ、ブロモ及びスルホの群から
選ばれる、1又は2個の置換基により置換されていても
よいフェニレン又は、スルホで置換されていてもよいナ
フチレンが例示され、例えば、 (式中、星印で示した結合は、 に通じている結合を意味する。) 等をあげることができる。また、Aで表されるアルキレ
ンとしては下記式、 (式中、星印で示した結合は、 に通じている結合を意味する。alkは1乃至6個の炭素
原子を有するポリメチレン基またはその枝別れ異性体、
R′は水素、塩素、臭素、フッ素、ヒドロキシ、スルフ
ァト、1乃至4個の炭素原子を有するアシルオキシ、シ
アノ、カルボキシ、1乃至5個の炭素原子を有するアル
コキシカルボニルまたはカルバモイル、R″は、水素又
はC1〜6アルキル、alk′は互いに独立に2乃至6個
の炭素原子を有するポリメチレン基またはその枝別れ異
性体を意味し、alk′とR″は互いにメチレン基を通じ
て環を形成してもよい。、nは1乃至6,mは1乃至6の
整数である。)で示される基があげられる。
上記式(a)、(b)および(c)においてalkで表
されるポリメチレン基は好ましくはメチレン、エチレ
ン、メチルメチレン、プロピレン、ブチレンである。
R″としては水素、メチル、エチル、プロピル、イソ
プロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−
ブチル、ペンチル、ヘキシルなどが例示され、好ましく
は水素である。alk′で表されるポリメチレン基は好ま
しくはエチレン、プロピレンまたはブチレンである。
n,mの表す数は好ましくは互いに独立に2、3または
4である。
Dとしては、好ましくはメチル、エチル、メトキシ、
エトキシ、クロロ、ブロモ及びスルホの群から選ばれ
る、1又は2個の置換基により置換されていてもよいフ
ェニレン又は、スルホで置換されていてもよいナフチレ
ンが例示され、例えば、 (式中、星印で示した結合は、−N=N−基に通じてい
る結合を意味する。) 等をあげることができる。
中でも、スルホ基を有するものが好ましく、例えば、 (式中、**で示した結合は前記の意味を有する。) 等をあげることができる。
Z′で示されるアルカリの作用で脱離する基として
は、例えば、硫酸エステル、チオ硫酸エステル、リン酸
エステル、酢酸エステル、ハロゲン等がこれに該当し、
中でも硫酸エステルが好ましい。
R1で示される置換基を有していてもよいアルキルとし
ては、C1〜C4のアルキルが好ましく、置換されていても
よい基としては、ヒドロキシ、シアノ、アルコキシ、ハ
ロゲン、カルバモイル、カルボキシ、アルコキシカルボ
ニル、アルキルカルボニルオキシ、スルホおよびスルフ
ァモイルが好ましい。
特に好ましいR1としては、例えば、水素、メチル、エ
チル、n−プロピル、iso−プロピル、n−ブチル、iso
−ブチル、sec−ブチル、2−ヒドロキシエチル、2−
ヒドロキシプロピル、3−ヒドロキシプロピル、2−ヒ
ドロキシブチル、3−ヒドロキシブチル、4−ヒドロキ
シブチル、2,3−ジヒドロキシプロピル、3,4−ジヒドロ
キシブチル、シアノメチル、2−シアノエチル、3−シ
アノプロピル、メトキシメチル、エトキシメチル、2−
メトキシエチル、2−エトキシエチル、3−メトキシプ
ロピル、3−エトキシプロピル、2−ヒドロキシ−3−
メトキシプロピル、クロロメチル、ブロモメチル、2−
クロロエチル、2−ブロモエチル、3−クロロプロピ
ル、3−ブロモプロピル、4−クロロブチル、4−ブロ
モブチル、カルボキシメチル、2−カルボキシエチル、
3−カルボキシプロピル、4−カルボキシブチル、1,2
−ジカルボキシエチル、カルバモイルメチル、2−カル
バモイルエチル、3−カルバモイルプロピル、4−カル
バモイルブチル、メトキシカルボニルメチル、エトキシ
カルボニルメチル、2−メトキシカルボニルエチル、2
−エトキシカルボニルエチル、3−メトキシカルボニル
プロピル、3−エトキシカルボニルプロピル、4−メト
キシカルボニルブチル、4−エトキシカルボニルブチ
ル、メチルカルボニルオキシメチル、エチルカルボニル
オキシメチル、2−メチルカルボニルオキシエチル、2
−エチルカルボニルオキシエチル、3−メチルカルボニ
ルオキシプロピル、3−エチルカルボニルオキシプロピ
ル、4−メチルカルボニルオキシブチル、4−エチルカ
ルボニルオキシブチル、スルホメチル、2−スルホエチ
ル、3−スルホプロピル、4−スルホブチル、スルファ
モイルメチル、2−スルファモイルエチル、3−スルフ
ァモイルプロピル、4−スルファモイルブチルをあげる
ことができる。中でも特に好ましくは、水素、メチルま
たはエチルである。
R2及びR3で表される置換されていてもよいアルキルと
しては、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、iso
−プロピル、n−ブチル、iso−ブチル、sec−ブチル、
β−ヒドロキシエチル、β−スルファートエチル、β−
スルホエチル、β−メトキシエチル及びβ−カルボキシ
エチル等が挙げられる。
又、R2及びR3で表される置換されていてもよいフェニ
ルとしては、例えば、1〜4個の炭素原子を有するアル
キル、1〜4個の炭素原子を有するアルコキシ、スル
ホ、カルボキシ、クロロ及びブロモの群から選ばれる、
1又は2個の置換基により置換されていてもよいフェニ
ルが好ましい。
中でも特に好ましくは、フェニル、2−、3−又は4
−スルホフェニル、2,4−又は2,5−ジスルホフェニル、
2−、3−又は4−カルボキシフェニル、2−、3−又
は4−クロロフェニル、2−、3−又は4−メチルフェ
ニル及び2−、3−又は4−メトキシフェニル等が挙げ
られる。
又、R2及びR3で表される置換されていてもよいナフチ
ルとしては、例えば、ヒドロキシ、カルボキシ、スル
ホ、1〜4個の炭素原子を有するアルキル、1〜4個の
炭素原子を有するアルコキシ及びクロロの群から選ばれ
る、1,2又は3個の置換基により置換されていてもよい
ナフチルが好ましい。
中でも特に好ましくは、2−、3−、4−、5−、6
−、7−又は8−スルホ−1−ナフチル、1−、5−、
6−、7−又は8−スルホ−2−ナフチル、1,5−、5,7
−、6,8−、4,8−、4,7−、3,8−、4,6−、3,7−又は3,
6−ジスルホ−2−ナフチル、4,6,8−2,4,7−又は3,6,8
−トリスルホ−1−ナフチル、1,5,7−、4,6,8−又は3,
6,8−トリスルホ−2−ナフチル等が挙げられる。
又、R2及びR3で表される置換されていてもよいベンジ
ルとしては、例えば、1〜4個の炭素原子を有するアル
キル、1〜4個の炭素原子を有するアルコキシ、スルホ
及びクロロの群から選ばれる、1又は2個の置換基によ
り置換されていてもよいベンジルが好ましい。
中でも特に好ましくは、ベンジル、2−、3−又は4
−スルホベンジル等が挙げられる。
本発明においては、R2及びR3のいずれか一方が水素、
メチル又はエチルであり、他方がC1〜4アルキル、C
1〜4アルコキシ、スルホ、カルボキシ又はハロゲノで
置換されていてもよいフェニルである場合が染料特性上
特に好ましい。
前記一般式(I)において、Xが−NR2R3であると
き、そのような基を形成するために用いられるHNR2R3
示される化合物としては、例えば、アンモニアあるいは
1−アミノベンゼン、1−アミノ−2−,−3−又は−
4−メチル−ベンゼン、1−アミノ−3,4−又は−3,5−
ジメチルベンゼン、1−アミノ−2−、−3−又は−4
−エチルベンゼン、1−アミノ−2−、−3−又は−4
−メトキシベンゼン、1−アミノ−2−、−3−又は−
4−エトキシベンゼン、1−アミノ−2−、−3−又は
−4−クロルベンゼン、3−又は4−アミノ−フェニル
メタンスルホン酸−2−、3−又は4−アミノベンゼン
スルホン酸、3−メチルアミノベンゼンスルホン酸、3
−エチルアミノベンゼンスルホン酸、4−メチルアミノ
ベンゼンスルホン酸、4−エチルアミノベンゼンルホン
酸、5−アミノベンゼン−1,3−ジスルホン酸、6−ア
ミノベンゼン−1,3−ジスルホン酸、6−アミノベンゼ
ン−1,4−ジスルホン酸、4−アミノベンゼン−1,2−ジ
スルホン酸、4−アミノ−5−メチルベンゼン−1,2−
ジスルホン酸、2−、3−又は4−アミノ安息香酸、5
−アミノベンゼン−1,3−ジカルボン酸、5−アミノ−
2−ヒドロキシベンゼンスルホン酸、4−アミノ−2−
ヒドロキシベンゼンスルホン酸、5−アミノ−2−エト
キシベンゼンスルホン酸、N−メチルアミノベンゼン、
N−エチルアミノベンゼン、1−メチルアミノ−3−又
は−4−メチルベンゼン、1−エチルアミノ−4−クロ
ルベンゼン、1−エチルアミノ−3−又は−4−メチル
ベンゼン、1−(2−ヒドロキシエチル)−アミノ−3
−メチルベンゼン、3−又は4−メチルアミノ安息香
酸、3−又は4−メチルアミノベンゼンスルホン酸、2
−アミノナフタレン−1−スルホン酸、4−アミノナフ
タレン−1−スルホン酸、5−アミノナフタレン−1−
スルホン酸、6−アミノナフタレン−1−スルホン酸、
7−アミノナフタレン−1−スルホン酸、8−アミノナ
フタレン−1−スルホン酸、1−アミノナフタレン−2
−スルホン酸、4−アミノナフタレン−2−スルホン
酸、5−アミノナフタレン−2−スルホン酸、6−アミ
ノナフタレン−2−スルホン酸、7−アミノナフタレン
−2−スルホン酸、7−メチルアミノナフタレン−2−
スルホン酸、7−エチルアミノナフタレン−2−スルホ
ン酸、7−ブチルアミノナフタレン−2−スルホン酸、
7−イソブチルアミノナフタレン−2−スルホン酸、8
−アミノナフタレン−2−スルホン酸、4−アミノナフ
タレン−1,3−ジスルホン酸、5−アミノナフタレン−
1,3−ジスルホン酸、6−アミノナフタレン−1,3−ジス
ルホン酸、7−アミノナフタレン−1,3−ジスルホン
酸、8−アミノナフタレン−1,3−ジスルホン酸、2−
アミノナフタレン−1,5−ジスルホン酸、3−アミノナ
フタレン−1,5−ジスルホン酸、4−アミノナフタレン
−1,5−ジスルホン酸、4−アミノナフタレン−1,6−ジ
スルホン酸、8−アミノナフタレン−1,6−ジスルホン
酸、4−アミノナフタレン−1,7−ジスルホン酸、3−
アミノナフタレン−2,6−ジスルホン酸、4−アミノナ
フタレン−2,6−ジスルホン酸、3−アミノナフタレン
−2,7−ジスルホン酸、4−アミノナフタレン−2,7−ジ
スルホン酸、6−アミノナフタレン−1,3,5−トリスル
ホン酸、7−アミノナフタレン−1,3,5−トリスルホン
酸、4−アミノナフタレン−1,3,6−トリスルホン酸、
7−アミノナフタレン−1,3,6−トリスルホン酸、8−
アミノナフタレン−1,3,6−トリスルホン酸及び4−ア
ミノナフタレン−1,3,7−トリスルホン酸の様な芳香族
アミン、或いはメチルアミン、エチルアミン、n−プロ
ピルアミン、イソプロピルアミン、n−ブチルアミン、
イソブチルアミン、sec−ブチルアミン、ジメチルアミ
ン、ジエチルアミン、メチルエチルアミン、アリルアミ
ン、2−クロロエチルアミン、2−メトキシエチルアミ
ン、2−アミノエタノール、2−メチルアミノエタノー
ル、ビス−(2−ヒドロキシエチル)アミン、2−アセ
チルアミノエチルアミン、1−アミノ−2−プロパノー
ル、3−メトキシプロピルアミン、1−アミノ−3−ジ
メチルアミノプロパン、2−アミノエタンスルホン酸、
アミノメタンスルホン酸、2−メチルアミノエタンスル
ホン酸、3−アミノ−1−プロパンスルホン酸、2−ス
ルファトエチルアミン、アミノ酢酸、メチルアミノ酢
酸、ε−アミノカプロン酸、ベンジルアミン、2−、3
−もしくは4−クロロベンジルアミン、4−メチルベン
ジルアミン、N−メチルベンジルアミン、2−、3−も
しくは4−スルホベンジルアミン、2−フェニルエチル
アミン、1−フェニルエチルアミン、1−フェニル−2
−プロピルアミンの様な脂肪族アミンを挙げることがで
きる。
中でも特に好ましい化合物としては、例えば、アニリ
ン、N−メチルアニリン、N−エチルアニリン、2−、
3−または4−クロロアニリン、N−メチル−2−、−
3−または−4−クロロアニリン、N−エチル−2−、
−3−または−4−クロロアニリン、2−、3−又は4
−メチルアニリン、2−、3−又は4−スルホアニリ
ン、アニリン−2,4−又は−2、5−ジスルホン酸、3
−または4−メチルアミノベンゼンスルホン酸、3−ま
たは4−エチルアミノベンゼンスルホン酸、2−,3−又
は4−カルボキシアニリン、タウリン、N−メチルカウ
リン、モノ−もしくはジ−エタノールアミン等を挙げる
ことができる。
R4及びR5で表される置換されていてもよいアルキルと
しては、例えば1〜4個の炭素原子を有するアルコキ
シ、スルホ、カルボキシ、ヒドロキシ、クロロ、フェニ
ル、シアノ及びスルファートの群から選ばれる、1又は
2個の置換基により置換されていてもよい炭素原子1〜
4個を有するアルキルが好ましい。
中でも好ましくは、メチル、エチル、n−プロピル、
iso−プロピル、n−ブチル、iso−ブチル、sec−ブチ
ル、β−ヒドロキシエチル、β−スルファートエチル、
β−スルホエチル、β−メトキシエチル、β−エトキシ
エチル、β−クロロエチル及びβ−カルボキシエチル等
が挙げられる。
又、R4及びR5で表される置換されていてもよいフェニ
ルとしては、例えば、1〜4個の炭素原子を有するアル
キル、1〜4個の炭素原子を有するアルコキシ、スル
ホ、カルボキシ、クロロ及びブロモの群から選ばれる、
1又は2個の置換基により置換されていてもよいフェニ
ルが好ましい。
中でも特に好ましくは、フェニル、2−、3−又は4
−スルホフェニル、2,4−又は2,5−ジスルホフェニル、
2−、3−又は4−クロロフェニル、2−、3−又は4
−メチルフェニル、及び2−、3−又は4−メトキシフ
ェニル等が挙げられる。
又、R4及びR5で表される置換されていてもよいナフチ
ルとしては、例えば、ヒドロキシ、カルボキシ、スル
ホ、1〜4個の炭素原子を有するアルキル、1〜4個の
炭素原子を有するアルコキシ及びクロロの群から選ばれ
る、1,2又は3個の置換基により置換されていてもよい
ナフチルが好ましい。
中でも特に好ましくは、2−、3−、4−、5−、6
−、7−又は8−スルホ−1−ナフチル、1−、5−、
6−、7−又は8−スルホ−2−ナフチル、1,5−、5,7
−、6,8−、4,8−、4,7−、3,8−、4,6−、3,7−又は3,
6−ジスルホ−2−ナフチル、4,6,8−、2,4,7−又は3,
6,8−トリスルホ−1−ナフチル、1,5,7−、4,6,8−又
は3,6,8−トリスルホ−2−ナフチル等が挙げられる。
又、R4及びR5で表される置換されていてもよいベンジ
ルとしては、例えば、1〜4個の炭素原子を有するアル
キル、1〜4個の炭素原子を有するアルコキシ、スルホ
及びクロロの群から選ばれる、1又は2個の置換基によ
り置換されていてもよいベンジルが好ましい。
中でも特に好ましくは、ベンジル、2−、3−又は4
−スルホベンジル等があげられる。
前記一般式(I)において、Xが−OR4であるとき、
そのような基を形成するために用いられるR4OHで示され
る化合物としは、例えば、フェノール、1−ヒドロキシ
−2−,−3−又は−4−メチルベンゼン、1−ヒドロ
キシ−3,4−又は−3,5−ジメチルベンゼン、1−ヒドロ
キシ−2−,−3−又は−4−エチルベンゼン、1−ヒ
ドロキシ−2−,−3−又は−4−メトキシベンゼン、
1−ヒドロキシ−2−,−3−又は−4−エトキシベン
ゼン、1−ヒドロキシ−2−,−3−又は−4−クロル
ベンゼン、3−又は4−ヒドロキシ−フェニルメタンス
ルホン酸、3−ヒドロキシベンゼンスルホン酸、4−ヒ
ドロキシベンゼンスルホン酸、5−ヒドロキシベンゼン
−1,3−ジスルホン酸、6−ヒドロキシベンゼン−1,4−
ジスルホン酸、4−ヒドロキシベンゼン−1,2−ジスル
ホン酸、4−ヒドロキシ−5−メチルベンゼン−1,2−
ジスルホン酸、3−又は4−ヒドロキシ安息香酸、5−
ヒドロキシベンゼン−1,3−ジカルボン酸、5−ヒドロ
キシ−2−エトキシベンゼンスルホン酸、2−ヒドロキ
シナフタレン−1−スルホン酸、4−ヒドロキシナフタ
レン−1−スルホン酸、5−ヒドロキシナフタレン−1
−スルホン酸、6−ヒドロキシナフタレン−1−スルホ
ン酸、7−ヒドロキシナフタレン−1−スルホン酸、8
−ヒドロキシナフタレン−1−スルホン酸、1−ヒドロ
キシナフタレン−2−スルホン酸、4−ヒドロキシナフ
タレン−2−スルホン酸、5−ヒドロキシナフタレン−
2−スルホン酸、6−ヒドロキシナフタレン−2−スル
ホン酸、7−ヒドロキシナフタレン−2−スルホン酸、
8−ヒドロキシナフタレン−2−スルホン酸、4−ヒド
ロキシナフタレン−1,3−ジスルホン酸、5−ヒドロキ
シナフタレン−1,3−ジスルホン酸、6−ヒドロキシナ
フタレン−1,3−ジスルホン酸、7−ヒドロキシナフタ
レン−1,3−ジスルホン酸、8−ヒドロキシナフタレン
−1,3−ジスルホン酸、2−ヒドロキシナフタレン−1,5
−ジスルホン酸、3−ヒドロキシナフタレン−1,5−ジ
スルホン酸、4−ヒドロキシナフタレン−1,5−ジスル
ホン酸、4−ヒドロキシナフタレン−1,6−ジスルホン
酸、8−ヒドロキシナフタレン−1,6−ジスルホン酸、
4−ヒドロキシナフタレン−1,7−ジスルホン酸、3−
ヒドロキシナフタレン−2,6−ジスルホン酸、4−ヒド
ロキシナフタレン−2,6−ジスルホン酸、3−ヒドロキ
シナフタレン−2,7−ジスルホン酸、4−ヒドロキシナ
フタレン−2,7−ジスルホン酸、6−ヒドロキシナフタ
レン−1,3,5−トリスルホン酸、7−ヒドロキシナフタ
レン−1,3,5−トリスルホン酸、4−ヒドロキシナフタ
レン−1,3,6−トリスルホン酸、7−ヒドロキシナフタ
レン−1,3,6−トリスルホン酸、8−ヒドロキシナフタ
レン−1,3,6−トリスルホン酸及び4−ヒドロキシナフ
タレン−1,3,7−トリスルホン酸の様な芳香族化合物、
或いはメタノール、エタノール、n−プロパノール、イ
ソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、se
c−ブタノール、2−クロロエタノール、2−メトキシ
エタノール、2−エトキシエタノール、3−メトキシプ
ロパノール、3−エトキシプロパノール、2−ヒドロキ
シエタンスルホン酸、3−ヒドキシ−1−プロパンスル
ホン酸、2−シアノエタノール、2−スルファートエタ
ノール、グリコール酸、3−ヒドロキシプロピオン酸、
ベンジルアルコール、2−,3−もしくは4−クロロベン
ジルアルコール、4−メチルベンシルアルコール、2
−,3−もしくは4−スルホベンジルアルコール、2−フ
ェニルエタノール、1−フェニル−2−プロパノールの
様な脂肪族化合物が挙げられ、また、前記一般式(I)
において、Xが−SR5であるとき、そのような基を形成
するために用いられるR5SHとしては、上記化合物のヒド
ロキシがメルカプトである化合物をあげることができ
る。
R6で表される、アシルアミノ基としては、アセチルア
ミノ基、プロピオニルアミノ基、ブチリルアミノ基、メ
チルスルホニルアミノ基等が例示され、好ましいR6とし
ては、アセチルアミノ基、プロピオニルアミノ基および
ウレイド基が挙げられ、特にウレイド基が好ましい。
本発明化合物は遊離酸の形でまたはその塩の形で存在
し、特にアルカリ金属塩およびアルカリ土類金属塩、中
でもソーダ塩、カリ塩、リチウム塩が好ましい。
本発明化合物は、例えば次の様にして製造することが
できる。下記一般式(II) 〔式中、D、R6、R7、R8及びZ1は前記の意味を有す
る。〕 で示される化合物と、下記一般式(III) 〔式中、R1、A及びZ2は前記の意味を有する。〕 で示されるアミン、更に下記一般式(IV)〜(VI) HNR2R3 (IV) HOR4 (V) HSR5 (VI) (式中、R2、R3、R4及びR5は前記の意味を有する。) で示される化合物のいずれかとを、2,4,6−トリハロゲ
ノ−s−トリアジンに任意の順序で縮合させることによ
り、一般式(I)の化合物を得ることができる。
2,4,6−トリハロゲノ−s−トリアジンとの縮合反応
においてはその順序は特に制限されるものではなく、ま
た反応条件も特に制限されないが、一次的には温度−10
℃乃至40℃でpH2乃至9、二次的には温度0乃至70℃でp
H2乃至9、更に三次を行う場合には温度10乃至100℃でp
H2乃至7に調整しながら縮合させて一般式(I)で示さ
れる化合物又はその塩を得ることができる。
原料の2,4,6−トリハロゲノ−s−トリアジンとして
は、特に塩化シアヌルとフッ化シアヌルが好ましい。
本発明における色素母体〔前記一般式(II)における
ビニルスルホン系反応基が水素原子である化合物〕とし
て、例えば、 2−(4′−アミノ−2′−ウレイドフェニルアゾ)ナ
フタレン−1−スルホン酸、 2−(4′−アミノ−2′−ウレイドフェニルアゾ)ナ
フタレン−1,7−ジスルホン酸、 2−(4′−アミノ−2′−ウレイドフェニルアゾ)ナ
フタレン−6−スルホン酸、 2−(4′−アミノ−2′−ウレイドフェニルアゾ)ナ
フタレン−8−スルホン酸、 4−アミノ−2−ウレイドアゾベンゼン−2′−スルホ
ン酸、 2−(4′−アミノ−2′−アセチルアミノフェニルア
ゾ)ナフタレン−1−スルホン酸、 2−(4′−アミノ−2′−アセチルアミノフェニルア
ゾ)ナフタレン−1,7−ジスルホン酸、 2−(4′−アミノ−2′−アセチルアミノフェニルア
ゾ)ナフタレン−6−スルホン酸、 2−(4′−アミノ−2′−アセチルアミノフェニルア
ゾ)ナフタレン−8−スルホン酸、 4−アミノ−2−アセチルアミノアゾベンゼン−2′−
スルホン酸、 2−(4′−アミノ−2′−メチルフェニルアゾ)ナフ
タレン−1−スルホン酸、 2−(4′−アミノ−2′−メチルフェニルアゾ)ナフ
タレン−1,7−ジスルホン酸、 2−(4′−アミノ−2′−メチルフェニルアゾ)ナフ
タレン−6−スルホン酸、 2−(4′−アミノ−2′−メチルフェニルアゾ)ナフ
タレン−8−スルホン酸、 4−アミノ−2−メチルアゾベンゼン−2′−スルホン
酸、 2−(4′−アミノ−2′−メチル−5′−メトキシフ
ェニルアゾ)ナフタレン−1−スルホン酸、 2−(4′−アミノ−2′−メチル−5′−メトキシフ
ェニルアゾ)ナフタレン−1,7−ジスルホン酸、 2−(4′−アミノ−2′−メチル−5′−メトキシフ
ェニルアゾ)ナフタレン−6−スルホン酸、 2−(4′−アミノ−2′−メチル−5′−メトキシフ
ェニルアゾ)ナフタレン−8−スルホン酸、 4−アミノ−2−メチル−5−メトキシアゾベンゼン−
2′−スルホン酸、 2−(4′−アミノ−2′−プロピオニルアミノフェニ
ルアゾ)ナフタレン−1−スルホン酸、 2−(4′−アミノ−2′−プロピオニルアミノフェニ
ルアゾ)ナフタレン−1,7−ジスルホン酸、 2−(4′−アミノ−2′−プロピオニルアミノフェニ
ルアゾ)ナフタレン−6−スルホン酸、 2−(4′−アミノ−2′−ウレイド−5′−メトキシ
フェニルアゾ)ナフタレン−1−スルホン酸、 2−(4′−アミノ−2′−ウレイド−5′−メトキシ
フェニルアゾ)ナフタレン−6−スルホン酸、 2−(4′−アミノ−2′−ウレイド−5′−メトキシ
フェニルアゾ)ナフタレン−1,7−ジスルホン酸、 2−(4′−アミノ−2′−メチル−5′−エトキシフ
ェニルアゾ)ナフタレン−1,7−ジスルホン酸、 2−(4′−アミノ−2′−メチル−5′−エトキシフ
ェニルアゾ)ナフタレン−6−スルホン酸、 2−(4′−アミノ−2′,5′−ジメトキシフェニルア
ゾ)ナフタレン−6−スルホン酸、 2−(4′−アミノ−2′,5′−ジメトキシフェニルア
ゾ)ナフタレン−1−スルホン酸、 1−アミノ−4−(1′−スルホナフト−2′−イルア
ゾ)ナフタレン−8−スルホン酸、 1−アミノ−4−(6′−スルホナフト−2′−イルア
ゾ)ナフタレン−8−スルホン酸、 1−アミノ−4−(1′,7′−ジスルホナフト−2′−
イルアゾ)ナフタレン−8−スルホン酸、 1−アミノ−4−(1′−スルホナフト−2′−イルア
ゾ)ナフタレン−7−スルホン酸、 1−アミノ−4−(6′−スルホナフト−2′−イルア
ゾ)ナフタレン−7−スルホン酸、 1−アミノ−4−(1′−スルホナフト−2′−イルア
ゾ)ナフタレン−6−スルホン酸、 1−アミノ−4−(6′−スルホナフト−2′−イルア
ゾ)ナフタレン−6−スルホン酸、 1−アミノ−4−(8′−スルホナフト−2′−イルア
ゾ)ナフタレン−8−スルホン酸、 2−(4′−アミノ−2′−エチルフェニルアゾ)ナフ
タレン−1−スルホン酸、 2−(4′−アミノ−2′−エチルフェニルアゾ)ナフ
タレン−6−スルホン酸、 2−(4′−アミノ−2′−メトキシフェニルアゾ)ナ
フタレン−1−スルホン酸、 2−(4′−アミノ−2′−メトキシフェニルアゾ)ナ
フタレン−6−スルホン酸、 2−(4′−アミノ−2′−アセチルアミノ−5′−メ
トキシフェニルアゾ)ナフタレン−1−スルホン酸、 2−(4′−アミノ−2′−アセチルアミノ−5′−メ
トキシフェニルアゾ)ナフタレン−6−スルホン酸、 2−(4′−アミノ−2′−アセチルアミノ−5′−メ
トキシフェニルアゾ)ナフタレン−1,7−ジスルホン酸
などが挙げられる。
本発明化合物は、繊維反応性を有し、ヒドロキシ基含
有またはカルボンアミド基含有材料の染色又は捺染に使
用できる。材料は繊維材料の形で、あるいはその混紡材
料の形で使用されるのが好ましい。
ヒドロキシ基含有材料は天然又は合成ヒドロキシ基含
有材料、たとえばセルロース繊維材料又はその再生生成
物及びポリビニルアルコールである。セルロース繊維材
料は木綿、しかもその他の植物繊維、たとえばリネン、
麻、ジュート及びラミー繊維が好ましい。再生セルロー
ス繊維はたとえばビスコース・ステープル及びフィラメ
ントビスコースである。
カルボンアミド基含有材料はたとえば合成及び天然の
ポリアミド及びポリウレタン、特に繊維の形で、たとえ
ば羊毛及びその他の動物毛、絹、皮革、ポリアミド−6,
6、ポリアミド−6、ポリアミド−11及びポリアミド−
4である。
本発明化合物は、上述の材料上に、特に上述の繊維材
料上に、物理的化学的性状に応じた方法で、染色又は捺
染できる。
例えば、セルロース繊維上に吸尽染色する場合、炭酸
ソーダ、第三燐酸ソーダ、苛性ソーダ等の酸結合剤の存
在下、場合により中性塩、例えば芒硝又は食塩を加え、
所望によっては、溶解助剤、浸透剤又は均染剤を併用
し、比較的低い温度で行われる。染料の吸尽を促進する
中性塩は、本来の染色温度に達した後に始めて又はそれ
以前に、場合によっては分割して添加できる。
パジング法に従ってセルロース繊維を染色する場合、
室温又は高められた温度でパッドし乾燥後、スチーミン
グ又は乾熱によって固着できる。
セルロース繊維に対して捺染を行う場合、一相で、例
えば重曹又はその他の酸縮合剤を含有する捺染ペースト
で捺染し、次いで100〜160℃でスチーミングすることに
よって、あるいは二相で、例えば中性又は弱酸性捺染ペ
ーストで捺染し、これを熱い電解質含有アルカリ性浴に
通過させ、又はアルカリ性電解質含有パジング液でオー
バーパジングし、スチーミング又は乾熱処理して実施で
きる。
捺染ペーストには、例えばアルギン酸ソーダ又は澱粉
エーテルのような糊剤又は乳化剤が、所望によっては、
例えば尿素のような通常の捺染助剤かつ(又は)分散剤
と併用して用いられる。
セルロース繊維上に本発明化合物を固定させるに適し
た酸結合剤は、例えばアルカリ金属又はアルカリ土類金
属と無機又は有機酸あるいは加熱状態でアルカリ遊離す
る化合物との水溶性塩基性塩である。特にアルカリ金属
の水酸化物及び弱ないし中程度の強さの無機又は有機酸
のアルカリ金属塩が挙げられ、その内、特にソーダ塩及
びカリ塩が好ましい。このような酸結合剤として、例え
ば苛性ソーダ、苛性カリ、重曹、炭酸ソーダ、蟻酸ソー
ダ、炭酸カリ、第一、第二又は第三燐酸ソーダ、ケイ酸
ソーダ、トリクロロ酢酸ソーダ等が挙げられる。
合成及び天然のポリアミド及びポリウレタン繊維の染
色は、まず酸性ないし弱酸性の染浴からpH値の制御下に
吸尽させ、次に固着させるため中性、場合によりアルカ
リ性のpH値に変化させることによって行える。染色は通
常60〜120℃の温度で行えるが、均染性を達成するため
に通常の均染剤、例えば塩化シアヌルと3倍モルのアミ
ノベンゼンスルホン酸又はアミノナフタレンスルホン酸
との縮合生成物あるいは例えばステアリルアミンとエチ
レンオキサイドとの付加生成物を用いることもできる。
本発明化合物は繊維材料に対する染色及び捺染におい
て優れた性能を発揮する点に特徴がある。特にセルロー
ス繊維材料の染色に好適であり、良好な耐光性と耐汗日
光性、優れた耐湿潤性、たとえば耐洗濯性、耐過酸化洗
濯性、耐塩素性、耐汗性、耐酸加水分解性及び耐アルカ
リ性、更に良好な耐摩擦性と耐アイロン性を有する。
また優れたビルドアップ性、均染性及びウオッシュオ
フ性、さらに良好な溶解性と吸尽・固着性を有する点、
染色温度や染浴比の変動による影響を受けにくく安定し
た品質の染色物が得られる点において特徴を有する。
また、得られた染色物のフイックス処理時や樹脂加工
時における変色が少なく、保存時の塩基性物質との接触
による変が少ないことも特徴である。
以下、実施例により本発明を詳細に説明する。例中、
部および%は夫々重量部および重量%を表す。
実施例1 2−ナフチルアミン−5−β−スルファートエチルス
ルホン−1,7−ジスルホン酸49.1部を常法によりジアゾ
化し、m−ウレイドアニリン15.2部とカップリングさせ
ることで、遊離酸の形で下式で示される化合物を得た。
このモノアゾ化合物に、塩化シアヌル18.4部を常法に
より縮合し、次に1−アミノベンゼン−3−β−スルフ
ァートエチルスルホン28.1部を加えて第2縮合を行い、
さらにアニリン9.3部を第3縮合させ、塩化ナトリウム
で塩析することにより、遊離酸の形で下式で示されるモ
ノアゾ化合物を得た。
実施例2 実施例1において使用した2−ナフチルアミン−5−
β−スルファートエチルスルホン−1,7−ジスルホン
酸、m−ウレイドアニリン、1−アミノベンゼン−3−
β−スルファートエチルスルホン、及びアニリンの代り
に順に下表、第2欄、第3欄、第4欄及び第5欄の化合
物を用いて実施例1と同様に合成し、各々対応するモノ
アゾ化合物を得た。これらの化合物は染色して、下表第
6欄に示す色調の染色物を与えた。
実施例3 2−ナフチルアミン−6−β−スルファートエチルス
ルホン−1−スルホン酸41.1部を常法によりジアゾ化
し、m−ウレイドアニリン15.2部とカップリングさせる
ことで、遊離酸の形で下式で示される化合物を得た。
一方、1−アミノベンゼン−2,5−ジスルホン酸25.3
部と塩化シアヌル18.4部を縮合させた。この縮合部に先
に合成したモノアゾ化合物を縮合させ、次に1−アミノ
ベンゼン−4−β−スルファートエチルスルホン28.1部
を縮合し、塩化ナトリウムで塩析することにより、遊離
酸の形で下式で示されるモノアゾ化合物を得た。
実施例4 実施例3において使用した2−ナフチルアミン−6−
β−スルファートエチルスルホン−1−スルホン酸、m
−ウレイドアニリン、1−アミノベンゼン−2,5−ジス
ルホ酸、及び1−アミノベンゼン−4−β−スルファー
トエチルスルホンの代わりに順に、下表、第2欄、第3
欄、第4欄および第5欄の化合物を用いて実施例3と同
様に合成し、各々対応するモノアゾ化合物を得た。これ
らの化合物は染色して下表、第6欄に示す色調の染色物
を与えた。
実施例5 実施例2の表中、第5欄記載化合物及び、実施例4の
表中、第4欄記載化合物の代わりに、それぞれ以下に示
す化合物を用いて同様に合成を行い、対応するモノアゾ
化合物を得た。
フェノール、フェノール−2−,−3−又は−4−ス
ルホン酸、フェノール−2,4−又は−2,5−ジスルホン
酸、ベンジルアミン、ベンジルアミン−2−,−3−,
又は−4−スルホン酸、タウリン、N−メチルタウリ
ン、β−アラニン、モノ−又はジ−エタノールアミン 実施例6 実施例1〜5に記載の各々のモノアゾ化合物0.1、0.3
及び0.6部を各々水200部に溶解し、芒硝10部と木綿10部
を加え、60℃に昇温し炭酸ソーダ4部を加えて1時間染
色した。水洗、ソーピング、水洗そして乾燥を行い、諸
堅牢度に優れ、良好なビルドアップ性を有する黄色の染
色物が得られた。
実施例7 実施例1〜5に記載の各々のモノアゾ化合物のそれぞ
れを用いて、以下の組成を持つ色糊を作った。
モノアゾ化合物 5部 尿素 5部 アルギン酸ソーダ(5%)元糊 50部 熱湯 25部 重曹 2部 バランス 13部 この色糊をシルケット下加工綿ブロード上に印捺し、
中間乾燥後、100℃で5分間スチーミングを行い、湯洗
い、ソーピング、湯洗いそして乾燥し、諸堅牢度に優れ
た黄色の捺染物が得られた。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 尾村 隆 大阪府大阪市此花区春日出中3丁目1番 98号 住友化学工業株式会社内 (72)発明者 原田 尚樹 大阪府大阪市此花区春日出中3丁目1番 98号 住友化学工業株式会社内 (56)参考文献 特開 平2−228369(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C09B 62/507 - 62/515 CA(STN)

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】遊離酸の形で、下記一般式 〔式中、Xは、−NR2R3、−OR4または−SR5を表し、Z1
    およびZ2は互いに独立に−SO2CH=CH2又は−SO2CH2CH
    2Z′(Z′はアルカリの作用で脱離する基である)を表
    し、Aは置換基を有していてもよいフェニレン、ナフチ
    レンまたはアルキレン基を表し、R1は水素又は置換され
    ていてもよいアルキル基を表し、R2およびR3は互いに独
    立に置換されていてもよいフェニル、ナフチルもしくは
    ベンジル基、水素、或いは、1〜4個の炭素原子を有す
    るアルコキシ、スルホ、カルボキシ、ヒドロキシ、クロ
    ロ、フェニル及びスルファートの群から選ばれる、1又
    は2個の置換基により置換されていてもよい炭素数1〜
    4のアルキル基を表す。R4は置換されていてもよいアル
    キル、フェニル、ナフチルもしくはベンジル基を表し、
    R5は水素または置換されていてもよいアルキル、フェニ
    ル、ナフチルもしくはベンジル基を表し、R6は水素、ハ
    ロゲン、アルキル基、アルコキシ基、アシルアミノ基又
    はウレイド基を表し、R7は水素を表すが、R7はR6と一緒
    になって環を形成してもよい。R8は、水素、アルキル
    基、アルコキシ基またはスルホ基を表し、Dは置換され
    ていてもよいフェニレンまたはナフチレン基を表す。〕 で示されるモノアゾ化合物。
  2. 【請求項2】Dがスルホ基を有し、更に置換されていて
    もよいフェニレンまたはナフチレン基である請求項1に
    記載の化合物。
  3. 【請求項3】R7及びR8が水素、R6がアシルアミノ基又は
    ウレイド基である請求項1または2に記載の化合物。
  4. 【請求項4】Xが−NR2R3であり、R2及びR3が互いに独
    立に、置換されていてもよいフェニル基、水素、或い
    は、1〜4個の炭素原子を有するアルコキシ、スルホ、
    カルボキシ、ヒドロキシ、クロロ、フェニル及びスルフ
    ァートの群から選ばれる、1又は2個の置換基により置
    換されていてもよい炭素数1〜4のアルキル基である請
    求項1〜3のいずれかに記載の化合物。
  5. 【請求項5】Xが−NR2R3であり、R2が水素、メチルま
    たはエチル、R3が置換されていてもよいフェニル基であ
    る請求項1〜3のいずれかに記載の化合物。
  6. 【請求項6】Z1およびZ2が互いに独立に−SO2CH=CH2
    は−SO2CH2CH2OSO3Hである請求項1〜5のいずれかに記
    載の化合物。
  7. 【請求項7】請求項1のモノアゾ化合物を用いることを
    特徴とする繊維材料を染色または捺染する方法。
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