JP2002105350A - ビスアゾ化合物又はその塩、及びそれらの繊維材料への適用 - Google Patents

ビスアゾ化合物又はその塩、及びそれらの繊維材料への適用

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JP2002105350A
JP2002105350A JP2000304633A JP2000304633A JP2002105350A JP 2002105350 A JP2002105350 A JP 2002105350A JP 2000304633 A JP2000304633 A JP 2000304633A JP 2000304633 A JP2000304633 A JP 2000304633A JP 2002105350 A JP2002105350 A JP 2002105350A
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Tamon Itabashi
太門 板橋
Nobutaka Kunimi
信孝 国見
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Sumitomo Chemical Co Ltd
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Sumitomo Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 セルロース繊維を赤色に染色するに有用なビ
スアゾ反応染料の提供。 【解決手段】 式(1)の化合物又はその塩。 【化1】 〔式中、a、bは0又は1、D1はフェニレン系のジア
ゾ成分残基、Z1はビニルスルホン系の繊維反応基等、
2は複素環式基含有繊維反応基を表す。〕

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、繊維材料、特にセ
ルロース系繊維材料を赤色に染色又は捺染するに有用な
ビスアゾ化合物に関する。
【0002】
【従来の技術】繊維材料の染色及び捺染に用いられるビ
スアゾ化合物としては、特表平9−508932号公報
等に記載の染料が公知である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題及び課題を解決するため
の手段】本発明者らは、上記公知の染料に比べて、低塩
濃度での染色性、染色再現性や染色性能(均染性、ビル
ドアップ性、有効染着率及びウォッシュオフ性等)がよ
り良好であり、且つ、各種堅牢度(耐塩素性、耐光性、
耐汗性、耐汗日光性、耐酸加水分解性、耐アルカリ性、
耐洗濯性及び耐過酸化洗濯性等)に優れた染色物を与え
るような反応染料を開発すべく鋭意研究した結果、特定
構造のビスアゾ化合物又はその塩が上記目的を達成する
ことを見出して、本発明を完成するに至った。
【0004】即ち、本発明は、下記式(1)で示される
ビスアゾ化合物又はその塩、及び、該化合物又はその塩
を用いて繊維材料を染色又は捺染する方法を提供するも
のである。
【0005】
【化5】
【0006】〔式中、a及びbは、同一又は相異なり、
0又は1を表し、D1はフェニレン系のジアゾ成分の残
基を表し、Z1は下記式(2a)、(2b)、(2
c)、(2d)又は(2e)
【0007】
【化6】
【0008】{ここで、Zは複素環式の繊維反応基を表
し、R1、R2、R3、R4、R5及びR6は、同一又は相異
なり、水素、置換されていてもよいアルキル又は置換さ
れていてもよいフェニルを表し、A1及びA2は、同一又
は相異なり、脂肪族系の連結基を表し、A3は芳香族系
の連結基を表し、Y1、Y2、Y3及びY4は、同一又は相
異なり、−CH=CH2又は−CH2CH2Lを表し、L
はアルカリの作用で脱離する基であり、X1及びX2は、
同一又は相異なり、フルオロ、クロロ、置換されていて
もよいピリジニオ、或いは、下記式(3a)、(3
b)、(3c)又は(3d)
【0009】
【化7】
【0010】(式中、R7、R8、R9及びR10は、同一
又は相異なり、水素、置換されていてもよいアルキル、
置換されていてもよいシクロアルキル、置換されていて
もよいフェニル又は置換されていてもよいナフチルを表
し、Qは−CH2−、−O−、−S−、−SO2−又は−
NR11−を表し、R11は水素又は置換されていてもよい
アルキルを表し、eは1、2又は3である。)で示され
る基を表す。}で示される繊維反応性の基を表し、Z2
は上式(2a)、(2d)又は(2e)で示される繊維
反応性の基、或いは、下記式(4)
【0011】
【化8】
【0012】{ここで、R12は水素、置換されていても
よいアルキル又は置換されていてもよいフェニルを表
し、R13は置換されていてもよいアルキル、置換されて
いてもよいアルケニル又は置換されていてもよいフェニ
ルを表す。}で示される基を表す。但し、Z2が式(4)
で示される基である場合は、aは1である。〕以下、本
発明を詳細に説明する。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明のビスアゾ化合物は前記式
(1)で示されるものであるが、a及びbは、同一又は
相異なり、0又は1を表す。但し、Z2が前記式(4)
で示される基の場合は、aは1である。本発明のビスア
ゾ化合物(1)においては、aが0である(即ち、Z1
が水素である)ものが好ましく、aが0であり、且つ、
bが1であるものが特に好ましい。
【0014】D1はフェニレン系のジアゾ成分の残基を
表し、該フェニレン系のジアゾ成分の残基としては、例
えば、下式(5)で示される基等を挙げることができ
る。
【0015】
【化9】
【0016】〔式中、R14及びR15は、同一又は相異な
り、水素、スルホ、ハロゲノ、置換されていてもよいア
ルキル又は置換されていてもよいアルコキシを表し、f
は0又は1を表し、*印はアゾ基に接続する結合を表
す。〕
【0017】R14及びR15で表される置換されていても
よいアルキルは、好ましくは炭素数1〜4のものであ
り、直鎖状でもよく、分岐状でもよい。該アルキルの置
換基としては、例えば、ヒドロキシ、シアノ、炭素数1
〜4のアルコキシ、ハロゲノ、カルバモイル、カルボキ
シ、アルコキシ(炭素数1〜4)カルボニル、アルキル
(炭素数1〜4)カルボニルオキシ、スルホ及びスルフ
ァモイル等を挙げることができる。該アルキルの置換基
としての炭素数1〜4のアルコキシ、アルコキシ(炭素
数1〜4)カルボニルやアルキル(炭素数1〜4)カル
ボニルオキシは、直鎖状でもよく、分岐状でもよい。
【0018】R14及びR15で表される置換されていても
よいアルキルとしては、例えば、メチル、エチル、n−
プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、se
c−ブチル、tert−ブチル、2−ヒドロキシエチル、2
−ヒドロキシプロピル、3−ヒドロキシプロピル、2−
ヒドロキシブチル、3−ヒドロキシブチル、4−ヒドロ
キシブチル、2,3−ジヒドロキシプロピル、3,4−ジ
ヒドロキシブチル、シアノメチル、2−シアノエチル、
3−シアノプロピル、メトキシメチル、エトキシメチ
ル、2−メトキシエチル、2−エトキシエチル、3−メ
トキシプロピル、3−エトキシプロピル、2−ヒドロキ
シ−3−メトキシプロピル、クロロメチル、ブロモメチ
ル、2−クロロエチル、2−ブロモエチル、3−クロロ
プロピル、3−ブロモプロピル、4−クロロブチル、4
−ブロモブチル、カルボキシメチル、2−カルボキシエ
チル、3−カルボキシプロピル、4−カルボキシブチ
ル、1,2−ジカルボキシエチル、カルバモイルメチ
ル、2−カルバモイルエチル、3−カルバモイルプロピ
ル、4−カルバモイルブチル、メトキシカルボニルメチ
ル、エトキシカルボニルメチル、2−メトキシカルボニ
ルエチル、2−エトキシカルボニルエチル、3−メトキ
シカルボニルプロピル、3−エトキシカルボニルプロピ
ル、4−メトキシカルボニルブチル、4−エトキシカル
ボニルブチル、メチルカルボニルオキシメチル、エチル
カルボニルオキシメチル、2−メチルカルボニルオキシ
エチル、2−エチルカルボニルオキシエチル、3−メチ
ルカルボニルオキシプロピル、3−エチルカルボニルオ
キシプロピル、4−メチルカルボニルオキシブチル、4
−エチルカルボニルオキシブチル、スルホメチル、2−
スルホエチル、3−スルホプロピル、4−スルホブチ
ル、スルファモイルメチル、2−スルファモイルエチ
ル、3−スルファモイルプロピル及び4−スルファモイ
ルブチル等を挙げることができる。R14及びR15で表さ
れる置換されていてもよいアルキルとしては、メチル又
はエチルが好ましく、メチルが特に好ましい。
【0019】R14及びR15で表される置換されていても
よいアルコキシは、好ましくは炭素数1〜4のものであ
り、直鎖状でもよく、分岐状でもよい。該アルコキシの
置換基としては、R14及びR15で表される置換されてい
てもよいアルキルの置換基として例示した基等を挙げる
ことができる。R14及びR15で表される置換されていて
もよいアルコキシとしては、メトキシ又はエトキシが好
ましく、メトキシが特に好ましい。
【0020】上式(5)で示される基としては、例えば
以下のものを挙げることができる。
【0021】
【化10】
【0022】〔式中、*は前記の意味を有する。〕 これらの中でも、無置換フェニレンや、スルホ、メチル
及びメトキシから選ばれる1〜2個の置換基で置換され
たフェニレンが特に好ましい。
【0023】Z1は、上式(2a)、(2b)、(2
c)、(2d)又は(2e)で示される繊維反応性の基
を表す。式(2a)、(2c)、(2d)及び(2e)
におけるR1、R2、R3、R4、R5及びR6は、同一又は
相異なり、水素、置換されていてもよいアルキル又は置
換されていてもよいフェニルを表す。かかる置換されて
いてもよいアルキルとしては、前記R14及びR15で表さ
れる置換されていてもよいアルキルと同様の基を挙げる
ことができる。又、置換されていてもよいフェニルとし
ては、例えば、炭素数1〜4のアルキル、炭素数1〜4
のアルコキシ、スルホ、カルボキシ、ハロゲノ、ヒドロ
キシ、シアノ、カルバモイル、スルファモイル、アルコ
キシ(炭素数1〜4)カルボニル、アルキル(炭素数1
〜4)カルボニルオキシ、アミノ、アシルアミノ(好ま
しくはアルキルカルボニルアミノ)、アルキルアミノ
(炭素数1〜4)及び2−ヒドロキシエチルスルホニル
の群から選ばれる1〜2個の置換基により置換されてい
てもよいフェニル等を挙げることができる。該フェニル
の置換基としての炭素数1〜4のアルキル、炭素数1〜
4のアルコキシ、アルコキシ(炭素数1〜4)カルボニ
ル、アルキル(炭素数1〜4)カルボニルオキシ、アル
キルアミノ(炭素数1〜4)及びアルキルカルボニルア
ミノは、直鎖状でもよく、分岐状でもよい。
【0024】R1、R2、R3、R4、R5及びR6で表され
る置換されていてもよいフェニルの具体例としては、フ
ェニル、2−、3−又は4−メチルフェニル、2−、3
−又は4−メトキシフェニル、2−、3−又は4−エチ
ルフェニル、2−、3−又は4−エトキシフェニル、2
−、3−又は4−イソプロピルフェニル、2−、3−又
は4−カルボキシフェニル、2−、3−又は4−カルバ
モイルフェニル、2−、3−又は4−クロロフェニル、
2−、3−又は4−スルホフェニル、2−、3−又は4
−ヒドロキシフェニル、2−スルホ−4−メトキシフェ
ニル、2−スルホ−4−アセチルアミノフェニル、2−
カルボキシ−4−アセチルアミノフェニル、2−メトキ
シ−5−メチルフェニル、2,4−ジメトキシフェニル
及び2,5−ジメトキシフェニル等が挙げられる。
【0025】式(2a)において、Zは複素環式の繊維
反応基を表す。かかる複素環式の繊維反応基としては、
5員又は6員の複素環あるいは芳香族炭素縮合環式複素
環に、繊維反応性の基を1つ以上有するもの等を例示す
ることができる。5員又は6員の複素環としては、例え
ば、モノアジン、ジアジン、トリアジン、ピリジン、ピ
リミジン、ピリダジン、ピラジン、チアジン及びオキサ
ジン等を挙げることができる。芳香族炭素縮合環式複素
環としては、例えば、キノリン、フタラジン、キナゾリ
ン、キノキサリン、アクリジン、フェナジン及びフェナ
ントリジン等を挙げることができる。前記の複素環上の
繊維反応性の基としては、例えば、フルオロ、クロロ、
ブロモ、ピリジニオ、カルボニルピリジニオ、カルバモ
イルピリジニオ、スルホニウムやチオシアナート等を挙
げることができる。
【0026】式(2a)におけるZとしては、例えば、
モノクロロトリアジニル、モノピリジニオトリアジニ
ル、4,6−ジクロロトリアジン−2−イル、モノフル
オロトリアジニル、ジ−又はトリ−ハロピリミジニル、
及び、2,3−ジクロロキノキサリン−5−又は−6−
カルボニル等を挙げることができる。
【0027】前記モノクロロトリアジニルとして具体的
には、以下の基等を例示することができる。4−クロロ
−6−アミノトリアジン−2−イル、4−クロロ−6−
シアノアミノトリアジン−2−イル、4−クロロ−6−
メチルアミノトリアジン−2−イル、4−クロロ−6−
エチルアミノトリアジン−2−イル、4−クロロ−6−
(2−ヒドロキシエチル)アミノトリアジン−2−イ
ル、4−クロロ−6−(2−スルホエチル)アミノトリ
アジン−2−イル、4−クロロ−6−(2−メトキシエ
チル)アミノトリアジン−2−イル、4−クロロ−6−
(2−エトキシエチル)アミノトリアジン−2−イル、
4−クロロ−6−(2−(2−ヒドロキシエチルスルホ
ニル)エチル)アミノトリアジン−2−イル、4−クロ
ロ−6−ジメチルアミノトリアジン−2−イル、4−ク
ロロ−6−ジエチルアミノトリアジン−2−イル、4−
クロロ−6−ピロリジノトリアジン−2−イル、4−ク
ロロ−6−ピペリジノトリアジン−2−イル、4−クロ
ロ−6−ピペラジノトリアジン−2−イル、4−クロロ
−6−モルホリノトリアジン−2−イル、4−クロロ−
6−ベンジルアミノトリアジン−2−イル、4−クロロ
−6−フェネチルアミノトリアジン−2−イル、4−ク
ロロ−6−アニリノトリアジン−2−イル、4−クロロ
−6−(2−、3−又は4−スルホアニリノ)トリアジ
ン−2−イル、4−クロロ−6−(N−、2−、3−又
は4−メチルアニリノ)トリアジン−2−イル、4−ク
ロロ−6−(N−、2−、3−又は4−エチルアニリ
ノ)トリアジン−2−イル、4−クロロ−6−(2−、
3−又は4−メトキシアニリノ)トリアジン−2−イ
ル、4−クロロ−6−(2−、3−又は4−カルボキシ
アニリノ)トリアジン−2−イル、4−クロロ−6−
(2−、3−又は4−カルバモイルアニリノ)トリアジ
ン−2−イル、4−クロロ−6−(2−、3−又は4−
アセチルアニリノ)トリアジン−2−イル、4−クロロ
−6−(2−、3−又は4−クロロアニリノ)トリアジ
ン−2−イル、4−クロロ−6−(2,4−又は2,5−
ジスルホアニリノ)トリアジン−2−イル、4−クロロ
−6−(3又は4−(2−ヒドロキシエチルスルホニ
ル)アニリノ)トリアジン−2−イル、4−クロロ−6
−(N−エチル−3又は4−(2−ヒドロキシエチルス
ルホニル)アニリノ)トリアジン−2−イル、4−クロ
ロ−6−ヒドロキシトリアジン−2−イル、4−クロロ
−6−メトキシトリアジン−2−イル、4−クロロ−6
−エトキシトリアジン−2−イル、及び4−クロロ−6
−フェノキシトリアジン−2−イル。
【0028】モノピリジニオトリアジニルとしては、具
体的には、モノクロロトリアジニルとして例示した基に
おいて、クロロを、ピリジニオ、2−、3−又は4−カ
ルボニルピリジニオ、或いは、2−、3−又は4−カル
バモイルピリジニオに変更した基等を例示することがで
きる。又、モノフルオロトリアジニルとしては、具体的
には、モノクロロトリアジニルとして例示した基におい
て、クロロを、フルオロに変更した基等を例示すること
ができる。
【0029】ジ−又はトリ−ハロピリミジニルとして
は、具体的には、2,4−ジクロロピリミジン−6−イ
ル、4,5−ジクロロピリミジン−6−イル、2,4,5
−トリクロロピリミジン−6−イル、2,4−ジフルオ
ロピリミジン−6−イル、4,5−ジフルオロピリミジ
ン−6−イル、4−フルオロ−5−クロロピリミジン−
6−イル、及び、2,4−ジフルオロ−5−クロロピリ
ミジン−6−イル等を例示することができる。
【0030】式(2a)で示される繊維反応性基として
は、R1が水素、メチル又はエチルであり、Zがモノク
ロロトリアジニル、モノピリジニオトリアジニル、モノ
フルオロトリアジニル、或いは、ジ−又はトリ−ハロピ
リミジニルである基が好ましい。
【0031】式(2b)、(2c)、(2d)及び(2
e)におけるY1、Y2、Y3及びY4は、同一又は相異な
り、−CH=CH2又は−CH2CH2Lを表し、Lはア
ルカリの作用で脱離する基である。Lで表されるアルカ
リの作用で脱離する基としては、例えば、硫酸エステ
ル、チオ硫酸エステル、燐酸エステル、酢酸エステル等
の基及びハロゲノなどを挙げることができる。中でも、
硫酸エステル基およびクロロが好ましい。Y1、Y2、Y
3及びY4としては、−CH=CH2、−CH2CH2Cl
又は−CH2CH2OSO3Hなどが好ましく、−CH=
CH2及び−CH2CH2OSO3Hが特に好ましい。
【0032】式(2c)及び(2d)におけるA1及び
2は、同一又は相異なり、脂肪族系の連結基を表す。
脂肪族系の連結基としては、例えば、−O−、−S−又
は−NR16−で中断されていてもよく、且つ、置換され
ていてもよいアルキレン等を挙げることができる。該ア
ルキレンは直鎖状でも分岐状でもよい。又、このアルキ
レンの置換基としては、例えば、R14及びR15で表され
る置換されていてもよいアルキルの置換基として例示し
た基等が挙げられる。上記のR16は水素、置換されてい
てもよいアルキル又は置換されていてもよいフェニルを
表す。R16で表される置換されていてもよいアルキルと
しては、前記R14及びR15で表される置換されていても
よいアルキルと同様の基等を挙げることができる。R16
で表される置換されていてもよいフェニルとしては、前
記R1〜R6で表される置換されていてもよいフェニルと
同様の基等を挙げることができる。R16としては、水
素、メチル又はエチルが好ましく、水素が特に好まし
い。
【0033】A1及びA2で表される脂肪族系の連結基と
しては、下式(6a)又は(6b)
【0034】
【化11】
【0035】〔式中、iは2〜6の整数を表し、j及び
kは、同一又は相異なり、2又は3を表す。〕で示され
る連結基が好ましい。これらの中でも、エチレン、トリ
メチレン又はエチレンオキシエチレンが特に好ましい。
【0036】式(2e)において、A3は芳香族系の連
結基を表す。該芳香族系の連結基としては、例えば式
(5)で示される連結基(但し、*は−NR6−に接続
する結合を表す)等を例示することができる。A3とし
ては、無置換フェニレン、或いは、スルホ、メチル及び
メトキシから選ばれる1〜2個の置換基で置換されたフ
ェニレンが好ましい。
【0037】式(2d)及び(2e)におけるX1及び
2は、同一又は相異なり、フルオロ、クロロ、置換さ
れていてもよいピリジニオ、或いは、上式(3a)、
(3b)、(3c)又は(3d)で示される基を表す。
【0038】X1及びX2で表される置換されていてもよ
いピリジニオとしては、例えば、ピリジニオ、2−、3
−又は4−カルボキシピリジニオ、2−、3−又は4−
カルバモイルピリジニオ、3−スルホピリジニオ、4−
(2−スルホエチル)ピリジニオ、3−(2−ヒドロキ
シエチル)ピリジニオ、4−クロロピリジニオ、3−メ
チルピリジニオ及び3,5−ジカルボキシピリジニオ等
を挙げることができ、3−又は4−カルボキシピリジニ
オが好ましい。
【0039】式(3a)、(3c)及び(3d)におけ
るR7、R8、R9及びR10は、同一又は相異なり、水
素、置換されていてもよいアルキル、置換されていても
よいシクロアルキル、置換されていてもよいフェニル又
は置換されていてもよいナフチルを表す。かかる置換さ
れていてもよいアルキルは、直鎖状であっても分岐状で
あってもよいが、好ましくは、炭素数1〜4のものであ
る。
【0040】R7、R8、R9及びR10で表される置換さ
れていてもよいアルキル又はシクロアルキルとしては、
例えば、ヒドロキシ、シアノ、炭素数1〜4のアルコキ
シ、ハロゲノ、カルバモイル、カルボキシ、アルコキシ
(炭素数1〜4)カルボニル、アルキル(炭素数1〜
4)カルボニルオキシ、スルホ、スルファモイル、置換
されていてもよいフェニル、スルファート、2−スルフ
ァートエチルスルホニル、ビニルスルホニル、2−クロ
ロエチルスルホニル、及び、2−ヒドロキシエチルスル
ホニルの群から選ばれる1又は2個の置換基により置換
されていてもよい炭素数1〜4のアルキル、シクロペン
チル、及び、シクロヘキシル等を挙げることができる。
当該アルキルは、直鎖状でもよく、分岐状でもよい。上
記アルキルの置換基としての炭素数1〜4のアルコキ
シ、同じくアルコキシ(炭素数1〜4)カルボニル及び
同じくアルキル(炭素数1〜4)カルボニルオキシは、
直鎖状でもよく、分岐状でもよい。ここで、上記アルキ
ルの置換基である置換されていてもよいフェニルとして
は、例えば、炭素数1〜4のアルキル、炭素数1〜4の
アルコキシ、スルホ及びハロゲノ(クロロ、ブロモ等)
の群から選ばれる1〜2個の置換基により置換されてい
てもよいフェニル等を挙げることができる。
【0041】R7、R8、R9及びR10で表される置換さ
れていてもよいアルキルの具体例としては、前記R14
びR15で表される置換されていてもよいアルキルとして
例示したものと同様の基を挙げることができ、更に、2
−(2−スルファートエチルスルホニル)エチル、2−
(2−クロロエチルスルホニル)エチル、2−ビニルス
ルホニルエチル、2−(2−ヒドロキシエチルスルホニ
ル)エチル、3−(2−スルファートエチルスルホニ
ル)プロピル、3−(2−クロロエチルスルホニル)プ
ロピル、3−ビニルスルホニルプロピル、3−(2−ヒ
ドロキシエチルスルホニル)プロピル、2−(2−(2
−スルファートエチルスルホニル)エチルオキシ)エチ
ル、2−(2−(2−クロロエチルスルホニル)エチル
オキシ)エチル、2−(2−(2−ヒドロキシエチルス
ルホニル)エチルオキシ)エチル、及び、置換されてい
てもよいベンジル等を挙げることができる。
【0042】R7、R8、R9及びR10で表される置換さ
れていてもよいアルキルとしては、メチル、エチル、n
−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、
sec−ブチル、2−ヒドロキシエチル、2−スルホエチ
ル、2−メトキシエチル、2−カルボキシエチル、2−
カルバモイルエチル、2−スルファモイルエチル、ベン
ジル、2−、3−又は4−スルホベンジル、及び、2−
(2−スルファートエチルスルホニル)エチル等が好ま
しい。
【0043】R7、R8、R9及びR10で表される置換さ
れていてもよいシクロアルキルとしては、無置換のシク
ロアルキルが好ましく、とりわけ、シクロペンチル及び
シクロヘキシルが好ましい。
【0044】R7、R8、R9及びR10で表される置換さ
れていてもよいフェニルとしては、例えば、炭素数1〜
4のアルキル、炭素数1〜4のアルコキシ、スルホ、カ
ルボキシ、ハロゲノ、ヒドロキシ、シアノ、カルバモイ
ル、スルファモイル、アルコキシ(炭素数1〜4)カル
ボニル、アルキル(炭素数1〜4)カルボニルオキシ、
アミノ、アシルアミノ(好ましくはアルキル(炭素数1
〜4)カルボニルアミノ)、アルキルアミノ(炭素数1
〜4)、スルファート、2−スルファートエチルスルホ
ニル、ビニルスルホニル、2−クロロエチルスルホニ
ル、及び、2−ヒドロキシエチルスルホニルの群から選
ばれる1〜2個の置換基により置換されていてもよいフ
ェニル等を挙げることができる。上記フェニルの置換基
としての炭素数1〜4のアルキル、炭素数1〜4のアル
コキシ、アルコキシ(炭素数1〜4)カルボニル、アル
キル(炭素数1〜4)カルボニルオキシ、アルキルアミ
ノ(炭素数1〜4)及びアルキル(炭素数1〜4)カル
ボニルアミノは、直鎖状でもよく、分岐状でもよい
【0045】R7、R8、R9及びR10で表される置換さ
れていてもよいフェニルの具体例としては、前記R1
2、R3、R4、R5及びR6で表される置換されていて
もよいフェニルとして例示したものと同様の基を挙げる
ことができ、更に、2−、3−又は4−(2−スルファ
ートエチルスルホニル)フェニル、2−、3−又は4−
(2−クロロエチルスルホニル)フェニル、2−、3−
又は4−ビニルスルホニルフェニル、及び、2−、3−
又は4−(2−ヒドロキシエチルスルホニル)フェニル
等を挙げることができる。
【0046】R7、R8、R9及びR10で表される置換さ
れていてもよいナフチルとしては、例えば、炭素数1〜
4個のアルキル、炭素数1〜4個のアルコキシ、スル
ホ、カルボキシ、ハロゲノ及びヒドロキシの群から選ば
れる1、2又は3個の置換基により置換されていてもよ
いナフチル等を挙げることができる。
【0047】R7、R8、R9及びR10で表される置換さ
れていてもよいナフチルの具体例としては、例えば、2
−、3−、4−、5−、6−、7−又は8−スルホ−1
−ナフチル、1−、5−、6−、7−又は8−スルホ−
2−ナフチル、1,5−、5,7−、6,8−、4,8−、
4,7−、3,8−、4,6−、3,7−又は3,6−ジス
ルホ−2−ナフチル、4,6,8−、2,4,7−又は3,
6,8−トリスルホ−1−ナフチル、及び、1,5,7
−、4,6,8−又は3,6,8−トリスルホ−2−ナフチ
ル等を挙げることができる。
【0048】式(3b)におけるQは−CH2−、−O
−、−S−、−SO2−又は−NR11−を表し、R11
水素又は置換されていてもよいアルキルを表し、eは
1、2又は3である。R11で表される置換されていても
よいアルキルとしては、前記R14及びR15で表される置
換されていてもよいアルキルと同様の基を挙げることが
できる。R11としては水素、又は、炭素数1〜4の直鎖
もしくは分岐状のアルキル等が例示され、水素、メチル
及びエチルが好ましい。
【0049】式(3a)で示される基としては、R7
水素又は置換されていてもよいアルキルであり、且つ、
8が置換されていてもよいアルキル又は置換されてい
てもよいフェニルである基が好ましい。式(3a)で示
される基としては、特に、R7がヒドロキシ、シアノ、
メトキシ、エトキシ、クロロ、カルバモイル、カルボキ
シ、スルホ、スルファモイル、フェニル、スルファー
ト、2−スルファートエチルスルホニル、ビニルスルホ
ニル、2−クロロエチルスルホニル又は2−ヒドロキシ
エチルスルホニルで置換されていてもよい炭素数1〜4
個のアルキル、或いは水素であり、且つ、R10がヒドロ
キシ、シアノ、メトキシ、エトキシ、クロロ、カルバモ
イル、カルボキシ、スルホ、スルファモイル、フェニ
ル、スルファート、2−スルファートエチルスルホニ
ル、ビニルスルホニル、2−クロロエチルスルホニル又
は2−ヒドロキシエチルスルホニルで置換されていても
よい炭素数1〜4個のアルキル、或いは、メチル、エチ
ル、メトキシ、エトキシ、スルホ、カルボキシ、クロ
ロ、ヒドロキシ、シアノ、カルバモイル、スルファモイ
ル、スルファート、2−スルファートエチルスルホニ
ル、ビニルスルホニル、2−クロロエチルスルホニル、
及び、2−ヒドロキシエチルスルホニルの群から選ばれ
る1〜2個の置換基により置換されていてもよいフェニ
ルである基が好ましい。
【0050】式(3b)で表される基としては、例え
ば、ピロリジノ、ピペリジノ、ピペラジノ、n−アルキ
ルピペラジノ、モルホリノ、及び、チオモルホリノ等を
例示することできる。中でも、モルホリノが特に好まし
い。
【0051】式(3c)で示される基としては、R9
水素、置換されていてもよいアルキル又は置換されてい
てもよいフェニルである基が好ましい。式(3c)で示
される基としては、特に、R9が水素、メチル、エチ
ル、もしくは、スルホ又はカルボキシで置換されていて
もよいフェニルである場合が好ましい。
【0052】式(3d)で示される基としては、R10
水素、置換されていてもよいアルキル又は置換されてい
てもよいフェニルである基が好ましい。式(3d)で示
される基としては、特に、R10が水素、メチル、エチ
ル、或いはスルホ又はカルボキシで置換されていてもよ
いフェニルである基が好ましい。
【0053】式(2d)及び(2e)におけるX1及び
2が式(3a)で示される基である場合、この基を形
成するのに用いられるHNR78で示されるアミン化合
物としては、例えば次のようなものを挙げることができ
る。
【0054】イ)アンモニア;
【0055】ロ)下記の芳香族アミン類:1−アミノベ
ンゼン、1−アミノ−2−、−3−又は−4−メチルベ
ンゼン、1−アミノ−2,4−、−3,4−又は−3,5
−ジメチルベンゼン、1−アミノ−2−、−3−又は−
4−エチルベンゼン、1−アミノ−2−、−3−又は−
4−メトキシベンゼン、1−アミノ−2−、−3−又は
−4−エトキシベンゼン、1−アミノ−2−、−3−又
は−4−プロピルベンゼン、1−アミノ−2−、−3−
又は−4−イソプロピルベンゼン、1−アミノ−2−、
−3−又は−4−クロロベンゼン、1−アミノ−2−、
−3−又は−4−ブロモベンゼン、1−アミノ−2−、
−3−又は−4−フルオロベンゼン、1−アミノ−2,
4−又は−2,5−ジメトキシベンゼン、1−アミノ−
2−メトキシ−5−メチルベンゼン、3−又は4−アミ
ノフェニルメタンスルホン酸、2−、3−又は4−アミ
ノベンゼンスルホン酸、3−又は4−メチルアミノベン
ゼンスルホン酸、3−又は4−エチルアミノベンゼンス
ルホン酸、5−アミノベンゼン−1,3−ジスルホン
酸、6−アミノベンゼン−1,3−又は−1,4−ジスル
ホン酸、4−アミノベンゼン−1,2−ジスルホン酸、
4−アミノ−5−メチルベンゼン−1,2−ジスルホン
酸、1−アミノ−2−スルホ−4−メトキシベンゼン、
1−アミノ−2−スルホ−4−アセチルアミノベンゼ
ン、2−、3−又は4−アミノ安息香酸、2−、3−又
は4−カルバモイルアニリン、1−アミノ−2−カルボ
キシ−4−アセチルアミノベンゼン、5−アミノベンゼ
ン−1,3−ジカルボン酸、5−アミノ−2−ヒドロキ
シベンゼンスルホン酸、4−アミノ−2−ヒドロキシベ
ンゼンスルホン酸、5−アミノ−2−エトキシベンゼン
スルホン酸、N−メチルアミノベンゼン、N−エチルア
ミノベンゼン、1−メチルアミノ−3−又は−4−メチ
ルベンゼン、1−エチルアミノ−3−又は−4−メチル
ベンゼン、1−メチルアミノ−2−、−3−又は−4−
クロロベンゼン、1−エチルアミノ−2−、−3−又は
−4−クロロベンゼン、1−(2−ヒロドキシエチル)
アミノ−3−メチルベンゼン、3−又は−メチルアミノ
安息香酸、1−アミノ−2−メトキシ−5−メチルベン
ゼン、1−アミノ−2,5−ジメトキシベンゼン、2
−、3−又は4−アミノフェノール、1−アミノ−3−
又は−4−アセチルアミノベンゼン、2,4−又は2,5
−ジアミノベンゼンスルホン酸、1−アミノ−2−、−
3−又は−4−(2−スルファートエチルスルホニル)
ベンゼン、1−アミノ−2−、−3−又は−4−(2−
クロロエチルスルホニル)ベンゼン、1−アミノ−2
−、−3−又は−4−ビニルスルホニルベンゼン、1−
アミノ−2−、−3−又は−4−(2−ヒドロキシエチ
ルスルホニル)ベンゼン、1−エチルアミノ−2−、−
3−又は−4−(2−スルファートエチルスルホニル)
ベンゼン、1−エチルアミノ−2−、−3−又は−4−
(2−クロロエチルスルホニル)ベンゼン、1−エチル
アミノ−2−、−3−又は−4−ビニルスルホニルベン
ゼン、1−エチルアミノ−2−、−3−又は−4−(2
−ヒドロキシエチルスルホニル)ベンゼン。
【0056】ハ)下記の脂肪族アミン類 メチルアミン、エチルアミン、n−プロピルアミン、イ
ソプロピルアミン、n−ブチルアミン、イソブチルアミ
ン、sec−ブチルアミン、ジメチルアミン、ジエチルア
ミン、メチルエチルアミン、アリルアミン、2−クロロ
エチルアミン、2−メトキシエチルアミン、2−アミノ
エタノール、2−メチルアミノエタノール、ビス(2−
ヒドロキシエチル)アミン、2−アセチルアミノエチル
アミン、1−アミノ−2−プロパノール、3−メトキシ
プロピルアミン、1−アミノ−3−ジメチルアミノプロ
パン、2−アミノエタンスルホン酸アミド、2−アミノ
エタンスルホン酸、アミノメタンスルホン酸、2−メチ
ルアミノエタンスルホン酸アミド、2−メチルアミノエ
タンスルホン酸、3−アミノ−1−プロパンスルホン
酸、2−スルファートエチルアミン、アミノ酢酸、メチ
ルアミノ酢酸、3−アミノプロピオン酸、3−アミノプ
ロピオン酸アミド、3−メチルアミノプロピオン酸、3
−メチルアミノプロピオン酸アミド、e−アミノカプロ
ン酸、ベンジルアミン、2−、3−又は4−スルホベン
ジルアミン、2−、3−又は4−クロロベンジルアミ
ン、2−、3−又は4−メチルベンジルアミン、N−メ
チルベンジルアミン、1−フェニルエチルアミン、2−
フェニルエチルアミン、1−フェニル−2−プロピルア
ミン、2−(2−スルファートエチルスルホニル)エチ
ルアミン、2−(2−クロロエチルスルホニル)エチル
アミン、2−ビニルスルホニルエチルアミン、2−(2
−ヒドロキシエチルスルホニル)エチルアミン、3−
(2−スルファートエチルスルホニル)プロピルアミ
ン、3−(2−クロロエチルスルホニル)プロピルアミ
ン、3−ビニルスルホニルプロピルアミン、3−(2−
ヒドロキシエチルスルホニル)プロピルアミン、2−
(2−(2−スルファートエチルスルホニル)エチルオ
キシ)エチルアミン、2−(2−(2−クロロエチルス
ルホニル)エチルオキシ)エチルアミン、2−(2−
(2−ヒドロキシエチルスルホニル)エチルオキシ)エ
チルアミン。
【0057】上記イ)〜ハ)のアミン化合物のうち好ま
しいものとしては、例えば、アニリン、N−メチルアニ
リン、N−エチルアニリン、2−、3−又は4−クロロ
アニリン、N−メチル−2−、−3−又は−4−クロロ
アニリン、N−エチル−2−、−3−又は−4−クロロ
アニリン、2−、3−又は4−メチルアニリン、2−、
3−又は4−エチルアニリン、2−、3−又は4−メト
キシアニリン、2−、3−又は4−エトキシアニリン、
2−、3−又は4−プロピルアニリン、2−、3−又は
4−イソプロピルアニリン、2−、3−又は4−ヒドロ
キシアニリン、アニリン−2−、−3−又は−4−スル
ホン酸、3−又は4−メチルアミノベンゼンスルホン
酸、3−又は4−エチルアミノベンゼンスルホン酸、2
−、3−又は4−カルボキシアニリン、2−、3−又は
4−カルバモイルアニリン、2,4−又は2,5−ジメト
キシアニリン、2−スルホ−4−メトキシアニリン、2
−スルホ−4−アセチルアミノアニリン、2−カルボキ
シ−4−アセチルアミノアニリン、2−メトキシ−5−
メチルアニリン、1−アミノ−2−、3−又は4−(2
−スルファートエチルスルホニル)ベンゼン、1−エチ
ルアミノ−2−、3−又は4−(2−スルファートエチ
ルスルホニル)ベンゼン、アンモニア、メチルアミン、
エチルアミン、ジメチルアミン、タウリン、N−メチル
タウリン、モノ−又はジ−エタノールアミン、2−スル
ファモイルエチルアミン、2−カルバモイルエチルアミ
ン、2−(2−スルファートエチルスルホニル)エチル
アミン等を挙げることができる。これらの中でも、アニ
リン、N−メチルアニリン、N−エチルアニリン、N−
エチル−2−、−3−又は−4−クロロアニリン、2
−、3−又は4−エチルアニリン、2−、3−又は4−
メトキシアニリン、2−、3−又は4−プロピルアニリ
ン、2−、3−又は4−イソプロピルアニリン、2−、
3−又は4−ヒドロキシアニリン、アニリン−2−、−
3−又は−4−スルホン酸、2−、3−又は4−カルボ
キシアニリン、2−、3−又は4−カルバモイルアニリ
ン、2,4−又は2,5−ジメトキシアニリン、2−スル
ホ−4−メトキシアニリン、2−スルホ−4−アセチル
アミノアニリン、2−カルボキシ−4−アセチルアミノ
アニリン、2−メトキシ−5−メチルアニリン、1−ア
ミノ−3−又は4−(2−スルファートエチルスルホニ
ル)ベンゼン、2−(2−スルファートエチルスルホニ
ル)エチルアミン等が、特に好ましい。
【0058】式(2d)及び(2e)におけるX1及び
2が式(3c)で示される基である場合、この基を形
成するのに用いられるHOR9で示される化合物として
は、例えば次のようなものを挙げることができる。
【0059】ニ)下記のフェノール類 フェノール、1−ヒドロキシ−2−、−3−又は−4−
メチルベンゼン、1−ヒドロキシ−3,4−又は−3,5
−ジメチルベンゼン、1−ヒドロキシ−2−、−3−又
は−4−エチルベンゼン、1−ヒドロキシ−2−、−3
−又は−4−メトキシベンゼン、1−ヒドロキシ−2
−、−3−又は−4−エトキシベンゼン、1−ヒドロキ
シ−2−、−3−又は−4−クロロベンゼン、3−又は
4−ヒドロキシフェニルメタンスルホン酸、3−又は4
−ヒドロキシベンゼンスルホン酸、5−ヒドロキシベン
ゼン−1,3−ジスルホン酸、2−ヒドロキシベンゼン
−1,4−ジスルホン酸、4−ヒドロキシベンゼン−1,
2−ジスルホン酸、4−ヒドロキシ−5−メチルベンゼ
ン−1,2−ジスルホン酸、3−又は4−ヒドロキシ安
息香酸、5−ヒドロキシベンゼン−1,3−ジカルボン
酸、5−ヒドロキシ−2−エトキシベンゼンスルホン酸
【0060】ホ)下記の脂肪族アルコール類 メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロ
パノール、n−ブタノール、イソブタノール、sec−ブ
タノール、2−クロロエタノール、2−メトキシエタノ
ール、2−エトキシエタノール、3−メトキシプロパノ
ール、3−エトキシプロパノール、2−ヒドロキシエタ
ンスルホン酸、3−ヒドロキシ−1−プロパンスルホン
酸、2−シアノエタノール、2−スルファートエタノー
ル、グリコール酸、3−ヒドロキシプロピオン酸、ベン
ジルアルコール、2−、3−又は4−クロロベンジルア
ルコール、4−メチルベンジルアルコール、2−、3−
又は4−スルホベンジルアルコール、2−フェニルエタ
ノール、1−フェニル−2−プロパノール。
【0061】式(2d)及び(2e)におけるX1及び
2が式(3d)で示される基である場合、この基を形
成するのに用いられるHSR10で示される化合物として
は、上記のニ)及びホ)で挙げた化合物の水酸基をそれ
ぞれメルカプト基に変更した化合物等を挙げることがで
きる。
【0062】式(2c)で示される繊維反応性の基とし
ては、R2が水素、メチル又はエチルであり、且つ、A1
がエチレン、トリメチレン又はエチレンオキシエチレン
である基が好ましい。
【0063】式(2d)としては、R3が水素、メチル
又はエチルであり、R4が水素、メチル、エチル又はフ
ェニルであり、A2がエチレン、トリメチレン又はエチ
レンオキシエチレンであり、且つ、X1がフルオロ、ク
ロロ、置換されていてもよいピリジニオ又は式(3a)
で示される基であるものが好ましい。
【0064】式(2e)としては、R5及びR6が、互い
に同一又は異なって、水素、メチル又はエチルであり、
3が無置換フェニレン或いはスルホ、メチル及びメト
キシから選ばれる1〜2個の置換基で置換されたフェニ
レンであり、且つ、X2がフルオロ、クロロ、置換され
ていてもよいピリジニオ又は式(3a)で示される基で
あるものが好ましい。
【0065】本発明のビスアゾ化合物(1)におけるZ
1としては、式(2a)、(2b)、(2d)又は(2
e)で示される基であるものが好ましく、式(2b)で
示される基であるものが特に好ましい。
【0066】Z2は式(2a)、(2d)又は(2e)
で示される繊維反応性の基或いは上式(4)で示される
基を表す。式(4)におけるR12は水素、置換されてい
てもよいアルキル又は置換されていてもよいフェニルを
表す。かかる置換されていてもよいアルキルとしては、
前記R14及びR15で表される置換されていてもよいアル
キルと同様の基を挙げることができる。又、上記の置換
されていてもよいフェニルとしては、前記R1〜R6で表
される置換されていてもよいフェニルと同様の基を挙げ
ることができる。R12としては、水素、メチル又はエチ
ルが好ましい。R13は置換されていてもよいアルキル、
置換されていてもよいアルケニル又は置換されていても
よいフェニルを表し、かかる置換されていてもよいアル
キルとしては、前記R14及びR15で表される置換されて
いてもよいアルキルと同様の基を挙げることができる。
又、上記置換されていてもよいアルケニルは、好ましく
は、炭素数2〜4のものであり、直鎖状でもよく、分岐
状でもよい。該アルケニルの置換基としては、例えば、
ヒドロキシ及びカルボキシ等を挙げることができる。R
13で表される置換されていてもよいアルケニルの具体例
としては、例えば、ビニルや2−カルボキシビニル等を
挙げることができる。更に、上記の置換されていてもよ
いフェニルとしては、前記R1〜R6で表される置換され
ていてもよいフェニルと同様の基を挙げることができ
る。R13としては、メチル、エチル、2−カルボキシエ
チル、ビニル、2−カルボキシビニル及びフェニルが好
ましく、メチル、2−カルボキシエチル、2−カルボキ
シビニル及びフェニルが特に好ましい。
【0067】本発明のビスアゾ化合物(1)において、
2としては、上式(2d)、(2e)又は(4)で示
される基が好ましく、式(2d)又は(2e)で示され
る基が特に好ましい。
【0068】本発明のビスアゾ化合物は、遊離酸の形ば
かりでなく、塩の形であってもよく、又、それらの混合
物の形であってもよい。好ましくは、アルカリ金属塩の
形、アルカリ土類金属塩の形、及びそれらを含有する混
合物の形であり、中でも、ナトリウム塩、カリウム塩、
リチウム塩及びそれらを含有する混合物が好ましい。本
発明のビスアゾ化合物は式(1)で示されるものであれ
ば特に限定されないが、下記式(1a)で示されるもの
が特に好ましい。
【0069】
【化12】
【0070】〔この式中、D1は無置換フェニレン、或
いは、スルホ、メチル及びメトキシから選ばれる1〜2
個の置換基で置換されたフェニレンであり、Z2は式
(2d)又は(2e)で示される繊維反応性の基であ
る。〕
【0071】本発明のビスアゾ化合物(1)の製造方法
は特に限定されないが、例えば、下記式(7)
【0072】
【化13】
【0073】〔式中、D1、Z1及びaは前記の意味を有
する。〕で示される化合物を常法に従ってジアゾ化し、
得られたジアゾ化物を下式(8)
【0074】
【化14】
【0075】で示される化合物とカップリングさせるこ
とにより、下式(9)
【0076】
【化15】
【0077】〔式中、a、D1及びZ1は前記の意味を有
する。〕で示される化合物を得ることができる。さら
に、得られた化合物(9)を常法によってジアゾ化し、
得られたジアゾ化物を、下式(10)
【0078】
【化16】
【0079】〔式中、Z2及びbは前記の意味を有す
る。〕で示される化合物とカップリングさせることによ
り、本発明のビスアゾ化合物(1)を得ることができ
る。ここでのカップリング反応条件は特に限定されない
が、例えば、−10℃〜30℃の範囲で、pH0.1〜
5に調整しながら行うことができる。
【0080】又、Z1及び/又はZ2が式(2a)、(2
d)又は(2e)で示される基である場合、これらの基
の形成は上記カップリング反応の後に行ってもよい。即
ち、前述した方法において、式(7)で示される化合物
の代わりに、下式(11)
【0081】
【化17】
【0082】〔式中、D1及びaは前記の意味を有し、
17はR1、R3又はR5と同義である。〕で示される化
合物を用いて同様にジアゾ化し、得られたジアゾ化物を
式(8)で示される化合物とカップリングさせることに
より、下式(12)
【0083】
【化18】
【0084】〔式中、D1、R17及びaは前記の意味を
有する。〕で示される化合物を得ることができる。更
に、上記化合物(12)を常法に従ってジアゾ化し、得
られたジアゾ化物を下式(13)
【0085】
【化19】
【0086】〔式中、bは前記の意味を有し、R17はR
1、R3又はR5と同義である。〕で示される化合物とカ
ップリング反応を行い、次いで、下式(14)、(1
5)及び/又は(16)
【0087】
【化20】
【0088】〔式中、Z、R4、R6、A2、A3、Y3
4、X1及びX2は前記の意味を、Halはハロゲノを
表す。〕で示される化合物を常法により縮合させること
によっても、本発明のビスアゾ化合物(1)を得ること
ができる。
【0089】更に、Z1及び/又はZ2が式(2d)又は
(2e)で示される基である場合、トリアジン環上の置
換基の形成は上記カップリング反応の後に行ってもよ
い。即ち、前述の方法において、式(7)で示される化
合物の代わりに、下式(17)
【0090】
【化21】
【0091】〔式中、D1、a、R17及びHalは前記
の意味を有する。〕で示される化合物を用いて同様にジ
アゾ化及びカップリング反応を行い、次に、下式(1
8)及び/又は(19)
【0092】
【化22】
【0093】〔式中、R4、R6、A2、A3、Y3及びY4
は前記の意味を有する。〕で示される化合物を常法によ
り縮合させることによって、更に所望により、下式(2
0)及び/又は(21)
【0094】
【化23】
【0095】〔式中、Xは式(3a)、(3b)、(3
c)又は(3d)で示される基を表し、Rはメチル、エ
チル、スルホエチル、ヒドロキシエチル、カルボキシ、
カルバモイル又はクロロを表し、lは0、1又は2を表
す。〕で示される化合物を常法により縮合させることに
よって、本発明のビスアゾ化合物(1)を得ることがで
きる。
【0096】なお、上記のトリアジン環にかかわる縮合
反応においては、縮合順序を逆にしてもさしつかえな
い。即ち、上式(16)で示される化合物を用いて行っ
たカップリング生成物に、式(20)又は(21)示さ
れる化合物を先に縮合させ、次いで、式(18)又は
(19)で示される化合物を縮合させることによって
も、本発明のビスアゾ化合物(1)を得ることができ
る。
【0097】更に、本発明のビスアゾ化合物(1)を得
るに当たり、式(2b)、(2c)、(2d)及び(2
e)におけるY1およびY2で表される基が−CH2CH2
Lであって、アルカリの作用で脱離する基Lが、例え
ば、硫酸エステルや燐酸エステルのようなエステルであ
る場合、当該エステル基の形成はカップリング反応及び
/又は縮合反応の後に行ってもよい。
【0098】本発明のビスアゾ化合物(1)又はその塩
は、例えば、繊維材料を染色又は捺染する染料として有
用である。かかる繊維材料としては、ヒドロキシ基及び
/又はカルボンアミド基を含有するものであれば特に限
定されないが、例えば、天然又は再生セルロース繊維材
料、天然又は合成ポリアミド繊維材料、ポリウレタン繊
維材料、皮革、及びこれらを含有する混紡材料等を挙げ
ることができる。天然セルロース繊維材料として、具体
的には、木綿、あるいはその他の植物繊維、例えばリネ
ン、麻、ジュート及びラミー繊維等を挙げることができ
る。再生セルロース繊維材料として、具体的には、レー
ヨン、ポリノジック、キュプラ繊維、及び商品名「テン
セル」、「タフセル」、「モダール」、「セルティマ」
等を挙げることができる。天然又は合成ポリアミド繊維
材料として、具体的には、羊毛、その他の動物毛、絹、
ポリアミド−6,6、ポリアミド−6、ポリアミド−1
1、ポリアミド−4等を挙げることができる。また、こ
れらを含有する混紡材料としては、これらの繊維材料の
混紡材料の他、これらの繊維材料と、ポリエステル、ナ
イロン、アクリル等の合成繊維との混紡材料等も例示す
ることができる。
【0099】本発明化合物(1)又はその塩は、上述の
材料上に、特に上述の繊維材料上に、物理化学的性状に
応じた方法で染色又は捺染することができる。具体的に
は、例えば、上述の繊維材料上に、吸尽染色法、コール
ドバッチアップ法、連続染色法、捺染法等の方法により
染色又は捺染する方法を挙げることができる。例えばセ
ルロース繊維材料上に吸尽染色する場合、炭酸ソーダ、
第三燐酸ソーダ、重炭酸ソーダ、苛性ソーダのような酸
結合剤の存在下、必要に応じて、芒硝や食塩等の中性塩
を加え、さらに必要に応じて、溶解助剤、浸透剤又は均
染剤等を併用し、30℃から100℃の温度で染色する
方法等が例示される。ここで酸結合剤、中性塩等の添加
は、一度に行ってもよく、又常法により分割して行って
もよい。セルロース繊維上にコールドバッチアップ法で
染色する場合においては、芒硝や食塩等の中性塩、及
び、苛性ソーダやケイ酸ソーダ等の酸結合剤を用いてパ
ジング後、密閉包装材料中に一定温度で放置して処理す
る方法等が例示される。セルロース繊維上に連続染色法
で染色する場合においては、炭酸ソーダや重炭酸ソーダ
等の酸結合剤の存在下、公知の方法で室温又は高められ
た温度でパジング後、スチーミング又は乾熱により処理
する一相パジング法や、本発明の化合物が溶解されてい
るパジング液に繊維を浸漬後、芒硝や食塩等の中性塩、
及び、苛性ソーダやケイ酸ソーダ等の酸結合剤をパジン
グし、スチーミング又は乾熱することにより処理する二
相パジング法等が例示される。セルロース繊維上に捺染
を行う場合においては、一相で、重曹等の結合剤を含有
する捺染ペーストで印捺し、次い80℃以上の高温でス
チーミングする方法や、二相で、例えば中性又は弱酸性
の捺染ペーストで印捺し、これを電解質含有のアルカリ
性浴に通過させた後、又はアルカリ性の電解質含有パジ
ング液でオーバーパジングし、その後スチーミング又は
乾熱することにより処理する方法等が例示される。ここ
で、捺染ペーストには、例えばアルギン酸ソーダや澱粉
エーテル等の糊剤及び/又は乳化剤を含んでいてもよ
く、また必要に応じて、例えば尿素等の捺染助剤及び/
又は分散剤を含んでいてもよい。
【0100】セルロース繊維上に本発明化合物を染色又
は捺染する場合、用いられる酸結合剤は特に限定されな
いが、例えば、アルカリ金属の水酸化物、アルカリ金属
又はアルカリ土類金属と無機又は有機酸との水溶性塩基
性塩、あるいは加熱状態でアルカリを遊離する化合物等
を例示できる。特に、アルカリ金属の水酸化物及び弱な
いし中程度の強さの無機又は有機酸のアルカリ金属塩が
挙げられ、これらの中でも、ナトリウム又はカリウムの
水酸化物、ナトリウム塩及びカリウム塩が好ましい。こ
のような酸結合剤として具体的には、上述した炭酸ソー
ダ、第三燐酸ソーダ、重炭酸ソーダ、苛性ソーダ、炭酸
ソーダ、ケイ酸ソーダ、重曹の他に、苛性カリ、蟻酸ソ
ーダ、炭酸カリ、第一又は第二燐酸ソーダ、トリクロロ
酢酸ソーダなども挙げられる。
【0101】合成又は天然のポリアミド繊維上や、ポリ
ウレタン繊維上に吸尽染色する場合においては、酸性〜
弱酸性の染浴中、pH値の制御下、本発明の化合物を吸
尽させ、次いで60〜120℃程度の温度下、中性〜ア
ルカリ性のpH値に変化させる方法等が例示される。こ
こで必要に応じて、均染剤等、例えば塩化シアヌルと3
倍モル量のアミノベンゼンスルホン酸又はアミノナフタ
レンスルホン酸との縮合生成物あるいは、例えばステア
リルアミンとエチレンオキサイドとの付加生成物等の均
染剤等を用いても差し支えない。
【0102】本発明のビスアゾ化合物又はその塩は、特
にセルロース繊維材料を染色又は捺染する際に、再現性
に優れており、均染性やウオッシュオフ性が良好であ
り、高いビルドアップ性を有し、且つ、有効染着率が高
いものである。又、低塩濃度で染色し得るという利点が
ある。更に、本発明のビスアゾ化合物又はその塩を用い
ることにより、各種の堅牢度、特に耐塩素性、耐光性、
耐汗性、耐汗日光性、耐酸加水分解性、耐アルカリ性、
耐洗濯性や耐過酸化洗濯性が良好な染色物及び捺染物が
得られる。
【0103】本発明のビスアゾ化合物又はその塩は、所
望の色相を得るために、必要に応じて、本発明の特徴を
損なわない範囲で、他の染料と混合して使用することが
できる。混合して使用する染料としては、反応染料であ
れば特に制約はないが、例えば、反応基としてスルファ
トエチルスルホン基、ビニルスルホン基、モノクロロト
リアジン基、モノフルオロトリアジン基、モノニコチン
酸トリアジン基、ジクロロトリアジン基、ジフルオロモ
ノクロロピリミジン基、および、トリクロロピリミジン
基の少なくとも1種を、少なくとも1つ以上有する染
料、又はSumifix、Sumifix Supr
a、 Sumifix HF、Remazol、Lev
afix、Procion、Cibacron、Bas
ilen、Drimarene、Kayacion、K
ayacelon Reactなどの冠称名で市販され
ている染料、更には、特開昭50-178号、特開昭51-17538
号、特開昭56-9483号、特開昭56-15481号、特開昭56-11
8976号、特開昭56-128380号、特開昭57-2365号、特開昭
57-89679号、特開昭57-143360号、特開昭58-191755号、
特開昭59-15451号、特開昭59-96174号、特開昭59-16146
3号、特開昭60-6754号、特開昭60-123559号、特開昭60-
229957号、特開昭 60-260654号、特開昭61-126175号、
特開昭61-155469号、特開昭61-225256号、特開昭63-779
74号、特開昭63-225664号、特開平1-185370号、特開平3
-770号、特開平5-247366号、特開平6-287463号の各公報
に記載されている染料及びC.I.Reactive
Blue19、C.I.Reactive Black5
で表される染料等が例示される。
【0104】
【発明の効果】本発明のビスアゾ化合物又はその塩は、
反応染料として有用であり、例えば、ビルドアップ性や
均染性等の染色性に優れている。又、本発明の方法によ
れば、諸堅牢度に優れた染色物や捺染物が再現性よく得
られる。
【0105】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に詳細に説明
するが、本発明はこれらの例によって限定されるもので
はない。例中、部は重量部を表す。
【0106】例1 1−アミノベンゼン−2,5−ジスルホン酸5.07部
を常法によりジアゾ化した後、2,5−ジメチルアニリ
ン2.42部と、pH3〜8、温度0℃から30℃でカ
ップリングし、下記式(21)
【0107】
【化24】
【0108】で示される化合物を得た。次に、得られた
上式(21)で示される化合物を常法によりジアゾ化し
た。一方、6−アミノ−1−ヒドロキシナフタレン−
3、5−ジスルホン酸6.38部と塩化シアヌル3.6
9部をpH1〜3、温度0℃〜15℃で縮合させ、更に
3−(2−スルファートエチルスルホニル)アニリン
5.62部をpH2〜6、温度0℃〜40℃で縮合させ
た。得られた化合物に先のジアゾ化合物を、pH3〜
8、温度0〜30℃でカップリングさせ、その後、塩析
して、遊離酸の形が下式(22)
【0109】
【化25】
【0110】で示されるビスアゾ化合物(λmax=5
34nm、水性媒体中)を得た。
【0111】例2 例1において使用した6−アミノ−1−ヒドロキシナフ
タレン−3、5−ジスルホン酸、2,5−ジメチルアニ
リン、塩化シアヌル及び3−(2−スルファートエチル
スルホニル)アニリンの代わりに、順に、表1〜5中の
第2欄、第3欄、第4欄及び第5欄の化合物を用い、例
1と同様の方法で合成すると、各々対応するビスアゾ化
合物を得、染色して赤色の染色物を得る。また、表1〜
5の第5欄の化合物の代わりに、それぞれ対応するヒド
ロキシエチルスルホニル体を用いて例1と同様に合成
し、最後に常法により硫酸エステル化することによって
も、得られる化合物は同じである。
【0112】
【表1】
【0113】
【表2】
【0114】
【表3】
【0115】
【表4】
【0116】
【表5】
【0117】例3 1−アミノベンゼン−2,5−ジスルホン酸5.07部
を常法によりジアゾ化した後、2,5−ジメチルアニリ
ン2.42部と、pH3〜8、温度0℃から30℃でカ
ップリングし、前記式(21)で示される化合物を得
る。次に、得られた前記式(21)で示される化合物を
常法によりジアゾ化する。一方、6−アミノ−1−ヒド
ロキシナフタレン−3、5−ジスルホン酸6.38部と
塩化シアヌル3.69部をpH1〜3、温度0℃〜15
℃で縮合させ、次いで3−(2−スルファートエチルス
ルホニル)アニリン5.62部をpH2〜6、温度0℃
〜40℃で縮合させ、さらにアニリン1.86部をpH
2〜6、温度30℃〜70℃で縮合させる。得られた化
合物に先のジアゾ化合物を、 pH3〜8、温度0℃か
ら30℃でカップリングさせ、その後、塩析して、遊離
酸の形が下式(23)
【0118】
【化26】
【0119】で示されるビスアゾ化合物を得る。
【0120】例4 例3において使用した6−アミノ−1−ヒドロキシナフ
タレン−3、5−ジスルホン酸、2,5−ジメチルアニ
リン、塩化シアヌル、3−(2−スルファートエチルス
ルホニル)アニリン及びアニリンの代わりに、順に、表
6〜8中の第2欄、第3欄、第4欄、第5欄及び第6欄
の化合物を用い、例3と同様の方法で合成すると、各々
対応するビスアゾ化合物を得、染色して赤色の染色物を
得る。また、表6〜8の第5欄の化合物の代わりに、そ
れぞれ対応するヒドロキシエチルスルホニル体を用いて
例1と同様に合成し、最後に常法により硫酸エステル化
することによっても、得られた化合物は同じである。
【0121】
【表6】
【0122】
【表7】
【0123】
【表8】
【0124】染色例1 例1で得られた化合物0.3部を、各々200部の水に
溶解し、芒硝20部を加え、さらに木綿10部を加えて
60℃に昇温する。60℃に達してから、30分経過
後、炭酸ソーダ4部を加え、同温度で1時間染色し、次
いで水洗い及びソーピングを行った。水洗い時及びソー
ピング時のウォッシュオフ性は良好であり、染色排水の
着色量はわずかであった。得られた染色物は、均一で、
濃い紺色であった。また、得られた染色物の耐塩素性、
耐光性、耐汗性、耐汗日光性、耐酸加水分解性、耐アル
カリ性、耐洗濯性、耐過酸化洗濯性の諸堅牢度は、いず
れも良好であった。
【0125】染色例2 染色例1において、芒硝の使用量を20部から10部に
変更する以外は、全く同じ方法で染色を行う。得られた
染色物は、各々、染色例1で得られる染色物と同等の品
質を有している。
【0126】染色例3 染色例1において、芒硝の使用量を20部から4部に変
更する以外は、全く同じ方法で染色を行う。得られる染
色物は、各々、染色例1で得られた染色物と同等の品質
を有している。
【0127】染色例4 染色例1〜3の各々において、染色の温度を60℃から
70℃に変更する以外は、全く同じ方法で染色を行う。
得られる染色物は、各々、染色例1〜3で得られる染色
物と同等の品質を有している。
【0128】染色例5 染色例1〜3の各々において、染色の温度を60℃から
80℃に変更する以外は、全く同じ方法で染色を行う。
得られる染色物は、各々、染色例1〜3の染色物と同等
の品質を有している。
【0129】染色例6 染色例1〜5の各々において、各化合物0.3部を用い
る代わりに、各化合物0.3部、及び、メチルナフタレ
ンスルホン酸とホルムアルデヒドとの縮合物のナトリウ
ム塩(スルホン化度110%、平均重合度1.8)0.
06部を用いる以外は、全く同じ方法で染色を行う。得
られる染色物は、各々、染色例1〜5の染色物と同等の
品質を有している。
【0130】染色例7 例1で得られた化合物を用いて、以下の組成をもつ色糊
を作る。
【0131】色糊組成 化合物 5部 尿素 5部 アルギン酸ソーダ(5%)元糊 50部 熱湯 25部 重曹 2部 バランス(水) 13部
【0132】この色糊をシルケット加工綿ブロード上に
印捺し、中間乾燥後、100℃で5分間スチーミングを
行い、湯洗い、ソーピング、湯洗い、そして乾燥して、
仕上げる。この捺染物は、均一で、濃い紺色である。ま
た、この捺染物の耐塩素性、耐光性、耐汗性、耐汗日光
性、耐酸加水分解性、耐アルカリ性、耐洗濯性、耐過酸
化洗濯性の諸堅牢度は、いずれも良好である。
【0133】染色例8 染色例1〜7において、例1の化合物の代わりに例2〜
4の化合物又は配合物を用いて染色を行う。得られた染
色物は、各々、染色例1〜7で得られた染色物と同等の
品質を有している。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記式(1)で示されるビスアゾ化合物又
    はその塩。 【化1】 〔式中、a及びbは、同一又は相異なり、0又は1を表
    し、D1はフェニレン系のジアゾ成分の残基を表し、Z1
    は下記式(2a)、(2b)、(2c)、(2d)又は
    (2e) 【化2】 {ここで、Zは複素環式の繊維反応基を表し、R1
    2、R3、R4、R5及びR6は、同一又は相異なり、水
    素、置換されていてもよいアルキル又は置換されていて
    もよいフェニルを表し、A1及びA2は、同一又は相異な
    り、脂肪族系の連結基を表し、A3は芳香族系の連結基
    を表し、Y1、Y2、Y3及びY4は、同一又は相異なり、
    −CH=CH2又は−CH2CH2Lを表し、Lはアルカ
    リの作用で脱離する基であり、X1及びX2は、同一又は
    相異なり、フルオロ、クロロ、置換されていてもよいピ
    リジニオ、或いは、下記式(3a)、(3b)、(3
    c)又は(3d) 【化3】 (式中、R7、R8、R9及びR10は、同一又は相異な
    り、水素、置換されていてもよいアルキル、置換されて
    いてもよいシクロアルキル、置換されていてもよいフェ
    ニル又は置換されていてもよいナフチルを表し、Qは−
    CH2−、−O−、−S−、−SO2−又は−NR11−を
    表し、R11は水素又は置換されていてもよいアルキルを
    表し、eは1、2又は3である。)で示される基を表
    す。}で示される繊維反応性の基を表し、Z2は上式
    (2a)、(2d)又は(2e)で示される繊維反応性
    の基、或いは、下記式(4) 【化4】 {ここで、R12は水素、置換されていてもよいアルキル
    又は置換されていてもよいフェニルを表し、R13は置換
    されていてもよいアルキル、置換されていてもよいアル
    ケニル又は置換されていてもよいフェニルを表す。}で
    示される基を表す。但し、Z2が式(4)で示される基
    である場合は、aは1である。〕
  2. 【請求項2】aが、0である請求項1に記載のビスアゾ
    化合物又はその塩。
  3. 【請求項3】bが、1である請求項1又は2に記載のビ
    スアゾ化合物又はその塩。
  4. 【請求項4】bが、0である請求項1又は2に記載のビ
    スアゾ化合物又はその塩。
  5. 【請求項5】Z1が、式(2a)、(2b)、(2d)
    及び(2e)から選ばれる一つの基である請求項1〜4
    のいずれかに記載のビスアゾ化合物又はその塩。
  6. 【請求項6】Z1が、式(2b)で示される基である請
    求項5に記載のビスアゾ化合物又はその塩。
  7. 【請求項7】Z2が、式(2d)、(2e)又は(4)
    で示される基である請求項1〜6のいずれかに記載のビ
    スアゾ化合物又はその塩。
  8. 【請求項8】Z2が、式(2d)又は(2e)で示され
    る基である請求項7に記載のビスアゾ化合物又はその
    塩。
  9. 【請求項9】X1及びX2が、同一又は相異なり、クロ
    ロ、置換されていてもよいピリジニオ又は式(3a)で
    示される基である請求項1〜8のいずれかに記載のビス
    アゾ化合物又はその塩。
  10. 【請求項10】請求項1〜9のいずれかに記載のビスア
    ゾ化合物又はその塩を用いることを特徴とする繊維材料
    の染色又は捺染方法。
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