JP2020097415A - 自動運転制御装置及び車両 - Google Patents

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Abstract

【課題】自動で実行中の制御の一部又は全てを適切なタイミングで停止させる。
【解決手段】本開示の1つの側面における車両に搭載される自動運転制御装置は、周囲情報取得部と、運転モード設定部と、自動制御部とを備える。運転モード設定部は、車両の運転モードが高度自動化モードに設定されている場合に、予め設定した基本モード切替条件が成立した場合、車両の運転モードを基本モードに切り替える。
【選択図】図6

Description

関連出願の相互参照
本国際出願は、2014年9月30日に日本国特許庁に出願された日本国特許出願第2014−201407号に基づく優先権を主張するものであり、日本国特許出願第2014−201407号の全内容を本国際出願に参照により援用する。
本開示は、運転者による各種判断や操作などの、車両を走行させるために必要な運転者の各種運転動作のうち、一部又は全てを、運転者の操作等を要することなく自動で行わせることが可能な、自動運転制御装置に関する。
車両の自動運転を実現するための技術が各種提案され、一部実用化されている。下記の特許文献1には、予め設定された走行計画に従って自動運転走行可能な自動運転車両が開示されている。
特開2012−59274号公報
自動運転技術の最終目標の1つは、目的地を設定するだけで後は乗員が何ら走行に関与することなく目的地へ到達できるようにすることであると考えられる。しかし、それを実現できるほどの信頼性の高いレベルにまではまだ至っていないのが現状である。
自動運転技術が確立してその信頼性が高いレベルに至るまでは、自動運転技術を採用しつつも、必要に応じて、自動で実行中の制御の一部又は全てを無効としてドライバーの操作に委ねることができるようにすることが望ましい。
本開示の一側面においては、走行に必要な各種運転制御の一部又は全てを運転者の操作を要することなく自動で実行させることが可能な車両において、自動で実行中の制御の一部又は全てを適切なタイミングで停止させることができるようにすることが望ましい。
本開示の1つの局面は、車両に搭載される自動運転制御装置であって、周囲情報取得部と、運転モード設定部と、自動制御部とを備える。周囲情報取得部は、車両の周囲情報を取得する。周囲情報とは、車両の周囲の状態を示す情報であって、前述の複数種類の運転動作のうち少なくとも1つを運転者の操作を要することなく自動で実行させるために必要な情報である。運転モード設定部は、車両の運転モードを、高度自動化モード及び基本モードの何れかに設定する。高度自動化モードとは、車両の走行に必要な複数種類の運転動作の一部又は全てを周囲情報に基づいて自動で実行する運転モードである。基本モードとは、自動で実行する運転動作の種類が高度自動化モードよりも少ないか若しくはゼロである運転モードである。自動制御部は、運転モード設定部により設定された運転モードに基づき、その運転モードにおいて自動で実行するように設定されている運転動作を実行する。そして、運転モード設定部は、運転モードが高度自動化モードに設定されている場合に、予め設定した基本モード切替条件が成立した場合、運転モードを基本モードに切り替える。
このように構成された自動運転制御装置では、運転モードとして高度自動化モードと基本モードを有し、高度自動化モード中に基本モード切替条件が成立した場合は基本モードに切り替わる。基本モード切替条件とは、運転モードを高度自動化モードから基本モードに切り替える必要がある、或いは切り替えることが望ましい特定の条件である。基本モード切替条件の数や内容は適宜決めてもよい。また、基本モード切替条件が複数設定されている場合は、その複数の基本モード切替条件の少なくとも1つが成立している場合に基本モードに切り替わるようにしてもよいし、設定されている全ての基本モード切替条件のうち2以上の特定数以上或いは全てが成立している場合に基本モードに切り替わるようにしてもよい。
基本モード切替条件を適宜設定することで、高度自動化モードから基本モードへの切り替えを適切なタイミングで行うことができる。したがって、上記構成の自動運転制御装置によれば、高度自動化モードにおいて自動で実行中の運転動作の一部又は全ての停止を、適切なタイミングで行うことが可能となる。
基本モードで車両の運転が行われている場合、状況によっては高度自動化モードに切り替えて自動運転処理に任せた方が好ましい場合も起こり得る。そこで、運転モード設定部は、運転モードが基本モードの場合に、予め設定した高度自動化切替条件が成立した場合、運転モードを高度自動化モードに切り替えるようにしてもよい。
高度自動化切替条件とは、運転モードを基本モードから高度自動化モードに切り替える必要がある、或いは切り替えることが望ましい特定の条件である。高度自動化切替条件の数や内容は適宜決めてもよい。また、高度自動化切替条件が複数設定されている場合は、その複数の高度自動化切替条件の少なくとも1つが成立している場合に高度自動化モードに切り替わるようにしてもよいし、設定されている全ての高度自動化切替条件のうち2以上の特定数以上或いは全てが成立している場合に高度自動化モードに切り替わるようにしてもよい。
このように構成された自動運転制御装置によれば、高度自動化切替条件を適宜設定することで、高度自動化モードと基本モードの相互の切り替えを適切なタイミングで行うことが可能となる。
運転モード設定部は、運転モードが基本モードの場合に、高度自動化切替条件が成立しても、基本モード切替条件の成立が継続している場合は、基本モードを維持するようにしてもよい。
基本モード切替条件が成立しているということは、自動化される運転動作の種類を減らして運転者自らの操作による運転動作の比重を高めた方が好ましい状況であることが推測される。そのため、高度自動化切替条件と基本モード切替条件の双方が成立している場合は、基本モードを優先して高度自動化モードに切り替えないようにすることで、運転者の運転操作が尊重された適切な車両制御を実現することができる。
図1Aは実施形態の車両の側面図、図1Bは実施形態の車両の上面図である。 実施形態の車両の電気的構成を示すブロック図である。 図3Aは各運転モードの自動運転レベルを示す説明図、図3Bは各自動運転レベルでの制御内容を任意に設定してもよいことを示す説明図である。 自動運転の概要を説明するための説明図である。 メイン処理のフローチャートである。 図5のメイン処理における自動運転制御処理のフローチャートである。 図6の自動運転制御処理における初期自動切替確認処理のフローチャートである。 図6の自動運転制御処理における通常時自動切替確認処理のフローチャートである。 高度自動化モードから基本モードに切り替えるべき事例を説明するための説明図である。 図6の自動運転制御処理における基本モード切替確認処理のフローチャートである。 基本モード切替確認処理の他の実施例を示すフローチャートである。 基本モード切替確認処理の他の実施例を示すフローチャートである。 基本モード準備確認処理のフローチャートである。 制御パラメータ設定処理のフローチャートである。
以下に、本開示の例示的な実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
(1)車両1の構成
図1Aに本実施形態の車両1の側面図、図1Bにその車両1の上面図を示す。ただし、図1A及び図1Bは、主に車両1における各種カメラ、レーダ、センサ等の配置状態を明示することを目的として、それらの配置状態を簡潔に図示している。
図1A、図1Bに示すように、車両1は、当該車両1の内外を撮影するためのカメラとして、少なくとも、第1前方カメラ2、室内カメラ3、第1後方カメラ4、第2前方カメラ5、第2後方カメラ6、左側方カメラ7、及び右側方カメラ8を備えている。各カメラ2〜8は、いずれもカラーの画像、動画を撮影可能なカメラである。各カメラ2〜8は、単眼のカメラであってもよいし、複数のレンズを備えることにより奥行き方向の情報も取得可能なステレオカメラであってもよい。
第1前方カメラ2は、車室内の天井の前端側において前方を向くように設けられている。この第1前方カメラ2により、車両1の前方を広い範囲で撮影可能である。室内カメラ3は、車室内の天井の前端側において後方(車室内)を向くように設けられている。この室内カメラ3により、車室内のうち少なくともドライバー(運転者)の上半身を撮影可能である。第1後方カメラ4は、車室内の天井の後端側において後方を向くように設けられている。この第1後方カメラ4により、車両1の後方を広い範囲で撮影可能である。
第2前方カメラ5は、車両1の前端部において前方を向くように設けられている。この第2前方カメラ5により、車両1の前方を広い範囲で撮影可能である。第2後方カメラ6は、車両1の後端部において後方を向くように設けられている。この第2後方カメラ6により、車両1の後方を広い範囲で撮影可能である。左側方カメラ7は、車両1の左側面において左側を向くように設けられている。この左側方カメラ7により、車両1の左側を広い範囲で撮影可能である。右側方カメラ8は、車両1の右側面において右側を向くように設けられている。この右側方カメラ8により、車両1の右側を広い範囲で撮影可能である。
また、車両1は、図1A、図1Bに示すように、前方レーダ装置11、後方レーダ装置12、左側方レーダ装置13、及び右側方レーダ装置14を備えている。各レーダ装置11〜14は、本実施形態では、ミリ波レーダである。ミリ波レーダとは、周知の通り、ミリ波の電波を送信してその反射波を複数の受信アンテナで受信することにより、送信波と各受信波との関係及び各受信波相互の関係に基づいて、車両1周囲の物標に関する物標情
報を検出可能なレーダである。各レーダ装置11〜14で検出可能な物標情報としては、検出方向における物標の有無、物標までの距離、車両1を基準とした物標の方向、物標の移動速度(車両1に対する相対速度)などがある。
具体的に、前方レーダ装置11は、車両1の前端部に設けられ、車両1の前方に対する所定周波数のミリ波の送受信を行う。この前方レーダ装置11により、車両1の前方の物標に関する物標情報を取得できる。後方レーダ装置12は、車両1の後端部に設けられ、車両1の後方に対する所定周波数のミリ波の送受信を行う。この後方レーダ装置12により、車両1の後方の物標に関する物標情報を取得できる。左側方レーダ装置13は、車両1の左側面に設けられ、車両1の左側方に対する所定周波数のミリ波の送受信を行う。この左側方レーダ装置13により、車両1の左側方の物標に関する物標情報を取得できる。右側方レーダ装置14は、車両1の右側面に設けられ、車両1の右側方に対する所定周波数のミリ波の送受信を行う。この右側方レーダ装置14により、車両1の右側方の物標に関する物標情報を取得できる。
また、車両1は、図1A、図1Bに示すように、生体センサ21と、日射センサ22と、降雨センサ23とを備えている。生体センサ21は、ドライバーが操舵のために操作するハンドル20において複数(本実施形態では2つ)設けられている。生体センサ21は、ドライバーがハンドル20に触れているか否かを検出可能であると共に、ドライバーがハンドル20に触れている間、ドライバーの脈拍や発汗状態などの各種の生体情報を検出可能である。日射センサ22は、車室内前方におけるフロントウィンドウ10の下部に設置されている。この日射センサ22は、車両1に対する日射量、ひいては車両1周囲の明るさを検出可能である。降雨センサ23は、フロントウィンドウ10における車室内側の上部に設置されている。この降雨センサ23は、降雨の有無や降雨量を検出可能である。
その他、車両1は、図1A、図1Bに示すように、自動運転作動ランプ16を4つ備えている。本実施形態の車両1は、後述するように、運転モードを高度自動化モードと基本モードの何れかに切り替え可能であり、運転モードが高度自動化モードに設定されている間に、各自動運転作動ランプ16が所定の点灯パターンで点灯する。各自動運転作動ランプ16の点灯状態は車両1の外部から視認可能である。そのため、運転モードが高度自動化モードに設定されている場合、車両1の周囲を走行中の車両や歩行者などに対して高度自動化モードで走行中であることをアピールすることができる。各自動運転作動ランプ16の点灯パターンは種々考えられ、例えば高度自動化モード中は常時点灯させてもよいし、一定周期で点灯と消灯を交互に切り替えるようにしてもよい。
(2)車両1の電気的構成
車両1の電気的構成について、図2を用いて具体的に説明する。図2に示すように、車両1は、自動運転制御部30を備えている。自動運転制御部30は、主として、モード切替機能と、自動運転機能とを有する。モード切替機能は、車両1の運転モードを高度自動化モード及び基本モードの何れかに設定する機能である。自動運転機能は、設定されている運転モードの自動運転レベル(図3A参照。詳細は後述。)に応じた自動運転を実行する機能である。自動運転制御部30は、後述するように、車両1の運転モードを、車両1の走行状態、車両1の周囲状況、車両1のドライバーの状態などの種々の要因に応じて適宜切り替える。
車両の自動運転の種類には、一部自動運転や、完全自動運転などがある。一部自動運転とは、車両を走行させるために必要な運転者の各種運転動作のうち一部が自動化された形態の自動運転である。なお、ここでいう自動化とは、運転者の操作等を要することなく実行可能であることを意味する。完全自動運転とは、設定された目的地まで運転者の操作等を要することなく目的地までの走行が全て自動化された形態の自動運転である。自動運転
において自動化される運転動作の種類や数の度合いを示すパラメータを、以下、自動運転レベルと言う。完全自動運転は、一部自動運転よりも自動運転レベルは高い。また、一部自動運転にも、自動化される運転動作の種類や数に応じて様々なレベルがある。
本実施形態の車両1は、自動運転制御部30により、一部自動運転が可能であることはもちろん、完全自動運転も可能に構成されている。本実施形態では、自動運転レベル、即ち、走行に必要な各種運転動作のうちどの動作を自動化させてどの動作を運転者が行うかについて、ドライバーが任意に設定変更できるように構成されている。
より具体的に、本実施形態では、完全自動運転を実現するための主な自動制御機能として、自動発進/停止制御、車線維持制御、車間距離制御、車線変更制御、右左折制御、衝突抑止制御、及び駐車制御の7種類がある。自動運転制御部30は、これら7種類の自動制御機能を実行可能であり、これら7種類の自動制御機能を実行することで完全自動運転を実現できる。
逆に、上記7種類の自動制御機能のうち任意の6種類以下を実行することで、一部自動運転が実現される。本実施形態では、高度自動化モードにおいて上記7種類の自動制御機能のどれを実行させるかを任意に設定することができる。
7種類の自動制御機能の具体的な内容については、後で詳しく説明する。
自動運転レベルは、上記7種類の自動制御機能のうち実行させる機能が多いほど高いレベルとなる。具体的には、上記7種類の自動制御機能のいずれも実行されない場合の自動運転レベルはレベル0である。上記7種類の自動制御機能のうちn種類が実行される場合の自動運転レベルはレベルnである。したがって、レベル0の運転モードでは、7種類の自動制御機能に対応した制御動作をドライバー自らが判断し操作して行うことが必要となる。一方、レベル1〜レベル6の運転モードは、一部自動運転が行われる運転モードである。レベル7の運転モードは、完全自動運転が行われる運転モードである。
本実施形態において、高度自動化モードとは、レベル1以上の自動運転レベルでの自動運転が行われる運転モードである。一方、基本モードとは、高度自動化モードに対して相対的に自動運転レベルが低い運転モードである。例えば、高度自動化モードがレベルnの場合、基本モードは、レベルn−1〜レベル0の何れかに設定可能である。
本実施形態では、説明の簡素化及びわかりやすさのため、基本モードは、自動運転レベルがレベル0に設定されているものとして説明する。レベル0は、上記7種類の自動制御機能が全て実行されず、走行に必要な各種運転動作のほとんどをドライバーが行う必要があるレベルである。
自動運転制御部30は、演算部30a及びメモリ30bを有する。メモリ30bは、詳しくは、ROM、RAM、その他の各種記憶媒体(例えばEEPROM、フラッシュメモリ)の少なくとも1つを含む。演算部30aは、メモリ30bに記憶されている各種プログラムを実行することにより、上述したモード切替機能及び自動運転機能を含む各種機能を実現する。演算部30aには、少なくともCPUが含まれる。
メモリ30bに記憶されている各種プログラムには、外部からの不正操作、コンピュータウィルス、不正なソフトウェアやデータなど(以下まとめて「不正要因」と略す)を検出することが可能なプログラム(いわゆるセキュリティソフト)が含まれている。演算部30aは、起動中、このセキュリティソフトを常駐させることにより、不正要因の有無を随時監視する。そして、不正要因が発生した場合には、各種の不正対応処理を実行する。不正対応処理には、自動運転レベルを強制的にレベル0に設定して自動制御機能を一切作
動させないようにする処理も含まれる。その他、不正対応処理の具体的内容は種々考えられ、例えば、ドライバーに対して音声等による警告を出力するようにしてもよいし、車両1を強制的に減速或いは停止させるようにしてもよい。また、自動運転制御部30と各通信部31〜35との接続を物理的に遮断して、外部から自動運転制御部30への無線通信を介したアクセスができなくなるようにしてもよい。
自動運転制御部30には、図1A、図1Bに示した各カメラ2〜8、各レーダ装置11〜14、各センサ21〜23、及び4つの自動運転作動ランプ16が接続されている。自動運転制御部30の演算部30aは、各カメラ2〜8の動作を個別に制御すると共に、各カメラ2〜8から撮影結果(画像データ)を取得してメモリ30bに記憶する。画像データの取得及び記憶は所定時間毎に繰り返し行う。
演算部30aは、各カメラ2〜8の画像データに基づいて、車両内外の各種状況を認識することができる。例えば、室内カメラ3の画像データからは、ドライバーの視線や目の状態、ジェスチャーなどを認識することができる。また、第1前方カメラ2の画像データからは、車両に向かって日光が入射していてドライバーが眩しさを感じる状態(いわゆる逆光)を検出することができる。また、第1前方カメラ2及び第2前方カメラ5の画像データからは、前方車両、対向車両、斜め前方を走行している隣接車線の車両、車線区分線、横断歩道、歩行者や自転車などの飛び出し、交差点における交差路への他車両の進入、進行方向の標識や信号機、看板などの内容、その他の車両周囲の物体を認識することができる。
また、自動運転制御部30の演算部30aは、各レーダ装置11〜14を個別に制御すると共に、各レーダ装置11〜14から物標の検出結果を取得し、メモリ30bに記憶する。各レーダ装置11〜14からの検出結果の取得及び記憶は所定時間ごとに繰り返し行う。演算部30aは、各レーダ装置11〜14の検出結果に基づいて、物標の有無、物標までの距離、物標の方向、車両1からみた物標の相対速度などを演算して取得することができる。
また、自動運転制御部30の演算部30aは、生体センサ21からの検出信号に基づいて、ドライバーがハンドル20に触れているか否かの判断を行う。また、ドライバーがハンドル20に触れている間(詳しくは生体センサ21に接触している間)、生体センサ21からの検出信号に基づいて、ドライバーの脈拍や発汗状態などの生体情報を取得する。演算部30aは、取得した生体情報に基づいて、ドライバーの体調や精神状態を推測することができる。
また、自動運転制御部30の演算部30aは、日射センサ22からの検出信号に基づいて、走行環境の明るさを判断し、夜間またはそれに類する状況(以下単に「夜間」という)の明るさであるか判断することができる。また、自動運転制御部30の演算部30aは、降雨センサ23からの検出信号に基づいて、降雨の有無や降雨量を判断することができる。
また、車両1は、自動運転制御部30に接続される構成要素として、図2に示すように、着座センサ25及びベルトセンサ26を備えている。着座センサ25は、車両1の座席に乗員が座っているか否かを検出するためのセンサである。着座センサ25は、図2では図示の簡略化のために1つのみ図示しているが、実際には、座席ごとに個別に設けられている。具体的に、乗車定員がN人の車両1の場合、N箇所の座席ごとに個別に着座センサ25が設けられている。
ベルトセンサ26は、車両1の座席に乗員が座っている場合にその乗員がシートベルト
を装着しているか否かを検出するためのセンサである。ベルトセンサ26は、図2では図示の簡略化のために1つのみ図示しているが、実際には、各座席のシートベルトごとに個別に設けられている。具体的に、乗車定員がN人の車両1の場合、N箇所の座席ごとに個別にシートベルトが設けられており、それら各シートベルトに対して個別にベルトセンサ26が設けられている。
また、車両1は、自動運転制御部30に接続される構成要素として、図2に示すように、GPS通信部31、車車間通信部32、路車間通信部33、歩車間通信部34、LTE通信部35、及びTV・ラジオ受信部36を備えている。
GPS通信部31は、複数のGPS(Global Positioning System )衛星からの電波を受信し、それら受信電波に含まれる情報(GPS情報)を自動運転制御部30へ出力する。自動運転制御部30の演算部30aは、GPS通信部31で受信された情報をもとに、車両1の現在位置を演算することができる。
また、自動運転制御部30は、自動運転機能を実現するための各種要素機能のうちの1つである経路案内機能を備えている。経路案内機能は、GPS情報に基づいて演算される車両1の現在位置と、ドライバーが設定した目的地とに基づいて、現在位置から目的地までの適切なルートを演算し、車両1がそのルートに沿って目的地まで走行するように車両1を案内制御する機能である。経路案内機能における車両1の案内制御の内容は、自動運転レベルによって異なる。例えば、自動運転レベルが完全自動運転のレベル7に設定されている場合の案内制御は、完全自動運転を実現するための複数種類(本実施形態では既述の通り7種類)の自動制御機能に対する、その自動制御機能の実行に必要な経路情報(車両がどの方向、どのルートへ走行すればよいかに関する情報)の提供である。また例えば、自動運転レベルが完全自動運転よりもレベルの低い所定レベル1〜6(一部自動運転)に設定されている場合の案内制御は、複数種類の自動制御機能のうち一部自動運転に必要な自動制御機能に対する経路情報の提供と、必要に応じて運転者に対して走行ルートの案内(例えば音声案内)を行うことである。
経路案内機能に必要な地図データやその他の各種データは、メモリ30bに記憶されている。演算部30aは、それら各種データを参照しつつ、メモリ30bに記憶されている経路案内機能用のプログラムを実行することで、経路案内機能(具体的には上記案内制御)を実現する。演算部30aは、経路案内機能に基づいて、車両1の周囲の道路状況を認識することもできる。具体的には、例えば、現在位置から目的地までのルートの形状や車幅なども認識することができる。
車車間通信部32は、自車両以外の他の車両と無線により各種データの送受を行うための通信モジュールである。自動運転制御部30の演算部30aは、車車間通信部32を介して、周囲の他車両の情報(例えば走行方向、走行速度、位置など)を取得することができる。逆に、自車両1の情報を他車両に送信することもできる。
路車間通信部33は、路上(地上側)に設けられた路上通信機81(図4参照)から無線送信される各種情報を受信するための通信モジュールである。路車間通信部33により受信された各種情報は自動運転制御部30に入力される。
路上通信機81は、不図示のサーバに接続され、サーバから各種情報を受信して周囲の所定エリア内に無線送信する。サーバには、各種のインフラ情報(例えば信号機の情報、道路規制情報など)や、他の車両や歩行者等の存在情報などの、各種の道路交通情報が集約される。サーバは、集約した道路交通情報に基づいて、路上通信機81毎に、その路上通信機81に関連する個別道路情報を送信する。個別道路情報は、当該路上通信機81の
通信エリア内を走行中の車両の進行方向に関する各種の道路交通情報である。各路上通信機81は、サーバから送信されてきた個別道路情報を所定の通信エリア内に無線送信する。
自動運転制御部30の演算部30aは、路車間通信部33を介して、進行方向の走行路に関する各種の道路交通情報を取得することができる。演算部30aが路車間通信部33を介して取得可能な情報には、危険区間(例えばカーブが連続している区間、路幅が狭い区間、など)、工事が行われている区間、事故現場に近い一定区間、などの各種区間に関する区間情報が含まれる。演算部30aは、取得した区間情報と経路案内機能との連係により、車両1が、区間情報が示す区間を走行中か否かといった、その区間と車両1との相対関係を認識することができる。
なお、図4に例示している各路上通信機81には、カメラ82が搭載されている。各カメラ82は、それぞれ道路側を撮影してその撮影データをネットワーク経由でサーバへ送信する。サーバは、各カメラ82から送信された撮影データから、そのカメラ周囲の道路交通情報を取得することができる。
歩車間通信部34は、地上側の歩行者が所持している通信端末(例えば携帯電話やスマートフォン)と無線通信を行うための通信モジュールである。歩行者が所持している通信端末が、その通信端末の位置(即ち歩行者の位置)を示す端末位置情報を無線送信可能に構成されている場合に、その通信端末から送信される端末位置情報を歩車間通信部34が受信可能である。歩車間通信部34により受信された端末位置情報は自動運転制御部30に入力される。なお、自動運転制御部30は、車両1の位置情報などの各種情報を歩車間通信部34から歩行者の通信端末へ無線送信することにより、車両1の位置情報などを歩行者に知らせることもできる。
自動運転制御部30の演算部30aは、歩車間通信部34を介して受信された端末位置情報に基づいて、歩行者の位置や動きを知ることができる。歩行者の有無や動きは、既述の各カメラやレーダ装置によっても検出できるが、それに加えて、歩車間通信部34を介して得られる情報からも、歩行者の有無や歩行者の飛び出しなどを検出することができる。
LTE通信部35は、周知の携帯電話の通信規格であるLTEによる無線通信を実現するための通信モジュールである。TV・ラジオ受信部36は、テレビ放送やラジオ放送の電波を受信するための受信モジュールである。演算部30aは、LTE通信部35を介して(つまりLTE無線通信により)、車両1の自動運転に必要な各種情報を取得したり、既存情報の更新(例えば地図データの更新)をしたりすることができる。なお、このような各種情報の取得や更新をLTE無線通信によって行うことは必須ではなく、他の無線通信を用いて行うようにしてもよい。
また、車両1は、自動運転制御部30に接続される構成要素として、図2に示すように、ディスプレイ37と、HUD(ヘッドアップディスプレイの略)38と、マイク39と、スピーカ40と、ウィンカー操作部41と、自動運転作動ランプ16と、自動運転起動スイッチ42と、自動運転停止スイッチ43と、緊急停止スイッチ44と、レベル設定操作部45とを備えている。自動運転作動ランプ16は、既述の通り、本実施形態では4つ設けられている。なお、以下、スイッチを「SW」とも称する。
ディスプレイ37は、経路案内機能における地図情報を含む各種情報を表示するための表示デバイスである。ディスプレイ37は、タッチパネル機能を備えており、ディスプレイ37の表示内容に合わせてディスプレイ37にタッチ(詳しくはタッチパネルにタッチ
)することで、種々の入力操作を行うことができる。
HUD38は、各種情報をフロントウィンドウ10近傍に投影することが可能な表示デバイスである。マイク39は、ドライバーその他の乗員の音声を取得し、その音声信号を自動運転制御部30へ入力する。スピーカ40は、自動運転制御部30から出力される各種音声信号に基づく音声を出力する。
ウィンカー操作部41は、ウィンカー(不図示)を点滅させるためにドライバーに操作される操作レバーを有し、その操作レバーの操作状態を示すウィンカー操作信号を自動運転制御部30へ出力する。
自動運転起動SW42は、車両1を高度自動化モードにするためのスイッチである。車両1のドライバーは、車両1を高度自動化モードに設定して自動運転を実行させるためには、自動運転起動SW42を押す必要がある。自動運転停止SW43は、設定されている運転モードにかかわらず車両1の自動運転レベルを強制的にレベル0に切り替えるためのスイッチである。緊急停止SW44は、車両1を強制的に停車させるためのスイッチである。レベル設定操作部45は、運転者による自動運転レベルの設定(詳細は後述)の操作を受け付けるためのユーザインタフェースである。
コンピュータウィルスや不正操作などの不正要因が発生したことをドライバーが認識した場合、ドライバーは、自動運転停止SW43を押すことで、自動運転を強制的に解除し、ドライバー自らの運転操作で車両1を走行させることができる。
自動運転起動SW42、自動運転停止SW43、及び緊急停止SW44は、例えば、車室内における運転席近傍において、運転席に座っているドライバーが運転中に操作可能な位置に設けられている。ただし、これら各SW42,43,44の設置場所は適宜決めてもよいし、複数箇所に同じSWを設けてもよい。例えば、緊急停止SW44を、運転席以外の他の席(例えば助手席)の近傍に設けてもよい。そのようにすることで、例えば、運転中のドライバーに異変が生じてドライバーが正常に運転操作することが困難になった場合に、助手席に座っている乗員が緊急停止SW44を操作することで、車両1を緊急停止させることができる。
また、車両1には、アクセルペダル27aと、ブレーキペダル28aとが設けられている。アクセルペダル27aは、ドライバーが車両1を走行させたい場合にドライバーによって踏み込み操作される。ブレーキペダル28aは、ドライバーが走行中の車両1を減速又は停止させたい場合にドライバーによって踏み込み操作される。
また、車両1は、自動運転制御部30に接続される構成要素として、図2に示すように、車速センサ24と、走行駆動制御部27と、ブレーキ制御部28と、ペダルセンサ28bと、ステアリング制御部29とを備える。
ペダルセンサ28bは、ドライバーの足がブレーキペダル28aに置かれているか否かを検出するためのセンサであり、ブレーキペダル28aにおける、ドライバーの足が触れる面に設けられている。ブレーキペダル28aにドライバーの足が置かれている場合と置かれていない場合とで、ペダルセンサ28bから出力される信号が異なる。自動運転制御部30は、ペダルセンサ28bから出力される信号に基づいて、ブレーキペダル28aにドライバーの足が置かれているか否か判断できるように構成されている。
走行駆動制御部27は、アクセルペダル27aの踏み込み量を検出するためのアクセルセンサ(不図示)を備えている。走行駆動制御部27は、アクセルセンサによって検出さ
れるアクセルペダル27aの踏み込み量、シフトレバー(不図示)の操作位置、車速、エンジン回転数などの各種情報に基づいて、不図示のエンジンや変速装置を制御することにより、車両1の走行を制御する。一方、運転モードが高度自動化モードに設定されている場合(詳しくは上記7種類の自動制御機能の何れかが実行される場合)は、自動運転制御部30は、その実行対象の自動制御機能を実現するために必要な制御情報を走行駆動制御部27に出力する。この場合、走行駆動制御部27は、アクセルペダル27aが踏み込まれていなくても、自動運転制御部30からの制御情報に応じてエンジンや変速装置を制御する。なお、本実施形態の車両1は、走行用の駆動源としてエンジンを備えているが、本開示の自動運転制御装置は、エンジン以外の走行用駆動源を備えた車両に対しても適用できる。その場合、図2に示した走行駆動制御部27は、その車両の走行用駆動源を制御する機能を担う。
ブレーキ制御部28は、ブレーキペダル28aの踏み込み量を検出するためのブレーキセンサ(不図示)を備えている。ブレーキ制御部28は、ブレーキセンサによって検出されるブレーキペダル28aの踏み込み量に基づいて不図示のブレーキ装置を制御する。一方、運転モードが高度自動化モードに設定されている場合(詳しくは上記7種類の自動制御機能の何れかが実行される場合)は、ブレーキ制御部28は、ブレーキペダル28aが踏まれていなくても、自動運転制御部30からの制御情報に応じてブレーキ装置を制御する。
ステアリング制御部29は、主に2つの機能を有する。1つは、いわゆる電動パワーステアリング機能である。電動パワーステアリング機能は、ドライバーによるハンドル20の操作をモータによってアシストする機能である。もう1つは、車両1の操舵輪(例えば前輪)の操舵をドライバーの操作を要することなく自動で行う自動操舵機能である。操舵輪の操舵は、基本的には、ドライバーがハンドル20を操作することによって行われるが、運転モードが高度自動化モードに設定されている場合(詳しくは上記7種類の自動制御機能のうち少なくとも、自動発進/停止制御及び車間距離制御を除く何れかが実行される場合)は、ステアリング制御部29は、ドライバーがハンドル20を操作していなくても、自動運転制御部30からの制御情報に応じて上記モータを制御することにより操舵輪の操舵を自動制御する。
(3)自動運転機能の説明
本実施形態の車両1において、自動運転制御部30は、上述した自動運転機能を実現するために必要な各種情報を取得、検出することができる。
自動運転機能の実現に利用可能な情報として、まず、自車の位置や速度などの情報(自車情報)がある。自車位置については、GPS情報に基づいて演算により取得できる。自車速度は、車速センサ24からの車速信号、操舵角センサ(不図示)からの操舵角信号、ヨーレートセンサ(不図示)からのヨーレート信号などに基づいて演算により取得できる。なお、自車速度は、自車位置の変化率から演算することもできる。
また、自動運転機能の実現に利用可能な情報としては、周囲の移動物体に関する情報もある。具体的には、前方車両、後方車両、側方車両、対向車、進入先の交差点を交差する車両、歩行者、自転車などの、自車に対する相対的な位置、距離、速度に関する情報である。
これら周囲移動物体に関する情報は、各カメラ2〜8の撮影データや各レーダ装置11〜14による検出結果などに基づいて取得することができる。撮影データやレーダ装置の検出結果に基づいて周囲の物体を認識する技術は種々提案され、実用化されているため、ここではその説明を省略する。
周囲移動物体に関する情報は、車車間通信、路車間通信、及び歩車間通信によっても取得することができる。例えば、周囲車両と車車間通信を行うことにより、自車から見える周囲車両はもちろん、自車から死角になっていて直接見えない場所に存在する周囲車両の位置や動きについても認識することができる。路車間通信では、既述の通り、周囲車両や歩行者等の存在情報を取得することができる。歩車間通信では、既述の通り、歩車間通信部34を介して受信された端末位置情報に基づいて、歩行者の位置や動きを知ることができる。
車車間通信、路車間通信、歩車間通信の何れか1つ又は複数により、例えば、対向車との正面衝突抑止のために通常走行時(特にカーブ)や右折時に対向車情報を取得したり、左折時の二輪車巻き込みを抑制するために左側方や後方の二輪車情報を取得したり、車線変更時に側方(後側方)の車両の情報を取得したり、追突防止のために前方車両情報を取得したり、交差点での出会い頭衝突抑止のために交差路側を走行している他車両の情報を取得したり、歩行者等との衝突抑止のために歩行者等の情報を取得したりすることができる。
また、自動運転機能の実現に利用可能な情報としては、車線区分線(駐車区分線含む)、横断歩道、一時停止線などの、路上に直接描かれた各種の路上表示に関する情報もある。路上表示に関する情報としては、その路上表示の位置や内容などが挙げられる。これら路上表示に関する情報は、各カメラ2〜8の撮影データに基づいて取得することができる。撮影データから路上表示を認識する技術は種々提案され実用化されているため、ここではその説明を省略する。
進行方向にある路上表示に関する情報は、路車間通信によっても取得することができる。なお、本実施形態の車両1は備えていないが、レーザレーダを用いて各種の路上表示に関する情報を取得することも可能である。
また、自動運転機能の実現に利用可能な情報としては、信号機、踏切、標識(看板含む)、交差点、合/分流点、歩道、障害物、危険部位、その他地上構造物などに関する情報(以下「インフラ関連情報」と総称する)もある。インフラ関連情報には、上述した各種対象物の有無や位置のほか、信号機の場合はその色の情報、踏切の場合はその動作状態、標識や看板等の場合はその表示内容、なども含まれる。インフラ関連情報も、各カメラ2〜8の撮影データに基づいて認識し取得することができ、路車間通信によって取得することもできる。また、GPS情報と地図データ等に基づく既述の経路案内機能からも、各種インフラ情報を取得することができる。
また、自動運転機能の実現に利用可能な情報としては、規制情報もある。例えば、進行方向に工事や事故、天災等による走行規制が実施されている場合に、その規制情報を路車間通信により取得することができる。
上述した周囲移動物体に関する情報、インフラ関連情報、路上表示に関する情報、及び規制情報などの、自動運転機能実現に利用可能な各種の情報は、本開示の周囲情報の一例に相当する。
自動運転制御部30は、上述した各種の情報を取得し、それら情報に基づいて走行駆動制御部27、ブレーキ制御部28、ステアリング制御部29、その他必要な車載装置等を制御することにより、自動運転を実現することができる。具体的には、既述の7種類の自動制御機能を実行することができる。本実施形態における7種類の自動制御機能は、既述の通り、自動発進/停止制御、車線維持制御、車間距離制御、車線変更制御、右左折制御
、衝突抑止制御、及び駐車制御である。
自動発進/停止制御は、走行中、停止すべき条件が成立した場合に車両1を自動で停止させ、停止後、停止すべき条件が解除された場合には車両1を自動で発進させる制御である。この制御は、自車情報の他、各カメラ2〜8や各レーダセンサ11〜14から得られる周囲移動物体に関する情報、路車間通信により得られるインフラ関連情報や規制情報などを用いて行われる。
この自動発進/停止制御により、例えば、交差点等において信号機の色が青の場合にはそのまま走行させて赤又は黄の場合は停止させる、前方に踏切を認識して遮断機が下りていることを認識した場合には停止させる、遮断機が下りていない場合は一旦停止させた後に再び発進させる、といった制御が行われる。その他、前方に障害物等を認識した場合も自動で停止される。
自動発進/停止制御における、自動で停止させる際の減速度や、自動で発進させる際の加速度などの、自動発進/停止制御を実行するために必要な各種の制御パラメータは、予めデフォルト値が設定され、メモリ30bに記憶されている。ただし、それらの制御パラメータは、デフォルト値から任意に設定変更できるようにしてもよい。
車線維持制御は、自車が車線区分線を逸脱することなく車線に沿って走行するように操舵輪の操舵を自動で行うように構成された制御である。この制御は、自車情報の他、各カメラ2〜8や各レーダセンサ11〜14から得られる路上表示(特に車両区分線)に関する情報などを用い、経路案内機能と協働しながら行われる。
車間距離制御は、自車前方を他車両が走行している場合にその他車両との車間距離を一定距離に保ちながらその他車両に追従して走行するように速度制御を行う制御方法である。また、車間距離制御には、いわゆるクルーズコントロールも含まれる。具体的には、自車前方の一定範囲内(例えば前方100m以内)に他車両が存在しない場合、換言すれば追従対象の車両が自車前方に存在しない場合には、設定した速度で走行させる。車間距離制御は、自車情報の他、主に、各カメラ2〜8や各レーダセンサ11〜14から得られる周囲移動物体(特に前方車両)に関する情報を用いて行われる。
車間距離制御で用いられる、前方車両に追従して走行する際の前方車両との車間距離や自車速度の上限値などの、前方車両に追従して走行するために必要な各種パラメータは、予め設定されている。ただし、それらの制御パラメータは、任意に設定変更できるようにしてもよい。また、車間距離制御において、自車前方の一定範囲内に他車両が存在しない場合に用いられる制御パラメータの1つである車速は、原則として、走行中の道路の法定速度に設定される。ただし、この場合の車速を任意に設定できるようにしてもよい。その際、法定速度を超えない範囲内で任意に設定できるようにしてもよい。
車線変更制御は、車線変更(車線変更のための操舵)が必要となった場合に、変更先の隣接車線の他車両を検知し、他車両の有無や位置、速度などに応じて、他車両と衝突しないように、駆動力・制動力や操舵を制御しつつ自動で車線変更させる制御である。この制御は、自車情報の他、各カメラ2〜8や各レーダセンサ11〜14から得られる周囲移動物体(特に隣接車線の他車両)に関する情報や車両区分線に関する情報、車車間通信により得られる他車両(隣接車線の走行車両)の情報などを用いて行われる。
右左折制御は、右折又は左折が必要となった場合に、対向車、交差路を走行する車両、その他自車周囲の車両、歩行者等に衝突することなく自動で右折又は左折を行わせる制御である。この制御は、自車情報の他、各カメラ2〜8や各レーダセンサ11〜14から得
られる周囲移動物体に関する情報、車車間通信により得られる他車両の情報、歩車間通信により得られる歩行者等の情報などを用いて行われる。
衝突抑止制御は、車両進行方向の道路上に障害物が存在している場合に、その障害物に衝突しないように車両を自動で操舵又は制動・停止等させる制御である。各カメラ2〜8や各レーダセンサ11〜14から得られる周囲移動物体に関する情報、路車間通信により得られるインフラ関連情報や規制情報などを用いて行われる。
駐車制御は、目的地として特定の目標駐車位置(例えば特定の駐車場の駐車区画内)が設定された場合に、目標駐車位置までの走行軌跡を演算し、その走行軌跡に沿って車両の駆動力・制動力や操舵を制御して自動で駐車させる制御である。
上記7種類の制御機能のうちどれを実行させるか、即ち自動運転レベルについては、運転者等が任意に設定できるよう構成されている。具体的には、図3Aに示すように、高度自動化モード及び基本モードの双方とも、自動運転レベルを任意に設定できる。ただし、基本モードについては、レベル7は設定できず、レベル0〜レベル6の何れかを設定可能である。一方、高度自動化モードについては、レベル0は設定できず、レベル1〜レベル7の何れかを設定可能である。さらに、基本モードのレベルは、高度自動化モードのレベルよりも低いレベルの範囲内で設定可能である。逆に言えば、高度自動化モードのレベルは、基本モードのレベルよりも高いレベルの範囲内で設定可能である。
本実施形態では、図3Aに示すように、レベル1では制御A(例えば車線維持制御)が実行される。レベル2では制御Aに加えて制御B(例えば車間距離制御)が実行される。レベル3では制御A,Bに加えて制御C(例えば自動発進/停止制御)が実行される。レベル4では制御A,B,Cに加えて制御D(例えば衝突抑止制御)が実行される。レベル5では制御A,B,C,Dに加えて制御E(例えば車線変更制御)が実行される。レベル6では制御A,B,C,D,Eに加えて制御F(例えば右左折制御)が実行される。レベル7では制御A,B,C,D,E,Fに加えて制御G(例えば駐車制御)が実行される。つまり、レベルが高くなるほど実行される自動制御機能の種類も増えていき、レベル7では完全自動運転となる。
各運転モード毎のレベル設定は、運転モード毎に、運転席近傍に設けられたレベル設定操作部45を操作することにより可能である。本実施形態では、基本モードの自動運転レベルはデフォルトではレベル0に設定されており、高度自動化モードの自動運転レベルはデフォルトではレベル7に設定されている。そして、各運転モード毎に、現在設定されている自動運転レベルを任意に設定変更することができる。例えば、基本モードがレベル0に設定されている場合、高度自動化モードは、レベル1〜7の間で任意に設定変更できる。また例えば、基本モードがレベル1に設定されている場合は、高度自動化モードは、レベル2〜7の間で任意に設定変更できる。また例えば、高度自動化モードがレベル4に設定されている場合は、基本モードは、レベル0〜レベル3の間で任意に設定変更できる。
なお、どのレベルでどの自動制御機能を実行させるかについては、図3Aに例示した内容に限定されない。例えば、レベルが1つ上がる毎に実行される自動制御機能が1つずつ増えていくことは必須ではない。どのレベルでどの自動制御機能を実行させるかについては適宜決めてもよい。また、自動制御機能が上述した7種類であることもあくまでも一例であり、自動制御機能の数や各自動制御機能の具体的内容は適宜決めてもよい。
また、図3Aに示したような、レベルが1つ上がる毎に実行される自動制御機能が1つずつ増えていくことを前提としつつ、図3Bに示すように、制御A〜制御Gの内容を運転者等が任意に設定できるようにしてもよい。
本実施形態の車両1は、通常は、運転モードが基本モードに設定されている。一方、自動運転起動SW42を押すと、一定条件下で、運転モードが高度自動化モードとなる。なお、車線変更制御、右左折制御、及び駐車制御を実行するよう設定されている場合は、目的地(駐車制御の場合は目標駐車位置)を設定してもよい。具体的には、経路案内機能を立ち上げ、タッチパネルを介して目的地を入力してもよい。目的地が設定されている場合の自動運転は、基本的には、経路案内機能との協働により、自車両の位置を確認しながら、演算された目的地までのルートに沿うように行われる。
自動運転レベルがレベル1以上の運転モードに設定されている場合に、目的地が設定されていない場合、現在の運転モードにおいて適用されている自動制御機能を具体的にどのように実行させるかについては、適宜決めてもよい。例えば、右左折制御機能が実行されるような運転モードに設定されている場合に、目的地が設定されていない場合、原則として道なりに走行するように右左折制御機能を実行させるようにしてもよい。そして、例えば二股の分岐点にさしかかった場合のように、進行方向を選択する必要が生じた場合は、例えば予め決められた方向に進むように右左折制御機能を実行させるようにしてもよい。また、目的地が設定されていない場合は、右左折制御機能は無効としてもよい。駐車制御機能についても、目的地(具体的には駐車させる場所)が設定されていない場合は無効としてもよい。
高度自動化モードの自動運転レベルがレベル7に設定されている場合の、高度自動化モード時の各種の制御例を、図4を用いて説明する。図4に示す各車両61〜67は、いずれも、図1A、図1B、図2に示した車両1と同じ構成である。路上通信機81の通信エリア内を走行する車両は、路上通信機81から個別道路情報を受信できる。図4中の各車両のうち少なくとも4つの車両61,65,66,67は、少なくともその近傍の2つの路上通信機81a,81bからの個別道路情報を受信できる。具体的には、前方の信号機71の情報や、対向車62の情報、歩行者76の情報などを取得できる。
また、少なくとも車両63は、少なくともその近傍の路上通信機81cからの個別道路情報を受信できる。具体的には、一時停止標識73があること(つまり一時停止すべきであること)、右側から他の車両64が接近していること、などの情報を取得できる。
また、少なくとも車両64は、少なくともその近傍の路上通信機81dからの個別道路情報を受信できる。具体的には、左側から他の車両63が接近していることなどの情報を取得できる。
また、少なくとも車両62は、少なくともその近傍の路上通信機81eからの個別道路情報を受信できる。具体的には、前方の信号機72の情報、右折しようとしている対向車61が存在していること、左折方向に横断歩道があること、その横断歩道に歩行者76がいること、などの情報を取得できる。
また、各車両61〜66は、自身が備えている各カメラ2〜8や各レーダ装置11〜14からも各種情報を得ることができ、車車間通信や歩車間通信によっても各種情報を得ることができる。たとえば、車両65は、カメラやレーダ装置によって前方の車両67や右側方の車両66を検出することができ、これにより、前方の車両67との車間を適切に保ちながら走行したり、車線変更が必要な場合には右側方の車両66との位置関係を考慮しながら適切なタイミングで車線変更したりすることができる。また、車両65は、カメラやレーダ装置によって、歩行者77の飛び出しを検出することもできる。車両65は、歩行者77の飛び出しを検出した場合、後方の車両65との距離を考慮しつつ、歩行者77に衝突しないように適切な減速制御を行うことができる。
このように、各車両61〜66は、自車で得られる各種情報、及び路上側から得られる各種情報などの、種々の情報を用いながら、自動運転にて自車両を目的地まで適切に走行させることができる。
(4)運転モードの切り替え
自動運転制御部30は、自動運転起動SW42が押された場合、必ずしも、自動運転停止SW43が押されるまで(或いは目的地に到達するまで)常に高度自動化モードで動作するわけではない。自動運転制御部30の演算部30aは、自動運転起動SW42が押されると、図5に示すメイン処理を実行することで、高度自動化モードと基本モードの切り替えを行う。つまり、演算部30aが図5のメイン処理を実行することで、モード切替機能が実現される。
演算部30aは、車両1の不図示の起動スイッチ(例えばイグニションスイッチ)がオンされると、メモリ30bから図5のメイン処理のプログラムを読み込んで実行する。演算部30aは、図5のメイン処理を開始すると、S10で、運転モードを基本モードに設定し、基本モードとして設定されている自動運転レベルに基づく自動制御機能を実行する。例えば、基本モードとしてレベル1が設定されている場合は、制御Aの自動制御機能(図3A参照)を実行する。自動制御機能の実行は、前述の周囲情報を含む各種情報を必要に応じて取得しながら、それら取得した各種情報に基づいて行われる。なお、基本モードとしてレベル0が設定されている場合は、全ての自動制御機能を実行しない。基本モードにおいて実行対象に設定されている自動制御機能については、自動で実行されるが、それ以外の他の機能については、基本的に、ドライバーの操作に委ねられる。
S15では、目的地が設定済みか否か判断する。目的地がまだ設定されていない場合は(S15:NO)、S20で、目的地の設定入力が行われたか否か判断する。目的地の設定入力が行われていない場合は(S20:NO)、S15に戻る。つまり、目的地が設定されるまでは、基本モードが継続される。
目的地が設定済み(S15:YES)、又はS20で目的地の設定入力が行われた場合は(S20:YES)、S25で、自動運転起動SW42がオンされたか否か判断する。自動運転起動SW42がオンされていない場合は(S25:NO)、S15に戻る。自動運転起動SW42がオンされた場合は(S25:YES)、S30で、自動運転制御処理を実行する。自動運転制御処理は、運転モードを基本モードから高度自動化モードに切り替え可能か否かを判断して、切り替え可能ならば高度自動化モードに切り替える処理である。また、自動運転制御処理には、高度自動化モードへの切り替わり後、再び基本モードに切り替えるべきか否かを判断して切り替えるべき場合には基本モードに切り替える処理も含まれる。S30の自動運転制御処理の詳細は、図6に示す通りである。
図6の自動運転制御処理に進むと、S110で、現在の運転モードが高度自動化モードであるか否か判断する。すでに高度自動化モード中である場合は(S110:YES)、S200に進む。高度自動化モードでなく基本モードの場合は(S110:NO)、S120に進む。
S120では、S130の初期自動切替確認処理をすでに実行済みか否か判断する。初期自動切替確認処理とは、車両1の運転モードを基本モードから高度自動化モードに切り替え可能か否かを判断するための自動切替確認処理の1つであって、車両1の起動スイッチがオンされた後に最初に実行される自動切替確認処理である。
メイン処理の開始後、初期自動切替確認処理をまだ実行していない場合は(S120:
NO)、S130に進んで初期自動切替確認処理を実行する。メイン処理の開始後すでに初期自動切替確認処理を実行済みの場合は(S120:YES)、S140で、起動後に走行を実施したか否か判断する。運転モード如何にかかわらず起動後に少しでも走行した場合は(S140:YES)、S150に進んで通常時自動切替確認処理を実行する。起動後まだ少しも走行していない場合は(S140:NO)、S160に進む。通常時自動切替確認処理は、車両1の運転モードを基本モードから高度自動化モードに切り替え可能か否かを判断するための自動切替確認処理の1つであって、すでに初期自動切替確認処理が実行済みの場合に実行される自動切替確認処理である。
なお、自動切替確認処理として、初期自動切替確認処理と通常時自動切替確認処理とを分けることは必須ではない。何れか一方を省いて、他方のみを、S110で否定判定された場合に実行するようにしてもよい。或いは、双方をまとめて1つの自動切替確認処理として、S110で肯定判定された場合はその1つの自動切替確認処理を実行するようにしてもよい。
S130の初期自動切替確認処理の詳細は、図7に示す通りである。図7の初期自動切替確認処理に進むと、S310で、ドライバーの操作状態を確認する。本実施形態では、起動後すぐに高度自動化モードに切り替える際には、ドライバーが車両1を正常に操作できることを要件としている。これは、高度自動化モードで走行を開始した後、基本モードに戻す必要が生じた場合にスムーズに基本モードに戻すことができるようにするためである。また、運転操作に未熟な者(例えば子供)や車両1を操作すべきでない者が勝手に車両1を自動運転で走行させてしまうことを抑制する意味もある。
S310で具体的にどのような操作状態を確認すべきかについては適宜決めてもよい。例えば、ハンドル20を握っていて且つブレーキペダル28aを踏んでいるか否かを判断する第1の判断方法を用いてもよい。或いは、ドライバーに一定時間(例えば数十秒)車両1を走行させて、その走行時の運転操作が正常であるか否かを判断する第2の判断方法を用いてもよい。具体的には、例えば、アクセル操作がスムーズか、ハンドル20の操作がスムーズか(走行経路の形状に沿った操作が行われたか)、各種の車載カメラやレーダ装置により検出した車線に対してふらつきなく走行できたか、各種の車載カメラやレーダ装置により検出した信号や標識に従った運転ができたか、などに基づいて運転操作が正常であるか否かを判断するようにしてもよい。
また、ドライバーが運転席に着座しているか否かを判断する方法を、単独で用いるか、或いは他の判断方法と組み合わせて用いてもよい。
S320では、S310の確認結果に基づいて、高度自動化モードへの切り替えの可否を判断する。例えば、S310で第1の判断方法を用いた場合に、ハンドル20を握っていて且つブレーキペダル28aを踏んでいると判断した場合は、高度自動化モードへの切り替えが可能と判断するようにしてもよい。その際、着座センサ25からの検出信号に基づいてドライバーが運転席に着座しているか否かの判断も併せて行い、ドライバーが運転席に着座している場合に、高度自動化モードへの切り替えが可能と判断するようにしてもよい。また例えば、S310で第2の判断方法を用いた場合に、走行時の運転操作が正常と判断した場合は、高度自動化モードへの切り替えが可能と判断するようにしてもよい。その際も、着座センサ25からの検出信号に基づいてドライバーが運転席に着座しているか否かの判断も併せて行い、ドライバーが運転席に着座している場合に、高度自動化モードへの切り替えが可能と判断するようにしてもよい。なお、S310で確認した操作状態が、S320において高度自動化モードへ切り替え可能と判断されるような状態であることは、基本モード切替条件の一例である。
S330では、S320の判定結果に基づいて、高度自動化モードへの切り替えが可能
か否か判断する。S320で高度自動化モードへの切り替えが可能と判断された場合は(S330:YES)、S335に進む。
S335では、乗員がシートベルトを装着しているか否か判断する。この判断は、着座センサ25及びベルトセンサ26からの各検出信号に基づいて行う。S335の判断は、具体的には、例えば乗員全員を対象とする、その乗員全員がシートベルトを装着しているか否かの判断であってもよいし、例えば、少なくとも特定の座席(例えば運転席及び助手席)の乗員を対象とする、その特定の座席の乗員がシートベルトを装着しているか否かの判断であってもよい。S335で、判断対象の乗員が全てシートベルトを装着していると判断した場合は(S335:YES)、S340に進む。
S340では、基本モード維持フラグがクリアされているか否か判断する。なお、基本モード維持フラグ、及び後述する各種フラグは、いずれも、メイン処理の開始時には初期値としてクリアされている。
基本モード維持フラグがクリアされている場合は(S340:YES)S350で、高度自動化切替フラグをセットする。S350の処理後は、S160(図6)に進む。S330で高度自動化モードへの切り替えができないと判断された場合は、S360に進む。また、S335で、判断対象の乗員の中にシートベルトを装着していない乗員がいた場合も(S335:NO)、S360に進む。また、S340で基本モード維持フラグがクリアされていない(つまりセットされている)と判断された場合も(S340:NO)、S360に進む。S360では、高度自動化切替フラグをクリアする。S360の処理後は、S160(図6)に進む。
次に、S150(図6)の通常時自動切替確認処理の詳細は、図8に示す通りである。図8の通常時自動切替確認処理に進むと、S410で、高度自動化モードへの正常時移行条件が成立しているか否か判断する。高度自動化モードへの正常時移行条件は種々考えられ、例えば、ドライバーがハンドル20を握っていること、としてもよい。また例えば、車両1が法定速度内で走行中であって且つこれから一定時間は直進走行又はそれに類する(曲がりの少ない)走行が可能な状態であること、としてもよい。つまり、安定した状態で高度自動化モードに切り替えることができるよう、正常時移行条件を設定してもよい。また、正常時移行条件として、例えば、ドライバーが運転席に着座していることを、単独で若しくは他の条件と合わせて(例えば他の条件との論理和又は論理積として)用いてもよい。なお、この正常時移行条件は、高度自動化切替条件の一例である。
高度自動化モードへの正常時移行条件が成立している場合は(S410:YES)、S480で、基本モード維持フラグがクリアされているか否か判断する。基本モード維持フラグがクリアされていない場合は(S480:NO)、S470で高度自動化切替フラグをクリアして、S160(図6)に進む。基本モード維持フラグがクリアされている場合は(S480:YES)、S490で高度自動化切替フラグをセットして、S160(図6)に進む。
S410で高度自動化モードへの正常時移行条件が成立していないと判断した場合は(S410:NO)、基本的には、基本モードを優先させてそれを維持させる。ただし、運転席にドライバーが着座している場合は、S420以降の処理により、ドライバーの状態を確認して、ドライバーの状態に何らかの異常(ドライバー自身が正常に運転を行えない可能性のある異常)が生じている場合には高度自動化モードへ切り替えるべく高度自動化切替フラグをセットするようにしている。
つまり、基本的には、基本モードから高度自動化モードへの切り替えは、ドライバーや
車両1が安定した状態であることを確認した上で行うようにするのだが、一方で、ドライバーが車両1を正常に運転できない(或いはしていない)状態の場合には、その状態によっては、むしろ強制的に高度自動化モードに切り替えて車両1を適切に走行させる必要がある。そこで、S420以下では、ドライバーが車両1を正常に運転できない状況にある場合には高度自動化切替フラグをセットするようにしている。
具体的に、S410で高度自動化モードへの正常時移行条件が成立していないと判断した場合は(S410:NO)、S415で、ドライバーが運転席に着座しているか否か判断する。ドライバーが運転席に着座していない場合は(S415:NO)、図8の通常時自動切替確認処理を終了して、S160(図6)に進む。この場合は、運転モードが基本モードに維持される。一方、ドライバーが運転席に着座している場合は(S415:YES)、S420に進む。
S420では、ドライバーの視線が前方を向いているか否か判断する。この判断は、室内カメラ3で撮影された画像データに基づいて行うようにしてもよい。ドライバーの視線が前方を向いていないケースとしては、例えば、ドライバーがテレビを視聴していたり、携帯電話やスマートフォンなどを操作していたり、わき見運転をしていたりすることを想定している。
ドライバーの視線が前方を向いている場合は(S420:YES)、S450に進む。ドライバーの視線が前方を向いていない場合は(S420:NO)、S430で、車両が停止中か否か判断する。車両1が停止中ならば(S430:YES)、S450に進む。車両1が走行中ならば(S430:NO)、S440で、ドライバーの視線が前方を向いていない状態が規定時間継続したか否か判断する。ドライバーの視線が前方を向いていない状態が規定時間継続していない場合は(S440:NO)、S450に進む。ドライバーの視線が前方を向いていない状態が規定時間継続した場合は(S440:YES)、S490に進んで高度自動化切替フラグをセットする。
S450では、ドライバーの目の状態が正常か否か判断する。具体的には、居眠り状態或いはそれに近い状態になっていなければ正常と判断し、居眠り状態或いはそれに近い状態になっている場合は異常と判断する。この判断は、室内カメラ3で撮影された画像データに基づいて行うようにしてもよい。
ドライバーの目の状態が正常である場合は(S450:YES)、S460に進む。ドライバーの目の状態が異常の場合は(S450:NO)、S490に進んで高度自動化切替フラグをセットする。
S460では、ドライバーの体調が正常か否か判断する。具体的には、生体センサ21から得られる生態情報に基づいて判断する。例えば、脈拍が正常範囲内であって且つ異常な発汗状態でなければ、体調が正常と判断する。逆に、脈拍が正常範囲内を超えているか、又は異常な発汗状態となっている場合は、体調が異常と判断する。
ドライバーの体調が正常の場合は(S460:YES)、S470に進んで高度自動化切替フラグをクリアする。ドライバーの体調が異常の場合は(S460:NO)、S490に進んで高度自動化切替フラグをセットする。S470の処理後及びS490の処理後は、S160(図6)に進む。なお、ドライバーの状態が、S440で肯定判定される状態にあること、S450で否定判定される状態にあること、及びS460で否定判定される状態にあること、はいずれも高度自動化切替条件の一例である。
S160では、高度自動化切替フラグがセットされているか否か判断する。高度自動化
切替フラグがセットされていない(クリアされている)場合は(S160:NO)、S200に進む。高度自動化切替フラグがセットされている場合は(S160:YES)、S170で、運転モードを高度自動化モードに設定して、目的地への自動運転を開始する。S170では、より具体的には、運転モードを高度自動化モードに設定すると共に、高度自動化モードとして設定されている自動運転レベルに基づく自動制御機能を実行する。例えば、高度自動化モードとしてレベル6が設定されている場合は、制御A〜Fの6種類の自動制御機能(図3A参照)を実行する。また例えば、高度自動化モードとしてレベル7が設定されている場合は、制御A〜Gの7種類の自動制御機能を全て実行することで、完全自動運転を実現する。なお、自動制御機能の実行は、前述の周囲情報を含む各種情報を必要に応じて取得しながら、それら取得した各種情報に基づいて行われる。
S180では、高度自動化モードでの自動運転が開始されたことの報知を行う。具体的には、ドライバーに対して高度自動化モードに切り替わったことを音声等で報知する。この報知は、高度自動化モードに切り替わった時のみ行ってもよいし、切り替わった後も適宜(例えば規定の時間間隔ごとに繰り返し)行ってもよい。また、報知方法は音声に限らない。例えば、ハンドルを特定のパターンで振動させること、或いは車内のインストルメントパネルに特定の表示をさせること、などの種々の方法で報知してもよい。
S185では、車両1の周囲に対し、車両1の前方に割り込んできてほしくないことを認識させるための、割り込み走行不可報知を行う。割り込み走行不可報知の具体的方法は適宜決めてもよい。例えば、割り込み走行不可報知のためのランプを設けてそれを点灯させるようにしてもよい。また例えば、車両1の側面或いはウィンドウに、割り込んでほしくないことを示す画像を、車外から視認可能となるように表示させるようにしてもよい。また例えば、クラクションから特定の音を発生させるようにしてもよい。特定の音とは、例えば、ドライバー自らクラクション鳴動用のボタンを押した場合に発生する通常の音とは異なる音である。また例えば、割り込んで欲しくないことを、自車の情報(例えば位置情報、ナンバー情報など)と共に、路車間通信、車車間通信、歩車間通信などの無線通信を利用して車外に報知するようにしてもよい。
S190では、4つの自動運転作動ランプ16を点灯させる。これにより、外部から車両1を見たとき、車両1が高度自動化モードで走行していることを認識することができる。なお、高度自動化モードで走行していることを外部に報知させる方法として、4つの自動運転作動ランプ16を点灯させること以外の他の方法を採用してもよい。例えば、車両1の側面或いはウィンドウに、高度自動化モードで走行中であることを示す画像を、車外から視認可能となるように表示させるようにしてもよい。また例えば、高度自動化モードに設定されていることを、自車の情報(例えば位置情報、ナンバー情報など)と共に、路車間通信、車車間通信、歩車間通信などの無線通信を利用して車外に報知するようにしてもよい。
S200では、基本モード切替確認処理を実行する。S200の基本モード切替確認処理の詳細は、図10に示す通りである。図10の基本モード切替確認処理は、高度自動化モードから基本モードに切り替えるべき条件が成立しているかどうかを判断して、成立している場合に基本モードに切り替える(詳しくはそのために高度自動化切替フラグをクリアする)処理である。
図10の基本モード切替確認処理の説明に先立ち、本実施形態における、基本モードに切り替えるべき条件の一例を、図9を用いて説明する。図9には、カーブを有する道路90が図示されている。道路90では、一部区間で道路工事が行われており、地点Aの近傍に工事区間の開始を示す看板91が設置されている。また、地点Dの近傍には、工事区間の終了を示す看板92が設置されている。地点Aには、車両1が進入しようとしている。
車両1は、各前方カメラ2,5の撮影結果から、各看板91、92の内容を認識して、工事区間に入ったこと或いは工事区間から抜けたことを検出することができる。また、路上通信機81から工事区間の位置情報を取得することによっても、車両1が工事区間開始地点に近付いていること、車両1が工事区間に入ったこと、車両1が工事区間から抜けたこと、などを検出することができる。なお、この工事区間(工事区間開始地点より所定距離手前の区間まで含めても良い)は、後述する特定走行領域に該当する。
また、地点Bから地点Cの区間は、道幅が狭く且つカーブが多い走行注意区間であり、車速を落としてより安全運転を心がけるべき区間である。車両1は、路上通信機81からこの走行注意区間の位置情報を取得することによって、車両1が走行注意区間開始地点に近付いていること、車両1が走行注意区間に入ったこと、或いは車両1が走行注意区間から抜けたこと、などを検出することができる。この地点Bから地点Cまでの走行注意区間(走行注意区間開始より所定距離手前の区間も含めても良い)も、後述する特定走行領域に相当する。
また、地点Eと地点Fのほぼ中間地点は、交通事故が発生している事故現場95である。この事故現場95を中心とする、地点Eから地点Fまでの事故区間も、車速を落として注意して走行すべき区間である。車両1は、路上通信機81からこの事故区間の位置情報を取得することによって、車両1が事故区間開始地点に近付いていること、車両1が事故区間に入ったこと、或いは車両1が事故区間から抜けたこと、などを検出することができる。この地点Eら地点Fまでの事故区間(事故区間開始より所定距離手前の区間も含めても良い)も、後述する特定走行領域に相当する。
そして、本実施形態では、車両1が上記の特定走行領域を走行する際には、高度自動化モードから基本モードに切り替えるようにしている。これを実現するためのS200(図6)の基本モード切替確認処理について、図10を用いて説明する。
演算部30aは、図10の基本モード切替確認処理に移行すると、S510で、ウィンカー操作部41により右折方向へのウィンカーの操作が行われたか否か判断する。右折方向へのウィンカー操作がなされた場合は(S510:YES)、基本モードに切り替えるべく、S550で基本モード維持フラグをセットし、S560で高度自動化切替フラグをクリアして、S210(図6)に進む。なお、右折方向へのウィンカー操作がなされることは、基本モード切替条件の一例である。
S510で、右折方向へのウィンカー操作がなされていない場合は(S510:NO)、S520で、図9に例示したような特定走行領域内を走行中か否か判断する。特定走行領域内を走行中の場合は(S520:YES)、基本モードに切り替えるべく、S550で基本モード維持フラグをセットし、S560で高度自動化切替フラグをクリアして、S210(図6)に進む。なお、特定走行領域内を走行中であることは、基本モード切替条件の一例である。
S520で、特定走行領域内を走行中でない場合は(S520:NO)、S530で、歩行者の飛び出しを検知したか否か判断する。この判断は、各前方カメラ2,5の撮影結果や、前方レーダ装置11の検出信号、路車間通信の受信情報、及び歩車間通信の受信情報に基づいて行うようにしてもよい。歩行者の飛び出しを検知した場合は(S530:YES)、基本モードに切り替えるべく、S550で基本モード維持フラグをセットし、S560で高度自動化切替フラグをクリアして、S210(図6)に進む。なお、歩行者の飛び出しが検知されることは、基本モード切替条件の一例である。
なお、歩行者の飛び出しを検知した場合は、ドライバーに対する注意喚起のために、音声警告を出したり、HUD38を用いて路側から歩行者が飛び出したことを強調表示するような画像(ダミーの歩行者画像)を表示させたりしてもよい。
S530で、歩行者の飛び出しを検知しなかった場合は(S530:NO)、S540で、車外が特定環境となっているか否か判断する。基本モードに切り替えるべき特定環境は適宜設定してもよい。本実施形態では、少なくとも、雨量の多い悪天候時、視界が暗い夜間、及び逆光により運転者が眩しさを感じている状態を、特定環境としている。
雨量が多い悪天候か否かについては、降雨センサ23からの検出信号に基づいて判断できる。夜間か否かについては、日射センサ22からの検出信号に基づいて判断できる。逆光が入射して運転者が眩しさを感じているか否かについては、例えば第1前方カメラ2の撮影結果から判断できる。
S540で、車外が特定環境となっている場合は(S540:YES)、基本モードに切り替えるべく、S550で基本モード維持フラグをセットし、S560で高度自動化切替フラグをクリアして、S210(図6)に進む。車外が特定環境となっていない場合は(S540:NO)、基本モードに切り替える必要性はないと判断し、S570で基本モード維持フラグをクリアして、S210(図6)に進む。なお、車外が特定環境になっていることは、基本モード切替条件の一例である。
S210では、高度自動化切替フラグがクリアされているか否か判断する。高度自動化切替フラグがクリアされている場合は(S210:YES)、S220で、運転モードを基本モードに切り替えて、S35(図5)に進む。S220の具体的な処理内容は基本的にはS10と同じであり、運転モードを基本モードに設定し、基本モードとして設定されている自動運転レベルに基づく自動制御機能を実行する。また、S220では、4つの自動運転作動ランプ16を消灯させる。これにより、外部から車両1を見たとき、車両1が基本モードで走行していることを認識することができる。
なお、S220で基本モードに切り替える際、車両1の走行速度を適宜減速させてもよい。また、S220で基本モードに切り替える際、ドライバーに対して、基本モードに切り替わったことを、音声、ハンドルの振動、車内のインストルメントパネルへの表示、などの種々の方法で報知してもよい。
S210で、高度自動化切替フラグがクリアされていない場合は(S210:NO)、高度自動化モードを維持したまま、S35(図5)に進む。
S35では、自動運転停止SW43がオンされたか否か判断する。自動運転停止SW43がオンされた場合は(S35:YES)、S40で上記各フラグ(後述する強制停止フラグも含む)を全てクリアし、S45で運転モードを基本モードに設定して、S15に戻る。S45では、S10と同様、運転モードを基本モードに設定し、基本モードとして設定されている自動運転レベルに基づく自動制御機能を実行する。
自動運転停止SW43がオンされていない場合は(S35:NO)、S50で、目的地に到着したか否か判断する。目的地に到着した場合は(S50:YES)、S55で、目的地設定をクリアして、S40以降に進む。目的地に到着していない場合は(S50:NO)、S60で、緊急停止SW44がオンされたか又は強制停止フラグがセットされているか否かを判断する。なお、強制停止フラグは、後述する図11及び図13の各処理でセットされるフラグである。
緊急停止SW44がオンされておらず且つ強制停止フラグがセットされていない場合は
(S60:NO)、S30に戻る。緊急停止SW44がオンされたか又は強制停止フラグがセットされている場合は(S60:YES)、S65で、S40と同様に既述の全てのフラグをクリアする。そして、S70で、強制停止処理を実行して、車両1を強制停止させ、メイン処理を終了する。以後、次にまたメイン処理を実行させるためには、少なくとも、起動スイッチを再投入(例えばイグニションスイッチを一旦オフして再びオン)する必要がある。なお、S70の強制停止処理は、車両1を自動で強制的に停車させる処理である。具体的にどのように停車させるかについては適宜決めてもよい。例えば、走行中の道路上ですぐに減速させて停車させるようにしてもよい。また例えば、道路上に停車させるのではなく、道路以外で車両1を停車させることが可能な場所(例えば車両近傍の駐車場)までは自動で走行させて停車させるようにしてもよい。
(5)実施形態の効果
以上説明した本実施形態の車両1によれば、運転モードとして高度自動化モードと基本モードを有し、高度自動化モード中、基本モードに移行すべき(或いは移行してもよい)条件が成立した場合は基本モードに切り替わる。そのため、高度自動化モードから基本モードへの切り替えを適切なタイミングで行うことが可能となる。逆に、基本モード中、高度自動化モードに移行すべき(或いは移行してもよい)条件が成立した場合は高度自動化モードに切り替わる。そのため、基本モードから高度自動化モードへの切り替えを適切なタイミングで行うことが可能となる。
ただし、運転モードが基本モードの場合に、高度自動化モードに切り替えてもよい状況となっても(具体的には高度自動化切替フラグがセットされても)、基本モードを維持すべき状態が継続している(具体的には基本モード維持フラグがセットされている)場合は、基本モードが維持される。そのため、基本モードを維持すべき状況において、ドライバーの運転操作が尊重された適切な車両制御を実現することができる。
なお、演算部30a、図5のS10及びS45、図6のS170及びS220は、周囲情報取得部の一例、運転モード設定部の一例、及び自動制御部の一例に相当する。図8において、S410で肯定判定されてS480に進み、S480で否定判定されてS470に進む処理は、運転モード設定部の一例に相当する。
[他の実施形態]
(1)図6のS200の基本モード切替確認処理として、図10に示した処理とは別に、或いは図10に示した処理に加えて、他の種々の内容を採用することができる。
例えば、図11に示す基本モード切替確認処理を採用してもよい。図11に示す基本モード切替確認処理では、まずS610で、基本モード切替要否判定を行う。この判定は、基本モードに切り替える必要がある状態か否かの判定であり、種々の基準で判定してもよい。例えば、車両1が特定走行領域内を走行中か若しくは車外が特定環境の場合は、基本モードに切り替える必要があると判定してもよい。また例えば、シートベルトを装着していた乗員がシートベルトを外した場合は基本モードに切り替える必要があると判定してもよい。また例えば、自車周囲の他の車両が自車に対して特定の挙動を示した場合は基本モードに切り替える必要があると判定してもよい。
この判定は、例えば各カメラ2〜8による撮影画像や、各レーダ装置11〜14による検出結果などに基づいて行うことができる。特定の挙動は適宜決めてもよい。例えば、自車両に対して他の車両が幅寄せしてきたこと、を特定の挙動としてもよい。この場合、幅寄せしてきたか否かの判断方法についても適宜決めてもよい。例えば、自車両との左右方向(前後方向に垂直な方向)の距離が規定距離以内になった場合に幅寄せしてきたと判断してもよい。また例えば、自車両との左右方向の距離の変化率が負の規定変化率以下にな
った場合に幅寄せしてきたと判断してもよい。
また例えば、後方を走行している車両が自車両に急接近してきたこと、を特定の挙動としてもよい。この場合、急接近してきたか否かの判断方法についても適宜決めてもよい。例えば、上記の幅寄せの判断方法と同様に、後方車両との距離やその距離の変化率に基づいて判断してもよい。
S620では、S610の判定結果に基づき、基本モードへの切り替えが必要か否か判断する。基本モードへの切り替えが不要の場合は(S620:NO)、S710で、基本モード維持フラグをクリアして、S210(図6)に進む。基本モードへの切り替えが必要な場合は(S620:YES)、S630で、既に基本モードに設定されているか否か判断する。既に基本モードに設定されているならば(S630:YES)、S210(図6)に進む。まだ基本モードではない(つまり高度自動化モード中の)場合は(S630:NO)、S640で、ドライバーに対して、音声、ハンドルの特定パターンでの振動、或いは車内のインストルメントパネルに特定の表示をさせること、などの種々の方法を用いて、基本モードへ切り替わることの予告を報知する。
S650では、S640の報知に対してドライバーにより規定動作がなされたか否か判断する。規定動作としては、ドライバーが基本モードでの運転に対応可能な状態であることを確認できるような種々の動作を採用してもよい。例えば、ドライバーがハンドル20を握って且つ前方を見ることを規定動作と決めてもよい。また例えば、ドライバーに特定の音声を発生させること、ドライバーに特定のジェスチャーをさせること、ドライバーに車内の特定の操作部材(例えば特定のスイッチ)を操作させること、などを規定動作と決めてもよい。
ドライバーによる規定動作がなされた場合は(S650:YES)、S660で基本モード維持フラグをセットし、S670で高度自動化切替フラグをクリアして、S210(図6)に進む。ドライバーによる規定動作がなされていない場合は(S650:NO)、S680で、S640の報知開始からドライバーの規定動作がないままタイムアウトしたか否か、つまりドライバーの規定動作のない状態が一定時間継続したか否か判断する。
まだタイムアウトしていなければS650に戻る。タイムアウトした場合は、S690で高度自動化切替フラグをクリアし、S700で強制停止フラグをセットして、S210(図6)に進む。つまり、基本モードに切り替えるべき状態であるにもかかわらず、S640の報後、ドライバーの規定動作のない状態が一定時間継続した場合は、ドライバーに何らかの異常が発生している可能性があるとして、車両1を強制停止させるべく、強制停止フラグをセットするのである。
また、図6のS200の基本モード切替確認処理として、例えば、図12に示す基本モード切替確認処理を採用してもよい。図12に示す基本モード切替確認処理では、まずS1010で、複数種類の自動制御機能のうち車間距離制御が実行されているか否か判断する。上記実施形態では、図3Aに例示したように、自動運転レベルがレベル2以上の場合は車間距離制御が実行される。
車間距離制御が実行されていない場合は(S1010:NO)、基本モード切替確認処理を終了する。車間距離制御が実行されている場合は(S1010:YES)、S1020に進む。
S1020では、自車前方への他の車両の割り込みがあるか否か判断する。この判断は、例えば各カメラ2〜8による撮影画像や、各レーダ装置11〜14による検出結果など
に基づいて行うことができる。この判断の具体的方法は適宜決めてもよい。例えば、自車両が走行している車線内における自車両前方に他の車両が進入してきた場合に、割り込みありと判断してもよい。その際、単に進入してきただけでなく、進入した状態が規定時間以上継続している場合に割り込みありと判断してもよい。
自車前方への他車両の割り込みがないと判断した場合は(S1020:NO)、S1040に進む。自車前方への他車両の割り込みがあると判断した場合は(S1020:YES)、S1030で警告処理を行って、S1040に進む。S1030の警告処理は、自車前方に割り込んできている他車両に対して注意(例えば、その他車両の後方に自車両が存在していること、割り込みをして欲しくないこと、など)を促すための処理である。この警告処理の具体的内容は適宜決めてもよい。例えば、図6のS185の割り込み走行不可報知と同様の処理を行ってもよい。
S1040では、ペダルセンサ28bからの検出信号に基づき、ブレーキペダル28aにドライバーの足が載置されているか否か判断する。ブレーキペダル28aにドライバーの足が載置されている場合は(S1040:YES)、S1060に進む。ブレーキペダル28aにドライバーの足が載置されていない場合は(S1040:NO)、S1050で注意喚起処理を行って、S1060に進む。
S1050の注意喚起処理は、ドライバーに対してブレーキペダル28aに足を置くように促すための処理である。この注意喚起処理の具体的内容は適宜決めてもよい。例えば、音声で促してもよいし、車内の特定の場所(例えば座席、ハンドル20など)を振動させることで促してもよいし、ディスプレイ37やHUD38に注意情報を表示させることで促すようにしてもよい。なお、注意喚起処理を行ってもブレーキペダル28aに足が置かれなかった場合は、特定の処理を実行するようにしてもよい。この場合における特定の処理は、例えば、車両1を強制的に停止させる処理であってもよいし、運転モードを基本モードに切り替える処理であってもよい。
S1060では、ブレーキペダル28aが踏み込まれたか否か判断する。ブレーキペダル28aが踏み込まれていない場合は(S1060:NO)、S1080に進む。ブレーキペダル28aが踏み込まれた場合は(S1060:YES)、S1070でブレーキ対応処理を行って、S1080に進む。
S1070のブレーキ対応処理の具体的内容は、適宜決めてもよい。例えば、前方車両との車間距離がより長くなるよう、車間距離制御で用いられている制御パラメータの1つである車間距離を、現在の値よりも大きい値に変更するようにしてもよい。また、自車前方の一定範囲内に他車両が存在しておらずにいわゆるクルーズコントロールが行われている場合は、自車の速度が下がるよう、車間距離制御で用いられている制御パラメータの1つである車速を現在の値よりも低い値に変更するようにしてもよい。
S1080では、アクセルペダル27aが踏み込まれたか否か判断する。アクセルペダル27aが踏み込まれていない場合は(S1080:NO)、S1100に進む。アクセルペダル27aが踏み込まれた場合は(S1080:YES)、S1090でアクセル対応処理を行って、S1100に進む。
S1090のアクセル対応処理の具体的内容は、適宜決めてもよい。例えば、前方車両との車間距離がより短くなるよう、車間距離制御で用いられている制御パラメータの1つである車間距離を、現在の値よりも小さい値に変更するようにしてもよい。また、自車前方の一定範囲内に他車両が存在しておらずにいわゆるクルーズコントロールが行われている場合は、自車の速度が上がるよう、車間距離制御で用いられている制御パラメータの1
つである車速を現在の値よりも高い値に変更するようにしてもよい。
S1100では、車間距離制御を含む自動制御機能によって自動で急ブレーキが作動したか否かを判断する。何をもって急ブレーキと判断するかについては適宜決めてもよい。例えば、車両1の減速度が所定の閾値以上となった場合に、急ブレーキが作動したと判断するようにしてもよい。
S1100で、急ブレーキが作動していない場合は(S1100:NO)、S1140に進む。S1140では、基本モード維持フラグをクリアする。S1100で、急ブレーキが作動したと判断した場合は(S1100:YES)、S1110に進む。
S1110では、運転モードを高度自動化モードから基本モードに切り替える必要があるか否か判断する。この判断方法は適宜決めてもよい。例えば、急ブレーキが作動したこと自体、基本モードに切り替えるべき状態と判断して基本モードに切り替える必要があると判断するようにしてもよい。また例えば、S1100で急ブレーキが作動したと判断される度にその判断された回数を累積して記憶しておき、その累積値が所定の上限回数に到達した場合に、基本モードに切り替える必要があると判断するようにしてもよい。
S1110で、基本モードに切り替える必要はないと判断した場合は(S1110:NO)、S1140に進む。S1110で、基本モードに切り替える必要があると判断した場合は(S1110:YES)、基本モードに切り替えるべく、S1120で基本モード維持フラグをセットし、S1130で高度自動化切替フラグをクリアする。
なお、急ブレーキが作動したということは、例えば、自車前方に何らかの異常(例えば、事故の発生、障害物など)が発生していてドライバー自らが周囲に気を付けながら運転操作を行った方が好ましい状況にある可能性が考えられる。また例えば、自動制御機能に異常が発生している可能性も考えられる。そのため、自動で急ブレーキが作動した場合は(S1100:YES)、S1110で肯定判定されることを条件として、S1120及びS1130の処理を実行することで、運転モードが基本モードに切り替わるようにしている。
(2)高度自動化モードで走行中、場合によっては基本モードに戻すべき状況が生じるかもしれない。そのため、たとえ高度自動化モードで走行中でも、ドライバーは必要なときにはいつでも自身が運転操作をできるようにしておくことが好ましい。そこで、高度自動化モードで走行中、例えば図13に示す基本モード準備確認処理を実行することで、ドライバーに定期的に簡単な動作をさせることで、基本モードにすぐに戻れる状態であるかどうか確認するようにしてもよい。
図13の基本モード準備確認処理では、まずS810で、確認タイミング(例えば数分間隔の定期的なタイミング、或いは予め決められた非定期的なタイミング)であるか否か判断する。確認タイミングでなければ(S810:NO)、この基本モード準備確認処理を終了する。確認タイミングならば(S810:YES)、S820で、ドライバーに対して音声等で確認動作を要求する。ここで要求する確認動作は適宜決めることができ、例えば、図11のS650の規定動作と同様の動作としてもよい。
S830では、ドライバーによる確認動作が行われたか否か判断する。ドライバーによる確認動作が行われた場合は(S830:YES)、ドライバーが基本モードにすぐに戻れる状態であると判断して、この基本モード準備確認処理を終了する。ドライバーによる確認動作が行われなかった場合は(S830:NO)、S840で、ドライバーに対して音声等で注意喚起警報を追加し、確認動作の要求を継続する。
S850では、S830と同様、ドライバーによる確認動作が行われたか否か判断する。ドライバーによる確認動作が行われた場合は(S850:YES)、ドライバーが基本モードにすぐに戻れる状態であると判断して、この基本モード準備確認処理を終了する。ドライバーによる確認動作が行われなかった場合は(S850:NO)、車両1を強制停止させるべく、S860で高度自動化切替フラグをクリアし、S870で強制停止フラグをセットして、この基本モード準備確認処理を終了する。なお、S870で強制停止フラグがセットされたら、すぐにS70(図5)の処理に移って強制停止処理を実行するようにしてもよい。
(3)高度自動化モードから基本モードへの切り替え条件は、適宜決めてもよい。基本モードに移行すべき(或いは移行してもよい)条件が成立した場合に、すぐ強制的に移行させるか、或いはドライバーが正常に運転できる状態か否かを確認した上で移行させるかについても、適宜決めてもよい。
逆に、基本モードから高度自動化モードへの切り替え条件も、適宜決めてもよい。例えば、ドライバーが所持している携帯電話やスマートフォンに対して電話やメールの着信があった場合、その着信音を検出して、自動的に高度自動化切替フラグをセットして高度自動化モードに移行するようにしてもよい。
なお、上記実施形態の車両1は、LTE通信機能を備えており、自動運転制御部30が自ら携帯電話やメール送受の機能を担うことも可能である。その場合、LTE通信網を介して電話やメールの着信があった場合には、自動的に高度自動化切替フラグをセットして高度自動化モードに移行するようにしてもよい。
(4)上記実施形態で例示した、高度自動化モードから基本モードへの切替条件の一部を、基本モードから高度自動化モードへの切替条件として用いてもよい。逆に、上記実施形態で例示した、基本モードから高度自動化モードへの切替条件の一部を、高度自動化モードから基本モードへの切替条件として用いてもよい。
どのような場合に高度自動化モードから基本モードへ切り替えるべきか、またどのような場合に基本モードから高度自動化モードに切り替えるべきかについては、必ずしも一律に定まるものではない。例えば、狭くてカーブが多い道を走行する場合、自動運転の精度や性能によっては、むしろドライバーが自ら運転操作した方がスムーズ且つ安全に走行できる場合もある。逆に、運転に不慣れなドライバーにとっては、自分が運転操作するよりも自動運転に任せた方がスムーズに走行できる場合もある。よって、ドライバーの技量、運転モードに対するドライバーの好み(例えば高度自動化モードと基本モードのどちらを優先させたいか)、その他の各種の事情を考慮して、上記切替条件を設定してもよい。
(5)上記実施形態では、基本モードに切り替わった後、高度自動化モードに移行すべき(移行してもよい)状態となっても、基本モードで動作すべき状態(基本モード維持フラグがセットされている状態)が継続している間は基本モードが継続する構成であった。これに対し、高度自動化モードでの走行を優先して、高度自動化モードに移行すべき(移行してもよい)状態となった場合は、基本モードで動作すべき状態(基本モード維持フラグがセットされている状態)が継続していても、強制的に高度自動化モードに切り替えるようにしてもよい。
また、高度自動化モードを優先して、高度自動化モードに切り替え後、高度自動化モードで動作すべき状態が継続している間は、基本モードに移行すべき(移行してもよい)状態となっても、高度自動化モードを継続するようにしてもよい。
(6)上記実施形態では、車両1を高度自動化モードに設定して自動運転を実行させるためには、自動運転起動SW42を押す必要があったが、自動運転起動SW42を押すことは必須ではない。自動運転起動SW42を省き、高度自動化モードに切り替えるべき(或いは切り替えてもよい)条件の成立時には自動的に高度自動化モードに切り替えるようにしてもよい。
(7)高度自動化モードから基本モードに移行すべき状態となって基本モードに切り替える場合、基本モードとして設定されている自動運転レベルにかかわらず、自動運転レベルを強制的にレベル0に設定するようにしてもよい。その場合、運転者による所定の操作がなされるまではレベル0を維持し、運転者による所定の操作がなされた場合に、基本モードとして設定されている自動運転レベルに切り替えるようにしてもよい。
また、基本モードから高度自動化モードに移行すべき状態となって高度自動化モードに切り替える場合、その移行要因が予め設定した特定の移行要因である場合は、高度自動化モードとして設定されている自動運転レベルにかかわらず、自動運転レベルを強制的にレベル7に設定して完全自動運転を実行させるようにしてもよい。
(8)車両の乗員の数は、着座センサ25からの検出信号に基づいて随時検出することができる。そこで、高度自動化モードでの走行中、乗員の数を監視して、乗員に変動が生じた場合は、所定の処理を行うようにしてもよい。所定の処理として、例えば、音声出力や画像表示等によって他の乗員に対して乗員数が変化したことを報知するようにしてもよい。また例えば、所定の処理として、運転モードを基本モードに切り替えるようにしてもよい。また例えば、所定の処理として、車両1を強制的に停止させるようにしてもよい。また例えば、高度自動化モードでの走行を継続してもよいかどうかを車両の乗員に問い、継続してもよい旨の応答があった場合は高度自動化モードを継続させ、継続すべきで無い旨の応答があった場合は基本モードに切り替えるか或いは強制停止させるようにしてもよい。
高度自動化モードでの走行を継続してもよいかどうかを車両の乗員に問うための具体的方法は適宜決めてもよい。例えば、音声で問いかけてもよい。また例えば、ディスプレイ37やHUD38等にメッセージを表示することで問いかけてもよい。また、その問いに対する乗員の応答方法についても適宜決めてもよい。例えば、マイク39を介して入力される乗員の音声を認識し、その認識結果に基づいて乗員の応答内容を判断してもよい。また例えば、タッチパネルにボタンを表示させ、そのボタンを押下させることで、継続の可否を判断してもよい。
(9)ドライバーの運転操作の内容を学習し、その学習結果を自動制御機能に反映させてもよい。具体的に、自動運転制御部30が、起動後、図14に示す制御パラメータ設定処理を所定周期で繰り返し実行することで、自動制御機能において用いられる各種制御パラメータがドライバーの運転操作内容に応じて適宜更新されるようにしてもよい。
図14の制御パラメータ設定処理について説明する。自動運転制御部30の演算部30aは、図14の制御パラメータ設定処理を開始すると、S1310で、運転モードが高度自動化モードに設定されているか否か判断する。高度自動化モードに設定されていない場合、つまり基本モードに設定されている場合は(S1310:NO)、S1320で学習処理を行う。
S1320の学習処理は、ドライバー自らの運転操作の内容からドライバーの癖や好みを検出して、その検出した癖や好みを示す情報(以下「運転嗜好情報」という)をメモリ
30bに記憶する処理である。
例えば、停車中の車両1を発進させる際のドライバーのアクセル操作を検出し、アクセルペダル27aをゆっくり踏み込む傾向にあるかそれとも比較的速く踏み込む傾向にあるかを判断して、その判断結果を、運転嗜好情報の1つとして記憶してもよい。アクセルの踏み込みがゆっくりか否かは、例えばアクセルペダル27aの踏み込み操作量の変化率が所定の閾値以上か否かに基づいて行ってもよい。
また例えば、ドライバーが曲がり角の手前でウィンカーを操作した場合に、その操作した時点の車両1の位置から曲がり角までの距離を検出して、その距離を、運転嗜好情報の1つとして記憶してもよい。
学習処理において検出し記憶する運転嗜好情報の種類は、1つであってもよいし複数であってもよい。また、その具体的内容は適宜決めてもよい。上述した2つの運転嗜好情報の例はあくまでも一例にすぎない。
S1310で、運転モードが高度自動化モードに設定されている場合は(S1310:YES)、S1330に進む。S1330では、制御パラメータに運転嗜好情報が反映されているか否か判断する。より具体的には、運転モードが基本モードから現在の高度自動化モードに切り替わった後にすでにS1340〜S1350の処理が実行されたか否かを判断する。
既に制御パラメータに運転嗜好情報が反映されている場合、即ち高度自動化モードへの切り替わり後にすでにS1340〜S1350の処理が実行されている場合は(S1330:YES)、制御パラメータ設定処理を終了する。
まだ制御パラメータに運転嗜好情報が反映されていない場合、即ち高度自動化モードへの切り替わり後、まだS1340〜S1350の処理が実行されていない場合は(S1330:NO)、S1340に進む。
S1340では、S1320の学習処理によってメモリ30bに記憶されている運転嗜好情報を読み込む。S1350では、S1340で読み込んだ運転嗜好情報に基づいて、高度自動化モードにおいて実行対象に設定されている自動制御機能の制御パラメータを演算する。そして、現在使用している制御パラメータを、その演算した制御パラメータに更新する。
例えば、運転嗜好情報としてアクセルペダル27aの操作速度に関する情報が記憶されている場合において、アクセルペダル27aをゆっくり踏む傾向にある場合は、自動発進/停止制御における制御パラメータの1つである発進時の加速度として、デフォルト値よりも低い値を演算し、その演算した値に更新する。逆に、アクセルペダル27aを速く踏む傾向にある場合は、発進時の加速度として、デフォルト値よりも高い値を演算し、その演算した値に更新する。
また例えば、運転嗜好情報としてウィンカーを操作する位置から曲がり角までの距離が記憶されている場合は、右左折制御における制御パラメータの1つである、ウィンカーを作動させる位置から曲がり角までの距離として、その記憶されている距離と同じ距離又はそれに近い距離を演算し、その演算した値に更新する。
なお、図14の制御パラメータ設定処理を実行させるか否かをドライバーが選択できるようにしてもよい。そして、制御パラメータ設定処理が実行されないように選択されてい
る場合は、制御パラメータとして、例えば予め設定されたデフォルト値を用いるようにしてもよい。また、既に記憶されている運転嗜好情報をドライバーが任意に消去できるようにしてもよい。また、高度自動化モードから基本モードに切り替わった場合には各制御パラメータがデフォルト値にリセットされるようにしてもよい。
(10)運転モードが高度自動化モードに設定されている間、ドライバーの表情や仕草、発言内容等を検出し、それら検出した結果に基づいて、現在自動で実行されている自動制御機能に対するドライバーの満足度を判断するようにしてもよい。例えば、カメラで撮影されたドライバーの顔画像を画像認識処理し、ドライバーが不機嫌な表情をしている場合は、現在の自動制御機能の内容に対して不満を抱いていると判断してもよい。逆に、ドライバーが無表情又は機嫌の良さそうな表情をしている場合は、現在の自動制御機能の内容に対して不満を抱いていないと判断してもよい。
また、音声認識処理によってドライバーの発言内容を認識し、現在の自動制御機能の内容に対する不満を示す発言をしている場合は、現在の自動制御機能の内容に対して不満を抱いていると判断してもよい。逆に、現在の自動制御機能の内容に対する不満を示す発言をしていない場合は、現在の自動制御機能の内容に対して不満を抱いていないと判断してもよい。
そして、現在の自動制御機能の内容に対して不満を抱いていると判断した場合は、運転モードを基本モードに切り替えるようにしてもよい。
(11)その他、上記実施形態における1つの構成要素が有する機能を複数の構成要素として分散させたり、複数の構成要素が有する機能を1つの構成要素に統合したりしてもよい。また、上記実施形態の構成の少なくとも一部を、同様の機能を有する公知の構成に置き換えてもよい。また、上記実施形態の構成の一部を、課題を解決できる限りにおいて省略してもよい。また、上記実施形態の構成の少なくとも一部を、他の上記実施形態の構成に対して付加、置換等してもよい。なお、特許請求の範囲に記載の文言から特定される技術思想に含まれるあらゆる態様が本開示の実施形態である。
[実施形態から把握される技術思想]
以上詳述した種々の実施形態から、少なくとも以下の技術思想が把握される。
具体的に、次の(A)のように構成された本開示の自動運転制御装置を、更に、次の(B)〜(E)のように構成してもよい。
(A)車両に搭載される自動運転制御装置であって、
前記車両の周囲の情報である周囲情報を取得するように構成された周囲情報取得部と、
前記車両の運転モードを、前記車両の走行に必要な複数種類の運転動作の一部又は全てを前記周囲情報に基づいて自動で実行する高度自動化モード、及び、前記自動で実行する前記運転動作の種類が前記高度自動化モードよりも少ないか若しくはゼロである基本モード、の何れか一方に設定するように構成された運転モード設定部と、
前記運転モード設定部により設定された前記運転モードに基づき、その運転モードにおいて前記自動で実行するように設定されている前記運転動作を実行するように構成された自動制御部と、
を備え、
前記運転モード設定部は、前記運転モードが前記高度自動化モードに設定されている場合に、予め設定した基本モード切替条件が成立した場合、前記運転モードを前記基本モードに切り替えるように構成されている、
自動運転制御装置。
(B)上記(A)において、
前記運転モードが前記高度自動化モードに設定されている場合に、予め設定した基本モード切替条件が成立した場合、前記車両の運転者に対して、前記運転モードが前記基本モ
ードに切り替わることを知らせるための特定の報知を行うように構成された切替報知部を備える、自動運転制御装置。
このように構成された自動運転制御装置によれば、車両の運転者は、運転モードが高度自動化モードから基本モードに切り替わる際にそのことを認識することができる。そのため、運転者は、基本モードに切り替わった後も車両を適切に操作して走行させることができる。
(C)上記(A)又は(B)において、
前記運転モードが前記高度自動化モードに設定されている場合に、予め設定した基本モード切替条件が成立した場合、前記車両の運転者が規定動作を行っているか否か判断するように構成された規定動作判断部を備え、
前記運転モード設定部は、前記運転モードが前記高度自動化モードに設定されている場合に、予め設定した基本モード切替条件が成立した場合、前記規定動作判断部によって前記運転者が前記規定動作を行っていると判断された場合に、前記運転モードを前記基本モードに切り替えるように構成されている、
自動運転制御装置。
このように構成された自動運転制御装置によれば、運転者が実際に基本モードでの運転に対応可能かどうかを確認してから基本モードに切り替えることができるため、基本モードに切り替わった後も、運転者によって車両を適切に走行させることができる。
(D)上記(A)〜(C)の何れか1つにおいて、
前記運転モードが前記高度自動化モードに設定されている間、前記車両の運転者に対する特定の確認動作の要求を特定のタイミングで繰り返し行うように構成された確認動作要求部と、
前記確認動作要求部により前記確認動作の要求が行われる度に、前記運転者により前記確認動作が行われたか否か判断するように構成された確認動作判断部と、
前記確認動作判断部により前記確認動作が行われたと判断されなかった場合に、前記車両を停車させるように構成された停車部と、
を備える、自動運転制御装置。
(E)上記(A)〜(D)の何れか1つにおいて、
前記運転モードが前記高度自動化モードに設定されている場合にその旨を前記車両の外部に報知するように構成された車外報知部を備える、自動運転制御装置。
1,61〜66…車両、2…第1前方カメラ、3…室内カメラ、4…第1後方カメラ、5…第2前方カメラ、6…第2後方カメラ、7…左側方カメラ、8…右側方カメラ、11…前方レーダ装置、12…後方レーダ装置、13…左側方レーダ装置、14…右側方レーダ装置、16…自動運転作動ランプ、20…ハンドル、21…生体センサ、22…日射センサ、23…降雨センサ、24…車速センサ、25・・・着座センサ、26・・・ベルトセンサ、27…走行駆動制御部、28…ブレーキ制御部、29…ステアリング制御部、30…自動運転制御部、30a…演算部、30b…メモリ、31…GPS通信部、32…車車間通信部、33…路車間通信部、34…歩車間通信部、35…LTE通信部、36…TV・ラジオ受信部、37…ディスプレイ、38…HUD、39…マイク、40…スピーカ、41…ウィンカー操作部、42…自動運転起動スイッチ、43…自動運転停止スイッチ、44…緊急停止スイッチ、45…レベル設定操作部、71,72…信号機、73…一時停止標識、76,77…歩行者、81…路上通信機、82…カメラ、90…道路、91,92…看板、95…事故現場。

Claims (3)

  1. 車両に搭載される自動運転制御装置であって、
    前記車両の周囲の情報である周囲情報を取得するように構成された周囲情報取得部と、
    前記車両の運転モードを、前記車両の走行に必要な複数種類の運転動作の一部又は全てを前記周囲情報に基づいて自動で実行する高度自動化モード、及び、前記自動で実行する前記運転動作の種類が前記高度自動化モードよりも少ないか若しくはゼロである基本モード、の何れか一方に設定するように構成された運転モード設定部と、
    前記運転モード設定部により設定された前記運転モードに基づき、その運転モードにおいて前記自動で実行するように設定されている前記運転動作を実行するように構成された自動制御部と、
    を備え、
    前記運転モード設定部は、前記車両の乗員がシートベルトを装着しているか否かを判断するように構成され、
    前記運転モード設定部は、前記運転モードが前記高度自動化モードに設定されていると
    きに、前記乗員が前記シートベルトを装着していないと前記運転モード設定部が判断すると、前記運転モードを前記基本モードに切り替えるように構成されている、
    自動運転制御装置。
  2. 請求項1に記載の自動運転制御装置であって、
    前記運転モード設定部は、特定の座席の乗員が前記シートベルトを装着しているか否かを判断するように構成されている、
    自動運転制御装置。
  3. 請求項1または2に記載の自動運転制御装置であって、
    前記運転モード設定部は、前記車両の座席に前記乗員が座っているか否かを検出するための着座センサからの検出信号と、前記座席に座っている前記乗員が前記シートベルトを装着しているか否かを検出するためのベルトセンサからの検出信号とに基づいて、前記乗員が前記シートベルトを装着しているか否かを判断するように構成されている、
    自動運転制御装置。
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