JP7528142B2 - 制御装置、制御方法、及び制御プログラム - Google Patents

制御装置、制御方法、及び制御プログラム Download PDF

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Description

本発明は、制御装置、制御方法、及び制御プログラムに関する。
近年、交通参加者の中でも脆弱な立場にある人々にも配慮した持続可能な輸送システムへのアクセスを提供する取り組みが活発化している。この実現に向けて自動運転技術に関する研究開発を通して交通の安全性や利便性をより一層改善する研究開発に注力している。
従来、車両を遠隔操作して、指定された所定の駐車スペースに車両を駐車させたり、駐車スペースから車両を出庫させたりするリモートパーキングシステムが知られている。特許文献1には、車両の出庫位置を指定する操作者の位置を車載センサ等により検出し、検出した操作者の近傍に出庫位置を設定して、遠隔操作により車両を操作者近傍の出庫位置に自動出庫させることが可能な出庫支援装置が記載されている。
国際公開第2018/047222号パンフレット
特許文献1の出庫支援装置によれば、操作者近傍の出庫位置に車両を自動出庫させることは可能である。しかしながら、例えば、出庫位置に移動する間の車両の移動の仕方や、操作者近傍の出庫位置に近づく際の移動の仕方についてまでは記載されていない。したがって、自動運転技術においては出庫位置に移動する間及び出庫位置に近づく際の車両の移動に関しては改良の余地がある。
本発明は、移動体の自動出庫時において、状況に応じて移動体を適切に減速させることが可能な制御装置、制御方法、及び制御プログラムを提供することを目的とする。そして、延いては持続可能な輸送システムの発展に寄与するものである。
本発明は、
車両の制御装置において、
前記車両のユーザが携帯可能な情報端末に対する特定操作に基づいて、前記車両の移動制御を行う制御部を備え、
前記制御部は、
前記移動制御の実行時に、前記特定操作の中断に伴う前記車両の第1減速制御と、前記移動制御の目標移動位置への接近に伴う前記車両の第2減速制御と、が可能であり、
前記第1減速制御の減速度に比べて、前記第2減速制御の減速度を小さく設定
前記情報端末との通信に基づいて前記車両の運転席と前記情報端末との位置関係を特定し、
特定した前記位置関係に基づいて、前記車両のドアのうち開閉予約されているドアが前記情報端末の付近となるように前記目標移動位置を設定する、
制御装置である。
また、本発明は、
車両の制御装置において、
前記車両のユーザが携帯可能な情報端末に対する特定操作に基づいて、前記車両の移動制御を行う制御部を備え、
前記制御部は、
前記移動制御の実行時に、前記特定操作の中断に伴う前記車両の第1減速制御と、前記移動制御の目標移動位置への接近に伴う前記車両の第2減速制御と、が可能であり、
前記第1減速制御の減速度に比べて、前記第2減速制御の減速度を小さく設定し、
前記車両のユーザのスケジュール情報に基づいて前記車両のユーザの時間的な余裕度を算出し、
算出した前記余裕度が第1余裕度である場合は、算出した前記余裕度が前記第1余裕度よりも前記ユーザの時間的な余裕がある第2余裕度である場合よりも、前記第2減速制御の減速度を大きくする、
制御装置である
本発明は、
車両のユーザが携帯可能な情報端末に対する特定操作に基づいて、前記車両の移動制御を行う制御部が、
前記移動制御の実行時に、前記特定操作の中断に伴う前記車両の第1減速制御と、前記移動制御の目標移動位置への接近に伴う前記車両の第2減速制御と、が可能であり、
前記第1減速制御の減速度に比べて、前記第2減速制御の減速度を小さく設定
前記情報端末との通信に基づいて前記車両の運転席と前記情報端末との位置関係を特定し、
特定した前記位置関係に基づいて、前記車両のドアのうち開閉予約されているドアが前記情報端末の付近となるように前記目標移動位置を設定する、
制御方法である。
また、本発明は、
車両のユーザが携帯可能な情報端末に対する特定操作に基づいて、前記車両の移動制御を行う制御部が、
前記移動制御の実行時に、前記特定操作の中断に伴う前記車両の第1減速制御と、前記移動制御の目標移動位置への接近に伴う前記車両の第2減速制御と、が可能であり、
前記第1減速制御の減速度に比べて、前記第2減速制御の減速度を小さく設定し、
前記車両のユーザのスケジュール情報に基づいて前記車両のユーザの時間的な余裕度を算出し、
算出した前記余裕度が第1余裕度である場合は、算出した前記余裕度が前記第1余裕度よりも前記ユーザの時間的な余裕がある第2余裕度である場合よりも、前記第2減速制御の減速度を大きくする、
制御方法である
本発明は、
車両のユーザが携帯可能な情報端末に対する特定操作に基づいて、前記車両の移動制御を行うプロセッサに、
前記移動制御の実行時に、前記特定操作の中断に伴う前記車両の第1減速制御と、前記移動制御の目標移動位置への接近に伴う前記車両の第2減速制御と、が可能であり、
前記第1減速制御の減速度に比べて、前記第2減速制御の減速度を小さく設定
前記情報端末との通信に基づいて前記車両の運転席と前記情報端末との位置関係を特定し、
特定した前記位置関係に基づいて、前記車両のドアのうち開閉予約されているドアが前記情報端末の付近となるように前記目標移動位置を設定する、
処理を実行させるための制御プログラムである。
また、本発明は、
車両のユーザが携帯可能な情報端末に対する特定操作に基づいて、前記車両の移動制御を行うプロセッサに、
前記移動制御の実行時に、前記特定操作の中断に伴う前記車両の第1減速制御と、前記移動制御の目標移動位置への接近に伴う前記車両の第2減速制御と、が可能であり、
前記第1減速制御の減速度に比べて、前記第2減速制御の減速度を小さく設定し、
前記車両のユーザのスケジュール情報に基づいて前記車両のユーザの時間的な余裕度を算出し、
算出した前記余裕度が第1余裕度である場合は、算出した前記余裕度が前記第1余裕度よりも前記ユーザの時間的な余裕がある第2余裕度である場合よりも、前記第2減速制御の減速度を大きくする、
処理を実行させるための制御プログラムである
本発明によれば、移動体の自動出庫時において、状況に応じて移動体を適切に減速させることが可能な制御装置、制御方法、及び制御プログラムを提供することができる。
本実施形態の制御装置によって移動制御される車両の一例を示す側面図である。 図1に示す車両の上面図である。 図1に示す車両の内部構成を示すブロック図である。 情報端末のハードウェア構成の一例を示す図である。 車両の外部から情報端末を用いて車両を出庫指示制御している様子を示す図である。 自動出庫時における情報端末の出庫指示制御を示すフローチャートである。 自動出庫時における情報端末の出庫指示制御を示すフローチャートである。 自動出庫時において情報端末に表示される自動出庫誘導画面の一例を示す図である。 自動駐車時において情報端末に表示されるチャイルドプロテクション画面の一例を示す図である。 自動出庫時において情報端末に表示される出庫指示画面の一例を示す図である。 自動駐車時において情報端末に表示されるディスクレーマー通知・合意画面の一例を示す図である。 自動出庫時において情報端末に表示されるイグニッションON画面の一例を示す図である。 自動駐車時において情報端末に表示される出庫方向選択画面の一例を示す図である。 自動駐車時において情報端末に表示される出庫方向確認画面の一例を示す図である。 自動駐車時において情報端末に表示される車両との接続画面の一例を示す図である。 自動出庫時において情報端末に表示される操作入力開始画面の一例を示す図である。 自動出庫時において情報端末に表示される操作入力画面の一例を示す図である。 自動出庫時において情報端末に表示される自動出庫完了画面の一例を示す図である。 自動出庫時における車両の出庫実行制御を示すフローチャートである。 目標移動位置への車両の移動例を示す図である。 第1減速制御の減速度特性と車速特性の一例を示す図である。 第2減速制御の減速度特性と車速特性の一例を示す図である。
以下、本発明の制御装置、制御方法、及び制御プログラムの一実施形態を、添付図面に基づいて説明する。なお、図面は、符号の向きに見るものとする。また、本明細書等では説明を簡単かつ明確にするために、前後、左右、上下の各方向は、図1及び図2に示す車両10の運転者から見た方向に従って記載し、図面には、車両10の前方をFr、後方をRr、左方をL、右方をR、上方をU、下方をD、として示す。
<本発明の制御装置によって移動制御される車両10>
図1は、本発明の制御装置によって移動制御される車両10の側面図である。図2は、図1に示した車両10の上面図である。車両10は、本発明の移動体の一例である。
車両10は、駆動源(図示略)と、駆動源の動力によって駆動される駆動輪及び転舵可能な転舵輪を含む車輪と、を有する自動車である。本実施形態では、車両10は、左右一対の前輪及び後輪を有する四輪の自動車である。車両10の駆動源は、例えば電動機である。なお、車両10の駆動源は、ガソリンエンジンやディーゼルエンジン等の内燃機関であってもよいし、電動機と内燃機関との組み合わせであってもよい。また、車両10の駆動源は、左右一対の前輪を駆動してもよいし、左右一対の後輪を駆動してもよいし、左右一対の前輪及び後輪の四輪を駆動してもよい。前輪及び後輪は、双方が転舵可能な転舵輪であってもよいし、いずれか一方が転舵可能な転舵輪であってもよい。
車両10は、さらにサイドミラー11L,11Rを備える。サイドミラー11L,11Rは、車両10の前席ドアの外側に設けられた、運転者が後方及び後側方を確認するためのミラー(バックミラー)である。サイドミラー11L,11Rは、それぞれ垂直方向に延びる回転軸によって車両10の本体に固定されており、この回転軸を中心に回転することにより開閉可能である。
車両10は、さらに前方カメラ12Fr、後方カメラ12Rr、左側方カメラ12L、及び右側方カメラ12Rを備える。前方カメラ12Frは、車両10の前方に設けられ、車両10の前方を撮像するデジタルカメラである。後方カメラ12Rrは、車両10の後方に設けられ、車両10の後方を撮像するデジタルカメラである。左側方カメラ12Lは、車両10の左のサイドミラー11Lに設けられ、車両10の左側方を撮像するデジタルカメラである。右側方カメラ12Rは、車両10の右のサイドミラー11Rに設けられ、車両10の右側方を撮像するデジタルカメラである。
<車両10の内部構成>
図3は、図1に示した車両10の内部構成の一例を示すブロック図である。図3に示すように、車両10は、センサ群16と、ナビゲーション装置18と、制御ECU(Electronic Control Unit)20と、EPS(Electric Power Steering)システム22と、通信部24と、を有する。車両10は、さらに駆動力制御システム26と、制動力制御システム28と、を有する。
センサ群16は、制御ECU20による制御に用いられる各種の検出値を取得する。センサ群16には、前方カメラ12Frと、後方カメラ12Rrと、左側方カメラ12Lと、右側方カメラ12Rとが含まれる。また、センサ群16には、前方ソナー群32aと、後方ソナー群32bと、左側方ソナー群32cと、右側方ソナー群32dとが含まれる。また、センサ群16には、車輪センサ34a,34bと、車速センサ36と、操作検出部38とが含まれる。なお、センサ群16にはレーダを含めてもよい。
前方カメラ12Fr、後方カメラ12Rr、左側方カメラ12L、及び右側方カメラ12Rは、車両10の周辺を撮像することにより、車両10の外界を認識するための認識データ(例えば、周辺画像)を取得する。前方カメラ12Fr、後方カメラ12Rr、左側方カメラ12L、右側方カメラ12Rによって撮像される周辺画像は、それぞれ前方画像、後方画像、左側方画像、右側方画像と称される。左側方画像と右側方画像とによって構成される画像を側方画像と称してもよい。
前方ソナー群32aと、後方ソナー群32bと、左側方ソナー群32cと、右側方ソナー群32dとは、車両10の周辺に音波を発射すると共に、他物体からの反射音を受信する。前方ソナー群32aは、例えば4つのソナーを含む。前方ソナー群32aを構成するソナーは、車両10の左斜め前方、前方左側、前方右側及び右斜め前方にそれぞれ設けられている。後方ソナー群32bは、例えば4つのソナーを含む。後方ソナー群32bを構成するソナーは、車両10の左斜め後方、後方左側、後方右側及び右斜め後方にそれぞれ設けられている。左側方ソナー群32cは、例えば2つのソナーを含む。左側方ソナー群32cを構成するソナーは、車両10の左側部前方及び左側部後方にそれぞれ設けられている。右側方ソナー群32dは、例えば2つのソナーを含む。右側方ソナー群32dを構成するソナーは、車両10の右側部前方及び右側部後方にそれぞれ設けられている。前方ソナー群32a、後方ソナー群32b、左側方ソナー群32c、及び右側方ソナー群32dは、車両10の周辺における障害物を検知するための検知データ(例えば、障害物情報)を取得する。
車輪センサ34a,34bは、車両10の車輪の回転角度を検出する。車輪センサ34a,34bは、角度センサによって構成されていてもよいし、変位センサによって構成されていてもよい。車輪センサ34a,34bは、車輪が所定角度回転する毎に検出パルスを出力する。車輪センサ34a,34bから出力される検出パルスは、車輪の回転角度及び車輪の回転速度の算出に用いられる。車輪の回転角度に基づいて、車両10の移動距離が算出される。車輪センサ34aは、例えば、左後輪の回転角度θaを検出する。車輪センサ34bは、例えば、右後輪の回転角度θbを検出する。
車速センサ36は、車両10の車体の速度、すなわち車速Vを検出し、検出した車速Vを制御ECU20に出力する。車速センサ36は、例えば、トランスミッションのカウンタシャフトの回転に基づいて車速Vを検出する。
操作検出部38は、操作入力部14を用いて行われるユーザによる操作内容を検出し、検出した操作内容を制御ECU20に出力する。操作入力部14には、例えばサイドミラー11L,11Rの開閉状態を切り替えるサイドミラースイッチや、シフトレバー(セレクトレバーやセレクタ)など各種のユーザインタフェースが含まれる。
ナビゲーション装置18は、例えばGPS(Global Positioning System)を用いて車両10の現在位置を検出すると共に、目的地までの経路をユーザに案内する。ナビゲーション装置18は、地図情報データベースが備えられた不図示の記憶装置を有する。
ナビゲーション装置18には、タッチパネル42と、スピーカ44とが備えられている。タッチパネル42は、制御ECU20の入力装置及び表示装置として機能する。スピーカ44は、車両10のユーザに対して各種の案内情報を音声で出力する。
タッチパネル42は、制御ECU20に対する各種の指令を入力することができるように構成されている。例えば、ユーザは、タッチパネル42を介して、車両10の移動支援に関する指令を入力することが可能である。移動支援には、車両10の駐車支援及び出庫支援が含まれる。また、タッチパネル42は、制御ECU20の制御内容に関する各種の画面を表示するように構成されている。例えば、タッチパネル42には、車両10の移動支援に関する画面が表示される。具体的には、タッチパネル42には、車両10の駐車支援を要求する駐車支援ボタンや出庫支援を要求する出庫支援ボタンが表示される。駐車支援ボタンには、制御ECU20の自動操舵による駐車を要求する自動駐車ボタンや、運転者の操作で駐車する際の補助を要求する補助駐車ボタンが含まれる。出庫支援ボタンには、制御ECU20の自動操舵による出庫を要求する自動出庫ボタンや、運転者の操作で出庫する際の補助を要求する補助出庫ボタン含まれる。なお、タッチパネル42以外の構成要素、例えばスマートフォンやタブレット端末等を入力装置又は表示装置として用いるようにしてもよい。
制御ECU20は、入出力部50と、演算部52と、記憶部54とを有する。演算部52は、例えばCPU(Central Processing Unit)によって構成される。演算部52は、記憶部54に記憶されているプログラムに基づいて各部を制御することにより各種の制御を行う。また、演算部52は、入出力部50を介して、制御ECU20に接続される各部との間で信号を入出力する。演算部52は、本発明の制御装置の一例である。
演算部52は、車両10の移動実行制御を行う自動駐車制御部55と、車両10の開閉体を開閉制御する開閉制御部56と、車両10の外界情報を認識する外界認識部57と、を有する。自動駐車制御部55は、本発明の制御部の一例である。
自動駐車制御部55は、ステアリング110の操作を自動駐車制御部55の制御によって自動で行う自動操舵による車両10の自動駐車支援及び自動出庫支援を行う。自動駐車支援及び自動出庫支援では、アクセルペダル(図示せず)、ブレーキペダル(図示せず)及び操作入力部14の操作が自動で行われる。また、自動駐車制御部55は、アクセルペダル、ブレーキペダル及び操作入力部14の操作を運転者が行って車両10を手動駐車及び手動出庫させる際の補助駐車支援及び補助出庫支援を行う。
例えば、自動駐車制御部55は、前方カメラ12Fr、後方カメラ12Rr、左側方カメラ12L、及び右側方カメラ12Rによって取得された車両10の外界の認識データと、ユーザから指定される駐車スペースとに基づいて、車両10を所定の駐車スペースに自動駐車させる駐車実行制御及び車両10を所定の駐車スペースから目標移動位置に自動出庫させる出庫実行制御を行う。自動駐車制御部55は、駐車実行制御及び出庫実行制御を、入出力部50を介して外部から入力される指示信号に従って実行する。外部からの入力とは、車両10のユーザが携帯する情報端末等からの無線通信による入力が含まれる。情報端末については後述する。また、自動駐車制御部55は、駐車実行制御及び出庫実行制御に関する情報を、入出力部50を介して外部の情報端末へ送信する。
具体的には、自動駐車制御部55は、車両10の出庫実行制御において、車両10の運転席の開閉体(運転席ドア)と、車両10のユーザが携帯する情報端末との位置関係に基づいて、車両10を移動させる目標移動位置を設定する。目標移動位置とは、ユーザが運転席の開閉体にアクセス容易な位置のことである。運転席の開閉体とは、運転者が通常時において乗り降りする開閉体であり、運転席に最も近い開閉体のことをいう。ユーザが携帯する情報端末とは、車両10が出庫されるのを離れた位置で待機しているユーザの所持端末のことをいう。
自動駐車制御部55は、車両10の出庫実行制御において、車両10の移動状況に応じた減速制御により車両10を停止させることが可能である。減速制御には、ユーザの情報端末からの出庫を指示する出庫指示信号が停止した(途絶えた)場合、あるいは出庫の停止を指示する出庫停止信号が入力された場合に実行される第1減速制御と、車両10の目標移動位置への接近に伴い実行される第2減速制御とが含まれる。
自動駐車制御部55は、第2減速制御による車両10の速度の減速度を、第1減速制御による車両10の速度の減速度よりも小さく設定する。減速度は単位時間当たりの減速量である。したがって、同じ速度で走行している車両10が減速を開始してから停止までの時間は、第2減速制御の方が第1減速制御よりも長くなる。減速度は、ブレーキの液圧、すなわちブレーキペダルの踏み込み量によって決定される。
第1減速制御は、車両10の停止までの間に車両10の減速度を減少させない制御である。これに対して、2減速制御は、車両10の停止までの間に車両10の減速度を減少させる制御である。換言すると、第1減速制御は、第2減速制御よりも短時間で車両10を停止することが可能な減速制御である。第2減速制御は、第1減速制御よりも滑らかに車両10を停止することが可能な減速制御である。この点に関しては、図21及び図22で後述する。
自動駐車制御部55は、第2減速制御の減速度を、車両10のユーザの状態に基づいて変更する。例えば、自動駐車制御部55は、ユーザのスケジュール情報に基づいて、ユーザの時間的な余裕度を判断し、第2減速制御の減速度を決定する。具体的には、自動駐車制御部55は、スケジュール情報からユーザが急いでいる状況である場合には減速度を大きくし、急いでいないようであれば減速度を小さくする。自動駐車制御部55は、ユーザのスケジュール情報を、ユーザの情報端末から受信することができる。
自動駐車制御部55は、第2減速制御の減速度を、車両10の外部環境に基づいて変更する。例えば、自動駐車制御部55は、現在の天候状況を確認し、第2減速制御の減速度を決定する。具体的には、自動駐車制御部55は、雨が降っている状況、気温が高い状況、気温が低い状況、風が強い状況等の悪天候の場合には、減速度を大きくする。
自動駐車制御部55は、第2減速制御の減速度を、車両10のユーザの設定に基づいて変更する。すなわち、第2減速制御は、ユーザによって設定された減速特性により車両10を減速させる制御である。ただし、第2減速制御の減速度は、第1減速制御の減速度よりも小さい範囲において設定可能である。
自動駐車制御部55は、第2減速制御の減速度を、車両10のユーザの運転特性に基づいて設定する。第2減速制御は、車両10のユーザの運転履歴に基づく減速特性により車両10を減速させる制御である。例えば、自動駐車制御部55は、ユーザが運転時に行う減速の特性に類似した減速特性となるように第2減速制御の減速度を設定する。
自動駐車制御部55は、車両10が目標とする移動位置に出庫された際における車両10の開閉体の開閉可否を判定する。自動駐車制御部55は、外界認識部57による外界の認識結果に基づいて開閉体の開閉可否を判定する。自動駐車制御部55は、車両10の開閉体と車両周辺に存在する周辺物との距離、及び開閉体の種別(テールゲート、スライドドア、ヒンジドア等)に応じて開閉体の開閉可否を判定する。自動駐車制御部55は、開閉体の開閉可否の判定結果に基づいて、車両10の目標移動位置を設定する。
自動駐車制御部55は、車両10が設定された目標移動位置に到着した場合に、所定の開閉体の開閉処理を行う。開閉体の開閉処理には、例えば、開閉体の手動開閉を可能にする処理(開閉体のロックを外す処理)や、開閉体を自動開閉する処理等が含まれる。また、開閉体の開閉処理として、例えば、開閉体に関する案内情報を情報端末に表示する処理を含めてもよい。
開閉制御部56は、車両10のテールゲート、スライドドア、ヒンジドア等の開閉体を自動開閉させる開閉制御を行う。開閉制御部56は、自動駐車制御部55からの開閉信号に基づいて、開閉予約されている開閉体の開閉制御を行う。
外界認識部57は、前方カメラ12Fr、後方カメラ12Rr、左側方カメラ12L、右側方カメラ12Rによって撮像された車両10の周辺画像に基づいて車両10の外界を認識する。外界認識部57は、ソナー群32a~32d又はレーダによって取得される情報に基づいて車両10の外界を認識することも可能である。外界認識部57は、車両10の開閉体を開閉する際に障害となり得る周辺物の存在を、カメラ、ソナー、及びレーダによって取得される外界情報に基づいて認識する。
EPSシステム22は、舵角センサ100と、トルクセンサ102と、EPSモータ104と、レゾルバ106と、EPS ECU108と、を有する。舵角センサ100は、ステアリング110の舵角θstを検出する。トルクセンサ102は、ステアリング110に加わるトルクTQを検出する。
EPSモータ104は、ステアリング110に連結されたステアリングコラム112に対して駆動力又は反力を付与することにより、乗員によるステアリング110の操作支援や駐車支援時の自動操舵を可能とする。レゾルバ106は、EPSモータ104の回転角度θmを検出する。EPS ECU108は、EPSシステム22の全体の制御を司る。EPS ECU108には、入出力部(図示せず)と、演算部(図示せず)と、記憶部(図示せず)とが備えられている。
通信部24は、他の通信装置120との間で無線通信を行うことを可能とするものである。他の通信装置120とは、基地局や、他車両の通信装置や、車両10のユーザが携帯可能なスマートフォンあるいはタブレット端末などの情報端末である。例えば、通信部24は、情報端末とウルトラワイドバンド(UWB)通信を行うためのUWBインタフェースを備える。
駆動力制御システム26には、駆動ECU130が備えられている。駆動力制御システム26は、車両10の駆動力制御を実行する。駆動ECU130は、不図示のアクセルペダルに対するユーザによる操作に基づいて、不図示のエンジン等を制御することによって、車両10の駆動力を制御する。
制動力制御システム28には、制動ECU132が備えられている。制動力制御システム28は、車両10の制動力制御を実行する。制動ECU132は、不図示のブレーキペダルに対するユーザによる操作に基づいて、不図示のブレーキ機構等を制御することによって、車両10の制動力を制御する。
<情報端末のハードウェア構成>
図4は、情報端末60のハードウェア構成の一例を示す図である。情報端末60のハードウェアは、例えば、図4に示す情報処理装置80により実現することができる。情報処理装置80は、プロセッサ81と、メモリ82と、通信インタフェース83と、ユーザインタフェース84と、を備える。プロセッサ81、メモリ82、通信インタフェース83、及びユーザインタフェース84は、例えば、バス85によって接続される。
プロセッサ81は、信号処理を行う回路であり、例えば、情報処理装置80の全体の制御を司るCPU(Central Processing Unit)である。なお、プロセッサ81は、FPGA(Field Programmable Gate Array)やDSP(Digital Signal Processor)などの他のデジタル回路により実現されてもよい。また、プロセッサ81は、複数のデジタル回路を組み合わせて実現されてもよい。
メモリ82には、例えば、メインメモリ及び補助メモリが含まれる。メインメモリは、例えばRAM(Random Access Memory)である。メインメモリは、プロセッサ81のワークエリアとして使用される。メモリ82には、例えば、ユーザのスケジュール情報となるカレンダー情報が記録されている。
補助メモリは、例えば、磁気ディスク、光ディスク、フラッシュメモリなどの不揮発性メモリである。補助メモリには、情報処理装置80を動作させる各種のプログラムが記憶されている。補助メモリに記憶されたプログラムは、メインメモリにロードされてプロセッサ81によって実行される。
また、補助メモリは、情報処理装置80から取り外し可能な可搬型のメモリを含んでもよい。可搬型のメモリには、USB(Universal Serial Bus)フラッシュドライブやSD(Secure Digital)メモリカードなどのメモリカードや、外付けハードディスクドライブなどがある。
通信インタフェース83は、情報処理装置80の外部(例えば、車両10の通信部24)との間で無線通信を行う通信インタフェースである。例えば、通信インタフェース83は、車両10とUWB通信を行うためのUWBインタフェースを備える。通信インタフェース83は、プロセッサ81によって制御される。
ユーザインタフェース84は、例えば、ユーザからの操作入力を受け付ける入力デバイスや、ユーザへ情報を出力する出力デバイスなどを含む。入力デバイスは、例えば、タッチパネルなどにより実現することができる。出力デバイスは、例えば、ディスプレイやスピーカなどにより実現することができる。ユーザインタフェース84は、プロセッサ81によって制御される。
プロセッサ81は、車両10の移動を指示する移動指示制御を行う。例えば、プロセッサ81は、情報端末60の端末画面に対するユーザの特定操作に基づいて車両10の移動指示制御を行う。移動指示制御には、例えば、所定の駐車スペースに車両10を自動駐車させる駐車指示制御と、所定の駐車スペースから目標移動位置へ車両10を自動出庫させる出庫指示制御が含まれる。ユーザの特定操作には、例えば、車両10を移動させるためのスワイプ操作、駐車及び出庫の計画事項を予約するためのタップ操作等が含まれる。
具体的には、プロセッサ81は、出庫指示制御において、端末画面に対するユーザの予約操作に基づいて車両10の出庫計画を受け付ける。出庫計画とは、車両10の自動出庫に関する計画であり、例えば、車両10が駐車しているスペースから出庫する際にどの方向へ出庫するか(車両10の出庫方向)、あるいは出庫した際に所定の開閉体を開閉させるか等の計画を含む。プロセッサ81は、例えば、出庫した際に運転席の開閉体を開閉させる開閉予約、及び運転席の開閉体以外の特定開閉体を開閉させる開閉予約を受け付けることが可能である。開閉体の開閉予約とは、車両10の出庫完了時にユーザが優先して開閉させたい開閉体の予約のことをいう。プロセッサ81は、出庫計画を自動出庫の開始時又は開始以前に予め受け付けることが可能である。
また、プロセッサ81は、情報端末60の端末画面に対するユーザの入力操作に基づいて入力される車両10の第2減速制御における減速度の設定を受け付けることが可能である。
プロセッサ81は、情報端末60の端末画面に対する特定操作に基づいて、車両10を自動駐車させるための駐車指示信号及び車両10を自動出庫させるための出庫指示信号を車両10へ送信する。また、プロセッサ81は、ユーザによって設定された第2減速制御の減速度、及びメモリ82に記憶されているユーザのスケジュール情報を車両10へ送信する。情報端末60には、車両10の移動制御に関する情報を車両10との間で送受信することにより車両10を移動制御することが可能なアプリケーションがインストールされている。
<情報端末60による移動指示制御例>
図5は、車両10のユーザMが車両10の外部において、ユーザMが携帯する情報端末60を用いて、駐車スペースPから車両10を自動出庫させる出庫指示制御を行っている様子の一例を示す図である。
情報端末60は、タッチパネルとして構成されている端末画面61がユーザMによってタッチ操作されると、車両10の自動出庫を指示する出庫指示信号を無線通信により車両10に向けて送信する。車両10は、出庫指示信号を情報端末60から受信し、受信した出庫指示信号に従って、情報端末60と無線通信を行いながら、車両10を目標移動位置に自動出庫させる出庫実行制御を行う。図に示す例の状態は、車両10の運転席である右前方ドアに対してユーザMがアクセス容易な位置に車両10が出庫した状態を示す。情報端末60と車両10との間の無線通信としては、例えば、UWB(Ultra Wide Band:登録商標)、BLE(Bluetooth Low Energy:登録商標)、NFC(Near Field Communication:登録商標)等が用いられる。
<自動出庫時における情報端末60の処理>
次に、自動出庫時における情報端末60の出庫指示制御の一例について図6から図18を参照して説明する。
図6及び図7は、自動出庫時における情報端末60のプロセッサ81による出庫指示制御を示すフローチャートである。図7から図18は、自動出庫時において情報端末60に表示される画像の一例を示す図である。
例えば、ユーザMが駐車場から車両10を出庫させようとしている。ユーザMは、情報端末60を所持している。
情報端末60のプロセッサ81は、情報端末60が車両10に近接したか、すなわち情報端末60が車両10と無線通信することが可能な距離まで近づいたか否か判定する(ステップS11)。
ステップS11において、情報端末60が無線通信可能な距離まで車両10に近づいていない場合(ステップS11:No)には、プロセッサ81は、無線通信が可能になるまでステップS11の処理を繰り返す。
ステップS11において、情報端末60が無線通信可能な距離まで車両10に近づいた場合(ステップS11:Yes)には、プロセッサ81は、例えば、図8に示すような自動出庫誘導画面62を端末画面61に表示して、車両10の自動出庫用のアプリケーションを起動するよう促す(ステップS12)。プロセッサ81は、自動出庫誘導画面62上に、例えば「リモート操作を起動してください」のような自動出庫用のアプリケーションの起動を促す通知メッセージ62aと、アプリケーションを起動するための起動ボタン62bと、自動出庫誘導画面62を閉じる閉ボタン62cと、を表示する。
次に、プロセッサ81は、自動出庫用のアプリケーションが起動されたか否か判定する(ステップS13)。
ステップS13において、自動出庫用のアプリケーションが起動されていない場合(ステップS13:No)には、プロセッサ81は、起動されるまで待機する。ただし、一定時間起動されなかった場合には、プロセッサ81は、自動出庫誘導画面62を自動的に閉じるようにしてもよい。
ステップS13において、自動出庫用のアプリケーションが起動された場合(ステップS13:Yes)には、プロセッサ81は、例えば、図9に示すようなチャイルドプロテクション画面63を端末画面61に表示する(ステップS14)。
ステップS14において所定の認証コードが入力された後にOKボタン63aがタッチ操作されると、プロセッサ81は、例えば、図10に示すように、自動出庫を行うか否かを確認する出庫指示画面64を端末画面61に表示する(ステップS15)。プロセッサ81は、出庫指示画面64上に、例えば、車両10の車両画像64aと、「自動出庫しますか?」のような確認メッセージ64bと、を表示する。また、プロセッサ81は、出庫指示画面64上に、自動出庫を行う場合にタッチ操作する自動出庫ボタン64cと、自動出庫を行わない場合に出庫指示画面64を閉じる閉ボタン64dを表示する。
ステップS15において自動出庫ボタン64cがタッチ操作されると、プロセッサ81は、例えば、図11に示すように、自動出庫に関して規定されているディスクレーマー通知・合意画面65を端末画面61に表示する(ステップS16)。ディスクレーマー通知・合意画面65の内容に合意する場合には合意ボタン65aがスワイプ操作され、合意しない場合には自動出庫を中止する中止ボタン65bがタッチ操作される。
ステップS16において合意ボタン65aがスワイプ操作されると、プロセッサ81は、例えば、図12に示すようなイグニッションON画面66を端末画面61に表示して、出庫時における車両10の出庫方向の選択を促す(ステップS17)。プロセッサ81は、イグニッションON画面66上に、例えば、車両10の車両画像66aと、自動出庫を進行させるイグニッションONボタン66bと、を表示する。また、プロセッサ81は、イグニッションON画面66上に、自動出庫を取り止める場合にイグニッションON画面66を閉じる閉ボタン66cを表示する。
ステップS17においてイグニッションONボタン66bがタッチ操作されると、プロセッサ81は、例えば、図13に示すように、自動出庫における出庫方向の選択と開閉体の開閉予約とを受け付ける出庫方向選択画面67を端末画面61に表示する(ステップS18)。プロセッサ81は、出庫方向選択画面67上に、例えば、前進して駐車スペースを出た後に停止する前進出庫67aと、後進して駐車スペースを出た後に停止する後進出庫67bと、を表示する。また、プロセッサ81は、出庫方向選択画面67上に、例えば、左前方のドアを開閉予約する左前ドア67cと、右前方のドアを開閉予約する右前ドア67dと、左後方のドアを開閉予約する左後ドア67eと、右後方のドアを開閉予約する右後ドア67fと、テールゲートを開閉予約するテールゲート67gと、を表示する。さらに、プロセッサ81は、出庫方向選択画面67上に、例えば「出庫方向を選択してください」及び「開閉予約を受け付けます」のような選択メッセージ67hを表示する。この出庫方向選択画面67において、ユーザMは、車両10を出庫させたい出庫方向(67a,67b)及び開閉させたい開閉体(67c~67g)をタッチ操作して選択することができる。
出庫方向選択画面67おいていずれかの出庫方向及び開閉体が選択されると、プロセッサ81は、例えば、図14に示すような出庫方向確認画面68を端末画面61に表示する。プロセッサ81は、出庫方向確認画面68上に、受け付けた出庫方向及び予約開閉体を示す出庫方向画像68aを表示する。図に示す例の場合には、前進出庫及び右前方ドアの開閉予約を受け付けたことを表示している。また、プロセッサ81は、出庫方向確認画面68上に、例えば「前向きに出庫します」及び「出庫後、右前方ドアを開きます」のような確認メッセージ68bを表示する。さらに、プロセッサ81は、出庫方向確認画面68上に、出庫方向及び予約開閉体を確認するOKボタン68cと、出庫方向及び予約開閉体を再選択するための再選択ボタン68dを表示する。なお、再選択ボタン68dがタッチ操作された場合には、プロセッサ81は、図13の出庫方向選択画面67を表示して再度、出庫方向及び開閉体を選択させる。
ステップS18において、図14の出庫方向確認画面68でOKボタン68cがタッチ操作されると、プロセッサ81は、車両10との通信接続の処理を開始し、例えば、図15に示すような接続画面69を端末画面61に表示する(ステップS19)。プロセッサ81は、接続画面69上に、車両10と接続処理中であることを表す、例えば「車両と接続しています」のような接続メッセージ69aと、この接続処理を中止させるための中止ボタン69bを表示する。プロセッサ81は、車両10との通信接続が完了すると、ステップS18において出庫時に受け付けられた出庫方向及び予約開閉体を含む自動出庫情報を車両10へ送信する。
次に、プロセッサ81は、図7の処理に進み、例えば、図16に示すように、自動出庫の開始を誘導する操作入力開始画面70を端末画面61に表示する(ステップS20)。プロセッサ81は、操作入力開始画面70上に、例えば、6個の球体70aが矢印70bで示される方向へ左回転しているような画像を表示する。すなわち、左回りにスライドする回転スワイプ操作を端末画面61上で行うように促す画像を表示する。また、プロセッサ81は、操作入力開始画面70上に、例えば「画面に触れたまま回してください」のような誘導メッセージ70cを表示する。また、プロセッサ81は、操作入力開始画面70上に、車両10が前進で出庫されることを表す車両画像70dと、「周囲を直接確認してください」のような注意喚起メッセージ70eを表示する。さらに、プロセッサ81は、操作入力開始画面70上に、この自動出庫を中止させるための中止ボタン70fを表示する。
次に、プロセッサ81は、端末画面61上において回転スワイプ操作が開始されたか否か判定する(ステップS21)。
ステップS21において、回転スワイプ操作が開始されていない場合(ステップS21:No)には、プロセッサ81は、回転スワイプ操作が開始されるまでステップS21の処理を繰り返して待機する。
ステップS21において、回転スワイプ操作が開始された場合(ステップS21:Yes)には、プロセッサ81は、例えば、図17に示すように、出庫時の回転スワイプ操作が行われている様子を示す操作入力画面71を端末画面61に表示する(ステップS22)。プロセッサ81は、操作入力画面71上に、例えば、回転スワイプ操作によるユーザMのタッチ位置に追従して移動する移動アイコン71aを表示する。また、プロセッサ81は、例えば「指を離すと停止します」のような、車両10の自動出庫を停止させるための案内メッセージ71bを表示する。また、プロセッサ81は、操作入力画面71上に、車両10が前進で出庫を実行中であることを示す車両画像71cと、図16と同様に注意喚起メッセージ70e及び中止ボタン70fを表示する。このように、端末画面61上で回転スワイプ操作を行うと、そのタッチ位置に追従して移動アイコン71aが回転移動し、その回転移動に伴って車両10が動き出す。また、回転スワイプ操作していた指を端末画面61から離す又は回転スワイプ操作を停止させるなどして回転スワイプ操作を中断すると、移動アイコン71aの回転移動が停止して車両10の自動出庫の動きが一時停止する。
次に、プロセッサ81は、車両10の自動出庫を開始させる自動出庫開始指示信号を車両10に送信する(ステップS23)。車両10の自動駐車制御部55は、自動出庫開始指示信号を情報端末60から受信すると、受信した自動出庫開始指示信号に従い、出庫時に受け付けられた出庫方向及び予約開閉体を含む自動出庫情報に基づいて、車両10の自動出庫を開始する。
次に、プロセッサ81は、端末画面61に対しての回転スワイプ操作が停止されたか否か判定する(ステップS24)。
ステップS24において、回転スワイプ操作が停止された場合(ステップS24:Yes)には、プロセッサ81は、車両10の自動出庫を停止させる自動出庫停止指示信号を車両10に送信する(ステップS25)。
次に、プロセッサ81は、端末画面61に対しての回転スワイプ操作が再開されたか否か判定する(ステップS26)。
ステップS26において、回転スワイプ操作が再開されていない場合(ステップS26:No)には、プロセッサ81は、回転スワイプ操作が再開されるまで待機する。
ステップS26において、回転スワイプ操作が再開された場合(ステップS26:Yes)には、プロセッサ81は、車両10の自動出庫を指示する自動出庫再開指示信号を車両10に送信し(ステップS27)、ステップS24に戻って各処理を繰り返す。
一方、ステップS24において、回転スワイプ操作が停止されていない場合(ステップS24:No)には、プロセッサ81は、車両10の自動出庫が完了したか否か判定する(ステップS28)。自動出庫が完了したか否かは、車両10の自動駐車制御部55から送信されてくる自動出庫の実行制御に関する情報に基づいて判定することができる。
ステップS28において、自動出庫が完了していない場合(ステップS28:No)には、プロセッサ81は、ステップS24に戻って各処理を繰り返す。
ステップS28において、自動出庫が完了した場合(ステップS28:Yes)には、プロセッサ81は、例えば、図18に示すような自動出庫完了画面72を端末画面61に表示する(ステップS29)。プロセッサ81は、自動出庫完了画面72上に、例えば「出庫が完了しました。画面をタッチしてください。」のような出庫完了メッセージ72aを表示する。この自動出庫完了画面72において、端末画面61がタッチ操作されると、プロセッサ81は、自動出庫時の本出庫指示制御を終了する。
なお、上述した処理では、プロセッサ81は、ステップS23において自動出庫開始指示信号を車両10へ送信し、ステップS24で回転スワイプ操作が停止された場合にステップS25において自動出庫停止指示信号を車両10へ送信し、ステップS26で回転スワイプ操作が再開された場合にステップS27において自動出庫再開指示信号を車両10に送信したが、これに限定されない。例えば、プロセッサ81は、ステップS23において自動出庫指示信号を継続的に車両10へ送信し、ステップS24で回転スワイプ操作が停止された場合にステップS25において自動出庫指示信号の送信を停止し、ステップS26で回転スワイプ操作が再開された場合にステップS27において自動出庫指示信号を再度継続的に車両10へ送信するようにしてもよい。すなわち、自動出庫停止指示信号を用いなくてもよい。
<自動出庫時における車両10の処理>
次に、自動出庫時における車両10の自動駐車制御部55による出庫実行制御の一例について、図19のフローチャートを参照して説明する。
車両10の自動駐車制御部55は、情報端末60と通信接続されている状態であるか否か、すなわち情報端末60が車両10と無線通信することが可能な距離まで近づいた状態であるか否か判定する(ステップS31)。
ステップS31において、情報端末60と通信接続されていない場合(ステップS31:No)には、自動駐車制御部55は、通信接続された状態になるまで待機する。
ステップS31において、情報端末60と通信接続された状態になった場合(ステップS31:Yes)には、自動駐車制御部55は、情報端末60側で受け付けられた車両10の出庫方向及び予約開閉体に関する自動出庫情報を情報端末60から受信する(ステップS32)。
次に、自動駐車制御部55は、情報端末60との間でUWB通信を行うことにより、自車両10と情報端末60との相対位置を特定する(ステップS33)。
次に、自動駐車制御部55は、ステップS33において特定された情報端末60の位置に基づいて、目標移動位置を情報端末60の近くの位置に設定、すなわち車両10が目標移動位置に移動したときに運転席の位置が情報端末60(情報端末60を携帯したユーザM)の近くにくるように車両10の目標移動位置を設定する(ステップS34)。
次に、自動駐車制御部55は、自動出庫開始指示信号を情報端末60から受け付けたか否か、すなわち図6の情報端末60におけるステップS23の処理において情報端末60から送信される自動出庫開始指示信号を受信したか否かを判定する(ステップS35)。
ステップS35において、自動出庫開始指示信号を情報端末60から受け付けていない場合(ステップS35:No)には、自動駐車制御部55は、自動出庫開始指示信号を受け付けるまで待機する。
ステップS35において、自動出庫開始指示信号を情報端末60から受け付けた場合(ステップS35:Yes)には、自動駐車制御部55は、ステップS34において設定された目標移動位置への車両10の移動を開始させる(ステップS36)。
次に、自動駐車制御部55は、車両10が目標移動位置に接近したか否か判定する(ステップS37)。
ステップS37において、目標移動位置に接近した場合(ステップS37:Yes)には、自動駐車制御部55は、車両10を第2減速制御の減速度により停止させる(ステップS38)。第2減速制御の減速度とは、上述したように、第1減速制御の減速度よりも小さく設定された減速度であり、停止までの時間は第1減速制御よりも長く要するが、第1減速制御よりも滑らかに車両10を停止することが可能な減速制御である。車両10が目標移動位置に接近したとは、第2減速制御の減速度で車両10を停止させたときに、車両10が目標移動位置でちょうど停止する接近距離に達したことを意味する。これにより、車両10は運転席が情報端末60を携帯するユーザMの近くにくるような位置に停止する。
次に、車両10が目標移動位置で停止すると、自動駐車制御部55は、車両10のドアの開閉予約がされているか否かを、ステップS32において情報端末60から受信した自動出庫情報に基づいて判定する(ステップS39)。
ステップS39において、ドアの開閉予約がされている場合(ステップS39:Yes)には、自動駐車制御部55は、開閉制御部56による開閉制御により、開閉予約されているドアの開閉処理を行い(ステップS40)、本出庫実行制御を終了する。なお、ドアの開閉処理には、上述したように、ドアのロックを外す処理や、ドアを自動開閉する処理等が含まれる。
ステップS39において、ドアの開閉予約がされていない場合(ステップS39:No)には、自動駐車制御部55は、ドアの開閉処理は行わず、本出庫実行制御を終了する。
一方、ステップS37において、目標移動位置に接近していない場合(ステップS37:No)には、自動駐車制御部55は、自動出庫停止指示信号を情報端末60から受け付けたか否か、すなわち図6の情報端末60におけるステップS25の処理において情報端末60から送信される自動出庫停止指示信号を受信したか否かを判定する(ステップS41)。
ステップS41おいて、自動出庫停止指示信号を情報端末60から受け付けていない場合(ステップS41:No)には、自動駐車制御部55は、ステップS37に戻り各処理を実行する。
ステップS41において、自動出庫停止指示信号を情報端末60から受け付けた場合(ステップS41:Yes)には、自動駐車制御部55は、車両10を第1減速制御の減速度により停止させる(ステップS42)。自動出庫停止指示信号を情報端末60から受け付けた場合とは、上述したように、情報端末60におけるユーザMの回転スワイプ操作が停止された場合である。第1減速制御の減速度は、上述したように、第2減速制御の減速度よりも大きく設定された減速度であり、第2減速制御よりも短時間で車両10を停止することが可能な減速制御である。これにより、車両10は目標移動位置に到達す前の位置で一時停止する。
なお、車両10が目標移動位置に接近して第2減速制御で減速している途中であっても、情報端末60から自動出庫停止指示信号を受信した場合には、自動駐車制御部55は、第1減速制御の減速度により車両10を停止させる。
また、上述した処理では、自動駐車制御部55は、ステップS35において自動出庫開始指示信号を情報端末60から受信した場合にステップS36で目標移動位置への移動を開始し、ステップS41において自動出庫停止指示信号を情報端末60から受信した場合にステップS42で第1減速制御の減速度により停止したが、これに限定されない。例えば、自動駐車制御部55は、情報端末60から自動出庫指示信号が継続的に送信される場合には、ステップS35において自動出庫指示信号を情報端末60から受信した場合にステップS36で目標移動位置への移動を開始し、ステップS41において情報端末60からの自動出庫指示信号が停止されたと判定した場合にステップS42で第1減速制御の減速度により車両10を停止するようにしてもよい。
<目標移動位置への移動例>
次に、出庫実行制御により目標移動位置に移動する車両10の移動例について図20を参照して説明する。
図20は、駐車スペースPに駐車していた車両10が、情報端末60を用いて自動出庫の出庫操作をするユーザMのいる場所(目標移動位置)に、移動する様子を示す図である。図20に示すように、車両10は、右前方の運転席が、情報端末60を携帯するユーザMの近くにくるような位置に移動して停止するように出庫制御される。また、図に示す例では、運転席のドアである右前方ドア91dの開閉予約がされており、車両10は、目標移動位置に移動して停止した後に、右前方ドア91dが開放するように開閉制御される。
<減速制御の減速度特性と車速特性>
次に、自動駐車制御部55による第1減速制御及び第2減速制御の減速度特性例と車速特性例について図21及び図22を参照して説明する。
図21は、自動駐車制御部55による第1減速制御の減速度特性と車速特性の一例を示す図である。第1減速制御は、上述したように、情報端末60から自動出庫停止指示信号が入力された場合、あるいは情報端末60からの自動出庫指示信号が停止した場合に実行される減速制御である。換言すると、第1減速制御は、情報端末60におけるユーザMの回転スワイプ操作が中断された場合に実行される減速制御である。
図21に示すように、第1減速制御の減速度特性92は、回転スワイプ操作が例えば時刻t1で中断されたとすると、その時刻t1から車両10のブレーキペダルが踏み込まれて減速度が例えばG1まで上昇する。このとき、第1減速制御の車速特性93は、ブレーキペダルが踏み込まれた時刻t1から減速が開始されて車速V1が低下する。第1減速制御は、車両10が減速を開始した時刻t1から車両10が停止して車速が0となる時刻t2までの間において、G1まで上昇した減速度の値を減少させない制御である。第1減速制御では、車両10は、ユーザMの回転スワイプ操作が中断された時刻t1から時間T1後の時刻t2で停止する。
図22は、自動駐車制御部55による第2減速制御の減速度特性と車速特性の一例を示す図である。第2減速制御は、上述したように、車両10が自動出庫において目標移動位置に接近したときに実行される減速制御である。
図22に示すように、第2減速制御の減速度特性94は、車両10が例えば時刻t3で目標移動位置に接近したとすると、その時刻t3から車両10のブレーキペダルが踏み込まれて減速度が例えばG2まで上昇する。このとき、第2減速制御の減速度特性94は、ブレーキペダルが踏み込まれた時刻t3から減速が開始されて車速V1が低下する。第2減速制御は、車両10が減速を開始した時刻t3から車両10が停止して車速が0となる時刻t4までの間において、G2まで上昇した減速度の値を減速度G2よりも小さい減速度G3まで減少させる制御である。第2減速制御では、車両10は、ブレーキペダルが踏み込まれた時刻t3から時間T2後の時刻t4で停止する。目標移動位置に接近した時刻t3とは、第2減速制御において車両10を目標移動位置で停止させための減速開始点である。
以上説明したように、車両10の演算部52における自動駐車制御部55は、車両10を出庫実行制御する際に、ユーザMの情報端末60に対する回転スワイプ操作(特定操作)の中断に伴う車両10の第1減速制御と、出庫実行制御の目標移動位置への接近に伴う車両10の第2減速制御と、が可能である。そして、自動駐車制御部55は、第1減速制御の減速度に比べて、第2減速制御の減速度を小さく設定する。これにより、第2減速制御よりも減速度が大きい第1減速制御によって車両10の自動出庫を制御することにより、ユーザMが回転スワイプ操作の継続を中断したタイミングで即座に車両10を減速させることができる。このため、例えば、歩行者の飛び出しに対する、あるいはユーザMの回転スワイプ操作に沿ったレスポンスの良い減速を行うことができ、安全性と商品性を向上させることができる。また、減速度が小さい第2減速制御によって車両10を制御することにより、車両10が目標移動位置に接近した際に車両10の近くにいるユーザMと車両10とが接触する事態/被害を抑制することができる。また、第2減速制御で減速させることで、第1減速制御のような大きい減速度で急にガクっと停止するということがないので、例えば、ユーザMを車両10でお出迎えするときの車両10の接近振舞の商品性を向上させることができるとともに、車両10の衝突の不安を抑制し安心感を向上させることができる。
また、自動駐車制御部55は、第2減速制御の減速度を、車両10のユーザMの状態に基づいて変更することができるため、例えば、ユーザMのスケジュール情報に基づいて時間的に急いでいるような場合には減速度を大きく設定して、自動出庫の際にすぐに車両10を減速させることが可能である。これにより、ユーザMの状態を考慮した減速制御を行うことができ、ユーザビリティを向上させることができる。
また、自動駐車制御部55は、第2減速制御の減速度を、車両10の外部環境に基づいて変更することができるため、例えば、悪天候だった場合には減速度を大きく設定して、自動出庫の際に迅速にユーザをお出迎えすることが可能である。これにより、外部環境を考慮した減速制御を行うことができ、ユーザビリティを向上させることができる。
また、自動駐車制御部55は、第1減速制御において車両10が停止するまでの間に車両10の減速度を減少させず、第2減速制御において車両10が停止するまでの間に車両10の減速度を減少させるように制御する。これにより、第1減速制御では車両10を第2減速制御よりも短時間で停止させることができ、第2減速制御では車両10を第1減速制御よりも滑らかに停止させることができる。
また、自動駐車制御部55は、第2減速制御の減速特性を、ユーザMの設定に基づいて変更する。ユーザMによっては、自動出庫の際に迅速に迎えに来てくれた方が好みの場合もあるので、ユーザMの要求に応じたお出迎えをすることが可能になる。
また、自動駐車制御部55は、第2減速制御の減速特性を、ユーザMの運転履歴に基づいて設定する。これにより、例えば、ユーザMが運転時に行う減速の特性に類似した減速特性に設定することも可能であるため、ユーザMの嗜好に合ったお出迎えが可能となる。
また、自動駐車制御部55は、自動出庫時における車両10の目標移動位置を、情報端末60の位置に基づいて設定する。これにより、ユーザMが手動で出庫実行制御の目標移動位置を設定しなくても目標移動位置が自動的に設定されるので、ユーザMの操作負担を軽減することができ、ユーザビリティを向上させることができる。なお、上述した自動駐車制御部55の制御では、車両10の運転席と情報端末60との位置関係に基づいて目標移動位置を設定したが、これに限定されない。例えば、車両10のドア(開閉体)の開閉有無を考慮して目標移動位置を設定してもよい。具体的には、開閉予約されている車両10のドアと情報端末60との位置関係に基づいて目標移動位置を設定してもよい。この場合、開閉予約されているドアに対してユーザMがアクセス容易な位置が目標移動位置として設定される。
また、自動駐車制御部55は、車両10に対する情報端末60の位置を、情報端末60とのウルトラワイドバンド通信に基づいて特定する。これにより、高精度に情報端末60の位置を特定することができるので、ユーザMが開閉体にアクセスしやすい車両10の最適な目標移動位置を設定することが可能となる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、適宜、変形、改良、等が可能である。
例えば、上記実施形態では、移動体を車両(四輪の自動車)とした例を説明したが、これに限らない。例えば、二輪車、セグウェイ等の車両であってもよい。さらに、本発明の思想は、車両に限らず、駆動源を備えて駆動源の動力により移動可能なロボット、船舶、航空機などにも適用することができる。
なお、前述した実施形態で説明した制御方法は、予め用意された制御プログラムをコンピュータで実行することにより実現できる。本制御プログラムは、コンピュータが読み取り可能な記憶媒体に記録され、記憶媒体から読み出されることによって実行される。また、本制御プログラムは、フラッシュメモリ等の非一過性の記憶媒体に記憶された形で提供されてもよいし、インターネット等のネットワークを介して提供されてもよい。本制御プログラムを実行するコンピュータは、制御装置に含まれるものであってもよいし、制御装置と通信可能なスマートフォン、タブレット端末、又はパーソナルコンピュータ等の電子機器に含まれるものでもあってもよいし、これら制御装置及び電子機器と通信可能なサーバ装置に含まれるものであってもよい。
また、本明細書には少なくとも以下の事項が記載されている。なお、括弧内には、上記した実施形態において対応する構成要素等を示しているが、これに限定されるものではない。
(1) 移動体(車両10)の制御装置(演算部52)において、
前記移動体のユーザ(ユーザM)が携帯可能な情報端末(情報端末60)に対する特定操作に基づいて、前記移動体の移動制御を行う制御部(自動駐車制御部55)を備え、
前記制御部は、
前記移動制御の実行時に、前記特定操作の中断に伴う前記移動体の第1減速制御と、前記移動制御の目標移動位置への接近に伴う前記移動体の第2減速制御と、が可能であり、
前記第1減速制御の減速度に比べて、前記第2減速制御の減速度を小さく設定する、
制御装置。
(1)によれば、減速度が大きい第1減速制御によって移動体を制御することにより、ユーザが特定操作の継続を中断したタイミングで即座に減速できる。このため、歩行者の飛び出しやユーザの特定操作に沿ったレスポンスの良い減速を行え、安全性と商品性が向上する。また、減速度が小さい第2減速制御によって移動体を制御することにより、目標移動位置に接近した際に近くにいるユーザと接触する事態/被害を抑制できる。また、第2減速制御で減速させることで、第1減速制御のように大きい減速度で急にガクっと停止しない為、ユーザをお出迎えするときの振舞の商品性を向上できるとともに、衝突の不安を抑制し安心感を向上できる。
(2) (1)に記載の制御装置であって、
前記制御部は、
前記第2減速制御の減速度を、前記移動体のユーザの状態に基づいて変更する、
制御装置。
(2)によれば、例えば、ユーザが遅刻等で急いでいる場合には減速度を大きくしてすぐに移動体を減速させることが可能となり、ユーザの状態を考慮した減速制御を行うことで、ユーザビリティが向上する。
(3) (1)又は(2)に記載の制御装置であって、
前記制御部は、
前記第2減速制御の減速度を、前記移動体の外部環境に基づいて変更する、
制御装置。
(3)によれば、例えば、悪天候だった場合には減速度を大きくして迅速にユーザをお出迎えすることが可能となり、外部環境を考慮した減速制御を行うことで、ユーザビリティが向上する。
(4) (1)から(3)のいずれかに記載の制御装置であって、
前記制御部は、
前記目標移動位置を、前記情報端末の位置に基づいて設定する、
制御装置。
(4)によれば、ユーザが手動で移動制御の目標移動位置を設定しなくても、目標移動位置が自動的に設定されるため、ユーザの負担を軽減し、ユーザビリティが向上する。さらに、開閉体の開閉有無を考慮して目標移動位置を設定してもよい。
(5) (4)に記載の制御装置であって、
前記制御部は、
前記情報端末の位置を、前記情報端末とのウルトラワイドバンド通信に基づいて特定する、
制御装置。
(5)によれば、高精度に情報端末の位置を特定することができ、最適な目標移動位置を設定することが可能となる。
(6) (1)から(5)のいずれかに記載の制御装置であって、
前記第1減速制御は、前記移動体の停止までの間に前記移動体の減速度を減少させない制御であり、
前記第2減速制御は、前記移動体の停止までの間に前記移動体の減速度を減少させる制御である、
制御装置。
(6)によれば、第1減速制御は移動体を、より短時間で停止でき、第2減速制御は移動体を、より滑らかに停止することができる。
(7) (1)から(6)のいずれかに記載の制御装置であって、
前記第2減速制御は、ユーザ設定された減速特性により前記移動体を減速させる制御である、
制御装置。
(7)によれば、ユーザによっては、より迅速に迎えに来てくれた方が好みの場合もあるので、第1減速制御よりは小さい減速度の範囲で、減速特性をユーザが設定することができる。
(8) (1)から(7)のいずれかに記載の制御装置であって、
前記第2減速制御は、前記移動体のユーザの運転履歴に基づく減速特性により前記移動体を減速させる制御である、
制御装置。
(8)によれば、例えば、ユーザが運転時に行う減速の特性に類似した減速特性にすることにより、ユーザの嗜好に合ったお出迎えが可能となる。
(9) 移動体のユーザが携帯可能な情報端末に対する特定操作に基づいて、前記移動体の移動制御を行う制御部が、
前記移動制御の実行時に、前記特定操作の中断に伴う前記移動体の第1減速制御と、前記移動制御の目標移動位置への接近に伴う前記移動体の第2減速制御と、が可能であり、
前記第1減速制御の減速度に比べて、前記第2減速制御の減速度を小さく設定する、
制御方法。
(9)によれば、減速度が大きい第1減速制御によって移動体を制御することにより、ユーザが特定操作の継続を中断したタイミングで即座に減速できる。このため、歩行者の飛び出しやユーザの特定操作に沿ったレスポンスの良い減速を行え、安全性と商品性が向上する。また、減速度が小さい第2減速制御によって移動体を制御することにより、目標移動位置に接近した際に近くにいるユーザと接触する事態/被害を抑制できる。また、第2減速制御で減速させることで、第1減速制御のように大きい減速度で急にガクっと停止しない為、ユーザをお出迎えするときの振舞の商品性を向上できるとともに、衝突の不安を抑制し安心感を向上できる。
(10) 移動体のユーザが携帯可能な情報端末に対する特定操作に基づいて、前記移動体の移動制御を行うプロセッサに、
前記移動制御の実行時に、前記特定操作の中断に伴う前記移動体の第1減速制御と、前記移動制御の目標移動位置への接近に伴う前記移動体の第2減速制御と、が可能であり、
前記第1減速制御の減速度に比べて、前記第2減速制御の減速度を小さく設定する、
処理を実行させるための制御プログラム。
(10)によれば、減速度が大きい第1減速制御によって移動体を制御することにより、ユーザが特定操作の継続を中断したタイミングで即座に減速できる。このため、歩行者の飛び出しやユーザの特定操作に沿ったレスポンスの良い減速を行え、安全性と商品性が向上する。また、減速度が小さい第2減速制御によって移動体を制御することにより、目標移動位置に接近した際に近くにいるユーザと接触する事態/被害を抑制できる。また、第2減速制御で減速させることで、第1減速制御のように大きい減速度で急にガクっと停止しない為、ユーザをお出迎えするときの振舞の商品性を向上できるとともに、衝突の不安を抑制し安心感を向上できる。
10 車両(移動体)
52 演算部(制御装置)
55 自動駐車制御部(制御部)
60 情報端末

Claims (10)

  1. 車両の制御装置において、
    前記車両のユーザが携帯可能な情報端末に対する特定操作に基づいて、前記車両の移動制御を行う制御部を備え、
    前記制御部は、
    前記移動制御の実行時に、前記特定操作の中断に伴う前記車両の第1減速制御と、前記移動制御の目標移動位置への接近に伴う前記車両の第2減速制御と、が可能であり、
    前記第1減速制御の減速度に比べて、前記第2減速制御の減速度を小さく設定
    前記情報端末との通信に基づいて前記車両の運転席と前記情報端末との位置関係を特定し、
    特定した前記位置関係に基づいて、前記車両のドアのうち開閉予約されているドアが前記情報端末の付近となるように前記目標移動位置を設定する、
    制御装置。
  2. 請求項1に記載の制御装置であって、
    前記制御部は、
    前記情報端末との通信に基づいて前記車両の運転席と前記情報端末との位置関係を特定し、
    特定した前記位置関係に基づいて、前記情報端末の付近に前記目標移動位置を設定する、
    制御装置。
  3. 請求項2に記載の制御装置であって、
    前記通信はウルトラワイドバンド通信である、
    制御装置。
  4. 請求項1から3のいずれか1項に記載の制御装置であって、
    前記第2減速制御は、ユーザ設定された減速特性により前記車両を減速させる制御である、
    制御装置。
  5. 請求項1から4のいずれか1項に記載の制御装置であって、
    前記第2減速制御は、前記車両のユーザの運転履歴に基づく減速特性により前記車両を減速させる制御である、
    制御装置。
  6. 車両のユーザが携帯可能な情報端末に対する特定操作に基づいて、前記車両の移動制御を行う制御部が、
    前記移動制御の実行時に、前記特定操作の中断に伴う前記車両の第1減速制御と、前記移動制御の目標移動位置への接近に伴う前記車両の第2減速制御と、が可能であり、
    前記第1減速制御の減速度に比べて、前記第2減速制御の減速度を小さく設定し、
    前記情報端末との通信に基づいて前記車両の運転席と前記情報端末との位置関係を特定し、
    特定した前記位置関係に基づいて、前記車両のドアのうち開閉予約されているドアが前記情報端末の付近となるように前記目標移動位置を設定する、
    制御方法。
  7. 車両のユーザが携帯可能な情報端末に対する特定操作に基づいて、前記車両の移動制御を行うプロセッサに、
    前記移動制御の実行時に、前記特定操作の中断に伴う前記車両の第1減速制御と、前記移動制御の目標移動位置への接近に伴う前記車両の第2減速制御と、が可能であり、
    前記第1減速制御の減速度に比べて、前記第2減速制御の減速度を小さく設定し、
    前記情報端末との通信に基づいて前記車両の運転席と前記情報端末との位置関係を特定し、
    特定した前記位置関係に基づいて、前記車両のドアのうち開閉予約されているドアが前記情報端末の付近となるように前記目標移動位置を設定する、
    処理を実行させるための制御プログラム。
  8. 車両の制御装置において、
    前記車両のユーザが携帯可能な情報端末に対する特定操作に基づいて、前記車両の移動制御を行う制御部を備え、
    前記制御部は、
    前記移動制御の実行時に、前記特定操作の中断に伴う前記車両の第1減速制御と、前記移動制御の目標移動位置への接近に伴う前記車両の第2減速制御と、が可能であり、
    前記第1減速制御の減速度に比べて、前記第2減速制御の減速度を小さく設定し、
    前記車両のユーザのスケジュール情報に基づいて前記車両のユーザの時間的な余裕度を算出し、
    算出した前記余裕度が第1余裕度である場合は、算出した前記余裕度が前記第1余裕度よりも前記ユーザの時間的な余裕がある第2余裕度である場合よりも、前記第2減速制御の減速度を大きくする、
    制御装置。
  9. 車両のユーザが携帯可能な情報端末に対する特定操作に基づいて、前記車両の移動制御を行う制御部が、
    前記移動制御の実行時に、前記特定操作の中断に伴う前記車両の第1減速制御と、前記移動制御の目標移動位置への接近に伴う前記車両の第2減速制御と、が可能であり、
    前記第1減速制御の減速度に比べて、前記第2減速制御の減速度を小さく設定し、
    前記車両のユーザのスケジュール情報に基づいて前記車両のユーザの時間的な余裕度を算出し、
    算出した前記余裕度が第1余裕度である場合は、算出した前記余裕度が前記第1余裕度よりも前記ユーザの時間的な余裕がある第2余裕度である場合よりも、前記第2減速制御の減速度を大きくする、
    制御方法。
  10. 車両のユーザが携帯可能な情報端末に対する特定操作に基づいて、前記車両の移動制御を行うプロセッサに、
    前記移動制御の実行時に、前記特定操作の中断に伴う前記車両の第1減速制御と、前記移動制御の目標移動位置への接近に伴う前記車両の第2減速制御と、が可能であり、
    前記第1減速制御の減速度に比べて、前記第2減速制御の減速度を小さく設定し、
    前記車両のユーザのスケジュール情報に基づいて前記車両のユーザの時間的な余裕度を算出し、
    算出した前記余裕度が第1余裕度である場合は、算出した前記余裕度が前記第1余裕度よりも前記ユーザの時間的な余裕がある第2余裕度である場合よりも、前記第2減速制御の減速度を大きくする、
    処理を実行させるための制御プログラム。
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