JP2018514445A - 自動車ドアのドアモジュール用のモジュールキャリアおよび該モジュールキャリアの製造方法 - Google Patents

Abstract

【課題】自動車のドアモジュール用の、改良されたモジュールキャリアを提供する。
【解決手段】実質的にオルガノシートにより構成され、少なくとも１つのシール部材付きの外周縁により画定され、複数のインターフェースを備えるモジュールキャリア（１）において、外縁側の第１の型成形部と、中央領域側の第２の型成形部が熱可塑性樹脂材料によって形成されており、前記第１の型成形部には、ドア構造（５）へのモジュールキャリア（１）の固定および／またはモジュールキャリア（１）へのドア部品の固定のためのインターフェースが設けられ、第２の型成形部には、モジュールキャリア１に固定される機能部品（ＦＳ１，ＦＳ２，Ｍ，Ｚ）用のインターフェースおよび/または挿通口、かつ/あるいは、機能部品（ＦＳ１^*，ＦＳ２^*）の一部をなす部分が形成されているモジュールキャリアとする。
【選択図】３Ａ

Description

本発明は、請求項１の前提部に記載のモジュールキャリアに関し、請求項２９の前提部に記載のモジュールキャリアの製造方法に関する。

通常、自動車ドアのドアモジュール用のモジュールキャリアは、例えば自動車ドアのウィンドウガラスの調製用のウィンドウレギュレータ部品、少なくとも１つのラウドスピーカ、ドア閉鎖システムの部品などの、複数の機能部品を支承している。この種のモジュールキャリアはオルガノシート（長繊維強化材）と呼ばれる有機シートにより実質的に形成されるものであること、さらに、モジュールキャリアの外周縁に少なくとも１つのシール（封止材）が設けられることが知られている。このシールにより、モジュールキャリアを自動車ドアのドア構造に、密封状態で連結することができる。

モジュールキャリアがオルガノシートにより実質的に形成されているとは、この場合、モジュールキャリアにおいて、通常の操作条件下で作用する力の大部分がかかる部分を、オルガノシートが形成していることを意味する。具体的には、この部分は、少なくとも一つの、ウィンドウレギュレータ用ガイドレールが、モジュールキャリアに設けられる部分であってもよい。モジュールキャリアのオルガノシートからなる（例えば少なくとも１つのガイドレールを支承する）（一つながりの）部位、またはモジュールキャリアのオルガノシートからなる（例えば少なくとも１つのガイドレールを支承する）複数の部位は、例えば、そのモジュールキャリアの面積の約３０％あるいはそれ以上に及ぶ。具体的には、上記オルガノシートは、モジュールキャリアの面積の４０％超、一般的には５０％以上に延在することができ、これに対応して、オルガノシートは、モジュールキャリアの面積の４０％超、約５０％又はそれ以上の部分を占めることができる。オルガノシートの強度上の利点を最大限に利用するため、オルガノシートがモジュールキャリアに占める面積を最大限に高めることが一般的に試みられている。これは、モジュールキャリアにおいて、オルガノシートが複数の部分からなる形態を排除するものではない。

モジュールキャリアの主要構成部分は、パネル状の中間仕上げ品であり、例えばオルガノシートで構成されている。このようにして、オルガノシートは、モジュールキャリアの面状の広がりを規定しているが、他の部品または材料で補われていてもよい。例えば、金属部材および／またはプラスチック部材をオルガノシートに組み込んだり、取り付けたりしてもよい。

上記オルガノシートは、無端繊維により補強された熱可塑性樹脂材料であってもよく、該無端繊維は、ガラス繊維、ケブラー繊維、カーボン繊維又はプラスチック繊維で構成された撚物、織物又は編物の形態で、熱可塑性樹脂マトリクス中に埋め込まれている。マトリクスに適した熱可塑性樹脂材料としては、例えば、上記の繊維に対して良好な付着特性を有するポリアミドを挙げることができる。

「無端繊維により補強された」という表記は、補強に用いられる繊維の長さの限界が、上記パネル状のオルガノシートの寸法により規定されることを意味すると解する。通常、オルガノシート内では、繊維に途切れがない。

ドアモジュール用のモジュールキャリアには、通常、複数のタイプのインターフェースが設けられており、一方では、自動車ドアのドア構造にモジュールキャリアを固定するために機能し、他方では、機能部品および／または自動車ドアの他の構成部品をモジュールキャリに連結するために機能する。この種のインターフェースは、例えば、ドア構造にモジュールキャリアを固定するための締結口（締結用開口）により構成される。同様に、通常、モジュールキャリアには、複数の締結口、ねじボス、および／または支承部や支承面が設けられており、設計目的に応じ、機能部品および／または少なくとも一つの他の部品（例えば、ドアの内張）を、モジュールキャリアに連結（接続）することができる。さらに通常、モジュールキャリアには、機能部品用に、少なくとも１つの挿通口が形成されている。これによって、例えば、機能部品に接続された部品、または機能部品自体の一部が、この種の挿通口を介して、モジュールキャリアを貫通して係合したり、モジュールキャリアを貫通して延在することができる。この種の挿通口は、例えば、作動リンク機構又はケーブル又は（駆動）軸の貫通口として機能する。

実質的にオルガノシートから形成されたモジュールキャリアの場合、所定のインターフェースおよび／または挿通口をオルガノシート自体で形成するには一定の制約がある。これは、オルガノシートの局所的な変形が引張力を発生させ、これが繊維によってモジュールキャリア内を比較的広範囲にわたって伝播するためである。しかも、オルガノシート自体から形成された挿通口を、大量生産される自動車の分野で遵守すべき所望の精度及び狭公差で製造することは、しばしば困難である。

現在のところ、オルガノシートに、熱可塑性樹脂材料からなる型成形部を設けることが特許文献１から知られている。しかし、オルガノシートを自動車ドアのドアモジュール用のモジュールキャリアの主構成部として使用することから生じる困難については、この文献では論じられていない。

独国特許出願公開第１０２０１００５３３８１号明細書

したがって、本発明は、自動車ドアのドアモジュール用に、実質的にオルガノシートから形成されたモジュールキャリアをさらに改良すること、特に、前述の短所を軽減することを一つの目的とする。

上記の目的は、請求項１に記載のモジュールキャリア、および請求項２９に記載のモジュールキャリアの製造方法により達成される。

本発明が提供するモジュールキャリアは、特に、自動車ドアのドアモジュール用のモジュールキャリアであって、
該モジュールキャリアの外縁には、熱可塑性樹脂材料からなり、モジュールキャリアの中央領域を少なくとも部分的に境界する（縁取る）第１の型成形部が少なくとも１つ設けられ、
モジュールキャリアの少なくとも前記中央領域には、熱可塑性樹脂材料からなる第２の型成形部が少なくとも一つ設けられており、
前記第１の型成形部は、モジュールキャリアを自動車ドアのドア構造に固定するため、および/または自動車ドアの他の部品をモジュールキャリアに固定するための少なくとも一つのインターフェースを構成し、かつ/またはモジュールキャリアの外縁側（エッジ側）のシール部材を受け止めるか、該シール部材を構成するものであり、
前記第２の型成形部は、モジュールキャリアに固定される機能部品のためのインターフェースを構成し、かつ／または挿通口を構成し、かつ／または機能部品の少なくとも一部を形成するものである、
モジュールキャリアである。

このように、本発明の基本的概念では、まず、型成形された熱可塑性樹脂材料によって、必要な構造をモジュールキャリアの外縁又は外縁近傍の領域に形成し、次いで、インターフェースおよび／または開口を、同様に型成形された熱可塑性樹脂材料によってモジュールキャリアの中央領域に形成し、かつ／あるいは、機能部品自体の少なくとも一部をこの材料によって形成する。このようにして、モジュールキャリアに設けるべき、あるいは必要となる構造（具体的には、モジュールキャリアに設けられる型成形箇所、凹所および開口）の数量や、空間的変形の程度を抑えることができ、かつ／あるいは、所望の精度は熱可塑性樹脂の型成形部によって保証し得るため、これらの構造を遥かに大きな公差で形成することが可能となる。このように、モジュールキャリアの対応する領域を型成形されたプラスチック系材料によって形成することで、オルガノシートの変形による場合に比し、優れた精度を容易に実現することができる。外縁側の型成形部の場合、熱可塑性樹脂材料が外縁近傍の領域に設けられており、好ましくはモジュールキャリアの外縁の一部自体も形成している。これと対照的に、モジュールキャリアの中央領域における第２の型成形部は、本形態では、型成形されたプラスチック系材料がオルガノシートの外縁（エッジ）から離れており、具体的には外縁に直接繋がっていない状態を称するものである。

前記第１の（エッジ側の）型成形部に用いられる熱可塑性樹脂材料（第１の種類の型成形部用の熱可塑性樹脂材料）は、本形態において、内側の第２の型成形部に用いられる熱可塑性樹脂材料（第２の種類の型成形部用の熱可塑性樹脂材料）と同じ種類のものであってもよい。あるいは、第１および第２の型成形部に用いられるプラスチック系材料は、製造方法、仕様もしくは発生する荷重および／または所望の部品特性に応じて異なるもの（異種のもの）であってもよい。好ましい変形例では、一般的に、外縁側における、複数の第１の型成形部、および／または内側における複数の第２の型成形部は、相互に離間してモジュールキャリアに設けられている。例えば、インターフェース、挿通口、および／または、一または複数の機能部品の一部をなす第２の型成形部を複数、モジュールキャリの相異なる箇所に設けてもよい。

一変形例では、エッジ側の第１の型成形部が、前記モジュールキャリアにおいて、少なくとも１つの、面状に延在する部位を形成している。この変形例では、前記モジュールキャリアの、主平面に沿って（好ましくは、面状に）延在する部分が、全て型成形された熱可塑性樹脂材料によって形成されている。このとき、例えば、モジュールキャリアの一辺の外縁領域は完全に、第１の型成形部（エッジ側型成形部）からなり、オルガノシートは存在しない。このとき、熱可塑性樹脂材料からなる面状に延在する部位は、例えば、前記モジュールキャリアにおいて、比較的小さな機械的荷重に曝される部分や、又はオルガノシートのみから直接製作するには困難な特異な空間的構造を有する部分を形成することができる。このような熱可塑性樹脂のみからなる部位が、モジュールキャリアの表面積の１０％超を構成してもよい。

上記構成に代えて、あるいは、上記構成に加えて、第１の（エッジ側）型成形部が、モジュールキャリアの外縁全体に沿って延在してもよい。こうして、前記モジュールキャリアの外周シール部材を形成することができ、あるいは、外周上に（好ましくは、溝状の）シール部材受容部（支持部）を形成することが可能である。後者の場合、シール部材は別体として受容部に設置されるか、型成形（型流し）される。

熱可塑性樹脂材料からなるエッジ側の第１の型成形部には、ドア構造へモジュールキャリアを固定するためのインターフェースとして、少なくとも１つの締結口が形成されていることが好ましい。この場合、形成されるインターフェースの機能表面の一部がオルガノシートのシートエッジから形成されることはなく、モジュールキャリアの外縁領域でオルガノシート上に型成形された熱可塑性樹脂材料により、締結口の全体が形成されている。

ただし、変形例として、前記オルガノシートのシート外縁に開口を設け、この開口上および開口内を通して熱可塑性樹脂材料を型成形し、該開口の位置に締結口を形成してもよい。この場合、熱可塑性樹脂材料からなる締結口の寸法は、オルガノシートのシートエッジにおける開口の寸法よりも小さく、かつ、好ましくは、狭い公差範囲で形成される。こうして、インターフェースを形成するためオルガノシートに設けられる開口は、熱インターフェースに要求される位置精度を、該インターフェースを形成するため、可塑性樹脂材料の型成形前に確保できるだけの大きさに寸法決めされている。そのために、特に、オルガノシートの変形により想定される公差が観察される。

また、エッジ側の第１の型成形部に、ドア内張を固定するためのインターフェースとして、少なくとも１つの締結口を形成してもよい。ここで、熱可塑性樹脂材料からなる第１のエッジ側型成形部が、ドア構造へ固定するための締結口と、モジュールキャリアへドア内張を固定するための締結口の両方を形成していることが好ましい。

例示的な一実施形態では、前記第１の（エッジ側）型成形部が、前記モジュールキャリアにラウドスピーカを固定するための少なくとも１つのインターフェース、および／または少なくとも１つのねじボスを形成している。このようなラウドスピーカ用のインターフェースおよび／またはねじボスは、この場合、具体的には、熱可塑性樹脂材料からなる面状に延在する部位に形成することができる。

上記構成に代えて、あるいは、上記構成に加えて、第１のエッジ側型成形部に、モジュールキャリアにケーブルもしくはリンク機構を貫通させるための少なくとも１つの挿通口、および／または前記モジュールキャリアにウィンドウレギュレータを取り付ける際に用いられる工具のための挿通口が形成されていてもよい。この場合、ウィンドウレギュレータの取り付けに使用する工具のための挿通口は、通常、モジュールキャリアがドア構造に既に取り付けられた状態で、ドア構造内へと挿入されたウィンドウガラスのウィンドウレギュレータの駆動体への連結を可能とする。こうして、ウィンドウガラスは通常、自動車ドア内の湿空間内へ下げられ得る。具体的には、この湿空間は、一方の側がドアアウタパネルにより、他方の側がドアインナパネルと、該ドアインナパネルに取り付けられたモジュールキャリアのアウタ側（車室外側）とにより画定される。そして、該モジュールキャリアの閉塞可能な組付用開口を介して、ウィンドウガラスに連結される駆動体に、乾空間に面するモジュールキャリアのインナ側（車室内側）からアクセス可能な状態が維持される。具体的には、本発明にかかるモジュールキャリアの一変形例では、この種の挿通口が、モジュールキャリア上に型成形された熱可塑性樹脂材料により形成されている。

好ましくは、内側の前記第２の型成形部、すなわち、前記中央領域に設けられた型成形部は、
ａ）ウィンドウレギュレータのガイドレールの固定、および／または
ｂ）ウィンドウレギュレータの駆動部の固定、および／または
ｃ）制御ユニットの固定、および／または
ｄ）エアバッグセンサの固定、および／または
ｅ）ドア開閉ハンドルの固定、および／または
ｆ）ウィンドウレギュレータの牽引機構が方向転換される方向転換部材の固定、
のための少なくとも１つのインターフェースを形成している。

具体的には、この場合の前述のインターフェースは、型成形された熱可塑性樹脂材料からなる、締結口、ねじボス、および／または支承面を含むものであってもよい。

例示的な一実施形態では、熱可塑性樹脂材料からなる第２の（内側）型成形部が、防音壁を形成している。好ましくは、このような防音壁は、ウィンドウレギュレータ駆動部の支承部の領域において、乾空間に面するモジュールキャリアのインナ側に、ウィンドウレギュレータの動作中に発生する騒音を減衰する目的で設けられている。このような型成形された防音壁は、例えば層状の形態であってもよく、これによって実現される可撓性によって、既製の防音パッドを防音壁により画定される境界の内側に容易に収容することができる。

一変形例では、ウィンドウレギュレータの方向転換部材（例えば牽引機構の方向転換部材又はケーブルローラなど）のためのインターフェースを形成する場合、この目的のために、熱可塑性樹脂材料が機シートで構成された折り返し部上に設けられる。このような折り返し部は、モジュールキャリアにスリーブ状の突部を形成してもよく、その上に型成形された熱可塑性樹脂材料によって、ケーブルローラ用の高い荷重容量を有する支承部を形成することができる。最終的に、ケーブルの方向転換時の力は、この熱可塑性樹脂の型成形部から、比較的安定したオルガノシートの折り返し部へ直接伝えられる。一改良形態では、オルガノシートからなる折り返し部が、該折り返し部の突出する自由端部において凹凸の輪郭を有している。例えば、この突出する自由端部は、セレーション加工および／またはノッチ加工されている。これにより、突出する端部のエッジを熱可塑性樹脂材料によって包み込む際に、型成形された熱可塑性樹脂材料とオルガノシートとの回転固定式接続をより容易に実現することができる。この場合の型成形された熱可塑性樹脂は、密着するだけではなく、係合によっても前記折り返し部に接続される。

中央領域に設けられた第２の型成形部は、例えば、ケーブルおよび／または（作動）リンク機構および／またはウィンドウレギュレータ駆動部の駆動軸のための挿通口を形成しており、そのケーブルおよび／またはリンク機構および／または駆動軸は、挿通口を介し、モジュールキャリアを貫通して延在することができる。

上記の構成に代えて、あるいは、上記の構成に加えて、第２の型成形部は、前記モジュールキャリアにウィンドウレギュレータを取付けるために用いられる挿通口を形成してもよい。特に、第１のエッジ側型成形部および第２の内側型成形部が、それぞれ、機能部品のための、少なくとも１つの挿通口および／または少なくとも１つのインターフェースを形成してもよい。一変形例では、例えば、ウィンドウレギュレータの取付けに用いられる挿通口が、モジュールキャリアの第１の箇所において、オルガノシートの開口（型成形されたプラスチック系材料が付随してもよい）から形成されており、かつ、第２の箇所では、このタイプの挿通口全体が、熱可塑性樹脂材料からなる第２の型成形部から形成されている。

一変形例では、中央領域に設けられた、熱可塑性樹脂材料からなる第２の型成形部が、ウィンドウレギュレータのガイドレールの少なくとも一部を形成している。そこで、この変形例では、前記ガイドレールは、熱可塑性樹脂材料をオルガノシート上に型成形した後にはじめて完成される。このとき、好ましくは、型成形されたプラスチック系材料が、前記ガイドレールのガイドプロファイルを形成しており、該ガイドプロファイルにより、前記ガイドレール上を変位可能に案内される駆動体のためのガイドトラックが予め定められる。通常、この種のガイドプロファイルは、長手方向に伸びるエッジウェブ（羽根状縁部）を有し、駆動体がその周囲に係合し、該ウェブに沿って、変位可能な状態で案内されて、調整、すなわち、駆動体に連結されたウィンドウガラスの昇降を行う。例えばガイドレールのガイドプロファイルは後から型成形されたプラスチック系材料により形成され、ガイドレールのウィンドウレギュレータの動作中に発生する力を受ける安定化プロファイルはオルガノシートにより形成されている。そのため、モジュールキャリア上のガイドレールの異なる構成部品を、機能を最適化できるよう異なる材料から形成してもよい。

これを背景とする一変形例では、少なくとも１つの長手方向に延びる台座部がモジュールキャリアに形成されている。該台座部は、モジュールキャリアの一方の側で盛り上がるよう突出しており、例えば一重ケーブル又は二重ケーブル式のウィンドウレギュレータ用の、ガイドレールの安定化プロファイルとして利用される。この長手方向に延びる台座部上に、熱可塑性樹脂材料が型成形され、ガイドレールのガイドプロファイルを形成する。また、前記台座部の一端の領域において、型成形された熱可塑性樹脂材料が、さらに、例えば剛体方向転換部材、ケーブルローラなどの、方向転換部材用の支承部を形成してもよい。一変形例では、この型成形されたプラスチック系材料は、支承部だけでなく、ウィンドウレギュレータの、可撓体製の牽引機構のための、剛体製の方向転換部材も形成している。

方向転換部材を固定するためのインターフェースを、型成形された熱可塑性樹脂材料によって形成するため、台座部の長手伸長方向に沿って該台座部に隣接する支承部を、オルガノシートから形成してもよい。そして、オルガノシートの例えば突起（ｌｕｇ）の形をとる支承部に、方向転換部材を固定するためのインターフェースの所望の幾何的形状及び構造を、型成形された熱可塑性樹脂材料によって形成してもよい。

一変形例では、形成された支承部および、オルガノシート上で該支承部に隣接する少なくとも１つの領域が相互にオフセットした平面に延在しており、これによってオルガノシートにおいて該支承部と該少なくとも１つの領域との間に自由空間が存在している。こうして、オルガノシートは、該オルガノシートが延在する主平面外に突出する支承部の形成のために局所的に切り開かれている（例えば、切りこまれている）。この支承部の形成の結果、切り開かれた部位のエッジ間に自由空間が形成されている。ただし、これは、例えば自動車ドア内での湿空間と乾空間を隔離する上では不利である。さらに、支承部とオルガノシートの隣接する部位との間のオフセットがモジュールキャリアのエッジ近傍の領域に存在すると、このオフセットの存在により、ドア構造にモジュールキャリアを密封状態で当接させるための途切れのないシールエッジはもはや確保できない。これを背景とする一変形例では、オルガノシートで構成された支承部と、該自由空間に隣接するオルガノシートで構成された部位との間に存在する自由空間が、型成形された熱可塑性樹脂材料によって封鎖される。これによって、切開部の領域でオルガノシートから支承部を形成した結果生じる、オルガノシートのオフセットが、型成形された熱可塑性樹脂材料によって補填される。

可能性のある一改良形態では、方向転換部材を固定するためのインターフェースを形成する型成形された熱可塑性樹脂材料は、該インターフェースの領域におけるモジュールキャリアの剛性を向上させるため、自由空間を封鎖するプラスチック系材料および／または自由空間を境界するオルガノシートからなる部位に、型成形された熱可塑性樹脂材料からなる補剛構造によって接続されてもよい。

一変形例では、ウィンドウレギュレータの駆動体の調製移動の限界を定める係止領域が、オルガノシートの台座部の長手伸長方向に沿って、該台座部に隣接する部位に形成されている。例えば、面状のオルガノシートから、舌状または突起状の形で突出する係止領域が形成されている。好ましくは、前記係止領域に、駆動体の係止部材を形成するために、熱可塑性樹脂材料からなる型成形部が取り付けられている。駆動体に連結されたウィンドウガラスが最大限まで下げられた又は上げられたとき、駆動体は該係止部材に当接する。好ましくは、前記オルガノシートから形成された係止領域と該係止領域に型成形されたプラスチック系材料とにより形成されたこの種の係止部材は、モジュールキャリアで意図される組付状態との関係で、台座部の少なくとも下端部に設けられている。このようにして、係止部材により、ウィンドウガラスを最大限に引き下げた位置が予め定められる。

一変形例において、型成形された熱可塑性樹脂材料が、オルガノシートで構成された長手方向に延びる突出した台座部上にガイドレールのガイドプロファイルを形成する場合、熱可塑性樹脂材料が台座部のオルガノシートを貫通して型成形されてもよい。このとき、製造プロセスにおいて熱可塑性樹脂材料は、オルガノシートの一方の側にガイドプロファイルのための所望の構造を形成すると同時に、該オルガノシートの反対側にも熱可塑性樹脂材料を存在させるように、前記モジュールキャリアの一つの側から該オルガノシートを少なくとも部分的に貫通するように型成形される。前記オルガノシートの反対側に存在するこの熱可塑性樹脂材料に、ガイドレール用の補剛構造が形成されるように熱可塑性樹脂材料を型成形してもよい。このようにして、前記補剛構造は、反対側に型成形された前記補剛構造にも、前記ガイドプロファイル用の、少なくとも部分的に貫通型成形された熱可塑性樹脂材料によって直接接続される。

モジュールキャリアの両側に形成されている、型成形された熱可塑性樹脂材料からなる２つの構造同士を、オルガノシートを貫通する少なくとも１つの型成形部により直接接続する上記の変形例は、当然、ガイドレールの型成形された部位以外についても考慮することができる。例えば、（前記モジュールキャリアの第１の側における）実質上どのような所望のインターフェースにおいても、（該モジュールキャリアの反対側における）型成形された支持または補剛のための構造（以下単に「補剛構造」という）が、該インターフェース用の型成形された熱可塑性樹脂材料に、前記オルガノシートを局所的に貫通する少なくとも１つの型成形部によって少なくとも部分的に直接接続されてもよい。

基本的に、オルガノシートを貫通する型成形部を熱可塑性樹脂材料から形成する場合、プラスチック系材料が流れ得る挿通口がこの目的のためにオルガノシートに形成されていることは、必ずしも必要ではない。例えば、そのような挿通口がなくとも、適切な温度及び圧力の選択により、熱可塑性樹脂材料でオルガノシートを貫通して型成形することが可能となる。任意で、型成形された熱可塑性樹脂材料がオルガノシートを貫通して延在する領域がオルガノシートに選択的に形成されるようにするため、壁厚を薄くした領域をオルガノシートに設けてもよい。

当然ながら、オルガノシートから形成された長手方向に延びる台座部は、必ずしもウィンドウレギュレータのガイドレールの一部をなすものでなくてもよい。一変形例では、この種の台座部は、別体として製作されたガイドレールのためのインターフェースを予め規定するためにのみ設けられている。ガイドポイントが、この台座部で前記モジュールキャリアに連結及び固定される。

軽量化のためには、オルガノシートから形成され、突出して長手方向に延びる台座部は、基本的に、オルガノシートからなる中実体として形成しなくてもよい。むしろ、この種の台座部は肉薄のオルガノシートを適切に変形することによって形成され、モジュールキャリアの一方の側では台座部が突出し、モジュールキャリアの他方の側には溝状の凹部が形成されることが好ましい。これに基づく一改良形態では、台座部及び溝状部の局所的な補剛のために、溝状部内へ射出された熱可塑性樹脂材料からなる補剛構造が形成されている。よってここでは、内側の第２の型成形部により補剛構造が形成される。このとき、この種の補剛構造は、少なくとも１つの補強（補剛）リブまたはこの種のリブを複数有するリブ構造を備えていてもよい。このとき、前記台座部及び溝状部を補剛するリブが、少なくとも一部分において、該台座部の及び溝状部の長手伸長方向を横切るように延在することが好ましい。また、溝状部の対向する内壁同士を、複数の補強（補剛）リブを有するリブ構造によって互いに接続してもよい。上記の構成に代えて、あるいは、または上記の構成に加えて、当然ながら、前記溝状部位には少なくとも局所的な補剛を実現するように少なくとも一部、該溝状部に射出された熱可塑性樹脂材料が充填されてもよい。

あるいは、またはさらに、型成形された熱可塑性樹脂材料により形成された補剛構造を、機能部品固定用のインターフェースに設けてもよく、特に、モジュールキャリアの外縁をインターフェースに接続し、これによって外縁に少なくとも一つの密封エレメントが設けられた領域における、モジュールキャリアの剛性を高めるために、この構造を設けてもよい。このようにして、型成形された熱可塑性樹脂材料からなる補剛構造により、モジュールキャリアの密封縁の剛性を所望の程度に向上することができる。

一変形例では、型成形された熱可塑性樹脂材料からなる補剛構造が、少なくとも１つの補剛（補強）リブを備える形で形成され、ドア開閉ハンドルを固定するためのインターフェースに設けられている。ここで、前記補剛構造は、インターフェースに複数のリブを備え、この複数のリブは、型成形されたプラスチック系材料に形成されるインターフェースの締結口の位置から放射状に配置されていることが好ましい。こうして、ここでは、型成形された同一種のプラスチック系材料又は型成形された異種のプラスチック系材料により、ドア開閉ハンドルを固定するための締結口だけでなく、複数のリブを有する補剛構造が形成されており、これによって、作用する荷重を収容するために、締結口の領域における剛性が向上する。

上記で一部論じたように、モジュールキャリアのオルガノシートを貫通する少なくとも１つの局所的な貫通型成形部により、補剛構造用の熱可塑性樹脂材料は、少なくとも部分的にオルガノシートの反対側に存在してもよい。前記オルガノシートの片側に形成された補剛構造の熱可塑性樹脂材料は、こうして該オルガノシートを少なくとも部分的に貫通して延在する。これによって、オルガノシートへの型成形部の固定状態を向上することができる。

一改良形態では、前記オルガノシートを貫通するようにして延在する部位を、さらに、反対側に型成形された、例えば機能部品のためのインターフェースまたは機能部品の少なくとも一部を形成する熱可塑性樹脂材料に直接接続することができる。一変形例では、例えば、補剛構造は、モジュールキャリアのインナ側においてオルガノシート上に型成形される。該補剛構造は、モジュールキャリアのオルガノシートを貫通する少なくとも局所的な貫通型成形部により、少なくとも部分的に、モジュールキャリアのアウタ側でドア開閉ハンドルの締結部用にオルガノシートに型成形された熱可塑性樹脂材料、および/またはアウタ側で該締結部に設けられた補剛構造に、直接接続される。

一変形例では、モジュールキャリアのオルガノシートが、ラウドスピーカを固定するために型成形された熱可塑性樹脂材料から形成されたインターフェースに隣接する壁を形成している。この壁は、少なくとも部分的に、モジュールキャリアがこれに沿って延在する主平面から、ガイドレール固定用に型成形された熱可塑性樹脂材料から形成されるインターフェースの方向に、傾斜部の形で延在するように形成されることが好ましい。壁は、こうして、熱可塑性樹脂材料からなる２つのインターフェースを互いに繋ぎ、主平面に対して傾斜する該壁の広がりによって、ガイドレール用のインターフェースを支持する、オルガノシートからなる構造を提供している。こうして、主に前記主平面と直交する力が該インターフェースに働く。この力は、オルガノシートからなる支持壁へ直接導入することができる。

第１の型成形部は、前記オルガノシートのエッジの周囲に、少なくとも一部において係合でき、同様に、第１および／または第２の型成形部は、オルガノシートの挿通口の内縁（エッジ）の周囲に係合し、各内縁が熱可塑性樹脂材料により包み込まれるように係合し得る。こうして、その型成形された熱可塑性樹脂材料は、オルガノシートの２つの側における各縁上に延在し、かつ、これによってオルガノシートと熱可塑性樹脂材料との向上された接続を確実にしている。

本発明のさらなる態様は、自動車ドアのドアモジュール用のモジュールキャリアを製造する方法である。ここで、本発明にかかる製造方法の構成においては、少なくとも、
前記モジュールキャリアの中央領域を少なくとも部分的に境界決めするため、前記モジュールキャリアを自動車のドア構造に固定するため、および／または前記モジュールキャリアに自動車ドアの他の構成部品を固定するための少なくとも１つのインターフェースを構成し、かつ／あるいは、モジュールキャリアの外縁側のシール部材をまたは形成するために、前記モジュールキャリアの外縁に熱可塑性樹脂材料が型成形され、
さらに、前記モジュールキャリアの少なくとも前記中央領域において前記オルガノシートへと同一種の又は異種の熱可塑性樹脂材料が、前記モジュールキャリアに固定される機能部品用のインターフェースを形成するため、かつ／あるいは、挿通口を形成するため、かつ／あるいは、機能部品の少なくとも一部を形成するために、オルガノシートに型成形される。

本発明にかかるモジュールキャリアは、本発明にかかる方法により製造され得る。したがって、本発明にかかるモジュールキャリアの前述及び後述の各種変形例の利点及び特徴は本発明にかかる製造方法に当てはまり、この逆も然りである。

外縁側の第１の型成形部、および前記モジュールキャリアの前記中央領域に設けられる内側の第２の型成形部は、一回の射出成形工程で作製してもよい。これは、特に、相異なるタイプの型成形部を作製するために同一種の熱可塑性樹脂材料を使用する場合に有利である。他の変形例では、前記少なくとも１つの第１の型成形部、および少なくとも１つの第２の型成形部が、少なくとも二回の連続する（したがって、時間的に離れた）射出成形工程で作製される。

前記モジュールキャリアの所望の設計、特に、前記モジュールキャリアの外縁又は中央領域で熱可塑性樹脂材料により形成されるインターフェースおよび／または挿通口の数しだいで、熱可塑性樹脂材料からなる第１および／または第２の型成形部を複数、オルガノシート上に形成してもよい。この場合の複数の第１および／または第２の型成形部は、互いに時間的におよび／または空間的にずらして前記モジュールキャリアに作製してもよい。

本発明にかかる製造方法の一変形例では、モジュールキャリアのオルガノシート上にインターフェースおよび／または挿通口を形成するために、前記オルガノシートの輪郭を形成する外縁および／またはオルガノシートの開口の内縁が熱可塑性樹脂材料により包み込まれ、熱可塑性樹脂材料からなる第１および／または第２の型成形部を形成してもよい。あるいは、またはさらに、前記オルガノシートは少なくとも局所的に貫通型成形され、熱可塑性樹脂材料によって、製造されるモジュールキャリア用のインターフェースがオルガノシート上に形成されるようにしてもよい。

本発明のさらなる利点および特徴は、図面に基づいて行う例示的な実施形態についての以下の説明に記載されている。

自動車のドア構造と、これに対応するドアモジュールのモジュールキャリアとを、インナ側（車室内側）から視た図である。 図１Ａの配置構成をアウタ側（車室外側）から視た図であって、モジュールキャリアには機能部品が追加で固定されている。 図１Ｂのドアモジュールのアウタ側を示す拡大図である。 図２のモジュールキャリアをインナ側から視た図であって、該モジュールキャリアに設けられた熱可塑性樹脂材料からなる型成形部が強調されている図である。 図２のモジュールキャリアをアウタ側から視た図であって、該モジュールキャリアに設けられた熱可塑性樹脂材料からなる型成形部が強調されている図である。 図３Ａ及び図３Ｂにおいて、ウィンドウレギュレータのガイドレールを固定するためのインターフェースを示す拡大詳細図である。 図３Ａ及び図３Ｂにおいて、ウィンドウレギュレータのガイドレールを固定するためのインターフェースを示す他の拡大詳細図である。 図３Ａ及び図３Ｂにおいて、ラウドスピーカを固定するためのインターフェースを示す拡大詳細図である。 図３Ａ及び図３Ｂにおいて、ラウドスピーカを固定するためのインターフェースを示す他の拡大詳細図である。 本発明にかかるモジュールキャリアの例示的なさらなる実施形態をアウタ側から視た図であって、該モジュールキャリアに熱可塑性樹脂材料からなる異なる型成形部が設けられている図である。 本発明にかかるモジュールキャリアの例示的なさらなる実施形態をインナ側から視た図であって、該モジュールキャリアに熱可塑性樹脂材料からなる異なる型成形部が設けられている図である。 前記モジュールキャリアをアウタ側から視た図であって、該モジュールキャリアの構成部である、オルガノシートで構成された構成部と型成形された熱可塑性樹脂材料からなる構成部とが強調されている図である。 図６Ａ〜図６Ｃのモジュールキャリアのオルガノシートを示す拡大詳細図である。 図６Ａ〜図６Ｃのモジュールキャリアのオルガノシートを示す他の拡大詳細図である。 前記オルガノシートの図７Ａに示された領域に、熱可塑性樹脂材料からなる型成形部が設けられている図である。 前記オルガノシートの図７Ｂに示された領域に、熱可塑性樹脂材料からなる型成形部が設けられている図である。 図６Ａ及び図６Ｂのモジュールキャリアを示す拡大詳細図であって、ケーブルローラの形態の方向転換部材および、これに対応する（固定）ボルトが分解図視されている図である。 図６Ａ及び図６Ｂのモジュールキャリアを示す拡大詳細図であって、ケーブルローラの形態の方向転換部材および、これに対応する（固定）ボルトが分解図視されている他の図である。 図６Ｃのオルガノシートの細部を示す拡大図であって、モジュールキャリアに設けられるガイドレールの下側領域が描かれている図である。 図９Ａにおいて、オルガノシートに熱可塑性樹脂材料が型成形されたモジュールキャリアを示す図である。

図１Ａ及び図１Ｂに、ドアモジュールＴ及びドア構造５を含む、自動車ドアの主要な構成品を示す。ドアモジュールＴは、ドア構造５に固定し得るように構成されている。この場合のドアモジュールＴは、モジュールキャリア１を備え、該モジュールキャリアにドアモジュールＴの機能部品を取り付けることができる。特に具体的には、図１Ａ及び図１Ｂに示すように該ドアモジュールＴがドア構造５に固定される前に、機能部品をモジュールキャリア１に取り付けることができる。

自動車ドアを設計通りに自動車に設置した後の状態において、自動車ドアには、自動車ドアの構成品としてのドア構造５及びドアモジュールＴと同様に、インナ側（車室側）とアウタ側（車外側）が定義できる。インナ側は前記自動車の内部空間に面し、アウタ側は前記自動車外の領域に面する。

また、自動車ドアを設計通りに自動車に設置した状態では、自動車ドアおよび自動車ドアの構成品について座標系を定義することができる。ここで、車両前後方向軸ｘは、自動車のリア側からそのフロント側へ、すなわち、前進方向に沿って延びている。車両左右方向軸ｙは、車両前後方向軸ｘと直交するように自動車の両側の２つの自動車ドア間に延びている。車両上下方向軸ｚは、車両前後方向軸ｘ及び車両左右方向軸ｙと直交するように定義される。車両上下方向軸ｚは、自動車のフロアからそのルーフへと延びている。

図１Ａには、ドア構造５及びドアモジュールＴのインナ側が示されており、図１Ｂには図１Ａの配置構成のアウタ側が、図１Ａでは図示しない他の機能部品と共に示されている。

ドア構造５は、ウィンドウフレーム構造５０およびドアケース５１を備える。図示される実施形態において、ウィンドウフレーム構造５０およびドアケース５１は、ドアインナパネル５１０により形成されている。変形例として、ウィンドウフレーム構造５０およびドアケース５１は、例えば、プラスチック製部品または複合材料により形成されたものであってもよい。

ブレスト画定部５２が、ウィンドウフレーム構造５０とドアケース５１とを隔てている。ブレスト画定部５２は、ドア構造５のフロント側とリア側との間を車両前後方向軸ｘに沿って延びている。ブレスト画定部５２は、例えば、プレス加工された板金部品として形成できる。

ドアケース５１とブレスト画定部５２とは、ドア構造５における切欠部Ａを取り囲む。ドアモジュールＴが設計どおりドア構造５に固定された場合、この切欠部Ａは、ドアモジュールＴにより塞がれる。このようにして、公知の方法で、ドアモジュールＴはドア構造５と共に、前記自動車ドアの湿空間と乾空間とを隔離する。

乾空間は、ドアモジュールＴのインナ側の前に存在し、湿空間はドアモジュールＴのアウタ側に前に存在する。具体的には、水分の影響を受け難い自動車ドア部品は、前記湿空間の領域に配置される。対照的に、具体的には、水分の影響を受け易い自動車ドア部品は、乾空間の領域に配置される。

具体的には、図１Ａに対応して、モジュールキャリア１のインナ側には、ドアインナパネル５１０への連結のための複数のインターフェースが締結口１５の形で設けられた状態が示されている。この場合の締結口１５は、モジュールキャリア１の外縁（エッジ）でのバヨネット接続用に構成されている。また、モジュールキャリア１の外縁には、さらに、ドア内張（図示せず）への連結のための締結口１６が設けられている。ドア内張への連結のための該締結口１６は、ドアインナパネル５１０へのモジュールキャリア１の連結のための締結口１５と同様に、モジュールキャリア１の外縁側領域に設けられている。

モジュールキャリア１をドア構造５に密封状態で固定するために、シール部材２ａ，２ｂを有するシールが、モジュールキャリア１の外縁に沿って延在している。この場合のシール２ａ，２ｂは、（設計通りに設置された状態で）モジュールキャリア１のフロント側、下側及びリア側のエッジに沿って延びるシール部材２ａからなるＵ字状部と、該モジュールキャリア１のブレスト近傍の上側のエッジにおいて直線状に延びるシール部材部２ｂとの２つのシール部に分割されている。前記モジュールキャリアには、さらに、ドアモジュールＴの各種機能部品を固定するための複数のインターフェース１３，１４，１７ａが形成されている。具体的には、これらは、ラウドスピーカを締結するためのインターフェース１３、複数の締結口の形からなる制御ユニット用の締結部１４、およびエアバッグセンサ用の締結口を有する締結部１７ａを含む。

モジュールキャリア１には、さらに、ウィンドウレギュレータ駆動用の支承部１９が形成されている。該支承部１９は、このウィンドウレギュレータ駆動部の駆動モータがモジュールキャリア１のインナ側に設計どおり係止されるように機能し、該駆動モータにより、モジュールキャリア１のアウタ側に配置された駆動体Ｍ１，Ｍ２を対応するガイドレールＦＳ１，ＦＳ２に沿って変位でき、且つ自動車ドアのウィンドウガラスを外力によって昇降できる。ドアモジュールＴの機能部品としてのガイドレールＦＳ１，ＦＳ２は、図１Ｂ及び図２に示されている。

駆動体Ｍ１，２は、ケーブルプルＺの形をとる可撓性の牽引機構により、ガイドレールＦＳ１，ＦＳ２に沿った調製運動を行うように駆動される。このとき、ウィンドウレギュレータ駆動部の駆動モータが、モジュールキャリア１のアウタ側に配置されたケーブルドラムを駆動し、十字状に交差するケーブルプルＺの巻取り及び巻出しによって駆動体Ｍ１，Ｍ２を変位させる。前記ウィンドウレギュレータ駆動部のケーブルドラムは、支承プレート上において回転可能に取り付けられている。該支承プレートは、前記駆動モータのための支承部１９の領域においてモジュールキャリア１の反対のアウタ側に固定されており、かつ、図示の場合では三角形の輪郭を有するように実質的に形成されている。

図示の場合において、制御ユニット用の締結部１４、エアバッグセンサ用の締結部１７ａ、および前記支承プレートのための締結部は、ドア開閉ハンドル用の締結部１７ｂと共に、モジュールキャリア１の中央領域に設けられている。

締結部１７ｂは、ドア開閉ハンドルを固定するための挿通口のほかにも、締結口から放射状に延びる複数の補剛リブにより補剛構造を形成している。このようにして、モジュールキャリア１は、自動車ドアを閉める際に発生してドア開閉ハンドルを介してモジュールキャリア１へと伝えられる力に十分に耐えるように、局所的に補剛されている。

モジュールキャリア１は、特に図３Ａ、図３Ｂ、図４Ａ、図４Ｂ、図５Ａ及び図５Ｂにより詳細に示されているように、面状に延在するオルガノシートＯにより実質的に形成されている。レリーフ状の構造、および特には、挿通口が、モジュールキャリア１のインナ側及びアウタ側でオルガノシートに形成されている。ここで、オルガノシートＯのこのような構造化および該オルガノシートＯにおける挿通口の形成は、ドア構造５にモジュールキャリア１を固定するためのインターフェースの形成、及びドア内張を固定するためのインターフェースの形成の役割を果たし、さらには、ドアモジュールＴの機能部品（例えば、ガイドレールＦＳ，ＦＳ２等）が固定されるように設計されたインターフェースをモジュールキャリア１に形成する役割を果たす。オルガノシートＯの変形の結果として該オルガノシートＯ内に生じる応力を抑え、モジュールキャリア１個々の開口について、より狭い寸法の公差を容易に実現し、モジュールキャリア１の製造を最適化するために、熱可塑性樹脂材料がオルガノシートＯの様々な箇所に型成形される。こうして、ここでは、最終的に、個々のインターフェース（特に各種締結口）、補剛構造、ならびにシール部材２ａ，２ｂが、それぞれに対応する熱可塑性樹脂材料からなる型成形部によって形成される。

ここで、熱可塑性樹脂材料がオルガノシートＯの一方の側で、外周を取り囲むようにして外縁上に型成形されており、これによってモジュールキャリア１の外縁が、該熱可塑性樹脂材料によって形成されている。他方の側では、オルガノシートＯの中央領域、すなわち、該オルガノシートＯのシートエッジによって囲み込まれた領域にも、熱可塑性樹脂材料からなる複数の型成形部がさらに設けられており、これらは、具体的には、制御ユニット用の締結部１４、エアバッグセンサ用の締結部１７ａ、ドア開閉ハンドル用の締結部１７ｂ、各種目的のための挿通口１０ａ〜１０ｆ，１００ａ〜１００ｈ、ならびに補剛構造１１を形成している。

外縁側の熱可塑性樹脂材料からなる第１の型成形部は、この場合、シール部材２ａ，２ｂ近傍の表面部Ａ１〜Ａ３を形成している。モジュールキャリア１のこれらの領域には、オルガノシートＯが存在しておらず、むしろ、オルガノシートＯの外縁が熱可塑性樹脂材料によって包み込まれていることにより、オルガノシートＯを補い且つモジュールキャリア１の表面を協働で形成している部位が熱可塑性樹脂材料によって形成されている。

また、前記表面部Ａ１，Ａ２，Ａ３には、それぞれ少なくともシール部材２ａ，２ｂの一部だけでなく、ドアインナパネル５１０への連結のための少なくとも１つの締結口１５も形成されている。表面部Ａ１には、さらに、ラウドスピーカ用のインターフェース１３、すなわち、具体的には、ラウドスピーカが挿入され、その縁にラウドスピーカが固定される大面積開口が形成されている。

モジュールキャリア１のインナ側には、さらなる表面部Ａ４が、外縁側に型成形された熱可塑性樹脂材料により、形成されている。本形態では、このさらなる表面部は、オルガノシートの一部分上の層として延在している。ただし、この場合も、型成形された熱可塑性樹脂材料が、具体的には、ドアインナパネル５１０への連結用の締結口１５を形成している。ここでは、オルガノシートＯにおける他の箇所と同様に、プラスチック系材料がオルガノシートＯに型成形される前に、該オルガノシートＯに挿通口が既に存在しているが、熱可塑性樹脂材料が型成形されて初めて、各締結口１５，１６が所望の狭い公差範囲で形成される。

同じことが、エアバッグセンサ用のインターフェース１７ａにおける締結口及びこれに隣接するエッジ（内縁）領域や、制御ユニット用の締結部１４における挿通口についても言える。この場合、モジュールキャリア１に設けられて且つ例えば該モジュールキャリア1を貫通するケーブル又はリンク機構部品の貫通路として機能する追加の挿通口１００ａ〜１００ｃ，１０ｄ，１０ｅも、熱可塑性樹脂材料（モジュールキャリア１の外縁から離れて型成形された熱可塑性樹脂材料）により形成されている。

支承部１９の領域には、型成形された熱可塑性樹脂材料により形成された、ウィンドウレギュレータ駆動部の駆動モータの駆動軸用の挿通口１００ｆだけでなく、支承プレートＭを固定するための締結口１０ｆも、該熱可塑性樹脂材料によって形成されている。この場合の型成形された熱可塑性樹脂材料はモジュールキャリア１のアウタ側において、駆動軸のための中央に位置した挿通口１００ｆのエッジが該熱可塑性樹脂材料によってウィンドウレギュレータ駆動部の支承プレートＭ用の締結口１０ｆのエッジに繋がるように延在している。

支承部１９では、さらに、防音壁１９０の形の機能部品が、型成形された熱可塑性樹脂材料により形成されている。該防音壁１９０は、ウィンドウレギュレータ駆動部の動作中に発生する騒音を減衰するため、モジュールキャリア１のインナ側において支承部１９の周囲を完全に取り囲むようにして延在している。

この場合、オルガノシートＯに型成形された熱可塑性樹脂材料（例えば、ポリアミド等）は、さらに、ガイドレールＦＳ１，ＦＳ２を締結するためのインターフェースを形成している。ここでは、モジュールキャリア１のアウタ側において支承面（支持面）１０ａａ，１０ｂｂ，１０ｃｃが、型成形されたプラスチック系材料によって形成されている。モジュールキャリア１の反対側に存在するインナ側では該型成形されたプラスチック系材料が、ねじボスを有する各締結部１０ａ，１０ｂ，１０ｃを形成しており、各締結部１０ａ，１０ｂ，１０ｃは、複数のリブを有する補剛構造１１へと同時に移行している。

該補剛構造１１は、さらに、工具を駆動体Ｍ１，Ｍ２にアクセスさせるための挿通口１００ｇ，１００ｈにも繋がっている。該挿通口１００ｇ，１００ｈ（その最終的な寸法も、型成形された熱可塑性樹脂材料によって予め定められる）によって、ドアモジュールＴをドア構造５に取付けた後に、駆動体Ｍ１，Ｍ２を、設計に従って、乾空間側から調製すべきウィンドウガラスに連結することができる。この場合、挿通口１００ｇ，１００ｈは、例えばプラスチック系材料からなり、閉塞に用い得るカバーエレメント（図示せず）等により閉じることができ、前記湿空間と前記乾空間とを確実に隔離できる。

さらに、ドア構造５へのドアモジュールＴの取付け時において、モジュールキャリア１を、締結口１５での固定が行われるまで所望の相対位置に維持するための複数の位置決めペグ１０１が、型成形された熱可塑性樹脂材料によって形成されている。位置決めペグ１０１は、ドア構造５において対応する開口に係合することにより、ドアモジュールＴが最終的に固定されるまで該ドアモジュールＴを適切な位置に保持する。

また、型成形された熱可塑性樹脂材料からなり、部分的に広い面積にわたって延在するリブ状の補剛構造１１により、ガイドレールＦＳ２用の締結部１０ａ〜１０ｃｃの形のインターフェース、制御ユニット用の締結部１４の形のインターフェース、およびモジュールキャリア１の内側の他の領域が、設計に従ってモジュールキャリア１の外縁に接続され、シール２ａ，２ｂの領域においてモジュールキャリア１の剛性を向上させ、モジュールキャリア１の密封エッジの剛性を向上させる。

図４Ａ及び図４Ｂの詳細図には、例えば具体的に、ドア開閉ハンドル用の締結部１７ｂの領域における、締結口から放射状に延びる複数のリブを有する型成形された補剛構造１１が示されている。この場合、ガイドレールＦＳ２用の締結部１０ｂ，１０ｃにおける支承面（支持面）１０ｂｂ，１０ｃｃおよび前記ねじボスも拡大図示されている。

ここでは、例えば、締結部１７ｂの熱可塑性樹脂材料の少なくとも一部が、モジュールキャリア１のアウタ側においてオルガノシートＯを貫通するようにして型成形され得る。

さらに、その後、補剛構造１１が反対のインナ側に型成形されてもよく、これにより締結部１７ｂの貫通型成形された熱可塑性樹脂材料が、該補剛構造１１の熱可塑性樹脂材料に少なくとも部分的に直接接続される。変形例として、基本的に、まずインナ側において補剛構造１１が型成形されてもよく、この目的のために型成形される熱可塑性樹脂材料の少なくとも一部は、オルガノシートＯを貫通するようにして型成形される。そして、反対のアウタ側に、締結部１７ｂ用の熱可塑性樹脂材料が後から型成形されるときに、型成形された２つの構造１７ｂ，１１間の直接接続も同様に達成される。この場合、前記オルガノシートに少なくとも部分的な貫通型成形を行うこれら２種類の変形例は、当然ながら、他のインターフェースにも適用できる。

図５Ａ及び図５Ｂの詳細図には、まず、熱可塑性樹脂材料からなる表面部Ａ１、具体的にはラウドスピーカ用のインターフェース１３を形成する表面部Ａ１がより詳細に示される。同図には、さらに、ガイドレールＦＳ１用の締結部１０ｃにおける支承（支持）面１０ｂｂ，１０ｃｃとねじボスとが示されている。モジュールキャリア１のアウタ側では、支持面１０ｃｃにより形成された、ガイドレールＦＳ１用のインターフェースが、オルガノシートＯによって支持されている。ここでは、オルガノシートＯが、該オルガノシートＯが延在する主平面から（図示の場合では、該主平面と略直交するように）傾斜部として延在する壁１０２を有し、該壁１０２が、型成形された表面部Ａ１を型成形された支承（支持）面１０ｃｃに接続して、該型成形された表面部を支持している。

図６Ａ〜図６Ｃ、図７Ａ〜図７Ｄ、図８Ａ、図８Ｂ、図９Ａ及び図９Ｂに、自動車ドアのドアモジュール用の、本発明にかかるモジュールキャリア１のさらなる変形例を示す。この場合、モジュールキャリア１の同一の構成要素には、対応する参照符号が付されている。

よって、図６Ａ〜図９Ｂのモジュールキャリア１においても、オルガノシートＯにおけるエッジ側の熱可塑性樹脂材料からなる型成形部が、ドアインナパネル５１０への連結用の複数の締結口１５を形成している。図示の場合では、モジュールキャリア１の、型成形されたプラスチック系材料により形成されたエッジに、例えば溝状部の形で構成された途切れなく延びる受容部１２が設けられている。該受容部１２へは別体として製作された密封エレメント２ａを挿入してもよく、あるいは、後続の射出成形工程において密封エレメント２ａを該受容部へ型成形してもよい。

図１Ａ〜図５Ｂの前述の例示的な実施形態と対応するかたちで、ここでも、複数の挿通口、締結口およびねじボス１０ｄ，１０ｆ，１００ｂ，１００ｆ，１００ｇ，１００ｈ，１７ａが、モジュールキャリア１上のオルガノシートＯへと型成形された熱可塑性樹脂材料により形成されている。この変形例では、このとき、オルガノシートＯにおける開口で、ウィンドウガラスへの駆動体Ｍ１の連結用の挿通口１００ｈが形成されている。対照的に、ウィンドウガラスへの他方の駆動体Ｍ２を連結するためのさらなる挿通口１００ｇは、オルガノシートＯに型成形された熱可塑性樹脂材料によって全体が形成されている。

さらに挿通口１００ｂ，１００ｇ、ねじボス１０ｄおよび位置決めペグ１０１が、熱可塑性樹脂材料からなる表面部Ａ５により形成されている。この表面部Ａ５は、オルガノシートＯの外縁Ｒの部分エッジＲ５において、該部分エッジＲ５を包み込むように型成形されている。このとき、表面部Ａ５は、モジュールキャリア１の面積の１／１０超（図示の場合では、１／８超）を形成しており、且つ該モジュールキャリア１の４つの隅部の一つを完全に形成している。

モジュールキャリア１の反対側の隅部領域には、熱可塑性樹脂材料からなるさらなる表面部Ａ１が設けられている。該表面部は、オルガノシートＯの外縁Ｒの部分エッジＲ１において、同じく、該部分エッジＲ１を包み込むように型成形されている。具体的には、この場合のさらなる表面部Ａ１は、複数の締結口１５のほかにも、ラウドスピーカ用の締結部１３、位置決めペグ１０１、および外周シール部材２ａ用の前記受容部１２の一部を形成している。

型成形された熱可塑性樹脂材料からなる表面部Ａ１，Ａ２により、前記モジュールキャリアの面積のかなりの部分（図示の場合では、１／８以上）が、熱可塑性樹脂材料のみで構成されている。このときのモジュールキャリア１は、型成形されたプラスチック系材料により与えられる最終形状をとる。図示の場合では、さらに、オルガノシートＯが各種平面において延在する部位同士が一部、選択的に互いに接続されている。

その状態は、特に、図６Ｃに示されている。ここでは、型成形された領域と、所定の構造化がなされたオルガノシートＯとが、分解図示されている。具体的には、同図からは、オルガノシートＯの外縁Ｒが、特に、複数の切開部（切欠部）３ａ、相互にオフセットした取付領域３ｄ、および後から包み込むように型成形される部分エッジＲ１，Ｒ５を有する状態が観察され、これらの結果として、オルガノシートＯは、長方形状から大幅に逸脱している。従って、モジュールキャリア１の実質的に長方形の輪郭は、表面部Ａ１，Ａ５が型成形されることで初めて得られるものである。

図示の場合、図６Ａ〜図９ＢのオルガノシートＯには、長手方向に延びる２つの台座部Ｓ１，Ｓ２が形成されている。これらは、モジュールキャリア１のアウタ側で突出しており、モジュールキャリア１を設計どおりに設置した後の状態で、ほぼ上下方向軸ｚに沿って延在している。この場合、突出して長手方向に延びる台座部Ｓ１，Ｓ２は、それぞれ一つのガイドレールＦＳ１^*，ＦＳ２^*の安定化プロファイルを形成している。ウィンドウレギュレータの動作中に発生する横方向力の大部分は、該安定化プロファイルＳ１，Ｓ２によりオルガノシートＯに伝えられる。

ガイドプロファイルＦＰ１，ＦＰ２が、ガイドレールＦＳ１^*，ＦＳ２^*上において駆動体Ｍ１，Ｍ２を摺動案内するために設けられている。図示の場合のガイドプロファイルＦＰ１，ＦＰ２は、それぞれ、型成形された熱可塑性樹脂材料により形成されている。こうして、２つのガイドレールＦＳ１^*，ＦＳ２^*のガイドプロファイルＦＰ１，ＦＰ２は、台座部Ｓ１，Ｓ２上に又は該台座部Ｓ１，Ｓ２により形成される前記安定化プロファイル上にモールド形成されている。このようにして、オルガノシートＯで構成された安定化プロファイルＳ１，Ｓ２と、型成形された熱可塑性樹脂材料からなるガイドプロファイルＦＰ１，ＦＰ２とによって、ガイドレールＦＳ１^*，ＦＳ２^*により実行される様々な機能が、相異なる材料及び領域によって実行されることになる。こうして、使用される材料およびその材料により形成される構造によって、目標どおりに、機能が選択される。

モジュールキャリア１の剛性を特に台座部Ｓ１，Ｓ２の領域において向上させるために、該モジュールキャリア１のインナ側には補剛構造１１が図６Ｂに対応するかたちで型成形されている。モジュールキャリア１の反対のアウタ側で台座部Ｓ１，Ｓ２が形成された結果、該モジュールキャリア１のインナ側にはそれぞれ一つの、長手方向に延びる溝状部Ｋ１，Ｋ２が形成されている。十字状に交差する複数のリブを有する補剛構造１１が該溝状部へと、これによって具体的には各溝状部Ｋ１，Ｋ２の相対して存在する内壁同士が互いに繋げられるように型成形されている。

この場合、インナ側における補剛構造１１の熱可塑性樹脂材料の少なくとも一部は、モジュールキャリアのオルガノシートＯを貫通するように型成形できる。その後、各ガイドプロファイルＦＰ１，ＦＰ２が対応する台座部Ｓ１，Ｓ２上に型成形されると、該ガイドプロファイルＦＰ１，ＦＰ２の熱可塑性樹脂材料が、補剛構造１１の貫通型成形された熱可塑性樹脂材料に少なくとも部分的に直接接続される。変形例として、基本的には、まずガイドプロファイルＦＰ１，ＦＰ２を各台座部Ｓ１，Ｓ２上に型成形してもよく、この目的のために型成形される熱可塑性樹脂材料の少なくとも一部は、オルガノシートＯを貫通するようにして型成形される。そして、反対側のインナ側において補剛構造１１が後から型成形されるときに、型成形された２つの構造ＦＰ１，１１間又はＦＰ２，１１間の直接接続も同様に達成される。

図７Ａ〜図７Ｄの詳細図に、モジュールキャリア１のガイドレールＦＰ２^*の上端部における領域をより詳細に示す。ここで図７Ａ及び図７Ｂには、オルガノシートＯの細部がモジュールキャリア１のアウタ側とインナ側とで（この場合、型成形された熱可塑性樹脂材料を省略して）示されている。台座部Ｓ２に隣接するオルガノシートＯで構成された部位には、ウィンドウレギュレータのケーブルローラを後で回転可能に取り付けるための支承突起３０の形の支承部が形成されている。支承突起３０には穴（孔）３ｃが形成されており、該穴（孔）３ｃは、オルガノシートＯから形成され、支承突起３０のインナ側に突出するカラー３ｃｃを有する。この孔３ｃには、支承スリーブＨが挿入されており、該支承スリーブＨは、型成形された熱可塑性樹脂材料によってその孔３ｃに固定されている。そして、支承スリーブＨは、ケーブルローラの回転可能な取付け及び軸方向固定用のボルトを受容する役割を果たす。この構成は、特に、図７Ｃ及び図７Ｄの拡大図においてより詳細に描かれている。

この領域では、支承突起３０を取り囲む型成形された熱可塑性樹脂材料が、表面部Ａ５及び型成形されたガイドプロファイルＦＰ２のプラスチック系材料へと継ぎ目なく移行する。この領域では、さらに、オルガノシートＯ上に形成された構造間のオフセットが、型成形された熱可塑性樹脂材料によって補填されている。こうして、オルガノシートＯ（具体的には、支承突起３０の領域及び該支承突起に隣接する取付領域３ｄ）では、該オルガノシートＯの複数の領域が共通の平面に延在しているのではなく、むしろ互いに（具体的には、モジュールキャリア１の、該オルガノシートＯが延在する主平面を横切るように）オフセットしている。このとき、この種のオフセットは、外縁側において型成形されたプラスチック系材料により補填されている。具体的には、前記受容部１２により、密封平面に存在する互いに隣合う部同士に隣接している直線状に延びる密封溝状部が形成される。

このとき、具体的には、オルガノシートＯの局所的な切開及びその後の材料領域（例えば、支承突起３０等）の形成の結果として生じた、オルガノシートＯの隣接する領域間の自由空間が、型成形された熱可塑性樹脂材料により封鎖される。さらに、支承突起３０の領域において型成形された熱可塑性樹脂材料により、支承部１８ａが形成されて且つ複数の補剛ウェブ又はリブを有する補剛構造１１が形成されている。

図８Ａ及び図８Ｂの詳細図には、特に、ガイドレールＦＳ１^*の上端部の領域において、熱可塑性樹脂材料により形成された支承部１８ａへのケーブルローラＳＲの固定の様子が示されている。ここでは、ガイドレールＦＳ１^*用の台座部Ｓ１の、外縁近傍の端部において、オルガノシートＯにより支承突起３０が形成されている。該支承突起３０には熱可塑性樹脂材料が、ケーブルローラＳＲ用の支承部１８ａをスリーブ状の突部によって形成するように型成形されている。補剛目的のために支承突起３０には、さらに、補剛構造１１の複数のリブを形成する熱可塑性樹脂材料が裏打ち成形されている。この支承部１８ａ（図７Ａ〜図７Ｄの支承部と実質上同様に形成されている）により、ケーブルプルＺの方向転換用のケーブルローラＳＲが回転可能に取り付けられる。この目的のためにケーブルローラＳＲは、熱可塑性樹脂材料からなる支承部１８ａにおける前記スリーブ状の突部に取り付けられ、かつ、クリップ留めボルトＢによって該支承部１８ａに軸方向に固定される。

図９Ａ及び図９Ｂに、熱可塑性樹脂材料からなる表面部ＡとガイドレールＦＳ１^*の下端部との細部を拡大図示する。ここで図９Ａ及び図９Ｂは、台座部Ｓ１に隣接するオルガノシートＯからなる領域において、該オルガノシートＯから形成された材料領域により係止領域３１が形成された状態を示している。この場合の係止領域は、オルガノシートＯがＵ字状の切れ目により切られ、オルガノシートＯが延在する主平面を横切るようにして曲げられた係止突起３１として、形成されている。

係止突起３１には、ガイドレールＦＳ１^*（又はガイドレールＦＳ２^*）に沿った駆動体Ｍ１（又は駆動体Ｍ２）の下端調製位置を予め定める係止部材１８ｃを形成するために、熱可塑性樹脂材料が型成形されている。このプラスチック系材料は、駆動体Ｍ１（Ｍ２）の調製方向に延在する支持構造１８ｃｃを形成し、オルガノシートＯから係止突起３１を形成した結果として形成された自由空間をここで充填している。このようにして、オルガノシートＯの隣接する領域に接続された支承突起３１が、その位置に安定化される。

オルガノシートＯには、さらに、さらなるケーブルローラ用のさらなる支承部１８ｂを形成する折り返し部１０３が、台座部Ｓ１の長手伸長方向を横切るように形成されている。該折り返し部１０３は、突出する自由端部において凹凸の輪郭を有している。図示の場合において該端部は、複数のセレーション部を有している。このようにして、オルガノシートＯから形成された折り返し部１０３への、型成形された熱可塑性樹脂材料の回転固定接続が向上される。このとき、折り返し部１０３は、材料を介した結合だけでなく形状を介した係合によっても、型成形された熱可塑性樹脂材料に接続されている。

形成された部位が少なくとも部分的に既に設けられているオルガノシートＯと、機能部品用のインターフェース及び挿通口ならびに密封エッジを形成するように比較的広い面積にわたって該オルガノシート上に型成形された熱可塑性樹脂材料の領域との組合せにより、比較的軽量で、且つ任意で荷重負荷に関してより容易に最適化が可能なモジュールキャリア１を製造することができる。オルガノシートＯ自体に挿通口および／または締結口が形成されなくてもよく、あるいは、少なくともオルガノシートＯ単独でこれらが形成されなくてもよく、むしろ、該オルガノシートＯへと型成形された熱可塑性樹脂材料によってこれらを形成し得ることにより、熱可塑性樹脂材料によって比較的狭い公差を有する挿通口及び締結口を容易に実現できる。

１ モジュールキャリア
１００ａ〜１００ｈ 挿通口
１０１ 位置決めペグ（インターフェース）
１０２ 壁
１０３ 折り返し部
１０ａ，１０ｂ，１０ｃ ガイドレール用の締結部（インターフェース）
１０ａａ，１０ｂｂ，１０ｃｃ 支承／支持面（インターフェース）
１０ｄ，１０ｅ 締結口／ねじボス（インターフェース）
１０ｆ ウィンドウレギュレータ駆動部用の締結口（インターフェース）
１１ 補剛構造
１２ シール用の受容部
１３ ラウドスピーカ用の締結部（インターフェース）
１４ 制御ユニット用の締結部（インターフェース）
１５ ドアインナパネルへの連結用の締結口（インターフェース）
１６ ドア内張用の締結口（インターフェース）
１７ａ エアバッグセンサ用の締結部（インターフェース）
１７ｂ ドア開閉ハンドル用の締結部（インターフェース）
１８ａ，１８ｂ 方向転換部材用の支承部（インターフェース）
１８ｃ，１８ｄ 係止部材
１８ｃｃ 係止部材のための型成形された支持構造
１９ ウィンドウレギュレータ駆動部用の支承部
１９０ 防音壁（機能部品）
２ａ，２ｂ シール部材
３０ 支承突起（支承部）
３１ 係止突起（係止領域）
３ａ 切欠部
３ｂ スリーブ状の突部／リム孔
３ｃ 孔
３ｃｃ カラー
３ｄ 取付領域
５ ドア構造
５０ ウィンドウフレーム構造
５１ ドアケース
５１０ ドアインナパネル
５２ ブレスト画定部
Ａ 切欠部
Ａ１〜Ａ５ 外縁側の型成形された表面部
Ｂ ボルト
ＦＰ１，ＦＰ２ ガイドプロファイル
ＦＳ１，ＦＳ１^*，ＦＳ２，ＦＳ２^* ガイドレール
Ｈ 支承スリーブ
Ｋ１，Ｋ２ 溝状部
Ｍ ケーブルドラム付きの支承プレート
Ｍ１，Ｍ２ 駆動体
Ｏ オルガノシート
Ｒ オルガノシートの外縁（エッジ）
Ｒ１，Ｒ２，Ｒ５ 部分エッジ
Ｓ１，Ｓ２ 台座部／安定化プロファイル
ＳＲ ケーブルローラ（方向転換部材）
Ｔ ドアモジュール
Ｚ ケーブルプル（牽引機構）

Claims (30)

1. 自動車ドアのドアモジュール用のモジュールキャリアであって、
   少なくとも１つの機能部品（ＦＳ１，ＦＳ１^*，ＦＳ２，ＦＳ２^*，Ｍ，Ｚ）が固定されており、
   オルガノシート（Ｏ）により実質的に形成され、
   少なくとも１つの密封エレメント（２ａ，２ｂ）付きの外周縁により画定されており、
   第一に該モジュールキャリア（１）を自動車ドアのドア構造（５）に固定するため、第二に前記少なくとも１つの機能部品（ＦＳ１，ＦＳ１^*，ＦＳ２，ＦＳ２^*，Ｍ，Ｚ）および／または前記ドアモジュール（Ｔ）のさらなる構成品を該モジュールキャリア（１）に連結するための、複数のインターフェース（１５；１０ａ〜１０ｆ，１３，１４，１６，１７ａ，１７ｂ，１８ａ，１８ｂ，１９，１０１）が設けられている、
   モジュールキャリアにおいて、
   該モジュールキャリア（１）の中央領域を少なくとも部分的に境界決めする、熱可塑性樹脂材料からなる少なくとも１つの第１の型成形部が外縁に設けられ、
   熱可塑性樹脂材料からなる少なくとも１つの第２の型成形部が少なくとも前記中央領域に設けられており、
   前記少なくとも１つの第１の型成形部は、自動車ドアのドア構造（５）に該モジュールキャリア（１）を固定するため、および／または該モジュールキャリア（１）に前記自動車ドアのさらなる構成品を固定するための少なくとも１つの前記インターフェース（１５）を形成し、かつ／あるいは、該モジュールキャリア（１）の外縁側のシール部材（２ａ，２ｂ）を受け止めるか又は形成するものであり、
   前記少なくとも１つの第２の型成形部は、該モジュールキャリア（１）に固定される機能部品（ＦＳ１，ＦＳ２，Ｍ，Ｚ）用のインターフェース（１０ａ〜１０ｆ；１０ａａ，１０ｂｂ，１０ｃｃ，１４，１７ａ，１７ｂ，１８ａ，１８ｂ）を形成し、かつ／あるいは、挿通口（１００ａ〜１００ｈ）を形成し、かつ／あるいは、機能部品（ＦＳ１^*，ＦＳ２^*）の少なくとも一部を形成するものである
   ことを特徴とする、モジュールキャリア。
2. 請求項１に記載のモジュールキャリアにおいて、外縁側の前記第１の型成形部が、該モジュールキャリア（１）の少なくとも１つの面状に延在する部分（Ａ１〜Ａ５）を形成しており、かつ／あるいは、該モジュールキャリア（１）の外縁の全体に沿って延在することを特徴とする、モジュールキャリア。
3. 請求項１または２に記載のモジュールキャリアにおいて、外縁側の前記第１の型成形部に、
   ドア構造（５）に該モジュールキャリア（１）を固定するためのインターフェースとしての少なくとも１つの締結口（１５）、および／または
   該モジュールキャリア（１）にドア内張を固定するためのインターフェースとしての少なくとも１つの締結口（１６）、
   が形成されていることを特徴とする、モジュールキャリア。
4. 請求項１から３のいずれか一項に記載のモジュールキャリアにおいて、外縁側の前記第１の型成形部が、前記少なくとも１つの密封エレメント（２ａ，２ｂ）を少なくとも部分的に受容する少なくとも１つの受容部（１２）を形成していることを特徴とする、モジュールキャリア。
5. 請求項１から４のいずれか一項に記載のモジュールキャリアにおいて、外縁側の前記第１の型成形部が、該モジュールキャリア（１）にラウドスピーカを固定するための少なくとも１つのインターフェース（１３）、および／またはねじボス（１０ｄ）を形成していることを特徴とする、モジュールキャリア。
6. 請求項１から５のいずれか一項に記載のモジュールキャリアにおいて、外縁側の前記第１の型成形部に、該モジュールキャリア（１）にケーブルもしくはリンク機構を貫通させるための、少なくとも１つの挿通口（１００ｂ，１００ｇ）、および／または該モジュールキャリア（１）にウィンドウレギュレータを取付けるために用いられる挿通口（１００ｇ）が形成されていることを特徴とする、モジュールキャリア。
7. 請求項１から６のいずれか一項に記載のモジュールキャリアにおいて、前記中央領域に設けられた前記第２の型成形部が、
   ウィンドウレギュレータのガイドレール（ＦＳ１，ＦＳ２）を固定するためのインターフェース（１０ａ〜１０ｃ，１０ａａ，１０ｂｂ，１０ｃｃ）、および／または
   ウィンドウレギュレータの駆動部（Ｍ）を固定するためのインターフェース（１０ｆ）、および／または
   制御ユニットを固定するためのインターフェース（１４）、および／または
   エアバッグセンサを固定するためのインターフェース（１７ａ）、および／または
   ドア開閉ハンドルを固定するためのインターフェース（１７ｂ）、および／または
   ウィンドウレギュレータの牽引機構（Ｚ）が方向転換される方向転換部材（ＳＲ）を固定するためのインターフェース（１８ａ，１８ｂ）、および／または
   防音壁（１９０）、
   を形成していることを特徴とする、モジュールキャリア。
8. 請求項７に記載のモジュールキャリアにおいて、方向転換部材（ＳＲ）を固定するためのインターフェース（１８ｂ）を形成する前記第２の型成形部が、オルガノシートで構成され、突出する自由端部において凹凸の輪郭を有する折り返し部（１０３）上に設けられていることを特徴とする、モジュールキャリア。
9. 請求項１から８のいずれか一項に記載のモジュールキャリアにおいて、
   前記中央領域に設けられた前記第２の型成形部が、
   該モジュールキャリア（１）をケーブルおよび／またはリンク機構が貫通するため、および／またはウィンドウレギュレータの駆動部（Ｍ）の駆動軸が貫通するための挿通口（１００ａ〜１００ｆ）を形成し、かつ／あるいは、
   該モジュールキャリア（１）にウィンドウレギュレータを取付けるために用いられる工具用の挿通口（１００ｇ〜１００ｈ）を形成していることを特徴とする、
   モジュールキャリア。
10. 請求項１から９のいずれか一項に記載のモジュールキャリアにおいて、前記中央領域に設けられた前記第２の型成形部が、ウィンドウレギュレータのガイドレール（ＦＳ１^*，ＦＳ２^*）の少なくとも一部（ＦＰ１，ＦＰ２）を形成していることを特徴とする、モジュールキャリア。
11. 請求項１０に記載のモジュールキャリアにおいて、前記少なくとも１つの第２の型成形部が、前記ガイドレール（ＦＳ１^*，ＦＳ２^*）のガイドプロファイル（ＦＰ１，ＦＰ２）を形成しており、該ガイドプロファイル（ＦＰ１，ＦＰ２）により、前記ガイドレール（ＦＳ１^*，ＦＳ２^*）上において変位可能に案内される駆動体（Ｍ１，Ｍ２）用のガイドトラックが予め定められることを特徴とする、モジュールキャリア。
12. 請求項１１に記載のモジュールキャリアにおいて、前記ガイドプロファイル（ＦＰ１，ＦＰ２）が、前記ガイドレール（ＦＳ１^*，ＦＳ２^*）の安定化プロファイル（Ｓ１，Ｓ２）上に型成形されており、前記安定化プロファイルは、前記ウィンドウレギュレータの動作中に発生する力を受けるように設計され、オルガノシート（Ｏ）で構成されて該モジュールキャリア（１）上に突出して長手方向に延びる台座部（Ｓ１，Ｓ２）により形成されていることを特徴とする、モジュールキャリア。
13. 請求項１２に記載のモジュールキャリアにおいて、前記ガイドプロファイル（ＦＰ１，ＦＰ２）用の熱可塑性樹脂材料が、突出して前記長手方向に延びる台座部（Ｓ１，Ｓ２）の前記オルガノシート（Ｏ）を少なくとも部分的に貫通するように型成形されていることを特徴とする、モジュールキャリア。
14. 請求項７に従属する場合の請求項１２または１３に記載のモジュールキャリアにおいて、前記台座部の長手伸長方向に沿って該台座部（Ｓ１，Ｓ２）に隣接する支承部（３０）が、前記オルガノシート（Ｏ）から形成されており、該支承部（３０）には、方向転換部材（ＳＲ）を固定するためのインターフェース（１８ａ，１８ｂ）が熱可塑性樹脂材料からなる型成形部によって形成されていることを特徴とする、モジュールキャリア。
15. 請求項１４に記載のモジュールキャリアにおいて、形成された前記支承部（３０）および前記オルガノシート（Ｏ）の該支承部に隣接する少なくとも１つの領域（３ｄ）は相互にオフセットした平面に延在しており、これによって前記オルガノシートでは該支承部（３０）と該少なくとも１つの領域（３ｄ）との間に自由空間が存在し、該自由空間が、型成形された熱可塑性樹脂材料によって封止されることを特徴とする、モジュールキャリア。
16. 請求項１５に記載のモジュールキャリアにおいて、前記方向転換部材（ＳＲ）を固定する前記インターフェース（１８ａ，１８ｂ）を形成する型成形された熱可塑性樹脂材料が、型成形された熱可塑性樹脂材料からなる補剛構造（１１）により、前記自由空間を閉じるプラスチック系材料および／または前記自由空間を境界決めするオルガノシート（Ｏ）で構成された部位に接続されることを特徴とする、モジュールキャリア。
17. 請求項７に従属する場合の請求項１２から１６のいずれか一項に記載のモジュールキャリアにおいて、前記台座部の長手伸長方向に沿って該台座部（Ｓ１，Ｓ２）に隣接し、前記駆動体（Ｍ１，Ｍ２）の調製移動の限界を定めるように機能する係止領域（３１）が前記オルガノシート（Ｏ）から形成されており、前記係止領域（３１）には、熱可塑性樹脂材料からなり、前記駆動体（Ｍ１，Ｍ２）用の係止部材（１８ｃ）を形成する型成形部が設けられていることを特徴とする、モジュールキャリア。
18. 請求項１から１７のいずれか一項に記載のモジュールキャリアにおいて、
    該モジュールキャリア（１）の機能部品としてのガイドレール（ＦＳ１^*，ＦＳ２^*）の少なくとも一部が、オルガノシート（Ｏ）からなり、該モジュールキャリア（１）上に突出して長手方向に延びる、台座部（Ｓ１，Ｓ２）により形成されているか、あるいは、オルガノシート（Ｏ）からなり、該モジュールキャリア（１）上に突出して長手方向に延びる台座部が、前記ガイドレール（ＦＳ１，ＦＳ２）を固定するためのインターフェースを形成しており、
    前記台座部（Ｓ１，Ｓ２）は、該モジュールキャリア（１）の第１の側において突出しており、これに対向する該モジュールキャリア（１）の第２の側において、長手方向に延びる溝状部（Ｋ１，Ｋ２）を構成している、
    ことを特徴とする、モジュールキャリア。
19. 請求項１から１８のいずれか一項に記載のモジュールキャリアにおいて、前記中央領域に設けられた前記少なくとも１つの第２の型成形部が、荷重容量および／または剛性を局所的に向上させる少なくとも１つの補剛構造（１１）を形成していることを特徴とする、モジュールキャリア。
20. 請求項１８または１９に記載のモジュールキャリアにおいて、前記中央領域に設けられた前記少なくとも１つの第２の型成形部が、該モジュールキャリア（１）の前記第２の側において前記長手方向に延びる溝状部（Ｋ１，Ｋ２）に、少なくとも１つの補剛構造（１１）を形成していることを特徴とする、モジュールキャリア。
21. 請求項１９または２０に記載のモジュールキャリアにおいて、前記補剛構造（１１）が、前記少なくとも１つの密封エレメント（２ａ，２ｂ）の領域において該モジュールキャリア（１）の剛性を向上させるように、機能部品（ＦＳ１，ＦＳ２，Ｍ，Ｚ）を固定するためのインターフェースを前記外縁に接続していることを特徴とする、モジュールキャリア。
22. 請求項１９から２１のいずれか一項に記載のモジュールキャリアにおいて、前記補剛構造（１１）の前記熱可塑性樹脂材料の少なくとも一部が、該モジュールキャリア（１）の前記オルガノシート（Ｏ）を貫通するように型成形されていることを特徴とする、モジュールキャリア。
23. 請求項１０に従属する場合の請求項２２に記載のモジュールキャリアにおいて、前記補剛構造（１１）が、該モジュールキャリア（１）の前記オルガノシート（Ｏ）を貫通する少なくとも１つの局所的な貫通型成形部により、前記ガイドレール（ＦＳ１^*，ＦＳ２^*）の一部（ＦＰ１，ＦＰ２）をなす型成形された熱可塑性樹脂材料に少なくとも部分的に直接接続されていることを特徴とする、モジュールキャリア。
24. 請求項７に従属する場合の請求項１９から２３のいずれか一項に記載のモジュールキャリアにおいて、少なくとも１つのリブを有する補剛構造（１１）が、ドア開閉ハンドルを固定するためのインターフェース（１７ｂ）に設けられていることを特徴とする、モジュールキャリア。
25. 請求項２４に記載のモジュールキャリアにおいて、前記補剛構造（１１）が、前記ドア開閉ハンドルを固定するための前記インターフェース（１７ｂ）の型成形されたプラスチック系材料に形成された締結口から放射状に配置された、複数のリブを有することを特徴とする、モジュールキャリア。
26. 請求項２５に記載のモジュールキャリアにおいて、前記補剛構造（１１）が、該モジュールキャリア（１）の２つの対向する側において、少なくとも１つのリブを有して延在していることを特徴とする、モジュールキャリア。
27. 請求項１から２６のいずれか一項に記載のモジュールキャリアにおいて、型成形された熱可塑性樹脂材料から形成された、ラウドスピーカを固定するためのインターフェースに隣接する、該モジュールキャリア（１）の壁（１０２）は、その少なくとも一部が、該モジュールキャリア（１）が略面状に延在する主平面から、型成形された熱可塑性樹脂材料から形成された、ガイドレール（ＦＳ１）を固定するためのインターフェース（１０ｃｃ）の方向に延在する傾斜部の形で形成されており、かつ、該壁が、前記ガイドレール（ＦＳ１）を固定する前記インターフェース（１０ｃｃ）を支持する支持構造を形成していることを特徴とする、モジュールキャリア。
28. 請求項１から２７のいずれか一項に記載のモジュールキャリアにおいて、第１または第２の型成形部は、前記オルガノシート（Ｏ）のエッジ（Ｒ１，Ｒ２，Ｒ５）および／または前記オルガノシート（Ｏ）における挿通口（１００ａ〜１００ｈ）のエッジの、少なくとも一部分の周囲に、各縁がその少なくとも一部分において、熱可塑性樹脂材料により包み込まれるように係合していることを特徴とする、モジュールキャリア。
29. 自動車ドアのドアモジュール用のモジュールキャリア、特には、請求項１から２８のいずれか一項に記載のモジュールキャリアを製造する方法であって、
    少なくとも１つの機能部品（ＦＳ１，ＦＳ１^*，ＦＳ２，ＦＳ２^*，Ｍ，Ｚ）が固定されるものであり、
    オルガノシート（Ｏ）により実質的に形成されて、少なくとも１つの密封エレメント（２ａ，２ｂ）付きの外周縁により画定されており、
    第一に該モジュールキャリア（１）を自動車ドアのドア構造（５）に固定するため、第二に前記少なくとも１つの機能部品（ＦＳ１，ＦＳ１^*，ＦＳ２，ＦＳ２^*，Ｍ，Ｚ）および／または前記ドアモジュール（Ｔ）のさらなる構成品を該モジュールキャリア（１）に連結するための、複数のインターフェース（１５；１０ａ〜１０ｆ，１０ａａ，１０ｂｂ，１０ｃｃ，１３，１４，１６，１７ａ，１７ｂ，１８ａ，１８ｂ，１９，１０１）が設けられている、
    モジュールキャリア（１）を製造する方法において、
    前記モジュールキャリア（１）の外縁に、該モジュールキャリア（１）の中央領域を少なくとも部分的に境界決めする、熱可塑性樹脂材料からなる少なくとも１つの第１の型成形部を設ける工程と、
    該モジュールキャリア（１）の少なくとも前記中央領域に、熱可塑性樹脂材料からなる少なくとも１つの第２の型成形部を設ける工程とを含み、
    前記少なくとも１つの第１の型成形部は、自動車ドアのドア構造（５）に該モジュールキャリア（１）を固定するため、および／または該モジュールキャリア（１）に前記自動車ドアのさらなる構成品を固定するための少なくとも１つの前記インターフェース（１５）を形成し、かつ／あるいは、該モジュールキャリア（１）の外縁側のシール部材（２ａ，２ｂ）を受けるか又は形成するものとし、
    前記少なくとも１つの第２の型成形部は、該モジュールキャリア（１）に固定される機能部品（ＦＳ１，ＦＳ２，Ｍ，Ｚ）用のインターフェース（１０ａ〜１０ｆ，１０ａａ，１０ｂｂ，１０ｃｃ，１４，１７ａ，１７ｂ，１８ａ，１８ｂ）を形成し、かつ／あるいは、挿通口（１００ａ〜１００ｈ）を形成し、かつ／あるいは、機能部品（ＦＳ１^*，ＦＳ２^*）の少なくとも一部を形成するものとする
    ことを特徴とする、方法。
30. 請求項２９に記載の方法において、前記少なくとも１つの第１のおよび前記少なくとも１つの第２の型成形部を一回の射出成形工程又は少なくとも二回の連続する射出成形工程で作製し、かつ／あるいは、複数の第１の型成形部および／または複数の第２の型成形部を、時間的および／または空間的にずらして前記モジュールキャリアに作製することを特徴とする、方法。

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