JP5639392B2 - 車両用内装部材 - Google Patents
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Description
<第1の手段>
硬質樹脂等からなる基材の表面に不織布を貼り付け、不織布を基材とともに車体側の装着部に取り付ける。
<第2の手段>
車体側の装着部に平坦な取り付け面を確保し、その取り付け面に不織布を重ねて製品の表面から貫通させるクリップ等の係止手段によって不織布を取り付ける。
請求項1に係る発明は、車室内に臨む部位に装着される車両用内装部材において、不織布によって形成され車室内面を構成する所定形状の内装部材本体と、この内装部材本体の裏面に取り付けられる硬質樹脂製の補強帯と、を備え、前記補強帯は、車体側の装着部に係止固定される係止部を備え、かつ複数の分割片によって構成されていることを特徴とする。
また、請求項7に係る発明は、車室内に臨む部位に装着される車両用内装部材において、不織布によって形成され車室内面を構成する所定形状の内装部材本体と、この内装部材本体の裏面に取り付けられる硬質樹脂製の補強帯と、を備え、前記補強帯には、車体側の装着部に係止固定される係止部が設けられるとともに、他部品との位置決め嵌合部が設けられていることを特徴とする。
さらに、請求項1に係る発明によれば、補強帯が複数の分割片によって構成されることから、補強帯を製造するための金型の小型化と簡素化を図ることができる。
最初に、図1〜図5に示す第1の実施形態について説明する。
図1は、車室内の荷室側部を示す図であり、同図中1は、この実施形態における車両用内装部材であるトランクサイドライニング、2は、リヤピラー(図示せず)の車室内側面を覆う樹脂製のピラーガーニッシュ、3は、トランクフロア、4は、リヤピラー部分に設置されたリヤサイドガラスである。リヤピラーガーニッシュ2は、全体が硬質樹脂によってリヤピラー形状に沿うように形成されている。
トランクサイドライニング1は、車室内側に臨むライニング本体10(内装部材本体)の全域が不織布(例えば、樹脂フェルト)によって形成されている。この実施形態の場合、ライニング本体10は、不織布をプレス成形によって所定形状に造形している。
分割片18A,18C,18Eは、それぞれ前縁フランジ13a、上縁フランジ13c、後縁フランジ13bの裏面形状に沿って形成されており、分割片18Bと分割片18Dは、それぞれ前縁フランジ13aと上縁フランジ13cの連接コーナー部と、後縁フランジ13bと上縁フランジ13cの連接コーナー部の裏面形状に沿って形成されている。分割片18A,18B,18C,18D,18Eは、ライニング本体10の屈曲部や湾曲部を跨がない平面部に対応する部分で分割されている。
各分割片18A,18B,18C,18D,18Eはライニング本体10の対応するフランジ13a,13b,13cの裏面に重ねられ、超音波溶着によって一体に取り付けられている。
クリップ20は、クリップ係止部21に保持される頭部20aと、車体パネル側の図示しない取付孔に挿入状態で係止される脚部20bとを備え、脚部20bに設けられた係止片20cによって取付孔からの抜けが阻止されるようになっている。なお、頭部20aには、図示しない環状溝が設けられ、その環状溝部分がクリップ係止部21に係止されるようになっている。
さらに、この実施形態の場合、補強帯18のほぼ全域が不織布製のライニング本体10の端部に沿って取り付けられているが、補強帯18は必ずしもその全域をライニング本体10の端部に沿わせて取り付ける必要はなく、少なくとも一部がライニング本体10の端部に沿うように取り付けるようにすれば良い。
したがって、このトランクサイドライニング1においては、各種のデザインの車両の様々な部位に容易に適用することができる。
そして、特に、この実施形態の場合、補強帯18の分割位置がライニング本体10の屈曲部を跨がない平面部分とされているため、補強帯18を製造上有利な分割構造としつつも、ライニング本体10を各分割片18A,18B,18C,18D,18Eによって効率良く補強することができる。
図5に示したクリップ係止部21は、補強帯18の一般部の裏面と略U字状の側壁21aと上壁21bとによって箱型の断面形状とされているが、図6に示す変形例のクリップ係止部21Aは、補強帯18の一般部に側壁21aの内面に沿うように略U字状の開口25が設けられている。
この変形例の場合、上壁21bと側壁21aの内側下方に開口25が設けられていることから、補強帯18を型成形する際にスライド型を用いることなく容易に型抜きを行うことができる。また、この変形例のクリップ係止部21Aは箱型の断面形状ではないものの、補強帯18の一般部に対して隆起した形状とされているため、補強帯18の剛性と強度を高めるのに寄与している。
この変形例のクリップ係止部21Bは、側壁21aが円筒状に形成され、上壁21bにクリップ係止用の保持溝21cが設けられるとともに、側壁21aの上端コーナの保持溝21cに連続する部位にクリップ挿入用の溝21dが設けられている。この変形例の場合も、補強帯18の一般部に、円筒状の側壁21aの内面に沿うように円形の開口26が設けられている。ただし、この例では、係止クリップの頭部を支持するためのリブ27が側壁21aの内面に突設されており、その分、開口26は厳密には円形となっていない。
しかし、この変形例の場合にも、補強帯18の型成形時には開口26を通して容易に型抜きを行うことができる。また、この変形例の場合にも、クリップ係止部21Bの隆起形状が補強帯18の剛性と強度を高めるのに寄与している。
この変形例のクリップ係止部21Cは、側壁等の隆起した部分を作らず補強帯18の一般部に直接クリップ20の頭部20aよりも孔径の大きいクリップ挿入孔28と、クリップ20を保持するための保持溝29を形成するようにしている。クリップ20を取り付ける場合には、クリップ挿入孔28にクリップ20の頭部20aを挿入し、クリップ20を保持溝29側にスライドさせることによって頭部20aを保持溝29に保持させる。
なお、以上では、クリップとは別にクリップ係止部を補強帯に一体に形成した例について説明したが、クリップ自体を補強帯に一体に形成することも可能である。
この実施形態は、補強帯18に設ける係止部の構成が上記の実施形態と異なっており、係止部として、抜け止め突起30aを有する一対の係止爪30,30と、一対のガイド壁31,31が補強帯18の裏面側に一体に形成されている。係止爪30,30とガイド壁31,31は車体側のブラケット32等に設けられた略長方形状の取付孔33に挿入されるようになっている。
この実施形態のトランクサイドライニング1は、ライニング本体10の裏面に取り付ける補強帯18の端部に、ピラーガーニッシュ302の下壁45に突き合わされる略L字状の屈曲壁40が設けられ、その屈曲壁40に長孔状の嵌合孔41が形成されている。屈曲壁40の上面には、ライニング本体10の端縁が重合され、その端縁の屈曲壁40側の嵌合孔41と対する位置には、嵌合孔41よりも一回り大きい挿入孔42が形成されている。ライニング本体10の挿入孔42と屈曲壁40嵌合孔41には、トランクサイドライニングの車体組み付け時にピラーガーニッシュ302の下壁45に突設された係止爪50が挿入係合される。
ただし、この実施形態の例のでは、補強帯18側に嵌合孔41を形成し、ピラーガーニッシュ302側に係止爪50を形成しているが、逆に、補強帯18側に係止爪50を形成し、ピラーガーニッシュ302側に嵌合孔41を形成するようにしても良い。
この実施形態のトランクサイドライニング1は、ライニング本体10の裏面に取り付けられる補強帯18の長手方向の端部をライニング本体10の端部から突出させ、補強帯18のライニング本体10の端部から突出した延長領域18bの外面側に、フロア側のガーニッシュ53が重ね合わされている。
この実施形態の場合、剛性の高い補強帯18をライニング本体10の端部から突出させ、その突出した補強帯18の外面側にガーニッシュ53が重ね合わされていることから、トランクサイドライニング1とガーニッシュ53の位置合わせを容易に、かつ正確に行なうことができるとともに、トランクサイドライニング1とガーニッシュ53の連接部に充分な剛性を持たせることができる。
この実施形態のトランクサイドライニング1の場合、補強帯18の端部に、不織布製のライニング本体10の端部から外側に延出する延長領域18bが設けられているが、この延長領域18bは、内装部品の車体取付時に別部材のガーニッシュ53によって完全に覆われるため、車室内側からの見切り部(車室内側から見える境界部)を一つにすることができる。したがって、見切り部の管理箇所を少なくし、外観品質の低下を招くことなく製造や組み付けを容易にすることができる。
また、上記の実施形態で説明した補強帯18は略一定幅に形成されているが、補強帯は必ずしも一定幅である必要はなく、内装部材の形状によっては三角形状や円形等の他の形状であっても良い。
10…ライニング本体(内装部材本体)
13a…前縁フランジ(立体曲げ面)
13b…後縁フランジ(立体曲げ面)
18…補強帯
18A,18B,18C,18D,18E…分割片
18a…周縁部(係止部)
21,21A,21B,21C…クリップ係止部(係止部)
36…クリップ挿入孔(係止部)
41…嵌合孔(位置決め嵌合部)
Claims (7)
- 車室内に臨む部位に装着される車両用内装部材において、
不織布によって形成され車室内面を構成する所定形状の内装部材本体と、
この内装部材本体の裏面に取り付けられる硬質樹脂製の補強帯と、を備え、
前記補強帯は、車体側の装着部に係止固定される係止部を備え、かつ複数の分割片によって構成されていることを特徴とする車両用内装部材。 - 前記補強帯は、前記内装部材本体の裏面に対し少なくとも一部が前記内装部材本体の端部に沿うように取り付けられていることを特徴とする請求項1に記載の車両用内装部材。
- 前記内装部材本体は、端縁の近傍に三次元的に屈曲若しくは湾曲する立体曲げ面が設けられ、
前記補強帯は、前記内装部材本体の裏面に、前記立体曲げ面の近傍に沿って取り付けられていることを特徴とする請求項1または2に記載の車両用内装部材。 - 前記補強帯は、前記内装部材本体の屈曲部や湾曲部を跨がない平面部分で分割されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の車両用内装部材。
- 前記係止部は、前記車体側の装着部に係合されるクリップを係止するためのクリップ係止部であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の車両用内装部材。
- 前記補強帯には、他部品との位置決め嵌合部が設けられていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の車両用内装部材。
- 車室内に臨む部位に装着される車両用内装部材において、
不織布によって形成され車室内面を構成する所定形状の内装部材本体と、
この内装部材本体の裏面に取り付けられる硬質樹脂製の補強帯と、を備え、
前記補強帯には、車体側の装着部に係止固定される係止部が設けられるとともに、他部品との位置決め嵌合部が設けられていることを特徴とする車両用内装部材。
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