JP5159840B2 - 樹脂製中空二重壁構造体 - Google Patents

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Description

本発明は、樹脂製中空二重壁構造体に関する。
従来、樹脂製中空二重壁構造体を外部の構成体に連結する際には、外部構成体の支持具に連結させる連結具を熱可塑性樹脂からなる包囲壁に取り付けていた。
なお、特許文献2の段落0014〜0016には、リヤパッケージトレイを車両前方側の第1トレイと車両後方側の第2トレイとが車両前後方向に回動するようにヒンジ部により結合して構成し、第1トレイの車両前方側裏面に棒状支持体の車両前方側の短尺部と着脱可能に嵌合するファスナをインサートし、第2トレイの車幅方向両端の車両後方側裏面に棒状支持体の車両後方側の短尺部と着脱可能に嵌合する第2嵌合凹所を形成していることが記載されている。
特公平5−18742号公報 特開2003−246241号公報 特開2001−315672号公報 特開平11−129322号公報 特開2003−127779号公報
連結具を樹脂製中空二重壁構造体の包囲壁に取り付けると、成形後の冷却収縮の影響を受けて連結具に位置ずれが生じ、樹脂製中空二重壁構造体の着脱操作を円滑に行うことができないことがあった。
特許文献4には、熱可塑性樹脂をブロー成形することにより表壁と裏壁との間に形成される中空部内に真っ直ぐなパイプが配設されるとともにパイプの周囲は少なくとも裏壁と一体に連なる包囲壁で包囲されており、裏壁のパイプの端部に対応する部位にはパイプの端面に対する遊び間隔を保持する凹部を形成して成る中空二重壁構造体が記載されている。特許文献4記載の技術は、段落0005に記載されるように、ブロー成形後において中空二重壁構造体が冷却収縮する過程でパイプの長さが相対的に増大する分を裏壁の凹部において逃がすことにより成形後の冷却収縮による変形歪みを生じさせない中空二重壁構造体を得る技術である。従来、この中空二重壁構造体からデッキボードを形成する際には、デッキ部の側壁に形成された支持具に係合させる係合具を熱可塑性樹脂からなる包囲壁に取り付けていた。しかし、前記係合具を中空二重壁構造体の包囲壁に取り付けると、成形後の冷却収縮の影響を受けて係合具に位置ずれが生じ、デッキボード着脱操作を円滑に行うことができないことがある。
本発明は、二重壁成形体の寸法誤差による外部構成体への連結性の低下を防ぐことを目的とする。
課題を解決するための手段およびその作用・効果
上記目的を達成するため、本発明は、少なくとも樹脂を有する素材を成形することにより、間隔をおいて対向する表壁および裏壁と当該表壁および当該裏壁の周縁部を閉塞して中空部を形成する周囲壁とが形成された樹脂製中空二重壁構造体であって、少なくとも樹脂を有する素材から前記表壁、前記裏壁および前記周囲壁を有する形状に成形された二重壁成形体と、前記二重壁成形体の成形後の収縮に関わらない材質からなり、前記二重壁成形体の中空部内に挿通されて前記二重壁成形体に対して長手方向にのみスライド可能に支持されるとともに前記中空部内から両端部が前記二重壁成形体の外へ出た補強材と、外部の構成体に連結するために当該補強材の両端部に取り付けられた一対の連結部材とを備えることを特徴とする。
少なくとも樹脂を有する素材から表壁、裏壁および周囲壁を有する形状に成形すると、二重壁成形体が形成される。二重壁成形体の成形後の収縮に関わらない材質からなる補強材は、二重壁成形体の中空部内に挿通されて二重壁成形体に対して長手方向にのみスライド可能に支持され、また、中空部内から両端部が二重壁成形体の外へ出て配置される。少なくとも樹脂を有する素材から二重壁成形体を成形した後、二重壁成形体が収縮しても当該収縮に関わらない材質からなる補強材の両端部に取り付けられている各連結部材には位置ずれが生じないので、二重壁成形体の寸法誤差による外部構成体への連結性の低下を防ぐことが可能となる。
上記成形は、様々な成形が考えられるが、中空部を形成する観点からはブロー成形が好適である。この場合、上記樹脂は、合成樹脂が好適であり、熱可塑性樹脂がさらに好適である。
上記補強材は、収縮に関わらない材質からなり、中空二重壁成形体の一方の周囲壁から対向する他方の周囲壁にわたって一連に配置される。また、その形状は丸筒、角筒、H鋼型等の棒状部材など様々な補強材が考えられるが、強度と軽量化および各係合具の取付け性の観点からは係合具側に平坦面を有する角筒状の金属製パイプが好適であり、挿通性の観点からは真っ直ぐなパイプが好適である。またここで、収縮に関わらない材質とは中空二重壁成形体が成形後に収縮するのに対して中空部内に挿通された補強材が相対的に収縮を起こさないものであることを意味し、中空二重壁成形体の収縮に伴った変形が生じなければよく、補強材の成形後の経時的または外部環境による収縮が比較的小さいものも含まれる。
なお、上記補強材は、一箇所が二重壁成形体に固定されても当該補強材における二重壁成形体に固定されていない部分では二重壁成形体に対して長手方向にのみスライド可能とされる。
デッキボードを取り外した状態で自動車の後部内装を示す斜視図。 デッキボードを取り付けた状態で自動車の後部内装を示す斜視図。 自動車の後部内装の要部を上面から見て示す上面図。 デッキボード本体を裏面から見て示す下面図。 係合具を取り付けたデッキボードを裏面から見て示す下面図。 荷室に取り付けたデッキボードの側面の端面を示す端面図。 第一係合具の外観を裏面側から見て示す斜視図。 第二係合具の外観を裏面側から見て示す斜視図。 第三係合具の外観を裏面側から見て示す斜視図。 コ字状支持部材に取り付けた前側ボードの側面の端面を示す要部端面図。 第三支持部に取り付けた後側ボードの側面の端面を示す要部端面図。 デッキボードを荷室に取り付ける様子を側面から見て示す要部端面図。 デッキボードを荷室に取り付ける様子を側面から見て示す要部端面図。 ラゲッジボードを備えた自動車の要部を一部透視して示す斜視図。 ラゲッジボードの要部を裏面から見て示す要部底面図。 ラゲッジボードを図15のB1−B1の位置で断面視して示す断面図。 ラゲッジボードを図15のB2−B2の位置で断面視して示す断面図。 係合具の外観を支持部の外観とともに示す斜視図。 ラゲッジボードを開閉した様子を示す垂直断面図。 蓋体を備えた収納構造を一部破断して示す斜視図。 蓋体を裏面からみて示す斜視図。 蓋体の要部を裏面から見て示す要部斜視図。 受け段部に取り付けた蓋体を図22のC1−C1の位置で断面視して示す断面図。 蓋体を図22のC2−C2の位置で断面視して示す断面図。
以下、下記の順序に従って本発明の実施の形態について説明する。
(1)自動車の荷室構造の構成:
(2)自動車用デッキボードの構成:
(3)自動車用デッキボードの作用、効果:
(4)第二の実施形態:
(5)第三の実施形態:
(1)自動車の荷室構造の構成:
図1は本発明の一実施形態にかかる自動車用デッキボードを取り外した状態で自動車の後部内装を一部破断して示す斜視図であり、図2は自動車用デッキボード10をコ字状支持部材82と第三支持部86に取り付けた状態で自動車の後部内装を一部破断して示す斜視図であり、図3は自動車の後部内装の要部を上面から見て示す上面図である。図4はデッキボード本体20を裏面から見て示す下面図であり、図5は係合具を取り付けたデッキボード10を裏面から見て示す下面図であり、図6はデッキボード10を荷室に取り付けた状態でデッキボード10の側面の端面を示す端面図である。図7は第一係合具30の外観を裏面側から見て示す斜視図であり、図8は第二係合具40の外観を裏面側から見て示す斜視図であり、図9は第三係合具50の外観を裏面側から見て示す斜視図である。図10は前側ボード20aをコ字状支持部材82に取り付けた状態で前側ボード20aの側面の端面を示す要部端面図であり、図11は後側ボード20bを第三支持部86に取り付けた状態で後側ボード20bの側面の端面を示す要部端面図である。図12と図13はデッキボード10を荷室に取り付ける様子を側面から見て示す要部端面図である。
なお、デッキボード10について上下左右前後の位置関係を説明する際には、デッキボード10の取付時の位置を基準として説明することにする。
本実施形態の自動車は、道路上で使用されるように設計及び装備された路上走行自動車とされ、リヤシート92の後方に荷物を収容する荷室SP1が形成されるステーションワゴンタイプの乗用自動車とされている。本発明を適用可能な自動車には、フロントシートとリヤシートを備える2列シートタイプのモータビークル、さらにサードシートを備える3列シートタイプのモータビークル、フロントシートの後方であってリヤシートまたはサードシートの前方に荷室が形成されるモータビークル、等がある。
本実施形態の自動車の荷室構造は、リヤシート92の後方に形成される荷室SP1の両側壁94,94において上下方向の途中に立設されたコ字状支持部材82,82と第三支持部86,96とに対して自動車用デッキボード10が着脱可能に取り付けられ、また、デッキボード10が表、裏リバーシブルにデッキフロア96上に載置可能とされた構造とされている。デッキボード10が支持部材82,82と支持部86,86に取り付けられると、荷室SP1が上下に仕切られ、二つに分割された荷室SP2,SP3が形成される。これにより、下側の荷室SP3に荷物を収容しながらデッキボード上の荷室SP2に別の荷物を載置することができ、荷室空間を有効利用することができる。また、デッキボード10をデッキフロア96上に載置することにより、広い荷室SP1内でデッキボード上に大きな荷物を載置することができ、本荷室構造は便利である。
一対のコ字状支持部材82,82は、例えば金属製の円柱状部材をコ字状に曲げて形成され、図3に示すように、荷室の両側壁94,94の前部における高さ方向の途中において、長手方向を車幅方向に向けて比較的前側で車幅方向内側へ立設された一対の第一支持部83,83と、長手方向を車幅方向に向けて比較的後側で車幅方向内側へ立設された一対の第二支持部84,84と、長手方向を前後方向に向けて第一支持部83の車幅方向内側の端部と第二支持部84の車幅方向内側の端部とを架橋する架橋部85,85とを有している。むろん、支持部材は、パイプ状部材をコ字状に曲げて形成した部材等でもよい。支持部材82,82は、デッキボード本体20の前縁部20e側の車幅方向両縁部20g,20gを下側から支持する部材とされている。支持部材82,82は、荷室の両側壁94,94に対して移動しないように固定されていてもよいし、両側壁94,94に対して進退可能に取り付けられてもよい。
また、荷室の両側壁94,94の後部における高さ方向の途中には、一対の第二支持部84,84よりも後側でデッキボード本体20の後縁部20f側の車幅方向両縁部20g,20gを上面に載置する一対の段形状の第三支持部86,86が形成されている。各第三支持部には、上方に開口した係合穴87,87が形成されている。本係合穴87は、上下方向に貫通した貫通穴とされ、中心側となるほど下側となる座ぐり状に形成されている。
(2)自動車用デッキボードの構成:
自動車用デッキボード(樹脂製中空二重壁構造体)10は、取付時に荷室SP1を上下に仕切るデッキボード本体20と、このデッキボード本体20を支持部材82と第三支持部86に連結させるための係合具30,40,50とを有している。デッキボード本体20は、樹脂を有する素材を成形して中空部HO1を有する二重壁構造に形成された二重壁成形体22と、長手方向を車幅方向に向けて二重壁成形体の中空部HO1,HO2内に挿通された補強材28,29とを有している。デッキボード本体20は、中空部HO1内に補強材28を挿入した前側ボード20aと中空部HO2内に補強材29を挿入した後側ボード20bとが車幅方向を回転動作の中心軸としたヒンジ部20cにて連結された形状とされ、ヒンジ部20cを折り曲げるようにして後側ボード20bを回動させて前側ボード20a上に重ねることが可能とされている。デッキボード10を荷室SP1内に取り付けた状態で後側ボード20bを前側ボード20aの上に折り返すと、デッキボード10の下方の荷物を取り出すことができ、便利である。
二重壁成形体22は、樹脂を有する素材をブロー成形することにより、間隔をおいて対向する表壁22aおよび裏壁22bと、当該表壁22aおよび当該裏壁22bの周縁部を閉塞して中空部HO1,HO2を形成する周囲壁22cとが形成され、中空部を有する二重壁構造に形成されている。二重壁成形体22を成形するための素材には、少なくとも樹脂を有する素材を用いることができ、アクリロニトリルブタジエンスチレン樹脂(ABS樹脂)、ポリプロピレン(PP)、等の熱可塑性樹脂(合成樹脂の一種)、各種熱硬化性樹脂(合成樹脂の一種)、これらの樹脂に充てん材を添加した素材、等を用いることができる。本実施形態の二重壁成形体22は、熱可塑性樹脂をブロー成形して、表壁22aと裏壁22bとを溶着させて薄肉化させたヒンジ部20cを形成しながら、補強材28を挿入する前の前側ボードと補強材29を挿入する前の後側ボードとを一体的に形成している。樹脂を薄肉化させてヒンジ部を形成すると、前後ボード20a,bを折り畳み動作させるための新たな部品を取り付ける必要が無くなるので、デッキボードの製造コストを削減することが可能となる。
また、二重壁成形体22には、表壁22aの内壁と裏壁22bの内壁とを繋ぐインナーリブがブロー成形と同時に複数形成され、車幅方向に向けて複数列設けられている。インナーリブは、例えば特開平10−235720号公報に記載された手法で形成することができる。二重壁成形体内にインナーリブを形成すると、デッキボードの耐圧縮荷重性能を高めることができる。また、前側ボードの中空部HO1内には補強材28を前後で挟んで車幅方向にのみスライド可能に支持するインナーリブ22dおよび突起22eが形成され、後側ボードの中空部HO2内には補強材29を前後で挟んで車幅方向にのみスライド可能に支持する突起22fおよびインナーリブ22gが形成されている。
さらに、二重壁成形体22の裏面(デッキボード本体の下面20d)には、前縁部20e側の車幅方向両縁部20g,20gで上方へ凹んだ一対の凹部24,24が形成され、後縁部20f側の車幅方向両縁部20g,20gで上方へ凹んだ一対の第二凹部26,26が形成されている。凹部24,24の後側には、第二係合具40,40をねじ止めするためのねじ止め用穴が形成されている。凹部24,24の車幅方向内側の面には、補強材28の両端部28a,28aを二重壁成形体22から突き出させて露出させる開口24a,24aが形成されている。また、第二凹部26,26の車幅方向内側の面には、補強材29の両端部29a,29aを二重壁成形体22から突き出させて露出させる開口26a,26aが形成されている。
なお、デッキボード本体には、上記二重壁成形体の代わりに、射出成形による樹脂成形体、プレス成形による樹脂成形体、木質ボード、ハニカムボード、等を用いてもよい。
補強材28,29は、デッキボード10の強度を補強するものであり、例えば真っ直ぐな角筒状の金属製パイプとされ、二重壁成形体22のブロー成形後に長手方向を車幅方向に向けて二重壁成形体の中空部HO1,HO2内に挿通されている。同補強材28,29は、インナーリブ22d,gおよび突起22e,fにより二重壁成形体22に対して車幅方向にのみスライド可能に支持されている。補強材28,29は、二重壁成形体22の成形後の収縮に関わらない材質で形成され、鋼製やアルミニウム製の角パイプや丸パイプ等とすることができる。角パイプの場合には上下方向の厚みが二重壁成形体の表壁22aの内面と裏壁22bの内面との間隔より少し小さいパイプを補強材とし、丸パイプの場合には二重壁成形体の表壁22aの内面と裏壁22bの内面との間隔より少し小さい径のパイプを補強材とすればよい。
補強材28を前側ボード20a内に配設する際には、凹部24,24の一方の開口24aから二重壁成形体22内へ補強材の一端28aを挿入し、インナーリブ22dおよび突起22eに沿って補強材28を反対側の開口24aまで貫通させて所定位置に配置させればよい。補強材の両端部28a,28aは、第一係合具30,30をねじ止めするためのねじ止め用穴が形成されるとともに、二重壁成形体の両側縁部(20g,20g)よりも車幅方向内側とされ、各凹部24,24で露出するようになっている。また、補強材28を後側ボード20b内に配設する際には、第二凹部26,26の一方の開口26aから二重壁成形体22内へ補強材の一端29aを挿入し、インナーリブ22gおよび突起22fに沿って補強材29を反対側の開口26aまで貫通させて所定位置に配置させればよい。補強材の両端部29a,29aは、第三係合具50,50をねじ止めするためのねじ止め用穴が形成されるとともに、二重壁成形体の両側縁部(20g,20g)よりも車幅方向内側とされ、各第二凹部26,26で露出するようになっている。
ここで、表壁22aの内面と裏壁22bの内面との間隔は、突起22e,fの部分で補強材28,29の高さよりも若干狭くしてあり、突起22e,fに対向するインナーリブ22d,gへ補強材28,29を押しつけて前後方向へは移動しないように固定している。補強材28,29は、普段は樹脂成形された二重壁成形体22に対して位置ずれを起こさないが、成形体が熱等の影響で寸法変化をおこした場合には、これに打ち勝つ剛性を有しているので、相対的なずれ(フローティング)が起こる。これにより、補強材28,29の両端部間の長さは、変化しない。そして、補強材28の両端部28a,28aに一対の第一係合具30,30が取り付けられ、補強材29の両端部に一対の第三係合具50,50が取り付けられるようになっている。
以上説明したように、補強材28,29が中空部HO1,HO2内に挿入されているので、デッキボードの裏面を略平面にすることができる。従って、デッキボードをデッキフロア96に載置する際に表を上にするのみならず裏面を上側にして載置しても荷物の載置面が略平面となるため、デッキボードの表、裏がともに荷物の収納場所として好適となる。また、成形後に二重壁成形体が収縮しても当該収縮に関わらない材質からなる補強材の両端部に取り付けられている第一係合具30,30間や第三係合具50,50間には位置ずれが生じないので、二重壁成形体の寸法誤差によってデッキボード着脱操作の円滑性が低下することを防ぐことができる。
なお、補強材28,29における長手方向の両端部を除く中央側の1箇所だけを二重壁成形体22に固定してもよい。この場合でも、補強材28,29における二重壁成形体22に固定されていない部分では二重壁成形体22に対して長手方向にのみスライド可能に支持されていることになり、二重壁成形体22に固定されていない両端部28a,29aでは二重壁成形体22の寸法変化を逃して係合具間の位置ずれを生じさせず、デッキボード着脱操作の円滑性が低下することを防ぐことができる。
また、デッキボード本体20の表面に不織布等の表皮材を貼り付けて意匠性を高めてもよい。ここで、特公平4−53696号公報に記載されたように二重壁成形体のブロー成形と同時に表皮材を貼り付けてもよいし、二重壁成形体を形成した後に表皮材を接着してもよい。また、デッキボード本体の裏面には表皮材を貼り付けず代わりに水拭き可能となるよう皺を形成する加工を行うことにより表、裏で異なる意匠にして、デッキボードの表、裏を荷物の種類によって使い分けできるようにしてもよい。
一対の第一支持部(外部の構成体)83,83に取り付けられる一対の第一係合具(連結部材)30,30は、前側ボード20aの凹部24,24に取り付けられて固定され、第一支持部83,83に対して挟み込むことにより着脱可能に係合するとともに、係合時に第一支持部83,83の双方を通る車幅方向を仮想の回転軸AX1として回転動作可能とされている。第一係合具30,30は、例えば、熱可塑性樹脂等の合成樹脂を第一係合具の形状に成形することにより形成することができる。各第一係合具30,30は、デッキボード本体の下面20d(一般面)から下方へ突出しないよう、当該下面と略面一となるように各凹部24,24に取り付けられている。
図7に示すように、第一係合具30は、補強材28にねじ止めするためのねじ止め用穴30aを有する補強材連結部32が形成されているとともに、下面が前側となるほど下側となる傾斜面34aとされた基部34と、下面36aが前記傾斜面34aに合わせられて基部34から前方へ延出してデッキボード本体の凹部24との間で前側に開口AP1を形成する前方延出部36とが形成されている。また、補強材連結部32と基部34との間には、コ字状支持部材の架橋部85を受け入れるために前後方向に向けた溝32aが形成されている。第一係合具30は、凹部24に露出した補強材の端部28aに形成されたねじ止め用穴に補強材連結部32のねじ止め用穴30aを合わせて補強材28にねじ止めされて固定される。これにより、補強材に固定された第一係合具がデッキボードの回動操作の軸となるので強度が向上して回動操作を繰り返すときのデッキボードの耐久性を向上させ、左右の第一係合具30,30間の距離がずれにくいという利点が得られる。
図10に示すように、第一係合具30は、凹部24に取り付けられたときに、前方延出部36と凹部24との間で前側に開口AP1を形成する。ここで、前方延出部36と凹部24との間隔は第一支持部83の径よりも若干大きくしてあり、第一係合具30は第一支持部83を開口AP1から後方へ向かって挿入させて弾性変形することなく凹部24とで挟み込む。そして、第一係合具30は、凹部24とで第一支持部83に対して挟み込むことにより着脱可能に係合するとともに、係合時に一対の第一支持部83,83の双方を通る車幅方向を回転軸AX1として回転動作可能とされる。なお、前方延出部36の上面には上方へ延出して凹部24との間隔を狭めた延出部36bが形成されており、第一係合具30は回転動作時に第一支持部83から容易には脱落しないようになっている。
一対の第二支持部84,84に取り付けられる一対の第二係合具40,40は、一対の第一係合具30,30よりも後側で前側ボード20aの凹部24,24に取り付けられて固定され、一対の第二支持部84,84に対して上方から近接して弾性変形の後に着脱可能に係合する。第二係合具40,40は、例えば、熱可塑性樹脂等の弾性を示す合成樹脂を第二係合具の形状に成形することにより形成することができる。各第二係合具40,40は、デッキボード本体の下面20dから下方へ突出しないよう、当該下面と略面一となるように各凹部24,24に取り付けられている。
図8に示すように、第二係合具40は、デッキボード本体の凹部24にねじ止めするためのねじ止め用穴40aを有する本体部42が形成されているとともに、凹部24に取り付けられたときに下側に開口AP2を形成して第二支持部84を開口AP2から上方に向かって挿入させて弾性変形の後に挟持する一対の弾性部44,44が形成されている。本体部42の中央側はデッキボード本体20方向へ膨らんでおり、本体部42と弾性部44,44とが一体的に形成されている。弾性部44,44は、本体部42と繋がって略Ω字状とされ、薄く形成されて弾性を示すようにされ、第二支持部84への係合時に当該第二支持部84の一部を囲むように相対向して設けられている。第二係合具40は、デッキボード本体の凹部24に形成されたねじ止め用穴に本体部42のねじ止め用穴40aを合わせて凹部24にねじ止めされて固定される。
一対の第三支持部(外部の構成体)86,86に取り付けられる一対の第三係合具(連結部材)50,50は、後側ボード20bの第二凹部26,26に取り付けられて固定され、一対の第三支持部の係合穴87,87に対して上方から近接して着脱可能に係合する。各第三係合具50,50は、第三支持部86,86に対して第三支持部の係合穴87,87に上方から挿入して弾性変形の後に着脱可能に係合する可動部材56,56と、第二凹部26,26に取り付けられて固定されて可動部材56,56を所定範囲で前後方向へ位置を変更可能に保持する保持部材52,52とを有している。保持部材52,52や可動部材56,56は、例えば、熱可塑性樹脂等の合成樹脂を保持部材や可動部材の形状に成形することにより形成することができる。各第三係合具50,50は、デッキボード本体の下面20dから下方へ突出しないよう、当該下面と略面一となるように各第二凹部26,26に取り付けられている。
図9に示すように、保持部材52は、補強材29にねじ止めするためのねじ止め用穴50aを有する補強材連結部53と、第二凹部26に取り付けられたときに下面54bが補強材連結部53の下面53aよりも表側へ一段上がるとともに第二凹部26との間で隙間CL1を形成する可動部材保持部54とが一体的に形成されている。可動部材保持部54の上面は第二凹部26の下面から一段下がっており、これにより前記隙間CL1が形成される。可動部材保持部54には、車幅方向よりも前後方向の方が長い長穴とされた貫通穴54aが形成されている。可動部材56は、水平方向のどの向きにおいても貫通穴54aの車幅方向の長さよりも大きくされて第二凹部26と可動部材保持部54との間で前後方向へ所定範囲内でスライド可能に設けられる頭部57と、当該頭部から下方へ延出して貫通穴54aを貫通するとともに第三支持部の係合穴87に上方から挿入して弾性変形の後に第三支持部86に係合する係合片58とが一体的に形成されている。各係合片58は、細く形成されて弾性を示すようにされ、下端部は外側となるほど上側となるような曲面形状58aとされている。全ての係合片58をまとめたときの径は、貫通穴54aの車幅方向の長さよりも小さくされている。可動部材の係合片58を貫通穴54aに貫通させて保持部材52を第二凹部26に取り付けると、可動部材の頭部57が第二凹部26と保持部材52との間に挟まれ、隙間CL1から脱落しないようにされている。これにより、可動部材の脱落を防止する構造を別途設ける必要が無くなる。そして、可動部材56は、貫通穴54aの前後方向の長さで決まる所定範囲内で前後方向へスライド可能に保持される。これにより、デッキボード本体に前後方向の寸法誤差が生じても、可動部材56が前後方向へスライドすることにより第三支持部の係合穴87と係合することができる。
なお、貫通穴54aが前後方向よりも車幅方向の方が短くされているのは、二重壁成形体の成形後の収縮に関わらない金属製の補強材の両端部に保持部材が取り付けられているため、車幅方向には第三係合具間の寸法が高精度に保たれるからである。これにより、係合片58は車幅方向にはずれず、係合穴87に挿入されるときに前後方向へスムーズに誘導され、係合することができる。
第三係合具50は、可動部材の係合片58を上方から貫通穴54aに挿入した状態で、第二凹部26に露出した補強材の端部29aに形成されたねじ止め用穴に補強材連結部53のねじ止め用穴50aを合わせて補強材29にねじ止めされて固定される。これにより、補強材に固定された第三係合具を荷室の両側壁に形成された第三支持部に係合を繰り返すときのデッキボードの耐久性を向上させ、左右の第三係合具50,50間の距離がずれにくいという利点が得られる。
(3)自動車用デッキボードの作用、効果:
デッキボード10を支持部材82および第三支持部86に取り付けるとき、最初の段階では、前後ボード20a,bを折り畳んだ状態とすることができ、前側ボード20aを下側にしながら折り畳んだデッキボード10の後側を少し持ち上げ気味にして、前縁部20eをコ字状支持部材82,82に近づける。そして、図12に示すように第一係合具の傾斜面34a,34aを第二支持部84上に載置し、支持部材82上でデッキボード10を前方へ滑らせていく。すると、デッキボード10は支持部材の架橋部85上をスライドしていき、図13に示すように、第一係合具と凹部とで形成される開口AP1に対して第一支持部83が自然に入り、基部34が第一支持部83に突き当たるとそれ以上前進しなくなって位置決めされる。このとき、第一係合具30は弾性変形することなく第一支持部83を基部34に当接するまで誘導する。その結果、第一係合具30,30は、比較的前側で荷室の両側壁に立設された第一支持部83,83に対して円滑に挟み込むことにより着脱可能に係合する。このように、本デッキボードは、傾斜面34aがあることによって、荷室に対する取付操作をスムーズに行うことが可能となる。また、第一係合具が弾性変形することなく凹部とで第一支持部を挟み込むので、第一支持部への係合時に加える力が少なくて済む。さらに、第一係合具が前方に開口を形成するので、第一支持部と係合する位置によってデッキボード本体の寸法ばらつきが吸収されるとともに、デッキボードを傾けても第一支持部から脱落しない。
ここで、第一係合具30,30は第一支持部への係合時に第一支持部の双方を通る車幅方向を回転軸AX1として回転動作可能とされるので、第一係合具を固定したデッキボード本体20は、前記回転軸AX1を中心として回転操作可能とされる。これにより、第一支持部を中心としてデッキボード10を開閉操作すれば、デッキボードを完全には取り外さずにデッキボードの下の荷室SP3に対して大きな物の出し入れをすることができ、本デッキボードは便利である。
次に、図13の矢印に示すように、第一支持部に係合したデッキボード10の後側を下げるようにデッキボード10を回転操作し、第一係合具30,30よりも後側で前側ボード20aに取り付けられた第二係合具40,40を、比較的後側で荷室の両側壁に立設された第二支持部84,84に対して上方から近接させる。なお、このときにコ字状支持部材の架橋部85が第一係合具の溝32aに挿入していく。すると、弾性を有する各弾性部44は、下端が第二支持部84に接触すると互いに離反する方向へ撓み、その後、第二支持部84が本体部42に突き当たると弾性により元の形状に復元して、第二支持部84に係合する。第二係合具40,40が第二支持部84に対して弾性変形の後に着脱可能に係合するので、支持部材82に対して一対の弾性部を上から嵌め込むという簡単な操作でデッキボード10を円滑に取り付けることができる。また、コ字状支持部材の架橋部85,85上に凹部24,24が載置されて、デッキボード10はコ字状支持部材82,82上に安定して載置される。そして、第二係合具40が弾性を示して第二支持部84と係合するので、自動車走行中の振動によるがたつきが無くなり、異音が生じない。
さらに、前側ボード20a上に載置されている後側ボード20bを後側へ回動させる操作を行い、後側ボード20bに取り付けられた第三係合具50,50を、荷室の両側壁に形成された段差形状の第三支持部86に上方から近接させる。ここで、第三係合具の可動部材56は、所定範囲で前後方向へ位置を変更可能とされ、係合片58の下端部が外側となるほど上側となる曲面形状に形成されているので、デッキボード本体20に前後方向の寸法誤差があっても、座ぐり状に形成された係合穴87に対して前後方向に誘導され、自然と係合穴87に挿入する。すると、弾性を有する各係合片58は、互いに近接する方向へ撓み、その後、下端部が係合穴87を乗り越えると弾性により元の形状に復元して、第三支持部86に係合する。これにより、図6に示すように、デッキボード10が荷室SP1に取り付けられる。
一方、デッキボードを支持部材82および第三支持部86から取り外すとき、図6の矢印に示すように、まず、後側ボード20bの後側を上げるようにして後側ボード20bを回動操作し、第三支持部の係合穴87,87から第三係合具50,50の係合片を弾性変形の後に引き抜かせる。このとき、各係合片58は互いに近接する方向へ撓んで係合穴87を乗り越えた後、弾性により元の形状に復元する。そして、後側ボード20bを前側ボード20a上に重ね合わせる。次に、折り畳んだデッキボード10の後側を上げるようにデッキボード10を回転操作し、第二支持部84,84から第二係合具40,40を弾性変形の後に引き抜かせる。このとき、各弾性部44は、互いに離反する方向へ撓んで第二支持部84を乗り越えた後、弾性により元の形状に復元する。そして、第一支持部83,83に対して挟み込んだ方向とは反対の後方斜め上方向へデッキボード10を引く操作を行い、第一支持部83,83から第一係合具30,30の係合を解除させる。これにより、デッキボード10が荷室SP1から取り外される。
以上説明したように、デッキボード本体には前後方向に上述した三種類の係合具が取り付けられているので、デッキボードが重かったりデッキボードの前縁部まで手が届かなかったりしても各係合具を順に係合させることができ、取付操作を容易に行うことができる。また、デッキボード本体の前後方向に寸法誤差が吸収され、デッキボードを確実に各支持部に取り付けることができる。従って、デッキボードの着脱操作をより円滑にさせることができ、自動車走行中の振動によるがたつきを無くし、異音の発生を防ぐことが可能な自動車用デッキボードを提供することができる。
なお、本発明は、様々な変形例が考えられる。
上記支持部材82から架橋部85を省略し、第一支持部と第二支持部とを別部材としてもよい。
上記デッキボード本体は、折り畳む機能の無い一枚板状のデッキボード本体でもよい。
上記第一係合具に下側の前方延出部と上側の前方延出部を設けて両前方延出部により前側に開口を形成させ、両前方延出部で第一支持部を挟み込んで着脱可能かつ回転動作可能に係合させてもよい。
(4)第二の実施形態:
図14は本発明に係る樹脂製中空二重壁構造体からなるラゲッジボード(自動車用デッキボード)110を備えた自動車の要部を一部透視して示す斜視図、図15はラゲッジボード110の要部を裏面から見て示す要部底面図、図16はラゲッジボード110を図15のB1−B1の位置で断面視して示す断面図、図17はラゲッジボード110を図15のB2−B2の位置で断面視して示す断面図、図18は係合具130,140の外観を支持部183,184の外観とともに示す斜視図、図19はラゲッジボード110を開閉した様子を垂直断面にて示す断面図である。
本実施形態のラゲッジボード110は、シートの後方に形成される荷室SP4の両側壁において比較的前側で車幅方向内側へ立設された一対の第一支持部(183,183)と比較的後側で車幅方向内側へ立設された一対の第二支持部(184,184)とに対して着脱可能に取り付けられる。ラゲッジボード本体(ラゲッジボード110から係合具130,130,140,140を除いた部分)は、取付時に荷室SP4を上下に仕切り、ラゲッジボード110の下側に閉ざされたラゲッジルームSP5を形成する。
ラゲッジボード110は、中空部HO3内に補強材128,129を挿入した前側ボード120aと中空部HO4を形成した後側ボード120bとが車幅方向を回転動作の中心軸としたヒンジ部120cにて連結された形状とされ、ヒンジ部120cによって前後2つ折り可能となっている。二重壁成形体(ラゲッジボード本体から補強材128,129を除いた部分)は、熱可塑性樹脂等、少なくとも樹脂を有する素材から表壁、裏壁および周囲壁を有する形状に成形されて形成される。ラゲッジボード110は、熱可塑性樹脂をブロー成形して、表壁と裏壁とを溶着させて薄肉化させたヒンジ部120cを形成しながら、補強材を挿入する前の前側ボードと後側ボードとを一体的に形成している。
また、前側ボード120aの裏面には、前縁部側の車幅方向両縁部で上方へ凹んだ一対の凹部(124,124)が形成され、後縁部側の車幅方向両縁部で上方へ凹んだ一対の凹部(125,125)が形成されている。凹部124,124の車幅方向内側の面には補強材128の両端部を突き出させて露出させる開口が形成され、凹部125,125の車幅方向内側の面には補強材129の両端部を突き出させて露出させる開口が形成されている。
前側ボード120aには、その前端部と後端部とに二重壁成形体の成形後の冷却収縮に関わらない材質からなる補強材128,129を挿通している。本実施形態の補強材128,129は、それぞれ真っ直ぐな角筒状の金属製パイプとしている。補強材128の両端部はラゲッジボード110の両側縁部よりも車幅方向内側とされて凹部124,124内で露出し、補強材129の両端部はラゲッジボード110の両側縁部よりも車幅方向内側とされて凹部125,125内で露出している。従って、補強材128,129の両端部は、前側ボード120aの両端面から突出しないようになっている。本実施形態では、補強材128と補強材129とを同形状としている。
なお、二重壁成形体内には補強材128,129を車幅方向にのみスライド可能に支持するためのインナーリブおよび複数の突起が形成されており、補強材128,129は長手方向を車幅方向に向けて中空部HO3内に挿通されて二重壁成形体に対して長手方向にのみスライド可能に支持されている。
一対の第一係合具(連結部材)130,130は、前側の凹部124,124に取り付けられて固定され、第一支持部183,183に対して挟み込むことにより着脱可能に係合するとともに係合時に第一支持部183,183の双方を通る車幅方向を回転軸AX2として回転動作可能とされている。また、一対の第二係合具(連結部材)140,140は、後側の凹部125,125に取り付けられて固定され、第二支持部184,184に対して上方から近接して弾性変形の後に着脱可能に係合する。本実施形態では、第一係合具130と第二係合具140とを同形状としてあり、ともに熱可塑性樹脂等の弾性を示す合成樹脂を係合具の形状に成形することにより形成している。
第一係合具130は、凹部124に取り付けられたときに本ラゲッジボードの取付時の位置を基準として、上側に開口AP3を形成して補強材128の端部を開口AP3から挿入させて補強材128の端部と嵌合する補強材嵌合部132と、当該補強材嵌合部132の前側に設けられた基部134と、下側に開口AP4を形成して第一支持部183を開口AP4から上方に向かって挿入させて弾性変形の後に回転動作可能に挟持する一対の弾性部(第二弾性部)136,136とが一体的に形成されている。
第二係合具140は、上側に開口AP3を形成して補強材129の端部を開口AP3から挿入させて補強材129の端部と嵌合する補強材嵌合部142と、当該補強材嵌合部142の前側に設けられた基部144と、下側に開口AP4を形成して第二支持部184を開口AP4から上方に向かって挿入させて弾性変形の後に挟持する一対の弾性部146,146とが一体的に形成されている。
従来は樹脂製中空二重壁構造体の凹部に補強材の抜けを防ぐ蓋を取り付けていたが、上記係合具130,140は補強材の抜け止めのための蓋を兼ねているので当該蓋を別途用意する必要がなくなる。また、補強材と嵌合した第一係合具がラゲッジボードの回動操作の軸となるので回動操作を繰り返すときのラゲッジボードの耐久性を向上させることができる。
第一係合具130は、凹部124に挿入して当該凹部で露出した補強材128の端部に補強材嵌合部132を嵌め合わせることにより、補強材128の端部に抱持状態で固定されて凹部124に取り付けられる。第二係合具140は、凹部125に挿入して当該凹部で露出した補強材129の端部に補強材嵌合部142を嵌め合わせることにより、補強材129の端部に抱持状態で固定されて凹部125に取り付けられる。
ラゲッジボード110を取り付けるとき、最初の段階では、前後ボード120a,bを折り畳んだ状態とすることができ、前側ボード120aを下側にしながら折り畳んだラゲッジボード110の後側を少し持ち上げ気味にして、一対の第一係合具130,130を上方から第一支持部183,183に近接させる。すると、第二弾性部136の開口(AP4)に第一支持部183が挿入し、一対の第二弾性部136,136が弾性変形の後に第一支持部183を挟持するので、第一係合具130,130は第一支持部183,183に対して着脱可能に係合し、かつ、第一支持部183,183の双方を通る車幅方向を回転軸AX2として回転動作可能とされる。
次に、ラゲッジボード110の後側を下げるようにラゲッジボードを回転操作し、一対の第二係合具140,140を一対の第二支持部184,184に対して上方から近接させる。すると、弾性部146の開口(AP4)に第二支持部184が挿入し、一対の弾性部146,146が弾性変形の後に第二支持部184を挟持するので、第二係合具140,140は第二支持部184,184に対して着脱可能に係合する。これにより、自動車走行中の振動によるがたつきが生じず、異音が生じない。
そして、前側ボード120a上に載置されている後側ボード120bを後側へ回動させると、ラゲッジボード110が荷室SP4に取り付けられ、荷室SP4が上下に仕切られて、ラゲッジルームSP5が閉塞される。
ここで、ヒンジ部120cを軸として後側ボード120bを前側へ回動させると、ラゲッジボード110を取り外さなくてもラゲッジルームSP5に対して荷物の出し入れをすることができるので、本ラゲッジボードは便利である。
その後、折り畳んだラゲッジボード110の後側を上げるようにラゲッジボード110を回転操作し、第二支持部184,184から第二係合具140,140を弾性変形の後に引き抜かせる。さらに、第一支持部83,83に対して挟み込んだ方向とは反対の後方斜め上方向へデッキボード10を引く操作を行い、第一支持部83,83から第一係合具30,30の係合を解除させる。これにより、ラゲッジボード110が荷室SP4から取り外される。
以上より、本実施形態によっても、ラゲッジボードの着脱操作をより円滑にさせることができるとともに、自動車走行中の振動によるがたつきを防ぎ、異音の発生を防止することが可能となる。また、樹脂のブロー成形後に二重壁成形体が冷却収縮しても、補強材の両端部に取り付けられている連結部材間には位置ずれが生じないので、二重壁成形体の寸法誤差によるラゲッジボード着脱操作の円滑性の低下を防ぐことができる。
(5)第三の実施形態:
上述した自動車用デッキボードのように、上記二重壁成形体と上記補強材と上記一対の連結部材とを有する樹脂製中空二重壁構造体は、樹脂のブロー成形後に二重壁成形体が冷却収縮しても、補強材の両端部に取り付けられている連結部材間には位置ずれが生じない。
図20は本発明に係る樹脂製中空二重壁構造体からなる蓋体210を備えた収納構造を一部破断して示す斜視図、図21は蓋体210を裏面からみて示す斜視図、図22は蓋体210の要部を裏面から見て示す要部斜視図、図23は受け段部293に取り付けた蓋体210を図22のC1−C1の位置で断面視して示す断面図、図24は蓋体210を図22のC2−C2の位置で断面視して示す断面図である。
本発明を適用可能な樹脂製中空二重壁構造体は、建築物の内装壁、パーティション、扉、自動車のヘッドレスト、アームレスト、ラゲッジボード、等が考えられる。
蓋体210は、二重壁成形体222と補強材228と一対の連結部材230,230を有している。
二重壁成形体222は、少なくとも樹脂を有する素材をブロー成形することにより、間隔をおいて対向する表壁222aおよび裏壁222bと当該表壁および当該裏壁の周縁部を閉塞して中空部HO5を形成する周囲壁222cとが形成された成形体とされている。
蓋体210の裏面には、両縁部で上方へ凹んだ一対の凹部224,224が形成されている。凹部224,224の幅方向内側の面には補強材228の両端部を突き出させて露出させる開口が形成されている。
外部の構成体であるフロア体290では、収納部291が床面292から下がった陥没状に形成されており、収納部291の開口の周縁部は蓋体210を落とし込んで載置するための受け段部293とされている。受け段部293において蓋体210の連結部材230,230が載置される部分には、上方に向かって突出した嵌合凸部294,294が形成されている。
二重壁成形体222には、二重壁成形体の成形後の冷却収縮に関わらない材質からなる補強材228を挿通している。本実施形態の補強材228は、真っ直ぐな角筒状の金属製パイプとしている。補強材228の両端部は蓋体210の両側縁部よりも幅方向内側とされて凹部224内で露出している。従って、補強材228の両端部は、二重壁成形体222の両端面から突出しないようになっている。
なお、二重壁成形体222内には補強材228を長手方向にのみスライド可能に支持するためのインナーリブおよび複数の突起が形成されており、補強材228は長手方向を幅方向に向けて中空部HO5内に挿通されて二重壁成形体に対して長手方向にのみスライド可能に支持されている。
一対の連結部材230,230は、凹部224,224に取り付けられて固定され、嵌合凸部294,294に対して着脱可能に係合する。連結部材230は、例えば、熱可塑性樹脂等の弾性を示す合成樹脂を連結部材の形状に成形することにより形成することができる。
連結部材230は、補強材228の端部を開口から挿入させて補強材228の端部と嵌合する補強材嵌合部232と、図23において補強材嵌合部232の左横に設けられた基部234と、嵌合凸部294の一に合わせて開口させて形成した嵌合凹部236とが一体的に形成されている。そして、フロア体290に連結するため、補強材228の両端部に連結部材230,230が取り付けられている。
連結部材230は、凹部224に挿入して当該凹部で露出した補強材228の端部に補強材嵌合部232を嵌め合わせることにより、補強材228の端部に抱持状態で固定されて凹部224に取り付けられる。
嵌合凹部236,236の位置を嵌合凸部294,294の位置に合わせて上から蓋体210を受け段部293に押し込むと、嵌合凹部236,236と嵌合凸部294,294とが嵌合し、蓋体210がフロア体290に取り付けられる。一方、フロア体290に取り付けられた蓋体210を上方へ引っ張ると、嵌合凹部236,236から嵌合凸部294,294が抜け、蓋体210がフロア体290から取り外される。
従来、樹脂製中空二重壁構造体を外部の構成体に連結する際には、外部構成体の支持具に連結させる連結具を熱可塑性樹脂からなる包囲壁に取り付けていた。しかし、連結具を樹脂製中空二重壁構造体の包囲壁に取り付けると、成形後の冷却収縮の影響を受けて連結具に位置ずれが生じ、樹脂製中空二重壁構造体の着脱操作を円滑に行うことができないことがあった。本実施形態においては、樹脂の二重壁成形体内に挿入された補強材228は金属製など二重壁成形体の成形後の冷却収縮に関わらない材質のものであるから、補強材228の両端部に取り付けられている連結部材の嵌合凹部236,236と嵌合凸部294,294との相対的な位置関係にずれを起こすことはない。従って、二重壁成形体の寸法誤差による樹脂製中空二重壁構造体の外部構成体への連結性低下を防ぐことができる。
以上説明したように、本発明によると、種々の態様により、有用な樹脂製中空二重壁構造体を提供することができる。
10,110…自動車用デッキボード(樹脂製中空二重壁構造体)、
20…デッキボード本体、
20a,120a…前側ボード、20b,120b…後側ボード、
20c,120c…ヒンジ部、
20d…下面、20e…前縁部、20f…後縁部、20g…車幅方向両縁部、
22,222…二重壁成形体、
22a,222a…表壁、22b,222b…裏壁、22c,222c…周囲壁、
22d,g…インナーリブ、22e,f…突起、
24,124,125,224…凹部、24a…開口、
26…第二凹部、26a…開口、
28,29,128,129,228…補強材、
28a,29a…両端部、
30…第一係合具(連結部材)、30a…ねじ止め用穴、
32…補強材連結部、32a…溝、
34…基部、34a…傾斜面、
36…前方延出部、36a…下面、36b…延出部、
40…第二係合具、40a…ねじ止め用穴、
42…本体部、44…弾性部、
50…第三係合具(連結部材)、50a…ねじ止め用穴、
52…保持部材、
53…補強材連結部、53a…下面、
54…可動部材保持部、54a…貫通穴、54b…下面、
56…可動部材、
57…頭部、58…係合片、58a…曲面形状、
82…コ字状支持部材、
83,183…第一支持部、
84,184…第二支持部、
85…架橋部、
86…第三支持部、87…係合穴、
92…リヤシート、94…側壁、96…デッキフロア、
130…第一係合具(連結部材)、140…第二係合具(連結部材)、
132,142…補強材嵌合部、134,144…基部、
136…第二弾性部、
146…弾性部、
210…蓋体(樹脂製中空二重壁構造体)、
230…連結部材、
232…補強材嵌合部、234…基部、236…嵌合凹部、
290…フロア体、
291…収納部、292…床面、293…受け段部、294…嵌合凸部、
AP1,AP2,AP3,AP4…開口、
AX1,AX2…回転軸、
CL1…隙間、
HO1,HO2,HO3,HO4,HO5…中空部、
SP1,SP4…荷室、SP2,SP3…分割された荷室、SP5…ラゲッジルーム

Claims (1)

  1. 少なくとも樹脂を有する素材を成形することにより、間隔をおいて対向する表壁および裏壁と当該表壁および当該裏壁の周縁部を閉塞して中空部を形成する周囲壁とが形成された樹脂製中空二重壁構造体であって、
    少なくとも樹脂を有する素材から前記表壁、前記裏壁および前記周囲壁を有する形状に成形された二重壁成形体と、
    前記二重壁成形体の成形後の収縮に関わらない材質からなり、前記二重壁成形体の中空部内に挿通されて前記二重壁成形体に対して長手方向にのみスライド可能に支持されるとともに前記中空部内から両端部が前記二重壁成形体の外へ出た補強材と、
    外部の構成体に連結するために当該補強材の両端部に取り付けられた一対の連結部材とを備えることを特徴とする樹脂製中空二重壁構造体。
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