JP5915468B2 - 自動車の荷室構造 - Google Patents

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この発明は、車体リヤフロアパネルなどの車体フロア上に設置されシートバックが前倒可能な後席シートと、当該後席シートの後方で車体フロア上に突出して車幅方向にわたって延在する上ハット状部材と、車体フロア上に載置されたかさ上げ部材とを備えたような自動車の荷室構造に関する。
従来、ワゴン型自動車では、図9に示すように、後席シート80のシートバック81を同図に仮想線で示す如く前方へ倒伏させて荷室を拡大した時、荷室底面部の平坦化(フラット化)を確保する目的で、後席シート80の後方における車体リヤフロアパネル82上には、かさ上げ部材83が設けられている。
このかさ上げ部材83は複合樹脂発泡体により形成され、該かさ上げ部材83の上面には、熱可塑性合成樹脂製ボード84を介してマット85が敷設されている。
また、側突耐力の向上を図る目的で、後席シート80後方の車体リヤフロアパネル82下部に設けられたリヤクロスメンバ86に加えて、該車体リヤフロアパネル82上に突出して車幅方向にわたって延在する上ハット状部材87が設けられており、この上ハット状部材87が設けられた場合、上述のかさ上げ部材83は上ハット状部材87を跨いで前方に延長される構造が採用され、この際、シートバック81背面とかさ上げ部材83との間に、側面視でU字状に大きく撓ませた塞ぎ布88(連携部材)が、複数のクリップ89等の取付け部材を用いて、取付けられ、シートバック81の前倒時には該塞ぎ布88により、図9に仮想線で示すように、前倒させたシートバック81背面と、かさ上げ部材83との間を、略平坦に成すように構成されていた。
しかしながら、上述の塞ぎ布88を複数のクリップ89などの取付け部材を用いて、シートバック81背面とかさ上げ部材83との間にわたって取付ける必要がある。つまり、塞ぎ布88はシートバック81の背面と、かさ上げ部材83の前部との双方にそれぞれの布端部を取付ける必要があるので、組付け性が悪い問題点があった。
さらに、車両デザインの関係上、ルーフが後方にいく程、下方に下がる形状の車両やリヤオーバハングが比較的短い車両においては、荷室容量拡大のために、荷室底面の低床化が要請されていた。
つまり、荷室底面の低床化と、シートバック前倒時における平坦化構造(前倒させたシートバック背面と、かさ上げ部材との間の平坦化構造)のシンプル化とが要請されているのが現状である。
ところで、特許文献1には、荷室下面を形成するリヤフロアに敷設されたラゲッジカーペットを、シートバックの背面まで延長し、該シートバックが前倒された際に、上記ラゲッジカーペットを、荷室のリヤフロアからシートバックの背面まで連続させる構成が開示されている。
また、特許文献2には、前倒し可能なシートバックの背面と荷室床面にわたって敷設されるラゲージカーペットにおいて、シートバックと荷室との境界部分に対応している下面部分に、カーペットの素材よりも硬質材で形成されると共に、境界部分にヒンジを形成するための切り込みが入れられているプレート板を取り付けた構成が開示されている。
これら何れの特許文献1,2に開示された構成においても、シートバックの前倒時における平坦化を達成することができるものの、これら何れの従来構造においても、上記カーペットはシートバック背面と荷室床面との両者間にわたるものである以上、シートバック前倒時における平坦化構造のシンプル化達成のためには、さらなる改善の余地があった。
特開平11−278157号公報 特開平8−216794号公報
そこで、この発明は、後席シート後方の上ハット状部材と、上面部の高さが上ハット状部材の上面部の高さに略一致するかさ上げ部材と、かさ上げ部材および上ハット状部材の上部に敷設されるトランクマットとを有し、該トランクマットは、その前端部が自由端部であって前倒したシートバックに平面視で到達する前後長さを有し、トランクマットの下面側にはトランクマット敷設状態で少なくとも一部が上ハット状部材の上面部に重複する領域に平板状の合成樹脂製ボードを貼着することで、トランクマット側から該マットを延ばして自由端部とし、シートバックとの間の連携部材を省略でき、組付け性の向上を図ることができ、また、トランクマット前端部を自由端部としたことで不安定となるマット前端部は、下面側に貼着した平板状の合成樹脂製ボードの自重で上ハット状部材の上面部に着底させ安定して敷設することができ、平坦化構造のシンプル化と荷室底面の低床化との両立を図ることができる自動車の荷室構造の提供を目的とする。
この発明による自動車の荷室構造は、車体フロア上に設置されシートバックが前倒可能な後席シートと、当該後席シート後方で上記車体フロア上に突出して車幅方向にわたって延在する上ハット状部材と、該上ハット状部材の後方で上記車体フロア上に載置されてその上面部の高さが上記上ハット状部材の上面部の高さに略一致するかさ上げ部材と、該かさ上げ部材および上記上ハット状部材上部に敷設されるトランクマットとを有し、上記トランクマットは、その前端部が自由端部であって前倒した上記シートバックに平面視で到達する前後長さを有し、上記トランクマットの下面側であって該トランクマットの敷設状態で少なくとも一部が上記上ハット状部材の上面部に重複する領域に平板状の合成樹脂製ボードが貼着されたものである。
上述のかさ上げ部材は、軽量かつ耐衝撃性、耐摩耗性に優れるポリスチレン・ポリオレフィン複合樹脂発泡体(いわゆる発泡ビーズ)で形成することが好ましい。
また、上述の平板状の合成樹脂製ボードは、上下のシート体で周期的形状を有する縦壁部材を挟んで一体に成形された熱可塑性合成樹脂製ボード、いわゆる、段ボールプラスチックで形成することが好ましい。
上記構成によれば、かさ上げ部材の上面部の高さは、上ハット状部材の上面部の高さに略一致するので、かさ上げ部材が上ハット状部材を跨いで前方に延長される構造と比較して、荷室底面の低床化を図ることができる。
また、トランクマット側から該トランクマットを前方に延ばして、その前端部を、自由端部とし、該前端部が前倒したシートバックに平面視で到達する前後長さを有するので、従前のシートバックとの間の連携部材を省略することができ、その組付け性の向上を図ることができる。
さらに、トランクマット前端部を自由端部としたことで不安定となるマット前端部は、トランクマット下面側に貼着した平板状の合成樹脂製ボードの自重で上ハット状部材の上面部に着底させ安定して敷設することができ、平坦化構造のシンプル化を達成することができる。
要するに、前倒させたシートバック背面と、かさ上げ部材との間を略平坦と成す平坦化構造のシンプル化と、荷室底面の低床化との両立を図ることができる。
この発明の一実施態様においては、上記合成樹脂製ボードは、その前端部が上記上ハット状部材上面部前端と、前倒した上記シートバック後端部との間に位置する前後長さを有しているものである。
上記構成によれば、前倒させたシートバック後端部と、かさ上げ部材との間の隙間を、合成樹脂製ボードを利用して埋めることができる。
この発明の一実施態様においては、上記合成樹脂製ボードは、その後端部が、上記かさ上げ部材の前端部より前方で終止する前後長さを有しているものである。
上記構成によれば、かさ上げ部材の上面部には合成樹脂製ボードを設けることなく、この合成樹脂製ボードの上下方向の厚さ分に相当して、荷室底面のさらなる低床化を図り、荷室容量を確保することができる。
この発明によれば、後席シート後方の上ハット状部材と、上面部の高さが上ハット状部材の上面部の高さに略一致するかさ上げ部材と、かさ上げ部材および上ハット状部材の上部に敷設されるトランクマットとを有し、該トランクマットは、その前端部が自由端部であって前倒したシートバックに平面視で到達する前後長さを有し、トランクマットの下面側にはトランクマット敷設状態で少なくとも一部が上ハット状部材の上面部に重複する領域に平板状の合成樹脂製ボードを貼着したので、トランクマット側から該マットを延ばして自由端部とし、シートバックとの間の連携部材を省略でき、組付け性の向上を図ることができ、また、トランクマット前端部を自由端部としたことで不安定となるマット前端部は、下面側に貼着した平板状の合成樹脂製ボードの自重で上ハット状部材の上面部に着底させ安定して敷設することができ、平坦化構造のシンプル化と荷室底面の低床化との両立を図ることができる効果がある。
本発明の自動車の荷室構造を示す側面図 図1の要部拡大側面図 トランクマットおよび合成樹脂製ボードを示す底面図 図1からかさ上げ部材、トランクマット、合成樹脂製ボードを取外した状態で示す要部斜視図 リヤサイドトリムおよびかさ上げ部材の斜視図 合成樹脂製ボードの具体的構造を示す断面図 図1のA−A線矢視断面図 図1のB−B線矢視断面図 従来の自動車の荷室構造を示す側面図
トランクマット側から該マットを延ばして自由端部とし、シートバックとの間の連携部材を省略でき、組付け性の向上を図ることができ、また、トランクマット前端部を自由端部としたことで不安定となるマット前端部は、下面側に貼着した平板状の合成樹脂製ボードの自重で上ハット状部材の上面部に着底させ安定して敷設することができ、平坦化構造のシンプル化と荷室底面の低床化との両立を図るという目的を、車体フロア上に設置されシートバックが前倒可能な後席シートと、当該後席シート後方で上記車体フロア上に突出して車幅方向にわたって延在する上ハット状部材と、該上ハット状部材の後方で上記車体フロア上に載置されてその上面部の高さが上記上ハット状部材の上面部の高さに略一致するかさ上げ部材と、該かさ上げ部材および上記上ハット状部材上部に敷設されるトランクマットとを有し、上記トランクマットは、その前端部が自由端部であって前倒した上記シートバックに平面視で到達する前後長さを有し、上記トランクマットの下面側であって該トランクマットの敷設状態で少なくとも一部が上記上ハット状部材の上面部に重複する領域に平板状の合成樹脂製ボードを貼着するという構成にて実現した。
この発明の一実施例を以下図面に基づいて詳述する。
図面は自動車の荷室構造を示し、図1は同荷室構造を示す側面図、図2は図1の要部拡大側面図、図3はトランクマットおよび合成樹脂製ボードを示す底面図、図4は図1からかさ上げ部材としての成形トレイ、トランクマット、合成樹脂製ボードを取外した状態で示す要部斜視図、図5はリヤサイドトリムおよび成形トレイの斜視図、図6は合成樹脂製ボードの具体的構造を示す断面図、図7は図1のA−A線矢視断面図、図8は図1のB−B線矢視断面図である。
図1,図2において、車体フロントフロアパネル(図示せず)の後部に連続して前低後高状に傾斜するキックアップ部1(車体フロア)を設け、このキックアップ部1の上部後端から後方に向けて略水平に延びる車体リヤフロアパネル2(車体リヤフロアパンと同意であって、以下単にリヤフロアと略記する)を設けている。
上述のリヤフロア2の後部における車幅方向の中央部には、段下げ構造の凹部3が一体または一体的に形成される一方、図7,図8に示すように、リヤフロア2の左右両サイドを車両の前後方向に延在するリヤサイドフレーム4が設けられている。図3,図5以外の図面では自動車の荷室構造の構成を、車両右側についてのみを示すが、車両左側は車両右側と略左右対称に構成されているので、その図示を省略する。
図7,図8に示すように、上述のリヤサイドフレーム4は、リヤフロア2よりも上方に突出するフレームアッパ部材としてのリヤサイドフレームアッパ5と、断面逆ハット形状のリヤサイドフレームロア6とを備えている。
リヤサイドフレームアッパ5は、リヤホイールハウス7(詳しくは、リヤホイールハウスインナ)下部の車両前後方向の長さ範囲に対応する部分については、図7に示すように、上面部5aと、この上面部5aの車幅方向外側から上方に立上がる車外側側壁部5bと、上面部5aの車幅方向内側から下方に延びる車内側側壁部としてのフレーム縦壁部5cと、このフレーム縦壁部5cの下端から車幅方向内方に延びる接合フランジ部5dとを備えており、リヤホイールハウス7下部の車両前後方向の長さ範囲において、車外側側壁部5bをリヤホイールハウス7に接合固定すると共に、リヤサイドフレームアッパ5とリヤサイドフレームロア6との各接合フランジ部5d,6dで、リヤフロア2の車幅方向外側の端部をサンドイッチ状に挟持して、これら三者5d,2,6dを接合固定し、さらに、リヤサイドフレームロア6の車外側片を、リヤホイールハウス7の下端部に接合固定している。
また、上述のリヤサイドフレームアッパ5は、リヤホイールハウス7の下部後端よりも後方の部位については、図8に示すように、断面ハット形状に形成されており、リヤサイドフレームアッパ5とリヤサイドフレームロア6との車幅方向内側の各接合フランジ部5d,6dで、リヤフロア2の車幅方向外側の端部をサンドイッチ状に挟持して、これら三者5d,2,6dを接合固定すると共に、リヤサイドフレームアッパ5とリヤサイドフレームロア6との車幅方向外側の各接合フランジ部5e,6eで、リヤフロアエクステンションパネル8の車幅方向内側の端部をサンドイッチ状に挟持して、これら三者5e,8,6eを接合固定している。
ここで、リヤホイールハウス7はリヤサイドフレーム4の車外側で立上がる車体部材であり、また、上述のリヤフロアエクステンションパネル8は、リヤホイールハウス7の後部に連続するリヤサイドパネル9と、後述するリヤエンドパネル11とに接合固定されたものである。さらに、上述のリヤサイドフレーム4は上向き凸部としてのリヤサイドフレームアッパ5と、下向き凸部としてのリヤサイドフレームロア6との間で、車両の前後方向に延びるリヤサイド閉断面10を形成した車体強度部材であり、該リヤサイドフレーム4により下部車体剛性の高剛性化、特に後突耐力の向上を図っている。
図1に示すように、凹部3を有するリヤフロア2の後端部には、該凹部3を車両後方から塞ぐように、リヤエンドパネル11を立設固定している。このリヤエンドパネル11は車幅方向に延びるパネル部材であって、該リヤエンドパネル11の上側前部には車幅方向に延びるリヤエンドメンバ12を接合固定して、このリヤエンドメンバ12とリヤエンドパネル11上部との間には、車幅方向に延びるリヤエンド閉断面13を形成して、後部車体剛性の向上を図っている。
リヤエンドパネル11のさらに後方には、合成樹脂製のリヤバンパ(図示せず)を設ける一方、上述のリヤエンドメンバ12の前側および上側を、内装部材として車幅方向に延びるリヤエンドガーニッシュ14で覆っている。
図1,図2に示すように、車体フロアとしてのキックアップ部1の上部には、後席乗員の着座部を形成するシートクッション(図示せず)と、後席乗員の背もたれ面を形成するシートバック15Bと、後席乗員の頭部を保持するヘッドレスト15Hとを備えたリヤシート15が設置されている。このリヤシート15は図1に仮想線αで、また図2に実線でそれぞれ示すように、シートバック15B下部の回転支点16を中心として、該シートバック15Bが前方へ倒伏可能、つまり前倒可能に構成された後席シートである。
このリヤシート15はベンチシートであってもよく、または少なくとも左側シートバックと右側シートバックとが6:4に分割されたセパレートシートであってもよい。
図1,図2に示すように、後席シートとしてのリヤシート15後方で上述のキックアップ部1の傾斜後端部上面には、該キックアップ部1上に突出して車幅方向にわたって延在する上ハット状部材としてのリヤクロスメンバアッパ17を設けている。
また、キックアップ部1を隔ててリヤクロスメンバアッパ17と上下方向に対向するように、キックアップ部1の傾斜後端部下面には、車幅方向に延びるリヤクロスメンバロア18を設けている。
これら両者17,18は何れも車幅方向に延びるリヤクロスメンバ(いわゆるNo.4クロスメンバ)であって、上側のリヤクロスメンバアッパ17は左右のリヤサイドフレームアッパ5,5間に車幅方向に張架されており、下側のリヤクロスメンバロア18は左右のリヤサイドフレームロア6,6間に車幅方向に張架されている。
また、リヤクロスメンバアッパ17とキックアップ部1上面との間、並びに、リヤクロスメンバロア18とキックアップ部1下面との間には、上下方向にオーバラップする閉断面19,20が形成されていて、この上下2重の閉断面構造により、車体剛性の向上、特に、側突耐力の向上を図るように構成している。
図1,図2,図5,図7,図8に示すように、リヤフロア2の凹部3にその底面が合致して設置され上方開口の複数の収容凹部21,22,23,24を有するかさ上げ部材としての成形トレイ25が設けられている。
図1,図2に示すように、該成形トレイ25の前部には、リヤクロスメンバアッパ17の後方でリヤフロア2上に載置されてその上面部26aの高さがリヤクロスメンバアッパ17の上面部17aの高さに略一致するかさ上げ部26が一体形成されている。
このかさ上げ部26を含む成形トレイ25は、軽量かつ耐衝撃性、耐摩耗性に優れたポリスチレン・ポリオレフィン複合樹脂発泡体(いわゆる発泡ビーズ)で構成されている。
さらに、図1,図2,図7,図8に示すように、かさ上げ部26を含む成形トレイ25と、上ハット状部材としてのリヤクロスメンバアッパ17上部とを覆って荷室底面27をなすトランクマット28を設けている。このトランクマット28は、その前端部が自由端に設定されると共に、その後端部はリヤエンドガーニッシュ14に至るまで後方に向けて延設されている。
また、図1,図4,図5,図7,図8に示すように、リヤホイールハウス7とリヤサイドパネル9とを車室内側から覆って荷室側壁部29をなすリヤサイドトリム30を設けている。図5に斜視図で示すように、該リヤサイドトリム30は前述のリヤエンドガーニッシュ14と連続するように形成されている。
図1,図2に示すように、上述のトランクマット28は、その前端部28aが自由端部に設定されており、図1に示す如くシートバック15Bを通常着座状態に起立させた時には、トランクマット28の前端部28aがシートバック15Bの背面下部に当接し、シートバック15Bを図1に仮想線αで、また図2に実線で示すように前倒させた時には、トランクマット28の前端部28aが平面視で前倒したシートバック15B後端部に到達する長さを有しており、これにより、前倒したシートバック15Bとかさ上げ部26との間の隙間、詳しくは、シートバック15Bとリヤクロスメンバアッパ17との間の隙間を埋めるように構成している。
また、図2に示すように、リヤクロスメンバアッパ17の取付け位置と対応するトランクマット28の前部下面側であって、該トランクマット28の敷設状態で少なくとも一部がリヤクロスメンバアッパ17の上面部17aに重複する領域には、平板状の合成樹脂製ボード31が貼着されている。
上述の平板状の合成樹脂製ボード31は、図6に断面図で示すように、周期的形状を有する縦壁部材32を、上下のシート体33,34で挟んで一体に成形したものであり、縦壁部材32、シート体33,34としては、ポリプロピレン(いわゆるPP)などの熱可塑性樹脂を用いることができる。この合成樹脂製ボード31(いわゆる段ボールプラスチック)は、強度と低質量に優れた板状材であり、以下、前部樹脂ボード31と略記する。
一方、図4に示すように、リヤサイドトリム30の前側下部には、上端から下端にかけて次第に車幅方向内方に出っ張る突部30aが一体形成されており、上述のトランクマット28の車幅方向両サイド前部には、図3に示すように、該突部30aを回避するための凹部28b,28bが形成されている。
図3に示すように、トランクマット28の前部下面側に貼着された前部樹脂ボード31は、トランクマット28の車幅方向の全幅にわたることなく、リヤクロスメンバアッパ17の上面部17aの車幅方向の長さと略等しい長さを有するように形成されている。
図2に示すように、上述の前部樹脂モード31は、その前端部31aがリヤクロスメンバアッパ17の上面部17a前端と、前倒したシートバック15B後端部との間に位置する前後長を有する。換言すれば、前部樹脂ボード31の前端部31aは、上ハット状部材であるリヤクロスメンバアッパ17よりも前方であって、かつ、前倒したシートバック15Bの後端部よりも後方位置までの間に及ぶ前後長さを有するものである。但し、上記前端部31aの位置は前倒したシートバック15Bの後端部に可及的近接する位置が好ましい。また、前部樹脂ボード31の後端部31bは、かさ上げ部26の前端部よりも前方で終止する前後長さを有しており、これにより、前部樹脂ボード31の前後方向の長さの最適化を図っている。
特に、トランクマット28の前端部28aを自由端部に成して、該トランクマット28の前部下面側に前部樹脂ボード31を貼着することで、図2に仮想線βで示す状態から同図に実線で示すように、トランクマット28の前部を前部樹脂ボード31の自重でリヤクロスメンバアッパ17の上面部17aに着底させ安定して敷設するように構成している。つまり、リヤクロスメンバアッパ17の上面部17aに前部樹脂ボード31を直接載置するように構成している。
ところで、図1のA−A線矢視断面図を図7に示すように、リヤサイドトリム30は、荷室側壁部29を形成する部位の下部で車幅方向内方に向けて略水平方向に張り出し、上述のリヤサイドフレームアッパ5の上面部5aに着底すると共に、これを覆うトリム張出部30bを有している。
図7に示すように、このトリム張出部30bは、フレームアッパ部材としてのリヤサイドフレームアッパ5の車幅方向内側のフレーム縦壁部5cに合致して下方に折り曲げられた折曲部30cを有しており、この折曲部30cがフレーム縦壁部5cを車幅方向内側から覆ってリヤフロア2上面に近接する長さを有している。
リヤサイドトリム30のトリム張出部30bおよび折曲部30cの構造は、左右略対称に構成されており、図7に示すように、上述のトランクマット28はトリム張出部30bの上面全体を覆う車幅方向の幅を有している。
図7に示すように、リヤフロア2の凹部3に設置された成形トレイ25は、車幅方向外側に向かって延びてリヤサイドフレームアッパ5の車内側側壁部であるフレーム縦壁部5cに向かうトレイ延設部25aを有している。
成形トレイ25のトレイ延設部25aはリヤフロア2に上載されており、また、敷設されるトランクマット28が平坦となるように上述のトレイ延設部25aの上面部25bが、リヤサイドトリム30のトリム張出部30bの上面部と略同じ高さを有するように形成されている。
図3,図7,図8に示すように、トランクマット28の下面側において成形トレイ25の左右のトレイ延設部25a,25aの間にわたる部位に合成樹脂製ボード40が貼着されている。
この合成樹脂製ボード40も前部樹脂ボード31と同様に、周期的形状を有する縦壁部材32を、上下のシート体33,34で挟んで一体に成形したものであり(図6参照)、縦壁部材32、シート体33,34としては、ポリプロピレン(いわゆるPP)などの熱可塑性樹脂を用いることができ、この合成樹脂製ボード40(いわゆる段ボールプラスチック)は、強度と低質量に優れた板状材であって、以下、後部樹脂ボード40と略記する。
図3と図5との対比から明らかなように、成形トレイ25の上面部の車幅方向内側部位には、上述の後部樹脂ボード40の外縁に合致して、該樹脂ボード40を載置収容する段下げ構造の段差部25cが形成されている。
ここで、上述の成形トレイ25の各収容凹部21,22,23,24には、ジャッキ等のパンク修理キットや、その他のツールまたは荷物が収容され、複数の収容凹部21〜24の上方開口は、後部樹脂ボード40およびトランクマット28で覆われ、このトランクマット28により荷室底面27が形成されるものである。
なお、図中、42はリヤサイドトリム30の側面凹部に開口形成された開口部41(図8参照)を着脱可能に覆う蓋部材、43はリヤフロア2の凹部3下面における前後方向中間位置において車幅方向に延びるNo.5クロスメンバである。また、図中、矢印Fは車両前方を示し、矢印Rは車両後方を示し、矢印INは車幅方向の内方を示し、矢印OUTは車幅方向の外方を示す。
このように、上記実施例の自動車の荷室構造は、車体フロア(キックアップ部1参照)上に設置されシートバック15Bが前倒可能な後席シート(リヤシート15参照)と、当該後席シート(リヤシート15)後方で上記車体フロア(キックアップ部1)上に突出して車幅方向にわたって延在する上ハット状部材(リヤクロスメンバアッパ17参照)と、該上ハット状部材(リヤクロスメンバアッパ17)の後方で上記車体フロア(キックアップ部1を含むリヤフロア2参照)上に載置されてその上面部26aの高さが上記上ハット状部材(リヤクロスメンバアッパ17)の上面部17aの高さに略一致するかさ上げ部材(かさ上げ部26を備えた成形トレイ25参照)と、該かさ上げ部材(成形トレイ25参照)および上記上ハット状部材(リヤクロスメンバアッパ17)上部に敷設されるトランクマット28とを有し、上記トランクマット28は、その前端部28aが自由端部であって前倒した上記シートバック15Bに平面視で到達する前後長さを有し、上記トランクマット28の下面側であって該トランクマット28の敷設状態で少なくとも一部が上記上ハット状部材(リヤクロスメンバアッパ17)の上面部17aに重複する領域に平板状の合成樹脂製ボード(前部樹脂ボード31参照)が貼着されたものである(図1,図2参照)。
上述のかさ上げ部材(かさ上げ部26を有する成形トレイ25参照)は、軽量かつ耐衝撃性、耐摩耗性に優れるポリスチレン・ポリオレフィン複合樹脂発泡体で形成されている。
また、上述の前部樹脂ボード31は、上下のシート体33,34で周期的形状を有する縦壁部材32を挟んで一体に成形された熱可塑性合成樹脂製ボード、いわゆる、段ボールプラスチック(図6参照)で形成されている。
この構成によれば、かさ上げ部材(かさ上げ部26を有する成形トレイ25参照)の上面部26aの高さは、上ハット状部材(リヤクロスメンバアッパ17参照)の上面部17aの高さに略一致するので、かさ上げ部材が上ハット状部材を跨いで前方に延長される従来構造(図9参照)と比較して、荷室底面27の低床化を図ることができる。
また、トランクマット28側から該トランクマット28を前方に延ばして、その前端部28aを、自由端部とし、該前端部28aが前倒したシートバック15Bに平面視で到達する前後長さを有するので、従前のシートバックとの間の連携部材を省略することができ、その組付け性の向上を図ることができる。
さらに、トランクマット28の前端部28aを自由端部としたことで不安定となるマット前端部28aは、トランクマット28下面側に貼着した平板状の前部樹脂ボード31の自重で上ハット状部材(リヤクロスメンバアッパ17)の上面部17aに着底させ安定して敷設することができ、平坦化構造のシンプル化を達成することができる。
要するに、前倒させたシートバック15B背面と、かさ上げ部材(かさ上げ部26を有する成形トレイ25、特に、そのかさ上げ部26参照)との間を略平坦と成す平坦化構造のシンプル化と、荷室底面27の低床化との両立を図ることができる。
また、上記合成樹脂製ボード(前部樹脂ボード31参照)は、その前端部31aが上記上ハット状部材(リヤクロスメンバアッパ17参照)の上面部17a前端と、前倒した上記シートバック15Bの後端部との間に位置する前後長さを有しているものである(図2参照)。
この構成によれば、前倒させたシートバック15B後端部と、かさ上げ部材(特に、かさ上げ部26参照)との間の隙間を、合成樹脂製ボード(前部樹脂ボード31参照)を利用して埋めることができる。
さらに、上記合成樹脂製ボード(前部樹脂ボード31参照)は、その後端部31bが、上記かさ上げ部材(かさ上げ部26を有する成形トレイ25参照)の前端部より前方で終止する前後長さを有しているものである(図2参照)。
この構成によれば、かさ上げ部材(特に、かさ上げ部26参照)の上面部26aには合成樹脂製ボード(前部樹脂ボード31参照)を設けることなく、この合成樹脂製ボード(前部樹脂ボード31)の上下方向の厚さ分に相当して、荷室底面27のさらなる低床化を図り、荷室容量を確保することができる。
この発明の構成と、上述の実施例との対応において、
この発明の車体フロアは、実施例のキックアップ部1、リヤフロア2(車体リヤフロアパネル)に対応し、
以下同様に、
後席シートは、リヤシート15に対応し、
上ハット状部材は、リヤクロスメンバアッパに対応し、
かさ上げ部材は、かさ上げ部26を備えた成形トレイ25に対応し、
合成樹脂製ボードは、前部樹脂ボード31に対応するも、
この発明は、上述の実施例の構成のみに限定されるものではない。
以上説明したように、本発明は、車体フロア上に設置されシートバックが前倒可能な後席シートと、当該後席シートの後方で車体フロア上に突出して車幅方向にわたって延在する上ハット状部材と、車体フロア上に載置されたかさ上げ部材とを備えたような自動車の荷室構造について有用である。
1…キックアップ部(車体フロア)
2…リヤフロア(車体フロア)
15…リヤシート(後席シート)
15B…シートバック
17…リヤクロスメンバアッパ(上ハット状部材)
17a…上面部
25…成形トレイ(かさ上げ部材)
26…かさ上げ部(かさ上げ部材)
26a…上面部
28…トランクマット
28a…前端部
31…前部樹脂ボード(合成樹脂製ボード)
31a…前端部
31b…後端部

Claims (3)

  1. 車体フロア上に設置されシートバックが前倒可能な後席シートと、
    当該後席シート後方で上記車体フロア上に突出して車幅方向にわたって延在する上ハット状部材と、
    該上ハット状部材の後方で上記車体フロア上に載置されてその上面部の高さが上記上ハット状部材の上面部の高さに略一致するかさ上げ部材と、
    該かさ上げ部材および上記上ハット状部材上部に敷設されるトランクマットとを有し、
    上記トランクマットは、その前端部が自由端部であって前倒した上記シートバックに平面視で到達する前後長さを有し、
    上記トランクマットの下面側であって該トランクマットの敷設状態で少なくとも一部が上記上ハット状部材の上面部に重複する領域に平板状の合成樹脂製ボードが貼着されたことを特徴とする
    自動車の荷室構造。
  2. 上記合成樹脂製ボードは、その前端部が上記上ハット状部材上面部前端と、前倒した上記シートバック後端部との間に位置する前後長さを有している
    請求項1記載の自動車の荷室構造。
  3. 上記合成樹脂製ボードは、その後端部が、上記かさ上げ部材の前端部より前方で終止する前後長さを有している
    請求項2記載の自動車の荷室構造。
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