JP5440851B2 - 車両の荷室構造 - Google Patents
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Description
後ろ上がりに傾斜したシートバックの車両後方側の荷室を上部荷室と下部荷室に仕切るラゲッジボードを備えている車両の荷室構造に関する。
この構造は、ラゲッジボードの側部(以下、「リッド」と称する)を車両前後方向に沿う軸芯周りに開閉することにより、リッドの下方の小物収納部を開閉する構造となっている。
しかしながら、荷室の前方には乗員用のシートが配置され、シートのシートバックは上方に行くほど車両後方側に傾斜して荷室に侵入した状態となることから、ラゲッジボードのリッドをシートバックの下端部の直前まで近づけて配置すると、リッドを車両前後方向に沿う軸芯周りに開放操作した時に、リッドがシートバックの背面に受け止められてリッドを開放できなくなる。
そのために、従来の車両の荷室構造では、ラゲッジボードの前端部をシートバックの背面から車両後方側に離してリッドを開閉できるようにしてあった。
本発明の目的は、下部荷室の容量を大きくすることができる車両の荷室構造を提供する点にある。
後ろ上がりに傾斜したシートバックの車両後方側の荷室を上部荷室と下部荷室に仕切るラゲッジボードを備えている車両の荷室構造であって、
前記ラゲッジボードの前端部は、前記シートバックの背面に近接して平面視で前記シートバックに重複し、
前記ラゲッジボードの側部が車両前後方向に沿う軸芯周りに揺動開閉することを許容する第1ヒンジ部が前記ラゲッジボードに設けられ、
前記ラゲッジボードの側部の揺動開閉が前記シートバックによって阻止されないように、前記ラゲッジボードの側部の前端部が前記シートバックから退避する方向に折曲することを許容する第2ヒンジ部が前記ラゲッジボードの側部に設けられている点にある。(請求項1)
従って、荷室からラゲッジボードを取り出す事無く、ラゲッジボードの側部の下方の下部荷室に容易にアクセスできる。そして、ラゲッジボードの前端部がシートバックの背面に近接して平面視でシートバックに重複しているから、限られたスペースの中で前記下部荷室の収納容量を充分確保することができ、下部荷室の容量を大きくすることができる。(請求項1)
前記ラゲッジボードの側部が閉じ状態から開き揺動するに伴って、前記ラゲッジボードの側部の前端部が前記シートバックに押圧されて前記ラゲッジボードの側部の裏面側に折曲し、
前記ラゲッジボードの側部が開き状態から閉じ揺動するに伴って、前記ラゲッジボードの側部の前端部が前記シートバックに押圧されて前記ラゲッジボードの側部の表側の面側に折曲すると、次の作用を奏することができる。(請求項2)
また、ラゲッジボードの側部が開き状態から閉じ揺動するに伴って、ラゲッジボードの側部の前端部がシートバックに押圧されてラゲッジボードの側部の表側の面側に折曲するから、ラゲッジボードの側部を閉じ揺動させる際に、ラゲッジボードの側部の前端部をラゲッジボードの側部の表側の面側に折曲する人為的な操作が不要になる。
従って、ラゲッジボードの側部の開閉作業の作業性を向上させることができる。(請求項2)
前記ラゲッジボードは、それぞれ可撓性を備えた上側シート材と下側シート材で芯材を挟み込んで構成され、
前記ラゲッジボードの側部の前端部と前記前端部以外の残部との境界で、前記芯材と上側シート材と下側シート材のうち前記芯材だけを分割して前記第2ヒンジ部が構成されていると、次の作用を奏することができる。(請求項3)
また、前記第2ヒンジ部を形成する芯材の分割部を可撓性を備えた上側シート材と下側シート材で覆ったので、ラゲッジボードの側部の開閉動作、及びラゲッジボードの側部の前端部の折曲動作に対する第2ヒンジ部の耐久性を向上させることができる。
そして、前記分割部の分割面が露出しないのでラゲッジボードの外観を向上させることができる。
さらに、前記分割面がシートバックの背面の表皮材に直接接触しないので、前記分割面によるシートバックの背面の表皮材の損傷を回避することができる。(請求項3)
前記ラゲッジボードの側部と前記側部以外の残部との境界で、前記芯材と上側シート材と下側シート材のうち前記芯材と下側のシート材を分割して前記第1ヒンジ部が構成されていると、ラゲッジボードの側部の開閉に対して十分な柔軟性を確保することができる。(請求項4)
シートクッションから車両後方側に延出したフレームに前記第2ヒンジ部の前端部が下方から受け止め支持されていると、ラゲッジボードの側部に第2ヒンジ部が設けられていても第2ヒンジ部の前端部の剛性を向上させることができ、荷物載置時のラゲッジボードに要求される剛性を十分確保することができる。(請求項5)
前記第2ヒンジ部は車両後方側ほどシート幅方向外側に位置し、
前記第2ヒンジ部の前端部が前記第1ヒンジ部の前端部付近に位置していると、ラゲッジボードの側部の前端部を第2ヒンジ部を中心に円滑に揺動開閉させることができる。(請求項6)
下部荷室の容量を大きくすることができる車両の荷室構造を提供することができた。
図1,図2に、シートバック3の車両後方側Rrの荷室60を上部荷室61と下部荷室62に仕切るラゲッジボード100を備えた自動車の荷室構造を示してある。前記荷室60は、シートバック3と、スペアタイヤ収容凹部65を備えたリアフロアのフロアパネル6と、左右の内側壁を形成する左右一対の樹脂製の内装トリム5(クォータトリム)と、後壁を形成するテールエンドトリム66とで形成されている。
スペアタイヤTは車両装着タイヤに不具合が生じた時の応急用代替部品としての役割を担っている。このスペアタイヤTを使用する際には、右側のラゲッジボックス8に収納されているジャッキ9等のツール類も同時に使用する必要が生じる。
図1,図2,図4,図5に示すように、ラゲッジボード100のリッドとしての側部30が車両前後方向に沿う軸芯O周りに揺動開閉することを許容する第1ヒンジ部L1がラゲッジボード100に設けられている。前記ラゲッジボード100の側部30は左側のラゲッジボックス7の幅よりも少し広幅に設定されて、左側のラゲッジボックス7の開口及び開口周縁部を覆っている。
(1) 前記第1ヒンジ部L1がラゲッジボード100に設けられ、第2ヒンジ部L2がラゲッジボード100の側部30に設けられているから、ラゲッジボード100の前端部100Aがシートバック3の背面3Hに近接して平面視でシートバック3に重複していても、ラゲッジボード100の側部30をシートバック3に引っ掛からせる事無く開閉することができる(図5(a),図5(b)〜図7(a),図7(b)参照)。
従って、荷室60からラゲッジボード100を取り出す事無く、小物入れとしてのラゲッジボックス7,8に容易にアクセスできる。そして、ラゲッジボード100の前端部100Aがシートバック3の背面3Hに近接して平面視でシートバック3に重複しているから、限られたスペースの中で左側のラゲッジボックス7の小物の収納容量を充分確保することができ、下部荷室62の容量を大きくすることができる。
そして、前記分割部の分割面が露出しないのでラゲッジボード100の外観を向上させることができる。
さらに、前記分割面がシートバック3の背面3Hの表皮材50に直接接触しないので、前記分割面によるシートバック3の背面3Hの表皮材の損傷を回避することができる。
3 シートバック
3H シートバックの背面
10 フレーム(ワイヤーフレーム)
30 ラゲッジボードの側部
31 側部以外の残部(ラゲッジボードの側部以外の残部)
40 ラゲッジボードの側部の前端部
41 前端部以外の残部(ラゲッジボードの側部の前端部以外の残部)
50 上側シート材(表皮材)
51 芯材(木質ハードボード)
52 下側シート材(フェルト材)
60 荷室
61 上部荷室
62 下部荷室
100 ラゲッジボード
100A ラゲッジボードの前端部
L1 第1ヒンジ部
L2 第2ヒンジ部
O 軸芯
Rr 車両後方側
W2 シート幅方向外側
Claims (6)
- 後ろ上がりに傾斜したシートバックの車両後方側の荷室を上部荷室と下部荷室に仕切るラゲッジボードを備えている車両の荷室構造であって、
前記ラゲッジボードの前端部は、前記シートバックの背面に近接して平面視で前記シートバックに重複し、
前記ラゲッジボードの側部が車両前後方向に沿う軸芯周りに揺動開閉することを許容する第1ヒンジ部が前記ラゲッジボードに設けられ、
前記ラゲッジボードの側部の揺動開閉が前記シートバックによって阻止されないように、前記ラゲッジボードの側部の前端部が前記シートバックから退避する方向に折曲することを許容する第2ヒンジ部が前記ラゲッジボードの側部に設けられている車両の荷室構造。 - 前記ラゲッジボードの側部が閉じ状態から開き揺動するに伴って、前記ラゲッジボードの側部の前端部が前記シートバックに押圧されて前記ラゲッジボードの側部の裏面側に折曲し、
前記ラゲッジボードの側部が開き状態から閉じ揺動するに伴って、前記ラゲッジボードの側部の前端部が前記シートバックに押圧されて前記ラゲッジボードの側部の表側の面側に折曲する請求項1記載の車両の荷室構造。 - 前記ラゲッジボードは、それぞれ可撓性を備えた上側シート材と下側シート材で芯材を挟み込んで構成され、
前記ラゲッジボードの側部の前端部と前記前端部以外の残部との境界で、前記芯材と上側シート材と下側シート材のうち前記芯材だけを分割して前記第2ヒンジ部が構成されている請求項1又は2記載の車両の荷室構造。 - 前記ラゲッジボードの側部と前記側部以外の残部との境界で、前記芯材と上側シート材と下側シート材のうち前記芯材と下側のシート材を分割して前記第1ヒンジ部が構成されている請求3に記載の車両の荷室構造。
- シートクッションから車両後方側に延出したフレームに前記第2ヒンジ部の前端部が下方から受け止め支持されている請求項1〜4のいずれか一つに記載の車両の荷室構造。
- 前記第2ヒンジ部は車両後方側ほどシート幅方向外側に位置し、
前記第2ヒンジ部の前端部が前記第1ヒンジ部の前端部付近に位置している請求項1〜5のいずれか一つに記載の車両の荷室構造。
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- 2009-12-11 JP JP2009281671A patent/JP5440851B2/ja active Active
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