JP4704198B2 - 車両用デッキボード - Google Patents
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Description
より詳しくは、蓋部が多数形成され、蓋部を開閉する自由度の高い車両用デッキボードに関する。
そして、この収納室は底部を有しその開口部にはそれを覆うように車両用デッキボードが備わっており、いわゆる扉型の蓋体を形成している。
従って、デッキボードを直線状のヒンジの部分を起点として自由に開閉することができる利点がある。
しかし、ヒンジ部はデッキボードを横断するように直線状に形成されていることから、ヒンジ部を境として両蓋側に荷物等が載置されている場合には、その荷物が支障となり開けることができない。
そのために蓋上の荷物等を取り除いてから開かなくてはならず面倒である。
このようにデッキボードを開く際に、その上に載置された荷物等により開ける際の方向性に制限を受ける問題点があった。
すなわち、本発明の目的は、車内においてデッキボードを開く際に、その上に載置された荷物等による制限を受けることが極力少ない車両用デッキボードを提供することにある。
すなわち、本発明は、(5)、前記第一ヒンジ部及び第二ヒンジ部は、V字状の溝により薄板状に形成されている上記(1)〜(4)のいずれか1に記載の車両用デッキボードに存する。
そのため、デッキボードの開閉方向の自由度が増し、荷物等がデッキボードの上に載置されていても、それを避けて蓋部を開閉することができる。
また収納されている備品等を出し入れする際にも、極めて有効である。
図1(a)ないし図1(e)は本発明の実施形態に係る車両用のデッキボードを原理的に説明する図である。
これらのデッキボード1は、先述したように収納室の上面を覆うためのものであり、通常、収納室の開口部の形状に合わせて作られている。
図1(a)のデッキボード1は、第一方向(図中、水平方向)に沿って形成された第一ヒンジ部H1と、第一方向と直交する第二方向(図中、垂直方向)に沿って形成された第二ヒンジ部V1と、を有する。
この場合、一方の第一ヒンジ部H1は、デッキボード1の中央に水平方向に形成され、また他方の第二ヒンジ部V1は、デッキボード1の中央に垂直方向に形成されている。
また図1(c)の車両用デッキボード1は、図1(b)の第二ヒンジ部V1がデッキボード1の両端側に形成されたものである。
図1(d)のデッキボード1は、第一方向(図中、対角線方向)に沿って形成された第一ヒンジ部H1と、第一方向と直交する第二方向に沿って形成された第二ヒンジ部V1と、を有することで図(a)〜図(c)と同じである。
しかしヒンジ部がデッキボードの両辺とは同じ方向ではなく角度付けされている点に特徴がある。
次に、図1(e)のデッキボード1の例について更に詳しく述べる。
図2(a)及び図2(b)は、図1(e)のデッキボード1における蓋部5A,5Bを実際に回動させた状態を説明する図である。
一方、図2(b)は、蓋部5Aを第一ヒンジ部H1を中心に矢印方向に回動させて開いた状態を示しており、この蓋部5Aは、図2(b)に示すように、蓋部5Bの上に重ねるように載せられる。
図2(c)は、第二ヒンジ部V2を中心に蓋部5Cを回動させて開いた状態を示しており、この蓋部5Cが蓋部5A及び蓋部5Bの上に跨がって重なるように載せられる。
一方、図2(d)は、第二ヒンジ部V1を中心に蓋部5Dを回動させて開いた状態を示しており、同様に、蓋部5Dが蓋部5A及び蓋部5Bの上に跨がって重なるように載せられる。
以上のように、直交する二つの方向に形成された各々ヒンジ部により、蓋部を開く際の自由度が大きく増えることが理解できる。
この実施形態の車両用のデッキボード1は、通常、トランクルームの底部に設けられている。
このデッキボード1はトランクルームの底部に形成された収納室Tの上面を覆うためのものであり、車の幅方向に横長形状にされている。
そして、収納室Tに載置されたデッキボード1を上方から視ると、図5に示すようになる。
このデッキボード1は第一方向に沿って形成された二本の第一ヒンジ部H1,H2と、その第一方向と直交する第二方向に沿って形成された第二ヒンジ部V1,V2とを有している。
特に第二ヒンジ部V1,V2の一端には同一直線上にスリットS1,S2が一定長さ形成されている。
スリットS1,S2の存在により、トランクルームの左右端側に設けられた蓋部5C及び蓋部5Dは閉じた状態のまま、蓋部5Bを自由に開くことができる。
この取手2を把持して蓋部5Aを持ち上げると、図7に示す蓋部5Aが第一ヒンジ部H2を中心に回動して開き蓋部5Bの上に重なって載る。
図に示すように、第一ヒンジ部H1,H2と第二ヒンジ部V1,V2とは、一定厚みを有するデッキボード本体11の一部がV字状の溝により薄板状になるように形成されている。
なお、この表皮シート3の材質としては、例えば、合成繊維等からなる織物、編物又は不織布や、また可撓性のある合成樹脂シートが採用される。
図に示すように、デッキボード本体11には、例えばブロー成形により中空部Cが形成されている。
該二本の第一ヒンジ部H1,H2間の中間部4は幅狭にされ、該幅狭の中間部4は、その両側に存在する蓋部5A,5Bの固定基部となる。
また、この中間部4は、デッキボード1の取付け安定性向上の観点からトランクルームの区画上面に連結され位置的に拘束されている。
このように二枚の蓋部5A,5Bが開閉するので、収納室Tの前側からでも後側からでも備品等の収納物を出し入れすることができる。
また、蓋部5A,5Bの開き方向と直交する方向にも図示しない蓋部5C,5Dを開くことができるために、同様に、収納室Tの左右両方向(自動車の幅方向)からでも備品等の収納室内への出し入れが可能である。
このように、蓋部の開く操作に自由度が多くなり、収納室内への備品等の出し入れが容易となる。
このように段差部11aを形成しておくと、表皮シート3が極力剥がれにくくなる効果がある。
図に示す金型は分割金型であり、表面側の金型6Aと裏面側の金型6Bとを有しており、裏面側の金型6Bには、二本のレール状の突起部6Bbが形成されている。
次いで、常法により、型締めしてパリソン7内に加圧流体を導入し、パリソン7をキャビティー面に対して押圧する。
このことにより、第一ヒンジ部H1,H2や第二ヒンジ部V1,V2において、その肉部がデッキボード1の一方表面側に片寄って形成される。
そのため互いに直交する方向の第一ヒンジ部H1,H2と第二ヒンジ部V1,V2とは、簡単に且つ同じ力で対等に折り曲げることができる。
なおパリソン7の材質を選ぶことによりデッキボード1の強度、耐久性、性状等を変えることができる。
そのため、デッキボード1の開閉方向の自由度が増し、デッキボード1の上に荷物が載置されている場合、或いは収納室から備品等を取り出す場合に極めて便利である。
例えば、上述した実施形態では、デッキボード1を自動車のトランクルームの底部に設けた例について説明したが、本発明の車両用デッキボードの用途はこれに限定されることはない。
例えば、ハッチバック式の自動車に対するカーゴフロアに設けても良いし、自動車に限らず、電車等の他の車両に用いても当然良い。
このスリットの形成の仕方により、独立して開く蓋部の数が増える利点がある。
この補強用芯材9はヒンジ部から突出状に一体に形成するものであってもよい。
このようにすれば、第一及び第二ヒンジ部H1,H2,V1,V2に大きな負荷をかけても、耐久性が向上して容易には損傷しない。
なお、直交する方向のヒンジ部の部分では、その一方のヒンジ部のみに、補強用芯材9を設けることが好ましい。
1a 切欠き部
11 デッキボード本体
11a 段差部
2 取手
2a 窪み
3 表皮シート
4 中間部
5A,5B,5C,5D 蓋部
6A,6B 金型
6Aa 凹部
6Ab キャビティー面
6Ba 突起
6Bb 突起部
7 パリソン
8 押出ヘッド
9 補強用芯材
C 中空部
H1,H2 第一ヒンジ部
S1,S2,S3 スリット
T 収納室
V1,V2 第二ヒンジ部
Claims (5)
- トランクルームの収納室の上面を覆うための一体成形によって形成された車両用デッキボードであって、
車両の左右方向である第一方向に沿って形成された第一ヒンジ部と、前記第一方向と直交する第二方向に沿って形成された左右二つの第二ヒンジ部とを有し、
前記第一ヒンジ部の後方に後の蓋部を、そして前方に前の蓋部を有し、前記右の第二ヒンジ部の右側に右の蓋部を、そして左の第二ヒンジ部の左側に左の蓋部を有し、 前記前の蓋部と前記左右の蓋部との間にスリットが形成されており、
前記前の蓋部の前端側全体にわたって切除された切欠き部が形成されていることを特徴とする車両用デッキボード。 - 前記第一ヒンジ部は前後二本形成され、該二本の第一ヒンジ部の中間部は幅狭にされ、後方の第一ヒンジ部の後方に前記後の蓋部を、そして前方の第一ヒンジ部の前方に前記前の蓋部を有し、
該幅狭の中間部はトランクルームの区画上面に連結され位置的に拘束されて、該中間部の両側に存在する各蓋部の回動基部とされていることを特徴とする、請求項1記載の車両用デッキボード。 - 前記第一ヒンジ部と前記第二ヒンジ部とにより区画される複数の中空部を備え、該中空部をブロー成形によって形成したことを特徴とする、請求項1又は2記載の車両用デッキボード。
- 前記第一ヒンジ部及び第二ヒンジ部の一方又は両方に、それらを補強するための補強芯材が併設されたことを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項記載の車両用デッキボード。
- 前記第一ヒンジ部及び第二ヒンジ部は、V字状の溝により薄板状に形成されていることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項記載の車両用デッキボード。
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