JPWO2004110819A1 - 作業車両運転室の内装部材とその成形方法および壁部材 - Google Patents

作業車両運転室の内装部材とその成形方法および壁部材 Download PDF

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Abstract

内装部材の吸音機能を高め、さらに、内装部材の組立性を向上することを目的とし、運転室の内装部材を、積層構造に一体成形して、表皮材とパネル基材との間もしくはパネル基材の内部に吸音材を内包させるようにする。また、このような内装部材を、反応射出成形法を用いて成形する。

Description

本発明は、油圧ショベルなどの建設機械、トラクタなどの農業機械、その他産業用機械など、作業車両運転室の内装部材とその成形方法および壁部材に関するものである。
作業車両には、建設機械、荷役機械、その他農業機械など各種のものがある。これら作業車両に設けられる運転室110は、例えば建設機械のうち油圧ショベル100では、図14に示されるように、下部走行体101上に旋回機構102を介して上部旋回体103が旋回自在に設置され、この上部旋回体103に、起伏動作可能に設けられたブーム105とそのブーム105の先端に上下回動可能に設けられたアーム106とそのアーム106の先端に上下動可能に設けられたバケットなどのアタッチメント107を有する作業機104と、エンジン108などの動力源および運転室110が搭載されている。
前記運転室110は、一般に、ボックス型に形成されており、前面に前窓が設けられ、後部には可能な範囲で大きな窓が設けられ、前記作業機104の設置側上半部にも窓が設けられて、その反対側(車両の左側)にドア111が設けられて、このドア111を開閉することでオペレータが運転室110内に出入できるようにされている。
このように構成される運転室110には、作業性の向上と作業環境の快適化を図るために、運転操作に要するスイッチ類など電気部品や表示装置、エアーコンディショナ(以下、空調装置という)の吹出し口などが設けられている。これら部品、装置は、スペースの確保と作業機能を高め得るように壁面部に沿わせるようにして配置されている。また、前方を視認しながら作業を行うこの種の作業車両の運転室110は、前窓からの前方視界が広がっていることが作業を行う上で最も望まれている。そのために、運転室110はその構造上前方両側に位置するフロントピラーの幅をできるだけ狭くして、作業時における視界を遮るものを少なくできるような配慮がなされている。一方、油圧ショベル110は、足場の悪い工事現場での作業においては、傾斜地での作業など車体が斜めの状態で作業がなされることがあり、場合によっては車体が転倒する恐れがある。このようなことから、車体が転倒して運転室110に転倒負荷が作用しても、運転室110内の作業者が保護されるように、運転室110のフレームを頑丈な構造とするような試みがなされつつある。
一方、運転室内においては、前述のように、運転時の作業性向上と作業環境改善のために広い空間を創り出し居住性を高めるとともに、内装を改善して騒音低減などの快適性を高めることが着目されている。特開平9−105150号公報においては、内装する部分に空調用のダクトや側壁に配置される電気的,機械的な機能部品が装着される分割されたユニットを化粧カバーに組込む構成にして、その化粧カバーを弾性的に運転室側部に密着させるようにするものが提案されている。
また、特開2002−205528号公報には、乗用車等の車両の乗員室内に設置されるインストルメントパネルを、ウレタンフォームからなる表皮と、硬質のウレタンフォームからなるパネル基材とにより構成し、パネル基材裏面に一体的にダクト壁部を形成する技術が開示されている。
しかしながら、前記特開平9−105150号公報によって知られる運転室の内装技術では、運転室の内側部の一側面を覆うための化粧カバーは、内部に設ける機能部品が種々あって、構造上表面の出入りが部位によって異なるためこれらを一体化することはできないので、部位に応じた複数の部片に分けて成形したものを組合わせ、窓ガラスを外側板に取付けるゴムシールを利用して端部の処置を行う構成になっている。この構成は、一見合理的ではあるが、組立作業が複雑になるので、組立工数が多くなって作業性が良くないという問題点がある。
また、特開2002−205528号公報によって知られる先行技術によれば、ウレタンフォームからなるインストルメントパネルにより、その内側に設置されたエアコンユニットの作動音を吸収する吸音効果の向上が期待されているが、エアコンユニットの作動音よりも音量の大きい作業車両の運転室外部からの騒音を低減する効果は期待できないという問題点がある。
本発明は、上述のような問題点を解消するためになされたもので、内装部材の組立性を向上するとともに、運転室外部からの騒音を低減できるようにされた、作業車両運転室の内装部材とその成形方法および壁部材を提供することを目的とするものである。
前述された目的を達成するために、本発明による作業車両運転室の内装部材は、
表皮材とパネル基材との間に吸音材を内包させることを特徴とするものである。
また、本発明による作業車両運転室の内装部材は、
パネル基材の内部に吸音材を内包させることを特徴とするものである。
本発明において、前記パネル基材には、裏面側に互いに交差するリブ構造を備えているのが好ましい。
また、本発明において、前記パネル基材には、電気配線部材の取付部が一体的に形成されているのが好ましい。
本発明において、前記パネル基材の側端面に金属板が配置されているのが好ましい。
また、前記パネル基材には断熱性を備えた素材が用いられ、前記素材にてその内部に空調ダクトが一体的に形成されているのが良い。
さらに、前記パネル基材が止め具により運転室本体に結合されるのが良い。
本発明において、前記パネル基材は、ポリウレタン樹脂よりなり、非発泡ないし3倍発泡までの発泡倍率で作られた部材であるのが好ましい。
また、本発明において、前記吸音材は、他の部材と一体成形または組立後注入して施工する部材である連続気泡をもった半硬質ポリウレタンまたは低反発性ポリウレタンであるのが好ましい。
さらに、前記吸音材の厚さが5〜20mmであるのが良い。
また、本発明において、前記吸音材は、組立時に装入して施工する部材である、ウレタンフォーム、ガラスウール、PETウール、プラスチックリサイクル材製ウールのうちの1つ以上からなるものであるのが好ましい。
また、本発明による作業車両運転室の内装部材は、
表皮材とポリウレタン樹脂よりなるパネル基材との間に発泡樹脂材を内包させることを特徴とするものである。
次に、本発明による作業車両運転室の壁部材は、
前述の内装部材を備える作業車両運転室の壁部材であって、内装部材のパネル基材側端面に配置した金属板と遮音特性を有する外板との間に、吸音材を装入することを特徴とするものである。
また、本発明による作業車両運転室の壁部材は、
前述の内装部材を備える作業車両運転室の壁部材であって、内装部材をその内部に配置する外板部が、鉄板の外側に表皮層を有するポリウレタン樹脂層で形成されていることを特徴とするものである。
次に、本発明による前述の作業車両運転室の内装部材の成形方法は、
(a)パネル基材であるポリウレタン樹脂を第1の反応射出成形用型を用いて反応射出成形法により所要形状に成形する工程と、
(b)表皮材を所要形状に熱成形法で成形する工程と、
(c)前記熱成形法により成形された表皮材を、第2の反応射出成形用型内に、前記(a)の工程で作成されたパネル基材の表面と吸音材の厚さ相当分の隙間をあけて設置し、吸音材を前記隙間に注入して反応発泡硬化させて、表皮材、吸音材、パネル基材の3層を一体化させる工程と、
(d)前記第2の反応射出成形用型を開いて製品を取出す工程
とからなることを特徴とするものである。
また、本発明による前述の作業車両運転室の内装部材の成形方法は、
内装部材の主体構造と運転室本体とを止め具によって結合した後に、表皮材側から液状の吸音発泡材を、パネル基材と運転室本体との間に形成される空洞部に注入して、その吸音発泡材を反応硬化させて吸音発泡層を形成することを特徴とするものである。
図1は、本発明の第1実施形態に係る内装部材および壁部材が適用される作業車両の運転室の全体斜視図である。
図2は、第1実施形態に係る内装部材および壁部材の構成を模式的に表わす断面構成図である。
図3は、本発明の第2実施形態に係る内装部材および壁部材の断面構成図である。
図4は、本発明の第3実施形態に係る内装部材および壁部材の断面構成図である。
図5は、本発明の第4実施形態に係る内装部材および壁部材の断面構成図である。
図6は、本発明の第5実施形態に係る内装部材および壁部材の断面構成図である。
図7は、本発明の第6実施形態に係る内装部材および壁部材の断面構成図である。
図8は、本発明の第7実施形態に係る内装部材および壁部材の断面構成図である。
図9は、本発明の第8実施形態に係る内装部材および壁部材の断面構成図である。
図10は、本発明の第9実施形態に係る内装部材および壁部材の断面構成図である。
図11は、本発明に係る内装部材の具体的な適用例を表わす外観斜視図(a)とその背面側から見た図(b)である。
図12(a)〜(c)は、内装部材の成形手順の一例を表わす図である。
図13(a)〜(c)は、内装部材としての組立要領の一例を表わす図である。
図14は、作業車両である油圧ショベルの一例を表わす図である。
次に、本発明による作業車両運転室の内装部材とその成形方法および壁部材の具体的な実施の形態につき、図面を参照しつつ説明する。
(1)内装部材および壁部材の構造
(第1実施形態)
図1には、本発明の第1実施形態に係る内装部材および壁部材が適用される作業車両の運転室の全体斜視図が示されている。また、図2には、本実施形態に係る内装部材および壁部材の構成を模式的に表わす断面構成図が示されている。
この実施形態の内装部材13および壁部材10は、運転室1の主に出入口6とは反対側の側面4から後部側面5を経てドア7の後方側面8を構成するものである。もちろん、ドア7においても採用することができる。なお、窓形成部分(前窓3,側面窓4a,後面窓5a,後側面窓8a)についてはガラスが嵌め込まれ、当該部分は従来のものと同様の構成であるので、その説明を省略する。なお、図1において符号9にて示されるのは屋根部である。
本実施形態の壁部材10は、運転室内側にパネル基材14と吸音材(吸音発泡層)15と表皮材16とが複合された内装部材13を有し、外側に鉄板(金属板)にてなるいわゆる外板11が配置される構成になっている。そして、壁部材10の外形は、運転室構成フレーム2,2’に合わせて組み付けられる形状にユニット化され、外周部で運転室構成フレーム2,2’に沿わせて締結部材(図示せず)によって外部から嵌め込まれて取付けられるように構成される。
本実施形態では、壁部材10の外板11は、薄鉄板にて構成され、内装部材13を取り付けるために、内面側に複数箇所で縦通部材12,12および取付座部12aが溶接されている。なお、縦通部材12,12は外板11に対して外郭としての強度を保つ断面形状とする効果をも有する。そして、内部を構成する内装部材13は、プラスチック材料であるポリウレタン樹脂(例えば、構造用もしくは硬質のポリウレタン樹脂)で所要断面形状に発泡成形された部分がパネル基材14とされ、このパネル基材14の外面に沿って所要厚みの吸音発泡層15が形成され、最外層部に表皮材16が形成されて一体構造にされている。
前記パネル基材14は、成形に際して、その形状構造に応じて発泡率が非発泡ないし3倍発泡まで選択される。このパネル基材14を成形する際には、その外面側(外板11と結合する側)の適所に組立時空調用のエアを運転室内に供給する空調用のダクト17を一体に成形し、室内への空気吹出し口(図示せず)も合わせて成形しておく。こうすると、そのダクト17の内面は成形型によって直接形成されるので、直線状にはもちろん屈曲状であっても自由に形成できて、その内面を平滑に仕上げることができる。なお、成形の都合で、ダクト17の形成部に沿って側面が開放状態になるので、この開放部分を覆う別途閉じ合わせ部材17’を成形してその開放部分と組合わせることにより開放側面を覆ってダクト17として構成することができる。前記ダクト17の形成部に沿って閉じ合わせ部材17’を取付けるには、両者の合わせ面において接着剤を用いて接着、またはビス止めすることにより接合する。なお、この場合、合わせ面部分は印籠構造(図示省略)にして、ダクトの内面に段差が生じないようにするのが好ましい。また、そのほかに、図示省略するが、ダクト形成部の開放部分に、閉じ合わせ部材17’の接合面部に沿って嵌め合い構造部を形成し、この閉じ合わせ部材17’の接合面部に前記嵌め合い構造部と嵌め合わされる突縁部を形成して、両者を嵌め合い摩擦力で固定するようにしてもよい。
また、パネル基材14の裏面側内部にはリブ構造を設け、このリブ構造のリブ61と外板11とにより閉空間62が形成されるのが好ましい。こうすることで、閉空間62内に外部から入射された騒音の音波がその閉空間62内部で乱反射を起こし、干渉等により減衰した音波のみがパネル基材14を透過することになるので、吸音効果を高めることが可能となり、それと同時にパネル基材14の強度を高めることができる。さらに、閉空間62内部に乱反射を阻害しない程度の吸音材を装入し、吸音効果を高めるようにしてもよい。
前記吸音発泡層15は、発泡樹脂材であって、後述する成形方法により連続気泡を持った半硬質ポリウレタン樹脂、もしくは低反発性のポリウレタン樹脂よりなり、硬質のポリウレタン樹脂で形成されるパネル基材14と表皮材16との間に所要の厚さで全面にわたり一体に形成されている。
前記表皮材16は、前記吸音発泡層15の外面に沿ってほぼ均等な厚みで形成されている。この表皮材16としては、ビニルレザー,ポリオレフィン系で表面にレザー状のシートをもった材料(例えば、商品名「ペフ」東レ株式会社製),高密度綿繊維織物,高密度ナイロン織物または高密度ポリエステル織物など、撥水性と通気性を備えて、表面の触感が良好なものが選択使用される。なお、前記ビニルレザー,ポリオレフィン系で表面にレザー状のシートをもった材料の場合、その表面にシボ模様などを付けたり、エンボス加工による模様を付けて装飾性を高めることができる。また、前記の織物の場合は、その織物のもつ特有な外観や色調によって前記シート材料の場合と異なる装飾性および触感を得ることができる。
前記パネル基材14と吸音発泡層15および表皮材16が複合された内装部材13と外板11との接合は、外板11側に取り付けられた縦通部材12,12および取付座部に12aに予め係合孔を所要の複数箇所に設けておき、これに対する前記内装部材13側の側端面13aに、前記外板11側に設けられた係合孔と対応するようにして、例えば拡開式の止め具(クリップ)18をパネル基材14の端面に配分植設しておいて、それらクリップ18を外板側の係合孔に嵌め込んで固着するようにする。なお、それらクリップ18のほかに、前記側端面13aの少なくとも1箇所に外板11との結合ができる止め具(図示せず)を設けておいて、その止め具によって後から内装部材13を外板11に固定するようにする。このようにすれば、前記クリップ18の配置された箇所での係止に加えて別途止め具での固定により外板11と内装部材13とをより確実で強固に結合させることができる。さらに、クリップ18を、スナップ式のクリップまたはファスナーなどのいわゆるワンタッチ式の止め具によって結合させるようにすれば、組立操作が簡単にでき、作業性を向上できる。
なお、内装部材13と外板11との接合には、接着を用いることができる。その場合には、外板11側に取り付けられた取付座部12aおよび内装部材13に植設したクリップ18等については、それを省くことができることは言うまでもない。
前記表皮材16を、内装部材13の大きさよりやや大きめになるように製作し、その端部の縁を内装部材13の内側に折曲げて外板11と接合させるようにすることで、ユニット化した状態での取扱を容易にし、組立後においても縁部が外部にはみ出すことなく美麗に仕上げることができる。
このような構成の内装部材13によれば、表皮材16からパネル基材14までを一体的に積層形成して、表皮材16とパネル基材14との間に吸音発泡層15を内包させることにより効率のよい遮音・吸音特性を備え、さらには断熱効果の向上も得られる。また、パネル基材14は、ポリウレタン樹脂であって、反応射出成形法を用いて任意の形状に成形でき、断面強度を高めることができるとともに、内部構造が種々細工可能になる。さらには断熱性を有し、外部と運転室内との熱の移動を低減させ、炎天下あるいは寒冷時での作業時における運転室内の空調による快適性を維持させる。また、ダクト17は、断熱性を有するパネル基材14と一体に成形されるので、効率良く空調することができ、エネルギーロスを少なくできる。さらに、表皮材16は、装飾性と触感を高めてオペレータに対する快適性を提供することができ、また、この表皮材16に撥水性と通気性を備えるものを用いることで、内部の発泡吸音層15と協働で吸音機能を発揮し、土砂などが表皮材16内部に侵入するのを防止して汚れが生じても水拭きできるので、建設機械や農業機械などの運転室に用いて有効である。なお、パネル基材14を構成する硬質のポリウレタン樹脂は、その発泡率を高めるとボリュームを大きくして所定の形状寸法に対して軽量化を図ることができるとともに、断熱効果を高めることができる。一方発泡率を小さくすると断面強度を高めることができる。したがって、構成する内装部材の形状構造によりその発泡率を選択して形成するのが好ましい。
前記内装部材13を構成する各層の厚さ寸法は、表皮材16の厚さとして100〜250μm、吸音発泡層15の厚さとして5〜20mm、パネル基材14(ポリウレタン樹脂)の厚さとして非発泡成形の場合で2〜4mm、発泡成形の場合で5〜10mmの範囲とするのが好ましい。これらの寸法範囲は、総合的にみて各部寸法を任意に組合わせて内装部材としての厚さ寸法の設定を行うようにする。
また、パネル基材14を成形する際に、その内部に前述のように空調用のダクト17やリブ61を一体に作り付けることができ、かつ電気配線などの保持部(電気配線部材の取付部)を設けたり、機能部品の取付部なども成形時に形成できて、それらに所要の機器や配線を施して内装部材13をユニット化できる。さらに、外板11に、この内装部材13を1個のパネルとして組付けて壁部材10としてユニット化することができる。そして、ユニット化された壁部材10を用いて運転室1を構成するようにすれば、運転室1の組立工程の作業性が格段に向上し、合理化を図ることができる。また、内装部材13として、その積層構造によって、内装表面の装飾効果や吸音層・遮音層による騒音の低減効果のほかに断熱効果が併せ得られる。
なお、壁部材10は、外板11が運転室構成フレーム2,2’に予め溶接等により固定され、パネル基材14と吸音発泡層15と表皮材16とが複合された内装部材13が後から配置されるようにしても良い。
(第2実施形態)
図3には、本発明の第2実施形態の内装部材および壁部材の断面構成図が示されている。この実施形態の壁部材10Aは、前記第1実施形態による構成に内部の吸音発泡層が付加したものである。その他の構成については前記実施形態とほぼ同様であるので、同一構成部分については、前記実施形態のものと同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
この実施形態の壁部材10Aでは、前述のように、パネル基材14の表面側(使用時の運転室内側)に、表皮材16および吸音発泡層15を積層形成された内装部材13Aが設けられ、この内装部材13Aにおけるパネル基材14と外板11との間に形成された空洞部19に、その外板11と内装部材13Aとがクリップ18によって結合された後に吸音材(吸音発泡層)20を、表皮材16表面から小穴を穿設して外部と連通させ液状の吸音発泡材を注入し反応硬化させることで、内包させてなるものである。なお、この吸音発泡層20としては前記吸音発泡層15を形成すると同様に、連続気泡を持った半硬質ポリウレタンまたは低反発性ポリウレタンで形成される。
このように構成される第2実施形態の内装部材13Aおよび壁部材10Aにあっては、全体として前述の作用効果が得られ、これに加えて内包させた吸音発泡層20によって吸音機能を発揮させ、より一層吸音効果を高めることができる。したがって、騒音源に近い壁面部に配置するパネルに用いるようにすれば有効である。
(第3実施形態)
図4には、本発明の第3実施形態の内装部材および壁部材の断面構成図が示されている。この実施形態の壁部材10Bは、内装部材13Bにおける表面側の吸音発泡層を無くし、パネル基材14の空洞部19内に吸音発泡層20を配置した構成のものである。したがって、各部位には前記実施形態のものと同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
このような構成の内装部材13Bおよび壁部材10Bでは、前記第2実施形態の構成のものよりは表層側に吸音発泡層がない分吸音効果が低いが、パネル基材14や内包される吸音発泡層20と外板11とによって吸音・遮音の機能を発揮できるとともに、前述の付帯する機能(断熱性、装飾性)を併有させることができ、前記表層側の吸音発泡層を省略した分コストを下げることができる。
(第4実施形態)
図5には、本発明の第4実施形態の内装部材および壁部材の断面構成図が示されている。この第4実施形態の壁部材10Cは、基本的に前記第1実施形態のものに吸音層を内包させた構成である。したがって、前記実施形態と同一構造の部分には、同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
この実施形態の壁部材10Cは、内装部材13Cを構成する部材のうちパネル基材14(ポリウレタン樹脂)と外板11との間に形成される空洞部19に内包させる吸音材(吸音層)20’として、発泡樹脂材(例えば連続気泡をもった半硬質ポリウレタン,ウレタンフォームなど)により予め空洞部19の形状に合わせてブロック形成されたものを挿入して構成される。また、この発泡樹脂材に代えて、前記空洞部19に不定形の吸音材(例えばガラスウール,PETウール,プラスチックリサイクル材製のウールなどを、一種または複数種組合わせて使用)を充填して吸音層20’を形成し、内包するようにしても良い。
本実施形態の内装部材13Cおよび壁部材10Cによれば、その製作工程で前記空洞部19に、別途準備した吸音材ブロックまたは不定形の吸音材を挿入して吸音層20’を内包させる構成とされるので、その内包する吸音材の吸音特性を選択して形成でき、吸音効果を高めることができる。また、内装部材13Cと外板11とを結合した後に外部から吸音材を注入充填するような手数のかかる方式ではないので、表皮材16部分を傷付けることがなく、仕上げを美麗にすることができる利点がある。
(第5実施形態)
図6には、本発明の第5実施形態の内装部材および壁部材の断面構成図が示されている。この第5実施形態の壁部材10Dは、前記第3実施形態の壁部材のように、表皮材16の内側に吸音発泡層を有しない構成の内装部材13Dにおいて、パネル基材14と外板11との間に形成された空洞部19に、前述のように内包させる吸音層として発泡樹脂材(例えば連続気泡をもった半硬質ポリウレタン,ウレタンフォームなど)により予め空洞部19の形状に合わせてブロック形成されたものを挿入して構成される。また、この発泡樹脂材に代えて、前記空洞部19に不定形の吸音材(例えばガラスウール,PETウール,プラスチックリサイクル材製のウールなどを、一種または複数種組合わせて使用)を充填して吸音層20’を形成し、内包するようにしても良い。
本実施形態の内装部材13Dおよび壁部材10Dにおいても、前記第4実施形態の内装部材13Cおよび壁部材10Cと同様の作用効果を得ることができる。
(第6実施形態)
図7には、本発明の第6実施形態の内装部材および壁部材の断面構成図が示されている。この第6実施形態の壁部材10Eは、内装部材13Eに鉄板が内包された構成のものであって、その他の構成部分は基本的に前記第1実施形態の壁部材とほぼ同様の構成である。したがって、構成上同一もしくは同様の部分については、前記実施形態のものと同一符号を付して詳細な説明を省略する。
この壁部材10Eは、内装部材13Eを構成する表皮材16と吸音発泡層15とパネル基材14との積層に加えて、そのパネル基材14の端面に沿わせて鉄板22が添付され、この鉄板22を介して外板11と止め具(クリップ)18によって結合された構成である。この結合のためのクリップ18は、内装部材13Eを形成する際に、パネル基材14の成形工程でその基端が埋め込まれるか、あるいは後から植設して所要位置に複数配置され、前記鉄板22にそのクリップ18による結合のための取付孔を合致するように設けて、パネル基材14の端面と鉄板22とを接着剤で接合すると同時に、前記クリップ18を鉄板22に設けた結合孔に嵌め合わせて一体化される。このようにされたクリップ18を、外板11の内面側に付設されている補強用の縦通部材12に予め設けられている係合孔に嵌め合わせることにより、外板11の内面側に内装部材13Eを一体に結合されたものである。
このように構成される内装部材13Eおよび壁部材10Eは、積層構造によって前述のような機能を発揮し、さらに内包された鉄板22によって外板11と鉄板22の空間にて騒音が多重反射を起こすことにより遮音機能が付加され、外部から運転室内へ侵入する騒音レベルを低減することができる。また、遮音板となる内包された鉄板22と外板11との2重構造で剛性が高まり、多少重量が増加するが取扱が容易になり、また、断面強度が高められるので、外部から大きな負荷を受けたときに運転室内部を保護する機能が付加されるという効果が得られる。
本実施形態において、鉄板22は、同様の遮音機能を有するものであれば他の材質の金属板でもよい。また、鉄板22は内装部材13Eに内包された構成となっているが、外板11側に予め付設されていてもよい。この場合、鉄板22に係合孔を設け、外板11に内装部材を結合する場合と同様に、前記クリップ18により鉄板22と内装部材13Eとが結合される。鉄板22が外板11側に予め付設される場合においても、遮音板としての機能、剛性を高める機能を有する。
(第7実施形態)
図8には、本発明の第7実施形態の内装部材および壁部材の断面構成図が示されている。この第7実施形態の壁部材10Fは、基本構成は前記第2実施形態と同様であるが、外板11の外面に発泡樹脂材料(例えば構造用あるいは硬質のポリウレタン樹脂)を用いて三次元的な外形をなす外層(ポリウレタン樹脂層)25を積層構造で付加した外板部11Aを備える構成のものである。なお、構成上前記実施形態のものと同一もしくは同様の部分については、前記実施形態のものと同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
前記外板部11Aの表皮層25aは、塗装品質を有し(例えば、表皮層25aを塗膜や塗料を含む樹脂層などで形成する)、凸曲面に形成されているのがよく、運転室の外装パネルを兼ねるものとして、耐候性を備えデザイン的に美観を強調するのに用いて効果的である。また、外力による変形を考慮して表皮層25aを硬質材料で形成するようにしても良い。さらに、内装部材13Fとしては、前述のものと同様に構成され、パネル基材14と外板(鉄板)11との間に形成される空洞部19に吸音発泡層20が注入形成されている。
したがって、この実施形態の内装部材13Fおよび壁部材10Fは、機能的に前記第2実施形態と同様の作用効果を奏するとともに、外板部11Aが付加されることによって、外観上の美的効果と、その付加による断熱・吸音効果がより効果的に高められる相乗効果を呈する。
(第8実施形態)
図9には、本発明の第8実施形態の内装部材および壁部材の断面構成図が示されている。この第8実施形態の壁部材10Gは、基本的に前記第3実施形態の構成とほぼ同様で、それに鉄板22を内包させた内装部材13Gと外板11とを組合わせてなるものである。したがって、前述のものと構成上同一もしくは同様の部分については、前述のものと同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
本実施形態の壁部材10Gは、所要形状寸法に形成されるパネル基材14の表面側に表皮材16が直接形成されていて、そのパネル基材14の端面に沿わせて鉄板22が接着され、かつ複数のクリップ18で結合され、その鉄板22とパネル基材14との間に形成された空洞部19に吸音発泡層20が充填形成されて内装部材13Gが形成され、このような内装部材13Gを、縦通部材12で補強された外板11と前記クリップ18にてその縦通部材12に設けられている係合孔とクリップ18とを係合させて結合された構成のものである。
このようにされた内装部材13Gおよび壁部材10Gによれば、基本的に前記第3実施形態と同様の作用効果を有し、加えて内包された鉄板22による制振・遮音効果が付与され、表皮材16の直下に吸音発泡層が存在しなくとも内包されている吸音発泡層20によって吸音・遮音機能を発揮させることができる。
(第9実施形態)
図10には、本発明の第9実施形態の内装部材および壁部材の断面構成図が示されている。この第9実施形態の壁部材10Hは、基本構成が前記第1実施形態と同様であるが、それに鉄板22を内包させた内装部材13Hと外板11とを組合わせてなるものである。したがって、前述のものと構成上同一もしくは同様の部分については、前述のものと同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
この壁部材10Hは、表皮材16と吸音発泡層15とパネル基材14とを積層して構成される内装部材13Hに、そのパネル基材14の端面に鉄板22を接着・内包するとともに、パネル基材14の端面部に植設されたクリップ18で前記鉄板22と結合するとともに、外板11の縦通部材12とも前述のようにして一体に結合させてなり、さらに、前記鉄板22と外板11との間に形成される空間部24に前述のような吸音材となる発泡樹脂材を充填して連続気泡の吸音層26を形成したものである。
このように構成される内装部材13Hおよび壁部材10Hは、前述のような作用効果に加えて、内包鉄板22と外板11との間に形成された吸音層26によって、当該部分での吸音機能が付加されるので、さらに騒音の運転室内への侵入を阻止して、騒音の伝播を低減することができる。また、こうすることによって内装部材13Hと外板11とが注入される樹脂材による接着で結合を強固にすることができるという効果が得られる。
(2)内装部材の適用例
図11には、本発明に係る内装部材の具体的な適用例を表わす外観斜視図(a)とその背面側から見た図(b)が示されている。
この実施形態の内装部材13Mは、建設機械における運転室の運転席右側に配置されるものであって、外表面には前述のように表皮材を用いて触感が良好で意匠効果の高いものが選択使用される。内部構造については、図10(b)に示されるように空調用のダクト17(閉じ合わせ部材17’を取付けていない状態で表わしている)が形成されるとともに、多数の補強リブ28が配置されて全体形状を維持できる強度を持たせている。また、ダクト17に対しては空調機(図示せず)との接続ダクト取付口29およびエア吹出し口30,30’、30”が任意の位置に設けられ、それら吹出し口30,30’、30”には一体的にあるいは別途作成されたルーバーが設けられる。この内装部材の断面構造については前記第1実施形態乃至第6実施形態,第8実施形態の内装部材の構造のうち適応したもの(例えば、騒音低減の効果の度合いが目的と合致する構造、など)が採用できる。
また、成形時に、付属させる機器の取付部(例えばモニター組込み部31)や灰皿組込み部32、カップホルダー取付部33などを要所に一体的に成形することができる。さらに、内部には、付設する機器類に対する電気配線用のワイヤハーネス組付け溝34をリブ28に切込むようにして設けておくことで、配線作業時にそれら組付け溝34に配線を嵌め込むようにすれば、特別な止め具を取付ける必要なしに組付けることができる。このようなワイヤーハーネス組付け溝34で表される電気配線コードの配置チャンネルやコネクタのホルダ部を含む電気配線部材の取付部に、電気配線部材が嵌め込み固定されることにより、振動の多い作業車両において安定した固定がなされ、電気的なトラブルを防止できるとともに、部品のモジュール化が達成できて組立工数を削減することができる。
(3)内装部材の成形方法
次に、本発明に係る内装部材の成形方法について前記第1実施形態および第2実施形態を例にとって説明する。
図12(a)〜(c)には内装部材の成形手順を表わす図が、図13(a)〜(c)には内装部材としての組立要領の一例を表す図が、それぞれ示されている。
前述の内装部材を作成するには、まず、図12(a)に示されるように、パネル基材14の寸法形状に対応する成形型50(上型51と下型52)を用いて反応射出成形法(低圧成形の一つでRIM成形法ともいう。)によりポリウレタン樹脂を使用して成形する。この際、パネル基材14に一体成形されるダクト17の閉じ合わせ部材17’も同時に成形することができる。このようにすれば、一回の成形でパネル基材14とダクトの閉じ合わせ部材17’が一挙に成形できるので効果的である。
次に、別途成形型により、内装表面を形成する表皮材16となる材料を真空成形法(熱成形法)にて予備賦形する。そして、図12(b)に示されるように、別途金型54(上型55と下型56)を使用して、その下型56に別途成形で得られた表皮材16となるものを下型56表面にセットする。上型55には先に成形されたパネル基材14をセットして下型56と上型55とを組合わせ、前記表皮材16とパネル基材14との間に吸音材(吸音発泡層)15の厚さ相当分の隙間(キャビティ15a)を形成する。
次いで、前記パネル基材14と表皮材16との間に形成されるキャビティ15aに連続気泡を作る半硬質ポリウレタンまたは低反発ウレタンなどを注入して、パネル基材14と表皮材16とを吸音発泡層15で一体化する(図12(c)参照)。
こうして得られた内装部材13に、前記パネル基材14の成形時に同時成形されたダクト17の開放部分に閉じ合わせ部材17’を、接着剤を用いて接着組合わせすることでダクト17を形成する(図13(a)参照)。また、その内装部材を構成するパネル基材14の内端面の複数個所に、取付部材となる拡開式のクリップ18を、その端面に直交する向きに固着植設する。
次に、内面側に補強用の縦通部材12や取付座片12aを一体に付設された外板11に対して、予め設定されている取付孔に前記クリップ18を嵌め合わせることにより、前記工程で作成された内装部材13を取付けて一体化する。このようにすることで、前記第1実施形態で説明した壁部材10を製作することができる(図13(b)参照)。
さらに、図13(c)にて示されるように、前記の工程(図13(b))にて外板11と内装部材13とをクリップ18で一体に結合された壁部材10におけるパネル基材14と外板11との間に形成される空洞部19に、表皮材16表面から小穴を穿設して外部と連通させ、薬液注入器(図示省略、矢印Pで示す)などの注射器に類似する構造を持つ注入手段を用いて液状の吸音発泡材を注入し、反応硬化させる。こうすることで、空洞部19内に吸音発泡層20が形成されて、前記第2実施形態で説明した構成にてなる壁部材10Aを得ることができる。これによれば、パネル基材14と外板11とが結合された後から吸音発泡層20を形成することができ、内装部材13の内部に複雑な形状の空洞があってもそれを有効に活用して吸音効果の高い内装部材13を作成することができる。また、注入した液状の吸音発泡材の反応に伴い内装部材13と外板11との接着性をも高めることができる。
本発明に係る内装部材並びにその成形方法によれば、反応射出成形法と熱成形法とによって内装部材13の成形を併用して積層構成することで、その成形に要する成形型に樹脂型を使用でき、従来のような金型を必要としないので、型費が著しく安価になり、その結果、成形をコストダウンできて、しかも大型になっても製作が容易に行えるので、製品を安価で得ることができる。そして、組立作業の容易性が得られ、作業工程を短縮して合理化が図れるという効果を奏する。また、遮音・吸音による騒音の低減化と、空調に対する外気温の伝播を低減して運転室内の居住性向上を図ることができる。
さらに、成形時にその全体構成はもちろんのこと、内装に必要な機能部品の組込みを容易にするのみならず、例えば空調ダクトの構造機能を高めて、関連機器を効率よく運転できるようにすることで、内装部材そのものの特徴以外に関連する機器の機能アップが図れるという副次的効果をもたらすことができる。

Claims (16)

  1. 表皮材とパネル基材との間に吸音材を内包させることを特徴とする作業車両運転室の内装部材。
  2. パネル基材の内部に吸音材を内包させることを特徴とする作業車両運転室の内装部材。
  3. 前記パネル基材には、裏面側に互いに交差するリブ構造を備えている請求項1または2に記載の作業車両運転室の内装部材。
  4. 前記パネル基材には、電気配線部材の取付部が一体的に形成されている請求項1または2に記載の作業車両運転室の内装部材。
  5. 前記パネル基材の側端面に金属板が配置されている請求項1または2に記載の作業車両運転室の内装部材。
  6. 前記パネル基材には断熱性を備えた素材が用いられ、前記素材にてその内部に空調ダクトが一体的に形成されている請求項1または2に記載の作業車両運転室の内装部材。
  7. 前記パネル基材が止め具により運転室本体に結合される請求項1または2に記載の作業車両運転室の内装部材。
  8. 前記パネル基材は、ポリウレタン樹脂よりなり、非発泡ないし3倍発泡までの発泡倍率で作られた部材である請求項1または2に記載の作業車両運転室の内装部材。
  9. 前記吸音材は、他の部材と一体成形または組立後注入して施工する部材である連続気泡をもった半硬質ポリウレタンまたは低反発性ポリウレタンである請求項1または2に記載の作業車両運転室の内装部材。
  10. 前記吸音材の厚さが5〜20mmである請求項1に記載の作業車両運転室の内装部材。
  11. 前記吸音材は、組立時に装入して施工する部材である、ウレタンフォーム、ガラスウール、PETウール、プラスチックリサイクル材製ウールのうちの1つ以上からなるものである請求項2に記載の作業車両運転室の内装部材。
  12. 表皮材とポリウレタン樹脂よりなるパネル基材との間に発泡樹脂材を内包させることを特徴とする作業車両運転室の内装部材。
  13. 請求項1または2に記載の内装部材を備える作業車両運転室の壁部材であって、内装部材のパネル基材側端面に配置した金属板と遮音特性を有する外板との間に、吸音材を装入することを特徴とする作業車両運転室の壁部材。
  14. 請求項1または2に記載の内装部材を備える作業車両運転室の壁部材であって、内装部材をその内部に配置する外板部が、鉄板の外側に表皮層を有するポリウレタン樹脂層で形成されていることを特徴とする作業車両運転室の壁部材。
  15. (a)パネル基材であるポリウレタン樹脂を第1の反応射出成形用型を用いて反応射出成形法により所要形状に成形する工程と、
    (b)表皮材を所要形状に熱成形法で成形する工程と、
    (c)前記熱成形法により成形された表皮材を、第2の反応射出成形用型内に、前記(a)の工程で作成されたパネル基材の表面と吸音材の厚さ相当分の隙間をあけて設置し、吸音材を前記隙間に注入して反応発泡硬化させて、表皮材、吸音材、パネル基材の3層を一体化させる工程と、
    (d)前記第2の反応射出成形用型を開いて製品を取出す工程
    とからなることを特徴とする作業車両運転室の内装部材の成形方法。
  16. 内装部材の主体構造と運転室本体とを止め具によって結合した後に、表皮材側から液状の吸音発泡材を、パネル基材と運転室本体との間に形成される空洞部に注入して、その吸音発泡材を反応硬化させて吸音発泡層を形成することを特徴とする作業車両運転室の内装部材の成形方法。
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