JP5124157B2 - キャビン付き走行車両 - Google Patents
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Description
本発明は、キャビン内の騒音が吸音材に伝達され易く、吸音材の表面が汚れ難くて見栄えのよいキャビン付き走行車両を実現し、キャビン内の騒音を効率よく低減することを目的とする。
(構成)
本発明の第1特徴は、キャビン付き走行車両を、次のように構成することにある。
走行車体にキャビンを支持してあるキャビン付き走行車両において、
前記キャビンを構成するキャビンフレームのピラーは、前記ピラーの外側面を形成するピラー本体と前記ピラーの内側面を形成するピラーカバーとを備えて、その外側面と内側面との間に空間を形成し、
前記ピラーカバーの一部に、前記ピラーの空間と前記キャビン内とを連通する複数の開口が形成された開口部を形成し、
前記ピラーの空間内において前記開口部が形成された前記ピラーの内側面側に前記ピラーの外側面との間に間隔を隔てて吸音材を備え、
その吸音材は、前記ピラーカバーにおいて前記開口部が形成された部位の裏面側に貼付されている。
本発明の第1特徴によると、キャビン内の騒音は、開口部に形成された複数の開口を通って吸音材に伝達され、吸音材の吸音効果によって吸音される。その結果、キャビン内の騒音が開口部に形成された複数の開口から吸音材に伝達され易くなり、キャビン内の騒音が吸音材によって吸音され易くなって、キャビン内の騒音を効率よく低減できる。しかも、吸音材を備えた開口部をキャビン内の高い位置に位置させることができ、運転座席に着座した運転者の耳元に近い高さに吸音材を配設することができる。その結果、運転座席に着座した運転者の耳元に近い高さの騒音を吸音材によって効率よく吸音することができる。
本発明の第1特徴によると、騒音が小さい状態での運転や作業が可能になって、運転者の運転環境を改善できる。しかも、運転座席に着座した運転者の耳元付近の騒音を効率よく低減することができ、運転者の運転環境を更に改善できる。
(構成)
本発明の第2特徴は、本発明の第1特徴のキャビン付き走行車両において、次のように構成することにある。
前記キャビンのインナルーフの後部に、アウタルーフと前記インナルーフとの間に形成される空間と前記キャビン内とを連通する複数の開口が形成された開口部を形成し、前記空間内において前記開口部が形成された前記インナルーフ側に前記アウタルーフとの間に間隔を隔てて吸音材を備えている。
本発明の第2特徴によると、本発明の第1特徴と同様に前項[I]に記載の「作用」を備えており、これに加えて以下のような「作用」を備えている。
本発明の第2特徴によると、吸音材を備えた開口部をキャビン内の高い位置に配設することができ、運転座席に着座した運転者の頭部の後方上方に吸音材を配設することができる。その結果、運転座席に着座した運転者の耳元に近い位置の騒音を吸音材によって効率よく吸音することができる。
本発明の第2特徴によると、本発明の第1特徴と同様に前項[I]に記載の「発明の効果」を備えており、これに加えて以下のような「発明の効果」を備えている。
本発明の第2特徴によると、運転座席に着座した運転者の耳元付近の騒音を効率よく低減することができ、運転者の運転環境を更に改善できる。
図1〜図3に基づいて、キャビン付き走行車両の一例であるトラクタの全体構成について説明する。図1は、トラクタの全体側面図を示し、図2及び図3は、キャビン8の横断平面図及び運転座席7からキャビン8の右側後部を見た斜視図をそれぞれ示す。
キャビン8は、キャビンフレーム20と、キャビンフレーム20の前面を覆うフロントガラス16と、キャビンフレーム20の両側面の乗降口に設けられた揺動開閉可能なドア17と、このドア17の後部に設けられたサイドガラス18と、キャビンフレーム20の後面を覆うリアガラス19とを備えて構成されており、クラッチハウジング11の左右両側部に固定された左右一対の前部キャビンブラケット36、及びミッションケース12の後部上部から延出された左右一対の後部キャビンブラケット37に弾性支持されている。
図2及び図3に示すように、キャビン8後部の左右中央部に運転座席7が配備され、この運転座席7の右側部には樹脂製の操作ボックス40が配備されている。操作ボックス40には、リンク機構13を昇降してポジション制御を行うポジションレバー41、動力取出軸14の駆動状態を走行速度と同調した状態と独立駆動する状態とに切り換える動力取出選択スイッチ42、作業装置のローリング制御など種々の制御の入り切りを行うオートスイッチ43、及び作業装置の耕深位置を設定する耕深設定ダイアル44等の作業用の操作具が集中配備されている。
図3〜図7に基づいて、吸音材55の取付構造について説明する。図4は、右側のセンターピラーCP付近の縦断正面図を示し、図5は、センターピラーCP付近の横断平面図を示す。また、図6は、ピラーカバー50の開口部53の詳細図を示し、図7は、インナルーフ33後部の運転座席7側から見た斜視図を示す。なお、図3〜図6においては、運転座席7の右側のピラーカバー50に貼付した吸音材55を例にとって説明するが、運転座席7の左側のピラーカバー50に貼付した吸音材55についても左右の勝手が異なる以外の他の構成は同様である。
図8、図9及び図12に基づいて、吸音材55,56を取り付けたキャビン8の運転座席7に着座した運転者の耳元付近の騒音の測定結果について説明する。図8は、吸音材55及び吸音材56を取り付けた状態で、エンジン4を全開にして運転座席7の運転者の耳元付近での騒音を騒音計(図示せず)で測定したデータと、吸音材55及び吸音材56を取り付けていない状態で、エンジン4を全開にして運転座席7に着座した運転者の耳元付近での騒音を騒音計で測定したデータとを比較したグラフを示す。
であり、吸音材55及び吸音材56の効果に影響を与えるものではない。
前述の[発明を実施するための最良の形態]においては、センターピラーCPのピラーカバー50及びインナルーフ33に丸穴の開口53Aを形成した例を示したが、開口53Aの形状や構造として異なる形状や構造を採用してもよく、例えば図10(イ)に示すように、スリット状の開口53Aを採用してもよく、図10(ロ)に示すように、メッシュ状の開口53Aを採用してもよい。
前述の[発明を実施するための最良の形態]及び[発明の実施の第1別形態]においては、センターピラーCPのピラーカバー50に開口部53を形成し吸音材55を装着した例を示したが、異なるピラーに開口部53を形成し吸音材55を装着してもよく、例えばフロントピラー23やリアピラー25に開口部(図示せず)を形成し吸音材(図示せず)を装着してもよい。
前述の[発明を実施するための最良の形態]、[発明の実施の第1別形態]及び[発明の実施の第2別形態]においては、吸音材55としてポリエチレン系の材質のスポンジ状のフォーム材を採用した例を示したが、異なる材質の吸音材を採用してもよく、例えばポリエーテル系やフェルト系の材質の吸音材や、ウレタン等の吸音材(図示せず)を採用してもよい。
8 キャビン
20 キャビンフレーム
33 インナルーフ
34 アウタルーフ
33B 開口部
50A 内面
53 開口部
53A 開口
55 吸音材
56 吸音材
CP センターピラー(ピラー)
Claims (2)
- 走行車体にキャビンを支持してあるキャビン付き走行車両において、
前記キャビンを構成するキャビンフレームのピラーは、前記ピラーの外側面を形成するピラー本体と前記ピラーの内側面を形成するピラーカバーとを備えて、その外側面と内側面との間に空間を形成し、
前記ピラーカバーの一部に、前記ピラーの空間と前記キャビン内とを連通する複数の開口が形成された開口部を形成し、
前記ピラーの空間内において前記開口部が形成された前記ピラーの内側面側に前記ピラーの外側面との間に間隔を隔てて吸音材を備え、
その吸音材は、前記ピラーカバーにおいて前記開口部が形成された部位の裏面側に貼付されているキャビン付き走行車両。 - 前記キャビンのインナルーフの後部に、アウタルーフと前記インナルーフとの間に形成される空間と前記キャビン内とを連通する複数の開口が形成された開口部を形成し、前記空間内において前記開口部が形成された前記インナルーフ側に前記アウタルーフとの間に間隔を隔てて吸音材を備えている請求項1に記載のキャビン付き走行車両。
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