JP4226520B2 - キャビン - Google Patents
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Description
そこで、本発明は、前記問題点を解決することを目的とする。
キャビン室内の後部に配置された運転席の下方にエアコン本体を設け、このエアコン本体から送出される空調空気を案内すべくキャビン室内側に配置された送出側ダクトをキャビンの底部に沿ってエアコン本体から前方に延出し、この送出側ダクトの前部をキャビンの底部の左右方向中央側に配置すると共に送出側ダクトの空調空気の出口となる前部の接続口を前記ハンドルポストの基部の下方に配置し、
運転席の前方に配置された前記ステアリングハンドルの近傍にて空調空気を吹出す吹出側ダクトを備え、この吹出側ダクトの空調空気の入口となる接続口をハンドルポストの基部の上方に配置し、
前記送出側ダクトの前記接続口と吹出側ダクトの前記接続口とを連通する中継ダクトを前記フロントパネルの前面側に設けたことを特徴とする。
また、前記フロントパネルに上下一対のダクト挿通口を形成し、上側のダクト挿通口を介して中継ダクトの上端側を吹出側ダクトに接続し、下側のダクト挿通口を介して中継ダクトの下端側を送出側ダクトに接続するようにしてもよい。
また、キャビンの底部を構成するフロアーシートに、上方側から凹まされていて送出側ダクトを収容する凹部を形成するのがよい。
図1はトラクタ(車両)を示しており、該トラクタは、エンジン2と、フライホイールハウジング,クラッチハウジング,ミッションケース等からなる伝動ケース3とを連結してなる車体1を有し、該車体1の前部は左右一対の前輪6によって支持され、後部は左右一対の後輪7によって支持されており、該車体1の後部にはキャビン9が搭載されている。
エンジン2、ラジエータ4、バッテリー10等はトラクタの前部に配置されていてボンネット5によって覆われている。
冷房装置は、例えば、冷媒を圧縮するコンプレッサーと、このコンプレッサーで圧縮された冷媒を放熱させながら凝縮・液化させるコンデンサー(放熱器)と、このコンデンサーで液化された冷媒を減圧して気化しやすい状態とする膨張弁と、冷媒を気化させて周囲から熱を奪って周囲を低温状態とするエバポレータ(蒸発器)とを備えてなる。
暖房装置は、例えば、エンジン2の熱で熱せられた温媒をヒータに送ると共に該ヒータからエンジン2側に戻すように温媒を循環させるようにした構造のものが採用される。
なお、エアコン本体60は、最低限、冷房装置のエバポレータと送風機とを備えていればよい。
図1〜図8において、前記キャビン9は骨格となるキャビンフレーム11を有し、このキャビンフレーム11は、前部に配置された左右一対のフロントピラー12と、後部に配置された左右一対のリヤピラー13とを有し、左右リヤピラー13の上端は左右フロントピラー12と同じ高さとされていると共に左右リヤピラー13の下端の高さは左右フロントピラー12の上下方向の中間部に対応する位置に位置しており、さらに、左右リヤピラー13はキャビン9の上部側背面よりも前方に位置している。
左右各フロントピラー12は、上下両端から上下方向中央側に行くに従って左右方向外方に移行するように湾曲形成されていて左右方向外方に凸となる湾曲状に形成されている。
また、左右各フロントピラー12は、上下方向中央よりも上部側が上端に行くに従って徐々に後方に向かうように後方傾斜状に湾曲形成されている。
左右のフロントピラー12の上端同志はフロントルーフビーム15によって連結され、左右のリヤピラー13の上端同志はリヤルーフビーム16によって連結され、左右のリヤピラー13の下端同志はリヤミドルビーム21によって連結され、左右方向で同じ側にあるフロントピラー12とリヤピラー13の上端同志はそれぞれサイドルーフビーム17によって連結されている。
また、フロントピラー12は、上部側が上端に行くに従って徐々に後方に向かうように後方傾斜状に湾曲形成されているので、従来よりもフロントルーフビーム15が後方に位置し、これによっても前斜め上方の視界性が良好となるように構成されている。
サイドルーフビーム17は、前後両端から前後方向中央側に行くに従って左右方向外方に移行するように湾曲形成されていて左右方向外方に凸となるように湾曲状に形成されている。
また、キャビン9の下部側背面には、キャビン9の側面よりも左右方向内方側に位置する左右一対の下背面ピラー27が配置され、この下背面ピラー27は下方に行くに従って前方に移行する傾斜状に配置されていて該下背面ピラー27の上端側はリヤミドルビーム21に連結されており下端はフロントピラー12の下端と略同じ高さ位置にある。
また、フロントパネル23の左右の側部上部側と左右フロントピラー12の上下方向中途部とが連結フレーム18によって連結されている。
左右各サイドフロアービーム28の前端側は、伝動ケース3の前部の側部に設けられたブラケット48にマウントゴム(防振ゴム)47を介して取付支持され、左右下背面ピラー27の下部に固定されたブラケット51は、後車軸を支持する後車軸ケースに取付固定された支持台50にマウントゴム49を介して取付支持されており、これによってキャビン9がトラクタ車体1に支持されている。
また、このサイドフレーム22は、前後端部から前後方向中央側に行くに従って左右方向外方に移行する湾曲状に形成されていて平面視で左右方向外方に凸となる湾曲状に形成されている。
また、ルーフ39内部には左側のリヤピラー13の上端開口が連通され、外気取入れ部53からルーフ39内に取り入れられた外気が該リヤピラー13を介して下方に案内されるように構成されており、リヤピラー13がダクトとして利用されている。
フロアーシート31は、キャビン9の底部を構成する底壁部31aと、この底壁部31aの後端縁から後方に向かうに従って上方に移行する傾斜方向に延出された背面壁31bとを有する。
このフロアーシート31の底壁部31aは、その前後方向が、フロントピラー12及びフロントパネル23の下端から下背面ピラー27の下端(サイドフロアービーム28の後端)に至るように形成され、左右方向は、後部側が左右のサイドフロアービーム28(サイドパネル32)間に亘るように形成され前部側が左右のサイドフロアービーム28から左右方向外方に延出して乗降口の下端に至るように形成されている。
なお、前記開口部64の下側において、左右の下背面ピラー27は連結フレーム56によって連結されている。
前記フロントガラス34、ルーフ39、ドア35、リヤサイドガラス36、リヤガラス37、フロアーシート31、サイドパネル32、フロントパネル23等でキャビン室43が形成されている。
このシート台57は、左右両側縁がサイドパネル32に溶接等によって固着され、上壁部57aの後縁がフロアーシート31の背面壁31bに溶接等によって固着され、前壁部の下縁が溶接等によってフロアーシート31に固着されている。
本実施の形態では、前記フロアーシート31と左右のサイドパネル32とシート台57とで、前記エアコンのエアコン本体60を収容するエアコン本体収容室59が密閉状に形成されている。
運転席44の前方側にはステアリングハンドル45が設けられ、このステアリングハンドル45はフロントパネル23に固定されたハンドルポスト88に支持されており、フロントパネル23には、その他、クラッチペダル、左右一対のブレーキペダル等が支持されている。
この内気取入れ部61は、シート台57の上壁部57aの左側後部に貫通形成された内気取入れ口62の上方をフィルタ63で覆うようにして構成されている。
また、エアコン本体60の背面左側(左右一側)には、エアコン本体収容室59内の空気をエアコン本体60に導入するための内気導入口65が設けられており、エアコン本体60内のブロアによって、フィルタ63を介してエアコン本体収容室59内に取り入れられた内気が内気導入口65からエアコン本体60内に吸い込まれるように構成されている。
また、エアコン本体収容室59全体をダクトとしているので、エアコン本体60の背面に形成した内気導入口65の後方側にダクトを接続するスペース又はフィルタを配置するスペースが必要でなく、エアコン本体60を極力キャビン9の背面側に寄せることができ、これによって、フロアーシート31の底壁部31a前部側のスペース(ステップ、オペレータの足置きスペース)を広くとることができる。
この外気流通ダクト68の下端側は、エアコン本体60を構成する壁部、本実施の形態ではシート台57の上壁部57aの左側部を貫通してエアコン本体収容室59内に挿通されると共にエアコン本体60上面側の左側部の接続口に上方から接続されていて、エアコン本体60のブロアによって、ルーフ39の外気取入れ部53からフィルタを介して取り入れられた外気が、左側リヤピラー13及び外気流通ダクト68を通ってエアコン本体60内に吸い込まれるように構成されている。
また、エアコン本体60内の内気導入口65の近傍には外気導入口66が設けられ、この外気導入口66は前記外気流通ダクト68の下端側開口に連通している。この外気導入口66は、本実施の形態では、内気導入口65の左側に隣接するように配置され且つ右側方に向いて開口状となるように形成されている。
また、エアコン本体60内の内気導入口65と外気導入口66との間には、内気導入口65を塞いで外気を導入する外気導入状態と、外気導入口66を塞いで内気を導入する内気導入状態とに切り替える切替ダンパ70が設けられている。
また、エアコン本体60の前面側右側には、該エアコン本体60から空調空気を送出する左右一対の送出口67A,67Bが設けられ、該送出口67A,67Bにはそれぞれエアコン本体60から送出された空調空気を案内する左右の送出側ダクト73,74が接続され、一方(右側)の送出側ダクト(第1の送出側ダクト)73は中継ダクト77を介してステアリングハンドル45の近傍にて空調空気を吹き出す吹出側メインダクト(吹出側ダクト)76に接続され、他方(左側)の送出側ダクト(第2の送出側ダクト)74はフロントガラス34の内面側に空調空気を吹き出すデフロスタダクト82に接続されている。
左右の各送出側ダクト73,74は、フロアーシート31の底壁部31a(キャビン9の底部)に沿って前方に延出されており、その後部は、前方に行くにしたがって左方に移行する傾斜状に形成され、前部は、左右方向中央側に位置していて前後方向に沿う方向に形成されている。
また、フロアーシート31の底壁部31a前部の左右方向中央側には、フロアーシート31を上方から下方に向けて凹ませることにより形成された凹部91が形成され、左右の送出側ダクト73,74は、この凹部91に収容されるように下方に向けて凸となるように屈曲されており、送出側ダクト73,74がフロアーシート31上面(ステップ上面)から上方に大きく突出しないように構成されている。
吹出側メインダクト76は、左右一対の第1ダクト部76aと、左右一対の第2ダクト部76bと、空調空気の入口となる接続口76cとを有する。
この吹出側メインダクト76の接続口76cは、ハンドルポスト88の基部の上方側に位置しており、前方側に指向していて、フロントパネル23の上部側に形成された上ダクト挿通口71を挿通している。
第2のダクト部76bは、接続口76c側からハンドルポスト88の側方を通って後方側に延出され、延出側端部(後端側)に、上方に行くに従って後方に移行する傾斜方向を向く吹出し口79を有する。
なお、前記各吹出し口79,80には、風向きを変更する風向き変更部材が設けられる。
この中継ダクト77の上下の接続口77a,77bは後方を向くように屈曲されており、この中継ダクト77の上側の接続口77aは吹出側メインダクト76の接続口76cに接続され、下側の接続口77bは一方の送出側ダクト73の前部接続口73aに接続されていて、吹出側メインダクト76の接続口76cと一方の送出側ダクト73の前部接続口73aとを連通させている。
また、中継ダクト77はキャビン9の外側から着脱自在に取り付けられるので、中継ダクト77の接続が容易となると共に中継ダクト77内等の清掃が容易に行える。
なお、中継ダクト77は、必ずしも筒状に構成されていなくてもよく、吹出側メインダクト76の接続口76cと一方の送出側ダクト73の前部接続口73aとを連通させるように形成されていればよく、例えば、吹出側メインダクト76の接続口76cと、一方の送出側ダクト73の前部側接続口73aとを覆うカバー体によって構成してもよい(この場合、フロントパネル23もダクトの一部を構成する)。
このデフロスタダクト82の左右の側部分83には左右方向外方に指向する吹出し口85が設けられ、上部分84には上方に指向する吹出し口85が設けられ、エアコン本体60から送出された空調空気が各吹出し口85からフロントガラス34の内面側に吹き出される。
また、このデフロスタダクト82には、ステアリングハンドル45を支持するハンドルポスト88の基部側及び吹出し側メインダクト76等を覆うと共に計器パネル等が取り付けられるインストルメントパネル87が取り付けられており、該デフロスタダクト82がインストルメントパネル87の取付用部材を兼用しており、インストルメントパネル87の取付用部材を省略することができるように構成されている。
11 キャビンフレーム
23 フロントパネル
31 フロアーシート
44 運転席
45 ステアリングハンドル
60 エアコン本体
71 ダクト挿通口
72 ダクト挿通口
73 送出側ダクト
74 送出側ダクト
76 吹出側ダクト
77 中継ダクト
82 デフロスタダクト
83 側部分
84 上部分
87 インストルパネル
91 凹部
Claims (5)
- キャビン(9)の骨格となるキャビンフレーム(11)の前面側下部の左右方向中央側にキャビン(9)の室内と室外とを仕切るフロントパネル(23)を備え、このフロントパネル(23)のキャビン(9)室内側に、ステアリングハンドル(45)を支持するハンドルポスト(88)及びクラッチペダル並びにブレーキペダルを設け、
キャビン(9)室内の後部に配置された運転席(44)の下方にエアコン本体(60)を設け、このエアコン本体(60)から送出される空調空気を案内すべくキャビン(9)室内側に配置された送出側ダクト(73)をキャビン(9)の底部に沿ってエアコン本体(60)から前方に延出し、この送出側ダクト(73)の前部をキャビン(9)の底部の左右方向中央側に配置すると共に送出側ダクト(73)の空調空気の出口となる前部の接続口(73a)を前記ハンドルポスト(88)の基部の下方に配置し、
運転席(44)の前方に配置された前記ステアリングハンドル(45)の近傍にて空調空気を吹出す吹出側ダクト(76)を備え、この吹出側ダクト(76)の空調空気の入口となる接続口(76c)をハンドルポスト(88)の基部の上方に配置し、
前記送出側ダクト(73)の前記接続口(73a)と吹出側ダクト(76)の前記接続口(76c)とを連通する中継ダクト(77)を前記フロントパネル(23)の前面側に設けたことを特徴とするキャビン。 - 前記フロントパネル(23)に上下一対のダクト挿通口(71,72)を形成し、上側のダクト挿通口(71)を介して中継ダクト(77)の上端側を吹出側ダクト(76)に接続し、下側のダクト挿通口(72)を介して中継ダクト(77)の下端側を送出側ダクト(73)に接続したことを特徴とする請求項1に記載のキャビン。
- 前記フロントパネル(23)のキャビン(9)室内側にキャビン(9)のフロントガラスの内面側に空調空気を吹き出すデフロスタダクト(82)を設け、エアコン本体(60)から送出される空調空気をデフロスタダクト(82)に案内する第2の送出側ダクト(74)を設けたことを特徴とする請求項1又は2に記載のキャビン。
- デフロスタダクト(82)は左右一対の側部分(83)と該左右側部分(83)の上端同志を連結する上部分(84)とから門型状に形成されていてフロントパネル(23)に取付固定され、このデフロスタダクト(82)にインストルメントパネル(87)が取り付けられていることを特徴とする請求項3に記載のキャビン。
- キャビン(9)の底部を構成するフロアーシート(31)には、上方側から凹まされていて送出側ダクト(73,74)を収容する凹部(91)が形成されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のキャビン。
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