JP2013018488A - キャビン付き走行車両 - Google Patents

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智章 福永
Yutaka Kitano
豊 北野
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Abstract

【課題】キャビン内の騒音が吸音材に伝達され易く、吸音材の表面が汚れ難くて見栄えのよいキャビン付き走行車両を実現し、キャビン内の騒音を効率よく低減すること。
【解決手段】キャビンのインナルーフ33の後部のみに、アウタルーフとインナルーフ33との間に形成される空間とキャビン内とを連通する複数の開口が形成された開口部33Bを形成し、空間内において開口部33Bが形成されたインナルーフ33側にアウタルーフとの間に間隔を隔てて吸音材を備えている。
【選択図】図7

Description

本発明は、走行車体にキャビンを支持してあるキャビン付き走行車両に関する。
従来の技術しては、例えば特許文献1に開示されているように、内張り材(特許文献1の図1の33)とドア本体(特許文献1の図1の32)との間に、吸音材(特許文献1の図1の34)を設けて、ドア(特許文献1の図1の31)によって車室内の騒音を低減できるように構成された車両の防音構造が知られている。
また、特許文献2に開示されているように、キャビン(特許文献2の図1の7)の操縦部の床面(特許文献2の図1の9)や天井壁部(特許文献2の図1の18)に吸音シート(特許文献2の図1の21)を敷設又は貼付して、キャビン内の騒音を低減するように構成された作業車両の消音装置が知られている。
特開平8−142776号公報(図1及び図2参照) 特開2002−356184号公報(図1、図3及び図4参照)
特許文献1の車両の防音構造では、吸音材が内張り材の内部に収容されており、内張り材とドア本体との接合部等からドア本体の内部に侵入した騒音が吸音材に伝達されて、車室内の騒音を低減できるように構成されており、車室内の騒音が内張り材に阻まれて吸音材に伝達され難くかった。その結果、キャビン内に発生した騒音が吸音材によって吸収され難く、車室内の騒音を低減させるために改善の余地があった。
特許文献2の作業車両の消音装置では、キャビンの操縦部の床面や天井壁部の面に吸音シート(特許文献2の図1の21)を直接敷設又は貼付する構成が採用されている。その結果、ゴミやほこりが吸音シートの表面に堆積して汚れ易く、吸音シートの吸音効果を持続させることが難しいといった問題や、吸音シートが運転座席側から直接見えてキャビン内の見栄えが悪くなるといった問題があった。
本発明は、キャビン内の騒音が吸音材に伝達され易く、吸音材の表面が汚れ難くて見栄えのよいキャビン付き走行車両を実現し、キャビン内の騒音を効率よく低減することを目的とする。
[I]
(構成)
本発明の第1特徴は、キャビン付き走行車両を、次のように構成することにある。
走行車体にキャビンを支持してあるキャビン付き走行車両において、
前記キャビンを構成するキャビンフレームのピラーは、前記ピラーの外側面を形成するピラー本体と前記ピラーの内側面を形成するピラーカバーとを備えて、その外側面と内側
面との間に空間を形成し、
前記ピラーカバーの一部に、前記ピラーの空間と前記キャビン内とを連通する複数の開口が形成された開口部を形成し、
前記ピラーの空間内において前記開口部が形成された前記ピラーの内側面側に前記ピラーの外側面との間に間隔を隔てて吸音材を備え、
その吸音材は、前記ピラーカバーにおいて前記開口部が形成された部位の裏面側に貼付されている。
(作用)
本発明の第1特徴によると、キャビン内の騒音は、開口部に形成された複数の開口を通って吸音材に伝達され、吸音材の吸音効果によって吸音される。その結果、キャビン内の騒音が開口部に形成された複数の開口から吸音材に伝達され易くなり、キャビン内の騒音が吸音材によって吸音され易くなって、キャビン内の騒音を効率よく低減できる。しかも、吸音材を備えた開口部をキャビン内の高い位置に位置させることができ、運転座席に着座した運転者の耳元に近い高さに吸音材を配設することができる。その結果、運転座席に着座した運転者の耳元に近い高さの騒音を吸音材によって効率よく吸音することができる。
本発明の第1特徴によると、吸音材の表面を開口部における複数の開口以外の部分で覆うことができ、吸音材の表面にゴミやほこりが堆積し難くなる。その結果、吸音材の表面が汚れ難くなって、吸音材の吸音効果を持続させることができる。また、吸音材の表面を開口部における複数の開口以外の部分で覆うことにより、吸音材の一部が内装面に覆われて、吸音材が運転座席側から見え難くなる。
(発明の効果)
本発明の第1特徴によると、騒音が小さい状態での運転や作業が可能になって、運転者の運転環境を改善できる。しかも、運転座席に着座した運転者の耳元付近の騒音を効率よく低減することができ、運転者の運転環境を更に改善できる。
本発明の第1特徴によると、吸音材の吸音効果を長期間発揮させることができると共に、運転座席側からのキャビン内の見栄えをよくすることができる。
[II]
(構成)
本発明の第2特徴は、本発明の第1特徴のキャビン付き走行車両において、次のように構成することにある。
前記キャビンのインナルーフの後部に、アウタルーフと前記インナルーフとの間に形成される空間と前記キャビン内とを連通する複数の開口が形成された開口部を形成し、前記空間内において前記開口部が形成された前記インナルーフ側に前記アウタルーフとの間に間隔を隔てて吸音材を備えている。
(作用)
本発明の第2特徴によると、本発明の第1特徴と同様に前項[I]に記載の「作用」を備えており、これに加えて以下のような「作用」を備えている。
本発明の第2特徴によると、吸音材を備えた開口部をキャビン内の高い位置に配設することができ、運転座席に着座した運転者の頭部の後方上方に吸音材を配設することができる。その結果、運転座席に着座した運転者の耳元に近い位置の騒音を吸音材によって効率よく吸音することができる。
(発明の効果)
本発明の第2特徴によると、本発明の第1特徴と同様に前項[I]に記載の「発明の効果」を備えており、これに加えて以下のような「発明の効果」を備えている。
本発明の第2特徴によると、運転座席に着座した運転者の耳元付近の騒音を効率よく低減することができ、運転者の運転環境を更に改善できる。
トラクタの全体左側面図 キャビン内の構造を示す横断平面図 センターピラー付近の構造を示す斜視図 センターピラー付近の構造を示す縦断正面図 センターピラー付近の構造を示す横断平面図 開口部の詳細構造を示す斜視図 インナルーフ後部の構造を示す斜視図 周波数毎の騒音の測定結果の一例を示すグラフ 取付位置毎の騒音の測定結果を比較した表 発明の実施の第1別形態での開口部及び吸音材の構造を示す斜視図 発明の実施の第1別形態での開口部及び吸音材の構造を示す横断平面図 フロアシートを装着した場合のキャビン内の概略平面図
〔トラクタの全体構成〕
図1〜図3に基づいて、キャビン付き走行車両の一例であるトラクタの全体構成について説明する。図1は、トラクタの全体側面図を示し、図2及び図3は、キャビン8の横断平面図及び運転座席7からキャビン8の右側後部を見た斜視図をそれぞれ示す。
図1に示すように、このトラクタは、左右一対の操向操作及び駆動自在な前輪1と、左右一対の駆動自在な後輪2とを走行車体3に備えた四輪駆動仕様に構成されている。走行車体3の前部に、エンジン4等が内装されたボンネット部5を備え、走行車体3の後部に、ステアリングハンドル6、運転座席7等が内装されたキャビン8を備える。キャビン8の後部上部には、複数の作業灯9が装備されており、この作業灯9によって後方を照らして耕耘作業等ができるように構成されている。
エンジン4の下部から前方に主フレーム10が延出されており、この主フレーム10に前輪1を装着する車軸ケース等(図示せず)が支持されている。また、エンジン4から後方にクラッチハウジング11が延出されており、このクラッチハウジング11に運転座席7の下方に位置するミッションケース12が連結されて、エンジン4からの動力が後輪2に伝達されるように構成されている。
走行車体3の後部に、左右一対のリフトアームにより構成されたリンク機構13及び動力取り出し軸14を備え、リンク機構13にロータリ耕耘装置等(図示せず)を昇降操作自在に連結し、動力取り出し軸14にロータリ耕耘装置等を連動連結することで、ロータリ耕耘装置等の昇降操作及び駆動ができるように構成されている。
〔キャビンの詳細構造〕
キャビン8は、キャビンフレーム20と、キャビンフレーム20の前面を覆うフロントガラス16と、キャビンフレーム20の両側面の乗降口に設けられた揺動開閉可能なドア17と、このドア17の後部に設けられたサイドガラス18と、キャビンフレーム20の後面を覆うリアガラス19とを備えて構成されており、クラッチハウジング11の左右両側部に固定された左右一対の前部キャビンブラケット36、及びミッションケース12の後部上部から延出された左右一対の後部キャビンブラケット37に弾性支持されている。
キャビンフレーム20は、キャビン8を支持する角パイプ状の支持フレーム21と、この支持フレーム21に連結された下部フレーム22等を備えて構成されており、キャビンフレーム20を構成する各種フレーム類はパイプ材等を溶接成形することによって連結されている。
下部フレーム22の前端部、中央部及び後端部から左右一対のフロントピラー23、左右一対のセンターピラーCP及び左右一対のリアピラー25がそれぞれ上方に延出されており、このフロントピラー23、センターピラーCP及びリアピラー25が、それぞれ上部フレーム26に連結されている。
上部フレーム26は、縦断面形状がコ字状のフロントクロスメンバ27と、縦断面形状がコ字状の左右一対のサイドメンバ28と、縦断面形状がコ字状のリアクロスメンバ29とを溶接成形することによって構成されており、この上部フレーム26の下部にインナルーフ33が装着され、上部フレーム26を上方から覆うようにアウタルーフ34が装着されている。
リアクロスメンバ29は、左右のリアピラー25の上端部から所定距離だけ下げた高さ位置に配置されており、このリアクロスメンバ29とアウタルーフ34との間に形成された空間に空調ユニット35が配置されている。
インナルーフ33は、その周縁部がフロントクロスメンバ27、左右のサイドメンバ28、及びリアクロスメンバ29の下面に装着されており、アウタルーフ34は、その周縁部がフロントクロスメンバ27及び左右のサイドメンバ28の上面で支持されている。
キャビンフレーム20の下面側には、キャビン8の床を形成するフロアパネル30が装備されており、このフロアパネル30の左右両側部に、後輪2の外周部を上方から覆う形状に成形された後輪フェンダー32が固定されている。フロアパネル30は、キャビン8前部のステップフロアパネル30Aと、キャビン8後部のシートフロアパネル30Bとを備えて構成されており、シートフロアパネル30Bの左右中央部に運転座席7が配設されている。
キャビン8前部の左右中央部のステップフロアパネル30Aから前部フレーム31が上方に延出されており、この前部フレーム31にステアリングハンドル6が支持されている。
キャビンフレーム20を構成する左右のフロントピラー23に亘って、フロントガラス16が装着されており、キャビンフレーム20の前面がこのフロントガラス16で覆われている。キャビンフレーム20を構成する左右のリアピラー25に亘ってリアガラス19が装着されており、キャビンフレーム20の後面がこのリアガラス19で覆われている。
フロントピラー23とセンターピラーCPとに亘って形成されたキャビンフレーム20両側面の乗降口に、ドア17がその後端部の軸心周りに揺動開閉自在に装着されており、センターピラーCPとリアピラー25とに亘ってサイドガラス18が揺動開閉可能に装着されている。
〔キャビン内の詳細構造〕
図2及び図3に示すように、キャビン8後部の左右中央部に運転座席7が配備され、この運転座席7の右側部には樹脂製の操作ボックス40が配備されている。操作ボックス40には、リンク機構13を昇降してポジション制御を行うポジションレバー41、動力取出軸14の駆動状態を走行速度と同調した状態と独立駆動する状態とに切り換える動力取出選択スイッチ42、作業装置のローリング制御など種々の制御の入り切りを行うオートスイッチ43、及び作業装置の耕深位置を設定する耕深設定ダイアル44等の作業用の操作具が集中配備されている。
操作ボックス40には、空調ユニット35を操作する複数の操作スイッチ45Aが装備されており、この操作スイッチ45Aを操作することにより、空調ユニット35からキャビン8内に吹き出す風の風量等を変更調節できる。操作ボックス40に装備されたカバー46の内部には、ダイアル式の複数の操作具(図示せず)が装備されており、この操作具をダイアル操作することにより作業装置のローリング角度の調節や作業装置の上限位置の設定を変更調節できる。
運転座席7の左側部には、樹脂製の保護カバー47が配備されており、上述した樹脂製の操作ボックス40及び樹脂製の保護カバー47によって左右の後輪フェンダー32の上方が覆われている。
ステップフロアパネル30Aから上方に延出された前部フレーム31は、センターカバー48で覆われており、ステアリングハンドル6の下部は、ハンドルカバー49で覆われている。
空調ユニット35の左右両側部から左右の空調ダクト(図示せず)がアウタルーフ34とインナルーフ33との間を通って前方に延出されており、この左右の空調ダクトに複数の吹出口が形成されている。インナルーフ33には、空調ダクトからの空気の風向を変更調節可能な複数の吹出グリル38が装備されており、空調ダクトの吹出口が、この吹出グリル38に接続されて、空調ユニット35からの空気が吹出グリル38から運転者によって変更調節された向きに吹き出すように構成されている。
〔吸音材の取付構造〕
図3〜図7に基づいて、吸音材55の取付構造について説明する。図4は、右側のセンターピラーCP付近の縦断正面図を示し、図5は、センターピラーCP付近の横断平面図を示す。また、図6は、ピラーカバー50の開口部53の詳細図を示し、図7は、インナルーフ33後部の運転座席7側から見た斜視図を示す。なお、図3〜図6においては、運転座席7の右側のピラーカバー50に貼付した吸音材55を例にとって説明するが、運転座席7の左側のピラーカバー50に貼付した吸音材55についても左右の勝手が異なる以外の他の構成は同様である。
図3〜図6に示すように、センターピラーCPは、センターピラー本体24とピラーカバー50とを備えて構成されている。センターピラー本体24は、横断面形状が内方側(運転座席7側)に開口したコ字状に成形されており、このセンターピラー本体24の前面側及び後面側の複数箇所に、カバー取付穴24aが形成されている。
センターピラーCPのピラーカバー50は、樹脂製で、横断面形状が外方側に開口したコ字状に成形されており、運転座席7側の本体板51と、この本体板51の前端部及び後端部から外方側に折り曲げ成形された前後の側板52,52とを一体成形することによって構成されている。
ピラーカバー50の正面視における形状は、本体板51の上下中央部が一定の曲率で外方側に凹入した丸く湾曲した形状に成形されており、運転座席7に着座した運転者の耳元付近の騒音を、この湾曲成形した本体板51の内面50Aに貼付した吸音材55によって効率よく吸音できるように構成されている。ピラーカバー50の上部及び下部は、インナルーフ33及びピラーカバー50下部の操作ボックス40の形状に合せた形状に成形されており、運転座席7側から見た見栄えがよくなるように構成されている。
ピラーカバー50の本体板51には、内方側から見た形状が縦長の長方形状の少し外方側に凹入した開口部53が、その上部から下部に亘って一体成形されている。開口部53には、複数の丸穴の開口53Aが等ピッチで形成されており、開口部53における開口53Aの占める面積(開口面積)を広く確保できるように、上下に隣接する開口53Aが千鳥状に配設されている。
このように、ピラーカバー50に開口53Aを配設した開口部53を形成することにより、開口部53の開口面積を広く確保でき吸音材55による吸音効果を向上できるだけでなく、美観を損なうことなく開口部53を形成することができる。
ピラーカバー50に開口部53を形成することで、ピラーカバー50の内面50A側に貼付した吸音材55に運転座席7内の騒音が伝わり易くなって、吸音材55の内部に音が入り込み易くなる。その結果、例えば開口部53を設けていないカバー等(図示せず)の内面側に吸音材55を貼付する場合に比べ、効率よく吸音材55による運転座席7内の騒音を吸音することができる。
ピラーカバー50の本体板51の下部には、外方側に入り込んだ前後の凹入部51A,51Aが形成されており、この凹入部51A,51Aにキャビン8の後部上部に装備した作業灯9を入り切りする作業灯用操作スイッチ45B,45Bが装備されている。
ピラーカバー50の前後の側板52,52の複数箇所に取付穴が形成されている。ピラーカバー50の取付穴には、固定具54が装着されており、ピラーカバー50をセンターピラー本体24のカバー取付穴24aの位置に合わせて嵌め込んで、ピラーカバー50の固定具54をセンターピラー本体24に向って押し込むと、固定具54の先端部がカバー取付穴24aと係合して、ピラーカバー50をセンターピラー本体24に固定でき、ピラーカバー50の固定具54を前方又は後方に引っ張ると、固定具54の先端部のカバー取付穴24aへの係合が解除して、センターピラー本体24からピラーカバー50を簡易迅速に取り外せるように構成されている。
ピラーカバー50の本体板51の内面50A側には、帯状の上下に長い吸音材55が貼付されている。吸音材55は、その面積がピラーカバー50の開口部53の面積より広くなるように設定され、ピラーカバー50の開口部53を全域に亘って覆うことができるように構成されて、吸音材55の外周部がピラーカバー50の内面50Aに貼付されている。このように吸音材55の外周部をピラーカバー50の内面50Aに貼付し吸音材55を固定する構成を採用することにより、例えば吸音材55とピラーカバー50の内面50Aとの間に接着材等が介在してキャビン8内の騒音が吸音材55に伝わり難くなることを防止できる。
吸音材55は、ポリエチレン系の材質のスポンジ状のフォーム材によって構成されており、多孔質材料である吸音材55の内部に音が入り込んで拡散することにより音の一部のエネルギーが熱エネルギーに変換されて吸音できるように構成されている。キャビン8内の騒音を吸音することにより、音の一部のエネルギーが熱エネルギーに変換されると、この熱エネルギーが開口部53に形成した開口53Aから放熱されて、効率よく吸音材55の熱エネルギーの授受ができるように構成されている。
図2に示すように、センターピラーCPは、運転座席7に着座した運転者の頭部の左右両側方に位置し、吸音材55の表面が運転座席7側に向くように配設されている。このように、吸音材55を備えたピラーカバー50を取り付けることにより、運転者の耳元に近い位置に吸音材55を備えたピラーカバー50を位置させることができる。その結果、運転座席7内の騒音をピラーカバー50に備えた吸音材55によって効果的に吸音することができ、運転者に耳障りな騒音を効果的に低減することができる。
また、吸音材55を備えたピラーカバー50を上下に長いセンターピラー本体24に装着することにより、運転者に耳障りな騒音を効果的に低減できるだけでなく、キャビン8内のゴミやほこりが吸音材55の表面に堆積し難くなる。その結果、吸音材55による吸音効果を持続させることができる。
図5に示すように、ピラーカバー50(ピラーの内側面に相当する)をセンターピラー本体24(ピラーの外側面に相当する)に装着した状態で、センターピラー本体24とピラーカバー50によって空間が形成され、吸音材55の外方側に所定の空間が確保されるように、吸音材55の厚み等が設定されている。その結果、ピラーカバー50の開口部53を介して吸音材55に入り込んだ音の振幅が、この空間に入り込む際の音波の拡張効果によって更に減衰されて、運転座席7内の騒音を更に効率よく低減できるように構成されている。また、吸音材55の外方側に確保された空間によって、吸音材55の熱エネルギーが効率よく放熱できるように構成されている。
図7に示すように、インナルーフ33の後部中央には、横長の長方形状の左右一対の内気供給口33Aが形成され、この内気供給口33Aにメッシュ状で樹脂製の通気カバー39が装着されて、内気供給口33Aからキャビン8内の空気を空調ユニット35へ供給できるように構成されている。
内気供給口33Aの上部及び下部に位置するインナルーフ33には、上下の開口部33B,33Bが形成されている。上下の開口部33B,33Bには、上述したピラーカバー50の開口部53と同様の開口が形成されており、この開口部33Bの内面側(空調ユニット35側)に、開口部33Bを略全域に亘って覆う吸音材56が貼付されている。
このように、内気供給口33Aの近くに位置するインナルーフ33に開口部33Bを形成することにより、開口部33Bの開口面積を広く確保でき吸音材56による吸音効果を向上できるだけでなく、美観を損なうことなく開口部33Bを形成することができる。
インナルーフ33に設けた吸音材56は、運転座席7に着座した運転者の頭部の斜め後方上方に位置し、吸音材56の表面が運転座席7側に向くように配設されている。このように、インナルーフ33の後部に吸音材56を取り付けることにより、運転者の耳元に近い位置にインナルーフ33に設けた吸音材56を位置させることができる。その結果、運転座席7内の騒音をインナルーフ33に設けた吸音材56によって効果的に吸音することができ、運転者に耳障りな騒音を効果的に低減することができる。
また、吸音材56をインナルーフ33に設けることにより、運転者に耳障りな騒音を効果的に低減できるだけでなく、キャビン8内のゴミやほこりが吸音材56の表面に堆積し難くなる。その結果、吸音材56による吸音効果を持続させることができる。
〔吸音材を取り付けた場合の効果〕
図8、図9及び図12に基づいて、吸音材55,56を取り付けたキャビン8の運転座席7に着座した運転者の耳元付近の騒音の測定結果について説明する。図8は、吸音材55及び吸音材56を取り付けた状態で、エンジン4を全開にして運転座席7の運転者の耳元付近での騒音を騒音計(図示せず)で測定したデータと、吸音材55及び吸音材56を取り付けていない状態で、エンジン4を全開にして運転座席7に着座した運転者の耳元付近での騒音を騒音計で測定したデータとを比較したグラフを示す。
図8において、A特性での1/3オクターブバンド毎の騒音(dBA)を、1/3オクターブバンドの中心周波数毎に棒グラフ状に表示する。なお、OA値は、オーバーオール値の略であり、オクターブバンド毎に測定した測定値から演算した値を示し、騒音の総合的な評価に用いる。
図9は、センターピラーCPのみに吸音材55を装着した場合、インナルーフ33のみに吸音材56を装着した場合、センターピラーCP及びインナルーフ33に吸音材55及び吸音材56を装着した場合、並びに、吸音材55及び吸音材56を装着せずに図12に示す斜線で囲ったシートフロアパネル30Bの床面及びリアガラス19の下部に吸音材55と同じ材質のフロアシート60を装着した場合における騒音の800Hz以上でのスペクトル値及びOA値を比較した表を示す。なお、シートフロアパネル30Bの床面及びリアガラス19の下部にフロアシート60を装着した測定データは、比較のために示すものであり、吸音材55及び吸音材56の効果に影響を与えるものではない。
なお、図9における騒音のスペクトル値は、騒音計の測定レンジを800〜5000Hzに設定して、オクターブバンド毎に測定した測定値から演算した値を示し、図8及び図9における騒音のOA値は、騒音計の測定レンジを0〜20000Hzに設定して、オクターブバンド毎に測定した測定値から演算した値を示す。
図8に示すように、吸音材55及び吸音材56を装着すると、吸音材55及び吸音材56を装着していない場合に比べ、中心周波数が800Hzでの騒音を約2.5dBA低減することができ、OA値を約0.7dBA低減することができる。その結果、運転座席7に着座した運転者の耳元付近の騒音を低減できる。
図9に示すように、センターピラーCPに吸音材55を装着すると、800Hz以上での騒音のスペクトル値を0.5dBA低減することができ、運転座席7に着座した運転者の耳元付近の騒音のOA値を0.5dBA低減することができる。従って、センターピラーCPに吸音材55を装着することにより、面積の小さい吸音材55で運転座席7に着座した運転者の耳元付近の騒音を効果的に低減できる。
また、センターピラーCPに吸音材55を装着すると共に、インナルーフ33に吸音材56を装着することにより、800Hz以上での騒音のスペクトル値を更に0.2dBA低減することができ、運転座席7に着座した運転者の耳元付近の騒音のOA値を更に0.2dBA低減することができる。従って、インナルーフ33に吸音材56を装着することにより、運転座席7に着座した運転者の耳元付近の騒音を更に効果的に低減できる。
センターピラーCPに吸音材55を装着し、インナルーフ33に吸音材56を装着することにより、シートフロアパネル30Bの床面及びリアガラス19の下部にフロアシート60を装着した場合に比べ、800Hz以上での騒音のスペクトル値を0.4dBA低減することができ、運転座席7に着座した運転者の耳元付近の騒音のOA値を0.4dBA低減することができる。
図9に示すように、騒音のスペクトル値とOA値とは、同じ数値低減されており、フロアパネル30の共振等によりキャビン8を通じて伝達される約600Hz以下の固体伝播音の影響を除外して測定範囲を限定して測定したスペクトル値と、測定範囲を限定せずに測定したOA値とに差異がなく、吸音材55,56による騒音低減効果が発揮されることが確認できる。
その結果、図12に示すようなシートフロアパネル30Bの床面及びリアガラス19の下部に面積の広いフロアシート60を装着した場合に比べ、小さな面積の吸音材55及び吸音材56によって運転座席7に着座した運転者の耳元付近の騒音を効果的に低減できることが確認できた。
センターピラーCPに吸音材55を装着した場合には、800Hz以上での騒音のスペクトル値を0.5dBA、OA値を0.5dBA低減することができ、小さな面積の吸音材55で運転座席7に着座した運転者の耳元付近の騒音を特に効果的に低減できることが確認できた。
[発明の実施の第1別形態]
前述の[発明を実施するための最良の形態]においては、センターピラーCPのピラーカバー50及びインナルーフ33に丸穴の開口53Aを形成した例を示したが、開口53Aの形状や構造として異なる形状や構造を採用してもよく、例えば図10(イ)に示すように、スリット状の開口53Aを採用してもよく、図10(ロ)に示すように、メッシュ状の開口53Aを採用してもよい。
前述の[発明を実施するための最良の形態]においては、センターピラーCPのピラーカバー50及びインナルーフ33に開口部53を一体成形した例を示したが、例えば図11(イ)に示すように、別部品として製作した開口部53をピラーカバー50に装着する構成を採用してもよく、図11(ロ)に示すように、別部材として製作した開口部53をピラーカバー50に装着し、ピラーカバー50の内面50A(開口部53の内面)に吸音材55を装着する構成を採用してもよい。
前述の[発明を実施するための最良の形態]においては、センターピラーCPのピラーカバー50に開口部53を形成し吸音材55を装着した例を示したが、参考形態として、例えば図11(ハ)に示すように、ピラーカバー50を設けないで、角パイプ状に構成したセンターピラー本体24に直接穴開け加工等を施して開口部24bを形成し、その内面24Aに吸音材55を装着するようにセンターピラーCPを構成してもよい。
前述の[発明を実施するための最良の形態]においては、ピラーカバー50の内面50Aに吸音材55を貼付した例を示したが、参考形態として、例えば図11(ニ)に示すように、ピラーカバー50の内面50Aから一定の間隔を開けた位置に吸音材55を装着するように構成してもよく、内面50Aと吸音材55との間に空間を形成することにより、吸音材55の吸音効果を更に向上できる。また、吸音材55をピラーカバー50の内面50Aに装着する方法は貼付に限らず、異なる装着方法であってもよく、例えば押え板等(図示せず)によってビス止め装着する方法を採用してもよい。
[発明の実施の第2別形態]
前述の[発明を実施するための最良の形態]及び[発明の実施の第1別形態]においては、センターピラーCPのピラーカバー50に開口部53を形成し吸音材55を装着した例を示したが、異なるピラーに開口部53を形成し吸音材55を装着してもよく、例えばフロントピラー23やリアピラー25に開口部(図示せず)を形成し吸音材(図示せず)を装着してもよい。
前述の[発明を実施するための最良の形態]及び[発明の実施の第1別形態]においては、インナルーフ33の後部に開口部53を形成し吸音材56を装着した例を示したが、インナルーフ33の異なる位置に開口部53を形成し吸音材56を装着してもよく、例えばインナルーフ33の前後中央部の左右両側部に開口部53を形成し吸音材56を装着することにより、運転座席7に着座した運転者の耳元の左右上方の騒音を効率よく低減できる。
[発明の実施の第3別形態]
前述の[発明を実施するための最良の形態]、[発明の実施の第1別形態]及び[発明の実施の第2別形態]においては、吸音材55としてポリエチレン系の材質のスポンジ状のフォーム材を採用した例を示したが、異なる材質の吸音材を採用してもよく、例えばポリエーテル系やフェルト系の材質の吸音材や、ウレタン等の吸音材(図示せず)を採用してもよい。
前述の[発明を実施するための最良の形態]、[発明の実施の第1別形態]及び[発明の実施の第2別形態]においては、キャビン付き走行車両の一例としてトラクタを例に示したが、キャビン付き走行車両であれば異なる走行車両であっても同様に適用でき、例えば、コンバイン等の農作業車、土木用作業車、建設用作業車、乗用車、トラック等の商用車においても同様に適用できる。
3 走行車体
8 キャビン
20 キャビンフレーム
33 インナルーフ
34 アウタルーフ
33B 開口部
50A 内面
53 開口部
53A 開口
55 吸音材
56 吸音材
CP センターピラー(ピラー)
本発明は、走行車体にキャビンを支持してあるキャビン付き走行車両に関する。
従来の技術しては、例えば特許文献1に開示されているように、内張り材(特許文献1の図1の33)とドア本体(特許文献1の図1の32)との間に、吸音材(特許文献1の図1の34)を設けて、ドア(特許文献1の図1の31)によって車室内の騒音を低減できるように構成された車両の防音構造が知られている。
また、特許文献2に開示されているように、キャビン(特許文献2の図1の7)の操縦部の床面(特許文献2の図1の9)や天井壁部(特許文献2の図1の18)に吸音シート(特許文献2の図1の21)を敷設又は貼付して、キャビン内の騒音を低減するように構成された作業車両の消音装置が知られている。
特開平8−142776号公報(図1及び図2参照) 特開2002−356184号公報(図1、図3及び図4参照)
特許文献1の車両の防音構造では、吸音材が内張り材の内部に収容されており、内張り材とドア本体との接合部等からドア本体の内部に侵入した騒音が吸音材に伝達されて、車室内の騒音を低減できるように構成されており、車室内の騒音が内張り材に阻まれて吸音材に伝達され難くかった。その結果、キャビン内に発生した騒音が吸音材によって吸収され難く、車室内の騒音を低減させるために改善の余地があった。
特許文献2の作業車両の消音装置では、キャビンの操縦部の床面や天井壁部の面に吸音シート(特許文献2の図1の21)を直接敷設又は貼付する構成が採用されている。その結果、ゴミやほこりが吸音シートの表面に堆積して汚れ易く、吸音シートの吸音効果を持続させることが難しいといった問題や、吸音シートが運転座席側から直接見えてキャビン内の見栄えが悪くなるといった問題があった。
本発明は、キャビン内の騒音が吸音材に伝達され易く、吸音材の表面が汚れ難くて見栄えのよいキャビン付き走行車両を実現し、キャビン内の騒音を効率よく低減することを目的とする。
[I]
(構成)
本発明の第1特徴は、キャビン付き走行車両を、次のように構成することにある。
走行車体にキャビンを支持してあるキャビン付き走行車両において、
前記キャビンのインナルーフの後部のみに、アウタルーフと前記インナルーフとの間に形成される空間と前記キャビン内とを連通する複数の開口が形成された開口部を形成し、前記空間内において前記開口部が形成された前記インナルーフ側に前記アウタルーフとの間に間隔を隔てて吸音材を備えている。
(作用)
本発明の第1特徴によると、キャビン内の騒音は、開口部に形成された複数の開口を通って吸音材に伝達され、吸音材の吸音効果によって吸音される。その結果、キャビン内の騒音が開口部に形成された複数の開口から吸音材に伝達され易くなり、キャビン内の騒音が吸音材によって吸音され易くなって、キャビン内の騒音を効率よく低減できる。しかも、吸音材を備えた開口部をキャビン内の高い位置に位置させることができ、運転座席に着座した運転者の頭部の後方上方に吸音材を配設することができる。その結果、運転座席に着座した運転者の耳元に近い高さの騒音を吸音材によって効率よく吸音することができる。
本発明の第1特徴によると、吸音材の表面を開口部における複数の開口以外の部分で覆うことができ、吸音材の表面にゴミやほこりが堆積し難くなる。その結果、吸音材の表面が汚れ難くなって、吸音材の吸音効果を持続させることができる。また、吸音材の表面を開口部における複数の開口以外の部分で覆うことにより、吸音材の一部が内装面に覆われて、吸音材が運転座席側から見え難くなる。
(発明の効果)
本発明の第1特徴によると、騒音が小さい状態での運転や作業が可能になって、運転者の運転環境を改善できる。しかも、運転座席に着座した運転者の耳元付近の騒音を効率よく低減することができ、運転者の運転環境を更に改善できる。
本発明の第1特徴によると、吸音材の吸音効果を長期間発揮させることができると共に、運転座席側からのキャビン内の見栄えをよくすることができる。
[II]
(構成)
本発明の第2特徴は、前記開口部は、前記キャビンの運転座席に着座する運転者の頭部の斜め後方上方に相当する位置に形成してある。
[III]
(構成)
本発明の第3特徴は、前記インナルーフの後部には、前記キャビン内の空気を空調ユニットに供給するための内気供給口を形成し、前記開口部は、前記内気供給口の近傍に形成してある。
トラクタの全体左側面図 キャビン内の構造を示す横断平面図 センターピラー付近の構造を示す斜視図 センターピラー付近の構造を示す縦断正面図 センターピラー付近の構造を示す横断平面図 開口部の詳細構造を示す斜視図 インナルーフ後部の構造を示す斜視図 周波数毎の騒音の測定結果の一例を示すグラフ 取付位置毎の騒音の測定結果を比較した表 発明の実施の第1別形態での開口部及び吸音材の構造を示す斜視図 発明の実施の第1別形態での開口部及び吸音材の構造を示す横断平面図 フロアシートを装着した場合のキャビン内の概略平面図
〔トラクタの全体構成〕
図1〜図3に基づいて、キャビン付き走行車両の一例であるトラクタの全体構成について説明する。図1は、トラクタの全体側面図を示し、図2及び図3は、キャビン8の横断平面図及び運転座席7からキャビン8の右側後部を見た斜視図をそれぞれ示す。
図1に示すように、このトラクタは、左右一対の操向操作及び駆動自在な前輪1と、左右一対の駆動自在な後輪2とを走行車体3に備えた四輪駆動仕様に構成されている。走行車体3の前部に、エンジン4等が内装されたボンネット部5を備え、走行車体3の後部に、ステアリングハンドル6、運転座席7等が内装されたキャビン8を備える。キャビン8の後部上部には、複数の作業灯9が装備されており、この作業灯9によって後方を照らして耕耘作業等ができるように構成されている。
エンジン4の下部から前方に主フレーム10が延出されており、この主フレーム10に前輪1を装着する車軸ケース等(図示せず)が支持されている。また、エンジン4から後方にクラッチハウジング11が延出されており、このクラッチハウジング11に運転座席7の下方に位置するミッションケース12が連結されて、エンジン4からの動力が後輪2に伝達されるように構成されている。
走行車体3の後部に、左右一対のリフトアームにより構成されたリンク機構13及び動力取り出し軸14を備え、リンク機構13にロータリ耕耘装置等(図示せず)を昇降操作自在に連結し、動力取り出し軸14にロータリ耕耘装置等を連動連結することで、ロータリ耕耘装置等の昇降操作及び駆動ができるように構成されている。
〔キャビンの詳細構造〕
キャビン8は、キャビンフレーム20と、キャビンフレーム20の前面を覆うフロントガラス16と、キャビンフレーム20の両側面の乗降口に設けられた揺動開閉可能なドア17と、このドア17の後部に設けられたサイドガラス18と、キャビンフレーム20の後面を覆うリアガラス19とを備えて構成されており、クラッチハウジング11の左右両側部に固定された左右一対の前部キャビンブラケット36、及びミッションケース12の後部上部から延出された左右一対の後部キャビンブラケット37に弾性支持されている。
キャビンフレーム20は、キャビン8を支持する角パイプ状の支持フレーム21と、この支持フレーム21に連結された下部フレーム22等を備えて構成されており、キャビンフレーム20を構成する各種フレーム類はパイプ材等を溶接成形することによって連結されている。
下部フレーム22の前端部、中央部及び後端部から左右一対のフロントピラー23、左右一対のセンターピラーCP及び左右一対のリアピラー25がそれぞれ上方に延出されており、このフロントピラー23、センターピラーCP及びリアピラー25が、それぞれ上部フレーム26に連結されている。
上部フレーム26は、縦断面形状がコ字状のフロントクロスメンバ27と、縦断面形状がコ字状の左右一対のサイドメンバ28と、縦断面形状がコ字状のリアクロスメンバ29とを溶接成形することによって構成されており、この上部フレーム26の下部にインナルーフ33が装着され、上部フレーム26を上方から覆うようにアウタルーフ34が装着されている。
リアクロスメンバ29は、左右のリアピラー25の上端部から所定距離だけ下げた高さ位置に配置されており、このリアクロスメンバ29とアウタルーフ34との間に形成された空間に空調ユニット35が配置されている。
インナルーフ33は、その周縁部がフロントクロスメンバ27、左右のサイドメンバ28、及びリアクロスメンバ29の下面に装着されており、アウタルーフ34は、その周縁部がフロントクロスメンバ27及び左右のサイドメンバ28の上面で支持されている。
キャビンフレーム20の下面側には、キャビン8の床を形成するフロアパネル30が装備されており、このフロアパネル30の左右両側部に、後輪2の外周部を上方から覆う形状に成形された後輪フェンダー32が固定されている。フロアパネル30は、キャビン8前部のステップフロアパネル30Aと、キャビン8後部のシートフロアパネル30Bとを備えて構成されており、シートフロアパネル30Bの左右中央部に運転座席7が配設されている。
キャビン8前部の左右中央部のステップフロアパネル30Aから前部フレーム31が上方に延出されており、この前部フレーム31にステアリングハンドル6が支持されている。
キャビンフレーム20を構成する左右のフロントピラー23に亘って、フロントガラス16が装着されており、キャビンフレーム20の前面がこのフロントガラス16で覆われている。キャビンフレーム20を構成する左右のリアピラー25に亘ってリアガラス19が装着されており、キャビンフレーム20の後面がこのリアガラス19で覆われている。
フロントピラー23とセンターピラーCPとに亘って形成されたキャビンフレーム20両側面の乗降口に、ドア17がその後端部の軸心周りに揺動開閉自在に装着されており、センターピラーCPとリアピラー25とに亘ってサイドガラス18が揺動開閉可能に装着されている。
〔キャビン内の詳細構造〕
図2及び図3に示すように、キャビン8後部の左右中央部に運転座席7が配備され、この運転座席7の右側部には樹脂製の操作ボックス40が配備されている。操作ボックス40には、リンク機構13を昇降してポジション制御を行うポジションレバー41、動力取出軸14の駆動状態を走行速度と同調した状態と独立駆動する状態とに切り換える動力取出選択スイッチ42、作業装置のローリング制御など種々の制御の入り切りを行うオートスイッチ43、及び作業装置の耕深位置を設定する耕深設定ダイアル44等の作業用の操作具が集中配備されている。
操作ボックス40には、空調ユニット35を操作する複数の操作スイッチ45Aが装備されており、この操作スイッチ45Aを操作することにより、空調ユニット35からキャビン8内に吹き出す風の風量等を変更調節できる。操作ボックス40に装備されたカバー46の内部には、ダイアル式の複数の操作具(図示せず)が装備されており、この操作具をダイアル操作することにより作業装置のローリング角度の調節や作業装置の上限位置の設定を変更調節できる。
運転座席7の左側部には、樹脂製の保護カバー47が配備されており、上述した樹脂製の操作ボックス40及び樹脂製の保護カバー47によって左右の後輪フェンダー32の上方が覆われている。
ステップフロアパネル30Aから上方に延出された前部フレーム31は、センターカバー48で覆われており、ステアリングハンドル6の下部は、ハンドルカバー49で覆われている。
空調ユニット35の左右両側部から左右の空調ダクト(図示せず)がアウタルーフ34とインナルーフ33との間を通って前方に延出されており、この左右の空調ダクトに複数の吹出口が形成されている。インナルーフ33には、空調ダクトからの空気の風向を変更調節可能な複数の吹出グリル38が装備されており、空調ダクトの吹出口が、この吹出グリル38に接続されて、空調ユニット35からの空気が吹出グリル38から運転者によって変更調節された向きに吹き出すように構成されている。
〔吸音材の取付構造〕
図3〜図7に基づいて、吸音材55の取付構造について説明する。図4は、右側のセンターピラーCP付近の縦断正面図を示し、図5は、センターピラーCP付近の横断平面図を示す。また、図6は、ピラーカバー50の開口部53の詳細図を示し、図7は、インナルーフ33後部の運転座席7側から見た斜視図を示す。なお、図3〜図6においては、運転座席7の右側のピラーカバー50に貼付した吸音材55を例にとって説明するが、運転座席7の左側のピラーカバー50に貼付した吸音材55についても左右の勝手が異なる以外の他の構成は同様である。
図3〜図6に示すように、センターピラーCPは、センターピラー本体24とピラーカバー50とを備えて構成されている。センターピラー本体24は、横断面形状が内方側(運転座席7側)に開口したコ字状に成形されており、このセンターピラー本体24の前面側及び後面側の複数箇所に、カバー取付穴24aが形成されている。
センターピラーCPのピラーカバー50は、樹脂製で、横断面形状が外方側に開口したコ字状に成形されており、運転座席7側の本体板51と、この本体板51の前端部及び後端部から外方側に折り曲げ成形された前後の側板52,52とを一体成形することによって構成されている。
ピラーカバー50の正面視における形状は、本体板51の上下中央部が一定の曲率で外方側に凹入した丸く湾曲した形状に成形されており、運転座席7に着座した運転者の耳元付近の騒音を、この湾曲成形した本体板51の内面50Aに貼付した吸音材55によって効率よく吸音できるように構成されている。ピラーカバー50の上部及び下部は、インナルーフ33及びピラーカバー50下部の操作ボックス40の形状に合せた形状に成形されており、運転座席7側から見た見栄えがよくなるように構成されている。
ピラーカバー50の本体板51には、内方側から見た形状が縦長の長方形状の少し外方側に凹入した開口部53が、その上部から下部に亘って一体成形されている。開口部53には、複数の丸穴の開口53Aが等ピッチで形成されており、開口部53における開口53Aの占める面積(開口面積)を広く確保できるように、上下に隣接する開口53Aが千鳥状に配設されている。
このように、ピラーカバー50に開口53Aを配設した開口部53を形成することにより、開口部53の開口面積を広く確保でき吸音材55による吸音効果を向上できるだけでなく、美観を損なうことなく開口部53を形成することができる。
ピラーカバー50に開口部53を形成することで、ピラーカバー50の内面50A側に貼付した吸音材55に運転座席7内の騒音が伝わり易くなって、吸音材55の内部に音が入り込み易くなる。その結果、例えば開口部53を設けていないカバー等(図示せず)の内面側に吸音材55を貼付する場合に比べ、効率よく吸音材55による運転座席7内の騒音を吸音することができる。
ピラーカバー50の本体板51の下部には、外方側に入り込んだ前後の凹入部51A,51Aが形成されており、この凹入部51A,51Aにキャビン8の後部上部に装備した作業灯9を入り切りする作業灯用操作スイッチ45B,45Bが装備されている。
ピラーカバー50の前後の側板52,52の複数箇所に取付穴が形成されている。ピラーカバー50の取付穴には、固定具54が装着されており、ピラーカバー50をセンターピラー本体24のカバー取付穴24aの位置に合わせて嵌め込んで、ピラーカバー50の固定具54をセンターピラー本体24に向って押し込むと、固定具54の先端部がカバー取付穴24aと係合して、ピラーカバー50をセンターピラー本体24に固定でき、ピラーカバー50の固定具54を前方又は後方に引っ張ると、固定具54の先端部のカバー取付穴24aへの係合が解除して、センターピラー本体24からピラーカバー50を簡易迅速に取り外せるように構成されている。
ピラーカバー50の本体板51の内面50A側には、帯状の上下に長い吸音材55が貼付されている。吸音材55は、その面積がピラーカバー50の開口部53の面積より広くなるように設定され、ピラーカバー50の開口部53を全域に亘って覆うことができるように構成されて、吸音材55の外周部がピラーカバー50の内面50Aに貼付されている。このように吸音材55の外周部をピラーカバー50の内面50Aに貼付し吸音材55を固定する構成を採用することにより、例えば吸音材55とピラーカバー50の内面50Aとの間に接着材等が介在してキャビン8内の騒音が吸音材55に伝わり難くなることを防止できる。
吸音材55は、ポリエチレン系の材質のスポンジ状のフォーム材によって構成されており、多孔質材料である吸音材55の内部に音が入り込んで拡散することにより音の一部のエネルギーが熱エネルギーに変換されて吸音できるように構成されている。キャビン8内の騒音を吸音することにより、音の一部のエネルギーが熱エネルギーに変換されると、この熱エネルギーが開口部53に形成した開口53Aから放熱されて、効率よく吸音材55の熱エネルギーの授受ができるように構成されている。
図2に示すように、センターピラーCPは、運転座席7に着座した運転者の頭部の左右両側方に位置し、吸音材55の表面が運転座席7側に向くように配設されている。このように、吸音材55を備えたピラーカバー50を取り付けることにより、運転者の耳元に近い位置に吸音材55を備えたピラーカバー50を位置させることができる。その結果、運転座席7内の騒音をピラーカバー50に備えた吸音材55によって効果的に吸音することができ、運転者に耳障りな騒音を効果的に低減することができる。
また、吸音材55を備えたピラーカバー50を上下に長いセンターピラー本体24に装着することにより、運転者に耳障りな騒音を効果的に低減できるだけでなく、キャビン8内のゴミやほこりが吸音材55の表面に堆積し難くなる。その結果、吸音材55による吸音効果を持続させることができる。
図5に示すように、ピラーカバー50(ピラーの内側面に相当する)をセンターピラー本体24(ピラーの外側面に相当する)に装着した状態で、センターピラー本体24とピラーカバー50によって空間が形成され、吸音材55の外方側に所定の空間が確保されるように、吸音材55の厚み等が設定されている。その結果、ピラーカバー50の開口部53を介して吸音材55に入り込んだ音の振幅が、この空間に入り込む際の音波の拡張効果によって更に減衰されて、運転座席7内の騒音を更に効率よく低減できるように構成されている。また、吸音材55の外方側に確保された空間によって、吸音材55の熱エネルギーが効率よく放熱できるように構成されている。
図7に示すように、インナルーフ33の後部中央には、横長の長方形状の左右一対の内気供給口33Aが形成され、この内気供給口33Aにメッシュ状で樹脂製の通気カバー39が装着されて、内気供給口33Aからキャビン8内の空気を空調ユニット35へ供給できるように構成されている。
内気供給口33Aの上部及び下部に位置するインナルーフ33には、上下の開口部33B,33Bが形成されている。上下の開口部33B,33Bには、上述したピラーカバー50の開口部53と同様の開口が形成されており、この開口部33Bの内面側(空調ユニット35側)に、開口部33Bを略全域に亘って覆う吸音材56が貼付されている。
このように、内気供給口33Aの近くに位置するインナルーフ33に開口部33Bを形成することにより、開口部33Bの開口面積を広く確保でき吸音材56による吸音効果を向上できるだけでなく、美観を損なうことなく開口部33Bを形成することができる。
インナルーフ33に設けた吸音材56は、運転座席7に着座した運転者の頭部の斜め後方上方に位置し、吸音材56の表面が運転座席7側に向くように配設されている。このように、インナルーフ33の後部に吸音材56を取り付けることにより、運転者の耳元に近い位置にインナルーフ33に設けた吸音材56を位置させることができる。その結果、運転座席7内の騒音をインナルーフ33に設けた吸音材56によって効果的に吸音することができ、運転者に耳障りな騒音を効果的に低減することができる。
また、吸音材56をインナルーフ33に設けることにより、運転者に耳障りな騒音を効果的に低減できるだけでなく、キャビン8内のゴミやほこりが吸音材56の表面に堆積し難くなる。その結果、吸音材56による吸音効果を持続させることができる。
〔吸音材を取り付けた場合の効果〕
図8、図9及び図12に基づいて、吸音材55,56を取り付けたキャビン8の運転座席7に着座した運転者の耳元付近の騒音の測定結果について説明する。図8は、吸音材55及び吸音材56を取り付けた状態で、エンジン4を全開にして運転座席7の運転者の耳元付近での騒音を騒音計(図示せず)で測定したデータと、吸音材55及び吸音材56を取り付けていない状態で、エンジン4を全開にして運転座席7に着座した運転者の耳元付近での騒音を騒音計で測定したデータとを比較したグラフを示す。
図8において、A特性での1/3オクターブバンド毎の騒音(dBA)を、1/3オクターブバンドの中心周波数毎に棒グラフ状に表示する。なお、OA値は、オーバーオール値の略であり、オクターブバンド毎に測定した測定値から演算した値を示し、騒音の総合的な評価に用いる。
図9は、センターピラーCPのみに吸音材55を装着した場合、インナルーフ33のみに吸音材56を装着した場合、センターピラーCP及びインナルーフ33に吸音材55及び吸音材56を装着した場合、並びに、吸音材55及び吸音材56を装着せずに図12に示す斜線で囲ったシートフロアパネル30Bの床面及びリアガラス19の下部に吸音材55と同じ材質のフロアシート60を装着した場合における騒音の800Hz以上でのスペクトル値及びOA値を比較した表を示す。なお、シートフロアパネル30Bの床面及びリアガラス19の下部にフロアシート60を装着した測定データは、比較のために示すものであり、吸音材55及び吸音材56の効果に影響を与えるものではない。
なお、図9における騒音のスペクトル値は、騒音計の測定レンジを800〜5000Hzに設定して、オクターブバンド毎に測定した測定値から演算した値を示し、図8及び図9における騒音のOA値は、騒音計の測定レンジを0〜20000Hzに設定して、オクターブバンド毎に測定した測定値から演算した値を示す。
図8に示すように、吸音材55及び吸音材56を装着すると、吸音材55及び吸音材56を装着していない場合に比べ、中心周波数が800Hzでの騒音を約2.5dBA低減することができ、OA値を約0.7dBA低減することができる。その結果、運転座席7に着座した運転者の耳元付近の騒音を低減できる。
図9に示すように、センターピラーCPに吸音材55を装着すると、800Hz以上での騒音のスペクトル値を0.5dBA低減することができ、運転座席7に着座した運転者の耳元付近の騒音のOA値を0.5dBA低減することができる。従って、センターピラーCPに吸音材55を装着することにより、面積の小さい吸音材55で運転座席7に着座した運転者の耳元付近の騒音を効果的に低減できる。
また、センターピラーCPに吸音材55を装着すると共に、インナルーフ33に吸音材56を装着することにより、800Hz以上での騒音のスペクトル値を更に0.2dBA低減することができ、運転座席7に着座した運転者の耳元付近の騒音のOA値を更に0.2dBA低減することができる。従って、インナルーフ33に吸音材56を装着することにより、運転座席7に着座した運転者の耳元付近の騒音を更に効果的に低減できる。
センターピラーCPに吸音材55を装着し、インナルーフ33に吸音材56を装着することにより、シートフロアパネル30Bの床面及びリアガラス19の下部にフロアシート60を装着した場合に比べ、800Hz以上での騒音のスペクトル値を0.4dBA低減することができ、運転座席7に着座した運転者の耳元付近の騒音のOA値を0.4dBA低減することができる。
図9に示すように、騒音のスペクトル値とOA値とは、同じ数値低減されており、フロアパネル30の共振等によりキャビン8を通じて伝達される約600Hz以下の固体伝播音の影響を除外して測定範囲を限定して測定したスペクトル値と、測定範囲を限定せずに測定したOA値とに差異がなく、吸音材55,56による騒音低減効果が発揮されることが確認できる。
その結果、図12に示すようなシートフロアパネル30Bの床面及びリアガラス19の下部に面積の広いフロアシート60を装着した場合に比べ、小さな面積の吸音材55及び吸音材56によって運転座席7に着座した運転者の耳元付近の騒音を効果的に低減できることが確認できた。
センターピラーCPに吸音材55を装着した場合には、800Hz以上での騒音のスペクトル値を0.5dBA、OA値を0.5dBA低減することができ、小さな面積の吸音材55で運転座席7に着座した運転者の耳元付近の騒音を特に効果的に低減できることが確認できた。
[発明の実施の第1別形態]
前述の[発明を実施するための最良の形態]においては、センターピラーCPのピラーカバー50及びインナルーフ33に丸穴の開口53Aを形成した例を示したが、開口53Aの形状や構造として異なる形状や構造を採用してもよく、例えば図10(イ)に示すように、スリット状の開口53Aを採用してもよく、図10(ロ)に示すように、メッシュ状の開口53Aを採用してもよい。
前述の[発明を実施するための最良の形態]においては、センターピラーCPのピラーカバー50及びインナルーフ33に開口部53を一体成形した例を示したが、例えば図11(イ)に示すように、別部品として製作した開口部53をピラーカバー50に装着する構成を採用してもよく、図11(ロ)に示すように、別部材として製作した開口部53をピラーカバー50に装着し、ピラーカバー50の内面50A(開口部53の内面)に吸音材55を装着する構成を採用してもよい。
前述の[発明を実施するための最良の形態]においては、センターピラーCPのピラーカバー50に開口部53を形成し吸音材55を装着した例を示したが、例えば図11(ハ)に示すように、ピラーカバー50を設けないで、角パイプ状に構成したセンターピラー本体24に直接穴開け加工等を施して開口部24bを形成し、その内面24Aに吸音材55を装着するようにセンターピラーCPを構成してもよい。
前述の[発明を実施するための最良の形態]においては、ピラーカバー50の内面50Aに吸音材55を貼付した例を示したが、例えば図11(ニ)に示すように、ピラーカバー50の内面50Aから一定の間隔を開けた位置に吸音材55を装着するように構成してもよく、内面50Aと吸音材55との間に空間を形成することにより、吸音材55の吸音効果を更に向上できる。また、吸音材55をピラーカバー50の内面50Aに装着する方法は貼付に限らず、異なる装着方法であってもよく、例えば押え板等(図示せず)によってビス止め装着する方法を採用してもよい。
[発明の実施の第2別形態]
前述の[発明を実施するための最良の形態]及び[発明の実施の第1別形態]においては、センターピラーCPのピラーカバー50に開口部53を形成し吸音材55を装着した例を示したが、異なるピラーに開口部53を形成し吸音材55を装着してもよく、例えばフロントピラー23やリアピラー25に開口部(図示せず)を形成し吸音材(図示せず)を装着してもよい。
前述の[発明を実施するための最良の形態]及び[発明の実施の第1別形態]においては、インナルーフ33の後部に開口部53を形成し吸音材56を装着した例を示したが、参考形態として、インナルーフ33の異なる位置に開口部53を形成し吸音材56を装着してもよく、例えばインナルーフ33の前後中央部の左右両側部に開口部53を形成し吸音材56を装着することにより、運転座席7に着座した運転者の耳元の左右上方の騒音を効率よく低減できる。
[発明の実施の第3別形態]
前述の[発明を実施するための最良の形態]、[発明の実施の第1別形態]及び[発明の実施の第2別形態]においては、吸音材55としてポリエチレン系の材質のスポンジ状のフォーム材を採用した例を示したが、異なる材質の吸音材を採用してもよく、例えばポリエーテル系やフェルト系の材質の吸音材や、ウレタン等の吸音材(図示せず)を採用してもよい。
前述の[発明を実施するための最良の形態]、[発明の実施の第1別形態]及び[発明の実施の第2別形態]においては、キャビン付き走行車両の一例としてトラクタを例に示したが、キャビン付き走行車両であれば異なる走行車両であっても同様に適用でき、例えば、コンバイン等の農作業車、土木用作業車、建設用作業車、乗用車、トラック等の商用車においても同様に適用できる。
3 走行車体
8 キャビン
20 キャビンフレーム
33 インナルーフ
34 アウタルーフ
33B 開口部
50A 内面
53 開口部
53A 開口
55 吸音材
56 吸音材
CP センターピラー(ピラー)

Claims (3)

  1. 走行車体にキャビンを支持してあるキャビン付き走行車両において、
    前記キャビンのインナルーフの後部のみに、アウタルーフと前記インナルーフとの間に形成される空間と前記キャビン内とを連通する複数の開口が形成された開口部を形成し、前記空間内において前記開口部が形成された前記インナルーフ側に前記アウタルーフとの間に間隔を隔てて吸音材を備えているキャビン付き走行車両。
  2. 前記開口部は、前記キャビンの運転座席に着座する運転者の頭部の斜め後方上方に相当する位置に形成してある請求項1に記載のキャビン付き走行車両。
  3. 前記インナルーフの後部には、前記キャビン内の空気を空調ユニットに供給するための内気供給口を形成し、
    前記開口部は、前記内気供給口の近傍に形成してある請求項1又は2に記載のキャビン付き走行車両。
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