JP2008197336A - 光走査装置及び画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明の光走査装置は、光源ユニット107と、該光源ユニットの光源を変調する変調クロックを制御する光源駆動手段と、前記光源からの光ビームを所定の状態にする光学素子と、ねじり梁に支持された振動ミラーからなり前記光源からの光ビームを偏向して被走査面101を走査する少なくとも一つの光偏向器106と、を有し、前記被走査面内の有効走査領域内において、該有効走査領域内の略中央における走査速度に対する各走査位置での走査速度が、所定の条件の範囲内となるようにする構成または制御手段を有する。
【選択図】図1
Description
この方式によれば、ミラー面サイズが小さく小型化できるうえ、共振を利用して往復振動させるので高速動作が可能であるにもかかわらず、低騒音で消費電力が低いという利点がある。さらに、低振動で、発熱がほとんどないために、光走査装置を収容するハウジングを薄肉化でき、ガラス繊維の配合率が少ない低コストな樹脂成形材を用いても画像品質への影響が発生し難いといった利点もある。
しかし、正弦波振動を行うマイクロミラーを偏向手段に用いると、偏向角度が正弦波的に変化するので、走査結像光学系に現状の書込光学系に用いられているfθレンズを用いた場合、周辺像高において走査速度が遅くなり、被走査面上での走査速度が等速ではなくなる。走査速度の等速性が悪いと、主走査方向周辺で画像の歪等が発生し、画像品質の劣化を引き起こすという問題点がある。また、電気的に等速性を補正する内容も同時に開示されているが、この場合、補正量の段差が大きいと、階段状にドット間隔の疎密を発生させるため濃度が変化してしまい画像が劣化するので、電気的補正量には限界がある。隣接領域で段差が急峻だと、濃度差として検知できてしまうことが官能評価より明らかになっており、自ずとその補正限界量も決まってくる。正弦波的に振動する振動ミラーとfθレンズを用いた場合は、等速走査を行うための必要補正量がこの限界補正量を超えており、電気的な補正では補正しきれない。
H=K×sin-1(θ/2θmax)
但し、H:像高、K:比例定数、θ:振れ角、θmax:振幅(最大振れ角)
で示されるような結像特性(f・arcsin特性)を有する走査結像光学系を用いることにより、主走査光束のウェスト位置を光学的に補正し、広い有効書込幅と、良好な走査等速性を有する光走査装置を得ることが記載されている。
しかし、走査結像光学系にて光学的補正を行うと、像高によって形状や屈折力が変化する走査結像光学素子に、像高によって異なる角度で、かつ、異なる位置に入射するので、特に周辺像高において結像光学素子上にて光線の波面の劣化が生じ、波動光学的収差の影響によりビームスポット径の劣化、ひいては画像品質の劣化を招くという問題点があった。また、被走査面上において主走査光束のスポット径の像高間偏差が大きくなり、画像品質の劣化を招くという問題点があった。
また、本発明は、振動ミラーをポリゴンミラーの代わりとして用いることで、低騒音化や低消費電力化を可能し、オフィス環境に適合した画像形成装置を提供することを目的とする。
さらに本発明は、振動ミラーを用いることによる低消費電力化で、地球環境にも適合した画像形成装置を提供することを目的とする。
さらにまた本発明は、低振動化、低発熱化に伴ってハウジングが薄肉化でき、軽量化や低コスト化を可能として光走査装置及び画像形成装置を提供することを目的とする。
本発明の第1の手段は、光走査装置であって、光源と、該光源を変調する変調クロックを制御する光源駆動手段と、前記光源からの光ビームを所定の状態にする光学素子と、ねじり梁に支持された振動ミラーからなり前記光源からの光ビームを偏向して被走査面を走査する少なくとも一つの光偏向器と、を有し、前記被走査面内の有効走査領域内において、該有効走査領域内の略中央における走査速度に対する各走査位置での走査速度が、所定の条件の範囲内となるようにする構成または制御手段を有することを特徴とする。
また、本発明の第2の手段は、第1の手段の光走査装置において、前記有効走査領域内の略中央における走査速度に対する各走査位置での走査速度が、下記の式1の条件を満足する範囲であることを特徴とする。
また、本発明の第4の手段は、第1乃至第3のいずれか1つの手段の光走査装置において、前記光源駆動手段によって前記光源の変調クロックを制御することを特徴とする。
また、本発明の第6の手段は、第4の手段の光走査装置において、前記光源駆動手段は、前記光偏向器の走査に同期させて、前記変調クロックの位相を制御することを特徴とする。
さらに本発明の第7の手段は、第4の手段の光走査装置において、前記光源駆動手段は、前記光偏向器の走査に同期させて、前記変調クロックの位相を制御し、かつ、前記変調クロックの周波数を可変することを特徴とする。
また、本発明の第9の手段は、第8の手段の光走査装置において、前記結像位置可変手段は、前記光偏向器の走査に同期させて前記光学素子を光軸方向に移動させることを特徴とする。
さらに本発明の第10の手段は、第1乃至第7のいずれか1つの手段の光走査装置において、前記光偏向器により前記被走査面に走査される光ビームは、それぞれ被走査面近傍で結像点を有し、該結像点の深度を拡大させる深度拡大手段を有することを特徴とする。
また、本発明の第12の手段は、第1乃至第10のいずれか1つの手段の光走査装置において、前記光源駆動手段は、光量調整手段を備えており、該光量調整手段により、前記被走査面のそれぞれの走査位置において、単位時間当たりの光ビームのエネルギーを均一にすることを特徴とする。
さらに本発明の第13の手段は、第1乃至第12のいずれか1つの手段の光走査装置において、前記光源を複数備え、該複数の光源からの光ビームを共通の光偏向器で偏向して複数の被走査面を走査することを特徴とする。
また、本発明の第15の手段は、多色対応の画像形成装置であって、第13の手段の光走査装置を備え、該光走査装置で複数の被走査面を走査して画像形成を行うことを特徴とする。
さらに本発明の第16の手段は、第14または第15の手段の画像形成装置において、前記被走査面は、光導電性の感光体であることを特徴とする。
また、第4乃至第6の手段の光走査装置においては、光源駆動手段によって光源の変調クロックを制御することにより、光走査装置のリニアリティを良好な値に保ち、画像品質を向上させることができる。
さらに第7の手段の光走査装置においては、光源駆動手段により光偏向器の走査に同期させて変調クロックの周波数を可変とし、かつ、変調クロックの位相を制御することにより、リニアリティの補正量を大幅に増大させることができ、より効率的にリニアリティを良好な値に保つことができ、画像品質を向上させることができる。
また、第9の手段の光走査装置においては、光学素子を光偏向器の走査に同期させて光軸方向に移動させることにより、より安定的に被走査面上でのビームスポット径の均一化を図ることができ、画像品質を向上させることができる。
さらに第10の手段の光走査装置においては、深度拡大手段で結像点の深度を拡大することにより、像面湾曲がある場合においても、被走査面上でのビームスポット径を均一に揃え、画像品質を向上させることができる。
また、第12の手段の光走査装置においては、光量調整手段により、被走査面において単位時間当たりの光ビームのエネルギーを均一にし、被走査面(例えば感光体)を露光するエネルギーを各走査位置で一定にし、濃度ムラなどがない高品質な画像を提供することができる。
さらに第13の手段の光走査装置においては、第1乃至第12のいずれか1つの手段の効果に加え、光源を複数備え、該複数の光源からの光ビームを共通の光偏向器で偏向して複数の被走査面を走査するので、簡素な構成で複数の被走査面を同時に走査することができる。
また、第15、16の手段の多色対応の画像形成装置においては、走査等速性を保ちつつ、光線の波面の劣化を生じさせる走査結像光学素子を必要とせず、かつ複数の被走査面を同時に走査することができる光走査装置を用いて多色画像形成装置を構成することにより、多色画像形成装置の品質の向上、低コスト化、システムの簡素化、また、安定性の向上が可能となる。
図1は本発明の一実施例を説明するための光走査装置の概略構成図である。図1において、符号101は被走査面である光導電性の感光体ドラム、106は光偏向器である振動ミラー、107は内部に光源とカップリングレンズを有する光源ユニット、113は副走査方向に収束力を有するシリンドリカルレンズ、126は振動ミラー106によって走査された光ビームを感光体ドラム表面へ導光する折り返しミラー、138は有効走査領域外に設けられた同期検知センサ、139は同期検知センサ上にビームを結像させる同期検知用結像レンズ、201は光源ユニット107から出射し振動ミラー106により感光体ドラム101上を走査する光ビームの光路を表している。
また、副走査方向のビームウェスト位置が感光体表面近傍となるように、シリンドリカルレンズ113が凹のパワー(負の屈折力)を有していても良い。
振動ミラー106により偏向されたビームは折り返しミラー126で感光体ドラム101に導光される。本実施例では折り返しミラーを有する光走査装置の例となっているが、この折り返しミラーを配置せず、直接感光体ドラム101に導光されるように感光体ドラム101を配置しても良い。
本実施例では、振動ミラー106の回転トルクの発生方法として電磁駆動方式の例を説明する。
図2に示すように、振動ミラー441は、ねじり梁442で軸支されており、後述するように、単一のSi基板からエッチングにより外形を貫通して作製し、実装基板448に装着され、振動ミラー基板440を構成する。
本実施例では、一対の振動ミラー基板440を背合わせで一体支持したモジュールをなす。
尚、回路基板449には、後述の振動ミラーの駆動回路を構成する制御ICや水晶発振子などが実装され、コネクタ454を介して電源および制御信号が入出力される。
なお、図3において、符号252は光学ハウジング250の別の側壁部に固定される光源ユニットモジュール252(前記の光源ユニット107)、255は光学ハウジング250の光ビームを出射する開口部であり、この開口部255には防塵ガラスを備えている。
本実施例では、SOI基板と呼ばれる60μmと140μmとの2枚の基板が酸化膜を挟んであらかじめ接合されたウエハを用いて作製する。
上記したように振動子の慣性モーメントIは振れ角を大きくとるには小さい方が望ましく、反面、慣性力によってミラー面が変形してしまうため、本実施例では可動部を肉抜きした構造としている。
従って、コイルパターンに流れる電流の方向を交互に切り換えることによって、可動ミラー441を往復振動させることができる。
そして、この電流の切り換える周期を、振動ミラーを構成する構造体の、ねじり梁を回転軸とした1次振動モードの固有振動数、いわゆる共振振動数(共振周波数)f0に近づけると振幅が励起され大きな振れ角を得ることができる。
選別によって共振振動数f0の近いものを組み合わせることはできるが、生産効率が悪いうえ、交換を行う際には常に対で扱う必要があるためコストもかかる。
そして、その周波数帯域内で、共振振動数f0によらず、走査周波数fdを設定している。
共振状態の検出は、振動ミラーの表側から光源装置で光ビームを当て、反射された光ビームの振れを振幅検出装置で検出することにより行うことができる。
尚、このような減量方式のトリミングによらずとも、バランスウエイトを付着していく増量方式の方法によってもよい。
上記したように、振動ミラー106の裏側に形成した平面コイルには、交互に電流の流れる方向が切り換わるように、交流電圧、またはパルス波状電圧が印加され、振れ角θが一定となるように平面コイルに流す電流のゲインを調節して往復振動させる。
従って、初期的には振動ミラー106の駆動制御部601〜603において固定電極に印加する駆動周波数を共振振動数に合うよう設定することができるが、温度変化に伴うバネ定数の変化などで共振周波数が変動した際には振れ角が激減してしまい、経時的な安定性に乏しいという欠点がある。
具体的には、共振周波数f0=2kHzに対し、走査周波数fdは2.5kHzとし、ゲイン調整により振れ角θが±25°になるように合わせている。
経時的には、振動ミラー106により走査された光ビームを、走査領域の始端に配備した同期検知センサ604において復走査時に検出した検出信号と往走査時に検出した検出信号との時間差により、振幅演算部609で振れ角θを検出し、振れ角θが一定となるようにゲイン調整部602でゲインを調整して可動ミラー駆動部603で振れ角θを制御している。
従って、振動ミラーの最大振れ角、つまり振幅がθ0とすると、
θ=θ0・sin2πfd・t
となり、同期検知センサ604において走査角を2θsに対応したビームを検出するとすると、検出信号は復走査と往走査とで発生され、その時間差Tを用いると、
θs=θ0・cos2πfd・T/2
で表され、θsは固定であるので、Tを計測すれば最大振れ角θ0が検出できることがわかる。
θ0>θ>θs
なる期間では発光源の発光を禁止するようにしている。
上記のように、振動ミラー106の振れ角θが一定となるよう制御するため、同期検知センサ604にて検出している同期信号をモータ駆動部605にも入力し、カップリングレンズを載せたステッピングモータを制御し、カップリングレンズの光軸方向位置を振動ミラー107と同期をとりながら変位させる。
また、本実施例のように、シリンドリカルレンズが副走査方向にのみ収束力を持っている場合に限らず、主走査方向にも収束力を有する形状とし、カップリングレンズの位置をより発光点側に近づける配置にしても良い。これにより光量の確保の観点から有利な配置とすることができる。
V=Lω/[cos(θ)]2 ・・・(式2)
L:光偏向器(振動ミラー)から被走査面(像面)までの距離
ω:光偏向器(振動ミラー)の角速度
θ:光偏向器の偏向角(振動ミラーの振れ角)
より好ましくは、主走査方向の位置に応じて、光源駆動部606のクロック周波数を相対的に異ならせるとともに、クロック位相シフト量を相対的に異ならせることにより、更に効率良くリニアリティを補正することができる。例えば、正弦波的に振動する振動ミラーを用いた書込光学系において、走査レンズを用いてビームスポット径を感光体表面に均一に揃えた場合、その分、設計値の段階でリニアリティが大きく劣化するような書込光学系の性質となる。このとき、設計値として設定しているリニアリティ変動を、光源駆動部606のクロック周波数を可変とすることにより補正し、加工や組付時に発生する公差によるリニアリティの設計値からのばらつきについては、クロック位相シフト量を制御することにより補正する。このように二つの光源の変調クロック制御手段を二段階に使用することにより、振動ミラーと走査レンズを用いた書込光学系におけるリニアリティを精度良く補正することが可能となる。
このような電気的な光源駆動制御を行うことにより、走査光学系におけるリニアリティの劣化を補正し、走査速度の等速性を保ち、画像品質の劣化を防ぐことができる。
図26に示すように、光偏向器(振動ミラー)から被走査面(像面)までの距離をL、像高をYとし、振動ミラーが図27に示すように、駆動周波数fで正弦振動しているとする。このとき、像面上の像高Yについて、リニアリティVは、以下の式で表される。
θ=θmaxsin2πft ・・・(a)
より、
ω=dθ/dt=2πθmaxfcos2πft・・・(b)
となる。
ここで、(a)式より、2πftは、
2πft=sin-1(θ/θmax) ・・・(a')
となり、(a')式を(b)に代入すると、下記のように前述の式3となる。
V(0)=Lω0/cos2(0)
ω0=2πθmaxfcos[sin-1(0)]=2πθmaxf
であるから、
V(0)=L・2πθmaxf
であり、中央像高でのリニアリティV(0)を基準とした正弦振動ミラーの振れ角θのときのリニアリティ(V(θ)−V(0))/V(0)は以下のように導出され、これが式1の条件式中のリニアリティである。
例えばθmax=20degのとき、式1が−12.5%を下回らないθが30.3degとなり、θmax=30degのとき、式1が12.5%を上回らないθが27.0degとなる。この値は、書込光学系の光路長や画角などの条件により最適に設計されるべきである。
前述の実施例1では図6におけるステッピングモータをカップリングレンズの光軸方向駆動手段としているが、これに代わり、図16に示す光源ユニット700のように、ボイスコイル等のアクチュエータなどを用いても良い。
図16において、光源である半導体レーザ701は、ホルダ部材702の貫通孔703に、図示しないハウジングへの当接面とは反対側から貫通孔703と同軸に圧入されている。ホルダ部材702の上記ハウジングへの当接面側には貫通孔703と同軸に円筒部709が一体に形成され、その内径に沿って、円筒状に巻かれた電磁コイル704が装着されている。符号706はコリメータレンズ等のカップリングレンズを示している。カップリングレンズ706は、発光源からの光ビームを所定の収束状態または発散状態に変換する第1の結像光学系を構成するもので、中空円筒状のレンズセル707の前端大径部内周側に接着固定されている。レンズセル707は小径の後端部が電磁コイル704の中央部に挿入されている。
さらにこの駆動を、図6と同様の駆動回路を用いて、振動ミラー106の走査状態と同期をとりながら駆動し、安定的に像面湾曲を補正し、感光体表面上でのビームスポット径を均一に揃えている。
次に第3の実施例として、感光体表面上でのビームスポット径を均一にするために、図23に示すような可変焦点レンズをカップリングレンズに用いた実施例を説明する。この可変焦点レンズをカップリングレンズに用いた光源ユニットの構成例を図24に示す。
このこの光源ユニットは、光源21と、可変焦点レンズ部13からなり、可変焦点レンズ部13は、可変焦点レンズ14と固定対物レンズ15とから構成されている。
円環状のシリコンスペーサ24に対して透光性弾性膜としての薄膜のガラスダイヤフラム25が陽極接合によって接合されている。ガラスダイヤフラム25上には、PZT等の駆動手段としての圧電素子26がスパッタ等の成膜方法によって円環状に形成されている。また、図示はしていないがガラスダイヤフラム25は、中央部になるほど膜厚が徐々に薄肉となる膜厚分布を有するように形成されており、これにより可変焦点レンズ部13の光学収差を低減するようになっている。
圧電素子26に対する駆動によりガラスダイヤフラム25の曲率が変化して可変焦点レンズ部13の焦点距離が変化する。この駆動を振動ミラー106の駆動と同期させることにより、システムとして安定的に像面湾曲変動の抑制が可能となる。
次に、第4の実施例として、感光体表面上でのビームスポット径を均一にするために、カップリングレンズを光軸方向に移動させて像面湾曲補正を行うのではなく、深度拡大手段を用いた実施例を図14を用いて説明する。
図14の光走査装置の基本的な構成は、実施例1で説明した図1の構成と同様であるが、実施例1と異なるのは、深度拡大手段301を光源ユニット107と振動ミラー106との間に配置していることである。また、図6で示したような、実施例1で配置されていたカップリングレンズの光軸方向の移動手段を本実施例では配備していない。
具体的には、深度拡大素子301として、光源ユニット107と振動ミラー106の間の光路中に、射出瞳上の強度分布を中央部分よりも周辺の4角が高くなるように変換する強度分布変換素子を付加する、あるいは、深度拡大素子301として、光源ユニット107と振動ミラー106の間の光路中に、射出瞳上の光束の位相分布を任意に変換する位相分布変換素子を付加する、あるいは、深度拡大素子301として、光源ユニット107と振動ミラー106の間の光路中に、射出瞳上の位相分布を変換させる位相分布変換素子と強度分布を変換する強度分布変換素子を付加する、あるいは、深度拡大素子301として、位相分布変換素子と強度分布変換素子とを一体化した光学素子を付加する等の構成としたものが挙げられる。
次に第5の実施例として、光源駆動部が光量調整手段を備えており、該光量調整手段により、被走査面のそれぞれの走査位置において、単位時間当たりの光ビームのエネルギーを均一にする実施例を説明する。
本実施例では、光量調整手段として、光学素子にシェーディング効果を備えるのではなく、光源駆動部にオートパワーコントロール(以下、APCと言う)を用いている。
APCとは半導体レーザの光出力を受光素子によりモニタし、半導体レーザの光出力に比例する受光電流の検出信号により、半導体レーザの順方向電流を所望の値に制御する方式のことである。
例えば、振動ミラー106へのビームの入射角が0のとき、その振動ミラー106の反射面が光源方向に正対しているので、この位置でAPCを行なうと、反射ビームが光源に戻り、受光素子で検出する光量が増加してしまう。そのため、書込みを実施している振動ミラーからのレーザ出力が狙いより少ない発光出力となってしまい、画像濃度が薄くなってしまったり、濃度むらが発生するという問題を生ずる。
そこで、振動ミラー106の上記入射角が0であるときはAPCを行なわないように設定しておく。この構成をとることにより、適切な濃度で、濃度むらの少ない画像出力が可能となる。
次に第6の実施例として、本発明の光走査装置を搭載した画像形成装置の一例を図15に示す。
この画像形成装置は、4つの画像形成ステーションを備えた多色対応のタンデム型画像形成装置の例であり、一つの画像形成ステーションについて説明すると、感光体ドラム901の周囲には、該感光体ドラム901を高圧に帯電する帯電チャージャ902、光走査装置900からの光ビームにより記録された静電潜像に帯電したトナーを付着して顕像化する現像ローラ903、現像ローラにトナーを補給するトナーカートリッジ904、感光体ドラム901に残ったトナーを掻き取って備蓄するクリーニングケース905が配置されている。感光体ドラム901へは、光走査装置900の前述した振動ミラーの往復走査により1周期で2ライン毎の画像記録が行われる。
図25に示す光走査装置は、光源とカップリングレンズの組を2つづつ有し、2本の光ビームを発する光源ユニットを2つ備えており、それぞれ2本の光ビームを発する光源ユニット107,108から出射された各画像形成ステーション用の光ビーム201〜204は、入射ミラー111とシリンドリカルレンズ113を介して一つの振動ミラー106上に主走査方向に長い線像として照射される。
各感光体ドラム101〜104上に形成された静電潜像は、各画像形成ステーションの現像手段(現像ローラ等)により各色のトナーで現像され、感光体ドラム101〜104上にイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色のトナー画像が形成される。
また、光源ユニット107,108に設けられる光源として、複数の発光部を有する半導体レーザアレイや、あるいは複数の半導体レーザを組合わせた光源等の、マルチビーム光源を用いても良く、この場合には、一度の走査で複数のラインを同時に書き込むことが可能となり、画像形成の更なる高速化が達成できる。
例えば、タンデム型の画像形成装置に対応する光走査装置の例として、片側走査方式の例を図25に示したが、振動ミラー106を挟んでその両側の対向位置に2系統づつの光学系を配置して、振動ミラー106の両面を偏向反射面として用いる構成とすれば、対向走査方式の光走査装置を容易に実現することができる。
また、本発明に係る光走査装置は、画像形成装置への適用のみならず、光走査型のバーコード読み取り装置、車載用のレーザレーダ装置などへも応用が可能である。
106:振動ミラー(光偏向器)
107,108:光源ユニット
113:シリンドリカルレンズ
126〜132:折り返しミラー
138:同期検知センサ
139:同期検知用結像レンズ
201〜204:光ビーム
250:光学ハウジング
253:振動ミラーモジュール
301:深度拡大素子(深度拡大手段)
440:振動ミラー基板
441:可動ミラー
442:ねじり梁
447:支持部材(フレーム)
448:実装基板
449:回路基板
601:振動ミラーの駆動制御部
602:ゲイン調整部
603:可動ミラー駆動部
604:同期検知センサ
605:モータ駆動部
606:光源駆動部
607:書込制御部
608:画素クロック生成部
610:光量可変データ
700:光源ユニット
900:光走査装置
902:帯電チャージャ
903:現像ローラ
904:トナーカートリッジ
905:クリーニングケース
906:中間転写ベルト
907:給紙トレイ
910:定着装置
Claims (16)
- 光源と、該光源を変調する変調クロックを制御する光源駆動手段と、前記光源からの光ビームを所定の状態にする光学素子と、ねじり梁に支持された振動ミラーからなり前記光源からの光ビームを偏向して被走査面を走査する少なくとも一つの光偏向器と、を有し、前記被走査面内の有効走査領域内において、該有効走査領域内の略中央における走査速度に対する各走査位置での走査速度が、所定の条件の範囲内となるようにする構成または制御手段を有することを特徴とする光走査装置。
- 請求項2記載の光走査装置において、
前記最大偏向角θmaxが22deg近傍であることを特徴とする光走査装置。 - 請求項1乃至3のいずれか1項に記載の光走査装置において、
前記光源駆動手段によって前記光源の変調クロックを制御することを特徴とする光走査装置。 - 請求項4記載の光走査装置において、
前記光源駆動手段は、前記光偏向器の走査に同期させて、前記変調クロックの周波数を可変することを特徴とする光走査装置。 - 請求項4記載の光走査装置において、
前記光源駆動手段は、前記光偏向器の走査に同期させて、前記変調クロックの位相を制御することを特徴とする光走査装置。 - 請求項4記載の光走査装置において、
前記光源駆動手段は、前記光偏向器の走査に同期させて、前記変調クロックの位相を制御し、かつ、前記変調クロックの周波数を可変することを特徴とする光走査装置。 - 請求項1乃至7のいずれか1項に記載の光走査装置において、
前記光学素子の結像位置を一走査期間内で変化させる結像位置可変手段を有することを特徴とする光走査装置。 - 請求項8記載の光走査装置において、
前記結像位置可変手段は、前記光偏向器の走査に同期させて前記光学素子を光軸方向に移動させることを特徴とする光走査装置。 - 請求項1乃至7のいずれか1項に記載の光走査装置において、
前記光偏向器により前記被走査面に走査される光ビームは、それぞれ被走査面近傍で結像点を有し、該結像点の深度を拡大させる深度拡大手段を有することを特徴とする光走査装置。 - 請求項1乃至10のいずれか1項に記載の光走査装置において、
該光走査装置を構成する少なくともいずれか一つの光学素子は、シェーディング効果を備えており、前記被走査面のそれぞれの走査位置において、単位時間当たりの光ビームのエネルギーを均一にすることを特徴とする光走査装置。 - 請求項1乃至10のいずれか1項に記載の光走査装置において、
前記光源駆動手段は、光量調整手段を備えており、該光量調整手段により、前記被走査面のそれぞれの走査位置において、単位時間当たりの光ビームのエネルギーを均一にすることを特徴とする光走査装置。 - 請求項1乃至12のいずれか1項に記載の光走査装置において、
前記光源を複数備え、該複数の光源からの光ビームを共通の光偏向器で偏向して複数の被走査面を走査することを特徴とする光走査装置。 - 請求項1乃至12のいずれか1項に記載の光走査装置を備え、該光走査装置で前記被走査面を走査して画像形成を行うことを特徴とする画像形成装置。
- 請求項13記載の光走査装置を備え、該光走査装置で複数の被走査面を走査して画像形成を行うことを特徴とする多色対応の画像形成装置。
- 請求項14または15記載の画像形成装置において、
前記被走査面は、光導電性の感光体であることを特徴とする画像形成装置。
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