JP2005345866A - 偏向ミラー、光走査装置および画像形成装置 - Google Patents

偏向ミラー、光走査装置および画像形成装置 Download PDF

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Abstract

【課題】共振周波数のばらつきがあっても所望の走査周波数で駆動できるようにし、生産効率に優れる振動ミラーを得ることができるようにする。
【解決手段】光ビームを偏向する可動ミラー202と、可動ミラーと連結され回転軸心を規定するねじり梁208と、可動ミラーの少なくとも一部に回転トルクを発生するミラー揺動手段と、を有する偏向ミラーにおいて、ミラー揺動手段は、可動ミラー202の振れ角に応じて静電引力を発生する電極対を、可動ミラーの面内で回転軸と直交する方向に順次切り換えて振幅駆動する。静電引力を発生する電極対を、可動ミラーの面内で回転軸と直交する方向に沿って複数領域に分割して備え、個別に静電引力を発生させるようにするとよい。
【選択図】図3

Description

本発明は、デジタル複写機、レーザプリンタ等の画像形成装置、この画像形成装置に用いることができる光走査装置及びこの光走査装置に適用可能な偏向ミラーに関するもので、光走査型の表示装置や車載用のレーザレーダ装置等へも応用が可能なものである。
例えば、レーザ光源などから射出される光ビームを偏向器によって偏向し、この偏向光束を感光体など被走査面上で走査させることによって被走査面上に画像を書き込む光走査装置が知られている。従来の光走査装置においては、光ビームを走査する偏向器としてポリゴンミラーやガルバノミラーが用いられている。光走査装置については、より高解像度の画像が得られることと高速プリントが可能であることが要求され、この要求を満足させるには、上記ポリゴンミラーあるいはガルバノミラーからなる偏向器の回転をさらに高速にする必要がある。しかし、偏向器の回転を高速化すると、軸受の耐久性や風損による発熱、騒音が課題となり、光走査の高速化には限界がある。
これに対し、近年、シリコンマイクロマシニングを利用した光偏向器の研究がすすめられており、シリコン(以下「Si」という)基板を用い振動ミラーとそれを軸支するねじり梁とを一体的に形成す方式が提案されている(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。この方式によれば共振を利用して振動ミラーを往復振動させるので、高速動作が可能であるとともに、騒音が低く、振動ミラーを振動させるための駆動力も小さくて済むので、消費電力も低く抑えられる。そのうえ、Siウエハ上に複数の振動ミラーをレイアウトし、バッチ処理により複数ウエハを同時加工するため、生産性に優れるという利点がある。
しかしながら、これらの振動ミラーにおいては、従来のポリゴンミラーのように広い範囲を走査することはできないので、振動ミラーを偏向器とした複数の光走査装置を、走査方向を揃えて直列的に配列し、画像領域を主走査方向に分割して画像記録を行う方法をとっている(例えば、特許文献3参照)。このように、1本の光走査を行うのに複数の振動ミラーを用いるものにあっては、各々の走査周波数を揃えないと、隣接する境界部で走査ラインが繋がらず画像品質が劣化するため、共通の走査周波数で駆動する必要がある。
一方、上記のような振動ミラーは、共振周波数を外れると極端に振れ角が小さくなってしまうため、一般に、走査周波数を共振周波数に合わせて駆動している。そのため、個々の振動ミラーで共振周波数を揃える必要があり、言いかえれば、共振周波数のばらつきなく振動ミラーを生産する必要があり、その方法として、振動ミラーに質量体を付加し、質量体の質量を加減することによって、共振周波数をねらった値に追い込むようにした技術が提案されている(例えば、特許文献4、特許文献5参照)。
また、振動ミラーを生産する他の方法として、共振周波数を避け、共振周波数から外れた周波数帯域で振幅を設定することによって、ダイナミックレンジの広い振幅制御を行なうことができるようにした例も提案されている(例えば、特許文献6参照)。
偏向器として振動ミラーを用いる光走査装置において、静電トルクを振動ミラーの駆動力として用いるものもあり、かかる駆動方式のものにおいても、静電力による大きなトルクが得られることが要求される。静電トルクを拡大する方法としては、に示されるように固定電極を複数層に重ね合わせて構成する例がある(例えば、特許文献7参照)。しかし、基板毎に櫛歯電極を形成するため、正確にアライメントを行なわないと寸法誤差により電極が接触してしまう可能性がある。
また、可動ミラーの面内でねじり梁と直交する方向の複数箇所に櫛歯電極を設け、単層で電極形成した例が提案されている(例えば、特許文献8参照)。しかし、各電極で発生する静電トルクのバランスをうまく調節しないと回転速度が断続的となってスムーズな振幅動作を阻害する可能性があり、いずれも生産効率が良いとはいえなかった。
特許第2924200号公報 特許第3011144号公報 特開2002−258183号公報 特開平8−75475号公報 特開2002−40355号公報 特開平5−257075号公報 特許第3011144号公報 特開2002−311376号公報
上記のように、画像領域を主走査方向に分割し、分割領域ごとに対応する光走査装置で画像記録を行なう方法においては、光走査装置各々の走査幅が小さく光路長を短縮することができることにより小型化が可能であり、かつ、微小な振動ミラー等を利用して低負荷で光走査ができることにより、低騒音で省電力化が可能な画像形成装置を提供できるといった利点がある。反面においては、上記したように、所定の共振周波数に合わせ込むために、ねじり梁やミラーの仕上がり寸法を高精度に加工する必要がある。
しかしながら、1枚のSiウエハをエッチング加工することによって、1枚のSiウエハから複数の振動ミラーを製造しているため、一つの面内におけるエッチングの進行速度に若干のばらつきがあり、加工精度を上げるには限界がある。従って、上記したように各振動ミラーを分割した後に、個別にトリミング等によって振動ミラーの質量を加減し、共振周波数を狙った値に追い込む、あるいは、ねらった値に近い共振周波数の振動ミラーを選別する等により対処していた。このため、生産効率が悪く、しかも、ばね定数の温度変化等に伴って共振周波数が変動してしまうため、共振周波数を安定化させるための対策を施さなければならないといった問題があった。
一方、特許文献6に開示されるように、共振周波数から外れた周波数帯域で駆動することにより、共振周波数によらず走査周波数を設定できるため、上記した問題はなくなるが、振れ角が極端に小さくなってしまうという欠点があり、静電引力のように微弱な回転トルクしか得られない駆動方式には向かないという問題があった。
本発明は、振動ミラー方式の偏向ミラー、これを用いた光走査装置および画像形成装置において、周波数に対して振れ角の変化が大きい共振周波数近傍を避け、比較的変化が小さい共振周波数から外れた周波数領域に走査周波数を設定するとともに、共振周波数から外れた周波数帯域でも必要な振れ角が得られるようにすることで、共振周波数のばらつきがあっても所望の走査周波数で駆動できるようにし、生産効率に優れる振動ミラーを得ることができるようにすることを目的とする。請求項記載の発明ごとの解決課題は以下のとおりである。
請求項1〜6記載の発明は、振動ミラーの振れ角に対して回転トルクが働く角度の範囲を拡大することで、静電引力によっても共振周波数から外れた周波数帯域で所望の振れ角が得られる偏向ミラーを得ることを目的とする。
請求項7記載の発明は、振動ミラーの回転軸心から離隔した部位に連続的に回転トルクを伝達することで、各領域で発生する静電引力が断続的であっても安定した振幅が得られる偏向ミラーを得ることを目的とする。
請求項8記載の発明は、Siマイクロマシニングによるバッチ処理により複数個の振動ミラーを同時に加工し生産効率を向上するとともに、各電極対のギャップを微小化することで静電引力を拡大することができる偏向ミラーを提供することを目的とする。
請求項9記載の発明は、振動ミラーを減圧環境に封止して保持することで、空気の粘性抵抗を軽減し大きな振れ角が得られる偏向ミラーを提供することを目的とする。
請求項10〜11記載の発明は、個々の振動ミラーに共振周波数のばらつきがあっても、共振周波数を安定化するための複雑な制御を行なうことなく高品位な画像記録が行なえる光走査装置を提供することを目的とする。
請求項12記載の発明は、静電駆動による振動ミラーを用いることで、小型で省電力な画像形成装置を提供することを目的とする。
本発明にかかる偏向ミラーは、請求項1に記載されているように、光ビームを偏向する可動ミラーと、可動ミラーと連結され回転軸心を規定するねじり梁と、可動ミラーの少なくとも一部に回転トルクを発生するミラー揺動手段と、を有する偏向ミラーにおいて、上記ミラー揺動手段は、上記可動ミラーの振れ角に応じて静電引力を発生する電極対を、可動ミラーの面内で回転軸と直交する方向に順次切り換えて振幅駆動することを特徴とすることを最も主要な特徴とする。
請求項2に記載されているように、上記静電引力を発生する電極対を、可動ミラーの面内で回転軸と直交する方向に沿って複数領域に分割して備え、個別に静電引力を発生させるようにするとよい。
請求項3に記載されているように、上記静電引力を発生する電極対の複数領域のうち、少なくとも隣接する領域における静電引力を発生可能な振れ角範囲がオーバーラップするようにするとよい。
請求項4に記載されているように、上記静電引力を発生する電極対の複数領域は、各々の静電トルクを発生可能な振れ角範囲内で、パルス状に静電引力を発生させるようにするとよい。
請求項5に記載されているように、上記静電引力の発生タイミングを、各々の静電トルクを発生可能な振れ角範囲内で、可変とするとよい。
請求項6に記載されているように、上記ミラー揺動手段は、可動ミラーの振れ角が小さいほど回転軸から離隔した電極対において静電引力を発生させるようにするとよい。
請求項7に記載されているように、上記可動ミラーの回転軸から離隔した部位とねじり梁の一端とを連結する連結梁を備え、この連結梁に沿って静電引力を発生する電極対を設けるとよい。
請求項8に記載されているように、上記可動ミラーとミラー揺動手段とを単一のSi基板により形成するとよい。
請求項9に記載されているように、可動ミラーに入出射する光ビームの透過窓を有する封止手段と、上記静電引力を発生する電極対に接続され封止された内外を貫通する端子手段と、を備える減圧容器内に上記偏向ミラーが収容されるように構成するとよい。
本発明にかかる光走査装置は、請求項10に記載されているように、請求項1乃至9のいずれかに記載の偏向ミラーと、偏向ミラーに向けて光ビームを射出する光源手段と、偏向ミラーにより往復走査された光ビームを被走査面に結像する結像手段と、を有することを特徴とする。
本発明にかかる光走査装置はまた、請求項11に記載されているように、請求項10記載の光走査装置を複数備え、各光走査装置により走査される被走査領域を走査方向に繋ぎ合わせて画像を形成するように構成するとよい。
本発明にかかる画像形成装置は、請求項12に記載されているように、請求項10乃至11のいずれかに記載の光走査装置と、光走査装置により光走査されて静電潜像を形成する像担持体と、像担持体に形成された潜像をトナーにより顕像化する現像手段と、トナーにより顕像化された像を記録媒体に転写する転写手段とを有することを特徴とする。
請求項1記載の発明によれば、光ビームを偏向する可動ミラーと、可動ミラーと連結され回転軸心を規定するねじり梁と、可動ミラーの少なくとも一部に回転トルクを発生するミラー揺動手段と、を有する偏向ミラーにおいて、ミラー揺動手段は、可動ミラーの振れ角に応じて静電引力を発生する電極対を可動ミラーの面内で回転軸と直交する方向に順次切り換えて振幅駆動することにより、従来のように、振れ角の一部で瞬間的に回転トルクを与えるのではなく、全域で均一な回転トルク与えることができる。これによって、走査周波数に対して急峻に立った振れ角の周波数特性に対して裾領域が底上げされ、周波数帯域を拡張することができ、温度変化等で共振周波数変動があっても、特別に共振周波数に追従した制御を行なうことなく安定的に振幅を維持することができる。また、個々の共振周波数を合わせる必要がないので、生産効率が向上する。
請求項2記載の発明によれば、上記静電引力を発生する電極対を、可動ミラーの面内で回転軸と直交する方向に沿って複数領域に分割して備え、個別に静電引力を発生させるようにしたことにより、可動ミラーの振幅に応じて最適なタイミングで電圧を印可することができ、各電極相互の回転トルクを阻害することなく効果的に回転トルクを与えることができる。
請求項3記載の発明によれば、上記静電引力を発生する電極対の複数領域のうち、少なくとも隣接する領域における静電引力を発生可能な振れ角範囲がオーバーラップするようにしたことにより、各々の角度範囲間で連続的に回転トルクを受け渡しすることができ、安定的に振幅を維持することができる。
請求項4記載の発明によれば、上記静電引力を発生する電極対の複数領域は、各々の静電トルクを発生可能な振れ角範囲内で、パルス状に静電引力を発生させるようにしたため、そのパルス幅や位相を調節することで、最小限の電力で効率的に所望の振れ角を得ることができる。
請求項5記載の発明によれば、上記静電引力の発生タイミングを、各々の静電トルクを発生可能な振れ角範囲内で可変としたことにより、可動ミラーの寸法誤差等による電極形成位置のばらつきによらず、振幅に対応した最適なタイミングで回転トルクを与えることができる。
請求項6記載の発明によれば、上記ミラー揺動手段は、可動ミラーの振れ角が小さいほど回転軸から離隔した電極対において静電引力を発生させるようにしたことにより、可動ミラーに形成された可動電極と固定枠に形成された固定電極とのギャップが振幅に伴って広がってしまうことがないので、効果的に静電引力を発生でき、安定した回転トルクが得られる。
請求項7記載の発明によれば、上記可動ミラーの回転軸から離隔した部位とねじり梁の一端とを連結する連結梁を備え、この連結梁に沿って静電引力を発生する電極対を設けたことにより、固定電極が複数個あっても可動ミラーへの作用点は単一であり、各電極間でバランスを合わせなくても連続的に回転トルクを発生させることができる。また、各電極によって生じる部分的な応力によってミラー面を歪めてしまうこともないので、被走査面におけるビームスポットを均一化できる。
請求項8記載の発明によれば、上記可動ミラーとミラー揺動手段とを単一のSi基板により形成することにより、半導体プロセスを用いたバッチ処理で生産することができ、アライメント等の面倒な作業が不要となり生産効率が向上する。
請求項9記載の発明によれば、可動ミラーに入出射する光ビームの透過窓を有する封止手段と、上記静電引力を発生する電極対と接続され封止する内外を貫通する端子手段と、を備える減圧容器内に上記偏向ミラーを収容することにより、空気の粘性抵抗が軽減され共振周波数から外れた周波数帯域に走査周波数を設定しても、より少ない電力で所望の振れ角を得ることができる。
請求項10記載の発明によれば、請求項1乃至9のいずれかに記載の偏向ミラーと、偏向ミラーにより往復走査される光ビームを射出する光源手段と、走査された光ビームを被走査面に結像する結像手段とを有することで光走査装置を構成することにより、装置全体を小型化でき、かつ省電力化が可能な光走査装置を提供できる。
請求項11記載の発明によれば、請求項10記載の光走査装置を複数備え、各光走査装置により走査される被走査領域を走査方向に繋ぎ合わせて画像を形成するように構成したことにより、光走査装置の単位モジュールでの走査幅が小さくて済み、光学系の光路長が短縮できるので、さらに小型な光走査装置を提供できる。
請求項12記載の発明によれば、請求項10記載の光走査装置と、光走査装置により静電潜像を形成する像担持体と、上記潜像をトナーにより顕像化する現像手段と、上記トナー像を記録媒体に転写する転写手段とを有してなる画像形成装置を構成することにより、装置全体を小型化でき、かつ省電力化が可能な画像形成装置を提供することができる。
以下、本発明にかかる偏向ミラー、光走査装置および画像形成装置の実施例を、図面を参照しながら説明する。
図3は、本発明にかかる光走査装置に用いることができる振動ミラーモジュールの詳細を示す。図3において、振動ミラー基板は、2枚のSi基板206、207を酸化膜等の絶縁膜を介して重ね合わせて接合されたSOIウエハが、複数個同時にエッチング処理され、ダイシングされることによって形成される。第1のSi基板206は厚さ60μmのSi基板からなり、ドライエッチングにより可動ミラー202および同一直線上で軸支するねじり梁208を、その周囲を貫通し固定枠210から分離して形成する。ねじり梁208の一端は分岐梁246によりT字またはY字状に形成され、可動ミラー202とは回転軸心から偏心した2端で連結されている。
可動ミラー202の両縁部およびねじり梁208に対して対称に形成された分岐梁の付根部には、対向する固定枠210の内辺と数μmのギャップを有して互い違いに噛み合うよう櫛歯状に凹凸が形成されている。これらのギャップは上記絶縁層をエッチストップ層として貫通され、同時に、図3(a)(b)(c)に示すように、固定枠210に形成された櫛歯状の凹凸部は各々が固定電極として分離するように周囲を絶縁層まで貫通して分離溝を形成し、第2の基板207上に島状に孤立するようにしている。なお、可動ミラー202の表面には銅(Au)などの金属被膜がスパッタされて反射面となっている。
図3の(a)は表面(反射面側)、(b)は断面、(c)は裏面を示す。図3に示す実施例では、可動ミラー202両端の凹凸部を第1、第2の可動電極、対向する固定枠の凹凸部を第1、第2の固定電極203、204、また、分岐梁246の凹凸部を第3、第4および第5、第6の可動電極211、212、213、214(説明では便宜上分けているが同電位)、対向する固定枠210の凹凸部を第3、第4および第5、第6の固定電極215、216、217、218としている。上記したように、分離溝によって固定枠210から可動ミラー202、分岐梁246、ねじり梁208、及びねじり梁の付け根部を有する島部221と、各固定電極を有する島部222、223、224、225を、約5μmのギャップをもって分離している。実施例では、第1、第2の固定電極203、204に同位相の電圧パルスが印加され、第3、第4、及び第5、第6の固定電極215、216、217、218には第1、第2の固定電極に印加する電圧パルスよりも大きい振れ角において同位相の電圧パルスが印加される。
第2の基板207は254μmのSi基板からなり、ウエットエッチングにより上記可動ミラー202の下側を上記絶縁層まで開放し、ギャップ部に露出した絶縁層を取り除くことで、可動ミラー202が分岐梁246、ねじり梁208で空間に浮いて支持される構成となっている。
図12には可動ミラー202の振れ角に対応して各電極に発生する静電トルクの様子を示す。横軸は振れ角、縦軸は静電トルクTである。可動ミラー202の回転方向に対し固定電極が先にあるか後にあるかによって静電トルクの方向が入れ代るが、可動電極と固定電極とが重なる直前、直後を中心として静電トルクが分布しており、可動ミラー202の振幅とタイミングを合わせて電圧パルスを印加する。各電極の静電トルクが発生する振れ角の範囲はオーバーラップするように設けられ、可動ミラーが水平状態(振れ角0)から最大振れ角θに近い角度まで全域で回転力が確保できるように、第3、第4および第5、第6の可動電極の回転軸心に直交する方向(主走査方向)での配置Lを設定し、静電トルクの分布中心を最適化している。
実施例では、可動ミラーの両端と比較的回転軸心に近い位置とに分割して固定電極を設け、双方の角度範囲で静電トルクをまかなうようにしているが、図16に示すように、分岐梁に沿って固定電極を細分化して設け、電極数を増やしてやれば、全域でさらに均一な静電トルクをうることができ、振れ角を拡大できる。図16の(a)は表面、(b)は裏面である。実施例では、分岐梁246を階段状に形成している。直線状としても同様である。逆に、振れ角を拡大するには、電極数が少ないと回転トルクが得られない角度範囲ができてしまうので、常に回転トルクをかけておくには確実にオーバーラップする領域ができるよう電極数と位置を設定する必要がある。
図24は図16に示す実施例における静電トルクの分布を示す。可動ミラーを最大振れ角から水平に至るまで振れさせるには、まず、第3、第4および第5、第6の固定電極253、254、255、256、次に、第7、第8および第9、第10の固定電極257、258、259、260、次に、第11、第12および第13、第14の固定電極261、262、263、264、次に、第15、第16および第17、第18の固定電極265、266、267、268、そして、第1、第2の固定電極251、252というように順次電圧を印加する。可動ミラーを逆向きに振れさせるには、各固定電極に上記の順序と逆の順序で電圧を印加すればよい。
また、図25は、第3、第4および第5、第6の可動電極をねじり梁208に設け、可動ミラー側に分岐梁246を配備した例を示す。第1、第2の固定電極および第3、第4および第5、第6の固定電極には、各々静電トルクが発生する振れ角範囲内で時系列にパルス状の電圧が印加され、可動ミラーを駆動する。
図15に電極の断面を示す。図15において、左回りの回転方向の静電トルクを正としている。可動ミラー202は、上記したように接合されたSi基板の一方を開放して形成するため、表裏面の応力差によって初期状態では水平からわずかに傾斜している。この状態で、第1、第2の固定電極に電圧パルスを印加すると、対向する可動電極との間で負の方向での静電力を生じ、ねじり梁208をねじって水平に戻るよう回転される。電圧パルスを解除するとねじり梁208の戻り力により可動ミラー202は初期状態に復帰する。この際、可動ミラー203の慣性モーメント、ねじり梁208の幅と長さを、走査する所望の走査周波数に近い周波数で、ねじり梁を回転軸とした1次共振モードの帯域にかかるよう設計しておくことにより、電圧パルスの繰り返し周波数を共振周波数に近づけると、励振されて著しく振幅が拡大され、各々の可動電極が対向する固定電極を抜ける振れ角まで拡大する。
ここで、第3、第4および第5、第6の固定電極に、可動ミラー202の最大振れ角から電極が重なる直前までの過程において電圧パルスを印可し、また、第1、第2の固定電極に、可動ミラーが水平に戻る直前において電圧パルスを印加することで、正の方向での静電トルクを連続的に発生させることができる。こうすることによって、正負いずれの方向においても最大振れ角θから振れ角0に戻る過程、つまり、ねじり梁の戻り力を後押しする方向にかけることができ、共振周波数から外れた走査周波数であっても安定した振れ角で往復振動させることができる。
いま、第1の基板の厚さをt0(=60μm)、可動ミラーの両翼幅を2L0(=4mm)、第3、第4および第5、第6の可動電極の幅を2L(=2mm)、最大振れ角をθ0とするとき、
θ1=arcsin(t0/L0)
θ2=arcsin(t0/L)
とすると、第1、第2の固定電極には、
θ1<α1<θ2、−θ2<α1<−θ1
第3、第4および第5、第6の固定電極には、
θ2<α2<θ0、−θ0<α2<−θ2
なる可動ミラーの振れ角の範囲に電圧パルスを印加している。
図13には、振幅に対する各固定電極への印加パルスのタイミングを示す。実施例では往復走査の内、いずれか一方の区間にのみ書き込みを行い、振幅に対して最適なタイミングで電圧パルスを印加することで、効率よく静電トルクが働くように、第1、第2の固定電極203、204と第3、第4および第5、第6の固定電極215、216、217、218に印加する電圧パルスの位相を設定している。また、後述するように、走査開始側と走査終端側において、光ビームの走査時間を計測することにより振幅を検出し、振幅が所望の最大振れ角となるように第1、第2の固定電極203、204にかける電圧パルスのパルス幅(デューティ)を調整する。
図14には走査周波数に対する振れ角の特性を示す。走査周波数を共振周波数に一致させれば振れ角を最も大きくとることができる。しかし、共振周波数付近においては急峻に振れ角が変化する特性を有するため、初期的には可動ミラーの駆動制御部において固定電極に印加する走査周波数を共振振動数に合うよう設定したとしても、温度変化等で共振周波数が変動した際には振れ角が激減してしまい、経時的な安定性に乏しいという欠点がある。また、図7は温度に対する共振周波数の変動を示す。温度変化によっても共振周波数が変動し、可動ミラーの振れ角が減少する要因となることがわかる。
前述したように複数の可動ミラーを有する場合には、共通の走査周波数で駆動する必要があり、実施例では、駆動周波数を可動ミラーとねじり梁からなる振動部に固有の共振周波数近傍で、比較的振れ角変化の少ない、共振周波数から高めに外れた周波数帯域に設定している。具体的には、共振周波数2kHzに対し走査周波数は2.5kHzとし、最大振れ角は印加電圧のデューティ可変により±5°に合わせ込んでいる。この際、可動ミラーの加工誤差による共振振動数のばらつき、実施例では300Hz、温度による共振周波数の変動、実施例では3Hz、を加味すると、これらがあっても走査周波数がいずれの共振周波数にもかからない周波数帯域、つまり、2.303Hz以上まで外した帯域に設定することが望ましい。
いま、可動ミラーの寸法を、縦2a、横2b、厚さd、ねじり梁の長さをL、幅cとすると、Siの密度ρ、材料定数Gを用いて、
慣性モーメントI=(4abρd/3)・a^2
バネ定数K=(G/2L)・{cd(c^2+d^2)/12}
となり、共振振動数fは、
f=(1/2π)・(K/I)^1/2
=(1/2π)・{Gcd(c^2+d^2)/24LI}^1/2
で表される。ここで、梁の長さLと振れ角θは比例関係にあるため、
θ=A/I・f^2 (Aは定数)
で表され、振れ角θは慣性モーメントIに反比例し、共振振動数fを高めるには慣性モーメントを低減しないと振れ角θが小さくなってしまう。そこで、実施例では可動ミラー反射面の裏側219の基板厚dを格子状に残し、それ以外をd/10以下の厚さまでエッチングにより肉抜きすることで、慣性モーメントを約1/5に低減している。
これらの慣性モーメントに利くパラメータ、ねじり梁の寸法誤差等が共振周波数のばらつきを発生させる要因となる一方、空気の誘電率ε、電極長さH、印加電圧V、電極間距離δとすると
電極間の静電力F=εHV^2/2δ
となり、
振れ角θ=B・F/I (Bは定数)
とも表され、電極長さHが長いほど振れ角θが大きくなり、櫛歯状とすることで櫛歯数nに対して2n倍の駆動トルクを得ている。このように外周長をできるだけ長くして電極長をかせぐことで、低電圧でより大きい静電トルクが得られるように配慮している。
ところで、可動ミラーの速度υ、面積Eに対して、空気の密度ηとすると、
空気の粘性抵抗P=C・ηυ^2・E^3 (Cは定数)
が可動ミラーの回転に対抗して働く。従って、可動ミラー202を密封し、減圧状態に保持するのが望ましい。実施例では、第1、第2の基板206、207が接合されてなる振動ミラー基板に、各可動電極および固定電極の島部に対応した電極パッド221を形成している。上記振動ミラー基板は、中央部を四角形の窓形に貫通したセラミック基板213に接合され、セラミック基板213は、上記可動ミラー202の反射面を上側に向けてCANパッケージの基体212上に装着される。この際、基体212の相対向する外縁に切り欠いて形成された一対のV溝222を結ぶ直線方向と回転軸方向とが一致するように位置決めがなされる。
実施例では、走査終端側を感光体の移動方向に対して遅れるように若干傾けて配置され、感光体の回転軸に対して走査ラインを傾けて書き込んでいく。言い換えれば各領域の画像に対してマトリクス角を所定量傾けて画素データを設定している。こうすることで、走査ピッチのずれがより目立たなくなる。
基体212には、リード端子216が基体212を貫通して一体化され、上記電極パッド221とワイヤーボンドにて各々接続する。そして、基体212の段差部243にキャップ242をかぶせ、減圧環境下で隙間を溶接接合することでキャップ内の空間が1torr以下に密封されるようにしている。この際、非蒸発型ゲッタを同梱し、外部からの加熱で活性化することで、封止後に減圧させてもよい。光ビームは、キャップ242の上部開口の内側に接合された透過窓245を通じて入出射される。
また、実施例では、第2の基板207の上面に、可動ミラー202と対向して対向ミラー215を、ねじり梁と直交する方向に一体に接合している。対向ミラー215は樹脂で成形され、スリット開口213を挟んで屋根状に144.7°の角度をなすよう基板面より各々9°、および26.3°傾けた一対の傾斜面を有し、これらの傾斜面に、金属被膜を蒸着することによって反射面217と218とを対で配備した構成となっている。対向ミラー215の底面は可動ミラー面と平行に形成され、第2の基板212の枠部上面に当接して接合される。この際、第2の基板212には対向ミラー215を位置決めするための嵌合穴214が両サイドにエッチングによって開けられ、これに対向ミラー下面から突出するピン241を挿入することで、回転軸に直交して正確に配置されるように構成されている。
従来、こういった振動ミラーモジュールにおいては、図22に示すように、ねじり梁302を、可動ミラー301の回転軸心に揃えて可動ミラー301に直接連結されるよう形成していた。上記したように、可動ミラー301の慣性力Fsは回転軸からの距離に応じて分布し、ねじり梁302に作用する、言い換えれば回転軸近傍に作用するねじり力Ftと対抗して働くため、可動ミラー基板の回転軸とミラー端との中間部をピークとした曲げ応力の分布が生じ、正弦波状に面がうねる。例えば、ミラー幅(両翼間の長さ)をAとすると、回転軸から約A/6離れた位置で最大変位となり、面精度はPVで0.5μmにも達する。図22は、上記うねりの様子を誇張して示している。
これに対し、実施例では、図16(c)に示すように、ねじり梁303をY字状に形成し、分岐枝部307の両端304、305で可動ミラー306と連結するようにしている。なお、ねじり梁の幹部と分岐枝との幅は同一である。このようにして、ねじり梁303と可動ミラー306の連結位置をミラー端に近づけることで、ねじり梁から伝わるねじり力Ftは分散され、分岐枝の連結によって囲まれたミラー領域の曲げ応力が軽減され、平面性を改善することができる。なお、図16(a)(b)に示すねじり梁は分岐枝部が階段状に形成され、ミラー基板の端部で連結された構成になっているが、図16(c)に示すように、ねじり梁はシンプルなY字状に分岐した形のものでもよい。
図23には、可動ミラー基板に生じる曲げ応力の分布を示すが、この曲げ応力に対抗して、曲げ応力の大きい領域には、図16(c)に示すような可動ミラー基板の肉抜き部310の面積を減らし、曲げ応力の小さい領域には肉抜きの面積を増やすことにより、剛性と慣性力Fsとのバランスを図ることが望ましい。そこで、図16(c)に示す実施例のように、ミラー基板の裏側に形成する回転軸に直交するリブ309の数をミラー端にかけてリブ本数を複数段階に可変し、曲げ応力の大きい回転軸から約A/6だけ離れた領域のリブを増やし、曲げ応力の小さい回転軸近傍と可動ミラー周辺の領域のリブを減らした設計としている。なお、このようなリブに限るものではなく、複数の袋穴を開けて肉抜きしても、また、肉抜き部の面積を同一として深さを変えても同様であり、いかようにもアレンジできる。
図4は光走査装置の副走査断面を示す。半導体レーザ101から射出した光ビームは後述するようにカップリングレンズ110、入射プリズム136を介して、可動ミラー202に対しねじり梁を含む副走査断面内で法線に対して副走査方向に約20°傾けてスリット開口213より光ビームが入射すると、可動ミラー202が光ビームを反射し、反射された光ビームは対向ミラー215の第1の反射面217に入射され可動ミラー202に戻される。さらに、反射した光ビームはスリット開口213を超えて対向ミラー215の第2の反射面218に入射し、可動ミラー202との間で3往復しながら反射位置を副走査方向に移動され、可動ミラーで合計5回反射がなされた後、再度、スリット開口213を通って射出される。実施例ではこのように複数回反射を繰り返すことで、可動ミラーの振れ角が小さくても大きな走査角が得られるようにし、光路長を短縮している。
いま、可動ミラー202での総反射回数をN、振れ角をαとすると、走査角θは2Nαで表すことができる。実施例では、N=5、α=5°であるから最大走査角は50°となり、その内35°を画像記録領域としている。共振を利用することで印加電圧は微小で済み発熱も少ないが、上式から明らかなように記録速度、つまり共振周波数、が速くなるに従ってねじり梁のばね定数Kを高める必要があり振れ角がとれなくなってしまう。そこで、上記したように対向ミラー215を設けることで走査角を拡大し、記録速度によらず必要十分な走査角が得られるようにしている。また、屋根状に対向して反射面を構成し、可動ミラーへの副走査方向での入射角度が繰り返し反射毎に正負に切り替わるように、言い換えれば、反射に伴う進行方向が右向き、左向きに振り分けられるようにすることで、斜入射に伴う被走査面での走査線の曲がりを抑え、直線性を維持するとともに、光軸に直交する面内での光束の回転が、射出時にはもとの姿勢に戻るようにして、最終的に結像性能の劣化がおきないよう配慮している。
図1は、実施例における光走査装置の分解斜視図、図2は光学素子の配置を示す。光源である半導体レーザ101は、副走査方向に50μmのピッチで2つの発光源がモノリシックに形成され、フレーム部材102に立設された壁に形成された段付き貫通穴103に、上記壁の背面側からステム外周を基準に係合され、段差部に鍔面が突き当てられることにより光軸方向の位置決めがなされ、押え板141(図20参照)により背面から押圧固定されている。
図20に詳細を示すが、押え板141の突起142を半導体レーザ101のステム外周に形成された切欠に係合し、上記貫通穴103の中心軸の周りに回転することで、外周部を切り起こして形成した一対の板ばね143をフレーム部材102に形成した庇状の突起144に係合して半導体レーザを押圧するとともに、発光源の配列方向が所定量だけ主走査方向から傾くように調整され、ネジ145により回転止めがなされる。図1に戻って、フレーム部材102に形成されたU字状の凹部105には、UV接着剤を介してカップリングレンズ110が固定されている。カップリングレンズ110を固定するに当たっては、その光軸が半導体レーザ101からの射出軸と合うように、また、射出光束が平行光束となるように発光点との光軸方向の位置決めを行い、凹部とカップリングレンズとの隙間のUV接着剤を硬化させて固定する。
なお、カップリングレンズ110の調整は、後述する振動ミラーモジュール、シリンダレンズを取付けた状態でも行うことができる。この場合、可動ミラー202の面精度やシリンダレンズ110の焦線位置ずれを無効化でき、これらの精度を緩和できるというメリットがある。実施例の場合、3つの光源部を有しており、3つの光源部は全て同一構成である。
カップリングレンズ110より射出した2本の平行光束は、振動ミラーモジュールの射出窓に接合配備されるとともに、入射面に副走査方向に正の曲率を有するシリンダレンズ109が貼り付けられた入射プリズム136に、上記シリンダレンズ109を介して入射し、入射プリズム136の斜面で斜め下向きに反射され、副走査方向において可動ミラー面で集束する集束光束として振動ミラーモジュール130に入射される。
図17には、被走査面におけるビームスポットの配列を示す。上記したように半導体レーザ101を傾けて装着することにより副走査方向のビームスポット間隔Pを設定する。ビームスポット間隔Pは、後述する第1、第2の走査レンズ116、117を含め光源から被走査面に至る全系の副走査方向の倍率β、2つの光源間のピッチpを用いて、
P=β・p・sinφ
で表され、後述するように、転写ベルト上に形成されるラインの傾き補正量に応じてピッチPを調整することができる。
図1ないし図4において、振動ミラーモジュール130はねじり梁の方向が光軸方向に合うように、フレーム底面側に設けられた段付きの角穴104の裏側より基体212の外縁を基準に位置決めされ、段差部に鍔面を突き当てて可動ミラー面の位置を合わせている。実施例の場合、均等間隔に3つの振動ミラーモジュールが単一のフレーム部材102により位置決めされる。各振動ミラーモジュールはプリント基板112に、基体底面から突出したリード端子を各々スルーホールに挿入して半田付けし、フレーム部材102の下側開口をふさぐように基板上面を当接して固定すると同時に、回路接続がなされる。プリント基板112には半導体レーザの駆動回路、可動ミラーの駆動回路を構成する電子部品、および同期検知センサ113が実装されており、外部回路との配線が一括してなされる。一端をプリント基板に結線されたケーブル115は半導体レーザのリード端子と接続される。
フレーム部材102の上面は角穴104の裏側に設けられた各振動ミラーモジュールのミラー法線方向の突き当て面と平行な面となし、走査レンズを収納するハウジング106の底面より突出した2本の突起135をフレーム部材の係合穴に挿入して同面上での位置決めを行い、4隅をネジ止めして配備される。実施例では、ネジ137はフレーム部材の貫通穴を介してプリント基板112に螺合され、フレーム部材を挟むように3身一体で結合され、この後に上記半田付けがなされる。
ハウジング106には結像手段を構成する第1の走査レンズ116、第2の走査レンズ117が主走査方向に配列され、各々の走査領域がわずかに重なるように位置決めされて一体的に保持される。第1の走査レンズ116は副走査方向基準面の中央に突出され主走査方向の位置決めを行う突起120、および両端を係合して光軸方向の位置決めを行う平押面119を入射面側、出射面側各々に備えている。ハウジングに一体形成された溝122に第1の走査レンズ116の突起120を係合し、一対の切欠121の各々に上記走査レンズ116の各端の平押面119を挿入し、波板バネ143で入射面側に押し付け同面内での姿勢を保持することで、光軸と直交する同一面に走査レンズ同士の相対的な配置を合わせ、副走査方向基準面をハウジングから突出した一対の突起142の先端に突き当てることで、光軸と直交する面内での位置決めがなされて副走査方向の設置高さが決定され、カバー138と一体形成された板バネ141で押圧支持される。
一方、第2の走査レンズ117は、同様に副走査方向基準面の中央に突出され主走査方向の位置決めを行う突起123、両端に光軸方向の位置決めを行う平押面144を備えている。ハウジングに一体形成された溝122に上記突起123を係合し、切欠121に平押面144を挿入し、波板バネ143で出射面側に押し付けて走査レンズ117の姿勢を保持するとともに、副走査方向基準面をハウジングから突出した突起145および146の先端に突き当てて設置高さを位置決めし、カバー138と一体形成された板バネ141で押圧支持される。符号147はカバー138を固定するネジである。
同期検知センサ113(例えば、ピンフォトダイオードからなる)は隣接する振動ミラーモジュールで共用する中間位置と両端位置に配置され、各光走査モジュールの走査開始側と走査終端側とでビームが検出できるように計4箇所に実装されている。第2の走査レンズ117の射出面側には各レンズの走査領域間にV字状の高輝アルミ薄板127を貼り付けてなるミラー受部128がハウジングに形成され、高輝アルミ薄板127によって反射した光ビームが走査領域間に形成された開口部129、およびフレーム部材の矩形穴を通って各々の同期検知センサへ導かれるよう、隣接する光走査手段の走査開始側と走査終端側に対応した反射面が向かい合って配置されている。カバー138には光ビームが通過する開口139が形成され、ハウジング106上面を密閉するようネジ止めして、前記したように板バネ141により走査レンズを各当接部位に確実に突き当たるように押圧している。
図11は、本発明にかかる光走査装置を用いた画像形成装置の例において、感光体ドラムとの位置決め方法を表す図である。上記したフレーム部材102、ハウジング106はガラス繊維強化樹脂やアルミダイキャスト等で成形され、ハウジング106の奥側面、図1では手前側側面、には一対の位置決めピン131が形成される。こうして、完成された光走査装置ユニット650、651、652、653は、図では下向きにビームを照射するため、図1とは前後左右が反転した姿勢で取付けられる。また、ハウジング106の前側面、図1では奥側側面には、段曲げされた面板132がねじ固定され、主走査方向に対向して配置された側板632、633を架橋して設けられたガイド板634に沿って前側板632側から挿入され、上記位置決めピン131を奥側板の位置決め穴637(一方を基準穴、もう一方を長穴)に嵌合し、また、面板132に立設された位置決めピン133を前側板632の位置決め穴638に嵌合して面板132を当接し、ねじ止めして固定している。この際、位置決め穴638を長穴にしておけば、ハウジングの長手方向と感光体軸との傾きを調節することもでき、これによって走査ラインの傾きを補正することができる。
面板の切欠き639からはプリント基板112のコネクタ640を覗かせ、装着後に配線接続を行なう。固定側板632、633は板金で成形され、各々には感光体ドラムの軸受636を位置決めするための切欠635が形成され、この切欠635に上記軸受け636を係合させて、感光体ドラム同士の配置精度およびハウジング106との配置を保って支持できるようになっている。
図19は隣接する光走査手段におけるライン像の継ぎ目補正方法を表す図である。実施例では、各々の書出し位置の差が0となるように合わせている。いま、隣接する光走査手段の記録位置がDだけずれている場合を想定する。D=0となるように補正すればよい。その補正手段としては、まず、走査ラインの書き出しタイミングを、ラインピッチp単位で補正する。具体的には、画像データを読み出す同期検知信号の選択により、タイミングを1周期Tのk倍(k・T)毎にずらす。ここで、kは自然数で、L−k・pが最も0に近いkを選択する。次に、残りの分を、振動ミラーの振幅位相を1周期Tの1/n倍(T/n)毎にずらして、p/n単位で補正する。ここで、nは自然数で、L−(k+1/n)・pが最も0に近いnを選択すればよい。このようにして転写ベルト上において隣接する領域に記録されるライン像を繋ぎ合わせることができる。
図9には、副走査方向における各ビームスポットの強度分布と、これにより形成される静電潜像の電位分布を示す。図中、左右が副走査方向であり、1画素分のドットに相当する平面、断面図を示す。左が第1の発光源からのビームによる電位分布、右が第2の発光源からのビームによる電位分布である。図9からわかるように、各ビームスポットが近接された状態においては、それによって形成される電位分布は各ビームスポットのプロフィール(光量)が合成された形で一様な分布として再現され、各ビームスポットの光量が同一であれば、ちょうど中間位置を重心とした分布となる(図9(a)参照)。また、各ビームスポットの光量が異なる場合(図9(b)参照)、潜像径が異なる2つの分布が複合されることで、中間位置から光量が高いほうに重心が片寄った分布となる。こうして形成された電位分布の現像バイアス電位よりも高い部分に帯電したトナーが吸引され付着されてドットが形成され、各々の光量をバランスさせることにより、任意の重心位置に対して均一のドット径d0とすることができる。
従って、各ビームスポットの光量の比を変えることにより各ライン間をまたがって潜像の重心位置を移動すれば、走査方向からピッチP分だけ傾けて1ビームで走査したときと同一幅のラインが形成できることになる。これにより、走査ラインが傾いていてもメカ的な機構を用いずに傾きを補正することができる。
図18は、一例として、記録されるラインの傾きを走査ラインに対して右下がりに補正する例を示す。ラインの傾き補正量Δθは、図11に示すように、各色に対応した光走査装置により転写ベルト上に形成された検出パターン(トナー像)に向けて、発光ダイオード630から投射したビームの反射光をピンフォトダイオード631で受光するレジストずれ検出手段629をベルトの両端に配置することにより、基準色に対する相対的な偏差として検出する。この検出結果に基づき、第1、第2のビームピッチPを、ラインの傾き補正量Δθに応じて走査幅Lを用い、
P=L・tanΔθ
となるように、上記した方法により設定し、走査開始端では第2のビームの光量を最大、第1のビームを0、また、走査終端では、第1のビームを最大、第2のビームを0とし、第2のビームの光量が単調に増加するように、また、第2のビームの光量が単調に減少するように可変するとともに、走査方向の各位置で各々の光量の和が一定となるようにすることで、図中太線で示すように走査方向に対して、潜像の重心の軌跡が走査ラインに対して右上がりに斜めに形成されるようにしている。隣接する領域についても同様に補正することにより、各々記録されるラインは平行に揃えられ、転写ベルト上では斜めに繋ぎ合わされて、傾いたラインを形成することができる。
ところで、光量はビーム強度と点灯時間との積で表され、上記の如く潜像を形成するには、以下のいずれかの方法を用いてもよい。
1・ビーム強度を可変する
2.ビームのパルス幅を可変する
詳細については、後述する半導体レーザの駆動制御にて説明するが、実施例では、階段状に近似して光量を可変している。なお、レジストずれ検出手段629では、各色間の傾きずれと同時にレジストずれ(平行シフト分)も検出できるが、これは、上記した隣接する光走査手段におけるライン像の継ぎ目補正方法を、光走査装置間に適用すればよく、同様に補正することができる。
図5は、本発明にかかる画像形成装置の実施例を示す。この実施例は、4つの光走査装置500によって各々に対応した感光体ドラム504に1色ずつ画像形成し、転写ベルト501の回転につれて各感光体ドラム504の画像が重ねられ、フルカラーの画像を形成することが可能なタンデム方式のカラーレーザプリンタの例で、4つの光走査装置が、光ビームの射出方向が下向きとなるよう配備されている。転写ベルト501は駆動ローラと2本の従動ローラとで支持され、移動方向に沿って均等間隔で各感光体ドラム504が配列されている。それぞれの感光体ドラムの周囲にはイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色に対応したトナーを補給する現像ローラ502およびトナーホッパ部503、そして、転写された後の残トナーをブレードで掻き取り備蓄するクリーニング部508が一体的に配備されている。
各色画像は、転写ベルト501端に形成されたレジストマーク(図11参照)を検出するセンサ505の信号をトリガとして副走査方向の書き出しタイミングをずらして各光走査装置500によって、各感光体ドラム504が光走査され、各感光体ドラム504に静電潜像が形成される。各感光体ドラム504の潜像は、現像部にて各色画像に対応したトナーをのせることにより、トナー像として現像され、各トナー像は転写ベルト501上で順次重ねられていく。用紙は給紙トレイ507から給紙コロ506により供給され、4色目の画像形成にタイミングを合わせてレジストローラ510により送り出されて、転写部511にて転写ベルト501から4色同時に転写され、トナー像を載せたまま搬送ベルト515にて定着器に送られる。転写されたトナー像は定着ローラ512により定着され、排紙トレイ514に排出される。
各光走査装置500は上記したように複数の光走査手段の走査線をつなぎ合わせて1ラインを形成する。1ラインの総ドット数Lを3分割し、画像始端から各々1〜L1、L1+1〜L2、L2+1〜Lドットを割り当てて印字するが、実施例では各走査領域が感光体上で数mm重なるようにオーバーラップ領域を設け、割り当てる画素数L1、L2を固定せず、各色で異なるようにすることで、同一ラインを構成する各色の走査線の継ぎ目が重ならないようにして走査領域の境界をより目立ち難くしている。
画像データは、上記したように主走査方向に3分割され、光走査手段毎にビットマップメモリに保存され、振動ミラーモジュール毎にラスター展開がなされラインデータとしてバッファに保存される。上記ビットマップメモリから上記バッファを経て、図6に示す書込制御部に画像データ入力ラインから入力されるようになっている。上記バッファに保存されたラインデータは各同期検知信号をトリガとして読み出され個別に画像記録が行われる。また、後述するように書き出しタイミングを各々設定することで書き出し始端のレジストが合わせられる。
なお、実施例では、各振動ミラーの共振ピークは異なっても、印加電圧のゲインを可変することによって所定の帯域において振れ角を一致させ共通の駆動周波数で走査するようにしている。環境温度の変化でバネ定数が変化し共振帯域が一様にシフトするが、それに対応して駆動周波数を選択し直す場合にも、共通の駆動周波数を与え、走査周波数を各振動ミラーモジュールで共通とすることで、各領域の終端まで各ラインのレジストを一致させることができる。
図6は 半導体レーザ、可動ミラーの駆動制御を表すブロック図を示す。駆動パルス生成部601は、基準クロックをプログラマブル分周器で分周し、上記したように可動ミラーの振幅に合わせたタイミングで電圧パルスが印加されるようパルス列を生成し、PLL回路によって各振動ミラーモジュール間で所定の位相遅れδを持たせ、この位相遅れを持ったパルスが各可動ミラーの駆動部602に与えられ、電極の各々に電圧が印加される。
ここで、振動ミラー間の相対的な位相遅れδを、1走査ラインピッチpを用いて
δ=(1/fd)・{(Δy/p)−n}
nは(Δy/p)−n<1 を満足する自然数
となるように与えれば、継ぎ目における位置ずれは1走査ラインピッチの整数倍となり、振動ミラーの1周期おきの書き出しタイミング補正、つまりnライン周期分ずらして書き出すことにより、副走査方向のレジストずれΔyを無効化することができ、継ぎ目の位置ずれのない高品位な画像が得られる。
実施例において同期検知センサ604、終端検知センサ605はプリント基板上に配備されるが、検出面は被走査面に到達する光路長と等しい位置に配置されている。
図8に、その検出部の詳細を示す。検出部は、主走査方向に垂直に配置したフォトダイオード801と非垂直なフォトダイオード802を有し、フォトダイオード801のエッジを光ビームが通過した際に同期検知信号、または終端検知信号を発生し、フォトダイオード801からフォトダイオード802に至る時間差Δtを計測することで、上記レジストずれの主要因である副走査方向の走査位置ずれΔyを被走査面である感光体上に相当する計測値として検出することができる。
なお、Δyはセンサ部802の傾斜角γ、光ビームの走査速度Vを用いて
Δy=(V/tanγ)・Δt
で表され、Δtが一定であれば走査位置ずれが生じていないことになる。実施例では、この時間差を走査位置ずれ演算部610で監視することで走査位置ずれを検出し、Δt基準値に合うよう振動ミラー間の位相を常時可変することにより補正を行うことができる。
主走査方向においては、後述するように、各画像領域における走査速度のずれを、
1)各振動ミラーへ印加する電圧パルスのゲイン調整により振れ角(振幅)を所定値に合わせる。
また、隣接する画像領域の継ぎ目位置ずれを、
2)可動ミラーの駆動周波数に対応して画素クロックをシフトすることで画像幅の倍率を可変し走査終端と、隣接する光走査装置の走査開始端との継ぎ目を合わせる、
ことにより補正することができる。
振動ミラーには基本的に画像記録およびその準備期間以外は駆動電圧が印加されない。電源投入時および待機状態から起動する際にはプログラマブル分周器で連続的に分周比を変えることで駆動周波数fdを高周波側から可変して励振し、振幅演算部609からの出力により、実施例では同期検知センサ604、走査角−θ0となる近傍に配置された終端検知センサ605とでビームを検出し、この同期検知信号と終端検知信号との時間差Tを振幅演算部609で計測することで、可動ミラーの振れ角(振幅θ0)を検出する。いま、センサで検出される光ビームの走査角をθd、画像中央からの走査時間をt、可動ミラーの駆動周波数をfdとすると
θd/θ0=sin2π・fd・t 、t=T/2
で与えられる。
この時間差Tがあらかじめ定められた基準値T0に達するまで印加する電圧パルスのゲインを可変することによって振れ角を補正する。この補正は、各環境下で定期的、例えばジョブ間で行われる。画像記録中にこの補正を行うと画像の主走査端がゆらいでしまうため、記録中は同一値を保持するようにしている。また、実施例では複数の振動ミラーを有するが、共通の駆動周波数を選択し、かつゲインの基準値を揃えることで、各振動ミラー間の振れ角が一致するようにしている。上記補正は振動ミラーモジュールの各々で行われる。実施例では3つの光走査手段から構成されるので、全ての補正が終了した後に印字動作を可能としている。
次に半導体レーザの駆動制御について説明する。上記したように、往復走査で潜像のラインピッチを均一にするには、ビーム強度を可変するか、ビームのパルス幅を可変する必要がある。そこで、第1の実施例として、ビーム強度の可変方法について説明する。
図21は、半導体レーザへの印加電流に対するビーム強度を示す。ビーム強度はしきい値電流を超えると印加電流に比例して増加する。従って、このしきい値電流Ithから所定のビーム強度を得る最大電流Imまでの差Im−Ithをn分割し、実施例では255分割し、可変データ基づいて段階的に駆動電流を可変すればよい。上記したように、一方の発光源には、同期検知信号をトリガとして、主走査方向の書込開始から書込終端にかけてIthまでImを徐々に減少させ、もう一方の発光源には、書込開始から書込終端にかけてImをIthから徐々に増加させる。
ところで、一般的に、LD駆動部606では、半導体レーザからのモニタ信号によりビーム強度が一定となるよう駆動電流を加減するフィードバック制御がなされる。これは、ケース温度の変化に伴いIthや同一のビーム強度を射出するImが変化するためで、この制御を行なわないと、低温状態と高温状態とでビーム強度が変化して画像濃度が異なるという不具合が生じる。そこで、実施例では、あらかじめ定められたモニタ信号の出力値が得られる駆動電流Im‘の変化分をしきい値電流のバイアス分ΔIthとして一律に駆動電流に加算することで対処している。
次に、第2の実施例におけるビームのパルス幅(画素クロックfm)の可変方法について説明する。
クロックパルス生成部607は、可変データに基づいて基準クロックf0をプログラマブル分周器で分周した分周クロックをカウントして、kクロック分の長さのパルス幅を有するPLL基準信号faを形成し、PLL回路において基準クロックf0との位相を選択して画素クロックfkを発生する。当然、パルス幅が長ければ形成される潜像の径は大きくなり、短ければ小さくなる。従って、パルス幅を主走査に沿って段階的に切りかえることで可変データに基づいた任意な径の潜像が形成できる。上記と同様、一方の発光源を、同期検知信号をトリガとして、主走査方向の書込開始から書込終端にかけて1画素に相当する潜像径から減少させ、もう一方の発光源を、書込開始から書込終端にかけて1画素に相当する潜像径まで増加させる。
ところで、可動ミラーは共振振動されるため、走査角θがsin波状に変化する。一方、被走査面である感光体ドラム面では均一間隔で主走査ドットを印字する必要があり、上記した走査レンズの結像特性は単位走査角あたりの走査距離dH/dθがsin-1θ/θ0に比例するように、つまり、画像中央で遅く周辺に行くに従って加速度的に速くなるように光線の向きを補正しなければならず、中央部から周辺部にかけて結像点を遠ざけるようにパワー配分された走査レンズが用いられる。それに伴ってビームスポット径も太ってしまうため、均一なビームスポットを得る上で、最大振幅θ0に対して有効走査領域θsを広げるには限界がある。
そこで、実施例では、図10に示すように、振幅による走査速度の変化に対抗して各画素に対応する位相が書込開始から書込終端にかけて進んだ状態から段階的に遅れるようにすると同時に、各画素のパルス幅が書込開始から画像中央に至る領域では長い状態から段階的に短くなるように、画像中央から書込終端に至る領域では長くなるように、画素クロックfmをLD駆動部606に与え、電気的な補正を付加することで、走査レンズの負担を軽減し、走査効率を向上させている。こうした制御は、各画素に対応したドット径が均一になるようにパルス幅とその位相を設定するものであるから、ここで設定された1画素に相当するパルス幅を比例配分したパルスを生成することにより、上記した潜像径の可変があっても、新たに制御回路を付加することもなく容易に対応できる。
なお、実施例では、半導体レーザを2つの発光源を有する半導体レーザアレイとしたが、この限りではなく、単一発光源の半導体レーザからのビームを合成しても、また、2以上の発光源を用いてもよい。
本発明は、偏向器として、往復振動する可動ミラーを用いた光走査装置に適用可能なものであり、光走査装置を用いた複写機、プリンター、ファクシミリなどの画像形成装置に適用することができる。
本発明にかかる光走査装置の実施例を示す分解斜視図である。 同上光走査装置の組み立て状態を示す斜視図である。 本発明にかかる光走査装置に用いることができる振動ミラーモジュールの詳細を示すもので、(a)は分解斜視図、(b)は平面図、(c)は正面断面図、(d)は底面図である。 上記光走査装置の実施例を示す側面断面図である。 本発明にかかる画像形成装置の実施例を示す正面図である。 本発明にかかる光走査装置に適用可能な制御回路の例を示すブロック図である。 偏向ミラーにおける温度に対する共振周波数の変動を示すグラフである。 本発明に適用可能な同期検出部の例を示す光学配置図である。 副走査方向における各ビームスポットの強度分布と、これにより形成される静電潜像の電位分布を示す図である。 可動ミラーを駆動するために複数の電極に印加するパルス幅および位相差の例を示すグラフである。 本発明にかかる光走査装置を画像形成装置に組み付けるための具体例を示す分解斜視図である。 可動ミラーの振れ角に対応して各電極に発生する静電トルクの様子を示すグラフである。 振幅に対する各固定電極への印加パルスのタイミングを示すグラフである。 可動ミラーの走査周波数に対する振れ角の特性を示すグラフである。 可動ミラーを駆動するための電極の例を示す断面図である。 本発明にかかる偏向ミラーに適用可能な電極構造の別の例を示す(a)は平面図、(b)は底面図、(c)は電極構造のさらに別の例を示す底面図である。 被走査面におけるビームスポットの配列例を示す概念図である。 本発明にかかる光走査装置において記録されるラインの傾きを走査ラインに対して補正する例を示す概念図である。 隣接する光走査手段におけるライン像の継ぎ目補正方法の例を示す概念図である。 本発明にかかる光走査装置に適用可能な光源取り付け構造の例を示す分解斜視図である。 半導体レーザへの印加電流に対するビーム強度の例を示すグラフである。 可動ミラーが駆動されるときの可動ミラー面のうねりの様子を示す概念図である。 可動ミラー基板に生じる曲げ応力の分布を示すグラフである。 本発明にかかる偏向ミラーの実施例における静電トルクの分布を示すグラフである。 本発明のかかる偏向ミラーの別の実施例を示す(a)は平面図、(b)は底面図である。
符号の説明
202 可動ミラー
208 ねじり梁
203 固定電極
204 固定電極可動電極
206 Si基板
207 Si基板
211 可動電極
212 可動電極
245 透過窓

Claims (12)

  1. 光ビームを偏向する可動ミラーと、可動ミラーと連結され回転軸心を規定するねじり梁と、可動ミラーの少なくとも一部に回転トルクを発生するミラー揺動手段と、を有する偏向ミラーにおいて、
    上記ミラー揺動手段は、上記可動ミラーの振れ角に応じて静電引力を発生する電極対を、可動ミラーの面内で回転軸と直交する方向に順次切り換えて振幅駆動することを特徴とする偏向ミラー。
  2. 上記静電引力を発生する電極対を、可動ミラーの面内で回転軸と直交する方向に沿って複数領域に分割して備え、個別に静電引力を発生させるようにしたことを特徴とする請求項1記載の偏向ミラー。
  3. 上記静電引力を発生する電極対の複数領域のうち、少なくとも隣接する領域における静電引力を発生可能な振れ角範囲がオーバーラップするようにしたことを特徴とする請求項2記載の偏向ミラー。
  4. 上記静電引力を発生する電極対の複数領域は、各々の静電トルクを発生可能な振れ角範囲内で、パルス状に静電引力を発生させることを特徴とする請求項2記載の偏向ミラー。
  5. 上記静電引力の発生タイミングを、各々の静電トルクを発生可能な振れ角範囲内で、可変としてなることを特徴とする請求項4記載の偏向ミラー。
  6. 上記ミラー揺動手段は、可動ミラーの振れ角が小さいほど回転軸から離隔した電極対において静電引力を発生させるようにしたことを特徴とする請求項1記載の偏向ミラー。
  7. 上記可動ミラーの回転軸から離隔した部位とねじり梁の一端とを連結する連結梁を備え、この連結梁に沿って静電引力を発生する電極対を設けたことを特徴とする請求項1記載の偏向ミラー。
  8. 上記可動ミラーとミラー揺動手段とを単一のSi基板により形成してなることを特徴とする請求項1記載の偏向ミラー。
  9. 可動ミラーに入出射する光ビームの透過窓を有する封止手段と、上記静電引力を発生する電極対に接続され封止された内外を貫通する端子手段と、を備える減圧容器内に上記偏向ミラーが収容されていることを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載の偏向ミラー。
  10. 請求項1乃至9のいずれかに記載の偏向ミラーと、偏向ミラーに向けて光ビームを射出する光源手段と、偏向ミラーにより往復走査された光ビームを被走査面に結像する結像手段と、を有する光走査装置。
  11. 請求項10記載の光走査装置を複数備え、各光走査装置により走査される被走査領域を走査方向に繋ぎ合わせて画像を形成することを特徴とする光走査装置。
  12. 請求項10乃至11のいずれかに記載の光走査装置と、光走査装置により光走査されて静電潜像を形成する像担持体と、像担持体に形成された潜像をトナーにより顕像化する現像手段と、トナーにより顕像化された像を記録媒体に転写する転写手段とを有する画像形成装置。
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