JP4575628B2 - 光偏向器及びその製造方法、光走査モジュール、光走査装置、画像形成装置、画像表示装置 - Google Patents

光偏向器及びその製造方法、光走査モジュール、光走査装置、画像形成装置、画像表示装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光偏向器及びその製造方法、光走査モジュール、光走査装置、画像形成装置、画像表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の光走査装置は、光ビームを走査する偏向器としてポリゴンミラーやガルバノミラーが用いられているが、より高解像度な画像と高速プリントを達成するにはこの回転をさらに高速にしなければならず、軸受の耐久性や風損による発熱、騒音が課題となり、高速走査に限界がある。
【0003】
これに対し、近年、シリコンマイクロマシニングを利用した光偏向器の研究がすすめられており、特許第2722314号や特許第3011144号、特許第2924200号に開示されるように、シリコン基板で可動ミラーとそれを軸支するトーションバーを一体形成した方式が提案されている。この方式によれば共振を利用して往復振動させるので高速動作が可能であるにもかかわらず、騒音が低いという利点がある。さらに可動ミラーを回転する駆動力も小さくて済むので消費電力も低く抑えられる。
【0004】
一方、マイクロマシニングにより可動ミラーとトーションバーを一体形成したものではないが、特開平11−218709号公報には、可動ミラーの振動時に発生するたわみを補正する補正手段を設けたものが開示され、特開平4−86616号公報には、可動ミラーの往復方向の切り換え時に発生するたわみ振動を防止するため制振部材を設けたものが開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記のシリコンマイクロマシニングを利用した可動ミラーは、共振振動によるため高速動作が可能で、駆動力が小さくて済むという特徴をもつ反面、可動ミラー自体を共振周波数に合った寸法形状にしなければならず、また、小さい駆動力で振幅をかせぐには重量を軽くする必要がある。このため、ミラーの厚みが薄くなり振幅時のたわみが生じ易くなる。図16に示すように、可動ミラー1は正弦波振動するため、振れ角が大きくなるに従って負の加速度が生じ、回転方向に反する方向に慣性力を生じる。これに伴いトーションバー2を挟んだ両端部3,4がトーションバー2と直交する方向に撓んでしまい、これによって光ビームの偏向方向が変化し、被走査線上で走査速度むらが生じる。また、撓んだ可動ミラーの曲率により光ビームの集束位置ずれ、いわゆるピントずれが生じるといった不具合が生じる。
【0006】
また、特許第3011144号、特許第2924200号には、トーションバーを挟んだ可動ミラーの両端部に可動電極を設け、それと対向して固定電極を設け、可動電極と固定電極間の静電引力によって可動ミラーを駆動する方式において、各電極を櫛歯状に組み合わせることで電極の面積をかせぎ、より大きな静電引力を得た例が開示されている。一般的に可動ミラーに初期変位を与えるため、各可動電極とそれに対向する固定電極を厚さ方向に段差を設けている。このため、可動ミラーがいずれか一方に傾いた状態では、両可動電極のうち一方は固定電極から遠ざかってしまうために、両可動電極のうち他方の固定電極に近い方の静電引力だけしか作用せず、両可動電極と固定電極間の静電引力を有効に活用しているとは言い難いという問題があった。
【0007】
本発明は、上記の点に鑑みなされたものであり、可動ミラーの厚さが薄くても往復振動を行っているときに可動ミラーが撓み変形し難くする光偏向器及びその製造方法、光走査モジュール、光走査装置、画像形成装置、画像表示装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記の目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、可動ミラーとそれを軸支するトーションバーが一体形成されており、往復振動する可動ミラーで光ビームを反射することにより、光ビームを偏向する光偏向器において、
前記可動ミラーの基板に内部応力を発生させることにより、少なくとも前記トーションバーを含む断面内で湾曲させアーチ型にし、
前記可動ミラーの基板に発生させた内部応力の大きさを前記トーションバーを結ぶ線の左右で非対称として前記トーションバーの断面に生じさせたねじれモーメントにより前記可動ミラー無負荷状態で傾かせたことにより、
可動ミラーの厚さが薄くても往復振動を行っているときに可動ミラーが撓み変形し難くすることができ、可動ミラーを薄くできるので可動ミラーを小さい電力によって大きな振幅で往復振動させることができ、可動ミラーを湾曲させるための部材を追加する必要がなく、可動電極と固定電極との間に初期変位を持たせることができ、可動ミラー両端の可動電極と固定電極とが同一面上に配置されるので往復振動時に各々の距離が等しくなり、可動ミラー両端に均等に静電引力が加わり静電引力を有効に活用することができる。
【0010】
請求項に記載の発明は、請求項1または2記載の光偏向器において、
前記可動ミラーは、その表面または裏面に応力発生膜を設けたことにより、
可動ミラーの湾曲を大きくできると共に曲率を調整することができる。
【0012】
請求項に記載の発明は、請求項1または2記載の光偏向器の製造方法において、
前記可動ミラーは、内部応力が残留するシリコン基板を表裏いずれか一方の面からエッチングにより薄肉化して製造することにより、
湾曲した可動ミラーを簡単に製造することができる。
【0013】
請求項に記載の発明は、請求項1乃至のいずれか記載の光偏向器と、
前記光偏向器の可動ミラー自体に回動力を与え往復振動させる可動ミラー駆動手段とを有し、
発光源で発光した光ビームを前記光偏向器の可動ミラーで反射することにより光走査を行うことにより、
省電力の光走査モジュールを提供することができる。
【0014】
請求項に記載の発明は、請求項5または6記載の光走査モジュールを、光走査方向に複数備え、主走査方向を一致させて配列したことにより、
画像記録幅を複数の光走査モジュール分の画像記録幅に拡大することができ、様々な記録幅の画像を形成できる。
【0015】
請求項に記載の発明は、請求項に記載の光走査装置と、
前記光走査装置によって静電像が形成される像担持体と、
静電像をトナーで顕像化する現像手段と、
顕像化されたトナー像を記録紙に転写する転写手段とを有することにより、
省電力の画像形成装置を提供することができる。
【0016】
請求項に記載の発明は、請求項5または6記載の光走査モジュールと、
前記光走査モジュールから出射される光ビームを前記光走査モジュールの走査方向と直交する方向に走査する走査手段と、
前記走査手段から出射される光ビームを被走査面に投写する投写手段とを有することにより、
省電力の画像表示装置を提供することができる。
【発明の実施の形態】
図1は、光走査装置に配備される本発明の光走査モジュールの一実施例の分解斜視図を示す。同図中、ミラー基板102はシリコン基板をエッチングにより裏側を四角にくり貫いて所定厚さに枠部と天板部とを残し、天板部には可動ミラー100及びそれを軸支する一対のトーションバー101をその周囲を貫通して形成する。この実施例では200μmのシリコン基板を用い可動ミラーとトーションバーの厚さ、つまり天板部の厚さは60μm、可動ミラー幅は4mm×4mm、トーションバーは幅80μm、長さ約1mmとしている。また、基板裏側の中空部は可動ミラー100の揺動空間をなす。
【0017】
ミラー基板102は、その表面をウエハ基板の研磨面をそのまま用い、裏側をエッチングによりくり貫いている。ミラー基板102の基となるウエハ基板はその形成工程、研磨工程の際に内部応力を残留しており、裏側をエッチングして内部応力を開放することで、表面と裏面とで内部応力の差を持たせる。これによって図2に示すように、可動ミラー100は、表面がドーム型になるように湾曲させている。
【0018】
さらに、その表面に応力発生膜としての酸化膜(または窒化膜)を形成し、酸化膜形成時に生じる引っ張り応力によって上記湾曲を大きくして、より小さい曲率半径となるようにしている。また、酸化膜上にはアルミニューム等の金属被膜を蒸着やスパッタリングなどにより形成し、ミラー面を形成する。
【0019】
ところで、表面がドーム型の可動ミラー100を形成する場合には、図3に矢印で示すように、可動ミラー100の中心位置から周辺に向かう内部応力(引っ張り応力)を残留させて、トーションバー101を含む断面内及びトーションバー101と直交する断面内で湾曲させているが、図4に矢印で示すように、トーションバー101の軸線(両トーションバー101を結ぶ線)と平行な方向にのみ内部応力(引っ張り応力)を残留させて、トーションバー101を含む断面内で湾曲させ、表面がアーチ型の可動ミラー100としても良い。このような可動ミラー100の形状の制御は、可動ミラー100の表面に成膜する薄膜の膜厚を不均一にしたり、部分的にイオンを打ち込むことで、内部応力のバランスを変えることで行う。なお、図3、図4では、可動ミラー100は凸面鏡であるが、逆に凹面鏡を構成しても良い。
【0020】
トーションバー101を挟んで可動ミラー100の両端部は櫛歯状に凹凸が形成され、表面に金属被膜を成膜して端面に沿った部位を可動電極104となす。可動電極104と対向するミラー基板102の外枠側の端面は、ミラー基板と同じ厚さで上記櫛歯状の可動電極104と噛み合うよう5μm程度のクリアランスをもって、同様に金属被膜を成膜した櫛歯状の固定電極121が形成されている。可動ミラーが水平な状態の時に可動電極104は固定電極121に対し基板の厚さ方向に同一部位で対向する。
【0021】
しかしながら、上記したように可動ミラー100には表裏で内部応力差を有するため、この大きさがトーションバー101の軸線(両トーションバー101を結ぶ線)に対し対称に均衡していないと、言い換えれば左右の内部応力F1,F2の釣り合い中心がトーションバー101の軸線(両トーションバー101を結ぶ線)上から左右に外れると、トーションバー101の断面にもねじれモーメントを生じ、図5に示すように、可動ミラー100は傾いた状態で保持されることになる。本実施例ではこの不均衡な状態(F1>F2)をつくり出すことによって、図中左側の可動電極104と固定電極121との段差δが3〜5μmになるようにしている。
【0022】
このようにして、可動電極104と固定電極121との間に初期変位(段差δ)を持たせることができ、可動ミラー100の両端の可動電極104と固定電極121とが同一面上に配置されるので往復振動時に各々の距離が等しくなり、可動ミラー100両端に均等に静電引力が加わり静電引力を有効に活用することができる。
【0023】
可動ミラー100は、図2に示すように内部応力により均等に張力が生じ一様な曲率の球面に形成される。従って、平面の時よりも副走査方向(トーションバー101の軸線方向)における断面2次モーメントが大きくなり、可動ミラー100の回転方向に反して生じる慣性力や回転方向が切り換わった直後の負荷変動に対して、撓みが生じ難くなる。
【0024】
この曲率は剛性面からすれば小さい方が有利であることは言うまでもないが、この実施例では主走査方向と副走査方向とで結像倍率が異なるカップリングレンズ110により半導体レーザ108からの光ビームの集束位置を主走査方向と副走査方向とで変えることにより、主走査方向では平行光束になり、副走査方向では可動ミラー100のミラー面で一旦、集束するようにしている。可動ミラー100が曲面になると主走査方向では平行光束になり、副走査方向ではミラー面で集束するという2つの条件のいずれか一方に合うようにカップリングレンズ110の配置調整を行っても被走査面上で主走査方向と副走査方向の結像位置に差が残ってしまうため、光学性能面から図5に示す湾曲の厚みDはλ/2(ここでλはLD光源の波長)以下であることが望ましく、曲率半径は3〜5mになるよう設定している。
【0025】
更に、主走査方向と副走査方向とで曲率半径が異なると結像位置が合わせ難くなるため、実施例のように可動ミラー100の中心位置から放射状に応力を発生させ、球面に近い曲率を生じさせ、主走査方向と副走査方向とで曲率を一致させることが望ましい。
【0026】
なお、可動ミラー100の曲率は、表面に形成した酸化膜の膜厚を変えることや、酸化膜にネオン等不活性の希ガスのイオンを打ち込むことによって内部応力を変化させ、調整することができる。
【0027】
また、上記実施例では引っ張り応力を有する酸化膜を形成しているが、裏面に圧縮応力を有する薄膜を形成してもよく、薄膜の膜種も酸化膜に限らずフッ化マグネシウム等を用いても同様に効果がある。
【0028】
上記したように可動ミラー100を曲面にすることで回転に伴う撓み変形を生じ難くできるが、必ずしも球面状にする必要はなく、図4に示すように、トーションバーを含む断面内(副走査方向)で曲率をもっていれば、回転に伴う撓み変形を生じ難くする効果はある。
【0029】
上記固定電極121に電圧を印加すると対向する可動電極104との間に静電引力が発生し、トーションバー101をねじって可動ミラー100は水平な状態まで戻る、電圧を解除するとトーションバー101の復元により傾いた状態に戻る。固定電極121への電圧印加を周期的に切り換える、言い換えれば交流電圧を与えることにより可動ミラー100は往復振動し、この周波数を可動ミラー100の固有振動数に近づけると共振状態となって振幅が増幅される。
【0030】
この実施例では記録速度に合うように可動ミラー100の固有振動数を設定、つまり、断面2次モーメントIを与える可動ミラー100の厚さ、トーションバー101の幅と、長さを決定している。一般に、最大振れ角θ0は可動ミラー100を支えるトーションバー101の弾性係数G、断面2次モーメントI、長さLで決定されるばね定数Kと、静電引力によって与えられるトルクTとにより、次式で表される。
【0031】
θ0=T/K、
ここで、K=G・I/L
また、可動ミラー100の共振周波数fdは慣性モーメントJとすると次式で表される。
【0032】
fd=(K/J)1/2
上式から明らかなように静電引力が小さくても済むようにするには慣性モーメントを小さくする必要があり、可動ミラー100の厚さを薄くすることが効果的である。
【0033】
図1において、ミラー基板100の上面には2枚のシリコン基板105,103を貼り合せて構成した対向ミラー基板が接合される。第1の基板105は結晶面方位<110>から約9°のスライス角度を傾けたウエハを用い、エッチングにより基板面より26.3°傾けた傾斜面を形成し、金属被膜を蒸着して反射面106となす。第2の基板103は結晶面方位<111>から約9°のスライス角度を傾けたウエハを用い、エッチングにより基板面より9°傾けた傾斜面を形成し、金属被膜を蒸着して反射面122となす。また、図6の断面図に示すように、第2の基板103には光ビームが通過する開口部103−1を反射面122と隣接して貫通し、この開口部を挟み屋根状に144.7°の角度をなす反射面106と122とを対で配備した構成となす。
【0034】
プリズム116には光ビームの入射面116−2、射出面116−4、可動ミラー100それぞれに光ビームを反射する反射面116−1および接合面116−3とが形成され、上記第2の基板103上面に可動ミラー100の揺動空間を覆うように接合される。また、入射面116−2にはカップリングレンズ110からの光ビームを所定の径に整形するアパーチャマスクが成膜される。
【0035】
図6に示すように、開口部103−1から可動ミラー100に所定の角度(例えば20°)で入射した光ビームは上記反射面106で反射され、再度、可動ミラー100で反射され、反射面122との間で複数回反射を繰り返して副走査方向に反射点を往復して移動しながら再び開口部103−1を通ってプリズム116に入射し、射出面116−4から射出される。このように複数回反射を繰り返すことで、可動ミラー100の小さい振れ角で大きな走査角が得られるようにしている。例えば、可動ミラー100での総反射回数N(例えばN=5)、振れ角αとすると走査角θはθ=2Nαとなる。
【0036】
支持フレーム107は焼結金属等で成形され、絶縁材を介してリード端子115が挿入されてなる。支持フレーム107には上記したミラー基板102を実装する接合面107−1、カップリングレンズ110を位置決め接着するV溝107−2、接合面107−1と垂直に形成した半導体レーザ108の実装面107−3、LDの背面光を受光するモニタPDチップ109の実装面107−4が形成される。
【0037】
円筒の上下をカットした形状のカップリングレンズ110は第1面を軸対称の非球面、第2面を副走査方向に曲率を有するシリンダ面となす。V溝107−2はカップリングレンズ110の円筒外周面が当接した際、光軸が半導体レーザ108の発光点に合うように幅と角度が設定され、光軸方向の調整によって可動ミラー100の曲率を相殺するように半導体レーザ108との相対位置を合わせて接着固定する。
【0038】
この実施例では、可動ミラー100が凸面鏡であるため、可動ミラー100上で発散光束となり、上記プリズム射出面116−4より射出される光ビームが主走査方向で平行光束となるように光軸方向の調整を行なう。なお、可動ミラー100が凹面鏡であれば可動ミラー100上で集束光束となる。また、上記カット面はシリンダ面の母線と平行に形成され、母線が水平になるように光軸回りの位置決め基準とする。なお、半導体レーザ108は画素情報に応じて変調された光ビームを出射する。
【0039】
カバー111は板金にてキャップ状に成形され、光ビームの射出開口にはガラス板112が内側より接合されてなり、上記支持フレーム107の外周に設けられた段部107−6にはめ込まれて半導体レーザ108、ミラー基板102等を気密状態に保護する。半導体レーザ108、モニタPDチップ109、上記した固定電極121は各々リード端子115の支持フレーム107上側に突出した先端との間でワイヤーボンディングにより各々接続がなされる。
【0040】
図7に、本発明の光走査装置の一実施例の断面図、図8(A),(B)にその外観図、透視図を示す。上記構成による光走査モジュール200は、LDの駆動回路、可動ミラーの駆動回路を構成する電子部品が実装されるプリント基板201上に主走査方向に配列して複数個(実施例では3個)実装される。実装の際、上記支持フレーム107の底面は下側に突出したリード端子115をスルーホールに挿通してプリント基板201に当接され、スルーホールのクリアランス内でプリント基板201上における複数の光走査モジュール200間の位置合わせを行って仮止めし、他の電子部品と同様ハンダ付けされ一括して固定される。
【0041】
複数の光走査モジュール200を支持したプリント基板201はハウジング202の下側開口を塞ぐように当接され、ハウジング202に一体で設けられた一対のスナップ爪202−1間に抱え込んで保持する。プリント基板201にはこのスナップ爪202−1の幅に係合する切り欠きが設けられ、主走査方向の位置決めがなされると同時に、スナップ爪202−1に形成した鈎型の係止部206を基板エッジに係合して副走査方向が固定される。また、係止部206は撓ませて係合を解除することで突起205が基板上端を押し下げ、容易に取り外すこともできる。
ハウジング202内部には結像手段を構成する第1の走査レンズ203を主走査方向に配列して接合する位置決め面、第2の走査レンズ204を保持する位置決め部および同期ミラー208の保持部が形成される。本実施例では各光走査モジュール200の第2の走査レンズ204は樹脂にて一体的に形成し、また、同期ミラー208も高輝アルミ板で互いに連結して形成しており、光ビームを射出する開口に外側よりはめ込まれ奥側に突き当てて取り付けられる。開口の中央部には突起202−3が形成され、第2の走査レンズ204の中央部に設けられた凹部204−1、同期ミラー中央部208に設けられた凹部208−1を係合して主走査方向を位置決めされ、副走査方向には開口の一端に押し付けられて位置決めされる。
【0042】
また、第1の走査レンズ203には各々主走査の中央部底面に位置決め用の突起203−1を形成しており、ハウジング202に均等間隔で配備された係合孔202−2に装着し、主走査方向の相対位置が維持されるようにすると同時に、光軸方向の一端に突き当て同中央部に各々の高さが同一平面となるよう配備された接着面に副走査方向の底面を当接して位置決めされる。
【0043】
同期検知センサ209はPINフォトダイオードが用いられ、隣接する光走査モジュール200で共用する中間位置を含め各両端位置に配置され、各光走査モジュール200の走査開始側と走査終端側とでビームが検出できるようにプリント基板201上に実装される。同期ミラー208は隣接する光走査モジュール200の走査開始側と走査終端側との反射面が向かい合うよう「く」字状に成形され、各々光ビームを反射し、共通の同期検知センサ209に導くことができるようにしている。
【0044】
また、コネクタ210は全ての光走査モジュール200への電源供給やデータ信号などのやり取りを一括して行う。ハウジング202の両側面には後述する感光体ドラムを保持するカートリッジにドラム220と同心に設けられた円筒面215に合わせて突き当て面を有する位置決め部材211が取り付けられる。位置決め部材は211は突起部212にねじ固定された後、L字状に設けた座面を装置本体のフレームに設けられたピン213にスプリング214を介して配備されるので、上記カートリッジに常に押し付けられた状態で保持され、複数の光走査モジュール200の感光体ドラムに対する位置決めを一括して確実におこなうことができる。
【0045】
図9は、本発明の光走査装置をカラーレーザプリンタに適用した一実施例の構造図を示す。
【0046】
各色(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)毎に光走査装置520とプロセスカートリッジ500とが個別に位置決めされ、用紙の搬送方向に沿って直列に配備される。用紙は給紙トレイ506から給紙コロ507により供給され、レジストローラ対508により印字のタイミングに合わせて送り出され、搬送ベルト511に載って矢印方向に搬送される。各色画像は用紙が各感光体ドラム(像担持体)501を通過する際にトナーが静電引力によって転写され順次色重ねがなされて、定着ローラ509で定着され、排紙ローラ512により排紙トレイ510に排出される。 なお、各色プロセスカートリッジはトナー色が異なるのみで構成は同一である。感光体ドラム501の周囲には感光体を高圧に帯電する帯電ローラ502、光走査装置520により記録された静電潜像に帯電したトナーを付着して顕像化する現像ローラ503、トナーを備蓄するトナーホッパ504、用紙に転写された後の残トナーを掻き取り備蓄するクリーニングケース505が配備される。
【0047】
光走査装置520は上記したように複数の光走査モジュール200の走査線をつなぎ合わせて1ラインが構成され、総ドット数Lを分割し各々画像始端から1〜L1、L1+1〜L2、L2+1〜Lドットを割り当てて印字するが、本実施例ではこの割り当てるドット数L1,L2を各色で異なるようにすることで、同一ラインを走査する各色の走査線の継ぎ目が重ならないようにしている。
【0048】
なお、上記実施例では光走査装置を3つの光走査モジュールにて構成したが、この数はいくつであってもよく、画像形成装置の記録幅に合わせて数を増減して対応することができる。
【0049】
図10は、半導体レーザ(LD)及び可動ミラーの駆動制御回路の一実施例のブロック図を示す。同図中、周波数設定部307で可動ミラー302の共振振動数に合わせて走査周波数fdが可変され、電圧制御部308から電極駆動部309,310を通して各固定電極305,306に位相が1/2周期ずれるようにパルス状の電圧が印加され、これによって可動ミラー302が共振振動する。
【0050】
本実施例では、可動ミラー302は走査角θ0を起点として−θ0に達するまでの往期間の内、θs〜−θsの期間(0<θs<θ0)において画像記録を行い、走査角−θ0から+θ0の復期間には画像記録を停止する。言い換えれば、走査周波数fdの1周期毎に画像記録を行う。ちなみにθ0=5°、θs/θ0=0.7としている。半導体レーザ301は固定電極305への電圧が解除された時点から点灯され、同期検知センサ303にて光ビームを検出して同期検知信号を発生し、この同期検知信号を基準として記録開始のタイミングを取る。画像記録の待機時においては電力消費を抑えるため固定電極305,306への印加電圧を低下、または0として可動ミラー302の振幅(振れ角)を低下させ、この期間、同期検知信号は発生していない。
【0051】
電源投入時または記録開始時には、同期検知センサ303から同期検知信号が得られるまで、電圧制御部308から固定電極305,306に印加する電圧を徐々に増加して静電引力を徐々に上昇させることで、可動ミラー302の振幅を徐々に増大させる。そして、同期検知信号のレベルが所定値に達した時点で固定電極305,306に印加する電圧値をセットする。
【0052】
ところで、同期検知は振れ角がθ0となる近傍でなされるが、−θ0となる近傍にも終端検知センサ304を配備されており、終端検知センサ304で走査終端の光ビームを検出し、この終端検知信号と同期検知センサ303の同期検知信号との時間差、つまり走査時間を演算部316で演算して、これが所定の時間差となるよう固定電極305への印加電圧を増減し、環境温度変化等による共振周波数のずれに伴う振幅の変動を補正している。なお、終端検知センサ304を配備しなくても同期検知センサ303での検出信号だけでも検出が可能である。当然、別に光検出センサを配備してもよい。
【0053】
書込制御部311では、これらの設定が完了したのち記録領域での半導体レーザ301の点灯を許可するようにシーケンス制御すると同時に、印可電圧があらかじめ設けられた制限値を越えても同期検知センサ303及び終端検知センサ304の検出信号が得られない場合や、走査時間が所定値に達しない場合にはエラー信号を出力して、固定電極305,306への電圧印加を中止し、光走査装置520の外部に必要以上に光ビームが放出されるのを防止する。本実施例では3つの光走査モジュール200を有するので、全ての光走査モジュール200でこの条件がクリアされなければ印字動作を開始しない。
【0054】
可動ミラー302は共振振動されるため、図11に示すように正弦波状に振れ角θが変化する。つまり、画像中央で走査速度が速く、周辺で走査速度が遅くなる。これは次式で表される。なお、fdは走査周波数である。
【0055】
θ=θ0・sin2πfd・t
−1/4fd<t<1/4fd
一方、被走査面である感光体ドラム面では均一間隔で主走査ドットを印字する必要があり、上記した走査レンズ203、204の結像特性は単位走査角あたりの走査距離dH/dθがsin−1θ/θ0に比例するように、つまり、画像中央で小さく周辺に行くに従って加速度的に大きくなるように光線の向きを補正しなければならない。さらに、可動ミラー302の振れ角が大きくなると理想的な正弦波振動からずれ、対向面に近づくにつれて空気抵抗による振幅への影響をうけ易くなる。
【0056】
しかしながら、最大振れ角θ0に対する有効振れ角θaの比が大きくなるにつれ周辺での走査速度dH/dtの減速に対抗して補正量を著しく増大させなければならないので、走査レンズ中央部から周辺部にかけて結像点を遠ざけるためのレンズ強度(屈折力)の変化率が大きくなり、レンズ自体、肉厚差の大きい湾曲形状となって比較的自由度の高い樹脂成形でも加工が困難となるうえ、ビームスポット径が周辺で太くなり一走査内でのばらつきが大きくなる。
【0057】
そこで、本実施例では走査レンズ203,204での補正量を適度に抑え、残った分を半導体レーザ301の変調周波数である画素クロックの周波数(画素周波数)を主走査に沿って段階的に可変して各ドットの印字位置(位相)とパルス幅を可変して補正する。これによれば、例えば走査レンズ203,204での補正分をdH/dθがθに比例する量として、走査レンズ203,204をいわゆるf・θレンズとすることもでき、走査レンズと画素クロックとの補正量の配分はいかようにも可能である。
【0058】
画素クロックは、図10に示すメモリ312にあらかじめ記憶された周波数可変データを、同期検知信号をトリガとして書込制御部311の制御で順次読み出すことにより、周辺から画像中央に向って周波数が低周波数flから高周波数fhまで単調に増加し、画像中央から周辺に向って周波数が低周波数flまで減少するように可変される。
【0059】
可動ミラー302を用いた走査では、図11に示すように画像中央で走査速度が速く周辺で走査速度が遅くなるが、本実施例では、画素クロックの周波数を図12に示すように画像中央で高周波数fh(パルス幅は短い)とし周辺で低周波数fl(パルス幅は長い)とすることによって相殺し、画像中央から周辺の全域で走査速度が略同一することができる。
【0060】
図10で上記画素周波数の可変方法について説明する。パルス幅形成部313は与えられた周波数可変データとして与えられる分周比Mに基づいて、基準クロック信号f0をM分周した分周クロック(周波数f0/M)をカウントして、kクロック(kは任意の整数)分の長さのパルスを形成する。これを繰り返し行って、図12に示すように、主走査に沿って段階的に周期が変化するPLL基準信号fa(周波数k・f0/M)として出力する。
【0061】
PLL回路314ではPLL基準信号faと画素クロックfkとの位相を比較し、位相差がある場合には画素クロックfkの周波数を変更して書込制御部311及びパルス幅形成部313及びLD駆動部315に供給する。書込制御部311は同期検知センサ303から同期検知信号が供給されると、低周波数flのPLL基準信号faのカウントを開始し、そのカウント値に応じたアドレスを発生してメモリ312から周波数可変データの読み出しを行う。この結果、メモリ312から読み出される周波数可変データはn0カウントから図12に示すように変更される。nsカウントで書込制御部311は画像データを画素クロックに同期してシリアルに読み出しLD駆動部315に与える。
【0062】
ここで、画素クロックfkの周期は、k・(基準クロックf0/分周比M)によって与えられる。画素クロックの変更領域Zは画像記録領域Sに対して、前後に100画素程度ずつ大きめに設定され、それに応じて低周波数flも画像記録領域Sの端部の画素クロックfkの周波数より低く設定されており、同期検知から画像記録開始までのカウント値nsを可変することで画像の記録領域Sをシフトできるようにしている。
【0063】
また、上記分周比Mに一律に補正数を付加することで、低周波数flから高周波数fhまでの周波数幅fh−flを維持したまま、低周波数fl,高周波数fhの周波数をシフトすることができ、可動ミラー302の共振周波数のばらつきや、図2に示すような可動ミラー100の曲面化に伴う画像記録幅の変化を各画素の周期(1/fk)を一様に可変することで部分的な歪みを生じることなく補正できるようにしている。この際、各画素の積算時間、つまり各画素でのクロックカウント値をkとすると、T=Σ(k/fk)も変化するが、上記同期検知から画素クロック変更を開始するまでのカウント値n0を変更し、周波数可変データの画像中央位置と可動ミラー302がミラー基板102に対して平行になる時間とが常に一致するように設定する。
【0064】
ところで、感光体ドラムを露光するエネルギーEはビーム強度Pとして、P/fkであらわされるため、上記した画素クロックの周波数変化の元になる周波数可変データをD/Aコンバータ317に与え、さらに電圧電流変換回路318を介してLD駆動部315に供給することにより、半導体レーザの駆動電流を可変しビーム強度についても主走査に沿って段階的に可変している。本実施例では画像中央でのビーム強度が高く、周辺で低くなるよう可変する。
【0065】
上記した半導体レーザ、可動ミラー302の駆動制御は光走査装置を構成する各光走査モジュール200毎に個別に行っているが、可動ミラー302の駆動については隣接する光走査モジュール200で走査周波数fdの1/2周期位相がずれるように駆動し、画像を記録するタイミングを走査上流側に配置する光走査モジュールの記録開始から走査周波数fdの1/2周期ずつ遅らせて順次記録を開始することで、走査上流側に配置する光走査モジュールの記録終端と同時に記録が開始されるようにしている。
【0066】
図13は、本発明の光走査モジュールの他の実施例の分解斜視図を示す。同図中、ミラー基板1102はシリコン基板をエッチングにより裏側を四角にくり貫いて所定の厚さに枠部と天板部とを残し、天板部には可動ミラー1100およびそれを軸支するトーションバー1101をその周囲を貫通して形成する。なお、可動ミラー1100は可動ミラー100と同様に、表面がドーム型になるように反りを生じさせている。この実施例では厚さ200μmのシリコン基板を用い可動ミラー1100の厚さ、つまり天板部は60μmである。ミラー幅は4mm×2mmで上面に金やアルミニューム等の金属被膜を蒸着し反射面となす。また、その両端部には櫛歯状に凹凸が形成され金属被膜を成膜して可動電極1104となす。可動電極1104と対向した基板端面は上記櫛歯形状と噛み合うように5μmのクリアランスをもって金属被膜を成膜した櫛歯状の固定電極1105が形成されている。可動ミラーが水平な状態の時に可動電極1104は固定電極1105に対し基板の厚さ方向に同一部位で対向する。
【0067】
トーションバー1101は可動ミラー1100の走査周波数に応じてトーションバー1101を回転軸とした振動モードで共振するよう寸法が定められ、この実施例では幅100μm程度、長さ1mm程度としている。シリコン基板1102はその表面をウエハの研磨面となし、電極と基板との絶縁用に例えば窒化膜を形成しているため、エッチングによって貫通された可動ミラー1100は表裏の内部応力差により僅かに傾いており、可動電極1104と固定電極1105とは数μmの段差を有している。
【0068】
そのため、固定電極1105の一方に電圧を印加すると静電力により可動ミラー1100は水平な状態までトーションバー1101を捩じって回転し、交流電圧を印加すると往復振動する。この振幅は微少であるが、交流電圧を可動ミラーに固有な機械的共振周波数に相当する周波数になるよう印加すると可動ミラー1100は励振され振幅を拡大し、実施例では±5°で正弦波振動させている。電極を櫛歯状としているのは、これにより外周長が長くなり電極の面積をかせぐことができるためで、低電圧でより大きな静電トルクが得られるよう配慮している。基体1106は焼結金属で成形され、絶縁材を介してリード端子1107が挿入され、前記したミラー基板1102を接着して実装してモジュール化される。ミラー基板の固定電極は、リード端子1107の基体上側に突出した端部とワイヤーボンディングにより結線され、モジュールが回路基板に実装された際にスルーホールにリード端子の下側突出部を挿入され、半田づけにより電装基板に形成された回路との接続がなされる。基体外縁の段差部1108には板金製のカバー1109を不活性ガス中で装着して封止する。カバー1109には窓ガラス1110が設けられ、光ビームの入出射はこの窓ガラス1110を通して行われる。
【0069】
図14は、上記光走査モジュールの他の実施例を適応した光走査装置の透視図を示す。可動ミラー偏向器1200、1201、1202は走査方向を合わせて電装基板1204に実装され、各々半導体レーザ1205、カップリングレンズ1206、第1走査レンズ1207、第2走査レンズ1208と組み合わされて光走査手段を構成している。なお、この実施例では、第2の走査レンズを各光走査手段で繋ぎ合わせ一体に成形している。
【0070】
半導体レーザ1205より射出された光ビームはカップリングレンズ1206で平行光束とされ、窓ガラス1110から可動ミラー偏向器に入射される。光ビームは可動ミラー1100の法線方向に対して副走査方向に約10°傾けて入射され、偏向されて可動ミラー偏向器の窓ガラス1110から射出される。さらに、走査レンズ1207、1208により図示しない感光体ドラム上に結像され、1画像を主走査に分割した領域を走査する。
【0071】
図15は、画像表示装置の一実施例の断面構造図を示す。同図中、光走査モジュール1400は図7に示す光走査モジュール200と同様の構成であるが、光源1308として3原色RGBに対応した波長帯域にて光ビームを射出する発光素子を各々配備している。例えば、赤色光の発光素子としてはGaInP(ガリウム・インジウム・リン)系やAlGaAs(アルミニューム・ガリウム・ヒ素)系、緑色光の発光素子としてはGaN(ガリウム・窒素)系やGaInP系、青色光の発光素子としてはGaN系の発光ダイオード等の半導体素子を用いることができる。この他、半導体レーザと非線形光学結晶を組み合わせたSHG光源や有機EL素子、蛍光表示管等を用いてもよい。
【0072】
光源1308からの光ビームはカップリングレンズ1310,プリズム等を経て可動ミラー1300に入射し、光ビームは可動ミラー1300にて水平走査され、ポリゴンミラー1302に入射する。ポリゴンミラー1302は図中奥行方向に軸が延在する多角柱であり、光ビームを垂直方向に偏向するようにステッピングモータ等で回転される。これにより、可動ミラー1300による1走査毎に、スクリーン1304における水平走査位置が垂直方向に順次移動して2次元に走査がなされる。
【0073】
投影レンズ1303は、光ビームを被走査面としてのスクリーン1304にビームスポットとして結像し、ポリゴンミラー1302の1面によって1画面を表示する。なお、可動ミラー1300の走査周波数は、15.7kHzとすることで、NTSC映像信号の水平走査周期と一致させることができる。ポリゴンミラー1302の回転数は600rpmである。
【0074】
なお、酸化膜または窒化膜が請求項記載の応力発生膜に対応し、半導体レーザ301が発光源に対応し、固定電極305,306,周波数設定部307,電圧制御部308,電極駆動部309,310が可動ミラー駆動手段に対応し、感光体ドラム501が感光体に対応し、現像ローラ503が現像手段及び転写手段に対応し、ポリゴンミラー1302が走査手段に対応し、スクリーン1304が被走査面に対応し、投影レンズ1303が投写手段に対応する。
【0075】
【発明の効果】
上述の如く、請求項1に記載の発明は、可動ミラーを少なくともトーションバーを含む断面内で湾曲させアーチ型にしたことにより、可動ミラーの厚さが薄くても往復振動を行っているときに可動ミラーが撓み変形し難くすることができ、可動ミラーを薄くできるので可動ミラーを小さい電力によって大きな振幅で往復振動させることができ、可動ミラーを湾曲させるための部材を追加する必要がなく、可動電極と固定電極との間に初期変位を持たせることができ、可動ミラー両端の可動電極と固定電極とが同一面上に配置されるので往復振動時に各々の距離が等しくなり、可動ミラー両端に均等に静電引力が加わり静電引力を有効に活用することができる。
【0077】
請求項に記載の発明では、可動ミラーは、その表面または裏面に応力発生膜を設けたことにより、可動ミラーの湾曲を大きくできると共に曲率を調整することができる。
【0079】
請求項に記載の発明では、可動ミラーは、内部応力が残留するシリコン基板を表裏いずれか一方の面からエッチングにより薄肉化して製造することにより、湾曲した可動ミラーを簡単に製造することができる。
【0080】
請求項に記載の発明は、光偏向器の可動ミラー自体に回動力を与え往復振動させる可動ミラー駆動手段とを有し、発光源で発光した光ビームを光偏向器の可動ミラーで反射することにより光走査を行うことにより、省電力の光走査モジュールを提供することができる。
【0081】
請求項に記載の発明は、光走査モジュールを、光走査方向に複数備え、主走査方向を一致させて配列したことにより、画像記録幅を複数の光走査モジュール分の画像記録幅に拡大することができ、様々な記録幅の画像を形成できる。
【0082】
請求項に記載の発明は、光走査装置と、光走査装置によって静電像が形成される像担持体と、静電像をトナーで顕像化する現像手段と、顕像化されたトナー像を記録紙に転写する転写手段とを有することにより、省電力の画像形成装置を提供することができる。
【0083】
請求項に記載の発明は、光走査モジュールと、光走査モジュールから出射される光ビームを光走査モジュールの走査方向と直交する方向に走査する走査手段と、走査手段から出射される光ビーム被走査面に投写する投写手段とを有することにより、省電力の画像表示装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光走査モジュールの一実施例の分解斜視図である。
【図2】可動ミラーの一実施例を示す図である。
【図3】可動ミラーの内部応力を示す図である。
【図4】可動ミラーの内部応力を示す図である。
【図5】可動電極と固定電極との段差を説明するための図である。
【図6】本発明の光走査モジュールの一部の断面図である。
【図7】本発明の光走査装置の一実施例の断面図である。
【図8】本発明の光走査装置の一実施例の外観図、透視図である。
【図9】本発明の光走査装置をカラーレーザプリンタに適用した一実施例の構造図である。
【図10】半導体レーザ及び可動ミラーの駆動制御回路の一実施例のブロック図である。
【図11】可動ミラーの振れ角θの変化を示す図である。
【図12】画素クロックの周波数変化の様子を示す図である。
【図13】本発明の光走査モジュールの他の実施例の分解斜視図である。
【図14】光走査モジュールの他の実施例を適応した光走査装置の透視図である。
【図15】画像表示装置の一実施例の断面構造図である。
【図16】可動ミラーの撓み変形を示す図である。
【符号の説明】
100 可動ミラー
101 トーションバー
102 ミラー基板
307 周波数設定部
301 半導体レーザ
302 可動ミラー
309,310 電極駆動部
308 電圧制御部
305,306 固定電極
303 同期検知センサ
311 書込制御部
312 メモリ
313 パルス幅形成部
314 PLL回路
315 LD駆動部

Claims (9)

  1. 可動ミラーとそれを軸支するトーションバーが一体形成されており、往復振動する可動ミラーで光ビームを反射することにより、光ビームを偏向する光偏向器において、
    前記可動ミラーの基板に内部応力を発生させることにより、少なくとも前記トーションバーを含む断面内で湾曲させアーチ型にし、
    前記可動ミラーの基板に発生させた内部応力の大きさを前記トーションバーを結ぶ線の左右で非対称として前記トーションバーの断面に生じさせたねじれモーメントにより前記可動ミラー無負荷状態で傾かせたことを特徴とする光偏向器。
  2. 請求項1記載の光偏向器において、
    前記可動ミラーをミラー面の中心位置近傍に頂点を有するドーム型にしたことを特徴とする光偏向器。
  3. 請求項1または2記載の光偏向器において、
    前記可動ミラーは、その表面または裏面に応力発生膜を設けたことを特徴とする光偏向器。
  4. 請求項1または2記載の光偏向器の製造方法において、
    前記可動ミラーは、内部応力が残留するシリコン基板を表裏いずれか一方の面からエッチングにより薄肉化して製造することを特徴とする光偏向器の製造方法。
  5. 請求項1乃至のいずれか記載の光偏向器と、
    前記光偏向器の可動ミラー自体に回動力を与え往復振動させる可動ミラー駆動手段とを有し、
    発光源で発光した光ビームを前記光偏向器の可動ミラーで反射することにより光走査を行うことを特徴とする光走査モジュール。
  6. 請求項記載の光走査モジュールにおいて、
    前記発光源から光偏向器までの光路中に設けられたカップリングレンズは、前記可動ミラーの湾曲量に応じて前記可動ミラーに入射する光ビームが発散光束または集束光束となるように位置決めすることを特徴とする光走査モジュール。
  7. 請求項5または6記載の光走査モジュールを、光走査方向に複数備え、主走査方向を一致させて配列したことを特徴とする光走査装置。
  8. 請求項に記載の光走査装置と、
    前記光走査装置によって静電像が形成される像担持体と、
    静電像をトナーで顕像化する現像手段と、
    顕像化されたトナー像を記録紙に転写する転写手段とを
    有することを特徴とする画像形成装置。
  9. 請求項5または6記載の光走査モジュールと、
    前記光走査モジュールから出射される光ビームを前記光走査モジュールの走査方向と直交する方向に走査する走査手段と、
    前記走査手段から出射される光ビームを被走査面に投写する投写手段とを
    有することを特徴とする画像表示装置。
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