JP4369665B2 - 光走査装置・画像形成装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光走査装置及び該光走査装置を有する複写機、プリンタ、ファクシミリ、プロッタ等の画像形成装置に関する。
本発明は、光走査型のバーコード読み取り装置や3次元形状計測装置等へも応用が可能である。
【0002】
【従来の技術】
従来の光走査装置においては、光ビームを走査する偏向器としてポリゴンミラーやガルバノミラーが用いられているが、より高解像度な画像と高速プリントを達成するにはこの回転をさらに高速にしなければならず、軸受の耐久性や風損による発熱、騒音等が問題となり、高速走査に限界があった。
これに対し、近年シリコンマイクロマシニングを利用した光偏向器の研究が進められている。例えば特許公報第2924200号や特許公報第3011144号に開示されるように、Si基板で振動ミラーとそれを軸支するねじり梁を一体形成した方式が提案されている。
【0003】
この方式によれば、共振を利用して往復振動させるので高速動作が可能であるにも拘わらず、騒音が低いという利点がある。さらに、振動ミラーを回転する駆動力も小さくて済むので消費電力も低く抑えられる。
複数の光走査装置を主走査方向を合わせて配列し、画像領域を主走査方向に分割して画像記録を行う方法が、特開平3−161778号公報や特開2001−18472号公報等に開示されている。各々の走査線の傾き方向を特開平3−161778号公報では光走査装置全体を傾けることで、特開2001−18472号公報では記録画像情報を補正することにより、各光走査装置における主走査方向の継ぎ目が目立たないようにしている。
【0004】
上記したように、振動ミラーを利用することで、従来のポリゴンミラーを用いる方法に比べ小型で消費電力が少ない光走査装置を提供できるが、振れ角が小さく、反射面の大きさにも限界がある。
このため、例えば特開20001−228428号公報に提案されるように、光路長の短い複数の光走査装置を並列に配置し、画像を主走査方向に分割して各々の記録幅を小さくして繋ぎ合わせる方式が提案されている。
この方式によれば、光路長が短いことにより走査位置ずれが生じ難く、従来、光ビームの主走査、副走査位置のずれを検出して補正しないと色ずれや色変わりが抑制できなかったいわゆるタンデム方式(複数の画像形成ステーションを転写体の移動方向に沿って配列し、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックのトナー像を順次重ね合わせてカラー画像を形成する方式)の画像形成装置においても特別な補正機構を持たずに色ずれが抑えられるという利点もある。
【0005】
【特許文献1】
特許公報第2924200号
【特許文献2】
特許公報第3011144号
【特許文献3】
特開平3−161778号公報
【特許文献4】
特開平10−68899号公報
【特許文献5】
特開2001−18472号公報
【特許文献6】
特開20001−228428号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
特開20001−228428号公報等に提案される方式によれば、上記利点が得られる反面、隣接する走査線の継ぎ目位置が合っていないと、境界部において画像同士が重なったり、隙間が開いたりして継ぎ目が目立ちやすくなり、画像品質を劣化させる要因となる。
従来、各光走査装置の走査位置を相対的に可変したり、画像書出しのタイミングを変更することで、初期的には走査ライン同士が連続するように合わせてはいるが、環境温度変化に伴う光学ハウジングの熱変形等によっても容易にずれてしまうため、経時的に安定した画像品質を確保することが困難であった。
また、タンデム方式の画像形成装置に搭載する場合、初期的に各色の走査位置をμm単位で微小に調整する必要があるが、この色間の調節と上記した隣接する走査線間の調節とを同時に行うことは作業が面倒で且つ複雑であるため、高精度な調整が行えないという問題があった。
生産効率の面からみてもなるべく単純な調整で済ませられることが望まれていた。
【0007】
本発明は、高精度な調整によらずとも継ぎ目が目立ちにくく高品位な画像形成を行うことができ、且つ、組み立ての容易化による製造コストの低減及び電力量を低減できる光走査装置、該光走査装置を有する画像形成装置の提供を、その主な目的とする。
細目的には、光走査装置を構成する光学部品の配置を安定的に保ち、環境変化があっても被走査面における相対的な走査位置ずれを生じ難くすることで、高品位な画像記録の実現を目的とする。
また、走査線同士の調整作業が容易に行えるようにし組み立て性を改善することで、生産効率を向上することを目的とする。
また、タンデム方式等の複数の光走査装置を有する画像形成装置において光走査装置間の走査位置ずれを低減し、色ずれや色変わりのない高品位な画像記録の実現を目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1記載の発明では、発光源と、一定の駆動周波数で往復振動し上記発光源からの光ビームを走査する振動ミラーと、該振動ミラーにより走査された光ビームを被走査面に結像する結像光学系を備えた光走査手段を複数有し、主走査方向に領域を繋ぎ合わせて画像記録を行う光走査装置において、上記各光走査手段を上記被走査面に対向させて取付けるフレーム部材を有し、該フレーム部材には、上記複数の振動ミラーの各々の反射面の法線方向が同一となるようにこれらの振動ミラーが位置決めされて支持され、上記複数の光走査手段の結像光学系を一体的に支持する共通のハウジング部材を有し、該ハウジング部材と上記フレーム部材とを、上記振動ミラーの振れ角が0の際の反射面と略平行な面内で当接させて結合してなり、上記フレーム部材とハウジング部材との熱膨張係数が略一致する、という構成を採っている。
【0009】
請求項2記載の発明では、請求項1記載の光走査装置において、上記フレーム部材が、上記振動ミラーの振れ角が0の際の反射面と略平行な当接面を有し、該当接面により上記振動ミラーの反射面が上記被走査面から所定間隔をもって配置され且つ位置決めされている、という構成を採っている。
【0010】
請求項3記載の発明では、請求項記載の光走査装置において、上記フレーム部材を、上記被走査面に対向する面内で傾けるスキュー調整手段を有し、上記被走査面における走査線の傾きを調整可能である、という構成を採っている。
【0011】
請求項4記載の発明では、請求項記載の光走査装置において、上記複数の光走査手段の各々が、上記結像光学系を副走査方向に傾けることで該結像光学系の焦線の傾きを可変する走査線傾き補正手段を有し、走査線同士を略平行に揃えることが可能である、という構成を採っている。
【0012】
請求項5記載の発明では、請求項記載の光走査装置において、上記複数の光走査手段の各々が、上記発光源を駆動する光源駆動手段を有し、該発光源の書出しタイミングを個別に設定可能である、という構成を採っている。
【0013】
請求項6記載の発明では、請求項記載の光走査装置において、上記複数の光走査手段の各々が、上記振動ミラーを駆動する振動ミラー駆動手段を有し、該振動ミラーの振れ角を個別に調整可能である、という構成を採っている。
【0014】
請求項7記載の発明では、像担持体と、該像担持体上に静電潜像を形成する光走査装置と、上記静電潜像をトナーで顕像化する現像手段と、顕像化された画像を記録媒体上に転写する転写手段を有する画像形成装置において、上記光走査装置が、請求項1乃至6のうちの何れか1つに記載の光走査装置である、という構成を採っている。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図1乃至図15に基づいて説明する。
まず、図10に基づいて本実施形態における画像形成装置としてのタンデム方式のカラーレーザプリンタの構成の概要を説明する。
カラーレーザプリンタは、並置された4つの像担持体としての感光体ドラム504Y、504M、504C、504Bkと、転写ベルト501を有している。感光体ドラム504に付された符号Yはイエローを、Mはマゼンタを、Cはシアンを、Bkはブラックをそれぞれ示している。
転写ベルト501は、3つの支持ローラ505、512、516間に掛け回されて支持されており、これらの支持ローラのうち1つを駆動ローラ、他の2つを従動ローラとして回転駆動される。転写ベルト501の矢印で示す移動方向に沿って均等間隔で各感光体ドラム504Y、504M、504C、504Bkが配置されている。
各感光体ドラム504Y、504M、504C、504Bkの周囲の構成を、イエロー画像対応の感光体ドラム504Yについて代表して説明する。感光体ドラム504Yの周囲には、その回転方向(反時計回り方向)に沿って順に、感光体ドラム504Yの表面を一様に帯電する帯電装置502Y、帯電した感光体ドラム504Yの表面に画像情報に基づいて静電潜像を形成する光走査装置500Y、静電潜像をトナー像として可視化する現像手段としての現像装置503Y、トナー像が転写される転写手段511、転写ベルト501へのトナー像の転写後感光体ドラム504Y上に残留したトナーをブレードで掻き取って収容するクリーニング装置508Y等が配置されている。
現像装置503Yは、感光体ドラム504Yにトナーを供給する現像ローラ503Y−1と、現像剤攪拌部材503Y−2等を有している。
他の感光体ドラム504M、504C、504Bkについては構成が同様であるので、色別の符号を付して説明を省略する。
【0021】
各色画像は、転写ベルト501端に形成されたレジストマークを検出するセンサ518の信号をトリガとして副走査方向の書出しタイミングをずらして各光走査装置500Y、500M、500C、500Bkによって静電潜像が形成される。各色画像は各現像装置503Y、503M、503C、503Bkによってトナー像として可視像化され、これらのトナー像は転写ベルト501上に順次転写されて重ねられる。
記録媒体としての用紙Sが給紙トレイ507から給紙コロ506により1枚ずつ分離されて給紙される。給紙された用紙Sは、4色目(Bk)の画像形成にタイミングを合わせてレジストローラ対510により送り出され、転写手段511により転写ベルト501から4色重ね合わせ画像を一括転写される。
トナー像を転写された用紙Sは、搬送ベルト515により定着装置517へ送られ、定着ローラ517aと加圧ローラ517bにより挟持搬送されながら熱と圧力によりトナー像を定着され、排紙トレイ514に排出される。
【0022】
次に、図3及び図4に基づいて、各光走査装置500Y、500M、500C、500Bkにおける光走査手段としての振動ミラーモジュールについて説明する。
振動ミラーモジュール130は、焼結金属等で成形された基体201にねじり梁208を回転軸とした振動モードを有する振動ミラー(可動ミラー)202を装着し、キャップ状に成形されたカバー205により密封され、開口に配備されたガラス窓204を通じて光ビームが入出射される構成を有している。
振動ミラー基板253は、2枚のSi(シリコン)基板206、207を酸化膜等の絶縁膜を介して接合して構成されている。第1のSi基板206は厚さ60μmのSi基板からなり、エッチングにより振動ミラー202及び同一直線上で軸支するねじり梁208を、その周囲を貫通し固定枠210から分離して形成されている。
振動ミラー202はねじり梁208に対して対称に形成され、両端の縁部203には、対向する固定枠210側の縁部209と互い違いに噛み合うように櫛歯状の凹凸部が形成されている。振動ミラー202はねじり梁208の軸心208aを中心に揺動する。
【0023】
振動ミラー202の表面、及び固定枠210に形成した凹凸部には絶縁層を介してAu等の金属被膜が蒸着され、振動ミラー202両端の凹凸部を第1、第2の可動電極、対向する固定枠210の縁部209の凹凸部を第1、第2の固定電極としている。
本実施形態では振動ミラー202の表裏で堆積する絶縁膜等の薄膜またはその膜厚を変えており、その内部応力によってねじり梁208が無負荷状態でねじられ、予め初期位置においてミラー面が微小角だけ傾くようにしており、各々固定電極と可動電極とは数μmの段差を有している。
これにより、第1、第2の固定電極に電圧を印加すると、対向する可動電極との間で静電力を生じ、振動ミラー202が水平になるようにねじり梁208をねじって回転され、周期的にパルス状の電圧を印加することで微小に往復振動する。さらに、所望の駆動周波数に合わせて振動ミラー202の慣性モーメント、ねじり梁208の幅と長さをこの振動部に固有の共振周波数に合わせて設計すれば、励振されて振幅を拡大することができ、微小な印可電流で大きな振れ角をとることができる。本実施形態では振れ角を約±5°としている。
【0024】
従って、消費電力を低減できるが、上記したように共振周波数から僅かにずれるだけで振幅が低減してしまうため、固定電極に印加する駆動電圧の周波数を共振振動数の変化に追従するように可変制御する。
また、振幅に対して最適なタイミングで電圧パルスが印加され、効率よく静電トルクが働くように振幅と電圧パルスとの位相差を制御するのが望ましい。
なお、電極を櫛歯状としているのは、これにより外周長をできるだけ長くして電極長をかせぐためで、低電圧でより大きい静電トルクが得られるように配慮している。
【0025】
ここで、振動ミラー202の寸法を、縦2a、横2b、厚さd、ねじり梁208の長さをL、幅をcとすると、Siの密度ρ、材料定数Gを用いて、
慣性モーメントI=(4abρd/3)・a
バネ定数K=(G/2L)・{cd(c+d)/12}
となり、共振振動数fは、
f=(1/2π)・(K/1)1/2=(1/2π)・{Gcd(c+d)/24LI}1/2
ここで、ねじり梁208の長さLと振れ角θは比例関係にあるため、
θ=A/I・f、Aは定数
で表され、振れ角θは慣性モーメントIに反比例し、共振振動数fを高めるには慣性モーメントIを低減しないと振れ角θが小さくなってしまう。
【0026】
そこで、本実施形態では、図3に破線で示すように、振動ミラー202の反射面の裏側219の基板厚dを格子状に残し、それ以外をd/10以下の厚さまでエッチングにより肉抜きすることで、慣性モーメントIを約1/5に低減している。
一方、空気の誘電率ε、電極長さH、印加電圧V、電極間距離δとすると、
電極間の静電力F=εHV/2δ
となり、振れ角θ=B・F/I、 Bは定数
とも表され、電極長さHが長いほど振れ角θが大きくなり、櫛歯状とすることで櫛歯数nに対して2n倍の駆動トルクを得ている。
反面、振動ミラー202の速度υ、面積Eに対して、空気の密度ηとすると、
空気の粘性抵抗P=C・ηυ・E、 Cは定数
が振動ミラー202の回転に対向して働くため、カバー205で密封し減圧状態に保持するのが好ましい。本実施形態では非蒸発型ゲッタを同梱し、外部からの加熱で活性化させ1torr以下としている。
【0027】
ところで、上記したバネ定数Kは僅かな温度変化により変動してしまうため、これに伴って図5に示すように、共振周波数fも変動してしまう。
一般に、温度が上昇するとバネ定数Kが小さくなり、共振周波数fも下がる。それに応じて駆動周波数も可変する必要があるが、これを頻繁に補正することはできない、例えば、1画像記録中に可変すると副走査方向の記録ピッチが変化し、画像劣化の要因となり、印字不可状態が頻繁であると生産性が悪くなる。
そこで、本実施形態では、図4に示すように、ねじり梁208の根元部に薄膜抵抗221を設け、補正の合間にバネ定数K、言いかえれば共振状態が維持されるように数度程度の温度調節が可能な構成としている。
例えば、予め変動分を見込み環境温度よりも高くねじり梁208の温度を設定しておいて、その状態での共振周波数に合わせて駆動周波数を選択しておけば、環境温度が上昇した際には薄膜抵抗221への印加電流を下げ、環境温度が低下した際には印加電流を上げることで、ねじり梁208の温度を一定に保つことができる。
【0028】
第2の基板207は、280μmのSi基板からなり、中央部を貫通して第1の基板206の支持枠と絶縁層を挟んで振動ミラー202の反射面の表側を接合面として接合され、振動ミラー202の揺動空間を形成している。第2の基板207上面には、2枚のSi基板により形成した対向ミラーチップ216、215が、ねじり梁208と直交する方向に架橋されて接着固定されている。
第2の基板207は、振動ミラー202と所定の間隔を保つためのスペーサとして機能する。第2の基板207上面には対向ミラーチップ216、215を位置決めするための指標211が両サイドにエッチングによって描かれ、これに対向ミラーチップ216、215のエッジをアライメントすることで、振動ミラー202との配置および対向ミラーチップ216、215同士の平行度を合わせることができる。
【0029】
第2の対向ミラーチップ(基板)216は結晶面方位(111)から、第1の対向ミラーチップ(基板)215は結晶面方位(110)から各々約9°スライス角度を傾けたウエハを用い、エッチングにより(111)面を露出させ、基板面より各々9°、26.3°傾けた傾斜面を形成して切り出され、この面を接合面となし、同面と連続した基板面に金属被膜を蒸着して反射面を形成している。
2枚の対向ミラーチップ216、215は、開口部252を挟み屋根状に144.7°の角度をなす反射面217と218とを対で配備した構成となっている。
振動ミラー基板253は反射面を上側に向けて絶縁基板213と積み重ねて接合され、基体201上に外縁を基準として中央部に固定される。絶縁基板213は中央部が貫通されて振動ミラー202の揺動空間を形成し、接合された際、第1の基板206に配備された上記固定電極と導通するパッド部213aを備えている。
【0030】
リード端子212は絶縁材を介して基体201を貫通して挿入され、上側に突出した端部と上記パッド部213aとが結線されて封止された内外の電気配線がなされる。
カバー205は、基体201の外縁に設けられた段差部214に嵌め込まれ、光ビームの射出開口にはガラス窓204がカバー205の内部から接合されている。図3中、符号220は上記ゲッタを入れる窪みであり、絶縁基板213が接合されて覆われる。
なお、本実施形態においては振動ミラー202を静電力によって駆動する方式としたが、圧電素子を用いて励振する方式、振動ミラーに薄膜コイルを形成し電磁力を発生して駆動する方式でも同様である。
【0031】
図6は、光走査装置500の副走査断面を示す。半導体レーザ101から射出した光ビームは後述するように、カップリングレンズ110、シリンダミラー136を介して、振動ミラー202に対しねじり梁208を含む副走査断面内で法線に対して副走査方向に約20°傾けて開口部252より光ビームが入射される。
振動ミラー202より反射した光ビームは第1の対向ミラーチップ215の反射面217に入射され、振動ミラー202に戻され、さらに反射した光ビームは開口部252を超えて第2の対向ミラーチップ216の反射面218に入射される。
振動ミラー202との間で3往復しながら反射位置を副走査方向に移動させられ、合計5回の振動ミラー202での反射により再度、開口部252から射出される。
【0032】
本実施形態ではこのように複数回反射を繰り返すことで、振動ミラー202の振れ角が小さくても大きな走査角が得られるようにし、光路長を短縮している。
ここで、振動ミラー202での総反射回数N、振れ角αとすると、走査角θは2Nαで表せる。
本実施形態では、N=5、α=5°であるから、最大走査角は50°となり、その内35°を画像記録領域としている。
共振を利用することで印加電圧は微小で済み、発熱も少ないが、上式から明らかなように、記録速度、つまり共振周波数が速くなるに従ってねじり梁208のばね定数Kを高める必要があり、振れ角がとれなくなってしまう。そこで、上記したように対向ミラーチップ216、215を設けることで走査角を拡大し、記録速度によらず必要十分な走査角が得られるようにしている。
【0033】
また、屋根状に対向した対向ミラーチップ216、215の対構成で反射面217、218を構成し、振動ミラー202への副走査方向での入射角度が繰り返し反射毎に正負、換言すれば、反射に伴う進行方向が右向き、左向きに振り分けられるようにすることで、斜入射に伴う被走査面での走査線の曲がりを抑え、直線性を維持するとともに、光軸と直交する面内での光束の回転が射出時にはもとの姿勢に戻るようにして結像性能の劣化が起きないよう配慮している。
【0034】
次に、図1及び図2に基づいて、光走査装置500の構成を詳細に説明する。図1は本実施形態における光走査装置500の分解斜視図、図2は光学素子の配置を示す斜視図である。
光源である半導体レーザ101は、フレーム部材102に立設された壁103に形成された段付きの貫通穴103aに反対側からステム外周を基準に圧入され、段差部に鍔面を突き当てて光軸方向を位置決めされている。
フレーム部材102に形成されたU字状の凹部105には、UV接着剤を介してカップリングレンズ110の光軸が半導体レーザ101からの射出軸と合うように、また、射出光束が平行光束となるように発光点との光軸方向の位置決めを行い、凹部105とカップリングレンズ110との隙間のUV接着剤を硬化させてカップリングレンズ110が固定されている。
なお、カップリングレンズ110の調整は、振動ミラーモジュール130、シリンダミラー136を取付けた状態でも行うことができ、振動ミラー202の面精度やシリンダミラー136の焦線位置ずれを無効化できるので、それらの精度を緩和できる。本実施形態の場合、3つの光源部を有するが、全て同一構成である。
【0035】
カップリングレンズ110より射出した光ビームは、一対の取付部材109の取付斜面109aに接合配置され、副走査方向に負の曲率を有するシリンダミラー136に入射され、副走査方向において振動ミラー202面で集束する集束光束として振動ミラーモジュール130のガラス窓204から入射される。
振動ミラーモジュール130は、ねじり梁208の方向が光軸方向に合うように、底面に設けられた段付きの角穴104の裏側より基体201の外縁214を基準に位置決めされ、段差部に鍔面を突き当てて振動ミラー202面の位置を合わせられる。本実施形態の場合、均等間隔に3つの振動ミラーモジュール130が単一のフレーム部材102により位置決めされている。
各振動ミラーモジュール130は、プリント基板112に、基体201の底面から突出したリード端子212を各々スルーホール112aに挿入して半田付けされ、フレーム部材102の下側開口を塞ぐように基板112上面を当接して固定すると同時に、回路接続がなされる。
【0036】
プリント基板112には、半導体レーザ101の駆動回路、振動ミラー202の駆動回路を構成する電子部品、及び同期検知センサ113が実装されており、外部回路との配線が一括してなされる。
一端をプリント基板112に結線されたケーブル115は、半導体レーザ101のリード端子と接続される。
フレーム部材102は、ある程度剛性が確保できるガラス繊維強化樹脂やアルミダイキャスト等からなり、両端部には画像形成装置本体の構造体250に取付けるためのフランジ部131、133が形成されている。一方のフランジ部131には基準穴131aが形成されており、該基準穴131aに固定ネジ132を挿通して構造体250のネジ穴250aに該固定ネジ132を螺合することによりバネ座金134を介して固定される。
もう一方のフランジ部133には、感光体ドラム504の軸方向に伸びる長穴133aが形成されており、該長穴133aに固定ネジ132を挿通してバネ座金134を介して感光体ドラム504に対向させて固定する。
この際、基準穴131aを回転軸としたガタ分で被走査面(感光体ドラム)において各振動ミラーモジュール130のいずれかで走査された走査線が被走査面の移動方向yと直交する方向xに平行となるよう調節される。
なお、隣接する光走査手段(振動ミラーモジュール130)の各走査線は、後述する調節により平行に揃うように配置されているので、いずれかの走査線のみを調整すればよい。
【0037】
フレーム部材102の上面は角穴104の裏側に設けられた各振動ミラーモジュール130のミラー法線方向の突き当て面と平行な面となし、走査レンズを収納するハウジング部材106の底面より突出した2本の突起135をフレーム部材102の係合穴102a、102bに挿入して同面上での位置決めを行い、4隅をネジ止めして配置される。
本実施形態では、4隅において、ネジ137がハウジング部材106の貫通穴106a、フレーム部材102の貫通穴106aを介してプリント基板112ネジ穴112bに螺合され、フレーム部材102を挟むように3身一体で結合され、この後に上記半田付けがなされる。
ハウジング部材106には、結像手段を構成する第1の走査レンズ116、第2の走査レンズ117が主走査方向に配列され、各々の走査領域が僅かに重なるように位置決めされて一体的に保持されている。
フレーム部材102とハウジング部材106は熱膨張係数が略同一の材質で形成されている。
【0038】
第1の走査レンズ116は、副走査方向基準面の中央に突出され主走査方向の位置決めを行う突起120、及び両端を係合して光軸方向の位置決めを行う平押面119を入射面側、出射面側各々に備えている。
ハウジング部材106に一体形成された溝122に突起120を係合し、一対の切欠121の各々に各端の平押面119を挿入し、波板バネ143で入射面側に押し付けて同面内での姿勢を保持することで、光軸と直交する同一面に走査レンズ同士の相対的な配置を合わせ、副走査方向基準面をハウジング部材106から突出した一対の突起142の先端に突き当てることで、光軸と直交する面内での位置決めがなされて副走査方向の設置高さが決定され、カバー138と一体形成された板バネ141で押圧支持される。
【0039】
一方、第2の走査レンズ117は、同様に、副走査方向基準面の中央に突出され、主走査方向の位置決めを行う突起123と、両端に光軸方向の位置決めを行う平押面144を備えている。ハウジング部材106に一体形成された溝122に突起123を係合し、切欠121に平押面144を挿入し、波板バネ143で出射面側に押し付けて姿勢を保持するとともに、副走査方向基準面をハウジング部材106から突出した突起145及び副走査方向に繰り出し自在な調節ネジ146の先端に突き当てて設置高さを位置決めし、カバー138と一体形成された板バネ141で押圧支持される。符号147はカバー138を固定するネジを示す。ネジ147は、カバー138に形成された穴138aに挿通され、ハウジング部材106のネジ穴106bに螺合される。
【0040】
図7は、第2の走査レンズ117の正面及び底面からみた取付け状態を示している。突起145、調節ネジ146は主走査方向の両端に配置され、副走査方向における各焦線、換言すれば被走査面における結像位置の軌跡の傾きを調節ネジ146の高さを調節することで、被走査面における各走査線が平行に揃うように調整できる。突起145及び調節ネジ146により、走査線傾き補正手段が構成される。
この際、主走査方向の一端を基準として回転することで中心軸の高さが副走査方向にずれる。また、各振動ミラー202への入射位置ずれによって走査線の位置が副走査方向にずれるが、これらに伴う走査線同士の継ぎ目におけるレジストずれまでこの段階で合わせる必要はなく、上述した書出しのタイミング補正でキャンセルできる。
【0041】
同期検知センサ113(ピンフォトダイオード)は、隣接する振動ミラーモジュール130で共用する中間位置と両端位置に配置され、各振動ミラーモジュール130の走査開始側と走査終端側とでビームが検出できるように、計4箇所に実装されている。第2の走査レンズ117の射出面側には、各レンズの走査領域間にV字状の高輝アルミ薄板127(図6参照)を貼り付けるミラー受部128がハウジング部材106に形成されている。高輝アルミ薄板127によって反射した光ビームが走査領域間に形成された開口部129、及びフレーム部材102の矩形穴102dを通って各々の同期検知センサ113へ導かれるように、隣接する振動ミラーモジュール130の走査開始側と走査終端側に対応した反射面127が向かい合って配置されている。
カバー138には、光ビームが通過する開口139が形成され、ハウジング部材106上面を密閉するようにネジ止めされる。これにより、前記したように板バネ141により走査レンズ116、117を各当接部位に確実に突き当たるように押圧する。
なお、本実施形態では、3つの振動ミラーモジュール130を配列した例を示したが、配列数は幾つであっても同様である。
【0042】
図8に示すように、各光走査装置500Y、500M、500C、500Bkは、図1で示した組み立て状態とは逆に、プリント基板112が上面になるように配置されている。
各光走査装置500Y、500M、500C、500Bkは上記したように振動ミラーモジュール130間の走査線が平行となるよう調整されているので、図9に示すように、上記したフレーム部材102に設けられたフランジ部133での傾き調整により、用紙S上における送り方向と直交する方向のいずれかのライン(主走査ライン)傾きが各色で平行になるように、基準となるブラックのラインに揃えて調節することで、各領域に対応した走査線同士が平行となり、上述した書出しのタイミング補正によって色ずれが生じないようにすることができる。
【0043】
この傾き調整は光走査装置500Y、500M、500C、500Bkの装着時に行って固定してもよいが、図8に示すように、転写ベルト501上に形成するトナー像を読み取るスキュー検出手段としての検出器629をベルト両端の2箇所に配置し、各々にて基準色画像(ブラック)に対するレジストずれを検出し、両端の差より主走査ラインの傾き補正量を検出することで、検出結果に基づいて経時的に各光走査装置500Y、500M、500C、500Bkの傾きを調整することができる。トナー像を読み取る検出器629は、検出光を投射するLED光源630と、反射光を受光するフォトセンサ631を有し、送り方向に対して傾斜させて記録したラインの検出パターンを読み取る。
図9に示すように、フランジ部133に形成された、調整方向yに対し直交する長穴133aに固定ネジ132をバネ座金134を介して挿通し、歯車634の回転軸0から偏心した位置に形成されたネジ穴634aに固定ネジ132を螺合して固定する。歯車634をパルスモータ635に連結した送りネジ636で回転すると、固定ネジ132が移動し、光走査装置500全体を回転できる。
フランジ部133、固定ネジ132、歯車634、パルスモータ635、送りネジ636等によりスキュー調整手段が構成されている。
本実施形態では、スキュー調整手段は、基準となるBk画像形成ステーションを除き他の3つの画像形成ステーションに配置され、主走査方向における一方に回転軸を揃えて各々の相対的な傾きを調整するようになっている。
【0044】
各光走査装置500Y、500M、500C、500Bkは、上記したように複数の振動ミラーモジュール130の走査線を繋ぎ合わせて1ラインを形成する。1ラインの総ドット数Lを3分割し、画像始端から各々1〜L1、L1+1〜L2、L2+1〜Lドットを割り当てて印字するが、本実施形態では各走査領域が感光体ドラム上で数mm重なるようにオーバーラップ領域を設け、割り当てる画素数L1、L2を固定せず、各色で異なるようにすることで、同一ラインを構成する各色の走査線の継ぎ目が重ならないようにして走査領域の境界をより目立ち難くしている。
画像データは、上記したように主走査方向に3分割され、各振動ミラーモジュール130毎にビットマップメモリに保存され、各振動ミラーモジュール130毎にラスター展開がなされ、ラインデータとしてバッファに保存される。
【0045】
保存されたラインデータは各同期検知信号をトリガとして読み出され、個別に画像記録が行われるが、後述するように書出しタイミングを各々設定することで、書出し始端のレジストが合わせられる。
なお、本実施形態では、各振動ミラーモジュール130の共振ピークは異なっても、薄膜抵抗211により温度バイアスを各々設定すること等によって共振帯域を重複させて共通の駆動周波数を与えるようにしている。
また、環境温度の変化でバネ定数が変化し、共振帯域が一様にシフトすることに対応して、後述するように駆動周波数を選択し直しているが、この場合もシフト量を合わせ、共通の駆動周波数を与えるようにしている。従って、走査周波数が各振動ミラーモジュール130で共通であるため、各領域の終端まで各ラインのレジストを一致させることができる。
【0046】
図11は、半導体レーザ101、振動ミラー202の駆動制御を表すブロック図を示す。
駆動パルス生成部601は、基準クロックをプログラマブル分周器で分周し、図12に示すように、振動ミラー202の1/2周期に1回、且つ最大振幅時から水平となるまでの期間のみに電圧パルスが印加されるように共振周波数f0(=1/T0)の2倍の周波数でデューティが50%以下のパルス列(T<T0/4)を生成し、PLL回路により所定の位相遅れδを生じさせて駆動周波数fdとして振動ミラー駆動手段としての振動ミラー駆動部602に与える。
ここで、振動ミラー202間の相対的な位相遅れδは、1走査ラインピッチpを用いて、
δ=(1/fd)・{(d/p)−n}
ここで、nは(d/p)−n<1を満足する自然数
となるように与えれば、継ぎ目における位置ずれは1走査ラインピッチの整数倍となり、振動ミラー202の1周期おきの書出しタイミング補正、つまりnライン周期分ずらして書き出すことにより副走査方向のレジストずれdを無効化することができる。
また、このチェックを起動時、および定期的にかけることで、経時においても継ぎ目の位置ずれのない高品位な画像が得られる。さらに、常時このチェックを行うこともできる。
【0047】
図13に、本実施形態における同期検知センサ604、終端検知センサ605の詳細を示。これらのセンサは、主走査方向に垂直なフォトダイオード801と非平行なフォトダイオード802を有し、フォトダイオード801のエッジを光ビームが通過した際に同期検知信号、または終端検知信号を発生し、フォトダイオード801からフォトダイオード802に至る時間差Δtを計測して、上記レジストずれの主要因である副走査方向の走査位置ずれΔyを検出する。
なお、Δyはフォトダイオード802の傾斜角γ、光ビームの走査速度Vを用いて、
Δy=(V/tanγ)・Δt
で表され、Δtが一定であれば走査位置ずれが生じていないことになる。
本実施形態では、この時間差を走査位置ずれ演算部(振幅検出部)610で監視することで走査位置ずれを検出し、Δt基準値に合うように振動ミラー202間の位相を常に可変して補正を行うことができる。
【0048】
主走査方向においては、後述するように、隣接する画像領域の継ぎ目位置ずれを
▲1▼振動ミラー202の駆動周波数を可変することで振れ角(振幅)を安定的に維持する。
▲2▼画素クロックをシフトすることで画像幅の倍率を可変し、走査終端側を隣接する光走査装置の走査開始端に合わせる。
ことにより補正する。
振動ミラー202は、図14に示すように、走査角θ0を起点として−θ0に達するまでの往期間の内、θs〜−θsの期間(0<θs<θ)、同一方向の走査時のみ画像記録を行い、走査角−θ0から+θ0の復期間には画像記録を行わない、換言すれば、駆動周波数fdの1周期毎に画像記録を行う。
図14中、符号902は半導体レーザ101の発光のタイミングを示し、905は同期検知領域、906は画像形成領域、907は終端検知領域を示す。符号903は同期検知センサ604、符号904は終端検知センサ605の信号であり、符号908は走査開始側に隣接する光走査装置の終端検知信号、符号909は走査終端側に隣接する光走査装置の同期検知信号をそれぞれ示す。
【0049】
振動ミラー202には基本的に画像記録及びその準備期間以外は駆動電圧が印加されない。
電源投入時、及び待機状態から起動する際にはプログラマブル分周器で連続的に分周比を変えることで駆動周波数fdを高周波側から可変して励振し、振幅検出部610からの出力、本実施形態では同期検知センサ604、走査角-θ0となる近傍に配置された終端検知センサ605とでビームを検出し、この同期検知信号と終端検知信号との時間差Tを計測することで、振動ミラー202の振れ角(振幅θ0)を検出している。上記時間差が予め定められた所定値よりも短くなったことをもって共振帯域であることを判断している。
これらの補正は、各環境下で定期的に振幅検出部610からの出力を上記した薄膜抵抗(ヒータ)制御部611から切り換えて行われ、その時々に応じて共振周波数の変化を補い、駆動周波数を選択し直す。
【0050】
なお、本実施形態では複数の振動ミラー202を有しているが、上記したように共振周波数の変動は材料の温度特性によるところが大きく、変動量は同程度であるため、駆動周波数を揃えて駆動しても差し支えない。
この際、印加する駆動電圧のゲインを調整して電極間に発生する静電トルクを可変し、隣接する振動ミラー202同士の振れ角が合うよう微調節してもよい。
上記補正は振動ミラーモジュール130の各々で行われ、本実施形態では3つの振動ミラーモジュール130から構成されるので、全ての補正が終了した後に印字動作を可能としている。
なお、薄膜抵抗(ヒータ)制御部611は、選択された駆動周波数が共振帯域から外れないように振幅検出部610からの出力を常に監視し、温度制御を行う。
【0051】
次に、半導体レーザ101の駆動制御について説明する。
上記したように、振動ミラー202は共振振動されるため、sin波状に走査角θが変化する。
θ=θ0・sin2πfd・t、−1/4fd<t<1/4fd
一方、被走査面である感光体ドラム504の面では均一間隔で主走査ドットを印字する必要があり、上記した走査レンズ116、117の結像特性は単位走査角当たりの走査距離dH/dθがsin-θ/θ0に比例するように、つまり、画像中央で遅く周辺に行くに従って加速度的に速くなるように光線の向きを補正しなければならず、走査レンズ中央部から周辺部にかけて結像点を遠ざけるようにパワー配分を行う必要がある。
それに伴って、ビームスポット径も太ってしまうため、均一なビームスポットを得る上で最大振幅θ0に対して有効走査領域θsを広げるには限界がある。
そのため、走査効率をθs/θ0<0.5としなければならない。
【0052】
そこで、本実施形態では、図15に示すように、振幅による走査速度の変化に対抗して各画素に対応する位相が記録開始から記録終端にかけて進んだ状態から段階的に遅れるようにすると同時に、各画素のパルス幅が記録開始から画像中央に至る領域では長い状態から段階的に短くなるように、画像中央から記録終端に至る領域では長くなるような画素クロックfmを光源駆動手段としてのLD駆動部606に与え、電気的な補正を加えることで、θs/θ0=0.7まで向上させている。
【0053】
以下、画素クロックfmの可変方法について説明する。
クロックパルス生成部607では、可変データに基づいて基準クロックf0をプログラマブル分周器で分周した分周クロックをカウントしてkクロック分の長さのパルスを有するPLL基準信号faが形成され、PLL回路において可変データに基づいて基準クロックf0との位相を選択して画素クロックfkが発生される。
これを数十画素毎に繰り返し行うことで主走査方向に沿って任意な位置にドットが印字できる。
【0054】
基準クロックf0は位相同期部608において、基準クロックf0の1周期を1/n毎に遅延したクロックの中から同期検知センサ604より発生される同期検知信号と位相が合ったクロックを選択し、新たに基準クロックf0とする位相同期を各走査毎に行うが、本実施形態では、この際に位相が異なったクロックを選択できるようにしており、クロック可変を開始するタイミングが、振動ミラー202の水平な状態(θ=0)において画像記録の中央位置と確実に一致するように補正する。
これは、可変データのタイミングが振幅と合わなくなり、画像上、主走査方向のドット間隔が一方で縮み、もう一方で延びている歪んだ画像になってしまうためである。また、基準クロックf0の分周比を可変することで、主走査方向の画像幅を合わせることができる。
【0055】
上記したように、振動ミラー202の駆動周波数は定期的に選択し直されるため、走査周波数が変化する。
一方、環境温度変化に伴って走査レンズ116、117の屈折率や曲率が変化し、被走査面における光ビームの走査速度が変化する。これらに伴って主走査方向の画像幅(倍率)が変化し、隣接する走査領域の継ぎ目位置が合わなくなる。
そこで、終端検知信号と同期検知信号との時間差を倍率演算部609で計測し、時間差が所定値より短い場合は周波数を高める方向に、長い場合は低める方向に補正することで、走査終端側を延ばし、走査終端側に隣接する光走査装置の走査開始端に合わせる。
【0056】
【発明の効果】
本発明によれば、被走査面と偏向面との距離、いわゆる光路長の差が生じないよう確実に振動ミラーの位置を合わせることができ、環境変化等により光路長が変化したとしても全走査領域にわたって一様に変化するので、画素クロックによる倍率補正等によって簡単に継ぎ目位置のずれが補正でき、長期に亘って安定した画像形成を行うことができる。
【0058】
本発明によれば、被走査面と複数の振動ミラーの反射面との距離を均等に保つことができ、環境変化等により光路長や振動ミラーへの入射位置が変化したとしても、全走査領域に亘って一様に変化するので、画素クロックによる倍率補正等によって部分的に偏差を生じることなく簡単に継ぎ目位置のずれが補正でき、長期に亘って安定した画像形成を行うことができる。
【0059】
本発明によれば、通常、複数の走査線位置を光走査装置単体で調節し画像形成装置本体に装着するため、装着後に転写体の移動方向に合わせて走査線の傾きを調整しようとすると、再度、複数の走査線傾きを個別に調節し直して継ぎ目位置を合わせる必要があったが、この必要がなくなり、継ぎ目位置があった状態を保ちつつ走査線全体の傾きが微調整できるので、タンデム方式の色重ね等スキューを高精度に合わせる必要が生じても高品位な画像形成が行える上、面倒であった調整作業を簡略化でき生産効率も向上する。
【0060】
本発明によれば、画像形成装置本体への装着状態や環境変化に伴う継ぎ目の位置の微妙なずれを、光走査装置を組替えることなく電気的なタイミングの補正のみによって容易に複数の走査線を一直線上に合わせ直すことができるので、継ぎ目が目立ちにくい高品位な画像記録が行える上、面倒であった調整作業を簡略化でき生産効率も向上する。
【0061】
本発明によれば、継ぎ目において隣接する走査線のレジスト位置を少なくとも振動ミラーの走査周期の間隔、換言すれば、1ラインピッチ以内に調節でき、継ぎ目が目立ち難い高品位な画像記録を行うことができる。
【0062】
本発明によれば、継ぎ目における隣接する走査線のレジスト位置を1ラインピッチ以下まで高精度に調節でき、継ぎ目がより目立ち難い高品位な画像記録を行うことができる。
【0063】
本発明によれば、反射面と結像手段との距離を、上記当接面内において配置誤差が生じたとしても全走査領域に亘って一様に保つことができるので、各光走査手段間で走査領域幅が均一に揃えられ、環境変化等に伴う倍率誤差の偏差が生じ難く倍率補正を行っても継ぎ目のずれのない高品位な画像記録を行うことができる。
【0064】
本発明によれば、個別に熱膨張が生じたとしても各光走査手段において同一副走査断面上にある走査レンズ光軸と振動ミラーの回転中心、発光源位置がずれることなく、光走査手段間隔のみを変化させることができるので、部分的に偏差を生じることなく画素クロックによる倍率補正等によって簡単に継ぎ目位置のずれが補正でき、長期に亘って安定した画像形成を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態における光走査装置の分解斜視図である。
【図2】光走査装置における光学素子の配置を示す斜視図である。
【図3】光走査手段としての振動ミラーモジュールの分解斜視図である。
【図4】振動ミラー基板の概要平面図である。
【図5】共振周波数と温度との関係を示す実験結果のグラフである。
【図6】光走査装置の概要断面図である。
【図7】第2の走査レンズの取付状態を示す図で(a)は概要正面図、(b)は概要底面図である。
【図8】画像形成装置としてのタンデム型のカラープリンタにおける光走査装置の配置状態を示す概要斜視図である。
【図9】スキュー調整手段を示す斜視図である。
【図10】画像形成装置としてのタンデム型のカラープリンタの概要正面図である。
【図11】カラープリンタの制御ブロック図である。
【図12】駆動パルスと走査角との関係を示すタイミングチャートである。
【図13】同期検知センサと終端検知センサの検知構成を示す図である。
【図14】走査角と画像記録動作との関係を示すタイミングチャートである。
【図15】振幅による走査速度の変化に対抗した各画素に対応する位相補正を示す図である。
【符号の説明】
101 発光源としての半導体レーザ
102 フレーム部材
106 ハウジング部材
130 光走査手段としての振動ミラーモジュール
202 振動ミラー
500 光走査装置
503 現像手段としての現像装置
504 像担持体としての感光体ドラム
602 振動ミラー駆動手段としての可動ミラー駆動部
606 光源駆動手段としてのLD駆動部
S 記録媒体としての用紙

Claims (7)

  1. 発光源と、一定の駆動周波数で往復振動し上記発光源からの光ビームを走査する振動ミラーと、該振動ミラーにより走査された光ビームを被走査面に結像する結像光学系を備えた光走査手段を複数有し、主走査方向に領域を繋ぎ合わせて画像記録を行う光走査装置において、
    上記各光走査手段を上記被走査面に対向させて取付けるフレーム部材を有し、該フレーム部材には、上記複数の振動ミラーの各々の反射面の法線方向が同一となるようにこれらの振動ミラーが位置決めされて支持され
    上記複数の光走査手段の結像光学系を一体的に支持する共通のハウジング部材を有し、該ハウジング部材と上記フレーム部材とを、上記振動ミラーの振れ角が0の際の反射面と略平行な面内で当接させて結合してなり、
    上記フレーム部材とハウジング部材との熱膨張係数が略一致することを特徴とする光走査装置。
  2. 請求項1記載の光走査装置において、
    上記フレーム部材が、上記振動ミラーの振れ角が0の際の反射面と略平行な当接面を有し、該当接面により上記振動ミラーの反射面が上記被走査面から所定間隔をもって配置され且つ位置決めされていることを特徴とする光走査装置。
  3. 請求項記載の光走査装置において、
    上記フレーム部材を、上記被走査面に対向する面内で傾けるスキュー調整手段を有し、上記被走査面における走査線の傾きを調整可能であることを特徴とする光走査装置。
  4. 請求項記載の光走査装置において、
    上記複数の光走査手段の各々が、上記結像光学系を副走査方向に傾けることで該結像光学系の焦線の傾きを可変する走査線傾き補正手段を有し、走査線同士を略平行に揃えることが可能であることを特徴とする光走査装置。
  5. 請求項記載の光走査装置において、
    上記複数の光走査手段の各々が、上記発光源を駆動する光源駆動手段を有し、該発光源の書出しタイミングを個別に設定可能であることを特徴とする光走査装置。
  6. 請求項記載の光走査装置において、
    上記複数の光走査手段の各々が、上記振動ミラーを駆動する振動ミラー駆動手段を有し、該振動ミラーの振れ角を個別に調整可能であることを特徴とする光走査装置。
  7. 像担持体と、該像担持体上に静電潜像を形成する光走査装置と、上記静電潜像をトナーで顕像化する現像手段と、顕像化された画像を記録媒体上に転写する転写手段を有する画像形成装置において、
    上記光走査装置が、請求項1乃至6のうちの何れか1つに記載の光走査装置であることを特徴とする画像形成装置
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