JP4332038B2 - 偏向ミラー、光走査装置および画像形成装置 - Google Patents

偏向ミラー、光走査装置および画像形成装置 Download PDF

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Description

本発明は、光走査装置や、光走査型の表示装置、車載用のレーザレーダ装置等への応用が可能な偏向ミラー(振動ミラー)と、その偏向ミラーを用いた光走査装置、およびその光走査装置を用いたデジタル複写機、プリンタ、プロッタ、ファクシミリ等の画像形成装置に関する。
従来の光走査装置においては、光ビームを走査する偏向器としてポリゴンミラーやガルバノミラーが用いられるが、より高解像度な画像と高速プリントを達成するには、この回転をさらに高速にしなければならず、軸受の耐久性や風損による発熱、騒音が課題となり、高速走査に限界がある。
これに対し、近年シリコンマイクロマシニングを利用した光偏向器の研究が進められており、特許文献1や特許文献2に開示されるように、シリコン(Si)基板を用い振動ミラーとそれを軸支するねじり梁とを一体的に形成す方式が提案されている。この方式によれば、共振を利用して往復振動させるので高速動作が可能であるにもかかわらず、騒音が低く、振動ミラーを回転する駆動力も小さくて済むので消費電力も低く抑えられるうえ、Siウエハ上に複数の振動ミラーをレイアウトし、バッチ処理により複数ウエハを同時加工するため、生産性に優れるという利点がある。
しかしながら、これらの振動ミラーにおいては、従来のポリゴンミラーのように広域を走査することはできず、特許文献3に開示されているように振動ミラーを偏向器とした複数の光走査装置を走査方向を揃えて配列し、画像領域を主走査に分割して画像記録を行う方法をとっている。このように複数の振動ミラーを用いる場合、各々の走査周波数を揃えないと隣接する境界部で走査ラインが繋がらず画像品質が劣化するため、共通の走査周波数とする必要がある。
一方、振動ミラーの共振周波数は、ねじり梁やミラーの仕上がり寸法により決定され、共振周波数を外れると極端に振れ角が小さくなってしまうため、一般に、走査周波数を共振周波数に合わせて駆動している。そのため、複数の振動ミラーで共振周波数を揃える、言いかえれば、共振周波数のばらつきなく振動ミラーを生産する必要があり、その方法として、特許文献4,5に開示されるように、振動ミラーに質量体を付備し、その質量を加減することによって共振周波数をねらい値に追い込む例が、また、特許文献5には振動ミラーを揺動させながら加工する例が開示されている。さらに、特許文献6にはねじり梁の温度を可変しばね定数を可変することで共振周波数を調整する例が開示されている。
特許第2924200号公報 特許第3011144号公報 特開2002−258183号公報 特開平8−75475号公報 特開2002−40355号公報 特開平9−197334号公報
上記したように画像領域を主走査に分割して画像記録を行なう方法においては、光走査装置各々の走査幅が小さく光路長が短縮できることにより小型化でき、かつ、微小な振動ミラー等を利用して低負荷で光走査ができることにより低騒音で省電力な画像形成装置を提供できるといった利点はあるが、上記したように所定の共振周波数に合わせ込むには、ねじり梁やミラーの仕上がり寸法を高精度に加工する必要がある。
しかしながら、1枚のSiウエハから複数の振動ミラーをエッチング加工しているため、面内でエッチングの進行速度に若干の差があり、加工精度を上げるにも限界がある。従って、各振動ミラーを分割した後に、個別にトリミング等によって振動ミラーの質量を加減し共振周波数をねらい値に追い込む、あるいは、ねらい値に近い共振周波数の振動ミラーを選別する等により対処していた。
このため、生産効率が悪く、しかも、ばね定数の温度変化等に伴って共振周波数が変動してしまうため、共振周波数を安定化するための対策を施さなければならないといった問題があった。
本発明は上記事情に鑑みなされたものであり、上記のような共振周波数のばらつきがあっても、共振周波数に関係なく所定の走査周波数で駆動できる偏向ミラー(振動ミラー)を提供することを目的とする。
より詳しく述べると、本発明では、走査周波数に対して振れ角の変化が大きい共振周波数近傍を避け、比較的変化が小さい共振周波数から外れた周波数領域に走査周波数を設定するとともに、同走査周波数において所定の振れ角を確保することで、共振周波数の変化に対して振れ角の安定性を向上することができる偏向ミラー(振動ミラー)を得ることを目的とする。また、本発明では上記目的に加えて、絶縁層を介し重ね合わせたSiウエハ基板を用い、Siマイクロマシニングによるバッチ処理により複数個の偏向ミラー(振動ミラー)を同時に加工することで、生産性を向上することを目的とし、さらには、走査周波数を設定する周波数領域を、できるだけ共振周波数から遠く外せるようにすることで、Siマイクロマシニングの加工ばらつきに対する許容範囲を拡大し、より生産性を向上することを目的とする。
さらに本発明では、上記のSiマイクロマシニングによる偏向ミラー(振動ミラー)を用い、個々の偏向ミラー(振動ミラー)に共振周波数のばらつきがあっても、高品位な画像記録が行なえる光走査装置を提供することを目的とする。
さらに本発明では、上記のSiマイクロマシニングによる偏向ミラー(振動ミラー)を用いた光走査装置を用いることで、小型で、省電力な画像形成装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するための手段として、本発明に係る偏向ミラー(振動ミラー)、光走査装置および画像形成装置は、以下のような特徴を有している。
(1):光ビームを偏向する可動ミラーと、該可動ミラーと連結され回転軸心を規定するねじり梁と、上記可動ミラーに回転トルクを発生するミラー揺動手段と、を有する偏向ミラーにおいて、上記ミラー揺動手段は、可動ミラーの振れ角に応じて、第1の角度範囲で回転トルクを発生可能な第1のトルク発生手段と、第2の角度範囲で回転トルクを発生可能な第2のトルク発生手段とを有し、上記各角度範囲において駆動パルスを発生することで、回転トルクを発生させ、上記可動ミラーの一方向の回転時において第1、第2のトルク発生手段の駆動パルスを時系列に発生させ、上記可動ミラーをその共振周波数から外れた周波数領域で振幅駆動することを特徴とする。
(2):(1)に記載の偏向ミラーにおいて、動時には、上記ミラー揺動手段が有する第1のトルク発生手段と第2のトルク発生手段のいずれか一方が上記ねじり梁をねじる方向での回転トルクを発生し、起動後は、上記ミラー揺動手段が有する第1のトルク発生手段と第2のトルク発生手段の両方が上記ねじり梁が戻る方向での回転トルクを発生することを特徴とする。
(3):(1)または(2)に記載の偏向ミラーにおいて、上記ミラー揺動手段は、以下のステップ、
1.上記第1、第2のトルク発生手段により可動ミラーを共振周波数またはその近傍で揺動する、
2.駆動周波数を共振周波数からスイープし、所定の走査周波数に設定する、
を経て上記可動ミラーを振幅駆動することを特徴とする。
(4):(1)乃至(3)のいずれか一つに記載の偏向ミラーにおいて、上記ミラー揺動手段は、第1、第2のトルク発生手段の少なくともいずれか一方に、駆動パルスのゲインを可変するゲイン調整手段を備え、上記可動ミラーの最大振れ角θを調整することを特徴とする。
(5):(1)乃至(4)のいずれか一つに記載の偏向ミラーにおいて、上記ミラー揺動手段は、第1、第2のトルク発生手段の少なくともいずれか一方に、駆動パルスの位相を可変する位相調整手段を備え、上記可動ミラーの振幅に対する上記駆動パルスの位相を調整することを特徴とする。
(6):(乃至(5)のいずれか一つに記載の偏向ミラーにおいて、上記第1、第2のトルク発生手段の角度範囲に、オーバーラップ領域を設けることを特徴とする。
):(1)乃至(6)のいずれか一つに記載の偏向ミラーにおいて、上記ねじり梁を介して上記可動ミラーと連結して形成する第1の基板と、該第1の基板と絶縁層を介して接合され上記可動ミラーの揺動空間を形成する第2の基板とを有し、第1のトルク発生手段を第1の基板に、第2のトルク発生手段を第2の基板にそれぞれ形成することを特徴とする。
):()に記載の偏向ミラーにおいて、上記第1、第2の基板を、少なくとも大気圧よりも減圧した状態に封止し、上記可動ミラーに入出射する光ビームの透過窓を有する封止手段と、上記トルク発生手段と接続され、封止する内外を貫通する端子手段とを備えることを特徴とする。
):(1)乃至(8)のいずれか一つに記載の偏向ミラーにおいて、上記ミラー揺動手段は、第3の角度範囲で回転トルクを発生可能な第3のトルク発生手段を備え、上記可動ミラーの回転方向に応じて、第1または第2のトルク発生手段と切り換えて駆動パルスを発生することを特徴とする。
10):本発明の光走査装置は、上記の(1)乃至()のいずれか一つに記載の偏向ミラーと、該偏向ミラーにより往復走査される光ビームを射出する光源手段と、走査された光ビームを被走査面に結像する結像手段と、を有することを特徴とする。
11):本発明の光走査装置の別の構成としては、(10)に記載の光走査装置を複数備え、各々の光走査装置により走査される被走査領域を走査方向に繋ぎ合わせて画像を形成することを特徴とする。
12):本発明の画像形成装置は、(10)または(11)に記載の光走査装置と、該光走査装置により静電潜像を形成する像担持体と、上記潜像をトナーにより顕像化する現像手段と、上記トナー像を記録媒体に転写する転写手段とを有することを特徴とする。
上記(1)に記載の偏向ミラーは、光ビームを偏向する可動ミラーと、可動ミラーと連結され回転軸心を規定するねじり梁と、可動ミラーに回転トルクを発生するミラー揺動手段と、を有する偏向ミラーにおいて、上記ミラー揺動手段は、可動ミラーの振れ角に応じて、第1の角度範囲で回転トルクを発生可能な第1のトルク発生手段と、第2の角度範囲で回転トルクを発生可能な第2のトルク発生手段とを有し、上記各角度範囲において駆動パルスを発生することで、回転トルクを発生させ、上記可動ミラーの一方向の回転時において第1、第2のトルク発生手段の駆動パルスを時系列に発生させ、上記可動ミラーをその共振周波数から外れた周波数領域で振幅駆動することにより、共振周波数の変動や加工上のばらつきがあっても、特定の走査周波数で振れ角の変化を小さく抑えられるので、生産性に優れ、経時まで走査特性を安定的に確保することができる。また、各角度範囲において回転トルクの方向を揃え、可動ミラーの振幅に対し効率よく印加することができるので、振れ角を安定的に維持することができる。
尚、本発明は、第1、第2の角度範囲に限らず、異なる角度範囲で回転トルクを発生可能なトルク発生手段を複数備えていれば効果が得られ、言うまでもなく、トルク発生手段数が多いほど、回転角度によらず安定的に回転トルクを維持でき、大きな効果が期待できる。
上記(2)に記載の偏向ミラーは、(1)の構成に加えて、動時には、上記ミラー揺動手段が有する第1のトルク発生手段と第2のトルク発生手段のいずれか一方が上記ねじり梁をねじる方向での回転トルクを発生し、起動後は、上記ミラー揺動手段が有する第1のトルク発生手段と第2のトルク発生手段の両方が上記ねじり梁が戻る方向での回転トルクを発生するように切り換えることにより、駆動時において最大振れ角に近い角度範囲で回転トルクを発生させることができ、ねじり梁の戻り力を後押しするように作用させることができるので、共振周波数から外れた周波数領域においても、振幅を維持することができる。
上記(3)に記載の偏向ミラーは、(1)または(2)の構成に加えて、上記ミラー揺動手段は、
1.上記第1、第2のトルク発生手段により可動ミラーを共振周波数またはその近傍で揺動する、
2.駆動周波数を共振周波数からスイープし、所定の走査周波数に設定する、
のステップを経て可動ミラーを振幅駆動することにより、起動時において各トルク発生手段の回転トルクが発生可能な角度範囲を超える振れ角で振幅駆動させることができるので、各角度範囲を有効に用いて回転トルクを発生させることができ、共振周波数から外れた周波数領域において起動するよりも大きな振れ角で振幅駆動できる。
上記(4)に記載の偏向ミラーは、(1)乃至(3)のいずれか一つの構成に加えて、上記ミラー揺動手段は、第1、第2のトルク発生手段の少なくともいずれか一方に、駆動パルスのゲインを可変するゲイン調整手段を備え、可動ミラーの最大振れ角θを調整することにより、固体間で共振周波数のばらつきがあっても特定の走査周波数で振幅を揃えることができ、生産性に優れ、経時まで走査特性を安定的に確保することができる。
上記(5)に記載の偏向ミラーは、(1)乃至(4)のいずれか一つの構成に加えて、上記ミラー揺動手段は、第1、第2のトルク発生手段の少なくともいずれか一方に、駆動パルスの位相を可変する位相調整手段を備え、上記可動ミラーの振幅に対する上記駆動パルスの位相を調整することにより、各角度範囲において各駆動パルスのタイミングを調整でき、回転トルクを効率よく印加することができるので、振れ角を安定的に維持することができる。
上記(6)に記載の偏向ミラーは、(1)乃至(5)のいずれか一つの構成に加えて、上記第1、第2のトルク発生手段の角度範囲に、オーバーラップ領域を設けることにより、各トルク発生手段の回転トルクが発生可能な角度範囲を連続的に設けることができ、回転トルクを可動ミラーの振幅に対し効率よく印加することができるので、振れ角を安定的に維持することができる。
上記()に記載の偏向ミラーは、(1)乃至(6)のいずれか一つの構成に加えて、上記偏向ミラーは、ねじり梁を介して可動ミラーと連結して形成する第1の基板と、第1の基板と絶縁層を介して接合され上記可動ミラーの揺動空間を形成する第2の基板とを有し、第1のトルク発生手段を第1の基板に、第2のトルク発生手段を第2の基板にそれぞれ形成することにより、第1、第2の基板を貼り合せた基板を用いてエッチングにより同時加工が可能となるので、可動ミラーの振幅に対して第1、第2のトルク発生手段を精度よく位置決めでき、生産性にも優れる。
また、上記()に記載の偏向ミラーは、()の構成に加えて、上記第1、第2の基板を、少なくとも大気圧よりも減圧した状態に封止し、可動ミラーに入出射する光ビームの透過窓を有する封止手段と、上記トルク発生手段と接続され、封止する内外を貫通する端子手段とを備えることにより、上記可動ミラーにかかる粘性抵抗を軽減でき、外乱による影響を排除できるので、経時まで振れ角を安定的に維持することができる。
上記()に記載の偏向ミラーは、(1)乃至(8)のいずれか一つの構成に加えて、上記ミラー揺動手段は、第3の角度範囲で回転トルクを発生可能な第3のトルク発生手段を備え、可動ミラーの回転方向に応じて、第1または第2のトルク発生手段と切り換えて駆動パルスを発生することにより、回転トルクが発生可能な角度範囲をさらに拡大することができるうえ、第1の基板を挟むように第2、第3の基板を配備することで、可動ミラーの往復に対し、いずれの方向にも各駆動パルスを効率よく印加することができるので、振れ角を安定的に維持することができる。
上記(10)に記載の光走査装置は、上記の(1)乃至()のいずれか一つに記載の偏向ミラーと、該偏向ミラーにより往復走査される光ビームを射出する光源手段と、走査された光ビームを被走査面に結像する結像手段とにより構成することで、光学系全体を小型化でき、消費電力が小さい光走査装置を提供できる。
また、(11)に記載の光走査装置は、(10)に記載の光走査装置を複数備え、各々の光走査装置により走査される被走査領域を走査方向に繋ぎ合わせて画像を形成することにより、各光学系の走査幅が小さくできるので、光路長が短縮され、さらに小型化することができる。
12)に記載の画像形成装置は、(10)または(11)に記載の光走査装置と、該光走査装置により静電潜像を形成する像担持体と、上記潜像をトナーにより顕像化する現像手段と、上記トナー像を記録媒体に転写する転写手段とにより構成することで、光学系全体が小型ですみ、消費電力も小さいので、小型で省電力な画像形成装置を提供できる。
以下、本発明を実施するための最良の形態を、図示の実施例に基づいて、詳細に説明する。
図1は本実施例における光走査装置に用いる偏向ミラーモジュール(振動ミラーモジュール)の詳細を示す構成説明図である。振動ミラー基板は、2枚のSi基板206、207を酸化膜等の絶縁膜を介して接合して構成される。第1のSi基板206は厚さ60μmのSi基板からなり、エッチングにより可動ミラー202および同一直線上で軸支するねじり梁208を、その周囲を貫通し固定枠210から分離して形成する。ねじり梁208はY字状に形成され分岐枝246により可動ミラー202とは回転軸心から偏心した2端で連結されている。可動ミラー202はねじり梁208に対して対称に形成され、両端の縁部および対向する固定枠210の内辺には数μmのギャップを有して互い違いに噛み合うよう櫛歯状の凹凸を形成している。可動ミラー202の表面には金(Au)等の金属被膜がスパッタされて反射面となす。また、図1(b),(c)に示すような第1、第2の基板206、207を絶縁層を介して接合した状態で、固定枠210から各々の電極の周囲をエッチングによってエッチストップ層としての絶縁層(酸化膜)まで貫通し、個別に分離することで基板そのものを電極として形成している。
本実施例では、可動ミラー両端の凹凸部を第1、第2の可動電極(説明では便宜上分けているが同電位)、対向する固定枠の凹凸部を第1、第2の固定電極203、204としており、固定枠210から可動ミラー、ねじり梁、および、ねじり梁の付け根部を有する島部221、各固定電極を有する島部222、223を約5μmの分離溝ギャップをもって分離した構成としている。
また、第2の基板207は80μmのSi基板からなり、エッチングにより中央部を貫通し、上記固定枠210に形成した凹凸部と重なり合う内辺には、外郭が一致するように櫛歯状に凹凸を形成して同様に第3、第4の固定電極211、212となし、固定枠から島部224、225を分離した構成としている。この際、第1の基板における分離溝と重ならないよう分離溝を形成することで、島状に周囲を貫通しても接合された状態が保てるようにしている。第3、第4の固定電極211、212には、可動ミラー202の揺動に沿って第1、第2の可動電極が噛み合うように通過する。
本実施例では、第1のトルク発生手段を構成する第1、第2の固定電極203、204には同位相の電圧パルスを印加し、第2のトルク発生手段を構成する第3の固定電極211には第1、第2の固定電極203、204に印加する電圧パルスよりも進んだ位相の電圧パルス、第4の固定電極212には第1、第2の固定電極203、204に印加する電圧パルスよりも遅れた位相の電圧パルスが印加される。
図2は可動ミラーの振れ角に対応して各電極間に発生する静電トルクの様子を示す図である。可動ミラー202の回転方向に対し固定電極が先にあるか後にあるかによって静電トルク分布の正負が入れ代るため、可動ミラーの振幅とタイミングを合わせて電圧パルスが印加される。静電トルクが発生する振れ角の範囲はオバーラップ領域が設けられ、可動ミラーが水平状態(振れ角0)から最大振れ角θに近い角度まで、全域でトルクが確保できるように、第2の基板207の厚さを設定している。第1のトルク発生手段を構成する第1、第2の固定電極203、204、および第2のトルク発生手段を構成する第3、第4の固定電極211、212には、各々静電トルクが発生する振れ角範囲内でパルス状に電圧が印加され、可動ミラー202を駆動する。
図3に電極の断面を示す。図中、左回りの回転方向の静電トルクを正としている。可動ミラー202は初期状態では水平であるが、第3の固定電極211または第4の固定電極212に電圧パルスを印加すると、対向する可動電極との間で負または正の方向での静電力を生じ、ねじり梁208をねじって回転され、ねじり梁の戻り力と釣り合う振れ角まで傾き、上記電圧パルスを解除すると、ねじり梁の戻り力により可動ミラー202は慣性によって一旦水平を超えて初期状態に復帰するが、水平に戻る直前に第1、第2の固定電極203、204に電圧パルスを印加し、正または負の方向での静電力を連続的に発生することによって、往復振動させることができる。
この際、可動ミラー202の慣性モーメント、ねじり梁208の幅と長さを、走査する所望の走査周波数に近い周波数で、ねじり梁208を回転軸とした1次共振モードの帯域にかかるよう設計しておくことにより、電圧パルスの繰り返し周波数を共振周波数に合わせると、励振されて著しく振幅が拡大され、可動ミラー両端の可動電極が対向する第3、第4の固定電極211、212を抜ける振れ角まで拡大する。
ここで、第3、第4の固定電極211、212に電圧パルスを印加するタイミングを最大振れ角を超え水平に戻る瞬間に、第3の固定電極211では正の方向、第4の固定電極212では負の方向での静電力を発生させるように、第1、第2の固定電極203、204との電圧パルスの位相を調整し、可動ミラー202の回転方向に対して時系列に、第3の固定電極211による正の静電力→第1、第2の固定電極203、204による正の静電力→第4の固定電極212による負の静電力→第1、第2の固定電極203、204による負の静電力の順で発生させ、いずれも最大振れ角θから振れ角0に戻る過程、つまり、ねじり梁の戻り力を後押しすることで、共振周波数がずれても第3、第4の固定電極211、212を抜ける振れ角が保てるようにしている。
図4は可動ミラー202の振幅に対して各固定電極への印加パルスのタイミングを示す図であるが、本実施例では往復走査の内、いずれか一方の区間にのみ書込みを行ない、振幅に対して最適なタイミングで電圧パルスを印加することで、効率よく静電トルクが働くように印加パルス間の位相を設定している。その条件を以下に示す。
いま、第3、第4の固定電極211、212の厚さ、いいかえれば第2の基板207の厚さをt、可動ミラー202の最大振れ角をθ(=5°)、幅を2L(=4mm)、第1の基板206の厚さをt0(=60μm)とするとき、
t0<t<L・sinθ
なる関係となるように設定し、
θ0=arcsin((t0+t)/L)
とすると、第1、第2の固定電極203、204には、
-θ0<α1<θ0
第3の固定電極211には、
θ0<α2<θ
第4の固定電極212には、
−θ<α3<−θ0
なる可動ミラーの振れ角の範囲に電圧パルスを印加している。
このように、静電力を最大振れ角になるべく近い振れ角まで働かせることで、共振周波数を外れた走査周波数においても振幅の勢いを維持し、振れ角を確保できるようにし、各固定電極に印加する電圧パルスのタイミングを維持しながら、繰り返し周波数を共振周波数からスイープして、所望の走査周波数に設定する。
また、後述するように、走査開始側と走査終端側において、光ビームの走査時間を計測することにより振幅を検出し、振幅が所望の最大振れ角となるように電圧パルスのゲインを調整する。尚、ゲイン調整は、各固定電極のいずれか、例えば、第3、第4の固定電極211、212により行なえばよく、全ての固定電極ついて行なう必要はない。
図5は第1、第2の固定電極203、204に対して第3、第4の固定電極211、212と対称に、第5、第6の固定電極231、232を設けた例を示す図であるが、図3と同様に、可動ミラー202の回転方向に対して時系列に、第3、第6の固定電極による正の静電力→第1、第2の固定電極による正の静電力→第4、第5の固定電極による負の静電力→第1、第2の固定電極による負の静電力の順で発生させることで、上記の例では、第3、第4の固定電極は単独、つまり可動電極の一端だけにしか静電力を作用させていなかったが、固定電極を3段とすることで可動電極の両端に静電力を作用でき、共振周波数からより外れた走査周波数においても振れ角を確保する静電トルクが得られる。図6は静電トルクの分布を示す。
第5、第6の固定電極を有するSi基板の形状、厚さは、上記第2の基板207と同様であり、第1の基板に第2の基板の接合面とは反対面に絶縁層を介して接合すればよい。
図7は駆動周波数に対する振れ角の特性を示す図であるが、走査周波数を共振周波数に一致させれば最も振れ角が大きくとれるが、共振周波数付近においては急峻に振れ角が変化する特性を有する。従って、初期的には可動ミラーの駆動制御部において固定電極に印加する走査周波数を共振振動数に合うよう設定したとしても、温度変化等で共振周波数が変動した際には、振れ角が激減してしまうことで経時的な安定性に乏しいという欠点がある。
図8は温度に対する共振周波数の変動を示す図である。前述したように複数の可動ミラーを有する場合には、共通の走査周波数で駆動する必要があり、本実施例では、駆動周波数を可動ミラーとねじり梁からなる振動部に固有の共振周波数近傍で、比較的振れ角変化の少ない、共振周波数から高めに外れた周波数帯域に設定しており、共振周波数2kHzに対し走査周波数は2.5kHzとし、最大振れ角は印加電圧のゲイン調整により±5°に合わせている。この際、可動ミラーの加工誤差による共振振動数のばらつき(本実施例では300Hz)、温度による共振周波数の変動(本実施例では3Hz)を加味すると、これらがあっても走査周波数がいずれの共振周波数にもかからない周波数帯域、つまり、2.303Hz以上までスイープして設定することが望ましい。
いま、可動ミラーの寸法を、縦2a、横2b、厚さd、ねじり梁の長さをL、幅cとすると、Siの密度ρ、材料定数Gを用いて、慣性モーメントIは、
I=(4abρd/3)・a^2
となり、バネ定数Kは、
K=(G/2L)・{cd(c^2+d^2)/12}
となり、共振振動数fは、
f=(1/2π)・(K/I)^1/2
=(1/2π)・{Gcd(c^2+d^2)/24LI}^1/2
となる。
ここで、梁の長さLと振れ角θは比例関係にあるため、
θ=A/If^2 (Aは定数)
で表され、振れ角θは慣性モーメントIに反比例し、共振振動数fを高めるには慣性モーメントを低減しないと振れ角θが小さくなってしまう。
そこで、本実施例では可動ミラーの反射面の裏側219の基板厚dを格子状に残し、それ以外をd/10以下の厚さまでエッチングにより肉抜きすることで、慣性モーメントIを約1/5に低減している。
これらの慣性モーメントに利くパラメータ、ねじり梁の寸法誤差等が共振周波数のばらつきを発生させる要因となる。
一方、空気の誘電率ε、電極長さH、印加電圧V、電極間距離δとすると、電極間の静電力Fは、
F=εHV^2/2δ
となり、振れ角θは、
θ=B・F/I (Bは定数)
とも表され、電極長さHが長いほど振れ角θが大きくなり、櫛歯状とすることで櫛歯数nに対して2n倍の駆動トルクを得ている。
このように外周長をできるだけ長くして電極長をかせぐことで、低電圧でより大きい静電トルクが得られるように配慮している。
ところで、可動ミラーの速度υ、面積Eに対して、空気の密度ηとすると、空気の粘性抵抗Pは、
P=C・ηυ^2・E^3 (Cは定数)
であり、この粘性抵抗Pが可動ミラーの回転に対向して働く。従って、可動ミラーを密封し減圧状態に保持するのが望ましい。
本実施例では図1に示すように、第1、第2の基板206、207が接合されてなる振動ミラー基板を、中央部を貫通したセラミック板213に接合し、CANパッケージの基体241上に、反射面を上側に向け、基体の外縁に形成された一対のV溝を結ぶ直線上に回転軸を合わせて装着する。
基体241には、リード端子216が基体を貫通して一体化され、また、第2の基板上面には振動ミラーの電極パッドが、上記分離された島部224、225には絶縁膜を削除して、また、島部221、222、223は第2の基板に形成した貫通穴226、227、228に絶縁膜を介し金属ペーストを表面まで充填して形成され、各電極パッドとリード端子216先端とをワイヤーボンドにて接続する。そして、基体241の段差部243にキャップ242を被せ、減圧環境下でシール材を介して接合することでキャップ内の空間が1torr以下に密封されるようにしている。この際、非蒸発型ゲッタを同梱し、外部からの加熱で活性化することで、封止後に減圧させてもよい。光ビームは、キャップ上部開口の内側に接合された透過窓245を通じて入出射される。
また、本実施例では、第2の基板207上面に、可動ミラー202と対向して対向ミラー215を、ねじり梁と直交する方向に一体に接合している。対向ミラー215は樹脂で成形され、スリット開口213を挟んで屋根状に144.7°の角度をなすよう基板面より各々9°、および26.3°傾けた一対の傾斜面に、金属被膜を蒸着して反射面217と218とを対で配備した構成となす。対向ミラー215の底面は可動ミラー面と平行に形成され、第2の基板207の枠部上面に当接して接合されるが、この際、第2の基板207には対向ミラーを位置決めするためのかん合穴214が両サイドにエッチングによって開けられ、これに対向ミラー下面から突出するピン241を挿入することで、回転軸に直交して正確に配置されるよう合わせることができる。
従来、こういった振動ミラーモジュールにおいては、図9(a),(b)に示すように、可動ミラー301の回転軸心に揃え、直接連結されるようねじり梁302を形成していた。上記したように、可動ミラー301の慣性力Fsは回転軸からの距離に応じて分布し、ねじり梁302、言いかえれば回転軸近傍に作用するねじり力Ftと対抗して働くため、可動ミラー基板の回転軸とミラー端との中間部をピークとした曲げ応力の分布が生じ正弦波状に面がうねる。例えば、ミラー幅(両翼)をAとすると回転軸から約A/6離れた位置で最大変位となり、面精度はPVで0.5μmにも達する。
これに対し、本実施例では、ねじり梁208をY字状に形成し、分岐枝部246の両端で可動ミラー202と連結するようにしている。尚、ねじり梁の幹部と分岐枝部との幅は同一である。このように連結位置をミラー端に近づけることで、ねじり梁208から伝わるねじり力Ftは分散され、分岐枝部の連結によって囲まれたミラー領域の曲げ応力が軽減し、平面性を改善できる。
図10には、可動ミラー基板に生じる曲げ応力の分布を示すが、この曲げ応力に対抗して、曲げ応力の大きい領域には肉抜き部310の面積を減らし、曲げ応力の小さい領域には肉抜きの面積を増やすことにより、剛性と慣性力Fsとのバランスを図ることが望ましい。図11は、その一例で、ミラー基板の裏側に形成する回転軸に直交するリブ309の数をミラー端にかけてリブ本数を複数段階に可変し、曲げ応力の大きい回転軸から約A/6離れた領域のリブを増やし、曲げ応力の小さい回転軸近傍と可動ミラー周辺の領域のリブを減らした設計としている。尚、このようなリブに限るものではなく、複数の袋穴を開けて肉抜きしても、また、肉抜き部の面積を同一として深さを変えても同様であり、いかようにもアレンジできる。
図12は本発明の一実施例を示す光走査装置の副走査断面を示す図である。半導体レーザ101から射出した光ビームは後述するようにカップリングレンズ110、入射プリズム136を介して振動ミラーモジュール130のキャップ242上部の透過窓245を通じて入射される。そして、可動ミラー202に対しねじり梁を含む副走査断面内で法線に対して副走査方向に約20°傾けて対向ミラー215のスリット開口213より光ビームが入射すると、可動ミラー202で反射した光ビームは対向ミラー215の第1の反射面217に入射され可動ミラー202に戻される。さらに、反射した光ビームはスリット開口213を超えて対向ミラー215の第2の反射面218に入射し、可動ミラー202との間で3往復しながら反射位置を副走査方向に移動され、可動ミラー202で合計5回反射がなされた後、再度、スリット開口213を通って射出される。
本実施例ではこのように複数回反射を繰り返すことで、可動ミラー202の振れ角が小さくても大きな走査角が得られるようにし、光路長を短縮している。いま、可動ミラーでの総反射回数N、振れ角αとすると、走査角θは2Nαで表せる。本実施例では、N=5、α=5°であるから最大走査角は50°となり、そのうち35°を画像記録領域としている。 共振を利用することで印加電圧は微小で済み発熱も少ないが、上式から明らかなように記録速度、つまり共振周波数が速くなるに従ってねじり梁のばね定数Kを高める必要があり振れ角がとれなくなってしまう。そこで、上記したように対向ミラー215を設けることで走査角を拡大し、記録速度によらず必要十分な走査角が得られるようにしている。また、屋根状に対向して反射面を構成し、可動ミラーへの副走査方向での入射角度が繰り返し反射毎に正負、言いかえれば、反射に伴う進行方向が右向き、左向きに振り分けるようにすることで、斜入射に伴う被走査面での走査線の曲がりを抑え、直線性を維持するとともに、光軸と直交する面内での光束の回転が射出時には元の姿勢に戻るようにして結像性能の劣化がおきないよう配慮している。
図13は本実施例における光走査装置の分解斜視図、図14は光学素子の配置を示す図である。光源である半導体レーザ101は、副走査方向に50μmのピッチで2つの発光源がモノリシックに形成され、フレーム部材102に立設された壁に配備された段付き貫通穴103に反対側からステム外周を基準に係合され、段差部に鍔面を突き当てて光軸方向を位置決めがなされ、図15に示すように押え板1141により背面から押圧固定される。
図15に詳細を示すが、押え板の突起1142をステム外周に形成された切欠に係合し、貫通穴103の中心軸の周りに回転することで、外周部を切り起こして形成した一対の板ばね1143をフレーム部材102に形成した庇状の突起1144に係合して半導体レーザ101を押圧するとともに、発光源の配列方向が所定量だけ主走査方向から傾くように調整され、ネジ1145により回転止めがなされる。また、U字状の凹部105にはUV接着剤を介してカップリングレンズ110の光軸が半導体レーザ101からの射出軸と合うように、また、射出光束が平行光束となるように発光点との光軸方向の位置決めを行い、凹部とカップリングレンズとの隙間のUV接着剤を硬化させて固定する。
尚、カップリングレンズ110の調整は後述する振動ミラーモジュール、シリンダレンズを取付けた状態でも行うことができ、可動ミラーの面精度やシリンダレンズの焦線位置ずれを無効化でき、これらの精度を緩和できるというメリットがある。また、本実施例の場合、3つの光源部を有するが、全て同一構成である。
図12に示したように、半導体レーザ101から射出しカップリングレンズ110を通過した2本の平行光束は、振動ミラーモジュールの射出窓に接合配備され、副走査方向に正の曲率を有するシリンダレンズ109を入射面に貼り付けられた入射プリズム136に入射し、斜面で斜め下向きに反射されて、副走査方向において可動ミラー面で集束する集束光束として振動ミラーモジュール130に入射される。そして、前述したように、対向ミラー215のスリット開口213より光ビームが入射し、可動ミラー202と対向ミラー215との間で複数回反射を繰返した後、再度、スリット開口213を通って射出される。
図16は、被走査面におけるビームスポットの配列を示す図であるが、上記したように半導体レーザ101を傾けて装着することにより副走査方向のビームスポット間隔Pを設定する。ビームスポット間隔Pは、後述する第1、第2の走査レンズ116、117を含め光源から被走査面に至る全系の副走査倍率β、2つの光源間のピッチpを用いて、
P=β・p・sinφ
で表され、後述するように、転写ベルト上に形成されたラインの傾き補正量に応じてピッチPを調整している。
振動ミラーモジュール130はねじり梁の方向が光軸方向に合うように、フレーム底面側に設けられた段付きの角穴104の裏側より基体241の外縁を基準に位置決めされ、段差部に鍔面を突き当てて可動ミラー面の位置を合わせ、本実施例の場合、均等間隔に3つの振動ミラーモジュール130が単一のフレーム部材102により位置決めされる。各振動ミラーモジュール130はプリント基板112に、基体底面から突出したリード端子を各々スルーホールに挿入して半田付けし、フレーム部材102の下側開口を塞ぐように基板上面を当接して固定すると同時に、回路接続がなされる。プリント基板112には半導体レーザの駆動回路、可動ミラーの駆動回路を構成する電子部品、および同期検知センサ113が実装されており、外部回路との配線が一括してなされる。一端をプリント基板に結線されたケーブル115は半導体レーザ101のリード端子と接続される。
フレーム部材102の上面は角穴104の裏側に設けられた各振動ミラーモジュール130のミラー法線方向の突き当て面と平行な面となし、走査レンズを収納するハウジング106の底面より突出した2本の突起135をフレーム部材102の係合穴に挿入して同面上での位置決めを行い、4隅をネジ止めして配備される。実施例では、ネジ137はフレーム部材102の貫通穴を介してプリント基板112に螺合され、フレーム部材102を挟むように3身一体で結合され、この後に上記半田付けがなされる。
ハウジング106には結像手段を構成する第1の走査レンズ116、第2の走査レンズ117が主走査方向に配列され、各々の走査領域がわずかに重なるように位置決めされて一体的に保持される。第1の走査レンズ116は副走査方向基準面の中央に突出され主走査方向の位置決めを行う突起120、および両端を係合して光軸方向の位置決めを行う平押面119を入射面側、出射面側各々に備え、ハウジング106に一体形成された溝122に突起120を係合し、一対の切欠121の各々に各端の平押面119を挿入し波板バネ143で入射面側に押し付け同面内での姿勢を保持することで、光軸と直交する同一面に走査レンズ同士の相対的な配置を合わせ、副走査方向基準面をハウジング106から突出した一対の突起142の先端に突き当てることで、光軸と直交する面内での位置決めがなされて副走査方向の設置高さが決定され、カバー138と一体形成された板バネ141で押圧支持される。
一方、第2の走査レンズ117は同様に副走査方向基準面の中央に突出され主走査方向の位置決めを行う突起123、両端に光軸方向の位置決めを行う平押面144を備え、ハウジング106に一体形成された溝122に突起123を係合し、切欠121に平押面144を挿入し波板バネ143で出射面側に押し付け姿勢を保持するとともに、副走査方向基準面をハウジング106から突出した突起145および146の先端に突き当てて設置高さを位置決めし、カバー138と一体形成された板バネ141で押圧支持される。147はカバー138を固定するネジである。
同期検知センサ113(ピンフォトダイオード)は隣接する振動ミラーモジュール130で共用する中間位置と両端位置に配置され、各振動ミラーモジュールの走査開始側と走査終端側とでビームが検出できるように計4箇所に実装される。第2の走査レンズ117の射出面側には、各レンズの走査領域間にV字状の高輝アルミ薄板127を貼り付けるミラー受部128がハウジングに形成され、高輝アルミ薄板127によって反射した光ビームが走査領域間に形成された開口部129、およびフレーム部材102の矩形穴を通って各々の同期検知センサ113へ導かれるよう隣接する光走査手段の走査開始側と走査終端側に対応した反射面が向かい合って配置されている。カバー138には光ビームが通過する開口139が形成され、ハウジング106上面を密閉するようネジ止めされて前記したように板バネ141により走査レンズを各当接部位に確実に突き当たるように押圧する。
図17は、感光体ドラムとの位置決め方法を表す図である。上記した光走査装置のフレーム部材102、ハウジング106はある程度剛性が確保されるガラス繊維強化樹脂やアルミダイキャスト等で成形され、図13に示したようにハウジング106の両側面には、一対の位置決めピン131とネジ穴133が形成される。図17において、側板632、633は板金で成形され、主走査方向に対向して配置される。各々には感光体ドラム620、621、622、623の軸受636を位置決めするための切欠635が形成され、係合して感光体ドラム同士の配置精度を保って支持できる。本実施例では、この軸中心の間隔が感光体ドラムの周長の整数倍、ドラム径をrとすると、k・πrとなるよう均等間隔で配置される。光走査装置640、641、642、643は各々、上記位置決めピン131を勘合穴637に挿入し、ハウジング側壁を側板の内側に当接して、側板間を架橋するように位置決めし、ネジ634を外側から通して固定する。
図18は隣接する光走査手段におけるライン像の継ぎ目補正方法を表す図である。本実施例では、各々の書出し位置の差が0となるように合わせている。いま、隣接する光走査手段の記録位置がDだけずれている場合を想定する。D=0となるように補正すればよいが、その補正手段としては、まず、走査ラインの書出タイミングを、ラインピッチp単位で補正する。
具体的には、画像データを読み出す同期検知信号の選択により、タイミングを1周期Tのk倍(k・T)毎にずらす。ここで、kは自然数で、L−k・pが最も0に近いkを選択する。次に、残りの分を振動ミラーの振幅位相を1周期Tの1/n倍(T/n)毎にずらして、p/n単位で補正する。ここで、nは自然数で、L−(k+1/n)・pが最も0に近いnを選択すればよい。このようにして転写ベルト638上において隣接する領域に記録されるライン像を繋ぎ合わせることができる。
図19は副走査方向における各ビームスポットの強度分布と、これにより形成される静電潜像の電位分布を示す図である。図中、左右が副走査方向であり、1画素分のドットに相当する平面図および断面図を示す。左が第1の発光源からのビーム、右が第2の発光源からのビームによる電位分布である。このように、各ビームスポットが近接された状態においては、それによって形成される電位分布は各ビームスポットのプロフィール(光量)が合成された形で一様な分布として再現され、図19(a)に示すように各ビームスポットの光量が同一であれば、ちょうど中間位置を重心とした分布となる。また、図19(b)に示すように各ビームスポットの光量が異なる場合、潜像径が異なる2つの分布が複合されることで、中間位置から光量が高いほうに重心が片寄った分布となる。こうして形成された電位分布の現像バイアス電位よりも高い部分に帯電したトナーが吸引され付着されてドットが形成され、各々の光量をバランスさせることにより、任意の重心位置に対して均一のドット径d0とすることができる。従って、各ビームスポットの光量の比を変えることにより各ライン間をまたがって潜像の重心位置を移動すれば、走査方向からピッチP分だけ傾けて1ビームで走査したときと同一幅のラインが形成できることになる。これにより、走査ラインが傾いていてもメカ的な機構を用いずに傾きを補正することができる。
図20に示す図は、一例として、記録されるラインの傾きを走査ラインに対して右下がりに補正する例を示している。ラインの傾き補正量Δθは、各色に対応した光走査装置により転写ベルト上に形成された検出パターン(トナー像)から、図17に示すように発光ダイオード630から投射したビームの反射光をピンフォトダイオード631で受光するレジストずれ検出手段629を転写ベルト638の両端に配置することにより、基準色に対する相対的な偏差として検出される。この検出結果に基づき、第1、第2のビームピッチPを、ラインの傾き補正量Δθに応じて走査幅Lを用い、
P=L・tanΔθ
となるよう上記した方法により設定し、走査開始端では第2のビームの光量を最大、第1のビームを0、また、走査終端では、第1のビームを最大、第2のビームを0とし、第2のビームの光量が単調に増加するように、また、第2のビームの光量が単調に減少するように可変するとともに、走査方向の各位置で各々の和が一定となるようにすることで、図中太線で示すように走査方向に対して、潜像の重心の軌跡が走査ラインに対して右上がりに斜めに形成されるようにしている。隣接する領域についても同様に補正することにより、各々記録されるラインは平行に揃えられ、転写ベルト上では斜めに繋ぎ合わされて、傾いたラインが形成できる。
ところで、光量はビーム強度と点灯時間との積で表され、上記の如く潜像を形成するには、以下のいずれかの方法を用いてもよい。
1.ビーム強度を可変する。
2.ビームのパルス幅を可変する。
詳細については、後述する半導体レーザの駆動制御にて説明するが、本実施例では、階段状に近似して光量を可変している。
尚、レジストずれ検出手段629では、各色間の傾きずれと同時にレジストずれ(平行シフト分)も検出できるが、これは、上記した隣接する光走査手段におけるライン像の継ぎ目補正方法を、光走査装置間に適用すればよく、同様に補正することができる。
図21は本発明の一実施例を示す画像形成装置の概略構成図である。本実施例では、4つの光走査装置500によって各々に対応した感光体ドラム(像担持体)504に1色ずつ画像形成され、転写ベルト(中間転写体)501の回転につれて色重ねがなされるタンデム方式のカラーレーザプリンタに本発明を適用した例であり、各光走査装置500(図17の光走査装置640、641、642、643に相当し前述の振動ミラーモジュールを用いた構成を有する)は光ビームの射出方向が下向きとなるように配備される(図12の光走査装置を上下逆にした配置)。転写手段を構成する転写ベルト(中間転写体)501は駆動ローラと2本の従動ローラとで支持され、移動方向に沿って均等間隔で各感光体ドラム504が配列される。感光体ドラムの周囲にはイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色に対応したトナーを補給する現像ローラ502およびトナーホッパ部503を有する現像部と、転写された後の残トナーをブレード等で掻き取り備蓄するクリーニング部508などが一体的に配備される。各色画像は、転写ベルト501端に形成されたレジストマークを検出するセンサ505(図17のレジストずれ検出手段629)の信号をトリガとして副走査方向の書出しタイミングをずらして各光走査装置500によって静電潜像が形成され、現像部にて静電潜像にトナーを付着して転写ベルト501上で順次画像を重ねていく。記録媒体である用紙は給紙トレイ507から給紙コロ506により供給され、4色目の画像形成にタイミングを合わせてレジストローラ510により送り出されて、転写部511にて転写ベルト501から4色同時に転写され、トナー像を載せたまま搬送ベルト515にて定着器に送られる。そして、用紙に転写されたトナー像は定着ローラ512により定着され、定着後の用紙は排紙トレイ514に排出される。
各光走査装置500は上記したように複数の光走査手段の走査線をつなぎ合わせて1ラインを形成する。1ラインの総ドット数Lを3分割し画像始端から各々1〜L1、L1+1〜L2、L2+1〜Lドットを割り当てて印字するが、本実施例では各走査領域が感光体上で数mm重なるようにオーバーラップ領域を設け、割り当てる画素数L1、L2を固定せず各色で異なるようにすることで、同一ラインを構成する各色の走査線の継ぎ目が重ならないようにして走査領域の境界をより目立ち難くしている。
画像データは、上記したように主走査方向に3分割され、各光走査手段毎に図示しない書込制御部のビットマップメモリに保存され、各振動ミラーモジュール毎にラスター展開がなされラインデータとしてバッファに保存される。保存されたラインデータは各同期検知信号をトリガとして読み出され個別に画像記録が行われる。また、後述するように書出しタイミングを各々設定することで書出し始端のレジストが合わせられる。
尚、本実施例では、各振動ミラーの共振ピークは異なっても、印加電圧のゲインを可変することによって所定の帯域において振れ角を一致させ共通の駆動周波数で走査するようにしている。環境温度の変化でバネ定数が変化し共振帯域が一様にシフトするが、それに対応して駆動周波数を選択し直す場合にも、共通の駆動周波数を与え、走査周波数を各振動ミラーモジュールで共通とすることで、各領域の終端まで各ラインのレジストを一致させることができる。
図22は、半導体レーザ、可動ミラーの駆動制御系を表すブロック図である。駆動パルス生成部601は、基準クロックをプログラマブル分周器で分周し、上記したように可動ミラーの振幅に合わせたタイミングで電圧パルスが印加されるようパルス列を生成し、PLL回路によって各振動ミラーモジュール間で所定の位相遅れδを持たせて各可動ミラーの駆動部602に与えられ電極の各々に電圧が印加される。
ここで、振動ミラー間の相対的な位相遅れδを、1走査ラインピッチpを用いて、
δ=(1/fd)・{(Δy/p)−n}
(ここで、nは・(Δy/p)−n<1 を満足する自然数)
となるように与えれば、継ぎ目における位置ずれは1走査ラインピッチの整数倍となり、振動ミラーの1周期おきの書出しタイミング補正、つまりnライン周期分ずらして書き出すことにより副走査方向のレジストずれΔyを無効化することができ、継ぎ目の位置ずれのない高品位な画像が得られる。
本実施例において同期検知センサ604、終端検知センサ605はプリント基板上に配備されるが、検出面は被走査面に到達する光路長と等しい位置に配置されており、図23に、その検出部の詳細を示すが、主走査方向に垂直に配置したフォトダイオード801と非垂直なフォトダイオード802を有し、フォトダイオード801のエッジを光ビームが通過した際に同期検知信号、または終端検知信号を発生し、フォトダイオード801からフォトダイオード802に至る時間差Δtを計測することで、上記レジストずれの主要因である副走査方向の走査位置ずれΔyを被走査面である感光体上に相当する計測値として検出することができる。
尚、Δyはセンサ部802の傾斜角γ、光ビームの走査速度vを用いて、
Δy=(v/tanγ)・Δt
で表され、Δtが一定であれば走査位置ずれが生じていないことになる。本実施例では、この時間差を走査位置ずれ演算部610で監視することで走査位置ずれを検出し、Δt基準値に合うよう振動ミラー間の位相を常時可変して補正を行うことができる。
主走査方向においては、後述するように、各画像領域における走査速度のずれを、
1)各振動ミラーへ印加する電圧パルスのゲイン調整により振れ角(振幅)を所定値に合わせる、
また、隣接する画像領域の継ぎ目位置ずれを、
2)可動ミラーの駆動周波数に対応して画素クロックをシフトすることで画像幅の倍率を可変し、走査終端と、隣接する光走査装置の走査開始端との継ぎ目を合わせる、
ことにより補正することができる。
振動ミラーには基本的に画像記録およびその準備期間以外は駆動電圧が印加されない。電源投入時および待機状態から起動する際にはプログラマブル分周器で連続的に分周比を変えることで駆動周波数fdを高周波側から可変して励振し、振幅検出部609からの出力、本実施例では同期検知センサ604、走査角−θ0となる近傍に配置された終端検知センサ605とでビームを検出し、この同期検知信号と終端検知信号との時間差Tを振幅演算部609で計測することで、可動ミラーの振れ角(振幅θ0)を検出する。
いま、センサで検出される光ビームの走査角をθd、画像中央からの走査時間をt、可動ミラーの駆動周波数をfdとすると、
θd/θ0=sin2π・fd・t 、t=T/2
で与えられる。
この時間差Tがあらかじめ定められた基準値T0に達するまで印加する電圧パルスのゲインを可変することによって振れ角を補正する。この補正は、各環境下で定期的、例えばジョブ間で行われる。画像記録中にこの補正を行うと画像の主走査端が揺らいでしまうため、記録中は同一値を保持するようにしている。また、本実施例では複数の振動ミラーを有するが、共通の駆動周波数を選択し、かつゲインの基準値を揃えるととで、各振動ミラー間の振れ角が一致するようにしている。
上記補正は振動ミラーモジュールの各々で行われ、本実施例では3つの光走査手段から構成されるので、全ての補正が終了した後に印字動作を可能としている。
次に半導体レーザの駆動制御について説明する。上記したように、往復走査で潜像のラインピッチを均一にするには、ビーム強度を可変するか、ビームのパルス幅を可変する必要がある。そこで、第1の実施例では、ビーム強度の可変方法について説明する。
図24には、半導体レーザへの印加電流に対するビーム強度を示すが、ビーム強度はしきい値電流を超えると印加電流に比例して増加する。従って、このしきい値電流Ithから所定のビーム強度を得る最大電流Imまでの差Im−Ithをn分割、本実施例では255分割し、可変データ基づいて段階的に駆動電流を可変すればよい。
上記したように、一方の発光源には、同期検知信号をトリガとして、主走査方向の書込開始から書込終端にかけてIthまでImを徐々に減少させ、もう一方の発光源には、書込開始から書込終端にかけてImをIthから徐々に増加させる。
ところで、一般的に、LD駆動部606では、半導体レーザからのモニタ信号によりビーム強度が一定となるよう駆動電流を加減するフィードバック制御がなされる。これは、ケース温度の変化に伴いIthや同一のビーム強度を射出するImが変化するためで、この制御を行なわないと低温状態と高温状態とで、ビーム強度が変化して画像濃度が異なるという不具合が生じる。
そこで、本実施例では、あらかじめ定められたモニタ信号の出力値が得られる駆動電流Im'の変化分をしきい値電流のバイアス分ΔIthとして一律に駆動電流に加算することで対処している。
次に第2の実施例におけるビームのパルス幅(画素クロックfm)の可変方法について説明する。クロックパルス生成部607は、可変データに基づいて基準クロックf0をプログラマブル分周器で分周した分周クロックをカウントしてkクロック分の長さのパルス幅を有するPLL基準信号faが形成され、PLL回路において基準クロックf0との位相を選択して画素クロックfkが発生される。当然、パルス幅が長ければ形成される潜像の径は大きくなり、短ければ小さくなる。従って、パルス幅を主走査に沿って段階的に切りかえることで可変データに基づいた任意な径の潜像が形成できる。
上記と同様、一方の発光源を、同期検知信号をトリガとして、主走査方向の書込開始から書込終端にかけて1画素に相当する潜像径から減少させ、もう一方の発光源を、書込開始から書込終端にかけて1画素に相当する潜像径まで増加させる。
ところで、可動ミラーは共振振動されるため、sin波状に走査角θが変化する。一方、被走査面である感光体ドラム面では均一間隔で主走査ドットを印字する必要があり、上記した走査レンズの結像特性は単位走査角当たりの走査距離dH/dθがsin-1θ/θ0に比例するように、つまり、画像中央で遅く周辺に行くに従って加速度的に速くなるように光線の向きを補正しなければならず、中央部から周辺部にかけて結像点を遠ざけるようにパワー配分された走査レンズが用いられるが、それに伴ってビームスポット径も太ってしまうため、均一なビームスポットを得る上で、最大振幅θ0に対して有効走査領域θsを広げるには限界がある。
そこで、本実施例では、図25に示すように、振幅による走査速度の変化に対抗して各画素に対応する位相差が書込開始から書込終端にかけて進んだ状態から段階的に遅れるようにすると同時に、各画素のパルス幅が書込開始から画像中央に至る領域では長い状態から段階的に短くなるような、画像中央から書込終端に至る領域では長くなるような画素クロックfmをLD駆動部606に与え、電気的な補正を付加することで、走査レンズの負担を軽減し、走査効率を向上させている。こうした制御は、各画素に対応したドット径が均一になるようにパルス幅とその位相差を設定するものであるから、ここで設定された1画素に相当するパルス幅を比例配分したパルスを生成することにより、上記した潜像径の可変があっても、新たに制御回路を付加することもなく容易に対応できる。
尚、以上に説明した実施例では、半導体レーザを2つの発光源を有する半導体レーザアレイとしたが、この限りではなく、単一発光源の半導体レーザからのビームを合成しても、また、2以上の発光源を用いてもよい。
以上に説明した本発明の偏向ミラー(振動ミラー)は、光走査装置に好適に利用することができる。また、光走査型の表示装置や、車載用のレーザレーダ装置等への応用も可能である。そして、この偏向ミラーを用いた光走査装置は、デジタル複写機、プリンタ、プロッタ、ファクシミリ等の画像形成装置の光書込装置として好適に利用することができ、小型で省電力な画像形成装置を実現できる。
本発明の一実施例を示す偏向ミラー(振動ミラー)モジュールの構成説明図である。 図1に示す偏向ミラー(振動ミラー)モジュールの可動ミラーの振れ角に対応して各電極間に発生する静電トルクの様子を示す図である。 図1に示す偏向ミラー(振動ミラー)モジュールの電極の断面の一例を示す概略要部断面図である。 可動ミラーの振幅に対して各固定電極への印加パルスのタイミングを示す図である。 図1に示す偏向ミラー(振動ミラー)モジュールの電極の断面の別の例を示す概略要部断面図である。 第5、第6の固定電極を設けた場合の可動ミラーの振れ角に対応して各電極間に発生する静電トルクの様子を示す図である。 駆動周波数に対する振れ角の特性を示す図である。 温度に対する共振周波数の変動を示す図である。 従来の振動ミラーモジュールの可動ミラー基板に生じる曲げ応力の説明図である。 可動ミラー基板に生じる曲げ応力の分布を示す図である。 可動ミラーのミラー基板の裏側に形成するリブの例を示す図である。 本発明の一実施例を示す光走査装置の副走査方向の断面図である。 本発明の一実施例を示す光走査装置の分解斜視図である。 図13に示す光走査装置の光学素子の配置を示す図である。 半導体レーザの固定部の詳細を示す図である。 被走査面におけるビームスポットの配列を示す図である。 光走査装置と感光体ドラムとの位置決め方法を表す画像形成装置の要部分解斜視図である。 隣接する光走査手段におけるライン像の継ぎ目補正方法を表す図である。 副走査方向における各ビームスポットの強度分布と、これにより形成される静電潜像の電位分布を示す図である。 記録されるラインの傾きを走査ラインに対して右下がりに補正する例を示す図である。 本発明の一実施例を示す画像形成装置の概略構成図である。 半導体レーザ、可動ミラーの駆動制御系を表すブロック図である。 同期検知センサや終端検知センサの検出部の一例を示す図である。 半導体レーザへの印加電流に対するビーム強度を示す図である。 書込開始から書込終端に至る領域でのパルス幅と位相差の変化を示す図である。
符号の説明
101:半導体レーザ
102:フレーム部材
106:ハウジング
109:シリンダレンズ
110:カップリングレンズ
113:同期検知センサ
116:第1の走査レンズ
117:第2の走査レンズ
130:振動ミラーモジュール
136:入射プリズム
138:カバー
202:可動ミラー
203:第1の固定電極
204:第2の固定電極
206:第1の基板
207:第2の基板
208:ねじり梁
210:固定枠
211:第3の固定電極
212:第4の固定電極
213:スリット開口
215:対向ミラー
241:基体
242:キャップ
500、640、641、642、643:光走査装置
501、638:転写ベルト(転写手段)
504、620、621、622、623:感光体ドラム(像担持体)

Claims (12)

  1. 光ビームを偏向する可動ミラーと、該可動ミラーと連結され回転軸心を規定するねじり梁と、上記可動ミラーに回転トルクを発生するミラー揺動手段と、を有する偏向ミラーにおいて、
    上記ミラー揺動手段は、可動ミラーの振れ角に応じて、第1の角度範囲で回転トルクを発生可能な第1のトルク発生手段と、第2の角度範囲で回転トルクを発生可能な第2のトルク発生手段とを有し、上記各角度範囲において駆動パルスを発生することで、回転トルクを発生させ、
    上記可動ミラーの一方向の回転時において第1、第2のトルク発生手段の駆動パルスを時系列に発生させ、
    上記可動ミラーをその共振周波数から外れた周波数領域で振幅駆動することを特徴とする偏向ミラー。
  2. 請求項1記載の偏向ミラーにおいて、
    動時には、上記ミラー揺動手段が有する第1のトルク発生手段と第2のトルク発生手段のいずれか一方が上記ねじり梁をねじる方向での回転トルクを発生し、起動後は、上記ミラー揺動手段が有する第1のトルク発生手段と第2のトルク発生手段の両方が上記ねじり梁が戻る方向での回転トルクを発生することを特徴とする偏向ミラー。
  3. 請求項1または2に記載の偏向ミラーにおいて、
    上記ミラー揺動手段は、以下のステップ、
    1.上記第1、第2のトルク発生手段により可動ミラーを共振周波数またはその近傍で揺動する、
    2.駆動周波数を共振周波数からスイープし、所定の走査周波数に設定する、
    を経て上記可動ミラーを振幅駆動することを特徴とする偏向ミラー。
  4. 請求項1乃至3のいずれか一つに記載の偏向ミラーにおいて、
    上記ミラー揺動手段は、第1、第2のトルク発生手段の少なくともいずれか一方に、駆動パルスのゲインを可変するゲイン調整手段を備え、上記可動ミラーの最大振れ角θを調整することを特徴とする偏向ミラー。
  5. 請求項1乃至4のいずれか一つに記載の偏向ミラーにおいて、
    上記ミラー揺動手段は、第1、第2のトルク発生手段の少なくともいずれか一方に、駆動パルスの位相を可変する位相調整手段を備え、上記可動ミラーの振幅に対する上記駆動パルスの位相を調整することを特徴とする偏向ミラー。
  6. 請求項1乃至5のいずれか一つに記載の偏向ミラーにおいて、
    記第1、第2のトルク発生手段の角度範囲に、オーバーラップ領域を設けることを特徴とする偏向ミラー。
  7. 請求項1乃至5のいずれか一つに記載の偏向ミラーにおいて、
    上記ねじり梁を介して上記可動ミラーと連結して形成する第1の基板と、該第1の基板と絶縁層を介して接合され上記可動ミラーの揺動空間を形成する第2の基板とを有し、第1のトルク発生手段を第1の基板に、第2のトルク発生手段を第2の基板にそれぞれ形成することを特徴とする偏向ミラー。
  8. 請求項記載の偏向ミラーにおいて、
    上記第1、第2の基板を、少なくとも大気圧よりも減圧した状態に封止し、上記可動ミラーに入出射する光ビームの透過窓を有する封止手段と、上記トルク発生手段と接続され、封止する内外を貫通する端子手段とを備えることを特徴とする偏向ミラー。
  9. 請求項1乃至8のいずれか一つに記載の偏向ミラーにおいて、
    上記ミラー揺動手段は、第3の角度範囲で回転トルクを発生可能な第3のトルク発生手段を備え、上記可動ミラーの回転方向に応じて、第1または第2のトルク発生手段と切り換えて駆動パルスを発生することを特徴とする偏向ミラー。
  10. 請求項1乃至9のいずれか一つに記載の偏向ミラーと、該偏向ミラーにより往復走査される光ビームを射出する光源手段と、走査された光ビームを被走査面に結像する結像手段と、を有することを特徴とする光走査装置
  11. 請求項10記載の光走査装置を複数備え、各々の光走査装置により走査される被走査領域を走査方向に繋ぎ合わせて画像を形成することを特徴とする光走査装置。
  12. 請求項10または11に記載の光走査装置光走査装置により静電潜像を形成する像担持体と、上記潜像をトナーにより顕像化する現像手段と、上記トナー像を記録媒体に転写する転写手段とを有することを特徴とする画像形成装置。
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