JP4695276B2 - 光走査装置、画像形成装置及び画像記録方法 - Google Patents

光走査装置、画像形成装置及び画像記録方法 Download PDF

Info

Publication number
JP4695276B2
JP4695276B2 JP2001065610A JP2001065610A JP4695276B2 JP 4695276 B2 JP4695276 B2 JP 4695276B2 JP 2001065610 A JP2001065610 A JP 2001065610A JP 2001065610 A JP2001065610 A JP 2001065610A JP 4695276 B2 JP4695276 B2 JP 4695276B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
optical scanning
image
movable mirror
recording
image data
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2001065610A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2002267966A (ja
Inventor
智宏 中島
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Ricoh Co Ltd filed Critical Ricoh Co Ltd
Priority to JP2001065610A priority Critical patent/JP4695276B2/ja
Publication of JP2002267966A publication Critical patent/JP2002267966A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4695276B2 publication Critical patent/JP4695276B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Diffracting Gratings Or Hologram Optical Elements (AREA)
  • Facsimile Heads (AREA)
  • Facsimile Scanning Arrangements (AREA)
  • Laser Beam Printer (AREA)
  • Optical Elements Other Than Lenses (AREA)
  • Mounting And Adjusting Of Optical Elements (AREA)
  • Mechanical Optical Scanning Systems (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は光走査装置及び画像形成装置に係わり、特にデジタル複写機又はレーザプリンタ等に用いられる光走査装置及びそのような光走査装置を用いた画像形成装置及び画像記録方法に関する。本発明による光走査装置は、光走査型のバーコードリーダや特開2000−155650に示されるようなタッチパネル等へも応用することができる。
【0002】
【従来の技術】
従来の光走査装置において、光ビームを走査する光偏向器としてポリゴンミラーやガルバノミラーが多く用いられている。ポリゴンミラーやガルバノミラーは高速に回転して光ビームを走査するが、より高い解像度の画像及び高速のプリントを達成するには、ポリゴンミラーやガルバノミラーをさらに高速に回転させる必要がある。しかし、ミラーの高速回転を達成するには、軸受の耐久性を向上し、風損による発熱、騒音の対策を施す必要があるといった課題を解決しなければならない。したがって、ミラーが形成された回転体を使用した高速走査には限界がある。
【0003】
一方、近年、シリコンマイクロマシニングを利用した光偏向器の開発がすすめられている。特許第2722314号や第3011144号には、Si基板により可動ミラーとそれを軸支するトーションバーとを一体形成する方法が提案されている。この方法によれば、共振を利用して可動ミラーを往復振動させるので、高速動作が可能であると共に騒音が低いという利点がある。さらに、可動ミラーを回転振動するための駆動力も小さくて済むので消費電力も低く抑えられる。
【0004】
ところが、共振振動ミラーで光ビームを走査した場合、振幅の中央で最も速度が速く、振幅が最大となった時点で速度がゼロとなるため、この速度の不均一を補正する手段が必要となる。また、振幅が微小であるためポリゴンミラーと同様な記録幅を得るには共振振動ミラーにより得られる走査角を拡大する手段が必要となる。
【0005】
特開平5−136948には、ミラーの角速度の変化、共振周波数の変化に応答してレーザパルス駆動の動作周波数を同期する制御手段を設けた例が開示されている。また、特開平4−080709には、回転ミラーに対向して固定ミラーを設け多重反射した例が開示されている。
【0006】
一方、光走査装置を主走査方向に複数個並置し、画像記録域を分割して走査し繋ぎ合わせた新規な光走査装置があるが、このような構成の場合、隣接する走査線の繋ぎ目が確実に一致していないと、画像上ドットの太りまたは細りによりこの部分だけ画像濃度が異なり縦筋となって顕れる。画質を向上するには、このような縦筋の発生をいかに防止するか、又は、この繋ぎ目をいかに目立ち難くするかが課題となる。
【0007】
従来の光走査装置ユニットを複数個主走査方向に並列配置した例として、特許第2636984号には、第1及び第2の走査線に重なり部を設け画像要素を混在して繋ぎ目を特定せず分散する例が開示されている。また、副走査方向での繋ぎ目を一致させる手設として、特開平3−161778や特開2000−28943には、感光体の回転を考慮してあらかじめ隣接する走査位置をずらしておく例が開示されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、独立した光走査装置を隣接して配置して画像記録を行なう場合、各光走査装置の光走査の位相が合っていないと記録開始のタイミングに微妙な違いが生じたり、また、走査速度が合っていないと副走査ラインピッチの誤差が徐々に累積されて走査位置のずれが生じたりするおそれがある。これにより、隣接する走査線の繋ぎ目にずれが生じるおそれがある。
【0009】
本発明は上述の問題点に鑑みてなされたものであり、複数の光走査モジュールを1つのユニットにまとめ、発光源や偏向手段の制御部を統合し、各々相互に関係をもたせることによって、各記録ラインの繋ぎ目を正確に合わせる、あるいは各記録ラインの繋ぎ目を目立ち難くすることにより、高品位な画像記録を行うことのできる、小型で低騒音、省電力な光走査装置、画像形成装置及び画像記録方法を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は以下のような手段を講じることにより上述の目的を達成するものである。
【0011】
請求項1に記載の発明は、光源手段からの光ビームを往復運動する可動ミラーにより走査する偏向手段を有する光走査モジュールを、主走査方向に走査ラインが一直線になるよう複数基配列してなる光走査装置であって、
前記光走査モジュールの各々に対応してライン画像データを分割して振り分ける出力先選択手段と、
前記出力先選択手段によって分割されたライン画像データに基づいて前記光源手段を変調する光源駆動手段と、を有し、
前記光走査モジュールの各々において、前記往復運動のうち往期間のみに画像記録を行い、さらに、前記可動ミラーの最大振れ角をθ0、画像記録を行う振れ角をθsとしたとき、
前記光走査モジュールの各々において、前記往期間の走査開始側に隣接する光走査モジュールに対して、順次、走査周波数の1/2周期に、θs/θ0を乗じた分だけ、位相が遅れるように、記録開始のタイミングをずらすことにより、記録を開始するタイミングを走査開始側に配置される光走査モジュールの記録を終了するタイミングに合わせることができる。これにより、感光体の搬送により各記録ラインの走査開始位置と終端位置とに副走査の位置ずれがあっても繋ぎ目を合わせることができ、高品位な画像記録を達成することができる。
また、走査開始側に隣接する光走査モジュールに対して順次位相を遅らせて前記可動ミラーを振動することにより、走査開始側に配置される光走査モジュールの記録終了に近いタイミングで、記録を開始することができるので、各記録ラインの繋ぎ目をさらに精度良く合わせることができ高品位な画像記録を達成することができる
【0012】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の光走査装置であって、前記出力選択手段により振り分けられた分割ライン画像データを一時的に格納するバッファ手段を更に有することにより、バッファ手段に格納された分割ライン画像データを個別に読み出しながら画像記録を行うことができ、簡単な構成で複数の光走査モジュールによる画像記録を達成することができる。
【0013】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の光走査装置であって、前記偏向手段は、前記偏向手段は、軸支持される前記可動ミラーと可動ミラーに一定の周期で回動力を与え往復振動させる可動ミラー駆動手段とを有し、前記光源駆動手段は、前記可動ミラーの1周期毎に前記バッファ手段から分割ライン画像データを読み出すことにより、各光走査モジュールでの記録方向を揃えることができるので、感光体上における各記録ラインの傾斜方向を合わせることができる。すなわち、感光体の搬送に起因して各光走査モジュールによる記録ラインの走査開始位置と終端位置とに副走査方向の位置ずれが生じても、記録ラインの傾斜方向を合わせることにより、各記録ラインの繋ぎ目を合わせることができ、高品位な画像記録を達成することができる。
【0017】
請求項に記載の発明は、請求項1乃至のうちいずれか一項に記載の光走査装置であって、前記出力先選択手段によって振り分けられる前記分割された分割ライン画像データの先頭画素Lnを変更する変更手段を更に有することにより、記録ラインの繋ぎ目をライン毎に分散できるので、記録を開始する位置と走査開始側に隣接する光走査モジュールの記録を終了する位置とのずれが副走査方向に隣接するライン間で助長し合って目立ち易くなることを避けることができる。これにより、記録ラインの繋ぎ目が目立ち難くなり高品位な画像記録を達成することができる。
【0018】
請求項に記載の発明は、請求項に記載の光走査装置であって、前記先頭画素Lnとあらかじめ設定された基準値Ln0との差分Ln−Ln0≧0に相当する空白データを分割ライン画像データの先頭に付与する空白付与手段を更に有することにより、記録を開始する画素の位置が変わっても、同期検知から発光源の変調を開始するタイミングを同一とし記録開始までを白画像として扱うことができる。したがって、発光源の駆動制御に手を加えることなく、画像データのみを変更することで、ライン毎に不規則に繋ぎ目の位置を可変することができる。これにより、記録ラインの繋ぎ目が目立ち難くなり高品位な画像記録を達成することができる。
【0021】
請求項6に記載の発明は、請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の光走査装置によって静電像が形成される像担持体と、
該像担持体上の静電像をトナーにより顕像化する複数の現像手段と、
顕像化されたトナー像を記録紙に転写する転写手段と
を有する画像形成装置であって、
請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の光走査装置は、光源手段と光源手段からの光ビームを往復運動する可動ミラーにより走査する偏向手段を有する光走査モジュールを、主走査方向に走査ラインが一直線になるよう複数基配列してなるとともに、
前記光走査モジュールの各々に対応してライン画像データを分割して振り分ける出力先選択手段と、
前記出力先選択手段によって分割されたライン画像データに基づいて前記光源手段を変調する光源駆動手段と、を有し、
前記光走査モジュールの各々において、前記往復運動のうち往期間のみに画像記録を行い、
さらに、前記可動ミラーの最大振れ角をθ0、画像記録を行う振れ角をθsとしたとき、
前記光走査モジュールの各々において、前記往期間の走査開始側に隣接する光走査モジュールに対して、順次、走査周波数の1/2周期に、θs/θ0を乗じた分だけ、位相が遅れるように、記録開始のタイミングをずらすことにより、光走査装置を感光体に近接して配置することができ、装置全体を小型化することができる。また、記録幅が大きくなっても偏向手段の大型化を避けることができ、これによる振動や消費電力の増加を防止することがきるので、小型で低騒音、省電力な画像形成装置を達成することができる。
【0023】
請求項に記載の発明は、光走査装置によって複数の色の各々に対応した静電像が形成される像担持体と、
該像担持体上の静電像を各色トナーで顕像化する複数の現像手段と、
顕像化されたトナー像を重ね合せて記録紙に転写する転写手段と、
を有する画像形成装置であって、
前記光走査装置は、
光源手段と光源手段からの光ビームを往復運動する可動ミラーにより走査する偏向手段とを有する光走査モジュールを、主走査方向に走査ラインが一直線になるよう複数基配列してなるとともに、
前記光走査モジュールの各々に対応してライン画像データを分割して振り分ける出力先選択手段と、
前記分割ライン画像データに従って前記光源手段を変調する光源駆動手段と、
を有し、
前記光走査モジュールの各々において、前記往復運動のうち往期間のみに画像記録を行い、
前記出力先選択手段によって分割されたライン画像データの画素数を各色毎に異ならせたことにより、記録ラインの繋ぎ目を色毎に分散することができるので、記録を開始する位置と走査開始側に隣接する光走査モジュールの記録を終了する位置とのずれがあっても繋ぎ目が目立ち難くなり、高品位な画像記録を達成することができる。
【0024】
請求項に記載の発明は、請求項に記載の画像形成装置であって、前記光走査装置は、前記出力先選択手段によって分割されたライン画像データを一時的に格納するバッファ手段を更に有することにより、バッファ手段に格納された分割ライン画像データを個別に読み出しながら画像記録を行うことができ、簡単な構成で複数の光走査モジュールによる画像記録を達成することができる。
【0025】
請求項に記載の発明は、光源手段からの光ビームを往復運動する可動ミラーにより往復運動する偏向手段により走査する偏向手段を有する光走査モジュールを、主走査方向に走査ラインが一直線になるよう複数基配列してなる光走査装置により画像を記録する画像記録方法であって、
前記光走査モジュールの各々に対応してライン画像データを分割して振り分け、
分割したライン画像データに基づいて前記光源手段を変調し、
前記光走査モジュールの各々において、前記往復運動のうち往期間のみに画像記録を行い、
さらに、前記可動ミラーの最大振れ角をθ0、画像記録を行う振れ角をθsとしたとき、
前記光走査モジュールの各々において、前記往期間の走査開始側に隣接する光走査モジュールに対して、順次、走査周波数の1/2周期に、θs/θ0を乗じた分だけ、位相が遅れるように、記録開始のタイミングをずらすことにより、記録を開始するタイミングを走査開始側に配置される光走査モジュールの記録を終了するタイミングに合わせることができる。これにより、感光体の搬送により各記録ラインの走査開始位置と終端位置とに副走査の位置ずれがあっても繋ぎ目を合わせることができ、高品位な画像記録を達成することができる。
【0026】
請求項10に記載の発明は、請求項に記載の画像記録方法であって、前記偏向手段は、軸支持される前記可動ミラーと可動ミラーに一定の周期で回動力を与えて往復振動させ、
前記可動ミラーの1周期毎に、前記分割したライン画像データにより、前記光源手段からの光ビームを変調し、
変調した光ビームを前記可動ミラーにより偏向しながら感光体に投射し、該感光体上に画像を記録することにより、各光走査モジュールでの記録方向を揃えることができるので、感光体上における各記録ラインの傾斜方向を合わせることができる。すなわち、感光体の搬送に起因して各光走査モジュールによる記録ラインの走査開始位置と終端位置とに副走査方向の位置ずれが生じても、記録ラインの傾斜方向を合わせることにより、各記録ラインの繋ぎ目を合わせることができ、高品位な画像記録を達成することができる。
【0029】
請求項11に記載の発明は、請求項9又は10のうちいずれか一項に記載の画像記録方法であって、振り分けられる分割ライン画像データの先頭画素Lnを変更することにより、記録ラインの繋ぎ目をライン毎に分散できるので、記録を開始する位置と走査開始側に隣接する光走査モジュールの記録を終了する位置とのずれが副走査方向に隣接するライン間で助長し合って目立ち易くなることを避けることができる。これにより、記録ラインの繋ぎ目が目立ち難くなり高品位な画像記録を達成することができる。
【0030】
請求項12に記載の発明は、請求項11に記載の画像記録方法であって、前記先頭画素Lnとあらかじめ設定された基準値Ln0との差分Ln−Ln0≧0に相当する空白データを分割ライン画像データの先頭に付与することにより、記録を開始する画素の位置が変わっても、同期検知から発光源の変調を開始するタイミングを同一とし記録開始までを白画像として扱うことができる。したがって、発光源の駆動制御に手を加えることなく、画像データのみを変更することで、ライン毎に不規則に繋ぎ目の位置を可変することができる。これにより、記録ラインの繋ぎ目が目立ち難くなり高品位な画像記録を達成することができる。
【0031】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の一実施の形態について図面を参照しながら説明する。
【0032】
図1は本発明による光走査装置に用いられる光走査モジュールの斜視図である。図1において、ミラー基板102はSi基板よりなり、エッチングにより裏面側に四角形状の凹部を形成することにより所定の厚さの枠部と天板部とを形成する。天板部には可動ミラー100およびそれを軸支するトーションバー101が形成される。従って、天板部の厚さが可動ミラー100及びトーションバー101の厚さとなる。
【0033】
可動ミラー100の中央部には金属被膜を蒸着するなどしてミラー面が形成され、トーションバー101が結合する両縁側面部には各々可動電極104が形成される。ミラー基板102の裏側に形成された中空部は、可動ミラー100が揺動(回動振動)する空間となる。
【0034】
ミラー基板102の上には電極基板120が設けられる。電極基板120は可動ミラー100の揺動空間を形成するためにその中央部が除去されて開口が形成される。この開口の両側には、可動ミラー100が揺動したときに接触しないよう所定のギャップをもって上述の可動電極104の各端に対向して固定電極121が形成される。電極基板120は、ミラー基板102の上面に接合される。
【0035】
電極基板120の上面には、Si基板よりなる第1の基板105と第2の基板103とを貼り合せて構成した対向ミラー基板が接合される。第1の基板105は結晶面方位<111>から約9°だけスライス角度を傾けたウエハを用いて形成される。第2の基板103は結晶面方位<110>から約9°だけスライス角度を傾けたウエハを用いて形成される。
【0036】
第1の基板105には、エッチングにより基板表面から9°の角度で傾斜した傾斜面122が形成される、傾斜面122には金属被膜が蒸着されて反射面が形成される。また、第2の基板103には、エッチングにより基板表面より26.3°の角度だけ傾斜した傾斜面106が形成される。傾斜面106には金属被膜が蒸着されて反射面が形成される。
【0037】
第2の基板103には、光ビームが通過する開口部103−1が反射面106と隣接して貫通して設けられる。すなわち、反射面106と122とは、開口部103−1を挟んで、屋根状に144.7°の角度となるように配置される。なお、図1において第1の基板103及び第2の基板105は断面として示されている。
【0038】
第2の基板103上面には、プリズム116が可動ミラー100の揺動空間を閉鎖するように接合される。プリズム116には光ビームの入射面116−2、射出面116−4、可動ミラー100へ光ビームを反射する反射面116−1および接合面116−3とが形成されている。このような構成において、上述の揺動空間を減圧状態として密閉することにより、可動ミラー100が揺動する際に受ける空気抵抗を低減することができる。
【0039】
図2に示すように、開口部103−1から可動ミラー100に所定の角度(本実施例では20°)で入射した光ビームは、反射面106で反射され、再度、可動ミラー100に入射する。そして、再度可動ミラー100で反射され、次に反射面122に入射する。その後、反射面122と可動ミラー100との間で複数回(本実施例では3回)反射を繰り返す。この際、光ビームの反射点は副走査方向に往復して移動する。そして、光ビームは再び開口部103−1を通ってプリズム116に入射して射出面116−4から射出される。本実施例では、このように複数回反射を繰り返すことにより、可動ミラー100の小さい振れ角を拡大して大きな走査角を得ている。
【0040】
ここで、可動ミラー100での総反射回数をN、可動ミラー100の振れ角をαとすると、走査角θは2Nαで表される。本実施例ではN=5であるので、振れ角αを10倍に拡大することができる。
【0041】
固定電極121の一方に電圧を印加すると対向する可動電極104との間に静電引力が発生する。この静電引力により可動ミラー100は、トーションバー101を弾性的にねじることにより水平な状態から静電引力とねじり力が釣り合う状態まで傾く。そして、電圧を解除すると、可動ミラー100は、トーションバー101の復元力により水平な状態に戻る。その後、もう一方の固定電極121に電圧を印加すると反対方向に可動ミラー100が傾く。このように、固定電極121への電圧印加を周期的に切り換えることにより、可動ミラー100を往復振動することができる。
【0042】
尚、この電圧を印加する周波数を可動ミラー100の固有振動数に近づけると共振状態となり、可動ミラー100の振れ角αは静電引力による変位以上に増幅されて著しく拡大する。本実施例では、記録速度に合うように可動ミラー100の固有振動数を設定している。すなわち、断面2次モーメントIを与える可動ミラー100の厚さ、トーションバーの幅及び長さを記録速度に合うように決定している。
【0043】
一般に、可動ミラー100の最大振れ角θ0は、可動ミラー100を支えるトーションバー101のばね定数と、静電引力によって与えられるトルクTとによりθ0=T/Kであらわされる。トーションバー101のばね定数Kは、弾性係数G、断面2次モーメントI、長さLにより決定され、K=G・I/Lであらわれる。また、可動ミラー100の共振周波数fdは、慣性モーメントをJとするとfd=(K/J)1/2であらわされる。
【0044】
可動ミラー100の振動に共振を利用することにより、小さな印加電圧で大きな振幅を得ることができる。したがって、可動ミラー100の加振機構の発熱も少ない。上式から明らかなように、記録速度が速くなるにしたがって、すなわち共振周波数が増大するにしたがって、トーションバー101のばね定数Kを高める必要があるが、ばね定数Kの増大には限界があり、振れ角αがとれなくなってしまう。そこで、上述のように可動ミラー100に対向してミラーを設けることにより走査角を拡大し、記録速度が早くなってもばね定数Kをそれほど増大せずに必要十分な走査角を得られるよう構成している。
【0045】
図1を再び参照すると、可動ミラー100が形成されたミラー基板102は、支持フレーム107に取り付けられる。支持フレーム107は焼結金属等で成形され、絶縁材を介してリード端子115が貫通して設けられる。
【0046】
支持フレーム107には、ミラー基板102を実装する接合面107−1が凹部の底面として形成される。また、支持フレーム107に形成されたV溝107−2には、カップリングレンズ110が位置決めされて接着される。さらに、支持フレーム107には、レーザダイオード(LD)チップ108を実装するために、接合面107−1に対して垂直な実装面107−3が形成される。また、支持フレーム107には、LDチップ108からの背面光を受光するモニタPDチップ109を実装するための実装面107−4も形成される。
【0047】
本実施例においては、LDチップ108は2つの発光点が実装面107−3と平行にアレイ状に形成されており、各々個別に変調駆動され同時にレーザビームを射出する。
【0048】
カップリングレンズ110は円筒形状の上下を除去した形状であり、LDチップ108に対向する第1の面は軸対称の非球面、第1の面とは反対側の第2面は副走査方向に曲率を有するシリンダ面として形成される。V溝107−2は、カップリングレンズ110の円筒外周面が当接した際、光軸がLDチップ108の2つの発光点のほぼ中央に合うように幅と角度が設定され、支持フレーム107に接着固定される。カップリングレンズ110は、その光軸方向を調整することにより発散光束を、主走査方向には略平行光束に、副走査方向には可動ミラー100のミラー面で集束する集束光束に変換する。
【0049】
尚、カップリングレンズ110の上下を除去して形成された面(カット面)は、第2の面であるシリンダ面の母線と平行に形成され、母線が水平になるように光軸回りの位置決め基準としている。
【0050】
プリズム116の入射面116−2は、カップリングレンズ110からの光ビームを所定の径に整形するための窓としてアパーチャマスクにより形成される。すなわち、アパーチャマスクにより覆われた部分では光ビームは遮断され、アパーチャマスクにより覆われていない入射面116−2(窓)からのみ光ビームはプリズム116に入射する。入射面116−2は、2つの発光点からの光ビームが副走査方向に交差する位置近傍に配置される。
【0051】
各発光点からの光ビームはプリズム116内を通過して可動ミラー100上でトーションバー101の方向に沿って整列するよう入射され、主走査位置を合わせたまま反射を繰り返し走査される。走査された各光ビームは、再度プリズム116内を通過して射出面116−4より、主走査方向には重なり、副走査方向には所定の角度をもって上方に放出される。
【0052】
支持フレーム107上に取り付けられたLDチップ108、カップリングレンズ110、ミラー基板102及びプリズム116は、板金によりキャップ状に形成されたカバー111により覆われる。カバー111には、ガラス板112が内側より接合された光ビームの射出開口が形成される。カバー111は支持フレーム107の外周に設けられた段部107−6にはめ込まれてLDチップ108、ミラー基板102等を気密状態に保持する。LDチップ108、モニタPDチップ109及び前記した固定電極121は、各々リード端子115の突出した先端との間でワイヤーボンディングにより接続される。
【0053】
図3は本実施例における光走査装置の断面図である。また、図4は光走査装置の斜視図であり、図5は光走査装置の分解斜視図である。本実施例では上述のように構成されたの光走査モジュール200が一つの光走査装置に3個整列して設けられる。
【0054】
本実施例の場合、3個の光走査モジュール200は、LDの駆動回路、可動ミラーの駆動回路等を構成する電子部品が実装されるプリント基板201上に主走査方向に配列して実装される。支持フレーム107の底面から下側に突出したリード端子115は、プリント基板201に形成された貫通孔に挿入される。これにより、リード端子115と貫通孔とのクリアランス内で基板上での光走査モジュール間の位置合わせが行われる。そして、光走査モジュール200はプリント基板201上に仮止めされ、他の電子部品と共にリード端子115のハンダ付けにより一括して固定される。
【0055】
複数の光走査モジュール200が取り付けられたプリント基板201は、ハウジング202の下側開口を塞ぐようにハウジング202に取り付けられる。プリント基板201は、ハウジング202の対向する側壁に一体的に形成されたスナップ爪202−1により抱え込まれて保持される。プリント基板201にはこのスナップ爪202−1に勘合する切り欠き207が設けられる。
【0056】
スナップ爪202−1が切り欠き207に勘合することにより、プリント基板201(すなわち光走査モジュール200)の主走査方向の位置決めがなされる。また、スナップ爪202−1の係止部206がプリント基板201の端部に係合することにより、プリント基板201(すなわち光走査モジュール200)の副走査方向の位置決めがなされる。
【0057】
ハウジング202はある程度剛性が確保できるガラス繊維強化樹脂やアルミダイキャスト等により形成される。ハウジング202の内部には、第1の走査レンズ203を主走査方向に配列して接合する位置決め面、第2の走査レンズ204を保持する位置決め部、及び同期ミラー208の保持部が形成される。第1の走査レンズ203及び第2の走査レンズ204は結像手段を構成し、光走査モジュール200からの光ビームをスポット状にして後述する感光体ドラム上に結像する。
【0058】
本実施例では、各光走査モジュール200に対する第2の走査レンズ204は、主走査方向に連結して枠体204−2内に収容され、樹脂により固定されて一体的に形成される。また、同期ミラー208は高輝度アルミ板で一体的に形成され、光ビームを射出する開口部202−5に外側からはめ込まれて、奥側の突き当て面に取り付けられる。開口部202−5の中央には突起202−3が形成され、第2の走査レンズ204の中央部に設けられた係合溝204−1及び同期ミラー208の中央部に設けられた凹部208−1が係合される。これにより、第2の走査レンズ204及び同期ミラー208は、主走査方向に位置決めされる。また、第2の走査レンズ204及び同期ミラー208は開口部202−5の底部に押し付けられることにより、副走査方向に位置決めされる。
【0059】
なお、カップリングレンズ110及び、走査レンズ203,204を含む光学系の副走査方向の倍率βは、各光ビームが被走査面上で隣接したラインを走査するように設定される。例えば、600dpiに相当する副走査ピッチP=42.3μmとし、LDチップ108の発光点間隔p=14μmとすると、副走査方向の倍率β=P/p=3に設定される。
【0060】
同期検知センサ209(PINフォトダイオード)は、隣接する光走査モジュール200の中間位置と両端位置とに配置される。同期検知センサ209(PINフォトダイオード)は、各光走査モジュール200の走査開始側と走査終端側とでビームを検出できるように、プリント基板201上に実装される。尚、隣接する光走査モジュール200により走査される光ビームは、主走査方向に重なった領域を有するため、いずれか一方の同期検知センサ209にて光ビームを検出すればよい。
【0061】
同期ミラー208は、隣接する光走査モジュール200の走査開始側と走査終端側に対応する反射面が向かい合うようにくの字状に成形される。同期ミラー208は各光ビームの走査開始側と走査終端側において光ビームを反射し、共通の同期検知センサ209に導く。
【0062】
なお、図5に示すように、コネクタ210がプリント基板201の裏側に設けられる。コネクタ210は、全ての光走査モジュール200ヘの電源供給ラインやデータ信号ラインなどを一括して接続する。
【0063】
ハウジング202の両側面には、位置決めピン211−1を有する位置決め部材211が取り付けられる。位置決めピン211−1は、後述する感光体ドラム220を保持するカートリッジのカバーに設けられた係合孔205に挿入される。位置決め部材211は、ハウジング202の両端から延在する突起部212にねじにより固定される。
【0064】
位置決め部材211の座面211−2は、装置本体のフレームに設けられたピン213にスプリング214を介して取り付けられる。したがって、位置決め部材211は感光体ドラム220のカートリッジに常に押し付けられた状態で保持される。これにより、複数の光走査モジュール200の感光体ドラム200に対する位置決めを、一括して確実におこなうことができる。
【0065】
図6は第1及び第2の走査レンズ203,204の位置決め構成を説明するための図である。図6において、複数の光走査モジュール200は、プリント基板201の実装面により画成される同一平面fx0に配置される。
【0066】
第1の走査レンズ203の主走査方向中央部の底面から突出した位置決め用突起203−1は、ハウジング202に均等間隔で配置された係合孔202−2に挿入される。これにより、第1の走査レンズ203は主走査方向に関して位置決めされる。また、第1の走査レンズ203は、その底面を平面fz1に揃えられた接合面401−2に当接することにより、副走査方向に関して位置決めされる。さらに、第1の走査レンズ203は、主走査方向の両端部203−2を平面fx1に揃えられた突き当て面202−4に当接することにより、光軸方向に関して位置決めされる。
【0067】
以上の構成により、第1の走査レンズ203は、主走査方向、副走査方向及び光軸方向のすべての方向に関して位置決めされる。
【0068】
一方、第2の走査レンズ204は、主走査方向中央部に形成された係合溝204−1をハウジング202に形成された突起202−6に係合することにより、主走査方向に位置決めされる。また、第2の走査レンズ204は、平面fz2に揃えられた突き当て面202−7に底面204−1を当接することにより、副走査方向に位置決めされる。さらに、第2の走査レンズ204は、平面fx2に揃えられた突き当て面202−8に枠体204−2の両端部407−3を当接することにより、光軸方向に関して位置決めされる。
【0069】
以上の構成により、第2の走査レンズ204は、主走査方向、副走査方向及び光軸方向のすべての方向に関して位置決めされる。
【0070】
なお、ハウジング202の開口部202−5の寸法は、主走査方向(長手方向)には走査レンズ204の枠体204−2との間に隙間ができるように設定され、副走査方向にはくさび状に僅かに突出した凸部204−3によって嵌合状態となるよう設定されている。
【0071】
本実施例では、上述のような位置決め構成をとることにより、fx0,fx1,fx2の間の距離D1,D2、及びfz1,fz2の間の距離D3が熱膨張に起因して変化しても、各々の平行性を維持することができ、各モジュール間での走査線の相対配置を保つことができる。
【0072】
図7は第1の走査レンズの固定法の一例を示す側面図である。図7に示す例では、第1の走査レンズ203の中央部の突起203−1をハウジング202の孔202−2に勘合して位置決めし、突起203−1から距離Hだけ離れた位置に接合面202−9を設け、接合面において接着剤403により固定する。
【0073】
ここで、第1の走査レンズ203は比較的大きな膨張係数η1を有しており、一方、ハウジング202は剛性を重視して比較的小さな膨張係数ηhの材料で形成される。したがって、その膨張係数の差(η1−ηh)に伴い、温度差△Tによって第1の走査レンズ203とハウジング202との間に寸法変化の差△H=(η1−ηh)H・△Tが生じる。この寸法変化により、剛性の低い第1の走査レンズ203の母線は点線で示すように変形してしまうおそれがある。
【0074】
本実施例では、上述の第1の走査レンズ203の変形を防止するために、主走査方向には中央部のみで位置規制がなされるようにしている。図8は本実施例において用いられている第1の走査レンズの固定法を示す側面図である。
【0075】
図8に示すように本実施例においては、第1の走査レンズ203を、その中央部の突起203−1のみで接合し、長手方向両端への伸長に対して規制を設けないようにしている。そして、第1の走査レンズ203の両端部付近において、底面をネジ405で支え、板ばね404で押し付けて主走査方向に対応する母線の傾きを矢印方向に補正できる構成としている。これにより、第1の走査レンズ203の加工ばらつき等に起因して、第1の走査レンズ203の各々の底面の平行性が保証されていない場合においても、母線同士を位置決めすることができる。
【0076】
図9は本実施例による光走査装置におけるレーザダイオード及び可動ミラーの駆動制御部のブロック図である。本実施例による光走査装置の走査周波数fdは、周波数設定部で可動ミラー100の共振振動数に合わせて可変される。各固定電極121に位相が1/2周期ずれるようにパルス状の電圧を印加することにより、可動ミラー100を共振振動する。尚、上記走査周波数fdは配列される全ての光走査モジュールに共通に与えられるが、可動ミラーによって若干の共振振動数ピークの差があり振幅が異なるため、後述するように印加電圧を各々調節することによって振幅を合わせる。従って、各可動ミラーの共振振動数の平均値に近い走査周波数を選ぶのがよい。
【0077】
本実施例では、可動ミラー100は走査角θ0を起点として−θ0に達するまでの往期間のうち、θs〜−θSの期間(0<θs<θ0)において画像記録を行う。すなわち、走査角−θ0から+θ0の期間には画像記録を行なわない。言い換えれば、走査周波数fdの1周期毎に画像記録を行なう。本実施例では、θ0=5°、θs/θ0=0.7としている。
【0078】
レーザダイオード(LD)108は、固定電極121への電圧が解除された時点から点灯される。同期検知センサ209は、光走査モジュール200からの光ビームを検出して同期検知信号を発生する。この信号を基準として感光体への記録が開始される。画像記録の待機時においては、電力消費を抑えるために固定電極121への印加電圧を小さくするか或いはゼロとすることにより、可動ミラー100の振幅(振れ角)を制抑するか、可動ミラー100の振動を停止する。したがって、待機時には同期検知信号は発生しない。
【0079】
電源投入時または記録開始時には、同期検知信号が得られるまで徐々に固定電極121への印加電圧を電圧制御部310により増加し、静電引力を徐々に上昇することで可動ミラー100の振幅を設定する。同期検知は、振れ角がθ0となる近傍でなされるが、−θ0となる近傍には終端検知センサとして同期検知センサ209が配置され、走査終端のビームが検出され、終端検知信号が出力される。
【0080】
なお、固定電極121への印加電圧は、電圧制御部310の制御の下で、電極1駆動部321及び電極2駆動部322により行われる。電圧制御部310には、周波数設定部323から走査周波数fdが供給される。したがって、電圧制御部310は、走査周波数fdに基づいて電極1駆動部321及び電極2駆動部322に印加する電圧を切り変えることにより、可動ミラー100を走査周波数fdに共振するように振動させる。
【0081】
上述の終端検知信号と同期検知センサの同期検知信号との時間差を演算部316により計測して可動ミラー100の共振周波数のばらつきや走査レンズ203の形状誤差に伴う画像記録幅の変化を検出する。後述するように、この画像記録幅の変化は画素クロックを変更することにより補正する。
【0082】
書込制御部312は、これらの設定が完了するまでは記録域でのLD点灯を許可しないようにシーケンス制御する。同時に、印加電圧があらかじめ定められた制限値を越えても同期検知信号が得られない場合や、走査時間が所定値に達しない場合には、書込制御部312はエラー信号を出力し、電圧印加を中止して光走査装置の外部へ必要以上に光ビームが放出されることを防止する。
【0083】
本実施例では3つの光走査モジュールが設けられるので、これら3つの光走査モジュールの全てに関してこの条件がクリアされなければ印字動作を開始しない。
【0084】
可動ミラー100は共振振動されるため、図10に示すようにsin波状に振れ角θが変化する。
【0085】
θ=θ0・sin2πfd・t、 −1/4fd<t<1/4fd
一方、被走査面である感光体ドラム面では均一間隔で主走査ドットを印字する必要があり、走査レンズ203,204の結像特性は単位走査角あたりの走査距離dH/dθがsin−1θ/θ0に比例するように補正する必要がある。すなわち、画像中央で小さく周辺に行くに従って加速度的に大きくなるように光線の向きを補正しなければならない。さらに、可動ミラー100の縁と対向面とが近づくにつれ、可動ミラー100が受ける空気抵抗が増大し、振幅が抑制される。
したがって、この影響も考慮しなければならない。
【0086】
しかし、最大振れ角θ0に対する有効振れ角θaの比が大きくなるにつれ、周辺での走査速度dH/dtの減速に対抗して補正量を著しく増大させなければならない。このため、走査レンズ中央部から周辺部にかけて結像点を遠ざけるためのレンズ倍率の変化率が大きくなり、レンズ自体が肉厚差の大きい湾曲形状となるため、比較的自由度の高い樹脂成形であってもレンズ加工が困難となる。そのうえ、ビームスポット径がレンズ周辺で大きくなり、一走査内でのビームスポットの大きさのばらつきが増大してしまうという不具合がある。
【0087】
そこで、本実施例では走査レンズでの補正量を適度に抑え、残った分を画素クロック(LDの変調周波数)を主走査に沿って段階的に可変して各ドットの印字位置(位相)とパルス幅を変えている。これによれば、例えば走査レンズでの補正分をdH/dθがθに比例する量、いわゆるfθレンズとすることもでき、走査レンズと画素クロックとの補正量の配分はいかようにも可能である。
【0088】
画素クロックは、あらかじめ記憶された周波数可変データにより同期検知信号をトリガとして画像中央に向かって周波数がf1からfhまで単調に増加し、周辺に向かって周波数がf1まで減少するように可変される。本実施例では画像中央に対して可変量を対称に設定しているが、周波数可変データは区切られた画素領域毎に与えられるので非対称であっても同様に実施できる。
【0089】
次に、上述の画周波数の可変方法について図9を参照しながら説明する。パルス幅形成部313は与えられた周波数可変データに基づいて基準クロック信号f0をM分周率した分周クロックをカウントし、kクロック分の長さのパルスを形成する。これを繰り返し行ない、主走査に沿って段階的に周期が変化したPLL基準信号faがパルス幅形成部313からPLL回路314へと出力される。
【0090】
PLL回路314はPLL基準信号faと画素クロックfkとの位相を比較し、位相差がある場合には周波数を更新して画素クロックfkを発生する。書込制御部312は、同期検知信号が同期検知センサ209から供給されると、ローレベルのクロックf1を所定値カウントし、n0カウントで画素クロックの変更を開始する・そして、nsカウントで画像データを画素クロックに同期してシリアルに読み出し、LD駆動部315に供給する。
【0091】
図11は各ドットに対する可変された画素クロックの値を示すグラフである。画素クロックfkはk・(基準クロックf0/分周率M)によって与えられる中から選択される。ここで、kは任意の整数である。分周率Mを大きくとれば画素クロックを細かい変化分で設定できるが、その分情報量も増えるため、画像歪みの許容レベルに応じて分周率Mを抑えることが望ましい。
【0092】
画素クロックの変更領域Zは画像記録領域Sに対して前後に100画素程度ずつ大きめに設定され、それに応じてローレベルのクロックflは画像記録端のクロックよりも低く設定されている。画像記録領域Sは、同期検知から画像記録開始までのクロックカウント値nsを可変することで容易にシフトできる。また、分周率kに一律に補正数を付加することでローレベルからハイレベルまでのクロック幅(fh−fl)を維持したままシフトすることができる。これにより、可動ミラー100の共振周波数のばらつきや走査レンズの形状誤差に伴う画像記録幅の変化を、各画素の周期(1/fk)を一様に可変することで部分的な歪み無しで補正できるよう構成している。
【0093】
この際、各画素の積算時間、つまり各画素でのクロックカウント値をkとするとT=Σ(k/fk)も変化するが、同期検知から画素クロック変更を開始するまでのカウント値n0を変更し周波数可変データの画像中央位置と可動ミラー100が水平になる時間とが常に一致するように設定している。これが一致していないと画像(ドット間隔)は走査方向の一方で縮み、一方で延びることになり画像品質が劣化するからである。
【0094】
感光体ドラムを露光するエネルギーEはビーム強度Pとして、P/fkであらわされるため、1ドットあたりの露光エネルギーを均一にするには画周波数に応じてビーム強度も可変が必要となる。そこで、画素クロックの変化に同期して周波数可変データに比例したデータをD/Aコンバータ317に与え電圧電流変換部318を介してLDの駆動電流を可変し、ビーム強度についても主走査に沿って段階的に可変できるようにしている。
【0095】
本実施例では、画像中央でのビーム強度が高く周辺で低くなるよう可変することで濃度むらのない画像が得られるようにしている。LDチップ108及び可動ミラー100の駆動制御は光走査装置を構成する各光走査モジュール毎に個別に行なわれるが、可動ミラー100の駆動については隣接する光走査モジュール200で走査周波数fdの1/2周期程度ずつ位相がずれるように駆動することが望ましい。
【0096】
本実施例では、画像を記録するタイミングを走査上流側に配置する光走査モジュール200の記録開始から走査周波数fdの1/2周期ずつ遅らせて順次記録を開始しており、走査上流側に配置する光走査モジュールの走査終端と同時に走査が開始されるようにしている。さらに、可動ミラー100の最大振れ角θ0に対して、上述のように画像記録は振れ角θsの範囲で行われるので、θs/θ0で表される有効走査率を走査周波数fdの1/2周期に乗じた分ずつ遅らせるようにすれば、より一層の効果を得ることができる。
【0097】
このように可動ミラー100を偏向器として用いる方式では、隣接する光走査モジュール200とタイミングを合わせることで、走査線の継ぎ目で段差が生じない画像記録を実行することができるが、複数の光走査モジュール200を非同期で動作させて画像記録を実行する際には以下のような対策を施せばよい。
【0098】
図12は本実施例による光走査モジュールへ画像データを供給する手段の一例を示すブロック図である。図12に示す例では、3個の光走査モジュールM#1,M#2,M#3が設けられているものとして説明する。
【0099】
各光走査モジュールM#1,M#2,M#3には、個別にLD駆動部401−1,401−2,401−3,401−4,401−5,401−6が設けられ、別々のタイミングで画像記録が行われる。これらLD駆動部の各々は、図9に示すLD駆動部315に相当する。
【0100】
本実施例の場合、2ラインを同時に記録するために、各光走査モジュールM#1,M#2,M#3は2つのLD駆動部を有する。また、2ライン分のマルチプレクサ402−1,402−2が設けられる。各マルチプレクサ402−1、402−2は、3つの光走査モジュールM#1,M#2,M#3の各々に対応して1ライン分の画像データを、光走査モジュールの数に相当する3つに分割する。分割された画像データ(分割画像データと称する)は、3つの光走査モジュールM#1,M#2,M#3の各々に2つずつ対応して対して設けられたラインバッファ403−1〜403−6に振り分けて供給される。
【0101】
すなわち、マルチプレクサ402−1には、例えば2N−1ライン目に相当する画像データ(1〜L)が供給され、マルチプレクサ402−1は、この1ライン分の画像データを(1〜L1),(L1+1〜L2),(L2+1〜L)に3分割する。ここで、画像データの(1〜L)は1ライン中の1番目の画素(先頭画素)からL番目の画素(終端画素)を表す。分割画像データ(1〜L1)は光走査モジュールM#1に対して設けられたラインバッファ403−1に供給される。分割画像データ(L1+1〜L2)は光走査モジュールM#2に対して設けられたラインバッファ403−2に供給される。分割画像データ(L2+1〜L)は光走査モジュールM#3に対して設けられたラインバッファ403−3に供給される。
【0102】
同様に、マルチプレクサ402−2には、例えば2Nライン目に相当する画像データ(1〜L)が供給され、マルチプレクサ402−2は、この1ライン分の画像データを(1〜L1’),(L1’+1〜L2’),(L2’+1〜L)に3分割する。分割画像データ(1〜L1’)は光走査モジュールM#1に対して設けられたラインバッファ403−4に供給される。分割画像データ(L1’+1〜L2’)は光走査モジュールM#2に対して設けられたラインバッファ403−5に供給される。分割画像データ(L2’+1〜L)は光走査モジュールM#3に対して設けられたラインバッファ403−6に供給される。
【0103】
各ラインバッファ403−1〜403−6に振り分けられて一時的に格納された分割画像データは、対応するLD駆動部401−1〜401−6からの制御信号に同期して読み出され、各LD(半導体レーザ)は、読み出された分割画像データに基づいて変調される。
【0104】
各マルチプレクサ402−1,402−2で分割する画素を変更することにより、画像として形成された各ラインにおける分割画像データの各継ぎ目の位置を変更することができる。この際、図13に示すように、2N−1ライン目の画像データを分割する際に光走査モジュール#2,M#3において、分割する先頭の画素L1,L2の変化に応じて、それを埋め合わせるよう先頭に(L1−L01),(L2−L02)固の画素に相当する空白データを付加する。このように空白データを付加して分割画像データをラインバッファに格納することにより、光走査モジュールM#2,M#3による記録開始の画素L01,L02を常に一定としており、同期検知から記録開始までのタイミングが一定となるようにしている。
【0105】
なお、2Nライン目の画像データについても上述の空白データ付与と同様の処理を施す。上述の実施例では各LDチップが2つの発光点を有する構成であるが、1ライン分の画像形成は、発光点が1つであっても、また3つ以上であっても同様であり、以下、簡単のため一つの発光点に関してのみ説明する。
【0106】
図14は分割画像データに空白データを付与するための構成を示すブロック図である。図14に示す構成は、図12に示すマルチプレクサ402−1に関して空白データを付与する部分に相当する。
【0107】
マルチプレクサ402−1には、図9に示す書込制御部312から制御信号が供給され、制御信号に基づいて上述のように1ライン分の画像データ(2N−1行目のラインデータ)を3分割する。1ライン分の先頭からL1番目までの画素データに相当する分割画像データは、光走査モジュールM#1に対応するラインバッファ403−1にそのまま供給され一時的に格納される。
【0108】
一方、(L1+1)番目からL2番目までの分割画像データは、マルチプレクサ404−1を介してラインバッファ403−2に供給される。この際、マルチプレクサ404−1により所定の長さの空白データが最初にラインバッファ403−2に供給される。また、(L2+1)番目からL番目までの分割画像データは、マルチプレクサ404−2を介してラインバッファ403−3に供給される。この際、マルチプレクサ404−2により所定の長さの空白データが最初にラインバッファ403−3に供給される。
【0109】
すなわち、マツチプレクサから402−1から減算器405に対して分割位置を示す計数値が供給される。減算器405は、分割位置を示す計数値と予め定められた基準値との差分を演算し、カウンタ406に供給する。カウンタ406は空白画像データを、減算器405からの差分に基づいてカウントし、差分に相当する空白画像データを、分割画像データに先立って、マルチプレクサ404−1,404−2に供給する。すなわち、マルチプレクサ404−1,404−2は、カウンタ406からの空白画像データを、マルチプレクサ402−1からの分割画像データに先立ってラインバッファ403−2,403−3に供給する。これにより、図13に示すように、光走査モジュールM#2への分割画像データの先頭に空白画像データ(白データ)が付加され、光走査モジュールM#3への分割画像データの先頭に空白画像データ(白データ)が付加される。
【0110】
図15は各光走査モジュールM#1、M#2,M#3の可動ミラーを非同期に駆動した際の同期検知信号と、画像記録を実行するための書込信号のタイミングを示したタイミングチャートである。各同期検知信号の間隔は一定ではなく、光走査モジュールM#1の同期検知信号に対して、光走査モジュールM#2の同期検知信号はt1、光走査モジュールM#3の同期検知信号はt2だけ遅れているものとする。
【0111】
各光走査モジュールにより形成される走査線は、感光体の搬送速度(回転速度)vに伴って図16に示すように傾斜したラインを描くことになる。これにより、本実施例の場合、記録開始点と終点とでは副走査位置は1/2ピッチ分ずれることになる。従って、光走査モジュールM#3の走査線はそのままの同期検知信号を基準に画像記録が行われると図のようにラインの誤差が大きくなってしまう。
【0112】
そこで、光走査モジュールM#2,M#3の記録開始点が光走査モジュールM#1の記録終点を越えない範囲にあるときには、その光走査モジュールの記録開始を1ライン分遅らせ、次の同期検知信号に基づいて画像記録を行なうようにする。すなわち、同期検知信号の時間差t1又はt2がt0=1/2fd(画像ラインの1/2ピッチ)未満のときには、1ライン分タイミングを遅らせ、次の同期検知信号で画像記録を実行することで、より段差が小さくなるよう抑制することができる。
【0113】
上述のように構成することにより、偏向器としてポリゴンミラーやホログラムディスク等を使用する場合のように、隣接する光走査モジュール同士で回転位相を合わせることが難しいような場合においても、各光走査モジュールによる画像ラインの継ぎ目での段差を目立ち難くすることができる。
【0114】
なお、本実施例では静電引力を発生させ可動ミラー100を駆動する方式を示したが、可動ミラー100にコイルを形成してトーションバーと交差する方向に磁力線が通るように構成し、コイルに電圧を印加して電磁力を発生させることにより可動ミラー100を駆動する方式であってもよい。また、トーションバー101に圧電素子を結合し、圧電素子に電圧を印加して可動ミラー100を駆動する方式であってもよい。また、可動ミラー100の代わりにポリゴンミラーやホログラムデイスク等一般に用いられる偏向器を用いても、走査レンズやLD制御部は同様な構成として本発明を適用することができる。
【0115】
図17は本実施例による光走査装置をカラーレーザプリンタに適用した例を示す。各色(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)毎に光走査装置520とプロセスカートリッジ500とが個別に位置決めされ、用紙の搬送方向(図中矢印により示す)に沿って直列に配備される。用紙は給紙トレイ506から給紙コロ507により供給され、レジストローラ対508により印字のタイミングに合わせて送り出され、搬送ベルト511に載って搬送される。各色トナー像は用紙が各感光体ドラムを通過する際に静電引力によって転写され順次色重ねがなされる。用紙に転写されたトナー像は定着ローラ509で定着され、排紙ローラ512により排紙トレイ510に排出される。
【0116】
尚、各色のプロセスカートリッジはトナー色が異なるのみで構成は同一である。感光体ドラム501の周囲には感光体を高圧に帯電する帯電ローラ502、光走査装置により記録された静電潜像に帯電したトナーを付着して顕像化する現像ローラ503、トナーを備蓄するトナーホッパ504、用紙に転写された後の残トナーを掻き取り備蓄するクリーニングケース505が配設される。
【0117】
図18は本実施例による光走査装置を用いたカラーレーザプリンタを示す図である。図18に示すカラーレーザプリンタでは、単一の光走査装置620によって1色ずつ画像形成され、転写ドラム611を4回転して回転毎に色重ねがなされる。各色に対応した現像ローラ603およびトナーホッパ604は、回転支持体上に一体的に設けられ、1/4ずつ回転しながら感光体ドラム601に対向するよう構成され、転写ドラム611上で順次トナー像を重ねていく。用紙は一番目の画像形成にタイミングを合わせて給紙コロ507により供給され、転写ドラム611から4色同時に転写される。
【0118】
図17及び図18に示すカラーレーザプリンタにおいて光走査装置520及び620は、上述のように複数の光走査モジュール200の走査線をつなぎ合わせて1ラインを構成する。すなわち、上述のように1ラインの総ドット数Lを3分割し、画像始端から各々(1〜L1),(L1+1〜L2),(L2+1〜L)ドットを3つの光走査モジュール200に割り当てて印字する。
【0119】
本実施例では、この割り当てる画素数を各色で異なるようにすることで、同一ラインを構成する各色の走査線の継ぎ目が重ならないようにしている。それに加え、一つの光走査モジュール200内の各発光点間でも割り当てる画素数を変えており、隣接するライン相互の重なりに関係に起因して、ドットの太りや細りが強調されることを避けることで、継ぎ目を目立ち難くすると共に見た目の画像品質を向上している。
【0120】
尚、複数の発光点を持たない場合においても、ライン毎に分割した画素数を変更することにより同様の効果を得ることができる。
【0121】
図19は上述の共振振動ミラーに代えて使用可能なガルバノミラーの分解斜視図である。ミラー901は回転軸902が形成された保持部材903の表面に形成される。保持部材903の裏面にはコイル904が配置される。保持部材903は、回転軸902の回りに回動可能に支持される。
【0122】
ヨーク907はベース部材910に支持され、接合面910−1にはマグネット909が各極の方向を合わせて接合される。これにより、上述のコイル904の内側にはマグネット909が配置され、コイル904の外側にはヨーク907が配置される。
【0123】
コイル904は、マグネット909及びヨーク907のどちらにも接触しないよう配置される。コイル904の一端から電流Iを入力すると、矢印により示した磁力線に対してコイル904に電磁力が発生して、ミラー901は一定方向に傾く。この電流の流れる方向(正負)を切り換えることにより、ミラー901は往復回動する。
【0124】
図20は上述の共振振動ミラー100に代えて使用可能なホログラムディスクの分解斜視図である。回転円盤700の表面は等分されてれ6面のホログラム706が形成される。また、回転円盤700の円周縁に沿って均等間隔で複数の可動電極705がパターン形成される。可動電極705に対向して固定電極704を放射状にパターン形成した電極基板701および回転円盤中央の孔を支持する軸703は、回転円盤700とともにそのクリアランス部のみにレジストを残した型を用い、各基体をNi等を電鋳することによりSi基板702上に同時に堆積形成され、絶縁層を介して前記パターンを各々金属被膜で形成した後にレジストを除去して分離される。
【0125】
上述の構成により静電モータを形成し、固定電極704への電圧印加を周方向に順次切り換えることで回転円盤700は回転する。上述の可動ミラー100を用いた実施例と同様に、ホログラム706に入射した光ビームは、反射して上方に射出される。この際、ホログラム706の回転に応じて主走査方向の偏向角度が変化し光ビームの走査が実行される。
【0126】
図21は可動ミラー100の代わりに使用可能なポリゴンミラーを用いた例を示す分解斜視図である。ロータ部803及び軸804は、ステータ部802とともにSi基板805上に堆積させた多結晶Siをエッチングにより分離することによって形成される。これと同時に、堆積した金属皮膜をパターニングして放射状の可動電極806、807が形成され、静電モータを構成する。ポリゴンミラー801は、ロータ部上に200μm程度のアクリル樹脂レジストを用いてシンクロトロン放射光によりポリゴンミラーの電鋳型を溶解除去し、Niをメッキ施して形成する。
【0127】
ロータ部は犠牲層エッチング等によりSi基板805から分離され、順次固定電極への印加電圧解を切り換えることで回転する。半導体レーザチップ809から射出した光ビームは、カップリングレンズ808の中心軸から下方にずれた部位に入射され、ポリゴンミラー801に向かって斜め方向に射出される。光ビームは、主走査方向には平行光束、副走査方向にはポリゴンミラー上で線状に集束するように整形される。ポリゴンミラー801で反射し走査された光ビームは、図22に示すように、カップリングレンズ808に設けられた斜面808−1で反射され、上方に放出される。
【0128】
なお、上述の実施例では、光走査装置を3つの光走査モジュールから構成した例について説明したが、光走査モジュールの数は3つに限定されることなく、画像形成装置の記録幅に合わせて数を増減して対応することもできる。
【0129】
【発明の効果】
請求項1及び10に記載の発明によれば、記録を開始するタイミングを走査開始側に配置される光走査モジュールの記録を終了するタイミングに合わせることができる。これにより、感光体の搬送により各記録ラインの走査開始位置と終端位置とに副走査の位置ずれがあっても繋ぎ目を合わせることができ、高品位な画像記録を達成することができる。
また、走査開始側に配置される光走査モジュールの記録終了に近いタイミングで、記録を開始することができるので、各記録ラインの繋ぎ目をさらに精度良く合わせることができ高品位な画像記録を達成することができる。
【0130】
請求項2に記載の発明によれば、バッファ手段に格納された分割ライン画像データを個別に読み出しながら画像記録を行うことにより、簡単な構成で複数の光走査モジュールによる画像記録を達成することができる。
【0131】
請求項3及び11に記載の発明によれば、各光走査モジュールでの記録方向を揃えることができるので、感光体上における各記録ラインの傾斜方向を合わせることができる。すなわち、感光体の搬送に起因して各光走査モジュールによる記録ラインの走査開始位置と終端位置とに副走査方向の位置ずれが生じても、記録ラインの傾斜方向を合わせることにより、各記録ラインの繋ぎ目を合わせることができ、高品位な画像記録を達成することができる。
【0134】
請求項及び12に記載の発明によれば、記録ラインの繋ぎ目をライン毎に分散できるので、記録を開始する位置と走査開始側に隣接する光走査モジュールの記録を終了する位置とのずれが副走査方向に隣接するライン間で助長し合って目立ち易くなることを避けることができる。これにより、記録ラインの繋ぎ目が目立ち難くなり高品位な画像記録を達成することができる。
【0135】
請求項及び13に記載の発明によれば、記録を開始する画素の位置が変わっても、同期検知から発光源の変調を開始するタイミングを同一とし記録開始までを白画像として扱うことができる。したがって、発光源の駆動制御に手を加えることなく、画像データのみを変更することで、ライン毎に不規則に繋ぎ目の位置を可変することができる。これにより、記録ラインの繋ぎ目が目立ち難くなり高品位な画像記録を達成することができる。
【0138】
請求項に記載の発明によれば、光走査装置を感光体に近接して配置することができ、装置全体を小型化することができる。また、記録幅が大きくなっても偏向手段の大型化を避けることができ、これによる振動や消費電力の増加を防止することがきるので、小型で低騒音、省電力な画像形成装置を達成することができる。
【0139】
請求項及びに記載の発明によれば、バッファ手段に格納された分割ライン画像データを個別に読み出しながら画像記録を行うことにより、簡単な構成で複数の光走査モジュールによる画像記録を達成することができる。
【0140】
請求項に記載の発明によれば、記録ラインの繋ぎ目を色毎に分散することができるので、記録を開始する位置と走査開始側に隣接する光走査モジュールの記録を終了する位置とのずれがあっても繋ぎ目が目立ち難くなり、高品位な画像記録を達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例による光走査装置に用いられる光走査モジュールの斜視図である。
【図2】 図1に示す光走査モジュールの内部断面図である。
【図3】 本発明の一実施例による光走査装置の断面図である。
【図4】 本発明の一実施例による光走査装置の斜視図である。り、図5は光走査装置の分解斜視図である。
【図5】 本発明の一実施例による光走査装置の分解斜視図である。
【図6】 走査レンズの位置決め構成を説明するための図である。
【図7】 第1の走査レンズの固定法の一例を示す側面図である。
【図8】 本発明の一実施例において用いられる第1の走査レンズの固定法を示す側面図である。
【図9】 本発明の一実施例による光走査装置におけるレーザダイオード及び可動ミラーの駆動制御部のブロック図である。
【図10】 可動ミラーの角度振幅を示すグラフである。
【図11】 各ドットに対する可変された画素クロックの値を示すグラフである。
【図12】 本発明の一実施例による光走査モジュールへ画像データを供給する手段の一例を示すブロック図である。
【図13】 分割画像データに付与される空白データを示す図である。
【図14】 分割画像データに空白データを付与するための構成を示すブロック図である。
【図15】 光走査モジュールの可動ミラーを非同期に駆動した際の同期検知信号と、画像記録を実行するための書込信号のタイミングを示したタイミングチャートである。
【図16】 感光体上に形成された画像ラインを示す図である。
【図17】 本発明の一実施例による光走査装置を適用したカラーレーザプリンタの内部を示す図である。
【図18】 本発明の一実施例による光走査装置を適用したカラーレーザプリンタの内部を示す図である。
【図19】 ガルバノミラーの分解斜視図である。
【図20】 ホログラムディスクの分解斜視図である。
【図21】 ポリゴンミラーを用いた光走査モジュールの分解斜視図である。
【図22】 ポリゴンミラーを用いた光走査モジュールの断面図である。

Claims (12)

  1. 光源手段からの光ビームを往復運動する可動ミラーにより走査する偏向手段を有する光走査モジュールを、主走査方向に走査ラインが一直線になるよう複数基配列してなる光走査装置であって、
    前記光走査モジュールの各々に対応してライン画像データを分割して振り分ける出力先選択手段と、
    前記出力先選択手段によって分割されたライン画像データに基づいて前記光源手段を変調する光源駆動手段と、を有し、
    前記光走査モジュールの各々において、前記往復運動のうち往期間のみに画像記録を行い、
    さらに、前記可動ミラーの最大振れ角をθ0、画像記録を行う振れ角をθsとしたとき、
    前記光走査モジュールの各々において、前記往期間の走査開始側に隣接する光走査モジュールに対して、順次、走査周波数の1/2周期に、θs/θ0を乗じた分だけ、位相が遅れるように、記録開始のタイミングをずらすことを特徴とする光走査装置。
  2. 請求項1に記載の光走査装置であって、
    前記出力選択手段により振り分けられた分割ライン画像データを一時的に格納するバッファ手段を更に有することを特徴とする光走査装置。
  3. 請求項2に記載の光走査装置であって、
    前記偏向手段は、軸支持される前記可動ミラーと可動ミラーに一定の周期で回動力を与え往復振動させる可動ミラー駆動手段とを有し、前記光源駆動手段は、前記可動ミラーの1周期毎に前記バッファ手段から分割ライン画像データを読み出すことを特徴とする光走査装置。
  4. 請求項1乃至3のうちいずれか一項に記載の光走査装置であって、
    前記出力先選択手段によって振り分けられる前記分割されたライン画像データの先頭画素Lnを変更する変更手段を更に有することを特徴とする光走査装置。
  5. 請求項4に記載の光走査装置であって、
    前記先頭画素Lnとあらかじめ設定された基準値Ln0との差分Ln−Ln0≧0に相当する空白データを分割ライン画像データの先頭に付与する空白付与手段を更に有することを特徴とする光走査装置。
  6. 請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の光走査装置によって静電像が形成される像担持体と、
    該像担持体上の静電像をトナーにより顕像化する複数の現像手段と、
    顕像化されたトナー像を記録紙に転写する転写手段と
    を有する画像形成装置
  7. 光走査装置によって複数の色の各々に対応した静電像が形成される像担持体と、
    該像担持体上の静電像を各色トナーで顕像化する複数の現像手段と、
    顕像化されたトナー像を重ね合せて記録紙に転写する転写手段と、
    を有する画像形成装置であって、
    前記光走査装置は、
    光源手段と光源手段からの光ビームを往復運動する可動ミラーにより走査する偏向手段とを有する光走査モジュールを、主走査方向に走査ラインが一直線になるよう複数基配列してなるとともに、
    前記光走査モジュールの各々に対応してライン画像データを分割して振り分ける出力先選択手段と、
    前記分割ライン画像データに従って前記光源手段を変調する光源駆動手段と、
    を有し、
    前記光走査モジュールの各々において、前記往復運動のうち往期間のみに画像記録を行い、
    前記出力先選択手段によって分割されたライン画像データの画素数を各色毎に異ならせたことを特徴とする画像形成装置。
  8. 請求項に記載の画像形成装置であって、
    前記光走査装置は、前記出力先選択手段によって分割されたライン画像データを一時的に格納するバッファ手段を更に有することを特徴とする画像形成装置。
  9. 光源手段からの光ビームを往復運動する可動ミラーにより往復運動する偏向手段により走査する偏向手段を有する光走査モジュールを、主走査方向に走査ラインが一直線になるよう複数基配列してなる光走査装置により画像を記録する画像記録方法であって、
    前記光走査モジュールの各々に対応してライン画像データを分割して振り分け、
    分割したライン画像データに基づいて前記光源手段を変調し、
    前記光走査モジュールの各々において、前記往復運動のうち往期間のみに画像記録を行い、
    さらに、前記可動ミラーの最大振れ角をθ0、画像記録を行う振れ角をθsとしたとき、
    前記光走査モジュールの各々において、前記往期間の走査開始側に隣接する光走査モジュールに対して、順次、走査周波数の1/2周期に、θs/θ0を乗じた分だけ、位相が遅れるように、記録開始のタイミングをずらすことを特徴とする画像記録方法。
  10. 請求項に記載の画像記録方法であって、
    前記偏向手段は、軸支持される前記可動ミラーと可動ミラーに一定の周期で回動力を与えて往復振動させ、
    前記可動ミラーの1周期毎に、前記分割したライン画像データにより、前記光源手段からの光ビームを変調し、
    変調した光ビームを前記可動ミラーにより偏向しながら感光体に投射し、該感光体上に画像を記録する
    ことを特徴とする画像記録方法。
  11. 請求項又は10のうちいずれか一項に記載の画像記録方法であって、
    振り分けられる前記分割したライン画像データの先頭画素Lnを変更することを特徴とする画像記録方法。
  12. 請求項11に記載の画像記録方法であって、
    前記先頭画素Lnとあらかじめ設定された基準値Ln0との差分Ln−Ln0≧0に相当する空白データを分割ライン画像データの先頭に付与することを特徴とする画像記録方法。
JP2001065610A 2001-03-08 2001-03-08 光走査装置、画像形成装置及び画像記録方法 Expired - Fee Related JP4695276B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001065610A JP4695276B2 (ja) 2001-03-08 2001-03-08 光走査装置、画像形成装置及び画像記録方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001065610A JP4695276B2 (ja) 2001-03-08 2001-03-08 光走査装置、画像形成装置及び画像記録方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2002267966A JP2002267966A (ja) 2002-09-18
JP4695276B2 true JP4695276B2 (ja) 2011-06-08

Family

ID=18924229

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001065610A Expired - Fee Related JP4695276B2 (ja) 2001-03-08 2001-03-08 光走査装置、画像形成装置及び画像記録方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4695276B2 (ja)

Families Citing this family (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003066362A (ja) * 2001-08-23 2003-03-05 Olympus Optical Co Ltd 光偏向器
JP2005305770A (ja) * 2004-04-20 2005-11-04 Seiko Epson Corp 画像形成装置および画像形成方法
JP4662244B2 (ja) * 2005-03-09 2011-03-30 株式会社リコー 光走査装置と光走査系およびこれを用いた画像形成装置とプリンタ
US8199389B2 (en) 2008-03-10 2012-06-12 Ricoh Company, Ltd. Vibration elements
JP5393043B2 (ja) * 2008-03-14 2014-01-22 キヤノン株式会社 画像表示装置、画像表示方法
JP5593055B2 (ja) * 2009-10-30 2014-09-17 京セラドキュメントソリューションズ株式会社 光走査装置及びこれを備えた画像形成装置
JP5515893B2 (ja) * 2010-03-16 2014-06-11 株式会社リコー 光書き込み装置、画像形成装置及び光書き込み装置の制御方法

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS54150140A (en) * 1978-05-17 1979-11-26 Ricoh Co Ltd Recorder
JPS62169575A (ja) * 1986-01-22 1987-07-25 Hitachi Ltd プリンタの光ビ−ム走査装置
JPH0480709A (ja) * 1990-07-23 1992-03-13 Brother Ind Ltd 光線走査装置
JPH08142412A (ja) * 1994-11-25 1996-06-04 Ricoh Co Ltd マルチビームレーザ記録装置
JP2000241740A (ja) * 1999-02-19 2000-09-08 Copyer Co Ltd レーザ光式記録方法および装置

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS54150140A (en) * 1978-05-17 1979-11-26 Ricoh Co Ltd Recorder
JPS62169575A (ja) * 1986-01-22 1987-07-25 Hitachi Ltd プリンタの光ビ−ム走査装置
JPH0480709A (ja) * 1990-07-23 1992-03-13 Brother Ind Ltd 光線走査装置
JPH08142412A (ja) * 1994-11-25 1996-06-04 Ricoh Co Ltd マルチビームレーザ記録装置
JP2000241740A (ja) * 1999-02-19 2000-09-08 Copyer Co Ltd レーザ光式記録方法および装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2002267966A (ja) 2002-09-18

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4986479B2 (ja) 光走査装置および画像形成装置
JP4673115B2 (ja) 光走査装置、およびそれを用いた画像形成装置
JP5493240B2 (ja) 光走査装置及び画像形成装置
JP4653473B2 (ja) 光走査装置・画像形成装置
US20020122217A1 (en) Optical scanning module, device, and method, and imaging apparatus
US20080062491A1 (en) Light-source device, optical scanning device, and image forming apparatus
JP2009192563A (ja) 光走査装置及び画像形成装置
JP4689462B2 (ja) 光走査装置・画像形成装置
JP4975917B2 (ja) 光走査方法、光走査モジュール、光走査装置、画像形成装置
JP2004279947A (ja) 光走査装置および画像形成装置
JP4921738B2 (ja) 光走査装置及び画像形成装置
JP4695276B2 (ja) 光走査装置、画像形成装置及び画像記録方法
JP4970865B2 (ja) 偏向装置、光走査装置及び画像形成装置
JP4398676B2 (ja) 偏向ミラー、光走査装置および画像形成装置
JP2002258183A (ja) 光走査装置及び画像形成装置
JP4841086B2 (ja) 画像形成装置
JP4420271B2 (ja) 光走査装置及び画像形成装置
JP4575628B2 (ja) 光偏向器及びその製造方法、光走査モジュール、光走査装置、画像形成装置、画像表示装置
JP4369665B2 (ja) 光走査装置・画像形成装置
JP4667624B2 (ja) 光走査装置及び画像形成装置
JP2004191416A (ja) 光走査装置および画像形成装置
JP2007086496A (ja) 光走査装置および画像形成装置
JP5034094B2 (ja) 光走査装置、および画像形成装置
JP2008065045A (ja) 光源装置および光走査装置ならびに画像形成装置
JP2009031364A (ja) 光走査装置及びこれを搭載する画像形成装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20080215

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20100701

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100727

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100917

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20101012

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20101222

A911 Transfer of reconsideration by examiner before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20110106

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20110201

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20110225

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140304

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees